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特表2024-530792ポリラクチド樹脂組成物、およびその製造方法
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  • 特表-ポリラクチド樹脂組成物、およびその製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】ポリラクチド樹脂組成物、およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08L 67/04 20060101AFI20240816BHJP
   C08K 5/3462 20060101ALI20240816BHJP
   C08L 71/02 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
C08L67/04
C08K5/3462
C08L71/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514066
(86)(22)【出願日】2023-03-15
(85)【翻訳文提出日】2024-03-01
(86)【国際出願番号】 KR2023003453
(87)【国際公開番号】W WO2023182723
(87)【国際公開日】2023-09-28
(31)【優先権主張番号】10-2022-0035551
(32)【優先日】2022-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ヨンジ・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ジョンキュ・イ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・フン・チョ
(72)【発明者】
【氏名】ユジン・アン
(72)【発明者】
【氏名】ソン・ジュン・オ
(72)【発明者】
【氏名】ワン・キュ・オ
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002CF182
4J002CF191
4J002CH052
4J002EU136
4J002FD022
4J002FD202
4J002FD206
4J002GC00
(57)【要約】
本発明は、特定の核剤を組み合わせて使用するポリラクチド樹脂組成物に関し、ポリラクチド樹脂の高分子量のmobilityを相対的に増加させて結晶化度を改善し、同時にポリラクチド樹脂の非結晶領域は低いガラス転移温度を有するようにして、ポリラクチド樹脂組成物のガラス転移温度を低くしながら、同時に結晶化度を改善することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリラクチド樹脂;第1核剤;および第2核剤を含むポリラクチド樹脂組成物において、
前記ポリラクチド樹脂組成物は、結晶化温度を100~130℃の特定の温度(T)にして測定したガラス転移温度(Tg、T)および結晶化度がそれぞれ60℃以下および55%以上であり、
下記の数1のΔTが5以上である、
ポリラクチド樹脂組成物:
【数1】
上記数式1中、
g、Tは、前記ポリラクチド樹脂組成物に対して結晶化温度を前記特定の温度(T)にして測定したガラス転移温度(℃)であり、
g、90は、前記ポリラクチド樹脂組成物に対して結晶化温度を90℃にして測定したガラス転移温度(℃)である。
【請求項2】
前記第1核剤は、ウラシル(uracil)またはオロト酸(orotic acid)である、
請求項1に記載のポリラクチド樹脂組成物。
【請求項3】
前記第1核剤は、前記ポリラクチド樹脂組成物の総重量に対して、0.1~5重量%含む、
請求項1に記載のポリラクチド樹脂組成物。
【請求項4】
前記第2核剤は、ラクチドオリゴマー構造を含む化合物である、
請求項1に記載のポリラクチド樹脂組成物。
【請求項5】
前記第2核剤は、前記ポリラクチド樹脂組成物の総重量に対して、3~25重量%含む、
請求項1に記載のポリラクチド樹脂組成物。
【請求項6】
前記ポリラクチド樹脂組成物は、結晶化温度を120~130℃の特定の温度(T)にして測定したときのガラス転移温度(Tg、T)が56℃以下である、
請求項1に記載のポリラクチド樹脂組成物。
【請求項7】
前記ポリラクチド樹脂組成物は、結晶化温度を120~130℃の特定の温度(T)にして測定したときのガラス転移温度(Tg、T)が50℃以下である、
請求項1に記載のポリラクチド樹脂組成物。
【請求項8】
前記数式1のΔTが6.5以上である、
請求項7に記載のポリラクチド樹脂組成物。
【請求項9】
前記ポリラクチド樹脂の重量平均分子量が70,000~400,000である、
請求項1に記載のポリラクチド樹脂組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年3月22日付の韓国特許出願第10-2022-0035551号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、ガラス転移温度が低く、結晶化度に優れたポリラクチド樹脂組成物およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ポリラクチド(またはポリ乳酸;PLA)樹脂は、バイオ原料に基づいて製造されるもので、製造過程で地球温暖化ガスである二酸化炭素の排出が少なく、また、特定の温度と堆肥化設備によって分解される特徴を有するエコ素材である。また、最近は、廃プラスチックの使用および炭素排出規制への対応方策として、既存の原油ベースの樹脂を代替できる素材の一つとして注目されている。
【0004】
また、ポリラクチド樹脂は、他の生分解性高分子に比べて低価格であり、高い引張強度とモジュラスの特性を有しているというメリットがある。
【0005】
しかし、ポリラクチド樹脂は、rigidな高分子主鎖が短い単位で繰り返され、遅い鎖移動性により結晶化速度が遅くて成形サイクルが長く、これによって生産性が低下する問題点がある。したがって、このような問題点を改善するために、核剤のような物質を導入して生産性と耐熱性を改善させる研究が多く進められている。また、ポリラクチド樹脂は、脆い性質(brittleness)があり、これを改善するためには、ポリラクチド樹脂のT(ガラス転移温度)を低くしなければならない。
【0006】
したがって、ポリラクチド樹脂の結晶性を高めながらも、同時にガラス転移温度を低くする方法が必要であるが、一般的な核剤は、ポリラクチド樹脂の鎖全体の可動性を増加させるため、前記2つの特性を同時に改善するのに限界がある。
【0007】
そこで、本発明では、前記特性を同時に改善するために、後述のように、ポリラクチド樹脂の高分子量の可動性のみ相対的に増加させて結晶化度を改善し、同時にポリラクチド樹脂の非結晶領域は低いガラス転移温度を有するようにする方法を確認して、本発明を完成した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ガラス転移温度が低く、結晶化度に優れたポリラクチド樹脂組成物およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明は、下記のポリラクチド樹脂組成物を提供する:
ポリラクチド樹脂;第1核剤;および第2核剤を含むポリラクチド樹脂組成物において、
前記ポリラクチド樹脂組成物は、結晶化温度を100~130℃の特定の温度(T)にして測定したガラス転移温度(Tg、T)および結晶化度がそれぞれ60℃以下および55%以上であり、
下記の数1のΔTが5以上である、
ポリラクチド樹脂組成物:
【数1】
上記数式1中、
g、Tは、前記ポリラクチド樹脂組成物に対して結晶化温度を前記特定の温度(T)にして測定したガラス転移温度(℃)であり、
g、90は、前記ポリラクチド樹脂組成物に対して結晶化温度を90℃にして測定したガラス転移温度(℃)である。
【0010】
本発明で使用する用語「ポリラクチド樹脂」とは、下記の繰り返し単位を含む単一重合体または共重合体を包括して称するものと定義される。
【化1】
【0011】
前記ポリラクチド樹脂は、ラクチド単量体の開環重合によって前記繰り返し単位を形成する段階を含んで製造され、このような開環重合および前記繰り返し単位の形成工程が完了した後の重合体を、前記「ポリラクチド樹脂」と称することができる。
【0012】
この時、「ラクチド単量体」は、次のように定義される。通常、ラクチドは、L-乳酸からなるL-ラクチド、D-乳酸からなるD-ラクチド、L-形態とD-形態がそれぞれ1つずつからなるmesoラクチドに区分される。また、L-ラクチドとD-ラクチドとが50:50で混合されているものをD,L-ラクチドまたはrac-ラクチドという。これらラクチドのうち光学的純度が高いL-ラクチドまたはD-ラクチドのみを用いて重合を進行させると、立体規則性が非常に高いL-またはD-ポリラクチド(PLLAまたはPDLA)が得られることが知られており、このようなポリラクチドは、光学的純度が低いポリラクチドに比べて結晶化速度が速く、結晶化度も高いことが知られている。ただし、本明細書において、「ラクチド単量体」とは、各形態に応じたラクチドの特性差およびこれから形成されたポリラクチド樹脂の特性差に関係なくすべての形態のラクチドを含むものと定義される。
【0013】
一方、本発明によるポリラクチド樹脂は、一例として、重量平均分子量が70,000~400,000である。
【0014】
本発明は、このようなポリラクチド樹脂に前記第1核剤と第2核剤を共に使用することによって、ポリラクチド樹脂のガラス転移温度を低くし、結晶化度を高めることを特徴とする。
【0015】
前記第1核剤は、ウラシル(uracil)またはオロト酸(orotic acid)である。前記第1核剤は、バイオベースの有機系物質であって、ポリラクチド樹脂に添加されて核生成部位として作用し、高い温度で結晶核の生成を誘発して結晶化度を向上させることができる。
【0016】
好ましくは、前記第1核剤は、前記ポリラクチド樹脂組成物の総重量に対して、0.1~5重量%含まれる。前記含有量が0.1重量%未満の場合には、前記第1核剤の使用効果がわずかであり、前記含有量が5重量%を超えると、ポリラクチド樹脂の固有の物性を阻害する恐れがある。より好ましくは、前記第1核剤は、前記ポリラクチド樹脂組成物の総重量に対して、0.2重量%以上、0.3重量%以上、0.4重量%以上、または0.5重量%以上;4.5重量%以下、4.0重量%以下、または3.5重量%以下含まれる。
【0017】
前記第2核剤は、ラクチド単量体のオリゴマー構造を含む核剤であって、このようなラクチド単量体のオリゴマー構造によってポリラクチド樹脂と相溶性が高く、ポリラクチド樹脂に添加されて可塑剤と類似の役割を果たす。これによって、ポリラクチド樹脂内でフリーボリューム(free volume)を形成し、ポリラクチド樹脂の鎖移動性を向上させて結晶化度を高めることができる。また、ポリラクチド樹脂の高分子量の可動性を相対的に増加させるため、ポリラクチド樹脂の結晶化度を高めながら、同時にポリラクチド樹脂の非結晶領域は低いガラス転移温度を有するようにしてガラス転移温度を低くすることができる。
【0018】
好ましくは、前記第2核剤は、下記の化学式1で表される化合物である:
【化2】
上記化学式1中、
Lは、下記で構成される群より選択されるいずれか1つであり、
【化3】
上記中、
n1は、1~30の整数であり、
Rは、下記の化学式2で表される置換基であり、
【化4】
nは、繰り返し単位数を示し、
R’は、水素、またはアセチルである。
【0019】
前記第2核剤の重量平均分子量は、各ラクチド繰り返し単位数に応じて調節可能である。好ましくは、前記第2核剤の重量平均分子量は、1,000~50,000である。より好ましくは、前記第2核剤の重量平均分子量は、1,100以上、1,200以上、1,300以上、1,400以上、または1,500以上;40,000以下、30,000以下、20,000以下、10,000以下、9,000以下、または8,000以下である。
【0020】
好ましくは、前記第2核剤は、前記ポリラクチド樹脂組成物の総重量対比、3~25重量%含まれる。前記含有量が3重量%未満の場合には、前記第2核剤の使用効果がわずかであり、前記含有量が25重量%を超えると、ポリラクチド樹脂の固有の物性を阻害する恐れがある。より好ましくは、前記第2核剤は、前記ポリラクチド樹脂組成物の総重量対比、3.5重量%以上、4.0重量%以上、または4.5重量%以上;24重量%以下、23重量%以下、22重量%以下、または21重量%以下含まれる。
【0021】
特に、前記ポリラクチド樹脂組成物は、結晶化温度を100~130℃の特定の温度(T)にして測定したガラス転移温度(Tg、T)および結晶化度がそれぞれ60℃以下および55%以上であることを特徴とする。
【0022】
本発明で使用する用語「結晶化温度」とは、前記ガラス転移温度を測定するために、ポリラクチド樹脂組成物を所定の温度で溶融させた後、冷却する時の温度を意味する。具体的には、ポリラクチド樹脂組成物を200℃で溶融させた後、40℃/minの冷却速度で120℃まで冷却する時、前記120℃を「結晶化温度」という。次に、前記結晶化温度で60分間等温を維持した後、40℃/minの冷却速度で-50℃まで冷却させ、10℃/minの等温速度で200℃まで昇温してセカンドヒーティングサーモグラム(2nd heating thermogram)を測定し、セカンドヒーティングサーモグラムでのhalf-height typeをガラス転移温度(Tg、T)と定義した。具体的には、図1は、後述する実施例5の2nd heating thermogramであって、図1のようにガラス転移過程でポリラクチドの熱容量C(heat capacity)が変化するため、ベースライン(baseline)が転移(shift)されて観察される。この時、2つのベースラインのhalf-heightの時の温度をガラス転移温度と定義した。また、結晶化度(%)も、セカンドヒーティングサーモグラム内の吸熱ピークの面積から計算し、前記ガラス転移温度および結晶化度の具体的な測定方法は、以下の実施例に具体化することができる。
【0023】
好ましくは、前記ポリラクチド樹脂組成物は、結晶化温度を120~130℃の特定の温度(T)にして測定したガラス転移温度(Tg、T)が56℃以下である。つまり、本発明によるポリラクチド樹脂組成物は、結晶化温度に影響を受け、このような結晶化温度を120~130℃にした時、ガラス転移温度(Tg、T)がさらに低くなるという特徴がある。より好ましくは、前記ポリラクチド樹脂組成物は、結晶化温度を120~130℃の特定の温度(T)にして測定したときのガラス転移温度(Tg、T)が50℃以下となる。一方、前記ガラス転移温度(Tg、T)の下限は、一例として、40℃以上、41℃以上、42℃以上、43℃以上、44℃以上、または45℃以上である。
【0024】
また、前記ポリラクチド樹脂組成物は、下記の数式1のΔTが5以上である。前記数式1は、本発明によるポリラクチド樹脂組成物が結晶化温度を90℃にして測定したガラス転移温度に比べて、結晶化温度を前記特定の温度(T)にして測定したガラス転移温度が低くなる程度を意味するもので、前記値が高いほどガラス転移温度が低くなることを意味する。好ましくは、前記数式1のΔTが5.5以上、6.0以上、または6.5以上である。また、好ましくは、前記数式1のΔTが15以下、14以下、13以下、12以下、または11以下である。
【0025】
一方、上述した本発明によるポリラクチド樹脂組成物の製造方法は、上述したポリラクチド樹脂、第1核剤、および第2核剤を混合する方法であれば特に制限されない。一例として、前記各成分は、melt blending方法で製造することができる。
【発明の効果】
【0026】
上述した本発明によるポリラクチド樹脂組成物は、ガラス転移温度が低く、結晶化度に優れて、ポリラクチド樹脂組成物の加工性が改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明においてガラス転移温度を測定する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を下記の実施例でより詳細に説明する。ただし、下記の実施例は本発明の実施形態を例示するものに過ぎず、本発明の内容が下記の実施例によって限定されるものではない。
【0029】
製造例:第2核剤(P10-A-002製造)
PEG-1000(P10)を開始剤として用いてoligomerを製造した。具体的には、20mL vialにラクチド:P10のモル比が8:1(モル比)で合計4.5gとなるようにそれぞれ入れて、Sn(Oct)2触媒を0.1~0.2wt%となるように投入した後、130℃で4時間反応させた。温度を120℃に調節した後、無水酢酸(末端基のOH基対比4当量)を投入し、12時間反応を追加的に進行させた。反応終了後、真空乾燥で副生成物の酢酸および残留無水酢酸を除去して、末端基がアセチル基で置換された構造を有する第2核剤を製造し、これをP10-A-002と名付け、重量平均分子量は以下の表1に示した。
【0030】
実施例および比較例
PLA pellet(NatureWorks社の4032D;重量平均分子量約200,000)65g、および第1核剤を下記表1に記載の各含有量により混合した。これをHaake mixerに入れて、180℃で5分間60rpmで混合した。これに、下記表1に記載の第2核剤を各含有量により入れて、180℃で5分間60rpmで混合した。この時、下記表1中、第1核剤および第2核剤の含有量は、PLA樹脂、第1核剤および第2核剤の総含有量に対する重量パーセント(wt%)を意味する。
【0031】
実験例
前記製造したポリラクチド樹脂組成物に対して、以下の方法で物性を測定した。
1)重量平均分子量
先に製造した第2核剤に対して、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)装置を用いて数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を算出し、オリゴマーの分子量分布(Mw/Mn)を測定し、具体的な測定条件は下記の通りである。
-カラム:PLgel Mixed Ex2
-溶媒:THF
-流速:0.7mL/min
-試料濃度:3.0mg/mL
-注入量:100μl
-カラム温度:40℃
-Detector:Waters 2414 RID
-Standard:PS(ポリスチレン)
【0032】
2)DSC(示差走査熱量計)
実施例および比較例で製造したポリラクチド樹脂組成物それぞれに対して、熱履歴を消去するために、200℃で20分間完全に溶融させた。次に、下記表1の結晶化温度まで40℃/minの冷却速度で冷却させた。前記結晶化温度で60分間等温維持後、40℃/minの冷却速度で-50℃まで冷却させた。再び10℃/minの昇温速度で200℃まで昇温して2nd heating thermogram観察した。この時、Tg、Tは、half-height typeで定義し、結晶化度(%)は、以下の式を用いて計算した(100%crystalline PLA ΔHm=93J/g)。wは、核剤の含有量(例えば、5wt%の場合、wは0.05)をいう。
【0033】
-結晶化度:((2nd thermogram内の吸熱peakの面積、ΔHm-cold crystallizationの発熱peak面積、ΔHcc)/(1-w)*(100%crystalline PLA ΔHm))*100
また、前記と同様の過程を進行させ、結晶化温度を90℃にしてTg、90を測定した後、下記の数1のΔTを計算した。
【数2】
上記数1中、
g、Tは、前記ポリラクチド樹脂組成物に対して結晶化温度を前記特定の温度(T)にして測定したガラス転移温度(℃)であり、
g、90は、前記ポリラクチド樹脂組成物に対して結晶化温度を90℃にして測定したガラス転移温度(℃)である。
【0034】
前記結果を下記表1に示した。
【表1】
【0035】
前記表1および2に示されているように、本発明により第1核剤と第2核剤を同時に使用した実施例の場合、比較例に比べてガラス転移温度を低くすることができ、結晶化度が改善されることを確認することができた。
図1
【国際調査報告】