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特表2024-530305改善された熱性能のためのパワー半導体デバイスの配置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-16
(54)【発明の名称】改善された熱性能のためのパワー半導体デバイスの配置
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20240808BHJP
【FI】
H01L25/04 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513187
(86)(22)【出願日】2022-08-03
(85)【翻訳文提出日】2024-04-15
(86)【国際出願番号】 US2022074450
(87)【国際公開番号】W WO2023028412
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】17/459,497
(32)【優先日】2021-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592054856
【氏名又は名称】ウルフスピード インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】WOLFSPEED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100228337
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 綾
(72)【発明者】
【氏名】マクファーソン ブライス
(72)【発明者】
【氏名】サンプルズ ベンジャミン エイ
(72)【発明者】
【氏名】パスモア ブランドン
(57)【要約】
パワー半導体デバイス、より詳細には、ハイパワーアプリケーションにおける改善された熱性能のためのパワー半導体デバイスの配置が開示される。所与の動作仕様について各パワー半導体デバイスのアクティブデバイスエリアをより効率的に利用する、パッケージおよび/またはモジュール内の複数のパワー半導体デバイス(12)の配置が提供される。増加したパワー能力または減少したデバイスサイズにおける同様のパワー能力を提供するために熱クラウディングの効果を低減する特定の配置が提供される。改善された熱平衡化は、隣接するパワー半導体デバイス間の可変間隔(S)および/または可変オフセット距離(D)によって提供され得る。こうして、パワーデバイスおよび/またはモジュールのアクティブエリアは、動作中に改善された熱プロファイルをも示しながら、所与のエリア内でパワー半導体デバイスの密度の増加を含むことができ、それにより、改善された動作特性および/または増加した動作寿命を提供する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上の複数のパワー半導体デバイスとを備え、前記複数のパワー半導体デバイスは、パワー回路の少なくとも一部分を形成するために電気結合され、
前記複数のパワー半導体デバイスは、少なくとも1つの列で配置され、
前記少なくとも1つの列に沿う前記複数のパワー半導体デバイスの隣接するパワー半導体デバイス間の間隔は可変である、パワーモジュール。
【請求項2】
前記隣接するパワー半導体デバイス間の前記間隔は、前記少なくとも1つの列の中心部分に沿って大きい、請求項1に記載のパワーモジュール。
【請求項3】
前記隣接するパワー半導体デバイス間の前記間隔は、前記少なくとも1つの列の周辺部分に沿って小さい、請求項2に記載のパワーモジュール。
【請求項4】
前記少なくとも1つの列は、前記基板上の第1の方向に延在し、前記隣接するパワー半導体デバイス間の前記間隔は、前記複数のパワー半導体デバイスの各パワー半導体デバイスの幅よりも小さく、前記幅は前記第1の方向で測定される、請求項1に記載のパワーモジュール。
【請求項5】
前記少なくとも1つの列における前記複数のパワー半導体デバイスの各パワー半導体デバイスは、並列に電気結合される、請求項1に記載のパワーモジュール。
【請求項6】
前記少なくとも1つの列は、前記基板上の第1の方向に延在し、
前記少なくとも1つの列に沿う前記隣接するパワー半導体デバイス間の前記間隔は、前記少なくとも1つの列の中心部分から前記少なくとも1つの列の周辺部分に向かって減少する、請求項1に記載のパワーモジュール。
【請求項7】
前記少なくとも1つの列における前記複数のパワー半導体デバイスは、偶数のパワー半導体デバイスを備える、請求項6に記載のパワーモジュール。
【請求項8】
前記少なくとも1つの列における前記複数のパワー半導体デバイスは、奇数のパワー半導体デバイスを備える、請求項6に記載のパワーモジュール。
【請求項9】
前記隣接するパワー半導体デバイスの位置は、前記少なくとも1つの列の前記第1の方向に沿って直線的配置で設けられる、請求項6に記載のパワーモジュール。
【請求項10】
前記隣接するパワー半導体デバイスの位置は、前記少なくとも1つの列の前記第1の方向に沿って非直線的配置で設けられる、請求項6に記載のパワーモジュール。
【請求項11】
前記複数のパワー半導体デバイスの前記隣接するパワー半導体デバイスの前記位置は、前記第1の方向とは異なる第2の方向で測定されるオフセット距離だけ互いからオフセットされる、請求項10に記載のパワーモジュール。
【請求項12】
前記オフセット距離は、前記少なくとも1つの列にわたって均一である、請求項11に記載のパワーモジュール。
【請求項13】
前記オフセット距離は、前記少なくとも1つの列の中心部分よりも前記少なくとも1つの列の周辺部分において小さい、請求項11に記載のパワーモジュール。
【請求項14】
前記非直線的配置は、前記少なくとも1つの列に沿うジグザグ配置を形成する、請求項10に記載のパワーモジュール。
【請求項15】
前記非直線的配置は、前記少なくとも1つの列に沿う湾曲配置を備える、請求項10に記載のパワーモジュール。
【請求項16】
ベースプレートであって、前記基板が前記ベースプレート上に配置される、ベースプレートと、
前記ベースプレート上のハウジングと、
前記ハウジングを覆うカバーとをさらに備え、前記ベースプレート、前記ハウジング、および前記カバーは、前記複数のパワー半導体デバイスを囲うように配置される、請求項1に記載のパワーモジュール。
【請求項17】
前記間隔は、0ミリメートル(mm)よりも大きい値~5mmの範囲内である、請求項1に記載のパワーモジュール。
【請求項18】
前記基板は、リードフレーム構造およびパワー基板のうちの少なくとも一方を備える、請求項1に記載のパワーモジュール。
【請求項19】
基板と、
前記基板上の複数のパワー半導体デバイスとを備え、前記複数のパワー半導体デバイスは、パワー回路の少なくとも一部分を形成するために電気結合され、
前記複数のパワー半導体デバイスは、前記基板上の第1の方向に延在する少なくとも1つの列で配置され、
前記複数のパワー半導体デバイスの隣接するパワー半導体デバイス間の位置は、前記第1の方向とは異なる第2の方向で測定されるオフセット距離だけ互いからオフセットされる、パワーモジュール。
【請求項20】
前記第1の方向に沿う前記隣接するパワー半導体デバイス間の間隔は、均一である、請求項19に記載のパワー半導体モジュール。
【請求項21】
前記第1の方向に沿う前記隣接するパワー半導体デバイス間の間隔は、可変である、請求項19に記載のパワー半導体モジュール。
【請求項22】
前記オフセット距離は、前記少なくとも1つの列にわたって均一である、請求項19に記載のパワー半導体モジュール。
【請求項23】
前記オフセット距離は、前記少なくとも1つの列の中心部分よりも前記少なくとも1つの列の周辺部分において小さい、請求項19に記載のパワー半導体モジュール。
【請求項24】
前記オフセット距離は、前記隣接するパワー半導体デバイスのそれぞれの長さよりも小さく、前記長さは前記第2の方向で測定される、請求項19に記載のパワー半導体モジュール。
【請求項25】
前記隣接するパワー半導体デバイスの前記位置は、前記少なくとも1つの列に沿うジグザグ配置を形成する、請求項19に記載のパワー半導体モジュール。
【請求項26】
前記第1の方向に沿う前記隣接するパワー半導体デバイス間の間隔は、前記少なくとも1つの列における前記複数のパワー半導体デバイスの各パワー半導体デバイスの幅よりも小さい、請求項19に記載のパワーモジュール。
【請求項27】
前記少なくとも1つの列における前記複数のパワー半導体デバイスの各パワー半導体デバイスは、並列に電気結合される、請求項19に記載のパワーモジュール。
【請求項28】
前記基板は、リードフレーム構造およびパワー基板のうちの少なくとも一方を備える、請求項19に記載のパワーモジュール。
【請求項29】
パワーモジュールを設けることと、
前記パワーモジュール内の少なくとも1つの列において複数のパワー半導体デバイスを設けることと、
前記複数のパワー半導体デバイスの所定の熱プロファイルに基づいて前記少なくとも1つの列の配置を決定することとを含み、前記少なくとも1つの列は、前記複数のパワー半導体デバイスの隣接するパワー半導体デバイス間の可変間隔、および、前記複数のパワー半導体デバイスの隣接するパワー半導体デバイス間の可変オフセット距離のうちの少なくとも一方を含む、方法。
【請求項30】
前記所定の熱プロファイルは、各パワー半導体デバイスの幅よりも小さい前記隣接するパワー半導体デバイス間の均一間隔に基づく、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記隣接するパワー半導体デバイス間の前記可変間隔は、各パワー半導体デバイスの前記幅よりも小さい、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記少なくとも1つの列は、第1の方向に延在し、
前記オフセット距離は、前記隣接するパワー半導体デバイスのそれぞれの長さよりも小さく、前記長さは、前記第1の方向とは異なる第2の方向で測定される、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記オフセット距離は、前記少なくとも1つの列の中心部分よりも前記少なくとも1つの列の周辺部分において小さい、請求項29に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、パワー半導体デバイスに関し、特に、ハイパワーアプリケーションにおける改善された熱性能のためのパワー半導体デバイスの配置に関する。
【背景技術】
【0002】
トランジスタおよびダイオードなどの半導体デバイスは、現代の電子デバイスにおいてユビキタスである。窒化ガリウム(GaN)および炭化ケイ素(SiC)などのワイドバンドギャップ半導体材料系は、デバイス性能の境界を、スイッチング速度、パワーハンドリング能力、および熱伝導率などの分野に拡大するために半導体デバイスにおいて益々使用されている。例は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET:metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)、金属絶縁体半導体電界効果トランジスタ(MISFET:metal-insulator- semiconductor field-effect transistor)、絶縁ゲート型バイポーラートランジスタ(IGBT:insulated gate bipolar transistor)、ショットキーバリアダイオード、PiNダイオード、高電子移動度トランジスタ(HEMT:high electron mobility transistor)などの個々のデバイス、および、1つまたは複数の個々のデバイスを含むモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC:monolithic microwave integrated circuit)などの集積回路を含む。
【0003】
ハイパワーアプリケーションにおいて、回路の全てまたは一部分用の複数の半導体デバイスは、電子モジュール内にしばしばパッケージされる。これらのモジュールは、コンポーネントおよびコンポーネントがその上に搭載される回路ボードまたは基板を封止する熱可塑性、エポキシ、または同様の成形ハウジング内に収容されるパワーモジュールと一般に呼ばれる。パワーモジュール用の入力/出力接続は、他のシステム内への組み込みおよび他のシステムとの接続を容易にするために、ハウジングから外に延在する端子盤によって提供される。そのようなシステムは、電動車両、電力変換および制御、および同様なものを含むことができる。
【0004】
現代の電子機器の進化する需要を満たし可能にするために、改善された動作特性を有する半導体デバイスおよびパワーモジュールが、絶えず開発されている。当技術分野は、従来のデバイスに関連する課題を克服することが可能である改良型半導体デバイスおよびパワーモジュールを求め続ける。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、パワー半導体デバイスに関し、より詳細には、ハイパワーアプリケーションにおける改善された熱性能のためのパワー半導体デバイスの配置に関する。所与の動作仕様について各パワー半導体デバイスのアクティブデバイスエリアをより効率的に利用する、パッケージおよび/またはモジュール内の複数のパワー半導体デバイスについての配置が提供される。増加したパワー能力または減少したデバイスサイズにおける同様のパワー能力を提供するために熱クラウディングの効果を低減する特定の配置が提供される。改善された熱平衡化は、隣接するパワー半導体デバイス間の可変間隔および/または可変オフセット距離によって提供され得る。こうして、パワーデバイスおよび/またはモジュールのアクティブエリアは、動作中に改善された熱プロファイルをも示しながら、所与のエリア内でパワー半導体デバイスの密度の増加を含むことができ、それにより、改善された動作特性および/または増加した動作寿命を提供する。
【0006】
一態様において、パワーモジュールは、基板と、基板上の複数のパワー半導体デバイスとを備え、複数のパワー半導体デバイスは、パワー回路の少なくとも一部分を形成するために電気結合され、複数のパワー半導体デバイスは、少なくとも1つの列で配置され、少なくとも1つの列に沿う複数のパワー半導体デバイスの隣接するパワー半導体デバイス間の間隔は可変である。特定の実施形態において、隣接するパワー半導体デバイス間の間隔は、少なくとも1つの列の中心部分に沿って大きい。特定の実施形態において、隣接するパワー半導体デバイス間の間隔は、少なくとも1つの列の周辺部分に沿って小さい。
【0007】
特定の実施形態において、少なくとも1つの列は、基板上の第1の方向に延在し、隣接するパワー半導体デバイス間の間隔は、複数のパワー半導体デバイスの各パワー半導体デバイスの幅よりも小さく、幅は第1の方向で測定される。特定の実施形態において、少なくとも1つの列における複数のパワー半導体デバイスの各パワー半導体デバイスは、並列に電気結合される。特定の実施形態において、少なくとも1つの列は、基板上の第1の方向に延在し、少なくとも1つの列に沿う隣接するパワー半導体デバイス間の間隔は、少なくとも1つの列の中心部分から少なくとも1つの列の周辺部分に向かって減少する。少なくとも1つの列における複数のパワー半導体デバイスは、偶数のパワー半導体デバイスまたは奇数のパワー半導体デバイスを備えることができる。特定の実施形態において、隣接するパワー半導体デバイスの位置は、少なくとも1つの列の第1の方向に沿って直線的配置で設けられる。特定の実施形態において、隣接するパワー半導体デバイスの位置は、少なくとも1つの列の第1の方向に沿って非直線的配置で設けられる。特定の実施形態において、複数のパワー半導体デバイスの隣接するパワー半導体デバイスの位置は、第1の方向とは異なる第2の方向で測定されるオフセット距離だけ互いからオフセットされる。特定の実施形態において、オフセット距離は、少なくとも1つの列にわたって均一である。他の実施形態において、オフセット距離は、少なくとも1つの列の中心部分よりも少なくとも1つの列の周辺部分において小さい。非直線的配置は、少なくとも1つの列に沿うジグザグ配置または少なくとも1つの列に沿う湾曲配置を形成することができる。
【0008】
特定の実施形態において、パワーモジュールは、ベースプレートであって、基板がベースプレート上に配置される、ベースプレートと、ベースプレート上のハウジングと、ハウジングを覆うカバーとをさらに備え、ベースプレート、ハウジング、およびカバーは、複数のパワー半導体デバイスを囲うように配置される。特定の実施形態において、間隔は、0ミリメートル(mm)よりも大きい値~5mmの範囲内である。特定の実施形態において、基板は、リードフレーム構造およびパワー基板のうちの少なくとも一方を備える。
【0009】
別の態様において、パワーモジュールは、基板と、基板上の複数のパワー半導体デバイスとを備え、複数のパワー半導体デバイスは、パワー回路の少なくとも一部分を形成するために電気結合され、複数のパワー半導体デバイスは、基板上の第1の方向に延在する少なくとも1つの列で配置され、複数のパワー半導体デバイスの隣接するパワー半導体デバイス間の位置は、第1の方向とは異なる第2の方向で測定されるオフセット距離だけ互いからオフセットされる。特定の実施形態において、第1の方向に沿う隣接するパワー半導体デバイス間の間隔は、均一である。特定の実施形態において、第1の方向に沿う隣接するパワー半導体デバイス間の間隔は、可変である。特定の実施形態において、オフセット距離は、少なくとも1つの列にわたって均一である。特定の実施形態において、オフセット距離は、少なくとも1つの列の中心部分よりも少なくとも1つの列の周辺部分において小さい。特定の実施形態において、オフセット距離は、隣接するパワー半導体デバイスのそれぞれの長さよりも小さく、長さは第2の方向で測定される。隣接するパワー半導体デバイスの位置は、少なくとも1つの列に沿うジグザグ配置を形成することができる。特定の実施形態において、第1の方向に沿う隣接するパワー半導体デバイス間の間隔は、少なくとも1つの列における複数のパワー半導体デバイスの各パワー半導体デバイスの幅よりも小さい。特定の実施形態において、少なくとも1つの列における複数のパワー半導体デバイスの各パワー半導体デバイスは、並列に電気結合される。特定の実施形態において、基板は、リードフレーム構造およびパワー基板のうちの少なくとも一方を備える。
【0010】
別の態様において、方法は、パワーモジュールを設けることと、パワーモジュール内の少なくとも1つの列において複数のパワー半導体デバイスを設けることと、複数のパワー半導体デバイスの所定の熱プロファイルに基づいて少なくとも1つの列の配置を決定することとを含み、少なくとも1つの列は、複数のパワー半導体デバイスの隣接するパワー半導体デバイス間の可変間隔、および、複数のパワー半導体デバイスの隣接するパワー半導体デバイス間の可変オフセット距離のうちの少なくとも一方を含む。特定の実施形態において、所定の熱プロファイルは、各パワー半導体デバイスの幅よりも小さい隣接するパワー半導体デバイス間の均一間隔に基づく。特定の実施形態において、隣接するパワー半導体デバイス間の可変間隔は、各パワー半導体デバイスの幅よりも小さい。特定の実施形態において、少なくとも1つの列は、第1の方向に延在し、オフセット距離は、隣接するパワー半導体デバイスのそれぞれの長さよりも小さく、長さは、第1の方向とは異なる第2の方向で測定される。特定の実施形態において、オフセット距離は、少なくとも1つの列の中心部分よりも少なくとも1つの列の周辺部分において小さい。
【0011】
別の態様において、上記態様の任意の態様は個々にまたは共に、および/または、本明細書で説明する種々の別個の態様および特徴は、さらなる利点のために組み合わされ得る。本明細書で開示する種々の特徴および要素の任意のものは、本明細書で別段に指示されない限り、1つまたは複数の他の開示される特徴および要素と組み合わされ得る。
【0012】
当業者は、添付図面の図に関連して好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後に、本開示の範囲を理解し、そのさらなる態様を認識するであろう。
【0013】
本明細書に組み込まれかつ本明細書の一部を形成する添付図面の図は、本開示の幾つかの態様を示し、説明と共に、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】熱クラウディングを示す配置で2つのパワー半導体デバイスが設けられるパワーモジュールの一部分の上面図からの熱シミュレーションを示す図である。
図1B図1Aのパワーモジュールと同様であるが、パワー半導体デバイスは、熱オーバーラップおよび対応する熱勾配を低減するために互いに遠くに離れて設けられるパワーモジュールの一部分の上面図からの熱シミュレーションを示す図である。
図2A】熱クラウディングを示す列配置で3つのパワー半導体デバイスが設けられるパワーモジュールの一部分の上面図からの熱シミュレーションを示す図である。
図2B図2Aのパワーモジュールと同様であるが、パワー半導体デバイスは、熱オーバーラップおよび対応する熱勾配を低減するために互いに遠くに離れて列で設けられるパワーモジュールの一部分の上面図からの熱シミュレーションを示す図である。
図3A】熱クラウディングを示す等間隔で離間した列配置で4つのパワー半導体デバイスが設けられるパワーモジュールの一部分の上面図からの熱シミュレーションを示す図である。
図3B図3Aのパワーモジュールと同様であるが、パワー半導体デバイスは、熱オーバーラップおよび対応する熱勾配を低減するために列に沿う可変間隔を持って設けられるパワーモジュールの一部分の上面図からの熱シミュレーションを示す図である。
図4A】熱クラウディングを示す等間隔で離間した列配置で5つのパワー半導体デバイスが設けられるパワーモジュールの一部分の上面図からの熱シミュレーションを示す図である。
図4B図4Aのパワーモジュールと同様であるが、パワー半導体デバイスは、熱オーバーラップおよび対応する熱勾配を低減するために、本開示の特定の態様に従って、列に沿う可変間隔を持って設けられるパワーモジュールの一部分の上面図からの熱シミュレーションを示す図である。
図5】本明細書で説明するパワーモジュールの任意のパワーモジュール内に配置され得る偶数の列のパワー半導体デバイスの上面図である。
図6】本明細書で説明するパワーモジュールの任意のパワーモジュール内に配置され得る奇数の列のパワー半導体デバイスの上面図である。
図7図4Bのパワーモジュールと同様であるが、パワー半導体デバイスの列は、本開示の特定の態様に従って、非直線的配置を持って設けられるパワーモジュールの一部分の上面図からの熱シミュレーションを示す図である。
図8図7のパワーモジュールと同様であるが、パワー半導体デバイスの列は、本開示の特定の態様に従って、列の端部パワー半導体デバイスと基板の角部との間の間隔を増加するように配置されるパワーモジュールの一部分の上面図である。
図9】本開示の他の態様による、図8に示す列に対する代替の配置を有するパワー半導体デバイスの列の上面図である。
図10】パワー半導体デバイスの位置が、本開示の特定の態様に従って、列に沿って交互に並ぶパワー半導体デバイスの列の上面図である。
図11図10の列と同様であるが、隣接するパワー半導体デバイス間の間隔が、本開示の特定の態様に従って、列にわたって均一であるパワー半導体デバイスの列の上面図である。
図12】上記実施形態と同様であるが、パワー半導体デバイスは、本開示の特定の態様に従って、列について湾曲形状を形成する非直線的配置で設けられるパワー半導体デバイスの列の上面図である。
図13A】本開示の種々の態様による、本明細書で説明するパワー半導体デバイスの配置の任意の配置を含むことができる例示的なパワーモジュールの分解図である。
図13B図13Aのパワーモジュールの部分的に組み立てられた上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下で述べる実施形態は、当業者が実施形態を実施することを可能にするための必要な情報を示し、実施形態を実施する最良の形態を示す。添付図面の図を考慮して以下の説明を読むと、当業者は、本開示の概念を理解するであろう、また、本明細書で特に述べられないこれらの概念のアプリケーションを認識するであろう。これらの概念およびアプリケーションが、本開示および添付特許請求項の範囲内に入ることが理解されるべきである。
【0016】
第1、第2、等の用語が種々の要素を説明するために使用され得るが、これらの要素がこれらの用語によって制限されるべきでないことが理解されるであろう。これらの用語は、1つの要素を別の要素から区別するために使用されるだけである。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、第1の要素は第2の要素と呼ばれる可能性があり、同様に、第2の要素は第1の要素と呼ばれる可能性がある。本明細書で使用されるように、用語「および/または(and/or)」は、関連する列挙した品目のうちの1つまたは複数の任意のおよび全ての組み合わせを含む。
【0017】
層、領域、または基板などの要素が、別の要素「の上に(on)」ある、または「の上に(onto)」延在するとして参照されるとき、その要素は、他の要素のすぐ上にあることができる、またはすぐ上に延在することができる、あるいは、介在する要素が存在することもできることが理解されるであろう。対照的に、要素が、別の要素「のすぐ上に(directly on)」ある、または「のすぐ上に(directly upon)」延在すると参照されるとき、介在要素は存在しない。同様に、層、領域、または基板などの要素が、別の要素「の上方に」ある、または「の上方に」延在するとして参照されるとき、その要素は、他の要素のすぐ上方にあることができる、またはすぐ上方に延在することができる、あるいは、介在する要素が存在することもできることが理解されるであろう。対照的に、要素が、別の要素「のすぐ上方に(directly over)」ある、または「のすぐ上方に(directly over)」延在すると参照されるとき、介在要素は存在しない。要素が、別の要素に「接続される(connected)」または「結合される(coupled)」と参照されるとき、その要素は、他の要素に直接接続または結合され得る、あるいは、介在要素は存在してもよいことが同様に理解されるであろう。対照的に、要素が、別の要素に「直接接続される(directly connected)」または「直接結合される(directly coupled)」と参照されるとき、介在要素は存在しない。
【0018】
「下方に(below)」または「上方に(above)」または「上の(upper)」または「下の(lower)」または「水平の(horizontal)」または「垂直の(vertical)」などの相対的用語は、図に示すように、1つの要素、層、または領域の別の要素、層、または領域に対する関係を説明するために本明細書で使用され得る。これらの用語および上記で論じた用語が、図に示す配向に加えて、デバイスの異なる配向を包含することを意図されることが理解されるであろう。
【0019】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、本開示を制限することを意図されない。本明細書で使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、別段に文脈が明確に指示しない限り、複数形も含むことを意図される。用語「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「含む(includes)」、および/または「含んでいる(including)」が、本明細書で使用されるとき、述べた特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/またはコンポーネントの存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント、および/またはその群の存在または付加を排除しないことがさらに理解されるであろう。
【0020】
別段に規定されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術的および科学的用語を含む)は、本開示が属する当技術分野の専門家によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で使用される用語が、本明細書および関連する技術分野の文脈におけるそれらの意味と矛盾しない意味を持つものとして解釈されるべきであり、本明細書でそのように明示的に規定されない限り、理想的なまたはあまりに形式的な意味で解釈されないことがさらに理解されるであろう。
【0021】
実施形態は、本開示の実施形態の概略的な図を参照して本明細書で説明される。したがって、層および要素の実際の寸法は、異なるとすることができ、例えば製造技法および/または公差の結果としての、図の形状からの変動が予想される。例えば、正方形または長方形として示されるかまたは説明される領域は、丸いまたは湾曲特徴を有することができ、直線として示される領域は何らかの不規則性を有することができる。そのため、図に示す領域は、概略的であり、それらの形状は、デバイスの領域の精密な形状を示すことを意図されず、本開示の範囲を制限することを意図しない。さらに、構造または領域のサイズは、例証のために、他の構造または領域に対して誇張され得、したがって、本主題の一般的な構造を示すために提供され、一定比例尺に従って描かれる場合がある、または描かれない場合がある。図の間の共通要素は、共通の要素番号を持って本明細書で示され得、その後再び説明されない場合がある。
【0022】
本開示は、パワー半導体デバイスに関し、より詳細には、ハイパワーアプリケーションにおける改善された熱性能のためのパワー半導体デバイスの配置に関する。所与の動作仕様について各パワー半導体デバイスのアクティブデバイスエリアをより効率的に利用する、パッケージまたはモジュール内の複数のパワー半導体デバイスについての配置が提供される。増加したパワー能力または減少したデバイスサイズにおける同様のパワー能力を提供するために熱クラウディングの効果を低減する特定の配置が提供される。改善された熱平衡化は、隣接するパワー半導体デバイス間の可変間隔および/または可変オフセット距離によって提供され得る。こうして、パワーデバイスおよび/またはモジュールのアクティブエリアは、動作中に改善された熱プロファイルをも示しながら、所与のエリア内でパワー半導体デバイスの増加した密度を含むことができ、それにより、改善された動作特性および/または増加した動作寿命を提供する。
【0023】
特定の態様において、本開示は、ハイパワーアプリケーションにおいて使用されるパワーモジュールに関する。パワーモジュールは、種々の回路トポロジーになるように配置された、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、絶縁ゲート型バイポーラートランジスタ(IGBT)、ダイオード、および同様なものなどの1つまたは複数のパワー半導体デバイスを含むことができる。典型的な回路トポロジーは、単一スイッチ、ハーフHブリッジ回路、フルHブリッジ回路、および6パックとしてしばしば呼ばれ得る3相トポロジーを含むが、それに限定されない。
【0024】
窒化ガリウム(GaN)および炭化ケイ素(SiC)などのワイドバンドギャップ半導体材料系は、高電圧阻止、低オン抵抗、大電流、高速スイッチング、低スイッチング損失、高接合部温度動作、および高熱伝導率を含む、それらの改善された性能特性のために、パワー半導体デバイスおよびパワーモジュールにおいて益々利用されている。最終的に、これらの特性は、単位面積または体積について処理される電力であるポテンシャル電力密度の顕著な増加をもたらす。しかしながら、このポテンシャルを達成することは、パッケージおよびシステムレベルでのかなりの課題に対処することを必要とする。パワーモジュールまたは他のデバイス内での半導体デバイスの内部レイアウトまたは物理的配置は、これらの因子のそれぞれに顕著な影響を及ぼす。パッケージまたはモジュール内の半導体デバイスの数および/または密度が増加するにつれて、そのようなポテンシャルを実現することが益々難しくなる。
【0025】
種々のアプリケーションにおいて、パワーモジュール内の複数のパワー半導体デバイスは、パワーハンドリングを増加させるために、互いに並列に結合され得る。並列化は、パッケージまたはモジュールの電流を増加させるために、ワイドバンドギャップデバイスを含むパワー半導体デバイスについての一般的な技法である。デバイスは、パッケージまたはモジュール内のアクティブデバイスエリアを増加させるために並列化され、それにより、より大きい電流および電力レベルを可能にする。並列のより多くのデバイスを用いて、熱拡散、電力ループインダクタンス、信号ループインダクタンス、およびパッケージサイズの間のトレードオフは、平衡させることが徐々により難しくなる。局在化熱クラウディング、特に、増加した動作電流を有するデバイスおよびモジュールにおける局在化熱クラウディングは、半導体デバイスのアクティブデバイスエリアの効率的な使用に悪影響を及ぼす。或るスイッチ位置内で並列化半導体デバイスにわたって顕著な温度デルタが存在するとき、半導体デバイスの特定の半導体デバイス内の或る量のポテンシャル電流は、総合デバイス動作が他の半導体デバイス内の最も熱いアクティブデバイスエリアによって制限され得るため、利用されていない。パワー半導体デバイスは、一般に、ほとんどのアプリケーションにおいてパワーモジュールにおける最も高価な部品であるため、全ての並列化半導体デバイスの非効率的な使用は、コストをさらに増加させるのに役立つ。本開示の態様によれば、所与の動作仕様について各パワー半導体デバイスのアクティブデバイスエリアをできる限り効率的に利用する、パッケージまたはモジュール内の複数のパワー半導体デバイスについてのレイアウトが提供される。
【0026】
図1Aは、熱クラウディングを示す配置で2つのパワー半導体デバイス12が設けられるパワーモジュール10の一部分の上面図からの熱シミュレーションを示す。パワー半導体デバイス12は、MOSFET、IGBT、ダイオード、および同様なもののうちの1つまたは複数を具現化することができる。特定の実施形態において、パワー半導体デバイス12は、SiCベースデバイスを含むワイドバンドギャップ半導体デバイスを具現化することができる。図1Aにおいて、パワー半導体デバイス12は、パワー半導体デバイス12と熱的に結合される金属トレース16を含む基板14上に示される。さらなる実施形態において、金属トレース16は、パワー半導体デバイス12と熱的にかつ電気的に結合され、それにより、パワー半導体デバイス12を並列化するための少なくとも1つの共通電気接続部を提供する。銅またはその合金を含むことができる金属トレース16は、基板14の誘電体層18上に設けられ得る。金属トレース16および誘電体層が存在する実施形態において、基板14は、パワー基板と呼ばれ得る。他の実施形態において、誘電体層18は、省略され得、金属トレース16は、リードフレーム構造を具現化することができる。これに関して、本明細書で使用される用語「基板(substrate)」は、実施形態に応じて、パワー基板およびリードフレーム構造のうちの少なくとも一方を指すことができる。
【0027】
図1Aにおいて、パワー半導体デバイス12は、基板14の中心部分において、互いに対して接近した間隔を持って配置される。動作中、パワー半導体デバイス12は、熱を発生し、基板14および金属トレース16は、パワー半導体デバイス12から外方に横および垂直に熱を有利に拡散させるヒートシンクとして役立つことができる。熱を効果的に拡散させることによって、パワー半導体デバイス12は、パワー半導体デバイス12を最大動作温度より低く維持しながら、改善された性能特性で動作され得る。しかしながら、オーバーラップする熱拡散経路によって形成される熱リンキングは、パワー半導体デバイス12が互いに接近して位置決めされるときに起こる場合がある。図1Aにおいて、これは、両方のパワー半導体デバイス12、特に、互いに最も近いパワー半導体デバイス12の部分を取り囲むホットスポットとして示される。この熱リンキングは、それぞれの個々のパワー半導体デバイス12内の熱勾配およびパワー半導体デバイス12の組み合わせたエリアにわたる集合的熱勾配を生成する。これに関して、ホットスポットは、パワー半導体デバイス12のそれぞれの全アクティブエリアについて、動作を最大動作温度より低く制限するのに役立ち、それにより、達成可能なデバイスパワーを制限する。
【0028】
比較のために、図1Bは、図1Aのパワーモジュールと同様であるが、パワー半導体デバイス12は、互いに遠くに離れて設けられるパワーモジュール20の一部分の上面図からの熱シミュレーションを示す。比較のために、図1Bについての、熱負荷および放熱能力を含む全てのシミュレーションパラメータは、パワー半導体デバイス12の間隔を除いて、図1Aについてと同じである。図1Bにおいて、熱リンキングは、間隔の増加によって低減される。この点に関して、図1Bのパワー半導体デバイス12は、約5℃低い温度と同じ程度の冷たい動作温度を示し、減少した熱勾配を有する。
【0029】
上記で説明したように、パワーモジュール内での複数のパワー半導体デバイスの並列化は、増加したパワーハンドリングを提供するために使用され得る。パワーモジュールが、より多くのパワー半導体デバイスを格納されると、個々のパワー半導体デバイス間の間隔は、パワーモジュールの総デバイスサイズおよび/または総パッケージフットプリントによって制限され得る。最小間隔によって、結果として得られる熱オーバーラップは、パワーモジュールのスイッチ位置にわたってより高い温度勾配を生成することができる。特に、中心部分のパワー半導体デバイスは、パワー基板および/またはリードフレーム構造の縁部のパワー半導体デバイスより著しく熱い可能性がある。したがって、増加した数のパワー半導体デバイスを並列化することは、一部のパワー半導体デバイスが効果的に利用されていない熱不平衡を生成する可能性がある。金属トレース/リードフレーム構造および/またはパワー基板の厚さおよび提供され得る他の冷却法などの、パワーモジュールにおける他の因子は、これらの熱勾配に影響を及ぼすこともできる。
【0030】
図2Aおよび2Bは、図1Aおよび1Bと同様であるが、増加した数のパワー半導体デバイス12を有するパワーモジュールについての熱シミュレーションを示す。図2Aは、熱クラウディングを示す列配置で3つのパワー半導体デバイス12が設けられるパワーモジュール22の一部分の上面図からの熱シミュレーションを示す。図2Bは、図2Aのパワーモジュール22と同様であるが、パワー半導体デバイス12は、互いに遠くに離れて列で設けられるパワーモジュール24の一部分の上面図からの熱シミュレーションを示す。図1Aおよび1Bの場合と同様に、図2Aおよび2Bに示す配置は、同一の熱負荷および放熱を用いたシミュレーションを示す。図2Aにおいて、中心に位置するパワー半導体デバイス12は、列の端部パワー半導体デバイス12の両方からの熱オーバーラップによる増加した温度を顕著に示す。列におけるデバイス位置にわたるそのような勾配によって、最大電力および関連する電流は、最も熱いデバイス、例えば、中央のパワー半導体デバイス12によって制限される。その結果、列の端部のより冷たいパワー半導体デバイス12は、それらのフルポテンシャルまで利用されることができない。図2Bに示すように、増加した間隔は、減少した熱オーバーラップを提供し、パワー半導体デバイス12間の結果として得られる温度差は低減される。
【0031】
図1Bおよび2Bの理想化された間隔は、熱動作勾配を減少させることができるが、そのような配置は、パワー基板および/またはリードフレーム構造上の所与のエリアに配置され得るパワー半導体デバイスの総数を制限することによって総デバイスパワーを制限するのに役立つこともできる。本開示の態様によれば、同じ量のデバイスエリアについて増加したパワー能力を同様に提供しながら、熱クラウディングの効果を平衡させるパワー半導体デバイスの配置が提供される。本開示の態様は、減少したデバイスエリアサイズについて同様のパワー能力を提供するために、熱クラウディングを軽減するパワー半導体デバイスの配置を提供することもできる。
【0032】
図3Aおよび3Bは、本開示の態様による、増加した熱クラウディングを示す配置(すなわち、図3A)および減少した熱クラウディングを示す他の配置(すなわち、図3B)の場合の、増加した数のパワー半導体デバイス12を有するパワーモジュールについての熱シミュレーションを示す。特定の態様において、図3Aおよび3Bのそれぞれにおけるパワー半導体デバイス12は、並列接続デバイスの列を形成するように配置される。並列配置は、金属トレース16による共通電気接点を含むことができる。図3Aおよび3Bにおけるパワー半導体デバイス12の列は、第1の方向(すなわち、図3Aおよび3Bにおける水平方向)に沿って延在するように配置される。パワー半導体デバイス12のそれぞれは、幅Wおよび長さLを含み、幅Wは、列が延在するのと同じ方向に整列および/または測定される。
【0033】
図3Aは、熱クラウディングを示す等間隔で離間した列配置で4つのパワー半導体デバイス12が設けられるパワーモジュール26の一部分の上面図からの熱シミュレーションを示す。間隔Sは、列の方向に沿って隣接するパワー半導体デバイス12間で均一に規定され、間隔Sは、パワー半導体デバイス12の幅Wよりも小さい。示すように、列の中心部分の中央の2つのパワー半導体デバイス12は、列の端または周辺部分のパワー半導体デバイス12に比べて熱オーバーラップが増加するためより大きくより熱いエリアを有する。
【0034】
図3Bは、図3Aのパワーモジュール26と同様であるが、パワー半導体デバイス12は、列に沿う可変間隔を持って設けられるパワーモジュール28の一部分の上面図からの熱シミュレーションを示す。示すように、パワー半導体デバイス12の列は、第1の方向(すなわち、図3Bにおける水平方向)に延在し、間隔S1~S3は、第1の方向に沿うパワー半導体デバイス12の隣接する対間で可変に規定される。特に、列の中心の隣接するパワー半導体デバイス12間に設けられる間隔S2は、列の端部分により近い間隔S1、S3よりも大きい。間隔S1およびS3は、特定の実施形態において同じであってもよい。他の実施形態において、間隔S1およびS3は、列の異なる端部のパワーモジュール28に存在する場合がある任意の熱的差をさらに補償するために異なる場合がある。周辺に位置する間隔S1およびS3よりも大きい中心に位置する間隔S2を設けることによって、中央の2つのパワー半導体デバイス12についての熱オーバーラップは低減され得、それにより、列の端部パワー半導体デバイス12に関する熱勾配を低減する。特定の実施形態において、この低減された熱勾配は、第1の方向におけるパワー半導体デバイス12の幅Wよりも小さい値を有する、列を規定する間隔S1~S3のそれぞれを維持しながら、提供され得る。例えば、間隔S1~S3は、パワー半導体デバイス12の相対サイズに応じて、5ミリメートル(mm)以下または2.5mm以下または1mm以下、あるいは、0mmよりも大きい値~上記で述べた上限の任意の上限の値の範囲内、例えば、0mmよりも大きい値~5mmの範囲内または0mmよりも大きい値~2.5mmの範囲内または0mmよりも大きい値~1mmの範囲内または0.5mm~5mmの範囲内または0.5mm~2.5mmの範囲内または0.5mm~1mmの範囲内である値を持って提供され得る。
【0035】
図4Aおよび4Bは、本開示の態様による、増加した熱クラウディングを示す配置(すなわち、図4A)および減少した熱クラウディングを示す他の配置(すなわち、図4B)の場合の、増加した数のパワー半導体デバイス12を有するパワーモジュールについての熱シミュレーションを示す。特定の態様において、図4Aおよび4Bのそれぞれにおけるパワー半導体デバイス12は、並列接続デバイスの列を形成するように配置され、列は、第1の方向(すなわち、図4Aおよび4Bにおける水平方向)に沿って延在するように配置される。パワー半導体デバイス12のそれぞれは、幅Wおよび長さLを含み、幅Wは、列が延在するのと同じ方向に整列および/または測定される。上記実施形態の場合と同様に、並列配置は、金属トレース16による共通電気接点を含むことができる。
【0036】
図4Aは、熱クラウディングを示す等間隔で離間した列配置で5つのパワー半導体デバイス12が設けられるパワーモジュール30の一部分の上面図からの熱シミュレーションを示す。間隔Sは、列の方向に沿って隣接するパワー半導体デバイス12間で均一に規定され、間隔Sは、パワー半導体デバイス12の幅Wよりも小さい。示すように、列の中心部分の中央の3つのパワー半導体デバイス12は、列の端または周辺部分のパワー半導体デバイス12に比べて熱オーバーラップが増加するためより大きくより熱いエリアを有する。
【0037】
図4Bは、図4Aのパワーモジュール30と同様であるが、パワー半導体デバイス12は、列に沿う可変間隔を持って設けられるパワーモジュール32の一部分の上面図からの熱シミュレーションを示す。示すように、パワー半導体デバイス12の列は、第1の方向(すなわち、図4Bにおける水平方向)に延在し、間隔S1~S4は、第1の方向に沿うパワー半導体デバイス12の隣接する対間で可変に規定される。特に、列の中心のまたは列の中心に近い隣接するパワー半導体デバイス12間に設けられる間隔S2、S3は、列の端部分により近い間隔S1、S4よりも大きい。上記実施形態の場合と同様に、間隔S1およびS4は、特定の実施形態において同じであってもよい。他の実施形態において、間隔S1およびS4は、列の異なる端部のパワーモジュール32に存在する場合がある任意の熱的差をさらに補償するために異なる場合がある。同様に、中心に位置する間隔S2、S3は、同様の理由で同じかまたは異なる場合がある。周辺に位置する間隔S1、S4よりも大きい中心に位置する間隔S2、S3を設けることによって、中央の3つのパワー半導体デバイス12についての熱オーバーラップは低減され得、それにより、列の端部パワー半導体デバイス12に関する熱勾配を低減する。特定の実施形態において、この低減された熱勾配は、第1の方向におけるパワー半導体デバイス12のそれぞれの幅Wよりも小さい値を有する列を規定する間隔S1~S4のそれぞれを維持しながら、提供され得る。特に、間隔S1~S4は、パワー半導体デバイス12のサイズに応じて、図3Bについて上記で説明した範囲の任意の範囲を含むことができる。
【0038】
図4Aおよび4Bは、パワー半導体デバイス12についての配置を図4Aに示すように第1の列においてそれらを特徴付けることに基づいて決定し、その後、図4Bに示すように第2の列について配置を決定するための方法をさらに示すことができる。第1のステップにて、図4Aのモジュール30の熱プロファイルは、パワー半導体デバイス12間の均一間隔Sについて決定され得る。特定の例において、列内の間隔は、パワー半導体デバイス12の個々のパワー半導体デバイスの幅Wよりも小さくてもよい。こうして、所定の熱プロファイルは、パワー半導体デバイス12についてのダイツーダイ温度関係を含む。任意の望ましくない熱オーバーラップを含む所定の熱プロファイルが図4Aのモジュール30について提供されると、図4Bのモジュール32についての列の精密な配置が、その後、図4Aのモジュール30の所定の熱プロファイルに基づいて決定され得る。これに関して、図4Bのモジュール32は、熱オーバーラップによる減少した熱勾配を示すことができ、それにより、アクティブエリア内でパワー半導体デバイスの改善された密度を提供し、減少した熱限界を有する。これは、図4Bのパワーモジュール32にわたってより均一な動作温度を有利に提供することができるため、どの単一のパワー半導体デバイス12も、他のパワー半導体デバイス12についての動作条件を偏って制限しない。そのような方法は、上記で説明した配置の任意の配置におよび以下で説明する以下の実施形態の任意の実施形態に適用可能であってもよい。
【0039】
本開示の態様は、偶数の列および奇数の列を含む、任意の数のパワー半導体デバイスの列に適用可能であってもよい。図5は、本明細書で説明するパワーモジュールの任意のパワーモジュール内に設けられ得る偶数の列34のパワー半導体デバイスの上面図を示す。示すように、偶数のパワー半導体デバイス12を有する列34が設けられると、パワー半導体デバイス12の中心に位置する対間の間隔S3は、列34の中心位置に配置される。特定の実施形態において、間隔S3は、最も大きく、残りの間隔S1、S2、S4、S5は、列34の両端に向かって徐々に減少することができる。列34の両側の一連の重ね合わせドットによって示すように、図5に示すパターンは、列34が、より多くの量の偶数のパワー半導体デバイス12を含むように反復することができる。図6は、本明細書で説明するパワーモジュールの任意のパワーモジュール内に設けられ得る奇数の列36のパワー半導体デバイスの上面図を示す。奇数の列36の場合、パワー半導体デバイス12のうちの1つ(すなわち、間隔S3とS4との間)は、列36の中心位置に存在することができる。特定の実施形態において、列36の中心部分の間隔S3およびS4は、最も大きい値を有することができ、残りの間隔S1、S2、S5、S6は、列34の両端に向かって徐々に減少することができる。列36の両端の一連のドットによって示すように、図6に示すパターンは、列36が、より多くの量の奇数のパワー半導体デバイス12を含むように反復することができる。これに関して、図5および6は、列のそれぞれにわたって改善された熱プロファイルを提供するために、列中心から対向する周辺端に向かって徐々に減少する可変の列間隔を有する実施形態を示す。さらに、これは、第1の方向においてパワー半導体デバイス12のそれぞれの幅Wよりも小さい、間隔S1~S5図5)またはS1~S6図6)を有する列34、36を規定しながら達成され得る。特に、間隔S1~S5図5)またはS1~S6図6)は、パワー半導体デバイス12のサイズに応じて、図3Bについて上記で説明した範囲の任意の範囲を含むことができる。
【0040】
図3B、4B、5、および6に示す配置が、本開示の図の任意の図のパワーモジュールの任意のパワーモジュールにおいて単独でまたは種々の組み合わせで実施され得ることが認識される。図3B、4B、5、および6について上記で説明した実施形態は、第1の方向に沿って直線的配置を有する列を形成するための、隣接するパワー半導体デバイスの位置を示すが、本開示の原理は、非直線的列配置に適用可能である。例えば、非直線的列は、単独でまたは第1の方向と組み合わせた、第2の方向における可変配置を含むことができる。列についての第2の方向は、パワー半導体デバイスの列が延在する第1の方向とは異なる任意の方向として規定され得る。例えば、特定の実施形態において、第2の方向は、第1の方向に垂直であるとして規定され得る。隣接する半導体デバイスの位置は、第2の方向に沿って互いに対してオフセットされ得る。例示的な配置は、列の第1の方向におけるパワー半導体デバイスの可変間隔と別個にまたはそれと組み合わせて設けられ得る幅広Vパターン、ジグザグパターン、および湾曲パターンを含む。第2の方向に可変配置を設けることによって、パワー半導体デバイスレイアウトにおける熱クラウディングはさらに軽減され得る。
【0041】
図7は、図4Bのパワーモジュール32と同様であるが、パワー半導体デバイス12の列は、非直線的配置で設けられるパワーモジュール38の一部分の上面図からの熱シミュレーションを示す。上記実施形態の場合と同様に、列は、第1の方向(例えば、図7の水平方向)におけるパワー半導体デバイス12のそれぞれの幅Wよりも小さい間隔S1~S4によって規定され得る。特に、間隔S1~S4は、パワー半導体デバイス12のサイズに応じて、図3Bについて上記で説明した範囲の任意の範囲を含むことができる。図7において、中心間隔S2、S3は、上記で説明したように、第1の方向において端部間隔S1、S4よりも大きい。さらに示すように、各パワー半導体デバイス12の相対的位置は、第1の方向とは異なる第2の方向において隣接するパワー半導体デバイスに対してオフセットされる。図7において、第2の方向は、第1の方向に垂直であるとして規定され得る。これに関して、熱勾配は、列の熱プロファイルを非直線的に同様に配置しながら、列に沿って低減され得る。そのような配置は、熱放散に影響を及ぼすことができるパワーモジュールの他の要素または構造に基づいて熱プロファイルを調節するために有益であってもよい。
【0042】
図8は、図7のパワーモジュール38と同様であるが、パワー半導体デバイス12の列は、列の端部パワー半導体デバイス12と基板14の金属トレース16の角部16’および/または誘電体層18の角部18’との間の間隔を増加するように配置されるパワーモジュール40の一部分の上面図である。上記実施形態の場合と同様に、列は、第1の方向(例えば、図8の水平方向)におけるパワー半導体デバイス12のそれぞれの幅Wよりも小さい間隔S1~S6によって規定され得る。特に、間隔S1~S6は、パワー半導体デバイス12のサイズに応じて、図3Bについて上記で説明した範囲の任意の範囲を含むことができる。特定のアプリケーションにおいて、種々のデバイスおよび/または基板アタッチ層の層間剥離および/または故障は、熱拡散が制限され得る基板14の角部で始まる可能性がある。これらの角部16’、18’の近くに位置決めされるパワー半導体デバイス12は、熱応力下で故障する列の先頭であってもよい。これは、層間剥離したアタッチ層が、熱抵抗の増加、より高い温度、およびさらにより高い応力をもたらすため、加速され得る。
【0043】
図8において、第2の方向に沿う可変位置決めは、列の端部パワー半導体デバイス12が、図7の場合に比べて、角部16’、18’から遠くに離れて位置決めされる配置を提供することができる。幾つかの事例において、列の中心のパワー半導体デバイス12のうちの1つまたは複数は、基板14の周辺縁部のより近くに位置決めされ得る。しかしながら、金属トレース16の周辺縁部16’’は、角部16’と比較して、熱拡散のより多くの通路を提供することができる。図7の場合と同様に、第1の方向に沿うパワー半導体デバイス12間の間隔S1~S6は、可変とすることができ、例えば、列の中央でより大きく、列の端部の近くでよりも小さい。他の実施形態において、間隔S1~S6は均一であってもよい。さらに、パワー半導体デバイス12の隣接する対は、第2の方向(例えば、図8の垂直方向)に測定されるオフセット距離Dだけ互いに対してオフセットされ得る。特定の実施形態において、オフセット距離Dは、パワー半導体デバイス12の列全体にわたって同じかまたは均一であってもよい。特定の実施形態において、オフセット距離Dは、パワー半導体デバイス12の列に沿ってオーバーラップが存在するように、パワー半導体デバイス12の長さLよりも小さくてもよい。例えば、オフセット距離Dは、パワー半導体デバイス12の相対サイズに応じて、5mm以下または2.5mm以下または1mm以下、あるいは、0mmよりも大きい値~上記で述べた上限の任意の上限の値の範囲内、例えば、0mmよりも大きい値~5mmの範囲内または0mmよりも大きい値~2.5mmの範囲内または0mmよりも大きい値~1mmの範囲内または0.5mm~5mmの範囲内または0.5mm~2.5mmの範囲内または0.5mm~1mmの範囲内である値を持って提供され得る。本開示の実施形態の任意の実施形態の場合と同様に、上記で説明した原理は、誘電体層18が省略され、金属トレース16およびその角部16’がリードフレーム構造を具現化する実施形態に同様に適用可能である。
【0044】
図9は、図8に示す列に対する代替の配置を有するパワー半導体デバイス12の列42の上面図を示す。これに関して、図9のパワー半導体デバイス12の配置は、図8のパワーモジュール40においてまたは本開示の図の任意の図におけるパワーモジュールの任意のパワーモジュールにおいて同様に実施され得る。図9において、オフセット距離D1~D3は、第2の方向(例えば、図9の垂直方向)に変動する。例えば、オフセット距離D1は、列42の中心部分のオフセット距離D3と比較して、列42の周辺部分において小さくてもよい。特定の実施形態において、オフセット距離D1~D3は、列42の周辺部分から中心部分まで徐々に減少することができ、それにより、D1はD2よりも小さく、D2はD3よりも小さい。図8の場合と同様に、第1の方向(例えば、図9の水平方向)に沿うパワー半導体デバイス12間の間隔S1~S6は、可変とすることができ、例えば、列42の中央でより大きく、列42の端部の近くでよりも小さい。他の実施形態において、間隔S1~S6は、オフセット距離D1~D3のみが可変であるように均一であってもよい。オフセット距離D1~D3は、図8のオフセット距離Dについて上記で説明した値の任意の値を含むことができる。上記実施形態の場合と同様に、列は、第1の方向(例えば、図9の水平方向)におけるパワー半導体デバイス12のそれぞれの幅Wよりも小さい間隔S1~S6によって規定され得る。特に、間隔S1~S6は、パワー半導体デバイス12のサイズに応じて、図3Bについて上記で説明した範囲の任意の範囲を含むことができる。特定の実施形態において、図9に示すパターンは、列42の両側の重ね合わせドットによって示すように、より多くの数のパワー半導体デバイス12を有する列42を形成するために反復することができる。
【0045】
図10は、パワー半導体デバイス12の位置が列44に沿って交互に並ぶパワー半導体デバイスの列44の上面図を示す。例えば、列44は、第1の方向(例えば、図10の水平方向)に延在することができ、それぞれの隣接するパワー半導体デバイス12は、列44に沿って第2の方向(例えば、図10の垂直方向)に交互オフセット位置に配置され得る。特定の実施形態において、非直線的配置は、列44にわたるジグザグ配置を形成することができる。パワー半導体デバイス12のそれぞれの隣接する対間のオフセット距離Dは、列44にわたって一定であってもよい。他の構成において、オフセット距離Dは、熱オーバーラップを補償するために必要に応じて変動することができる。特定の実施形態において、オフセット距離Dは、列44に沿って位置的オーバーラップが存在するように、パワー半導体デバイス12の長さLよりも小さくてもよい。オフセット距離Dは、図8について上記で説明した値の任意の値を含むことができる。上記実施形態の場合と同様に、第1の方向に沿うパワー半導体デバイス12間の間隔S1~S6は、可変とすることができ、例えば、列の中央でより大きく、列の端部の近くでよりも小さい。他の実施形態において、間隔S1~S6は均一であってもよい。さらに、列は、第1の方向(例えば、図10の水平方向)におけるパワー半導体デバイス12のそれぞれの幅Wよりも小さい間隔S1~S6によって規定され得る。特に、間隔S1~S6は、パワー半導体デバイス12のサイズに応じて、図3Bについて上記で説明した範囲の任意の範囲を含むことができる。特定の実施形態において、図10に示すパターンは、列44の両側の重ね合わせドットによって示すように、より多くの数のパワー半導体デバイス12を有する列44を形成するために反復することができる。
【0046】
図11は、図10の列44と同様であるが、隣接するパワー半導体デバイス12間の間隔Sが、列46にわたって均一である列46の上面図を示す。こうして、パワー半導体デバイス12は、均一の間隔Sを持って、第1の方向(例えば、図11の水平方向)に延在することができ、一方、それぞれの隣接するパワー半導体デバイス12の位置は、第2の方向(例えば、図11の垂直方向)に可変に配置され得る。例えば、非直線的配置は、列46にわたるジグザグ配置を形成する交互のオフセット位置を提供することができる。パワー半導体デバイス12のそれぞれの隣接する対間のオフセット距離Dは、列46にわたって一定であってもよい。他の構成において、オフセット距離Dは、熱オーバーラップを補償するために必要に応じて変動することができる。特定の実施形態において、オフセット距離Dは、列46に沿って位置的オーバーラップが存在するように、パワー半導体デバイス12の長さLよりも小さくてもよい。オフセット距離Dは、図8について上記で説明した値の任意の値を含むことができる。上記実施形態の場合と同様に、列は、第1の方向におけるパワー半導体デバイス12のそれぞれの幅Wよりも小さい間隔Sによって規定され得る。特に、間隔Sは、パワー半導体デバイス12のサイズに応じて、図3Bについて上記で説明した範囲の任意の範囲を含むことができる。特定の実施形態において、図11に示すパターンは、列46の両側の重ね合わせドットによって示すように、より多くの数のパワー半導体デバイス12を有する列46を形成するために反復することができる。
【0047】
図12は、上記実施形態と同様であるが、パワー半導体デバイス12は、列48について湾曲形状を形成する非直線的配置で設けられる列48の上面図を示す。示すように、湾曲配置は、パワー半導体デバイス12の1つまたは複数の隣接する対間に可変間隔S’、S’’を設けることによって形成され得る。例えば、隣接するパワー半導体デバイス12の1つの縁部における間隔S’は、同じ隣接するパワー半導体デバイス12の対向する縁部における間隔S’’よりも小さくてもよい。特定の実施形態において、この可変間隔S’、S’’関係は、列48の部分に沿って湾曲を提供するために列48全体を通して部分的に反復され得る。他の実施形態において、可変間隔S’、S’’は、列48全体を通して設けられ得る。上記実施形態の場合と同様に、列48は、パワー半導体デバイス12のそれぞれの幅Wよりも小さい、列48にわたる間隔S’、S’’によって規定され得る。特に、間隔S’、S’’は、パワー半導体デバイス12のサイズに応じて、図3Bについて上記で説明した範囲の任意の範囲を含むことができる。特定の実施形態において、図12に示すパターンは、列48の両側の重ね合わせドットによって示すように、より多くの数のパワー半導体デバイス12を有する列48を形成するために反復することができる。
【0048】
図3B、4B、および5~12に示す配置が、本開示の図の任意の図におけるパワーモジュールの任意のパワーモジュールにおいて単独でまたは互いに対する種々の組み合わせで実施され得ることが認識される。上記で説明したように、図3B、4B、および5~12に示す配置は、並列化パワー半導体デバイスの列について特に有用であってもよい。これらの図における種々の配置は、パワー半導体デバイスの列において減少した熱勾配を提供することができ、それにより、改善された動作特性および/または増加した動作寿命を可能にする。減少した熱勾配は、パワー半導体デバイスの幅よりも小さい値を有する各列を規定する隣接する半導体デバイス間の間隔を維持しながら、さらに提供され得る。こうして、パワーデバイスおよび/またはモジュールのアクティブエリアは、動作中に、改善された熱プロファイルをも示す高密度のパワー半導体デバイスを含むことができる。
【0049】
パワー半導体デバイスの配置は、種々のパッケージおよびパワーモジュール構造で設けられ得る。図13Aは、本開示の態様による、例示的なパワーモジュール50の分解図である。パワーモジュール50は、上記で説明した誘電体層18および1つまたは複数の金属トレース16を含むことができる基板52を含むことができる。代替的に、誘電体層18は、省略され得、金属トレース16は、1つまたは複数のリードフレーム構造を具現化することができる。パワー半導体デバイス12は、上記で説明した実施形態の任意の実施形態による配置を有する1つまたは複数の列54-1、54-2で配置され得る。パワー半導体デバイス12は、デバイスアタッチ材料56によって金属トレース16に搭載され得、デバイスアタッチ材料56は、機械的構造、大電流相互接続、および高熱伝導率を提供する、はんだ材料、焼結金属、または同様なもののうちの少なくとも1つを含むことができる。基板52は、パワーモジュール50について機械的支持および/またはさらなる熱拡散特性を提供することができるベースプレート58に接合されるまたはその他の方法で取り付けられ得る。図3B、4B、および5~12について上記で説明した配置の任意の配置によって、改善された熱平衡化は、より厚いデバイスアタッチ材料56および/または基板52とベースプレート58との間のより厚いアタッチ材料を可能にすることができる。そのようなアタッチ材料の増加した厚さは、信頼性の改善ために接合を一般に改善することができる。より厚いアタッチ材料は、熱抵抗を同様に増加させる傾向があるが、上記で説明した実施形態の任意の実施形態によるパワー半導体デバイス12の配置は、そのようなより厚いアタッチ材料の使用を有利に可能にすることができる。
【0050】
特定の実施形態において、ベースプレート58は、熱伝導性材料、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、アルミニウム炭化ケイ素、および同様なものを含むことができる。特定の実施形態において、基板52の誘電体層18は、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、および同様なもののうちの1つまたは複数を含むことができる。ハウジング60およびカバー構造62は、パッケージを完成させるために配置され得る。ハウジング60および/またはカバー構造62は、機械的構造および高電圧絶縁を提供するためにトランスファーまたは射出成形プロセスを使用して形成され得る。ハウジング60および/またはカバー構造62は、ベースプレート58と共に、パワーモジュール50の内部部品を封止するために形成され得る。ハウジング60および/またはカバー構造62のために使用されるモールドコンパウンドは、機械的構造、高電圧絶縁、熱膨張係数(CTE:coefficient of thermal expansion)整合、および低吸湿を提供することが可能なトランスファーまたは圧縮成形エポキシモールディングコンパウンド(EMC:epoxy molding compound)であってもよい。ハウジング60および/またはカバー構造62は、パワーモジュール50用の種々の電気接続を含むまたはそれを容易にすることもできる。
【0051】
図13Bは、図13Aのパワーモジュール50の部分的に組み立てられた上面図である。例証のために、カバー構造62は、パワー半導体デバイス12の列54-1、54-2のよりよい図を提供するために省略される。示すように、列54-1、54-2は、図3B、4B、および5~12を含む、上記で説明した実施形態の任意の実施形態による隣接するパワー半導体デバイス12間の可変間隔によって形成され得る。列54-1、54-2は、単独でまたは可変間隔配置と組み合わせて、図7~12を含む、上記で説明した実施形態の任意の実施形態において説明した可変オフセット位置の任意の可変オフセット位置によって同様に形成され得る。
【0052】
上記で説明したように、図1A~13Bを含む、本開示の実施形態の任意の実施形態の原理は、誘電体層18が省略され得、金属トレース16がリードフレーム構造を具現化する実施形態に同様に適用可能である。こうして、図1A~13Bで説明した基板14は、パワーモジュール内に存在することができるパワー基板またはリードフレーム構造を具現化することができる。
【0053】
本明細書で説明するように、本開示の原理は、種々のアプリケーション用のパワーパッケージまたはパワーモジュールにおいて使用するのに好適である、並列化パワー半導体デバイスを含む、パワー半導体デバイスの配置を提供する。例示的な利益は、そのようなパワーパッケージおよび/またはパワーモジュールのための動作性能および/または寿命の改善を含む。本開示の原理は、種々のハイパワー半導体アプリケーション、例えば、とりわけ、電力用の電力変換、電池充電器、ウィンドおよび/またはソーラーインバーター、および電源についてそのような利益を提供することができる。
【0054】
上記態様および/または本明細書で説明する種々の別個の態様および特徴の任意のものが、さらなる利益のために組み合わされ得ることが企図される。本明細書で開示する種々の任意の実施形態は、本明細書で反対に指示されない限り、1つまたは複数の他の開示される実施形態と組み合わされ得る。
【0055】
当業者は、本開示の好ましい実施形態に対する改善および修正を認識するであろう。全てのそのような改善および修正は、本明細書で開示される概念および添付特許請求項の範囲内にあると考えられる。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
【国際調査報告】