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特表2024-528375酸化を軽減する隔離された環境をともなう内部シャフト領域を有する基板支持アセンブリ
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  • 特表-酸化を軽減する隔離された環境をともなう内部シャフト領域を有する基板支持アセンブリ 図1
  • 特表-酸化を軽減する隔離された環境をともなう内部シャフト領域を有する基板支持アセンブリ 図2A
  • 特表-酸化を軽減する隔離された環境をともなう内部シャフト領域を有する基板支持アセンブリ 図2B
  • 特表-酸化を軽減する隔離された環境をともなう内部シャフト領域を有する基板支持アセンブリ 図3
  • 特表-酸化を軽減する隔離された環境をともなう内部シャフト領域を有する基板支持アセンブリ 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】酸化を軽減する隔離された環境をともなう内部シャフト領域を有する基板支持アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20240723BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20240723BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20240723BHJP
   C23C 16/458 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/302 101G
H01L21/31 C
H01L21/68 R
C23C16/458
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571364
(86)(22)【出願日】2022-10-11
(85)【翻訳文提出日】2024-01-12
(86)【国際出願番号】 US2022046313
(87)【国際公開番号】W WO2023064299
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】63/254,809
(32)【優先日】2021-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/954,423
(32)【優先日】2022-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】パーケ, ヴィジェイ ディ.
【テーマコード(参考)】
4K030
5F004
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
4K030GA02
4K030KA05
4K030KA23
4K030KA41
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB25
5F004BB26
5F004BB29
5F004CA02
5F004CA04
5F004DA00
5F004DA01
5F004DA02
5F004DA04
5F004DA13
5F004DA16
5F004DA17
5F004DA18
5F004DA22
5F004DA23
5F004DA25
5F004DA26
5F045AA08
5F045DP03
5F045EF05
5F045EH05
5F045EM05
5F045EM09
5F045GB05
5F045GB06
5F131AA02
5F131BA01
5F131BA19
5F131CA02
5F131CA09
5F131CA17
5F131EA03
5F131EA04
5F131EA13
5F131EA23
5F131EB14
5F131EB16
5F131EB17
5F131EB18
5F131EB78
5F131EB79
5F131EB81
5F131EB82
5F131KA22
5F131KA23
(57)【要約】
基板支持アセンブリは、シャフト本体と、シャフト本体の上部部分に取り付けられたプレートと、シャフト本体の下部部分に取り付けられたプラグまたはキャップとを含む。シャフト本体、プレート、およびプラグまたはキャップは、隔離された環境を有する内部シャフト領域を画定する。内部シャフト領域は、真空環境であるか、または不活性ガスを含む。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフト本体と、
前記シャフト本体の上部部分に取り付けられたプレートと、
前記シャフト本体の下部部分に取り付けられたプラグまたはキャップと
を備える、基板支持アセンブリであって、
前記シャフト本体、前記プレート、および前記プラグまたはキャップが、隔離された環境を有する内部シャフト領域を画定し、
前記隔離された環境が、真空環境である、
基板支持アセンブリ。
【請求項2】
前記プレートが、静電チャックである、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項3】
前記プレートが、ヒータプレートである、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項4】
前記プレートが、金属材料またはセラミック材料のうちの少なくとも一方を含む、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項5】
前記プレートにろう付けされ、前記プラグまたはキャップを貫通して形成された電気コネクタと、
前記プレートにろう付けされ、前記プラグまたはキャップを貫通して形成された熱電対と
をさらに備え、
前記真空環境が、ろう付け酸化を減少させる、
請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項6】
前記内部シャフト領域が、前記真空環境を維持するために気密にシールされる、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項7】
前記内部シャフト領域が、前記真空環境を維持するために真空ポンプに接続されるように構成される、請求項1に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項8】
シャフト本体と、
前記シャフト本体の上部部分に取り付けられたプレートと、
前記シャフト本体の下部部分に取り付けられたプラグまたはキャップと
を備える、基板支持アセンブリであって、
前記シャフト本体、前記プレート、および前記プラグまたはキャップが、隔離された環境を有する内部シャフト領域を画定し、
前記隔離された環境が、不活性ガスを含む、
基板支持アセンブリ。
【請求項9】
前記プレートが、静電チャックである、請求項8に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項10】
前記プレートが、ヒータプレートである、請求項8に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項11】
前記プレートが、金属材料またはセラミック材料のうちの少なくとも一方を含む、請求項8に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項12】
前記内部シャフト領域が、前記隔離された環境内の前記不活性ガスを維持するために気密にシールされる、請求項8に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項13】
前記プレートにろう付けされ、前記プラグまたはキャップを貫通して形成された電気コネクタと、
前記プレートにろう付けされ、前記プラグまたはキャップを貫通して形成された熱電対と
をさらに備え、
前記不活性ガスが、ろう付け酸化を減少させる、
請求項8に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項14】
前記電気コネクタに接続された前記内部シャフト領域内の第1の接続部と、
前記熱電対に接続された前記内部シャフト領域内の第2の接続部と
をさらに備える、請求項13に記載の基板支持アセンブリ。
【請求項15】
基板支持アセンブリであって、
シャフト本体と、
前記シャフト本体の上部部分に取り付けられたプレートと、
前記シャフト本体の下部部分に取り付けられたプラグまたはキャップと
を備え、
前記シャフト本体、前記プレート、および前記プラグまたはキャップが、隔離された環境を有する内部シャフト領域を画定し、
前記隔離された環境が、真空環境である、
基板支持アセンブリ
を備える、処理チャンバ。
【請求項16】
前記プレートが、静電チャックまたはヒータプレートである、請求項15に記載の処理チャンバ。
【請求項17】
前記プレートが、金属材料またはセラミック材料のうちの少なくとも一方を含む、請求項15に記載の処理チャンバ。
【請求項18】
前記プレートに取り付けられ、前記プラグまたはキャップを貫通して形成された電気コネクタと、
前記プレートに取り付けられ、前記プラグまたはキャップを貫通して形成された熱電対と
をさらに備え、
不活性ガスまたは前記真空環境が、ろう付け酸化を減少させる、
請求項15に記載の処理チャンバ。
【請求項19】
前記内部シャフト領域が、前記真空環境を維持するために気密にシールされる、請求項15に記載の処理チャンバ。
【請求項20】
前記基板支持アセンブリに動作可能に結合された真空ポンプと、
前記真空ポンプおよび前記基板支持アセンブリに動作可能に結合された圧力センサであって、
前記内部シャフト領域内の圧力測定値を取得し、
前記圧力測定値がしきい値圧力測定値を超えるかどうかを判断し、
前記圧力測定値が前記しきい値圧力測定値を超えると判断したことに応じて、前記内部シャフト領域の外へ空気を排出するために前記真空ポンプをトリガする
ためのものである、圧力センサと
をさらに備える、請求項15に記載の処理チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に、基板処理に関し、特に、酸化を軽減する隔離された内部シャフト領域を有する基板支持アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイス製造装置は、プロセスチャンバおよびロードロックチャンバなどの複数のチャンバを含むことが可能である。このような電子デバイス製造装置は、複数のチャンバ同士の間で基板を輸送するように構成される移送チャンバ内で、ロボット装置を利用することが可能である。いくつかの事例では、複数の基板が一緒に移送される。プロセスチャンバが、堆積プロセスおよびエッチプロセスなどの、1つまたは複数のプロセスを基板上で実行するために、電子デバイス製造装置において使用されることがある。
【発明の概要】
【0003】
いくつかの実施形態では、基板支持アセンブリが提供される。上記基板支持アセンブリは、シャフト本体と、上記シャフト本体の上部部分に取り付けられたプレートと、上記シャフト本体の下部部分に取り付けられたプラグまたはキャップとを含む。上記シャフト本体、上記プレートおよび上記プラグまたはキャップが、隔離された環境を有する内部シャフト領域を画定する。上記内部シャフト領域が、真空環境である。
【0004】
いくつかの実施形態では、基板支持アセンブリが提供される。上記基板支持アセンブリは、シャフト本体と、上記シャフト本体の上部部分に取り付けられたプレートと、上記シャフト本体の下部部分に取り付けられたプラグまたはキャップとを含む。上記シャフト本体、上記プレートおよび上記プラグまたはキャップが、隔離された環境を有する内部シャフト領域を画定する。上記内部シャフト領域が、不活性ガスを含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、処理チャンバが提供される。上記処理チャンバは、基板支持アセンブリを含む。上記基板支持アセンブリが、シャフト本体と、上記シャフト本体の上部部分に取り付けられたプレートと、上記シャフト本体の下部部分に取り付けられたプラグまたはキャップとを含む。上記シャフト本体、上記プレートおよび上記プラグまたはキャップが、隔離された環境を有する内部シャフト領域を画定する。上記内部シャフト領域が、真空環境である。
【0006】
数多くの他の態様および特徴が、本開示のこれらの実施形態および他の実施形態にしたがって提供される。本開示の実施形態の他の特徴および態様は、下記の詳細な説明、特許請求の範囲、および添付の図面から、より十分に明らかになるであろう。
【0007】
本発明が、限定ではなく例として図示され、添付の図面の図では、同じような参照符号が類似の要素を示す。この開示では「ある(an)」実施形態または「1つの(one)」実施形態への異なる言及は、必ずしも同じ実施形態に対してではなく、このような言及は、少なくとも1つを意味することに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】処理チャンバの1つの実施形態の断面図である。
図2A】いくつかの実施形態による、処理チャンバ内での使用のための基板支持アセンブリの図である。
図2B】いくつかの実施形態による、処理チャンバ内での使用のための基板支持アセンブリの図である。
図3】いくつかの実施形態による、真空を維持するためのシステムのブロック図である。
図4】いくつかの実施形態による、真空を維持するための例示的方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書において説明するものは、隔離された環境をともなう内部シャフト領域を有する、チャック(例えば、静電チャック)およびヒータの実施形態である。チャックおよび/またはヒータのための内部シャフト領域の隔離された環境は、酸化および/またはプレート変形を防止するために真空で維持されるか、または不活性ガスで満たされる。
【0010】
プロセスチャンバ(例えば、堆積チャンバ、エッチチャンバ、等)内で使用されるチャック(例えば、静電チャック)およびヒータなどの基板支持アセンブリは、一般に、チャックまたはヒータの底部にシャフトを有する。慣習的に、シャフトの内表面は空気に曝される。空気(例えば、酸素)へのシャフトの内部表面の曝露は、シャフトの少なくとも一部分が経時的に酸化されることを引き起こす。加えて、ヒータおよびチャックは、処理中にしばしば加熱され、シャフトの長さを変化させる。上記は、内部シャフト領域の内側および/または内部シャフト領域とシャフトを囲む外部環境との間の温度勾配および/または圧力勾配に少なくとも部分的に帰することがある。例えば、温度差が、内部シャフト領域に存在することがあり、そこでは内部シャフト領域の頂部が内部シャフト領域の底部よりも高い温度であり、そして圧力差が、内部シャフト領域と外部環境との間に存在することがある。その上、プレート変形(例えば、ヒータプレートなどのプレートの膨張、反りおよび/または伸長)が、材料の降伏強度よりもまだ低いが高いレベルの応力への長期間の曝露の結果としてプロセスチャンバ内の環境条件(例えば、高温条件および/または高圧条件)のために生じることがある。プレート変形は、特に材料がその融点に近づき軟化するので、長期間にわたり熱を受ける材料ではより深刻であり得る。例えば、アルミニウム(Al)などの金属材料から作られたプレートは、350℃を超える温度での圧力差に起因する変形を特に受けやすいことがあり得る。
【0011】
少なくとも上に記した欠点に対処するために、本明細書において説明する実施形態は、隔離された環境を有する内部シャフト領域を有する、静電チャックまたはヒータなどの基板支持アセンブリを提供する。隔離された環境は、真空に維持されるか、または不活性ガスで満たされることのいずれかである。シャフトの内側の隔離された環境を真空に維持することまたは不活性ガスで満たすことによって、シャフトの内部の酸化および/またはシャフトの内部のプレート変形が防止されるか、または軽減されることが可能である。例えば、変形を受けることがあり得る材料から作られたプレート(例えば、Alプレート)を有するヒータに関して、少なくとも真空は熱伝導性が低く、空気のないことが内部シャフト領域内で酸化が生じることを防止するという理由で、内部シャフト領域は、内部シャフト領域内のプレート変形および酸化(例えば、ろう付け酸化)を減少させるか、または排除するために、真空状態で維持されることが可能である。もう1つの例として、変形に敏感でないことがある材料(例えば、セラミック材料)から作られたプレートを有する静電チャックに関して、不活性ガスが、内部シャフト領域内の酸化を減少させるか、または排除するために、内部シャフト領域に維持されることが可能である。
【0012】
図1は、中に配置された基板支持アセンブリ148を有する処理チャンバ100の1つの実施形態の断面図である。処理チャンバ100は、チャンバ本体102と、内部容積106を閉じ込める蓋104を含む。チャンバ本体102は、アルミニウム、ステンレス鋼または他の好適な材料から製造されることがある。チャンバ本体102は、側壁108および底部110を一般に含む。外側ライナ116は、チャンバ本体102を保護するために側壁108に隣接して配置されることがある。外側ライナ116は、耐プラズマまたは耐ハロゲン含有ガス材料で製造されるおよび/またはコーティングされることがある。1つの実施形態では、外側ライナ116は、酸化アルミニウムから製造される。もう1つの実施形態では、外側ライナ116は、イットリア、イットリウム合金またはその酸化物から製造されるかまたはコーティングされる。
【0013】
排気口126が、チャンバ本体102に画定されることがあり、内部容積106をポンプシステム128に結合することができる。ポンプシステム128は、処理チャンバ100の内部容積106を排気しそして圧力を調整するために利用される1つまたは複数のポンプおよびスロットル弁を含むことができる。
【0014】
蓋104は、チャンバ本体102の側壁108上に支持されることがある。蓋104は、処理チャンバ100の内部容積106への出入りを可能にするために開かれることがあり、閉じている間は処理チャンバ100のためのシールを提供できる。ガスパネル158が、処理チャンバ100に結合されることがあり、蓋104の一部であるガス分配アセンブリ130を通して内部容積106へプロセスガスおよび/またはクリーニングガスを提供する。処理ガスの例は、とりわけ、C、SF、SiCl、HBr、NF、CF、CHF、CH、ClおよびSiFなどのハロゲン含有ガス、およびOまたはNOなどの他のガスを含め処理チャンバ内で処理するために使用されることがある。キャリアガスの例は、N、He、Ar、およびプロセスガスに対して不活性な他のガス(例えば、非反応性ガス)を含む。ガス分配アセンブリ130は、基板144の表面へガス流を向けるためにガス分配アセンブリ130の下流表面に複数の開孔部132を有することができる。加えて、ガス分配アセンブリ130は、ガスがセラミックガスノズルを通って供給される中心穴を有することが可能である。ガス分配アセンブリ130は、ガス分配アセンブリ130を腐食から防ぐためハロゲン含有化学物質への耐性を提供するために炭化ケイ素、イットリア等などのセラミック材料により製造されるおよび/またはコーティングされることがある。
【0015】
基板支持アセンブリ148は、ガス分配アセンブリ130より下の処理チャンバ100の内部容積106に配置される。基板支持アセンブリ148は、処理中に基板144を保持する。内側ライナ118が、基板支持アセンブリ148の外周部にコーティングされることがある。内側ライナ118は、外側ライナ116に関連して論じたものなどの耐ハロゲン含有ガス材料であってもよい。1つの実施形態では、内側ライナ118は、外側ライナ116のものと同じ材料から製造されてもよい。
【0016】
1つの実施形態では、基板支持アセンブリ148は、静電チャック150に接続されたシャフト152を支持する取付板162を含む。静電チャック150は、接合部138を介してセラミック体(静電パック166またはセラミックパックと呼ばれる)に接合された熱伝導性ベース164を含むことも含まないこともある。静電パック166は、窒化アルミニウム(AlN)または酸化アルミニウム(Al)などのセラミック材料により製造されることがある。取付板162は、チャンバ本体102の底部110に結合されることがあり、熱伝導性ベース164および静電パック166へのユーティリティ(例えば、流体、電力線、センサリード、等)のルーティングのための通路を含むことができる。1つの実施形態では、取付板162は、プラスチック板、設備板および/またはカソードベースプレートを含む。
【0017】
熱伝導性ベース164および/または静電パック166は、基板支持アセンブリ148の横方向温度プロファイルを制御するために1つまたは複数の任意選択の埋込型加熱素子176、埋込型断熱材174および/またはコンジット168、170を含むことができる。断熱材174(熱ブレークとも呼ばれる)は、示したように、熱伝導性ベース164の上側表面から熱伝導性ベース164の下側表面へ向かって延びる。コンジット168、170は、コンジット168、170を通る温度調整用流体を循環させる流体源172に流体結合されることがある。
【0018】
埋込型断熱材174は、1つの実施形態ではコンジット168、170の間に配置されてもよい。ヒータ176は、ヒータ電源178により調整される。コンジット168、170およびヒータ176は、熱伝導性ベース164の温度を制御するために利用されることがあり、それによって静電パック166および処理される基板(例えば、ウエハ)を加熱するおよび/または冷却する。静電パック166および熱伝導性ベース164の温度は、複数の温度センサ190、192を使用してモニタされることがあり、上記温度センサはコントローラ195を使用してモニタされることがある。
【0019】
静電パック166は、静電パック166の上側表面に形成されることがある溝、メサおよび他の表面フィーチャーなどの多数のガス通路をさらに含むことができる。ガス通路は、パック166に開けられた穴を介してHeなどの熱伝導性ガスの供給源に流体結合されることがある。動作中、ガスは、静電パック166と基板144との間の熱伝達を高めるためにガス通路へと制御された圧力で供給されることがある。
【0020】
静電パック166は、チャック電源182により制御される少なくとも1つのクランプ電極180を含む。クランプ電極180(または静電パック166もしくは熱伝導性ベース164に配置された他の電極)は、処理チャンバ100内のプロセスガスおよび/または他のガスから形成されるプラズマを維持するためマッチング回路188を通して1つまたは複数のRF電源184、186にさらに結合されることがある。電源184、186は、一般に、約50kHzから約3GHzまでの周波数および最大で約10,000ワットまでの出力を有するRF信号を生成することが可能である。
【0021】
シャフト152は、接合、ろう付けまたは溶接により静電チャック150に接合されることがある。(例えば、埋込型加熱素子176、温度センサ190、192、クランプ電極180、等を接続するための)1本または複数のケーブルが、示したように、シャフト152の内部を通り抜けることがある。シャフト152の内部、また内部シャフト領域とも呼ばれる、は、プロセスチャンバ100により実行されるプロセス実行中におよび/またはプロセス実行同士の間に維持される隔離された環境を有する。いくつかの実施形態では、隔離された環境は、真空環境である。いくつかの実施形態では、隔離された環境は、1種または複数種の不活性ガスを含む。例えば、1種または複数種の不活性ガスは、不活性ガス混合物を含むことが可能である。真空環境または不活性ガスは、下記に非常に詳細に論じられるように、(例えば、シャフト152の内部にある露出したろう付け金属などの)シャフト152の内部が酸化されるようになることを防止できるならびに/またはシャフト152および/もしくは静電チャック150の内部が変形されるようになることを防止できる。
【0022】
図2Aは、いくつかの実施形態による、プロセスチャンバ内での使用のための基板支持アセンブリ200の断面図を描く。図2Bは、基板支持アセンブリ200の底部部分の斜視図を描く(プレートを示していない)。例えば、基板支持アセンブリ200は、図1の処理チャンバ100内で使用されてもよい。いくつかの実施形態では、基板支持アセンブリ200は、ヒータを含む。いくつかの実施形態では、基板支持アセンブリ200は、1つまたは複数の埋込型加熱素子を含むことができる静電チャックを含む。
【0023】
示したように、基板支持アセンブリ200は、プレート210を含む。プレート210は、基板またはウエハを受けるように構成される。例えば、プレート210は、円形の基板を受けるために上から下への画法で見られるような円形の形状を有することが可能である。プレート210は、埋込型ヒータを含むことが可能である。プレート210は、本明細書において説明される実施形態にしたがって、任意の好適な材料から形成されることが可能である。いくつかの実施形態では、プレート210は、金属材料を含む。例えば、プレート210は、アルミニウム(Al)またはAl合金を含むまたは構成されることが可能である。いくつかの実施形態では、プレート210はセラミック材料を含む。例えば、プレート210は、窒化アルミニウム(例えば、AlN)、酸化アルミニウム(例えば、Al)、および/または別のセラミックを含むまたは構成されることが可能である。いくつかの実施形態では、プレート210は、ヒータの1つまたは複数のヒータ電極を含むヒータプレートである。そのような実施形態では、プレート210は、アルミニウムプレートなどの金属プレートであってもよい。1つの実施形態では、ヒータプレートは、1つの大きなヒータ電極である。いくつかの実施形態では、プレート210は、静電チャックなどのチャックのセラミックプレートである。そのような実施形態では、プレート210は、1つもしくは複数のチャック電極、プラズマプロセス用のRF電界を維持するための1つもしくは複数のRF電極、および/または1つもしくは複数のヒータ電極を含んでもよい。
【0024】
プレート210は、シャフト本体215に取り付けられる。より具体的には、プレート210は、シャフト本体215(例えば、シャフト本体215の脚または側壁217に)溶接されるか、またはろう付けされることが可能である。実施形態では、シャフト本体215(例えば、シャフト本体215の脚または側壁217)は、(シャフト本体215のベース部分219を形成することがある)フランジに溶接されるか、またはろう付けされることが可能である。例えば、シャフト本体215は、上から下への画法で見られるような円形形状を有することが可能である。シャフト本体215は、任意の好適な材料から形成されることが可能である。例えば、シャフト本体215は、金属材料(例えば、AlまたはAl合金)から形成されることが可能である。
【0025】
シャフト本体215の底部は、シャフト本体215の側壁または脚217とシャフト本体215のベース部分219との間に形成されたプラグ220と接触している。あるいは、キャップが、シャフト本体215の側壁または脚217を覆って形成されることがある。プラグ220(またはキャップ)は、シャフト本体215の脚または側壁217にろう付けされるか、または溶接されることが可能である。1つの実施形態では、プラグ220(またはキャップ)は、ベース部分219に接合される(例えば、ろう付けされるか、または溶接される)。プレート210、シャフト本体215およびプラグ220(またはキャップ)は、それ自体の隔離された環境を有する内部シャフト領域230を全体として形成する。下記でさらに詳細に説明されるように、プラグ220またはキャップは、内部シャフト領域230を周囲雰囲気から分離し、内部シャフト領域230を隔離された環境であるようにする。
【0026】
内部シャフト領域230内では、多数の電気コネクタ240-1と240-2および/または熱電対250が、プレート210に取り付けられることがあり、プラグ220またはキャップを貫通して形成されることがある。電気コネクタ240-1、240-2および/または熱電対250は、実施形態ではプレート210内の電極に接続することがある。電気コネクタ240-1と240-2は、プレート210(例えば、埋込型ヒータ)におよび/またはプレート210内の電極に電力を供給することがある。熱電対250は、プレート210の温度を制御するためにプレート210の温度を測定するためのフィードバックループを利用可能にすることがある。電気コネクタ240-1と240-2は、絶縁性材料(例えば、セラミック材料)によりカプセル化されることが可能である導電性(例えば、金属)ロッドまたはチューブから形成されることが可能である。電気コネクタ240-1と240-2および熱電対250は、中実もしくは非中空ロッドまたはチューブからそれぞれ形成されることが可能である。電気コネクタ240-1と240-2および熱電対240は、好適なろう付け材料(例えば、ろう付け合金)を使用してプレート210にろう付けされることが可能である。
【0027】
電気コネクタ240-1と240-2および/または熱電対250のうちの少なくとも1つは、調節できる長さを可能にするためにフレキシブルな接続部を有するように形成されることが可能である。内部シャフト領域230内にさらに示されるように、多数の接続部260-1から260-3が、電気コネクタ240-1と240-2および熱電対250のうちのそれぞれ1つに各々が対応して設けられる。例えば、接続部260-1から260-3は、電気コネクタ240-1と240-2および熱電対250を受けるばね状の物体であってもよく、基板支持アセンブリ200の動きに対して伸縮できる。いくつかの実施形態では、接続部260-1から260-3は、マルチラム(multilam)接続部である。
【0028】
基板支持アセンブリ200の動作中には、動作温度が、非常に高い(例えば、400℃を超える)ことがある。プレート210がそのような高温下で変形を受けやすい材料(例えば、Alなどの金属)から形成される場合には、内部シャフト領域230内のならびに/または内部シャフト領域230と外部シャフト領域および/もしくは基板支持アセンブリ200を含むプロセスチャンバの内部との間の圧力差および/もしくは温度差が、プレート210を変形させることがある。このシナリオに対処するために、内部シャフト領域230は、動作中のプレート210の変形を防止するために、十分に低い圧力環境、真空環境と呼ばれる、に維持されることが可能である。内部シャフト領域230の圧力は、基板支持アセンブリ200が据え付けられるプロセスチャンバ内で維持される圧力と同じ圧力または類似の圧力で維持されることがある。これが、内部シャフト領域とプロセスチャンバの内部との間の圧力差を軽減することがある。例えば、図3を参照して下記にさらに詳細に説明されるように、基板支持アセンブリ200は、内部シャフト領域230内の真空を維持するため真空ポンプに動作可能に結合されることが可能である。プラグ220またはキャップは、真空ポンプにコンジットを介して結合されるチャネルまたはポンピングポートを含むことができる。ポンピングポートを通して、真空ポンプは、目標圧力(例えば、目標真空圧力)まで内部シャフト領域230を真空引きすることがある。あるいは、内部シャフト領域230は、プラグ220またはキャップにより気密にシールされることがあり、気密にシールすることに先立って真空または真空に近い圧力レベルまで真空引きされていることがある。いくつかの実施形態では、内部シャフト領域230内の圧力は、約0ミリトール(mTorr)から約3mTorrまでであってもよい。
【0029】
加えて、基板支持アセンブリ200の動作中に、内部シャフト領域230内の雰囲気ガスの存在に起因する酸化の効果が、内部シャフト領域230内の1つまたは複数の部品を腐食することがある。例えば、ろう付け酸化は、プレート210に電気コネクタ240-1と240-2および/または熱電対250を接続するために使用されるろう付け接続部に関して生じることがある。上に説明した十分に低い圧力環境(例えば、真空環境)で内部シャフト領域230を維持することは、内部シャフト領域230から雰囲気ガスの相当な量を除去することによって酸化をさらに防止でき、内部シャフト領域230上のろう付け部とのこれらのガスの相互反応を防止する。
【0030】
あるいは、内部シャフト領域230内を十分に低い圧力環境に維持することの代わりに、内部シャフト領域230は、経時的にろう付け接続部を腐食しない少なくとも1種の不活性ガスで満たされることが可能である。例えば、少なくとも1種の不活性ガスは、多数の不活性ガスを含む不活性ガス混合物であってもよい。より具体的には、不活性ガスは、酸素および/またはハロゲンのないガスであってもよい。不活性ガスの例は、窒素(N)、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、ラドン(Rn)、等などの貴ガスを含む。十分に低い圧力環境を維持することの代わりの不活性ガスまたは不活性ガス混合物の使用は、低温環境などのプレート変形が心配ではない状況で、または高温において変形を受けないプレート材料(例えば、プレート210がセラミック材料から形成される場合)に関して特に有用なことがある。いくつかの実施形態では、内部シャフト領域230は、内部シャフト領域230内に低圧環境または真空環境を作り出した後に(例えば、真空引きした後に)不活性ガス混合物を満たし戻される。
【0031】
プラグ220(またはキャップ)は、雰囲気ガスが内部シャフト領域230へ入ることおよび/または不活性ガス混合物が内部シャフト領域230から出ることを防止するために内部シャフト領域230をシールするように形成されることが可能である。加えて、電気コネクタ240-1と240-2および熱電対250の形成に対応しプラグ220(またはキャップ)を貫通するスルーホールは、雰囲気ガスが内部シャフト領域230へ入ることおよび/または不活性ガス混合物が内部シャフト領域230から出ることを防止するためにシールされる。例えば、内部シャフト領域230は、恒久的な真空を含むように製造されることが可能である。
【0032】
図3は、いくつかの実施形態による、真空を維持するためのシステム300である。示したように、システム300は、図2の内部シャフト領域230を有する基板支持アセンブリ200を含む。さらに示したように、システムは、真空ポンプ320を含む。真空ポンプ320は、内部シャフト領域230内の十分に低い圧力環境を維持するために基板支持アセンブリ200のポンピングポートに結合されたホースを含むことが可能である。いくつかの実施形態では、さらに示したように、システム300は、基板支持アセンブリ200および真空ポンプ320に動作可能に結合された圧力センサ330をさらに含むことが可能である。圧力センサ330は、内部シャフト領域230内の圧力測定値を取得でき、圧力測定値がしきい値圧力測定値を超えるかどうかを判断でき、そして圧力測定値がしきい値圧力測定値を超えることを判断したことに応じて内部シャフト領域230の外へ空気を排出するために真空ポンプをトリガすることが可能である。しきい値圧力測定値は、酸化および/またはプレート変形を防止するための最大の許容可能圧力として選択されることが可能である。いくつかの実施形態では、しきい値圧力測定値は、約0mTorrから約3mTorrまでの範囲で選択される。例えば、しきい値圧力測定値は、測定値が1mTorrを超えることを圧力センサ330が判断したことに応じて真空がトリガされる(例えば、オンに切り替えられる)ように、1mTorrであってもよい。
【0033】
図4は、いくつかの実施形態による、真空を維持するための例示的方法400のフローチャートを描く。例えば、方法400は、図3を参照して上に説明した圧力センサ330などの圧力センサにより実行されることが可能である。
【0034】
ブロック410では、内部シャフト領域内の圧力測定値が取得される。より具体的には、内部シャフト領域内の圧力が、圧力測定値を取得するための圧力センサによりモニタされることが可能である。
【0035】
ブロック420では、圧力測定値がしきい値圧力測定値を超えるかどうかが判断される。しきい値圧力測定値は、酸化および/またはプレート変形を防止するための最大の許容可能圧力として選択されることが可能である。いくつかの実施形態では、しきい値圧力測定値は、約0mTorrから約3mTorrまでの範囲内で選択される。例えば、しきい値圧力測定値は、1mTorrであってもよい。
【0036】
圧力測定値がしきい値圧力測定値を超えない(例えば、圧力測定値がしきい値圧力測定値以下である)場合には、これは、圧力測定値が酸化および/またはプレート変形を防止するための最大の許容可能圧力を超えないことを意味する。したがって、プロセスは、内部シャフト領域内の圧力をモニタし続けるためにブロック410へ逆戻りできる。
【0037】
そうでなければ、圧力測定値がしきい値圧力測定値を超える(例えば、圧力測定値がしきい値圧力測定値よりも大きい)場合には、これは、酸化および/またはプレート変形のリスクがあることを意味する。内部シャフト領域内の圧力を低下させるために、ブロック430では、真空ポンプが内部シャフト領域の外へ空気を排出するためにトリガされることが可能である。真空ポンプは、内部シャフト領域内の十分に低い圧力環境を維持するために基板支持アセンブリのポンピングポートに結合されたホースを含むことが可能である。より具体的には、真空ポンプは、内部シャフト領域の圧力を目標圧力(例えば、目標真空圧力)まで低下させることが可能である。内部シャフト領域内の圧力が低下された後で、圧力モニタプロセスは、ブロック410で再スタートできる。
【0038】
先の説明は、本発明のいくつかの実施形態の良い理解を提供するために、具体的なシステム、構成要素、方法、等の例などの数多くの具体的な詳細を記述する。しかしながら、本発明の少なくともいくつかの実施形態がこれらの具体的な詳細を用いずに実行されてもよいことが当業者には明らかであろう。他の事例では、よく知られた構成要素または方法は、本発明を不必要に不明瞭にすることを避けるために、詳細には説明されないか、または簡単なブロック図の形式で表示される。このように、記述した具体的な詳細は、単に例示に過ぎない。特定の実施形態は、これらの例示的な詳細から変わってもよく、本発明の範囲内になると依然として考えられる。
【0039】
この明細書の全体を通して「1つの(one)実施形態」または「ある(an)実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。このように、この明細書の全体を通して様々な場所で「1つの実施形態では」または「ある実施形態では」という句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を参照していない。加えて、「or(または)」という用語は、排他的「or(または)」というよりはむしろ包括的「or(または)」を意味するものである。「約」または「ほぼ」という用語が本明細書において使用されるときには、これは、提示した公称値が正確に±25%以内であることを意味するものである。
【0040】
本明細書では方法の処理が特定の順番で示されそして説明されるとはいえ、各々の方法の処理の順番は、ある種の処理が逆の順番で実行されてもよいように、またはある種の処理が少なくとも部分的に他の処理と同時に実行されてもよいように変えられてもよい。もう1つの実施形態では、別個の処理の命令または下位処理は、間欠的におよび/または交互の方式であってもよい。
【0041】
上記の説明が例示的なものであり限定的なものではないことを理解されたい。多くの他の実施形態は、上記の説明を読みそして理解すると当業者には明らかであろう。発明の範囲は、それゆえに、別記の特許請求の範囲が権利を与える等価物の完全な範囲とともに、別記の特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。
図1
図2A
図2B
図3
図4
【国際調査報告】