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特表2024-527237基板ホルダ上で使用される構造、基板ホルダ、リソグラフィ装置及び方法
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  • 特表-基板ホルダ上で使用される構造、基板ホルダ、リソグラフィ装置及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-24
(54)【発明の名称】基板ホルダ上で使用される構造、基板ホルダ、リソグラフィ装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20240717BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
G03F7/20 521
G03F7/20 502
G03F7/20 503
H01L21/68 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574785
(86)(22)【出願日】2022-05-30
(85)【翻訳文提出日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 EP2022064570
(87)【国際公開番号】W WO2022268438
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】21181588.1
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21195600.8
(32)【優先日】2021-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】クレーマー,ジス
(72)【発明者】
【氏名】トロンプ,ジークフリート,アレキサンダー
(72)【発明者】
【氏名】リンダイヤ,トジャルコ
(72)【発明者】
【氏名】ヘレモンス,アドリアヌス,ペトリュス,コルネリス
(72)【発明者】
【氏名】ロゼット,バス,ヨハネス,ペトルス
【テーマコード(参考)】
2H197
5F131
【Fターム(参考)】
2H197AA05
2H197CA06
2H197CA10
2H197CD02
2H197CD05
2H197CD06
2H197CD07
2H197CD44
2H197DB31
2H197GA01
2H197GA17
2H197HA03
5F131AA02
5F131BA13
5F131DA33
5F131DA42
5F131EA02
5F131EB01
5F131EB11
5F131EB31
5F131EB54
5F131EB72
5F131EB78
5F131EB79
(57)【要約】
本発明は、基板ホルダのベース表面上で用いられる構造を提供する。構造は実質的に平面状であり、基板ホルダのベース表面に対して固定可能で、かつ、基板ホルダのベース表面から除去可能である基板ホルダ対向表面を備える。構造は複数の貫通アパーチャを含み、これら複数のアパーチャは、ベース表面上の複数のバールがアパーチャをそれぞれ貫通し得るように配置されている。アパーチャの直径は50μm~1000μmの範囲内であり、隣接するアパーチャ間のピッチは1mm~3mmの範囲内である。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板ホルダのベース表面上で用いられる構造であって、
前記構造は実質的に平面状であり、前記基板ホルダの前記ベース表面に対して固定可能で、かつ、前記基板ホルダの前記ベース表面から除去可能である基板ホルダ対向表面を備え、
前記構造は複数の貫通アパーチャを含み、前記複数のアパーチャは、前記ベース表面上の複数のバールが前記アパーチャをそれぞれ貫通し得るように配置され、
前記アパーチャの直径は50μm~1000μmの範囲内であり、
隣接するアパーチャ間のピッチは1mm~3mmの範囲内である、構造。
【請求項2】
前記基板ホルダ対向表面上に、前記構造を前記基板ホルダの前記ベース表面に接着するための接着層を更に備え、好ましくは前記接着剤は感圧接着剤である、請求項1に記載の構造。
【請求項3】
前記構造は、熱可塑性材料、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、及び金属のうち1つ以上を含む、請求項1又は2に記載の構造。
【請求項4】
1つ以上の持ち上げピン受容開口を更に備え、前記1つ以上の持ち上げピン受容開口は、前記ベース表面上の1つ以上の持ち上げピンが前記持ち上げピン受容開口をそれぞれ貫通し得るように配置され、及び/又は、
前記基板ホルダの抽出ポートを通る各空気流が妨害されないように配置された1つ以上の抽出ポート開口を更に備える、請求項1から3のいずれかに記載の構造。
【請求項5】
前記構造は、前記基板ホルダ対向表面の反対側の主面である基板対向表面を含み、
前記基板対向表面は前記基板ホルダ対向表面に対して傾斜しており、及び/又は、
前記構造は、前記基板ホルダ対向表面の反対側の主面である基板対向表面を含み、
前記構造の厚さは、前記構造を基板ホルダのベース表面に固定した場合、前記基板対向表面とバールの遠位端との間の距離が10μm~200μmであり、好ましくは30μm、55μm、80μm、又は125μmであるようなものである、請求項1から4のいずれかに記載の構造。
【請求項6】
前記構造の前記厚さは170μm未満であり、好ましくは85μm、110μm、又は135μmである、請求項1から5のいずれかに記載の構造。
【請求項7】
前記構造の前記基板ホルダ対向表面は、少なくとも部分的に環状であるか、少なくとも部分に円形であるか、又は非円形及び非環状である、請求項1から6のいずれかに記載の構造。
【請求項8】
前記構造の前記基板ホルダ対向表面の外周は、前記基板ホルダの前記ベース表面の外周未満である、請求項1から7のいずれかに記載の構造。
【請求項9】
基板を支持するように構成された基板ホルダであって、
ベース表面と、
前記ベース表面から突出している複数のバールであって、各バールは遠位端を有し、前記複数のバールは、前記基板が前記基板ホルダによって支持される場合、前記基板が前記複数のバールの前記遠位端によって支持されるように配置されている、複数のバールと、
前記ベース表面に固定された、請求項1から8のいずれかに記載の少なくとも1つの構造と、
を備える基板ホルダ。
【請求項10】
前記基板ホルダは、前記ベース表面に固定された、請求項1から8のいずれかに記載の複数の構造を備え、
前記構造の各々は異なる厚さを有する、請求項9に記載の基板ホルダ。
【請求項11】
基板ホルダ及び請求項1から8のいずれかに記載の1つ以上の構造であって、前記基板ホルダは基板を支持するように構成され、前記基板ホルダは、
ベース表面と、
前記ベース表面から突出している複数のバールであって、各バールは遠位端を有し、前記複数のバールは、前記基板が前記基板ホルダによって支持される場合、前記基板が前記複数のバールの前記遠位端によって支持されるように配置されている、複数のバールと、
を備える、基板ホルダ及び請求項1から8のいずれかに記載の1つ以上の構造。
【請求項12】
複数の構造が存在し、前記構造は、異なるサイズ、形状、及び/又は厚さを有する、請求項11に記載の基板ホルダ及び1つ以上の構造。
【請求項13】
請求項9又は10に記載の基板ホルダ、及び/又は、請求項11又は12に記載の基板ホルダ及び1つ以上の構造を備える、リソグラフィ装置。
【請求項14】
基板ホルダを適合する方法であって、
ベース表面を含む基板ホルダを取得することと、
請求項1から8のいずれかに従った1つ以上の構造を前記ベース表面に固定することと、
を含み、前記基板ホルダは基板を支持するように構成され、前記基板ホルダは前記ベース表面から突出している複数のバールを含み、各バールは遠位端を有し、前記複数のバールは、前記基板が前記基板ホルダによって支持される場合、前記基板が前記複数のバールの前記遠位端によって支持されるように配置されている、方法。
【請求項15】
前記ベース表面に固定された前記構造のうち1つ以上を除去することによって前記基板ホルダを適合することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
[0001] 本出願は、2021年6月24日に出願された欧州特許出願第21181588.1号、及び、2021年9月8日に出願された欧州特許出願第21195600.8号の優先権を主張する。これらの出願は援用により全体が本願に含まれる。
【0002】
[0002] 本発明は、基板を支持するための基板ホルダ、基板ホルダを備えるリソグラフィ装置、基板ホルダに固定するための構造、基板ホルダ上に基板を支持する方法、及び、基板ホルダ上に基板をクランプする方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、基板に所望のパターンを適用するように構築された機械である。リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)の製造において使用可能である。リソグラフィ装置は、例えばパターニングデバイス(例えばマスク)のパターン(「設計レイアウト」又は「設計」と称されることも多い)を、基板(例えばウェーハ)上に提供された放射感応性材料(レジスト)層に投影し得る。
【0004】
[0004] 半導体製造プロセスが進み続けるにつれ、回路素子の寸法は継続的に縮小されてきたが、その一方で、デバイス毎のトランジスタなどの機能素子の量は、「ムーアの法則」と通称される傾向に従って、数十年にわたり着実に増加している。ムーアの法則に対応するために、半導体産業はますます小さなフィーチャを作り出すことを可能にする技術を追求している。基板上にパターンを投影するために、リソグラフィ装置は電磁放射を用い得る。この放射の波長が、基板上にパターン形成されるフィーチャの最小サイズを決定する。現在使用されている典型的な波長は、365nm(i線)、248nm、193nm及び13.5nmである。
【0005】
[0005] リソグラフィ装置は、放射の投影ビームを提供するための照明システムと、パターニングデバイスを支持するための支持構造と、を含み得る。パターニングデバイスは、投影ビームの断面にパターンを付与するように機能し得る。また、この装置は、パターン付与されたビームを基板のターゲット部分に投影するための投影システムも含み得る。
【0006】
[0006] リソグラフィ装置において、露光される基板(製品基板と呼ぶことができる)は、基板ホルダ(ウェーハテーブルと呼ばれることがある)上に保持され得る。基板ホルダは、投影システムに対して移動可能であり得る。基板ホルダは通常、剛体材料で作製された、支持される製品基板と平面視で同様の寸法を有する固体物(solid body)を含む。この固体物の基板に向かい合う表面に、複数の突起(バールと呼ばれる)を設けることができる。バールの遠位表面は平面と一致し、基板を支持することができる。バールは、いくつかの利点を提供できる。すなわち、基板ホルダ又は基板上の汚染物質粒子はバールとバールとの間に落ちやすいので、基板の変形を引き起こさない。また、固体物の表面を平坦にするよりも、バールの端部が平面に一致するようにバールを機械加工する方が容易である。また、例えば基板ホルダに対する基板のクランプを制御するようにバールの特性を調整することができる。
【0007】
[0007] デバイス製造プロセス中、特に、例えば、いわゆる3D-NANDのような著しい高さを有する構造を形成する際に、製品基板が歪むことがある。多くの場合、基板は「おわん形(bowl-shaped)」、すなわち上方から見て凹形になるか、又は「傘形(umbrella-shaped)」、すなわち上方から見て凸形になり得る。本開示の目的のため、デバイス構造が形成される表面を上面と呼ぶ。この文脈において、「高さ」は、基板の公称表面に対して垂直な方向で測定され、この方向をZ方向と呼ぶことがある。おわん形及び傘形の基板は、基板ホルダ上にクランプされた場合、例えば基板と基板ホルダとの間の空間を部分的に排気することによって、ある程度平らになる。しかしながら、通常は基板表面の最も低いポイントと基板表面の最も高いポイントとの高さの差で測定される歪みの量が大きすぎる場合、様々な問題が発生する可能性がある。具体的には、基板を適切にクランプするのが難しいこと、基板のロード及びアンロード中にバールが過度に摩耗すること、また、基板表面に残った高さ変動が大きすぎると、基板の全ての部分で、特にエッジ付近で、正しいパターニングが可能でないことが発生し得る。
【発明の概要】
【0008】
[0008] 本発明の目的は、基板上での効果的なパターン形成を可能とする基板ホルダを提供することである。一実施形態に従った基板ホルダは、有利には、基板のクランプを改善するよう容易に適合され得る。
【0009】
[0009] 本発明の第1の態様によれば、基板ホルダのベース表面上で用いられる構造が提供される。構造は実質的に平面状であり、基板ホルダのベース表面に対して固定可能で、かつ基板ホルダのベース表面から除去可能である基板ホルダ対向表面を備える。構造は複数の貫通アパーチャを含み、これら複数のアパーチャは、ベース表面上の複数のバールがアパーチャをそれぞれ貫通し得るように配置されている。アパーチャの直径は50μm~1000μmの範囲内であり、隣接するアパーチャ間のピッチは1mm~3mmの範囲内である。
【0010】
[00010] 本発明の第2の態様によれば、基板を支持するように構成された基板ホルダが提供される。基板ホルダは、ベース表面と、ベース表面から突出している複数のバールであって、各バールは遠位端を有し、複数のバールは、基板がホルダによって支持される場合、基板が複数のバールの遠位端によって支持されるように配置されている、複数のバールと、ベース表面に固定された、第1の態様に従った少なくとも1つの構造と、を備える。
【0011】
[00011] 本発明の第3の態様によれば、基板ホルダ及び第1の態様に従った1つ以上の構造が提供される。基板ホルダは基板を支持するように構成されている。基板ホルダは、ベース表面と、ベース表面から突出している複数のバールであって、各バールは遠位端を有し、複数のバールは、基板が基板ホルダによって支持される場合、基板が複数のバールの遠位端によって支持されるように配置されている、複数のバールと、を備える。
【0012】
[00012] 本発明の第4の態様によれば、第2の態様に従った基板ホルダ及び/又は第3の態様に従った基板ホルダ及び1つ以上の構造を備えるリソグラフィ装置が提供される。
【0013】
[00013] 本発明の第5の態様によれば、基板ホルダを適合する方法が提供される。方法は、ベース表面を含む基板ホルダを取得することと、第1の態様に従った1つ以上の構造をベース表面に固定することと、を含む。基板ホルダは基板を支持するように構成されている。基板ホルダはベース表面から突出している複数のバールを含み、各バールは遠位端を有し、複数のバールは、基板が基板ホルダによって支持される場合、基板が複数のバールの遠位端によって支持されるように配置されている。
【0014】
[00014] 本発明の第6の態様によれば、基板ホルダが提供される。基板ホルダは、ベース表面と、ベース表面から突出していると共に基板を支持するように構成された複数のバールと、ベース表面上の複数の除去可能構造と、を備える。複数の除去可能構造の各々は、異なる厚さを有する。複数の除去可能構造の各々は、複数のバールの一部を受容するように複数の孔が形成されている。
【0015】
[00015] 本発明の第7の態様によれば、基板ホルダが提供される。基板ホルダは、ベース表面と、ベース表面から突出していると共に基板を支持するように構成された複数のバールと、ベース表面上の複数の除去可能構造と、を備える。複数の除去可能構造の各々は、異なる厚さを有する。複数の除去可能構造の各々は、この構造をベース表面に接着するための接着層を含む。
【0016】
[00016] 本発明の第8の態様によれば、基板ホルダが提供される。基板ホルダは、ベース表面と、ベース表面から突出していると共に基板を支持するように構成された複数のバールと、ベース表面上の複数の除去可能構造と、を備える。複数の除去可能構造の各々は、異なる厚さを有する。複数の除去可能構造の各々は、熱可塑性材料、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、及び金属のうち1つ以上を含む。
【0017】
[00017] 以下で、添付図面を参照して、本発明の更に別の実施形態、フィーチャ、及び利点、並びに本発明の様々な実施形態のフィーチャ及び利点の構造及び動作、並びに本発明の様々な実施形態の構造及び動作を、詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
[00018] 対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照しながら以下に本発明の実施形態について説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。
【0019】
図1】リソグラフィ装置の概観を概略的に示す。
図2】既知の基板ホルダの一部の断面図を示す。
図3図2の基板ホルダの平面図を示す。
図4】一実施形態に従った基板ホルダ上の構造を示す。
図5】一実施形態に従った基板ホルダ上の構造を示す。
図6】一実施形態に従った方法のフローチャートである。
【0020】
[00019] 図面に示されているフィーチャは必ずしも一定の縮尺通りでなく、図示されているサイズ及び/又は配置は限定ではない。図面は、本発明に必須でない場合がある任意選択的なフィーチャを含むことは理解されよう。更に、基板ホルダのフィーチャの全てが各図に示されているわけではなく、図面は、特定のフィーチャの説明に関連するコンポーネントのいくつかだけを示す場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[00020] 本文献では、「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(例えば、波長が436nm、405nm、365nm、248nm、193nm、157nm、126nm、又は13.5nmの波長)を含む、すべてのタイプの電磁放射を包含するために使用される。
【0022】
[00021] 「レチクル」、「マスク」、又は「パターニングデバイス」という用語は、本文で用いる場合、基板のターゲット部分に生成されるパターンに対応して、入来する放射ビームにパターン付き断面を与えるため使用できる汎用パターニングデバイスを指すものとして広義に解釈され得る。また、この文脈において「ライトバルブ」という用語も使用できる。古典的なマスク(透過型又は反射型マスク、バイナリマスク、位相シフトマスク、ハイブリッドマスク等)以外に、他のそのようなパターニングデバイスの例は、プログラマブルミラーアレイ及びプログラマブルLCDアレイを含む。
【0023】
[00022] 図1は、リソグラフィ装置LAを概略的に示す。リソグラフィ装置は、放射ビームB(例えば、EUV放射又はDUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータとも呼ばれる)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構築され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに連結されたマスクサポート(例えばマスクテーブル)MTと、基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板サポートWTを正確に位置決めするように構築された第2のポジショナPWに連結された基板サポート(例えば基板テーブル)WTと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSと、を含む。
【0024】
[00023] 動作中、照明システムILは、例えばビームデリバリシステムBDを介して放射源SOから放射ビームBを受ける。照明システムILは、放射を誘導し、整形し、及び/又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、及び/又はその他のタイプの光学コンポーネント、又はそれらの任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。イルミネータILを使用して放射ビームBを調節し、パターニングデバイスMAの平面において、その断面にわたって所望の空間及び角度強度分布が得られるようにしてもよい。
【0025】
[00024] 本明細書で用いられる「投影システム」PSという用語は、使用する露光放射、及び/又は液浸液の使用や真空の使用のような他のファクタに合わせて適宜、屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、アナモルフィック光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム、及び/又は静電気光学システム、又はそれらの任意の組み合わせを含む様々なタイプの投影システムを包含するものとして広義に解釈するべきである。本明細書で「投影レンズ」という用語が使用される場合、これは更に一般的な「投影システム」PSという用語と同義と見なすことができる。
【0026】
[00025] リソグラフィ装置は、投影システムPSと基板Wとの間の空間を充填するように、基板Wの少なくとも一部を例えば水のような比較的高い屈折率を有する液体で覆うことができるタイプでもよい。これは液浸リソグラフィとも呼ばれる。液浸技法に関する更なる情報は、援用により本願に含まれる米国特許第6952253号に与えられている。
【0027】
[00026] リソグラフィ装置は、2つ以上の基板サポートWTを有するタイプである場合もある(「デュアルステージ」とも呼ばれる)。こうした「マルチステージ」機械において、基板サポートWTを並行して使用するか、及び/又は、一方の基板サポートWT上の基板Wにパターンを露光するためこの基板Wを用いている間に、他方の基板サポートWT上に配置された基板Wに対して基板Wの以降の露光の準備ステップを実行することができる。
【0028】
[00027] 基板サポートWTに加えて、リソグラフィ装置は測定ステージを含むことができる(図1に図示せず)。測定ステージは、センサ及び/又はクリーニングデバイスを保持するように配置されている。センサは、投影システムPSの特性又は放射ビームBの特性を測定するように配置できる。測定ステージは複数のセンサを保持することができる。クリーニングデバイスは、例えば投影システムPSの一部又は液浸液を提供するシステムの一部のような、リソグラフィ装置の一部をクリーニングするように配置できる。基板サポートWTが投影システムPSから離れている場合、測定ステージは投影システムPSの下方で移動することができる。
【0029】
[00028] 動作中、放射ビームBは、マスクサポートMT上に保持されている、例えばマスクのようなパターニングデバイスMAに入射し、パターニングデバイスMA上に存在するパターン(設計レイアウト)によってパターンが付与される。マスクMAを横断した放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSはビームを基板Wのターゲット部分Cに集束させる。第2のポジショナPW及び位置測定システムPMSを用いて、例えば、放射ビームBの経路内の集束し位置合わせした位置に様々なターゲット部分Cを位置決めするように、基板サポートWTを正確に移動させることができる。同様に、第1のポジショナPMと、場合によっては別の位置センサ(図1には明示的に図示されていない)を用いて、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることができる。パターニングデバイスMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を用いて位置合わせすることができる。図示されている基板アライメントマークP1、P2は専用のターゲット部分を占有するが、それらをターゲット部分間の空間に位置付けることも可能である。基板アライメントマークP1、P2は、これらがターゲット部分C間に位置付けられている場合、スクライブラインアライメントマークとして知られている。
【0030】
[00029] 本明細書では、デカルト座標系が用いられる。デカルト座標系は、3つの軸、すなわちx軸、y軸、及びz軸を有する。3つの軸のそれぞれは、他の2つの軸と直交する。x軸を中心とする回転は、Rx回転と呼ばれる。y軸を中心とする回転は、Ry回転と呼ばれる。z軸を中心とする回転は、Rz回転と呼ばれる。x軸及びy軸は水平面を定義するのに対して、z軸は垂直方向にある。デカルト座標系は本発明を限定しているのではなく、明確化のためにのみ用いられる。代わりに、円筒座標系などの別の座標系を用いて本発明を明確にすることもある。デカルト座標系の向きは、例えばz軸が水平面に沿った成分を有するように異なることがある。
【0031】
[00030] リソグラフィ装置では、露光される基板の上面を、投影システムで投影されたパターンの空間像のベストフォーカス面に高精度で位置決めする必要がある。これを達成するため、基板を基板ホルダ上に保持することができる。基板を支持する基板ホルダの表面に複数のバールを設けて、これらのバールの遠位端を公称支持面内で同一平面とすることができる。バールは、数は多いが、支持面に平行な断面積は小さいので、それらの遠位端の全断面積は基板の表面積の数パーセントであり、例えば5%未満であり得る。基板よりも上方の圧力に対して、基板ホルダと基板との間の空間内のガス圧力を低下させて、基板ホルダに基板をクランプする力を生成することができる。
【0032】
[00031] 基板ホルダの表面に基板をクランプするために加える力を変更することが望ましい場合がある。これは、例えば基板を放射に露光する際(すなわち、上述のようにパターン付与する際)、基板を所定の位置に保つため使用することができる基板ホルダに関連して記載される。
【0033】
[00032] 上記のように、基板上に形成される構造の高さを増すことが望まれている。一般に、これらの構造の高さが増すにつれて、基板ホルダ上に位置決めされた基板の歪みが増大する傾向があり、基板ホルダ上に基板を信頼性高くクランプすることがいっそう難しくなることが分かっている。
【0034】
[00033] 高さの増大を考慮に入れても、クランプをいっそう信頼性高く行うことができる。第1の選択肢は、基板ホルダ上に基板が位置決めされる場合に基板の下方で抽出される流体の流量を増大させることである。第2の選択肢は、基板ホルダ上の所定位置に置かれた場合に基板と基板ホルダとのギャップを小さくすること、すなわちバールを短くすることである。これら双方の選択肢は、基板が基板ホルダ上の所定位置にある場合にクランプを改善する可能性がある。しかしながら、これらの選択肢は双方とも有害な影響を有し得る。
【0035】
[00034] 基板ホルダ上に基板がロードされる場合、基板は必ずしも基板ホルダ上に完璧に平坦に載るわけではない。これはつまり、基板のロード中、基板のあるポイントがバールのうち少なくとも1つに接触する傾向があり、次いで基板の残り部分が基板ホルダに接触するということである。基板が基板ホルダ全体に接触する際、ロード中の基板と基板ホルダとの間の摩擦力は、基板の面内変形を招く可能性がある。面内変形はオーバーレイエラーを増大させ得る。クランプを改善するための上述した双方の選択肢は、基板の面内変形の増大を引き起こし、オーバーレイエラーの増大を招く恐れがある。
【0036】
[00035] 従って、これらの選択肢は基板のクランプを改善させ得るが、スループットを低下させるオーバーレイエラーの増大も引き起こす可能性がある。悪影響を改善するよう基板をクランプするために流量を低減させることができるが、これにより基板のクランプに要する時間量が増すので、この場合もスループットが低下する。更に、流量は、基板がロード中にどのくらい平坦であるかに応じて基板に異なる影響を及ぼし得る。異なるタイプの面内変形に対して異なる流量設定を用いる流量コントローラを使用すると、異なる基板の処理に役立ち得る。しかしながら、流量コントローラの使用は複雑さとコストの双方を増大させる。
【0037】
[00036] 別の問題は、基板ホルダが反った基板をクランプするのが難しいことである。その理由は、クランプ流体流の供給が限られていることと、反った基板の幾何学的形状ある。後者に関して、概ね平坦であるおわん形の基板は、中央から外側へ向かって基板ホルダから離れるように丸まる傾向がある。また、緩やかな傘形の基板も基板ホルダから離れるように丸まる傾向がある。その原因は、クランプ動作において基板が基板ホルダの方へ引っ張られた場合、空気の大部分が基板の外側エッジを介して逃げることである。この丸まり(roll-off)における空気圧トルクによって、基板はバール上で下方に曲がる。空気圧トルクは、バールに対する基板の最も外側の接触点のすぐ外側の空気流の圧力低下によって生じる。典型的に数ミリメートルである短い距離の後、この圧力低下は巻き上がり(curl-up)で迅速に軽減し得る。
【0038】
[00037] 基板ホルダのベース表面と基板の下面との間の自由高さが、概ね圧力低下を決定する。米国特許第10,324,382号は、圧力低下を変動させるように自由高さを変えることを開示している。しかしながら、自由高さが固定され、調整不可能な異なる局所流量は、時間が経つにつれてエラーを発生させる可能性がある。
【0039】
[00038] 既知の技法の欠点のうち少なくともいくつかに対処するため、実施形態は、基板ホルダのベース表面と基板の下面との間の自由高さが調整可能である、基板を支持するための基板ホルダを提供する。これによって、局所クランプ流体流を容易に変化させることが可能となる。これは、様々な基板のハンドリング、固有の変形(特に傘形の変形)を有する基板のハンドリング、固有の局所クランプ流の問題(漏れのあるシール等)の補正、又は、以前に生じたオーバーレイの不正確さの補償(基板の様々な重なっている層の形成中に2度以上、基板を基板ホルダにクランプする場合に必要となり得る)、のうちいずれかのために必要となり得る。
【0040】
[00039] 実施形態において、基板ホルダは基板を支持するように構成されている。基板ホルダは、基板を適所に保持することができる。基板ホルダは、上述した基板サポートWT上に位置決めされるか、又は基板サポートWTの一部とすることができる。すなわち、基板ホルダ及び基板サポートWTは単一物(single piece)で作製され得る。これに加えて、基板ホルダは、基板ホルダ上の特定位置で適所に基板を保持するように構成され得る。これは、他の場合、基板のクランプとして既知であり得る。
【0041】
[00040] 図2に、既知の基板ホルダ1の部分断面図が示されている。図3は、図2の基板ホルダの平面図を示す。
【0042】
[00041] 基板ホルダ1は、ベース表面11を有する本体10を含む。本体10は、基板ホルダ1の大部分を形成し得る。ベース表面11は、図2に示されているように位置決めされた場合、本体10の上面であり得る。このため、上面は図示のようにZ方向の上面であり得る。
【0043】
[00042] 基板ホルダ1は、上述のように、本体10のベース表面11に接続された複数のバール20を含む。バール20は、他の場合、支持ピン又は突起と呼ばれることがある。複数のバール20は、所定位置に配置された場合に本体10の近くに位置する近位端22と、遠位端21とを有する。遠位端21は、近位端22に対する複数のバール20の反対側端部にある。すなわち、本体10から遠い方のバール20の端部に位置している。
【0044】
[00043] 複数のバール20の遠位端21は、基板Wのための支持面を形成する。複数のバール20の遠位端21は、面内に提供され得る。好ましくは、支持面は実質的に平坦な面内に形成される。すなわち、バール20の遠位表面は平坦面と一致し、基板Wを支持することができる。基板Wを支持面上に位置決めして基板も実質的に平坦とすることができ、基板Wにパターン付与する際のエラーを軽減できるので、これは有利である。
【0045】
[00044] 複数のバール20は、任意の適切なやり方で本体10のベース表面11に接続すればよい。複数のバール20は、本体10のベース表面11に取り付けられた別個のコンポーネントとすることができる。あるいは、複数のバール20は本体10と一体であってもよい。言い換えると、複数のバール20は、本体10のベース表面11からの突起として形成してもよい。すなわち、複数のバール20は、本体10を有する単一の部分として形成してもよい。
【0046】
[00045] 基板ホルダ1は、支持表面上に支持された基板Wとベース表面11との間から流体を抽出するように構成され得る。流体が抽出されると、基板Wよりも上方の圧力に対して基板Wの下方の圧力は低下し、基板Wのエッジは基板ホルダ1の方へ下降する。基板Wの下方の空間内の流体を抽出して基板ホルダ1と基板Wとの間の空間内の相対圧力を低下させることにより、基板Wをクランプすることができる。本体10は、流体が抽出される少なくとも1つの抽出ポート12を含み得る。図2には示されていないが、本体10は、他のタイプのポート及びデバイスも含み得る。具体的には、本体10は、基板ホルダ1からの基板Wの除去を助けるため、持ち上げピン(図には示されていない)を含み得る。
【0047】
[00046] 圧力低下とそれによるクランプ力は、ベース表面11又は実質的にベース表面11であるものと、基板ホルダ1に接触する基板Wの表面すなわち基板Wの下面との間の自由高さに依存する。実施形態は、自由高さを調整可能にかつ局所的に変動させ、これによってクランプ力の変動を引き起こすための技法を提供する。
【0048】
[00047] 実施形態によれば、基板ホルダ1のベース表面11に着脱可能構造が固定される。着脱可能構造の上面が基板ホルダ1の有効ベース表面を与えるので、各着脱可能構造はベース表面11の高さを実質的に増大させ得る。各着脱可能構造の存在は、バール20の少なくともいくつかの近位端22の位置を、ベース表面11から着脱可能構造の上面へ実質的に変化させ得る。ベース表面11よりも上方のバール20の高さは不変のままである。しかしながら、各有効ベース表面よりも上方のバール20の高さは、ベース表面11よりも上方のバール20の高さ未満である。従って自由高さは、着脱可能構造の使用によって得られる有効ベース表面と基板Wの下面との間で更に規定され得る。着脱可能構造の存在によって、圧力低下の変動が生じ、これによってクランプ力の変動が生じる。
【0049】
[00048] 図4及び図5は、実施形態に従った、ベース表面11に固定された着脱可能構造40、41、42、及び43を示す。着脱可能構造40、41、42、及び43は、図2及び図3に示されているような、上述した既知の基板ホルダ1と共に使用され得る。
【0050】
[00049] 各構造40、41、42、及び43は、基板ホルダ1のベース表面11に固定され、ベース表面11から除去することができる。各構造40、41、42、及び43は、実質的に平面状である。各構造40、41、42、43の主面のうち1つは、基板ホルダ対向表面40b、41b、42b、43bである。各基板ホルダ対向表面40b、41b、42b、43bは、基板ホルダ1のベース表面11に固定可能であり、かつ、基板ホルダ1のベース表面11から除去可能である。各構造40、41、42、43の反対側の主面は、基板対向表面40a、41a、42a、43aである。
【0051】
[00050] 各構造40、41、42、43は、構造40、41、42、43を貫通する複数のアパーチャを含み、これらは、ベース表面11上のバール20がアパーチャをそれぞれ貫通し得るように配置されている。アパーチャのサイズ及び配置は、バール20の固有のパターンに依存し得る。各アパーチャの直径は50μm~1000μmの範囲内とすればよく、好ましくは210μm~350μmの範囲内である。隣接するアパーチャ間のピッチは1mm~3mmの範囲内とすればよく、好ましくは1.5mm~2.5mmの範囲内である。
【0052】
[00051] 各構造40、41、42、43は更に、1つ以上の持ち上げピン受容開口(図には示されていない)を含むことができ、これらは、ベース表面11上の1つ以上の持ち上げピンが各持ち上げピン受容開口を貫通し得るように配置されている。
【0053】
[00052] 各構造40、41、42、43は更に、基板ホルダ1の抽出ポート12を通る空気流が妨害されないように配置された1つ以上の抽出ポート開口を含み得る。
【0054】
[00053] 各構造40、41、42、43は、基板ホルダ1のベース表面11に構造40、41、42、43を接着するため、ベース表面11に接触する基板ホルダ対向表面40b、41b、42b、43b上の接着層(図には示されていない)を含み得る。これにより、構造40、41、42、43をスティッカとすることができる。構造40、41、42、43は、例えば基板ホルダ1から離れる方へ構造40、41、42、43を剥がすことによって、基板ホルダ1から除去できる。次いで、ベース表面11から、接着剤の大きい痕跡を全て除去すればよい。接着剤は化学的に除去してもよい。必要な場合、次いでベース表面11に新しい構造40、41、42、43を接着することができる。接着剤を覆う裏当てスティッカ(図には示されていない)が存在してもよい。裏当てスティッカは、ベース表面11上に構造40、41、42、43を位置決めした後に除去することができる。
【0055】
[00054] 接着剤は、少なくともhttps://en.wikipedia.org/wiki/Pressure-sensitive_adhesive(2021年6月22日に見られる)によって記載されているように感圧性とすればよい。
【0056】
[00055] 感圧接着剤(PSA:pressure sensitive adhesive)の特徴は、粘弾性挙動を含み得る。これによってPSAは小規模で表面に適合し、このため付着が可能となるからである。付着においては、粘性と弾性の双方の挙動が用いられる。つまり、基板Wに押し付けられた後、接着剤は、ファンデルワールス力が作用するための正しい形状に流れる。また、粘弾性挙動は、スティッカの熱膨張による構造変形を防止するという副次的利点を有する。更に、感圧接着剤(PSA)の特徴は、製品を塗布する前に行われる内部架橋の大部分を含み得る。これにより、PSAの外面に付着する裏当てシートの使用が可能となる。PSAは、実質的にそれ自体に付着することができ、これによって、構造40、41、42、43を剥がした後にベース表面11上に残っている接着剤の残りが減少する。実施形態では、除去後の残りを防ぐため低い粘度と粘着性を有する任意のPSAを用いればよい。例えば、実施形態は、「ホットメルトPSA(hot melt PSA)」、又は、放射によって架橋するUV架橋PSAのいずれかの使用を含むが、現時点では後者のタイプのPSAが好適である。典型的な耐剥離性は、90℃で200mm/分の剥離速度で0.5~2N/5mmであり得る。
【0057】
[00056] 接着剤は、RC26100、又はホットメルトの他の例のうちいずれか、例えばDuro-Tak(商標)H112、HM796とすればよい。
【0058】
[00057] あるいは、永久接着剤を使用してもよい。永久接着剤を使用する場合、接着剤は低い接着強度を有するか、又は溶媒によって除去可能として、接着された構造40、41、42、43を基板ホルダ1から除去できるようにする。
【0059】
[00058] 実施形態は、各構造40、41、42、43をベース表面11に固定するための他の技法も含む。例えば、静電クランプ、機械的クリップ及び/又はボルトを用いることができる。代替的に又は追加的に、構造40、41、42、43は、構造40、41、42、43で真空領域を拡大することでベース表面11に保持してもよい。
【0060】
[00059] 各構造40、41、42、43は好ましくは、熱可塑性材料、ポリエーテルエーテルケトン、PEI、及び/又はポリエチレンで作製される。特に、材料は、マイラー(Mylar)、すなわち一般名BoPET(biaxially-oriented polyethylene terephthalate:2軸配向ポリエチレンテレフタレート)を含み得る。あるいは、各構造40、41、42、43を金属で作製してもよい。
【0061】
[00060] 各構造40、41、42、43の厚さは、基板ホルダ対向表面40b、41b、42b、43bに対して垂直なラインに沿った、基板ホルダ対向表面40b、41b、42b、43bと基板対向表面40a、41a、42a、43aとの間の距離として規定され得る。各構造40、41、42、43の厚さは、ベース表面11よりも上方の各バール20の高さ未満であり得る。従って、各バール20の遠位端21は、各構造40、41、42、43の基板対向表面40a、41a、42a、43aによって与えられる有効ベース表面から突出し得る。各構造40、41、42、43の厚さは170μm未満とすればよく、好ましくは85μm、110μm、又は135μmである。
【0062】
[00061] 図5で構造43によって示されているように、ベース表面11に接触する基板ホルダ対向表面43bに対して、基板対向表面43aの1つ以上を傾斜させてもよい。基板対向表面43aの傾斜は、線形、湾曲、又は他の任意のプロファイルを有し得る。
【0063】
[00062] 構造40、41、42、43の各基板ホルダ対向表面40b、41b、42b、43b及び基板対向表面40a、41a、42a、43aは、少なくとも部分的に環状であり得る。
【0064】
[00063] 構造40、41、42、43の各基板ホルダ対向表面40b、41b、42b、43b及び基板対向表面40a、41a、42a、43aは、少なくとも部分的に円形であり得る。
【0065】
[00064] 各構造40、41、42、43の各基板ホルダ対向表面40b、41b、42b、43b及び基板対向表面40a、41a、42a、43aの外周は、基板ホルダ1のベース表面11の外周未満であり得る。
【0066】
[00065] 構造40、41、42、43の各基板ホルダ対向表面40b、41b、42b、43b及び基板対向表面40a、41a、42a、43aは、非円形及び非環状であり得る。
【0067】
[00066] 図4及び図5で示されているように、実施形態は、同一のベース表面11に固定された複数の異なる構造40、41、42、43を含む。複数の構造40、41、42、43は、異なるサイズ及び/又は厚さを有し得る。各構造40、41、42、43の厚さは、所望のクランプ力に応じて選択すればよい。追加的に又は代替的に、各構造40、41、42、43の厚さは、バール20の高さに応じて選択すればよい。バール20は、好ましくは全てが全く同じ高さを有し得るが、製造欠陥によって実際のバール高さにわずかな変動が生じる可能性がある。各構造40、41、42、43の厚さは、実際の局所バール高さに応じて選択すればよい。従って、構造40、41、42、43によって生じるクランプ力の変動のため、構造40、41、42、43は、バール高さのいかなる変動でも少なくとも部分的に補償することができる。
【0068】
[00067] 前述のように、基板Wに加えられるクランプ力は自由高さに依存する。構造40、41、42、43が存在しない基板ホルダ1の領域では、自由高さは、基板ホルダのベース表面11と基板Wの下面との間として規定される。構造40、41、42、43が存在する基板ホルダ1の領域では、自由高さは、構造40、41、42、43の基板対向表面40a、41a、42a、43aと基板Wの下面との間として規定される。有利には、構造40、41、42、43によって自由高さの局所変動が可能となる。従って、バール20の近位端22の有効位置と基板Wの下面及び/又はバール20の遠位端21との間の距離を変動させることができる。各バール20の遠位端21とベース表面11との間の距離は一定のままであるが、構造40、41、42、43が存在するので、自由高さを変化させることができる。異なるサイズ、厚さ、及び/又は形状を有する複数の構造40、41、42、43が使用され得る。一実施形態において、構造40、41、42、43の各基板対向表面40a、41a、42a、43aと、構造40、41、42、43を通って突出するバール20の遠位端21との間の距離は、10~200μmとすることができ、好ましくは、30μm、55μm、80μm、又は125である。構造40、41、42、43は、ベース表面11上の任意の位置で柔軟に適用され得る。例えばそれらは、持ち上げピン受容開口、ツール孔(tooling hole)(図には示されていない)、又は、圧力低下の増大が望まれる他の任意の漏れの可能性のあるシールの位置(図には示されていない)の周りに適用され得る。構造40、41、42、43は、傘形の変形を有する基板Wを適切にクランプできるように適用すればよい。また、構造40、41、42、43は、容易に除去及び/又は交換され得る。従って実施形態は、基板クランプ動作において圧力低下の調整可能な制御を可能とする。
【0069】
[00068] 一実施形態において、基板ホルダ1のベース表面11に3つの環状構造を同心円状に固定することができる。ベース表面11と各バール20の遠位端21との間の距離は、約170μmであり得る。構造のうち第1のものの基板ホルダ対向表面及び基板対向表面は、約75mmの内径と約100mmの外径を有し得る。構造のうち第1のものは約85μmの高さを有し得る。構造のうち第2のものの基板ホルダ対向表面及び基板対向表面は、約100mmの内径と約125mmの外径を有し得る。構造のうち第2のものは約110μmの高さを有し得る。構造のうち第3のものの第2のものの基板ホルダ対向表面及び基板対向表面は、約125mmの内径と約145.1mmの外径を有し得る。構造のうち第3のものは約135μmの高さを有し得る。試験により、このような寸法の構造を用いると、おわん形の変形を有する基板Wに対する基板ホルダ1のクランプ強度が約1.7倍増大することが分かった。平坦な基板Wに対しては、クランプ力は依然として適切であり、構造を用いることで基板間のオーバーレイ精度は変化しなかった。
【0070】
[00069] また、実施形態は、ベース表面11に固定するため構造40、41、42、43を作製する方法も含む。例えば、レーザアブレーションを用いて、構造40、41、42、43にアパーチャ又は開口を形成すること、構造40、41、42、43の傾斜した基板対向表面40a、41a、42a、43aを生成すること、及び/又は構造40、41、42、43を特定の形状に形成することができる。
【0071】
[00070] また、実施形態は、基板ホルダ1を適合する方法も含む。方法は、ベース表面11を含む基板ホルダ1を取得することと、実施形態に従った1つ以上の構造40、41、42、43をベース表面11に固定することと、を含む。方法は更に、ベース表面11に固定された構造40、41、42、43のうち1つ以上を除去することによって、基板ホルダ1を適合することを含み得る。
【0072】
[00071] 図6は、一実施形態に従った方法のフローチャートを示す。
【0073】
[00072] ステップ601で、方法が開始する。
【0074】
[00073] ステップ603では、基板ホルダ1を取得する。
【0075】
[00074] ステップ605では、基板ホルダ1のベース表面11に1つ以上の着脱可能構造を固定する。
【0076】
[00075] ステップ607で、方法は終了する。
【0077】
[00076] 実施形態は、以下の番号を付けた条項も含む。
1.基板ホルダのベース表面上で用いられる構造であって、
構造は実質的に平面状であり、基板ホルダのベース表面に対して固定可能で、かつ、基板ホルダのベース表面から除去可能である基板ホルダ対向表面を備え、
構造は複数の貫通アパーチャを含み、複数のアパーチャは、ベース表面上の複数のバールがアパーチャをそれぞれ貫通し得るように配置され、
アパーチャの直径は50μm~1000μmの範囲内であり、
隣接するアパーチャ間のピッチは1mm~3mmの範囲内である、構造。
2.基板ホルダ対向表面上に、構造を基板ホルダのベース表面に接着するための接着層を更に備える、条項1に記載の構造。
3.接着剤は感圧接着剤である、条項2に記載の構造。
4.構造は、熱可塑性材料、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、及び金属のうち1つ以上を含む、条項1から3に記載の構造。
5.1つ以上の持ち上げピン受容開口を更に備え、1つ以上の持ち上げピン受容開口は、ベース表面上の1つ以上の持ち上げピンが持ち上げピン受容開口をそれぞれ貫通し得るように配置され、及び/又は、
基板ホルダの抽出ポートを通る各空気流が妨害されないように配置された1つ以上の抽出ポート開口を更に備える、条項1から4のいずれかに記載の構造。
6.構造は、基板ホルダ対向表面の反対側の主面である基板対向表面を含み、
基板対向表面は基板ホルダ対向表面に対して傾斜している、条項1から5のいずれかに記載の構造。
7.構造の厚さは170μm未満であり、好ましくは85μm、110μm、又は135μmである、条項1から6のいずれかに記載の構造。
8.構造は、基板ホルダ対向表面の反対側の主面である基板対向表面を含み、
構造の厚さは、構造を基板ホルダのベース表面に固定した場合、基板対向表面とバールの遠位端との間の距離が10μm~200μmであり、好ましくは30μm、55μm、80μm、又は125μmであるようなものである、条項1から7のいずれかに記載の構造。
9.構造の基板ホルダ対向表面は少なくとも部分的に環状である、条項1から8のいずれかに記載の構造。
10.構造の基板ホルダ対向表面は少なくとも部分的に円形である、条項1から8のいずれかに記載の構造。
11.構造の基板ホルダ対向表面は少なくとも非円形及び非環状である、条項1から8のいずれかに記載の構造。
12.構造の基板ホルダ対向表面の外周は、基板ホルダのベース表面の外周未満である、条項1から11のいずれかに記載の構造。
13.基板を支持するように構成された基板ホルダであって、
ベース表面と、
ベース表面から突出している複数のバールであって、各バールは遠位端を有し、複数のバールは、基板が基板ホルダによって支持される場合、基板が複数のバールの遠位端によって支持されるように配置されている、複数のバールと、
ベース表面に固定された、条項1から12のいずれかに記載の少なくとも1つの構造と、
を備える基板ホルダ。
14.基板ホルダは、ベース表面に固定された、条項1から12のいずれかに記載の複数の構造を備え、
構造の各々は異なる厚さを有する、条項13に記載の基板ホルダ。
15.基板ホルダ及び条項1から12のいずれかに記載の1つ以上の構造であって、基板ホルダは基板を支持するように構成され、基板ホルダは、
ベース表面と、
ベース表面から突出している複数のバールであって、各バールは遠位端を有し、複数のバールは、基板が基板ホルダによって支持される場合、基板が複数のバールの遠位端によって支持されるように配置されている、複数のバールと、
を備える、基板ホルダ及び条項1から8のいずれかに記載の1つ以上の構造。
16.複数の構造が存在し、構造は、異なるサイズ、形状、及び/又は厚さを有する、条項14に記載の基板ホルダ及び1つ以上の構造。
17.条項13又は14に記載の基板ホルダ、及び/又は、条項15又は16に記載の基板ホルダ及び1つ以上の構造を備える、リソグラフィ装置。
18.基板ホルダを適合する方法であって、
ベース表面を含む基板ホルダを取得することと、
条項1から12のいずれかに従った1つ以上の構造をベース表面に固定することと、
を含み、基板ホルダは基板を支持するように構成され、基板ホルダはベース表面から突出している複数のバールを含み、各バールは遠位端を有し、複数のバールは、基板が基板ホルダによって支持される場合、基板が複数のバールの遠位端によって支持されるように配置されている、方法。
19.ベース表面に固定された構造のうち1つ以上を除去することによって基板ホルダを適合することを更に含む、条項18に記載の方法。
20.基板ホルダであって、
ベース表面と、
ベース表面から突出していると共に基板を支持するように構成された複数のバールと、
ベース表面上の複数の除去可能構造と、
を備え、複数の除去可能構造の各々は異なる厚さを有し、
複数の除去可能構造の各々は、複数のバールの一部を受容するように複数の孔が形成されている、基板ホルダ。
21.基板ホルダであって、
ベース表面と、
ベース表面から突出していると共に基板を支持するように構成された複数のバールと、
ベース表面上の複数の除去可能構造と、
を備え、複数の除去可能構造の各々は異なる厚さを有し、
複数の除去可能構造の各々は、構造をベース表面に接着するための接着層を含む、基板ホルダ。
22.基板ホルダであって、
ベース表面と、
ベース表面から突出していると共に基板を支持するように構成された複数のバールと、
ベース表面上の複数の除去可能構造と、
を備え、複数の除去可能構造の各々は異なる厚さを有し、
複数の除去可能構造の各々は、熱可塑性材料、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、及び金属のうち1つ以上を含む、基板ホルダ。
【0078】
[00077] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用ガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板プロセスツールに適用することができる。更に基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
【0079】
[00078] 以上では光リソグラフィに関連して本発明の実施形態の使用に特に言及しているが、本発明は他の用途に使用できることを理解されたい。
【0080】
[00079] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。
【0081】
[00080] 上記の説明は例示的であり、限定的ではない。したがって、請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-02-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板ホルダのベース表面上で用いられる構造であって、
前記構造は実質的に平面状であり、前記基板ホルダの前記ベース表面に対して固定可能で、かつ、前記基板ホルダの前記ベース表面から除去可能である基板ホルダ対向表面を備え、
前記構造は複数の貫通アパーチャを含み、前記複数のアパーチャは、前記ベース表面上の複数のバールが前記アパーチャをそれぞれ貫通し得るように配置され、
前記アパーチャの直径は50μm~1000μmの範囲内であり、
隣接するアパーチャ間のピッチは1mm~3mmの範囲内である、構造。
【請求項2】
前記基板ホルダ対向表面上に、前記構造を前記基板ホルダの前記ベース表面に接着するための接着層を更に備え、好ましくは前記接着剤は感圧接着剤である、請求項1に記載の構造。
【請求項3】
前記構造は、熱可塑性材料、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、及び金属のうち1つ以上を含む、請求項に記載の構造。
【請求項4】
1つ以上の持ち上げピン受容開口を更に備え、前記1つ以上の持ち上げピン受容開口は、前記ベース表面上の1つ以上の持ち上げピンが前記持ち上げピン受容開口をそれぞれ貫通し得るように配置され、及び/又は、
前記基板ホルダの抽出ポートを通る各空気流が妨害されないように配置された1つ以上の抽出ポート開口を更に備える、請求項に記載の構造。
【請求項5】
前記構造は、前記基板ホルダ対向表面の反対側の主面である基板対向表面を含み、
前記基板対向表面は前記基板ホルダ対向表面に対して傾斜しており、及び/又は、
前記構造は、前記基板ホルダ対向表面の反対側の主面である基板対向表面を含み、
前記構造の厚さは、前記構造を基板ホルダのベース表面に固定した場合、前記基板対向表面とバールの遠位端との間の距離が10μm~200μmである、請求項に記載の構造。
【請求項6】
前記構造の前記厚さは170μm未満である、請求項に記載の構造。
【請求項7】
前記構造の前記基板ホルダ対向表面は、少なくとも部分的に環状であるか、少なくとも部分に円形であるか、又は非円形及び非環状である、請求項に記載の構造。
【請求項8】
前記構造の前記基板ホルダ対向表面の外周は、前記基板ホルダの前記ベース表面の外周未満である、請求項に記載の構造。
【請求項9】
基板を支持するように構成された基板ホルダであって、
ベース表面と、
前記ベース表面から突出している複数のバールであって、各バールは遠位端を有し、前記複数のバールは、前記基板が前記基板ホルダによって支持される場合、前記基板が前記複数のバールの前記遠位端によって支持されるように配置されている、複数のバールと、
前記ベース表面に固定された、請求項1から8のいずれかに記載の少なくとも1つの構造と、
を備える基板ホルダ。
【請求項10】
前記基板ホルダは、前記ベース表面に固定された、請求項1から8のいずれかに記載の複数の構造を備え、
前記構造の各々は異なる厚さを有する、請求項9に記載の基板ホルダ。
【請求項11】
基板ホルダであって、
ベース表面と、
前記ベース表面から突出していると共に基板を支持するように構成された複数のバールと、
前記ベース表面上の複数の除去可能構造と、
を備え、前記複数の除去可能構造の各々は異なる厚さを有し、
前記複数の除去可能構造の各々は、前記構造を前記ベース表面に接着するための接着層を含む、基板ホルダ。
【請求項12】
基板ホルダであって、
ベース表面と、
前記ベース表面から突出していると共に基板を支持するように構成された複数のバールと、
前記ベース表面上の複数の除去可能構造と、
を備え、前記複数の除去可能構造の各々は異なる厚さを有し、
前記複数の除去可能構造の各々は、熱可塑性材料、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、及び金属のうち1つ以上を含む、基板ホルダ。
【請求項13】
基板ホルダ及び請求項1から8のいずれかに記載の1つ以上の構造であって、前記基板ホルダは基板を支持するように構成され、前記基板ホルダは、
ベース表面と、
前記ベース表面から突出している複数のバールであって、各バールは遠位端を有し、前記複数のバールは、前記基板が前記基板ホルダによって支持される場合、前記基板が前記複数のバールの前記遠位端によって支持されるように配置されている、複数のバールと、
を備える、基板ホルダ及び請求項に記載の1つ以上の構造。
【請求項14】
複数の構造が存在し、前記構造は、異なるサイズ、形状、及び/又は厚さを有する、請求項13に記載の基板ホルダ及び1つ以上の構造。
【請求項15】
請求項9から12のいずれかに記載の基板ホルダ、及び/又は、請求項13又は14に記載の基板ホルダ及び1つ以上の構造を備える、リソグラフィ装置。
【国際調査報告】