(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-08
(54)【発明の名称】マルチビームシステムにおけるファイバ位置マッピングのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G01M 11/00 20060101AFI20240801BHJP
G01N 21/956 20060101ALN20240801BHJP
【FI】
G01M11/00 T
G01N21/956 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573232
(86)(22)【出願日】2022-06-30
(85)【翻訳文提出日】2023-11-27
(86)【国際出願番号】 US2022035617
(87)【国際公開番号】W WO2023278644
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュリヤン サミート ケイ
(72)【発明者】
【氏名】エスマイアー フランク
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ヘドン
【テーマコード(参考)】
2G051
2G086
【Fターム(参考)】
2G051AA51
2G051AB02
2G051CC17
2G086EE12
(57)【要約】
マルチビームシステムは、光を放出するように構成された光源と、光源に接続されたファイバ束と、光源に接続された各ファイバに対応する画像を含む画像セットをキャプチャするように構成されたカメラを含む。ファイバ束は、光源に接続された一端を有する中央ファイバと、中央ファイバを取り囲むN層のファイバとを含む。第1のファイバ層は、各々が光源に接続された一端を有するM個のファイバを含み、第Nのファイバ層は、M個を超えるファイバを含むが、第Nのファイバ層内のM個のファイバのみが光源に接続された一端を有する。プロセッサは、画像セット内の各画像の重心を決定して重心マップを生成し、重心マップに基づいてファイバ束内の全てのファイバのファイバ位置を含むファイバ位置マップを生成するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチビームシステムにおけるファイバ位置マッピングの方法であって、
光源から光を放射し、カメラに向けられるステップと、
ファイバ束を提供するステップであって、前記ファイバ束は、
一端が光源に接続される中央ファイバと、
前記中央ファイバを取り囲むファイバのN層であって、前記ファイバの第1の層がN層の最内側であり、前記ファイバの第Nの層がN層の最外側であり、N≧2である、ファイバのN層と
を備え、前記ファイバの前記第1の層はM個のファイバを含み、前記ファイバの前記第1の層における前記M個のファイバの各々前記は光源に接続された一端を有し、前記ファイバの前記第Nの層は前記M個より多いファイバを含み、前記ファイバの前記第Nの層における前記M個のファイバは前記光源に接続された一端を有し、
カメラを用いて、光源に接続された各ファイバに対応する画像を含む画像セットを捕捉するステップと、
プロセッサを使用して重心マップを生成するために、画像セット内の各画像の重心を決定するステップと、
前記プロセッサを使用して、前記重心マップに基づいて、前記ファイバ束内の全てのファイバのファイバ位置を含むファイバ位置マップを生成するステップと、
を備える方法。
【請求項2】
前記画像セット内の前記各画像の重心を決定するステップは、
前記画像セット内の前記各画像の各画素の光の強度を決定するステップと、
1つの画素が、1つの画像内の画素のうち最も高い強度を有すると決定されるとき、その画素の(x,y)位置を前記画像の重心として決定するステップと、
複数の画素が1つの画像内の画素の中で最も高い強度を有すると判定されるとき、前記画像の重心は、最も高い強度を有する画素の各々の(x,y)位置に基づいて決定するステップと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記重心マップに基づいて、前記ファイバ束内の全てのファイバのファイバ位置を含む前記ファイバ位置マップを生成するステップは、
前記重心マップに基づいて、前記画像セット内の前記各画像の重心のピッチおよび回転を決定するステップと、
前記ピッチおよび回転に基づいて、前記ファイバ束の前記第Nの層内の残りのファイバのファイバ位置を決定するステップと、
前記ファイバ束の前記第N層における前記残りのファイバの重心及びファイバ位置を含む前記ファイバ位置マップを生成するステップと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記重心マップに基づいて、前記ファイバ束内の全てのファイバのファイバ位置を含む前記ファイバ位置マップを生成するステップは、
前記ピッチおよび前記回転に基づいて、前記ファイバ束内の第1のファイバ層と第Nのファイバ層との間の全てのファイバのファイバ位置を決定するステップと、
重心と、前記ファイバ束の前記第Nの層における残りのファイバのファイバ位置と、前記ファイバ束の前記第1のファイバ層と前記第Nのファイバ層との間の全てのファイバのファイバ位置とを含む前記ファイバ位置マップを生成するステップと、
をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記中央ファイバ、前記第1の層の前記M個のファイバ、および前記第Nの層の前記M個のファイバのみが前記光源に接続されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記N層のファイバは、前記中央ファイバを多角形で取り囲み、前記N層のファイバの前記M個のファイバは、前記多角形の角に相当することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記N層のファイバは、前記中央のファイバを六角形に取り囲み、前記N層のファイバの前記M個のファイバは、前記六角形の角に相当することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ファイバ束は300を超えるファイバを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ファイバ位置マップに基づいてマルチビームシステムを較正するステップ、
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ファイバ位置マップに基づいて前記マルチビームシステムを較正するステップは、
マルチビームアレイを有するビーム源から画像を受信するステップと、
前記ファイバ位置マップを前記ビーム源からの前記画像に重ね合わせるステップと、
前記ファイバ位置マップの中心と前記ビーム源からの前記画像とを位置合わせして誤差を決定し、前記誤差は、シフト、回転、直交性、アスペクト比、倍率、又は非点収差を含むステップと、
前記誤差に基づいて線形歪み補正を行うステップと、
を備えることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
マルチビームシステムであって、
光を放出するように構成された光源と、
ファイバ束であって、
一端が光源に接続される中央ファイバと、
前記中央ファイバを取り囲むファイバのN層であって、前記ファイバの第1の層が最内層であり、前記ファイバの第Nの層が最外層であり、N≧2である、ファイバのN層と、
を備え、前記ファイバの前記第1の層はM個のファイバを含み、前記ファイバの前記第1の層における前記M個のファイバの各々は前記光源に接続された一端を有し、前記ファイバの前記第Nの層は前記M個より多いファイバを含み、前記ファイバの前記第Nの層における前記M個のファイバは前記光源に接続された一端を有し、
前記光源に接続された各ファイバに対応する画像を含む画像セットを捕捉するように構成されたカメラと、
前記カメラと電子通信するプロセッサであって、
前記画像セット内の各画像の重心を決定して、重心マップを生成するステップと、
前記重心マップに基づいて、前記ファイバ束内の全てのファイバのファイバ位置を含むファイバ位置マップを生成するステップと、
を行うように構成されたプロセッサと、
を備えるマルチビームシステム。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記画像セット内の各画像の各画素の光の強度を決定するステップと、
1つの画素が、1つの画像内の画素のうち最も高い強度を有すると決定されるとき、その画素の(x,y)位置を前記画像の重心として決定するステップと、
複数の画素が1つの画像内の画素のうち最も高い強度を有すると決定されるとき、前記画像の重心は、最も高い強度を有する画素の各々の(x,y)位置に基づいて決定されるステップと、
によって、前記画像セット内の前記各画像の重心を決定するように構成されることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記プロセッサは、
前記重心マップに基づいて、前記画像セット内の前記各画像の重心のピッチおよび回転を決定するステップと、
前記ピッチおよび前記回転に基づいて、前記ファイバ束の前記第Nの層内の残りのファイバのファイバ位置を決定するステップと、
前記ファイバ束の前記第N層における前記残りのファイバのファイバ位置を含む前記ファイバ位置マップを生成するステップと、
によって、前記重心マップに基づいて、前記ファイバ束内の全てのファイバのファイバ位置を含む前記ファイバ位置マップを生成するように構成されることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記プロセッサは、
前記ピッチおよび前記回転に基づいて、前記ファイバ束内の第1のファイバ層と第Nのファイバ層との間の全てのファイバのファイバ位置を決定するステップと、
前記重心と、前記ファイバ束の前記第Nの層における前記残りのファイバのファイバ位置と、前記ファイバ束の第1のファイバ層と第Nのファイバ層との間の全てのファイバのファイバ位置とを含む前記ファイバ位置マップを生成するステップと、
によって、前記重心マップに基づいて、前記ファイバ束内の全てのファイバのファイバ位置を含む前記ファイバ位置マップを生成するように構成されることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記中央ファイバ、前記ファイバの前記第1の層内のM個のファイバ、および前記ファイバの前記第Nの層内のM個のファイバのみが前記光源に接続されることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記N層のファイバは、前記中央ファイバを多角形で取り囲み、前記N層のファイバの前記M個のファイバは、多角形の角に相当することを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記N層のファイバは、前記中央のファイバを六角形に取り囲み、前記N層のファイバの前記M個のファイバは、六角形の角に相当することを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記ファイバ束は300を超えるファイバを含むことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
前記プロセッサは、
ファイバ位置マップに基づいてマルチビームシステムを較正するステップ、
を行うようにさらに構成されることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
前記プロセッサは、
マルチビームアレイを有するビーム源から画像を受信するステップと、
前記ファイバ位置マップを前記ビーム源からの前記画像に重ね合わせるステップと、
前記ファイバ位置マップの中心と前記ビーム源からの前記画像とを位置合わせして誤差を決定し、前記誤差は、シフト、回転、直交性、アスペクト比、倍率、又は非点収差を含むステップと、
前記誤差に基づいて線形歪み補正を行うステップと、
によって、前記ファイバ位置マップに基づいて前記マルチビームシステムを較正するように構成されることを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検査システムに関し、より詳細には、マルチビーム検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の参照
本出願は、2021年7月2日に出願され、米国仮出願63/218,083に対する優先権を主張する。その開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
半導体製造産業の進化は、歩留まり管理に、特に計測および検査システムに、より大きな要求を課している。臨界寸法は縮小し続けるが、産業界は、高収率、高価値生産を達成するための時間を短縮する必要がある。歩留まり問題を検出してからそれを固定するまでの総時間を最小限に抑えることは、半導体製造業者に対する投資へのリターンを決定する。
【0004】
論理デバイスおよびメモリデバイスなどの半導体デバイスを製造することは、典型的には、半導体デバイスの様々な特徴および複数のレベルを形成するために、多数の製造プロセスを使用して半導体ウェハを処理することを含む。例えば、リソグラフィは、レチクルから半導体ウェハ上に配置されたフォトレジストにパターンを転写することを含む半導体製造プロセスである。半導体製造プロセスのさらなる例は、化学機械研磨(CMP)、エッチング、堆積、およびイオン注入を含むが、これらに限定されない。複数の半導体デバイスは、個々の半導体デバイスに分離される単一の半導体ウェハ上に配置で製造され得る。
【0005】
検査プロセスは、製造プロセスにおけるより高い歩留りを促進し、したがってより高い利益を促進するために、ウェハ上の欠陥を検出するために半導体製造中の様々なステップで使用される。検査は、集積回路(IC)などの半導体デバイスを製造する上で常に重要な部分であった。しかしながら、半導体デバイスの寸法が減少するにつれて、より小さい欠陥がデバイスを故障させる可能性があるため、許容可能な半導体デバイスの成功裏の製造にとって検査はさらに重要になる。例えば、半導体デバイスの寸法が縮小するにつれて、比較的小さい欠陥でさえも半導体デバイスにおいて望ましくない収差を引き起こし得るため、縮小サイズの欠陥の検出が必要になった。
【0006】
検査プロセスに使用される1つのデバイスは、マルチビームシステムである。マルチビームシステムでは、多数のビームレットがシンチレータ上に集束される。シンチレータからの光は、光ファイバを使用して集束されてもよい。集束ビームレットは、システムを較正するために、シンチレータ上で正確なファイバ位置に位置合わせされるべきである。しかしながら、正確なファイバ位置は、光ファイバの機械的公差に基づいて容易に予測することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6587189号
【特許文献2】米国特許出願公開第2013/0058661号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、マルチビーム較正および位置合わせのためのファイバ位置マッピングの方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の実施形態は、マルチビームシステムにおけるファイバ位置マッピングの方法を提供する。本方法は、光源から光を放出することを含んでもよい。光は、カメラに向けられ得る。
【0010】
本方法は、ファイバ束を提供することをさらに含み得る。ファイバ束は、光源に接続された一端を有する中央ファイバと、中央ファイバを取り囲むN層のファイバとを備えてもよい。ファイバの第1の層は、N層の最も内側であってもよく、ファイバの第Nの層は、N層の最も外側であってもよく、N≧2であってもよい。ファイバの第1の層は、M個のファイバを含んでもよく、ファイバの第1の層内のM個のファイバの各々は、光源に接続された一端を有してもよい。第Nのファイバ層は、M個より多いファイバを含んでもよく、第Nのファイバ層中のM個のファイバは、光源に接続された一端を有してもよい。
【0011】
本方法はさらに、カメラを使用して画像セットを捕捉するステップを含んでもよい。画像セットは、光源に接続された各ファイバに対応する画像を含み得る。
【0012】
本方法はさらに、プロセッサを使用して、重心マップを生成するように、画像セット内の各画像の重心を判定するステップを含んでもよい。プロセッサは、画像セット内の各画像の各画素の光の強度を決定することができる。1つの画素が、1つの画像内の画素のうち最も高い強度を有すると決定されるとき、その画素の(x,y)位置は、画像の重心として決定され得る。複数の画素が1つの画像中の画素の中で最も高い強度を有すると決定されるとき、画像の重心は、最も高い強度を有する画素の各々の(x,y)位置に基づいて決定され得る。
【0013】
本方法はさらに、プロセッサを使用して、重心マップに基づいて、ファイバ束内の全てのファイバのファイバ位置を含む、ファイバ位置マップを生成するステップを含んでもよい。プロセッサは、重心マップに基づいて、画像セット内の各画像の重心のピッチおよび回転を決定するように構成され得る。プロセッサはさらに、ピッチおよび回転に基づいて、ファイバ束の第Nの層内の残りのファイバのファイバ位置を判定するように構成されてもよい。プロセッサはさらに、ファイバ束の第Nの層内の残りのファイバの重心およびファイバ位置を含むファイバ位置マップを生成するように構成されてもよい。
【0014】
本開示の実施形態によれば、プロセッサはさらに、ピッチおよび回転に基づいて、ファイバ束内の第1のファイバ層と第Nのファイバ層との間の全てのファイバのファイバ位置を決定するように構成されてもよい。プロセッサはさらに、重心と、ファイバ束の第Nの層内の残りのファイバのファイバ位置と、ファイバ束内の第1のファイバ層と第Nのファイバ層との間の全てのファイバのファイバ位置とを含むファイバ位置マップを生成するように構成されてもよい。
【0015】
本開示の実施形態によれば、中央ファイバ、第1の層のM個のファイバ、および第Nの層のM個のファイバのみが光源に接続されてもよい。
【0016】
本開示の実施形態によれば、N層のファイバは、多角形形状で中央ファイバを取り囲んでもよく、N層のファイバのM個のファイバは、多角形形状の角に対応してもよい。ファイバのN層は、六角形で中央ファイバを取り囲んでもよく、N層内のM個のファイバは、六角形の角に対応してもよい。
【0017】
本開示の実施形態によれば、ファイバ束は、300を超えるファイバを含んでもよい。
【0018】
本開示のある実施形態によると、本方法はさらに、ファイバ位置マップに基づいて、マルチビームシステムを較正するステップを含んでもよい。プロセッサはさらに、マルチビームアレイを有するビーム源から画像を受信するように構成されてもよい。プロセッサはさらに、ファイバ位置マップをビーム源からの画像上に重ね合わせるように構成されてもよい。プロセッサはさらに、ファイバ位置マップの中心とビーム源からの画像とを整列させて誤差を決定するように構成されてもよく、誤差は、偏移、回転、直交性、アスペクト比、倍率、または非点収差を含む。プロセッサは、誤差に基づいて線形歪み補正を実行するようにさらに構成され得る。
【0019】
本開示の別の実施形態は、マルチビームシステムを提供する。システムは、光を放出するように構成された光源を備えることができる。
【0020】
システムは、ファイバ束をさらに含み得る。ファイバ束は、光源に接続された一端を有する中央ファイバと、中央ファイバを取り囲むN層のファイバとを備えてもよい。ファイバの第1の層は最内層であってもよく、ファイバの第Nの層は最外層であり、N≧2である。ファイバの第1の層は、M個のファイバを含んでもよく、ファイバの第1の層内のM個のファイバの各々は、光源に接続された一端を有してもよい。第Nのファイバ層は、M個より多いファイバを含んでもよく、第Nのファイバ層中のM個のファイバは、光源に接続された一端を有してもよい。
【0021】
本システムはさらに、画像セットを捕捉するように構成される、カメラを備えてもよい。画像セットは、光源に接続された各ファイバに対応する画像を含み得る。
【0022】
システムは、カメラと電子通信するプロセッサをさらに備えることができる。プロセッサは、重心マップを生成するために、画像セット内の各画像の重心を決定するように構成され得る。プロセッサは、画像セット内の各画像の各画素の光の強度を決定することができる。1つの画素が、1つの画像内の画素のうち最も高い強度を有すると決定されるとき、その画素の(x,y)位置は、画像の重心として決定され得る。複数の画素が1つの画像中の画素の中で最も高い強度を有すると決定されるとき、画像の重心は、最も高い強度を有する画素の各々の(x,y)位置に基づいて決定され得る。
【0023】
プロセッサはさらに、重心マップに基づいて、ファイバ束内の全てのファイバのファイバ位置を含む、ファイバ位置マップを生成するように構成されてもよい。プロセッサは、重心マップに基づいて、画像セット内の各画像の重心のピッチおよび回転を決定するように構成され得る。プロセッサはさらに、ピッチおよび回転に基づいて、ファイバ束の第Nの層内の残りのファイバのファイバ位置を判定するように構成されてもよい。プロセッサはさらに、ファイバ束の第Nの層内の残りのファイバの重心およびファイバ位置を含むファイバ位置マップを生成するように構成されてもよい。
【0024】
本開示の実施形態によれば、プロセッサはさらに、ピッチおよび回転に基づいて、ファイバ束内の第1のファイバ層と第Nのファイバ層との間の全てのファイバのファイバ位置を決定するように構成されてもよい。プロセッサはさらに、重心と、ファイバ束の第Nの層内の残りのファイバのファイバ位置と、ファイバ束内の第1のファイバ層と第Nのファイバ層との間の全てのファイバのファイバ位置とを含むファイバ位置マップを生成するように構成されてもよい。
【0025】
本開示の実施形態によれば、中央ファイバ、第1の層のM個のファイバ、および第Nの層のM個のファイバのみが光源に接続されてもよい。
【0026】
本開示の実施形態によれば、N層のファイバは、多角形形状で中央ファイバを取り囲んでもよく、N層のファイバのM個のファイバは、多角形形状の角に対応してもよい。ファイバのN層は、六角形で中央ファイバを取り囲んでもよく、N層内のM個のファイバは、六角形の角に対応してもよい。
【0027】
本開示の実施形態によれば、ファイバ束は、300を超えるファイバを含んでもよい。
【0028】
本開示の実施形態によれば、プロセッサは、ファイバ位置マップに基づいてマルチビームシステムを較正するようにさらに構成され得る。プロセッサはさらに、マルチビームアレイを有するビーム源から画像を受信するように構成されてもよい。プロセッサはさらに、ファイバ位置マップをビーム源からの画像上に重ね合わせるように構成されてもよい。プロセッサはさらに、ファイバ位置マップの中心とビーム源からの画像とを整列させて誤差を決定するように構成されてもよく、誤差は、偏移、回転、直交性、アスペクト比、倍率、または非点収差を含む。プロセッサは、誤差に基づいて線形歪み補正を実行するようにさらに構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本開示の性質および目的をより完全に理解するために、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照されたい。
【
図1】本開示の一実施形態によるマルチビームシステムにおけるファイバ位置マッピングの方法のフローチャートである。
【
図2A】本開示の一実施形態による1つのファイバの例示的な画像を示す図である。
【
図2B】本開示の一実施形態による例示的な重心マップを示す図である。
【
図3】本開示の一実施形態によるファイバ位置マップの例を示す図である。
【
図4】マルチビームシステムを較正するための本開示の方法のさらなるステップを示す図である。
【
図5A】本開示の一実施形態によるマルチビームシステムの概略図である。
【
図5B】本開示の実施形態によるファイバ束の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
特許請求される主題は、ある実施形態に関して説明されるが、本明細書に記載される利益および特徴の全てを提供しない実施形態を含む、他の実施形態もまた、本開示の範囲内である。様々な構造的、論理的、プロセスステップ、および電子的変更が、本開示の範囲から逸脱することなく行われ得る。したがって、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによってのみ定義される。
【0031】
本開示の実施形態は、マルチビームシステムにおけるファイバ位置マッピングの方法を提供する。
図1に示されるように、方法は、以下のステップを含んでもよい。
【0032】
ステップ101において、光源から光が放射される。光源はLED光源であってもよい。光は、カメラに向けられ得る。カメラは、電荷結合素子(CCD)カメラであってもよい。
【0033】
ステップ102において、ファイバ束が提供される。ファイバ束は、互いに平行に延びる複数のファイバを含んでもよい。ファイバはシリカファイバであってもよい。各ファイバの直径は、ファイバによって透過可能な光の波長に基づいて変化してもよい。複数のファイバは、同じ直径を有してもよい。複数のファイバは、ファイバ束を形成するように、接着剤またはフレームをともに保持してもよい。ファイバ束は、中央ファイバを含んでもよい。中央ファイバは、ファイバ束の中心に配置され、ファイバ束内の他のファイバによって囲まれてもよい。いくつかの実施形態では、複数のファイバが、ファイバ束の中心に配置されてもよく、したがって、これらのファイバは、集合的に中央ファイバと見なされてもよい。中央ファイバは、光源に接続された一端を有してもよい。例えば、中央ファイバの一端は、光源から放射された光が中央ファイバを通って方向付けられるように光源上に配置されてもよい。
【0034】
ファイバ束は、N層のファイバをさらに含み得る。ファイバのN層は、中央ファイバを取り囲み得る。ファイバのN層において、ファイバの第1の層は、N層の最も内側として定義され得る。例えば、第1の層は、中央ファイバに最も近くてもよく、中央ファイバを直接取り囲んでもよい。ファイバのN層において、ファイバのN層は、N層の最外層として定義され得る。例えば、第Nのファイバ層は、中央ファイバから最も遠くにあってもよく、ファイバ束の外側境界を画定してもよい。N層のファイバにおいて、Nは2以上であってもよい。例えば、N=2の場合、第Nのファイバ層は第2のファイバ層であってもよく、第1のファイバ層を直接取り囲んでもよい。別の例では、N=3である場合、第Nのファイバ層は第3のファイバ層であってもよく、第2のファイバ層は第1のファイバ層と第Nのファイバ層との間に配置されてもよい。Nは、2より大きい任意の数であってもよく、各増加する数Nに対して、ファイバの追加の層が第1の層と第Nの層との間に提供されることが理解され得る。
【0035】
ファイバの第1の層は、M個のファイバを含んでもよい。Mは4以上であってもよい。
【0036】
本開示の特定の実施形態によれば、M=6である。ファイバの第1の層内のM個のファイバの各々は、光源に接続された一端を有し得る。例えば、第1の層内のM個のファイバの各々の一端は、光源から放射された光が第1の層内のM個のファイバの各々を通って方向付けられ得るように、光源上に配置され得る。第Nのファイバ層は、Mを超えるファイバを含んでもよい。例えば、N=2及びM=6の場合、第Nのファイバ層は12のファイバを含んでもよい。N=3及びM=6の場合、第Nのファイバ層は18のファイバを含むことができる。第Nのファイバ層におけるM個のファイバは、光源に接続された一端を有し得る。例えば、第N層のM個のファイバの各々の一端は、光源から出射された光が第N層のM個のファイバの各々を通るように光源上に配置されてもよい。
【0037】
本開示の実施形態によれば、中央ファイバ、第1の層のM個のファイバ、および第Nの層のM個のファイバのみが光源に接続されてもよい。言い換えれば、任意の所与のファイバ束のための光源に接続されるファイバの数は、2M+1に等しくてもよい。したがって、第Nの層内の残りのファイバ、および第1の層と第Nの層との間の層内の全てのファイバは、光源に接続されなくてもよい。より多くのファイバが光源に接続され得るが、光源に接続されるファイバの数を最小限に抑えることは、システムを単純化し、計算の複雑さを低減し得ることが理解され得る。光源に接続されたファイバの各々は、別個のコネクタによって光源に接続されてもよい。
【0038】
本開示の実施形態によれば、ファイバのN層は、多角形形状で中央ファイバを取り囲み得る。多角形形状は、正多角形形状であってもよく、これは、多角形のすべての角度および辺が等しくてもよいことを意味する。例えば、多角形の形状は、三角形、正方形、五角形、六角形、六角形、八角形、または任意の数の辺を有する多角形であってもよい。ファイバの第1の層中のM個のファイバの数は、多角形形状の辺の数に対応し得る。例えば、M=6の場合、多角形の形状は六角形であってもよい。第Nのファイバ層中のM個のファイバは、多角形形状の角に対応し得る。例えば、ファイバのN層は、六角形で中央ファイバを取り囲んでもよく、N層内のM個のファイバは、六角形の角に対応してもよい。
【0039】
以上説明したように、ファイバの数に依存して、ファイバ束層数をNとファイバ本数が、第1層Mにより、ファイバ束は、数百ファイバ、ファイバの積層数をN個の周囲の中央ファイバが増加する。例えば、ファイバ束は、300を超えるファイバを含んでもよい。ファイバ束は、多数のファイバを含んでもよいが、光源に接続されるファイバの数は、第1の層内のM個のファイバのみに依存することを理解されたい。例えば、M=6の場合、ファイバ束におけるファイバの層数Nやファイバの総数にかかわらず、13本のファイバを光源に接続することができる。
【0040】
ステップ103において、カメラを用いて画像セットが捕捉される。画像セットは、光源に接続された各ファイバに対応する画像を含み得る。例えば、画像は、中央ファイバ、第1の層内のM個のファイバ、および第Nの層内のM個のファイバを通して指向される光に対応して捕捉されてもよい。M=6である特定の実施形態では、合計13枚の画像を捕捉することができる。例示的な画像が
図2Aに示されている。
【0041】
ステップ104では、画像セット内の各画像の重心が、重心マップを生成するように、プロセッサを使用して決定される。重心マップは、例えば、
図2Bに示されるように、グラフ上に各重心の(x,y)位置をプロットしてもよい。各画像の重心は、画像処理によって決定されてもよい。例えば、プロセッサは、各画像の各画素における光の強度を決定してもよい。プロセッサは、画像を処理する前にノイズを除去するために、画像にフィルタリングまたは平滑化演算を実行することができる。画素が最高/ピーク強度を有すると決定される場合、この画素の(x,y)位置は、画像の重心Cとして決定され得る。複数の画素kが最高/ピーク強度を有すると決定される場合、重心Cは、各画素kの(x,y)位置に基づいて決定され得る。例えば、重心Cは、以下の式によって決定されてもよい。
【数1】
【0042】
複数の隣接する画素が最高/ピーク強度を有する場合、画素のこのグループの中心画素の(x,y)位置を画像の重心Cとして決定することができる。
【0043】
ステップ105において、プロセッサを用いてファイバ位置マップが生成される。ファイバ位置マップは、重心マップに基づくファイバ束内の全てのファイバのファイバ位置を含んでもよい。例えば、
図3に示されるように、ファイバ位置マップは、グラフ上の各重心の(x,y)位置に基づいて、ファイバ束内の全てのファイバの(x,y)位置をプロットしてもよい。
図3において、重心マップからのファイバの位置(すなわち、中央ファイバ、第1の層のM個のファイバ、および第Nの層のM個のファイバの位置である)は実線で示され、他の全てのファイバの位置(すなわち、第Nの層における残りのファイバおよび第1の層と第Nの層との間の層におけるファイバである)は点線で示され、ファイバ束の設計に基づいて決定することができる。
【0044】
本開示の実施形態によれば、ステップ105は、以下のステップを含んでもよい。画像セット内の各画像の重心のピッチおよび回転は、重心マップに基づいて決定され得る。各画像の重心のピッチおよび回転は、決定された重心位置と各ファイバの予想位置との間の差に対応し得る。例えば、ピッチは、中央ファイバの(x,y)位置と第1の層内のファイバとの間の距離に基づいて計算することができる。回転は、中央ファイバから第1の層内のファイバまで延在する線の角度に基づいて決定されてもよい。ピッチおよび回転はまた、画像間の比較を含むことができる。当然のことながら、重心位置は、光光学部品の機械的公差のため、正確には予期される位置にない場合がある。例えば、
図2Bに示されるように、中央ファイバ重心は、(1018、1116)として計算されるが、予期される位置は、(1024、1024)である。ファイバ束の第N層における残りのファイバのファイバ位置は、ピッチおよび回転に基づいて決定され得る。上記で説明したように、第Nのファイバ層は、M個より多いファイバを含むことができるが、重心は、光源に接続された第Nの層内のM個のファイバのみに対して決定される。例えば、N=3及びM=6の場合、第Nのファイバ層には12本の残りのファイバが存在し得る。これらのファイバのファイバ位置は、ピッチ及び回転に基づいて決定することができる。ファイバ束の第N層における残りのファイバの重心及びファイバ位置を含むファイバ位置マップを生成することができる。例えば、
図3に示すように、ファイバ位置マップは、グラフ上の各重心の(x,y)位置に基づいて、第Nのファイバ層内の残りのファイバの(x,y)位置をプロットすることができる。
【0045】
本開示の実施形態によれば、ステップ105は、以下の追加のステップをさらに含み得る。ファイバ束における第1のファイバ層と第Nのファイバ層との間の全てのファイバのファイバ位置は、ピッチ及び回転に基づいて決定され得る。
【0046】
上記で説明したように、N>2である場合、第1のファイバ層と第Nのファイバ層との間に1つ以上のファイバ層が存在し得る。これらのファイバのファイバ位置は、ピッチ及び回転に基づいて決定することができる。重心と、ファイバ束の第Nの層における残りのファイバのファイバ位置と、ファイバ束の第1のファイバ層と第Nのファイバ層との間の全てのファイバのファイバ位置とを含むファイバ位置マップを生成することができる。例えば、
図3に示すように、ファイバ位置マップは、グラフ上の各重心の(x,y)位置と、N及びMに関するファイバ束の設計とに基づいて、第1のファイバ層と第Nのファイバ層との間のファイバの(x,y)位置をプロットすることができる。
【0047】
本開示の実施形態によれば、方法100は、ファイバ位置マップ106に基づいてマルチビームシステムを較正することをさらに含み得る。マルチビームシステムを較正することは、
図4に示される以下のステップを含み得る。
【0048】
ステップ107では、プロセッサは、誤差を有するツールから画像を受信してもよい。誤差は、シフト(x/y偏向)、ROAM(回転、直交性、アスペクト比、および/または倍率)、または非点収差(形状歪み)を含み得る。線形歪み補正は、誤差に基づいて実行されてもよい。システム内の偏向器を使用して、シフト誤差を補正することができる。レンズは、ROAM誤差または非点収差誤差を補正するために使用することができる。
【0049】
ステップ108において、ファイバ位置マップは、ツールからの画像上に重ね合わせされてもよく、中心が識別されてもよい。
【0050】
ステップ109において、ファイバ位置マップの中心とツールからの画像とを位置合わせすることができ、シフト、ROAM、および/または非点収差を決定することができる。言い換えれば、ファイバ位置マップとツールからの画像との間の差は、シフト、ROAM、および/または非点収差として定量化され得る。
【0051】
ステップ110において、シフト、ROAM、および/または非点収差を使用して、マルチビームシステムを較正することができる線形歪み補正を実行することができる。
【0052】
本開示の方法100では、ファイバ束内の各ファイバの物理的位置に対応するファイバ位置マップを単純に生成することができる。ファイバ位置マップは、検査プロセスの精度および効率を向上させるためにマルチビーム源を較正および位置合わせするために使用され得る。
【0053】
図5Aに示される本開示の実施形態は、装置200を提供する。装置200は、光を放出するように構成された光源210を備えることができる。光源210からの光は、カメラ220に向けられ得る。カメラ220は、電荷結合素子(CCD)カメラであってもよい。
【0054】
装置200は、ファイバ束230をさらに備えることができる。ファイバ束230は、互いに平行に延びる複数のファイバを含んでもよい。ファイバはシリカファイバであってもよい。各ファイバの直径は、ファイバによって透過可能な光の波長に基づいて変化してもよい。複数のファイバは、同じ直径を有してもよい。複数のファイバは、接着剤またはフレームによってともに保持され、ファイバ束230を形成してもよい。ファイバ束230は、中央ファイバ231を含んでもよい。中央ファイバ231は、ファイバ束230の中心に配置され、ファイバ束230内の他のファイバによって囲まれてもよい。いくつかの実施形態では、複数のファイバが、ファイバ束の中心に配置されてもよく、したがって、これらのファイバは、集合的に中央ファイバと見なされてもよい。中央ファイバ231は、一端が光源210に接続される。例えば、中央ファイバ231の一端は、光源210から放出された光が中央ファイバ231を通って方向付けられるように、光源210上に配置されてもよい。
【0055】
ファイバ束230は、中央ファイバ231を取り囲むN層のファイバをさらに含み得る。ファイバのN層において、ファイバの第1の層232は、N層の最内層として定義され得る。例えば、第1の層232は、中央ファイバ231に最も近くてもよく、中央ファイバ231を直接取り囲んでもよい。ファイバのN層において、ファイバのN層234は、N層の最外層として定義され得る。例えば、第Nのファイバ層234は、中央ファイバ231から最も遠くにあってもよく、ファイバ束230の外側境界を画定してもよい。N層のファイバにおいて、Nは2以上であってもよい。例えば、N=2の場合、第Nのファイバ層234は、第2のファイバ層であってもよく、第1のファイバ層232を直接取り囲んでもよい。
図5Bに示される別の例では、N=3の場合、第Nのファイバ層234は第3のファイバ層であってもよく、第2のファイバ層233は第1のファイバ層232と第Nのファイバ層234との間に配置されてもよい。Nは、2より大きい任意の数であってもよく、各増加する数Nに対して、ファイバの追加の層233が、ファイバの第1の層232とファイバの第Nの層234との間に提供されることが理解され得る。
【0056】
ファイバの第1の層232は、M個のファイバを含んでもよい。Mは4以上であってもよい。
図5Bに示される本開示の特定の実施形態によれば、M=6である。ファイバの第1の層232内のM個のファイバの各々は、光源210に接続された一端を有し得る。例えば、第1のファイバ層232内のM個のファイバの各々の一端は、光源210から放射された光が第1のファイバ層232内のM個のファイバの各々を通って方向付けられ得るように、光源210上に配置され得る。第Nのファイバ層234は、Mを超えるファイバを含んでもよい。例えば、N=2及びM=6の場合、第Nのファイバ層234は12のファイバを含んでもよい。N=3及びM=6の場合、
図5Bに示すように、第Nのファイバ層234は18本のファイバを含むことができる。第Nのファイバ層234におけるM個のファイバは、光源210に接続された一端を有し得る。例えば、第Nのファイバ層234のM個のファイバの各々の一端は、光源210から放射された光が第Nのファイバ層234のM個のファイバの各々を通って方向付けられ得るように、光源210上に配置され得る。
【0057】
本開示の実施形態によれば、中央ファイバ231、第1の層232内のM個のファイバ、および第Nの層234内のM個のファイバのみが光源210に接続され得る。言い換えれば、任意の所与のファイバ束230に対して光源210に接続されるファイバの数は、2M+1に等しくてもよく、したがって、第Nの層234内の残りのファイバ、および第1のファイバ層232と第Nのファイバ層234との間の層内の全てのファイバは、光源210に接続されなくてもよい。例えば、
図5Aに示すように、第2のファイバ層233のファイバは、光源210に接続されなくてもよい。より多くのファイバが光源210に接続され得るが、光源に接続されるファイバの数を最小限に抑えることは、システムを単純化し、計算の複雑さを低減し得ることが理解され得る。光源210に接続されたファイバの各々は、別個のコネクタ211によって光源210に接続され得る。
【0058】
本開示の実施形態によれば、N層のファイバ234は、多角形形状で中央ファイバ231を取り囲むことができる。多角形形状は、正多角形形状であってもよく、これは、多角形のすべての角度および辺が等しくてもよいことを意味する。例えば、多角形の形状は、三角形、正方形、五角形、六角形、六角形、八角形、または任意の数の辺を有する多角形であってもよい。第1のファイバ層232中のM個のファイバの数は、多角形形状の辺の数に対応し得る。例えば、M=6の場合、多角形の形状は六角形であってもよい。第Nのファイバ層234のM個のファイバは、多角形形状の角に対応することができる。例えば、N層のファイバ234は、六角形で中央ファイバ231を取り囲んでもよく、N層のファイバ234のM本のファイバは、六角形の角に対応してもよい。
【0059】
以上説明したように、ファイバの数に依存して、ファイバ束層数をNとファイバ本数が、第1層Mにより、ファイバ束230は、数百ファイバ、ファイバの積層数をN個の周囲の中央ファイバ231が増加する。例えば、ファイバ束230は、300を超えるファイバを含んでもよい。ファイバ束230は、多数のファイバを含み得るが、光源210に接続されるファイバの数は、第1の層232内のM個のファイバのみに依存することを理解されたい。例えば、M=6の場合、ファイバ束230のファイバの層数Nやファイバの総数にかかわらず、光源210に13本のファイバを接続することができる。
【0060】
装置200は、カメラ220をさらに備えることができる。カメラ220は、画像セットを捕捉するように構成され得る。画像セットは、光源210に接続された各ファイバに対応する画像を含むことができる。例えば、画像は、中央ファイバ231、ファイバの第1の層232内のM個のファイバ、およびファイバの第Nの層234内のM個のファイバを通して指向される光に対応して捕捉されてもよい。M=6である特定の実施形態では、合計13個の画像がカメラ220によって捕捉され得る。例示的な画像が
図2Aに示されている。
【0061】
装置200は、プロセッサ240をさらに備え得る。プロセッサ240は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または他のデバイスを含み得る。
【0062】
プロセッサ240は、プロセッサ240が出力を受信することができるように、任意の適切な様式(例えば、有線および/または無線伝送媒体を含むことができる1つまたは複数の伝送媒体を介する)で装置200の構成要素に結合され得る。プロセッサ240は、出力を使用していくつかの機能を実行するように構成され得る。ウェハ検査ツールは、プロセッサ240から命令又は他の情報を受信することができる。プロセッサ240は、任意選択的に、別のウェハ検査ツール、ウェハ計測ツール、又はウェハレビューツール(図示せず)と電子通信して、追加情報を受信するか、又は命令を送信することができる。
【0063】
プロセッサ240は、カメラ220などのウェハ検査ツールと電子通信する。プロセッサ240は、カメラ220からの測定値を使用して生成された画像を処理するように構成され得る。例えば、プロセッサは、方法100の実施形態を実行することができる。
【0064】
プロセッサ240は、パーソナルコンピュータシステム、画像コンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワークアプライアンス、インターネットアプライアンス、または他のデバイスを含む、種々のシステムの一部であってもよい。サブシステムまたはシステムは、並列プロセッサなど、当技術分野で知られている任意の適切なプロセッサも含み得る。加えて、サブシステムまたはシステムは、スタンドアロンツールまたはネットワークツールのいずれかとして、高速処理およびソフトウェアを有するプラットフォームを含んでもよい。
【0065】
プロセッサ240は、装置200または別のデバイスの中に配置されるか、または別様にその一部であり得る。ある例では、プロセッサ240は、独立型制御ユニットの一部であってもよく、または集中型品質制御ユニットであってもよい。複数のプロセッサ240が使用され得、装置200の複数のサブシステムを定義する。
【0066】
プロセッサ240は、実際には、ハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアの任意の組合せによって実装され得る。また、本明細書で説明されるようなその機能は、1つのユニットによって実行されてもよく、または異なる構成要素の間で分割されてもよく、その各々は、ハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアの任意の組み合わせによって順に実装されてもよい。プロセッサ240が様々な方法および機能を実装するためのプログラムコードまたは命令は、メモリなどの可読記憶媒体に記憶され得る。
【0067】
装置200が複数のサブシステムを含む場合、画像、データ、情報、命令などをサブシステム間で送信できるように、異なるプロセッサ240を互いに結合することができる。たとえば、1つのサブシステムは、当技術分野で知られている任意の適切な有線および/または無線伝送媒体を含み得る任意の適切な伝送媒体によって追加のサブシステムに結合され得る。そのようなサブシステムのうちの2つ以上はまた、共有コンピュータ可読記憶媒体(図示せず)によって効果的に結合されてもよい。
【0068】
プロセッサ240は、装置200の出力または他の出力を使用して、いくつかの機能を実行するように構成され得る。たとえば、プロセッサ240は、出力を電子データ記憶ユニットまたは別の記憶媒体に送るように構成され得る。プロセッサ240はさらに、本明細書で説明されるように構成され得る。
【0069】
プロセッサ240は、欠陥レビュー・システム、検査システム、計測システム、または他の何らかのタイプのシステムの一部とすることができる。したがって、本明細書で開示される実施形態は、異なる用途に多かれ少なかれ適している異なる能力を有するシステムのためにいくつかの方法で調整され得るいくつかの構成を説明する。
【0070】
プロセッサ240は、本明細書で説明する実施形態のいずれかに従って構成され得る。プロセッサ240はまた、装置200の出力を使用して、または他のソースからの画像もしくはデータを使用して、他の機能または追加のステップを実行するように構成され得る。
【0071】
プロセッサ240は、当技術分野で知られている任意の方式で装置200の様々な構成要素またはサブシステムのいずれかに通信可能に結合され得る。さらに、プロセッサ240は、有線および/または無線部分を含み得る伝送媒体によって他のシステム(例えば、レビューツールなどの検査システムからの検査結果、設計データを含むリモートデータベースなど)からデータまたは情報を受信および/または取得するように構成され得る。このようにして、伝送媒体は、プロセッサ240と装置200の他のサブシステムまたは装置200の外部のシステムとの間のデータリンクとして働き得る。本明細書で開示される装置200および方法の様々なステップ、機能、および/または動作は、以下のうちの1つまたは複数によって実行される:電子回路、論理ゲート、マルチプレクサ、プログラマブル論理デバイス、ASIC、アナログもしくはデジタル制御/スイッチ、マイクロコントローラ、またはコンピューティングシステム。本明細書で説明されるもの等の方法を実装するプログラム命令は、キャリア媒体を介して伝送されるか、またはキャリア媒体上に記憶されてもよい。キャリア媒体は、読取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気または光ディスク、不揮発性メモリ、ソリッドステートメモリ、磁気テープなどの記憶媒体を含み得る。キャリア媒体は、ワイヤ、ケーブル、またはワイヤレス伝送リンクなどの伝送媒体を含み得る。たとえば、本開示全体にわたって説明される様々なステップは、単一のプロセッサ240(またはコンピュータサブシステム)によって、または代替的に、複数のプロセッサ240(または複数のコンピュータサブシステム)によって実行され得る。さらに、装置200の異なるサブシステムは、1つ以上のコンピューティングまたは論理システムを含んでもよい。したがって、上記の説明は、本開示に対する限定として解釈されるべきではなく、単なる例示として解釈されるべきである。
【0072】
プロセッサ240は、重心マップを生成するために、画像セット中の各画像の重心を決定するように構成され得る。重心マップは、例えば、
図2Bに示されるように、グラフ上に各重心の(x,y)位置をプロットしてもよい。各画像の重心は、画像処理によって決定されてもよい。例えば、プロセッサ240は、各画像の各画素における光の強度を決定してもよい。プロセッサ240は、画像を処理する前にノイズを除去するために、画像にフィルタリングまたは平滑化演算を実行することができる。画素が最高/ピーク強度を有すると決定される場合、この画素の(x,y)位置は、画像の重心Cとして決定され得る。複数の画素kが最高/ピーク強度を有すると決定される場合、重心Cは、各画素kの(x,y)位置に基づいて決定され得る。例えば、重心Cは、以下の式によって決定されてもよい。
【数2】
【0073】
複数の隣接する画素が最高/ピーク強度を有する場合、画素のこのグループの中心画素の(x,y)位置を画像の重心Cとして決定することができる。
【0074】
プロセッサ240はさらに、重心マップに基づいて、ファイバ束230内の全てのファイバのファイバ位置を含む、ファイバ位置マップを生成するように構成されてもよい。例えば、
図3に示すように、ファイバ位置マップは、グラフ上の各重心の(x,y)位置に基づいて、ファイバ束230内の全てのファイバの(x,y)位置をプロットすることができる。
図3において、重心マップからのファイバの位置(すなわち、中央ファイバ231、第1の層232のM個のファイバ、および第Nの層234のM個のファイバの位置である)は実線で示され、他の全てのファイバの位置(すなわち、第Nの層234内の残りのファイバ、および第1の層と第Nの層との間の層内のファイバである)は点線で示され、ファイバ束230の設計に基づいて決定することができる。
【0075】
本開示の実施形態によれば、プロセッサ240は、重心マップに基づいて、画像セット内の各画像の重心のピッチおよび回転を決定するようにさらに構成され得る。各画像の重心のピッチおよび回転は、決定された重心位置とファイバ束230内の各ファイバの予想位置との間の差に対応し得る。例えば、ピッチは、中央ファイバ231の(x,y)位置と第1の層232のファイバとの間の距離に基づいて計算することができる。回転は、中央ファイバ231から第1の層232内のファイバまで延在する線の角度に基づいて決定されてもよい。当然のことながら、重心位置は、光光学部品の機械的公差のため、正確には予期される位置にない場合がある。例えば、
図2Bに示すように、中央ファイバ231は、(1018、1116)として計算された重心を有するが、予想される位置は(1024、1024)である。
【0076】
プロセッサ240はさらに、ピッチおよび回転に基づいて、ファイバ束230内の第Nのファイバ層234内の残りのファイバのファイバ位置を決定するように構成されてもよい。上記で説明したように、第Nのファイバ層234は、M個より多いファイバを含むことができるが、重心は、光源210に接続された第Nの層内のM個のファイバのみに対して決定される。例えば、N=3及びM=6であるとき、第Nのファイバ層234内に12個の残りのファイバが存在し得る。これらのファイバのファイバ位置は、ピッチ及び回転に基づいて決定することができる。
【0077】
プロセッサ240はさらに、ファイバ束230内の第Nのファイバ層234内の残りのファイバのファイバ位置を含むファイバ位置マップを生成するように構成されてもよい。例えば、
図3に示すように、ファイバ位置マップは、グラフ上の各重心の(x,y)位置と、N及びMに関するファイバ束の設計とに基づいて、第Nのファイバ層234内の残りのファイバの(x,y)位置をプロットすることができる。
【0078】
本開示の実施形態によれば、プロセッサ240はさらに、ピッチおよび回転に基づいて、ファイバ束230内の第1のファイバ層232と第Nのファイバ層234との間の全てのファイバのファイバ位置を決定するように構成されてもよい。上記で説明したように、N>2である場合、第1のファイバ層232と第Nのファイバ層234との間に1つ以上のファイバ層233が存在し得る。これらのファイバ233のファイバ位置は、ピッチ及び回転に基づいて決定することができる。
【0079】
プロセッサ240はさらに、重心と、ファイバ束230内の第Nのファイバ層234内の残りのファイバのファイバ位置と、ファイバ束230内の第1のファイバ層232と第Nのファイバ層234との間の全てのファイバのファイバ位置とを含むファイバ位置マップを生成するように構成されてもよい。したがって、ファイバ位置マップは、ファイバ束230内のすべてのファイバ231、232、233、234の位置を含むことができる。
【0080】
本開示の実施形態によれば、プロセッサ240は、ファイバ位置マップに基づいてマルチビームシステムを較正するようにさらに構成され得る。プロセッサ240は、マルチビームアレイを有するビーム源250からの画像上にファイバ位置マップをオーバーレイするように構成され得る。プロセッサ240は、ファイバ位置マップとビーム源からの画像とを位置合わせして誤差を決定するように構成することができる。誤差は、シフト(x/y偏向)、ROAM(回転、直交性、アスペクト比、倍率)、または非点収差(形状歪み)を含み得る。ファイバ位置マップとツールからの画像との間の差は、シフト、ROAM、および/または非点収差として定量化されてもよい。プロセッサ240は、誤差に基づいて線形歪み補正を実行してビーム源250を較正するように構成され得る。装置200はまた、種々のレンズ、アパーチャ、偏向器、または他の構成要素を含むことができる。偏向器は、シフト誤差を補正するために使用することができる。レンズは、ROAM誤差または非点収差誤差を補正するために使用することができる。
【0081】
本開示の装置200では、ファイバ束230内の各ファイバの物理的位置に対応するファイバ位置マップを単純に生成することができる。ファイバ位置マップは、検査プロセスの精度および効率を向上させるためにマルチビーム源を較正および位置合わせするために使用され得る。
【0082】
本開示は、1つ以上の特定の実施形態に関して説明されたが、本開示の他の実施形態が、本開示の範囲から逸脱することなく行われ得ることが理解されるであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその妥当な解釈によってのみ限定されると見なされる。
【国際調査報告】