(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】3D DRAMのためのひずみが小さいSi/SiGeヘテロエピタキシースタック
(51)【国際特許分類】
H10B 12/00 20230101AFI20240711BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20240711BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
H10B12/00 801
H10B12/00 671C
H01L29/78 613B
H01L29/78 617K
H01L29/78 618B
H01L21/205
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501270
(86)(22)【出願日】2022-07-11
(85)【翻訳文提出日】2024-03-05
(86)【国際出願番号】 US2022036670
(87)【国際公開番号】W WO2023287700
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】トリー, ジョン バイロン
(72)【発明者】
【氏名】北島 知彦
(72)【発明者】
【氏名】キルシェンハイター, トーマス ジョン
(72)【発明者】
【氏名】リウ, パトリシア エム.
(72)【発明者】
【氏名】チュー, ツウォミン
(72)【発明者】
【氏名】マーゲティス, ジョー
(72)【発明者】
【氏名】フィッシュバーン, フレデリック デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】モハメッド, アブドゥル ワッハーブ
(72)【発明者】
【氏名】リー, キルヨン
【テーマコード(参考)】
5F045
5F083
5F110
【Fターム(参考)】
5F045AA03
5F045AA08
5F045AB02
5F045AB40
5F045EB08
5F083AD06
5F083AD69
5F083GA10
5F083GA30
5F083HA02
5F083JA60
5F083KA01
5F083KA05
5F083LA12
5F083LA16
5F083MA06
5F083MA16
5F083PR03
5F083PR21
5F110AA04
5F110BB06
5F110CC10
5F110EE22
5F110FF12
5F110GG01
5F110GG04
5F110HJ01
5F110QQ04
(57)【要約】
本明細書においては、3次元ダイナミックランダムアクセスメモリ(3D DRAM)構造および3次元ダイナミックランダムアクセスメモリ(3D DRAM)構造を形成する方法が提供される。いくつかの実施形態では、3D DRAMスタックは、交互するシリコン(Si)層およびシリコンゲルマニウム(SiGe)層を含むことができる。複数のSi層の各々は、複数のSiGe層の各々の高さより高い高さを有することができる。このような構造を形成するための方法およびシステムがさらに提供される。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交互するシリコン(Si)層およびシリコンゲルマニウム(SiGe)層のスタックであって、個々のSi層の高さが個々のSiGe層の高さより高い、スタック
を備える3次元ダイナミックランダムアクセスメモリ(3D DRAM)の製造に係る構造。
【請求項2】
少なくとも1つのSi層が少なくとも1つの他のSi層の高さより低い高さを有する、請求項1に記載の3D DRAMの製造に係る構造。
【請求項3】
交互する層の前記スタックの底部に配置されたドープ分離層
をさらに備える、請求項1に記載の3D DRAMの製造に係る構造。
【請求項4】
少なくとも1つのSiGe層が、ホウ素、炭素、窒素、酸素またはリンのうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つのドーパントを含むドープSiGe層である、請求項1から3のいずれか一項に記載の3D DRAMの製造に係る構造。
【請求項5】
前記ドープSiGe層の両側に配置されたドープSi層をさらに備え、前記ドープSi層が前記ドープSiGe層の高さより低い高さを有する、請求項4に記載の3D DRAMの製造に係る構造。
【請求項6】
前記SiGe層が、ホウ素、炭素、窒素、酸素またはリンのうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つのドーパントを含むドープSiGe層であり、交互するSi層がドープSi層であり、個々のSi層の高さが個々のドープSi層の高さより高い、請求項1から3のいずれか一項に記載の3D DRAMの製造に係る構造。
【請求項7】
少なくとも1つの対のSiGe層が、ホウ素、炭素、窒素、酸素またはリンのうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つのドーパントを含み、前記少なくとも1つの対のSiGe層の個々の対のSiGe層の間に配置された中心SiGe層をさらに備え、前記中心SiGe層がドープされ、前記少なくとも1つの対のSiGe層のドーパント濃度より高いドーパント濃度を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の3D DRAM構造。
【請求項8】
3次元ダイナミックランダムアクセスメモリ(3D DRAM)構造を形成する方法であって、
交互するシリコン(Si)層およびシリコンゲルマニウム(SiGe)層のスタックを形成することであって、前記Si層の高さが前記SiGe層の高さより高い、スタックを形成することと、
前記スタックの中に垂直スリットまたは孔を異方性エッチングすることと、
複数の前記SiGe層のうちの少なくとも1つを等方性エッチングして、第1の水平方向の凹みを形成することであって、前記Si層の部分の間で前記SiGe層が実質的に完全に除去される、少なくとも1つのSiGe層を等方性エッチングすることと、
前記少なくとも1つのエッチングされたSiGe層に隣接する前記Si層の前記部分に第2の水平方向の凹みを等方性エッチングして、前記Si層の薄い部分を形成することであって、前記第1の水平方向の凹みおよび前記第2の水平方向の凹みが一緒に、隣接するSi層間に空洞を形成する、第2の水平方向の凹みを等方性エッチングすることと
を含む、方法。
【請求項9】
前記スタックを形成することが、交互するSi層を他のSi層の高さより低い高さで形成することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記スタックを形成することが、交互する層の前記スタックの底部に配置されたドープ分離層を形成することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記スタックを形成することが、ホウ素、炭素、窒素、酸素またはリンのうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つのドーパントを含むドープSiGe層として少なくとも1つのSiGe層を形成することをさらに含む、請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記スタックを形成することが、前記ドープSiGe層の両側に配置されたドープSi層を形成することをさらに含み、前記ドープSi層が前記ドープSiGe層の高さより低い高さを有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記スタックを形成することが、ホウ素、炭素、窒素、酸素またはリンのうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つのドーパントを含むドープSiGe層として前記SiGe層を形成することをさらに含み、交互するSi層がドープSi層であり、個々のSi層の高さが個々のドープSi層の高さより高い、請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記スタックを形成することが、
ホウ素、炭素、窒素、酸素またはリンのうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つのドーパントを有する少なくとも1つの対のSiGe層を形成することと、
前記少なくとも1つの対のSiGe層の個々の対のSiGe層の間に配置された中心SiGe層を形成することであって、前記中心SiGe層が、前記少なくとも1つの対のSiGe層のドーパント濃度より高いドーパント濃度でドープされる、中心SiGe層を形成することと
をさらに含む、請求項8から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
命令が形成された非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令が実行されると処理チャンバに方法を実行させ、前記方法が、
交互するシリコン(Si)層およびシリコンゲルマニウム(SiGe)層のスタックを形成することであって、前記Si層の高さが前記SiGe層の高さより高い、スタックを形成することと、
前記スタックの中に垂直スリットまたは孔を異方性エッチングすることと、
複数の前記SiGe層のうちの少なくとも1つを等方性エッチングして、第1の水平方向の凹みを形成することであって、前記Si層の部分の間で前記SiGe層が実質的に完全に除去される、少なくとも1つのSiGe層を等方性エッチングすることと、
前記少なくとも1つのエッチングされたSiGe層に隣接する前記Si層の前記部分に第2の水平方向の凹みを等方性エッチングして、前記Si層の薄い部分を形成することであって、前記第1の水平方向の凹みおよび前記第2の水平方向の凹みが一緒に、隣接するSi層間に空洞を形成する、第2の水平方向の凹みを等方性エッチングすることと
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記スタックを形成することが、交互するSi層を他のSi層の高さより低い高さで形成することをさらに含む、請求項15に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記スタックを形成することが、交互する層の前記スタックの底部に配置されたドープ分離層を形成することをさらに含む、請求項15に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記スタックを形成することが、ホウ素、炭素、窒素、酸素またはリンのうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つのドーパントを含むドープSiGe層として少なくとも1つのSiGe層を形成することをさらに含み、任意選択的に、前記スタックを形成することが、前記ドープSiGe層の両側に配置されたドープSi層を形成することをさらに含み、前記ドープSi層が前記ドープSiGe層の高さより低い高さを有する、請求項15から17のいずれか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記スタックを形成することが、ホウ素、炭素、窒素、酸素またはリンのうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つのドーパントを含むドープSiGe層として前記SiGe層を形成することをさらに含み、交互するSi層がドープSi層であり、個々のSi層の高さが個々のドープSi層の高さより高い、請求項15から17のいずれか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記スタックを形成することが、
ホウ素、炭素、窒素、酸素またはリンのうちの少なくとも1つを含む少なくとも1つのドーパントを有する少なくとも1つの対のSiGe層を形成することと、
前記少なくとも1つの対のSiGe層の個々の対のSiGe層の間に配置された中心SiGe層を形成することであって、前記中心SiGe層が、前記少なくとも1つの対のSiGe層のドーパント濃度より高いドーパント濃度でドープされる、中心SiGe層を形成することと
をさらに含む、請求項15から17のいずれか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本原理の実施形態は、一般に半導体製造に関する。
【背景技術】
【0002】
データのストレージおよび検索は、コンピューティング産業の多くの態様にとって制限要因であった。メモリデバイスは、現代のコンピューティングデバイスの全体性能を容易に低下させ得る。メモリをより高速にするために、メモリ構造は非常に小さいサイズにスケールダウンされ、メモリ構造の密度が劇的に高くなっている。3次元ダイナミックランダムアクセスメモリ(3D DRAM)などの3次元メモリ構造を使用して、メモリ密度をさらに高くすることができる。いくつかの3次元メモリ構造では、SiおよびSiGeの交互層が結晶シリコン基板からエピタキシャル成長される。しかしながら
図1に示されているように、典型的な3D DRAMスタック100では、Si層102の高さは実質的にSiGe層104の高さに等しい。いくつかのメモリアプリケーションの場合、凹み領域の最終間隙幅は最終シリコンチャネル幅と同様の寸法、さらには最終シリコンチャネル幅より広くしなければならない。しかしながら本発明者らは、SiとGeとの間の格子の不整合から誘導されるひずみが存在することを観察した。薄い層の場合、誘導されるひずみは問題ではない。しかしながら厚い層の場合、誘導されるひずみは十分に大きく、「リラクゼーション」として知られている、単結晶構造における欠陥の原因になり得る。
【0003】
したがって本発明者らは、リラクゼーションもしくはウエハの反りを小さくするか、または除去するSi/SiGe3次元メモリ構造およびその構造を作る方法を提供した。
【発明の概要】
【0004】
本明細書においては、3次元ダイナミックランダムアクセスメモリ(3D DRAM)構造ならびにこのような構造を形成するための方法および装置が提供される。
【0005】
本明細書においては、「層」は、材料の単結晶層、ならびに組み合わせで単結晶層を形成する同じ材料の複数の結晶層を意味し、それらを指す。
【0006】
いくつかの実施形態では、3D DRAM構造は、交互するシリコン(Si)層とシリコンゲルマニウム(SiGe)層のスタックを含み、個々のSi層の高さは個々のSiGe層の高さより高い。
【0007】
いくつかの実施形態では、3D DRAM構造は、交互するSi層およびSiGe層のスタックを含み、個々のSi層の高さは個々のSiGe層の高さより高く、少なくとも1つのSi層は、少なくとも1つの他のSi層の高さより低い高さを有している。
【0008】
いくつかの実施形態では、3D DRAM構造は、交互するSi層およびSiGe層のスタックを含み、個々のSi層の高さは個々のSiGe層の高さより高く、少なくとも1つのSiGe層は少なくとも1つのドーパントを含み、少なくとも1つのドーパントは、ホウ素、炭素、窒素、酸素およびリンのうちの少なくとも1つである。
【0009】
いくつかの実施形態では、3D DRAM構造は、交互する非ドープSi層、ドープSi層およびドープSiGe層のスタックを含み、それぞれのドープSi層はドープSiGe層に直に隣接して、ドープSiGe層の互いに反対側に配置され、個々の非ドープSi層の高さは個々のドープSi層の高さより高く、個々のドープSiGe層の高さより高く、ドープSi層およびドープSiGe層は少なくとも1つのドーパントを含み、少なくとも1つのドーパントは、ホウ素、炭素、窒素、酸素およびリンのうちの少なくとも1つである。
【0010】
いくつかの実施形態では、3D DRAM構造は、交互する非ドープSi層、ドープSi層およびドープSiGe層のスタックを含み、それぞれのドープSiGe層はドープSi層に直に隣接して、ドープSi層の互いに反対側に配置され、個々の非ドープSi層の高さは個々のドープSi層の高さより高く、個々のドープSiGe層の高さより高く、ドープSi層およびドープSiGe層は少なくとも1つのドーパントを含み、少なくとも1つのドーパントは、ホウ素、炭素、窒素、酸素およびリンのうちの少なくとも1つである。
【0011】
いくつかの実施形態では、3D DRAM構造は、交互する非ドープSi層、ドープSi層およびドープSiGe層のスタックを含み、交互層のスタックの底部にドープ分離層を含み、それぞれのドープSiGe層はドープSi層に直に隣接して、ドープSi層の互いに反対側に配置され、個々の非ドープSi層の高さは、個々のドープSi層の高さより高く、個々のドープSiGe層の高さより高く、ドープSi層およびドープSiGe層は少なくとも1つのドーパントを含み、少なくとも1つのドーパントは、ホウ素、炭素、窒素、酸素およびリンのうちの少なくとも1つであり、ドープ分離層は、ドープSi層およびドープSiGe層中の少なくとも1つのドーパントとは異なる少なくとも1つのドーパントを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、3D DRAM構造は、交互するSi層およびSiGe層のスタックを含み、個々のSi層の高さは個々のSiGe層の高さより高く、少なくとも1つのSiGe層は少なくとも1つのドーパントを含み、少なくとも1つのSiGe層は、少なくとも1つのSiGe層の外部領域のドーパント濃度より高いドーパント濃度を有する中心領域を有し、少なくとも1つのドーパントは、ホウ素、炭素、窒素、酸素およびリンのうちの少なくとも1つである。
【0013】
いくつかの実施形態では、3次元ダイナミックランダムアクセスメモリ(3D DRAM)構造を形成する方法は、交互するシリコン(Si)層とシリコンゲルマニウム(SiGe)層のスタックを形成することであって、Si層の高さはSiGe層の高さより高い、スタックを形成することと、任意選択的に、複数のSi層のうちの1つまたは複数にドーパントを加えることと、任意選択的に、複数のSiGe層のうちの1つまたは複数にドーパントを加えることと、任意選択的に、1つまたは複数のSiGe層の中にドーパント勾配を生成することと、スタック中に垂直スリットまたは孔を異方性エッチングすることと、複数のSiGe層のうちの少なくとも1つの中に水平方向の凹みを等方性エッチングすることと、複数のSi層のうちの少なくとも1つの中に水平方向の凹みを等方性エッチングすることとを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、3次元ダイナミックランダムアクセスメモリ(3D DRAM)構造を形成する方法は、交互するシリコン(Si)層とシリコンゲルマニウム(SiGe)層のスタックを形成することであって、Si層の高さはSiGe層の高さより高い、スタックを形成することと、スタックの中に垂直スリットまたは孔を異方性エッチングすることと、複数のSiGe層のうちの少なくとも1つを等方性エッチングして、第1の水平方向の凹みを形成することであって、SiGe層が実質的に複数のSi層の一部分の間で完全に除去される、第1の水平方向の凹みを形成することと、少なくとも1つのエッチングされたSiGe層に隣接するSi層のその部分に第2の水平方向の凹みを等方性エッチングして、Si層の薄い部分を形成することであって、第1の水平方向の凹みおよび第2の水平方向の凹みが一緒に、隣接するSi層間に空洞を形成する、第2の水平方向の凹みを等方性エッチングすることとを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、命令が形成された非一時的コンピュータ可読媒体が提供され、命令は、実行されると、処理チャンバに、本明細書において開示される実施形態のうちのいずれかによる3次元ダイナミックランダムアクセスメモリ(3D DRAM)構造を形成する方法を実行させる。
【0016】
いくつかの実施形態では、本明細書において開示される実施形態のうちのいずれかによる3次元ダイナミックランダムアクセスメモリ(3D DRAM)構造を形成するための装置およびシステムが提供される。
【0017】
本開示の他の実施形態およびさらなる実施形態は以下で説明される。
【0018】
上で簡単に要約され、以下でより詳細に考察される本開示の実施形態は、添付の図面に示されている本開示の例示的な実施形態を参照することによって理解することができる。しかしながら添付の図面は、単に本開示の典型的な実施形態を示したものにすぎず、したがって本開示は他の等しく有効な実施形態を許容することができるため、範囲を制限するものと見なしてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】従来技術による3次元ダイナミックランダムアクセスメモリ(3D DRAM)構造の概略側面図である。
【
図2A-2C】本開示の少なくともいくつかの実施形態による3次元ダイナミックランダムアクセスメモリ(3D DRAM)構造の製造ステージの概略側面図である。
【
図3A-3C】本開示の少なくともいくつかの実施形態による3次元ダイナミックランダムアクセスメモリ(3D DRAM)構造の製造ステージの概略側面図である。
【
図4A-4C】本開示の少なくともいくつかの実施形態による3次元ダイナミックランダムアクセスメモリ(3D DRAM)構造の製造ステージの概略側面図である。
【
図5A-5C】本開示の少なくともいくつかの実施形態による3次元ダイナミックランダムアクセスメモリ(3D DRAM)構造の製造ステージの概略側面図である。
【
図6A-6C】本開示の少なくともいくつかの実施形態による3次元ダイナミックランダムアクセスメモリ(3D DRAM)構造の製造ステージの概略側面図である。
【
図7A-7C】本開示の少なくともいくつかの実施形態による3次元ダイナミックランダムアクセスメモリ(3D DRAM)構造の製造ステージの概略側面図である。
【
図8】本開示の少なくともいくつかの実施形態による3次元ダイナミックランダムアクセスメモリ(3D DRAM)構造を形成する方法を示すフローチャートである。
【
図9】本開示の少なくともいくつかの実施形態による、基板を処理するための装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
理解を容易にするために、可能である場合、全く同じ参照数表示を使用して図に共通の全く同じ要素が示されている。図は原寸に比例して示されておらず、明確にするために簡略化されている場合がある。一実施形態の要素および特徴は、さらなる記載なしに他の実施形態に有利に組み込むことができる。
【0021】
本明細書において提供される方法および構造により、3次元(3D)ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)スタックを製造することができる。例えば本明細書において提供される方法および構造により、結晶シリコン(c-Si)チャネルの周りにゲート-オール-アラウンド(GAA)構造を含む3D DRAMセルを製造することができる。例えば本開示の実施形態は、ゲート-オール-アラウンド(GAA)構造を含む3D DRAMセルの製造にさらに使用するのに適した、あるいはゲート-オール-アラウンド(GAA)構造を含む3D DRAMセルを製造するためのプロセスシーケンスの一部としてさらに使用するのに適した改良型イネーブリング構造を提供する。本明細書において提供されるSi/SiGe 3次元メモリ構造は、有利には、いくつかの他の3次元メモリ構造で観察されるリラクゼーションまたはウエハの反りを小さくするか、または除去する。
【0022】
図2A~
図2Cは、本開示の少なくともいくつかの実施形態による3D DRAMスタック200の製造ステージの概略側面図を示したものである。スタック200は、交互するシリコン(Si)層201およびシリコンゲルマニウム(SiGe)層202を含む。複数のSiGe層202のうちの1つまたは複数には、約5原子百分率から約40原子百分率、または約10原子百分率のGeが存在していてもよい。
【0023】
実施形態では、1つのSi層201は1つのSiGe層202と垂直方向に交互していてもよい。
図2A~
図2C(および本明細書に開示されている実施形態の各々)には、Si層201およびSiGe層202の3つの交互する対しか図示されていないが、開示されている実施形態のいずれの実施形態にも異なる数の交互する層が存在し得る。例えば典型的な3D DRAM構造では、32個と約128個の間の反復メモリ層、または全部で約250個以上の層が存在し得る。
【0024】
実施形態では、Si層201の各々は、SiGe層202の各々の高さ(例えば厚さ)より高い高さ(例えば厚さ)を有することができる。実施形態では、複数のSi層201の各々を含む、複数のSi層201のうちの1つまたは複数は、約25nmから約50nmの高さであってもよい。実施形態では、複数のSiGe層のすべてを含む、複数のSiGe層202のうちの1つまたは複数は、約3nmから約30nmの高さであってもよい。
【0025】
実施形態において、
図2Aに示されているように、スタック200に異方性エッチングを施して、交互するSi層201およびSiGe層202を通る垂直スリットまたは孔(矢印211で示されている)を生成することができる。異方性エッチングは、交互するSi層201およびSiGe層202の各々を通る孔を形成するための任意の適切な方式で実施することができる。孔は、図のエッジに沿って示されているが、孔は、典型的には、すべての側面に材料を有する層を通して形成されること、および、本明細書において説明されている例示的な特徴およびプロセスが、典型的には、複数のこのような特徴(孔、凹み、等)を半導体ウエハなどの基板の上に同時に製造するために実行されることは当業者には認識されよう。
【0026】
その後、実施形態により、
図2Bに示されているように、スタック200は、複数のSiGe層202のうちの1つまたは複数に横方向の等方性エッチングを施して(矢印205で示されている)、孔(例えば矢印211)に隣接する領域のSiGe層202に凹み206を形成することができる。SiGe層202の横方向の等方性エッチングは、Si層201と比較すると、SiGe層202に対して選択的であり、したがってSi層201をほとんどエッチングすることなく、あるいはSi層201をエッチングすることなく凹み206を形成することができる。
【0027】
次に、実施形態により、
図2Cに示されているように、スタック200の複数のSi層201のうちの1つまたは複数に等方性エッチングを施すことができる(矢印208で示されている)。例えばSi層201を等方性エッチングしてSi層201を薄くし、SiGe層202の中に形成された凹み206に隣接するSi層201の薄い部分204を形成することができる。Si層201のこのような薄い部分204は、完全に製造された3D DRAMデバイスにおけるSiチャネル領域に対応し得る。実施形態では、1つまたは複数の薄い部分204は、約10nmから約40nmの高さ(例えば厚さ)であってもよい。
【0028】
したがって1つまたは複数の空洞すなわち開口203を形成することができる(例えば凹んだSiGe層202および隣接するSi層201の薄い部分204によって画定されているように)。したがって開口203は、SiGe層202の高さ、および開口203の互いに反対側のSi層201のエッチングされた部分の高さにほぼ等しい高さを有している。実施形態では、複数の開口203のうちの1つまたは複数は、約10nmから約40nmの高さ(例えば厚さ)であってもよい。
【0029】
図3A~
図3Cは、本開示の少なくともいくつかの実施形態による3D DRAM構造の製造ステージの概略側面図を示したものである。同様の層および特徴は、
図2A~
図2Cに関連して上で説明した層および特徴であってもよい。この構造は、交互するSi層301a、bおよびSiGe層302のスタック300を含むことができる。複数のSiGe層302のうちの1つまたは複数には、約5原子百分率から約40原子百分率、または約10原子百分率のGeが存在していてもよい。
【0030】
実施形態では、スタック300は、垂直方向に反復する一連の層を含むことができ、一連の層は、1つのSi層301a、およびそのSi層301aに直に隣接している1つのSiGe層302、およびそのSiGe層302に直に隣接している1つの他のSi層301b、およびそのSi層301bに直に隣接している1つの他のSiGe層302を含むことができる。
【0031】
実施形態では、Si層301a、bの各々は、SiGe層302の各々の高さより高い高さを有することができる。実施形態では、1つまたは複数のSi層301bは、1つまたは複数のSi層301aの高さより低い高さを有することができる。複数のSi層301aのうちの1つまたは複数は約40nmの高さであってもよい。複数のSi層301bのうちの1つまたは複数は約20nmの高さであってもよい。複数のSiGe層302のうちの1つまたは複数は、約3nmから約20nmの高さであってもよい。
【0032】
実施形態では、
図3Aに示されているように、スタック300に異方性エッチングを施して、交互するSi層301a、bおよびSiGe層302を通る垂直スリットまたは孔(矢印311で示されている)を生成することができる。異方性エッチングは、交互するSi層301a、bおよびSiGe層302の各々を通る孔を形成するための任意の適切な方式で実施することができる。孔は、図のエッジに沿って示されているが、孔は、典型的には、すべての側面に材料を有する層を通して形成されること、および、本明細書において説明されている例示的な特徴およびプロセスは、典型的には、複数のこのような特徴(孔、凹み、等)を半導体ウエハなどの基板の上に同時に製造するために実行されることは当業者には認識されよう。
【0033】
その後、実施形態により、
図3Bに示されているように、スタック300の複数のSiGe層302のうちの1つまたは複数に横方向の等方性エッチングを施して(矢印305で示されている)、孔(例えば矢印311)に隣接する領域のSiGe層302に凹み306を形成することができる。SiGe層302の横方向の等方性エッチングは、Si層301a、bと比較すると、SiGe層302に対して選択的であり、したがってSi層301a、bをほとんどエッチングすることなく、またはSi層301a、bをエッチングすることなく凹み306を形成することができる。
【0034】
次に、実施形態により、
図3Cに示されているように、スタック300の複数のSi層301aのうちの1つまたは複数、および/または複数のSi層301bのうちの1つまたは複数に等方性エッチングを施すことができる(矢印308で示されている)。例えばSi層301a、bを等方性エッチングしてSi層301a、bを薄くし、SiGe層302の中に形成された凹み306に隣接するSi層301aの薄い部分304を形成することができる。さらに、凹み306に隣接するSi層301bのその部分を完全に除去することができる(例えばSi層301aと比較して、Si層301bの厚さが薄いため)。Si層301aのこのような薄い部分304は、完全に製造された3D DRAMデバイスにおけるSiチャネル領域に対応し得る。実施形態では、1つまたは複数の薄い部分304は、約10nmから約40nmの高さであってもよい。
【0035】
したがって1つまたは複数の空洞すなわち開口303を形成することができる(例えば凹んだSiGe層302、Si層301bの除去された部分、および隣接するSi層301aの薄い部分304によって画定されているように)。したがって開口303は、Si層301bの両側の2つのSiGe層302の高さ、Si層301bの高さ、および開口303の互いに反対側の、Si層301aのエッチングされた部分の高さにほぼ等しい高さを有している。実施形態では、複数の開口303のうちの1つまたは複数は、約30nmから約90nmの高さであってもよい。
【0036】
図4A~
図4Cは、本開示の少なくともいくつかの実施形態による3D DRAMスタック400の概略側面図を示したものである。同様の層および特徴は、
図2A~
図2Cおよび
図3A~
図3Cに関連して上で説明した層および特徴であってもよい。スタック400は、交互する非ドープSi層401a、ドープSi層401bおよびドープSiGe層402を含む。実施形態では、それぞれのドープSi層401bは、ドープSiGe層402に直に隣接して、ドープSiGe層402の互いに反対側に配置することができる。複数のSiGe層402のうちの1つまたは複数には、約5原子百分率から約40原子百分率、または約10原子百分率のGeが存在していてもよい。
【0037】
実施形態では、スタック400は、垂直方向に反復する一連の層を含むことができ、一連の層は、1つの非ドープSi層401a、およびその非ドープSi層401aに直に隣接している1つのドープSi層401b、およびそのドープSi層401bに直に隣接している1つのドープSiGe層402、およびそのドープSiGe層402に直に隣接している1つの他のドープSi層401bを含むことができる。
【0038】
実施形態では、個々の非ドープSi層401aの高さは、個々のドープSi層401bの高さより高くすることができ、個々のドープSiGe層402の高さより高くすることもできる。複数の非ドープSi層401aのうちの1つまたは複数は、約40nmの高さなどの約25nmから約60nmの高さにすることができる。複数のドープSi層401bのうちの1つまたは複数は、以下で考察される後続する処理でドープSi層401bを除去することができるように、約5nmから約35nmの高さ、または約5nmの高さなどの十分に薄い高さのドープSi層401bであってもよい。複数のドープSiGe層402のうちの1つまたは複数は、約3nmから約15nmの高さにすることができる。
【0039】
実施形態では、複数のドープSi層401bのうちの1つまたは複数、および複数のドープSiGe層402のうちの1つまたは複数は、1つまたは複数のドーパントを含むことができる。実施形態では、ドーパントは、ホウ素、炭素、窒素、酸素またはリンのうちの1つまたは複数であってもよい。複数のドープSi層401bのうちの1つまたは複数、および複数のドープSiGe層402のうちの1つまたは複数におけるドーパントは、同じドーパントであっても、または異なるドーパントであってもよい。いくつかの実施形態では、ドーパントは、複数のドープSi層401bのうちの1つまたは複数、および複数のドープSiGe層402のうちの1つまたは複数において同じである。いくつかの実施形態では、ドーパントは炭素である。ドーパントが炭素である実施形態では、複数のドープSi層401bのうちの1つもしくは複数、および/または複数のドープSiGe層402のうちの1つもしくは複数におけるドーパントは、約1原子百分率などの約0.3から約1.5原子百分率の濃度であってもよい。ドーパントがホウ素またはリンである実施形態では、複数のドープSi層401bのうちの1つもしくは複数、および/または複数のドープSiGe層402のうちの1つもしくは複数におけるドーパントは、最大約0.01原子百分率の濃度であってもよい。ドーパントが窒素または酸素である実施形態では、複数のドープSi層401bのうちの1つもしくは複数、および/または複数のドープSiGe層402のうちの1つもしくは複数におけるドーパントは、最大約100ppmの濃度であってもよい。
【0040】
実施形態では、
図4Aに示されているように、スタック400に異方性エッチングを施して、交互するSi層401a、bおよびSiGe層402を通る垂直スリットまたは孔(矢印411で示されている)を生成することができる。異方性エッチングは、交互するSi層401a、bおよびSiGe層402の各々を通る孔を形成するための任意の適切な方式で実施することができる。孔は、図のエッジに沿って示されているが、孔は、典型的には、すべての側面に材料を有する層を通して形成されること、および、本明細書において説明されている例示的な特徴およびプロセスは、典型的には、複数のこのような特徴(孔、凹み、等)を半導体ウエハなどの基板の上に同時に製造するために実行されることは当業者には認識されよう。
【0041】
その後、実施形態により、
図4Bに示されているように、スタック400の複数のドープSiGe層402のうちの1つまたは複数に横方向の等方性エッチングを施して(矢印405で示されている)、孔(例えば矢印411)に隣接する領域のドープSiGe層402に凹み406を形成することができる。SiGe層402の横方向の等方性エッチングは、Si層401a、bと比較すると、SiGe層402に対して選択的であり、したがってSi層401a、bをほとんどエッチングすることなく、あるいはSi層401a、bをエッチングすることなく凹み406を形成することができる。
【0042】
次に、実施形態により、
図4Cに示されているように、スタック400の複数の非ドープSi層401aのうちの1つまたは複数、および複数のドープSi層401bのうちの1つまたは複数に等方性エッチングを施すことができる(矢印408で示されている)。例えばドープSi層401bを等方性エッチングして、凹み406に隣接するドープSi層401bのその部分を除去することができ、非ドープSi層401aを等方性エッチングして非ドープSi層401aを薄くし、凹み406に隣接する非ドープSi層401aの薄い部分404を形成することができる。非ドープSi層401aのこのような薄い部分404は、完全に製造された3D DRAMデバイスにおけるSiチャネル領域に対応し得る。実施形態では、1つまたは複数の薄い部分404は、約10nmから約40nmの高さであってもよい。
【0043】
したがって1つまたは複数の空洞すなわち開口403を形成することができる(例えばドープSiGe層402、ドープSiGe層402の互いに反対側のドープSi層401b、およびドープSi層401bの両側の非ドープSi層401aの隣接する薄い部分404によって画定されているように)。したがって開口403は、ドープSiGe層402の高さ+ドープSiGe層402の互いに反対側のドープSi層401bの高さ+ドープSi層401bの両側の非ドープSi層401aのエッチングされた部分の高さにほぼ等しい高さを有している。実施形態では、複数の開口403のうちの1つまたは複数は、約30nmから約90nmの高さであってもよい。
【0044】
図5A~
図5Cは、本開示の少なくともいくつかの実施形態による3D DRAMスタック500の概略側面図を示したものである。同様の層および特徴は、
図2A~
図2C、
図3A~
図3Cおよび
図4A~
図4Cに関連して上で説明した層および特徴であってもよい。スタック500は、交互する非ドープSi層501a、ドープSi層501b、およびドープSiGe層502を含むことができる。実施形態では、それぞれのドープSiGe層502は、ドープSi層501bに直に隣接して、ドープSi層501bの互いに反対側に配置することができる。複数のSiGe層502のうちの1つまたは複数には、約5原子百分率から約40原子百分率、または約10原子百分率のGeが存在していてもよい。
【0045】
実施形態では、スタック500は、垂直方向に反復する一連の層を含むことができ、一連の層は、1つの非ドープSi層501a、およびその非ドープSi層501aに直に隣接している1つのドープSiGe層502、およびそのドープSiGe層502に直に隣接している1つのドープSi層501b、およびそのドープSi層501bに直に隣接している1つの他のドープSiGe層502を含むことができる。
【0046】
実施形態では、個々の非ドープSi層501aの高さは、個々のドープSi層501bの高さより高くすることができ、個々のドープSiGe層502の高さより高くすることもできる。実施形態では、複数の非ドープSi層501aのうちの1つまたは複数は、約40nmの高さなどの約25nmから約60nmの高さにすることができる。実施形態では、複数のドープSi層501bのうちの1つまたは複数は、以下で考察される後続する処理でドープSi層501bを除去することができるよう、約5nmから約35nmの高さ、または約20nmの高さなどの十分に薄い高さのドープSi層501bであってもよい。実施形態では、複数のドープSiGe層502のうちの1つまたは複数は、約3nmから約15nmの高さ、または約10nmの高さにすることができる。
【0047】
実施形態では、複数のドープSi層501bのうちの1つまたは複数、および複数のドープSiGe層502のうちの1つまたは複数は、1つまたは複数のドーパントを含むことができる。実施形態では、ドーパントは、ホウ素、炭素、窒素、酸素またはリンのうちの1つまたは複数であってもよい。ドープSi層およびドープSiGe層におけるドーパントは、同じドーパントであっても、または異なるドーパントであってもよい。いくつかの実施形態では、ドーパントは、複数のドープSi層のうちの1つまたは複数、および複数のドープSiGe層のうちの1つまたは複数において同じである。いくつかの実施形態では、ドーパントは炭素である。実施形態では、複数のドープSi層501bのうちの1つもしくは複数、および/または複数のドープSiGe層502のうちの1つもしくは複数におけるドーパントは、
図4に関連して上で説明した濃度のドーパントであってもよい。
【0048】
実施形態では、
図5Aに示されているように、スタック500に異方性エッチングを施して、交互する非ドープSi層501a、ドープSi層501bおよびドープSiGe層502を通る垂直スリットまたは孔(矢印511で示されている)を生成することができる。異方性エッチングは、交互する非ドープSi層501a、ドープSi層501bおよびドープSiGe層502の各々を通る孔を形成するための任意の適切な方式で実施することができる。孔は、図のエッジに沿って示されているが、孔は、典型的には、すべての側面に材料を有する層を通して形成されること、および、本明細書において説明されている例示的な特徴およびプロセスは、典型的には、複数のこのような特徴(孔、凹み、等)を半導体ウエハなどの基板の上に同時に製造するために実行されることは当業者には認識されよう。
【0049】
その後、実施形態により、
図5Bに示されているように、スタック500の複数のドープSiGe層502のうちの1つまたは複数に横方向の等方性エッチングを施して(矢印505で示されている)、孔(例えば矢印511)に隣接する領域のドープSiGe層502に凹み506を形成することができる。ドープSiGe層502の横方向の等方性エッチングは、Si層501a、bと比較すると、ドープSiGe層502に対して選択的であり、したがってSi層501a、bをほとんどエッチングすることなく、あるいはSi層501a、bをエッチングすることなく凹み506を形成することができる。
【0050】
次に、実施形態により、
図5Cに示されているように、スタック500の複数の非ドープSi層501aのうちの1つもしくは複数、および/または複数のドープSi層501bのうちの1つもしくは複数に等方性エッチングを施すことができる(矢印508で示されている)。例えばドープSi層501bを等方性エッチングして、凹み506に隣接するドープSi層501bのその部分を除去することができ、また、非ドープSi層501aを等方性エッチングして非ドープSi層501aを薄くし、凹み506に隣接する非ドープSi層501aの薄い部分504を形成することができる。非ドープSi層501aのこのような薄い部分504は、完全に製造された3D DRAMデバイスにおけるSiチャネル領域に対応し得る。実施形態では、1つまたは複数の薄い部分504は、約10nmから約40nmの高さであってもよい。
【0051】
したがって1つまたは複数の空洞すなわち開口503を形成することができる(例えばドープSiGe層502、ドープSiGe層502間のドープSi層501b、およびドープSiGe層502の両側の非ドープSi層501aの隣接する薄い部分504によって画定されているように)。したがって開口503は、ドープSi層501bの高さ+ドープSi層501bの互いに反対側のドープSiGe層502の高さ+開口503の両側の非ドープSi層501aのエッチングされた部分の高さにほぼ等しい高さを有している。実施形態では、複数の開口503のうちの1つまたは複数は、約30nmから約90nmの高さであってもよい。
【0052】
図6A~
図6Cは、本開示の少なくともいくつかの実施形態による3D DRAMスタック600の概略側面図を示したものである。同様の層および特徴は、
図2A~
図2C、
図3A~
図3C、
図4A~
図4Cおよび
図5A~
図5Cに関連して上で説明した層および特徴であってもよい。スタック600は、交互する非ドープSi層601a、ドープSi層601bおよびドープSiGe層602を含むことができる。実施形態では、それぞれのドープSiGe層602は、ドープSi層601bに直に隣接して、ドープSi層601bの互いに反対側に配置することができる。複数のSiGe層602のうちの1つまたは複数には、約5原子百分率から約40原子百分率、または約10原子百分率のGeが存在していてもよい。
【0053】
実施形態では、スタック600は、垂直方向に反復する一連の層を含むことができ、一連の層は、1つの非ドープSi層601a、およびその非ドープSi層601aに直に隣接している1つのドープSiGe層602、およびそのドープSiGe層602に直に隣接している1つのドープSi層601b、およびそのドープSi層601bに直に隣接している1つの他のドープSiGe層602を含むことができる。
【0054】
実施形態では、個々の非ドープSi層601aの高さは、個々のドープSi層601bの高さより高くすることができ、個々のドープSiGe層602の高さより高くすることもできる。実施形態では、複数の非ドープSi層601aのうちの1つまたは複数は、約40nmなどの約25nmから約60nmの高さにすることができる。実施形態では、複数のドープSi層601bのうちの1つまたは複数は、約20nmなどの約5nmから約35nmの高さであってもよい。実施形態では、複数のドープSiGe層602のうちの1つまたは複数は、約10nmの高さなどの約3nmから約15nmの高さにすることができる。
【0055】
実施形態では、複数のドープSi層601bのうちの1つまたは複数、および複数のドープSiGe層602のうちの1つまたは複数は、1つまたは複数のドーパントを含むことができる。実施形態では、ドーパントは、ホウ素、炭素、窒素、酸素またはリンのうちの1つまたは複数であってもよい。ドープSi層およびドープSiGe層におけるドーパントは、同じドーパントであっても、あるいは異なるドーパントであってもよい。いくつかの実施形態では、ドーパントは、複数のドープSi層のうちの1つまたは複数、および複数のドープSiGe層のうちの1つまたは複数で同じである。いくつかの実施形態では、ドーパントは炭素である。実施形態では、複数のドープSi層601bのうちの1つもしくは複数、および/または複数のドープSiGe層602のうちの1つもしくは複数におけるドーパントは、上で説明した濃度のドーパントであってもよい。
【0056】
実施形態では、スタック600はまた、ドープSiGe層602に直に隣接して、ドープSiGe層602の下方にあってもよい分離層615を含むことができる。さらに、分離層615は、スタック600の最も下方の領域の近く(例えば基板613の上)にあってもよい。
【0057】
実施形態では、分離層615は、垂直方向に反復する一連の層を含むことができ、一連の層は、1つのドープSiGe層615a、およびそのドープSiGe層615aに直に隣接している1つのドープSi層615bを含むことができる。
【0058】
実施形態では、個々のドープSi層615bの高さは、個々のドープSiGe層615aの高さより高くすることができる。実施形態では、複数のドープSi層615bのうちの1つまたは複数は、約5nmから約35nm、または約20nmの高さにすることができる。実施形態では、複数のドープSiGe層615aのうちの1つまたは複数は、約3nmから約55nmの高さ、または約10nmの高さにすることができる。
【0059】
実施形態では、複数のドープSi層615bのうちの1つまたは複数、および複数のドープSiGe層615aのうちの1つまたは複数は、1つまたは複数のドーパントを含むことができる。実施形態では、ドーパントは、ホウ素、炭素、窒素、酸素またはリンのうちの1つまたは複数であってもよい。実施形態では、ドープSi層615bのうちの1つもしくは複数、および/または複数のドープSiGe層615aのうちの1つもしくは複数におけるドーパントは、
図4に関連して上で説明した濃度のドーパントであってもよい。ドープSi層615bおよびドープSiGe層615aにおけるドーパントは、存在している場合、スタック600中の他のSi層またはSiGe層のいずれかにおけるドーパントと異なっている。
【0060】
実施形態では、
図6Aに示されているように、スタック600に異方性エッチングを施して、スタック600の底部、または底部の近くに、分離層615を通ることを含む垂直スリットまたは孔610を生成することできる。その後、実施形態によれば、スタック600の分離層615に選択的に異方性エッチングを施して、垂直スリットまたは孔(矢印611で示されている)を生成することができ、この垂直スリットまたは孔は分離層615中に延在することができるが、分離層615を越えて延在することはできない。孔を形成するための異方性エッチングは、交互する非ドープSi層601a、ドープSi層601bおよびドープSiGe層602の各々を通る孔を形成するための任意の適切な方式で実施することができ、分離層615中に部分的にエッチングすることができるが、分離層615を通ることはできない。孔は、図のエッジに沿って示されているが、孔は、典型的には、すべての側面に材料を有する層を通して形成されること、および、本明細書において説明されている例示的な特徴およびプロセスは、典型的には、複数のこのような特徴(孔、凹み、等)を半導体ウエハなどの基板の上に同時に製造するために実行されることは当業者には認識されよう。
【0061】
実施形態では、
図6Bに示されているように、スタック600の複数のドープSiGe層602のうちの1つもしくは複数、および/または複数のドープSiGe層615aのうちの1つもしくは複数に横方向の等方性エッチングを施して(矢印605で示されている)、孔(例えば矢印611)に隣接する領域のエッチングされた層の各々に凹み606を形成することができる。ドープSiGe層602および/またはドープSiGe層615aの横方向の等方性エッチングは、Si層601a、bおよびSi層615bと比較すると、ドープSiGe層602およびドープSiGe層615aに対して選択的であり、したがってSi層601a、bまたはSi層615aをほとんどエッチングすることなく、あるいはSi層601a、bまたはSi層615aをエッチングすることなく凹み606を形成することができる。
【0062】
図6Cに示されているように、スタック600の複数の非ドープSi層601aのうちの1つまたは複数、複数のドープSi層601bのうちの1つまたは複数、および複数のドープSi層615bのうちの1つまたは複数に等方性エッチングを施すことができる(矢印608で示されている)。この等方性エッチングにより、凹み606に隣接しているドープSi層601bおよびドープSi層615bの部分を除去することができる。この等方性エッチングは、非ドープSi層601aをさらに薄くして、凹み606に隣接する非ドープSi層601aの薄い部分604を形成する。非ドープSi層601aのこのような薄い部分604は、完全に製造された3D DRAMデバイスにおけるSiチャネル領域に対応し得る。実施形態では、1つまたは複数の薄い部分604は、約10nmから約40nmの高さであってもよい。
【0063】
したがって1つまたは複数の空洞すなわち開口603を形成することができる(例えばドープSiGe層602、ドープSiGe層502間のドープSi層601b、およびドープSiGe層602の両側の非ドープSi層601aの隣接する薄い部分604によって画定されているように)。したがって開口603は、ドープSi層601bの高さ+ドープSi層601bの互いに反対側のドープSiGe層602の高さ+開口603の両側の非ドープSi層601aのエッチングされた部分の高さにほぼ等しい高さを有している。実施形態では、複数の開口503のうちの1つまたは複数は、約30nmから約90nmの高さであってもよい。
【0064】
図6Cにも示されているように、ドープSi層615bの両側の凹みに隣接するドープSi層615bは完全に除去することができるが、1つまたは複数のドープSi層615bの一番下の層は、薄くして、基板613の頂部に配置された層の一部を残すことができる。このような構造は、有利には、後続する、基板613とコンタクトしないビット線612(
図6Cにダッシュ線で示されている)の形成を容易にし、したがって基板613へのビット線612の短絡を防止し、その一方で依然として開口603に接続する。
図6A~
図6Cに関連してのみ示されているが、底部分離層615は、本明細書において説明されている実施形態のいずれにも提供することができる。
【0065】
図7A~
図7Cは、本開示の少なくともいくつかの実施形態による3D DRAMスタック700の概略側面図を示したものである。同様の層および特徴は、
図2A~
図2C、
図3A~
図3C、
図4A~
図4C、
図5A~
図5Cおよび
図6A~
図6Cに関連して上で説明した層および特徴であってもよい。スタック700は、交互する非ドープSi層701およびドープSiGe層702を含むことができる。実施形態では、複数のドープSiGe層702のうちの1つまたは複数は、ドープ中心領域702aおよび中心領域702aの両側のドープ外部領域702b(例えばドープ外部SiGe層および中心ドープSiGe層)を有することができるドーパント勾配を含むことができる。ドープSiGe層702のうちの1つまたは複数には、約5原子百分率から約40原子百分率、または約10原子百分率のGeが存在していてもよい。
【0066】
実施形態では、スタック700は、反復する一連の層を含むことができ、一連の層は、1つの非ドープSi層701およびその非ドープSi層701に直に隣接している1つのドープSiGe外部領域702b、およびそのドープSiGe外部領域702bに直に隣接している1つのドープSiGe中心領域702a、およびそのドープSiGe中心領域702aに直に隣接している1つの他のドープSiGe外部領域702bを含むことができる。
【0067】
実施形態では、個々のSi層701の高さは個々のSiGe層702の高さにほぼ等しくすることができ、個々のSi層701の高さは個々のSiGe中心領域702aの高さより高くすることも可能であり、また、個々のSi層701の高さは個々のSiGe外部領域702bの高さより高くすることも可能である。実施形態では、複数の非ドープSi層701のうちの1つまたは複数は約25nmから約50nmの高さにすることができる。実施形態では、複数のドープSiGe層702のうちの1つまたは複数は約3nmから約30nmの高さにすることができる。実施形態では、複数のドープSiGe中心領域702aのうちの1つまたは複数は約1nmから約10nmの高さにすることができる。実施形態では、複数のドープSiGe外部領域のうちの1つまたは複数は約1nmから約10nmの高さにすることができる。
【0068】
実施形態では、複数のドープSiGe層702のうちの1つまたは複数は、1つまたは複数のドーパントを含むことができる。実施形態では、ドーパントは、ホウ素、炭素、窒素、酸素またはリンのうちの1つまたは複数であってもよい。いくつかの実施形態では、ドーパントは炭素である。複数のドープSiGe中心領域702aのうちの1つまたは複数におけるドーパントは、複数のドープSiGe外部領域702bのうちの1つまたは複数における濃度より高い濃度のドーパントであってもよい。実施形態では、中心領域702aにおけるドーパントは、
図4に関連して上で説明した濃度のドーパントであってもよい。
【0069】
実施形態では、
図7Aに示されているように、スタック700に異方性エッチングを施して、交互する非ドープSi層701およびドープSiGe層702を通る垂直スリットまたは孔(矢印711で示されている)を生成することができる。異方性エッチングは、交互する非ドープSi層701およびドープSiGe層702の各々を通る孔を形成するための任意の適切な方式で実施することができる。孔は、図のエッジに沿って示されているが、孔は、典型的には、すべての側面に材料を有する層を通して形成されること、および、本明細書において説明されている例示的な特徴およびプロセスは、典型的には、複数のこのような特徴(孔、凹み、等)を半導体ウエハなどの基板の上に同時に製造するために実行されることは当業者には認識されよう。
【0070】
その後、実施形態により、
図7Bに示されているように、スタック700の複数のドープSiGe層702のうちの1つまたは複数に横方向の等方性エッチングを施して(矢印705で示されている)、孔(例えば矢印711)に隣接する領域のドープSiGe層702に凹み706を形成することができる。ドープSiGe層702の横方向の等方性エッチングは、Si層701と比較すると、ドープSiGe層702に対して選択的であり、したがってSi層701をほとんどエッチングすることなく、あるいはSi層701をエッチングすることなく凹み706を形成することができる。
【0071】
次に、実施形態により、
図7Cに示されているように、スタック700の複数の非ドープSi層701のうちの1つまたは複数に等方性エッチングを施すことができる(矢印708で示されている)。例えばSi層701を等方性エッチングしてSi層701を薄くし、凹み706に隣接するSi層701の薄い部分704を形成することができる。Si層701のこのような薄い部分704は、完全に製造された3D DRAMデバイスにおけるSiチャネル領域に対応し得る。実施形態では、1つまたは複数の薄い部分704は、約5nmから約35nmの高さであってもよい。
【0072】
したがって1つまたは複数の空洞すなわち開口703を形成することができる(例えばドープSiGe層702の両側のSi層701の薄い部分704に隣接するドープSiGe層702によって画定されているように)。したがって開口703は、ドープSiGe層702の高さ、およびドープSiGe層702の両側のSi層701のエッチングされた部分の高さにほぼ等しい高さを有している。実施形態では、複数の開口703のうちの1つまたは複数は、約30nmから約90nmの高さであってもよい。
【0073】
図8は、化学気相堆積技法または他の知られている堆積技法を含むヘテロエピタキシープロセスなどによって3次元ダイナミックランダムアクセスメモリ(3D DRAM)構造を形成する方法800のフローチャートを示したものである。方法800は、本開示の様々な実施形態の対応する製造ステージをそれぞれ示している、
図2A~
図2C、
図3A~
図3C、
図4A~
図4C、
図5A~
図5C、
図6A~
図6Cおよび
図7A~
図7Cに関連して上で説明した構造の製造に使用するのに適している。
【0074】
方法800は、通常、802で開始され、交互するSi層およびSiGe層のスタックが形成される(例えば
図2A、
図3A、
図4A、
図5A、
図6Aおよび
図7Aを参照されたい)。交互するSi層およびSiGe層のスタックは、化学気相堆積(CVD)などの任意の適切なプロセスによって形成することができる。例えばスタックは、第1のSi層を形成し、それに後続して第1のSiGe層を形成することによって形成することができる。プロセスは、第2のSi層およびそれに後続する第2のSiGe層を使用して反復することができる。同様に、層を交互にすることを継続して、1つまたは複数の特定の構造に必要な数の層を形成し、それにより著しく柔軟性に富んだメモリ構造を設計することができる。例えば本明細書においては、図にはわずかな反復層しか示されていないが、スタックは、50以上の層などのもっと多くの層を含むことができる。いくつかの実施形態では、SiGe層中のゲルマニウムの濃度は、約5原子百分率と約40原子百分率との間であってもよい。交互するSi層およびSiGe層を製造している間、Si層の高さ(例えば厚さ)はSiGe層の高さより高い。
【0075】
802で、方法800は、任意選択的に複数のSi層のうちの1つまたは複数にドーパントを加えることを含むことができる(例えば
図4A、
図5A、
図6Aおよび
図7Aを参照されたい)。802で、方法800はまた、任意選択的に複数のSiGe層のうちの1つまたは複数にドーパントを加えることを含むことができる(例えば
図4A、
図5A、
図6Aおよび
図7Aを参照されたい)。ドーパントは、ドープされる層を堆積させている間に、ドーパント元素を含んだ所望の量のガスを提供することなどの任意の適切な方式で加えることができる。
【0076】
実施形態では、804で、方法800は任意選択的に1つまたは複数のSiGe層中にドーパント勾配を生成することを含むことができる。勾配は階段状であるか、または連続的であってもよい。例えば
図7A~
図7Cに示されているように、ドープSiGe層はドープSiGe中心領域702aおよびドープSiGe外部領域702bを含み、ドープSiGe中心領域702aは、ドープSiGe外部領域702bのドーパント濃度より高いドーパント濃度を有することができる。いくつかの実施形態では、ドープSiGe中心領域702aは、より高い濃度までステップアップさせることができる。別法としては、いくつかの実施形態では、ドープSiGe層702のドーパント濃度は、ドープSiGe中心領域702aの下のドープSiGe外部領域702bから徐々に高くして、より高い濃度を得ることができる。
【0077】
806で、方法800は、スタック中に垂直スリットまたは孔を異方性エッチングすることを含むことができる。異方性エッチングは、プラズマエッチングチャンバなどの適切なエッチングチャンバの中で実行することができる。
【0078】
実施形態では、808で、方法800は、複数のSiGe層のうちの少なくとも1つの中に水平方向の凹みを等方性エッチングすることを含むことができる。808における等方性エッチングは、プラズマエッチングチャンバなどの適切なエッチングチャンバの中で実行することができる。いくつかの実施形態では、806における異方性エッチングおよび808における等方性エッチングは、同じチャンバの中で実行することができる。いくつかの実施形態では、806における異方性エッチングおよび808における等方性エッチングは、異なるチャンバの中で実行することができる。
【0079】
810で、方法800はまた、複数のSi層のうちの少なくとも1つおよび/または複数のSiGe層のうちの少なくとも1つの中に水平方向の凹みを等方性エッチングすることを含むことができる。810における等方性エッチングは、プラズマエッチングチャンバなどの適切なエッチングチャンバの中で実行することができる。808および810における等方性エッチングは、同じチャンバの中または異なるチャンバの中で実行することができる。いくつかの実施形態では、806における異方性エッチングならびに808および810における等方性エッチングは、同じチャンバの中で実行することができる。いくつかの実施形態では、806における異方性エッチングならびに808および810における等方性エッチングは、異なるチャンバの中で実行することができる。複数のSi層のうちの少なくとも1つ、および/または複数のSiGe層のうちの少なくとも1つの中の水平方向の凹みの等方性エッチングは、最初に、上で説明した凹み206、306、406、506、606および706を形成し、次いで、続いて開口203、303、403、503、603および703を形成することなどの、いくつかのプロセスのシーケンスで実施することができる。
【0080】
方法は、通常、810で終了する。しかしながら結果として得られる、
図2C、
図3C、
図4C、
図5C、
図6Cおよび
図7Cに示されている構造は、有利には、さらに処理して、従来の3D DRAMデバイスと比較して応力誘導欠陥が少ない3D DRAMデバイスの製造を継続することができる。
【0081】
上で説明した図には示されていないが、ベースすなわち基板Si層は、スタック200、300、400、500、600、700のうちの1つまたは複数の下方に提供することができる。さらに、様々なエッチングステージにおいて、上記スタックのうちの1つまたは複数の頂部にリソグラフィスタックを提供することも可能である。また、上記スタックは、図には、例示的な数の反復する一連の層を垂直/高さ方向に有するものとして示されているが、この例示的な数は、説明を分かり易くするために示されており、反復シーケンスの数を制限することは意図されていない。同様に、上記スタック、孔、凹み、等の任意の1つは、水平/幅方向に反復することができる。
【0082】
上で説明した方法800は、化学気相堆積(CVD)およびプラズマエッチングのうちの1つまたは複数のために構成された適切な処理チャンバを含むツール900(例えば統合されたツール、すなわちクラスタツール)の中で実行することができる。本明細書において開示されている本発明の方法を実行するために使用することができる例示的処理システムは、それらに限定されないが、California州Santa ClaraのApplied Materials, Inc.から商用的に入手することができる、ENDURA(登録商標)ライン、CENTURA(登録商標)ライン、またはPRODUCER(登録商標)ラインの処理システムを含むことができる。他の製造者からの処理チャンバを含む他の処理チャンバも、本明細書において提供されている教示に関連して適切に使用され得る。
【0083】
例えば以下で説明される統合ツール(例えばツール900)は、プロセス間に限られた真空ブレーキが存在するか、または真空ブレーキが存在しないよう、本明細書において説明されている方法の動作を容易にする。真空ブレーキが少ないと、基板のタングステンライナ層または他の部分の汚染(例えば酸化)を制限するか、または防止することができ、プロセス間の時間の長さを短くすることによってスループットをさらに改善することができ、および、さもなければ独立型処理チャンバの中で連続してプロセスを実行することが要求される、前洗浄動作または他の動作などの特定のプロセスを少なくするか、または除去することができる。
【0084】
ツール900は、真空気密処理プラットフォーム(処理プラットフォーム901)、ファクトリインターフェース904およびシステムコントローラ902を含む。処理プラットフォーム901は、例えば真空基板移送チャンバ(移送チャンバ903)に動作結合された914A、914B、914Cおよび914Dなどの複数の処理チャンバを備えている。ファクトリインターフェース904は、1つまたは複数のロードロックチャンバ(
図9に示されている906Aおよび906Bなどの2つのロードロックチャンバ)によって移送チャンバ903に動作結合されている。
【0085】
いくつかの実施形態では、ファクトリインターフェース904は、少なくとも1つのドッキングステーション907、1つまたは複数の半導体基板(例えばウエハ)の移送を容易にするための少なくとも1つのファクトリインターフェースロボット938を備えている。ドッキングステーション907は、1つまたは複数の前方開口型統一ポッド(FOUP)を受け入れるように構成されている。
図9の実施形態には905A、905B、905Cおよび905Dなどの4つのFOUPが示されている。ファクトリインターフェースロボット938は、906Aおよび906Bなどのロードロックチャンバを介してファクトリインターフェース904から処理プラットフォーム901へ基板を移送するように構成されている。ロードロックチャンバ906Aおよび906Bの各々は、ファクトリインターフェース904に結合された第1のポート、および移送チャンバ903に結合された第2のポートを有している。ロードロックチャンバ906Aおよび906Bは、ロードロックチャンバ906Aおよび906Bをポンプダウンおよび通気して、移送チャンバ903の真空環境と、ファクトリインターフェース904の実質的に周囲(例えば大気)環境との間の基板の引渡しを容易にする圧力制御システム(図示せず)に結合されている。移送チャンバ903は、移送チャンバ903内に配置された真空ロボット942を有している。真空ロボット942は、ロードロックチャンバ906Aおよび906Bと、処理チャンバ914A、914B、914Cおよび914Dとの間で基板921を移送することができる。
【0086】
いくつかの実施形態では、処理チャンバ914A、914B、914Cおよび914Dは移送チャンバ903に結合されている。処理チャンバ914A、914B、914Cおよび914Dは、少なくともCVDチャンバおよびプラズマエッチチャンバを備えている。追加CVDチャンバおよび/またはエッチチャンバを提供することも可能である。
【0087】
いくつかの実施形態では、交互するシリコン(Si)層およびシリコンゲルマニウム(SiGe)層のスタックを堆積させるように構成される少なくとも1つの堆積チャンバが提供され、個々のSi層の高さは、
図2A、
図3A、
図4A、
図5A、
図6Aまたは
図7Aのいずれかで上で説明したような個々のSiGe層の高さより高い。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの堆積チャンバは、
図4A、
図5A、
図6Aまたは
図7Aのいずれかで上で説明したような複数のSi層および複数のSiGe層のうちの1つまたは複数の中に1つまたは複数のドーパントを提供するようにさらに構成される。
【0088】
いくつかの実施形態では、交互するシリコン(Si)層およびシリコンゲルマニウム(SiGe)層のスタックを通る垂直孔(例えば矢印211、311、411、511、611または711で示されている孔)を異方性エッチングするように構成される第1のプラズマエッチチャンバが提供される。
【0089】
いくつかの実施形態では、
図2B、
図3B、
図4B、
図5B、
図6Bまたは
図7Bのいずれかで上で説明した凹み(例えば凹み206、306、406、506、606または706)を等方性エッチングするように構成される第2のプラズマエッチチャンバが提供される。いくつかの実施形態では、第1のプラズマエッチチャンバは第2のプラズマエッチチャンバと同じである。いくつかの実施形態では、第1のプラズマエッチチャンバは第2のプラズマエッチチャンバとは異なっている。
【0090】
いくつかの実施形態では、
図2C、
図3C、
図4C、
図5C、
図6Cまたは
図7Cのいずれかで上で説明した開口(例えば開口203、303、403、503、603または703)を等方性エッチングするように構成される第3のプラズマエッチチャンバが提供される。いくつかの実施形態では、第3のプラズマエッチチャンバは第2のプラズマエッチチャンバと同じである。いくつかの実施形態では、第3のプラズマエッチチャンバは第1のプラズマエッチチャンバおよび第2のプラズマエッチチャンバと同じである。いくつかの実施形態では、第3のプラズマエッチチャンバは第1のプラズマエッチチャンバおよび第2のプラズマエッチチャンバとは異なっている。
【0091】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の任意選択のサービスチャンバ(916Aおよび916Bとして示されている)を移送チャンバ903に結合することができる。サービスチャンバ916Aおよび916Bは、ガス抜き、ボンディング、化学機械研摩(CMP)、ウエハ劈開、エッチング、プラズマダイシング、配向、基板計測学、冷却などの他の基板プロセスを実行するように構成することができる。
【0092】
システムコントローラ902は、処理チャンバ914A、914B、914Cおよび914Dの直接制御を使用して、あるいは別法として、処理チャンバ914A、914B、914Cおよび914D、ならびにツール900と関連付けられたコンピュータ(またはコントローラ)を制御することによってツール900の動作を制御する。動作中、システムコントローラ902は、データ収集を可能にし、それぞれのチャンバおよびシステムからのフィードバックを可能にして、ツール900の性能を最適化する。システムコントローラ902は、通常、中央処理装置(CPU)930、メモリ934およびサポート回路932を含む。CPU930は、産業設定で使用することができる任意の形態の汎用コンピュータプロセッサであってもよい。サポート回路932は、従来通りにCPU930に結合されており、キャッシュ、クロック回路、入力/出力サブシステム、電源、等を備えることができる。上で説明した処理方法などのソフトウェアルーチンは、メモリ934(例えば非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体)に記憶することができ、CPU930によって実行されると、そのCPU930を専用コンピュータ(システムコントローラ902)に変換する。ソフトウェアルーチンはまた、ツール900から離れた位置にある第2のコントローラ(図示せず)に記憶、および/または第2のコントローラ(図示せず)によって実行することも可能である。
【0093】
以上は、本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本範囲を逸脱することなく、本開示の他のさらなる実施形態を工夫することができる。
【国際調査報告】