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特表2024-526341ホログラフィック干渉パターン記録装置およびこれを用いた記録方法
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  • 特表-ホログラフィック干渉パターン記録装置およびこれを用いた記録方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-17
(54)【発明の名称】ホログラフィック干渉パターン記録装置およびこれを用いた記録方法
(51)【国際特許分類】
   G03H 1/04 20060101AFI20240709BHJP
【FI】
G03H1/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501906
(86)(22)【出願日】2022-05-30
(85)【翻訳文提出日】2024-01-12
(86)【国際出願番号】 KR2022007640
(87)【国際公開番号】W WO2023287015
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】10-2021-0092621
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ミン・ス・ソン
(72)【発明者】
【氏名】スン・ヨン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・ジェ・ユ
(72)【発明者】
【氏名】ジュン・ユン・イ
【テーマコード(参考)】
2K008
【Fターム(参考)】
2K008BB04
2K008CC01
2K008DD11
2K008FF17
2K008GG01
2K008HH01
(57)【要約】
本願発明は、ホログラフィック干渉パターン記録装置およびこれを用いた記録方法に関し、具体的には、3次元座標系においてホログラフィック干渉パターンを記録するために光源および感光材料を配置した後、他のホログラフィック干渉パターンを記録するために前記光源および感光材料を再配置する過程を単純化させたホログラフィック干渉パターン記録装置およびこれを用いた記録方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ホログラフィック干渉パターンが記録された感光材料サンプルに対して再生光を予め定められた位置から照射して、再生光の経路および回折光の経路が形成する光経路を確認するステップと、
前記感光材料サンプルを回転させて前記光経路を2次元座標系に配置するステップと、
前記2次元座標系に配置された前記光経路と同一の光経路を実現する第2ホログラフィック干渉パターンを記録できるように、参照光の経路および物体光の経路を導出するステップと、
前記第2ホログラフィック干渉パターンが記録される感光材料を備え、前記参照光の経路および前記物体光の経路のそれぞれ所定の位置に参照光および物体光を備えて照射することにより、前記第2ホログラフィック干渉パターンを記録するステップと、を含むホログラフィック干渉パターンの記録方法。
【請求項2】
前記2次元座標系に配置するステップは、
前記2次元座標系において前記再生光と前記感光材料サンプルとの交点を原点として指定する、請求項1に記載のホログラフィック干渉パターンの記録方法。
【請求項3】
前記第2ホログラフィック干渉パターンを記録するステップは、
前記感光材料サンプルが回転した配置と同一の配置に前記第2ホログラフィック干渉パターンが記録される感光材料を整列させることを備える、請求項1または2に記載のホログラフィック干渉パターンの記録方法。
【請求項4】
感光材料サンプルに記録された第1ホログラフィック干渉パターンによって実現された光経路と同一の光経路を実現する第2ホログラフィック干渉パターンが記録される感光材料を固定する感光材料固定部と、
前記感光材料に対して参照光を照射する参照光照射部と、
前記感光材料に対して物体光を照射する物体光照射部と、
前記感光材料固定部、前記参照光照射部および前記物体光照射部が所定の位置に配置および固定されるステージ部と、
前記所定の位置を導出する演算部と、を備え、
前記参照光および前記物体光の干渉現象によって形成された前記第2ホログラフィック干渉パターンを前記感光材料に記録する、ホログラフィック干渉パターンの記録装置。
【請求項5】
前記演算部は、
前記第1ホログラフィック干渉パターンが記録された感光材料サンプルに対して再生光を予め定められた位置から照射して、再生光の経路および回折光の経路が形成する光経路を確認するステップと、
前記感光材料サンプルを回転させて前記光経路を2次元座標系に配置するステップと、
前記2次元座標系に配置された前記光経路と同一の光経路を実現する第2ホログラフィック干渉パターンを記録できるように、参照光の経路および物体光の経路を導出するステップと、を実施して前記所定の位置を導出する、請求項4に記載のホログラフィック干渉パターンの記録装置。
【請求項6】
前記感光材料固定部は、前記感光材料サンプルが回転した配置と同一の配置に前記感光材料が整列されるように前記感光材料を回転させる、請求項5に記載のホログラフィック干渉パターンの記録装置。
【請求項7】
前記感光材料固定部、前記参照光照射部および前記物体光照射部のそれぞれに連結され、それぞれ前記所定の位置に配置されるように移動させる制御部をさらに備える、請求項5または6に記載のホログラフィック干渉パターンの記録装置。
【請求項8】
前記ステージ部は、前記再生光および前記回折光のそれぞれの経路が表示されたマーカー部をさらに備える、請求項5または6に記載のホログラフィック干渉パターンの記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本願発明は、2021年7月15日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2021-0092621号の出願日の利益を主張し、その内容の全ては本願発明に組み込まれる。本願発明は、ホログラフィック干渉パターン記録装置およびこれを用いた記録方法に関し、具体的には、ホログラフィック干渉パターンを記録するように3次元座標系において光源と感光材料とを整列させた後、他のホログラフィック干渉パターンを記録するように光源と感光材料とを再整列させる過程を単純化させたホログラフィック干渉パターン記録装置およびこれを用いた記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ホログラフィック干渉パターンを感光材料に記録するためには、一般的に、感光材料上に物体光および参照光を照射して、物体光および参照光の干渉現象によって実現される干渉パターンを感光材料に記録することが一般的である。
【0003】
特定のホログラフィック干渉パターンを記録するためには、物体光および参照光が感光材料に対して照射される照射角度を調整しなければならないので、物体光、参照光および感光材料を特定の位置に整列させることが必要であった。
【0004】
すなわち、感光材料が装置に適用されるためには、特定の形状を有しなければならず、感光材料が装置に適用された状態を基準として、感光材料にホログラフィック干渉パターンを記録することが一般的である。しかし、特定の形状を有する感光材料が装置に適用された状態を基準としてホログラフィック干渉パターンを記録する際、多くの場合、物体光、参照光および感光材料は3次元座標系上に配置する必要があり、各構成要素を3次元座標系上に配置することは容易でないという問題点があった。さらに、感光材料に記録されたホログラフィック干渉パターンを複製する過程においても、再生光はホログラフィック干渉パターンによって回折されて回折光となり、回折光の経路は3次元上に実現されるので、これを把握することが容易でないだけでなく、この経路を把握してホログラフィック干渉パターンを記録するにあたり、物体光および参照光の経路を導出することも容易ではないという問題点があった。
【0005】
さらに、微修正されたホログラフィック干渉パターンを複製するためには、特定の形状を有する感光材料が装置に適用された状態を基準として物体光、参照光および感光材料の3次元的な配置を変更しなければならないので、物体光、参照光および感光材料の整列に過度な時間がかかるという問題点があった。
【0006】
したがって、ホログラフィック干渉パターンを変更した場合でも物体光、参照光および感光材料の整列を容易に実現できる技術の開発が急務という現状があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願発明が解決しようとする技術的課題は、ホログラフィック干渉パターンが記録された感光材料に対して再生光を照射して、回折される回折光が形成する光経路の3次元的な配置を、2次元的な配置に変換した後、再生光および回折光に対応する参照光および物体光の配置を導出することにより、記録されるホログラフィック干渉パターンを変更した場合でも、容易に配置を変更することができるホログラフィック干渉パターン記録装置およびこれを用いた記録方法を提供することである。
【0008】
ただし、本願発明が解決しようとする課題は上述した課題に制限されるものではなく、ここで言及されていないさらに他の課題も下記の記載から当業者には明確に理解されるものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明の一実施形態は、第1ホログラフィック干渉パターンが記録された感光材料サンプルに対して再生光を予め定められた位置から照射して、再生光の経路および回折光の経路が形成する光経路を確認するステップと、感光材料サンプルを回転させて光経路を2次元座標系に配置するステップと、2次元座標系に配置された光経路と同一の光経路を実現する第2ホログラフィック干渉パターンを記録できるように、参照光の経路および物体光の経路を導出するステップと、第2ホログラフィック干渉パターンが記録される感光材料を備え、参照光の経路および物体光の経路のそれぞれ所定の位置に参照光および物体光を備えて照射することにより、第2ホログラフィック干渉パターンを記録するステップと、を含むホログラフィック干渉パターンの記録方法を提供する。
【0010】
本願発明の一実施形態は、感光材料サンプルに記録された第1ホログラフィック干渉パターンによって実現された光経路と同一の光経路を実現する第2ホログラフィック干渉パターンが記録される感光材料を固定する感光材料固定部と、感光材料に対して参照光を照射する参照光照射部と、感光材料に対して物体光を照射する物体光照射部と、感光材料固定部、参照光照射部および物体光照射部が所定の位置に配置および固定されるステージ部と、所定の位置を導出する演算部と、を備え、参照光および物体光の干渉現象によって形成された第2ホログラフィック干渉パターンを感光材料に記録する、ホログラフィック干渉パターンの記録装置を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本願発明の一実施形態に係るホログラフィック干渉パターンの記録方法では、記録しようとするホログラフィック干渉パターン、すなわち、実現しようとする光経路における物体光および参照光の配置を2次元的に変換することで、ホログラフィック干渉パターンを変更した場合でも、参照光、物体光および感光材料のそれぞれの位置を容易に変更することができる。
【0012】
本願発明の一実施形態に係るホログラフィック干渉パターンの記録装置では、記録しようとするホログラフィック干渉パターン、すなわち、実現しようとする光経路を変更した場合でも、参照光、物体光および感光材料のそれぞれの位置を容易に変更して記録工程を単純化することができる。
【0013】
本願発明の効果は上述した効果に限定されるものではなく、言及されていない効果は本願明細書および添付した図面から当業者に明確に理解されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本願発明の一実施形態に係るホログラフィック干渉パターンの記録方法のフローチャートである。
図2】本願発明の一実施形態に係るホログラフィック干渉パターンの記録方法の概略図である。
図3】本願発明の一実施形態であるホログラフィック干渉パターンの記録装置の平面図である。
図4】本願発明の一実施形態であるホログラフィック干渉パターンの記録装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本願発明は添付した図面とともに詳細に後述する実施例を参照すれば明確になる。しかし、本願発明は以下に開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現され、単に本実施例は本願発明の開示が完全となるようにし、本願発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本願発明は請求項の範疇によってのみ定義される。また、本願明細書で使われた用語は実施例を説明するためのものであり、本願発明を制限するものではない。
【0016】
本願明細書全体において、単数形は、文言で特に言及しない限り、複数形も含む。
【0017】
本願明細書全体において使われる、「含む」、「備える」、「有する」は、言及された構成要素、段階、動作および/または素子が1つ以上の他の構成要素、段階、動作および/または素子の存在または追加を排除せず、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0018】
本願願明細書全体において、ある部材が他の部材の「上に」位置しているとする時、これは、ある部材が他の部材に接している場合のみならず、2つの部材の間にさらに他の部材が存在する場合も含む。
【0019】
本願願明細書全体において、「Aおよび/またはB」は、「AおよびB」または「AまたはB」を意味する。
【0020】
本願明細書全体において、「ホログラフィック干渉パターン」は、所定の方向に沿って高屈折部と低屈折部とが互いに交互に配置されるホログラフィック干渉パターンを意味し、ホログラフィック光学素子に到達する光は回折されて光経路が変更される。このようなホログラフィック干渉パターンは、フォトポリマー(photopolymer)のような感光材料に複数のレーザが干渉されて記録される。ホログラフィック光学素子は、光ガイドの一面または他面に配置されて、光ガイド上で光を回折させて光経路を変更するための構造として理解される。
【0021】
本願明細書全体において、用語「ホログラフィック干渉パターンの長手方向」は、高屈折部および低屈折部の互いに交互に並ぶ方向に対して垂直な方向と定義される。
【0022】
本願明細書全体において、「記録」は、感光材料サンプルに記録されたホログラフィック干渉パターンを、感光材料に記録して複製することを含むものであってもよい。
【0023】
本願明細書全体において、「光経路」は、ホログラフィック干渉パターンが記録された光学素子に対して再生光を照射する場合、再生光と、再生光がホログラフィック干渉パターンによって回折される回折光と、のなす光経路を意味するものであってもよい。
【0024】
以下、本願発明についてより詳しく説明する。
【0025】
本願発明の一実施形態は、第1ホログラフィック干渉パターンが記録された感光材料サンプルに対して再生光を予め定められた位置から照射して、再生光の経路および回折光の経路が形成する光経路を確認するステップと、感光材料サンプルを回転させて光経路を2次元座標系に配置するステップと、前述の2次元座標系に配置された光経路と同一の光経路を実現する第2ホログラフィック干渉パターンを記録できるように、参照光の経路および物体光の経路を導出するステップと、第2ホログラフィック干渉パターンが記録される感光材料を備え、参照光の経路および物体光の経路のそれぞれ所定の位置に参照光および物体光を備えて照射することにより、第2ホログラフィック干渉パターンを記録するステップと、を含むホログラフィック干渉パターンの記録方法を提供する。
【0026】
本願発明の一実施形態によれば、2次元座標系に配置するステップは、2次元座標系において再生光および感光材料サンプルの交点を原点として指定するものであってもよい。
【0027】
本願発明の一実施形態によれば、第2ホログラフィック干渉パターンを記録するステップは、感光材料サンプルが回転した配置と同一の配置に第2ホログラフィック干渉パターンが記録される感光材料を整列させることを備えてもよい。
【0028】
本願発明の一実施形態は、感光材料サンプルに記録された第1ホログラフィック干渉パターンによって実現された光経路と同一の光経路を実現する第2ホログラフィック干渉パターンが記録される感光材料を固定する感光材料固定部と、感光材料に対して参照光を照射する参照光照射部と、感光材料に対して物体光を照射する物体光照射部と、感光材料固定部、参照光照射部および物体光照射部がそれぞれ所定の位置に配置および固定されるステージ部と、所定の位置を導出する演算部と、を備え、参照光および物体光の干渉現象によって形成された第2ホログラフィック干渉パターンを感光材料に記録するようなホログラフィック干渉パターンの記録装置を提供する。
【0029】
本願発明の一実施形態によれば、演算部は、第1ホログラフィック干渉パターンが記録された感光材料サンプルに対して再生光を予め定められた位置から照射して、再生光の経路および回折光の経路が形成する光経路を確認するステップと、感光材料サンプルを回転させて光経路を2次元座標系に配置するステップと、2次元座標系に配置された光経路と同一の第2光経路を実現する第2ホログラフィック干渉パターンを記録できるように、参照光の経路および物体光の経路を導出するステップと、を実施して所定の位置を導出するようなホログラフィック干渉パターンの記録装置を提供する。
【0030】
本願発明の一実施形態によれば、感光材料固定部は、感光材料サンプルが回転した配置と同一の配置に感光材料が整列されるように感光材料を回転させてもよい。
【0031】
本願発明の一実施形態によれば、感光材料固定部、参照光照射部および物体光照射部のそれぞれに連結されて、それぞれが所定の位置に配置されるように移動させる制御部をさらに含むものであってもよい。
【0032】
本願発明の一実施形態によれば、ステージ部は、再生光および回折光のそれぞれの経路が表示されたマーカー部をさらに含むものであってもよい。
【0033】
実施例
図1は、本願発明の一実施形態に係るホログラフィック干渉パターンの記録方法のフローチャートである。図1を参照すれば、本願発明の一実施形態は、第1ホログラフィック干渉パターンが記録された感光材料サンプル1に対して再生光3を予め定められた位置から照射して、再生光3の経路および回折光5の経路が形成する光経路を確認するステップS10と、感光材料サンプル1を回転させて光経路を2次元座標系に配置するステップS30と、2次元座標系に配置された光経路3’、5’と同一の光経路を実現する第2ホログラフィック干渉パターンを記録できるように、参照光30の経路および物体光50の経路を導出するステップS50と、第2ホログラフィック干渉パターンが記録される感光材料10を備え、参照光30の経路および物体光50の経路のそれぞれ所定の位置に参照光30および物体光50を備えて照射することにより、第2ホログラフィック干渉パターンを記録するステップS70と、を含むホログラフィック干渉パターンの記録方法を提供する。
【0034】
本願発明の一実施形態に係るホログラフィック干渉パターンの記録方法は、記録しようとするホログラフィック干渉パターン、すなわち、実現しようとする光経路における物体光50および参照光30の配置を2次元的に変換することにより、ホログラフィック干渉パターンを変更した場合でも、参照光30、物体光50および感光材料10のそれぞれの位置を容易に変更することができる。
【0035】
図2は、本願発明の一実施形態に係るホログラフィック干渉パターンの記録方法の概略図である。図2を参照してホログラフィック干渉パターンの記録方法を具体的に説明する。
【0036】
本願発明の一実施形態によれば、ホログラフィック干渉パターンの記録方法は、第1ホログラフィック干渉パターンが記録された感光材料サンプル1に対して再生光3を予め定められた位置3sから照射して、再生光3の経路および回折光5の経路が形成する光経路を確認するステップS10を含む。具体的には、再生光3を予め定められた位置である再生光の始点3sに配置して感光材料サンプル1に対して照射し、再生光3の経路と、感光材料サンプル1に記録された第1ホログラフィック干渉パターンによって回折される回折光5の経路と、を確認する。上述のように、第1ホログラフィック干渉パターンが記録された感光材料サンプル1に対して再生光3を予め定められた位置から照射して、再生光3の経路および回折光5の経路が形成する光経路を確認するステップS10を含むことによって、第2ホログラフィック干渉パターンを記録するために、対応する物体光50の経路および参照光30の経路を確認することができ、これにより、物体光の始点50sおよび参照光の始点30sを確認することができる。
【0037】
本願発明の一実施形態によれば、第1ホログラフィック干渉パターンが記録された感光材料サンプル1は、曲面形状または平面形状を有する感光材料サンプルであってもよい。具体的には、感光材料サンプルの形状が異なる場合、同一の第1ホログラフィック干渉パターンが記録された感光材料サンプルに対して、同一の位置から再生光3を照射した場合でも、回折光5の経路が異なって実現される。したがって、上述の光経路と同一の光経路を実現する第2ホログラフィック干渉パターンを記録する場合、第1ホログラフィック干渉パターンが記録された感光材料サンプル1の形状を明確に特定した上で、再生光3の経路および回折光5の経路が形成する光経路を確認することが好ましい。上述のように、第1ホログラフィック干渉パターンが記録された感光材料サンプル1を、曲面形状または平面形状を有する感光材料サンプルとすることにより、ホログラフィック干渉パターンを記録するために照射される参照光30および物体光50の経路を正確に導出することができる。
【0038】
本願明細書全体において、「曲面形状」は、感光材料の一面、または、感光材料の一面とこの反対の面である他面とを含む両面が、平らでなく曲がっている面を有するものを意味してもよい。
【0039】
本願明細書全体において、「平面形状」は、感光材料の一面とこの反対の面である他面とを含む両面が平坦で無限に延びる面の一部分を意味してもよい。
【0040】
本願発明の一実施形態によれば、第2ホログラフィック干渉パターンが記録される感光材料は、曲面形状または平面形状を有する感光材料であってもよい。すなわち、上述の光経路と同一の光経路を実現する第2ホログラフィック干渉パターンが記録される感光材料は、曲面形状または平面形状を有する感光材料であってもよい。具体的には、感光材料が適用された装置次第では、感光材料が曲面形状または平面形状を有することが必要である。そこで、第2ホログラフィック干渉パターンが記録される感光材料が適用される装置次第では、第2ホログラフィック干渉パターンが記録される感光材料の形状を選択することが好ましい。上述のように、第2ホログラフィック干渉パターンが記録される感光材料の形状を曲面形状または平面形状で実現することにより、適用しようとする装置を多様に拡張することができる。
【0041】
本願発明の一実施形態によれば、第1ホログラフィック干渉パターンが記録された感光材料サンプルが曲面形状を有する場合、第2ホログラフィック干渉パターンが記録される感光材料は曲面形状を有するものであり、第1ホログラフィック干渉パターンが記録された感光材料サンプルが平面形状を有する場合、第2ホログラフィック干渉パターンが記録される感光材料は平面形状を有するものであってもよい。上述のように、第1ホログラフィック干渉パターンが記録された感光材料サンプルの形状と、第2ホログラフィック干渉パターンが記録される感光材料の形状とを同一の形状で実現することにより、この感光材料サンプルにおける第1ホログラフィック干渉パターンによって実現される光経路を、第2ホログラフィック干渉パターンが記録された感光材料においても実現できるような、第2ホログラフィック干渉パターンを記録することが容易となる。
【0042】
本願発明の一実施形態によれば、第1ホログラフィック干渉パターンが記録された感光材料サンプルが曲面形状を有する場合、第2ホログラフィック干渉パターンが記録される感光材料は平面形状を有するものであってもよい。上述のように、第1ホログラフィック干渉パターンが記録された感光材料サンプルが曲面形状を有する場合、第2ホログラフィック干渉パターンが記録される感光材料の形状を平面形状とすることにより、平面形状の感光材料に対して再生光を照射した場合でも、曲面形状の感光材料によって回折される回折光を実現することができる。
【0043】
本願発明の一実施形態によれば、第1ホログラフィック干渉パターンが記録された感光材料サンプルが平面形状を有する場合、第2ホログラフィック干渉パターンが記録される感光材料は曲面形状を有するものであってもよい。上述のように、第1ホログラフィック干渉パターンが記録された感光材料サンプルが平面形状を有する場合、第2ホログラフィック干渉パターンが記録される感光材料の形状を曲面形状とすることにより、曲面形状の感光材料に対して再生光を照射した場合でも、平面形状の感光材料によって回折される回折光を実現することができる。
【0044】
本願発明の一実施形態によれば、ホログラフィック干渉パターンの記録方法は、感光材料サンプル1を回転させて光経路3’、5’を2次元座標系に配置するステップS30を含む。すなわち、ホログラフィック干渉パターンの記録方法は、感光材料サンプル1を回転させて再生光3’の経路および回折光5’の経路を2次元座標系に配置するステップS30を含む。具体的には、再生光3の経路および回折光5の経路は、感光材料サンプル1との交点である原点Oを形成し、原点Oと、再生光3の経路および回折光5の経路と、が形成する平面を、2次元座標系である平面上に配置するステップS30を含む。上述のように、感光材料サンプル1を回転させて光経路3’、5’を2次元座標系に配置するステップS30を含むことにより、3次元座標系である空間上に配置された再生光3の経路および回折光5の経路を単純化することができる。
【0045】
本願発明の一実施形態によれば、ホログラフィック干渉パターンの記録方法は、2次元座標系に配置された光経路3’、5’と同一の光経路を実現する第2ホログラフィック干渉パターンを記録できるように、参照光30の経路および物体光50の経路を導出するステップS50を含む。具体的には、3次元座標系である空間上において再生光3の経路および回折光5が形成する光経路から、参照光30の経路および物体光50の経路を導出しようとする場合、各配置の整列が複雑になるという問題がある。そこで、2次元座標系に配置された再生光3’を照射し、回折される回折光5’を確認して、これに対応するように第2ホログラフィック干渉パターンを記録できるように、参照光30の経路および物体光50の経路のそれぞれを導出するステップS50を含む。上述のように、2次元座標系に配置された再生光3’の経路および回折光5’の経路から、第2ホログラフィック干渉パターンを記録できるように参照光30の経路および物体光50の経路を導出するステップS50を含むことにより、第1ホログラフィック干渉パターンが変更された場合においても、上述の導出過程により容易に参照光30の経路および物体光50の経路を変更することができる。
【0046】
本願発明の一実施形態によれば、ホログラフィック干渉パターンの記録方法は、第2ホログラフィック干渉パターンが記録される感光材料10を備え、参照光30の経路および物体光50の経路におけるそれぞれ所定の位置30s、50sに参照光30および物体光50を備えて照射することにより、第2ホログラフィック干渉パターンを記録するステップS70を含む。具体的には、第2ホログラフィック干渉パターンは、参照光30および物体光50を照射して発生した干渉現象によって形成された干渉パターンが記録されたものであってもよい。具体的には、感光材料に対して参照光および物体光を照射し、参照光および物体光の干渉現象によって相殺干渉および補強干渉が起きる。感光材料において補強干渉が起きる部分ではより強い光重合が起こり、相殺干渉が起きる部分では、感光材料において補強干渉の起きる部分より弱く光重合が起きることにより、感光材料において密度差が発生する。密度差が発生した感光材料は、干渉現象によって実現されるパターンを形成し、このようなパターンがホログラフィック干渉パターンに相当する。上述のように、第2ホログラフィック干渉パターンが記録される感光材料10を備え、参照光30の経路および物体光50の経路のそれぞれ所定の位置に参照光30および物体光50を備えて照射することにより、第2ホログラフィック干渉パターンを記録することで、容易にホログラフィック干渉パターンを形成することができる。
【0047】
本願発明の一実施形態によれば、2次元座標系に配置するステップS30は、2次元座標系において再生光3’および感光材料サンプル1’の交点を原点Oとして指定するものであってもよい。具体的には、再生光3が照射されて感光材料サンプル1と交わり回折される位置を原点Oとして指定し、原点Oを2次元座標系の原点とすることができる。上述のように、2次元座標系において再生光3’および感光材料サンプル1’の交点を原点Oとして指定して2次元座標系に配置することにより、参照光30、物体光50および感光材料10の配置を単純化することにより、ホログラフィック干渉パターンを変更する場合においても、容易に各構成要素の配置を変更することができる。
【0048】
本願発明の一実施形態によれば、第2ホログラフィック干渉パターンを記録するステップS70は、感光材料サンプル1が回転した配置1’と同一の配置に第2ホログラフィック干渉パターンが記録される感光材料10’を整列させることを備えてもよい。具体的には、3次元座標系から2次元座標系に各構成要素の配置を変更し、参照光30および物体光50によってホログラフィック干渉パターンを記録しようとする場合、回転した感光材料サンプル1’の配置と同一の配置になるように、回転した感光材料10’を配置して、第2ホログラフィック干渉パターンを記録することができる。
【0049】
本願発明の一実施形態は、感光材料サンプル1に記録された第1ホログラフィック干渉パターンで実現された光経路と同一の光経路を実現する第2ホログラフィック干渉パターンが記録される感光材料10’を固定する感光材料固定部100と、感光材料10’に対して参照光30を照射する参照光照射部300と、感光材料10’に対して物体光50を照射する物体光照射部500と、感光材料固定部100、参照光照射部300および物体光照射部500が所定の位置に配置および固定されるステージ部700と、所定の位置を導出する演算部600と、を含み、参照光30および物体光50の干渉現象によって形成された第2ホログラフィック干渉パターンを感光材料10’に記録するホログラフィック干渉パターンの記録装置1000を提供する。
【0050】
本願発明の一実施形態に係るホログラフィック干渉パターンの記録装置1000は、記録しようとするホログラフィック干渉パターンを変更した場合でも、参照光30、物体光50および感光材料10’それぞれの位置を容易に変更して記録工程を単純化することができる。
【0051】
図3は、本願発明の一実施形態であるホログラフィック干渉パターンの記録装置1000の平面図である。図4は、本願発明の一実施形態であるホログラフィック干渉パターンの記録装置1000の斜視図である。図3および図4を参照してホログラフィック干渉パターンの記録装置1000を説明する。
【0052】
本願発明の一実施形態によれば、ホログラフィック干渉パターンの記録装置1000は、感光材料サンプルに記録された第1ホログラフィック干渉パターンで実現された光経路と同一の光経路を実現する第2ホログラフィック干渉パターンが記録される感光材料10’を固定する感光材料固定部100を備える。具体的には、感光材料サンプル1に記録された第1ホログラフィック干渉パターンによって実現される再生光の経路および回折光の経路が形成する光経路と同一の光経路を実現する第2ホログラフィック干渉パターンを記録するために、感光材料10’は感光材料固定部100に固定される。上述のように、第1ホログラフィック干渉パターンで実現された光経路と同一の光経路を実現する第2ホログラフィック干渉パターンが記録される感光材料10’を固定する感光材料固定部100を備えることにより、感光材料固定部100の配置を容易に変更することができ、感光材料10’の動きを最小化しながら第2ホログラフィック干渉パターンを明確に記録することができる。
【0053】
本願発明の一実施形態によれば、ホログラフィック干渉パターンの記録装置1000は、感光材料10’に対して参照光30を照射する参照光照射部300を備える。具体的には、参照光30を照射する光源、すなわち参照光照射部300を備え、感光材料10’に対して照射することにより、物体光50と干渉を起こして第2ホログラフィック干渉パターンを形成することができる。また、参照光30が照射される位置を容易に変更することができる。上述のように、感光材料10’に対して参照光30を照射する参照光照射部300を備えることにより、参照光30を照射する位置を容易に変更することができ、参照光照射部300の動きを最小化しながら第2ホログラフィック干渉パターンを明確に記録することができる。
【0054】
本願発明の一実施形態によれば、ホログラフィック干渉パターンの記録装置1000は、感光材料10’に対して物体光50を照射する物体光照射部500を備える。具体的には、物体光50を照射する光源、すなわち物体光照射部500を備え、感光材料10’に対して照射することにより、参照光30と干渉を起こして第2ホログラフィック干渉パターンを形成することができる。また、物体光50が照射される位置を容易に変更することができる。上述のように、感光材料10’に対して物体光50を照射する物体光照射部500を備えることにより、物体光50を照射する位置を容易に変更することができ、物体光照射部500の動きを最小化しながら第2ホログラフィック干渉パターンを明確に記録することができる。
【0055】
本願発明の一実施形態によれば、ホログラフィック干渉パターンの記録装置1000は、感光材料固定部100、参照光照射部300および物体光照射部500が所定の位置に配置および固定されるステージ部700を含む。具体的には、感光材料固定部100、参照光照射部300および物体光照射部500は、前述の導出ステップで導出された感光材料固定部100、参照光照射部300および物体光照射部500のそれぞれの配置に整列させて固定することができ、ステージ部700の平面状における2次元座標系において導出された各構成要素の位置を容易に調整することができる。また、ステージ部700は後述する制御部800と連動しながら、感光材料固定部100、参照光照射部300および物体光照射部500それぞれの位置を、記録しようとする第2ホログラフィック干渉パターンに応じて容易に配置することができる。上述のように、感光材料固定部100、参照光照射部300および物体光照射部500が所定の位置に配置および固定されるステージ部700を含むことにより、記録しようとする第2ホログラフィック干渉パターンに応じて各構成要素を容易に配置することができる。
【0056】
本願発明の一実施形態によれば、ホログラフィック干渉パターンの記録装置は、上述した所定の位置を導出する演算部600を含む。具体的には、演算部600は、感光材料サンプル1に対して再生光3が照射され、回折光5が回折されるようなホログラフィック干渉パターンを記録できる参照光30の経路および物体光50の経路を導出して、3次元座標系上における再生光3および回折光5に対応する2次元座標系上の参照光30の経路および物体光50の経路を導出することができる。上述のように、所定の位置を導出する演算部600を備えることにより、3次元座標系である空間上に位置した再生光3および回折光5の配置を容易に2次元座標系である平面に変換することができ、変換された再生光3’の経路および回折光5’の経路を、対応する参照光30の経路および物体光50の経路に変換することができる。
【0057】
本願発明の一実施形態によれば、ホログラフィック干渉パターンの記録装置1000は、参照光30および物体光50の干渉現象によって形成された第2ホログラフィック干渉パターンを感光材料に記録して複製するものである。具体的には、感光材料に対して参照光および物体光を照射し、参照光および物体光の干渉現象によって相殺干渉および補強干渉が起きることにより、感光材料において補強干渉が起きる部分ではより強い光重合が起こり、相殺干渉が起きる部分では補強干渉の起きる部分より弱く光重合が起きることにより、感光材料における密度差が発生する。密度差が発生した感光材料は、干渉現象によって実現されるパターンを形成し、このようなパターンがホログラフィック干渉パターンに相当する。上述のように、ホログラフィック干渉パターンが記録される感光材料を備え、参照光の経路および物体光の経路のそれぞれ所定の位置に参照光および物体光を備えて照射することで、第2ホログラフィック干渉パターンを記録することにより、容易にホログラフィック干渉パターンを形成することができる。
【0058】
本願発明の一実施形態によれば、演算部600は、第1ホログラフィック干渉パターンが記録された感光材料サンプル1に対して再生光3を予め定められた位置3sから照射して、再生光3の経路および回折光5の経路が形成する光経路を確認するステップS10と、感光材料サンプル1を回転させて光経路3’、5’を2次元座標系に配置するステップS30と、2次元座標系に配置された光経路3’、5’と同一の光経路を実現する第2ホログラフィック干渉パターンを記録できるように参照光30の経路および物体光50の経路を導出するステップS50と、を実施して所定の位置を導出するものであってもよい。上述のように、光経路を確認するステップS10と、2次元座標系に配置するステップS30と、参照光の経路および物体光の経路を導出するステップS50と、を含むことにより、2次元座標系に変換された参照光30の経路および物体光50の経路を容易に導出することができ、記録しようとするホログラフィック干渉パターンを変更した場合でも、参照光30の経路および物体光50の経路を容易に導出することができる。
【0059】
本願発明の一実施形態によれば、演算部600は、第1ホログラフィック干渉パターンが記録された感光材料サンプル1に対して再生光3を予め定められた位置3sから照射して、再生光3の経路および回折光5の経路が形成する光経路を確認するステップS10を含む。すなわち、ホログラフィック干渉パターンが記録された感光材料サンプル1に対して再生光3を予め定められた位置3sから照射して、回折光5の経路を確認するステップを含む。具体的には、再生光3を予め定められた位置である再生光の始点3sに配置して感光材料サンプル1に対して照射し、感光材料サンプル1に記録されたホログラフィック干渉パターンによって回折される回折光5の経路を確認する。上述のように、第1ホログラフィック干渉パターンが記録された感光材料サンプル1に対して再生光3を予め定められた位置3sから照射して、再生光3の経路および回折光5の経路が形成する光経路を確認するステップS10を含むことにより、ホログラフィック干渉パターンを記録するために必要な、対応する物体光50の経路および参照光30の経路を確認することができ、これにより、物体光の始点50sおよび参照光30sの始点を確認することができる。
【0060】
本願発明の一実施形態によれば、演算部600は、感光材料サンプル1を回転させて光経路3’、5’を2次元座標系に配置するステップS30を含む。すなわち、演算部600は、感光材料サンプル1を回転させて再生光3の経路および回折光5の経路を2次元座標系に配置するステップS30を含む。具体的には、再生光3の経路および回折光5の経路は、感光材料サンプル1との交点である原点Oを形成し、原点Oと、再生光3’の経路および回折光5’の経路と、が形成する平面を、2次元座標系である平面上に配置するステップS30を含む。上述のように、感光材料サンプル1’を回転させて再生光3’の経路および回折光5’が形成する光経路を2次元座標系に配置するステップS30を含むことにより、3次元座標系である空間上に配置された再生光3の経路および回折光5の経路を単純化することができる。
【0061】
本願発明の一実施形態によれば、演算部600は、2次元座標系に配置された光経路3’、5’と同一の光経路を実現する第2ホログラフィック干渉パターンを記録できるように、参照光30の経路および物体光50の経路を導出するステップS50を含む。演算部600は、2次元座標系に配置された光経路3’、5’と同一の光経路を実現する第2ホログラフィック干渉パターンを記録できるように、参照光30の経路および物体光50の経路を導出するステップS50を含む。具体的には、3次元座標系である空間上で再生光3の経路および回折光5の経路から参照光の経路および物体光の経路を導出する場合、各配置の整列が複雑になるという問題がある。そこで、2次元座標系に配置された再生光3’を照射し、回折される回折光5’を確認して、これに対応する第2ホログラフィック干渉パターンを記録できるように、参照光30の経路および物体光50の経路それぞれを導出するステップS50を含む。上述のように、2次元座標系に配置された再生光3’の経路および回折光5’の経路から第2ホログラフィック干渉パターンを記録できるように、参照光30の経路および物体光50の経路を導出するステップS50を含むことにより、第1ホログラフィック干渉パターンが変更された場合においても、上述の導出過程により参照光30の経路および物体光50の経路を容易に変更することができる。
【0062】
本願発明の一実施形態によれば、感光材料固定部100は、感光材料サンプル1’が回転した配置と同一の配置に、感光材料10’を回転して整列させてもよい。具体的には、再生光3および回折光5を2次元座標系に配置するように感光材料サンプル1’が回転すると、これと同一の配置になるように感光材料10’を回転して整列させることにより、記録または複製しようとする第2ホログラフィック干渉パターンを記録して、予め定められた再生光3’の照射によって特定の角度で回折される回折光5’を実現することができる。
【0063】
本願発明の一実施形態によれば、感光材料固定部100、参照光照射部300および物体光照射部500のそれぞれに連結されて、それぞれが所定の位置に配置されるように移動させる制御部800をさらに備えるものであってもよい。具体的には、記録しようとするホログラフィック干渉パターンが変更される場合に、演算部600によって導出された参照光30の経路および物体光50の経路上に参照光照射部300および物体光照射部500が位置するように制御部800によって移動することができ、感光材料固定部100も、原点Oが2次元座標系の原点に位置できるように制御部800によって移動することができる。上述のように、制御部800によって感光材料固定部100、参照光照射部300および物体光照射部500のそれぞれの位置が制御されることにより、正確な整列を実現して記録されるホログラフィック干渉パターンの正確度を向上させることができる。
【0064】
本願発明の一実施形態によれば、ステージ部700は、再生光3’および回折光5’のそれぞれの経路が表示されたマーカー部900をさらに備えるものであってもよい。上述のように、ステージ部700が再生光3’および回折光5’のそれぞれの経路、すなわち、光経路が表示されたマーカー部900をさらに備えることにより、参照光30の経路および物体光50の経路と、再生光3’および回折光5’の経路と、の関係を確認することができ、これにより、それぞれ経路間の関係を把握して、記録または複製しようとするホログラフィック干渉パターンを正確に実現することができる。
【0065】
以上、本願発明は限定された実施例によって説明されたが、本願発明はこれによって限定されず、本願発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって本願発明の技術思想および以下に記載される特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正および変形が可能であると理解されるものである。
【符号の説明】
【0066】
1:感光材料サンプル
1’:回転した感光材料サンプル
3:再生光
3’:2次元座標系に配置された再生光
3s:再生光の始点
5:回折光
5’:2次元座標系に配置された回折光
5t:回折光の終点
θ:参照光と物体光とのなす角度
Ф:再生光と回折光とのなす角度
O:原点
10:感光材料
10’:回転した感光材料
30:参照光
30s:参照光の始点
50:物体光
50s:物体光の始点
50t:物体光の終点
100:感光材料固定部
300:参照光照射部
500:物体光照射部
600:演算部
700:ステージ部
800:制御部
900:マーカー部
1000:ホログラフィック干渉パターンの記録装置
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】