(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-27
(54)【発明の名称】高解像度、マルチ電子ビーム装置
(51)【国際特許分類】
H01J 37/21 20060101AFI20240820BHJP
H01J 37/10 20060101ALI20240820BHJP
H01J 37/248 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
H01J37/21 B
H01J37/10
H01J37/248 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575883
(86)(22)【出願日】2022-08-25
(85)【翻訳文提出日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 US2022041432
(87)【国際公開番号】W WO2023028181
(87)【国際公開日】2023-03-02
(32)【優先日】2021-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン シンロン
【テーマコード(参考)】
5C101
【Fターム(参考)】
5C101AA03
5C101BB10
5C101EE03
5C101EE14
5C101EE17
5C101EE27
5C101EE38
5C101EE47
5C101EE59
5C101EE64
5C101EE65
5C101EE70
5C101FF02
5C101GG37
(57)【要約】
電子ビームシステム100では、ウィーンフィルタ104は、トランスファーレンズ103とステージ111との間の電子ビーム101の経路内にある。システム100は、ウィーンフィルタ104とステージ111との間に接地電極110、接地電極110とステージ111との間に電荷制御板108、および接地電極110と電荷制御板108との間に加速電極109を含む。システム100は、磁気的または静電的であってもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
中間像平面の下流の、電子ビームの経路内に配設されたトランスファーレンズと、
前記電子ビームの前記経路内に配設されたステージであって、ウェハを保持するように構成された、ステージと、
前記トランスファーレンズと前記ステージとの間の、前記電子ビームの前記経路内に配設されたウィーンフィルタと、
前記ウィーンフィルタと前記ステージとの間の、前記電子ビームの前記経路内に配設された接地電極と、
前記接地電極と前記ステージとの間の、前記電子ビームの前記経路内に配設された電荷制御板と、
前記接地電極と前記電荷制御板との間の、前記電子ビームの前記経路内に配設された加速電極と
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記トランスファーレンズの下流の、前記電子ビームの前記経路内に配設された対物レンズをさらに備え、
前記対物レンズは、前記トランスファーレンズにより近い上部ポールピースと、前記ステージにより近い下部ポールピースとを含み、前記上部ポールピースは、前記電子ビームが通るように方向付けられる第1の開口を画定し、前記下部ポールピースは、前記電子ビームが通るように方向付けられる第2の開口を画定し、
前記電荷制御板は、前記第2の開口内に配設され、
前記接地電極は、前記第1の開口内に配設されること
を特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムであって、前記対物レンズは、磁気対物レンズであることを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであって、前記対物レンズは、静電対物レンズであることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、前記加速電極は、前記接地電極から第1の距離だけ間隔が空けられ、前記加速電極は、前記電荷制御板から第2の距離だけ間隔が空けられ、前記第1の距離は、15mm~20mmであり、前記第2の距離は、約20mm~25mmであることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムであって、前記加速電極は、前記電子ビームの前記経路の方向に、12mm~16mmの厚さを有することを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムであって、前記加速電極は、前記電子ビームが通過する穴を画定し、前記穴は、15mm~25mmの直径を有することを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムであって、六角形検出器アレイをさらに備えることを特徴とするシステム。
【請求項9】
方法であって、
電子ビームを発生させることと、
中間像平面の下流に位置するトランスファーレンズを通して、前記電子ビームを方向付けることと、
前記トランスファーレンズの下流に位置するウィーンフィルタを通して、前記電子ビームを方向付けることと、
前記ウィーンフィルタの下流に位置する接地電極を通して、前記電子ビームを方向付けることと、
前記接地電極の下流に配設された加速電極を通して、前記電子ビームを方向付けることと、
前記加速電極の下流に位置する電荷制御板を通して、前記電子ビームを方向付けることと、
前記電荷制御板の下流に位置するステージ上のウェハに、前記電子ビームを方向付けることと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、前記トランスファーレンズの下流に位置する対物レンズを通して前記電子ビームを方向付けることをさらに含み、前記対物レンズは、前記トランスファーレンズにより近い上部ポールピースと、前記ステージにより近い下部ポールピースとを含み、前記上部ポールピースは、前記電子ビームが通るように方向付けられる第1の開口を画定し、前記第2のポールピースは、前記電子ビームが通るように方向付けられる第2の開口を画定することを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、前記電荷制御板は、前記第2の開口内に配設され、前記接地電極は、前記第1の開口内に配設されることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項10に記載の方法であって、前記対物レンズは、前記電子ビームを前記ウェハ上に集束させるように構成されることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項10に記載の方法であって、前記電子ビームは、第2の電子ビームとのクロスオーバを通して方向付けられ、前記クロスオーバは、前記対物レンズからの像距離に配置されることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項10に記載の方法であって、解像度を増加させるように、前記ウェハに対する前記対物レンズの主平面の位置を選択することをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項9に記載の方法であって、前記加速電極に印加される加速電圧は、ビームクロスオーバの周りでビームエネルギーを増加させるように構成されることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項9に記載の方法であって、クーロン相互作用効果を低減するように構成された前記電子ビームに対するクロスオーバビームエネルギーを選択することをさらに含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子ビームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造業の進化は、歩留まり管理、および特に計測学および検査システムに、より大きな需要を呈している。限界寸法は縮小し続けている一方、産業界は高歩留まり、高価値生産を達成する時間を低減させる必要がある。歩留まり問題の検出から、それを修正するまでの合計時間を最小にすることが、半導体製造業者に対する投資利益率を決定する。
【0003】
論理およびメモリデバイスなど、半導体デバイスを製作することは、通常、半導体デバイスの様々なフィーチャおよび複数の階層を形成するために、多数の製作プロセスを用いて半導体ウェハを処理することを含む。例えば、リソグラフィは、パターンをレチクルから、半導体ウェハ上に配置されたフォトレジストに移すことが関わる半導体製作プロセスである。半導体製作プロセスの追加の例は、化学機械研磨(CMP)、エッチング、堆積、およびイオン注入を含むが、それらに限定されない。単一の半導体ウェハ上に製作された複数の半導体デバイスの配列は、個々の半導体デバイスに分離され得る。
【0004】
製造プロセスでのより高い歩留まり、および従ってより高い利益を促進するように、ウェハ上の欠陥を検出するために、半導体製造の間の様々なステップで検査プロセスが用いられる。検査は、常に、集積回路(IC)などの半導体デバイスの製作の重要な部分となっている。しかし、半導体デバイスの寸法が減少するのに従って、より小さな欠陥がデバイスを故障させ得るので、受け入れ可能な半導体デバイスの満足できる製造のために、検査はさらにいっそう重要になる。例えば、半導体デバイスの寸法が減少するのに従って、半導体デバイスでは、比較的小さな欠陥であっても望ましくない異常を引き起こし得るので、減少するサイズの欠陥の検出が必要になっている。
【0005】
しかし、設計ルールが縮小するのに従って、半導体製造プロセスは、プロセスの性能能力に対する限界のより近くで動作するようになり得る。加えて、設計ルールが縮小するのに従って、より小さな欠陥がデバイスの電気的パラメータに影響を及ぼし得るようになり、これはより高感度の検査を促進する。設計ルールが縮小するのに従って、検査によって検出される潜在的に歩留まりに関係する欠陥の母集団は、劇的に増大し、検査によって検出される厄介な欠陥の母集団も、劇的に増大する。従って、ウェハ上により多くの欠陥が検出され得るようになり、欠陥のすべてを除去するようにプロセスを補正することが、困難で、費用のかかるものとなり得る。欠陥のどれが、実際にデバイスの電気的パラメータおよび歩留まりに影響を及ぼすかを決定することは、プロセス制御方法が、殆どその他を無視しながらそれらの欠陥に集中されることを可能にし得る。さらに、より小さな設計ルールでは、いくつかの場合には、プロセスによって誘起される故障は、系統的となる傾向がある。すなわり、プロセスによって誘起される故障は、設計内において、しばしば複数回繰り返される、所定の設計パターンで故障する傾向がある。空間的に系統的な、電気的に関係する欠陥を除去することは、歩留まりに影響を与え得る。
【0006】
電子ビームシステムは、検査のために用いられ得る。以前は、電子源(例えば、熱電界放出または冷陰極電界放出源)は、陰極先端から電子を放射し、次いで電子は、ガンレンズ(GL)によって、より大きなサイズの電子ビームに集束された。高いビーム電流を運ぶ電子ビームは、マイクロ開口アレイ(μAA)を照射するように、ガンレンズによって、テレセントリックビームにコリメートされた。マイクロ開口アレイ内の開口の数が、ビームレットの数を決定するようになる。マイクロ開口アレイの穴部は、六角形の形に分布され得る。
【0007】
ガンレンズに続くビーム制限開口(BLA)は、開口アレイの照射において全ビーム電流を選択するために用いられ、マイクロ開口アレイは、各単一のビームレットに対するビーム電流を選択するために用いられた。マイクロレンズアレイ(MLA)は、各ビームレットを、中間像平面(IIP)上に集束させるために配備された。マイクロレンズ(μL)は、磁気レンズまたは静電レンズであってもよい。磁気マイクロレンズは、コイル励振または永久磁石によってパワー供給される、いくつかの磁気ポールピースであってもよい。静電マイクロレンズは、静電アインツェルレンズまたは静電加速/減速同一電位レンズであってもよい。
【0008】
ウェハを検査および審査するために、各一次ビームレット電子の衝撃による、ウェハから放射される二次電子(SE)および/または後方散乱電子(BSE)は、光軸から分割され、ウィーンフィルタによって検出システムに向かって偏向され得る。
【0009】
全マルチビーム(MB)数(MB
tot)は、以下の式1によってスケーリングされ得る。
【数1】
【0010】
Mxは、x軸内のすべてのビームレットの数である。例えば、六角形に分布したビームレットの5個のリング内では、x軸内のすべてのビームレットの数は、Mx=11であり、全ビームレットの数は、MBtot=91となる。10個のリング内では、Mx=21、およびMBtot=331である。
【0011】
ウェハ検査および審査のための、マルチ電子ビーム装置のスループットは、ビームレットの数(MBtot)によって制限される傾向がある。各ビームレットの解像度は、クロスオーバ領域の周りの高密度の電子間の強いクーロン相互作用が、必然的に光学的ぼやけを発生させるので、投影光学系内のビームクロスオーバ(xo)によってゲートされ得る。ビームレットがより多いほど(すなわち、全ビーム電流が高いほど)、各ビームレット解像度は、より悪化するようになる。これは、マルチビーム解像度に対する、電子間のクーロン相互作用の影響を反映する。従って、マルチ電子ビームシステムの解像度は、中間像平面からウェハまでの、投影光学系によって制限され得る。
【0012】
マルチ電子ビーム装置のスループットは、サブビームの数、または全電子ビームレットの数によって特徴付けられる。ビームレット数が大きいほど、スループットは高くなる。しかし、ビームレットの数を増加させることは、ビームレットの解像度によって制限され得る。一般に、マルチ電子ビーム装置内のビームレットが多いほど(または全ビーム電流が高いほど)、各ビームレットの解像度は、より悪化するようになる。すべてのビームレット(またはすべての全ビーム電流電子)は、電子間の強いクーロン相互作用が起こり、ビームレット解像度を劣化させる、ビーム「クロスオーバ」を形成するように、光学的に集合し得る。クロスオーバ(xo)は、ビームレット電流が集合する所であり、これは電子間のクーロン相互作用を引き起こす。物理的に、以下の式2によって与えられる電子の統計的偏向が存在する。
【数2】
【0013】
Δαxoは、クロスオーバ平面内の統計的偏向の角度であり、BCは、全ビーム電流、BExoは、クロスオーバの周りのビームエネルギー、およびθは、クロスオーバ角度である。電子間のクーロン相互作用による統計的偏向は、ウェハにおいてビームスポットぼやけを光学的に発生させ、ΔSSは、以下の式3を用いて与えられ得る。
ΔSS≒f×Δαxo (3)
【0014】
fは、対物レンズの像側(ウェハ側)での、焦点距離(または像距離)である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許出願公開第2021/0116398号
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0243906号
【特許文献3】米国特許出願公開第2014/0264062号
【特許文献4】国際公開第2021/053824号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
これらの欠点および制限に対処するために、改善されたシステムおよび技術が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
第1の実施形態では、システムがもたらされる。トランスファーレンズは、中間像平面の下流の、電子ビームの経路内に配設される。ステージは、電子ビームの経路内に配設される。ステージは、ウェハを保持するように構成される。ウィーンフィルタは、トランスファーレンズとステージとの間の、電子ビームの経路内に配設される。接地電極は、ウィーンフィルタとステージとの間の、電子ビームの経路内に配設される。電荷制御板は、接地電極とステージとの間の、電子ビームの経路内に配設される。加速電極は、接地電極と電荷制御板との間の、電子ビームの経路内に配設される。
【0018】
システムは、トランスファーレンズの下流の電子ビームの経路内に配設された対物レンズをさらに含むことができる。対物レンズは、トランスファーレンズにより近い上部ポールピースと、ステージにより近い下部ポールピースとを含む。上部ポールピースは、電子ビームが通るように方向付けられる第1の開口を画定する。第2のポールピースは、電子ビームが通るように方向付けられる第2の開口を画定する。電荷制御板は、第2の開口内に配設される。接地電極は、第1の開口内に配設される。この場合は、対物レンズは、磁気対物レンズであってもよい。
【0019】
対物レンズはまた、静電対物レンズであってもよい。
【0020】
加速電極は、接地電極から第1の距離だけ間隔が空けられ、電荷制御板から第2の距離だけ間隔が空けられ得る。第1の距離は、15mm~20mmであってもよく、第2の距離は、約20mm~25mmであってもよい。
【0021】
加速電極は、電子ビームの経路の方向に、12mm~16mmの厚さを有することができる。
【0022】
加速電極は、電子ビームが通過する穴を画定することができる。穴は、15mm~25mmの直径を有することができる。
【0023】
システムは、六角形検出器アレイをさらに含むことができる。
【0024】
第2の実施形態では、方法がもたらされる。方法は、電子ビームを発生させることを含む。電子ビームは、中間像平面の下流に位置するトランスファーレンズと、トランスファーレンズの下流に位置するウィーンフィルタと、ウィーンフィルタの下流に位置する接地電極と、接地電極の下流に配設された加速電極と、加速電極の下流に位置する電荷制御板とを通して、方向付けられる。電子ビームは、電荷制御板の下流に位置するステージ上のウェハに方向付けられる。
【0025】
方法は、トランスファーレンズの下流に位置する対物レンズを通して、電子ビームを方向付けることをさらに含むことができる。対物レンズは、トランスファーレンズにより近い上部ポールピースと、ステージにより近い下部ポールピースとを含む。上部ポールピースは、電子ビームが通るように方向付けられる第1の開口を画定する。第2のポールピースは、電子ビームが通るように方向付けられる第2の開口を画定する。電荷制御板は、第2の開口内に配設されることができ、接地電極は、第1の開口内に配設され得る。
【0026】
対物レンズは、電子ビームをウェハ上に集束させるように構成され得る。
【0027】
電子ビームは、第2の電子ビームとのクロスオーバを通して方向付けられることができる。クロスオーバは、対物レンズからの像距離に配置され得る。
【0028】
方法は、解像度を増加させるように、ウェハに対する対物レンズの主平面の位置を選択することをさらに含むことができる。
【0029】
加速電極に印加される加速電圧は、ビームクロスオーバの周りでビームエネルギーを増加させるように構成され得る。
【0030】
方法は、クーロン相互作用効果を低減するように構成された電子ビームに対するクロスオーバビームエネルギーを選択することをさらに含むことができる。
【0031】
本開示の本質および目的のより十分な理解のために、添付の図面と併せ読まれる以下の詳細な説明への参照がなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】磁気加速対物レンズを用いたシステムの第1の実施形態の図である。
【
図2】加速電圧による解像度改善を示すグラフである。
【
図3】静電加速対物レンズを用いたシステムの第2の実施形態の図である。
【
図4】
図3の実施形態を用いたIIPからウェハへのマルチビーム投影を示すレイトレーシングシミュレーションの図である。
【
図5】
図3の実施形態を用いた性能を示すグラフである。
【
図6】ウェハから第1の像平面への画像形成関係による、二次電子ビームレットレイトレーシングを示す図である。
【
図7】二次電子ビームレットを収集するための例示的六角形検出器アレイの図である。
【
図8】
図3の加速静電対物レンズの実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
特許請求される主題は、ある特定の実施形態に関して述べられるが、本明細書に記載される恩恵および特徴のすべてはもたらさない実施形態を含む他の実施形態も、本開示の範囲内である。様々な構造的、論理的、プロセスステップ、および電子的変更が、本開示の範囲から逸脱せずになされ得る。従って、本開示の範囲は、添付の「特許請求の範囲」を参照することによってのみ定義される。
【0034】
電子ビームは、ナノメートルの限界寸法(CD)レベルでの、完成したまたは未完成の集積回路構成要素を調査するためなど、ウェハ検査および審査のために用いられ得る。単一電子ビーム装置のスループットは、かなり低いので、スループットを高めるためにマルチ電子ビームシステムが用いられ得る。クロスオーバは、解像度を縮小することができるので、マルチビーム解像度を改善すること(例えば、統計的ぼやけΔSSを低減すること)は、全ビーム電流とクロスオーバ角度θとを不変に保ちながら、クロスオーバの周りのビームエネルギー(BExo)を高めること、および対物レンズとウェハとの間の対物レンズ像距離(f)を狭くすることによって達成され得る。クロスオーバ角度θは、ビームレット分布と、ビームレットの間の間隔を反映する。
【0035】
図1は、システム100の第1の実施形態である。電子源は、電子ビーム101を発生させる。単一の電子ビーム101が示されるが、2つ以上の電子ビームが、システム100を通過することができる。複数の電子ビームによって、ウィーンフィルタ104と対物レンズ112との間、または対物レンズ112内など、中間像平面102とステージ111との間に、クロスオーバが存在し得る。対物レンズ112は、接地電極110と電荷制御板108との間に、加速電極109を含むことによって、加速対物レンズとして設計される。加速電極109は、集束電極として機能することができる。加速電極109には、ビームクロスオーバの周りのビームエネルギー(BE)を高めるため、および光学的に対物レンズ112を、ウェハ107により近く位置決めする(すなわち、対物レンズ112像距離fを狭くする)ために、加速電圧(V
a)が印加される。
【0036】
システム100は、中間像平面102の下流の電子ビーム101の経路内に、トランスファーレンズ103を含む。電子ビーム源は、中間像平面102の上流に位置する。ステージ111は、電子ビーム101の経路内にウェハ107を保持するように構成される。
【0037】
トランスファーレンズ103は、静電レンズまたは磁気レンズであってもよい。トランスファーレンズ103は、マルチビームを集束させて、
図1の加速電極の周りにクロスオーバを形成するために用いられる。磁気トランスファーレンズ103は、静電トランスファーレンズ103と比べて、マルチビーム投影光学系での、低減された軸外の光学的ぼやけによる、改善された結果をもたらし得るが、システム100では、いずれのタイプのトランスファーレンズも用いられ得る。
【0038】
ウィーンフィルタ104は、トランスファーレンズ103とステージ111との間の、電子ビーム101の経路内に配設される。一例では、ウィーンフィルタ104は、EXBウィーンフィルタである(すなわち、静電偏向場は、磁気偏向場と垂直である)。大きなサイズのマルチビームのために、大きな領域内に一様な偏向場を形成するように、静電および磁気偏向場は、八極偏向器を用いてすべて発生され得る。八極の内径および高さは、およそ48mm~80mmであってもよい。ウィーンフィルタ強度(電圧および電流)は、二次電子を約10~20度、偏向させるように選択され得る。
【0039】
検出器(図示せず)は、電子ビーム101の経路に沿って、ウィーンフィルタ104の上流に位置し得る。例えば、検出器は、ウィーンフィルタ104とトランスファーレンズ103の間にあってもよい。検出器はまた、電子ビーム101の経路に沿って、トランスファーレンズの上流に位置し得る。
【0040】
接地電極110は、ウィーンフィルタ104とステージ111との間の、電子ビーム101の経路内に配設される。接地電極110は、ポールピースまたはウィーンフィルタ104など、他の構成要素に対する保持器であってもよい。接地電極110はまた、他の構成要素を整列させるための基準として用いられ得る。光学的には、接地電極110は、静電界に対する境界であってもよい。
【0041】
電荷制御板(CCP)108は、接地電極110とステージ111との間の、電子ビーム101の経路内に配設される。電荷制御板108は、薄い導電板であってもよい。一例では、電荷制御板108は、約1mm~5mmの穴径を有して、厚さ約1mmである。電荷制御板108は、ウェハ107の表面に、電気的抽出フィールドを形成することができる。フィールドは、例えば、0V/mm~2000V/mmであってもよい。
【0042】
加速電極109は、接地電極110と電荷制御板108との間の、電子ビーム101の経路内に配設される。
【0043】
図1の例では、対物レンズ112は、磁気対物レンズである。システム100はまた、トランスファーレンズ103の下流の、電子ビーム101の経路内に配設された、対物レンズ112を含むことができる。対物レンズ112は、トランスファーレンズ103により近い上部ポールピース105と、ステージ111により近い下部ポールピース106とを含む。上部ポールピース105は、電子ビーム101がそれを通って方向付けられる、第1の開口113を画定する。第2のポールピース106は、電子ビーム101がそれを通って方向付けられる、第2の開口114を画定する。
【0044】
対物レンズ112は、磁気区間と、静電区間とを含むことができる。磁気区間は、上部ポールピース105と、下部ポールピース106とを含む。上部ポールピース105および下部ポールピース106は、密閉されることができ、または例えば、電荷制御板108と接地電極110とを用いて、低減されたガスフローを供給することができる。
【0045】
図1に示されるように、電荷制御板108は、第2の開口114内に配設される。接地電極110は、第1の開口113内に配設される。一例では、電荷制御板108は、下部ポールピース106に接触し、接地電極110は、上部ポールピース105に接触する。
【0046】
図2は、スポットサイズシミュレーションを示す。シミュレーションでは、それぞれ0、25、50、および100kVの加速電圧V
aが印加される。各加速電圧V
aに対して、ウェハ上にビームを集束させるために、対物レンズの磁気励起(コイル電流)が用いられる。クロスオーバ(xo)は、クロスオーバの周りのビームエネルギーを(BE+V
a)まで高めるために、加速電極(V
a)の周りに設定され、ここでBEは、電子が加速される前の、コラム内のビームエネルギーである。
【0047】
図2では同じ全ビーム電流において、式2および3の適用を反映して、スポットサイズは、加速電圧の増加と共に減少する。
図2によれば、ビームレット解像度は、加速電圧V
aの増加と共に改善する。
【0048】
図1での磁気加速対物レンズ112を用いると、加速電圧V
aが大きくなるほど、用いられる磁気励起は小さくなり、または静電/磁気組み合わせレンズは、より短い像距離fを有して、ウェハ107に向かって移動され得る。式2および3に従って、生じるクーロン相互作用ぼやけΔSSがより小さくなり、改善された結果が達成され得る。
【0049】
図3は、システム150の第2の実施形態である。対物レンズ151は、静電対物レンズである。ある特定の例では、システム150は、システム100より良好なビームレット解像度をもたらすことができる。
【0050】
図2および
図5を参照すると、磁気システムは、V
a<50kVを用いて、中程度の解像度のための改善された結果をもたらすことができ、静電システムは、V
a>50kVを用いて、高い解像度のための改善された結果をもたらし得る。
図1では、V
aが高過ぎる場合(例えば、V
a>50kV)、ポールピースの周りでのアーク発生が生じ得る。クロスオーバは通常、V
a電極の周りにあり、各ビームレット解像度は、主に、クロスオーバの周りでのクーロン相互作用によって劣化される。V
aを増加させることは、解像度を改善することができる。
図2および
図5では、ビーム電流と共にスポットサイズが増加する部分は、大部分がクーロン相互作用による。クーロン相互作用がない場合、
図2および
図5は、ビーム電流範囲にわたって平坦になる。従って、ウェハに対する対物レンズの主平面の位置は、解像度を増加させるように選択され得る。V
aは、ビームクロスオーバの周りで、ビームエネルギーを増加させるように選択され得る。
【0051】
図3に戻ると、加速電極109は、接地電極110から、電子ビーム101の経路の方向に、距離g1だけ間隔が空けられる。加速電極109は、電荷制御板108から、電子ビーム101の経路の方向に、距離g2だけ間隔が空けられる。加速電極109は、電子ビーム101の経路の方向に、厚さtを有する。加速電極109はまた、電子ビーム101が通過する穴152を画定する。穴152は、直径dを有する。距離g1およびg2、直径d、ならびに厚さtは、アーク発生を避けるように構成され得る。
【0052】
磁気加速対物レンズ112を除去することは、設計を簡単にすることができる。システム150は、高いBExoに対する電子加速機能と、ウェハ107上に電子ビーム101の像を作る集束機能とを組み合わせることができる。静電対物レンズの使用は、電荷制御板を用いたウェハ荷電機能を維持し、電子が所望のエネルギーでウェハ107に入射することを可能にすることができ、およびレンズ主平面をウェハ107のより近くに移動することができ、これはかなり短い像距離(または焦点距離)fをもたらすことができる。
【0053】
システム150を実証するために、
図4で、電子レイトレーシング方法を用いたコンピュータシミュレーションは、IIP102からウェハ107までの投影光学系を示す。シミュレーションのための光学条件は、30keVコラムビームエネルギー、1keV入射エネルギー、CCP電圧によって荷電される1.5kV/mm抽出フィールド、およびウェハ107上へのビームレットの加速および集束の両方のための約100kVの加速電圧V
aである。
【0054】
図4での電子レイトレーシングを通したマルチビーム画像形成の光学的縮小率は、約8倍であり、そこでマルチビームの軸外性能(コマ、像面湾曲、非点収差、歪曲、および転写色収差)は、すべて最小化される。ウェハにおけるマルチビーム視野(FOV)は、マイクロ開口アレイおよびマイクロレンズアレイのFOVが、D
o=2000μmである場合、D
i=250μmとなる。2000μmのD
oは、数百のビームレットを分割するための、数百のマイクロレンズの集積化を可能にすることができる。250μmのD
iは、二次電子ビームレットの間のクロストークを制御しながら、ウェハから検出器への二次電子ビームレットの収集を可能にすることができる。
【0055】
図4はさらに、クロスオーバ(xo)が、加速電極の周りにあることを示し、これは高いクロスオーバビームエネルギー(BE
xo=BE+V
a)をもたらす。クロスオーバは、ウェハの近くに押され、かなり短い像距離fを与える。クロスオーバビームエネルギーは、クーロン相互作用効果を低減するように選択され得る。
【0056】
図3に関して開示されたが、
図4に示されるような同様なクロスオーバが、
図1の実施形態において生じることができる。
【0057】
図5は、システム150による、一次電子ビーム解像度性能を示す。以前の設計と比較すると、
図4での純粋な静電対物レンズを用いたマルチビーム投影光学系は、解像度を改善する。
【0058】
図6は、ウェハから第1の像平面までの、二次電子(SE)ビームレットレイトレーシングのシミュレーションを示す。ウェハ上への、一次ビームレット電子の衝撃により、一次電子が衝撃を与えるアレイからの二次電子は、
図3での静電加速対物レンズによって画像形成される。ウェハから第1の像平面までの光学倍率は、入射エネルギーに応じて、
図6では約3倍から5倍になり得る。
【0059】
二次電子ビームレットのほとんどまたはすべては、ウィーンフィルタによって偏向され、検出器に方向付けられる(例えば、約70~80%)。第1の像平面内の対象物を、検出器上に像を作るために(すなわち、最終の二次電子像平面)、ウィーンフィルタと検出器との間に、二次電子投影光学系が存在し得る。このような二次電子投影光学系は、拡大、回転、歪み補正、デスキャン、または検出器の収集要件を満たすための二次電子ビームレットアレイに対する他の変量を、調整する機能に相当し得る。
【0060】
1つのビームレットからの、いくつかの極度に大きな極角の二次電子は、別のビームレットに対して「クロストーク」を生じ得る。二次電子光学系内の空間フィルタリング開口は、大きな角度の二次電子をフィルタ除去し、クロストークを低減または排除するために用いられ得る。
【0061】
図7は、二次電子ビームレットを収集するための、六角形検出器アレイを示す。各独立のサブ検出器は、六角形形状の検出器(例えば、シンチレーション検出器)である。
図7に示されるように、1つのサブ検出器は、1つの二次電子ビームレットを収集することができる。
【0062】
図1の加速磁気対物レンズによって、マルチ電子ビームレットの解像度は、加速電圧V
aを増加させることによって改善され得る。加速電圧V
aは、アーク発生を避けながら、および電子ビームレットが磁気励起によってウェハ上に安定に集束されると想定すると、増加され得る。
【0063】
図3および
図8での加速静電対物レンズ方式によって、マルチ電子ビームレットの解像度は、マルチ電子ビームレットがウェハ上に集束される加速電圧V
aによって、改善される。対物レンズの磁気区間は、
図3では除かれている。
【0064】
図3および
図8での対物レンズにおいて、通常用いられる磁気区間がないことで、二次電子ビームレットアレイの回転は除去され、二次電子投影光学系がより簡単になり、潜在的に二次電子ビームレット回転を補正する必要がなくなる。
【0065】
図8は、
図3での加速静電対物レンズのための実際的な構成の実施形態を示す。
図8の実施形態は、高ビームエネルギー(例えば、約20~50keV)に適応し、それに達し、およびその高ビームエネルギーをある特定の入射エネルギー(例えば、約0.1~50keV)まで減速させることができる。
図8の実施形態は、ウェハ表面上の様々な抽出フィールドにより、CCP電圧を通してウェハを充電することができる。
図8の実施形態はまた、加速電圧V
aを通して、十分に高いクロスオーバビームエネルギーによって、すべてのビームレットを加速することができ、次いでそれらを、かなり短い焦点距離(または像距離)fによって、ウェハ上に集束することができる。加速電圧V
aは、一例では、75kVより大きくなり得る。
【0066】
図8での設計は、g1およびg2の適切なギャップと、厚さtと、加速電極の直径dとを、選択および設計することによって、アーク発生を無くすことができる。例えば、g1>15mm、g2>20mm、t>12mm、およびd>15mmである。
【0067】
一実施形態では、約30kV~50kVのビームエネルギーと、約0.1keV~30keVの入射エネルギーとを用いた典型的な使用に対して、g1は約15mm~20mm、g2は約20mm~25mm、tは約12mm~16mm、およびdは約15mm~25mmである。光学系設計の要件(例えば、ビームエネルギー、入射エネルギー、抽出フィールドなど)に従って、寸法は、像距離fまたはスポットサイズを低減するために、Va電極をできる限りウェハの近くに移動するように、最適化および/または最小化され得る。これは、式3を用いて示される。
【0068】
図8の実施形態は、即時の加速および集束を用いて、ウェハから二次電子ビームレットを抽出することができ、これらの二次電子ビームレットを、二次電子投影光学系を通した検出器アレイ内の二次電子収集のために、第1の二次電子像平面上に画像形成することができる。
【0069】
接地電極、加速電極、および電荷制御板は、
図8の外側ギャップ距離を増加させるために、凹型ディスクのように設計され得る。接地電極、加速電極、および電荷制御板の間の2つの絶縁体は、これらの電極を一緒に接続および整列させることができる。絶縁体の内面および外面は、表面距離を増加させ、電極の間の接線方向の電子強度を低減するように、曲がった形状、波形形状、または他の形状に設計され得る。電極の凹型ディスクは、アーク発生を避けるように、高度の研磨を用いて、円滑な曲線に設計され得る。
【0070】
電荷制御板とウェハとの間のギャップは、通常、対物レンズの作動距離(WD)と呼ばれる。作動距離は、入射エネルギーの様々な使用に適合するように、z高さステージを通して、可変に設計され得る。作動距離は、用いられる入射エネルギーに応じて、約1mm~3mmであってもよい。過度に高い集束電圧Vaを避けるために、入射エネルギーが高いほど、作動距離は大きくなり得る。許容できる集束電圧Vaのもとで、作動距離は、球面収差および像距離を減少させるために、できるだけ小さくされ得る。
【0071】
図9は、方法200の実施形態であり、これは
図1または
図3の動作に対応し得る。201で、電子ビームが発生される。202で、電子ビームは、中間像平面の下流に位置するトランスファーレンズを通して方向付けられる。203で、電子ビームは、トランスファーレンズの下流に位置するウィーンフィルタを通して方向付けられる。204で、電子ビームは、ウィーンフィルタの下流に位置する接地電極を通して方向付けられる。205で、電子ビームは、接地電極の下流に配設された加速電極を通して方向付けられる。206で、電子ビームは、加速電極の下流に位置する電荷制御板を通して方向付けられる。207で、電子ビームは、電荷制御板の下流に位置するステージ上のウェハに方向付けられる。
【0072】
加速電極に印加される加速電圧は、ビームクロスオーバの周りでビームエネルギーを増加させるように構成され得る。
【0073】
方法200は、
図1に示されるものなど、トランスファーレンズの下流に位置する対物レンズを通して、電子ビームを方向付けることをさらに含むことができる。対物レンズは、トランスファーレンズにより近い上部ポールピースと、ステージにより近い下部ポールピースとを含むことができる。上部ポールピースは、電子ビームが通るように方向付けられる第1の開口を画定することができる。第2のポールピースは、電子ビームが通るように方向付けられる第2の開口を画定することができる。電荷制御板は、第2の開口内に配設されることができ、接地電極は、第1の開口内に配設され得る。対物レンズは、電子ビームをウェハ上に集束させるように構成され得る。電子ビームは、クロスオーバを通して方向付けられることができ、これは対物レンズからの像距離に配置される。
【0074】
電子間のクーロン相互作用によるクロスオーバぼやけは、すべての電子ビームレットが単一の電子源から分割されるマルチ電子ビーム装置に、影響を及ぼし得る。クーロン相互作用のぼやけは、クロスオーバ特性に関係し得る。これらのクロスオーバ特性は、例えば、クロスオーバ角度、クロスオーバビームエネルギー、クロスオーバを通る全ビーム電流、およびクロスオーバ位置を含むことができ、これは式2および3で実証される。クロスオーバ位置は、対物レンズの像距離と等価となり得る。
【0075】
図1の加速磁気対物レンズでは、電子間のクーロン相互作用のぼやけは、加速電圧V
aを増加させながら、低減され得る。
図3および8の加速静電対物レンズは、改善された光学性能(例えば、ビームレット解像度)によって、マルチ電子ビームの画像形成での、レンズの機能を含むことができる。純粋な静電加速対物レンズは、二次電子を抽出し、二次電子ビームレットの第1の像平面内に、それらを画像形成することができる(
図6)。二次電子投影光学系を通して、第1の像平面内の二次電子は、検出器アレイ上に投影され得る(
図7)。
【0076】
本開示は、1つ以上の特定の実施形態に関して述べられたが、本開示の範囲から逸脱せずに、本開示の他の実施形態がなされ得ることが理解されるであろう。従って、本開示は、添付の「特許請求の範囲」、およびその合理的な解釈によってのみ限定されると考えられる。
【国際調査報告】