(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-14
(54)【発明の名称】段階的な濃度のヒドロキシルラジカルを有するレーザ維持プラズマランプ
(51)【国際特許分類】
H01J 65/04 20060101AFI20240806BHJP
【FI】
H01J65/04 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572665
(86)(22)【出願日】2022-08-10
(85)【翻訳文提出日】2023-11-22
(86)【国際出願番号】 US2022039892
(87)【国際公開番号】W WO2023018754
(87)【国際公開日】2023-02-16
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホディキン オレグ
(72)【発明者】
【氏名】ベゼル イリヤ
(57)【要約】
プラズマランプが開示される。プラズマランプは、ガスを収容し、ガス収容構造内にプラズマを生成するように構成されたガス収容構造を含む。ガス収容構造は、ポンプレーザからの照明およびプラズマによって放出される広帯域放射に対して透明なガラス材料から形成される。ガス収容構造はガラス壁を含み、ガラス壁内のガラスは、ガラス壁の厚さにわたって変化するOH濃度分布を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマランプであって、
ガスを収容し、ガス収容構造内にプラズマを生成するように構成されたガス収容構造であって、ポンプレーザからの照明および前記プラズマによって放出される広帯域放射の少なくとも一部に対して少なくとも部分的に透明なガラス材料から形成されたガス収容構造
を備え、
前記ガス収容構造は、ガラス壁を含み、前記ガラス壁は、前記ガラス壁の厚さにわたって変化するOH濃度分布を含む、
プラズマランプ。
【請求項2】
前記ガラス壁の内面における第1のOH濃度は、前記ガラス壁のバルク領域内の第2のOH濃度よりも高いことを特徴とする請求項1に記載のプラズマランプ。
【請求項3】
前記OH濃度分布は、前記ガラス壁の前記バルク領域を通して徐々に変化することを特徴とする請求項2に記載のプラズマランプ。
【請求項4】
前記内面は、前記ガラス壁の前記バルク領域のOH濃度よりも高いOH濃度を有する表面層を含むことを特徴とする請求項2に記載のプラズマランプ。
【請求項5】
前記内面は600ppmより高いOH含有量を有し、前記バルク領域は300pmより低いOH含有量を有することを特徴とする請求項4に記載のプラズマランプ。
【請求項6】
前記表面層は、前記ガラス壁の前記内面にOHまたはH
2の少なくとも1つを含浸させる表面処理により形成されることを特徴とする請求項4に記載のプラズマランプ。
【請求項7】
前記表面層は1nm~100μmであることを特徴とする請求項4に記載のプラズマランプ。
【請求項8】
前記ガラス壁の前記内面における前記第1のOH濃度は、表面劣化を抑制することを特徴とする請求項2に記載のプラズマランプ。
【請求項9】
レーザ維持プラズマ光源であって、
ある体積のガスを収容するように構成されたガス収容構造であって、ガラス壁を含み、前記ガラス壁は、前記ガラス壁の厚さにわたって変化するOH濃度分布を含む、ガス収容構造と、
プラズマバルブ内のプラズマを維持するための光学ポンプを生成するように構成されたレーザポンプ源と、
前記プラズマから放出される広帯域光の少なくとも一部を集光するように構成された集光素子であって、前記ガス収容構造は、前記レーザポンプ源からの照明および前記プラズマによって放出される広帯域放射の少なくとも一部に対して少なくとも部分的に透明なガラス材料から形成される、集光素子と、
を備えるレーザ維持プラズマ光源。
【請求項10】
前記ガラス壁の内面における第1のOH濃度は、前記ガラス壁のバルク領域内の第2のOH濃度よりも高いことを特徴とする請求項9に記載のレーザ維持プラズマ光源。
【請求項11】
OH濃度分布は、前記ガラス壁の前記バルク領域を通して徐々に変化することを特徴とする請求項10に記載のレーザ維持プラズマ光源。
【請求項12】
前記内面は、前記ガラス壁の前記バルク領域より高いOH濃度を有する表面層を含むことを特徴とする請求項10に記載のレーザ維持プラズマ光源。
【請求項13】
前記内面は600ppmより高いOH含有量を有し、前記バルク領域は300pmより低いOH含有量を有することを特徴とする請求項12に記載のレーザ維持プラズマ光源。
【請求項14】
前記表面層は、前記ガラス壁の内面にOHまたはH
2の少なくとも1つを含浸させる表面処理により形成されることを特徴とする請求項12に記載のレーザ維持プラズマ光源。
【請求項15】
前記表面層は1nm~100μmであることを特徴とする請求項12に記載のレーザ維持プラズマ光源。
【請求項16】
前記ガラス壁の前記内面における前記第1のOH濃度は、表面劣化を抑制することを特徴とする請求項10に記載のレーザ維持プラズマ光源。
【請求項17】
特徴付けシステムであって、
レーザ維持光源であって、
ある体積のガスを収容するように構成されたガス収容構造であって、ガラス壁を含み、前記ガラス壁は、前記ガラス壁の厚さにわたって変化するOH濃度分布を含む、ガス収容構造と、
前記ガス収容構造内のプラズマを維持するために光ポンプを生成するように構成されたレーザポンプ源と、
前記プラズマから放出される広帯域光の少なくとも一部を集光するように構成された集光素子であって、前記ガス収容構造は、前記レーザポンプ源からの照明および前記プラズマによって放出される広帯域放射の少なくとも一部に対して少なくとも部分的に透明なガラス材料から形成される、集光素子と、
を備えるレーザ維持光源と、
前記レーザ維持光源からの広帯域光を1つ以上のサンプルに向けるように構成された照明光学系のセットと、
前記1つ以上のサンプルから発する光を集光するように構成された集光光学系のセットと、
検出器アセンブリと、
を備える特徴付けシステム。
【請求項18】
プラズマランプの形成方法であって、
ガラス壁を含むガス収容構造を提供するステップと、
内面における第1のOH濃度が前記ガラス壁の前記バルク領域内の第2のOH濃度よりも高くなるように、前記ガス収容構造体の前記ガラス壁の内面を処理して、前記内面におけるOH濃度を変化させるステップと、
を備えるプラズマランプの形成方法。
【請求項19】
前記内面における前記第1のOH濃度が前記ガラス壁の前記バルク領域内の前記第2のOH濃度よりも高くなるように、前記ガス収容構造体の前記ガラス壁の内面を処理して、前記内面におけるOH濃度を変化させるステップは、
前記内面における前記第1のOH濃度が前記ガラス壁の前記バルク領域内の前記第2のOH濃度よりも高くなるように前記内面におけるOH濃度を変化させるために、水蒸気の存在下で高温で前記プラズマランプをアニーリングするステップ、
を備えることを特徴とする請求項18に記載のプラズマランプの形成方法。
【請求項20】
前記内面における前記第1のOH濃度が前記ガラス壁の前記バルク領域内の前記第2のOH濃度よりも高くなるように、前記ガス収容構造体の前記ガラス壁の内面を処理して、前記内面におけるOH濃度を変化させるステップは、
前記内面における前記第1のOH濃度が前記ガラス壁の前記バルク領域内の前記第2のOH濃度よりも高くなるように前記内面におけるOH濃度を変化させるために、前記ガラス壁の前記内面を1つ以上の化学前駆体でコーティングするステップ、
を備えることを特徴とする請求項18に記載のプラズマランプの形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してレーザ維持プラズマ(LSP)ランプに関し、より詳細には、広帯域プラズマ(BBP)照明器で使用されるLSPランプの寿命を延ばすことに関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の参照
本願は、米国特許法119条(e)の下で米国仮特許出願63/231,701号(2021年8月10日、LASER-SUSTAINED PLASMA LAMPS WITH GRADED CONCENTRATION OF HYDROXYL RADICAL)の利益を享受し、その全体が参照としてここに組み込まれる。
【0003】
ますます小さいデバイス特徴を有する集積回路の需要が増加し続けるにつれて、これらのますます収縮するデバイスの検査に使用される改良された照明源の必要性が増大し続けている。そのような照明源の1つは、レーザ維持プラズマ源を含む。レーザ維持光源は、アルゴンまたはキセノンなどのガスをプラズマ状態に励起するために、レーザ放射をガス体積に集束させることによって動作し、プラズマ状態は光を放出することができる。ガラス中のヒドロキシルラジカル(OH)の濃度は、ガラスの様々な物理的特性を決定し、動作中にランプがどのように劣化するかを決定し得る。吸収を誘発するために、ガラスレシピ中にOHを添加する。これにより、ガラスがクリープしやすくなる。したがって、低いOH含有量を有するランプは、より高い誘起吸収のために劣化するが、高いOH含有量を有するランプは、クリープのために劣化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2016/0057845号
【特許文献2】特開平11-339716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、上記で特定された手法の欠点を改善するための解決策を提供することが有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の1つ以上の実施形態によるプラズマランプが開示される。実施形態では、プラズマランプは、ガスを収容し、ガス収容構造内にプラズマを生成するように構成されたガス収容構造を含む。実施形態では、ガス収容構造は、ポンプレーザからの照明およびプラズマによって放出される広帯域放射の少なくとも一部に対して少なくとも部分的に透明なガラス材料から形成される。実施形態において、ガス収容構造はガラス壁を含み、ガラス壁は、ガラス壁の厚さにわたって変化するOH濃度分布を含む。実施形態では、プラズマランプは、広帯域レーザ維持プラズマ光源内に組み込まれる。実施形態では、プラズマランプを含む広帯域レーザ維持プラズマ光源は、検査システムまたは計測システムなどの特性評価システム内に組み込まれる。
【0007】
本開示の1つ以上の実施形態に従って、プラズマランプを形成する方法が開示される。実施形態では、本方法は、ガス収容構造を提供することを含み、ガス収容構造はガラス壁を含む。実施形態では、本方法は、内面における第1のOH濃度がガラス壁のバルク領域内の第2のOH濃度よりも高くなるように、ガス収容構造のガラス壁の内面を処理して内面におけるOH濃度を変化させるステップを含む。
【0008】
前述の概要および以下の詳細な説明の両方は、例示的および説明的なものにすぎず、必ずしも本開示を限定するものではないことを理解されたい。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の主題を示す。まとめると、説明及び図面は、本開示の原理を説明するのに役立つ
【0009】
本開示の多数の利点は、添付の図面を参照することによって当業者によってよりよく理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】本開示の1つまたは複数の実施形態による、OH含有量が変化するガラス壁を含むプラズマランプを備えたLSP広帯域光源の概略図を示す。
【
図1B】本開示の1つまたは複数の実施形態による、OH含有量が変化するガラス壁を含むプラズマランプを備えたLSP広帯域光源の概略図を示す。
【
図2】本開示の1つまたは複数の実施形態による、ガラス壁にわたるOH変動を示すプラズマランプの一部分の概念図を示す。
【
図3】
図3は、本開示の1つまたは複数の実施形態による、ガラス壁の内面におけるOH濃度の増加した薄層を示すプラズマランプの一部分の概念図を示す。
【
図4】本開示の1つまたは複数の実施形態による、
図1~
図3のいずれかに示すLSP広帯域光源を実装する光学特性評価システムの簡略化された概略図である。
【
図5】本開示の1つまたは複数の実施形態による、
図1~
図3のいずれかに示すLSP広帯域光源を実装する光学特性評価システムの簡略化された概略図である。
【
図6】本開示の1つまたは複数の実施形態による、OH含有量が変化するプラズマランプを形成する方法を示す流れ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで、添付の図面に示される開示された主題を詳細に参照する。本開示は、特定の実施形態およびその特定の特徴に関して具体的に示され、説明されてきた。本明細書に記載される実施形態は、限定的ではなく例示的であると解釈される。本開示の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細における種々の変更および修正が行われ得ることが、当業者に容易に明白となるはずである。
【0012】
本開示の実施形態は、ガラス壁の厚さにわたって選択されたOH分布で形成されたガラス壁を含むプラズマランプに関する。具体的には、ガラスのバルクは、低いOH含有量(例えば、約300ppm以下)を有することができ、ガラスをクリープから保護する一方で、内側表面は、高いOH含有量(例えば、約600ppm以上)を有することができ、典型的には、214nm、260nm、および他の欠陥吸収帯にわたって光の誘起吸収をもたらす表面劣化を低減させる。一実施形態では、OH含有量は、プラズマランプのガラス壁の厚さにわたって徐々に変化し得る。代替実施形態では、ガラス壁の内面は、ガラス壁の内面付近の薄層(例えば、1nm~100μm)中のOH含有量を増加させる表面処理を受けていてもよい。表面処理は、限定されないが、水蒸気の存在下で高温でプラズマランプをアニールすること、又はランプ表面を化学前駆体でコーティングすることを含み得る。
【0013】
図1A-1Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、LSP広帯域光源100の概略図を図示する。LSP源100は、プラズマランプ102を含む。プラズマランプ102は、ガスを収容し、ガス収容構造104内にプラズマ106を生成するように構成されたガス収容構造104(例えば、プラズマバルブ、プラズマセル、またはプラズマチャンバ)を含む。
図1Aは、プラズマランプ102がプラズマバルブである場合を示す。
図1Bは、プラズマランプ102がプラズマセルである場合を示す。実施形態では、ガス収容構造104は、ガラス壁105の厚さにわたって変化するOH濃度分布を有するガラス壁105を含む。ガラス壁105は、ポンプ源110からの照明109およびプラズマ106によって放出される広帯域放射112に対して少なくとも部分的に透明な材料(例えば、溶融シリカ)から形成される。
【0014】
ポンプ源110は、ガス収容構造104内でプラズマ106を維持するための光学ポンプとして作用する照明109を生成するように構成される。例えば、ポンプ源110は、プラズマ106をポンピングするのに適したレーザ照明のビームを放出することができる。実施形態では、集光要素114は、プラズマ106を点火および/または維持するために、光学ポンプの一部分をガス収容構造104内に含有されるガスに指向するように構成される。ポンプ源110は、プラズマを点火および/または維持するのに適した当技術分野で知られている任意のポンプ源を含むことができる。例えば、ポンプ源110は、1つ以上のレーザ(例えば、ポンプレーザ)を含んでもよい。ポンプビームは、可視、IR放射線、NIR放射線、および/またはUV放射線を含むが、それらに限定されない、当技術分野で公知の任意の波長または波長範囲の放射線を含んでもよい。集光素子114は、プラズマ106から放出される広帯域放射112の一部を集光するように構成される。プラズマ106から放出された広帯域放射112は、1つまたは複数の下流用途(例えば、検査、計測、またはリソグラフィ)で使用するために、1つまたは複数の追加の光学系(たとえば、コールドミラー116)を介して集光され得る。LSP光源100は、限定はしないが、1つまたは複数の下流の用途の前に広帯域放射112を調整するためのフィルタ118またはホモジナイザ120など、任意の数の追加の光学要素を含むことができる。集光要素114は、プラズマ106によって放出される可視光、NUV、UV、DUV、および/またはVUV放射のうちの1つ以上を集光し、広帯域光112を1つ以上の下流光学要素に指向してもよい。例えば、集光素子114は、赤外放射、可視放射、NUV放射、UV放射、DUV放射、および/またはVUV放射を、検査ツール、計測ツール、またはリソグラフィツールなどであるがこれらに限定されない、当技術分野で知られている任意の光学特性評価システムの下流の光学素子に送達することができる。これに関して、広帯域光112は、検査ツール、計測ツール、またはリソグラフィツールの照明光学系に結合することができる。
【0015】
図2は、本開示の1つまたは複数の実施形態による、ガラス壁105にわたるOH変動を示すプラズマランプ102の一部分の概念図を示す。この実施形態では、OH濃度は、ガラス壁105の内面202からガラス壁105の外面204まで徐々に変化し得る。例えば、形成中、溶融シリカガラス材料のレシピは、ガラス壁105の内面202におけるOH濃度がガラス壁105の外面204におけるOH濃度よりも高く、濃度がガラス壁105の厚さdにわたって徐々に変化するように調整され得る。ガラスのバルク中のOH含有量を低下させることによって、バルク内のクリープを防止または少なくとも軽減することができる。加えて、内表面におけるOH含有量を増加させることによって、誘発された吸収につながる表面劣化を排除または制限することができる。
【0016】
図3は、本開示の1つまたは複数の実施形態による、ガラス壁105の内面におけるOH濃度が増加した薄層302を示すプラズマランプ102の一部分の概念図を示す。この実施形態では、ガラス壁105の内面は、ガラス壁の内面における薄層302内のOH濃度を増加させるために、表面処理を受けてもよい。この薄層302の厚さは、1nm~100μmの範囲であり得る。例えば、プラズマランプ102は、低OHガラス材料(例えば、低OH溶融シリカ)で形成されてもよい。次いで、低OHガラスは、ガラス壁105の内面にOHおよび/またはH
2を含浸させる表面処理を受けてもよい。低OHガラスへのH
2の含浸は、プラズマからの光による照射時にH
2がガラス内の酸素と反応するので、OH形成をもたらすことに留意されたい。
【0017】
概して
図1~
図3を参照すると、プラズマランプ102は、ポンプ照明の吸収時にプラズマを生成するのに適した当技術分野で知られている任意の選択されたガス(例えば、アルゴン、キセノン、水銀などである)を含むことができる。実施形態では、ポンプ源110からのポンプ照明109のガス体積内への集束は、ガス収容構造内のガスまたはプラズマ(例えば、1つ以上の選択された吸収線を介する)によってエネルギーを吸収させ、それによって、プラズマ106を生成および/または維持するためにガス種を「ポンピング」する。源100は、様々なガス環境においてプラズマ106を開始および/または維持するために利用され得る。実施形態では、プラズマ106を開始および/または維持するために使用されるガスは、不活性ガス(例えば、希ガスまたは非希ガス)または非不活性ガス(例えば、水銀)を含んでもよい。実施形態では、プラズマ106を開始および/または維持するために使用されるガスは、ガスの混合物(例えば、不活性ガスの混合物、不活性ガスと非不活性ガスとの混合物、または非不活性ガスの混合物)を含んでもよい。例えば、源100における実施に適したガスとしては、Xe、Ar、Ne、Kr、He、N
2、H
2O、O
2、H
2、D
2、F
2、CH
4、CFe、1つ以上の金属ハロゲン化物、ハロゲン、Hg、Cd、Zn、Sn、Ga、Fe、Li、Na、Ar、Xe、ArHg、KrHg、XeHg、およびその任意の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本開示は、プラズマランプ内でプラズマを維持するのに適した任意のガスにまで及ぶと解釈されるべきである。
【0018】
ポンプ源110は、プラズマを維持するための光学ポンプとして機能することができる、当技術分野で公知の任意のレーザシステムを含んでもよい。例えば、ポンプ源110は、電磁スペクトルの赤外、可視、および/または紫外部分の放射を放出することができる、当技術分野で公知の任意のレーザシステムを含んでもよい。実施形態では、ポンプ源110は、2つ以上の光源を含んでもよい。実施形態では、ポンプ源110は、2つ以上のレーザを含んでもよい。
【0019】
集光要素114は、プラズマ生成の技術分野において既知の任意の集光要素を含んでもよい。例えば、集光要素114は、1つ以上の楕円反射体、1つ以上の球面反射体、および/または1つ以上の放物面反射体を含んでもよい。集光素子114は、プラズマベースの広帯域光源の技術分野で知られているプラズマ106から任意の波長の広帯域光を集光するように構成することができる。例えば、集光素子114は、プラズマ106から赤外線、可視光線、UV、NUV、VUV及び/又はDUV光を集光するように構成することができる。
【0020】
光維持プラズマの生成はまた、概して、米国特許7,435,982号(2008年10月14日)に記載されており、その全体が本明細書に組み込まれる。プラズマの生成はまた、概して、米国特許7,786,455号(2010年8月31日)で説明されており、その全体が本明細書に組み込まれる。プラズマの生成はまた、概して、米国特許7,989,786号(2011年8月2日)で説明されており、その全体が本明細書に組み込まれる。プラズマの生成はまた、概して、米国特許8,182,127号(2012年5月22日)で説明されており、その全体が本明細書に組み込まれる。プラズマの生成はまた、概して米国特許8,309,943号(2012年11月13日)に記載されており、その全体が本明細書に組み込まれる。プラズマの生成はまた、概して米国特許8,525,138号(2013年2月9日)に記載されており、その全体が本明細書に組み込まれる。プラズマの生成はまた、概して米国特許8,921,814号(2014年12月30日)に記載されており、その全体が本明細書に組み込まれる。プラズマの生成はまた、概して米国特許9,318,311号(2016年4月19日)に記載されており、その全体が本明細書に組み込まれる。プラズマの生成はまた、概して米国特許9,390,902号(2016年7月12日)にも記載されており、その全体が本明細書に組み込まれる。一般的な意味で、本開示の様々な実施形態は、当技術分野で知られている任意のプラズマベースの光源にまで及ぶと解釈されるべきである。
【0021】
図4は、本開示の1つまたは複数の実施形態による、
図1~
図3のいずれか(またはそれらの任意の組合せ)に示すLSP広帯域光源100を実装する光学特性評価システム400の概略図である。
【0022】
本明細書では、システム400は、任意の画像化、検査、計測、リソグラフィ、または当技術分野で知られている他の特徴付け/製作システムを備え得ることに留意されたい。この点に関して、システム400は、試料407上で検査、光学計測、リソグラフィ、および/または撮像を実行するように構成され得る。試料407は、ウェハ、レチクル/フォトマスクなどを含むがこれらに限定されない当技術分野で公知の任意の試料を含むことができる。システム400は、本開示全体にわたって説明されるLSP広帯域光源100の様々な実施形態のうちの1つまたは複数を組み込むことができることに留意されたい。
【0023】
実施形態では、試料407は、試料407の移動を容易にするためにステージアセンブリ412上に配置される。ステージアセンブリ412は、限定はしないが、X-Yステージ、R-0ステージなどを含む、当技術分野で知られている任意のステージアセンブリ412を含み得る。実施形態では、照明光学系403のセットは、広帯域光源100からの照明を試料407に向けるように構成される。照明光学系403のセットは、当技術分野で公知の任意の数およびタイプの光学構成要素を含んでもよい。実施形態では、照明光学系403のセットは、限定されないが、1つ以上のレンズ402、ビームスプリッタ404、および対物レンズ406等の1つ以上の光学要素を含む。これに関して、照明光学系403のセットは、LSP広帯域光源100からの照明を試料407の表面に集束させるように構成することができる。実施形態では、集光光学系405のセットは、試料407から反射、散乱、回折、および/または放出された光を集光するように構成される。実施形態では、集束レンズ410等であるが、それらに限定されない、集光光学のセット405は、サンプル407からの光を検出器アセンブリ414のセンサ416に指向および/または集束させてもよい。センサ416および検出器アセンブリ414は、当技術分野で知られている任意のセンサおよび検出器アセンブリを含み得ることに留意されたい。例えば、センサ416は、電荷結合素子(CCD)検出器、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)検出器、時間遅延積分(TDI)検出器、光電子増倍管(PMT)、アバランシェフォトダイオード(APD)などを含むことができるが、これらに限定されない。さらに、センサ416は、ラインセンサまたは電子衝撃ラインセンサを含んでもよいが、それらに限定されない。
【0024】
実施形態では、検出器アセンブリ414は、1つまたは複数のプロセッサ420および記憶媒体422を含むコントローラ418に通信可能に結合される。たとえば、1つまたは複数のプロセッサ420は、メモリ422に通信可能に結合され得、1つまたは複数のプロセッサ420は、メモリ422に記憶されたプログラム命令のセットを実行するように構成される。実施形態では、1つ以上のプロセッサ420は、検出器アセンブリ414の出力を分析するように構成される。実施形態では、プログラム命令のセットは、1つまたは複数のプロセッサ420に試料407の1つまたは複数の特性を分析させるように構成される。実施形態では、プログラム命令のセットは、試料407および/またはセンサ416への焦点を維持するために、1つまたは複数のプロセッサ420にシステム400の1つまたは複数の特性を修正させるように構成される。例えば、1つ以上のプロセッサ420は、LSP広帯域光源100からの照明を試料407の表面に集束させるために、対物レンズ406または1つ以上の光学素子を調整するように構成されてもよい。別の例として、1つまたは複数のプロセッサ420は、試料407の表面から照明を集光し、集光された照明をセンサ416上に集束させるために、対物レンズ406および/または1つまたは複数の光学素子402を調整するように構成され得る。
【0025】
システム400は、暗視野構成、明視野配向等を含むが、それらに限定されない、当技術分野で公知の任意の光学構成で構成されてもよいことに留意されたい。
【0026】
図5は、本開示の1つまたは複数の実施形態による、反射率測定および/または偏光解析構成に配置された光学特性評価システム500の簡略化された概略図を示す。
図1~
図4に関して説明した様々な実施形態および構成要素は、
図5のシステムに及ぶと解釈されてもよく、その逆も同様であることに留意されたい。システム500は、当技術分野で知られている任意のタイプの計測システムを含むことができる。
【0027】
実施形態では、システム500は、LSP広帯域光源100と、照明光学系516のセットと、集光光学系518のセットと、検出器アセンブリ528と、コントローラ418とを含む。
【0028】
この実施形態では、LSP広帯域光源100からの広帯域照明は、照明光学系516のセットを介して試料507に向けられる。実施形態では、システム500は、集光光学系518のセットを介して試料507から発する照明を集光する。照明光学系516のセットは、広帯域ビームを修正および/または調整するのに適した1つまたは複数のビーム調整構成要素520を含むことができる。例えば、1つ以上のビーム調整構成要素520は、1つ以上の偏光子、1つ以上のフィルタ、1つ以上のビームスプリッタ、1つ以上の拡散器、1つ以上のホモジナイザ、1つ以上のアポダイザ、1つ以上のビーム整形器、または1つ以上のレンズを含んでもよいが、それらに限定されない。実施形態では、照明光学系516のセットは、第1の集束要素522を利用して、試料ステージ512上に配置された試料507上にビームを集束および/または方向付けることができる。実施形態では、集光光学系518のセットは、試料507からの照明を集光するための第2の集束要素526を含み得る。
【0029】
実施形態では、検出器アセンブリ528は、集光光学系518のセットを通して試料507から発する照明を捕捉するように構成される。例えば、検出器アセンブリ528は、試料507から反射または散乱された照明(例えば、鏡面反射、拡散反射などを介する)を受け取ることができる。別の例として、検出器アセンブリ528は、試料507(例えば、ビームの吸収に関連するルミネッセンス発光など)によって生成された照明を受け取ることができる。検出器アセンブリ528は、当技術分野で知られている任意のセンサおよび検出器アセンブリを含み得ることに留意されたい。例えば、センサは、CCD検出器、CMOS検出器、TDI検出器、PMT、APD等を含み得るが、それらに限定されない。
【0030】
集光光学系518のセットは、限定はしないが、1つまたは複数のレンズ、1つまたは複数のフィルタ、1つまたは複数の偏光子、または1つまたは複数の位相板を含む、第2の集束要素526によって集光された照明を方向付けるおよび/または修正するための任意の数の集光ビーム調整要素530をさらに含み得る。
【0031】
システム500は、限定はしないが、1つまたは複数の照明角度を有する分光エリプソメータ、ミュラー行列要素を測定するための分光エリプソメータ(たとえば、回転補償器を使用して)、単波長エリプソメータ、角度分解エリプソメータ(たとえば、ビームプロファイルエリプソメータ)、分光反射率計、単波長反射率計、角度分解反射率計(例えば、ビームプロファイル反射率計)、撮像システム、瞳撮像システム、スペクトル撮像システム、またはスキャトロメータなど、当技術分野で知られている任意のタイプの計測ツールとして構成され得る。
【0032】
図6は、本開示の1つまたは複数の実施形態による、OH含有量が変化するプラズマランプを形成する方法600を示す流れ図を示す。ステップ602において、ガラス壁(例えば、溶融シリカガラス)を含むガス収容構造が提供される。ステップ604において、ガス収容構造のガラス壁の内面は、内面における第1のOH濃度がガラス壁のバルク領域内の第2のOH濃度よりも高くなるように、内面におけるOH濃度を変化させるように処理される。ガラス処理は、水蒸気を含む雰囲気中での高温ガラスアニールを含んでもよいが、これに限定されない。
【0033】
上述の方法の実施形態の各々は、本明細書に記載される任意の他の方法の任意の他のステップを含み得ることがさらに企図される。加えて、上述の方法の実施形態の各々は、本明細書に記載のシステムのいずれかによって実行することができる
【0034】
当業者は、本明細書で説明される構成要素動作、デバイス、オブジェクト、およびそれらに付随する議論が、概念的明確性のために例として使用されること、および種々の構成修正が検討されることを認識するであろう。したがって、本明細書で使用されるように、記載される特定の例および付随する議論は、それらのより一般的なクラスの代表であることが意図される。概して、任意の特定の例の使用は、そのクラスを表すことが意図され、特定の構成要素、動作、デバイス、およびオブジェクトの非包含は、限定として解釈されるべきではない。
【0035】
本明細書における実質的に任意の複数形および/または単数形の用語の使用に関して、当業者は、文脈および/または用途に適切であるように、複数形から単数形に、および/または単数形から複数形に変換することができる。様々な単数形/複数形の置き換えは、理解しやすいように、本明細書で明確に記載されない。
【0036】
本明細書で説明される主題は、場合によっては、他の構成要素内に含まれる、または他の構成要素と接続される、異なる構成要素を図示する。そのような描写されたアーキテクチャは、単なる例示であり、実際には、同じ機能性を達成する多くの他のアーキテクチャが実装され得ることを理解されたい。概念的な意味では、同じ機能を達成するための構成要素の任意の配置は、所望の機能が達成されるように効果的に「関連付けられる」。したがって、特定の機能を達成するために組み合わされた本明細書の任意の2つの構成要素は、アーキテクチャまたは中間構成要素にかかわらず、所望の機能が達成されるように互いに「関連付けられる」と見なすことができる。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの構成要素はまた、所望の機能性を達成するために、相互に「接続」または「結合」されていると見なされることができ、そのように関連付けられることが可能な任意の2つの構成要素はまた、所望の機能性を達成するために、相互に「結合可能」であると見なされることができる。結合可能な特定の例は、物理的に結合可能及び/又は物理的に相互作用する構成要素及び/又は無線で相互作用可能及び/又は無線で相互作用する構成要素及び/又は論理的に相互作用及び/又は論理的に相互作用可能な構成要素を含むが、これらに限定されない。
【0037】
さらに、本発明は添付の特許請求の範囲によって定義されることを理解されたい。一般に、本明細書および特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体)で使用される用語は一般に「オープン」用語(例えば、「含む(including)」という用語は、「含む(including)がこれに限定されない」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は「少なくとも有する(having)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「含む(includes)がこれに限定されない」と解釈されるべきである等である)として意図されることが当業者には理解されよう。導入される請求項の記載の具体的な数が意図される場合、そのような意図は、その請求項において明示的に記載されることになり、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、理解の助けとして、以下の添付の特許請求の範囲は、導入句「少なくとも1つの(at least one)」および「1つまたは複数の(one or more)」を使用して請求項の記載を導くことを含むことができる。しかしながら、そのような語句の使用は、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入が、そのような導入された請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、1つのそのような記載のみを含む発明に限定することを意味すると解釈されるべきではない。同じ請求項が「1つ以上」または「少なくとも1つ」という導入句および「a」または「an」(例えば、「a」および/または「an」は、典型的には、「少なくとも1つ」または「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである)などの不定冠詞を含む場合でも、同じことが、請求項の記載を紹介するために使用される明確な記事の使用にも当てはまる。また、導入される請求項の記載の具体的な数が明示的に列挙されている場合でも、そのような記載は、典型的には少なくとも列挙された数(例えば、他の修飾因子を伴わない「2つの列挙」の裸の列挙は、典型的には、少なくとも2つの列挙、または2つ以上の列挙を意味する)を意味すると解釈されるべきであることを、当業者は認識されよう。さらに、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つなど」に類似する慣例表現が使用される事例では、概して、そのような構成は、当業者が慣例表現(例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみを有するシステム、Bのみを有するシステム、Cのみを有するシステム、AおよびBを共に有するシステム、AおよびCを共に有するシステム、BおよびCを共に有するシステム、ならびに/またはA、B、およびCを共に有するシステムなどを含むが、これらに限定されない)を理解するであろう意味で意図される。「A、B、またはCのうちの少なくとも1つなど」に類似する慣例表現が使用される事例では、概して、そのような構成は、当業者が慣例表現(例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみを有するシステム、Bのみを有するシステム、Cのみを有するシステム、AおよびBを共に有するシステム、AおよびCを共に有するシステム、BおよびCを共に有するシステム、ならびに/またはA、B、およびCを共に有するシステムなどを含むが、これらに限定されない)を理解するであろう意味で意図される。2つ以上の代替用語を提示する事実上いかなる離接する語および/または句も、説明、特許請求の範囲、または図面のどこにあっても、その用語の一方(one of the terms)、その用語のいずれか(either of the terms)、または両方の用語(both terms)を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、「AまたはB「という語句は、「A」または「B」または「AおよびB」の可能性を含むと理解されるであろう。
【0038】
本開示およびその付随する利点の多くは、前述の説明によって理解されるであろうと考えられ、開示される主題から逸脱することなく、またはその物質的利点の全てを犠牲にすることなく、構成要素の形態、構造、および配置において種々の変更が行われ得ることが明白となるであろう。説明される形態は単なる説明であり、そのような変更を包含し、含むことが以下の特許請求の範囲の意図である。さらに、本発明は添付の特許請求の範囲によって定義されることを理解されたい。
【国際調査報告】