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  • 特表-パターン形成方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】パターン形成方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/38 20060101AFI20240816BHJP
   G03F 7/16 20060101ALI20240816BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20240816BHJP
   C11D 7/36 20060101ALI20240816BHJP
   C11D 7/32 20060101ALI20240816BHJP
   C11D 7/50 20060101ALI20240816BHJP
   G03F 7/40 20060101ALI20240816BHJP
   G03F 7/038 20060101ALI20240816BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
G03F7/38 501
G03F7/16
G03F7/004 531
C11D7/36
C11D7/32
C11D7/50
G03F7/40
G03F7/004
G03F7/038
H01L21/30 565
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503450
(86)(22)【出願日】2022-07-04
(85)【翻訳文提出日】2024-01-18
(86)【国際出願番号】 KR2022009599
(87)【国際公開番号】W WO2023003215
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】10-2021-0095960
(32)【優先日】2021-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0060370
(32)【優先日】2022-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】リョンミン・ホ
(72)【発明者】
【氏名】ヒョンラン・ムン
(72)【発明者】
【氏名】ミンヨン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ミンス・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヨンクォン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジェヒョン・キム
(72)【発明者】
【氏名】チャンス・ウ
【テーマコード(参考)】
2H196
2H225
4H003
5F146
【Fターム(参考)】
2H196AA25
2H196BA01
2H196BA13
2H196DA04
2H196HA02
2H225AB03
2H225AM61P
2H225AN11P
2H225AN80P
2H225CA12
2H225CC01
2H225EA24P
4H003DA05
4H003DB03
4H003EB02
4H003EB04
4H003EB06
4H003EB09
4H003EB12
4H003EB24
4H003ED03
4H003ED28
4H003ED29
4H003ED30
5F146MA02
(57)【要約】
基板上に金属含有レジスト組成物を塗布する段階;前記基板のエッジに沿ってエッジビード除去用組成物を塗布する段階;乾燥および加熱して前記基板上に金属含有レジスト膜を形成させる熱処理段階;および露光および現像してレジストパターンを形成する段階を含むパターン形成方法であって、
前記エッジビード除去用組成物は、亜リン酸系化合物、次亜リン酸系化合物、亜硫酸系化合物およびヒドロキサム酸系化合物のうちの少なくとも1種の添加剤、そして有機溶媒を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に金属含有レジスト組成物を塗布する段階;
前記基板のエッジに沿ってエッジビード除去用組成物を塗布する段階;
乾燥および加熱して前記基板上に金属含有レジスト膜を形成させる熱処理段階;および
露光および現像してレジストパターンを形成する段階
を含み、
前記エッジビード除去用組成物は、亜リン酸系化合物、次亜リン酸系化合物、亜硫酸系化合物およびヒドロキサム酸系化合物のうちの少なくとも1種の添加剤、そして有機溶媒を含むパターン形成方法。
【請求項2】
前記エッジビード除去用組成物は、前記添加剤を0.01~50重量%で含み、前記有機溶媒を50~99.99重量%で含む、請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項3】
前記露光および現像工程の後、エッジビード除去用組成物を塗布する段階をさらに含む、請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項4】
前記亜リン酸系化合物は、ホスホン酸、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、ブチルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、n-オクチルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ビニルホスホン酸、アミノメチルホスホン酸、メチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、1-アミノ1-ホスホノオクチルホスホン酸、エチドロン酸、2-アミノエチルホスホン酸、3-アミノプロピルホスホン酸、6-ヒドロキシヘキシルホスホン酸、デシルホスホン酸、メチレンジホスホン酸、ニトリロトリメチレントリホスホン酸、1H,1H,2H,2H-ペルフルオロオクタンホスホン酸またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種である、請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項5】
前記次亜リン酸系化合物は、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィン酸、ホスフィン酸、ビス(ヒドロキシメチル)ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、p-(3-アミノプロピル)-p-ブチルホスフィン酸またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種である、請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項6】
前記ヒドロキサム酸系化合物は、ホルモヒドロキサム酸、アセトヒドロキサム酸、ベンゾヒドロキサム酸、サリチルヒドロキサム酸、2-アミノベンゾヒドロキサム酸、2-クロロベンゾヒドロキサム酸、2-フルオロベンゾヒドロキサム酸、2-ニトロベンゾヒドロキサム酸、3-ニトロベンゾヒドロキサム酸、4-アミノベンゾヒドロキサム酸、4-クロロベンゾヒドロキサム酸、4-フルオロベンゾヒドロキサム酸、4-ニトロベンゾヒドロキサム酸またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種である、請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項7】
前記エッジビード除去用組成物の水分含有量は、1,000ppm以下である、請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項8】
前記金属含有レジスト組成物は、アルキルスズオキソ基およびアルキルスズカルボキシル基のうちの少なくとも一つを含む金属化合物を含む、請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項9】
前記金属化合物は、下記の化学式1で表される、請求項8に記載のパターン形成方法。
【化1】
(前記化学式1で、
は、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、置換もしくは非置換のC6またはC30アリールアルキル基、および-R-O-R(ここでRは、置換もしくは非置換のC1~C20アルキレン基であり、Rは、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基である)の中から選択され、
~Rは、それぞれ独立して-ORまたは-OC(=O)Rの中から選択され、
は、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせである。)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本記載は、ウエハーエッジに沿って発生する金属汚染を減少させるためにエッジビード除去用組成物を塗布する段階を含むパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、半導体産業では臨界寸法の継続的な縮小が伴われ、このような寸法縮小により、次第により小さいフィーチャー(feature)の加工およびパターニングの要求を満たすための新たな類型の高性能フォトレジスト材料およびパターニング方法が要求されている。
【0003】
また、最近、半導体産業の飛躍的な発展により、半導体デバイスの作動速度および大容量の保存能力が要求されており、このような要求に歩調をそろえて半導体デバイスの集積度、信頼度および応答速度を向上させる工程技術が発展している。特にシリコン基板の作用領域に不純物を正確に調節/注入し、このような領域が相互連結されて素子および超高密度集積回路を形成するようにすることが重要であるが、これはフォトリソグラフィ工程により可能である。つまり、基板上にフォトレジストを塗布して、紫外線(極紫外線を含む)、電子線またはX線などを照射して選択的に露光させた後に現像することを含むフォトリソグラフィ工程の統合を考慮することが重要になってきた。
【0004】
特にフォトレジスト層を形成する工程では、主にシリコン基板を回転させながらレジストを基板上に塗布するようになるが、この過程で基板エッジと裏面にもレジストが塗布され、これはエッチングやイオン注入工程のような半導体後続工程で圧搾を誘発したりパターン不良を誘発する原因になり得る。したがって、シンナー組成物を使用してシリコン基板のエッジと裏面に塗布されているフォトレジストをストリッピングして除去する工程、つまり、EBR(EDGE BEAD REMOVAL)工程を実施する。前記EBR工程では、フォトレジストに対して優れた溶解性を示し、基板に残留するビードおよびフォトレジストを効果的に除去してレジスト残留物が発生しない組成物を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一実施形態は、パターン形成方法、詳しくはエッジビード除去用組成物を塗布する段階を含むパターン形成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態によるパターン形成方法は、基板上に金属含有レジスト組成物を塗布する段階;前記基板のエッジに沿ってエッジビード除去用組成物を塗布する段階;乾燥および加熱して前記基板上に金属含有レジスト膜を形成させる熱処理段階;および露光および現像してレジストパターンを形成する段階を含み、
前記エッジビード除去用組成物は、亜リン酸系化合物、次亜リン酸系化合物、亜硫酸系化合物およびヒドロキサム酸系化合物のうちの少なくとも1種の添加剤、そして有機溶媒を含むことができる。
【0007】
前記エッジビード除去用組成物は、前記添加剤を0.01~50重量%で含み、前記有機溶媒を50~99.99重量%で含むことができる。
【0008】
前記露光および現像工程の後、エッジビード除去用組成物を塗布する段階をさらに含むことができる。
【0009】
前記亜リン酸系化合物は、ホスホン酸、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、ブチルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、n-オクチルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ビニルホスホン酸、アミノメチルホスホン酸、メチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、1-アミノ1-ホスホノオクチルホスホン酸、エチドロン酸、2-アミノエチルホスホン酸、3-アミノプロピルホスホン酸、6-ヒドロキシヘキシルホスホン酸、デシルホスホン酸、メチレンジホスホン酸、ニトリロトリメチレントリホスホン酸、1H,1H,2H,2H-ペルフルオロオクタンホスホン酸またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種であり得る。
【0010】
前記次亜リン酸系化合物は、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(ヒドロキシメチル)ホスフィン酸 、p-(3-アミノプロピル)-p-ブチルホスフィン酸またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種であり得る。
【0011】
前記ヒドロキサム酸系化合物は、ホルモヒドロキサム酸、アセトヒドロキサム酸、ベンゾヒドロキサム酸、サリチルヒドロキサム酸、2-アミノベンゾヒドロキサム酸、2-クロロベンゾヒドロキサム酸、2-フルオロベンゾヒドロキサム酸、2-ニトロベンゾヒドロキサム酸、3-ニトロベンゾヒドロキサム酸、4-アミノベンゾヒドロキサム酸、4-クロロベンゾヒドロキサム酸、4-フルオロベンゾヒドロキサム酸、4-ニトロベンゾヒドロキサム酸またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種であり得る。
【0012】
前記エッジビード除去用組成物の水分含有量は、1,000ppm以下であり得る。
【0013】
前記金属含有レジスト組成物は、アルキルスズオキソ基およびアルキルスズカルボキシル基のうちの少なくとも一つを含む金属化合物を含むことができる。
【0014】
前記金属含有レジストに含まれる金属化合物は、下記の化学式1で表され得る。
【0015】
【化1】
【0016】
前記化学式1で、
は、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、置換もしくは非置換のC6またはC30アリールアルキル基、および-R-O-R(ここでRは、置換もしくは非置換のC1~C20アルキレン基であり、Rは、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基である)の中から選択され、
~Rは、それぞれ独立して-ORまたは-OC(=O)Rの中から選択され、
は、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせである。
【発明の効果】
【0017】
一実施形態によるパターン形成方法は、金属含有レジストに内在された金属ベース汚染を減少させて基板のエッジおよび裏面に塗布されたレジストを除去することによってより小さなフィーチャー(feature)の加工およびパターニングの要求を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】フォトレジスト塗布装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。ただし、本記載を説明するに当たり、既に公知の機能あるいは構成に関する説明は、本記載の要旨を明瞭にするために省略する。
【0020】
本記載を明確に説明するために、説明上不要な部分を省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したため、本記載が必ずしも図示されたところに限定されるのではない。
【0021】
図面において、複数の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして図面において、説明の便宜のために一部の層および領域の厚さを誇張して示した。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるという時、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。
【0022】
図1はフォトレジスト塗布装置を示す模式図である。
【0023】
図1を参照すれば、基板Wが置かれる基板支持部1が備えられ、前記基板支持部1はスピンチャックまたはスピンコーターなどを含む。
【0024】
前記基板支持部1は、所定の回転速度で第1方向に回転し、前記基板Wに遠心力を提供する。前記基板支持部1上には噴射ノズル2が位置し、前記噴射ノズル2は基板W上部から外れた大気領域に位置し、溶液の供給段階で基板上部に移動してフォトレジスト溶液10を噴射することができる。これにより、前記フォトレジスト溶液10は前記遠心力により前記基板表面に塗布される。この時、前記基板Wの中央に供給されるフォトレジスト溶液10は遠心力により基板Wの周縁に広がりながら塗布され、その一部は前記基板の側面と前記基板の周縁下面に移動するようになる。
【0025】
つまり、塗布工程でフォトレジスト溶液10は主にスピンコーティング方式で塗布されるが、基板Wの中央部に粘性のある所定量のフォトレジスト溶液10を供給して遠心力により基板周縁方向に次第に拡散していく。
【0026】
したがって、フォトレジストの厚さは、基板支持部の回転速度により平坦に形成される。
【0027】
しかし、溶媒が蒸発して粘性が次第に増加するようになり、表面張力の作用により基板の周縁に相対的に多量のフォトレジストが積もるようになり、より深刻に、基板の周縁下面までフォトレジストが積もるようになるが、これをエッジビード(edge bead)12という。
【0028】
以下、一実施形態によるパターン形成方法を説明する。
【0029】
一実施形態によるパターン形成方法は、基板上に金属含有レジスト組成物を塗布する段階、前記基板のエッジに沿ってエッジビード除去用組成物を塗布する段階、乾燥および加熱して前記基板上に金属含有レジスト膜を形成させる熱処理段階、そして露光および現像してレジストパターンを形成する段階を含む。
【0030】
より具体的に、金属含有レジスト組成物を使用してパターンを形成する段階は、金属含有レジスト組成物を薄膜が形成された基板上にスピンコーティング、スリットコーティング、インクジェットプリンティングなどで塗布する工程、および塗布された金属含有レジスト組成物を乾燥してフォトレジスト膜を形成する工程を含むことができる。前記金属含有レジスト組成物は、スズベース化合物を含むことができ、例えば前記スズベース化合物は、アルキルスズオキソ基およびアルキルスズカルボキシル基のうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0031】
一例として、前記金属含有レジストに含まれる金属化合物は、下記の化学式1で表され得る。
【0032】
【化2】
【0033】
前記化学式1で、
は、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、置換もしくは非置換のC6またはC30アリールアルキル基、および-R-O-R(ここでRは、置換もしくは非置換のC1~C20アルキレン基であり、Rは、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基である)の中から選択され、
~Rは、それぞれ独立して-ORまたは-OC(=O)Rの中から選択され、
は、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせである。
【0034】
一実施例で前記エッジビード除去用組成物は、亜リン酸系化合物、次亜リン酸系化合物、亜硫酸系化合物およびヒドロキサム酸系化合物のうちの少なくとも1種の添加剤、そして有機溶媒を含むことができる。
【0035】
前記エッジビード除去用組成物は、前記添加剤を0.01~50重量%で含み、前記有機溶媒を50~99.99重量%で含むことができる。
【0036】
具体的な一実施例で前記エッジビード除去用組成物は、前記添加剤を0.1~40重量%、具体的に0.5~30重量%、より具体的に1~20重量%で含むことができる。
【0037】
一実施形態によるエッジビード除去用組成物に含まれる有機溶媒の一例として、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールブチルエーテル(PGBE)、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチルグリコールエチルメチルエーテル、ジプロピルグリコールジメチルエーテル、エタノール、2-ブトキシエタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブチルアルコール、ヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘプタノン、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチルアセテート、メチル3-メトキシプロピオネート、エチル3-エトキシプロピオネート、ジイソペンチルエーテル、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジアセトンアルコール、3,3-ジメチル-2-ブタノン、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノンメチル-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパノエート(HBM)、γブチロラクトン(GBL)、1-ブタノール(n-Butanol)、エチルラクテート(EL)、ジエンブチルエーテル(DBE)、ジイソプロピルエーテル(DIAE)、アセチルアセトン(Acetyl acetone)、ブチルラクテート(n-Butyllactate)、4-メチル-2-ペンタノール(または、methyl isobutyl carbinol(MIBC)で記載され得る)、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2-ヒドロキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル(methyl pyruvate)、ピルビン酸エチル(ethyl pyruvate)、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチル-2-ヒドロキシイソブチレート(methyl 2-hydroxyisobutyrate)、メトキシベンゼン(methoxybenzene)、n-ブチルアセテート、1-メトキシ-2-プロピルアセテート、メトキシエトキシプロピオネート、エトキシエトキシプロピオネート、またはこれらの混合物などが挙げられるが、これに限定されるのではない。
【0038】
本発明によるエッジビード除去用組成物は、特に金属含有レジスト、より具体的には好ましくない金属残余物、例えばスズベース金属残余物の除去に効果的になり得る。
【0039】
例えば前記亜リン酸系化合物は、ホスホン酸、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、ブチルホスホン酸、ヘキシルホスホン酸、n-オクチルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ビニルホスホン酸、アミノメチルホスホン酸、メチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、1-アミノ1-ホスホノオクチルホスホン酸、エチドロン酸、2-アミノエチルホスホン酸、3-アミノプロピルホスホン酸、6-ヒドロキシヘキシルホスホン酸、デシルホスホン酸、メチレンジホスホン酸、ニトリロトリメチレントリホスホン酸、1H,1H,2H,2H-ペルフルオロオクタンホスホン酸またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種であり得る。
【0040】
例えば前記次亜リン酸系化合物は、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4-メトキシフェニル)ホスフィン酸、ビス(ヒドロキシメチル)ホスフィン酸、p-(3-アミノプロピル)-p-ブチルホスフィン酸またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種であり得る。
【0041】
例えば前記ヒドロキサム酸系化合物は、ホルモヒドロキサム酸、アセトヒドロキサム酸、ベンゾヒドロキサム酸、サリチルヒドロキサム酸、2-アミノベンゾヒドロキサム酸、2-クロロベンゾヒドロキサム酸、2-フルオロベンゾヒドロキサム酸、2-ニトロベンゾヒドロキサム酸、3-ニトロベンゾヒドロキサム酸、4-アミノベンゾヒドロキサム酸、4-クロロベンゾヒドロキサム酸、4-フルオロベンゾヒドロキサム酸、4-ニトロベンゾヒドロキサム酸またはこれらの組み合わせのうちの少なくとも1種であり得る。
【0042】
前記エッジビード除去用組成物は、次亜リン酸系化合物、亜硫酸系化合物、ヒドロキサム酸系化合物のうちの少なくとも1種の添加剤を含むことによって組成物内の水分含有量が1,000ppm以下であり得る。
【0043】
組成物内の水分含有量が1,000ppmを超える場合、フォトレジスト接触部で水和により膜質変形が発生することがある。
【0044】
一例として、リン酸などを添加剤として含む場合には、水分含有量が1,000ppmを超えるようになってフォトレジスト接触部で水和により膜質変形を起こすことがある。
【0045】
具体的に前記エッジビード除去用組成物を塗布する段階は、基板を適正速度(例えば、500rpm以上)で回転(spin)させながら基板のエッジに沿ってエッジビード除去用組成物を適正量で塗布する段階を含むことができる。
【0046】
次に、前記フォトレジスト膜が形成されている基板を加熱する第1熱処理工程を行う。前記第1熱処理工程は、約80℃~約120℃の温度で行うことができ、この過程で溶媒は蒸発され、前記フォトレジスト膜は基板により堅固に接着され得る。
【0047】
そして前記フォトレジスト膜を選択的に露光する。
【0048】
一例として、前記露光工程で使用することができる光の例としては、活性化照射線もi-line(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)などの短波長を有する光だけでなく、EUV(Extreme UltraViolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギー波長を有する光などが挙げられる。
【0049】
より具体的に、一実施形態による露光用光は、5nm~150nmの波長範囲を有する短波長光であり得、EUV(Extreme UltraViolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギー波長を有する光であり得る。
【0050】
前記フォトレジストパターンを形成する段階で、ネガティブ型パターンを形成することができる。
【0051】
フォトレジスト膜のうち、露光された領域は、有機金属化合物間の縮合など架橋反応により重合体を形成することによってフォトレジスト膜の未露光された領域と互いに異なる溶解度を有するようになる。
【0052】
次に、前記基板に第2熱処理工程を行う。前記第2熱処理工程は、約90℃~約200℃の温度で行うことができる。前記第2熱処理工程を行うことによって、前記フォトレジスト膜の露光された領域は現像液に溶解が難しい状態となる。
【0053】
具体的に、2-ヘプタノン(2-heptanone)などの有機溶媒を使用して前記未露光された領域に該当するフォトレジスト膜を溶解した後に除去することによって前記ネガティブトーンイメージに該当するフォトレジストパターンが完成され得る。
【0054】
一実施形態によるパターン形成方法で使用される現像液は、有機溶媒であり得、一例として、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノンなどのケトン類、4-メチル-2-プロパノール、1-ブタノール、イソプロパノール、1-プロパノール、メタノールなどのアルコール類、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、エチルアセテート、エチルラクテート、n-ブチルアセテート、ブチロラクトンなどのエステル類、ベンゼン、キシレン、トルエンなどの芳香族化合物、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0055】
また、前記パターン形成方法は、露光および現像工程の後、エッジビード除去用組成物を塗布する段階をさらに含むことができ、具体的に前記エッジビード除去用組成物を塗布する段階は、基板を適正速度(例えば、500rpm以上)で回転(spin)させながらで基板のエッジに沿ってエッジビード除去用組成物を適正量で塗布する段階を含むことができる。
【0056】
前述したように、i-line(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)などの波長を有する光だけでなく、EUV(Extreme UltraViolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギーを有する光などにより露光されて形成されたフォトレジストパターンは、厚さ5nm~100nmの幅を有することができる。一例として、前記フォトレジストパターンは、厚さ5nm~90nm、5nm~80nm、5nm~70nm、5nm~60nm、5nm~50nm、5nm~40nm、5nm~30nm、5nm~20nmの幅で形成され得る。
【0057】
一方、前記フォトレジストパターンは、約50nm以下、例えば40nm以下、例えば30nm以下、例えば20nm以下、例えば15nm以下の半ピッチ(half-pitch)および、約10nm以下、約5nm以下、約3nm以下、約2nm以下の線幅粗さを有するピッチを有することができる。
【0058】
[実施例]
以下、前述したエッジビード除去用組成物の製造に関する実施例を通じて本発明をより詳細に説明する。しかし、下記の実施例により本発明の技術的特徴が限定されるのではない。
【0059】
実施例1~5および比較例1~3:エッジビード除去用組成物の製造
添加剤と溶媒をそれぞれ下記表1の組成で混合した後、常温(25℃)で振って完全に溶解する。その後、1μmポアサイズを有するPTFE材質のフィルター(filter)を通過させて最終のエッジビード除去用組成物を得る。
【0060】
製造例:有機金属含有フォトレジスト組成物の製造
下記の化学式Cの構造を有する有機金属化合物を4-メチル-2-ペンタノール(4-methyl-2-pentanol)に1wt%の濃度に溶かした後、0.1μmのPTFEシリンジフィルターで濾過してフォトレジスト組成物を製造した。
【0061】
【化3】
【0062】
評価:残留スズ(Sn)値の含有量
4インチのシリコンウエハー上に前記製造例による有機金属含有フォトレジスト組成物を1.0mL投入して20秒間定置後、1,500rpmの速度で30秒間スピンコーティングする。コーティング膜が形成されたウエハーを800rpmの速度で回転させながら前記実施例1~5および比較例1~3から得られたエッジビード除去用組成物をエッジに沿ってそれぞれ6.5mL投入して3秒間スピンコーティング後、1,500rpmの速度で回転させながら25秒間乾燥する。前記エッジビード除去用組成物の投入、スピンコーティングおよび乾燥工程を3回繰り返す。その後、150℃で60秒間ベーキング(baking)してVPD ICP-MS分析を通じてSn含有量を確認する。
【0063】
【表1】
【0064】
表1を参照すれば、実施例1~実施例5によるエッジビード除去用組成物は、比較例1~3によるエッジビード除去用組成物に比べて金属除去効果に優れ、残留金属の減少をより促進可能であることを確認できる。
【0065】
以上で、本発明の特定の実施例が説明され、図示されたが、本発明は、記載された実施例に限定されるのではなく、本発明の思想および範囲を逸脱せずに多様に修正および変形可能であることは当該技術分野における通常の知識を有する者に自明である。したがって、そのような修正例または変形例は、本発明の技術的な思想や観点から個別的に理解されてはならず、変形された実施例は本発明の特許請求の範囲に属するといえる。
【符号の説明】
【0066】
1:基板支持部
2:噴射ノズル
10:フォトレジスト溶液
12:エッジビード
図1
【国際調査報告】