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特表2024-526869ターンオン/ターンオフ挙動のバランスのための非対称な集積集中ゲート抵抗器及び/又はパワー処理の向上のための複数の離間した集中ゲート抵抗器を有する半導体デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】ターンオン/ターンオフ挙動のバランスのための非対称な集積集中ゲート抵抗器及び/又はパワー処理の向上のための複数の離間した集中ゲート抵抗器を有する半導体デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/78 20060101AFI20240711BHJP
   H01L 29/12 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
H01L29/78 657G
H01L29/78 652T
H01L29/78 652Q
H01L29/78 653A
H01L29/78 652J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503470
(86)(22)【出願日】2022-07-11
(85)【翻訳文提出日】2024-03-12
(86)【国際出願番号】 US2022036655
(87)【国際公開番号】W WO2023003713
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】17/382,407
(32)【優先日】2021-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/843,010
(32)【優先日】2022-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592054856
【氏名又は名称】ウルフスピード インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】WOLFSPEED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジ、イン - ファン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジェ - ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ブラント、エドワード、ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ウガー、エネス
(72)【発明者】
【氏名】リュー、セイ - ヒョン
(57)【要約】
パワー半導体デバイス50が、ワイド・バンドキャップ半導体層構造と、ワイド・バンドギャップ半導体層構造上にゲート・パッド52と、ワイド・バンドギャップ半導体層構造上に複数のゲート・フィンガ66と、ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間に電気的に結合される複数の集中ゲート抵抗器72、82と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイド・バンドキャップ半導体層構造と、
前記ワイド・バンドギャップ半導体層構造上にゲート・パッドと、
前記ワイド・バンドギャップ半導体層構造上に複数のゲート・フィンガと、
前記ゲート・パッドと前記ゲート・フィンガとの間に電気的に結合される複数の集中ゲート抵抗器と
を含む、半導体デバイス。
【請求項2】
ゲート・バスをさらに含み、各集中ゲート抵抗器が、前記ゲート・パッドと前記ゲート・バスとの間に接続されている、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記複数の集中ゲート抵抗器における前記集中ゲート抵抗器のうちの少なくとも2つは、前記ゲート・バスのうち、前記半導体デバイスの第1の外縁に沿って延びている部分に接触するように、前記ゲート・パッドの側縁から外方に延びている、請求項2に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記複数の集中ゲート抵抗器の第1のサブセットは、前記ゲート・パッドの第1の側面から外方に延びており、前記複数の集中ゲート抵抗器の第2のサブセットは、前記ゲート・パッドの第2の側面から外方に延びている、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記複数の集中ゲート抵抗器の第3のサブセットは、前記第1の側面と反対側である、前記ゲート・パッドの第3の側面から、外方に延びている、請求項4に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記複数の集中ゲート抵抗器の第4のサブセットは、前記第2の側面と反対側である、前記ゲート・パッドの第4の側面から、外方に延びている、請求項5に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記複数の集中ゲート抵抗器のうちの前記集中ゲート抵抗器の少なくともそれぞれの集中ゲート抵抗器は、前記半導体デバイスを平面図で見た場合に前記ゲート・パッドの各及びすべての側面から外方に延びている、請求項1から6までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記集中ゲート抵抗器は、前記ゲート・パッドから外方に延びており、前記半導体デバイスを平面図で見た場合に前記ゲート・パッドを実質的に囲んでいる、請求項1から6までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記複数の集中ゲート抵抗器は、前記ゲート・パッドからそれぞれ延びている、第1の集中ゲート抵抗器、第2の集中ゲート抵抗器及び第3の集中ゲート抵抗器を含み、前記第2の集中ゲート抵抗器が前記第1の集中ゲート抵抗器及び前記第3の集中ゲート抵抗器に直接隣り合うとともに前記第1の集中ゲート抵抗器と前記第3の集中ゲート抵抗器との間にあり、前記第2の集中ゲート抵抗器の幅は、前記第1の集中ゲート抵抗器と前記第2の集中ゲート抵抗器との間の第1の距離よりも小さく、前記第2の集中ゲート抵抗器の前記幅はまた、前記第2の集中ゲート抵抗器と前記第3の集中ゲート抵抗器との間の第2の距離よりも小さい、請求項1から6までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記第1の距離は、前記第2の集中ゲート抵抗器の前記幅の2倍を超え、前記第2の距離は、前記第2の集中ゲート抵抗器の前記幅の2倍を超える、請求項9に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
前記第1の距離は、前記第2の集中ゲート抵抗器の前記幅の3倍を超え、前記第2の距離は、前記第2の集中ゲート抵抗器の前記幅の3倍を超える、請求項9に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
前記第2の集中ゲート抵抗器の長さは、前記第2の集中ゲート抵抗器の前記幅の少なくとも2倍である、請求項9から11までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項13】
前記第2の集中ゲート抵抗器の長さは、前記第2の集中ゲート抵抗器の前記幅の5倍未満である、請求項9から12までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項14】
前記第2の集中ゲート抵抗器の長さは、前記第2の集中ゲート抵抗器の前記幅よりも小さい、請求項9から13までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項15】
前記複数の集中ゲート抵抗器における各(each)集中ゲート抵抗器は、前記それぞれの(respective)集中ゲート抵抗器の幅の3倍未満であるそれぞれの長さを有する、請求項3から6までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項16】
前記半導体デバイスは、トレンチMOSFETを含み、前記ゲート・フィンガのそれぞれは、複数のゲート・トレンチのうちのそれぞれのゲート・トレンチ内に形成されている、請求項1から15までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項17】
前記集中ゲート抵抗器は、前記半導体デバイスの通常動作時に隣り合う対の集中ゲート抵抗器において生じた熱が前記半導体層構造の種々の部分を通って前記半導体デバイスから実質的に放散するように互いから離間している、請求項1から6までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項18】
前記半導体層構造は、厚さD及び熱拡散角度αを有し、隣り合う集中ゲート抵抗器の対面する側面が少なくとも2tan(α)だけ互いから離間している、請求項1から6までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項19】
前記ゲート・パッドと前記ゲート・フィンガとの間に前記集中ゲート抵抗器のうちの第1の集中ゲート抵抗器と直列に結合される第1のスイッチと、前記ゲート・パッドと前記ゲート・フィンガとの間に前記集中ゲート抵抗器のうちの第2の集中ゲート抵抗器と直列に結合される第2のスイッチとをさらに含む、請求項1から6までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項20】
前記第1のスイッチは、前記第1のゲート抵抗器内に実装されるダイオードを含む、請求項19の半導体デバイス。
【請求項21】
前記第1のスイッチは、順バイアスされると電流が前記ゲート・パッドから前記ゲート・フィンガへ流れることを可能にする第1のダイオードを含み、前記第2のスイッチは、順バイアスされると電流が前記ゲート・フィンガから前記ゲート・パッドへ流れることを可能にする第2のダイオードを含む、請求項19に記載の半導体デバイス。
【請求項22】
前記半導体デバイスは、前記ゲート・パッドから前記ゲート・フィンガへ流れるゲート電流について第1の全ゲート抵抗値を有するとともに、前記ゲート・フィンガから前記ゲート・パッドへ流れるゲート電流について第2の全ゲート抵抗値を有し、前記第2の全ゲート抵抗値は、前記第1の全ゲート抵抗値とは異なる、請求項19に記載の半導体デバイス。
【請求項23】
前記ゲート・パッドは、平面図で見た場合に逆L字形又はL字形を有する、請求項1から22までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項24】
ワイド・バンドキャップ半導体層構造と、
前記ワイド・バンドギャップ半導体層構造上にゲート・パッドと、
前記ワイド・バンドギャップ半導体層構造上にゲート・バスと、
前記ゲート・パッドと前記ゲート・バスのうち前記半導体デバイスの第1の外縁に隣り合って延びている部分との間に延びている集中ゲート抵抗器と
を含む、半導体デバイス。
【請求項25】
前記複数の集中ゲート抵抗器において前記集中ゲート抵抗器のうちの少なくとも2つは、前記半導体デバイスの前記第1の外縁から外方に延びている、請求項24に記載の半導体デバイス。
【請求項26】
前記集中ゲート抵抗器は、前記ゲート・パッドと前記ゲート・バスとの間に延びている複数の集中ゲート抵抗器のうちの1つであり、前記複数の集中ゲート抵抗器の第1のサブセットが、前記半導体デバイスの前記第1の外縁に対面する、前記ゲート・パッドの第1の側面から外方に延びており、前記複数の集中ゲート抵抗器の第2のサブセットは、前記ゲート・パッドの第2の側面から外方に延びている、請求項24に記載の半導体デバイス。
【請求項27】
前記複数の集中ゲート抵抗器の第3のサブセットは、前記第1の側面と反対側である、前記ゲート・パッドの第3の側面から、外方に延びている、請求項26に記載の半導体デバイス。
【請求項28】
前記複数の集中ゲート抵抗器の第4のサブセットは、前記第2の側面と反対側である、前記ゲート・パッドの第4の側面から、外方に延びている、請求項27に記載の半導体デバイス。
【請求項29】
前記複数の集中ゲート抵抗器の前記集中ゲート抵抗器の少なくともそれぞれの集中ゲート抵抗器は、前記半導体デバイスを平面図で見た場合に前記ゲート・パッドの各及びすべての側面から外方に延びている、請求項26に記載の半導体デバイス。
【請求項30】
前記集中ゲート抵抗器は、前記ゲート・パッドから外方に延びており、前記半導体デバイスを平面図で見た場合に前記ゲート・パッドを実質的に囲んでいる、請求項26に記載の半導体デバイス。
【請求項31】
前記集中ゲート抵抗器は、前記ゲート・パッドと前記ゲート・バスとの間に延びている複数の集中ゲート抵抗器のうちの第4の集中ゲート抵抗器であり、前記複数の集中ゲート抵抗器は、前記ゲート・パッドからそれぞれ延びている、第1の集中ゲート抵抗器、第2の集中ゲート抵抗器及び第3の集中ゲート抵抗器をさらに含み、前記第2の集中ゲート抵抗器が前記第1の集中ゲート抵抗器及び前記第3の集中ゲート抵抗器に直接隣り合うとともに前記第1の集中ゲート抵抗器と前記第3の集中ゲート抵抗器との間にあり、前記第2の集中ゲート抵抗器の幅は、前記第1の集中ゲート抵抗器と前記第2の集中ゲート抵抗器との間の第1の距離よりも小さく、前記第2の集中ゲート抵抗器の前記幅はまた、前記第2の集中ゲート抵抗器と前記第3の集中ゲート抵抗器との間の第2の距離よりも小さい、請求項24から30までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項32】
前記第1の距離は、前記第2の集中ゲート抵抗器の前記幅の2倍超えであり、前記第2の距離は、前記第2の集中ゲート抵抗器の前記幅の2倍超えである、請求項31に記載の半導体デバイス。
【請求項33】
前記第1の距離は、前記第2の集中ゲート抵抗器の前記幅の3倍超えであり、前記第2の距離は、前記第2の集中ゲート抵抗器の前記幅の3倍超えである、請求項31に記載の半導体デバイス。
【請求項34】
前記第2の集中ゲート抵抗器の長さは、前記第2の集中ゲート抵抗器の前記幅の5倍未満である、請求項31に記載の半導体デバイス。
【請求項35】
前記第2の集中ゲート抵抗器の長さは、前記第2の集中ゲート抵抗器の前記幅よりも小さい、請求項31に記載の半導体デバイス。
【請求項36】
前記半導体層構造は、厚さD及び熱拡散角度αを有し、前記第1の集中ゲート抵抗器及び前記第2の集中ゲート抵抗器の対面する側面が少なくとも2tan(α)だけ互いから離間している、請求項24から35までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項37】
前記集中ゲート抵抗器は、前記ゲート・パッドと前記ゲート・バスとの間に延びている複数の集中ゲート抵抗器のうちの1つであり、前記集中ゲート抵抗器は、前記半導体デバイスの通常動作時に隣り合う対の集中ゲート抵抗器において生じた熱が前記半導体層構造の種々の部分を通って前記半導体デバイスから実質的に放散するように互いから離間している、請求項24から36までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項38】
前記集中ゲート抵抗器は、前記ゲート・パッドと前記ゲート・バスとの間に延びている複数の集中ゲート抵抗器のうちの1つであり、前記半導体デバイスは、前記ゲート・パッドと前記ゲート・フィンガとの間に前記集中ゲート抵抗器のうちの第1の集中ゲート抵抗器と直列に結合される第1のスイッチと、前記ゲート・パッドと前記ゲート・フィンガとの間に前記集中ゲート抵抗器のうちの第2の集中ゲート抵抗器と直列に結合される第2のスイッチとをさらに含む、請求項24から37までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項39】
前記第1のスイッチは、順バイアスされると電流が前記ゲート・パッドから前記ゲート・フィンガへ流れることを可能にする第1のダイオードを含み、前記第2のスイッチは、順バイアスされると電流が前記ゲート・フィンガから前記ゲート・パッドへ流れることを可能にする第2のダイオードを含む、請求項38に記載の半導体デバイス。
【請求項40】
前記半導体デバイスは、前記ゲート・パッドから前記ゲート・フィンガへ流れるゲート電流について第1の全ゲート抵抗値を有するとともに、前記ゲート・フィンガから前記ゲート・パッドへ流れるゲート電流について第2の全ゲート抵抗値を有し、前記第2の全ゲート抵抗値は、前記第1の全ゲート抵抗値とは異なる、請求項38に記載の半導体デバイス。
【請求項41】
半導体デバイスであって、
ワイド・バンドキャップ半導体層構造と、
前記ワイド・バンドギャップ半導体層構造上にゲート・パッドと、
前記ゲート・パッドにそれぞれ電気的に結合される複数の集中ゲート抵抗器と
を含み、前記半導体デバイスを平面図で見た場合に前記複数の集中ゲート抵抗器における少なくともそれぞれの対の前記集中ゲート抵抗器が前記ゲート・パッドの少なくとも3つの側面のそれぞれから外方に延びている、半導体デバイス。
【請求項42】
ゲート・バスをさらに含み、各集中ゲート抵抗器は、前記ゲート・パッドと前記ゲート・バスとの間に接続される、請求項41に記載の半導体デバイス。
【請求項43】
前記複数の集中ゲート抵抗器における前記集中ゲート抵抗器のうちの少なくとも2つは、前記ゲート・バスのうち、前記半導体デバイスの第1の外縁に沿って延びている部分に接触するように、前記ゲート・パッドの側縁から外方に延びている、請求項42に記載の半導体デバイス。
【請求項44】
前記複数の集中ゲート抵抗器のうちの別の1つは、前記ゲート・パッドの第4の側面から外方に延びている、請求項41に記載の半導体デバイス。
【請求項45】
前記複数の集中ゲート抵抗器の前記集中ゲート抵抗器の少なくともそれぞれの集中ゲート抵抗器は、前記半導体デバイスを平面図で見た場合に前記ゲート・パッドの各及びすべての側面から外方に延びている、請求項41に記載の半導体デバイス。
【請求項46】
前記複数の集中ゲート抵抗器は、前記ゲート・パッドからそれぞれ延びている、第1の集中ゲート抵抗器、第2の集中ゲート抵抗器及び第3の集中ゲート抵抗器を含み、前記第2の集中ゲート抵抗器が前記第1の集中ゲート抵抗器及び前記第3の集中ゲート抵抗器に直接隣り合うとともに前記第1の集中ゲート抵抗器と前記第3の集中ゲート抵抗器との間にあり、前記第2の集中ゲート抵抗器の幅は、前記第1の集中ゲート抵抗器と前記第2の集中ゲート抵抗器との間の第1の距離よりも小さく、前記第2の集中ゲート抵抗器の前記幅はまた、前記第2の集中ゲート抵抗器と前記第3の集中ゲート抵抗器との間の第2の距離よりも小さい、請求項41から45までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項47】
前記第1の距離は、前記第2の集中ゲート抵抗器の前記幅の3倍を超え、前記第2の距離は、前記第2の集中ゲート抵抗器の前記幅の3倍を超える、請求項46に記載の半導体デバイス。
【請求項48】
前記第2の集中ゲート抵抗器の長さは、前記第2の集中ゲート抵抗器の前記幅よりも小さい、請求項46に記載の半導体デバイス。
【請求項49】
前記複数の集中ゲート抵抗器における各集中ゲート抵抗器は、前記それぞれの集中ゲート抵抗器の幅の3倍未満であるそれぞれの長さを有する、請求項46に記載の半導体デバイス。
【請求項50】
前記ゲート・パッドと前記ゲート・フィンガとの間に前記集中ゲート抵抗器のうちの第1の集中ゲート抵抗器と直列に結合される第1のスイッチと、前記ゲート・パッドと前記ゲート・フィンガとの間に前記集中ゲート抵抗器のうちの第2の集中ゲート抵抗器と直列に結合される第2のスイッチとをさらに含む、請求項41から49までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項51】
ゲート・パッドと、
複数のゲート・フィンガと、
前記ゲート・パッドと前記ゲート・フィンガとの間に結合される第1のゲート抵抗器及び第1のスイッチと
を含む、半導体デバイス。
【請求項52】
前記第1のスイッチはダイードを含む、請求項51に記載の半導体デバイス。
【請求項53】
前記ダイオードは、前記第1のゲート抵抗器内に実装されている、請求項52に記載の半導体デバイス。
【請求項54】
前記ゲート・パッドと前記ゲート・フィンガとの間に結合される第2のゲート抵抗器及び第2のスイッチをさらに含む、請求項51から53までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項55】
前記第1のスイッチは、順バイアスされると電流が前記ゲート・パッドから前記ゲート・フィンガへ流れることを可能にする第1のダイオードを含み、前記第2のスイッチは、順バイアスされると電流が前記ゲート・フィンガから前記ゲート・パッドへ流れることを可能にする第2のダイオードを含む、請求項54に記載の半導体デバイス。
【請求項56】
前記半導体デバイスは、前記ゲート・パッドから前記ゲート・フィンガへ流れるゲート電流について第1の全ゲート抵抗値を有するとともに、前記ゲート・フィンガから前記ゲート・パッドへ流れるゲート電流について第2の全ゲート抵抗値を有し、前記第2の全ゲート抵抗値は、前記第1の全ゲート抵抗値とは異なる、請求項54に記載の半導体デバイス。
【請求項57】
前記第1のゲート抵抗器は、前記第1のダイオードを形成している、第1のセクション及び第2のセクションを含み、前記第1のセクションは、n型半導体材料を含み、前記第2のセクションは、p型半導体材料を含む、請求項55に記載の半導体デバイス。
【請求項58】
前記第1のゲート抵抗器は、p型半導体材料を含む第3のセクションをさらに含み、前記第1のセクションは、前記第2のセクションと前記第3のセクションとの間にある、請求項57に記載の半導体デバイス。
【請求項59】
前記第2のゲート抵抗器は、第4のセクション、第5のセクション及び第6のセクションを含み、前記第4のセクションがn型半導体材料を含み、前記5のセクション及び前記第6のセクションがp型半導体材料を含み、前記第4のセクションは、前記第5のセクションと前記第6のセクションとの間にあり、前記第4のセクション及び前記第6のセクションは、前記第2のダイオードを形成している、請求項58に記載の半導体デバイス。
【請求項60】
前記第2のセクションは、前記第3のセクションよりも前記ゲート・パッドに近く、前記第5のセクションは、前記第6のセクションよりも前記ゲート・パッドに近い、請求項59に記載の半導体デバイス。
【請求項61】
前記第1のセクションを前記第3のセクションに短絡させる第1の金属コネクタと、
前記第4のセクションを前記第5のセクションに短絡させる第2の金属コネクタと
をさらに含む、請求項60に記載の半導体デバイス。
【請求項62】
前記第1のゲート抵抗器は、n型半導体材料の第1のセクションと、p型半導体材料の第2のセクションとを含む、請求項51から61までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項63】
前記第1のセクションは、前記第2のセクションに直接接触する、請求項62に記載の半導体デバイス。
【請求項64】
前記第1のゲート抵抗器は、p型半導体材料の第3のセクションをさらに含み、前記第1のセクションは、前記第2のセクションと前記第3のセクションとの間にある、請求項63に記載の半導体デバイス。
【請求項65】
前記n型半導体材料は、n型ポリシリコンを含み、前記p型半導体材料は、p型ポリシリコンを含む、請求項64に記載の半導体デバイス。
【請求項66】
前記第1のセクションを前記第3のセクションに短絡させる金属コネクタをさらに含む、請求項65に記載の半導体デバイス。
【請求項67】
前記金属コネクタは、前記第1のゲート抵抗器の上面に形成されている誘電体層を通って延びているビアにおいてメタライゼーションを含む、請求項66に記載の半導体デバイス。
【請求項68】
ゲート・パッドと、
複数のゲート・フィンガと、
前記ゲート・パッドと前記ゲート・フィンガとの間に電気的に挿入されるゲート抵抗器と
を含み、前記ゲート抵抗器は、n型半導体材料の第1のセクションと、p型半導体材料の第2のセクションとを含む、半導体デバイス。
【請求項69】
前記第1のセクションは、前記第2のセクションに直接接触する、請求項68に記載の半導体デバイス。
【請求項70】
前記n型半導体材料は、n型ポリシリコンを含み、前記p型半導体材料は、p型ポリシリコンを含む、請求項69に記載の半導体デバイス。
【請求項71】
前記ゲート抵抗器は、p型半導体材料の第3のセクションをさらに含み、前記第1のセクションは、前記第2のセクションと前記第3のセクションとの間にある、請求項69又は70に記載の半導体デバイス。
【請求項72】
前記第1のセクションを前記第2のセクションに短絡させる金属コネクタをさらに含む、請求項71に記載の半導体デバイス。
【請求項73】
前記金属コネクタは、前記ゲート抵抗器の上面に形成されている誘電体層を通って延びているビアにおいてメタライゼーションを含む、請求項72に記載の半導体デバイス。
【請求項74】
前記n型半導体材料及び前記p型半導体材料は、前記ゲート抵抗器内にダイオードを形成している、請求項68から73までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項75】
前記ゲート抵抗器は、第1のゲート抵抗器であり、前記第1のセクションと前記第2のセクションとの間の接合が第1のダイオードを形成し、前記半導体デバイスは、前記第1のゲート抵抗器及び前記第1のダイオードと電気的に並列に結合される第2のゲート抵抗器及び第2のダイオードをさらに含む、請求項73に記載の半導体デバイス。
【請求項76】
前記第1のダイオードは、順バイアスされると電流が前記ゲート・パッドから前記ゲート・フィンガへ流れることを可能にするように構成され、前記第2のダイオードは、順バイアスされると電流が前記ゲート・フィンガから前記ゲート・パッドへ流れることを可能にするように構成されている、請求項75に記載の半導体デバイス。
【請求項77】
ゲート・パッドと、
複数のゲート・フィンガと、
前記ゲート・パッドと前記ゲート・フィンガとの間に電気的に挿入される第1のゲート抵抗器及び第1の回路素子と
を含む、半導体デバイスであって、
前記第1の回路素子は、前記ゲート・パッドと前記ゲート・フィンガとの間に第1の方向だけに電流を伝導するように構成されている、半導体デバイス。
【請求項78】
前記第1の回路素子は、第1のダイオードを含む、請求項77に記載の半導体デバイス。
【請求項79】
前記第1のダイオードは、前記第1のゲート抵抗器内に実装されている、請求項78に記載の半導体デバイス。
【請求項80】
前記ゲート・パッドと前記ゲート・フィンガとの間に電気的に挿入される第2のゲート抵抗器及び第2のダイオードをさらに含み、前記第2のダイオードは、前記ゲート・パッドと前記ゲート・フィンガとの間に前記第1の方向とは反対の第2の方向だけに電流を伝導するように構成されている、請求項77から79までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項81】
前記第2のダイオードは、前記第2のゲート抵抗器内に実装されている、請求項80に記載の半導体デバイス。
【請求項82】
前記第1のゲート抵抗器は、n型半導体材料の第1のセクション及びp型半導体材料の第2のセクションを含む、請求項79に記載の半導体デバイス。
【請求項83】
前記第1のゲート抵抗器の前記第1のセクションを前記第1のゲート抵抗器の前記第2のセクションに短絡させる第1の金属コネクタをさらに含む、請求項82に記載の半導体デバイス。
【請求項84】
前記第1のゲート抵抗器の前記第1のセクションは、前記第1のゲート抵抗器の前記第2のセクションに直接接触し、前記n型半導体材料は、n型ポリシリコンを含み、前記p型半導体材料は、p型ポリシリコンを含む、請求項83に記載の半導体デバイス。
【請求項85】
前記金属コネクタは、前記第1のゲート抵抗器の上面に形成されている誘電体層を通って延びているビアにおいてメタライゼーションを含む、請求項83に記載の半導体デバイス。
【請求項86】
ワイド・バンドギャップ半導体層構造をさらに含み、
前記第1のゲート抵抗器は、前記ワイド・バンドギャップ半導体層構造の上側面にある、請求項82に記載の半導体デバイス。
【請求項87】
前記第1のゲート抵抗器の前記上側面に直接ある内部誘電体パターンをさらに含む、請求項85に記載の半導体デバイス。
【請求項88】
ゲート・パッドと、
ゲート・バスと、
前記ゲート・パッドと前記ゲート・バスとの間に電気的に挿入されるゲート抵抗器構造と
を含み、前記ゲート抵抗器構造は、前記ゲート・パッドから前記ゲート・バスへ流れる電流に関して第1の抵抗と、前記ゲート・バスから前記ゲート・パッドへ流れる電流に関して第2の抵抗とを有し、前記第1の抵抗は、前記第2の抵抗とは異なる、半導体デバイス。
【請求項89】
複数のユニット・セル・トランジスタを有する活性エリアを含むワイド・バンドギャップ半導体層構造をさらに含み、
前記ゲート・パッド、前記ゲート・バス及び前記ゲート抵抗器構造は、前記ワイド・バンドギャップ半導体層構造の上側面にある、請求項88に記載の半導体デバイス。
【請求項90】
前記ゲート抵抗器の前記上側面に直接ある内部誘電体パターンをさらに含む、請求項89に記載の半導体デバイス。
【請求項91】
前記ゲート抵抗器構造は、
複数の第1のゲート抵抗器と、
複数の第1のスイッチと、
複数の第2のゲート抵抗器と、
複数の第2のスイッチと
を含む、請求項88から90までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項92】
前記第1のゲート抵抗器のそれぞれ及び前記第1のスイッチのうちのそれぞれの第1のスイッチは、前記ゲート・パッドと前記ゲート・フィンガとの間に結合され、前記第2のゲート抵抗器のそれぞれ及び前記第2のスイッチのうちのそれぞれの第2のスイッチは、前記ゲート・パッドと前記ゲート・フィンガとの間に結合されている、請求項91に記載の半導体デバイス。
【請求項93】
前記第1のスイッチのそれぞれは、第1のダイオードを含み、前記第2のスイッチのそれぞれは、第2のダイオードを含む、請求項92に記載の半導体デバイス。
【請求項94】
前記第1のダイオードのそれぞれは、前記第1のゲート抵抗器のうちのそれぞれの第1のゲート抵抗器内に実装され、前記第2のダイオードのそれぞれは、前記第2のゲート抵抗器のうちのそれぞれの第2のゲート抵抗器内に実装されている、請求項93に記載の半導体デバイス。
【請求項95】
前記第1のダイオードは、順バイアスされると電流が前記ゲート・パッドから前記ゲート・バスへ流れることを可能にするように構成され、前記第2のダイオードは、順バイアスされると電流が前記ゲート・バスから前記ゲート・パッドへ流れることを可能にするように構成されている、請求項94に記載の半導体デバイス。
【請求項96】
前記第1のゲート抵抗器の数は、前記第2のゲート抵抗器の数とは異なる、請求項95に記載の半導体デバイス。
【請求項97】
前記第1のゲート抵抗器のそれぞれは、前記第2のゲート抵抗器のうちの少なくとも1つに直接隣り合っている、請求項96に記載の半導体デバイス。
【請求項98】
前記第1のゲート抵抗器のそれぞれ及び前記第2のゲート抵抗器のそれぞれは、n-p-n接合を形成している、n型半導体材料の第1のセクション、p型半導体材料の第2のセクション、及びp型半導体材料の第3のセクションを含む、請求項91に記載の半導体デバイス。
【請求項99】
前記第1のゲート抵抗器のうちのそれぞれの第1のゲート抵抗器の前記第1のセクションを前記第1のゲート抵抗器のうちのそれぞれの第1のゲート抵抗器の前記第3のセクションにそれぞれ短絡させる複数の第1の金属コネクタと、
前記第2のゲート抵抗器のうちのそれぞれの第2のゲート抵抗器の前記第1のセクションを前記第2のゲート抵抗器のうちのそれぞれの第2のゲート抵抗器の前記第2のセクションにそれぞれ短絡させる複数の第2の金属コネクタと
をさらに含む、請求項98に記載の半導体デバイス。
【請求項100】
ゲート・パッドと、
複数のゲート・フィンガと、
前記ゲート・パッドと前記ゲート・フィンガとの間に電気的に挿入されるゲート抵抗器構造と
を含み、前記ゲート抵抗器構造は、デバイス・ターンオン時に第1の抵抗を有し、デバイス・ターンオフ時に第2の抵抗を有し、前記第1の抵抗は、前記第2の抵抗とは異なる、半導体スイッチング・デバイス。
【請求項101】
活性エリアを含むワイド・バンドギャップ半導体層構造をさらに含み、
前記ゲート・パッド、前記ゲート・バス及び前記ゲート抵抗器構造は、前記ワイド・バンドギャップ半導体層構造の上側面にある、請求項100に記載の半導体デバイス。
【請求項102】
前記ゲート抵抗器構造の前記上側面に直接ある内部金属誘電体パターンをさらに含む、請求項101に記載の半導体デバイス。
【請求項103】
前記ゲート抵抗器構造は、前記ゲート・パッドと前記ゲート・フィンガとの間に結合される第1の回路を形成している第1のゲート抵抗器及び第1のスイッチと、前記ゲート・パッドと前記ゲート・フィンガとの間に結合される第2の回路を形成している第2のゲート抵抗器及び第2のスイッチとを含む、請求項100に記載の半導体デバイス。
【請求項104】
前記第1のスイッチは、順バイアスされると電流が前記ゲート・パッドから前記ゲート・フィンガへ流れることを可能にする第1のダイオードを含み、前記第2のスイッチは、順バイアスされると電流が前記ゲート・フィンガから前記ゲート・パッドへ流れることを可能にする第2のダイオードを含む、請求項103に記載の半導体デバイス。
【請求項105】
前記ゲート抵抗器構造は、前記ゲート・パッドと前記ゲート・フィンガとの間に結合される第1のゲート抵抗器及び第1のスイッチをそれぞれが含む複数の第1のゲート抵抗器回路と、前記ゲート・パッドと前記ゲート・フィンガとの間に結合される第2のゲート抵抗器及び第2のスイッチをそれぞれが含む複数の第2のゲート抵抗器回路と、を含み、前記第1のゲート抵抗器回路及び前記第2のゲート抵抗器回路は、互いに電気的に並列に配置されている、請求項101に記載の半導体デバイス。
【請求項106】
第1のゲート抵抗器のすべての合成抵抗は、前記第2のゲート抵抗器のすべての合成抵抗とは異なる、請求項103に記載の半導体デバイス。
【請求項107】
前記第1のゲート抵抗器の数は、前記第2のゲート抵抗器の数とは異なる、請求項106に記載の半導体デバイス。
【請求項108】
前記第1のゲート抵抗器のそれぞれは、前記第2のゲート抵抗器のうちの少なくとも1つに直接隣り合っている、請求項106に記載の半導体デバイス。
【請求項109】
ゲート・パッドと、
複数のゲート・フィンガと、
前記ゲート・パッドと前記ゲート・フィンガとの間に電気的に挿入される複数の第1のゲート抵抗器と、
前記ゲート・パッドと前記ゲート・フィンガとの間に電気的に挿入される複数の第2のゲート抵抗器と
を含む、半導体デバイスであって、
前記ゲート・パッドと前記ゲート・フィンガとの間に流れるゲート電流は、デバイス・ターンオン時に少なくとも主として前記第1のゲート抵抗器を通って流れ、前記ゲート電流は、デバイス・ターンオフ時に少なくとも主として前記第2のゲート抵抗器を通って流れる、半導体デバイス。
【請求項110】
前記第1のゲート抵抗器を通る電流の流れを制御するように構成されている複数の第1のダイオードであって、もっぱら前記ゲート・パッドから前記ゲート・フィンガへの電流を伝導するように構成されている、複数の第1のダイオードと、
前記第2のゲート抵抗器を通る電流の流れを制御するように構成されている複数の第2のダイオードであって、もっぱら前記ゲート・フィンガから前記ゲート・パッドへの電流を伝導するように構成されている、複数の第2のダイオードと
をさらに含む、請求項109に記載の半導体デバイス。
【請求項111】
前記第2のゲート抵抗器の全抵抗は、前記第1のゲート抵抗器の全抵抗とは少なくとも10%異なる、請求項109に記載の半導体デバイス。
【請求項112】
前記第1のダイオードのそれぞれは、前記第1のゲート抵抗器のうちのそれぞれの第1のゲート抵抗器の一部である、請求項110に記載の半導体デバイス。
【請求項113】
前記第1のゲート抵抗器の数は、前記第2のゲート抵抗器の数とは異なる、請求項109から112までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項114】
前記第1のゲート抵抗器のうちの第1のゲート抵抗器の第1の抵抗は、前記第2のゲート抵抗器のうちの第1のゲート抵抗器の第2の抵抗とは異なる、請求項109から113までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項115】
前記第1のゲート抵抗器のそれぞれは、前記第2のゲート抵抗器のうちの少なくとも1つに直接隣り合っている、請求項109から114までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項116】
金属ゲート・パッドと、
ゲート・バスと、
前記金属ゲート・パッドに直接接続される第1の端と、前記ゲート・バスに直接接続される第2の端とを有する第1のゲート抵抗器と、
前記第1のゲート抵抗器の第1の内部部分を前記ゲート抵抗器の第2の内部部分に電気的に接続する金属コネクタと
を含む、半導体デバイス。
【請求項117】
前記第1のゲート抵抗器内に組み込まれる第1のダイオードをさらに含む、請求項116に記載の半導体デバイス。
【請求項118】
前記金属ゲート・パッドと前記ゲート・バスとの間に結合される第2のゲート抵抗器及び第2のダイオードをさらに含む、請求項117に記載の半導体デバイス。
【請求項119】
前記第1のダイオードは、順バイアスされると電流が前記金属ゲート・パッドから前記ゲート・バスへ流れることを可能にするように構成され、前記第2のダイオードは、順バイアスされると電流が前記ゲート・バスから前記金属ゲート・パッドへ流れることを可能にするように構成されている、請求項118に記載の半導体デバイス。
【請求項120】
前記半導体デバイスは、前記金属ゲート・パッドから前記ゲート・バスへ進む信号について前記金属ゲート・パッドと前記ゲート・バスとの間に第1の抵抗を有するとともに、前記ゲート・バスから前記金属ゲート・パッドへ進む信号について前記金属ゲート・パッドと前記ゲート・バスとの間に前記第1の抵抗とは異なる第2の抵抗を有する、請求項119に記載の半導体デバイス。
【請求項121】
前記第1のゲート抵抗器及び前記第2のゲート抵抗器はそれぞれ、n型半導体材料の第1のセクション及びp型半導体材料の第2のセクションを含む、請求項119に記載の半導体デバイス。
【請求項122】
前記金属コネクタは、前記第1のゲート抵抗器の上面に形成されている誘電体層を通って延びているビアにおいてメタライゼーションを含む、請求項116から121までのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項123】
ゲート・パッドと、
複数のゲート・フィンガと、
前記ゲート・パッドと前記ゲート・フィンガとの間に、電流をデバイス・ターンオン時に伝導するがデバイス・ターンオフ時に伝導しない第1の伝導経路と、
前記ゲート・パッドと前記ゲート・フィンガとの間に、電流をデバイス・ターンオフ時に伝導するがデバイス・ターンオン時に伝導しない第2の伝導経路と
を含む、半導体デバイス。
【請求項124】
前記第1の伝導経路は、互いに電気的に並列に配置される複数の第1のゲート抵抗器回路を含み、前記第2の伝導経路は、互いに電気的に並列に配置される複数の第2のゲート抵抗器回路を含む、請求項123に記載の半導体デバイス。
【請求項125】
前記第1のゲート抵抗器回路のそれぞれは、第1のゲート抵抗器及び第1のダイオードを含み、前記第2のゲート抵抗器回路のそれぞれは、第2のゲート抵抗器及び第2のダイオードを含む、請求項124に記載の半導体デバイス。
【請求項126】
前記第1のゲート抵抗器の数は、前記第2のゲート抵抗器の数とは異なる、請求項125に記載の半導体デバイス。
【請求項127】
前記第1のゲート抵抗器のうちの少なくとも1つの第1のゲート抵抗器の第1の抵抗は、前記第2のゲート抵抗器のうちの少なくとも1つの第2のゲート抵抗器の第2の抵抗とは異なる、請求項125に記載の半導体デバイス。
【請求項128】
前記第1のゲート抵抗器のそれぞれは、前記第2のゲート抵抗器のうちの少なくとも1つの第2のゲート抵抗器に直接隣り合っている、請求項125に記載の半導体デバイス。
【請求項129】
前記半導体デバイスは、トレンチMOSFETを含み、前記ゲート・フィンガのそれぞれは、複数のゲート・トレンチのうちのそれぞれのゲート・トレンチ内に形成されている、請求項50に記載の半導体デバイス。
【請求項130】
前記半導体デバイスは、トレンチMOSFETを含み、前記ゲート・フィンガのそれぞれは、複数のゲート・トレンチのうちのそれぞれのゲート・トレンチ内に形成されている、請求項68に記載の半導体デバイス。
【請求項131】
前記半導体デバイスは、トレンチMOSFETを含み、前記ゲート・フィンガのそれぞれは、複数のゲート・トレンチのうちのそれぞれのゲート・トレンチ内に形成されている、請求項77に記載の半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年7月22日に出願された米国特許出願シリアル番号17/382,407号及び2022年6月17日に出願された米国特許出願シリアル番号17/843,010号に対する優先権を主張し、それら米国特許出願のそれぞれの内容全体はその全体が記載されたかのように参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、半導体デバイスに関し、より詳細には、集中ゲート抵抗器を有する半導体デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
例えば、パワー金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(「MOSFET:Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor」)、絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ(「IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor」)及び他の様々なデバイスを含め、当該技術分野において多種多様なパワー半導体デバイスが知られている。これらのパワー半導体デバイスは多くの場合、炭化ケイ素又は窒化ガリウム系材料などのワイド・バンドギャップ半導体材料から作製される。本明細書において、「ワイド・バンドギャップ半導体」という用語は、少なくとも1.4eVのバンドギャップを有するいかなる半導体も含む。パワー半導体デバイスは、高電圧及び/又は大電流を選択的に阻止する又は通すように設計される。例えば、阻止状態において、パワー半導体デバイスは、数百又は数千ボルトの電位に耐えるように設計され得る。
【0004】
パワーMOSFETなどのパワー半導体デバイスは、横型構造又は縦型構造を有することができる。横型構造を有するパワーMOSFETは、デバイスの半導体層構造の同じ主面(すなわち、上側又は下側)上にMOSFETのソース領域及びドレイン領域の両方を有する。これに対し、縦型構造を有するパワーMOSFETは、そのソース領域を半導体層構造の一方の主面上に有し、そのドレイン領域をその他方の(反対側の)主面上に有する。縦型デバイス構造は典型的に、高い電流密度に耐えるとともに高電圧を阻止することができる厚い半導体ドリフト層を縦型構造が可能にするため、非常に高い電力の用途に使用される。本明細書において、「半導体層構造」という用語は、p-n接合が形成される1つ又は複数の半導体層を含む構造を指す。半導体層構造は典型的に、複数の半導体エピタキシャル層が形成されている半導体基板を含む。ワイド・バンドギャップ半導体層構造とは、1つ又は複数のワイド・バンドギャップ半導体材料にp-n接合が形成される半導体層構造を指す。
【0005】
従来の炭化ケイ素縦型パワーMOSFETは、炭化ケイ素ウェハなどの炭化ケイ素基板上に形成される炭化ケイ素ドリフト領域を含む。ドリフト領域とは逆の導電型を有するいわゆる「ウェル」領域がドリフト領域の上側部分に形成され、ドリフト領域と同じ導電型を有する炭化ケイ素ソース領域がウェル領域内に形成される。炭化ケイ素基板、炭化ケイ素ドリフト領域、炭化ケイ素ウェル領域及び炭化ケイ素ソース領域が、パワーMOSFETの半導体層構造を形成する。半導体層構造内又は上にゲート・フィンガが形成されて個々のユニット・セル・トランジスタを形成する。
【0006】
ユニット・セル・トランジスタは、MOSFETのいわゆる「活性領域」内に形成される。MOSFETは、活性領域及び/又はゲート・ボンド・パッド領域を囲み得る終端領域などの1つ又は複数の不活性領域をさらに含む。活性領域は、逆バイアス動作時に電圧を阻止するとともに順バイアス動作時に電流の流れを提供する主接合として働く。パワーMOSFETは典型的に、ユニット・セル構造を有しており、ユニット・セル構造とは、活性領域が、単一のパワーMOSFETとして機能するように電気的に並列に接続されている多数の個々の「ユニット・セル」MOSFETを含むことを意味する。高電力用途において、そのようなデバイスは、数千又は数万のユニット・セルを含み得る。
【0007】
パワーMOSFET及びIGBTなどの多くのパワー半導体デバイスは、ゲート構造を有する。これらのデバイスは、そのゲート構造に種々のバイアス電圧を印加することによって、オン及びオフにすることができる。ゲート構造は、ゲート・ボンド・パッド(又は他のゲート端子)から各個々のユニット・セルのゲート・フィンガにかけての電気経路の長さとゲート構造を形成する材料のシート抵抗とに応じて決まる分布ゲート抵抗を有する。ゲート構造は例えば、ゲート・ボンド・パッドと、デバイスの活性領域内に複数のゲート・フィンガと、ゲート・パッドと、ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間に延びている1つ又は複数のゲート・バスと、を含み得る。多くの用途において、例えば、1つ又は複数の個別又は「集中」ゲート抵抗器をゲート構造内に付加することによって、ゲート抵抗の量を増加させることが望ましい場合がある。ゲート抵抗の増加は例えば、デバイスのスイッチング速度を制限するのに用いられ得るか、又は、結果としてデバイス故障を生じさせる可能性がある発振を生じさせかねない電気リンギング及び/又はノイズを低減させるのに用いられ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施例によれば、ゲート・パッドと、複数のゲート・フィンガと、ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間に結合される第1のゲート抵抗器及び第1のスイッチと、を含む、半導体デバイスが提供される。
【0009】
いくつかの実施例では、第1のスイッチは、ダイオードとすることができる。いくつかの実施例では、ダイオードは、第1のゲート抵抗器内に実装され得る。
【0010】
いくつかの実施例では、半導体デバイスは、ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間に結合される、第2のゲート抵抗器とダイオードなどの第2のスイッチとをさらに含む。第1のダイオードが、順バイアスされると電流がゲート・パッドからゲート・フィンガへ流れることを可能にし、第2のダイオードが、順バイアスされると電流がゲート・フィンガからゲート・パッドへ流れることを可能にする。
【0011】
半導体デバイスは、ゲート・パッドからゲート・フィンガへ流れるゲート電流について第1の全ゲート抵抗値を有し得るとともに、ゲート・フィンガからゲート・パッドへ流れるゲート電流について第2の全ゲート抵抗値を有し得、第2の全ゲート抵抗値は、第1の全ゲート抵抗値とは異なる。
【0012】
第1のゲート抵抗器は、第1のダイオードを形成する、第1のセクション及び第2のセクションを含み得、第1のセクションは、n型半導体材料を含み、第2のセクションは、p型半導体材料を含む。いくつかの実施例では、第1のゲート抵抗器は、p型半導体材料を含む第3のセクションをさらに含み、第1のセクションは、第2のセクションと第3のセクションとの間にある。いくつかの実施例では、第2のゲート抵抗器は、第4のセクション、第5のセクション及び第6のセクションを含み、第4のセクションがn型半導体材料を含み、第5のセクション及び第6のセクションがp型半導体材料を含み、第4のセクションは、第5のセクションと第6のセクションとの間にあり、第4のセクション及び第6のセクションは、第2のダイオードを形成する。いくつかの実施例では、第2のセクションは、第3のセクションよりもゲート・パッドに近く、第5のセクションは、第6のセクションよりもゲート・パッドに近い。いくつかの実施例では、半導体デバイスは、第1のセクションを第3のセクションに短絡させる第1の金属コネクタと、第4のセクションを第5のセクションに短絡させる第2の金属コネクタと、をさらに含む。
【0013】
いくつかの実施例では、第1のゲート抵抗器は、n型半導体材料の第1のセクション及びp型半導体材料の第2のセクションを含み、第1のセクションは、第2のセクションに直接接触し得る。第1のゲート抵抗器はまた、p型半導体材料の第3のセクションを含み得、第1のセクションは、第2のセクションと第3のセクションとの間にある。n型半導体材料は、n型ポリシリコンとすることができ、p型半導体材料は、p型ポリシリコンとすることができる。半導体デバイスはまた、第1のセクションを第3のセクションに短絡させる金属コネクタを含む。金属コネクタは、第1のゲート抵抗器の上面に形成されている誘電体層を通って延びているビアにおいてメタライゼーションを含み得る。
【0014】
本発明のさらなる実施例によれば、ゲート・パッドと、複数のゲート・フィンガと、ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間に電気的に挿入されるゲート抵抗器と、を含む半導体デバイスであって、ゲート抵抗器は、n型半導体材料の第1のセクション及びp型半導体材料の第2のセクションを含む、半導体デバイスが提供される。
【0015】
いくつかの実施例では、第1のセクションは、第2のセクションに直接接触し得る。
【0016】
いくつかの実施例では、n型半導体材料は、n型ポリシリコンを含み、p型半導体材料は、p型ポリシリコンを含む。
【0017】
いくつかの実施例では、ゲート抵抗器は、p型半導体材料の第3のセクションをさらに含み、第1のセクションは、第2のセクションと第3のセクションとの間にある。
【0018】
いくつかの実施例では、半導体デバイスは、第1のセクションを第2のセクションに短絡させる金属コネクタをさらに含む。金属コネクタは、ゲート抵抗器の上面に形成されている誘電体層を通って延びているビアにおいてメタライゼーションを含み得る。
【0019】
いくつかの実施例では、n型半導体材料及びp型半導体材料は、ゲート抵抗器内にダイオードを形成する。
【0020】
いくつかの実施例では、ゲート抵抗器は、第1のゲート抵抗器であり、第1のセクションと第2のセクションとの間の接合が第1のダイオードを形成し、半導体デバイスは、第1のゲート抵抗器及び第1のダイオードと電気的に並列に結合される第2のゲート抵抗器及び第2のダイオードをさらに含む。
【0021】
いくつかの実施例では、第1のダイオードは、順バイアスされると電流がゲート・パッドからゲート・フィンガへ流れることを可能にするように構成され、第2のダイオードは、順バイアスされると電流がゲート・フィンガからゲート・パッドへ流れることを可能にするように構成される。
【0022】
本発明のさらなる実施例によれば、ゲート・パッドと、複数のゲート・フィンガと、ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間に電気的に挿入される第1のゲート抵抗器及び第1の回路素子と、を含む、半導体デバイスが提供される。第1の回路素子は、ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間に第1の方向だけに電流を伝導するように構成される。
【0023】
いくつかの実施例では、第1の回路素子は、第1のダイオードを含む。いくつかの実施例では、第1のダイオードは、第1のゲート抵抗器内に実装される。
【0024】
いくつかの実施例では、半導体デバイスは、ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間に電気的に挿入される第2のゲート抵抗器及び第2のダイオードをさらに含み、第2のダイオードは、ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間に第1の方向とは反対の第2の方向だけに電流を伝導するように構成される。いくつかの実施例では、第2のダイオードは、第2のゲート抵抗器内に実装される。
【0025】
いくつかの実施例では、第1のゲート抵抗器は、n型半導体材料の第1のセクション及びp型半導体材料の第2のセクションを含む。
【0026】
いくつかの実施例では、半導体デバイスは、第1のゲート抵抗器の第1のセクションを第1のゲート抵抗器の第2のセクションに短絡させる第1の金属コネクタをさらに含む。いくつかの実施例では、金属コネクタは、第1のゲート抵抗器の上面に形成されている誘電体層を通って延びているビアにおいてメタライゼーションを含む。
【0027】
いくつかの実施例では、第1のゲート抵抗器の第1のセクションは、第1のゲート抵抗器の第2のセクションに直接接触し、n型半導体材料は、n型ポリシリコンを含み、p型半導体材料は、p型ポリシリコンを含む。
【0028】
いくつかの実施例では、半導体デバイスは、ワイド・バンドギャップ半導体層構造をさらに含み、第1のゲート抵抗器は、ワイド・バンドギャップ半導体層構造の上側面にある。
【0029】
いくつかの実施例では、半導体デバイスは、第1のゲート抵抗器の上側面に直接ある内部誘電体パターンをさらに含む。
【0030】
本発明のさらなる実施例によれば、ゲート・パッドと、ゲート・バスと、ゲート・パッドとゲート・バスとの間に電気的に挿入されるゲート抵抗器構造と、を含み、ゲート抵抗器構造は、ゲート・パッドからゲート・バスへ流れる電流に関して第1の抵抗と、ゲート・バスからゲート・パッドへ流れる電流に関して第2の抵抗とを有し、第1の抵抗は、第2の抵抗とは異なる、半導体デバイスが提供される。
【0031】
いくつかの実施例では、半導体デバイスは、複数のユニット・セル・トランジスタを有する活性エリアを含むワイド・バンドギャップ半導体層構造をさらに含み、ゲート抵抗器構造は、ワイド・バンドギャップ半導体層構造の上側面にある。
【0032】
いくつかの実施例では、半導体デバイスは、ゲート抵抗器の上側面に直接ある内部誘電体パターンをさらに含む。
【0033】
いくつかの実施例では、ゲート抵抗器構造は、複数の第1のゲート抵抗器と、複数の第1のスイッチと、複数の第2のゲート抵抗器と、複数の第2のスイッチと、を含む。
【0034】
いくつかの実施例では、各第1のゲート抵抗器及び第1のスイッチのうちのそれぞれの第1のスイッチは、ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間に結合され、各第2のゲート抵抗器及び第2のスイッチのうちのそれぞれの第2のスイッチは、ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間に結合される。
【0035】
いくつかの実施例では、各第1のスイッチは、第1のダイオードを含み、各第2のスイッチは、第2のダイオードを含む。
【0036】
いくつかの実施例では、各第1のダイオードは、第1のゲート抵抗器のうちのそれぞれの第1のゲート抵抗器内に実装され、各第2のダイオードは、第2のゲート抵抗器のうちのそれぞれの第2のゲート抵抗器内に実装される。
【0037】
いくつかの実施例では、第1のダイオードは、順バイアスされると電流がゲート・パッドからゲート・バスへ流れることを可能にするように構成され、第2のダイオードは、順バイアスされると電流がゲート・バスからゲート・パッドへ流れることを可能にするように構成される。
【0038】
いくつかの実施例では、第1のゲート抵抗器の数は、第2のゲート抵抗器の数とは異なる。
【0039】
いくつかの実施例では、各第1のゲート抵抗器は、少なくとも1つの第2の抵抗器に直接隣り合う。
【0040】
いくつかの実施例では、各第1のゲート抵抗器及び各第2のゲート抵抗器は、n-p-n接合を形成する、n型半導体材料の第1のセクション、p型半導体材料の第2のセクション、及びp型半導体材料の第3のセクションを含む。
【0041】
いくつかの実施例では、半導体デバイスは、第1のゲート抵抗器のうちのそれぞれの第1のゲート抵抗器の第1のセクションをそれぞれの第1のゲート抵抗器の第3のセクションにそれぞれ短絡させる複数の第1の金属コネクタと、第2のゲート抵抗器のうちのそれぞれの第2のゲート抵抗器の第1のセクションをそれぞれの第2のゲート抵抗器の第2のセクションにそれぞれ短絡させる複数の第2の金属コネクタと、をさらに含む。
【0042】
本発明のさらなる実施例によれば、ゲート・パッドと、複数のゲート・フィンガと、ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間に電気的に挿入されるゲート抵抗器構造と、を含み、ゲート抵抗器構造は、デバイス・ターンオン時に第1の抵抗を有し、デバイス・ターンオフ時に第2の抵抗を有し、第1の抵抗は、第2の抵抗とは異なる、半導体デバイスが提供される。
【0043】
いくつかの実施例では、半導体デバイスは、活性エリアを含むワイド・バンドギャップ半導体層構造をさらに含み、ゲート抵抗器構造は、ワイド・バンドギャップ半導体層構造の上側面にある。
【0044】
いくつかの実施例では、半導体デバイスは、ゲート抵抗器構造の上側面に直接ある内部金属誘電体パターンをさらに含む。
【0045】
いくつかの実施例では、ゲート抵抗器構造は、ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間に結合される第1の回路を形成する第1のゲート抵抗器及び第1のスイッチと、ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間に結合される第2の回路を形成する第2のゲート抵抗器及び第2のスイッチとを含む。
【0046】
いくつかの実施例では、第1のスイッチは、順バイアスされると電流がゲート・パッドからゲート・フィンガへ流れることを可能にする第1のダイオードを含み、第2のスイッチは、順バイアスされると電流がゲート・フィンガからゲート・パッドへ流れることを可能にする第2のダイオードを含む。
【0047】
いくつかの実施例では、ゲート抵抗器構造は、ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間に結合される第1のゲート抵抗器及び第1のスイッチをそれぞれが含む複数の第1のゲート抵抗器回路と、ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間に結合される第2のゲート抵抗器及び第2のスイッチをそれぞれが含む複数の第2のゲート抵抗器回路と、を含み、第1のゲート抵抗器回路のすべて及び第2のゲート抵抗器回路のすべては、互いに電気的に並列に配置される。
【0048】
いくつかの実施例では、第1のゲート抵抗器のすべての合成抵抗は、第2のゲート抵抗器のすべての合成抵抗とは異なる。
【0049】
いくつかの実施例では、第1のゲート抵抗器の数は、第2のゲート抵抗器の数とは異なる。
【0050】
いくつかの実施例では、各第1のゲート抵抗器は、少なくとも1つの第2のゲート抵抗器に直接隣り合う。
【0051】
本発明のさらなる実施例によれば、ゲート・パッドと、複数のゲート・フィンガと、ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間に電気的に挿入される複数の第1のゲート抵抗器と、ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間に電気的に挿入される複数の第2のゲート抵抗器と、を含む、半導体デバイスが提供される。ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間に流れるゲート電流は、デバイス・ターンオン時に少なくとも主として第1のゲート抵抗器を通って流れ、ゲート電流は、デバイス・ターンオフ時に少なくとも主として第2のゲート抵抗器を通って流れる。
【0052】
いくつかの実施例では、半導体デバイスは、第1のゲート抵抗器を通る電流の流れを制御するように構成される複数の第1のダイオードであって、もっぱらゲート・パッドからゲート・フィンガへの電流を伝導するように構成される、複数の第1のダイオードをさらに含む。半導体デバイスはまた、第2のゲート抵抗器を通る電流の流れを制御するように構成される複数の第2のダイオードであって、もっぱらゲート・フィンガからゲート・パッドへの電流を伝導するように構成される、複数の第2のダイオードを含み得る。
【0053】
いくつかの実施例では、第2のゲート抵抗器の全抵抗は、第1のゲート抵抗器の全抵抗とは少なくとも10%異なる。
【0054】
いくつかの実施例では、各第1のダイオードは、第1のゲート抵抗器のうちのそれぞれの第1のゲート抵抗器の一部である。
【0055】
いくつかの実施例では、第1のゲート抵抗器の数は、第2のゲート抵抗器の数とは異なる。
【0056】
いくつかの実施例では、第1のゲート抵抗器のうちの第1のゲート抵抗器の第1の抵抗は、第2のゲート抵抗器のうちの第1のゲート抵抗器の第2の抵抗とは異なる。
【0057】
いくつかの実施例では、各第1のゲート抵抗器は、少なくとも1つの第2のゲート抵抗器に直接隣り合う。
【0058】
本発明のさらなる実施例によれば、ゲート・パッドと、ゲート・バスと、金属ゲート・パッドに直接接続される第1の端と、ゲート・バスに直接接続される第2の端とを有する第1のゲート抵抗器と、第1のゲート抵抗器の第1の内部部分をゲート抵抗器の第2の内部部分に電気的に接続する金属コネクタと、を含む、半導体デバイスが提供される。
【0059】
いくつかの実施例では、半導体デバイスは、第1のゲート抵抗器内に組み込まれる第1のダイオードをさらに含む。
【0060】
いくつかの実施例では、半導体デバイスは、金属ゲート・パッドとゲート・バスとの間に結合される第2のゲート抵抗器及び第2のダイオードをさらに含む。
【0061】
いくつかの実施例では、第1のダイオードは、順バイアスされると電流が金属ゲート・パッドからゲート・バスへ流れることを可能にするように構成され、第2のダイオードは、順バイアスされると電流がゲート・バスから金属ゲート・パッドへ流れることを可能にするように構成される。
【0062】
いくつかの実施例では、半導体デバイスは、金属ゲート・パッドからゲート・バスへ進む信号について金属ゲート・パッドとゲート・バスとの間に第1の抵抗を有するとともに、ゲート・バスから金属ゲート・パッドへ進む信号について金属ゲート・パッドとゲート・バスとの間に第1の抵抗とは異なる第2の抵抗を有する。
【0063】
いくつかの実施例では、第1のゲート抵抗器及び第2のゲート抵抗器はそれぞれ、n型半導体材料の第1のセクション及びp型半導体材料の第2のセクションを含む。
【0064】
いくつかの実施例では、金属コネクタは、第1のゲート抵抗器の上面に形成されている誘電体層を通って延びているビアにおいてメタライゼーションを含む。
【0065】
本発明のさらなる実施例によれば、ゲート・パッドと、複数のゲート・フィンガと、ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間に、電流をデバイス・ターンオン時に伝導するがデバイス・ターンオフ時に伝導しない第1の伝導経路と、ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間に、電流をデバイス・ターンオフ時に伝導するがデバイス・ターンオン時に伝導しない第2の伝導経路と、を含む、半導体デバイスが提供される。
【0066】
いくつかの実施例では、第1の伝導経路は、互いに電気的に並列に配置される複数の第1のゲート抵抗器回路を含み、第2の伝導経路は、互いに電気的に並列に配置される複数の第2のゲート抵抗器回路を含む。
【0067】
いくつかの実施例では、各第1のゲート抵抗器回路は、第1のゲート抵抗器及び第1のダイオードを含み、各第2のゲート抵抗器回路は、第2のゲート抵抗器及び第2のダイオードを含む。
【0068】
いくつかの実施例では、第1のゲート抵抗器の数は、第2のゲート抵抗器の数とは異なる。
【0069】
いくつかの実施例では、第1のゲート抵抗器のうちの少なくとも1つの第1のゲート抵抗器の第1の抵抗は、第2のゲート抵抗器のうちの少なくとも1つの第2のゲート抵抗器の第2の抵抗とは異なる。
【0070】
いくつかの実施例では、各第1のゲート抵抗器は、少なくとも1つの第2のゲート抵抗器に直接隣り合う。
【0071】
本発明のさらなる実施例によれば、ワイド・バンドギャップ半導体層構造と、ワイド・バンドギャップ半導体層構造上にゲート・パッドと、ワイド・バンドギャップ半導体層構造上に複数のゲート・フィンガと、ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間に電気的に結合される複数の集中ゲート抵抗器と、を含む半導体デバイスが提供される。
【0072】
いくつかの実施例では、半導体デバイスは、ゲート・バスをさらに含み得、各集中ゲート抵抗器は、ゲート・パッドとゲート・バスとの間に接続され得る。
【0073】
いくつかの実施例では、集中ゲート抵抗器のうちの少なくとも2つは、ゲート・バスのうち、半導体デバイスの第1の外縁に沿って延びている部分に接触するように、ゲート・パッドの側縁から外方に延びている。
【0074】
いくつかの実施例では、集中ゲート抵抗器の第1のサブセットは、ゲート・パッドの第1の側面から外方に延びており、複数の集中ゲート抵抗器の第2のサブセットは、ゲート・パッドの第2の側面から外方に延びている。いくつかの実施例では、複数の集中ゲート抵抗器の第3のサブセットは、第1の側面と反対側である、ゲート・パッドの第3の側面から、外方に延びている。いくつかの実施例では、複数の集中ゲート抵抗器の第4のサブセットは、第2の側面と反対側である、ゲート・パッドの第4の側面から、外方に延びている。
【0075】
いくつかの実施例では、複数の集中ゲート抵抗器のうちの集中ゲート抵抗器の少なくともそれぞれの集中ゲート抵抗器は、半導体デバイスを平面図で見た場合にゲート・パッドの各及びすべての側面から外方に延びている。いくつかの実施例では、集中ゲート抵抗器は、ゲート・パッドから外方に延びており、半導体デバイスを平面図で見た場合にゲート・パッドを実質的に囲んでいる。
【0076】
いくつかの実施例では、複数の集中ゲート抵抗器は、ゲート・パッドからそれぞれ延びている、第1の集中ゲート抵抗器、第2の集中ゲート抵抗器及び第3の集中ゲート抵抗器を含み得、第2の集中ゲート抵抗器が第1の集中ゲート抵抗器及び第3の集中ゲート抵抗器に直接隣り合うとともに第1の集中ゲート抵抗器と第3の集中ゲート抵抗器との間にある。第2の集中ゲート抵抗器の幅は、第1の集中ゲート抵抗器と第2の集中ゲート抵抗器との間の第1の距離よりも小さいものであり得、第2の集中ゲート抵抗器の幅はまた、第2の集中ゲート抵抗器と第3の集中ゲート抵抗器との間の第2の距離よりも小さいものであり得る。
【0077】
いくつかの実施例では、第1の距離は、第2の集中ゲート抵抗器の幅の2倍を超えるものであり得、第2の距離は、第2の集中ゲート抵抗器の幅の2倍を超えるものであり得る。他の実施例では、第1の距離は、第2の集中ゲート抵抗器の幅の3倍を超えるものであり得、第2の距離は、第2の集中ゲート抵抗器の幅の3倍を超えるものであり得る。
【0078】
いくつかの実施例では、第2の集中ゲート抵抗器の長さは、第2の集中ゲート抵抗器の幅の少なくとも2倍であり得る。いくつかの実施例では、第2の集中ゲート抵抗器の長さは、第2の集中ゲート抵抗器の幅の5倍未満である。いくつかの実施例では、第2の集中ゲート抵抗器の長さは、第2の集中ゲート抵抗器の幅よりも小さい。いくつかの実施例では、複数の集中ゲート抵抗器における各集中ゲート抵抗器は、それぞれの集中ゲート抵抗器の幅の3倍未満であるそれぞれの長さを有する。
【0079】
いくつかの実施例では、集中ゲート抵抗器は、半導体デバイスの通常動作時に隣り合う対の集中ゲート抵抗器において生じた熱が半導体層構造の種々の部分を通って半導体デバイスから実質的に放散するように互いから離間しているものとすることができる。
【0080】
いくつかの実施例では、半導体層構造は、厚さD及び熱拡散角度αを有し、隣り合う集中ゲート抵抗器の対面する側面が少なくとも2tan(α)だけ互いから離間している。
【0081】
いくつかの実施例では、半導体デバイスは、ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間に集中ゲート抵抗器のうちの第1の集中ゲート抵抗器と直列に結合される第1のスイッチと、ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間に集中ゲート抵抗器のうちの第2の集中ゲート抵抗器と直列に結合される第2のスイッチと、をさらに含む。いくつかの実施例では、第1のスイッチは、第1のゲート抵抗器内に実装されるダイオードであり得る。いくつかの実施例では、第1のスイッチは、順バイアスされると電流がゲート・パッドからゲート・フィンガへ流れることを可能にする第1のダイオードを含み、第2のスイッチは、順バイアスされると電流がゲート・フィンガからゲート・パッドへ流れることを可能にする第2のダイオードを含む。いくつかの実施例では、半導体デバイスは、ゲート・パッドからゲート・フィンガへ流れるゲート電流について第1の全ゲート抵抗値を有するとともに、ゲート・フィンガからゲート・パッドへ流れるゲート電流について第2の全ゲート抵抗値を有し、第2の全ゲート抵抗値は、第1の全ゲート抵抗値とは異なる。
【0082】
いくつかの実施例では、ゲート・パッドは、平面図で見た場合に逆L字形又はL字形を有する。
【0083】
本発明のなおさらなる実施例によれば、ワイド・バンドキャップ半導体層構造と、ワイド・バンドギャップ半導体層構造上にゲート・パッドと、ワイド・バンドギャップ半導体層構造上にゲート・バスと、ゲート・パッドとゲート・バスのうち半導体デバイスの第1の外縁に隣り合って延びている部分との間に延びている集中ゲート抵抗器と、を含む、半導体デバイスが提供される。
【0084】
本発明のまたさらなる実施例によれば、半導体デバイスが提供され、半導体デバイスは、ワイド・バンドキャップ半導体層構造と、ワイド・バンドギャップ半導体層構造上にゲート・パッドと、ゲート・パッドにそれぞれ電気的に結合され、半導体デバイスを平面図で見た場合に複数の集中ゲート抵抗器における少なくともそれぞれの対の集中ゲート抵抗器がゲート・パッドの少なくとも3つの側面のそれぞれから外方に延びている、複数の集中ゲート抵抗器と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0085】
図1】従来の炭化ケイ素パワーMOSFETについてのドレイン電圧に応じたドレイン電流のグラフである。
図2A】従来のパワーMOSFETの回路図である。
図2B】本発明の特定の実施例によるパワーMOSFETの回路図である。
図3A】本発明の特定の実施例によるパワーMOSFETの概略平面図である。
図3B】上層が除去されている、図3AのパワーMOSFETの概略平面図である。
図3C図3Aの3C-3Cの線に沿ってとられた概略縦断面である。
図4A】断面がゲート・パッドの上側部分を通ってとられた、図3A図3CのパワーMOSFETのゲート・パッド領域の概略横断面である。
図4B図4Aの4B-4Bの線に沿ってとられた、図3A図3CのパワーMOSFETの概略縦断面図である。
図4C】断面がゲート・パッドの下側部分を通ってとられたね図3A図3CのパワーMOSFETのゲート・パッド領域の概略横断面図である。
図4D図4Cの4D-4Dの線に沿ってとられた、図3A図3CのパワーMOSFETの概略縦断面図である。
図4E】断面がゲート抵抗器を含む半導体層を通ってとられた、図3A図3CのパワーMOSFETのゲート・パッド領域の概略横断面である。
図4F図4Eの4F-4Fの線に沿ってとられた、図3A図3CのパワーMOSFETの概略縦断面図である。
図4G図4Eの4G-4Gの線に沿ってとられた概略縦断面である。
図4H図4Eの4H-4Hの線に沿ってとられた概略縦断面である。
図5A図3A図4HのパワーMOSFETのゲート・パッドとゲート・バスとの間の電気的接続を示す回路図である。
図5B図5Aの第1のゲート抵抗器回路及び第2のゲート抵抗器回路の1つの実施態様を示す概略図である。
図5C】下地半導体層におけるp-n接合を短絡させる金属コネクタを含む誘電体層を通って形成されているビアを示す概略斜視図である。
図6】本発明のさらなる実施例によるパワーMOSFETに含まれるゲート抵抗器回路の2つの概略平面図である。
図7】本発明のなおさらなる実施例によるパワーMOSFETの回路図である。
図8】本発明の実施例による集中(lumped)ゲート抵抗器構造を含むことができるゲート・トレンチMOSFETの概略縦断面である。
図9】単一の大きな集中ゲート抵抗器において生じた熱が半導体層構造を通してどのように放散されるかを示す概略図である。
図10A】複数のより小さな集中ゲート抵抗器において生じた熱が半導体層構造を通してどのように放散されるかを示す概略図である。
図10B】複数のより小さな集中ゲート抵抗器において生じた熱が半導体層構造の底面の実質的に異なる領域を通してどのように放散し得るかを示す概略図である。
図11A】従来のパワー半導体デバイスの概略平面図である。
図11B図11Aの従来のパワー半導体デバイスのゲート・パッド領域の拡大図である。
図12A】本発明のさらなる実施例によるパワー半導体デバイスの概略平面図である。
図12B図12Aのパワー半導体デバイスのゲート・パッド領域の拡大図である。
図13A】別の従来のパワー半導体デバイスの概略平面図である。
図13B図13Aの従来のパワー半導体デバイスのゲート・パッド領域の拡大図である。
図13C図13Aの従来のパワー半導体デバイスに含まれる単一の大きな集中ゲート抵抗器の一部の拡大図である。
図14A】本発明のなおさらなる実施例によるパワー半導体デバイスの概略平面図である。
図14B図14Aのパワー半導体デバイスのゲート・パッド領域の拡大図である。
図14C図14Aのパワー半導体デバイスに含まれる複数のより小さな集中ゲート抵抗器の拡大図である。
図15A】隣り合う集中ゲート抵抗器間の間隔を変更するために集中ゲート抵抗器のアスペクト比がどのように変えられ得るかを示す概略図である。
図15B】隣り合う集中ゲート抵抗器間の間隔を変更するために集中ゲート抵抗器のアスペクト比がどのように変えられ得るかを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0086】
炭化ケイ素ベースのMOSFET、IGBT、ゲート制御サイリスタなどのような、高速の高パワー半導体スイッチング・デバイスは、デバイス・ターンオン時及びデバイス・ターンオフ時のいずれも、高いdVds/dt(すなわち、単位時間当たりのソース・ドレイン電圧Vdsの大きな変化)及び高いdIds/dt(すなわち、単位時間当たりのソース・ドレイン電流Idsの大きな変化)を受ける。デバイス・ターンオン時、デバイスの相互コンダクタンス(g)がデバイスのVds対Ids応答を促す傾向があり、その一方、デバイス・ターンオフ時、デバイス内の静電容量の放電がVds対Ids応答に著しく影響する。これは図1に示され、この図は、従来の高いスイッチング速度の高いパワー炭化ケイ素MOSFETのVds対Ids応答のグラフである。図1において、曲線1-1~1-Nは、種々のゲート電圧(Vgs)レベルでのデバイス・ターンオン時のデバイス応答を表し、その一方、曲線2-1~2-Nは、同じ一連のゲート電圧レベルでのデバイス・ターンオフ時のデバイス応答を表す。
【0087】
多くの用途が比較的バランスのとれたスイッチング動作を必要とする(すなわち、パワー・スイッチング・デバイスがおよそ同じ速度でターンオン及びターンオフすることを必要とする)。デバイス・ターンオン及びターンオフ応答(図1を参照)の非対称性の結果、スイッチング動作がアンバランスなものとなる。このアンバランスな挙動を補償するようにするために、顧客は、ターンオン及びターンオフ挙動の差を低減させるためにデバイス・ターンオン時及びターンオフ時に異なるやり方でスイッチング・デバイスを駆動する非対称ゲート制御方式を採用することがある。例えば、オフ・チップ抵抗器及びダイオードを使用してデバイス・ターンオン時及びデバイス・ターンオフ時に異なる量の抵抗をゲート・ボンド・パッドに結合する、パワー半導体デバイスの外部にある回路が提供され得る。
【0088】
上述したように、MOSFET、IGBT、ゲート制御サイリスタのような、多くのパワー半導体デバイスは、ゲート抵抗を所望の値に増加させるように設計されている1つ又は複数の集中ゲート抵抗器を含む。「集中」ゲート抵抗器とは、ゲート構造にその抵抗を増加させるために加えられる個別抵抗を指す。ゲート構造の全抵抗は、1つ又は複数の集中ゲート抵抗器によって提供される集中ゲート抵抗と、外部ソースからゲート信号を受信するとともにゲート信号をデバイスの個々のユニット・セル・トランジスタに分布させる、ゲート・パッド、ゲート・バス及びゲート・フィンガの、分布ゲート抵抗との合成である。これらの集中ゲート抵抗器は例えば、デバイスの電磁干渉(「EMI」)性能を向上し得る。さらに、パワー・スイッチング・デバイスのゲート・フィンガの長さが増すにつれ、長いフィードバック・ループが形成され、長いフィードバック・ループの結果、デバイス内に高レベルの不安定性が生じる可能性がある。ゲート抵抗器は、これらのフィードバック・ループをより削減的(lossy)にさせ、これにより安定性を向上させる。したがって、分布ゲート抵抗と直列に追加の集中ゲート抵抗を含むことによって、デバイス歩留まりを増加させること及び/又は現場でのデバイスの故障率を低減させることが可能であり得る。
【0089】
上述したように、集中ゲート抵抗は、「オフダイ」実装される場合があり、これは集中ゲート抵抗器及びパワー半導体デバイスが実装基板(例えば、マザーボード)上に別個に搭載さられることを意味する。そのような実装例では、集中ゲート抵抗は、表面マウント抵抗器を使用して実装され得る。しかしながら、この手法は、実装基板における貴重なスペースを占め、コストを増加させ、(オフダイ集中ゲート抵抗器はオンダイ集中ゲート抵抗器ほど効果がないため)デバイス信頼性を下げる。したがって、集中ゲート抵抗器は多くの場合、パワー半導体ダイの一部として「オンダイ」実装される。
【0090】
慣例的に、オンダイ集中ゲート抵抗器は、(ゲート・パッドとおそらくはゲート・バスなどのゲート構造の他の部分とを形成するために使用される金属よりも高いシート抵抗を半導体材料が有するため)半導体層のような高抵抗材料を通るゲート信号のための電流経路をルーティングすることによって実装される。これらのゲート抵抗器は典型的に、ゲート・パッドとゲート・バス/ゲート・フィンガとの間においてパワー・スイッチング・デバイスに組み込まれる。例えば、ゲート・パッドをゲート・フィンガに接続する電気経路は、半導体層の一部を通って(典型的には、その抵抗を増加させるために幅狭部分を通って)ルーティングされ得、電気経路のこの部分は、全ゲート抵抗を増加させる集中ゲート抵抗器として働く。半導体層は例えば、ポリシリコン層を含み得る。
【0091】
図2Aは、ゲート抵抗器を含む従来のパワーMOSFET10の回路図である。図2Aに示すように、従来のパワーMOSFET10はとりわけ、ゲート端子12(例えば、ゲート・ボンド・パッド)、ソース端子14(例えば、ソース・ボンド・パッド)、及びドレイン端子16(例えば、ドレイン・ボンド・パッド)を含む。ゲート端子12は、ゲート構造20の一部であり、ゲート構造20は、ゲート・パッド22と、それぞれのユニット・セル・トランジスタのゲートを形成する複数のゲート・フィンガ26とをさらに含む。ゲート・パッド22は、ゲート・バス24(同様にゲート構造20の一部である)によってゲート・フィンガ26に電気的に接続される。ゲート抵抗器32を含むゲート抵抗器回路30が、ゲート・パッド22とゲート・バス24との間に電気的に直列に配置される。上述したように、ゲート抵抗器32は典型的に、MOSFET10を通るゲート電流経路の少なくともいくつかの部分よりも高い抵抗を有し得る半導体材料のセクションを通して強制的にゲート電流を流すことによって実装される。慣例的に、ゲート抵抗器32は、ゲート・パッド22をゲート・バス24に接続するのに使用される単一の比較的大きな集中ゲート抵抗器である。
【0092】
従来のパワーMOSFETにおいて、抵抗器32を実装するのに使用される半導体材料は例えば、第1の導電型ドーパントでドープされたポリシリコンを含み得る。最も一般的には、第1の導電型ドーパントはp型ドーパントであるが、n型ドーパントが代替的に使用されてもよい。したがって、従来のパワーMOSFET10におけるゲート抵抗器32は、ゲート・パッド22からゲート・フィンガ26へ第1の方向に流れるゲート電流(すなわち、デバイス・ターンオン時及びオン状態動作時に流れるゲート電流)と、ゲート・フィンガ26からゲート・パッド22へ第2の方向に流れるゲート電流(すなわち、デバイス放電における静電容量としてデバイス・ターンオフ時に流れるゲート電流)を伝導する。したがって、集中ゲート抵抗器32の全抵抗は、一定の値を有する(すなわち、集中ゲート抵抗値は、デバイス・ターンオン時及びデバイス・ターンオフ時において同じである)。
【0093】
本発明のいくつかの実施例によれば、非対称ゲート抵抗を有するパワー半導体デバイスが提供される。特に、本発明の実施例によるパワー半導体デバイスは、半導体デバイスに流れ込むゲート電流について第1のゲート抵抗と、半導体デバイスから流出するゲート電流について異なる第2のゲート抵抗とを有し得る。いくつかの実施例では、第1のゲート抵抗は、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%又は少なくとも50%、第2のゲート抵抗と異なり得る。第1のゲート抵抗は、デバイス・ターンオン時にゲート構造内に直列に挿入される1つ又は複数の第1のゲート抵抗器を使用して実装され得、第2のゲート抵抗は、デバイス・ターンオフ時にゲート構造内に直列に挿入される1つ又は複数の第2のゲート抵抗器を使用して実装され得る。第1のゲート抵抗及び第2のゲート抵抗の値は、例えば、ターンオン及びターンオフ・スイッチング挙動のバランスなど、デバイスの性能パラメータを改善するように選択され得る。
【0094】
図2Bは、そのような非対称ゲート抵抗を含む、本発明の実施例によるパワーMOSFET50の回路図である。図2Bに示すように、パワーMOSFET50はとりわけ、ゲート端子52(例えば、ゲート・ボンド・パッド)、ソース端子54(例えば、ソース・ボンド・パッド)、及びドレイン端子56(例えば、ドレイン・ボンド・パッド)を含む。ゲート端子52は、ゲート構造60の一部であり、ゲート構造60は、ゲート・パッド62と、ゲート・バス64と、それぞれのユニット・セル・トランジスタのゲートを形成する複数のゲート・フィンガ66とをさらに含む。ゲート・パッド62は、ゲート・バス64によってゲート・フィンガ66に電気的に接続される。第1のゲート抵抗器回路70が、ゲート・パッド62とゲート・バス64との間に電気的に直列に配置される。第1のゲート抵抗器回路70は、第1のゲート抵抗器72と第1のスイッチ74とを含む。第2のゲート抵抗器回路80が、ゲート・パッド62とゲート・バス64との間に電気的に直列に配置される。第2のゲート抵抗器回路80は、第2のゲート抵抗器82と第2のスイッチ84とを含む。第1のゲート抵抗器回路70及び第2のゲート抵抗器回路80は、互いに電気的に並列に配置される。第1のゲート回路70及び第2のゲート回路80も同様にゲート構造60の一部である。
【0095】
パワーMOSFET50は、第1の方向(例えば、ゲート・パッド62からゲート・バス64への方向)に流れるゲート電流が第1のゲート抵抗器72を通って流れるが第2のゲート抵抗器82を通って流れないように、また、第1の方向とは反対の第2の方向(例えば、ゲート・バス64からゲート・パッド62への方向)に流れるゲート電流が第2のゲート抵抗器82を通って流れるが第1のゲート抵抗器72を通って流れないように構成される。結果として、電流は、デバイス・ターンオン時に第1のゲート抵抗器72だけを通って流れ得、デバイス・ターンオフ時に第2のゲート抵抗器82だけを通って流れる。したがって、第1のゲート抵抗器72は、デバイス・ターンオン及びオン状態の動作時に性能を最適化するように選択される抵抗値を有するように設計され得るのに対し、第2のゲート抵抗器82は、デバイス・ターンオフ時に性能を最適化するように選択される抵抗値を有するように設計され得る。
【0096】
いくつかの実施例では、第1のスイッチ74及び第2のスイッチ84は、それぞれの第1のゲート抵抗器72及び第2のゲート抵抗器82と電気的に直列であるダイオードとして実装され得、及び/又は、それぞれの第1のゲート抵抗器72及び第2のゲート抵抗器82内に実装される。いくつかの実施例では、第1のゲート抵抗器72及び第2のゲート抵抗器82は、半導体パターンとして実装され得、したがって、ダイオード74、84は、第1のゲート抵抗器72及び第2のゲート抵抗器82を形成する半導体パターン内におけるp-n接合として実装され得る。一実例の実施例では、第1のゲート抵抗器72及び第2のゲート抵抗器82はそれぞれ、各半導体パターンが一対のp-n接合を有するように第2のp型領域と第3のp型領域との間にある第1のn型領域を有する半導体パターンとして実装され得る。金属コネクタを使用して、各半導体パターンのp-n接合のうちの1つを短絡させることができる。他方の(非短絡)p-n接合がダイオードを形成する。第1のゲート抵抗器72を形成するのに使用される半導体パターンは、第1のn型領域と第2のp型領域(第2のp型領域はゲート・パッド62に隣り合うp型領域である)との間に形成されたp-n接合間に短絡を有し得る。したがって、第1のゲート抵抗器72を形成するのに使用される半導体パターンにおける非短絡p-n接合は、順バイアスされるとゲート・パッド62からゲート・バス64へ電流を通すダイオード74を形成する。第2のゲート抵抗器82を形成するのに使用される半導体パターンは、第1のn型領域と第3のp型領域(第3のp型領域は、ゲート・パッド62から離間しているp型領域である)との間に形成されたp-n接合間に短絡を有し得る。したがって、第2のゲート抵抗器82を形成するのに使用される半導体パターンにおける非短絡p-n接合は、順バイアスされるとゲート・バス64からゲート・パッド62へ電流を通すダイオード84を形成する。
【0097】
いくつかの実施例では、複数の第1のゲート抵抗器回路70及び複数の第2のゲート抵抗器回路80が提供され得る。これは、スイッチング動作のバランスをさらに高め得る。
【0098】
いくつかの実施例によれば、ゲート・パッドと、複数のゲート・フィンガと、ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間に結合される第1のゲート抵抗器及び第1のスイッチと、を含む半導体デバイスが提供される。第1のスイッチは、ダイオードとすることができる。これらのデバイスは、ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間に結合される第2のゲート抵抗器及び第2のダイオードをさらに含み得る。第1のダイオードは、順バイアスされると電流がゲート・パッドからゲート・フィンガへ流れることを可能にするように構成され、第2のダイオードは、順バイアスされると電流がゲート・フィンガからゲート・パッドへ流れることを可能にするように構成される。半導体デバイスは、ゲート・パッドからゲート・フィンガへ流れるゲート電流について第1の全ゲート抵抗値を有し得るとともに、ゲート・フィンガからゲート・パッドへ流れるゲート電流について第2の全ゲート抵抗値を有し得、第2の全ゲート抵抗値は、第1の全ゲート抵抗値とは異なる。
【0099】
本発明のさらなる実施例によれば、ゲート・パッドと、複数のゲート・フィンガと、ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間に電気的に挿入されるゲート抵抗器と、を含む半導体デバイスが提供される。ゲート抵抗器は、n型半導体材料(例えば、n型ポリシリコン)を含む第1のセクションと、p型半導体材料(例えば、p型ポリシリコン)を含む第2のセクションと、任意選択でp型半導体材料の第3のセクションとを含む。第1のセクションを第2のセクションに短絡させる金属コネクタが提供され得る。
【0100】
本発明のさらなる実施例によれば、ゲート・パッドと、複数のゲート・フィンガと、ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間に電気的に挿入される第1のゲート抵抗器及び第1の回路素子(例えば、ダイオード)と、を含む半導体デバイスが提供される。第1の回路素子は、ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間に第1の方向だけに電流を伝導するように構成される。半導体デバイスは、ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間に電気的に挿入される第2のゲート抵抗器及び第2の回路素子をさらに含み得、第2の回路素子は、ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間での、第1の方向とは反対の第2の方向だけに電流を伝導するように構成される。
【0101】
本発明のなおさらなる実施例によれば、ゲート・パッドと、ゲート・バスと、ゲート・パッドとゲート・バスとの間に電気的に挿入されるゲート抵抗器構造と、を含む半導体デバイスが提供される。ゲート抵抗器構造は、ゲート・パッドからゲート・バスへ流れる電流に対する第1の抵抗と、ゲート・バスからゲート・パッドへ流れる電流に対する第2の抵抗とを有する。第1の抵抗は、第2の抵抗とは異なる。ゲート抵抗器構造は、いくつかの実施例では、複数の第1のゲート抵抗器と、複数の第1のスイッチと、複数の第2のゲート抵抗器と、複数の第2のスイッチと、を含み得る。
【0102】
上述したように、慣例的に、単一の大きな集中ゲート抵抗器は、パワー半導体デバイスのゲート・パッドをパワー半導体デバイスのゲート・バスに接続するのに使用される。本発明の実施例によれば、この単一の大きな集中ゲート抵抗器は、互いから離間している複数のより小さな集中ゲート抵抗器に分解され得る。上述したように、このことは、ゲート抵抗器の少なくともいくつかが電流の流れを1つの方向だけに可能にするように設計されることを可能にし、これにより、ゲート抵抗の総量がデバイス・ターンオン及びデバイス・ターンオフの両方について最適値に設定されることが可能となる。(集中ゲート抵抗器のいくつか又はすべてが1つの方向だけに電流を伝導するように設計されているかどうかに関わらず)この手法の別の利点は、パワー半導体デバイスの放熱特性を向上させるためにこの手法を使用することができることである。放熱を向上させる結果、デバイスの堅牢性が増すことになり得、これは、デバイスがより高い電流/電圧で動作することができ、及び/又は、デバイス故障なく、より長い時間期間動作し得ることを意味する。
【0103】
電流がゲート抵抗器を通って流れる際、エネルギーは抵抗器において散逸され、熱に変換される。したがって、ゲート型パワー半導体デバイスがオン又はオフにされるときはいつでも、熱がゲート抵抗器において生じ、生じる熱の量はとりわけ、デバイスのスイッチング速度に応じて決まる。単一の大きな集中ゲート抵抗器が使用される場合、生じる熱は、小さな領域に集中され、したがって、半導体層構造のうちゲート抵抗器の下の部分の温度を著しく上昇させる可能性がある。従来のパワー半導体デバイスにおいて使用される単一の大きな集中ゲート抵抗器の代わりに複数のより小さな離間した集中ゲート抵抗器用いることは、生じた熱を半導体層構造の大部分を通して拡散することにより、半導体層構造の任意の所与の部分において生じる温度増加の量を減らし得る。試験結果は、この手法がパワー半導体デバイスの堅牢性を4倍以上高めることができることを示唆している。より小さな集中ゲート抵抗器は、任意の対の隣り合う集中ゲート抵抗器によって放散される熱が、熱放散を高める及び/又は最適化するために、半導体層構造の種々の部分を実質的に通るような量、別々に拡散され得る。
【0104】
したがって、本発明のさらなる実施例によれば、ワイド・バンドギャップ半導体層構造と、ワイド・バンドギャップ半導体層構造上にゲート・パッドと、ワイド・バンドギャップ半導体層構造上に複数のゲート・フィンガと、ゲート・パッドとゲート・フィンガとの間に電気的に結合される複数の集中ゲート抵抗器と、を含む半導体デバイスが提供される。
【0105】
他の実施例では、ワイド・バンドギャップ半導体層構造と、ワイド・バンドギャップ半導体層構造上にゲート・パッドと、ワイド・バンドギャップ半導体層構造上にゲート・バスと、ゲート・パッドとゲート・バスのうち半導体デバイスの第1の外縁に隣り合って延びている部分との間に延びている集中ゲート抵抗器と、を含む半導体デバイスが提供される。
【0106】
さらに他の実施例では、ワイド・バンドギャップ半導体層構造と、ワイド・バンドギャップ半導体層構造上にゲート・パッドと、それぞれがゲート・パッドに電気的に結合される複数の集中ゲート抵抗器と、を含み、少なくともそれぞれの対の集中ゲート抵抗器が、半導体デバイスを平面図で見た場合にゲート・パッドの少なくとも3つの側面のうちのそれぞれから外方に延びている、半導体デバイスが提供される。
【0107】
ここで、本発明の実施例によるパワー半導体デバイスを、図3A図14Cを参照しながらより詳細に説明する。
【0108】
図3Aは、本発明の実施例によるパワーMOSFET100の概略平面図である。図3Bは、パッシベーション層と、上側ソース・メタライゼーション構造と、ゲート・ボンド・パッドと、金属間誘電体パターンとが省略されたパワーMOSFET100の概略平面図である。図3Cは、パワーMOSFET100の活性領域内に1つの全ユニット・セルと2つのさらなるユニット・セルの部分とを示す、図3Aの3C-3Cの線に沿ってとられた概略断面図である。図3A図3C及び本明細書における他の図における様々ないくつかの層、パターン及び要素の厚さは、原寸に比例して描かれておらず、図は、本質的に概略的であることが理解されるであろう。
【0109】
パワーMOSFET100は、ワイド・バンドギャップ半導体層構造120(図3C)と、半導体層構造120の両側に形成される複数の半導体、誘電体及び/又は金属層と、を含む。先に図3Aを参照すると、ゲート・ボンド・パッド110及び1つ又は複数のソース・ボンド・パッド112-1、112-2が半導体層構造120(図3C)の上側面に形成されており、ドレイン・パッド114(図3C)がMOSFET100の下側面に設けられている。ゲート・パッド110及びソース・パッド112のそれぞれは、熱圧縮又ははんだ付けなどの従来の技法によりボンド・ワイヤを容易に取着することができる、アルミニウムなどの金属から形成され得る。ドレイン・パッド114は、はんだ付け、ろう付け、直接圧縮などによりリード・フレーム、ヒート・シンク、パワー基板などのような下地サブマウントに接続され得る金属から形成され得る。
【0110】
MOSFET100は、ソース・ボンド・パッド112-1、112-2に電気的に接続される外部デバイス又は電圧源に、MOSFET100の半導体層構造120におけるソース領域128を電気的に接続するソース・メタライゼーション構造160を含む。ソース・メタライゼーション構造160は、上側メタライゼーション構造160の有意な部分がポリイミド層などの保護層116によって覆われているため、図3Aにおいて破線ボックスによって示されている。ソース・ボンド・パッド112-1、112-2は、いくつかの実施例では、ソース・メタライゼーション構造160のうち、保護層116における開口から露出される部分であり得る。ゲート・ボンド・パッド110及びソース・ボンド・パッド112-1、112-2を外部回路などに接続するのに使用され得るボンド・ワイヤ118が、図3Aに示されている。ドレイン・パッド114が、MOSFET100が取り付けられる下地サブマウント(図示せず)を介して外部回路に接続され得る。
【0111】
図3B図3Cを参照すると、半導体層構造120上にゲート構造130が形成されている。ゲート構造130は、複数のゲート絶縁フィンガ132(図3C)と、複数のゲート・フィンガ134(図3B図3C)と、ゲート・パッド136(図3B)と、ゲート・フィンガ134をゲート・パッド136に電気的に接続するゲート・バス構造138(図3B)と、を含む。ゲート・バス138は、いくつかの実施例では多段構造として実装され得る。ゲート・フィンガ134とゲート・バス138との間の電気的接続は従来通りであり、したがって、本明細書において説明しない。ゲート絶縁フィンガ132は例えば、酸化ケイ素を含み得、ゲート・フィンガ134を下地半導体層構造120から絶縁し得る。ゲート・フィンガ134は例えば、いくつかの実施例ではポリシリコン・パターンを有し得るが、他の導電性パターンを代替的に使用することができる。ゲート・フィンガ134は(図3Bに示すように)デバイスにわたって横方向に延びていてもよく、又は、代替的に、上側ソース・メタライゼーション構造160(以下で論じる)を半導体層構造120におけるソース領域128に接続する開口を有している、半導体層構造120の上面にわたって延在する平面層を含んでもよい。他の構造が用いられてもよい(例えば、ユニット・セルが六角形構成を有してもよく、ゲート・フィンガ134が横方向ではなく縦方向に、縦方向及び横方向の両方などに延びていてもよい)。いくつかの実施例では、ゲート・フィンガ134は、半導体層構造120の上面におけるトレンチ内にゲート・フィンガ134を形成することが、例えばMOSFET100のキャリア移動度を向上させることができるため、かかるトレンチ内に形成されてもよい(図8を参照)。ゲート・パッド136がゲート・ボンド・パッド110の下に直接且つ電気的に接続されてもよい。いくつかの実施例では、ゲート・パッド136及びゲート・ボンド・パッド110は、単一のモノリシック構造を含み得る。ゲート・パッド136及びゲート・バス138は、実例の実施例では金属構造を含み得る。
【0112】
図3Cを参照すると、半導体層構造は、例えば、n型不純物によって(例えば、1×1018原子/cm~1×1021原子/cmの)高濃度にドープされた4Hの単結晶炭化ケイ素半導体基板などのn型炭化ケイ素半導体基板122を含む。基板122は、いくつかの実施例では、任意の適切な厚さ(例えば、100~500ミクロン厚)を有することができ、部分的又は完全に除去され得る。基板122の厚さ及び他の層の厚さは図において原寸に比例して描かれていないことが理解されるであろう。
【0113】
半導体基板122の下側面にドレイン・パッド114が形成され得る。ドレイン・パッド114は、半導体基板122へのオーミック・コンタクトとして、また、MOSFET100のドレイン端子と外部デバイスとの間の電気的接続を提供するパッドとして働くことができる。ドレイン・パッド114は例えば、ニッケル、チタン、タングステン及び/又はアルミニウムなどの金属、及び/又は、これらの及び/又は同様の金属の合金及び/又は薄い積層スタックを含み得る。
【0114】
半導体層構造は、基板122の上側面に設けられた低濃度にドープされたn型(n)炭化ケイ素ドリフト領域124をさらに含む。n型炭化ケイ素ドリフト領域124は例えば、炭化ケイ素基板122上のエピタキシャル成長によって形成され得る。n型炭化ケイ素ドリフト領域124は例えば、1×1014~5×1016ドーパント/cmのドーピング濃度を有することができる。n型炭化ケイ素ドリフト領域124は、基板122の上に例えば3~100ミクロンの垂直方向高さを有する厚い領域であり得る。ドリフト領域124の厚さは図3Cにおいて原寸に比例して描かれていないことが理解されるであろう。図3Cに示されていないが、いくつかの実施例では、n型炭化ケイ素ドリフト領域124の上側部分は、n型炭化ケイ素ドリフト領域124の上側部分に電流拡散層を提供するためにその下側部分よりも高濃度(例えば、1×1016~1×1017ドーパント/cmのドーピング濃度)にドープされ得る。
【0115】
n型ドリフト領域124の上側部分に、p型ウェル領域126が例えばイオン注入によって形成される。次いで、ウェル領域126の上側部分に、高濃度にドープされた(n)n型炭化ケイ素ソース領域128が例えばイオン注入によって、形成され得る。ウェル領域126の側方にチャネル領域127が画定される。基板122、ドリフト領域124、ウェル領域126及びソース領域128はともに、MOSFET100の半導体層構造120を構成することができる。半導体層構造120は、ワイド・バンドギャップ半導体層構造120(すなわち、ワイド・バンドギャップ半導体材料から形成された半導体層構造120)とすることができる。
【0116】
n型ソース領域128が形成された後、複数のゲート絶縁フィンガ132(それら全体でゲート絶縁パターンを構成する)が半導体層構造120の上面に形成され得る。各ゲート絶縁フィンガ132は例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素などのような誘電体物質の細長いストリップを含み得る。ドープされたポリシリコン・ゲート・フィンガ134のようなゲート・フィンガ134が各ゲート絶縁フィンガ132上に形成される。ゲート・フィンガ134及びゲート絶縁フィンガ132は、ゲート・ボンド・パッド110、ゲート・パッド136、ゲート・バス138及びゲート抵抗器(以下で論じる)とともに全体でゲート構造130を構成することができる。上述したように、ソース領域128と、ドリフト領域124のうち、各ゲート・フィンガ134のすぐ下にある部分と、の間にある、ウェル領域126の垂直方向に延びる部分が、チャネル領域127を構成する。チャネル領域127は、十分なバイアス電圧がゲート・フィンガ134に印加されるとn型ソース領域128をドリフト領域124に電気的に接続する。バイアス電圧がゲート・フィンガ134に印加されると、電流がn型ソース領域128からチャネル領域127を通ってドリフト領域124へ、次いでドレイン・パッド114へ流れることができる。
【0117】
図3Cに示すように、ゲート・フィンガ134をソース・メタライゼーション構造160から電気的に絶縁するために、金属間誘電体パターン150が、ゲート絶縁フィンガ132及びゲート・フィンガ134の上面及び側面を覆うように形成される。図3Cに示されていないが、金属間誘電体パターン150はまた、ゲート・パッド136及び/又はゲート・バス138をソース・メタライゼーション構造160から電気的に絶縁することができる。金属間誘電体パターン150は、それぞれのゲート・フィンガ134を覆う複数の個別の誘電体フィンガと、デバイスのゲート・パッド領域にさらなる誘電体構造とを含み得る。金属間誘電体パターン150は例えば、酸化ケイ素パターン、窒化ケイ素パターン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、又は、ケイ酸塩若しくは酸窒化物混合誘電体を形成するこれら若しくは他の酸化物及び窒化物と二酸化ケイ素との混合物のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0118】
ソース・メタライゼーション構造160は、金属間誘電体パターン150上に形成され得る。ソース・メタライゼーション構造160は、例えば拡散バリア層(例えば、1つ又は複数のチタン及び/又はタングステン含有層)及びバルク金属層(例えば、アルミニウム層)などの1つ又は複数の層を含み得る。
【0119】
図4A図4Fは、パワーMOSFET100のゲート抵抗器構造の設計を示す図3A図3CのパワーMOSFET100のゲート・パッド領域の横及び縦断面図である。図4Aの横断面は、パッシベーション層116及びゲート・ボンド・パッド110が取り除かれている、図3Aに示すゲート・パッド領域「A」に対応する。図4Bは、図4Aの4B-4Bの線に沿ってとられた概略縦断面である。図4Aにおいて省略されているゲート・ボンド・パッド110及びパッシベーション層116は、完全性のために図4Bに示されている。図4A図4Bとの間に示す点線は、2つの図における構造間の対応を示す。図4Bにおける4A-4Aの線は、図4Aの横断面がとられる、MOSFET100の垂直「段」を示す。
【0120】
図4A図4Bに示すように、ゲート・パッド136は、ゲート・ボンド・パッド110の下に形成されている。金属間誘電体層150は、ゲート・パッド136をソース・メタライゼーション160から電気的に絶縁する。ゲート・パッド136の下側において半導体層構造120上にフィールド酸化層140(例えば、厚い酸化ケイ素層)が形成されている。フィールド酸化層140の上面にポリシリコン層170が形成されている。ポリシリコン層170は、ゲート・パッド136の下にある連続層とすることができる。ポリシリコン層170はまた、(図4Bの側縁に示すように)デバイスの活性領域へ延在してもよく、それぞれのゲート絶縁フィンガ132の上部にゲート・フィンガ134を形成するようにパターニングされてもよい。ゲート・パッド136が、ポリシリコン層170の上面に形成され、ゲート・ボンド・パッド110が、ゲート・パッド136の上面に形成されている。ゲート・パッド136及びゲート・ボンド・パッド110は、モノリシック構造又は2つ以上の別個の層を含み得る。ゲート・バス138は、金属間誘電体層150及びポリシリコン層170の上部に形成されている。ゲート・バス138は、ゲート・パッド136ほど半導体層構造120の上に遠くに延びていないため、金属間誘電体層150がゲート・バス138の上面を覆う。金属間誘電体層150は、ゲート・パッド136及びゲート・バス138をソース・メタライゼーション構造160から電気的に絶縁する。
【0121】
ポリシリコン層170は、ドープされたポリシリコン層とすることができ、任意の適切な様式で形成され得る。例えば、いくつかの実施例では、ドープされたポリシリコン層170は、(例えば、成長時に導入されるドーパント種による低圧化学気相堆積炉における)堆積によって形成され得る。他の実施例では、ドープされたポリシリコン層170は、ドープされていないポリシリコン層170として堆積されてもよく、その後、イオン注入によりドープされてもよい。さらに他の実施例では、ポリシリコン層170は、ドープされていないポリシリコン層170として堆積されてもよく、次いで、拡散によりドープされてもよい。
【0122】
図4Cは、ゲート・バス138のデバイス構造における段において断面がとられた、パワーMOSFET100の領域「A」の概略横断面図である。図4Cに示すように、金属間誘電体パターン150の内側部分152が、ゲート・パッド136をゲート・バス138から隔てている。ゲート・バス138は、ゲート・パッド136を囲むことができ、図3Bに示すように、ゲート・ボンド・パッド110に印加されるゲート信号をゲート・フィンガ134に搬送するようにMOSFET100全体を通って延びることができる。金属間誘電体パターン150の外側部分154が、ゲート・バス138をソース・メタライゼーション160から隔てている。金属間誘電体層150の内側部分152及び外側部分154は、いくつかの実施例ではモノリシック構造であってもよい(図4Dを参照)。
【0123】
図4Dは、図4Cの4D-4Dの線に沿ってとられた概略縦断面である。図4Dの断面は、図4Bの断面と同様であるが、図4Dの縦断面は、図4Dにおける異なる位置で(すなわち、ゲート・パッド136を通るのではなく金属間誘電体パターン150の長断面を通って)とられている。図4A図4Dはともに、ゲート電流がゲート・パッド136からゲート・バス138へ直接流れることができないように金属間誘電体パターン150がどのようにゲート・パッド136をゲート・バス138から電気的に絶縁するかを示す。図4Dにおける4C-4Cの線は、図4Cの横断面がとられる、MOSFET100の段を示す。
【0124】
図4Eは、ポリシリコン半導体層170のうちゲート・パッド136の下にある部分のデバイス構造における段において断面がとられた、パワーMOSFET100の領域「A」の概略横断面図である。図4Fは、図4Eの4F-4Fの線に沿ってとられた概略縦断面である。図4Fにおける4E-4Eの線は、図4Eの横断面がとられる、MOSFET100の段を示す。
【0125】
図4E図4Fに示すように、金属間誘電体パターン150は、ゲート・パッド136及びゲート・バス138の下にあるポリシリコン層170に延出して誘電体アイランドを形成する下方突起156を含む。これらの誘電体アイランド156は、ポリシリコン層170を内側領域172と外側領域174とに分離する。隣り合う誘電体アイランド156間の開口158にポリシリコン・パターン176が存在し、したがって、ポリシリコン・パターン176を介してポリシリコン層170の内側部分172と外側部分174との間に電流が流れることができる。したがって、各開口158におけるポリシリコン・パターン176は、ゲート・ボンド・パッド110に印加されるゲート電流がゲート・パッド136を通って、次いで、開口158にあるポリシリコン・パターン176を通ってポリシリコン層170の外側部分174に流れることを可能にするそれぞれの電流経路であって、ゲート電流が次いで、ゲート・バス138に流れ込むことができる、それぞれの電流経路を提供する。開口158(すなわち、内側部分172と外側部分174との間にあるポリシリコン領域)にあるポリシリコン・パターン176は、ゲート構造130の抵抗を増大させるのに使用され得る集中ゲート抵抗器176として働く。
【0126】
図4G及び図4Hは、図4Eのそれぞれ4G-4Gの線及び4H-4Hの線の位置における、MOSFET100を通してとられた縦断面である。
【0127】
図4Gを参照すると、バイアス電圧がゲート・ボンド・パッド110に印加される場合、ゲート電流がゲート・パッド136に下方へ流れ、ポシリシコン層170の内側部分172に流れ込む。ゲート電流は、ゲート抵抗器176を通って流れ、次いで、少なくとも抵抗経路に従ってゲート・バス138に流れ込む。ゲート電流は主として、ポリシリコン層170のうち内側部分172を外側部分174につなぐ部分の上面に又はその近くに流れ、電流がゲート・バス138に流れ込むことができるとすぐにポリシリコン層170を出る。ポリシリコン層170は、ゲート・ボンド・パッド110、ゲート・パッド136及びゲート・バス138を形成するのに使用される金属よりも実質的に高い抵抗を有し、そのため、ゲート電流経路のうちポリシリコン層170を通って流れる部分は、ゲート・パッド136とゲート・バス138との間でゲート電流経路に挿入される集中ゲート抵抗器176として働き得る。
【0128】
図4Hを参照すると、いくつかの位置において、金属間誘電体層150がポリシリコン・パターン170全体を通って下地フィールド酸化層140に延びていることを見てとることができる。結果として、電流は、図4Hの断面において示す、デバイスの部分において、ポリシリコン層170の内側部分172から外側部分174に流れることができない。換言すると、ゲート電流は、図4Eに示す誘電体アイランド156間の開口158を通ってしかポリシリコン層170の内側部分172からその外側部分174に流れることができない。したがって、複数の集中ゲート抵抗器176がポリシリコン層170に形成される。各集中ゲート抵抗器176の抵抗は、開口158の寸法(すなわち、その長さ及び幅)とポリシリコン材料(又はゲート抵抗器層の他の材料)のシート抵抗とに応じて決まる。開口の数及び/又は開口158の寸法は、集中ゲート抵抗器176の全集中抵抗が所望の抵抗値を有することができるように様々であり得る。
【0129】
再び図2Aを参照すると、従来のパワーMOSFET10が、集中ゲート抵抗器32を含む。集中ゲート抵抗器32は通常、ゲート・パッド22とゲート・バス24との間でゲート電流経路に沿って電気的に直列に配置されるポリシリコン・パターンとして実装される。ポリシリコン・パターンは、第1の導電型ドーパント(例えば、p型ドーパント)でドープされる。集中ゲート抵抗器32は、両方向(すなわち、ゲート・パッド22からゲート・バス24及びゲート・バス24からゲート・パッド22)に流れるゲート電流を伝導する。したがって、図2Aの従来のパワーMOSFET10における集中ゲート抵抗器32によって提供される集中ゲート抵抗は、一定の値を有する(すなわち、集中ゲート抵抗値は、デバイス・ターンオン時及びデバイス・ターンオフ時に同じである)。
【0130】
図2Bを参照しながら上述したように、本発明の実施例によるパワーMOSFETは、ゲート・パッドとゲート・バスとの間に電気的に直列にそれぞれ配置される、1つ又は複数の第1のゲート抵抗器回路及び1つ又は複数の第2のゲート抵抗器回路の両方を含み得る。図5Aは、図3A図4HのパワーMOSFET100のゲート・パッド136とゲート・バス138との間の電気的接続を示す回路図である。
【0131】
図5Aに示すように、ゲート・パッド136は、複数の第1のゲート抵抗器回路180及び複数の第2のゲート抵抗器回路190を介してゲート・バス138に結合される。各第1のゲート抵抗器回路180及び各第2のゲート抵抗器回路190は、ゲート・パッド136とゲート・バス138との間に電気的に直列に配置される。第1のゲート抵抗器回路180及び第2のゲート抵抗器回路190は、互いと電気的に並列に配置される。各第1のゲート抵抗器回路180は、第1のゲート抵抗器182及び第1のダイオード184を含む。各第2のゲート抵抗器回路190は、第2のゲート抵抗器192及び第2のダイオード194を含む。描かれた実施例では、図5Aに示すように、第1のダイオード184は、第1のゲート抵抗器182内に実装され、第2のダイオード194は、第2のゲート抵抗器192内に実装される。他の実施例では、第1のダイオード184及び/又は第2のダイオード194は、第1のゲート抵抗器182/第2のゲート抵抗器192とは別個に実装されてもよく、それぞれの第1のゲート抵抗器182及び/又は第2のゲート抵抗器192と電気的に直列に配置されてもよいことが理解されるであろう。第1のダイオード184及び第2のダイオード194はそれぞれの第1のゲート抵抗器182及び第2のゲート抵抗器184のどちらかの側又は両方の側にあってもよいことが理解されるであろう。
【0132】
図5Bは、図5Aの第1のゲート抵抗器回路180及び第2のゲート抵抗器回路190の1つの実施態様を示す概略図である。図5Bに示すように、各第1のゲート抵抗器回路180は、p型半導体材料の第2のセクション186とp型半導体材料の第3のセクション187との間に配置されるn型半導体材料の第1のセクション185を含み得る。n型半導体材料の第1のセクション185は、p型半導体材料の第2のセクション186及びp型半導体材料の第3のセクション187の両方に直接接触することができる。半導体材料の第1~第3のセクション185~187は、第1のゲート抵抗器182を形成することができる。n型半導体材料の第1のセクション185とp型半導体材料の第2のセクション186との間のp-n接合が、第1のダイオード184を形成することができる。第1のダイオード184は、順バイアスされると左から右(すなわち、ゲート・パッド136からゲート・バス138)に電流を伝導する。第1のダイオード184は、右から左(すなわち、ゲート・バス138からゲート・パッド136)への電流の流れを阻止する。
【0133】
n型半導体材料の第1のセクション185をp型半導体材料の第3のセクション187に短絡させる第1の金属コネクタ188が設けられている。n型半導体材料の第1のセクション185とp型半導体材料の第3のセクション187との間で移動する電流は、第1の金属コネクタ188を通って流れ、したがって、n型半導体材料の第1のセクション185とp型半導体材料の第3のセクション187との交点において形成されるp-n接合が有効にバイパスされる。第1の金属コネクタ188は例えば、誘電体層(例えば、上述した金属間誘電体層150)を第1のゲート抵抗器回路180の上に形成し、次いで、金属間誘電体層150を通るビア159を形成し、ビア159の底部に第1の金属コネクタ188を形成する金属を堆積させることによって、形成され得る。これは、図5Cに概略的に示されている。金属コネクタ188は、第1のゲート抵抗器182の第1の内部部分をゲート抵抗器182の第2の内部部分に電気的に接続する。
【0134】
再び図5Bを参照すると、各第2のゲート抵抗器回路190は、p型半導体材料の第2のセクション196とp型半導体材料の第3のセクション197との間に配置されるn型半導体材料の第1のセクション195を含み得る。n型半導体材料の第1のセクション195とp型半導体材料の第3のセクション197との間のp-n接合は、第2のダイオード194を形成することができる。第2のダイオード194は、順バイアスされると右から左(すなわち、ゲート・バス138からゲート・パッド136)に電流を伝導する。第2のダイオード194は、左から右(すなわち、ゲート・パッド136からゲート・バス138)への電流の流れを阻止する。n型半導体材料の第1のセクション195をp型半導体材料の第2のセクション196に短絡させる第2の金属コネクタ198が設けられている。n型半導体材料の第1のセクション195とp型半導体材料の第2のセクション196との間で移動する電流は、第2の金属コネクタ198を通って流れ、したがって、n型半導体材料の第1のセクション195とp型半導体材料の第2のセクション196との交点において形成されるp-n接合が有効にバイパスされる。第2の金属コネクタ198は、第1の金属コネクタ188と同じ様式で形成され得る。
【0135】
実例の実施例では、セクション185~187及び195~197を形成するのに使用される半導体材料は、ポリシリコンとすることができる。各セクション185~187及び195~197の導電型は他の実施例では逆であってもよいことも理解されるであろう。
【0136】
上記の考察が明らかにするように、デバイス・ターンオン時及びデバイスの動作時、ゲート電流は、第1のゲート抵抗器回路180だけを通って流れ、第2のゲート抵抗器回路190を通って流れることはない。デバイス・ターンオフ時、ゲート電流は、第2のゲート抵抗器回路190だけを通って流れ、第1のゲート抵抗器回路180を通って流れることはない。図4Eを再び参照すると、複数のゲート抵抗器回路176は、MOSFET100においてゲート・パッド136の下に形成されている。ゲート抵抗器回路176のいくつかは、第1のゲート抵抗器回路180を含み得るのに対し、ゲート抵抗器回路176の他のものは、第2のゲート抵抗器回路190を含み得る。いくつかの実施例では、ターンオン動作時対ターンオフ動作時に種々の集中ゲート抵抗値を有するようにMOSFET100を構成するために、第1のゲート抵抗器回路180及び第2のゲート抵抗器回路190のそれぞれは、同じ形状/サイズを有することができ、第1のゲート抵抗器回路180の数は、第2のゲート抵抗器回路190の数とは異なるものとすることができる。他の実施例では、MOSFET100は、同じ数の第1のゲート抵抗器回路180及び第2のゲート抵抗器回路190を有し得るが、第1のゲート抵抗器回路180及び第2のゲート抵抗器回路190の少なくともいくつかは、ターンオン動作時対ターンオフ動作時の抵抗値が異なるように異なるサイズ/形状を有してもよい。なおさらなる実施例では、第1のゲート抵抗器回路の数は、第2のゲート抵抗器回路の数と異なっていてもよく、第1のゲート抵抗器回路180及び第2のゲート抵抗器回路190のサイズ/形状は様々であってもよい。さらなる又は他のパラメータは、ターンオン動作時対ターンオフ動作時に、半導体材料、ドーピング・レベルなどのような種々の集中ゲート抵抗値を有するようにMOSFET100を構成するために変化させられ得ることも理解されるであろう。ゲート電流がデバイス・ターンオン時及びデバイス・ターンオフ時の両方においてこれらのゲート抵抗器を通って流れるように関連のスイッチを有しないいくつかの集中ゲート抵抗器が設けられてもよい。いくつかの実施例では、デバイス・ターンオン時のゲート抵抗は、デバイス・ターンオフ時のゲート抵抗とは少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%又は少なくとも50%異なり得る。
【0137】
いくつかの実施例では、第1のゲート抵抗器回路180及び第2のゲート抵抗器回路190は「互いに組み合わせる(interdigitated)」ことができ、これは、(デバイスのエッジに直接隣り合う任意の第1のゲート抵抗器回路180を除く)各第1のゲート抵抗器回路180が2つの第2のゲート抵抗器回路190に直接隣り合うことができる(すなわち、第2のゲート抵抗器回路190が各第1のゲート抵抗器回路180の両側にある)こと、及び、同様に、(デバイスのエッジに直接隣り合う任意の第2のゲート抵抗器回路190を除く)各第2のゲート抵抗器回路190が2つの第1のゲート抵抗器回路180に直接隣り合うことができる(すなわち、第1のゲート抵抗器回路180が各第2のゲート抵抗器回路190の両側にある)ことを意味する。これは、デバイスのバランスをさらに向上させるのを助け得る。他の組み合わせ設計が用いられ得る(例えば、複数対の第1のゲート抵抗器回路180が2対の第2のゲート抵抗器回路190間に挿入され、その逆の場合もある)ことが理解されるであろう。いくつかの実施例では、各第1のゲート抵抗器回路180が、少なくとも1つの第2のゲート抵抗器回路190に直接隣り合っていてもよい。
【0138】
図6は、図5Aの第1のゲート抵抗器回路180及び第2のゲート抵抗器回路190の別の可能な実施態様を示す概略図である。図6に示すように、各第1のゲート抵抗器回路180は、n型半導体材料の第1のセクション185及びp型半導体材料の第2のセクション186しか含まないものとすることができ、各第2のゲート抵抗器回路190は、n型半導体材料の第1のセクション195及びp型半導体材料の第3のセクション197しか含まないものとすることができる。図6に示す第1のゲート抵抗器回路180及び第2のゲート抵抗器回路190の設計は例えば、ポリシリコン層170のうちゲート・パッド136及びゲート・バス138の下にある部分(図4A図4Hを参照)が除去され、ゲート・パッド136及びゲート・バス138がポリシリコン層170のうち省かれたそれぞれの部分に取って代わるように拡張される(すなわち、ゲート・パッド136及びゲート・バス138がフィールド酸化層140の上面に直接接触するように拡張される)場合に、使用され得る。この設計では、第1のゲート抵抗器回路180及び第2のゲート抵抗器回路190は、一方の側が金属ゲート・パッド136に、他方の側が金属ゲート・バス138に直接接触するため、各第1のゲート抵抗器回路180及び第2の抵抗器回路190に単一のp-n接合が設けられ得る。この設計は、短絡される必要がある第2のp-n接合が存在しないため、第1の金属コネクタ188及び第2の金属コネクタ198のいかなる必要性もなくす。
【0139】
図7は、第1のゲート抵抗器回路及び第2のゲート抵抗器回路について異なる設計を有する、本発明のさらなる実施例によるパワーMOSFET200を示す回路図である。パワーMOSFET200は、パワーMOSFET100の第1のゲート抵抗器回路180及び第2のゲート抵抗器回路190の代わりにパワーMOSFET200において第1のゲート抵抗器回路280及び第2のゲート抵抗器回路290が用いられることを除き、上述したパワーMOSFET100と同一とすることができる。図2B及び図7を比較することによって見てとることができるように、パワーMOSFET200において、第1のゲート抵抗器回路280及び第2のゲート抵抗器回路290は、それぞれの第1のゲート抵抗器282及び第2のゲート抵抗器292と、パワーMOSFET100に含まれる第1のダイオード184及び第2のダイオード194に取って代わるそれぞれの第1のトランジスタ284及び第2のトランジスタ294とを含む。第1のゲート抵抗器282及び第2のゲート抵抗器292は例えば、図5Bに示す第1のゲート抵抗器182及び第2のゲート抵抗器192と同じ設計を有してもよく、トランジスタ284、294のゲートは、n型半導体材料の第1のセクション185、195の上に形成されてもよく(p型半導体材料の第2のセクション186~187及びp型半導体材料の第3のセクション196~197の縁にわたって延びていてもよく)、間にゲート絶縁層(図示せず)が配置されている。信号がトランジスタ284、294のゲートに印加されて、ゲート電流がデバイス・ターンオン時及びデバイスの動作時に第1のゲート抵抗器回路280だけを通って流れることを可能にするとともに、ゲート電流がデバイス・ターンオフ時に第2のゲート抵抗器回路290だけを通って流れることを可能にし得る。
【0140】
本発明の上述した実例はすべて、パワーMOSFET設計を含んでいるが、本発明の実施例はこれに限定されないことが理解されるであろう。特に、本明細書において開示される集積非対称ゲート抵抗器設計は、MOSFET、IGBT、JFET、サイリスタ、GTO又は任意の他のゲート制御デバイスを含む、任意のゲート制御デバイスにおいて使用される得ることが理解されるであろう。
【0141】
上記の考察は主としてプレーナ型MOSFETに焦点を当てているが、開示する実施例のすべては同様に、ゲート・フィンガが半導体層構造におけるトレンチ内に形成されるMOSFET(又は他のゲート制御パワー半導体デバイス)において使用することができることが理解されるであろう。例えば、図8は、MOSFET100の変更形態であるMOSFET300の概略断面図である。図8のMOSFET300は、半導体層構造において形成されるプレーナ・ゲート・フィンガを有することとは対照的に、半導体層構造320におけるトレンチ321内に形成されるゲート・フィンガ334を含む。図8に示すように、MOSFET300は、トレンチ321が半導体層構造320においてエッチングされる(又は他の方法で形成される)とともにゲート絶縁フィンガ332及びゲート・フィンガ334が次いでそれぞれのトレンチ321内に形成されることを除き、図3CのMOSFET100と非常に類似し得る。さらに、逆バイアス動作時にゲート絶縁フィンガ332を保護するためにp型シールド領域329が各トレンチ321のすべて又は一部の下に形成されてもよく、p型シールド領域329をソース・メタライゼーション160に電気的に接続するpシールド接続領域331が設けられてもよい。したがって、本発明の実施例によるゲート抵抗器が、図8のデバイスのような、ゲート・トレンチを有するゲート制御デバイスにおいて、また、プレーナ型ゲート・フィンガを有するデバイスにおいて実装され得ることが理解されるであろう。
【0142】
上述したように、デバイス・ターンオン時及びデバイス・ターンオフ時の非対称なデバイス挙動により、様々なゲート制御パワー半導体デバイスがアンバランスなスイッチング挙動を呈する可能性がある。本発明の実施例によれば、デバイス・ターンオン時及びターンオフ時に種々の抵抗値を呈する集積ゲート抵抗器回路を含むパワー半導体デバイスが提供される。そのような種々の抵抗値を適用することによって、スイッチングのバランスが改善され得る。
【0143】
上述したように、非対称ゲート抵抗の使用は、パワー半導体デバイス・ターンオン及びターンオフのスイッチング挙動のバランスを有利に改善し得る。非対称ゲート抵抗は、比較的大きな抵抗値を有する単一の集中ゲート抵抗器を使用するのではなく、比較的小さな抵抗値を有する複数の個別集中ゲート抵抗器としてパワー半導体デバイスの集中ゲート抵抗器を実装することによって達成され得る。比較的小さな集中ゲート抵抗器のそれぞれは、ダイオードのようなスイッチと直列に結合され得、ダイオードのうちのいくつかは、電流がゲート・パッドからゲート・フィンガへ第1の方向に流れることを可能にするように構成されるのに対し、ダイオードの他のものは、ゲート・フィンガからゲート・パッドへ第2の(反対)方向に電流が流れることを可能にするように構成される。このようにして、ゲート・パッドからゲート・フィンガに流れる電流は、集中ゲート抵抗器の第1のサブセットを通って流れることにより、パワー半導体デバイスに流れ込む電流について第1のゲート抵抗値をもたらし、ゲート・フィンガからゲート・パッドへ流れる電流が、集中ゲート抵抗器の第2の(異なる)サブセットを通って流れることにより、パワー半導体デバイスから流れる電流について第2のゲート抵抗値をもたらす。第1のゲート抵抗及び第2のゲート抵抗は、パワー半導体デバイスの性能パラメータを最適化するために種々の値に設定され得る。
【0144】
比較的大きな抵抗値を有する単一の集中ゲート抵抗器の代わりに比較的小さな抵抗値を有する複数の個別集中ゲート抵抗器を用いることのさらなる利点は、この技法によりゲート抵抗器が互いから離間していることが可能になることである。MOSFET又はIGBTなどのゲート制御パワー半導体デバイスがそのオフ状態からそのオン状態へ、又は逆にそのオン状態からそのオフ状態へ移行するときはいつでも、一定量のゲート電流がデバイスのゲート構造に流れ込む必要がある。このゲート電流は、デバイスのスイッチング速度を制御するために、及び/又は、十分なゲート抵抗が存在しない場合に所望でないループ挙動により生じる可能性がある電気リンギング及びノイズを低減させるために、集中ゲート抵抗器を通って流れるように設計される。全ゲート抵抗は、集中ゲート抵抗器の抵抗と、ゲート・フィンガ(典型的にはポリシリコンである)とゲート・フィンガをゲート・パッドに電気的に接続するゲート・バス(ゲート・バスは典型的には金属であるが、代替的にポリシリコン又は他の材料であってもよい)とのシート抵抗によって設定される分布ゲート抵抗と、を含む。MOSFETなどのパワー半導体デバイスのゲートを変更する場合の全ゲート抵抗に起因するエネルギー損失はMOSFETを変更するのに必要とされるエネルギーに等しいことを以下のように示すことができ、すなわち、
エネルギー損失=0.5g_total ΔVgs
であり、式中、Qg_totalは全ゲート電荷であり、ΔVgsは、ゲートの変更による生じるゲート対ソース電圧の変化である。
【0145】
パワー半導体デバイスのゲートが放電してデバイスをオン状態からオフ状態に移行させるときはいつでも、同じ量のエネルギーが損失する。したがって、1つの完全なスイッチング・サイクルについて、損失するエネルギーは、Qg_total ΔVgsに等しい。このエネルギー損失は、パワー半導体デバイスのスイッチング周波数(FSW)に等しい速度で生じる。したがって、全直列ゲート抵抗における平均電力散逸を、以下、すなわち
平均電力散逸=Qg_total ΔVgs SW
として求めることができる。
【0146】
典型的には、集中ゲート抵抗は、全直列ゲート抵抗の有意な部分を表し、したがって、電力散逸の有意な部分が集中ゲート抵抗器において生じ得る。電力は熱として放散し、この熱は次いで、パワー半導体デバイスの温度がデバイスについての所望の動作温度範囲内に維持されることを確実にするために半導体デバイスから取り除かれねばならない。
【0147】
上述したように、集中ゲート抵抗器は、部品数を低減するとともにデバイス性能を高めることができるため、パワー半導体ダイに形成され得る。パワー半導体デバイスは、例えば、200℃以上の温度などの高温で動作するように設計され得る。デバイスの性能は、より高い温度では劣化する可能性があり、十分に高い温度での動作は平均して、パワー半導体デバイスの性能故障をもたらしかねない。
【0148】
従来のパワー半導体デバイスでは、集中ゲート抵抗は典型的に、所望の集中ゲート抵抗値を達成するように選択される長さ及び幅を有するポリシリコン材料のシートにゲート電流を強制的に通すことによって形成される単一の集中ゲート抵抗器として実装される。集中ゲート抵抗は、ρL/(Wt)として求めることができ、式中、ρは材料(ここではポリシリコン)の抵抗率であり、Wは幅であり、Lは長さであり、tは厚さである。上述したように、ゲートの充電及び放電時に生じる電力損失の有意な部分は、集中ゲート抵抗器において散逸され、集中ゲート抵抗器が電力を熱に変換し、この熱は次いで、デバイスから除去されねばならない。これは典型的に、デバイスを通ってヒート・シンクなどの冷却媒体に至る熱放散経路を提供することによって達成される。典型的には、ヒート・シンクは、半導体層構造の「底」又は「後」側に取り付けられるのに対し、集中ゲート抵抗器は、半導体層構造の上側に形成される。したがって、集中ゲート抵抗器において生じた熱は主として、半導体層構造を通ってヒート・シンクに伝導することによってデバイスから放散される。
【0149】
集中ゲート抵抗器からの熱は、半導体層構造を通って移動するにつれ、半導体層構造の温度を増加させる。温度の増加は、熱伝導の法則を用いて、以下、すなわち
ΔT=P th
として計算することができ、式中、Pは熱流であり、Rthは半導体層構造の熱抵抗である。
【0150】
パワー半導体デバイスの半導体層構造などの媒体の熱抵抗は、媒体の断面積(すなわち、矩形断面を有する媒体について、媒体の長さに媒体の幅を乗算)、媒体の厚さ、及び媒体の熱伝導率に基づいて得ることができる。しかしながら、集中ゲート抵抗器の場合、熱放散媒体(ここでは半導体層構造)に接触する集中ゲート抵抗器の表面積は、熱放散媒体の表面積よりもはるかに小さい。したがって、熱は、小さな表面積を有する第1の表面の一部を通って半導体層構造に入り、はるかに大きな表面積を有する第2の表面の一部を通って半導体層構造を出る。したがって、熱は、半導体層構造を通ってその厚さ方向に移動するだけでなく、側方に拡散する。側方の熱拡散は、熱流面積を拡大させるように働く。熱流面積の拡大は、熱拡散媒体の有効熱抵抗を低減させ、その結果、熱放散が向上する。熱流面積の増加の正味の効果は、半導体層構造の温度の増加を一定に保ちつつ、より多くの熱を除去することができること、又は代替的に、半導体層構造の温度の正味の増加を減らしつつ、熱除去の量を一定に保つことができることである。
【0151】
図9は、集中ゲート抵抗器Rにおいて生じた熱が半導体層構造SLSを通してどのように放散されるかを示す概略図である。図9に示すように、幅W及び長さLを有する単一の集中ゲート抵抗器Rが、半導体層構造SLSの上面に形成されている。図9に示すように、集中ゲート抵抗器Rから半導体層構造SLSに導入された熱は、半導体層構造SLSを形成するのに使用される材料に関連した熱拡散角度αに従って半導体層構造SLSにおいて拡散し、半導体層構造の底面のうち幅W及び長さLを有する領域を出る。したがって、熱は、表面積Aout=W を有する領域を通って半導体層構造を出る。図9から見てとることができるように、単一の集中ゲート抵抗器Rによって生じる熱が半導体層構造SLSを出るのに通る、半導体層構造SLSの底面の部分の表面積Aoutは、熱拡散角度αと半導体層構造SLSの厚さTとに応じて決まり、集中ゲート抵抗器Rの底面の表面積(Ain=W )よりもはるかに大きいものとすることができる。
【0152】
本発明の実施例によれば、従来のパワー半導体デバイスに設けられる上述した単一の集中ゲート抵抗器Rは、パワー半導体デバイスの熱放散特性を向上させるために、互いから離間している複数のより小さな集中ゲート抵抗器Rに分散され得る。上述したように、従来の単一の集中ゲート抵抗器Rのみが半導体層構造SLSの上面に小面積を占めることを考えると、デバイス動作時に集中ゲート抵抗器Rによって生じる熱は、半導体層構造SLSを通って放散するほどしか半導体層構造SLSを通って側方に拡散することができず、したがって、熱のすべては、半導体層構造SLSの比較的小さな領域を通って放散することになり、半導体層構造SLSのこの部分の温度を著しく増加させる。従来のパワー半導体デバイスにおいて使用される単一の大きな集中ゲート抵抗器Rの代わりに複数のより小さな離間した集中ゲート抵抗器Rを用いることによって、パワー半導体デバイスの熱放散が著しく向上し得る。最初の試験結果は、この手法が、パワー半導体デバイスの「堅牢性」を約4倍高め得ることを示唆しており、堅牢性とは、デバイスがより高い電力レベルで動作することができることを指す。
【0153】
いくつかの実施例では、より小さな集中ゲート抵抗器Rは、任意の対の隣り合う集中ゲート抵抗器Rによって放散された熱が半導体層構造SLSの種々の部分を通るような量、別々に拡散され得る。これは、図10Aに関して示されており、図10Aは、複数のより小さな集中ゲート抵抗器Rg1~Rg3において生じた熱が半導体層構造SLSを通ってどのように放散されるかを示す概略図である。図10Aに示すように、3つの比較的小さな集中ゲート抵抗器Rg1~Rg3が、厚さTを有する半導体層構造の上面に形成されている。より小さな集中ゲート抵抗器Rのそれぞれは、図9に示す単一のより大きな集中ゲート抵抗器Rの抵抗の1/3を有し得る。好ましくは、より小さな集中ゲート抵抗器Rのそれぞれは、そのそれぞれの熱出力領域Aoutが重ならないように離間している。図9及び図10Aを比較することによって容易に明らかであるように、図10Aにおける3つの領域Aoutが占める面積は、単一の集中ゲート抵抗器Rに関連した図10Aにおける対応する面積Aoutよりも著しく大きいものであり得る。
【0154】
他の実施例では、より小さな集中ゲート抵抗器Rは、任意の対の隣り合う集中ゲート抵抗器Rによって放散された熱が半導体層構造SLSの種々の部分を実質的に通るような量、別々に拡散され得るものとすることができる。図10Bは、そのような実施例を示す。図10Bにおいて、2つのより小さな集中ゲート抵抗器Rg1及びRg2が示されている。集中ゲート抵抗器Rg1によって生じた熱は、第1のエリアAを通って半導体層構造SLSの底面を出て、集中ゲート抵抗器Rg2によって生じた熱は、第2のエリアAを通って半導体層構造SLSの底面を出る。第1のエリアA及び第2のエリアAは、部分的に重なり、この重なり領域は重なりエリアAと称される。上述したように、いくつかの実施例では、集中ゲート抵抗器Rg1、Rg2は、2つの抵抗器によって放散された熱が半導体層構造SLSの種々の部分を実質的に通るような量、別々に拡散され得る。この文脈において、「実質的に」とは、図10Bに示す第1のエリアA及び第2のエリアAの合計が重なりエリアAの少なくとも10倍(すなわち、A+A≧10)であることを意味する。換言すると、両方の集中ゲート抵抗器Rg1、Rg2からの熱は、対の第1のゲート抵抗器及び第2のゲート抵抗器からの熱が半導体層構造を出るエリアのわずか10%について半導体層構造を出る。例えば、第1のエリアAは、A=W =(2tan(α)+W(2tan(α)+L)として求めることができる。
【0155】
第1のエリアA及び第2のエリアAの重なりをほとんど又は全く有していないことが熱放散の最も大きな向上を提供し得る一方、より大きな重なり量により性能の向上が依然として達成され得ることが理解されるであろう。したがって、他の実施例では、図10Bに示す第1のエリアA及び第2のエリアAの合計は、重なりエリアAの少なくとも8倍(すなわち、A+A≧8)、重なりエリアAの少なくとも5倍(すなわち、A+A≧5)、重なりエリアAの少なくとも2倍(すなわち、A+A≧2)、又は重なりエリアAの少なくとも1.5倍(すなわち、A+A≧1.5)であり得る。
【0156】
従来のデバイスにおける単一の集中ゲート抵抗器の代わりに用いられる、より小さな集中ゲート抵抗器の数は、様々な考慮事項に基づいて選択され得る。一般的に言えば、(集中ゲート抵抗の全体値を一定に保ちつつ)より小さな集中ゲート抵抗器の数が増えることは、熱放散について半導体層構造の底部における利用可能なエリアが完全に使用されるまで、有効熱抵抗を低減させる(したがって、熱放散を向上させる)。その時点で、集中ゲート抵抗器をさらに細分割することは、有効熱抵抗に対するいかなる影響も有しない。図10A図10Bに示すように、集中ゲート抵抗器のうちの第1の集中ゲート抵抗器によって生じた熱が集中ゲート抵抗器のうちの隣り合う第2の集中ゲート抵抗器によって生じた熱として半導体層構造SLSの同じ領域を通って出ないようにするために、第1の集中ゲート抵抗器及び第2の集中ゲート抵抗器の対面し合う側縁は、少なくとも2tan(α)の距離だけ隔てられるべきである。
【0157】
図11Aは、従来のパワー半導体デバイス400の概略平面(上面)図である。図11Bは、図11Aの従来のパワー半導体デバイス400のゲート・パッド領域の拡大図である。
【0158】
図11Aに示すように、パワー半導体デバイス400は、ゲート・パッド410と、ゲート・バス420と、集中ゲート抵抗器430と、測定パッド440と、ソース・メタライゼーション450とを含む。測定パッド440は実際には、従来のパワー半導体デバイス400の一部ではないが、ゲート抵抗の正確な測定を可能にするために含まれる追加機能を表す。この特定のデバイスにおいて、ゲート・パッド410は、デバイス400の上部左隅に配置されている。ゲート・バス420は、パワー半導体デバイス400の周囲のおよそほとんどに延びているとともにデバイスの内部にも延びている連続ゲート・バス420を形成するように相互接続されている複数のゲート・バス・セグメント422-1~422-7を含む。ゲート・バス420の第1のセグメント422-1及び第2のセグメント422-2は、それぞれの第1のギャップ424-1及び第2のギャップ424-2によってゲート・パッド410から離間している。ゲート抵抗器430は、ゲート・パッド410を第1のゲート・バス・セグメント422-1に電気的に接続するためにゲート・パッドと第1のゲート・バス・セグメント422-1との間で第1のギャップ424-1の一部に挿入されている。ゲート抵抗器430は、ゲート・パッド410とゲート・バス420との間の唯一の電気的接続を表す。したがって、ゲート電流が外部ソースからゲート・パッド410に印加されると、ゲート電流の全体が、ゲート抵抗器430を通って、次いで、ゲート・バス420へ、ゲート・バスからゲート・フィンガ(図示せず)へ流れる。ゲート・パッド410からゲート抵抗器430を通してのゲート・バス420への電流経路は、図11Bにおける拡大図に最もよく見てとることができる。
【0159】
測定パッド440は、集中ゲート抵抗器430の正確な測定を可能にするために設けられている。集中ゲート抵抗器430の抵抗を測定するために、ゲート・パッド410及び測定パッド440にプローブが配置され得る。
【0160】
図12Aは、本発明のさらなる実施例によるパワー半導体デバイス500の概略平面図である。図12Bは、図12Aのパワー半導体デバイス500のゲート・パッド領域の拡大図である。
【0161】
図12A図12Bを参照すると、パワー半導体デバイス500は図11A図11Bのパワー半導体デバイス400と非常に類似していることを見てとることができる。特に、パワー半導体デバイス500は、ゲート・パッド510と、ゲート・バス・セグメント522-1~522-7を含むゲート・バス520と、測定パッド540と、ソース・メタライゼーション550とを含み、それらのすべてが、パワー半導体デバイス400の対応する構成部材と同じ位置に配置されている。パワー半導体デバイス500は、パワー半導体400の大きな集中ゲート抵抗器430の代わりにパワー半導体デバイス500では複数のより小さな集中ゲート抵抗器530-1~530-10が用いられるという点で、パワー半導体デバイス400とは異なる。より小さな集中ゲート抵抗器530は、ゲート・パッド510とゲート・バス520との間に、ゲート・パッド510とそれぞれゲート・バス・セグメント522-1、522-2との間の第1のギャップ524-1又は第2のギャップ524-2のどちらかにわたって延びている。ゲート抵抗器530は、ゲート・パッド510をゲート・バス520に電気的に接続する。ゲート抵抗器530は、誘電体パターンによって互いから離間している(すなわち、ギャップ524-1、524-2がゲート抵抗器530及び誘電体材料(図示せず)で満たされている)。各ゲート抵抗器530は、長さL、幅W及び厚さTを有する。長さは、デバイスの半導体層構造の主面に対して平行であるとともにゲート・パッド510の縁であってそこからゲート抵抗器530が延びている縁に対して垂直である軸に沿ってゲート抵抗器530が延びている距離を指す。換言すると、各ゲート抵抗器530の長さ方向は、ギャップ524にわたって延びている方向である。第1のギャップ524-1及び第2のギャップ524-2は、異なる垂直方向に延びているため、第1のギャップ524-1にわたって延びているゲート抵抗器530の長さ方向は、第2のギャップ524-2にわたって延びているゲート抵抗器530の長さ方向に対して垂直である。各ゲート抵抗器530の幅は、デバイスの半導体層構造の主面に対して平行であるとともにゲート抵抗器530の長さに対して垂直である軸に沿ってゲート抵抗器530が延びている距離を指す。ゲート抵抗器530の厚さは、半導体層構造の主面に対して垂直である方向におけるゲート抵抗器の広がりを指す。図12A図12Bの実施例では、各ゲート抵抗器530の長さはその幅と略同じである。
【0162】
ゲート電流が外部ソースからゲート・パッド510に印加されると、ゲート電流は、ゲート電流のそれぞれの部分がそれぞれのゲート抵抗器530を通ってゲート・バス520へ、ゲート・バス520からゲート・フィンガ(図示せず)へ流れるように分流する。各ゲート抵抗器530が略同じサイズであるため、同様の量のゲート電流が各ゲート抵抗器530を通って流れるが、電流の量は、各ゲート抵抗器530に見られるゲート・バス520の抵抗における差によりいくらかの変動を有する。
【0163】
図13Aは、別の従来のパワー半導体デバイス600の概略平面図である。図13Bは、図13Aの従来のパワー半導体デバイス600のゲート・パッド領域の拡大図である。図13Cは、図13Aの従来のパワー半導体デバイス600に含まれる集中ゲート抵抗器630の一部の拡大図である。
【0164】
図13A図13Bを参照すると、従来のパワー半導体デバイス600は、ゲート・パッド610と、ゲート・バス620と、単一の集中ゲート抵抗器630と、測定パッド640と、ソース・メタライゼーション650とを含む。測定パッド640は実際には、従来のパワー半導体デバイス600の一部ではないが、ゲート抵抗の正確な測定を可能にするために含まれる追加機能を表す。デバイス600において、ゲート・パッド610は、デバイスの2つの他の側縁間の略中間でデバイス600の第1の側縁の隣に配置される。ゲート・バス620は、パワー半導体デバイス600の周囲のおよそほとんどに延びているとともに平面図で見た場合にデバイスの内部にも延びている連続ゲート・バス構造を形成するように相互接続されている複数のゲート・バス・セグメント622-1~622-10を含む。ゲート・バス620の第1のセグメント622-1~第5のセグメント622-5は、それぞれの第1のギャップ624-1~第5のギャップ624-5によってゲート・パッド610から離間している。単一の集中ゲート抵抗器630は、ゲート・パッド610をゲート・バス620に電気的に接続するようにゲート・パッド610と第1のゲート・バス・セグメント622-1との間の第1のギャップ624-1の一部に挿入されている。ゲート抵抗器630は、ゲート・パッド610とゲート・バス620との間の唯一の電気的接続であり、そのため、外部ソースからゲート・パッド610に印加されるいかなるゲート電流もの全体が、ゲート抵抗器630を通ってゲート・バス620へ、ゲート・バス620からゲート・フィンガ(図示せず)へ流れる。
【0165】
ゲート・パッド610の下側部分は、ゲート・パッド610が逆L字形を有する(代替的に、例えばL字形を有し得る)ようにゲート・パッド610の上部よりも広い。図13Cを参照すると、ゲート抵抗器630の拡大平面図が示されている。見てとることができるように、ゲート抵抗器は、実例の実施例では、Xミクロンの長さ及び約4X~8Xミクロンの幅を有する。
【0166】
図14Aは、本発明のなおさらなる実施例によるパワー半導体デバイス700の概略平面図である。図14Bは、図14ABのパワー半導体デバイス700のゲート・パッド領域の拡大図である。図14Cは、図14Aのパワー半導体デバイス700に含まれる、より小さな集中ゲート抵抗器730のうちのいくつかの拡大図である。
【0167】
図14A図14Bを参照すると、パワー半導体デバイス700は図13A図13Cのパワー半導体デバイス600と同様であることを見てとることができる。特に、パワー半導体デバイス700は、ゲート・パッド710と、ゲート・バス・セグメント722-1~722-10を含むゲート・バス720と、測定パッド740と、ソース・メタライゼーション750とを含み、それらのすべてが、パワー半導体デバイス600の対応する構成部材と同じ位置に配置されている。パワー半導体デバイス700は、パワー半導体600の単一の大きな集中ゲート抵抗器630の代わりにパワー半導体デバイス700では多数のより小さな集中ゲート抵抗器730が用いられるという点で、パワー半導体デバイス600とは異なる。より小さな集中ゲート抵抗器730のそれぞれは、ゲート・パッド710とゲート・バス720との間に延びている。特に、集中ゲート抵抗器730は、ゲート・パッド710の6つの側面すべてから延びている。図14A図14Bから、半導体デバイス700を平面図で見た場合に集中ゲート抵抗器730がゲート・パッド710を実質的に囲んでいることを見てとることができる。ゲート・パッド710は、ゲート・パッド710の周りをずっと延びている連続ギャップ724によってゲート・バス720から隔てられている。集中ゲート抵抗器730は、このギャップ724にわたって延びている。集中ゲート抵抗器730は、ゲート・パッド710をゲート・バス720に電気的に接続する。集中ゲート抵抗器730は、他の実施例ではゲート・パッド710の側面のすべてより少ない側面から外方に延びていてもよいことが理解されるであろう。例えば、集中ゲート抵抗器730は、他の実施例ではゲート・パッド710の側面の1つ、2つ、3つ、4つ又は5つの側面から延びていてもよい。見てとることができるように、集中ゲート抵抗器730は、ゲート・パッド710の対向し合う側から外方に延びていてもよい。例えば、集中ゲート抵抗器730は、図14Aの図ではゲート・パッド710の上側面及び下側面から延びており、及び/又は、ゲート・パッド710の左側面及び右側面の両方から延びていてもよい。
【0168】
図14A図14Bに示すように、集中ゲート抵抗器730のいくつかは、ゲート・バス720のうち、半導体デバイス700の第1の外縁(ここでは、図14A図14Bの平面図における上側外縁)に沿って延びている部分に接触するように、ゲート・パッド710の側縁から外方に延びている。集中ゲート抵抗器は通常、この位置に位置決めされないであろう。いくつかの実施例では、集中ゲート抵抗器730のうちの第1の集中ゲート抵抗器は、ゲート・バス720のうち、半導体デバイス700の第1の外縁に沿って延びている部分に接触し得るのに対し、集中ゲート抵抗器730のうち第2の集中ゲート抵抗器は、ゲート・バス720の第1の直線セグメントであって、ゲート・バス720のうち、半導体デバイス700の活性領域を通ってゲート・バス720の第1の直線セグメントに対して垂直に延びている第2の直線セグメントに接触する、第1の直線セグメントに接触し得る。例えば、図14A図14Bを参照すると、第1の集中ゲート抵抗器730(4個の集中ゲート抵抗器730のうちの1つである)は、ゲート・パッド710の側縁から延びて、半導体デバイス700の外縁に沿って延びているゲート・バス・セグメント722-3の一部に接触し得るのに対し、第2の集中ゲート抵抗器730(6個の集中ゲート抵抗器730のうちの1つである)は、ゲート・バス・セグメント722-1に接触し、このゲート・バス・セグメント722-1が次いでゲート・バス・セグメント722-2に接触しており、ゲート・バス・セグメント722-2は、ゲート・バス・セグメント722-1に対して垂直に延びているとともに半導体デバイス700の活性領域を通って延びている。
【0169】
いくつかの実施例では、半導体デバイス700は、少なくとも4個の集中ゲート抵抗器730を含み得る。他の実施例では、半導体デバイス700は、少なくとも8個の集中ゲート抵抗器730、少なくとも12個の集中ゲート抵抗器730、少なくとも16個の集中ゲート抵抗器730、少なくとも20個の集中ゲート抵抗器730、少なくとも24個の集中抵抗器730、又は少なくとも32個の集中ゲート抵抗器730を含み得る。
【0170】
集中ゲート抵抗器730は、誘電体パターンによって互いから離間している。換言すると、各対の隣り合う集中ゲート抵抗器730間に誘電体材料(例えば、二酸化ケイ素)が設けられている。集中ゲート抵抗器730は、熱放散を向上させるために略等しい量だけ互いから離間しているものとすることができる。集中ゲート抵抗器730をゲート・パッド710の6つの側面すべてから延びさせることによって、パワー半導体デバイス700の熱放散性能が向上し得る。各ゲート抵抗器730は、ゲート抵抗器530を参照しながら上述したようにして画定される長さL、幅W及び厚さTを有する。各ゲート抵抗器730の長さLは、その幅Wよりも大きいものとすることができる(描かれた実施例では、長さは幅の4倍よりも大きい)。
【0171】
集中ゲート抵抗器730は、いくつかの実施例では、隣り合う集中ゲート抵抗器730から略均一に離間しているものとすることができる。さらに、いくつかの実施例では、集中ゲート抵抗器730は、隣り合う集中ゲート抵抗器730間の間隔よりも小さい幅を有し得る。これは熱放散を高め得る。例えば、図14Cを参照すると、第1、第2及び第3の集中ゲート抵抗器730-1~730-3が、ゲート・パッド710の第1の側面から延びているものとすることができ、第2の集中ゲート抵抗器730-2が第1の集中ゲート抵抗器730-1及び第3の集中ゲート抵抗器730-3に直接隣り合うとともに第1の集中ゲート抵抗器730-1と第3の集中ゲート抵抗器730-3との間にある。第2の集中ゲート抵抗器730-2の幅W(ここでは、各集中ゲート抵抗器730は同じ幅を有する)は、第1の集中ゲート抵抗器730-1と第2の集中ゲート抵抗器730-2との間の第1の距離Dよりも小さいものとすることができ、第2の集中ゲート抵抗器730-2の幅Wはまた、第2の集中ゲート抵抗器730-2と第3の集中ゲート抵抗器730-3との間の第2の距離Dよりも小さいものとすることができる。いくつかの実施例では、DはDに等しいものとすることができる。実例の実施例では、Lは、Wの3~6倍の大きさであり得る。いくつかの実施例では、第1の距離Dは、第2の集中ゲート抵抗器730-2の幅Wの2倍を超える、3倍を超える、又はさらには4倍を超えるものとすることができ、及び/又は、第2の距離Dは、第2の集中ゲート抵抗器730-2の幅Wの2倍を超える、3倍を超える、又はさらには4倍を超えるものとすることができる。
【0172】
図15A及び図15Bは、集中ゲート抵抗器のアスペクト比の選択がどのように熱放散を向上させ得るかを示す、図14Cに概ね対応する概略平面図である。図15Aに示すように、パワー半導体デバイス800は、ゲート・パッド810とゲート・バス820との間に延びている複数の集中ゲート抵抗器830を有する。各ゲート集中抵抗器は、50任意単位(例えば、ミクロン)の長さL及び20任意単位の幅Wを有し、集中ゲート抵抗器830の隣り合う集中ゲート抵抗器は、距離D=70任意単位だけ互いから離間している。図15Bは、パワー半導体デバイス800と同じ集中ゲート抵抗器全体を有するパワー半導体デバイス800’を示すが、パワー半導体デバイス800’では、各集中ゲート抵抗器830’が100任意単位(例えば、ミクロン)の長さL及び50任意単位の幅Wを有し、集中ゲート抵抗器830’の隣り合う集中ゲート抵抗器が距離D=50任意単位だけ互いから離間している。
【0173】
上述したように、各集中ゲート抵抗器830において生じた熱は、パワー半導体デバイス800の半導体層構造を通って伝播するにつれて側方に拡散する。熱放散を最大限にするために、集中ゲート抵抗器830のうちの第1の集中ゲート抵抗器によって生じた熱は、半導体層構造のうち、集中ゲート抵抗器830の隣り合う第2の集中ゲート抵抗器によって生じた熱と同じ部分を通って出るべきではない。したがって、隣り合う集中ゲート抵抗器をこの条件が満たされるよう、十分に互いから離間しているように配置することが有利である。
【0174】
図15A及び図15Bを比較することによって見てとることができるように、隣り合う集中ゲート抵抗器830間の距離を増加させるために、全集中ゲート抵抗が一定に保たれるべきである場合、各集中ゲート抵抗器830の長さを短縮することが必要である。図15A図15Bに示す実例では、パワー半導体デバイス800’におけるゲート抵抗器830’の長さを半分にすることによって、隣り合うゲート抵抗器間の距離を50~70に増加させることができる。公差及び他の考慮事項が集中ゲート抵抗器の長さを過度に小さくさせることができることを低減させつつ、一般的に言えば、いくつかの実施例では、長さを幅又は各ゲート抵抗器よりも著しくより大きくさせないことが有利であるとすることができ、いくつかの場合では、長さよりも大きい幅を有するゲート抵抗器を有することが有利であるとすることができる。
【0175】
したがって、いくつかの実施例では、集中ゲート抵抗器730のいくつか又はすべての長さLは、それぞれの集中ゲート抵抗器730の幅Wの5倍未満とすることができる。他の実施例では、集中ゲート抵抗器730のいくつか又はすべての長さは、それぞれの集中ゲート抵抗器730の幅Wの3倍未満又は2倍未満とすることができる。いくつかの実施例では、集中ゲート抵抗器730の略すべては、そのそれぞれの幅Wの2倍未満の長さLを有し得る。いくつかの実施例では、少なくとも1つの集中ゲート抵抗器730は、その幅Wよりも小さい長さLを有し得る。
【0176】
図14A図14Cを再び参照すると、ゲート電流が外部ソースからゲート・パッド710に印加されると、ゲート電流の全体は、ゲート電流のそれぞれの部分がそれぞれのゲート抵抗器730を通ってゲート・バス720へ、ゲート・バス720からゲート・フィンガ(図示せず)へ流れるように分流する。各ゲート抵抗器730が略同じサイズであるため、同様の量のゲート電流が各ゲート抵抗器730を通って流れるが、電流の量は、各ゲート抵抗器730に見られるゲート・バス720の抵抗における差によりいくらかの変動を有する。
【0177】
単一の大きな集中ゲート抵抗器の性能を複数のより小さな集中ゲート抵抗器の性能と比較するために、図13A図13C及び図14A図14Cに示すデバイスを製造し、次いで、様々な試験に付した。これらの試験は、直流試験、パルス試験、及び高周波試験を含んだ。試験時、アクティブ・ヒート・シンクに試験デバイスを取り付けた。
【0178】
DC試験について、5つのDC電圧パルスをゲートに印加し、その場合、パルスを5秒間印加し、次いで5秒間除去した。集中ゲート抵抗器が加熱(オン)及び冷却(オフ)間隔で定常状態に達することを可能にするのに5秒パルスで十分であると判定された。印加DC電圧は、試験パワー半導体デバイスのそれぞれが故障するまで漸増的に増加させた。パルス試験について、10マイクロ秒の持続時間を有するパルスをそれぞれ被試験デバイスのゲートに印加した。パルスの大きさはデバイスが故障するまで増加させた。
【0179】
図13A図13Cのパワー半導体デバイス600は、27.5ボルトの印加電圧及び1.5Ampの電流でDC試験に失敗し、したがって、41.25ワットの電力レベルで故障した。これに対し、図14A図14Cのパワー半導体デバイス700は、45ボルトの印加電圧及び4.9Ampの電流でDC試験に失敗し、したがって、220ワットの電力レベルで故障した。パルス試験に関して、複数のサンプルに対して、図13A図13Cのパワー半導体デバイス600は、55ワット~160ワットの間の電力レベルで故障したが、図14A図14Cのパワー半導体デバイス700のサンプルは常に約700ワットの電力レベルで故障した。これら試験結果は、図14A図14Cのパワー半導体デバイス700の堅牢性が、図13A図13Cのパワー半導体デバイス600の堅牢性よりも約4倍優れていることを示唆する。
【0180】
高周波試験について、高周波パルスをゲートに10分の期間印加し、その場合、パルスのオン時間及びオフ時間は等しかった。500kHz~2.5MHzの間のスイッチング周波数で試験を行った。図13A図13Cのパワー半導体デバイス600のサンプルは、2MHzのスイッチング周波数で400~410℃の間の温度で故障した。これに対し、図14A図14Cのパワー半導体デバイス700のサンプルは、2.25~2.5MHzのスイッチング周波数で450~500℃の温度で依然として機能していた。これらサンプルでの試験は、デバイスのいくつかの部分が高いデバイス温度によりはんだ剥離した後で終了した。
【0181】
本発明の実施例による半導体デバイスは、ワイド・バンドギャップ半導体層構造の上部に延びているゲート電極を有し得るか、又は、ワイド・バンドギャップ半導体層構造において形成されたトレンチ内に延びているゲート電極を有し得ることが理解されるであろう。
【0182】
単一の集中ゲート抵抗器の代わりに複数の集中ゲート抵抗器を用いることは、いくつかの理由から直感的ではない。単一の大きな集中ゲート抵抗器が使用される場合、フォトマスク及び実際のエッチングの両方における意図しないばらつき及び/又は公差により生じる可能性があるエッチング変動は、もっぱら単一の集中ゲート抵抗器の外側境界に沿って生じる。結果として、所望の値からの総変動量を低減させる又は最低限にすることができる。複数のより小さな集中ゲート抵抗器が代わりに使用される場合、外側境界全体における増加により変動量が増加する。この増加の結果、抵抗量のより大きな変動が生じる可能性があり、デバイス故障の可能性も増大し得る。さらに、集中ゲート抵抗器の目標は、純粋な集中抵抗器を提供することである。集中ゲート抵抗器を分布させることは、複数の集中ゲート抵抗器が、分布した抵抗挙動を呈する可能性をもたらす。したがって、当業者は、本発明の設計概念から遠ざかっていることになるであろう。しかしながら、単一の大きな集中ゲート抵抗器は、半導体層構造の小領域の温度を実質的に上昇させる可能性があり、これが時期尚早のデバイス故障を引き起こし得る。したがって、単一の大きな集中ゲート抵抗器の代わりに複数のより小さな離間した集中ゲート抵抗器を用いることによって、パワー半導体デバイスの性能全体を向上させることができる。
【0183】
本発明の実施例によるパワー半導体デバイスに含まれるドープされたポリシリコン層は例えば、ゲート・フィンガ、ゲート抵抗器、及び場合によってはゲート・バスを形成するのに使用され得る。これらの層は、エピタキシャル成長時にドープされ、イオン注入によってドープされ、及び/又は拡散プロセスによりドープされ得る。これらの層をイオン注入によりドープすることは、イオン注入プロセスが多結晶層をより小さな結晶に分解する傾向があるため、ドーピング・プロファイルの均一性を向上させ得、より小さな結晶サイズによりシート抵抗の均一性が向上し得る。BF2などの高濃度ドーパント・イオンが結晶をより小さな単位に分解するという優れた役目を果たすため、それらが使用され得る。高濃度ドーパントを使用してイオン注入によりドープすることは、10~20%の範囲から5~10%の範囲にゲート抵抗の均一性を向上させ得る。
【0184】
本明細書において開示されたゲート抵抗器設計は、MOSFET、IGBT、JFET、サイリスタ、GTOなどを含む、任意のゲート制御デバイスにおいて使用され得る。
【0185】
本発明の実施例による集中ゲート抵抗器に接触するゲート金属(例えば、ゲート・パッド、ゲート・バス)は、集中ゲート抵抗器とオーミック・コンタクトを形成し得る。そのようなオーミック・コンタクトを形成する適切な金属は、アルミニウム、チタン及び/又は窒化チタンを含む。
【0186】
上述した半導体デバイスは、その上側面にソース・ボンド・パッドと、その底側面にドレイン・パッドとを有するn型デバイスであるが、p型デバイスではこれらの位置は逆になることが理解されるであろう。さらに、上述したパワーMOSFET、及び、本明細書において説明した他のデバイスは炭化ケイ素ベースの半導体デバイスであるとして示されているが、本発明の実施例はそれらに限定されないことが理解されるであろう。その代わりに、半導体デバイスは、例えば、窒化ガリウム・ベースの半導体デバイス、及び、II~VI族化合物半導体デバイスを含む、パワー半導体デバイスにおける使用に適切ないかなるワイド・バンドギャップ半導体も含み得る。
【0187】
本明細書において使用される場合、「横断面」という用語は、半導体層構造の底面によって画定された面に対して平行である面に沿ってとられた断面を指す。
【0188】
本発明の実施例が示されている添付の図面を参照しながら、本発明を上記で説明してきた。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書において記載された実施例に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施例は、本開示が徹底的且つ完全なものとなるように、また、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提示される。図面において、層及び領域のサイズ及び相対サイズは、明確にするために誇張されている場合がある。要素又は層が別の要素又は層「の上に」ある、「に接続される」又は「に結合される」と言及される場合、その要素又は層は、他の要素又は層上に直接にある、他の要素又は層に直接接続する又は直接結合することができ、或いは介在する要素又は層が存在してもよいことが理解されるであろう。これに対し、要素が、別の要素又は層「上に直接ある」、別の要素又は層に「直接接続される」又は「直接接続される」と言及される場合、介在する要素又は層は存在しない。本明細書において使用される場合、「及び/又は」という用語は、関連する列挙された事項のうちの1つ又は複数のあらゆるすべての組み合わせを含む。同様の数字は、はっきりと指摘されている場合を除き、全体を通じて同様の要素を指す。
【0189】
本明細書において、第1の、及び、第2の、という用語が様々な領域、層及び/又は要素を説明するために使用されているが、これらの領域、層及び/又は要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことが理解されるであろう。これらの用語は、1つの領域、層又は要素を別の領域、層又は要素と区別するために使用されているにすぎない。したがって、本発明の範囲から逸脱しない限り、以下に述べられる第1の領域、層又は要素は、第2の領域、層又は要素と称され得、同様に、第2の領域、層、又は要素は、第1の領域、層又は要素と称され得る。
【0190】
「下側」又は「底」、及び「上側」又は「上」などの相対的な用語は、図面に示されるような、1つの要素の別の要素に対する関係を説明するために、本明細書において使用される場合がある。相対的な用語は、図面において描かれている向きに加え、デバイスの種々の向きを包含することを意図していることが理解されるであろう。例えば、図面におけるデバイスがひっくり返されると、他の要素の「下側」面にあると記載された要素は、他の要素の「上側」面に向けられるであろう。したがって、例示的な用語「下側」は、図の特定の向きに応じて、「下側」及び「上側」の両方の向きを包含することができる。同様に、図のうちの1つにおけるデバイスがひっくり返されると、他の要素「の下に」又は「の下方に」として記述された要素は、この他の要素「の上方に」向けられるであろう。したがって、例示的な用語「の下に」又は「の下方に」は上及び下の両方の向きを包含することができる。
【0191】
本発明において使用される術語は、特定の実施例を説明するだけのためのものであって、本発明を限定することを意図したものではない。本明細書において使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、文脈がそうではないことを明確に示していない限り、複数形も含むことが意図される。「含む、備える(comprises)」、「含む、備える(comprising)」、「含む(includes)」及び/又は「含む(including)」という用語は、本明細書において使用される場合、記述される機構、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ又は複数の他の機構、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除するものではないことがさらに理解されるであろう。本明細書において、「複数の」という用語は、「少なくとも2つ」を意味する。本明細書において、半導体デバイスの2つの要素は、半導体デバイスの半導体層構造の主面に対して垂直である軸がそれら要素の両方を通って延びている場合、「縦方向に」重なる」。
【0192】
本発明の実施例は、概略説明図である断面説明図を参照しながら本明細書において説明されている。したがって、例えば、製造技術及び/又は公差の結果として、説明図の形からの変形が想起されることになる。したがって、本発明の実施例は、本明細書において例示される領域の特定の形に限定されるものと解釈されるべきではなく、例えば、製造に起因する形の逸脱を含むことになる。例えば、矩形として図示された注入領域は一般に、その縁において、丸みのある若しくは湾曲した特徴、及び/又は、注入領域から非注入領域への2値的な変化ではなく注入濃度の勾配を有する。したがって、図に示されている領域は、本質的に概略的であり、それらの形状はデバイスの領域の実際の形状を示すことを意図しておらず、本発明の範囲を限定することを意図しない。
【0193】
本明細書において開示される実施例は組み合わせることができることが理解されるであろう。したがって、第1の実施例に関して描かれ、及び/又は、説明されている特徴は、第2の実施例においても同様に含まれ得、逆もまた同じである。
【0194】
上記の実施例は特定の図を参照しながら説明されるが、本発明のいくつかの実施例が付加的な及び/又は介在する層、構造、又は要素を含み得、及び/又は、特定の層、構造、又は要素は、削除され得ることを理解されたい。本発明のいくつかの例示的な実施例が説明されたが、本発明の新規な教示及び利点から実質的に逸脱することなく、多くの変更が例示的な実施例において可能であることを、当業者は容易に理解するであろう。したがって、すべてのそのような変更は、特許請求の範囲に記載の本発明の範囲内に含まれることを意図している。したがって、上述したことは本発明の例示であり、開示される特定の実施例に限定されるものと解釈されるべきではなく、開示された実施例に対する変更は、他の実施例と同様に添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されていることを理解されたい。本発明は、請求項の均等物が含まれるものとする、添付の特許請求の範囲によって定義される。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
【手続補正書】
【提出日】2024-03-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート・パッドと、
ゲート・バスと、
前記ゲート・パッドと前記ゲート・バスとの間に電気的に挿入されるゲート抵抗器構造と
を含み、前記ゲート抵抗器構造は、前記ゲート・パッドから前記ゲート・バスへ流れる電流に関して第1の抵抗と、前記ゲート・バスから前記ゲート・パッドへ流れる電流に関して第2の抵抗とを有し、前記第1の抵抗は、前記第2の抵抗とは異なる、半導体デバイス。
【請求項2】
複数のユニット・セル・トランジスタを有する活性エリアを含むワイド・バンドギャップ半導体層構造をさらに含み、
前記ゲート・パッド、前記ゲート・バス及び前記ゲート抵抗器構造は、前記ワイド・バンドギャップ半導体層構造の上側面にある、請求項に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記ゲート抵抗器構造の前記上側面に直接ある内部誘電体パターンをさらに含む、請求項に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記ゲート抵抗器構造は、
複数の第1のゲート抵抗器と、
複数の第1のスイッチと、
複数の第2のゲート抵抗器と、
複数の第2のスイッチと
を含む、請求項からまでのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記複数の第1のゲート抵抗器のそれぞれ及び前記複数の第1のスイッチのうちのそれぞれの第1のスイッチは、前記ゲート・パッドと前記ゲート・フィンガとの間に結合され、前記複数の第2のゲート抵抗器のそれぞれ及び前記複数の第2のスイッチのうちのそれぞれの第2のスイッチは、前記ゲート・パッドと前記ゲート・フィンガとの間に結合されている、請求項に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記複数の第1のスイッチのそれぞれは、第1のダイオードを含み、前記複数の第2のスイッチのそれぞれは、第2のダイオードを含む、請求項に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記第1のダイオードのそれぞれは、前記複数の第1のゲート抵抗器のうちのそれぞれの第1のゲート抵抗器内に実装され、前記第2のダイオードのそれぞれは、前記複数の第2のゲート抵抗器のうちのそれぞれの第2のゲート抵抗器内に実装されている、請求項に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記第1のダイオードは、順バイアスされると電流が前記ゲート・パッドから前記ゲート・バスへ流れることを可能にするように構成され、前記第2のダイオードは、順バイアスされると電流が前記ゲート・バスから前記ゲート・パッドへ流れることを可能にするように構成されている、請求項に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記複数の第1のゲート抵抗器のそれぞれ及び前記複数の第2のゲート抵抗器のそれぞれは、n-p-n接合を形成している、n型半導体材料の第1のセクション、p型半導体材料の第2のセクション、及びp型半導体材料の第3のセクションを含む、請求項に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記複数の第1のゲート抵抗器のうちのそれぞれの第1のゲート抵抗器の前記第1のセクションを前記複数の第1のゲート抵抗器のうちのそれぞれの第1のゲート抵抗器の前記第3のセクションにそれぞれ短絡させる複数の第1の金属コネクタと、
前記複数の第2のゲート抵抗器のうちのそれぞれの第2のゲート抵抗器の前記第1のセクションを前記複数の第2のゲート抵抗器のうちのそれぞれの第2のゲート抵抗器の前記第2のセクションにそれぞれ短絡させる複数の第2の金属コネクタと
をさらに含む、請求項に記載の半導体デバイス。
【国際調査報告】