(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】ローディング中のセルフロック及びセンタリングのためのばね機構
(51)【国際特許分類】
F16F 1/12 20060101AFI20240822BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20240822BHJP
F16F 3/00 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
F16F1/12 Z
H01L21/68 N
F16F3/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575916
(86)(22)【出願日】2022-08-09
(85)【翻訳文提出日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 US2022039886
(87)【国際公開番号】W WO2023018749
(87)【国際公開日】2023-02-16
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブレンダー マイヤー
(72)【発明者】
【氏名】ウォルシュ ジョセフ
【テーマコード(参考)】
3J059
5F131
【Fターム(参考)】
3J059AC03
3J059AE01
3J059BA01
3J059BB04
3J059BC01
3J059DA50
5F131BA39
5F131CA01
5F131CA12
5F131EB58
5F131EB79
5F131FA13
5F131FA14
5F131FA32
5F131FA33
5F131FA37
5F131GA76
(57)【要約】
装置は、上部部材、上部部材の下に配置される下部部材、及び上部部材と下部部材との間に配置されるばねを含む。上部部材は、そこから下方に延びるピンを有する。下部部材は、ピンの自由端を受けるように構成された座部を有する。ばねはピンを取り囲み、ピンの長さよりも短い自由長を有する。無負荷状態では、ピンの自由端は座部に接触し、ばねは圧縮力を加えて、上部部材と下部部材との間の相対的な横方向の移動を防止する。下部部材が、負荷状態で荷重を担持すると、その荷重はばねに引張力を加えて、ピンの自由端と座部との間に隙間を形成し、それによって上部部材と下部部材との間の相対的な横方向の移動が可能になる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方に延びるピンを有する上部部材と、
前記上部部材の下に配置され、前記ピンの自由端を受けるように構成された座部を有する下部部材であって、負荷状態では荷重を担持し、無負荷状態では前記荷重を解放するように構成される下部部材と、
前記上部部材と前記下部部材との間に配置され、前記上部部材に接続された上部端及び前記下部部材に接続された下部端を有するばねであって、前記ピンを取り囲み、前記ピンの長さよりも短い自由長を有するばねと、を備え、
ここで前記無負荷状態では、前記ピンの前記自由端は前記座部に接触し、前記ばねが圧縮力を加えて、前記上部部材と前記下部部材との間の相対的な横方向の移動を防止し、
ここで前記負荷状態では、前記荷重は、前記ばねに引張力を加えて、前記ピンの前記自由端と前記座部との間に隙間を形成し、それによって前記上部部材と前記下部部材との間の相対的な横方向の移動が可能になる、
装置。
【請求項2】
前記下部部材の下に配置され、前記下部部材に結合するように構成されたベース部材、を更に備え、
ここで前記ベース部材が前記下部部材に結合されると、前記ベース部材は前記下部部材に前記荷重を加え、前記下部部材を前記無負荷状態から前記負荷状態に移行させ、
ここで前記ベース部材が前記下部部材から結合解除されると、前記ベース部材は前記下部部材から前記荷重を解放し、前記下部部材を前記負荷状態から前記無負荷状態に移行さる、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ベース部材は、そこから上方に延びる支柱を含み、前記支柱の自由端は、前記支柱の直径よりも大きな直径の球形を有し、
ここで前記下部部材は開口部を含み、
ここで前記ベース部材が前記下部部材に結合されると、前記支柱の前記自由端は前記開口部内に受容される、
請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記開口部は、
前記球形の前記直径よりも大きい幅を有する第1の部分、及び
前記支柱の前記直径よりも大きく、かつ前記球形の前記直径よりも小さい幅を有する第2の部分を含み、
ここで前記ベース部材が前記下部部材に結合されると、前記支柱の前記自由端は前記第1の部分内に受容され、前記支柱は少なくとも部分的に前記第2の部分内に受容される、
請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記下部部材は、前記開口部の内側に1対の内部当接面を更に含み、
前記ベース部材が前記下部部材に結合されると、前記球形は前記1対の内部当接面に接触する、
請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記1対の内部当接面は、前記開口部の前記第1の部分を前記第2の部分に接続するテーパ面によって画定される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記1対の内部当接面は平面であり、前記球形は各内部当接面上の1つの点と接触する、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記負荷状態において、前記ピンの前記自由端は少なくとも部分的に前記座部から引き出される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記ピンの前記自由端は面取り縁部を有し、前記座部は皿穴を含み、前記無負荷状態では、前記ピンの前記自由端は前記座部に受けられ、前記面取り縁部と前記皿穴との間に環状接触面を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記上部部材と前記下部部材との間に配置され、上部端が前記上部部材に接続され、下部端が前記下部部材に接続されているベローズであって、前記ばねを取り囲むベローズ、
を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記ベローズは、前記ベローズの外部から前記ベローズの内部を密閉するように構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記ベローズは、前記隙間の前記長さ以上の長さ分だけ弾性変形可能である、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記上部部材は固定拘束を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記上部部材は、そこから下方に延びる少なくとも3本のピンを有し、前記少なくとも3本のピンは、等間隔に配置され、
ここで前記下部部材は、少なくとも3つの下部部材を含み、各下部部材の前記座部は、前記少なくとも3本のピンのうちの1本の前記自由端を受けるように構成され、
ここで前記ばねは、前記上部部材と前記少なくとも3つの下部部材のそれぞれとの間に配置された少なくとも3つのばねを含み、各ばねは、前記少なくとも3本のピンのうちの1本を取り囲む、
請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記下部部材の下に配置され、前記下部部材のそれぞれに結合されるように構成されたベース部材を更に備え、
ここで前記ベース部材が前記下部部材のそれぞれに結合されると、前記ベース部材は前記下部部材のそれぞれに前記荷重を加え、前記下部部材のそれぞれを前記無負荷状態から前記負荷状態に移行させ、
ここで前記ベース部材が前記下部部材のそれぞれから結合解除されると、前記ベース部材は前記下部部材のそれぞれから前記荷重を解放し、前記下部部材のそれぞれを前記負荷状態から前記無負荷状態に移行させる、
請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記ベース部材は、そこから上方に延びる少なくとも3本の支柱を含み、前記少なくとも3本の支柱は等間隔に配置され、各支柱の自由端は、前記支柱の直径よりも大きな直径の球形を有し、
ここで前記下部部材のそれぞれは開口部を含み、
ここで前記ベース部材が前記下部部材のそれぞれに結合されると、前記支柱のそれぞれの前記自由端は前記開口部内に受容される、
請求項15に記載の装置。
【請求項17】
下方に延びるピンを有する上部部材であって、負荷状態では荷重を担持し、無負荷状態では前記荷重を解放するように構成される上部部材と、
前記上部部材の下に配置されて、前記ピンの自由端を受けるように構成された座部を有する下部部材と、
前記上部部材と前記下部部材との間に配置され、前記上部部材に接続された上部端、及び前記下部部材に接続された下部端を有するばねであって、前記ピンを取り囲み、前記ピンの長さよりも長い自由長を有するばねと、を備え、
ここで前記無負荷状態では、前記ピンの前記自由端は前記座部に接触し、前記ばねが引張力を加えて前記上部部材と前記下部部材との間の相対的な横方向の移動を防止し、
ここで前記負荷状態では、前記荷重は前記ばねに圧縮力を加え、前記ピンの前記自由端と前記座部との間に隙間を形成し、それによって前記上部部材と前記下部部材との間の相対的な横方向の移動が可能になる、
装置。
【請求項18】
前記上部部材上に配置されて、前記上部部材に結合するように構成されるベース部材を更に備え、
ここで前記ベース部材が前記上部部材に結合されると、前記ベース部材は前記上部部材に前記荷重を加え、前記上部部材を前記無負荷状態から前記負荷状態に移行させ、
ここで前記ベース部材が前記上部部材から結合解除されると、前記ベース部材は前記上部部材から前記荷重を解放し、前記上部部材を前記負荷状態から前記無負荷状態に移行させる、
請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記ベース部材は、そこから下方に延びる支柱を含み、前記支柱の自由端は、前記支柱の直径よりも大きな直径の球形を有し、
ここで前記上部部材の上部面は溝を含み、
ここで前記ベース部材が前記上部部材に結合されると、前記支柱の前記自由端は前記上部部材の前記溝に接触する、
請求項18に記載の装置。
【請求項20】
サスペンションアセンブリであって、
下方に延びるピンを有する上部部材、
前記上部部材の下に配置されて、前記ピンの自由端を受けるように構成された座部を有する下部部材であって、負荷状態では荷重を担持し、無負荷状態では荷重を解放するように構成される下部部材、及び、
前記上部部材と前記下部部材との間に配置され、前記上部部材に接続された上部端と、前記下部部材に接続された下部端とを有するばねであって、前記ピンを取り囲み、前記ピンの長さよりも短い自由長を有するばね、を備え、
ここで前記無負荷状態では、前記ピンの前記自由端は前記座部に接触し、前記ばねは圧縮力を加えて、前記上部部材と前記下部部材との間の相対的な横方向の移動を防止し、
ここで前記負荷状態では、前記荷重は前記ばねに引張力を加え、前記ピンの前記自由端と前記座部との間に隙間を形成し、それによって前記上部部材と前記下部部材との間の相対的な横方向の移動が可能になる、サスペンションアセンブリを供給することと、
ベース部材を前記サスペンションアセンブリの下で前記下部部材に結合することであって、前記ベース部材は、前記下部部材に前記荷重を加え、前記下部部材を前記無負荷状態から前記負荷状態に移行させることと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、キネマチックカップリングに関し、特に、コンプライアントアセンブリを有するキネマチックカップリングに関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年8月10日に出願され、米国出願番号第63/231,267号に譲渡された仮特許出願に対する優先権を主張し、その開示内容は参照により本明細書に援用される。
【0003】
半導体製造業界の発展により、歩留まり管理、特に計測及び検査システムへの要求が高まっている。限界寸法は縮小し続けているが、業界は、高い歩留まり、高い価値の生産を達成するための時間を短縮する必要がある。歩留まり問題の検出からそれを修正するまでの合計時間を最小限にすることが、半導体製造業者の投資収益率を決定する。
【0004】
半導体デバイス、例えば論理デバイス及び記憶デバイスの製造は、通常、半導体ウェハを、多数の製造プロセスを用いて処理して、様々なフィーチャ及び複数の階層の半導体デバイスを形成することを含む。例えば、リソグラフィとは、パターンをレチクルから半導体ウェハ上に配置されたフォトレジストに転写することを含む、半導体製造プロセスである。半導体製造プロセスの更なる例は、限定するものではないが、化学機械研磨(CMP)、エッチング、堆積、及びイオン注入を含む。複数の半導体デバイスは、単一の半導体ウェハ上に配列して製造され、その後、それらは個別の半導体デバイスに分離され得る。
【0005】
検査プロセスは、半導体製造中の様々な工程で使用されてウェハ上の欠陥を検出し、その製造プロセスの歩留まりを向上させ、それによって利益の増加を促す。検査は、常に、半導体デバイス、例えば集積回路(IC)の製造の重要部分である。しかし、半導体デバイスの寸法が縮小されるにつれて、検査は、許容可能な半導体デバイスの良好な製造のために更に重要となっており、なぜなら、より小さな欠陥がデバイスの不具合を引き起こす可能性があるためである。例えば、半導体デバイスの寸法が縮小されるにつれて、より小さなサイズの欠陥の検出が必要になっており、それは相対的に小さな欠陥でさえ、半導体デバイスに望ましくない収差を引き起こす可能性があるためである。
【0006】
特定の検査プロセスは、ステージ上のターゲットに向けられた結像ミラーアセンブリ(IMA)を使用して実行される。IMAは、振動に対する感度が高いため、パッシブ振動絶縁装置アセンブリに取り付けられる。様々な用途では、IMAの絶縁装置アセンブリへの取り付け及び取り外しを必要とする場合があり、そのためこの接続は再現性が高くなければならない。半導体設備の他の用途又は他の分野では、同様のタイプの取り付けアセンブリを必要とする場合がある。
【0007】
従来のキネマチックカップリングでは、第1のインタフェースの3つのボールが第2のインタフェースの3つのv形に配置され、その配置は、両方のインタフェースが剛性であれば高い再現性となり得る。しかし、絶縁装置アセンブリは、コンプライアントインタフェースを提供する。IMAは絶縁装置アセンブリに完全に装着し得るが、その配置は再現可能ではなく、最終的な配置はインタフェースの初期荷重設定による。従来の方法では、ロック機構を使用して、ローディング中のコンプライアントインタフェースの横方向の動きを制限している。しかしながら、そのようなロック機構は、機構をロック及びロック解除するためにオペレータによる手動操作を必要とする。加えて、これらのロック操作により、清浄な状態を保つことが意図されている真空チャンバの内側に粒子が生成される場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、ローディング中に剛性を維持し得るコンプライアントアセンブリを有する改良されたキネマチックカップリングが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一実施形態は、上部部材、下部部材、及びばねを含む装置を提供する。上部部材は、そこから下方に延びるピンを有し得る。下部部材は、上部部材の下に配置され得て、ピンの自由端を受けるように構成された座部を有し得る。下部部材は、負荷状態では荷重を担持し、無負荷状態では荷重を解放するように構成され得る。ばねは、上部部材と下部部材との間に配置され得て、上部部材に接続された上部端と、下部部材に接続された下部端とを有し得る。ばねはピンを取り囲んでもよく、ばねはピンの長さよりも短い自由長を有してもよい。無負荷状態では、ピンの自由端は座部に接触し得て、ばねが圧縮力を加えて、上部部材と下部部材との間の相対的な横方向の移動を防止し得る。負荷状態では、荷重は、ばねに引張力を加えることができ、ピンの自由端と座部との間に隙間が形成され得て、それによって上部部材と下部部材との間の相対的な横方向の移動が可能になり得る。
【0011】
本開示の一実施形態によれば、装置はベース部材を更に含み得る。ベース部材は、下部部材の下に配置され得て、下部部材に結合するように構成され得る。ベース部材が下部部材に結合されると、ベース部材は、下部部材に荷重をかけることができ、下部部材を無負荷状態から負荷状態に移行させ得る。ベース部材が下部部材から結合解除されると、ベース部材は、下部部材から荷重を解放することができ、下部部材を負荷状態から無負荷状態に移行させ得る。
【0012】
本開示の一実施形態によれば、ベース部材は、そこから上方に延びる支柱を含み得る。支柱の自由端は、支柱の直径よりも大きな直径を有する球形を有してもよい。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、下部部材は開口部を更に含み得る。ベース部材が下部部材に結合されると、支柱の自由端は開口部内に受容され得る。
【0014】
本開示の一実施形態によれば、開口部は、第1の部分及び第2の部分を含み得る。第1の部分は、球形の直径よりも大きい幅を有し得て、第2の部分は、支柱の直径よりも大きく、かつ球形の直径よりも小さい幅を有し得る。ベース部材が下部部材に結合されると、支柱の自由端は第1の部分内に受容され得て、支柱は少なくとも部分的に第2の部分内に受容され得る。
【0015】
本開示の一実施形態によれば、下部部材は、開口部の内側に1対の内部当接面を更に含み得る。ベース部材が下部部材に結合されると、球形は1対の内部当接面に接触し得る。1対の内部当接面は、開口部の第1の部分を第2の部分に接続するテーパ面によって画定され得る。1対の内部当接面は平面であってもよく、それによって球形が各内部当接面上の1点に接し得る。
【0016】
本開示の一実施形態によれば、負荷状態では、ピンの自由端は座部から少なくとも部分的に引き出され得る。
【0017】
本開示の一実施形態によれば、ピンの自由端は面取り縁部を有し得て、座部は皿穴を有し得る。無負荷状態では、ピンの自由端は座部に受けられて、面取り縁部と皿穴との間に環状接触面を有し得る。
【0018】
本開示の一実施形態によれば、装置はベローズを更に含み得る。ベローズは、上部部材と下部部材との間に配置され得て、上部部材に接続された上部端と下部部材に接続された下部端とを有し得る。ベローズは、ばねを取り囲み得る。ベローズは、ベローズの外部からベローズの内部を密閉するように構成され得る。ベローズは、隙間の長さ以上の長さ分だけ、弾性変形可能であり得る。
【0019】
本開示の一実施形態によれば、上部部材は固定拘束を含み得る。
【0020】
本開示の一実施形態によれば、上部部材は、そこから下方に延びる少なくとも3本のピンを有し得る。少なくとも3本のピンは、等間隔に配置され得る。下部部材は、少なくとも3つの下部部材を含み得て、各下部部材の座部は、少なくとも3本のピンのうちの1本の自由端を受けるように構成され得る。ばねは、上部部材と少なくとも3つの下部部材のそれぞれとの間に配置された少なくとも3つのばねを含み得て、各ばねは、少なくとも3本のピンのうちの1本を取り囲み得る。ベース部材は、下部部材の下に配置され得て、下部部材のそれぞれに結合されるように構成され得る。ベース部材が各下部部材に結合されると、ベース部材は各下部部材に荷重を加えることができ、各下部部材を無負荷状態から負荷状態に移行させ得る。ベース部材が各下部部材から結合解除されると、ベース部材は各下部部材から荷重を解放することができ、各下部部材を負荷状態から無負荷状態に移行させ得る。
【0021】
本開示の一実施形態によれば、ベース部材は、そこから上方に延びる少なくとも3本の支柱を含み得る。少なくとも3本の支柱は等間隔に配置され得て、各支柱の自由端は、支柱の直径よりも大きな直径の球形を有し得る。
【0022】
本開示の一実施形態によれば、下部部材のそれぞれは開口部を含み得る。ベース部材が各下部部材に結合されると、各支柱の自由端は開口部内に受容され得る。
【0023】
本開示の別の実施形態は、上部部材、下部部材、及びばねを含む装置を提供する。上部部材は、そこから下方に延びるピンを有し得る。上部部材は、負荷状態では荷重を担持し、無負荷状態では荷重を解放するように構成され得る。下部部材は、上部部材の下に配置され得て、ピンの自由端を受けるように構成された座部を有し得る。ばねは、上部部材と下部部材との間に配置され得て、上部部材に接続された上部端と、下部部材に接続された下部端とを有し得る。ばねはピンを取り囲み得て、ばねはピンの長さよりも長い自由長を有し得る。無負荷状態では、ピンの自由端が座部に接触し得て、ばねが引張力を加えて上部部材と下部部材との間の相対的な横方向の移動を防止し得る。負荷状態では、荷重によりばねに圧縮力が加えられて、ピンの自由端と座部との間に隙間が形成され得て、それによって上部部材と下部部材との間の相対的な横方向の移動が可能になり得る。
【0024】
本開示の一実施形態によれば、装置はベース部材を更に含み得る。ベース部材は、上部部材上に配置され得て、上部部材に結合するように構成され得る。ベース部材が上部部材に結合されると、ベース部材は上部部材に荷重を加えることができ、上部部材を無負荷状態から負荷状態に移行させ得る。ベース部材が上部部材から結合解除されると、ベース部材は上部部材からの荷重を解放し得て、上部部材を負荷状態から無負荷状態に移行させ得る。
【0025】
本開示の一実施形態によれば、ベース部材は、そこから下方に延びる支柱を含み得る。支柱の自由端は、支柱の直径よりも大きな直径の球形を有し得る。上部部材の上部面は溝を含んでもよい。ベース部材が上部部材に結合されると、支柱の自由端は上部部材の溝に接触し得る。
【0026】
本開示の別の実施形態は、方法を提供する。方法は、サスペンションアセンブリを供給することを含み得る。サスペンションアセンブリは、上部部材、下部部材、及びばねを含み得る。上部部材は、そこから下方に延びるピンを有してもよい。下部部材は、上部部材の下に配置され得て、ピンの自由端を受けるように構成された座部を有し得る。下部部材は、負荷状態では荷重を担持し、無負荷状態では荷重を解放するように構成され得る。ばねは、上部部材と下部部材との間に配置され得て、上部部材に接続された上部端と、下部部材に接続された下部端とを有し得る。ばねはピンを取り囲み得て、ばねは、ピンの長さよりも短い自由長を有し得る。無負荷状態では、ピンの自由端は座部に接触し得て、ばねは圧縮力を加えて、上部部材と下部部材との間の相対的な横方向の移動を防止し得る。負荷状態では、荷重はばねに引張力を加えることができ、ピンの自由端と座部との間に隙間が形成され得て、それによって上部部材と下部部材との間の相対的な横方向の移動が可能になり得る。
【0027】
本開示の一実施形態によれば、方法は、ベース部材をサスペンションアセンブリの下で下部部材に結合することを更に含み得る。ベース部材は、下部部材に荷重を加えることができ、下部部材を無負荷状態から負荷状態に移行させ得る。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本件開示の性質及び目的の完全な理解のため、以下の詳細な説明を添付図面と併せて参照されたい。
【
図1A】本開示の一実施形態による、無負荷状態での装置の断面図である。
【
図3A】本開示の別の実施形態による装置の正面図である。
【
図9】本開示の一実施形態による、方法のフローチャートである。
【
図10A】本開示の別の実施形態による、無負荷状態の装置の断面図である。
【
図12A】本開示の別の実施形態による、装置の正面図である。
【
図18】本開示の別の実施形態による方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
特許請求される主題は特定の実施形態に関して説明されるが、本明細書に記載される利点及び特徴のすべてを提供しない実施形態を含んで、他の実施形態もまた、本開示の範囲内である。様々な構造的、論理的、プロセス、ステップ、及び電子的な変更は、本開示の範囲から逸脱することなく行われ得る。したがって、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによってのみ定義される。
【0030】
図1~
図2を参照すると、本開示の実施形態は装置100を提供する。装置100は、上部部材110を含み得る。上部部材110は、上部面111及び下部面112を有し得る。上部部材110の上部面111は、固定拘束であってもよい。上部部材110の下部面112は、そこから下方に延びるピン113を有し得る。ピン113は円筒形を有してもよい。ピン113は、上部部材110の下部面112から遠位に自由端114を有し得る。上部部材110は、円形又は多角形を有してもよい。
【0031】
装置100は、下部部材120を更に含み得る。下部部材120は、上部部材110の下に配置され得る。例えば、下部部材120は上部部材110から垂直方向に離隔されてもよい。下部部材120と上部部材110は同軸に配列されてもよい。下部部材120は、円形又は多角形を有し得る。下部部材120は、上部面121及び下部面122を有し得る。下部部材120の上部面121は、ピン113の自由端114を受けるように構成された座部123を有し得る。下部部材120は、負荷状態では荷重を担持し、無負荷状態では荷重を解放するように構成され得る。
【0032】
装置100は、ばね130を更に含み得る。ばね130は、コイルばねであってもよい。ばね130は、上部部材110と下部部材120との間に配置され得る。ばね130は、上部部材110に接続された上部端131と、下部部材120に接続された下部端132とを有し得る。例えば、ばね130の上部端131は、上部部材110の下部面112に接続されてもよく、ばね130の下部端132は、下部部材120の上部面121に接続されてもよい。ばね130は、上部部材110及び下部部材120に、締結具又は溶接によって接続され得る。代替的に、ばね130は、上部部材110及び下部部材120と一体的に形成されてもよい。ばね130は、ピン113を取り囲み得る。例えば、ばね130は、ピン113の直径よりも大きい内径を有し得る。ばね130は、ピン113の長さよりも短い自由長(すなわち、無負荷の長さ)を有し得る。ばね130の自由長及びピン113の長さは、設計によって設定され得る。例えば、ばね130の自由長及びピン113の長さは、ばね130の別のパラメータ(例えば、ばね定数)とピン113の別のパラメータ(例えば、直径)との組み合わせに依存しており、ピン113が、無負荷状態でばね130の力によって破損するのを防ぎ得る。
【0033】
図1Aに示す無負荷状態では、ピン113の自由端114は座部123に接触し、ばね130は圧縮力を加えて上部部材110と下部部材120との間の相対的な横方向の移動を防止する。したがって、装置100は、剛性であって、ローディングを容易にし得る。ピン113の自由端114は、面取り縁部115を有し得て、座部123は皿穴125を含み得る。無負荷状態では、ピン113の自由端114は、座部123に受けられて、ピン113の面取り縁部115と座部123の皿穴125との間に環状接触面を有し得る。
【0034】
図2に示す負荷状態では、荷重は、ばね130に引張力を加え、ピン113の自由端114と座部123との間に隙間124を形成し、これにより、上部部材110と下部部材120との間の相対的な横方向の移動が可能になる。したがって、装置100は、荷重がかかったときに振動を吸収するように柔軟であってもよい。負荷状態では、ピン113の自由端114は、座部123から少なくとも部分的に引き出され得る。例えば、負荷状態では、ピン113の自由端114は、座部123から完全に引き出されてもよい。隙間124のサイズは、ピン113と座部123との間のインタフェースの幾何学的形状に依存して、上部部材110と下部部材120との間のいかなる相対運動にも適応するのに十分な大きさになり得ることを理解されたい。
【0035】
装置100は、ベース部材140を更に含み得る。ベース部材140は、吊り下げて搬送され得る任意の敏感なアセンブリを担持するように構成され得る。例えば、ベース部材140は、結像ミラーアセンブリ(IMA)、照明アセンブリ、レーザ、干渉計、又は他の高感度の器具類若しくは構成要素を担持するように構成され得る。ベース部材140は、下部部材120の下に配置されてもよい。ベース部材140は、円形又は多角形を有してもよい。ベース部材140は、上部面141及び下部面142を有し得る。ベース部材140は、下部部材120に結合するように構成され得る。例えば、ベース部材140の上部面141は、下部部材120の下部面122に結合するように構成され得る。
【0036】
ベース部材140が下部部材120に結合されると(
図2に示すように)、ベース部材140は、下部部材120に荷重を加えて、下部部材120を無負荷状態から負荷状態に移行させ得る。
【0037】
ベース部材140が下部部材120から結合解除されると(
図1Aに示すように)、ベース部材140は、下部部材120から荷重を解放し、下部部材120を負荷状態から無負荷状態に移行させ得る。
【0038】
ベース部材140の上部面141は、そこから上方に延びる支柱143を有し得る。支柱143は、円筒形を有してもよい。支柱143は、ベース部材140の上部面141から遠位に自由端144を有してもよい。自由端144は、球形145を有し得る。球形145は、支柱143の直径より大きい直径を有し得る。自由端144は、他の形状、例えば、カヌーの球体(canoe sphere)、球面円柱状、又は他のキネマチック/半キネマチックフィーチャであってもよい。
【0039】
下部部材120の下部面122は、開口部126を含み得る。ベース部材140が下部部材120に結合されると、支柱143の自由端144は開口部126内に受容され得る。
【0040】
開口部126は、第1の部分127及び第2の部分128を含み得る。第1の部分127は、球形145の直径よりも大きい幅を有し得る。第2の部分128は、支柱143の直径よりも大きく、かつ球形145の直径よりも小さい幅を有し得る。ベース部材140が下部部材120に結合されると、支柱143の自由端144は第1の部分127内に受容され得て、支柱143は少なくとも部分的に第2の部分128内に受容され得る。
【0041】
下部部材120は、1対の内部当接面129を開口部126の内側に更に含み得る。1対の内部当接面129は、開口部126の第1の部分127を開口部126の第2の部分128に接続するテーパ面によって画定され得る。1対の内部当接面129は、平面であっても湾曲していてもよい。ベース部材140が下部部材120に結合されると、球形145は、1対の内部当接面129に接触し得る。例えば、球形145は、各内部当接面129上の1点と接触し得る。1対の内部当接面129のテーパ形状は、ベース部材140が下部部材120に結合されるとセルフセンタリングを生じ得る。例えば、カップリングが最初に位置ずれしている場合(すなわち、
図1Bに示すように、球形145が1対の内部当接面129の一方のみと接触する場合)、テーパ形状により、球形145が芯出し位置(
図1Cに示す)にスライドすることが可能になり得て、ここで、両方の内部当接面129と接触した後、負荷状態に移行する。
【0042】
装置100は、ベローズ150を更に含み得る。ベローズ150は、上部部材110と下部部材120との間に配置され得る。ベローズ150は、上部部材110に接続された上部端151と、下部部材120に接続された下部端152とを有し得る。例えば、ベローズ150の上部端151は上部部材110の下部面112に接続されてもよく、ベローズ150の下部端152は下部部材120の上部面121に接続されてもよい。ベローズ150は、上部部材110及び下部部材120に溶接によって接続され得る。ベローズ150は、ばね130を取り囲み得る。例えば、ベローズ150の内径は、ばね130の外径よりも大きくてもよい。ベローズ150は、ベローズ150の内部をベローズ150の外部から密閉するように構成され得る。例えば、ばね130の移動、及びピン113と座部123との間の接触によって生成される粒子は、ベローズ150の内側に収容されて、ベローズ150の外部の清浄な空気を汚染しないようにされ得る。ベローズ150は、弾性材料で作製され得る。例えば、ベローズ150は、柔軟な波形要素であり得る。ベローズ150は、水平方向に波形を有して、軸方向の変形を可能にし得る。ベローズ150は、隙間124の長さ以上の長さ分だけ、弾性変形可能であってもよく、この範囲内での繰り返し変形に対して十分な疲労寿命を有し得る。このようにして、ベローズ150は、上部部材110と下部部材120との間の密閉を負荷状態と無負荷状態の両方において維持し得る。ベローズ150はまた、ベローズ150の外部とベローズ150の内部との間の圧力差に耐えるのに十分な強度を有し得る。装置100は真空チャンバ内に配置され得て、ベローズ150は、上部部材110と下部部材120との間の密閉を、真空チャンバ内の圧力変動中に維持し得ることを理解する必要がある。
【0043】
本開示の一実施形態によれば、装置100は、上述した多数の構成要素を含み得る。例えば、装置100は、以下に更に説明するように、3つ以上の特定の構成要素を含み得る。
図3A及び
図3Bの装置101と、
図4~
図8の個々の構成要素を参照する。
【0044】
上部部材110の下部面112は、そこから下方に延びる少なくとも3本のピン113を有し得る。例えば、
図4に示すように、少なくとも3本のピン113は、第1のピン113a、第2のピン113b、及び第3のピン113cを含み得る。少なくとも3本のピン113は、上部部材110の下部面112に等間隔に配置され得る。例えば、第1のピン113a、第2のピン113b、及び第3のピン113cは、上部部材110の下部面112の3つの同一円周上の点にあってもよい。少なくとも3本のピン113のそれぞれは、同一の構造を有し得る。少なくとも3本のピン113のそれぞれの自由端114は、面取り縁部115を有してもよい。例えば、第1のピン113aの自由端114aは、第1の面取り縁部115aを有し得て、第2のピン113bの自由端114bは、第2の面取り縁部115bを有し得て、第3のピン113cの自由端114cは、第3の面取り縁部115cを有し得る。
【0045】
下部部材120は、少なくとも3つの下部部材を含み得る。例えば、
図5Aに示すように、下部部材120は、第1の下部部材120a、第2の下部部材120b、及び第3の下部部材120cを含み、それぞれ第1の座部123a、第2の座部123b、及び第3の座部123cを有し得る。少なくとも3つの下部部材120のそれぞれは、同一の構造を有してもよい。各下部部材120の座部123は、少なくとも3本のピン113のうちの1本の自由端114を受けるように構成され得る。例えば、第1の座部123aは、第1のピン113aの自由端114aを受けるように構成され得て、第2の座部123bは、第2のピン113bの自由端114bを受けるように構成され得て、第3の座部123cは、第3のピン113cの自由端114cを受けるように構成され得る。少なくとも3つの下部部材120の各座部123は、皿穴125を含み得る。例えば、第1の下部部材120aの第1の座部123aは第1の皿穴125aを含み得て、第2の下部部材120bの第2の座部123bは第2の皿穴125bを含み得て、第3の下部部材120cの第3の座部123cは、第3の皿穴125cを含み得る。少なくとも3つの下部部材120は、放射状対称に配置され得る。例えば、第1の下部部材120a、第2の下部部材120b、及び第3の下部部材120cは、互いに120°で配置され得る。
【0046】
ばね130は、少なくとも3つのばねを含み得る。例えば、ばね130は、第1のばね130a、第2のばね130b、及び第3のばね130cを含み得る。
図6に示すように、第1のばね130a、第2のばね130b、及び第3のばね130cは、同一であり得る。少なくとも3つのばね130のそれぞれは、上部部材110と少なくとも3つの下部部材120のそれぞれ1つとの間に配置され得る。例えば、第1のばね130aの上部端131a、第2のばね130bの上部端131b、及び第3のばね130cの上部端131cは、それぞれ上部部材110に接続され得る。第1のばね130aの下部端132a、第2のばね130bの下部端132b、及び第3のばね130cの下部端132cは、第1の下部部材120a、第2の下部部材120b、及び第3の下部部材120cに、それぞれ接続され得る。少なくとも3つのばね130のそれぞれは、少なくとも3本のピン113のうちの1本を取り囲み得る。例えば、第1のばね130aは第1のピン113aを取り囲み得て、第2のばね130bは第2のピン113bを取り囲み得て、第3のばね130cは第3のピン113cを取り囲み得る。
【0047】
ベローズ150は、少なくとも3つのベローズを含み得る。例えば、ベローズ150は、第1のベローズ150a、第2のベローズ150b、及び第3のベローズ150cを含み得る。
図7に示すように、第1のベローズ150a、第2のベローズ150b、及び第3のベローズ150cは、同一であってもよい。少なくとも3つのベローズ150のそれぞれは、上部部材110と少なくとも3つの下部部材120のそれぞれ1つとの間に配置され得る。例えば、第1のベローズ150aの上部端151a、第2のベローズ150bの上部端151b、及び第3のベローズ150cの上部端151cは、それぞれ上部部材110に接続されてもよい。第1のベローズ150aの下部端152a、第2のベローズ150bの下部端152b、及び第3のベローズ150cの下部端152cは、第1の下部部材120a、第2の下部部材120b、及び第3の下部部材120cに、それぞれ接続され得る。少なくとも3つのベローズ150のそれぞれは、少なくとも3つのばね130のうちの1つを取り囲み得る。例えば、第1のベローズ150aは第1のばね130aを取り囲み得て、第2のベローズ150bは第2のばね130bを取り囲み得て、第3のベローズ150cは第3のばね130cを取り囲み得る。
【0048】
ベース部材140の上部面141は、そこから上方に延びる少なくとも3本の支柱143を有し得る。例えば、
図3Aに示すように、少なくとも3本の支柱143は、第1の支柱143a、第2の支柱143b、及び第3の支柱143cを含み得る。少なくとも3本の支柱143は、ベース部材140の上部面141上に等間隔に配置され得る。例えば、第1の支柱143a、第2の支柱143b、及び第3の支柱143cは、ベース部材140の上部面141上の3つの同一円周上の点にあってもよい。少なくとも3本の支柱143のそれぞれは、同一の構造を有し得る。少なくとも3本の支柱143のそれぞれの自由端144は、支柱143の直径より大きい直径を有する球形145を有してもよい。例えば、
図8に示すように、第1の支柱143aの自由端144aは、第1の球形145aを有し得て、第2の支柱143bの自由端144bは、第2の球形145bを有し得て、第3の支柱143cの自由端144cは第3の球形145cを有し得る。
【0049】
ベース部材140は、下部部材120のそれぞれに結合されるように構成され得る。例えば、
図3Bに示すように、第1の支柱143a、第2の支柱143b、及び第3の支柱143cは、それぞれ第1の下部部材120a、第2の下部部材120b、及び第3の下部部材120cに結合されるように構成され得る。ベース部材140が各下部部材120に結合されると、ベース部材140は各下部部材120に荷重を加え、各下部部材120を無負荷状態から負荷状態に移行させる。ベース部材140が各下部部材120から結合解除されると、ベース部材140は各下部部材120から荷重を解放し、各下部部材120を負荷状態から無負荷状態に移行させる。
【0050】
各下部部材120の下部面122は、開口部126を含み得る。例えば、
図5Bに示すように、第1の下部部材120aの下部面122aは第1の開口部126aを含み得て、第2の下部部材120bの下部面122bは第2の開口部126bを含み得て、第3の下部部材120cの下部面122cは第3の開口部126cを含み得る。ベース部材140が各下部部材120に結合されると、各支柱143の自由端144は開口部126内に受容される。例えば、第1の支柱143aの自由端144aは第1の開口部126a内に受容され得て、第2の支柱143bの自由端144bは第2の開口部126b内に受容され得て、第3の支柱143cの自由端144cは、第3の開口部126c内に受容され得る。各支柱143の自由端144は、開口部126内に同時に又は順次、受容され得る。ベース部材140は、各支柱143の自由端144がそれぞれの開口部126内に受容されるように回転され得る。
【0051】
下部部材120のそれぞれの開口部126は、第1の部分127及び第2の部分128を含み得る。例えば、
図3Bに示すように、第1の下部部材120aの第1の開口部126aは、第1の部分127a及び第2の部分128aを有し得て、第2の下部部材120bの第2の開口部126bは、第1の部分127b及び第2の部分128bを有し得て、第3の下部部材120cの第3の開口部126cは、第1の部分127c及び第2の部分128cを有し得る。ベース部材140が下部部材120に結合されると、支柱143の自由端144は第1の部分127内に受容され得て、支柱143は少なくとも部分的に第2の部分128内に受容され得る。
【0052】
各下部部材120は、1対の内部当接面129を開口部126の内側に更に含み得る。例えば、
図3Bに示すように、第1の下部部材120aの第1の開口部126aは、第1の当接面129aを有し得て、第2の下部部材120bの第2の開口部126bは、第2の当接面129bを有し得て、第3の下部部材120cの第3の開口部126cは、第3の当接面129cを有し得る。内部当接面129の各対は、開口部126の第1の部分127を開口部126の第2の部分128に接続するテーパ面によって画定され得る。内部当接面129の各対は、平面であっても湾曲していてもよい。ベース部材140が下部部材120に結合されると、球形145は、1対の内部当接面129に接触し得る。例えば、球形145は、各内部当接面129上の1点と接触してもよい。第1の球形145aは第1の当接面129aと接触し得て、第2の球形145bは第2の当接面129bと接触し得て、第3の球形145cは第3の当接面129cと接触し得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、各支柱143の自由端144の形状及び内部当接面129の数は、同じであってもよく、又は異なっていてもよい。例えば、各開口部126は、1対の内部当接面129(例えば、v形)を有し、それぞれが各支柱143の自由端144との2つの接触点を供給し得る。代替的に、開口部126は、単一の内部当接面129(例えば、平面状)を有して、支柱143の自由端144との1つの接触点を供給してもよく、又は開口部126は、3つの内部当接面129(例えば、円錐形)を有して、支柱143の自由端144との3つの接触点を供給してもよい。各支柱143の自由端144は、対応する内部当接面129に接触するために、球形、円錐形、又は平面状を有してもよい。一実施形態では、装置100は、上記の形状の組み合わせを有し得る。例えば、1つの開口部126はv形を有してもよく、1つの開口部126は平面状を有し得て、1つの開口部126は円錐形を有し得る。この配置では、開口部126は平行であり得ることで、各支柱143の自由端144が各開口部126内に同時に受容され得る。
【0054】
装置100は、様々な構成要素のうちの1つ又は3つを有するものとして説明されているが、これらの構成要素の数は、装置100の特定の用途に基づいて変化し得て、コンプライアント構造上に取り付けられたアセンブリのセルフセンタリングが所望される場合があることを理解する必要がある。6つの自由度すべてを拘束するために、6つの接触点が、ベース部材140と下部部材120との間に必要とされる場合がある。例えば、6つのアセンブリは、各アセンブリが単一の接触点を供給する場合に使用され得て、又は3つのアセンブリは、各アセンブリが2つの接触点を供給する場合に使用され得る。
【0055】
本開示の装置100では、手動操作が、剛性状態から柔軟状態へ移行するのに必要とされない場合があり、それはカップリング荷重自体が移行を引き起こすためである。これにより、アセンブリの繰り返し芯出し配置が可能になり得る。加えて、内部機構の係合/係合解除によって生成される粒子、又は使用される任意の潤滑剤からの化学汚染は、装置100の本体内に捕捉されて、清浄な外部環境を汚染しない可能性がある。
【0056】
図9を参照すると、本開示の一実施形態は、方法200を提供する。方法200は以下のステップを含み得る。
【0057】
ステップ210では、サスペンションアセンブリが提供される。サスペンションアセンブリは、
図1~
図8に関連して上述した装置100の、又は本明細書に開示される他の実施形態の構成要素を含み得る。サスペンションアセンブリは、上部部材を含み得る。上部部材は、上部面及び下部面を有し得る。上部部材の上部面は固定拘束であってもよい。上部部材の下部面は、そこから下方に延びるピンを有し得る。ピンは、円筒形であり得る。ピンは、上部部材の下部面から遠位に自由端を有してもよい。上部部材は、円形又は多角形を有してもよい。
【0058】
サスペンションアセンブリは、下部部材を更に含み得る。下部部材は、上部部材の下に配置されてもよい。例えば、下部部材は、上部部材から垂直方向に離隔され得る。下部部材と上部部材は、同軸上に配列され得る。下部部材は、円形又は多角形を有してもよい。例えば、下部部材と上部部材は、同じ形状であってもよい。下部部材は、上部面及び下部面を有し得る。下部部材の上部面は、ピンの自由端を受けるように構成された座部を有し得る。下部部材は、負荷状態では荷重を担持し、無負荷状態では荷重を解放するように構成され得る。
【0059】
サスペンションアセンブリは、ばねを更に含み得る。ばねは、上部部材と下部部材との間に配置されてもよい。ばねは、上部部材に接続された上部端と、下部部材に接続された下部端とを有してもよい。例えば、ばねの上部端は上部部材の下部面に接続され得て、ばねの下部端は下部部材の上部面に接続され得る。ばねはピンを取り囲んでもよい。例えば、ばねは、ピンの直径よりも大きい内径を有していてもよい。ばねは、ピンの長さよりも短い自由長(すなわち、無負荷の長さ)を有し得る。
【0060】
無負荷状態では、ピンの自由端は座部に接触し、ばねが圧縮力を加えて上部部材と下部部材との間の相対的な横方向の移動を防止する。負荷状態では、荷重によりばねに引張力がかかり、ピンの自由端と座部との間に隙間を形成し、それによって上部部材と下部部材との間の相対的な横方向の動きが可能になる。
【0061】
ステップ220では、ベース部材は、サスペンションアセンブリの下の下部部材に結合される。ベース部材は、円形を有してもよい。ベース部材は、上部面及び下部面を有してもよい。ベース部材の上部面は、下部部材の下部面に結合するように構成され得る。ベース部材は、下部部材に荷重を加えて、下部部材を無負荷状態から負荷状態に移行させ得る。
【0062】
本開示の一実施形態によれば、方法200は、ステップ230を更に含み得る。ステップ230では、ベース部材がサスペンションアセンブリの下部部材から結合解除される。ベース部材は、下部部材から荷重を解放し、下部部材を負荷状態から無負荷状態に移行させ得る。
【0063】
本開示の方法200を使用すると、手動操作は、剛性状態から柔軟状態へ移行するのに必要とされない場合があり、それはベース部材の下部部材へのカップリングによって加えられる荷重自体が移行を引き起こすためである。ベース部材を下部部材から単に結合解除すると、アセンブリが剛性状態に戻る可能性がある。これにより、アセンブリの繰り返し芯出し配置が可能になり得る。
【0064】
図10~
図11を参照すると、本開示の一実施形態は装置300を提供する。装置300は、上述の装置100と同様であってもよく、上述の装置100の構成要素と同様の構成要素を含んでもよい。装置300は、装置100とは異なり、それは、装置300が圧縮サスペンションを設ける場合があるのに対し、装置100が延長サスペンションを設け場合があるという点においてである。
【0065】
装置300は、上部部材310を含み得る。上部部材310は、上部面311及び下部面312を有し得る。上部部材310の下部面312は、そこから下方に延びるピン313を有し得る。ピン313は、円筒形を有してもよい。ピン313は、上部部材310の下部面312から遠位に自由端314を有してもよい。ピン313の自由端314は、環状315を有し得る。環状315は球形又は円筒形を有し得る。環状315の直径は、ピン313の直径より大きくてもよい。上部部材310は、円形又は多角形を有してもよい。上部部材310は、負荷状態で荷重を担持し、無負荷状態で荷重を解放するように構成され得る。
【0066】
装置300は、下部部材320を更に含み得る。下部部材320は、上部部材310の下に配置されてもよい。例えば、下部部材320は上部部材310から垂直方向に離隔されてもよい。下部部材320と上部部材310は、同軸上に配列され得る。下部部材320は、円形又は多角形を有してもよい。下部部材320は固定拘束であり得る。下部部材320は、上部面321及び下部面322を有してもよい。下部部材320の上部面321は、ピン313の自由端314を受けるように構成された座部323を有し得る。
【0067】
装置300は、ばね330を更に含み得る。ばね330は、コイルばねであり得る。ばね330は、上部部材310と下部部材320との間に配置され得る。ばね330は、上部部材310に接続された上部端331と、下部部材320に接続された下部端332とを有し得る。例えば、ばね330の上部端331は、上部部材310の下部面312に接続され得て、ばね330の下部端332は、下部部材320の上部面321に接続され得る。ばね330は、上部部材310及び下部部材320に、締結具又は溶接によって接続され得る。代替的に、ばね330は、上部部材310及び下部部材320と一体的に形成されてもよい。ばね330は、ピン313を取り囲み得る。例えば、ばね330は、ピン313の直径よりも大きい内径を有してもよい。ばね330は、ピン313の長さよりも長い自由長(すなわち、無負荷の長さ)を有し得る。ばね330の自由長及びピン313の長さは、設計によって設定され得る。例えば、ばね330の自由長及びピン313の長さは、ばね330の他のパラメータ(例えば、ばね定数)及びピン313の他のパラメータ(例えば、直径)の組み合わせに依存して、ピン313又は下部部材320が、無負荷状態において、ばね330の力で破損するのを防止し得る。
【0068】
図10Aに示す無負荷状態では、ピン313の自由端314は座部323に接触し、ばね330は引張力を加えて、上部部材310と下部部材320との間の相対的な横方向の移動を防止する。したがって、装置300は、ローディングを容易にするために剛性であってもよい。座部323は、皿穴325を含み得る。無負荷状態では、ピン313の自由端314は、座部323に受けられ、ピン113の環状315と座部323の皿穴325との間に環状接触面を有し得る。
【0069】
図11に示す負荷状態では、荷重は、圧縮力をばね330に加えて、ピン313の自由端314と座部323との間に隙間324を形成し、これにより、上部部材310と下部部材320との間の相対的な横方向の移動が可能になる。したがって、装置300は、負荷がかかったときに振動を吸収するように柔軟であってもよい。隙間324のサイズは、ピン313と座部323との間のインタフェースの幾何学的形状に依存して、上部部材310と下部部材320との間のいかなる相対運動にも適応するのに十分な大きさになり得ることを理解されたい。
【0070】
負荷状態では、ピン313の自由端314は、依然として座部323に受けられ得る。例えば、座部323は、第1の部分326及び第2の部分327を含み得る。第1の部分326は、ピン313の直径よりも大きく、かつ環状315の直径よりも小さい直径を有し得る。第2の部分327は、環状315の直径よりも大きい直径を有してもよい。したがって、ピン313は第1の部分326に受けられることができ、ピン313の自由端314は第2の部分327に受けられ得る。このようにして、ピン313の自由端314は、負荷状態で座部323の第2の部分327内で下方に移動し得る。座部323は、座部323の第2の部分327に配置されたプラグ328を更に含み得る。プラグ328は、座部323の内部を下部部材320の外部から密閉し得る。
【0071】
装置300は、ベース部材340を更に含み得る。ベース部材340は、吊り下げて搬送され得る任意の敏感なアセンブリを担持するように構成され得る。例えば、ベース部材340は、結像ミラーアセンブリ(IMA)、照明アセンブリ、レーザ、干渉計、又は他の高感度の器具類若しくは構成要素を担持するように構成され得る。ベース部材340は、上部部材310の上に配置されてもよい。ベース部材340は、円形又は多角形を有してもよい。ベース部材340は、上部面341及び下部面342を有し得る。ベース部材340は、上部部材310に結合するように構成され得る。例えば、ベース部材340の下部面342は、上部部材310の上部面311に結合するように構成され得る。
【0072】
ベース部材340が上部部材310に結合されると(
図11に示すように)、ベース部材340は上部部材310に荷重を加え、上部部材310を無負荷状態から負荷状態に移行させ得る。
【0073】
ベース部材340が上部部材310から結合解除されると(
図10Aに示すように)、ベース部材340は上部部材310から荷重を解放し、上部部材310を負荷状態から無負荷状態に移行させ得る。
【0074】
ベース部材340の下部面342は、そこから下方に延びる支柱343を有し得る。支柱343は、円筒形を有してもよい。支柱343は、ベース部材340の下部面342から遠位に自由端344を有してもよい。自由端344は、球形345を有し得る。球形345は、支柱343の直径より大きい直径を有し得る。自由端344は、他の形状、例えば、カヌーの球体、球面円柱状、又は他のキネマチック/半キネマチックフィーチャであってもよい。
【0075】
上部部材310の上部面311は、溝316を含み得る。ベース部材340が上部部材310に結合されると、支柱343の自由端344は溝316内に受容され得る。
【0076】
溝316は、v形を有し、1対の当接面317を含み得る。1対の当接面317は、平面であっても湾曲していてもよい。ベース部材340が上部部材310に結合されると、球形345は、1対の当接面317に接触し得る。例えば、球形345は、各当接面317上の1点と接触してもよい。1対の当接面317のテーパ形状は、ベース部材340が上部部材310に結合されるとセルフセンタリングを引き起こし得る。例えば、カップリングが最初に位置ずれしている場合(すなわち、
図10Bに示すように、球形345が1対の当接面317の一方のみと接触する場合)、テーパ形状により、球形345が芯出し位置に滑動することが可能になり得て(
図10Cに示す)、ここで、両方の当接面317と接触した後に負荷状態に移行する。
【0077】
装置300は、ベローズ350を更に含み得る。ベローズ350は、上部部材310と下部部材320との間に配置され得る。ベローズ350は、上部部材310に接続された上部端351と、下部部材320に接続された下部端352とを有し得る。例えば、ベローズ350の上部端351は上部部材310の下部面312に接続され得て、ベローズ350の下部端352は下部部材320の上部面321に接続され得る。ベローズ350は、溶接によって上部部材310及び下部部材320に接続されてもよい。ベローズ350は、ばね330を取り囲み得る。例えば、ベローズ350の内径は、ばね330の外径より大きくされ得る。ベローズ350は、ベローズ350の外部からベローズ350の内部を密閉するように構成され得る。例えば、ばね330の移動及びピン313と座部323との間の接触によって生成された粒子は、ベローズ350の内側に収容されて、ベローズ350の外部の清浄な空気を汚染しないようにされ得る。ベローズ350は弾性材料で作製され得る。例えば、ベローズ350は、柔軟な波形要素であり得る。ベローズ350は、水平方向に波形を有して、軸方向の変形を可能にし得る。ベローズ350は、隙間324の長さ以上の長さ分だけ、弾性変形可能であってもよく、この範囲内での繰り返し変形に対して十分な疲労寿命を有し得る。このようにして、ベローズ350は、上部部材310と下部部材320との間の密閉を負荷状態と無負荷状態の両方において維持し得る。ベローズ350はまた、ベローズ350の外部とベローズ350の内部との間の圧力差に耐えるのに十分な強度を有し得る。装置300は真空チャンバ内に配置され得て、ベローズ350は、上部部材310と下部部材320との間の密閉を、真空チャンバ内の圧力変動中に維持し得ることを理解する必要がある。
【0078】
本開示の一実施形態によれば、装置300は、上述した多数の構成要素を含み得る。例えば、装置300は、以下に更に説明するように、3つ以上の特定の構成要素を含み得る。
図12A及び
図12Bの装置301と、
図13~
図17の個々の構成要素を参照する。
【0079】
上部部材310の下部面312は、そこから下方に延びる少なくとも3本のピン313を有し得る。例えば、
図13Bに示すように、少なくとも3本のピン313は、第1のピン313a、第2のピン313b、及び第3のピン313cを含み得る。少なくとも3本のピン313は、上部部材310の下部面312に等間隔に配置され得る。例えば、第1のピン313a、第2のピン313b、及び第3のピン313cは、上部部材310の下部面312の3つの同一円周上の点にあってもよい。少なくとも3本のピン313のそれぞれは、同一の構造を有し得る。少なくとも3本のピン313のそれぞれの自由端314は、環状315を有し得る。例えば、第1のピン313aの自由端314aは、第1の環状315aを有し得て、第2のピン313bの自由端314bは、第2の環状315bを有し得て、第3のピン313cの自由端314cは、第3の環状315cを有し得る。少なくとも3本のピン313のそれぞれの環状315の直径は、各ピン313の直径より大きくてもよい。
【0080】
下部部材320は、少なくとも3つの座部323を含み得る。例えば、下部部材320は、第1の座部323a、第2の座部323b、及び第3の座部323cを含み得る。各座部323は、少なくとも3本のピン313のうちの1本の自由端314を受けるように構成され得る。例えば、第1の座部323aは、第1のピン313aの自由端314aを受けるように構成され得て、第2の座部323bは、第2のピン313bの自由端314bを受けるように構成され得て、第3の座部323cは、第3のピン313cの自由端314cを受けるように構成され得る。少なくとも3つの座部323のそれぞれは、皿穴325を含み得る。例えば、第1の座部323aは第1の皿穴325aを含み得て、第2の座部323bは第2の皿穴325bを含み得て、第3の座部323cは、第3の皿穴325cを含み得る。少なくとも3つの座部323は、下部部材320の上部面321から下部面322まで延びる3つの同一円周上の点にあってもよい。例えば、
図14Aに示すように、第1の座部323a、第2の座部323b、及び第3の座部323cは、互いに120°で配置され得る。
【0081】
少なくとも3つの座部323のそれぞれは、第1の部分326及び第2の部分327を含み得る。例えば、
図12A及び
図12Bに示すように、第1の座部323aは、第1の部分326a及び第2の部分327aを有し得て、第2の座部323bは、第1の部分326b及び第2の部分327bを有し得て、第3の座部323cは、第1の部分326c及び第2の部分327cを有し得る。少なくとも3本のピン313のうちの1本のピン313は、第1の部分326内に受けられ得て、少なくとも3本のピン313のうちの1本の自由端314は、第2の部分327内に受けられ得る。例えば、第1のピン313aは第1の座部323aの第1の部分326aに受けられてもよく、第2のピン313bは第2の座部323bの第1の部分326bに受けられてもよく、第3のピン313cは第3の座部323cの第1の部分326cに受けられてもよい。第1のピン313aの自由端314aは、第1の座部323aの第2の部分327aに受けられてもよく、第2のピン313bの自由端314bは、第2の座部323bの第2の部分327bに受けられてもよく、第3のピン313cの自由端314cは、第3の座部323cの第2の部分327cに受けられてもよい。
【0082】
下部部材320は、少なくとも3つのプラグ328を更に含み得る。少なくとも3つのプラグは、下部部材320の下部面322において少なくとも3つの座部323のそれぞれ1つに配置され得る。例えば、
図14Bに示すように、第1のプラグ328a、第2のプラグ328b、及び第3のプラグ328cは、それぞれ、第1の座部323a、第2の座部323b、及び第3の座部323cに配置され得る。
【0083】
ばね330は、少なくとも3つのばねを含み得る。例えば、ばね330は、第1のばね330a、第2のばね330b、及び第3のばね330cを含み得る。
図15に示すように、第1のばね330a、第2のばね330b、及び第3のばね330cは同一であってもよい。少なくとも3つのばね330のそれぞれは、上部部材310と下部部材320との間に配置され得る。例えば、第1のばね330aの上部端331a、第2のばね330bの上部端331b、及び第3のばね330cの上部端331cは、それぞれ上部部材310に接続されてもよい。第1のばね330aの下部端332a、第2のばね330bの下部端332b、及び第3のばね330cの下部端332cは、下部部材320に接続されてもよい。少なくとも3つのばね330のそれぞれは、少なくとも3本のピン313のうちの1本を取り囲み得る。例えば、第1のばね330aは第1のピン313aを取り囲み得て、第2のばね330bは第2のピン313bを取り囲み得て、第3のばね330cは第3のピン313cを取り囲み得る。
【0084】
ベローズ350は、少なくとも3つのベローズを含み得る。例えば、ベローズ350は、第1のベローズ350a、第2のベローズ350b、及び第3のベローズ350cを含み得る。
図16に示すように、第1のベローズ350a、第2のベローズ350b、及び第3のベローズ350cは同一であってもよい。少なくとも3つのベローズ350のそれぞれは、上部部材310と下部部材320との間に配置され得る。例えば、第1のベローズ350aの上部端351a、第2のベローズ350bの上部端351b、及び第3のベローズ350cの上部端351cは、それぞれ上部部材310に接続され得る。第1のベローズ350aの下部端352a、第2のベローズ350bの下部端352b、及び第3のベローズ350cの下部端352cは、下部部材320に接続され得る。少なくとも3つのベローズ350のそれぞれは、少なくとも3つのばね330のうちの1つを取り囲み得る。例えば、第1のベローズ350aは第1のばね330aを取り囲み得て、第2のベローズ350bは第2のばね330bを取り囲み得て、第3のベローズ350cは第3のばね330cを取り囲み得る。
【0085】
ベース部材340の下部面342は、そこから下方に延びる少なくとも3本の支柱343を有し得る。例えば、
図12Aに示すように、少なくとも3本の支柱343は、第1の支柱343a、第2の支柱343b、及び第3の支柱343cを含み得る。少なくとも3本の支柱343は、ベース部材340の下部面342に等間隔に配置され得る。例えば、第1の支柱343a、第2の支柱343b、及び第3の支柱343cは、ベース部材340の下部面342の3つの同一円周上の点にあってもよい。少なくとも3本の支柱343のそれぞれは、同一の構造を有してもよい。少なくとも3本の支柱343のそれぞれの自由端344は、支柱343の直径よりも大きい直径を有する球形345を有してもよい。例えば、
図17に示すように、第1の支柱343aの自由端344aは第1の球形345aを有し得て、第2の支柱343bの自由端344bは第2の球形345bを有し得て、第3の支柱343cの自由端344cは第3の球形345cを有し得る。
【0086】
ベース部材340は、上部部材310に結合されるように構成され得る。例えば、
図12Bに示すように、第1の支柱343a、第2の支柱343b、及び第3の支柱343cは、上部部材310に結合されるように構成され得る。ベース部材340が上部部材310に結合されると、ベース部材340は上部部材310に荷重を加え、上部部材310を無負荷状態から負荷状態に移行させる。ベース部材340が上部部材310から結合解除されると、ベース部材340は上部部材310から荷重を解放し、上部部材310を負荷状態から無負荷状態に移行させる。
【0087】
上部部材310の上部面311は、少なくとも3つの溝316を含み得る。例えば、
図13Aに示すように、上部部材310の上部面311は、第1の溝316a、第2の溝316b、及び第3の溝316cを含み得る。少なくとも3つの溝316は、v形を有してもよく、それぞれが、1対の当接面317を含み得る。例えば、第1の溝316a、第2の溝316b、及び第3の溝316cは、それぞれ、第1の当接面317a、第2の当接面317b、及び第3の当接面317cを含むことができる。1対の当接面317は、平面であっても湾曲していてもよい。少なくとも3つの溝316は、互いに対して120°で配置され得る。ベース部材340が上部部材に結合されると、少なくとも3本の支柱343のそれぞれの自由端344は、少なくとも3つの溝316のうちの1つの1対の当接面317と接触し得る。例えば、第1の支柱343aの自由端344aは、第1の溝316aの第1の当接面317aに接触してもよく、第2の支柱343bの自由端344bは、第2の溝316bの第2の当接面317bに接触してもよく、第3の支柱343cの自由端344cは、第3の溝316cの第3の当接面317cに接触してもよい。
【0088】
装置300は、様々な構成要素のうちの1つ又は3つを有するものとして説明されるが、これらの構成要素の数は、装置300の特定の用途に基づいて変化し得て、コンプライアント構造上に取り付けられたアセンブリのセルフセンタリングが所望される場合があることを理解する必要がある。6つの自由度すべてを拘束するために、6つの接触点が、ベース部材340と上部部材310との間に必要とされる場合がある。例えば、6つのアセンブリは、各アセンブリが単一の接触点を供給する場合に使用され得て、又は3つのアセンブリは、各アセンブリが2つの接触点を供給する場合に使用され得る。
【0089】
本開示の装置300では、手動操作は、剛性状態から柔軟状態へ移行するのに必要とされない場合があり、それはカップリング荷重自体が移行を引き起こすためである。これにより、アセンブリの繰り返し芯出し配置が可能になり得る。加えて、内部機構の係合/係合解除によって生成される粒子、又は使用される任意の潤滑剤からの化学汚染は、装置300の本体内に捕捉されて、清浄な外部環境を汚染しない可能性がある。
【0090】
図18を参照すると、本開示の一実施形態は、方法400を提供する。方法400は以下のステップを含み得る。
【0091】
ステップ410では、サスペンションアセンブリが提供される。サスペンションアセンブリは、
図10~
図11に関連して上述した装置300の、又は本明細書に開示される他の実施形態の構成要素を含み得る。サスペンションアセンブリは、上部部材を含み得る。上部部材は、上部面及び下部面を有し得る。上部部材の下部面は、そこから下方に延びるピンを有し得る。ピンは、円筒形であり得る。ピンは、上部部材の下部面から遠位に自由端を有してもよい。上部部材は、円形又は多角形を有してもよい。上部部材は、負荷状態では荷重を担持し、無負荷状態では荷重を解放するように構成され得る。
【0092】
サスペンションアセンブリは、下部部材を更に含み得る。下部部材は、上部部材の下に配置されてもよい。例えば、下部部材は、上部部材から垂直方向に離隔され得る。下部部材と上部部材は、同軸上に配列され得る。下部部材は、円形又は多角形を有してもよい。例えば、下部部材と上部部材は、同じ形状であってもよい。下部部材は、固定拘束であってもよい。下部部材は、上部面及び下部面を有し得る。下部部材の上部面は、ピンの自由端を受けるように構成された座部を有し得る。
【0093】
サスペンションアセンブリは、ばねを更に含み得る。ばねは、上部部材と下部部材との間に配置されてもよい。ばねは、上部部材に接続された上部端と、下部部材に接続された下部端とを有してもよい。例えば、ばねの上部端は上部部材の下部面に接続され得て、ばねの下部端は下部部材の上部面に接続され得る。ばねはピンを取り囲んでもよい。例えば、ばねは、ピンの直径よりも大きい内径を有してもよい。ばねは、ピンの長さよりも長い自由長(すなわち、無負荷の長さ)を有し得る。
【0094】
無負荷状態では、ピンの自由端は座部に接触し、ばねが引張力を加えて上部部材と下部部材との間の相対的な横方向の移動を防止する。負荷状態では、荷重によりばねに圧縮力がかかり、ピンの自由端と座部との間に隙間を形成し、それによって上部部材と下部部材との間の相対的な横方向の移動が可能になる。
【0095】
ステップ420では、ベース部材は、サスペンションアセンブリの上の上部部材に結合される。ベース部材は、円形を有してもよい。ベース部材は、上部面及び下部面を有してもよい。ベース部材の下部面は、上部部材の上部面に結合するように構成され得る。ベース部材は、上部部材に荷重を加えて、上部部材を無負荷状態から負荷状態に移行させ得る。
【0096】
本開示の一実施形態によれば、方法400は、ステップ430を更に含み得る。ステップ430では、ベース部材がサスペンションアセンブリの上部部材から結合解除される。ベース部材は、上部部材から荷重を解放し、上部部材を負荷状態から無負荷状態に移行させ得る。
【0097】
本開示の方法400を使用すると、手動操作は、剛性状態から柔軟状態へ移行するのに必要とされない場合があり、それはベース部材の上部部材へのカップリングによって加えられる荷重自体が移行を引き起こすためである。ベース部材を上部部材から単に結合解除すると、アセンブリが剛性状態に戻る可能性がある。これにより、アセンブリの繰り返し芯出し配置が可能になり得る。
【0098】
本開示は、1つ以上の特定の実施形態に関して説明されているが、本開示の他の実施形態が本開示の範囲から逸脱することなく実施され得ることが理解されるであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその合理的な解釈によってのみ限定されるものとみなされる。
【国際調査報告】