(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】改善された湿度性能のためのカプセル化スタック及び関連する製作方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/338 20060101AFI20240719BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
H01L29/80 H
H01L29/06 301F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504505
(86)(22)【出願日】2022-07-25
(85)【翻訳文提出日】2024-02-22
(86)【国際出願番号】 US2022038121
(87)【国際公開番号】W WO2023009405
(87)【国際公開日】2023-02-02
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592054856
【氏名又は名称】ウルフスピード インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】WOLFSPEED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハーディマン、クリス
(72)【発明者】
【氏名】ナミシア、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ボーテ、カイル
(72)【発明者】
【氏名】キーナン、エリザベス
【テーマコード(参考)】
5F102
【Fターム(参考)】
5F102GB01
5F102GC01
5F102GD01
5F102GJ02
5F102GJ03
5F102GJ04
5F102GJ05
5F102GJ06
5F102GJ10
5F102GL02
5F102GL04
5F102GL08
5F102GL09
5F102GM04
5F102GQ01
5F102GS04
5F102GT03
5F102GV06
5F102GV07
5F102GV08
5F102HC01
(57)【要約】
トランジスタ・デバイスが、基板と、基板上の半導体構造と、半導体構造の表面上に非平坦面を含む金属化層と、金属化層の非平坦面上に位置し、非平坦面とは反対側に非平坦カプセル化剤面を含む非平坦カプセル化層と、非平坦カプセル化層上に位置し、非平坦カプセル化剤面とは反対側に平坦化された表面を含む自己平坦化カプセル化層とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上の半導体構造と、
前記半導体構造の表面上に非平坦面を含む金属化層と、
前記金属化層の非平坦面上に位置し、前記非平坦面とは反対側に非平坦カプセル化剤面を含む非平坦カプセル化層と、
前記非平坦カプセル化層上に位置し、前記非平坦カプセル化剤面とは反対側に平坦化された表面を含む自己平坦化カプセル化層と
を含む、トランジスタ・デバイス。
【請求項2】
前記半導体構造のソース領域上のソース接点と、
前記半導体構造のドレイン領域上のドレイン接点と、
前記ソース接点と前記ドレイン接点との間のゲート接点とをさらに含み、
前記非平坦カプセル化層が、ゲート接点、ドレイン接点、及びソース接点上に位置する、
請求項1に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項3】
前記ゲート接点の上の前記非平坦カプセル化層の厚さと前記ゲート接点の上の前記自己平坦化カプセル化層の厚さとの比が、0.20~0.29である、請求項2に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項4】
前記金属化層が、前記ソース接点上に伝送線を含み、
前記伝送線の上の前記非平坦カプセル化層の厚さと前記伝送線の上の前記自己平坦化カプセル化層の厚さとの比が、0.28~0.45である、請求項2に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項5】
前記半導体構造が、前記ソース接点と前記ゲート接点との間にソース・アクセス領域をさらに含み、
前記ソース・アクセス領域の上の前記非平坦カプセル化層の厚さと前記ソース・アクセス領域の上の前記自己平坦化カプセル化層の厚さとの比が、0.16~0.22である、請求項2に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項6】
前記非平坦カプセル化層の厚さが、前記半導体構造にわたって実質的に均一である、請求項1から5までのいずれか一項に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項7】
前記非平坦カプセル化層が、SiO、SiN、SiON、ZrO、HfO、AlN、及び/又はAlOを含む、請求項1から6までのいずれか一項に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項8】
前記自己平坦化カプセル化層が、ポリイミド、ベンゾシクロブテン、ガラス、ポリアミド、ポリベンゾオキサゾール、及び/又はフォトレジストを含む、請求項1から7までのいずれか一項に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項9】
前記自己平坦化カプセル化層が、100~8000センチストークの未硬化運動粘度を有する材料を含む、請求項1から8までのいずれか一項に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項10】
前記自己平坦化カプセル化層が、250℃以下の硬化温度を有する材料を含む、請求項1から9までのいずれか一項に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項11】
前記自己平坦化カプセル化層が、実質的に硬化された材料を含む、請求項1から10までのいずれか一項に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項12】
基板と、
前記基板上に位置し、活性領域を含む半導体構造と、
前記半導体構造の前記活性領域上のゲート接点と、
前記ゲート接点上に延びる第1のカプセル化層と、
前記第1のカプセル化層上に位置し、275℃以下の硬化温度を有する材料を含む第2のカプセル化層と
を含むトランジスタ・デバイス。
【請求項13】
前記ゲート接点の上の前記第1のカプセル化層の厚さと前記ゲート接点の上の前記第2のカプセル化層の厚さとの比が、0.20~0.29である、請求項12に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項14】
前記半導体構造が、ソース領域をさらに含み、
前記トランジスタ・デバイスが、前記ソース領域上のソース接点と、前記ソース接点上の伝送線とをさらに含み、
前記第1のカプセル化層が、前記ソース接点及び前記伝送線上に延びる、請求項12又は13に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項15】
前記伝送線の上の前記第1のカプセル化層の厚さと前記伝送線の上の前記第2のカプセル化層の厚さとの比が、0.28~0.45である、請求項14に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項16】
前記半導体構造が、前記ソース接点と前記ゲート接点との間にソース・アクセス領域をさらに含み、
前記ソース・アクセス領域の上の前記第1のカプセル化層の厚さと前記ソース・アクセス領域の上の前記第2のカプセル化層の厚さとの比が0.16~0.22である、請求項14に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項17】
前記第1のカプセル化層の厚さが、前記半導体構造にわたって実質的に均一である、請求項12から16までのいずれか一項に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項18】
前記第2のカプセル化層の上面が、前記半導体構造にわたって実質的に平坦である、請求項12から17までのいずれか一項に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項19】
前記第1のカプセル化層が、SiO、SiN、SiON、ZrO、HfO、AlN、及び/又はAlOを含む、請求項12から18までのいずれか一項に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項20】
前記第2のカプセル化層が、ポリイミド、ベンゾシクロブテン、ガラス、ポリアミド、ポリベンゾオキサゾール、及び/又はフォトレジストを含む、請求項12から19までのいずれか一項に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項21】
前記第2のカプセル化層が、250℃以下の硬化温度を有する材料を含む、請求項12から20までのいずれか一項に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項22】
基板上に位置し、ソース領域及びドレイン領域を含む半導体構造と、
前記ソース領域上のソース接点と、
前記ドレイン領域上のドレイン接点と、
前記ドレイン接点上、前記ソース接点上、及び前記ドレイン接点と前記ソース接点との間の前記半導体構造上に共形に延びる第1のカプセル化層と、
前記第1のカプセル化層上に位置し、前記ソース接点から前記ドレイン接点まで延びる実質的に平坦な上面を有する材料を含む第2のカプセル化層とを含み、前記材料が、硬化動作中に100~8000センチストークの運動粘度から硬化状態へ遷移するように構成される、
トランジスタ・デバイス。
【請求項23】
前記第1のカプセル化層が、SiO、SiN、SiON、ZrO、HfO、AlN、及び/又はAlOを含む、請求項22に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項24】
前記第1のカプセル化層が、複数の層を含む、請求項22又は23に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項25】
前記第2のカプセル化層が、ポリイミド、ベンゾシクロブテン、ガラス、ポリアミド、ポリベンゾオキサゾール、及び/又はフォトレジストを含む、請求項22から24までのいずれか一項に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項26】
前記第2のカプセル化層が、275℃以下の硬化温度を有する材料を含む、請求項22から25までのいずれか一項に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項27】
トランジスタ・デバイスを形成する方法であって、
基板上に半導体構造を形成することと、
前記半導体構造上に、前記半導体構造とは反対側に非平坦面を含む第1のカプセル化剤層を形成することと、
前記第1のカプセル化剤層上に、前記第1のカプセル化剤層とは反対側に平坦化された表面を含む第2のカプセル化剤層を形成することと、
前記第2のカプセル化層上で硬化プロセスを実行することとを含む方法。
【請求項28】
前記第2のカプセル化剤層が、前記硬化プロセス中に100~8000センチストークの運動粘度から硬化状態へ遷移するように構成された材料を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第2のカプセル化剤層の前記平坦化された表面が、前記第2のカプセル化剤層の材料の自己平坦化の結果である、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記半導体構造上にソース接点、ドレイン接点、及びゲート接点を形成することをさらに含み、
前記第1のカプセル化剤層を形成することが、前記ゲート接点、前記ドレイン接点、及び前記ソース接点上に前記第1のカプセル化剤層を形成することを含む、請求項27から29までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記第2のカプセル化剤層が、前記平坦化された表面とは反対側に位置し、前記ソース接点、前記ドレイン接点、及び/又は前記ゲート接点によって画定されたそれぞれのプロファイルに沿って前記第1のカプセル化剤層上に延びる非平坦面を有する、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記第1のカプセル化剤層の厚さが、前記ゲート接点、前記ドレイン接点、及び前記ソース接点上で実質的に均一である、請求項30又は31に記載の方法。
【請求項33】
前記第1のカプセル化剤層が、SiO、SiN、SiON、ZrO、HfO、AlN、及び/又はAlOを含む、請求項27から32までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記第2のカプセル化剤層が、ポリイミド、ベンゾシクロブテン、ガラス、ポリアミド、ポリベンゾオキサゾール、及び/又はフォトレジストを含む、請求項27から33までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記第2のカプセル化剤層が、275℃以下の硬化温度を有する材料を含む、請求項27から34までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記第2のカプセル化剤層上で前記硬化プロセスを実行することが、前記第2のカプセル化剤層の材料のガラス転移温度より大きい温度で実行される、請求項27から35までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記第2のカプセル化剤層上で前記硬化プロセスを実行することが、275℃以下の温度で実行される、請求項27から36までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記第1のカプセル化剤層上で前記第2のカプセル化剤層を形成することが、スピン・オン・プロセス、スプレー・オン・プロセス、気相成長プロセス、電気めっきプロセス、ブレード被覆プロセス、及び/又はスロット・ダイ堆積プロセスを含む動作によって実行される、請求項27から37までのいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、開示が全体として参照により本明細書に組み込まれている、2021年7月30日出願の米国特許出願第17/390,020号の優先権を主張するものである。
【0002】
本開示は、半導体デバイスに関し、より詳細には、半導体デバイスの環境保護及び関連する製作方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ケイ素(Si)及びヒ化ガリウム(GaAs)などの材料は、低電力及びSiの場合は低周波数の用途向けの半導体デバイスで広く適用されている。しかし、これらの材料は、たとえば比較的小さいバンドギャップ(Siの場合は室温で1.12eV、GaAsの場合は1.42eV)及び比較的小さい破壊電圧のため、高電力及び/又は高周波数の用途にはあまり適していない。
【0004】
高電力、高温、及び/又は高周波数の用途及びデバイスのために、炭化ケイ素(SiC)(たとえば、4H-SiCの場合は室温で約3.2eVのバンドギャップを有する)及びIII族窒化物(たとえば、窒化ガリウム(GaN)の場合は室温で約3.36eVのバンドギャップを有する)などの広バンドギャップ半導体材料が使用されることがある。本明細書では、「III族窒化物」という用語は、窒素(N)と周期表のIII族の元素、通常はアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、及び/又はインジウム(In)との間で形成される半導電性化合物を指す。この用語は、GaN、AlGaN、及びAlInGaNなどの二元、三元、及び四元化合物を指す。これらの化合物は、1モルの窒素が合計1モルのIII族元素と組み合わされた実験式を有する。これらの材料は、GaAs及びSiと比べて、より高い電界破壊強度及びより高い電子飽和速度を有することができる。
【0005】
SiC及び/又はIII族窒化物から製作された半導体デバイスは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(metal-oxide semiconductor field-effect transistor)、二重拡散金属酸化膜半導体(DMOS:double-diffused metal-oxide semiconductor)トランジスタ、高電子移動度トランジスタ(HEMT:high electron mobility transistor)、金属半導体電界効果トランジスタ(MESFET:metal-semiconductor field-effect transistor)、横方向拡散金属酸化膜半導体(LDMOS:laterally-diffused metal-oxide semiconductor)トランジスタなどを含む、電界効果トランジスタ(FET:field effect transistor)デバイスなどのパワー・トランジスタ・デバイスを含むことができる。これらのデバイスは、典型的には、たとえばデバイスの露出面を保護するために、二酸化ケイ素(SiO2)などの酸化物層によって不活性化される。しかし、半導体本体と酸化物層との間の境界面は、電子の高い表面移動度を得るには十分でないことがある。たとえば、SiCとSiO2との間の境界面は従来、高密度の境界面状態を呈し、表面電子移動度を低減させ、キャリア・トラップを生じさせることがあり、これはデバイスの所望の性能特性を低減させる可能性がある。
【0006】
したがって、酸化物層を含むものを含む半導体デバイスはまた、たとえば米国特許第6,246,076号に記載されているように、結果として得られる電子特性を改善するために、1つ又は複数の窒化ケイ素(SiN)層を組み込むことができる。SiNはまた、環境障壁を提供することができ、この環境障壁がなければ、酸化物層の存在にかかわらず、デバイスの構造及び動作が環境劣化を受ける可能性がある。たとえば、半導体デバイスは、高温及び/又は高湿の環境で動作することがある。湿気が半導体デバイスに到達することが許された場合、腐食が発生することがあり、これは半導体デバイスの性能を劣化させることがある。
【0007】
環境障壁として、SiNは、SiO2と比べて、デバイスの上により良好な封止を形成することができ、水などの汚染物質がデバイスのエピタキシャル層に到達して劣化を引き起こすことを低減又は防止することができる。たとえば米国特許第7,525,122号に記載されているように、半導体デバイスのための環境障壁としてSiNを形成するために、プラズマ化学気相成長(PECVD:Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)を使用することができる。しかし、PECVD SiN層は、ピン・ホール及び柱状構造などの欠陥が生じやすく、これは湿気がSiN層に浸透し、デバイスに到達することを許す可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,246,076号
【特許文献2】米国特許第7,525,122号
【特許文献3】米国特許第Re.34,861号
【特許文献4】米国特許第4,946,547号
【特許文献5】米国特許第5,200,022号
【特許文献6】米国特許第6,218,680号
【特許文献7】米国特許第5,210,051号
【特許文献8】米国特許第5,393,993号
【特許文献9】米国特許第5,523,589号
【特許文献10】米国特許第5,192,987号
【特許文献11】米国特許第5,296,395号
【特許文献12】米国特許第6,316,793号
【特許文献13】米国特許第6,548,333号
【特許文献14】米国特許第7,544,963号
【特許文献15】米国特許第7,548,112号
【特許文献16】米国特許第7,592,211号
【特許文献17】米国特許第7,615,774号
【特許文献18】米国特許第7,709,269号
【特許文献19】米国特許第7,030,428号
【特許文献20】米国特許第8,563,372号
【特許文献21】米国特許第9,214,352号
【特許文献22】米国特許第8,049,252号
【特許文献23】米国特許第7,045,404号
【特許文献24】米国特許第8,120,064号
【特許文献25】米国特許第7,291,529号
【特許文献26】米国特許第7,932,111号
【特許文献27】米国特許第7,259,402号
【特許文献28】米国特許第8,513,686号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示のいくつかの実施例によれば、トランジスタ・デバイスが、基板と、基板上の半導体構造と、半導体構造の表面上に非平坦面を含む金属化層と、金属化層の非平坦面上に位置し、非平坦面とは反対側に非平坦カプセル化剤面を含む非平坦カプセル化層と、非平坦カプセル化層上に位置し、非平坦カプセル化剤面とは反対側に平坦化された表面を含む自己平坦化カプセル化層とを含む。
【0010】
いくつかの実施例では、トランジスタ・デバイスは、半導体構造のソース領域上のソース接点と、半導体構造のドレイン領域上のドレイン接点と、ソース接点とドレイン接点との間のゲート接点とをさらに含む。非平坦カプセル化層は、ゲート接点、ドレイン接点、及びソース接点上に位置する。
【0011】
いくつかの実施例では、ゲート接点の上の非平坦カプセル化層の厚さとゲート接点の上の自己平坦化カプセル化層の厚さとの比は、0.20~0.29である。
【0012】
いくつかの実施例では、金属化層は、ソース接点上に伝送線を含み、伝送線の上の非平坦カプセル化層の厚さと伝送線の上の自己平坦化カプセル化層の厚さとの比は、0.28~0.45である。
【0013】
いくつかの実施例では、半導体構造は、ソース接点とゲート接点との間にソース・アクセス領域をさらに含み、ソース・アクセス領域の上の非平坦カプセル化層の厚さとソース・アクセス領域の上の自己平坦化カプセル化層の厚さとの比は、0.16~0.22である。
【0014】
いくつかの実施例では、非平坦カプセル化層の厚さは、半導体構造にわたって実質的に均一である。
【0015】
いくつかの実施例では、非平坦カプセル化層は、SiO、SiN、SiON、ZrO、HfO、AlN、及び/又はAlOを含む。
【0016】
いくつかの実施例では、自己平坦化カプセル化層は、ポリイミド、ベンゾシクロブテン、ガラス、ポリアミド、ポリベンゾオキサゾール、及び/又はフォトレジストを含む。
【0017】
いくつかの実施例では、自己平坦化カプセル化層は、100~8000センチストークの未硬化運動粘度を有する材料を含む。
【0018】
いくつかの実施例では、自己平坦化カプセル化層は、250℃以下の硬化温度を有する材料を含む。
【0019】
いくつかの実施例では、自己平坦化カプセル化層は、実質的に硬化された材料を含む。
【0020】
本開示のいくつかの実施例によれば、トランジスタ・デバイスが、基板と、基板上に位置し、活性領域を含む半導体構造と、半導体構造の活性領域上のゲート接点と、ゲート接点上に延びる第1のカプセル化層と、第1のカプセル化層上に位置し、275℃以下の硬化温度を有する材料を含む第2のカプセル化層とを含む。
【0021】
いくつかの実施例では、ゲート接点の上の第1のカプセル化層の厚さとゲート接点の上の第2のカプセル化層の厚さとの比は、0.20~0.29である。
【0022】
いくつかの実施例では、半導体構造は、ソース領域をさらに含み、トランジスタ・デバイスは、ソース領域上のソース接点と、ソース接点上の伝送線とをさらに含み、第1のカプセル化層は、ソース接点及び伝送線上に延びる。
【0023】
いくつかの実施例では、伝送線の上の第1のカプセル化層の厚さと伝送線の上の第2のカプセル化層の厚さとの比は、0.28~0.45である。
【0024】
いくつかの実施例では、半導体構造は、ソース接点とゲート接点との間にソース・アクセス領域をさらに含み、ソース・アクセス領域の上の第1のカプセル化層の厚さとソース・アクセス領域の上の第2のカプセル化層の厚さとの比は、0.16~0.22である。
【0025】
いくつかの実施例では、第1のカプセル化層の厚さは、半導体構造にわたって実質的に均一である。
【0026】
いくつかの実施例では、第2のカプセル化層の上面は、半導体構造にわたって実質的に平坦である。
【0027】
いくつかの実施例では、第1のカプセル化層は、SiO、SiN、SiON、ZrO、HfO、AlN、及び/又はAlOを含む。
【0028】
いくつかの実施例では、第2のカプセル化層は、ポリイミド、ベンゾシクロブテン、ガラス、ポリアミド、ポリベンゾオキサゾール、及び/又はフォトレジストを含む。
【0029】
いくつかの実施例では、第2のカプセル化層は、250℃以下の硬化温度を有する材料を含む。
【0030】
本開示のいくつかの実施例によれば、トランジスタ・デバイスが、基板上に位置し、ソース領域及びドレイン領域を含む半導体構造と、ソース領域上のソース接点と、ドレイン領域上のドレイン接点と、ドレイン接点上、ソース接点上、及びドレイン接点とソース接点との間の半導体構造上に共形に延びる第1のカプセル化層と、第1のカプセル化層上に位置し、ソース接点からドレイン接点まで延びる実質的に平坦な上面を有する材料を含む第2のカプセル化層とを含む。材料は、硬化動作中に100~8000センチストークの運動粘度から硬化状態へ遷移するように構成される。
【0031】
いくつかの実施例では、第1のカプセル化層は、SiO、SiN、SiON、ZrO、HfO、AlN、及び/又はAlOを含む。
【0032】
いくつかの実施例では、第1のカプセル化層は、複数の層を含む。
【0033】
いくつかの実施例では、第2のカプセル化層は、ポリイミド、ベンゾシクロブテン、ガラス、ポリアミド、ポリベンゾオキサゾール、及び/又はフォトレジストを含む。
【0034】
いくつかの実施例では、第2のカプセル化層は、275℃以下の硬化温度を有する材料を含む。
【0035】
本開示のいくつかの実施例によれば、トランジスタ・デバイスを形成する方法が、基板上に半導体構造を形成することと、半導体構造上に、半導体構造とは反対側に非平坦面を含む第1のカプセル化剤層を形成することと、第1のカプセル化剤層上に、第1のカプセル化剤層とは反対側に平坦化された表面を含む第2のカプセル化剤層を形成することと、第2のカプセル化層上で硬化プロセスを実行することとを含む。
【0036】
いくつかの実施例では、第2のカプセル化剤層は、硬化プロセス中に100~8000センチストークの運動粘度から硬化状態へ遷移するように構成された材料を含む。
【0037】
いくつかの実施例では、第2のカプセル化剤層の平坦化された表面は、第2のカプセル化剤層の材料の自己平坦化の結果である。
【0038】
いくつかの実施例では、この方法は、半導体構造上にソース接点、ドレイン接点、及びゲート接点を形成することをさらに含む。第1のカプセル化剤層を形成することは、ゲート接点、ドレイン接点、及びソース接点上に第1のカプセル化剤層を形成することを含む。
【0039】
いくつかの実施例では、第2のカプセル化剤層は、平坦化された表面とは反対側に位置し、ソース接点、ドレイン接点、及び/又はゲート接点によって画定されたそれぞれのプロファイルに沿って第1のカプセル化剤層上に延びる非平坦面を有する。
【0040】
いくつかの実施例では、第1のカプセル化剤層の厚さは、ゲート接点、ドレイン接点、及びソース接点上で実質的に均一である。
【0041】
いくつかの実施例では、第2のカプセル化剤層は、SiO、SiN、SiON、ZrO、HfO、AlN、及び/又はAlOを含む。
【0042】
いくつかの実施例では、第2のカプセル化剤層は、ポリイミド、ベンゾシクロブテン、ガラス、ポリアミド、ポリベンゾオキサゾール、及び/又はフォトレジストを含む。
【0043】
いくつかの実施例では、第2のカプセル化剤層は、275℃以下の硬化温度を有する材料を含む。
【0044】
いくつかの実施例では、第2のカプセル化剤層上で硬化プロセスを実行することは、第2のカプセル化剤層の材料ガラス転移温度より大きい温度で実行される。
【0045】
いくつかの実施例では、第2のカプセル化剤層上で硬化プロセスを実行することは、275℃以下の温度で実行される。
【0046】
いくつかの実施例では、第1のカプセル化剤層上で第2のカプセル化剤層を形成することは、スピン・オン・プロセス、スプレー・オン・プロセス、気相成長プロセス、電気めっきプロセス、ブレード被覆プロセス、及び/又はスロット・ダイ堆積プロセスを含む動作によって実行される。
【0047】
いくつかの実施例による他のデバイス、装置、及び/又は方法は、以下の図面及び詳細な説明を検討すれば当業者には明らかになるであろう。上記の実施例のあらゆる組合せに加えて、すべてのそのような追加の実施例は、本説明の範囲内に含まれ、本発明の範囲内であり、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1】本開示のいくつかの実施例による半導体デバイス又はダイの概略断面図である。
【
図2A】本開示の実施例によるHEMTデバイスの概略平面図である。
【
図2B】
図2Aの線A-Aに沿って切り取ったHEMTデバイスの概略断面図である。
【
図3A】本開示の実施例によるデバイスの有利な性能を示すグラフである。
【
図3B】本開示の実施例によるデバイスの有利な性能を示すグラフである。
【
図3C】本開示の実施例によるデバイスの有利な性能を示すグラフである。
【
図3D】本開示の実施例によるデバイスの有利な性能を示すグラフである。
【
図4A】本開示の実施例による半導体デバイスを製作する方法を示す図である。
【
図4B】本開示の実施例による半導体デバイスを製作する方法を示す図である。
【
図4C】本開示の実施例による半導体デバイスを製作する方法を示す図である。
【
図4D】本開示の実施例による半導体デバイスを製作する方法を示す図である。
【
図4E】本開示の実施例による半導体デバイスを製作する方法を示す図である。
【
図4F】本開示の実施例による半導体デバイスを製作する方法を示す図である。
【
図4G】本開示の実施例による半導体デバイスを製作する方法を示す図である。
【
図4H】本開示の実施例による半導体デバイスを製作する方法を示す図である。
【
図4I】本開示の実施例による半導体デバイスを製作する方法を示す図である。
【
図4J】本開示の実施例による半導体デバイスを製作する方法を示す図である。
【
図4K】本開示の実施例による半導体デバイスを製作する方法を示す図である。
【
図5A】本開示のいくつかの実施例による代替トランジスタ・デバイス構造の概略断面図である。
【
図5B】本開示のいくつかの実施例による代替トランジスタ・デバイス構造の概略断面図である。
【
図6A】本開示の実施例による半導体を包装することができるいくつかの例示的な方法を示す概略断面図である。
【
図6B】本開示の実施例による半導体を包装することができるいくつかの例示的な方法を示す概略断面図である。
【
図6C】本開示の実施例による半導体を包装することができるいくつかの例示的な方法を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明の概念の実施例について、本発明の実施例が示されている添付の図面を参照して、より詳細に説明する。しかし、発明の概念は、多くの異なる形態で実施することができ、本明細書に記載する実施例に限定されると解釈されるべきではない。逆にこれらの実施例は、本開示が徹底的且つ完全なものになり、発明の概念の範囲が当業者に十分に伝わるように提供される。全体にわたって、同様の符号は同様の要素を指す。
【0050】
いくつかの用途では、いくつかの半導体デバイスを環境保護のためにパッケージ内に気密封止することができるが、他の用途では、パッケージが動作環境に対する気密封止を提供しないことがある。したがって、動作環境の湿度及び/又は他の条件からの保護として、半導体デバイス上にダイ・レベルでカプセル化スタック層又は構造を設けることができる。本明細書では、ダイ又はチップは、半導電性材料又は他の基板の小さいブロック又は本体を指すことができ、その上に電子回路要素が製作される。ダイは、多数の個々の「単位セル」トランジスタ構造を含むことができ、いくつかの実装例では、そのようなトランジスタ構造を並列又は直列に電気接続することができる。
【0051】
カプセル化層又は構造は、共形の誘電体膜を含むことができる。共形の誘電体膜は、典型的には、化学気相成長(CVD:chemical vapor deposition)、プラズマ化学気相成長(PECVD)、原子層堆積(ALD:atomic layer deposition)、又は物理気相成長(PVD:physical vapor deposition)などのウエハ・レベルの処理方法を使用して堆積させることができる。共形の誘電体膜は、たとえばSiO、SiN、SiON、ZrO、HfO、AlN、及び/又はAlOを含む1つ又は複数の誘電体又は層を、積み重ねて含むことができる。化合物の化学式(たとえば、SiO、AlO)を参照して本明細書に記載する材料は、構成元素の異なる化学量論量又は任意の化合物(たとえば、SiO2、Al2O3)、及びいくつかの事例では、材料の非結晶又は結晶状態を含むことができる。
【0052】
たとえば、いくつかのRF HEMTデバイスは、SiN系PECVD誘電体層を含むことができ、これは下にある活性区域を外部の汚染、腐食、及び/又は機械的損傷から保護する環境障壁として働くことができる。しかし、上述したように、PECVD SiN層は、ピン・ホール及び柱状構造などの欠陥を受けやすく、これは湿気が半導体デバイスに到達することを許す可能性がある。半導体デバイス(RF HEMTを含むRF又はDCトランジスタ・デバイスなど)のダイの組立て中の環境条件及び/又は損傷に対する頑強性をさらに改善するために、1つ又は複数の追加の層を含むことができ、それにより多層カプセル化膜又はスタック構造を提供することができる。
【0053】
本発明のいくつかの実施例は、共形の第1のカプセル化層と、自己平坦化性する且つ/又は硬化された第2のカプセル化層との両方を含むカプセル化スタック構造を使用することで、改善された環境保護を提供することができるという理解から得ることができる。自己平坦化性する且つ/又は硬化された第2のカプセル化層を使用することで、この層の硬化中に硬化させたスタック構造に実質的に平坦な上面を提供することができる。本明細書では、実質的に平坦な表面とは、理論上の平面(たとえば、平坦面)から10%未満しか変動/逸脱しない表面を指す。本明細書では、自己平坦化とは、平坦性を実現するために上面の一部分を除去する追加の機械的及び/又は化学的ステップを必要とすることなく、材料が実質的に平坦な上面を得るプロセスを指す。スタック構造の上面の剛性並びに層の上面の平坦性の組合せにより、湿度などの環境条件からの改善された保護を提供することができる。第2のカプセル化層に対して、ダイの半導体デバイスのサーマル・バジェット(たとえば、それを超えると半導体デバイスが損傷されうる最大温度)内の硬化温度を有する材料を使用することで、第2のカプセル化層が半導体デバイスを損傷することなく十分に且つ/又は完全に硬化することを可能にすることができる。本明細書では、特定の材料の硬化温度とは、材料がその材料で可能な最大硬度の90%の範囲内の硬度に達するような材料の硬度の変化を誘起する温度を指す。たとえば、材料がポリマーであるとき、又はポリマーを含むとき、材料の硬化温度とは、ポリマーが架橋される温度を指す。
【0054】
図1は、本開示のいくつかの実施例による半導体デバイス又はダイ300の概略断面図である。
図1は、識別及び説明のための構造を表すことが意図され、構造を物理的な尺度で表すことを意図したものではない。
【0055】
図1に示すように、多層環境カプセル化膜又はスタック220が、環境の湿度及び/又は他の条件からの保護のために半導体構造390を覆うように、半導体構造390上に設けられる。
図1の半導体構造390は、概略的な例であり、汎用の半導体構造390として示されており、その上に多層環境カプセル化スタック220が形成される。半導体構造390は、炭化ケイ素(SiC)基板又はサファイア基板などの基板322上に設けることができる。基板322は、半絶縁性のSiC基板とすることができる。しかし、本開示の実施例は、サファイア(Al
2O
3)、窒化アルミニウム(AlN)、アルミニウム・ガリウム窒化物(AlGaN)、窒化ガリウム(GaN)、ケイ素(Si)、GaAs、LGO、酸化亜鉛(ZnO)、LAO、リン化インジウム(InP)など、任意の好適な基板を利用することができる。基板322は、SiCウエハとすることができ、半導体デバイス300は、少なくとも部分的にウエハ・レベルの処理を介して形成することができ、次いでウエハをダイシング又は他の方法で個片化して、複数の単位セル・トランジスタ構造を含むダイを提供することができる。「半絶縁性」という用語は、絶対的な意味ではなく、本明細書では記述的に使用される。
【0056】
半導体構造390は、いくつかの実施例では、SiC及び/又はIII族窒化物系の材料とすることができる。半導体構造390の一部分が、半導体デバイス300のチャネル領域を画定することができる。チャネル領域は、半導体デバイス300のソース領域215とドレイン領域205との間に延びることができる。チャネル領域内の伝導は、ゲート接点310に印加される信号によって制御することができる。信号は、ソース接点315を介してソース領域215に、ドレイン接点305を介してドレイン領域205に印加することができる。金属伝送線365をソース接点315及びドレイン接点305に結合して、それぞれソース及びドレイン信号を提供することができる。半導体構造390のうちソース接点315の下からゲート接点310の下までの部分を、ソース・アクセス領域SARと呼ぶことができ、半導体構造390のうちドレイン接点305の下からゲート接点310の下までの部分を、ドレイン・アクセス領域DARと呼ぶことができる。
【0057】
いくつかの実施例では、半導体構造390の表面上に、1つ又は複数の不活性化層350を設けることができ、不活性化層350上で半導体構造390とは反対側に、多層環境スタック220を設けることができる。不活性化層350は、寄生容量を低減させ、電荷トラップを低減させ、且つ/又は他の方法で半導体構造390の1つ若しくは複数の層の電子特性を改善するように構成することができる。不活性化層350は、たとえばCVDによって堆積させられた、1つ又は複数のSiN層を含むことができる。より概略的には、不活性化層350は、原子層堆積(ALD)方法以外の方法を使用した多層堆積物とすることができる。
【0058】
いくつかの実施例では、不活性化層350上にフィールド・プレート312を設けることができる。いくつかの実施例では、フィールド・プレート312は、ゲート接点310に部分的に重なることができる。フィールド・プレート312の場所及び構成は単なる例であり、本明細書を限定することを意図したものではない。いくつかの実施例では、追加のフィールド・プレート312が存在してもよく、並びに/又はフィールド・プレート312は、
図1に示すものとは異なる形状にすることができ、且つ/若しくは半導体デバイス300上の異なる場所に配置することができる。いくつかの実施例では、フィールド・プレート312が存在しなくてもよい。
【0059】
多層環境カプセル化スタック220は、フィールド・プレート312(存在する場合)、伝送線365、及び/又は不活性化層350上に形成することができる。多層環境カプセル化スタック220は、少なくとも2つの層、すなわち第1のカプセル化層225及び第2のカプセル化層230を含むことができる。
【0060】
第1のカプセル化層225は、フィールド・プレート312(存在する場合)、伝送線365、及び/若しくは不活性化層350上に共形に形成された1つ若しくは複数の誘電体層とすることができ、又はそのような誘電体層を含むことができる。本明細書では、フィールド・プレート312(存在する場合)、伝送線365、及び/又は不活性化層350を金属化層と呼ぶこともできる。第1のカプセル化層225の厚さTcは、半導体デバイス300にわたって実質的に均一とすることができるが、本開示の実施例はそれに限定されるものではない。本明細書では、厚さTcが半導体デバイス300にわたって20%未満しか変動しない場合、厚さTcは実質的に均一である。いくつかの実施例では、厚さTcは、半導体デバイス300にわたって10%未満なら変動してもよい。フィールド・プレート312(存在する場合)、伝送線365、及び/又は不活性化層350は、非平坦面を有することができ、その結果、第1のカプセル化層225は、その共形の形状により、非平坦な上面及び下面を同様に有することができる。
【0061】
第1のカプセル化層225は、たとえばSiO、SiN、SiON、ZrO、HfO、AlN、及び/又はAlOを含むことができる。いくつかの実施例では、第1のカプセル化層225は、複数の層を含むことができる。たとえば、第1のカプセル化層225は、SiON:SiN二重層を含むことができる。第1のカプセル化層225は、CVD、PECVD、ALD、又はPVDなどのウエハ・レベルの処理方法を使用して堆積させることができる。
【0062】
第2のカプセル化層230は、第1のカプセル化層225上に形成することができ、したがって第1のカプセル化層225は、第2のカプセル化層230と、フィールド・プレート312(存在する場合)、伝送線365、及び/又は不活性化層350との間に位置する。第2のカプセル化層230は、たとえばスピン・オン・プロセス、スプレー・オン・プロセス、気相成長プロセス、電気めっきプロセス、ブレード被覆プロセス、及び/又はスロット・ダイ堆積プロセスによって、粘体又は液体状態で形成された硬化性誘電体層とすることができ、そのようなプロセスは、下にある第1のカプセル化層225内の表面の不規則性(ピン・ホール、柱状構造など)又は他の非平坦性を最初に充填することができる。第2のカプセル化層230は、第2のカプセル化層230が自己平坦化することを可能にする材料を含むことができる。言い換えれば、第2のカプセル化層230の材料の粘性は、材料が落ち着いて実質的に平坦な上面230Aを有するようなものとすることができる。第2のカプセル化層230は、第1のカプセル化層225とは反対側に実質的に平坦な上面230Aを提供するように、さらに完全に硬化させることができる。第2のカプセル化層230の下面230Bは、第1のカプセル化層225の非平坦面上に位置することができ、且つ/又は第1のカプセル化層225の非平坦面に接触することができ、その結果、第2のカプセル化層230の下面230Bは非平坦になることができる。
【0063】
いくつかの実施例では、第2のカプセル化層230の材料は、275℃以下の硬化温度を有するように選択することができる。いくつかの実施例では、第2のカプセル化層230の材料は、250℃以下の硬化温度を有するように選択することができる。いくつかの実施例では、第2のカプセル化層230の硬化温度は、半導体デバイス300の他の要素を損傷しない温度で、第2のカプセル化層230の材料を完全に硬化させることを可能にすることができる。
【0064】
いくつかの実施例では、第2のカプセル化層230の材料は、100~8000センチストーク(cSt)の運動粘度を有するように選択することができる。いくつかの実施例では、第2のカプセル化層230の材料は、1000~2000cStの運動粘度を有するように選択することができる。いくつかの実施例では、第2のカプセル化層230の粘性は、第2のカプセル化層230の材料が、下にある第1のカプセル化層225内の表面の不規則性(たとえば、ピン・ホール、柱状構造など)又は他の非平坦性を充填することを可能にすることができる。いくつかの実施例では、第2のカプセル化層230の粘性は、第2のカプセル化層230の上面230Aが自己平坦化し、流動して第1のカプセル化層225の非平坦面(そのあらゆる表面の不完全性及び空洞を含む)を覆うことを可能にすることができる。第2のカプセル化層230の自己平坦化は、平坦な上面を実現するために研磨又は他の化学的及び/若しくは機械的ステップを必要とすることなく、平坦な上面230Aの形成を可能にすることができる。
【0065】
第2のカプセル化層230は、たとえばポリイミド、ベンゾシクロブテン(BCB:benzocyclobutene)、ガラス(たとえば、ホウケイ酸ガラス(BSG:borosilicate glass)、ポリアミド、ポリベンゾオキサゾール(PBO:polybenzoxazole)、及び/又はフォトレジスト(たとえば、SU-8)を含むことができる。本開示の実施例から逸脱することなく、他のエポキシ及び/又は樹脂を使用することができる。
【0066】
第2のカプセル化層230の上面230Aは、半導体デバイス300の下にある構造の様々な高さの差にかかわらず、半導体デバイス300の幅にわたって実質的に平坦とすることができる。たとえば、いくつかの実施例では、上面230Aのレベルは、半導体デバイス300の幅にわたって、10%を超えて変動しないものとすることができる。いくつかの実施例では、上面230Aのレベルは、半導体デバイス300の幅にわたって5%を超えて変動しないものとすることができる。第2のカプセル化層230は、実質的に平坦な上面230Aとは反対側に共形及び/又は非平坦の下面230Bを有することができる。第2のカプセル化層230の共形及び/又は非平坦の下面230Bは、ソース接点315、ドレイン接点305、ゲート接点310、金属伝送線365、及び/又はフィールド・プレート312(たとえば、金属化層)によって画定されたそれぞれのプロファイルに沿って、第1のカプセル化層225上に延びることができる。
【0067】
いくつかの実施例では、第2のカプセル化層230の厚さは、半導体デバイス300にわたって変動してもよい。第2のカプセル化層230は、伝送線365の上に厚さTm、ソース・アクセス領域SAR及び/又はドレイン・アクセス領域DARの上に厚さTr、並びにゲート接点310の上に厚さTgを有することができる。厚さTmは、第2のカプセル化層230の上面230Aと、伝送線365の最上部分上の第1のカプセル化層225の上面との間の、第2のカプセル化層230の厚さを指すことができる。厚さTgは、第2のカプセル化層230の上面230Aと、ゲート接点310の最上部分上の第1のカプセル化層225の上面との間の、第2のカプセル化層230の厚さを指すことができる。厚さTrは、第2のカプセル化層230の上面230Aと、ソース・アクセス領域SAR又はドレイン・アクセス領域DAR内の半導体構造390の最上部分上の第1のカプセル化層225の上面の間の、第2のカプセル化層230の厚さを指すことができる。
【0068】
いくつかの実施例では、第2のカプセル化層230は、第2のカプセル化層230の様々な厚さTr、Tm、及びTgと第1のカプセル化層225の厚さTcとの比を維持するように形成することができる。いくつかの実施例では、第2のカプセル化層230の厚さTr、Tm、及びTgと第1のカプセル化層225の厚さTcとの比は、表1に従って維持することができる。
【0069】
【0070】
デバイスが表1に従った比を有することで、デバイスの様々な区域に対する十分な保護が可能になる。比の変動は、一部には、第2のカプセル化層230の平坦な上面、及び第1のカプセル化層225の変動する表面に起因する。その結果、第1のカプセル化層225の変動する上面の結果として第2のカプセル化層230の底面は変動するが、第2のカプセル化層230の上面230Aは実質的に平坦のままである。デバイスがこれらの範囲外の比を有すると、性能及び/又は湿度の保護が低減されることがある。
【0071】
図1は、ゲート接点310、ソース接点315、及びドレイン接点305などの複数の構造を有する半導体デバイス300上の多層環境カプセル化スタック220の例示を提供する。当業者には理解されるように、多層環境カプセル化スタック220は、本開示の実施例から逸脱することなく、複数の異なる半導体構造に適用することができる。
【0072】
たとえば、
図2A及び
図2Bは、本開示のいくつかの実施例によるHEMTとして実装された半導体デバイス300Aの一実施例を示す。
図2Aは、本開示の実施例によるHEMTデバイス300Aの概略平面図である。
図2Bは、
図2Aの線A-Aに沿って切り取ったHEMTデバイス300Aの概略断面図である。
図2A及び
図2Bは、識別及び説明のための構造を表すことが意図され、構造を物理的な尺度で表すことを意図したものではない。
【0073】
図2A及び
図2Bを参照すると、炭化ケイ素SiC基板又はサファイア基板などの基板322上に、III族窒化物半導体HEMTのための半導体構造などの半導体構造390を形成することができる。基板322は、半絶縁性の炭化ケイ素(SiC)基板とすることができ、SiCは、たとえば4Hポリタイプの炭化ケイ素とすることができる。他の炭化ケイ素ポリタイプ候補は、3C、6H、及び15Rのポリタイプを含むことができる。基板は、Cree,Inc.から入手可能な高純度半絶縁性(HPSI:High Purity Semi-Insulating)基板とすることができる。
【0074】
いくつかの実施例では、基板322の炭化ケイ素バルク結晶は、室温で約1×105Ωcm以上の抵抗率を有することができる。本開示のいくつかの実施例で使用することができる例示的なSiC基板は、たとえば本開示の譲受人であるノースカロライナ州ダラムのCree,Inc.によって製造されており、そのような基板を作製する方法は、開示が全体として参照により本明細書に組み込まれている、たとえば米国特許第Re.34,861号、米国特許第4,946,547号、米国特許第5,200,022号、及び米国特許第6,218,680号に記載されている。基板材料として炭化ケイ素を使用することができるが、本開示の実施例は、サファイア(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、アルミニウム・ガリウム窒化物(AlGaN)、窒化ガリウム(GaN)、ケイ素(Si)、GaAs、LGO、酸化亜鉛(ZnO)、LAO、リン化インジウム(InP)など、任意の好適な基板を利用することができる。基板322は、炭化ケイ素ウエハとすることができ、HEMTデバイス300Aは、少なくとも部分的にウエハ・レベルの処理を介して形成することができ、次いでウエハをダイシングして、複数の個々の高電子移動度トランジスタ300Aを提供することができる。
【0075】
基板322は、下面322A及び上面322Bを有することができる。いくつかの実施例では、HEMTデバイス300Aの基板322は、薄型基板322とすることができる。いくつかの実施例では、基板322の厚さ(たとえば、
図2Bの垂直Z方向)は、100μm以下とすることができる。いくつかの実施例では、基板322の厚さは、75μm以下とすることができる。いくつかの実施例では、基板322の厚さは、50μm以下とすることができる。
【0076】
基板322の上面322B(又は本明細書にさらに記載する任意選択の層)上にチャネル層324が形成され、チャネル層324の上面に障壁層326が形成される。いくつかの実施例では、チャネル層324及び障壁層326は各々、エピタキシャル成長によって形成することができる。III族窒化物のエピタキシャル成長のための技法は、同じく開示が全体として参照により本明細書に組み込まれている、たとえば米国特許第5,210,051号、米国特許第5,393,993号、及び米国特許第5,523,589号に記載されている。チャネル層324は、障壁層326のバンドギャップより小さいバンドギャップを有することができ、チャネル層324はまた、障壁層326より大きい電子親和力を有することができる。チャネル層324及び障壁層326は、III族窒化物系の材料を含むことができる。いくつかの実施例では、ウエハの厚さ(たとえば、基板322、チャネル層324、及び障壁層326の厚さ)は、約40μm~約100μmとすることができる。いくつかの実施例では、ウエハ厚さは、約40μm~約80μmとすることができる。いくつかの実施例では、ウエハ厚さは、約75μmとすることができる。
【0077】
いくつかの実施例では、チャネル層324と障壁層326との間の境界面でチャネル層324の伝導バンド端のエネルギーが障壁層326の伝導バンド端のエネルギーより小さいという条件で、チャネル層324は、AlxGa1-xNなどのIII族窒化物とすることができ、ここで0≦x<1である。本開示の特定の実施例では、x=0は、チャネル層324がGaNであることを示す。チャネル層324はまた、InGaN、AlInGaNなどの他のIII族窒化物とすることもできる。チャネル層324は、ドープ(「意図的にドープ」)されていなくてもよく、約0.002μmより大きい厚さまで成長させることができる。チャネル層324はまた、GaN、AlGaNなどの超格子又は組合せなどの多層構造とすることができる。いくつかの実施例では、チャネル層324は圧縮歪み下にあってもよい。
【0078】
いくつかの実施例では、障壁層326は、AlN、AlInN、AlGaN、若しくはAlInGaN、又はこれらの層の組合せである。障壁層326は、単一の層を構成することができ、又は多層構造とすることができる。いくつかの実施例では、障壁層326は、チャネル層324の直接上の薄いAlN層、及び単一のAlGaN、又はその上の複数の層とすることができる。本開示の特定の実施例では、障壁層326は、障壁層326がオーム接触金属の下に埋設されたときの偏光効果によって、チャネル層324と障壁層326との間の境界面で著しいキャリア濃度を誘起するのに十分な厚さとすることができ、十分に高いアルミニウム(Al)組成及びドーピングを有することができる。障壁層326は、たとえば厚さ約0.1nm~約30nmとすることができるが、亀裂又は実質的な欠陥形成を引き起こすほど厚くはない。いくつかの実施例では、障壁層の厚さは13~18nmである。特定の実施例では、障壁層326はドープされないか、又はn型ドーパントによって約1019cm-3より小さい濃度にドープされる。いくつかの実施例では、障壁層326はAlxGa1-xNであり、ここで0<x<1である。特定の実施例では、アルミニウム濃度は約25%である。しかし、本開示の他の実施例では、障壁層326はAlGaNを含み、アルミニウム濃度は約5%~約100%未満である。本開示の特有の実施例では、アルミニウム濃度は約10%より大きい。チャネル層324及び/又は障壁層326は、たとえば有機金属化学気相成長(MOCVD:metal-organic chemical vapor deposition)、分子線エピタキシ(MBE:molecular beam epitaxy)、又は水素化物気相エピタキシ(HVPE:hydride vapor phase epitaxy)によって堆積させることができる。本明細書に論じるように、チャネル層324内でチャネル層324と障壁層326との間の接合部に、2DEG層が誘起される。2DEG層は、それぞれソース接点315及びドレイン接点305より下にあるデバイスのソース領域とドレイン領域との間の伝導を可能にする高伝導性層として作用する。チャネル層324及び障壁層326は、半導体構造390を形成する。
【0079】
例示の目的で、チャネル層324及び障壁層326を有する半導体構造390が示されているが、半導体構造390は、チャネル層324と基板322との間の緩衝層及び/若しくは核形成層、並びに/又は障壁層326上のキャップ層など、追加の層/構造/要素を含むことができる。基板、チャネル層、障壁層、及び他の層を含むHEMT構造は、開示が全体として参照により本明細書に組み込まれている、例として米国特許第5,192,987号、米国特許第5,296,395号、米国特許第6,316,793号、米国特許第6,548,333号、米国特許第7,544,963号、米国特許第7,548,112号、米国特許第7,592,211号、米国特許第7,615,774号、及び米国特許第7,709,269号に議論されている。たとえば、炭化ケイ素基板322とHEMTデバイス300Aの残り部分との間に適当な結晶構造遷移を提供するために、基板322の上面322B上にAlN緩衝層を形成することができる。加えて、さらに且つ/又は別法として、本明細書に完全に記載されている場合のように開示が参照により本明細書に組み込まれている、たとえば本発明の譲受人に譲渡された米国特許第7,030,428号に記載されているように、歪み平衡遷移層を設けることもできる。任意選択の緩衝/核形成/遷移層は、MOCVD、MBE、及び/又はHVPEによって堆積させることができる。
【0080】
ソース接点315及びドレイン接点305は、障壁層326の上面326A上に形成することができ、互いから横方向に隔置することができる。障壁層326の上面326Aで、ソース接点315とドレイン接点305との間に、ゲート接点310を形成することができる。ゲート接点310の材料は、障壁層326の組成に基づいて選択することができ、いくつかの実施例では、ショットキー接点とすることができる。たとえばニッケル(Ni)、白金(Pt)、ケイ化ニッケル(NiSix)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、タングステン(W)、及び/又はタングステン窒化ケイ素(WSiN)など、窒化ガリウム系の半導体材料に対するショットキー接点を作ることが可能な従来の材料を使用することができる。
【0081】
ソース接点315及びドレイン接点305は、窒化ガリウム系の半導体材料に対するオーム接点を形成することができる金属を含むことができる。好適な金属は、Ti、W、チタン・タングステン(TiW)、ケイ素(Si)、チタン・タングステン窒化物(TiWN)、ケイ化タングステン(WSi)、レニウム(Re)、ニオブ(Nb)、Ni、金(Au)、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、NiSix、ケイ化チタン(TiSi)、窒化チタン(TiN)、WSiN、Ptなどの耐火金属を含むことができる。いくつかの実施例では、ソース接点315は、オーム・ソース接点315とすることができる。したがって、ソース接点315及びドレイン接点305は、障壁層326に直接接触するオーム接触部分を含むことができる。いくつかの実施例では、ソース接点315及び/又はドレイン接点305は、開示が全体として参照により本明細書に組み込まれている、たとえば本発明の譲受人に譲渡された米国特許第8,563,372号及び米国特許第9,214,352号に記載されているように提供することができるオーム接点を形成するために、複数の層から形成することができる。
【0082】
ソース接点315は、たとえば接地電圧などの基準信号に結合することができる。基準信号への結合は、基板322の下面322Aから基板322を通って障壁層の上面326Aまで延びるビア325によって提供することができる。ビア325は、ソース接点315の底面を露出させることができる。基板322の下面322A及びビア325の側壁に、バックメタル層335を形成することができる。いくつかの実施例では、バックメタル層335は、ソース接点315に直接接触することができる。いくつかの実施例では、バックメタル層335は、追加の伝導経路を介して、ソース接点315に間接的に電気接続することができる。したがって、バックメタル層335、及びそこに結合される信号は、ソース接点315に電気接続することができる。
【0083】
いくつかの実施例では、ソース接点315、ドレイン接点305、及びゲート接点310は、複数のソース接点315、ドレイン接点305、及びゲート接点310として基板322上に形成することができる。
図2Aを参照すると、複数のドレイン接点305及びソース接点315を基板322上に交互に配置することができる。隣接するドレイン接点305とソース接点315との間にゲート接点310を配置して、複数のトランジスタ単位セルを形成することができ、それらの例が、
図2Aで300A_1及び300A_2と呼ばれている。トランジスタ単位セル300A_1、300A_2のそれぞれが、ソース接点315、ドレイン接点305、及びゲート接点310を含むことができる。
図2A及び
図2Bは、議論を簡単にするために、ソース接点315、ドレイン接点305、及びゲート接点310の一部を示すが、HEMTデバイス300Aは、
図2A及び
図2Bには示されていない追加のソース接点315、ドレイン接点305、及びゲート接点310を含む、追加の構造を有することができることが理解されよう。当業者には理解されるように、ソース接点315とドレイン接点305との間のゲート接点310の制御下で、ソース接点315とドレイン接点305との間の活性領域によって、HEMTトランジスタを形成することができる。
【0084】
図2Bを参照すると、障壁層326上に第1の絶縁層350_1を形成することができ、第1の絶縁層350_1上に第2の絶縁層350_2を形成することができる。いくつかの実施例では、第1の絶縁層350_1及び/又は第2の絶縁層350_2は、窒化ケイ素(Si
xN
y)、窒化アルミニウム(AlN)、二酸化ケイ素(SiO
2)、及び/又は他の好適な保護材料を含むことができる。第1の絶縁層350_1の厚さは、ゲート-ソース容量及びゲート-ドレイン容量に影響を及ぼすことがあり、これはデバイス300Aのスイッチング速度に影響する可能性がある。同様に、第2の絶縁層350_2の厚さは、ゲート-ドレイン容量に影響を及ぼすことがあり、これはデバイス300Aのスイッチング速度及び利得に影響する可能性がある。第1の絶縁層350_1及び第2の絶縁層350_2は、
図1で参照した不活性化層350を形成することができる。
【0085】
ソース接点315及びドレイン接点305は、第1の絶縁層350_1内に形成することができ、これらの接点の各々の一部分は、第2の絶縁層350_2の下に位置することができる。本発明は、
図2Bに示すゲート接点310の特定の形状に限定されるものではなく、本明細書に記載する実施例から逸脱することなく、ゲート接点310並びにデバイス300Aの他の要素の他の形状も可能であることが理解されよう。いくつかの実施例では、ゲート接点310は、ドレイン接点305よりソース接点315の近くに位置することができる。いくつかの実施例では、ゲート接点310は、T字形ゲート及び/又はγゲートとして形成することができ、これらの形成は、開示が全体として参照により本明細書に組み込まれている、例として米国特許第8,049,252号、米国特許第7,045,404号、及び米国特許第8,120,064号に議論されている。第2の絶縁層350_2は、第1の絶縁層350_1、並びにドレイン接点305、ゲート接点310、及びソース接点315の一部分に形成することができる。
【0086】
第2の絶縁層350_2上に、フィールド・プレート312を形成することができる。フィールド・プレート312の少なくとも一部分は、ゲート接点310上に位置することができる。フィールド・プレート312の少なくとも一部分は、第2の絶縁層350_2のうちゲート接点310とドレイン接点305との間の部分に位置することができる。フィールド・プレート312は、HEMTデバイス300A内のピーク電界を低減させることができ、その結果、破壊電圧を増大させ、電荷トラップを低減させることができる。電界の低減はまた、漏れ電流の低減及び信頼性の向上などの他の利益をもたらすことができる。フィールド・プレート及びフィールド・プレートを形成する技法は、開示が全体として参照により本明細書に組み込まれている、例として米国特許第8,120,064号に議論されている。
【0087】
第2の絶縁層350_2内に、伝送線365を配置することができる。伝送線365は、ドレイン接点305、ゲート接点310、及びソース接点315と、HEMTデバイス300Aの他の部分との間に相互接続を提供することができる。伝送線365のそれぞれは、ドレイン接点305及び/又はソース接点315のそれぞれに直接接触することができる。伝送線365は、たとえば銅、コバルト、金、及び/又は複合金属を含む、金属又は他の高伝導性材料を含むことができる。図を簡単にするために、第1の絶縁層350_1及び第2の絶縁層350_2、フィールド・プレート312、並びに伝送線365は、
図2Aには示されていない。
【0088】
多層環境カプセル化スタック220は、フィールド・プレート312、伝送線365、並びに第1の絶縁層350_1及び第2の絶縁層350_2上に形成することができる。多層環境カプセル化スタック220は、共形の第1のカプセル化層225と、自己平坦化及び/又は硬化された第2のカプセル化層230とを含むことができる。図を簡単にするために、多層環境カプセル化スタック220は
図2Aには示されていない。
【0089】
第1のカプセル化層225及び第2のカプセル化層230の特性及び内容物は、本明細書に記載する半導体デバイス300のものに実質的に類似したものとすることができ、したがってその重複する説明は省略する。
【0090】
たとえば、第2のカプセル化層230の上面230Aは、HEMTデバイス300Aの幅にわたって実質的に平坦とすることができる。第1のカプセル化層225の厚さTc、第2のカプセル化層230の領域の厚さTg、Tm、Tr、及び比Tc対Tg、Tm、又はTrは、表1のものに整合するように構築することができる。
【0091】
多層環境カプセル化スタック220を含むHEMTデバイス300Aは、関連するデバイスと比べて有利に実行することができる。たとえば、
図3A~
図3Dは、本開示の実施例によるデバイスの有利な性能を示すグラフである。
図3A~
図3Dでは、非平坦の保護層を有する従来のHEMTデバイスと比べて、共形の第1のカプセル化層225及び平坦な第2のカプセル化層230(たとえば、平坦面を有する)を含む多層環境カプセル化スタック220を有するHEMTデバイス300Aに類似したHEMTデバイスが利用された。
図3A~
図3Dで、第1のカプセル化層225はSiON:SiN二重層を含み、第2のカプセル化層230はポリイミドを含んだ。
【0092】
図3Aを参照すると、非平坦の保護層を有する従来のHEMTデバイス(曲線712A)と比べて、第1のカプセル化層225及び平坦な第2のカプセル化層230を含む多層環境カプセル化スタック220を含むデバイス(曲線710A)の性能の比較を示す示差走査熱量測定グラフが示されている。示差走査熱量測定(DSC:differential scanning calorimetry)とは、サンプルの温度を増大させるために必要とされる熱の量と基準との差が温度の関数として測定される熱分析技法である。
【0093】
図3Aで、曲線710Aは、SiON:SiN二重層として実装された第1のカプセル化層225と、ポリイミドを含む第2のカプセル化層230とを含むデバイスを表し、デバイスは、250℃で1時間にわたって硬化させられた。ポリイミドのガラス転移温度は225℃である。したがって、膜は、第2のカプセル化層230のガラス転移温度を上回る温度で硬化させられた。第2のカプセル化層230は、250℃未満の硬化温度を有しており、したがって完全に硬化させられた。
【0094】
対照的に、曲線712Aは、本明細書に記載する共形の第1のカプセル化層225及び平坦な第2のカプセル化層230を有していない従来の膜を含むデバイスを表す。曲線712Aの従来の膜は、350℃のガラス転移温度を有する。曲線712Aに関連するデバイスは、275℃で1時間にわたって硬化させられた。従来の材料の硬化温度は、275℃で1時間以内に完全に硬化させることのできないものであった。両方の膜に対して硬化時間が完了した後、DSC分析が実行された。
【0095】
図3Aに示すように、どちらの膜も、315℃のダイ・アタッチ温度まで、膜遷移をほとんど示していない。
【0096】
図3Bを参照すると、ダイ・アタッチ膜損失のグラフが、315℃で経過した時間の関数として、多層環境カプセル化スタック220の正規化された厚さの変化を示し、これはダイ・アタッチ処理温度と一致している。
図3Bで、曲線710Bは、
図3Aの曲線710Aに示す本開示の実施例による同じ多層環境カプセル化スタック220を表し、曲線712Bは、
図3Aに曲線712Aによって示されている同じ従来の膜スタックを表し、曲線714Bは、本明細書に記載する共形の第1のカプセル化層225及び平坦な/硬化された第2のカプセル化層230を有していない追加の従来の膜を表す。
【0097】
図3Bに示すように、多層環境カプセル化スタック220を表す曲線710Bは、315℃で30分間にわたって正規化された厚さの5%未満の変化を示す。対照的に、従来の膜を示す曲線714Bは、わずか10分超ではるかに大きい変化を示す。同じく従来の膜である曲線712Bは、多層環境カプセル化スタック220を含むデバイスと同様に挙動する。したがって、多層環境カプセル化スタック220は、比較的高温で多層環境カプセル化スタック220の変動を最小にすることに関して、いくつかの従来のデバイス膜と少なくとも同程度に良好に、且つ他のデバイスよりはるかに良好に機能する。
【0098】
図3Cを参照すると、ストレス誘起吸湿のグラフが、バイアスなし高度加速ストレス試験(UHAST:unbiased highly accelerated stress test)動作中のウエハの反りの変化を示す。
図3Cで、曲線710Cは、
図3Aに曲線710Aによって示されている本開示の実施例による同じ多層環境カプセル化スタック220を表し、曲線712Cは、
図3Aに曲線712Aによって示されている同じ従来の膜スタックを表す。
【0099】
図3Cに示すように、多層環境カプセル化スタック220を表す曲線710Cは、400時間を超えるUHAST試験中に1μm未満の反りを示す。対照的に、従来の膜を示す曲線712Cは、100時間未満で2μmを超える反りを示す。改善された性能は、一部には、多層環境カプセル化スタック220の平坦な第2のカプセル化層230によって提供される改善された湿度保護によるものと考えられる。したがって、多層環境カプセル化スタック220は、従来のデバイス膜と比べて、改善された環境保護を提供する。
【0100】
図3Dを参照すると、ストレス試験(たとえば、HAST試験)中の障害に関する信頼性データのワイブル分析のグラフである。
図3Dで、曲線710Dは、
図3Aに曲線710Aによって示されている本開示の実施例による同じ多層環境カプセル化スタック220を表し、曲線712Dは、
図3Aに曲線712Aによって示されている同じ従来の膜スタックを表す。
【0101】
図3Dに示すように、多層環境カプセル化スタック220を表す曲線710Dは、従来のデバイスと比べて、ストレス試験の少なくとも最初の100時間にわたって改善された信頼性を示す。たとえば、曲線710Dによって表されるデバイスでは、96時間のHAST試験において232のサンプル中に1回の障害しか発生しておらず、これはロット許容不良率(LTPD:lot tolerance percent defective)が2未満であることを表す。同様に、曲線710Dによって表されるデバイスでは、2000時間の温度-湿度バイアス(THB:temperature-humidity-bias)試験において223のサンプル中に障害が発生しておらず、これはLTPDが1未満であることを表す。したがって、多層環境カプセル化スタック220は、従来のデバイス膜と比べて、改善された製品信頼性を提供する。
【0102】
【0103】
図4Aを次に参照すると、基板122が設けられており、その上に半導体構造を形成することができる。基板122上にチャネル層324が形成され、チャネル層324上に障壁層326が形成される。基板122は、半絶縁性の炭化ケイ素(SiC)基板とすることができ、SiCは、たとえば4Hポリタイプの炭化ケイ素とすることができる。他の炭化ケイ素ポリタイプ候補は、3C、6H、及び15Rのポリタイプを含むことができる。基板122の厚さは、100μm以上とすることができる。
【0104】
炭化ケイ素は、III族窒化物デバイスに対する一般的な基板材料であるサファイア(Al2O3)より、III族窒化物(チャネル層324及び/又は障壁層326内で用いることができる)にはるかに近い結晶格子整合を有する。格子整合がより近い結果、III族窒化物膜は、サファイアで概して可能なものより高い品質を有する。炭化ケイ素はまた、比較的高い熱伝導率を有し、したがって炭化ケイ素上に形成されたIII族窒化物デバイスの総出力は、サファイア及び/又はケイ素上に形成された類似のデバイスのように基板の熱放散によって制限されなくなる。また、半絶縁性の炭化ケイ素基板は、デバイスの分離及び寄生容量の低減を実現することができる。
【0105】
炭化ケイ素を基板として用いることができるが、本発明の実施例は、サファイア(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、アルミニウム・ガリウム窒化物(AlGaN)、窒化ガリウム(GaN)、ケイ素(Si)、GaAs、LGO、酸化亜鉛(ZnO)、LAO、リン化インジウム(InP)など、基板122に対して任意の好適な基板を利用することができることを理解されたい。
【0106】
任意選択の緩衝層、核形成層、及び/又は遷移層(図示せず)を基板122上に設けることもでき。たとえば、炭化ケイ素基板とデバイスの残り部分との間に適当な結晶構造遷移を提供するために、AlN緩衝層を設けることができる。加えて、歪み平衡遷移層を設けることもできる。
【0107】
引き続き
図4Aを参照すると、基板122上にチャネル層324が設けられる。チャネル層324は、上述した緩衝層、遷移層、及び/又は核形成層を使用して、基板122上に堆積させることができる。チャネル層324は、圧縮歪み下にあってもよい。さらに、チャネル層324、並びに/又は緩衝層、核形成層、及び/若しくは遷移層は、MOCVD、MBE、及び/又はHVPEによって堆積させることができる。本発明のいくつかの実施例では、チャネル層324は、III族窒化物層とすることができる。
【0108】
障壁層326は、III族窒化物層とすることができる。本発明の特定の実施例では、障壁層326は、高度にドープされたn型層とすることができる。たとえば、障壁層326は、約1019cm-3未満の濃度までドープすることができる。
【0109】
本発明のいくつかの実施例では、障壁層326は、障壁層326がオーム接触金属の下に埋設されたときの偏光効果によって、チャネル層324と障壁層326との間の境界面で著しいキャリア濃度を誘起するのに十分な厚さ、Al組成、及び/又はドーピングを有することができる。また、障壁層326は、障壁層326と後に形成される第1の保護層との間の境界面にイオン化された不純物が堆積することによるチャネル内の電子の散乱を低減又は最小化するのに十分な厚さとすることができる。
【0110】
いくつかの実施例では、チャネル層324及び障壁層326は、異なる格子定数を有することができる。たとえば、障壁層326は、チャネル層324より小さい格子定数を有する比較的薄い層とすることができ、したがって障壁層326は、これら2つの層の間の境界面に「伸張」する。それに応じて、シュードモルフィックHEMT(pHEMT:pseudomorphic HEMT)デバイスを提供することができる。
【0111】
図4Bを参照すると、障壁層326上に第1の保護層410が形成される。第1の保護層410は、窒化ケイ素(Si
xN
y)、窒化アルミニウム(AlN)、二酸化ケイ素(SiO
2)、及び/又は他の好適な保護材料などの誘電体材料とすることができる。他の材料を第1の保護層410に利用することもできる。たとえば、第1の保護層410はまた、酸化マグネシウム、酸化スカンジウム、酸化アルミニウム、及び/又は酸窒化アルミニウムを含むことができる。さらに、第1の保護層410は、単一の層とすることができ、又は均一及び/若しくは不均一な組成の複数の層を含むことができる。
【0112】
第1の保護層410は、障壁層326上に形成されたブランケットとすることができる。たとえば、第1の保護層410は、高品質スパッタリング及び/又はプラズマ化学気相成長(PECVD)によって形成された窒化ケイ素(SiN)層とすることができる。第1の保護層410は、後のオーム接点のアニーリング中に下にある障壁層326を保護するのに十分な厚さとすることができる。
【0113】
図4Cを参照すると、第1の保護層410(
図4B参照)は、ソース接点315、ゲート接点310、及びドレイン接点305を形成するようにパターニングすることができる。たとえば、第1の保護層410は、ソース接点315及びドレイン接点305を配置するために障壁層326を露出させる窓を形成するようにパターニングすることができる。これらの窓は、障壁層326に対してパターニングされたマスク及び低損傷エッチングを利用してエッチングすることができる。障壁層326の露出された部分上に、オーム金属を形成することができる。オーム金属をアニーリングして、ソース接点315及びドレイン接点305を提供することができる。
【0114】
第1の保護層410はまた、ゲート接点310を提供するようにパターニングすることができる。第1の保護層410は、ゲート接点310を配置するための障壁層326を露出させる窓を形成するようにエッチングすることができる。ゲート接点310は、エッチングされた窓の中に形成することができ、第1の保護層410を通って延びて、障壁層326の露出された部分に接触することができる。好適なゲート材料は、障壁層326の組成に依存することができる。しかし、特定の実施例では、Ni、Pt、NiSi
x、Cu、Pd、Cr、TaN、W、及び/又はWSiNなど、窒化物系の半導体材料に対するショットキー接点を作ることが可能な従来の材料を使用することができる。ゲート接点310の一部分は、第1の保護層410の表面上に延びることができる。ソース接点315、ゲート接点310、及びドレイン接点305を形成する結果、
図4Bの第1の保護層410をパターニングして、第1の絶縁層350_1を形成することができる。
【0115】
図4Cでは、障壁層326の頂面に位置するソース接点315が示されているが、いくつかの実施例では、ソース接点315、ゲート接点310、及び/又はドレイン接点305は、障壁層326の頂面の凹部内に形成することができることが理解されよう。
【0116】
図4Dを参照すると、第1の絶縁層350、ソース接点315、ゲート接点310、及びドレイン接点305上に、第2の保護層420を形成することができる。第2の保護層420は、誘電体層とすることができる。いくつかの実施例では、第2の保護層420は、第1の絶縁層350_1とは異なる誘電率を有することができる。
【0117】
図4Eを参照すると、第2の保護層420上にフィールド・プレート312を形成することができる。フィールド・プレート312は、ゲート接点310に(たとえば、
図4EのZ方向に)重なることができ、ゲートとドレインとの間の領域(すなわち、ゲート-ドレイン領域)上にある距離にわたって延びることができる。ゲート接点310の上のフィールド・プレート312の重なり及び/又はフィールド・プレート312がゲート-ドレイン領域の上に延びる距離は、最適の結果のために変更することができる。いくつかの実施例では、フィールド・プレート312は、ゲート接点310又はソース接点315に電気接続することができ、本発明から逸脱することなく、これらの図に示すもの以外のフィールド・プレート構造を使用することもできることが理解される。
【0118】
図4Fを参照すると、第2の保護層420は、伝送線365を形成するようにパターニングすることができる。たとえば、第2の保護層420は、伝送線365を配置するためにソース接点315及び/又はドレイン接点305を露出させる窓を形成するようにパターニングすることができる。これらの窓は、ソース接点315及び/又はドレイン接点305に対してパターニングされたマスク及び低損傷エッチングを利用してエッチングすることができる。ソース接点315及び/又はドレイン接点305の露出された部分上に導電性金属を形成して、伝送線365を形成することができる。伝送線365を形成する結果、
図4Eの第2の保護層420をパターニングして、第2の絶縁層350_2を形成することができる。
【0119】
図4Gを参照すると、フィールド・プレート312、伝送線365、並びに/又は第1の絶縁層350_1及び第2の絶縁層350_2上に、共形の第1のカプセル化層225を形成することができる。第1のカプセル化層225の上面は、非平坦とすることができる。
【0120】
第1のカプセル化層225は、1つ若しくは複数の誘電体層とすることができ、又は1つ若しくは複数の誘電体層を含むことができる。第1のカプセル化層225は、たとえばSiO、SiN、SiON、ZrO、HfO、AlN、及び/又はAlOを含むことができる。いくつかの実施例では、第1のカプセル化層225は、複数の層を含むことができる。たとえば、第1のカプセル化層225は、SiON:SiN二重層を含むことができる。第1のカプセル化層225の厚さTcは、半導体デバイスにわたって共形且つ実質的に均一とすることができるが、本開示の実施例はそれに限定されるものではない。第1のカプセル化層225は、CVD、PECVD、ALD、又はPVDなどのウエハ・レベルの処理方法を使用して堆積させることができる。
【0121】
図4Hを参照すると、第1のカプセル化層225上に未硬化層430を形成することができ、したがって第1のカプセル化層225は、未硬化層430と、フィールド・プレート312、伝送線365、並びに/又は第1の絶縁層350_1及び第2の絶縁層350_2との間に位置する。未硬化層430は、たとえばスピン・オン、スプレー・オン、気相成長、電気めっき、ブレード被覆、又はスロット・ダイ堆積プロセスによって、粘体又は液体状態で形成された硬化性誘電体層とすることができる。
【0122】
未硬化層430は、たとえばポリイミド、ベンゾシクロブテン(BCB)、ガラス(たとえば、ホウケイ酸ガラス(BSG))、ポリアミド、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、及び/又はフォトレジスト(たとえば、SU-8)を含むことができる。本開示の実施例から逸脱することなく、他のエポキシ及び/又は樹脂を使用することができる。いくつかの実施例では、未硬化層430の材料は、100~8000cStの運動粘度を有するように選択することができる。いくつかの実施例では、未硬化層430の材料は、1000~2000cStの運動粘度を有するように選択することができる。
【0123】
未硬化層430の上面430Aは、非平坦とすることができる。すなわち、未硬化層430はまだ硬化されていないため、未硬化層430の上面430Aは、(少なくとも最初は)ばらつき、表面の不規則性、及び/又は逸脱を含むことがある。未硬化層430の粘性のため、未硬化層430は、第1のカプセル化層225の表面内の開口及び/又は他の逸脱内へ流れ込むことができる。加えて、いくつかの実施例では、未硬化層430の粘性により、未硬化層430の上面430Aが自己平坦化することを可能にすることができる。
【0124】
図4Iを参照すると、未硬化層430上で硬化プロセス480を実行することができる。硬化プロセス480は、たとえば熱の印加を含むことができるが、本開示の実施例はそれに限定されるものではない。いくつかの実施例では、硬化プロセス480は、275℃未満の温度で実行することができる。いくつかの実施例では、硬化プロセス480は、250℃以下の温度で実行することができる。未硬化層430の材料は、275℃未満、いくつかの実施例では250℃未満の硬化温度を有するように選択することができる。したがって、硬化プロセス480の結果、未硬化層430を実質的に且つ/又は完全に硬化させることができる。いくつかの実施例では、硬化プロセス480は、たとえば紫外(UV:ultraviolet)光などの特定の波長の光の印加を含むことができる。
【0125】
いくつかの実施例では、硬化プロセス480は、未硬化層430の材料のガラス転移温度より大きい温度で実行することができる。いくつかの実施例では、未硬化層430の材料は、250℃未満(たとえば、225℃)のガラス転移温度を有するように選択することができ、硬化プロセス480は、250℃で1時間にわたって実行することができる。
【0126】
図4Iで、未硬化層430の上面430Aは平坦なものとして示されている。いくつかの実施例では、未硬化層の粘性により、未硬化層430の上面430Aが
図4Hに示す非平坦面から
図4Iに示す平坦面へ遷移する(すなわち、自己平坦化する)ことを可能にすることができる。いくつかの実施例では、
図4Hに示す非平坦面から平坦面への遷移は、
図4Iに示す硬化プロセス480中に生じることができる。
【0127】
図4Jを参照すると、硬化プロセス480の結果、未硬化層430を、平坦な且つ/又は硬化された第2のカプセル化層230に変換させることができる。第2のカプセル化層230の上面230Aは、デバイスの幅にわたって実質的に平坦とすることができる。硬化の結果、第2のカプセル化層230の上面230Aを自己平坦化させることができる。すなわち、ばらつき、表面の不規則性、及び/又は逸脱を含む未硬化層430の上面430Aを、硬化プロセスの結果として実質的に平坦な且つ/又は硬化された第2のカプセル化層230の上面230Aに変換させることができる。したがって、平坦化ステップの必要なく、平坦な上面230Aを提供することができる。いくつかの実施例では、第1のカプセル化層225の厚さTc、第2のカプセル化層230の領域の厚さTg、Tm、Tr、及び第2のカプセル化層230の厚さTcとTg、Tm、又はTrとの比は、表1のものに整合するように構築することができる。
【0128】
図4Kを参照すると、基板122(
図4J参照)を薄くして、薄型基板322を形成することができる。いくつかの実施例では、基板322の厚さは、インフィード又はクリープ・フィード・グラインダなどのグラインダを使用して低減される。他の実施例では、基板322の厚さは、研削の有無にかかわらず、ラッピング、化学的若しくは反応性イオン・エッチング、又はこれらの手法の組合せを使用して低減される。さらに他の実施例では、薄くする動作に起因しうる基板322の損傷を低減させるために、エッチングを使用して基板322の背面を処理することができる。ウエハを薄くする方法は、開示が全体として参照により本明細書に組み込まれている、たとえば本発明の譲受人に譲渡された米国特許第7,291,529号、米国特許第7,932,111号、米国特許第7,259,402号、及び米国特許第8,513,686号に記載されている。
【0129】
本発明によるいくつかの実施例では、基板322は、約40μm~約100μmの厚さまで薄くされる。他の実施例では、基板322は、約40μm~約75μmの厚さまで薄くされる。
【0130】
いくつかの実施例では、基板122を薄くすることが省略され、基板122は基板322と実質的に同一である。
図4Kは、第1のカプセル化層225及び第2のカプセル化層230を含む多層環境カプセル化スタック220の形成後に基板122が薄くされたことを示すが、本開示の実施例はそれに限定されるものではない。いくつかの実施例では、基板122を薄くすることを、多層環境カプセル化スタック220の形成前など、処理中の他の時点で行うことができる。
【0131】
図2Bを再び参照すると、基板322、チャネル層324、及び障壁層326内に、ビア325を形成することができる。ビア325は、湿式又は乾式エッチングによって形成することができる。いくつかの実施例では、ビア325の側壁が基板322の頂面に対して傾斜するように、ビア325を異方性エッチングすることができる。いくつかの実施例では、ビア325は、ソース接点315の底面を露出させることができる。いくつかの実施例では、ソース接点315は、ビア325の形成中にエッチ・ストップ材料として働くことができる。ビアの形成後、基板322の下面322A、ビア325の側壁、及びソース接点315の底面に、バックメタル層335を堆積させることができる。バックメタル層335は、たとえばチタン、白金、及び/又は金などの導電性金属を含むことができる。
【0132】
図4A~
図4KにHEMTデバイス300Aを示したが、
図4A~
図4Kに関連して説明する多層環境カプセル化スタック220は、他のタイプの半導体デバイスを使用して提供することもできることが理解されよう。言い換えれば、他のタイプの半導体デバイスを使用することもでき、本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書(たとえば、
図4G~
図4J)に記載する第1のカプセル化層225及び第2のカプセル化層230を含む環境カプセル化スタック220を形成する方法を、半導体デバイスに適用することもできる。
図5A~
図5Bは、本明細書に記載する多層環境カプセル化スタック220を含むことができる例示的な半導体デバイス300B、300Cを示す。話を簡単にするために、すでに説明した
図5A及び
図5Bの要素の重複する説明は省略する。
図5A及び
図5Bは、概して
図2Aの線A-Aに沿って切り取ったものである。しかし、本開示の実施例は、
図2B、
図5A、及び
図5Bのものに限定されるものではなく、概して本開示の方法/構造は、変動する高さに上面を有する要素をその上面に有するいずれの半導体デバイスのカプセル化スタックにも適用することができることが理解されよう。
【0133】
図5Aは、金属半導体電界効果トランジスタ(MESFET)デバイス300Bを示し、半導体構造390のうちソース領域215とドレイン領域205との間の領域は、MESFET300Bの伝導チャネル又はチャネル領域を提供する。
図5Bは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)デバイス300Cを示し、半導体構造390のうちソース領域215とドレイン領域205との間の領域は、MOSFET300Cのチャネル領域を提供し、ゲート接点310は、ゲート酸化物層110によってチャネル領域から分離される。
【0134】
半導体デバイス300B、300Cの各々は、デバイス上にデバイスを保護する多層環境カプセル化スタック220を含むことができる。
図5A及び
図5Bには、
図1及び
図2Bに示す半導体デバイス300、300Aのものと類似の構造(たとえば、共形の第1のカプセル化層225、並びに自己平坦化及び/又は硬化された第2のカプセル化層230)を有する多層環境カプセル化スタック220が示されている。
図5A及び
図5Bの半導体デバイス300B、300Cは、本明細書に記載し表1に提供した第1のカプセル化層225及び第2のカプセル化層230の厚さの類似の比を有することができる。
【0135】
図2A、
図5A、及び
図5Bは、半導体デバイスが半導体デバイスの上面にソース接点、ドレイン接点、及びゲート接点の各々を有する実施例を示すが、本開示の実施例はそれに限定されるものではない。本開示の範囲から逸脱することなく、デバイスの底面に1つ又は複数の接点(たとえば、ドレイン接点)を含む半導体デバイスもまた、本明細書に記載する多層環境カプセル化スタック220(たとえば、共形の第1のカプセル化層225と、自己平坦化及び/又は硬化された第2のカプセル化層230とを有する)を組み込むことができる。
【0136】
図6A~
図6Cは、本開示の実施例による半導体デバイス300を包装して、それぞれ包装されたトランジスタ増幅器600A~600Cを提供することができるいくつかの例示的な方法を示す概略断面図である。
図6A~
図6Cは、
図1の半導体デバイス300が包装されたところを示すが、本開示の実施例による半導体デバイス300A、300B、300Cのいずれも、
図6A~
図6Cに示すパッケージ内に包装することができることが理解されよう。
【0137】
図6Aは、包装されたトランジスタ増幅器600Aの概略側面図である。
図6Aに示すように、包装されたトランジスタ増幅器600Aは、開口パッケージ610Aに包装された半導体デバイス300を含む。パッケージ610Aは、金属ゲート・リード622A、金属ドレイン・リード624A、金属サブマウント630、側壁640、及びリッド642を含む。
【0138】
サブマウント630は、包装されたトランジスタ増幅器600Aの熱管理を支援するように構成された材料を含むことができる。たとえば、サブマウント630は、銅及び/又はモリブデンを含むことができる。いくつかの実施例では、サブマウント630は、複数の層から構成することができ、且つ/又はビア/相互接続を含むことができる。例示的な実施例では、サブマウント630は、モリブデンのコア層と、その両方の主表面に銅のクラッド層とを含む、銅/モリブデン/銅の多層金属フランジとすることができる。いくつかの実施例では、サブマウント630は、リード・フレーム又は金属スラグの一部である金属ヒート・シンクを含むことができる。いくつかの実施例では、側壁640及び/又はリッド642は、絶縁材料から形成することができ、又は絶縁材料を含むことができる。たとえば、側壁640及び/又はリッド642は、セラミック材料から形成することができ、又はセラミック材料を含むことができる。いくつかの実施例では、側壁640及び/又はリッド642は、たとえばAl2O3から形成することができる。リッド642は、エポキシ接着剤を使用して側壁640に接着することができる。側壁640は、たとえばろう付けによって、サブマウント630に取り付けることができる。ゲート・リード622A及びドレイン・リード624Aは、側壁640を通って延びるように構成することができるが、本発明の実施例はそれに限定されるものではない。
【0139】
半導体デバイス300は、金属サブマウント630、セラミック側壁640、及びセラミック・リッド642によって画定された空気で充填された空洞612内で、金属サブマウント630の上面に取り付けられる。半導体デバイス300のゲート端子632及びドレイン端子634は、半導体デバイス300の頂面に位置することができ、ソース端子636は、半導体デバイス300の底面に位置することができる。ソース端子636は、たとえば導電性ダイ・アタッチ材料(図示せず)を使用して、金属サブマウント630上に取り付けることができる。金属サブマウント630は、ソース端子636への電気接続を提供することができ、半導体デバイス300内に生成された熱を放散する熱放散構造として働くこともできる。熱は主に、たとえば単位セル・トランジスタのチャネル領域内で比較的高い電流密度が生成される半導体デバイス300の上部で生成される。この熱は、半導体構造390を通ってソース端子636へ、次いで金属サブマウント630へ伝達することができる。
【0140】
パッケージ610A内に、入力整合回路650及び/又は出力整合回路652を取り付けることもできる。整合回路650、652は、インピーダンス整合回路及び/又は高調波終端回路を含むことができる。インピーダンス整合回路は、トランジスタ増幅器600Aへ入力される又はトランジスタ増幅器600Aから出力されるRF信号の基本成分のインピーダンスを、それぞれ半導体デバイス300の入力又は出力におけるインピーダンスに整合させるために使用することができる。高調波終端回路は、半導体デバイス300の入力又は出力に存在しうる基本RF信号の高調波を接地するために使用することができる。2つ以上の入力整合回路650及び/又は出力整合回路652を設けることができる。
図6Aに概略的に示すように、入力整合回路650及び出力整合回路652は、金属サブマウント630上に取り付けることができる。ゲート・リード622Aは、1つ又は複数のボンド・ワイア654によって入力整合回路650に接続することができ、入力整合回路650は、1つ又は複数の追加のボンド・ワイア654によって半導体デバイス300のゲート端子632に接続することができる。同様に、ドレイン・リード624Aは、1つ又は複数のボンド・ワイア654によって出力整合回路652に接続することができ、出力整合回路652は、1つ又は複数の追加のボンド・ワイア654によって半導体デバイス300のドレイン端子634に接続することができる。ボンド・ワイア654は、誘導要素であり、入力整合回路650及び/又は出力整合回路652の一部を形成することができる。
【0141】
図6Bは、プリント回路基板に基づくパッケージ610Bに包装された
図1の半導体デバイス300を含む包装されたトランジスタ増幅器600Bの概略側面図である。包装されたトランジスタ増幅器600Bは、パッケージ610Aのゲート・リード622A及びドレイン・リード624Aが、パッケージ610B内ではプリント回路基板に基づくリード622B、624Bに置き換えられていることを除いて、
図6Aの包装されたトランジスタ増幅器600Aに非常に類似している。
【0142】
パッケージ610Bは、サブマウント630、セラミック側壁640、セラミック・リッド642を含み、これらは各々、上記で論じたパッケージ610Aの同様の符号の要素と実質的に同一とすることができる。パッケージ610Bは、プリント回路基板620をさらに含む。プリント回路基板620上の導電トレースが、金属ゲート・リード622B及び金属ドレイン・リード624Bを形成する。プリント回路基板620は、たとえば導電性接着剤によって、サブマウント630に取り付けることができる。プリント回路基板630は、中心開口を含み、半導体デバイス300は、この開口内でサブマウント630上に取り付けられる。トランジスタ増幅器600Bの他の構成要素は、トランジスタ増幅器600Aの同様の符号の構成要素と同じものとすることができ、したがってそのさらなる説明は省略する。
【0143】
図6Cは、別の包装されたトランジスタ増幅器600Cの概略側面図である。トランジスタ増幅器600Cは、異なるパッケージ610Cを含むという点で、トランジスタ増幅器600Aとは異なる。パッケージ610Cは、金属サブマウント630(パッケージ210Aの同様の符号のサブマウント630と類似又は同一のものとすることができる)、並びに金属のゲート・リード622C及びドレイン・リード624Cを含む。トランジスタ増幅器600Cはまた、半導体デバイス300、リード622C、624C、及び金属サブマウント630を少なくとも部分的に取り囲むプラスチックのオーバーモールド660を含む。トランジスタ増幅器600Cの他の構成要素は、トランジスタ増幅器600Aの同様の符号の構成要素と同じものとすることができ、したがってそのさらなる説明は省略する。
【0144】
本明細書では、様々な要素について説明するために第1、第2などの用語が使用されることがあるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではないことが理解されよう。これらの用語は、要素を互いに区別するためにのみ使用される。たとえば、本発明の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に第2の要素を第1の要素と呼ぶこともできる。本明細書では、「及び/又は」という用語は、列挙された関連する項目の1つ又は複数のあらゆる組合せを含む。
【0145】
本明細書に使用する術語は、特定の実施例について説明することのみを目的とし、本発明を限定することを意図したものではない。本明細書では、文脈上別途明白に示さない限り、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、複数形も同様に含むことが意図される。本明細書で使用する「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、及び/又は「含む(including)」という用語は、記載の特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はこれらの群の存在又は追加を除外するものではないことがさらに理解されよう。
【0146】
別途定義されない限り、本明細書で使用するすべての用語(技術的及び科学的な用語を含む)は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で使用する用語は、本明細書及び関連技術の文脈における意味と一致した意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明白にそのように定義されない限り、理想化された又は過度に形式的な意味で解釈されるものではないことがさらに理解されよう。
【0147】
層、領域、又は基板などの要素が、別の要素の「上(on)」に位置し、又は別の要素の「上(onto)」へ延びるものとして参照されるとき、この要素は、他の要素の直接上に位置し、若しくは他の要素の直接上へ延びてもよく、又は介在する要素が存在してもよいことが理解されよう。対照的に、ある要素が別の要素の「直接上(directly on)」に位置し、又は別の要素の「直接上(directly onto)」へ延びるものとして参照されるとき、介在する要素は存在しない。また、ある要素が別の要素に「接続(connected)」又は「結合(coupled)」されるものとして参照されるとき、この要素は、他の要素に直接接続若しくは結合されてもよく、又は介在する要素が存在してもよいことが理解されよう。対照的に、ある要素が別の要素に「直接接続(directly connected)」又は「直接結合(directly coupled)」されるものとして参照されるとき、介在する要素は存在しない。
【0148】
「下(below)」若しくは「上(above)」、又は「上部(upper)」若しくは「下部(lower)」、又は「水平(horizontal)」若しくは「横方向(lateral)」若しくは「垂直(vertical)」などの相対的な用語は、本明細書では、図に示す1つの要素、層、又は領域と別の要素、層、又は領域との関係について説明するために使用されることがある。これらの用語は、図に示されている向きに加えて、デバイスの異なる向きも包含することが意図されることが理解されよう。
【0149】
本発明の実施例は、本発明の理想化された実施例(及び中間構造)の概略図である断面図を参照して本明細書に説明されている。図面における層及び領域の厚さは、見やすいように強調されていることがある。加えて、たとえば製造技法及び/又は公差に起因する図の形状からの変動も予期される。したがって、本発明の実施例は、本明細書に示す領域の特定の形状に限定されると解釈されるべきではなく、たとえば製造に起因する形状の逸脱も包含する。同様に、製造手順の標準偏差に基づいて、寸法の変動も予期されることが理解されよう。本明細書では、別途指定されない限り、「約」及び/又は「実質的に」は、公称値の10%の範囲内の値を含む。
【0150】
全体にわたって、同様の符号は同様の要素を指す。したがって、対応する図面で言及又は記載されていない場合でも、他の図面を参照して同じ又は類似の符号について説明することがある。また、参照番号によって示されていない要素についても、他の図面を参照して説明することがある。
【0151】
本発明のいくつかの実施例について、n型又はp型などの導電型を有することを特徴とする半導体層及び/又は領域を参照して説明しており、これはその層及び/又は領域内の多数キャリア濃度を指す。したがって、N型材料は、負に帯電した電子の多数平衡濃度を有し、P型材料は、正に帯電した正孔の多数平衡濃度を有する。いくつかの材料は、別の層又は領域と比べて、多数キャリアの比較的大きい(「+」)又は小さい(「-」)濃度を示すために、「+」又は「-」(N+、N-、P+、P-、N++、N--、P++、P--など)によって指定することができる。しかし、そのような表記は、層又は領域内に多数又は少数キャリアが特定の濃度で存在することを示唆するものではない。
【0152】
図面及び明細書において、本発明の典型的な実施例に開示しており、特有の用語が用いられるが、これらは限定を目的とするものではなく、汎用且つ説明の意味でのみ使用されており、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲に記載される。
【国際調査報告】