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特表2024-528372特徴モデルを使用するプロセスレシピ作成およびマッチング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】特徴モデルを使用するプロセスレシピ作成およびマッチング
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570465
(86)(22)【出願日】2022-09-09
(85)【翻訳文提出日】2024-01-11
(86)【国際出願番号】 US2022043123
(87)【国際公開番号】W WO2023039203
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】17/473,013
(32)【優先日】2021-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Blu-ray
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キャントウェル, ダーマット ピー.
(72)【発明者】
【氏名】キム, テフン
(57)【要約】
方法は、特徴モデルのセットを受信することであって、特徴モデルのセットのうちの各特徴モデルが、構成要素の処理に関連するそれぞれの特徴に対応する、特徴モデルのセットを受信することと、構成要素を処理するためのターゲット特性のセットを受信することであって、ターゲット特性のセットが、各特徴について、それぞれのターゲットを含む、ターゲット特性のセットを受信することと、特徴モデルのセットに基づいて、ターゲット特性のセットに鑑みて、予測された処理パラメータの1つまたは複数のセットを決定することと、各々、予測された処理パラメータの1つまたは複数のセットのうちのそれぞれの1つに対応する、1つまたは複数の候補プロセスレシピを生成することであって、1つまたは複数の候補プロセスレシピが、各々、各特徴について、構成要素処理から生じるそれぞれの予測された特性値を含む予測された特性のセットに対応する、1つまたは複数の候補プロセスレシピを生成することと、1つまたは複数の候補プロセスレシピから、構成要素を処理するためのプロセスレシピを選択することとを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理デバイスによって、特徴モデルのセットを受信することであって、特徴モデルの前記セットのうちの各特徴モデルが、構成要素の処理に関連するそれぞれの特徴に対応する、特徴モデルのセットを受信することと、
前記処理デバイスによって、前記構成要素を処理するためのターゲット特性のセットを受信することであって、ターゲット特性の前記セットが、各特徴について、それぞれのターゲットを含む、ターゲット特性のセットを受信することと、
前記処理デバイスによって、特徴モデルの前記セットに基づいて、ターゲット特性の前記セットに鑑みて、予測された処理パラメータの1つまたは複数のセットを決定することと、
前記処理デバイスによって、各々、予測された処理パラメータの前記1つまたは複数のセットのうちのそれぞれの1つに対応する、1つまたは複数の候補プロセスレシピを生成することであって、前記1つまたは複数の候補プロセスレシピが、各々、各特徴について、構成要素処理から生じるそれぞれの予測された特性値を含む予測された特性のセットに対応する、1つまたは複数の候補プロセスレシピを生成することと、
前記処理デバイスによって、前記1つまたは複数の候補プロセスレシピから、前記構成要素を処理するためのプロセスレシピを選択することと
を含む方法。
【請求項2】
特徴モデルの前記セットが、空間的多入力多出力(MIMO)モデルのセットである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つまたは複数の候補プロセスレシピを生成することが、ターゲット特性と、対応する予測された特性との間の差を最小化するために数値最適化を使用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記1つまたは複数の候補プロセスレシピを生成することが、
特徴モデルの前記セットとターゲット特性の前記セットとに基づいて、コスト関数を取得することと、
予測された特性の各セットを取得するために前記コスト関数を最小化することと
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記処理デバイスによって、ターゲット特性の前記セットのうちの各ターゲット特性を満たす候補プロセスレシピを識別することに失敗すること
をさらに含み、
前記プロセスレシピが、パレート効率的なレシピパラメータのセットを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記処理デバイスによって、プロセスツールに、前記プロセスレシピを使用して前記構成要素を処理させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記処理デバイスによって、前記プロセスレシピを使用して前記構成要素を処理するための期待される性能と、前記プロセスレシピを使用して前記構成要素を処理するための観測された性能とを受信することと、
前記処理デバイスによって、前記期待される性能と前記観測された性能との間の差がしきい値条件を満たさないと決定することと、
前記処理デバイスによって、前記差に基づいて前記構成要素を処理するための新しいプロセスレシピを生成することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
メモリと、
前記メモリに結合された処理デバイスと
を備えるシステムであって、前記処理デバイスは、
特徴モデルのセットを受信することであって、特徴モデルの前記セットのうちの各特徴モデルが、構成要素の処理に関連するそれぞれの特徴に対応する、特徴モデルのセットを受信することと、
前記処理デバイスによって、前記構成要素を処理するためのターゲット特性のセットを受信することであって、ターゲット特性の前記セットが、各特徴について、それぞれのターゲットを含む、ターゲット特性のセットを受信することと、
ターゲット特性の前記セットに鑑みて、予測された処理パラメータの1つまたは複数のセットを決定することと、
各々、予測された処理パラメータの前記1つまたは複数のセットのうちのそれぞれの1つに対応する、1つまたは複数の候補プロセスレシピを生成することであって、前記1つまたは複数の候補プロセスレシピが、各々、各特徴について、構成要素処理から生じるそれぞれの予測された特性値を含む予測された特性のセットに対応する、1つまたは複数の候補プロセスレシピを生成することと、
前記1つまたは複数の候補プロセスレシピから、前記構成要素を処理するためのプロセスレシピを選択することと
を含む動作を実施するためのものである、システム。
【請求項9】
特徴モデルの前記セットが、空間的多入力多出力(MIMO)モデルのセットである、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記1つまたは複数の候補プロセスレシピを生成することが、ターゲット特性と、対応する予測された特性との間の差を最小化するために数値最適化を使用することを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記1つまたは複数の候補プロセスレシピを生成することが、
特徴モデルの前記セットとターゲット特性の前記セットとに基づいて、コスト関数を取得することと、
予測された特性の各セットを取得するために前記コスト関数を最小化することと
を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記動作が、
ターゲット特性の前記セットのうちの各ターゲット特性を満たす候補プロセスレシピを識別することに失敗すること
をさらに含み、
前記プロセスレシピが、パレート効率的なレシピパラメータのセットを含む、
請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記動作が、プロセスツールに、前記プロセスレシピを使用して前記構成要素を処理させることをさらに含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記動作は、
前記構成要素を処理するための期待される性能と、前記プロセスレシピを使用して前記構成要素を処理するための観測された性能とを受信することと、
前記期待される性能と前記観測された性能との間の差がしきい値条件を満たさないと決定することと、
前記差に基づいて前記構成要素を処理するための新しいプロセスレシピを生成することと
をさらに含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
命令を記憶する非一時的機械可読ストレージ媒体であって、前記命令は、処理デバイスによって実行されたとき、前記処理デバイスに、
特徴モデルのセットを受信することであって、特徴モデルの前記セットのうちの各特徴モデルが、構成要素の処理に関連するそれぞれの特徴に対応する、特徴モデルのセットを受信することと、
前記処理デバイスによって、前記構成要素を処理するためのターゲット特性のセットを受信することであって、ターゲット特性の前記セットが、各特徴について、それぞれのターゲットを含む、ターゲット特性のセットを受信することと、
ターゲット特性の前記セットに鑑みて、予測された処理パラメータの1つまたは複数のセットを決定することと、
各々、予測された処理パラメータの前記1つまたは複数のセットのうちのそれぞれの1つに対応する、1つまたは複数の候補プロセスレシピを生成することであって、前記1つまたは複数の候補プロセスレシピが、各々、各特徴について、構成要素処理から生じるそれぞれの予測された特性値を含む予測された特性のセットに対応する、1つまたは複数の候補プロセスレシピを生成することと、
前記1つまたは複数の候補プロセスレシピから、前記構成要素を処理するためのプロセスレシピを選択することと
を含む動作を実施させる、非一時的機械可読ストレージ媒体。
【請求項16】
特徴モデルの前記セットが、空間的多入力多出力(MIMO)モデルのセットである、請求項15に記載の非一時的機械可読ストレージ媒体。
【請求項17】
前記1つまたは複数の候補プロセスレシピを生成することが、
特徴モデルの前記セットとターゲット特性の前記セットとに基づいて、コスト関数を取得することと、
予測された特性の各セットを取得するために前記コスト関数を最小化することと
によって、ターゲット特性と、対応する予測された特性との間の差を最小化するために数値最適化を使用することを含む、請求項15に記載の非一時的機械可読ストレージ媒体。
【請求項18】
前記動作が、
ターゲット特性の前記セットのうちの各ターゲット特性を満たす候補プロセスレシピを識別することに失敗すること
をさらに含み、
前記プロセスレシピが、パレート効率的なレシピパラメータのセットを含む、
請求項15に記載の非一時的機械可読ストレージ媒体。
【請求項19】
前記動作が、プロセスツールに、前記プロセスレシピを使用して前記構成要素を処理させることをさらに含む、請求項15に記載の非一時的機械可読ストレージ媒体。
【請求項20】
前記動作は、
前記構成要素を処理するための期待される性能と、前記プロセスレシピを使用して前記構成要素を処理するための観測された性能とを受信することと、
前記期待される性能と前記観測された性能との間の差がしきい値条件を満たさないと決定することと、
前記差に基づいて前記構成要素を処理するための新しいプロセスレシピを生成することと
をさらに含む、請求項15に記載の非一時的機械可読ストレージ媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、製造システムに関し、より詳細には、特徴モデルを使用するプロセスレシピ(process recipe)作成およびマッチングに関する。
【背景技術】
【0002】
デバイスサイズが縮小するにつれて、半導体ウエハ処理の複雑さが増加している。一般的なウエハ処理方法は、複数の異なるプロセスを有し、いくつかの高度な方法(たとえば、プラズマエッチング)は、20個さらにはそれ以上のプロセスを有する。各プロセスは、性能を調節および最適化するために使用され得る、「ノブ」とも呼ばれる、多数のプロセス制御変数を有する。したがって、所与のプロセスを調節および最適化するために利用可能な空間は、理論的には極めて大きい。
【0003】
プロセス技術者は自身の経験および専門知識を使用して、予備ベースラインプロセスを選択し、実験の設計(DoE:design of experiment)に専用の限られた数のウエハ(または、クーポンと呼ばれる、ウエハの部分)に基づいて、そのプロセスを微調節する。DoEの目標は、ウエハ上で所望の仕様を達成するようにプロセスを適合させることである。しかしながら、DoEデータ収集のために全ウエハまたはウエハの部分を専用化することは、貴重なリソースを消費する。したがって、しばしば、採用されたプロセスは、実行可能なプロセスであるが、必ずしも最適解とは限らないことがある。
【0004】
別のボトルネックが、不十分なインライン高精度計測(precision metrology)データによってもたらされる。高精度計測について、通常、透過電子顕微鏡法(TEM:transmission electron microscopy)など、破壊的な技法が使用される。しかしながら、TEMは極めて時間がかかるので、TEMは、概して、十分な統計的データとウエハにわたる適切なカバレッジとを生成しない。また、TEMは破壊的な技法であるので、TEMを生産ラインに組み込むことが可能でないことがある。
【発明の概要】
【0005】
いくつかの実施形態では、方法が提供される。本方法は、処理デバイスによって、特徴モデルのセットを受信することであって、特徴モデルのセットのうちの各特徴モデルが、構成要素の処理に関連するそれぞれの特徴に対応する、特徴モデルのセットを受信することと、処理デバイスによって、構成要素を処理するためのターゲット特性のセットを受信することであって、ターゲット特性のセットが、各特徴について、それぞれのターゲットを含む、ターゲット特性のセットを受信することと、処理デバイスによって、特徴モデルのセットに基づいて、ターゲット特性のセットに鑑みて、予測された処理パラメータの1つまたは複数のセットを決定することと、処理デバイスによって、各々、予測された処理パラメータの1つまたは複数のセットのうちのそれぞれの1つに対応する、1つまたは複数の候補プロセスレシピを生成することであって、1つまたは複数の候補プロセスレシピが、各々、各特徴について、構成要素処理から生じるそれぞれの予測された特性値を含む予測された特性のセットに対応する、1つまたは複数の候補プロセスレシピを生成することと、処理デバイスによって、1つまたは複数の候補プロセスレシピから、構成要素を処理するためのプロセスレシピを選択することとを含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、メモリと、メモリに結合された処理デバイスとを含むシステムが提供される。処理デバイスは、特徴モデルのセットを受信することであって、特徴モデルのセットのうちの各特徴モデルが、構成要素の処理に関連するそれぞれの特徴に対応する、特徴モデルのセットを受信することと、構成要素を処理するためのターゲット特性のセットを受信することであって、ターゲット特性のセットが、各特徴について、それぞれのターゲットを含む、ターゲット特性のセットを受信することと、特徴モデルのセットに基づいて、ターゲット特性のセットに鑑みて、予測された処理パラメータの1つまたは複数のセットを決定することと、各々、予測された処理パラメータの1つまたは複数のセットのうちのそれぞれの1つに対応する、1つまたは複数の候補プロセスレシピを生成することであって、1つまたは複数の候補プロセスレシピが、各々、各特徴について、構成要素処理から生じるそれぞれの予測された特性値を含む予測された特性のセットに対応する、1つまたは複数の候補プロセスレシピを生成することと、1つまたは複数の候補プロセスレシピから、構成要素を処理するためのプロセスレシピを選択することとを含む動作を実施するためのものである。
【0007】
いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体が提供される。本非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体は、命令を含み、命令は、処理デバイスによって実行されたとき、処理デバイスに、特徴モデルのセットを受信することであって、特徴モデルのセットのうちの各特徴モデルが、構成要素の処理に関連するそれぞれの特徴に対応する、特徴モデルのセットを受信することと、構成要素を処理するためのターゲット特性のセットを受信することであって、ターゲット特性のセットが、各特徴について、それぞれのターゲットを含む、ターゲット特性のセットを受信することと、特徴モデルのセットに基づいて、ターゲット特性のセットに鑑みて、予測された処理パラメータの1つまたは複数のセットを決定することと、各々、予測された処理パラメータの1つまたは複数のセットのうちのそれぞれの1つに対応する、1つまたは複数の候補プロセスレシピを生成することであって、1つまたは複数の候補プロセスレシピが、各々、各特徴について、構成要素処理から生じるそれぞれの予測された特性値を含む予測された特性のセットに対応する、1つまたは複数の候補プロセスレシピを生成することと、1つまたは複数の候補プロセスレシピから、構成要素を処理するためのプロセスレシピを選択することとを含む動作を実施させる。
【0008】
本開示は、限定ではなく例として、同様の参照符号が同様の要素を示す添付の図面の図に示される。本開示における「1つの(an)」または「1つの(one)」実施形態に対する異なる言及は必ずしも同じ実施形態に対するものでなく、そのような言及は少なくとも1つを意味することに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の態様による、例示的なコンピュータシステムアーキテクチャを示す図である。
図2】本開示の態様による、特徴モデルを使用するプロセスレシピ作成およびマッチングを実装するためのシステムのブロック図である。
図3】本開示の態様による、プロセスレシピ作成を実装するためのシステムのブロック図である。
図4】本開示の態様による、プロセスレシピを作成するために数値最適化技法を実施するためのシステムのブロック図である。
図5】本開示の態様による、特徴モデルを使用するプロセスレシピマッチングを実装するためのセンサモデルを含むシステムのブロック図である。
図6】本開示の態様による、特徴モデルを使用するプロセスレシピ作成を実装するための方法のフローチャートである。
図7】本開示の態様による、特徴モデルを使用してオフセットを生成するためのプロセスレシピマッチングを実装するための方法のフローチャートである。
図8】本開示の1つまたは複数の態様に従って動作する例示的なコンピューティングデバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書で説明される実装形態は、機械学習特徴モデルを使用するプロセスレシピ(「レシピ」)作成およびマッチングを提供する。製造プロセスは、機器上の摩耗および裂傷、プロセスドリフト、一貫性のない動作、保守イベントおよび製品変更など、様々なファクタにより中断され得る。プロセス中断は、指定外であるかまたはオフターゲット(off target)であるロットを生じることがある。たとえば、ウエハ厚さの差異を生じる、化学機械研磨プロセスにおけるパッド摩耗に対処するために、プロセス技術者は、レシピ調整を行って、適切なプロセスターゲッティングを確実にすることができる。ツールの経年数による他の差異も、補正されない場合、ウエハの廃棄につながり得る。
【0011】
ランツーラン(R2R:Run-to-Run)コントローラなど、高度プロセス制御(APC)ツールが、プロセス差異をモニタおよび低減するために使用され得る。Applied Materials(登録商標)によって提供されるApplied SmartFactory(登録商標)ランツーランソリューションなど、R2Rコントローラは、プロセス能力(Cpk)を改善し、材料コンテキスト、プロセスモデルからのフィードバック、入って来る変動、計測データなどの知識に基づいて、バッチツーバッチ(B2B:batch-to-batch)、ロットツーロット(L2L:lot-to-lot)および/またはウエハツーウエハ(W2W:wafer-to-wafer)からのレシピパラメータを最適化することができる。R2Rコントローラは、フロントエンド半導体ウエハ製造、半導体アセンブリおよびテスト、ディスプレイ製造などの間に実施されるプロセスを改善するために使用され得る。R2Rによって、製造業者は、ウエハの厚さおよび限界寸法など、特定の特性について、必要とされるターゲット値を維持するために、プロセスに対する自動調整を行うことができる。製造業者はまた、各プロセス動作からの計測データを使用して、R2Rベースでプロセスレシピを調整し、自動様式で実施されるべき、再加工など、カスタマイズされたストラテジーを定義することができる。ソリューションは、当業界において常に課題を提示してきた、多品種少量(high-mix and low-volume)製造動作をサポートするように設計される。
【0012】
従来、処理方法のためのレシピは、目標のセットとも呼ばれる、ターゲット特性(たとえば、オンウエハ(on-wafer)性質)のセットを達成するために、ユーザ(たとえば、プロセス技術者)によって手動で入力される、入力またはレシピパラメータ(「パラメータ」)と、プロセスとのセットを含む、レシピ設定の表として具現され得る。たとえば、入力は表の行に対応することができ、プロセスは表の列に対応することができる。しかしながら、パラメータおよび/またはプロセスのそのような手動ポピュレーション(manual population)は、複数の所望の性質を鑑みて最適化されていないレシピにつながり得る。たとえば、所望の性質間に複雑な相互関係が存在し得、所望の性質を達成するためにレシピのパラメータおよび/またはプロセスを修正することは、1つまたは複数の他の所望の性質に対して潜在的に意図しない結果を有することがある。したがって、これらの複雑な相互関係のすべてを考慮に入れるとは限らないことによって、準最適なレシピが作成され得る。
【0013】
本開示の態様は、特徴モデル(たとえば、機械学習特徴モデル)を使用するレシピ作成およびマッチングを提供することによって、上述のおよび他の欠如に対処する。本明細書で説明されるレシピ作成およびマッチングは、特徴モデルのセットを使用して実施され得る。特徴モデルは、教師あり回帰モデルのタイプであり得る。特徴モデルの一例は、形式
の多入力単出力(MISO)特徴モデルであり、ここで、入力
は、ベクトルとして編成された複数のパラメータを含み、出力Yは、単一のスカラー出力である。特徴モデルの別の例は、形式
の多入力多出力(MIMO)特徴モデルであり、ここで、入力
は、ベクトルとして編成された複数のパラメータを含み、出力
は、ベクトルとして編成された複数の出力を含む。MIMO特徴モデルの1つのタイプは、各出力についての空間的座標をさらに定義する、空間的出力MIMOである。特徴モデルは、任意の好適な回帰アルゴリズムを使用して実装され得る。回帰アルゴリズムの例は、線形回帰、ガウス過程回帰、部分最小2乗法、勾配ブーストツリー、ランダムフォレスト、全結合ニューラルネットワークなどを含む。
【0014】
本明細書で説明されるレシピ作成のコンテキストでは、特徴モデルのセットは、各々、所望の特徴(たとえば、オンウエハ特徴)に対応する、いくつかの個々の特徴モデルを含むことができる。たとえば、各特徴モデルは空間的MIMOモデルであり得、空間的MIMOモデルにおいて、入力ベクトルは入力レシピパラメータを含み、出力ベクトルは、ウエハ上の異なるロケーションにおける特徴の出力測定値を含み、各出力測定値についての空間的ロケーション(たとえば、X-Y座標)が含まれ得る。例示的に、ユーザは、各特徴についての所望の要件を入力することができる。特徴モデルに基づく数値最適化ルーチンを使用して、連続プロセス空間が探索されて、所望の要件を鑑みた最適なレシピのセットを取得することができる。その上、レシピは、レシピによって示された期待されるまたは所望のプロセス挙動と、現在のまたは予測された挙動との間のミスマッチを補正するために、オフセットのセットを生成するためのマッチング技法によって使用され得る。
【0015】
本開示の利点は、限定はしないが、速度対価値(speed-to-value)の増加と、より高速な展開時間と、開発中のリスクの最小化と、レシピ安定性を改善するための入って来るノイズに対するロバストネスと、プロセス能力の改善と、廃棄されるウエハおよびセンドアヘッド(send-ahead)ウエハの最小化と、手動調節の低減または排除とを含む。したがって、本開示の態様は、デバイス歩留まりを改善し、コストを低減することができる。
【0016】
図1は、本開示の態様による、例示的なコンピュータシステムアーキテクチャ100を示す。コンピュータシステムアーキテクチャ100は、クライアントデバイス120と、(たとえば、予測データを生成するための、モデル適応を提供するための、知識ベースを使用するためのなどの)予測サーバ112と、データストア140とを含むことができる。予測サーバ112は、予測システム110の一部であり得る。予測システム110は、サーバマシン170および180をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、コンピュータシステムアーキテクチャ100は、基板またはウエハを処理するための製造システムの一部として含まれ得る。そのような実施形態では、コンピュータシステムアーキテクチャ100は、製造機器124、計測機器128および/またはテスト機器(図示せず)を含むことができる。
【0017】
製造機器124は、レシピに従って、またはある時間期間にわたって稼働を実施して、電子デバイスなど、製品を生産することができる。製造機器124は、図2に関して説明されるツール/チャンバ220など、プロセスチャンバを含むことができる。製造機器124は、プロセスチャンバにおいてウエハ(たとえば、基板、半導体など)についてのプロセスを実施することができる。ウエハプロセスの例は、ウエハの表面上に膜を堆積させるための堆積プロセス、ウエハの表面上にパターンを形成するためのエッチングプロセス、堆積プロセスまたはエッチングプロセスより前にターゲット温度までウエハを加熱するためのウエハ加熱プロセス、堆積プロセスおよび/またはエッチングプロセスに続いてターゲット温度までウエハを冷却するためのウエハ冷却プロセスなどを含む。製造機器124は、プロセスレシピに従って各プロセスを実施することができる。プロセスレシピは、プロセス中にウエハについて実施されるべき動作の特定のセットを定義し、各動作に関連する1つまたは複数の設定を含むことができる。たとえば、ウエハ加熱プロセスは、プロセスチャンバ内に配設されたウエハについての位置設定、プロセスチャンバについての温度設定、プロセスチャンバについての圧力設定、プロセスチャンバについての圧力設定などを含むことができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、製造機器124は、プロセスチャンバ内のまたはその外部の環境、および/あるいはプロセスチャンバ内に配設されたウエハについての、プロセスセンサデータを生成するように構成された、1つまたは複数のセンサ126を含むことができる。センサデータは、温度(たとえば、ヒータ温度)、間隔(SP)、圧力、高周波数高周波(HFRF:high frequency radio frequency)、静電チャック(ESC)の電圧、電流、流量、電力、電圧などのうちの1つまたは複数の値を含むことができる。センサデータは、製造機器124の設定または構成要素(たとえば、サイズ、タイプなど)などのハードウェアパラメータ、あるいは製造機器124のプロセスパラメータなど、製造パラメータに関連するか、または製造パラメータを示すことができる。センサデータは、製造機器124が製造プロセスを実施している間に提供され得る(たとえば、製品を処理しているときの機器の読取値)。センサデータは、製造機器124において処理される各ウエハについて異なり得る。
【0019】
計測機器128は、製造機器124によって処理されるウエハ(たとえば、ウエハなど)に関連する、計測データを提供することができる。いくつかの実施形態では、計測データは、堆積および/またはエッチングプロセスがウエハについて実施される前に、その間に、あるいはその後に、そのウエハの表面上の膜について生成されたデータを含むことができる。たとえば、計測データは、ウエハプロセスの完了の後にウエハについて生成された、膜特性データ(たとえば、ウエハ空間的膜特性)、寸法(たとえば、厚さ、高さなど)、誘電率、ドーパント濃度、密度、欠陥などの値を含むことができる。いくつかの実施形態では、計測データは、堆積および/またはエッチングプロセスを受けないウエハの一部分に関連するデータをさらに含むことができる。たとえば、膜の一部分をエッチング除去し、ターゲットウエハ表面パターンを作成することになるエッチングプロセスより前に、膜がウエハの上面上に堆積され得る。ウエハ加熱プロセスが、ウエハについて開始されて、エッチングプロセスの開始より前にターゲット温度までウエハを加熱することができる。
【0020】
クライアントデバイス120は、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップ、モバイルフォン、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ネットブックコンピュータ、ネットワーク接続テレビジョン(「スマートTV」)、ネットワーク接続メディアプレーヤ(たとえば、Blu-rayプレーヤ)、セットトップボックス、オーバーザトップ(OTT)ストリーミングデバイス、オペレータボックスなど、コンピューティングデバイスを含むことができる。いくつかの実施形態では、コンピュータシステムアーキテクチャ100は、クライアントデバイス120から、製造機器124においてウエハについて実施されるべきプロセスのためのプロセスレシピに関連するデータを受信することができる。たとえば、クライアントデバイス120は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を表示することができ、GUIは、ユーザ(たとえば、技術者、オペレータ、デベロッパなど)が、入力として、製造機器124のプロセスチャンバにおいてウエハについて実施されるべきウエハ加熱プロセスおよび/またはウエハ冷却プロセスのための1つまたは複数のプロセスレシピ設定に関連するデータを提供することを可能にする。
【0021】
データストア140は、メモリ(たとえば、ランダムアクセスメモリ)、ドライブ(たとえば、ハードドライブ、フラッシュドライブ)、データベースシステム、あるいはデータを記憶することが可能な別のタイプの構成要素またはデバイスであり得る。データストア140は、複数のコンピューティングデバイス(たとえば、複数のサーバコンピュータ)にわたることができる複数のストレージ構成要素(たとえば、複数のドライブまたは複数のデータベース)を含むことができる。いくつかの実施形態では、データストア140は、センサデータ、計測データ、予測データ、および/またはコンテキストデータを記憶することができる。センサデータは、履歴センサデータ(たとえば、製造機器124において処理された前のウエハについてセンサ126によって生成されたセンサデータ)、および/または現在のセンサデータ(たとえば、製造機器124において処理されている現在のウエハについてセンサ126によって生成されたセンサデータ)を含むことができる。いくつかの実施形態では、現在のセンサデータは、予測データが生成されるデータであり得る。センサデータは、限定はしないが、製造機器124の1つまたは複数の構成要素の温度(たとえば、プロセスチャンバのふたおよび/または窓の温度、プロセスチャンバのウエハ支持アセンブリ(wafer support assembly)内に埋め込まれた加熱要素(heating element)の温度など)を示すデータ、ウエハプロセス中のウエハの温度を示すデータ、製造機器124内の環境の1つまたは複数の部分における圧力(たとえば、プロセスチャンバのふたおよび/または窓と、ウエハの表面との間の環境の圧力、ウエハの表面とウエハ支持アセンブリの表面との間の環境の圧力など)を示すデータ、ウエハプロセスの前に、その間におよび/またはその後に、製造機器124に流入される1つまたは複数のガスの濃度または流量を示すデータなどを含むことができる。データストアは、いくつかの実施形態では、計測データを記憶することができる。計測データは、履歴計測データ(たとえば、製造機器124において処理された前のウエハについて計測機器128によって生成された計測データ)を含むことができる。
【0022】
コンテキストデータは、ウエハおよび/または製造機器124において実施されるウエハプロセスに関連するデータを指す。いくつかの実施形態では、コンテキストデータは、(たとえば、ウエハについての識別子、ウエハのタイプなどの)ウエハに関連するデータを含むことができる。コンテキストデータは、追加または代替として、ウエハを処理するために使用される製造機器124の1つまたは複数の構成要素に関連するデータを含むことができる。たとえば、コンテキストデータは、製造機器124の1つまたは複数の構成要素についての識別子、1つまたは複数の構成要素に関連する1つまたは複数の物理的特性(たとえば、1つまたは複数の構成要素の放射率、1つまたは複数の構成要素の分子量など)、製造機器124のオペレータに関連する識別子、製造機器124において実施されるプロセスのタイプなどを含むことができる。
【0023】
追加または代替の実施形態では、コンテキストデータは、製造機器124においてウエハについて実施されるプロセスレシピに関連するデータを含むことができる。たとえば、コンテキストデータは、プロセスレシピについての名前の識別子、プロセスレシピの動作についての動作番号、または(本明細書ではプロセスレシピ設定と呼ばれる)プロセスレシピの1つまたは複数の動作についての設定を含むことができる。プロセスレシピ設定は、プロセスチャンバのふたおよび/または窓に対する、プロセスチャンバ内に配設されたウエハの位置、プロセスチャンバのウエハ支持アセンブリに対するウエハの位置、プロセスチャンバのふたおよび/または窓に対するウエハ支持アセンブリの位置、プロセスチャンバのふたおよび/または窓に向かう、あるいはそこから離れる、(ウエハをもつまたはもたない)ウエハ支持アセンブリの移動の速さ、ウエハ支持アセンブリの表面に向かう、またはそこから離れる、ウエハの移動の速さなどについての設定など、ウエハ、または製造機器124の1つまたは複数の構成要素についての位置設定を含むことができる。プロセスレシピ設定は、製造機器124の1つまたは複数の構成要素および/または製造機器124内に配設されたウエハについての温度および/または圧力設定をも含むことができる。プロセスレシピ設定は、製造機器124のプロセスチャンバに流入されるガスのターゲット組成物および/または濃度、プロセスチャンバに流入されるガスの流量、プロセスチャンバに流入されるガスの温度などを示す設定を含む、ウエハプロセスのためのガス流設定をも含むことができる。
【0024】
コンテキストデータは、履歴コンテキストデータ(たとえば、製造機器124において前のウエハについて実施された前のウエハプロセスのためのコンテキストデータ)、および/または現在のコンテキストデータ(たとえば、製造機器124において現在のウエハについて現在実施されたまたは実施されるべきウエハプロセスのためのコンテキストデータ)を含むことができる。現在のコンテキストデータは、本明細書で説明される実施形態によれば、予測データが生成されるデータであり得る。履歴コンテキストデータおよび/または現在のコンテキストデータは、前に説明された実施形態によれば、クライアントデバイス120のGUIを介してシステム100に提供され得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、データストア140は、製造システムのユーザにとってアクセス可能でないデータを記憶するように構成され得る。たとえば、ウエハ支持アセンブリについてのテストデータ、コンテキストデータなどは、製造システムおよび/またはテストシステムのユーザ(たとえば、オペレータ)にとってアクセス可能でない。いくつかの実施形態では、データストア140において記憶されるすべてのデータは、システムのユーザによってアクセス不可能であり得る。他のまたは同様の実施形態では、データストア140において記憶されるデータのある部分は、ユーザによってアクセス不可能であり得るが、データストア140において記憶されるデータの別の部分は、ユーザによってアクセス可能であり得る。いくつかの実施形態では、データストア140において記憶されるデータの1つまたは複数の部分は、ユーザに知られていない暗号化機構を使用して暗号化され得る(たとえば、データは、秘密暗号化鍵を使用して暗号化される)。他のまたは同様の実施形態では、データストア140は、ユーザにとってアクセス不可能であるデータが1つまたは複数の第1のデータストアに記憶され、ユーザにとってアクセス可能であるデータが1つまたは複数の第2のデータストアに記憶される、複数のデータストアを含むことができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、予測システム110は、サーバマシン170および/またはサーバマシン180を含むことができる。サーバマシン170は、機械学習モデル190(たとえば、特徴モデル)をトレーニング、確認、および/またはテストするためのトレーニングデータセット(たとえば、データ入力のセットおよびターゲット出力のセット)を生成することが可能である、トレーニングセットジェネレータ172を含む。たとえば、トレーニングセットジェネレータ172は、本明細書で提供される実施形態によれば、製造機器124においてウエハについて実施されるべきプロセスのためのプロセスレシピ設定を予測するために、機械学習モデル190をトレーニング、確認、および/またはテストするためのトレーニングセットを生成することができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、トレーニングセットジェネレータ172は、製造機器124において実施された1つまたは複数の前のウエハプロセスに関連する、履歴センサ、計測、および/またはコンテキストデータに基づいて、機械学習モデル190のためのトレーニングセットを生成することができる。追加または代替の実施形態では、トレーニングセットジェネレータ172は、製造機器124のデジタルレプリカモデル(たとえば、デジタルツイン)によって生成された、予測またはシミュレートされたセンサ、計測、および/またはコンテキストデータに基づいて、機械学習モデル190のためのトレーニングセットを生成することができる。(本明細書ではデジタルレプリカとも呼ばれる)デジタルレプリカモデルは、いくつかの実施形態では、製造機器124をシミュレートするアルゴリズムモデルであり得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、デジタル表現サーバ160が、製造機器124のデジタルレプリカであり得る。デジタル表現サーバ160は、製造機器124がどのように動作するかの物理的要素および/またはダイナミクスの仮想表現を生成するために、教師あり機械学習、半教師あり学習、教師なし機械学習、またはそれらの任意の組合せを使用することができる。デジタル表現サーバ160は、センサ126からの定期的更新を使用して、ならびに/または、センサデータ、性能データ(たとえば、製造機器124の1つまたは複数の構成要素の効率、レイテンシ、スループットなどに関連するデータ)、ライブラリデータなど、製造機器124のデジタルレプリカデータを生成および維持することに関連するデータを使用して、強化学習を介して更新され得る。いくつかの実施形態では、デジタル表現サーバ160は、製造機器124のプロセスチャンバの物理的要素およびダイナミクスに関連する処理チャンバモデル162を含むことができる。
【0029】
デジタル表現サーバ160は、製造機器124が現在のまたはシミュレートされたパラメータに基づいてどのように機能するかを決定するために使用されるシミュレーションデータを生成することができる。シミュレーションデータは、いくつかの実施形態では、データストア140において記憶され得る。いくつかの実施形態では、シミュレーションデータは、プロセスチャンバにおけるウエハについてのウエハプロセス(たとえば、ウエハ温度制御プロセス)に関連する1つまたは複数のプロセスレシピ設定を含むことができる。シミュレーションデータは、製造機器124のデジタルレプリカの(たとえば、データストア140における現在のセンサデータを使用して生産されるべきまたは生産された製品の)予測された特性データおよび/または予測された計測データ(たとえば、仮想計測データ)をも含むことができる。シミュレーションデータは、異常(たとえば、異常な製品、異常な構成要素、異常な製造機器124、異常なエネルギー使用など)と、異常の1つまたは複数の原因との指示をも含むことができる。シミュレーションデータは、製造機器124の構成要素の寿命の終了の指示をさらに含むことができる。シミュレーションデータは、網羅的であり、製造機器124のあらゆる機械的および/または電気的側面をカバーすることができる。
【0030】
上記で説明されたように、トレーニングセットジェネレータ172は、デジタル表現サーバ160から取得された予測データまたはシミュレートされたデータに基づいて、モデル190のためのトレーニングデータを生成することができる。たとえば、トレーニングセットジェネレータ172は、プロセスチャンバモデル162を使用して製造機器124のプロセスチャンバにおけるプロセスをシミュレートするために、プロセスレシピ設定の1つまたは複数のセットを生成し、デジタル表現サーバ160にプロセスレシピ設定のセットを提供することができる。いくつかの実施形態では、プロセスチャンバモデル162によって出力されるデータは、プロセスチャンバ環境の第1の空間とプロセスチャンバ環境の第2の空間との間の圧力差を含むことができる。プロセスチャンバ環境の第1の空間は、ウエハの上面と、プロセスチャンバの天井(たとえば、ふた、窓など)との間の空間を含むことができる。プロセスチャンバ環境の第2の空間は、ウエハの底面と、シミュレートされたウエハプロセス中にウエハを支持するウエハ支持アセンブリの上面との間の空間を含むことができる。追加または代替の実施形態では、プロセスチャンバモデル162によって出力されるデータは、(ランピング率と呼ばれる)ウエハプロセスの初期期間とウエハプロセスの最終期間との間のウエハの温度の変化率に関連するデータを含むことができる。いくつかの実施形態では、トレーニングセットジェネレータ172は、トレーニングデータ(たとえば、物理的プロセスのためのデータおよび/またはシミュレートされたデータ)を、トレーニングセットと確認セットとテストセットとに区分することができる。いくつかの実施形態では、予測システム110は、トレーニングデータの複数のセットを生成する。
【0031】
サーバマシン180は、トレーニングエンジン182、確認エンジン184、選択エンジン186、および/またはテストエンジン188を含むことができる。エンジンは、ハードウェア(たとえば、回路、専用論理、プログラマブル論理、マイクロコード、処理デバイスなど)、(処理デバイス、汎用コンピュータシステム、または専用機械上で稼働される命令などの)ソフトウェア、ファームウェア、マイクロコード、またはそれらの組合せを指すことができる。トレーニングエンジン182は、機械学習モデル190をトレーニングすることが可能であり得る。機械学習モデル190は、トレーニング入力と、対応するターゲット出力(それぞれのトレーニング入力についての正しい答え)とを含むトレーニングデータを使用して、トレーニングエンジン182によって作成される、モデルアーティファクトを指すことができる。トレーニングエンジン182は、トレーニング入力をターゲット出力(予測されるべき答え)にマッピングする、トレーニングデータにおけるパターンを見つけ、これらのパターンをキャプチャする機械学習モデル190を提供することができる。機械学習モデル190は、サポートベクターマシン(SVM)、放射基底関数(RBF)、クラスタリング、教師あり機械学習、半教師あり機械学習、教師なし機械学習、k最近傍法アルゴリズム(k-NN)、線形回帰、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク(たとえば、人工ニューラルネットワーク)などのうちの1つまたは複数を使用することができる。
【0032】
確認エンジン184は、トレーニングされた機械学習モデル190を、トレーニングセットジェネレータ172からの確認セットの特徴の対応するセットを使用して、確認することが可能であり得る。確認エンジン184は、トレーニングされた機械学習モデル190の各々の正確さを、確認セットの特徴の対応するセットに基づいて、決定することができる。確認エンジン184は、しきい値正確さを満足しない正確さを有する、トレーニングされた機械学習モデル190を廃棄することができる。いくつかの実施形態では、選択エンジン186は、しきい値正確さを満足する正確さを有する、トレーニングされた機械学習モデル190を選択することが可能であり得る。いくつかの実施形態では、選択エンジン186は、トレーニングされた機械学習モデル190のうちの最も高い正確さを有するトレーニングされた機械学習モデル190を選択することが可能であり得る。
【0033】
テストエンジン188は、トレーニングされた機械学習モデル190を、トレーニングセットジェネレータ172からのテストセットの特徴の対応するセットを使用して、テストすることが可能であり得る。たとえば、トレーニングセットの特徴の第1のセットを使用してトレーニングされた、第1のトレーニングされた機械学習モデル190が、テストセットの特徴の第1のセットを使用してテストされ得る。テストエンジン188は、テストセットに基づいて、トレーニングされた機械学習モデルのすべてのうちの最も高い正確さを有するトレーニングされた機械学習モデル190を決定することができる。
【0034】
予測サーバ112は、製造機器124において処理されるべき現在のウエハについての空間的プロファイルに対応する1つまたは複数のプロセスレシピ設定を提供することが可能である、予測構成要素114を含む。以下で詳細に説明されるように、いくつかの実施形態では、予測構成要素114は、モデル190への入力として、ウエハについて実施されるべきプロセスのためのプロセスレシピに関連するデータを提供し、モデル190の1つまたは複数の出力を取得することが可能である。いくつかの実施形態では、プロセスレシピに関連するデータは、プロセスレシピについて実施されるべき1つまたは複数の動作と、ウエハプロセスの最終期間におけるウエハについてのターゲット温度との指示を含むことができる。プロセスレシピデータは、いくつかの実施形態では、ウエハプロセス中に適用されるべき1つまたは複数のターゲットウエハプロセス設定を含むことができる。予測サーバ112は、モデル190の1つまたは複数の出力に基づいて、ウエハについての1つまたは複数の動作および/またはターゲット温度に対応するプロセスレシピ設定のセットを提供することができる。プロセスレシピ設定のセットが信頼性基準のレベルを満たすと決定したことに応答して、予測サーバ112は、決定されたプロセスレシピ設定に従って、プロセスチャンバにおいてウエハについてウエハプロセスを実施させることができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、予測サーバ112は、1つまたは複数のターゲットウエハプロセスレシピ設定に対する提案された修正として、クライアントデバイス120に1つまたは複数のプロセスレシピ設定の指示を送信することができる。クライアントデバイス120は、クライアントデバイス120のGUIを介して、ターゲットウエハプロセスレシピ設定に対する提案された修正を表示することができる。システム100のユーザ(たとえば、オペレータ、技術者、デベロッパなど)は、モデル190の出力から取得された1つまたは複数のプロセスレシピ設定に従って、ウエハについてウエハプロセスを開始させるためにまたは開始させないために、クライアントデバイス120のGUIの1つまたは複数の要素と対話することができる。
【0036】
クライアントデバイス120と、製造機器124と、データストア140と、デジタル表現サーバ160と、予測サーバ112と、サーバマシン170と、サーバマシン180とは、ネットワーク130を介して互いに結合され得る。いくつかの実施形態では、ネットワーク130は、クライアントデバイス120に、予測サーバ112、データストア140、および他の公的に利用可能なコンピューティングデバイスへのアクセスを提供する、パブリックネットワークである。いくつかの実施形態では、ネットワーク130は、クライアントデバイス120に、製造機器124、データストア140、デジタル表現サーバ160、予測サーバ112、および他の私的に利用可能なコンピューティングデバイスへのアクセスを提供する、プライベートネットワークである。ネットワーク130は、1つまたは複数のワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイヤードネットワーク(たとえば、イーサネットネットワーク)、ワイヤレスネットワーク(たとえば、802.11ネットワークまたはWi-Fiネットワーク)、セルラーネットワーク(たとえば、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク)、ルータ、ハブ、スイッチ、サーバコンピュータ、クラウドコンピューティングネットワーク、および/またはそれらの組合せを含むことができる。
【0037】
いくつかの他の実装形態では、デジタル表現サーバ160、サーバマシン170および180、ならびに予測サーバ112の機能は、より少ない数の機械によって提供され得ることに留意されたい。たとえば、いくつかの実施形態では、デジタル表現サーバ160、サーバマシン170および/またはサーバマシン180が、単一の機械に組み込まれ得、いくつかの他のまたは同様の実施形態では、デジタル表現サーバ160、サーバマシン170および/またはサーバマシン180、ならびに予測サーバ112が、単一の機械に組み込まれ得る。
【0038】
概して、デジタル表現サーバ160、サーバマシン170、サーバマシン180、および/または予測サーバ112によって実施されるものとして一実装形態において説明される機能は、クライアントデバイス120上でも実施され得る。さらに、特定の構成要素のものとされる機能は、一緒に動作する、異なるまたは複数の構成要素によって実施され得る。
【0039】
実施形態では、「ユーザ」が、単一の個人として表され得る。しかしながら、本開示の他の実施形態は、「ユーザ」が、複数のユーザおよび/または自動ソースによって制御されるエンティティであることを包含する。たとえば、管理者のグループとしてフェデレーションされた(federated)個人ユーザのセットが、「ユーザ」と見なされ得る。
【0040】
図2は、本開示の態様による、特徴モデル(たとえば、機械学習特徴モデル)を使用するプロセスレシピ作成およびマッチングを実装するためのシステム200の図である。示されているように、システム200は、処理されたウエハ230を生産するためのツール/チャンバ220によって受け取られる、処理されていない基板またはウエハ210を含む。より詳細には、ツール/チャンバ220は、処理されてないウエハ210から、処理されたウエハ230を生産するために、プロセスレシピ(「レシピ」)のセットを利用することができる。ウエハが示されているが、本明細書で説明される実施形態によれば、任意の好適な構成要素が処理され得る。
【0041】
システム200は、レシピ作成構成要素240を含む。レシピ作成構成要素240は、目標またはターゲット特性のセットとも呼ばれる、所望のオンウエハ性質のセットに鑑みて、レシピパラメータのセットについての期待されるプロセス挙動をモデル化し、目標のセットに基づくレシピ設定を有するレシピ242を生成する。レシピ作成構成要素240は、特徴モデル(たとえば、図1の機械学習モデル190)を作成することによって、期待されるプロセス挙動をモデル化することができる。レシピ設定は、レシピパラメータのセットと、プロセスのセットとを含むことができる。たとえば、レシピ設定は、目標のセットを達成するための1つまたは複数の関連のあるレシピパラメータを含むことができる。レシピ242は、レシピ242に鑑みてウエハ210の処理を実行するためのツール/チャンバ220によって実装され得る。したがって、目標は、処理されたウエハ230を取得するためにツール/チャンバ220を使用して、処理されていないウエハ210を処理するためのレシピ242に変換され得る。次に、レシピ作成構成要素240に関するさらなる詳細が、図3を参照しながら以下で説明される。
【0042】
図3は、本開示の態様による、プロセスレシピ作成を実装するためのシステム300の図である。示されているように、ターゲット特性310のセットと特徴モデル320のセットとが、数値最適化器構成要素330によって受信される。ターゲット特性310のセットは、ユーザからの入力として受信され得る。ターゲット特性310のセットは、複数の特徴と、各特徴についてのそれぞれのターゲットとを含むことができ、ここで、各ターゲットは、その対応する特徴についての期待されるまたは所望の値または値の範囲に対応する。ターゲットの例は、「平均(mean)」、「よりも小さい(less than)」、「よりも大きい(greater than)」、「できるだけ低い(low as possible)」、「プロファイル目標」などを含む。プロファイル目標は、ユーザが、ウエハにわたるプロファイルを指定することを可能にする。この例示的な例では、ターゲット特性310のセットは、1000オングストローム(Å)の「平均」および期待されるまたは所望の値の対応するターゲットを有する厚さ特徴(すなわち、厚さについての目標は、1000Åの平均厚さである)と、「よりも大きい」と2.03オームメータの値との対応するターゲットを有する抵抗特徴(すなわち、抵抗についての目標は、2.03オームメータよりも大きい抵抗である)と、「できるだけ低い」の(すなわち、できるだけ0に近い)対応するターゲットを有する応力特徴とを指定する。
【0043】
いくつかの特徴モデルを含む、特徴モデル320のセットが示されている。いくつかの実装形態では、特徴モデル320のセットは、回帰モデルのセットを含む。たとえば、特徴モデルは、MIMOモデル(たとえば、空間的MIMOモデル)を含むことができる。各個々の特徴モデルは、特定の特徴をターゲットにする。たとえば、システム300に示されている特徴モデルは、厚さ特徴モデル322と、抵抗特徴モデル324と、応力特徴モデル326とを含む。いくつかの例では、入力のより小さいサブセット、または「関連のある入力のセット」が、オンウエハ性質に影響を及ぼす1次ファクタとして識別され得、他の動作/パラメータは、特定のアクションを準備する、前処理動作または後処理動作である。したがって、特徴モデルは、関連のある入力のセットに基づいて、各特徴について作成され得る。特徴モデルの入力320は、製造パラメータ(たとえば、プロセスパラメータ、ハードウェアパラメータ)を含み得る。特徴モデルの出力は、計測データまたは性能データであり得る。たとえば、特徴モデルの入力は、温度、圧力、および流量であり得、特徴モデルの出力は、厚さであり得る。各特徴モデル320は、対応する特徴(たとえば、計測データのタイプ、性能データのタイプなど)を出力し得る。本明細書でさらに詳細に説明されるように、それぞれの特徴についての個別化された特徴モデルの使用は、所望の性質を達成することに対する、より大きい制御を可能にすることができる。
【0044】
いくつかの実装形態では、実験の設計(DoE)技法が、特徴モデル320のセットを生成するために使用される。DoE技法は、レシピパラメータを変更することに鑑みてウエハ感度を検出するために使用され得る。DoEは、変動が存在する任意の情報収集活動の設計である。DoE分析は、DoEの実行から生成されたデータ(すなわち、DoEデータ)の分析である。いくつかの実装形態では、DoEデータは、レシピパラメータと、レシピパラメータ値と、測定値(たとえば、ウエハ測定値)とを含む。たとえば、5つのレシピパラメータが変動させられ得るDoE分析の場合、DoEは、5つのレシピパラメータの各々が、各実験について、あらかじめ決定された値に従って変動させられる、複数の実験を稼働することによって実施され得る。各実験からのウエハは、次いで、様々なロケーションにおいて測定され、それらの対応するレシピパラメータに関連し得る。感度値は、実験の各々から、レシピパラメータの変動を、各測定ロケーションからの測定値の変動と比較することによって、計算され得る。感度値は、次いで、通常、特定のレシピパラメータに対するウエハの平均感度を決定するために、平均化される。感度は、ウエハにわたる平均化された半径方向感度値に対応して計算され得る。
【0045】
以下でさらに詳細に説明されるように、特徴モデル320のセットのうちの各特徴モデルが、それらの対応する特徴の間の空間的関係をキャプチャすることによって、ターゲット特性310のセットに基づくレシピを生成するために使用され得る。これを行うために、特徴モデル320のセットは、数値最適化器構成要素330に提供され得る。数値最適化器構成要素330は、特徴モデル320のセットとターゲット特性310のセットとに鑑みて出力を生成するために、数値探索および最適化ルーチンを実行する。いくつかの実装形態では、数値最適化器構成要素330の出力は、少なくとも1つの前もってポピュレートされた(pre-populated)レシピ340を含むことができるか、またはレシピ340を生成するために使用され得る。前もってポピュレートされたレシピ340は、入力のセットを行として、およびプロセスのセットを列として含む、レシピ設定を有する。レシピ340における各エントリ(たとえば、x~x)が、各プロセスにおいて必要とされる入力についてのエントリを示す。
【0046】
いくつかの実装形態では、出力は、レシピパラメータの少なくとも1つのセットを含む。レシピパラメータの各セットは、(ターゲット特性310のセットによって示される)各特徴についての所望の値、および各特徴についての予測された値と、ペアリングされ得る。いくつかの実装形態では、予測された値は平均値である。レシピパラメータの各セットは、レシピパラメータの各セットがターゲット特性310のセットをどのくらいうまく達成するかに鑑みて、順序付けられるかまたはランク付けされ得る。この例示的な例では、上述のように、1つのターゲットは、所望の厚さ平均が1000オングストローム(Å)であることであり、したがって、特徴モデルによって指定された各制約に鑑みて、できるだけ1000Åに近い予測された厚さ平均を生じるレシピパラメータの組合せを見つけることが最適であることになる。別のターゲットは、所望の抵抗が2.03よりも大きいことであり、したがって、特徴モデルによって指定された各制約に鑑みて、2.03よりも大きい予測された抵抗を生じるレシピパラメータの組合せを見つけることが最適であることになる。数値最適化器構成要素330によって出力されるレシピパラメータのセットの数は、デフォルト数であり得、および/またはユーザによってカスタマイズされ得る。たとえば、出力は、レシピパラメータの上位10個のセット、レシピパラメータの上位25個のセット、レシピパラメータの単一のセットなどを含むことができる。
【0047】
理想的には、レシピパラメータのセットは、ターゲット特性310のセットのうちの各ターゲット特性を同時に満たすことになる。しかしながら、数値最適化器構成要素330が、ターゲット特性310のセットのうちの各ターゲット特性を同時に満たすレシピ解を生成することができない場合があり得る。たとえば、数値最適化器構成要素330は、少なくとも1つの特徴(少なくとも1つの満たされた特徴)についてターゲットを満たすが、少なくとも1つの他の特徴(少なくとも1つの満たされない特徴)のターゲットが犠牲になることを予測される、レシピパラメータのセットを見つけ得る。そのような場合、数値最適化器構成要素330によって生成される出力は、パレート効率的なレシピパラメータの少なくとも1つのセットを含む、パレートフロンティアまたはパレートフロントであり得る。概して、パレートフロントは、少なくとも1つの他の目的を犠牲にすることなしにどの目的も改善され得ない、パレート効率的な解のセットである。すなわち、パレートフロントは、非劣解(non-dominated solution)を含む。追加または代替として、出力は、たとえば、満たされない特徴についてターゲットを達成する解を含むことができ、(1つまたは複数の)満たされた特徴に関する推定されたトレードオフが観測され得る。これは、数値最適化器構成要素330によって満たされないと決定された特徴が、レシピによって満たされ得ることを確実にすることが重要であり得る場合、特に有用であり得る。
【0048】
数値最適化器構成要素330は、特徴モデルを反転させることと、高次元入力および出力空間において探索を実施することとによって、動作する。たとえば、各特徴モデルが形式
の空間的MIMOモデルであると仮定する。特徴モデルを反転させるために、
は、以下のように解かれ得る:
。多くの場合、関数
は、複雑であり、容易に反転できないことがある。これに対処するために、数値最適化器構成要素330は、
を擬似反転させるための探索ルーチンを実装することができる。たとえば、数値最適化器構成要素330は、
と所望の
との間の誤差を最小化する
を探索することができる。さらに、
の勾配は、知られていないか、または推定することが困難であり得る。これは、勾配ベース探索ルーチンが最適でないことがあることを意味し、いくつかの実装形態では、数値最適化器構成要素330は、勾配なしの探索を実装することができる。その上、いくつかの解が他の解よりも好ましいことがあるので、複数の解または極小値を見つけることが有利であり得る。数値最適化器構成要素330によって使用され得る探索ルーチンの例は、群ベース(swarm based)探索ルーチンおよび/または遺伝的ベース探索ルーチンを含む。したがって、数値最適化器は、離散空間を通して探索し、複数の所望の性質のバランスを手動でとることを試みることと比較して、複数の基準を満たす連続空間を通して探索することができる。数値最適化器構成要素330の動作に関するさらなる詳細が、図4および図5を参照しながら以下で説明される。
【0049】
図4は、本開示の態様による、単一の特徴モデルに対して数値最適化を実施するためのシステム400の図である。示されているように、システム400は、各々、特徴に対応する1つまたは複数の特徴モデルを含む、特徴モデル410のセットと、特徴のうちのそれぞれの1つに対応する1つまたは複数のターゲット(たとえば、所望の性質)を含む、ターゲット特性420のセットとを含む。各ターゲットは、コスト関数に関連するか、またはコスト関数に関連することになる。特徴モデル410のセットとターゲット特性420のセットとは、図3を参照しながら上記で説明されたものなど、出力440を生成するために、数値最適化器430によって受信される。
【0050】
示されているように、数値最適化器430は、コスト関数構成要素432を含む。コスト関数構成要素432は、各特徴モデルおよびターゲット特性についてコスト関数を作成し、特徴モデルおよびターゲット特性に関してコストを最小化するための最適化アルゴリズムを選択する。コスト関数構成要素432のコスト関数の例は、平均、最小シグマ、最小範囲などを含む。
【0051】
たとえば、コストCは、式C=D×(Δ+∂×err)によって定義され得、ここで、Dは、(複数の特徴がある場合のみ、適用可能な)特徴の望ましさであり、Δは、望まれるものと、特徴モデルが入力について予測するものとの間の差をキャプチャする、特徴モデルの関数であり、errは、予測における推定された誤差または信頼性であり、∂は、誤差ペナルティである。誤差ペナルティは、2つ以上の解が存在する場合、最適化に、低い信頼性をもつ解よりも高い信頼性をもつ解を選好させるのを助ける。
【0052】
カスタマイズされたコスト関数が、最適化プロセスを改善するために作成され得る。たとえば、平均コストCmeanを計算するための平均コスト関数が、
によって定義され得、ここで、rMSEは2乗平均平方根誤差であり、

についてのターゲット出力であり、最小シグマコストCsigmaを計算するための最小シグマコスト関数が、
として定義され得、ここで、シグマは標準偏差を指し、よりも小さいコスト(less than cost)Cを計算するための、よりも小さいコスト関数(less than cost function)が、以下によって定義され得る。
すなわち、
である場合、m=0およびn =
であり、他の場合、m =
およびn=0である。代替的に、
は、たとえば、
と置き換えられ得る。そうすることによって、すべての出力ターゲットは、
の最大出力よりも小さくさせられる。m項は、ウエハにわたる平均を制御し、n項は、ウエハにわたるシグマ(すなわち、変動性)を制御する。
【0053】
すべての所望のターゲットについての解が解空間中に潜在的に存在することを知っている場合、コスト関数出力は、合計構成要素434において各個々のコスト関数の出力を合計することによって、マージされ得る。この新しいコスト関数は、次いで、1つまたは複数の最適化ルーチンを実装するための最適化構成要素436を使用して最小化され得る。新しいコスト関数を最小化するために使用され得る方法の例は、粒子群、ネルダー-ミード、遺伝的探索などを含む。
【0054】
しかしながら、ターゲット特性420のセットのうちの各ターゲット特性を同時に達成することができないことを知っている場合、コスト関数は、個々のコスト関数としてとどまることができ、遺伝的探索アルゴリズムのファミリーが、最適化構成要素438によって使用され得る。たとえば、遺伝的探索アルゴリズムのファミリーは、出力442を生成する、多目的進化的アルゴリズム(MoEA:Multiobjective Evolutionary Algorithm)であり得る。出力は、ターゲット特性420のセットについてのパレートフロントを含むことができる。
【0055】
例示的に、特徴モデル410のセットは、回帰モデルを含むことができる。線形回帰は、予測された出力と実際の出力との間の誤差を最小化する、実験データからの値、β値を見つけるために使用され得る。各回帰モデルは、測定ロケーションにおいて作成され得る(たとえば、49点計測の場合、49個の回帰モデルがあることになる)。β値は、各測定ロケーションにおける感度を指定する感度パラメータと見なされ得る。オンウエハターゲットについてのレシピ条件を見つけるために、最適化ルーチンは、期待される性能の出力と観測された性能の出力との間の誤差を最小化するレシピ入力(たとえば、温度、電力)を見つけるために使用され得る。次いで、(1)任意の入力についての予測された値と、所望の値との間の差を定義するために、(1つまたは複数の)コスト関数を採用することと、(2)(1つまたは複数の)コスト関数を最小化する入力条件を見つけ、したがって、所望のオンウエハターゲットを見つけるためのレシピ設定を見つけるために、(1つまたは複数の)最適化ルーチンを使用することとによって、オンウエハターゲットについてのレシピ条件を見つけるために、最適化が、回帰モデルに基づいて実施され得る。
【0056】
再び図2を参照すると、システム200は、レシピマッチング構成要素250をさらに含むことができる。マッチング構成要素250は、レシピ作成構成要素240からレシピモデルを受信し、ツール/チャンバ220からプロセスフィードバックを受信し、マッチングを実施することによってレシピオフセット(「オフセット」)252のセットを生成する。たとえば、プロセスフィードバックは、ツール/チャンバ220によって実施される処理の現在のまたは予測された性能挙動を含むことができる。この例示的な例では、現在のまたは予測された性能挙動は、現在のまたは予測されたウエハ性能挙動である。マッチングは、現在のまたは予測された性能挙動を、レシピ242に対応する所望のまたは期待される性能挙動にマッチさせる、レシピ242において定義された入力からのオフセットを探索することによって、オフセット252を生成するために実施され得る。すなわち、オフセット252は、現在のまたは予測された性能挙動と、期待されるまたは所望の性能挙動との間のミスマッチから生じる、性能挙動(たとえば、オンウエハ性能)の変化またはドリフトを補正する。代替実装形態では、オフセット252は、(たとえば、レシピ作成構成要素240を使用して)レシピを生成するためのレシピ設定の新しいセットであり得る。
【0057】
いくつかの実装形態では、現在のまたは予測された性能は、任意の好適な計測技法によって測定され得る。計測技法の例は、オンボード計測と、インライン計測と、仮想計測とを含む。
【0058】
オンボード計測は、ダイ内のデバイス自体上で、またはデバイスと同様の特徴を有するテスト構造上で実施される測定を指すことができる。使用される測定技法に応じて、テスト構造は、限定はしないが、ウエハ上にある論理またはメモリデバイスと同様の構造を含み得る。オンボード計測は、光学測定(たとえば、デバイスまたはテスト構造からインシトゥで光学発光スペクトルを収集すること、あるいは光学ターゲットを使用するマクロ2Dマッピング)または他のタイプの測定に基づき得る。これらの光学測定または他の測定は、チャンバ内で(インシトゥで)、またはチャンバ外で(エクスシトゥで)のものであるが、依然として真空下で、または複数のチャンバを有し得るプロセスプラットフォーム上のファクトリーインターフェース(必ずしも真空下でとは限らない)においてのものであり得る。
【0059】
インライン計測は、生産ラインの中からウエハを取り出す必要なしに、処理チャンバの外部で実施され得る測定を指すことができる。インライン計測の一例は、走査電子顕微鏡(SEM)であり、その高度なバージョンは、高精度と広いモダリティとを与え得る。高度なSEMは、2次放出検出器に加えて、後方散乱電子(BSE)センサを含み、様々な傾斜角と、数百電子ボルトから数十キロ電子ボルトに及ぶ様々なランディングエネルギーとにおいて、電子放出を測定する能力を含み得る。SEMは、非破壊的な様式で計測データの広いデータベースを作成する能力を有する。電子ビーム(「e-beam」)シミュレーション、データ収集、画像特徴づけ、および特徴抽出、ならびに統計的分析によってカスタマイズされたSEMベースインライン計測は、「カスタマイズされた計測」と呼ばれることがある。高度なSEMツールは、カスタマイズされた計測の中心となる、高精度の非破壊的な3次元特徴レベルプロファイリングの基礎として、使用され得る。
【0060】
仮想計測は、ウエハを直接測定することなしに、チャンバ中のまたはチャンバ外の様々なセンサによってとられたセンサデータに基づいて決定された、ウエハの予測された測定(たとえば、寸法)を指すことができる。VMは、圧力、温度、RF電力、電流、電圧、流量制御位置など、様々なプロセス変数の時間トレースを含むことができる。
【0061】
いくつかの実装形態では、現在のまたは予測された性能は、MIMOセンサベースモデルから推定され得る。次に、MIMOセンサベースモデルに関するさらなる詳細が、図5を参照しながら以下で説明される。
【0062】
図5は、本開示の態様による、特徴モデル(たとえば、機械学習特徴モデル)を使用するプロセスレシピ作成およびマッチングを実装するためのセンサモデルを含むシステム500の図である。示されているように、システム500は、データストレージ510を含む。データストレージ510は、リアルタイムセンサデータ(たとえば、センサフィードバックデータ)を記憶する。システム500は、センサモデルを実装するセンサモデル構成要素520をさらに含む。センサモデルは、図2を参照しながら上記で説明されたように、マッチング構成要素530による使用のための、予測された性能挙動(たとえば、オンウエハ性能挙動)を生成するために、データストレージ510からのセンサデータを使用する、MIMOモデル(たとえば、回帰モデル)である。
【0063】
センサモデルは、異なる入力が使用されることを除いて、特徴モデルと数学的に同様である。たとえば、レシピ設定のセットが、特徴モデルのための入力として使用され得、ツール/チャンバから取得されたセンサフィードバックデータのセットが、センサモデルのための入力として使用され得る。センサフィードバックデータのセット中に含まれ得るデータの例は、圧力読取値、バルブ位置、ヒータ電力などを含む。すなわち、センサモデルは、仮想計測の実装と見なされ得る。センサモデルは、現在の挙動を示すために使用され得、レシピモデルは、期待される挙動を示すために使用され得る。マッチング構成要素530は、オフセットを算出するために、(たとえば、センサモデルによって示された)現在の挙動と、期待される挙動との間のオフセットを算出する。
【0064】
図6は、本開示の態様による、特徴モデル(たとえば、機械学習特徴モデル)を使用するプロセスレシピ作成を実装するための方法600のフローチャートである。方法600は、ハードウェア(回路、専用論理など)、(汎用コンピュータシステムまたは専用機械上で稼働されるものなどの)ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの何らかの組合せを含むことができる、処理論理によって実施される。一実装形態では、方法600は、図1のコンピュータシステムアーキテクチャ100など、コンピュータシステムによって実施され得る。他のまたは同様の実装形態では、方法600の1つまたは複数の動作は、図に示されていない1つまたは複数の他の機械によって実施され得る。
【0065】
説明を簡単にするために、方法は、一連の行為として示され、説明される。ただし、本開示による行為は、様々な順序でおよび/または同時に、ならびに本明細書で提示および説明されない他の行為とともに行われ得る。さらに、開示される主題による方法を実装するために、すべての図示された行為が実施されるとは限らない。さらに、当業者は、方法が、代替的に、状態図またはイベントを介して一連の相互に関係する状態として表され得ることを理解し、諒解するであろう。さらに、本明細書で開示される方法は、そのような方法をコンピューティングデバイスにトランスポートおよび転送することを容易にするために、製造品に記憶されることが可能であることを諒解されたい。本明細書で使用される、製造品という用語は、任意のコンピュータ可読デバイスまたはストレージ媒体からアクセス可能なコンピュータプログラムを包含するものとする。
【0066】
ブロック610において、処理論理は、特徴モデルのセットを受信する。たとえば、特徴モデルのセットは、機械学習特徴モデル(たとえば、図1の機械学習モデル190)を含むことができる。特徴モデルのセットは、各々、構成要素の処理に関連する特徴に対応する、いくつかの特徴モデルを含む。特徴の例は、厚さ、抵抗、応力などを含む。たとえば、構成要素は、ウエハまたは基板であり得る。いくつかの実装形態では、各特徴モデルは回帰モデルである。たとえば、各特徴モデルは、MIMOモデル(たとえば、空間的MIMOモデル)であり得る。いくつかの実施形態では、特徴モデルは、温度、圧力、流量など、製造パラメータ(たとえば、プロセスパラメータ、ハードウェアパラメータ)の入力を有し得る。特徴モデルは、厚さ、抵抗、応力など、出力(たとえば、計測データ、性能データ)を有し得る。各特徴モデルは、特定の特徴(たとえば、計測データのタイプ、性能データのタイプ)に対応する異なる出力を有し得る。いくつかの実施形態では、ターゲット計測データまたはターゲット性能データが、特徴モデル(たとえば、反転された特徴モデル)に提供され得、(たとえば、ターゲット計測データまたはターゲット性能データを取得するために使用されるべき)予測された製造パラメータが、特徴モデルから受信される。いくつかの実施形態では、製造パラメータが、特徴モデルに提供され、予測された計測データまたは予測された性能データが、特徴モデルから受信される。
【0067】
ブロック620において、処理論理は、ターゲット特性のセットを受信する。たとえば、ターゲット特性のセットは、ターゲット計測データまたはターゲット性能データを含むことができる。ターゲット特性のセットは、いくつかの特徴と、それらの特徴のうちのそれぞれの1つに対応するいくつかのターゲットとを含むことができる。たとえば、厚さ特徴は、厚さ特徴についてのターゲットが、1000Åの平均に等しい厚さであるように、「に等しい」と「1000Å」の値とのターゲットを有することができる。別の例として、抵抗特徴は、抵抗特徴についてのターゲットが、2.03よりも大きい抵抗であるように、「よりも大きい」と「2.03」の値とのターゲットを有することができる。
【0068】
ブロック630において、処理論理は、特徴モデルのセットに基づいて、ターゲット特性のセットに鑑みて、予測された処理パラメータの1つまたは複数のセットを決定し、ブロック640において、処理論理は、各々、予測された処理パラメータの1つまたは複数のセットのうちのそれぞれの1つに対応する、構成要素を処理するための1つまたは複数の候補プロセスレシピを生成する。いくつかの実装形態では、構成要素はウエハである。予測された処理パラメータの各セットは、構成要素処理中に実施される動作に関係するいくつかのパラメータ(たとえば、温度、圧力)を含む。ブロック630とブロック640とは、個々の動作として、または同時の動作として実施され得る。
【0069】
1つまたは複数の候補プロセスレシピを生成することは、ターゲット特性と、対応する予測された特性との間の差を最小化するために数値最適化を使用することを含むことができる。たとえば、1つまたは複数の候補プロセスレシピを生成することは、特徴モデルのセットとターゲット特性のセットとに基づいて、少なくとも1つのコスト関数を取得することと、少なくとも1つのコスト関数を最小化することによって、候補プロセスレシピのセットを取得することとを含むことができる。たとえば、候補プロセスレシピのセットは、複数の候補プロセスレシピを含むことができ、複数の候補プロセスレシピは、それらがターゲット特性のセットをどのくらいうまく満たすかに基づいてランク付けされ、プロセスレシピは、最も高いランキングを有するプロセスレシピとしてユーザによって選択され得る。いくつかの事例では、ターゲット特性のセットの条件の各々を満足する候補プロセスレシピが存在しない。そのような場合、候補プロセスレシピのパレートフロントが生成され、GUIにおいて表示され得、プロセスレシピは、性質選好に基づいてGUIを介してユーザによって選択され得る。数値最適化に関するさらなる詳細は、図4を参照しながら上記で説明された。
【0070】
ブロック650において、処理論理は、1つまたは複数の候補プロセスレシピから、プロセスレシピを選択する。プロセスレシピを選択することは、候補プロセスレシピのセットをリストするグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を介して、ユーザからプロセスレシピの選択を受信することを含むことができる。
【0071】
ブロック660において、処理論理は、プロセスツールに、プロセスレシピを使用して構成要素を処理させる。ブロック610~640に関するさらなる詳細は、図2図4を参照しながら上記で説明された。
【0072】
図7は、特徴モデル(たとえば、機械学習特徴モデル)を使用してオフセットを生成するためのプロセスレシピマッチングを実装するための方法700のフローチャートである。方法700は、ハードウェア(回路、専用論理など)、(汎用コンピュータシステムまたは専用機械上で稼働されるものなどの)ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの何らかの組合せを含むことができる、処理論理によって実施される。一実装形態では、方法700は、図1のコンピュータシステムアーキテクチャ100など、コンピュータシステムによって実施され得る。他のまたは同様の実装形態では、方法700の1つまたは複数の動作は、図に示されていない1つまたは複数の他の機械によって実施され得る。
【0073】
説明を簡単にするために、方法は、一連の行為として示され、説明される。ただし、本開示による行為は、様々な順序でおよび/または同時に、ならびに本明細書で提示および説明されない他の行為とともに行われ得る。さらに、開示される主題による方法を実装するために、すべての図示された行為が実施されるとは限らない。さらに、当業者は、方法が、代替的に、状態図またはイベントを介して一連の相互に関係する状態として表され得ることを理解し、諒解するであろう。さらに、本明細書で開示される方法は、そのような方法をコンピューティングデバイスにトランスポートおよび転送することを容易にするために、製造品に記憶されることが可能であることを諒解されたい。本明細書で使用される、製造品という用語は、任意のコンピュータ可読デバイスまたはストレージ媒体からアクセス可能なコンピュータプログラムを包含するものとする。
【0074】
ブロック710において、処理論理は、構成要素を処理するための期待される性能と、プロセスレシピを使用して構成要素を処理するための観測された性能とを受信する。期待される性能は、レシピ設定の現在のセットについての(1つまたは複数の)特徴モデル出力(たとえば、(1つまたは複数の)機械学習特徴モデル出力)に対応する。いくつかの実装形態では、構成要素は、ウエハまたは基板である。観測された性能は、プロセスレシピ(たとえば、プロセスフィードバック)を使用した実際の処理の現在の性能であり得る。
【0075】
ブロック720において、処理論理は、期待される性能と観測された性能との間の差がしきい値条件を満たすかどうかを決定する。いくつかの実施形態では、期待される性能と観測された性能との間の差がしきい値差よりも大きいかどうかが決定され得る。たとえば、しきい値差は、観測された性能に対応するプロセスレシピの修正を必要としないように、期待される性能に「十分に近い」差として選択され得る。任意の好適な技法が、期待される性能と観測された性能との間の差を決定するために使用され得る。いくつかの実施形態では、回帰技法が使用され得る。
【0076】
しきい値条件が満たされた(たとえば、差がしきい値差よりも大きい)場合、入力のセットは修正される必要がなく、プロセスは終了する。他の場合、ブロック730において、処理論理は、差に基づいて構成要素を処理するための新しいプロセスレシピを生成する。新しいプロセスレシピを生成することは、差に基づいて、新しいプロセスレシピに関連する出力を生成することと、出力に基づいてレシピを生成することとを含むことができる。いくつかの実装形態では、出力は、新しいプロセスレシピを含む。いくつかの実装形態では、出力は、性能の差を補正するためのオフセットのセットを含む。たとえば、オフセットのセットは、期待される性能にマッチさせる試みにおいて、構成要素を処理するために前に使用されたプロセスレシピを生成するために使用された入力のセットを修正し、それにより、新しいプロセスレシピを生成するための入力の修正されたセットを生成することができる。
【0077】
ブロック740において、処理論理は、新しいプロセスレシピを使用した、新しい観測された性能を取得する。プロセスは、ブロック720に戻って、期待される性能と新しい観測されたものとの間の差がしきい値条件を満たすかどうかを決定することができる。
【0078】
図8は、本開示の1つまたは複数の態様に従って動作する例示的なコンピューティングデバイス800のブロック図を示す。代替実施形態では、機械は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、またはインターネット中で他の機械に接続され(たとえば、ネットワーク化され)得る。機械は、クライアントサーバネットワーク環境内のサーバ機械またはクライアント機械の資格で動作するか、あるいはピアツーピア(または分散型)ネットワーク環境内のピア機械として動作することができる。機械は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットコンピュータ、セットトップボックス(STB)、携帯情報端末(PDA)、セルラー電話、ウェブアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチまたはブリッジ、あるいはその機械によってとられるべきアクションを指定する命令のセット(連続またはそれ以外)を実行することが可能な任意の機械であり得る。さらに、単一の機械のみが示されているが、「機械」という用語はまた、本明細書で説明される方法論のうちのいずれか1つまたは複数を実施するために命令のセット(または複数のセット)を個々にまたは一緒に実行する、機械(たとえば、コンピュータ)の任意の集合を含むと解釈されるものとする。実施形態では、コンピューティングデバイス800は、図1の予測サーバ112またはシステム100の別の処理デバイスに対応することができる。
【0079】
例示的なコンピューティングデバイス800は、バス808を介して互いと通信する、処理デバイス802と、メインメモリ804(たとえば、読取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、同期DRAM(SDRAM)などのダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)など)と、スタティックメモリ806(たとえば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)など)と、2次メモリ(たとえば、データストレージデバイス828)とを含む。
【0080】
処理デバイス802は、マイクロプロセッサ、中央処理ユニットなど、1つまたは複数の汎用プロセッサを表すことができる。より詳細には、処理デバイス802は、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、他の命令セットを実装するプロセッサ、または命令セットの組合せを実装するプロセッサであり得る。処理デバイス802はまた、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなど、1つまたは複数の専用処理デバイスであり得る。処理デバイス802はまた、システムオンチップ(SoC)、プラグラム可能な論理制御装置(PLC)、または他のタイプの処理デバイスであるか、あるいはそれを含むことができる。処理デバイス802は、本明細書で説明される動作を実施するための処理論理を実行するように構成される。
【0081】
コンピューティングデバイス800は、ネットワーク864と通信するためのネットワークインターフェースデバイス822をさらに含むことができる。コンピューティングデバイス800は、ビデオディスプレイユニット810(たとえば、液晶ディスプレイ(LCD)またはカソード線管(CRT))と、英数字入力デバイス812(たとえば、キーボード)と、カーソル制御デバイス814(たとえば、マウス)と、信号生成デバイス820(たとえば、スピーカー)とをも含むことができる。
【0082】
データストレージデバイス828は、本明細書で説明される方法論または機能のうちのいずれか1つまたは複数を具現する命令826の1つまたは複数のセットが記憶された機械可読ストレージ媒体(またはより詳細には、非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体)824を含むことができる。ただし、非一時的ストレージ媒体は、キャリア波以外のストレージ媒体を指す。命令826はまた、コンピュータデバイス800による命令826の実行中に、メインメモリ804内におよび/または処理デバイス802内に完全にまたは少なくとも部分的に存在することができ、メインメモリ804および処理デバイス802は、コンピュータ可読ストレージ媒体をも構成する。
【0083】
コンピュータ可読ストレージ媒体824はまた、モデル190と、モデル190をトレーニングするために使用されるデータとを記憶するために使用され得る。コンピュータ可読ストレージ媒体824は、モデル190を呼び出すメソッドを含んでいるソフトウェアライブラリをも記憶することができる。コンピュータ可読ストレージ媒体824は、例示的な実施形態において単一の媒体であることが示されているが、「コンピュータ可読ストレージ媒体」という用語は、命令の1つまたは複数のセットを記憶する単一の媒体または複数の媒体(たとえば、集中型または分散型データベース、ならびに/または関連するキャッシュおよびサーバ)を含むと解釈されるものとする。「コンピュータ可読ストレージ媒体」という用語はまた、機械による実行のための命令のセットを記憶または符号化することが可能であり、機械に本開示の方法論のうちのいずれか1つまたは複数を実施させる、任意の媒体を含むと解釈されるものとする。「コンピュータ可読ストレージ媒体」という用語は、したがって、限定はしないが、固体メモリと、光および磁気媒体とを含むと解釈されるものとする。
【0084】
先行する説明は、本開示のいくつかの実施形態の良好な理解を提供するために、特定のシステム、構成要素、方法の例など、多数の具体的な詳細を記載する。しかしながら、これらの具体的な詳細なしに本開示の少なくともいくつかの実施形態が実践され得ることは、当業者には明らかであろう。他の事例では、よく知られている構成要素または方法は、本開示を不必要に不明瞭にすることを回避するために、詳細に説明されないか、または単純なブロック図フォーマットで提示される。したがって、記載される具体的な詳細は例にすぎない。特定の実装形態は、これらの例示的な詳細から変動し、依然として、本開示の範囲内に入ることが企図され得る。
【0085】
本明細書全体にわたる、「1つの実施形態(one embodiment)」または「1つの実施形態(an embodiment)」への言及は、その実施形態に関して説明される特定の特徴、構造、または性質が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたる様々な場所における、「1つの実施形態では(in one embodiment)」または「1つの実施形態では(in an embodiment)」という句の出現は、必ずしもすべて同じ実施形態に言及するものとは限らない。さらに、「または(or)」という用語は、排他的な「または」ではなく、包含的な「または」を意味するものとする。「約(about)」または「約(approximately)」という用語が本明細書で使用されるとき、これは、提示された公称値が±10%以内の精度であることを意味するものとする。
【0086】
本明細書の方法の動作は、特定の順序で示され、説明されるが、各方法の動作の順序は、いくつかの動作が、少なくとも部分的に、他の動作と同時に実施され得るように、いくつかの動作が逆順序で実施され得るように、変えられ得る。別の実施形態では、別個の動作の命令またはサブ動作は、断続的なおよび/または交互の様式におけるものであり得る。
【0087】
上記の説明は、例示的なものであり、限定的なものではないことを理解されたい。多くの他の実施形態は、上記の説明を読み、理解すると、当業者には明らかであろう。したがって、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照しながら、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる等価物の全範囲とともに、決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】