(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-24
(54)【発明の名称】RFロスが最小のマルチゾーンヒータ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20240717BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240717BHJP
C23C 14/50 20060101ALI20240717BHJP
C23C 16/458 20060101ALI20240717BHJP
C23C 16/46 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101G
C23C14/50 A
C23C16/458
C23C16/46
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024500247
(86)(22)【出願日】2022-06-28
(85)【翻訳文提出日】2024-02-28
(86)【国際出願番号】 US2022035292
(87)【国際公開番号】W WO2023283077
(87)【国際公開日】2023-01-12
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】リー, チエン
(72)【発明者】
【氏名】ハモンド, エドワード ピー.
(72)【発明者】
【氏名】スリニバサムルシー, ヴィディアダーラン
(72)【発明者】
【氏名】ロチャ-アルヴァレス, フアン カルロス
【テーマコード(参考)】
4K029
4K030
5F004
5F131
【Fターム(参考)】
4K029BD01
4K029DA08
4K029JA01
4K030FA01
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4K030LA15
5F004AA01
5F004BB18
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5F131EB11
5F131EB16
5F131EB81
(57)【要約】
例示的な基板支持アセンブリが、基板座部を画定する基板支持面を画定する静電チャック本体を含みうる。基板支持アセンブリが、静電チャック本体に結合された支持ステムを含みうる。基板支持アセンブリが、静電チャック本体内に埋め込まれた上方ヒータを含みうる。上方ヒータが、中央ヒータゾーンと、中央ヒータゾーンと同心円上にある1つ以上の環状ヒータゾーンと、を含みうる。基板支持アセンブリが、静電チャック本体内の、上方ヒータより下の位置に埋め込まれた下方ヒータを含みうる。下方ヒータが、複数の円弧状ヒータゾーンを含みうる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板支持アセンブリであって、
基板座部を画定する基板支持面を画定する静電チャック本体と、
前記静電チャック本体に結合された支持ステムと、
前記静電チャック本体内に埋め込まれた上方ヒータであって、中央ヒータゾーンと、当該中央ヒータゾーンと同心円上にある1つ以上の環状ヒータゾーンと、を含む、上方ヒータと、
前記静電チャック本体内の、前記上方ヒータより下方の位置に埋め込まれた下方ヒータであって、複数の円弧状ヒータゾーンを含む下方ヒータと、
を備えた、基板支持アセンブリ。
【請求項2】
前記支持ステムを通る複数のヒータ電源ロッドであって、前記複数のヒータ電源ロッドのそれぞれが、それぞれのヒータゾーンと電気的に接続される、複数のヒータ電源ロッド
をさらに含む、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項3】
前記複数のヒータ電源ロッドのそれぞれは、前記支持ステム内で少なくとも2mm間隔が置かれている、請求項2に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項4】
前記支持ステムを通っており前記静電チャック本体と電気的に接続されたRFロッドをさらに含む、請求項2に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項5】
前記RFロッドが、前記支持ステム内で前記複数のACロッドのそれぞれから少なくとも3mm間隔が置かれている、請求項4に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項6】
前記中央ヒータゾーンと、前記1つ以上の環状ヒータゾーンのそれぞれと、に接続された第1のヒータ戻りロッドと、
前記複数の円弧状ヒータゾーンのそれぞれと接続された第2のヒータ戻りロッドと、
をさらに含む、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項7】
前記下方ヒータが、前記上方ヒータから約2mmと約10mmとの間の距離に配置されている、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項8】
前記複数の円弧状ヒータゾーンのそれぞれの内縁が、前記基板座部の径方向内側に配置され、
前記複数の円弧状ヒータゾーンのそれぞれの外縁が、前記基板座部の中心から、前記基板座部の外周縁と位置合わせされた距離に配置され又は当該外周縁の径方向外側に配置される、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項9】
基板支持アセンブリであって、
基板座部を画定する基板支持面を画定する静電チャック本体と、
前記静電チャック本体に結合された支持ステムと、
前記静電チャック本体内に埋め込まれた上方ヒータと、
前記静電チャック本体内の、前記上方ヒータより下方の位置に埋め込まれた下方ヒータであって、複数の下方ヒータゾーンを含む下方ヒータと、
を備えた、基板支持アセンブリ。
【請求項10】
前記複数の下方ヒータゾーンのそれぞれが加熱コイルを含む、請求項9に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項11】
前記複数の下方ヒータゾーンのそれぞれの内縁が、前記基板座部の半径の少なくとも約50%よりも径方向外側に配置される、請求項9に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項12】
前記複数の下方ヒータゾーンのそれぞれが、円弧状の形状又はくさび状の形状を含む、請求項9に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項13】
前記複数の下方ヒータゾーンが、少なくとも4つの下方ヒータゾーンを含む、請求項9に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項14】
前記上方ヒータが、複数の上方ヒータゾーンを含む、請求項9に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項15】
前記複数の上方ヒータゾーンは、円形ヒータゾーンと、前記円形ヒータゾーンの径方向外側に配置された少なくとも2つの環状の円形ヒータゾーンと、を含む、請求項14に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項16】
前記静電チャック本体内に、前記上方ヒータより上方に埋め込まれたRFメッシュをさらに含む、請求項9に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項17】
前記複数の下方ヒータゾーンが、環状形状を集合的に形成して、開放中央領域を画定する、請求項9に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項18】
基板を処理する方法であって、
基板支持アセンブリ内に埋め込まれた上方ヒータを加熱することと、
前記基板支持アセンブリ内に、前記上方ヒータより下方に埋め込まれた複数の下方ヒータゾーンのうちの少なくとも1つの下方ヒータゾーンを加熱することと、
前記基板支持アセンブリが配置された処理チャンバ内に前駆体を流すことと、
前記処理チャンバの処理領域内で前記前駆体のプラズマを生成することと、
前記基板上に材料を堆積させることと、
を含む、基板を処理する方法。
【請求項19】
前記上方ヒータが複数の上方ヒータゾーンを含み、
前記上方ヒータを加熱することが、前記複数の上方ヒータゾーンの少なくとも1つを加熱することを含む、請求項18に記載の基板を処理する方法。
【請求項20】
チャッキング電圧を使用して、基板プラットフォームの支持面に半導体基板をクランプすることをさらに含む、請求項18に記載の基板を処理する方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2021年7月9日に出願された「MULTI-ZONE HEATER WITH MINIMUM RF LOSS」と題する米国特許出願第17/371,592号の利益及び優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に援用される。
【技術分野】
【0002】
本技術は、半導体製造のための構成要素及び装置に関する。より具体的には、本技術は、基板支持アセンブリ及び他の半導体処理装置に関する。
【背景技術】
【0003】
集積回路は、基板表面に複雑にパターニングされた材料層を生成するプロセスによって可能になる。基板上にパターニングされた材料を生成するには、材料の形成及び除去のための制御された方法が必要である。これらのプロセスが行われる温度は、最終的な製品に直接的な影響を与えうる。基板の温度は、処理中に基板を支持するアセンブリによって制御され維持されることが多い。内部に配置された加熱装置が、支持体内で熱を発生させることができ、その熱が基板に伝導的に伝えられうる。基板支持体はまた、幾つかの技術において、基板レベルのプラズマを発生させるため、及び基板を支持体に静電チャックするために利用されうる。基板付近で発生したプラズマは、構成要素の衝突、及びチャンバの好ましくない領域内での寄生プラズマの形成を引き起こしうる。この状況は、基板支持電極間の放電にもつながりうる。加えて、熱の発生とプラズマの発生の両方のためにペデスタルを利用することで、干渉効果が引き起こされうる。
【0004】
様々な処理プロセスが、温度の上昇、及び基板レベルのプラズマ形成を利用しうるため、基板支持体の構成材料は、アセンブリの電気的動作に影響を与える温度に晒されうる。従って、高品質のデバイス及び構造を製造するために使用可能な改良されたシステム及び方法が必要とされている。本技術は、上記の必要性及び他の必要性に対処する。
【発明の概要】
【0005】
例示的な基板支持アセンブリが、基板座部を画定する基板支持面を画定する静電チャック本体を含みうる。基板支持アセンブリが、静電チャック本体に結合された支持ステムを含みうる。基板支持アセンブリが、静電チャック本体内に埋め込まれた上方ヒータを含みうる。上方ヒータが、中央ヒータゾーンと、中央ヒータゾーンと同心円上にある1つ以上の環状ヒータゾーンと、を含みうる。基板支持アセンブリが、静電チャック本体内の、上方ヒータより下方の位置に埋め込まれた下方ヒータを含みうる。下方ヒータが、複数の円弧状ヒータゾーンを含みうる。
【0006】
幾つかの実施形態において、基板支持アセンブリが、支持ステムを通る複数のAC電源ロッドであって、複数のヒータ電源ロッドのそれぞれが、それぞれのヒータゾーンと電気的に接続される、複数のAC電源ロッドを含みうる。複数のヒータ電源ロッドのそれぞれは、支持ステム内で少なくとも2mm間隔が置かれうる。基板支持アセンブリが、支持ステムを通っており静電チャック本体と電気的に接続されたRFロッドを含みうる。RFロッドは、支持ステム内で複数のヒータロッドのそれぞれから少なくとも3mm間隔が置かれうる。基板支持アセンブリが、中央ヒータゾーンと、1つ以上の環状ヒータゾーンのそれぞれと、に接続された第1のヒータ戻りロッドを含みうる。基板支持アセンブリが、複数の円弧状ヒータゾーンのそれぞれと接続された第2のヒータ戻りロッドを含みうる。下方ヒータが、上方ヒータから約2mmと約10mmとの間の距離に配置されうる。複数の円弧状ヒータゾーンのそれぞれの内縁が、基板座部の径方向内側に配置されうる。複数の円弧状ヒータゾーンのそれぞれの外縁が、基板座部の中心から、基板座部の外周縁と位置合わせされた距離に配置され又は当該外周縁の径方向外側に配置されうる。
【0007】
本技術の幾つかの実施形態がまた、基板支持アセンブリであって、基板座部を画定する基板支持面を画定する静電チャック本体を含む基板支持アセンブリを包含しうる。基板支持アセンブリが、静電チャック本体に結合された支持ステムを含みうる。基板支持アセンブリが、静電チャック本体内に埋め込まれた上方ヒータを含みうる。基板支持アセンブリが、静電チャック本体内の、上方ヒータより下方の位置に埋め込まれた下方ヒータを含みうる。下方ヒータが、複数の下方ヒータゾーンを含みうる。
【0008】
幾つかの実施形態において、複数の下方ヒータゾーンのそれぞれが加熱コイルを含みうる。複数の下方ヒータゾーンのそれぞれの内縁が、基板座部の半径の少なくとも約50%よりも径方向外側に配置されうる。複数の下方ヒータゾーンのそれぞれが、円弧状の形状又はくさび状の形状を含みうる。複数の下方ヒータゾーンが、少なくとも4つの下方ヒータゾーンを含みうる。上方ヒータが、複数の上方ヒータゾーンを含みうる。複数の上方ヒータゾーンは、円形ヒータゾーンと、円形ヒータゾーンの径方向外側に配置された少なくとも2つの環状の円形ヒータゾーンと、を含みうる。基板支持アセンブリが、静電チャック本体内の、上方ヒータより上方に埋め込まれたRFメッシュを含みうる。複数の下方ヒータゾーンが、環状形状を集合的に形成して、空いた中央領域を画定しうる。
【0009】
本技術の幾つかの実施形態はまた、基板を処理する方法を包含しうる。本方法は、基板支持アセンブリ内に埋め込まれた上方ヒータを加熱することを含みうる。本方法は、基板支持アセンブリの上面を加熱することを含む、基板支持アセンブリ内に上方ヒータより下方に埋め込まれた複数の下方ヒータゾーンのうちの少なくとも1つの下方ヒータゾーンを加熱することを含みうる。本方法は、処理チャンバ内に前駆体を流すことを含みうる。本方法は、処理チャンバの処理領域内で前駆体のプラズマを生成することを含みうる。本方法は、基板上に材料を堆積させることを含みうる。幾つかの実施形態において、上方ヒータが複数の上方ヒータゾーンを含みうる。上方ヒータを加熱することが、複数の上方ヒータゾーンのうちの少なくとも1つを加熱することを含みうる。本方法は、チャッキング電圧を使用して、基板プラットフォームの支持面に半導体基板をクランプすることを含みうる。
【0010】
このような技術は、従来のシステム及び技術に対して数多くの利点を提供することができる。例えば、本技術の実施形態は、より優れたエッジ加熱能力を提供して、ウエハのエッジ領域での膜堆積を向上させる基板支持体を提供することができる。上記の実施形態及び他の実施形態は、その多くの利点及び特徴と共に、以下の明細書の記載及び添付の図面により詳細に記載される。
【0011】
開示された技術の性質及び利点については、本明細書の残りの部分及び図面を参照することで更に理解が深めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的な処理ツールの概略的な上面図を示す。
【
図1B】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的な処理システムの概略的な部分断面図を示す。
【
図2】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的な基板処理システムの移送セクションの概略的な等角図を示す。
【
図3】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的な半導体処理チャンバの概略的な部分断面図を示す。
【
図4】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的な基板支持アセンブリの概略的な部分断面図を示す。
【
図5】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的な上方ヒータの概略的な上面図を示す。
【
図6】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的な下方ヒータの概略的な上面図を示す。
【
図7】本技術の幾つかの実施形態に係る例示的な基板支持ステムの概略的な部分断面による上面図を示す。
【
図8】本技術の幾つかの実施形態に係る処理方法における例示的な工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図の幾つかは概略図として含まれている。図は、例示を目的としており、縮尺どおりと明記されない限り縮尺どおりと見なすべきではないと理解されたい。さらに、概略図として、図面は、理解を助けるために提供されており、写実的な描写と比べて全ての態様又は情報を含まない場合があり、例示を目的として強調された素材を含むことがある。
【0014】
添付の図面では、同様の構成要素及び/又は特徴は同じ参照符号を有しうる。さらに、同じ種類に属する様々な構成要素は、参照符号の後に、類似した構成要素同士を区別する文字を付けることで区別されうる。本明細書で第1の参照符号のみが使用される場合に、その説明は、文字に関係なく、同じ第1の参照符号を有する同様の構成要素のいずれにも適用されうる。
【0015】
プラズマ強化堆積プロセスでは、基板上の膜形成を促進するために、1つ以上の構成前駆体に通電することができる。導電性膜及び誘電体膜、並びに、材料の移送及び除去を容易にするための膜を含む半導体構造を成長させるために、任意の数の材料膜が作製されうる。例えば、ハードマスク膜が、基板のパターニングを促進しつつ、別様に維持される下にある材料を保護するために形成されうる。多くの処理チャンバ内では、幾つかの前駆体がガスパネル内で混合されて、基板が配置しうるチャンバの処理領域に伝達されうる。リッドスタックの構成要素が、処理チャンバ内への流量分布に影響を与える可能性があり、多くの他のプロセス変数も同様に堆積の均一性に影響を与える可能性がある。
【0016】
デバイスのフィーチャ(feature)の大きさが小さくなるにつれて、基板表面に亘る公差が小さくなり得、膜に亘る材料特性の違いが、デバイスの実現及び均一性に影響を与える可能性がある。多くのチャンバは、特徴的なプロセスシグネチャを含み、基板に亘って残留不均一性(residual non-uniformity)を発生させうる。温度差、流量パターンの均一性、及び処理の他の側面が、基板上の膜に影響を与える可能性があり、生成され又は除去される材料について、基板に亘る膜の均一性に差を生じさせる虞がある。例えば、堆積ガスの流れの乱れ、及び/又は遮蔽板の開口とガスボックスの面板の開口の位置のずれによって、堆積ガスの流れが不均一になりうる。場合によっては、遮蔽板によって、基板のエッジ領域への前駆体の流れが均一に分配されない可能性がある。加えて、幾つかの実施形態において、基板が載置される基板支持体又はヒータが、基板を加熱するための1つ以上の加熱機構を含みうる。基板の領域間で熱の伝達又は損失が異なるときには、膜の堆積に影響が出る可能性があり、例えば、基板のより温かい部分は、より冷たい部分に対して、堆積がより厚く又は膜特性が異なっていることを特徴としうる。この温度の不均一性は、例えば、ペデスタルのシャフト付近の温度変動に起因する可能性があり、基板のエッジ領域に特に影響を与える虞がある。
【0017】
本技術は、複数のヒータを含む基板支持アセンブリを組み込むことができ、上記ヒータはそれぞれ複数のヒータゾーンを含みうる。例えば、本技術の幾つかの実施形態に係る基板支持アセンブリは、径方向の膜厚の不均一性を緩和するよう設計された幾つかのヒータゾーンを有する上方ヒータと、方位角方向の(azimuthal)膜厚の不均一性を緩和するよう設計された幾つかのヒータゾーンを有する下方ヒータと、を含みうる。各ヒータゾーンは別々に制御可能であり得、基板支持アセンブリに亘る温度分布を注意深く制御してホットスポット及びコールドスポットを最小に抑え、ウエハに亘る膜均一性を改善することが可能となる。加えて、実施形態では、RF結合損失及び/又はDCリーク電流を最小に抑えるのに十分なだけ、ヒータ同士を互いに離し、かつヒータをRFメッシュから離すことができる。
【0018】
残りの開示では、開示される技術を利用する特定の堆積プロセスを通常通りに特定するが、システム及び方法は、堆積チャンバ、エッチングチャンバ、及び洗浄チャンバ、並びに記載されるチャンバ内で行われうるプロセスに対して等しく適用可能であることが容易に理解できるであろう。これに対応して、本技術は、上記特定の堆積プロセス又はチャンバでの使用に限定されると見做すべきではない。本開示では、本技術の実施形態に係るペデスタルを含みうる1つの可能なシステム及びチャンバについて述べた後で、本技術の実施形態に係る上記システムへの追加的な変更及び調整について記載する。
【0019】
図1Aは、本技術の幾つかの実施形態に係る、堆積チャンバ、エッチングチャンバ、ベーキングチャンバ、及び硬化チャンバの処理ツール又は処理システム100の一実施形態の上面図を示している。図では、前面開口一体型ポッド102のセットが様々な大きさの基板を供給し、この基板は、ファクトリインタフェース103内でロボットアーム104a及び104bによって受け取られて、ロードロック内又は低圧保持領域106内に配置され、その後、チャンバシステム又はクワッドセクション109a~c(それぞれが、複数の処理領域108と流体的に結合された移送領域を有する基板処理システムでありうる)内に配置された基板処理領域108のうちの1つに伝達される。クワッドシステムが示されているが、スタンドアローンのチャンバ、ツインチャンバ、及び他の複数のチャンバシステムが組み込まれたプラットフォームも同じように本技術に包含されると理解されたい。移送チャンバ112内に収容された第2のロボットアーム110を、保持領域106からクワッドセクション109へと基板ウエハを移送するために使用することができ、第2のロボットアーム110は、クワッドセクション又は処理システムのそれぞれを接続しうる移送チャンバ内に収容されうる。各基板処理領域108は、周期的層堆積、原子層堆積、化学気相堆積、物理気相堆積、並びにエッチング、前洗浄、アニール、プラズマ処理、ガス抜き、配向、及び他の基板プロセスを含む任意の数の堆積プロセスを含む幾つかの基板処理工程を実行するよう装備されうる。
【0020】
各クワッドセクション109は、第2のロボットアーム110から基板を受け取ることができかつ第2のロボットアーム110に基板を伝達することができる移送領域を含みうる。チャンバシステムの移送領域は、第2のロボットアーム110を有する移送チャンバと位置合わせされうる。幾つかの実施形態において、移送領域が、ロボットに対して横方向にアクセス可能でありうる。後続の工程において、移送セクションの構成要素は、その上の処理領域108内へと基板を垂直方向に移動させることができる。同様に、移送領域はまた、各移送領域内の位置の間で基板を回転させるよう動作可能でありうる。基板処理領域108は、基板又はウエハ上に材料膜を堆積させ、アニールし、硬化させ及び/又はエッチングするための任意の数のシステム構成要素を含みうる。1の構成において、クワッドセクション109a及び109b内の処理領域といった2セットの処理領域を使用して、基板上に材料を堆積させることができ、クワッドセクション109c内の処理チャンバ又は処理領域といった第3のセットの処理チャンバを使用して、堆積した膜を硬化させ、アニールし、又は処理することができる。他の構成において、示される12個のチャンバといった、3セットのチャンバの全てが、基板上で膜を堆積させ及び/又は硬化させるよう構成されうる。
【0021】
図に示されるように、第2のロボットアーム110は、複数の基板を同時に伝達し及び/又は取り出すための2つのアームを含みうる。例えば、各クワッドセクション109は、移送領域のハウジングの表面に沿って2つのアクセス部107を含むことができ、このアクセス部107は、第2のロボットアームと横方向に位置合わせされうる。上記アクセス部は、移送チャンバ112に隣接する表面に沿って画定されうる。図示のような幾つかの実施形態において、第1のアクセス部が、クワッドセクションの複数の基板支持体の第1の基板支持体と位置合わせされうる。さらに、第2のアクセス部が、クワッドセクションの複数の基板支持体の第2の基板支持体と位置合わせされうる。第1の基板支持体は、第2の基板支持体と隣接していてよく、この2つの基板支持体は、幾つかの実施形態において、第1の列の基板支持体を画定しうる。図示された構成に示されるように、第2の列の基板支持体が、移送チャンバ112から横方向外側に、第1の列の基板支持体の後方に配置されうる。第2のロボットアーム110の2つのアームは、当該2つのアームがクワッドセクション又はチャンバシステムに同時に進入して、移送領域内の基板支持体に1つ又は2つの基板を伝達する又は取り出すことができるように、間隔が置かれている。
【0022】
記載された移送領域の1つ以上のいずれも、様々な実施形態で示される製造システムから分離した追加のチャンバと共に組み込むことができる。処理システム100では、材料膜のための堆積チャンバ、エッチングチャンバ、アニールチャンバ、及び硬化チャンバのさらなる構成が想定されることが分かるであろう。さらに、基板の移動といった特定の工程のいずれかを実行するための移送システムを組み込める、任意の数の他の処理システムが本技術で利用されうる。幾つかの実施形態において、言及した保持領域及び移送領域といった様々なセクション内の真空環境を維持しつつ、複数の処理チャンバ領域へのアクセスを提供しうる処理システムによって、別個のプロセス間で特定の真空環境を維持しつつ、複数のチャンバ内で工程を実行することが可能となりうる。
【0023】
図1Bは、本技術の幾つかの実施形態に係る、例えばチャンバシステムを切った、例示的な処理ツールの一実施形態の概略的な断面立面図を示す。
図1Bは、任意のクワッドセクション109内の任意の2つの隣接する処理領域108を切った断面図を示しうる。この立面図は、1つ以上の処理領域108と、移送領域120との構成又は流体結合を示しうる。例えば、連続的な移送領域120が、移送領域ハウジング125によって画定されうる。このハウジングは、幾つかの基板支持体130を配置しうる空いた内部空間を画定しうる。例えば、
図1Aに示したように、例示的な処理システムは、移送領域の周囲のハウジング内に分散された複数の基板支持体130を含む4つ以上の基板支持体130を含みうる。基板支持体は、図示のようにペデスタルでありうるが、幾つかの他の構成も使用することができる。幾つかの実施形態において、ペデスタルは、移送領域120と、当該移送領域の上にある処理領域と、の間を垂直方向に移動可能でありうる。基板支持体は、チャンバシステム内の第1の部分と第2の部分との間の経路に沿って、基板支持体の中心軸に沿って垂直方向に移動可能でありうる。これに対応して、幾つかの実施形態において、各基板支持体130は、1つ以上のチャンバ構成要素によって画定された上にある処理領域108と軸方向に位置合わせされうる。
【0024】
開放移送領域によって、カルーセルといった移送装置135が、基板に係合して、様々な基板支持体の間で、例えば回転しながら移動させる能力が与えられうる。移送装置135は、中心軸の周りを回転可能でありうる。これにより、処理システム内のどの処理領域108内にも処理のために基板を配置することが可能となる。移送装置135は、1つ以上のエンドエフェクタを含むことができ、当該エンドイフェクタは、上方、下方から基板に係合することができ、又は、基板支持体の周りで移動させるために、基板の外縁に係合することができる。移送装置は、先に記載のロボット110といった移送チャンバロボットから基板を受け取ることができる。その後、移送装置は、交互になった基板支持体へと基板を回転させて、さらなる基板の伝達を促進することができる。
【0025】
一旦位置決めされて処理のために待機すると、移送装置は、基板支持体の間にエンドエフェクタ又はアームを配置することができ、これにより、基板支持体は、移送装置135を越えて上昇して、移送領域と垂直方向にずれうる処理領域108内に基板を伝達することが可能となりうる。例えば、示されるように、基板支持体130aは、処理領域108a内に基板を伝達することができ、基板支持体130bは、処理領域108b内に基板を伝達することができる。このことは、他の2つの基板支持体及び処理領域でも行うことができ、さらに、追加の処理領域が含まれる実施形態において、追加の基板支持体及び処理領域でも行うことができる。本構成では、基板支持体は、例えば第2の位置で、基板を処理するために動作可能に係合されたときには、下から処理領域108を少なくとも部分的に画定することができ、この処理領域は、関連する基板支持体と軸方向に位置合わせされうる。処理領域は、面板140、及び他のリッドスタック構成要素によって、上方から画定されうる。幾つかの実施形態において、各処理領域は、個々のリッドスタック構成要素を有しうるが、幾つかの実施形態において、構成要素が、複数の処理領域108を収容することができる。本構成に基づいて、幾つかの実施形態において、各処理領域108は、チャンバシステム内又はクワッドセクション内の各他の処理領域から上方から流体的に隔離されつつ、移送領域と流体的に結合されうる。
【0026】
幾つかの実施形態において、面板140が、処理領域108内で局所的なプラズマを生成するためのシステムの電極として機能しうる。示されるように、各処理領域は、別個の面板を利用し又は組み込むことができる。例えば、面板140aが、上方から処理領域108aを画定するために含まれ得、面板140bが、上方から処理領域108bを画定するために含まれうる。幾つかの実施形態において、基板支持体が、面板と基板支持体との間に容量結合プラズマを生成するためのコンパニオン電極として機能しうる。ポンピングライナ145が、空間の形状に従って、処理領域108を径方向又は横方向に少なくとも部分的に画定しうる。ここでも、処理領域ごとに別々のポンピングライナが使用されうる。例えば、ポンピングライナ145aは、処理領域108aを少なくとも部分的に径方向に画定することができ、ポンピングライナ145bは、処理領域108bを少なくとも部分的に径方向に画定することができる。実施形態において、遮蔽板150を、リッド155と面板140との間に配置することができ、ここでも、別々の遮蔽板が、各処理領域内の流体の分配を促進するために含まれうる。例えば、遮蔽板150aが、処理領域108aに向かった分配のために含まれ得、遮蔽板150bが、処理領域108bに向かった分配のために含まれうる。
【0027】
リッド155は、処理領域ごとに別々の構成要素であってよく、又は1つ以上の共通の態様を含んでよい。リッド155は、幾つかの実施形態において、システムの2つの別個のリッド板のうちの一方でありうる。例えば、第1のリッド板158が、移送領域ハウジング125の上に着座しうる。移送領域ハウジングは、空いた空間を画定することができ、第1のリッド板158は、当該リッド板を貫通する幾つかの開口を含むことができ、上にある空間を特定の処理領域に分ける。図示のような幾つかの実施形態において、リッド155は、第2のリッド板とすることができ、個々の処理領域への流体供給のための複数の開口160を画定する単一の構成要素でありうる。例えば、リッド155は、処理領域108aへの流体供給のための第1の開口160aを画定することができ、さらに、リッド155は、処理領域108bへの流体供給のための第2の開口160bを画定することができる。含まれるときには、各セクション内の追加の処理領域のための追加の開口が画定されうる。幾つかの実施形態において、各クワッドセクション109、又は4より多く又は少ない数の基板を収容しうるマルチ処理領域セクションが、処理チャンバ内にプラズマ放出物を伝達するための1つ以上の遠隔プラズマユニット165を含みうる。幾つかの実施形態において、各チャンバ処理領域に個別プラズマユニットを組み込むことができるが、幾つかの実施形態では、より小数の遠隔プラズマユニットが使用されうる。例えば、図示のように、単一の遠隔プラズマユニット165が複数のチャンバのために、例えば、2つ、3つ、4つ、又はそれより多いチャンバ(最大で、特定のクワッドセクションのための全チャンバ)のために使用されうる。本技術の実施形態において、処理又は洗浄のためのプラズマ放出物を供給するために、配管が、遠隔プラズマユニット165から各開口160まで延びうる。
【0028】
幾つかの実施形態において、パージチャネル170が、各基板支持体130の近傍又は近くの移送領域ハウジングを貫通して延びうる。例えば、複数のパージチャネルが、移送領域ハウジングを貫通して延びて、流体的に結合されたパージガスを移送領域内に供給するための流体アクセスを提供することができる。パージチャンネルの数は、処理システム内の基板支持体の数と同じあっても異なってもよく、基板支持体の数より多くても少なくてもよい。例えば、パージチャネル170は、各基板支持体の下方の移送領域ハウジングを貫通して延びうる。図示される2つの基板支持体130では、第1のパージチャネル170aが、基板支持体130aの近傍のハウジングを貫通して延びることができ、第2のパージチャネル170bが、基板支持体130bの近傍のハウジングを貫通して延びることができる。いかなる追加の基板支持体も同様に、移送領域ハウジングを貫通して延びる、パージガスを移送領域内に供給するための配管されたパージチャネルを有しうると理解されたい。
【0029】
パージガスが、上記パージチャネルの1つ以上を介して伝達されるときには、同様に、処理システムからの全ての排気経路を提供しうるポンピングライナ145を介して排出されうる。従って、幾つかの実施形態において、処理前駆体とパージガスの双方が、ポンピングライナを介して排出されうる。パージガスは、関連するポンピングライナへと上向きに流れることができ、例えば、パージチャネル170bを流過したパージガスは、処理システムから、ポンピングライナ145bから排出されうる。
【0030】
前述したように、処理システム100、より具体的には処理システム100又は他の処理システムに組み込まれたクワッドセクション又はチャンバシステムは、示された処理チャンバ領域の下に配置された移送セクションを含みうる。
図2は、本技術の幾つかの実施形態に係る、例示的な処理システム200の移送セクションの概略的な等角図を示す。
図2は、上述した移送領域120の態様の追加的な態様又は変形例を示すことができ、上述した構成要素又は特性のいずれかを含みうる。図示されるシステムは、幾つかの構成要素が含まれうる移送領域を画定する移送領域ハウジング205を含みうる。さらに、移送領域は、当該移送領域と流体的に結合した処理チャンバ又は処理領域によって、例えば
図1Aのクワッドセクション109内に示された処理チャンバ領域108によって、上方から少なくとも部分的に画定されうる。移送領域ハウジングの側壁は、例えば上述の第2のロボットアーム110によって基板を伝達し及び取り出すことができる1つ以上のアクセス位置207を画定しうる。アクセス位置207は、スリットバルブ又は他のシール可能なアクセス位置とすることができ、幾つかの実施形態において、移送領域ハウジング205内に密閉環境を提供するためのドア又は他のシール機構を含む。2つのこのようなアクセス位置207が示されているが、幾つかの実施形態において、単一のアクセス位置207のみ含まれてよく、移送領域ハウジングの複数の側面上のアクセス位置も含まれうると理解されたい。さらに、図示される移送セクションは、任意の数の外形若しくは形状を特徴とする基板を含む、200mm、300mm、450mmを含む任意の基板サイズの基板、又はそれより大きく若しくは小さい基板を収容するよう寸法決定されうると理解されたい。
【0031】
移送領域ハウジング205内には、移送領域空間のあちこちに配置された複数の基板支持体210が存在しうる。4つの基板支持体が示されているが、任意の数の基板支持体が同様に本技術の実施形態に包含されると理解されたい。例えば、3つ、4つ、5つ、6つ、8つ、又はそれより多い基板支持体210が、本技術の実施形態に係る移送領域内に収容されうる。第2のロボットアーム110が、アクセス部207を介して基板支持体210a又は210bの一方又は両方に基板を移送することができる。同様に、第2のロボットアーム110は、これらの位置から基板を取り出すことができる。リフトピン212が、基板支持体210から突出することができ、ロボットが基板の下にアクセスできるようにしうる。リフトピンは、基板支持体上に固定することができ、又は基板支持体が下方に凹みうる位置に固定することができ、又は、幾つかの実施形態において、リフトピンはさらに、基板支持体を貫通して昇降させることができる。基板支持体210は、垂直方向に移動可能であり得、幾つかの実施形態において、処理チャンバ領域108といった、移送領域ハウジング205の上方に配置された基板処理システムの処理チャンバ領域まで延びうる。
【0032】
移送領域ハウジング205は、アライナを含みうる位置合わせシステムのためのアクセス部215を提供することができ、アライナは、図示の移送領域ハウジングの開口を通って延びることができ、隣接する開口を通って突出し又は透過するレーザ、カメラ、又は他の監視装置と連動して動作することができ、移動する基板が適切に位置合わせされているかどうか判定することができる。移送領域ハウジング205は、移送装置220であって、基板を位置決めし、かつ基板を様々な基板支持体の間で移動させるために幾つかのやり方で動作しうる移送装置220も含みうる。一実施例において、移送装置220は、基板支持体210a及び210b上の基板を、基板支持体210c及び210dに移動させることができ、これにより、さらなる基板を移送チャンバ内に伝達することが可能となりうる。追加の移送工程が、上にある処理領域内での追加の処理のために、基板を基板支持体間で回転させることを含みうる。
【0033】
移送装置220は中央ハブ225を含むことができ、中央ハブ225は、移送チャンバ内を延びる1つ以上のシャフトを含みうる。シャフトには、エンドエフェクタ235が結合されうる。エンドエフェクタ235は、中央ハブから径方向又は横方向外方に延びる複数のアーム237を含みうる。アームがそこから延びる中央本体が示されているが、エンドエフェクタは、様々な実施形態において、シャフト又は中央ハブとそれぞれ結合された別個のアームをさらに含みうる。本技術の実施形態では、任意の数のアームが含まれうる。幾つかの実施形態において、アーム237の数は、チャンバに含まれる基板支持体210の数と同程度又は当該数と等しいとすることができる。従って、図示のように、4つの基板支持体の場合は、移送装置220は、エンドエフェクタから延びる4つのアームを含みうる。上記アームは、直線状のプロファイル又は円弧状のプロファイルといった任意の数の形状及びプロファイルを特徴とすることができ、さらに、例えば位置合わせ又は係合のために、基板を支持するため及び/又は基板へのアクセスを提供するためのフック、リング、フォーク、又は他の設計を含む任意の数の遠位プロファイルを含みうる。
【0034】
エンドエフェクタ235、又はエンドエフェクタの構成要素若しくは部分は、移送中又は移動中に基板に接触するために使用されうる。上記の構成要素及びエンドエフェクタは、導電性材料及び/又は絶縁性材料を含む幾つかの材料から作製され得又は当該材料を含みうる。幾つかの実施形態において、上にある処理チャンバから移送チャンバ内に通りうる前駆体又は他の化学物質との接触に耐えるように、材料にコーティングが施され又は材料がメッキされうる。
【0035】
さらに、温度といった他の環境特性に耐えられるよう材料を提供又は選択することができる。幾つかの実施形態において、基板支持体が、当該支持体上に配置された基板を加熱するよう動作可能でありうる。基板支持体は、表面又は基板の温度を、約100℃又は100℃より高く、約200℃又は200℃より高く、約300℃又は300℃より高く、約400℃又は400℃より高く、約500℃又は500℃より高く、約600℃又は600℃より高く、約700℃又は700℃より高く、約800℃又は800℃より、又は、これらより高い温度まで上げるよう構成されうる。稼働中には、上記温度のいずれかを維持することができ、従って、移送装置220の構成要素が、上記の温度又は包含される温度のいずれかに晒されうる。従って、幾つかの実施形態において、材料のいずれかが、上記の温度域に対応するよう選択され得、比較的低い熱膨張係数又は他の有益な特性を特徴としうるセラミック及び金属といった材料を含みうる。
【0036】
構成要素の結合も、高温及び/又は腐食性環境で動作するために適合されうる。例えば、エンドエフェクタ及び端部がそれぞれセラミックである場合に、上記結合は、プレスばめ、スナップフィット(snap fitting)、又は、温度によって膨張及び収縮する可能性がありセラミックに亀裂を生じさせうるボルトのような追加の材料を含まないことがある他の嵌合を含みうる。幾つかの実施形態において、端部がエンドエフェクタと連続していてよく、エンドエフェクタと一体的に形成されてよい。工程、及び、稼働中の抵抗を促進しうるあらゆる他の材料が利用されてよく、同様に本技術に包含される。
【0037】
図3は、本技術の幾つかの実施形態に係る例示的な半導体処理チャンバ300の概略的な部分断面図を示す。
図3は、
図2に関連して先に述べた1つ以上の構成要素を含むことができ、そのチャンバに関するさらなる詳細を示しうる。チャンバ300は、先に記載した誘電材料のスタックの堆積を含む半導体処理工程を実行するために使用されうる。チャンバ300は、半導体処理システムの処理領域の部分図を示すことができ、チャンバ300の幾つか実施形態に組み込まれていると理解される上記の追加のリッドスタック構成要素など、構成要素の全てを含まないことがある。
【0038】
上述のように、
図3は、処理チャンバ300の一部分を示しうる。チャンバ300は、シャワーヘッド305、及び基板支持アセンブリ310を含みうる。チャンバ側壁315と共に、シャワーヘッド305及び基板支持体310が、プラズマが生成されうる基板処理領域320を画定しうる。基板支持アセンブリは、静電チャック本体325を含むことができ、この静電チャック本体325は、本体内に埋め込まれ又は配置された1つ以上の構成要素を含みうる。トップパック(top puck)内に組み込まれた構成要素は、幾つかの実施形態において処理材料に晒されないことがあり、チャック本体325内で完全に保持されうる。静電チャック本体325は、基板支持面327を画定することができ、チャック本体の特定の形状に従った厚さ及び長さ又は直径を特徴としうる。幾つかの実施形態において、チャック本体は楕円形とすることができ、チャック本体を通る中心軸からの1つ以上の径方向寸法を特徴としうる。トップパックはいかなる形状であってもよく、径方向寸法について述べるときには、チャック本体の中心位置からのあらゆる長さを規定しうると理解されたい。
【0039】
静電チャック本体325は、ステム330と結合することができ、ステム330は、チャック本体を支持することができ、チャック本体325の内部構成要素と接続しうる電気線及び/又は流体線を伝え及び受けるためのチャネルを含みうる。チャック本体325は、静電チャックとして動作するための関連するチャネル又は構成要素を含みうるが、幾つかの実施形態において、アセンブリは、真空チャック、又は任意の他の種類のチャッキングシステムとして動作することができ、又はそのための構成要素を含みうる。ステム330は、基板支持面とは反対側のチャック本体の第2の表面においてチャック本体と結合しうる。幾つかの実施形態において、静電チャック本体325は、導電性材料(アルミニウムのような金属、又は熱伝導性及び/又は導電性でありうる任意の他の材料など)から形成することができ、かつ、インピーダンス整合回路でありうるフィルタを介して、電源(DC電源、パルスDC電源、RFバイアス電源、パルスRF電源又はバイアス電源、又はこれらの電源若しくは他の電源の組み合わせなど)と接続することができ、静電チャック本体325が電極として動作することが可能となりうる。他の実施形態において、静電チャック本体325の上部が、誘電材料から形成されうる。このような実施形態において、静電チャック本体325は別個の電極を含みうる。例えば、静電チャック本体325は、基板支持面の近傍のチャック本体内に埋め込むことができる第1の双極電極335aを含みうる。電極335aは、DC電源340aと電気的に接続されうる。電源330aは、導電性のチャック電極335aにエネルギー又は電圧を供給するよう構成されうる。このチャック電極335aは、半導体処理チャンバ300の処理領域320内に前駆体のプラズマを形成するよう動作させることができるが、他のプラズマ動作も同様に持続させることができる。例えば、電極335aはまた、シャワーヘッド305と電気的に接続されたRF電源307を含む容量性プラズマシステムの電気的接地として機能するチャッキングメッシュであってもよい。例えば、電極335aは、RF電源307からのRF電力のための接地経路として動作しつつ、基板支持面への基板の静電クランプ(electrostatic clamping)を提供するための、基板への電気バイアスとしても動作しうる。電源340aは、フィルタ、電源、及びチャッキング電圧を供給するよう構成されたあらゆる他の電気部品を含みうる。
【0040】
静電チャック本体はまた、同様に基板支持面の近傍のチャック本体内に埋め込むことができる第2の双極電極335bを含みうる。電極335bは、DC電源340bと電気的に接続されうる。電源340bは、導電性のチャック電極335bにエネルギー又は電圧を供給するよう構成されうる。さらに、幾つかの実施形態に係る電気部品及びバイポーラチャックに関する詳細については、以下でさらに説明するが、いずれの設計も処理チャンバ300で実現することができる。例えば、プラズマ関連の電源又は構成要素を追加で組み込むことができる。
【0041】
稼働中に、基板は、静電チャック本体の基板支持面と少なくとも部分的に接触し得、これにより、接点ギャップ(contact gap)が生じ得、さらに、ペデスタルの表面と基板との間に容量効果が基本的に生じうる。接点ギャップには電圧を印加することができ、これにより、チャッキングのための静電気力が生成されうる。電源340a及び340bが、電極から基板支持面に移動する電荷を提供することができ、基板支持面では電荷が蓄積することができ、これにより、互いに逆向きの電荷によるクーロン引力を有する電荷層が基板において生成され得、基板をチャック本体の基板支持面に当接させて静電的に保持することができる。この電荷移動は、本技術の幾つかの実施形態で使用されうるジョンセン・ラーベック(Johnsen-Rahbek)型のチャッキングのための誘電体内の有限抵抗に基づいて、チャック本体の誘電材料を流れる電流によって発生させることができる。
【0042】
チャック本体325はまた、基板支持面内の凹状領域345を画定することができ、この凹状領域345は、基板を配置しうる凹状ポケットを提供することができる。凹状領域345は、トップパックの内側領域に形成することができ、処理のために基板を受け入れるよう構成されうる。凹状領域345は、図示のように、静電チャック本体の中央領域を包含することができ、あらゆる様々な基板サイズに対応するよう寸法決定されうる。基板は凹状領域内に着座することができ、基板を包含しうる外部領域347に含まれうる。幾つかの実施形態において、外部領域347の高さは、基板が外部領域347での基板支持面の表面高さと同じ高さであり又は当該表面高さより下に凹んでいる、といったものでありうる。凹状の表面によって、処理中のエッジ効果を制御することができ、これにより、幾つかの実施形態では、基板に亘る堆積の均一性を改善することができる。幾つかの実施形態において、エッジリングを、トップパックの周面の周りに配置することができ、かつエッジリングは、基板が着座しうる凹所を少なくとも部分的に画定しうる。幾つかの実施形態において、チャック本体の表面が実質的に平面的であってよく、エッジリングが、基板が着座しうる凹所を完全に画定してよい。
【0043】
幾つかの実施形態において、静電チャック本体325及び/又はステム330は、絶縁性材料又は誘電材料でありうる。例えば、酸化物、窒化物、炭化物、及び他の材料を使用して、構成要素を形成することができる。例示的な材料として、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、炭化タングステン、及び、任意の他の金属又は遷移金属の酸化物、窒化物、炭化物、ホウ化物、又はチタン酸塩を含むセラミック、並びに、これらの材料と他の絶縁性材料又は誘電材料との組み合わせが挙げられる。異なる等級のセラミック材料が、特定の温度範囲で機能するよう構成された複合材を提供するために使用され得、従って、幾つかの実施形態において、同様の材料の様々な等級のセラミックが、トップパック及びステムのために使用されうる。幾つかの実施形態において、電気特性を調整するためにドーパントを組み込むことができる。例示的なドーパント材料として、イットリウム、マグネシウム、ケイ素、鉄、カルシウム、クロム、ナトリウム、ニッケル、銅、亜鉛、又は、セラミック材料若しくは誘電材料に組み込まれると知られた任意の数の他の元素が挙げられる。
【0044】
静電チャック本体325はまた、チャック本体に含まれる埋め込まれたヒータ350も含みうる。ヒータ350は、実施形態において、抵抗加熱器又は流体加熱器を含みうる。幾つかの実施形態において、電極335がヒータとして動作しうるが、この動作を分離することでより個別の制御を与えることができ、さらに、プラズマ形成のための領域を制限しつつ、拡張したヒータカバレッジを提供することができる。導電性要素が、静電チャック本体内に埋め込まれ得、トップパックを加熱するために交流電流といった電流を受け取るよう構成されうるが、ヒータ350は、チャック本体材料に接合又は結合されたポリマーヒータを含みうる。電流が、上述の直流電力と同様の経路を介してステム330を通って供給されうる。ヒータ350は、電源365と接続することができ、この電源365は、関連するチャック本体及び/又は基板の加熱を促進するために、抵抗加熱要素に電流を提供することできる。ヒータ350は、実施形態では複数のヒータを含むことができ、各ヒータが、チャック本体のゾーンと関連付けられ得、従って、例示的なチャック本体は、ヒータと同数又はヒータより多い数のゾーンを含みうる。存在する場合には、チャッキングメッシュ電極335が、幾つかの実施形態において、ヒータ350と基板支持面327との間に配置され得、チャック本体内の電極と基板支持面との間の距離が、幾つかの実施形態において、以下にさらに記載するように維持されうる。
【0045】
ヒータ350は、静電チャック本体325、及び基板支持面327の上にある基板にわたる温度を調整することができる。ヒータは、チャック本体及び/又は基板を約100℃又は100℃より高く加熱するための動作温度の範囲を有することができ、ヒータは、約125℃又は125℃より高く、約150℃又は150℃より高く、約175℃又は175℃より高く、約200℃又は200℃より高く、約250℃又は250℃より高く、約300℃又は300℃より高く、約350℃又は350℃より高く、約400℃又は400℃より高く、約450℃又は450℃より高く、約500℃又は500℃より高く、約550℃又は550℃より高く、約600℃又は600℃より高く、約650℃又は650℃より高く、約700℃又は700℃より高く、約750℃又は750℃より高く、約800℃又は800℃より高く、約850℃又は850℃より高く、約900℃又は900℃より高く、約950℃又は950℃より高く、約1000℃又は1000℃より高く、又は、これらより高く加熱するよう構成されうる。ヒータはまた、上記の数値のうちの任意の2つの数値の間に包含される任意の範囲内、又は上記範囲のいずれかに包含されるより小さい範囲内で動作するよう構成されうる。
【0046】
幾つかの実施形態において、チャンバ300は、チャンバ本体315の底部と流体的に結合されたパージガス源といった、パージガス源を含みうる。パージガス源は、チャンバ300にパージガスを供給して、支持アセンブリ310などチャンバ300の様々な構成要素の上に堆積したいかなる膜も除去することができる。
【0047】
図4は、本技術の幾つかの実施形態に係る基板支持アセンブリ400の概略的な部分断面図を示す。先に説明したように、本技術は、幾つかの実施形態において、単一のチャンバ内で膜の堆積及び硬化を行うために使用することができる。基板支持アセンブリ400は、基板支持アセンブリ130、210、及び/又は310と同様とすることができ、関連する構成要素又は電源を含めた、先に記載の支持体のあらゆる特徴、構成要素、又は特性を含みうる。基板支持アセンブリ400は、導電性材料でありうる支持ステム405を含みうる。静電チャック本体425が、当該本体内に埋め込まれ又は配置された1つ以上の構成要素を含むことができ、支持ステム405の上に配置されうる。トップパック内に組み込まれた構成要素は、幾つかの実施形態において処理材料に晒されないことがあり、チャック本体425内に完全に保持されうる。静電チャック本体425は、基板支持面427を画定しうる。
【0048】
静電チャック本体425は、基板支持面の近傍のチャック本体内に埋め込むことができる1つ以上のRF電極430を含みうる。例えば、電極430は、チャッキングメッシュであって、シャワーヘッドと電気的に接続されたRF電源を含む容量性プラズマシステムの電気的接地として機能するチャッキングメッシュを含みうる。RFロッド460が、RF電源及び/又はDC電源といった、電極にエネルギー及び/又は電圧を供給する電源465とRF電極430を接続することができる。例えば、電極430は、RF電源からのRF電力のための接地経路として動作するとともに、基板支持面427への基板の静電クランプ(electrostatic clamping)を提供するための、基板への電気バイアスとしても動作しうる。
【0049】
稼働中に、基板は、静電チャック本体425の基板支持面427と少なくとも部分的に接触した状態にあることができ、これにより接点ギャップ(contact gap)が生じ得、さらに、ペデスタルの表面と基板との間に容量効果が基本的に生じうる。接点ギャップには電圧を印加することができ、これにより、チャッキングのための静電気力が生成されうる。電荷が、電極から基板支持面427に移動し、基板支持面427に電荷が蓄積することができ、これにより、互いに逆向きの電荷によるクーロン引力を有する電荷層を基板において生成することができ、チャック本体の基板支持面に当てて基板を静電的に保持することができる。この電荷移動は、本技術の幾つかの実施形態で使用されうるジョンセン・ラーベック(Johnsen-Rahbek)型のチャッキングのための誘電体内の有限抵抗に基づいて、チャック本体の誘電材料を通って流れる電流によって発生させることができる。
【0050】
静電チャック本体425は、上方ヒータ435を含むことができ、この上方ヒータ435は、伝導板及び/又は加熱コイルといった1つ以上の加熱要素を含みうる。ほんの一例として、基板支持面427に亘って比較的均一な加熱を提供するために、導電性ワイヤが、静電チャック本体425内に、径方向に延在する螺旋形状又は他の迂回する形状で設けられうる。上方ヒータ435は、幾つかの上方ヒータゾーン440に分割することができ、各上方ヒータゾーン440は、それぞれの伝導板及び/又は加熱コイルで形成されている。上方ヒータ435は、任意の数の上方ヒータゾーン440に分割されうる。例えば、上方ヒータ435は、少なくとも1つ又は1つ前後の上方ヒータゾーン、少なくとも2つ又は2つの前後の上方ヒータゾーン、少なくとも3つ又は3つ前後の上方ヒータゾーン、少なくとも4つ又は4つ前後の上方ヒータゾーン、少なくとも5つ又は5つ前後の上方ヒータゾーン、又はこれらより多い上方ヒータゾーンを含みうる。図示のように、上方ヒータ435は、3つの上方ヒータゾーン440に分割されている。例えば、中央の円形の上方ヒータゾーン440aは、内側の環状上方ヒータゾーン440b、及び外側の環状上方ヒータゾーン440cによって囲まれており、これら上方ヒータゾーン440のそれぞれは基板支持体と同心円上にある。
【0051】
上方ヒータ435は、RF結合損失及びDC漏れ電流を防止するのに十分なだけ離れているが基板支持面427を効率良く加熱するのに基板支持面427に十分近い距離だけ、RF電極430より下方に配置することができる。例えば、上方ヒータ435はRF電極から、約2mmと約10mmの間、RF電極430から約3mmと約9mmの間、RF電極430から約4mmと約8mmの間、又はRF電極430から約5mmと約7mmの間に配置されうる。
【0052】
静電チャック本体425は、下方ヒータ445を含むことができ、この下方ヒータ445は、伝導板及び/又は加熱コイルといった1つ以上の加熱要素を含みうる。下方ヒータ445は、幾つかの下方ヒータゾーン450に分割することができ、各下方ヒータゾーン450は、それぞれの伝導板及び/又は加熱コイルで形成されている。下方ヒータ445は、任意の数の下方ヒータゾーン450に分割されうる。例えば、下方ヒータ445は、少なくとも1つ又は1つ前後の下方ヒータゾーン、少なくとも2つ又は2つ前後の下方ヒータゾーン、少なくとも3つ又は3つ前後の下方ヒータゾーン、少なくとも4つ又は4つ前後の下方ヒータゾーン、少なくとも5つ又は5つ前後の下方ヒータゾーン、少なくとも6つ又は6つ前後の下方ヒータゾーン、少なくとも7つ又は7つ前後の下方ヒータゾーン、少なくとも8つ又は8つ前後の下方ヒータゾーン、少なくとも9つ又は9つ前後の下方ヒータゾーン、少なくとも10個の又は10個前後の下方ヒータゾーン、又はそれより多い下方ヒータゾーンを含みうる。図示のように、下方ヒータ445は、4つの下方ヒータゾーン450に分割されている。例えば、各下方ヒータゾーン440は形状が円弧状であってよく、基板支持面427の半径の一部分に沿って延在しうる。
【0053】
下方ヒータ445は、漏れ電流を防止するのに十分なだけ離れているが基板支持面427を効率良く加熱するのに基板支持面427に十分近い距離だけ、上方ヒータ435より下方に配置することができる。例えば、下方ヒータ445は、上方ヒータ435から約2mmと約10mmの間、上方ヒータ435から約3mmと約9mmの間、上方ヒータ435から約4mmと約8mmの間、又は上方ヒータ435から約5mmと約7mmの間に配置されうる。基板支持面427のエッジ領域を加熱するための円弧状の加熱ゾーンが、下方ヒータ445の一部であることが示されているが、幾つかの実施形態では、このようなヒータゾーンの配置を上方ヒータ435として利用することができ、ここで、下方ヒータ445として全ヒータゾーンカバレッジが使用される。
【0054】
上方ヒータ435及び下方ヒータ445の各加熱要素は、トップパックを加熱するために、それぞれのヒータに交流電流及び/又は直流電流を供給する電源といった電源470と接続することができる。電流が、ステム405及び静電チャック本体425の内部に形成されたチャネル内に配置された1つ以上のロッド又はワイヤ437を介して、ヒータに供給されうる。幾つかの実施形態において、温度センサが、ロッド又はワイヤ437に沿って延在しうる。各ヒータは、チャック本体425及び/又は基板を約100℃又は100℃より高く加熱するための動作温度の範囲を有することができ、ヒータ435は、約125℃又は125℃より高く、約150℃又は150℃より高く、約175℃又は175℃より高く、約200℃又は200℃より高く、約250℃又は250℃より高く、約300℃又は300℃より高く、約350℃又は350℃より高く、約400℃又は400℃より高く、約450℃又は450℃より高く、約500℃又は500℃より高く、約550℃又は550℃より高く、約600℃又は600℃より高く、約650℃又は650℃より高く、約700℃又は700℃より高く、約750℃又は750℃より高く、約800℃又は800℃より高く、約850℃又は850℃より高く、約900℃又は900℃より高く、約950℃又は950℃より高く、約1000℃又は約1000℃より高く、又は、これらより高く加熱するよう構成されうる。各ヒータはまた、上記の数値のうちの任意の2つの数値の間に包含される任意の範囲内、又は上記範囲のいずれかに包含されるより小さい範囲内で動作するよう構成されうる。それぞれのヒータを含む各ヒータゾーンは別々に制御することができ、これにより、径方向及び/又は方位角方向の不均一性の問題に対処するために、各ヒータゾーンを自身の温度で作動させる(又は作動させない)ことができるが、幾つかの例では、ヒータゾーンの幾つか又は全部を同じ温度に加熱することができる。
【0055】
本明細書に記載の基板アセンブリ内に上方ヒータ及び下方ヒータを設けることで、基板支持面の温度制御の改善が可能である。特に、基板支持面の上に配置された基板の所与の領域内の温度(次いで、堆積速度)を制御するためのチューニングノブとして、各ヒータゾーンを使用できるようにすることで、様々なヒータゾーンの別々の温度が、径方向及び/又は方位角方向の不均一性の問題に対処するために使用されうる。さらに、RF電極からヒータを十分に離すことで、RF結合損失及びDCリーク電流を低減し及び/又は最小に抑えることができる。
【0056】
図5は、本技術の実施形態に係る上方ヒータ500の概略的な上面図を示す。上方ヒータ500は、基板支持アセンブリ400に含まれるような、先に記載のヒータのいずれかであってよく、又は任意の他の数のペデスタル又はチャックであってよい。上方ヒータ500は、窒化アルミニウムを含むセラミックなどの先に記載のパック又はチャック本体に埋め込むことができ、任意の基板支持体について先に記載した特徴、構成、又は特性のいずれかを特徴としうる。上方ヒータ500は、幾つかの上方ヒータゾーン505に分割されうる。例えば、上方ヒータ500は3つの上方ヒータゾーン505に分割されうる。例えば、中央の円形の上方ヒータゾーン505aは、内側の環状上方ヒータゾーン505b、及び外側の環状上方ヒータゾーン505cによって囲まれており、上方ヒータゾーン505のそれぞれは互いに同心円上にある。このような上方ヒータゾーン505の配置によって、基板支持面及び基板の温度の径方向のチューニング(tuning)が可能となる。
【0057】
各上方ヒータゾーン505の大きさは、特定用途のニーズを満たすよう調整することができる。特定の実施形態において、中央ヒータゾーン505aは径方向外方に、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約30%、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約40%、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約50%、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約60%に、又はそれより大きい割合に及びうる。内側の環状上方ヒータゾーン505bの内径は、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約30%、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約40%、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約50%、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約60%のところで、又はそれより大きな割合のところで始まりうる。内側の環状ヒータゾーン505bの外径は径方向外方に、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約60%、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約65%、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約70%、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約75%、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約80%、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約85%に、又はそれより大きい割合に及びうる。外側の環状上方ヒータゾーン505cの内径は、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約70%、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約75%、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約80%、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約85%、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約90%のところで、又はそれより大きい割合のところで始まりうる。外側の環状上方ヒータゾーン505cの外径は径方向外方に、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約100%、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約105%、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約110%、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約115%、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約120%、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約125%に、又はそれより大きい割合に及びうる。幾つかの実施形態において、上方ヒータゾーン505の幾つか又は全部が互いに接触した状態にありうるが、他の実施形態において、上方ヒータゾーン505の1つ以上が、小さな隙間によって分離されうる。上記の隙間の幅は、約15mm又は15mmより小さく、約10mm又は10mmより小さく、約5mm又は5mmより小さく、又は、これらより小さくてよい。
【0058】
図6は、本技術の実施形態に係る下方ヒータ600の概略的な上面図を示す。下方ヒータ600は、基板支持アセンブリ400に含まれるような、先に記載のヒータのいずれかであってよく、又は、任意の他の数のペデスタル又はチャックであってよい。下方ヒータ600は、窒化アルミニウムを含むセラミックなどの先に記載のパック又はチャック本体に埋め込むことができ、任意の基板支持体について先に記載した特徴、構成、又は特性のいずれかを特徴としうる。下方ヒータ600は、幾つかの下方ヒータゾーン605に分割されうる。例えば、下方ヒータ600は4つの下方ヒータゾーン605に分割されうる。例えば、下方ヒータゾーン605のそれぞれは形状を円弧状とすることができ、ここで、下方ヒータゾーン605は、環状形状を集合的に形成して、空いたその内側を画定する。下方ヒータ600のこのような構成によって、基板支持面の中央部分とは別に、基板支持面のエッジ領域の温度を加熱することが可能になり、特に外周縁領域の近傍の、径方向の膜厚不均一性の問題を緩和することが可能となりうる。例えば、1つ以上の下方ヒータゾーン605に電力を供給して、基板支持面のエッジ領域の近傍の、基板支持面の1つ以上の作動領域に追加の熱を供給することができる。さらに、円弧状の下方ヒータゾーン605を使用することで、基板支持面及び基板の温度の方位角方向の調整が可能となりうる。
【0059】
各下方ヒータゾーン605の大きさは、特定用途のニーズを満たすよう調整することができる。例えば、複数の円弧状ヒータゾーンのそれぞれの内縁は、基板座部の径方向内側に配置されうる。特定の実施形態において、各下方ヒータゾーン605の内径は、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約50%、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約60%、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約70%、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約80%のところで、又はそれより大きい割合のところで始まりうる。各下方ヒータゾーンの外縁は、基板座部の中心から、基板座部の外周縁と位置合わせされた距離に配置され又は当該外周縁の径方向外側に配置されうる。例えば、各下方ヒータゾーン605の外径は径方向外方に、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約100%、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約105%、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約110%、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約115%、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約120%、基板支持面の径方向距離の少なくとも又は約125%に、又はそれより大きい割合に及びうる。
【0060】
4つの下方ヒータゾーンが示されているが、様々な実施形態において、より多数又はより少数の下方ヒータゾーンが提供されてよく、より大きな数のヒータゾーンが、基板支持表面のより小さな、より限定された径方向及び/又は方位角方向の領域内の温度を制御するためにより大きな粒度を提供することが分かるであろう。さらに、下方ヒータゾーンは円弧状に限定されない。幾つかの実施形態において、くさび形のゾーンなど他の形状を利用することもできる。基板支持面の温度のより放射状の制御を可能とするために、下方ヒータゾーンの1つ以上の追加の列を設けることができる。下方ヒータゾーンの幾つか又は全部が、基板支持面の中心まで完全に及んでいてよく、及び/又は、そうでなければ、中心部の径方向距離の内側50%の範囲内に及んでいてよい。
【0061】
図7は、本技術の実施形態に係る基板支持ステム700の概略的な断面による上面図を示す。ステム700は、基板支持アセンブリ400に含まれるような、先に記載のヒータのいずれか、又は、任意の他の数のペデスタル若しくはチャックを支持するために使用されうる。ステム700は、電源から様々なヒータゾーンに電力を供給しうる幾つかのヒータワイヤ又はヒータロッド705を含みうる。例えば、主ヒータロッド705aはそれぞれ、幾つかの上方ヒータゾーンのうちの1つと接続して電力を供給することができる。図示のように、3つの主ヒータロッド705aが設けられており、それぞれが、
図5に示した構成の上方ヒータのためなど、1つの上方ヒータゾーンに電力を供給する。二次ヒータロッド705bがそれぞれ、幾つかの下方ヒータゾーンのうちの1つと接続して電力を供給することができる。図示のように、4つの二次ヒータロッド705aが設けられており、それぞれが、
図6に示した構成の下方ヒータのためなど、1つの下方ヒータゾーンに電力を供給する。ステム700は、1つ以上のヒータ戻りロッド710を含むことができ、このヒータ戻りロッド710は、1つ以上のヒータのための電流戻り接続として使用することができる。例えば、ステム700は、上方ヒータゾーンのそれぞれに接続されうる単一の主戻しロッド710aを含みうる。単一の二次戻りロッド710aが、下方ヒータゾーンのそれぞれに接続されうる。ステム700は、1つ以上のRFロッド715を含むことができ、このRFロッド715はそれぞれ、プラズマ形成を促進するため、及び/又は基板支持体の基板支持面においてチャッキング力を発生させるために、基板支持体のRFメッシュ又は他の電極をRF電源と接続することができる。幾つかの実施形態において、追加の接続が含まれうる。例えば、ステム700は1つ以上の熱電対720を含むことができ、この熱電対720は基板支持体の1つ以上のヒータゾーンの温度を監視するために使用されうる。さらに、基板の裏面にパージガスを供給するために使用可能なパージチャネル725を設けることができる。
【0062】
交流電流/直流電流、及び/又はRF電流の漏れを防止するために、様々なロッドは最小間隔要件を満たすことができる。例えば、ヒータ/RFロッドのそれぞれは、(中心線から中心線まで)少なくとも又は約8mm離れた、少なくとも又は約9mm離れた、少なくとも又は約10mm離れた、少なくとも又は約11mm離れた、少なくとも又は約12mm離れた、少なくとも又は約13mm離れた、少なくとも又は約14mm離れた、少なくとも又は約15mm離れた、又は、これらより大きく離れた距離に維持されうる。各ACロッド705の任意の部分及び/又は戻りロッド710の任意の部分の間の距離は、少なくとも又は約2mm、少なくとも又は約3mm、少なくとも又は約4mm、少なくとも又は約5mm、又は、これらより大きくてよい。RFロッド715の任意の部分と、ヒータロッド705の任意の部分との間の距離、及び/又は、RFロッド715の任意の部分と、戻りロッド710の任意の部分との間の距離は、少なくとも又は約3mm、少なくとも又は約4mm、少なくとも又は約5mm、少なくとも又は約6mm、又は、これらより大きくてよい。
【0063】
ステム700内のロッドのレイアウトは、レイアウトの一例にすぎず、幾つかのバリエーションが存在することが分かるであろう。ステム700の構成は、特定用途のニーズに合わせて変更することができる。例えば、より多数又はより少数のヒータゾーンを含む基板支持体について、レイアウトを、より多数又はより少数のヒータロッド及び/又は戻りロッドを含むよう適合させることができる。幾つかの実施形態において、戻りロッドを共有するのではなく、各ヒータゾーンが固有の戻りロッドを有しうる。電流の漏れを防止するためロッド間の最小間隔を維持するために、ステムの大きさを広げて、より多くのヒータゾーンを収容することができる。
【0064】
図8は、本技術の幾つかの実施形態に係る半導体処理の例示的な方法800の工程を示す。本方法は、本明細書に記載の基板支持アセンブリ130、210、310、及び/又は400といった本技術の実施形態に係る基板支持アセンブリを含みうる、先に記載の処理システム100又はチャンバ300を含む様々な処理チャンバ内で実行されうる。方法800は、本技術に係る方法の幾つかの実施形態と特に関連することもあれば関連しないこともある幾つかの任意選択の工程を含みうる。
【0065】
方法800は、ハードマスク膜を形成するための工程又は他の堆積工程を含みうる処理方法を含みうる。方法は、方法800を開始する前に任意選択の工程を含んでよく、又は、方法は追加の工程を含んでよい。例えば、方法800は、図示されるものとは異なる順序で実行される工程を含みうる。幾つかの実施形態において、方法800は、工程805において、基板支持アセンブリの上面を加熱するために、基板支持アセンブリ内に埋め込まれた上方ヒータを加熱することを含みうる。静電チャック本体の上部を加熱するために、例えば、直流電流又は交流電流が、上方ヒータを形成する1つ以上の加熱要素に供給されうる。幾つかの実施形態において、上方ヒータは、工程805の間にそれぞれ加熱されうる幾つかのヒータゾーンを含みうる。例えば、上方ヒータは、1つ以上の環状ヒータゾーンに囲まれた円形の中央ヒータゾーンを含みうる。工程810において、方法800は、基板支持アセンブリ内に上方ヒータより下方に埋め込まれた複数の下方ヒータゾーンのうちの少なくとも1つの下方ヒータゾーンを加熱することを含みうる。例えば、交流電流又は直流電流が、加熱される下方ヒータゾーンを構成する加熱要素に供給されうる。下方ヒータゾーンは、幾つかの実施形態において形状が円弧状であってよく、基板支持面の外周縁領域に追加の熱を供給するために使用できる環状形状の下方ヒータを集合的に形成しうる。様々な上方の及び/又は下方のヒータゾーンが、特定の堆積プロセスのニーズに従って、同じ温度及び/又は異なる温度に加熱されうる。
【0066】
幾つかの実施形態において、方法800は、チャッキング電圧を使用して、基板プラットフォームの支持面に半導体基板をクランプすることを含みうる。工程815において、1つ以上の前駆体が処理チャンバ内に流されうる。例えば、チャンバ300に含まれるような前駆体が、チャンバに流されうる。工程820において、処理領域内の前駆体からプラズマが、プラズマを生成するために面板にRF電力を供給することなどによって、生成されうる。工程825において、プラズマ中で形成された材料が基板上に堆積させられうる。
【0067】
先の記載では、説明を目的として、本技術の様々な実施形態の理解を促すべく、数多くの詳細事項を記載した。しかしながら、特定の実施形態が、これらの詳細事項の幾つかを含まずに又は更なる詳細事項を含んで実施されうることが当業者には明らかであろう。
【0068】
幾つかの実施形態を開示してきたが、当業者は、実施形態の思想を逸脱することなく様々な変更例、代替的な構造、及び均等物が使用されうることが分かるであろう。更に、本技術を不必要にあいまいにすることを避けるために、幾つかの周知のプロセス及び要素については説明しなかった。従って、先の明細書の記載が、本技術の範囲を限定するものと見做すべきではない。
【0069】
値の範囲が与えられている場合に、文脈上そうでないと明示されていない限り、その範囲の上限値と下限値との間に介在する各値が、下限値の最も小さい単位まで具体的に開示されていると理解される。明記された範囲内の任意の明記された値又は明記されていない介在する値と、その明記された範囲内の他の明記された値又は他の介在する値と、の間の任意のより狭い範囲が包含される。これらのより狭い範囲の上限値及び下限値は、個別にその範囲内に含まれることも除外されることもあり、より狭い範囲内に限界値の一方又は両方が含まれる場合、又はどちらも含まれない場合の各範囲も、明記された範囲内の任意の特に除外された限界値に従って、本技術の範囲内に包含される。明記された範囲が、限界値の一方又は両方を含む場合、この含められた限界値の一方又は両方を除いた範囲も含まれる。
【0070】
本明細書及び添付の特許請求の範囲では、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈上別途明示しない限り複数の指示物を含む。したがって、例えば、「ヒータ(a heater)」が言及されている場合、複数のこのようなヒータが含まれ、「その突起(the protrusion)」が言及されている場合、当業者に周知の1つ以上の構成要素及び均等物への言及が含まれ、他についても同様のことが当てはまる。
【0071】
また、「備える(comprise(s))」、「備えている(comprising)」、「含有する(contain(s))」、「含有している(containing)」、「含む(include(s))」、及び「含んでいる(including)」という用語は、本明細書及び特許請求の範囲で使用されている場合、記載された特徴、整数、構成要素、又は工程の存在を特定することを意図しているが、1つ以上の他の特徴、整数、構成要素の存在又は追加を排除するものではない。
【国際調査報告】