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特表2024-527080円筒型バッテリーセル、並びにこれを含むバッテリーパック及び自動車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-19
(54)【発明の名称】円筒型バッテリーセル、並びにこれを含むバッテリーパック及び自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/567 20210101AFI20240711BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20240711BHJP
   H01M 50/534 20210101ALI20240711BHJP
   H01M 50/562 20210101ALI20240711BHJP
   H01M 50/545 20210101ALI20240711BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20240711BHJP
   H01M 50/59 20210101ALI20240711BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20240711BHJP
   H01M 50/152 20210101ALI20240711BHJP
   H01M 50/107 20210101ALI20240711BHJP
   H01M 50/179 20210101ALI20240711BHJP
   H01M 50/559 20210101ALI20240711BHJP
【FI】
H01M50/567
H01M50/55 201
H01M50/534
H01M50/562
H01M50/545
H01M50/588
H01M50/59
H01M50/249
H01M50/152
H01M50/107
H01M50/179
H01M50/559
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505157
(86)(22)【出願日】2023-03-03
(85)【翻訳文提出日】2024-01-26
(86)【国際出願番号】 KR2023002982
(87)【国際公開番号】W WO2023171991
(87)【国際公開日】2023-09-14
(31)【優先権主張番号】10-2022-0029614
(32)【優先日】2022-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ミン-ウ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ブ-ウォン・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン-ホ・パク
(72)【発明者】
【氏名】イク-ジン・チェ
【テーマコード(参考)】
5H011
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H011BB04
5H011DD15
5H011EE04
5H040AA28
5H040AA37
5H040AS04
5H040AS07
5H040AT01
5H040AT06
5H040AY04
5H043AA03
5H043AA04
5H043AA13
5H043BA11
5H043BA15
5H043BA16
5H043BA17
5H043CA03
5H043DA03
5H043DA08
5H043EA06
5H043EA16
5H043EA35
5H043EA39
5H043GA23
5H043HA09D
5H043HA09E
5H043JA02D
5H043JA02E
5H043KA06D
5H043KA09D
5H043KA09E
5H043LA02D
5H043LA03D
(57)【要約】
本発明の一実施形態による円筒型バッテリーセルは、第1極性を有する第1電極タブ、及び第2極性を有する第2電極タブを備える電極組立体と、下端に形成された開放部及び上端に形成された閉鎖部を備え、前記開放部を介して前記電極組立体を収容し、前記第2電極タブと電気的に接続される電池缶と、前記第1電極タブと電気的に接続され、前記電池缶の閉鎖部を介して前記電池缶の外部に露出し、前記電池缶と電気的に絶縁するセル端子と、第1面、及び前記第1面とは反対側の第2面を備える第1集電板であって、前記第1面は前記第1電極タブと結合し、前記第2面は前記セル端子と結合する第1集電板と、前記セル端子と前記第1集電板とを機械的に締結させる端子締結部材と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1極性を有する第1電極タブ、及び第2極性を有する第2電極タブを備える電極組立体と、
下端に形成された開放部及び上端に形成された閉鎖部を備え、前記開放部を介して前記電極組立体を収容し、前記第2電極タブと電気的に接続される電池缶と、
前記第1電極タブと電気的に接続され、前記電池缶の閉鎖部を介して前記電池缶の外部に露出し、前記電池缶と電気的に絶縁するセル端子と、
第1面、及び前記第1面とは反対側の第2面を備える第1集電板であって、前記第1面は前記第1電極タブと結合し、前記第2面は前記セル端子と結合する第1集電板と、
前記セル端子と前記第1集電板とを機械的に締結させる端子締結部材と、
を含む、円筒型バッテリーセル。
【請求項2】
前記端子締結部材は、
前記第1集電板及びセル端子の内側に圧入され、前記セル端子と前記第1集電板とを締結することを特徴とする、請求項1に記載の円筒型バッテリーセル。
【請求項3】
前記端子締結部材は、
ベース部と、
前記ベース部から前記第1集電板に向かって延び、前記第1集電板の表面から前記第1集電板及びセル端子の内側に圧入される締結部と、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の円筒型バッテリーセル。
【請求項4】
前記セル端子及び前記第1集電板は、アルミニウムを含むことを特徴とする、請求項1に記載の円筒型バッテリーセル。
【請求項5】
前記端子締結部材は、
ホウ素を0.001wt%から0.008wt%含有するボロン鋼を含むことを特徴とする、請求項4に記載の円筒型バッテリーセル。
【請求項6】
前記締結部の外側及び前記締結部の内側で前記第1集電板の少なくとも一部が前記締結部の圧入によって前記セル端子の内側に内入されることを特徴とする、請求項3に記載の円筒型バッテリーセル。
【請求項7】
前記端子締結部材の最大直径又は最大幅は、
前記電極組立体の巻回中心孔の直径よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載の円筒型バッテリーセル。
【請求項8】
前記円筒型バッテリーセルは、
前記電池缶の前記開放部を密閉するキャッププレートをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の円筒型バッテリーセル。
【請求項9】
前記キャッププレートは、
前記電極組立体と電気的に接続せず、これによって極性を持たないことを特徴とする、請求項8に記載の円筒型バッテリーセル。
【請求項10】
前記円筒型バッテリーセルは、前記第2電極タブと前記電池缶とを電気的に接続する第2集電板をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の円筒型バッテリーセル。
【請求項11】
前記第2集電板は、
前記第2電極タブと結合するタブ結合部と、
前記電池缶と電気的に結合する缶結合部と、
を含むことを特徴とする、請求項10に記載の円筒型バッテリーセル。
【請求項12】
前記缶結合部は、
前記電池缶の側壁の内側面上に電気的に結合することを特徴とする、請求項11に記載の円筒型バッテリーセル。
【請求項13】
前記電池缶は、
前記開放部側で前記電池缶の外周面の周囲を圧入して形成されるビード部を備え、
前記缶結合部は、
前記ビード部の下面上に電気的に結合することを特徴とする、請求項12に記載の円筒型バッテリーセル。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の円筒型バッテリーセルを複数含む、バッテリーパック。
【請求項15】
請求項14に記載のバッテリーパックを含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒型バッテリーセル、並びにこれを含むバッテリーパック及び自動車に関する。より詳しくは、本発明は、従来の円筒型バッテリーセルの構造を大きく変形することなく、正極端子及び負極端子の両方が円筒型バッテリーセルの一側に隣接して配置された構造を有する円筒型バッテリーセル、並びにこれを含むバッテリーパック及び自動車に関する。
【0002】
本出願は、2022年03月08日付け出願の韓国特許出願第10-2022-0029614号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
製品群に応じて適用しやすく、高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯機器だけでなく電気駆動源によって駆動する電気自動車(EV、Electric Vehicle)、ハイブリッド自動車(HEV、Hybrid Electric Vehicle)などに普遍的に適用されている。
【0004】
このような二次電池は、化石燃料の使用を劇的に減少できるという主な利点だけでなく、エネルギーの使用による副産物が全然発生しないという利点も有するため、環境に配慮し、エネルギー効率性を向上させるための新しいエネルギー源として注目されている。
【0005】
現在広く使用されている二次電池の種類には、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などがある。このような単位二次電池セルの動作電圧は約2.5V~4.5Vである。よって、これよりも高い出力電圧が求められる場合、複数のバッテリーセルを直列に接続してバッテリーパックを構成する。また、バッテリーパックに求められる充放電容量に応じて複数のバッテリーセルを並列接続してバッテリーパックを構成することもある。よって、バッテリーパックに含まれるバッテリーセルの数及び電気的接続の形態を、求められる出力電圧及び/又は充放電容量に応じて多様に設定することができる。
【0006】
一方、二次電池セルの種類として、円筒型、角型及びパウチ型のバッテリーセルが知られている。円筒型バッテリーセルの場合、正極と負極との間に絶縁体の分離膜を介在し、これを巻回してゼリーロール状の電極組立体を形成し、これを電解質とともに電池缶の内部に挿入して電池を構成する。また、正極及び負極の各無地部には、ストリップ状の電極タブを接続することができ、電極タブは、電極組立体と外部に露出する電極端子との間を電気的に接続すせる。参照として、正極電極端子は、電池缶の開放口を封止する封止体のキャッププレートであり、負極電極端子は電池缶である。
【0007】
ところが、このような構造を有する従来の円筒型バッテリーセルによると、正極無地部及び/又は負極無地部と結合するストリップ状の電極タブに電流が集中するため、抵抗が大きく熱が多く発生し、集電効率が良くないという問題があった。
【0008】
18650又は21700のフォームファクターを有する小型の円筒型バッテリーセルは、抵抗と発熱が大きい問題とはならない。しかし、円筒型バッテリーセルを電気自動車に適用するためにフォームファクターを大きくする場合、急速充電過程で電極タブの周囲で多くの熱が発生し、円筒型バッテリーセルが発火するという問題が発生する可能性がある。よって、このような問題を解決するために、改善した構造を有するバッテリーセルの開発が求められる。
【0009】
また、電気自動車に搭載されるバッテリーパックは、複数の円筒型バッテリーセルを含む。よって、電気的配線の非効率性は、電気自動車の組立過程、またバッテリーパックのメンテナンス時にも多大な不都合を生じる。
【0010】
一方、最近円筒型バッテリーセルが電気自動車に適用されるにつれ、円筒型バッテリーセルのフォームファクターが増加している。すなわち、円筒型バッテリーセルの直径と高さが、従来の18650、21700などのフォームファクターを有する円筒型バッテリーセルに比べて増加している。フォームファクターの増加により、エネルギー密度が増加し、熱暴走に対する安全性が向上し、また冷却効率が向上する。
【0011】
円筒型バッテリーセルのエネルギー密度は、フォームファクターが増加し、電池缶内部の不要な空間を最小化すると、さらに増加することができる。よって、電極組立体と電池缶との間の電気的絶縁のために使用される部品や正極板と負極板から電流を集電するために使用される部品に対しても、バッテリーセルの容量を増加させ、バッテリーセル全体の抵抗を低下させるように最適に設計する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、正極端子及び負極端子が同一方向に適用された構造を有する円筒型バッテリーセルを提供することを一目的とする。
【0013】
本発明は、一方向に複数の円筒型バッテリーセルを電気的に接続しようとする場合において、電池缶の閉鎖部の広い面を電極端子として活用できるようにすることで、バッテリーパックを製造するためのバスバーなどの電気的接続部品と円筒型バッテリーセルの電極端子とを溶接し得る十分な面積を確保することを一目的とする。
【0014】
他の態様において、本発明は、集電板(第1集電板)とセル端子との結合時に工程性を改善させ、結合部位における抵抗を低減させることを一目的とする。
【0015】
他の態様において、本発明は、セル端子(第1電極端子)の上面が占める面積と、閉鎖部の外部面(第2電極端子)が占める面積とをバスバーとの結合に十分な面積になるように最適に設計することを一目的とする。
【0016】
また他の態様において、本発明は、電極組立体の無地部構造の改善により、電極組立体と集電板(第1集電板)との接触面積及び/又はセル端子と集電板(第1集電板)との接触面積を拡大することで、円筒型バッテリーセルが有する抵抗を最小限に抑えることを一目的とする。
【0017】
また他の態様において、本発明は、集電板(第2集電板)と電池缶との電気的接続構造を改善して電流パス(path)を多重化し、接触面積を極大化することで、円筒型バッテリーセルが有する抵抗を最小限に抑えることを一目的とする。
【0018】
また他の態様において、本発明は、集電板(第2集電板)と電池缶との電気的接続構造を改善して電流パスを減少させ、これによって、円筒型バッテリーセルが有する抵抗を最小限に抑えることを一目的とする。
【0019】
また他の態様において、本発明は、電極組立体の無地部構造の改善及び/又はセル端子の高さの最適設計及び/又は電池缶の厚さの最適設計などによってデッドスペースを最小限に抑え、これによってエネルギー密度を最大化することを一目的とする。
【0020】
ただし、本発明が解決しようとする技術的課題は上記課題に限定されず、言及されていない他の課題については、以下の発明の説明から当業者には明らかとなるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上述の技術的課題を解決するための本発明の一実施形態による円筒型バッテリーセルは、第1極性を有する第1電極タブ、及び第2極性を有する第2電極タブを備える電極組立体と、下端に形成された開放部及び上端に形成された閉鎖部を備え、前記開放部を介して前記電極組立体を収容し、前記第2電極タブと電気的に接続される電池缶と、前記第1電極タブと電気的に接続され、前記電池缶の閉鎖部を介して前記電池缶の外部に露出し、前記電池缶と電気的に絶縁するセル端子と、第1面、及び前記第1面とは反対側の第2面を備える第1集電板であって、前記第1面は前記第1電極タブと結合し、前記第2面は前記セル端子と結合する第1集電板と、前記セル端子と前記第1集電板とを機械的に締結させる端子締結部材と、を含む。
【0022】
前記端子締結部材は、前記第1集電板及びセル端子の内側に圧入され、前記セル端子と前記第1集電板とを締結することができる。
【0023】
前記端子締結部材は、ベース部と、前記ベース部から前記第1集電板に向かって延び、前記第1集電板の表面から前記第1集電板及びセル端子の内側に圧入される締結部と、を含むことができる。
【0024】
前記セル端子及び前記第1集電板はアルミニウムを含むことができる。
【0025】
前記端子締結部材は、ホウ素を0.001wt%から0.008wt%含有するボロン鋼を含むことができる。
【0026】
前記締結部の外側及び前記締結部の内側で前記第1集電板の少なくとも一部を前記締結部の圧入によって前記セル端子の内側に押し込むことができる。
【0027】
前記端子締結部材の最大直径又は最大幅は、前記電極組立体の巻回中心孔の直径よりも小さく形成することができる。
【0028】
前記円筒型バッテリーセルは、前記電池缶の前記開放部を密閉するキャッププレートをさらに含むことができる。
【0029】
前記キャッププレートは、前記電極組立体と電気的に接続せず、これによって極性を持たないこともある。
【0030】
前記円筒型バッテリーセルは、前記第2電極タブと前記電池缶とを電気的に接続する第2集電板をさらに含むことができる。
【0031】
前記第2集電板は、前記第2電極タブと結合するタブ結合部と、前記電池缶と電気的に結合する缶結合部と、を含むことができる。
【0032】
前記缶結合部は、前記電池缶の側壁の内側面上に電気的に結合することができる。
【0033】
前記電池缶は、前記開放部側で前記電池缶の外周面の周囲を圧入して形成されるビード部を備えることができ、前記缶結合部は、前記ビード部の下面上に電気的に結合することができる。
【0034】
一方、本発明の一実施形態によるバッテリーパックは、前記円筒型バッテリーセルを複数含む。
【0035】
本発明の一実施形態による自動車は、前記バッテリーパックを含む。
【発明の効果】
【0036】
本発明の一態様によると、集電板(第1集電板)とセル端子との結合において工程性を改善させることができ、結合部位における抵抗を低減することができる。
【0037】
本発明の他の態様によると、円筒型バッテリーセルの電極端子構造を改善して電池缶内の空間効率性を増加させることで、円筒型バッテリーセルの内部抵抗を低下させ、エネルギー密度を増加させることができる。
【0038】
本発明のまた他の態様によると、円筒型バッテリーセルの電極端子構造を改善して電流パスの断面積を拡大することで、急速充電時に生じる内部発熱の問題を改善することができる。
【0039】
本発明のまた他の態様によると、円筒型バッテリーセルの直列及び/又は並列接続のための電気的配線作業を円筒型バッテリーセルの一側で行うことができる。
【0040】
本発明のまた他の態様によると、一方向に複数の円筒型バッテリーセルを電気的に接続しようとする場合において、電池缶の閉鎖部の広い面を電極端子として活用でき、これによって、バッテリーパックを製造するためのバスバーなどの電気的接続部品と円筒型バッテリーセルの電極端子とを溶接し得る十分な面積を確保することができる。
【0041】
本発明のまた他の態様によると、セル端子(第1電極端子)の上面が占める面積と閉鎖部の外部面(第2電極端子)が占める面積とをバスバーとの結合に十分な面積になるように最適に設計することができる。
【0042】
本発明のまた他の態様によると、電極組立体の無地部構造の改善により、電極組立体と集電板(第1集電板)との接触面積及び/又はセル端子と集電板(第1集電板)との接触面積を拡大することができ、これによって、円筒型バッテリーセルが有する抵抗を最小化することができる。
【0043】
本発明のまた他の態様によると、集電板(第2集電板)と電池缶との電気的接続構造の改善による電流パス(path)の多重化が可能であり、これら部品間の接触面積を極大化し、円筒型バッテリーセルが有する抵抗を最小化することができる。
【0044】
本発明のまた他の態様によると、集電板(第2集電板)と電池缶との電気的接続構造の改善により電流パスを減少させ、これによって、円筒型バッテリーセルが有する抵抗を最小化することができる。
【0045】
本発明のまた他の態様によると、電極組立体の無地部構造の改善及び/又はセル端子の高さの最適設計及び/又は電池缶の厚さの最適設計などによって、デッドスペースを最小化でき、これによって、エネルギー密度を最大化することができる。
【0046】
本発明のまた他の態様によると、改善した構造を有する円筒型バッテリーセルを用いて製作されたバッテリーパック、並びにこれを含む自動車を提供することができる。
【0047】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の内容とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】本発明の一実施形態による円筒型バッテリーセルの外観を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態によって無地部が折り曲がった電極組立体の斜視図である。
図3】本発明の一実施形態による円筒型バッテリーセルの内部構造を示す断面図である。
図4】本発明の一実施形態による円筒型バッテリーセルの上部構造を示す部分断面図及び締結部材が適用された領域を拡大して示す部分拡大図である。
図5】本発明の一実施形態による円筒型バッテリーセルの断面図であって、締結部材を用いて第1集電板とセル端子とを結合させる工程を説明するための図である。
図6】締結部材を用いて第1集電板とセル端子とを結合させる工程を段階別に説明するための概念図である。
図7】本発明の一実施形態による第1集電板を示す図である。
図8】本発明の一実施形態による円筒型バッテリーセルの下部構造を示す部分断面図である。
図9】本発明の一実施形態による円筒型バッテリーセルの下面を示す平面図である。
図10】本発明の一実施形態による複数の円筒型バッテリーセルをバスバーを用いて直列及び並列に接続した様子を示す上部平面図である。
図11】本発明の実施形態による円筒型バッテリーセルを含むバッテリーパックの概略的な構成を示す図である。
図12】本発明の実施形態によるバッテリーパックを含む自動車の概略的な構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲において使用される用語や単語は通常的及び辞書的な意味に限定して解釈されるものではなく、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応じた意味及び概念で解釈されるものである。したがって、本明細書に記載された実施形態に示された構成は、本発明の最も望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを表すものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解されたい。
【0050】
また、発明の理解のために、添付された図面は実際の縮尺で示されておらず、一部の構成要素の寸法を誇張して示すことがある。また、互いに異なる実施形態における同一の構成要素に対しては同一の参照番号が付されていることがある。
【0051】
2つの比較対象が同一であるという言及は「実質的に同一」であることを意味する。したがって、「実質的に同一」は、当該技術分野で低いレベルと見なされる偏差、例えば、5%以内の偏差を有する場合を含むことができる。また、所定の領域において、あるパラメーターが均一であるとは平均的観点で均一であることを意味し得る。
【0052】
図1から図4を参照すると、前記本発明の一実施形態による円筒型バッテリーセル1は、電極組立体10、電池缶20、セル端子40、第1集電板50、及び端子締結部材60を含む。前記円筒型バッテリーセル1は、上述の構成要素以外にもさらにキャッププレート30及び/又はインシュレータ70、及び/又は絶縁ガスケットG1及び/又はシールガスケットG2及び/又は第2集電板80をさらに含むこともできる。
【0053】
前記電極組立体10は、第1極性を有する第1電極タブ11、及び第2極性を有する第2電極タブ12を備える。前記第1電極タブ11及び第2電極タブ12は、電極組立体10の高さ方向(Z軸に平行な方向)に沿って互いに反対方向に延びる形状を有することができる。例えば、前記第1電極タブ11は上方に、第2電極タブ12は下方に延びる形状を有することができる。すなわち、前記第1電極タブ11は、電池缶20の下端に形成された開放部の反対側に位置する閉鎖部に向かって延び、第2電極タブ12は、電池缶20の開放部に向かって延びることができる。
【0054】
前記電極組立体10は、第1極性を有する第1電極、第2極性を有する第2電極、及び第1電極と第2電極との間に介在される分離膜を含む。前記第1電極は正極又は負極であり、第2電極は、第1電極とは反対の極性を有する電極に該当する。
【0055】
前記電極組立体10は、例えばゼリーロール(jelly-roll)構造を有することができる。すなわち、前記電極組立体10は、略シート状の第1電極及び第2電極をそれらの間に分離膜を介在させた状態で少なくとも1回積層して形成された積層体を、コア部を基準として巻き取ることにより製造することができる。このように巻回された電極組立体10のコア部には、巻回中心孔Cが形成され得る。前記電極組立体10の外周面の上には電池缶20との絶縁のためにさらなる分離膜を備えることができる。当該技術分野で知られているゼリーロール構造であれば本発明に制限することなく適用可能である。
【0056】
前記第1電極は、第1電極集電体、及び第1電極集電体の片面又は両面上に塗布された第1電極活物質を含む。前記第1電極集電体の幅方向(Z軸に平行な方向)の一側端部には第1電極活物質が塗布されていない第1無地部が存在する。電極タブとして機能する前記第1無地部を、以下第1電極タブ11と称する。前記第1電極タブ11は、電池缶20内に収容された電極組立体10の高さ方向(Z軸に平行な方向)の上部に備えられる。すなわち、前記第1電極集電体は、その幅方向(Z軸に平行な方向)の一側端部に形成され、その長手方向(X軸に平行な方向)に沿って延びる形状を有する第1無地部、すなわち活物質層がコーティングされていない部分を有し、このような第1無地部は分離膜の外部に露出する。前記第1無地部は、それ自体で電極タブとして使用される。前記第1電極タブ11は、例えば正極タブであり得る。
【0057】
一方、図2に示している本発明の電極組立体10の例示的な形態を参照すると、前記第1電極タブ11の少なくとも一部は、電極組立体10の巻回方向に沿って分割された複数の分割片11aを含むことができる。この場合、前記複数の分割片11aは、電極組立体10の半径方向に沿って折り曲げられる。折り曲げられた前記複数の分割片11aは、多重に重なり得る。この場合、後述する第1集電板50の第1タブ結合部52は、複数の分割片11aが多重に重なっている領域に結合し得る。一方、前記電極組立体10は、第1電極タブ11の分割片11aの重なり層数が電極組立体10の半径方向に沿ってほぼ最大値に一定に維持される領域である積層数均一領域を備えることができる。この領域では、重なり層数が最大に維持されるので、後述する第1集電板50と第1電極タブ11との溶接がこの領域内で行われることが有利であり得る。これは、例えば、レーザ溶接を適用する場合において、溶接品質を向上させるためにレーザの出力を高める場合、レーザビームが第1電極タブ11を貫通して電極組立体10を損傷することを防止するためである。また、これは、溶接スパッタなどの異物が電極組立体10の内部に流入することを効果的に防止するためである。
【0058】
前記第2電極は、第2電極集電体、及び第2電極集電体の片面又は両面上に塗布された第2電極活物質を含む。前記第2電極集電体の幅方向(Z軸に平行な方向)の他側端部には、第2電極活物質が塗布されていない第2無地部が存在する。電極タブとして機能する前記第2無地部を、以下第2電極タブ12と称する。前記第2電極タブ12は、電池缶20内に収容された電極組立体10の高さ方向(Z軸に平行な方向)の下部に備えられる。すなわち、前記第2電極集電体は、その幅方向(Z軸に平行な方向)の他側端部に形成され、その長手方向(X軸に平行な方向)に沿って延びる形状を有する第2無地部、すなわち活物質層がコーティングされていない部分を有し、このような第2無地部は分離膜の外部に露出する。前記第2電極タブ12は、例えば負極タブであり得る。
【0059】
一方、上述した第1電極タブ11の場合と同様に、前記第2電極タブ12の少なくとも一部は、電極組立体10の巻回方向に沿って分割された複数の分割片を含むことができる。この場合、前記複数の分割片は、電極組立体10の半径方向に沿って折り曲げられる。折り曲げられた前記複数の分割片は、多重に重なり得る。この場合、後述する第2集電板80の第2タブ結合部82は、複数の分割片が多重に重なっている領域に結合し得る。一方、前記電極組立体10は、第2電極タブ12の分割片の重なり層数が電極組立体10の半径方向に沿ってほぼ最大値に一定に維持される領域である積層数均一領域を備えることができる。この領域では、重なり層数が最大に維持されるので、後述する第2集電板80と第2電極タブ12との溶接がこの領域内で行われることが有利であり得る。これは、例えば、レーザ溶接を適用する場合において、溶接品質を向上させるためにレーザの出力を高める場合、レーザビームが第2電極タブ12を貫通して電極組立体10を損傷することを防止するためである。また、これは、溶接スパッタなどの異物が電極組立体10の内部に流入することを効果的に防止するためである。
【0060】
図3図4及び図8を参照すると、前記電池缶20は、下方に開放部が形成され、内部に空の空間が備えられた略円筒型の収容体であり、例えば、金属のような導電性を有する材料からなる。前記電池缶20の材料としては、例えば鉄(steel)、又はステンレス鋼(stainless steel)、又はニッケルがメッキされた鉄などが挙げられる。このように、剛性に優れた鉄系材料が用いられる場合、電池缶20の剛性の点で非常に有利であり得る。特に、後述する前記端子締結部材60を用いてセル端子40と第1集電板50とを結合させる工程を行う際に、電池缶20の形状の変形を防止するためには、電池缶20の剛性を十分に確保する必要がある。ただし、これによって前記電池缶20の材料が限定されるものでなく、導電性を有する金属材料であれば使用可能である。前記電池缶20は、下方に形成された開放部を介して電極組立体10を収容し、電解質もともに収容する。
【0061】
前記電池缶20は、電極組立体10と電気的に接続される。前記電池缶20は、例えば、電極組立体10の第2電極タブ12と電気的に結合することができる。この場合、前記電池缶20は、第2電極タブ12と同一の第2極性を有する。
【0062】
前記電池缶20は、その下端近傍に形成されたビード部21を備えることができる。前記ビード部21は、電池缶20の開放部側で電池缶20の外周面の周囲を圧入して形成される。これによって、前記ビード部21が形成された領域で、電池缶20は内側に所定の深さに凹んだ形状を有する。前記ビード部21は、電池缶20の内径と略対応するサイズを有する電極組立体10が、電池缶20の下端に形成された開口部を介して抜かないようにし、キャッププレート30が安着する支持部として機能することができる。図8を参照すると、前記電池缶20の内側面上で、ビード部21の上面は、電極組立体10が安着する支持面として機能することができる。また、前記電池缶20の内側面上で、ビード部21の下面は、キャッププレート30が安着する支持面として機能することができる。一方、前記電池缶20の内側面上で、ビード部21の下面は、後述する第2集電板80の缶結合部83が安着する支持面として機能することもできる。
【0063】
前記電池缶20は、ビード部21の下部に形成される圧着部22を備えることができる。前記圧着部22は、ビード部21から下方に延びる形状を有する。前記圧着部22は、ビード部21の下方に配置されるキャッププレート30の外周面、またキャッププレート30の下面の一部を囲むように延長及び折り曲がった形状を有する。前記圧着部22は、キャッププレート30以外にもシールガスケットG2を固定することができる。
【0064】
図3及び図8を参照すると、前記キャッププレート30は、剛性を確保するために、例えば金属材料からなり得る。前記キャッププレート30は、電池缶20の下端に形成された開放部を密閉する。前記キャッププレート30の下面は、円筒型バッテリーセル1の下面をなす。本発明の円筒型バッテリーセル1において、前記キャッププレート30は、伝導性を有する金属材料の場合でも、極性を持たないこともある。極性を持たないとは、前記キャッププレート30が電極組立体10と電気的に接続されていないことを意味する。このように、前記キャッププレート30が電極組立体10と電気的に接続されていない場合、キャッププレート30は、正極端子又は負極端子として機能しない。すなわち、本発明において、前記キャッププレート30は、電極組立体10及び電池缶20と電気的に接続される必要がなく、その材料が必ずしも伝導性金属である必要もない。
【0065】
本発明の電池缶20がビード部21を備える場合、前記キャッププレート30は、電池缶20に形成されたビード部21の下面によって支持され得る。また、本発明の電池缶20が圧着部22を備える場合、前記キャッププレート30は、圧着部22によって固定される。すなわち、前記キャッププレート30の上面は、ビード部21により支持され、外周面及び下面は、ビード部21によって支持され得る。前記キャッププレート30と電池缶20の圧着部22との間には、電池缶20の気密性を確保するために、シールガスケットG2を介在することができる。一方、上述のように、本発明の電池缶20は、ビード部21及び/又は圧着部22を備えていない場合もあり、この場合、前記シールガスケットG2は、電池缶20の気密性を確保するために電池缶20の開放部側に備えられた固定用の構造物とキャッププレート30との間に介在され得る。
【0066】
図8及び図9を参照すると、前記キャッププレート30は、電池缶20の内部に発生したガスによって内圧が予め設定された数値を超えて増加することを防止するために形成されるベント部31をさらに備えることができる。前記ベント部31は、キャッププレート30うち、周辺領域と比較してさらに薄い厚さを有する領域に該当する。前記ベント部31は、周辺領域と比較して構造的に弱い。よって、前記円筒型バッテリーセル1に異常が発生し、電池缶20の内部圧力が一定レベル以上に増加すると、ベント部31が破断し、電池缶20の内部に発生したガスが排出される。前記ベント部31は、例えば、キャッププレート30の片面上又は両面上に切り込み(notching)を行って部分的に電池缶20の厚さを減少させることで形成することができる。
【0067】
本発明の一実施形態による円筒型バッテリーセル1は、後述するように、上部に正極端子及び負極端子の両方が存在する構造を有し、これにより、上部の構造が下部の構造よりも複雑である。よって、前記電池缶20の内部に発生したガスの円滑な排出のために、円筒型バッテリーセル1の下端で電池缶20の開放部を密閉するキャッププレート30にベント部31が形成され得る。図7に示すように、前記キャッププレート30の下端部は、電池缶20の下端部よりもさらに上方に位置することが望ましい。この場合、前記電池缶20の下端部が地面に触れるか、又はモジュールやパックの構成のためのハウジングの底面に触れても、キャッププレート30は、地面又はモジュールやパックの構成のためのハウジングの底面に触れなくなる。これにより、前記円筒型バッテリーセル1の重量により、ベント部31の破断に求められる圧力が設計値から変わる現象を防止することができるため、ベント部31の破断円滑性を確保することができる。
【0068】
一方、前記ベント部31は、図8及び図9に示すようにキャッププレート30の中央領域を取り囲むように連続的又は不連続的に延びる形状を有することができる。この場合、内圧の上昇によるベント部31の破断容易性の観点からは、キャッププレート30の中心部からベント部31までの距離が大きいほど有利である。これは、同一の内圧が作用したとき、前記キャッププレート30の中心点からベント部31までの距離が大きくなるほど、ベント部31に作用する力が大きくなり破断が容易になるためである。また、ベントガスの排出円滑性の観点からも、キャッププレート30の中心点からベント部31までの距離が大きいほど、ベンティングによって開放される面積が大きくなるため有利である。このような観点から見ると、前記ベント部31は、キャッププレート30の全体領域のうち、下方(図8を基準に下に向かう方向)に突出し、略平坦な形状を有する中心領域の外周縁に沿って形成されることが有利であり得る。
【0069】
本発明の図8及び図9では、前記ベント部31がキャッププレート30上に略円形に連続して形成された場合を示しているが、これによって本発明が限定されるものではない。前記ベント部31は、キャッププレート30の中心点を内側に含むように形成される略楕円形状、又は他の幾何学的形状であり得る。また、前記ベント部31は、連続的に形成されるものでなく、不連続的に形成され得る。
【0070】
図1から図4を参照すると、前記セル端子40は、前記第1電極タブ11と電気的に接続される。前記第1電極タブ11とセル端子40との電気的接続は、第1集電板50を介して行われる。前記セル端子40は、電池缶20の閉鎖部を介して電池缶20の外部に露出し得る。
【0071】
前記セル端子40は、伝導性を有する金属材料からなる。前記セル端子40は、アルミニウム(Al)を含むことができる。好ましくは、前記セル端子40の材料はアルミニウムである。前記セル端子40の材料がアルミニウムの場合、後述するようなセル端子40を電池缶20の閉鎖部の内側面上に固定するためのリベット加工、及び/又は端子締結部材60を用いた圧入を容易に行うことができる。前記セル端子40の材料がアルミニウムの場合、加工容易性を極大化し、また電気抵抗を最小限に抑えるために10系のアルミニウムを適用することができる。
【0072】
前記セル端子40は、電極組立体10の第1電極タブ11と同様に第1極性を有する。よって、前記セル端子40は、本発明の円筒型バッテリーセル1において、第1電極端子として機能することができる。前記セル端子40がこのように第1極性を有する場合、セル端子40は、第2極性を有する電池缶20とは電気的に絶縁する。前記セル端子40と電池缶20との電気的絶縁は、様々な方式で実現することができる。例えば、前記セル端子40と電池缶20との間に絶縁ガスケットG1を介在させることで絶縁を実現することができる。これとは異なり、前記セル端子40の一部に絶縁性コーティング層を形成させることで絶縁を実現することもできる。或いは、前記セル端子40と電池缶20とが接触不可となるようにセル端子40を構造的に堅たく固定する方式を適用することもできる。或いは、上述した方式のうちの複数の方式をともに適用することもできる。
【0073】
図4を参照すると、前記セル端子40は、端子露出部41及び端子挿入部42を含む。前記端子挿入部42は、電気的接続部42a及びフランジ部42bを含むことができる。前記端子露出部41は、電池缶20の外側に露出する。前記端子露出部41は、電池缶20の閉鎖部の略中心部に位置し得る。前記端子露出部41の最大幅は、セル端子40の挿入のために電池缶20に形成された孔の最大幅よりも大きく形成され得る。前記端子挿入部42は、電池缶20の閉鎖部の略中心部を通過し、前記端子挿入部42の電気的接続部42aは、第1電極タブ11と電気的に接続し得る。前記セル端子40の底面、すなわち電気的接続部42aの底面は、少なくとも一部の領域が電池缶20の閉鎖部と略平行な略平坦な形状であり得る。このように、セル端子40の底面の一部又は全部が略平坦な形状を有する場合、セル端子40と第1電極タブ11との電気的接続のために適用される第1集電板50とセル端子40との接触面積を極大化でき、これによって接触抵抗を最小化することができる。このように電極組立体10とセル端子40との電気的接続部位における接触面積の極大化、及びこれによる接触抵抗の最小化は、急速充電による多くの量の電流が流れる場合において、セル端子40と第1集電板50との結合部位での円滑な電流の流れを保障でき、これによって、充電時間の短縮、発熱量の低減などの効果が得られる。
【0074】
前記端子挿入部42のフランジ部42bは、前記電気的接続部42aの周囲に形成され、電池缶20の閉鎖部の内部面上にリベット(rivet)結合し得る。すなわち、前記端子挿入部42のフランジ部42bは、電池缶20の閉鎖部の内部面に向かって湾曲した形状であり得る。よって、前記セル端子40の固定のためのリベット工程が行われた後の端子挿入部42の最大幅は、端子挿入部42が通過できるように電池缶20に形成された孔の最大幅よりも大きく形成することができる。
【0075】
前記端子挿入部42の電気的接続部42aは、後述する第1集電板50と結合し得る。前記端子挿入部42の電気的接続部42aは、例えば、略円柱状であり得る。もちろん、前記端子挿入部42の電気的接続部42aの形状がこれによって限定されるものではない。前記端子挿入部42の電気的接続部42aは、例えば、断面が楕円の形状を有する円柱状又は四角柱状又は六角柱状又は八角柱状など様々な形状を有することができる。前記端子挿入部42の電気的接続部42aの底面は、少なくとも部分的に略平坦に形成することができる。
【0076】
前記絶縁ガスケットG1は、電池缶20とセル端子40との間に介在され、互いに反対の極性を有する電池缶20とセル端子40とが互いに接触することを防止する。これによって、略平坦な形状を有する電池缶20の閉鎖部の外部面20aが、円筒型バッテリーセル1の第2電極端子として機能することができる。
【0077】
前記絶縁ガスケットG1は、ガスケット露出部G1A及びガスケット挿入部G1Bを含む。前記ガスケット露出部G1Aは、セル端子40の端子露出部41と電池缶20との間に介在される。前記ガスケット露出部G1Aは、絶縁性を極大化するため、電池缶20の閉鎖部と略平行な方向に沿って端子露出部41よりも長く延びることができる。これによって、円筒型バッテリーセル1を上部から見たとき、ガスケット露出部G1Aの一部が端子露出部41の外側に露出することがある。前記ガスケット挿入部G1Bは、セル端子40の端子挿入部42と電池缶20との間に介在される。前記ガスケット挿入部G1Bは、端子挿入部42のフランジ部42bを用いたリベット(reveting)時にともに変形し、電池缶20の閉鎖部の内側面に密着し得る。前記絶縁ガスケットG1は、例えば、絶縁性及び弾性を有する樹脂材料からなり得る。
【0078】
前記絶縁ガスケットG1が樹脂材料からなる場合において、絶縁ガスケットG1は、熱融着によって前記電池缶20及びセル端子40と結合することができる。この場合、絶縁ガスケットG1とセル端子40との結合界面、及び絶縁ガスケットG1と電池缶20との結合界面における気密性を高めることができる。一方、図示されてはいないが、前記絶縁ガスケットG1のガスケット露出部G1Aは、端子露出部41の外周面をカバーするように延びる形状を有するか、又は端子露出部41の外周面だけでなく上面の一部までもカバーするように延びる形状を有することができる。前記絶縁ガスケットG1のガスケット露出部G1Aが端子露出部41の外周面及び上面の一部までもカバーするように延びる形状を有する場合において、セル端子40は、例えば、インサート射出によって絶縁ガスケットG1と一体に形成され得る。
【0079】
前記円筒型バッテリーセル1の上部から見た電池缶20の上面の全体面積のうち、前記セル端子40及び前記絶縁ガスケットG1が占める領域を除いた残りの領域の全体、すなわち電池缶20の閉鎖部の外部面20aが占める領域が前記セル端子(第1電極端子)40と反対の極性を有する第2電極端子に該当する。
【0080】
図3及び図4を参照すると、前記第1集電板50は、電極組立体10の上部に結合する。また、前記第1集電板50は、セル端子40と結合する。より具体的に、前記第1集電板50は、第1面及び前記第1面とは反対側の第2面を備え、第1面は第1電極タブ11と結合し、第2面はセル端子40と結合する。これによって、前記第1集電板50は、電極組立体10の第1電極タブ11とセル端子40とを電気的に接続する。前記第1集電板50は、導電性を有する金属材料からなり、第1電極タブ11と結合する。前記第1電極タブ11が正極タブの場合、第1集電板50は、例えば、アルミニウムを含むことができる。好ましく、前記第1集電板50は、アルミニウム材料であり得る。
【0081】
前記セル端子40の底面、すなわち端子挿入部42の電気的接続部42aの底面には、少なくとも一部に電池缶20の閉鎖部の内部面と略平行な平坦部が形成され、第1集電板50はこの平坦部と結合する。
【0082】
前記第1集電板50は、第1電極タブ11の端部に結合する。前記第1電極タブ11と第1集電板50との結合は、例えば、レーザ溶接によって行うことができる。前記レーザ溶接は、第1集電板50の母材を部分的に溶融させる方式によって行うか、又は第1集電板50と第1電極タブ11との間に溶接のためのはんだを介在させた状態で行うことができる。この場合、前記はんだは、第1集電板50及び第1電極タブ11と比較してさらに低い融点を有するものが望ましい。
【0083】
前記第1集電板50は、第1電極タブ11の端部が第1集電板50と平行な方向に折り曲がって形成された結合面上に結合し得る。前記第1電極タブ11の折り曲げは、電極組立体10の半径方向に沿ってなされ得る。前記第1電極タブ11の折り曲げ方向は、例えば、電極組立体10の巻回中心部、すなわちコアに向かう方向であり得る。前記第1電極タブ11がこのように折り曲がった形状を有する場合、第1電極タブ11が占める空間が縮小し、エネルギー密度が向上することができる。また、前記第1電極タブ11がこのように折り曲がった形状を有する場合、第1電極タブ11と第1集電板50との結合面積の増加によって、結合力が向上し、抵抗が減少する効果が得られる。一方、前記第1電極タブ11の端部が折り曲がった形状を有し、第1集電板50が第1電極タブ11の折り曲げにより形成される結合面上に結合する場合において、第1集電板50と第1電極タブ11との結合が積層数均一領域内で行われることが有利であることは上述した通りである。
【0084】
次いで、図3及び図4とともに図7を参照して本発明の第1集電板50の例示的な形態について説明する。図3及び図4とともに図7を参照すると、本発明に適用される第1集電板50は、第1電極タブ11と結合する第1タブ結合部52、及びセル端子40と結合する端子結合部53を含む。前記第1集電板50は、他にも枠部51をさらに含むこともできる。
【0085】
前記枠部51は、電極組立体10の上部に配置される。前記枠部51は、その内部に空の空間Sが形成された略リーム(rim)状を有することができる。本発明の図面では、前記枠部51が略円形のリーム状を有する場合のみを示しているが、これによって本発明が限定されるものではない。前記枠部51は、図示とは異なり、略四角のリーム状、六角のリーム状、八角のリーム状又は他のリーム状を有することもできる。
【0086】
前記端子結合部53は、例えば、セル端子40の底面に形成された平坦部との結合のための面積を確保するために前記セル端子40の底面に形成された平坦部の直径と実質的に同一であるか、さらに大きな直径を有することができる。ただし、これによって前記端子結合部53の面積を限定するものではない。
【0087】
前記第1タブ結合部52は、枠部51から内側に延びて第1電極タブ11と結合する。前記端子結合部53は、第1タブ結合部52と離隔して枠部51の内側に位置する。後述するように、前記端子結合部53は、セル端子40と機械的締結方式によって結合し得る。前記端子結合部53は、例えば、枠部51によって取り囲まれた内側空間の略中心部に位置し得る。前記端子結合部53は、電極組立体10のコア部に形成された巻回中心孔Cと対応する位置に備えられ得る。前記端子結合部53は、電極組立体10の巻回中心孔Cが端子結合部53の外側に露出しないように、電極組立体10の巻回中心孔Cをカバーするように構成され得る。このように、前記電極組立体10の巻回中心孔Cが覆われる場合、孔内を通過する電解液の流速によって孔の内側に位置する分離膜が損傷し、これによって電極が露出する現象を防止することができる。このために、前記端子結合部53は、電極組立体10の巻回中心孔Cよりも大きな直径又は幅を有することができる。
【0088】
前記第1タブ結合部52と端子結合部53は、直接的に接続せず、互いに離隔するように配置され、枠部51によって間接的に接続し得る。このように、前記第1集電板50は、第1タブ結合部52と端子結合部53とが互いに直接接続せず、枠部51を介して間接的にのみ接続された構造を有することで、衝撃を分散させることができる。すなわち、本発明の円筒型バッテリーセル1に衝撃及び/又は振動が発生する場合、第1タブ結合部52と第1電極タブ11との結合部位と、端子結合部53とセル端子40との結合部位に加えられる衝撃を分散させることができる。本発明の図面では、前記第1タブ結合部52が4つである場合のみが示されているが、これによって本発明が限定されるものではない。前記第1タブ結合部52の数は、形状の複雑性による製造難易度、電気抵抗、電解液の含浸性を考慮した枠部51の内側空間などを考慮して多様に決定することができる。
【0089】
前記第1集電板50は、枠部51から内側に延びて端子結合部53と接続されるブリッジ部54をさらに含むことができる。前記ブリッジ部54は、ブリッジ部54の断面積を部分的に減少させるように形成される電流遮断部Nを備えることができる。前記電流遮断部Nの断面積の調節は、例えば、ブリッジ部54の幅及び/又は厚さの部分的な減少によって実現することができる。前記電流遮断部Nが備えられる場合、電流遮断部Nが形成された領域における電気抵抗が増加し、これによって過電流の発生時に迅速な電流遮断が可能となる。前記電流遮断部Nは、ブリッジ部54の少なくとも一面上に形成されるノッチ、溝、孔などの形態を有することができる。
【0090】
一方、前記電流遮断部Nは、破断時に発生する異物が電極組立体10の内部に流入して内部短絡などの問題が発生することを防止するため、上述した電極組立体10の積層数均一領域と対応する領域に備えられることが望ましい。これは、この領域では第1電極タブ11の分割片11a(図2を参照)の重なり層数が最大に維持され、これによって重なった分割片がマスク(mask)として機能することができるためである。例えば、前記電流遮断部Nは、電極組立体10の半径方向の略中心部と対応する領域に備えられ得る。
【0091】
前記第1タブ結合部52は、複数備えることができる。複数の前記第1タブ結合部52は、枠部51の延長方向に沿って互いに実質的に同一の間隔で配置され得る。複数の前記第1タブ結合部52それぞれの延長長さは、互いに実質的に同一であり得る。前記第1タブ結合部52は、第1電極タブ11と、例えば溶接によって結合し得る。
【0092】
前記端子結合部53は、複数の前記第1タブ結合部52によって取り囲まれるように配置され得る。前記端子結合部53は、端子締結部材60によってセル端子40と結合し得る。前記ブリッジ部54は、互いに隣接する一対の第1タブ結合部52の間に位置し得る。この場合、前記ブリッジ部54から枠部51の延長方向に沿って前記一対の第1タブ結合部52のうちいずれか一方までの距離は、ブリッジ部54から枠部51の延長方向に沿って前記一対の第1タブ結合部52のうち他方までの距離と実質的に同一であり得る。複数の前記第1タブ結合部52それぞれの断面積は、実質的に同様に形成され得る。複数の前記第1タブ結合部52それぞれの幅及び厚さは、実質的に同様に形成され得る。
【0093】
図示されてはいないが、前記ブリッジ部54は、複数備えることができる。この場合、複数のブリッジ部54それぞれは、互いに隣接する一対の第1タブ結合部52の間に配置され得る。複数の前記ブリッジ部54は、枠部51の延長方向に沿って互いに実質的に同一の間隔で配置され得る。複数の前記ブリッジ部54それぞれから枠部51の延長方向に沿って互いに隣接する一対の第1タブ結合部52のいずれか一方までの距離は、他方の第1タブ結合部52までの距離と実質的に同一であり得る。
【0094】
上述のように、第1タブ結合部52及び/又はブリッジ部54が複数備えられる場合において、第1タブ結合部52間の距離、及び/又はブリッジ部54間の距離、及び/又は第1タブ結合部52とブリッジ部54との間の距離が一定に形成されると、第1タブ結合部52からブリッジ部54に向かう電流又はブリッジ部54から第1タブ結合部52に向かう電流の流れを円滑に形成することができる。
【0095】
図4及び図5を参照すると、前記端子締結部材60は、セル端子40と第1集電板50とを結合させる。すなわち、本発明において、セル端子40と第1集電板50との結合は、溶接でなく締結のための別途の部材を用いる機械的締結方式によって行うことができる。前記セル端子40と第1集電板50との結合のために溶接を適用する場合、溶接スパッタ(spatter)(レーザ溶接の場合)やスプラッシュ(splash)が発生して電極組立体10の内部に金属異物が流入する現象が発生する可能性がある。金属異物は、電解液が注液されると電解液に沿って移動して内部短絡を生じる可能性がある。よって、本発明においては、セル端子40と第1集電板50とを結合する際に、機械的締結方式を適用することができ、これによってこのような問題を解決することができる。
【0096】
特に、本発明による円筒型バッテリーセル1は、セル端子40が電池缶20の閉鎖部側に位置しているため、セル端子40と第1集電板50との結合のための工程が、電極組立体10の巻回中心孔Cを介して図5の矢印方向に沿って行わなければならない。前記セル端子40と第1集電板50との結合のために溶接を適用する場合、巻回中心孔Cの内部で溶接スパッタやスプラッシュによる金属異物によって、巻回中心孔Cの内壁面を構成する分離膜を損傷するおそれがある。よって、このような本発明の円筒型バッテリーセル1の構造を考慮すると、セル端子40と第1集電板50との結合に機械的締結方式を適用することはその意味が大きい。前記端子締結部材60は、例えば、SPR(セルフピアスリベット:Self Percing Rivet)方式でセル端子40と第1集電板50とを結合させることができる。前記端子締結部材60は、第1集電板50とセル端子40の内側に圧入され、セル端子40と第1集電板50とを締結することができる。前記端子締結部材60は、ベース部61及び締結部62を含むことができる。前記ベース部61は、第1集電板50と略平行に配置され得る。前記締結部62は、ベース部61から第1集電板50に向かって延び、第1集電板50の表面から第1集電板50及びセル端子40の内側に圧入され得る。より具体的に、前記締結部62は、第1集電板50に備えられた端子結合部53の下面(端子結合部53の両面のうち巻回中心孔Cの内側に向かう面)及びセル端子40の底面に圧入され得る。
【0097】
前記第1集電板50の端子結合部53は圧入過程でセル端子40の底面を介して内側に掘り込むことができ、これによって、第1集電板50は、セル端子40との接触面積を極大化しながらセル端子40に密着し得る。前記端子締結部材60の締結部62は、セル端子40の底面から所定の深さだけ圧入された位置で端子結合部53を貫通することができる。もちろん、これとは異なり、前記端子締結部材60の締結部62は、最大圧入深さに至るまで第1集電板50を貫通しないこともある。
【0098】
前記締結部62は、その内側に空間を形成するように構成され、前記空の空間を連続的に又は不連続的に取り囲む側壁形状を有することができる。前記締結部62の外側及び内側で第1集電板50の少なくとも一部が締結部62の圧入によってセル端子40の底面からセル端子40の内側に入り込むことができる。前記端子締結部材60による圧入が完了した状態で、第1集電板50は、締結部62の外側でベース部61及び締結部62の両方と接することができ、締結部62の内側に形成された空間内でもベース部61及び締結部62の両方と接することができる。上述のように、前記端子締結部材60は、電極組立体10の巻回中心孔Cを介して挿入され、第1電極集電板50とセル端子40とを結合させる。また、前記巻回中心孔C内には、端子締結部材60の挿入をガイドし、また巻回中心孔Cの内壁面をなす分離膜の保護のためのブランクホルダBを先に挿入することが望ましい。よって、前記端子締結部材60の最大直径又は最大幅は、電極組立体10の巻回中心孔Cの直径よりは小さく形成されなければならない。
【0099】
前記端子締結部材60は、略0.001~0.008wt%の範囲の微量のホウ素が添加されたボロン鋼(ホウ素鋼)素材であり得る。このようなボロン鋼は、硬度が非常に高い方であるので、耐磨耗性に優れるという利点がある。本発明者らは、アルミニウム素材のセル端子40及び第1集電板50を、ボロン鋼素材の端子締結部材60を用いてセルフピアスリベット方式で締結した場合(実施例)と、レーザ溶接によって締結した場合(比較例)とにおいて、第1集電板50の第1タブ結合部52とセル端子40の上面との間で測定される抵抗(略0.2mΩ)と比較して、端子締結部材60の底面とセル端子40の上面との間で測定される抵抗(略0.12~0.22mΩ)がさらに低いか又は類似のレベルであることを確認した。
【0100】
SPR締結テストのために、厚さ3mmのアルミニウムプレート(セル端子40に対応する要素1)及び厚さ0.2mmのアルミニウムプレート(第1集電板50に対応する要素2)、またボロン鋼で製作されたリベット(端子締結部材60に対応する要素3)を準備した。前記要素2を上部に置き、要素1を下部に位置させた後、SPR設備内に要素3を投入し、15~25Nの締結圧力及び互いに異なる3つの形状の治具を適用してサンプルを製造した(実施例1~6)。
【0101】
図6を参照すると、前記サンプルの製造のための工程が示されている。前記サンプルの製造のためのSPR工程は、セル端子40の代わりに第1アルミニウムプレートを用い、第1集電板50の代わりに第2アルミニウムプレートを用いて行われた。前記第1アルミニウムプレートと第2アルミニウムプレートとを重ね合わせた状態で、第1アルミニウムプレートの下部を治具Dで支持し、第2アルミニウムプレートの上部から、端子締結部材60の代わりにボロン鋼素材の圧入部材を用いて圧入を行った。前記圧入部材を用いた圧入は、ブランクホルダB内に圧入部材を投入し、圧入部材の上部からパンチPを用いて圧入部材を下方に押し込む方式で行われた。
【0102】
(実施例1):
実施例1~3の場合、SPR締結テストのために、厚さ3mmのアルミニウムプレート(セル端子40に対応する要素1)及び厚さ0.2mmのアルミニウムプレート(第1集電板50に対応する要素2)、またボロン鋼で製作されたリベット(端子締結部材60に対応する要素3)を準備した。前記要素2を上部に置き、要素1を下部に位置させた後、SPR設備内に要素3を投入し、15~25Nの締結圧力及び互いに異なる3つの形状の治具を適用してサンプルを製造した。
【0103】
(比較例1~4)
比較例1~3の場合、要素3としてNiCuコーティングボロン鋼を適用したことを除いては、実施例1~3とそれぞれ同一の条件を適用した。
【0104】
比較例4の場合、上述のように、要素1と要素2との結合のためにSPR方式の代わりにレーザ溶接方式を適用した。
【0105】
(抵抗テスト):
各実験例において、セル端子40に対応するアルミニウムプレート(要素1)の表面と、第1集電板50に対応するアルミニウムプレート(要素2)の表面との間の抵抗を測定した。抵抗の測定は、Hiokiの微小抵抗測定機を用いて行った。抵抗を測定した結果、実施例1の場合は0.125±0.008mΩで測定され、実施例2の場合は0.134±0.025mΩで測定され、実施例3の場合は0.221±0.047mΩで測定された。
【0106】
一方、比較例1の場合は0.159±0.018mΩで測定され、比較例2の場合は0.134±0.008mΩで測定され、比較例3の場合は0.203±0.038mΩで測定された。また、比較例4の場合、上述したように略0.2mΩの抵抗が測定された。
【0107】
このような実験結果を参照すると、セル端子40と第1集電板50との結合において、レーザ溶接を適用する場合と比較して、本発明の機械的締結方式を適用した場合の方がさらに小さな抵抗値を示すか、又は類似の抵抗値を示すことが分かる。よって、溶接時に発生し得る金属異物による問題を考慮すると、本発明の機械的締結方式を採用した方がさらに有利であり得ることが分かる(実施例1~3と比較例4との比較)。一方、ボロン鋼素材が適用された端子締結部材60を適用した実施例1~3と比較して、ボロン鋼素材の端子締結部材60の表面にNiCuコーティング層が形成された端子締結部材60を適用した比較例1~3の場合が、相対的に抵抗値が大きく示されることが確認される。よって、端子締結部材60の素材としては、ボロン鋼素材を適用することが望ましことが分かる。
【0108】
図3及び図4を参照すると、前記インシュレータ70は、電極組立体10の上部に結合された第1集電板50と電池缶20の閉鎖部の内側面との間に備えられる。前記インシュレータ70は、第1集電板50と電池缶20との接触を防止する。前記インシュレータ70は、他にも電極組立体10の外周面の上端と電池缶20の側壁との間にも介在され得る。すなわち、前記インシュレータ70は、第1電極タブ11と電池缶20の側壁の内側面との間にも介在され得る。
【0109】
本発明の一実施形態による円筒型バッテリーセル1がインシュレータ70を備える場合、セル端子40の端子挿入部42は、インシュレータ70に形成された孔を介して第1集電板50の端子結合部53と結合する。前記インシュレータ70に形成された孔は、電極組立体10の巻回中心孔Cと対応する位置に形成され得る。また、前記インシュレータ70に形成された孔は、第1集電板50の端子結合部53と対応する位置に形成され得る。
【0110】
前記インシュレータ70は、電池缶20の閉鎖部の内部面と第1集電板50との間の空間を高さ方向に沿って充填し、電極組立体10が上下に流動する空間が発生しないように、電池缶20の閉鎖部の内部面と第1集電板50との間の距離と対応する厚さを有することができる。他の態様において、前記インシュレータ70の上部面は、電池缶20の閉鎖部の内部面に接触し、インシュレータ70の下部面は、第1集電板50の上部面に接触することができる。
【0111】
図8を参照すると、前記第2集電板80は、電極組立体10の下部に配置される。また、前記第2集電板80は、電極組立体10の第2電極タブ12と電池缶20とを電気的に接続するように構成され得る。前記第2集電板80は、導電性を有する金属材料からなり、第2電極タブ12と接続される。また、前記第2集電板80は、電池缶20と電気的に接続される。前記第2集電板80は、電池缶20の内側面とシールガスケットG2との間に介在して固定することができる。前記第2集電板80は、例えば、電池缶20に備えられたビード部21の下面とシールガスケットG2との間に介在され得る。
【0112】
前記第2集電板80は、第2電極タブ12の端部に結合する。前記第2電極タブ12と第2集電板80との結合は、例えば、レーザ溶接によって行われる。前記レーザ溶接は、第2集電板80の母材を部分的に溶融させる方式で行うか、又は第2集電板80と第2電極タブ12との間に溶接のためのはんだを介在させた状態で行うこともできる。この場合、前記はんだは、第2集電板80及び第2電極タブ12と比較してさらに低い融点を有するものが望ましい。
【0113】
前記第2集電板80は、第2電極タブ12の端部が第2集電板80と平行な方向に折り曲がって形成された結合面上に結合し得る。前記第2電極タブ12の折り曲げは、電極組立体10の半径方向に沿ってなされ得る。前記第2電極タブ12の折り曲げ方向は、例えば電極組立体10のコアに向かう方向であり得る。前記第2電極タブ12がこのように折り曲がった形状を有する場合、第2電極タブ12が占める空間が減少し、エネルギー密度が向上することができる。また、前記第2電極タブ12がこのように折り曲がった形状を有する場合、第2電極タブ12と第2集電板80との結合面積の増加によって、結合力の向上及び抵抗の減少効果が得られる。一方、前記第2電極タブ12の端部が折り曲がった形状を有し、第2集電板80が第2電極タブ12の折り曲げにより形成される結合面上に結合する場合において、第2集電板80と第2電極タブ12との結合は、積層数均一領域内で行われることが有利であることは上述した通りである。
【0114】
前記第2集電板80は、電極組立体10のコア部に形成される巻回中心孔Cと対応する位置に形成される集電板孔80aを備えることができる。互いに連通する前記電極組立体10の巻回中心孔Cと集電板孔80aとは、セル端子40と第1集電板50の端子結合部53との結合のための端子締結部材60の挿入、及び端子締結部材60を第1集電板50とセル端子40に圧入させるためのツールを挿入する通路として機能することができる。このような機能を考慮して、前記集電板孔80aは、電極組立体10の巻回中心部に形成された孔と実質的に同一であるか、これよりも大きな直径を有することができる。前記集電板孔80aは、電解液の注入のための通路として活用することもできる。
【0115】
前記缶結合部83は、電池缶20と複数の地点で電気的に結合することができる。この場合、第2集電板80と電池缶20との結合面積を極大化でき、また電流パス(path)を多重化でき、これによって第2集電板80と電池缶20との結合部位における電気抵抗を最小化することができる。前記缶結合部83は、例えば、ビード部21の下面上に結合し得る。
【0116】
より具体的に、前記缶結合部83は、電池缶20に形成されたビード部21の下面に形成された平坦部に電気的に結合することができ、ビード部21の下面とシールガスケットG2との間に介在され得る。この場合、安定した接触及び結合のために、缶結合部83は、ビード部21上で電池缶20の円周方向に沿って所定の長さに延びる形状を有することができる。
【0117】
一方、前記第2集電板80の中心部で電極組立体10の半径方向に沿って第2タブ結合部82の端部に至る最大距離に2を乗じた長さは、ビード部21が形成された領域における電池缶20の内径、すなわち電池缶20の最小内径と実質的に同一であるか、又はこれよりも小さく形成されることが望ましい。これは、電池缶20を高さ方向(Z軸に平行な方向)に沿って圧縮させるサイジング工程の進行時に、ビード部21によって第2集電板80間の干渉が発生することを防止し、これにより、第2集電板80によって電極組立体10が押される現象を防止するためである。
【0118】
一方、本発明の実施形態による円筒型バッテリーセル1は、上述のように、キャッププレート30が必ずしも極性を持たなくても構わない構造である。前記キャッププレート30が極性を持たない場合、第2集電板80が電池缶20の側壁に接続されているため、電池缶20の閉鎖部の外部面20aがセル端子40とは反対の極性を有する。よって、複数の円筒型バッテリーセル1を直列及び/又は並列に接続しようとする場合、電池缶20の閉鎖部の外部面20aとセル端子40とを用いて、円筒型バッテリーセル1の上部でバスバー接続などの配線作業を行うことができる。これによって、同一の空間に搭載できる円筒型バッテリーセル1の数が増加し、エネルギー密度を向上させることができ、電気的配線作業を容易に行うことができる。すなわち、本発明による円筒型バッテリーセル1において、電池缶20の外側に露出したセル端子40は、第1電極端子として機能することができ、電池缶20の閉鎖部の外部面20aのうち、第1電極端子の上面と略平行な露出面の占める領域は、第2電極端子として機能することができる。よって、複数の円筒型バッテリーセル1を電気的に接続しようとする場合、電池缶20の外側に露出したセル端子40の上面には第1バスバーが結合することができ、電池缶20の閉鎖部の外部面20aのうち、第1電極端子の上面と略平行な露出面の占める領域には、第2バスバーが結合することができる。
【0119】
図10を参照すると、複数の円筒型バッテリーセル1はバスバー150を用いて円筒型バッテリーセル1の上部で直列及び並列に接続し得る。円筒型バッテリーセル1の数は、バッテリーパックの容量を考慮して増減させることができる。
【0120】
各円筒型バッテリーセル1において、セル端子40は正の極性を有し、電池缶20の閉鎖部の外部面20aは負の極性を有することができる。もちろん、その逆も可能である。
【0121】
好ましくは、複数の円筒型バッテリーセル1は、複数の列及び行に配置され得る。列は、図10を基準に上下方向であり、行は、図10を基準に左右方向である。また、空間効率性を最大化するため、円筒型バッテリーセル1は、最密パッキング構造(closest packing structure)で配置され得る。最密パッキング構造は、電池缶20の外部に露出したセル端子40の端子露出部41の中心同士が正三角形をなすように接続されることにより形成される。好ましく、バスバー150は、複数の円筒型バッテリーセル1の上部、より好ましくは隣接する列の間に配置され得る。或いは、バスバー150は、隣接する行の間に配置され得る。
【0122】
例えば、前記バスバー150は、同じ列に配置された円筒型バッテリーセル1を互いに並列に接続させ、隣接する2つの列に配置された円筒型バッテリーセル1を互いに直列に接続することができる。
【0123】
前記バスバー150は、直列及び並列接続のために、ボディー部151、複数の第1バスバー端子152、及び複数の第2バスバー端子153を含むことができる。
【0124】
前記ボディー部151は、隣接する円筒型バッテリーセル1のセル端子40の間で、好ましくは、円筒型バッテリーセル1の列の間で延びることができる。或いは、前記ボディー部151は、円筒型バッテリーセル1の列に沿って延び、ジグザグ状のように規則的に折り曲がることができる。
【0125】
複数の第1バスバー端子152は、ボディー部151の一側から各円筒型バッテリーセル1のセル端子40に向かって突出して延び、セル端子40に電気的に結合することができる。第1バスバー端子152とセル端子40との電気的結合は、レーザ溶接、超音波溶接などによって行うことができる。また、複数の第2バスバー端子153は、ボディー部151の他側から各円筒型バッテリーセル1の外部面20aに電気的に結合することができる。前記第2バスバー端子153と外部面20aとの間の電気的結合は、レーザ溶接、超音波溶接などによって行うことができる。
【0126】
好ましくは、前記ボディー部151、複数の第1バスバー端子152、及び複数の第2バスバー端子153は、1つの導電性金属板からなり得る。金属板は、例えば、アルミニウム板又は銅板であるが、本発明がこれらに限定されるものではない。変形例において、前記ボディー部151、複数の第1バスバー端子152、及び第2バスバー端子153は、別個のピース単位に製作した後、互いに溶接などによって結合することもできる。
【0127】
本発明による円筒型バッテリーセル1は、正の極性を有するセル端子40と、負の極性を有する電池缶20の閉鎖部の外部面20aとが同一の方向に位置するので、バスバー150を用いて円筒型バッテリーセル1の電気的接続を容易に実現することができる。
【0128】
また、円筒型バッテリーセル1のセル端子40と電池缶20の閉鎖部の外部面20aは面積が広いので、バスバー150の結合面積を十分に確保し、円筒型バッテリーセル1を含むバッテリーパックの抵抗を十分に下げることができる。
【0129】
好ましくは、円筒型バッテリーセルは、例えば、フォームファクター比(円筒型バッテリーセルの直径を高さで除した値、すなわち高さ(H)に対する直径(Φ)の比と定義される)が略0.4よりも大きい円筒型バッテリーセルであり得る。
【0130】
ここで、フォームファクターとは、円筒型バッテリーセルの直径及び高さを示す値を意味する。本発明の一実施形態による円筒型バッテリーセルは、例えば、46110セル、48750セル、48110セル、48800セル、46800セルであり得る。フォームファクターを示す数値において、最初の2つの数字はセルの直径を示し、次の2つの数字はセルの高さを示し、最後の数字0はセルの断面が円形であることを示す。
【0131】
本発明の一実施形態によるバッテリーセルは、略円柱状のセルとして、その直径が略46mmであり、その高さが略110mmであり、フォームファクター比が略0.418の円筒型バッテリーセルであり得る。
【0132】
他の実施形態によるバッテリーセルは、略円柱状のセルとして、その直径が略48mmであり、その高さが略75mmであり、フォームファクター比が略0.640の円筒型バッテリーセルであり得る。
【0133】
また他の実施形態によるバッテリーセルは、略円柱状のセルとして、その直径が略48mmであり、その高さが略110mmであり、フォームファクター比が略0.418の円筒型バッテリーセルであり得る。
【0134】
さらに他の実施形態によるバッテリーセルは、略円柱状のセルとして、その直径が略48mmであり、その高さが略80mmであり、フォームファクター比が略0.600の円筒型バッテリーセルであり得る。
【0135】
またさらに他の実施形態によるバッテリーセルは、略円柱状のセルとして、その直径が略46mmであり、その高さが略80mmであり、フォームファクター比が略0.575の円筒型バッテリーセルであり得る。
【0136】
従来、フォームファクター比が略0.4以下のバッテリーセルが用いられていた。すなわち、従来は、例えば、18650セル、21700セルなどが用いられていた。18650セルの場合、その直径が略18mmであり、その高さが略65mmであり、フォームファクター比が略0.277である。21700セルの場合、その直径が略21mmであり、その高さが略70mmであり、フォームファクター比が略0.300である。
【0137】
本発明の円筒型バッテリーセル1は、上述のように、部品間の接触面積の拡大、電流パス(path)の多重化、電流パス長さの最小化などによって、抵抗が最小限に抑えられた構造を有する。製品完成後に、正極と負極との間、すなわち、セル端子40の上面と電池缶20の閉鎖部の外部面20aとの間で抵抗測定機により測定される円筒型バッテリーセル1のAC抵抗は、略4mΩ(mohm)以下であり得る。
【0138】
図11を参照すると、本発明の一実施形態によるバッテリーパック3は、上述のような本発明の一実施形態による複数の円筒型バッテリーセル1が電気的に接続された二次電池集合体、及びこれを収容するパックハウジング2を含む。本発明の図11では、図示の便宜上、電気的接続のためのバスバー、冷却ユニット、電力端子などの部品は省略した。前記バッテリーパック3の製造のための複数のバッテリーセル1の電気的接続構造については、上記で図10を参照して例示的に説明した。
【0139】
図12を参照すると、本発明の一実施形態による自動車5は、例えば、電気自動車、ハイブリッド自動車又はプラグインハイブリッド自動車であり、本発明の一実施形態によるバッテリーパック3を含む。前記自動車5は、本発明の一実施形態によるバッテリーパック3から電力を受けて動作する。
【0140】
以上、本発明を限定した実施形態及び図面に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって本発明の技術的思想及び後述する特許請求の範囲の均等の範囲内で種々の変更や変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0141】
5:自動車
3:バッテリーパック
2:パックハウジング
1:円筒型バッテリーセル
150:バスバー
151:ボディー部
152:第1バスバー端子
153:第2バスバー端子
10:電極組立体
C:巻回中心孔(コア孔)
11:第1電極タブ(第1無地部)
11a:分割片
12:第2電極タブ(第2無地部)
20:電池缶
20a:閉鎖部の外部面(第2電極端子)
21:ビード部
22:圧着部
30:キャッププレート
31:ベント部
40:セル端子(第1電極端子)
41:端子露出部
42:端子挿入部
42a:電気的接続部
42b:フランジ部
G1:絶縁ガスケット
G1A:ガスケット露出部
G1B:ガスケット挿入部
50:第1集電板
51:枠部
52:第1タブ結合部
53:端子結合部
54:ブリッジ部
N:電流遮断部
60:端子締結部材
61:ベース部
62:締結部
70:インシュレータ
80:第2集電板
80a:集電板孔
82:第2タブ結合部
83:缶結合部
H:注液孔
W:溶接パターン
G2:シールガスケット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】