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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-25
(54)【発明の名称】エポキシ樹脂のための硬化剤
(51)【国際特許分類】
   C08G 59/50 20060101AFI20240718BHJP
   C07C 209/26 20060101ALI20240718BHJP
   C07C 211/27 20060101ALI20240718BHJP
【FI】
C08G59/50
C07C209/26
C07C211/27
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501544
(86)(22)【出願日】2022-07-04
(85)【翻訳文提出日】2024-01-11
(86)【国際出願番号】 EP2022068436
(87)【国際公開番号】W WO2023285189
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】21185056.5
(32)【優先日】2021-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
(71)【出願人】
【識別番号】506416400
【氏名又は名称】シーカ テクノロジー アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100227352
【弁理士】
【氏名又は名称】白倉 加苗
(72)【発明者】
【氏名】エディス カゼミ
(72)【発明者】
【氏名】ウルス ブルックハルト
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス クラマー
(72)【発明者】
【氏名】ウルスラ シュターデルマン
【テーマコード(参考)】
4H006
4J036
【Fターム(参考)】
4H006AA02
4H006AA03
4H006AB49
4H006AC52
4H006BE20
4J036AA01
4J036AD08
4J036DA04
4J036DA05
4J036DA06
4J036DB05
4J036DB16
4J036DC03
4J036DC05
4J036DC06
4J036DC09
4J036DC10
4J036DC13
4J036DC18
4J036DC26
4J036DC40
4J036DC46
4J036DD01
4J036DD07
4J036JA01
4J036JA05
4J036JA06
4J036JA07
4J036JA11
(57)【要約】
本発明は、エポキシ樹脂を硬化させるための、式(I)のアミンの使用であって、それにより驚くほど高いガラス転移温度を有する合成樹脂製品が特に低い発熱を伴って形成される、使用に関する。本発明によれば、式(I)のアミンは、特に、単純であり且つ欠陥が生じず、美しい表面を有し、及び高い使用温度を可能にするエポキシ樹脂モールディング、埋め込み用化合物及び複合体を可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エポキシ樹脂の硬化のための、式(I):
【化1】
(式中、
Rは、H又はメチルであり、及び
Aは、フェニレン又はシクロへキシレン基である)
のアミンの使用。
【請求項2】
Aは、1,3-フェニレン、1,4-フェニレン、1,3-シクロへキシレン及び1,4-シクロへキシレンからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記式(I)の前記アミンは、1,4-ビス(α-アミノエチル)ベンゼン、1,3-ビス(α-アミノエチル)ベンゼン、1-α-アミノエチル-4-アミノメチルベンゼン及び1-α-アミノエチル-3-アミノメチルベンゼンからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
前記式(I)の前記アミンは、1,4-ビス(α-アミノエチル)ベンゼン又は1,3-ビス(α-アミノエチル)ベンゼンであることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
前記式(I)の前記アミンは、
- 式(II)の少なくとも1種のケトンと、
- アンモニア若しくはヒドロキシルアミン又は式(III)のオキシム
【化2】
(式中、
mは、0又は1であり、nは、1又は2であり、及び(m+n)は、2であり、
Xは、ホルミル又はニトリルであり、
A’は、フェニレン又はシクロへキシレン基であり、
は、H又はメチルであり、及び
は、H又は1~4つの炭素原子を有するアルキル基である)
との反応及びそれに続く水素化から得られる反応生成物の成分であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の式(I)のアミンと、少なくとも1種のエポキシ樹脂又はモノエポキシドとの反応からのアミン官能性付加物。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか一項に記載の式(I)の少なくとも1種のアミン及び/又は請求項6に記載の少なくとも1種の付加物と、さらなるアミンA1、促進剤、希釈剤、安定剤及び表面活性添加物から選択される少なくとも1種のさらなる成分とを含む、エポキシ樹脂のための硬化剤。
【請求項8】
- 少なくとも1種のエポキシ樹脂を含む樹脂構成要素と、
- 請求項1~5のいずれか一項に記載の式(I)の少なくとも1種のアミン及び/又は請求項6に記載のアミン官能性付加物、又は請求項7に記載の硬化剤を含有する硬化剤構成要素と
を含むエポキシ樹脂組成物。
【請求項9】
前記樹脂構成要素及び前記硬化剤構成要素が混合された後に、請求項8に記載のエポキシ樹脂組成物から得られる硬化組成物。
【請求項10】
成形体を製造するためのプロセスであって、
(i)請求項8に記載のエポキシ樹脂組成物の前記構成要素を混合するステップ、
(ii)前記混合された組成物を鋳型に加えるステップ、
それに続いて、任意選択で圧力下において、且つ、任意選択で供給された熱により、前記混合された組成物を硬化させるステップを含むプロセス。
【請求項11】
請求項9に記載の硬化組成物を含む物品。
【請求項12】
成形体であることを特徴とする、請求項11に記載の物品。
【請求項13】
前記成形体は、複合材料であることを特徴とする、請求項12に記載の物品。
【請求項14】
式(I)の少なくとも1種のアミンを含有する反応生成物であって、
- 式(II)の少なくとも1種のケトンと、
- アンモニア若しくはヒドロキシルアミン又は式(III)のオキシム
【化3】
(式中、
Rは、H又はメチルであり、
Aは、フェニレン又はシクロへキシレン基であり、
mは、0又は1であり、nは、1又は2であり、及び(m+n)は、2であり、
Xは、ホルミル又はニトリルであり、
A’は、フェニレン又はシクロへキシレン基であり、
は、H又はメチルであり、及び
は、H又は1~4つの炭素原子を有するアルキル基である)
との反応及びそれに続く水素化から得られる、前記式(I)の少なくとも1種のアミンを含有する反応生成物。
【請求項15】
前記式(II)の前記ケトンは、1,3-ジアセチルベンゼン又は1,4-ジアセチルベンゼンであることを特徴とする、請求項14に記載の反応生成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミン及びエポキシ樹脂のための硬化剤としてのその使用並びにエポキシ樹脂組成物及び特に複合材料のための成形体又はマトリックス樹脂としてのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
エポキシ樹脂のために使用される硬化剤は、通常、第一級ジアミンである。しかし、安価な市販の第一級ジアミンの選択は、非常に限定されている。実際に特に頻繁に使用されるのは、1,3-ビス(アミノメチル)ベンゼン(メタ-キシリレンジアミン又はMXDA)及び1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジアミン又はIPDA)である。両方のアミンは、低粘度及びエポキシ樹脂に対する良好な希釈効果のために注目に値し、これらを架橋して、高い機械的品質の化学的に安定なポリマーを得る。しかし、これらのアミンについては、僅かな製造者のみが存在する。これは、調製プロセスの要求が厳しく、プラント及び安全対策のために高い資本経費を必要とするためである。これは、頻発する供給物の不足及び価格変動をもたらす。さらに、両方のアミンは、技術的な不都合も有する。MXDAは、非常に反応性であり、エポキシ樹脂の硬化によって放出される発熱性が非常に高く、これは、ハイビルドコーティングの場合、高入熱の結果としてふくれ、変色又は他の不均質性をもたらし得る。さらに、単に中等度のガラス転移温度がMXDAで達成され、特に複合材料のための接着剤及びマトリックス樹脂の場合、これは、不都合である。IPDAは、硬化による熱の発生及びガラス転移温度に関してMXDAより優れている。しかし、硬化による熱のより低い発生並びに硬化及びガラス転移温度に関して有利な特性を有する利用可能な第一級ジアミンのより広範な選択が望ましい。
【0003】
米国特許出願公開第2014/107313号明細書及び米国特許出願公開第2015/344406号明細書は、N,N’-ジアルキル化MXDAの使用について開示しており、欧州特許第3,344,677号明細書は、エポキシ樹脂のための硬化剤としてN-ベンジル化エタン-1,2-ジアミンの使用について開示している。これらのアミンの場合、官能基のいくつかは、第二級アミノ基の結果として失われ、これは、硬化後の低いガラス転移温度をもたらす。
【0004】
米国特許出願公開第2017/226278号明細書及び欧州特許第3,344,678号明細書は、プロパン-1,2-ジアミン又はエタン-1,2-ジアミンによるジアルデヒド、例えばテレフタルアルデヒドの還元的アルキル化からのポリアミンについて開示しており、これらは、2つの第一級アミノ基及び2つの第二級アミノ基を含有する。これらは、比較的高い粘度のものであり、エポキシ樹脂の希釈剤としてMXDA又はIPDAよりはるかにより良好でなく、同様に高いガラス転移温度を可能にしない。
【0005】
国際公開第2019/230692号パンフレットは、アミン基のα位においてエチル化されており、且つ3つ又は4つのエチル基を有するキシリレンジアミンについて開示している。高い立体障害のため、これらのアミンは、エポキシ樹脂に対して非常に低減した反応性を示し、これは、非常に遅い硬化をもたらす。さらに、これらは、高度に粘性であり、調製するのが非常に複雑であり、このように硬化したポリマーは、硬化剤中の第三級炭素原子のために熱及び紫外線に対してより安定でない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、単純な様式で調製可能であり、且つ低い発熱性での信頼のおける硬化及び高いガラス転移温度を可能にする、エポキシ樹脂の硬化のための第一級アミンを提供することが本発明の1つの目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
驚くべきことに、この目的は、請求項1に記載するような式(I)のアミンによって達成される。式(I)のアミンは、容易に利用可能な出発材料から単純なプロセスで調節可能である。これは、低粘度のものであり、エポキシ樹脂のための良好な希釈剤である。これは、エポキシ樹脂による長いポットライフ及び驚くほど低い発熱性を伴う、問題のない硬化を示す。これは、熱の高い発生によるふくれ、変色又は他の不均質性が起こることを伴わない、ハイビルドエポキシ樹脂製品、例えば複合体のための成形体、埋め込み用化合物又はマトリックス樹脂中の使用を可能にする。驚くべきことに、式(I)のアミンは、特に1,4アミン及びR=メチルを有するアミンで非常に高いガラス転移温度を達成する。さらに、式(I)のアミンは、驚くほど少ない匂いを有し、これは、取扱い及び施用において有利であり、使用者によって非常に評価され、特に低い黄変を伴う硬化エポキシ樹脂組成物を可能にし、これは、A=フェニレンの場合に特に驚くべきことである。
【0008】
式(I)のアミンは、特に欠点のない様式で容易に生産可能であり、良好な表面を有し、高い使用温度を可能にするエポキシ樹脂成形体、埋め込み用化合物及び複合体を可能にする。
【0009】
本発明のさらなる態様は、さらなる独立請求項の対象である。本発明の特に好ましい実施形態は、従属請求項の対象である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、エポキシ樹脂の硬化のための、式(I)
【化1】
(式中、
Rは、H又はメチルであり、及び
Aは、フェニレン又はシクロへキシレン基である)
のアミンの使用を提供する。
【0011】
「ポリ」から始まる物質名、例えばポリアミン又はポリエポキシドは、分子毎にその名称中に存在する官能基の2つ以上を公式に含有する物質を指す。
【0012】
「第一級アミノ基」は、単一の有機基に付着し、且つ2つの水素原子を担持するアミノ基を指し;「第二級アミノ基」は、一緒に環の部分でもあり得る2つの有機基に付着し、且つ1つの水素原子を担持するアミノ基を指し;「第三級アミノ基」は、3つの有機基(その2つ又は3つは、1つ又は複数の環の部分でもあり得る)に付着し、且つ水素原子を担持しないアミノ基を指す。
【0013】
「アミン水素」は、第一級及び第二級アミン基の水素原子を指す。
【0014】
「アミン水素当量」は、1モル当量のアミン水素を含有するアミン又はアミン含有組成物の質量を指す。これは、「g/eq」の単位で表される。
【0015】
「エポキシド当量」は、1モル当量のエポキシ基を含有するエポキシ基含有化合物又は組成物の質量を指す。これは、「g/eq」の単位で表される。
【0016】
「希釈剤」は、エポキシ樹脂に可溶性であり、その粘度を低下させ、硬化プロセス中にエポキシ樹脂ポリマーに化学的に組み込まれない物質を指す。
【0017】
「分子量」は、分子のモル質量(1モル当たりのグラム)を指す。「平均分子量」は、オリゴマー分子又はポリマー分子の多分散混合物の数平均分子量Mを指し、これは、典型的には、標準としてのポリスチレンに対するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって決定される。
【0018】
「ポットライフ」は、構成要素の混合及びエポキシ樹脂組成物の施用からの最大期間を指し、その中で混合された組成物は、十分に易流動性状態であり、基材表面を濡らす良好な能力を有する。
【0019】
「ゲル化時間」は、エポキシ樹脂組成物の構成要素を混合してからそのゲル化までの時間間隔を指す。
【0020】
「室温」は、23℃の温度を指す。
【0021】
本明細書に記述する全ての業界標準及び規準は、他に断りのない限り、最初の出願日において有効な版を指す。
【0022】
重量パーセント(重量%)値は、他に断りのない限り、組成物全体に基づく組成物中の成分の質量による割合を指す。用語「質量」及び「重量」は、本明細書では同義的に使用される。
【0023】
好ましくは、Aは、1,3-フェニレン、1,4-フェニレン、1,3-シクロへキシレン及び1,4-シクロへキシレンからなる群から選択される。
【0024】
より好ましくは、Aは、1,3-フェニレン又は1,4-フェニレンである。このような式(I)のアミンは、芳香族エポキシ樹脂と特に適合性であり、硬化後に特に良好な表面を可能にする。
【0025】
特に、Aは、1,4-フェニレンである。このような式(I)のアミンは、特に高いガラス転移温度を可能にする。
【0026】
式(I)のアミンは、好ましくは、1,4-ビス(α-アミノエチル)ベンゼン、1,3-ビス(α-アミノエチル)ベンゼン、1-α-アミノエチル-4-アミノメチルベンゼン及び1-α-アミノエチル-3-アミノメチルベンゼンからなる群から選択される。
【0027】
1,4-ビス(α-アミノエチル)ベンゼン又は1,3-ビス(α-アミノエチル)ベンゼンが特に好ましい。これらの式(I)のアミンは、特に高いガラス転移温度を可能にする。
【0028】
最も好ましいのは、1,4-ビス(α-アミノエチル)ベンゼンである。これは、最も高いガラス転移温度及び特に低い黄変を可能にする。
【0029】
1-α-アミノエチル-4-アミノメチルベンゼン及び1-α-アミノエチル-3-アミノメチルベンゼンは、特に急速な硬化を可能にする。
【0030】
式(I)のアミンは、好ましくは、
- 式(II)の少なくとも1種のケトンと、
- アンモニア若しくはヒドロキシルアミン又は式(III)のオキシム
【化2】
(式中、
mは、0又は1であり、nは、1又は2であり、及び(m+n)は、2であり、
Xは、ホルミル又はニトリルであり、
A’は、フェニレン又はシクロへキシレン基であり、
は、H又はメチルであり、及びRは、H又は1~4つの炭素原子を有するアルキル基である)
との反応及びそれに続く水素化から得られる反応生成物の成分である。
【0031】
好ましくは、A’は、フェニレン基、特に1,3-フェニレン又は1,4-フェニレンである。
【0032】
好ましくは、Rは、メチルである。
【0033】
好ましくは、Rは、1~4つの炭素原子を有するアルキル基、特にメチル又はエチル又はイソブチルである。
【0034】
式(II)の好ましいケトンは、1,3-ジアセチルベンゼン、1,4-ジアセチルベンゼン、4-アセチルベンゾニトリル、3-アセチルベンゾニトリル、4-ホルミルベンゾニトリル又は3-ホルミルベンゾニトリルである。
【0035】
1,3-ジアセチルベンゼン又は1,4-ジアセチルベンゼンが特に好ましい。
【0036】
反応のために、式(II)のケトンは、好ましくは、有機溶媒に溶解する。好ましい有機溶媒は、アルコール、特にメタノール、エタノール又はイソプロパノールである。
【0037】
概ね化学量論的に又は式(II)のケトンのカルボニル基より化学量論的過剰でアンモニア若しくはヒドロキシルアミン又は式(III)のオキシムを使用することが好ましい。
【0038】
ニトリル基を含有しない式(II)のケトンについて、反応のためにアンモニア又はヒドロキシルアミンを使用することが好ましい。この反応は、水の放出と共に進行する。反応は、例えば、任意選択で、弱塩基、例えば炭酸カリウムの触媒の存在下で行われる。
【0039】
ニトリル基を含有する式(II)のケトンについて、反応のために式(III)のオキシムを使用することが好ましい。
【0040】
式(III)の好ましいオキシムは、アセトアルデヒドオキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトキシム、メチルイソプロピルケトキシム又はメチルイソブチルケトキシム、特にアセトンオキシム、メチルエチルケトキシム又はメチルイソブチルケトキシムである。
【0041】
式(III)のオキシムにより、反応は、トランスオキシム化において行われて、式
【化3】
のアルデヒド又はケトンを放出する。これは、好ましくは、強酸、特に過塩素酸の存在下で行われる。
【0042】
反応は、式(IVa)、(IVb)、(IVc)又は(IVd):
【化4】
(式中、A’、m及びnは、既に示された定義を有する)
の中間体を介して進行する。
【0043】
水素化前に、中間体は、例えば、炭酸カリウム若しくは過塩素酸を除去するために、特に蒸留若しくはストリッピングによって揮発性構成要素を除去し、任意選択でそれに続く水若しくは塩水溶液による洗浄により単離及び任意選択で精製することができるか、又は反応及び水素化は、中間体を単離することなく、ワンポットプロセスで行われる。
【0044】
水素化は、分子状水素によって直接的に又は他の試薬、例えばギ酸若しくはLiAlHからの水素若しくは水素化物転移によって間接的に行うことができる。水素化は、好ましくは、分子状水素によって行われる。
【0045】
水素化は、好ましくは、適切な触媒の存在下で行われる。好ましい触媒は、パラジウム担持炭素(Pd/C)、白金担持炭素(Pt/C)、アダムス触媒又はラネーニッケル、特にパラジウム担持炭素又はラネーニッケルである。
【0046】
分子状水素が使用されるとき、水素化は、好ましくは、5~300バールの水素圧力で圧力装置において作動する。これは、バッチ式プロセス又は好ましくは連続プロセスで行うことができる。
【0047】
水素化は、好ましくは、40~150℃の範囲の温度で行われる。A’がフェニレンである場合、水素化条件は、フェニレン基が水素化されないか、又は同様に水素化されるように選択することができる。存在するフェニレン基が水素化で水素化されない場合、60~120℃の範囲の温度及び10~120バールの範囲の水素圧力で作動することが好ましい。他の点では、80~150℃の範囲の温度及び150~250バールの範囲の水素圧力で作動することが好ましい。
【0048】
揮発性構成要素、特に存在する溶媒及び水は、好ましくは、特に蒸留又はストリッピングによる水素化後に反応生成物から除去される。
【0049】
反応生成物は、特に蒸留によってさらに精製することができる。これは、特に高含量の式(I)のアミンを有する反応生成物を可能にする。
【0050】
本発明は、
- 式(II)の少なくとも1種のケトンと、
- アンモニア若しくはヒドロキシルアミン又は式(III)のオキシム
との反応及びそれに続く上記のような水素化から得られる、式(I)の少なくとも1種のアミンを含有する反応生成物をさらに提供する。
【0051】
式(II)のケトンは、好ましくは、1,3-ジアセチルベンゼン又は1,4-ジアセチルベンゼンである。これらにおいて、式(II)において、mは、0であり、nは、2である。
【0052】
反応生成物は、好ましくは、反応生成物に基づいて少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、特に少なくとも90重量%の含量の式(I)のアミンを含有する。
【0053】
式(I)のアミンは、特に式(I)のケトンからのフェニレン基の部分的水素化によりもたらされる、式(I)のアミン(式中、Aは、フェニレン基である)及び式(I)のアミン(式中、Aは、シクロへキシレン基である)の混合物の形態をとり得る。
【0054】
使用される式(II)のケトンが、1,3,5-トリアセチルベンゼンの画分を含有する工業グレード品質の1,3-ジアセチルベンゼンである場合、反応生成物は、特に副生成物として1,3,5-トリス(α-アミノエチル)ベンゼンを含有する。
【0055】
特に、記載した反応生成物の形態の式(I)のアミンは、エポキシ樹脂の硬化のために使用される。
【0056】
適切なエポキシ樹脂は、特に市販の単官能性若しくは多官能性アルコール又はフェノールのグリシジルエーテル、特に本明細書で特定するエポキシ樹脂である。
【0057】
式(I)のアミン、エポキシ樹脂及び任意のさらなる物質を互いに混合することが好ましく、ここで、エポキシ基に対して反応性である基、特に式(I)のアミンのアミン水素及びエポキシ基の比は、好ましくは、0.5~1.5、特に0.7~1.2の範囲である。
【0058】
硬化は、特に5~40℃の範囲の周囲温度で行うことができるか、又は高温で行うことができる。これは、好ましくは、特に40~150℃、好ましくは50~120℃の範囲の高温で行われる。
【0059】
高温での硬化のために、式(I)のアミン及び/若しくはエポキシ樹脂は、混合する前に個々に加熱することができるか、且つ/又は混合された組成物は、そのまま加熱する。
【0060】
高温での硬化の場合、混合された組成物の粘度が低下し、硬化が特に急速に進行する。しかし、放出された発熱は、硬化組成物のかなりの加熱も非常に急速にもたらし、ふくれ、変色及び他の不均質性を引き起こし得るため、特に重大な意味を有する。
【0061】
式(I)のアミンは、信頼できる急速な硬化と相まって特に低い発熱性を生じさせる。さらに、硬化材料は、非常に高いガラス転移温度を有し、これは、高い使用温度を可能にする。
【0062】
本発明は、式(I)のアミンと、少なくとも1種のエポキシ樹脂又はモノエポキシドとの反応から形成されるアミン官能性付加物をさらに提供する。
【0063】
エポキシ樹脂又はモノエポキシドは、好ましくは、150~500g/eq、好ましくは156~250g/eqの範囲の平均エポキシ当量を有する。
【0064】
芳香族エポキシ樹脂、特に芳香族ジエポキシド、例えば特にビスフェノールA、F若しくはA/Fジグリシジルエーテル又はノボラックエポキシ樹脂、特にフェノール-ホルムアルデヒドノボラックグリシジルエーテルが特に好ましい。このような付加物は、特に急速な硬化及び高いガラス転移温度を可能にする。
【0065】
ポリオキシプロピレン及び/又はポリオキシエチレン単位を有するエポキシ樹脂も好ましい。これらは、特にポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル又はビスフェノールA、F若しくはA/Fジグリシジルエーテルと、ポリプロピレングリコール若しくはポリエチレングリコールとの反応生成物である。このような付加物は、エポキシ樹脂のための水をベースとする硬化剤の成分として特に適している。
【0066】
芳香族モノエポキシド、特にクレシルグリシジルエーテル、tert-ブチルフェニルグリシジルエーテル又はカルダノールグリシジルエーテルも好ましい。
【0067】
1モル当量のエポキシ基当たり1~10mol、好ましくは1.2~5mol、特に1.4~3molの範囲の式(I)のアミンの化学量論比での、式(I)のアミンと少なくとも1種のジエポキシドとの反応からの付加物が好ましい。
【0068】
本発明は、式(I)の少なくとも1種のアミン及び/又は式(I)のアミンと少なくとも1種のエポキシ樹脂若しくはモノエポキシドとの反応からの少なくとも1種のアミン官能性付加物と、さらなるアミンA1、促進剤、希釈剤、安定剤及び表面活性添加物から選択される少なくとも1種のさらなる成分とを含む、エポキシ樹脂のための硬化剤をさらに提供する。
【0069】
さらなるアミンA1は、好ましくは、式(I)のアミンではない。
【0070】
硬化剤は、好ましくは、2%~99重量%、好ましくは5%~90重量%、特に10%~80重量%の式(I)のアミン及び/又は式(I)のアミンと少なくとも1種のエポキシ樹脂若しくはモノエポキシドとの反応からのアミン官能性付加物を含有する。
【0071】
硬化剤は、好ましくは、水をベースとしない。これは、好ましくは、15重量%未満、特に10重量%未満の水を含有する。このような硬化剤は、非水性エポキシ樹脂製品に適している。
【0072】
適切なさらなるアミンA1は、特に式(I)によらない、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つのアミン水素を有するアミンである。
【0073】
好ましいさらなるアミンA1は、少なくとも3つの脂肪族アミン水素を有するポリアミン、特にN-ベンジルエタン-1,2-ジアミン、N-ベンジルプロパン-1,2-ジアミン、N-ベンジル-1,3-ビス(アミノメチル)ベンゼン、N-(2-フェニルエチル)-1,3-ビス(アミノメチル)ベンゼン、N-(2-エチルヘキシル)-1,3-ビス(アミノメチル)ベンゼン、2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジアミン、ペンタン-1,3-ジアミン(DAMP)、ペンタン-1,5-ジアミン、1,5-ジアミノ-2-メチルペンタン(MPMD)、2-ブチル-2-エチルペンタン-1,5-ジアミン(C11-ネオジアミン)、ヘキサン-1,6-ジアミン、2,5-ジメチルヘキサン-1,6-ジアミン、2,2(4),4-トリメチルヘキサン-1,6-ジアミン(TMD)、ヘプタン-1,7-ジアミン、オクタン-1,8-ジアミン、ノナン-1,9-ジアミン、デカン-1,10-ジアミン、ウンデカン-1,11-ジアミン、ドデカン-1,12-ジアミン、1,2-、1,3-若しくは1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノ-3-エチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノ-3,5-ジメチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノ-3-エチル-5-メチルシクロヘキシル)メタン、1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン(IPDA)、2(4)-メチル-1,3-ジアミノシクロヘキサン、2,5(2,6)-ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(NBDA)、3(4),8(9)-ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン、1,4-ジアミノ-2,2,6-トリメチルシクロヘキサン(TMCDA)、メンタン-1,8-ジアミン、3,9-ビス(3-アミノプロピル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3-ビス(アミノメチル)ベンゼン(MXDA)、1,4-ビス(アミノメチル)ベンゼン、ビス(2-アミノエチル)エーテル、3,6-ジオキサオクタン-1,8-ジアミン、4,7-ジオキサデカン-1,10-ジアミン、4,7-ジオキサデカン-2,9-ジアミン、4,9-ジオキサドデカン-1,12-ジアミン、5,8-ジオキサドデカン-3,10-ジアミン、4,7,10-トリオキサトリデカン-1,13-ジアミン若しくはこれらのジアミンの高級オリゴマー、ビス(3-アミノプロピル)ポリテトラヒドロフラン若しくは他のポリテトラヒドロフランジアミン、ポリオキシアルキレンジアミン若しくはトリアミン、特にポリオキシプロピレンジアミン若しくはポリオキシプロピレントリアミン、例えば特にJeffamine(登録商標)D-230、Jeffamine(登録商標)D-400若しくはJeffamine(登録商標)T-403(全てHuntsmanから)、ポリアルキレンアミン、例えばジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、ペンタエチレンヘキサミン(PEHA)、ジプロピレントリアミン(DPTA)、N-(2-アミノエチル)プロパン-1,3-ジアミン(N3-アミン)、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン(N4-アミン)、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)-1,4-ジアミノブタン、N5-(3-アミノプロピル)-2-メチルペンタン-1,5-ジアミン、N3-(3-アミノペンチル)ペンタン-1,3-ジアミン、N5-(3-アミノ-1-エチルプロピル)-2-メチルペンタン-1,5-ジアミン、N,N’-ビス(3-アミノ-1-エチルプロピル)-2-メチルペンタン-1,5-ジアミン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン(BHMT)、1つ若しくは2つのベンジル基を有するN-ベンジル化ポリアルキレンアミン、特にベンジル化DETA、TETA、N3アミン、N4アミン若しくはDPTA、N-アミノエチルピペラジン、3-(3-(ジメチルアミノ)プロピルアミノ)プロピルアミン(DMAPAPA)、エポキシドと共に記述したアミンのアミン官能性付加物又はこれらのアミンの2つ以上の混合物である。
【0074】
硬化剤は、好ましくは、N-ベンジルエタン-1,2-ジアミン、MPMD、1,2-ジアミノシクロヘキサン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、IPDA、2(4)-メチル-1,3-ジアミノシクロヘキサン、MXDA、DETA、TETA、TEPA、N3-アミン、N4-アミン、DPTA、BHMT、200~500g/molの範囲の平均分子量Mを有するポリオキシプロピレンジアミン及び300~500g/molの範囲の平均分子量Mを有するポリオキシプロピレントリアミンからなる群から選択される少なくとも1種のさらなるアミンA1を含む。
【0075】
これらのうち、N-ベンジルエタン-1,2-ジアミン、MXDA、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン又はビス(4-アミノシクロヘキシル)メタンが好ましい。これらは、特に急速な硬化を可能にする。
【0076】
これらのうち、IPDAも好ましい。これは、高いガラス転移温度を有する安価な硬化剤を可能にする。
【0077】
硬化剤は、特に複数のさらなるアミンA1も含み得る。
【0078】
適切な促進剤は、特に酸又は酸に加水分解性の化合物、特に有機カルボン酸、例えば酢酸、安息香酸、サリチル酸、2-ニトロ安息香酸、乳酸、有機スルホン酸、例えばメタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸若しくは4-ドデシルベンゼンスルホン酸、スルホン酸エステル、他の有機酸若しくは無機酸、例えば特にリン酸又は上記の酸及び酸エステルの混合物;硝酸塩、例えば特に硝酸カルシウム;第三級アミン、例えば特に1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ベンジルジメチルアミン、α-メチルベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、イミダゾール、例えば特にN-メチルイミダゾール、N-ビニルイミダゾール若しくは1,2-ジメチルイミダゾール、このような第三級アミンの塩、第四級アンモニウム塩、例えば塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、特にアミジン、例えば1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、特にグアニジン、例えば1,1,3,3-テトラメチルグアニジン、特にフェノール、特にビスフェノール、フェノール樹脂若しくはマンニッヒ塩基、例えば特に2-(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール若しくはフェノールから生成されるポリマー、ホルムアルデヒド及びN,N-ジメチルプロパン-1,3-ジアミン、亜リン酸エステル、例えば特に亜リン酸ジフェニル若しくは亜リン酸トリフェニル又はメルカプト基を有する化合物である。
【0079】
酸、硝酸塩、第三級アミン若しくはマンニッヒ塩基、特にサリチル酸、硝酸カルシウム若しくは2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール又はこれらの促進剤の組合せが好ましい。
【0080】
適切な希釈剤は、特にn-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、tert-ブタノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、2-メチル-1-ブタノール、3-メチル-1-ブタノール、3-メチル-2-ブタノール、n-ヘキサノール、2-エチルヘキサノール、キシレン、2-メトキシエタノール、ジメトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2-プロポキシエタノール、2-イソプロポキシエタノール、2-ブトキシエタノール、2-フェノキシエタノール、2-ベンジルオキシエタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールジフェニルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ-n-ブチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジ-n-ブチルエーテル、2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオールモノイソブチレート、ジフェニルメタン、ジイソプロピルナフタレン、鉱油画分、例えばSolvesso(登録商標)グレード(Exxonから)、アルキルフェノール、例えばtert-ブチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、カルダノール、スチレン化フェノール、ビスフェノール、芳香族炭化水素樹脂、特にフェノール基を含有するタイプ、アルコキシル化フェノール、特にエトキシ化若しくはプロポキシル化フェノール、特に2-フェノキシエタノール、アジペート、セバケート、フタレート、ベンゾエート、有機リン酸エステル若しくはスルホン酸エステル又はスルホンアミドである。
【0081】
これらのうち、200℃超の沸点を有する希釈剤、特にベンジルアルコール、スチレン化フェノール、エトキシ化フェノール、フェノール基を含有する芳香族炭化水素樹脂、例えば特にNovares(登録商標)グレードLS500、LX200、LA300若しくはLA700(Ruetgersから)、ジイソプロピルナフタレン又はカルダノール、特にベンジルアルコールが好ましい。
【0082】
フェノール基を含有する希釈剤は、促進剤としても有効である。
【0083】
適切な安定剤は、特に酸化、熱、光又は紫外線に対する安定剤である。
【0084】
適切な表面活性添加物は、特に消泡剤、脱気剤、湿潤剤、分散剤又はレベリング剤である。
【0085】
硬化剤は、さらなる成分、特に、
- さらなる付加物、特にクレシルグリシジルエーテル又は芳香族エポキシ樹脂とのMPMD又はエタン-1,2-ジアミン又はプロパン-1,2-ジアミンの付加物(ここで、未反応のMPMD、エタン-1,2-ジアミン又はプロパン-1,2-ジアミンは、反応後に蒸留によって除去されている);
- モノアミン、例えば特にベンジルアミン又はフルフリルアミン;
- ポリアミドアミン、特に一塩基若しくは多塩基カルボン酸又はそのエステル若しくは無水物、特に二量体脂肪酸と、化学量論的過剰で使用されるポリアミン、特にDETA又はTETAとの反応生成物;
- マンニッヒ塩基、特にフェナルカミン、すなわちフェノール、特にカルダノールと、アルデヒド、特にホルムアルデヒド及びポリアミンとの反応生成物。
- 芳香族ポリアミン、例えば特に4,4’-、2,4’及び/若しくは2,2’-ジアミノジフェニルメタン、2,4(6)-トルエンジアミン、3,5-ジメチルチオ-2,4(6)-トルエンジアミン又は3,5-ジエチル-2,4(6)-トリレンジアミン;又は
- メルカプト基を有する化合物、特に液体メルカプタン末端ポリスルフィドポリマー、メルカプタン末端ポリオキシアルキレンエーテル、メルカプタン末端ポリオキシアルキレン誘導体、チオカルボン酸のポリエステル、2,4,6-トリメルカプト-1,3,5-トリアジン、トリエチレングリコールジメルカプタン又はエタンジチオール
を含み得る。
【0086】
本発明は、
- 少なくとも1種のエポキシ樹脂を含む樹脂構成要素と、
- 式(I)の少なくとも1種のアミン及び/又は式(I)のアミンと少なくとも1種のエポキシ樹脂若しくはモノエポキシドとの反応から形成されるアミン官能性付加物を含む硬化剤構成要素と
を含むエポキシ樹脂組成物をさらに提供する。
【0087】
適切なエポキシ樹脂は、特にエピクロロヒドリンとポリオール、ポリフェノール又はアミンとの反応から公知の様式で得られる。
【0088】
適切なエポキシ樹脂は、特に芳香族エポキシ樹脂、特に、
- ビスフェノールA、ビスフェノールF又はビスフェノールA/F(式中、Aは、アセトンを表し、Fは、これらのビスフェノールの生成における反応物として使用されるホルムアルデヒドを表す)。ビスフェノールFの場合、位置異性体、より特定すると、2,4’-又は2,2’-ヒドロキシフェニルメタンに由来するものも存在し得る。
- ジヒドロキシベンゼン誘導体、例えばレソルシノール、ヒドロキノン又はカテコール;
- さらなるビスフェノール又はポリフェノール、例えばビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)メタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン(ビスフェノールC)、ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)メタン、2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-tert-ブチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン(ビスフェノールB)、3,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルブタン、2,4-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルブタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノールZ)、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールTMC)、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、1,4-ビス[2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル]ベンゼン(ビスフェノールP)、1,3-ビス[2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル]ベンゼン(ビスフェノールM)、4,4’-ジヒドロキシジフェニル(DOD)、4,4’-ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2-ヒドロキシナフト-1-イル)メタン、ビス(4-ヒドロキシナフト-1-イル)メタン、1,5-ジヒドロキシナフタレン、トリス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2-テトラキス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)エーテル又はビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン;
- ノボラック(これは、特にフェノール又はクレゾールと、ホルムアルデヒド又はパラホルムアルデヒド又はアセトアルデヒド又はクロトンアルデヒド又はイソブチルアルデヒド又は2-エチルヘキサナール又はベンズアルデヒド又はフルフラールとの縮合生成物である);
- 芳香族アミン、例えばアニリン、トルイジン、4-アミノフェノール、4,4’-メチレンジフェニルジアミン、4,4’-メチレンジフェニルジ(N-メチル)アミン、4,4’-[1,4-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビスアニリン(ビスアニリンP)又は4,4’-[1,3-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビスアニリン(ビスアニリンM)
のグリシジルエーテルである。
【0089】
さらなる適切なエポキシ樹脂は、脂肪族又は脂環式ポリエポキシド、特に、
- 飽和若しくは不飽和の分岐状若しくは枝分かれしていない環式若しくは非環式の二官能性、三官能性若しくは四官能性C~C30アルコール、特にエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ポリプロピレングリコール、ジメチロールシクロヘキサン、ネオペンチルグリコール、ジブロモネオペンチルグリコール、ヒマシ油、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ソルビトール又はグリセロール又はアルコキシル化グリセロール又はアルコキシル化トリメチロールプロパンのグリシジルエーテル;
- 水素化ビスフェノールA、F若しくはA/F液体樹脂又は水素化ビスフェノールA、F若しくはA/Fのグリシジル化生成物;
- アミド又は複素環式窒素塩基のN-グリシジル誘導体、例えばシアヌル酸トリグリシジル若しくはイソシアヌル酸トリグリシジル又はエピクロロヒドリンとヒダントインとの反応生成物
である。
【0090】
エポキシ樹脂は、好ましくは、2種以上の液体エポキシ樹脂を含む液体樹脂又は混合物である。
【0091】
「液体エポキシ樹脂」は、25℃未満のガラス転移温度を有する工業用ポリエポキシドを指す。
【0092】
樹脂構成要素は、ある割合の固体エポキシ樹脂を任意選択でさらに含有する。
【0093】
エポキシ樹脂は、特にノボラック上のビスフェノールをベースとする液体樹脂、特に156~210g/eqの範囲の平均エポキシ当量を有するものである。
【0094】
ビスフェノールAジグリシジルエーテル及び/又はビスフェノールFジグリシジルエーテル、例えばOlin、Huntsman又はMomentiveから市販されているものが特に適している。これらの液体樹脂は、エポキシ樹脂としては低い粘度を有し、急速な硬化及び高い硬度を可能にする。これらは、ある割合の固体ビスフェノールA樹脂又はノボラックエポキシ樹脂を含有し得る。
【0095】
また特に適しているのは、特に2.3~4、好ましくは2.5~3の範囲の平均官能基を有するフェノール-ホルムアルデヒドノボラックグリシジルエーテルである。これらは、ある割合の他のエポキシ樹脂、特にビスフェノールAジグリシジルエーテル又はビスフェノールFジグリシジルエーテルを含有し得る。
【0096】
樹脂構成要素は、反応性賦形剤を含み得る。
【0097】
好ましい反応性賦形剤は、エポキシ基を含有する反応性賦形剤、特にブタンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジ若しくはトリグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クレシルグリシジルエーテル、グアヤコールグリシジルエーテル、4-メトキシフェニルグリシジルエーテル、p-n-ブチルフェニルグリシジルエーテル、p-tert-ブチルフェニルグリシジルエーテル、4-ノニルフェニルグリシジルエーテル、4-ドデシルフェニルグリシジルエーテル、カルダノールグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル又は天然アルコールのグリシジルエーテル、例えば特にC~C10若しくはC12~C14若しくはC13~C15アルキルグリシジルエーテルである。
【0098】
エポキシ樹脂組成物は、好ましくは、希釈剤、促進剤、安定剤、表面活性添加物、充填剤及び顔料からなる群から選択される少なくとも1種のさらなる成分を含む。
【0099】
適切な充填剤、促進剤、安定剤及び表面活性添加物は、特に既に記述したものである。
【0100】
適切な充填剤は、特に脂肪酸、特にステアリン酸で任意選択でコーティングされている重質炭酸カルシウム若しくは沈降炭酸カルシウム、バライト(重晶石)、タルク、石英粉末、石英砂、炭化ケイ素、黒雲母、ドロマイト、珪灰石、カオリン、雲母(ケイ酸カリウムアルミニウム)、分子篩、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、アルミニウムドープ酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリカ、セメント、石膏、フライアッシュ、カーボンブラック、黒鉛、砕木パルプ、金属粉末、例えばアルミニウム、銅、鉄、亜鉛、銀若しくは鋼、PVC粉末又は中空ビーズである。これらのうち、炭酸カルシウム、バライト、石英粉末、タルク又はこれらの組合せが好ましい。
【0101】
適切な顔料は、特に二酸化チタン、酸化鉄、酸化クロム(III)、耐食性顔料、有機顔料又はカーボンブラック、特に二酸化チタンである。
【0102】
エポキシ樹脂組成物は、さらなる助剤及び添加物、特に、
- 反応性賦形剤、特に既に記述したもの又はエポキシ化大豆油若しくは亜麻仁油、アセトアセテート基を含有する化合物、特にアセトアセチル化ポリオール、反応性基を有するブチロラクトン、カーボネート、アルデヒド、イソシアネート又はシリコーン;
- ポリマー、特にポリアミド、ポリスルフィド、ポリビニルホルマール(PVF)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリウレタン(PUR)、カルボキシル基を有するポリマー、ポリアミド、ブタジエン-アクリロニトリルコポリマー、スチレン-アクリロニトリルコポリマー、ブタジエン-スチレンコポリマー、特にエチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、イソプレン、酢酸ビニル又は(メタ)アクリル酸アルキルを含む群からの不飽和モノマーのホモ若しくはコポリマー、特にクロロスルホン化ポリエチレン又はフッ素含有ポリマー又はスルホンアミド修飾メラミン;
- 繊維、特にガラス繊維、炭素繊維、セルロース繊維、金属繊維、セラミック繊維又はポリマー繊維、例えばポリアミド繊維又はポリエチレン繊維;
- さらなる固体、特に木質ペレット又はセルロース;
- ナノフィラー、特にカーボンナノチューブ;
- レオロジー改質剤、特に増粘剤又は沈降防止剤;
- 接着改善剤、特にオルガノアルコキシシラン;
- 難燃性物質、特に既に記述した水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウム充填剤、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、ホウ酸(B(OH))、ホウ酸亜鉛、リン酸亜鉛、ホウ酸メラミン、シアヌル酸メラミン、ポリリン酸アンモニウム、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリ臭化ジフェニルオキシド若しくはジフェニルエーテル、ホスフェート、例えば特にジフェニルクレシルホスフェート、レソルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、レソルシノールジホスフェートオリゴマー、テトラフェニルレゾルシノールジホスフィット、エチレンジアミンジホスフェート、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロイソプロピル)ホスフェート、トリス[3-ブロモ-2,2-ビス(ブロモメチル)プロピル]ホスフェート、テトラブロモビスフェノールA、ビスフェノールAのビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル)、臭化エポキシ樹脂、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、エチレンビス(ジブロモノルボルナンジカルボキシミド)、1,2-ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート、トリブロモフェノール、ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(ヘキサクロロシクロペンタジエノ)シクロオクタン又はクロロパラフィン;又は
- さらなる添加物、特に分散パラフィンワックス又は殺生物剤
を任意選択で含み得る。
【0103】
エポキシ樹脂組成物は、好ましくは、僅かに低含量の希釈剤を有する。これは、エポキシ樹脂組成物全体に基づいて好ましくは20重量%未満、より好ましくは10重量%未満、特に5重量%未満の希釈剤、最も好ましくは1重量%未満の希釈剤を含有する。
【0104】
エポキシ樹脂組成物は、好ましくは、エポキシ樹脂組成物全体に基づいて僅かに低含量の水、好ましくは5重量%未満、特に1重量%未満の水を有する。
【0105】
エポキシ樹脂組成物の樹脂構成要素及び硬化剤構成要素は、別々の容器中で貯蔵される。エポキシ樹脂組成物のさらなる成分は、樹脂構成要素又は硬化剤構成要素の成分として存在し得;エポキシ基に対して反応性であるさらなる成分は、好ましくは、硬化剤構成要素の成分である。さらなる成分が別々のさらなる構成要素として存在することが同様に可能である。
【0106】
樹脂構成要素又は硬化剤構成要素の貯蔵のための適切な容器は、特にバット、ホボック、バッグ、バケツ、缶、カートリッジ又はチューブである。構成要素は、貯蔵可能であり、これは、それらが、そのそれぞれの特性における変化を伴わずにその使用にとって適切な程度まで、使用前に数カ月間~1年以上にわたって貯蔵できることを意味する。
【0107】
樹脂構成要素及び硬化剤構成要素は、施用の直前又は施用中に混合される。混合比は、好ましくは、エポキシ基に対する、エポキシ基に対して反応性である基のモル比が0.5~1.5、特に0.7~1.2の範囲であるように選択される。重量部において、樹脂構成要素及び硬化剤構成要素間の混合比は、典型的には、1:2~20:1の範囲内である。
【0108】
構成要素は、構成要素の混合及び施用中に長すぎる時間が経過しないこと及び施用がポットライフの範囲内で起こることが確実になることに注意しながら、適切な方法を用いて連続的に又はバッチ毎に混合される。混合及び施用は、典型的には、約5~40℃、好ましくは約10~35℃の範囲の周囲温度で行うことができる。混合及び/又は施用は、好ましくは、特に40~150℃、好ましくは50~120℃の範囲の高温で行うことができる。
【0109】
構成要素の混合により、化学反応によるエポキシ樹脂組成物の硬化が開始する。第一級及び第二級アミノ基並びにエポキシ基に対して反応性である存在する任意のさらなる基は、エポキシ基と反応し、その開環をもたらす。主に、これらの反応の結果として、組成物は、重合し、それにより硬化する。
【0110】
硬化は、典型的には、数時間から数日に及ぶ。その期間は、温度、成分の反応性、その化学量論及び促進剤の存在/量を含む要因によって決まる。
【0111】
新たに混合したとき、エポキシ樹脂組成物は、低粘度を有する。樹脂構成要素及び硬化剤構成要素を混合した5分後の20℃での粘度は、好ましくは、10s-1の剪断速度でコーン-プレート粘度計を使用して測定して、0.2~20mP・s、好ましくは0.3~10mP・s、特に0.3~5mP・sの範囲である。
【0112】
エポキシ樹脂組成物は、少なくとも1つの基材及び/又は少なくとも1つの鋳型に施用される。
【0113】
適切な基材は、特に、
- ガラス、ガラスセラミックス、コンクリート、モルタル、セメントスクリード、ファイバーセメント、れんが、タイル、プラスター又は天然岩、例えば花崗岩若しくは大理石;
- PCC(ポリマー改質セメントモルタル)又はECC(エポキシ樹脂改質セメントモルタル)をベースとする修復用化合物又はレベリング化合物;
- 表面仕上げした金属若しくは合金、例えば亜鉛メッキ若しくはクロムメッキした金属を含む金属又は合金、例えばアルミニウム、鉄、鋼、銅、他の非鉄金属;
- アスファルト又はビチューメン;
- 樹脂、例えばフェノール樹脂、メラミン樹脂若しくはエポキシ樹脂と結合する革、織物、紙、木、木をベースとする材料、樹脂-織物複合体又はさらなるポリマー複合体;
- プラスチック、例えば剛性及び可撓性PVC、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド、PMMA、ABS、SAN、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、PUR、POM、TPO、PE、PP、EPM又はEPDM(いずれの場合にも未処理であるか、又は例えばプラズマ、コロナ若しくはフレームを用いて表面処理されている);
- 繊維強化プラスチック、例えば炭素繊維強化プラスチック(CFP)、ガラス繊維強化プラスチック(GFP)及びシート成形化合物(SMC);
- 特にEPS、XPS、PUR、PIR、ロックウール、グラスウール又は泡ガラスでできている断熱フォーム;
- コーティング若しくは塗布された基材、特に塗布されたタイル、コーティングされたコンクリート、粉体コーティングされた金属若しくは合金又は塗布された金属シート;
- コーティング、塗料又はワニス、特にさらなる床仕上げ材層でオーバーコーティングされているコーティングされた床
である。
【0114】
基材は、特に物理的及び/若しくは化学的クリーニング方法又は活性化剤若しくはプライマーの施用によって施用前に必要に応じて事前処理することができる。
【0115】
基材は、特にコーティング及び/又は接着によって結合されている。
【0116】
適切な鋳型は、混合された液体エポキシ樹脂組成物をその中に注ぎ、その中でこれが硬化され、そこから硬化後に離型/取り出すことができる装置であり、ここで、硬化組成物が成形体を形成する。
【0117】
鋳型は、好ましくは、特に金属、セラミック、プラスチック又はシリコーンでできており、任意選択で特にTeflon、シリコーン又はワックスのこびりつかないコーティングと共に提供される、表面上の材料から少なくともなる(そこから、硬化エポキシ樹脂組成物は、損傷を伴わずに再び引き離すことができる)。
【0118】
本発明は、樹脂構成要素及び硬化剤構成要素が混合された後に、記載したエポキシ樹脂組成物から得られる硬化組成物をさらに提供する。
【0119】
エポキシ樹脂組成物は、好ましくは、コーティング、プライマー、接着剤、シーリング材、埋め込み用化合物、注型用樹脂、含浸樹脂として或いは複合材料、例えば特にCFRP(炭素繊維を含有する)若しくはGFRP(ガラス繊維を含有する)又は複合木材のための成形体若しくはマトリックスとして使用される。
【0120】
本発明は、成形体を製造するためのプロセスであって、
(i)エポキシ樹脂組成物の構成要素を混合するステップ、
(ii)混合された組成物を鋳型に加えるステップ、
それに続いて、任意選択で圧力下において、且つ、任意選択で供給された熱により、混合された組成物を硬化させるステップを含むプロセスをさらに提供する。
【0121】
エポキシ樹脂組成物は、硬化される前に、複合材料を得るために、繊維、粉末又はペレット、特に炭素繊維、ガラス繊維又は木粉及び/又はペレットと混合され得る。
【0122】
成形体は、例えば、テーブルトップとして使用可能な透明な成形体を生産するために鋳型において1回で生産され得るか、又はそれは、層成され得る。ここで、層間に任意の所望のさらなる材料、例えば装飾的物体、例えば真珠、木切れ又は貝殻をキャストすることが可能である。
【0123】
硬化後、成形体は、好ましくは、鋳型から取り出される。これは、特に切断、穿孔、延伸、粉砕又は研磨によってさらに加工することができる。
【0124】
成形体の生産において、硬化材料の硬化による低発熱性及び高いガラス転移温度は特に有利である。
【0125】
本発明は、記載したエポキシ樹脂組成物から形成される硬化組成物を含む物品をさらに提供する。
【0126】
物品は、特に成形体、特に複合材料、特にラメラ、パネル又は工業用品の構成要素である。
【0127】
物品は、特に床コーティング、壁コーティング、構成要素コーティング、パイプコーティング、ルーフコーティング又は耐食性コーティングでもある。
【0128】
物品は、特にエポキシ樹脂組成物によって結合された物品でもある。
【0129】
物品は、好ましくは、成形体である。
【0130】
成形体は、好ましくは、複合材料である。
【実施例
【0131】
以下では、記載する本発明をさらに明らかにすることを意図する実施例を提示する。本発明は、当然のことながら、これらの記載した実施例に限定されない。
【0132】
「AHEW」は、アミン水素当量を意味する。
【0133】
「EEW」は、エポキシ当量を意味する。
【0134】
「標準的な気候条件」(「SCC」)は、23±1℃の温度及び50±5%の相対的空気湿度を指す。
【0135】
使用される化学物質は、他に記述しない限り、Sigma-Aldrich Chemie GmbHからのものであった。
【0136】
測定方法の説明:
粘度は、サーモスタットによって制御されたRheotec RC30コーン-プレート粘度計(コーン直径50mm、コーン角度1°、コーンチップ-プレート距離0.05mm)で測定した。100mPa・s未満の粘度を有する低粘度試料は、100s-1の剪断速度で、より高い粘度の試料は、10s-1の速度で測定した。
【0137】
アミン値は、滴定(クリスタルバイオレットに対する酢酸中の0.1NのHClOによる)によって決定した。
【0138】
ガスクロマトグラム(GC)は、15℃/分の加熱速度及び320℃での10分の作動時間を伴って60~320℃の温度範囲内で測定した。注入温度は、250℃であった。Zebron ZB-5カラムを、1.5ml/分のガス流量を伴って使用した(L=30m、ID=0.25mm、dj=0.5μm)。検出は、水素炎イオン化(FID)によった。
【0139】
赤外スペクトル(FT-IR)は、ダイヤモンド結晶を有する水平ATR測定ユニットを備えたThermo ScientificからのNicolet iS5FT-IR機器上で未希釈フィルムとして測定した。吸収バンドは、波数(cm-1)で報告する。
【0140】
H NMRスペクトルは、Bruker Ascend400タイプの分光計で400.14MHzにおいて測定し;化学シフトδは、テトラメチルシラン(TMS)に対するppmで報告する。真のカップリング及び擬似カップリングパターン間で区別を行わなかった。
【0141】
式(I)のアミンの調製:
アミンA1:1,4-ビス(α-アミノエチル)ベンゼン
50.0g(0.31mol)の1,4-ジアセチルベンゼンを800mlのエタノールに40℃で窒素雰囲気下において溶解し、44.8gのヒドロキシルアミン溶液(水中の50重量%、0.68mol)及び炭酸カリウム(52.2g)の水(250ml)溶液を加え、これは、黄色をもたらした。続いて、反応混合物を6時間還流下で沸騰させ、次いで室温で一晩静置し、その過程で白色の沈殿物が形成された。次いで、沈殿物を濾過によって集め、水で洗浄し、減圧下で1時間乾燥させた。続いて、結果として生じた白色の粉末を800mlのイソプロピルアルコール及び1,4-ジオキサンの混合物(重量で1:1)に溶解し、次いで固定床ラネーニッケル触媒を有する連続水素化装置において90℃、水素圧力90バール及び5ml/分の流量で水素化し、水素化溶液をロータリーエバポレーター上で濃縮した。49.0gの黄色がかった油を得て、次いでこれを蒸留によって精製した。68~75℃(蒸気温度)及び0.04ミリバールで34.4gの留出物を、20℃での15mPa・sの粘度、680mg KOH/gのアミン値、GCによって決定した約96%の1,4-ビス(α-アミノエチル)ベンゼン含量(保持時間9.7分)及び41.0g/eqの計算したAHEWを伴う透明な無色の油として得た。
H NMR(CDCl):7.31(d,4H,Ar-H),4.1(q,2H,Ar-CH-N),1.51(br s,4H,NH),1.39(d,6H,CH).
FT-IR:3359,3279,2957,2920,2856,1594,1508,1448,1367,1328,1188,1097,1015,829,699.
【0142】
アミンA2:1,3-ビス(α-アミノエチル)ベンゼン
アミンA2は、1,4-ジアセチルベンゼンよりむしろ同じ量の1,3-ジアセチルベンゼンを使用することを除いて、アミンA1について記載したように調製した。47.0gの黄色がかった油を得て、次いでこれを蒸留によって精製した。55~60℃(蒸気温度)及び0.06ミリバールで29.9gの留出物を20℃において、25mPa・sの粘度、661mg KOH/gのアミン値及びGCによって決定した約95%の1,3-ビス(α-アミノエチル)ベンゼン含量(保持時間9.5分)及び41.0g/eqの計算したAHEWを伴う透明な無色の油として得た。
H NMR(CDCl):7.32(t,1H,Ar-H),7.27(d,2H,Ar-H),7.21(s,1H,Ar-H),4.1(q,2H,Ar-CH-N),1.51(br s,4H,NH),1.38(d,6H,CH).
FT-IR:3360,3279,2959,2922,2864,1604,1485,1446,1366,1326,1152,1111,1054,857,795,706.
【0143】
アミンA3:1-α-アミノエチル-4-アミノメチルベンゼン
50.0g(0.34mol)の4-アセチルベンゾニトリルを800mlのエタノールに40℃で窒素雰囲気下において溶解し、2.4gの過塩素酸水溶液(水中の70重量%のHClO)を加えた。次いで、45.0g(0.52mol)のメチルエチルケトキシムを十分に撹拌しながら反応混合物に徐々に加え、これを16時間還流下で沸騰させ、次いで揮発性成分(エタノール、メチルエチルケトン及び過剰なメチルエーテルケトキシム)をロータリーエバポレーター上で除去した。結果として生じた粉末を水で洗浄し、減圧下で1時間乾燥させ、次いで800mlのイソプロピルアルコール及び1,4-ジオキサンの混合物(重量で1:1)に溶解し、固定床ラネーニッケル触媒を有する連続水素化装置において80℃、水素圧力90バール及び5ml/分の流量で水素化し、水素化溶液を最終的に減圧下で濃縮した。49.0gの黄色がかった油を得て、次いでこれを蒸留によって精製した。75~80℃(蒸気温度)及び0.06ミリバールで23.7gの留出物を、20℃での56mP・sの粘度、710mg KOH/gのアミン値及びGCによって決定した約83%の1-α-アミノエチル-4-アミノメチルベンゼン含量(保持時間9.5分)及び約11.5%の副生成物(保持時間11.5分、恐らくN-(1-(4-(アミノメチル)フェニル)エチル)ブタン-2-アミン)を伴って透明な無色の油として得た。さらなる使用のために、37.6g/eqのAHEWを用いた。
H NMR(CDCl):7.27(d,4H,Ar-H),4.06(q,1H,Ar-CH-N),3.80(s,2H,Ar-CH-N),2.90(br s,4H,NH),1.36(d,3H,CH).
FT-IR:3359,3280,2959,2921,2823,1606,1509,1448,1417,1366,1278,1202,1097,1016,832,698.
【0144】
アミンA4:1-α-アミノエチル-3-アミノメチルベンゼン
アミンA4は、4-アセチルベンゾニトリルよりむしろ同じ量の3-アセチルベンゾニトリルを使用することを除いて、アミンA3について記載したように調製した。48.0gの黄色がかった油を得て、次いでこれを蒸留によって精製した。60~65℃及び0.06ミリバールで19.6gの留出物を、20℃での73mPa・sの粘度、712mg KOH/gのアミン値及びGCによって決定した約85%の1-α-アミノエチル-3-アミノメチルベンゼン含量(保持時間9.4分)及び約12%の副生成物(保持時間11.3分、恐らくN-(1-(3-(アミノメチル)フェニル)エチル)ブタン-2-アミン)を伴って透明な無色の油として得た。さらなる使用のために、37.6g/eqのAHEWを用いた。
H NMR(CDCl):7.27(t,1H,Ar-H),7.26(m,3H,Ar-H),4.06(q,1H,Ar-CH-N),3.78(s,2H,Ar-CH-N),2.93(br s,4H,NH),1.34(d,3H,CH).
FT-IR:3360,3280,2960,2921,2863,1605,1589,1485,1444,1368,1327,1286,1155,1109,1049,999,828,788,704.
【0145】
アミン官能性付加物の調製:
付加物-1:
24.64gのアミンA1(0.15mol)及び18.57gのベンジルアルコールの混合物を80℃に加熱した。反応混合物の温度を70~90℃に保持する一方、これに、十分に撹拌しながら18.70gのAraldite(登録商標)GY250(0.1molのEP基)を徐々に撹拌した。反応混合物をこの温度範囲内に1時間保持し、次いで冷却した。20℃において44.2Pa・sの粘度、260mg KOH/gのアミン値及び123.8g/eqの計算したAHEWを有する透明な僅かに黄色がかった液体を得た。
【0146】
付加物-2:
22.53gのアミンA3(0.15mol)及び17.67gのベンジルアルコールの混合物を80℃に加熱した。反応混合物の温度を70~90℃に保持する一方、これに、十分に撹拌しながら18.70gのAraldite(登録商標)GY250(0.1molのEP基)を徐々に加えた。反応混合物をこの温度範囲内に1時間保持し、次いで冷却した。20℃において22.8Pa・sの粘度、268mg KOH/gのアミン値及び117.8g/eqの計算したAHEWを有する透明な僅かに黄色がかった液体を得た。
【0147】
付加物-3:
22.53gのアミンA4(0.15mol)及び17.67gのベンジルアルコールの混合物を80℃に加熱した。反応混合物の温度を70~90℃に保持する一方、これに、十分に撹拌しながら18.70gのAraldite(登録商標)GY250(0.1molのEP基)を徐々に加えた。反応混合物をこの温度範囲内に1時間保持し、次いで冷却した。20℃において31.5Pa・sの粘度、255mg KOH/gのアミン値及び117.8g/eqの計算したAHEWを有する透明な僅かに黄色がかった液体を得た。
【0148】
使用するさらなる物質及び略語:
Araldite(登録商標)GY 250:ビスフェノールAジグリシジルエーテル、EEW187g/eq(Huntsmanから)
Araldite(登録商標)DY-E:C12~C14アルコールのモノグリシジルエーテル、EEW約290g/eq(Huntsmanから)
MXDA:1,3-ビス(アミノメチル)ベンゼン、AHEW34g/eq(三菱ガス化学から)
IPDA:1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、AHEW42.6g/eq(EvonikからのVestamin(登録商標)IPD)
1,3-BAC 1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、AHEW35.5g/eq(三菱ガス化学から)
B-EDA 下記のように調製したN-ベンジルエタン-1,2-ジアミン、150.2g/mol、AHEW50.1g/eq
Ancamine(登録商標)K54 2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(Evonikから)
【0149】
N-ベンジルエタン-1,2-ジアミン(B-EDA):
180.3g(3mol)のエタン-1,2-ジアミンの最初の投入をベンズアルデヒド(106.0g(1mol))のイソプロパノール(1200ml)溶液と室温で混合し、2時間撹拌し、次いで固定床Pd/C触媒を有する連続水素化装置において80℃、水素圧力80バール及び5ml/分の流量で水素化し、水素化溶液をロータリーエバポレーター上で65℃において濃縮し、未反応のエタン-1,2-ジアミン、水及びイソプロパノールの除去をもたらした。このように得られた反応混合物を蒸留によって80℃において減圧下で精製した。これにより、GCによって決定した>97%のN-ベンジルエタン-1,2-ジアミン含量を有する無色の液体を得た。
【0150】
硬化剤及びエポキシ樹脂組成物の調製:
実施例1~8:
各実施例について、表1において特定した樹脂構成要素及び硬化剤構成要素を60℃の温度に別々に加熱した。次いで、これらの事前加熱された構成要素を使用して、遠心ミキサー(SpeedMixer(商標)DAC150、FlackTek Inc.)を15秒間使用して、表1に示した重量比で構成要素を混合し、次いでそれらを直ちに下記のように試験することにより、全部で20gの部分のエポキシ樹脂組成物を生成した。
【0151】
混合された組成物を、サーモスタットによって制御された水浴を用いて60℃に保持した試験管中に導入し、混合された材料の中央に温度センサーを配置した。これを使用して、混合された材料における最高温度の達成までの時間(表においてピーク発熱までの時間として記述されている)及び最高温度レベル(ピーク発熱温度)を決定した。表に報告する値は、3回の測定からの平均である。
【0152】
Tg値(ガラス転移温度)は、上記の決定からの試験管の中央からの硬化試料上でDSCによって測定し、これらの試料を標準的な気候条件下でさらに貯蔵し、その後、14日間測定した。Mettler Toledo DSC3+700機器及び測定プログラム(1)-10℃で2分間、(2)10K/分の加熱速度で-10から200℃(=第1の作動)、(3)-50K/分の冷却速度で200から-10℃、(4)-10℃で2分間、(5)10K/分の加熱速度で-10から180℃(=第2の作動)によって測定を行った。
【0153】
【表1】
【0154】
実施例9~24:
各実施例について、表2~4において特定した樹脂構成要素の成分は、遠心ミキサー(SpeedMixer(商標)DAC150、FlackTek Inc.)を使用して特定した量(重量部)で混合し、水分の排除を伴って貯蔵した。
【0155】
表2~4において特定した硬化剤構成要素の成分を同様に加工及び貯蔵した。
【0156】
次いで、各組成物の2つの構成要素を、遠心ミキサーを使用して均質な液体に加工し、これを下記のように直ちに試験した。
【0157】
粘度は、樹脂構成要素及び硬化剤構成要素を混合した5分後、20℃の温度において、記載した様式で測定した。
【0158】
ゲル化時間は、塊がゲル化を起こすまで約3gの新たに混合した量を標準的な気候条件下でスパチュラによって規則的な間隔で動かすことによって決定した。
【0159】
ショアD硬度は、DI53505によって標準的な気候条件下で貯蔵した円柱形供試体(直径20mm、厚さ5mm)上で決定し、生成の1日(24時間)及び2日後の硬度の測定を伴った。
【0160】
さらに、フィルムをガラスプレートに500μmの層厚さで施用し、これを標準的な気候条件下で貯蔵/硬化させた。ケーニッヒ硬度(DIN EN ISO1522によるケーニッヒペンデュラム硬度)は、1日後、2日後、7日後及び14日後にこのフィルム上で決定した。14日後、フィルムの外観を評価した。フィルムが構造体を伴わずに光沢のある粘着性のない表面を有した場合、それを「良好」と記述した。「構造体」は、表面上の任意の種類のマーキング又はパターンを指す。低減した光沢を有するフィルムは、「鈍い」と称した。
【0161】
黄変の尺度として、いくつかの実施例の色における変化は、風化テスターにおいてストレスをかけた後に決定した。このために、さらなるフィルムをガラスプレートに500μmの層厚さで施用し、これを標準的な気候条件下で2週間貯蔵/硬化させ、次いでQ-SUN Daylight-Q光学フィルター及び340nmで0.51W/mの光量を有するキセノンランプを有するモデルQ-Sun Xenon Xe-1風化テスターにおいて65℃の温度でストレスをかけた(Q-Sun(72h))。次いで、シリコン光電ダイオード検出器、光源A、色空間測定インターフェースCIE Lを備えたShenzen 3NH Technology Co.LTDからのNH310比色計を使用して、対応するストレスをかけていないフィルムに対する、ストレスをかけたフィルムの色△Eにおける差異を決定した。
【0162】
Tg値(ガラス転移温度)は、標準的な気候条件下で14日間硬化した試料(ショアD硬度のための供試体から)上で実施例1について記載したように測定した。
【0163】
【表2】
【0164】
【表3】
【0165】
【表4】
【国際調査報告】