(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】リガンド化合物、有機クロム化合物及びそれらを含む触媒組成物
(51)【国際特許分類】
C07F 19/00 20060101AFI20240709BHJP
C07C 2/32 20060101ALI20240709BHJP
C07C 11/107 20060101ALI20240709BHJP
C07C 11/02 20060101ALI20240709BHJP
B01J 31/22 20060101ALI20240709BHJP
C07F 11/00 20060101ALN20240709BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20240709BHJP
【FI】
C07F19/00 CSP
C07C2/32
C07C11/107
C07C11/02
B01J31/22 M
C07F11/00 A
C07B61/00 300
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501241
(86)(22)【出願日】2023-03-03
(85)【翻訳文提出日】2024-01-10
(86)【国際出願番号】 KR2023002972
(87)【国際公開番号】W WO2023177130
(87)【国際公開日】2023-09-21
(31)【優先権主張番号】10-2022-0031621
(32)【優先日】2022-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ソク・ピル・サ
(72)【発明者】
【氏名】ソク・スン・キム
(72)【発明者】
【氏名】テ・ヒ・キム
(72)【発明者】
【氏名】スン・ファン・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ウン・ジ・シン
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・ホ・チョ
(72)【発明者】
【氏名】ウォン・テク・リム
(72)【発明者】
【氏名】ヒ・ジョン・キム
【テーマコード(参考)】
4G169
4H006
4H039
4H050
【Fターム(参考)】
4G169AA03
4G169AA06
4G169AA09
4G169AA11
4G169BA27A
4G169BA27B
4G169BA28A
4G169BA28B
4G169BA43C
4G169BA44C
4G169BC15A
4G169BC16A
4G169BC58A
4G169BC58B
4G169BD03A
4G169BE05A
4G169BE05B
4G169BE07A
4G169BE07B
4G169BE08C
4G169BE11C
4G169BE13A
4G169BE13B
4G169BE14A
4G169BE14B
4G169BE21A
4G169BE21B
4G169BE25A
4G169BE25B
4G169BE32A
4G169BE32B
4G169BE33C
4G169BE34A
4G169BE34B
4G169BE36A
4G169BE36B
4G169BE37A
4G169BE37B
4G169BE38A
4G169BE38B
4G169BE46C
4G169CB47
4G169DA04
4G169FA01
4G169FA08
4G169FB05
4G169FB46
4G169FC02
4G169FC04
4H006AA02
4H006AC29
4H006BA09
4H006BA14
4H006BA31
4H006BA48
4H039CL19
4H050AA01
4H050AA03
4H050AB40
4H050AB82
(57)【要約】
本発明は、高い触媒活性を示しながらも、高い1-ヘキセン及び1-オクテンの選択性を示し、優れた効率でエチレンオリゴマー化を行うことができる新規な構造のリガンド化合物、有機クロム化合物、前記有機クロム化合物を含む触媒組成物及びそれを用いたエチレンのオリゴマー化方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表されるリガンド化合物:
[化学式1]
【化1】
前記化学式1において、
R
1~R
4はそれぞれ独立してトリアルキルシリル基であり、ここで、アルキル基は炭素数1~4のアルキル基であり、
R
5は下記化学式2~4のいずれか一つで表される置換基であり、
[化学式2]
【化2】
[化学式3]
【化3】
[化学式4]
【化4】
前記化学式2~4において、
X
1~X
6はそれぞれ独立して、-(CR
6R
7)
n-、-O-又は-S-であり、且つ全て同時に-O-又は-S-ではなく、nは0又は1~3から選択された整数であり、
R
6及びR
7はそれぞれ独立して水素、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のトリフルオロアルキル基、炭素数6~10のアリール基、又は-NR
8R
9であり、
R
8及びR
9はそれぞれ独立して水素又は炭素数1~5のアルキル基であり、
*は化学式1のNと結合する部位を意味する。
【請求項2】
R
1~R
4はそれぞれ独立してトリプロピルシリル基又はトリブチルシリル基である、請求項1に記載のリガンド化合物。
【請求項3】
R
5は前記化学式2~4のいずれか一つで表される置換基であり、
X
1、X
2及びX
5はそれぞれ独立して-(CR
6R
7)
n-であり、
X
3及びX
4はそれぞれ独立して-(CR
6R
7)
n-又は-O-であり、且つX
3及びX
4が同時に-O-ではなく、
X
6は-S-であり、
R
6及びR
7はそれぞれ独立して水素、炭素数1~5のトリフルオロアルキル基、炭素数6~10のアリール基、又は-NR
8R
9であり、
R
8及びR
9はそれぞれ独立して水素又は炭素数1~5のアルキル基である、請求項1に記載のリガンド化合物。
【請求項4】
R
5は前記化学式2で表される置換基であり、
X
1及びX
5は-CH
2-であり、
X
2~X
4はそれぞれ独立して、-(CR
6R
7)
n-、-O-又は-S-であり、且つ全て同時に-O-又は-S-ではなく、
R
6及びR
7はそれぞれ独立して水素、炭素数1~5のトリフルオロアルキル基、炭素数6~10のアリール基、又は-NR
8R
9であり、
R
8及びR
9はそれぞれ独立して水素又は炭素数1~3のアルキル基である、請求項1に記載のリガンド化合物。
【請求項5】
前記化学式1で表されるリガンド化合物は、下記化学式2-1~化学式2-14で表されるリガンド化合物からなる群から選択された1種である、請求項4に記載のリガンド化合物:
[化学式2-1]
【化5】
[化学式2-2]
【化6】
[化学式2-3]
【化7】
[化学式2-4]
【化8】
[化学式2-5]
【化9】
[化学式2-6]
【化10】
[化学式2-7]
【化11】
[化学式2-8]
【化12】
[化学式2-9]
【化13】
[化学式2-10]
【化14】
[化学式2-11]
【化15】
[化学式2-12]
【化16】
[化学式2-13]
【化17】
[化学式2-14]
【化18】
【請求項6】
R
5は前記化学式3で表される置換基であり、
X
6は-O-又は-S-である、請求項1に記載のリガンド化合物。
【請求項7】
前記化学式1で表されるリガンド化合物は、下記化学式3-1又は化学式3-2で表される、請求項6に記載のリガンド化合物:
[化学式3-1]
【化19】
[化学式3-2]
【化20】
【請求項8】
前記化学式1で表されるリガンド化合物は、下記化学式4-1又は化学式4-2で表される、請求項1に記載のリガンド化合物:
[化学式4-1]
【化21】
[化学式4-2]
【化22】
【請求項9】
請求項1に記載のリガンド化合物及び前記リガンド化合物に配位されたクロムを含む、有機クロム化合物。
【請求項10】
前記化学式1で表されるリガンド化合物において、N及び2つのPのいずれか一つ以上の非共有電子対がクロムに配位された形態である、請求項9に記載の有機クロム化合物。
【請求項11】
請求項1に記載のリガンド化合物、クロム及び助触媒を含む、触媒組成物。
【請求項12】
前記クロムはクロム源に由来し、
前記クロム源は、クロム(III)アセチルアセトネート、クロム(III)クロリドテトラヒドロフラン、クロム(III)2-エチルヘキサノエート、クロム(III)アセテート、クロム(III)ブチレート、クロム(III)ペンタノエート、クロム(III)ラウレート、クロム(III)トリス(2,2,6,6-テトラメチル-3.5-ヘプタンジオネート)及びクロム(III)ステアレートからなる群から選択された1種以上を含む、請求項11に記載の触媒組成物。
【請求項13】
前記助触媒は、下記化学式5~8で表される化合物からなる群から選択された1種以上である、請求項11に記載の触媒組成物:
[化学式5]
-[Al(R
10)-O]
a-
前記化学式5において、
R
10はそれぞれ独立してハロゲン基、炭素数1~20のヒドロカルビル基、又はハロゲン基で置換された炭素数1~20のヒドロカルビル基であり、
aは2以上の整数であり、
[化学式6]
E(R
11)
3
前記化学式6において、
Eはアルミニウム又はボロンであり、
R
11はそれぞれ独立して水素、ハロゲン基、炭素数1~20のヒドロカルビル基、又はハロゲン基で置換された炭素数1~20のヒドロカルビル基であり、
[化学式7]
[L-H]
+[G(Y)
4]
-
[化学式8]
[L]
+[G(Y)
4]
-
前記化学式7及び8において、
Lは中性又はカチオン性ルイス酸であり、
[L-H]
+はブレンステッド酸であり、
Gは13族元素であり、
Yは、それぞれ独立して置換又は非置換の炭素数1~20のアルキル基、あるいは置換又は非置換の炭素数6~20のアリール基であり、ここで、アルキル基又はアリール基が置換される場合、置換基はハロゲン基、炭素数1~20のヒドロカルビル基、炭素数1~20のアルコキシ基、又は炭素数6~20のアリールオキシ基である。
【請求項14】
請求項11に記載の触媒組成物の存在下で、エチレンをオリゴマー化するステップ(S10)を含む、直鎖状α-オレフィンの製造方法。
【請求項15】
前記直鎖状α-オレフィンは、1-ヘキセン、1-オクテン又はそれらの混合物である、請求項14に記載の直鎖状α-オレフィンの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2022年3月14日付けで出願された韓国特許出願第10-2022-0031621号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、リガンド化合物、有機クロム化合物、前記有機クロム化合物を含む触媒組成物及びそれを用いたエチレンオリゴマー化方法に関する。
【背景技術】
【0003】
1-ヘキセン、1-オクテンなどのような直鎖状α-オレフィン(Linear alpha-olefin)は、洗浄剤、潤滑剤、可塑剤などに使用され、特に直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の製造時に、ポリマーの密度調節のための共単量体として主に使用されている。
【0004】
従来のLLDPE(Linear Low-Density Polyethylene、直鎖状低密度ポリエチレン)の製造過程では、エチレンと共にポリマー骨格(polymer backbone)に分岐(branch)を形成して密度(density)を調節するためにα-オレフィン、例えば、1-ヘキセン、1-オクテンのような共単量体との共重合がなされるようにした。
【0005】
したがって、共単量体の含量が高いLLDPEを製造するためには、共単量体の価格が製造コストの大部分を占めるという問題点があった。このような問題点を解決するために様々な試みが行われてきた。
【0006】
このような直鎖状α-オレフィンは、シェル高級オレフィンプロセス(Shell Higher Olefin Process)によって主に生産された。しかし、前記方法はシュルツ-フローリー(Schultz-Flory)分布に応じて様々な長さのα-オレフィンが同時に合成されるため、特定のα-オレフィンを得るためには別途の分離工程を経なければならないという煩わしさがあった。
【0007】
このような問題点を解決するために、エチレンの三量化反応によって1-ヘキセンを選択的に合成するか、又はエチレンの四量化反応を介して1-オクテンを選択的に合成する方法が提案された。そして、このような選択的なエチレンのオリゴマー化を可能にする触媒システムに関する多くの研究が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明で解決しようとする課題は、高い触媒活性を示しながらも、高い1-ヘキセン及び1-オクテンの選択性を示し、優れた効率でエチレンオリゴマー化を行うことができる新規な構造のリガンド化合物、有機クロム化合物及びそれを含む触媒組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本発明は、リガンド化合物、有機クロム化合物、触媒組成物及びエチレンオリゴマー化方法を提供する。
【0011】
(1)本発明は、下記化学式1で表されるリガンド化合物を提供する。
【0012】
[化学式1]
【化1】
前記化学式1において、R
1~R
4はそれぞれ独立してトリアルキルシリル基であり、ここで、アルキル基は炭素数1~4のアルキル基であり、R
5は下記化学式2~4のいずれか一つで表される置換基であり、
[化学式2]
【化2】
[化学式3]
【化3】
[化学式4]
【化4】
前記化学式2~4において、X
1~X
6はそれぞれ独立して、-(CR
6R
7)
n-、-O-又は-S-であり、且つ全て同時に-O-又は-S-ではなく、nは0又は1~3から選択された整数であり、R
6及びR
7はそれぞれ独立して水素、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のトリフルオロアルキル基、炭素数6~10のアリール基、又は-NR
8R
9であり、R
8及びR
9はそれぞれ独立して水素又は炭素数1~5のアルキル基であり、*は化学式1のNと結合する部位を意味する。
【0013】
(2)本発明は、前記(1)において、R1~R4はそれぞれ独立してトリプロピルシリル基又はトリブチルシリル基であるリガンド化合物を提供する。
【0014】
(3)本発明は、前記(1)又は(2)において、R5は前記化学式2~4のいずれか一つで表される置換基であり、X1、X2及びX5はそれぞれ独立して-(CR6R7)n-であり、X3及びX4はそれぞれ独立して-(CR6R7)n-又は-O-であり、且つX3及びX4が同時に-O-ではなく、X6は-S-であり、R6及びR7はそれぞれ独立して水素、炭素数1~5のトリフルオロアルキル基、炭素数6~10のアリール基、又は-NR8R9であり、R8及びR9はそれぞれ独立して水素又は炭素数1~5のアルキル基であるリガンド化合物を提供する。
【0015】
(4)本発明は、前記(1)~(3)のいずれか一つにおいて、R5は前記化学式2で表される置換基であり、X1及びX5は-CH2-であり、X2~X4はそれぞれ独立して、-(CR6R7)n-、-O-又は-S-であり、且つ全て同時に-O-又は-S-ではなく、R6及びR7はそれぞれ独立して水素、炭素数1~5のトリフルオロアルキル基、炭素数6~10のアリール基、又は-NR8R9であり、R8及びR9はそれぞれ独立して水素又は炭素数1~3のアルキル基であるリガンド化合物を提供する。
【0016】
(5)本発明は、前記(1)~(4)のいずれか一つにおいて、前記化学式1で表されるリガンド化合物は、下記化学式2-1~化学式2-14で表されるリガンド化合物からなる群から選択された1種であるリガンド化合物を提供する。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
(6)本発明は、前記(1)~(3)のいずれか一つにおいて、R5は前記化学式3で表される置換基であり、X6は-O-又は-S-であるリガンド化合物を提供する。
【0032】
(7)本発明は、前記(1)~(3)及び(6)のいずれか一つにおいて、前記化学式1で表されるリガンド化合物は、下記化学式3-1又は化学式3-2で表されるリガンド化合物を提供する。
【0033】
【0034】
【0035】
(8)本発明は、前記(1)~(3)のいずれか一つにおいて、前記化学式1で表されるリガンド化合物は、下記化学式4-1又は化学式4-2で表されるリガンド化合物を提供する。
【0036】
【0037】
【0038】
(9)本発明は、前記(1)~(8)のいずれか一つに記載のリガンド化合物及び前記リガンド化合物に配位されたクロムを含む有機クロム化合物を提供する。
【0039】
(10)本発明は、前記(9)において、前記化学式1で表されるリガンド化合物におけるN及び2つのPのいずれか一つ以上の非共有電子対がクロムに配位された形態である有機クロム化合物を提供する。
【0040】
(11)本発明は、前記(1)~(8)のいずれか一つに記載のリガンド化合物、クロム及び助触媒を含む触媒組成物。
【0041】
(12)本発明は、前記(11)において、前記クロムはクロム源に由来し、前記クロム源はクロム(III)アセチルアセトネート、クロム(III)クロリドテトラヒドロフラン、クロム(III)2-エチルヘキサノエート、クロム(III)アセテート、クロム(III)ブチレート、クロム(III)ペンタノエート、クロム(III)ラウレート、クロム(III)トリス(2,2,6,6-テトラメチル-3.5-ヘプタンジオネート)及びクロム(III)ステアレートからなる群から選択された1種以上を含むものである触媒組成物を提供する。
【0042】
(13)本発明は、前記(11)又は(12)において、前記助触媒は、下記化学式5~8で表される化合物からなる群から選択された1種以上である触媒組成物を提供する。
【0043】
[化学式5]
-[Al(R10)-O]a-
前記化学式5において、R10はそれぞれ独立してハロゲン基、炭素数1~20のヒドロカルビル基、又はハロゲン基で置換された炭素数1~20のヒドロカルビル基であり、aは2以上の整数であり、
[化学式6]
E(R11)3
前記化学式6において、Eはアルミニウム又はボロンであり、R11はそれぞれ独立して水素、ハロゲン基、炭素数1~20のヒドロカルビル基、又はハロゲン基で置換された炭素数1~20のヒドロカルビル基であり、
[化学式7]
[L-H]+[G(Y)4]-
[化学式8]
[L]+[G(Y)4]-
前記化学式7及び8において、Lは中性又はカチオン性ルイス酸であり、[L-H]+はブレンステッド酸であり、Gは13族元素であり、Yはそれぞれ独立して置換又は非置換の炭素数1~20のアルキル基、あるいは置換又は非置換の炭素数6~20のアリール基であり、ここで、アルキル基又はアリール基が置換される場合、置換基はハロゲン基、炭素数1~20のヒドロカルビル基、炭素数1~20のアルコキシ基、又は炭素数6~20のアリールオキシ基である。
【0044】
(14)本発明は、前記(11)~(13)のいずれか一つに記載の触媒組成物の存在下で、エチレンをオリゴマー化するステップ(S10)を含む直鎖状α-オレフィンの製造方法を提供する。
【0045】
(15)本発明は、前記(14)において、前記直鎖状α-オレフィンは、1-ヘキセン、1-オクテン又はそれらの混合物である直鎖状α-オレフィンの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0046】
本発明のリガンド化合物を含む有機クロム化合物及び触媒組成物を用いてエチレンオリゴマー化を行う場合、高い触媒活性から生産性に優れながらも、高い1-ヘキセン及び1-オクテンの選択性で直鎖状α-オレフィンを製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明に対する理解を助けるために、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0048】
本発明の説明及び特許請求の範囲で使用される用語や単語は、一般的又は辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は、その自身の発明を最良の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に則り、本発明の技術的思想に合致する意味及び概念として解釈されるべきである。
【0049】
リガンド化合物
本発明は、エチレンオリゴマー化反応に用いられる触媒に適用可能なリガンド化合物を提供する。前記リガンド化合物をエチレンオリゴマー化反応、具体的に、直鎖状α-オレフィン形成用触媒組成物に適用する場合、優れた触媒活性を示しながらも直鎖状α-オレフィンに対する選択度が高く、特に、従来のPNP系触媒と比較したとき、同じ反応条件下でも固形ポリエチレンの生成量が少ないため、直鎖状α-オレフィンをより効率的に製造することができる。
【0050】
本発明の一実施形態によれば、前記リガンド化合物が配位された有機クロム化合物は、エチレンを用いた直鎖状α-オレフィンの製造に活用されることができ、エチレン条件下の反応でオリゴマー化反応が進行し、液状形態のα-オレフィン、具体的には、液状形態の1-ヘキセン又は1-オクテンを高い選択度で形成することができる。これは、エチレンのオリゴマー化反応において金属含有環化合物(メタラサイクル;metallacycle)を形成する遷移状態を通じて特定の長さのα-オレフィンに対する選択性が高くなるためである。
【0051】
本発明の一実施形態によれば、前記リガンド化合物はジホスフィノアミニル残基(diphosphino aminyl moiety)を含み、前記ジホスフィノアミニル残基の末端に特定の置換基を有するアリールが連結されており、それ自体で強い電子供与グループの役割を果たすことができる形態を有することができる。このような構造的特徴に起因して、前記リガンド化合物はエチレンのオリゴマー化触媒システムに適用されて高い活性を示すことができ、特に1-ヘキセン、1-オクテンなどに対する高い選択性を示すことができる。これは、それぞれの隣接したクロム活性点の間の相互作用によるものと見なすことができ、特に、ジホスフィノアミニルのリン(P)原子に特定の置換基が置換されたアリールが連結される場合、ジホスフィノアミニルに含まれたリン(P)原子及び窒素(N)原子において電子密度が増加し、リガンド化合物全体の電気的、立体的性質が変化するためである。これにより、リガンドとクロム原子との間の結合に変化が生じ、触媒の構造がさらに安定することができ、従来のメタラシクロヘプタン(metallacycloheptane)、又はメタラシクロノナン(metallacyclononane)の形態に比べて、遷移状態のエネルギー(活性化エネルギー)を変化させ、より高い活性及び選択性でα-オレフィンを形成できるようになり、ポリエチレンワックス(PE Wax)のような分子量の大きい固形α-オレフィンなどの副産物の量をさらに減少させることができる。
【0052】
本発明の一実施形態によれば、前記リガンド化合物は、ジホスフィノアミニル残基の末端に位置するフェニルが、パラ(para)位に特定の炭素数のアルキル基で置換されたシリル基を置換基として有することを特徴とする。前記フェニルのパラ(para)位に置換された置換基は、2分子のリガンド化合物がクロム原子に結合して非活性種が生成されることを防止し、窒素-リン結合の回転可能性を低くして触媒からリガンド化合物が解離することを防ぐため、安定性が高く活性及び選択性に優れたクロム触媒が製造されることができる。
【0053】
本発明の一実施形態によれば、前記リガンド化合物は、2つのリン原子が結合している窒素原子にシクロアルキル基又はフェニル基のようなバルキー(bulky)な置換基と結合しており、窒素に結合したバルキーな置換基は、窒素とリンの結合が回転することを防止して触媒の安定性及び活性をさらに向上させることができる。
【0054】
本発明の一実施形態によれば、前記リガンド化合物は、ジホスフィノアミニル残基の末端に位置するフェニルが、パラ位に特定の炭素数のアルキル基で置換されたシリル基を置換基として有する以外にも、窒素原子に置換された置換基の立体的、電気的特性から触媒活性、選択性及び安定性を特に向上させることができる。具体的に、1-ヘキセンと1-オクテンを製造するためには、メタラサイクル(metallacycle)を介して反応が進行しなければならず、メタラシクロヘプタン(metallacycloheptane)及びメタラシクロノナン(metallacyclononane)中間体を効果的に形成しなければならない。このとき、メタラサイクル(metallacycle)が形成されず、一般的なエチレン重合が進行すると、選択度は著しく減少し、ポリエチレン重合体による工程問題により、工程運転が実施できないという問題が発生する。また、メタラサイクル(metallacycle)を形成しながら反応が進行する場合においても、methylcyclopentane又はmethylenecyclopenteneなどのような炭素数6の副産物が形成される方向に反応が進行する場合も発生する。また、1-ヘキセン及び1-オクテンがエチレンの三量化及び四量化反応に再び関与して炭素数10~14の複雑な化合物が製造されることが主な副産物生成反応に該当し、これを効果的に減少させるためには、リガンド化合物の窒素原子が適切な置換基を有することが非常に重要である。これに関し、本発明のリガンド化合物に従って、リガンド化合物が窒素原子に化学式1のR5で表される置換基、具体的な例として、シクロヘキシル基のようなシクロアルキル基に様々な置換基が導入された置換基を導入するか、酸素、硫黄などのヘテロ原子が含まれた環化合物を置換基として導入すると、適切な立体障害を形成して、ポリエチレンへの重合反応や、前記副産物生成により進行するメカニズムで反応が進行しないように防止することができ、効果的にメタラサイクル(metallacycle)メカニズムによる反応を誘導し、1-ヘキセン及び1-オクテンに対する高い選択度を確保することができる。また、リガンド化合物が窒素原子に前記置換基を含む場合、立体的効果及び電気的効果により、メタラサイクル(metallacycle)メカニズムによる反応の活性化エネルギーを下げることができ、これにより、同じ温度及び圧力の条件でもさらに容易に反応が起こることができ、オリゴマー化反応の活性が向上する。このように、本発明に係るリガンド化合物の新規置換基の導入は、性能が大幅に改善されたオリゴマー化触媒の開発を可能にし、商業化のレベルを大きく向上させ、さらに優れた経済性を確保することができる。
【0055】
本発明の一実施形態によれば、前記リガンド化合物は、下記化学式1で表されるものであってもよい。
【0056】
【0057】
前記化学式1において、R1~R4はそれぞれ独立してトリアルキルシリル基であってもよく、ここで、アルキル基は炭素数1~4のアルキル基であってもよく、R5は下記化学式2~4のいずれか一つで表される置換基であってもよい。
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
前記化学式2~4において、X1~X6はそれぞれ独立して、-(CR6R7)n-、-O-又は-S-であり、且つ全て同時に-O-又は-S-ではなくてもよく、nは0又は1~3から選択された整数であり、R6及びR7はそれぞれ独立して水素、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のトリフルオロアルキル基、炭素数6~10のアリール基、又は-NR8R9であってもよく、R8及びR9はそれぞれ独立して水素又は炭素数1~5のアルキル基であってもよく、*は化学式1のNと結合する部位を意味する。
【0062】
本発明において「アルキル基」とは、直鎖状、環状又は分岐状の炭化水素残基を意味することができ、具体的な例としては、定義される炭素数に応じてメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基及びヘキシル基などであってもよい。
【0063】
本発明において、「トリアルキルシリル基」は-SiR3で表され、それぞれのRが独立してアルキル基である置換基を意味し、トリアルキルシリル基の炭素数を言及する場合には、Rの炭素数を全て合わせた値を意味することができる。
【0064】
本発明において「アリール」とは、特に断りのない限り、任意に置換されたベンゼン環を称するか、又は一つ以上の任意の置換基を融合させることによって形成され得る環システムを称する。例示的な任意の置換基は、置換の炭素数1~2のアルキル基、置換の炭素数2~3のアルケニル基、置換の炭素数2~3のアルキニル基、ヘテロアリール基、ヘテロ環状基、アリール基、任意に1~3個のフッ素置換基を有するアルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アシル、アロイル、ヘテロアロイル、アシルオキシ、アロイルオキシ、ヘテロアロイルオキシ、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、アミノスルホニル、スルホニルアミノ、カルボキシアミド、アミノカルボニル、カルボキシ、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、ニトロ、シアノ、ハロゲン又はウレイドを含む。このような環又は環系は、任意に一つ以上の置換基を有するアリール環(例えば、ベンゼン環)、炭素環式環又はヘテロ環状環に任意に融合することができる。非制限的に、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、ビフェニル、インダニル、アントラシル又はフェナントリル及びそれらの置換された誘導体を含むことができる。
【0065】
本発明の一実施形態によれば、R1~R4はそれぞれ独立してトリプロピルシリル基又はトリブチルシリル基であってもよい。すなわち、前記リガンド化合物は、ジホスフィノアミニル残基の末端に位置するフェニルがパラ(para)位に炭素数3又は4のアルキル基で置換されたシリル基を置換基として有するものであってもよい。
【0066】
本発明の一実施形態によれば、R5は前記化学式2~4のいずれか一つで表される置換基であってもよく、X1、X2及びX5はそれぞれ独立して-(CR6R7)n-であってもよく、X3及びX4はそれぞれ独立して-(CR6R7)n-又は-O-であり、且つX3及びX4が同時に-O-ではなくてもよく、X6は-S-であってもよく、R6及びR7はそれぞれ独立して水素、炭素数1~5のトリフルオロアルキル基、炭素数6~10のアリール基、又は-NR8R9であってもよく、R8及びR9はそれぞれ独立して水素又は炭素数1~5のアルキル基であってもよい。また、nは1又は2であってもよく、全て同時に2ではなくてもよい。
【0067】
本発明の一実施形態によれば、前記リガンド化合物は、R5が前記化学式2で表される置換基であってもよく、X1及びX5は-CH2-であってもよく、X2~X4はそれぞれ独立して、-(CR6R7)n-、-O-又は-S-であり、且つ全て同時に-O-又は-S-ではなくてもよく、R6及びR7はそれぞれ独立して水素、炭素数1~5のトリフルオロアルキル基、炭素数6~10のアリール基、又は-NR8R9であってもよく、R8及びR9はそれぞれ独立して水素又は炭素数1~3のアルキル基であるものであってもよい。具体的な例として、前記化学式1で表されるリガンド化合物は、下記化学式2-1~化学式2-14で表されるリガンド化合物からなる群から選択された1種であってもよい。
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
本発明の一実施形態によれば、前記リガンド化合物は、R5が前記化学式3で表される置換基であり、X6は-O-又は-S-であるものであってもよい。具体的な例として、前記化学式1で表されるリガンド化合物は、下記化学式3-1又は化学式3-2で表されるものであってもよい。
【0083】
【0084】
【0085】
本発明の一実施形態によれば、前記リガンド化合物は、下記化学式4-1又は化学式4-2で表されるものであってもよい。
【0086】
【0087】
【0088】
本発明の一実施形態によれば、前記リガンド化合物は、前記具体例以外にも、前述の条件を満たす範囲で様々な組み合わせで実現されることができ、化学式1で表される化合物であれば、いずれも本発明のリガンド化合物として適用可能である。
【0089】
有機クロム化合物及び触媒組成物
本発明は、前記化学式1で表されるリガンド化合物及び前記リガンド化合物に配位されたクロム(Cr)を含む有機クロム化合物を提供する。
【0090】
本発明の一実施形態によれば、前記有機クロム化合物は、前記リガンド化合物のクロム錯化合物(complex compound)であって、クロム源のクロムが化学式1で表されるリガンド化合物において、N及び2つのPのいずれか一つ以上の非共有電子対が配位結合をなした形態を有することができる。すなわち、ジホスフィノアミニル残基のリン原子又は窒素原子がクロム原子に非共有電子対を提供した構造であって、特に、このうち2対の非共有電子対が配位された二座(bidentated)状態が好ましいと言える。このような有機クロム化合物は、エチレンのオリゴマー化反応用触媒システムに適用され、優れた触媒活性及び1-ヘキセン又は1-オクテンに対する高い選択性を示すことができる。
【0091】
本発明において「触媒組成物」とは、クロム源、リガンド化合物及び助触媒を含む3成分、又は遷移金属化合物及び助触媒の2成分が同時に又は任意の順序で添加されて活性のある触媒組成物として収得され得る状態のものを意味する。ここで、触媒組成物は触媒システムとも称することができ、本発明において触媒組成物と触媒システムは同じ意味を示す。前記触媒組成物の3成分又は2成分は、溶媒及び単量体の存在又は不存在下で添加されることができ、担持又は非担持の状態で使用されることができる。
【0092】
本発明は、前記リガンド化合物、クロム及び助触媒を含む触媒組成物を提供する。前記化学式1で表されるリガンド化合物とクロムは、前述のように、配位されて有機クロム化合物を形成することができる。すなわち、前記触媒システムは、クロム、前記化学式1で表されるリガンド化合物及び助触媒を含む3成分系触媒システムであるか、前記有機クロム化合物及び助触媒を含む2成分系触媒システムであることができる。具体的な例として、前記触媒組成物は、前記リガンド化合物及び前記リガンド化合物に配位されたクロムを含む有機クロム化合物及び助触媒を含むものであってもよい。また、前記触媒組成物は、前記有機クロム化合物に助触媒の一部の成分が結合したクロム化合物を含むものであってもよい。
【0093】
本発明の一実施形態によれば、前記クロムはクロム源に由来するものであってもよく、クロム源は、クロムの酸化状態が0~6の有機又は無機クロム化合物であってもよい。具体的な例として、前記クロム源は、クロム金属、又は任意の有機又は無機ラジカルがクロムに結合した化合物であってもよい。ここで、前記有機ラジカルは、ラジカル当たり1~20の炭素原子を有するアルキル、アルコキシ、エステル、ケトン、アミド、カルボキシレートラジカルなどであってもよく、前記無機ラジカルはハライド、硫酸塩、酸化物などであってもよい。
【0094】
本発明の一実施形態によれば、前記クロム源はオレフィンのオリゴマー化に高い活性を示し、使用及び入手が容易である化合物であって、クロム(III)アセチルアセトネート、クロム(III)クロリドテトラヒドロフラン、クロム(III)2-エチルヘキサノエート、クロム(III)アセテート、クロム(III)ブチレート、クロム(III)ペンタノエート、クロム(III)ラウレート、クロム(III)トリス(2,2,6,6-テトラメチル-3.5-ヘプタンジオネート)及びクロム(III)ステアレートからなる群から選択された1種以上の化合物であってもよい。
【0095】
本発明の一実施形態によれば、前記助触媒は、下記化学式5~8で表される化合物からなる群から選択された1種以上であってもよい。
【0096】
[化学式5]
-[Al(R10)-O]a-
【0097】
前記化学式5において、R10はそれぞれ独立してハロゲン基、炭素数1~20のヒドロカルビル基、又はハロゲン基で置換された炭素数1~20のヒドロカルビル基であり、aは2以上の整数である。
【0098】
[化学式6]
E(R11)3
【0099】
前記化学式6において、Eはアルミニウム又はボロンであり、R11はそれぞれ独立して水素、ハロゲン基、炭素数1~20のヒドロカルビル基、又はハロゲン基で置換された炭素数1~20のヒドロカルビル基である。
【0100】
[化学式7]
[L-H]+[G(Y)4]-
【0101】
[化学式8]
[L]+[G(Y)4]-
【0102】
前記化学式7及び8において、Lは中性又はカチオン性ルイス酸であり、[L-H]+はブレンステッド酸であり、Gは13族元素であり、Yはそれぞれ独立して置換又は非置換の炭素数1~20のアルキル基、或いは置換又は非置換の炭素数6~20のアリール基であり、ここで、アルキル基又はアリール基が置換される場合、置換基はハロゲン基、炭素数1~20のヒドロカルビル基、炭素数1~20のアルコキシ基、又は炭素数6~20のアリールオキシ基である。
【0103】
本発明の一実施形態によれば、前記触媒組成物は複数の方法により製造されることができる。具体的な例として、第一に、前記触媒組成物は、前記有機クロム化合物と前記化学式5又は化学式6で表される化合物とを接触させるステップを含んで製造されることができる。第二に、前記触媒組成物は、前記有機クロム化合物と前記化学式5又は化学式6で表される化合物とを接触させて混合物を得るステップと、前記混合物に前記化学式7又は8で表される化合物を添加するステップと、を含んで製造されることができる。第三に、前記触媒組成物は、前記有機クロム化合物と前記化学式7又は8で表される化合物とを接触させるステップを含んで製造されることができる。第四に、前記触媒組成物は、前記有機クロム化合物と前記化学式7又は8で表される化合物とを接触させて混合物を得るステップと、前記混合物に前記化学式5又は化学式6で表される化合物を添加するステップと、を含んで製造されることができる。第五に、前記触媒組成物を、前記クロム源と前記化学式7又は化学式8で表される化合物とを接触させて反応物を得るステップと、前記反応物に前記リガンド化合物を接触させるステップと、を含んで製造されることができる。
【0104】
本発明の一実施形態によれば、前記触媒組成物の製造方法のうち、第一の方法又は第三の方法の場合、前記有機クロム化合物に対する前記化学式5又は化学式6で表される化合物のモル比は、それぞれ1:2~5,000であってよく、具体的な例として1:100~3,000であってよく、さらに具体的な例としては、1:300~1,500であってもよい。この範囲内で有機クロム化合物のアルキル化を完全に進行させ、触媒組成物の活性度を向上させることができ、残留するアルキル化剤間の副反応により、アルキル化された有機クロム化合物の活性化が低下することを防止すると同時に、経済性及び製造された直鎖状α-オレフィンの純度を向上させることができる。
【0105】
本発明の一実施形態によれば、前記触媒組成物の製造方法のうち、第二の方法の場合、前記有機クロム化合物に対する化学式7又は化学式8で表される化合物のモル比は1:1~500であってもよく、具体的な例として1:1~50であってもよく、さらに具体的な例としては1:1~1:25であってもよい。この範囲内で活性化剤の量が十分であり、金属化合物の活性化が完全になされて触媒組成物の活性度が向上し、残留する活性化剤を最小化して、経済性及び製造された直鎖状α-オレフィンの純度を向上させることができる。
【0106】
本発明の一実施形態によれば、前記化学式5で表される化合物はアルキルアルミノキサンであってもよく、具体的な例として、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、ブチルアルミノキサンなどであってもよく、さらに具体的な例としてメチルアルミノキサンであってもよい。
【0107】
本発明の一実施形態によれば、前記化学式6で表される化合物は、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムジハライド、ジアルキルアルミニウムヒドリド、アルキルアルミニウムジヒドリド、トリアルキルボロンなどであってもよい。具体的な例として、前記化学式6で表される化合物は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ-s-ブチルアルミニウム、トリシクロペンチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリイソペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、エチルジメチルアルミニウム、メチルジエチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリ-p-トリルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムクロリド(diethylaluminum chloride)などのジアルキルアルミニウムハライド;ジエチルアルミニウムヒドリド、ジ-n-プロピルアルミニウムヒドリド、ジイソプロピルアルミニウムヒドリド、ジ-n-ブチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド(DIBAH)、ジ-n-オクチルアルミニウムヒドリド、ジフェニルアルミニウムヒドリド、ジ-p-トリルアルミニウムヒドリド、ジベンジルアルミニウムヒドリド、フェニルエチルアルミニウムヒドリド、フェニル-n-プロピルアルミニウムヒドリド、フェニルイソプロピルアルミニウムヒドリド、フェニル-n-ブチルアルミニウムヒドリド、フェニルイソブチルアルミニウムヒドリド、フェニル-n-オクチルアルミニウムヒドリド、p-トリルエチルアルミニウムヒドリド、p-トリル-n-プロピルアルミニウムヒドリド、p-トリルイソプロピルアルミニウムヒドリド、p-トリル-n-ブチルアルミニウムヒドリド、p-トリルイソブチルアルミニウムヒドリド、p-トリル-n-オクチルアルミニウムヒドリド、ベンジルエチルアルミニウムヒドリド、ベンジル-n-プロピルアルミニウムヒドリド、ベンジルイソプロピルアルミニウムヒドリド、ベンジル-n-ブチルアルミニウムヒドリド、ベンジルイソブチルアルミニウムヒドリド又はベンジル-n-オクチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド;n-プロピルアルミニウムジヒドリド、イソプロピルアルミニウムジヒドリド、n-ブチルアルミニウムジヒドリド、イソブチルアルミニウムジヒドリド、又はn-オクチルアルミニウムジヒドリドなどのアルキルアルミニウムジヒドリド;トリメチルボロン、トリエチルボロン、トリイソブチルボロン、トリプロピルボロン、トリブチルボロンなどのトリアルキルボロンなどであってもよい。
【0108】
本発明の一実施形態によれば、前記化学式7又は化学式8で表される化合物は、トリメチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリブチルアンモニウムテトラフェニルボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウムテトラ(p-トリル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラ(p-トリル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラ(p-トリル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(p-トリル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラ(p-トリル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラ(p-トリル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラ(o,p-ジメチルフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラ(o,p-ジメチルフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラ(o,p-ジメチルフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(o,p-ジメチルフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラ(o,p-ジメチルフェニル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラ(o,p-ジメチルフェニル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(p-トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(p-トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(p-トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラキス(p-トリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(p-トリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(p-トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジオクタデシルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリメチルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリエチルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリプロピルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリメチルカルボニウムテトラフェニルボレート、トリエチルカルボニウムテトラフェニルボレート、トリプロピルカルボニウムテトラフェニルボレート、トリブチルカルボニウムテトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウムテトラフェニルアルミネート、トリエチルアンモニウムテトラフェニルアルミネート、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルアルミネート、トリブチルアンモニウムテトラフェニルアルミネート、トリメチルアンモニウムテトラ(p-トリル)アルミネート、トリエチルアンモニウムテトラ(p-トリル)アルミネート、トリプロピルアンモニウムテトラ(p-トリル)アルミネート、トリブチルアンモニウムテトラ(p-トリル)アルミネートなどであってもよい。
【0109】
本発明の一実施形態によれば、前記触媒組成物を形成する成分の含量比は、触媒活性及び直鎖状α-オレフィンに対する選択性などを考慮して決定することができる。具体的な例として、前記触媒組成物が3成分系触媒組成物である場合、前記リガンド化合物のジホスフィノアミニル残基:クロム源:助触媒のモル比は、約1:1:1~約10:1:10,000、又は約1:1:100~5:1:3,000に調節されることができる。また、前記触媒組成物が2成分系触媒組成物である場合、前記有機クロム化合物のジホスフィノアミニル残基:助触媒のモル比は、1:1~1:10,000、又は1:1~1:5,000、又は1:1~1:3,000に調節されることができる。
【0110】
本発明の一実施形態によれば、前記触媒組成物を製造する際に、反応溶媒はペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどのような炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエンなどのような芳香族系溶媒が使用されてもよい。
【0111】
本発明の一実施形態によれば、前記触媒組成物を形成する成分は、同時に又は任意の順序で適切な溶媒及び単量体の存在又は不存在下で添加され、活性のある触媒組成物として作用することができる。このとき、好適な溶媒としては、ヘプタン、トルエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、1-ヘキセン、1-オクテン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン、メタノール、アセトンなどであってもよい。
【0112】
本発明の一実施形態によれば、前記有機クロム化合物及び助触媒は担体に担持された形態で用いることができ、このとき、担体はシリカ又はアルミナであってもよい。
【0113】
本発明の一実施形態によれば、前記触媒組成物は担体をさらに含むことができる。具体的な例として、前記化学式1で表されるリガンド化合物は、担体に担持された形態でエチレンオリゴマー化反応に適用されることができる。前記担体は、担持触媒に適用される金属、金属塩又は金属酸化物などであってもよく、具体的な例として、前記担体はシリカ、シリカ-アルミナ、シリカ-マグネシア等であってもよく、Na2O、K2CO3、BaSO4、Mg(NO3)2等のような金属の酸化物、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩成分を含むことができる。
【0114】
本発明の一実施形態によれば、前記触媒組成物はエチレンの三量化又は四量化反応用として使用されることができ、前述の通りにすることで、高い選択性で、1-ヘキセン又は1-オクテンを製造することができる。
【0115】
エチレンオリゴマー化方法
本発明は、前記触媒組成物の存在下で、エチレンをオリゴマー化するステップ(S10)を含むエチレンオリゴマー化方法として直鎖状α-オレフィンの製造方法を提供する。
【0116】
本発明において「オリゴマー化」とは、オレフィンが小重合されることを意味する。重合されるオレフィンの個数に応じて三量化(trimerization)、四量化(tetramerization)と呼ばれ、これを総称して多量化(multimerization)という。特に本明細書では、エチレンからLLDPEの主要な共単量体である1-ヘキセン及び1-オクテンを選択的に製造することを意味することができる。
【0117】
本発明の一実施形態によれば、前記エチレンのオリゴマー化反応はエチレンの三量化又は四量化反応であってもよく、それによる反応結果物として1-ヘキセン又は1-オクテンが形成され、前記直鎖状α-オレフィンは1-ヘキセン、1-オクテン又はそれらの混合物であるものであってもよい。
【0118】
本発明の一実施形態によれば、前記エチレンのオリゴマー化方法は、エチレンを原料にして、前述した触媒組成物と一般的な装置及び接触技術を適用することで行われることができる。具体的な例として、前記エチレンのオリゴマー化反応は、不活性溶媒の存在又は不存在下で、均質液相反応、あるいは前記触媒組成物の一部又は全部が溶解していない形態であるスラリー反応、又は生成物であるα-オレフィンが主媒質として作用するバルク相反応、又はガス相反応で行われることができる。
【0119】
本発明の一実施形態によれば、前記エチレンのオリゴマー化反応は不活性溶媒下で行われることができる。具体的な例として、前記不活性溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロペンタン、n-ヘキサン、1-ヘキセン、1-オクテン、2,2,4-トリメチルペンタンなどであってもよい。
【0120】
本発明の一実施形態によれば、前記エチレンのオリゴマー化反応は、0℃~200℃、又は0℃~150℃、又は30℃~100℃、又は50℃~100℃の温度下で行われることができる。また、前記反応は、15psig~3000psig、又は15psig~1500psig、又は15psig~1,000psigの圧力下で行われることができる。
【0121】
以下、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の実施形態について詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態で実現されてもよく、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0122】
合成例及び比較合成例
合成例1:化学式2-1で表されるリガンド化合物の合成
【0123】
【0124】
4-(トリプロピルシリル)フェニルブロミド(4-(tripropylsilyl)phenyl bromide)20mmol(2eq)をテトラヒドロフラン20mlに溶解させた後、-78℃に冷却させた。温度を保持しながら、n-ブチルリチウム(n-butyl lithium)20mmol(2eq)を滴下(dropwise)して添加し、3時間撹拌した。その後、テトラヒドロフラン10mlに溶解したジクロロ(ジエチルアミノ)ホスフィン(dichloro(diethylamino)phosphine)10mmol(1eq)を滴下(dropwise)して添加した後、常温に昇温させ、一晩(overnight)撹拌した。その後、真空を用いて溶媒を除去し、更なる精製過程なしに収得された中間体をヘキサン(hexane)30mlに溶解させた後、HCl(in ether、2eq)を添加した。15分間撹拌した後、濾過し、濾液は真空上で乾燥して、収得された中間体2.1mmol(2.1eq)をジクロロメタン(dichloromethane)3.8mlに溶解させた後、トリエチルアミン(triethyl amine)3mmol(3eq)を添加した。その後、ジクロロメタン(dichloromethane)3.8mlに溶解した4-(トリフルオロメチル)シクロヘキシルアミン(4-(trifluoromethyl)cyclohexyl amine)1mmol(1eq)を反応系に徐々に添加した後、常温で一晩(overnight)撹拌した。その後、真空を用いて溶媒を除去し、ヘキサン(hexane)7.6mlに溶解させた後、シリカの上端にロードし、1体積%のトリエチルアミン(triethyl amine)が添加されたヘキサンを用いてシリカ濾過を行った後、得られた溶液を濃縮させ、化学式2-1で表されるリガンド化合物を収得した。
【0125】
<化学式2-1で表されるリガンド化合物>
N-(ビス(4-(トリプロピルシリル)フェニル)ホスファニル)-N-(4-(トリフルオロメチル)シクロヘキシル)-1,1-ビス(4-(トリプロピルシリル)フェニル)ホスファンアミン)
【0126】
N-(bis(4-(tripropylsilyl)phenyl)phosphaneyl)-N-(4-(trifluoromethyl)cyclohexyl)-1,1-bis(4-(tripropylsilyl)phenyl)phosphanamine)
【0127】
1H NMR(500MHz,C6D6):δ8.00-7.20(m,16H)、3.31(pent,1H)、2.52-2.38(m,2H)、2.00-1.52(m,4H)、1.40-1.25(m,27H)、0.98(t,36H)、0.79-0.73(m,24H)
【0128】
合成例2:化学式2-3で表されるリガンド化合物の合成
[化学式2-3]
【化46】
【0129】
4-(トリプロピルシリル)フェニルブロミド(4-(tripropylsilyl)phenyl bromide)20mmol(2eq)をテトラヒドロフラン20mlに溶解させた後、-78℃に冷却させた。温度を保持しながら、n-ブチルリチウム(n-butyl lithium)20mmol(2eq)を滴下(dropwise)して添加し、3時間撹拌した。その後、テトラヒドロフラン10mlに溶解したジクロロ(ジエチルアミノ)ホスフィン(dichloro(diethylamino)phosphine)10mmol(1eq)を滴下(dropwise)して添加した後、常温に昇温させ、一晩(overnight)撹拌した。その後、真空を用いて溶媒を除去し、更なる精製過程なしに収得された中間体をヘキサン(hexane)30mlに溶解させた後、HCl(in ether、2eq)を添加した。15分間撹拌した後、濾過し、濾液は真空上で乾燥して、収得された中間体2.1mmol(2.1eq)をジクロロメタン(dichloromethane)3.8mlに溶解させた後、トリエチルアミン(triethyl amine)3mmol(3eq)を添加した。その後、ジクロロメタン(dichloromethane)3.8mlに溶解した3-(トリフルオロメチル)シクロヘキシルアミン(3-(trifluoromethyl)cyclohexyl amine)1mmol(1eq)を反応系に徐々に添加した後、常温で一晩(overnight)撹拌した。その後、真空を用いて溶媒を除去し、ヘキサン(hexane)7.6mlに溶解させた後、シリカの上端にロードし、1体積%のトリエチルアミン(triethyl amine)が添加されたヘキサンを用いてシリカ濾過を行った後、得られた溶液を濃縮させ、化学式2-3で表されるリガンド化合物を収得した。
【0130】
<化学式2-3で表されるリガンド化合物>
N-(ビス(4-(トリプロピルシリル)フェニル)ホスファニル)-N-(3-(トリフルオロメチル)シクロヘキシル)-1,1-ビス(4-(トリプロピルシリル)フェニル)ホスファンアミン)
【0131】
N-(bis(4-(tripropylsilyl)phenyl)phosphaneyl)-N-(3-(trifluoromethyl)cyclohexyl)-1,1-bis(4-(tripropylsilyl)phenyl)phosphanamine)
【0132】
1H NMR(500MHz,C6D6):δ8.00-7.20(m,16H)、3.95-3.82(m,0.18H)、3.33(pent,0.82H)、2.20-2.00(m,2H)、1.70-1.55(m,2H)、1.53-1.25(m,27H)、1.05-0.92(m,36H)、0.80-0.70(m,24H)
【0133】
合成例3:化学式2-5で表されるリガンド化合物の合成
[化学式2-5]
【化47】
【0134】
4-(トリプロピルシリル)フェニルブロミド(4-(tripropylsilyl)phenyl bromide)20mmol(2eq)をテトラヒドロフラン20mlに溶解させた後、-78℃に冷却させた。温度を保持しながら、n-ブチルリチウム(n-butyl lithium)20mmol(2eq)を滴下(dropwise)して添加し、3時間撹拌した。その後、テトラヒドロフラン10mlに溶解したジクロロ(ジエチルアミノ)ホスフィン(dichloro(diethylamino)phosphine)10mmol(1eq)を滴下(dropwise)して添加した後、常温に昇温させ、一晩(overnight)撹拌した。その後、真空を用いて溶媒を除去し、更なる精製過程なしに収得された中間体をヘキサン(hexane)30mlに溶解させた後、HCl(in ether、2eq)を添加した。15分間撹拌した後、濾過し、濾液は真空上で乾燥して収得された中間体2.1mmol(2.1eq)をジクロロメタン(dichloromethane)3.8mlに溶解させた後、トリエチルアミン(triethyl amine)3mmol(3eq)を添加した。その後、ジクロロメタン(dichloromethane)3.8mlに溶解した4-フェニルシクロヘキシルアミン(4-phenylcyclohexyl amine)1mmol(1eq)を反応系に徐々に添加した後、常温で一晩(overnight)撹拌した。その後、真空を用いて溶媒を除去し、ヘキサン(hexane)7.6mlに溶解させた後、シリカの上端にロードし、1体積%のトリエチルアミン(triethyl amine)が添加されたヘキサンを用いてシリカ濾過を行った後、得られた溶液を濃縮させ、化学式2-5で表されるリガンド化合物を収得した。
【0135】
<化学式2-5で表されるリガンド化合物>
N-(ビス(4-(トリプロピルシリル)フェニル)ホスファニル)-N-(4-フェニルシクロヘキシル)-1,1-ビス(4-(トリプロピルシリル)フェニル)ホスファンアミン)
【0136】
N-(bis(4-(tripropylsilyl)phenyl)phosphaneyl)-N-(4-phenylcyclohexyl)-1,1-bis(4-(tripropylsilyl)phenyl)phosphanamine)
【0137】
1H NMR(500MHz,C6D6):δ8.00-6.90(m,21H)、3.65-3.45(m,0.88H)、3.40-3.28(m,0.12H)、2.80-2.25(m,4H)、2.10-1.47(m,5H)、1.45-1.27(m,24H)、0.99-0.92(m,36H)、0.79-0.72(m,24H)
【0138】
合成例4:化学式2-8で表されるリガンド化合物の合成
[化学式2-8]
【化48】
【0139】
4-(トリプロピルシリル)フェニルブロミド(4-(tripropylsilyl)phenyl bromide)20mmol(2eq)をテトラヒドロフラン20mlに溶解させた後、-78℃に冷却させた。温度を保持しながら、n-ブチルリチウム(n-butyl lithium)20mmol(2eq)を滴下(dropwise)して添加し、3時間撹拌した。その後、テトラヒドロフラン10mlに溶解したジクロロ(ジエチルアミノ)ホスフィン(dichloro(diethylamino)phosphine)10mmol(1eq)を滴下(dropwise)して添加した後、常温に昇温させ、一晩(overnight)撹拌した。その後、真空を用いて溶媒を除去し、更なる精製過程なしに収得された中間体をヘキサン(hexane)30mlに溶解させた後、HCl(in ether、2eq)を添加した。15分間撹拌した後、濾過し、濾液は真空上で乾燥して、収得された中間体2.1mmol(2.1eq)をジクロロメタン(dichloromethane)3.8mlに溶解させた後、トリエチルアミン(triethyl amine)3mmol(3eq)を添加した。その後、ジクロロメタン(dichloromethane)3.8mlに溶解した4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシルアミン(4-(dimethylamino)cyclohexyl amine)1mmol(1eq)を反応系に徐々に添加した後、常温で一晩(overnight)撹拌した。その後、真空を用いて溶媒を除去し、ヘキサン(hexane)7.6mlに溶解させた後、シリカの上端にロードし、1体積%のトリエチルアミン(triethyl amine)が添加されたヘキサンを用いてシリカ濾過を行った後、得られた溶液を濃縮させ、化学式2-8で表されるリガンド化合物を収得した。
【0140】
<化学式2-8で表されるリガンド化合物>
N1,N1-ビス(ビス(4-(トリプロピルシリル)フェニル)ホスファニル)-N4,N4-ジメチルシクロヘキサン-1,4-ジアミン
【0141】
N1,N1-bis(bis(4-(tripropylsilyl)phenyl)phosphaneyl)-N4,N4-dimethylcyclohexane-1,4-diamine
【0142】
1H NMR(500MHz,C6D6):δ8.00-7.18(m,16H)、3.25(pent,1H)、2.55-2.42(m,2H)、2.34-2.23(m,1H)、2.12(s,6H)、1.85-1.65(m,4H)、1.40-1.25(m,24H)、0.98(t,36H)、0.87-0.75(m,24H)
【0143】
合成例5:化学式2-10で表されるリガンド化合物の合成
[化学式2-10]
【化49】
【0144】
4-(トリプロピルシリル)フェニルブロミド(4-(tripropylsilyl)phenyl bromide)20mmol(2eq)をテトラヒドロフラン20mlに溶解させた後、-78℃に冷却させた。温度を保持しながら、n-ブチルリチウム(n-butyl lithium)20mmol(2eq)を滴下(dropwise)して添加し、3時間撹拌した。その後、テトラヒドロフラン10mlに溶解したジクロロ(ジエチルアミノ)ホスフィン(dichloro(diethylamino)phosphine)10mmol(1eq)を滴下(dropwise)して添加した後、常温に昇温させ、一晩(overnight)撹拌した。その後、真空を用いて溶媒を除去し、更なる精製過程なしに収得された中間体をヘキサン(hexane)30mlに溶解させた後、HCl(in ether、2eq)を添加した。15分間撹拌した後、濾過し、濾液は真空上で乾燥して、収得された中間体2.1mmol(2.1eq)をジクロロメタン(dichloromethane)3.8mlに溶解させた後、トリエチルアミン(triethyl amine)3mmol(3eq)を添加した。その後、ジクロロメタン(dichloromethane)3.8mlに溶解した4-(ジエチルアミノ)シクロヘキシルアミン(4-(diethylamino)cyclohexyl amine)1mmol(1eq)を反応系に徐々に添加した後、常温で一晩(overnight)撹拌した。その後、真空を用いて溶媒を除去し、ヘキサン(hexane)7.6mlに溶解させた後、シリカの上端にロードし、1体積%のトリエチルアミン(triethyl amine)が添加されたヘキサンを用いてシリカ濾過を行った後、得られた溶液を濃縮させて、化学式2-10で表されるリガンド化合物を収得した。
【0145】
<化学式2-10で表されるリガンド化合物>
N1,N1-ビス(ビス(4-(トリプロピルシリル)フェニル)ホスファニル)-N4,N4-ジエチルシクロヘキサン-1,4-ジアミン
【0146】
N1,N1-bis(bis(4-(tripropylsilyl)phenyl)phosphaneyl)-N4,N4-diethylcyclohexane-1,4-diamine
【0147】
1H NMR(500MHz,C6D6):δ8.00-7.18(m,16H)、3.21(pent,1H)、2.54-2.40(m,2H)、 2.30-2.20(m,1H)、2.18(q,4H)、1.83-1.60(m,4H)、1.40-1.23(m,30H)、0.95(t,36H)、0.85-0.74(m,24H)
【0148】
合成例6:化学式2-12で表されるリガンド化合物の合成
[化学式2-12]
【化50】
【0149】
4-(トリプロピルシリル)フェニルブロミド(4-(tripropylsilyl)phenyl bromide)20mmol(2eq)をテトラヒドロフラン20mlに溶解させた後、-78℃に冷却させた。温度を保持しながら、n-ブチルリチウム(n-butyl lithium)20mmol(2eq)を滴下(dropwise)して添加し、3時間撹拌した。その後、テトラヒドロフラン10mlに溶解したジクロロ(ジエチルアミノ)ホスフィン(dichloro(diethylamino)phosphine)10mmol(1eq)を滴下(dropwise)して添加した後、常温に昇温させ、一晩(overnight)撹拌した。その後、真空を用いて溶媒を除去し、更なる精製過程なしに収得された中間体をヘキサン(hexane)30mlに溶解させた後、HCl(in ether、2eq)を添加した。15分間撹拌した後、濾過し、濾液は真空上で乾燥して、収得された中間体2.1mmol(2.1eq)をジクロロメタン(dichloromethane)3.8mlに溶解させた後、トリエチルアミン(triethyl amine)3mmol(3eq)を添加した。その後、ジクロロメタン(dichloromethane)3.8mlに溶解したテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアミン(tetrahydro-2H-pyran-4-yl amine)1mmol(1eq)を反応系に徐々に添加した後、常温で一晩(overnight)撹拌した。その後、真空を用いて溶媒を除去し、ヘキサン(hexane)7.6mlに溶解させた後、シリカの上端にロードし、1体積%のトリエチルアミン(triethyl amine)が添加されたヘキサンを用いてシリカ濾過を行った後、得られた溶液を濃縮させて、化学式2-12で表されるリガンド化合物を収得した。
【0150】
<化学式2-12で表されるリガンド化合物>
N-(ビス(4-(トリプロピルシリル)フェニル)ホスファニル)-N-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1,1-ビス(4-(トリプロピルシリル)フェニル)ホスファンアミン)
【0151】
N-(bis(4-(tripropylsilyl)phenyl)phosphaneyl)-N-(tetrahydro-2H-pyran-4-yl)-1,1-bis(4-(tripropylsilyl)phenyl)phosphanamine)
【0152】
1H NMR(500MHz,C6D6):δ8.00-7.25(m,16H)、3.84-3.76(m,2H)、3.60(q,1H)、2.58-2.48(m,2H)、1.40-1.30(m、28H)、1.01-0.92(m,36H)、0.78-0.71(m,24H)
【0153】
合成例7:化学式3-1で表されるリガンド化合物の合成
[化学式3-1]
【化51】
【0154】
4-(トリプロピルシリル)フェニルブロミド(4-(tripropylsilyl)phenyl bromide)20mmol(2eq)をテトラヒドロフラン20mlに溶解させた後、-78℃に冷却させた。温度を保持しながら、n-ブチルリチウム(n-butyl lithium)20mmol(2eq)を滴下(dropwise)して添加し、3時間撹拌した。その後、テトラヒドロフラン10mlに溶解したジクロロ(ジエチルアミノ)ホスフィン(dichloro(diethylamino)phosphine)10mmol(1eq)を滴下(dropwise)して添加した後、常温に昇温させ、一晩(overnight)撹拌した。その後、真空を用いて溶媒を除去し、更なる精製過程なしに収得された中間体をヘキサン(hexane)30mlに溶解させた後、HCl(in ether、2eq)を添加した。15分間撹拌した後、濾過し、濾液は真空上で乾燥して、収得された中間体2.1mmol(2.1eq)をジクロロメタン(dichloromethane)3.8mlに溶解させた後、トリエチルアミン(triethyl amine)3mmol(3eq)を添加した。その後、ジクロロメタン(dichloromethane)3.8mlに溶解した2-オキソテトラヒドロチオフェン-3-イルアミン(2-oxotetrahydrothiophen-3-yl amine)1mmol(1eq)を反応系に徐々に添加した後、常温で一晩(overnight)撹拌した。その後、真空を用いて溶媒を除去し、ヘキサン(hexane)7.6mlに溶解させた後、シリカの上端にロードし、1体積%のトリエチルアミン(triethyl amine)が添加されたヘキサンを用いてシリカ濾過を行った後、得られた溶液を濃縮させ、化学式3-1で表されるリガンド化合物を収得した。
【0155】
<化学式3-1で表されるリガンド化合物>
3-(ビス(ビス(4-(トリプロピルシリル)フェニル)ホスファニル)アミノ)ジヒドロチオフェン-2(3H)-オン
【0156】
3-(bis(bis(4-(tripropylsilyl)phenyl)phosphaneyl)amino)dihydrothiophen-2(3H)-one
【0157】
1H NMR(500MHz,C6D6):δ8.00-7.20(m,16H)、 4.70(t,1H)、3.05-2.95(m,2H)、2.43-2.31(m,2H)、1.40-1.28(m,24H)、1.10-0.87(m,36H)、0.88-0.75(m,24H)
【0158】
合成例8:化学式4-1で表されるリガンド化合物の合成
[化学式4-1]
【化52】
【0159】
4-(トリプロピルシリル)フェニルブロミド(4-(tripropylsilyl)phenyl bromide)20mmol(2eq)をテトラヒドロフラン20mlに溶解させた後、-78℃に冷却させた。温度を保持しながら、n-ブチルリチウム(n-butyl lithium)20mmol(2eq)を滴下(dropwise)して添加し、3時間撹拌した。その後、テトラヒドロフラン10mlに溶解したジクロロ(ジエチルアミノ)ホスフィン(dichloro(diethylamino)phosphine)10mmol(1eq)を滴下(dropwise)して添加した後、常温に昇温させ、一晩(overnight)撹拌した。その後、真空を用いて溶媒を除去し、更なる精製過程なしに収得された中間体をヘキサン(hexane)30mlに溶解させた後、HCl(in ether、2eq)を添加した。15分間撹拌した後、濾過し、濾液は真空上で乾燥して、収得された中間体2.1mmol(2.1eq)をジクロロメタン(dichloromethane)3.8mlに溶解させた後、トリエチルアミン(triethyl amine)3mmol(3eq)を添加した。その後、ジクロロメタン(dichloromethane)3.8mlに溶解した(1R,2R,4S)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルアミン((1R,2R,4S)-bicyclo[2.2.1]heptan-2-yl amine)1mmol(1eq)を反応系に徐々に添加した後、常温で一晩(overnight)撹拌した。その後、真空を用いて溶媒を除去し、ヘキサン(hexane)7.6mlに溶解させた後、シリカの上端にロードし、1体積%のトリエチルアミン(triethyl amine)が添加されたヘキサンを用いてシリカ濾過を行った後、得られた溶液を濃縮させて、化学式4-1で表されるリガンド化合物を収得した。
【0160】
<化学式4-1で表されるリガンド化合物>
N-((1R,2R,4S)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル)-N-(ビス(4-トリプロピルシリル)フェニル)ホスファニル)-1,1-ビス(4-(トリプロピルシリル)フェニル)ホスファンアミン)
【0161】
N-((1R,2R,4S)-bicyclo[2.2.1]heptan-2-yl)-N-(bis(4-tripropylsilyl)phenyl)phosphaneyl)-1,1-bis(4-(tripropylsilyl)phenyl)phosphanamine)
【0162】
1H NMR(500MHz,C6D6):δ7.96-7.66(m,4H)、7.64-7.25(m,12H)、3.65-3.53(m,1H)、2.92(d,1H)、2.53-2.45(m,1H)、2.27(s,1H)、1.78(t,1H)、1.64(s,1H)、1.45-1.20(m,24H)、1.05-0.85(m,41H)、0.82-0.60(m,24H)
【0163】
合成例9:化学式2-6で表されるリガンド化合物の合成
[化学式2-6]
【化53】
【0164】
4-(トリブチルシリル)フェニルブロミド(4-(tributylsilyl)phenyl bromide)20mmol(2eq)をテトラヒドロフラン20mlに溶解させた後、-78℃に冷却させた。温度を保持しながら、n-ブチルリチウム(n-butyl lithium)20mmol(2eq)を滴下(dropwise)して添加し、3時間撹拌した。その後、テトラヒドロフラン10mlに溶解したジクロロ(ジエチルアミノ)ホスフィン(dichloro(diethylamino)phosphine)10mmol(1eq)を滴下(dropwise)して添加した後、常温に昇温させ、一晩(overnight)撹拌した。その後、真空を用いて溶媒を除去し、更なる精製過程なしに収得された中間体をヘキサン(hexane)30mlに溶解させた後、HCl(in ether、2eq)を添加した。15分間撹拌した後、濾過し、濾液は真空上で乾燥して、収得された中間体2.1mmol(2.1eq)をジクロロメタン(dichloromethane)3.8mlに溶解させた後、トリエチルアミン(triethyl amine)3mmol(3eq)を添加した。その後、ジクロロメタン(dichloromethane)3.8mlに溶解した4-フェニルシクロヘキシルアミン(4-phenylcyclohexyl amine)1mmol(1eq)を反応系に徐々に添加した後、常温で一晩(overnight)撹拌した。その後、真空を用いて溶媒を除去し、ヘキサン(hexane)7.6mlに溶解させた後、シリカの上端にロードし、1体積%のトリエチルアミン(triethyl amine)が添加されたヘキサンを用いてシリカ濾過を行った後、得られた溶液を濃縮させ、化学式2-6で表されるリガンド化合物を収得した。
【0165】
<化学式2-6で表されるリガンド化合物>
N-(ビス(4-(トリブチルシリル)フェニル)ホスファニル)-N-(4-フェニルシクロヘキシル)-1,1-ビス(4-(トリブチルシリル)フェニル)ホスファンアミン)
【0166】
N-(bis(4-(tributylsilyl)phenyl)phosphaneyl)-N-(4-phenylcyclohexyl)-1,1-bis(4-(tributylsilyl)phenyl)phosphanamine)
【0167】
1H NMR(500MHz,C6D6):δ7.85-6.90(m,21H)、3.63-3.45(m,0.88H)、3.38-3.27(m,0.12H)、2.79-2.24(m,4H)、2.08-1.45(m,5H)、1.45-1.27(m,48H)、1.01-0.92(m,36H)、0.78-0.70(m,24H)
【0168】
合成例10:化学式2-4で表されるリガンド化合物の合成
[化学式2-4]
【化54】
【0169】
4-(トリブチルシリル)フェニルブロミド(4-(tributylsilyl)phenyl bromide)20mmol(2eq)をテトラヒドロフラン20mlに溶解させた後、-78℃に冷却させた。温度を保持しながら、n-ブチルリチウム(n-butyl lithium)20mmol(2eq)を滴下(dropwise)して添加し、3時間撹拌した。その後、テトラヒドロフラン10mlに溶解したジクロロ(ジエチルアミノ)ホスフィン(dichloro(diethylamino)phosphine)10mmol(1eq)を滴下(dropwise)して添加した後、常温に昇温させ、一晩(overnight)撹拌した。その後、真空を用いて溶媒を除去し、更なる精製過程なしに収得された中間体をヘキサン(hexane)30mlに溶解させた後、HCl(in ether、2eq)を添加した。15分間撹拌した後、濾過し、濾液は真空上で乾燥して、収得された中間体2.1mmol(2.1eq)をジクロロメタン(dichloromethane)3.8mlに溶解させた後、トリエチルアミン(triethyl amine)3mmol(3eq)を添加した。その後、ジクロロメタン(dichloromethane)3.8mlに溶解した3-(トリフルオロメチル)シクロヘキシルアミン(3-(trifluoromethyl)cyclohexyl amine)1mmol(1eq)を反応系に徐々に添加した後、常温で一晩(overnight)撹拌した。その後、真空を用いて溶媒を除去し、ヘキサン(hexane)7.6mlに溶解させた後、シリカの上端にロードし、1体積%のトリエチルアミン(triethyl amine)が添加されたヘキサンを用いてシリカ濾過を行った後、得られた溶液を濃縮させ、化学式2-4で表されるリガンド化合物を収得した。
【0170】
<化学式2-4で表されるリガンド化合物>
N-(ビス(4-(トリブチルシリル)フェニル)ホスファニル)-1,1-ビス(4-(トリブチルシリル)フェニル)-N-(3-(トリフルオロメチル)シクロヘキシル)ホスファンアミン)
【0171】
N-(bis(4-(tributylsilyl)phenyl)phosphaneyl)-1,1-bis(4-(tributylsilyl)phenyl)-N-(3-(trifluoromethyl)cyclohexyl)phosphanamine)
【0172】
1H NMR(500MHz,C6D6):δ8.00-7.15(m,16H)、3.94-3.80(m,0.18H)、3.30(pent,0.82H)、2.18-1.97(m,2H)、1.68-1.53(m,2H)、1.50-1.21(m,51H)、1.05-0.90(m,36H)、0.79-0.70(m,24H)
【0173】
合成例11:化学式2-7で表されるリガンド化合物の合成
[化学式2-7]
【化55】
【0174】
乾燥されたフラスコに4-フェニルシクロヘキシルアミン(4-phenylcyclohexylamine)11mmol(2.2eq)とジクロロメタン(dichloromethane)10mlを窒素雰囲気下で投入し、撹拌を開始した。前記フラスコに、クロロビス(4-(トリプロピルシリル)フェニル)ホスファン(chlorobis(4-(tripropylsilyl)phenyl)phosphane)5mmol(1eq)をジクロロメタン(dichloromethane)10mlに希釈した状態で徐々に投入した。反応物を4時間撹拌させ、1H NMRによって転換(conversion)を確認した。反応が終了した後、フィルタを介して沈殿した固体を除去し、溶媒を減圧して除去し、カラムクロマトグラフィにより中間体化合物であるN-(4-フェニルシクロヘキシル)-1,1-ビス(4-(トリプロピルシリル)フェニル)ホスファンアミン(N-(4-phenylcyclohexyl)-1,1-bis(4-(tripropylsilyl)phenyl)phosphanamine)5mmolを収得した。
【0175】
次いで、乾燥されたフラスコに、前記で収得された中間体化合物であるN-(4-フェニルシクロヘキシル)-1,1-ビス(4-(トリプロピルシリル)フェニル)ホスファンアミン(N-(4-phenylcyclohexyl)-1,1-bis(3-(tripropylsilyl)phenyl)phosphanamine)5mmol(1eq)とメチルt-ブチルエーテル(methyl tert-butyl ether)13mlを窒素雰囲気下で投入し、-78℃に冷却した後、撹拌を開始した。前記フラスコにn-ブチルリチウム(n-butyl lithium)がヘキサンに2.5Mで溶解した溶液2.1ml(5.25mmol、1.05eq)を徐々に投入し、1時間撹拌させた後、クロロビス(4-(トリブチルシリル)フェニル)ホスファン(chlorobis(4-(tributylsilyl)phenyl)phosphane)5mmol(1eq)をメチルt-ブチルエーテル(methyl tert-butyl ether)10mlに希釈した状態で徐々に投入した。反応物を4時間撹拌させ、1H NMRによって転換(conversion)を確認した。反応が終了した後、フィルタを介して沈殿した固体を除去し、溶媒を減圧して除去し、カラムクロマトグラフィにより化学式4-1で表されるリガンド化合物4mmol(収率80%)を収得した。
【0176】
<化学式2-7で表されるリガンド化合物>
N-(ビス(4-(トリブチルシリル)フェニル)ホスファニル)-N-(4-フェニルシクロヘキシル)-1,1-ビス(4-(トリプロピルシリル)フェニル)ホスファンアミン
【0177】
N-(bis(4-(tributylsilyl)phenyl)phosphaneyl)-N-(4-phenylcyclohexyl)-1,1-bis(4-(tripropylsilyl)phenyl)phosphanamine
【0178】
1H NMR(500MHz,C6D6):δ7.98-6.90(m,21H)、3.64-3.46(m,0.88H)、3.39-3.28(m,0.12H)、2.80-2.25(m,4H)、2.09-1.46(m,5H)、1.45-1.27(m,36H)、1.00-0.92(m,36H)、0.79-0.71(m,24H)
【0179】
合成例12:化学式2-14で表されるリガンド化合物の合成
[化学式2-14]
【化56】
【0180】
乾燥されたフラスコにシクロヘプチルアミン(cycloheptylamine)11mmol(2.2eq)とジクロロメタン(dichloromethane)10mlを窒素雰囲気下で投入し、撹拌を開始した。前記フラスコにクロロビス(4-(トリプロピルシリル)フェニル)ホスファン(chlorobis(3-(tripropylsilyl)phenyl)phosphane)5mmol(1eq)をジクロロメタン(dichloromethane)10mlに希釈した状態で徐々に投入した。反応物を4時間撹拌させ、1H NMRによって転換(conversion)を確認した。反応が終了した後、フィルタを介して沈殿した固体を除去し、溶媒を減圧して除去し、カラムクロマトグラフィにより中間体化合物であるN-シクロヘプチル-1,1-ビス(4-(トリプロピルシリル)フェニル)ホスファンアミン(N-cycloheptyl-1,1-bis(4-(tripropylsilyl)phenyl)phosphanamine)5mmolを収得した。
【0181】
次いで、乾燥されたフラスコに、前記収得された中間体化合物であるN-シクロヘプチル-1,1-ビス(4-(トリプロピルシリル)フェニル)ホスファンアミン(N-cycloheptyl-1,1-bis(4-(tripropylsilyl)phenyl)phosphanamine)5mmol(1eq)とメチルt-ブチルエーテル(methyl tert-butyl ether)13mlを窒素雰囲気下で投入し、-78℃に冷却した後、撹拌を開始した。前記フラスコにn-ブチルリチウム(n-butyl lithium)がヘキサンに2.5Mで溶解した溶液2.1ml(5.25mmol、1.05eq)を徐々に投入し、1時間撹拌させた後、クロロビス(4-(トリブチルシリル)フェニル)ホスファン(chlorobis(4-(tributylsilyl)phenyl)phosphane)5mmol(1eq)をメチルt-ブチルエーテル(methyl tert-butyl ether)10mlに希釈した状態で徐々に投入した。反応物を4時間撹拌させ、1H NMRによって転換(conversion)を確認した。反応が終了した後、フィルタを介して沈殿した固体を除去し、溶媒を減圧して除去し、カラムクロマトグラフィにより化学式4-1で表されるリガンド化合物4mmol(収率80%)を収得した。
【0182】
<化学式2-14で表されるリガンド化合物>
N-(ビス(4-(トリブチルシリル)フェニル)ホスファニル)-N-シクロヘプチル-1,1-ビス(4-(トリプロピルシリル)フェニル)ホスファンアミン
【0183】
N-(bis(4-(tributylsilyl)phenyl)phosphaneyl)-N-cycloheptyl-1,1-bis(4-(tripropylsilyl)phenyl)phosphanamine
【0184】
1H NMR(500MHz,C6D6):δ8.00-7.15(m,16H)、3.63(pent,1H)、2.33-2.20(m,2H)、1.94-1.85(m,2H)、1.60-1.45(m,4H)、1.44-1.15(m,36H)、1.00-0.86(m,36H)、0.85-0.80(m,16H)、0.78-0.67(m,12H)
【0185】
比較合成例1:化学式9で表されるリガンド化合物の合成
[化学式9]
【化57】
【0186】
4-(トリプロピルシリル)フェニルブロミド(4-(tripropylsilyl)phenyl bromide)20mmol(2eq)をテトラヒドロフラン20mlに溶解させた後、-78℃に冷却させた。温度を保持しながら、n-ブチルリチウム(n-butyl lithium)20mmol(2eq)を滴下(dropwise)して添加し、3時間撹拌した。その後、テトラヒドロフラン10mlに溶解したジクロロ(ジエチルアミノ)ホスフィン(dichloro(diethylamino)phosphine)10mmol(1eq)を滴下(dropwise)して添加した後、常温に昇温させ、一晩(overnight)撹拌した。その後、真空を用いて溶媒を除去し、更なる精製過程なしに収得された中間体をヘキサン(hexane)30mlに溶解させた後、HCl(in ether、2eq)を添加した。15分間撹拌した後、濾過し、濾液は真空上で乾燥して、収得された中間体2.1mmol(2.1eq)をジクロロメタン(dichloromethane)3.8mlに溶解させた後、トリエチルアミン(triethyl amine)3mmol(3eq)を添加した。その後、ジクロロメタン(dichloromethane)3.8mlに溶解したシクロヘキシルアミン(cyclohexyl amine)1mmol(1eq)を反応系に徐々に添加した後、常温で一晩(overnight)撹拌した。その後、真空を用いて溶媒を除去し、ヘキサン(hexane)7.6mlに溶解させた後、シリカの上端にロードし、1体積%のトリエチルアミン(triethyl amine)が添加されたヘキサンを用いてシリカ濾過を行った後、得られた溶液を濃縮させて、化学式9で表されるリガンド化合物を収得した。
【0187】
比較合成例2:化学式10で表されるリガンド化合物の合成
[化学式10]
【化58】
【0188】
4-(トリプロピルシリル)フェニルブロミド(4-(tripropylsilyl)phenyl bromide)20mmol(2eq)をテトラヒドロフラン20mlに溶解させた後、-78℃に冷却させた。温度を保持しながら、n-ブチルリチウム(n-butyl lithium)20mmol(2eq)を滴下(dropwise)して添加し、3時間撹拌した。その後、テトラヒドロフラン10mlに溶解したジクロロ(ジエチルアミノ)ホスフィン(dichloro(diethylamino)phosphine)10mmol(1eq)を滴下(dropwise)して添加した後、常温に昇温させ、一晩(overnight)撹拌した。その後、真空を用いて溶媒を除去し、更なる精製過程なしに収得された中間体をヘキサン(hexane)30mlに溶解させた後、HCl(in ether、2eq)を添加した。15分間撹拌した後、濾過し、濾液は真空上で乾燥して、収得された中間体2.1mmol(2.1eq)をジクロロメタン(dichloromethane)3.8mlに溶解させた後、トリエチルアミン(triethyl amine)3mmol(3eq)を添加した。その後、ジクロロメタン(dichloromethane)3.8mlに溶解したイソプロピルアミン(isopropyl amine)1mmol(1eq)を反応系に徐々に添加した後、常温で一晩(overnight)撹拌した。その後、真空を用いて溶媒を除去し、ヘキサン(hexane)7.6mlに溶解させた後、シリカの上端にロードし、1体積%のトリエチルアミン(triethyl amine)が添加されたヘキサンを用いてシリカ濾過を行った後、得られた溶液を濃縮させ、化学式10で表されるリガンド化合物を収得した。
【0189】
比較合成例3:化学式11で表されるリガンド化合物の合成
[化学式11]
【化59】
【0190】
4-(トリブチルシリル)フェニルブロミド(4-(tributylsilyl)phenyl bromide)20mmol(2eq)をテトラヒドロフラン20mlに溶解させた後、-78℃に冷却させた。温度を保持しながら、n-ブチルリチウム(n-butyl lithium)20mmol(2eq)を滴下(dropwise)して添加し、3時間撹拌した。その後、テトラヒドロフラン10mlに溶解したジクロロ(ジエチルアミノ)ホスフィン(dichloro(diethylamino)phosphine)10mmol(1eq)を滴下(dropwise)して添加した後、常温に昇温させ、一晩(overnight)撹拌した。その後、真空を用いて溶媒を除去し、更なる精製過程なしに収得された中間体をヘキサン(hexane)30mlに溶解させた後、HCl(in ether、2eq)を添加した。15分間撹拌した後、濾過し、濾液は真空上で乾燥して、収得された中間体2.1mmol(2.1eq)をジクロロメタン(dichloromethane)3.8mlに溶解させた後、トリエチルアミン(triethyl amine)3mmol(3eq)を添加した。その後、ジクロロメタン(dichloromethane)3.8mlに溶解したシクロヘキシルアミン(cyclohexyl amine)1mmol(1eq)を反応系に徐々に添加した後、常温で一晩(overnight)撹拌した。その後、真空を用いて溶媒を除去し、ヘキサン(hexane)7.6mlに溶解させた後、シリカの上端にロードし、1体積%のトリエチルアミン(triethyl amine)が添加されたヘキサンを用いてシリカ濾過を行った後、得られた溶液を濃縮させ、化学式11で表されるリガンド化合物を収得した。
【0191】
比較合成例4:化学式12で表されるリガンド化合物の合成
[化学式12]
【化60】
【0192】
4-(トリヘキシルシリル)フェニルブロミド(4-(trihexylsilyl)phenyl bromide)20mmol(2eq)をテトラヒドロフラン20mlに溶解させた後、-78℃に冷却させた。温度を保持しながら、n-ブチルリチウム(n-butyl lithium)20mmol(2eq)を滴下(dropwise)して添加し、3時間撹拌した。その後、テトラヒドロフラン10mlに溶解したジクロロ(ジエチルアミノ)ホスフィン(dichloro(diethylamino)phosphine)10mmol(1eq)を滴下(dropwise)して添加した後、常温に昇温させ、一晩(overnight)撹拌した。その後、真空を用いて溶媒を除去し、更なる精製過程なしに収得された中間体をヘキサン(hexane)30mlに溶解させた後、HCl(in ether、2eq)を添加した。15分間撹拌した後、濾過し、濾液は真空上で乾燥して、収得された中間体2.1mmol(2.1eq)をジクロロメタン(dichloromethane)3.8mlに溶解させた後、トリエチルアミン(triethyl amine)3mmol(3eq)を添加した。その後、ジクロロメタン(dichloromethane)3.8mlに溶解したイソプロピルアミン(isopropyl amine)1mmol(1eq)を反応系に徐々に添加した後、常温で一晩(overnight)撹拌した。その後、真空を用いて溶媒を除去し、ヘキサン(hexane)7.6mlに溶解させた後、シリカの上端にロードし、1体積%のトリエチルアミン(triethyl amine)が添加されたヘキサンを用いてシリカ濾過を行った後、得られた溶液を濃縮させ、化学式12で表されるリガンド化合物を収得した。
【0193】
比較合成例5:化学式13で表されるリガンド化合物の合成
[化学式13]
【化61】
【0194】
4-(トリヘキシルシリル)フェニルブロミド(4-(trihexylsilyl)phenyl bromide)20mmol(2eq)をテトラヒドロフラン20mlに溶解させた後、-78℃に冷却させた。温度を保持しながら、n-ブチルリチウム(n-butyl lithium)20mmol(2eq)を滴下(dropwise)して添加し、3時間撹拌した。その後、テトラヒドロフラン10mlに溶解したジクロロ(ジエチルアミノ)ホスフィン(dichloro(diethylamino)phosphine)10mmol(1eq)を滴下(dropwise)して添加した後、常温に昇温させ、一晩(overnight)撹拌した。その後、真空を用いて溶媒を除去し、更なる精製過程なしに収得された中間体をヘキサン(hexane)30mlに溶解させた後、HCl(in ether、2eq)を添加した。15分間撹拌した後、濾過し、濾液は真空上で乾燥して、収得された中間体2.1mmol(2.1eq)をジクロロメタン(dichloromethane)3.8mlに溶解させた後、トリエチルアミン(triethyl amine)3mmol(3eq)を添加した。その後、ジクロロメタン(dichloromethane)3.8mlに溶解した3-(トリフルオロメチル)シクロヘキシルアミン(3-(trifluoromethyl)cyclohexyl amine)1mmol(1eq)を反応系に徐々に添加した後、常温で一晩(overnight)撹拌した。その後、真空を用いて溶媒を除去し、ヘキサン(hexane)7.6mlに溶解させた後、シリカの上端にロードし、1体積%のトリエチルアミン(triethyl amine)が添加されたヘキサンを用いてシリカ濾過を行った後、得られた溶液を濃縮させ、化学式13で表されるリガンド化合物を収得した。
【0195】
実施例及び比較例
実施例1
アルゴンガス雰囲気下で、クロム(III)クロリドテトラヒドロフラン(Cr(THF)3Cl3)0.5mmol、前記合成例1による化学式2-1で表されるリガンド化合物0.5mmol及び助触媒としてN,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(AB)0.5mmolをフラスコに入れた後、ジクロロメタン30mlを投入し、1時間撹拌した後、真空で溶媒を除去した。その後、メチルシクロヘキサンに溶解して濾過した後、再び真空で溶媒を除去し、メチルシクロヘキサンに溶解させて0.15mM(Cr基準)の触媒溶液を準備した。
【0196】
600ml容量のParr反応器を準備し、真空を120℃で2時間保持した後、内部をアルゴンで置換し、温度を70℃に下げた。その後、メチルシクロヘキサン180ml及び2mlの活性化剤としてジイソブチルアルミニウムヒドリド725μmolを注入し、前記触媒溶液5ml(0.75μmol Cr)を注入した。2分間1,000rpmで撹拌した後、40barに調整されたエチレンラインの弁を開き、反応器内をエチレンで充填した後、1,000rpmで60分間撹拌した。エチレンライン弁を閉じ、反応器をドライアイス/アセトン浴(bath)を用いて0℃に冷却した後、未反応エチレンを徐々にベント(vent)した後、0.5mlのノナン(GC internal standard)を注入した。10秒間撹拌した後、反応器の液体部分を2ml取り、水で焼入れし、得られた有機部分をPTFEシリンジフィルタで濾過してGC-FIDサンプルを作製した。そして、液体生成物(liquid product)の分布(distribution)をGC分析した(Agilent社6890N、Alltech AT-5(30m×0.32mm ID×0.25μm;series No.12446))。また、残った反応液にエタノール(ethanol)/HCl(10体積%の12M HCl水溶液(10vol% of aqueous 12M HCl solution))400mlを入れて撹拌し、フィルタして固体生成物の量を分析した。収得したポリマーは80℃の真空オーブンで一晩乾燥した。
【0197】
実施例2~12及び比較例1~5
触媒の種類を下記表1のように変更したことを除いては、前記実施例1と同様の方法で実施した。
【0198】
【0199】
実験例
前記実施例及び比較例によるエチレンオリゴマー化反応の結果を下記表2に示した。
【0200】
*触媒活性(ton/mol・Cr/hr):収得した液体生成物及び固体生成物の重量(ton)を合わせた生成物の総重量(ton)値から、触媒活性を計算した。
【0201】
*1-C6及び1-C8の選択度(重量%):液体生成物の分布(distribution)をGCで分析した結果から1-ヘキセン(1-C6)及び1-オクテン(1-C8)の含有量を計算し、生成物の総重量を基準として1-ヘキセン又は1-オクテンの重量%を計算した。
【0202】
*Iso-C6、Iso-C8及びC10-C40の生成量(重量%):液体生成物の分布(distribution)をGCで分析した結果から、Iso-ヘキセン(Iso-C6)、Iso-オクテン(Iso-C8)及びC10-C40の含有量を計算し、生成物の総重量を基準としてIso-ヘキセン(Iso-C6)、Iso-オクテン(Iso-C8)及びC10-C40の重量%を計算した。
【0203】
*固形物(Solid)(重量%):生成物の総重量を基準として固体生成物の重量%を計算した。これは、溶媒に溶解していない不溶性固体であって、炭素数が約40以上のポリエチレンが生成された程度を示すものである。
【0204】
【0205】
前記表2に示すように、本発明に係るリガンド化合物を含む触媒組成物を用いてエチレンオリゴマー化反応を行う場合、ジホスフィノアミニル残基の末端に位置するフェニルがパラ位に特定の炭素数のアルキル基で置換されたシリル基を置換基として有することに加えて、窒素原子に置換された置換基の立体的、電気的特性から触媒活性、選択性及び安定性が全て向上したことが確認できた。
【0206】
このような結果から、本発明のリガンド化合物を含む有機クロム化合物及び触媒組成物を用いてエチレンオリゴマー化を行う場合、高い触媒活性から、生産性に優れながらも、高い1-ヘキセン及び1-オクテンの選択性で直鎖状α-オレフィンを製造できることが確認できた。
【国際調査報告】