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特表2024-528395分割読み出しポートラッチアレイビットセル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-07-30
(54)【発明の名称】分割読み出しポートラッチアレイビットセル
(51)【国際特許分類】
   G11C 11/412 20060101AFI20240723BHJP
   H01L 21/82 20060101ALI20240723BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
G11C11/412 120
H01L21/82 B
H01L27/04 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575962
(86)(22)【出願日】2022-07-08
(85)【翻訳文提出日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 US2022036525
(87)【国際公開番号】W WO2022272184
(87)【国際公開日】2022-12-29
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VERILOG
(71)【出願人】
【識別番号】591016172
【氏名又は名称】アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ADVANCED MICRO DEVICES INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100111615
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 良太
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】アリジット バナージー
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ジェイ. ウー
(72)【発明者】
【氏名】ラッセル シュレイバー
【テーマコード(参考)】
5B015
5F038
5F064
【Fターム(参考)】
5B015JJ37
5B015KA07
5B015KA09
5B015KA38
5B015NN01
5B015PP08
5F038CA02
5F038CA03
5F038CA06
5F038CA18
5F038DF05
5F064AA04
5F064BB07
5F064BB12
5F064BB19
5F064CC12
5F064DD03
5F064DD10
5F064DD15
5F064DD18
5F064DD20
5F064DD26
5F064HH12
(57)【要約】
メモリアクセスの効率的なフロアプランニング、電力及び性能トレードオフを提供するための装置及び方法が開示される。アレイの列内の隣接するビットセルは、ビットセルが読み出しビット線を共有しない一方で書き込みビット線を共有するように、分割読み出しポートを使用する。隣接するビットセルは、対応するビットセルのラッチ回路によって記憶されたデータを対応する読み出しビット線に伝達する非対称読み出しアクセス回路を含む。隣接するビットセルのレイアウトは、隣接するビットセルの各々のレイアウト内の金属ゲートの最大数の合計を隣接するビットセルの数で除算したものよりも少ない、ビットセル当たりのコンタクトゲートピッチ数を提供する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路であって、
複数の行及び複数の列として配列された、データを記憶するためのメモリビットセルのアレイであって、
前記行の第1の部分は、第1の読み出しビット線に接続されており、第2の読み出しビット線に接続されておらず、
前記行の第2の部分は、前記第2の読み出しビット線に接続されており、前記第1の読み出しビット線に接続されていない、メモリビットセルのアレイを備え、
前記メモリビットセルのアレイは、第1のメモリビットセルを備える前記第1の部分の行をターゲットとする第1の読み出し動作の指標を受信することに応じて、第1の非対称読み出しアクセス回路を介して、前記第1のメモリビットセルに記憶された第1のデータを前記第1の読み出しビット線に伝達するように構成されている、
回路。
【請求項2】
前記複数の行のうち前記第1の部分は、前記複数の行のうち奇数番号の行を備え、
前記複数の行のうち前記第2の部分は、前記複数の行のうち偶数番号の行を備える、
請求項1の回路。
【請求項3】
前記メモリビットセルのアレイは、第2のメモリビットセルを備える前記第2の部分の行をターゲットとする第2の読み出し動作を受信することに応じて、n型トランジスタよりも多くのp型トランジスタを備える第2の非対称読み出しアクセス回路を介して、前記第2のメモリビットセルに記憶された第2のデータを前記第2の読み出しビット線に伝達するように構成されている、
請求項1の回路。
【請求項4】
前記メモリビットセルのアレイは、同じクロックサイクルにおいて、前記第1のデータ及び前記第2のデータを伝達するように構成されている、
請求項3の回路。
【請求項5】
前記第2の非対称読み出しアクセス回路は、p型トランジスタのみを備える、
請求項3の回路。
【請求項6】
前記回路は、前記第2の読み出しビット線を接地基準レベルにプリチャージするように構成されたプリチャージ回路を備える、
請求項5の回路。
【請求項7】
前記第2の非対称読み出しアクセス回路は、前記データ記憶回路によって記憶された前記データの相補値をゲート端子において受信するように構成された第1のp型トランジスタを備える、
請求項5の回路。
【請求項8】
前記第2の非対称読み出しアクセス回路は、前記第1のp型トランジスタと直列に接続された第2のp型トランジスタを備え、
前記第2のp型トランジスタは、
ゲート端子において、前記第2の読み出し動作の前記指標として読み出しワード線を受けることと、
ドレイン端子において、前記第2の読み出しビット線を受けることと、
を行うように構成されている、
請求項7の回路。
【請求項9】
方法であって、
複数の行及び複数の列として配列されたメモリビットセルのアレイにデータを記憶することであって、
前記行の第1の部分は、第1の読み出しビット線に接続されており、第2の読み出しビット線に接続されておらず、
前記行の第2の部分は、前記第2の読み出しビット線に接続されており、前記第1の読み出しビット線に接続されていない、ことと、
第1のメモリビットセルを備える前記第1の部分の行をターゲットとする第1の読み出し動作の指標を受信することに応じて、第1の非対称読み出しアクセス回路を介して、前記第1のメモリビットセルに記憶された第1のデータを前記第1の読み出しビット線に伝達することと、を含む、
方法。
【請求項10】
前記複数の行のうち前記第1の部分は、前記複数の行のうち奇数番号の行を備え、
前記複数の行のうち前記第2の部分は、前記複数の行のうち偶数番号の行を備える、
請求項9の方法。
【請求項11】
前記方法は、第2のメモリビットセルを備える前記第2の部分の行をターゲットとする第2の読み出し動作を受信することに応じて、n型トランジスタよりも多くのp型トランジスタを備える第2の非対称読み出しアクセス回路を介して、前記第2のメモリビットセルに記憶された第2のデータを前記第2の読み出しビット線に伝達することを含む、
請求項9の方法。
【請求項12】
前記メモリビットセルのアレイが、同じクロックサイクルにおいて、前記第1のデータ及び前記第2のデータを伝達することを含む、
請求項11の方法。
【請求項13】
前記第2の非対称読み出しアクセス回路は、p型トランジスタのみを備える、
請求項11の方法。
【請求項14】
前記第2の読み出しビット線を接地基準レベルにプリチャージすることを含む、
請求項13の方法。
【請求項15】
標準セルレイアウトであって、
複数のメモリビットセルを備え、
第1のメモリビットセル及び第2のメモリビットセルを含む前記複数のメモリビットセルのうち隣接するメモリビットセルの所定のレイアウトは、
前記所定のレイアウトの外側エッジ上の複数の金属ゲートであって、各々が、書き込みワード線及び前記書き込みワード線の相補値のうち何れかを受け取るように構成されている、複数の金属ゲートと、
前記第1のメモリビットセルの少なくとも読み出しワード線を受け取るように構成された、n型拡散のみに存在する第1の複数の金属ゲートと、を備える、
標準セルレイアウト。
【請求項16】
前記所定のレイアウトは、前記隣接するメモリビットセルの各々のレイアウト内の金属ゲートの最大数の合計を前記隣接するビットセルの数で除算したものよりも少ない、ビットセル当たりのコンタクトゲートピッチ数を含む、
請求項15の標準セルレイアウト。
【請求項17】
前記所定のレイアウトは、前記第2のメモリビットセルの少なくとも読み出しワード線を受け取るように構成されたp型拡散のみに存在する第2の複数の金属ゲートを備え、前記第2の複数の金属ゲートは、前記第1の複数の金属ゲートと同じトラックに整列されている、
請求項16の標準セルレイアウト。
【請求項18】
前記第1のメモリビットセルは、前記所定のレイアウトの最も外側のエッジ間の前記第1のメモリビットセルの第1のエッジにおいてp型拡散及びn型拡散の両方に配置された第1のダミーゲートを備える、
請求項17の標準セルレイアウト。
【請求項19】
前記第2のメモリビットセルは、前記所定のレイアウトの最も外側のエッジ間の前記第2のメモリビットセルの第2のエッジにおいてp型拡散及びn型拡散の両方に配置された第2のダミーゲートを備え、前記第1のエッジ及び前記第2のエッジは、前記所定のレイアウトの異なるトラックと整列されている、
請求項18の標準セルレイアウト。
【請求項20】
前記第1のメモリビットセル及び前記第2のメモリビットセルは、読み出しビット線を共有しない、
請求項18の標準セルレイアウト。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連技術の説明)
一般に、様々な半導体チップは、メモリに結合された少なくとも1つの処理ユニットを含む。処理ユニットは、命令及びデータをフェッチし、命令を復号し、命令を実行し、結果を記憶することによって、命令(又はコマンド)を処理する。処理ユニットは、命令をフェッチし、データをフェッチし、計算の結果を記憶するために、メモリアクセス要求をメモリに送信する。処理ユニットの例は、中央処理ユニット(central processing unit、CPU)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)、マルチメディアエンジン、グラフィックス処理ユニット(graphics processing unit、GPU)及びディジタル信号プロセッサ(digital signa processor、DSP)等の高度な並列マイクロアーキテクチャを備える処理ユニットである。いくつかの設計では、処理ユニット及びメモリは、システムオンチップ(system-on-a-chip、SOC)等の同じダイ上にあるが、他の設計では、処理ユニット及びメモリは、マルチチップモジュール(multi-chip-module、MCM)等の同じパッケージ内の異なるダイ上にあるか、又は、システムインパッケージ(system in a package、SiP)内にある。メモリとしては、スタティックランダムアクセスメモリ(static random access memory、SRAM)が一般的に使用される。SRAMは、多くのメモリビットセルのアレイと、アレイに記憶された値にアクセスするために使用される周囲の回路と、を含む。
【0002】
ダイ又はパッケージは、処理ユニット及びメモリに加えて、他のユニット又は構成要素を含み得る。個々の構成要素の寸法は、構成要素の全てを同じダイ又は同じパッケージ上に配置するために制限を有する。SRAM等のいくつかのタイプのメモリについては、効率的な配置のために寸法が限界を超えることがある。高さ及び/又は幅等のメモリの寸法は、他の構成要素の配置を妨げるほど十分に大きい場合がある。場合によっては、他の構成要素が同じダイ又は同じパッケージ内に収まらないことさえあり得る。その結果、著しい再設計なしでは、チップが動作不能になる可能性がある。
【0003】
上記を鑑みて、メモリアクセスの効率的なフロアプランニング、電力及び性能トレードオフを提供するための効率的な方法及び装置が望まれる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】非対称読み出しアクセス回路及び分割読み出しポートを含むメモリビットセルの一般化された図である。
図2】非対称読み出しアクセス回路及び分割読み出しポートを利用する隣接するメモリビットセルの一実施形態の一般化された図である。
図3】非対称読み出しアクセス回路及び分割読み出しポートを利用する隣接するメモリビットセルの半導体レイアウトの一実施形態の一般化された図である。
図4】非対称読み出しアクセス回路及び分割読み出しポートを利用する隣接するメモリビットセルの半導体レイアウトの別の実施形態の一般化された図である。
図5】非対称読み出しアクセス回路及び分割読み出しポートを有するメモリビットセルを利用するメモリのプリチャージ回路の一実施形態の一般化された図である。
図6】非対称読み出しアクセス回路及び分割読み出しポートを有するメモリビットセルを利用するメモリバンクの実施形態のブロック図である。
図7】非対称読み出しアクセス回路及び分割読み出しポートを含むメモリビットセルに記憶されたデータに効率的にアクセスするための方法の一実施形態の一般化された図である。
図8】非対称読み出しアクセス回路及び分割読み出しポートを利用する隣接するメモリビットセルの半導体レイアウトを効率的に生成するための方法の一実施形態の一般化された図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明は、様々な変更及び代替形態の余地があるが、具体的な実施形態が例として図面に示されており、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、図面及びその詳細な説明は、開示された特定の形態に本発明を限定することを意図するものではなく、逆に、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲に含まれる全ての変更、均等物及び代替物を包含するものであることを理解されたい。
【0006】
以下の説明では、本発明の十分な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、当業者は、これらの具体的な詳細なしに本発明が実施され得ることを認識すべきである。いくつかの例では、本発明を不明瞭にすることを避けるために、周知の回路、構造及び技術が詳細に示されていない。更に、説明の簡略化及び明確化のために、図に示される要素は必ずしも縮尺どおりに描画されていないことが理解されよう。例えば、いくつかの要素の寸法は、他の要素に対して誇張されている。
【0007】
メモリアクセスの効率的なフロアプランニング、電力及び性能トレードオフを提供するための装置及び方法が企図される。メモリアレイ(又はアレイ)は、複数の行(ロウ)及び複数の列(カラム)として配列されたメモリビットセルを利用する。これらの複数のメモリビットセルの少なくとも一部は、分割読み出しポート(split read port)を利用する。アレイは、対応する複数の読み出しビット線を有するメモリビットセル(又はビットセル)の複数の行を含む。いくつかの実施形態では、ビットセルの複数の行は、アレイの行の総数である。他の実施形態では、ビットセルの複数の行は、アレイの複数のバンクのうち特定のメモリバンク内のいくつかの行である。対応する複数の読み出しビット線は、ビットセルの複数の行に記憶される要求されたデータを同時に提供することができる。例えば、対応する複数の読み出しビット線は、特定のクロックサイクルにおける複数の読み出し動作の実行中に、要求されたデータを同時に提供する。ビットセルの複数の行は、複数の分割読み出しポートを含む。本明細書で使用される場合、「分割読み出しポート」は、対応する複数の読み出しビット線のうち特定の読み出しビット線を指し、特定の読み出しビット線は、メモリビットセルの総数よりも少ない数のメモリビットセルへのアクセスを提供する。
【0008】
一例では、ビットセルの複数の行は、第1の部分及び第2の部分を含む。いくつかの実施形態では、第1の部分は、ビットセルの複数の行のうち奇数番号の行を含み、第2の部分は、複数の行のうち偶数番号の行を含む。別の実施形態では、第1の部分は、偶数番号の行を含み、第2の部分は、奇数番号の行を含む。第1の部分は、第1の部分のビットセルに記憶されたデータの第1の読み出しビット線へのアクセスを提供するが、第2の読み出しビット線へのアクセスを提供しない。第2の部分は、第2の部分のビットセルに記憶されたデータの第2の読み出しビット線へのアクセスを提供するが、第1の読み出しビット線へのアクセスを提供しない。列内の隣接するメモリビットセルは、第1の部分からの第1のビットセル及び第2の部分からの第2のビットセルを含む。第1のビットセル及び第2のビットセルの各々は、非対称読み出しアクセス回路を使用する。本明細書で使用される場合、「非対称回路」は、n型トランジスタの数とは異なる数のp型トランジスタを含む回路を指す。対照的に、対称読み出しアクセス回路は、n型トランジスタの数に等しい数のp型トランジスタを含む。第1のビットセル及び第2のビットセルにおいて非対称読み出しアクセス回路を使用することによって、隣接するビットセルは、フロアプランニングにおける隣接するビットセルの配置のために使用されるオンダイ面積を低減する。分割読み出しポート及び非対称読み出しアクセス回路の更なる詳細は、ビットセルの後の説明において提供される。隣接するビットセルの半導体レイアウト(又はレイアウト)は、ビットセル当たりのコンタクトゲートピッチ(contacted gate pitch、CPP)数を最小限に抑えるために、分割読み出しポートの回路接続性を利用する。隣接するメモリビットセルの回路及びレイアウトの両方の更なる説明は、以下の説明において提供される。
【0009】
図1を参照すると、非対称読み出しアクセス回路及び分割読み出しポートを含むメモリビットセル100の一実施形態の一般化されたブロック図が示されている。示された実施形態では、ラッチ素子によるデータ記憶は、メモリビットセル100によって提供される。例えば、デバイス102~112は、インバータ及びトライステートインバータのバックツーバック構成を使用してデータ記憶を提供する。インバータは、デバイス102~104用いて実装される。トライステートインバータは、デバイス106~112用いて実装される。デバイス150及び152は、メモリビットセル100のための単一の非対称読み出しアクセス回路180を提供する。メモリビットセル100は、スタティックRAM(SRAM)の一実施形態である。他の実施形態では、様々なタイプのRAMセルのうち別のRAMセルが使用される。この「メモリビットセル」は、「メモリビットセル」、「SRAMビットセル」及び「ビットセル」と称されることもある。様々な実施形態では、メモリビットセル100は、何度もコピーされ、メモリアレイの特定の行及び特定の列に配列されるが、アレイの各行及び各列にではない。また、アレイは、行デコーダ、列デコーダ、センス増幅器、プリチャージ回路、並びに、読み出しアクセスデータ及び書き込みアクセスデータを記憶するためのラッチ又はフリップフロップ回路等のシーケンシャル要素のうち1つ以上等の外部回路(図示せず)を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、メモリビットセル100(又はビットセル100)を使用するアレイは、アレイの列に沿ってルーティングされる読み出しビット線及び書き込みビット線と、アレイの行に沿ってルーティングされる読み出しワード線及び書き込みワード線と、を含む。この向きを使用して、列は、書き込みビット線164並びに読み出しビット線偶数(read bit line even、RBLE)176及び読み出しビット線奇数(read bit line odd、RBLO)178の経路に沿って、ビットセル100内で水平に整列される。この向きを使用して、行は、読み出しワード線RWL170並びに書き込みワード線WWL160及びWWLX162の経路に沿ってビットセル100内で垂直に整列される。以下の説明ではこの向きを使用するが、他の実施形態では、向きは、ビット線がアレイの行に沿ってルーティングされ、ワード線がアレイの列に沿ってルーティングされることで回転される。様々な実施形態では、読み出しビット線RBLE176は、アレイの偶数番号の行に接続される一方で、奇数番号の行から切断され、読み出しビット線RBLO178は、アレイの奇数番号の行に接続される一方で、偶数番号の行から切断される。したがって、読み出しビット線RBLE176は、ターゲットとされる偶数番号の行に記憶された要求されたデータを提供するために使用され、読み出しビット線RBLO178は、ターゲットとされる奇数番号の行に記憶された要求されたデータを提供するために使用される。
【0011】
メモリビットセル100は、書き込みビット線WBL164を、同じ列内の隣接するメモリビットセルを含む他のメモリビットセルと共有する。一例では、ビットセル100は、アレイの行9に記憶されたデータワードのビット[4]である。同じアレイの行10に記憶された別のデータワードのビット[4]である隣接するビットセル(図示せず)は、書き込みビット線WBL164をビットセル100と共有する。ビットセル100は、この例では行9等の奇数番号の行で使用されるので、ビットセル100は、読み出しビット線RBLO178に接続される。しかしながら、この例では、行9内のビットセル100は、ターゲットとされる偶数番号の行に記憶された要求されたデータを提供するために使用される読み出しビット線RBLE176に接続されていない。ビットセル100は、読み出しビット線RBLO178を、同じ列(アレイの全ての行におけるビット[4]の同じ列)内の行10における隣接するビットセル(図示せず)と共有しない。換言すれば、同じ列の行10におけるこの隣接するビットセル(図示せず)は、読み出しビット線RBLO178に接続されていない。同様に、同じアレイの行8等の別の偶数番号の行に記憶された別のデータワードのビット[4]である隣接するビットセル(図示せず)は、読み出しビット線RBLO178をビットセル100と共有しない。同じ列の行8におけるこの隣接するビットセルは、読み出しビット線RBLO178に接続されていない。むしろ、アレイの行8及び10等の偶数番号の行に記憶される他のデータワードのビット[4]を実装するために使用されるこれらのビットセル(図示せず)は、読み出しビット線RBLE176を共有し、これは、この例では、ターゲットとされる奇数番号の行に記憶される要求されたデータを提供するために使用されるメモリビットセル100の何れのデバイスにも接続されない。したがって、メモリビットセル100を使用するアレイは、分割読み出しビットセルトポロジをサポートする。先に説明したように、「分割読み出しポート」は、ビットセルの複数の行に対応する複数の読み出しビット線のうち特定の読み出しビット線を指し、特定の読み出しビット線は、複数の行内のビットセルの総数よりも少ない数のビットセルへのアクセスを提供する。示されるように、第1の分割読み出しポートは、読み出しビット線RBLO178を用いて実装され、第2の分割読み出しポートは、読み出しビット線RBLE176を用いて実装される。
【0012】
様々な実施形態では、メモリビットセル100のデバイスは、トランジスタである。いくつかの実施形態では、トランジスタは、プレーナ金属酸化物半導体(metal oxide semiconductor、MOS)電界効果トランジスタ(field effect transistor、FET)である。他の実施形態では、メモリビットセル100におけるデバイス(又はトランジスタ)は、非プレーナトランジスタである。非プレーナトランジスタは、短チャネル効果を低減するために半導体加工において最近開発されたものである。トライゲートトランジスタ、フィン電界効果トランジスタ(FET)及びゲートオールアラウンド(gate all around、GAA)トランジスタは、非プレーナトランジスタの例である。先に説明したように、ビットセル100は、非対称読み出しアクセス回路180を含む。先に説明したように、「非対称」は、n型トランジスタの数とは異なる数のp型トランジスタを含む回路を指す。示されるように、非対称読み出しアクセス回路180は、直列スタックトポロジで接続された2つのn型トランジスタ150及び152と、ゼロ個のp型トランジスタと、を含む。したがって、非対称読み出しアクセス回路180によって利用されるp型トランジスタの数(例えば、0)は、非対称読み出しアクセス回路180によって利用されるn型トランジスタの数(例えば、2)と異なる。
【0013】
メモリビットセル100のデータ記憶ノードD130が論理ハイレベルを有する場合に、n型トランジスタ104はイネーブルされ、p型トランジスタ102はディセーブルされる。本明細書で使用される場合、ブール論理ハイレベルは、論理ハイレベルとも称される。同様に、ブール論理ローレベルは、論理ローレベルとも称される。様々な実施形態では、論理ハイレベルは電源基準レベルに等しく、論理ローレベルは接地基準レベルに等しい。本明細書で使用されるように、回路ノード又はラインは、ノード又はラインが、電圧レベルを受信するトランジスタをイネーブルする電圧レベルを記憶する場合、又は、電圧レベルが、動作がイネーブルされていることを示す場合に、「アサート」される。例えば、n型トランジスタは、n型トランジスタが、そのソース端子上の電圧レベルを少なくとも閾値電圧上回る正の非ゼロ電圧レベルをそのゲート端子上で受信する場合に、イネーブルされる。
【0014】
本明細書で使用されるように、回路ノード又はラインは、ノード又はラインが、電圧レベルを受信するトランジスタをディセーブルする電圧レベルを記憶する場合に、「ネゲート」される。n型トランジスタは、n型トランジスタがそのソース端子の電圧レベルを閾値電圧下回る電圧レベルをそのゲート端子上で受信する場合に、ディセーブルされる。同様に、p型トランジスタは、p型トランジスタがそのソース端子上の電圧レベルを下回る少なくとも閾値電圧である電圧レベルをそのゲート端子上で受信する場合に、イネーブルされる。p型トランジスタは、p型トランジスタがそのソース端子の電圧レベルを上回る少なくとも閾値電圧である電圧レベルをそのゲート端子上で受信する場合に、ネゲートされる。加えて、対応する制御信号がアサート又はネゲートされることに基づいて、動作がイネーブル及びディセーブルされる。一例では、書き込み動作は、書き込みワード線がアサートされる場合、又は、書き込みワード線が、書き込み動作が行われていることを示す電圧レベルを有する場合に、イネーブルされる。書き込み動作は、書き込みワード線がネゲートされる場合、又は、書き込みワード線が、書き込み動作が行われていないことを示す電圧レベルを有する場合に、ディセーブルされる。いくつかの実施形態では、書き込みワード線は、書き込みワード線が論理ハイレベルを有する場合にアサートされ、書き込みワード線は、書き込みワード線が論理ローレベルを有する場合にネゲートされる。
【0015】
イネーブルされたn型トランジスタ104は、ノードDX132を放電し、これは、p型トランジスタ110をイネーブルし、n型トランジスタ108をディセーブルする。本明細書で使用される場合、「n型トランジスタ」は、「n型デバイス」、「n型MOSFET」及び「nfet」とも称される。加えて、「p型トランジスタ」は、「p型デバイス」、「p型MOSFET」及び「pfet」とも称される。したがって、n型トランジスタ108は、nfet108とも称され、p型トランジスタ110は、pfet110とも称される。n型トランジスタ108は、図1においてNFB0 108とラベル付けされていることに留意されたい。「NFB0 108」等の図1で使用されるラベルは、図1の回路図内のトランジスタ及び回路ノード、並びに、少なくとも図2等の後の説明で使用される半導体レイアウト図内の等価なトランジスタ及びノードを識別するのに役立つ。
【0016】
書き込み動作が行われていない場合に、書き込みワード線(write word line、WWL)160及び相補書き込みワード線(complementary write word line、WWLX)162の各々は、ネゲートされる。それに応じて、パスゲートのn型トランジスタ122及びp型トランジスタ120の各々がディセーブルされ、それは、ワード線WBL164をメモリビットセル100のノードD130から電気的に切断する。加えて、n型トランジスタ106及びp型トランジスタ112の各々がイネーブルされ、これは、n型トランジスタ108及びp型トランジスタ110のうち一方が、ノードDX132の電圧レベルに基づいてノードD130上の特定の電圧レベルをドライブすることと、メモリビットセル100のデータ記憶ループを閉じることと、の両方を可能にする。例えば、ノードDX132が論理ハイレベルを記憶する場合に、n型トランジスタ108はイネーブルされ、p型トランジスタ110はディセーブルされる。n型トランジスタ106は、ネゲートされるWWLX162の論理ハイレベルによりイネーブルされる。イネーブルされたn型トランジスタ106及び108は、データ記憶ノードD130と、「VSS」によって示される接地基準レベルとの間に電気放電経路を提供し、これは、データ記憶ノードD130上の論理ローレベルを維持する。ノードD130上の論理ローレベルは、p型トランジスタ102をイネーブルし、n型トランジスタ104をディセーブルする。イネーブルされたp型トランジスタ102は、データ記憶ノードDX132と「VDD」によって示される電源基準レベルとの間に電気充電経路を提供し、これはデータ記憶ループを閉じる。逆に、ノードDX132が論理ローレベルを記憶する場合に、n型トランジスタ108はディセーブルされ、p型トランジスタ110はイネーブルされる。p型トランジスタ112は、書き込み動作が行われていない場合にネゲートされるWWL160の論理ローレベルによりイネーブルされる。イネーブルされたp型トランジスタ110及び112は、データ記憶ノードD130とVDDとの間に電気充電経路を提供し、それは、データ記憶ノードD130上の論理ハイレベルを維持する。ノードD130上の論理ハイレベルは、n型トランジスタ104をイネーブルし、p型トランジスタ102をディセーブルする。イネーブルされたn型トランジスタ104は、データ記憶ノードDX132とVSSとの間に電気放電経路を提供し、これは、データ記憶ループを閉じる。
【0017】
書き込み動作が行われている場合に、外部回路(図示せず)は、メモリビットセル100のWWL160及びWWLX162の各々をアサートする。線WWL160は論理ハイレベルでアサートされ、線WWLX162は論理ローレベルでアサートされる。それに応じて、パスゲートのp型トランジスタ120及びn型トランジスタ122の各々がイネーブルされる。パスゲートのイネーブルされたトランジスタ120及び122は、ワード線WBL164をメモリビットセル100のノードD130に電気的に接続する。したがって、WBL164は、ノードD130上に記憶される電圧レベルをドライブする。書き込みワード線WWL160は、アレイの対応する行内の他のメモリビットセルにも接続される。n型トランジスタ106及びp型トランジスタ112の各々はディセーブルされ、これは、データ記憶ノードD130及びDX132を使用する記憶ループ形成を電気的に切断する。この実施形態では、メモリビットセル100は、単一の書き込みポートを有するシングルエンド書き込みビットセルである。ビット線WBL164は、アレイの列上の書き込みデータをドライブする外部シーケンシャル要素及びバッファ回路(図示せず)によって書き込みデータでドライブされる。書き込みアクセス動作の場合、外部回路は、入力データに対応する論理ハイレベル又は論理ローレベル等の特定の電圧レベルを、列全体にわたってルーティングされたビット線WBL164上にドライブする。書き込み動作によってターゲットにされないメモリビットセルについては、データ記憶は変化しないままであることに留意されたい。
【0018】
読み出しアクセス動作の場合に、いくつかの実施形態では、外部プリチャージトランジスタがディセーブルされ、読み出しワード線がアサートされ(RWL170等)、外部センス増幅器がイネーブルされ、外部読み出しラッチがイネーブルされて、ターゲットメモリビットセルから読み出されたデータをキャプチャする。メモリビットセル100のラッチ素子(トランジスタ102~112)によって記憶されたデータは、非対称読み出しアクセス回路180によって読み出しビット線RBLO178からゲート制御される。非対称読み出しアクセス回路180への入力は、ノードDX132及び読み出しワード線RWL170である。非対称読み出しアクセス回路180の出力は、読み出しビット線RBLO178である。非対称読み出しアクセス回路180は、p型トランジスタよりも多くのn型トランジスタを含む。例えば、示された実施形態では、非対称読み出しアクセス回路180は、直列スタックトポロジで接続された2つのn型トランジスタ150及び152と、ゼロ個のp型トランジスタと、を含む。したがって、非対称読み出しアクセス回路180は、n型トランジスタの数とは異なる数のp型トランジスタを含む回路である。
【0019】
ビット線RBLO178は、電源基準レベル「VDD」等の論理ハイレベルにプリチャージされている。プリチャージサイクル(又はフェーズ)が終了した後、ワード線RWL170がアサートされると、n型トランジスタ150がイネーブルになる。n型トランジスタ152がイネーブルされるかどうかは、ノードDX132上に記憶された電圧レベルに基づく。n型トランジスタ150及び152の両方がイネーブルされ、ノードDX132が論理ハイレベルを記憶する場合に、n型トランジスタ150及び152のこの直列スタックは、ビット線RBLO178を接地基準レベル等の論理ローレベルに放電する。n型トランジスタ150及び152は、n型トランジスタのみに依存する非対称読み出しアクセス回路180を提供する。この非対称読み出しアクセス回路は、p型トランジスタを使用しない。メモリビットセル100のこのトポロジは、読み出しアクセス回路を実装するために、完全相補型トライステートインバータを使用するビットセルよりも少ないトランジスタを使用する。
【0020】
図2を参照すると、非対称読み出しアクセス回路及び分割読み出しポートを利用する隣接するメモリビットセル200の一実施形態の一般化されたブロック図が示されている。先に説明された信号及び回路は、全く同様に番号が付されている。図示した実施形態では、2つのメモリビットセル290及び292が、隣接した様態で配置されている。いくつかの実施形態では、2つのビットセル290及び292は、アレイの同じ列内の2つの異なる行の2つの隣接するビットである。一例では、ビットセル290は、マルチ行アレイの行9に記憶されたデータワードのビット[4]であり、ビットセル292は、同じマルチ行アレイの行10に記憶された別のデータワードのビット[4]である。ビットセル290は、(図1の)メモリビットセル100と同じトランジスタ及びトポロジを使用する。同様に、ビットセル292は、ビットセル290と同じトランジスタ及びトポロジを使用するが、ミラーリングされた方式であり、加えて、非対称読み出しアクセス回路280は、p型トランジスタ及ゼロ個のn型トランジスタのみを使用する。同様に、ビットセル292は、ビットセル290が制御信号160~170を受信するのと同様の方式で制御信号260~270を受信する。メモリビットセル290及び292は、書き込みビット線WBL164を共有する。しかしながら、メモリビットセル290及び292は、読み出しビット線RBLE176及びRBLO178を共有しない。
【0021】
先に説明したように、読み出しアクセス動作の場合、外部プリチャージトランジスタがディセーブルされ、1つ以上の読み出しワード線がアサートされ(RWL170及びRWL270等)、外部センス増幅器がイネーブルされ、外部読み出しラッチがイネーブルされる。ビットセル290のラッチ素子(トランジスタ102~112)によって記憶されたデータは、非対称読み出しアクセス回路180によって読み出しビット線RBLO178からゲート制御される。同様に、ビットセル292のラッチ素子(トランジスタ202~212)によって記憶されたデータは、非対称読み出しアクセス回路280によって読み出しビット線RBLE176からゲート制御される。ビット線RBLE176は、接地基準レベル「VSS」等の論理ローレベルにプリチャージされている。プリチャージサイクル(又はフェーズ)が終了した後、ワード線RWL270が論理ローレベルでアサートされると、p型トランジスタ240がイネーブルになる。p型トランジスタ242がイネーブルになるかどうかは、ノードDX232上に記憶された論理レベルに基づく。p型トランジスタ240及び242の両方がイネーブルされ、ノードDX232が論理ローレベルを記憶する場合に、p型トランジスタ240及び242のこの直列スタックは、ビット線RBLE176を論理ハイレベルに充電する。
【0022】
いくつかの実施形態では、アレイは、奇数番号の行においてビットセル290の複数のインスタンス化を使用し、偶数番号の行においてビットセル292の複数のインスタンス化を使用する。他の実施形態では、アレイは、奇数番号の行がビットセル292の複数のインスタンス化を含み、偶数番号の行がビットセル290の複数のインスタンス化を含む場合に、使用を逆にする。一例では、ビットセル290は、アレイの行9に記憶されたデータワードのビット[4]であり、ビットセル292は、同じアレイの行10に記憶された別のデータワードのビット[4]である。この例では、行9のビットセル290は、読み出しビット線RBLO178を、行10のビットセル292及び行8のビットセル292のインスタンス化されたコピーである別のビットセル(図示せず)等の同じ列の隣接するメモリビットセルと共有しない。
【0023】
加えて、ビットセル290は、読み出しビット線RBLO178を、行0、行2、行4、行6、行8、行10、行12等の偶数番号の行においてビットセル292のインスタンス化されたコピーである他のビットセル(図示せず)と共有しない。これらの偶数番号の行に記憶されたデータワード内のビット[4]を実装するために使用されるビットセルは、読み出しビット線RBLE176を共有する。ビットセル290は、読み出しビット線RBLO178を、一例でビット[4]に対応する同じ列内のメモリビットセルと、行1、行3、行5、行7、行11、行13等の奇数番号の行においてビットセル290のインスタンス化されたコピーである他のビットセル(図示せず)と共有する。したがって、ビットセル290及び292を使用するアレイは、分割読み出しビットセルトポロジをサポートする。読み出しビット線RBLE176は、行の総数の半分の数の行へのアクセスを提供する分割読み出しポートである。同様に、読み出しビット線RBLO178は、行の総数の半分の数の行へのアクセスを提供する分割読み出しポートである。
【0024】
図3を参照すると、非対称読み出しアクセス回路及び分割読み出しポートを利用する隣接するメモリビットセルの半導体レイアウト300の一実施形態の一般化されたブロック図が示されている。先に説明された信号及び回路は、全く同様に番号が付されている。ここで、p型トランジスタは標準セルレイアウト300の上部にあり、n型トランジスタは標準セルレイアウト300の下部にある。ビットセル290及び292のための破線ボックス並びに非対称読み出しアクセス回路180及び280のための中括弧(braces)は、これらの回路のレイアウト要素を強調するために使用され、破線ボックス及び中括弧は、レイアウト300の一部ではないことに留意されたい。半導体レイアウト(又はレイアウト)300は、(図2の)ビットセル200等の隣接するメモリビットセルの半導体レイアウトである。示されるように、レイアウト300は、ソース/ドレイン領域310~368を利用するトランジスタ102~242を含み、金属ゲート上で受信される制御信号370~395を受信する。示されるように、レイアウト300は、垂直方向における金属ゲート306、及び、水平方向において活性領域を画定するために使用される拡散領域302及び304を使用する。例えば、p型拡散領域302は、レイアウト300においてp型活性領域を画定し、一方、n型拡散領域304は、レイアウト300においてn型活性領域を画定する。標準セルレイアウト200を回転させて、異なる向きを有することが可能であることに留意されたい。
【0025】
図2の)ビットセル200のトランジスタと同様に、いくつかの実施形態では、レイアウト300内のトランジスタは、プレーナ金属酸化物半導体(MOS)電界効果トランジスタ(FET)である。他の実施形態では、レイアウト200のデバイス(又はトランジスタ)は、トライゲートトランジスタ、フィン電界効果トランジスタ(Fin-FET)及びゲートオールアラウンド(GAA)トランジスタ等の非プレーナトランジスタである。いくつかの実施形態では、ソース/ドレイン領域は、トレンチシリサイドコンタクトを用いて実装される。ソース/ドレイン領域に使用されるトレンチシリサイドコンタクト、異なる金属層における信号経路、コンタクト及びビア等は、説明を容易にするためにレイアウト300には示されていない。示されるように、p型トランジスタ102、110、112、120、202、210、212、220、240、242は、特定の順序で配置される。同様に、n型トランジスタ104、106、108、122、150、152、204、206、208、222は、特定の順序で配置される。
【0026】
いくつかの実施形態では、ビットセル290及び292の各々のレイアウトは、長方形のレイアウトではなく、L字形のレイアウトである。ビットセル290及び292の破線ボックスは、L字形レイアウト及び異なるエッジを示す。本明細書で使用される場合、「ビットセルのL字形レイアウト」は、特定のタイプの拡散の反対の極性であるタイプの別の拡散の上に形成されたいくつかの金属ゲートとは異なる特定のタイプの拡散の上に形成されたいくつかの金属ゲートを含むビットセルのレイアウトを指す。例えば、ビットセル290のレイアウトの破線ボックスは、p型拡散302の上に形成された4つの金属ゲートの数を含み、これは、n型拡散304の上に形成されたビットセル290の7つの金属ゲートの数とは異なる。同様に、ビットセル292のレイアウトの破線のボックスは、p型拡散302の上に形成された7つの金属ゲートの数を含み、これは、n型拡散304の上に形成されたビットセル292の4つの金属ゲートの数とは異なる。
【0027】
ダミーゲートは、通常、領域間の電気的絶縁を提供するために使用される。様々な実施形態では、ダミーゲートは金属ゲートを使用するが、ゲート領域は、n型又はp型拡散層等の活性シリコン層ではなく、絶縁層の上に形成される。分離層は、窒化ケイ素層、二酸化ケイ素層等の酸化ケイ素層、又は、別のタイプの誘電体層を使用する。したがって、ダミーゲートと、ソース/ドレイン領域等のダミーゲートの両側の1つ以上の領域とに電圧レベルが印加されても、電気経路は提供されず、ソース/ドレイン領域間に電流は流れない。ダミーゲートの製造ステップは、ダミーゲートのレイアウト内の位置にアクティブなトランジスタが形成されないことを保証する。いくつかの実施形態では、標準セルレイアウトは、セルレイアウトのエッジにおいてダミーゲートを使用する。これらの場合、ダミーゲートが、セルを互いに分離するために典型的に使用される。例えば、セルのエッジは、最後のアクティブ金属ゲートと、それに続くアクティブ拡散と、次いでダミーゲートとを有する。いくつかの設計では、2つの隣接するセルがダミーゲートを共有する。しかしながら、図示した実施形態に示されるように、レイアウト300は、最外エッジにダミーゲートを有していない。むしろ、レイアウト300は、レイアウト300の中央に複数のダミーゲート376、378、380、383、385、386を使用する。
【0028】
いくつかの実施形態では、ダミーゲート376、378、380、383、385、386のうち1つ以上はフローティングのままであるが、他の実施形態では、これらのダミーゲートのうち1つ以上は、VDD及びVSSのうち何れかに接続される。金属ゲートを使用するにもかかわらず、p型活性領域及びn型活性領域の両方の上にルーティングされるレイアウト300のダミーゲート376及び386は、活性領域の上部ではなく誘電体層の上部に形成され、その結果、電流を伝導することができない。いくつかの実施形態では、p型活性領域及びn型活性領域のうち何れかのみの上にルーティングされるダミーゲート378、380、383、385のうち1つ以上が誘電体層の上部に形成され、その結果、電流を伝導することができない。他の実施形態では、ダミーゲート378、380、383、385のうち1つ以上は、単一の活性領域のみの上に形成されるが、結果として生じるトランジスタをディセーブルする電圧レベルに接続される。例えば、p型活性領域のみの上にルーティングされるダミーゲート378及び380のうち1つ以上が誘電体層ではなく活性領域の上部に形成される場合、これらのダミーゲートは、結果として生じるトランジスタをディセーブルために電源基準VDDに接続される。
【0029】
別の例では、n型活性領域のみの上にルーティングされるダミーゲート383及び385のうち1つ以上が誘電体層ではなく活性領域の上部に形成される場合、これらのダミーゲートは、結果として生じるトランジスタをディセーブルするために接地基準VSSに接続される。したがって、ソース/ドレイン領域DX326は、ソース/ドレイン領域RBLE338から電気的に分離されている。同様に、ソース/ドレイン領域DX328は、ソース/ドレイン領域VSS332から電気的に分離されている。加えて、ソース/ドレイン領域VDD346は、ソース/ドレイン領域DX350から電気的に分離され、ソース/ドレイン領域RBLO340は、ソース/ドレイン領域DX352から電気的に分離され、以下同様である。
【0030】
ビットセル290において、第1の金属ゲート370は、第1の書き込みワード線を受け取ることができるp型拡散のみの上に配置されている。したがって、第1の金属ゲート370は、p型トランジスタを生成するために使用されるp型活性領域の上に配置される。第1の金属ゲート370は、(図1図2の)PPG120等のパスゲートのp型トランジスタを実装するために使用される。前に説明した信号を使用して、一実施形態では、第1のエッジにおいてWBL310とラベル付けされたソース/ドレイン領域は、後で(図1の)信号WBL164に電気的に接続される。第1の金属ゲート370の他方の側のD314とラベル付けされたソース/ドレイン領域は、後でソース/ドレイン領域D316に電気的に接続され、後の接続の後、これらのソース/ドレイン領域314及び316の両方は、(図1の)信号D130と論理的に等価である。同様に、後の製造ステップは、第1の金属ゲートWWLX370を金属ゲートWWLX374に電気的に接続し、後の接続の後、これらの金属ゲート370及び374の両方は、(図1の)信号WWLX162と論理的に等価である。
【0031】
ビットセル290において、第2の金属ゲート371は、n型拡散304のみの上に配置され、後で電気的接続が、コンタクト、ビア及び他の金属層と形成される場合に、(図1の)信号WWL160を受信することができる。したがって、第2の金属ゲート371は、n型トランジスタを生成するために使用されるn型活性領域の上に配置される。第2の金属ゲート371は、(図1図2の)NPG122等のパスゲートのn型トランジスタを実装するために使用される。しかしながら、ここでは、信号は、ノードを互いに電気的に接続するために更なる層及びコンタクトが配置されるまで、ソース/ドレイン領域及び金属ゲートで物理的に切断される。したがって、図2において互いに同一の名前が付けられ、(図1の)メモリビットセル100において先に説明された信号と同一の名前が付けられた信号は、レイアウト200の異なる物理的要素を識別する信号のために、レイアウト200において異なる番号が付けられている。例えば、データ記憶ノードD314及びD316は論理的に等価であるが、ノードD314のためにソース/ドレイン領域を形成するp型活性領域は、ノードD316のためにソース/ドレイン領域を形成するn型活性領域と物理的に当接しない。したがって、ノードD314とD316とは、ソース/ドレイン領域において物理的に接続されていない。しかしながら、ノードD314及びD316は、更なる金属層、ビア及びコンタクトが半導体製造ステップによって配置された後に物理的に接続される。
【0032】
半導体製造ステップが、説明を容易にするために示されていない更なる金属層、ビア及びコンタクトを配置する場合に、ノードD314及びD316は、物理的に接続されるようになる。この物理的接続は、電圧レベルがレイアウト300に印加される場合に、ノードD314及びD316が電気的に接続されるようになることを可能にする。同様に、書き込みワード線WWL371とWWL373とは、論理的に等価であるが、WWL371の金属ゲートはWWL373の金属ゲートと物理的に当接しない。したがって、書き込みワード線WWL371とWWL373とは、金属ゲートで物理的に接続されていない。しかしながら、書き込みワード線WWL371とWWL373とは、更なる層及びコンタクトが半導体製造ステップによって配置された後に物理的に接続される。半導体製造ステップが更なる金属層、ビア及びコンタクトを配置する場合に、書き込みワード線WWL371とWWL373とは、物理的に接続されるようになる。この物理的接続は、電圧レベルがレイアウト300に印加される場合に、書き込みワード線WWL371とWWL373とが電気的に接続されるようになることを可能にする。
【0033】
先に説明したのと同様の様態で、第3の金属ゲート394は、(図2の)信号WWLX262を受信することができるレイアウト300の右エッジのp型拡散のみの上に配置される。第3の金属ゲート394は、(図2の)PPG220等のパスゲートのp型トランジスタを実装するために使用される。前に説明した信号を使用して、一実施形態では、右エッジのWBL366とラベル付けされたソース/ドレイン領域は、後で(図1の)WBL164に電気的に接続され、第3の金属ゲート394の他方の側のD362とラベル付けされたソース/ドレイン領域は、後で(図2の)D230に電気的に接続され、第3の金属ゲート394は、後で(図2の)WWLX262に電気的に接続される。
【0034】
同様の方式で、第4の金属ゲート395は、(図2の)信号WWL260を受信することができるレイアウト300の右エッジのn型拡散304のみの上に配置される。第4の金属ゲート395は、(図2の)NPG222等のパスゲートのn型トランジスタを実装するために使用される。前に説明した信号を使用して、一実施形態では、第4のエッジのn型拡散304上のWBL368とラベル付けされたソース/ドレイン領域は、後でWBL164に電気的に接続され、第4の金属ゲート395の他方の側のD364とラベル付けされたソース/ドレイン領域は、後でD230に電気的に接続され、第4の金属ゲート395は、後でWWL260に電気的に接続される。
【0035】
ダミーゲート376は、p型拡散及びn型拡散の両方の上に配置される。前に説明した信号を使用して、一実施形態では、p型拡散302上のDX326とラベル付けされたソース/ドレイン領域は、後でDX132に電気的に接続され、p型拡散302上のダミーゲート376の他方の側のDSN330とラベル付けされたソース/ドレイン領域は、ビットセル290をビットセル292から分離するために使用される。p型拡散302に沿って、ビットセル290は、ダミーゲート376で終端することに留意されたい。RBLE176に電気的に接続されたRBLE338とラベル付けされたソース/ドレイン領域は、ビットセル292内にある。n型拡散304上のDX328とラベル付けされたソース/ドレイン領域は、後でDX132に電気的に接続され、n型拡散304上のダミーゲート376の他方の側のVSS332とラベル付けされたソース/ドレイン領域は、後で接地基準レベルに電気的に接続される。ダミーゲート386は、ビットセル292内のp型拡散302及びn型拡散304の両方の上に配置される。p型拡散304上のVDD346とラベル付けされたソース/ドレイン領域は、後で電源基準レベルに電気的に接続され、p型拡散302上のDX350とラベル付けされたソース/ドレイン領域は、後でDX232に電気的に接続される。
【0036】
レイアウト300は、ビットセル290と292との間にダミーゲート378、380、383、385等の他のダミーゲートを含む。レイアウト300は、信号名DSN(ダミー構造ノード)とそれに続くコールアウト番号とでラベル付けされたソース/ドレイン領域を含む。信号名DSNは、これらのノードがダミーゲートとともに使用され、それらがフローティングのままであることを示すために使用される。DSN330及びDSN334とラベル付けされたソース/ドレイン領域は、p型拡散302に沿ってビットセル292からビットセル290を分離するために、ダミーゲート376、378、380とともに使用される。DSN344及びDSN348とラベル付けされたソース/ドレイン領域は、n型拡散304に沿ってビットセル292からビットセル290を分離するために、ダミーゲート383、385、386とともに使用される。他のソース/ドレイン領域は、信号名INT(中間)とそれに続くコールアウト番号とでラベル付けされている。信号名INTは、これらのノードがトランジスタ間の中間ノードであることを示すために使用される。例えば、INT318は、2つのp型トランジスタPFB0 110とPFB1 112との間のソース/ドレイン領域である。(ダミーゲートとは異なり)トランジスタをイネーブルすることができる他のソース/ドレイン領域及び金属ゲートとは異なり、INTとラベル付けされたソース/ドレイン領域は、それらに接続された追加の層、コンタクト及びビアを有さない。
【0037】
レイアウト300は、コンタクトゲートピッチ(CPP)数によって特徴付けられる。頭字語CPPが使用されるのは、金属ゲートがポリシリコンを使用して形成され得るためであり、したがって、レイアウト300内には、多数のコンタクトポリシリコン(ポリ)ピッチ、すなわちCPPが存在することになる。しかしながら、金属ゲートは、今では、様々な他の材料から形成されてもよい。窒化チタン(titanium nitride、TiN)は、レイアウト300内の金属ゲートを形成するために使用される材料の一例である。レイアウト300の金属ゲートを形成するために他の材料が使用されてもよいが、コンタクトゲートピッチ数を示すために頭字語CPPが依然として使用される。レイアウト300の他のノードの配置は、CPPがレイアウト300に対して計算される場合に、CPPがレイアウト300の隣接するビットセル290及び292に対して14である態様で完了する。例えば、レイアウト300に示されるように、p型拡散302の上に形成される金属ゲートの数は14である。同様に、レイアウト300内のn型拡散304の上に形成される金属ゲートの数は14である。2つの隣接するビットセル290及び292のレイアウト300の総CPPは14である。レイアウト300のビットセル当たりのCPPは、14を2つのビットセルで除算したものであり、これはビットセル当たり7である。
【0038】
上述したように、レイアウト300の他のノードの配置は、第1の数が特定のビットセル内のp型トランジスタの数であり、第2の数が特定のビットセル内のn型トランジスタの数である場合に、第1の数及び第2の数の最大値よりも1つ多い数に等しいビットセル当たりのCPPを提供する態様で完了する。例えば、ビットセル290は、4つのp型トランジスタ及び6つのn型トランジスタを有し、これは、6の最大値を提供する。ビットセル290のCPPは、6より1つ多い7である。同様に、ビットセル292は、6つのp型トランジスタ及び4つのn型トランジスタを有し、これは、6の最大値を提供する。ビットセル292のCPPは、6より1つ多い7である。
【0039】
特定のビットセルが、特定のビットセルの非対称読み出しアクセス回路の外部で対称回路を使用する場合、特定のビットセルのCPPは、非対称読み出しアクセス回路で使用される対応するトランジスタタイプの特定のビットセル内のトランジスタの数よりも1つ多い数に等しいことに留意されたい。例えば、(図2の)隣接するビットセル290及び292を再び簡単に参照すると、ビットセル290は、非対称読み出しアクセス回路180の外部の対称回路を使用する。例えば、ビットセル290の外部回路は、4つのp型トランジスタ102、110、112、120を使用する。ビットセル290の外部回路は、4つのn型トランジスタ104、106、108、122を使用する。ビットセル290は、非対称読み出しアクセス回路180においてn型トランジスタを使用する。ビットセル290内のn型トランジスタの数は、6である。ビットセル290のビットセル当たりのCPPは、6より1つ多い7である。ビットセル292は、非対称読み出しアクセス回路280の外部に対称回路を使用する。ビットセル292は、非対称読み出しアクセス回路280においてp型トランジスタを使用する。ビットセル292内のp型トランジスタの数は、6である。ビットセル292のビットセル当たりのCPPは、6より1つ多い7である。
【0040】
図4を参照すると、非対称読み出しアクセス回路及び分割読み出しポートを利用する隣接するメモリビットセルの半導体レイアウト400の一実施形態の一般化されたブロック図が示されている。先に説明された信号及び回路は、全く同様に番号が付されている。レイアウト300と同様に、レイアウト400は、(図2の)ビットセル200等の隣接するメモリビットセルの半導体レイアウトである。ビットセル290及び292の各々のレイアウトは、長方形のレイアウトではなく、L字形のレイアウトである。ビットセル290及び292の破線ボックスは、L字形レイアウトを示す。レイアウト300と同様に、レイアウト400のビットセル290のレイアウトの破線ボックスは、p型拡散302の上に形成された4つの金属ゲートの数を含み、これは、n型拡散304の上に形成された7つの金属ゲートの数とは異なる。ビットセル292のレイアウトの破線ボックスは、p型拡散302の上に形成された7つの金属ゲートの数を含み、これは、n型拡散304の上に形成された4つの金属ゲートの数とは異なる。レイアウト300と比較して、レイアウト400では、DSN330、DSN334、DSN344、DSN348とラベル付けされたソース/ドレイン領域、並びに、ダミーゲート378、380、383、385は除去されており、使用されていないことに留意されたい。レイアウト400は、2つのダミーゲート376及び386を含み、各々がp型拡散302及びn型拡散304の両方の上にルーティングされている。p型拡散302に沿って、ビットセル290はダミーゲート376で終端する。加えて、n型拡散304に沿って、ビットセル290はダミーゲート386で終端する。
【0041】
レイアウト400の他のノードの配置は、(A/B)である第2の数に対する第1の数の比に等しいビットセル当たりのコンタクトゲートピッチの数を提供する態様で完了される。第1の数は、第3の数と第4の数との間の差、すなわちA=C-Dである。言い換えれば、ビットセル当たりのコンタクトゲートピッチの数は、(C-D)/Bに等しい。第2の数Bは、レイアウト内の隣接するビットセルの数であり、2つのビットセル(例えば、ビットセル290及び292)である。第3の数Cは、隣接するビットセル(例えば、ビットセル290及び292)の各々における活性領域の何れかの上の金属ゲート(コンタクト信号ノード及びダミーゲート)の最大数の合計である。ビットセル290及び292の各々のレイアウトは、p型活性領域及びn型活性領域のうち何れかの上に最大数7つの金属ゲートを有する。例えば、ビットセル290のレイアウトは、レイアウトの左側の金属ゲートWWL371からレイアウトの右側の金属ゲートRWL381までのn型活性領域の上に7の金属ゲートの最大数を有する。ビットセル292のレイアウトは、レイアウトの左側の金属ゲートRWL382からレイアウトの右側の金属ゲートWWLX394までのp型活性領域の上に7の金属ゲートの最大数を有する。したがって、合計は7+7、すなわち14である。L字形レイアウトに起因して、隣接するビットセルの各々における活性領域の何れかの上の金属ゲート(コンタクト信号ノード及びダミーゲート)の最大数は、隣接するビットセルの各々における活性領域の何れかの上の金属ゲート(コンタクト信号ノード及びダミーゲート)の最小数に等しくないことに留意されたい。ビットセル290を例にとると、金属ゲートのこの最小数は、レイアウトの左側の金属ゲートWWLX370からp型活性領域の上のレイアウトの右側の金属ゲートD375までの4である。
【0042】
第4の数Dは、単一の活性領域の上のビットセルのコンタクト金属ゲート(ダミーゲートではない)の合計であり、コンタクト金属ゲートが他の活性領域の上にルーティングするように拡張された場合、他のビットセルのレイアウトと交差することになる。例えば、金属ゲートRWL382は、単一の活性領域(例えば、p型活性領域)の上に配置されるビットセル290のレイアウト内のコンタクト金属ゲートである。金属ゲートRWL382は、金属ゲートRWL382が他の活性領域(例えば、n型活性領域)の上にルーティングするように拡張された場合、ビットセル292のレイアウトと交差することになる。同様に、この説明はコンタクト金属ゲートDX384に適用される。したがって、ビットセル290は、第4の数Dを2として提供する。同様の様態で、第4の数Dについての説明は、ビットセル292のレイアウトのコンタクト金属ゲートDX379及びRWL381に適用される。したがって、ビットセル当たりのコンタクトゲートピッチの数は、(C-D)/B、すなわち(14-2)/2に等しく、これはビットセル当たり6CPPである。(図3の)レイアウト300に対してこの式を使用することは、(C-D)/B、すなわち(18-4)/2に等しいビットセル当たりのコンタクトゲートピッチの数を提供し、これはビットセル当たり7CPPであることに留意されたい。
【0043】
2つのビットセル290及び292の各々がL字形レイアウトを利用することに起因して、隣接するビットセル290及び292のビットセル当たりのコンタクトゲートピッチ(CPP)の数は、隣接するビットセル290及び292の各々のレイアウト内の金属ゲート(コンタクト信号ノード及びダミーゲート)の最大数の合計を、2つのビットセルである隣接するビットセルの数で除算したものよりも少ないことに留意されたい。ビットセル290及び292の各々のレイアウト内の金属ゲート(コンタクト信号ノード及びダミーゲート)の最大数は、7である。したがって、合計は14である。14を2つのビットセルの数で除算した合計は、ビットセル当たり7CPPである。しかしながら、達成されるビットセル当たりのコンタクトゲートピッチの数は、ビットセル当たり6CPPである。隣接するビットセル290及び292のレイアウトは、L字形レイアウトを利用することによって、ビットセル当たりのより少ない数のコンタクトゲートピッチを達成する。ビットセル290及び292に関して、隣接するビットセルのレイアウトの他のノードの配置は、ビットセル当たり6CPPに等しいビットセル当たりの低減された数のコンタクトゲートピッチを提供する態様で完了される。
【0044】
図5を参照すると、プリチャージ回路500の一実施形態の一般化されたブロック図が示されている。前に説明した信号名は、同一の番号が付されている。例えば、読み出しビット線RBLE176及びRBLO178は、(図1図2の)メモリビットセル100~200からの読み出しビット線である。示されるように、回路500は、2つの読み出しビット線のためのプリチャージ回路(又は回路)を含む。回路520は、n型トランジスタのみを使用する非対称読み出しアクセス回路に接続される読み出しビット線RBLO178をプリチャージする。回路520は、プリチャージp型トランジスタ502、インバータ510、及び、直列スタックトポロジのp型トランジスタ512及び514を含む。プリチャージp型トランジスタ502は、プリチャージ制御信号PCH1 504を受信する。トランジスタ514は、制御信号LE1 516を受信する。回路540は、p型トランジスタのみを使用する非対称読み出しアクセス回路に接続される読み出しビット線RBLE176をプリチャージする。回路540は、プリチャージトランジスタ522、インバータ530、及び、直列スタックトポロジのトランジスタ532及び534を含む。プリチャージトランジスタ522は、プリチャージ制御信号PCH0 524を受信し、トランジスタ522は制御信号PCH0 524を受信する。回路520の動作の更なる説明は、以下の考察において提供される。同様のステップが、回路540を動作させるために使用される。
【0045】
プリチャージフェーズ中、制御信号PCH1 504がアサートされ、p型トランジスタ502がイネーブルされ、イネーブルされたトランジスタ502が、電源電圧基準レベル「VDD」と読み出しビット線RBLO178との間に導電経路を生成する。RBLO178が電源基準レベルにプリチャージされると、インバータ510が、p型トランジスタ512のゲート端子を放電し、トランジスタ512をイネーブルする。トランジスタ512は、キーパトランジスタとして使用される。いくつかの実施形態では、回路520は、トランジスタ514なしに、トランジスタ512等の単一のキーパトランジスタを使用する。他の実施形態では、回路520は、様々なスプリットキーパ(又はデュアルキーパ)方式のうち何れかを提供する2つのp型トランジスタ512及び514で示されるような直列スタックを使用する。例えば、2つのp型トランジスタ512及び514は、様々な遅延オンセットキーパ回路のうち何れかを提供する。評価フェーズ中、制御信号PCH1 504はネゲートされ、トランジスタ502はディセーブルされる。読み出しビット線RBLO178上の電圧レベルは、選択されたビットセルの非対称読み出しアクセス回路によって提供される電圧レベルに少なくとも基づく。
【0046】
図6を参照すると、メモリバンク600の一実施形態の一般化されたブロック図が示されている。様々な実施形態では、メモリは複数のメモリバンクとして編成され、メモリマクロブロックは左バンクと右バンクの両方を含む。いくつかの実施形態では、バンク600は、メモリマクロブロックの左バンク又は右バンクのうち何れかである。「左」及び「右」は、メモリバンクを説明するために使用されるが、「上部バンク」及び「下部バンク」等の他の表記が使用されてもよい。示されるように、メモリバンク600は、アレイ610A~610Bと、行デコーダ620A~620Bと、アレイ610A~610Bの間のセンス増幅器630A~630Bと、読み出し及び書き込みタイミング制御論理640A~640Bと、ブロック650内の読み出しラッチ及び書き込みラッチと、を含む。いくつかの実施形態では、複数のバンクが、同じクロックサイクル又は同じパイプラインステージにおいて同時にアクセスされることに留意されたい。アクセスは、読み出しアクセス及び書き込みアクセスのうち何れかを含む。そのような実施形態では、バンクアドレスデコーダは、アクセスすべき対応するバンクを選択する。
【0047】
様々な実施形態では、メモリバンク600内のブロック610A~610B、620A~620B、630A~630B、640A~640B、650の各々は、別のブロックに通信可能に結合される。例えば、ルーティングが別のブロックを介して行われる直接接続が使用される。代替的に、信号のステージングは中間ブロックで行われる。様々な実施形態では、アレイ610A~610Bの各々は、タイル形式で配列された複数のメモリビットセル660を含む。ここで、行は、図示した実施形態では垂直方向等のように、アレイのワード線のルーティングのために使用されるトラックと整列される。列は、図示した実施形態では水平方向等のように、アレイのビット線のルーティングのために使用されるトラックと整列される。様々な実施形態では、アレイ610Aの複数の行は、第1の読み出しビット線に接続され、第2の読み出しビット線から切断された行の第1の部分を含む。加えて、アレイ610Aの複数の行は、第2の読み出しビット線に接続され、第1の読み出しビット線から切断された行の第2の部分を含む。したがって、アレイ610Aは分割読み出しポートを利用する。様々な実施形態では、アレイ610Bは、アレイ610Aのインスタンス化されたコピーである。
【0048】
いくつかの実施形態では、アレイ610Aの行の第1の部分は、複数の行のうち奇数番号の行を含み、アレイ610Aの行の第2の部分は、複数の行のうち偶数番号の行を含む。別の実施形態では、割り当ては、行の第1の部分における偶数番号の行と、行の第2の部分における奇数番号の行と、で逆にされる。一対の隣接するメモリビットセルは、行の第1の部分における第1のメモリビットセルと、行の第2の部分における第2のメモリビットセルと、を含む。1対の隣接するメモリビットセル612が、アレイ610Aにおいて破線の楕円で強調されている。一例では、隣接するビットセル612内の最も左のビットセルである第1のメモリビットセル(又は第1のビットセル)は、アレイ610Aの行9に記憶されたデータワードのビット[4]である。隣接するビットセル612内の最も右のビットセルである第2のビットセルは、アレイ610Aの行10に記憶された別のデータワードのビット[4]である。第1のビットセル及び第2のビットセルは、書き込みビット線を共有する。しかしながら、様々な実施形態では、第1のビットセル及び第2のビットセルは、読み出しビット線を共有しない。いくつかの実施形態では、隣接するビットセル612は、(図4の)レイアウト400を利用する。
【0049】
いくつかの実施形態では、1つ以上のビットセルは、非対称読み出しアクセス回路を含む。例えば、行の第2の部分のビットセルは、記憶されたバイナリ値がプリチャージされた読み出しビット線RBLE166に影響を及ぼすかどうかを制御する、(図2の)p型トランジスタ240及び242等のp型トランジスタのスタックを含む。加えて、行の第1の部分のビットセルは、記憶されたバイナリ値がプリチャージされた読み出しビット線RBLO168に影響を及ぼすかどうかを制御する、(図1図2の)n型トランジスタ150及び152等のn型トランジスタのスタックを含む。
【0050】
ブロック620A~620Bにおける行デコーダ及びワード線ドライバは、アクセス要求に対応するアドレス情報を受信する。例えば、ブロック620A~620Bの各々は、アクセス要求アドレス670によって提供される情報を受信する。ブロック620A~620Bの各々は、アレイ620A~620Bのうち関連するアレイ内の複数の行のうち特定の行又はエントリを選択する。いくつかの実施形態では、ブロック620A~620Bは、アレイ620A~620Bのうち関連するアレイ内の所定の行又はエントリを選択するためにアドレス670のインデックス部分を使用する。各行又はエントリは、1つ以上のメモリラインを記憶する。
【0051】
示された実施形態では、アレイ620A~620B内の行又はエントリは、垂直方向に配列されている。しかしながら、他の実施形態では、メモリラインの記憶のために水平方向が使用される。書き込みアクセス要求の場合、書き込みラッチはブロック650内に位置している。書き込みデータは、アレイ610A~610Bにドライブされる。タイミング制御論理640A~640Bは、ブロック650において書き込みラッチを新しいデータで更新し、書き込みワード線ドライバ論理をセットアップする。書き込みデータは、ブロック620A~620Bのうち関連するブロックによって選択されたビットセルの行に書き込まれる。いくつかの実施形態では、プリチャージ回路がブロック650に含まれる。
【0052】
読み出しアクセス要求の場合、ブロック650は、アレイ610A~610Bにルーティングされた読み出しビット線をプリチャージするために使用される。ブロック640A~640Bにおけるタイミング回路は、ブロック630A~630Bにおけるセンス増幅器をプリチャージ及びセットアップするために使用される。タイミング回路640A~640Bは、読み出しワード線ドライバ論理をセットアップする。行デコーダ620A~620Bのうち何れかは、データを読み出す行を選択し、このデータは、センス増幅器によってセンシングされる読み出しビット線上に提供される。読み出しラッチは、読み出しデータをキャプチャする。
【0053】
図7を参照すると、メモリビットセルに記憶されたデータに効率的にアクセスするための方法700の一実施形態が示されている。説明のために、この実施形態(及び図8)におけるステップを順番に示す。しかしながら、他の実施形態では、いくつかのステップは、図示した順序とは異なる順序で行われ、いくつかのステップは、同時に実行され、いくつかのステップは、他のステップと組み合わされ、いくつかのステップは、存在しない。
【0054】
複数の行及び列として配列されたメモリビットセルのアレイが、データを記憶する(ブロック702)。様々な実施形態では、記憶されたデータの値は、メモリビットセル内のデータ記憶ループによって維持される。加えて、記憶されたデータの値は、書き込み動作によって更新される。いくつかの実施形態では、メモリビットセルは、パスゲートとフィードバックインバータ(及びフィードバックトライステートインバータ)とを含み、データ記憶ループを実装し、書き込み動作中に記憶された値の更新を可能にする。いくつかの実施形態では、メモリビットセルは、(図1の)メモリビットセル100、並びに、(図2の)メモリビットセル290及び292のパスゲート及びフィードバックインバータを使用する。
【0055】
様々な実施形態では、アレイは、2つ以上の分割読み出しポートを含む。一実施形態では、メモリビットセルのアレイは、第1の読み出しビット線に接続された偶数番号の行と、第1の読み出しビット線とは異なる第2の読み出しビット線に接続された奇数番号の行と、を有する。別の実施形態では、接続が逆にされ、メモリビットセルのアレイは、第1の読み出しビット線に接続された奇数番号の行と、第1の読み出しビット線とは異なる第2の読み出しビット線に接続された偶数番号の行と、を有する。したがって、第1の読み出しビット線及び第2の読み出しビット線の各々は、アレイの行の各々からの容量性負荷を含むのではなく、アレイの行の半分からの容量性負荷を含む。
【0056】
これらの接続は、第1の読み出しビット線及び第2の読み出しビット線の各々がどのようにプリチャージされるかを決定する。以下の説明では、偶数番号の行と第1の読み出しビット線との間の接続が使用されるが、他の実施形態では、逆のケースが、奇数番号の行と第1の読み出しビット線の間の接続を用いて使用される。メモリビットセルの外部の回路は、第1の読み出しビット線を接地基準レベルにプリチャージする(ブロック704)。回路は、第2の読み出しビット線を電源基準レベルにプリチャージする(ブロック706)。単一の読み出しビット線が説明されているが、偶数番号の行の読み出しビット線の各々は、第1の読み出しビット線と同様の様態でプリチャージされ、奇数番号の行の読み出しビット線の各々は、第2の読み出しビット線と同様の態様でプリチャージされる。
【0057】
アレイが、アレイの偶数番号の行をターゲットとする、第1の読み出しビット線上で読み出されるデータをターゲットとする第1の読み出し動作を受信する場合(条件ブロック708:「はい」)、第1の非対称読み出しアクセス回路は、ターゲットとされる行のビットセルに記憶されたデータを第1の読み出しビット線に伝達する(ブロック710)。第1の非対称読み出しアクセス回路は、n型トランジスタよりも多くのp型トランジスタを含む。いくつかの実施形態では、第1の非対称読み出しアクセス回路は、p型トランジスタのみを含む。例えば、メモリビットセルは、記憶されたバイナリ値がプリチャージされた読み出しビット線RBLE176に影響を及ぼすかどうかを制御する(図2の)p型トランジスタ240及び242等のp型トランジスタのスタックを含む。一例では、ターゲットとされる行は、アレイの行0~63のうち行8であり、ターゲットとされる行は、32ビットデータワードを記憶する32個のメモリビットセルを含む。行8の32個のメモリビットセルの各々は、第1の非対称読み出しアクセス回路を含む。32ビットデータワードのビット[4]に対応するメモリビットセルの第1の非対称読み出しアクセス回路は、ビットセル[4]に記憶されたデータを、ビット[4]に対応する列にルーティングされる第1の読み出しビット線に伝達する。同様に、行8の場合、ビット[0~3]及びビット[5~31]のメモリビットセルは、列0~3及び列5~31にルーティングされる対応する読み出しビット線にデータを伝達する。
【0058】
アレイが、アレイの偶数番号の行をターゲットとする、第1の読み出しビット線上で読み出されるデータをターゲットとする第1の読み出し動作を受信しない場合(条件ブロック708:「いいえ」)、方法700の制御フローは、ブロック710をスキップし、条件ブロック712に移動する。アレイが、奇数番号の行をターゲットとし、第2の読み出しビット線上で読み出されるデータをターゲットとする第2の読み出し動作を受信する場合(条件ブロック712:「はい」)、第2の非対称読み出しアクセス回路は、ターゲットとされる行のビットセルに記憶されたデータを第2の読み出しビット線に伝達する(ブロック714)。第2の非対称読み出しアクセス回路は、p型トランジスタよりも多くのn型トランジスタを含む。いくつかの実施形態では、第2の非対称読み出しアクセス回路は、n型トランジスタのみを含む。例えば、メモリビットセルは、記憶されたバイナリ値がプリチャージされた読み出しビット線RBLO178に影響を与えるかどうかを制御する(図1の)n型トランジスタ150及び152等のn型トランジスタのスタックを含む。
【0059】
一例では、ターゲットとされる行は、アレイの行0~63のうち行21であり、ターゲットとされる行は、32ビットデータワードを記憶する32個のメモリビットセルを含む。行21の32個のメモリビットセルの各々は、第2の非対称読み出しアクセス回路を含む。32ビットデータワードのビット[4]に対応するメモリビットセルの第2の非対称読み出しアクセス回路は、ビットセル[4]に記憶されたデータを、ビット[4]に対応する列にルーティングされる第2の読み出しビット線に伝達する。同様に、行21の場合、ビット[0~3]及びビット[5~31]のメモリビットセルは、列0~3及び列5~31にルーティングされる対応する読み出しビット線にデータを伝達する。アレイが、アレイの奇数番号の行をターゲットとし、第2の読み出しビット線上で読み出されるデータをターゲットとする第2の読み出し動作を受信しない場合(条件ブロック712:「いいえ」)、方法700の制御フローは、ブロック714をスキップし、ブロック716に移動する。ビットセルは、記憶されたバイナリ値を維持する(ブロック716)。例えば、ビットセルは、バイナリ値が書き込みアクセス動作によって修正されるまでバイナリ値を記憶するためのラッチ素子を含む。
【0060】
図8を参照すると、隣接するメモリビットセルの半導体レイアウトを効率的に生成するための方法800の一実施形態が示されている。以下のステップは、(図2の)ビットセル200及び(図7の)隣接するビットセル712のビットセル等の隣接するメモリビットセルの半導体レイアウトを生成する。例えば、以下のステップは、(図4の)レイアウト400等の隣接するメモリビットセルの半導体レイアウトを生成する。複数の金属ゲートが、隣接するビットセルのレイアウトの外側エッジ上に配置され、各々は、書き込みワード線及び書き込みワード線の相補値のうち何れかを受け取ることができる(ブロック802)。例えば、(図4の)レイアウト400の金属ゲート370、371、394、395は、レイアウト400の最も外側のエッジ上に配置される。
【0061】
第1のダミーゲートが、隣接するビットセルのうち第1のメモリビットセルのレイアウトの第1のエッジとは反対の第2のエッジにおいて、p型拡散及びn型拡散の両方の上に配置される(ブロック804)。例えば、(図4の)レイアウト400のダミーゲート376は、ビットセル290と292との間のp型拡散302の上の第2のエッジに配置される。第2のダミーゲートが、第2のエッジよりも第1のエッジから遠く離れて位置する第3のエッジにおいて、p型拡散及びn型拡散の両方の上に配置される(ブロック806)。レイアウト300及び400を再び簡単に参照すると、ビットセル290及び292の破線ボックスは、L字形レイアウト及び異なるエッジを示す。先に説明したように、第1のエッジと第3のエッジとの間のn型拡散304に沿った距離は、第1のエッジと第2のエッジとの間のp型拡散302に沿った距離よりも大きい。隣接するビットセルのレイアウトの他のノードの配置は、隣接するビットセルの各々のレイアウト内の金属ゲートの最大数の合計を、隣接するビットセルの数で除算したものよりも少ない、ビットセル当たりのコンタクトゲートピッチの数を提供する態様で完了される(ブロック808)。この計算の例は、(図4の)レイアウト400に関して先に説明されている。
【0062】
上述した実施形態のうち1つ以上は、ソフトウェアを含むことに留意されたい。そのような実施形態では、方法及び/又は機構を実施するプログラム命令は、コンピュータ可読媒体に搬送又は記憶される。プログラム命令を記憶するように構成されている多数のタイプの媒体が利用可能であり、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、CD-ROM、DVD、フラッシュメモリ、プログラマブルROM(Programmable ROM、PROM)、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)等の揮発性又は不揮発性記憶装置が挙げられる。一般的に言えば、コンピュータアクセス可能記憶媒体は、命令及び/又はデータをコンピュータに提供するために、使用中にコンピュータによってアクセス可能な任意の記憶媒体を含む。例えば、コンピュータアクセス可能記憶媒体としては、磁気又は光学媒体(例えば、ディスク(固定又は取り外し可能)、テープ、CD-ROM、DVD-ROM、CD-R、CD-RW、DVD-R、DVD-RW、Blu-Ray(登録商標)等)の記憶媒体が挙げられる。記憶媒体としては、RAM(例えば、同期ダイナミックRAM(synchronous dynamic RAM、SDRAM)、ダブルデータレート(double data rate、DDR、DDR2、DDR3等)SDRAM、低電力DDR(low-power DDR、LPDDR2等)SDRAM、ラムバスDRAM(Rambus DRAM、RDRAM)、スタティックRAM(static RAM、SRAM)等)、ROM、フラッシュメモリ等の揮発性又は不揮発性メモリ媒体、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)インターフェース等の周辺インターフェースを介してアクセス可能な不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ)等が更に挙げられる。記憶媒体としては、微小電気機械システム(microelectromechanical system、MEMS)、並びに、ネットワーク及び/又はワイヤレスリンク等の通信媒体を介してアクセス可能な記憶媒体が挙げられる。
【0063】
更に、様々な実施形態では、プログラム命令は、C等の高レベルプログラミング言語、又は、Verilog、VHDL等の設計言語(design language、HDL)、又は、GDSIIストリームフォーマット(GDSII)等のデータベースフォーマットでのハードウェア機能の動作レベル記述又はレジスタ転送レベル(register-transfer level、RTL)記述を含む。場合によっては、記述は、合成ライブラリからゲートのリストを含むネットリストを生成するために記述を合成する合成ツールによって読み出される。ネットリストは、システムを含むハードウェアの機能も表すゲートのセットを含む。ネットリストは、次いで、マスクに適用される幾何学的形状を記述するデータセットを生成するために、配置及びルーティングされ得る。次に、マスクは、システムに対応する半導体回路又は回路を生成するために、様々な半導体製造ステップで使用され得る。代替的に、コンピュータアクセス可能記憶媒体上の命令は、必要に応じて、ネットリスト(合成ライブラリを有する若しくは有しない)又はデータセットである。追加的に、命令は、Cadence(登録商標)、EVE(登録商標)及びMentor Graphics(登録商標)等のベンダからのハードウェアベースのタイプのエミュレータによるエミュレーションのために利用される。
【0064】
上記の実施形態は、かなり詳細に説明されているが、上記の開示が十分に理解されると、多数の変形及び修正が当業者には明らかになるであろう。以下の特許請求の範囲は、全てのそのような変形及び修正を包含すると解釈されることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】