(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】製造システムにおいて基板の厚さ変動をマッピングするためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01B 11/06 20060101AFI20240711BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
G01B11/06 G
H01L21/66 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501715
(86)(22)【出願日】2022-07-11
(85)【翻訳文提出日】2024-03-05
(86)【国際出願番号】 US2022036721
(87)【国際公開番号】W WO2023287722
(87)【国際公開日】2023-01-19
(32)【優先日】2021-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ベーズ-イラバーニ, メディー
(72)【発明者】
【氏名】イーガン, トッド ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】プラブ, ゴパラクリシュナ ビー.
【テーマコード(参考)】
2F065
4M106
【Fターム(参考)】
2F065AA30
2F065CC19
2F065FF44
2F065FF51
2F065HH04
2F065HH12
2F065HH13
2F065HH14
2F065MM11
4M106AA01
4M106BA04
4M106BA05
4M106CA22
4M106CA48
4M106DH03
4M106DH12
4M106DH31
4M106DH32
4M106DH39
4M106DH57
4M106DJ20
(57)【要約】
開示される実施形態が、特に、光ビームにより基板を走査し、基板のロケーションのセットの各々について、基板から反射された(または基板を通して透過された)光ビームに関連する強度値のセットのうちのそれぞれ1つを検出する、システムおよび方法について説明する。検出された強度値は、基板の厚さのプロファイルを決定するために使用される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光ビームにより基板を走査することと、
前記基板の複数のロケーションの各々について、第2の光ビームに関連する第1の複数の強度値のうちのそれぞれ1つを取得することであって、前記第2の光ビームが、前記第1の光ビームと前記基板との相互作用によって引き起こされる、第1の複数の強度値のうちのそれぞれ1つを取得することと、
前記第1の複数の強度値を使用して、前記基板の厚さの変動を特徴づけるプロファイルデータを決定することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第2の光ビームに関連する前記第1の複数の強度値が、
前記複数のロケーションのうちの第1のロケーションについての第1の強度値と、
前記複数のロケーションのうちの第2のロケーションについての第2の強度値と
を含み、
前記プロファイルデータを決定することが、
前記第1の強度値と前記第2の強度値とを使用して、前記第1のロケーションと前記第2のロケーションとの間の前記基板の前記厚さの変化を決定すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第3の光ビームにより前記基板を走査することであって、前記第3の光ビームが、波長または前記基板に対する入射角度のうちの少なくとも1つにおいて前記第1の光ビームとは異なる、第3の光ビームにより前記基板を走査することと、
前記基板の前記複数のロケーションのうちの少なくともいくつかについて、第4の光ビームに関連する第2の複数の強度値のうちのそれぞれ1つを取得することであって、前記第4の光ビームが、前記第3の光ビームと前記基板との相互作用によって引き起こされる、第2の複数の強度値のうちのそれぞれ1つを取得することと
をさらに含み、
前記プロファイルデータを決定することが、前記第2の複数の強度値にさらに基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の複数の強度値が、
前記基板の第1の領域についての干渉縞の第1のグループと、
前記基板の第2の領域についての干渉縞の第2のグループと
を識別し、
前記第2の複数の強度値が、
前記基板の第1の領域についての干渉縞の第3のグループと、
前記基板の第2の領域についての干渉縞の第4のグループと
を識別し、
前記プロファイルデータを決定することは、
干渉縞の前記第1のグループと干渉縞の前記第3のグループとの相対空間順序が、干渉縞の前記第2のグループと干渉縞の前記第4のグループとの相対空間順序とは異なることを識別することと、
前記識別することに基づいて、前記基板の前記厚さが、
前記第1の領域において、走査の方向において、増加しており、
前記第2の領域において、走査の前記方向において、減少していること
を決定することと
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記基板を走査することが、前記基板に対して螺旋パターンにおいて前記第1の光ビームまたは前記第3の光ビームのうちの少なくとも1つを移動させることを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の光ビームが、前記第1の光ビームと前記基板との相互作用によって引き起こされた反射ビームであり、前記第1の複数の強度値の各々が、前記基板の前記複数のロケーションのうちのそれぞれのロケーションにおける前記基板の反射率に関連する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の光ビームが、前記第1の光ビームと前記基板との相互作用によって引き起こされた透過ビームであり、前記第1の複数の強度値の各々が、前記基板の前記複数のロケーションのうちのそれぞれのロケーションにおける前記基板の透過率に関連する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
目標精度内で等しい前記第1の複数の強度値のサブセットに基づいて、前記基板の領域の前記厚さが均一であることを決定することをさらに含み、前記第1の複数の強度値の前記サブセットの各々が、前記基板の前記領域について取得される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の光ビームにより前記基板を走査することが、
ガス流により前記基板の少なくとも一部分を乾燥させること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
決定された前記プロファイルデータに鑑みて、前記基板の少なくとも1つの領域において前記基板の前記厚さを修正すること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記基板が炭化ケイ素(SiC)ウエハである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
基板を走査するように構成されたシステムであって、前記システムは、
第1の光ビームを放出するための第1の光源と、
前記基板の複数のロケーションの各々について、第2の光ビームに関連する第1の複数の強度値のうちのそれぞれ1つを取得するための第1の光センサであって、前記第2の光ビームが、前記第1の光ビームと前記基板との相互作用によって引き起こされる、第1の光センサと、
前記第1の複数の強度値を使用して、前記基板の厚さの変動を特徴づけるプロファイルデータを決定するための処理デバイスと
を備える、システム。
【請求項13】
前記基板の第1の領域と第2の領域とを走査するために第3の光ビームを放出するための第2の光源と、
前記第1の領域の前記複数のロケーションのうちの少なくともいくつかについて、第4の光ビームに関連する第2の複数の強度値のうちのそれぞれ1つを検出することであって、前記第4の光ビームが、前記第3の光ビームと前記基板の前記第1の領域との相互作用によって引き起こされる、第2の複数の強度値のうちのそれぞれ1つを検出することと、
前記複数の強度値にさらに基づく前記プロファイルデータを出力することと
を行うための第2の光センサと
をさらに備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1の複数の強度値が、
前記基板の第1の領域についての干渉縞の第1のグループと、
前記基板の第2の領域についての干渉縞の第2のグループと
を識別し、
前記第2の複数の強度値が、
前記基板の第1の領域についての干渉縞の第3のグループと、
前記基板の第2の領域についての干渉縞の第4のグループと
を識別し、
前記プロファイルデータを前記出力することは、
干渉縞の前記第1のグループと干渉縞の前記第3のグループとの相対空間順序が、干渉縞の前記第2のグループと干渉縞の前記第4のグループとの相対空間順序とは異なることを識別することと、
前記識別することに基づいて、前記基板の前記厚さが、
前記第1の領域において、走査の方向において、増加しており、
前記第2の領域において、走査の前記方向において、減少していること
を決定することと
を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
ビームスプリッタをさらに備え、前記第2の光源と前記第1の光源とが同じであり、前記基板に対する前記第3の光ビームの入射角度が、前記基板に対する前記第1の光ビームの入射角度とは異なる、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記第2の光源と前記第1の光源とが異なり、前記第3の光ビームの波長が、前記第1の光ビームの波長とは異なる、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1の光源と前記第1の光センサとが、光ヘッド上に取り付けられ、前記基板を走査するために、前記第1の光ビームが、前記基板または前記光ヘッドのうちの少なくとも一方を移動させることによって、前記基板に対して移動させられる、請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
ガス流により前記基板の少なくとも一部分を乾燥させるための指向性ガス源をさらに含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項19】
前記基板の前記厚さを修正するように構成された基板処理ツールをさらに備え、前記処理デバイスが、さらに、前記基板処理ツールのための調節されたツール設定を決定するために前記第1の複数の強度値に機械学習モデルを適用するためのものである、請求項12に記載のシステム。
【請求項20】
基板を支持するための可動ステージと、
前記可動ステージ上で輸送されている前記基板を走査するために第1の光ビームを向けるための光源と、
前記基板の複数のロケーションの各々について、第2の光ビームに関連する第1の複数の強度値のうちのそれぞれ1つを取得するための第1の光センサであって、前記第2の光ビームが、前記第1の光ビームと前記基板との相互作用によって引き起こされる、第1の光センサと、
前記基板の厚さの変動を特徴づけるプロファイルデータを生成するための、前記第1の光センサに通信可能に結合された、処理デバイスと
を備える、システム。
【請求項21】
前記プロファイルデータに基づいて前記基板の前記複数のロケーションのうちの少なくとも1つの厚さを調節するように構成された、堆積デバイス、エッチングデバイス、または研磨デバイスのうちの少なくとも1つをさらに備える、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記堆積デバイス、前記エッチングデバイス、または前記研磨デバイスのうちの前記少なくとも1つのデバイス制御パラメータが、前記基板の前記厚さを調節するように制御される、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記研磨デバイスが化学機械研磨(CMP)デバイスである、請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記可動ステージが、i)ロボットブレードまたはii)前記基板の前記複数のロケーションのうちの少なくとも1つの厚さを調節することが可能な研磨デバイスのうちの少なくとも一方を備える、請求項20に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、一般に、基板処理システムにおいて製造される材料の品質制御を保証することに関する。より詳細には、本明細書は、製造プロセスの様々な段階中の基板の厚さの変動の光学検査に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の材料の製造は、しばしば、化学気相堆積(CVD)技法または物理気相堆積(PVD)技法など、様々な堆積技法を伴い、それらの技法において、1つまたは複数の選択されたタイプの原子が、真空堆積チャンバによって提供される、低真空環境または高真空環境において保持された基板(ウエハ)上に堆積される。このようにして製造された材料は、電子デバイス製造など、実際に使用されている、単結晶、半導体フィルム、微細なコーティング、および多数の他の物質を含み得る。これらの用途の多くは、基板処理システムにおいて成長される材料の純度に依拠する。チャンバ間環境の分離を維持し、周囲大気およびその中の汚染物質へのその曝露を最小限に抑える必要が、サンプル操作および検査の様々なロボット技法を生じさせる。そのようなロボット技法の精度、信頼性、および効率を改善することは、いくつかの技術的課題を提示し、その首尾良い解決が、電子デバイス製造の前進を継続することを促進する。これは、特に、チャンバ製造製品の品質に対する要求が常に高まっていることを考えると、あてはまる。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態では、方法が、第1の光ビーム(beam of light)により基板を走査することと、基板の複数のロケーションの各々について、第2の光ビームに関連する第1の複数の強度値のうちのそれぞれ1つを取得することであって、第2の光ビームが、第1の光ビームと基板との相互作用によって引き起こされる、第1の複数の強度値のうちのそれぞれ1つを取得することと、第1の複数の強度値を使用して、基板の厚さの変動を特徴づけるプロファイルデータを決定することとを含む。
【0004】
一実施形態では、システムが、基板を走査するように構成される。本システムは、第1の光ビームを放出するための第1の光源(light source)を含む。本システムは、基板の複数のロケーションの各々について、第2の光ビームに関連する第1の複数の強度値のうちのそれぞれ1つを取得するための第1の光センサであって、第2の光ビームが、第1の光ビームと基板との相互作用によって引き起こされる、第1の光センサをさらに備える。本システムは、第1の複数の強度値を使用して、基板の厚さの変動を特徴づけるプロファイルデータを決定するための処理デバイスをさらに備える。
【0005】
一実施形態では、システムが、基板を支持するための可動ステージを備える。本システムは、可動ステージ上で輸送されている基板を走査するために第1の光ビームを向けるための光源をさらに含む。本システムは、基板の複数のロケーションの各々について、第2の光ビームに関連する第1の複数の強度値のうちのそれぞれ1つを取得するための第1の光センサであって、第2の光ビームが、第1の光ビームと基板との相互作用によって引き起こされる、第1の光センサをさらに備える。本システムは、基板の厚さの変動を特徴づけるプロファイルデータを生成するための、第1の光センサに通信可能に結合された、処理デバイスをさらに備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】一実施形態による、中で処理される基板の効率的な厚さ変動計測(metrology)をサポートすることが可能な製造機械の例示的な一実施形態を示す図である。
【
図2A】一実施形態による、基板の厚さ変動をマッピングするための単一の光源をもつ小スポット走査干渉計システム(small-spot scanning interferometric system)を示す図である。
【
図2B】一実施形態による、基板の厚さ変動をマッピングするための2つの光源をもつ小スポット走査干渉計システムを示す図である。
【
図2C】一実施形態による、基板の厚さ変動をマッピングするための単一の光源および可動ミラーをもつ小スポット走査干渉計システムを示す図である。
【
図3】一実施形態による、厚さ変動をもつ基板の領域上での2つの光ビーム(light beam)を使用する走査についての干渉縞(interference fringe)を概略的に示す図である。
【
図4】一実施形態による、製造プロセス制御の機械学習方法の、光学検査計測との統合を示す図である。
【
図5】一実施形態による、基板の厚さをマッピングする方法の流れ図である。
【
図6】本開示の1つまたは複数の態様に従って動作する例示的な処理デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書で開示される実施形態は、材料を平滑化、追加、および/または除去するための研磨、エッチング、材料堆積などを含むウエハ製造プロセスから生じる不均一性による基板およびウエハの厚さ変動の光学マッピングを提供する。たとえば、開示される実施形態は、化学機械研磨(CMP)など、より大きい処理ツールに統合され得る方法を使用してウエハ厚さの計測を決定することを可能にし得る。たとえば、ウエハの計測は、堆積および/またはエッチング処理から生じる厚さプロファイルの変動を決定することを含み得る。いくつかの実施形態では、堆積は、エピタキシャル炭化ケイ素(SiC)堆積を含み得、これは、CMPの後に起こり得る。さらに、厚さ変動プロファイルが知られると、計測データは、望ましくない厚さ変動を補正し、できるだけ均一な表面を作成する(または、実施されている技術プロセスによって指定され得るような他のターゲット厚さ変動を達成する)ための最良のやり方を示し得る。たとえば、厚さ変動プロファイルは、必要に応じて基板から、透明なフィルムなど、材料をさらに追加または除去するために、処理チャンバ内でフィードバックプロセスにおいて使用され得る。
【0008】
精密な厚さ計測が、平坦な半導体ウエハ(たとえば、光学平面)の生産を含む、技術的および商業的関心の多くの分野(discipline)において有用であり得る。光学平面および半導体ウエハの製造プロセス中に、厚さ不均一性が、数ミクロンの範囲内で発生し得る。さらに、ウエハの厚さの変動は、一般に、ウエハにわたる低い空間周波数を有する。いくつかの実施形態では、半導体ウエハ、たとえば、透明な半導体ウエハの厚さ計測の目的は、絶対厚さが数ミクロン内に制御され得るので、絶対厚さ自体ではなく、むしろ、ウエハにわたる厚さの変動である。たとえば、半導体ウエハ上で実施されるいくつかの製造動作(たとえば、CMP動作)では、その意図は、できるだけ平坦および均一であるウエハを生産することであり得る。
【0009】
したがって、サンプルが依然として処理システムの内側にある間に、処理誤りおよび欠陥を補正することを可能にするために、製造プロセスが完了する前に、表面の厚さ変動に関して、その品質、粗さなどに関係し得る情報を有することが、有利であり得る。いくつかの実施形態では、ターゲット表面は、いくつかのリッジ、凹み、キンク、溝、平坦な領域、丸みを帯びた領域などを含む、複雑なプロファイルを有し得る。たとえば、ウエハ表面の厚さプロファイルが、何らかの基準表面(たとえば、水平または垂直平面)から計数されるターゲット表面h(x,y)の高さ(幅、深さ)の、この基準表面に沿った座標(たとえば、x,y)への依存性によって表され得る。そのプロファイルは、隣接するロケーション間の間隔(たとえば、Δx,Δy)によって決定される解像度をもつロケーションの離散(または準連続)セットによって特徴づけられ得る。その間隔は、ターゲット表面イメージングの所望の解像度に基づいて事前設定され得る。
【0010】
精密な厚さ計測を実施するための既存の技法は、容量性プローブ、共焦点顕微鏡、干渉計(interferometric)方法などの使用を含み得、それらの技法の各々は、特定の使用事例に適用されるとき、それぞれ利点および欠点を有する。たとえば、干渉技術(絶対と差動の両方)は、大きい基板と小さい基板の両方について良好な感度を提供し得、様々な程度の成功を伴って実施されている。
【0011】
しかしながら、多くの場合、(ウエハ形状計測とも呼ばれる)厚さ計測を実施するための光学技法は、しばしば、2つの別個のマップを取得するために、個々に2つの表面の測定を必要とし、そのようなマップの比較が、ウエハ厚さの変動を決定することを可能にする。そのような方法は、精巧なセットアップを必要とし、そのセットアップにおいて、適切な処理は、高度に安定化した環境における半導体ウエハに対して精密に保持される必要がある光学平面を基準とすることに依存する。したがって、厚さ変動を常に監視し、マッピングすることは、時間がかかるとともに、費用もかかり得る。そのようなスタンドアローンで高度に最適化されたセットアップは、特にオンボード計測が必要とされる場合には、望ましくないことがある。
【0012】
本開示の態様および実施形態は、既存の技術のこれらおよび他の短所に対処する。基板の効率的な光学厚さ計測のための方法およびセットアップが、本明細書で説明される。これは、(CMPの後に起こり得る、エピタキシャル炭化ケイ素(SiC)堆積などの)堆積、エッチング、CMP、または任意の他の製造プロセスなど、技術プロセスの有効性に関する、高感度および高解像度情報を提供し得る、コンパクトな、安定した、および手ごろなデータ収集を促進する。さらに、その解決策は、オンボード計測システムとして実施され得る。
【0013】
光学平面および半導体ウエハを伴う製造プロセス中に、厚さ不均一性が、数ミクロンの範囲内で発生し得る。さらに、ウエハの厚さの変動は、一般に、ウエハにわたる低い空間周波数を有する。したがって、関心のウエハが、(光波長などの)電磁放射の特定の波長において透明であると仮定すると、そのウエハを通るコヒーレント放射の通過は多重内部反射を伴って発生する。このような現象を利用して、エタロンタイプ干渉計を実施し、ウエハの表面にわたる厚さ変動をマッピングすることができる。
【0014】
開示される実施形態は、化学機械研磨(CMP)技法、化学気相堆積(CVD)技法、物理気相堆積(PVD)、プラズマCVD、プラズマPVD、スパッタ堆積、原子層CVD、燃焼CVD、触媒CVD、蒸着、分子ビームエピタキシ技法など、(堆積チャンバ、エッチングチャンバなどを含み得る)処理チャンバを使用する様々な製造技法に関する。開示される実施形態の最も有意な実際の影響が、真空堆積チャンバを使用する技法(たとえば、超高真空CVDまたはPVD、低圧CVDなど)において発生することが予想され得るが、同じシステムおよび方法が、堆積プロセス中に存在するチャンバ条件の非侵入型監視のために大気圧堆積チャンバにおいて利用され得る。
【0015】
図1は、一実施形態による、中で処理される基板の効率的な厚さ変動計測をサポートすることが可能な製造機械100の例示的な一実施形態を示す。一実施形態では、製造機械100は、ローディングステーション102と、移送チャンバ104と、1つまたは複数の処理チャンバ106とを含む。(1つまたは複数の)処理チャンバ106は、移送ポート(図示せず)を介して移送チャンバ104にインターフェースされ得る。移送チャンバ104に関連する(1つまたは複数の)処理チャンバの数は変動し得る(例として、3つの処理チャンバが
図1に示されている)。移送チャンバ104は、ロボット108と、基板(たとえば、ウエハまたは透明なウエハ)を支持するためのロボットブレード110と、基板116(たとえば、ターゲット)の走査のための(1つまたは複数の)光源112と、処理チャンバ106のうちの1つ中に配置された光センサ114とを含み得る。(1つまたは複数の)光源112および光センサ114は、厚さマッピングデバイス111の一部であり得る。移送チャンバ104は、大気圧(温度)よりも高い(または低い)圧力(温度)下で保持され得る。
【0016】
ロボット108は、ローディングステーション102と処理チャンバ106のうちの1つとの間で様々な製品およびデバイス(たとえば、半導体ウエハ、基板、液晶ディスプレイ、レチクル、較正デバイス)を移送し得る。
【0017】
一実施形態では、ロボット108のロボットブレード110は、基板116が処理チャンバ106のうちの1つに移送されるとき、基板116を支持する。ロボットブレード110は、異なるチャンバ間で届くのに十分な伸張可能なアームにアタッチされ得る。(1つまたは複数の)光源112は、1つまたは複数の光ビームにより基板116を走査して、基板116からの1つまたは複数の光ビームの反射によって引き起こされる強度値を取得し得る。基板116は、処理チャンバ106のうちの1つ中に(またはローディングステーション102、移送チャンバ104、移送チャンバ104をローディングステーション102または処理チャンバ106に接続するポート中に)配置された、ウエハ、基板チャック、エッジリング、または任意の他の物体/ツールであり得る。反射された光ビームは、1つまたは複数の光センサ114によって受けられ得る。厚さマッピングデバイス111は、基板116に対して適切に位置合わせされるための位置合わせ点(alignment point)を含み得る。位置合わせ点は、孔、ノッチ、またはくぼみであり得、ロボットブレード110のポケットまたは凹部内の中心に位置し得る。厚さマッピングデバイス111の光センサ114は、基板116のターゲット表面から来る(たとえば、その表面によって反射される)可視光または他の電磁放射を検知することが可能であり得る。光センサ114によって検出される光は、その光が1つまたは複数の光源112によって向けられ得るターゲット表面から反射され得る。いくつかの実施形態では、光源112は、同じ厚さマッピングデバイス111上に取り付けられ得る。他の実施形態では、光源112は、厚さマッピングデバイス111の外側に配置され、たとえば、移送チャンバ104、ローディングステーション102または処理チャンバ106の内側に取り付けられ得る。ロボットブレード110は、(1つまたは複数の)処理チャンバ106へのふたが閉じられたままである間に、スリットバルブポート(図示せず)を通して(1つまたは複数の)処理チャンバ106に(および処理チャンバ106から)基板を供給し(および取り出し)得る。(1つまたは複数の)処理チャンバ106は、堆積プロセスにおいて使用される処理ガス、プラズマ、および様々な粒子を含んでいることがある。(1つまたは複数の)処理チャンバ106の内側に磁界が存在し得る。(1つまたは複数の)処理チャンバ106の内側は、(1つまたは複数の)処理チャンバ106の外側の温度および圧力とは異なる温度および圧力において保持され得る。(1つまたは複数の)処理チャンバ106の内側の温度および圧力は、実際のオンライン処理条件に対応するものと同様であり得る。基板116が、ロボット108のロボットブレード110によって支持および移動させられるものとして示されているが、他の実施形態では、基板116は、専用モーションステージ、または任意の他の好適な可動ステージ、既存の基板移送機構、(CMPプロセスにおいて配備される研磨ヘッドまたは別のウエハなどの)プロセスチャンバ中の既存のモーション機構を使用して移動され得る。
【0018】
コンピューティングデバイス118が、光センサ制御モジュール122と厚さ分析モジュール124とを含み得る。光センサ制御モジュール122は、光センサ114、およびいくつかの場合には(1つまたは複数の)光源112の動作を制御し得る。厚さ分析モジュール124は、光センサ114によって測定された強度値を受け、基板116の厚さ変動マップを決定し得る。
【0019】
エレクトロニクスモジュール150は、例示的な一実施形態では、基板の厚さ変動に対応するプロファイルデータを決定するために、製造機械100の内側のターゲットのワイヤレス厚さ変動マッピングを促進することが可能であり得る。エレクトロニクスモジュール150は、マイクロコントローラと、マイクロコントローラに結合されたメモリバッファとを含み得る。メモリバッファは、コンピューティングデバイス118にデータを送る前にデータを収集および記憶するために使用され得る。いくつかの実施形態では、データは、ワイヤレス通信回路を使用して送られ得る。他の実施形態では、データは、エレクトロニクスモジュール150とコンピューティングデバイス118との間のワイヤード接続を使用して送られ得る。いくつかの実施形態では、データは、最初に、コンピューティングデバイス118に送られるより前に、メモリバッファに記憶(バッファ)され得る。他の実施形態では、データは、データが収集されたとき、メモリバッファに記憶されることなしに、コンピューティングデバイス118に送られ得る。いくつかの実施形態では、ワイヤレスまたはワイヤード接続は継続的であり得る。他の実施形態では、ワイヤレスまたはワイヤード接続は、定期的に、あるいは検査または何らかの他のトリガリングイベントの完了時に(たとえば、メモリバッファが満杯に近くなるときに)、確立され得る。エレクトロニクスモジュール150は、電力要素と起動回路とをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、電力要素はバッテリーであり得る。いくつかの実施形態では、電力要素はキャパシタであり得る。電力要素は、電力ステーションから再充電可能であり得る。マイクロコントローラは、1つまたは複数の光センサ114に結合され得る。光センサ114は、光源と光検出器とを含み得る。エレクトロニクスモジュール150は、ロボットブレード110の正確な伸張および角回転を促進するための加速度計をも含み得る。エレクトロニクスモジュール150は、基板116の近くの温度を検出するための温度センサをも含み得る。
【0020】
エレクトロニクスモジュール150は、ワイヤレス通信回路、すなわち、コンピューティングデバイス118からワイヤレス命令を受けるための、およびコンピューティングデバイス118に強度値を送るための無線回路をさらに含み得る。たとえば、無線回路は、一実施形態では、RFフロントエンドモジュールと、内部セラミックアンテナであり得るアンテナ(たとえば、UHFアンテナ)とを含み得る。バッテリーは、1~8分などの短い時間期間の間450度Cのチャンバ温度に曝露され得る、リチウムイオンバッテリーなどの高温耐性のあるタイプのものであり得る。
【0021】
いくつかの構成要素が、ロボット108の固定部分上にまたは固定部分において配置され得る。たとえば、マイクロコントローラ、メモリバッファ、およびRFフロントエンドも、配置され得る。エレクトロニクスモジュール150の他の構成要素は、ロボット108のロボットブレード110、およびまたはロボットブレードによって支持された厚さマッピングデバイス上にあるいはそれらにおいて、配置され得る。ロボットブレードは、ロボットブレードによって輸送され得る基板を支持するように可動であり得る。たとえば、光センサ114、加速度計、および温度センサも、配置され得る。いくつかの実施形態では、エレクトロニクスモジュール150の構成要素のうちのいくつかは、ロボット108の固定部分と伸張可能なロボットブレード110の両方において配置され得、たとえば、電力要素も配置され得る。いくつかの実施形態では、2つの別個のマイクロコントローラが実施され得、マイクロコントローラのうちの一方がロボット108の固定部分上に配置され、他方のマイクロコントローラが厚さマッピングデバイス111上に配置される。
【0022】
RFフロントエンドとアンテナとによって促進されるワイヤレス接続は、いくつかの実施形態では、マイクロコントローラとコンピューティングデバイス118との間の通信リンクをサポートし得る。いくつかの実施形態では、ロボット108と統合されたマイクロコントローラは、情報の処理の大部分が発生し得る、コンピューティングデバイス118に情報を通信するのに十分な、最小限の計算機能を有し得る。他の実施形態では、マイクロコントローラは計算のかなりの部分を行い得るが、コンピューティングデバイス118は、特定の、処理集中タスクの計算サポートを提供し得る。コンピューティングデバイス118によって受けられるデータは、移送チャンバ104、処理チャンバ106の内側から取得されたデータ、光センサ114によって収集されたデータ、メモリバッファに一時的にまたは永続的に記憶されたデータなどであり得る。メモリバッファに記憶された、および/あるいはコンピューティングデバイス118にまたはコンピューティングデバイス118から送られたデータは、生のフォーマットまたは処理されたフォーマットにおけるものであり得る。
【0023】
一実施形態では、厚さマッピングデバイスは、1つまたは複数の受けられた光ビームに関連する強度値に基づいて、基板の厚さ変動を特徴づけるプロファイルデータを(マイクロコントローラおよび/またはコンピューティングデバイス118の処理能力を使用して)決定および出力し得る。1つまたは複数の受けられた光ビームは、1つまたは複数の入射光ビームによる基板の走査と基板との相互作用によって引き起こされ得る。強度値は、基板の1つまたは複数のロケーションに起因し得る。
【0024】
たとえば、厚さマッピングデバイス111は、(1つまたは複数の)光源112からの第1の光ビームにより基板を走査し得る。厚さマッピングデバイス111は、基板の1つまたは複数のロケーションに対応する第2の光ビームに関連する強度値を取得し得る。第2の光ビームは、第1の光ビームと基板との相互作用によって引き起こされ得る。相互作用は、基板との第1の(入射)光ビームの反射または透過を含み得る。したがって、第2の光ビームは、反射ビームまたは透過ビームであり得る。厚さマッピングデバイス111は、取得された強度値を使用して、基板の厚さ変動を特徴づけるプロファイルデータを決定し得る。いくつかの事例では、堆積、エッチング、研磨など、基板の処理段階中に、光学測定および厚さマッピングの正確さに有害である、(処理において使用される水および/または他の材料のビーズを含み得る)スラリが形成され得る。残留水を除去するために、いくつかの実施形態では、窒素、アルゴン、キセノン、空気など、指向性ガス源(directed gas source)(たとえば、ガスのジェット)が、そのような外来材料の光学的効果を最小限に抑え、決定されたプロファイルデータの正確さを保証するために、光ビームによる走査より前に基板を乾燥させるために適用され得る。
【0025】
複数の強度値が、基板について決定され得る。いくつかの実施形態では、厚さマッピングが反射光を使用して実施される場合、強度値は、様々なロケーションにおける基板の反射率を表し得る。いくつかの実施形態では、厚さマッピングが透過光を使用して実施される場合、強度値は、様々なロケーションにおける基板の透過率を表し得る。基板の上面から反射された光と底面から反射された光とが干渉し得るので、反射率および/または透過率は、一連の明るい(極大)干渉縞および暗い(極小)干渉縞を提示し得る。そのような干渉縞は、以下でより詳細に説明されるように、基板の厚さ(および/または厚さ変動)を決定するためのベンチマークとして使用され得る。特に、強度値は、少なくとも、1つまたは複数のロケーションのうちの第1のロケーションからの第1の強度値と、1つまたは複数のロケーションのうちの第2のロケーションからの第2の強度値とを含み得る。プロファイルデータは、第1の強度値と第2の強度値とを使用して、第1のロケーションと第2のロケーションとの間の基板の厚さ変化を識別し得る。
【0026】
反射率(および/または透過率)が基板の厚さの周期関数であり得るので、いくつかの場合には、第1のロケーションと第2のロケーションとの間で厚さが増加しているのか減少しているのかに関する何らかのあいまいさがあり得る。たとえば、所与の波長λおよび入射角度θについての、反射(または透過)光ビームの強度I=f(d;λ,θ)が、基板の変動する厚さdに対するいくつかの干渉極大および極小を含み得る。その結果、第1のロケーションにおいて決定された、第1の強度値、たとえば、I1=f(d1;λ1,θ1)が、関数fの最大値(または最小値)に近いとき、より低い(またはより高い)第2の強度値、たとえば、I2=f(d2;λ1,θ1)が、第1のロケーションと第2のロケーションとの間で基板の厚さが増加している(d2>d1)のか減少している(d1>d2)のかを十分に決定しないことがある。そのような場合、厚さマッピングデバイス111は、(1つまたは複数の)同じまたは他の光源112からの追加の光ビーム(たとえば、第3の光ビーム)により基板を走査し得る。第3の光ビームは、波長(たとえば、λ2)、または基板に対する入射の角度(たとえば、θ2)のうちの少なくとも1つにより第1の光ビームとは異なり得る。たとえば、一実施形態では、2つの(またはより多くの)光源112があり得、各源が、異なる波長の光ビームをもたらす。別の実施形態では、光ビームをもたらす単一の光源112があり得、この光ビームは(たとえば、ビームスプリッタによって)スプリットされ、スプリットされたビームの各々が、異なる角度において基板に入射し得る。いくつかの実施形態では、基板に入射した光ビームは、異なる波長ならびに異なる入射角度を有し得る。いずれの場合も、厚さマッピングデバイス111は、基板の1つまたは複数のロケーションのうちの少なくともいくつかに関連する強度値の第2のセットを取得し得る。第4の光ビームは、第3の光ビームと基板との相互作用によって引き起こされ得、(第2のビームと同様に)反射ビームまたは透過ビームであり得る。厚さが増加しているのか減少しているのかに関する可能なあいまいさを解決するために、厚さマッピングデバイスは、強度値の第1のセットと強度値の第2のセット、たとえば、I3=f(d1;λ2,θ2)とI4=f(d2;λ2,θ2)の両方に基づいて、プロファイルを決定および出力し得る。
【0027】
図2Aは、一実施形態による、基板202の厚さ変動をマッピングするための単一の光源204をもつ小スポット走査干渉計システム200を示す。干渉計システム200は、光源204と、検出器206と、ビームスプリッタ208とを含み得る。いくつかの実施形態では、厚さ変動マッピングセットアップは、光源204と、検出器206と、ビームスプリッタ208とのうちの1つまたは複数を組み合わせる、光ヘッド212を含み得る。基板は、リフトピン210により支持され得る。ピン210は、基板202のエッジハンドリングのために使用され得る。いくつかの実施形態では、基板は炭化ケイ素(SiC)ウエハであり得る。
【0028】
基板202は、光の入射ビーム214(または電磁放射の他の形態)によって照射され得、反射ビーム216が、入射ビーム214と基板との相互作用時に生成され得る。いくつかの実施形態では、入射ビーム214は、コリメートされたビーム、集束ビーム、コヒーレントビーム、偏光ビーム、パルス化ビーム、または何らかの他の光ビームであり得る。反射ビーム216の強度が、基板202内のビームの複数の内部反射の、それぞれ、強め合う干渉および弱め合う干渉によって引き起こされるいくつかの明るい縞および暗い縞を(たとえば、基板厚さの関数として)提示し得る。入射ビーム214が基板202に対して移動させられる(または基板202が入射ビーム214に対して輸送されている)とき、基板の厚さの一様な小さい変動は、反射(または透過)ビームの強度の、一連の交互に起こる縞-山と谷/トラフ-につながり得る。
【0029】
交互に起こる山/谷の空間周波数(たとえば、隣接する縞間の横方向距離の逆数)が、基板202の厚さの変動(たとえば、表面が水平方向に対して作る角度のタンジェント)と、入射光ビームの波長と、基板に対する光ビームの入射角度とによって決定され得る。したがって、知られている周波数および知られている入射角度で光ビームにより基板202を走査することによって、基板の厚さプロファイルがマッピングされ得る。たとえば、基板202は、様々なやり方で走査され得る。一実施形態では、基板202は、基板202の全表面が螺旋トレースにおいて走査されるように、回転され、放射状に平行移動され得る。他の実施形態では、基板202は、基板202の全表面が走査されるように、光ヘッド212が螺旋パターンにおいて回転される間、固定され得る。他の実施形態では、基板202は、基板202または光ヘッド212のうちの一方又は両方を矩形パターンで移動させることによってラスタ走査され得る。
【0030】
図2Aに示されているように、光ヘッド212は、波長λにおいて光ビームを放出する光源204を含み得る。光ビームは、各々波長λをもつ、第1の光ビームと第2の光ビームとにスプリットされ得る。第1の光ビームは、第1の入射角度において基板202に入射し得、基板202と相互作用し得る。第1の検出器206aは、第1の光ビームが基板202と相互作用することによって引き起こされる第3の光ビームに関連する強度値の第1のセットを検出し得る。各強度値は、選択された走査パターン(たとえば、螺旋、矩形など)に従って、基板202上のロケーションのセットに関連し得る。同様に、第2の光ビームは、第2の入射角度において基板202に入射し得、基板202と相互作用し得る。第2の検出器206bは、第3の光ビームが基板202と相互作用することによって引き起こされる第4の光ビームに関連する強度値の第2のセットを検出し得る。各強度値は、選択された走査パターンに従って、基板202上のロケーションのセットのうちの1つに関連し得る。強度値の第1のセットおよび/または強度値の第2のセットは、次いで、基板202の厚さプロファイルデータを決定するために使用され得る。
【0031】
基板202から反射された光が検出される、いくつかの実施形態では、基板を通して透過された光が、基板へ反射し、検出器206aおよび206bによって取得される基板反射率データに影響を及ぼすのを防ぐ(または最小限に抑える)ために、吸収体218が基板202と反対(たとえば、下)に位置し得る。吸収体218は、光が、下にある基板支持体と相互作用するのを防ぐための、特殊な反射防止材料を含み得る。追加または代替として、基板の裏側は、光が、下にある基板支持体と相互作用するのを防ぐための、特殊な反射防止材料を含み得る。
【0032】
図2Bは、一実施形態による、基板202の厚さ変動をマッピングするための2つの光源204aおよび204bをもつ小スポット走査干渉計システム200を示す。
図2Bの小スポット走査干渉計システム200は、
図2Aの小スポット走査干渉計システム200と同様であり得るが、複数の(2つまたはそれ以上の)光源を含む光ヘッドを有し得る。
【0033】
図2Bに示されているように、光ヘッド212は、第1の波長λ
1と第2の波長λ
2とをもつ光ビームを放出し得る、第1の光源(source of light)204aと第2の光源204bとを含み得る。第1の光ビームは、所与の入射角度(たとえば、法線角度または他の小さい角度)において基板202に入射し得、基板202と相互作用し得る。第1の検出器206aは、第1の光ビームが基板202と相互作用することによって引き起こされる第3の光ビームに関連する強度値の第1のセットを検出し得る。各強度値は、走査パターンに従って、基板202上のロケーションのセットのうちの1つに関連し得る。同様に、第2の光ビームは、所与の入射角度において基板202に入射し得、基板202と相互作用し得る。第2の検出器206bは、第2の光ビームが基板202と相互作用することによって引き起こされる第4の光ビームに関連する強度値の第2のセットを検出し得る。各強度値は、走査に従って、基板202上のロケーションのセットに関連し得る。強度値の第1のセットおよび強度値の第2のセットは、基板202の厚さプロファイルデータを決定するために使用され得る。
【0034】
図2Cは、一実施形態による、基板202の厚さ変動をマッピングするための単一の光源204および可動ミラーをもつ小スポット走査干渉計システム201を示す。小スポット走査干渉計システム201は、同様の参照番号によって述べられるように、
図2A~
図2Bの小スポット走査干渉計システム200と同様であり得る。
図2Cに示されているように、光源204からの光ビームが、ビームスプリッタ208のほうへ向けられ得る。ビームスプリッタ208は、第1の入射光ビーム214aと第2の入射光ビーム214bとに光ビームをスプリットする。第1の入射光ビーム214aは、第1の入射角度で基板202(たとえば、サンプル)に入射し得る。サンプルに対する第2の入射光ビーム214aは、ミラー220によってサンプルのほうへ向けられ得る。ミラー220は、サンプルに対する第2の入射光ビーム214bの第2の入射角度を設定するための角度だけチルトされ得る。いくつかの実施形態では、ミラー220は、チルティングステージ上に取り付けられ得、したがって、チルトの変化が、第2の光ビーム214aの入射角度を変更し得る。(以下で紹介される)式(2)を参照すると、スネルの法則から、内部反射角度βは、サンプルに対する入射角度αに関係する。
nsinβ=sinα
【0035】
したがって、αのわずかな変化が、内部反射角度の変化を生じることになる。これは、(以下で紹介される)式(1)通りに、縞の位置のシフトを生じる。したがって、縞の位置は、入射角度をごくわずかに変化させることによって、調整または変更され得る。入射角度に対するそのような小さい変更は、基板202上のビームの位置に対して、無視できる変化しかもたらさないことになる。これは、厚さ変動のあいまいさを解決する能力を可能にする。たとえば、基板202の厚さの変動が、厚さのプラトー領域(すなわち、信号がサンプル上の位置の関数として変化しないロケーション)における信号が、両方の入射角度について最大値または最小値におけるものであるようなものである場合、一方のビームの入射角度をわずかにシフトすることによって、最大値または最小値におけるものである2つの信号の同時性が絶たれ、したがって、あいまいさ条件を解決する。入射角度のわずかな変化は、一例として、圧電取付ミラー(piezo-mounted mirror)を使用することによって容易に達成され得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、小スポット走査干渉計システム200および201は、堆積プロセスとエッチングプロセスとの相互確認を実施するために、質量計測システムと組み合わせられ得る。たとえば、質量計測システムは、(空間情報を提供することなしに)処理動作による基板の総質量変化に関する情報を提供し得、厚さ変動プロファイルは、処理動作による不均一な厚さの領域を示し得る。そのようなやり方では、厚さ変動プロファイルを決定することは、アディティブまたはサブトラクティブプロセス(additive or subtractive process)のためのフィードフォワード機構またはフィードバック機構として使用され得る。
【0037】
図3は、一実施形態による、厚さ変動をもつ基板の領域上での2つの光ビームを使用する走査についての強度値および干渉縞を概略的に示す。コヒーレントな、コリメートされた放射により基板が上部から照射されるという仮定を行うと、反射応答が、いくつかの平行縞として現れ得る。
【0038】
たとえば、縞の強度は、
によって与えられ得、ここで、
であり、ここで、βは表面法線に対する内部反射の角度であり、h(x,y)は局所厚さであり、λは真空における光の波長であり、I
0は基板に入射した光の強度であり、nは材料の屈折率であり、r
2は表面反射率である。
【0039】
所与の光ビームについて、干渉縞の空間周波数は、厚さ変動の傾斜と、入射角度と、波長とによって決定され得る。たとえば、反射率における暗い縞が、θ=0,2π,4π...である基板の点(x,y)において遭遇され得る。したがって、反射率における異なる暗い縞は、Δh=λ/(2n・cosβ)の整数倍だけ厚さが異なる基板のロケーションに対応し得る。対応して、反射率の極大は、反射率が暗い縞(極小)を有するロケーションにおける厚さから±Δh/2だけ基板厚さが異なる、ロケーションにおいて遭遇される。したがって、基板は、第1の(入射)光ビームにより走査され得、第1の光ビームと基板との相互作用に対応する第2の(反射または透過)光ビームが検出され得る。第2の光ビームに関連し、基板上の様々なロケーションに対応する、強度値の第1のセットが、(たとえば、検出器206を使用して)取得され得る。強度値の第1のセットは、基板の厚さ変動h(x,y)を特徴づけるプロファイルデータを決定するために使用され得る。
【0040】
特に、強度値は、第1のロケーションについての第1の強度値I(x1,y1)と、第2のロケーションについての第2の強度値I(x2,y2)とを含み得る。第1の強度値と第2の強度値とは、第1のロケーションと第2のロケーションとの間の基板の厚さの変化Δhを決定するために使用され得る。しかしながら、上記で説明されたように、いくつかの場合、特に、プラトーにおける反射(または透過)が、最大値または最小値に近い場合には、プラトーの後に厚さが増加しているのか減少しているのかに関する何らかのあいまいさが存在し得る。
【0041】
プラトーは、強度値の第1のセットのサブセットが等しいことに基づいて識別され得る。2つの基板厚さh1およびh2は、差|h1-h2|<δhがターゲット正確さδh内にある場合、依然として等しいと考えられ得ることを理解されたい。ターゲット正確さδhは、製造プロセスの所望の精度を指し得る。いくつかの実施形態では、ターゲット正確さδhは、光学検査システムの解像度を指し得る。たとえば、光学検査システムの解像度がδhrである場合、|h1-h2|<δhrであるロケーションが、等しい厚さを有すると考えられ得る。
【0042】
いくつかの事例では、(上記の意味において)等しい厚さのプラトーは、反射率または透過率が最大値または最小値を有する、特定の厚さに近いことがある。厚さが変化するとき、反射率または透過率は、それぞれ、基板の厚さが増加しているのか減少しているのかにかかわらず、減少または増加し得る。そのようなあいまいさを解決するために、追加の走査が、異なる入射角度および/または異なる波長を有する追加のビームにより実施され得る。概して、第1のビームの反射率または透過率が、プラトー上の山またはトラフにある場合でも、追加のビームは、(追加のビームが、異なる入射角度および/または波長を有するとすれば)その最大値または最小値に近くない。追加のビームは、したがって、第1のビームの反射率/透過率を比較するためのあいまいさ除去ベンチマークとして働き得る。
【0043】
より詳細には、基板は、追加の光ビーム(たとえば、第3の光ビーム)により走査され得る。第3の光ビームは、波長λ2または基板に対する入射角度θ2のうちの少なくとも1つにおいて第1の光ビームとは異なり得る。第3の光ビームと基板との相互作用に対応する第4の光ビームが、検出され得る。第4の光ビームに関連する、基板上の様々なロケーションに対応する強度値の第2のセットが、取得され得る。強度値の第2のセットは、基板の厚さ変動を特徴づけるプロファイルデータをさらに決定するために使用され得る。第1の光ビームと第3の光ビームとが、(異なる内部反射角度につながる)異なる波長およびまたは入射角度を有するので、第1の光ビームと第3の光ビームとによる生じた強度縞は、異なる。これは、プラトーの走査に続いて厚さが増加しているのか減少しているのかのあいまいさを除去する能力を提供する。
【0044】
たとえば、増加する厚さの方向において走査が実施されるとき、第2のビーム(たとえば、反射λ
1,θ
1光)の強度の極大または極小は、第4のビーム(たとえば、反射λ
2,θ
2光)の強度の極大および極小とは異なる(空間)周波数で遭遇される。
図3に示されているように、正の傾斜の第1の領域303では、第1の光ビームによる走査から生じる干渉縞301(実線)は、第3の光ビームによる走査から生じる干渉縞302(破線)に対して左側にシフトされる。第2の領域305では、傾斜は0であり(プラトー領域)、両方のビームについての強度は均一なままである。第3の領域307では、傾斜は負であり、干渉縞301と干渉縞302との間の相対空間順序(relative spatial order)が逆転される(干渉縞301が右側にシフトされる)。たとえば、干渉縞313と干渉縞315とは、第1の光ビームと第3の光ビームとによる走査からの縞の相対順序の逆転により、反対の傾斜を示す。第4の領域309における別のプラトーを通過した、第5の領域311では、傾斜はまたしても正であり、干渉縞301と干渉縞302との相対空間順序は、第3の領域307と比較して逆転される。図示のように、干渉縞317と干渉縞319とは、第1の光ビームと第3の光ビームとによる走査からの縞の相対順序の逆転により、反対の傾斜を示す。同様のやり方で、干渉縞313と干渉縞319とは、第1の領域303と第5の領域311とにおける傾斜が同じ(たとえば、正)であることを示す同じ相対順序を有する。
【0045】
図4は、一実施形態による、製造プロセス制御の機械学習方法の、光学検査計測との統合を示す。CMPであり得るプロセスツール410(または何らかの他の研磨デバイス)によって処理されている基板202が、
図4に示されている。計測デバイス、たとえば、光ヘッド212(または何らかの他の測定デバイス)が、基板202のリアルタイム状態を監視し得る。たとえば、光ヘッド212は、プロセスツール410が、たとえば、基板202から材料を除去することによって、基板の状態を変化させる間、基板202の厚さおよびプロファイルを決定し得る。光ヘッド212によって出力されたプロファイルデータ420は、1つまたは複数の機械学習モデル430(MLM)によって処理され得る。MLM430は、決定ツリーアルゴリズム、サポートベクターマシン、深層ニューラルネットワーク、またはそれらの任意の組合せであるか、あるいはそれらを含み得る。深層ニューラルネットワークは、畳み込みニューラルネットワーク、1つまたは複数の隠れ層をもつリカレントニューラルネットワーク(RNN)、全結合ニューラルネットワーク、長短期メモリニューラルネットワーク、ボルツマンマシンなどを含み得る。MLM430は、特定の時間にわたって作成されるべき特定の基板プロファイル、達成されるべき基板の表面の特定の品質などを含む、特定の技術プロセスを実施するようにトレーニングされ得る。MLM430は、入力として、プロファイルデータ420、技術プロセスの仕様(図示せず)、(たとえば、技術プロセスの最初から計数される)現在のタイムスタンプ、および他の好適なデータを使用し得る。MLM430は、プロセスツール410のためのツール設定440を(たとえば、リアルタイムで)出力し得る。ツール設定は、基板202に対してプロセスツール410によって加えられる圧力、基板202からの材料の除去の速度、プロセスツール410の回転の速さ、または任意の他の適用可能なツール設定440を含み得る。プロセスツール410による処理が続くとき、ツール設定440はそれに応じて変化し得る。たとえば、ターゲットプロファイルに近づいているとき、MLM430は、材料除去速度(rate of material removal)を減速すること、基板に対する圧力を軽減することなどを行う、ツール設定440を出力し得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、計測デバイス(たとえば、光ヘッド212)は、(たとえば、所定のパターンにおいて基板202の上を移動させることによって)連続的に基板202の状態を監視する。いくつかの実施形態では、計測デバイスは、特定の時間においてなど、定期的に基板202の状態を監視し得る。
【0047】
MLM430は、MLMトレーニングエンジン450によってトレーニングされ得る。トレーニングエンジン450は、プロセスツール410と計測デバイスとをホストする同じ製造機械上に、または製造機械に通信可能に結合されたいくつかの外部サーバ上に配置され得る。いくつかの実施形態では、MLMトレーニングエンジン450は、製造機械と相互作用しないサーバ上に配置され得、トレーニングされたMLMが、トレーニングが実施された後に製造機械上にインストールされる。MLMトレーニングエンジン450は、同様のタイプの基板に関係し、同様の(または同じ)技術プロセスにおいて処理された、データを含み得る、トレーニングデータ460を使用し得る。たとえば、トレーニングデータ460は、動的プロファイルデータ、ならびに同様のウエハの前の処理中に実施されたツール設定を含み得る。トレーニングデータ460は、正しいおよび間違った処理を示すアノテーションをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、MLMトレーニングエンジン450は、プロセスツール410が、たとえば、基板の単一の(または複数の)バッチに対して自律的トレーニング反復(self-directed training iteration)を使用して、同じ製造機械上でリアルタイムでMLM430をトレーニングし得る。
【0048】
図5は、一実施形態による、基板の厚さをマッピングする方法500の流れ図である。方法500は、
図1および
図2A~
図2Bまたはそれらの何らかの組合せに示されているシステムおよび構成要素を使用して実施され得る。方法500は、単一の光センサまたは複数の光センサを使用して実施され得る。光センサは、
図2A~
図2Bに示された基板を走査するために構成され得る。方法500の一部または全部のブロックが、いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス118またはマイクロコントローラ152からの命令に応答して実施され得る。マイクロコントローラ152は、中央処理ユニット(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなど、1つまたは複数の処理デバイスを含み得る。(1つまたは複数の)処理デバイスは、読取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、スタティックメモリ、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)など、1つまたは複数のメモリデバイスに通信可能に結合される。マイクロコントローラ152は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ワークステーション、ウェアラブルデバイス(たとえば、タブレット、スマートフォンなど)、クラウドベースコンピューティングサービスなどの一部であり得る。いくつかの実施形態では、マイクロコントローラ152は、コンピューティングデバイスのより大きいネットワークの一部である。いくつかの実施形態では、マイクロコントローラ152と通信する外部コンピューティングデバイスが、マイクロコントローラ152を再構成すること(たとえば、設定を変更すること、メモリを更新すること、または場合によっては再プログラムすること)が可能である。いくつかの実施形態では、厚さマッピング方法500は、ウエハが処理チャンバの内側に存在する間、実施され得る。いくつかの実施形態では、方法500は、ウエハが処理チャンバから除去されると、実施され得る。厚さマッピング方法は、製造プロセス中の処理チャンバの実際の条件と同様である条件下で(たとえば、圧力および温度において)実施され得る。したがって、製造プロセスは、低い温度において、または室温を下回るかまたは著しく下回る温度において行われ得る。代替的に、製造プロセスは、室温において、室温を上回って、または室温を著しく上回って行われ得る。いくつかの実施形態では、チャンバの内側の圧力は、大気圧を下回るかまたは著しく下回り得、これは、低真空または高真空状態を含む。
【0049】
方法500は、第1の光ビームにより基板を走査すること(ブロック502)を含み得る。第1の光ビームは、レーザ、狭帯域光源、スペクトル分布が後で狭くされる広帯域光源、スペクトル的に狭くされた発光ダイオードなどから放出され得る。第1の光ビームは、第1の波長を有し、第1の角度において基板に入射し得る。基板を走査することは、基板に対して第1の光ビームを移動させることを含み得る。いくつかの実施形態では、光源(および、光検出器)は、(たとえば、基板処理システムに対して)固定であるが、基板は移動している。たとえば、基板は、走査が実施される間、光源(および光検出器)の下で輸送され得る。いくつかの実施形態では、第1の光ビームは、基板に対して螺旋パターンにおいて移動させられる。いくつかの実施形態では、第1の光ビームは、矩形パターン、ジグザグパターン、または任意の他の幾何学的パターンにおいて基板に対して移動させられる。
【0050】
方法500は、基板のロケーションのセットの各々について、第2の光ビームに関連する強度値の第1のセットのうちのそれぞれ1つを取得すること(ブロック504)を続け得る。第2の光ビームは、第1の光ビームと基板との相互作用によって引き起こされ得る。第2の光ビームに関連する強度値の第1のセットは、少なくとも、ロケーションのセットのうちの第1のロケーションについての第1の強度値と、ロケーションのセットのうちの第2のロケーションについての第2の強度値とを含み得る。一実施形態では、第2の光ビームは、第1の光ビームと基板との相互作用によって引き起こされた反射ビームであり、強度値の第1のセットの各々が、基板のロケーションのセットのうちのそれぞれのロケーションにおける基板の反射率に関連する。別の実施形態では、第2の光ビームは、第1の光ビームと基板との相互作用によって引き起こされた透過ビームであり、強度値の第1のセットの各々が、基板のロケーションのセットのうちのそれぞれのロケーションにおける基板の透過率に関連する。
【0051】
方法500は、基板の厚さの変動を特徴づけるプロファイルデータを決定すること(ブロック506)を続け得る。プロファイルデータを決定することは、強度値の第1のセットを使用することに基づき得、第1の強度値と第2の強度値とを使用して、第1のロケーションと第2のロケーションとの間の基板の厚さの変化を決定することに対応し得、方法500は終了する。
【0052】
さらなる実施形態では、方法500は、第3の光ビームにより基板を走査することをさらに含み得る。第3の光ビームは、波長または基板に対する光ビームの入射角度のうちの少なくとも1つにおいて第1の光ビームとは異なり得る。さらなる実施形態では、方法500は、基板のロケーションのうちの少なくともいくつかについて、第4の光ビームに関連する第2の複数の強度値のうちのそれぞれ1つを取得することをさらに含み得る。第4の光ビームは、第3の光ビームと基板との相互作用によって引き起こされ得、プロファイルデータを決定することは、強度値の第2のセットにさらに基づき得る。
【0053】
第4のビームに関連する強度値の第2のセットは、基板の第1の領域についての干渉縞の第3のグループと、基板の第2の領域についての干渉縞の第4のグループとを識別し得る。いくつかの実施形態では、プロファイルデータを決定することは、干渉縞の第1のグループと干渉縞の第3のグループとの相対空間順序が、干渉縞の第2のグループと干渉縞の第4のグループとの相対空間順序とは異なることを識別することをさらに含む。干渉縞の識別された相対空間順序を使用して、基板の厚さが、(たとえば、第1の領域において)走査の方向において増加しており、(たとえば、第2の領域において)走査の方向において減少しているか、またはその逆であるかのいずれかであることが決定され得る。
【0054】
基板を走査することは、基板に対して螺旋パターンにおいて第1の光ビームまたは第3の光ビームのうちの少なくとも1つを移動させることを含み得る。他の実施形態では、基板を走査することは、第1の光ビームまたは第3の光ビームのうちの少なくとも1つに対して螺旋パターンにおいて基板を移動させることを含み得る。いくつかの実施形態では、基板を走査することは、螺旋以外の他のパターンにおいて、たとえば、ラスタ走査パターンにおいて、走査することを含み得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、強度値の第1のセットのサブセットが実質的に等しい(たとえば、ターゲット正確さ値内で等しい)ことが決定された場合、基板の領域の厚さが均一であることが決定され得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、たとえば、CMP残留水が基板上に残り得る。厚さマッピングの正確さを改善するために、基板の一部分が、走査より前に(窒素、アルゴン、キセノン、空気などの)ガス流(flow of gas)により乾燥(または洗浄)され得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、基板の厚さは、決定された厚さプロファイルデータに鑑みて、修正され得る((たとえば、堆積デバイスによる追加の堆積によって)増加されるか、または減少される(たとえば、エッチングデバイスを使用してエッチングされるか、または研磨デバイスを使用して研磨される)かのいずれか、あるいは場合によっては調節される)。いくつかの実施形態では、基板は、デバイス制御パラメータを変動させることによって調節され得るSiCウエハである。制御パラメータは、基板に追加される(または基板から除去される)材料の速さまたは量を決定し得る。
【0058】
本明細書で開示されるシステムおよび方法は、製造中の厚さ変動監視のために使用され得るだけでなく、様々な堆積および研磨プロセスのテストおよび開発のためにも利用され得る。開示される実施形態の利点は、限定はしないが、プロセスの品質および基板表面の均一性などを検査する能力を含む。
【0059】
図6は、本開示の1つまたは複数の態様に従って動作する例示的な処理デバイス600のブロック図を示す。処理デバイス600は、
図1のコンピューティングデバイス118であり得る。
【0060】
例示的な処理デバイス600は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、および/またはインターネット中で他の処理デバイスに接続され得る。処理デバイス600は、パーソナルコンピュータ(PC)、セットトップボックス(STB)、サーバ、ネットワークルータ、スイッチまたはブリッジ、あるいはそのデバイスによってとられるべきアクションを指定する命令のセット(連続またはそれ以外)を実行することが可能な任意のデバイスであり得る。さらに、単一の例示的な処理デバイスのみが示されているが、「処理デバイス」という用語はまた、本明細書で説明される方法のうちのいずれか1つまたは複数を実施するために命令のセット(または複数のセット)を個々にまたは一緒に実行する、処理デバイス(たとえば、コンピュータ)の任意の集合を含むと解釈されるものとする。
【0061】
例示的な処理デバイス600は、バス630を介して互いと通信し得る、プロセッサ602(たとえば、CPU)と、メインメモリ604(たとえば、読取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、同期DRAM(SDRAM)などのダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)など)と、スタティックメモリ606(たとえば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)など)と、2次メモリ(たとえば、データストレージデバイス618)とを含み得る。
【0062】
プロセッサ602は、マイクロプロセッサ、中央処理ユニットなど、1つまたは複数の汎用処理デバイスを表す。より詳細には、プロセッサ602は、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、他の命令セットを実施するプロセッサ、または命令セットの組合せを実施するプロセッサであり得る。プロセッサ602はまた、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなど、1つまたは複数の専用処理デバイスであり得る。本開示の1つまたは複数の態様によれば、プロセッサ602は、厚さ変動マッピングの方法500を実施する命令を実行するように構成され得る。
【0063】
例示的な処理デバイス600は、ネットワーク620に通信可能に結合され得る、ネットワークインターフェースデバイス608をさらに備え得る。例示的な処理デバイス600は、ビデオディスプレイ610(たとえば、液晶ディスプレイ(LCD)、タッチスクリーン、またはカソード線管(CRT))と、英数字入力デバイス612(たとえば、キーボード)と、入力制御デバイス614(たとえば、カーソル制御デバイス、タッチスクリーン制御デバイス、マウス)と、信号生成デバイス616(たとえば、音響スピーカー)とをさらに備え得る。
【0064】
データストレージデバイス618は、実行可能命令622の1つまたは複数のセットが記憶されたコンピュータ可読ストレージ媒体(または、より詳細には、非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体)628を含み得る。本開示の1つまたは複数の態様によれば、実行可能命令622は、厚さ変動マッピングの方法500を実施する実行可能命令を含み得る。
【0065】
実行可能命令622はまた、例示的な処理デバイス600による実行可能命令622の実行中に、メインメモリ604内におよび/またはプロセッサ602内に完全にまたは少なくとも部分的に存在し得、メインメモリ604およびプロセッサ602は、コンピュータ可読ストレージ媒体をも構成する。実行可能命令622は、さらに、ネットワークインターフェースデバイス608を介してネットワーク上で送信または受信され得る。
【0066】
コンピュータ可読ストレージ媒体628は、単一の媒体として
図6に示されているが、「コンピュータ可読ストレージ媒体」という用語は、動作命令の1つまたは複数のセットを記憶する単一の媒体または複数の媒体(たとえば、集中型または分散型データベース、ならびに/あるいは関連するキャッシュおよびサーバ)を含むと解釈されるものとする。「コンピュータ可読ストレージ媒体」という用語はまた、機械による実行のための命令のセットを記憶または符号化することが可能であり、機械が、本明細書で説明される方法のうちのいずれか1つまたは複数を実施することを引き起こす、任意の媒体を含むと解釈されるものとする。「コンピュータ可読ストレージ媒体」という用語は、したがって、限定はしないが、固体メモリと、光および磁気媒体とを含むと解釈されるものとする。
【0067】
上記の説明は、例示的なものであり、限定的なものではないことを理解されたい。多くの他の実施例は、上記の説明を読み、理解すると、当業者には明らかであろう。本開示は特定の例について説明するが、本開示のシステムおよび方法は、本明細書で説明された例に限定されないが、添付の特許請求の範囲内で修正を加えて実施され得ることを認識されよう。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で考慮されるべきである。したがって、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照しながら、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる等価物の全範囲とともに、決定されるべきである。
【0068】
上記に記載された方法、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはコードの実施形態は、処理要素によって実行可能である、機械アクセス可能媒体、機械可読媒体、コンピュータアクセス可能媒体、またはコンピュータ可読媒体に記憶された、命令またはコードを介して実施され得る。「メモリ」は、コンピュータまたは電子システムなど、機械によって可読な形態で情報を提供(すなわち、記憶および/または送信)する、任意の機構を含む。たとえば、「メモリ」は、スタティックRAM(SRAM)またはダイナミックRAM(DRAM)など、ランダムアクセスメモリ(RAM)と、ROMと、磁気または光ストレージ媒体と、フラッシュメモリデバイスと、電気的ストレージデバイスと、光ストレージデバイスと、音響ストレージデバイスと、機械(たとえば、コンピュータ)によって可読な形態で電子命令または情報を記憶または送信するのに好適な任意のタイプの有形機械可読媒体とを含む。
【0069】
本明細書全体にわたる、「一実施形態(one embodiment)」または「一実施形態(an embodiment)」への言及は、その実施形態に関して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたる様々な箇所における「一実施形態では(in one embodiment)」または「一実施形態では(in an embodiment)」という句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が、1つまたは複数の実施形態において任意の好適な様式で組み合わせられ得る。
【0070】
上記の明細書では、詳細な説明が、特定の例示的な実施形態を参照しながら与えられた。しかしながら、添付の特許請求の範囲に記載の本開示のより広い趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更がそれに行われ得ることは明らかであろう。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で考慮されるべきである。さらに、実施形態(embodiment)、および/または他の例示的な文言の上記の使用は、必ずしも同じ実施形態または同じ例を指すとは限らず、異なるおよび別個の実施形態、ならびに潜在的に同じ実施形態を指し得る。
【0071】
「例」または「例示的」という単語は、本明細書では、例、事例、または例示の働きをすることを意味するために使用される。「例」または「例示的」として本明細書で説明されるいかなる態様または設計も、必ずしも他の態様または設計よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきであるとは限らない。むしろ、「例」または「例示的」という単語の使用は、具体的な様式で概念を提示するものとする。本明細書で使用される「または(or)」という用語は、排他的な「または」ではなく、包含的な「または」を意味するものとする。すなわち、別段に規定されていない限り、または文脈から明らかでない限り、「XがAまたはBを含む」は、自然包括的並べ替えのいずれかを意味するものとする。すなわち、XがAを含む、XがBを含む、またはXがAとBの両方を含む場合、「XがAまたはBを含む」は、上記の事例のいずれかの下で満たされる。さらに、本出願および添付の特許請求の範囲で使用される冠詞「a」および「an」は、概して、別段に規定されていない限り、または単数形を対象とすることが文脈から明らかでない限り、「1つまたは複数」を意味するものと解釈されるべきである。その上、全体を通して「一実施形態(an embodiment)」または「一実施形態(one embodiment)」という用語の使用は、そのようなものとして説明されない限り、同じ実施形態または実施例を意味するものではない。また、本明細書で使用される「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」などの用語は、異なる要素同士を区別するためのラベルとして意味され、必ずしもそれらの数字表示による順序の意味を有するとは限らない。
【国際調査報告】