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特表2024-527229制御されたリアクタリセットを有するパルスパワーシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-24
(54)【発明の名称】制御されたリアクタリセットを有するパルスパワーシステム
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/0975 20060101AFI20240717BHJP
   H01S 3/097 20060101ALI20240717BHJP
   H01S 3/10 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
H01S3/0975
H01S3/097 A
H01S3/10
H01S3/10 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573346
(86)(22)【出願日】2022-06-06
(85)【翻訳文提出日】2024-01-26
(86)【国際出願番号】 US2022032333
(87)【国際公開番号】W WO2023287518
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】63/222,074
(32)【優先日】2021-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513192029
【氏名又は名称】サイマー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】メルチャー,ポール,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ユダ
(72)【発明者】
【氏名】ユ,チャンチー
【テーマコード(参考)】
5F071
5F172
【Fターム(参考)】
5F071AA06
5F071GG03
5F071HH07
5F172AD06
5F172DD03
5F172NN16
(57)【要約】
可飽和コアを有する1つ又は複数のインダクタとしてそれぞれ実装された1つ又は複数の磁気スイッチを含むパルスパワー回路であって、放電パルス後、各可飽和コアは、可飽和コアが確実に及び一貫して機能することができるように、例えばチャンバ動作条件によって決定される可変特性を有するリセットパルスにより、その磁化曲線上の初期バイアス点に繰り返しリセットされる、パルスパワー回路。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルスシードレーザビームを生成する第1のレーザサブシステムであって、
第1の利得媒質を保持する第1のチャンバと、
前記第1のチャンバ内の第1の励起機構と
を含む第1のレーザサブシステムと、
前記パルスシードレーザビームに基づいて、パルス出力レーザビームを生成する第2のレーザサブシステムであって、
第2の利得媒質を保持する第2のチャンバと、
前記第2のチャンバ内の第2の励起機構と
を含む第2のレーザサブシステムと、
前記第1の励起機構を起動する第1の磁気スイッチングネットワークであって、第1の磁気コアを含み、及び前記第1の励起機構を起動することは、前記第1の光学サブシステムに前記パルスシードレーザビームのパルスを生成させる、第1の磁気スイッチングネットワークと、
前記第2の励起機構を起動する第2の磁気スイッチングネットワークであって、第2の磁気コアを含み、及び前記第2の励起機構を起動することは、前記第2の光学サブシステムに前記パルス出力レーザビームのパルスを生成させる、第2の磁気スイッチングネットワークと、
前記第1の磁気コアに電気的又は磁気的に結合する第1のバイアス回路と、
前記第2の磁気コアに電気的又は磁気的に結合する第2のバイアス回路と、
コントローラであって、
前記第1のバイアス回路に第1の電気リセット電流パルスを生成させることにより、前記第1の磁気コアのインピーダンスを調整することであって、前記第1の電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性は、前記第1のレーザサブシステムの動作条件に基づく、調整することと、
前記第2のバイアス回路に第2の電気リセット電流パルスを生成させることにより、前記第2の磁気コアのインピーダンスを調整することであって、前記第2の電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性は、前記第2のレーザサブシステムの動作条件に基づく、調整することと
を行うコントローラと
を含むシステム。
【請求項2】
前記第1の電気リセット電流パルスの前記1つ又は複数の特性は、前記第1の電気リセット電流パルスの振幅を含み、前記コントローラは、前記第1のレーザサブシステムの前記動作条件に基づいて前記第1の電気リセット電流パルスの前記振幅を決定し、及び前記第1の磁気コアの前記インピーダンスは、前記第1の電気リセット電流パルスの前記振幅に依存し、及び
前記第2の電気リセット電流パルスの前記1つ又は複数の特性は、前記第2の電気リセット電流パルスの振幅を含み、前記コントローラは、前記第2のレーザサブシステムの前記動作条件に基づいて前記第2の電気リセット電流パルスの前記振幅を決定し、及び前記第2の磁気コアの前記インピーダンスは、前記第2の電気リセット電流パルスの前記振幅に依存する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の電気リセット電流パルスの前記1つ又は複数の特性は、前記第1の電気リセット電流パルスの振幅及び時間長を含み、前記コントローラは、前記第1のレーザサブシステムの前記動作条件に基づいて前記第1の電気リセット電流パルスの前記振幅及び前記時間長を決定し、前記第1の磁気コアの前記インピーダンスは、前記第1の電気リセット電流パルスの前記振幅に依存し、前記第1の磁気コアの前記インピーダンスが調整されるのに必要な時間は、前記第1の電気リセット電流パルスの前記時間長に依存し、
前記第2の電気リセット電流パルスの前記1つ又は複数の特性は、前記第2の電気リセット電流パルスの振幅及び前記第2の電気リセット電流パルスの時間長を含み、前記コントローラは、前記第2のレーザサブシステムの前記動作条件に基づいて、前記第2の電気リセット電流パルスの前記振幅及び前記第2の電気リセット電流パルスの前記時間長を決定し、前記第2の磁気コアの前記インピーダンスは、前記第2の電気リセット電流パルスの前記振幅に依存し、前記第2の磁気コアの前記インピーダンスが調整されるのに必要な時間は、前記第2の電気リセット電流パルスの前記時間長に依存する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の電気リセット電流パルスの前記振幅及び前記第2の電気リセット電流パルスの前記振幅は、互いに異なる、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記パルスシードレーザビームの各パルスが生成される前に前記第1の磁気コアの前記インピーダンスを調整し、及び前記パルス出力レーザビームの各パルスが生成される前に前記第2の磁気コアの前記インピーダンスを調整する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のレーザサブシステムは、主発振器を含み、及び前記第2の光学サブシステムは、パワー増幅器を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記パワー増幅器は、パワーリング増幅器を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記パルスシードレーザビーム及び前記パルス出力レーザビームは、両方とも深紫外線(DUV)領域の1つ又は複数の波長を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
トリガモジュールであって、
第1の磁気スイッチングネットワークに第1の開始トリガ信号を提供することであって、前記第1の開始トリガ信号は、前記第1の磁気スイッチングネットワークが第1のレーザサブシステム内の利得励起機構を起動するように、前記第1の磁気スイッチングネットワーク内の第1の磁気コアを飽和させる、提供すること、
第2の磁気スイッチングネットワークに第2の開始トリガ信号を提供することであって、前記第2の開始トリガ信号は、前記第2の磁気スイッチングネットワークが第2のレーザサブシステム内の利得励起機構を起動するように、前記第2の磁気スイッチングネットワーク内の第2の磁気コアを飽和させる、提供すること
を行うトリガモジュールと、
電流モジュールであって、
前記第1のレーザサブシステムの動作条件に基づいて第1の電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性を決定することであって、前記第1の電気リセット電流パルスは、前記第1の磁気コアのインピーダンスを第1のリセットレベルに調整する、決定することと、
前記第2のレーザサブシステムの動作条件に基づいて第2の電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性を決定することであって、前記第2の電気リセット電流パルスは、前記第2の磁気コアのインピーダンスを第2のリセットレベルに調整する、決定することと
を行う電流モジュールと
を含むコントローラ。
【請求項10】
前記第1の光学サブシステム内の前記利得機構を起動することは、シードレーザビームのパルスを生成し、及び前記第2の光学サブシステム内の前記利得機構を起動することは、前記シードレーザビームの前記パルスを増幅させる、請求項9に記載のコントローラ。
【請求項11】
前記電流モジュールは、前記第1の光学サブシステム内の前記利得励起機構が起動されるたびに、前記第1の磁気コアの前記インピーダンスを前記第1のリセットレベルに調整し、及び前記第2のサブシステム内の前記利得励起機構が起動されるたびに、前記第2の磁気コアの前記インピーダンスを前記第2のリセットレベルに調整する、請求項9に記載のコントローラ。
【請求項12】
前記第1の電気リセット電流パルスの前記1つ又は複数の特性は、第1の振幅と第1の時間長とを含み、及び前記第2の電気リセット電流パルスの前記1つ又は複数の特性は、第2の振幅と第2の時間長とを含む、請求項9に記載のコントローラ。
【請求項13】
パルスレーザビームを生成するレーザシステムにおいて磁気コアのインピーダンスを制御する方法であって、
前記第1のレーザサブシステムの動作条件に基づいて電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性を決定することと、
前記磁気コアに磁気的に結合されるコイルに前記電気リセット電流パルスを提供することにより、前記磁気コアの前記インピーダンスをリセットレベルに調整することと、
前記磁気コアの前記インピーダンスを調整した後、レーザ放射パルスを生成することであって、放電電気パルスが前記レーザシステムの励起機構に提供されるように前記磁気コアを飽和させることを含む、生成することと
を含む方法。
【請求項14】
前記電気リセット電流パルスの前記1つ又は複数の特性は、前記電気リセット電流パルスの振幅を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記電気リセット電流パルスは、複数のレーザ放射パルスの各々を生成する前に、前記磁気コアの前記インピーダンスを同じ値にリセットする、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記複数のレーザ放射パルスのうちの第1のものを生成する前に前記コイルに提供される前記電気リセット電流パルスの振幅又は時間長は、前記複数のレーザ放射パルスのうちの第2のものを生成する前に前記コイルに提供される前記リセット電気リセット電流パルスの前記振幅又は前記時間長と異なる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記複数のレーザ放射パルスのうちの前記第1のものは、レーザ放射パルスのバーストにおける最初のレーザ放射パルスであり、及び前記複数のレーザ放射パルスのうちの前記第2のものは、レーザ放射パルスの前記同じバーストにおける後のレーザ放射パルスである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記複数のレーザ放射パルスは、レーザ放射パルスの単一のバーストにおける連続したパルスである、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
レーザ放電チャンバに放電パルスを供給するためのパルスパワーシステムであって、
圧縮ヘッドモジュール可飽和リアクタを有する圧縮ヘッドモジュール磁気スイッチを含む圧縮ヘッドモジュールと、
前記圧縮ヘッドモジュール可飽和リアクタの動作点を所定の圧縮ヘッドバイアス点にリセットするために、前記圧縮ヘッドモジュール可飽和リアクタに圧縮ヘッドモジュールリセットパルスを供給する圧縮ヘッドモジュールリセット回路と、
前記レーザ放電チャンバ内の少なくとも1つの動作条件に基づいて前記圧縮ヘッドリセット回路の動作を制御するリセット回路制御モジュールと
を含むパルスパワーシステム。
【請求項20】
主発振器(「MO」)放電パルスを含む放電パルスをMOレーザチャンバに供給するためのパルスパワーシステムであって、
MO圧縮ヘッドモジュール可飽和リアクタを有するMO圧縮ヘッドモジュール磁気スイッチを含むMO圧縮ヘッドモジュールと、
前記MO圧縮ヘッドモジュール可飽和リアクタの動作点を所定のMO圧縮ヘッドバイアス点にリセットするために、前記MO圧縮ヘッドモジュール可飽和リアクタにMO圧縮ヘッドモジュールリセットパルスを供給するMO圧縮ヘッドモジュールリセット回路と、
前記MOレーザチャンバ内の少なくとも1つの条件に基づいて前記MO圧縮ヘッドリセット回路の動作を制御するリセット回路制御モジュールと
を含むパルスパワーシステム。
【請求項21】
前記MO圧縮ヘッドモジュールにMOコミュテータパルスを提供するMOコミュテータモジュールであって、MOコミュテータモジュール可飽和リアクタを有するMOコミュテータモジュール磁気スイッチを含むMOコミュテータモジュールと、
前記MO圧縮ヘッドモジュール可飽和リアクタの動作点を所定のMOコミュテータバイアス点にリセットするために、前記MOコミュテータモジュール可飽和リアクタにMOコミュテータモジュールリセットパルスを供給するMOコミュテータモジュールリセット回路と
をさらに含み、前記リセット回路制御モジュールは、前記MOレーザチャンバ内の少なくとも1つの条件に基づいて前記MOコミュテータモジュールリセット回路の動作をさらに制御する、請求項20に記載のパルスパワーシステム。
【請求項22】
パワー増幅器(「PA」)圧縮ヘッドモジュール可飽和リアクタを有するPA圧縮ヘッドモジュール磁気スイッチを含むPA圧縮ヘッドモジュールと、
前記PA圧縮ヘッドモジュール可飽和リアクタの動作点を所定のPA圧縮ヘッドバイアス点にリセットするために、前記PA圧縮ヘッドモジュール可飽和リアクタにPA圧縮ヘッドモジュールパルスを供給するPA圧縮ヘッドモジュールリセット回路と、
前記PA圧縮ヘッドモジュールにPAコミュテータパルスを提供するPAコミュテータモジュールであって、PAコミュテータモジュール可飽和リアクタを有するPAコミュテータモジュール磁気スイッチを含むPAコミュテータモジュールと、
前記PAコミュテータモジュール可飽和リアクタの動作点を所定のPAコミュテータバイアス点にリセットするために、前記PAコミュテータヘッドモジュール可飽和リアクタにPAコミュテータモジュールパルスを供給するPAコミュテータモジュールリセット回路と
をさらに含み、前記リセット回路制御モジュールは、さらに、PAレーザチャンバ内の少なくとも1つの条件に基づいて前記PA圧縮ヘッドリセット回路の動作を制御し、及び前記PAレーザチャンバ内の少なくとも1つの条件に基づいて前記PAコミュテータリセット回路の動作を制御する、請求項20に記載のパルスパワーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2021年7月15日に出願された「PULSED POWER SYSTEMS WITH CONTROLLED REACTOR RESET」という名称の米国特許出願第63/222,074号に対する優先権を主張するものであり、この出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示は、例えば、半導体フォトリソグラフィシステムの照明源として機能するレーザにおいて電気パルスを生成するための装置に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 半導体フォトリソグラフィ装置は、半導体材料のウェーハなどの基板上、通常、基板のターゲット部分上に所望のパターンを施す。代替的に、マスク又はレチクルと呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ウェーハの個々の層の一部上に形成される回路パターンを生成することができる。パターンの転写は、一般的に、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)層上にイメージングすることによって達成される。一般に、単一の基板は、連続してパターン形成される隣接するターゲット部分を含む。
【0004】
[0004] 半導体フォトリソグラフィ装置は、各ターゲット部分上にパターン全体を一度に露光させることによってターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、各ターゲット部分を、所与の方向と平行又は逆平行に基板を同期並進させながら、所与の方向にパターン形成された放射ビームによってスキャンする、いわゆるスキャナとを含む。パターンを基板上にインプリントすることにより、パターニングデバイスから基板にパターンを転写することも可能である。
【0005】
[0005] パターンを照明し、基板上にパターンを投影するために使用される光源は、いくつかの構成の何れのものでもあり得る。リソグラフィシステムで一般的に使用される深紫外線エキシマレーザには、248nmの波長のフッ化クリプトン(KrF)レーザ及び193nmの波長のフッ化アルゴン(ArF)レーザが含まれる。
【0006】
[0006] 説明したようなレーザは、光のパルスを生成する。光の各パルスは、パルスパワーシステムによってレーザに供給される電気エネルギーの対応する放電パルスによって生成される。レーザは、単一のチャンバ又は複数のチャンバを有し得る。一般的に使用されるデュアルチャンバ構成は、主発振器(「MO」)放電チャンバ及びパワー増幅器(「PA」)放電チャンバの2つの放電チャンバを有する主発振器パワー増幅器(「MOPA」)構成である。放電パルスを生成するMOPAレーザのためのパルスパワーシステムは、一般的に、高電圧電源、共振充電電源、MOコミュテータモジュール、MO圧縮ヘッドモジュール、PAコミュテータモジュール及びPA圧縮ヘッドモジュールを含む。単一チャンバレーザは、単一の放電チャンバに放電パルスを供給するために、単一のコミュテータ及び単一の圧縮ヘッドのみを使用し得る。様々な実装形態において、パワー増幅器は、シングルパス増幅器、ダブルパス増幅器、パワーリング増幅器、パワー発振器又は他の形態を取り得る。補助モジュールは、放電チャンバ内の電極の動作電圧を制御し、パルスパワーシステムのタイミング制御を提供するレーザ制御システムを含み得る。
【0007】
[0007] これらのシステムは、再現可能に及び確実にパルスを生成することができなければならない。これは、パルスパワーシステム及びチャンバ内の電圧及び放電のタイミングエラーによってタイミングの変動が生じる得ることを含む多くの理由のために課題であり得る。例えば、コミュテータ及び圧縮ヘッドなどのこれらのモジュールのいくつかは、磁気スイッチとして機能する可飽和インダクタなどの可飽和リアクタを含む。可飽和インダクタ内の可飽和磁気コアは、可飽和インダクタに2つの異なる状態を与える。一方の状態では、磁気コアの透磁率が高いため、可飽和リアクタのインダクタンス、したがってインピーダンスが高い。他方の状態では、磁気コアが低透磁率に対応する飽和に駆動されているため、インダクタンス、したがってインピーダンスが低い。
【0008】
[0008] 可飽和インダクタが磁気パルス圧縮ネットワークにおけるスイッチングデバイスとして適切に機能するために、可飽和インダクタのコアは、最初にその磁束密度(B)及び磁界強度(H)曲線(B-H曲線又はB-Hループ)上の負の飽和磁束などの点にバイアスされる。インダクタに電圧が印加されると、磁気コアの動作点は、正の飽和磁束に達するまでB-H曲線を上に平行移動し、その時点でインダクタが飽和し、所望の閉スイッチ機能が実現される。しかしながら、可飽和インダクタが次のパルスを処理できる前に、そのコアの動作点は、元のバイアス点に再位置決め、すなわち「リセット」される必要がある。
【0009】
[0009] レーザが可飽和インダクタ内のコアのバイアス点をリセットする能力には、時間の経過とともに又はレーザごとに様々な要因が干渉する可能性がある。これに関連して、ここで開示される主題の必要性が生じている。
【発明の概要】
【0010】
[0010] 以下では、実施形態の基本的な理解を提供するために、1つ又は複数の実施形態の概要を示す。本概要は、企図されるすべての実施形態の広範な概要ではなく、すべての実施形態の主要な要素若しくは重要な要素を特定することを意図するものでも、又は何れか若しくはすべての実施形態の範囲を画定することを意図するものでもない。その唯一の目的は、後に提示されるより詳細な説明の前段階として、1つ又は複数の実施形態のいくつかの概念を簡潔な形式で提示することである。
【0011】
[0011] ある実施形態の一態様によれば、磁気可飽和リアクタコアのための1つ又は複数のパルスバイアスリセット回路を含むパルスパワーシステムが開示される。パルスバイアスリセット回路は、磁気コアの前の状態又は磁気コアのリセットレベルに関係なく、磁気コアの一貫したリセットレベルを達成することを可能にする。パルスバイアス回路は、パルス間及びバースト間のタイミング間隔によって課されるタイミング制約内で磁気コア材料の完全なリセットを完了するように設計される。
【0012】
[0012] 本発明のさらなる特徴及び利点並びに本発明の様々な実施形態の構造及び動作は、添付の図面を参照して以下に詳細に説明される。本発明は、本明細書に記載される特定の実施形態に限定されないことに留意されたい。そのような実施形態は、本明細書では例示のみを目的として提示されるものである。さらなる実施形態は、本明細書に含まれる教示に基づいて、関連する技術分野の当業者に明らかであろう。
【0013】
[0013] 本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明を図示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の原理を説明し、関連する技術分野の当業者が本発明を製造及び使用することを可能にするのにさらに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】[0014]パルスパワー回路の機能ブロック図である。
図2】[0015]図1の配置で使用され得るようなパルスパワー回路のいくつかの構成要素の回路図である。
図3】[0016]ある実施形態の一態様による可飽和コア材料の一般的なB-H曲線である。
図4】[0017]ある実施形態の一態様による様々な特性を有するリセットパルスを示す一連のタイミング図である。
図5】[0018]ある実施形態の一態様によるパルスパワー回路の機能ブロック図である。
図6】[0019]ある実施形態の一態様による、パルスパワー回路の磁気コアのリセットを制御する方法のステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0020] 本発明の特徴及び利点は、同様の参照文字が全体を通して対応する要素を識別する図面と併せて考慮した場合、以下に記載する詳細な説明からより明らかになるであろう。図面において、同様の参照番号は、一般に、同一の、機能的に類似の及び/又は構造的に類似の要素を示す。
【0016】
[0021] 本明細書は、開示される主題の特徴を組み込んだ1つ又は複数の実施形態を開示する。1つ又は複数の開示される実施形態は、開示される主題を単に例示するものである。開示される主題の適用範囲は、1つ又は複数の開示される実施形態に限定されない。本発明の範囲は、本明細書の一部を構成する特許請求の範囲によって定義される。
【0017】
[0022] 記載される1つ又は複数の実施形態及び本明細書における「一実施形態」、「ある実施形態」、「実施形態例」、「例示的実施形態」などへの言及は、記載される1つ又は複数の実施形態が特定の特徴、構造又は特性を含み得ることを示すが、すべての実施形態が必ずしもその特定の特徴、構造又は特性を含み得るわけではない。そのような表現は、必ずしも同じ実施形態を指すものでもない。さらに、特定の特徴、構造又は特性がある実施形態に関連して説明される場合、そのような特徴、構造又は特性を他の実施形態に含めることは、そのような包含が明示的に記載されているか否かに関わらず、当業者の知識の範囲内であると理解される。
【0018】
[0023] 図1を参照すると、高電圧電源モジュール100、共振充電器モジュール110、コミュテータモジュール120及び圧縮ヘッドモジュール130を含むパルスパワー回路50の一例が示されている。パルスパワー回路50は、電力の短くて強力なパルス(例えば、60~150nsの範囲内において、1パルス当たりの一般的なエネルギーは、5~20mJである)を生成するために使用することができる。電気パルスは、レーザから光パルスを生成するために、放電パルスとしてレーザチャンバ内の電極に供給することができる。
【0019】
[0024] 例えば、圧縮ヘッドモジュール130の出力は、例えば、いわゆるデュアルチャンバシステムの一方のチャンバ(MO又はPA)であり得るレーザチャンバモジュール140に供給され得る。一般に、各放電チャンバには、それぞれ専用のパルスパワー回路50が設けられる。しかしながら、各チャンバのパルスパワー回路50は、共有の高電圧電源モジュール100及び共振充電器モジュール110などの様々な要素を共有し得る。パルスパワー回路50は、固体パルスパワーモジュール(SSPPM)として構成され得る。
【0020】
[0025] 動作時、高電圧電源モジュール100は、外部電力、例えば三相の通常のプラント電力を高い直流電圧に変換する。共振充電器モジュール110は、パルスを生成するために、コミュテータモジュール120内のキャパシタバンクを調整電圧にまで充電する。コミュテータモジュール120は、パルスを短縮し、その電圧を増加させる。圧縮ヘッドモジュール130は、所望の放電電圧を有するパルスを生成するために、コミュテータモジュール120からの電気パルスを対応する電流増加に伴ってさらに時間的に圧縮する。次いで、これらのパルスは、レーザチャンバモジュール140内の電極(図示せず)に印加される。そのようなレーザシステムの配置及び動作のさらなる詳細は、例えば、2006年7月18日に発行された、「Control System for a Two Chamber Gas Discharge Laser」という名称の米国特許第7,079,564号に見出すことができ、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。この回路の動作に関するさらなる詳細は、2006年2月21日に発行された、「Method and Apparatus for Cooling Magnetic Circuit Elements」という名称の米国特許第7,002,443号に見出すことができ、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0021】
[0026] 図2は、高電圧電源モジュール100に接続されたSSPPMの特定のコンポーネントに関する簡易回路図であり、SSPPMは、ある実施形態の一態様による図1のパルスパワー回路で使用され得るような共振充電器モジュール110及びコミュテータモジュール120を含む。破線Aと破線Bとの間の要素は、コミュテータモジュール120を実装する回路を含む。高電圧電源モジュール100は、既知の様式で動作する共振充電器モジュール110に電力を供給する。共振充電器モジュール110からのパルスは、コミュテータモジュール120への充電キャパシタ200に供給される。キャパシタ200は、通常、Cと呼ばれ、キャパシタ200の電圧は、通常、VC0と呼ばれる。トリガ信号Tがコミュテータ固体スイッチ210に供給されると、コミュテータ固体スイッチ210が閉じ、キャパシタ200が充電インダクタンス230を介してキャパシタ220に放電される。キャパシタ220は、通常、Cと呼ばれ、キャパシタ220の電圧は、通常、VC1と呼ばれる。磁気スイッチとして機能する巻線250及びコア260(概略的に示す)を有する可飽和リアクタ240が飽和し、変圧器270を介してキャパシタ220を圧縮ヘッドモジュール130(図1から)内のキャパシタバンクに放電するまで、電圧は、キャパシタ220に保持される。圧縮ヘッドモジュール130は、一般的に、ここで説明したのと同様の様式で動作する磁気スイッチとして機能する1つ又は複数の可飽和リアクタも含む。
【0022】
[0027] 可飽和リアクタ240は、最初にキャパシタ220からの電流の流れに抵抗する。より具体的には、通常、放電パルスが生成される前に、可飽和リアクタ240は、負の飽和にバイアスされる。キャパシタ220を充電するためにキャパシタ200から次の電流パルスが到来すると、電流パルスは、可飽和リアクタ240において逆起電力を誘発し、これは、コア260が順方向に飽和するまで電流パルスの流れを阻止する。飽和すると、逆起電力が消滅し、キャパシタ220に蓄積された電荷は、あたかも回路スイッチが突然閉じたかのように可飽和リアクタ240を介して移動する。
【0023】
[0028] 可飽和リアクタ240は、このようにパルスレーザの磁気スイッチとして機能する。可飽和磁気コアは、インダクタに2つの異なる状態を与える。一方の状態では、磁気コアの透磁率が高いため、可飽和リアクタのインダクタンスが高い。他方の状態では、磁気コアが低透磁率に対応する飽和に駆動されているため、インダクタンスが低い。
【0024】
[0029] 放電パルスが負荷(この場合にはレーザ放電チャンバ)に到達した後、磁気スイッチのコアは、正の飽和磁束に近いB-H曲線上の点にバイアスされたままである。次の放電パルスが生成され得る前に、コアは、負の飽和磁束に対応するB-H曲線上の点にリセットされなければならない。
【0025】
[0030] 上述したように、可飽和インダクタが次のパルスを処理できる前に、そのコアの動作点は、元のバイアス点に再位置決め、すなわち「リセット」されなければならない。バイアス回路のリセット時間に応じて、パルス間時間(パルスとパルスとの間の時間)及びバースト間時間(パルスのバーストとバーストとの間の時間)は、一部の従来のパルスパワーシステムでは磁気コアの完全なリセット又は一貫したリセットを可能にしない場合がある。これは、パルス間(すなわち放電パルス間)及びバースト間(すなわち複数の放電パルスのバースト)の異なるリセットレベルをもたらす可能性があり、それは、磁気コアの飽和タイミングにも影響を与える。
【0026】
[0031] パルスパワーシステム及びチャンバには、磁気コアのリセットレベルに影響を及ぼし得るさらなる変動が存在する。これらの変動には、チャンバ内の電極に印加される動作電圧、チャンバガス圧力及び磁気コア温度が含まれる。最初の2つのパラメータは、パルスパワーシステムの反射エネルギーに直接的な影響を与える場合があり、これは、次に、磁気可飽和リアクタのリセットタイミング及びリセットレベルに影響を与える。材料の飽和磁束密度、直角度及び保磁力などのコアの材料特性にも変動があり得る。
【0027】
[0032] 確実な放電パルス間の反復性は、インダクタへの各電圧印加前に、磁気コアが同じ事前放電パルス状態にリセットされることを必要とする。図2に示すように、可飽和リアクタのバイアス点のこのリセットは、リセット回路280によって供給される電気パルスであるリセットパルスRによって実施することができる。図示のような配置では、リセットは、通常、直流電流がコア260上の補助巻線290を流れるようにすることにより、コア260を負の飽和磁束でバイアスするための適切な磁化磁界(H)を提供することによって達成される。代替的に、リセット回路280は、主巻線250に直接接続され、補助巻線を不要にし得る。
【0028】
[0033] 多くの場合、複数の磁気スイッチにリセット電流を提供するために1つの回路が使用される。リセット回路は、一般的に、リセット中にリセット巻線に定電流を供給する。リセット回路の機能及び設計に関するさらなる詳細は、例えば、1993年2月2日に発行された、「High Voltage Pulse Generating Circuit, and Discharge-Excited Laser and Accelerator Containing Such Circuit」という名称の米国特許第5,184,085号から得ることができ、その明細書全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0029】
[0034] すなわち、リセットは、コア材料のB-H曲線の一例である図3の点300などの点にコアを磁気的に復元することによって達成される。図3には、+HSAT(これは、Hの増加が磁束密度Bのさらなる著しい増加をもたらさない磁界強度Hの飽和値である)及び-HSAT(これは、Hの減少が磁束密度Bのさらなる著しい減少をもたらさない磁界強度Hの飽和値である)も示されている。それぞれ対応する磁束+BSAT及び-BSATも示されている。図3は、外部磁界がゼロであるときの磁束密度である残留磁気B及び+/-H(ここで、「c」は、保磁力を示す)も示し、保磁力は、磁束密度Bをゼロにするのに必要な磁界の大きさである。
【0030】
[0035] 前述したように、パルスパワーシステムの可飽和リアクタは、放電パルス間の時間間隔でリアクタ磁気コアの一貫したリセットを可能にするために、従来、直流電源でバイアスされる。コアのリセットは、放電パルスの一次エネルギー伝達が完了した後に発生する逆電流パルス(リセットパルス)によっても達成され得る。最初に、インダクタは、リセット電流パルスを受け、電流パルスのdi/dtは、インダクタに異極性電圧を誘導する。この異極性電圧は、磁束密度の減少を誘発し、コアを逆方向飽和に駆動し、コアをリセットする。
【0031】
[0036] 明確化のために言うと、いくつかの異なるタイプのパルス及び信号が関与する。1つは、主パルス又は放電パルスであり、これは、パルスパワー回路によって生じ、レーザチャンバ内で放電を引き起こし、したがってレーザ放射パルスを生成するためにレーザチャンバに印加される電気パルスである。別のタイプは、コミュテータ固体スイッチ210のゲートに印加され、放電パルスを開始する、図2及び図4において信号Tとして識別されるトリガパルス又は信号である。第3のタイプは、リセット回路280によって供給され、可飽和リアクタ240に印加され、次の放電パルスの生成に備えてコアを所望の飽和状態にリセットする、図2で信号Rとして、及び図4でR、R2又はR3として識別されるリセットパルスである。
【0032】
[0037] 各磁気スイッチの適切なリセットは、放電パルスの反復性にとって重要である。それは、特に磁気圧縮ネットワークの出力パルスが厳しいタイミング及びジッター要件によって制約される場合に重要である。レーザの繰り返し率が高くなるにつれて、各磁気コアの適切なリセットは、より重要になり、及びより困難になる。これは、主にパルス間の間隔が短くなり、その結果、リセットダイナミクスが繰り返し可能な状態を達成する時間が少なくなるためである。各コアが適切にリセットされることを確実にする課題は、放電パルスが伝搬する際のパルス圧縮ネットワーク内の残留エネルギーによってさらに複雑にされ得る。適切に管理されなければ、この残留エネルギーは、消散される前にネットワーク内で前後に反射される可能性があり、磁気スイッチのリセットを妨げる可能性があり、次以降の放電パルスの飽和タイミングにも影響を及ぼす可能性もある。
【0033】
[0038] バイアス電流レベルの変動により、磁気コアのリセットレベルが異なる可能性があり、これは、可飽和磁気コアの飽和時間に影響を及ぼす。バイアスリセットレベルの変動は、+/-5nsのオーダーの大きいバーストタイミングの変動を生じさせ得る。十分なバイアスが印加されていなければ、これらの変動は、さらに大きくなる可能性がある。
【0034】
[0039] 加えて、バイアス回路のリセット時間に応じて、パルス間時間及びバースト間時間が一部の従来のパルスパワーシステムにおける磁気コアの完全な又は一貫したリセットを可能にしない場合がある。これは、放電パルス間及びバースト間の異なるリセットレベルをもたらす可能性があり、これは、磁気コアの飽和タイミングにも影響を与える。
【0035】
[0040] バイアス供給及びリセットタイミングによって生じる変動に加えて、パルスパワーシステム及びチャンバにおいて、磁気コアのリセットレベルに影響を与え得る変動も存在する。これらの変動には、電極の動作電圧、チャンバ圧力並びに磁気コアの特性及び温度が含まれる。これらの変動の最初の2つは、パルスパワーシステムの反射エネルギーに直接的な影響を及ぼす可能性があり、これは、次に、磁気可飽和リアクタのリセットタイミング及びリセットレベルに影響を及ぼす。材料の飽和磁束密度、直角度及び保磁力など、コア材料の磁気特性にも変動が存在し得る。
【0036】
[0041] これらのすべての変動は、放電パルスからのタイミングオフセット、振幅、持続時間及び形状など、各放電パルスに対して同じバイアス点を繰り返し提供する(又は意図的に選択された異なるバイアス点を提供する)のに適した特性を有するリセットパルスを印加することを有益にし得る。バーストにおける放電パルスのタイミングも、リセットパルスの最適な特性を決定する要因となり得る。
【0037】
[0042] したがって、定常状態の直流電流又は単一の特性セットを有する電気リセットパルスは、パルス間又はバースト間の利用可能な時間において、可飽和コアを所望のバイアス位置に繰り返し戻すのに十分な制御を必ずしも提供するとは限らない。コアの材料及び幾何学的寸法の変動、コアの温度の変動、反射エネルギーの変動、レーザチャンバ内の電極に印加される電圧の変動、ガス圧力などのチャンバ条件の変動、材料の飽和磁束密度、直角度及び保磁力などのコア材料の磁気特性の変動並びに他の要因により、反復性を妨げるリセットダイナミクスの変動が導入され得る。
【0038】
[0043] より具体的には、図2のコミュテータ固体スイッチ210のゲートに印加されたトリガ信号は、キャパシタ200からキャパシタ220への電荷移動プロセスをトリガする。このトリガ信号の一例のタイミング図は、図4のトレースTとして示されている。図4のトレースの例は、縦軸の信号レベル(電圧など)の大きさ対横軸の時間としてプロットされている。トレースTは、方形パルス形状のトリガ信号が、各トリガ信号が放電パルスを開始する状態で繰り返される例を示す。例えば、トレースTの方形パルスは、キャパシタ200からキャパシタ210に電荷を移動させる放電パルスを開始するために、図2のコミュテータ固体スイッチ210のゲートに印加され得る。
【0039】
[0044] リセットパルスは、トリガ信号Tがローであるとき、すなわち放電パルスを発生させるトリガ信号パルス間においてリセット回路280によって印加され得る。図4には、Rとラベル付けされたリセットパルストレースの例も示されている。図示されるように、リセットパルスは、基本的に方形波パルスであり得る。リセットパルスの振幅Hの大きさ及び符号、その幅W並びにリセットパルスがトリガパルスからオフセットされるオフセット時間D1の量などのリセットパルスの様々な特性は、すべてリセットダイナミクスに影響を及ぼし得る。リセットパルスの振幅の大きさ及び符号に関して、ほとんどの場合、リセットパルスは、放電パルスの極性と符号が反対の極性を有する単極性となる。しかしながら、一部の実装形態では、例えばコアを逆方向飽和に駆動する前にコアをさらに順方向飽和に駆動するために、リセットパルスが双極性であることが有利になり得る。これを達成する波形の一例は、図4において、正の振幅(正の極性)H1を有する部分と、負の振幅(負の極性)H2を有する部分とを有するトレースR2として示されている。リセットパルスが必ずしも方形又は対称でないことは、明らかであろう。図4のトレースR3は、方形でも対称でもないリセットパルスのトレインの一例である。
【0040】
[0045] 図5に示すように、実施形態の一態様によるパルス電源システムを含むパルスレーザ源は、上記のように、高電圧電源モジュール100及び共振充電器モジュール110を含み得る。図5に示すデュアルチャンバ設計の例では、システムは、MOコミュテータモジュール400及びPAコミュテータモジュール410も含む。MOコミュテータモジュール400は、電気パルスを圧縮して、それをMOチャンバモジュール430に供給する上記のようなMO圧縮ヘッドモジュール420に対して電気パルスを供給する。同様に、PAコミュテータモジュール410は、PA圧縮ヘッドモジュール440によって圧縮されるパルスを生成し、次いで、このパルスは、PAチャンバモジュール450に供給される。
【0041】
[0046] ある実施形態の一態様によれば、MOコミュテータモジュール400内の可飽和リアクタは、パルスリセット回路405によってリセットされる。PAコミュテータモジュール410に含まれる可飽和リアクタは、パルスリセット回路415によってリセットされる。同様に、MO圧縮ヘッドモジュール420内の可飽和リアクタは、パルスリセット回路425によってリセットされる。PA圧縮ヘッドモジュール440内の可飽和リアクタは、パルスリセット回路445によってリセットされる。パルスリセット回路405、415、425及び445は、パルスリセット制御回路460の制御下で動作する。パルスリセット制御回路460は、システムのための全体的な制御回路の一部であり得るか、又は別個の専用回路であり得る。
【0042】
[0047] この例は、コミュテータモジュール及び圧縮ヘッドモジュールのそれぞれに関連して、それぞれ1つの可飽和リアクタのみを説明しているが、これらのモジュールのそれぞれは、制御されたリセットから恩恵を受ける複数の可飽和リアクタを含み得ることが理解されるであろう。
【0043】
[0048] いくつかの実施形態では、パルスリセット制御回路460は、例えば、MOチャンバモジュール430内の電極電圧及びチャンバガス圧力並びにPAチャンバモジュール450内の電極電圧及びチャンバガス圧力などの情報をパラメータモジュール470から受け取る。パルスリセット制御回路460は、この情報に基づいて、それが供給するリセットパルスの特性を決定することができる。例えば、パルスリセット制御回路460は、それぞれの関連付けられた可飽和リアクタを最もよくリセットするリセットパルスのタイミング、振幅、極性、持続時間及び形状の1つ又は複数を制御することができる。パルスリセット制御回路460は、様々な可飽和リアクタのリセットを最適化するように、リセットパルスの相対的なタイミングを制御することもできる。
【0044】
[0049] いくつかの実施形態では、パルスリセット制御回路460への入力は、個別に決定される必要はなく、代わりにレーザ内の他の診断から取得され得る。例えば、これらのデータは、チャンバ温度診断のためのチャンバ温度センサからのデータを既に有する全体的なレーザ制御回路480から取得することができる。レーザ制御回路480は、プログラムされた電極電圧のスケーリングされたバージョンとして電極電圧を決定することもできる。したがって、図5において、パラメータモジュール470の入力は、レーザ制御回路480によってもたらされ得、パラメータモジュール470は、パルスリセット制御回路460の制御信号を、パルスリセット制御回路460に直接又はレーザ制御回路480を介して通信することができる。代替的に、レーザ制御回路480は、レーザ制御回路480が入手可能な情報から直接制御信号を決定し得、したがってパラメータモジュール470の必要性がなくなるか又は制限される。
【0045】
[0050] 代替的に、前述のように、パラメータモジュール470が、専用センサから直接ではなくレーザ制御回路480からデータを取得するように、パラメータモジュール470は、レーザ制御回路480からデータを取得し、それをパルスリセット制御回路460に供給し得る。当然のことながら、これらは、単に多くの可能な配置及び機能分配の例である。他の配置も使用され得ることが当業者に明らかであろう。
【0046】
[0051] 図6は、特定の実施形態の態様によるリセットパルス生成システムの動作の態様を説明するフローチャートである。図6に記載された手順は、例えば、レーザ光パルスのバーストの開始時に開始され得る。図6に示すように、ステップS10において、電極動作電圧又はチャンバ圧力などの1つ又は複数の動作条件に関連するデータが取得される。次に、ステップS20において、ステップS10で取得されたデータを用いて、リセットパルスの1つ又は複数の特性が定義される。定義されるリセットパルスの特性には、オフセット、振幅、持続時間及び形状が含まれ得る。ステップS30において、リセットパルスを用いて、可飽和コアインダクタがリセットされる。次に、ステップS40において、可飽和コアインダクタは、放電パルスによって正の飽和に駆動される。ステップS50では、放電パルスがバーストの終わりであったか否かが決定される。放電パルスがバーストの終わりであった場合、ステップS60において、プロセスは、終了される。ステップS50において、パルスがバーストの終わりではなかったと決定された場合、プロセスは、ステップS30に戻り、可飽和コアがリセットパルスを用いて再びリセットされる。
【0047】
[0052] 具体例として、ステップS10では、手順は、動作条件として電極動作電圧を取得し得、次に、ステップS20は、電極動作電圧を用いてリセットパルスの持続時間を定義し得る。
【0048】
[0053] 上記は、リセットパルスの制御の一例である。これらのリセットパルスは、上述の磁気コアの何れか1つ又は複数に印加することができる。他の磁気コア又は他の磁気コア群がそれぞれ異なる関連付けられたリセットパルスを使用することも可能である。リセットパルスの特性は、最も確実に反復可能であり、一貫したリセット動作をもたらすものが選択されるように発見的に決定されることも可能である。
【0049】
[0054] 上記は、リセットパルスの特性がバーストごとに定義される実施形態の一例である。しかしながら、図6の手順を使用して、複数のバーストに対するリセットパルスの特性を定義し得ることは、当業者に明らかであろう。リセットパルスの特性は、それらが放電パルスごとに調整できるようにバースト内で定義され得ることも当業者に明らかであろう。
【0050】
[0055] したがって、本明細書で開示されるのは、パルスシードレーザビームを生成するように構成された第1のレーザサブシステムを含むシステムであり、第1のレーザサブシステムは、第1の気体の利得媒質を保持するように構成された第1のチャンバと、第1のチャンバ内の第1の励起機構とを含む。第2のレーザサブシステムは、パルスシードレーザビームに基づいてパルス出力レーザビームを生成するように構成され、第2の光学サブシステムは、第2の気体の利得媒質を保持するように構成された第2のチャンバと、第2のチャンバ内の第2の励起機構とを含む。第1の磁気スイッチングネットワークは、第1の励起機構を起動、すなわち第1の励起機構において励起を誘発するように構成される。第1の磁気スイッチングネットワークは、第1のインピーダンス特性、例えば磁気コアの磁束密度(B)対磁界強度(H)に関連付けられた第1の磁気コアを含む。第1の励起機構を起動することにより、第1の光学サブシステムがパルスシードレーザビームのパルスを生成する。第2の磁気スイッチングネットワークは、第2の励起機構を起動するように構成される。第2の磁気スイッチングネットワークは、第2のインピーダンス特性に関連付けられた第2の磁気コアを含む。第1のバイアス回路は、第1の磁気コアに磁気的に結合するように構成され、第2のバイアス回路は、第2の磁気コアに磁気的に結合するように構成される。コントローラは、第1のバイアス回路に第1の電気リセット電流パルスを生成させることにより、第1の磁気コアのインピーダンスを調整するように構成される。第1の電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性は、第1のレーザサブシステムの第1の動作条件に基づく。コントローラは、第2のバイアス回路に第2の電気リセット電流パルスを生成させることにより、第2の磁気コアのインピーダンスを調整するようにさらに構成される。第2の電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性は、第2のレーザサブシステムの第2の動作条件に基づく。
【0051】
[0056] 第1の電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性は、第1の電気リセット電流パルスの振幅を含み得る。次いで、コントローラは、第1の動作条件に基づいて第1の電気リセット電流パルスの振幅を決定し得、第1の磁気コアのインピーダンスは、第1の電気リセット電流パルスの振幅に依存する。同様に、第2の電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性は、第2の電気リセット電流パルスの振幅を含み得る。次いで、コントローラは、第2の動作条件に基づいて第2の電気リセット電流パルスの振幅を決定し得、第2の磁気コアのインピーダンスは、第2の電気リセット電流パルスの振幅に依存する。
【0052】
[0057] 第1の電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性は、第1の電気リセット電流パルスの振幅及び/又は時間長を含み得る。次いで、コントローラは、第1の動作条件に基づいて第1の電気リセット電流パルスの振幅及び/又は時間長を決定し得、第1の磁気コアのインピーダンスは、第1の電気リセット電流パルスの振幅に依存し、第1の磁気コアのインピーダンスが調整されるのに必要な時間は、第1の電気リセット電流パルスの時間長に依存する。同様に、第2の電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性は、第2の電気リセット電流パルスの振幅及び/又は第2の電気リセット電流パルスの時間長を含み得る。次いで、コントローラは、第2の動作条件に基づいて第2の電気リセット電流パルスの振幅及び/又は第2の電気リセット電流パルスの時間長を決定し得、第2の磁気コアのインピーダンスは、第2の電気リセット電流パルスの振幅に依存し、第2の磁気コアのインピーダンスが調整されるのに必要な時間は、第2の電気リセット電流パルスの時間長に依存する。
【0053】
[0058] 第1の電気リセット電流パルスの振幅及び第2の電気リセット電流パルスの振幅は、同じであり得るか、又はそれらは、異なり得る。コントローラは、パルスシードレーザビームの各パルスが生成される前に第1の磁気コアのインピーダンスを調整し、及びパルス出力レーザビームの各パルスが生成される前に第2の磁気コアのインピーダンスを調整するように構成され得る。
【0054】
[0059] 第1のインピーダンス特性は、磁束密度と磁界強度との間の第1の関係、したがって磁界強度と透磁率、したがって第1の磁気コアのインダクタンスとの間の関係を含み得る。第2のインピーダンス特性は、磁束密度と磁界強度との間の第2の関係、したがって磁界強度と透磁率、したがって第2の磁気コアのインダクタンスとの間の関係を含み得る。
【0055】
[0060] 第1のレーザサブシステムは、主発振器を含み得、第2の光学サブシステムは、パワー増幅器を含み得る。パワー増幅器は、パワーリング増幅器を含み得る。パワー増幅器は、パワー発振器を含み得る。パルスシードレーザビーム及びパルス出力レーザビームは、両方とも深紫外線(DUV)領域の1つ又は複数の波長を含み得る。
【0056】
[0061] 第1のバイアス回路は、リセット中に一定の振幅を有し得る第1のバイアス電流を供給するようにさらに構成され得、第2のバイアス回路は、リセット中に一定の振幅を有し得る一定の第2のバイアス電流を供給するようにさらに構成され得る。第1のバイアス回路は、パルス状の第1のバイアス電流を供給するようにさらに又は代替的に構成され得、第2のバイアス回路は、パルス状の第2のバイアス電流を供給するようにさらに又は代替的に構成され得る。
【0057】
[0062] したがって、本明細書では、第1の磁気スイッチングネットワークに第1の開始トリガ信号を提供することであって、第1の開始トリガ信号は、第1の磁気スイッチングネットワークが第1のレーザサブシステム内の利得励起機構を起動するように第1の磁気スイッチングネットワーク内の第1の磁気コアを飽和させる、提供することと、第2の磁気スイッチングネットワークに第2の開始トリガ信号を提供することとを行うように構成されたトリガモジュールを含むコントローラも開示される。コントローラは、第2の磁気スイッチングネットワークが第2のレーザサブシステム内の利得励起機構を起動するように、第2の磁気スイッチングネットワーク内の第2の磁気コアを飽和させる第2の開始トリガ信号を提供するようにも構成される。コントローラは、第1の動作条件に基づいて第1の電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性を決定することであって、第1の電気リセット電流パルスは、飽和した第1の磁気コアのインピーダンスを第1のリセットレベルに調整するように構成される、決定することと、第2の動作条件に基づいて第2の電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性を決定することであって、第2の電流は、第2の磁気コアのインピーダンスを第2のリセットレベルに調整するように構成されたパルスである、決定することとを行うように構成された電流モジュールも含む。
【0058】
[0063] 第1の光学サブシステム内の利得機構を起動することは、シードレーザビームのパルスを生成し、及び第2の光学サブシステム内の利得機構を起動することは、シードレーザビームのパルスを増幅させる。ある実施形態では、電流モジュールは、第1の光学サブシステム内の利得励起機構が起動されるたびに、飽和した第1の磁気コアのインピーダンスを第1のリセットレベルに調整し、及び第2のサブシステム内の利得励起機構が起動されるたびに、飽和した第2の磁気コアのインピーダンスを第2のリセットレベルに調整するように構成される。第1の電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性は、第1の振幅及び/又は第1の時間長を含み、及び第2の電流の1つ又は複数の特性は、第2の振幅及び/又は第2の時間長を含む。
【0059】
[0064] したがって、パルスレーザビームを生成するレーザシステムにおいて磁気コアのインピーダンスを制御する方法も開示され、この方法は、レーザの動作条件に基づいてパルスリセット電流の1つ又は複数の特性を決定することと、磁気コアに磁気的に結合されるコイルにパルスリセット電流を提供することにより、磁気コアのインピーダンスをリセットレベルに調整することと、磁気コアのインピーダンスを調整した後、レーザ放射パルスを生成することであって、電気パルスがレーザシステムの励起機構に提供されるように磁気コアを飽和させることを含む、生成することとを含む。
【0060】
[0065] パルスリセット電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性は、振幅を含み得る。リセットパルスは、複数のレーザ放射パルスの各レーザ放射パルスを生成する前に、磁気コアのインピーダンスを同じ値にリセットし得る。複数のレーザ放射パルスのうちの第1のものを生成する前にコイルに提供されるパルスリセット電流の振幅若しくは時間長又はその両方は、複数のレーザ放射パルスのうちの第2のものを生成する前にコイルに提供されるリセット電流の振幅又は時間長と異なり得る。複数のレーザ放射パルスのうちの第1のものは、レーザ放射パルスのバーストにおける最初のレーザ放射パルスであり得、及び複数のレーザ放射パルスのうちの第2のものは、レーザ放射パルスの同じバーストにおける後のレーザ放射パルスであり得る。複数のレーザ放射パルスは、レーザ放射パルスの単一のバーストにおける連続したレーザ放射パルスであり得る。
【0061】
[0066] 概要及び要約書セクションではなく、詳細な説明セクションは、特許請求の範囲を解釈するために使用されることが意図されることを理解されたい。概要及び要約書セクションは、本発明者らによって企図される本発明の1つ又は複数の例示的な実施形態を示し得るが、すべてを示すわけではなく、したがって本発明及び添付の特許請求の範囲を限定することを決して意図されない。
【0062】
[0067] 特定機能の実装及びそれらの関係を示す機能ブロックを用いて、本発明を上記で説明した。これらの機能ブロックの境界は、説明の便宜上、本明細書では任意に定義されている。指定された機能が適切に行われる限り、代替の境界を定義することができる。
【0063】
[0068] 具体的な実施形態の前述の説明は、本発明の一般的な性質を十分に明らかにするため、他者が、当技術分野の技術の範囲内の知識を適用することにより、過度の実験を行うことなく、本発明の一般的な概念から逸脱することなく、そのような具体的な実施形態を様々な用途のために容易に修正及び/又は適合させることができる。したがって、そのような修正形態及び適合形態は、本明細書に提示された教示及び指針に基づいて、開示された実施形態を説明するために使用される言語の意味の範囲内であることが意図される。本明細書の用語又は表現は、本明細書で提供される教示及び指針に鑑みて当業者によって解釈されるように、本明細書の表現又は用語は、説明を目的としたものであり、限定を目的とするものではないことを理解されたい。
【0064】
[0069] 実施形態は、以下の条項を用いてさらに説明することができる。
1.パルスシードレーザビームを生成するように構成された第1のレーザサブシステムであって、
第1の利得媒質を保持するように構成された第1のチャンバと、
第1のチャンバ内の第1の励起機構と
を含む第1のレーザサブシステムと、
パルスシードレーザビームに基づいて、パルス出力レーザビームを生成するように構成された第2のレーザサブシステムであって、
第2の利得媒質を保持するように構成された第2のチャンバと、
第2のチャンバ内の第2の励起機構と
を含む第2の光学サブシステムと、
第1の励起機構を起動するように構成された第1の磁気スイッチングネットワークであって、第1の磁気コアを含み、及び第1の励起機構を起動することは、第1の光学サブシステムにパルスシードレーザビームのパルスを生成させる、第1の磁気スイッチングネットワークと、
第2の励起機構を起動するように構成された第2の磁気スイッチングネットワークであって、第2の磁気コアを含み、及び第2の励起機構を起動することは、第2の光学サブシステムにパルス出力レーザビームのパルスを生成させる、第2の磁気スイッチングネットワークと、
第1の磁気コアに電気的又は磁気的に結合するように構成された第1のバイアス回路と、
第2の磁気コアに電気的又は磁気的に結合するように構成された第2のバイアス回路と、
コントローラであって、
第1のバイアス回路に第1の電気リセット電流パルスを生成させることにより、第1の磁気コアのインピーダンスを調整することであって、第1の電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性は、第1のレーザサブシステムの動作条件に基づく、調整することと、
第2のバイアス回路に第2の電気リセット電流パルスを生成させることにより、第2の磁気コアのインピーダンスを調整することであって、第2の電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性は、第2のレーザサブシステムの動作条件に基づく、調整することと
を行うように構成されたコントローラと
を含むシステム。
2.第1の電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性は、第1の電気リセット電流パルスの振幅を含み、コントローラは、第1のレーザサブシステムの動作条件に基づいて第1の電気リセット電流パルスの振幅を決定し、及び第1の磁気コアのインピーダンスは、第1の電気リセット電流パルスの振幅に依存し、及び
第2の電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性は、第2の電気リセット電流パルスの振幅を含み、コントローラは、第2のレーザサブシステムの動作条件に基づいて第2の電気リセット電流パルスの振幅を決定し、及び第2の磁気コアのインピーダンスは、第2の電気リセット電流パルスの振幅に依存する、条項1に記載のシステム。
3.第1の電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性は、第1の電気リセット電流パルスの振幅及び時間長を含み、コントローラは、第1のレーザサブシステムの動作条件に基づいて第1の電気リセット電流パルスの振幅及び時間長を決定し、第1の磁気コアのインピーダンスは、第1の電気リセット電流パルスの振幅に依存し、第1の磁気コアのインピーダンスが調整されるのに必要な時間は、第1の電気リセット電流パルスの時間長に依存し、
第2の電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性は、第2の電気リセット電流パルスの振幅及び第2の電気リセット電流パルスの時間長を含み、コントローラは、第2のレーザサブシステムの動作条件に基づいて、第2の電気リセット電流パルスの振幅及び第2の電気リセット電流パルスの時間長を決定し、第2の磁気コアのインピーダンスは、第2の電気リセット電流パルスの振幅に依存し、第2の磁気コアのインピーダンスが調整されるのに必要な時間は、第2の電気リセット電流パルスの時間長に依存する、条項1に記載のシステム。
4.第1の電気リセット電流パルスの振幅及び第2の電気リセット電流パルスの振幅は、互いに異なる、条項3に記載のシステム。
5.コントローラは、パルスシードレーザビームの各パルスが生成される前に第1の磁気コアのインピーダンスを調整し、及びパルス出力レーザビームの各パルスが生成される前に第2の磁気コアのインピーダンスを調整するように構成される、条項1に記載のシステム。
6.第1のレーザサブシステムは、主発振器を含み、及び第2の光学サブシステムは、パワー増幅器を含む、条項1に記載のシステム。
7.パワー増幅器は、パワーリング増幅器を含む、条項6に記載のシステム。
8.パルスシードレーザビーム及びパルス出力レーザビームは、両方とも深紫外線(DUV)領域の1つ又は複数の波長を含む、条項1に記載のシステム。
9.トリガモジュールであって、
第1の磁気スイッチングネットワークに第1の開始トリガ信号を提供することであって、第1の開始トリガ信号は、第1の磁気スイッチングネットワークが第1のレーザサブシステム内の利得励起機構を起動するように、第1の磁気スイッチングネットワーク内の第1の磁気コアを飽和させる、提供すること、
第2の磁気スイッチングネットワークに第2の開始トリガ信号を提供することであって、第2の開始トリガ信号は、第2の磁気スイッチングネットワークが第2のレーザサブシステム内の利得励起機構を起動するように、第2の磁気スイッチングネットワーク内の第2の磁気コアを飽和させる、提供すること
を行うように構成されたトリガモジュールと、
電流モジュールであって、
第1のレーザサブシステムの動作条件に基づいて第1の電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性を決定することであって、第1の電気リセット電流パルスは、第1の磁気コアのインピーダンスを第1のリセットレベルに調整するように構成される、決定することと、
第2のレーザサブシステムの動作条件に基づいて第2の電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性を決定することであって、第2の電気リセット電流パルスは、第2の磁気コアのインピーダンスを第2のリセットレベルに調整するように構成される、決定することと
を行うように構成された電流モジュールと
を含むコントローラ。
10.第1の光学サブシステム内の利得機構を起動することは、シードレーザビームのパルスを生成し、及び第2の光学サブシステム内の利得機構を起動することは、シードレーザビームのパルスを増幅させる、条項9に記載のコントローラ。
11.電流モジュールは、第1の光学サブシステム内の利得励起機構が起動されるたびに、第1の磁気コアのインピーダンスを第1のリセットレベルに調整し、及び第2のサブシステム内の利得励起機構が起動されるたびに、第2の磁気コアのインピーダンスを第2のリセットレベルに調整するように構成される、条項9に記載のコントローラ。
12.第1の電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性は、第1の振幅と第1の時間長とを含み、及び第2の電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性は、第2の振幅と第2の時間長とを含む、条項9に記載のコントローラ。
13.パルスレーザビームを生成するレーザシステムにおいて磁気コアのインピーダンスを制御する方法であって、
第1のレーザサブシステムの動作条件に基づいて電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性を決定することと、
磁気コアに磁気的に結合されるコイルに電気リセット電流パルスを提供することにより、磁気コアのインピーダンスをリセットレベルに調整することと、
磁気コアのインピーダンスを調整した後、レーザ放射パルスを生成することであって、放電電気パルスがレーザシステムの励起機構に提供されるように磁気コアを飽和させることを含む、生成することと
を含む方法。
14.電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性は、電気リセット電流パルスの振幅を含む、条項13に記載の方法。
15.電気リセット電流パルスは、複数のレーザ放射パルスの各々を生成する前に、磁気コアのインピーダンスを同じ値にリセットする、条項13に記載の方法。
16.複数のレーザ放射パルスのうちの第1のものを生成する前にコイルに提供される電気リセット電流パルスの振幅又は時間長は、複数のレーザ放射パルスのうちの第2のものを生成する前にコイルに提供されるリセット電気リセット電流パルスの振幅又は時間長と異なる、条項15に記載の方法。
17.複数のレーザ放射パルスのうちの第1のものは、レーザ放射パルスのバーストにおける最初のレーザ放射パルスであり、及び複数のレーザ放射パルスのうちの第2のものは、レーザ放射パルスの同じバーストにおける後のレーザ放射パルスである、条項16に記載の方法。
18.複数のレーザ放射パルスは、レーザ放射パルスの単一のバーストにおける連続したパルスである、条項15に記載の方法。
19.レーザ放電チャンバに放電パルスを供給するためのパルスパワーシステムであって、
圧縮ヘッドモジュール可飽和リアクタを有する圧縮ヘッドモジュール磁気スイッチを含む圧縮ヘッドモジュールと、
圧縮ヘッドモジュール可飽和リアクタの動作点を所定の圧縮ヘッドバイアス点にリセットするために、圧縮ヘッドモジュール可飽和リアクタに圧縮ヘッドモジュールリセットパルスを供給するように適合された圧縮ヘッドモジュールリセット回路と、
レーザ放電チャンバ内の少なくとも1つの動作条件に基づいて圧縮ヘッドリセット回路の動作を制御するように配置されたリセット回路制御モジュールと
を含むパルスパワーシステム。
20.主発振器(「MO」)放電パルスを含む放電パルスをMOレーザチャンバに供給するためのパルスパワーシステムであって、
MO圧縮ヘッドモジュール可飽和リアクタを有するMO圧縮ヘッドモジュール磁気スイッチを含むMO圧縮ヘッドモジュールと、
MO圧縮ヘッドモジュール可飽和リアクタの動作点を所定のMO圧縮ヘッドバイアス点にリセットするために、MO圧縮ヘッドモジュール可飽和リアクタにMO圧縮ヘッドモジュールリセットパルスを供給するように適合されたMO圧縮ヘッドモジュールリセット回路と、
MOレーザチャンバ内の少なくとも1つの条件に基づいてMO圧縮ヘッドリセット回路の動作を制御するように配置されたリセット回路制御モジュールと
を含むパルスパワーシステム。
21.MO圧縮ヘッドモジュールにMOコミュテータパルスを提供するように配置されたMOコミュテータモジュールであって、MOコミュテータモジュール可飽和リアクタを有するMOコミュテータモジュール磁気スイッチを含むMOコミュテータモジュールと、
MO圧縮ヘッドモジュール可飽和リアクタの動作点を所定のMOコミュテータバイアス点にリセットするために、MOコミュテータモジュール可飽和リアクタにMOコミュテータモジュールリセットパルスを供給するように適合されたMOコミュテータモジュールリセット回路と
をさらに含み、リセット回路制御モジュールは、MOレーザチャンバ内の少なくとも1つの条件に基づいてMOコミュテータモジュールリセット回路の動作を制御するようにさらに配置される、条項20に記載のパルスパワーシステム。
22.パワー増幅器(「PA」)圧縮ヘッドモジュール可飽和リアクタを有するPA圧縮ヘッドモジュール磁気スイッチを含むPA圧縮ヘッドモジュールと、
PA圧縮ヘッドモジュール可飽和リアクタの動作点を所定のPA圧縮ヘッドバイアス点にリセットするために、PA圧縮ヘッドモジュール可飽和リアクタにPA圧縮ヘッドモジュールパルスを供給するように適合されたPA圧縮ヘッドモジュールリセット回路と、
PA圧縮ヘッドモジュールにPAコミュテータパルスを提供するように配置されたPAコミュテータモジュールであって、PAコミュテータモジュール可飽和リアクタを有するPAコミュテータモジュール磁気スイッチを含むPAコミュテータモジュールと、
PAコミュテータモジュール可飽和リアクタの動作点を所定のPAコミュテータバイアス点にリセットするために、PAコミュテータヘッドモジュール可飽和リアクタにPAコミュテータモジュールパルスを供給するように適合されたPAコミュテータモジュールリセット回路と
をさらに含み、リセット回路制御モジュールは、PAレーザチャンバ内の少なくとも1つの条件に基づいてPA圧縮ヘッドリセット回路の動作を制御し、及びPAレーザチャンバ内の少なくとも1つの条件に基づいてPAコミュテータリセット回路の動作を制御するようにさらに配置される、条項20に記載のパルスパワーシステム。
【0065】
[0070] さらに他の実装形態も以下の特許請求の範囲内である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-01-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルスシードレーザビームを生成する第1のレーザサブシステムであって、
第1の利得媒質を保持する第1のチャンバと、
前記第1のチャンバ内の第1の励起機構と
を含む第1のレーザサブシステムと、
前記パルスシードレーザビームに基づいて、パルス出力レーザビームを生成する第2のレーザサブシステムであって、
第2の利得媒質を保持する第2のチャンバと、
前記第2のチャンバ内の第2の励起機構と
を含む第2のレーザサブシステムと、
前記第1の励起機構を起動する第1の磁気スイッチングネットワークであって、第1の磁気コアを含み、及び前記第1の励起機構を起動することは、前記第1の光学サブシステムに前記パルスシードレーザビームのパルスを生成させる、第1の磁気スイッチングネットワークと、
前記第2の励起機構を起動する第2の磁気スイッチングネットワークであって、第2の磁気コアを含み、及び前記第2の励起機構を起動することは、前記第2の光学サブシステムに前記パルス出力レーザビームのパルスを生成させる、第2の磁気スイッチングネットワークと、
前記第1の磁気コアに電気的又は磁気的に結合する第1のバイアス回路と、
前記第2の磁気コアに電気的又は磁気的に結合する第2のバイアス回路と、
コントローラであって、
前記第1のバイアス回路に第1の電気リセット電流パルスを生成させることにより、前記第1の磁気コアのインピーダンスを調整することであって、前記第1の電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性は、前記第1のレーザサブシステムの動作条件に基づく、調整することと、
前記第2のバイアス回路に第2の電気リセット電流パルスを生成させることにより、前記第2の磁気コアのインピーダンスを調整することであって、前記第2の電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性は、前記第2のレーザサブシステムの動作条件に基づく、調整することと
を行うコントローラと
を含むシステム。
【請求項2】
前記第1の電気リセット電流パルスの前記1つ又は複数の特性は、前記第1の電気リセット電流パルスの振幅を含み、前記コントローラは、前記第1のレーザサブシステムの前記動作条件に基づいて前記第1の電気リセット電流パルスの前記振幅を決定し、及び前記第1の磁気コアの前記インピーダンスは、前記第1の電気リセット電流パルスの前記振幅に依存し、及び
前記第2の電気リセット電流パルスの前記1つ又は複数の特性は、前記第2の電気リセット電流パルスの振幅を含み、前記コントローラは、前記第2のレーザサブシステムの前記動作条件に基づいて前記第2の電気リセット電流パルスの前記振幅を決定し、及び前記第2の磁気コアの前記インピーダンスは、前記第2の電気リセット電流パルスの前記振幅に依存する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の電気リセット電流パルスの前記1つ又は複数の特性は、前記第1の電気リセット電流パルスの振幅及び時間長を含み、前記コントローラは、前記第1のレーザサブシステムの前記動作条件に基づいて前記第1の電気リセット電流パルスの前記振幅及び前記時間長を決定し、前記第1の磁気コアの前記インピーダンスは、前記第1の電気リセット電流パルスの前記振幅に依存し、前記第1の磁気コアの前記インピーダンスが調整されるのに必要な時間は、前記第1の電気リセット電流パルスの前記時間長に依存し、
前記第2の電気リセット電流パルスの前記1つ又は複数の特性は、前記第2の電気リセット電流パルスの振幅及び前記第2の電気リセット電流パルスの時間長を含み、前記コントローラは、前記第2のレーザサブシステムの前記動作条件に基づいて、前記第2の電気リセット電流パルスの前記振幅及び前記第2の電気リセット電流パルスの前記時間長を決定し、前記第2の磁気コアの前記インピーダンスは、前記第2の電気リセット電流パルスの前記振幅に依存し、前記第2の磁気コアの前記インピーダンスが調整されるのに必要な時間は、前記第2の電気リセット電流パルスの前記時間長に依存する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記パルスシードレーザビームの各パルスが生成される前に前記第1の磁気コアの前記インピーダンスを調整し、及び前記パルス出力レーザビームの各パルスが生成される前に前記第2の磁気コアの前記インピーダンスを調整する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1のレーザサブシステムは、主発振器を含み、及び前記第2の光学サブシステムは、パワー増幅器を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記パルスシードレーザビーム及び前記パルス出力レーザビームは、両方とも深紫外線(DUV)領域の1つ又は複数の波長を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
トリガモジュールであって、
第1の磁気スイッチングネットワークに第1の開始トリガ信号を提供することであって、前記第1の開始トリガ信号は、前記第1の磁気スイッチングネットワークが第1のレーザサブシステム内の利得励起機構を起動するように、前記第1の磁気スイッチングネットワーク内の第1の磁気コアを飽和させる、提供すること、
第2の磁気スイッチングネットワークに第2の開始トリガ信号を提供することであって、前記第2の開始トリガ信号は、前記第2の磁気スイッチングネットワークが第2のレーザサブシステム内の利得励起機構を起動するように、前記第2の磁気スイッチングネットワーク内の第2の磁気コアを飽和させる、提供すること
を行うトリガモジュールと、
電流モジュールであって、
前記第1のレーザサブシステムの動作条件に基づいて第1の電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性を決定することであって、前記第1の電気リセット電流パルスは、前記第1の磁気コアのインピーダンスを第1のリセットレベルに調整する、決定することと、
前記第2のレーザサブシステムの動作条件に基づいて第2の電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性を決定することであって、前記第2の電気リセット電流パルスは、前記第2の磁気コアのインピーダンスを第2のリセットレベルに調整する、決定することと
を行う電流モジュールと
を含むコントローラ。
【請求項8】
前記第1の光学サブシステム内の前記利得機構を起動することは、シードレーザビームのパルスを生成し、及び前記第2の光学サブシステム内の前記利得機構を起動することは、前記シードレーザビームの前記パルスを増幅させる、請求項に記載のコントローラ。
【請求項9】
前記電流モジュールは、前記第1の光学サブシステム内の前記利得励起機構が起動されるたびに、前記第1の磁気コアの前記インピーダンスを前記第1のリセットレベルに調整し、及び前記第2のサブシステム内の前記利得励起機構が起動されるたびに、前記第2の磁気コアの前記インピーダンスを前記第2のリセットレベルに調整する、請求項に記載のコントローラ。
【請求項10】
パルスレーザビームを生成するレーザシステムにおいて磁気コアのインピーダンスを制御する方法であって、
前記第1のレーザサブシステムの動作条件に基づいて電気リセット電流パルスの1つ又は複数の特性を決定することと、
前記磁気コアに磁気的に結合されるコイルに前記電気リセット電流パルスを提供することにより、前記磁気コアの前記インピーダンスをリセットレベルに調整することと、
前記磁気コアの前記インピーダンスを調整した後、レーザ放射パルスを生成することであって、放電電気パルスが前記レーザシステムの励起機構に提供されるように前記磁気コアを飽和させることを含む、生成することと
を含む方法。
【請求項11】
前記電気リセット電流パルスの前記1つ又は複数の特性は、前記電気リセット電流パルスの振幅を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記電気リセット電流パルスは、複数のレーザ放射パルスの各々を生成する前に、前記磁気コアの前記インピーダンスを同じ値にリセットする、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記複数のレーザ放射パルスのうちの第1のものを生成する前に前記コイルに提供される前記電気リセット電流パルスの振幅又は時間長は、前記複数のレーザ放射パルスのうちの第2のものを生成する前に前記コイルに提供される前記リセット電気リセット電流パルスの前記振幅又は前記時間長と異なる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のレーザ放射パルスは、レーザ放射パルスの単一のバーストにおける連続したパルスである、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
レーザ放電チャンバに放電パルスを供給するためのパルスパワーシステムであって、
圧縮ヘッドモジュール可飽和リアクタを有する圧縮ヘッドモジュール磁気スイッチを含む圧縮ヘッドモジュールと、
前記圧縮ヘッドモジュール可飽和リアクタの動作点を所定の圧縮ヘッドバイアス点にリセットするために、前記圧縮ヘッドモジュール可飽和リアクタに圧縮ヘッドモジュールリセットパルスを供給する圧縮ヘッドモジュールリセット回路と、
前記レーザ放電チャンバ内の少なくとも1つの動作条件に基づいて前記圧縮ヘッドリセット回路の動作を制御するリセット回路制御モジュールと
を含むパルスパワーシステム。
【請求項16】
主発振器(「MO」)放電パルスを含む放電パルスをMOレーザチャンバに供給するためのパルスパワーシステムであって、
MO圧縮ヘッドモジュール可飽和リアクタを有するMO圧縮ヘッドモジュール磁気スイッチを含むMO圧縮ヘッドモジュールと、
前記MO圧縮ヘッドモジュール可飽和リアクタの動作点を所定のMO圧縮ヘッドバイアス点にリセットするために、前記MO圧縮ヘッドモジュール可飽和リアクタにMO圧縮ヘッドモジュールリセットパルスを供給するMO圧縮ヘッドモジュールリセット回路と、
前記MOレーザチャンバ内の少なくとも1つの条件に基づいて前記MO圧縮ヘッドリセット回路の動作を制御するリセット回路制御モジュールと
を含むパルスパワーシステム。
【請求項17】
前記MO圧縮ヘッドモジュールにMOコミュテータパルスを提供するMOコミュテータモジュールであって、MOコミュテータモジュール可飽和リアクタを有するMOコミュテータモジュール磁気スイッチを含むMOコミュテータモジュールと、
前記MO圧縮ヘッドモジュール可飽和リアクタの動作点を所定のMOコミュテータバイアス点にリセットするために、前記MOコミュテータモジュール可飽和リアクタにMOコミュテータモジュールリセットパルスを供給するMOコミュテータモジュールリセット回路と
をさらに含み、前記リセット回路制御モジュールは、前記MOレーザチャンバ内の少なくとも1つの条件に基づいて前記MOコミュテータモジュールリセット回路の動作をさらに制御する、請求項16に記載のパルスパワーシステム。
【請求項18】
パワー増幅器(「PA」)圧縮ヘッドモジュール可飽和リアクタを有するPA圧縮ヘッドモジュール磁気スイッチを含むPA圧縮ヘッドモジュールと、
前記PA圧縮ヘッドモジュール可飽和リアクタの動作点を所定のPA圧縮ヘッドバイアス点にリセットするために、前記PA圧縮ヘッドモジュール可飽和リアクタにPA圧縮ヘッドモジュールパルスを供給するPA圧縮ヘッドモジュールリセット回路と、
前記PA圧縮ヘッドモジュールにPAコミュテータパルスを提供するPAコミュテータモジュールであって、PAコミュテータモジュール可飽和リアクタを有するPAコミュテータモジュール磁気スイッチを含むPAコミュテータモジュールと、
前記PAコミュテータモジュール可飽和リアクタの動作点を所定のPAコミュテータバイアス点にリセットするために、前記PAコミュテータヘッドモジュール可飽和リアクタにPAコミュテータモジュールパルスを供給するPAコミュテータモジュールリセット回路と
をさらに含み、前記リセット回路制御モジュールは、さらに、PAレーザチャンバ内の少なくとも1つの条件に基づいて前記PA圧縮ヘッドリセット回路の動作を制御し、及び前記PAレーザチャンバ内の少なくとも1つの条件に基づいて前記PAコミュテータリセット回路の動作を制御する、請求項16に記載のパルスパワーシステム。
【国際調査報告】