(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】基板支持体の反応性洗浄
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20240719BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20240719BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
H01L21/304 645Z
H01L21/205
H01L21/302 101H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504172
(86)(22)【出願日】2022-06-17
(85)【翻訳文提出日】2024-01-23
(86)【国際出願番号】 US2022033928
(87)【国際公開番号】W WO2023003658
(87)【国際公開日】2023-01-26
(32)【優先日】2021-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100176418
【氏名又は名称】工藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】チェン シー
(72)【発明者】
【氏名】ラオ シュリーシャ ヨギシュ
(72)【発明者】
【氏名】グオ シェン
(72)【発明者】
【氏名】チン チ エイチ
(72)【発明者】
【氏名】ブレゾツキー トーマス ブラジウス
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ チェン-シュン
【テーマコード(参考)】
5F004
5F045
5F157
【Fターム(参考)】
5F004AA15
5F004BA03
5F004CA06
5F045EB06
5F045EH18
5F045EH20
5F157BG32
5F157BG33
5F157CF34
5F157CF48
5F157DA21
(57)【要約】
基板支持体を洗浄する方法は、基板支持体を含む処理チャンバに洗浄ガスを導入すること、処理チャンバと流体連結した遠隔プラズマ源に高周波(RF)電力を与えて、処理チャンバ内の洗浄ガスから反応性エッチングプラズマを確立すること、基板支持体上の堆積物を反応性エッチングプラズマと反応させて副生物相を形成すること、および副生物相を処理チャンバから排出することを含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板支持体を洗浄する方法であって、
前記基板支持体を含む処理チャンバに洗浄ガスを導入すること、
前記処理チャンバと流体連結した遠隔プラズマ源に高周波(RF)電力を与えて、前記処理チャンバ内の前記洗浄ガスから反応性エッチングプラズマを確立すること、
前記基板支持体上の堆積物を前記反応性エッチングプラズマと反応させて副生物相を形成すること、および
前記副生物相を前記処理チャンバから排出すること
を含む、方法。
【請求項2】
前記洗浄ガスを前記導入することが、前記遠隔プラズマ源を通して前記洗浄ガスを導くことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記洗浄ガスを前記導入することが、前記処理チャンバ内に直接に前記洗浄ガスを導くことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記遠隔プラズマ源を動作させることが、1つまたは複数の以下の条件:10W以上~250W以下の範囲のバイアス電力、前記バイアス電力の50%未満の反射電力、および5ミリトル以下~2トル以下の範囲の圧力を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記処理チャンバが真空圧力下にある、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記洗浄ガスが酸素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記基板支持体が、静電チャックおよび少なくとも1つの電極を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記基板支持体の温度を100℃以上~600℃以下の範囲に設定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記基板支持体の漏れ電流の測定値を監視することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記遠隔プラズマ源を動作させる継続期間が前記漏れ電流の前記測定値に基づく、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記堆積物が、少なくとも炭素および/または炭素鎖を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
基板支持体を洗浄する方法であって、
前記基板支持体の静電チャックの温度を100℃以上~600℃以下の範囲に設定すること、
前記基板支持体を含む処理チャンバに酸素を含む洗浄ガスを導入することであり、前記処理チャンバが真空圧力下にある、導入すること、
前記処理チャンバと流体連結した遠隔プラズマ源に高周波(RF)電力を与えて、前記処理チャンバ内の前記洗浄ガスから反応性エッチングプラズマを確立すること、
前記基板支持体上の堆積物を前記反応性エッチングプラズマと反応させて副生物相を形成すること、および
前記副生物相を前記処理チャンバから排出すること
を含む、方法。
【請求項13】
前記遠隔プラズマ源を動作させることが、1つまたは複数の以下の条件:10W以上~250W以下の範囲のバイアス電力、前記バイアス電力の50%未満の反射電力、および5ミリトル以下~2トル以下の範囲の圧力を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記静電チャックの漏れ電流の測定値を監視することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記堆積物が、少なくとも炭素基および/または炭素鎖を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
非一過性コンピュータ可読媒体であって、命令を含み、前記命令が、処理チャンバのコントローラによって実行されたときに、
静電チャックを含む基板支持体を含む前記処理チャンバと流体連結した遠隔プラズマ源を、1つまたは複数の以下の条件:10W以上~250W以下の範囲のバイアス電力、前記バイアス電力の50%未満の反射電力、および5ミリトル以下~2トル以下の範囲の圧力に設定する動作と、
前記静電チャックの温度を100℃以上~600℃以下の範囲に設定する動作と、
前記処理チャンバに洗浄ガスを導入する動作と、
前記処理チャンバと流体連結した遠隔プラズマ源に高周波(RF)電力を与えて、前記処理チャンバ内の前記洗浄ガスから反応性エッチングプラズマを確立する動作と、
前記基板支持体上の堆積物を前記反応性エッチングプラズマと反応させることからもたらされる副生物相を前記処理チャンバから排出する動作と
を前記処理チャンバに実行させる、非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記処理チャンバの圧力を真空圧力に設定する動作を含む、請求項16に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記処理チャンバが、前記静電チャックの漏れ電流の測定値を監視することを含む動作を実行する、請求項16に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記遠隔プラズマ源を動作させる継続期間が、前記静電チャックの漏れ電流の測定値に基づく、請求項16に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記洗浄ガスが酸素を含み、前記堆積物が、少なくとも炭素および/または炭素鎖を含む、請求項16に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に、基板を処理するための装置および方法に関する。詳細には、本開示の実施形態は、遠隔プラズマ発生器(RPS)を使用して洗浄ガスから反応性エッチングプラズマを確立することによって基板支持体を洗浄するための装置および方法を対象としている。次いで、基板支持体上の堆積物と反応性エッチングプラズマとの反応からもたらされる副生物相が基板支持体から離れて排出される。
【背景技術】
【0002】
多くの堆積プロセスでは、ガス分配プレートの表面と基板支持体上に配置されている処理対象の基板との間の均一で小さな間隙を維持することが利益となる。例えば、原子層堆積プロセス(ALD)はしばしば、非常に小さな基板-ガスインジェクタ間隔を有する。この間隙の変動は、基板表面にわたるガスの流れ均一性の変化を引き起こし得る。この間隙の変動は、処理ステーション間で基板を移動させるときによりいっそう顕著である。多数の堆積処理サイクルの結果、例えば処理ケミストリおよび処理条件に由来する残留粒子および/または膜の堆積物のために、基板支持体の表面の不均一性および平坦性変動が生じることがある。基板支持体の平坦性の変化は、ガスインジェクタと基板との間の反応空間の変動を増大させる。
【0003】
高温でのプロセスに関しては基板支持体が加熱される。基板支持体は静電チャックを含み得る。高温では、炭素基および炭素鎖などの汚染物が、基板支持体の表面、例えば静電チャックの表面に堆積物の形態で蓄積し、それら汚染物は、チャックのセラミック層の抵抗を変化させ、チャッキング力に影響を与え得る。例えば、静電チャックの表面の電荷は、炭素ベースの汚染物によって、例えば導電膜を介して短絡され得る。この短絡は、表面における電荷電位を低下させ、その結果、チャッキング力が弱まる。
【0004】
多数のサイクル後に基板支持体表面を洗浄することで均一性および平坦性を向上させることができる。処理チャンバ内で発生させた高周波(RF)プラズマを使用してチャック汚染物をエッチングし、それによって表面をきれいにすることは、スパッタリングされた粒子をチャック表面からチャンバ内のどこか別の場所へ再分配することに帰着し得るが、処理チャンバから汚染物を除去しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、当技術分野では、基板支持体の表面を洗浄すること、特に、加熱された静電チャックの表面から堆積物を反応によって除去することが継続して求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つまたは複数の実施形態は、基板支持体を洗浄する方法を対象としている。基板支持体を含む処理チャンバに洗浄ガスを導入する。処理チャンバと流体連結した遠隔プラズマ源に高周波(RF)電力を与えて、処理チャンバ内の洗浄ガスから反応性エッチングプラズマを確立する。基板支持体上の堆積物を反応性エッチングプラズマと反応させて副生物相を形成する。副生物相を処理チャンバから排出する。
【0007】
追加の実施形態は、基板支持体を洗浄する方法を対象としている。基板支持体の静電チャックの温度を100℃以上~600℃以下の範囲に設定する。基板支持体を含む処理チャンバに酸素を含む洗浄ガスを導入する。処理チャンバは真空圧力下にある。処理チャンバと流体連結した遠隔プラズマ源に高周波(RF)電力を与えて、処理チャンバ内の洗浄ガスから反応性エッチングプラズマを確立する。基板支持体上の堆積物を反応性エッチングプラズマと反応させて副生物相を形成する。副生物相を処理チャンバから排出する。
【0008】
本開示のさらなる実施形態は、非一過性コンピュータ可読媒体を対象としている。非一過性コンピュータ可読媒体は命令を含む。それらの命令が処理チャンバのコントローラによって実行されたときに、処理チャンバは、静電チャックとヒータとを含む基板支持体を含む処理チャンバと流体連結した遠隔プラズマ源を、1つまたは複数の以下の条件:10W以上~250W以下の範囲のバイアス電力、バイアス電力の50%未満の反射電力、および5ミリトル以下~2トル以下の範囲の圧力に設定する動作と、静電チャックの温度を100℃以上~600℃以下の範囲に設定する動作と、処理チャンバに洗浄ガスを導入する動作と、処理チャンバと流体連結した遠隔プラズマ源に高周波(RF)電力を与えて、処理チャンバ内の洗浄ガスから反応性エッチングプラズマを確立する動作と、基板支持体上の堆積物を洗浄ガスの反応性核種と反応させることからもたらされる副生物相を処理チャンバから排出する動作とを実行する。
【0009】
上に挙げた本発明の特徴を詳細に理解することができるように、そのうちのいくつかが添付図面に示されている実施形態を参照することによって、上に概要を簡単に示した本発明がより具体的に説明されていることがある。しかしながら、添付図面は、本発明の典型的な実施形態だけを示しており、したがって、添付図面を、本発明の範囲を限定するものとみなすべきではなく、本発明が、等しく有効な他の実施形態を受け入れる可能性があることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】1つまたは複数の実施形態による、基板支持体を洗浄する方法のフローチャートである。
【
図2】1つまたは複数の実施形態による処理チャンバの概略図である。
【
図3】1つまたは複数の実施形態による基板支持体の概略図である。
【
図4A】1つまたは複数の実施形態による、方法の異なる時点における基板表面の概略図である。
【
図4B】1つまたは複数の実施形態による、方法の異なる時点における基板表面の概略図である。
【
図4C】1つまたは複数の実施形態による、方法の異なる時点における基板表面の概略図である。
【
図5】1つまたは複数の実施形態による処理プラットホームの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図では、同様の構成要素および/または特徴が同じ参照符号を有することがある。さらに、参照符号の後にダッシュが続くことによって、および同様の構成要素を区別する第2の符号によって、同じタイプのさまざまな構成要素が区別されることもある。本明細書において第1の参照符号だけが使用されている場合、その説明は、第2の参照符号にかかわりなく、同じ第1の参照符号を有する同様の構成要素の任意の1つに適用可能である。図中の構成要素のクロスハッチによる陰影付けは、異なる部分の可視化を助けることが意図されており、必ずしも異なる構造材料を示してはいない。
【0012】
本発明のいくつかの例示的な実施形態の説明の前に、本発明は、以下の説明に記載された構造またはプロセスステップの詳細に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態をとることができ、さまざまなやり方で実施または実行することができる。
【0013】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるとき、用語「基板」は、プロセスが作用する表面または表面の部分を指す。文脈からそうでないことが明らかである場合を除き、基板への言及が基板の一部分だけを指すことがあることも当業者は理解するであろう。さらに、基板上に堆積させるとの言及が、裸の基板と、1つまたは複数の膜または特徴がその上に堆積または形成された基板の両方を意味することがあり得る。
【0014】
本明細書で使用されるとき、「基板」は、製造プロセス中に膜処理が実行される任意の基板または基板上に形成された材料表面を指す。例えば、処理を実行することができる基板表面は、用途に応じて、シリコン、酸化シリコン、ストレインドシリコン、シリコンオンインシュレータ(SOI)、炭素がドープされた酸化シリコン、アモルファスシリコン、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイヤなどの材料、ならびに金属、金属窒化物、金属合金および他の導電性材料などの他の任意の材料を含む。基板は半導体ウエハを含むが、これに限定されない。基板は、基板表面を研摩、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化、アニール、UV硬化、eビーム硬化および/またはベークするための前処理プロセスにかけられることがある。基板自体の表面における直接膜処理に加えて、本開示では、開示された膜処理ステップの任意のステップが、後により詳細に開示される基板上に形成された下層に実行されることもあり、用語「基板表面」は、文脈が示すような下層を含むことが意図されている。したがって、例えば、基板表面に膜/層または部分膜/層が堆積している場合には、新たに堆積した膜/層の露出面が基板表面になる。
【0015】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるとき、用語「前駆体」、「反応物」、「反応性ガス」などは、基板表面、または基板表面に形成された膜と反応し得る任意の気体核種を指すために相互に交換可能に使用される。
【0016】
「洗浄ガス」への言及は、高周波(RF)エネルギーを与えるとフリーラジカルを発生させ、それによって反応性エッチングプラズマを確立する、1種または数種の成分または前駆体からなる気体材料を意味する。
【0017】
本開示の実施形態は、基板支持体またはペデスタルの表面を洗浄するための装置および方法を対象としている。表面堆積物(または汚染)をポンピング可能な気相の状態の副生物に転化して、粒子を至る所にスパッタリングすることなく、または基板支持体(またはチャッキング)表面を傷つけることなく副生物をチャンバの外に完全にポンピングすることができるようするために、いくつかの実施形態は、酸素バックグラウンドを有する反応性プラズマを提供する。本開示の実施形態は、例えばペデスタル表面の定期的な洗浄、洗浄後のペデスタルヒータ表面の乾燥、ペデスタルの表面の処理およびウエハの裏側またはベベルの洗浄と共に有利に使用可能である。
【0018】
「静電チャック」(ESC)は、非機械式クランピング方法を使用して、ウエハ処理の間、基板またはウエハを保持する。ESCは、ウエハと1つまたは2つの導電性電極との間に配置された誘電体層からなる。ESCの誘電体表面に対してウエハをクランプし、それによってウエハを「チャックする」ための静電保持力を確立するために、ESCに埋め込まれた電極を通してウエハにバイアス電圧が印加される。
【0019】
基板支持体またはペデスタルに関連づけられた静電力は、表面の汚染物に対して敏感であり、表面の汚染物は2つの因子、すなわち(1)静電チャックとウエハとの間のコンタクト、および(2)静電荷の損失を変化させ得る。汚染物は、静電チャックとウエハとの間の距離を増大させ、この距離の増大は、コンタクトの低減によりチャッキング力を低下させる。加えて、チャックの表面の電荷は汚染物炭素導電膜によって「短絡」され得る。この短絡は、表面における電荷電位を低下させ、その結果、チャッキング力が弱まる。高温では、静電チャック表面に汚染物(通常は炭素および炭素鎖)が蓄積し、それら汚染物は、チャックセラミックの抵抗を変化させ、チャッキング力に影響を及ぼす。
【0020】
本開示の1つまたは複数の実施形態は、高温プロセスにおいてウエハを保持するために広く使用されているジョンセン-ラーベック(J-R)型バイポーラ静電チャックに対して有利に利用される。J-R型チャックでは、電極から誘電体層の頂面に移動する電荷を制御するために、誘電体抵抗がターゲットとなる。バイポーラチャックでは、電極が極性を反転させる(一方は正であり、もう一方は負である)。機能上、この力を生み出すのは、表面における反対の電荷の電位差の大きさであり、そのため、電場が再び存在する間、重要なのはこの電位の大きさである。
【0021】
有利には、本開示の1つまたは複数の実施形態は、スパッタエッチング洗浄プロセス、化学洗浄および/または機械洗浄にとって代わり、それらの対応する不都合を排除する。例えば、エッチング洗浄プロセスは、スパッタリングされた材料を、チャック表面からチャンバ内のどこか別の場所に再分配するだけになりがちであり、このことは、ランダム欠陥エクスカーションおよびチャック表面の再汚染につながり得る。さらに、炭素および炭素鎖汚染の除去はエッチング単独では困難となり得る。エッチングプロセスはチャックを傷つける可能性を有する。さらに、いくつかのエッチングプロセスは追加のチャンバ修正を必要とし、チャンバ修正は、ウエハプロセスの中断および生産性の遅延となり得る。特にPVDに関しては、洗浄プロセス後に、エッチングに関連したハードウェアをPVDチャンバから取り外す必要があり、この取外しには、処理チャンバを開く必要があり、新たな粒子汚染がシステムに入る可能性を導入する。
【0022】
1つまたは複数の実施形態では、これらの洗浄方法が、汚染物の反応および気体副生物相の形成と同時にチャンバから汚染物を除去する。本明細書の方法は、任意の形態の堆積物、例えば導電層の形態の堆積物を物理化学的に除去し、堆積物は、汚染除去の問題なしにチャンバから完全に除去することができるポンピング可能な気相に転化される。これらの方法は、粒子問題を回避することができる欠陥のない洗浄プロセスを提供する。エッチングプロセスに比べてチャックを傷つける可能性は小さい。本明細書の反応性プロセスは、炭素および炭素鎖汚染物を除去するのに効果的である。1つまたは複数の実施形態では、均一な洗浄結果および低い動作圧力要件が達成される。1つまたは複数の実施形態では、遠隔プラズマ源がその場に留まり、プロセスハードウェアに対する任意の変更またはプロセスに対する影響を必要とすることなく(ウエハ実行の前またはウエハ実行とウエハ実行との間に)いつでも実行することができる。これらの方法は、追加のチャンバ修正を必要とすることまたはプロセスを遅らせることなしに、必要に応じて自動的に実行することができ、その結果、生産性が向上する。1つまたは複数の実施形態では、これらの方法が非常に効率的であり、例えば、チャックを洗浄するのに2~4時間しかかからない。除去可能な遠隔プラズマ源の使用は、ソース電力およびガス核種に基づいて、(炭素および炭素鎖だけでなく)さまざまな汚染物をターゲットとすることができる。
【0023】
図1は、1つまたは複数の実施形態による、基板支持体を洗浄する方法10のフローチャートを示している。動作15で、基板支持体を含む処理チャンバに洗浄ガスを導入する。動作20で、処理チャンバと流体連結した遠隔プラズマ源内でプラズマを発現させる。すなわち、遠隔プラズマ源に高周波(RF)電力を与え、これによって処理チャンバ内の洗浄ガスから反応性エッチングプラズマを確立する。洗浄ガスのフリーラジカルは、基板支持体上の堆積物(例えば炭素および/または炭素鎖などの汚染物)と反応するのに効果的である。この表面には、ヒドロキシ基を含む化合物、水および炭化水素などの他の汚染物も存在し得る。動作25で、基板支持体上の堆積物を反応性エッチングプラズマと反応させて副生物相を形成する。動作30で、副生物相を処理チャンバから排出する。
【0024】
1つまたは複数の実施形態では、処理チャンバが真空圧力下にある。真空圧力は、当技術分野で知られている方法によって、例えば処理チャンバ上で真空ポンプを動作させることによって達成してもよい。
【0025】
1つまたは複数の実施形態では、洗浄ガスを導入することが、遠隔プラズマ源を通して洗浄ガスを流すことを含む。1つまたは複数の実施形態では、洗浄ガスを導入することが、処理チャンバ内に直接に洗浄ガスを流すことを含む。1つまたは複数の実施形態では、洗浄ガスを導入することが、処理チャンバ内に直接に洗浄ガスを流すこと、およびRPSを通して洗浄ガスを流すことを含む。
【0026】
1つまたは複数の実施形態では、遠隔プラズマ源を動作させることが、1つまたは複数の以下の条件:10W以上~250W以下の範囲ならびに10Wと250Wとの間の全ての値および部分範囲のバイアス電力、バイアス電力よりも小さな反射電力、例えば125W未満の反射電力、ならびに5ミリトル以下~2トル以下の範囲の圧力を含む。制御電力に従ってチューニング電圧が設定される。1つまたは複数の実施形態では、チューニング電圧が5ボルト以上~6ボルト以下の範囲にある。
【0027】
1つまたは複数の実施形態では、洗浄ガスが、高周波(RF)エネルギーを与えるとフリーラジカルを発生させる1種または数種の成分または前駆体を含む。
【0028】
1つまたは複数の実施形態では、洗浄ガスが酸素を含む。1つまたは複数の実施形態では、洗浄ガスが、本質的に酸素からなり、または酸素からなる。1つまたは複数の実施形態では、洗浄ガスが窒素および酸素を含む。1つまたは複数の実施形態では、洗浄ガスが空気源である。
【0029】
1つまたは複数の実施形態では、洗浄ガスが、フッ素ベースの化合物を含む。1つまたは複数の実施形態では、洗浄ガスが、本質的にフッ素ベースの化合物からなり、またはフッ素ベースの化合物からなる。
【0030】
1つまたは複数の実施形態では、基板支持体の静電チャックの温度が、100℃以上~600℃以下の範囲ならびに100℃と600℃との間の全ての値および部分範囲に設定される。
【0031】
1つまたは複数の実施形態では、洗浄の継続期間、例えば遠隔プラズマ源を動作させる継続期間が時間に基づく。
【0032】
プロセス監視に従って洗浄の継続期間を調節してもよい。例えば、表面電位をマッピングすることによって基板支持体の表面の汚染を検出することができる。静電電圧計は、汚染物導電膜を検出するためにチャック表面の表面電位(電圧)を正確に測定する1つの手段である。
【0033】
基板支持体の表面の汚染は、漏れ電流を測定することによっても検出することができる。炭素などの汚染物は表面導電率を変化させる。電圧が印加されているとき、漏れ電流は汚染の程度を反映し得る。漏れ電流を注視することにより、追加のチャンバ修正またはプロセス中断を必要とすることなく、必要に応じて、本明細書の洗浄方法を自動的に実行することができる。
【0034】
1つまたは複数の実施形態では、方法は、基板支持体の漏れ電流、具体的には静電チャックの漏れ電流の測定値を監視することをさらに含む。いくつかの実施形態では、遠隔プラズマ源の動作の開始は、基板支持体または静電チャックの漏れ電流の測定値に基づく。いくつかの実施形態では、遠隔プラズマ源を動作させる継続期間は漏れ電流の測定値に基づく。
【0035】
裏側圧力の測定は、汚染による裏側ガス漏れを決定することであり得る。一例として、チャッキング電圧を所望の量だけ低下させて、所望のガス流での所望の裏側圧力以上の圧力においてチャックがウエハを保持し得る最低電圧を決定することができる。
【0036】
さらに、粒子マップデータは、チャック性能および条件に関する有用な情報を提供し得る。裏側粒子マップを収集することによってチャッキング力の大きさおよび均一性を評価することができる。前側粒子マップを収集することによって、本明細書の方法によるチャンバに対する粒子スパッタリング効果を評価することができる。
【0037】
図2を参照すると、1つまたは複数の実施形態による処理チャンバ500は、チャンバ壁521およびチャンバリッド523によって画定された処理キャビティ520を含む。処理チャンバ500は基板支持体502を含む。処理チャンバ500は例であり、処理キャビティ520内に最低限の内部特徴があるアニーリングチャンバを表している。本明細書の方法は、壁ライナおよび/またはチャンバカソードなどの内部特徴が存在することがあるスパッタリングチャンバにも適合するであろう。
【0038】
遠隔プラズマ源(RPS)ユニット522は、基板支持体522を含む処理チャンバ500と流体連結している(例えば流体接続されている)。RPSは、処理チャンバ内への反応性エッチングプラズマを洗浄ガスから確立するために使用される。適当なプラズマは低密度プラズマ、通常は80Wまでのバイアス電力の低密度プラズマである。バイアス電力は、プラズマ密度を維持し、クリーンエネルギーを発生させるために使用される。適当なRPSユニットは、(取外し可能な遠隔制御の)インシトゥプラズマ源デバイスを提供する。RPSユニットは、高周波(RF)電力を与えるとプラズマ(可視)を発現させる。RPSユニットは、ガス流入量を変化させることで動作圧力を調整する。RPSユニットは、幅広い圧力範囲(5ミリトル~2トル)を可能にし、ポンプに対する危険またはシステムインタロックソフトウェアの割込みなしで、炭素を適切な速度で除去することを可能にする。コントローラ536は、RPSユニット522に電力を遠隔供給し、RPSユニット522を動作させるように構成されている。1つまたは複数の実施形態では、コントローラ536が、実行中に、動作電力を、10~250ワットならびに10ワットと250ワットとの間の全ての値および部分範囲で設定、監視および変更する。1つまたは複数の実施形態では、コントローラ525が、ガス供給528の流入のオン/オフを制御する。いくつかのRPSユニットは、プラズマが成功のうちに発現したことを示すカラーインジケータを含む。RPSユニットの例示的な他の設定は、80Wのソース電力、3未満の反射電力、および5~6Vの範囲内のチューニング電圧を含む。
【0039】
図2は、チャンバ壁521を通して設置されたRPS522を示しているが、その代わりにリッド523を通してRPS522を設置することもできることが理解される。RPS522は、プラズマを発現させる容積524を含む。RPSニードルバルブ526がプロセス圧力を維持する。1つまたは複数の実施形態では、このプロセス圧力が130ミリトルである。高周波源534は電源の役目を果たす。チャンバ500に低温ポンプ532が取り付けられていてもよいが、一般に洗浄プロセス中には使用されない。
【0040】
洗浄動作中、処理チャンバ500には洗浄ガス源528が流体連結する。1つまたは複数の実施形態では、プロセスライン527によってRPS522の容積524に洗浄ガスが供給される。1つまたは複数の実施形態では、洗浄ガスが、プロセスライン529によって処理チャンバ520に直接に供給される。1つまたは複数の実施形態では、洗浄ガスが、処理チャンバ520に直接に供給されるだけでなく、RPS522の容積524にも直接に供給される。遠隔プラズマ源に高周波(RF)電力を与えると、処理チャンバ内で洗浄ガスから反応性エッチングプラズマが確立される。反応性エッチングプラズマは基板支持体上の堆積物と反応して副生物相を形成する。1つまたは複数の実施形態では副生物相が気体である。
【0041】
放出通路530が副生物相を処理チャンバ500の外に導く。放出通路530は必要に応じてバルブ構成540およびポンプ538、542を含む。
【0042】
図3は、1つまたは複数の実施形態による基板支持体502の概略図を示している。1つまたは複数の実施形態では、基板支持体502が静電チャック(ESC)518を含む。1つまたは複数の実施形態では、基板支持体にヒータ510が含まれている。他の実施形態は、処理チャンバ内に置かれた、基板支持体の外部にヒータを含んでいてもよい。電極506および508は使用中に極性を反転させる。中央ベース504は、電極506および508をESC518に接続する。頂面514はウエハの処理中に汚染堆積物にさらされる。下面516もウエハの処理中に汚染堆積物にさらされる。
【0043】
図4A、4Bおよび4Cは、1つまたは複数の実施形態による、方法の異なる時点における基板表面514の概略図を示している。
図4Aでは表面514に汚染堆積物550がある。炭素および炭素鎖は通常、エッチング単独では除去することが困難な材料である。
図4Bに示されているようにプラズマおよび酸素バックグラウンドにさらされたときに、洗浄プロセスはO
2を使用して、例えば表面514のグラファイト汚染膜を灰化し、材料が全て反応して離れるまで堆積物550の量を減らし、それによって
図4Cに示されているようにクリーンな平面514を回復する。
【0044】
本明細書の洗浄方法は、ESC表面の汚染(例えば炭素、OH、H2O、HyCxなど)を、O2と反応させることによって、COx副生物とH2Oに転化させる。発生したCOx副生物およびH2Oは気相の状態でポンプダウンされる。
【0045】
本明細書の方法によれば下面の汚染堆積物も洗浄されることが理解される。
【0046】
図5は、本開示の1つまたは複数の実施形態による処理プラットホーム400を示している。
図5に示された実施形態は単に1つの可能な構成を表しているにすぎず本開示の範囲を限定するものと解釈すべきではない。例えば、いくつかの実施形態では、処理プラットホーム400が、処理チャンバ100、バッファステーション420および/またはロボット430構成のうちの1つまたは複数を、図示の実施形態とは異なる数で有する。
【0047】
例示的な処理プラットホーム400は、複数の側面411、412、413、414を有する中央移送ステーション410を含む。示された移送ステーション410は、第1の側面411、第2の側面412、第3の側面413および第4の側面414を有する。4つの側面が示されているが、例えば処理プラットホーム400の全体構成に応じて、移送ステーション410に適当な任意の数の側面が存在し得ることを当業者は理解するであろう。いくつかの実施形態では、移送ステーション410が、3つの側面、4つの側面、5つの側面、6つの側面、7つの側面または8つの側面を有する。
【0048】
移送ステーション410は、移送ステーション410内に配置されたロボット430を有する。ロボット430は、処理中に基板を移動させることができる任意の適当なロボットとすることができる。いくつかの実施形態では、ロボット430が、第1のアーム431および第2のアーム432を有する。第1のアーム431および第2のアーム432は、他方のアームとは独立に動かすことができる。第1のアーム431および第2のアーム432は、x-y平面内でおよび/またはz軸に沿って動くことができる。いくつかの実施形態では、ロボット430が、第3のアーム(図示せず)または第4のアーム(図示せず)を含む。アームの各々は、他のアームとは独立に動くことができる。
【0049】
示された実施形態は6つの処理チャンバ100を含み、中央移送ステーション410の第2の側面412、第3の側面413および第4の側面414の各々に2つの処理チャンバが接続されている。処理チャンバ100の各々は、異なるプロセスを実行するように構成されたものとすることができる。
【0050】
処理プラットホーム400はまた、中央移送ステーション410の第1の側面411に接続された1つまたは複数のバッファステーション420を含むことができる。バッファステーション420は、同じまたは異なる機能を実行することができる。例えば、バッファステーションは、処理され、元のカセットに戻される基板のカセットを保持してもよく、またはバッファステーションの1つが、処理後にもう一方のバッファステーションに移される未処理の基板を保持してもよい。いくつかの実施形態では、バッファステーションのうちの1つまたは複数が、処理前および/または処理後に基板を前処理、予熱または洗浄するように構成されている。
【0051】
処理プラットホーム400はまた、中央移送ステーション410と任意の処理チャンバ100との間に1つまたは複数のスリットバルブ418を含んでいてもよい。処理チャンバ100内の内部容積を中央移送ステーション410内の環境から分離するために、スリットバルブ418は開閉することができる。例えば、処理チャンバが処理中にプラズマを発生させる場合には、漂遊プラズマが移送ステーションのロボットに損傷を与えることを防ぐために、その処理チャンバのスリットバルブを閉じることが有用であることがある。
【0052】
基板または基板カセットを処理プラットホーム400に装填することを可能にするために、処理プラットホーム400をファクトリインターフェース450に接続することができる。ファクトリインターフェース450内のロボット455を使用して、基板またはカセットをバッファステーション内に移動させること、およびバッファステーションから外に移動させることができる。中央移送ステーション410のロボット430によって基板またはカセットを処理プラットホーム400内で移動させることができる。いくつかの実施形態では、ファクトリインターフェース450が、別のクラスタツール(すなわち別の多チャンバ処理プラットホーム)の移送ステーションである。
【0053】
コントローラ495が処理プラットホーム400のさまざまな構成要素に提供および結合され、それらの構成要素の動作を制御することができる。コントローラ495を、処理プラットホーム400の全体を制御する単一のコントローラとすること、または処理プラットホーム400の個々の部分を制御する多数のコントローラとすることができる。例えば、いくつかの実施形態の処理プラットホーム400は、個々の処理チャンバ100、中央移送ステーション410、ファクトリインターフェース450および/またはロボット430のうちの1つまたは複数に対する別個のコントローラを含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、処理チャンバ100がさらに、実質的に同一平面上にある複数の支持面231に接続されたコントローラ495であって、第1の温度または第2の温度のうちの1つまたは複数を制御するように構成されたコントローラ495を含む。1つまたは複数の実施形態では、コントローラ495が、支持アセンブリ200(
図2参照)の移動速度を制御する。
【0055】
いくつかの実施形態では、コントローラ495が、中央処理ユニット(CPU)496、メモリ497および支援回路498を含む。コントローラ495は、処理プラットホーム400を直接に制御してもよく、または特定の処理チャンバおよび/もしくは支援システム構成要素に関連づけられたコンピュータ(もしくはコントローラ)を介して処理プラットホーム400を制御してもよい。
【0056】
コントローラ495は、さまざまなチャンバおよびサブプロセッサを制御するために工業環境で使用することができる任意の形態の汎用コンピュータプロセッサのうちの1つであってもよい。コントローラ495のメモリ497またはコンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、光学ストレージ媒体(例えばコンパクトディスクもしくはデジタルビデオディスク)、フラッシュドライブまたは他の任意の形態のデジタルストレージなど、容易に入手可能なローカルまたはリモートのメモリのうちの1つまたは複数であってもよい。メモリ497は、処理プラットホーム400のパラメータおよび構成要素を制御するようにプロセッサ(CPU496)によって動作可能な命令セットを保持することができる。
【0057】
支援回路498は、プロセッサを従来のやり方で支援するためにCPU496に結合されている。これらの回路は、キャッシュ、電源、クロック回路、入力/出力回路および入力/出力サブシステムなどを含む。メモリ498には、このプロセッサによって実行されたときまたは呼び出されたときに、処理プラットホーム400または個々の処理チャンバの動作を本明細書に記載されたやり方でプロセッサに制御させるソフトウェアルーチンとして、1つまたは複数のプロセスが記憶されていてもよい。このソフトウェアルーチンは、CPU496が制御しているハードウェアから離れた遠隔位置に置かれた第2のCPU(図示せず)によって記憶および/または実行されてもよい。
【0058】
本開示のプロセスおよび方法の一部または全部がハードウェアで実行されてもよい。そのため、このプロセスは、ソフトウェアにおいて実施され、コンピュータシステムを使用して、例えば特定用途向け集積回路もしくは他のタイプのハードウェア実施態様として、またはソフトウェアとハードウェアの組合せとしてハードウェアで実行されてもよい。このソフトウェアルーチンは、プロセッサによって実行されたときに、汎用コンピュータを、プロセスが実行されるようにチャンバ動作を制御する特定目的コンピュータ(コントローラ)に変える。
【0059】
いくつかの実施形態では、この方法を実行するために、コントローラ495が、個々のプロセスまたはサブプロセスを実行するための1つまたは複数の構成を有する。これらの方法の機能を実行するために、コントローラ495を中間構成要素に接続することができ、それらの中間構成要素を動作させるようにコントローラ495を構成することができる。例えば、コントローラ495を、ガスバルブ、アクチュエータ、モータ、スリットバルブ、真空制御構成要素または他の構成要素のうちの1つまたは複数に接続することができ、それらの構成要素を制御するようにコントローラ495を構成することができる。
【0060】
いくつかの実施形態のコントローラ495は、静電チャックを含む基板支持体を含む処理チャンバと流体連結した遠隔プラズマ源を、1つまたは複数の以下の条件:10W以上~250W以下の範囲のバイアス電力、バイアス電力の50%未満の反射電力、および5ミリトル以下~2トル以下の範囲の圧力に設定し、静電チャックの温度を100℃以上~600℃以下の範囲に設定し、処理チャンバに洗浄ガスを導入し、処理チャンバと流体連結した遠隔プラズマ源に高周波(RF)電力を与えて、処理チャンバ内の洗浄ガスから反応性エッチングプラズマを確立し、基板支持体上の堆積物を反応性エッチングプラズマと反応させることからもたらされる副生物相を処理チャンバから排出する構成から選択された1つまたは複数の構成を有する。
【0061】
この明細書の全体を通じて、「1つの実施形態」、「ある実施形態」、「1つまたは複数の実施形態」または「実施形態」に関する言及は、その実施形態に関して記載された特定の特徴、構造、材料または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体のさまざまな箇所における「1つまたは複数の実施形態では」、「ある実施形態では」、「一実施形態では」または「実施形態では」などの句の出現が、本発明の同じ実施形態を指しているとは限らない。さらに、1つまたは複数の実施形態において、それらの特定の特徴、構造体、材料または特性が任意の適当なやり方で組み合わされていてもよい。
【0062】
本明細書では、本発明を、特定の実施形態に関して説明したが、それらの実施形態は、本発明の原理および用途の単なる例であることを理解すべきである。本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく本発明の方法および装置にさまざまな修正および変更を加えることができることは当業者には明白である。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物の範囲内の修正および変更を含むことが意図されている。
【国際調査報告】