(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】PECVD堆積システムでの厚さ傾向に対するシャワーヘッド温度ベースの堆積時間補償
(51)【国際特許分類】
C23C 16/44 20060101AFI20240719BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
C23C16/44 B
H01L21/31 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503524
(86)(22)【出願日】2022-07-15
(85)【翻訳文提出日】2024-03-05
(86)【国際出願番号】 US2022037273
(87)【国際公開番号】W WO2023003768
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン・ドン
(72)【発明者】
【氏名】ホン・ツー
(72)【発明者】
【氏名】シェン・ウェンジャ
(72)【発明者】
【氏名】カン・フー
(72)【発明者】
【氏名】コルラック・マルク
(72)【発明者】
【氏名】マレナウクス・スカイ
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030EA03
4K030FA01
4K030KA05
4K030KA30
4K030KA39
4K030KA41
5F045AA08
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5F045EH20
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(57)【要約】
基板上で堆積プロセスを行うように構成されている処理チャンバのためのコントローラは、処理チャンバのシャワーヘッドの温度を取得するように構成されている温度モニタと、シャワーヘッドの取得された温度と、シャワーヘッドの温度を最適化された堆積時間、堆積厚さ、および堆積速度のうちの少なくとも1つと相関させるデータとに基づいて、最適化された堆積時間を決定するように構成されている堆積時間決定器と、決定された最適化された堆積時間に基づいて、基板上で堆積ステップを行うように構成されている堆積オプティマイザと、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上で堆積プロセスを行うように構成されている処理チャンバのためのコントローラであって、
前記処理チャンバのシャワーヘッドの温度を取得するように構成されている温度モニタと、
前記シャワーヘッドの前記取得された温度と、前記シャワーヘッドの前記温度を最適化された堆積時間、堆積厚さ、および堆積速度のうちの少なくとも1つと相関させるデータとに基づいて、前記最適化された堆積時間を決定するように構成されている堆積時間決定器と、
前記決定された最適化された堆積時間に基づいて、前記基板上で堆積ステップを行うように構成されている堆積オプティマイザと、
を備える、コントローラ。
【請求項2】
請求項1に記載のコントローラであって、前記温度モニタは、前記シャワーヘッドの前記温度を示す信号をセンサから受信するように構成されている、コントローラ。
【請求項3】
請求項2に記載のコントローラであって、前記センサは、前記シャワーヘッド内に配置されている温度プローブである、コントローラ。
【請求項4】
請求項1に記載のコントローラであって、前記最適化された堆積時間を決定するために、前記堆積時間決定器は、ベースライン堆積時間と、前記シャワーヘッドの前記温度とに基づいて、前記最適化された堆積時間を決定するように構成されている、コントローラ。
【請求項5】
請求項4に記載のコントローラであって、前記最適化された堆積時間を決定するために、前記堆積時間決定器は、(i)前記シャワーヘッドの前記温度の上昇に従って、前記最適化された堆積時間を減少させ、前記シャワーヘッドの前記温度の低下に従って、前記最適化された堆積時間を増加させること、および(ii)前記シャワーヘッドの前記温度の上昇に従って、前記最適化された堆積時間を増加させ、前記シャワーヘッドの前記温度の低下に従って、前記最適化された堆積時間を減少させること、のうちの1つを行うように構成されている、コントローラ。
【請求項6】
請求項1に記載のコントローラであって、前記最適化された堆積時間を決定するために、前記堆積時間決定器は、ベースライン堆積時間と、補正係数とに基づいて、前記最適化された堆積時間を決定するように構成されている、コントローラ。
【請求項7】
請求項6に記載のコントローラであって、前記堆積時間決定器は、前記シャワーヘッドの前記温度に基づいて、前記補正係数を決定するように構成されている、コントローラ。
【請求項8】
請求項7に記載のコントローラであって、前記堆積時間決定器は、蓄積および基板数のうちの少なくとも1つにさらに基づいて、前記補正係数を決定するように構成されている、コントローラ。
【請求項9】
請求項1に記載のコントローラを備えたシステムであって、
前記シャワーヘッドと、
前記シャワーヘッド内に配置されている温度プローブであって、前記シャワーヘッドの前記温度を検知するように構成されている温度プローブと、
をさらに備える、システム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムであって、前記シャワーヘッドは、能動的温度制御のために構成されていない、システム。
【請求項11】
請求項9に記載のシステムであって、複数の前記シャワーヘッドと、前記シャワーヘッド内に配置されている温度プローブと、をさらに備え、前記堆積オプティマイザは、それぞれの決定された最適化された堆積時間に基づいて、異なる処理ステーション内に配置されている基板上で堆積を独立して行うように構成されている、システム。
【請求項12】
処理チャンバ内の基板上で堆積プロセスを行う方法であって、
前記処理チャンバのシャワーヘッドの温度を取得し、
前記シャワーヘッドの前記取得された温度と、前記シャワーヘッドの前記温度を最適化された堆積時間、堆積厚さ、および堆積速度のうちの少なくとも1つと相関させるデータとに基づいて、前記最適化された堆積時間を決定し、
前記最適化された堆積時間に基づいて、前記基板上で堆積ステップを行うことと、を備える、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記シャワーヘッドの前記温度を示すセンサからの信号を受信することをさらに備える、方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法であって、前記シャワーヘッド内に配置されている温度プローブからの信号を受信することをさらに備える、方法。
【請求項15】
請求項12に記載の方法であって、前記最適化された堆積時間を決定することは、ベースライン堆積時間と前記シャワーヘッドの前記温度とに基づいて、前記最適化された堆積時間を決定することを備える、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、前記最適化された堆積時間を決定することは、(i)前記シャワーヘッドの前記温度の上昇に従って、前記最適化された堆積時間を減少させ、前記シャワーヘッドの前記温度の低下に従って、前記最適化された堆積時間を増加させること、および(ii)前記シャワーヘッドの前記温度の上昇に従って、前記最適化された堆積時間を増加させ、前記シャワーヘッドの前記温度の低下に従って、前記最適化された堆積時間を減少させること、のうちの少なくとも1つを備える、方法。
【請求項17】
請求項12に記載の方法であって、前記最適化された堆積時間を決定することは、ベースライン堆積時間と補正係数とに基づいて、前記最適化された堆積時間を決定することを備える、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、前記シャワーヘッドの前記温度に基づいて、前記補正係数を決定することをさらに備える、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、蓄積および基板数のうちの少なくとも1つにさらに基づいて、前記補正係数を決定することをさらに備える、方法。
【請求項20】
システムであって、
基板上で堆積プロセスを行うように構成されている処理チャンバのためのシャワーヘッドと、
コントローラとを備え、前記コントローラは、
前記シャワーヘッドの温度を取得し、
前記シャワーヘッドの前記取得された温度と、前記シャワーヘッドの前記温度を最適化された堆積時間、堆積厚さ、および堆積速度のうちの少なくとも1つと相関させるデータとに基づいて、前記最適化された堆積時間を決定し、
前記最適化された堆積時間に基づいて、前記基板上で堆積ステップを行うように構成されている、システム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2021年7月21日に出願した米国特許仮出願第63/224,027号の利益を主張する。上記で参照された出願の開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、基板処理システムにおけるシャワーヘッド温度を補償するために、堆積パラメータを調整することに関する。
【背景技術】
【0003】
ここに述べられる背景の説明は、本開示の関連において全体的に述べるためのものである。本明細書で名前が挙げられる発明者らの活動は、この「背景技術」の項で述べられる範囲において、および出願の時点において、そうでなければ従来技術として分類され得ない本説明の態様は、明示的にも暗黙的にも、本開示に対して従来技術として認められるものではない。
【0004】
基板処理システムは、半導体ウェハなどの基板上で薄膜の堆積およびエッチングなどの処理を行うために用いられる。例えば、堆積は、化学気相成長法(CVD)、プラズマエンハンストCVD(PECVD)、原子層堆積(ALD)、プラズマエンハンストALD(PEALD)、および/または他の堆積プロセスを用いて、導電膜、誘電体膜、または他のタイプの薄膜を堆積するために行われ得る。堆積の間、基板は、基板支持体(例えば、台座)上に配置され、1つまたは複数のプロセスステップの間、ガス分配装置(例えば、シャワーヘッド)を用いて処理チャンバ内に、1つまたは複数の前駆体ガスが供給され得る。PECVDまたはPEALDプロセスでは、プラズマは、堆積の間、処理チャンバ内の化学反応を活性化するために用いられる。
【発明の概要】
【0005】
基板上で堆積プロセスを行うように構成されている処理チャンバのためのコントローラは、処理チャンバのシャワーヘッドの温度を取得するように構成されている温度モニタと、シャワーヘッドの取得された温度と、シャワーヘッドの温度を最適化された堆積時間、堆積厚さ、および堆積速度のうちの少なくとも1つと相関させるデータとに基づいて、最適化された堆積時間を決定するように構成されている堆積時間決定器と、決定された最適化された堆積時間に基づいて、基板上で堆積ステップを行うように構成されている堆積オプティマイザと、を備える。
【0006】
他の特徴では、温度モニタは、センサから、シャワーヘッドの温度を示す信号を受信するように構成されている。センサは、シャワーヘッド内に配置されている温度プローブである。最適化された堆積時間を決定するために、堆積時間決定器は、ベースライン堆積時間と、シャワーヘッドの温度と、に基づいて、最適化された堆積時間を決定するように構成されている。最適化された堆積時間を決定するために、堆積時間決定器は、(i)シャワーヘッドの温度の上昇に従って、最適化された堆積時間を減少させ、シャワーヘッドの温度の低下に従って、最適化された堆積時間を増加させること、および(ii)シャワーヘッドの温度も上昇に従って、最適化された堆積時間を増加させ、シャワーヘッドの温度の低下に従って、最適化された堆積時間を減少させること、のうちの1つを行うように構成されている。
【0007】
最適化された堆積時間を決定するために、堆積時間決定器は、ベースライン堆積時間と、補正係数と、に基づいて、最適化された堆積時間を決定するように構成されている。堆積時間決定器は、シャワーヘッドの温度に基づいて、補正係数を決定するように構成されている。堆積時間決定器は、蓄積および基板数のうちの少なくとも1つにさらに基づいて、補正係数を決定するように構成されている。
【0008】
システムは、コントローラと、シャワーヘッドと、シャワーヘッド内に配置されている温度プローブと、を備える。温度プローブは、シャワーヘッドの温度を検知するように構成されている。シャワーヘッドは、能動的温度制御のために構成されていない。システムは、複数のシャワーヘッドと、シャワーヘッド内に配置されている温度プローブと、をさらに備える。堆積オプティマイザは、それぞれの決定された最適化された堆積時間に基づいて、異なる処理ステーション内に配置されている基板上で堆積を独立して行うように構成されている。
【0009】
処理チャンバ内の基板上で堆積プロセスを行う方法は、処理チャンバのシャワーヘッドの温度を取得することと、シャワーヘッドの取得された温度と、シャワーヘッドの温度を最適化された堆積時間、堆積厚さ、および堆積速度のうちの少なくとも1つと相関させるデータとに基づいて、最適化された堆積時間を決定することと、最適化された堆積時間に基づいて、基板上で堆積ステップを行うこととを含む。
【0010】
他の特徴では、方法は、シャワーヘッドの温度を示すセンサからの信号を受信することをさらに含む。方法は、シャワーヘッド内に配置されている温度プローブからの信号を受信することをさらに含む。最適化された堆積時間を決定することは、ベースライン堆積時間とシャワーヘッドの温度とに基づいて、最適化された堆積時間を決定することを含む。最適化された堆積時間を決定することは、(i)シャワーヘッドの温度の上昇に従って、最適化された堆積時間を減少させ、シャワーヘッドの温度の低下に従って、最適化された堆積時間を増加させること、および(ii)シャワーヘッドの温度の上昇に従って、最適化された堆積時間を増加させ、シャワーヘッドの温度の低下に従って、最適化された堆積時間を減少させること、のうちの少なくとも1つを含む。
【0011】
他の特徴では、最適化された堆積時間を決定することは、ベースライン堆積時間と補正係数とに基づいて、最適化された堆積時間を決定することを含む。方法は、シャワーヘッドの温度に基づいて、補正係数を決定することをさらに含む。方法は、蓄積および基板数のうちの少なくとも1つにさらに基づいて、補正係数を決定することをさらに含む。
【0012】
システムは、基板上で堆積プロセスを行うように構成されている処理チャンバのためのシャワーヘッドと、コントローラと、を備える。コントローラは、シャワーヘッドの温度を取得することと、シャワーヘッドの取得された温度と、シャワーヘッドの温度を最適化された堆積時間、堆積厚さ、および堆積速度のうちの少なくとも1つと相関させるデータとに基づいて、最適化された堆積時間を決定することと、最適化された堆積時間に基づいて、基板上で堆積ステップを行うこととを、行うように構成されている。シャワーヘッドは、シャワーヘッドの温度を検知し、シャワーヘッドの温度を示す信号を、コントローラにもたらすように構成されている温度プローブを備え、シャワーヘッドは、能動的温度制御のために構成されていない。
【0013】
本開示のさらなる適用性の領域は、「発明を実施するための形態」、「特許請求の範囲」、および図面から明らかになるであろう。「発明を実施するための形態」および特定の例は、例示のためのみであり、本開示の範囲を限定するためのものではない。
【0014】
本開示は、「発明を実施するための形態」および添付の図面から、より十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示による例示の基板処理システムの機能ブロック図である。
【0016】
【
図2】本開示による例示のコントローラおよびシャワーヘッドを示す図である。
【0017】
【
図3】本開示による堆積時間を決定する例示の方法のステップを示す図である。
【0018】
【
図4】本開示によるコントローラを実装するように構成されている例示のコンピューティングシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面において、参照番号は、同様なおよび/または同一の要素を識別するために再使用され得る。
【0020】
基板処理システムにおいて、プロセス均一性は、ガス分配装置(例えば、プロセスガス、プラズマなどを処理チャンバ内に流すように構成されているシャワーヘッド)の、温度に基づいて変動し得る。例えば、プラズマエンハンスト化学気相成長法(PECVD)プロセスの堆積速度は、シャワーヘッド温度が変動するのに従って変動し得る。一例では、シャワーヘッド温度が上昇するのに従って、堆積厚さも増加する(これは厚さ傾向性と呼ばれ得る)。
【0021】
いくつかのシステムでは、シャワーヘッドの温度は、所望のプロセス均一性を維持するように制御される。言い換えれば、シャワーヘッドは、能動的温度制御のために構成され得る。例えば、シャワーヘッドは、既知のプロセス変動を補償するための、所定の温度制御方策に基づいて温度を制御するために、埋め込み型ヒータを用いて加熱されることができ、および/またはガスまたは液体冷却剤を用いて冷却され得る。いくつかの例では、シャワーヘッド温度は、受動的に制御される。例えば、シャワーヘッドは、シャワーヘッドの電極にもたらされるRF電力を用いて、プラズマを発生することによって加熱される。シャワーヘッドの加熱または冷却は、シャワーヘッド温度のリアルタイム監視なしに、堆積プロセスの開始前および/またはその間に行われ得る。しかし、シャワーヘッド温度をこのようにして調整することは(例えば、各基板上で堆積を行う前に)、プロセス時間を増加させ、スループットを減少させ、予測不可能な、またはより複雑な温度変動に対して補償することができない。
【0022】
他の例では、シャワーヘッドは、基板の処理の間、所望の温度を維持するように、連続的に加熱されおよび/または冷却され得る。しかし、シャワーヘッド温度を連続的に監視および調整するように構成されているシステムは、設計の複雑さおよびコストを増加させる。
【0023】
本開示によるシステムおよび方法は、シャワーヘッド温度を連続的に調整することなく、シャワーヘッド温度の変動を補償するために、プロセス時間(例えば、堆積時間、期間、または持続時間)など、堆積パラメータを調整するように構成されている。言い換えれば、シャワーヘッド温度を調整する代わりに(例えば、システムは、抵抗ヒータなど、制御可能なヒータを用いて、シャワーヘッド温度を能動的に調整するように構成されていない)、堆積時間は、シャワーヘッド温度の変動によって引き起こされる堆積速度の変化を補償するように、増加または減少され得る。例えば、記憶されたデータは、シャワーヘッド温度を、堆積時間、ベースライン堆積時間のための堆積厚さ、堆積速度などと相関させ得る。本明細書で用いられるベースライン堆積時間は、所望の堆積厚さのための、デフォルト堆積時間に対応する。従って、シャワーヘッド温度の変動は、堆積ステップの前に、および/またはその間に監視されるので、堆積時間は、シャワーヘッド温度の変動に基づいて、自動的に調整され得る。
【0024】
次に
図1を参照すると、本開示の原理による、基板処理システム100の例が示される。上記の例はPECVDシステムに関するものであるが、他のプラズマベースの基板処理チャンバが用いられ得る。基板処理システム100は、基板処理システム100の他の構成要素を囲む、処理チャンバ104を備える。基板処理システム100は、第1の電極108と、第2の電極116を備えた台座112などの基板支持体と、を備える。例えば、第1の電極108は、上部電極とすることができる。第2の電極116は、下部電極とすることができる。基板(図示せず)は、処理の間、第1の電極108と第2の電極116との間の、台座112上に配置される。
【0025】
例のみとして、第1の電極108は、プロセスガスを導入しおよび分配する、シャワーヘッド124を備え得る。いくつかの例では、シャワーヘッド124は、能動的温度制御のために構成されなくてもよい。例えば、シャワーヘッド124は、能動的に加熱されおよび/または冷却されるように構成されていない(例えば、抵抗ヒータ、冷却剤流路を通して流される冷却剤などを使用する)。言い換えれば、シャワーヘッド124は、能動的加熱構成要素(例えば、埋め込み型抵抗ヒータ)を備えず、および/または能動的冷却構成要素(例えば、シャワーヘッド124全体にわたって、冷却剤を流すように構成されている流路)を備えない。第2の電極116は、非電導性台座内に埋め込まれた電導性電極に対応し得る。代替として、台座112は、第2の電極116として作用する導電板を備えた静電チャックを備え得る。
【0026】
無線周波数(RF)発生システム126は、プラズマが用いられるとき、RF電圧を発生し、第1の電極108および/または第2の電極116に出力する。いくつかの例では、第1の電極108および第2の電極116のうちの1つは、DC的に接地され、AC的に接地され、または浮動電位とされ得る。例のみとして、RF発生システム126は、RF電圧を発生するRF発生器128など、1つまたは複数のRF電圧発生器128(例えば、容量性結合型プラズマRF電力発生器、バイアスRF電力発生器、および/または他のRF電力発生器)を備え得る。RF電圧は、1つまたは複数の整合および分配ネットワーク130によって、第2の電極116および/または第1の電極108に送り込まれる。例えば、示されるように、RF発生器128は、RFおよび/またはバイアス電圧を、第2の電極116にもたらす。第2の電極116は、代わりにまたは追加として、電源132などの他の電源から電力を受け得る。他の例では、RF電圧は、第1の電極108に供給されることができ、または第1の電極108は、接地基準に接続され得る。
【0027】
例示のガス送出システム140は、1つまたは複数のガス源144-1、144-2、・・・、および144-N(まとめて、ガス源144)を備え、Nはゼロより大きな整数である。ガス源144は、1つまたは複数のガス(例えば、前駆体、不活性ガスなど)、およびそれらの混合物を供給する。気化した前駆体も用いられ得る。ガス源144のうちの少なくとも1つは、本開示の前処理プロセスで用いられるガス(例えば、NH3、N2など)を含み得る。ガス源144は、弁148-1、148-2、・・・、および148-N(まとめて、弁148)と、マスフローコントローラ152-1、152-2、・・・、および/または152-N(まとめて、マスフローコントローラ152)とによって、マニホールド154に接続される。マニホールド154の出力は、処理チャンバ104に送り込まれる。例のみとして、マニホールド154の出力は、シャワーヘッド124に送り込まれる。
【0028】
いくつかの例では、任意選択のオゾン発生器156が、マスフローコントローラ152と、マニホールド154との間に設けられ得る。いくつかの例では、基板処理システム100は、液体前駆体送出システム158を備え得る。液体前駆体送出システム158は、示されるようにガス送出システム140内に組み込まれることができ、またはガス送出システム140の外部とすることができる。液体前駆体送出システム158は、室温で流体および/または固体である前駆体を、バブラ、直接液体注入、蒸気吸引などによってもたらすように構成されている。
【0029】
ヒータ160は、台座112を加熱するために台座112内に配置されている、ヒータコイル162に接続され得る。ヒータ160は、台座112および基板の温度を制御するために用いられ得る。
【0030】
弁164およびポンプ168は、処理チャンバ104から反応物を排出するために用いられ得る。コントローラ172は、基板処理システム100の様々な構成要素を制御するために用いられ得る。例のみとして、コントローラ172は、プロセスの流れ、担体、および前駆体ガス、プラズマを打ち当てるおよび消滅させる、反応物の除去、チャンバパラメータの監視などを、制御するために用いられ得る。コントローラ172は、プロセスパラメータ、処理チャンバ104内の条件などを示す、測定信号を、基板処理システム100の全体にわたって配置されている1つまたは複数のセンサ174を通じて受信し得る。
【0031】
本開示によるコントローラ172は、シャワーヘッド124の温度を監視するようにさらに構成されている。コントローラ172は、シャワーヘッド温度の変動を補償するために、プロセス時間(例えば、堆積時間、期間、または持続時間)を調整するようにさらに構成されている。例えば、シャワーヘッド124に接触するおよび/またはそれに埋め込まれた、1つまたは複数のセンサ176は、堆積の間、シャワーヘッド124の温度を監視するように構成されている。コントローラ172は、シャワーヘッド温度を示すセンサ176からの信号を受信する。コントローラ172は、以下でより詳しく述べられるように、シャワーヘッド124の監視された温度に基づいて、選択的に(例えば、周期的にまたは連続的に)、堆積時間を決定および更新するように構成されている。
【0032】
以下では単一の処理チャンバ104および台座112に関して述べられるが、本開示の原理は、クワッドステーションモジュール(QSM)など、複数の処理チャンバ、および複数の処理ステーションおよび台座を備えた処理チャンバを、備えるシステムにおいて実施され得る。例えば、QSMの対応する処理ステーション内の、各シャワーヘッド124は、温度を監視し、それに従って堆積を調整するための、1つまたは複数のセンサを実装し得る。言い換えれば、各処理ステーションでの堆積時間は、シャワーヘッド124のそれぞれのものの温度を補償するように、独立して調整され得る。
【0033】
次に
図2を参照すると、本開示による例示のシステム200は、シャワーヘッド208の温度を監視するように構成されている、コントローラ204(例えば、コントローラ172に対応する)を備える。シャワーヘッド208は、能動的または受動的温度調整のために構成されていない。例えば、シャワーヘッド208は、ヒータ(例えば、抵抗ヒータ)を備えない。コントローラ204は、シャワーヘッド温度の変動を補償するために、堆積時間(すなわち、期間または持続時間)を調整する。例えば、シャワーヘッド208は、プロセスガスを処理チャンバ212に供給するように配置される。
【0034】
シャワーヘッド208および処理チャンバ212は、マルチステーション処理ツール(例えば、クワッドステーションモジュール)内の、単一の処理ステーションに対応し得る。コントローラ204は、それぞれの処理ステーションの複数のシャワーヘッドの温度を監視すること、処理ステーションのそれぞれでの堆積時間を独立して調整することなどを行うように構成され得る。代わりに、コントローラ204は、シャワーヘッドのうちの1つのみ(例えば、シャワーヘッド208)の監視された温度に基づいて、複数のステーションでの堆積時間を調整し得る。
【0035】
この例では、温度プローブ216は、シャワーヘッドのステム220を経由して、シャワーヘッド208の基部224内に通される。例えば、温度プローブ216の端部は、シャワーヘッド208の下面228の近くに、またはそれに接して位置付けられ得る。他の例では、1つまたは複数の温度センサ(例えば、熱電対)が、シャワーヘッド208上に配置され、またはそれに埋め込まれる。例のみとして、1つより多い温度センサが用いられる(すなわち、1つより多い検知された温度が、異なる場所からコントローラ204に供給される)とき、コントローラ204は、複数の検知された温度の平均に基づいて、堆積時間を調整し得る。
【0036】
コントローラ204は、温度モニタ232と、堆積時間決定器236と、堆積オプティマイザ240と、を備える。温度モニタ232は、温度プローブ216から、シャワーヘッド208の温度を示す1つまたは複数の信号を受信し、処理する。例えば、受信される信号は、アナログ信号とすることができる。温度モニタ232は、アナログ信号を、温度に対応するデジタル値に変換するように構成され得る。温度モニタ232は、検知されたシャワーヘッド温度を示す信号を、堆積時間決定器236に出力する。
【0037】
堆積時間決定器236は、検知されたシャワーヘッド温度に基づいて、堆積ステップに対する堆積時間を決定するように構成されている。堆積厚さは、シャワーヘッド温度に直接、相互に関連付けられ得る(例えば、線形的に相互に関連付けられ得る)。例えば、シャワーヘッド温度の上昇に従って、固定の堆積持続時間に対する堆積厚さも増加し得る。反対に、シャワーヘッド温度の低下に従って、同じ固定の堆積持続時間に対する堆積厚さも減少する。いくつかの例では、堆積厚さは、シャワーヘッド温度の上昇に従って減少し、シャワーヘッド温度の低下に従って増加し得る。堆積時間決定器236は、シャワーヘッド温度の変動を補償し、所望の堆積厚さを達成するように、堆積時間を決定し、選択的に調整する。
【0038】
一例では、堆積時間決定器236は、堆積ステップまたはプロセスを始める前に、シャワーヘッド温度を受信し、堆積時間を決定する。例えば、堆積時間決定器236は、前の基板上で堆積を行った後で、次の基板に対する堆積時間を決定する(すなわち、連続した基板に、順番に行われる堆積ステップの間で)。堆積時間決定器236は、シャワーヘッド温度と、所望の堆積厚さとに基づいて、堆積時間を決定する。代わりに、堆積時間決定器236は、ベースラインまたはデフォルト堆積時間に対する、調整またはオフセットを決定する(例えば、堆積時間調整百分率、時間オフセットなど)。堆積時間決定器236は、堆積時間情報(例えば、決定された堆積時間、堆積時間調整など)を、堆積オプティマイザ240に供給する。堆積オプティマイザ240は、堆積情報に基づいて、堆積持続時間に対する堆積ステップを制御する。
【0039】
別の例では、堆積時間決定器236は、堆積ステップの間に検知され、受信されたシャワーヘッド温度に基づいて、堆積時間を決定し続ける。言い換えれば、堆積ステップを始める前に1回だけ堆積時間を決定し、決定された堆積時間に対して堆積ステップを行うのではなく、堆積時間決定器236は、堆積ステップの間に温度変動に基づいて(すなわち、堆積ステップが行われているのに従ってリアルタイムで)、堆積時間に対してさらなる調整を行い得る。
【0040】
堆積時間決定器236は、シャワーヘッド温度を、堆積速度、ベースライン堆積時間のための堆積厚さなどと相関させるデータに基づいて、堆積時間を決定する。例えば、データは、メモリ244に記憶されたシャワーヘッド温度補償データに対応する。一例では、記憶されたデータは、シャワーヘッド温度を、堆積速度、堆積厚さ、所望の堆積厚さのための堆積時間などと相関させる、ルックアップテーブルを備え得る。別の例では、記憶されたデータは、非限定的に、堆積ステップの前に測定されたシャワーヘッド温度、およびデフォルトまたはベースライン堆積時間を含む、1つまたは複数の入力に基づいて堆積時間を決定するように構成されている、モデルまたは理論式である。
【0041】
次に
図3を参照すると、本開示による堆積時間を決定する例示の方法300が示される。例えば、
図2のシステム200は、方法300を行うように構成されている。304では、シャワーヘッド温度補償データが生成され、記憶される。例えば、シャワーヘッド温度補償データは、上述のように、シャワーヘッド温度を、堆積速度、ベースライン堆積時間のための堆積厚さ、その他と相関させるデータである。一例では、シャワーヘッド温度が監視されながら、複数の基板が処理される(例えば、同じ堆積時間を有する、順次の堆積ステップで)。堆積が完了した後、基板のそれぞれの堆積厚さが測定される。このようにして各堆積厚さ(同じ堆積時間での)に対する、それぞれのシャワーヘッド温度が決定され得る。
【0042】
308では、基板上で堆積プロセスを行うように構成されている、処理チャンバ内の基板支持体上に基板が配置される。312では、方法300(例えば、温度モニタ232)は、処理チャンバのシャワーヘッドの温度を決定する。例えば、温度モニタ232は、シャワーヘッドの温度を検知するように構成されているそれぞれのセンサ(例えば、温度プローブ216)から、1つまたは複数の信号を受信する。
【0043】
316では、方法300(例えば、堆積時間決定器236)は、シャワーヘッド温度に基づいて堆積時間を決定する。例えば、堆積時間決定器236は、上述のようにシャワーヘッド温度を、堆積時間、および/または厚さと相関させる、記憶されたデータに基づいて、堆積時間を決定する。一例では、記憶されたデータは、ベースライン堆積時間DTと、可変補正係数Cとに、DT’=DT×Cに従って基づく、調整された(すなわち、最適化された)堆積時間DT’を決定するように構成されている、モデルまたは理論式である。いくつかの例では、補正係数は、シャワーヘッド温度に反比例する。従って、シャワーヘッド温度が上昇するのに従って、補正係数Cは減少し(例えば、1のベースラインから)、および最適化された堆積時間DT’は減少する。他の例では、補正係数は、シャワーヘッド温度に直接比例する。従って、シャワーヘッド温度が上昇するのに従って、補正係数Cは増加し、および最適化された堆積時間DT’は増加する。
【0044】
補正係数Cは、シャワーヘッド温度のみに基づいて、またはシャワーヘッド温度と、蓄積(すなわち、処理チャンバ内の堆積副生成物の蓄積の測定された、または推定される量)、基板数(すなわち、所与の順序で処理される基板の数、またはシャワーヘッド温度に影響を及ぼす期間)などの他の入力と、に基づいて、決定され得る。
【0045】
320では、方法300(例えば、堆積オプティマイザ240)は、決定された最適化された堆積時間に対応する持続時間の間、堆積ステップを行う。例えば、堆積ステップは、シャワーヘッドを予備加熱せずに行われる。324では、基板は、処理チャンバから移送される。328では、方法300は、別の基板上に堆積を行うかどうかを決定する。そうである場合は、方法300は、308に進む。そうでない場合は、方法300は、332で終了する。
【0046】
図4は、
図2のコントローラ204を実装するように構成されている、プロセッサ404とメモリ408とを備える、例示のコンピューティングシステム400を示す。例えば、コンピューティングシステム400は、
図3の方法300を行うように構成されている。一例では、プロセッサ404は、メモリ408および/または不揮発性記憶装置412に記憶された命令を、実行するように構成されている専用プロセッサである。メモリ408は、揮発性メモリおよび/または不揮発性メモリとすることができる。不揮発性記憶装置412は、1つまたは複数のハードディスクドライブ、半導体記憶装置(例えば、ソリッドステートドライブ)などを備え得る。
【0047】
コンピューティングシステム424は、ユーザからコマンドおよび他の入力を受信するための、キーボードまたはキーパッド、タッチスクリーン、その他などの入力装置を備え得る。ディスプレイ420は、情報を表示するように構成されている(例えば、プロセスパラメータ、画像など)。通信インターフェース424は、コンピューティングシステム400と、センサ、コントローラ、他の処理ツール、その他などのコンピューティングシステムの外部の装置との間の、有線および/またはワイヤレス通信をもたらし得る。
【0048】
上記では、シャワーヘッド温度に基づいて堆積時間を調整するように述べられたが、いくつかの例では他の処理パラメータは、堆積時間を調整する代わりに、またはそれに加えて、シャワーヘッド温度に基づいて調整され得る。例えば、本開示によるシステムおよび方法は、決定されたシャワーヘッド温度に基づいて、プロセスガス流量、チャンバ圧力、RF電力などを調整するように構成され得る。
【0049】
上記の説明は、本質的に単に例示的なものであり、本開示、その応用例、または用途を限定するものではない。本開示の広範な教示は、多様な形で実施され得る。従って、図面、仕様書、および添付の「特許請求の範囲」の考察から、他の変形形態が明らかとなるので、本開示は特定の例を含むが本開示の真の範囲はそのように限定されるべきではない。方法における1つまたは複数のステップは、本開示の原理を変更せずに、異なる順序で(または並行して)実行され得ることが理解されるべきである。さらに、実施形態のそれぞれは、一定の特徴を有するものとして上述されているが、本開示のいずれかの実施形態に関して述べられるそれらの特徴のうちの任意の1つまたは複数は、他の実施形態の任意のものの特徴において実施され、および/またはその組み合わせが明示的に述べられなくてもそれらと組み合わされ得る。言い換えれば、述べられる実施形態は相互に排他的ではなく、1つまたは複数の実施形態の互いの置換は、本開示の範囲内のままである。
【0050】
要素の間(例えば、モジュール、回路要素、半導体層などの間)の空間的および機能的関係は、「接続された」、「係合された」、「結合された」、「隣接した」、「の隣に」、「の上部に」、「の上」、「の下」、および「配置されている」など、様々な用語を用いて述べられる。「直接」であることが明示的に述べられない限り、上記の開示において第1および第2の要素の間の関係が述べられるとき、関係は、第1および第2の要素の間に他の介在する要素がない直接の関係とすることができるが、第1および第2の要素の間に1つまたは複数の介在する要素が存在する(空間的または機能的に)間接的関係であってもよい。本明細書で用いられる、A、B、およびCのうちの少なくとも1つという語句は、非排他的論理ORを用いて、論理(A OR B OR C)を意味すると解釈されるべきであり、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、およびCのうちの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。
【0051】
いくつかの実装形態において、コントローラはシステムの一部であり、これは上述の例の一部となり得る。このようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、処理のための1つまたは複数のプラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(ウェハ台座、ガス流システムなど)など、半導体処理装置を備えることができる。これらのシステムは、半導体ウェハまたは基板の処理の前、その間、およびその後の、それらの動作を制御するための電子機器と統合され得る。電子機器は「コントローラ」と呼ばれることができ、これは1つまたは複数のシステムの様々な構成要素またはサブパーツを制御し得る。コントローラは、処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、処理ガスの送出、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送出設定、位置的および作業設定、特定のシステムに接続されたまたはインターフェースされた、ツールおよび他の移送ツールおよび/またはロードロック内へのおよびそれらからのウェハ移送など、本明細書で開示されるプロセスの任意のものを制御するようにプログラムされ得る。
【0052】
概して言えば、「コントローラ」、「モニタ」、「決定器」、および「オプティマイザ」という用語は、命令を受信する、命令を発行する、動作を制御する、洗浄作業を可能にする、エンドポイント測定を可能にするなどの、様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義され得る。集積回路は、プログラム命令を記憶する、ファームウェアの形でのチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/またはプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つまたは複数のマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラを備え得る。プログラム命令は、様々な個別の設定(またはプログラムファイル)の形でコントローラに通信される命令とすることができ、半導体ウェハに対してもしくはそのために、またはシステムに対して、特定のプロセスを遂行するための作業パラメータを定義する。作業パラメータは、いくつかの実施形態において、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/またはウェハのダイの、製造の間に1つまたは複数の処理ステップを達成するために、プロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部とすることができる。
【0053】
コントローラは、いくつかの実装形態において、システムに統合された、システムに結合された、他の形でシステムにネットワーク化された、またはそれらの組み合わせの、コンピュータの一部とするまたはそれに結合され得る。例えば、コントローラは、「クラウド」、または製造工場ホストコンピュータシステムのすべてもしくは一部に存在することができ、これはウェハ処理のリモートアクセスを可能にする。コンピュータは、製造作業の現在の進行を監視する、過去の製造作業の履歴を調べる、複数の製造作業から傾向もしくは性能メトリクスを調べる、現在の処理のパラメータを変更する、現在の処理に続く処理ステップを設定する、または新たなプロセスを開始するために、システムへのリモートアクセスを可能にし得る。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを通してシステムにプロセスレシピをもたらすことができ、ネットワークはローカルネットワークまたはインターネットを備え得る。リモートコンピュータはユーザインターフェースを備えることができ、ユーザインターフェースはパラメータおよび/または設定の入力もしくはプログラミングを可能にし、次いでそれらはリモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例では、コントローラは、1つまたは複数の作業の間に行われることになる処理ステップのそれぞれに対するパラメータを指定する、データの形で命令を受信する。パラメータは、行われることになるプロセスのタイプと、およびコントローラがそれとインターフェースするまたはそれを制御するように構成されているツールのタイプと、に固有とすることができることが理解されるべきである。従って上述されたように、コントローラは、一緒にネットワーク化された1つまたは複数の個別のコントローラを備えること、および本明細書で述べられるプロセスおよび制御など、共通の目的に向かって働くことなどによって、分散され得る。このような目的のために分散されたコントローラの例は、一緒になってチャンバ上のプロセスを制御する、遠隔に位置する1つまたは複数の集積回路(プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部としてなど)と通信するチャンバ上の1つまたは複数の集積回路であろう。
【0054】
限定せずに、例示のシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属メッキチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相成長法(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相成長法(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、および半導体ウェハの製造および/または生産に関連したもしくはそこで用いられ得る任意の他の半導体処理システムを備え得る。
【0055】
上記のように、ツールによって行われることになる1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラは、他のツール回路またはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近傍のツール、工場全体にわたって位置するツール、メインコンピュータ、他のコントローラ、または半導体生産工場内のツールの位置および/またはロードポートへまたはそれらからウェハの容器を運ぶ材料輸送において用いられるツール、のうちの1つまたは複数と通信し得る。
【国際調査報告】