(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】基板の移動を防止するための前面圧力および裏面圧力の監視
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20240711BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240711BHJP
C23C 16/458 20060101ALI20240711BHJP
C23C 14/54 20060101ALI20240711BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101R
C23C16/458
C23C14/54 B
H01L21/302 101G
H01L21/31 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575507
(86)(22)【出願日】2022-06-07
(85)【翻訳文提出日】2024-02-02
(86)【国際出願番号】 US2022032456
(87)【国際公開番号】W WO2022265882
(87)【国際公開日】2022-12-22
(32)【優先日】2021-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガオ・ソンギー
(72)【発明者】
【氏名】ウォン・グーン ヘン
(72)【発明者】
【氏名】チェン・ジャック
【テーマコード(参考)】
4K029
4K030
5F004
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
4K029AA24
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(57)【要約】
【解決手段】圧力制御システムは、第1のセンサと、第2のセンサと、排気弁と、コントローラとを含む。第1のセンサは、処理チャンバ内の前面圧力を検出するように構成される。前面圧力は、処理チャンバ内の基板支持体上に配置された基板に対する下向きの力を示す。第2のセンサは、基板の裏面に対する裏面圧力を検出するように構成される。コントローラは、排気弁を制御して処理チャンバからガスを除去し、処理チャンバの前面圧力を低下させ、処理チャンバの前面圧力の低下からのガスの除去中、前面圧力および裏面圧力に基づいて、前面圧力が裏面圧力を下回らないように排気弁の開度を調節するように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理チャンバ内の前面圧力を検出するように構成された第1のセンサであって、前記前面圧力は、前記処理チャンバ内の基板支持体上に配置された基板に対する下向きの力を示す第1のセンサと、
前記基板の裏面に対する裏面圧力を検出するように構成された第2のセンサと、
排気弁と、
前記排気弁を制御して前記処理チャンバからガスを除去し、前記処理チャンバの前記前面圧力を低下させ、
前記処理チャンバからの前記ガスの除去および前記処理チャンバの前記前面圧力の低下中、前記前面圧力および前記裏面圧力に基づいて、前記前面圧力が前記裏面圧力を下回らないように前記排気弁の開度を調節する
ように構成されたコントローラと
を備える、圧力制御システム。
【請求項2】
請求項1に記載の圧力制御システムであって、
前記コントローラは、
前記処理チャンバからの前記ガスの除去および前記処理チャンバの前記前面圧力の低下中、前記前面圧力を前記裏面圧力と比較して圧力差値を提供し、
前記圧力差値の変化率の少なくとも1つが第1の閾値を超える場合、または前記圧力差値が第2の閾値以下である場合、前記排気弁を第1の開状態から第2の開状態に移行させ、前記第2の開状態は、前記第1の開状態よりもさらに閉じた状態であり、
前記圧力差値の前記変化率の少なくとも1つが前記第1の閾値を超えない場合、または前記圧力差値が前記第2の閾値よりも大きい場合、前記排気弁を前記第1の開状態から第3の開状態に移行させ、前記第3の開状態は、前記第1の開状態よりもさらに開いた状態である
ように構成される、圧力制御システム。
【請求項3】
請求項1に記載の圧力制御システムであって、
前記コントローラは、前記前面圧力が前記裏面圧力以下である場合に前記排気弁を閉じるように構成される、圧力制御システム。
【請求項4】
請求項1に記載の圧力制御システムであって、
前記コントローラは、前記基板の処理中または処理後の少なくとも一方において、前記処理チャンバからガスを除去して前記処理チャンバの前記前面圧力を低下させ、前記排気弁の前記開度を調節するように構成される、圧力制御システム。
【請求項5】
請求項1に記載の圧力制御システムであって、
裏面弁をさらに備え、
前記コントローラは、処理中、ならびに前記処理チャンバからのガスの除去中および前記処理チャンバの前記前面圧力の低下中に前記裏面弁を開いて前記基板の前記裏面からガスを継続的に吸引するように構成される、
圧力制御システム。
【請求項6】
請求項1に記載の圧力制御システムであって、
前記コントローラは、前記排気弁を調節して前記前面圧力と前記裏面圧力との間に少なくとも安全マージンを維持するように構成される、圧力制御システム。
【請求項7】
請求項1に記載の圧力制御システムであって、
前記コントローラは、前記処理チャンバからの前記ガスの除去および前記処理チャンバの前記前面圧力の低下中、前記前面圧力が前記裏面圧力を下回るのを防止すること、または前記前面圧力と前記裏面圧力との間に少なくとも安全マージンを維持することのうちの少なくとも一方を行いながら、前記排気弁の開度を最大にして前記処理チャンバの減圧速度を最大にするように構成される、圧力制御システム。
【請求項8】
請求項1に記載の圧力制御システムであって、
前記コントローラは、
前記処理チャンバからの前記ガスの除去および前記処理チャンバの前記前面圧力の低下中、前記前面圧力が所定の圧力よりも低いかどうかを決定し、
前記前面圧力が前記所定の圧力よりも低い場合、リフトピンを作動させて前記基板支持体の本体の上面から前記基板を持ち上げる
ように構成される、圧力制御システム。
【請求項9】
請求項8に記載の圧力制御システムであって、
前記所定の圧力は、4~5Torrである、圧力制御システム。
【請求項10】
請求項1に記載の圧力制御システムであって、
前記コントローラは、
前記処理チャンバを加圧して第1の前面圧力を提供し、
レシピの第1の部分に従って前記基板を処理し、
前記処理チャンバからガスを除去して前記第1の前面圧力よりも低い第2の前面圧力を提供し、
前記レシピの第2の部分に従って前記基板を処理する
ように構成される、圧力制御システム。
【請求項11】
請求項10に記載の圧力制御システムであって、
前記第1の前面圧力は、4~5Torrよりも大きい、圧力制御システム。
【請求項12】
請求項1に記載の圧力制御システムであって、
前記基板支持体には、前記基板支持体上の所定の位置に前記基板を保持する機械的および電気的構成要素が存在せず、
前記コントローラは、前記処理チャンバを加圧することによって前記基板が前記基板支持体上で移動するのを防止するように構成される、
圧力制御システム。
【請求項13】
請求項1に記載の圧力制御システムであって、
前記基板支持体は、静電チャックとして実装され、
前記コントローラは、前記処理チャンバからの前記ガスの除去および前記処理チャンバの前記前面圧力の低下中、前記基板支持体の本体の上面から前記基板を持ち上げる前に、前記基板の静電クランプを停止するように構成される、
圧力制御システム。
【請求項14】
請求項1に記載の圧力制御システムであって、
前記コントローラは、前記基板支持体のリフトピンを作動させて前記基板支持体の本体の上面から前記基板を持ち上げる前に、前記処理チャンバからガスを除去して前記処理チャンバを少なくとも部分的に減圧するように構成される、圧力制御システム。
【請求項15】
請求項1に記載の圧力制御システムであって、
前記コントローラは、前記基板支持体のリフトピンを作動させて前記基板支持体の本体の上面から前記基板を持ち上げる前に、前記処理チャンバからガスを除去して前記処理チャンバ内の前記前面圧力を所定の圧力未満に低下させるように構成される、圧力制御システム。
【請求項16】
請求項1に記載の圧力制御システムであって、
ポンプをさらに備え、
前記コントローラは、前記ポンプを起動させて前記処理チャンバからガスを吸引し、前記処理チャンバの前記前面圧力を低下させるように構成される、
圧力制御システム。
【請求項17】
請求項16に記載の圧力制御システムであって、
前記処理チャンバから前記ポンプに延びる排気ラインと、
前記基板支持体の本体におけるチャネルから前記排気ラインに延びる裏面ラインと、
前記裏面ラインに接続され、前記裏面ラインを通るガスの流れを制御するように構成された裏面弁と
をさらに備え、
前記排気弁は、前記裏面ラインから上流の前記排気ラインに取り付けられる、
圧力制御システム。
【請求項18】
請求項17に記載の圧力制御システムであって、
前記裏面センサは、前記裏面ライン内の圧力を検出する、圧力制御システム。
【請求項19】
圧力制御システムを動作させる方法であって、
処理チャンバ内の前面圧力を検出することであって、前記前面圧力は、前記処理チャンバ内の基板支持体上に配置された基板に対する下向きの力を示すことと、
前記基板の裏面に対する裏面圧力を検出することと、
排気弁を制御して前記処理チャンバからガスを除去し、前記処理チャンバの前記前面圧力を低下させることと、
前記処理チャンバからの前記ガスの除去および前記処理チャンバの前記前面圧力の低下中、前記前面圧力および前記裏面圧力に基づいて、前記前面圧力が前記裏面圧力を下回らないように前記排気弁の開度を調節することと
を含む、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、
前記処理チャンバからの前記ガスの除去および前記処理チャンバの前記前面圧力の低下中、前記前面圧力を前記裏面圧力と比較して圧力差値を提供することと、
前記圧力差値の変化率の少なくとも1つが第1の閾値を超える場合、または前記圧力差値が第2の閾値以下である場合、前記排気弁を第1の開状態から第2の開状態に移行させることであって、前記第2の開状態は、前記第1の開状態よりもさらに閉じた状態であることと、
前記圧力差値の前記変化率の少なくとも1つが前記第1の閾値を超えない場合、または前記圧力差値が前記第2の閾値よりも大きい場合、前記排気弁を前記第1の開状態から第3の開状態に移行させることであって、前記第3の開状態は、前記第1の開状態よりもさらに開いた状態であることと
をさらに含む、方法。
【請求項21】
請求項19に記載の方法であって、
前記前面圧力が前記裏面圧力以下である場合に前記排気弁を閉じることをさらに含む、方法。
【請求項22】
請求項19に記載の方法であって、
前記基板の処理中または処理後の少なくとも一方において、前記処理チャンバからガスを除去して前記処理チャンバの前記前面圧力を低下させ、前記排気弁の前記開度を調節することをさらに含む、方法。
【請求項23】
請求項19に記載の方法であって、
処理中、ならびに前記処理チャンバからのガスの除去中および前記処理チャンバの前記前面圧力の低下中に裏面弁を開いて前記基板の前記裏面からガスを継続的に吸引することをさらに含む、方法。
【請求項24】
請求項19に記載の方法であって、
前記排気弁を調節して前記前面圧力と前記裏面圧力との間に少なくとも安全マージンを維持することをさらに含む、方法。
【請求項25】
請求項19に記載の方法であって、
前記処理チャンバからの前記ガスの除去および前記処理チャンバの前記前面圧力の低下中、前記前面圧力が前記裏面圧力を下回るのを防止すること、または前記前面圧力と前記裏面圧力との間に少なくとも安全マージンを維持することのうちの少なくとも一方を行いながら、前記排気弁の開度を最大にして前記処理チャンバの減圧速度を最大にすることをさらに含む、方法。
【請求項26】
請求項19に記載の方法であって、
前記処理チャンバからの前記ガスの除去および前記処理チャンバの前記前面圧力の低下中、前記前面圧力が所定の圧力よりも低いかどうかを決定することと、
前記前面圧力が前記所定の圧力よりも低い場合、リフトピンを作動させて前記基板支持体の本体の上面から前記基板を持ち上げることと
をさらに含む、方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法であって、
前記所定の圧力は、4~5Torrである、方法。
【請求項28】
請求項19に記載の方法であって、
前記処理チャンバを加圧して第1の前面圧力を提供することと、
レシピの第1の部分に従って前記基板を処理することと、
前記処理チャンバからガスを除去して前記処理チャンバの前記前面圧力を低下させ、前記第1の前面圧力よりも低い第2の前面圧力を提供することと、
前記レシピの第2の部分に従って前記基板を処理することと
をさらに含む、方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法であって、
前記第1の前面圧力は、4~5Torrよりも大きい、方法。
【請求項30】
請求項19に記載の方法であって、
前記処理チャンバを加圧することによって前記基板が前記基板支持体上で移動するのを防止することをさらに含み、
前記基板支持体には、前記基板支持体上の所定の位置に前記基板を保持する機械的および電気的構成要素が存在しない、
方法。
【請求項31】
請求項19に記載の方法であって、
前記処理チャンバからの前記ガスの除去および前記処理チャンバの前記前面圧力の低下中、前記基板支持体の本体の上面から前記基板を持ち上げる前に、前記基板の静電クランプを停止することをさらに含む、方法。
【請求項32】
請求項19に記載の方法であって、
前記基板支持体のリフトピンを作動させて前記基板支持体の本体の上面から前記基板を持ち上げる前に、前記処理チャンバからガスを除去して前記処理チャンバを少なくとも部分的に減圧することをさらに含む、方法。
【請求項33】
請求項19に記載の方法であって、
前記基板支持体のリフトピンを作動させて前記基板支持体の本体の上面から前記基板を持ち上げる前に、前記処理チャンバからガスを除去して前記処理チャンバ内の前記前面圧力を所定の圧力未満に低下させることをさらに含む、方法。
【請求項34】
請求項19に記載の方法であって、
ポンプを起動させて前記処理チャンバからガスを吸引し、前記処理チャンバの前記前面圧力を低下させることをさらに含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年6月14日に出願された米国仮出願第63/210,444号の利益を主張する。上記で参照された出願の全体の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、基板処理システムに関し、より詳細には、基板の移動を防止するための圧力制御システムに関する。
【背景技術】
【0003】
ここで提供される背景の説明は、本開示の内容を概ね提示することを目的とする。この背景技術のセクションで説明されている範囲内における、現時点で名前を挙げられている発明者らによる研究、ならびに出願の時点で先行技術として別途みなされ得ない説明の態様は、明示または暗示を問わず、本開示に対抗する先行技術として認められない。
【0004】
基板処理システムは、半導体ウエハなどの基板上における膜の堆積、エッチング、アッシング、洗浄、または他の方法での処理の実施のために使用することができる。基板処理システムは、典型的には、処理チャンバと、ガス分配デバイスと、基板支持アセンブリとを含む。処理中、基板は、基板支持アセンブリ上に配置される。異なるガス混合物が、処理チャンバに導入されてもよい。高周波(RF)プラズマおよび/または熱を使用して、化学反応を活性化することが可能である。
【0005】
処理の前に、基板は処理チャンバに移送され、基板支持体のリフトピン上に配置される。その後、リフトピンが下降され、基板支持体の本体上に基板を載置する。処理チャンバは、プロセスレシピに従って加圧される。処理に続いて、基板はリフトピンを介して基板支持体から持ち上げられ、その後、処理チャンバが減圧される。基板は、減圧後に処理チャンバから取り出される。
【発明の概要】
【0006】
圧力制御システムが提供され、第1のセンサと、第2のセンサと、排気弁と、コントローラとを含む。第1のセンサは、処理チャンバ内の前面圧力を検出するように構成される。前面圧力は、処理チャンバ内の基板支持体上に配置された基板に対する下向きの力を示す。第2のセンサは、基板の裏面に対する裏面圧力を検出するように構成される。コントローラは、排気弁を制御して処理チャンバからガスを除去し、処理チャンバの前面圧力を低下させ、処理チャンバからのガスの除去および処理チャンバの前面圧力の低下中、前面圧力および裏面圧力に基づいて、前面圧力が裏面圧力を下回らないように排気弁の開度を調節するように構成される。
【0007】
他の特徴において、コントローラは、処理チャンバからのガスの除去および処理チャンバの前面圧力の低下中、前面圧力を裏面圧力と比較して圧力差値を提供し、圧力差値の変化率の少なくとも1つが第1の閾値を超える場合、または圧力差値が第2の閾値以下である場合、排気弁を第1の開状態から第2の開状態に移行させ、第2の開状態は、第1の開状態よりもさらに閉じた状態であり、圧力差値の変化率の少なくとも1つが第1の閾値を超えない場合、または圧力差値が第2の閾値よりも大きい場合、排気弁を第1の開状態から第3の開状態に移行させ、第3の開状態は、第1の開状態よりもさらに開いた状態であるように構成される。
【0008】
他の特徴において、コントローラは、前面圧力が裏面圧力以下である場合に排気弁を閉じるように構成される。他の特徴において、コントローラは、基板の処理中または処理後の少なくとも一方において、処理チャンバからガスを除去し、排気弁の開度を調節するように構成される。
【0009】
他の特徴において、圧力制御システムは、裏面弁をさらに含む。コントローラは、処理中および処理チャンバからのガスの除去中に裏面弁を開いて基板の裏面からガスを継続的に吸引するように構成される。他の特徴において、コントローラは、排気弁を調節して前面圧力と裏面圧力との間に少なくとも安全マージンを維持するように構成される。
【0010】
他の特徴において、コントローラは、処理チャンバからのガスの除去および処理チャンバの前面圧力の低下中、前面圧力が裏面圧力を下回るのを防止すること、または前面圧力と裏面圧力との間に少なくとも安全マージンを維持することのうちの少なくとも一方を行いながら、排気弁の開度を最大にして処理チャンバの減圧速度を最大にするように構成される。
【0011】
他の特徴において、コントローラは、処理チャンバからのガスの除去および処理チャンバの前面圧力の低下中、前面圧力が所定の圧力よりも低いかどうかを決定し、前面圧力が所定の圧力よりも低い場合、リフトピンを作動させて基板支持体の本体の上面から基板を持ち上げるように構成される。他の特徴において、所定の圧力は、4~5Torrである。
【0012】
他の特徴において、コントローラは、処理チャンバを加圧して第1の前面圧力を提供し、レシピの第1の部分に従って基板を処理し、処理チャンバからガスを除去して第1の前面圧力よりも低い第2の前面圧力を提供し、レシピの第2の部分に従って基板を処理するように構成される。他の特徴において、第1の前面圧力は、4~5Torrよりも大きい。
【0013】
他の特徴において、基板支持体には、基板支持体上の所定の位置に基板を保持する機械的および電気的構成要素が存在しない。コントローラは、処理チャンバを加圧することによって基板が基板支持体上で移動するのを防止するように構成される。
【0014】
他の特徴において、基板支持体は、静電チャックとして実装される。コントローラは、処理チャンバからのガスの除去および処理チャンバの前面圧力の低下中、基板支持体の本体の上面から基板を持ち上げる前に、基板の静電クランプを停止するように構成される。
【0015】
他の特徴において、コントローラは、基板支持体のリフトピンを作動させて基板支持体の本体の上面から基板を持ち上げる前に、処理チャンバからガスを除去して処理チャンバを少なくとも部分的に減圧するように構成される。他の特徴において、コントローラは、基板支持体のリフトピンを作動させて基板支持体の本体の上面から基板を持ち上げる前に、処理チャンバからガスを除去して処理チャンバ内の前面圧力を所定の圧力未満に低下させるように構成される。他の特徴において、圧力制御システムは、ポンプをさらに含む。コントローラは、ポンプを起動させて処理チャンバからガスを吸引し、処理チャンバを減圧するように構成される。
【0016】
他の特徴において、圧力制御システムは、処理チャンバからポンプに延びる排気ラインと、基板支持体の本体におけるチャネルから排気ラインに延びる裏面ラインと、裏面ラインに接続され、裏面ラインを通るガスの流れを制御するように構成された裏面弁とをさらに含む。排気弁は、裏面ラインから上流の排気ラインに取り付けられる。他の特徴において、裏面センサは、裏面ライン内の圧力を検出する。
【0017】
他の特徴において、圧力制御システムを動作させる方法が提供される。方法は、処理チャンバ内の前面圧力を検出することであって、前面圧力は、処理チャンバ内の基板支持体上に配置された基板に対する下向きの力を示すことと、基板の裏面に対する裏面圧力を検出することと、排気弁を制御して処理チャンバからガスを除去し、処理チャンバの前面圧力を低下させることと、処理チャンバからのガスの除去および処理チャンバの前面圧力の低下中、前面圧力および裏面圧力に基づいて、前面圧力が裏面圧力を下回らないように排気弁の開度を調節することとを含む。
【0018】
他の特徴において、方法は、処理チャンバからのガスの除去および処理チャンバの前面圧力の低下中、前面圧力を裏面圧力と比較して圧力差値を提供することと、圧力差値の変化率の少なくとも1つが第1の閾値を超える場合、または圧力差値が第2の閾値以下である場合、排気弁を第1の開状態から第2の開状態に移行させることであって、第2の開状態は、第1の開状態よりもさらに閉じた状態であることと、圧力差値の変化率の少なくとも1つが第1の閾値を超えない場合、または圧力差値が第2の閾値よりも大きい場合、排気弁を第1の開状態から第3の開状態に移行させることとをさらに含む。第3の開状態は、第1の開状態よりもさらに開いた状態である。
【0019】
他の特徴において、方法は、前面圧力が裏面圧力以下である場合に排気弁を閉じることをさらに含む。他の特徴において、方法は、基板の処理中または処理後の少なくとも一方において、処理チャンバからガスを除去し、排気弁の開度を調節することをさらに含む。
【0020】
他の特徴において、方法は、処理中および処理チャンバからのガスの除去中に裏面弁を開いて基板の裏面からガスを継続的に吸引することをさらに含む。他の特徴において、方法は、排気弁を調節して前面圧力と裏面圧力との間に少なくとも安全マージンを維持することをさらに含む。
【0021】
他の特徴において、方法は、処理チャンバからのガスの除去および処理チャンバの前面圧力の低下中、前面圧力が裏面圧力を下回るのを防止すること、または前面圧力と裏面圧力との間に少なくとも安全マージンを維持することのうちの少なくとも一方を行いながら、排気弁の開度を最大にして処理チャンバの減圧速度を最大にすることをさらに含む。
【0022】
他の特徴において、方法は、処理チャンバからのガスの除去および処理チャンバの前面圧力の低下中、前面圧力が所定の圧力よりも低いかどうかを決定することと、前面圧力が所定の圧力よりも低い場合、リフトピンを作動させて基板支持体の本体の上面から基板を持ち上げることとをさらに含む。他の特徴において、所定の圧力は、4~5Torrである。
【0023】
他の特徴において、方法は、処理チャンバを加圧して第1の前面圧力を提供することと、レシピの第1の部分に従って基板を処理することと、処理チャンバからガスを除去して処理チャンバを減圧し、第1の前面圧力よりも低い第2の前面圧力を提供することと、レシピの第2の部分に従って基板を処理することとをさらに含む。他の特徴において、第1の前面圧力は、4~5Torrよりも大きい。
【0024】
他の特徴において、方法は、処理チャンバを加圧することによって基板が基板支持体上で移動するのを防止することをさらに含む。基板支持体には、基板支持体上の所定の位置に基板を保持する機械的および電気的構成要素が存在しない。
【0025】
他の特徴において、方法は、処理チャンバからのガスの除去および処理チャンバの前面圧力の低下中、基板支持体の本体の上面から基板を持ち上げる前に、基板の静電クランプを停止することをさらに含む。他の特徴において、方法は、基板支持体のリフトピンを作動させて基板支持体の本体の上面から基板を持ち上げる前に、処理チャンバからガスを除去して処理チャンバを少なくとも部分的に減圧することをさらに含む。
【0026】
他の特徴において、方法は、基板支持体のリフトピンを作動させて基板支持体の本体の上面から基板を持ち上げる前に、処理チャンバからガスを除去して処理チャンバ内の前面圧力を所定の圧力未満に低下させることをさらに含む。他の特徴において、方法は、ポンプを起動させて処理チャンバからガスを吸引し、処理チャンバを減圧することをさらに含む。
【0027】
他の特徴において、圧力制御システムが提供され、第1のセンサと、第2のセンサと、排気弁と、コントローラとを含む。第1のセンサは、処理チャンバ内の前面圧力を検出するように構成される。前面圧力は、処理チャンバ内の基板支持体上に配置された基板に対する下向きの力を示す。第2のセンサは、基板の裏面に対する裏面圧力を検出するように構成される。コントローラは、排気弁を制御して処理チャンバを減圧し、処理チャンバの減圧中、前面圧力および裏面圧力に基づいて、前面圧力が裏面圧力を下回らないように排気弁の位置を調節するように構成される。
【0028】
他の特徴において、コントローラは、処理チャンバの減圧中、前面圧力を裏面圧力と比較して圧力差値を提供し、圧力差値の変化率の少なくとも1つが第1の閾値を超える場合、または圧力差値が第2の閾値以下である場合、排気弁を第1の位置から第2の位置に移行させ、第2の位置は、第1の位置よりもさらに閉じた位置であり、圧力差値の変化率の少なくとも1つが第1の閾値を超えない場合、または圧力差値が第2の閾値よりも大きい場合、排気弁を第1の位置から第3の位置に移行させ、第3の位置は、第1の位置よりもさらに開いた位置であるように構成される。
【0029】
他の特徴において、コントローラは、前面圧力が裏面圧力以下である場合に排気弁を閉じるように構成される。他の特徴において、コントローラは、基板の処理中または処理後の少なくとも一方において、処理チャンバを減圧し、排気弁の位置を調節するように構成される。
【0030】
他の特徴において、圧力制御システムは、裏面弁をさらに含む。コントローラは、処理中および処理チャンバの減圧中に裏面弁を開いて基板の裏面からガスを継続的に吸引するように構成される。他の特徴において、コントローラは、排気弁を調節して前面圧力と裏面圧力との間に少なくとも安全マージンを維持するように構成される。
【0031】
他の特徴において、コントローラは、処理チャンバの減圧中、前面圧力が裏面圧力を下回るのを防止すること、または前面圧力と裏面圧力との間に少なくとも安全マージンを維持することのうちの少なくとも一方を行いながら、排気弁の開度を最大にして処理チャンバの減圧速度を最大にするように構成される。
【0032】
他の特徴において、コントローラは、処理チャンバの減圧中、前面圧力が所定の圧力よりも低いかどうかを決定し、前面圧力が所定の圧力よりも低い場合、リフトピンを作動させて基板支持体の本体の上面から基板を持ち上げるように構成される。他の特徴において、所定の圧力は、4~5Torrである。
【0033】
他の特徴において、コントローラは、処理チャンバを加圧して第1の前面圧力を提供し、レシピの第1の部分に従って基板を処理し、処理チャンバを減圧して第1の前面圧力よりも低い第2の前面圧力を提供し、レシピの第2の部分に従って基板を処理するように構成される。他の特徴において、第1の前面圧力は、4~5Torrよりも大きい。
【0034】
他の特徴において、基板支持体には、基板支持体上の所定の位置に基板を保持する機械的および電気的構成要素が存在せず、コントローラは、処理チャンバを加圧することによって基板が基板支持体上で移動するのを防止するように構成される。
【0035】
他の特徴において、基板支持体は、静電チャックとして実装される。コントローラは、処理チャンバの減圧中、基板支持体の本体の上面から基板を持ち上げる前に、基板の静電クランプを停止するように構成される。
【0036】
他の特徴において、コントローラは、基板支持体のリフトピンを作動させて基板支持体の本体の上面から基板を持ち上げる前に、処理チャンバを少なくとも部分的に減圧するように構成される。他の特徴において、コントローラは、基板支持体のリフトピンを作動させて基板支持体の本体の上面から基板を持ち上げる前に、処理チャンバを所定の圧力未満に減圧するように構成される。
【0037】
他の特徴において、圧力制御システムは、ポンプをさらに含む。コントローラは、ポンプを起動させて処理チャンバからガスを吸引し、処理チャンバを減圧するように構成される。
【0038】
他の特徴において、圧力制御システムは、処理チャンバからポンプに延びる排気ラインと、基板支持体の本体におけるチャネルから排気ラインに延びる裏面ラインと、裏面ラインに接続され、裏面ラインを通るガスの流れを制御するように構成された裏面弁とをさらに含む。排気弁は、裏面ラインから上流の排気ラインに取り付けられる。他の特徴において、裏面センサは、裏面ライン内の圧力を検出する。
【0039】
他の特徴において、圧力制御システムを動作させる方法が提供される。方法は、処理チャンバ内の前面圧力を検出することであって、前面圧力は、処理チャンバ内の基板支持体上に配置された基板に対する下向きの力を示すことと、基板の裏面に対する裏面圧力を検出することと、排気弁を制御して処理チャンバを減圧することと、処理チャンバの減圧中、前面圧力および裏面圧力に基づいて、前面圧力が裏面圧力を下回らないように排気弁の位置を調節することとを含む。
【0040】
他の特徴において、方法は、処理チャンバの減圧中、前面圧力を裏面圧力と比較して圧力差値を提供することと、圧力差値の変化率の少なくとも1つが第1の閾値を超える場合、または圧力差値が第2の閾値以下である場合、排気弁を第1の位置から第2の位置に移行させることであって、第2の位置は、第1の位置よりもさらに閉じた位置であることと、圧力差値の変化率の少なくとも1つが第1の閾値を超えない場合、または圧力差値が第2の閾値よりも大きい場合、排気弁を第1の位置から第3の位置に移行させることであって、第3の位置は、第1の位置よりもさらに開いた位置であることとをさらに含む。
【0041】
他の特徴において、方法は、前面圧力が裏面圧力以下である場合に排気弁を閉じることをさらに含む。他の特徴において、方法は、基板の処理中または処理後の少なくとも一方において、処理チャンバを減圧し、排気弁の位置を調節することをさらに含む。
【0042】
他の特徴において、方法は、処理中および処理チャンバの減圧中に裏面弁を開いて基板の裏面からガスを継続的に吸引することをさらに含む。他の特徴において、方法は、排気弁を調節して前面圧力と裏面圧力との間に少なくとも安全マージンを維持することをさらに含む。
【0043】
他の特徴において、方法は、処理チャンバの減圧中、前面圧力が裏面圧力を下回るのを防止すること、または前面圧力と裏面圧力との間に少なくとも安全マージンを維持することのうちの少なくとも一方を行いながら、排気弁の開度を最大にして処理チャンバの減圧速度を最大にすることをさらに含む。
【0044】
他の特徴において、方法は、処理チャンバの減圧中、前面圧力が所定の圧力よりも低いかどうかを決定することと、前面圧力が所定の圧力よりも低い場合、リフトピンを作動させて基板支持体の本体の上面から基板を持ち上げることとをさらに含む。他の特徴において、所定の圧力は、4~5Torrである。
【0045】
他の特徴において、方法は、処理チャンバを加圧して第1の前面圧力を提供することと、レシピの第1の部分に従って基板を処理することと、処理チャンバを減圧して第1の前面圧力よりも低い第2の前面圧力を提供することと、レシピの第2の部分に従って基板を処理することとをさらに含む。他の特徴において、第1の前面圧力は、4~5Torrよりも大きい。
【0046】
他の特徴において、方法は、処理チャンバを加圧することによって基板が基板支持体上で移動するのを防止することであって、基板支持体には、基板支持体上の所定の位置に基板を保持する機械的および電気的構成要素が存在しないことをさらに含む。
【0047】
他の特徴において、方法は、処理チャンバの減圧中、基板支持体の本体の上面から基板を持ち上げる前に、基板の静電クランプを停止することをさらに含む。他の特徴において、方法は、基板支持体のリフトピンを作動させて基板支持体の本体の上面から基板を持ち上げる前に、処理チャンバを少なくとも部分的に減圧することをさらに含む。
【0048】
他の特徴において、方法は、基板支持体のリフトピンを作動させて基板支持体の本体の上面から基板を持ち上げる前に、処理チャンバを所定の圧力未満に減圧することをさらに含む。他の特徴において、方法は、ポンプを起動させて処理チャンバからガスを吸引し、処理チャンバを減圧することをさらに含む。
【0049】
本開示を適用可能な他の分野は、詳細な説明、特許請求の範囲および図面から明らかになるであろう。詳細な説明および特定の例は、例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
本開示は、詳細な説明および添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【0051】
【
図1】
図1は、本開示による圧力制御システムを含む例示的な基板処理システムを示す図である。
【0052】
【
図2A】
図2Aは、
図1の基板処理システムで使用される基板支持アセンブリおよびリフトピンの一例を示す図である。
【
図2B】
図2Bは、
図1の基板処理システムで使用される基板支持アセンブリおよびリフトピンの一例を示す図である。
【0053】
【
図3A】
図3Aは、本開示による、処理チャンバからガスを除去することを含む、処理チャンバ内の圧力を低下させるための方法を示す図である。
【
図3B】
図3Bは、本開示による、処理チャンバからガスを除去することを含む、処理チャンバ内の圧力を低下させるための方法を示す図である。
【0054】
【0055】
【
図5A】
図5Aは、本開示による、ガスを除去して従来基板の移動に関連する高圧から移行することを含む、処理チャンバ内の圧力を低下させるための方法を示す図である。
【
図5B】
図5Bは、本開示による、ガスを除去して従来基板の移動に関連する高圧から移行することを含む、処理チャンバ内の圧力を低下させるための方法を示す図である。
【0056】
【
図6A】
図6Aは、本開示による処理チャンバを減圧するためのガスの除去を含む複数の圧力移行プロセスを示す図である。
【
図6B】
図6Bは、本開示による処理チャンバを減圧するためのガスの除去を含む複数の圧力移行プロセスを示す図である。
【
図6C】
図6Cは、本開示による処理チャンバを減圧するためのガスの除去を含む複数の圧力移行プロセスを示す図である。
【0057】
これらの図面において、参照番号は、類似の要素および/または同一の要素を指すために再度利用されることがある。
【発明を実施するための形態】
【0058】
処理の前に、基板は、処理チャンバ内で基板支持体上に配置される。基板支持体は、基板の移動を防止する機械的および/または電気的構成要素を備えて構成されていなくてもよい。例えば、基板支持体は、基板を保持するための機械的固定具、および/または基板を基板支持体の本体にクランプするための静電クランプ電極を含まなくてもよい。代わりに、基板は、基板の対向する表面間に生じる圧力差により所定の位置に保持され得る。ガスが処理チャンバに導入され、処理チャンバ内の圧力が増加すると、基板の上面の圧力が基板の下面の圧力よりも大きくなるため、基板は移動しない。基板の上面の圧力は前面圧力と呼ばれ、基板の下面の圧力は裏面圧力と呼ばれる。基板は、真空下で提供されるベース圧力よりも高い前面圧力で処理される。
【0059】
処理チャンバは、処理中および/または処理後かつ処理チャンバから基板を取り出す前に減圧されてもよい。「減圧する」、「減圧された」、「減圧している」、および「減圧」という用語は、本明細書で使用される場合、処理チャンバからガスを除去し、処理チャンバ内の前面圧力および/または裏面圧力を低下させることを指す。一例として、レシピは、前面圧力を高圧から低圧に減少させることを要求する場合があり、これには処理チャンバの減圧が必要である。減圧中、前面圧力は、低下した圧力および/もしくはベース圧力を超える低圧まで低下されてもよく、またはベース圧力まで低下されてもよい。減圧中、前面圧力が裏面圧力を下回り、したがって裏面圧力が前面圧力を超える可能性がある。
【0060】
基板の前面の領域が減圧される速度は、基板の裏面の領域が減圧される速度よりも速いため、前面圧力が裏面圧力を下回る可能性がある。ガスが処理チャンバからポンプアウトされるガス排気ラインは、典型的には、ガスが基板の裏面の領域から吸引される裏面ラインよりも直径および/または断面積が大幅に大きい。裏面ラインを通るガス流量(またはガスコンダクタンス量)は、ガス排気ラインを通るガス流量よりも大幅に低い。その結果、前面圧力がより早く低下し、裏面圧力を下回る可能性がある。前面圧力が高くなるほど、これが発生する可能性が高くなる。より高い前面圧力では、裏面圧力は、真空におけるベース圧力から、例えば、1~2Torr程度の圧力まで徐々に高くなる傾向がある。基板は、裏面圧力が前面圧力よりも大きい場合、所定の処理位置から移動する可能性がある。このため、従来の基板処理は、特に基板が規定の圧力差によってのみ所定の位置に保持される場合、基板の移動に対する関連するリスクのために減圧を要求しないレシピに限定されてきた。
【0061】
従来、処理チャンバ内で基板を処理した後、基板支持体のリフトピンが基板に対する下向きの圧力に打ち勝つために上方に駆動される。これは、処理チャンバが減圧される前に行われる。処理チャンバ内の圧力は、基板が持ち上げられて基板の移動が防止されるまで、基板に対する下向きの圧力を維持するために維持される。基板が持ち上げられると、前面圧力は、基板の前面と裏面との間に圧力差がなくなるように急速に低下する。チャンバ内のガスが裏面の領域に移動し、それによって前面と裏面の圧力が等しくなる。
【0062】
処理中の前面圧力が高くなるほど、処理後に上方にリフトピンを駆動し、かつ基板に対する前面の下向きの圧力に打ち勝つためにより多くの力が必要となる。前面圧力が高くなるほど、基板が持ち上げられたときに「ポッピング」および/またはシフトする可能性が高くなる。これは圧力差の急速な変化によるものであり、その結果、基板が瞬間的に飛び跳ねたり、かつ/またはリフトピン上でシフトしたりすることになる。高い前面圧力により基板に対して高い下向きの力が生じ、機械的なリフトピンのアップ動作中、基板は基板支持体の本体の上面に対して「ポッピング」またはスライドする。また、処理チャンバ圧力が高くなるほど、持ち上げられるときの基板の移動が大きくなる。この移動は一貫しておらず、異なる方向になる可能性がある。高圧における処理の結果として基板が移動する可能性があるため、処理圧力は、典型的には、所定の圧力閾値(例えば、4~5Torr)未満に制限される。所定の圧力閾値未満では、基板は持ち上げられるときにポッピングを経験しない傾向があり、典型的には、位置のシフトは無視できる程度かまったくない。しかし、チャンバ圧力が所定の圧力閾値を超えて増加すると、基板の移動量が増加する。
【0063】
本明細書に記載の例は、処理中および処理後に基板の前面と裏面との間の圧力差を維持することを含む、処理チャンバの制御された急速ポンプダウンを提供することを含む。圧力差は、前面圧力が裏面圧力よりも大きくなるようなものである。制御された急速ポンプダウンにより、処理中および処理後の基板の移動が防止される。これは、基板の移動のリスクを伴う制御されていない急速ポンプダウンとは異なる。処理中および処理後にこの圧力差を維持することによって、対応する処理チャンバを急速に減圧することができ、これにより処理に関連する時間が短縮され、スループットの向上が可能になる。一実施形態では、減圧速度は最大速度まで増加され、最大速度を超えると前面圧力が裏面圧力を下回り、したがってウエハの「スライド」事象を引き起こす。処理チャンバの減圧は、基板支持体の本体の上面から基板を持ち上げる前に行うことができ、これにより処理チャンバをより短い期間内に減圧することが可能になる。
【0064】
図1は、圧力制御システム102を含む例示的な基板処理システム100を示す。圧力制御システム102は、基板104の前面圧力(P1で指定される)と裏面圧力(P2で指定される)との間の圧力差を制御する。圧力制御システム102は、基板104の処理前、処理中、および処理後に圧力差を制御することができる。
【0065】
基板処理システム100は、基板処理システム100のいくつかの構成要素を取り囲み、RFプラズマ(使用される場合)を含む処理チャンバ106をさらに含む。基板処理システム100は、ガス分配プレート(GDP)108(シャワーヘッドと呼ばれることもある)と、基板支持体110とを含む。基板104は、基板支持体110上に配置される。GDP108は、基板104の処理中にプロセスガスを導入して分配する。
【0066】
プラズマが使用される場合、プラズマは、直接プラズマであっても遠隔プラズマであってもよい。この例では、RF生成システム120がRF電圧を生成し、GDP108または基板支持体110のいずれかに出力する(他方はDC接地されるか、AC接地されるか、または浮動とすることができる)。ほんの一例として、RF生成システム120は、整合ネットワーク124によってGDP108または基板支持体110に供給されるRF電圧を生成するRF電圧生成器122を含み得る。あるいは、プラズマは、遠隔プラズマ源126によって送給されてもよい。
【0067】
ガス送給システム140が、1つまたは複数のガス源142-1、142-2、…、および142-N(総称してガス源142)を含み、Nは、正の整数である。ガス源142は、1つまたは複数のエッチングガス混合物、前駆体ガス混合物、洗浄ガス混合物、アッシングガス混合物などを処理チャンバ106に供給する。気化した前駆体もまた、使用されてもよい。ガス源142は、弁144-1、144-2、…、および144-N(総称して弁144)およびマスフローコントローラ146-1、146-2、…、および146-N(総称してマスフローコントローラ146)によってマニホールド148に接続される。マニホールド148の出力は、処理チャンバ106に供給される。ほんの一例として、マニホールド148の出力は、GDP108に供給される。一実施形態では、基板104の裏面へのガスの流れは存在しない。例えば、基板104の裏面へのヘリウムの流れは存在しない。
【0068】
基板支持体110は、基板104を基板支持体110の本体154の上面152に静電的にクランプするための1つまたは複数の電極150を含む静電チャックであってもよい。静電チャックとして示されているが、基板支持体110は、基板支持体110の本体154上の所定の位置に基板104を保持するための機械的および/または電気的構成要素の台座空隙(pedestal void)として実装されてもよい。本体154は、1つまたは複数のプレートを含むことができる。基板支持体110は、本体154を加熱するための1つまたは複数の加熱要素160を含み得る。一例として、加熱要素160は、1つまたは複数の加熱コイルを含むことができる。
【0069】
コントローラ170が、圧力制御システム102を含む基板処理システム100の動作を制御する。コントローラ170は、前面(またはチャンバ)圧力センサ180および裏面圧力センサ182からのフィードバック信号に基づいて圧力差を制御することができる。センサ180、182は、圧力計として実装されてもよい。前面圧力センサ180は、処理チャンバ106内の圧力を測定する。裏面圧力センサ182は、ガスが基板104の裏面(または下面)186から真空下で吸引される裏面ライン184内の圧力を測定することができる。圧力測定値は、処理チャンバ106からのガスの除去を含む減圧およびガスの除去速度を制御するために使用されるフィードバック情報として提供される。裏面ライン184は、基板支持体の本体154を通って、基板104と本体154との間の領域に延びることができる。
【0070】
裏面ライン184は、示すように、本体154から排気ライン188に延び、裏面弁190を含むことができる。一実施形態では、裏面弁190は、オン(または完全に開いた)状態およびオフ(または完全に閉じた)状態を有する2状態弁として実装される。裏面ライン184は、本体154内のチャネル191から排気弁192の下流の点に延びる。チャネル191は、本体154の1つまたは複数のプレートを通って上面152に垂直に延びることができる。
【0071】
排気弁192は、排気ライン188内に位置し、処理チャンバ106からのガスの流れを制御するために使用される。排気弁192は、完全に開いた状態、部分的に開いた状態、および閉じた状態の間で調整することができる。一例として、排気弁192は、排気弁192の開度を調節し、それにより処理チャンバ106からのガスの流れを調節するための可変(または無限)位置調整機能を有するスロットルプレート194を含んでもよい。別の例として、排気弁192は、バタフライ弁および/または他の適切なタイプの弁であってもよい。一実施形態では、弁のプレート(またはディスク)の各位置は、対応する開放状態を有する。本明細書で言及される場合、排気弁192の位置は、排気弁192の開度を調整するために使用される排気弁192のプレート(またはディスク)および/または他の構成要素の位置を指すことができる。排気ライン188は処理チャンバ106の底部から延びているように示されているが、排気ライン188は、他の場所に位置してもよい。別の例として、排気ライン188は、処理チャンバ106の側面から延びてもよい。排気ライン188は、処理チャンバ106からガスを吸引するために使用される。ポンプ196が排気ライン188に接続され、処理チャンバ106および裏面ライン184からガスを吸引する。ガスは、基板104と本体154との間の基板104の縁部の周囲に漏れ、ポンプ196を介して裏面186から吸引される場合がある。
【0072】
コントローラ170は、弁190、192およびポンプ196の動作を制御する。一実施形態では、ポンプ196は、基板104の処理中および処理後に継続的に動作し、裏面ライン184からガスを継続的に吸引して低い裏面圧力を維持する。一実施形態では、基板104の裏面は、基板104の裏面に対する圧力を最小に維持するために常にポンプアウトされる。最小圧力は、ガスの除去および処理チャンバの減圧中に減少する場合がある。
【0073】
裏面弁190は、基板104の処理中および処理後にオン状態であってもよい。コントローラ170は、P1がP2よりも大きいままであるように、スロットルプレート194の位置および/または排気弁192の開放状態を調節および/または調整し、P1とP2との間の圧力差を制御することが可能である。一実施形態では、前面圧力P1は、裏面圧力P2と所定の安全マージンの合計以上である。所定の安全マージンは、例えば、前面圧力P1の5~30%とすることができる。一実施形態では、安全マージンは、前面圧力P1の少なくとも5%である。別の実施形態では、安全マージンは、前面圧力P1の5~15%である。安全マージンは、基板104がリフトピンを介して本体154の上面152から持ち上げることができないほど大きくなりすぎないように設定される。
【0074】
コントローラ170は、加熱要素160に供給される電流量を制御することによって基板支持体の温度を制御することができる。この制御は、1つまたは複数の温度センサ(例えば、温度センサ198が示されている)からの温度信号に基づくことができる。コントローラ170はまた、基板処理システム100の他の構成要素を制御することができる。ほんの一例として、コントローラ170は、ガス送給システム140を制御してプロセスガスの流れを制御し、温度、圧力、電力などのプロセスパラメータを監視し、プラズマを発生および消滅させ、反応剤などを除去することが可能である。コントローラ170は、基板支持体110に対してGDP108および他の上部チャンバ構成要素を移動させるためのモータ199をさらに制御し、GDP108と基板支持体110との間のギャップGのサイズを調整することができる。コントローラ170は、基板支持体110上に基板104を載置し、処理チャンバ106から基板104を取り出すために、基板支持体110からGDP108を遠ざける。
【0075】
図2A~
図2Bは、
図1の基板処理システム100で使用され得る例示的な基板支持アセンブリ200および例示的なリフトピン202を示す。他のリフトピンアセンブリが、
図1の実施態様に含まれてもよい。基板支持アセンブリ200は、基板支持体の本体の上面に基板を載置し、対応する処理チャンバから取り出すために本体から基板を持ち上げるためのリフトピンを含む1つの例示として提供される。基板支持アセンブリ200は、
図1の処理チャンバ106に配置され、基板支持プレート(上部プレートとも呼ばれる)210と、支持コラム212と、ベース214とを含むことができる。ベース214は、リフトピンおよびリフトピンホルダアセンブリが設置されるリング形状のプラットフォームまたは構造(リフトリングとも呼ばれる)を含み得る。支持コラム212は、ベース214に対して移動することができる。
【0076】
リフトピンホルダアセンブリ220は、ベース214上の基板支持プレート210の下に配置される。リフトピンホルダアセンブリ220の各々は、ベース部分226と、リフトピン202のうちの1つと、リフトピンホルダ234とを含む。いくつかの例では、リフトピンホルダアセンブリ220およびリフトピン202は、概して円筒形状である。リフトピン202は、リフトピン202をリフトピンホルダアセンブリにロックするのに有用な円形の溝231を含む。
【0077】
1つまたは複数の案内要素240が、リフトピン202を案内するために使用され得る。いくつかの例では、案内要素240は、基板支持プレート210の底面に取り付けられた円筒形の支持体243を含む。円筒形の支持体243の各々は、中間部分リフトピン202を受け入れるためのボア245を含む。同様に、基板支持プレート210は、リフトピン202の上側部分を受け入れるためのボア241を含む。
【0078】
使用中、ベース214は、(例えば、
図1のコントローラ170および適切なアクチュエータを使用して)基板支持プレート210に対してモータ246を介して上昇および下降し、基板支持プレート210の上面に対するリフトピン202の上端の高さを変えることができる。その結果、リフトピン202は、基板支持プレート210の上に基板222を持ち上げるか、または基板支持プレート210上にロードされる基板222を受け取るように位置決めされる。248で示されるように、隙間が基板222と基板支持プレート210の上面との間に設けられる。基板支持プレート210は、裏面ライン184に接続された、
図1のチャネル191と同様のチャネルなど、裏面ラインに接続されたチャネルを含んでもよい。
【0079】
図3A~
図3Bおよび
図5A~
図6Cは、
図1の圧力制御システム102およびコントローラ170によって実施され得る減圧方法を示し、
図2Aの基板支持アセンブリの使用を含む。方法の動作の少なくとも一部は、反復的に実施されてもよい。方法は、処理チャンバからガスを急速に除去し、したがって基板処理中および/または基板処理後に処理チャンバ106を急速に減圧するためのアルゴリズムの実装を含む。前面圧力は、前面圧力が裏面圧力を下回ることなく急速に低下される。
【0080】
図3A~
図3Bは、300から始まることができる減圧方法を示す。300において、基板104は、リフトピン202上に配置される。302において、対応する処理チャンバがポンプダウンされる。これは、排気弁192を開いてポンプ196を動作させ、処理チャンバ106内を排気して圧力を低下させ、そしてガスポケットが基板104の下に形成されるのを防止することを含み得る。304において、コントローラ170は、リフトピン202を下降させ、例えば、プレート210または対応する基板支持体110の本体154上に基板を載置する。基板支持体110が静電チャックである場合、コントローラ170は、基板104を基板支持体110に静電的にクランプすることができる。
【0081】
306において、コントローラ170は、プロセスレシピに従って処理チャンバを初期プロセス圧力レベルに加圧する。初期圧力レベルは、低圧以下であり得る。例えば、初期プロセス圧力は、4~5Torr以下であってもよい。308において、コントローラ170は、GDP108を、例えば、ホーム位置から処理位置に下降させる。処理位置は、GDP108と基板支持体との間の所定のギャップに対応する。動作308は、動作306が実施されている間に実施されてもよい。
【0082】
310において、基板104は、プロセスレシピに従って処理される。処理中、コントローラ170は、排気弁192の開度を調節し(排気弁192の位置を調節することを含み得る)、プロセス圧力レベルに前面圧力を維持することができる。これは、エッチング、堆積、および/または洗浄動作などの様々な処理動作を含み得る。処理中、処理チャンバ106内の圧力は、低圧以下(例えば、4~5Torr以下)である。基板処理は、基板104内および/または基板104上にフィーチャを形成することを含み得る。
【0083】
312において、基板104の処理に続いて、コントローラ170は、基板支持体から遠ざけるようにGDP108を上昇させ始める。313において、コントローラは、処理チャンバ106からのガスの除去を開始して処理チャンバ106を減圧し、排気弁192の開度を制御することによって圧力差を制御することができる。コントローラ170は、排気弁192を開いて、処理チャンバ106をベース圧力または所定の設定値圧力にポンプダウンし始めることが可能である。動作313は、動作312が実施されている間に実施されてもよい。
【0084】
314において、センサ180、182は、圧力信号を生成し、この信号はコントローラ170で受信される。315において、コントローラ170は、差圧条件が満たされるかどうかを決定し、これは、前面圧力が(i)裏面圧力よりも大きいか、および/または(ii)裏面圧力よりも所定の量以上大きいかどうかを決定することを含み得る。所定の量は、上述の所定の安全マージンと等しくてもよい。一実施形態では、安全マージンが維持される。一例として、裏面圧力を前面圧力から減算し、所定の安全マージンと比較することができる。差が安全マージン以上である場合、差圧条件は満たされており、そうでない場合には差圧条件は満たされていない。別の実施形態では、安全マージンは維持されず、コントローラ170は、単に前面圧力が裏面圧力よりも大きいかどうかをチェックするだけである。前面圧力が大きい場合、差圧条件が満たされる。差圧条件が満たされない場合、動作316が実施され得、そうでない場合には動作317が実施される。
【0085】
316において、コントローラ170は、弁192をさらに閉じた状態(または位置)に移行させることによって、処理チャンバ106の減圧を停止するか、または減圧速度を遅くすることができる。これは、排気弁192を閉じることを含み得る。一実施形態では、弁192は、前面圧力が裏面圧力よりも大きくなるまで、および/または裏面圧力と安全マージンの合計よりも大きくなるまで段階的に閉じられる。動作314は、動作316に続いて実施されてもよい。
【0086】
317において、コントローラ170は、処理チャンバの減圧を開始するか、または減圧を継続する。これは、前面圧力と裏面圧力の差に基づいて排気弁192の開度を調節することによって前面圧力および減圧速度を制御することを含み得る。開度調節により、前面圧力の急激な低下が防止される。コントローラ170は、前面圧力と裏面圧力との間の差の変化率を監視することができる。差の減少が速すぎる場合、コントローラ170は、排気弁192を部分的に閉じて処理チャンバ106からの排気速度を遅くすることによって、排気弁192を通る開放のサイズを縮小することが可能である。差圧の変化率が所定の閾値を超える場合、排気弁192は、さらに閉じた状態に移行することができる。差が所定の速度未満で減少しているか、変化していないか、および/または増加している場合、コントローラ170は、排気弁192をさらに開き、処理チャンバ106からのガスの流れを増加させることが可能である。差圧の変化率が所定の閾値を超えない場合、排気弁192は、さらに開いた状態に移行することができる。コントローラ170は、動作313、314、315、および317中、排気弁192の開度を最大にし、前面圧力が裏面圧力を下回るのを防止しながら処理チャンバの減圧速度を最大にすることが可能である。これは、差圧安全マージンを維持しながらも行われる場合がある。コントローラ170は、排気弁192のさらなる開放を防止する上述の条件のうちの1つが満たされるまで、排気弁192の開度を増加し続けてもよい。
【0087】
動作314~317は、動作318~320と並行して実施されてもよい。
【0088】
318において、コントローラ170は、GDP108が上昇しているかどうかを決定することができる。「はい」の場合、動作319および320が実施され得る。319において、コントローラ170は、ガス分配プレートのホーミングを実施する。GDP108を移動させるために使用されるモータ199は、ステッピングモータであってもよく、コントローラ170は、ステッピングモータの位置をゼロに戻すことができる。320において、コントローラ170は、リフトピン202を上昇させることができる。これは、基板104上に残る下向きの圧力に打ち勝つことを含む。基板104が基板支持体のプレートまたは本体と接触しなくなると、前面圧力と裏面圧力が等しくなる。基板支持体110が静電チャックである場合、コントローラ170は、基板104を持ち上げる前に、基板104を基板支持体110にクランプすることを停止する。一実施形態では、前面圧力が第1の所定の閾値(例えば、2Torr)よりも低い場合、動作320が実施される。一実施形態では、動作320は、動作324によって示されるように、動作322の後まで実施されない。動作322は、動作317、319、および320に続いて実施されてもよい。
【0089】
322において、コントローラ170は、320で減圧を開始してから第1の減圧期間が経過したかどうか、および/または前面圧力が第1の所定の閾値以下であるかどうかを決定することができる。第1の所定の閾値は、2000ミリTorr(mT)であってもよい。一実施形態では、コントローラ170は、リフトピン202の上方への移動を許可する前に、前面圧力が500~2000mTであるかどうかを決定する。「はい」の場合、動作324および326が実施され得、そうでない場合には動作314が実施され得る。
【0090】
324において、コントローラ170は、上述したように、リフトピン202を上昇させることができる。326において、コントローラ170は、処理チャンバの減圧を継続する。基板が基板支持体110の本体154の上面152から持ち上げられると、(i)排気弁192は、減圧速度を最大にするために、まだ完全に開いていない場合には完全に開くことができ、(ii)基板104の前面と裏面との間の圧力差は、もはや維持されない。基板支持体110が静電チャックである場合、コントローラ170は、基板104を持ち上げる前に、基板104を基板支持体110にクランプすることを停止する。動作326は、動作324が実施されている間に実施されてもよい。
【0091】
328において、コントローラ170は、処理チャンバ圧力が第2の所定の閾値以下であるか、および/またはベース圧力にあるかどうかを決定することができる。「はい」の場合、動作330が実施され、処理チャンバ106から基板104を取り出すことができる。
【0092】
図4は、
図3A~
図3Bの減圧方法の一部を示す例示的なタイミング
図400およびプロット402を示す。タイミング
図400は、4つの期間を示している。第1の期間は、動作310に対応して示されている。第2の期間は、動作312、313、317に対応して示されている。第3の期間は、動作317、319、320に対応して示されている。リフトピンは第3の期間中に上昇するように示されているが、リフトピンは、動作324によって表されるように第4の期間中に上昇してもよい。第4の期間は、少なくとも動作326に対応して示されている。一例として、第2の期間は長さ3秒であり得、第3の期間は長さ2秒であり得、第4の期間は長さ2秒であり得る。
【0093】
プロット402は、前面圧力曲線404と、裏面圧力曲線406と、排気弁開度曲線408とを含む。示すように、前面圧力は、
図1の処理チャンバ106からガスが除去され、その結果として処理チャンバ106が減圧される間に減少する。処理チャンバ106の減圧中、裏面圧力も減少するが、その速度は前面圧力よりも大幅に遅い。差圧ΔPが示されている。差圧は、裏面圧力に対する前面圧力のアンダーシュートを防止する。
図1のコントローラ170は、排気弁192の位置、したがって開度を制御し、前面圧力が少なくとも第2および第3の期間中に裏面圧力未満に減少するのを防止する。前面圧力は、示すように、第4の期間中に裏面圧力未満に減少する場合がある。
【0094】
図5A~
図5Bは、従来基板の移動に関連する高圧から移行するための減圧方法を示す。一例として、高圧は、4~5Torrよりも大きい場合がある。一実施形態では、高圧は、4Torrよりも大きい。別の実施形態では、高圧は、5Torrよりも大きい。別の例として、高圧は、4~8Torrであり得る。方法は、500から始まることができ、リフトピン202上に基板104を配置することを含む。502において、対応する処理チャンバがポンプダウンされる。これは、排気弁192を開いてポンプ196を動作させ、処理チャンバ106内を排気して圧力を低下させ、そしてガスポケットが基板104の下に形成されるのを防止することを含み得る。504において、コントローラ170は、リフトピン202を下降させ、例えば、プレート210または対応する基板支持体110の本体154上に基板104を載置する。基板支持体110が静電チャックである場合、コントローラ170は、基板104を基板支持体110に静電的にクランプすることができる。
【0095】
506において、コントローラ170は、プロセスレシピに従って処理チャンバを初期プロセス圧力レベルに加圧する。初期処理圧力またはその後の圧力は、4~8Torrであってもよい。508において、コントローラ170は、GDP108を、例えば、ホーム位置から処理位置に下降させる。処理位置は、GDP108と基板支持体110との間の所定のギャップに対応する。動作508は、動作506が実施されている間に実施されてもよい。
【0096】
510において、基板104は、プロセスレシピに従って処理される。処理中、コントローラ170は、排気弁192の開度を調節し、プロセス圧力レベルに前面圧力を維持することができる。これは、エッチング、堆積、および/または洗浄動作などの様々な処理動作を含み得る。これは、基板104内および/または基板104上にフィーチャを形成することを含み得る。
【0097】
512において、基板104の処理に続いて、コントローラ170は、基板支持体から遠ざけるようにGDP108を上昇させ始める。513において、コントローラ170は、処理チャンバ106からのガスの除去および減圧を開始し、排気弁192の開度を制御することによって圧力差を制御することができる。動作513は、動作512が実施されている間に実施されてもよい。
【0098】
514において、センサ180、182は、圧力信号を生成し、この信号はコントローラ170で受信される。515において、コントローラ170は、差圧条件が満たされるかどうかを決定し、これは、前面圧力が(i)裏面圧力よりも大きいか、および/または(ii)裏面圧力よりも所定の量以上大きいかどうかを決定することを含み得る。所定の量は、上述の所定の安全マージンと等しくてもよい。一実施形態では、安全マージンが維持される。一例として、裏面圧力を前面圧力から減算し、所定の安全マージンと比較することができる。差が安全マージン以上である場合、差圧条件は満たされており、そうでない場合には差圧条件は満たされていない。別の実施形態では、安全マージンは維持されず、コントローラ170は、単に前面圧力が裏面圧力よりも大きいかどうかをチェックするだけである。前面圧力が大きい場合、差圧条件が満たされる。差圧条件が満たされない場合、動作516が実施され得、そうでない場合には動作517が実施される。
【0099】
516において、コントローラ170は、弁192をさらに閉じた状態に移行させることによって、処理チャンバ106の減圧を停止するか、または減圧速度を遅くすることができる。これは、排気弁192を閉じることを含み得る。一実施形態では、弁192は、前面圧力が裏面圧力よりも大きくなるまで、および/または裏面圧力と安全マージンの合計よりも大きくなるまで段階的に閉じられる。動作514は、動作516に続いて実施されてもよい。
【0100】
517において、コントローラ170は、317で実施された動作と同様の動作を実施し、処理チャンバ106の減圧を開始するか、または減圧を継続する。これは、前面圧力と裏面圧力の差に基づいて排気弁192の開度を調節することによって前面圧力および減圧速度を制御することを含み得る。コントローラ170は、前面圧力と裏面圧力との間の差の変化率を監視することができる。差の減少が速すぎる場合、コントローラ170は、排気弁192を部分的に閉じて処理チャンバ106からの排気速度を遅くすることによって、排気弁192を通る開放のサイズを縮小することが可能である。差が所定の速度未満で減少しているか、変化していないか、または増加している場合、コントローラ170は、排気弁192をさらに開き、処理チャンバ106からのガスの流れを増加させることが可能である。
【0101】
動作514~517は、動作518~520と並行して実施されてもよい。
【0102】
518において、コントローラ170は、GDP108が上昇しているかどうかを決定することができる。「はい」の場合、動作519および520が実施され得る。519において、コントローラ170は、ガス分配プレートのホーミングを実施する。520において、コントローラ170は、動作320に関して上述したように、リフトピン202を上昇させることができる。基板支持体110が静電チャックである場合、コントローラ170は、基板104を持ち上げる前に、基板104を基板支持体110にクランプすることを停止する。一実施形態では、動作520は、動作524によって示されるように、動作522の後まで実施されない。動作522は、動作517、519、および520に続いて実施されてもよい。
【0103】
522において、コントローラ170は、処理チャンバ内の圧力が第2の所定の閾値以下であるかどうかを決定することができる。第2の所定の閾値は、例えば、4~5Torr以下の圧力を指すことができる。この動作は、処理後および減圧中の基板104のポッピングおよび/またはシフトを最小にするために実施され得る。
図5Bには示されていないが、コントローラ170はまた、520で減圧を開始してから第2の減圧期間が経過したかどうかを決定することができる。一実施形態では、前面圧力が第2の所定の閾値以下である場合、動作524および526が実施され、そうでない場合には動作514が実施される。別の実施形態では、前面圧力が第2の所定の閾値以下であり、第2の減圧期間が経過した場合、動作524および526が実施され、そうでない場合には動作514が実施される。
【0104】
524において、コントローラ170は、上述したように、リフトピン202を上昇させることができる。526において、コントローラ170は、処理チャンバの減圧を継続する。基板が基板支持体110の本体154の上面152から持ち上げられると、(i)排気弁192は、減圧速度を最大にするために、まだ完全に開いていない場合には完全に開くことができ、(ii)基板104の前面と裏面との間の圧力差は、もはや維持されない。基板支持体110が静電チャックである場合、コントローラ170は、基板104を持ち上げる前に、基板104を基板支持体110にクランプすることを停止する。動作526は、動作524が実施されている間に実施されてもよい。
【0105】
528において、コントローラ170は、処理チャンバ圧力が第2の所定の閾値以下であるか、および/またはベース圧力にあるかどうかを決定することができる。「はい」の場合、動作530が実施され、処理チャンバ106から基板104を取り出すことができる。
【0106】
図6A~
図6Cは、減圧を含む複数の圧力移行プロセスを示す。方法は、600から始まることができ、リフトピン202上に基板104を配置することを含む。602において、対応する処理チャンバがポンプダウンされる。これは、排気弁192を開いてポンプ196を動作させ、処理チャンバ106内を排気して圧力を低下させ、そしてガスポケットが基板104の下に形成されるのを防止することを含み得る。604において、コントローラ170は、リフトピン202を下降させ、例えば、プレート210または対応する基板支持体110の本体154上に基板104を載置する。基板支持体110が静電チャックである場合、コントローラ170は、基板104を基板支持体110に静電的にクランプすることができる。
【0107】
606において、コントローラ170は、プロセスレシピに従って処理チャンバを初期プロセス圧力レベルに加圧する。初期圧力レベルは、高圧(例えば、4~8Torr)であってもよく、または低圧(例えば、4~5Torr以下)であってもよい。608において、コントローラ170は、GDP108を、例えば、ホーム位置から処理位置に下降させる。処理位置は、GDP108と基板支持体との間の所定のギャップに対応する。動作608は、動作606が実施されている間に実施されてもよい。
【0108】
610において、基板104は、プロセスレシピに従って処理される。処理中、コントローラ170は、排気弁192の開度を調節し、第1のプロセス圧力レベルに前面圧力を維持することができる。これは、エッチング、堆積、および/または洗浄動作などの様々な処理動作を含み得る。これは、基板104内および/または基板104上にフィーチャを形成することを含み得る。
【0109】
612において、コントローラ170は、現在の処理チャンバ圧力とは異なる別の処理チャンバ圧力における別のプロセスステップが存在するかどうかを決定する。「いいえ」の場合、動作612および613が実施され得、そうでない場合には動作616が実施され得る。
【0110】
613において、コントローラ170は、基板支持体から遠ざけるようにGDP108を上昇させ始める。614において、コントローラ170は、処理チャンバからのガスの除去を開始してその結果として処理チャンバを減圧し、排気弁192の開度を制御することによって圧力差を制御することができる。動作614は、動作613が実施されている間に実施されてもよい。動作634および638は、動作613および614に続いて実施されてもよい。
【0111】
616において、コントローラ170は、次の処理チャンバ圧力が現在の処理チャンバ圧力よりも低いかどうかを決定することができる。「いいえ」の場合、動作630が実施され得、そうでない場合には動作618が実施され得る。
【0112】
618において、センサ180、182は、圧力信号を生成し、この信号はコントローラ170で受信される。620において、コントローラ170は、差圧条件が満たされるかどうかを決定し、これは、前面圧力が(i)裏面圧力よりも大きいか、および/または(ii)裏面圧力よりも所定の量以上大きいかどうかを決定することを含み得る。所定の量は、上述の所定の安全マージンと等しくてもよい。一実施形態では、安全マージンが維持される。一例として、裏面圧力を前面圧力から減算し、所定の安全マージンと比較することができる。差が安全マージン以上である場合、差圧条件は満たされており、そうでない場合には差圧条件は満たされていない。別の実施形態では、安全マージンは維持されず、コントローラ170は、単に前面圧力が裏面圧力よりも大きいかどうかをチェックするだけである。前面圧力が大きい場合、差圧条件が満たされる。差圧条件が満たされない場合、動作622が実施され得、そうでない場合には動作624が実施される。
【0113】
622において、コントローラ170は、弁192をさらに閉じた状態に移行させることによって、処理チャンバ106の減圧を停止するか、または減圧速度を遅くすることができる。これは、排気弁192を閉じることを含み得る。一実施形態では、弁192は、前面圧力が裏面圧力よりも大きくなるまで、および/または裏面圧力と安全マージンの合計よりも大きくなるまで段階的に閉じられる。動作618は、動作622に続いて実施されてもよい。
【0114】
624において、コントローラ170は、317で実施された動作と同様の動作を実施し、処理チャンバ106の減圧を開始するか、または減圧を継続する。これは、前面圧力と裏面圧力の差に基づいて排気弁192の開度を調節することによって前面圧力および減圧速度を制御することを含み得る。コントローラ170は、前面圧力と裏面圧力との間の差の変化率を監視することができる。差の減少が速すぎる場合、コントローラ170は、排気弁192を部分的に閉じて処理チャンバ106からの排気速度を遅くすることによって、排気弁192を通る開放のサイズを縮小することが可能である。差が所定の速度未満で減少しているか、維持されているか、または増加している場合、コントローラ170は、排気弁192をさらに開き、処理チャンバ106からのガスの流れを増加させることが可能である。
【0115】
628において、コントローラ170は、プロセスチャンバ圧力が次のプロセス圧力にあるかどうかを決定することができる。「はい」の場合、動作632が実施され得、そうでない場合には動作618が実施され得る。
【0116】
630において、処理チャンバ106内の圧力は、次の処理圧力に増加される。
【0117】
632において、基板104は、次の処理チャンバ圧力でプロセスレシピに従って処理される。処理中、コントローラ170は、排気弁192の開度を調節し、次のプロセス圧力レベルに前面圧力を維持することができる。これは、エッチング、堆積、および/または洗浄動作などの様々な処理動作を含み得る。これは、基板104内および/または基板104上にフィーチャを形成することを含み得る。
【0118】
634において、センサ180、182は、圧力信号を生成し、この信号はコントローラ170で受信される。635において、コントローラ170は、差圧条件が満たされるかどうかを決定し、これは、前面圧力が(i)裏面圧力よりも大きいか、および/または(ii)裏面圧力よりも所定の量以上大きいかどうかを決定することを含み得る。所定の量は、上述の所定の安全マージンと等しくてもよい。一実施形態では、安全マージンが維持される。一例として、裏面圧力を前面圧力から減算し、所定の安全マージンと比較することができる。差が安全マージン以上である場合、差圧条件は満たされており、そうでない場合には差圧条件は満たされていない。別の実施形態では、安全マージンは維持されず、コントローラ170は、単に前面圧力が裏面圧力よりも大きいかどうかをチェックするだけである。前面圧力が大きい場合、差圧条件が満たされる。差圧条件が満たされない場合、動作636が実施され得、そうでない場合には動作637が実施される。
【0119】
636において、コントローラ170は、処理チャンバ638の減圧を停止する。これは、排気弁192を閉じることを含み得る。動作634は、動作636に続いて実施されてもよい。
【0120】
637において、コントローラ170は、317で実施された動作と同様の動作を実施し、処理チャンバ106の減圧を開始するか、または減圧を継続する。これは、前面圧力と裏面圧力の差に基づいて排気弁192の開度を調節することによって前面圧力および減圧速度を制御することを含み得る。コントローラ170は、前面圧力と裏面圧力との間の差の変化率を監視することができる。差の減少が速すぎる場合、コントローラ170は、排気弁192を部分的に閉じて処理チャンバ106からの排気速度を遅くすることによって、排気弁192を通る開放のサイズを縮小することが可能である。差が所定の速度未満で減少しているか、変化していないか、または増加している場合、コントローラ170は、排気弁192をさらに開き、処理チャンバ106からのガスの流れを増加させることが可能である。
【0121】
動作634~637は、動作638~640と並行して実施されてもよい。
【0122】
638において、コントローラ170は、GDP108が上昇しているかどうかを決定することができる。「はい」の場合、動作639および640が実施され得る。639において、コントローラ170は、ガス分配プレートのホーミングを実施する。640において、コントローラ170は、動作640に関して上述したように、リフトピン202を上昇させることができる。一実施形態では、動作640は、動作644によって示されるように、動作642の後まで実施されない。基板支持体110が静電チャックである場合、コントローラ170は、基板104を持ち上げる前に、基板104を基板支持体110にクランプすることを停止する。動作642は、動作637、639、および640に続いて実施されてもよい。
【0123】
642において、コントローラ170は、640で減圧を開始してから第1の減圧期間が経過したかどうか、ならびに/または処理チャンバ内の圧力が
図3Bの動作322の第1の所定の閾値および/もしくは
図5Bの第2の所定の閾値522以下であるかどうかを決定することができる。「はい」の場合、動作644および646が実施され得、そうでない場合には動作634が実施され得る。
【0124】
644において、コントローラ170は、上述したように、リフトピン202を上昇させることができる。646において、コントローラ170は、処理チャンバの減圧を継続する。基板が基板支持体110の本体154の上面152から持ち上げられると、(i)排気弁192は、減圧速度を最大にするために、まだ完全に開いていない場合には完全に開くことができ、(ii)基板104の前面と裏面との間の圧力差は、もはや維持されない。基板支持体110が静電チャックである場合、コントローラ170は、基板104を持ち上げる前に、基板104を基板支持体110にクランプすることを停止する。動作646は、動作644が実施されている間に実施されてもよい。
【0125】
648において、コントローラ170は、処理チャンバ圧力が第2の所定の閾値以下であるか、および/またはベース圧力にあるかどうかを決定することができる。「はい」の場合、動作650が実施され、処理チャンバ106から基板104を取り出すことができる。
【0126】
図3A~
図3Bおよび
図4A~
図6Cの方法の上述の動作は、例示的な例であることを意味している。動作は、連続的に、同期的に、同時に、継続的に、重複する期間中に、または用途に応じて異なる順序で実施されてもよい。また、実施態様および/または事象の順序に応じて、動作のいずれかが実施されない、またはスキップされる場合がある。
【0127】
前述の説明は、本質的に単に例示的であり、本開示、その適用、または使用を決して限定する意図はない。本開示の広範な教示は、様々な形態で実施することができる。したがって、本開示は具体的な例を含むが、図面、明細書、および以下の特許請求の範囲を検討すると他の変更態様が明白となるので、本開示の真の範囲はそのような例に限定されるべきではない。方法における1つまたは複数のステップは、本開示の原理を変更することなく、異なる順序で(または同時に)実行してもよいことを理解されたい。さらに、各実施形態は特定の特徴を有するものとして上に説明されているが、本開示のいずれかの実施形態に関して説明したこれらの特徴のいずれか1つまたは複数を、他の実施形態において実施すること、および/または、他の実施形態のいずれかの特徴と組み合わせることが(たとえそのような組み合わせが明示的に説明されていないとしても)可能である。言い換えれば、説明された実施形態は相互に排他的ではなく、1つまたは複数の実施形態を互いに入れ替えることは本開示の範囲に含まれる。
【0128】
要素同士(例えば、モジュール同士、回路要素同士、半導体層同士など)の空間的および機能的関係は、「接続された」、「係合された」、「結合された」、「隣接した」、「隣に」、「上に」、「上方に」、「下方に」、および「配置された」などの様々な用語を使用して説明される。また、上記開示において第1の要素と第2の要素との間の関係が説明されるとき、「直接」であると明示的に説明されない限り、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接的な関係の可能性があるが、第1の要素と第2の要素との間に1つまたは複数の介在要素が(空間的または機能的に)存在する間接的な関係の可能性もある。本明細書で使用する場合、A、B、およびCの少なくとも1つという表現は、非排他的論理ORを使用した論理(AまたはBまたはC)の意味で解釈されるべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、およびCの少なくとも1つ」の意味で解釈されるべきではない。
【0129】
いくつかの実施態様では、コントローラはシステムの一部であり、そのようなシステムは上述した例の一部であってもよい。そのようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、1つまたは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理機器を備えることができる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のシステム動作を制御するための電子機器と一体化されてもよい。そのような電子機器は「コントローラ」と呼ばれることがあり、1つまたは複数のシステムの様々な構成要素または副部品を制御してもよい。コントローラは、処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、本明細書に開示されるプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされてもよい。そのようなプロセスとしては、処理ガスの送給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送給設定、位置および動作設定、特定のシステムに接続または連動するツールおよび他の移送ツールに対するウエハの搬入と搬出、および/またはロードロックに対するウエハの搬入と搬出が含まれる。
【0130】
広義には、コントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、論理、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてもよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されたチップ、および/または1つまたは複数のマイクロプロセッサ、すなわちプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形式でコントローラに通信される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上で、または半導体ウエハ用に、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義してもよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハダイの製作における1つまたは複数の処理ステップを実現するためプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってもよい。
【0131】
コントローラは、いくつかの実施態様では、システムと統合または結合されるか、他の方法でシステムにネットワーク接続されるコンピュータの一部であってもよく、またはそのようなコンピュータに結合されてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってもよいし、ファブホストコンピュータシステムのすべてもしくは一部であってもよい。これにより、ウエハ処理のリモートアクセスが可能となる。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製作動作の現在の進捗状況を監視し、過去の製作動作の履歴を検討し、複数の製作動作から傾向または性能基準を検討し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定するか、または新しいプロセスを開始してもよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを通じてプロセスレシピをシステムに提供することができる。そのようなネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでいてもよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでもよく、そのようなパラメータおよび/または設定は、その後リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例では、コントローラは命令をデータの形式で受信する。そのようなデータは、1つまたは複数の動作中に実施される各処理ステップのためのパラメータを特定するものである。パラメータは、実施されるプロセスのタイプ、およびコントローラが連動または制御するように構成されるツールのタイプに特有のものであってもよいことを理解されたい。したがって、上述したように、コントローラは、例えば、互いにネットワーク接続され共通の目的(本明細書で説明されるプロセスおよび制御など)に向けて協働する1つまたは複数の個別のコントローラを備えることによって分散されてもよい。このような目的のための分散型コントローラの例として、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路であって、(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)遠隔配置されておりチャンバにおけるプロセスを制御するよう組み合わせられる1つまたは複数の集積回路と通信するものが挙げられるであろう。
【0132】
例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、追跡チャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連するか使用されてもよい任意の他の半導体処理システムを含むことができるが、これらに限定されない。
【0133】
上述のように、ツールによって実施される1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、1つまたは複数の他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場内のツール場所および/もしくはロードポートに対してウエハの容器を搬入および搬出する材料搬送に使用されるツールと通信してもよい。
【国際調査報告】