(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-14
(54)【発明の名称】荷電粒子検査における画像歪み補正
(51)【国際特許分類】
G06T 5/60 20240101AFI20240806BHJP
H01J 37/22 20060101ALI20240806BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20240806BHJP
【FI】
G06T5/60
H01J37/22 502H
H01L21/66 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578906
(86)(22)【出願日】2022-06-02
(85)【翻訳文提出日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 EP2022065032
(87)【国際公開番号】W WO2023280487
(87)【国際公開日】2023-01-12
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】リャン,ハオイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ジチャオ
(72)【発明者】
【氏名】プ,リンリン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ファン-チェン
(72)【発明者】
【氏名】ユ,リャンジャン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジェ
【テーマコード(参考)】
4M106
5B057
5C101
【Fターム(参考)】
4M106BA02
4M106CA38
4M106DB05
4M106DB12
4M106DB18
4M106DB20
4M106DJ19
5B057AA03
5B057CA02
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB02
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5C101AA03
5C101BB10
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5C101GG04
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5C101HH11
5C101HH24
5C101HH33
5C101HH40
5C101HH61
(57)【要約】
検査画像の歪みを補正するための改善されたシステム及び方法を開示する。検査画像の歪みを補正するための改善された方法は、検査画像を取得すること、検査画像に対応する基準画像に基づいて検査画像の複数のパッチをアライメントすること、複数のパッチの各パッチと基準画像の対応するパッチとの間のアライメントを機械学習モデルによって評価すること、検査画像に対応する基準画像に基づいて検査画像の複数のパッチの局所アライメント結果を決定すること、局所アライメント結果に基づいてアライメントモデルを決定すること、及びアライメントモデルに基づいて検査画像の歪みを補正することを含む。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査画像の歪みを補正するための方法であって、
検査画像を取得すること、
前記検査画像に対応する基準画像に基づいて前記検査画像の複数のパッチの局所アライメント結果を決定すること、
前記局所アライメント結果の複数のサブセットの各サブセットについて、
前記局所アライメント結果の前記サブセットに基づいてアライメントモデルを決定し、
前記局所アライメント結果の残余集合に対する前記アライメントモデルのフィットに基づいて前記アライメントモデルを評価すること、
前記評価に基づいて前記複数のアライメントモデルの中から1つのアライメントモデルを選択すること、及び
前記選択されたアライメントモデルに基づいて前記検査画像の歪みを補正すること
を含む、方法。
【請求項2】
前記アライメントモデルを評価することが、
前記アライメントモデルにフィットする局所アライメント結果のパーセンテージを前記局所アライメント結果の前記残余集合の中で決定すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数のサブセットがランダムに選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記基準画像に基づいて前記検査画像の前記複数のパッチをアライメントすること、及び
前記複数のパッチの第1のパッチと前記基準画像の対応するパッチとの間のアライメントを機械学習モデルによって評価すること
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
トレーニング検査画像パッチ及びトレーニング基準画像パッチを取得すること、及び
前記トレーニング検査画像パッチと前記トレーニング基準画像パッチとの間のアライメントインデックスを予測するように前記機械学習モデルをトレーニングすること
を更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
検査画像の歪みを補正するための装置であって、
一組の指令を格納するメモリと、
検査画像を取得すること、
前記検査画像に対応する基準画像に基づいて前記検査画像の複数のパッチの局所アライメント結果を決定すること、
前記局所アライメント結果の複数のサブセットの各サブセットについて、
前記局所アライメント結果の前記サブセットに基づいてアライメントモデルを決定し、
前記局所アライメント結果の残余集合に対する前記アライメントモデルのフィットに基づいて前記アライメントモデルを評価すること、
前記評価に基づいて前記複数のアライメントモデルの中から1つのアライメントモデルを選択すること、及び
前記選択されたアライメントモデルに基づいて前記検査画像の歪みを補正すること
を前記装置に行わせるための前記一組の指令を実行するように構成される少なくとも1つのプロセッサと
を含む、装置。
【請求項7】
前記アライメントモデルを評価する際、前記少なくとも1つのプロセッサが
前記アライメントモデルにフィットする局所アライメント結果のパーセンテージを前記局所アライメント結果の前記残余集合の中で決定すること
を前記装置に更に行わせるための前記一組の指令を実行するように構成される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記複数のサブセットがランダムに選択される、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのプロセッサが
前記基準画像に基づいて前記検査画像の前記複数のパッチをアライメントすること、及び
前記複数のパッチの第1のパッチと前記基準画像の対応するパッチとの間のアライメントを機械学習モデルによって評価すること
を前記装置に更に行わせるための前記一組の指令を実行するように構成される、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのプロセッサが
トレーニング検査画像パッチ及びトレーニング基準画像パッチを取得すること、及び
前記トレーニング検査画像パッチと前記トレーニング基準画像パッチとの間のアライメントインデックスを予測するように前記機械学習モデルをトレーニングすること
を前記装置に更に行わせるための前記一組の指令を実行するように構成される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
検査画像の歪みを補正するための方法をコンピューティングデバイスに行わせるために前記コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な一組の指令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記方法は、
検査画像を取得すること、
前記検査画像に対応する基準画像に基づいて前記検査画像の複数のパッチの局所アライメント結果を決定すること、
前記局所アライメント結果の複数のサブセットの各サブセットについて、
前記局所アライメント結果の前記サブセットに基づいてアライメントモデルを決定し、
前記局所アライメント結果の残余集合に対する前記アライメントモデルのフィットに基づいて前記アライメントモデルを評価すること、
前記評価に基づいて前記複数のアライメントモデルの中から1つのアライメントモデルを選択すること、及び
前記選択されたアライメントモデルに基づいて前記検査画像の歪みを補正すること
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記アライメントモデルを評価する際、前記コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な前記一組の指令が
前記アライメントモデルにフィットする局所アライメント結果のパーセンテージを前記局所アライメント結果の前記残余集合の中で決定すること
を前記コンピューティングデバイスに更に行わせる、請求項11に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記複数のサブセットがランダムに選択される、請求項11に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な前記一組の指令が
前記基準画像に基づいて前記検査画像の前記複数のパッチをアライメントすること、及び
前記複数のパッチの第1のパッチと前記基準画像の対応するパッチとの間のアライメントを機械学習モデルによって評価すること
を前記コンピューティングデバイスに更に行わせる、請求項11に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な前記一組の指令が
トレーニング検査画像パッチ及びトレーニング基準画像パッチを取得すること、及び
前記トレーニング検査画像パッチと前記トレーニング基準画像パッチとの間のアライメントインデックスを予測するように前記機械学習モデルをトレーニングすること
を前記コンピューティングデバイスに更に行わせる、請求項14に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は、2021年7月9日に出願され、参照によりその全体を本明細書に援用する米国特許出願第63/220,370号の優先権を主張する。
【0002】
[0002] 本明細書で提供する実施形態は画像向上技術に関し、より具体的には、荷電粒子ビーム検査画像のための歪み補正機構に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 集積回路(IC)の製造プロセスでは、未完成の又は完成した回路部品を検査して、それらが設計通りに製造され、欠陥がないことを保証する。走査型電子顕微鏡(SEM)などの荷電粒子(例えば、電子)ビーム顕微鏡又は光学顕微鏡を利用した検査システムが用いられることがある。IC部品の物理的サイズが縮小し続けるにつれ、欠陥検出における精度及び歩留りがより重要になる。SEM画像などの検査画像は、製造されるICの欠陥を識別し又は分類するために使用することができる。欠陥検出の性能を改善するには、歪みもミスアライメントもない正確なSEM画像を得ることが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 本明細書で提供する実施形態は、粒子ビーム検査装置、より具体的には複数の荷電粒子ビームを使用する検査装置を開示する。
【0005】
[0005] いくつかの実施形態では、検査画像の歪みを補正するための方法が提供される。本方法は、検査画像を取得すること、検査画像に対応する基準画像に基づいて検査画像の複数のパッチの局所アライメント結果を決定すること、局所アライメント結果の複数のサブセットの各サブセットについて、局所アライメント結果のサブセットに基づいてアライメントモデルを決定し、局所アライメント結果の残余集合に対するアライメントモデルのフィットに基づいてアライメントモデルを評価すること、評価に基づいて複数のアライメントモデルの中から1つのアライメントモデルを選択すること、及び選択されたアライメントモデルに基づいて検査画像の歪みを補正することを含む。
【0006】
[0006] いくつかの実施形態では、検査画像の歪みを補正するための装置が提供される。この装置は、一組の指令を格納するメモリと、検査画像を取得すること、検査画像に対応する基準画像に基づいて検査画像の複数のパッチの局所アライメント結果を決定すること、局所アライメント結果の複数のサブセットの各サブセットについて、局所アライメント結果のサブセットに基づいてアライメントモデルを決定し、局所アライメント結果の残余集合に対するアライメントモデルのフィットに基づいてアライメントモデルを評価すること、評価に基づいて複数のアライメントモデルの中から1つのアライメントモデルを選択すること、及び選択されたアライメントモデルに基づいて検査画像の歪みを補正することを装置に行わせるための一組の指令を実行するように構成される少なくとも1つのプロセッサとを含む。
【0007】
[0007] 検査画像の歪みを補正するための方法をコンピューティングデバイスに行わせるためにコンピューティングデバイスの少なくともプロセッサ上によって実行可能な一組の指令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。本方法は、検査画像を取得すること、検査画像に対応する基準画像に基づいて検査画像の複数のパッチの局所アライメント結果を決定すること、局所アライメント結果の複数のサブセットの各サブセットについて、局所アライメント結果のサブセットに基づいてアライメントモデルを決定し、局所アライメント結果の残余集合に対するアライメントモデルのフィットに基づいてアライメントモデルを評価すること、評価に基づいて複数のアライメントモデルの中から1つのアライメントモデルを選択すること、及び選択されたアライメントモデルに基づいて検査画像の歪みを補正することを含む。
【0008】
[0008] いくつかの実施形態では、検査画像の歪みを補正するための方法が提供される。本方法は、検査画像を取得すること、検査画像に対応する基準画像に基づいて検査画像の複数のパッチの局所アライメント結果を決定すること、局所アライメント結果の第1のサブセットに基づいて第1のアライメントモデルを推定し、局所アライメント結果の第2のサブセットに基づいて第2のアライメントモデルを推定すること、局所アライメント結果の第1の残余集合に対する第1のアライメントモデルのフィットに基づいて第1のアライメントモデルを評価し、局所アライメント結果の第2の残余集合に対する第2のアライメントモデルのフィットに基づいて第2のアライメントモデルを評価すること、評価に基づいて第1のアライメントモデル及び第2のアライメントモデルの1つを選択すること、及び選択されたアライメントモデルに基づいて検査画像の歪みを補正することを含む。
【0009】
[0009] いくつかの実施形態では、検査画像の歪みを補正するための装置が提供される。この装置は、一組の指令を格納するメモリと、検査画像を取得すること、検査画像に対応する基準画像に基づいて検査画像の複数のパッチの局所アライメント結果を決定すること、局所アライメント結果の第1のサブセットに基づいて第1のアライメントモデルを推定し、局所アライメント結果の第2のサブセットに基づいて第2のアライメントモデルを推定すること、局所アライメント結果の第1の残余集合に対する第1のアライメントモデルのフィットに基づいて第1のアライメントモデルを評価し、局所アライメント結果の第2の残余集合に対する第2のアライメントモデルのフィットに基づいて第2のアライメントモデルを評価すること、評価に基づいて第1のアライメントモデル及び第2のアライメントモデルの1つを選択すること、及び選択されたアライメントモデルに基づいて検査画像の歪みを補正することを装置に行わせるための一組の指令を実行するように構成される少なくとも1つのプロセッサとを含む。
【0010】
[0010] 検査画像の歪みを補正するための方法をコンピューティングデバイスに行わせるためにコンピューティングデバイスの少なくともプロセッサ上によって実行可能な一組の指令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。本方法は、検査画像を取得すること、検査画像に対応する基準画像に基づいて検査画像の複数のパッチの局所アライメント結果を決定すること、局所アライメント結果の第1のサブセットに基づいて第1のアライメントモデルを推定し、局所アライメント結果の第2のサブセットに基づいて第2のアライメントモデルを推定すること、局所アライメント結果の第1の残余集合に対する第1のアライメントモデルのフィットに基づいて第1のアライメントモデルを評価し、局所アライメント結果の第2の残余集合に対する第2のアライメントモデルのフィットに基づいて第2のアライメントモデルを評価すること、評価に基づいて第1のアライメントモデル及び第2のアライメントモデルの1つを選択すること、及び選択されたアライメントモデルに基づいて検査画像の歪みを補正することを含む。
【0011】
[0011] いくつかの実施形態では、検査画像の歪みを補正するための方法が提供される。本方法は、検査画像を取得すること、検査画像に対応する基準画像に基づいて検査画像の複数のパッチをアライメントすること、複数のパッチの各パッチと基準画像の対応するパッチとの間のアライメントを機械学習モデルによって評価すること、検査画像に対応する基準画像に基づいて検査画像の複数のパッチの局所アライメント結果を決定すること、局所アライメント結果に基づいてアライメントモデルを決定すること、及びアライメントモデルに基づいて検査画像の歪みを補正することを含む。
【0012】
[0012] いくつかの実施形態では、検査画像の歪みを補正するための装置が提供される。この装置は、一組の指令を格納するメモリと、検査画像を取得すること、検査画像に対応する基準画像に基づいて検査画像の複数のパッチをアライメントすること、複数のパッチの各パッチと基準画像の対応するパッチとの間のアライメントを機械学習モデルによって評価すること、検査画像に対応する基準画像に基づいて検査画像の複数のパッチの局所アライメント結果を決定すること、局所アライメント結果に基づいてアライメントモデルを決定すること、及びアライメントモデルに基づいて検査画像の歪みを補正することを装置に行わせるための一組の指令を実行するように構成される少なくとも1つのプロセッサとを含む。
【0013】
[0013] いくつかの実施形態では、検査画像の歪みを補正するための方法をコンピューティングデバイスに行わせるためにコンピューティングデバイスの少なくともプロセッサ上によって実行可能な一組の指令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。本方法は、検査画像を取得すること、検査画像に対応する基準画像に基づいて検査画像の複数のパッチの局所アライメント結果を決定すること、局所アライメント結果の第1のサブセットに基づいて第1のアライメントモデルを推定し、局所アライメント結果の第2のサブセットに基づいて第2のアライメントモデルを推定すること、局所アライメント結果の第1の残余集合に対する第1のアライメントモデルのフィットに基づいて第1のアライメントモデルを評価し、局所アライメント結果の第2の残余集合に対する第2のアライメントモデルのフィットに基づいて第2のアライメントモデルを評価すること、評価に基づいて第1のアライメントモデル及び第2のアライメントモデルの1つを選択すること、及び選択されたアライメントモデルに基づいて検査画像の歪みを補正することを含む。
【0014】
[0014] いくつかの実施形態では、検査画像及び基準画像のアライメントを評価する方法が提供される。本方法は、検査画像の複数のパッチ及び基準画像の複数の基準パッチを取得することであって、複数のパッチは複数の基準パッチに対応する、取得すること、並びに複数のパッチ及び複数の基準パッチのアライメントを機械学習モデルによって評価することを含む。
【0015】
[0015] いくつかの実施形態では、検査画像及び基準画像のアライメントを評価する装置が提供される。この装置は、一組の指令を格納するメモリと、検査画像の複数のパッチ及び基準画像の複数の基準パッチを取得することであって、複数のパッチは複数の基準パッチに対応する、取得すること、並びに複数のパッチ及び複数の基準パッチのアライメントを機械学習モデルによって評価することを装置に行わせるための一組の指令を実行するように構成される少なくとも1つのプロセッサとを含む。
【0016】
[0016] いくつかの実施形態では、検査画像及び基準画像のアライメントを評価する方法をコンピューティングデバイスに行わせるためにコンピューティングデバイスの少なくともプロセッサ上によって実行可能な一組の指令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体。本方法は、検査画像の複数のパッチ及び基準画像の複数の基準パッチを取得することであって、複数のパッチは複数の基準パッチに対応する、取得すること、並びに複数のパッチ及び複数の基準パッチのアライメントを機械学習モデルによって評価することを含む。
【0017】
[0017] 本開示の実施形態の他の利点は、図解及び例を手段として本発明のいくつかの実施形態が記載される添付図面に関連して行われる以下の説明から明白になる。
【0018】
[0018] 本開示の上記の及び他の態様は、添付図面と組み合わせて解釈される例示的実施形態の説明からより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】[0019]本開示の実施形態に一致する例示的な荷電粒子ビーム検査システムを示す概略図である。
【
図2】[0020]本開示の実施形態に一致する、
図1の例示的な荷電粒子ビーム検査システムの一部であり得る例示的なマルチビームツールを示す概略図である。
【
図3】[0021]局所ミスアライメントを引き起こし得る例示的パターンを有するSEM画像を示す。
【
図4】[0022]本開示の実施形態に一致する、例示的な歪み補正システムのブロック図である。
【
図5A】[0023]本開示の実施形態に一致する、複数のパッチにセグメント化される例示的な検査画像を示す。
【
図5B】[0024]本開示の実施形態に一致する局所アライメント結果を示す例示的グラフである。
【
図5C】[0025]本開示の実施形態に一致するアライメントモデルを示す例示的グラフである。
【
図6A】[0026]局所アライメント結果に従ってSEM画像の歪みを補正する例示的プロセスを示す。
【
図6B】[0027]本開示の実施形態に一致する、アライメントモデルに従ってSEM画像の歪みを補正する例示的プロセスを示す。
【
図6C】[0028]本開示の実施形態に一致する、歪み補正後の入力画像と出力画像との比較例を示す。
【
図7A】[0029]シフトされた繰り返しパターンを有する例示的な検査画像を示す。
【
図7B】[0030]本開示の実施形態に一致する、アライメント評価モデルのためのトレーニングシステムのブロック図である。
【
図8A】[0031]本開示の実施形態に一致する、
図7Bのトレーニングシステムのための例示的なトレーニングデータセットを示す。
【
図8B】[0032]本開示の実施形態に一致するアライメント評価モデルの例示的構成を示す。
【
図9】[0033]本開示の実施形態に一致する、検査画像の歪みを補正するための例示的方法を表すプロセスフローチャートである。
【
図10】[0034]本開示の実施形態に一致する、アライメント評価モデルをトレーニングするための例示的方法を表すプロセスフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[0035] ここで、例示的な実施形態を詳細に参照する。これらの実施形態の例が、添付の図面に示されている。以下の説明は添付の図面を参照し、異なる図面中の同じ番号は、特に断りの無い限り、同じ又は同様の要素を表す。例示的な実施形態の以下の説明文中に記載される実施態様は、全ての実施態様を表すものではない。その代わり、それらは、添付の特許請求の範囲に列挙される開示される実施形態に関連する態様と一致する装置及び方法の単なる例にすぎない。例えば、いくつかの実施形態は、電子ビームを利用するという文脈で説明されているが、本開示はそのように限定はされない。他のタイプの荷電粒子ビームも、同様に適用することができる。更に、光学撮像、光検出、x線検出などの他の撮像システムが使用されることができる。
【0021】
[0036] 電子デバイスは、基板と呼ばれる半導体材料の断片上に形成される回路から構成される。半導体材料は、例えばシリコン、ガリウムヒ素、リン化インジウム、又はシリコンゲルマニウムなどを含み得る。多数の回路が、同じシリコン片上に一緒に形成されることができ、集積回路又はICと呼ばれる。多数のより多くの回路を基板上に収めることができるように、これらの回路の寸法は劇的に低減された。例えば、スマートフォン内のICチップは、親指の爪ほど小さいことがあり得るが、20億個を超えるトランジスタを含むことができ、各トランジスタの寸法は、人間の髪の毛の寸法の1/1000よりも小さい。
【0022】
[0037] これらの極めて小さな構造又は部品を有するICを製造することは、複雑で時間がかかり高価なプロセスであり、しばしば数百にのぼる個別ステップを含む。たった1つのステップでのエラーが、完成したICにおける欠陥をもたらし、そのICを使い物にならなくする可能性がある。従って、製造プロセスの目標の1つは、そのような欠陥を回避して、プロセスにおいて作製される機能的ICの数を最大化すること、即ち、プロセスの全体的歩留まりを向上させることである。
【0023】
[0038] 歩留まりを向上させる1つの構成要素は、チップ作製プロセスを監視して、十分な数の機能的集積回路が製造されていることを確認することである。プロセスを監視する1つの方法は、チップ回路構造物を形成する様々な段階において、チップ回路構造物を検査することである。検査は、走査荷電粒子顕微鏡(SCPM)を使用して行うことができる。例えば、SCPMは走査電子顕微鏡(SEM)であり得る。SCPMは、実際にはウェーハの構造の「写真」を撮り、それらの極めて小さな構造を撮像するために使用することができる。この画像を使用して、構造が適切な位置に適切に形成されたかどうかを判断することができる。構造に欠陥がある場合、その欠陥が再発しにくくなるようにプロセスを調節することができる。
【0024】
[0039] IC部品の物理的サイズが小さくなり続けるにつれ、欠陥検出の精度及び成果がより重要になる。製造されたICの欠陥を識別又は分類するために、SEM画像などの検査画像を使用することができる。欠陥検出性能を改善するためには、歪み又はミスアライメントなしの正確なSEM画像を得ることが望まれる。SEM画像のための様々な歪み補正技法が紹介されているが、それらの多くはSEM画像の小さなパッチの局所アライメントに依拠する。各パッチ内の歪み量はSEM画像全体の歪み量よりも少ないが、局所アライメントは、これだけに限定されないが疎の又は繰り返しのパターン、不十分な撮像条件、パターン情報の不足、残留歪みなどを含む様々な理由によって困難であり得る。現在の手法では、SEM画像の歪み補正はSEM画像の小さなパッチの局所アライメントの性能に大きく依存するので、誤りのある又は不完全な局所アライメントはSEM画像の歪み補正性能を劣化させ得る。
【0025】
[0040] 本開示の実施形態は、SEM画像のための歪み補正技法を提供することができる。本開示の一部の実施形態によれば、SEM画像の歪みを補正するとき、局所アライメント結果における潜在的な欠陥データ又は汚染データを認識することができ、その影響を最小限に抑えることができる。本開示の実施形態は、SEM画像が基準画像に対して良好にアライメントされているかどうかを確実に評価可能な機械学習ベースのアライメント評価アルゴリズムを提供することができる。本開示の一部の実施形態によれば、SEM画像クリップ及び基準画像クリップの対を用いて機械学習ベースのアライメント評価アルゴリズムをトレーニングすることができる。
【0026】
[0041] 図面における構成要素の相対的な寸法は、理解しやすいように誇張されていることができる。以下の図面の説明では、同じ又は同様の参照番号は、同じ又は同様の構成要素又はエンティティを指しており、個々の実施形態に関して異なる点のみが説明されている。本明細書で使用する場合、特段の断りが無い限り、「又は」という用語は、実行不可能である場合を除いて、全ての可能な組み合わせを包含する。例えば、構成要素がA又はBを含むことができると記載されている場合、特段の断りが無い限り又は実行不可能で無い限り、構成要素はA、又はB、又はA及びBを含むことができる。第2の例として、構成要素がA、B、又はCを含むことができると記載されている場合、特段の断りが無い限り又は実行不可能で無い限り、構成要素はA、又はB、又はC、又はA及びB、又はA及びC、又はB及びC、又はA及びB及びCを含むことができる。
【0027】
[0042]
図1は、本開示の実施形態と一致した、例示的な電子ビーム検査(EBI)システム100を示す。EBIシステム100は、撮像のために使用されることができる。
図1に示すように、EBIシステム100は、メインチャンバ101、装填/ロックチャンバ102、ビームツール104、及び機器フロントエンドモジュール(EFEM)106を含む。ビームツール104は、メインチャンバ101内部に配置されている。EFEM106は、第1の装填ポート106a及び第2の装填ポート106bを含む。EFEM106は、追加の装填ポートを含むことができる。第1の装填ポート106a及び第2の装填ポート106bは、検査対象のウェーハ(例えば、半導体ウェーハ、又は他の材料で作られたウェーハ)又はサンプル(ウェーハ及びサンプルは、互換的に使用されることができる)を収容するウェーハFOUP(front opening unified pod)を受け取る。「ロット」とは、バッチとして処理するために装填されることができる複数のウェーハである。
【0028】
[0043] EFEM106内の1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)が、ウェーハを装填/ロックチャンバ102に運ぶことができる。装填/ロックチャンバ102は、装填/ロック真空ポンプシステム(図示せず)に接続され、このポンプシステムは、大気圧よりも低い第1の圧力に達するように、装填/ロックチャンバ102内のガス分子を除去する。第1の圧力に達した後、1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)がウェーハを装填/ロックチャンバ102からメインチャンバ101に運ぶことができる。メインチャンバ101は、メインチャンバ真空ポンプシステム(図示せず)に接続され、このポンプシステムは、第1の圧力よりも低い第2の圧力に達するように、メインチャンバ101内のガス分子を除去する。第2の圧力に達した後、ウェーハはビームツール104による検査にかけられる。ビームツール104は、シングルビームシステム又はマルチビームシステムであり得る。
【0029】
[0044] コントローラ109がビームツール104に電子的に接続される。コントローラ109は、EBIシステム100の様々な制御を実行するように構成されるコンピュータであり得る。
図1ではメインチャンバ101、ロード/ロックチャンバ102、及びEFEM106を含む構造の外側にあるようにコントローラ109を図示するが、コントローラ109は構造の一部であり得ることが理解されよう。
【0030】
[0045] いくつかの実施形態では、コントローラ109は1つ又は複数のプロセッサ(図示せず)を含むことができる。プロセッサは、情報を操作又は処理することができる汎用的な又は特定の電子デバイスであり得る。例えば、プロセッサは、任意の数の、中央処理装置(即ち「CPU」)、グラフィックス処理装置(即ち「GPU」)、光プロセッサ、プログラマブル論理制御装置、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、デジタル・シグナル・プロセッサ、IP(intellectual property)コア、プログラマブル・ロジック・アレイ(PLA)、プログラマブル・アレイ・ロジック(PAL)、汎用アレイロジック(GAL)、コンプレックス・プログラマブル・ロジック・デバイス(CPLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、システム・オン・チップ(SoC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、及びデータ処理可能な任意の種類の回路、の任意の組み合わせを含むことができる。プロセッサはまた、ネットワークを介して結合された複数の機械又はデバイスにまたがって分散した1つ又は複数のプロセッサを含む、仮想プロセッサであり得る。
【0031】
[0046] いくつかの実施形態では、コントローラ109は更に、1つ又は複数のメモリ(図示せず)を含むことができる。メモリは、(例えば、バスを介して)プロセッサがアクセス可能なコード及びデータを記憶することができる、汎用の又は特定の電子デバイスであり得る。例えば、メモリは、任意の数のランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、光ディスク、磁気ディスク、ハードドライブ、ソリッド・ステート・ドライブ、フラッシュドライブ、セキュリティ・デジタル(SD)カード、メモリスティック、コンパクト・フラッシュ(CF)カード、又は任意の種類の記憶デバイス、の任意の組み合わせを含むことができる。コード及びデータには、オペレーティングシステム(OS)、及び特定のタスク用の1つ又は複数のアプリケーション・プログラム(即ち「apps」)が含まれることができる。メモリはまた、ネットワークを介して結合された複数の機械又はデバイスにまたがって分散した1つ又は複数のメモリを含む、仮想メモリであり得る。
【0032】
[0047]
図2は、本開示の実施形態に一致する、EBIシステム100(
図1)で使用するように構成され得る例示的なマルチビームツール104(本明細書では装置104とも呼ぶ)及び画像処理システム290の概略図を示す。
【0033】
[0048] ビームツール104は、荷電粒子源202、ガンアパーチャ204、集光レンズ206、荷電粒子源202から放出される一次荷電粒子ビーム210、放射源変換ユニット212、一次荷電粒子ビーム210の複数のビームレット214、216、及び218、一次投影光学系220、電動ウェーハステージ280、ウェーハホルダー282、複数の二次荷電粒子ビーム236、238、及び240、二次光学系242、及び荷電粒子検出デバイス244を含む。一次投影光学系220は、ビームセパレータ222、偏向走査ユニット226、及び対物レンズ228を含み得る。荷電粒子検出デバイス244は、検出サブ領域246、248、及び250を含み得る。
【0034】
[0049] 荷電粒子源202、ガンアパーチャ204、集光レンズ206、放射源変換ユニット212、ビームセパレータ222、偏向走査ユニット226、及び対物レンズ228は、装置104の一次光軸260とアライメントすることができる。二次光学系242及び荷電粒子検出デバイス244は、装置104の二次光軸252とアライメントすることができる。
【0035】
[0050] 荷電粒子源202は、電子、陽子、イオン、ミューオン、又は電荷を搬送する他の任意の粒子などの1つ又は複数の荷電粒子を放出することができる。いくつかの実施形態では、荷電粒子源202は電子放射源であり得る。例えば荷電粒子源202はカソード、抽出器、又はアノードを含むことができ、一次電子はカソードから放出され、(仮想の又は現実の)クロスオーバー208と共に一次荷電粒子ビーム210(この場合は一次電子ビーム)を形成するために抽出又は加速され得る。曖昧さを生じさせることなく説明を容易にするために、本明細書の説明の一部では電子を例として使用する。しかし、本開示の如何なる実施形態でも電子に限らず任意の荷電粒子を使用できることに留意すべきである。一次荷電粒子ビーム210は、クロスオーバー208から放出されているとき可視化され得る。ガンアパーチャ204は、クーロン効果を低減するために一次荷電粒子ビーム210の周辺荷電粒子を遮断することができる。クーロン効果は、プローブスポットのサイズの拡大を引き起こし得る。
【0036】
[0051] 放射源変換ユニット212は、画像形成素子のアレイ及びビーム制限アパーチャのアレイを含み得る。画像形成素子のアレイは、マイクロ偏向器又はマイクロレンズのアレイを含み得る。画像形成素子のアレイは、一次荷電粒子ビーム210の複数のビームレット214、216、及び218と共にクロスオーバー208の複数の(仮想の又は現実の)平行画像を形成することができる。ビーム制限アパーチャのアレイは、複数のビームレット214、216、及び218を制限することができる。
図2には3つのビームレット214、216、及び218が示されているが、本開示の実施形態はこれに限定されない。例えばいくつかの実施形態では、装置104は第1の数のビームレットを生成するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ビームレットの第1の数は1から1000までの範囲内にあり得る。いくつかの実施形態では、ビームレットの第1の数は200~500の範囲内にあり得る。例示的実施形態では、装置104が400のビームレットを生成することができる。
【0037】
[0052] 集光レンズ206は、一次荷電粒子ビーム210を集束させることができる。放射源変換ユニット212の下流のビームレット214、216、及び218の電流は、集光レンズ206の集束力を調節することによって、又はビーム制限アパーチャのアレイ内の対応するビーム制限アパーチャの半径のサイズを変えることによって変化させることができる。対物レンズ228は、ビームレット214、216、及び218を撮像用のウェーハ230上に集束させることができ、ウェーハ230の表面上に複数のプローブスポット270、272、及び274を形成することができる。
【0038】
[0053] ビームセパレータ222は、静電双極子場及び磁気双極子場を生成するウィーンフィルタ型のビームセパレータであり得る。いくつかの実施形態では、これらが適用される場合、ビームレット214、216、及び218の荷電粒子(例えば電子)に対して静電双極子場が及ぼす力は、荷電粒子に対して磁気双極子場が及ぼす力に対して大きさが実質的に等しく、方向が反対であり得る。従って、ビームレット214、216、及び218はゼロの偏向角でビームセパレータ222を真っ直ぐに通過することができる。しかし、ビームセパレータ222によって生成されるビームレット214、216、及び218の総分散もゼロでないことがある。ビームセパレータ222は、二次荷電粒子ビーム236、238、及び240をビームレット214、216、及び218から分離し、二次荷電粒子ビーム236、238、及び240を二次光学系242に導くことができる。
【0039】
[0054] 偏向走査ユニット226は、ビームレット214、216、及び218を偏向させてウェーハ230の表面エリア上のプローブスポット270、272、及び274を走査することができる。プローブスポット270、272、及び274におけるビームレット214、216、及び218の入射に応答し、二次荷電粒子ビーム236、238、及び240がウェーハ230から放出され得る。二次荷電粒子ビーム236、238、及び240は、エネルギーの分布を有する荷電粒子(例えば電子)を含み得る。例えば、二次荷電粒子ビーム236、238、及び240は、二次電子(エネルギー≦50eV)及び後方散乱電子(50eVとビームレット214、216、及び218のランディングエネルギーとの間のエネルギー)を含む二次電子ビームであり得る。二次光学系242は、二次荷電粒子ビーム236、238、及び240を荷電粒子検出デバイス244の検出サブ領域246、248、及び250上に収束させることができる。検出サブ領域246、248、及び250は、対応する二次荷電粒子ビーム236、238、及び240を検出し、ウェーハ230の表面エリア上の又はその下の構造のSCPM画像を再構築するために使用される対応する信号(例えば電圧、電流など)を生成するように構成され得る。
【0040】
[0055] 生成される信号は、二次荷電粒子ビーム236、238、及び240の強度を表すことができ、荷電粒子検出デバイス244、一次投影光学系220、及び電動ウェーハステージ280と通信する画像処理システム290に提供され得る。走査プローブスポット(例えば走査プローブスポット270、272、及び274)の移動がウェーハ230上の関心エリアを整然とカバーするように、電動ウェーハステージ280の移動速度は偏向走査ユニット226によって制御されるビームの偏向と同期され調整され得る。かかる同期及び調整のパラメータは、ウェーハ230の様々な材料に適応するように調節することができる。例えばウェーハ230の異なる材料は、走査プローブスポットの移動に対して異なる信号感度を引き起こし得る異なる抵抗-容量特性を有する場合がある。
【0041】
[0056] 二次荷電粒子ビーム236、238、及び240の強度はウェーハ230の外部構造又は内部構造に応じて変化する場合があり、従ってウェーハ230が欠陥を含むかどうかを示すことができる。更に、上述したようにビームレット214、216、及び218は、異なる強度を有し得る二次荷電粒子ビーム236、238、及び240を生成するために、ウェーハ230の上面の異なる位置上に又はウェーハ230の局所構造の異なる側面上に投影することができる。従って、二次荷電粒子ビーム236、238、及び240の強度をウェーハ230のエリアとマップすることにより、画像処理システム290はウェーハ230の内部構造又は外部構造の特性を反映する画像を再構築することができる。
【0042】
[0057] いくつかの実施形態では、画像処理システム290は、画像取得器292、ストレージ294、及びコントローラ296を含むことができる。画像取得器292は、1つ又は複数のプロセッサを含むことができる。例えば画像取得器292は、コンピュータ、サーバ、メインフレームホスト、端末、パーソナルコンピュータ、任意の種類のモバイル計算装置など、又はそれらの組み合わせを含み得る。画像取得器292は、導電体、光ファイバケーブル、携帯ストレージ媒体、IR、ブルートゥース、インターネット、ワイヤレスネットワーク、ワイヤレス無線、又はそれらの組み合わせなどの媒体を介してビームツール104の荷電粒子検出デバイス244に通信可能に結合され得る。いくつかの実施形態では、画像取得器292は荷電粒子検出デバイス244から信号を受信することができ、画像を構築することができる。このようにして、画像取得器292はウェーハ230のSCPM画像を取得することができる。画像取得器292は、輪郭を生成すること、取得された画像上に指示子を重畳することなどの様々な後処理機能を行うこともできる。画像取得器292は取得された画像の輝度及びコントラストなどの調節を行うように構成され得る。いくつかの実施形態では、ストレージ294は、ハードディスク、フラッシュドライブ、クラウドストレージ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、他の種類のコンピュータ可読メモリなどのストレージ媒体であり得る。ストレージ294は画像取得器292に結合することができ、走査済み生画像データを元画像及び後処理済み画像として保存するために使用され得る。画像取得器292及びストレージ294は、コントローラ296に接続されていてもよい。いくつかの実施形態では、画像取得器292、ストレージ294、及びコントローラ296が1つの制御ユニットとして一体化され得る。
【0043】
[0058] いくつかの実施形態では、画像取得器292は荷電粒子検出デバイス244から受信された撮像信号に基づきウェーハの1つ又は複数のSCPM画像を取得し得る。撮像信号は、荷電粒子撮像を行うための走査動作に対応し得る。取得された画像は、複数の撮像エリアを含む単一画像であり得る。単一画像はストレージ294内に格納され得る。単一画像は複数の領域に分割され得る元画像であり得る。これらの領域の各々は、ウェーハ230のフィーチャを含む1つの撮像エリアを含み得る。取得された画像は、一時系列にわたって複数回サンプリングされるウェーハ230の単一の撮像エリアの複数の画像を含み得る。複数の画像はストレージ294内に格納され得る。いくつかの実施形態では、画像処理システム290はウェーハ230の同一位置の複数の画像を用いて画像処理工程を行うように構成され得る。
【0044】
[0059] いくつかの実施形態では、画像処理システム290は、検出された二次荷電粒子(例えば二次電子)の分布を得るための測定回路(例えばアナログ/デジタル変換器)を含み得る。検出時間ウィンドウ中に収集された荷電粒子の分布データをウェーハ表面上に入射するビームレット214、216、及び218の対応する走査パスデータと組み合わせて使用して、検査中のウェーハ構造の画像を再構築することができる。再構築された画像は、ウェーハ230の内部構造又は外部構造の様々なフィーチャを明らかにするために使用することができ、それによりウェーハ内に存在する可能性がある任意の欠陥を明らかにするために使用され得る。
【0045】
[0060] いくつかの実施形態では、荷電粒子が電子であり得る。一次荷電粒子ビーム210の電子がウェーハ230の表面(例えばプローブスポット270、272、及び274)上に投影されると、一次荷電粒子ビーム210の電子はウェーハ230の粒子と相互作用して一定の深さまでウェーハ230の表面を貫通し得る。一次荷電粒子ビーム210の一部の電子は、ウェーハ230の材料と弾性的に(例えば弾性散乱又は衝突の形で)相互作用し、ウェーハ230の表面から反射又は跳ね返され得る。弾性相互作用は、相互作用の物体(例えば一次荷電粒子ビーム210の電子)の全運動エネルギーを保存し、相互作用する物体の運動エネルギーは他の形態のエネルギー(例えば熱、電磁エネルギーなど)に変換されない。このような弾性相互作用から発生する反射電子は、後方散乱電子(BSE)と呼ばれることがある。一次荷電粒子ビーム210の一部の電子は、ウェーハ230の材料と(例えば非弾性散乱又は衝突の形で)非弾性的に相互作用する場合がある。非弾性相互作用は、相互作用の物体の全運動エネルギーを保存せず、相互作用する物体の運動エネルギーの一部又は全てが他の形態のエネルギーに変換する。例えば非弾性相互作用により、一次荷電粒子ビーム210の一部の電子の運動エネルギーが材料の原子の電子励起及び遷移を引き起こす可能性がある。かかる非弾性相互作用は、二次電子(SE)と呼ばれることがあるウェーハ230の表面から出る電子を生成することもある。BSE及びSEの収量又は放出率は、数ある中でも例えば検査中の材料及び材料の表面上に照射される一次荷電粒子ビーム210の電子の照射エネルギーに依存する。一次荷電粒子ビーム210の電子のエネルギーは、その加速電圧(例えば
図2の荷電粒子源202のアノードとカソードとの間の加速電圧)によって部分的に付与される場合がある。BSE及びSEの量は、一次荷電粒子ビーム210の注入電子よりも多い又は少ない場合がある(更には同じであり得る)。
【0046】
[0061] SEMによって生成された画像は、欠陥検査に使用することができる。例えば、ウェーハの試験デバイス領域を捕捉した生成画像を、同じ試験デバイス領域を捕捉した基準画像と比較することができる。基準画像は(例えばシミュレーションによって)予め決定され、既知の欠陥を含まない場合がある。生成画像と基準画像との差が許容水準を超える場合、潜在的欠陥が識別され得る。別の例として、SEMはウェーハの複数の領域を走査することであって、各領域は同じように設計された試験デバイス領域を含む、走査すること、及び製造時にそれらの試験デバイス領域を捕捉する複数の画像を生成することができる。複数の画像は互いに比較することができる。複数の画像間の差が許容水準を超える場合、潜在的欠陥が識別され得る。
【0047】
[0062]
図3は、局所ミスアライメントを引き起こし得る例示的パターンを有するSEM画像300を示す。
図3に示すように、SEM画像300には、局所ミスアライメントを引き起こし得るパターンを有する3つの例示的な部分301から303が示されている。
図3では、第1の部分301から第3の部分303の拡大図が下部に示されている。第1の部分301は疎パターンを示し、第2の部分302はデブリパターンを示し、第3の部分303はクロッピングデブリパターンを示す。局所ミスアライメントを引き起こすフィーチャとして3つのパターンを示すが、様々なフィーチャがSEM画像の局所ミスアライメントを引き起こす可能性があることが理解されよう。
【0048】
[0063] 次に、本開示の実施形態に一致する例示的な歪み補正システムのブロック図である
図4を参照する。いくつかの実施形態では、歪み補正システム400は1つ又は複数のプロセッサ及びメモリを含む。様々な実施形態において、歪み補正システム400は、荷電粒子ビーム検査システム(例えば
図1のEBIシステム100)、又は計算リソグラフィシステム、又は他のフォトリソグラフィシステムの一部とすることができ、又はそれらと別個であり得ることが理解されよう。いくつかの実施形態では、歪み補正システム400は、本明細書で論じるようにコントローラ109又はシステム290によって実装され得る1つ又は複数の構成要素(例えばソフトウェアモジュール)を含み得る。
図4に示すように、歪み補正システム400は、検査画像取得器410、基準画像取得器420、画像アライナ430、アライメントモデル生成器440、及び歪み補正器450を含むことができる。
【0049】
[0064] 本開示の一部の実施形態によれば、検査画像取得器410は入力画像として検査画像を取得することができる。いくつかの実施形態では、検査画像はサンプル又はウェーハのSEM画像である。いくつかの実施形態では、検査画像は例えば
図1のEBIシステム100又は
図2の電子ビームツール104によって生成される検査画像であり得る。いくつかの実施形態では、検査画像取得器410は、検査画像を格納するストレージデバイス又はシステムから検査画像を得ることができる。
図5Aは、本開示における一部の実施形態に関して詳細に説明する例示的な検査画像510を示す。
【0050】
[0065] 再び
図4を参照し、一部の実施形態によれば、基準画像取得器420は、検査画像取得器410によって取得された検査画像に対応する基準画像を取得することができる。いくつかの実施形態では、基準画像は検査画像に対応するウェーハ設計のためのレイアウトファイルであり得る。このレイアウトファイルは、グラフィックデータベースシステム(GDS)フォーマット、グラフィックデータベースシステムII(GDSII)フォーマット、オープンアートワークシステム相互交換標準(OASIS:Open Artwork System Interchange Standard)フォーマット、Caltech中間フォーマット(CIF:Caltech Intermediate Format)などであり得る。ウェーハの設計は、ウェーハ上に含めるためのパターン又は構造を含むことができる。パターン又は構造は、フォトリソグラフィマスク又はレチクルからウェーハにフィーチャを転写するために使用されるマンスクパターンであり得る。いくつかの実施形態では、とりわけGDS又はOASISフォーマットのレイアウトは、ウェーハの設計に関係する平面幾何学的形状、テキスト、及び他の情報を表すバイナリファイルフォーマットで格納されるフィーチャ情報を含み得る。いくつかの実施形態では、基準画像はレイアウトファイルからレンダリングされた画像であり得る。
【0051】
[0066] 本開示の一部の実施形態によれば、画像アライナ430は検査画像を複数の小さなパッチにセグメント化することができる。
図5Aには、検査画像510が複数のパッチ511_1から511_nにセグメント化されていることが示されている。
図5Aでは、検査画像510が2次元でセグメント化されることが示されているが、検査画像510は任意の次元でセグメント化できることが理解されよう。
図5Aでは、検査画像510の第1の行がn個のパッチ511_1から511_nにセグメント化されることが示されている。1つの次元(例えば
図5Aの水平方向)に配置されるパッチに関して一部の実施形態を説明するが、本開示は様々な次元のパッチに適用できることが理解されよう。
【0052】
[0067] 検査画像510を複数のパッチ511_1から511_nにセグメント化した後、画像アライナ430は、複数のパッチ511_1から511_nを検査画像510に対応する基準画像とアライメントするように構成される。いくつかの実施形態では、複数のパッチ511_1から511_nを基準画像とアライメントすることは、パッチ511_1から511_nと基準画像との間のフィーチャマッチングに基づいて実行され得る。いくつかの実施形態では、画像アライナ430は、複数のパッチ511_1から511_nのそれぞれについて基準画像内の対応する部分又はパッチを決定することができる。本開示のいくつかの実施形態では、複数のパッチ511_1から511_nをアライメントする間、検査画像のパッチごとに基準画像の対応するパッチを決定することができる。
【0053】
[0068] 本開示の一部の実施形態によれば、歪み補正システム400はアライメント評価器460を更に含むことができる。アライメント評価器460は、本開示の一部の実施形態に一致して、検査画像の複数のパッチが基準画像の対応するパッチに対して良好にアライメントされているかどうかを評価するように構成され得る。いくつかの実施形態では、アライメント評価器460は、検査画像のパッチが基準画像の対応するパッチに対して良好にアライメントされているかどうかを評価することにより、検査画像のパッチごとにアライメントインデックスをもたらすことができる。いくつかの実施形態では、アライメントインデックスは、検査画像のパッチが基準画像の対応するパッチに対してアライメントされている信頼度を表すことができる。いくつかの実施形態では、アライメントの評価は、画像アライナ430によってアライメントを行うとき使用されるパッチ(例えばパッチ511_1から511_n)に基づいて実行され得る。いくつかの実施形態では、アライメントの評価は、画像アライナ430によって使用されるパッチ511_1から511_nと異なるパッチに基づいて実行され得る。例えばパッチ511_1から511_nはアライメントに基づいてまとめられ、アライメント評価器460は、統合されたパッチをアライメントの評価に使用される一組の異なるパッチへと再びセグメント化することができる。再びセグメント化されたパッチは、パッチ511_1から511_nのものと異なるサイズ又は異なる形状を有することができる。いくつかの実施形態では、アライメント評価器460は、検査画像の複数のパッチに対するアライメント評価結果に基づいて、検査画像が基準画像に対して良好にアライメントされているかどうかを評価することができる。いくつかの実施形態では、画像アライナ430は、アライメント評価器460からアライメント評価結果を受信し、アライメント評価結果に従って検査画像の複数のパッチを基準画像に対して再びアライメントすることができる。いくつかの実施形態では、アライメント評価器460は機械学習ベースのアライメントアルゴリズムであり得る。
図7Aから
図8Bを参照し、機械学習ベースのアライメント評価アルゴリズムのトレーニング技法について説明する。
【0054】
[0069] いくつかの実施形態では、基準画像に対する複数のパッチ511_1から511_nのアライメントに基づき、複数のパッチ511_1から511_nに対する局所アライメント結果を生成することができる。
図5Bは、本開示の実施形態と一致する、複数のパッチに対する局所アライメント結果を示す例示的グラフである。
図5Bでは、10個の局所アライメント結果LAが2次元座標系の中で示されており、x軸は基準画像、例えばGDSファイル内の位置を表し、y軸は検査画像510、例えばSEM画像内の位置を表す。
図5Aでは、局所アライメント結果LAは複数のパッチ511_1から511_nのうちの1つのパッチに関連し得る。いくつかの実施形態では、各パッチの局所アライメント結果LAは検査画像内の基準点、例えば
図5Aの検査画像510内の基準点RPから各パッチの中心までの測定距離とすることができる。
【0055】
[0070]
図5Bでは、第1のパッチ511_1に関連する第1の局所アライメント結果LA1は、検査画像510内の第1のパッチ511_1の位置が基準点RPから約0.4である一方、基準画像内の対応するパッチの位置が基準画像内の対応する基準点から1であることを示す。第2のパッチ511_2に関連する第2の局所アライメント結果LA2は、検査画像510内の第2のパッチ511_2の位置が基準点RPから約1.45である一方、基準画像内の対応するパッチの位置が基準画像内の対応する基準点から1.5であることを示す。同様に、第10のパッチに関連する第10の局所アライメント結果LA10は、検査画像510内の第10のパッチの位置が約5.6である一方、基準画像内の対応するパッチの位置が基準画像内の対応する基準点から5であることを示す。本開示では、
図5A内で右方向を示す正の記号(+)は省略され、右方向とは反対の方向を示すために負の記号(-)が使用されることに留意されたい。
【0056】
[0071] 再び
図4を参照し、本開示の一部の実施形態によれば、アライメントモデル生成器440は検査画像、例えば検査画像510の歪みを補正するために使用可能なアライメントモデルを生成するように構成される。本開示の一部の実施形態によれば、アライメントモデル生成器440は、局所アライメント結果に基づいてアライメントモデルを生成することができる。本開示の一部の実施形態によれば、アライメントモデル生成器440は、例えば
図5Cに示すように、可能な限り多くの局所アライメント結果にフィットするアライメントモデルを生成することができる。
図5Cに示すように、アライメントモデル531は10個のアライメント結果(即ちLA1からLA10)のうち8個の局所アライメント結果(即ちLA2からLA9)にフィットする。本開示では、アライメントモデルにフィットする局所アライメント結果を内値(inlier)と呼び、アライメントモデルにフィットしない局所アライメント結果を外れ値と呼ぶことができる。
図5Cでは、アライメントモデル531に対して8個のアライメント結果、即ちLA2からLA9が内値であり、2個のアライメント結果、即ちLA1及びLA10が外れ値である。いくつかの実施形態では、外れ値は、例えばスナッピング、ハーフピッチシフトなどに起因する欠陥データ又は汚染データだと仮定することができる。いくつかの実施形態では、これらの外れ値はアライメントモデルを推定する際に除外される。
【0057】
[0072] 一部の実施形態によれば、局所アライメント結果とアライメントモデルとの間の非ゼロ距離の総数をカウントするL0ノルムを最小化することができるアライメントモデルを、対応する検査画像のアライメントモデルとして決定することができる。
図5Cでは、アライメントモデル531にフィットする局所アライメント結果LA2からLA9はアライメントモデル531からゼロ距離を有し、2つの局所アライメント結果LA1及びLA0はアライメントモデル531から非ゼロ距離を有する。一部の実施形態によれば、アライメントモデルを生成する際に潜在的な欠陥データを認識し無視することができ、それにより検査画像510の歪み補正において欠陥データの影響を最小限に抑えることができる。
【0058】
[0073] 本開示の一部の実施形態によれば、アライメントモデルを推定することは、以下のように表されるランダムサンプルコンセンサス(RANSAC)に基づいて実行することができる:
For epoch in N:
LA
S=Sample(O,epoch,LA)
F=Fit(LA
S)
F
*=Evaluate(F,P
t,LA)
END FOR. アルゴリズム1
ここでNは反復の総数を表し、epochは現在の反復数を表し、Oは回帰次数を表し、LAは局所アライメント結果、例えば
図5CのLA1からLA10を表す。
【0059】
[0074] 最初のステップで、回帰次数Oに従い、一組の局所アライメント結果から局所アライメント結果のサンプルサブセットをランダムに選択する。回帰次数Oは、実施形態による回帰の任意の次数を表すことができる。アライメントモデル、例えばアライメント曲線を一意に定義するために、回帰次数Oに基づいてサンプルサブセットに対するいくつかの局所アライメント結果を決定することができる。例えば回帰次数Oが線形回帰とも呼ばれる回帰の第一次を識別する場合、2つの局所アライメント結果のサンプルサブセットをランダムに選択することができる。本開示では、2つの局所アライメント結果がサンプルサブセットに選択される実施形態を例示目的で説明する。選択されたアライメント結果を含むサブセットをLASとして示す。
【0060】
[0075] 本開示の一部の実施形態に一致して、第2のステップで、サブセットLASに含まれる選択されたアライメント結果にフィットする第1のアライメントモデルFを決定することができる。いくつかの実施形態では、第1のアライメントモデルFは、回帰次数Oによる線形又は非線形モデルであり得る。いくつかの実施形態では、サブセットLASに含まれる選択されたアライメント結果にフィットし、定義された回帰次数Oを満たす第1のアライメントモデルFのパラメータが計算され得る。例えば第2の局所アライメント結果LA2及び第9の局所アライメント結果LA9が第1のステップで選択され、回帰次数Oによって一次回帰が定義される場合、線形方程式であるアライメントモデル531を一意に識別することができる。
【0061】
[0076] 第3のステップで、全データセット内で何個の局所アライメント結果が第1のアライメントモデルFにフィットするのかを調べることにより、第2のステップで得た第1のアライメントモデルFを評価することができる。一部の実施形態によれば、第1のアライメントモデルFにフィットする局所アライメント結果の数に基づいて第1のアライメントモデルFの性能P
tを決定することができる。いくつかの実施形態では、第1のアライメントモデルFにフィットする局所アライメント結果を内値とみなし、第1のアライメントモデルFにフィットしない局所アライメント結果を外れ値とみなす。いくつかの実施形態では、局所アライメント結果が第1のアライメントモデルFにフィットしないが十分近い場合、その局所アライメント結果を内値とみなすことができる。例えば、第1のアライメントモデルFからの距離が閾値内にある局所アライメント結果は、第1のアライメントモデルFにフィットするとみなすことができる。いくつかの実施形態では、閾値は第1のアライメントモデルFからの偏差がノイズの影響に起因するかどうかに基づいて決定され得る。いくつかの実施形態では、第1のアライメントモデルFの性能P
tは、全データセットの中の内値のパーセンテージに基づいて決定することができる。例えば
図5Cでは、10個の局所アライメント結果のうち8個の局所アライメント結果LA2からLA9が第1のアライメントモデルFとしてのフィッティング曲線531にフィットし、従って第1のアライメントモデルFの性能P
tは80%として決定することができる。いくつかの実施形態では、第1のアライメントモデルFの性能P
tは、残余集合の中の内値のパーセンテージに基づいて決定することができる。例えばサンプルサブセットが第2の局所アライメント結果LA2及び第9の局所アライメント結果LA9を含む場合、残余集合内の8個の局所アライメント結果のうちの6個の局所アライメント結果が内値であり、従って第1のアライメントモデルFの性能P
tは75%として決定することができる。このステップでは、第1のアライメントモデルFは潜在的なアライメントモデルF
*とみなされる。
【0062】
[0077] 上記で論じたように、第1のステップから第3のステップまでをNの反復回数にわたって繰り返すことができる。第1の反復の完了後に第2の反復が行われる。第1のステップでは、第2の反復のサブセットの構成が全データセットの中からランダムに選択され得る。第2の反復で選択される局所アライメント結果は、第1の反復で選択されるものと異なり得る。第2のステップで、選択された局所アライメント結果に基づいて第2のアライメントモデルFを推定し、第3のステップで、第2のアライメントモデルFの性能Ptを第1の反復と同様のやり方で評価する。第3のステップで、第1の反復における第1のアライメントモデルFの性能Ptよりも第2のアライメントモデルFの性能Ptの方が優れている場合、第2のアライメントモデルFを潜在的なアライメントモデルF*として更新する。さもなければ、第1のアライメントモデルFを潜在的なアライメントモデルF*として保つ。従って、Nの反復回数が完了したとき、N個のアライメントモデルFの中で最も高い性能Ptを有するアライメントモデルFを検査画像510のアライメントモデルF*として選択することができる。
【0063】
[0078] 再び
図4を参照し、本開示の一部の実施形態に一致し、歪み補正器450は、選択されたアライメントモデルF
*に基づいて検査画像の歪みを補正するように構成され得る。いくつかの実施形態では、選択されたアライメントモデルF
*に基づき、検査画像の内値及び外れ値を含む全ての局所アライメント結果に対応する検査画像の全てのパッチを補正することができる。例えば
図5Cでは、アライメントモデル531に対して内値である第2の局所アライメント結果LA2に対応する第2のパッチがアライメントモデル531に従って補正される。検査画像510の歪みを補正するために、第2の局所アライメント結果LA2に対応する第2のパッチ511_1を
図5Cのアライメントモデル531に従って0.05だけ移動させることができる。同様に
図5Cでは、アライメントモデル531に対して外れ値である第1の局所アライメント結果LA1に対応する第1のパッチも、測定された局所アライメント結果LA1の代わりにアライメントモデル531に従って補正される。検査画像510を補正するために、第1の局所アライメント結果LA1に対応する第1のパッチ511_1は、
図5Cの測定された局所アライメント結果LA1による0.6の代わりにフィッティングモデル531に従って(-)0.05だけ移動させることができる。本開示のいくつかの実施形態では線形アライメントモデルを示すが、本開示はこれだけに限定されないが変倍、回転、平行移動などを含む任意の種類のアライメントモデルに適用できることが理解されよう。
【0064】
[0079]
図6Aは、局所アライメントデータに従ってSEM画像の歪みを補正する例示的プロセスを示す。
図6Aでは、SEM画像610は、1000ピクセルのうち1%の歪みを含むようにプログラムされたSEM画像である。
図6Aで、第1のアローマップ611はSEM画像610内の各ピクセルについて測定された局所アライメント結果を示す。第1のアローマップ611で、各矢印は、対応する測定された局所アライメント結果に従い、対応する基準画像とマッチするために対応するピクセルをどの方向にどれだけ移動すべきかを表す。
図6Aでは、第1の補正画像612は、第1のアローマップ611によるSEM画像610の補正画像である。補正されたSEM画像612において示すように、測定された局所アライメント結果に従って検査画像を補正することは、スナッピングなどの別の種類のミスアライメント又は歪みを引き起こすことがある。
【0065】
[0080]
図6Bは、本開示の実施形態に一致する、アライメントモデルに従ってSEM画像の歪みを補正する例示的プロセスを示す。ここでは、
図6AのSEM画像610も入力検査画像として使用される。
図6Bにおいて第2のアローマップ621は、本開示の一部の実施形態に一致する、選択されたアライメントモデルに対する第1のアローマップ611内の矢印のうちの内値に対応する矢印632と外れ値に対応する矢印631とを表す。第3のアローマップ622は、選択されたアライメントモデルによるSEM画像610のフィッティング結果を示す。
図6Bの第3のアローマップ622において示すように、外れ値に対応する矢印631は考慮されないが、選択されたアライメントモデルによるフィッティング結果はSEM画像610の歪みを補正する際に考慮される。第3のアローマップ622では、各矢印は、選択されたアライメントモデルに従い、対応する基準画像とマッチするために対応するピクセルをどの方向にどれだけ移動すべきかを表す。
図6Bでは、第2の補正画像630は、第3のアローマップ622によるSEM画像610の補正画像である。第2の補正されたSEM画像630として示すように、本開示の一部の実施形態に一致するアライメントモデルに従って検査画像の歪みを効果的に補正することができる。例えば一部の例では、SEM画像610内にプログラムされた歪みの99.98%までがSEM画像630内で補正されている。
【0066】
[0081]
図6Cは、本開示の実施形態に一致する、歪み補正後の入力検査画像と出力補正画像との比較例を示す。
図6Cでは、SEM画像610及び補正SEM画像630はそれぞれ、本開示の一部の実施形態に一致する歪み補正前及び補正後のSEM画像である。SEM画像610は、対応する基準画像に対して良好にアライメントされていない部分613、614、及び615を含む。部分613、614、及び615の拡大画像において、SEM画像610のパターンWは白い中空円として示す。対応するGDS画像のパターンBも、部分613、614、及び615の拡大画像内に例示目的で示している。部分613、614、及び615の拡大画像の中で示すように、SEM画像610は対応するGDS画像と良好にアライメントされていないことに留意されたい。補正されたSEM画像630も、入力SEM画像610の部分613、614、及び615に対応する部分631、632、及び633を含む。部分631、632、及び633の拡大画像において、SEM画像630のパターンWが対応するGDS画像のパターンBと良好にアライメントされていることに留意されたい。
図6Cに示すように、本開示の一部の実施形態に従って入力SEM画像の歪みを効果的に補正することができる。
【0067】
[0082] SEM画像の歪み補正性能を改善するために、最初にSEM画像を設計レイアウトに正確にアライメントすることが重要である。
図4のアライメント評価器460に関して示すように、SEM画像が基準画像に対して良好にアライメントされているかどうかは、局所アライメント結果に基づいてアライメントモデルを生成する前に実行することができる。アライメント信頼スコアを提供する多くの機構がある。しかし、アライメント信頼スコアは概して相互相関又は平均二乗誤差(MSE)に基づくマッチングアルゴリズムによって計算され、かかるアルゴリズムは視野が繰り返しパターンの比較的大きい部分を含み、欠陥に由来する固有のフィーチャ又は十分な基礎情報を欠く場合はロバストなマッチングスコアをもたらさない。これらのアルゴリズムの下では、繰り返しパターンを有するSEM画像の位置がずれている場合でさえアライメント信頼スコアが依然として高い場合がある。
【0068】
[0083]
図7Aは、シフトされた繰り返しパターンを有する例示的な検査画像を示す。
図7Aでは、SEM画像が基準画像とアライメントされていない、即ちSEM画像が基準画像から距離Tだけシフトしていることが示されている。例えばSEM画像711のパターン712は、その基準画像の対応するパターン713からシフトしている。しかし、相互相関又は平均二乗誤差(MSE)に基づくマッチングアルゴリズムによるアライメント信頼性スコアは、SEM画像711のパターンが
図7Aに示されるように繰り返されるため、SEM画像711に対して依然として高くなり得る。相互相関又はMSEに基づく信頼スコアは、繰り返しパターンを含むSEM画像のアライメントに対して偽陽性結果をもたらし得ることに留意されたい。本開示の一部の実施形態によれば、アライメント評価器460は機械学習ベースのアライメントアルゴリズムとすることができ、アライメント評価モデルはトレーニングシステムによってトレーニングされ得る。
【0069】
[0084]
図7Bは、本開示の実施形態に一致する、アライメント評価モデルのためのトレーニングシステム700(「装置700」とも呼ぶ)のブロック図である。いくつかの実施形態では、トレーニングシステム700は、1つ又は複数のプロセッサ及びメモリを含み得る。様々な実施形態において、トレーニングシステム700は荷電粒子ビーム検査システム(例えば
図1のEBIシステム100)の一部とすることができ、又は荷電粒子ビーム検査システムとは別個であり得ることが理解されよう。トレーニングシステム700は、荷電粒子ビーム検査システムとは別個の、及び荷電粒子ビーム検査システムに通信可能に結合される1つ又は複数の構成要素又はモジュールを含み得ることも理解されよう。いくつかの実施形態では、トレーニングシステム700は本明細書で論じたコントローラ109又はシステム290によって実装可能な1つ又は複数の構成要素(例えばソフトウェアモジュール)を含み得る。いくつかの実施形態では、トレーニングシステム700及び歪み補正システム400は、別々の計算装置上に又は同じ計算装置上に実装される。いくつかの実施形態では、トレーニングシステム700は、
図4の歪み補正システム400又は歪み補正システム400のアライメント評価器460の一部であり得る。
【0070】
[0085]
図7Bに示すように、トレーニングシステム700は、トレーニング検査画像取得器710、トレーニング基準画像取得器720、及びモデルトレーナ730を含み得る。本開示の一部の実施形態によれば、トレーニング検査画像取得器710は検査画像パッチを取得することができる。いくつかの実施形態では、検査画像パッチはサンプル又はウェーハのSEM画像のパッチである。いくつかの実施形態では、トレーニング検査画像はSEM画像の複数のパッチのうちの1つであり得る。例えばトレーニング検査画像は、
図5Aに示すパッチ511_1から511_nのうちの1つであり得る。
【0071】
[0086] 一部の実施形態によれば、トレーニング基準画像取得器720は、トレーニング検査画像取得器710によって取得されたトレーニング検査画像と比較される基準画像を取得することができる。いくつかの実施形態では、基準画像はウェーハ設計のためのレイアウトファイルであり得る。いくつかの実施形態では、トレーニング基準画像がトレーニング目的でトレーニング検査画像に対して良好にアライメントされてもされなくてもよい。
【0072】
[0087]
図8Aは、本開示の実施形態に一致する、
図7Bのトレーニングシステムのための例示的なトレーニングデータセットを示す。
図8Aは、トレーニング検査画像取得器710及びトレーニング基準画像取得器720によってそれぞれ取得されたトレーニング検査画像及びトレーニング基準画像の例示的な対を示す。
図8Aでは、トレーニング検査画像取得器710はトレーニング検査画像パッチ811_1から811_nを取得することができ、トレーニング基準画像取得器720はトレーニング基準画像パッチ821_1から821_nを取得することができる。いくつかの実施形態では、各トレーニング検査画像811がトレーニング基準画像821と対にされる。例えば、第1のトレーニング検査画像811_1は第1のトレーニング基準画像821_1と対にされ、第1の対PA1を構成する。同様に、第2の対PA2から第nの対PAnが取得される。
【0073】
[0088] 再び
図7Bを参照し、本開示の一部の実施形態によれば、モデルトレーナ730は、入力として提供される各対PA1からPAnの2つの画像のアライメントインデックスを予測するようにアライメント評価モデル731をトレーニングするように構成される。本開示の一部の実施形態によれば、モデルトレーナ730は、教師あり学習下でアライメント評価モデル731をトレーニングするように構成される。いくつかの実施形態では、モデルトレーナ730は、トレーニング検査画像811及びトレーニング基準画像812がアライメントされているかどうかの情報も提供される。
【0074】
[0089]
図8Bは、本開示の実施形態に一致するアライメント評価モデル731の例示的な構成を示す。
図8Bに示すように、アライメント評価モデル731は、トレーニング検査画像811及びトレーニング基準画像821を受信し、それらの2つの画像を処理して2つの画像がどの程度アライメントされているのかを予測することができる。いくつかの実施形態では、アライメント評価モデル731は、2つの画像間のアライメントの程度を表すアライメントインデックスを提供するように構成され得る。いくつかの実施形態では、アライメント評価モデル731は、シャムニューラルネットワークなどの機械学習システム又はニューラルネットワークであり得る。他の種類の機械学習システムも利用できることが理解されよう。
【0075】
[0090]
図8Bに示すように、本開示の一部の実施形態に一致し、アライメント評価モデル731は第1のネットワーク732及び第2のネットワーク733を含むように構成され得る。いくつかの実施形態では、トレーニング検査画像811のフィーチャを抽出するように構成される第1のネットワーク732にトレーニング検査画像811が提供され、基準画像821のフィーチャを抽出するように構成される第2のネットワーク733にトレーニング基準画像821が提供される。いくつかの実施形態では、第1のネットワーク732及び第2のネットワーク733が同じ構成を有するように構成され得る。例えば第1のネットワーク732及び第2のネットワーク733は共有重みを有するように構成することができ、それにより2つのネットワーク732及び733は同等の出力を例えば出力ベクトルとして計算するために2つの異なる入力に対して連携することができる。いくつかの実施形態では、第1のネットワーク732及び第2のネットワーク733は独立した構成を有するように構成され得る。この例では、第1のネットワーク732及び第2のネットワーク733が重みを共有しなくてもよい。いくつかの実施形態では、第1のネットワーク732及び第2のネットワーク733が、これだけに限定されないがVisual Geometry Group(VGG)ニューラルネットワーク、残差ニューラルネットワーク(ResNet)、Dense Convolutional Network(DenseNet)などを含む様々なネットワークアーキテクチャによって実装され得る。
【0076】
[0091]
図8Bに示すように、本開示の一部の実施形態に一致し、アライメント評価モデル731は処理層734を更に含み得る。いくつかの実施形態では、第1のネットワーク732からのフィーチャ及び第2のネットワーク733からのフィーチャが処理層734に提供され得る。
図8Bに示すように、2つの画像811及び821間のアライメントインデックスを出力するために、処理層734は2つのネットワーク732及び733からの入力フィーチャを処理する複数の処理層を含むことができる。いくつかの実施形態では、処理層734は入力フィーチャに対するたたみ込み演算を計算することができる。いくつかの実施形態では、第1のネットワーク732からのフィーチャ及び第2のネットワーク733からのフィーチャは、処理層734の入力層において組み合わせ、その後アライメントインデックスを出力するために更に処理することができる。
【0077】
[0092] トレーニング検査画像811及びトレーニング基準画像812がアライメントされているかどうかの情報とアライメントインデックスが整合していない場合、モデルトレーナ730はアライメント評価モデル731のパラメータ、重みなどを調節することができる。トレーニング検査画像811及びトレーニング基準画像812の更なる対PA1からPAnを用いてアライメント評価モデル731がトレーニングされるため、アライメント評価モデル731が生成するアライメントインデックスの精度は改善され得る。
【0078】
[0093] 本開示の一部の実施形態に一致し、モデルトレーナ730が教師あり学習下でアライメント評価モデル731をトレーニングした後、アライメント評価モデル731をアライメント評価器460として使用することができる。いくつかの実施形態では、トレーニングされたアライメント評価モデル731は、入力画像と基準画像との間のアライメントインデックスを予測するために使用され得る。いくつかの実施形態では、トレーニングされたアライメント評価モデル731は、検査画像の歪み補正とは独立に、又はそれと組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態では、トレーニングされたアライメント評価モデル731をプリントチェックプロセスで使用することができる。プリントチェックプロセスでは、マスクと共にウェーハを露光し、ウェーハを検査してマスクの欠陥を示し得る任意の欠陥が繰り返されているかどうかを検査することにより、マスク又はレチクルを検査することができる。この応用例では、ウェーハの検査画像とウェーハの対応するレイアウト画像との間のアライメントを評価するために、トレーニングされたアライメント評価モデル731を使用することができる。
【0079】
[0094]
図9は、本開示の実施形態に一致する、検査画像の歪みを補正するための例示的方法を表すプロセスフローチャートである。方法900のステップはコンピューティングデバイス、例えば
図1のコントローラ109上で、或いはその機能を使用して実行されるシステム(例えば
図4のシステム400)によって実行され得る。図示の方法900は、ステップの順序を修正するために及び追加のステップを含めるために変更できることが理解されよう。
【0080】
[0095] ステップS910で、検査画像及び基準画像を取得する。ステップS910は、例えばとりわけ検査画像取得器410又は基準画像取得器420によって実行することができる。いくつかの実施形態では、検査画像はサンプル又はウェーハのSEM画像である。いくつかの実施形態では、基準画像は検査画像に対応するウェーハ設計のためのレイアウトファイルであり得る。いくつかの実施形態では、基準画像はレイアウトファイルからレンダリングされる画像であり得る。
【0081】
[0096] ステップS920で、検査画像を基準画像とアライメントする。ステップS920は、例えばとりわけ画像アライナ430によって実行することができる。本開示の一部の実施形態によれば、検査画像を複数の小さいパッチにセグメント化することができる。
図5Aでは、検査画像510が複数のパッチ511_1から511_nにセグメント化されることが示されている。検査画像510を複数のパッチ511_1から511_nにセグメント化した後、複数のパッチ511_1から511_nを検査画像510に対応する基準画像とアライメントする。いくつかの実施形態では、複数のパッチ511_1から511_nを基準画像とアライメントすることは、パッチ511_1から511_nと基準画像との間のフィーチャマッチングに基づいて実行され得る。本開示のいくつかの実施形態では、複数のパッチ511_1から511_nをアライメントする間、検査画像のパッチごとに基準画像の対応するパッチを決定することができる。
【0082】
[0097] 本開示のいくつかの実施形態では、方法900はステップS921を更に実行することができる。ステップS921では、ステップS920で実行した検査画像のアライメントを評価することができる。ステップS921は、例えばとりわけアライメント評価器460によって実行することができる。ステップS921で、検査画像の複数のパッチが基準画像の対応するパッチに対して良好にアライメントされているかどうかを評価することができる。検査画像のパッチが基準画像の対応するパッチに良好にアライメントされているかどうかを評価することにより、検査画像のパッチごとにアライメントインデックスを生成することができる。いくつかの実施形態では、アライメントインデックスは、検査画像のパッチが基準画像の対応するパッチに対してアライメントされている信頼度を表すことができる。いくつかの実施形態では、検査画像の複数のパッチに対するアライメント評価結果に基づいて、検査画像が基準画像に対して良好にアライメントされているかどうかを評価することができる。いくつかの実施形態では、ステップS920を繰り返して、アライメント評価結果に従って検査画像の複数のパッチを基準画像に対して再びアライメントすることができる。いくつかの実施形態では、ステップS921は機械学習ベースのアライメントアルゴリズムであり得る。
【0083】
[0098] ステップS930で、アライメントモデルを生成する。ステップS930は、例えばとりわけアライメントモデル生成器440によって実行することができる。いくつかの実施形態では、基準画像に対する複数のパッチ511_1から511_nのアライメントに基づき、複数のパッチ511_1から511_nに対する局所アライメント結果を生成することができる。本開示の一部の実施形態によれば、局所アライメント結果に基づき、検査画像の歪みを補正するために使用可能なアライメントモデルを生成することができる。本開示の一部の実施形態によれば、可能な限り多くの局所アライメント結果にフィットするアライメントモデルを生成することができる。一部の実施形態によれば、局所アライメント結果とアライメントモデルとの間の非ゼロ距離の総数をカウントするL0ノルムを最小化することができるアライメントモデルを、対応する検査画像のアライメントモデルとして決定することができる。いくつかの実施形態では、外れ値は、例えばスナッピング、ハーフピッチシフトなどに起因する欠陥データ又は汚染データだと仮定することができる。いくつかの実施形態では、これらの外れ値はアライメントモデルを推定する際に除外される。
【0084】
[0099] 本開示の一部の実施形態によれば、アライメントモデルの推定はランダムサンプルコンセンサス(RANSAC)に基づいて行うことができる。本開示の一部の実施形態によれば、局所アライメント結果の複数のランダムに選択されたサブセットに対して複数のアライメントアルゴリズムを生成することができる。いくつかの実施形態では、検査画像を補正するためのアライメントアルゴリズムとして、複数のアライメントアルゴリズムの中で最高の性能を示す1つのアライメントアルゴリズムを選択することができる。いくつかの実施形態では、アライメントアルゴリズムの性能は、アライメントアルゴリズムにフィットする局所アライメント結果の数に基づいて決定することができる。本開示ではアライメントモデルを生成するプロセスをアルゴリズム1に関して説明しており、従ってここでは簡潔にするために詳細な説明は省略する。
【0085】
[00100] ステップS940で、選択されたアライメントモデルに基づいて検査画像の歪みを補正する。ステップS940は、例えばとりわけ歪み補正器450によって実行することができる。いくつかの実施形態では、選択されたアライメントモデルFに基づき、検査画像の内値及び外れ値を含む全ての局所アライメント結果に対応する検査画像の全てのパッチを補正することができる。
【0086】
[00101]
図10は、本開示の実施形態に一致する、アライメント評価モデルをトレーニングするための例示的方法を表すプロセスフローチャートである。方法1000のステップはコンピューティングデバイス、例えば
図1のコントローラ109上で、或いはその機能を使用して実行されるシステム(例えば
図7Bのシステム700)によって実行され得る。図示の方法1000は、ステップの順序を修正するために及び追加のステップを含めるために変更できることが理解されよう。
【0087】
[00102] ステップS1010で、トレーニング検査画像及びトレーニング基準画像の対を取得する。ステップS1010は、例えばとりわけトレーニング検査画像取得器710又はトレーニング基準画像取得器720によって実行することができる。トレーニング検査画像は、検査画像パッチであり得る。いくつかの実施形態では、検査画像パッチはサンプル又はウェーハのSEM画像のパッチである。一部の実施形態によれば、トレーニング基準画像は、トレーニング検査画像と比較される基準画像パッチであり得る。いくつかの実施形態では、基準画像はウェーハ設計のためのレイアウトファイルであり得る。いくつかの実施形態では、トレーニング基準画像がトレーニング目的でトレーニング検査画像に対応してもしなくてもよい。
【0088】
[00103] ステップS1020で、アライメント評価モデルをトレーニングする。ステップS1020は、例えばとりわけモデルトレーナ730によって実行され得る。本開示の一部の実施形態によれば、アライメント評価モデルは入力として提供される2つの画像のアライメントインデックスを予測するようにトレーニングされる。本開示の一部の実施形態によれば、アライメント評価モデルは教師あり学習下でトレーニングされる。いくつかの実施形態では、トレーニング検査画像及びトレーニング基準画像がアライメントされているかどうかの情報が提供され得る。いくつかの実施形態では、アライメント評価モデルは、2つの画像間のアライメントの程度を表すアライメントインデックスを提供するように構成され得る。トレーニング検査画像及びトレーニング基準画像がアライメントされているかどうかの情報とアライメントインデックスが整合していない場合、アライメント評価モデルのパラメータ、重みなどを調節することができる。トレーニング検査画像及びトレーニング基準画像の更なる対を用いてアライメント評価モデルがトレーニングされるため、アライメント評価モデル731が生成するアライメントインデックスの精度は改善され得る。アライメント評価モデルの例示的構成を
図8Bに関して説明しており、従ってここでは簡潔にするためにその詳細な説明は省略する。
【0089】
[00104] コントローラ(例えば
図1のコントローラ109)のプロセッサがとりわけ画像検査、画像取得、ステージ位置決め、ビーム集束、電界調節、ビーム曲げ、集光レンズ調節、荷電粒子源の活性化、ビーム偏向、並びに方法900及び1000を実行するための指令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体が提供され得る。非一時的メディアの一般形式は、例えばフロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、磁気テープ、又は任意の他の磁気データストレージ媒体、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、任意の他の光学データストレージ媒体、穴のパターンを有する任意の物理的媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、プログラマブルROM(PROM)、及び消去可能プログラマブルROM(EPROM)、FLASH-EPROM又は任意の他のフラッシュメモリ、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、キャッシュ、レジスタ、任意の他のメモリチップ又はカートリッジ及びそのネットワーク化バージョンを含む。
【0090】
[00105] 実施形態は以下の条項を用いて更に説明することができる:
1.検査画像の歪みを補正するための方法であって、
検査画像を取得すること、
検査画像に対応する基準画像に基づいて検査画像の複数のパッチの局所アライメント結果を決定すること、
局所アライメント結果の複数のサブセットの各サブセットについて、
局所アライメント結果のサブセットに基づいてアライメントモデルを決定し、
局所アライメント結果の残余集合に対するアライメントモデルのフィットに基づいてアライメントモデルを評価すること、
評価に基づいて複数のアライメントモデルの中から1つのアライメントモデルを選択すること、及び
選択されたアライメントモデルに基づいて検査画像の歪みを補正すること
を含む、方法。
2.アライメントモデルを評価することが、
アライメントモデルにフィットする局所アライメント結果のパーセンテージを局所アライメント結果の残余集合の中で決定すること
を含む、条項1に記載の方法。
3.複数のサブセットがランダムに選択される、条項1又は2に記載の方法。
4.基準画像に基づいて検査画像の複数のパッチをアライメントすること、及び
複数のパッチの第1のパッチと基準画像の対応するパッチとの間のアライメントを機械学習モデルによって評価すること
を更に含む、条項1~3の何れか一項に記載の方法。
5.トレーニング検査画像パッチ及びトレーニング基準画像パッチを取得すること、及び
トレーニング検査画像パッチとトレーニング基準画像パッチとの間のアライメントインデックスを予測するように機械学習モデルをトレーニングすること
を更に含む、条項4に記載の方法。
6.検査画像の歪みを補正するための装置であって、
一組の指令を格納するメモリと、
検査画像を取得すること、
検査画像に対応する基準画像に基づいて検査画像の複数のパッチの局所アライメント結果を決定すること、
局所アライメント結果の複数のサブセットの各サブセットについて、
局所アライメント結果のサブセットに基づいてアライメントモデルを決定し、
局所アライメント結果の残余集合に対するアライメントモデルのフィットに基づいてアライメントモデルを評価すること、
評価に基づいて複数のアライメントモデルの中から1つのアライメントモデルを選択すること、及び
選択されたアライメントモデルに基づいて検査画像の歪みを補正すること
を装置に行わせるための一組の指令を実行するように構成される少なくとも1つのプロセッサと
を含む、装置。
7.アライメントモデルを評価する際、少なくとも1つのプロセッサが
アライメントモデルにフィットする局所アライメント結果のパーセンテージを局所アライメント結果の残余集合の中で決定すること
を装置に更に行わせるための一組の指令を実行するように構成される、条項6に記載の装置。
8.複数のサブセットがランダムに選択される、条項6又は7に記載の装置。
9.少なくとも1つのプロセッサが
基準画像に基づいて検査画像の複数のパッチをアライメントすること、及び
複数のパッチの第1のパッチと基準画像の対応するパッチとの間のアライメントを機械学習モデルによって評価すること
を装置に更に行わせるための一組の指令を実行するように構成される、条項6~8の何れか一項に記載の装置。
10.少なくとも1つのプロセッサが
トレーニング検査画像パッチ及びトレーニング基準画像パッチを取得すること、及び
トレーニング検査画像パッチとトレーニング基準画像パッチとの間のアライメントインデックスを予測するように機械学習モデルをトレーニングすること
を装置に更に行わせるための一組の指令を実行するように構成される、条項9に記載の装置。
11.検査画像の歪みを補正するための方法をコンピューティングデバイスに行わせるためにコンピューティングデバイスの少なくともプロセッサ上によって実行可能な一組の指令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、方法は
検査画像を取得すること、
検査画像に対応する基準画像に基づいて検査画像の複数のパッチの局所アライメント結果を決定すること、
局所アライメント結果の複数のサブセットの各サブセットについて、
局所アライメント結果のサブセットに基づいてアライメントモデルを決定し、
局所アライメント結果の残余集合に対するアライメントモデルのフィットに基づいてアライメントモデルを評価すること、
評価に基づいて複数のアライメントモデルの中から1つのアライメントモデルを選択すること、及び
選択されたアライメントモデルに基づいて検査画像の歪みを補正すること
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
12.アライメントモデルを評価する際、コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な一組の指令が
アライメントモデルにフィットする局所アライメント結果のパーセンテージを局所アライメント結果の残余集合の中で決定すること
をコンピューティングデバイスに更に行わせる、条項11に記載のコンピュータ可読媒体。
13.複数のサブセットがランダムに選択される、条項11又は12に記載のコンピュータ可読媒体。
14.コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な一組の指令が
基準画像に基づいて検査画像の複数のパッチをアライメントすること、及び
複数のパッチの第1のパッチと基準画像の対応するパッチとの間のアライメントを機械学習モデルによって評価すること
をコンピューティングデバイスに更に行わせる、条項11~13の何れか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
15.コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な一組の指令が
トレーニング検査画像パッチ及びトレーニング基準画像パッチを取得すること、及び
トレーニング検査画像パッチとトレーニング基準画像パッチとの間のアライメントインデックスを予測するように機械学習モデルをトレーニングすること
をコンピューティングデバイスに更に行わせる、条項14に記載のコンピュータ可読媒体。
16.検査画像の歪みを補正するための方法であって、
検査画像を取得すること、
検査画像に対応する基準画像に基づいて検査画像の複数のパッチの局所アライメント結果を決定すること、
局所アライメント結果の第1のサブセットに基づいて第1のアライメントモデルを推定し、局所アライメント結果の第2のサブセットに基づいて第2のアライメントモデルを推定すること、
局所アライメント結果の第1の残余集合に対する第1のアライメントモデルのフィットに基づいて第1のアライメントモデルを評価し、局所アライメント結果の第2の残余集合に対する第2のアライメントモデルのフィットに基づいて第2のアライメントモデルを評価すること、
評価に基づいて第1のアライメントモデル及び第2のアライメントモデルの1つを選択すること、及び
選択されたアライメントモデルに基づいて検査画像の歪みを補正すること
を含む、方法。
17.第1のアライメントモデルを評価することが、
第1のアライメントモデルにフィットする局所アライメント結果のパーセンテージを局所アライメント結果の第1の残余集合の中で決定すること
を含む、条項16に記載の方法。
18.第1のサブセット及び第2のサブセットがランダムに選択される、条項16又は17に記載の方法。
19.基準画像に基づいて検査画像の複数のパッチをアライメントすること、
複数のパッチの第1のパッチと基準画像の対応するパッチとの間のアライメントを機械学習モデルによって評価すること
を更に含む、条項16~18の何れか一項に記載の方法。
20.トレーニング検査画像パッチ及びトレーニング基準画像パッチを取得すること、
トレーニング検査画像パッチとトレーニング基準画像パッチとの間のアライメントインデックスを予測するように機械学習モデルをトレーニングすること
を更に含む、条項19に記載の方法。
21.検査画像の歪みを補正するための装置であって、
一組の指令を格納するメモリと、
検査画像を取得すること、
検査画像に対応する基準画像に基づいて検査画像の複数のパッチの局所アライメント結果を決定すること、
局所アライメント結果の第1のサブセットに基づいて第1のアライメントモデルを推定し、局所アライメント結果の第2のサブセットに基づいて第2のアライメントモデルを推定すること、
局所アライメント結果の第1の残余集合に対する第1のアライメントモデルのフィットに基づいて第1のアライメントモデルを評価し、局所アライメント結果の第2の残余集合に対する第2のアライメントモデルのフィットに基づいて第2のアライメントモデルを評価すること、
評価に基づいて第1のアライメントモデル及び第2のアライメントモデルの1つを選択すること、及び
選択されたアライメントモデルに基づいて検査画像の歪みを補正すること
を装置に行わせるための一組の指令を実行するように構成される少なくとも1つのプロセッサと
を含む、装置。
22.第1のアライメントモデルを評価する際、少なくとも1つのプロセッサが
第1のアライメントモデルにフィットする局所アライメント結果のパーセンテージを局所アライメント結果の第1の残余集合の中で決定すること
を装置に更に行わせるための一組の指令を実行するように構成される、条項21に記載の装置。
23.第1のサブセット及び第2のサブセットがランダムに選択される、条項21又は22に記載の装置。
24.少なくとも1つのプロセッサが
基準画像に基づいて検査画像の複数のパッチをアライメントすること、及び
複数のパッチの第1のパッチと基準画像の対応するパッチとの間のアライメントを機械学習モデルによって評価すること
を装置に更に行わせるための一組の指令を実行するように構成される、条項21~23の何れか一項に記載の装置。
25.少なくとも1つのプロセッサが
トレーニング検査画像パッチ及びトレーニング基準画像パッチを取得すること、及び
トレーニング検査画像パッチとトレーニング基準画像パッチとの間のアライメントインデックスを予測するように機械学習モデルをトレーニングすること
を装置に更に行わせるための一組の指令を実行するように構成される、条項24に記載の装置。
26.検査画像の歪みを補正するための方法をコンピューティングデバイスに行わせるためにコンピューティングデバイスの少なくともプロセッサ上によって実行可能な一組の指令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、方法は
検査画像を取得すること、
検査画像に対応する基準画像に基づいて検査画像の複数のパッチの局所アライメント結果を決定すること、
局所アライメント結果の第1のサブセットに基づいて第1のアライメントモデルを推定し、局所アライメント結果の第2のサブセットに基づいて第2のアライメントモデルを推定すること、
局所アライメント結果の第1の残余集合に対する第1のアライメントモデルのフィットに基づいて第1のアライメントモデルを評価し、局所アライメント結果の第2の残余集合に対する第2のアライメントモデルのフィットに基づいて第2のアライメントモデルを評価すること、
評価に基づいて第1のアライメントモデル及び第2のアライメントモデルの1つを選択すること、及び
選択されたアライメントモデルに基づいて検査画像の歪みを補正すること
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
27.第1のアライメントモデルを評価する際、
コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な一組の指令が
第1のアライメントモデルにフィットする局所アライメント結果のパーセンテージを局所アライメント結果の第1の残余集合の中で決定すること
をコンピューティングデバイスに更に行わせる、条項26に記載のコンピュータ可読媒体。
28.第1のサブセット及び第2のサブセットがランダムに選択される、条項26又は27に記載のコンピュータ可読媒体。
29.コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な一組の指令が
基準画像に基づいて検査画像の複数のパッチをアライメントすること、及び
複数のパッチの第1のパッチと基準画像の対応するパッチとの間のアライメントを機械学習モデルによって評価すること
をコンピューティングデバイスに更に行わせる、条項26~28の何れか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
30.コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な一組の指令が
トレーニング検査画像パッチ及びトレーニング基準画像パッチを取得すること、及び
トレーニング検査画像パッチとトレーニング基準画像パッチとの間のアライメントインデックスを予測するように機械学習モデルをトレーニングすること
をコンピューティングデバイスに更に行わせる、条項29に記載のコンピュータ可読媒体。
31.検査画像の歪みを補正するための方法であって、
検査画像を取得すること、
検査画像に対応する基準画像に基づいて検査画像の複数のパッチをアライメントすること、
複数のパッチの各パッチと基準画像の対応するパッチとの間のアライメントを機械学習モデルによって評価すること、
検査画像に対応する基準画像に基づいて検査画像の複数のパッチの局所アライメント結果を決定すること、
局所アライメント結果に基づいてアライメントモデルを決定すること、及び
アライメントモデルに基づいて検査画像の歪みを補正すること
を含む、方法。
32.アライメントの評価に基づいて検査画像の複数のパッチを再びアライメントすること
を更に含む、条項31に記載の方法。
33.複数のサブセットがランダムに選択される、条項31又は32に記載の方法。
34.トレーニング検査画像パッチ及びトレーニング基準画像パッチを取得すること、及び
トレーニング検査画像パッチとトレーニング基準画像パッチとの間のアライメントインデックスを予測するように機械学習モデルをトレーニングすること
を更に含む、条項31~33の何れか一項に記載の方法。
35.アライメントモデルを決定することが、
局所アライメント結果の複数のサブセットの各サブセットについて、
局所アライメント結果のサブセットに基づいてアライメントモデルを決定し、
局所アライメント結果の残余集合に対するアライメントモデルのフィットに基づいてアライメントモデルを評価すること、及び
アライメントモデルの評価に基づいて複数のアライメントモデルの中から1つのアライメントモデルを選択すること
を含む、条項31~34の何れか一項に記載の方法。
36.検査画像の歪みを補正するための装置であって、
一組の指令を格納するメモリと、
検査画像を取得すること、
検査画像に対応する基準画像に基づいて検査画像の複数のパッチをアライメントすること、
複数のパッチの各パッチと基準画像の対応するパッチとの間のアライメントを機械学習モデルによって評価すること、
検査画像に対応する基準画像に基づいて検査画像の複数のパッチの局所アライメント結果を決定すること、
局所アライメント結果に基づいてアライメントモデルを決定すること、及び
アライメントモデルに基づいて検査画像の歪みを補正すること
を装置に行わせるための一組の指令を実行するように構成される少なくとも1つのプロセッサと
を含む、装置。
37.少なくとも1つのプロセッサが
アライメントの評価に基づいて検査画像の複数のパッチを再びアライメントすること
を装置に更に行わせるための一組の指令を実行するように構成される、条項36に記載の装置。
38.複数のサブセットがランダムに選択される、条項36又は37に記載の装置。
39.少なくとも1つのプロセッサが
トレーニング検査画像パッチ及びトレーニング基準画像パッチを取得すること、及び
トレーニング検査画像パッチとトレーニング基準画像パッチとの間のアライメントインデックスを予測するように機械学習モデルをトレーニングすること
を装置に更に行わせるための一組の指令を実行するように構成される、条項36~38の何れか一項に記載の装置。
40.アライメントモデルを決定する際、少なくとも1つのプロセッサが
局所アライメント結果の複数のサブセットの各サブセットについて、
局所アライメント結果のサブセットに基づいてアライメントモデルを決定し、
局所アライメント結果の残余集合に対するアライメントモデルのフィットに基づいてアライメントモデルを評価すること、及び
アライメントモデルの評価に基づいて複数のアライメントモデルの中から1つのアライメントモデルを選択すること
を装置に更に行わせるための一組の指令を実行するように構成される、条項36~39の何れか一項に記載の装置。
41.検査画像の歪みを補正するための方法をコンピューティングデバイスに行わせるためにコンピューティングデバイスの少なくともプロセッサ上によって実行可能な一組の指令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、方法は
検査画像を取得すること、
検査画像に対応する基準画像に基づいて検査画像の複数のパッチをアライメントすること、
複数のパッチの各パッチと基準画像の対応するパッチとの間のアライメントを機械学習モデルによって評価すること、
検査画像に対応する基準画像に基づいて検査画像の複数のパッチの局所アライメント結果を決定すること、
局所アライメント結果に基づいてアライメントモデルを決定すること、及び
アライメントモデルに基づいて検査画像の歪みを補正すること
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
42.コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な一組の指令が
アライメントの評価に基づいて検査画像の複数のパッチを再びアライメントすること
をコンピューティングデバイスに更に行わせる、条項41に記載のコンピュータ可読媒体。
43.複数のサブセットがランダムに選択される、条項41又は42に記載のコンピュータ可読媒体。
44.コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な一組の指令が
トレーニング検査画像パッチ及びトレーニング基準画像パッチを取得すること、及び
トレーニング検査画像パッチとトレーニング基準画像パッチとの間のアライメントインデックスを予測するように機械学習モデルをトレーニングすること
をコンピューティングデバイスに更に行わせる、条項41~43の何れか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
45.アライメントモデルを決定する際、コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な一組の指令が
局所アライメント結果の複数のサブセットの各サブセットについて、
局所アライメント結果のサブセットに基づいてアライメントモデルを決定し、
局所アライメント結果の残余集合に対するアライメントモデルのフィットに基づいてアライメントモデルを評価すること、及び
アライメントモデルの評価に基づいて複数のアライメントモデルの中から1つのアライメントモデルを選択すること
をコンピューティングデバイスに更に行わせる、条項41~44の何れか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
46.検査画像及び基準画像のアライメントを評価する方法であって、
検査画像の複数のパッチ及び基準画像の複数の基準パッチを取得することであって、複数のパッチは複数の基準パッチに対応する、取得すること、並びに
複数のパッチ及び複数の基準パッチのアライメントを機械学習モデルによって評価すること
を含む、方法。
47.アライメントを機械学習モデルによって評価することが、
複数のパッチの第1のパッチ及び複数の基準パッチの第1の基準パッチのアライメントを評価すること、及び
第1のパッチが第1の基準パッチとアライメントされている信頼度を表すアライメントインデックスを生成すること
を含む、条項46に記載の方法。
48.アライメントを機械学習モデルによって評価することが、
複数のパッチ及び複数の基準パッチの各対のアライメントを評価すること、及び
各対がアライメントされている信頼度を表すアライメントインデックスを各対に対して生成すること
を含む、条項46に記載の方法。
49.トレーニング検査画像パッチ及びトレーニング基準画像パッチを取得すること、及び
トレーニング検査画像パッチとトレーニング基準画像パッチとの間のアライメントインデックスを予測するように機械学習モデルをトレーニングすること
を更に含む、条項46~48の何れか一項に記載の方法。
50.トレーニング検査画像パッチ及びトレーニング基準画像パッチの対を取得することが
トレーニング検査画像パッチ及びトレーニング基準画像パッチがアライメントされているかどうかの情報を取得すること
を含む、条項49に記載の方法。
51.検査画像及び基準画像のアライメントを評価する装置であって、
一組の指令を格納するメモリと、
検査画像の複数のパッチ及び基準画像の複数の基準パッチを取得することであって、複数のパッチは複数の基準パッチに対応する、取得すること、並びに
複数のパッチ及び複数の基準パッチのアライメントを機械学習モデルによって評価すること
を装置に行わせるための一組の指令を実行するように構成される少なくとも1つのプロセッサと
を含む、装置。
52.アライメントを機械学習モデルによって評価する際、少なくとも1つのプロセッサが
複数のパッチの第1のパッチ及び複数の基準パッチの第1の基準パッチのアライメントを評価すること、及び
第1のパッチが第1の基準パッチとアライメントされている信頼度を表すアライメントインデックスを生成すること
を装置に更に行わせるための一組の指令を実行するように構成される、条項51に記載の装置。
53.アライメントを機械学習モデルによって評価する際、少なくとも1つのプロセッサが
複数のパッチ及び複数の基準パッチの各対のアライメントを評価すること、及び
各対がアライメントされている信頼度を表すアライメントインデックスを各対に対して生成すること
を装置に更に行わせるための一組の指令を実行するように構成される、条項51に記載の装置。
54.少なくとも1つのプロセッサが
トレーニング検査画像パッチ及びトレーニング基準画像パッチを取得すること、及び
トレーニング検査画像パッチとトレーニング基準画像パッチとの間のアライメントインデックスを予測するように機械学習モデルをトレーニングすること
を装置に更に行わせるための一組の指令を実行するように構成される、条項51~53の何れか一項に記載の装置。
55.トレーニング検査画像パッチ及びトレーニング基準画像パッチの対を取得する際、少なくとも1つのプロセッサが
トレーニング検査画像パッチ及びトレーニング基準画像パッチがアライメントされているかどうかの情報を取得すること
を装置に更に行わせるための一組の指令を実行するように構成される、条項54に記載の装置。
56.検査画像及び基準画像のアライメントを評価する方法をコンピューティングデバイスに行わせるためにコンピューティングデバイスの少なくともプロセッサ上によって実行可能な一組の指令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、方法は
検査画像の複数のパッチ及び基準画像の複数の基準パッチを取得することであって、複数のパッチは複数の基準パッチに対応する、取得すること、並びに
複数のパッチ及び複数の基準パッチのアライメントを機械学習モデルによって評価すること
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
57.アライメントを機械学習モデルによって評価する際、コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な一組の指令が
複数のパッチの第1のパッチ及び複数の基準パッチの第1の基準パッチのアライメントを評価すること、及び
第1のパッチが第1の基準パッチとアライメントされている信頼度を表すアライメントインデックスを生成すること
をコンピューティングデバイスに更に行わせる、条項56に記載のコンピュータ可読媒体。
58.アライメントを機械学習モデルによって評価する際、コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な一組の指令が
複数のパッチ及び複数の基準パッチの各対のアライメントを評価すること、及び
各対がアライメントされている信頼度を表すアライメントインデックスを各対に対して生成すること
をコンピューティングデバイスに更に行わせる、条項56に記載のコンピュータ可読媒体。
59.コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な一組の指令が
トレーニング検査画像パッチ及びトレーニング基準画像パッチを取得すること、及び
トレーニング検査画像パッチとトレーニング基準画像パッチとの間のアライメントインデックスを予測するように機械学習モデルをトレーニングすること
をコンピューティングデバイスに更に行わせる、条項56~58の何れか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
60.トレーニング検査画像パッチ及びトレーニング基準画像パッチの対を取得する際、コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な一組の指令が
トレーニング検査画像パッチ及びトレーニング基準画像パッチがアライメントされているかどうかの情報を取得すること
をコンピューティングデバイスに更に行わせる、条項59に記載のコンピュータ可読媒体。
【0091】
[00106] 図中のブロック図は、本開示の様々な例示的実施形態によるシステム、方法、及びコンピュータハードウェア又はソフトウェア製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能、及び動作を示し得る。この点に関して、概略図における各ブロックは、電子回路などのハードウェアを用いて実装され得る一定の算術演算処理又は論理演算処理を表し得る。ブロックは、指定の論理機能を実装するための1つ又は複数の実行可能指令を含むコードのモジュール、セグメント、又は一部を表すこともある。一部の代替的実装形態では、ブロック内に示す機能が図面に示す順序と異なる順序で生じ得ることを理解すべきである。例えば関与する機能にもよるが、連続して示す2つのブロックをほぼ同時に実行又は実装することができ、又は2つのブロックを逆の順序で実行できる場合もある。一部のブロックは省略することもできる。ブロック図の各ブロック及びブロックの組み合わせは、指定の機能又は行為を実行する専用のハードウェアベースのシステムによって、又は専用のハードウェア及びコンピュータ指令の組み合わせによって実装され得ることも理解すべきである。
【0092】
[00107] 本開示の実施形態は、上記で説明し、添付の図面に図示した通りの構成に限定されるものではなく、また、本発明の範囲から逸脱することなく様々な修正及び変更を加えることができることを理解されたい。本開示は様々な実施形態に関連して説明されたが、本発明の他の実施形態は本明細書の考察と本明細書において開示された本発明の実行から当業者にとって明白となる。本明細書及び例は例示的にすぎないと考えられ、本発明の真の範囲と精神は以下の特許請求の範囲により指示されるということが意図されている。
【国際調査報告】