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特表2024-527765化学機械研磨後のブラシ洗浄ボックス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】化学機械研磨後のブラシ洗浄ボックス
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20240719BHJP
   B08B 1/50 20240101ALI20240719BHJP
【FI】
H01L21/304 644C
H01L21/304 644Z
H01L21/304 622P
B08B1/50
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501922
(86)(22)【出願日】2022-06-01
(85)【翻訳文提出日】2024-03-05
(86)【国際出願番号】 US2022031749
(87)【国際公開番号】W WO2023287507
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】17/375,961
(32)【優先日】2021-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ラム, ゲイリー カ ホ
【テーマコード(参考)】
3B116
5F057
5F157
【Fターム(参考)】
3B116AA46
3B116AB53
3B116BA02
3B116BA12
3B116CD23
5F057AA21
5F057DA03
5F057FA01
5F057FA17
5F057FA37
5F057FA45
5F157AA17
5F157AA35
5F157AA46
5F157AA48
5F157AA51
5F157AA96
5F157AB02
5F157AB34
5F157AB91
5F157BA02
5F157BA14
5F157BA31
5F157CC03
5F157DB51
5F157DC90
(57)【要約】
本明細書で提供される実施形態は、ブラシカルーセルアセンブリを使用して基板の第1の表面を洗浄するためのシステムおよび方法を含む。一実施形態では、ブラシカルーセルアセンブリは、回転可能なキャリッジに結合された1つまたは複数の回転可能なブラシ取り付けアセンブリであって、キャリッジ軸の周りを回転するように構成されたキャリッジ支持構造を有する、1つまたは複数の回転可能なブラシ取り付けアセンブリを含む。ブラシカルーセルアセンブリは、キャリッジ軸から第2の半径方向距離に配置された第2のブラシ取り付けアセンブリであって、1つまたは複数の回転可能な支持部材を含むキャリッジの支持構造に結合された、第2のブラシ取り付けアセンブリをさらに含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラシカルーセルアセンブリであって、
キャリッジ軸の周りを回転するように構成された支持構造を有するキャリッジと、
前記キャリッジの前記支持構造に結合された複数の第1のブラシ取り付けアセンブリであって、各々の第1のブラシ取り付けアセンブリが、第1のブラシに結合され、対応する第1のブラシ軸の周りを回転可能な1つまたは複数の回転可能な第1のブラシ支持部材を備え、各々の第1のブラシ軸が、前記キャリッジ軸から第1の半径方向距離に配置される、複数の第1のブラシ取り付けアセンブリと、
前記キャリッジの前記支持構造に結合され、第2のブラシに結合されて第2のブラシ軸の周りを回転可能な1つまたは複数の回転可能な第2のブラシ支持部材を備える第2のブラシ取り付けアセンブリであって、前記第2のブラシ軸が、前記複数の第1のブラシ取り付けアセンブリのうちの1つと前記第2のブラシ取り付けアセンブリとが基板の対向する側に配置されるように構成されるように、前記キャリッジ軸から第2の半径方向距離に配置される、第2のブラシ取り付けアセンブリと、
を備える、ブラシカルーセルアセンブリ。
【請求項2】
前記キャリッジに結合され、前記複数の第1のブラシ取り付けアセンブリと前記第2のブラシ取り付けアセンブリとの間に配置されたスプラッシュガードプレートをさらに備える、請求項1に記載のブラシカルーセルアセンブリ。
【請求項3】
前記複数の第1のブラシ取り付けアセンブリに結合された第1のブラシアクチュエータと、前記第2のブラシ取り付けアセンブリに結合された第2のブラシアクチュエータとをさらに備える、請求項1に記載のブラシカルーセルアセンブリ。
【請求項4】
前記複数の第1のブラシ取り付けアセンブリが第1の位置にあるときに、前記第2のブラシ取り付けアセンブリに接触するように配置された第1のブラシ洗浄プレート、
をさらに備える、請求項1に記載のブラシカルーセルアセンブリ。
【請求項5】
基板を処理する方法のための命令が格納されたコンピュータ可読媒体をさらに備え、前記方法が、
前記第1のブラシの1つを基板処理位置に配置し、前記第2のブラシを前記第1のブラシ洗浄プレートと接触するブラシ調節位置に配置するために、前記キャリッジを前記キャリッジ軸の周りを回転させることと、
前記第1のブラシの前記1つを、それぞれの第1のブラシ軸の周りを回転させることと、
同時に、前記第2のブラシを前記第2のブラシ軸の周りを回転させることと、
を含む、請求項5に記載のブラシカルーセルアセンブリ。
【請求項6】
前記第1のブラシのうちの少なくとも1つの表面が、前記第2のブラシの表面とは異なるパターンを有し、前記少なくとも1つの前記第1のブラシを形成するために使用される第1の材料が、前記第2のブラシを形成するために使用される第2の材料とは異なる1つまたは複数の特性を有する、請求項1に記載のブラシカルーセルアセンブリ。
【請求項7】
少なくとも1つの前記第1のブラシのそれぞれの第1のブラシ軸と中心軸との間の半径方向距離が、前記半径方向距離を含む平面内において、前記少なくとも1つの前記第1のブラシの前記それぞれの第1のブラシ軸から前記第2のブラシの前記第2のブラシ軸まで測定されるブラシ間隔距離よりも小さい、請求項1に記載のブラシカルーセルアセンブリ。
【請求項8】
少なくとも1つの前記第1のブラシのそれぞれの第1のブラシ軸と中心軸との間の第1の半径方向距離と、前記第2のブラシの前記第2のブラシ軸と中心軸との間の前記第2の半径方向距離とが、前記第1の半径距離と前記第2の半径距離とが交差する点において90度の角度を形成する、請求項1に記載のブラシカルーセルアセンブリ。
【請求項9】
研磨システムであって、
洗浄チャンバであって、
ブラシカルーセルアセンブリであって、
キャリッジ軸の周りを回転または枢動するように構成されたキャリッジと、
前記キャリッジに結合された複数の第1のブラシ取り付けアセンブリであって、前記複数の第1のブラシ取り付けアセンブリのそれぞれが、ブラシアセンブリを支持し、対応するブラシ軸の周りを回転するように構成された1つまたは複数の回転可能な支持部材を備え、それぞれのブラシ軸が前記キャリッジ軸の周りに間隔を置いて配置されている、複数の第1のブラシ取り付けアセンブリと、
前記ブラシカルーセルアセンブリから距離を置いて配置された第2のブラシ取り付けアセンブリであって、前記複数の第1のブラシ取り付けアセンブリのうちの1つと前記第2のブラシ取り付けアセンブリとが、前記洗浄チャンバ内で処理のために基板が配置されるときに、前記基板の反対側に配置されるように構成される、第2のブラシ取り付けアセンブリと、
を含む、ブラシカルーセルアセンブリ、
を含む、洗浄チャンバと、
基板を研磨するように構成された研磨パッドを含む複数の研磨ステーションと、
前記複数の研磨ステーションのうちの1つから前記洗浄チャンバに基板を移送するように構成された移送アセンブリと、
を備える、研磨システム。
【請求項10】
前記ブラシカルーセルアセンブリが、
前記キャリッジに結合され、前記キャリッジの回転方向において前記第1の複数のブラシ取り付けアセンブリのそれぞれの間に配置された複数のスプラッシュガードプレートをさらに含む、
請求項9に記載の研磨システム。
【請求項11】
基板を処理する方法のための命令が記憶されたコンピュータ可読媒体をさらに備え、前記方法が、
前記複数の研磨ステーションのうちの1つまたは複数において基板を処理することと、
前記基板を前記洗浄チャンバに移送することと、
を含む、請求項9に記載の研磨システム。
【請求項12】
各々のブラシ軸が、前記キャリッジ軸から、各々の隣接する前記ブラシ軸の対の間で測定された距離よりも短い距離に配置され、前記距離の各々が、前記キャリッジ軸に垂直な平面内で測定される、請求項9に記載の研磨システム。
【請求項13】
前記ブラシカルーセルアセンブリが、処理される基板を支持するためのプラットフォームの第1の側に配置される、請求項10に記載の研磨システム。
【請求項14】
基板を実質的に垂直方向に支持するための1つまたは複数の基板支持ローラ
をさらに備える、請求項10に記載の研磨システム。
【請求項15】
基板を処理する方法であって、
第1のブラシを処理位置に位置決めし、同時に第2のブラシを非処理位置に位置決めするために、処理容積の第1の側に配置されたブラシカルーセルアセンブリのキャリッジをキャリッジ軸の周りを回転させることと、
前記第1のブラシが前記処理位置にある間に、第1のブラシ軸の周りを前記第1のブラシを回転させることと、
前記第2のブラシが前記非処理位置にある間に、第2のブラシ軸の周りを前記第2のブラシを同時に回転させることと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記同時回転中に、前記第2のブラシが洗浄プレートに対して押し付けられる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のブラシと前記第2のブラシとが異なる速度で回転される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記同時回転中に、前記第1のブラシが基板の第1の表面に対して押し付けられる、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
第3のブラシを第3のブラシ軸の周りを同時に回転させることであって、前記同時回転中に前記第3のブラシが前記基板の第2の表面に対して押し付けられる、第3のブラシを第3のブラシ軸の周りを同時に回転させることと、
をさらに備える、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、基板を処理するための装置および方法に関する。より詳細には、本発明は、ブラシカルーセルアセンブリを使用して基板の第1の表面を洗浄するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化学機械研磨(chemical mechanical polishing:CMP)処理中に、Cu、Ta、W、TaN、またはTiなどの飛散粒子が基板の表面と裏面の両方に蓄積する場合がある。飛散した粒子を適切に除去するために、CMP後の洗浄処理のほとんどが、通常は物理的な洗浄を含む一連のステップで構成されている。通常、物理的な洗浄方法は主に、スクラブブラシを使用して余分な金属を物理的に除去することで構成される。
【0003】
CMP後のスクラブブラシ(つまり、スクラバ)は、ブラシを基板表面に直接接触させることで粒子を除去する。一般的なスクラバアセンブリは、基板表面の両側にある1つのブラシで構成されている。どちらのブラシも基板と常に接触しているため、従来のスクラバには通常、サイクル中にブラシを洗浄および/または調節する機能がない。したがって、前の基板の前回の洗浄サイクルでブラシが完全にきれいになっていない可能性があるため、非効率的な洗浄や基板から基板への相互汚染が一般的である。
【0004】
したがって、当技術分野では、洗浄処理を中断することなく、処理サイクル全体を通してスクラバブラシを洗浄/調節することによって、洗浄効果を高めながら、基板間の相互汚染を減少させることができるスクラブブラシアセンブリが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、概して、洗浄チャンバ、複数の研磨ステーション、および移送アセンブリを備える研磨システムに関する。複数の研磨ステーションは、基板を研磨するように構成された研磨パッドを含む。移送アセンブリは、複数の研磨ステーションのうちの1つから洗浄チャンバに基板を移送するように構成されている。洗浄チャンバは、キャリッジ軸の周りを回転または枢動するように構成されたキャリッジと、キャリッジに結合された複数の第1のブラシ取り付けアセンブリとを含むブラシカルーセルアセンブリをさらに含む。複数の第1のブラシ取り付けアセンブリのそれぞれは、ブラシアセンブリを支持し、対応するブラシ軸の周りを回転するように構成された1つまたは複数の回転可能な支持部材を備え、それぞれのブラシ軸のそれぞれはキャリッジ軸の周りに間隔を置いて配置され、第2のブラシ取り付けアセンブリはブラシカルーセルアセンブリから一定の距離を置いて配置される。第2のブラシ取り付けアセンブリは、複数の第1のブラシ取り付けアセンブリのうちの1つと第2のブラシ取り付けアセンブリとが、洗浄チャンバ内で処理のために基板が配置されるときに、基板の反対側に配置されるように構成されるように、ブラシカルーセルアセンブリから距離を置いて配置される。
【0006】
本開示の実施形態はさらに、キャリッジ軸の周りを回転するように構成された支持構造を有するキャリッジと、キャリッジの支持構造に結合された第1のブラシ取り付けアセンブリと、キャリッジの支持構造に結合された第2のブラシ取り付けアセンブリと、を含むブラシカルーセルアセンブリを含む。第1のブラシ取り付けアセンブリは、第1のブラシ軸の周りを回転可能であり、第1のブラシに結合された1つまたは複数の回転可能な第1のブラシ支持部材を含む。この構成では、第1のブラシ軸はキャリッジ軸から第1の半径方向の距離に配置される。第2のブラシ取り付けアセンブリは、第2のブラシ軸の周りを回転可能で第2のブラシに結合された1つまたは複数の回転可能な第2のブラシ支持部材を含む。この構成では、第2のブラシ軸はキャリッジ軸から第2の半径方向の距離に配置される。
【0007】
本開示の実施形態は、第1のブラシを処理位置に位置決めし、同時に第2のブラシを非処理位置に配置するために、処理容積の第1の側に配置されたブラシカルーセルアセンブリのキャリッジをキャリッジ軸の周りを回転させることを含む、基板を処理する方法をさらに含む。本方法はさらに、第1のブラシが処理位置にある間に第1のブラシを第1のブラシ軸の周りを回転させることと、同時に、第2のブラシが非処理位置にあるときに第2のブラシを第2のブラシ軸の周りを回転させることとを含む。
【0008】
本開示の上記の特徴を詳細に理解できるように、上記で簡単に要約した本開示のより具体的な説明は、その一部が添付の図面に示されている実施形態を参照することによって得ることができる。ただし、添付の図面は本開示の典型的な実施形態のみを示しており、したがって本開示は他の同様に効果的な実施形態を許容するため、本開示の範囲を限定するとみなされるものではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】例示的な化学機械研磨(CMP)処理システムの概略平面図である。
図2図1のCMP処理システムで使用できるブラシボックスモジュールの概略側断面図である。
図3A】カルーセルアセンブリの一実施形態による2つのブラシの概略側面図である。
図3B】カルーセルアセンブリの一実施形態による2つのブラシの概略等角図である。
図4】一実施形態による図2のブラシボックスモジュールの使用方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本明細書で説明される1つまたは複数のブラシボックスモジュールを使用する、例示的な化学機械研磨(CMP)処理システム100の概略平面図である。例示的なCMP処理システム100は、基板研磨部105と、基板研磨部105に結合され、基板研磨部105と一体化された第2の部分106とを含む。基板研磨部105は、キャリアヘッド107によって保持されながら、研磨パッド104を使用して基板が研磨される複数の研磨ステーション114を特徴とする。研磨ステーション114は、基板の研磨が単一の研磨ステーション114で行われ得るように、1つまたは複数のキャリアヘッド107とインターフェースするような大きさに作られている。キャリアヘッド107は、図1に仮想線で示されるオーバーヘッドトラック128に取り付けられたキャリッジ(図示せず)に結合されている。オーバーヘッドトラック128により、キャリッジを基板研磨部105の周囲に選択的に位置決めすることができ、これにより、キャリアヘッド107を研磨ステーション114およびロードカップ122上に選択的に位置決めすることが容易になる。図1に示される実施形態では、オーバーヘッドトラック128は、キャリアヘッド107を保持するキャリッジがロードカップ122および研磨ステーション114の上を選択的かつ独立して回転すること、および/またはロードカップ122および研磨ステーション114を避けて回転することを可能にする円形構成を有する。各研磨ステーション114は、研磨パッド104の研磨表面をドレッシングするパッドコンディショニングアセンブリ132を備えている。
【0011】
第2の部分106は、1つまたは複数のCMP後洗浄ステーション110、複数の基板ローディングステーション130、および複数の基板ハンドラ、例えばファクトリインターフェースロボット123および1つまたは複数の搬送ロボット124を含む。1つまたは複数のCMP後洗浄ステーション130(2つが示されている)は、1つまたは複数の水平前洗浄(horizontal pre-clean:HPC)モジュール125、1つまたは複数の乾燥ユニット170、および1つまたは複数の垂直洗浄モジュール(すなわち、ブラシボックスモジュール200)を含む。HPCモジュール125は、実質的に水平方向(すなわち、x-y平面)に配置された基板120を処理するように構成され、垂直洗浄モジュールは、実質的に垂直方向(すなわち、z-y平面)に配置された基板120を処理するように構成されている。
【0012】
ファクトリインターフェースロボット123は、複数のシステムローディングステーション130との間で基板120を搬送するように、例えば、複数のシステムローディングステーション130と搬送ロボット124との間に配置されている。いくつかの実施形態では、ファクトリインターフェースロボット123は、任意のシステムローディングステーション130とそれに近接して配置された処理システムとの間で基板120を搬送するように配置されている。例えば、図1では、ファクトリインターフェースロボット123は、システムローディングステーション130と乾燥ユニット170との間で基板120を移送するように配置されている。搬送ロボット124は、基板研磨部105と第2の部分106との間で基板120を搬送するために使用される。例えば、本明細書では、搬送ロボット124は、ファクトリインターフェースロボット123から受け取った被研磨基板120を基板研磨部105に搬送して研磨するように位置決めされている。次に、例えば、基板研磨部105内の移送ステーション(図示せず)から、HPCモジュール125および/またはブラシボックスモジュール200のうちの1つまで、基板研磨部105から研磨済みの基板120を搬送するために、搬送ロボット124が使用される。
【0013】
CMP処理システム100は、搬送ロボット124の両側に配置された2つの洗浄ステーション110を有するものとして示されている。ここで、各洗浄ステーション110は、水平前洗浄モジュール125、スプレーボックス112(水平前洗浄モジュール125と基板ハンドリングシステム150とによって部分的に隠されている)、ブラシボックスモジュール200、乾燥ユニット170、およびそれらの間で基板120を移送するための基板ハンドリングシステム150、を含む。
【0014】
通常、水平前洗浄モジュール125は、研磨された基板120を搬送ロボット124から受け取り、基板120は水平方向に配置される。基板ハンドリングシステム150は、基板120を水平前洗浄モジュール125からブラシボックスモジュール200に移送するために使用される。基板ハンドリングシステム150は、基板120の向きを水平位置(すなわち、x-y平面)から垂直位置(すなわち、z-y平面)に変更することもできる。例えば、基板ハンドリングシステム150は、ブラシボックスモジュール200に関連する垂直洗浄のために基板120を水平位置から垂直位置まで揺動させることができる。基板ハンドリングシステム150は、複数の基板グリップ機構と、グリップ機構を移動させるための垂直レールとをさらに含む。グリップ機構は、処理チャンバ、例えばハンドリングシステムに近接して配置された洗浄および乾燥モジュールとの間で基板120を搬送するために使用される。
【0015】
乾燥ユニット170は、基板がブラシボックスモジュール200によって処理された後、基板120がシステムローディングステーション130に移送される前に、基板120を乾燥するために使用される。一実施形態では、乾燥ユニットは水平乾燥ユニットであり、水平方向に配置された基板120を受け入れるように構成されている。この実施形態では、基板ハンドリングシステム150は、ブラシボックスモジュール200の以前の垂直洗浄ステップに関連する垂直位置から基板120を揺動させて水平位置に戻すであろう。
【0016】
CMP処理システム100は、システムコントローラ160によって操作される。いくつかの実施形態では、システムコントローラ160は、処理システム100の任意の個々のサブシステムを制御するように構成され得る。例えば、システムコントローラ160は、ブラシボックスモジュール200(図2)および/またはブラシカルーセルアセンブリ220(図2)を個別に制御するように構成することができる。ここで、システムコントローラ160は、メモリ162(例えば、不揮発性メモリ)および支援回路163で動作可能なプログラム可能な中央処理装置(CPU)161を含む。支援回路163は、従来のようにCPU161に結合され、制御を容易にするためにCMP処理システム100の様々な構成要素に結合されたキャッシュ、クロック回路、入出力サブシステム、電源などを備えている。CPU161は、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)など、処理システムの様々なコンポーネントやサブプロセッサを制御するために業界で使用される任意の形式の汎用コンピュータプロセッサの1つである。CPU161に結合されたメモリ162は非一時的であり、典型的にはランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フロッピーディスクドライブ、ハードディスク、またはローカルまたはリモートのその他の形式のデジタルストレージなど、1つまたは複数の容易に利用可能なメモリである。
【0017】
通常、メモリ162は、命令を含む非一時的なコンピュータ可読記憶媒体(例えば、不揮発性メモリ)の形態であり、CPU161によって実行されると、CMP処理システム100の動作を容易にする。命令は、本明細書に開示される実施形態および方法の機能を可能にする限り、多数の異なるプログラミング言語のいずれか1つに準拠することができる。例えば、本開示は、本明細書に開示される基板を処理するためのコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたプログラム(任意の言語)として実装され得る。
【0018】
例示的な非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、(1)情報を永久に保存できる書き込み不可能な記憶媒体(例えば、CD-ROMドライブで読み取り可能なCD-ROMディスクなど、コンピュータ内の読み取り専用メモリデバイス、フラッシュメモリ、ROMチップ、または任意のタイプのソリッドステート不揮発性半導体メモリデバイス、例えばソリッドステートドライブ(SSD))、(2)変更可能な情報が保存される書き込み可能な記憶媒体(例えば、ディスケットドライブ、ハードディスクドライブ内のフロッピーディスク、またはあらゆる種類のソリッドステートランダムアクセス半導体メモリ)、を含むが、これらに限定されない。このようなコンピュータ可読記憶媒体は、本明細書に記載される方法の機能を指示するコンピュータ可読命令を搬送する場合、本開示の実施形態である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法またはその一部は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または他のタイプのハードウェア実装によって実行される。いくつかの他の実施形態では、本明細書に記載の基板処理および/または取り扱い方法は、ソフトウェアルーチン、ASIC、FPGA、および/または他の種類のハードウェア実装の組み合わせによって実行される。1つまたは複数のシステムコントローラ160は、本明細書に記載される様々なモジュール式研磨システムの1つまたは任意の組み合わせ、および/またはその個々の研磨モジュールとともに使用され得る。
【0019】
図2は、図1のCMP処理システム100とともに使用することができるブラシボックスモジュール200の概略側面断面図である。ここで、ブラシボックスモジュール200は、基板の両側に配置された円筒形の回転ブラシを同時に対向面に対して押し付けることによって、研磨液残留物などの研磨副産物を基板の表面から除去するように構成されている。ブラシボックスモジュール200は、処理容積201を形成する1つまたは複数の壁216を備えている。処理容積201は、基板120の第1の表面204(例えば、前面)を洗浄するために処理容積201の第1の面202に配置された複数のブラシ240と、基板120の第2の表面205(例えば裏面)を洗浄するために処理容積201の第2の側203に配置される対向ブラシ230と、を含む。通常、基板の第1の表面204は活性表面(例えば、電子デバイスを形成するために使用される表面、および/またはその上に少なくとも部分的に電子デバイスが形成された表面)であり、基板の第2の表面205は、基板の取り扱いに使用される非活性表面である。複数のブラシ240のそれぞれと対向するブラシ230は、処理中に基板120と接触する表面241を有する。表面には小結節や隆起が含まれる場合もあれば、滑らかな場合もある。
【0020】
図2に見られるように、ブラシボックスモジュール200は、それぞれがブラシ軸254を有し、それぞれが中央支持体207の周囲に選択的に配置されてブラシカルーセルアセンブリ220を形成する複数のブラシ240をさらに含む。図2に示すブラシカルーセルアセンブリ220は、任意の数のブラシを備えてブラシカルーセルアセンブリ220を形成することができる。例えば、ブラシカルーセルアセンブリ220は、2つのブラシ、3つのブラシ、4つのブラシ、5つのブラシ、6つのブラシなどを含むことができる。図2に示すブラシカルーセルアセンブリ220は、基板120の第1の表面204を処理するために処理容積201の第1の面202に配置されているが、ブラシカルーセルアセンブリ220は、基板の一方または両方の表面を処理するために、処理容積201の一方または両方の側に代替構成で配置することができる。ブラシボックスはさらに、処理容積201の第2の側203に配置され、ブラシカルーセルアセンブリ220に隣接して配置される対向ブラシ230を含む。本明細書では対向ブラシ230は第2の面203に配置されているが、ブラシカルーセルアセンブリ220が第2の面203に配置されている場合、対向ブラシ230は第1の面202に配置することができる。代替的に、ブラシボックスモジュール200は、基板120の第2の表面(例えば裏面)を基板支持体にチャックするために、対向ブラシ230の代わりに真空チャックを含んでもよい。この構成では、ブラシカルーセルアセンブリ220を処理容積201の第1の側202に配置することができ、真空チャック(図示せず)を反対側に配置することができ、またはその逆も可能である。
【0021】
ブラシカルーセルアセンブリ220と対向ブラシ230は両方とも、基板エッジの洗浄を容易にするために、基板120のエッジを越えて延在するように配置されている。一実施形態では、ブラシ支持アーム245は水平方向と垂直方向の両方に配置され、複数のブラシ240の個々のブラシ240に結合された支持シャフトを含む。例えば、複数の個別ブラシ支持アーム245のうちの1つによって支持される第1のブラシ240は、複数の個別ブラシ支持アーム245のうちの1つによって支持される第2のブラシ240に対して垂直に配置され得る。
【0022】
図2に示される実施形態では、各ブラシ240は、各ブラシ240のブラシ軸254が基板120の第1の表面および中央支持体207の中心軸208と平行となるように、平行に配置される。ただし、いくつかの構成では、ブラシ240を中央支持体207の中心軸208に対して非平行に配置することが有益である場合がある。例えば、各ブラシ240のブラシ軸254は、ブラシ軸254の一端が中央支持体207の中心軸208に近づくように配置されてもよく、その結果、処理された基板は、ブラシ240の長さに沿って開始点から離れる方向に移動するように促される。この構成では、各ブラシ240のブラシ軸254は、中央支持体207の中心軸208に対して(例えば、ブラシが「トーイン」になるように)ある角度で配置され得る。ブラシ軸254は、ブラシカルーセルアセンブリ220の中央支持体207の中心軸208に対して30度未満の任意の角度で配置され得る。例えば、角度は、30度未満、例えば25度未満、例えば20度未満、例えば15度未満、例えば10度未満、例えば5度未満とすることができる。
【0023】
ブラシカルーセルアセンブリ220は、キャリッジ209をさらに含み、キャリッジ209は、中央支持体207の中心軸208の周りを回転するように構成されたキャリッジ支持構造206を含む。キャリッジ支持構造206は、ブラシカルーセルアセンブリ220の中央支持体207に結合された複数の個別のブラシ支持アーム245を備える。各ブラシ支持アーム245は、ブラシ取り付けアセンブリ252を介して複数のブラシ240のうちの1つを受け取り、その回転を可能にするように構成されており、以下の方法で説明される洗浄シーケンス中に、それぞれのブラシ240を基板120の第1の表面に対して押し付けるように構成されている。ブラシカルーセルアセンブリ220は、中央支持体207がその中心軸208の周りを回転すると、複数の個別のブラシ支持アームを中心軸の周りで揺動させることによって、各ブラシ支持アーム245が任意の方向(すなわち、時計回りまたは反時計回り)の所望の位置に個別に割り出され得るように構成されている。中央支持体207の回転は、中心点の周りの360度の回転運動に限定されない。回転は枢動および/または振動を含み得る。キャリッジ209はカルーセルアクチュエータ250によって回転される。カルーセルアクチュエータ250は、各ブラシ240が、中央支持体207の中心軸208を中心とする円形経路に沿って回転することができるように、中央支持体207の中心軸208と一致する駆動シャフトを介して中央支持体に結合されるステッピングモータまたはサーボモータを含んでもよい。
【0024】
各ブラシ取り付けアセンブリ252は、中央支持体207の中心軸208の周りで揺動可能なブラシ支持アーム245に結合される。したがって、各ブラシ取り付けアセンブリ252は、中央支持体207がその中心軸208の周りをいずれかの方向(すなわち、時計回りまたは反時計回り)に回転すると、各ブラシ取り付けアセンブリ252が、各ブラシ取り付けアセンブリ252を中心軸208の周りで揺動させることによって、いずれかの方向の所望の位置に個別に割り出され得るように構成されている。各ブラシ取り付けアセンブリ252の移動は、各ブラシ取り付けアセンブリ252が中央支持体207の中心軸208の周りの移動経路に沿って一斉に移動するように、任意の隣接するブラシ取り付けアセンブリ252と一致する。ただし、ブラシ取り付けアセンブリ252が中央支持体207の中心軸の周りを移動可能である他の構成を使用することもできる。例えば、各ブラシ取り付けアセンブリ252は、代わりに、中央支持体207から延びて円形取り付け構造に結合されたスピンドル(図示せず)を介して中央支持体207に結合された円形取り付け構造(図示せず)に結合することもできる。前述したように、ブラシカルーセルアセンブリ220では任意の数のブラシ240を使用することができる。したがって、任意の数のブラシ取り付けアセンブリ252を使用して、ブラシカルーセルアセンブリ220を形成することができる。例えば、ブラシカルーセルアセンブリ220は、2つのブラシ、3つのブラシ、4つのブラシ、4つのブラシ、6つのブラシなどを含むことができる。図3に見られるように、ブラシカルーセルアセンブリは、中央支持体207と平行に配置された4つのブラシ取り付けアセンブリ252を含む。
【0025】
ブラシカルーセルアセンブリ220はまた、個々のブラシ取り付けアセンブリ252に結合され、各ブラシ240をそれぞれのブラシ軸254の周囲を回転させる複数のアクチュエータを含む。通常、各ブラシ240は、ブラシ240に結合された個別のアクチュエータによって回転される。複数の個別のブラシアクチュエータ251は、中心軸208の周りのキャリッジ209の回転と同じ方向または反対の方向に各ブラシ軸254の周りを各ブラシ240を回転させることができる。例えば、複数のブラシ取り付けアセンブリ252上に位置決めされた複数のブラシ240のそれぞれは、各ブラシ取り付けアセンブリ252の各中央支持体253のブラシ軸254の周囲を時計回り方向に回転することができ、ブラシカルーセルアセンブリ220は、中央支持体207の中心軸208の周囲を反時計回り方向に回転することができる。個々のブラシアクチュエータ251は、複数のブラシ取り付けアセンブリ252に結合されたステッピングモータまたはサーボモータを含むことができる。個々のブラシアクチュエータ251は、各ブラシ取り付けアセンブリ252のブラシ軸254と一致する駆動シャフトを介してブラシ取り付けアセンブリ252に結合され得る。この構成では、各ブラシ240は、近接するブラシ240の回転速度に関係なく、独立した速度で回転することができる。例えば、第1のブラシ240は第1の速度で回転し、第2のブラシ240は第2の速度で回転し、第3のブラシ240は第3の速度で回転することができる。回転速度は、ブラシ軸254を中心とするブラシ240の回転速度によって決定され得る。
【0026】
ブラシボックスモジュール200は、基板120を支持するためのプラットフォーム212も備えている。プラットフォーム212は、複数のローラ210(1つだけを示す)を備えており、ローラ210は、最小限の接触で基板120を垂直に支持するように構成されてもよく、基板120を回転させるように適合されてもよい。ブラシボックスモジュール200は、表側および裏側のスクラビングのために基板120を垂直方向に支持するように適合されているが、ブラシボックスモジュール200は基板120を他の方向で支持してもよい。
【0027】
ブラシボックスモジュール200はさらにスプレーシステム285を含む。ここで、スプレーシステム285は、液体源280からブラシボックスモジュール200内に配置された複数のスプレーノズル225まで液体を運ぶように結合された複数の液体供給ライン290を含む。ここで、第1のスプレーノズル225Aが基板の第1の表面204にスプレーするように配置され、第2のスプレーノズル225Bが第2の表面205にスプレーするように配置される。第1のスプレーノズル225Aは、ブラシカルーセルアセンブリ220の上に配置され、第1の液体供給ライン290Aを介して液体源280に結合された第1のスプレーノズル225A(すなわち、前側スプレーノズル)である。対向ブラシ230の上には、第2の液体供給ライン290Bを介して液体源280に結合された第2のスプレーノズル225B(すなわち、裏側スプレーノズル)がある。図2には1つの液体源280のみが示されているが、第2の液体源(図示せず)を第1または第2の液体供給ラインのいずれかに結合することができる。さらに、第1スプレーノズル225Aは基板120の第1の面にスプレーするように配置され、第2スプレーノズル225Bは基板120の第2の面にスプレーするように配置されているが、第1のノズル225Aからのスプレーは基板120の第2の面に到達し、第2のノズル225Bからのスプレーは基板120の反対側に到達することができる。例えば、背面スプレーノズルは基板120の背面のみにスプレーするように配置されてもよく、前面スプレーノズルは基板120の前面のみにスプレーするように配置されてもよいが、裏側のスプレーの一部は前面に到達し、前面のスプレーの一部は裏側に到達し得る。さらに、複数のスプレーノズル225および液体供給ライン290が開示されているが、ブラシボックスモジュール200は、処理容積201の両側にスプレーするように配置された単一の供給ライン290に結合された単一のノズル225を備えることができる。
【0028】
ブラシカルーセルアセンブリ220はさらに、物理的バリア219を含む。物理的バリア219(すなわち、スプラッシュガード)は、1つのブラシアセンブリを別の近接するブラシアセンブリから流体的に隔離するのに適した任意の材料を含むことができる。ここで、物理的バリア219は中央支持体207に結合されており、支持アーム245とともに中心軸208の周りを回転することができる。物理的バリア219は、洗浄プレートを妨げない限り、任意の形状またはサイズとすることができる。
【0029】
ブラシカルーセルアセンブリ220は、複数のブラシ240を洗浄するための複数の洗浄プレート211をさらに含む。洗浄プレート211は、第2のブラシの表面を洗浄できる任意の材料(例えば、石英)を含むことができる。図2では、3つの洗浄プレート211が3つの洗浄プレート支持体260に結合されており、ブラシ取り付けアセンブリ252上に配置されたブラシ240の外面に接触するように構成されている。各洗浄プレートは、ブラシカルーセルアセンブリ220の対応するブラシ支持アーム245に対して垂直に配置される。3つの洗浄プレート211が開示されているが、任意の数の洗浄プレート211を使用することができる。洗浄プレート211の数は、ブラシ支持アーム245の数に対応する必要はない。例えば、ブラシカルーセルアセンブリは、4つの支持アーム245(および対応するブラシ240)および2つの洗浄プレート211を備えることができる。同様に、3つの洗浄プレート支持体260が示されているが、任意の数の洗浄プレート支持体260を使用することができる。
【0030】
洗浄プレート211がブラシ240の表面と接触する量を変更できるようにするために、3つの洗浄プレート支持体260は完全に調整可能であり、任意の方向に自由に移動され得る。必須ではないが、洗浄プレート支持体260は、1つまたは複数の洗浄プレート支持体アクチュエータ261およびシステムコントローラ160に結合することができる。ブラシ240の表面との接触量を変えることによって、ユーザは、ブラシ240の表面が洗浄プレート211と関与する相互作用の量を能動的に調整することができる。クリーニングプレート211を調整する機能は、コンディショニングまたはクリーニングのいずれかの有効量に基づくことができるため、ブラシ240のクリーニングに加えて、またはその代わりに、クリーニングプレート211がブラシ240のコンディショニングを行う用途において特に有用であり得る。部分的には、ブラシ240がクリーニングプレート211に対して押し付けられる際に、クリーニングプレート211がブラシ240の表面と有する接触量に依存する。
【0031】
図3Aは、ブラシカルーセルアセンブリ220の一実施形態による2つのブラシの概略側面図である。ここで、ブラシカルーセルアセンブリ220内の複数のブラシ240のうちの第1のブラシ240Aは、複数のブラシ240のうちの第2のブラシ240Bに近接して配置され、第1のブラシ240Aのブラシ軸254から中心支持軸までの第1の半径方向距離D1は、第1の半径方向距離D1を含む平面に平行な方向において第1のブラシ240Aのブラシ軸254から第2のブラシ240Bのブラシ軸254まで測定されたブラシ間隔距離D2よりも小さく、すなわち、第1の半径方向距離D1とブラシ間隔D2は同一平面内で測定される。換言すれば、各ブラシ軸は、キャリッジ軸から、隣接するブラシ軸の各対間で測定される距離よりも短い距離に位置し、距離の各々は、キャリッジ軸に垂直な平面内で測定される。この構成では、第1のブラシ240Aのブラシ軸254Aと中心軸208との間の第1の半径方向距離D1と、第2のブラシ240Bのブラシ軸254Bと中心軸208との間の第2の半径方向距離D1とは、第1の径方向距離D1と第2の径方向距離D1とが交差する点において90度の角度を形成する。さらに、少なくとも1つの実施形態では、第1の半径方向距離D1と第2の半径方向距離D1とは等しい。距離D1、D1、およびD2は、隣接する第1のブラシ240Aおよび第2のブラシ240Bに関して図示および説明されているが、図2に示すように、同じ関係がすべての隣接するブラシに当てはまることを理解されたい。
【0032】
図3Bは、ブラシカルーセルアセンブリ220の一実施形態による2つのブラシの概略等角図である。この構成では、ブラシカルーセルアセンブリ220内の複数のブラシ240のうちの第1のブラシ240Aは、第1の位置305に配置され、複数のブラシ240のうちの第3のブラシ240Cは、第3の位置307に配置される。第1のブラシ240Aと第3のブラシ240Cは両方とも、中心軸208から等距離に配置されている。各ブラシ240はさらに、中心軸208を通過する平面上に中心軸208に平行に配置される。この構成では、第1のブラシ240Aと第3のブラシ240Cは中心軸208を通る平面上に位置しているが、第1のブラシ240Aおよび第3のブラシ240Cは、第1のブラシ240Aおよび第3のブラシ240Cが配置される平面が中央支持体を通過しないように、非平面状に配置することができる。上述したように、各ブラシ240は、その中心支持軸208の周りのブラシカルーセル支持構造206の回転方向とは異なる回転方向に、そのブラシ軸254の周りを回転することができる。
【0033】
図4は、一実施形態によるブラシボックスモジュールの使用方法を示す図である。工程401において、方法400は、基板120をブラシボックスモジュール200にロードすることを含む。動作中、ブラシカルーセルアセンブリ220と対向するブラシ230は、基板120をそれらの間に挿入できるように互いに十分な距離を隔てた初期開位置(図示せず)にある。その後、処理される基板120は、ブラシカルーセルアセンブリ220と対向するブラシ230との間のプラットフォーム212(すなわち、ローラ210)上に配置される。基板120がローラ上に配置されると、ブラシカルーセルアセンブリ220および対向するブラシ230は、基板120をその間の所定の位置に保持し、効果的な処理を達成するのに十分な力を基板120の表側と裏側に加えることができるように、互いに十分に接近した閉位置(図2に示すように)に移動される。
【0034】
工程402において、方法400は、第1のブラシ240Aを処理位置に位置決めし、同時に第2のブラシ240Bを非処理位置に位置決めするために、処理容積201の第1の側202に配置されたブラシカルーセルアセンブリ220のキャリッジ支持構造206を中心軸208の周りを回転させることを含む。ここで、第1のブラシ240Aは、その表面がブラシボックスモジュール200内に配置された被処理基板120と物理的に接触するように位置決めされる。同時に第2のブラシ240Bも非処理位置に位置決めされる。この構成では、非処理位置には、第2のブラシ240Bの表面が洗浄プレート211と物理的に接触するように、第2のブラシ240を洗浄位置に配置することが含まれる。
【0035】
工程403において、方法400は、処理位置で第1のブラシ240Aを第1のブラシ240Aのブラシ軸254の周りを回転させると同時に、非処理位置で第2のブラシ240Bを第2のブラシ240Bのブラシ軸254の周りを回転させることを含む。ここで、第1のブラシ240Aは、そのブラシ軸254の周りを第1の速度で回転し、第2のブラシ240Bは、そのブラシ軸254の周りを第2の速度で回転する。回転速度および回転方向は同じであってもよいが、各ブラシ取り付けアセンブリ220は、任意の所望の速度でいずれかの方向に独立して回転することができる。第1のブラシ240Aがそのブラシ軸254の周りを回転すると、第1のブラシ240Aは基板120の表面に接触し、不要な粒子を物理的に除去する。第1のブラシ240Aがそのブラシ軸254の周りを回転するのと同時に、第2のブラシ240Bは非処理位置でそのブラシ軸254の周りを回転する。この構成では、非処理位置で第2のブラシ240Bを回転させることは、第2のブラシ240Bの表面が洗浄プレート211の表面に物理的に接触するように、第2のブラシ240Bを洗浄位置で回転させることを含む。洗浄プレート211の表面を第2のブラシ240Bの表面と接触させることによって、洗浄プレート211は、第2のブラシ240Bに付随するあらゆる粒子を除去することによって、第2のブラシ240Bの表面を洗浄することができる。第2のブラシ240Bに関連するあらゆる粒子を除去することにより、洗浄プレート211は、後続の基板間の汚染の可能性を低減することができる。なお、洗浄プレート211は、ブラシ240の表面を洗浄することに限定されない。いくつかの構成では、洗浄に加えて調節材料でブラシ240を調節することが有益な場合がある。例えば、ブラシ240を調節および/または洗浄するために、ブラシ調節材料を洗浄材料の代わりに、または洗浄材料と併用して使用することができる。この構成では、任意の数の洗浄プレート211に洗浄および/または調節材料を含めることができる。例えば、一構成では、第1の洗浄プレート211は、ブラシ240を洗浄するための材料を含んでもよく、第2の洗浄プレート211は、ブラシ240を調節するための材料を含んでもよい。工程403はさらに、対向ブラシ230をそのブラシ軸254Eの周りを回転させること、同時に処理位置にある第1のブラシ240Aをそのブラシ軸254Aの周りを回転させること、および非処理位置にある第2のブラシ240Bをそのブラシ軸254Bの周りを回転させることを含む。
【0036】
工程404において、方法400は、ブラシ軸254Aの周りの第1のブラシ240Aの回転を停止することと、そのブラシ軸254Bの周りの第2のブラシ240Bの回転を停止することと、そのブラシ軸254Eの周りの対向ブラシ230の回転を停止することとを含む。
【0037】
工程405において、方法400は、処理済みの基板120をブラシボックスモジュール200から取り出すことと、複数の基板120のうちの次の基板120をブラシボックスモジュール200にロードすることとを含む。通常、ブラシ240の回転が終了した後、ブラシカルーセルアセンブリ220および対向ブラシ230は、基板120を除去できるように互いに十分な距離を隔てた開位置(図示せず)に移動され、基板はブラシボックスモジュール200から取り出され、搬送ロボット124によって乾燥ユニット170に搬送される。処理済み基板120が除去された後、被処理基板120がブラシボックスモジュール200にロードされる。工程401で前述したように、ブラシカルーセルアセンブリ220および対向するブラシ230は、基板120をそれらの間に挿入できるように互いに十分な距離を隔てた初期開位置(図示せず)にある。処理される基板120は、ブラシカルーセルアセンブリ220と対向するブラシ230との間のプラットフォーム212(すなわち、ローラ210)上に配置される。基板がプラットフォーム212上に配置されると、基板120をその間の所定の位置に保持し、効果的な処理を達成するのに十分な力を基板120の表側と裏側に加えることができるように、ブラシカルーセルアセンブリ220と対向するブラシ230とが、互いに十分に接近した閉位置(図2に示すように)に移動される。
【0038】
工程406において、方法400は、ブラシカルーセルアセンブリ220のキャリッジ支持構造206を中心軸208の周りを回転させて、第2のブラシ240Bを処理位置に位置決めすると同時に、第1のブラシ240Aを非処理位置に位置決めすることを含む。ここで、第2のブラシ240Bは、第2のブラシ240Bの表面がブラシボックスモジュール200内に配置された被処理基板120と物理的に接触するように処理位置に位置決めされる。同時に第1のブラシ240Aも非処理位置に位置決めされる。この構成では、非処理位置には、第1のブラシ240Aの表面が洗浄プレート211と物理的に接触するように、第1のブラシ240Aを洗浄位置に配置することが含まれる。
【0039】
工程407において、方法400は、処理位置で第2のブラシ240Bを第2のブラシ軸254Bの周りを回転させると同時に、非処理位置で第1のブラシ240Aを第1のブラシ軸254Aの周りを回転させることを含む。ここで、第2のブラシ240Bは、第2のブラシ軸254Bの周りを第2の速度で回転し、第1のブラシ240Aは、第1のブラシ軸254Aの周りを第1の速度で回転する。前述したように、回転速度と回転方向は同じであってもよいし、異なっていてもよい。第2のブラシ240Bが第2のブラシ軸254Bの周りを回転すると、第2のブラシ240Bは基板の表面に接触し、不要な粒子を物理的に除去する。第2のブラシ240Bが第2のブラシ軸254Bの周りを回転するのと同時に、第1のブラシ240Aは非処理位置で第1のブラシ軸254Aの周りを回転する。この構成では、非処理位置で第1のブラシ240Aを回転させることは、第1のブラシ240Aの表面241が洗浄プレート211の表面213に物理的に接触するように、洗浄位置で第1のブラシ240Aを回転させることを含む。洗浄プレート211を第1のブラシ240Aの表面241に直接接触させることにより、洗浄プレート211は、第1のブラシ240Aに付随するあらゆる粒子を除去することによって、第1のブラシ240Aの表面241を洗浄することができる。第1のブラシ240Aに関連するあらゆる粒子を除去することにより、洗浄プレート211は、後続の基板間の汚染の可能性を低減することができる。前述したように、洗浄プレート211は、ブラシ240の表面241を洗浄することだけに限定されず、洗浄に加えて調節材料でブラシ240を調節することが有益であり得るためである。工程407はさらに、対向ブラシ230をそのブラシ軸254Eの周りを回転させること、同時に処理位置にある第2のブラシ240Bをそのブラシ軸254Bの周りを回転させること、および非処理位置にある第1のブラシ240Aをそのブラシ軸254Aの周りを回転させることを含む。
【0040】
上記は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の他の将来の実施形態は、その基本的な範囲から逸脱することなく考案することができ、その範囲は特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2
図3A
図3B
図4
【国際調査報告】