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特表2024-526523組み込まれたロードロックと共に使用可能であるファクトリインターフェースロボット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】組み込まれたロードロックと共に使用可能であるファクトリインターフェースロボット
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20240711BHJP
   B65G 47/90 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B65G47/90 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571607
(86)(22)【出願日】2022-10-11
(85)【翻訳文提出日】2024-01-12
(86)【国際出願番号】 US2022046317
(87)【国際公開番号】W WO2023064301
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】17/499,109
(32)【優先日】2021-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】コシティー, スシャント エス.
(72)【発明者】
【氏名】ロイター, ポール ビー.
(72)【発明者】
【氏名】フィリップス, デーヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ニューマン, ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】コンスタント, アンドリュー ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】ライス, マイケル アール.
(72)【発明者】
【氏名】アッサーフ, シェイ
(72)【発明者】
【氏名】ゴパラクリシュナ, シュリニヴァス ポシャトラハリ
(72)【発明者】
【氏名】ホルヤンナヴァール, デヴェンドラ チャンナッパ
(72)【発明者】
【氏名】バウムガルテン, ダグラス ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ラマチャンドライア, アルンクマール
(72)【発明者】
【氏名】ラマチャンドラン, ナーラーヤナン
【テーマコード(参考)】
3F072
5F131
【Fターム(参考)】
3F072AA16
3F072KD01
3F072KE04
5F131AA02
5F131BB02
5F131CA39
5F131DA05
5F131DA22
5F131DA32
5F131DA35
5F131DA37
5F131DA42
5F131GA14
5F131GB02
5F131GB12
5F131HA02
5F131HA05
5F131HA15
(57)【要約】
電子デバイス製造システムのためのファクトリインターフェースは、ファクトリインターフェースの内部空間内に配設されたロードロックと、ファクトリインターフェースの内部空間内に配設されたファクトリインターフェースロボットとを含むことができる。ファクトリインターフェースロボットは、基板キャリアの第1のセットと第1のロードロックとの間で基板を移送するように構成され得る。ファクトリインターフェースロボットは、垂直タワーと、複数のリンクと、エンドエフェクタと、を備えることができる。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイス製造システムのためのファクトリインターフェースであって、前記ファクトリインターフェースは、
前記ファクトリインターフェースの内部空間内に配設された第1のロードロックと、
前記ファクトリインターフェースの前記内部空間内に配設された第1のファクトリインターフェースロボットと、
を備え、
前記第1のファクトリインターフェースロボットは、第1のセットの基板キャリアと前記第1のロードロックとの間で基板を移送するように構成され、
前記ファクトリインターフェースロボットは、垂直タワー、複数のリンク、およびエンドエフェクタを備える、ファクトリインターフェース。
【請求項2】
前記垂直タワーは、前記複数のリンクのz軸方向における直線移動を実現するように構成された垂直ドライブ機構を備える、請求項1に記載のファクトリインターフェース。
【請求項3】
前記複数のリンクの近位側リンクは、前記垂直ドライブ機構に結合される、請求項2に記載のファクトリインターフェース。
【請求項4】
前記複数のリンクの遠位側リンクは、前記エンドエフェクタに結合される、請求項1に記載のファクトリインターフェース。
【請求項5】
前記ファクトリインターフェースの前記内部空間内に配設された第2のロードロックと、
基板キャリアの第2のセットと前記第2のロードロックとの間で基板を移送するように構成された第2のファクトリインターフェースロボットと
をさらに備える、請求項1に記載のファクトリインターフェース。
【請求項6】
前記第1のロードロックは、前記第2のロードロックよりも前記第1のファクトリインターフェースロボットに近く、前記第2のロードロックは、前記第1のロードロックよりも前記第2のファクトリインターフェースロボットに近い、請求項5に記載のファクトリインターフェース。
【請求項7】
前記第1のセットの基板キャリアを受けるための第1のセットのロードポートであって、前記第1のセットのロードポートは第1の移送チャンバロボットによってアクセス可能となるように配置される、第1のセットのロードポートと、
前記第2のセットの基板キャリアを受けるための第2のセットのロードポートであって、前記第2のセットのロードポートは第2の移送チャンバロボットによってアクセス可能となるように配置される、第2のセットのロードポートと、
をさらに備える、請求項5に記載のファクトリインターフェース。
【請求項8】
前記第1のセットのロードポートおよび前記第2のセットのロードポートの各ロードポートは、
輸送開口部であって、1つまたは複数の基板が前記輸送開口部を通して前記基板キャリアと前記ファクトリインターフェースとの間で輸送され得る、輸送開口部と、
フレームに結合されたアクチュエータと、
前記アクチュエータに連結され、前記輸送開口部を密閉するように構成されたロードポートドアと、
を備え、
前記ロードポートドアは第1の高さを有し、
前記フレームは第2の高さを有し、
前記第2の高さは、前記第1の高さの少なくとも2倍であり、前記第1の高さの2.5倍未満である、請求項7に記載のファクトリインターフェース。
【請求項9】
前記第1のセットのロードポートの1つのロードポートの下方に配置された、基板保管容器、計測機器、サーバ、または空調ユニットのうちの少なくとも1つ
をさらに備える、請求項7に記載のファクトリインターフェース。
【請求項10】
前記第1のロードロックの上方または下方で前記ファクトリインターフェースの前記内部空間内に配設されたビアであって、前記第1のファクトリインターフェースロボットは、前記ビアを通して基板を前記第2のファクトリインターフェースロボットまで移送するように構成される、ビア
をさらに備える、請求項1に記載のファクトリインターフェース。
【請求項11】
前記ファクトリインターフェースは、
底部、頂部、および複数の側面によって画定された前記内部空間であって、前記複数の側面は、前記電子デバイス製造システムの移送チャンバに面するように構成された背面、前面、右側面、および左側面を含み、前記第1のファクトリインターフェースロボットは、前記内部空間内で前記左側面に近接して配設され、前記第2のファクトリインターフェースロボットは、前記内部空間内で前記右側面に近接して配設され、前記第1のロードロックが前記第2のロードロックよりも前記第1のファクトリインターフェースロボットに近くなり、前記第2のロードロックが前記第1のロードロックよりも前記第2のファクトリインターフェースロボットに近くなるように、前記第1のロードロックおよび前記第2のロードロックは、前記背面に隣接して、前記第1のファクトリインターフェースロボットと前記第2のファクトリインターフェースロボットとの間に配設される、前記内部空間
をさらに備える、請求項5に記載のファクトリインターフェース。
【請求項12】
ファクトリインターフェースロボットであって、
複数のロボットリンクがz軸方向に横断するのを可能にするように構成された垂直タワーと、
前記垂直タワーに結合され、エンドエフェクタをx軸方向およびy軸方向に沿って移動させるように構成された前記複数のロボットリンクと、
前記複数のロボットリンクに結合され、基板を処理するように構成された前記エンドエフェクタと、
を備え、
前記ファクトリインターフェースロボットおよびロードロックはファクトリインターフェースの内部空間内に配設される、
ファクトリインターフェースロボット。
【請求項13】
前記ファクトリインターフェースロボットは、基板キャリアと前記ロードロックとの間で基板を移送するように構成される、請求項12に記載のファクトリインターフェースロボット。
【請求項14】
前記ファクトリインターフェースは前記基板キャリアを受けるためのロードポートを備え、前記ロードポートは前記ファクトリインターフェースロボットによってアクセス可能となるように配置される、請求項13に記載のファクトリインターフェースロボット。
【請求項15】
前記複数のロボットリンクの前記z軸方向における直線移動を実現するように構成された垂直ドライブ機構をさらに備える、請求項12に記載のファクトリインターフェースロボット。
【請求項16】
前記複数のロボットリンクの近位側リンクが前記垂直ドライブ機構に結合され、
前記近位側リンクは固定の横方向位置にある、請求項15に記載のファクトリインターフェースロボット。
【請求項17】
前記複数のロボットリンクの遠位側リンクが前記エンドエフェクタに結合される、請求項12に記載のファクトリインターフェースロボット。
【請求項18】
第1のファクトリインターフェースロボットから第2のファクトリインターフェースロボットに基板を移送するための方法であって、
前記第1のファクトリインターフェースロボットのエンドエフェクタにより基板キャリアから基板を取り出すことと、
前記第1のファクトリインターフェースロボットの垂直ドライブ機構により前記エンドエフェクタの垂直位置を調整することと、
前記第1のファクトリインターフェースロボットから前記第2のファクトリインターフェースロボットに前記基板を移送することであって、前記第1のファクトリインターフェースロボットおよび前記第2のファクトリインターフェースロボットはファクトリインターフェース内に配設される、前記基板を移送することと、
を含む、方法。
【請求項19】
前記第2のファクトリインターフェースロボットを介して、前記ファクトリインターフェース内に配設されたロードロックの内部に前記基板を配置することをさらに含み、前記第1のファクトリインターフェースロボットは前記ロードロックにアクセスすることができない、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記基板が、前記ファクトリインターフェースの内部空間内に前記ロードロックの上方または下方に配設されたビアを通して移送される、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、ファクトリインターフェース設置面積スペース中に組み込まれたロードロックと複数のファクトリインターフェースロボットが相互作用するのを可能にするためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイス製造システムは、基板を輸送し、製造するための1つまたは複数のツールまたは構成要素を含むことができる。そのようなツールまたは構成要素は、ロードロックおよび/または移送チャンバ(transfer chamber)に接続されたファクトリインターフェースを含むことができる。いくつかの事例では、ロードロックは、移送チャンバとファクトリインターフェースとの間に配置される。しかしながら、そのような構成は、製造システムが大きい動作設置面積を使用することにより非効率的になり得る。たとえば、この構成は、長い幅および/または長さ、ならびに未使用スペースの大きいセクションを有し得る。したがって、設置面積効率が高い、基板を輸送し、製造するための改善された電子デバイス製造システム、装置、および方法が求められる。
【発明の概要】
【0003】
説明する実施形態のうちのいくつかは電子デバイス製造システムのためのファクトリインターフェースをカバーする。ファクトリインターフェースは、ファクトリインターフェースの内部空間内に配設された第1のロードロックと、ファクトリインターフェースの内部空間内に配設された第1のファクトリインターフェースロボットとを含む。第1のファクトリインターフェースロボットは、基板キャリアの第1のセットと第1のロードロックとの間で基板を移送するように構成される。ファクトリインターフェースロボットは、垂直タワーと、複数のリンクと、エンドエフェクタと、を備える。
【0004】
いくつかの実施形態では、ファクトリインターフェースロボットは、複数のロボットリンクがz軸方向に横断するのを可能にするように構成された垂直タワーを備える。複数のリンクが垂直タワーに結合され、エンドエフェクタをx軸方向およびy軸方向に沿って移動させるように構成される。エンドエフェクタが複数のリンクに結合され、基板を処理するように構成され、ここでは、ファクトリインターフェースロボットおよびロードロックがファクトリインターフェースの内部空間内に配設される。
【0005】
いくつかの実施形態では、第1のファクトリインターフェースロボットから第2のファクトリインターフェースロボットに基板を輸送するための方法が、第1のファクトリインターフェースロットのエンドエフェクタにより基板キャリアから基板を取り出すことを含む。本方法は、ファクトリインターフェースロボットの垂直ドライブ機構によりエンドエフェクタの垂直位置を調整することをさらに含む。本方法は、第1のファクトリインターフェースロボットから第2のファクトリインターフェースロボットに基板を移送することであって、第1のファクトリインターフェースロボットおよび第2のファクトリインターフェースロボットはファクトリインターフェース内に配設される、基板を移送することをさらに含む。
【0006】
本開示は、同様の参照符号が同様の要素を示す添付の図面の図に、限定ではなく例として示されている。本開示における「一(an)」または「1つの(one)」実施形態への異なる言及は必ずしも同じ実施形態への言及であるとは限らず、そのような参照は少なくとも1つを意味することに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】本開示の態様による、例示的な電子デバイス製造システムの平面概略図である。
図1B】本開示の態様による、例示的な電子デバイス製造システムの正面概略図である。
図1C】本開示の態様による、例示的な電子デバイス製造システムの側面概略図である。
図1D】本開示の態様による、例示的な電子デバイス製造システムの別の側面概略図である。
図2A】本開示の態様による、電子デバイス製造システムを示す等角図である。
図2B】本開示の態様による、ファクトリインターフェースの前面に注目する、ファクトリインターフェースを示す等角図である。
図2C】本開示の態様による、ファクトリインターフェースの背面に注目する、ファクトリインターフェースを示す別の等角図である。
図2D】本開示の態様による、ファクトリインターフェースの背面に注目する、ファクトリインターフェースを示す側面図である。
図2E】本開示の態様によるファクトリインターフェースを示す正面図である。
図2F】本開示の態様によるファクトリインターフェースを示す上面図である。
図3】本開示の態様による、2つのファクターインターフェースロボットの間の受け渡しを示す図である。
図4A】本開示の態様による、別の例示的な電子デバイス製造システムの平面概略図である。
図4B】本開示の態様による、別の例示的な電子デバイス製造システムの側面概略図である。
図5A】本開示の態様による、また別の例示的な電子デバイス製造システムの平面概略図である。
図5B】本開示の態様による、また別の例示的な電子デバイス製造システムの正面概略図である。
図6A】本開示の態様による例示的なロードポートを示す正面概略図である。
図6B】本開示の態様による例示的なロードポートを示す側面概略図である。
図7】本開示の態様による例示的なドア機構を示す正面概略図である。
図8】本開示の態様によるファクトリインターフェースロボットを示す斜視図である。
図9A】本開示の態様による異なる基板キャリアから基板を取り出すファクトリインターフェースロボットを示す上面図である。
図9B】本開示の態様による異なる基板キャリアから基板を取り出すファクトリインターフェースロボットを示す上面図である。
図9C】本開示の態様による異なる基板キャリアから基板を取り出すファクトリインターフェースロボットを示す上面図である。
図10A】本開示の態様による、通過位置にあるファクトリインターフェースロボットを示す上面図である。
図10B】本開示の態様による、ロードロックから基板を取り出すファクトリインターフェースロボットを示す上面図である。
図11】本開示の実施形態による、基板キャリアからファクトリインターフェースまで基板を輸送するための方法を示す図である。
図12】本開示の実施形態による、基板を第1のファクトリインターフェースロボットから第2のファクトリインターフェースロボットに輸送するための方法である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書で説明する実施形態は、ファクトリインターフェース設置面積スペースの中に組み込まれたロードロックとファクトリインターフェースロボットが相互作用するのを可能にするためのシステムおよび方法に関連する。実施形態は、電子デバイス製造システムの総設置面積を低減するファクトリインターフェースおよびロードロックについての複数の異なる設計をカバーする。実施形態は、電子デバイス製造システムによって使い切られる垂直スペースを低減する短くされたロードポート、さらには、組み込まれたロードロックおよび短くされたロードポートと相互作用するように構成されたファクトリインターフェースロボットと、のための設計をさらにカバーする。
【0009】
電子デバイスのための製造施設(製造工場)におけるフロアスペースは極めてコストがかかり、電子デバイス製造システムの設置面積の低減はそれらの電子デバイス製造システムの所有コストを低減することができる。また、システムの設置面積を低減することにより、所有者は限られた製造工場スペース中により多いシステムを取り付けることが可能になり、それにより、より多いウエハの処理が可能になる。このようにして、本明細書で説明する実施形態は、電子デバイス製造システムの設置面積と全体的な所有コストとを低減する、ファクトリインターフェースと、ロードロックと、ロードポートと、ファクトリインターフェースロボットと、を提供する。
【0010】
いくつかの実施形態では、ロードロックがファクトリインターフェースの内側に組み込まれ、それにより、旧来ロードロック専用であったフロアスペースが縮小される。いくつかの実施形態では、ファクトリインターフェースが2つのより小さいファクトリインターフェース(たとえば、左側ファクトリインターフェースと右側ファクトリインターフェース)に分割され、1つまたは複数のロードロックがそれらの2つのより小さいファクトリインターフェース間に配置される。2つのより小さいファクトリインターフェースの各々が、基板キャリア(ロードポートに結合された)からロードロックにおよびその逆で基板を配置するように構成されたファクトリインターフェースロボットを含むことができる。ファクターインターフェースロボットが、複数のロボットリンク(例えば、アーム)がZ方向に(例えば、垂直方向に上下に)横断するのを可能にするように構造化および構成された垂直タワーを含むことができる。例えば、垂直タワーが、ロボットリンクのZ軸方向のみにおける直線移動を実現するように構成された垂直ドライブ機構を含むことができる。ロボットリンクの近位側リンクが垂直ドライブ機構に結合され得、対してロボットリンクの遠位側リンクが、基板(例えば、ウエハ)などの特定の対象物を処理するように構成されたエンドエフェクタに結合され得る。ロボットリンクは、リンクがx軸方向およびy軸方向に沿ってエンドエフェクタを移動させるのを可能にする(SCARAロボットと同様に)リンクジョイント構成を含むことができる。垂直ドライブ機構およびリンクジョイント構成のこの組み合わせは、エンドエフェクタを三次元で移動させる能力を維持しながら、ファクトリインターフェースロボットがコンパクトなスペース内で動作するのを可能にする。このような構成では、ファクトリインターフェースを加えたロードロックの組み合わされたスペースの総設置面積が従来のロードロックファクトリインターフェースの構成と比較して低減され、他方でさらに、ファクトリインターフェースの全体のサイズを増大させることなくロードロックを含むことによって低減されたスペース内でファクターインターフェースロボットが効率的に動作するのを可能にする。
【0011】
いくつかの実施形態では、ファクトリインターフェースのロードポートが、各々、従来のロードポートと比較してロードポートの全高を低減するのを可能にするロードポートドアを開けるためのアクチュエータ(例えば、空気圧機構、電気機械的に駆動されるデバイス、または同様の機構)を含む。いくつかの実施形態では、ロードポートによって占有される垂直スペースが低減されることにより、上記垂直スペースの中に補助構成要素を組み込むことが可能となる。補助構成要素は、基板保管容器、計測機器、サーバ、および空調ユニットなどを含み得る。例えば、ロードポートは、ファクトリインターフェースの壁に取り付けられ得る。壁取り付け式のロードポートのサイズがコンパクトであることにより、少なくとも1つの補助構成要素(例えば、基板保管容器、計測機器、サーバ、空調ユニットなど)がロードポートの下方に配置され得る。加えて、ロードポートは、基板を処理のためにプロセスチャンバに移送するのに使用されるロードロックの水平面と同様の水平面に取り付けられ得る。したがって、ロードロックの水平面と同様の水平面にロードポートを取り付けることで、基板キャリアからロードロックまで基板を移送するファクトリインターフェースロボットにより過剰モーション(例えば、垂直モーション)が排除されるかまたは低減される。このようにして、このような構成では、ロードポートおよび補助構成要素によって占有されるスペースを組み合わせることにより、電子デバイス製造システムの総設置面積が、従来のロードポートおよび補助構成要素と比較して、さらに低減される。
【0012】
ロードロックとファクトリインターフェースとを単一の空間中に組み込んでロードポートおよびファクトリインターフェースロボットのサイズを低減するシステムを与えることによって、電子デバイス製造システムに向上した設置面積効率が与えられる。特に、従来の電子デバイス製造システム設計では、ロードロックが移送チャンバとファクトリインターフェースとの間に配置され、それにより製造システムに長いプロファイルが与えられる。本開示のいくつかの実施形態では、ロードロックおよびファクトリインターフェースは単一の空間中に組み込まれ、1つまたは複数のファクトリインターフェースロボットが空間内にロードロックの側面に配設される。それにより、製造システムは縮小された奥行きを有する。
【0013】
ロードロックをファクトリインターフェースの中に組み込むことにより、従来のファクトリインターフェースロボットが動作を実行するのに十分なスペースを有さない場合がある。これは、従来のファクトリインターフェースロボットが、z方向においてエンドエフェクタを位置決めするのにリンクおよびジョイントを使用し、それにより、組み込まれたロードロックと共には利用可能とならない可能性があるスペースが必要となる、ことが理由である。本開示のいくつかの実施形態では、ファクトリインターフェースロボットが、リンクのz方向の直線移動を実現するように構成された垂直ドライブ機構を有する垂直タワーを含み、それにより、組み込まれたロードロックによって低減されたスペース内でファクトリインターフェースロボットが動作するのを可能にする。
【0014】
さらに、従来の電子デバイス製造システムは床から上方にファクトリインターフェースの側面に沿ってロードポートを垂直方向に配置し、それにより垂直空間内で利用可能であるスペースの大部分または全体が使用される。本開示のいくつかの実施形態では、ロードポートが短くされ(例えば、0.61m(2フィート))、壁に取り付けられ(床置き式ではない)、それにより1つまたは複数の補助構成要素をロードポートの下方に配置することが可能となり、ロードポートおよび補助構成要素が単一の空間の中に組み込まれる。したがって、本開示の製造システムは縮小された設置面積を有し、空間の1平方メートル当たりのスループットの追加を可能にし、これらのすべてが、全体的なシステム歩留まりおよび/またはコスト(例えば、製造コスト、材料コスト、パッケージングコスト、配送コストなど)を改善することができる。
【0015】
図1A~1Dは、それぞれのロードロック120A~Bと相互作用するように構成された2つのファクトリインターフェースロボット126A~Bを有する電子デバイス製造システム100を説明し、ここでは、ロードロック120A~Bはファクトリインターフェース106の空間の中に組み込まれる。図1Aは、本開示の態様による例示的な電子デバイス製造システム100の上面概略図である。図1Bは、本開示の態様による、例示的な電子デバイス製造システム100の正面概略図である。図1Cおよび図1Dは、本開示の態様による、例示的な電子デバイス製造システム100の側面概略図である。図1A図1Dは例示的な目的のために使用されること、および異なる構成要素が各図に対して異なるロケーション中に配置され得ることに留意されたい。
【0016】
図2A~2Fは、それぞれのロードロック120A~Bと相互作用するように構成された2つのファクトリインターフェースロボット126A~Bを同様に有する電子デバイス製造システム200を説明し、ここでは、ロードロック120A~Bがファクトリインターフェース106の空間の中に組み込まれる。電子デバイス製造システム200は、電子デバイス製造システム100と同様であり得るかまたは同じであり得る。特には、図1A~1Dは電子デバイス製造システム100の多様なブロック図を示しており、対して図2A~2Fは電子デバイス製造システム200の多様なコンピュータ支援設計(CAD:computer aided design)図を示している。図2Aは、本開示の態様による電子デバイス製造システム200の等角図である。図2Bは、本開示の態様による、ファクトリインターフェース106の前面に注目する、ファクトリインターフェース106の等角図である。図2Cは、本開示の態様による、ファクトリインターフェース106の背面に注目する、ファクトリインターフェース106を示す別の等角図である。図2Dは、ファクトリインターフェース106の背面に注目する、ファクトリインターフェース106の側面図である。図2Eは、本開示の態様によるファクトリインターフェース106の正面図である。図2Fは、本開示の態様によるファクトリインターフェース106の上面図である。図2A図2Fは例示的な目的のために使用されること、および異なる構成要素が各図に対して異なるロケーション中に配置され得ることに留意されたい。
【0017】
(エレクトロニクス処理システムとも呼ばれる)電子デバイス製造システム100および200は、基板102に対して1つまたは複数のプロセスを実行するように構成される。基板102は、たとえば、電子デバイスまたは回路部品をその上に製造するのに好適な、シリコン含有ディスクまたはウエハ、パターニングされたウエハ、ガラスプレートなど、任意の好適に剛性で固定寸法の平坦な物品であり得る。
【0018】
電子デバイス製造システム100および200は、プロセスツール(たとえばメインフレーム)104と、プロセスツール104に結合されたファクトリインターフェース106とを含む。プロセスツール104は、移送チャンバ110をその中に有するハウジング108を含む。移送チャンバ110は、それの周りに配設され、それに結合された(プロセスチャンバとも呼ばれる)1つまたは複数の処理チャンバ114、116、118を含む。処理チャンバ114、116、118は、スリットバルブなど、それぞれのポートを介して移送チャンバ110に結合され得る。
【0019】
処理チャンバ114、116、118は、基板102に対して任意の数のプロセスを実行するように適応され得る。同じまたは異なる基板プロセスが各処理チャンバ114、116、118中で行われ得る。基板プロセスの例としては、原子層堆積(ALD)、物理気相堆積(PVD)、化学気相堆積(CVD)、エッチング、アニーリング、硬化、プリクリーニング、金属または金属酸化物除去などがある。一例では、PVDプロセスがプロセスチャンバ114の一方または両方において実行され、エッチングプロセスがプロセスチャンバ116の一方または両方において実行され、アニーリングプロセスがプロセスチャンバ118の一方または両方において実行される。他のプロセスがその中で基板に対して実行され得る。処理チャンバ114、116、118はそれぞれ基板支持アセンブリを含むことができる。基板支持アセンブリは、基板プロセスが実行されている間に基板を所定の位置に保持するように構成され得る。
【0020】
移送チャンバ110はまた、移送チャンバロボット112を含む。移送チャンバロボット112は1つまたは複数のアームを含むことができ、各アームは各アームの端部に1つまたは複数のエンドエフェクタ(end effector)を含む。エンドエフェクタは、ウエハなど、特定の対象物を処理するように構成され得る。代替または追加として、エンドエフェクタは、プロセスキットリングなどの対象物を処理するように構成される。いくつかの実施形態では、移送チャンバロボット112は、2リンクSCARAロボット、3リンクSCARAロボット、4リンクSCARAロボットなど、選択的コンプライアンスアセンブリロボットアーム(SCARA)ロボットである。
【0021】
ロードロック120A~Bはハウジング108と移送チャンバ110とに結合され得る。ロードロック120A~Bは、ファクトリインターフェース106の内部空間内に配設され得、移送チャンバ110およびファクトリインターフェース106とインターフェースするように構成され得る。ロードロック120A~Bは、いくつかの実施形態では、(基板が移送チャンバ110におよび移送チャンバ110から移送される)真空環境から、(基板がロードロックの外部にあるファクトリインターフェース106の内部空間に、およびその内部空間から移送される)大気圧または大気圧に近い不活性ガス環境に変化する、環境的に制御される大気を有することができる。いくつかの実施形態では、図1Bおよび図1Cに示されているように、ロードロック120A~Bは、それぞれ、異なる垂直レベルに位置する(たとえば、上下に重なり合う)1つまたは複数(たとえばペア)の上側内側チャンバと1つまたは複数(たとえばペア)の下側内側チャンバとを有する、積層されたロードロックである。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の上側内側チャンバは、プロセスツール104から除去するために、移送チャンバ110から処理された基板を受けるように構成されるが、1つまたは複数の下側内側チャンバは、プロセスツール104中で処理するために、ファクトリインターフェース106から基板を受けるように構成され、その逆も同様である。いくつかの実施形態では、図1Dに示されているように、ロードロック120A~Bは、それぞれ、複数の基板(たとえば、25個の基板)を保持および/または移送するように構成され得るバッチロードロックである。いくつかの実施形態では、ロードロック120A~Bは、その中で受けられた1つまたは複数の基板102に対して基板プロセス(たとえば、エッチまたはプリクリーン)を実行するように構成される。したがって、ロードロック120A~Bは、基板を加熱するための1つまたは複数の加熱要素、および/または基板を冷却するための冷却要素を含み得る。
【0022】
ファクトリインターフェース106は、たとえば、機器フロントエンドモジュール(EFEM)など、任意の好適なエンクロージャであり得る。ファクトリインターフェース106は、ファクトリインターフェース106の様々なロードポート124にドッキングされた基板キャリア122A~F(たとえば、前方開口型統一ポッド(Front Opening Unified Pod)(FOUP))からの基板102を受けるように構成され得る。第1の例では、図1Aに示されているように、ファクトリインターフェース106は、ファクトリインターフェース106の前面に1つまたは複数の高さに配置され得る4つのロードポート124を含むことができる。第2の例では、図1B図2A図2B図2E、および図2Fに示されているように、ファクトリインターフェース106は、ファクトリインターフェース106の前面に1つまたは複数の高さに配置され得る6つのロードポート124を含むことができる。ファクトリインターフェース106は、ファクトリインターフェース106の1つまたは複数の側面に同じまたは異なる高さに位置し得る任意の数のロードポート124とともに構成され得る。
【0023】
図1B図2A図2B、および図2Eに示されているように、ロードポート124は、ファクトリインターフェース106の壁に沿って異なる高さに位置し得る。ロードポート124を上昇させることにより、ファクトリインターフェース106のベースへの1つまたは複数の補助構成要素150の配置が可能になる。補助構成要素150について以下でより詳細に説明する。いくつかの実施形態では、図1B図2A図2B、および図2Eに示されているように、1つまたは複数のロードポート124がファクトリインターフェースベースにまたはその近くにファクトリインターフェース106の前面に位置し得るが、1つまたは複数のさらなるロードポート124がより高い高さ(たとえば、地面から約2メートル)に位置し得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の基板キャリアエレベータ113が基板キャリア122A~Fを引き上げるように構成され得る。いくつかの実施形態では、基板キャリアエレベータ113は1つまたは複数の基板キャリア122A~Fをオーバーヘッド自動化構成要素(図示せず)に引き上げることができる。オーバーヘッド自動化構成要素は1つまたは複数の基板キャリア122A~Fを1つまたは複数の上昇したロードポート124に送達することができる。さらに、オーバーヘッド自動化構成要素は1つまたは複数の上昇したロードポート124から1つまたは複数の基板キャリア112A~Fを取り外すことができる。一例では、ファクトリオペレータが、基板キャリアエレベータ113上に基板キャリア122A~Fをロードし、エレベータを係合させて基板キャリア122A~Fをオーバーヘッド自動化構成要素に引き上げ、オーバーヘッド自動化構成要素を係合させて基板キャリア122A~Fをロードポート124に送達し、次いでオーバーヘッド自動化構成要素を係合させてロードポートから基板キャリア122A~Fを取り外して一度空にし、エレベータを係合させて基板キャリア122A~Fを下げることができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、前記ロードポート124に1つまたは複数の基板キャリア112A~Fを手動でロードすることができるファクトリオペレータにとってアクセス可能であるより低い高さに少なくとも1つのロードポート124が配置され得る。1つまたは複数のさらなるロードポート124がより高い高さに配置され得、それにより、ファクトリオペレータは基板キャリアエレベータ113とオーバーヘッド自動化構成要素とを係合させて1つまたは複数の基板キャリア112A~Fを上昇したロードポート124にロードすることができる。そのような構成によりファクトリインターフェースの前面のベースへのスペースの追加が可能になり得、それにより、そのスペースに配置された構成要素が電子デバイス製造システム100の動作設置面積を増加させないであろう。たとえば、いくつかの実施形態では、補助構成要素150がロードポート124と置き換えられ得る。たとえば、4つのまたは6つのロードポート124が、ファクトリインターフェースベースにまたはファクトリインターフェースベースの近くにファクトリインターフェース106の前面に位置し得る。いくつかの他の実施形態では、1つまたは複数のロードポート124がファクトリインターフェース106の側壁上にロードされ得る。
【0025】
1つまたは複数のロードポート124は、本開示に態様によると、ファクトリインターフェース106の上で最小量の垂直スペースを占有する設計となり得る。これらのロードポートは図6A~6Bおよび7に関連してより詳細に考察される。いくつかの実施形態では、ロードポート124は、ファクトリインターフェース106の壁に沿って異なる高さに位置し得る。上で考察したように、ロードポート124を上昇させることにより、ロードポート124の下方での、ファクトリインターフェース106のベースへの1つまたは複数の補助構成要素150の配置が可能になる。
【0026】
ファクトリインターフェースロボット126A~Bは、(容器とも呼ばれる)基板キャリア122A~Fとロードロック120A~Bとの間で基板102を移送するように構成され得る。一実施形態では、ファクトリインターフェース106は2つまたはそれ以上のファクトリインターフェースロボットを含む。たとえば、ファクトリインターフェース106は、ファクトリインターフェース内にファクトリインターフェース106の第1の側面(たとえば左側面)に配設された第1のファクトリインターフェースロボット126Aと、ファクトリインターフェース内にファクトリインターフェース106の第2の側面(たとえば右側面)に配設された第2のファクトリインターフェースロボット126Bとを含み得る。一実施形態では、ロードロック120Aがファクトリインターフェースロボット126Aにより近くなり、ロードロック120Bがファクトリインターフェースロボット126Bにより近くなる状態で、第1のロードロック120Aおよび第2のロードロック120Bはファクトリインターフェース106内に第1のファクトリインターフェースロボット126Aと第2のファクトリインターフェースロボット126Bとの間に配設される。
【0027】
一例では、ファクトリインターフェースロボット126Aは、基板キャリアの第1のセット(たとえば基板キャリア122A~B、122E)とロードロック120Aとの間で基板102を移送するように構成され得る。別の例では、ファクトリインターフェースロボット126Bは、基板キャリアの第2のセット(たとえば基板キャリア122C~D、122F)とロードロック120Bとの間で基板102を移送するように構成され得る。しかしながら、ファクトリインターフェースロボット126A~Bは、基板キャリア122A~Fのいずれかとロードロック120A~Bとの間で基板102を移送するように構成され得ることに留意されたい。他のおよび/または同様の実施形態では、ファクトリインターフェース106は、交換部品保管容器から交換部品を受けるように構成され、ファクトリインターフェースロボット126A~Bは、そのような交換部品をロードロック120A~Bのうちの1つまたは複数の中におよび外に輸送するように構成される。いくつかの実施形態では、ファクトリインターフェースロボット126Aはロードロック120Bにアクセスすることができず、ファクトリインターフェースロボット128Bはロードロック120Aにアクセスすることができない。
【0028】
ファクトリインターフェースロボット126A~Bは、1つまたは複数のロボットアームを含むことができ、それぞれ、SCARAロボット、マストタイプ(mast-type)ロボット、リフトタイプ(例えば、シザーリフト)ロボット、またはこれらの任意の組み合わせであり得るか、あるいはこれらを含み得る。いくつかの実施形態では、ファクトリインターフェースロボット126A~Bは、移送チャンバロボット112よりも多いリンクおよび/または大きい自由度を有する。ファクトリインターフェースロボット126A~Bの各々は、それぞれのファクトリインターフェースロボット126A~Bのロボットアームのうちの1つまたは複数の高さを調整することができるアクチュエータまたはアセンブリを含み得、それにより、ファクトリインターフェースロボット126A~Bは異なる高さにおいてロードポートに接続されたキャリアに到達することが可能になる。ファクトリインターフェースロボット126A~Bはそれぞれ各ロボットアームの端部上に1つまたは複数のエンドエフェクタを含むことができる。エンドエフェクタは、ウエハなど、特定の対象物をピックアップし、処理するように構成され得る。代替または追加として、エンドエフェクタは、プロセスキットリングなどの対象物を処理するように構成され得る。ファクトリインターフェースロボット126A~Bのために任意の従来のロボットタイプが使用され得る。移送は任意の順序でまたは任意の方向に実行され得る。ファクトリインターフェースロボット126A~Bは、図8および9A~9Cに関連してより詳細に考察される。
【0029】
ファクトリインターフェース106は、いくつかの実施形態では、たとえば、(非反応性ガスとしてたとえば窒素を使用した)わずかに正圧の非反応性ガス環境中に保持され得る。実施形態では、ファクトリインターフェース106は、1つまたは複数の不活性ガス供給ラインと、1つまたは複数の排気ラインと、湿度、O2レベル、温度、圧力、ガス流量、および/または他のパラメータのうちの1つまたは複数を測定するために使用可能な1つまたは複数のセンサーとをもつ環境制御システムを含む。環境制御システムは、1つまたは複数の測定されたパラメータに基づいて、ファクトリインターフェース中に流されるガスおよび/またはガス流量ならびに/あるいはファクトリインターフェースから排気されるガス流量を調整し得る。実施形態では、ファクトリインターフェースは、ファクトリインターフェースから排気されたガスをろ過し、ろ過されたガスを再循環させてファクトリインターフェースの内側に戻し得る再循環システムをさらに含む。
【0030】
ロードロック120A~Bの各々は、ファクトリインターフェースロボット126A~Bおよび移送チャンバロボット112へのおよび/またはそれらからの基板を受けるかまたは解放するときに開くように構成された1つまたは複数のスリットバルブおよび/またはドアを含むことができる。スリットバルブおよび/またはドアは、真空環境、クリーン環境、および/または温度制御された環境を維持するために使用され得る。たとえば、スリットバルブおよび/またはドアは、移送チャンバ110内の真空環境と、ファクトリインターフェース106内の不活性ガス環境とを維持するために使用され得る。ロードロック120Aは、ファクトリインターフェースロボット126Aへのアクセスを許可することができる(図1Dに示されているように)1つのまたは(図1Cに示されているように)複数のサイドドア128Aを含むことができる。ロードロック120Bは、ファクトリインターフェースロボット126Bへのアクセスを許可することができる1つまたは複数のサイドドア128Bを含むことができる。ロードロック120A~Bは、移送チャンバロボット112へのアクセスを許可する1つまたは複数のフロントドア(図示せず)を含むことができる。
【0031】
図示のように、一実施形態では、サイドドア128Aは、ファクトリインターフェース106の背面にほぼ直角であり、ドア130にもほぼ直角である。同様に、一実施形態では、サイドドア128Bは、ファクトリインターフェース106の背面にほぼ直角であり、ドア130にもほぼ直角である。サイドドア128Aはサイドドア128Bと反対の方向を向き得る。図示されていないが、1つまたは複数の追加のサイドドアがロードロック120A、120B中に含まれ得、1つまたは複数の追加のサイドドアは、ロードロック120Aとロードロック120Bとの間にあり、ロードロック120Aとロードロック120Bとを分離する。たとえば、ロードロック120Bの追加のサイドドアがサイドドア128Bの反対側にあり得、ファクトリインターフェースロボット126Bがロードロック120Aに基板を配置することを可能にし、ファクトリインターフェースロボット126Aがロードロック120Bに基板を配置することを可能にし、および/またはファクトリインターフェースロボット126Aとファクトリインターフェースロボット126Bとの間の基板のハンドオフを可能にするために、開かれ得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、ファクトリインターフェースロボット126A~Bは、容器122A~Fから基板を取り出すとき、および/または容器122A~Fに基板を配置するときに、ファクトリインターフェースの前面のほうに向けられ、ファクトリインターフェースの前面にほぼ直角である第1の方向に、エンドエフェクタを配向させ得る。実施形態では、ファクトリインターフェースロボット126Aは、ロードロック120Aから基板を取り出すとき、および/またはロードロック120Aに基板を配置するときに、第1の方向にほぼ直角であり得る第2の方向に1つまたは複数のエンドエフェクタを配向させ得る。同様に、ファクトリインターフェースロボット126Bは、ロードロック120Bから基板を取り出すとき、および/またはロードロック120Bに基板を配置するときに、第1の方向にほぼ直角であり得る第3の方向に1つまたは複数のエンドエフェクタを配向させ得る。第3の方向は、実施形態では、第2の方向から約180度であり得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、移送チャンバ110、プロセスチャンバ114、116、および118、ならびに/またはロードロック120A~Bが真空レベルに保持される。電子デバイス製造システム100は、電子デバイス製造システム100の1つまたは複数のステーションに結合された1つまたは複数の真空ポートを含むことができる。たとえば、真空ポート130がロードロック120A~Bに結合され、ロードロック120A~Bと移送チャンバ110との間に配設され得る。いくつかの実施形態では、追加の真空ポートが使用され得る。たとえば、さらなる真空ポート(図示せず)がファクトリインターフェース106をロードロック120A~Bに結合することができる。いくつかの実施形態では、ファクトリオペレータが、ファクトリインターフェース106を停止させることなしに保守または修復のためにロードロック120A~Bにアクセスすることができる。これについて以下でさらにより詳細に説明する。
【0034】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のユーティリティライン(図示せず)が、ファクトリインターフェース106へのユーティリティを与えるように構成される。ユーティリティラインは、ファクトリインターフェース106に電力を与えるように構成された電力ユーティリティライン、ファクトリインターフェース106に空気を与えるように構成された空気ユーティリティライン(たとえば清浄乾燥空気(CDA)ユーティリティライン)、真空ポート130におよび/またはファクトリインターフェース106の内側チャンバに真空を与えるように構成された真空ユーティリティライン、ならびに/あるいはファクトリインターフェース106に窒素を与えるように構成された窒素ユーティリティラインを含み得る。
【0035】
1つまたは複数のユーティリティケーブルが、1つまたは複数のユーティリティラインを保護するように構成され得る。たとえば、各ユーティリティラインがユーティリティケーブル内に封入され得る。複数のユーティリティラインが同じユーティリティケーブル内に封入され得、および/またはユーティリティラインが別個のユーティリティケーブル内に含まれ得る。各ユーティリティケーブルの第1の端部がユーティリティサプライ(たとえば、電力サプライ、空気サプライ、真空ポンプ、窒素サプライなど)の出口に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、ユーティリティサプライの出口は電子デバイス製造システム100の床(または壁)に接続される。したがって、各ユーティリティケーブルの第1の端部は製造工場の地面(たとえば、ファクトリインターフェース106がその上に設置される地面)に取り付けられ得る。各ユーティリティケーブルの第2の端部がファクトリインターフェース106の入口に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、入口はファクトリインターフェース106の底部に位置する。したがって、各ユーティリティケーブルの第2の端部はファクトリインターフェース106の底部に取り付けられる。
【0036】
電子デバイス製造システム100はまた、システムコントローラ140を含むことができる。システムコントローラ140は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、プログラマブル論理コントローラ(PLC)、マイクロコントローラなどの計算デバイスであり、および/またはそのような計算デバイスを含み得る。システムコントローラ140は、マイクロプロセッサ、中央処理ユニットなどの汎用処理デバイスであり得る1つまたは複数の処理デバイスを含むことができる。より詳細には、処理デバイスは、複雑命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、または他の命令セットを実装するプロセッサ、または命令セットの組合せを実装するプロセッサであり得る。処理デバイスはまた、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなどの1つまたは複数の専用処理デバイスであり得る。システムコントローラ140は、データ記憶デバイス(たとえば1つもしくは複数のディスクドライブおよび/または固体ドライブ)、メインメモリ、スタティックメモリ、ネットワークインターフェース、ならびに/あるいは他の構成要素を含むことができる。システムコントローラ140は、本明細書で説明する方法および/または実施形態のうちのいずれか1つまたは複数を実行するための命令を実行することができる。命令は、(命令の実行中に)メインメモリ、スタティックメモリ、2次ストレージおよび/または処理デバイスを含むことができるコンピュータ可読記憶媒体上に記憶され得る。システムコントローラ140は、ファクトリインターフェース106内の環境(たとえば、圧力、水分レベル、真空レベルなど)を制御するように構成された環境コントローラを含み得る。実施形態では、システムコントローラ140による命令の実行によりシステムコントローラは図11および図12のうちの1つまたは複数の方法を実行する。システムコントローラ140はまた、人間のオペレータによるデータ、オペレーティングコマンドなどの入力および表示を許可するように構成され得る。
【0037】
次に図1A図1Bを参照すると、いくつかの実施形態では、ファクトリインターフェースロボット126Aが、通過エリア(pass through area)115A、115B、115Cを使用して、1つまたは複数の基板をファクトリインターフェースロボット126Bに移送するように構成され、その逆も同様である。第1の例では、図1Aに示されているように、ファクトリインターフェースの前面と、ロードロックの前向きの側面との間に通過エリア115Aが配設され得る。第2の例では、通過エリア115Bが、ファクトリインターフェース106の内部空間内にロードロック120A~Bの上方に配設されたビアまたはオープンスペースであり得る。第3の例では、通過エリア115Cが、ファクトリインターフェース106の内部空間内に、(たとえば、ロードロック120A~Bがそれぞれ積層されたロードロックである場合)ロードロック120A~Bの上側内側チャンバのペアと下側内側チャンバのペアとの間に配設されたオープンスペースまたはビアであり得る。第4の例では、通過エリア115Dが、ファクトリインターフェース106の内部空間内にロードロック120A~Bの下方に配設されたオープンスペースまたはビアであり得る。ファクトリインターフェースロボット126Aは、実施形態では、通過エリア115A~Dのうちの1つまたは複数を通して1つまたは複数の基板をファクトリインターフェースロボット126Bに移送するように構成され得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、ファクトリインターフェースロボット126Aは基板をファクトリインターフェースロボット126Bにハンドオフすることができ、その逆も同様である。例えば、図3に示されるように、基板302A~Bは、通過エリア310を使用してファクトリインターフェースロボット126A~B(図示せず)の間で受け渡され得る。いくつかの実施形態では、ファクトリインターフェースロボット126Aは、ファクトリインターフェース中に含まれる通過エリア115A~Dのいずれか中の棚上に基板を配置することができ、ファクトリインターフェースロボット126Bは棚から基板を取り出すことができる。
【0039】
図1B図1D図2A図2B、および図2D図2Eを参照すると、ファクトリインターフェース106は、ファクトリインターフェースロボットによってアクセス可能であり、ファクトリインターフェースミニ環境の一部である、1つまたは複数の補助構成要素150を含むことができる。補助構成要素150は、基板ウエハ保管ステーション、計測ステーション、冷却ステーション、サーバなどを含むことができる。基板保管容器が、たとえば、基板および/または基板キャリア(たとえばFOUP)を保管することができる。電子デバイス製造システム100によって生成された生成物の特性データを決定するために、計測機器が使用され得る。いくつかの実施形態では、ファクトリインターフェース106は、図1Bおよび図2A図2Eに見られるように、上側区画160を含むことができる。上側区画160は、電子システム(たとえば、サーバ、空調ユニットなど)、ユーティリティケーブル、システムコントローラ140、または他の構成要素を収納することができる。
【0040】
ファクトリインターフェース106は、ロードロック120A~B、ファクトリインターフェースロボット126A~B、または他の構成要素を検査するか、またはそれらに対して保守を実行するために使用され得る、1つまたは複数のアクセスドア134、136を含むことができる。いくつかの実施形態では、ファクトリインターフェースはサイドアクセスドア134を含むことができる。いくつかの実施形態では、ファクトリインターフェース106はフロントアクセスドア136を含むことができる。ロードロック120A~Bは、サイドドア128A~Bを介してファクトリインターフェース106によって生成されるクリーン環境から隔離され得る。これにより、ファクトリオペレータは、ファクトリインターフェース106によって生成されたクリーン環境を閉鎖することなしにロードロック120A~Bにアクセスすることが可能になる。
【0041】
図1A図1C、および図1Dの図示の実施形態では、ファクトリインターフェースの前面とロードロック120A~Bの前面との間にオープンスペース(たとえば通過エリア115A)がある。代替実施形態では、ロードロック120A、120Bはファクトリインターフェース106の前面までずっと延び得る。そのような実施形態では、ロードロックは、ファクトリインターフェース106の内部空間を外部環境にさらすことなしにアクセスされ得る。一実施形態では、ロードロック120A、120Bは、ロードロックの、ドア130と反対側にある追加のアクセスドア(図示せず)を含む。そのようなアクセスドアは、ファクトリインターフェース106の内側を外部環境にさらすことなしにロードロック120A~Bへの保守アクセスを可能にするために、ドア130、128A、128Bが閉じられている間、開かれ得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、図1B図2A図2B、および図2Eに示されているように、ファクトリインターフェース106はアンダーアクセスエリア170を含むことができる。アンダーアクセスエリア170は、ファクトリオペレータが、ファクトリインターフェース106、ロードロック120A~B、ファクトリインターフェースロボット126A~B、移送チャンバ108、および/または電子デバイス製造システム100の他の構成要素のための保守を行うことを可能にするチャネルであり得る。ファクトリインターフェースがアンダーアクセスエリア170を含むいくつかの実施形態では、ロードロック120A、120Bは、アンダーアクセスエリア170から到達可能であるロードロック120A、120Bの下面に保守アクセスドアを含む。
【0043】
説明例では、ファクトリインターフェース106は、電子デバイス製造システム100の移送チャンバ110に面するように構成された背面と、前面と、右側面と、左側面とを含む複数の側面を含む。第1のファクトリインターフェースロボット(たとえばファクトリインターフェースロボット126A)が、内部空間内に左側面に近接して配設され、第2のファクトリインターフェースロボット(たとえばファクトリインターフェースロボット126B)が、内部空間内に右側面に近接して配設される。第1のロードロックが第2のロードロックよりも第1のファクトリインターフェースロボットに近くなり、第2のロードロックが第1のロードロックよりも第2のファクトリインターフェースロボットに近くなるように、第1のロードロック(たとえばロードロック120A)および第2のロードロック(たとえばロードロック120B)が、背面に隣接して、第1のファクトリインターフェースロボットと第2のファクトリインターフェースロボットとの間に配設される。ファクトリインターフェース106は、基板キャリア(たとえば基板キャリア122A~Fのうちの1つまたは複数)の第1のセットを受けるためのロードポート(たとえばロードポート122のうちの1つまたは複数)の第1のセットを含み、ロードポートの第1のセットは、左側面に近接した前面の第1の部分に配置される。ファクトリインターフェース106は、基板キャリア(たとえば基板キャリア122A~Fのうちの1つまたは複数)の第2のセットを受けるためのロードポート(たとえばロードポート122のうちの1つまたは複数)の第2のセットをも含み、ロードポートの第2のセットは、右側面に近接した前面の第2の部分に配置される。ファクトリインターフェース106は、ロードポートの第1のセットのうちのロードポート122の下方に配置された基板保管容器または計測機器のうちの少なくとも1つを含むことができる。複数の側面は、移送チャンバ110に面するように構成された背面と、右側面と、左側面とを含むことができ、第1のファクトリインターフェースロボットは、内部空間内に左側面に近接して配設され、第1のロードロックは、背面に隣接して、第1のファクトリインターフェースロボットと右側面との間に配設される。第1のロードロックは、背面にほぼ直角であり、第1のファクトリインターフェースロボットによってアクセス可能である第1のドア(たとえば、サイドドア128A)と、背面にほぼ平行であり、移送チャンバロボット112によってアクセス可能である第2のドアとを含むことができる。
【0044】
図4Aは、本開示の一実施形態による、プロセスツール404と、プロセスツール404に結合されたファクトリインターフェース406とを含む電子デバイス製造システム400の平面概略図である。プロセスツール404およびファクトリインターフェース406の構成要素および機能は、それぞれプロセスツール104およびファクトリインターフェース406と同様であり得る。図4A図4Bは、図1A図1Dに関して説明したものと同様の例示的な電子デバイス製造システム400について説明するが、ファクトリインターフェース406はファクトリインターフェース106の前面に隆起(bulged)セクション410を含む。図4Aは、本開示の態様による、例示的な電子デバイス製造システム400の平面概略図である。図4Bは、本開示の態様による、例示的な電子デバイス製造システム400の側面概略図である。隆起セクション410はファクトリインターフェース406内に追加のスペースを与えることができる。隆起セクション410は、ロードロック120A~Bから任意の長さ離れて延びることができ、ファクトリインターフェース406の残りの高さから独立した高さをもつ上部セクション(たとえば、シーリング)を有することができる。たとえば、隆起セクション410の上部セクションの高さは、1メートル、2メートル、ファクトリインターフェース406の上部セクションと同じ高さ、ファクトリインターフェース406の上部セクションよりも高い高さ、または何らかの他の高さであり得る。いくつかの実施形態では、隆起セクション410は、ファクトリインターフェース406の動作設置面積を増加させないように、基板キャリア122A~Dの端部まで延び得る。したがって、実施形態では、隆起セクション410の前面がキャリア122A~Fの前面とほぼ同一平面であり得る。いくつかの実施形態では、隆起セクション410は、限定はしないが、基板保管容器、計測機器、サーバ、空調ユニットなど、様々な構成要素を収納するための追加のスペースをファクトリインターフェース406に与える。隆起セクション410はファクトリインターフェース406のクリーン環境を共有することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、ファクトリインターフェースロボット126Aは、隆起セクション410内に配設された通過エリア115を使用して、1つまたは複数の基板をファクトリインターフェースロボット126Bに移送するように構成され得、その逆も同様である。たとえば、ファクトリインターフェースロボット126Aは、隆起セクション410内に配設された通過エリアを使用して基板をファクトリインターフェースロボット126Bにハンドオフすることができる。別の例では、ファクトリインターフェースロボット126Aは、隆起セクション410内に配設された通過エリア中の棚上に基板を配置することができ、ファクトリインターフェースロボット126Bは棚から基板を取り出すことができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、ロードロックはファクトリインターフェース内に含まれない。そのような実施形態では、ファクトリインターフェースは2つまたはそれ以上のファクトリインターフェース(たとえば、左側ファクトリインターフェースと右側ファクトリインターフェース)に分割され得る。ロードロックは、その場合、左側ファクトリインターフェースと右側ファクトリインターフェースとの間に配置され得る。これにより、上記で説明した実施形態と同じ様式でファクトリインターフェースとロードロックとの合計設置面積が低減され得る。
【0047】
説明例では、ファクトリインターフェース406の前面が、中心部分(たとえば隆起セクション410)と、左前部分と、右前部分とを含むことができ、中心部分は、左前部分と、右前部分と、背面とから離れて突出し、第1のロードポート(たとえばロードポート122のうちの1つ)が左前部分上の第1の位置に配置され、第2のロードポート(たとえばロードポート122のうちの別の1つ)が右前部分上の第2の位置に配置される。ファクトリインターフェース406の内部空間内に中心部分に配設されたビアが、そのビアを通して基板を第2のファクトリインターフェースロボット(たとえばファクトリインターフェースロボット126B)に移送するように構成された第1のファクトリインターフェースロボット(たとえばファクトリインターフェースロボット126A)によって使用され得る。
【0048】
図5A図5Bは、第1のロードロック(たとえばロードロック120A)が第1のファクトリインターフェース(たとえばファクトリインターフェース506A)に接続され、第2のロードロック(たとえばロードロック120B)が第2のファクトリインターフェース(たとえばファクトリインターフェース506B)に接続された、電子デバイス製造システム500について説明する。図5Aは、本開示の態様による、例示的な電子デバイス製造システム500の平面概略図である。図5Bは、本開示の態様による、例示的な電子デバイス製造システム500の正面概略図である。
【0049】
電子デバイス製造システム500は、プロセスツール504と、プロセスツール504に結合されたロードロック520A~Bと、ファクトリインターフェース506A~Bとを含み、ファクトリインターフェース506Aはロードロック520Aに結合され、ファクトリインターフェース506Bはロードロック520Bに結合される。プロセスツール504、ロードロック520A~B、およびファクトリインターフェース506A~Bの構成要素および機能は、それぞれプロセスツール104、ロードロック120A~B、およびファクトリインターフェース106と同様であり得る。
【0050】
ロードロック520A~Bはハウジング108と移送チャンバ110とに結合され得る。ロードロック520A~Bは、移送チャンバ110およびファクトリインターフェース506A~Bとインターフェースするように構成され得る。ロードロック520A~Bは、いくつかの実施形態では、(基板が移送チャンバ110におよび移送チャンバ110から移送される)真空環境から、(基板がファクトリインターフェース506A~Bにおよびファクトリインターフェース506A~Bから移送される)大気圧または大気圧に近い不活性ガス環境に変化する、環境的に制御される大気を有することができる。いくつかの実施形態では、ロードロック520A~Bは、それぞれ、異なる垂直レベルに位置する(たとえば、上下に重なり合う)上側内側チャンバのペアと下側内側チャンバのペアとを有する、積層されたロードロックである。いくつかの実施形態では、ロードロック520A~Bはそれぞれバッチロードロックである。示されている数よりも多いまたは少ないロードロックが使用され得る。
【0051】
ファクトリインターフェース106と同様に、ファクトリインターフェース506A~Bの各々は、たとえば、機器フロントエンドモジュール(EFEM)など、任意の好適なエンクロージャであり得る。ファクトリインターフェース506Aは、ファクトリインターフェース506Aの様々なロードポート124にドッキングされた基板キャリア122A~Bからの基板102を受けるように構成され得る。2つの基板キャリア122A~Bが示されているが、より多いまたはより少ない基板キャリアがファクトリインターフェース506Aに接続され得ることに留意されたい。ファクトリインターフェース506Bは、ファクトリインターフェース506Bの様々なロードポート124にドッキングされた基板キャリア122C~Dからの基板102を受けるように構成され得る。2つの基板キャリア122C~Dが示されているが、より多いまたはより少ない基板キャリアがファクトリインターフェース506Bに接続され得ることに留意されたい。ロードポート124および取り付けられた基板キャリアは、ファクトリインターフェース106の壁に沿って異なる高さに位置し得る。ロードポート124を上昇させることにより、ファクトリインターフェース106のベースへの1つまたは複数の補助構成要素(図示せず)の配置が可能になり、および/または複数の基板キャリアを垂直方向に積層することが可能になる。
【0052】
ファクトリインターフェースロボット526A~Bは、それぞれファクトリインターフェースロボット126A~Bと同様であり得、基板キャリア122A~Dとロードロック520A~Bとの間で基板102を移送するように構成され得る。たとえば、ファクトリインターフェースロボット526Aは、基板キャリア122A~Bとロードロック520Aとの間で基板102を移送するように構成され得、ファクトリインターフェースロボット526Bは、基板キャリア122C~Dとロードロック520Bとの間で基板102を移送するように構成され得る。一実施形態では、ファクトリインターフェース506Aは1つまたは複数のファクトリインターフェースロボットを含み、ファクトリインターフェース506Bは1つまたは複数のファクトリインターフェースロボットを含む。たとえば、ファクトリインターフェース506Aは、ファクトリインターフェース506A内に配設された第1のファクトリインターフェースロボット526Aを含み得、ファクトリインターフェース506Bは、ファクトリインターフェース506B内に配設された第2のファクトリインターフェースロボット526Bを含み得る。一実施形態では、ロードロック520Aがファクトリインターフェースロボット526Aにより近くなり、ロードロック520Bがファクトリインターフェースロボット526Bにより近くなる状態で、第1のロードロック520Aおよび第2のロードロック520Bは第1のファクトリインターフェースロボット526Aと第2のファクトリインターフェースロボット526Bとの間に配設される。
【0053】
第1の真空ポート(図示せず)がファクトリインターフェース506Aをロードロック520Aに結合することができ、第2の真空ポートがファクトリインターフェース506Bをロードロック520Bに結合することができる。各ロードロック520A~Bの大気は、他のロードロック520A~Bから独立して調整され得る。これにより、ファクトリオペレータは、一方のロードロックおよびファクトリインターフェースが動作状態のままである間に、保守または修復のために他方のロードロックおよびファクトリインターフェースにアクセスすることが可能になる。
【0054】
ファクトリインターフェース106は1つまたは複数の補助構成要素150を含むことができる。補助構成要素150は、基板保管容器、計測機器、サーバ、空調ユニットなどを含むことができる。基板保管容器は基板および/または基板キャリア(たとえばFOUP)を保管することができる。電子デバイス製造システム100によって生成された生成物の特性データを決定するために、計測機器が使用され得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、ファクトリインターフェース506Aは、図5Bに見られるように、上側区画560Aを含むことができ、ファクトリインターフェース506Bは上側区画560Bを含むことができ、ロードロック520A~Bは中間区画580と下側区画570とを含み得る。これらの区画の各々は、電子システム(たとえば、サーバ、空調ユニットなど)、ユーティリティケーブル、システムコントローラ140、もしくは他の構成要素のうちの1つまたは複数を収納することができる。
【0056】
図示のように、一実施形態では、サイドドア128Aは、ファクトリインターフェース506Aの背面にほぼ直角であり、ドア150にもほぼ直角である。同様に、一実施形態では、サイドドア128Bは、ファクトリインターフェース506Bの背面にほぼ直角であり、ドア150にもほぼ直角である。サイドドア128Aはサイドドア128Bと反対の方向を向き得る。図示されていないが、1つまたは複数の追加のサイドドアがロードロック520A~B中に含まれ得、1つまたは複数の追加のサイドドアは、ロードロック520Aとロードロック520Bとの間にあり、ロードロック520Aとロードロック520Bとを分離する。たとえば、ロードロック520Bの追加のサイドドアがサイドドア528Bの反対側にあり得、ファクトリインターフェースロボット526Bがロードロック520Aに基板を配置することを可能にし、ファクトリインターフェースロボット526Aがロードロック520Bに基板を配置することを可能にし、および/またはファクトリインターフェースロボット526Aとファクトリインターフェースロボット526Bとの間の基板のハンドオフを可能にするために、開かれ得る。
【0057】
実施形態では、ファクトリインターフェースロボット526A~Bは、容器122A~Dから基板を取り出すとき、および/または容器122A~Dに基板を配置するときに、ファクトリインターフェースの前面のほうに向けられ、ファクトリインターフェースの前面にほぼ直角である第1の方向に、エンドエフェクタを配向させ得る。実施形態では、ファクトリインターフェースロボット526Aは、ロードロック520Aから基板を取り出すとき、および/またはロードロック520Aに基板を配置するときに、第1の方向にほぼ直角であり得る第2の方向に1つまたは複数のエンドエフェクタを配向させ得る。同様に、ファクトリインターフェースロボット526Bは、ロードロック520Bから基板を取り出すとき、および/またはロードロック320Bに基板を配置するときに、第1の方向にほぼ直角であり得る第3の方向に1つまたは複数のエンドエフェクタを配向させ得る。第3の方向は、実施形態では、第2の方向から約180度であり得る。
【0058】
ロードロック520A~520Bは、ファクトリインターフェース506A~Bの内部空間を外部環境にさらすことなしにアクセスされ得る。一実施形態では、ロードロック520A、520Bは、ロードロックの、ドア150と反対側にある追加のアクセスドア(図示せず)を含む。そのようなアクセスドアは、ファクトリインターフェース506A~Bの内側を外部環境にさらすことなしにロードロック520A~Bへの保守アクセスを可能にするために、ドア150、128A、128Bが閉じられている間、開かれ得る。
【0059】
次に図5Bを参照すると、いくつかの実施形態では、ファクトリインターフェースロボット526Aは、通過エリア515を使用して、1つまたは複数の基板をファクトリインターフェースロボット526Bに移送するように構成され得、その逆も同様である。一例では、通過エリア515は、(たとえば、ロードロック120A~Bがそれぞれ積層されたロードロックである場合)ロードロック520A~Bの上側内側チャンバのペアと下側内側チャンバのペアとの間のビアであり得る。いくつかの実施形態では、通過エリア515は、(基板が移送チャンバ110におよび移送チャンバ110から移送される)真空環境から、(基板がロードロックの外部にあるファクトリインターフェース106の内部空間に、およびその内部空間から移送される)大気圧または大気圧に近い不活性ガス環境に変化する、環境的に制御される大気の一部であり得る。たとえば、通過エリア515は、ロードロックのうちの1つまたは複数の環境的に制御されるエリアの一部であり得るか、またはそれ自体の別個の環境的に制御されるエリアを有し得る。通過エリア515が上側内側チャンバと下側内側チャンバとの間にある一実施形態では、通過エリアは、ロードロックを収容するエンクロージャ内に含まれ、ファクトリインターフェースの環境から通過エリア515を密封するために使用され得るスリットバルブを含む。代替的に、通過エリア515はファクトリインターフェースの環境にさらされ得、および/またはファクトリインターフェースの環境の一部であり得る。代替または追加として、ビアがロードロックの上方および/または下方に配置され得、ファクトリインターフェース506Aとファクトリインターフェース506Bとの間に通過エリアを与え得る。いくつかの実施形態では、ロードロックの上方および/または下方に配置されたビアのいずれかまたは両方が、ロードロックのうちの1つまたは複数の環境的に制御される大気の一部であり得る。ファクトリインターフェースロボット526Aは、通過エリアのいずれかを通して1つまたは複数の基板をファクトリインターフェースロボット526Bに移送するように構成され得、その逆も同様である。いくつかの実施形態では、ファクトリインターフェースロボット526Aは基板をファクトリインターフェースロボット526Bにハンドオフすることができる。いくつかの実施形態では、ファクトリインターフェースロボット526Aは、通過エリア中の棚上に基板を配置することができ、ファクトリインターフェースロボット526Bは棚から基板を取り出すことができる。
【0060】
説明例では、電子デバイス製造システム500は、移送チャンバ110と、移送チャンバ114、116、118に接続された複数の処理チャンバと、第1の側面、および第1のロードロックの第1の側面にほぼ直角である第2の側面を有する第1のロードロック(たとえばロードロック520A)とを含み、第1のロードロックの第1の側面は移送チャンバ110に接続される。さらに、電子デバイス製造システム500は、第1の側面と、第2のロードロックの第1の側面にほぼ直角である第2の側面とを有する第2のロードロック(たとえばロードロック520B)を含み、第2のロードロックの第1の側面は移送チャンバ110に接続される。第1のファクトリインターフェース506Aが第1のロードロックの第2の側面に接続され、第2のファクトリインターフェース506Bが第2のロードロックの第2の側面に接続される。第1のファクトリインターフェース506Aは第1の大気環境を含むことができ、第2のファクトリインターフェース506Bは第2の大気環境を含むことができる。
【0061】
図6A~6Bは、本開示の一実施形態による、インジケータライト610と、ロードポートコントローラ615と、空気圧制御装置620と、パージキット625と、ステージ640と、を含む例示的なロードポート600を説明する。ロードポート600の構成要素および機能はロードポート124と同様となり得る。図6Aは、本開示の一実施形態による例示的なロードポート600の正面概略図である。図6Bは、本開示の一実施形態による例示的なロードポート600の側面概略図である。
【0062】
図6Aに示されるように、ロードポートドア605は、ファクトリインターフェース106内で環境的に制御される大気を維持することを目的として輸送開口部を固定するための閉位置630に配置され得る。ロードポートドア605は、図7でより詳細に説明されるように、ドア機構を使用して開位置635に配置され得る。開位置635にある間、ロードポート600内の輸送開口部が、ファクトリインターフェースロボット126を使用してロードポート600に結合された基板キャリア122とファクトリインターフェース106との間で基板(例えば、ウエハ)を移送するのを可能にする。いくつかの実施形態では、ロードポートドア605は基板キャリアドアに結合され得る。したがって、ロードポートドア605が開位置635に配置されることに反応して、ロードポートドア605が基板キャリアから基板キャリアドアを取り外すことができる。したがって、ロードポートドア605が閉位置630に配置されることに反応して、ロードポートドア605は基板キャリアドアを基板キャリアに取り付けることができる。
【0063】
ロードポート600は、ファクトリインターフェース106上で最小量の垂直スペースを占有するように設計され得る。いくつかの実施形態では、ロードポート600の高さが、開位置630および閉位置635においてロードポートドア605によって占有される垂直スペースに関連し得る。特には、ロードポート600の高さはロードポートドア605の高さの約2倍となり得る。説明的な例として、ロードポートドア605は約315ミリメートルの高さを有することができる。したがって、ロードポート600はロードポートドア605の高さの約2倍であって従来のロードポートの1300ミリメートル超の高さより有意に小さい、約650ミリメートル以下の高さを有することができる。図6Bで例示の実施例として示されるように、ロードポート600は約450ミリメートル以下の幅を有することができる。ロードポート600はSEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)(半導体製造装置材料協会)の規格および要求に適合し得る。
【0064】
インジケータライト610は、ロードポートドア605が閉位置635または開位置630のいずれかにあるかを示すことができる。例えば、インジケータライト610はロードポートドア605が開位置630にあることに反応してオンにされ得、ロードポートドア605が閉位置630にあることに反応してオフにされ得る。他の実施形態では、インジケータライト610は、基板キャリア122がロードポート600に適切に固定されているかどうかを示すことができる。
【0065】
ロードポートコントローラ615は、プログラマブルロジックコントローラ(PLC:programmable logic controller)およびマイクロコントローラなどの、計算デバイスであり得、および/またはそのような計算デバイスを含み得る。ロードポートコントローラ615は、マイクロプロセッサまたは中央処理ユニットなどの汎用処理デバイスであり得る1つまたは複数の処理デバイスを含むことができる。ロードポートコントローラ615は、データ記憶デバイス(例えば、1つもしくは複数のディスクドライブおよび/またはソリッドステートドライブ)、メインメモリ、スタティックメモリ、ネットワークインターフェース、ならびに/あるいは他の構成要素を含むことができる。ロードポートコントローラ615は、本明細書で説明する方法および/または実施形態のうちのいずれか1つまたは複数を実行するための命令を実行することができる。例えば、ロードポートコントローラ615は、ロードポートドアを動作させること(例えば、ロードポートドア605を開位置635に配置したり、ロードポートドア605を閉位置630に配置したりする)、インジケータライト610をオン/オフにすること、空気圧制御装置620、パージキット625、粒子捕獲機構650を始動および停止させることおよび/またはこれらと通信とすること、などが可能である。命令は、(命令の実行中に)メインメモリ、スタティックメモリ、2次ストレージおよび/または処理デバイスを含むことができるコンピュータ可読記憶媒体上に記憶され得る。実施形態では、ロードポートコントローラ615による命令の実行が、少なくとも部分的に、図11の方法を実行することができる。ロードポートコントローラ615はまた、人間のオペレータまたはシステムコントローラ140によるデータおよびオペレーティングコマンドなどの入力および表示を許可するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ロードポートコントローラ615は、基板ローディングおよびアンローディングプロセス中に自動ロット識別を実行するための無線周波数識別(RFID:radio frequency identification)システムを含むことができる。
【0066】
空気圧制御装置620は、スイッチを動作させること、バルブを開けるかまたは閉じること、ダンパを動かすこと、などを目的として、機械的バルブおよび同様のデバイスに接続された可撓性ダイアフラムを押すために差圧および/または流量を利用して空気圧デバイスまたは同様の機構を動作させることができる。例として、空気圧制御装置620は、圧縮空気またはガスを使用して空気圧デバイスを動作させることができる。空気圧デバイスはロードロックドア605に結合され得る。空気圧制御装置620はロードポートコントローラ615から命令を受信することができ、および/またはロードポートコントローラ615によって動作させられ得る。例えば、ロードポートコントローラ615は、ロードポートドア605を開位置635および閉位置630に配置するように空気圧制御装置620に命令を出すことができる。
【0067】
パージキット625は、電子デバイス製造システム100により基板キャリア122が処理されるときに、窒素(N2)、または、アルゴンなどの任意の他の実用的な不活性ガスを用いて基板キャリア122を洗浄するのを可能にする。パージキット625は、1つまたは複数の基板間のパージノズルアレイ、1つまたは複数のカーテンノズルアレイなどを含むことができる。ノズルアレイからのガス流の組み合わせが、基板キャリア122の最適な洗浄を達成するためにロードポートコントローラ615によって制御され得る。ステージ640がロードポート600から水平に突出することができ、基板キャリア122の配置を支援することができる。
【0068】
ロードポート600が、ロードポート600をファクトリインターフェース106に結合するための1つまたは複数のセットの取り付け孔を有することができる。例示の実施例として、ロードポート600が2つのセットの取り付け孔を含むことができる。例えば、第1のペアの取り付け孔がロードポート600の前方上側角部に位置することができ、第2のペアの取り付け孔がロードポート600の前方下側角部に位置することができる。比較として、従来のロードポートは3つのセットの取り付け孔(頂部のセット、中央のセット、および底部のセット)を必要とする。このようにして、ロードポート600は、より少ない固定具(例えば、ボルト、ねじ、リベットなど)を使用してファクトリインターフェース106の壁に結合され得る。いくつかの実施形態では、ロードポート600は、1つまたは複数の取り付けラックを使用してファクトリインターフェース106の壁の上に取り付けられ得る。ロードポート600を取り付けることは、SEMIの規格および要求に適合し得る。
【0069】
図6Bに示されるように、ロードポート600は粒子捕獲機構650を含むことができる。粒子捕獲機構650は、ロードポートドア605のモーション、パージキット625など、によって発生する粒子(ダスト粒子)を捕獲するように設計された任意の種類の構成要素または機構となり得る。このようにして、粒子捕捉機構650は、基板キャリア122からの粒子がファクトリインターフェース106を汚染するのを防止することができる。いくつかの実施形態では、粒子捕捉機構650は、開いているロードポート600の下側リップのところにまたはその周りに配置され得る。いくつかの実施形態では、粒子捕捉機構650は排気システムを含むことができる。排気システムは、ファクトリインターフェース106からの集められた粒子を収集機構などの中まで案内することができる。
【0070】
図7は、本開示の実施形態による例示的なドア機構700の正面概略図である。ドア機構700は、ロードポートドア605を開位置635および閉位置630に配置することができる。ドア機構700はアクチュエータ705およびアウトトリガー710を含むことができる。
【0071】
アクチュエータ705は、1つまたは複数の空気圧デバイス、電気機械的に駆動されるデバイス、または同様の機構を含むことができ、ここでは、空気圧デバイスが、棒715に沿ってアクチュエータ705を垂直に摺動させるのに圧縮空気またはガスを使用することができる。アクチュエータ705はロードポートドア605に結合され得る。いくつかの実施形態では、空気圧デバイスは、ロードポートドア605を閉位置630に配置するために棒715に沿ってアクチュエータ705を上方に摺動させることができ、ロードポートドア605を開位置635に配置するために棒715に沿ってアクチュエータ705を下方に摺動させることができる。いくつかの実施形態では、アクチュエータ705は、ロードポートドア605を閉位置630から開位置635まで回動させて開けるのを(円弧運動で移動させるのを)およびその逆を行うのを可能にすることができる構成要素を含むことができる。
【0072】
空気圧制御装置620は、スイッチを動作させること、バルブを開けるかまたは閉じること、ダンパを動かすこと、などを目的として、機械的バルブおよび同様のデバイスに接続された可撓性ダイアフラムを押すために差圧および/または流れを利用することにより空気圧デバイスを動作させることができる。例として、空気圧制御装置620は、圧縮空気またはガスを使用して空気圧デバイスを動作させることができる。空気圧デバイスはロードポートドア605に結合され得る。空気圧制御装置620はロードポートコントローラ615から命令を受信することができ、および/またはロードポートコントローラ615によって動作させられ得る。例えば、ロードポートコントローラ615は、ロードポートドア605を開位置635および閉位置630に配置するように空気圧制御装置620に命令を出すことができる。
【0073】
アウトトリガー710は、ロードポートがファクトリインターフェースに結合されていないときのロードポートの移動または処理を支援するためのシャルフまたはブラケットなどの任意の種類の構造となり得る。いくつかの実施形態では、アウトトリガー710は任意選択の取り外し可能な構成要素となり得る。
【0074】
他の実施形態では、ロードポートドアは枢動機構に取り付けられ得る。枢動機構はロードポートのフロント面の少なくとも一方側に取り付けられ得る。ロードポートがファクトリインターフェース(例えば、ファクトリインターフェース106)に接続されると、ファクトリインターフェースロボット(例えば、ファクターインターフェースロボット126)またはアクチュエータはロードポートドアを係合解除することができ、ロードポートドアを水平におよび/または垂直に移動させることによりならびに/あるいは枢動機構の軸を中心としてロードポートドアを回転させることにより、ロードポートドアを閉位置から開位置に配置することができる。軸は実施形態では垂直軸または水平軸となり得る。例示の実施例として、ファクトリインターフェースロボットまたはアクチュエータは、枢動機構の軸を中心としてドアを約90度回転させることができる。したがって、枢動機構は、ロードポートに、ロードポートドアの概略の高さである全高と、ロードポートドアの概略の幅である全幅と、を有させるのを可能にする。実施例では、ドアは、ロードポートの開口部の前方の経路をクリアにするために垂直におよび/または水平に平行移動させられ得る。この垂直のおよび/または水平の平行移動は上で説明したような回転を伴い得る。
【0075】
図8は、本開示の実施形態によるファクトリインターフェースロボット800の斜視図である。いくつかの実施形態では、ファクトリインターフェースロボット800はファクトリインターフェースロボット126A~Bと同様であり得、ファクトリインターフェース(例えば、ファクトリインターフェース106)内に配置され得る。ファクトリインターフェースロボット800は、垂直タワー810と、リンク812と、エンドエフェクタ814と、を含むことができる。
【0076】
垂直タワー810は、リンク812がZ方向に(例えば、垂直方向に上下に)横断するのを可能にするように構成された構造となり得る。垂直タワー810は、z軸方向に沿うリンク812の直線移動を実現するように構成された垂直ドライブ機構を含むことができる。例えば、リンク812のうちの1つまたは複数のリンクが垂直ドライブ機構に結合されるように構成され得る。いくつかの実施形態では、垂直ドライブ機構は、ベルト組立体、チェーン組立体、線形ドライブ組立体、摺動組立体、アクチュエータ組立体、ピストン組立体、これらの任意の組み合わせ、あるいは、リンク812のZ軸方向のみにおける横断を可能にすることができる任意の他の組立体または機構を含むことができる。いくつかの実施形態では、垂直タワー810は、ファクトリインターフェースロボット800の横方向移動を可能にするように構成されたベースに結合され得る。ベースは、例えば、ベルト組立体、チェーン組立体、線形ドライブ組立体、摺動組立体、アクチュエータ組立体、ピストン組立体、これらの任意の組み合わせ、あるいは、ファクトリインターフェース内でのファクトリインターフェースロボット800の横方向の横断を可能にする任意の他の組立体または機構などの、水平ドライブ機構を含むことができる。
【0077】
リンク812は、ジョイントを介して互いに結合された1つまたは複数のロボットリンク(例えば、アーム)を含むことができる。リンク812の近位側リンク(例えば、後でより詳細に説明される図9A~9Cで見ることができるリンク812A)が垂直ドライブ機構に結合され得、対してリンク812の遠位側リンク(例えば、図9A~9Cで見ることができるリンク812C)がエンドエフェクタ814に結合され得る。いくつかの実施形態では、ファクトリインターフェースロボット800は、遠位側リンクに結合された2つ以上のエンドエフェクタを含むことができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の追加のリンク(例えば、中間リンク812B)が近位側リンク812Aを遠位側リンク812Cに接続することができる。いくつかの実施形態では、近位側リンクは固定され得る(例えば、z軸方向に沿って垂直にのみ移動することができ、対してx軸方向またはy軸方向に沿っては移動することができない)。このリンクジョイント構成は、リンク812がエンドエフェクタ814をx軸方向およびy軸方向に沿って横断させるのを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、リンク812はSCARAロボットと同様となり得る。垂直ドライブ機構およびリンクジョイント構成のこの組み合わせは、ファクトリインターフェースロボット800を三次元で動作させるのを可能にする。例えば、垂直ドライブ機構が最初にリンク812およびエンドエフェクタ814を所望の高さ(例えば、ロードロックの水平面、ロードポートの水平面など)まで引き上げるかまたは下げることができ、リンク812が上記水平面の所望の位置に沿うようにエンドエフェクタ814を配置することができる。
【0078】
図9A~9Cは、本開示の実施形態による、異なる基板キャリア922A~Cから基板を取り出すファクトリインターフェースロボット800の上面図である。ファクターインターフェースロボット800は、垂直タワー810をエンドエフェクタ814に接続するリンク812A~Cを含む。垂直タワーは、基板キャリア922A~Cから基板を取り出すための所定の高さのところにリンク812A~Cおよびエンドエフェクタ814を配置することができる。基板キャリア922A~Cは基板キャリア122と同様となり得るかまたは同じとなり得る。図9Aは、最も左側の基板キャリア922Aから基板102を取り出すファクトリインターフェースロボット800を示す。特には、近位側リンク812は固定され、対して中間リンク812Bおよび遠位側リンク812Cはエンドエフェクタ814が最も左側の基板キャリア922Aから基板102を取り出すのを可能にするように配置される。図9Bは、中央の基板キャリア922Bから基板102を取り出すファクトリインターフェースロボット800を示す。特には、近位側リンク812は固定され、対して中間リンク812Bおよび遠位側リンク812Cはエンドエフェクタ814が中央の基板キャリア922Bから基板102を取り出すのを可能にするように配置される。図9Cは、最も右側の基板キャリア922Cから基板102を取り出すファクトリインターフェースロボット800を示す。特には、近位側リンク812は固定され、対して中間リンク812Bおよび遠位側リンク812Cはエンドエフェクタ814が最も右側の基板キャリア922Cから基板102を取り出すのを可能にするように配置される。したがって、示されるように、垂直タワー810によって可能となるz方向のモーションおよびリンク812A~Cによって可能となる水平モーションの組み合わせは、ファクトリインターフェース内にロードロックを含むことによりコンパクトな環境でファクトリインターフェースロボットが複数の基板キャリアから基板102を取り出すのを可能にする。
【0079】
図10Aは、本開示の実施形態による、通過位置にあるファクトリインターフェースロボット800の上面図である。垂直タワーは、ファクターインターフェースロボット800が基板を別のファクターインターフェースロボットまで通過させるのを可能にするための所定の高さのところにリンク812A~Cおよびエンドエフェクタ814を配置することができる。示されるように、近位側リンク812は固定され、対して中間リンク812Bおよび遠位側リンク812Cはエンドエフェクタ814が基板102をファクトリインターフェースロボット800から別のファクトリインターフェースロボットまで通過させるのを可能にするように配置される。したがって、示されるように、垂直タワー810によって可能となるz方向のモーションおよびリンク812A~Cによって可能となる水平モーションの組み合わせは、ファクトリインターフェースロボットがファクトリインターフェース内での通過動作(pass through operation)を実行するのを可能にする。
【0080】
図10Bは、本開示の実施形態による、ロードロック1020Bから基板を取り出すファクトリインターフェースロボット800の上面図である。垂直タワーは、ファクターインターフェースロボット800が1つまたは複数の基板をロードロック1020Bから取り出すのを(あるいは、1つまたは複数の基板をロードロック1020Bに配置するのを)可能にするための所定の高さのところにリンク812A~Cおよびエンドエフェクタ814を配置することができる。示されるように、近位側リンク812は固定され、対して中間リンク812Bおよび遠位側リンク812Cはエンドエフェクタ814が1つまたは複数の基板をロードロック1020Bから取り出すのを(あるいは、1つまたは複数の基板をロードロック1020Bに配置するのを)可能にするように配置される。したがって、示されるように、垂直タワー810によって可能となるz方向のモーションおよびリンク812A~Cによって可能となる水平モーションの組み合わせは、ファクトリインターフェースロボット800がファクトリインターフェース内でのロードロックから基板を取り出すかまたは基板をロードロックに位置決めするのを可能にする。
【0081】
図11は、本開示の実施形態による、基板キャリアからファクトリインターフェースまで基板を輸送するための方法である。ブロック1110で、ロードポートが基板キャリアを受ける。実施例では、基板キャリアはFOUPである。いくつかの実施形態では、ロードポートは、ロードポートをファクトリインターフェースに接続するように適合されたフレームを含む。フレームは輸送開口部を含み、1つまたは複数の基板が輸送開口部を通して基板キャリアとファクトリインターフェースとの間で輸送されることができる。ロードポートは、フレームに結合されたアクチュエータと、アクチュエータに結合されたロードポートドアと、をさらに含む。ロードポートドアは、輸送開口部を密閉するように構成され得る。アクチュエータは、ロードポートドアを閉位置から開位置におよび開位置から閉位置に位置決めすることができる。
【0082】
ブロック1120で、ロードポートドアが、例えば、ロードポートコントローラによって動作させられるドア機構を介して閉位置から開位置に配置される。ブロック1130で、ファクトリインターフェース内に配設されたファクトリインターフェースロボットが基板キャリアから基板を取り出す。いくつかの実施形態では、ロードポートドアを閉位置から開位置に配置する前に、ロードポートコントローラは、不活性ガスを用いて基板キャリアを洗浄するためにパージキットに係合され得る。いくつかの実施形態では、ファクトリインターフェースロボットは、ロードポートに付随の水平面にエンドエフェクタを位置決めするために垂直ドライブ機構に係合され得る。
【0083】
図12は、本開示の実施形態による、第1のファクトリインターフェースロボットから第2のファクトリインターフェースロボットまで基板を輸送するための方法である。ブロック1210で、第1のファクトリロボットが基板キャリアから基板を取り出す。実施例では、基板キャリアはFOUPである。ブロック1220において、第1のファクトリインターフェースロボットは基板を第2のファクトリロボットに移送する。一例では、第1のファクトリロボットおよび第2のファクトリロボットはファクトリインターフェース内に配設される。別の例では、第1のファクトリロボットは第1のファクトリインターフェース中に配設され、第2のファクトリロボットは第2のファクトリインターフェース中に配設される。第1のファクトリロボットおよび/または第2のファクトリロボットは、基板を取り出すこと、基板を輸送すること、または基板を移送することに関連付けられた所定の位置までエンドエフェクタの高さを調整するためにそれぞれの垂直ドライブ機構に係合され得る。第1のファクトリインターフェースロボットは、通過エリアを使用して基板を第2のファクトリインターフェースロボットに移送するように構成され得る。第1の例では、通過エリアは、ファクトリインターフェースの前面と、ロードロックの前向きの側面との間に配設され得る。第2の例では、通過エリアは、ファクトリインターフェースの内部空間内に1つまたは複数のロードロックの上方に配設されたビアまたはオープンスペースであり得る。第3の例では、通過エリアは、(たとえば、ロードロックがそれぞれ積層されたロードロックである場合)ロードロックの上側内側チャンバのペアと下側内側チャンバのペアとの間に配設されたオープンスペースまたはビアであり得る。第4の例では、通過エリアは、1つまたは複数のロードロックの下方に配設されたオープンスペースまたはビアであり得る。第1のファクトリインターフェースロボットは、通過エリアを通して基板を第2のファクトリインターフェースロボットに移送するように構成され得る。
【0084】
ブロック1230において、第2のファクトリインターフェースロボットは、ファクトリインターフェース内に配設されたロードロックの内側に基板を配置する。ロードロックは、第1のファクトリインターフェースロボットによってアクセスされることができない。一例では、第2のファクトリロボットは、ファクトリインターフェース内に配設されたロードロックの内側から基板を取り出すことができる。第2のファクトリロボットは、その場合、基板を第1のファクトリロボットに移送することができる。第2のファクトリインターフェースロボットは、通過エリアを使用して基板を第1のファクトリインターフェースロボットに移送するように構成され得る。第1のファクトリロボットは、その場合、基板キャリア内に基板を配置することができる。
【0085】
前述の説明は、本開示のいくつかの実施形態についての十分な理解を与えるために、特定のシステム、構成要素、方法などの例など、多数の具体的な詳細を記載する。しかしながら、本開示の少なくともいくつかの実施形態はこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることが当業者に明らかになろう。他の事例では、本開示を不必要に不明瞭にすることを回避するために、よく知られている構成要素または方法については詳細に説明しないか、または簡単なブロック図形式で提示している。したがって、記載されている具体的な詳細は例にすぎない。特定の実装形態は、これらの例示的な詳細と異なるが、依然として本開示の範囲内に入ることが企図され得る。
【0086】
本明細書全体にわたる「1つの実施形態」または「一実施形態」への言及は、実施形態に関して説明した特定の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態中に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたる様々な箇所における「一実施形態では」または「実施形態では」という句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているとは限らない。さらに、「または」という用語は、排他的な「または」ではなく包括的な「または」を意味するものとする。「約」または「ほぼ」という用語が本明細書で使用されるとき、これは、提示された公称値が±10%以内で正確であることを意味するものとする。
【0087】
本明細書における方法の処理を特定の順序で図示し、説明したが、各方法の処理の順序は、いくつかの処理が他の処理と少なくとも部分的に同時に実行され得るように、いくつかの処理が逆の順序で実行され得るように変更され得る。別の実施形態では、別個の処理の命令またはサブ処理は断続的様式および/または交互様式であり得る。
【0088】
上記説明は例示的なものであり、限定的なものでないことを理解されたい。上記説明を読み、理解すると、多くの他の実施形態が当業者に明らかになろう。本開示の範囲は、したがって、添付の特許請求の範囲に権利が与えられる等価物の全範囲とともに、そのような特許請求の範囲を参照しながら決定されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図11
図12
【国際調査報告】