(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】パターンプロファイル及び解像度改善用化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物
(51)【国際特許分類】
G03F 7/004 20060101AFI20240719BHJP
G03F 7/039 20060101ALI20240719BHJP
C08L 25/18 20060101ALI20240719BHJP
C08K 5/42 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
G03F7/004 501
G03F7/039 601
G03F7/004 503A
C08L25/18
C08K5/42
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502496
(86)(22)【出願日】2022-07-27
(85)【翻訳文提出日】2024-01-16
(86)【国際出願番号】 KR2022011025
(87)【国際公開番号】W WO2023027360
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】10-2021-0110962
(32)【優先日】2021-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523423908
【氏名又は名称】ワイシーケム カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】YCCHEM CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【氏名又は名称】相田 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100199004
【氏名又は名称】服部 洋
(72)【発明者】
【氏名】イ スジン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ ヨンチョル
(72)【発明者】
【氏名】イ スンフン
(72)【発明者】
【氏名】イ スンヒョン
【テーマコード(参考)】
2H225
4J002
【Fターム(参考)】
2H225AF24P
2H225AF44P
2H225AH12
2H225AJ13
2H225AJ44
2H225AJ48
2H225AN38P
2H225AN39P
2H225AN64P
2H225AN74P
2H225BA01P
2H225BA26P
2H225CA12
2H225CB02
2H225CB08
2H225CC03
2H225CC15
4J002BC121
4J002EV216
4J002FD206
4J002GP03
(57)【要約】
本発明のパターンプロファイル及び解像度改善用化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物は、組成物の総重量に対して、ポリマー樹脂5~60重量%、化学式1~3で表されるパターン下部の酸発生補助モノマー(Monomer)添加剤0.1~5重量%、光酸発生剤0.05~10重量%、酸拡散防止剤0.01~5重量%を含有し、残部が溶媒からなることを特徴とする、パターンプロファイル及び解像度改善用化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物に関するものであって、従来のポジ型フォトレジストに比して垂直な(Vertical)プロファイル並びに、改善された解像度及び感度を有するとともに残渣性スカムのないプロセスマージンに優れた組成物を提供する効果を奏するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
248nm波長の光源で露光が可能なフォトレジスト組成物は、下記化学式1~3で表されるパターン下部の酸発生補助モノマー(Monomer)添加剤を0.1~5重量%で含むことを特徴とする、パターンプロファイル及び解像度改善用化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物。
【化1】
【化2】
【化3】
(前記化学式1~3において、R
1~R
3は、下記化学式A~Eの構造から選ばれる構造であり、Rは結合部位を表すものである。)
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【請求項2】
前記パターンプロファイル及び解像度改善用化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物は、組成物の総重量に対して、ポリマー樹脂5~60重量%、化学式1~3で表されるパターン下部の酸発生補助モノマー(Monomer)添加剤0.1~5重量%、光酸発生剤0.05~10重量%、酸拡散防止剤0.01~5重量%を含有し、残部が溶媒からなることを特徴とする、請求項1に記載のパターンプロファイル及び解像度改善用化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物。
【請求項3】
前記ポリマー樹脂は、下記化学式4~8で表される群から選ばれる1種以上である水酸基が含まれたフェノールポリマー樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載のパターンプロファイル及び解像度改善用化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物。
【化9】
(前記化学式4において、a、bは、共重合体をなす繰り返し単位のモル比で1~10であり、a+b=10のものであり、R
4は、下記化学式a~pの構造の中から選ばれるいずれか1つの構造であり、Rは結合部位を表すものである。)
【化4】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
(前記化学式5において、c、dは、共重合体をなす繰り返し単位のモル比で1~10であるものであり、c+d=10のものであり、R
5は、R
4と同じものであって、前記化学式a~pの構造の中から選ばれるいずれか1つの構造であり、Rは、結合部位を表すものである。)
【化26】
(前記化学式6において、e、f、gは、共重合体をなす繰り返し単位のモル比で1~10であるものであり、e+f+g=10のものであり、R
6、R
7は、R
4と同じものであって、前記化学式a~pの構造の中から選ばれるいずれか1つの構造であり、Rは、結合部位を表すものである。)
【化27】
(前記化学式7において、h、i、jは、共重合体をなす繰り返し単位のモル比で1~10であるものであり、h+i+j=10のものであり、R
8、R
9は、R
4と同じものであって、前記化学式a~pの構造の中から選ばれるいずれか1つの構造であり、Rは、結合部位を表すものである。)
【化28】
(前記化学式8において、k、l、m、nは、共重合体をなす繰り返し単位のモル比で1~10であるものであり、k+l+m+n=10のものであり、R
10、R
11、R
12は、R
4と同じものであって、前記化学式a~pの構造の中から選ばれるいずれか1つの構造であり、Rは結合部位を表すものである。)
【請求項4】
前記光酸発生剤は、トリフェニルスルホニウムトリフラート(Triphenylsulfoniumtriflate)、トリフェニルスルホニウムアンチモン酸塩(Triphenylsulfoniumantimonate)、ジフェニルヨードニウムトリフラート(Diphenyliodoniumtriflate)、ジフェニルヨードニウムアンチモン酸塩(Diphenyliodoniumantimonate)、メトキシジフェニルヨードニウムトリフラート(Methoxydiphenyliodoniumtriflate)、ジ-t-ブチルジフェニルヨードニウムトリフラート(Di-t-buthyldiphenyliodoniumtriflate)、2,6-ジニトロベンジルスルホン酸塩(2,6-dinitrobenzylsulponate)、ピロガロールトリスアルキルスルホン酸塩(Pyrogalloltrisalkylsulfonate)、ノルボルネンジカルボキシイミドトリフラート(Norbornenedicarboxyimidetriflate)、トリフェニルスルホニウムノナフレート(Triphenylsulfoniumnonaflate)、ジフェニルヨードニウムノナフラート(Diphenyliodoniumnonaflate)、メトキシジフェニルヨードニウムノナフラート(Methoxydiphenyliodoniumnonaflate)、ジ-t-ブチルジフェニルヨードニウムノナフラート(Di-t-buthyldiphenyliodoniumnonaflate)、N-ヒドロキシスクシンイミドノナフレート(N-hydroxysuccinimidenonaflate)、ノルボルネンジカルボキシイミドノナフラート(Norbornenedicarboxyimidenonaflate)、トリフェニルスルホニウムペルフロオロオクタンスルホン酸塩(Triphenylsulfoniumperfluorooctanesulfonate)、ジフェニルヨードニウムペルフロオロオクタンスルホン酸塩(Diphenyliodoniumperfluorooctanesulfonate)、メトキシフェニルヨードニウムペルフロオロオクタンスルホン酸塩(Methoxydiphenyliodoniumperfluorooctanesulfonate)、ジ-t-ブチルジフェニルヨードニウムペルフロオロオクタンスルホン酸塩(Methoxydiphenyliodoniumperfluorooctanesulfonate)、N-ヒドロキシスクシンイミドペルフルオロオクタンスルホン酸塩(N-hydroxysuccinimideperfluorooctanesulfonate)、及びノルボルネンジカルボキシイミドペルフロオロオクタンスルホン酸塩(Norbornenedicarboxyimideperfluorooctanesulfonate)よりなる群から選ばれる1種以上のものを含むことを特徴とする、請求項1に記載のパターンプロファイル及び解像度改善用化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物。
【請求項5】
前記酸拡散防止剤は、ジメチルアミン(Dimethylamine)、ジエチルアミン(Diethylamine)、トリメチルアミン(Trimethylamine)、トリエチルアミン(Triethylamine)、トリブチルアミン(Tributhylamine)、ジメタノールアミン(Dimethanolamine)、ジエタノールアミン(Diethanolamine)、トリメタノールアミン(Trimethanolamine)、トリエタノールアミン(Triethanolamine)、及びトリブタノールアミン(Tributhanolamine)よりなる群から選ばれる1種以上のものを含むことを特徴とする、請求項1に記載のパターンプロファイル及び解像度改善用化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターンプロファイル及び解像度改善用化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
最近は、半導体製造工程技術の発展によって半導体素子の小型化及び高集積化が求められるに伴い、数十nm以下の線幅を有する超微細パターンを具現しようとする技術が要求されている。このような超微細パターンを形成するための技術の進歩は、より小さい波長を有する光源、光源によるプロセス技術の開発、光源に適したフォトレジスト(Photoresist)の開発等によってなされてきた。
種々のパターンの形成のためのフォトリソグラフィ工程(Photholithography)にはフォトレジストが用いられる。フォトレジストとは、光の作用により現像液に対する溶解性が変化し、露光パターンに対応する画像が得られる感光性樹脂を意味する。
前記フォトレジストのパターン形成方法としては、ネガ型現像液を用いるもの(NTD,Negative Tone Development)と、ポジ型現像液を用いるもの(PTD、Positive Tone Development)とがある。
前記ネガ型現像液を用いたパターン形成方法は、非露光領域をネガ型現像液で選択的溶解及び除去することによりパターンを形成するものであり、ポジ型現像液を用いたパターン形成方法は、露光領域をポジ型現像液で選択的溶解及び除去することによりパターンを形成するものである。
前記ネガ型現像液を用いたパターン形成方法は、ポジ型現像液を用いたパターン形成方法と比較した場合、露光量不足で形成しにくいコンタクトホールパターンやトレンチパターンなどでも逆相のパターンを具現することにより、同一パターン具現時パターンの形成が容易であり、露光されなかった部分を除去するための現像液として有機溶媒を使用するので、より効果的にフォトレジストパターンを形成することができる。
一方、一般的に、フォトレジスト組成物を用いたフォトリソグラフィ工程は、ウェハー上にフォトレジストをコーティングする工程と、コーティングされたフォトレジストを加熱して溶剤を蒸発させるソフトベーク工程と、フォトマスクを通過した光源によって画像化する工程と、現像液を用いて露光部、非露光部の溶解度の差によりパターンを形成する工程と、これをエッチングして回路を完成する工程とからなる。
前記フォトレジスト組成物は、エキシマレーザの照射により酸を発生する光酸発生剤(Photo Acid Generator)と、ベース樹脂と、その他の添加剤とからなっている。ベース樹脂には、フェノール構造に水酸基を有する構造であって、ポリスチレンポリマーが基本的に用いられ、光酸発生剤としては、特定の波長で酸(H+)を発生させることができるものであれば如何なるものであってもよく、主にスルホニウム塩系、スルホニルジアゾ系、ベンゾスルホニル系、ヨード系、塩素系、カルボン酸系等が主に用いられている。
また、前記のような工程に主に使用している光源は、I線、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ光源を用いた365nm~193nmの波長領域であり、波長が短いほど、より微細なパターンを形成できることが知られている。
とりわけ、KrFレーザ(243nm)フォトレジストは、その以後にArFレーザ(193nm)システムが開発されたにも拘わらず、光微細加工を追求しようとする研究開発がずっと進められている。その理由としては、次世代ArFフォトレジストの開発がまだ満足できるものではないという点もあるが、KrFフォトレジストをそのまま使用したら半導体の量産においてコスト節減の効果が大きいことが挙げられる。かかる技術開発に対応してKrFフォトレジストの性能も向上しなければならないが、たとえば、代表的に、高集積化に伴い、次第にフォトレジストの厚さの減少が要求されるため、ドライエッチング耐性がより強化されたフォトレジストの開発が切に求められている。これに加えて、要求される特性としては、高い解像度、広いDOF(Depth Of Focus)マージン、無欠陥の薄膜形成、基板への接着力、高いコントラスト、高速の感度、化学的安定性などが挙げられる。
【0003】
前記のように、KrF用フォトレジスト技術に関する従来の特許としては、韓国公開特許公報第10-2010-0047038号「化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物」、韓国登録特許公報第10-1363842号「化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物及びこれを用いたレジストパターン形成方法」、韓国登録特許公報第10-1204915号「フォトレジストポリマー、これを含むフォトレジスト組成物及びこれを用いたフォトレジストのパターン形成方法」、韓国登録特許公報第10-0273108号「フォトレジスト製造用共重合体およびこれを含有する化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物」、韓国登録特許公報第10-1655947号「高解像度及び高アスペクト比を有するKrFレーザ用ネガ型レジスト組成物」、韓国登録特許公報第10-1977886号「パターンプロファイル改善用化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物」等が開示されている。
前記の特許にも記載されているように、KrF用フォトレジストは、解像度と感度を良くするために、248nmの波長の透過度が良いポリヒドロキシスチレン及びポリスチレンポリマーを基本ポリマーとして主に使用している。
このようなポリヒドロキシスチレン及びポリスチレンポリマーをベースとしたポジ型フォトレジストは、傾斜(Slope)パターンの形状又はフーティング(Footing)現象などにより248nm光源を基本とするプロセスにおける使用可能な範囲が限定されるという不具合があり、フォトレジストの厚さ(Thickness)が増加するにつれて具現可能な解像度(Resolution)が減少されて工程を進行するのに困難がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2010-0047038号公報
【特許文献2】韓国登録特許第10-1363842号公報
【特許文献3】韓国登録特許第10-1204915号公報
【特許文献4】韓国登録特許第10-0273108号公報
【特許文献5】韓国登録特許第10-1655947号公報
【特許文献6】韓国登録特許第10-1977886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、パターンプロファイルの改善及び解像度の改善に効果のあるパターンの下部に酸発生補助剤を導入して、適量を添加することにより既存のKrFポジ型フォトレジストに比べて、解像度の改善が可能なKrF光源用のフォトレジスト組成物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、垂直な(Vertical)プロファイルの確保が可能であり、パターンの下部の残渣性スカムの除去に効果的なKrF光源用のフォトレジスト組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、下記化学式1~3で表される群から選ばれる1種以上のものであり、重量平均分子量が100~500である化学増幅型レジスト用パターン下部の酸発生補助モノマー(Monomer)添加剤を含むKrF用ポジ型フォトレジスト組成物を提供する。
【化1】
【化2】
【化3】
【0007】
(前記化学式1~3において、R
1~R
3は、下記化学式A~Eの構造から選ばれる構造であり、Rは結合部位を表すものである。)
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【0008】
本発明の好ましい一実施形態において、前記化学式で表されるレジスト用パターン下部の酸発生補助モノマー(Monomer)添加剤および類似構造は、国内外の多数の供給業者から商業的に入手可能である。
本発明の好ましい一実施形態において、前記化学式で表されるレジスト用パターン下部の酸発生補助モノマー(Monomer)添加剤は、重量平均分子量が100~500であることを特徴とする。
本発明の好ましい一実施形態において、前記レジスト用パターン下部の酸発生補助モノマー(Monomer)添加剤は、組成物の総重量に対して、ポリマー樹脂5~60重量%、化学式1~3で表される群から選ばれる1種以上のパターン下部の酸発生補助モノマー(Monomer)添加剤0.1~5重量%、光酸発生剤0.05~10重量%、酸拡散防止剤0.01~5重量%を含有し、残部が溶媒からなることを特徴とする。
本発明の好ましい一実施形態においては、ポリマー樹脂は、一般に使用されるフォトレジスト樹脂であれば、如何なるものであってもよく、下記化学式4~8で表される水酸基が含まれたフェノールポリマー樹脂よりなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする。
【化9】
(前記化学式4において、a、bは、共重合体をなす繰り返し単位のモル比で1~10であり、a+b=10のものであり、R
4は、下記化学式a~pの構造の中から選ばれるいずれか1つの構造であり、Rは結合部位を表すものである。)
【化4】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【0009】
(前記化学式5において、c、dは、共重合体をなす繰り返し単位のモル比で1~10であるものであり、c+d=10のものであり、R
5は、R
4と同じものであって、前記化学式a~pの構造の中から選ばれるいずれか1つの構造であり、Rは、結合部位を表すものである。)
【化26】
(前記化学式6において、e、f、gは、共重合体をなす繰り返し単位のモル比で1~10であるものであり、e+f+g=10のものであり、R
6、R
7は、R
4と同じものであって、前記化学式a~pの構造の中から選ばれるいずれか1つの構造であり、Rは、結合部位を表すものである。)
【化27】
【0010】
(前記化学式7において、h、i、jは、共重合体をなす繰り返し単位のモル比で1~10であるものであり、h+i+j=10のものであり、R
8、R
9は、R
4と同じものであって、前記化学式a~pの構造の中から選ばれるいずれか1つの構造であり、Rは、結合部位を表すものである。)
【化28】
(前記化学式8において、k、l、m、nは、共重合体をなす繰り返し単位のモル比で1~10であるものであり、k+l+m+n=10のものであり、R
10、R
11、R
12は、R
4と同じものであって、前記化学式a~pの構造の中から選ばれるいずれか1つの構造であり、Rは結合部位を表すものである。)
本発明の好ましい一実施形態において、前記フェノールポリマー樹脂は、下記化学式4~8で表される水酸基が含まれたフェノールポリマー樹脂よりなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする。
【0011】
本発明の好ましい一実施形態において、前記光酸発生剤は、
トリフェニルスルホニウムトリフラート(Triphenylsulfoniumtriflate)、トリフェニルスルホニウムアンチモン酸塩(Triphenylsulfoniumantimonate)、ジフェニルヨードニウムトリフラート(Diphenyliodoniumtriflate)、ジフェニルヨードニウムアンチモン酸塩(Diphenyliodoniumantimonate)、メトキシジフェニルヨードニウムトリフラート(Methoxydiphenyliodoniumtriflate)、ジ-t-ブチルジフェニルヨードニウムトリフラート(Di-t-buthyldiphenyliodoniumtriflate)、ノルボルネンジカルボキシイミドトリフラート(Norbornenedicarboxyimidetriflate)、トリフェニルスルホニウムノナフレート(Triphenylsulfoniumnonaflate)、ジフェニルヨードニウムノナフラート(Diphenyliodoniumnonaflate)、メトキシジフェニルヨードニウムノナフラート(Methoxydiphenyliodoniumnonaflate)、ジ-t-ブチルジフェニルヨードニウムノナフラート(Di-t-buthyldiphenyliodoniumnonaflate)、N-ヒドロキシスクシンイミドノナフレート(N-hydroxysuccinimidenonaflate)、ノルボルネンジカルボキシイミドノナフラート(Norbornenedicarboxyimidenonaflate)、トリフェニルスルホニウムペルフロオロオクタンスルホン酸塩(Triphenylsulfoniumperfluorooctanesulfonate)、ジフェニルヨードニウムペルフロオロオクタンスルホン酸塩(Diphenyliodoniumperfluorooctanesulfonate)、メトキシフェニルヨードニウムペルフロオロオクタンスルホン酸塩(Methoxydiphenyliodoniumperfluorooctanesulfonate)、ジ-t-ブチルジフェニルヨードニウムペルフロオロオクタンスルホン酸塩(Methoxydiphenyliodoniumperfluorooctanesulfonate)、N-ヒドロキシスクシンイミドペルフルオロオクタンスルホン酸塩(N-hydroxysuccinimideperfluorooctanesulfonate)、及びノルボルネンジカルボキシイミドペルフロオロオクタンスルホン酸塩(Norbornenedicarboxyimideperfluorooctanesulfonate)よりなる群から選ばれる1種以上のものを含むことを特徴とする。
【0012】
本発明の好ましい一実施形態において、前記酸拡散防止剤は、ジメチルアミン(Dimethylamine)、ジエチルアミン(Diethylamine)、トリメチルアミン(Trimethylamine)、トリエチルアミン(Triethylamine)、トリブチルアミン(Tributhylamine)、ジメタノールアミン(Dimethanolamine)、ジエタノールアミン(Diethanolamine)、トリメタノールアミン(Trimethanolamine)、トリエタノールアミン(Triethanolamine)およびトリブタノールアミン(Tributhanolamine)よりなる群から選ばれる1種以上のものを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によるパターン下部の酸発生補助モノマー(Monomer)添加剤を含むパターンプロファイル及び解像度改善用化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物は、露光エネルギーによる垂直な(Vertical)プロファイルを得ることができ、感度及び解像度の改善効果を有するものであり、パターン下部の残渣性スカムの除去効果も有するものであるので、既存のKrFポジ型フォトレジストに比べてプロセスマージンを改善することができるものである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
他に定義されない限り、本明細書で使われた全ての技術的及び科学的用語は、本発明の属する技術分野における熟練した専門家によって通常理解されるものと同じ意味を有する。一般に、本明細書において使われた命名法は、本技術分野においてよく知られており、一般的に使用されるものである。
本願の明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは特に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
本発明で提示するパターン下部の「酸発生補助モノマー(Monomer)添加剤」とは、248nm光源のフッ化クリプトン(KrF)に露出させる過程の以後に進行されるPEB(Post Exposed Bake)過程で熱によって分解されて酸(H+)が発生するようになる添加剤を意味する。
本発明における、「フォトレジスト(Photoresist)」とは、ポリマーと光酸発生剤とが混合された混合物であり、光によりその化学的性質が変化して特定波長の光に曝すと、特定の溶媒に対する溶解度が変わるが、その溶媒に対する露光部と非露光部との溶解速度の差が生じて、一定時間の溶解時間が過ぎれば未溶融部分が残って、パターン形成が行われることを意味する。
本発明における、「フォトリソグラフィ(Photolithographic)工程」とは、前記のようなフォトレジストの性質を用いて半導体が描かれた設計図を彫り込んだマスク(Mask)を、光源とシリコンウェハー上に塗布されたフォトレジスト膜との間に入れ込み、光源をオンすると、マスクに刻まれた回路がそのままフォトレジストに移されるようになることを意味する。
本発明における、「KrFレーザ」とは、248nmの波長を有するフッ化クリプトン(KrF)レーザを意味する。
【0015】
本発明の一具現例は、下記化学式1~3で表される群から選ばれる1種以上のパターン下部の酸発生補助モノマー(Monomer)添加剤を含むことを特徴とする、パターンプロファイル及び解像度改善用化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物を提供することである。
【化1】
【化2】
【化3】
(前記化学式1~3において、R
1~R
3は、下記化学式A~Eの構造から選ばれる構造であり、Rは結合部位を表すものである。)
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【0016】
本発明によるパターン下部の酸発生補助モノマー(Monomer)添加剤を含むパターンプロファイル及び解像度用のポジ型フォトレジスト組成物は、該組成物の総重量に対して、ポリマー樹脂5~60重量%、化学式1~3で表される群から選ばれる1種以上のパターン下部の酸発生補助モノマー(Monomer)添加剤0.1~5重量%、光酸発生剤0.05~10重量%、酸拡散防止剤0.01~5重量%を含有し、残部が溶媒からなるものであってもよい。
前記化学式1~3で表される群から選ばれる1種以上のパターン下部の酸発生補助モノマー(Monomer)添加剤は、組成物の総重量に対して、0.1~5重量%を含むことが好ましい。もし、前記化合物を0.1重量%未満で使用する場合には、パターン下部の酸発生補助モノマー(Monomer)添加剤の量が少なすぎることから、垂直な(Vertical)プロファイルの確保だけでなく、解像度の改善に効果がなく、5重量%を超えて使用する場合には、垂直な(Vertical)プロファイルを確保は可能であるが、その他のパターン下部における過剰な酸の発生に起因するパターンの崩壊(Pattern Collapse)またはアンダーカット(Under Cut)発生の原因となるので好ましくない。
前記ポリマー樹脂は、通用されるフォトレジスト樹脂であれば如何なるものであってもよく、下記化学式4~8で表される水酸基が含まれたフェノールポリマー樹脂よりなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする。
【化9】
(前記化学式4において、a、bは共重合体をなす繰り返し単位のモル比で1~10であり、a+b=10のものであり、R
4は、下記化学式a~pの構造の中から選ばれるいずれか1つの構造であり、Rは結合部位を表すものである。)
【化4】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【0017】
(前記化学式5において、c、dは共重合体をなす繰り返し単位のモル比で1~10であるものであり、c+d=10のものであり、R
5は、R
4と同じものであって、前記化学式a~pの構造の中から選ばれるいずれか1つの構造であり、Rは、結合部位を表すものである。)
【化26】
(前記化学式6において、e、f、gは共重合体をなす繰り返し単位のモル比で1~10であるものであり、e+f+g=10のものであり、R
6、R
7は、R
4と同じものであって、前記化学式a~pの構造の中から選ばれるいずれか1つの構造であり、Rは、結合部位を表すものである。)
【化27】
【0018】
(前記化学式7において、h、i、jは、共重合体をなす繰り返し単位のモル比で1~10であるものであり、h+i+j=10のものであり、R
8、R
9は、R
4と同じものであって、前記化学式a~pの構造の中から選ばれるいずれか1つの構造であり、Rは、結合部位を表すものである。)
【化28】
(前記化学式8において、k、l、m、nは、共重合体をなす繰り返し単位のモル比で1~10であるものであり、k+l+m+n=10のものであり、R
10、R
11、R
12は、R
4と同じものであって、前記化学式a~pの構造の中から選ばれるいずれか1つの構造であり、Rは結合部位を表すものである。)
本発明の好ましい一実施形態において、前記フェノールポリマー樹脂は、下記化学式4~8で表される水酸基が含まれたフェノールポリマー樹脂よりなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする。
前記ポリマー樹脂は、組成物の総重量に対して、ポリマー樹脂5~60重量%を含むことが好ましい。もし、ポリマー樹脂を5重量%未満で使用する場合には、プロファイル不良、スカム、エッチング耐性の不良などの問題点があり、60重量%を超えて使用する場合には、現像不足によるパターニング(Patterning)不良が発生するという問題点があり得る。
【0019】
前記光酸発生剤は、トリフェニルスルホニウムトリフラート(Triphenylsulfoniumtriflate)、トリフェニルスルホニウムアンチモン酸塩(Triphenylsulfoniumantimonate)、ジフェニルヨードニウムトリフラート(Diphenyliodoniumtriflate)、ジフェニルヨードニウムアンチモン酸塩(Diphenyliodoniumantimonate)、メトキシジフェニルヨードニウムトリフラート(Methoxydiphenyliodoniumtriflate)、ジ-t-ブチルジフェニルヨードニウムトリフラート(Di-t-buthyldiphenyliodoniumtriflate)、ノルボルネンジカルボキシイミドトリフラート(Norbornenedicarboxyimidetriflate)、トリフェニルスルホニウムノナフレート(Triphenylsulfoniumnonaflate)、ジフェニルヨードニウムノナフラート(Diphenyliodoniumnonaflate)、メトキシジフェニルヨードニウムノナフラート(Methoxydiphenyliodoniumnonaflate)、ジ-t-ブチルジフェニルヨードニウムノナフラート(Di-t-buthyldiphenyliodoniumnonaflate)、N-ヒドロキシスクシンイミドノナフレート(N-hydroxysuccinimidenonaflate)、ノルボルネンジカルボキシイミドノナフラート(Norbornenedicarboxyimidenonaflate)、トリフェニルスルホニウムペルフロオロオクタンスルホン酸塩(Triphenylsulfoniumperfluorooctanesulfonate)、ジフェニルヨードニウムペルフロオロオクタンスルホン酸塩(Diphenyliodoniumperfluorooctanesulfonate)、メトキシフェニルヨードニウムペルフロオロオクタンスルホン酸塩(Methoxydiphenyliodoniumperfluorooctanesulfonate)、ジ-t-ブチルジフェニルヨードニウムペルフロオロオクタンスルホン酸塩(Methoxydiphenyliodoniumperfluorooctanesulfonate)、N-ヒドロキシスクシンイミドペルフルオロオクタンスルホン酸塩(N-hydroxysuccinimideperfluorooctanesulfonate)、及びノルボルネンジカルボキシイミドペルフロオロオクタンスルホン酸塩(Norbornenedicarboxyimideperfluorooctanesulfonate)よりなる群から選ばれる1種以上のものを含むものであってもよい。
【0020】
前記光酸発生剤は、組成物の総重量に対して、光酸発生剤0.05~10重量%を含むことが好ましい。もし、光酸発生剤を0.05重量%未満で使用する場合には、発生する酸の不足に起因してパターンの傾斜面がひどくなる現象が発生し、10重量%を超える場合には、露光源の光を光酸発生剤が吸収して透過率を減少させることによって画定(Deifne)が行われない等のパターン不良の問題が発生することがある。
前記酸拡散防止剤は、ジメチルアミン(Dimethylamine)、ジエチルアミン(Diethylamine)、トリメチルアミン(Trimethylamine)、トリエチルアミン(Triethylamine)、トリブチルアミン(Tributhylamine)、ジメタノールアミン(Dimethanolamine)、ジエタノールアミン(Diethanolamine)、トリメタノールアミン(Trimethanolamine)、トリエタノールアミン(Triethanolamine)およびトリブタノールアミン(Tributhanolamine)よりなる群から選ばれる1種以上のものを含むものであってもよい。
前記酸拡散防止剤は、組成物の総重量に対して、酸拡散防止剤を0.01~5重量%を含むことが好ましい。もし、酸拡散防止剤を0.01重量%未満で使用する場合には、過度な酸の発生でパターンの壁面または角部のパターン不良(LWR,LER)となるなどのパターン不良の問題が発生することがあり、5重量%を超える場合には、パターン形成ができなくなることがあり得るという問題点がある。
【0021】
一方、本発明のパターン下部の酸発生補助モノマー(Monomer)添加剤を含むパターンプロファイル及び解像度改善用化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物の厚さは、使用する溶媒の種類および使用量に応じて2,000Å~200,000Åで使用が可能であり、溶媒の重量に対して10~90重量%で溶かした後に用いることができる。
前記溶媒としては、エチレングリコールモノメチルエーテル(Ethyleneglycolmonomethylether)、エチレングリコールモノエチルエーテル(Ethyleneglycolmonoethylether)、メチルセロソルブアセテート(Methylcellosolveacetate)、エチルセロソルブアセテート(Ethylcellosolveacetate)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(Diethyleneglycolmonomethylether)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(Diethyleneglycolmonoethylether)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PropyleneglycolMonomethylether)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(Propyleneglycolmethyletheracetate)、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート(Propyleneglycolpropyletheracetate)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(Diethyleneglycoldimethylether)、乳酸エチル(Ethyllactate)、トルエン(Toluene)、キシレン(Xylene)、メチルエチルケトン(Methylethylketone)、シクロヘキサノン(Cyclohexanone)、2-ヘプタノン(2-heptanone)、3-ヘプタノン(3-heptanone)、4-ヘプタノン(4-heptanone)などを使用することができ、単独または混合して使用することができる。
前述のように、本発明から提供される本発明のパターン下部の酸発生補助モノマー(Monomer)添加剤を含むパターンプロファイル及び解像度改善用化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物は、化学式1~3で表される群から選ばれる1種以上のパターン下部の酸発生補助モノマー(Monomer)を添加することによって、露光エネルギーによる垂直な(Vertical)プロファイルが得られ、解像度の向上及びパターン下部の残渣性スカムの除去にも効果があるため、既存のKrF用フォトレジストに対するプロセスマージンを提供することができる。
【実施例】
【0022】
[実施例及び比較例]
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明する。これらの実施例は、単に本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例によって限定されるものと解釈されないことは、当業界における通常の知識を有する者にとって自明である。
実施例1
ベース樹脂として重量平均分子量が15,000のフェノールポリマー樹脂(化学式7において、R8は化学式a、R9は、化学式cであり、共重合モル比率h、i、jがそれぞれ7、2、1である構造)100g、重量平均分子量が270のパターン下部の酸発生補助モノマー(Monomer)添加剤(化学式1において、R1が化学式dである構造)1.00g、光酸発生剤としてトリフェニルスルホニウムノナフラート4g、酸拡散防止剤としてトリエタノールアミン0.6gの組成で使用し、溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル105g、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート105gの混合液を用いてKrFエキシマレーザ用ポジ型フォトレジスト組成物を製造した。前記製造された組成物を、スピンコーターを用いてシリコンウェハー上に塗布し、140℃で90秒間ソフトベークした後、目標の厚さ10umを確認した。248nm光源で露光工程が終わると、110℃で80秒間ベーク処理(PEB)を行った後、2.38%水酸化テトラメチルアンモニウムで現像する工程を行ってパターンを形成した。その結果、感度は96mJ/cm2で確認され、ライン/スペース基準解像度2.5μmのPattern Slope傾斜角が82.7°であるポジ型傾斜パターンを確認し、パターンの下部で残渣性スカムが確認されなかった。
実施例2
ベース樹脂として重量平均分子量が15,000のフェノールポリマー樹脂(化学式7において、R8は、化学式a、R9は、化学式cであり、共重合モル比率h、i、jがそれぞれ7、2、1である構造)100g、重量平均分子量が270のパターン下部の酸発生補助モノマー(Monomer)添加剤(化学式1において、R1が化学式dである構造)10.00g、光酸発生剤としてトリフェニルスルホニウムノナフラート4g、酸拡散防止剤としてトリエタノールアミン0.6gの組成で使用し、溶媒としてはプロピレングリコールモノメチルエーテル114g、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート114gの混合液を用いてKrFエキシマレーザ用ポジ型フォトレジスト組成物を製造した。前記製造された組成物をスピンコーターを用いてシリコンウェハー上に塗布し、140℃で90秒間ソフトベークした後、目標の厚さ10umを確認した。248nm光源で露光工程が終わると、110℃で80秒間ベーク処理(PEB)を行った後、2.38%水酸化テトラメチルアンモニウムで現像する工程を行ってパターンを形成した。その結果、感度は92mJ/cm2で確認され、ライン/スペース基準解像度2.2μmの傾斜パターンの傾斜角が84.3°であるポジ型傾斜パターンを確認し、パターンの下部で残渣性スカムが確認されなかった。
【0023】
実施例3
ベース樹脂として重量平均分子量が15,000のフェノールポリマー樹脂(化学式7において、R8は化学式a、R9は化学式cであり、共重合モル比率h、i、jがそれぞれ7、2、1である構造)100g、重量平均分子量が270のパターン下部の酸発生補助モノマー(Monomer)添加剤(化学式1において、R1が化学式dである構造)15.00g、光酸発生剤としてトリフェニルスルホニウムノナフラート4g、酸拡散防止剤としてトリエタノールアミン0.6gの組成で使用し、溶媒としてはプロピレングリコールモノメチルエーテル119g、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート119gの混合液を用いてKrFエキシマレーザ用ポジ型フォトレジスト組成物を製造した。前記製造された組成物を、スピンコーターを用いてシリコンウェハー上に塗布し、140℃で90秒間ソフトベークした後、目標の厚さ10umを確認した。248nm光源で露光工程が終わると、110℃で80秒間ベーク処理(PEB)を行った後、2.38%水酸化テトラメチルアンモニウムで現像する工程を行ってパターンを形成した。その結果、感度は88mJ/cm2で確認され、ライン/スペース基準解像度2.0μmの傾斜パターンの傾斜角が86.5°であるポジ型傾斜パターンを確認し、パターンの下部で残渣性スカムが確認されなかった。
比較例1
前記パターン下部の酸発生補助モノマー(Monomer)添加剤を添加していないことと、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル104g、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート104gの混合液を用いたことを除いては、実施例1と同様に実験を進めたものであった。
具体的には、ベース樹脂として重量平均分子量が15,000のフェノールポリマー樹脂(化学式7において、R8は化学式a、R9は、化学式cであり、共重合モル比率h、i、jがそれぞれ7、2、1である構造)100g、重量平均分子量が270のパターン下部の酸発生補助モノマー(Monomer)添加剤(化学式1において、R1が化学式dである構造)0g、光酸発生剤としてトリフェニルスルホニウムノナフラート4g、酸拡散防止剤としてトリエタノールアミン0.6gの組成で使用し、溶媒としてはプロピレングリコールモノメチルエーテル104g、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート104gの混合液を用いてKrFエキシマレーザ用ポジ型フォトレジスト組成物を製造した。前記製造された組成物を、スピンコーターを用いてシリコンウェハー上に塗布し、140℃で90秒間ソフトベークした後、目標の厚さ10umを確認した。248nm光源で露光工程が終わると、110℃で80秒間ベーク処理(PEB)を行った後、2.38%水酸化テトラメチルアンモニウムで現像する工程を行ってパターンを形成した。
その結果、感度は110mJ/cm2で確認され、ライン/スペース基準解像度3.5μmの傾斜パターンの傾斜角が74.5°であるポジ型傾斜パターンを確認し、パターンの下部で残渣性スカムが確認された。
【0024】
比較例2
前記パターン下部の酸発生補助モノマー(Monomer)添加剤を0.25g添加したことを除いては、比較例1と同様に実験を行った。
具体的には、ベース樹脂として重量平均分子量が15,000のフェノールポリマー樹脂(化学式7において、R8は化学式a、R9は化学式cであり、共重合モル比率h、i、jがそれぞれ7、2、1である構造)100g、重量平均分子量が270のパターン下部の酸発生補助モノマー(Monomer)添加剤(化学式1において、R1が化学式dである構造)0.25g、光酸発生剤としてトリフェニルスルホニウムノナフラート4g、酸拡散防止剤としてトリエタノールアミン0.6gの組成で使用し、溶媒としてはプロピレングリコールモノメチルエーテル104g、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート104gの混合液を用いてKrFエキシマレーザ用ポジ型フォトレジスト組成物を製造した。前記製造された組成物を、スピンコーターを用いてシリコンウェハー上に塗布し、140℃で90秒間ソフトベークした後、目標の厚さ10umを確認した。248nm光源で露光工程が終わると、110℃で80秒間ベーク処理(PEB)を行った後、2.38%水酸化テトラメチルアンモニウムで現像する工程を行ってパターンを形成した。
その結果、感度は100mJ/cm2で確認され、ライン/スペース基準解像度3.0μmの傾斜パターンの傾斜角が79.6°であるポジ型傾斜パターンを確認し、パターンの下部で残渣性スカムが確認された。
比較例3
前記パターン下部の酸発生補助モノマー(Monomer)添加剤を30.00g添加したことと、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル133g、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート133gの混合液を用いたことを除いては、比較例1と同様に実験を進めたものであった。
具体的には、ベース樹脂として重量平均分子量が15,000のフェノールポリマー樹脂(化学式7において、R8は化学式a、R9は化学式cであり、共重合モル比率h、i、jがそれぞれ7、2、1である構造)100g、重量平均分子量が270のパターン下部の酸発生補助モノマー(Monomer)添加剤(化学式1において、R1が化学式dである構造)30.00g、光酸発生剤としてトリフェニルスルホニウムノナフラート4g、酸拡散防止剤としてトリエタノールアミン0.6gの組成で使用し、溶媒としてはプロピレングリコールモノメチルエーテル133g、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート133gの混合液を用いてKrFエキシマレーザ用ポジ型フォトレジスト組成物を製造した。前記製造された組成物を、スピンコーターを用いてシリコンウェハー上に塗布し、140℃で90秒間ソフトベークした後、目標の厚さ10umを確認した。248nm光源で露光工程が終わると、110℃で80秒間ベーク処理(PEB)を行った後、2.38%水酸化テトラメチルアンモニウムで現像する工程を行ってパターンを形成した。その結果、感度は83mJ/cm2で確認され、ライン/スペース基準解像度1.8μmの傾斜パターンの傾斜角が87.3°であるポジ型傾斜パターンを確認し、パターンの下部で残渣性スカムが確認されなかった。
【0025】
特性の測定
前記実施例1~3及び比較例1~3のように製造されたパターンプロファイル及び解像度改善用の化学増幅型ポジ型フォトレジスト組成物に対する特性を測定した。
解像度およびパターン下部の残渣性スカムは、パターンの線幅(Critical Dimension)を観察できる測長走査型電子顕微鏡(CD-SEM)を用いて測定し、L/S(Line,Space)基準として最小線幅(解像度)を観察して確認した。また、感度は、最小線幅(解像度)を確認することができるエネルギー(Energy)感度として測定した。
このように測定した結果を下記表1に示した。
【表1】
前記の表1から確認できるように、パターン下部の酸発生補助モノマー(Monomer)の添加剤の追加による評価結果、実施例1~実施例3は、比較例1及び比較例2よりも感度に優れ、最小線幅サイズである解像度と垂直な傾斜パターンも大きく改善されることが確認できる。
【0026】
比較例1及び比較例2の場合、測長走査型電子顕微鏡(CD-SEM)を用いて確認した結果、パターン下部の残渣性スカムが確認されることから、採用できないものである。
また、比較例2は、比較例1と比較して、解像度及び垂直な傾斜パターンの改善の効果はあるが、実施例1~3に比べてごくわずかであり採用できないものである。
比較例3の場合、比較例1と比べて感度、最小線幅サイズである解像度及び垂直なパターン傾斜が改善されることを示しているが、いくつかの領域において致命的なパターン崩壊(Pattern Collapse)が発生することが確認されるので採用できない。
結果的に、前記化学式1~3のパターン下部の酸発生補助モノマー(Monomer)添加剤を最適の含量で含む場合、形成されたパターンの感度及び解像度を向上させて、既存のKrFポジ型フォトレジストに比して垂直な(Vertical)プロファイルを示すKrF光源用のフォトレジスト組成物を提供することができることを確認した。
本発明の単純な変形または変更は、当該分野における通常の知識を有する者によって容易に実施することができ、このような変形や変更は、いずれも本発明の範疇内に属するものとみなすべきである。
【国際調査報告】