(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-26
(54)【発明の名称】最先端の基板パターニングにおけるエッチング抵抗の低減
(51)【国際特許分類】
H10K 59/122 20230101AFI20240719BHJP
H10K 50/844 20230101ALI20240719BHJP
H10K 59/35 20230101ALI20240719BHJP
H10K 71/16 20230101ALI20240719BHJP
【FI】
H10K59/122
H10K50/844
H10K59/35
H10K71/16 164
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506944
(86)(22)【出願日】2022-08-04
(85)【翻訳文提出日】2024-04-02
(86)【国際出願番号】 US2022039443
(87)【国際公開番号】W WO2023014897
(87)【国際公開日】2023-02-09
(32)【優先日】2021-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チェン, チャン-チア
(72)【発明者】
【氏名】チョン, チヨン
(72)【発明者】
【氏名】ハース, ディーター
(72)【発明者】
【氏名】リン, ユイ-シン
(72)【発明者】
【氏名】リー, ジョンミン
(72)【発明者】
【氏名】ウー, ウェン-ハオ
(72)【発明者】
【氏名】キム, シギョン
【テーマコード(参考)】
3K107
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC23
3K107CC45
3K107DD89
3K107DD94
3K107DD95
3K107EE48
3K107FF15
3K107GG04
(57)【要約】
本書に記載の実施形態は、デバイスであって、基板と、基板の上に配置されてデバイスのサブピクセルを画定するピクセル画定層(PDL)構造と、複数のオーバーハング構造と、を備えるデバイスに関する。各オーバーハング構造は、本体構造を越えて横方向に延在する上部構造によって画定される。各本体構造は、各PDL構造の上面の上に配置される。オーバーハング構造は、第1サブピクセル及び第2サブピクセルを含む複数のサブピクセルを画定する。各サブピクセルは、アノードと、有機発光ダイオード(OLED)材料と、カソードと、封入層とを含む。OLED材料は、第1アノードの上に配置され、オーバーハング構造の下に延在する。カソードは、OLED材料の上、及びオーバーハング構造の下に配置される。封入層は第1カソードの上に配置される。第1封入層は第1の厚さを有し、第2封入層は、第1封入層と異なる第2の厚さを有する。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
基板と、
前記基板の上に配置されて前記デバイスのサブピクセルを画定するピクセル画定層(PDL)構造と、
複数のオーバーハング構造と、を備え、各オーバーハング構造が、本体構造を越えて横方向に延在する上部構造の上部延在部によって画定され、各本体構造は、各PDL構造の上面の上に配置され、前記複数のオーバーハング構造のうちの隣接したオーバーハング構造が、第1サブピクセル及び第2サブピクセルを含む複数のサブピクセルを画定し、
前記第1サブピクセルが、
第1アノードと、
前記第1アノードの上に、前記第1アノードと接触して、及び前記隣接したオーバーハング構造の下に配置された、第1有機発光ダイオード(OLED)材料と、
前記第1OLED材料の上、及び前記隣接したオーバーハング構造の下に配置された、第1カソードと、
前記第1カソードの上に配置され、前記隣接したオーバーハング構造の下に延在して、前記隣接したオーバーハング構造の側壁の一部分と接触する第1封入層であって、第1の厚さを有する第1封入層と、を備え、
前記第2サブピクセルが、
第2アノードと、
前記第2アノードの上に、前記第2アノードと接触して、及び前記隣接したオーバーハング構造の下に配置された、第2有機発光ダイオード(OLED)材料と、
前記第2OLED材料の上、及び前記隣接したオーバーハング構造の下に配置された、第2カソードと、
前記第2カソードの上に配置され、前記隣接したオーバーハング構造の下に延在して、前記隣接したオーバーハング構造の側壁の一部分と接触する第2封入層であって、前記第1の厚さと異なる第2の厚さを有する第2封入層と、を備える、
デバイス。
【請求項2】
前記第2サブピクセルの前記第2封入層が、前記隣接したオーバーハング構造の下に延在して、前記本体構造の側壁の一部分及び前記上部構造の底面と接触する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
第3サブピクセルを更に備え、前記第3サブピクセルが、
第3アノードと、
前記第3アノードの上に、前記第3アノードと接触して、及び前記隣接したオーバーハング構造の下に配置された、第3有機発光ダイオード(OLED)材料と、
前記第3OLED材料の上、及び前記隣接したオーバーハング構造の下に配置された、第3カソードと、
前記第3カソードの上に配置され、前記隣接したオーバーハング構造の下に延在して、前記オーバーハング構造の側壁の一部分と接触する第3封入層であって、前記第1の厚さ及び前記第2の厚さと異なる第3の厚さを有する第3封入層と、を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第3サブピクセルの前記第3封入層が、前記隣接したオーバーハング構造の下に延在して、前記本体構造の側壁の一部分、前記上部構造の底面、前記上部構造の側壁、及び前記上部構造の上面と接触する、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第1封入層、前記第2封入層、及び前記第3封入層が、窒化ケイ素材料、酸窒化ケイ素材料、酸化ケイ素材料、又はこれらの組み合わせを含む、請求項3に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第1封入層が、前記第2封入層又は前記第3封入層の少なくとも一方と異なる材料を含む、請求項3に記載のデバイス。
【請求項7】
前記本体構造が、無機材料又は金属含有材料を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記第1封入層、前記第2封入層、及び前記第3封入層が、シリコン含有材料の少なくとも2つの層を含み、前記第1封入層、前記第2封入層、及び前記第3封入層のうちの少なくとも1つの前記シリコン含有材料の少なくとも2つの層が、互いと異なる、請求項3に記載のデバイス。
【請求項9】
前記第1OLED材料は、前記PDL構造と接触するように、前記第1アノードの上に、前記第1アノードと接触して、及び前記オーバーハング構造の下に配置され、前記第2OLED材料は、前記PDL構造と接触するように、前記第2アノードの上に、前記第2アノードと接触して、及び前記オーバーハング構造の下に配置される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
デバイスであって、
基板と、
前記基板の上に配置されて前記デバイスのサブピクセルを画定するピクセル画定層(PDL)構造と、
複数のオーバーハング構造と、を備え、各オーバーハング構造が、本体構造を越えて横方向に延在してオーバーハングを形成する上部構造の上部延在部によって画定され、各本体構造は、各PDL構造の上面の上に配置され、前記複数のオーバーハング構造のうちの隣接したオーバーハング構造が、第1サブピクセル及び第2サブピクセルを含む複数のサブピクセルを画定し、
前記第1サブピクセルが、
第1アノードと、
前記第1アノードの上に、前記第1アノードと接触して、及び前記隣接したオーバーハング構造の下に配置された、第1有機発光ダイオード(OLED)材料と、
前記第1OLED材料の上、及び前記隣接したオーバーハング構造の下に配置された、第1カソードと、
前記第1カソードの上に配置され、前記隣接したオーバーハング構造の下に延在して、前記オーバーハング構造の側壁の一部分と接触する第1封入層であって、前記オーバーハングの全領域内にあり、かつ第1の厚さを有する第1封入層と、を備え、
前記第2サブピクセルが、
第2アノードと、
前記第2アノードの上に、前記第2アノードと接触して、及び前記隣接したオーバーハング構造の下に配置された、第2有機発光ダイオード(OLED)材料と、
前記第2OLED材料の上、及び前記隣接したオーバーハング構造の下に配置された、第2カソードと、
前記第2カソードの上に配置され、前記隣接したオーバーハング構造の下に延在して、前記隣接したオーバーハング構造の側壁の一部分と接触する第2封入層であって、前記第1の厚さと異なる第2の厚さを有する第2封入層と、を備える、
デバイス。
【請求項11】
前記オーバーハングにおいて、
間隙が、前記オーバーハングにおける、前記上部構造の底面の表面上の第2封入層と、前記第2カソードの上の前記第2封入層との間に存在するか、又は、
前記間隙が、前記オーバーハングにおける、前記上部構造の下側エッジと、前記第2カソードの上の前記第2封入層との間に存在する、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
第3サブピクセルを更に備え、前記第3サブピクセルが、
第3アノードと、
前記第3アノードの上に、前記第3アノードと接触して、及び前記隣接したオーバーハング構造の下に配置された、第3有機発光ダイオード(OLED)材料と、
前記第3OLED材料の上、及び前記隣接したオーバーハング構造の下に配置されて、前記オーバーハング構造の一部分と接触する、第3カソードと、
前記第3カソードの上に配置され、前記隣接したオーバーハング構造の下に延在して、前記オーバーハング構造の側壁の一部分と接触する第3封入層であって、前記第1の厚さ及び前記第2の厚さと異なる第3の厚さを有する第3封入層と、を備える、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記第1封入層、前記第2封入層、及び前記第3封入層が、窒化ケイ素材料、酸窒化ケイ素材料、酸化ケイ素材料、又はこれらの組み合わせを含む、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記本体構造が、無機材料又は金属含有材料を含む、請求項10に記載のデバイス。
【請求項15】
前記上部構造が、非導電性材料、無機材料、又は金属含有材料を含む、請求項10に記載のデバイス。
【請求項16】
前記第1カソードが、前記第1OLED材料の終点を越えて延在して前記PDL構造と接触し、前記第2カソードが、前記第2OLED材料の終点を越えて延在して前記PDL構造と接触する、請求項10に記載のデバイス。
【請求項17】
前記第1OLED材料は、前記PDL構造と接触するように、前記第1アノードの上に、前記第1アノードと接触して、及び前記オーバーハング構造の下に配置され、前記第2OLED材料は、前記PDL構造と接触するように、前記第2アノードの上に、前記第2アノードと接触して、及び前記オーバーハング構造の下に配置される、請求項10に記載のデバイス。
【請求項18】
デバイスであって、
基板と、
前記基板の上に配置されて、前記デバイスのサブピクセルを画定するピクセル画定層(PDL)構造と、
複数のオーバーハング構造と、を備え、各オーバーハング構造が、本体構造を越えて横方向に延在してオーバーハングを形成する上部構造の上部延在部によって画定され、各本体構造は、各PDL構造の上面の上に配置され、前記複数のオーバーハング構造のうちの隣接したオーバーハング構造が、第1サブピクセル、第2サブピクセル、及び第3サブピクセルを含む複数のサブピクセルを画定し、
前記第1サブピクセルが、
第1アノードと、
前記第1アノードの上に、前記第1アノードと接触して、及び前記隣接したオーバーハング構造の下に配置された、第1有機発光ダイオード(OLED)材料と、
前記第1OLED材料の上に配置され、前記隣接したオーバーハング構造の下に延在して、前記オーバーハング構造の一部分と接触する、第1カソードと、
前記第1カソードの上に配置され、前記隣接したオーバーハング構造の下に延在して、前記オーバーハング構造の側壁の一部分と接触する第1封入層であって、第1の厚さを有する第1封入層と、を備え、
前記第2サブピクセルが、
第2アノードと、
前記第2アノードの上に、前記第2アノードと接触して、及び前記隣接したオーバーハング構造の下に配置された、第2有機発光ダイオード(OLED)材料と、
前記第2OLED材料の上に配置され、前記隣接したオーバーハング構造の下に延在して、前記オーバーハング構造の一部分と接触する、第2カソードと、
前記第2カソードの上に配置され、前記隣接したオーバーハング構造の下に延在して、前記オーバーハング構造の側壁の一部分と接触する第2封入層であって、前記第1の厚さと異なる第2の厚さを有する第2封入層と、を備え、
前記第3サブピクセルが、
第3アノードと、
前記第3アノードの上に、前記第3アノードと接触して、及び前記隣接したオーバーハング構造の下に配置された、第3有機発光ダイオード(OLED)材料と、
前記第3OLED材料の上に配置され、前記隣接したオーバーハング構造の下に延在して、本体構造の一部分と接触する、第3カソードと、
前記第3カソードの上に配置され、前記隣接したオーバーハング構造の下に延在して、前記オーバーハング構造の側壁の一部分と接触する第3封入層であって、前記第1の厚さ及び前記第2の厚さと異なる第3の厚さを有する第3封入層と、を備える、
デバイス。
【請求項19】
前記第1封入層の前記第1の厚さは、前記第2封入層の前記第2の厚さ及び前記第3封入層の前記第3の厚さよりも厚く、前記第2封入層の前記第2の厚さは、前記第3封入層の前記第3の厚さよりも厚い、請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記第1封入層の前記第1の厚さは、前記第2封入層の前記第2の厚さ及び前記第3封入層の前記第3の厚さよりも薄く、前記第2封入層の前記第2の厚さは、前記第3封入層の前記第3の厚さよりも薄い、請求項18に記載のデバイス。
【請求項21】
前記第1封入層、前記第2封入層、及び前記第3封入層が、窒化ケイ素材料、酸窒化ケイ素材料、酸化ケイ素材料、又はこれらの組み合わせを含む、請求項18に記載のデバイス。
【請求項22】
前記第1封入層は第1の屈折率を有し、前記第2封入層は、前記第1の屈折率と異なる第2の屈折率を有し、前記第3封入層は、前記第1の屈折率及び前記第2の屈折率と異なる第3の屈折率を有する、請求項18に記載のデバイス。
【請求項23】
前記本体構造が、無機材料又は金属含有材料を含む、請求項18に記載のデバイス。
【請求項24】
前記第1カソードは、前記第1OLED材料の終点を越えて延在して前記PDL構造と接触し、前記第2カソードは、前記第2OLED材料の終点を越えて延在して前記PDL構造と接触する、請求項18に記載のデバイス。
【請求項25】
前記第1OLED材料は、前記PDL構造と接触するように、前記第1アノードの上に、前記第1アノードと接触して、及び前記隣接したオーバーハング構造の下に配置され、前記第2OLED材料は、前記PDL構造と接触するように、前記第2アノードの上に、前記第2アノードと接触して、及び前記オーバーハング構造の下に配置される、請求項18に記載のデバイス。
【請求項26】
デバイスであって、
基板と、
前記基板の上に配置されて前記デバイスのサブピクセルを画定するピクセル画定層(PDL)構造と、
複数のオーバーハング構造と、を備え、各オーバーハング構造が、本体構造を越えて横方向に延在する上部構造の上部延在部によって画定され、各本体構造は、各PDL構造の上面の上に配置され、前記複数のオーバーハング構造のうちの隣接したオーバーハング構造が、第1サブピクセル及び第2サブピクセルを含む複数のサブピクセルを画定し、
前記第1サブピクセルが、
第1アノードと、
前記第1アノードの上に、前記第1アノードと接触して、及び前記隣接したオーバーハング構造の下に配置された、第1有機発光ダイオード(OLED)材料と、
前記第1OLED材料の上、及び前記隣接したオーバーハング構造の下に配置された、第1カソードと、
前記第1カソードの上に配置され、前記隣接したオーバーハング構造の下に延在して、前記隣接したオーバーハング構造の側壁の一部分と接触する第1封入層であって、シリコン含有材料の少なくとも2つの層を含む第1封入層と、を備え、
前記第2サブピクセルが、
第2アノードと、
前記第2アノードの上に、前記第2アノードと接触して、及び前記隣接したオーバーハング構造の下に配置された、第2有機発光ダイオード(OLED)材料と、
前記第2OLED材料の上、及び前記隣接したオーバーハング構造の下に配置された、第2カソードと、
前記第2カソードの上に配置され、前記隣接したオーバーハング構造の下に延在して、前記隣接したオーバーハング構造の側壁の一部分と接触する第2封入層であって、前記第1封入層と異なる組成で前記シリコン含有材料を含む第2封入層と、を備える、
デバイス。
【請求項27】
第3サブピクセルを更に備え、前記第3サブピクセルが、
第3アノードと、
前記第3アノードの上に、前記第3アノードと接触して、及び前記隣接したオーバーハング構造の下に配置された、第3有機発光ダイオード(OLED)材料と、
前記第3OLED材料の上、及び前記隣接したオーバーハング構造の下に配置され、前記オーバーハング構造の一部分と接触するよう延在する、第3カソードと、
前記第3カソードの上に配置され、前記隣接したオーバーハング構造の下に延在して、前記オーバーハング構造の側壁の一部分と接触する第3封入層であって、第1の厚さ及び2の厚さと異なる第3の厚さを有する第3封入層と、を備える、請求項26に記載のデバイス。
【請求項28】
前記第1封入層の前記第1の厚さは、前記第2封入層の前記第2の厚さ及び前記第3封入層の前記第3の厚さよりも厚く、前記第2封入層の前記第2の厚さは、前記第3封入層の前記第3の厚さよりも厚い、請求項27に記載のデバイス。
【請求項29】
前記第1封入層の前記第1の厚さは、前記第2封入層の前記第2の厚さ及び前記第3封入層の前記第3の厚さよりも薄く、前記第2封入層の前記第2の厚さは、前記第3封入層の前記第3の厚さよりも薄い、請求項28に記載のデバイス。
【請求項30】
前記第1封入層が、本体構造を越えて横方向に延在する上部構造の上部延在部によって画定されたオーバーハングの全領域内にある、請求項26に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
技術分野
[0001]本書に記載の実施形態は、概してディスプレイに関する。より具体的には、本書に記載の実施形態は、ディスプレイ(有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなど)に利用されうるサブピクセル回路及びかかるサブピクセル回路を形成する方法に関する。
【0002】
関連技術の説明
[0002]ディスプレイデバイスを含む入力デバイスは、多種多様な電子システムにおいて使用されうる。有機発光ダイオード(OLED)は、発光性エレクトロルミネッセンス層が電流に反応して光を放出する有機化合物の膜である、発光ダイオード(LED)である。OLEDデバイスは、放出された光が透過性又は半透過性の底部電極及び基板(その上にパネルが製造されている)を通過する場合には、ボトムエミッションデバイスに分類される。トップエミッションデバイスは、OLEDデバイスから放出された光が、このデバイスの製造後に追加されるリッドを通って出るか否かに基づいて分類される。現今、OLEDは、多くの電子機器において、ディスプレイデバイスを作り出すために使用されている。現今の電子機器製造者は、ほんの数年前と比較しても、より高い解像度を実現しつつ、かかるディスプレイデバイスの小型化を推進している。
【0003】
[0003]現在、OLEDピクセルパターニングは、パネルサイズ、ピクセル解像度、及び基板サイズを制限するプロセスに基づくものである。ピクセルをパターニングするには、微細なメタルマスクを利用するのではなく、フォトリソグラフィが使用されるべきである。現在のところ、OLEDピクセルパターニングでは、パターニングプロセスの後に有機材料を取り除くことが必要である。この有機材料は、取り除かれた後にも、OLEDの性能を阻害する粒子問題を残す。したがって、当該技術分野において必要とされているのは、ディスプレイ(有機OLEDディスプレイなど)に利用されうるサブピクセル回路及びサブピクセル回路を形成する方法である。
【発明の概要】
【0004】
[0004]一実施形態では、デバイスが提供される。このデバイスは、基板と、基板の上に配置されてデバイスのサブピクセルを画定するピクセル画定層(PDL)構造と、複数のオーバーハング構造とを含む。各オーバーハング構造は、本体構造を越えて横方向に延在する上部構造の上部延在部によって画定される。各本体構造は、各PDL構造の上面の上に配置される。オーバーハング構造は、第1サブピクセル及び第2サブピクセルを含む複数のサブピクセルを画定する。第1サブピクセルは、第1アノードと、第1有機発光ダイオード(OLED)材料と、第1カソードと、第1封入層とを含む。第1OLED材料は、第1アノードの上に、第1アノードと接触して、及び隣接したオーバーハング構造の下に、配置される。第1カソードは、第1OLED材料の上、及び隣接したオーバーハング構造の下に配置される。第1封入層は、第1カソードの上に配置され、隣接したオーバーハング構造の下に延在して、隣接したオーバーハング構造の側壁の一部分と接触する。第1封入層は第1の厚さを有する。第2サブピクセルは、第2アノードと、第2OLED材料と、第2カソードと、第2封入層とを含む。第2有機発光ダイオード(OLED)材料は、第2アノードの上に、第2アノードと接触して、及びオーバーハング構造の下に、配置される。第2カソードは、第2OLED材料の上、及び隣接したオーバーハング構造の下に配置される。第2封入層は、第2カソードの上に配置され、隣接したオーバーハング構造の下に延在して、隣接したオーバーハング構造の側壁の一部分と接触する。第2封入層は、第1の厚さと異なる第2の厚さを有する。
【0005】
[0005]別の実施形態では、デバイスが提供される。このデバイスは、基板と、基板の上に配置されてデバイスのサブピクセルを画定するピクセル画定層(PDL)構造と、複数のオーバーハング構造とを含む。各オーバーハング構造は、本体構造を越えて横方向に延在してオーバーハングを形成する、上部構造の上部延在部によって画定される。各本体構造は、各PDL構造の上面の上に配置される。複数のオーバーハング構造のうちの隣接したオーバーハング構造が、第1サブピクセル及び第2サブピクセルを含む複数のサブピクセルを画定する。第1サブピクセルは、第1アノードと、第1有機発光ダイオード(OLED)材料と、第1カソードと、第1封入層とを含む。第1OLED材料は、第1アノードの上に、第1アノードと接触して、及び隣接したオーバーハング構造の下に、配置される。第1カソードは、第1OLED材料の上、及び隣接したオーバーハング構造の下に配置される。第1封入層は、第1カソードの上に配置され、隣接したオーバーハング構造の下に延在して、オーバーハング構造の側壁の一部分と接触する。第1封入層は、オーバーハングの全領域内にあり、第1の厚さを有する。第2サブピクセルは、第2アノードと、第2OLED材料と、第2カソードと、第2封入層とを含む。第2OLED材料は、第2アノードの上に、第2アノードと接触して、及び隣接したオーバーハング構造の下に、配置される。第2カソードは、第2OLED材料の上、及び隣接したオーバーハング構造の下に配置される。第2封入層は、第2カソードの上に配置され、隣接したオーバーハング構造の下に延在して、隣接したオーバーハング構造の側壁の一部分と接触する。第2封入層は、第1の厚さと異なる第2の厚さを有する。
【0006】
[0006]更に別の実施形態では、デバイスが提供される。このデバイスは、基板と、基板の上に配置されてデバイスのサブピクセルを画定するピクセル画定層(PDL)構造と、複数のオーバーハング構造とを含む。各オーバーハング構造は、本体構造を越えて横方向に延在してオーバーハングを形成する、上部構造の上部延在部によって画定される。各本体構造は、各PDL構造の上面の上に配置される。複数のオーバーハング構造のうちの隣接したオーバーハング構造が、第1サブピクセルと、第2サブピクセルと、第3サブピクセルとを含む複数のサブピクセルを画定する。第1サブピクセルは、第1アノードと、第1有機発光ダイオード(OLED)材料と、第1カソードと、第1封入層とを含む。第1OLED材料は、第1アノードの上に、第1アノードと接触して、及び隣接したオーバーハング構造の下に、配置される。第1カソードは、第1OLED材料の上に配置され、隣接したオーバーハング構造の下に延在して、オーバーハング構造の一部分と接触する。第1封入層は、第1カソードの上に配置され、隣接したオーバーハング構造の下に延在して、オーバーハング構造の側壁の一部分と接触する。この封入層は第1の厚さを有する。第2サブピクセルは、第2アノードと、第2OLED材料と、第2カソードと、第2封入層とを含む。第2OLED材料は、第2アノードの上に、第2アノードと接触して、及び隣接したオーバーハング構造の下に、配置される。第2カソードは、第2OLED材料の上に配置され、隣接したオーバーハング構造の下に延在して、オーバーハング構造の一部分と接触する。第2封入層は、第2カソードの上に配置され、隣接したオーバーハング構造の下に延在して、オーバーハング構造の側壁の一部分と接触する。第2封入層は、第1の厚さと異なる第2の厚さを有する。第3サブピクセルは、第3アノードと、第3OLED材料と、第3カソードと、第3封入層とを含む。第3OLED材料は、第3アノードの上に、第3アノードと接触して、及び隣接したオーバーハング構造の下に、配置される。第3カソードは、第3OLED材料の上に配置され、隣接したオーバーハング構造の下に延在して、本体構造の一部分と接触する。第3封入層は、第3カソードの上に配置され、隣接したオーバーハング構造の下に延在して、オーバーハング構造の側壁の一部分と接触する。この封入層は、第1の厚さ及び第2の厚さと異なる第3の厚さを有する。
【0007】
[0007]更に別の実施形態では、デバイスが提供される。このデバイスは、基板と、基板の上に配置されてデバイスのサブピクセルを画定するピクセル画定層(PDL)構造と、複数のオーバーハング構造とを含む。各オーバーハング構造は、本体構造を越えて横方向に延在する上部構造の上部延在部によって画定される。各本体構造は、各PDL構造の上面の上に配置される。複数のオーバーハング構造のうちの隣接したオーバーハング構造が、第1サブピクセル及び第2サブピクセルを含む複数のサブピクセルを画定する。第1サブピクセルは、第1アノードと、第1有機発光ダイオード(OLED)材料と、第1カソードと、第1封入層とを含む。第1OLED材料は、第1アノードの上に、第1アノードと接触して、及び隣接したオーバーハング構造の下に、配置される。第1カソードは、第1OLED材料の上、及び隣接したオーバーハング構造の下に配置される。第1封入層は、第1カソードの上に配置され、隣接したオーバーハング構造の下に延在して、隣接したオーバーハング構造の側壁の一部分と接触する。第1封入層は、シリコン含有材料の少なくとも2つの層を含む。第2サブピクセルは、第2アノードと、第2OLED材料と、第2カソードと、第2封入層とを含む。第2OLED材料は、第2アノードの上に、第2アノードと接触して、及び隣接したオーバーハング構造の下に、配置される。第2カソードは、第2OLED材料の上、及び隣接したオーバーハング構造の下に配置される。第2封入層は、第2カソードの上に配置され、隣接したオーバーハング構造の下に延在して、隣接したオーバーハング構造の側壁の一部分と接触する。第2封入層は、第1封入層と異なる組成で、シリコン含有材料を含む。
【0008】
[0008]本開示の上述の特徴が詳しく理解されうるように、上記では簡単に要約した本開示のより詳細な説明が、実施形態を参照することによって得られる。一部の実施形態は、付随する図面に示されている。しかし、付随する図面は、例示的な実施形態のみを示すものであり、したがって、本開示の範囲を限定すると見なすべきではなく、その他の等しく有効な実施形態をも許容しうることに、留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】実施形態によるサブピクセル回路の概略断面図である。
【
図1B】実施形態によるサブピクセル回路の概略断面図である。
【
図1C】実施形態による、ドット型アーキテクチャを有するサブピクセル回路の概略上面断面図である。
【
図1D】実施形態による、ライン型アーキテクチャを有するサブピクセル回路の概略断面図である。
【
図2A】実施形態による、サブピクセル回路のオーバーハング構造の概略断面図である。
【
図2B】実施形態による、サブピクセル回路のオーバーハング構造の概略断面図である。
【
図3】実施形態による、サブピクセル回路を形成するためのオンデマンドな方法のフロー図である。
【
図4A】実施形態による、サブピクセル回路を形成するための方法における基板の概略断面図である。
【
図4B】実施形態による、サブピクセル回路を形成するための方法における基板の概略断面図である。
【
図4C】実施形態による、サブピクセル回路を形成するための方法における基板の概略断面図である。
【
図4D】実施形態による、サブピクセル回路を形成するための方法における基板の概略断面図である。
【
図4E】実施形態による、サブピクセル回路を形成するための方法における基板の概略断面図である。
【
図4F】実施形態による、サブピクセル回路を形成するための方法における基板の概略断面図である。
【
図4G】実施形態による、サブピクセル回路を形成するための方法における基板の概略断面図である。
【
図4H】実施形態による、サブピクセル回路を形成するための方法における基板の概略断面図である。
【
図4I】実施形態による、サブピクセル回路を形成するための方法における基板の概略断面図である。
【
図4J】実施形態による、サブピクセル回路を形成するための方法における基板の概略断面図である。
【
図4K】実施形態による、サブピクセル回路を形成するための方法における基板の概略断面図である。
【
図5】実施形態による、サブピクセル回路を形成するためのワンステップの方法のフロー図である。
【
図6A】本書に記載の実施形態による、サブピクセル回路を形成するための方法における基板の概略断面図である。
【
図6B】本書に記載の実施形態による、サブピクセル回路を形成するための方法における基板の概略断面図である。
【
図6C】本書に記載の実施形態による、サブピクセル回路を形成するための方法における基板の概略断面図である。
【
図6D】本書に記載の実施形態による、サブピクセル回路を形成するための方法における基板の概略断面図である。
【
図6E】本書に記載の実施形態による、サブピクセル回路を形成するための方法における基板の概略断面図である。
【
図6F】本書に記載の実施形態による、サブピクセル回路を形成するための方法における基板の概略断面図である。
【
図6G】本書に記載の実施形態による、サブピクセル回路を形成するための方法における基板の概略断面図である。
【
図6H】本書に記載の実施形態による、サブピクセル回路を形成するための方法における基板の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0019]理解を容易にするために、複数の図に共通する同一の要素を指し示すのに、可能な場合には、同一の参照番号を使用した。1つの実施形態で開示している要素は、具体的な記述がなくとも、他の実施形態でも有益に利用されうると想定される。
【0011】
[0020]本書に記載の実施形態は、概してディスプレイに関する。より具体的には、本書に記載の実施形態は、ディスプレイ(有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなど)に利用されうるサブピクセル回路及びかかるサブピクセル回路を形成する方法に関する。
【0012】
[0021]本書に記載のサブピクセル回路の実施形態の各々は、複数のサブピクセルであって、その各々が、サブピクセル回路で恒久的な隣接したオーバーハング構造によって画定される、複数のサブピクセルを含む。図には、3つのサブピクセル(各サブピクセルが隣接したオーバーハング構造によって画定されている)が描かれているが、本書に記載の実施形態のサブピクセル回路は、複数のサブピクセル(例えば3つ以上のサブピクセル)を含む。各サブピクセルは、通電されると白色、赤色、緑色、青色、又はその他の色の光を放出するよう構成された、OLED材料を有する。例えば、第1サブピクセルのOLED材料は通電されると赤色光を放出し、第2サブピクセルのOLED材料は通電されると緑色光を放出し、第3サブピクセルのOLED材料は通電されると青色光を放出する。
【0013】
[0022]オーバーハング構造は、サブピクセル回路で恒久的であり、少なくとも、本体構造の上に配置された上部構造を含む。ディスプレイのサブピクセル回路の各サブピクセルを画定する、隣接したオーバーハング構造は、蒸着を使用してサブピクセル回路を形成し、サブピクセル回路が形成された後にもオーバーハング構造を定位置に保ちために用いられる。OLED材料(正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)、発光層(EML)、及び電子輸送層(ETL)を含む))並びにカソードの堆積に、蒸着が利用される。一実施形態では、HIL層はHTL層を上回る導電性を有する。別の実施形態では、HIL層はHTL層よりも高いエネルギーレベルを有する。一部の事例では、封入層は蒸着によって配置されうる。一又は複数のキャッピング層を含む実施形態では、キャッピング層がカソードと封入層との間に配置される。オーバーハング構造と、蒸発源によって設定される蒸発角度とが、堆積角度を画定する。すなわち、オーバーハング構造は、蒸発源によって設定された蒸発角度を伴う蒸着中のシャドーイング効果を得るためのものである。ある特定の角度で堆積を行うために、蒸発源は、オーバーハング構造に対してある特定の角度で堆積材料を放出するよう構成される。サブピクセルそれぞれの封入層は、隣接した各オーバーハング構造の各々の少なくとも一部分の下に封入層が延在するように、カソードの上に配置される。各サブピクセルの封入層は、隣接した各オーバーハング構造の各々の側壁の少なくとも一部分と接触する。封入層は、厚さ、組成、及び堆積方法が、そのサブピクセル上に堆積されたOLED材料に応じて変更されうる。
【0014】
[0023]
図1Aは、構成101Aを有するサブピクセル回路100の概略断面図である。
図1Aの断面図は、
図1C及び
図1Dの線1’’-1’’に沿った断面である。
図1Bは、構成101Bを有するサブピクセル回路100の概略断面図である。
図1Bの断面図も、
図1C及び
図1Dの線1’’-1’’に沿った断面である。
【0015】
[0024]サブピクセル回路100は基板102を含む。金属含有層104が基板102上でパターニングされうる。金属含有層104は、基板102上に配置された隣接したピクセル画定層(PDL)構造126によって画定される。一実施形態では、金属含有層104は、基板102上で予めパターニングされる。例えば、基板102が、予めパターニングされた酸化インジウムスズ(ITO)ガラス基板である。金属含有層104は、サブピクセルそれぞれのアノードを動作させるよう構成される。金属含有層104は、クロム、チタン、金、銀、銅、アルミニウム、ITO、これらの組み合わせ、又はその他の好適な導電性材料を含むが、これらに限定されるわけではない。
【0016】
[0025]PDL構造126は基板102の表面上に配置される。PDL構造126は、有機材料、上側に無機コーティングが配置された有機材料、又は無機材料、のうちの1つを含む。PDL構造126の有機材料は、ポリイミドを含むが、これに限定されるわけではない。PDL構造126の無機材料は、酸化ケイ素(SiO2)、窒化ケイ素(Si3N4)、酸窒化ケイ素(Si2N2O)、フッ化マグネシウム(MgF2)、又はこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されるわけではない。隣接したPDL構造126が、サブピクセル回路100のサブピクセルそれぞれを画定し、サブピクセルそれぞれのアノード(すなわち金属含有層104)を露出させる。
【0017】
[0026]サブピクセル回路100は、少なくとも第1サブピクセル108a、第2サブピクセル108b、及び第3サブピクセル108cを含む、複数のサブピクセル106を有する。図には第1サブピクセル108a、第2サブピクセル108b、及び第3サブピクセル108cが描かれているが、本書に記載の実施形態のサブピクセル回路100は、3つ以上のサブピクセル106(例えば第4及び第5のサブピクセル)を含むこともある。各サブピクセル106は、通電されると白色、赤色、緑色、青色、又はその他の色の光を放出するよう構成された有機発光ダイオード(OLED)材料112を有する。例えば、第1サブピクセル108aのOLED材料112は通電されると赤色光を放出し、第2サブピクセル108bのOLED材料は通電されると緑色光を放出し、第3サブピクセル108cのOLED材料は通電されると青色光を放出し、第4サブピクセル及び第5サブピクセルのOLED材料は通電されると別の色の光を放出する。
【0018】
[0027]オーバーハング構造110は、PDL構造126の各々の上面103の表面上に配置される。オーバーハング構造110はサブピクセル回路で恒久的である。オーバーハング構造110は更に、サブピクセル回路100の各サブピクセル106を画定する。オーバーハング構造110は、少なくとも、本体構造110Aの上に配置された上部構造110Bを含む。一実施形態では、上部構造110Bは本体構造110Aの表面上に配置される。本体構造110AはPDL構造126の上面103の上に配置される。一実施形態では、本体構造110AはPDL構造126の上面103の表面上に配置される。各オーバーハング構造110は隣接したオーバーハング109を含む。隣接したオーバーハング109は、本体構造110Aの側壁111を越えて横方向に延在する上部構造110Bの上部延在部109Aによって画定される。
【0019】
[0028]上部構造110Bは、非導電性材料、無機材料、又は金属含有材料、のうちの1つを含む。本体構造110Aは無機材料又は金属含有材料を含む。非導電性材料は、無機ケイ素含有材料を含むが、これに限定されるわけではない。例えば、ケイ素含有材料は、ケイ素の酸化物若しくは窒化物、又はこれらの組み合わせを含む。金属含有材料は、金属又は金属合金の少なくとも一方(例えば、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、アルミニウムネオジム(AlNd)、モリブデン(Mo)、モリブデンタングステン(MoW)、銅(Cu)、又はこれらの組み合わせ)を含む。本体構造110A及び上部構造110Bの無機材料は、チタン(Ti)、窒化ケイ素(Si3N4)、酸化ケイ素(SiO2)、酸窒化ケイ素(Si2N2O)、又はこれらの組み合わせ、を含む。オーバーハング構造110は、定位置に保たれることが可能である(すなわち恒久的なものである)。ゆえに、オーバーハング構造が取り除かれた後にOLEDの性能を阻害する有機材料が残ることはない。取り除く作業が不要になることで、スループットも向上する。
【0020】
[0029]一例では、上部構造110Bは非導電性無機材料を含み、本体構造110Aは、導電性無機材料又は金属含有材料を含む。別の例では、上部構造110Bは、導電性無機材料又は金属含有材料を含み、本体構造110Aも、導電性無機材料又は金属含有材料を含む。補助カソード202(
図2B参照)が、本体構造110Aの下に配置されることもある。
【0021】
[0030]隣接したオーバーハング109は、上部構造110Bの上部延在部109Aによって画定される。上部構造110Bの少なくとも底面107は、オーバーハング109の上部延在部109A(
図1B参照)を形成するよう、本体構造110Aの上面105よりも幅広である。上部構造110Bは、本体構造110Aの上面105の上に配置される。上部構造110Bの上部延在部109Aは、オーバーハング109を形成し、上部構造110Bが本体構造110Aをシャドーイングする(shadow)ことを可能にする。オーバーハング109のシャドーイングが、OLED材料112とカソード114の各々の蒸着のために用いられる。OLED材料112はオーバーハング109の下に配置される。カソード114はOLED材料112の上に配置され、オーバーハング109の下に延在する。一実施形態では、
図2A及び
図2Bに示しているように、カソード114は本体構造110Aの側壁111の第1部分220と接触する。
【0022】
[0031]オーバーハング構造110と、蒸発源によって設定される蒸発角度とが、堆積角度を画定する。すなわち、オーバーハング構造110は、蒸発源によって設定された蒸発角度を伴う蒸着中のシャドーイング効果を得るために用いられる。オーバーハング109と蒸発源とが、OLED材料112のOLED角度θ
OLED、及びカソード114のカソード角度θ
cathode(
図2A及び
図2B参照)を画定する。OLED材料112のOLED角度θ
OLED及びカソード114のカソード角度θ
cathodeは、オーバーハング構造110及び蒸発源によって設定された蒸発角度によって生じる。すなわち、オーバーハング構造110は、蒸発源によって設定された蒸発角度を伴うOLED材料112及びカソード114の蒸着中のシャドーイング効果を得るために用いられる。一実施形態では、OLED材料112及びカソード114は、オーバーハング構造110の本体構造110Aの側壁111と接触する。別の実施形態では、
図1Aに示しているように、カソード114が、オーバーハング構造110の本体構造110Aの側壁111と接触する。一実施形態では、
図1Aに示しているように、封入層116が、本体構造110Aの側壁111の上に、及び上部構造110Bの底面107を覆うように配置される。別の実施形態では、
図2Bに示しているように、本体構造110Aは、補助カソード202の上に配置される。補助カソード202は、PDL構造126の上面103の一部分の上に配置される。カソード114は、少なくとも補助カソード202と接触する。別の実施形態では、カソード114は、サブピクセル回路100のアクティブ領域の外部で、バスバー(図示せず)と接触する。カソード114及び補助カソード202は、導電性材料(金属又は金属合金など)を含む。例えば、カソード114及び/又は補助カソード202は、クロム、チタン、アルミニウム、ITO、又はこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されるわけではない。一部の実施形態では、カソード114の材料は、本体構造110A及び上部構造110Bの材料と異なる。
【0023】
[0032]各サブピクセル106は、封入層116を含む。例えば、第1サブピクセル108aは第1封入層116Aを有し、第2サブピクセル108bは第2封入層116Bを有し、第3サブピクセル108cは第3封入層116Cを有する。封入層116は、局所的パッシべーション層でありうるか、又は局所的パッシべーション層に相当しうる。サブピクセルそれぞれの封入層116は、オーバーハング構造110の少なくとも一部分の下、及び隣接したオーバーハング構造110の各々の側壁の少なくとも一部分の上に延在するように、カソード114(及びOLED材料112の)上に配置される。一実施形態では、
図1Aのサブピクセル108b及び108cに図示しているように、第2封入層116B及び第3封入層116Cは、カソード114の上に配置され、隣接したオーバーハング109の下に延在して、本体構造110Aの側壁111の第2部分(図示せず)と接触する。別の実施形態では、
図1Aのサブピクセル108aに示しているように、第1封入層116Aが、本体構造110Aの側壁111の上に、及び上部構造110Bの底面107を覆うように配置される。別の実施形態では、
図1Bのサブピクセル108aに図示しているように、第1封入層116Aは、本体構造110Aの側壁111、上部構造110Bの底面107、上部構造110Bの側壁113、及びオーバーハング構造110の上部構造110Bの上面115の一部分を覆うように配置される。封入層116は、本体構造110Aの側壁111同士の間に封入層116の最上部エッジを画定する、上面119を更に含む。
【0024】
[0033]一又は複数のキャッピング層を含む実施形態では、カソード114と封入層116との間にキャッピング層が配置される。例えば、第1キャッピング層及び第2キャッピング層が、カソード114と封入層116との間に配置される。本書に記載の実施形態の各々が、カソード114と封入層116との配置された一又は複数のキャッピング層を含みうる。第1キャッピング層は有機材料を含みうる。第2キャッピング層は、無機材料(フッ化リチウムなど)を含みうる。第1キャッピング層及び第2キャッピング層は、蒸着によって堆積されうる。別の実施形態では、サブピクセル回路100は、少なくとも、オーバーハング構造110及び封入層116の上に配置されたグローバル(global)パッシべーション層120を更に含む。更に別の実施形態では、サブピクセルは、各サブピクセル106のオーバーハング構造110の上、及び、封入層116とグローバルパッシべーション層120との間に配置された、中間パッシべーション層を含む。
【0025】
[0034]サブピクセル回路100の構成101A及び構成101Bは、少なくとも、オーバーハング構造110及び封入層116の上に配置されたグローバルパッシべーション層120を更に含む。一実施形態では、中間層118が、グローバルパッシべーション層120とオーバーハング構造110及び封入層116との間に配置されうる。中間層118は、インクジェット材料(アクリル材料など)を含みうる。
【0026】
[0035]
図1Cは、ドット型アーキテクチャ101Cを有するサブピクセル回路100の概略上面断面図である。
図1Dは、ライン型アーキテクチャ101Dを有するサブピクセル回路100の概略断面図である。
図1C及び
図1Dの各上部断面図は、
図1A及び
図1Bの線1’-1’に沿った断面である。ドット型アーキテクチャ101Cは、隣接したPDL構造126による複数のピクセル開口124Aを含む。ピクセル開口124Aの各々は、ドット型アーキテクチャ101Cのサブピクセル106の各々を画定するオーバーハング構造110(
図1A参照)によって囲まれている。ライン型アーキテクチャ101Dは、隣接したPDL構造126による複数のピクセル開口124Bを含む。ピクセル開口124Bの各々には、ライン型アーキテクチャ101Dのサブピクセル106の各々を画定するオーバーハング構造110(
図1A参照)が当接している。
【0027】
[0036]
図2Aは、サブピクセル回路100のオーバーハング構造110の概略断面図である。
図2Bも、サブピクセル回路100のオーバーハング構造110の概略断面図である。一実施形態では、オーバーハング構造110は、非導電性の無機材料の上部構造110Bと、導電性の無機材料の本体構造110Aとを含む。別の実施形態では、オーバーハング構造110は、導電性の無機材料の上部構造110Bと、導電性の無機材料の本体構造110Aとを含む。一実施形態では、カソード114が、オーバーハング構造110の本体構造110Aと接触する。別の実施形態では、
図2Bに示しているように、本体構造110Aは、補助カソード202の上に配置される。カソード114は、少なくとも補助カソード202と接触する。別の実施形態では、カソード114は、サブピクセル回路100のアクティブ領域の外部でバスバー(図示せず)と接触する。
【0028】
[0037]上部構造110Bは、下側エッジ206とオーバーハングベクトル208とを含む。下側エッジ206は、本体構造110Aの側壁111を越えて延在する。オーバーハングベクトル208は、下側エッジ206及びPDL構造126によって画定される。OLED材料112は、金属含有層104の上、PDL構造126の側壁127の上、及びPDL構造126の上面103の第1部分210の上に配置され、オーバーハング109の下にOLED終点218まで延在する。OLED材料112は、OLEDベクトル212とオーバーハングベクトル208との間にOLED角度θOLEDを形成する。OLEDベクトル212は、上部構造110Bの下に延在するOLED終点218、及び上部構造110Bの下側エッジ206によって画定される。一実施形態では、OLED材料112は、HIL、HTL、EML、及びETLのうちの一又は複数を含みうる。
【0029】
[0038]カソード114は、各サブピクセル106において、OLED材料112の上、PDL構造126の第1部分210の上、及びPDL構造126の上面103の第2部分211の上に配置される。本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる一部の実施形態では、カソード114は本体構造110Aの側壁111の第1部分220上に配置される。
図2Bに示しているような、本書に記載の他の実施形態と組み合わされうる別の実施形態では、カソード114は補助カソード202の一部分222と接触する。カソード114が補助カソード202の一部分222と接触している実施形態では、カソード114は、本体構造110Aの側壁111の第1部分220とも接触する。カソード114は、カソードベクトル224とオーバーハングベクトル208との間にカソード角度θ
cathodeを形成する。カソードベクトル224は、上部構造110Bの下に延在するカソード終点226、及び上部構造110Bの下側エッジ206によって画定される。
【0030】
[0039]封入層116は、少なくとも、オーバーハング構造110の上部構造110Bの下、及びオーバーハング構造110の側壁の少なくとも一部分の上に延在するように、カソード114(及びOLED材料112)の上に配置される。一実施形態では、
図1A及び
図1Bのサブピクセル108b及び108cに図示しているように、第2封入層116B及び第3封入層116Cが、カソード114の上に配置され、隣接したオーバーハング109の下に延在して、本体構造110Aの側壁111の第2部分(図示せず)と接触する。別の実施形態では、
図2Aに示しているように、第1封入層116Aが、本体構造110Aの側壁111の上に、及び上部構造110Bの底面107を覆うように配置される。別の実施形態では、
図2Bに示しているように、第1封入層116Aは、オーバーハング構造110の、本体構造110Aの側壁111、上部構造110Bの底面107、上部構造110Bの側壁113、及び上部構造110Bの上面115の一部分と接触する。封入層116は、本体構造110Aの側壁111同士の間に、封入層116の最上部エッジを画定する上面119を更に含む。
【0031】
[0040]封入層116は、堆積厚さを使用して変更されうる。各封入層116は厚さを有する。この厚さは、封入層の底面から封入層116の上面までの距離である。第1封入層116Aは第1の厚さt
1を有し、第2封入層116Bは第2の厚さt
2を有し、第3封入層116Cは第3の厚さt
3を有する。別の実施形態では、第2の厚さt
2は第1の厚さt
1及び第3の厚さt
3と異なり、第3の厚さt
3は、第1の厚さt
1及び第2の厚さt
2と異なる。一実施形態では、
図1Aに示しているように、厚さt
1は厚さt
2及び厚さt
3よりも厚く、厚さt
2は厚さt
3よりも厚い。別の実施形態では、
図1Bに示しているように、厚さt
1は厚さt
2及び厚さt
3よりも薄く、厚さt
2は厚さt
3よりも薄い。別の実施形態では、厚さt
2は厚さt
1及び厚さt
3よりも厚く、厚さt
1は厚さt
3よりも厚い。別の実施形態では、厚さt
2は厚さt
1及び厚さt
3よりも厚く、厚さt
3は厚さt
1よりも厚い。
【0032】
[0041]別の実施形態では、封入層116の厚さは、放出される光の波長が増大するにつれて厚くなる。例えば、赤色OLED材料112を有するサブピクセル108aにおける第1封入層116Aの厚さt1が最も厚く(~580nm)、緑色OLED材料112を有する第2サブピクセル108bにおいて第2封入層116Bの厚さt2は薄くなり(~540nm)、青色OLED材料112を有するサブピクセル108cにおける第3封入層116Cの厚さt3が最も薄くなる(~440nm)。別の実施形態では、封入層116の厚さは、放出される光の波長が増大するにつれて薄くなる。例えば、赤色OLED材料112を有するサブピクセル108aにおける第1封入層116Aの厚さt1が最も薄く(~580nm)、緑色OLED材料112を有する第2サブピクセル108bにおいて第2封入層116Bの厚さt2は厚くなり(~540nm)、青色OLED材料112を有するサブピクセル108cにおいて、第3封入層116Cの厚さt3が最も厚くなる(~440nm)。別の実施形態では、封入層116の厚さは、サブピクセル108a,108b,及び108cで使用されるOLED光の種類にかかわらず変化しうる。各サブピクセルにおける封入層の厚さは、後続の封入層のエッチング中に堆積済みの層を保護するために変更される。厚さt1,t2及びt3は、約0.5μmと約2.0μmとの間(例えば約0.8μmから約1.2μmとの間)の範囲でありうる。
【0033】
[0042]封入層116は、非導電性の無機材料(ケイ素含有材料など)を含む。ケイ素含有材料は、窒化ケイ素(例えばSi3N4)材料、酸窒化ケイ素材料(例えばSi2N2O)、酸化ケイ素材料(例えばSiO2)、又はこれらの組み合わせを含みうる。一実施形態では、第1封入層116Aは窒化ケイ素材料を含み、第2封入層116Bは酸窒化ケイ素材料を含み、第3封入層116Cは酸化ケイ素を含む。封入層116の厚さは、封入層116の材料のエッチング選択性に依拠することもある。上記のケイ素含有材料は、封入層116の光学特性を変えるよう、更に変更されうる。例えば、ケイ素含有材料は、屈折率を増減させるようチューニングされうる。屈折率の違いは、封入層116のエッチング速度にも影響を与えうる。これにより、封入層116の追加的なエッチング選択性の制御が可能になる。一実施形態では、第1封入層116Aは第1の屈折率を有し、第2封入層116Bは第2の屈折率を有し、第3の封入層116Cは第3屈折率を有する。この実施形態では、第1の屈折率と、第2の屈折率と、第3の屈折率とは互いに異なる。
【0034】
[0043]第1封入層116A,第2封入層116B,及び第3封入層116Cのうちの少なくとも1つは、ケイ素含有材料の少なくとも2つの層を含みうる。第1封入層116A,第2封入層116B,及び第3封入層116Cのうちの少なくとも1つは、ケイ素含有材料の層のうちの少なくとも1つに、他の封入層116の組成と異なる組成を含む。第1の例では、第1封入層I116Aは、窒化ケイ素材料の上に酸窒化ケイ素材料を含む。第2封入層116Bは窒化ケイ素層の上に酸化ケイ素層を含む。第3封入層116Cは酸化ケイ素層の上に窒化ケイ素層を含む。第2の例では、第1封入層I116Aは、酸窒化ケイ素層の上に酸化ケイ素層を含む。第2封入層116Bは酸窒化ケイ素層の上に窒化ケイ素層を含む。第3封入層116Cは酸化ケイ素層の上に酸窒化ケイ素層を有する。窒化ケイ素材料は、約0.8μmから約1.2μmの厚さを有する。酸窒化ケイ素層は、約0.2μmから約0.4μmの厚さを有する。酸化ケイ素層は、約0.2μmから約0.4μmの厚さを有する。
【0035】
[0044]封入層116は、堆積の種々のモード(例えば原子層堆積(ALD)、化学気相堆積(CVD)、及び物理的気相堆積(PVD))を使用して、更に変更されうる。一例では、第1サブピクセル108aは、CVDを使用して堆積された窒化ケイ素と、ALDを使用して堆積された酸化ケイ素とを含む。第2サブピクセル108bは、CVDを使用して堆積された窒化ケイ素と、CVDを使用して堆積された酸窒化ケイ素とを含む。第3サブピクセル108cは、CVDを使用して堆積された窒化ケイ素を含む。封入層116は、堆積プロセスに誘導結合プラズマ(IDP)を使用すること又は導電結合プラズマ(CCP)を使用することの間で、更に変更されうる。
【0036】
[0045]各サブピクセルの封入層116の組成、堆積方法、及び厚さを変更することで、後続の層の堆積中に堆積済みの層が保護され、プロセスの歩留まり及び効率が向上する。封入層116の厚さの変化により、下側エッジ206と封入層116の上面との間の距離(
図1A及び
図1Bのサブピクセル108b及び108c参照)、並びに封入層116の封入エッジ230と封入層116の上面119との間の距離が、更に制御される。かかる距離により、オーバーハング構造110の下で行われるエッチング及び堆積の量が制御され、後続の堆積及びエッチングにおけるOLED材料112の保護の増大がもたらされる。
【0037】
[0046]封入層116は、オーバーハング構造110の下に延在して、本体構造110Aの第2部分と接触する。封入エッジ230と封入層116の上面119との間に、ある距離が画定される。一実施形態では、第1封入層116Aは、オーバーハング109の全領域内に存在する。この実施形態では、封入層の厚さt
1は、上部構造110Bの底面107から第1封入層116Aの底面までである。例えば、封入エッジ230と封入層116の上面119との間に距離はない。別の実施形態では、
図1B及び
図2Bのサブピクセル108aに図示しているように、第1封入層116Aは、オーバーハング構造110の下に延在して、本体構造110A、上部構造110Bの底面107、上部構造110Bの側壁113、及び上部構造110Bの上面115の一部分117と接触する。第1封入層116Aは、オーバーハング109の下の領域の一部分を充填する厚さt
1を有する。上部構造110Bの底面107の表面上の第1封入層116Aと、カソード114の上の第1封入層116Aとの間に、間隙が画定される。厚さt
1は、第1封入層116Aの封入エッジ230と上面119との間の間隙の距離D1を決定する。別の実施形態では、
図1A及び
図1Bの第2サブピクセル108bに図示しているように、第2封入層116Bは、オーバーハング構造110の下に延在して、本体構造110Aの一部分と接触する。第2封入層116Bは、第2サブピクセルにおいて、オーバーハング109の下の領域の一部分を充填する第2の厚さt
2を有する。上部構造110Bの下側エッジ206と、カソード114の上の第2封入層116Bとの間に、間隙が画定される。第2の厚さt
2は、下側エッジ206と第2封入層116Bの上面119との間の間隙の距離D2を決定する。別の実施形態では、
図1A及び
図1Bのサブピクセル108cに図示しているように、第3封入層116Cが、オーバーハング構造110の下に延在して、本体構造110Aの一部分と接触する。第3封入層116Cは、第3サブピクセル108cにおいて、オーバーハング109の下の領域の一部分を充填する第3の厚さt
3を有する。上部構造110Bの下側エッジ206と、カソード114の上の第3封入層116Cとの間に、間隙が画定される。第3の厚さt
3は、下側エッジ206と第3封入層116Cの上面119との間の間隙の距離D3を決定する。更に別の実施形態では、第1封入層116Aは第1の厚さt
1を有し、第2封入層116Bは第2の厚さt
2を有し、第3封入層116Cは第3の厚さt
3を有する。第2の厚さt
2は第1の厚さt
1と異なる。第3の厚さt
3は、第1の厚さt
1及び第2の厚さt
2と異なる。
図1Aには、第1サブピクセル108aの第1封入層116Aがオーバーハングの全領域内にある実施形態が描かれている一方、
図1Bには、第1サブピクセル108aの第1封入層116Aが、上部構造110Bの上面115の一部分を包含する実施形態が描かれており、第1サブピクセル108aの第1封入層116A、第2サブピクセル108bの第2封入層116B、及びを第3サブピクセル108cの第3封入層116cは、本書に記載の実施形態のいかなる組み合わせも含みうる。
【0038】
[0047]OLED材料112の蒸着中、上部構造110Bの下側エッジ206がOLED終点218の位置を画定する。例えば、OLED材料112は、OLEDベクトル212に対応するOLED最大角度で蒸発し、下側エッジ206により、OLED材料112がOLED終点218を越えては堆積されないことが確実になる。カソード114の蒸着中には、上部構造110Bの下側エッジ206は、カソード終点226の位置を画定する。例えば、カソード114は、カソードベクトル224に対応するカソード最大角度で蒸発し、下側エッジ206により、カソード114がカソード終点226を越えては堆積されないことが確実になる。OLED角度θOLEDはカソード角度θcathodeを下回る。
【0039】
[0048]
図3は、実施形態による、サブピクセル回路100を形成するための方法300のフロー図である。
図4A-
図4Kは、本書に記載の実施形態による、サブピクセル回路100を形成するための方法300における基板102の概略断面図である。本書に記載の方法300により、ドット型アーキテクチャ101Cを有するサブピクセル回路100とライン型アーキテクチャ101Dを有するサブピクセル回路100の両方を製造する能力が提供される。
【0040】
[0049]工程301において、
図4Aに示しているように、基板102の上に、本体構造層402A及び上部構造層402Bが堆積される。本体構造層402Aは、PDL構造126及び金属含有層104の上に配置される。上部構造層402Bは本体構造層402Aの上に配置される。本体構造層402Aは、オーバーハング構造110の、本体構造110Aに対応し、上部構造層402Bは上部構造110Bに対応する。オーバーハング構造110の一部の実施形態では、補助カソード層(図示せず)が、本体構造層402AとPDL構造126及び金属含有層104との間に配置される。
【0041】
[0050]工程302において、
図4Bに示しているように、レジスト406が配置され、パターニングされる。レジスト406は上部構造層402Bの上に配置される。レジスト406はポジ型レジスト又はネガ型レジストである。ポジ型レジストは、レジストの部分であって、それぞれが電磁放射に曝露されるとレジスト現像液に対して可溶性になる、部分を含む。このレジスト現像液は、電磁放射を使用してレジストにパターンが書き込まれた後に、レジストに付与される。ネガ型レジストは、レジストの部分であって、それぞれが電磁放射に曝露されるとレジスト現像液に対して不溶性になる、部分を含む。このレジスト現像液は、電磁放射を使用してレジストにパターンが書き込まれた後に、レジストに付与される。レジストの化学組成により、レジスト406がポジ型フォトレジストであるか、又はネガ型フォトレジストであるかが決定される。レジスト406は、第1サブピクセル108aの、ドット型アーキテクチャ101Cのピクセル開口124A、又はライン型アーキテクチャ101Dのピクセル開口124Bの一方を形成するようパターニングされる。パターニングは、フォトリソグラフィ、デジタルリソグラフィプロセス、又はレーザアブレーションプロセスのうちの1つである。
【0042】
[0051]工程303において、
図4Cに示しているように、上部構造層402B及び本体構造層402Aの、ピクセル開口124A、124Bによって露出した部分が除去される。ピクセル開口124A、124Bによって露出した上部構造層402Bは、乾式エッチングプロセス又は湿式エッチングプロセスによって除去されうる。ピクセル開口124A、124Bによって露出した本体構造層402Aは、乾式エッチングプロセス又は湿式エッチングプロセスによって除去されうる。補助カソード層を含む実施形態では、本体構造110Aの下に配置された補助カソード202を形成するために、補助カソード層の一部分が乾式エッチングプロセス又は湿式エッチングプロセスによって除去されうる。工程303で、第1サブピクセル108aのオーバーハング構造110が形成される。上部構造110Bに対応する上部構造層402Bの材料と本体構造110Aに対応する本体構造層402Aの材料との間のエッチング選択性、並びに、上部構造層402B及び本体構造層402Aの露出した部分を除去するためのエッチングプロセスは、(
図1A、
図1B、
図2A、及び
図2Bに示しているように)上部構造110Bの底面107を本体構造110Aの上面105よりも幅広にし、オーバーハング109を画定する上部延在部109Aを形成するために用いられる。オーバーハング109のシャドーイングが、OLED材料112とカソード114の蒸着のために用いられる。
【0043】
[0052]工程304において、
図4Dに示しているように、第1サブピクセル108aのOLED材料112、カソード114、及び封入層116が堆積される。オーバーハング109のシャドーイングが、OLED材料112とカソード114の各々の蒸着のために用いられる。
図2に対応する記載において詳述しているように、オーバーハング構造110のシャド-イング効果によって、OLED材料112のOLED角度θ
OLED(
図1A及び
図2A参照)、並びにカソード114のカソード角度θ
cathode(
図1A及び
図2A参照)が画定される。OLED材料112のOLED角度θ
OLED及びカソード114のカソード角度θ
cathodeは、OLED材料112及びカソード114の蒸着によるものである。一実施形態では、カソード114が、オーバーハング構造110の本体構造110Aと接触する。別の実施形態では、カソード114は少なくとも補助カソード202と接触する。封入層116は、カソード114の上に厚さt
1を伴って堆積される。キャッピング層を含む実施形態では、カソード114と封入層116との間にキャッピング層が堆積される。キャッピング層は蒸着によって堆積されうる。
【0044】
[0053]工程305において、
図4Eに示しているように、レジスト408が第1サブピクセル108aのウエル410内に形成される。一実施形態では、レジスト408の厚さはレジスト406の厚さと異なる。工程306において、
図4Fに示しているように、レジスト408によって露出した、封入層116、カソード114、及びOLED材料112が除去される。レジスト408によって露出した、封入層116、カソード114、及びOLED材料112は、湿式エッチングプロセスによって除去されうる。レジスト408はウエルから除去され、その後にオーバーハング構造110が残される。工程307において、
図4Gに示しているように、レジスト412が配置され、パターニングされる。一実施形態では、レジスト412の厚さは、レジスト406及びレジスト408の厚さと異なる。レジスト412は、第1サブピクセル108aの上部構造層402B及び上部構造110Bの上に配置される。レジスト412は、第2サブピクセル108bの、ドット型アーキテクチャ101Cのピクセル開口124A、又はライン型アーキテクチャ101Dのピクセル開口124Bの一方を形成するようパターニングされる。
【0045】
[0054]工程308において、
図4Hに示しているように、上部構造層402B及び本体構造層402Aの、第2サブピクセル108bのピクセル開口124A、124Bによって露出した部分が除去される。ピクセル開口124A、124Bによって露出した上部構造層402Bは、乾式エッチングプロセス又は湿式エッチングプロセスによって除去されうる。ピクセル開口124A、124Bによって露出した本体構造層402Aは、乾式エッチングプロセス又は湿式エッチングプロセスによって除去されうる。補助カソード層を含む実施形態では、本体構造110Aの下に配置された補助カソード202を形成するために、補助カソード層の一部分が乾式エッチングプロセス又は湿式エッチングプロセスによって除去されうる。工程308で、第2サブピクセル108bのオーバーハング構造110が形成される。上部構造110Bに対応する上部構造層402Bの材料と本体構造110Aに対応する本体構造層402Aの材料のエッチング選択性、並びに、上部構造層402B及び本体構造層402Aの露出した部分を除去するためのエッチングプロセスは、(
図1Aに示しているように)上部構造110Bの底面107を本体構造110Aの上面105よりも広くして、オーバーハング109を画定する上部延在部109Aを形成するために用いられる。オーバーハング109のシャドーイングが、OLED材料112とカソード114の蒸着のために用いられる。
【0046】
[0055]工程309において、
図4Iに示しているように、第2サブピクセル108bのOLED材料112、カソード114、及び封入層116が堆積される。キャッピング層を含む実施形態では、カソード114と封入層116との間にキャッピング層が堆積される。キャッピング層は蒸着によって堆積されうる。オーバーハング109のシャドーイングが、OLED材料112及びカソード114の蒸着のために用いられる。オーバーハング構造110のシャドーイング効果によって、OLED材料112のOLED角度θ
OLED及びカソード114のカソード角度θ
cathodeが画定される。OLED材料112のOLED角度θ
OLED及びカソード114のカソード角度θ
cathodeは、OLED材料112及びカソード114の蒸着によって生じる。一実施形態では、カソード114が、オーバーハング構造110の本体構造110Aと接触する。別の実施形態では、カソード114は少なくとも補助カソード202と接触する。封入層116は、カソード114の上に厚さt
2を伴って堆積される。一実施形態では、厚さt
2は厚さt
1を下回る。別の実施形態では、厚さt
2が厚さt
1を上回る。
【0047】
[0056]工程310において、
図4Jに示しているように、レジスト416が第2サブピクセル108bのウエル内に形成される。一実施形態では、レジスト416の厚さは、レジスト406、レジスト408、及びレジスト412の厚さと異なる。工程311において、
図4Kに示しているように、レジスト416によって露出した、封入層116、カソード114、及びOLED材料112が除去される。レジスト416によって露出した、封入層116、カソード114、及びOLED材料112は、湿式エッチングプロセスによって除去されうる。レジスト416はウエルから除去され、その後にオーバーハング構造110が残される。本書に記載の工程301-311により、2つのサブピクセル106を含むサブピクセル回路100が形成される。工程306-310は、追加のサブピクセル(例えば第3及び/又は第4のサブピクセル)の各々のために反復されうる。
図1A及び
図1Bに示している第3サブピクセル108cの封入層116は厚さt
3を有する。追加のピクセル108nがあればそれは、厚さt
nの封入層116を有する。一実施形態では、サブピクセル108cにおける封入層116の厚さt
3は、厚さt
1及びt
2よりも薄い。別の実施形態では、サブピクセル108cにおける封入層116の厚さt
3は、厚さt
1及びt
2よりも厚い。別の実施形態では、サブピクセル108cにおける封止層116の厚さt
3は、厚さt
1よりも薄く、厚さt
2よりも厚い。別の実施形態では、サブピクセル108cにおける封止層116の厚さt
3は、厚さt
1よりも厚く、厚さt
2よりも薄い。別の実施形態では、封入層116の厚さは、放出される光の波長が増大するにつれて厚くなる。別の実施形態では、封入層116の厚さは、放出される光の波長が増大するにつれて薄くなる。
【0048】
[0057]封止層116の厚さ、組成、及び堆積方法は、上述したように変更されうる。封入層116の組成及び堆積方法を変更して厚さの変化を生じさせることによって、層堆積中に堆積済みのOLED材料112が損傷から保護され、プロセスの歩留まり及び効率が向上する。封入層116の厚さを変化させることで、下側エッジ206と封入層116の上面との間の距離(
図1及び
図2のサブピクセル108b及び108c参照)、及び封入層116の封入エッジ230と封入層116の上面119との間の距離が、更に制御される。かかる距離により、オーバーハング構造110の下で行われるエッチング及び堆積の量が制御され、後続の堆積及びエッチングにおけるOLED材料112の保護の増大がもたらされる。
【0049】
[0058]
図5は、サブピクセル回路100を形成するための方法500のフロー図である。
図6A-
図6Hは、本書に記載の実施形態による、サブピクセル回路100を形成するための方法500における基板102の概略断面図である。
【0050】
[0059]工程501において、基板102の上に、
図6Aに示しているように、本体構造層402A及び上部構造層402Bが堆積される。本体構造層402Aは、PDL構造126及び金属含有層104の上に配置される。上部構造層402Bは本体構造層402Aの上に配置される。本体構造層402Aは、オーバーハング構造110の、本体構造110Aに対応し、上部構造層402Bは上部構造110Bに対応する。オーバーハング構造110の一部の実施形態では、補助カソード層404が、本体構造層402AとPDL構造126及び金属含有層104との間に配置される。補助カソード層404は補助カソード202に対応する。レジスト406が、ピクセル開口124A、124Bを露出するよう、上部構造層402B上に配置され、パターニングされる。工程502において、
図6Bに示しているように、上部構造層402B及び本体構造層402Aの、ピクセル開口124A、124Bによって露出したオーバーハング構造部分が除去される。ピクセル開口124A、124Bによって露出した上部構造層402Bは、乾式エッチングプロセス又は湿式エッチングプロセスによって除去されうる。ピクセル開口124A、124Bによって露出した本体構造層402Aは、乾式エッチングプロセス又は湿式エッチングプロセスによって除去されうる。
【0051】
[0060]工程503において、
図6Cに示しているように、第1サブピクセル108aのOLED材料112、カソード114、及び封入層116が堆積される。キャッピング層を含む実施形態では、カソード114と封入層116との間にキャッピング層が堆積される。キャッピング層は蒸着によって堆積されうる。
図2Bに対応する記載において詳述しているように、オーバーハング構造110のシャド-イング効果によって、OLED材料112のOLED角度θ
OLED(
図2B参照)、並びにカソード114のカソード角度θ
cathode(
図2B参照)が画定される。OLED材料112のOLED角度θ
OLED及びカソード114のカソード角度θ
cathodeは、OLED材料112及びカソード114の蒸着によるものである。一実施形態では、カソード114が、オーバーハング構造110の本体構造110Aと接触する。別の実施形態では、カソード114は、少なくとも補助カソード202と接触する。封入層116は、カソード114の上に厚さt
1を伴って堆積される。
【0052】
[0061]工程504において、
図6Dに示しているように、レジスト602が第1サブピクセル108aのウエル内に形成される。一実施形態では、レジスト602はレジスト406の厚さと異なる厚さを有する。工程505において、
図6Eに示しているように、レジスト602によって露出した、封入層116、カソード114、及びOLED材料112が除去される。レジスト602によって露出した、封入層116、カソード114、及びOLED材料112は、湿式エッチングプロセスによって除去されうる。レジスト602は除去される。
【0053】
[0062]工程506において、
図6Fに示しているように、第2サブピクセル108bのOLED材料112、カソード114、及び封入層116が堆積される。第1サブピクセル108aのウエル内にレジスト604が形成され、レジスト604の上に、OLED材料112、カソード114、及び封入層116が堆積される。一実施形態では、レジスト604は、レジスト602及びレジスト406の厚さと異なる厚さを有する。キャッピング層を含む実施形態では、カソード114と封入層116との間にキャッピング層が堆積される。キャッピング層は蒸着によって堆積されうる。オーバーハング109のシャドーイングが、OLED材料112とカソード114の各々の蒸着のために用いられる。オーバーハング構造110のシャドーイング効果によって、OLED材料112のOLED角度θ
OLED及びカソード114のカソード角度θ
cathodeが画定される。OLED材料112のOLED角度θ
OLED及びカソード114のカソード角度θ
cathodeは、OLED材料112及びカソード114の蒸着によるものである。一実施形態では、カソード114が、オーバーハング構造110の本体構造110Aと接触する。カソード114は、少なくとも補助カソード202と接触する。封入層116は、カソード114の上に厚さt
2を伴って堆積される。一実施形態では、厚さt
2は厚さt
1を下回る。別の実施形態では、厚さt
2が厚さt
1を上回る。
【0054】
[0063]工程507において、
図6Gに示しているように、レジスト606が第2サブピクセル108bのウエル内に形成される。一実施形態では、レジスト606は、レジスト406、レジスト602、及びレジスト604の厚さと異なる厚さを有する。工程508において、
図6Hに示しているように、レジスト416によって露出した、封入層116、カソード114、及びOLED材料112が除去される。レジスト606によって露出した、封入層116、カソード114、及びOLED材料112は、湿式エッチングプロセスによって除去されうる。レジスト606は除去される。
【0055】
[0064]本書に記載の工程501-508により、2つ以上のサブピクセル106を含むサブピクセル回路100が形成される。工程505-508は、追加のサブピクセル(例えば第3及び/又は第4のサブピクセル)の各々のために反復されうる。
図1A及び
図1Bに示している第3サブピクセル108cでは、封入層116は厚さt
3を有する。追加のピクセル108nがあればそれは、厚さt
nの封入層116を有する。一実施形態では、サブピクセル108cにおける封入層116の厚さt
3は、厚さt
1及びt
2.よりも薄い。別の実施形態では、サブピクセル108cにおける封入層116の厚さt
3、厚さt
1及びt
2よりも厚い。別の実施形態では、サブピクセル108cにおける封止層116の厚さt
3は、厚さt
1よりも薄く、厚さt
2よりも厚い。別の実施形態では、サブピクセル108cにおける封止層116の厚さt
3は、厚さt
1よりも厚く、厚さt
2よりも薄い。別の実施形態では、封入層116の厚さは、放出される光の波長が増大するにつれて厚くなる。別の実施形態では、封入層116の厚さは、放出される光の波長が増大するにつれて薄くなる。
【0056】
[0065]封止層116の厚さ、組成、及び堆積方法は、上述したように変更されうる。封入層116の組成及び堆積方法を変更して厚さの変化を生じさせることによって、堆積済みのOLED材料112が層堆積中に損傷から保護され、プロセスの歩留まり及び効率が向上する。封入層116の厚さを変化させることで、下側エッジ206と封入層116の上面との間の距離(
図1及び
図2のサブピクセル108b及び108c参照)、及び封入層116の封入エッジ230と封入層116の上面119との間の距離が、更に制御される。かかる距離により、オーバーハング構造110の下で行われるエッチング及び堆積の量が制御され、後続の堆積及びエッチングにおけるOLED材料112の保護の増大がもたらされる。
【0057】
[0066]要するに、本書に記載されているのは、ディスプレイ(有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなど)に利用されうるサブピクセル回路に関するデバイス、及びかかるサブピクセル回路を形成する方法である。ディスプレイのサブピクセル回路の各サブピクセルを画定する、隣接したオーバーハング構造は、(例えば、第5、第6、又は第7の例示的な実施形態の方法を利用して、)蒸着を使用してサブピクセル回路を形成し、サブピクセル回路が形成された後にもオーバーハング構造を定位置に保つために、用いられる。OLED材料及びカソードの堆積には、蒸着が利用されうる。オーバーハング構造は蒸発角度を画定する。すなわち、オーバーハング構造が、一部の実施形態により、OLED材料及びカソードの各々について、OLED材料が本体構造に(及び実施形態によっては補助カソードに)接触せず、カソードが本体構造と接触するように、蒸着中のシャド-イング効果を得るために用いられる。サブピクセルそれぞれの封入層は、隣接した各オーバーハング構造の各々の少なくとも一部分の下に、及び隣接したオーバーハング構造の各々の側壁の上に延在するように、カソードの上に配置される。各サブピクセルにおける封入層の厚さは、後続の封入層のエッチング中に堆積済みの層を保護するために変更される。厚さの変更は、減少でも、増大でも、又は堆積されたOLED材料(例えばOLEDの色)に依拠するものでもありうる。
【0058】
[0067]上記の説明は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲を逸脱することなく、本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が考案されてよく、本開示の範囲は以下の特許請求の範囲によって決まる。
【国際調査報告】