(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】コーティング厚さ測定装置及び方法
(51)【国際特許分類】
B05C 11/00 20060101AFI20240816BHJP
B05D 3/00 20060101ALI20240816BHJP
G01B 11/06 20060101ALI20240816BHJP
H01M 4/04 20060101ALI20240816BHJP
H01M 4/139 20100101ALI20240816BHJP
【FI】
B05C11/00
B05D3/00 D
G01B11/06 101Z
H01M4/04 A
H01M4/139
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505609
(86)(22)【出願日】2023-04-25
(85)【翻訳文提出日】2024-01-30
(86)【国際出願番号】 KR2023005629
(87)【国際公開番号】W WO2023211123
(87)【国際公開日】2023-11-02
(31)【優先権主張番号】10-2022-0053732
(32)【優先日】2022-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0053733
(32)【優先日】2022-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0051593
(32)【優先日】2023-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ド-ヒョン・イ
(72)【発明者】
【氏名】スン-ホン・イ
【テーマコード(参考)】
2F065
4D075
4F042
5H050
【Fターム(参考)】
2F065AA30
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4D075AC02
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5H050AA08
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5H050BA16
5H050BA17
5H050GA22
5H050GA28
5H050HA04
(57)【要約】
コーティング厚さ測定装置及び方法が開示される。本発明の一実施形態によるコーティング厚さ測定装置は、コーティング物質が塗布された基材がコーティングロールによって移送される間、コーティングロールに接触する基材の接触部分に対して、当該接触部分に塗布されたコーティング物質の厚さを示す厚さデータを取得するように構成されたデータ取得部と、補正データが分散して格納された複数の格納領域を有する仮想メモリゾーンを生成し、複数の格納領域のうちから選択されるターゲット格納領域に予め格納された補正データに基づいて厚さデータを補正し、補正された厚さデータを生成するように構成されたプロセッサと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーティング物質が塗布された基材がコーティングロールによって移送される間、前記コーティングロールに接触する前記基材の接触部分に対して、前記接触部分に塗布されたコーティング物質の厚さを示す厚さデータを取得するように構成されたデータ取得部と、
補正データが分散して格納された複数の格納領域を有する仮想メモリゾーンを生成し、前記複数の格納領域のうちから選択されるターゲット格納領域に予め格納された補正データに基づいて前記厚さデータを補正し、補正された厚さデータを生成するように構成されたプロセッサと、を含むコーティング厚さ測定装置。
【請求項2】
前記データ取得部は、前記コーティングロールの外周を複数のセクションに区分し、前記複数のセクションのうちから前記基材の接触部分と接触したセクションを識別するセクション識別データをさらに取得するように構成され、
前記プロセッサは、前記厚さデータを補正する前に、前記複数の格納領域のうち前記セクション識別データに対応する格納領域を、前記ターゲット格納領域として選択するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のコーティング厚さ測定装置。
【請求項3】
前記ターゲット格納領域に予め格納された補正データは、前記基材の接触部分と接触した前記セクションの真円度値を含むことを特徴とする請求項2に記載のコーティング厚さ測定装置。
【請求項4】
前記データ取得部は、前記コーティングロールの温度を示す温度データをさらに取得するように構成され、
前記プロセッサは、前記ターゲット格納領域に予め格納された補正データと前記温度データとに基づいて、前記厚さデータを補正するように構成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のコーティング厚さ測定装置。
【請求項5】
前記予め格納された補正データは、前記コーティングロールの外周を位置ごとに区分した複数のセクションのうち前記基材の接触部分と接触したセクションの温度ごとの真円度値を記録したデータテーブルを含むことを特徴とする請求項4に記載のコーティング厚さ測定装置。
【請求項6】
前記データ取得部は、前記厚さデータを取得する前に、前記コーティングロールの外周を複数のセクションに区分し、各セクションの真円度を示す真円度データを取得するように構成され、
前記プロセッサは、前記データ取得部によってセクションごとに取得された真円度データを、前記複数の格納領域にセクションごとに分けて格納するように構成されたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のコーティング厚さ測定装置。
【請求項7】
前記データ取得部は、
厚さセンサを備えたセンシングモジュールと、
前記センシングモジュールの位置を調整し、前記センシングモジュールに、前記厚さセンサを用いて前記基材の接触部分に塗布されたコーティング物質の厚さをセンシングして前記厚さデータを生成させる位置調整モジュールと、を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のコーティング厚さ測定装置。
【請求項8】
前記センシングモジュールは、前記コーティングロールの温度をセンシングする温度センサをさらに備え、
前記プロセッサは、前記ターゲット格納領域に予め格納された補正データと、前記温度センサによって取得された温度データと、に基づいて、前記厚さデータを補正するように構成されることを特徴とする請求項7に記載のコーティング厚さ測定装置。
【請求項9】
前記位置調整モジュールは、
第1軸に沿って前記センシングモジュールを移動させる第1移動ユニットと、
前記第1軸と交差する第2軸に沿って前記センシングモジュールを移動させる第2移動ユニットと、を含むことを特徴とする請求項7に記載のコーティング厚さ測定装置。
【請求項10】
前記位置調整モジュールは、前記第1軸及び前記第2軸とそれぞれ交差する第3軸に沿って前記センシングモジュールを移動させる第3移動ユニットをさらに含むことを特徴とする請求項9に記載のコーティング厚さ測定装置。
【請求項11】
前記位置調整モジュールは、前記センシングモジュールを所定の回転軸を中心に一定回転角度の範囲内で回転させる回転ユニットをさらに含むことを特徴とする請求項9に記載のコーティング厚さ測定装置。
【請求項12】
前記データ取得部を複数含み、
複数のデータ取得部は、前記コーティングロールによって長手方向に移送される前記基材の幅方向において互いに離隔して配置されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のコーティング厚さ測定装置。
【請求項13】
基材に塗布されたコーティング物質の厚さを測定する装置によって行われるコーティング厚さ測定方法であって、
補正データが分散して格納された複数の格納領域を有する仮想メモリゾーンを生成するステップと、
コーティング物質が塗布された基材がコーティングロールによって移送される間、前記コーティングロールに接触する前記基材の接触部分に対して、前記接触部分に塗布されたコーティング物質の厚さを示す厚さデータを取得するステップと、
前記複数の格納領域のうちから選択されるターゲット格納領域に予め格納された補正データに基づいて前記厚さデータを補正し、補正された厚さデータを生成するステップと、を含むコーティング厚さ測定方法。
【請求項14】
前記補正された厚さデータを生成するステップの前に、前記コーティングロールの温度を示す温度データを取得するステップをさらに含み、
前記補正された厚さデータを生成するステップは、前記ターゲット格納領域に予め格納された補正データと前記温度データとに基づいて、前記厚さデータを補正するステップを含むことを特徴とする請求項13に記載のコーティング厚さ測定方法。
【請求項15】
前記予め格納された補正データは、前記コーティングロールの外周を位置ごとに区分した複数のセクションのうち前記基材の接触部分と接触したセクションの温度ごとの真円度値を記録したデータテーブルを含むことを特徴とする請求項14に記載のコーティング厚さ測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年4月29日付け出願の韓国特許出願第10-2022-0053732号及び第10-2022-0053733号、並びに2023年4月19日付け出願の韓国特許出願第10-2023-0051593号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【0002】
本文書に開示された実施形態は、厚さ測定装置及び方法に関し、さらに詳しくは、基材に塗布されたコーティング物質のコーティング厚さを正確に測定できるコーティング厚さ測定装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
現在商用化されている二次電池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあり、これらの中でもリチウム二次電池は、ニッケル系の二次電池と比較してメモリ効果がほとんどないため充放電が自由であり、自己放電率が非常に低く、エネルギー密度が高いという利点から脚光を浴びている。
【0004】
さらに、最近では、電気自動車や電力貯蔵装置(Energy Storage System、ESS)などの中大型装置にも駆動用やエネルギー貯蔵用として二次電池が広く利用されている。また、これにより、二次電池への関心がさらに高まり、これに関連する研究開発がより盛んに行われている。
【0005】
一般に、このような二次電池は、電極アセンブリと電解質物質を電池ケースに収納し、当該電池ケースを封止(seal)する方式により製造することができる。この場合、二次電池の電極アセンブリは、正極、負極、及びこれらの正極と負極との間に介在するセパレータを含むことができる。
【0006】
このように、二次電池の電極アセンブリに含まれる正極、負極及びセパレータは、それぞれシート状又は板状の所定の基材を所定のコーティング物質でコーティングする過程を通じて製造することができる。例えば、正極は、アルミニウム箔のような基材の表面を、リチウム系酸化物のような正極活物質を含んだコーティング物質でコーティングする過程を通じて製造することができる。負極は、銅箔のような基材の表面を、炭素材のような負極活物質を含んだコーティング物質でコーティングする過程を通じて製造することができる。また、セパレータは、多孔性高分子基材の表面を、無機物粒子と高分子バインダーを含んだコーティング物質でコーティングする過程を通じて製造することができる。
【0007】
このような二次電池の充電容量とエネルギー密度を高めるためには、それぞれのコーティング物質が対応する基材の表面に均一な厚さでコーティングされなければならない。すなわち、高品質かつ高効率の二次電池製品を製造するためには、正極、負極、又はセパレータがコーティング装置によってコーティングされる間、対応するコーティング物質のコーティング厚さをリアルタイムで正確に測定しなければならず、測定したコーティング厚さに基づいて対応するコーティング装置や後続処理装置に対して適切な管理を行わなければならない。
【0008】
しかし、従来の技術においては、コーティング物質がコーティングされた基材を、互いに離隔した複数のロール(roll)によって移送するため、コーティング厚さの測定時に当該ロールで発生する振動により基材に揺れ(shake)が発生し、その結果、コーティング厚さの測定値の精度が低下するという問題がある。
【0009】
また、従来の技術においては、コーティング厚さを測定する際、温度変化による影響を考慮していないため、コーティング厚さの測定値の精度がさらに低下するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする技術的課題は、基材に塗布されたコーティング物質の厚さを高精度で測定できるコーティング厚さ測定装置及び方法を提供することである。
【0011】
また、本発明が解決しようとする他の技術的課題は、基材に塗布されたコーティング物質の厚さを測定する際に、温度変化による影響を考慮してコーティング厚さの測定値を補正することで、コーティング厚さの測定値の精度をさらに向上させることができる厚さ測定装置及び方法を提供することである。
【0012】
ただし、本発明が解決しようとする技術的課題は上記課題に限定されず、当業者であれば以下に記載された説明から本発明の他の技術的課題を明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様によるコーティング厚さ測定装置は、コーティング物質が塗布された基材がコーティングロールによって移送される間、コーティングロールに接触する基材の接触部分に対して、当該接触部分に塗布されたコーティング物質の厚さを示す厚さデータを取得するように構成されたデータ取得部と、補正データが分散して格納された複数の格納領域を有する仮想メモリゾーンを生成し、複数の格納領域のうちから選択されるターゲット格納領域に予め格納された補正データに基づいて厚さデータを補正し、補正された厚さデータを生成するように構成されたプロセッサと、を含む。
【0014】
一実施形態において、データ取得部は、コーティングロールの外周(outer circumference)を複数のセクションに区分し、複数のセクションのうちから基材の接触部分と接触したセクションを識別するセクション識別データをさらに取得するように構成され、プロセッサは、厚さデータを補正する前に、複数の格納領域のうちセクション識別データに対応する格納領域を、ターゲット格納領域として選択するように構成され得る。
【0015】
一実施形態において、ターゲット格納領域に予め格納された(pre-stored)補正データは、基材の接触部分と接触したセクションの真円度値を含むことができる。
【0016】
一実施形態において、データ取得部は、コーティングロールの温度を示す温度データをさらに取得するように構成され、プロセッサは、ターゲット格納領域に予め格納された補正データと、温度データとに基づいて、厚さデータを補正するように構成され得る。
【0017】
一実施形態において、予め格納された補正データは、コーティングロールの外周を位置ごとに区分した複数のセクションのうち基材の接触部分と接触したセクションの温度ごとの真円度値を記録したデータテーブルを含むことができる。
【0018】
一実施形態において、データ取得部は、厚さデータを取得する前に、コーティングロールの外周を複数のセクションに区分し、各セクションの真円度を示す真円度データを取得するように構成され、プロセッサは、データ取得部によってセクションごとに取得された真円度データを、複数の格納領域にセクションごとに分けて格納(store)するように構成され得る。
【0019】
一実施形態において、データ取得部は、厚さセンサを備えたセンシングモジュールと、センシングモジュールの位置を調整し、センシングモジュールに、厚さセンサを用いて基材の接触部分に塗布されたコーティング物質の厚さをセンシングして厚さデータを生成させる位置調整モジュールと、を含むことができる。
【0020】
一実施形態において、センシングモジュールは、コーティングロールの温度をセンシングする温度センサをさらに備え、プロセッサは、ターゲット格納領域に予め格納された補正データと、温度センサによって取得された温度データとに基づいて、厚さデータを補正するように構成され得る。
【0021】
一実施形態において、位置調整モジュールは、第1軸に沿ってセンシングモジュールを移動させる第1移動ユニットと、第1軸と交差する第2軸に沿ってセンシングモジュールを移動させる第2移動ユニットと、を含むことができる。
【0022】
一実施形態において、位置調整モジュールは、第1軸及び第2軸とそれぞれ交差する第3軸に沿ってセンシングモジュールを移動させる第3移動ユニットをさらに含むことができる。
【0023】
一実施形態において、位置調整モジュールは、センシングモジュールを所定の回転軸を中心に一定回転角度の範囲内で回転させる回転ユニットをさらに含むことができる。
【0024】
一実施形態において、データ取得部を複数含み、複数のデータ取得部は、コーティングロールによって長手方向に移送される基材の幅方向において互いに離隔して配置され得る。
【0025】
本発明の他の実施態様によるコーティングシステムは、上述の実施形態のいずれかに記載のコーティング厚さ測定装置を含むことができる。
【0026】
本発明のまた他の実施態様によるコーティング厚さ測定方法は、基材に塗布されたコーティング物質の厚さを測定する装置によって行われる方法であり、補正データが分散して格納された複数の格納領域を有する仮想メモリゾーンを生成するステップと、コーティング物質が塗布された基材がコーティングロールによって移送される間、コーティングロールに接触する基材の接触部分に対して、当該接触部分に塗布されたコーティング物質の厚さを示す厚さデータを取得するステップと、複数の格納領域のうちから選択されるターゲット格納領域に予め格納された補正データに基づいて厚さデータを補正し、補正された厚さデータを生成するステップと、を含む。
【0027】
一実施形態において、コーティング厚さ測定方法は、補正された厚さデータを生成するステップの前に、コーティングロールの温度を示す温度データを取得するステップをさらに含み、補正された厚さデータを生成するステップは、ターゲット格納領域に予め格納された補正データと、温度データとに基づいて、厚さデータを補正するステップを含むことができる。
【0028】
一実施形態において、予め格納された補正データは、コーティングロールの外周を位置ごとに区分した複数のセクションのうち基材の接触部分と接触したセクションの温度ごとの真円度値を記録したデータテーブルを含むことができる。
【発明の効果】
【0029】
本明細書に開示された実施形態によると、コーティング物質が塗布された基材がコーティングロールによって移送される間、データ取得部が全基材のうちコーティングロールに接触する基材の部分に対して、当該部分に塗布されたコーティング物質の厚さデータを取得するように構成されることで、基材の揺れによって発生する測定誤差を低減することができ、基材に塗布されたコーティング物質の厚さを高精度に測定することができる。
【0030】
また、プロセッサが、複数の格納領域を有する仮想メモリゾーン(virtual memory zone)を生成し、複数の格納領域のうちから選択されるターゲット格納領域に予め格納された補正データに基づいて、データ取得部によって取得された厚さデータを補正するように構成されることで、コーティング厚さの測定値精度をさらに向上させるとともに、コーティング厚さ測定時間を短縮することができる。
【0031】
また、データ取得部が、コーティングロールの温度を示す温度データをさらに取得するように構成され、プロセッサが、ターゲット格納領域に予め格納された補正データと温度データとに基づいて、厚さデータを補正するように構成されることで、温度変化による影響をコーティング厚さの測定値に反映することができ、その結果、コーティング厚さの測定値の精度と信頼度をさらに向上させることができる。
【0032】
また、データ取得部が、コーティング物質の厚さをセンシングするセンシングモジュールとともに、このようなセンシングモジュールの位置を調整する位置調整モジュールを含むことで、センシングモジュールのセンシング位置を最適化することができ、測定対象基材の大きさ、測定対象基材を移送するロールの相対的位置などによって、センシングモジュールの位置を適切に変更することができる。
【0033】
さらに、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者であれば、本発明による様々な実施形態が上記で言及されていない種々の技術的課題を解決できることを、以下の説明から自明に理解できるであろう。
【0034】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割を担うものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の一実施形態によるコーティング厚さ測定装置を示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるコーティングシステムを示す図である。
【
図3】
図2に示すコーティングシステムのコーティング厚さ測定装置を示す図である。
【
図4】本発明によるコーティングシステムに適用可能なコーティングロールを示す断面図である。
【
図5】本発明によるコーティング厚さ測定装置によって生成される仮想メモリゾーンの一例を示す図である。
【
図6】
図5に示す仮想メモリゾーンの補正データ格納状態を示す図である。
【
図7】仮想メモリゾーンの格納領域に格納される補正データの一例を示す図である。
【
図8】
図3に示すコーティング厚さ測定装置の測定準備状態を示す図である。
【
図9】本発明の変形された一実施形態によるコーティング厚さ測定装置を示す図である。
【
図10】
図9に示すコーティング厚さ測定装置の測定準備状態を示す図である。
【
図11】通常の変位センサにより測定されたコーティング厚さ値を示すグラフである。
【
図12】本発明の一実施形態によって補正されたコーティング厚さ値を示すグラフである。
【
図13】本発明の一実施形態によるコーティングシステムを示す図である。
【
図14】本発明の一実施形態によるコーティング厚さ測定方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲において使用される用語や単語は通常的及び辞書的な意味に限定して解釈されるものではなく、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応じた意味及び概念で解釈されるものである。
【0037】
したがって、本明細書に記載された実施形態に示された構成は、本発明の最も望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想の全てを表すものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解されたい。
【0038】
図1において、本発明の一実施形態によるコーティング厚さ測定装置10がブロック図に示されている。
【0039】
図1に示すように、本発明の一実施形態によるコーティング厚さ測定装置10は、データ取得部100及びプロセッサ200を含む。実施形態によって、コーティング厚さ測定装置10は、出力部300をさらに含むことができる。
【0040】
データ取得部100は、コーティング物質が塗布された基材がコーティングロールによって移送される間、全基材のうちコーティングロールに接触する基材の接触部分に対して、当該接触部分に塗布されたコーティング物質の厚さを示す厚さデータを取得するように構成される。このために、データ取得部100は、コーティング物質の厚さをセンシングしてコーティング物質の厚さデータを生成するセンシングモジュール110と、このようなセンシングモジュール110の位置を調整する位置調整モジュール120とを含むことができる。
【0041】
基材は、二次電池の正極又は負極をなす金属箔であるか、二次電池のセパレータをなす多孔性高分子フィルムであり得る。
【0042】
また、基材に塗布されるコーティング物質は、微細な固体粒子と溶媒が混合したスラリー(slurry)状の物質であるか、互いに異なる固体粒子が混合したパウダー(powder)状の物質であり得る。
【0043】
例えば、コーティング物質が電極コーティング用物質の場合、コーティング物質は、電極活物質を含むことができ、実施形態によって高分子バインダー、導電材、フィラーなどを必要に応じてさらに含むことができる。一方、コーティング物質がセパレータコーティング用物質の場合、コーティング物質は無機物粒子を含むことができ、実施形態によって、高分子バインダー、分散剤、耐熱フィラーなどを必要に応じてさらに含むことができる。
【0044】
プロセッサ200は、データ取得部100が厚さデータを取得する前に、複数の格納領域を有する仮想メモリゾーンを生成するように構成される。この場合、仮想メモリゾーンの複数の格納領域は、コーティングロールの外周を位置によって区分した複数のセクションとそれぞれ対応するように構成することができる。このような複数の格納領域には、厚さデータ補正に使用される補正データを分散して格納することができる。
【0045】
このために、データ取得部100は、厚さデータを取得する前に、コーティングロールの全外周を複数のセクションに区分し、各セクションの真円度(roundness)を示す真円度データを取得するように構成され得る。
【0046】
これによって、プロセッサ200は、セクションごとに取得された真円度データを、複数の格納領域にセクションごとに分けて格納することができる。
【0047】
その後、プロセッサ200は、複数の格納領域のうちから選択されるターゲット格納領域に予め格納された補正データに基づいて、データ取得部100によって取得された厚さデータを補正し、補正された厚さデータを生成するように構成される。
【0048】
出力部300は、プロセッサ200によって発生した補正された厚さデータを視覚的、聴覚的又は視聴覚的に出力するように構成され得る。このために、出力部300は、ディスプレイ、プリンター、スピーカなどを必要に応じて含むことができる。
【0049】
一実施形態において、データ取得部100は、コーティングロールの外周を複数のセクションに区分し、複数のセクションのうちから基材の接触部分と接触したセクションを識別するセクション識別データをさらに取得するように構成され得る。
【0050】
この場合、セクション識別データは、セクションごとに付与される識別番号を含む、又はコーティングロールの中心を通る中心線のうち、予め定められた第1中心線と各セクションを通る第2中心線とがなす角度を含むことができる。
【0051】
また、プロセッサ200は、取得された厚さデータを補正する前に、複数の格納領域のうちセクション識別データに対応する格納領域を、ターゲット格納領域として選択し、ターゲット格納領域に予め格納された補正データを用いて取得された厚さデータを補正することができる。
【0052】
例えば、ターゲット格納領域に予め格納された補正データは、複数のセクションのうち基材の接触部分と接触したセクションの真円度値を含むことができる。この場合、プロセッサ200は、取得された厚さデータが示すコーティング厚さ値から、接触したセクションの真円度値による誤差を除去することで、補正された厚さデータを生成することができる。
【0053】
一実施形態において、データ取得部100は、コーティングロールの温度を示す温度データをさらに取得するように構成され得る。このために、データ取得部100は温度センサを含むことができる。この場合、温度センサは、赤外線温度センサのような非接触式温度センサで構成され得る。
【0054】
また、プロセッサ200は、ターゲット格納領域に予め格納された補正データと、データ取得部100によって取得された温度データとに基づいて、取得された厚さデータを補正することができる。
【0055】
この場合、ターゲット格納領域に予め格納された補正データは、コーティングロールの外周を位置ごとに区分した複数のセクションのうち基材の接触部分と接触したセクションの温度ごとの真円度値を記録したデータテーブルを含むことができる。
【0056】
例えば、プロセッサ200は、ターゲット格納領域に予め格納されたデータテーブルより、取得された温度データに対応するセクションの真円度値を確認し、確認された真円度値を用いて取得された厚さデータを補正することができる。すなわち、プロセッサ200は、取得された厚さデータが示すコーティング厚さ値から、確認された真円度値による誤差を除去することで、補正された厚さデータを生成することができる。
【0057】
図2には、本発明の一実施形態によるコーティングシステム2が示されている。
【0058】
図2に示すように、コーティングシステム2は、本発明によるコーティング厚さ測定装置10と、コーティング装置20とを含むことができる。
【0059】
上述のように、コーティング厚さ測定装置10は、コーティング装置20によって基材に塗布されたコーティング物質の厚さを測定するように構成され得る。この場合、コーティング装置20は、基材を支持して移送するコーティングロール22と、このようなコーティングロール22に接触して支持される基材にスラリー状のコーティング物質を吐出(discharge)するコーター(coater)24とを含むことができる。
【0060】
また、コーティング厚さ測定装置10は、
図1を参照して説明されたように、データ取得部100とプロセッサ200とを含むことができる。
【0061】
データ取得部100は、コーティング物質が塗布された基材がコーティングロール22によって支持されて移送される間、全基材のうちコーティングロール22に接触する基材の接触部分に対して、当該接触部分に塗布されたコーティング物質の厚さを示す厚さデータを取得するように構成され得る。このために、データ取得部100は、センシングモジュール110と位置調整モジュール120とを含むことができる。
【0062】
センシングモジュール110は、基材に塗布されたコーティング物質の厚さをセンシングしてコーティング物質の厚さデータを生成するように構成され得る。このために、センシングモジュール110は、厚さセンサ(thickness sensor)を含むことができる。例えば、厚さセンサは、光又はレーザをコーティング物質に照射し、反射した光又はレーザを取得して当該コーティング物質の厚さを測定する変位センサを含むことができる。このような厚さセンサは、センシングモジュール110のハウジングHに結合して支持することができる。
【0063】
位置調整モジュール120は、センシングモジュール110の位置を調整するように構成され得る。すなわち、位置調整モジュール120は、センシングモジュール110の位置を調整し、センシングモジュール110に、コーティングロール22と接触した基材の接触部分に塗布されたコーティング物質の厚さを、厚さセンサによりセンシングさせることができる。
【0064】
このために、位置調整モジュール120は、第1移動ユニット122及び第2移動ユニット124を含むことができる。実施形態によって、位置調整モジュール120は、第3移動ユニット126をさらに含むことができる。
【0065】
第1移動ユニット122は、第1軸(例えば、X軸)に沿ってセンシングモジュール110を移動させるように構成され得る。このために、第1移動ユニット122は、第1アクチュエータ122aと、このような第1アクチュエータ122aによって第1軸方向に移動する第1支持構造体122bとを含むことができる。
【0066】
第2移動ユニット124は、第1軸と交差する第2軸(例えば、Z軸)に沿ってセンシングモジュール110を移動させるように構成され得る。このために、第2移動ユニット124は、第1支持構造体122bに結合する第2アクチュエータ124aと、このような第2アクチュエータ124aによって第2軸方向に移動する第2支持構造体124bとを含むことができる。この場合、センシングモジュール110は、第2移動ユニット124の第2支持構造体124bに結合し得る。
【0067】
第3移動ユニット126は、第1軸及び第2軸とそれぞれ交差する第3軸(例えば、Y軸)に沿ってセンシングモジュール110を移動させるように構成され得る。このために、第3移動ユニット126は、第3軸方向に延びるガイドレール126aと、このようなガイドレール126aに沿って移動可能に構成されたベース構造体126bとを含むことができる。
【0068】
このような第3移動ユニット126のガイドレール126aは、コーター24の外表面(outer surface)に結合および固定することができる。また、第1移動ユニット122の第1アクチュエータ122aは、第3移動ユニット126のベース構造体126bに結合し得る。
【0069】
一方、コーティング厚さ測定装置10は、上述のデータ取得部100を複数含むことができる。この場合、複数のデータ取得部100は、コーティングロール22によって長手方向に移送される基材の幅方向(X軸方向)に、互いに離隔して配置され得る。また、これらデータ取得部同士の間隔は、第3移動ユニット126によって調整することができる。
【0070】
一実施形態において、コーティング厚さ測定装置10は、回転検出モジュール400をさらに含むことができる。回転検出モジュール400は、コーティングロール22の回転角度及び回転速度の少なくとも1つを検出するように構成され得る。このために、回転検出モジュール400は、ロータリーエンコーダを含むことができる。
【0071】
このような回転検出モジュール400は、コーティングロール22の回転角度や回転速度を検出して、コーティングロール22の外周をなす複数のセクションのうち、コーティング物質が塗布された基材の接触部分と接触したセクションを検出し、検出されたセクションを識別するセクション識別データを生成することができる。回転検出モジュール400は、発生したセクション識別データをデータ取得部100に提供することができる。
【0072】
これによって、データ取得部100は、基材の接触部分に塗布されたコーティング物質の厚さデータと、基材の接触部分と接触したセクションのセクション識別データとをプロセッサ200に伝達することができる。このために、データ取得部100は、プロセッサ200と有線又は無線で通信するように構成され得る。
【0073】
プロセッサ200は、仮想メモリゾーンの複数の格納領域のうちからセクション識別データに対応するターゲット格納領域を選択し、ターゲット格納領域に予め格納された補正データに基づいて厚さデータを補正することができる。
【0074】
プロセッサ200は、本発明で求められる様々な制御ロジックを行うために、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置)、ASIC(application-specific integrated circuit、特定用途向け集積回路)、チップセット(chipset)、論理回路、レジスターなどを必要に応じて含むことができる。プロセッサ200によって実行される制御ロジックは、ソフトウェアで実現することができ、当該ソフトウェアは、プロセッサ200に内蔵されたメモリ又はプロセッサ200の外部に位置するメモリに格納することができる。このようなプロセッサ200は、データ取得部100のハウジングHに配置、又はデータ取得部100の外部に位置する所定端末(predetermined terminal)に配置することができる。
【0075】
一実施形態において、コーティング厚さ測定装置10は、基材に対するコーティング工程が行われる前に、補正データ取得手順を行うように構成され得る。
【0076】
この場合、データ取得部100は、コーティング工程が行われる前に、変位センサを用いてコーティングロール22の各セクションの真円度値を示す真円度データを取得し、各セクションの真円度データとセクション識別データとをプロセッサ200に伝送することができる。
【0077】
これによって、プロセッサ200は、データ取得部100から伝送される真円度データとセクション識別データとを、仮想メモリゾーンの複数の格納領域にセクションごとに分離して格納することができる。
【0078】
また、コーティング厚さ測定装置10は、コーティングロール22の温度を変化させて上述の補正データ取得手順を繰り返すことができる。
【0079】
一実施形態において、コーティング厚さ測定装置10は、振動測定モジュール500をさらに含むことができる。振動測定モジュール500は、コーティング装置20によって発生する振動の固有周波数を測定するように構成され得る。このために、振動測定モジュール500は振動センサを含むことができる。
【0080】
このような振動測定モジュール500は、測定された固有周波数に基づいて、振動によって発生するコーティングロール22のセクションごとの誤差に関する補正データを生成し、データ取得部100に提供することができる。これによって、データ取得部100は、セクションごとの誤差に関する補正データをプロセッサ200に伝達し、プロセッサ200は、セクションごとの誤差に関する補正データを、仮想メモリゾーンの複数の格納領域にセクションごとに分離して格納することができる。
【0081】
図3には、
図2に示すコーティングシステムのコーティング厚さ測定装置10が示されている。
【0082】
図3に示すように、コーティング厚さ測定装置10のデータ取得部100は、センシングモジュール110と位置調整モジュール120とを含むことができる。
【0083】
センシングモジュール110は、コーティングロール22の外周に接触した基材BMの接触部分C1のうちの一部分のコーティング厚さを測定することができる。このために、センシングモジュール110は、厚さセンサ112a、112bを含むことができる。
【0084】
一実施形態において、センシングモジュール110の厚さセンサ112a、112bは、非接触式の変位センサで構成され得る。この場合、厚さセンサ112a、112bは、光印加部(light applying unit)112aと光取得部112bとを含むことができる。
【0085】
光印加部112aは、基材BMに塗布されたコーティング物質CMの表面に光又はレーザを印加するように構成され得る。このために、光印加部112aは、ハウジングHの内部に備えられた光源と、このような光源によって発生した光を基材BMの表面に印加するレンズとを含むことができる。
【0086】
特に、光印加部112aは、全基材BMのうちでコーティングロール22に接触した基材BMの接触部分C1に光を印加するように構成され得る。例えば、
図3において、コーティングロール22に接触した基材BMの部分は、コーティングロール22の垂直方向の中心線L1を基準に左側に位置する部分であり、当該部分のうちコーティング厚さ測定対象となる接触部分C1は、水平方向中心線L2を基準に上側に位置する部分である。
【0087】
光取得部112bは、光印加部112aによって印加され、コーティング物質CMの表面で反射した光を取得するように構成され得る。このために、光取得部112bは、反射した光又はレーザを収集するように構成されたレンズと、フォトダイオード(Photo Diode)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor、相補型金属酸化膜半導体)などの受光素子を含むことができる。この場合、コーティング物質CMの表面で反射して受光レンズを通過した光は、ハウジングHの内部に配置された受光素子に受信され、電気的信号に変換され得る。
【0088】
センシングモジュール110は、光取得部112bによって取得された光に基づいてコーティング物質CMの厚さに関する厚さデータを生成することができる。
【0089】
一例として、センシングモジュール110は、受光素子に受信された光の振幅比又は位相差に対する波長ドメインスペクトルを取得し、これに対して高速フーリエ変換(fast fourier transform)を行うことで、コーティング物質CMの厚さ値を算出することができる。他の一例として、センシングモジュール110は、光印加部112aによって印加され、光取得部112bによって取得される光のTOF(Time Of Flight、飛行時間)を測定し、測定されたTOFを距離に換算してコーティング物質CMの厚さ値を算出することもできる。
【0090】
従来のコーティング厚さ測定装置の場合、コーティングされた基材を移送する2つのロールの間で、空中に浮かんで移動する基材の部分を対象として厚さを測定するため、装置の振動やロール間の真円度のばらつきなどによって基材に揺れが発生し、その結果、当該基材のコーティング厚さを正確に測定することが困難であるという問題がある。
【0091】
一方、本発明によるコーティング厚さ測定装置10は、全基材BMのうち揺れが最小限に抑えられた基材の部分、すなわち、コーティングロール22に接触して支持される基材の接触部分に塗布されたコーティング物質CMの厚さを測定するように構成されることで、基材の揺れによって発生する測定誤差を低減し、測定精度を向上させることができる。
【0092】
例えば、センシングモジュール110は、コーティングロール22に接触して支持される基材BMの接触部分C1のうち曲率(curvature)が最小になる当該接触部分C1の末端部A1に対して、コーティング物質CMの厚さを測定するように構成され得る。このように、揺れが少なく、曲率が最小になる接触部分C1の末端部A1を対象としてコーティング厚さを測定することで、測定精度をさらに向上させることができる。
【0093】
一実施形態において、センシングモジュール110は、コーティングロール22の温度をセンシングする温度センサ114をさらに含むことができる。このような温度センサ114は、赤外線温度センサのような非接触式温度センサで構成され得る。
【0094】
また、コーティング厚さ測定装置10のプロセッサ200は、仮想メモリゾーンの複数の格納領域のうちのターゲット格納領域に予め格納された補正データと、温度センサ114により取得された温度データとに基づいて、データ取得部100によって取得された厚さデータを補正することができる。
【0095】
この場合、ターゲット格納領域に予め格納された補正データは、コーティングロール22の外周を位置ごとに区分した複数のセクションのうち、基材の厚さ測定対象部分と接触したセクションの温度ごとの真円度値を記録したデータテーブルを含むことができる。
【0096】
例えば、プロセッサ200は、ターゲット格納領域に予め格納されたデータテーブルの中から、取得された温度データに対応するセクションの真円度値を確認し、確認された真円度値を用いて取得された厚さデータを補正することができる。
【0097】
一実施形態において、コーティング厚さ測定装置10は、コーティング検出モジュール116をさらに含むことができる。コーティング検出モジュール116は、基材BMに塗布されたコーティング物質CMを検出するように構成され得る。例えば、コーティング検出モジュール116は、コーティング物質の塗布有無、塗布位置及び塗布されたコーティング物質の幅の少なくとも1つを検出するように構成され得る。このために、コーティング検出モジュール116は、光電センサを含むことができる。
【0098】
この場合、センシングモジュール110は、コーティング検出モジュール116によってコーティング物質CMが検出された後に、コーティング物質CMに対する厚さ測定を開始するように構成され得る。
【0099】
このようなコーティング検出モジュール116は、センシングモジュール110のハウジングHに配置、又はセンシングモジュール110を移動させる第2移動ユニット124の第2支持構造体124bに配置され得る。
【0100】
一方、位置調整モジュール120は、センシングモジュール110がコーティング物質CMの厚さをセンシングする前に、センシングモジュール110の位置を調整することができる。すなわち、位置調整モジュール120は、センシングモジュール110の位置を調整し、センシングモジュール110に、全基材BMのうちコーティングロール22と接触した基材の接触部分に塗布されたコーティング物質CMの厚さをセンシングさせることができる。
【0101】
一実施形態において、位置調整モジュール120は、コーティング検出モジュール116によるコーティング物質検出結果によって、センシングモジュール110の位置を調整するように構成され得る。
【0102】
また、上記で
図2を参照して説明したように、位置調整モジュール120は、第1移動ユニット122及び第2移動ユニット124を含むことができる。実施形態によって、位置調整モジュール120は、第3移動ユニット126をさらに含むことができる。
【0103】
第1移動ユニット122は、第1軸(例えば、X軸)に沿ってセンシングモジュール110を移動させることができる。このために、第1移動ユニット122は、第1アクチュエータ122aと、このような第1アクチュエータ122aによって第1軸方向に移動する第1支持構造体122bとを含むことができる。
【0104】
第2移動ユニット124は、第1軸と交差する第2軸(例えば、Z軸)に沿ってセンシングモジュール110を移動させることができる。このために、第2移動ユニット124は、第1支持構造体122bに結合する第2アクチュエータ124aと、このような第2アクチュエータ124aによって第2軸方向に移動する第2支持構造体124bとを含むことができる。この場合、センシングモジュール110は、第2移動ユニット124の第2支持構造体124bに結合し得る。
【0105】
第3移動ユニット126は、第1軸及び第2軸とそれぞれ交差する第3軸(例えば、Y軸)に沿ってセンシングモジュール110を移動させることができる。このために、第3移動ユニット126は、第3軸方向に延びるガイドレール126aと、このようなガイドレール126aに沿って移動可能に構成されたベース構造体126bとを含むことができる。
【0106】
このような第3移動ユニット126のガイドレール126aは、コーター24の外表面に結合して固定することができる。また、第1移動ユニット122の第1アクチュエータ122aは、第3移動ユニット126のベース構造体126bに結合し得る。
【0107】
一方、コーティング装置20のコーティングロール22はシリンダー形状(cylindrical shape)を有し、その外周に接触する基材BMを支持して移送することができる。
【0108】
また、コーティング装置20のコーター24は、コーティングロール22の外周に接触して支持される基材BMの表面に連続的にコーティング物質CMを塗布することができる。この場合、コーター24は、スロット(slot)を介してスラリー状のコーティング物質CMを吐出するスロットダイコーター(slot die coater)で実現することができる。
【0109】
このようなコーター24は、コーティングロール22の一側に配置され、コーティングロール22に向かってコーティング物質CMを吐出することができる。例えば、コーター24は、コーティングロール22の水平方向中心線L2上に配置されるが、これに限定されない。
【0110】
図4には、本発明によるコーティングシステム2に適用可能なコーティングロールが断面図として示されている。
【0111】
図4に示すように、理想的なコーティングロール(CR
o)の断面は、コーティングロール(CR
o)の回転中心(C
R)を円の中心とし、半径がRの真円形状を有する。
【0112】
しかし、実際のコーティングロールCRの断面は真円でなく、コーティングロールCRのセクションごとに真円度(roundness)による誤差(ΔR1、ΔR2)を有する。よって、実際のコーティングロールCRの外周に接触した基材の部分に対して、当該部分にコーティングされたコーティング物質の厚さを測定する場合、当該測定値に真円度による誤差が含まれ、当該測定値の精度と信頼度が低下する。
【0113】
したがって、本発明の一実施形態によるコーティング厚さ測定装置10は、コーティングロールの外周を複数のセクションに区分し、各セクションの真円度値を示す真円度データを予め取得し、取得された真円度データを含んだ補正データを用いて、追って取得されるコーティング厚さに関する厚さデータを補正することができる。
【0114】
図5には、本発明によるコーティング厚さ測定装置によって生成される仮想メモリゾーンZ1の一例が示されている。
【0115】
図5に示すように、仮想メモリゾーンZ1は、複数の格納領域M1、M2、M3などを有することができる。この場合、複数の格納領域は、コーティングロール22の外周を円周上の位置によって区分した複数のセクションにそれぞれ対応することができる。例えば、コーティングロール22の外周が10万個のセクションに分けられる場合、仮想メモリゾーンZ1は、10万個の格納領域を有することができる。
【0116】
また、それぞれの格納領域には、対応セクションの真円度値を含んだ補正データが格納され得る。
【0117】
図6には、
図5に示す仮想メモリゾーンZ1の補正データの格納状態が示されている。
【0118】
図6に示すように、コーティングロール22の外周を位置ごとに区分した複数のセクションのうちの第1セクションの真円度値(例えば、3.8)は、仮想メモリゾーンZ1の複数の格納領域のうちの第1格納領域M1に格納され得る。
【0119】
また、複数のセクションのうちの第50004セクションの真円度値(例えば、3.4)は、仮想メモリゾーンZ1の複数格納領域のうちの第50004格納領域(M50K4)に格納され得る。
【0120】
このように、コーティングロール22のセクションごとの真円度値は、仮想メモリゾーンZ1の複数の格納領域にセクションごとに区分して格納され得る。
【0121】
図7に仮想メモリゾーンの格納領域に格納される補正データの一例が示されている。
【0122】
図7に示すように、仮想メモリゾーンZ1の各格納領域に格納される補正データは、コーティングロール22の外周を位置ごとに区分した複数のセクションのうち、各格納領域に対応するセクションにおける各温度の真円度値を記録したデータテーブルを含むことができる。
【0123】
例えば、仮想メモリゾーンZ1の第1格納領域に格納されるデータテーブルは、コーティングロール22の複数のセクションのうちの第1格納領域に対応するセクションの温度ごとの真円度値を含むことができる。
【0124】
図8には、
図3に示すコーティング厚さ測定装置10の測定準備状態が示されている。
【0125】
図8に示すように、コーティング厚さ測定装置10のデータ取得部100は、コーティング装置20によって基材BMに塗布されたコーティング物質CMの厚さを測定するため、測定準備動作を行うことができる。
【0126】
すなわち、データ取得部100の位置調整モジュール120は、センシングモジュール110の位置を調整し、センシングモジュール110に、全基材BMのうちコーティングロール22と接触した基材の接触部分C1、特に当該接触部分C1の末端部A1に塗布されたコーティング物質CMの厚さをセンシングさせることができる。参考までに、接触部分C1、又は接触部分C1の末端部A1の位置は、基材BMの移送方向D1、D2によって変わり得る。
【0127】
例えば、位置調整モジュール120の第1移動ユニット122は、センシングモジュール110をX軸に沿って右側に移動させ、接触部分C1の末端部A1の上(above)に位置させることができる。このために、第1移動ユニット122は、第1アクチュエータ122aと、このような第1アクチュエータ122aによってX軸方向に移動する第1支持構造体122bとを含むことができる。
【0128】
その後、位置調整モジュール120の第2移動ユニット124は、センシングモジュール110をZ軸に沿って下方に移動させ、接触部分C1の末端部A1に近接させることができる。このために、第2移動ユニット124は、第1支持構造体122bに結合する第2アクチュエータ124aと、このような第2アクチュエータ124aによってZ軸方向に移動する第2支持構造体124bとを含むことができる。この場合、センシングモジュール110は、第2移動ユニット124の第2支持構造体124bに結合し得る。
【0129】
図9には、本発明の変形された(modified)一実施形態によるコーティング厚さ測定装置が示されている。
【0130】
図9に示すように、本発明の変形された一実施形態によるコーティング厚さ測定装置のデータ取得部100Aは、上述のデータ取得部100のように、センシングモジュール110と位置調整モジュール120とを含むことができる。
【0131】
留意すべき点は、データ取得部100Aの位置調整モジュール120は、回転ユニット128をさらに含むことができる。このような回転ユニット128は、センシングモジュール110を所定の回転軸を中心に一定回転角度の範囲内で回転させる回転ユニット128をさらに含むことができる。このために、回転ユニット128は、サーボモーターと、このようなサーボモーターの駆動力によってセンシングモジュール110を回転させる回転軸とを含むことができる。
【0132】
例えば、垂直方向(Z軸方向)に流入した基材BMがコーティングロール22を経てコーティングされた後、水平方向(X軸方向)と所定の角度(θ)をなして移動する場合、コーティングロール22に接触する基材の接触部分C1’の長さと、当該接触部分C1’の末端部A1’の位置とは
図8とは異なる。すなわち、接触部分C1’の長さは減少し、当該接触部分C1の末端部A1は、垂直方向の中心線L1から反時計回りに所定の角度(θ)だけ離れた地点に位置するようになる。
【0133】
図10には、
図9に示すコーティング厚さ測定装置の測定準備状態が示されている。
【0134】
図10に示すように、位置調整モジュール120の回転ユニット128は、センシングモジュール110を反時計回りに所定の角度(θ)だけ回転させ、基材BMの接触部分C1’のうちの末端部A1’に塗布されたコーティング物質CMの厚さ方向と、センシングモジュール110のセンシング方向とを一致させることができる。
【0135】
すなわち、本発明の変形された一実施形態によるコーティング厚さ測定装置は、様々な構造のコーティングシステムに適用することができ、基材の移送方向に拘わらず、当該基材に塗布されたコーティング物質の厚さを高精度に測定することができる。
【0136】
図11には、通常の変位センサにより測定されたコーティング厚さ値がグラフに示されている。
【0137】
図11に示すように、コーティングロール22の外周がその円周上の位置によって1000個のセクションに分けられる場合、各セクションと接触した基材の接触部分を対象として測定されたコーティング厚さ値は、各セクションの真円度による誤差を含むようになる。その結果、変位センサによって連続的に測定されるコーティング厚さ値は、基材に塗布されたコーティング物質の厚さが実際に均一な場合でも、それぞれ大きい偏差を示すようになる。
【0138】
図12には、本発明の一実施形態によって補正されたコーティング厚さ値がグラフに示されている。
【0139】
図12に示すように、本発明の一実施形態によって補正されたコーティング厚さ値は、測定時のコーティングロールの温度とセクションごとの真円度による誤差を含んでいないため、それぞれ実際のコーティング物質の厚さの差に対応する偏差のみ示している。
【0140】
図13には、本発明の一実施形態によるコーティングシステム2が示されている。
【0141】
図13に示すように、本発明の一実施形態によるコーティングシステム2は、上述のコーティング厚さ測定装置10とコーティング装置20とを含み、実施形態によって管理サーバ30をさらに含むことができる。
【0142】
管理サーバ30は、通信ネットワークを介してコーティング厚さ測定装置10及びコーティング装置20と通信を行い、コーティング厚さ測定装置10及びコーティング装置20を管理するように構成され得る。この場合、通信ネットワークは、LAN(Local Area Network、構内情報通信網)、WAN(Wide Area Network、広域通信網)、移動通信網(mobile radio communication network)、Wibro(Wireless Broadband Internet)などの様々な種類の有線又は無線ネットワークを含むことができる。
【0143】
例えば、管理サーバ30は、コーティング厚さ測定装置10から提供される厚さデータを用いて、コーティング装置20が正常に動作しているか否かを判断することができる。コーティング装置20が異常動作していると判断された場合、管理サーバ30は、ディスプレイやスピーカを介してアラームを発生したり、コーティング装置20を停止させたりすることができる。
【0144】
一実施形態において、管理サーバ30は、コーティング厚さ測定装置10から提供される厚さデータをディスプレイを介して表示し、管理者によって入力されるフィードバック情報をコーティング厚さ測定装置10に伝達するように構成され得る。この場合、コーティング厚さ測定装置10に伝達するフィードバック情報は、厚さデータの補正に使用される補正データの因子(例えば温度、真円度、振動など)のうち1つ又は2つ以上に対する重み情報(weight information)を含むことができる。フィードバック情報を受けたコーティング厚さ測定装置10は、厚さデータの補正時に重み情報を反映することができる。
【0145】
このような管理サーバ30は、デスクトップ(desktop)、ラップトップ(laptop)、又はノートパソコンなどのコンピュータで実現することができるが、これらに限定されず、コンピュータ機能及び通信機能を備えたあらゆる種類のコンピュータ装置で実現することができる。
【0146】
図14には、本発明の一実施形態によるコーティング厚さ測定方法がフロー図に示されている。以下、
図14を参照して上述のコーティング厚さ測定装置10の詳細な動作が時系列で説明される。
【0147】
図14に示すように、基材に塗布されたコーティング物質の厚さを測定するように構成されたコーティング厚さ測定装置10は、基材へのコーティング工程が行われる前に、厚さデータを補正するために使用される補正データを取得する(S10)。
【0148】
すなわち、コーティング厚さ測定装置10のデータ取得部100、100Aは、変位センサを用いてコーティングロール22の各セクションの真円度値を示す真円度データを取得し、各セクションの真円度データとセクション識別データとを含んだ補正データをプロセッサ200に伝送することができる。
【0149】
これによって、コーティング厚さ測定装置10のプロセッサ200は、補正データが分散して格納された複数の格納領域を有する仮想メモリゾーンを生成することができる。例えば、プロセッサ200は、複数の格納領域を有する仮想メモリゾーンを生成し、データ取得部100から伝送される補正データを、仮想メモリゾーンの複数の格納領域にセクションごとに分離して格納することができる。
【0150】
また、コーティング厚さ測定装置10は、コーティングロール22の温度を変化させて上述の補正データ取得手順を繰り返すことができる。
【0151】
その後、コーティング厚さ測定装置10のデータ取得部100、100Aは、コーティング物質が塗布された基材がコーティングロール22によって移送される間、コーティングロール22に接触する基材の接触部分に対して、当該接触部分に塗布されたコーティング物質の厚さを示す厚さデータを取得する(S20)。
【0152】
この場合、データ取得部100の位置調整モジュール120は、データ取得部100、100Aのセンシングモジュール110の位置を調整し、センシングモジュール110に、全基材のうちコーティングロール22と接触した基材の接触部分、特に当該接触部分の末端部に塗布されたコーティング物質の厚さをセンシングさせることができる。
【0153】
また、データ取得部100、100Aは、厚さデータを取得する間、温度センサ114を用いてコーティングロール22の温度を示す温度データをさらに取得することができる(S30)。
【0154】
その後、コーティング厚さ測定装置10のプロセッサ200は、仮想メモリゾーンの複数の格納領域のうちからターゲット格納領域を選択し、ターゲット格納領域に予め格納された補正データに基づいて厚さデータを補正し、補正された厚さデータを生成する(S40)。
【0155】
例えば、プロセッサ200は、仮想メモリゾーンの複数の格納領域のうちのターゲット格納領域に予め格納された補正データと、温度センサ114により取得された温度データとに基づいて、データ取得部100によって取得された厚さデータを補正することができる。
【0156】
このために、ターゲット格納領域に予め格納された補正データは、コーティングロール22の外周を位置ごとに区分した複数のセクションのうち、基材の厚さ測定対象部分と接触したセクションの温度ごとの真円度値を記録したデータテーブルを含むことができる。すなわち、プロセッサ200は、ターゲット格納領域に予め格納されたデータテーブルより、取得された温度データに対応するセクションの真円度値を確認し、確認された真円度値を用いて取得された厚さデータを補正することができる。
【0157】
その後、コーティング厚さ測定装置10は、補正された厚さデータをディスプレイ又はスピーカなどによって出力、又は管理サーバのような外部装置で伝送することができる(S50)。
【0158】
その後、コーティング厚さ測定装置10は、コーティング工程が停止するまで上述の過程を繰り返すことができる(S60)。
【0159】
上述のように、本明細書に開示された実施形態によると、コーティング物質が塗布された基材がコーティングロールによって移送される間、データ取得部が全基材のうちコーティングロールに接触する基材の部分に対して、当該部分に塗布されたコーティング物質の厚さデータを取得するように構成されることで、基材の揺れによって発生する測定誤差を低減することができ、基材に塗布されたコーティング物質の厚さを高精度に測定することができる。
【0160】
また、プロセッサが複数の格納領域を有する仮想メモリゾーンを生成し、複数の格納領域のうちから選択されるターゲット格納領域に予め格納された補正データに基づいて、データ取得部によって取得された厚さデータを補正するように構成されることで、コーティング厚さの測定値の精度をさらに向上させるとともに、コーティング厚さ測定時間を短縮することができる。
【0161】
また、データ取得部が、コーティングロールの温度を示す温度データをさらに取得するように構成され、プロセッサが、ターゲット格納領域に予め格納された補正データと温度データとに基づいて、厚さデータを補正するように構成されることで、温度変化による影響をコーティング厚さの測定値に反映することができ、その結果、コーティング厚さの測定値精度と信頼度をさらに向上させることができる。
【0162】
また、データ取得部が、コーティング物質の厚さをセンシングするセンシングモジュールとともに、このようなセンシングモジュールの位置を調整する位置調整モジュールを含むことで、センシングモジュールのセンシング位置を最適化でき、測定対象基材のサイズ、測定対象基材を移送するロールの相対位置などによって、センシングモジュールの位置を適切に変更することができる。
【0163】
さらに、本発明による実施形態は、当該技術分野だけでなく、関連技術分野で本明細書に言及されている内容以外の他の様々な技術的課題を解決できることは言うまでもない。
【0164】
以上、本発明について具体的な実施形態を参照して説明した。しかし、当業者であれば本発明の技術的範囲において様々な変更形態(modification)が可能であることを明確に理解できるであろう。したがって、上記で開示された実施形態は、限定的な観点でなく説明的な観点で考慮されるべきである。すなわち、本発明の真の技術的思想の範囲は特許請求の範囲に示されており、それと均等範囲内の全ての相違点は本発明に含まれるものと解釈されるべきである。
【国際調査報告】