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特表2024-5268833D TSVパッケージ用の高温特性に優れた非導電性フィルム用の樹脂組成物
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  • 特表-3D  TSVパッケージ用の高温特性に優れた非導電性フィルム用の樹脂組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】3D TSVパッケージ用の高温特性に優れた非導電性フィルム用の樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 101/00 20060101AFI20240711BHJP
   C08L 79/08 20060101ALI20240711BHJP
   C08L 63/00 20060101ALI20240711BHJP
   C08L 61/06 20060101ALI20240711BHJP
   C08K 3/013 20180101ALI20240711BHJP
   C08K 5/3445 20060101ALI20240711BHJP
   C08L 33/06 20060101ALI20240711BHJP
【FI】
C08L101/00
C08L79/08
C08L63/00 C
C08L61/06
C08K3/013
C08K5/3445
C08L33/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503551
(86)(22)【出願日】2022-07-21
(85)【翻訳文提出日】2024-03-19
(86)【国際出願番号】 US2022037829
(87)【国際公開番号】W WO2023014509
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】63/224,366
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D-40589 Duesseldorf,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 克博
(72)【発明者】
【氏名】バイ、 ジエ
(72)【発明者】
【氏名】ジュオ、 キジュオ
(72)【発明者】
【氏名】チャン、 ジェームス ソンウク
(72)【発明者】
【氏名】シム、 ギュ チャン
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002BG031
4J002BH021
4J002CD041
4J002CD051
4J002CD061
4J002CD071
4J002CE001
4J002DJ016
4J002EU117
4J002FB287
4J002FD016
4J002FD147
4J002FD200
4J002FD340
4J002GQ05
(57)【要約】
【解決手段】
本開示は、フィルムを形成するための組成物、及び三次元シリコン貫通ビア(3D TSV)パッケージにおける前記フィルムの使用に関する。特定の態様では、本開示は、1つ又は複数の樹脂、潜在的熱活性を有する1つ又は複数のイミダゾール、1つ又は複数の無機充填剤、及び1つ又は複数の添加剤を含む組成物、本開示の組成物から調製されたBステージフィルム、並びに本開示の組成物の硬化後に得られる硬化フィルムに関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マレイミド含有樹脂、ナジイミド含有樹脂、イタコンイミド含有樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリレート含有樹脂、及びフェノール含有樹脂から成る群から選択される1つ又は複数の樹脂、
潜在的熱活性を有する1つ又は複数のイミダゾール、
1つ又は複数の無機充填剤、並びに
接着促進剤及びフィルム形成剤から成る群から選択される1つ又は複数の添加剤、
を含む組成物であって、
前記組成物がフィルムを形成した後、フィルムが次の物理的性質:
動的機械分析(DMA)で測定したTg>200℃、
25℃での貯蔵弾性率<6.5GPa、
250℃での貯蔵弾性率>0.1GPa、及び
熱膨張係数(CTE)<250ppm/℃、
を有する、組成物。
【請求項2】
前記組成物がフィルムを形成した後、フィルムが次の物理的性質:
動的機械分析(DMA)で測定されるTg>230℃、
25℃での貯蔵弾性率<5GPa、
230℃での貯蔵弾性率>0.3GPa、及び
熱膨張係数(CTE)<120ppm/℃、
を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記潜在的活性を有するイミダゾールが、少なくとも2つの電子求引基を含むイミダゾールである、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記イミダゾールが、2位の電子求引基を含む置換イミダゾールであり、4位の置換基、5位の置換基、及び/又は1位の窒素上の置換基を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記イミダゾールが、イミダゾール環の電子密度を低下させる及び/又はイミダゾールの反応性を弱める有機基から独立して選択される少なくとも2つの電子求引基を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記イミダゾールが、置換又は非置換アリール基、シアノ(-CN)、ハロゲン化物(-X)、-CHO、-COOH、-NR(ここで、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、又は置換若しくは非置換アルキル基、シアノ(-CN)、ハロゲン化物(-X)、-CHO、-COOH、及び-NR(ここで、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、又は置換若しくは非置換アルキル基、及び酸素含有基から選択される)から独立して選択される1つ又は複数の基で置換されたアルキル基である)から成る群から独立して選択される少なくとも2つの電子求引基を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記イミダゾールが、ヒドロキシメチル及びフェニルから独立して選択される少なくとも2つの電子求引基を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記イミダゾールが、
【化1】
(式中、
は、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換アルケニル、置換又は非置換アルキニル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから成る群から選択され、
は、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換アルケニル、置換又は非置換アルキニル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから成る群から選択され、
は、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換アルケニル、置換又は非置換アルキニル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから成る群から選択され、
は、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換アルケニル、置換又は非置換アルキニル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから成る群から選択される)
で表され、
ただし、前記イミダゾールは少なくとも2つの電子求引基を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
が、C1-6アルキル及びCアリールから成る群から選択される、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記マレイミド含有樹脂が、
【化2】
(式中、各Rは、H及び置換又は非置換アルキルから成る群から独立して選択され;
各mは、0、1、2、3又は4から成る群から独立して選択され;
nは、0、1、2、3、4又は5である)、
で表される化合物である、
あるいは、
【化3】
(式中、nは0、1、2、3、4又は5である)
で表される化合物である、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記(メタ)アクリル樹脂が、
【化4】
(式中、nは0、1、2、3、4又は5である)
で表される、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記エポキシ樹脂が、
【化5】
(式中、nは0、1、2、3、4又は5であり、mは0、1、2、3、4又は5である)
で表される化合物である、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物がフィルムを形成した後、フィルムが次の物理的性質:
10℃/分のランプ速度でDSCによって測定された示差走査熱量測定(DSC)開始温度が130℃~250℃、及び
10℃/分のランプ速度でDHR2レオメーターを使用して、N中で測定された最低フィルム溶融粘度が10Pa・s~10,000Pa・s、
を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物がフィルムを形成した後、フィルムが次の物理的性質:
10℃/分のランプ速度でDSCによって測定された示差走査熱量測定(DSC)開始温度が150℃~190℃、及び
10℃/分のランプ速度でDHR2レオメーターを使用して、N中で測定された最低フィルム溶融粘度が400Pa・s~7,000Pa・s、
を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物がフィルムを形成した後、フィルムのDSC開始温度からDSCピーク温度までの△Tが、20℃未満又は15℃未満である、請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物がフィルムを形成した後、フィルムのDSC開始温度からDSCピーク温度までの△Tが、10℃未満又は5℃未満である、請求項1~15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載の組成物を調製する工程と;
前記組成物をフィルムに成型する工程と;
前記成型したフィルムを高温に曝露してフィルムを硬化させる工程と;
を含む、硬化フィルムを調製する方法。
【請求項18】
マレイミド含有樹脂、ナジイミド含有樹脂、イタコンイミド含有樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリレート含有樹脂、及びフェノール含有樹脂から成る群から選択される1つ又は複数の樹脂、
潜在的熱活性を有する1つ又は複数のイミダゾール、
1つ又は複数の無機充填剤、並びに
接着促進剤及びフィルム形成剤から成る群から選択される1つ又は複数の添加剤、
を含む組成物を調製する工程と;
前記組成物をフィルムに成型する工程と;
前記成型したフィルムを高温に曝露してフィルムを硬化させる工程と;
を含む、硬化フィルムを調製する方法。
【請求項19】
前記潜在的熱活性を有する1つ又は複数のイミダゾールが、1つ又は複数の少なくとも2つの電子求引基を含むイミダゾールである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記1つ又は複数のイミダゾールが、
【化6】
(式中、Rは、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換アルケニル、置換又は非置換アルキニル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから成る群から選択され、
は、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換アルケニル、置換又は非置換アルキニル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから成る群から選択され、
は、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換アルケニル、置換又は非置換アルキニル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから成る群から選択され、
は、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換アルケニル、置換又は非置換アルキニル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから成る群から選択される)
で表され、
ただし、前記イミダゾールは少なくとも2つの電子求引基を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
が、C1-6アルキル及びCアリールから成る群から選択される、請求項18~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記マレイミド含有樹脂が、
【化7】
(式中、各Rは、H及び置換又は非置換アルキルから成る群から独立して選択され;
各mは、0、1、2、3又は4から成る群から独立して選択され;
nは0、1、2、3、4又は5である)
で表される化合物である、
あるいは
【化8】
(式中、nは0、1、2、3、4又は5である)
で表される化合物である、請求項18~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記(メタ)アクリル樹脂が、
【化9】
(式中、nは0、1、2、3、4又は5である)
で表される、請求項18~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記エポキシ樹脂が、
【化10】
(式中、nは0、1、2、3、4又は5であり、mは0、1、2、3、4又は5である)
で表される化合物である、請求項18~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
請求項18~24のいずれか一項に記載の方法に従って調製される、硬化フィルム。
【請求項26】
前記フィルムが、次の物理的性質:
動的機械分析(DMA)で測定したTg>200℃、
25℃での貯蔵弾性率<6.5GPa、
250℃での貯蔵弾性率>0.1GPa、及び
熱膨張係数(CTE)<250ppm/℃、
を有する、請求項18~24のいずれか一項に記載の方法に従って調製されるフィルム。
【請求項27】
前記フィルムが、次の物理的性質:
動的機械分析(DMA)で測定されるTg>230℃、
25℃での貯蔵弾性率<5GPa、
230℃での貯蔵弾性率>0.3GPa、及び
熱膨張係数(CTE)<120ppm/℃、
を有する、請求項18~24のいずれか一項に記載の方法に従って調製されるフィルム。
【請求項28】
前記フィルムがアンダーフィルフィルムである、請求項25~27のいずれか一項に記載のフィルム。
【請求項29】
前記フィルムがウエハレベルアンダーフィルフィルム(WAUF)である、請求項25~28のいずれか一項に記載のフィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は、フィルムを形成するための組成物、及び三次元シリコン貫通ビア(3D TSV)パッケージにおける前記フィルムの使用に関する。特定の態様では、本開示は、1つ又は複数の樹脂、潜在的熱活性を有する1つ又は複数のイミダゾール、1つ又は複数の無機充填剤、及び1つ又は複数の添加剤を含む組成物、本開示の組成物から調製されるBステージフィルム、並びに本開示の組成物の硬化後に得られる硬化フィルムに関する。特定の態様では、本開示の組成物の硬化後に得られる硬化フィルムは、特定の物理的特性及び/又は物理的特性の組み合わせを有する。特定の態様では、本開示は、ウエハレベルアンダーフィルフィルム(WAUF)等の、本開示の組成物から調製されたアンダーフィルフィルムに関する。本開示のフィルムの実施形態は、例えば、熱圧着方法での使用に適している。
【背景技術】
【0002】
次世代の高性能3D TSVパッケージに目を向けるにつれて、材料業界は、フィルム材料(アンダーフィルフィルム材料等)の高温特性を改善する必要性に直面している。この目標の実現は、自動車、コンピューティング、ネットワーキング、及び通信業界全体の用途における熱安定性の向上、その結果としての信頼性の向上等の利点をもたらす可能性がある。フィルム材料の高温特性の改善に関連する可能性がある特徴としては、比較的高いTg(ガラス転移温度)、比較的低いCTE(熱膨張係数)、及び、例えば250℃での比較的高い弾性率が挙げられる。
【0003】
マレイミド含有樹脂を含むある種の従来の樹脂組成物から調製されたフィルムを熱圧着方法で使用する際に問題が生じている。例えば、場合によっては、マレイミド含有樹脂を含む特定の従来の樹脂組成物から調製されたBステージフィルムは、100℃未満~150℃のDSC開始温度を有することがある。このようなBステージフィルムを、ボンドヘッドの接触温度が100℃~150℃になる熱圧着方法で使用すると(例えば、ボンドヘッドの接触温度が130℃~210℃の方法で発生する場合)、はんだ接合時に材料の閉じ込めの問題が発生し得る。他の例では、マレイミド含有樹脂を含む従来の樹脂組成物から調製されたBステージフィルムは、はんだ(例えば、鉛フリーはんだ)の溶融温度より高いDSC開始温度、例えば、217℃より高いDSC開始温度を有する場合がある。このようなBステージフィルムを熱圧着方法で使用すると、場合によって、はんだ押出の問題が発生する可能性がある。場合によっては、1つ又は複数のマレイミド含有樹脂を含む従来の樹脂組成物から調製されたBステージフィルムが、例えば20℃を超える、約40℃等の、DSC開始温度からDSCピーク温度までの△Tを有する場合も、はんだ押出の問題が発生する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
少なくとも上で論じた考慮事項を考慮すると、1つ又は複数の樹脂、1つ又は複数の無機充填剤、及び1つ又は複数の添加剤を含む組成物、前記組成物から調製されるBステージフィルム、並びに前記組成物の硬化後に得られる硬化フィルムに関心がある。ここで、前記組成物は、潜在的熱活性を有する1つ以上のイミダゾールを含む。本明細書で使用される場合、潜在的熱活性を有するイミダゾールは、0.20gの量で1.0gのNC-3000-Lエポキシ樹脂(日本化薬)と組み合わせた場合、N中で室温から300℃まで10℃/分のランプ速度で、TAインスツルメント熱分析装置DSC Q20で測定したとき、少なくとも145℃のDSC開始温度及び少なくとも150℃のDSCピーク温度を示す組成物を生成するイミダゾールを指す。例えば、いくつかの実施形態では、潜在的熱活性を有するイミダゾールは、今説明したように分析すると、少なくとも145℃、少なくとも150℃、少なくとも155℃、少なくとも160℃、少なくとも165℃、少なくとも170℃、少なくとも175℃、又は少なくとも180℃のDSC開始温度を示す。例えば、いくつかの実施形態では、潜在的熱活性を有するイミダゾールは、今説明したように分析すると、145℃~180℃、例えば145℃~175℃、145℃~170℃、145℃~160℃、150℃~180℃、150℃~175℃、150℃~170℃、150℃~160℃、155℃~175℃、155℃~170℃、又は155℃~165℃のDSC開始温度を示す。いくつかの実施形態では、潜在的熱活性を有するイミダゾールは、今説明したように分析すると、少なくとも150℃、少なくとも155℃、少なくとも160℃、少なくとも165℃、少なくとも170℃、少なくとも175℃、又は少なくとも185℃のDSCピーク温度を示す。例えば、いくつかの実施形態では、潜在的熱活性を有するイミダゾールは、今説明したように分析すると、150℃~185℃、例えば150℃~180℃、150℃~175℃、150℃~170℃、150℃~165℃、150℃~160℃、160℃~180℃、165℃~175℃、又は160℃~170℃のDSCピーク温度を示す。
【0005】
疑念を避けるために、記載のように調製及び測定された組成物(すなわち、0.20gの潜在的熱活性を有するイミダゾール及び1.0gのNC-3000-Lエポキシ樹脂(日本化薬)を含む組成物)によって示されるDSC開始温度及び/又はDSCピーク温度は、潜在的熱活性を有する同じイミダゾールを含むが1つ又は複数の樹脂、又は複数の無機充填剤、及び/又は1つ又は複数の添加剤等の他の成分を含む組成物によって示されるDSC開始温度及び/又はDSCピーク温度と同じであっても異なってもよいと理解されるべきである。
【0006】
いくつかの実施形態では、潜在的熱活性を有するイミダゾールは、少なくとも2つの電子求引基を含む。
【0007】
比較すると、潜在的熱活性を有するイミダゾールを構成しないイミダゾールとしては、0.20gの量で1.0gのNC-3000-Lエポキシ樹脂(日本化薬)と組み合わせた場合、N中で室温から300℃まで10℃/分のランプ速度で、TAインスツルメント熱分析装置DSC Q20で測定したとき、145℃未満のDSC開始温度及び150℃未満のDSCピーク温度を示す組成物を生じるイミダゾールが挙げられる。
【0008】
非限定的な例として、4つのイミダゾールを上記のように分析した。具体的には、4つの別々の実験を実行した。各実験では、イミダゾールA、イミダゾールB、イミダゾールC、イミダゾールDのいずれか0.20gを、1.0gのNC-3000-Lエポキシ樹脂(日本化薬)と混合し、得られた組成物を、N中で室温から300℃まで10℃/分のランプ速度で、TAインスツルメント熱分析装置DSC Q20で測定した。DSC開始温度及びDSCピーク温度を測定した。結果を以下の表に示す。イミダゾールAは4-メチル-2-フェニル-1H-イミダゾール-5-メタノールである。イミダゾールBは2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾールである。イミダゾールCは2-フェニルイミダゾールである。イミダゾールDは2-エチル-4-メチル-1H-イミダゾール-1-プロパンニトリルである。
【0009】
【表1】
【0010】
試験条件:0.20gの各イミダゾールを1.0gのNC-3000-Lエポキシ樹脂(日本化薬)と混合し、得られた各組成物を、N中で室温から300℃まで10℃/分のランプ速度で、TAインスツルメント熱分析装置DSC Q20を使用して分析した。
【0011】
イミダゾールA及びイミダゾールBは、例示的な潜在的熱活性を有するイミダゾールであるが、イミダゾールC及びイミダゾールDは、本開示の文脈内では潜在的熱活性を有するイミダゾールとはみなされない。上に示したように、上記のように分析した場合、イミダゾールA又はイミダゾールBを含む組成物はそれぞれ、少なくとも145℃のDSC開始温度及び少なくとも150℃のDSCピーク温度を示したのに対し、イミダゾールC又はイミダゾールDを含む組成物はそれぞれ、145℃未満のDSC開始温度及び150℃未満のDSCピーク温度を示す。
【0012】
本開示の組成物の実施形態は、上で議論された問題に対処する。例えば、本開示の組成物から調製されたアンダーフィルフィルムの実施形態は、3D TSVスタッキング用途のための熱圧着方法等の熱圧着方法に適している。さらに、本開示の組成物から調製されたアンダーフィルフィルムの実施形態は、良好なダイコーナーカバレッジ、ギャップ充填、及び電気相互接続接合形成のうちの1つ又は複数を示す。
【0013】
いくつかの実施形態では、本開示の態様は、以下を対象とする:
1. マレイミド含有樹脂、ナジイミド含有樹脂、イタコンイミド含有樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリレート含有樹脂、及びフェノール含有樹脂から成る群から選択される1つ又は複数の樹脂、
潜在的熱活性を有する1つ又は複数のイミダゾール、
1つ又は複数の無機充填剤、及び
接着促進剤及びフィルム形成剤から成る群から選択される1つ又は複数の添加剤、
を含む組成物であって、
前記組成物がフィルムを形成した後、フィルムが次の物理的性質を有する組成物:
動的機械分析(DMA)で測定したTg>200℃、
25℃での貯蔵弾性率<6.5GPa、
250℃での貯蔵弾性率>0.1GPa、及び
熱膨張係数(CTE)<250ppm/℃。
【0014】
2. 前記潜在活性を有するイミダゾールが、少なくとも2つの電子求引基を含むイミダゾールである、実施形態1の組成物。
【0015】
3. 前記イミダゾールが、ヒドロキシメチル及びフェニルから独立して選択される少なくとも2つの電子求引基を含む、先行する実施形態のいずかの組成物。
【0016】
4. 前記イミダゾールが、
【0017】
【化1】
【0018】
(式中、
は、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ルケニル、置換又は非置換アルキニル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから成る群から選択され、
は、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ルケニル、置換又は非置換アルキニル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから成る群から選択され、
は、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ルケニル、置換又は非置換アルキニル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから成る群から選択され、
は、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ルケニル、置換又は非置換アルキニル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから成る群から選択される)
で表される、先行する実施形態のいずかの組成物。
ただし、前記イミダゾールは少なくとも2つの電子求引基を含む。
【0019】
5. 前記マレイミド含有樹脂が、
【0020】
【化2】
【0021】
(式中、
各Rは、H及び置換又は非置換アルキルから成る群から独立して選択され;
各mは、0、1、2、3又は4から成る群から独立して選択され;
nは0、1、2、3、4又は5である)
で表される化合物、
あるいは
【0022】
【化3】
【0023】
(式中、nは0、1、2、3、4又は5である)
で表される化合物である、
先行する実施形態のいずかの組成物。
【0024】
6. 前記(メタ)アクリル樹脂が、
【0025】
【化4】
【0026】
(式中、nは0、1、2、3、4又は5である)
で表される、先行する実施形態のいずかの組成物。
【0027】
7. 前記エポキシ樹脂が、
【0028】
【化5】
【0029】
(式中、nは0、1、2、3、4又は5であり、mは0、1、2、3、4又は5である)
で表される化合物である、先行する実施形態のいずかの組成物。
【0030】
8. 前記組成物がフィルムを形成した後、フィルムが次の物理的性質:
10℃/分のランプ速度でDSCによって測定された示差走査熱量測定(DSC)開始温度が130℃~250℃、及び
10℃/分のランプ速度でDHR2レオメーターを使用して、N中で測定された最低フィルム溶融粘度が10Pa・s~10,000Pa・s、
を有する、先行する実施形態のいずかの組成物。
【0031】
9. 前記組成物がフィルムを形成した後、フィルムのDSC開始温度からDSCピーク温度までの△Tが20℃未満又は15℃未満である、先行する実施形態のいずかの組成物。
【0032】
10. 先行する実施形態のいずれかの組成物を調製する工程と;
前記組成物をフィルムに成型する工程と;
前記成型したフィルムを高温に曝露してフィルムを硬化させる工程と;
を含む、硬化フィルムを調製する方法。
【0033】
11. マレイミド含有樹脂、ナジイミド含有樹脂、イタコンイミド含有樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリレート含有樹脂、及びフェノール含有樹脂から成る群から選択される1つ又は複数の樹脂、
潜在的熱活性を有する1つ又は複数のイミダゾール、
1つ又は複数の無機充填剤、並びに
接着促進剤及びフィルム形成剤から成る群から選択される1つ又は複数の添加剤、
を含む組成物を調製する工程と;
前記組成物をフィルムに成型する工程と;
前記成型したフィルムを高温に曝露してフィルムを硬化させる工程と;
を含む、硬化フィルムを調製する方法。
【0034】
12. 前記潜在的熱活性を有する1つ又は複数のイミダゾールが、少なくとも2つの電子求引基を含む1つ又は複数のイミダゾールである、実施形態11の方法。
【0035】
13. 実施形態11又は実施形態12の方法に従って調製される硬化フィルム。
【0036】
14. 実施形態11-13のいずれかの方法に従って調製されるフィルムであって、次の物理的性質を有するフィルム:
動的機械分析(DMA)で測定したTg>200℃、
25℃での貯蔵弾性率<6.5GPa、
250℃での貯蔵弾性率>0.1GPa、及び
熱膨張係数(CTE)<250ppm/℃。
【0037】
15. 前記フィルムがアンダーフィルフィルムである、実施形態13又は実施形態14のフィルム。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1図1は、本開示の例示的な組成物(実施例3)のDSC(示差走査熱量測定)データを示す。
図2図2は、本開示の例示的な組成物(実施例3)の溶融粘度データを示す。
図3図3は、本開示の例示的な組成物(実施例3)のDMA(動的機械分析)データを示す。
図4図4は、本開示の例示的な組成物(実施例3)のTMA(熱機械分析)データを示す。
図5図5は、本開示の例示的な組成物(実施例8)のDSC(示差走査熱量測定)データを示す。
図6図6は、本開示の例示的な組成物(実施例8)の溶融粘度データを示す。
図7図7は、本開示の例示的な組成物(実施例8)のDMA(動的機械分析)データを示す。
図8図8は、本開示の例示的な組成物(実施例8)のTMA(熱機械分析)データを示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本開示の組成物及び方法は、本開示の一部を形成する添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって、より容易に理解され得る。
【0040】
本開示によれば、1つ又は複数の樹脂、潜在的熱活性を有する1つ又は複数のイミダゾール、1つ又は複数の無機充填剤、及び1つ又は複数の添加剤を含む組成物が提供される。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の樹脂は、マレイミド含有樹脂、ナジイミド含有樹脂、イタコンイミド含有樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリレート含有樹脂、及びフェノール含有樹脂から成る群から選択される。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の添加剤は、接着促進剤及びフィルム形成剤から成る群から選択される。いくつかの実施形態では、潜在的熱活性を有する1つ又は複数のイミダゾールは、少なくとも2つの電子求引基を含む1つ又は複数のイミダゾールである。
【0041】
いくつかの実施形態では、前記組成物がフィルムを形成した後、フィルムは、フィルムを熱圧着方法での使用に適したものにする特定の特徴及び/又は特性を有する。例えば、いくつかの実施形態では、前記組成物がフィルムを形成した後、フィルムは、動的機械分析(DMA)で測定したTg>100℃、25℃での貯蔵弾性率<4GPa、250℃での貯蔵弾性率>0.1GPa、及び熱膨張係数(CTE)<250ppm/℃を有する。いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、Bステージフィルムは、10℃/分のランプ速度にてDSCで測定すると130℃~250℃の示差走査熱量測定(DSC)開始温度、及び10℃/分のランプ速度でDHR2レオメーターを使用して、N中で測定すると10Pa・s~10,000Pa・sの最低フィルム溶融粘度を有する。
【0042】
いくつかの実施形態では、前記組成物が硬化フィルムを形成した後、硬化フィルムは、動的機械分析(DMA)で測定して、>100℃、>125℃、>150℃、>160℃、>165℃、>170℃>175℃、>180℃、>185℃、>190℃、>200℃、>210℃、>220℃、>230℃、>240℃、>250℃、>260℃、>270℃、>280℃、>290℃、又は>300℃のTgを有する。いくつかの実施形態では、前記組成物が硬化フィルムを形成した後、硬化フィルムは、DMAで測定して、100℃~110℃、110℃~120℃、120℃~130℃、130℃~140℃、140℃~150℃、150℃~160℃、160℃~170℃、170℃~180℃、180℃~190℃、190℃~200℃、200℃~210℃、210℃~220℃、220℃~230℃、230℃~240℃、240℃~250℃、250℃~260℃、260℃~270℃、270℃~280℃、280℃~290℃、又は290℃~300℃のTgを有する。
【0043】
いくつかの実施形態では、前記組成物が硬化フィルムを形成した後、硬化フィルムは、熱機械分析(TMA)で測定して、>100℃、>125℃、>150℃、>160℃、>165℃、>170℃、>175℃、>180℃、>185℃、>190℃、>200℃、>210℃、>220℃、>230℃、>240℃、又は>250℃のTgを有する。いくつかの実施形態では、前記組成物が硬化フィルムを形成した後、硬化フィルムは、TMAで測定して、100℃~110℃、110℃~120℃、120℃~130℃、130℃~140℃、140℃~150℃、150℃~160℃、160℃~170℃、170℃~180℃、180℃~190℃、190℃~200℃、200℃~210℃、210℃~220℃、220℃~230℃、230℃~240℃、又は240℃~250℃のTgを有する。いくつかの実施形態では、前記組成物が硬化フィルムを形成した後、硬化フィルムは、140℃~200℃、例えば150℃~190℃、160℃~190℃、又は160℃~180℃のTgを有する。
【0044】
いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、Bステージフィルムは、<3GPa、<3.5GPa、<4GPa、<4.5GPa、<5GPa、<5.5GPa、<6GPa、又は<6.5GPaの25℃での貯蔵弾性率を有する。
【0045】
いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、Bステージフィルムは、2.0GPa~3.0GPa、3.0GPa~3.5GPa、3.5GPa~4.0GPa、4.0GPa~4.5GPa、4.5GPa~5.0GPa、5.0GPa~5.5GPa、5.5GPa~6.0GPa、又は6.0GPa~6.5GPaの25℃での貯蔵弾性率を有する。いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、Bステージフィルムは、3.0GPa~6.5GPaの25℃での貯蔵弾性率を有する。いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、Bステージフィルムは、3.5GPa~6.0GPaの25℃での貯蔵弾性率を有する。いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、Bステージフィルムは、4.0GPa~5.5GPaの25℃での貯蔵弾性率を有する。
【0046】
いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、Bステージフィルムは、>0.1GPa、>0.2GPa、>0.3GPa、>0.4GPa、>0.5GPa、>0.6GPa、>0.7GPa、>0.8GPa、>0.9GPa、>1.0GPa、又は>1.1GPaの250℃での貯蔵弾性率を有する。いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、Bステージフィルムは、0.1GPa~0.2GPa、0.2GPa~0.3GPa、0.3GPa~0.4GPa、0.4GPa~0.5GPa、0.5GPa~0.6GPa、0.6GPa~0.7GPa、0.7GPa~0.8GPa、0.8GPa~0.9GPa、0.9GPa~1.0GPa、又は1.0GPa~1.1GPaの250℃での貯蔵弾性率を有する。いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、Bステージフィルムは、0.4GPa~1.2GPaの250℃での貯蔵弾性率を有する。いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、Bステージフィルムは、0.5GPa~1.2GPaの250℃での貯蔵弾性率を有する。
【0047】
いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、Bステージフィルムは、>0.1GPa、>0.2GPa、>0.3GPa、又は>0.4GPa、>0.5GPa、>0.6GPa、>0.7GPa、>0.8GPa、>0.9GPa、>1.0GPa、>1.1GPa、又は>1.2GPaの230℃での貯蔵弾性率を有する。いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、Bステージフィルムは、0.1GPa~0.2GPa、0.2GPa~0.3GPa、0.3GPa~0.4GPa、0.4GPa~0.5GPa、0.5GPa~0.6GPa、0.6GPa~0.7GPa、0.7GPa~0.8GPa、0.8GPa~0.9GPa、0.9GPa~1.0GPa、1.0GPa~1.1GPa、又は1.1GPa~1.2GPaの230℃での貯蔵弾性率を有する。いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、Bステージフィルムは、0.5GPa~1.2GPaの230℃での貯蔵弾性率を有する。いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、Bステージフィルムは、0.6GPa~1.2GPaの230℃での貯蔵弾性率を有する。
【0048】
いくつかの実施形態では、前記組成物が硬化フィルムを形成した後、硬化フィルムは、<60ppm/℃、<70ppm/℃、<80ppm/℃、<90ppm/℃、<100ppm/℃、<110ppm/℃、<120ppm/℃、<130ppm/℃、<140ppm/℃、<150ppm/℃、<160ppm/℃、<170ppm/℃、<180ppm/℃、<190ppm/℃、<200ppm/℃、<210ppm/℃、<220ppm/℃、<230ppm/℃、<240ppm/℃、又は<250ppm/℃の熱膨張係数(CTE)を有する。
【0049】
いくつかの実施形態では、前記組成物が硬化フィルムを形成した後、硬化フィルムは、Tgを超える温度で、<100ppm/℃、<110ppm/℃、<120ppm/℃、<130ppm/℃、<140ppm/℃、<150ppm/℃、<160ppm/℃、<170ppm/℃、<180ppm/℃、<190ppm/℃、<200ppm/℃、<210ppm/℃、<220ppm/℃、<230ppm/℃、<240ppm/℃、又は<250ppm/℃の熱膨張係数(CTE)を有する。いくつかの実施形態では、前記組成物が硬化フィルムを形成した後、硬化フィルムは、Tgを超える温度で、50ppm/℃~80ppm/℃の熱膨張係数(CTE)を有する。いくつかの実施形態では、前記組成物が硬化フィルムを形成した後、硬化フィルムは、Tgを超える温度で、60ppm/℃~80ppm/℃の熱膨張係数(CTE)を有する。いくつかの実施形態では、前記組成物が硬化フィルムを形成した後、硬化フィルムは、Tgを超える温度で、60ppm/℃~70ppm/℃の熱膨張係数(CTE)を有する。
【0050】
いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、Bステージフィルムは、10℃/分のランプ速度でDHR2レオメーターを使用して、N中で測定して、500Pa・s~8,000Pa・sの最低フィルム溶融粘度を有する。いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、Bステージフィルムは、10℃/分のランプ速度でDHR2レオメーターを使用して、N中で測定して、900Pa・s~6,500Pa・sの最低フィルム溶融粘度を有する。いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、Bステージフィルムは、10℃/分のランプ速度でDHR2レオメーターを使用して、N中で測定して、2,000Pa・s~6,000Pa・sの最低フィルム溶融粘度を有する。いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、Bステージフィルムは、10℃/分のランプ速度でDHR2レオメーターを使用して、N中で測定して、2,000Pa・s~4,000Pa・sの最低フィルム溶融粘度を有する。いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、Bステージフィルムは、10℃/分のランプ速度でDHR2レオメーターを使用して、N中で測定して、4,000Pa・s~6,000Pa・sの最低フィルム溶融粘度を有する。
【0051】
いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、Bステージフィルムは、10℃/分のランプ速度でDHR2レオメーターを使用して、N中で測定して、500Pa・s~600Pa・s、600Pa・s~700Pa・s、700Pa・s~800Pa・s、800Pa・s~900Pa・s、900Pa・s~1,000Pa・s、1,000Pa・s~1,100Pa・s、1,100Pa・s~1,200Pa・s、1,200Pa・s~1,300Pa・s、1,300Pa・s~1,400Pa・s、1,400Pa・s~1,500Pa・s、1,500Pa・s~1,600Pa・s、1,600Pa・s~1,700Pa・s、1,700Pa・s~1,800Pa・s、1,800Pa・s~1,900Pa・s、1,900Pa・s~2,000Pa・s、2,000Pa・s~2,100Pa・s、2,100Pa・s~2,200Pa・s、2,200Pa・s~2,300Pa・s、2,300Pa・s~2,400Pa・s、2,400Pa・s~2,500Pa・s、2,500Pa・s~2,600Pa・s、2,600Pa・s~2,700Pa・s、2,700Pa・s~2,800Pa・s、2,800Pa・s~2,900Pa・s、2,900Pa・s~3,000Pa・s、3,000Pa・s~3,100Pa・s、3,100Pa・s~3,200Pa・s、3,200Pa・s~3,300Pa・s、3,300Pa・s~3,400Pa・s、3,400Pa・s~3,500Pa・s、3,500Pa・s~3,600Pa・s、3,600Pa・s~3,700Pa・s、3,700Pa・s~3,800Pa・s、3,800Pa・s~3,900Pa・s、3,900Pa・s~4,000Pa・s、4,000Pa・s~4,100Pa・s、4,100Pa・s~4,200Pa・s、4,200Pa・s~4,300Pa・s、4,300Pa・s~4,400Pa・s、4,400Pa・s~4,500Pa・s、4,500Pa・s~4,600Pa・s、4,600Pa・s~4,700Pa・s、4,700Pa・s~4,800Pa・s、4,800Pa・s~4,900Pa・s、4,900Pa・s~5,000Pa・s、5,000Pa・s~5,100Pa・s、5,100Pa・s~5,200Pa・s、5,200Pa・s~5,300Pa・s、5,300Pa・s~5,400Pa・s、5,400Pa・s~5,500Pa・s、5,500Pa・s~5,600Pa・s、5,600Pa・s~5,700Pa・s、5,700Pa・s~5,800Pa・s、5,800Pa・s~5,900Pa・s、5,900Pa・s~6,000Pa・s、6,000Pa・s~6,100Pa・s、6,100Pa・s~6,200Pa・s、6,200Pa・s~6,300Pa・s、6,300Pa・s~6,400Pa・s、6,400Pa・s~6,500Pa・s、6,500Pa・s~6,600Pa・s、6,600Pa・s~6,700Pa・s、6,700Pa・s~6,800Pa・s、6,800Pa・s~6,900Pa・s、6,900Pa・s~7,000Pa・s、7,000Pa・s~7,100Pa・s、7,100Pa・s~7,200Pa・s、7,200Pa・s~7,300Pa・s、7,300Pa・s~7,400Pa・s、7,400Pa・s~7,500Pa・s、7,500Pa・s~7,600Pa・s、7,600Pa・s~7,700Pa・s、7,700Pa・s~7,800Pa・s、7,800Pa・s~7,900Pa・s、7,900Pa・s~8,000Pa・s、8,000Pa・s~8,100Pa・s、8,100Pa・s~8,200Pa・s、8,200Pa・s~8,300Pa・s、8,300Pa・s~8,400Pa・s、8,400Pa・s~8,500Pa・s、8,500Pa・s~8,600Pa・s、8,600Pa・s~8,700Pa・s、8,700Pa・s~8,800Pa・s、8,800Pa・s~8,900Pa・s、8,900Pa・s~9,000Pa・s、9,000Pa・s~9,100Pa・s、9,100Pa・s~9,200Pa・s、9,200Pa・s~9,300Pa・s、9,300Pa・s~9,400Pa・s、9,400Pa・s~9,500Pa・s、9,500Pa・s~9,600Pa・s、9,600Pa・s~9,700Pa・s、9,700Pa・s~9,800Pa・s、9,800Pa・s~9,900Pa・s、又は9,900Pa・s~10,000Pa・sの最低フィルム溶融粘度を有する。
【0052】
いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、Bステージフィルムは、10℃/分のランプ速度でDHR2レオメーターを使用して、N中で測定して、400Pa・s~7,000Pa・sの最低フィルム溶融粘度を有する。いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、Bステージフィルムは、10℃/分のランプ速度でDHR2レオメーターを使用して、N中で測定して、500Pa・s~8,000Pa・sの最低フィルム溶融粘度を有する。
【0053】
いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、Bステージフィルムは、N中で10℃/分のランプ速度にてDSCで測定して、130℃~140℃、140℃~150℃、150℃~160℃、160℃~170℃、170℃~180℃、180℃~190℃、190℃~200℃、200℃~210℃、210℃~220℃、220℃~230℃、230℃~240℃、又は240℃~250℃の示差走査熱量測定(DSC)開始温度を有する。
【0054】
いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、Bステージフィルムは、N中で10℃/分のランプ速度にてDSCで測定して、約130℃~約140℃、約140℃~約150℃、約150℃~約160℃、約160℃~約170℃、約170℃~約180℃、約180℃~約190℃、約190℃~約200℃、約200℃~約210℃、約210℃~約220℃、約220℃~約230℃、約230℃~約240℃、又は約240℃~約250℃の示差走査熱量測定(DSC)開始温度を有する。
【0055】
いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、Bステージフィルムは、N中で10℃/分のランプ速度にてDSCで測定して、150℃~190℃のDSC開始温度を有する。いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、Bステージフィルムは、N中で10℃/分のランプ速度にてDSCで測定して、140℃~180℃のDSC開始温度を有する。いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、Bステージフィルムは、N中で10℃/分のランプ速度にてDSCで測定して、150℃~180℃のDSC開始温度を有する。いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、Bステージフィルムは、N中で10℃/分のランプ速度にてDSCで測定して、140~160℃のDSC開始温度を有する。いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、Bステージフィルムは、N中で10℃/分のランプ速度にてDSCで測定して、140~150℃のDSC開始温度を有する。いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、Bステージフィルムは、N中で10℃/分のランプ速度にてDSCで測定して、170~180℃のDSC開始温度を有する。
【0056】
いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、BステージフィルムのDSC開始温度からDSCピーク温度までの△Tは、20℃未満、15℃未満、10℃未満、又は5℃未満である。いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、BステージフィルムのDSC開始温度からDSCピーク温度までの△Tは、0℃~5℃、5℃~10℃、10℃~15℃、又は15℃~20℃である。いくつかの実施形態では、前記組成物がBステージフィルムを形成した後、BステージフィルムのDSC開始温度からDSCピーク温度までの△Tは、0℃、1℃、2℃、3℃、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、又は20℃である。理論に拘束されることを望むことなく、DSC開始温度からDSCピーク温度までの△Tが、20℃未満、15℃未満、10℃未満、又は5℃未満、あるいは0℃~5℃、5℃~10℃、10℃~15℃、又は15℃~20℃であれば、例えば、はんだ押出(少なくともいくつかの実施形態において、組成物が熱圧着に適さなくなる、又は不適になる現象)の発生を防ぐ等の硬化速度が速いことを表していると考えられる。逆に、理論に拘束されることを望むことなく、DSC開始温度からDSCピーク温度までの△Tが20℃以上であるBステージフィルムは、熱圧着方法には適していないと考えられる。例えば、ビスマレイミド樹脂、エポキシ樹脂、及び4,4-ジアミノジフェニルスルホンを含むが、潜在的熱活性を有する1つ又は複数のイミダゾール(例えば、少なくとも2つの電子求引基を含む1つ又は複数のイミダゾール、例えば、本明細書に開示される少なくとも2つの電子求引基を含むイミダゾール)を含まない組成物から調製される特定のBステージフィルムは、DSC開始温度からDSCピーク温度までの△Tが20℃以上であることが知られており、理論に拘束されることを望むことなく、熱圧着方法には適さないと考えられている。
【0057】
本開示は、いくつかの実施形態では、特定の有機基を「置換された」ものとして言及する。「置換された」という用語は、主題の有機基が1つ又は複数の置換基を有し、置換基が主題の有機基上の水素原子を置き換える原子又は原子団であることを意味する。有機基が置換される場合、置換基は、正確に1つの水素原子の置換から主題の有機基上の全ての水素原子の置換まで、1つ又は複数の水素原子を置換することができる。有機基が複数の置換基を有する場合、置換基は独立して選択され、同一であり得るが、同一である必要はない。
【0058】
本開示は、いくつかの実施形態では、特定の有機基を「非置換」であると言及する。「非置換」という用語は、主題の有機基が置換基(その用語は上で説明したとおり)を有さないことを意味する。
【0059】
上で述べたように、本開示の組成物は、他の構成成分の中でも、少なくとも2つの電子求引基を含む1つ又は複数のイミダゾールを包含する。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの電子求引基を含むイミダゾールは、2位の置換基と、任意で4位の置換基、5位の置換基、及び/又は1位の窒素上の置換基を含む置換イミダゾールである。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの電子求引基を含むイミダゾールは、2位の電子求引性の置換基(本明細書では電子求引基とも呼ばれる)と、任意で4位の置換基、5位の置換基、及び/又は1位の窒素上の置換基を含む置換イミダゾールである。
【0060】
例示的な電子求引基としては、これらに限定されないが、置換又は非置換アリール基(例えば、フェニル)、シアノ(-CN)、ハロゲン化物(-X)(例えば、フルオロ(-F)、ブロモ(-Br)、及びヨード(-I))、-CHO、-COOH、並びにアミノ(-NR、ここでR及びRは、水素原子、又は置換若しくは非置換アルキル基から独立して選択される)、シアノ(-CN)、ハロゲン化物(-X)(例えば、フルオロ(-F)、ブロモ(-Br)、及びヨード(-I))、-CHO、-COOH、並びにアミノ(-NR、ここでR及びRは、水素原子、又は置換若しくは非置換アルキル基から独立して選択される)から独立して選択される1つ又は複数の基で置換されたアルキル基、並びに酸素含有基(例えば、1つ又は複数のヒドロキシ基で置換されたアルキル基)が挙げられる。理論に拘束されることを望むことなく、電子求引基は、イミダゾール環上の電子密度(例えば、イミダゾールの第三級窒素)を減少させ、及び/又はイミダゾールの反応性を弱める(例えば、イミダゾールの第三級窒素の反応性を弱める)と考えられている。
【0061】
いくつかの実施形態では、イミダゾールは、式(I)で表される。
【0062】
【化6】
【0063】
式中、
は、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ルケニル、置換又は非置換アルキニル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから成る群から選択され、
は、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ルケニル、置換又は非置換アルキニル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから成る群から選択され、
は、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ルケニル、置換又は非置換アルキニル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから成る群から選択され、
は、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ルケニル、置換又は非置換アルキニル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから成る群から選択され、
ただし、前記イミダゾールは少なくとも2つの電子求引基を含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、イミダゾールは、置換又は非置換アリール基(例えば、フェニル)、シアノ(-CN)、ハロゲン化物(-X)、(例えば、フルオロ(-F)、ブロモ(-Br)、及びヨード(-I))、-CHO、-COOH、アミノ(-NR、ここでR及びRは、独立して、水素原子、又は置換若しくは非置換アルキル基から選択される)、シアノ(-CN)、ハロゲン化物(-X)、(例えば、フルオロ(-F)、ブロモ(-Br)、及びヨード(-I))、-CHO、-COOH、並びにアミノ(-NR、ここでR及びRは、独立して、水素原子、又は置換若しくは非置換アルキル基から選択される)、並びに酸素含有基から独立して選択される1つ又は複数の基で置換されたアルキル基から成る群から独立して選択される少なくとも2つの電子求引基を含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、イミダゾールは、ヒドロキシメチル及びフェニルから成る群から独立して選択される少なくとも2つの電子求引基を含む。
【0066】
いくつかの実施形態では、イミダゾールは、イミダゾール環上の電子密度を減少させる及び/又はイミダゾールの反応性を弱める有機基から独立して選択される少なくとも2つの電子求引基を含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの電子求引基を含むイミダゾールは、式(I)で表され、式中、Rは、H、置換又は非置換C-Cアルキル、及び置換又は非置換C-C10アリールから成る群から選択される。
【0068】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの電子求引基を含むイミダゾールは、式(I)で表され、式中、Rは、H、置換又は非置換C-Cアルキル、置換Cアリール、及びフェニルから成る群から選択される。
【0069】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの電子求引基を含むイミダゾールは、式(I)で表され、式中、Rは、H、及び置換又は非置換C-Cアルキルから成る群から選択される。
【0070】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの電子求引基を含むイミダゾールは、式(I)で表され、式中、Rは、C-Cアルキルから成る群から選択される。
【0071】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの電子求引基を含むイミダゾールは、式(I)で表され、式中、RはHである.
【0072】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの電子求引基を含むイミダゾールは、式(I)で表され、式中、Rは、H、置換又は非置換C-Cアルキル、及び置換又は非置換C-C10アリールから成る群から選択される。
【0073】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの電子求引基を含むイミダゾールは、式(I)で表され、式中、Rは、H、置換又は非置換C-Cアルキル、置換Cアリール、及びフェニルから成る群から選択される。
【0074】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの電子求引基を含むイミダゾールは、式(I)で表され、式中、Rは、置換又は非置換C-Cアルキル、置換Cアリール、及びフェニルから成る群から選択される。
【0075】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの電子求引基を含むイミダゾールは、式(I)で表され、式中、Rは、非置換C-Cアルキル及びフェニルから成る群から選択される。
【0076】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの電子求引基を含むイミダゾールは、式(I)で表され、式中、Rはフェニルである。
【0077】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの電子求引基を含むイミダゾールは、式(I)で表され、式中、R及びRは、H、置換又は非置換C-Cアルキル、及び置換又は非置換C-C10アリールから成る群から独立して選択される。
【0078】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの電子求引基を含むイミダゾールは、式(I)で表され、式中、R及びRは、H、置換又は非置換C-Cアルキル、置換Cアリール、及びフェニルから成る群から独立して選択される。
【0079】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの電子求引基を含むイミダゾールは、式(I)で表され、式中、R及びRは、置換又は非置換C-Cアルキル、置換Cアリール、及びフェニルから成る群から独立して選択される。
【0080】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの電子求引基を含むイミダゾールは、式(I)で表され、式中、R及びRは、置換又は非置換C-Cアルキルから成る群から独立して選択される。
【0081】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの電子求引基を含むイミダゾールは、式(I)で表され、式中、R及びRは、置換C-Cアルキルから成る群から独立して選択される。
【0082】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの電子求引基を含むイミダゾールは、式(I)で表され、式中、R及びRは、置換C-Cアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、ここで、それぞれ独立して選択された置換C-Cアルキルは、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C-Cアルコシキ、カルボン酸、エステル(例えば、-C(O)OR、ここでRは置換又は非置換アルキル基である)、ケトン(例えば、-C(O)R、ここでRは置換又は非置換アルキル基である)、アミド(例えば、-C(O)N(R)(R)、ここでR及びRは、H、置換アルキル、及び非置換アルキルから成る群から独立して選択される)、アミノ(例えば、-N(R)(R10)、ここでR及びR10は、H、置換アルキル、及び非置換アルキルから成る群から独立して選択される)、並びにチオアルキル(例えば、-S-R11、ここでR11は置換又は非置換アルキル基である)から成る群から選択される1つ又は複数の置換基で置換される。
【0083】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの電子求引基を含むイミダゾールは、式(I)で表され、式中、R及びRは、置換C-Cアルキルから成る群から独立して選択され、ここで、それぞれ独立に選択された置換C-Cアルキルは、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C-Cアルコシキ、及びカルボン酸から成る群から独立して選択される1つ又は複数の置換基で置換される。
【0084】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの電子求引基を含むイミダゾールは、式(I)で表され、式中、R及びRは、置換C-Cアルキルから成る群から独立して選択され、ここで、それぞれ独立に選択された置換C-Cアルキルは、ハロゲン、ヒドロキシ、及びC-Cアルコシキから成る群から選択される1つ又は複数の置換基で置換される。
【0085】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの電子求引基を含むイミダゾールは、式(I)で表され、式中、R及びRは、置換C-Cアルキルから成る群から独立して選択され、ここで、それぞれ独立に選択された置換C-Cアルキルは、1つ又は複数のヒドロキシ基で置換される。
【0086】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの電子求引基を含むイミダゾールは、式(I)で表され、式中、R及びRは、置換C-Cアルキルから成る群から独立し手選択され、ここで、それぞれ独立に選択された置換C-Cアルキルは、ちょうど1つのヒドロキシ基で置換される。
【0087】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの電子求引基を含むイミダゾールは、式(I)で表され、式中、
- Rは、H及び置換又は非置換C-Cアルキルから成る群から選択され;
- Rは、置換又は非置換C-Cアルキル、置換Cアリール、及びフェニルから成る群から選択され;
- R及びRは、置換C-Cアルキルから成る群から独立して選択され、ここで、それぞれ独立に選択された置換C-Cアルキルは、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C-Cアルコシキ、及びカルボン酸から成る群から選択される1つ又は複数の置換基で置換される。
【0088】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの電子求引基を含むイミダゾールは、以下で表される。
【0089】
【化7】
【0090】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの電子求引基を含むイミダゾールは、以下で表される。
【0091】
【化8】
【0092】
いくつかの実施形態では、本開示による組成物は、本明細書に記載の1つ又は複数のイミダゾールと1つ又は複数の薬剤との付加物を含む。いくつかの実施形態では、これらのイミダゾール付加物は熱的に解離して、1つ又は複数のイミダゾールを放出する。
【0093】
いくつかの実施形態では、潜在的熱活性を有する1つ又は複数のイミダゾールは、約0.5重量%~約10重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、潜在的熱活性を有する1つ又は複数のイミダゾールは、約1重量%~約8重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、潜在的熱活性を有する1つ又は複数のイミダゾールは、約2重量%~約7重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、潜在的熱活性を有する1つ又は複数のイミダゾールは、約2.5重量%~約6.5重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、潜在的熱活性を有する1つ又は複数のイミダゾールは、約3重量%~約6重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、潜在的熱活性を有する1つ又は複数のイミダゾールは、約2.5重量%~約4.5重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、潜在的熱活性を有する1つ又は複数のイミダゾールは、約1重量%~約4重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、潜在的熱活性を有する1つ又は複数のイミダゾールは、約2重量%~約4重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、潜在的熱活性を有する1つ又は複数のイミダゾールは、約2重量%~約3.5重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、潜在的熱活性を有する1つ又は複数のイミダゾールは、約2重量%~約3重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、潜在的熱活性を有する1つ又は複数のイミダゾールは、約2.5重量%~約3.5重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、この段落で言及される潜在的熱活性を有する1つ又は複数のイミダゾールは、少なくとも2つの電子求引基を含む1つ又は複数のイミダゾールである。
【0094】
いくつかの実施形態では、マレイミド含有樹脂、ナジイミド含有樹脂、又はイタコンイミド含有樹脂は、それぞれ以下で表される:
【0095】
【化9】
【0096】
式中、
mは1-15であり、
pは0-15であり、
各Rは、ハロゲン又はC1-6アルキルから独立して選択され、
Jは有機及び/又はオルガノシロキサン基を含む一価又は多価基である。
【0097】
いくつかの実施形態では、Jは:
- 典型的には約6~約500個の範囲の炭素原子を有するヒドロカルビル又は置換ヒドロカルビル種であり、ヒドロカルビル種は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アルケニルアリール、アリールアルキニル又はアルキニルアリールから選択され、ただし、Xが2つ以上の異なる種の組み合わせを含む場合にのみ、Xはアリールであることができる;
- 典型的に約6~約500個の炭素原子の範囲を有するヒドロカルビレン又はヒドロカルビレン種であり、ヒドロカルビレン種は、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキレン、シクロアルケニレン、アリーレン、アルキルアリーレン、アリールアルキレン、アリールアルケニレン、アルケニルアリーレン、アリールアルキニレン又はアルキニルアリーレンから選択され、
- 置換又は非置換C-C10アリール、
- 典型的には約6~約500個の範囲の炭素原子を有する複素環式又は置換複素環式種、
- ポリシロキサン、
- ポリシロキサン-ポリウレタンブロックコポリマー、あるいは
- 上記の1つ又は複数と、共有結合、-O-、-S-、-NR-、-NR-C(O)-、-NR-C(O)-O-、-NR-C(O)-NR-、-S-C(O)-、-S-C(O)-O-、-S-C(O)-NR-、-O-S(O)-、-O-S(O)-O-、-O-S(O)-NR-、-O-S(O)-、-O-S(O)-O-、-O-S(O)-NR-、-O-NR-C(O)-、-O-NR-C(O)-O、-O-NR-C(O)-NR、-NR-O-C(O)-、-NR-O-C(O)-O-、-NR-O-C(O)-NR-、-O-NR-C(S)-、-O-NR-C(S)-O-、-O-NR-C(S)-NR-、-NR-O-C(S)-、-NR-O-C(S)-O-、-NR-O-C(S)-NR-、-O-C(S)-、-O-C(S)-O-、-O-C(S)-NR-、-NR-C(S)-、-NR-C(S)-O-、-NR-C(S)-NR-、-S-S(O)-、-S-S(O)2-O-、-S-S(O)-NR-、-NR-O-S(O)-、-NR-O-S(O)-O-、-NR-O-S(O)-NR-、-NR-O-S(O)-、-NR-O-S(O)-O-、-NR-O-S(O)-NR-、-O-NR-S(O)-、-O-NR-S(O)-O-、-O-NR-S(O)-NR-、-O-NR-S(O)-O-、-O-NR-S(O)-NR-、-O-NR-S(O)-、-O-P(O)R-、-S-P(O)R-、又は-NR-P(O)R-;(式中、Rは独立してハロゲン、アルキル、又は置換アルキルである)から選択されるリンカーとの組み合わせ、
から選択される一価又は多価基である。
【0098】
いくつかの実施形態では、Jは、置換又は非置換のCアリール、オキシアルキル、チオアルキル、アミノアルキル、カルボキシルアルキル、オキシアルケニル、チオアルケニル、アミノアルケニル、カルボキシアルケニル、オキシアルキニル、チオアルキニル、アミノアルキニル、カルボキシアルキニル、オキシシクロアルキル、チオシクロアルキル、アミノシクロアルキル、カルボキシシクロアルキル、オキシクロアルケニル、チオシクロアルケニル、アミノシクロアルケニル、カルボキシシクロアルケニル、複素環式、オキシ複素環式、チオ複素環式、アミノ複素環式、カルボキシ複素環式、オキシアリール、チオアリール、アミノアリール、カルボキシアリール、ヘテロアリール、オキシヘテロアリール、チオヘテロアリール、アミノヘテロアリール、カルボキシヘテロアリール、オキシアルキルアリール、チオアルキルアリール、アミノアルキルアリール、カルボキシアルキルアリール、オキシアリールアルキル、チオアリールアルキル、アミノアリールアルキル、カルボキシアリールアルキル、オキシアリールアルケニル、チオアリールアルケニル、アミノアリールアルケニル、カルボキシアリールアルケニル、オキシアルケニルアリール、チオアルケニルアリール、アミノアルケニルアリール、カルボキシアルケニルアリール、オキシアリールアルキニル、チオアリールアルキニル、アミノアリールアルキニル、カルボキシアリールアルキニル、オキシアルキニルアリール、チオアルキニルアリール、アミノアルキニルアリール又はカルボキシアルキニルアリール、オキシアルキレン、チオアルキレン、アミノアルキレン、カルボキシアルキレン、オキシアルケニレン、チオアルケニレン、アミノアルケニレン、カルボキシアルケニレン、オキシアルキニレン、チオアルキニレン、アミノアルキニレン、カルボキシアルキニレン、オキシシクロアルキレン、チオシクロアルキレン、アミノシクロアルキレン、カルボキシシクロアルキレン、オキシシクロアルケニレン、チオシクロアルケニレン、アミノシクロアルケニレン、カルボキシシクロアルケニレン、オキシアリーレン、チオアリーレン、アミノアリーレン、カルボキシアリーレン、オキシアルキルアリーレン、チオアルキルアリーレン、アミノアルキルアリーレン、カルボキシアルキルアリーレン、オキシアリールアルキレン、チオアリールアルキレン、アミノアリールアルキレン、カルボキシアリールアルキレン、オキシアリールアルケニレン、チオアリールアルケニレン、アミノアリールアルケニレン、カルボキシアリールアルケニレン、オキシアルケニルアリーレン、チオアルケニルアリーレン、アミノアルケニルアリーレン、カルボキシアルケニルアリーレン、オキシアリールアルキニレン、チオアリールアルキニレン、アミノアリールアルキニレン、カルボキシアリールアルキニレン、オキシアルキニルアリーレン、チオアルキニルアリーレン、アミノアルキニルアリーレン、カルボキシアルキニルアリーレン、ヘテロアリーレン、オキシヘテロアリーレン、チオヘテロアリーレン、アミノヘテロアリーレン、カルボキシヘテロアリーレン、ヘテロ原子含有二価又は多価の環状部分、オキシヘテロ原子含有二価又は多価の環状部分、チオヘテロ原子含有二価又は多価の環状部分、アミノヘテロ原子含有二価又は多価の環状部分、又はカルボキシヘテロ原子含有二価又は多価の環状部分である。
【0099】
いくつかの実施形態では、マレイミド含有樹脂は、以下で表される。
【0100】
【化10】
【0101】
式中、
各Rは、H及び置換又は非置換アルキルから成る群から独立して選択され;
各mは、0、1、2、3及び4から成る群から独立して選択され;
nは0、1、2、3、4及び5である。
【0102】
いくつかの実施形態では、組成物は以下で表される化合物を含む。
【0103】
【化11】
【0104】
この化合物は、BMI-5100(化学名:3,3'-ジメチル-5,5'-ジエチル-4,4'-ジフェニルメタンビスマレイミド;大和化成、日本)であり、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で試験して、数平均分子量が約300である化合物である。
【0105】
いくつかの実施形態では、マレイミド含有樹脂は、以下で表される。
【0106】
【化12】
【0107】
式中、nは0、1、2、3、4又は5である。
【0108】
いくつかの実施形態では、マレイミド含有樹脂は、マレイミド当量180~400を有するBMI樹脂である。マレイミド当量は、1当量のマレイミド官能基を含有する樹脂の重量をグラム単位で表したものである。いくつかの実施形態では、マレイミド含有樹脂は、マレイミド当量220を有するBMI樹脂である。いくつかの実施形態では、マレイミド含有樹脂は、マレイミド当量300を有するBMI樹脂である。いくつかの実施形態では、マレイミド含有樹脂は、マレイミド当量約400を有するBMI樹脂である。いくつかの実施形態では、マレイミド含有樹脂は、マレイミド当量約390~約400を有するBMI樹脂である。いくつかの実施形態では、マレイミド含有樹脂は、マレイミド当量390~400を有するBMI樹脂である。
【0109】
いくつかの実施形態では、マレイミド含有樹脂は、約1重量%~約20重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、マレイミド含有樹脂は、約1重量%~約15重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、マレイミド含有樹脂は、約3重量%~約15重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、マレイミド含有樹脂は、約1重量%~約5重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、マレイミド含有樹脂は、約5重量%~約20重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、マレイミド含有樹脂は、約5重量%~約15重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、マレイミド含有樹脂は、約10重量%~約20重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、マレイミド含有樹脂は、約10重量%~約15重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、マレイミド含有樹脂は、約12重量%~約17重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、マレイミド含有樹脂は、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、又は約20重量%包含される。
【0110】
いくつかの実施形態では、イタコンイミド含有樹脂は、以下で表される。
【0111】
【化13】
【0112】
式中、Arは置換又は非置換アリール基である。
【0113】
いくつかの実施形態では、イタコンイミド含有樹脂は以下の通りである。
【0114】
【化14】
【0115】
いくつかの実施形態では、ナジイミドは、以下で表される。
【0116】
【化15】
【0117】
式中、
- Arは置換又は非置換アリールであり、
- Rは、H、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換ルケニル、置換又は非置換アルキニル、置換又は非置換アリール、及び置換又は非置換ヘテロアリールから成る群から選択される。
【0118】
上記のように、本開示の組成物は、他の構成要素の中でも1つ又は複数のエポキシ樹脂を包含する。多種多様のエポキシ官能化樹脂、例えば、ビスフェノールAをベースとする液体型エポキシ樹脂、ビスフェノールAをベースとする固体型エポキシ樹脂、ビスフェノールFをベースとする液体型エポキシ樹脂(例えば、エピクロンEXA-835LV)、フェノールノボラック樹脂をベースとする多官能性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(例えば、エピクロンHP-7200L)、ナフタレン型エポキシ樹脂等、並びにそれらの任意の2つ以上の混合物が、本明細書での使用のために企図される。
【0119】
本明細書での使用が企図される例示的なエポキシ官能化樹脂としては、脂環式アルコールのジエポキシド、水素化ビスフェノールA(エパロイ5000として市販されている)、ヘキサヒドロ無水フタル酸の二官能性脂環式グリシジルエステル(エパロイ5200として市販されている)、エピクロンEXA-835LV、エピクロンHP-7200L等、並びにそれらの任意の2つ以上の混合物が挙げられる。
【0120】
特定の実施形態では、エポキシ成分は、2つ以上の異なるビスフェノール系エポキシの組み合わせを包含してもよい。これらのビスフェノール系エポキシは、ビスフェノールA、ビスフェノールF、若しくはビスフェノールSエポキシ、又はそれらの組み合わせから選択されてよい。さらに、同じ種類の樹脂(A、F、又はS等)内で2つ以上の異なるビスフェノールエポキシを使用してもよい。
【0121】
本明細書での使用が企図されるビスフェノールエポキシの市販の例としては、ビスフェノールF型エポキシ(日本化薬株式会社(日本)製のRE-404-S、並びに大日本インキ化学工業株式会社製のエピクロン830(RE1801)、830S(RE1815)、830A(REI826)及び830W、並びにレゾルーション製のRSL1738及びYL-983U)と、ビスフェノールA型エポキシ(レゾルーション製のYL-979及び980)が挙げられる。
【0122】
大日本インキ化学工業株式会社から市販されている上記のビスフェノールエポキシは、ビスフェノールAエポキシをベースとする従来のエポキシよりもはるかに低い粘度を有する液体未希釈エピクロロヒドリン-ビスフェノールFエポキシとして宣伝されており、液体ビスフェノールAエポキシと同様の物理的特性を有する。ビスフェノールFエポキシは,ビスフェノールAエポキシよりも粘度が低く、他の全ては2種類のエポキシ間で同じであるため、粘度が低くなり、高速流動性のアンダーフィルシーラント材料が得られる。これら4つのビスフェノールFエポキシのEEWは165~180である。25℃での粘度は、3,000~4,500cpsである(粘度の上限が4,000cpsであるRE1801を除く)。加水分解性塩化物含有量は、RE1815及び830Wでは200ppm、RE1826では100ppmであると報告されている。
【0123】
レゾルーションから市販されており、上記で説明したビスフェノールエポキシは、低塩化物含有液体エポキシとして宣伝されている。ビスフェノールAエポキシは、EEW(g/eq)が180~195、及び25℃での粘度が100~250cpsである。YL-979の総塩化物含有量は500~700ppm、YL-980の総塩化物含有量は100~300ppmであると報告されている。ビスフェノールFエポキシは、のEEW(g/eq)が165~180、及び25℃での粘度が30~60である。RSL-1738の総塩化物含有量は500~700ppm、YL-983Uの総塩化物含有量は150~350ppmであると報告されている。
【0124】
ビスフェノールエポキシに加えて、他のエポキシ化合物も、本開示の組成物のエポキシ成分として使用することが考えられる。例えば、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキシルカーボネート等の脂環式エポキシを使用することができる。また、得られる樹脂材料の粘度を調整し、及び/又はTgを低下するために、単官能性、二官能性又は多官能性の反応性希釈剤を使用してもよい。反応性希釈剤の例としては、ブチルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0125】
本明細書での使用に適したエポキシとしては、フェノール化合物のポリグリシジル誘導体、例えば、レゾルーション社から商品名エポンとして市販されているエポン828、エポン1001、エポン1009、及びエポン1031;ダウケミカル社のDER331、DER332、DER334、及びDER542;並びに、日本化薬株式会社のブレン-Sが挙げられる。他の適切なエポキシとしては、ポリオール等から調製されるポリエポキシド、及びフェノール-ホルムアルデヒドノボラックのポリグリシジル誘導体が挙げられ、後者はダウケミカル社のDEN431、DEN438、及びDEN439等が挙げられる。クレゾール類似体は、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社からアラルダイトECN1235、アラルダイトECN1273、及びアラルダイトECN1299等の商品名アラルダイトで市販されている。SU―8は、レゾルーションから入手可能なビスフェノールA型のエポキシノボラックである。アミン、アミノアルコール及びポリカルボン酸のポリグリシジル付加物も本発明において有用であり、その市販樹脂としては、F.I.C.社のグリアミン135、グリアミン125、及びグリアミン115;チバスペシャリティーケミカルズのアラルダイトMY-720、アラルダイト0500、及びアラルダイト0510;並びにシャーウィン・ウィリアムズ社のPGA-X及びPGA-Cが挙げられる。
【0126】
本明細書で任意に使用するための適切な単官能性エポキシ共反応希釈剤としては、エポキシ成分の粘度よりも低い、通常約250cps未満の粘度を有するものも包含される。単官能性エポキシ共反応剤希釈剤は、炭素数約6~約28のアルキル基を有するエポキシ基を有していてもよく、その例としては、C6~28アルキルグリシジルエーテル、C6~28脂肪酸グリシジルエステル、C6~28アルキルフェノールグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0127】
いくつかの実施形態では、エポキシ樹脂は、ノボラックエポキシEEW200、ノボラックエポキシEEW300、又はノボラックエポキシEEW140である。
【0128】
いくつかの実施形態では、エポキシ樹脂は、以下で表される化合物である。
【0129】
【化16】
【0130】
式中、nは0、1、2、3、4又は5であり、mは0、1、2、3、4又は5である.
【0131】
いくつかの実施形態では、エポキシ樹脂は、約1重量%~約30重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、エポキシ樹脂は、約1重量%~約25重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、エポキシ樹脂は、約1重量%~約20重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、エポキシ樹脂は、約1重量%~約15重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、エポキシ樹脂は、約3重量%~約15重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、エポキシ樹脂は、約1重量%~約5重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、エポキシ樹脂は、約5重量%~約20重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、エポキシ樹脂は、約5重量%~約15重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、エポキシ樹脂は、約10重量%~約20重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、エポキシ樹脂は、約15重量%~約30重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、エポキシ樹脂は、約15重量%~約25重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、エポキシ樹脂は、約10重量%~約15重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、エポキシ樹脂は、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、約25重量%、約26重量%、約27重量%、約28重量%、約29重量%、約30重量%包含される。
【0132】
いくつかの実施形態では、フィルム形成バインダー樹脂は、約1重量%~約25重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、フィルム形成バインダー樹脂は、約1重量%~約20重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、フィルム形成バインダー樹脂は、約10重量%~約20重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、フィルム形成バインダー樹脂は、約13重量%~約18重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、フィルム形成バインダー樹脂は、約14重量%~約16重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、フィルム形成バインダー樹脂は、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、又は約25重量%包含される。
【0133】
本開示の組成物は、上記のように、他の成分の中でも1つ又は複数の(メタ)アクリレート含有樹脂を包含する。いくつかの実施形態では、(メタ)アクリル樹脂は、以下で表される。
【0134】
【化17】
【0135】
式中、nは0、1、2、3、4又は5である。
【0136】
いくつかの実施形態では、(メタ)アクリレート含有樹脂は、約1重量%~約20重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、(メタ)アクリレート含有樹脂は、約1重量%~約15重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、(メタ)アクリレート含有樹脂は、約3重量%~約15重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、(メタ)アクリレート含有樹脂は、約1重量%~約5重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、(メタ)アクリレート含有樹脂は、約5重量%~約20重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、(メタ)アクリレート含有樹脂は、約5重量%~約15重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、(メタ)アクリレート含有樹脂は、約10重量%~約20重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、(メタ)アクリレート含有樹脂は、約10重量%~約15重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、(メタ)アクリレート含有樹脂は、約12重量%~約17重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、(メタ)アクリレート含有樹脂は、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、又は約20重量%包含される。
【0137】
本開示の組成物は、上記のように、他の成分の中でも1つ又は複数の無機充填剤を包含する。いくつかの実施形態では、充填剤は、電気的に非導電性の充填剤、例えばシリカである。いくつかの実施形態では、充填剤は、シリカ、ケイ酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム(Al)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ホウ素(BN)、カーボンナノチューブ、ダイヤモンド、粘土、アルミノケイ酸塩等、並びにそれらの任意の2つ以上の混合物である(又はこれらを含む)。
【0138】
いくつかの実施形態では、無機充填剤は、5μm又は5μm未満の最大粒径を有する粒子を含む無機非導電性充填剤である。例えば、いくつかの実施形態では、充填剤は、約0.1μm~約5μm又は0.1μm~5μmの粒径を有する。いくつかの実施形態では、充填剤の充填は、アンダーフィル材料の要件を満たすのに十分である。いくつかの実施形態では、充填剤は、約10重量%~約70重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、充填剤は、約20重量%~約60重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、充填剤は、約25重量%~約55重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、充填剤は、約30重量%~約50重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、充填剤は、約35重量%~約45重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、充填剤は、約35重量%、約36重量%、約37重量%、約38重量%、約39重量%、約40重量%、約41重量%、約42重量%、約43重量%、約44重量%、又は約45重量%包含される。
【0139】
本開示の組成物、上記のように、他の成分の中でも接着促進剤及びフィルム形成剤から成る群から選択される1つ又は複数の添加剤を包含する。
【0140】
本明細書で使用される場合、「接着促進剤」という用語は、それらが導入される配合物の接着特性を強化する化合物を指す。接着促進剤は、有機化合物又は無機化合物とすることができ、それらの組み合わせを包含することができる。接着促進剤の非限定的な例としては、有機ジルコン酸塩化合物、有機チタン酸塩化合物、及びシランカップリング剤が挙げられる。いくつかの実施形態では、接着促進剤はダウのZ6040である。
【0141】
いくつかの実施形態では、接着促進剤は、約0.1重量%~約5重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、接着促進剤は、約0.1重量%~約1.0重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、接着促進剤は、約0.5重量%~約1.0重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、接着促進剤は、約0.5重量%~約1.5重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、接着促進剤は、約1重量%~約2重量%、約2重量%~約3重量%、約3重量%~約4重量%、又は約4重量%~約5重量%包含される。
【0142】
本明細書で使用される場合、「フィルム形成剤」という用語は、(非限定的な例として)組み合わせた材料の粘度を増加させること等により、フィルムの形成を助ける化合物を指す。エラストマー添加剤成分を包含するフィルム形成剤の非限定的な例としては、これらに限定されないが、共重合エチレンアクリルエラストマー、置換ポリエチレン等の天然又は合成ゴム、ポリビニルブチラール樹脂及びクロロスルホン化ポリエチレン合成ゴム(CSM)等の樹脂、ニュージャージーのロイヤルエラストマーからブランド名カララ(登録商標)、DPR(登録商標)、イゾレーヌ(登録商標)及びカレン(登録商標)で市販されているブチルゴム製品等の部分的に架橋したブチルゴム化合物、並びにデュポン社から入手可能のバマック(登録商標)等のエチレンアクリルエラストマー材料が挙げられる。フィルム形成剤のさらなる非限定的な例としては、これらに限定されないが、アクリル酸ブチル-アクリル酸エチル-アセトニトリルのコポリマー及びアクリル酸エチル-アセトニトリルのコポリマー等のアクリルポリマー(例えば、グリシジル官能基を含むポリマー)、例えば、ナガセJPから入手可能なコポリマーが挙げられる。
【0143】
いくつかの実施形態では、フィルム形成剤は、約15~約40重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、フィルム形成剤は、約15~約30重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、フィルム形成剤は、約20~約30重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、フィルム形成剤は、約22~約28重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、フィルム形成剤は、約23~約26重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、フィルム形成剤は、約23~約25重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、フィルム形成剤は、約24重量%、約25重量%、又は約26重量%包含される。
【0144】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、1つ又は複数のフラックス剤をさらに含む。
【0145】
本明細書で使用される場合、「フラックス剤」という用語は、溶融金属の表面に酸化物が形成されるのを防ぐ還元剤を指す。フラックス剤の非限定的な例としては、少なくとも1つの(メタ)アクリレート基及び少なくとも1つのカルボン酸基を有する化合物、カルボン酸(これらに限定されないが、1つ又は複数のアクリル酸官能基を有する化合物、ロジンガム、ドデカン二酸(アルドリッチからコーフリーM2として市販されている)、アジピン酸、セバシン酸、多塩基性ポリ無水物、マレイン酸、酒石酸、クエン酸等が挙げられる)、アルコール、ヒドロキシル酸及びヒドロキシル塩基、ポリオール(これらに限定されないが、エチレングリコール、グリセリン、3-[ビス(グリシジルオキシメチル)メトキシ]-1,2-プロパンジオール、D-リボース、D-セロビオース、セルロース、3-シクロヘキセン-1,1-ジメタノール等が挙げられる)が挙げられる。
【0146】
いくつかの実施形態では、フラックス剤は、約1~約10重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、フラックス剤は、約1~約5重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、フラックス剤は、約5~約10重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、フラックス剤は、約2~約8重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、フラックス剤は、約3~約7重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、フラックス剤は、約3~約5重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、フラックス剤は、約3~約7重量%の範囲の量で包含される。いくつかの実施形態では、フラックス剤は、約3重量%、約4重量%、又は約5重量%包含される。
【0147】
本開示の態様は、Bステージフィルム及び/又は硬化フィルムを調製する方法にも関する。
【0148】
いくつかの実施形態では、硬化フィルムを調製する方法は:
マレイミド含有樹脂、ナジイミド含有樹脂、イタコンイミド含有樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリレート含有樹脂、及びフェノール含有樹脂から成る群から選択される1つ又は複数の樹脂、
潜在的熱活性を有する1つ又は複数のイミダゾール、
1つ又は複数の無機充填剤、並びに
接着促進剤及びフィルム形成剤から成る群から選択される1つ又は複数の添加剤、
を含む組成物を調製する工程と;
前記組成物をフィルムに成型する工程と;
前記成型したフィルムを高温に曝露してフィルムを硬化させる工程と;
を含む。
【0149】
いくつかの実施形態では、硬化フィルムを調製する方法は:
マレイミド含有樹脂、ナジイミド含有樹脂、イタコンイミド含有樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリレート含有樹脂、及びフェノール含有樹脂から成る群から選択される1つ又は複数の樹脂、
少なくとも2つの電子求引基を含む1つ又は複数のイミダゾール、
1つ又は複数の無機充填剤、並びに
接着促進剤及びフィルム形成剤から成る群から選択される1つ又は複数の添加剤、
を含む組成物を調製する工程と;
前記組成物をフィルムに成型する工程と;
前記成型したフィルムを高温に曝露してフィルムを硬化させる工程と;
を含む。
【0150】
いくつかの実施形態では、硬化フィルムを調製する方法は:
マレイミド含有樹脂、ナジイミド含有樹脂、イタコンイミド含有樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリレート含有樹脂、及びフェノール含有樹脂から成る群から選択される1つ又は複数の樹脂、
潜在的熱活性を有する1つ又は複数のイミダゾール、
1つ又は複数の無機充填剤、
接着促進剤及びフィルム形成剤から成る群から選択される1つ又は複数の添加剤、並びに
1つ又は複数のフラックス剤、
を含む組成物を調製する工程と;
前記組成物をフィルムに成型する工程と;
前記成型したフィルムを高温に曝露してフィルムを硬化させる工程と;
を含む。
【0151】
いくつかの実施形態では、硬化フィルムを調製する方法は:
マレイミド含有樹脂、ナジイミド含有樹脂、イタコンイミド含有樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリレート含有樹脂、及びフェノール含有樹脂から成る群から選択される1つ又は複数の樹脂、
少なくとも2つの電子求引基を含む1つ又は複数のイミダゾール、
1つ又は複数の無機充填剤、
接着促進剤及びフィルム形成剤から成る群から選択される1つ又は複数の添加剤、並びに
1つ又は複数のフラックス剤
を含む組成物を調製する工程と;
前記組成物をフィルムに成型する工程と;
前記成型したフィルムを高温に曝露してフィルムを硬化させる工程と;
を含む。
【0152】
硬化フィルムを調製する方法のいくつかの実施形態では、1つ又は複数の樹脂は、マレイミド含有樹脂、ナジイミド含有樹脂、イタコンイミド含有樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリレート含有樹脂、及びフェノール含有樹脂から成る群から選択され、ここで、マレイミド含有樹脂、ナジイミド含有樹脂、イタコンイミド含有樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリレート含有樹脂、及びフェノール含有樹脂は、本明細書の他の場所で開示されるものであり、任意で、本明細書の他の場所に開示されている量で存在する。
【0153】
硬化フィルムを調製する方法のいくつかの実施形態では、1つ又は複数のイミダゾールは、本明細書の他の場所で開示されるものであり、任意で、本明細書の他の場所に開示される量で存在する。
【0154】
硬化フィルムを調製する方法のいくつかの実施形態では、1つ又は複数のイミダゾールは、本明細書の他の場所で開示されるものであり、任意で、本明細書の他の場所に開示される量で存在する。
【0155】
硬化フィルムを調製する方法のいくつかの実施形態では、1つ又は複数の無機充填剤は、本明細書の他の場所で開示されるものであり、任意で、本明細書の他の場所に開示される量で存在する。
【0156】
硬化フィルムを調製する方法のいくつかの実施形態では、接着促進剤及びフィルム形成剤から成る群から選択される1つ又は複数の添加剤は、本明細書の他の場所で開示されるものであり、任意で、本明細書の他の場所に開示される量で存在する。
【0157】
硬化フィルムを調製する方法のいくつかの実施形態では、1つ又は複数のフラックス剤は、本明細書の他の場所で開示されるものであり、任意で、本明細書の他の場所に開示される量で存在する。
【0158】
硬化フィルムを調製する方法のいくつかの実施形態では、1つ又は複数のフラックス剤は、少なくとも1つの(メタ)アクリレート基及び少なくとも1つのカルボン酸基を有する化合物であり、任意で、本明細書の他の場所に開示される量で存在する。
【0159】
硬化フィルムを調製する方法のいくつかの実施形態では、1つ又は複数のフラックス剤は、本明細書で記載される1つ又は複数のフラックス剤であり、任意で、本明細書の他の場所に開示される量で存在する。
【0160】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される硬化フィルムを調製する方法に従って調製されるフィルムは、本明細書の他の場所に開示されるフィルムの物理的特性を有する。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるフィルムを調製する方法に従って調製されるフィルムは、本明細書の他の箇所に開示されている、DMAで測定したTg、25℃での貯蔵弾性率、230℃での貯蔵弾性率、250℃での貯蔵弾性率、CTE、10℃/分のランプ速度にてDSCで測定したDSC開始温度、及びN中で10℃/分のランプ速度でDHR2レオメーターを使用して測定された最低フィルム溶融粘度の1つ又は複数を有する。
【0161】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるフィルムを調製する方法に従って調製されるフィルムは、次の物理的性質を有する:
動的機械分析(DMA)で測定したTg>200℃、
25℃での貯蔵弾性率<6.5GPa、
250℃での貯蔵弾性率>0.1GPa、及び
熱膨張係数(CTE)<250ppm/℃。
【0162】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるフィルムを調製する方法に従って調製されるフィルムは、次の物理的性質を有する:
動的機械分析(DMA)で測定されるTg>230℃、
25℃での貯蔵弾性率<5GPa、
230℃での貯蔵弾性率>0.3GPa、及び
熱膨張係数(CTE)<120ppm/℃。
【0163】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるフィルムを調製する方法に従って調製されるフィルムは、次の物理的性質を有する:
動的機械分析(DMA)で測定したTg>240℃、
25℃での貯蔵弾性率<5.5GPa、
230℃での貯蔵弾性率>0.6GPa、及び
熱膨張係数(CTE)<80ppm/℃。
【0164】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるフィルムを調製する方法に従って調製されるフィルムは、次の物理的性質を有する:
動的機械分析(DMA)で測定したTgが240℃~300℃、
25℃での貯蔵弾性率が4.0GPa~5.5GPa、及び
230℃での貯蔵弾性率が0.6GPa~1.2GPa。
【0165】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるフィルムを調製する方法に従って調製されるフィルムは、次の物理的性質を有する:
動的機械分析(DMA)で測定したTgが240℃~300℃、
25℃での貯蔵弾性率が4.0GPa~5.5GPa、
230℃での貯蔵弾性率が0.6GPa~1.2GPa、及び
10℃/分のランプ速度でDHR2レオメーターを使用して、N中で測定された最低フィルム溶融粘度が900Pa・s~6,500Pa・s。
【0166】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるフィルムを調製する方法に従って調製されるフィルムは、次の物理的性質を有する:
動的機械分析(DMA)で測定したTgが240℃~300℃、
25℃での貯蔵弾性率が4.0GPa~5.5GPa、
230℃での貯蔵弾性率が0.6GPa~1.2GPa、及び
熱膨張係数(CTE)が50ppm/℃~80ppm/℃。
【0167】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるフィルムを調製する方法に従って調製されるフィルムは、次の物理的性質を有する:
動的機械分析(DMA)で測定したTgが240℃~300℃、
25℃での貯蔵弾性率が4.0GPa~5.5GPa、
230℃での貯蔵弾性率が0.6GPa~1.2GPa、
熱膨張係数(CTE)が50ppm/℃~80ppm/℃、及び
10℃/分のランプ速度でDHR2レオメーターを使用して、N中で測定された最低フィルム溶融粘度が900Pa・s~6,500Pa・s。
【実施例
【0168】
本開示による組成物の成分を含む例示的な実施形態を表1に示す。イミダゾールAは4-メチル-2-フェニル-1H-イミダゾール-5-メタノールである。イミダゾールBは2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾールである。
【0169】
【表2】
【0170】
本開示による組成物の特定の例示的な実施形態の特性を表2に示す。
【0171】
【表3】
【0172】
本開示によるさらなる例示的な組成物の成分(「実施例8」)及び4つの比較組成物(本開示の範囲内ではない)の成分(比較例1~4)を表3Aに示し、これらの組成物の物理的特性を表3Bに示す。イミダゾールAは4-メチル-2-フェニル-1H-イミダゾール-5-メタノールである。イミダゾールCは2-フェニルイミダゾールである。イミダゾールDは2-エチル-4-メチル-1H-イミダゾール-1-プロパンニトリルである。
【0173】
【表4】
【0174】
【表5】
【0175】
表3Aに示すように、実施例8、比較例1、及び比較例4の組成物はそれぞれイミダゾール硬化剤を含んでいたが、比較例1の組成物及び比較例4の組成物は、少なくとも2つの電子求引基を有するイミダゾールを含まないのに対し、実施例8の組成物は、少なくとも2つの電子求引基を有するイミダゾールを含んでいた。しかしながら、表3Bに示すように、実施例8の組成物は、比較例1の組成物とは異なり、DSC開始温度からDSCピーク温度までの△Tが20℃未満であった(最も近い整数に四捨五入)。
【0176】
また、表3Bに示すように、比較例4の組成物とは異なり、実施例8の組成物は、10℃/分のランプ速度にてDSCで測定すると130℃~250℃(具体的には148.40℃)のDSC開始温度を有し、N中で10℃/分のランプ速度でDHR2レオメーターを使用して測定すると10Pa・s~10,000Pa・s(具体的には5,936Pa・s)の最低フィルム溶融粘度を有する。
【0177】
実施例8の組成物は、良好なはんだ相互接続を形成し、材料の閉じ込め及びボイドがないことが実証され、また、比較例と比較して、より高いTg、より低いCTE、及びより良好な高温特性を有することが実証された。比較例3の組成物も、良好なはんだ相互接続を形成し、材料の閉じ込め及びボイドがないことが実証されたが、比較例1~4の組成物は全て、実施例8と比較して高温特性が劣ることが実証された。比較例1、2及び4の組成物は、熱圧着方法には不適当であると考えられた。
【0178】
したがって、理論に拘束されることを望むことなく、潜在的熱活性を有するイミダゾール、例えば少なくとも2つの電子求引基を含むイミダゾールを含む組成物は、これらに限定されないが、熱圧着方法により適したものにするDSC開始温度、溶融粘度、及びDSC開始温度からDSCピーク温度までの△T等の特徴を備えるのに対し、潜在的熱活性を有さないイミダゾール、例えば電子求引基を1つ有する又は全く有さないイミダゾールを含む組成物、又はイミダゾールを含まない組成物は、熱圧着方法にはあまり適していないと考えられている。
【0179】
実施例3の例示的な組成物に関連するDSC、溶融粘度、DMA及びTMAデータを、それぞれ図1図2図3、及び図4に提供する。実施例8の例示的な組成物に関連するDSC、溶融粘度、DMA及びTMAデータを、それぞれ図5図6図7及び図8に提供する。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】