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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】生分解性グラフトポリマー
(51)【国際特許分類】
   C08F 263/00 20060101AFI20240822BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20240822BHJP
   C11D 3/48 20060101ALI20240822BHJP
   C11D 3/386 20060101ALI20240822BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
C08F263/00
C11D3/37
C11D3/48
C11D3/386
C11D3/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508413
(86)(22)【出願日】2022-08-10
(85)【翻訳文提出日】2024-02-09
(86)【国際出願番号】 EP2022072405
(87)【国際公開番号】W WO2023017064
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】21191081.5
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミューラー,ヤン オーレ
(72)【発明者】
【氏名】ベンラーマー,ウイダード
(72)【発明者】
【氏名】ベッカー,ナタリア
(72)【発明者】
【氏名】ビュヒセ,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ゼッテルス,フォルカー
(72)【発明者】
【氏名】フレッケンシュタイン,ペーター ヨアヒム
(72)【発明者】
【氏名】ビーン,ジェシカ エリノア
(72)【発明者】
【氏名】デル レグノ,アナローラ
(72)【発明者】
【氏名】フールスケッター,フランク
(72)【発明者】
【氏名】ジー,ガング
(72)【発明者】
【氏名】ゴルクジンスカ コステロ,カタジナ
(72)【発明者】
【氏名】マクラッキー,ケイト モイラ
【テーマコード(参考)】
4H003
4J026
【Fターム(参考)】
4H003AB19
4H003AB27
4H003AB31
4H003DA01
4H003DA19
4H003DC02
4H003EA12
4H003EA19
4H003EB04
4H003EB06
4H003EB07
4H003EB08
4H003EB13
4H003EB14
4H003EB24
4H003EB28
4H003EB35
4H003EC02
4H003EC03
4H003ED29
4H003FA19
4H003FA34
4J026AA12
4J026BA18
(57)【要約】
本発明は、その上にグラフトされたポリマー側鎖(B)を有する、グラフト基体としてのポリマー主鎖(A)を含む新規なグラフトポリマーに関する。ポリマー側鎖(B)は、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に更なるモノマー(B2)の重合によって得ることができ、- 存在する場合 - モノマー(B2)対モノマー(B1)の重量比は、0.5未満である。ポリマー主鎖(A)は、エチレンオキシドの重合によって得ることができ、及びg/モル単位でのポリマー主鎖の分子量Mnは、500~5000以内である。本発明は、そのようなグラフトポリマーを得るためのプロセスに更に関し、本プロセスは、好ましくは、フリーラジカル重合によって実施される。本発明は、例えば、布地ケア及びホームケア製品中におけるそのようなグラフトポリマーの使用にも関する。そのようなグラフトポリマーを含有する布地ケア及びホームケア製品も特許請求される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラフトポリマーであって、全ての百分率を前記グラフトポリマーの総重量に対する重量パーセントとして、
(A)20~95%、好ましくは30~90%、より好ましくは40~85%、最も好ましくは50~80%の、エチレンオキシドの重合によって得ることができる、グラフト基体としてのポリマー主鎖であって、g/モル単位での前記ポリマー主鎖の分子量Mnは、500~5000以内、好ましくは3500以下、より好ましくは3000以下、更により好ましくは2500以下、最も好ましくは2000以下、例えば1800以下である、ポリマー主鎖と、
(B)5~80%、好ましくは10~70%、より好ましくは15~60%、最も好ましくは20~50%の、前記ポリマー主鎖上にグラフトされたポリマー側鎖(B)であって、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合によって得ることができ、- 存在する場合 - モノマー(B2)対モノマー(B1)の重量比は、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、更により好ましくは0.1未満であり、最も好ましくは、(B2)は、含まれない、ポリマー側鎖(B)と
を含むグラフトポリマー。
【請求項2】
(A)エチレンオキシドの重合によって得ることができる、グラフト基体としてのポリマー主鎖(A)と、
(B)前記ポリマー主鎖上にグラフトされたポリマー側鎖であって、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合によって得ることができ、- 存在する場合 - モノマー(B2)対モノマー(B1)の重量比は、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満である、ポリマー側鎖と
を含み、式
P=[g/モル単位での前記ポリマー主鎖の分子量]×[ポリマー重量を「1」に設定し、及び(B)の量の百分率をその割合としての、総ポリマー重量を基準とするポリマー側鎖(B)の量の百分率]
の積は、50~1500の範囲、好ましくは1200以下、より好ましくは1000以下、更により好ましくは800以下、最も好ましくは600以下、例えば400以下又は更に300以下及び好ましくは少なくとも100、より好ましくは少なくとも120である、請求項1に記載のグラフトポリマー。
【請求項3】
i)、ii)及びiii):
i)前記ポリマー主鎖(A)は、2つの末端基として1つ若しくは2つのヒドロキシ基を有し得るか、又は1つの末端若しくは両方の末端においてC1~C22アルキル基、好ましくはC1~C4アルキル基でキャップされ得ること;
ii)前記グラフトポリマーは、5未満、好ましくは3.5未満、より好ましくは3未満、最も好ましくは1.0~2.5の範囲の多分散性Mw/Mn(ここで、Mw=重量平均分子量であり、及びMn=数平均分子量[g/モル/g/モル]である)を有すること;及び
iii)本質的に、モノマー(B2)は、前記側鎖(B)を得るための前記重合に用いられないこと
の少なくとも1つが満たされる、請求項1又は2に記載のグラフトポリマー。
【請求項4】
ビニルエステルモノマー(B1)の総量の少なくとも10重量パーセントは、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びラウリン酸ビニルから、より好ましくは酢酸ビニル及びラウリン酸ビニルから選択され、最も好ましくは酢酸ビニルであり、ビニルエステルの残りの量は、任意の他の既知のビニルエステルであり得、好ましくは、少なくとも60、より好ましくは少なくとも70、更により好ましくは少なくとも80、更により好ましくは少なくとも90重量パーセント、最も好ましくは本質的に唯一の(すなわち約100重量%又は更に100重量%の)酢酸ビニルは、ビニルエステルとして用いられる(重量パーセントは、用いられるビニルエステルモノマーB1の総重量を基準とする)、請求項1~3のいずれか一項に記載のグラフトポリマー。
【請求項5】
モノマー(B2)を本質的に含まない、請求項1~4のいずれか一項に記載のグラフトポリマー。
【請求項6】
前記グラフトポリマーの生分解性は、OECD301F下で試験される場合、28日以内に少なくとも30、好ましくは少なくとも35、更により好ましくは少なくとも40%である、請求項1~5のいずれか一項に記載のグラフトポリマー。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のグラフトポリマーを得るためのプロセスであって、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の他のモノマー(B2)は、少なくとも1種のポリマー主鎖(A)の存在下で重合され、前記ポリマー側鎖(B)は、ラジカル重合であって、前記ラジカル重合を開始するためのラジカル形成化合物を使用するラジカル重合によって得られる、プロセス。
【請求項8】
少なくとも1種のポリマー主鎖(A)、フリーラジカル形成開始剤(C)並びに任意選択的に成分(A)、(B1)、任意選択的な(B2)及び(C)の合計を基準として最大で50重量%の少なくとも1種の有機溶媒(D)の存在下において、前記開始剤(C)が40~500分の分解半減期を有する平均重合温度での、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合であって、反応混合物中の未転化のグラフトモノマー(B1)並びに任意選択的な(B2)及び開始剤(C)の割合が前記ポリマー主鎖(A)に対して量的な不足に常に保たれるような方法での重合を含み、好ましくは、ビニルエステルモノマー(B1)の総量の少なくとも10重量パーセントは、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びラウリン酸ビニルから、より好ましくは酢酸ビニル及びラウリン酸ビニルから選択され、最も好ましくは酢酸ビニルであり、ビニルエステルの残りの量は、任意の他の既知のビニルエステルであり得、好ましくは、少なくとも60、より好ましくは少なくとも70、更により好ましくは少なくとも80、更により好ましくは少なくとも90重量パーセント、最も好ましくは本質的に唯一の(すなわち約100重量%又は更に100重量%の)酢酸ビニルは、ビニルエステルとして用いられ(重量パーセントは、用いられるビニルエステルモノマーB1の総重量を基準とする)、- (B2)が存在する場合 - 任意選択的なモノマー(B2)対モノマー(B1)の重量比は、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満である、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記モノマー(B1)の他に、本質的に、モノマー(B2)は、用いられない、請求項7又は8に記載のプロセス。
【請求項10】
i)~iv):
i)後重合;ii)精製;iii)濃縮;及びiv)乾燥
から選択される少なくとも1つの更なるプロセスステップを含む、請求項7~9のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
i)主重合反応後に行われる後重合プロセスステップであって、好ましくは、更なる量の開始剤(任意選択的に前記溶媒中に溶解されている)は、0.5時間~最大で3時間、好ましくは約1~2時間、より好ましくは約1時間の期間にわたって添加され、前記ラジカル開始剤及び前記開始剤のための前記溶媒は、典型的には、- 及び好ましくは - 前記主重合反応のためのものと同じであり、前記重合反応後及び前記後重合反応前に、好ましくは、更なるラジカル開始剤の添加を開始することによって前記後重合反応が開始される前に、前記主重合反応を進行させる期間が待機され、前記期間は、好ましくは、10分~最大で4時間、好ましくは最大で2時間、更により好ましくは最大で1時間、最も好ましくは最大で30分であり、前記後重合プロセスステップの温度は、- 好ましくは - 前記主重合反応におけるものと同じであるか又は上昇され、前記上昇は、好ましくは、前記主重合反応の温度に比べて約5~40℃、好ましくは10~20℃だけ高い、後重合プロセスステップ;
ii)前記主重合又は - 行われる場合、前記後重合プロセス - から得られる前記グラフトポリマーを、残存溶媒(それらがその沸点のために除去可能である限り)及び/又は残留モノマーなどの揮発性物質の一部又はほぼ全てを除去するための濃縮及び/又は乾燥の手段に供するステップであって、
a.前記濃縮は、好ましくは、所望の固形分が達成されるまで行われ、好ましくは揮発性溶媒及び/又は未反応の揮発性モノマーなどの揮発性成分の所望の部分又は全てが除去されるまで行われる、熱又は真空蒸留、好ましくは真空蒸留などの蒸留プロセスを適用することにより、前記溶媒及び任意選択的にまた揮発性物質の一部を除去して、固体ポリマー濃度を上げることによって行われ;
b.前記乾燥は、残存溶媒及び/又は未反応モノマー等などの少なくとも残留量の揮発性物質を含有する前記グラフトポリマーを、ローラードラム、噴霧乾燥機を使用する乾燥、真空乾燥又は凍結乾燥、好ましくは - 主に費用の理由のために - 噴霧乾燥など、前記揮発性物質を除去する手段に供し、且つ任意選択的に、前記乾燥プロセスステップを、凝集した又は粒状のグラフトポリマー粒子を得るための凝集又は造粒の手段と組み合わせることによって行われ、前記プロセスは、好ましくは、噴霧凝集、流動床乾燥機での造粒又は乾燥、噴霧造粒デバイス等から選択される、ステップ
から選択される少なくとも1つの更なるプロセスステップを含む、請求項7~10のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
水の量は、少なく、好ましくは全溶媒を基準として5重量%未満、より好ましくは1重量%未満である、請求項7~11のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
布地ケア及びホームケア製品、洗浄組成物、業務用洗浄製品、化粧品又はパーソナルケア製品、原油エマルジョン破壊剤などの油田用配合物、インクジェットインクなどのインクのための顔料分散体、電気めっき製品、セメント系組成物、ラッカー、塗料、農薬配合物である組成物中における、請求項1~6のいずれか一項に記載の少なくとも1種のグラフトポリマー又は請求項7~12のいずれか一項に記載のプロセスによって得られるか若しくは得ることができる少なくとも1種のグラフトポリマーの使用。
【請求項14】
洗浄組成物中における並びに/又は布地ケア及びホームケア製品中における、好ましくは布地ケア及びホームケアのための洗浄組成物中におけるものであり、前記洗浄組成物は、好ましくは、洗濯洗剤配合物又は食器洗浄用洗剤配合物であり、
任意選択的に、1種以上のリパーゼ、ヒドロラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ、ペクチン酸リアーゼ、クチナーゼ、DNase、キシラナーゼ、オキシドレダクターゼ、ディスパーシン、マンナナーゼ及びペルオキシダーゼ並びに上記の種類の少なくとも2つの組合せから好ましくは選択される少なくとも1種の酵素を更に含み、好ましくは、少なくとも1種の酵素は、リパーゼ、ヒドロラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼから選択され、
前記少なくとも1種のグラフトポリマーは、前記組成物又は製品の総重量に対して約0.01%~約20%、好ましくは約0.05%~15%、より好ましくは約0.1%~約10%、最も好ましくは約0.5%~約5%の範囲の量で存在し、及び
前記製品又は組成物は、約1重量%~約70重量%の界面活性剤系を更に含む、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
請求項1~6のいずれか一項に記載の少なくとも1種のグラフトポリマー又は請求項7~12のいずれか一項に記載のプロセスによって得られるか若しくは得ることができる少なくとも1種のグラフトポリマーをそれぞれ含有する、布地ケア及びホームケア製品、洗浄組成物、業務用洗浄製品、化粧品又はパーソナルケア製品、原油エマルジョン破壊剤などの油田用配合物、インクジェットインクなどのインクのための顔料分散体、電気めっき製品、セメント系組成物、ラッカー、塗料、農薬配合物、好ましくは洗濯洗剤、食器洗浄用組成物、洗浄組成物並びに/又は布地ケア及びホームケア製品である組成物。
【請求項16】
2-フェノキシエタノールからなる群から選択される抗菌剤を更に含み、好ましくは前記組成物の2ppm~5重量%の範囲の量の前記抗菌剤を含み、より好ましくは0.1~2%のフェノキシエタノールを含む、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
4,4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテルをそれぞれ前記組成物の重量で0.001~3%、好ましくは0.002~1%、より好ましくは0.01~0.6%の濃度で含む、請求項15又は16に記載の組成物。
【請求項18】
微生物汚染又は増殖に対して、請求項15又は17に記載の組成物を保存する方法であって、前記組成物が、好ましくは、前記組成物の2ppm~5重量%の範囲、より好ましくは0.1~2%を含む量でフェノキシエタノールを含むように、水を溶媒として含む水性組成物である前記組成物に、2-フェノキシエタノールからなる群から選択される抗菌剤を添加することを含む方法。
【請求項19】
布地を洗濯するか又は硬表面を洗浄する方法であって、布地又は硬表面を、請求項15又は16に記載の組成物で処理することを含み、前記組成物は、4,4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテルを含み、好ましくは4,4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテルをそれぞれ前記組成物の重量で0.001~3%、好ましくは0.002~1%、より好ましくは0.01~0.6%の濃度で含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、その上にグラフトされたポリマー側鎖(B)を有する、グラフト基体としてのポリマー主鎖(A)を含む新規なグラフトポリマーに関する。ポリマー側鎖(B)は、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に - 好ましくないが - 更なるモノマー(B2)の重合によって得ることができ、- 存在する場合 - モノマー(B2)対モノマー(B1)の重量比は、0.5未満である。ポリマー主鎖(A)は、エチレンオキシドの重合によって得ることができ、g/モル単位でのポリマー主鎖の分子量Mnは、500~5000以内である。本発明は、そのようなグラフトポリマーを得るためのプロセスに更に関し、本プロセスは、好ましくは、フリーラジカル重合によって実施される。更に、本発明は、例えば、布地ケア及びホームケア製品中におけるそのようなグラフトポリマーの使用に関する。本発明の別の主題は、したがって、そのようなグラフトポリマーを含有する布地ケア及びホームケア製品である。
【背景技術】
【0002】
様々な国が、とりわけ化粧品におけるマイクロプラスチックを禁止するためのイニシアチブを既に導入している。不溶性マイクロプラスチックのこの禁止に留まらず、消費者製品に使用される可溶性ポリマーに対する将来的な規定に関する真剣な協議が行われている。そのため、そのような用途向けの新しいより良好な生分解性原料を特定することが強く望まれている。この問題は、炭素のみの主鎖が微生物に対して分解するのが特に困難であるため、炭素のみの主鎖(酸素などのヘテロ原子を含有しない主鎖)に基づくラジカル重合によって製造されるポリマーについて主に深刻である。ポリエチレングリコール主鎖の工業的に重要なラジカルで製造されるグラフトポリマーでも、廃水中で限定された生分解性を示すにすぎない。しかしながら、本発明によって記載されるポリマーは、好ましくは、ラジカルグラフト重合によって製造され、従来技術と比較して向上した生分解性を提供する。
【0003】
国際公開第2007/138053号パンフレットは、グラフト基体としての水溶性ポリアルキレンオキシド(A)と、ビニルエステル成分(B)の重合によって形成される側鎖とをベースとする両親媒性グラフトポリマーであって、50のアルキレンオキシド単位当たり平均1個未満のグラフト部位及び3000~100000の平均モル質量Mを有するポリマーを開示している。国際公開第2007/138053号パンフレットは、その中に開示されたそれぞれのグラフトポリマーの生分解性(「生分解とも称される)に関するいかなる開示も、本発明に定義されるようなグラフトポリマーも含まない。
【0004】
国際公開第03/042262号パンフレットは、(A)モノエチレン性不飽和単位なしのポリマーグラフト骨格と、(B)それぞれ窒素含有複素環を含む2種の異なるモノエチレン性不飽和モノマー(B1)及び(B2)のコポリマーから形成されるポリマー側鎖とを含むグラフトポリマーであって、側鎖(B)の量の割合は、全ポリマーの35~55重量%になる、グラフトポリマーに関する。しかしながら、国際公開第03/042262号パンフレットによるグラフトポリマーは、主鎖上にグラフトされたそれぞれのポリマー側鎖内においてビニルエステルモノマーをベースとするものではない。更に、国際公開第03/042262号パンフレットには、そこに開示されたグラフトポリマーの生分解性に関連していかなる開示もない。
【0005】
米国特許第A5,318,719号明細書は、ビルダー性、皮膜形成防止性、分散性及び閾結晶抑制性を有する新規なクラスの生分解性の水溶性グラフトコポリマーであって、ポリアルキレンオキシド及び/又はポリアルコキシル化材料を含む生分解性基材にグラフトされた、(a)酸官能性モノマーと、任意選択的に、(b)(a)と共重合可能な他の水溶性のモノエチレン性不飽和モノマーとを含むグラフトコポリマーに関する。しかしながら、米国特許第A5,318,719明細書は、前記グラフトポリマーのそれぞれの側鎖が、アクリル酸又はメタクリル酸などの大量の酸官能性モノマーを必須で含むことを要求している。そのようなタイプの酸モノマーは、本発明に関連して有用ではない。
【0006】
米国特許出願公開第2019/0390142号明細書は、(a)ポリエチレンオキシド(PEG)などのポリアルキレンオキシド;(b)N-ビニルピロリドン(VP);及び酢酸ビニルなどのビニルエステルから構成され得るグラフトコポリマーを含む布地ケア組成物に関する。しかしながら、米国特許出願公開第2019/0390142号明細書は、現在必要とされているようなグラフトポリマーを開示していない。
【0007】
国際公開第2020/005476号パンフレットは、グラフトコポリマー及びいわゆる処理補助剤を含む布地ケア組成物であって、グラフトコポリマーは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド又はブチレンオキシドをベースとする、主鎖としてのポリアルキレンオキシド、好ましくはポリエチレンオキシドと、主鎖上のグラフトされた側鎖としてのN-ビニルピロリドン及びビニルエステルとを含み、主鎖及び両方のモノマーは、特定の比率である、組成物を開示している。
【0008】
国際公開第2020/264077号パンフレットは、酵素とポリマーとの組合せを含有する洗浄組成物であって、汚れた材料からの汚れの除去に好適である洗浄組成物を開示している。この刊行物は、ポリ(酢酸ビニル)-g-ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルピロリドン)-ポリ(酢酸ビニル)-g-ポリ(エチレングリコール)及びそれらの組合せからなる群から選択される、いわゆる「懸濁グラフトコポリマー」を開示している。しかしながら、本発明で定義されるようなグラフトポリマーは、開示されていない。
【0009】
国際公開第0018375号パンフレットは、ポリエーテルの存在下における、少なくとも1種の脂肪族C1~C24カルボン酸のビニルエステルと、好ましくは酢酸ビニルであるビニルエステルとの重合によって得られたグラフトポリマーを含む医薬組成物を開示している。最も好ましいバージョンでは、グラフトポリマーは、Mw6000g/モルのPEG上に酢酸ビニルをグラフトし、その後、酢酸ビニルをアルコール(それは、したがって、仮定上のモノマー「ビニルアルコール」から得られたポリマーに類似しているであろう)に加水分解することから調製される。主な使用は、錠剤等などの固体医薬投薬形態上へのコーティング及びフィルムの形成である。
【0010】
国際公開第0018375号パンフレットにおけるポリマー主鎖として、500000未満の範囲、好ましくは300~100000の範囲、特に好ましくは500~20000の範囲、非常に特に好ましくは800~15000g/モルの範囲の数平均分子量を有するポリエーテルが開示されている。40~99重量%のエチレンオキシド含有量を有するエチレンオキシドのホモポリマー又はコポリマーを使用することが有利であると更に述べられており、したがって好ましくは、40~100モル%の、エチレンオキシドポリマー中のエチレンオキシド単位の含有量が用いられる。これらのコポリマーのためのコモノマーとして好適であるものは、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド及び/又はイソブチレンオキシドであると言われ、好適な例は、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー、エチレンオキシドとブチレンオキシドとのコポリマー及びエチレンオキシドと、プロピレンオキシドと、少なくとも1種のブチレンオキシドとのコポリマーであると言われている。コポリマー中のエチレンオキシド含有量は、好ましくは、40~99モル%であり、プロピレンオキシド含有量は、1~60モル%であり、コポリマー中のブチレンオキシド含有量は、1~30モル%の範囲であると述べられている。直鎖のみならず、分岐ホモポリマー又はコポリマーが、グラフトするためのフラフト基体として使用できると言われている。
【0011】
しかしながら、国際公開第0018375号パンフレットでは、PEG6000及び9000、「ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールブロックコポリマー」(平均分子量「約8000」)及び「ポリグリセロール」(平均分子量「2200」)のみが例示されている。5つの実施例は、酢酸ビニルを使用しているにすぎず、1つのみの実施例が酢酸ビニルとメチルメタクリレートとをモノマーとして使用している。他のモノマーは、例示されていない。全ての実施例は、最終ステップとして、重合した酢酸ビニルモノマーの加水分解を用いている。
【0012】
そのため、本発明で特許請求されるような加水分解されていない酢酸ビニルを含有するポリマーは、国際公開第0018375号パンフレットで生成されておらず、特徴付けられていない。
【0013】
また、現在要求されているようなポリマー主鎖として低分子量ポリエチレンオキシドポリマーから製造される特定のグラフトポリマーは、国際公開第0018375号パンフレットで開示されておらず、特許請求されていない。
【0014】
本開示は、したがって、医薬用途におけるフィルム形成ポリマーとしての使用のために酢酸ビニルでグラフトされ、次いでビニルアルコールに加水分解される、中~高分子量PEGのみを含む異なる組成物に焦点を当てる。
【0015】
また、洗剤及び洗浄又は布地ケア用途向のための、本明細書で開示されるそのようなポリマーの使用は、国際公開第0018375号パンフレットでは開示されていない。そのような用途又は使用は、この開示で全く述べられていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、新規なグラフトポリマーを提供することである。更に、これらの新規グラフトポリマーは、洗浄組成物などの組成物中で使用される場合、生分解性及び/又はそれらの洗浄挙動に関して有益な特性を有するはずである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この目的は、グラフトポリマーであって、(全ての百分率をグラフトポリマーの総重量に対する重量パーセントとして)
(A)20~95%の、エチレンオキシドの重合によって得ることができる、グラフト基体としてのポリマー主鎖であって、g/モル単位でのポリマー主鎖の分子量Mnは、500~5000以内である、ポリマー主鎖と、
(B)5~80%の、ポリマー主鎖上にグラフトされたポリマー側鎖(B)であって、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合によって得ることができ、- 存在する場合 - モノマー(B2)対モノマー(B1)の重量比は、0.5未満である、ポリマー側鎖(B)と
を含むグラフトポリマーによって達成される。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明によるグラフトポリマーは、例えば、洗浄組成物並びに/又は布地ケア及びホームケア製品中に使用され得る。それらは、先行技術による対応するポリマー又はグラフトポリマーと比較して、例えば汚物の再沈着及び汚れの除去に関して、そのような組成物又は製品中で少なくとも匹敵する及び好ましくは更に向上した再沈着防止及び洗浄性能につながる。更に、本発明によるグラフトポリマーは、そのような組成物又は製品、例えば洗浄組成物並びに/又は布地ケア及びホームケア製品中で使用される場合に向上した生分解性につながる。
【0019】
本発明による生分解が向上したグラフトポリマーは、洗浄及び洗浄組成物に有利に使用することができ、その場合、それらは、界面活性剤による繊維製品又は硬表面からの疎水性汚物の除去をとりわけ助け、したがって、配合物の洗浄及び洗浄性能を向上させる。更に、それらは、除去された汚物を洗浄又は洗浄液中により良好に分散させ、洗浄された又はきれいにされた材料の表面上への再沈着を防ぐ。
【0020】
本明細書で用いる場合、冠詞「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、特許請求の範囲において用いられる場合、特許請求される又は記載されるものの1つ以上を意味することが理解される。本明細書で用いる場合、「含む」及び「含んでいる」という用語は、非限定的であることを意味する。
【0021】
本開示の組成物は、本開示の構成成分「を含む」(すなわち他の成分を含有する)か、「から本質的になる」(言及される成分を主として又はほとんどそれのみ、他の成分をごく少量でのみ主として不純物としてのみ含む)か、又は「からなる」(すなわち言及される成分のみを含有し、加えて技術的環境で回避できない不純物のみを含有し得、好ましくは同成分のみを含有する)ことができる。
【0022】
同様に、「...を実質的に含まない」若しくは「...を実質的に含まない」又は「...を本質的に(含有しない/含まない)」という用語が本明細書で用いられ得;これは、指示された材料が、組成物の一部を形成するためにそれに非常に最低限でも意図的に添加されないか、又は好ましくは分析により検出可能なレベルで存在しないことを意味する。それは、指示され材料が、意図的に含まれた他の材料の1種に不純物としてのみ存在する組成物を包含することを意味する。指示された材料は、たとえあったとしても、組成物の重量で1%未満、又は更に0.1%未満、又は更に0.01%未満、又は更に0%のレベルで存在し得る。
【0023】
「約」という用語は、本明細書で用いる場合、例えば、「約X%」等として言及される正確な数値「X」と、X(この計算についてXを100%と設定して)からのマイナス5~プラス5%、好ましくはマイナス2~プラス2%、より好ましくはマイナス1~プラス1%、更により好ましくはマイナス0.5~プラス0.5%及びより小さい差異を含む、Xの小さい差異とを包含する。当然のことながら、与えられた数値X自体が既に「100%」である場合(例えば、純度等についてなど)、「約」という用語は、明らかに、「100」よりも小さい方へのずれのみを意味することができ、したがって、それのみを意味する。
【0024】
「布地ケア組成物」という語句は、布地を処理するために設計された組成物及び配合物を含むことを意味する。そのような組成物としては、洗濯洗浄組成物及び洗剤、布地柔軟化組成物、布地高機能化組成物、布地清浄化組成物、洗濯物予洗い剤、洗濯物前処理剤、洗濯用添加剤、スプレー製品、ドライ洗浄剤又は組成物、洗濯物濯ぎ用添加剤、洗浄用添加剤、濯ぎ後布地処理剤、アイロン掛け補助剤、単位用量配合物、遅延送達配合物、多孔質基材又は不織シート上又は中に収容された洗剤並びに組成物を記載する場合、本明細書での教示及び本明細書で以下に詳述されるものを考慮して当業者に明らかであり得る他の好適な形態が挙げられるが、それらに限定されない。そのような組成物は、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用され得るか、又は洗濯作業の濯ぎ若しくは洗浄サイクル中且つ本発明のグラフトポリマー及びそのようなグラフトポリマーを含む組成物の使用及び応用を記載する場合に本明細書で以下に更に詳述されるように添加され得る。
【0025】
特に記載しない限り、全ての構成成分又は組成物レベルは、その構成成分又は組成物の活性部分に関するものであり、不純物、例えば、そのような構成成分又は組成物の市販の供給源中に存在し得る、残留溶媒又は副生成物を除外する。
【0026】
本明細書での全ての温度は、特に示さない限り、摂氏度(℃)単位においてである。特に明記しない限り、本明細書での全ての測定は、20℃で及び大気圧下で行われる。本開示の全ての実施形態において、全ての百分率は、特に明記しない限り、全組成物の重量による。全ての比は、特に明記しない限り、重量比である。
【0027】
グラフトポリマー
したがって、本発明の第1の主題は、グラフトポリマーであって、(全ての百分率をグラフトポリマーの総重量に対する重量パーセントとして)
(A)20~95%、好ましくは30~90%、より好ましくは40~85%、最も好ましくは50~80%の、エチレンオキシドの重合によって得ることができる、グラフト基体としてのポリマー主鎖であって、g/モル単位でのリマー主鎖の分子量Mnは、500~5000以内、好ましくは3500以下、より好ましくは3000以下、更により好ましくは2500以下、最も好ましくは2000以下、例えば1800以下である、ポリマー主鎖と、
(B)5~80%、好ましくは10~70%、より好ましくは15~60%、最も好ましくは20~50%の、ポリマー主鎖上にグラフトされたポリマー側鎖(B)と
を含み、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合によって得ることができ、- 存在する場合 - モノマー(B2)対モノマー(B1)の重量比は、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満であり、- 最も好ましくは - 本質的に、モノマー(B2)は、存在しない、グラフトポリマーに関する。
【0028】
本発明において例示されるようなグラフトポリマー中のポリマー主鎖(A)対ポリマー側鎖(B)の比は、特定の値に限定され得ず;当業者に公知の任意の比を原則として用いることができる。しかしながら、良好な結果は、先に詳述されたような比を用いる場合に得られる。
【0029】
ポリマー主鎖(A)自体及びそのようなコポリマー主鎖の製造方法は、当業者に公知である。そのような方法は、典型的には、公知の手段を用いるエチレンオキシドの重合である。
【0030】
そのため、本発明内で使用される好適なポリマー主鎖(A)は、エチレンオキシドを使用する標準的なアルコキシル化重合プロセスによって得ることができる。
【0031】
代わりの実施形態において、本発明は、
(A)エチレンオキシドの重合によって得ることができる、グラフト基体としてのポリマー主鎖と、
(B)ポリマー主鎖上にグラフトされたポリマー側鎖であって、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合によって得ることができる、ポリマー側鎖と
を含むグラフトポリマーも包含し、- 存在する場合 - モノマー(B2)対モノマー(B1)の重量比は、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満であり、式
P=[g/モル単位でのポリマー主鎖の分子量]×[ポリマー重量を「1」に設定し、及び(B)の量の百分率をその割合としての、総ポリマー重量を基準とするポリマー側鎖(B)の量の百分率]
の積は、50~1500の範囲、好ましくは1200以下、より好ましくは1000以下、更により好ましくは800以下、最も好ましくは600以下、例えば400以下又は更に300以下及び好ましくは少なくとも100、より好ましくは少なくとも120である。
【0032】
本発明によるグラフトポリマーは、好ましくは、低い多分散性を有する。
【0033】
本発明の及び/又は先に詳述されたようなグラフトポリマーは、5未満、好ましくは3.5未満、より好ましくは3未満、最も好ましくは1.0~2.5の範囲の多分散性M/M(ここで、M=重量平均分子量であり、及びM=数平均分子量である)を有することが好ましく;多分散性は、単位なし[g/モル/g/モル]である。M及び/又はMのそれぞれの値は、以下の実験のセクション内で記載されるように決定することができる。
【0034】
前の実施形態の及び/又は先に詳述されたようなグラフトポリマーに関して、モノマー(B2)は、側鎖(B)を得るための重合に用いられないことが更に好ましい。
【0035】
本発明による及び/又は先に詳述されたようなグラフトポリマー中に含有されるポリマー主鎖(A)は、主鎖のそれぞれの末端基においてキャップされ得るか、又はキャップされなくてもよい(非キャップ)かのいずれかであり得る。結果的に、本発明内では、コポリマー主鎖(A)は、1つの末端基又は両方の末端基において任意選択的にキャップされ、好ましくは、コポリマー主鎖(A)は、両方の末端基においてキャップされない。キャッピングは、C~C25アルキル基、好ましくはC1~C4基によって行われる。
【0036】
本発明によるグラフトポリマー中に含有されるポリマー側鎖(B)に関して、ポリマー側鎖(B)は、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)のラジカル重合によって得られることが好ましい。
【0037】
ビニルエステルモノマー(B1)として、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びラウリン酸ビニルの少なくとも1つが選択される。言及された少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)以外に、吉草酸ビニル、ピバル酸ビニル、ネオデカン酸ビニル、デカン酸ビニル及び/又は安息香酸ビニルなど、当業者に公知である更なるビニルエステルモノマー(B1)が使用され得る。
【0038】
任意選択的な更なるモノマー(B2)が、本発明によるグラフトポリマー中のポリマー側鎖(B)を調製するために使用される場合、必須のビニルエステルモノマー(B1)対前記更なるモノマー(B2)の比は、原則として、当業者に公知の任意の値を有し得る。ビニルエステルモノマー(B1)の量は、通常、((B1)及び(B2)の合計に対して)1重量%以上である。
【0039】
しかしながら、好ましい実施形態において、本発明の及び/又は先に詳述されたようなグラフトポリマーは、ポリマー主鎖(A)の存在下における、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の他のモノマー(B2)のラジカル重合によって得られるか又は得ることができるポリマー側鎖(B)を含み、ビニルエステルモノマー(B1)の総量の少なくとも10重量パーセントは、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びラウリン酸ビニルから、より好ましくは酢酸ビニル及びラウリン酸ビニルから選択され、最も好ましくは酢酸ビニルであり、ビニルエステルの残りの量は、任意の他の既知のビニルエステルであり得、好ましくは、少なくとも60、より好ましくは少なくとも70、更により好ましくは少なくとも80、更により好ましくは少なくとも90重量パーセント、最も好ましくは本質的に唯一の(すなわち約100重量%又は更に100重量%の)酢酸ビニルは、ビニルエステルとして用いられ(重量パーセントは、用いられるビニルエステルモノマーB1の総量を基準とする)、好ましくは、本質的に、他のモノマー(B2)は、用いられない。
【0040】
また更に、更により好ましい実施形態において、本発明の及び/又は先に詳述されたようなグラフトポリマーは、(全ての百分率をグラフトポリマーの総重量に対する重量パーセントとして)
(A)20~95%、好ましくは30~90%、より好ましくは40~85%、最も好ましくは50~80%の、エチレンオキシドの重合によって得ることができる、グラフト基体としてのポリマー主鎖であって、g/モル単位でのポリマー主鎖の分子量Mnは、500~5000以内、好ましくは3500以下、より好ましくは3000以下、更により好ましくは2500以下、最も好ましくは2000以下、例えば1800以下である、ポリマー主鎖と、
(B)5~80%、好ましくは10~70%、より好ましくは15~60%、最も好ましくは20~50%の、ポリマー主鎖上にグラフトされたポリマー側鎖(B)であって、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合によって得ることができ、- 存在する場合 - モノマー(B2)対モノマー(B1)の重量比は、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満である、ポリマー側鎖(B)と
を含み、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)の総量の少なくとも10重量パーセントは、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びラウリン酸ビニルから、より好ましくは酢酸ビニル及びラウリン酸ビニルから選択され、最も好ましくは酢酸ビニルであり、ビニルエステルの残りの量は、任意の他の既知のビニルエステルであり得、好ましくは、少なくとも60、より好ましくは少なくとも70、更により好ましくは少なくとも80、更により好ましくは少なくとも90重量パーセント、最も好ましくは本質的に唯一の(すなわち約100重量%又は更に100重量%の)酢酸ビニルは、ビニルエステルとして用いられ(重量パーセントは、用いられるビニルエステルモノマーB1の総量を基準とする)、
- より好ましくは - 本質的に、他のモノマー(B2)は、用いられない。
【0041】
(先行実施形態の)代わりのより好ましい実施形態において、本発明の及び/又は先に詳述されたグラフトポリマーは、
(A)エチレンオキシドの重合によって得ることができる、グラフト基体としてのポリマー主鎖(A)と、
(B)ポリマー主鎖上にグラフトされたポリマー側鎖であって、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合によって得ることができ、- 存在する場合 - モノマー(B2)対モノマー(B1)の重量比は、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満である、ポリマー側鎖(B)と
を含み、式
P=[g/モル単位でのポリマー主鎖の分子量]×[ポリマー重量を「1」に設定し、及び(B)の量の百分率をその割合としての、総ポリマー重量を基準とするポリマー側鎖(B)の量の百分率]
の積は、50~1500の範囲、好ましくは1200以下、より好ましくは1000以下、更により好ましくは800以下、最も好ましくは600以下、例えば400以下又は更に300以下及び好ましくは少なくとも100、より好ましくは少なくとも120であり、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)の総量の少なくとも10重量パーセントは、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びラウリン酸ビニルから、より好ましくは酢酸ビニル及びラウリン酸ビニルから選択され、最も好ましくは酢酸ビニルであり、ビニルエステルの残りの量は、任意の他の既知のビニルエステルであり得、好ましくは、少なくとも60、より好ましくは少なくとも70、更により好ましくは少なくとも80、更により好ましくは少なくとも90重量パーセント、最も好ましくは本質的に唯一の(すなわち約100重量%又は更に100重量%の)酢酸ビニルは、ビニルエステルとして用いられ(重量パーセントは、用いられるビニルエステルモノマーB1の総重量を基準とする)、
- より好ましくは - 本質的に、他のモノマー(B2)は、用いられない。
【0042】
本発明のグラフトポリマーは、ビニルエステルからできた一定量の非グラフト化ポリマー(「非グラフト化側鎖」)、例えば酢酸ビニルのみが用いられる場合にはポリ酢酸ビニル並びに/又は更なるモノマーが用いられる場合にはビニルエステルのホモポリマー及びビニルエステルと他のモノマーとのコポリマーを含有し得る。そのような非グラフト化ビニルエステルホモポリマー及びコポリマーの量は、反応条件に依存して、高くも低くもなり得るが、好ましくは低下されるべきであり、したがって低いものであるべきである。この低下により、グラフトされた側鎖の量は、好ましくは、増加する。そのような低下は、ビニルエステル及びラジカル開始剤の投与及びそれらの相対的な量並びにまた存在している主鎖に対する量など、好適な反応条件によって達成することができる。これは、本分野の当業者に一般に公知である。
【0043】
本発明のグラフトポリマーは、それらのグラフト度(ポリマー主鎖(A)上のポリマー側鎖(B)のグラフト部位の数)で特徴付けられ得る。グラフト度は、反応条件に応じて高くも低くもなり得る。好ましくは、グラフト度は、低~中程度、より好ましくは低い。「低い」は、この態様では、統計的に50のアルキレンオキシド単位当たり2未満のグラフト部位が存在することを意味する。
【0044】
グラフト度及び非グラフト化ポリマーのこの量の調整は、特定の興味の分野における性能、例えばある種の(例えば、洗剤)配合物、適用分野又は所望の洗浄等の性能を最適化するために用いることができる。
【0045】
本発明の別の - 好ましくない - 実施形態において、本発明によるグラフトポリマーのポリマー側鎖(B)は、グラフトポリマーがそれ自体得られた後に完全に又は - より好ましくは - 少なくとも部分的に加水分解される。これは、グラフトポリマーのポリマー側鎖(B)の完全な又は少なくとも部分的な加水分解が、ポリマー側鎖(B)の重合プロセスが終了した後に実施されることを意味する。
【0046】
本発明によるグラフトポリマーのポリマー側鎖(B)のこの完全な又は少なくとも部分的な加水分解のため、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)に由来するそれぞれの側鎖単位は、ポリマー側鎖(B)中でそれぞれのエステル官能基からアルコール官能基に変化する。対応するビニルアルコールは、安定性側面のためにポリマー側鎖(B)の重合プロセス内でモノマーとして使用するのに好適でないことが指摘されなければならない。本発明によるグラフトポリマーのポリマー側鎖(B)中のアルコール官能基(ヒドロキシ置換基)を得るために、アルコール官能基は、典型的には、側鎖のエステル官能基を加水分解することによって導入される。
【0047】
理論的な観点から、ポリマー側鎖(B)の各エステル官能基は、アルコール官能基(ヒドロキシ基)によって置き換えられ得る。そのような場合、ポリマー側鎖は、完全に加水分解される(「けん化される」)。
【0048】
加水分解は、当業者に公知の任意の方法によって実施することができる。例えば、加水分解は、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムなど、好適な塩基の添加によって誘導することができる。
【0049】
しかしながら、本発明のこの実施形態内において、ポリマー側鎖(B)の加水分解は、部分的に、例えば、(ポリマー側鎖の総重量に対して)最大で20重量%、40重量%又は60重量%の程度まで実施されるにすぎないことが好ましい。この実施形態内で更により好ましくは、ポリマー側鎖(B)は、重合後に完全に又は部分的に、好ましくは重合内で使用される少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)の量に対して最大で50%の程度まで加水分解される。
【0050】
しかしながら、本発明の最も好ましい実施形態において、ポリマー側鎖(B)は、重合後に加水分解されない。
【0051】
本発明の及び/又は先に詳述されたようなグラフトポリマーにおいて、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に存在する更なるモノマー(B2)に関連して上に詳述されたようなもの以外に、他のモノマーは、ポリマー側鎖(B)を得るためのそれぞれの重合プロセス内で用いられない。しかしながら、(B1)によるモノマー及び任意選択的に(B2)以外に他に任意の更なる高分子モノマーが存在する場合、そのようなモノマー(B1及びB2以外の)は、ポリマー側鎖(B)を得るために使用されるモノマーの総量の1%未満の量で存在する。好ましくは、前記追加モノマーの量は、0.5重量%未満、更により好ましくは0.01重量%未満であり、最も好ましくは、モノマー(B1)及び任意選択的に(B2)以外にいかなる追加モノマーも完全に存在しない。
【0052】
そのより好ましい実施形態において、モノマー(B2)対モノマー(B1)の重量比は、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満であり、更により好ましくは、モノマー(B2)は、ポリマー側鎖(B)を得るために使用されるモノマーの総量の1重量%未満の量でも存在する。更により好ましくは、モノマー(B2)の量は、0.5重量%未満、更により好ましくは0.01重量%未満であり、最も好ましくは、モノマー(B1)以外に、モノマー(B2)は、本質的に存在しない。
【0053】
モノマー(B2)は、原則として、ビニルエステルモノマー(B1)と重合可能な任意のモノマーであり得る。
【0054】
本発明内において、酸官能基を含むモノマーは、用いられないことが特に好ましい。特に、本発明によるグラフトポリマーのポリマー側鎖(B)を得るために使用されるモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、ビニル酢酸又はアクリルオキシプロピオン酸等などのいかなる酸官能性モノマーも含まない。
【0055】
本発明のポリマーは、本発明が対象とする様々な応用分野で問題なく使用されるために、以下の特性の少なくとも1つ、好ましくは2つ以上を有する:
a)一定レベルの生分解性、グラフトポリマーのそのような生分解性は、OECD301F(測定方法、実験セクションを参照されたい)下で試験される場合、28日以内に少なくとも30、好ましくは少なくとも35、更により好ましくは少なくとも40%、例えば少なくとも45、50、55、60、65、70、75、80又は85%などである。
b)本発明が一般に対象とするような応用分野で典型的に存在する水性環境内でポリマーを使用することができるためのある程度のポリマーの水溶性。好ましくは、本発明のポリマーは、様々な種類の配合物に関するそのような分野において典型的に用いられるような水性配合物の環境、例えば食器洗浄、自動食器洗浄、硬表面洗浄、布地洗浄、布地ケア、化粧品配合物等において中程度~良好な溶解性、より好ましくは非常に良好な溶解性を示すべきである。
c)ポリマー溶液の粘度は、ポリマーの適度に高い固体濃度において製造中及び製造後に取り扱われ、且つ使用者に提供されるようなものであるべきであり、それは、溶媒、典型的には水及び有機溶媒を含有する水溶液、水のみ又は有機溶媒のみに溶解された例えば「純粋な」(したがって典型的には液体の)製品としてものであり得、そのようなポリマー又はポリマー溶液の粘度は、典型的な技術的プロセスステップ、例えば流し込み、ポンプ送液、計量供給等などを可能にする範囲である。そのため、粘度は、好ましくは、少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも20、更により好ましくは少なくとも40重量%、最も好ましくは少なくとも50重量%、例えば少なくとも60、70、80又は更に90重量%などの(ポリマー溶液の総重量内の乾燥ポリマーの重量パーセントで定義されるような溶液中のポリマーの全固形分を基準とする)ポリマーの濃度において、好ましくは最大で約4000mPas未満、より好ましくは最大で3500mPas、更により好ましくは最大で3000mPas、例えば最大で4500、3750、3250、2750など、又は2600以下、例えば2500、2000、1750、1500、1250、1000、750、500、250、200、150又は100mPasなどの範囲であるべきである。粘度は、25℃又は高温のいずれか、例えば50℃又は更に60℃の温度で測定され得る。これにより、商業規模でのポリマー溶液の好適な取り扱いが可能である。当然のことながら、添加される溶媒の量に応じて、粘度は、溶媒の量が増加する場合に低下し、その逆も同様であることが明らかであり、したがって所望の場合に調整を可能にする。測定される粘度が測定温度に依存することも明白であり、例えば80重量%の所与の固形分の所与のポリマーの粘度は、より低い温度で測定する場合により高くなり、より高い温度で測定する場合により低くなるであろう。好ましい実施形態において、追加溶媒が添加されていないが、調製されたままのポリマー固形分は、70~99重量%、より好ましくは75~85重量%である。より好ましい実施形態において、追加溶媒が添加されていないが、調製されたままのポリマーの固形分は、70~99重量%、より好ましくは75~95重量%であり、60℃で測定された場合、粘度は、3000mPas未満、より好ましくは3250未満であり、更に2750未満、2600未満、2500未満、2000未満、1750未満、1500未満、1250未満、1000未満、750未満、500未満又は更に250mPas未満である。粘度は、そのようなポリマーに関して一般に公知であるように、好ましくは実験の部で下に記載されるように測定され得る。
【0056】
これらの要件a)、b)及び/又はc)を達成するために、本発明のポリマーのそのような特性を達成する方法に関して以下の手引きを示すことができる:
生分解性は、概して、以下の条件の少なくとも1つで高くなる:
・ポリマー主鎖(A)の分子量が、より高い分子量と比較してより低い;
・主鎖上にグラフトされるポリマー側鎖(モノマーB)の重量百分率が、より高い重量百分率と比較してより低い。
【0057】
当然のことながら、更なる判断基準として特定のポリマーの個々の性能が評価され、こうして特定の適用分野での各個々の配合物について等級付けされる必要がある。本発明のポリマーの多岐にわたる有用性のために、網羅的な概説は可能ではないが、本明細書及び実施例は、所望の特性の有用なポリマーを調製する及び選択する方法並びに特性を所望のニーズに調整する方法に関して手引きを示す。ホームケア及びとりわけ布地ケアの分野に関する1つのそのような判断基準は、当然のことながら、洗浄時、例えば特定の材料の汚れを示す特定の材料を規定の洗浄手順に供するときの性能である。
【0058】
実施例は、布地の洗浄、すなわち布地ケアの一般的な分野への応用に関するいくつかの手引きを示す。
【0059】
規定の生分解度、水溶性及び粘度(すなわち取扱い特性)を示すポリマーに対する個々のニーズに応じて、本明細書での一般的及び具体的な教示が、- 提示される具体的な例に限定されることを意図されることなく - そのようなポリマーを得る方法に導くであろう。
【0060】
プロセス
本発明の他の主題は、様々な実施形態及びその変形形態において、上記のような本発明のグラフトポリマーの調製プロセスである。本発明による少なくとも1種のグラフトポリマーの得るための本プロセス内において、少なくとも1種のモノマー(B1)及び任意選択的に更なるモノマー(B2)は、少なくとも1種のポリマー主鎖(A)の存在下で重合される。
【0061】
ポリマー主鎖(A)などのポリマー主鎖がポリマー側鎖でグラフトされるグラフトプロセスは、それ自体、当業者に公知であることに留意されなければならない。この点で当業者に公知の任意のプロセスを本発明内で用いることができる。
【0062】
本発明のプロセス内において、ポリマー側鎖(B)は、ラジカル重合によって得られることが好ましい。
【0063】
ラジカル重合もそれ自体当業者に公知である。当業者は、本発明のプロセスがラジカル形成開始剤(C)及び/又は少なくとも1種の溶媒(D)の存在下で実施できることも知っている。当業者は、それぞれの構成成分をそれ自体知っている。
【0064】
本発明に関連して用いられるような「ラジカル重合」という用語は、フリーラジカル重合に加えて、制御ラジカル重合などのその変形形態も含む。好適な制御機構は、RAFT、NMP又はATRPであり、それらは、それぞれ好適な制御剤を含めて当業者に公知である。
【0065】
好ましい実施形態において、本発明の及び/又は先に詳述されたようなグラフトポリマーの製造プロセスは、少なくとも1種のポリマー主鎖(A)、フリーラジカル形成開始剤(C)並びに必要に応じて構成成分(A)、(B1)、任意選択的に(B2)及び(C)の合計を基準として最大で50重量%の少なくとも1種の有機溶媒の存在下において、開始剤(C)が40~500分の分解半減期を有する平均重合温度での、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の更なるモノマー(B2)の重合であって、反応混合物中の未転化グラフトモノマー(B1)及び任意選択的なモノマー(B2)並びに開始剤(C)の割合がコポリマー主鎖(A)に対して量的な不足に常に保たれているような方法での重合を含む。好ましい実施形態において、モノマー(B2)は、用いられない。
【0066】
((フリー)ラジカル形成)開始剤(C)の量は、それぞれの場合にポリマー側鎖(B)を基準として好ましくは0.1~5重量%、特に0.3~3.5重量%である。
【0067】
本発明によるプロセスに関して、平均重合温度で存在するラジカルの定常状態濃度は、実質的に一定であり、グラフトモノマー(B1)又は(B2)は、反応混合物中に常に低濃度(例えば、合計5重量%以下)でのみ存在することが好ましい。これは、反応が制御されることを可能にし、グラフトポリマーは、所望の低い多分散性で、制御された方法で調製することができる。
【0068】
- とりわけ、高い固体濃度において又はバルクで及び/若しくは開始から大量のモノマーが存在する状態で重合が開始する場合であるが、安全な温度制御を確保するために、温度を制御するための追加の及び効率的な手段を使用することが推奨され、したがって好ましい。これは、外部及び/又は内部冷却によって行うことができ;そのような冷却は、熱交換器などの内部及び/若しくは外部冷却器によってか、又は所与の温度/圧力組合せにおいて溶媒若しくは溶媒混合物の沸騰温度で作業する場合には還流冷却器を使用して行うことができる。
【0069】
同じ手段は、当然のことながら、モノマーが長期間にわたって添加される、したがって反応体積中のモノマー濃度が経時的に常に低い、先に言及された好ましい実施形態に関して用いることができる。
【0070】
しかしながら、そのような条件下において、温度は、ラジカル濃度及び重合性モノマーの利用可能量を制御することによる重合反応の生長によっても少なくとも部分的に制御されるため、温度制御は、通常、極めて重要な点ではない。当然のことながら、重合反応の規模に応じて、先に記載されたようなそのような追加の冷却は、重合混合物の体積対表面からの比が非常に大きくなる十分に規模が大きくなる場合、両方の変形形態 - 大量のモノマーが開始から存在する回分反応若しくはバルク反応又は典型的には常に低いモノマー濃度の半連続若しくは連続重合反応 - にとって必要になる。
【0071】
しかしながら、これは、商業規模重合の当業者に一般に公知であり、したがってニーズに適合させることができる。
【0072】
「平均重合温度」という用語は、プロセスが実質的に等温であるが、反応の発熱性により、好ましくは+/-10℃の範囲内に、より好ましくは+/-5℃の範囲に保たれる温度変動があり得ることをここでは意味することを意図する。
【0073】
本発明によれば、平均重合温度における(ラジカル形成)開始剤(C)は、40~500分、好ましくは50~400分、より好ましくは60~300分の分解半減期を有するべきである。
【0074】
本発明によれば、開始剤(C)並びにグラフトモノマー(B1)及び/又は(B2)は、有利には、未分解の開始剤並びにグラフトモノマー(B1)及び/又は(B2)の低い及び実質的に一定の濃度が反応混合物中に存在するような方法で添加される。全体的な反応混合物中の未分解の開始剤の割合は、モノマー添加中に計量供給される開始剤の総量を基準として好ましくは15重量%以下、特に10重量%以下である。
【0075】
より好ましい実施形態において、本プロセスは、少なくとも1種のポリマー主鎖(A)、フリーラジカル形成開始剤(C)並びに必要に応じて構成成分(A)、(B1)、任意選択的な(B2)及び(C)の合計を基準として最大で50重量%の少なくとも1種の有機溶媒の存在下において、開始剤(C)が40~500分の分解半減期を有する平均重合温度での、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合であって、反応混合物中の未転化グラフトモノマー(B1)及び任意選択的なモノマー(B2)並びに開始剤(C)の割合がポリマー主鎖(A)に対して量的な不足に常に保たれるような方法での重合を含み、ビニルエステルモノマー(B1)の総量の好ましくは少なくとも10重量パーセントは、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びラウリン酸ビニルから、より好ましくは酢酸ビニル及びラウリン酸ビニルから選択され、最も好ましくは酢酸ビニルであり、ビニルエステルの残りの量は、任意の他の既知のビニルエステルであり、好ましくは少なくとも60、より好ましくは少なくとも70、更により好ましくは少なくとも80、更により好ましくは少なくとも90重量パーセント、最も好ましくは本質的に唯一の(すなわち約100重量%又は更に100重量%の)酢酸ビニルは、ビニルエステルとして用いられ(重量パーセントは、用いられるビニルエステルモノマーB1の総重量を基準とする)、- (B2)が存在する場合 - 任意選択的なモノマー(B2)対モノマー(B1)の重量比は、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満である。
【0076】
前の先行実施形態の更により好ましい実施形態において、ビニルエステルモノマー(B1)以外に、本質的に、モノマー(B2)は、用いられない。
【0077】
平均重合温度は、適切には、50~140℃、好ましくは60~120℃、より好ましくは65~110℃の範囲である。
【0078】
50~140℃の温度範囲におけるその分解半減期が20~500分である好適な開始剤(C)の例は、
- tert-C~C12アルキルヒドロペルオキシド及びtert-(C~C12アラルキル)ヒドロペルオキシドのO-C~C12アシル化誘導体、例えば、過酢酸tert-ブチル、モノペルオキシマレイン酸tert-ブチル、ペルオキシイソ酪酸tert-ブチル、ペルオキシピバル酸tert-ブチル、ペルオキシネオヘプタン酸tert-ブチル、ペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチル、ペルオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサン酸tert-ブチル、ペルオキシネオデカン酸tert-ブチル、ペルオキシピバル酸tert-アミル、ペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-アミル、ペルオキシネオデカン酸tert-アミル、ペルオキシネオデカン酸1,1,3,3-テトラメチルブチル、ペルオキシネオデカン酸クミル、ペルオキシ安息香酸tert-ブチル、ペルオキシ安息香酸tert-アミル及びジペルオキシフタル酸ジ-tert-ブチルなど;
- tert-C~C14アルキレンビスペルオキシドのジ-O-C-C12アシル化誘導体、例えば、2,5-ジメチル-2,5-ジ(2-エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン及び1,3-ジ(2-ネオデカノイルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなど;
- ジ(C~C12アルカノイル)及びジベンゾイルペルオキシド、例えば、ジアセチルペルオキシド、ジプロピオニルペルオキシド、ジコハク酸ペルオキシド、ジカプリロイルペルオキシド、ジ(3,5,5-トリメチルヘキサノイル)ペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ジ(4-メチルベンゾイル)ペルオキシド、ジ(4-クロロベンゾイル)ペルオキシド及びジ(2,4-ジクロロベンゾイル)ペルオキシドなど;
- ペルオキシ(C~C12アルキル)炭酸tert-C~Cアルキル、例えば、ペルオキシ(2-エチルヘキシル)炭酸tert-アミルなど;
- ペルオキシ二炭酸ジ(C~C12アルキル)、例えば、ペルオキシ二炭酸ジ(n-ブチル)及びペルオキシ二炭酸ジ(2-エチルヘキシル)など
である。
【0079】
平均重合温度に応じて、特に好適な開始剤(C)の例は、
- 50~60℃の平均重合温度において、
ペルオキシネオヘプタン酸tert-ブチル、ペルオキシネオデカン酸tert-ブチル、ペルオキシピバル酸tert-アミル、ペルオキシネオデカン酸tert-アミル、ペルオキシネオデカン酸1,1,3,3-テトラメチルブチル、ペルオキシネオデカン酸クミル、1,3-ジ(2-ネオデカノイルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ペルオキシ二炭酸ジ(n-ブチル)及びペルオキシ二炭酸ジ(2-エチルヘキシル);
- 60~70℃の平均重合温度において、
ペルオキシピバル酸tert-ブチル、ペルオキシネオヘプタン酸tert-ブチル、ペルオキシネオデカン酸tert-ブチル、ペルオキシピバル酸tert-アミル及びジ(2、4-ジクロロベンゾイル)ペルオキシド;
- 70~80℃の平均重合温度において、
ペルオキシピバル酸tert-ブチル、ペルオキシネオヘプタン酸tert-ブチル、ペルオキシピバル酸tert-アミル、過酸化ジプロピオニル、過酸化ジカプリロイル、過酸化ジデカノイル、過酸化ジラウロイル、過酸化ジ(2,4-ジクロロベンゾイル)及び2,5-ジメチル-2,5-ジ(2-エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン;
- 80~90℃の平均重合温度において、
ペルオキシイソ酪酸tert-ブチル、ペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチル、ペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-アミル、過酸化ジプロピオニル、過酸化ジカプリロイル、過酸化ジデカノイル、過酸化ジラウロイル、過酸化ジ(3,5,5-トリメチルヘキサノイル)、過酸化ジベンゾイル及び過酸化ジ(4-メチルベンゾイル);
- 90~100℃の平均重合温度において、
ペルオキシイソ酪酸tert-ブチル、ペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチル、モノペルオキシマレイン酸tert-ブチル、ペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-アミル、過酸化ジベンゾイル及び過酸化ジ(4-メチルベンゾイル);
- 100~110℃の平均重合温度において、
モノペルオキシマレイン酸tert-ブチル、ペルオキシイソ酪酸tert-ブチル及びペルオキシ(2-エチルヘキシル)炭酸tert-アミル;
- 110~120℃の平均重合温度において、
モノペルオキシマレイン酸tert-ブチル、ペルオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサン酸tert-ブチル及びペルオキシ(2-エチルヘキシル)炭酸tert-アミル
である。
【0080】
好ましい開始剤(C)は、tert-C~CアルキルヒドロペルオキシドのO-C~C12アシル化誘導体であり、ペルオキシピバル酸tert-ブチル及びペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルが特に好ましい。
【0081】
特に有利な重合条件は、開始剤(C)及び重合温度の正確な調整によって容易に設定することができる。例えば、ペルオキシピバル酸tert-ブチルを使用した場合の好ましい平均重合温度は、60~80℃であり、ペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルの場合には80~100℃である。
【0082】
本発明の重合反応は、好ましくは、少量の有機溶媒(D)の存在下で実施することができる。当然のことながら、異なる溶媒(D)の混合物を使用することも可能である。水溶性又は水混和性溶媒を使用することが好ましい。
【0083】
溶媒(D)が希釈剤として使用される場合、それぞれの場合に構成成分(A)、(B1)、任意選択的に(B2)及び(C)の合計を基準として概して1~40重量%、好ましくは1~35重量%、より好ましくは1.5~30重量%、最も好ましくは2~25重量%が使用される。
【0084】
好適な溶媒(D)の例としては、
- 一価アルコール、好ましくは脂肪族C~C16アルコール、より好ましくは脂肪族C~C12アルコール、最も好ましくはC~Cアルコール、例えばエタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、sec-ブタノール及びtert-ブタノールなど;
- 多価アルコール、好ましくはC~C10ジオール、より好ましくはC~Cジオール、最も好ましくはC~Cアルキレングリコール、例えばエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール及び1,3-プロピレングリコールなど;
- アルキレングリコールエーテル、好ましくは、アルキレングリコールモノ(C~C12アルキル)エーテル及びアルキレングリコールジ(C~Cアルキル)エーテル、より好ましくは、アルキレングリコールモノ-及びジ(C~Cアルキル)エーテル、最も好ましくは、アルキレングリコールモノ(C~Cアルキル)エーテル、例えばエチレングリコールモノメチル及びエチルエーテル並びにプロピレングリコールモノメチル及びエチルエーテルなど;
- ポリアルキレングリコール、好ましくは2~20個のC~Cアルキレングリコール単位を有するポリ(C~Cアルキレン)グリコール、より好ましくは2~20個のエチレングリコール単位を有するポリエチレングリコール及び2~10個のプロピレングリコール単位を有するポリプロピレングリコール、最も好ましくは2~15個のエチレングリコール単位を有するポリエチレングリコール及び2~4個のプロピレングリコール単位を有するポリプロピレングリコール、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びトリプロピレングリコールなど;
- ポリアルキレングリコールモノエーテル、好ましくは2~20個のアルキレングリコール単位を有するポリ(C~Cアルキレン)グリコールモノ(C~C25アルキル)エーテル、より好ましくは2~20個のアルキレングリコール単位を有するポリ(C~Cアルキレン)グリコールモノ(C~C20アルキル)エーテル、最も好ましくは3~20個のアルキレングリコール単位を有するポリ(C~Cアルキレン)グリコールモノ(C~C16アルキル)エーテル;
- カルボン酸エステル、好ましくはC~Cカルボン酸のC~Cアルキルエステル、より好ましくはC~Cカルボン酸のC~Cアルキルエステル、最も好ましくはC~Cカルボン酸のC~Cアルキルエステル、例えば酢酸エチル及びプロピオン酸エチルなど;
- 好ましくは3~10個の炭素原子を有する脂肪族ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン及びシクロヘキサノンなど;
- 環状エーテル、特にテトラヒドロフラン
が挙げられる。
【0085】
溶媒(D)は、有利には、本発明のグラフトポリマーを使用(例えば、洗浄及び洗浄組成物中における)のために配合するためにも使用される、それらの溶媒であり、そのため、重合生成物中に残留することができる。
【0086】
これらの溶媒の好ましい例は、2~15個のエチレングリコール単位を有するポリエチレングリコール、2~6個のプロピレングリコール単位を有するポリプロピレングリコール及び特にC~Cアルコールのアルコキシ化生成物(アルキレングリコールモノアルキルエーテル及びポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル)である。
【0087】
ここで、分岐度の高いC~C16アルコールのアルコキシ化生成物が特に好ましく、それは、40~70℃で自由流動性であり、且つ比較的低い粘度で非常に低いポリマー含有量を有するポリマー混合物の配合を可能にする。分岐は、アルコールのアルキル鎖中に及び/又はポリアルコキシレート部分(少なくとも1つのプロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はイソブチレンオキシド単位の共重合)中に存在し得る。これらのアルコキシ化生成物の特に好適な例は、1~15モルのエチレンオキシドでアルコキシ化された2-エチルヘキサノール又は2-プロピルヘプタノール、1~15モルのエチレンオキシド及び1~3モルのプロピレンオキシドでアルコキシ化されたC13/C15オキソアルコール又はC12/C14若しくはC16/C18脂肪アルコールであり、1~15モルのエチレンオキシド及び1~3モルのプロピレンオキシドでアルコキシ化された2-プロピルヘプタノールが好ましい。
【0088】
代わりの実施形態において、重合は、少なくとも1種の有機溶媒と水との混合物を使用して行われる。
【0089】
更なる代わりの実施形態において、重合は、水を溶媒(D)として使用して行われる。
【0090】
ラジカル開始剤(C)は、好ましくは、先に言及された溶媒の1つ中の濃厚溶液の形態で使用される。濃度は、当然のことながら、ラジカル開始剤の溶解度に依存する。濃度は、できるだけ少ない有機溶媒を重合反応に導入することを可能にするためにできるだけ高いことが好ましい。開始剤が水に可溶性であり、したがって水が、開始剤を導入するための溶媒として使用される場合、濃度は、水の残留レベルの観点から決定的に重要であるわけではない。
【0091】
好ましい実施形態において、水の量は、少なく、好ましくは全溶媒を基準として5重量%未満、より好ましくは1%未満である。
【0092】
本発明によるプロセスにおいて、ポリマー主鎖(A)、グラフトモノマー(B1)及び適切であれば(B2)、開始剤(C)並びに適切であれば溶媒(D)は、通常、反応器中において、選択された平均重合温度に加熱される。
【0093】
本発明によれば、重合は、過剰のポリマー(ポリマー主鎖(A)及び形成されたグラフトポリマー(B))が反応器中に常に存在するような方法で実施される。ポリマー対非グラフト化モノマー及び開始剤の量比は、概して、10:1以上、好ましくは15:1以上、より好ましくは20:1以上である。
【0094】
本発明による重合プロセスは、原則として、様々な反応器タイプで実施することができる。
【0095】
使用される反応器は、好ましくは、撹拌槽であり、その中に最初にポリマー主鎖(A)の全部又は一部、適切であればグラフトモノマー(B1)又は(B2)、開始剤(C)及び溶媒(D)の特定の総量の概して最大で15重量%の部分と一緒に装入され、重合温度に加熱され、(B)、(C)及び適切であれば(D)の残りの量が好ましくは別々に計量供給される。(B)、(C)及び適切であれば(D)の残りの量は、好ましくは、2時間以上、より好ましくは4時間以上、最も好ましくは5時間以上の期間にわたって計量供給される。
【0096】
特に好ましい実質的に無溶媒プロセス変形形態の場合、ポリマー主鎖(A)の全量が最初に溶融物として装入され、グラフトモノマー(B1)及び適切であれば(B2)並びにまた好ましくは1種の溶媒(D)中の10~50重量%溶液の形態で存在する開始剤(C)が計量供給され、温度は、選択された平均重合温度が、重合中平均して、とりわけ+/-10℃、特に+/-5℃の範囲で維持されるように制御される。
【0097】
更なる特に好ましい、低溶媒プロセス変形形態において、手順は、反応混合物の粘度を制限するために溶媒(D)が重合中に計量供給されることを除いて、上で記載された通りである。重合が進行した後の時点でのみ溶媒の計量供給添加を開始すること又はそれを分割して添加することが可能である。
【0098】
重合は、標準圧力下で又は減圧若しくは高圧で影響を受けることができる。使用されるモノマー(B1)若しくは(B2)又は任意の希釈剤(D)の沸点が選択された圧力において超えている場合、重合は、還流冷却しながら実施される。
【0099】
後重合プロセスステップが主重合反応後に追加され得る。そのために、更なる量の開始剤(溶媒中に溶解されている)を0.5時間超及び典型的には最大で3時間、好ましくは約1~2時間、より好ましくは約1時間の期間にわたって添加することができ(しかしながら、そのような継続時間は、反応器の規模にも依存する)、ラジカル開始剤及び開始剤のための溶媒は、典型的には - 及び好ましくは - 主重合反応のためのものと同じである。当然のことながら、異なるラジカル開始剤及び/又は異なる溶媒が同様に良好に使用され得る。
【0100】
後重合プロセスステップの温度は、主重合反応でのものと同じであり得る(それは、本発明において好ましい)か又は上昇され得る。上昇させる場合、それは、典型的には、約5~40℃、好ましくは10~20℃高いものであり得る。
【0101】
後重合と主重合との間で一定の期間が待機され得、そこで、主重合反応が進行され、その後、更なるラジカル開始剤の添加を開始することによって後重合反応を開始される。
【0102】
大気圧でおよそ約110~120℃未満の沸点を有する溶媒に関しては、そのような溶媒は、- 精製ステップとして - 熱若しくは真空蒸留又は全て周囲圧力若しくは減圧での、水から製造された水蒸気でのストリッピングなど、水蒸気若しくは窒素などのガスでのストリッピング、好ましくは真空蒸留によって部分的に又は本質的に完全に除去され得る一方、より高沸点溶媒は、通常、得られたポリマー生成物中に留まるであろう。メルカプトエタノールが連鎖移動調整剤として使用される場合、水蒸気蒸留が、精製の好ましいステップである。そのため、1-メトキシ-2-プロパノール、1,2-プロパンジオール及びトリプロピレングリコールのようなより高沸点溶媒は、ポリマー生成物中に留まり、したがってそれらの量は、そのような溶媒が開始剤を導入するためにのみ使用される場合、できるだけ高い濃度のラジカル開始剤を使用することによってできる限り最小限されるべきであり、そのような溶媒が配合物の一部も形成しない限り、グラフトポリマーは、内部で使用されるであろう。
【0103】
本発明のグラフトポリマー、すなわち本プロセスから得られたポリマー溶液は、濃縮又は乾燥の手段にも供され得る。
【0104】
得られたグラフトポリマー溶液は、固体ポリマー濃度を上げるために溶媒の一部を除去することによって濃縮され得る。これは、所望の固形分が達成されるまで行われる熱又は真空蒸留などの蒸留プロセスによって達成され得る。そのようなプロセスは、先に開示されたような精製ステップと組み合わせることができ、得られたグラフトポリマー溶液は、所望の量の溶媒を除去することにより、揮発性溶媒及び/又は未反応の揮発性モノマーなどの揮発性構成成分の一部又は全部を除去することによって精製される。グラフトポリマー溶液は、主重合ステップ及び任意選択的な後重合ステップ並びに任意選択的な精製ステップ後、乾燥、例えばローラー-ドラム乾燥、噴霧乾燥、真空乾燥又は凍結乾燥、好ましくは - 主に費用の理由のために - 噴霧乾燥など、揮発性物質を部分的に又は完全に除去する手段にグラフトポリマー溶液を供することによっても更に濃縮又は乾燥され得る。そのような乾燥プロセスは、凝集又は造粒プロセス、例えば噴霧凝集又は流動床乾燥機における造粒又は乾燥とも組み合わされ得る。
【0105】
使用
原則として、本発明のグラフトポリマーは、任意の用途に使用して同じ又は非常に類似した組成の(ポリマー主鎖及びグラフトされたモノマーの相対量の点において、とりわけグラフトされたモノマーのタイプ及び量が類似しているか又は匹敵する場合)従来のグラフトポリマーに取って代わることができる。そのような用途は、例えば、下記である。
【0106】
化粧品、パーソナルケア:そのような組成物及び配合物としては、シャンプー、ローション、ジェル、スプレー、石けん、メークアップ用パウダー、口紅、ヘアスプレーが挙げられる。
【0107】
技術的用途:そのような組成物及び配合物としては、任意の種類の接着剤、非水系及び - 好ましくは - 水系の液体配合物又は固体配合物、典型的には固体又は液体別の液体又は固体内に分散される、油田用途、自動車用途においてなど、任意の種類の分散系中の分散剤としての使用が挙げられる。
【0108】
ラッカー、塗料及び着色剤配合物:そのような組成物及び配合物としては、非水系の及び - 好ましくは - 水系のラッカー及び着色剤、塗料、仕上げ剤が挙げられる。
【0109】
農業用配合物:そのような組成物及び配合物としては、液体、半固体、混合液体-固体又は固体環境内に農芸化学的活性物質を含有する配合物及び組成物が挙げられる。
【0110】
香料配合物:そのような組成物及び配合物としては、香料を液体又は固形組成物中に溶解させて又は分散させて、例えばそれらの香りプロファイルを長時間にわたって維持するように、均等に分散させる及び/又はそれらの安定性を保持する配合物が挙げられ;長時間放出又は遅延放出配合物など、経時的に香料の放出を示す組成物も包含される。
【0111】
そのため、本発明の別の主題は、本発明の及び/又は本発明のプロセスによって得られるか若しくは得ることができる及び/又は先に詳述されたグラフトポリマーの、布地ケア及びホームケア製品中における、化粧品及びパーソナルケア配合物中における、原油エマルジョン破壊剤としての、インクジェットインクのための顔料分散体中におけるなどの技術的用途での、電気めっき用配合物中における、セメント系組成物中における、例えば分散剤、結晶成長抑制剤及び/又は可溶化剤として農薬配合物中における、ラッカー及び着色剤配合物中における、好ましくは農薬組成物及び洗浄組成物中における並びに布地ケア及びホームケア製品中における、特に向上した油性及び脂肪性汚れ除去、粘土などの固体泥の除去、布地表面の灰色化の防止のための洗浄組成物並びに/又はスケール防止剤での使用であって、洗浄組成物は、好ましくは、洗濯洗剤配合物及び/又は食器洗浄用洗剤配合物であり、より好ましくは液体洗濯洗剤配合物及び/又は液体手動食器洗浄用洗剤配合物である、使用又は代わりの好ましい実施形態において、例えば分散剤、結晶成長抑制剤及び/又は可溶化剤として使用するための、農薬組成物中における使用である。
【0112】
そのため、本発明の他の主題は、それぞれ上で定義されたような又は本発明のプロセスによって得られるか若しくは得ることができる及び/又は本明細書で詳述されるような少なくとも1種のグラフトポリマーを含む、好ましくは洗濯洗剤、洗浄組成物及び/又は布地ケア及びホームケア製品中における、洗浄組成物、布地ケア及びホームケア製品、業務用洗浄製品、化粧品又はパーソナルケア製品、原油エマルジョン破壊剤又は分散剤又はガス水和物阻害剤などの油田用配合物、例えばインクジェットインク及びグラフトポリマーを含有するインクのための顔料分散体、電気めっき製品、セメント系組成物、ラッカー、塗料、農薬配合物でもある。
【0113】
本発明の更なる主題は、本発明の及び/又は上記のような少なくとも1種のグラフトポリマーをそれぞれ含有する、布地ケア及びホームケア製品、洗浄組成物、業務用洗浄製品、化粧品又はパーソナルケア製品、原油エマルジョン破壊剤などの油田用配合物、インクジェットインクなどのインクのための顔料分散体、電気めっき製品、セメント系組成物、ラッカー、塗料、農薬配合物、好ましくは洗濯洗剤、洗浄組成物並びに/又は布地ケア及びホームケア製品である。
【0114】
洗濯洗剤、洗浄組成物並びに/又は布地ケア及びホームケア製品は、それら自体当業者に公知である。それぞれの使用に関連して、当業者に公知のいかなる組成物等も本発明に関連して使用することができる。
【0115】
好ましい実施形態において、それは、上で定義されたような少なくとも1種のグラフトポリマーを含む、洗浄組成物並びに/又は布地ケア及びホームケア製品並びに/又は業務用洗浄製品である。特に、それは、向上した洗浄性能及び/又は - (好ましくは「及び」) - 例えば固体の再沈着及び汚れの除去に関して向上した再沈着防止のための洗浄組成物、好ましくは洗濯洗剤配合物及び/又は手動食器洗浄用洗剤配合物、より好ましくは液体洗濯洗剤配合物及び/又は液体手動食器洗浄用洗剤配合物である。
【0116】
グラフトポリマーは、界面活性剤による繊維製品又は硬表面からの身体汚物、食品及びグリース汚物など、様々な疎水性及び親水性汚物、粘土又はカーボンブラックなどの微粒子汚物、草汚物、メーキャップ、モーターオイル等の除去を支援し、こうして配合物の洗浄及び洗浄性能を向上させる。
【0117】
更に、グラフトポリマーはまた、洗浄又は洗浄液での除去された汚物のより良好な分散をもたらし、洗浄された又はきれいにされた材料の表面上に再沈着を防ぐ。本明細書では、除去された汚物には、洗濯プロセスに存在する全ての典型的な汚物、例えば、身体汚物、食品及びグリース汚物、粘土又はカーボンブラックなどの微粒子汚物、草汚物、メーキャップ、モーターオイル等が含まれる。そのような再沈着防止効果は、コットン、ポリコットン、ポリエステル、ポリエーテル/ポリ尿素のコポリマー(Spandex(商標))等など、様々な布地タイプに関して観察することができる。加えて、そのような再沈着防止効果は、布地エンハンサー歴史を有する布地に関して或いは布地洗浄が布地エンハンサー又は鮮度ビーズ若しくは漂白剤などの他の洗濯補助剤の存在下で実施される場合にも効果的である。
【0118】
一実施形態において、洗浄組成物は、(上記のような少なくとも1種のグラフトポリマーに加えて)1種以上のリパーゼ、ヒドロラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ、ペクチン酸リアーゼ、クチナーゼ、DNase、キシラナーゼ、オキシドレダクターゼ、ディスパーシン、マンナナーゼ及びペルオキシダーゼ並びに上記の種類の少なくとも2つの組合せから好ましくは選択される少なくとも1種の酵素を任意選択的に更に含む1種以上から好ましくは選択される少なくとも1種の酵素を追加的に含むことも本発明で好ましく、好ましくは、少なくとも1種の酵素は、リパーゼから選択される。
【0119】
そのため、本発明の別の主題は、上で定義されたような少なくとも1種のグラフトポリマーを含む、布地ケア及びホームケア製品並びに業務用(I&I)洗浄製品などの洗浄組成物、特に向上した洗浄及び再沈着防止性能(先に詳述されたような作用)のための洗浄組成物である。
【0120】
本明細書に記載されるような少なくとも1種のグラフトポリマーは、前記本発明の洗浄組成物中において、そのような組成物又は製品の総重量に対して約0.01%~約20%、好ましくは約0.05%~15%、より好ましくは約0.1%~約10%、最も好ましくは約0.5%~約5%の範囲の濃度で存在し;そのような洗浄組成物は、約1重量%~約70重量%の界面活性剤系を更に含み得る - 及び好ましくは含む。
【0121】
好ましくは、そのような本発明の洗浄組成物は、布地ケア及びホームケア製品又は業務用(I&I)洗浄製品、好ましくは布地ケア及びホームケア製品、より好ましくは少なくとも1種の本発明のグラフトポリマーを含み、任意選択的に少なくとも1種の界面活性剤又は界面活性剤系を更に含み、向上した汚物の除去、分散及び/若しくは乳化並びに/又は被処理面の改質及び/若しくは被処理面の白度維持を提供する洗濯洗剤又は手動食器洗浄用洗剤である。
【0122】
更により好ましくは、少なくとも1種の本発明のグラフトポリマーを含み、任意選択的に少なくとも1種の界面活性剤又は界面活性剤系を更に含む - 先に詳述されたような - 本発明の洗浄組成物は、洗濯及び手動食器洗浄用途内で洗浄及び再沈着防止性能のための、更により具体的には、布地及び食卓用食器類などの向上した洗浄及び再沈着防止性能(先に詳述されたような作用)のためのものであり、1種以上のリパーゼ、ヒドロラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ、ペクチン酸リアーゼ、クチナーゼ、DNase、キシラナーゼ、オキシドレダクターゼ、ディスパーシン、マンナナーゼ及びペルオキシダーゼ並びに上記の種類の少なくとも2つの組合せから好ましくは選択される、好ましくは1種以上のリパーゼ、ヒドロラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ及び上記の種類の少なくとも2つの組合せから選択される少なくとも1種の酵素を任意選択的に更に含む1種以上から好ましくは選択される少なくとも1種の酵素からなる、任意選択的にそれを更に含むリストから選択される少なくとも1種の酵素を追加的に含み得、より好ましくは、少なくとも1種の酵素は、リパーゼから選択される。
【0123】
本発明の一実施形態において、本発明のグラフトポリマーは、向上した洗浄及び再沈着防止性能(先に詳述されたような作用)、例えば微粒子汚れ並びに/又は油性及び脂肪質汚れの一次洗浄及び/又は汚物除去のために、且つ/又は追加的に好ましくは洗濯ケアにおいて白度維持のために使用され得る。他の好ましい実施形態において、本発明のグラフトポリマーは、布地の灰色化の低減(灰色化防止)、好ましくは存在するような先で述べられた作用の1つ超、すなわち本発明のグラフトポリマーによって示される、向上した洗浄、再沈着防止、一次洗浄、微粒子汚れ並びに/又は油性及び脂肪質汚れの汚物除去、白度維持及び/又は灰色化防止の1つ超のために使用され得る。
【0124】
1つの好ましい実施形態において、本発明の洗浄組成物は、液体又は固体洗濯洗剤組成物である。
【0125】
別の好ましい実施形態において、本発明の洗浄組成物は、手動又は自動食器洗浄のための液体又は固体(例えば、粉末又は錠剤/単位用量)洗剤組成物、好ましくは液体手動食器洗浄用洗剤組成物である。そのような組成物は、当業者に公知である。
【0126】
別の実施形態において、本発明の洗浄組成物は、硬質木材、タイル、セラミック、プラスチック、皮革、金属、ガラスなどの様々な表面をきれいにするために使用され得る硬表面洗浄組成物である。
【0127】
別の実施形態において、洗浄組成物は、シャンプー組成物、身体洗浄用配合物、液体又は固形石けんなどの化粧品、パーソナルケア及びペットケア組成物に使用されるように設計される。
【0128】
一実施形態において、本発明のグラフトポリマーは、第一界面活性剤主剤としてのC10~C15アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)と、非イオン性、カチオン性、両性、双性イオン性若しくは他のアニオン性界面活性剤又はそれらの混合物から選択される1種以上の追加の界面活性剤とを含む界面活性剤系を含む、洗浄組成物に利用され得る。
【0129】
更なる実施形態において、本発明のグラフトポリマーは、第一界面活性剤としての1~5個のエトキシ単位を有するC8~C18直鎖又は分岐アルキルエーテル硫酸塩と、非イオン性、カチオン性、両性、両性イオン性若しくは他のアニオン性界面活性剤又はそれらの混合物から選択される1種以上の追加の界面活性剤とを含む、任意の種類の洗濯洗剤等などの洗浄組成物に利用され得る。
【0130】
更なる実施形態において、本発明のグラフトポリマーは、第一界面活性剤としての5~10個のエトキシ単位を有するC12~C18アルキルエトキシレート界面活性剤と、アニオン性、カチオン性、両性、双性イオン性若しくは他の非イオン性界面活性剤又はこれらの混合物から選択される1種以上の追加の界面活性剤とを含む、任意の種類の洗濯洗剤などの洗浄組成物に利用され得る。
【0131】
本発明の一実施形態において、グラフトポリマーは、それぞれ少なくとも1種の界面活性剤、好ましくは少なくとも1種のアニオン性界面活性剤を追加的に含む、好ましくは洗濯用又は食器洗浄用配合物、より好ましくは液体洗濯又は手動食器洗浄用洗剤配合物などの洗浄組成物の構成成分である。
【0132】
更なる実施形態において、本発明は、本明細書で先に記載されたようなグラフトポリマーを含む組成物も包含し、好ましくは2-フェノキシエタノールからなる群から選択される、より好ましくは前記抗菌剤を組成物の2ppm~5重量%の範囲の量で含む;更により好ましくは、0.1~2%のフェノキシエタノールを含む、本明細書で後に開示されるような抗菌剤を更に含む。
【0133】
更なる実施形態において、本発明は、微生物汚染又は増殖に対して水性組成物を保存するする方法も包含し、そのような組成物は、本明細書で先に記載されたようなグラフトポリマーを含み、そのような組成物は、好ましくは、洗剤組成物であり、そのような方法は、本明細書で後に開示されるような本開示の抗菌剤から選択される少なくとも1種の抗菌剤を添加することを含み、そのような抗菌剤は、好ましくは、2-フェノキシエタノールである。
【0134】
更なる実施形態において、本発明は、組成物、好ましくは洗浄組成物、より好ましくは液体洗濯洗剤組成物又は液体食器手動洗浄用組成物、更により好ましくは液体洗濯洗剤組成物又は洗濯に使用するための液体柔軟剤組成物も包含し、そのような組成物は、本明細書で先に記載されたようなグラフトポリマーを含み、そのような組成物は、4,4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテルを、それぞれ組成物の重量で0.001~3%、好ましくは0.002~1%、より好ましくは0.01~0.6%の濃度で更に含む。
【0135】
更なる実施形態において、本発明は、布地を洗濯する又は硬表面をきれいにする方法も包含し、その方法は、布地又は硬表面を洗浄組成物、より好ましくは液体洗濯洗剤組成物若しくは液体食器手動洗浄用組成物、更により好ましくは液体洗濯洗剤組成物又は洗濯に使用するための液体柔軟剤組成物で処理することを含み、そのような組成物は、それぞれ本明細書で先に記載されたようなグラフトポリマーを含み、そのような組成物は、4,4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテルを更に含む。
【0136】
これらの実施形態における追加の界面活性剤の選択は、用途及び所望の便益に依存し得る。
【0137】
洗浄組成物、配合物及びそれらの成分の説明
本明細書で用いるような「洗浄組成物」という語句には、汚れた材料をきれいにするために設計された組成物及び配合物が含まれる。そのような組成物及び配合物には、任意の種類の汚れた材料又は表面をきれいにするために設計されたものが含まれる。
【0138】
「業務用洗浄」組成物には、タイル、カーペット、PVC表面、木材表面、金属表面、ラッカー塗装面を含む、任意の種類の表面のための硬表面クリーナーなど、任意の種類の汚れた材料又は表面をきれいにする使用のためのものなど、業務用洗浄で使用するために設計されているそのような洗浄組成物が含まれる。
【0139】
「布地ケア及びホームケア用組成物」としては、洗濯洗浄組成物及び洗剤、布地柔軟化組成物、布地高機能化組成物、布地清新化組成物、洗濯物予洗い用洗剤、洗濯物前処理剤、洗濯補助剤、スプレー製品、ドライ洗浄剤又は組成物、洗濯物濯ぎ用添加剤、洗浄用添加剤、濯ぎ後布地処理剤、アイロン掛け補助剤。食器洗浄用組成物、硬表面洗浄組成物、単位用量配合物、遅延送達配合物、多孔質基材又は不織シートの上又は中に含有される洗剤、低負荷用液体洗剤組成物、高負荷用液体洗剤組成物、洗濯用に一般に使用される洗剤ジェル、漂白用組成物、洗濯補助剤、布地エンハンサー組成物並びに本明細書での教示を考慮して当業者に明らかであり得る他の好適な形態が挙げられるが、それらに限定されない。そのような組成物は、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用され得るか、又は洗濯作業の濯ぎ又は洗浄サイクル中、好ましくは洗濯又は食器洗浄作業の洗浄サイクル中に添加され得る。より好ましくは、布地ケア及びホームケアのためのそのような組成物は、洗濯洗浄組成物、洗濯ケア製品又は洗濯洗浄製品、最も好ましくは液体洗濯洗剤配合物又は液体洗濯洗剤製品である。
【0140】
本発明の洗浄組成物は、任意の形態、すなわちペースト、ジェル、エマルジョン、フォーム及びムースなどの液体含有組成物タイプを含む「液体」組成物;粉末、顆粒、マイクロカプセル、ビーズ、ヌードル、真珠光沢球、凝集体、錠剤、粒状組成物、シート、トローチ、ビーズ、繊維状物品、棒状体、フレークなどの固形組成物;又はそれらの混合物の形態;シングル、ユーダル又はマルチ区画小袋又は容器で配送されるタイプ;単相又は多層の単位用量;スプレー又は泡洗剤;ウェットタイプのワイプ(すなわちMackeyらによる米国特許第6,121,165号明細書で論じられるものなどの不織材料と組み合わせた洗浄組成物);使用者又は消費者によって水で活性化されるドライワイプ(すなわちFowlerらによる米国特許第5,980,931号明細書で論じられるものなど、不織材料と組み合わせた洗浄組成物);並びに他の均質、不均質又は単相若しくは多相の洗浄製品形態であり得る。
【0141】
組成物は、単又は多区画小袋に封入することができる。多区画小袋は、少なくとも2つ、少なくとも3つ又は少なくとも4つの区画を有し得る。多区画化小袋は、隣り合っており、且つ/又は重ね合わせられている区画を含む。小袋又はその区画に含有される組成物は、液体、固体(粉末などの)又はそれらの組合せであり得る。
【0142】
「液体」/「液体組成物」の非限定的な例としては、低負荷用及び高負荷用液体洗剤組成物、布地エンハンサー、洗濯のために一般的に使用される洗剤ジェル、漂白剤及び洗濯補助剤が挙げられる。ガス、例えば懸濁バブル又は固体、例えば粒子が液体内に含まれ得る。
【0143】
本発明の液体洗浄組成物は、好ましくは、50~10000mPa・sの粘度を有し、液体手動食器洗浄組成物(また液体手動「食器洗浄用組成物」)は、20 1/s及び20℃で、好ましくは100~10000mPa・s、より好ましくは200~5000mPa・s、最も好ましくは500~3000mPa・sの粘度を有し;液体洗濯洗浄組成物は、20 1/s及び20℃で、好ましくは50~3000mPa・s、より好ましくは100~1500mPa・s、最も好ましくは200~1000mPa・sの粘度を有する。
【0144】
本発明の液体洗浄組成物は、任意の好適なpH値を有し得る。好ましくは、組成物のpHは、4~14に調整される。より好ましくは、組成物は、6~13、更により好ましくは6~10、最も好ましくは7~9のpHを有する。組成物のpHは、当技術分野で公知のpH調整成分を使用して調整することができ、25℃の脱塩水中で10%製品濃度として測定される。例えば、NaOHが使用され得、NaOHの実際の重量%が変化し得、pH8.0などの所望のpHまで整えられ得る。本発明の一実施形態において、アミン類、好ましくはアルカノールアミン、より好ましくはトリエタノールアミンを使用することによって7超のpHに調整され得る。
【0145】
布地ケア及びホームケア製品並びに業務用洗浄のための配合物など、より具体的には洗濯及び手動食器洗浄用洗剤などの洗浄組成物は、当業者に公知である。それぞれの用途に関連する、当業者に公知の任意の組成物等は、とりわけそのような組成物がその使用分野で使用される場合、少なくとも1種の本発明のポリマー、好ましくは少なくとも1種のポリマーをそのような組成物中である種の特性を発現させるのに好適な量で含めることにより、本発明に関連して使用することができる。
【0146】
本発明の一態様は、洗剤配合物のための、特に液体洗剤配合物、好ましくは濃厚液体洗剤配合物のための添加剤又は洗濯のための単一モノ用量剤としての本発明のポリマーの使用でもある。
【0147】
本発明の洗浄組成物は、補助洗浄添加剤(本明細書では「補助剤」とも省略される)を含有し得、- 好ましくは含有し、そのような補助剤は、好ましくは、先に定義されたような界面活性剤系に加えてである。
【0148】
好適な補助洗浄添加剤としては、ビルダー、コビルダー、界面活性剤系、脂肪酸及び/又はその塩、構造化剤、増粘剤及びレオロジー調整剤、粘土/汚物除去/再沈着防止剤、高分子異物放出剤、高分子分散剤などの分散剤、高分子グリース洗浄剤、可溶化剤、両性コポリマー(ビニルピロリドンを含まないものなど)、キレート剤、酵素、酵素安定化系、カプセル化香料などのカプセル化便益剤、漂白化合物、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、触媒物質、増白剤、悪臭抑制剤、顔料、染料、乳白剤、真珠光沢剤、色調補正剤、染料移動防止剤、布地柔軟剤、担体、起泡促進剤、抑泡剤(消泡剤)、着色粒子、銀製品手入れ剤、曇り防止及び/又は腐食防止剤、アルカリ源、pH調整剤、pH緩衝剤、ヒドロトロープ剤、スクラビング粒子、抗細菌剤及び抗微生物剤、防腐剤、酸化防止剤、柔軟剤、担体、充填材、溶媒、加工助剤、香料前駆体並びに香料が挙げられる。
【0149】
補助剤は、組成物の意図される使用に好適なレベルで組成物中に存在し得る。典型的な使用レベルは、蛍光増白剤などの補助剤に関して組成物の0.001重量%ほどに低いからビルダーに関して組成物の50重量%までの範囲である。
【0150】
液体洗浄組成物は、界面活性剤系及びグラフトポリマーに加えてレオロジー制御/調整剤、皮膚軟化剤、保湿剤、皮膚若返り活性物質及び溶媒を追加的に含み得る - 及び好ましくはその少なくとも1つ - を含む。
【0151】
固形組成物は、充填剤、漂白剤、漂白活性化剤及び触媒物質を追加的に含み得る - 及び好ましくはその少なくとも1つを含む。
【0152】
そのような洗浄補助剤及び使用のレベルの好適な例は、国際公開第99/05242号パンフレット、米国特許第5,576,282号明細書、同第6,306,812B1号明細書及び同第6,326,348B1号明細書に見出される。
【0153】
当業者は、洗浄作用のある界面活性剤が、洗浄、汚れの除去又は洗濯便益を汚れた材料に提供する任意の界面活性剤又は界面活性剤の混合物が包含することを理解するであろう。
【0154】
そのため、布地ケア及びホームケア製品並びに業務用洗浄のための配合物など、より具体的には洗濯及び手動食器洗浄用洗剤などの本発明の洗浄組成物は、好ましくは、上で及び下でより詳細に記載されるもののような、界面活性剤系を追加的に含み、より好ましくは補助剤も更に含む。
【0155】
界面活性剤系は、1種の界面活性剤又はアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びそれらの混合物から選択される界面活性剤の組合せから構成され得る。当業者は、洗剤のための界面活性剤系が、洗浄、汚れの除去又は洗濯便益を汚れた材料に提供する任意の界面活性剤又は界面活性剤の混合物を包含することを理解するであろう。
【0156】
本発明の洗浄組成物は、好ましくは、界面活性剤系を、所望の洗浄特性を提供するのに十分な量で含む。いくつかの実施形態において、洗浄組成物は、組成物の重量で約1%~約70%の界面活性剤系を含む。他の実施形態において、液体洗浄組成物は、組成物の重量で約2%~約60%の界面活性剤系を含む。更なる実施形態において、洗浄組成物は、組成物の重量で約5%~約30%の界面活性剤系を含む。界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びそれらの混合物から選択される、洗浄作用のある界面活性剤を含み得る。
【0157】
洗濯用組成物
洗濯用配合物において、アニオン性界面活性剤は、通常、そのような配合物中で界面活性剤のはるかに最大の占有率を占める。そのため、好ましくは、洗濯に使用するための本発明の洗浄組成物は、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤と、任意選択的に、本明細書に記載される界面活性剤クラスのいずれかから、好ましくは非イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤及び/又は双性イオン性界面活性剤及び/又はカチオン性界面活性剤から選択される更なる界面活性剤とを含む。
【0158】
本明細書において有用な - 2種以上の界面活性剤の組合せにも使用され得る - アニオン性界面活性剤の非限定的な例としては、C9~C20直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、C10~C20の1級、分岐及びランダムアルキル硫酸塩(AS);C10~C18の2級(2,3)アルキル硫酸塩;C10~C18アルキルアルコキシ硫酸塩(AExS)(ここで、xは、1~30である);1~5個のエトキシ単位を含むC10~C18アルキルアルコキシカルボン酸塩;米国特許第6,020,303号明細書及び米国特許第6,060,443号明細書で論じられるような中鎖分岐アルキル硫酸塩;米国特許第6,008,181号明細書及び米国特許第6,020,303号明細書で論じられるような中鎖分岐アルキルアルコキシ硫酸塩;国際公開第99/05243号パンフレット、国際公開第99/05242号パンフレット及び国際公開第99/05244号パンフレットで論じられるような修飾アルキルベンゼンスルホン酸塩(MLAS);メチルエステルスルホン酸塩(MES);並びにα-オレフィンスルホン酸塩(AOS)が挙げられる。
【0159】
好適なアニオン性界面活性剤の好ましい例は、C~C12アルキル硫酸、C12~C18脂肪アルコールエーテル硫酸、C12~C18脂肪アルコールポリエーテル硫酸、エトキシル化C~C12アルキルフェノール(エトキシル化:3~50モルのエチレンオキシド/モル)の硫酸半エステル、C12~C18アルキルスルホン酸、C12~C18スルホ脂肪酸アルキルエステル、例えばC12~C18スルホ脂肪酸メチルエステル、C10~C18アルキルアリールスルホン酸、好ましくはn-C10~C18アルキルベンゼンスルホン酸、C10~C18アルキルアルコキシカルボン酸並びに例えばC~C24カルボン酸などの石けんのアルカリ金属及びアンモニウム塩である。上述の化合物のアルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩が特に好ましい。
【0160】
本発明の一実施形態において、アニオン性界面活性剤は、n-C10~C18アルキルベンゼンスルホン酸から及び本発明に関連して特にエトキシル化C12~C18アルカノール(エトキシル化:1~50モルのエチレンオキシド/モル)、好ましくはn-C12~C18アルカノールの硫酸半エステルである脂肪アルコールポリエーテルエステル塩から選択される。
【0161】
本発明の一実施形態において、分岐(すなわち合成)C11~C18アルカノール(エトキシル化:1~50モルのエチレンオキシド/モル)から誘導されたアルコールポリエーテル硫酸塩も使用され得る。
【0162】
好ましくは、C12~C18脂肪アルコールに基づく又は分岐(すなわち合成)C11~C18アルコールに基づく、両タイプのアルコキシル化アルキル硫酸塩のアルコキシル化基は、エトキシル化基であり、アルコキシル化アルキル硫酸塩のいずれの平均エトキシル化度も、1~5、好ましくは1~3である。
【0163】
好ましくは、本発明の洗濯洗剤配合物は、他の構成成分並びに水及び/又は溶媒を含めて、特定の全体組成物を基準として少なくとも1重量%~50重量%、好ましくは約2重量%以上~約30重量%以下の範囲、より好ましくは3重量%以上~25重量%以下の範囲、最も好ましくは5重量%以上~25重量%以下の範囲の上記のような1種以上のアニオン性界面活性剤を含む。
【0164】
本発明の好ましい実施形態において、アニオン性界面活性剤は、C10~C15直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、1~5のエトキシ単位を有するC10~C18アルキルエーテル硫酸塩及びC10~C18アルキル硫酸塩から選択される。
【0165】
- 2種以上の他の界面活性剤の組合せでも使用され得る - 非イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、C8~C18アルキルエトキシレート、例えば、Shell製のNEODOL(登録商標)非イオン性界面活性剤;BASF製のPLURONIC(登録商標)のようなエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックアルコキシレート;米国特許第6,153,577号明細書、米国特許第6,020,303号明細書及び米国特許第6,093,856号明細書で論じられるような、C14~C22中鎖分岐アルキルアルコキシレート、BAEx(式中、xは1~30である);1986年1月26日発行の、Llenadoの米国特許第4,565,647号明細書で論じられるようなアルキル多糖類;特に、米国特許第4,483,780号明細書及び米国特許第4,483,779号明細書で論じられるようなアルキルポリグリコシド;米国特許第5,332,528号明細書で論じられるようなポリヒドロキシ脂肪酸アミド;並びに米国特許第6,482,994号及び国際公開第01/42408号パンフレットで論じられるようなエーテルキャップされたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が挙げられる。
【0166】
非イオン性界面活性剤の好ましい例は、特に、アルコキシル化アルコール及びアルコキシル化脂肪アルコール、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの二元及び多元ブロックコポリマー並びにソルビタンとエチレンオキシド又はプロピレンオキシドとの反応生成物、更に、アルキルフェノールエトキシレート、アルキルグリコシド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド(グルカミド)である。(追加の)両性界面活性剤の例は、いわゆるアミンオキシドである。
【0167】
アルコキシル化アルコール及びアルコキシ化脂肪アルコールの好ましい例は、例えば、一般式(A)
【化1】
(式中、変数は、以下の通り定義される:
R1は、直鎖C1~C10アルキルから選択され、好ましくはエチル、特に好ましくはメチルであり、
R2は、C8~C22アルキル、例えばn-C8H17、n-C10H21、n-C12H25、n-C14H29、n-C16H33又はn-C18H37から選択され、
R3は、C1~C10アルキル、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、sec-ペンチル、ネオペンチル、1,2-ジメチルプロピル、イソアミル、n-ヘキシル、イソヘキシル、sec-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、2-エチルヘキシル、n-ノニル、n-デシル又はイソデシルから選択され、
m及びnは、ゼロ~300の範囲であり、n及びmの合計は、少なくとも1である)
の化合物である。
【0168】
好ましくは、mは、1~100の範囲であり、nは、0~30の範囲である。
【0169】
ここで、一般式(A)の化合物は、ブロックコポリマー又はランダムコポリマーであり得、ブロックコポリマーが好ましい。
【0170】
アルコキシル化アルコール及びアルコキシ化脂肪アルコールの他の好ましい例は、例えば、一般式(B)
【化2】
(式中、変数は、以下の通り定義される:
は、同一であるか又は異なり、直鎖C~Cアルキルから選択され、好ましくはそれぞれの場合に同一であり、エチル、特に好ましくはメチルであり、
は、C~C20アルキル、特にn-C17、n-C1021、n-C1225、n-C1429、n-C1633、n-C1837から選択され、
aは、ゼロ~6の範囲、好ましくは1~6の範囲の数であり、
bは、ゼロ~20の範囲、好ましくは4~20の範囲の数であり、
dは、4~25の範囲の数である)
の化合物である。
【0171】
好ましくは、a及びbの少なくとも1つは、ゼロ超である。
【0172】
ここで、一般式(B)の化合物は、ブロックコポリマー又はランダムコポリマーであり得、ブロックコポリマーが好ましい。
【0173】
更に好適な非イオン性界面活性剤は、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドから構成されるジブロック及びマルチブロックコポリマーから選択される。更なる好適な非イオン性界面活性剤は、エトキシル化又はプロポキシル化ソルビタンエステルから選択される。アルキルフェノールエトキシレート又はアルキルポリグリコシド又はポリヒドロキシ脂肪酸アミド(グルカミド)が同様に好適である。好適な更なる非イオン性界面活性剤の概説は、欧州特許出願公開第A0851023号明細書に及び独国特許出願公開第A19819187号明細書に見出すことができる。
【0174】
当然のことながら、2種以上の異なる非イオン性界面活性剤の混合物も存在し得る。
【0175】
本発明の好ましい実施形態において、非イオン性界面活性剤は、それらのそれぞれが、3~15のエトキシ単位、好ましくは5~10のエトキシ単位を有するか、又は1~3のプロポキシ単位及び2~15のエトキシ単位を有するC12/14及びC16/18脂肪アルコールアルコキシレート、C13/15オキソアルコールアルコキシレート、C13-アルコールアルコキシレート及び2-プロピルヘプチルアルコールアルコキシレートから選択される。
【0176】
- 2種以上の他の界面活性剤と組み合わせても使用され得る - 両性界面活性剤の非限定的な例としては、約8~約18個の炭素原子の1つのアルキル部分と、約1~約3個の炭素原子を含有するアルキル部分及びヒドロキシアルキル部分からなる群から選択される2つの部分とを含有する水溶性アミンオキシド;並びに約10~約18個の炭素原子の1つのアルキル部分と、約1~約3個の炭素原子のアルキル部分及びヒドロキシアルキル部分からなる群から選択される部分とを含有する水溶性スルホキシドが挙げられる。国際公開第01/32816号パンフレット、米国特許第4,681,704号明細書及び米国特許第4,133,779号明細書を参照されたい。好適な界面活性剤としては、したがって、いわゆるアミンオキシド、例えばラウリルジメチルアミンオキシド(「ラウラミンオキシド」)が挙げられる。
【0177】
両性界面活性剤の好ましい例は、アミンオキシドである。好ましいアミンオキシドは、アルキルジメチルアミンオキシド又はアルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、より好ましくはアルキルジメチルアミンオキシド、とりわけココナツジメチルアミノオキシドである。アミンオキシドは、直鎖又は内部分岐アルキル部分を有し得る。典型的な直鎖アミンオキシドとしては、1つのR1=C8~18アルキル部分と、C1~C3アルキル基及びC1~C3ヒドロキシアルキル基からなる群から選択される2つのR2及びR3部分とを含有する水溶性アミンオキシドが挙げられる。好ましくは、アミンオキシドは、式
R1-N(R2)(R3)-O
(式中、R1は、C8~18アルキルであり、R2及びR3は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル及び3-ヒドロキシプロピルからなる群から選択される)
で特徴付けられる。直鎖アミンオキシド界面活性剤としては、特に、直鎖C10~C18アルキルジメチルアミンオキシド及び直鎖C8~C12アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドが挙げられ得る。好ましいアミンオキシドとしては、直鎖C10、直鎖C10~C12及び直鎖C12~C14アルキルジメチルアミンオキシドが挙げられる。本明細書で使用する場合、「内部分岐」は、アミンオキシドが、n2個の炭素原子を有するアルキル部分上に1つのアルキル分岐を有するn1個の炭素原子を有する1つのアルキル部分を有することを意味する。このアルキル分岐は、アルキル部分上で窒素からのアルファ炭素上に位置する。アミンオキシドについてのこのタイプの分岐は、当技術分野において内部アミンオキシドとしても知られている。n1及びn2の総和は、10~24の炭素原子、好ましくは12~20、より好ましくは10~16である。1つのアルキル部分に関する炭素原子の数(n1)は、この1つのアルキル部分及び1つのアルキル分岐が対称であるように、1つのアルキル分岐の炭素原子数(n2)とほぼ同じ数であるべきである。本明細書で使用する場合、「対称」は、本明細書で使用するための内部分岐アミンオキシドの少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも75重量%~100重量%で(n1-n2)が5以下、好ましくは4以下、最も好ましくは0~4であることを意味する。アミンオキシドは、C1~C3アルキル、C1~C3ヒドロキシアルキル基又は平均約1~約3個のエチレンオキシド基を含有するポリエチレンオキシド基から独立に選択される2つの部分を更に含む。好ましくは、2つの部分はC1~C3アルキルから選択され、より好ましくは、両方とも、C1アルキルとして選択される。
【0178】
本発明の好ましい実施形態において、両性界面活性剤は、C8~C18アルキル-ジメチルアミンオキシド及びC8~C18アルキル-ジ(ヒドロキシエチル)アミンオキシドから選択される。
【0179】
洗浄組成物は、2種以上の他の界面活性剤と組み合わせても使用され得る - 双性イオン性界面活性剤を含有し得る。
【0180】
好適な双性イオン性界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミドアゾリニウムベタイン、スルホベタイン(INCI:スルタイン(Sultaine))並びにホスホベタインなどのベタインが挙げられる。好適なベタイン及びスルホベタインは、以下(INCIに従って示される):アーモンドアミドプロピルベタイン(Almond amidopropyl of betaine)、アプリコットアミドプロピルベタイン(Apricotamidopropyl betaine)、アボカドアミドプロピルベタイン(Avocadamidopropyl of betaine)、ババスアミドプロピルベタイン(Babassuamidopropyl of betaine)、ベヘナミドプロピルベタイン(Behenamidopropyl betaine)、ベヘニルベタイン(Behenyl of betaine)、カノールアミドプロピルベタイン(Canol amidopropyl betaine)、カプリル/カプラミドプロピルベタイン(Capryl/Capramidopropyl betaine)、カルニチン(Carnitine)、セチルベタイン(Cetyl of betaine)、コカミドエチルベタイン(Cocamidoethyl of betaine)、コカミドプロピルベタイン(Cocamidopropyl betaine)、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン(Cocamidopropyl Hydroxysultaine)、ココベタイン(Coco betaine)、ココヒドロキシスルタイン(Coco Hydroxysultaine)、ココ/オレアミドプロピルベタイン(Coco/Oleamidopropyl betaine)、ココスルタイン(Coco Sultaine)、デシルベタイン(Decyl of betaine)、ジヒドロキシエチルオレイルグリシン酸塩(Dihydroxyethyl Oleyl Glycinate)、ジヒドロキシエチルダイズアルキルグリシン酸塩(Dihydroxyethyl Soy Glycinate)、ジヒドロキシエチルステアリルグリシン酸塩(Dihydroxyethyl Stearyl Glycinate)、ジヒドロキシエチル牛脂アルキルグリシン酸塩(Dihydroxyethyl Tallow Glycinate)、ジメチコンプロピルPGベタイン(Dimethicone Propyl of PG-betaine)、エルカミドプロピルヒドロキシスルタイン(Erucamidopropyl Hydroxysultaine)、水添牛脂アルキルベタイン(Hydrogenated Tallow of betaine)、イソステアラミドプロピルベタイン(Isostearamidopropyl betaine)、ラウラミドプロピルベタイン(Lauramidopropyl betaine)、ラウリルベタイン(Lauryl of betaine)、ラウリルヒドロキシスルタイン(Lauryl Hydroxysultaine)、ラウリルスルタイン(Lauryl Sultaine)、乳脂脂肪酸アミドプロピルベタイン(Milkamidopropyl betaine)、ミンク油脂肪酸アミドプロピルベタイン(Minkamidopropyl of betaine)、ミリスタミドプロピルベタイン(Myristamidopropyl betaine)、ミリスチルベタイン(Myristyl of betaine)、オレアミドプロピルベタイン(Oleamidopropyl betaine)、オレアミドプロピルヒドロキシスルタイン(Oleamidopropyl Hydroxysultaine)、オレイルベタイン(Oleyl of betaine)、オリーブアミドプロピルベタイン(Olivamidopropyl of betaine)、パーム油脂肪酸アミドプロピルベタイン(Palmamidopropyl betaine)、パルミタミドプロピルベタイン(Palmitamidopropyl betaine)、パルミトイルカルニチン(Palmitoyl Carnitine)、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン(Palm Kernelamidopropyl betaine)、ポリテトラフルオロエチレンアセトキシプロピルベタイン(Polytetrafluoroethylene Acetoxypropyl of betaine)、リシノレイン酸アミドプロピルベタイン(Ricinoleamidopropyl betaine)、セサミドプロピルベタイン(Sesamidopropyl betaine)、ダイズ油脂肪酸アミドプロピルベタイン(Soyamidopropyl betaine)、ステアラミドプロピルベタイン(Stearamidopropyl betaine)、ステアリルベタイン(Stearyl of betaine)、牛脂脂肪酸アミドプロピルベタイン(Tallowamidopropyl betaine)、牛脂脂肪酸アミドプロピルヒドロキシスルタイン(Tallowamidopropyl Hydroxysultaine)、牛脂ベタイン(Tallow of betaine)、牛脂ジヒドロキシエチルベタイン(Tallow Dihydroxyethyl of betaine)、ウンデシレンアミドプロピルベタイン(Undecylenamidopropyl betaine)及びコムギ胚芽油脂肪酸アミドプロピルベタイン(Wheat Germamidopropyl betaine)である。
【0181】
好ましいベタインは、例えば、C12~C18アルキルベタイン及びスルホベタインである。双性イオン性界面活性剤は、好ましくは、ベタイン界面活性剤であり、より好ましくはコカミドプロピルベタイン界面活性剤である。
【0182】
- 2種以上の他の界面活性剤の組合せで使用され得る - カチオン性界面活性剤の非限定的な例としては、最大で26個の炭素原子を有することができる四級アンモニウム界面活性剤が挙げられ、米国特許第6,136,769号明細書で論じられるようなアルコキシル化四級アンモニウム(AQA)界面活性剤;米国特許第6,004,922号明細書で論じられるようなジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム;ジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリド;国際公開第98/35002号パンフレット、国際公開第98/35003号パンフレット、国際公開第98/35004号パンフレット、国際公開第98/35005号パンフレット及び国際公開第98/35006号パンフレットで論じられるようなポリアミンカチオン性界面活性剤;米国特許第4,228,042号明細書、同第4,239,660号明細書、同第4,260,529号明細書及び米国特許第6,022,844号明細書で論じられるようなカチオン性エステル界面活性剤;並びに米国特許第6,221,825号明細書及び国際公開第00/47708号パンフレットで論じられるようなアミノ界面活性剤、特にアミドプロピルジメチルアミン(APA)が挙げられる。
【0183】
本発明による組成物は、少なくとも1つのビルダーを含み得る。本発明との関連で、ビルダーと、他の箇所で「コビルダー」と称されるそのような構成成分との間で何らの区別もなされないであろう。ビルダーの例は、本明細書で以下錯化剤とも言われる、錯形成剤、イオン交換化合物、分散剤、スケール防止剤及び沈澱剤である。ビルダーは、クエン酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、炭酸塩、ホスホン酸塩、アミノカルボン酸塩及びポリカルボン酸塩から選択される。
【0184】
本発明との関連で、クエン酸塩という用語には、クエン酸のモノアルカリ金属塩及びジアルカリ金属塩、特に一ナトリウム塩及び好ましくは三ナトリウム塩、クエン酸のアンモニウム塩又は置換アンモニウム塩並びにクエン酸が含まれる。クエン酸塩は、無水化合物として又は水和物として、例えば、クエン酸ナトリウム二水和物として使用することができる。クエン酸塩の量は、無水クエン酸三ナトリウムを基準として計算される。
【0185】
リン酸塩という用語には、メタリン酸ナトリウム、オルトリン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム及びポリリン酸塩、例えば、トリポリリン酸ナトリウムなどが含まれる。しかしながら、好ましくは、本発明による組成物は、リン酸水素塩が含められる状態で、リン酸塩及びポリリン酸塩を含まず、例えば、リン酸三ナトリウム、トリポリリン酸五ナトリウム及びメタリン酸六ナトリウムを含まない(「リン酸塩フリー」)。リン酸塩及びポリリン酸塩に関連して、「を含まない」は、重量分析によって測定された、リン酸塩及びポリリン酸塩の含有量が、合計で、それぞれの組成物の10ppm~0.2重量%の範囲であることを意味するとして本発明に関連して理解されるべきである。
【0186】
炭酸塩という用語には、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩が含まれ、ナトリウム塩が好ましい。NaCOが特に好ましい。
【0187】
ホスホン酸塩の例は、ヒドロキシアルカンホスホン酸塩及びアミノアルカンホスホン酸塩である。ヒドロキシアルカンホスホン酸塩の中で、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸塩(HEDP)が、ビルダーとして特に重要である。それは、好ましくは、ナトリウム塩として使用され、ジナトリウム塩は中性であり、テトラナトリウム塩はアルカリ性である(pH9)。好適なアミノアルカンホスホン酸塩は、好ましくは、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸塩(EDTMP)、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸塩(DTPMP)及びそれらの高級同族体である。それらは、好ましくは、中性反応ナトリウム塩の形態において、例えばEDTMPのヘキサナトリウム塩として又はDTPMPのヘプタ及びオクタナトリウム塩として使用される。
【0188】
アミノカルボン酸塩及びポリカルボン酸塩の例は、ニトリロ三酢酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、ジエチレントリアミン五酢酸塩、トリエチレンテトラアミン六酢酸塩、プロピレンジアミン四酢酸、エタノール-ジグリシン、メチルグリシン二酢酸塩及びグルタミンニ酢酸塩である。アミノカルボン酸塩及びポリカルボン酸塩という用語には、それらのそれぞれの非置換又は置換アンモニウム塩及びナトリウム塩などのアルカリ金属塩、特にそれぞれの完全中和化合物のアルカリ金属塩も含まれる。
【0189】
本発明との関連でのケイ酸塩には、特に二ケイ酸ナトリウム及びメタケイ酸ナトリウム、例えばゼオライト及び層状ケイ酸塩などのアルミノケイ酸塩、特に式α-NaSi、β-NaSi及びδ-NaSiのものが含まれる。
【0190】
本発明による組成物は、上に述べられていない材料から選択される1種以上のビルダーを含有し得る。ビルダーの例は、α-ヒドロキシプロピオン酸及び酸化デンプンである。
【0191】
本発明の一実施形態において、ビルダーはポリカルボン酸塩から選択される。「ポリカルボン酸塩」という用語には、コハク酸、C~C16アルキル二コハク酸塩、C~C16アルケニル二コハク酸塩、エチレンジアミンN,N’-二コハク酸、酒石酸二酢酸塩、アルカリ金属マロン酸塩、酒石酸モノ酢酸塩、プロパントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸及びシクロペンタンテトラカルボン酸などの非ポリマーのポリカルボン酸塩が含まれる。
【0192】
オリゴマーの又はポリマーのポリカルボン酸塩は、例えば、ポリアスパラギン酸及びそのアルカリ金属塩、特にそのナトリウム塩、(メタ)アクリル酸ホモポリマー及び(メタ)アクリル酸コポリマー並びにそれらのアルカリ金属塩、特にそれらのナトリウム塩である。
【0193】
好適なコモノマーは、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸無水物、イタコン酸及びシトラコン酸などのモノエチレン性不飽和ジカルボン酸である。好適なポリマーは、特に、2000~40000g/モル、好ましくは2000~10000g/モル、特に3000~8000g/モルの範囲の重量平均分子量Mを好ましくは有する、ポリアクリル酸である。更なる好適なコポリマーのポリカルボン酸塩は、特に、アクリル酸とメタクリル酸とのもの並びにアクリル酸又はメタクリル酸とマレイン酸及び/若しくはフマル酸又は無水マレイン酸などのその無水物とのものである。好適なコポリマーは、特に、2000~100000、好ましくは3000~80000の範囲の重量平均分子量のアクリル酸とマレイン酸とのコポリマーである。
【0194】
ポリアスパラギン酸の好ましい重量平均分子量Mwは、1000g/モル~20000g/モル、好ましくは1500~15000g/モル、特に好ましくは2000~10000g/モルの範囲である。
【0195】
モノエチレン性不飽和C~C10モノ-若しくはC~C10ジカルボン酸又はそれらの無水物、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、イタコン酸及びシトラコン酸からなる群から選択される少なくとも1種のモノマーと、以下に列挙されるような少なくとも1種の親水又は疎水変性されたコモノマーとのコポリマーを使用することも可能である。
【0196】
好適な疎水性コモノマーは、例えば、イソブテン、ジイソブテン、ブテン、ペンテン、ヘキサン及びスチレン、10個以上の炭素原子を有するオレフィン又はそれらの混合物、例えば、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン、1-ドコセン、1-テトラコセン及び1-ヘキサコセンなど、C22-α-オレフィン、C20~C24-α-オレフィンと1分子当たり平均12~100個の炭素原子を有するポリイソブテンとの混合物である。
【0197】
好適な親水性コモノマーは、スルホネート基又はホスホネート基を有するモノマー及びまたヒドロキシル官能基又はアルキレンオキシド基を有する非イオン性モノマーである。例として、アリルアルコール、イソプレノール、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリ(プロピレンオキシド-co-エチレンオキシド)(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート及びエトキシポリ(プロピレンオキシド-co-エチレンオキシド)(メタ)アクリレートが挙げられ得る。ここで、ポリアルキレングリコールは、1分子当たり3~50個、特に5~40個、とりわけ10~30個のアルキレンオキシド単位を含むことができる。
【0198】
ここで、特に好ましいスルホン酸基含有モノマーは、1-アクリルアミド-1-プロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-プロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、3-メタクリルアミド-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸、2-ヒドロキシ-3-(2-プロペニルオキシ)プロパンスルホン酸、2-メチル-2-プロペン-1-スルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、3-スルホプロピルアクリレート、2-スルホエチルメタクリレート、3-スルホプロピルメタクリレート、スルホメタクリルアミド、スルホメチルメタクリルアミド及び前記酸の塩、例えばそれらのナトリウム、カリウム又はアンモニウム塩などである。
【0199】
特に好ましいホスホネート基含有モノマーは、ビニルホスホン酸及びその塩である。
【0200】
更なる好適なオリゴマーの又はポリマーのポリカルボン酸塩は、分解デンプンなどの多糖類、カルボキシメチル化セルロース、カルボキシメチル化イヌリン若しくはカルボキシメチル化デンプンなどのカルボキシメチル化多糖類上への(メタ)アクリル酸又はマレイン酸のグラフトポリマー又はポリエポキシコハク酸及びそれらのアルカリ金属塩、特にそれらのナトリウム塩を含む。
【0201】
更に、両性ポリマーもビルダーとして使用することができる。
【0202】
本発明による組成物は、とりわけ固形配合物の場合、例えば合計0.1~90重量%、好ましくは5~80重量%、好ましくは最大で70重量%の範囲でビルダーを含むことができる。本発明による液体配合物は、好ましくは、最大で85、75、65、60、55、50、45、40、35、30、35、15又は10重量%など、0.1~20重量%の範囲でビルダーを含む。
【0203】
本発明による配合物は、1種以上のアルカリ担体を含むことができる。アルカリ担体は、例えば、アルカリ性pHが望まれる場合、少なくとも9のpHを確保する。例えば、上述のアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩及びアルカリ金属メタケイ酸塩並びに追加的にアルカリ金属水酸化物が好適である。好ましいアルカリ金属は、いずれの場合にもカリウムであり、ナトリウムが特に好ましい。本発明の一実施形態において、7超のpHは、アミン類、好ましくはアルカノールアミン、より好ましくはトリエタノールアミンを使用することによって調整される。
【0204】
本発明の一実施形態において、本発明による洗濯用配合物は、追加的に少なくとも1種の酵素を含む。
【0205】
有用な酵素は、例えば、リパーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ及びペルオキシダーゼ並びに上記の種類の少なくとも2つの組合せから選択される1種以上のヒドロラーゼである。
【0206】
そのような酵素は、洗浄のための有効量を提供するのに十分なレベルで組み込むことができる。好ましい量は、本発明による洗剤組成物中に活性酵素の0.001重量%~5重量%の範囲内である。酵素と一緒に、例えばカルシウムイオン、ホウ酸、ボロン酸、プロピレングリコール及び短鎖カルボン酸などの酵素安定化系も使用され得る。本発明との関連で、短鎖カルボン酸は、1分子当たり1~3個の炭素原子を有するモノカルボン酸及び1分子当たり2~6個の炭素原子を有するジカルボン酸から選択される。好ましい例は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸、HOOC(CH2)3COOH、アジピン酸及び前述のものの少なくとも2種からの混合物並びにそれぞれのナトリウム及びカリウム塩である。
【0207】
好ましくは、少なくとも1種の酵素は、洗剤酵素である。
【0208】
一実施形態において、酵素は、オキシドレダクターゼ(EC1)、トランスフェラーゼ(EC2)、ヒドロラーゼ(EC3)、リアーゼ(EC4)、イソメラーゼ(EC5)又はリガーゼ(EC6)として分類される。EC番号付けは、1993~1999年に出版されたその補遺を含む、Nomenclature Committee of the International Union of Biochemistry and Molecular Biology(国際生化学分子生物学連合)のEnzyme Nomenclature,Recommendations(酵素命名法、勧告)(1992)に準ずる。好ましくは、酵素は、ヒドロラーゼ(EC3)である。
【0209】
好ましい実施形態において、酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ、ヘミセルラーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ、ペルオキシダーゼ、キシラナーゼ、クチナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、ベータ-グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、ヌクレアーゼ、DNase、ホスホジエステラーゼ、フィターゼ、カルボヒドラーゼ、ガラクタナーゼ、キサンタナーゼ、キシログルカナーゼ、オキシドレダクターゼ、ペルヒドロラーゼ、アミノペプチダーゼ、アスパラギナーゼ、カルボヒドラーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、キチナーゼ、シクロデキストリングリコシルトランスフェラーゼ、アルファ-ガラクトシダーゼ、ベータ-ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、アルファ-グルコシダーゼ、ベータ-グルコシダーゼ、インベルターゼ、リボヌクレアーゼ、トランスグルタミナーゼ及びディスパーシン並びに上記の種類の少なくとも2種の組合せからなる群から選択される。より好ましくは、酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ、キシラナーゼ、DNase、ディスパーシン、ペクチナーゼ、オキシドレダクターゼ及びクチナーゼ並びに上記の種類の少なくとも2種の組合せからなる群から選択される。最も好ましくは、酵素は、プロテアーゼ、好ましくは、セリンプロテアーゼ、より好ましくは、サブチリシンプロテアーゼである。
【0210】
好ましくは、プロテアーゼは、欧州特許第1921147B1号明細書の配列番号22と少なくとも90%の配列同一性があり、アミノ酸置換R101E(BPN番号付けに従って)を有するプロテアーゼである。好ましくは、アミラーゼは、国際公開第2021032881A1号パンフレットの配列番号54と少なくとも90%の配列同一性があるアミラーゼである。
【0211】
本発明の組成物は、1つのタイプの酵素又は異なるタイプの2種以上の酵素、例えばアミラーゼ及びプロテアーゼ若しくは同じタイプの2種以上の酵素、例えば2種以上の異なるプロテアーゼ又はそれらの混合物、例えばアミラーゼ及び2種の異なるプロテアーゼを含むことができる。
【0212】
酵素は、組成物中において、好ましくは一次洗浄効果及び/又は灰色化防止若しくはピリング防止効果(例えば、セルラーゼの場合に)のような、二次洗浄効果に関して、有益な効果を達成するための有効な量を提供するのに十分なレベルで組み込むことができる。好ましくは、酵素は、組成物中において、組成物の重量で約0.00001%~約5%、好ましくは約0.00001%~約2%、より好ましくは約0.0001%~約1%又は更により好ましくは約0.001%~約0.5%の酵素タンパク質のレベルで存在する。
【0213】
好ましくは、酵素含有組成物は、酵素安定化系を更に含む。
【0214】
好ましくは、本明細書に記載される酵素含有組成物は、組成物の重量で約0.001%~約10%、約0.005%~約8%又は約0.01%~約6%の酵素安定化系を含む。酵素安定化系は、酵素に適合する任意の安定化系であり得る。
【0215】
好ましくは、酵素安定化系は、ポリオール(好ましくは、1,3-プロパンジオール、エチレングリコール、グリセロール、1,2-プロパンジオール又はソルビトール)、無機塩(好ましくは、CaCl2、MgCl2又はNaCl)、短鎖(好ましくは、C1~C3)カルボン酸又はその塩(好ましくは、ギ酸、ギ酸塩(好ましくは、ギ酸ナトリウム)、酢酸、酢酸塩又は乳酸塩)、ホウ酸塩、ホウ酸、ボロン酸(好ましくは、4-ホルミルフェニルボロン酸(4-FPBA))、ペプチドアルデヒド、ペプチドアセタール及びペプチドアルデヒドハイドロサルファイト付加物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む。好ましくは、酵素安定化系は、塩、ポリオール及び短鎖カルボン酸からなる群から選択される化合物の少なくとも2種の組合せ、好ましくは、ホウ酸塩、ホウ酸、ボロン酸(好ましくは、4-ホルミルフェニルボロン酸(4-FPBA))、ペプチドアルデヒド、ペプチドアセタール及びペプチドアルデヒドハイドロサルファイト付加物からなる群から選択される1種以上の化合物を含む。特に、プロテアーゼが組成物中に存在する場合、好ましくは、ホウ酸塩、ホウ酸、ボロン酸(好ましくは、4-FPBA)、ペプチドアルデヒド(好ましくは、Z-VAL-H又はZ-GAY-Hのようなペプチドアルデヒド)、ペプチドアセタール及びペプチドアルデヒドハイドロサルファイト付加物から選択されるプロテアーゼ阻害剤が添加され得る。
【0216】
本発明による組成物は、1種以上の漂白剤(ブリーチ)を含み得る。
【0217】
好ましい漂白剤は、無水の又は例えば一水和物として若しくは四水和物若しくはいわゆる二水和物としての過ホウ酸ナトリウム、無水の又は例えば一水和物としての過炭酸ナトリウム及び過硫酸ナトリウムから選択され、「過硫酸塩」という用語は、それぞれの場合に過酸HSOの塩及びまたペルオキソ二硫酸塩を含む。
【0218】
これに関連して、アルカリ金属塩は、それぞれの場合にアルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属過ホウ酸水素塩及びアルカリ金属過硫酸水素塩でもあり得る。しかしながら、二アルカリ金属塩がそれぞれの場合に好ましい。
【0219】
本発明による配合物は、1種以上の漂白触媒を含むことができる。漂白触媒は、オキサジリジニウム系漂白触媒、漂白促進性遷移金属塩又は遷移金属錯体、例えば、マンガン-、鉄-、コバルト-、ルテニウム-又はモリブデン-サレン錯体又はカルボニル錯体などから選択することができる。窒素含有三脚型配位子とのマンガン、鉄、コバルト、ルテニウム、モリブデン、チタン、バナジウム及び銅錯体並びにまたコバルト-、鉄-、銅-及びルテニウム-アミン錯体も漂白触媒として使用することができる。
【0220】
本発明による配合物は、1種以上の漂白活性化剤、例えば、テトラアセチルエチレンジアミン、テトラアセチルメチレンジアミン、テトラアセチルグリコールウリル、テトラアセチルヘキシレンジアミン、例えばn-ノナノイル-又はイソノナノイルオキシベンゼンスルホン酸塩などのアシル化フェノールスルホン酸塩、N-メチルモルホリニウムアセトニトリル塩(「MMA塩」)、トリメチルアンモニウムアセトニトリル塩、例えば、N-ノナノイルスクシンイミドなどのN-アシルイミド、1,5-ジアセチル-2,2-ジオキソヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン(「DADHT」)又はニトリルクワット(トリメチルアンモニウムアセトニトリル塩)を含むことができる。
【0221】
本発明による配合物は、1種以上の腐食防止剤を含むことができる。この場合、これは、金属の腐食を防止する化合物を含むと理解されるべきである。好適な腐食防止剤の例は、トリアゾール、特にベンゾトリアゾール、ビスベンゾトリアゾール、アミノトリアゾール、アルキルアミノトリアゾール、また例えばヒドロキノン、ピロカテコール、ヒドロキシヒドロキノン、没食子酸、フロログルシノール又はピロガロールなどのフェノール誘導体である。
【0222】
本発明の一実施形態において、本発明による配合物は、合計して0.1~1.5重量%の範囲の腐食防止剤を含む。
【0223】
本発明による配合物は、更なる洗浄ポリマー及び/又は防汚ポリマー及び/又は灰色化防止ポリマーも含み得る。
【0224】
更なる洗浄ポリマーとしては、限定なしに、「多官能性ポリエチレンイミン」(例えば、BASFのSokalan(登録商標)HP20)及び/又は「多官能性ジアミン」(例えば、BASFのSokalan(登録商標)HP96)を挙げられ得る。そのような多官能性ポリエチレンイミンは、典型的には、3000~250000、好ましくは5000~200000、より好ましくは8000~100000、より好ましくは8000~50000、より好ましくは10000~30000、最も好ましくは10000~20000g/モルの範囲の重量平均分子量Mのエトキシ化ポリエチレンイミンである。好適な多官能性ポリエチレンイミンは、材料の総重量を基準として80重量%~99重量%、好ましくは85重量%~99重量%、より好ましくは90重量%~98重量%、最も好ましくは93重量%~97重量%又は94重量%~96重量%のエチレンオキシド側鎖を有する。エトキシル化ポリエチレンイミンは、典型的には、ポリエチレンイミンコア及びポリエチレンオキシドシェルをベースとしている。好適なポリエチレンイミンコア分子は、500~5000g/モルの範囲の重量平均分子量Mのポリエチレンイミンである。好ましくは、500~1000g/モルの分子量が用いられ、600~800g/モルのMが更により好ましい。したがって、エトキシル化ポリマーは、1つのNH官能基当たり平均5~50個、好ましくは10~35個、更により好ましくは20~35個のエチレンオキシド(EO)単位を有する。
【0225】
好適な多官能性ジアミンは、典型的には、更に四級化され、且つ任意選択的に硫酸化されるエトキシル化C2~C12アルキレンジアミン、好ましくはヘキサメチレンジアミンである。典型的な多官能性ジアミンは、2000~10000、より好ましくは3000~8000、最も好ましくは4000~6000g/モルの範囲の重量平均分子量Mを有する。本発明の好ましい実施形態において、更に四級化及び硫酸化された、エトキシル化ヘキサメチレンジアミンが使用され得、それは、1つのNH基当たり平均して10~50、好ましくは15~40、更により好ましくは20~30個のエチレンオキシド(EO)基を含有し、それは、好ましくは、2個のカチオン性アンモニウム基及び2個のアニオン性サルフェート基を有する。
【0226】
好適な更なる多官能性ポリエチレンイミン、多官能性ジアミン及びオリゴアミンとしては、国際公開第2022/136408A1号パンフレット、国際公開第2022/136409A1号パンフレット及び国際公開第2021/165468号パンフレットにおいて特許請求されるようなものが挙げられる。
【0227】
本発明の好ましい実施形態において、洗浄組成物は、洗濯洗剤の、好ましくは汚れ除去能力、とりわけポリエステル布地上の微粒子汚れの一次洗浄力などの洗浄性能を向上させるために、少なくとも1種の多官能性ポリエチレンイミン及び/又は少なくとも1種の多官能性ジアミン及び/又はオリゴアミン、具体的には国際公開第2022/136408A1号パンフレット、国際公開第2022/136409A1号パンフレット及び/又は国際公開第2021/165468号パンフレットからのそれらにおいて特許請求されるポリマーのいずれかを含有し得る。上の記載による多官能性ポリエチレンイミン又は多官能性ジアミン若しくはオリゴアミン或いはそれらの混合物は、洗濯洗剤及び洗浄組成物に、他の成分及び水及び/又は溶媒を含む、特定の全体組成物を基準として概して0.05~15重量%、好ましくは0.1~10重量%、より好ましくは0.25~5重量%、最大で2重量%ほどに低い量でも添加され得る。
【0228】
したがって、本発明の一態様は、(i)少なくとも1種の発明のポリマーと、(ii)多官能性ポリエチレンイミン並びに多官能性ジアミン及びオリゴアミン並びにそれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物とを含む洗濯洗剤組成物、特に液体洗濯洗剤である。
【0229】
本発明の一実施形態において、少なくとも1種の発明のポリマーと、(ii)多官能性ポリエチレンイミン並びに多官能性ジアミン及びオリゴアミン並びにそれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物との比は、10:1~1:10、好ましくは5:1~1:5、より好ましくは3:1~1:3である。
【0230】
好適な灰色化防止ポリマーは、アクリル酸又はマレイン酸とスチレンとのコポリマー、マルトデキストリン又はカルボキシメチル化セルロース上へのアクリル酸のグラフトポリマー及びそれらのアルカリ金属塩、特にそれらのナトリウム塩を含む。
【0231】
本発明のポリマーを含む洗濯用配合物は、少なくとも1種の錯化剤も含み得る。
【0232】
好ましい錯化剤は、メチルグリシン二酢酸(MGDA)及びグルタミン酸二酢酸(GLDA)並びにそれらの塩である。特に好ましい錯化剤は、メチルグリシン二酢酸及びその塩である。本発明によれば、1~50%、好ましくは1~20重量%の錯化剤が好ましい。
【0233】
MGDA及びGLDAは、ラセミ体として又は鏡像異性的に純粋な化合物として存在することができる。GLDAは、好ましくは、L-GLDA又は少なくとも80モル%、好ましくは少なくとも90モル%のL-GLDAが存在するL-GLDAの鏡像異性的に濃縮された混合物から選択される。
【0234】
本発明の一態様において、錯化剤は、ラセミMGDAである。本発明の別の実施形態において、錯化剤は、L-MGDAから並びにL-MGDAとD-MGDAとの鏡像異性体混合物から選択され、L-MGDAが優位を占め、L/Dモル比は、55:45~95:5、好ましくは60:40~85:15の範囲である。L/Dモル比は、偏光分析法によって又はクロマトグラフ手段、好ましくはキラルカラムのHPLCにより、例えばシクロデキストリンを固定相に用いて又はカラム上に固定された光学活性アンモニウム塩を用いて決定することができる。例えば、固定化D-ペニシラミン塩を使用することが可能である。
【0235】
MGDA又はGLDAは、好ましくは、塩として使用される。好ましい塩は、アンモニウム塩及びアルカリ金属塩、特に好ましくはカリウム塩、特にナトリウム塩である。これらは、例えば、一般式(CA I)又は(CA II):
[CH-CH(COO)-N(CH-COO)]Na3-x-y (CA I)
(xは、0.0~0.5の範囲、好ましくは最大で0.25であり、
yは、0.0~0.5の範囲、好ましくは最大で0.25である)、
[OOC-(CH-CH(COO)-N(CH-COO)]Na4-x-y (CA II)
(xは、0.0~0.5の範囲、好ましくは最大で0.25であり、
yは、0.0~0.5の範囲、好ましくは最大で0.25である)
を有することができる。
【0236】
MGDAの三ナトリウム塩及びGLDAの四ナトリウム塩が非常に特に好ましい。
【0237】
本発明のポリマーを含む洗濯用配合物は、少なくとも1つの抗菌剤も含み得る。
【0238】
抗菌剤は、微生物を殺害するか又はそれらの増殖若しくは繁殖を阻害する化合物である。微生物は、細菌、酵母又はカビであり得る。防腐剤は、汚染微生物を殺害するか又はそれらの増殖を阻害することによって製品及び組成物の本来の性能、特性及び完全性を維持するために、水性製品及び組成物に添加され得る抗菌剤である。
【0239】
組成物/配合物は、特許国際公開第2021/115912A1号パンフレット(「Formulations comprising a hydrophobically modified polyethyleneimine and one or more enzymes」)の35~39頁に列挙されているような1種以上の抗菌剤及び/又は防腐剤を含有し得る。
【0240】
以下の抗菌剤及び/又は防腐剤:4,4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテル(更なる名称:5-クロロ-2-(4-クロロフェノキシ)フェノール、Diclosan、DCPP)、Tinosan(登録商標)HP 100(1,2-プロピレングリコール中の30重量%のDCPP);2-フェノキシエタノール(更なる名称:フェノキシエタノール、メチルフェニルグリコール、フェノキセトール、エチレングリコールフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、2-(フェノキシ)エタノール、2-フェノキシ-1-エタノール);2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール(更なる名称:2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオール、ブロノポール);グルタルアルデヒド(更なる名称:1,5-ペンタンジアール、ペンタン-1,5-ジアール、グルタラール、グルタルジアルデヒド);グリオキサール(更なる名称:エタンジアール、オキシルアルデヒド、1,2-エタンジアール);5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン(更なる名称:5-ブロモ-5-ニトロ-m-ジオキサン、Bronidox(登録商標));フェノキシプロパノール(更なる名称:プロピレングリコールフェニルエーテル、フェノキシイソプロパノール1-フェノキシ-2-プロパノール、2-フェノキシ-1-プロパノール);グルコプロタミン(化学的説明:グルタミン酸とアルキルプロピレンジアミンとの反応生成物、更なる名称:グルコプロタミン50);シクロヘキシルヒドロキシルジアゼニウム-1-オキシド、カリウム塩(更なる名称:N-シクロヘキシル-ジアゼニウムジオキシド、カリウム HDO、Xyligene);ギ酸(更なる名称:メタン酸、Protectol(登録商標)FM、Protectol(登録商標)FM 75、Protectol(登録商標)FM 85、Protectol(登録商標)FM 99、Lutensol(登録商標)FM)及びその塩(例えば、ギ酸ナトリウム);テトラヒドロ-3,5-ジメチル-1,3,5-チアジアジン-2-チオン(更なる名称:3,5-ジメチル-1,3-5-チアジアジナン-2-チオン、ダゾメット;2,4-ジクロロベンジルアルコール(更なる名称:ジクロロベンジルアルコール、2,4-ジクロロ-ベンゼンメタノール、(2,4-ジクロロ-フェニル)-メタノール、DCBA);1-プロパノール(更なる名称:n-プロパノール、プロパン-1-オール、n-プロピルアルコール;1,3,5-トリス-(2-ヒドロキシエチル)-ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン(更なる名称:ヘキサヒドロトリアジン、トリス(ヒドロエチル)-ヘキサヒドロトリアジン、ヘキサヒドロ-1,3-5-トリス(2-ヒドロキシエチル)-s-トリアジン、2,2’,2’’-(ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン-1,3,5-トリイル)トリエタノール;2-ブチル-ベンゾ[d]イソチアゾール-3-オン(「BBIT」);2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オン(「MIT」);2-オクチル-2H-イソチアゾール-3-オン(「OIT」);5-クロロ-2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オン(「CIT」又は「CMIT」);5-クロロ-2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オン(「CMIT」)と2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オン(「MIT」)との混合物(CMIT/MITの混合物);1,2-ベンズイソチアゾール-3(2H)-オン(「BIT」);ヘキサ-2,4-ジエン酸(慣用名「ソルビン酸」)及びその塩、例えばソルビン酸カルシウム、ソルビン酸ナトリウム;(E,E)-ヘキサ-2,4-ジエン酸カリウム(ソルビン酸カリウム);乳酸及びその塩;L-(+)-乳酸;とりわけ、乳酸ナトリウム;安息香酸及びその安息香酸の塩、例えば、安息香酸ナトリウム、安息香酸アンモニウム、安息香酸カルシウム、安息香酸マグネシウム、MEA-安息香酸、安息香酸カリウム;サリチル酸及びその塩、例えば、サリチル酸カルシウム、サリチル酸マグネシウム、サリチル酸MEA、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム、サリチル酸TEA;塩化ベンザルコニウム、臭化ベンザルコニウム、サッカリン酸ベンザルコニウム;塩化ジデシルジメチルアンモニウム(「DDAC」);N-(3-アミノプロピル)-N-ドデシルプロパン-1,3-ジアミン(「ジアミン」);過酢酸;過酸化水素のいずれも、洗浄組成物並びに布地ケア及びホームケア製品にとって、特に洗濯用配合物においてとりわけ興味深いものである。
【0241】
少なくとも1種の抗菌剤又は防腐剤は、本発明の組成物に、組成物の総重量に対して0.001~10%の濃度で添加され得る。
【0242】
好ましくは、組成物は、2-フェノキシエタノールを0.1~2%の濃度又は4,4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテル(DCPP)を0.005~0.6%の濃度で含有する。
【0243】
本発明の洗濯用配合物は、上の一覧からの少なくとも1種の抗菌剤及び/若しくはそれらの組合せ並びに/又はここに列挙されていない少なくとも1種の更なる抗菌剤との組合せを含み得る。
【0244】
本発明による配合物は、水及び/若しくは追加の有機溶媒、例えばエタノール若しくはプロピレングリコール並びに/又は硫酸ナトリウムなどの充填材も含み得る。
【0245】
更なる任意選択的な成分は、粘度調整剤、カチオン性界面活性剤、起泡促剤進又は抑泡剤、香料、染料、蛍光増白剤、染料移動防止剤であり得るが、それらに限定されない。
【0246】
食器洗浄用組成物
本発明の別の態様は、上に記載されたような少なくとも1種の発明のポリマーを含む食器洗浄用組成物でもある。
【0247】
したがって、本発明の態様は、手動又は自動食器洗浄用途などの食器洗浄用途での上に記載されたような本発明のポリマーの使用でもある。
【0248】
本発明による食器洗浄用組成物は、液体、半液体、クリーム、ローション、ジェル又は固形組成物の形態であり得、固形の実施形態は、例えば、粉末及び錠剤を包含する。液体組成物は、典型的には、手動食器洗浄用途向けに好ましい一方、固形配合物及び小袋配合物(ここで、小袋は、液体成分に加えて固体も含有し得る)は、典型的には、自動食器洗浄用組成物に好ましいが、世界の一部の地域では、液体自動食器洗浄用組成物が使用されており、したがって、当然のことながら、これも「食器洗浄用組成物」という用語に包含される。
【0249】
食器洗浄用組成物は、飲用及び他のグラス、ビーカー、皿並びに深鍋及び平鍋のような調理器具並びにフォーク、スプーン、ナイフ等などのカトラリーなど、食器類並びに金属及びガラス表面上への直接的又は間接的適用を意図される。
【0250】
食器類、金属及び/又はガラス表面の本発明の洗浄方法は、好ましくは液体形態の、食器洗浄用洗浄組成物を直接又は洗浄用具を用いて、すなわち無希釈形態のいずれかで表面上に適用するステップを含む。組成物は、適用前に大きい希釈を受けることなく(そのまま)、被処理表面上及び/又は食器用布巾、スポンジ若しくは食器ブラシ等などの洗浄デバイス若しくは用具上に直接適用される。洗浄デバイス又は用具は、好ましくは、組成物がそれに供給される前又は後に湿らされる。本発明の方法において、組成物は、希釈形態でも適用することができる。
【0251】
無希釈適用及び希釈適用の両方とも秀でた洗浄性能をもたらす、すなわち少なくとも1種の本発明のポリマーを含有する本発明の配合物は、優れた脱脂特性を示す。食器類、金属及び/又はガラス表面から脂肪及び/又は油性汚物を除去する努力は、使用される界面活性剤のレベルが従来の組成物よりも低い場合でも、本発明のポリマーの存在により減らされる。
【0252】
好ましくは、本組成物は、秀でたグリース洗浄(脱脂)特性、長続きする泡立ち及び/又は低温曝露時の粘度調整のしやすさを提供するように配合され;好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは3つ全ての特性が、本発明の食器洗浄用組成物に存在する。本発明の手動食器洗浄用組成物の任意選択的な - 好ましくは存在する - 更なる便益としては、汚物の除去、ツヤ出し及び/又は手の保護が挙げられ;より好ましくは少なくとも2つ、最も好ましくは3つ全ての更なる便益が本発明の食器洗浄用組成物に存在する。
【0253】
本発明の一実施形態において、本発明のポリマーは、少なくとも1種の界面活性剤、好ましくは少なくとも1種のアニオン性界面活性剤を追加的に含む手動食器洗浄用配合物の一構成成分である。
【0254】
本発明の別の実施形態において、本発明のポリマーは、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤と両性界面活性剤及び/又は双性イオン性界面活性剤から好ましくは選択される少なくとも1種の他の界面活性剤とを追加的に含む手動食器洗浄用配合物の一構成成分である。本発明の好ましい実施形態において、手動食器洗浄用配合物は、洗剤組成物の起泡力、洗浄力及び/又は低刺激性を支援するために、少なくとも1種の両性界面活性剤、好ましくはアミンオキシド若しくは少なくとも1種の双性イオン性界面活性剤、好ましくはベタイン又はそれらの混合物を含有する。
【0255】
好適なアニオン性界面活性剤の例は、洗濯用組成物に関して上に既に述べられている。
【0256】
食器洗浄用組成物のための好ましいアニオン性界面活性剤は、C10~C15直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、1~5個のエトキシ単位を有するC10~C18アルキルエーテル硫酸塩及びC10~C18アルキル硫酸塩から選択される。
【0257】
好ましくは、本発明の手動食器洗浄用洗剤配合物は、他の構成成分並びに水及び/又は溶媒を含む、特定の全体組成物を基準として少なくとも1重量%~50重量%、好ましくは約3重量%以上~約35重量%以下の範囲、より好ましくは5重量%以上~30重量%以下の範囲、最も好ましくは5重量%以上~20重量%以下の範囲の上に記載されたような1種以上のアニオン性界面活性剤を含む。
【0258】
本発明による食器洗浄用組成物は、少なくとも1種の両性界面活性剤を含み得る。
【0259】
食器洗浄用組成物のための好適な両性界面活性剤の例は、洗濯用組成物に関して上に既に述べられている。
【0260】
食器洗浄用組成物のための好ましい両性界面活性剤は、C8~C18アルキル-ジメチルアミンオキシド及びC8~C18アルキル-ジ(ヒドロキシエチル)アミンオキシドから選択される。
【0261】
本発明の手動食器洗浄用洗剤組成物は、好ましくは、組成物の1重量%~15重量%、好ましくは2重量%~12重量%、より好ましくは3重量%~10重量%の両性界面活性剤、好ましくはアミンオキシド界面活性剤を含む。好ましくは、本発明の組成物は、約10未満:1、より好ましくは約8未満:1、より好ましくは約5:1~約2:1の重量比でアニオン性界面活性剤とアルキルジメチルアミンオキシドとの混合物を含む。
【0262】
両性界面活性剤の添加は、食器洗浄用組成物における良好な起泡特性を提供する。
【0263】
本発明による食器洗浄用組成物は、少なくとも1種の双性イオン性界面活性剤を含み得る。
【0264】
食器洗浄用組成物のための好適な双性イオン性界面活性剤の例は、洗濯用組成物に関して上に既に述べられている。
【0265】
食器洗浄用組成物のための好ましい双性イオン性界面活性剤は、ベタイン界面活性剤から、より好ましくはコカミドプロピルベタイン界面活性剤から選択される。
【0266】
本発明の好ましい実施形態において、双性イオン性界面活性剤は、コカミドプロピルベタインである。
【0267】
本発明の手動食器洗浄用洗剤組成物は、任意選択的に、組成物の1重量%~15重量%、好ましくは2重量%~12重量%、より好ましくは3重量%~10重量%の双性イオン性界面活性剤を含む。
【0268】
本発明による食器洗浄用組成物は、少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含み得る。
【0269】
食器洗浄用組成物のための好適なカチオン性界面活性剤の例は、洗濯用組成物に関して上に既に述べられている。
【0270】
カチオン性界面活性剤は、組成物中に存在する場合、有効量、より好ましくは組成物の0.1重量%~5重量%、好ましくは0.2重量%~2重量%で存在する。
【0271】
本発明による食器洗浄用組成物は、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含み得る。
【0272】
食器洗浄用組成物のための好適な非イオン性界面活性剤の例は、洗濯用組成物に関して上に既に述べられている。
【0273】
好ましい非イオン性界面活性剤は、Guerbetアルコールと、アルコールの1モル当たり2~18モル、好ましくは2~15モル、より好ましくは5~12モルのエチレンオキシドとの縮合生成物である。本明細書での使用のための他の好ましい非イオン性界面活性剤としては、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルポリグルコシド及び脂肪酸グルカミドが挙げられる。
【0274】
本発明の手動食器洗剤組成物は、組成物の0.1重量%~10重量%、好ましくは0.3重量%~5重量%、より好ましくは0.4重量%~2重量%の、2~6、好ましくは3~5の平均アルコキシル化度を有する直鎖又は分岐C10アルコキシル化非イオン性界面活性剤を含み得る。好ましくは、直鎖又は分岐C10アルコキシル化非イオン性界面活性剤は、2~6、好ましくは3~5の平均エトキシル化度を有する分岐C10エトキシル化非イオン性界面活性剤である。好ましくは、組成物は、60重量%~100重量%、好ましくは80重量%~100重量%、より好ましくは100重量%の分岐C10エトキシル化非イオン性界面活性剤の全直鎖又は分岐C10アルコキシル化非イオン性界面活性剤を含む。直鎖又は分岐C10アルコキシル化非イオン性界面活性剤は、好ましくは、3~5の平均エトキシル化度を有する2-プロピルヘプチルエトキシル化非イオン性界面活性剤である。4の平均エトキシル化度を有する好適な2-プロピルヘプチルエトキシル化非イオン性界面活性剤は、BASF SE,Ludwigshafen,Germanyから市販される、Lutensol(登録商標)XP40である。3~5の平均エトキシル化度を有する2-プロピルヘプチルエトキシル化非イオン性界面活性剤の使用は、向上した発泡レベル及び長続きする泡をもたらす。
【0275】
したがって、本発明の一態様は、手動食器洗浄用洗剤組成物、特に(i)少なくとも1種の本発明のポリマーと、(ii)3~5の平均エトキシル化度を有する少なくとも1種の更なる2-プロピルヘプチルエトキシル化非イオン性界面活性剤とを含む、液体手動食器洗浄用洗剤組成物である。
【0276】
本発明による食器洗浄用組成物は、液体手動食器洗浄用洗剤組成物と水との相溶性を確保するために、有効量の少なくとも1種のヒドロトロープを含み得る。
【0277】
本明細書での使用のための好適なヒドロトロープとしては、アニオン性ヒドロトロープ、特にキシレンスルホン酸ナトリウム、カリウム及びアンモニウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、カリウム及びアンモニウム、クメンスルホン酸ナトリウム、カリウム及びアンモニウム並びにそれらの混合物並びに米国特許第3,915,903号明細書に開示されるような関連化合物が挙げられる。
【0278】
本発明の液体手動食器洗浄用洗剤組成物は、典型的には、合計液体洗剤組成物の0.1重量%~15重量%、好ましくは合計液体手動食器洗浄用組成物の1重量%~10重量%、最も好ましくは2重量%~5重量%のヒドロトロープ又はその混合物を含む。
【0279】
本発明による食器洗浄用組成物は、少なくとも1つの有機溶媒を含み得る。
【0280】
有機溶媒の例は、C4~C14エーテル及びジエーテル、グリコール、アルコキシル化グリコール、C6~C16グリコールエーテル、アルコキシル化芳香族アルコール、芳香族アルコール、脂肪族分岐アルコール、アルコキシル化脂肪族分岐アルコール、アルコキシル化直鎖C1~C5アルコール、直鎖C1~C5アルコール、アミン、C8~C14アルキル及びシクロアルキル炭化水素及びハロ炭化水素並びにそれらの混合物である。
【0281】
存在する場合、液体食器洗浄用組成物は、液体洗剤組成物の0.01重量%~20重量%、好ましくは0.5重量%~15重量%、より好ましくは1重量%~10重量%、最も好ましくは1重量%~5重量%の溶媒を含有するであろう。これらの溶媒は、水などの水性液状担体と組み合わせて使用され得るか、又はそれらは、いかなる水性液状担体も存在することなしに使用され得る。より高級溶媒系では、粘度の絶対値は、低下し得るが、粘度プロファイルに極大点が存在する。
【0282】
本明細書での食器洗浄用組成物は、更に、他の必須成分及び任意選択的な成分がそれに溶解する、分散する又は懸濁する、30重量%~90重量%の、水を含む、水性液状担体を含み得る。より好ましくは、本発明の組成物は、45重量%~85重量%、更により好ましくは60重量%~80重量%の水性液状担体を含む。しかしながら、水性液状担体は、室温(25℃)で液状であるか、又は液状担体中に溶解し、且つ不活性充填材の機能に加えていくつかの他の機能も果たし得る他の材料を含有し得る。
【0283】
本発明による食器洗浄用組成物は、少なくとも1種の電解質を含み得る。
【0284】
好適な電解質は、好ましくは、無機塩から選択され、更により好ましくは一価の塩から選択され、最も好ましくは塩化ナトリウムである。
【0285】
本発明による液体手動食器洗浄用組成物は、組成物の0.1重量%~5重量%、好ましくは0.2重量%~2重量%の電解質を含み得る。
【0286】
本発明のポリマーを含む手動食器洗浄用配合物は、少なくとも1種の抗菌剤も含み得る。
【0287】
食器洗浄用組成物のための好適な抗菌剤の例は、洗濯用組成物に関して上に既に述べられている。
【0288】
抗菌剤は、本発明の手動食器洗浄用組成物に、組成物の総重量に対して0.0001重量%~10重量%の濃度で添加され得る。好ましくは、配合物は、0.01重量%~5重量%、より好ましくは0.1重量%~2重量%の濃度で2-フェノキシエタノール及び/又は0.001重量%~1重量%、より好ましくは0.002重量%~0.6重量%(全ての場合に組成物の総重量に対する)の濃度で4,4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテルを含有する。
【0289】
更なる追加の成分は、コンディショニングポリマー、洗浄ポリマー、表面改質ポリマー、汚物凝集ポリマー、レオロジー調整ポリマー、酵素、構造化剤、ビルダー、キレート剤、環状ジアミン、エモリエント剤、保湿剤、皮膚若返り活性物質、カルボン酸、スクラビング粒子、漂白剤及び漂白活性化剤、香料、悪臭抑制剤、顔料、染料、乳白剤、ビーズ、真珠光沢粒子、マイクロカプセル、抗菌剤、NaOH及びモノエタノールアミンなどのアルカノールアミンを含むpH調整剤並びに緩衝手段などであるが、これらに限定されない。
【0290】
一般的な洗浄組成物及び配合物
本発明のポリマーが生分解性であり、とりわけ洗浄配合物が典型的には約7以上のpHを有し、且つ追加的に、- 汚れ及び泥中に存在する、洗浄組成物によって除去される必要があるグリース、タンパク質、多糖類等などの生分解性物を分解するためにそのような洗浄配合物に含められる - 酵素を多くの場合に含有するため、本発明のそれらの生分解性ポリマーを配合するために何らかの考慮をする必要である。そのような好適な配合物は原則として公知であり、固形並びに液体及び半液体の配合物があり、固形の場合、酵素及びポリマーは、コーティングによって又は混合される別々の粒子でそれらを添加することによって別々にすることができ、液体及び半液体の場合、ポリマー及び酵素は、異なる区画、例えば、異なる室を有する多室 - 小袋又はボトルの異なる区画中でそれらを配合することによって別々にすることができ、各室から各構成成分の個々の使用時点ごとに適正な量の適用を確実にするために所定の量で同時に液体は注ぎ出される。そのような多区画 - 小袋及びボトル等も同様に当業者に公知である。
【0291】
この章で開示される液体配合物は、全ての他の言及される成分に加えて、0~2%、好ましくは約1%の2-フェノキシエタノールを含み得る。
【0292】
上に開示された及び以下に開示される液体配合物は、全ての他の言及される成分に加えて、0~0.2%、好ましくは約0.15%の4,4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテルを含み得る。漂白剤を含まない固形洗濯用組成物は、全ての他の言及される成分に加えて、0~0.2%、好ましくは約0.15%の4,4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテルを含み得る。
【0293】
この章で開示される配合物は、- 全ての他の言及される成分に加えて - 本明細書で上に開示されたものから選択される1種以上の酵素、より好ましくは、プロテアーゼ及び/又はアミラーゼを含み得、更により好ましくは、プロテアーゼは、欧州特許第1921147B1号明細書の配列番号22と少なくとも90%の配列同一性があり、且つアミノ酸置換R101E(BPN番号付けに従う)を有するプロテアーゼであり、アミラーゼは、国際公開第2021032881A1号パンフレットの配列番号54と少なくとも90%配列同一性があるアミラーゼであり、そのような酵素は、好ましくは、組成物の重量で約0.00001%~約5%、好ましくは約0.00001%~約2%、より好ましくは約0.0001%~約1%又は更により好ましくは約0.001%~約0.5%の酵素タンパク質のレベルで配合物中に存在する。
【0294】
表中のものを含めて下に示される以下の組成物は、世界の様々な地域及び国で典型的に用いられているような典型的な洗浄条件と関連する典型的な組成物に相当する、ある種の一般的な洗浄組成物を開示する。少なくとも1種の本発明のポリマーは、本明細書に概説されるような好適な量でそのような配合物に添加され得る。
【0295】
示される組成物が、本発明のグラフトポリマーを含まない場合、そのような組成物は、比較組成物である。それが、とりわけ、好ましい、より好ましい等の範囲として本明細書で記載されている量で本発明のグラフトポリマーを含む場合、そのような組成物は、本発明の範囲内に入ると見なされる。
【0296】
好ましい実施形態において、本発明によるグラフトポリマーは、洗濯洗剤に使用される。
【0297】
本発明による液体洗濯洗剤は、
0.05~20%の少なくとも1種の発明のポリマー、
1~50%の界面活性剤、
0.1~40%のビルダー、コビルダー及び/又はキレート剤、
0.1~50%の他の補助剤、
合計すると100%になる水
から構成される。
【0298】
本発明による好ましい液体洗濯洗剤は、
0.5~15%の少なくとも1種の発明のポリマー、
5~40%の、C10~C15-LAS及び1~5個のエトキシ単位を含有するC10~C18アルキルエーテル硫酸塩から選択されるアニオン性界面活性剤、
1.5~10%の、3~10個のエトキシ単位を含有するC10~C18アルキルエトキシレートから選択される非イオン性界面活性剤、
2~20%の、C10~C18脂肪酸、ジ-及びトリカルボン酸、ヒドロキシジ-及びヒドロキシトリカルボン酸、アミノポリカルボン酸塩及びポリカルボン酸から選択される可溶性有機ビルダー/コビルダー、
0.05~5%の、洗剤使用に好適な少なくとも1種の酵素と、好ましくはまた酵素安定化系とを含有する酵素系、
0.5~20%の、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール又はプロピレングリコールから選択されるモノ-又はジオール、
0.1~20%の他の補助剤、
合計すると100%になる水
から構成される。
【0299】
本発明による固形洗濯洗剤(例えば、粉末、顆粒又は錠剤のような)は、
0.2~20%の少なくとも1種の発明のポリマー、
1~50%の界面活性剤、
0.1~90%のビルダー、コビルダー及び/又はキレート剤、
0~50%の充填材、
0~40%の漂白活性物質、
0.1~30%の他の補助剤、及び/又は

から構成され、成分の合計は、100%になる。
【0300】
本発明による好ましい固形洗濯洗剤は、
0.5~10%の少なくとも1種の発明のポリマー、
5~30%の、C10~C15-LAS、C10~C18アルキル硫酸塩及び1~5個のエトキシ単位を含有するC10~C18アルキルエーテル硫酸塩から選択されるアニオン性界面活性剤、
1.5~7.5%の、3~10個のエトキシ単位を含有するC10~C18アルキルエトキシレートから選択される非イオン性界面活性剤、
20~80%の、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ゼオライト、可溶性ケイ酸塩、硫酸ナトリウムから選択される無機ビルダー、
0.5~15%の、C10~C18脂肪酸、ジ-及びトリカルボン酸、ヒドロキシジ-及びヒドロキシトリカルボン酸、アミノポリカルボン酸塩並びにポリカルボン酸から選択されるコビルダー、
0.1~5%の、洗剤使用に好適な少なくとも1種の酵素と、好ましくはまた酵素安定化系とを含有する酵素系、
0.5~30%の漂白活性化剤、
0.1~20%の他の補助剤、
合計すると100%になる水
から構成される。
【0301】
好ましい実施形態において、本発明によるポリマーは、手動食器洗浄用洗剤に使用される。
【0302】
本発明による液体手動食器洗浄用洗剤は、
0.05~10%の少なくとも1種の発明のポリマー、
1~50%の界面活性剤、
0.1~50%の他の補助剤、
合計すると100%になる水
から構成される。
【0303】
本発明による好ましい液体手動食器洗浄用洗剤は、
0.2~5%の少なくとも1種の本発明のポリマー、
5~40%の、C10~C15-LAS、1~5個のエトキシ単位を含有するC10~C18アルキルエーテル硫酸塩及びC10~C18アルキル硫酸塩から選択されるアニオン性界面活性剤、
2~10%のコカミドプロピルベタイン、
0~10%のラウラミンオキシド、
0~2%の非イオン性界面活性剤、好ましくはC10-Guerbetアルコールアルコキシレート、
0~5%の酵素、好ましくはアミラーゼ、好ましくはまた酵素安定化系、
0.5~20%の、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール又はプロピレングリコールから選択されるモノ-又はジオール、
0.1~20%の他の補助剤、
合計すると100%になる水
から構成される。
【0304】
【表1】
【0305】
【表2】
【0306】
【表3】
【0307】
【表4】
【0308】
【表5】
【0309】
更なる典型的な液体洗剤配合物LD1、LD2及びLD3は、以下の3つの表に示される(数字:重量%活性物質)。
【0310】
【表6】
【0311】
【表7】
【0312】
【表8】
【0313】
LD1、LD2、LD3に関する全ての先の3つの表:*「グラフトポリマー」=((全ポリマー重量を基準として40重量%の酢酸ビニルでグラフトされた、グラフト基体としてのMn6000g/モルのポリエチレングリコール;国際公開第2007138054A1号パンフレットの一般開示に従って製造された)
【0314】
【表9】
【0315】
それぞれの洗濯洗剤、洗浄組成物並びに/又は布地ケア及びホームケア製品中において、少なくとも1種のグラフトポリマーは、そのような組成物又は製品の総重量に対して、それぞれそのような組成物又は製品の総重量に対して重量%で約0.01%~約20%、好ましくは約0.05%~15%、より好ましくは約0.1%~約10%、最も好ましくは約0.5%~約5%及びその間の全ての数の濃度並びに言及された下限のいずれかの選択から生じる全ての範囲を含んで、更に0.2、0.3、0.4、1、1,5、2、2.5、3、3.5及び4を含んで、言及された上限のいずれかと組み合わせて且つ19、18、17、16、14、13、12、11、9、8、7及び6を含んで存在することが好ましい。
【0316】
本開示の全体にわたって記載されるような具体的な実施形態は、本発明の一部として本発明によって包含され;具体的な実施形態の「任意選択的な」、「好ましい」、「より好ましい」、「更により好ましい」又は「最も好ましい」選択肢として本明細書に開示されている様々な更なる選択肢は、個別に且つ独立して(そのような独立した選択が、その特徴の性質により不可能でない限り又はそのような独立した選択が明示的に排除される場合)選択され、したがって他の実施形態のいずれか内で組み合わされ得(他のそのような選択肢及び優先度も個別に且つ独立して選択することができる場合)、それぞれの並びに任意の及び全てのそのような可能な組合せは、本発明の一部として、個々の実施形態として含まれる。
【0317】
最も好ましい実施形態に関する章
以下の具体的な実施形態は、本発明の一部を更に形成する。
【0318】
第1の好ましい実施形態において、本発明のグラフトポリマーは、(全ての百分率をグラフトポリマーの総重量に対する重量パーセントとして)
(B)20~95%、好ましくは30~90%、より好ましくは40~85%、最も好ましくは50~80%の、エチレンオキシドの重合によって得ることができる、グラフト基体としてのポリマー主鎖であって、g/モル単位でのポリマー主鎖の分子量Mnは、500~5000以内、好ましくは3500以下、より好ましくは3000以下、更により好ましくは2500以下、最も好ましくは2000以下、例えば1800以下である、ポリマー主鎖と、
(B)5~80%、好ましくは10~70%、より好ましくは15~60%、最も好ましくは20~50%の、ポリマー主鎖上にグラフトされたポリマー側鎖(B)であって、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合によって得ることができ、- 存在する場合 -、モノマー(B2)対モノマー(B1)の重量比は、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満である、ポリマー側鎖と
を含むグラフトポリマーを含む。
【0319】
更なる最も好ましい実施形態において、先の最も好ましい実施形態のグラフトポリマー及び特にこの章のものは、
(A)エチレンオキシドの重合によって得ることができる、グラフト基体としてのポリマー主鎖(A)と、
(B)ポリマー主鎖上にグラフトされたポリマー側鎖であって、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合によって得ることができ、- 存在する場合 -、モノマー(B2)対モノマー(B1)の重量比は、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満である、ポリマー側鎖と
を含み、式
P=[g/モル単位でのポリマー主鎖の分子量Mn]×[ポリマー重量を「1」に設定し、及び(B)の量の百分率をその割合としての、総ポリマー重量を基準とするポリマー側鎖(B)の量の百分率]
の積は、50~1500の範囲、好ましくは1200以下、より好ましくは1000以下、更により好ましくは800以下、最も好ましくは600以下、例えば400以下又は更に300以下及び好ましくは少なくとも100、より好ましくは少なくとも120である。
【0320】
更なる最も好ましい実施形態において、先の最も好ましい実施形態のグラフトポリマー及び特にこの章のものは、
i)2つの末端基として1つ若しくは2つのヒドロキシ基を有するか、又は1つの末端若しくは両方の末端においてC1~C22アルキル基、好ましくはC1~C4アルキル基でキャップされ得るポリマー主鎖(A)を含み、及び/又は
ii)5未満、好ましくは3.5未満、より好ましくは3未満、最も好ましくは1.0~2.5の範囲の多分散性Mw/Mn(ここで、Mw=重量平均分子量であり、及びMn=数平均分子量の[g/モル/g/モル]である)を有し、及び/又は
iii)本質的にモノマー(B2)を側鎖(B)中に含まない。
【0321】
更なる最も好ましい実施形態において、先の最も好ましい実施形態のいずれかのグラフトポリマー及び特にこの章のものは、少なくとも10重量パーセントの総量の、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びラウリン酸ビニルから、より好ましくは酢酸ビニル及びラウリン酸ビニルから選択される、最も好ましくは酢酸ビニルであるようなビニルエステルモノマー(B1)を含有し、ビニルエステルの残りの量は、任意の他の既知のビニルエステルであり得、好ましくは、少なくとも60、より好ましくは少なくとも70、更により好ましくは少なくとも80、更により好ましくは少なくとも90重量パーセント、最も好ましくは本質的に唯一の(すなわち約100重量%又は更に100重量%の)酢酸ビニルは、ビニルエステルとして用いられる(重量パーセントは、用いられるビニルエステルモノマーB1の総重量を基準とする)。
【0322】
更なる最も好ましい実施形態において、先の最も好ましい実施形態のいずれかのグラフトポリマー及び特にこの章のものは、モノマー(B2)を本質的に含まない。
【0323】
更なる最も好ましい実施形態において、先の最も好ましい実施形態のいずれかのグラフトポリマー及び特にこの章のものは、OECD301F下で試験された場合、28日以内に少なくとも30、好ましくは少なくとも40、更により好ましくは少なくとも50%の生分解性を有する。
【0324】
更なる最も好ましい実施形態において、本開示に詳述される実施形態のいずれか、特に先の最も好ましい実施形態のいずれか及び特にこの章のものに詳述されるようなグラフトポリマーを得るためのプロセスであって、少なくとも1種のポリマー主鎖(A)の存在下における、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合を含むプロセスが包含され、ポリマー側鎖(B)は、ラジカル形成化合物を使用してラジカル重合を開始するラジカル重合によって得られる。
【0325】
この章での先行パラグラフのプロセスを特に含む本明細書で詳述されるようなプロセスの更により好ましい実施形態において、プロセスは、少なくとも1種のポリマー主鎖(A)、フリーラジカル形成開始剤(C)並びに必要に応じて構成成分(A)、(B1)、任意選択的な(B2)及び(C)の合計を基準として最大で50重量%の少なくとも1種の有機溶媒(D)の存在下において、開始剤(C)が40~500分の分解半減期を有する平均重合温度での、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合であって、反応混合物中の未転化グラフトモノマー(B1)及び任意選択的なモノマー(B2)並びに開始剤(C)の割合がポリマー主鎖(A)に対して量的な不足に常に保たれるような方法での重合を含み、ビニルエステルモノマー(B1)の総量の好ましくは少なくとも10重量パーセントは、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びラウリン酸ビニルから、より好ましくは酢酸ビニル及びラウリン酸ビニルから選択され、最も好ましくは酢酸ビニルであり、ビニルエステルの残りの量は、任意の他の既知のビニルエステルであり得、好ましくは、少なくとも60、より好ましくは少なくとも70、更により好ましくは少なくとも80、更により好ましくは少なくとも90重量パーセント、最も好ましくは本質的に唯一の(すなわち約100重量%又は更に100重量%の)酢酸ビニルは、ビニルエステルとして用いられ(重量パーセントは、用いられるビニルエステルモノマーB1の総重量を基準とする)、- (B2)が存在する場合 - 任意選択的な(B2)対モノマー(B1)の重量比は、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満である。
【0326】
先にこの章で詳述されるそのようなプロセスに関する最も好ましい実施形態のいずれかを特に含む本明細書に詳述されるようなプロセスの更なる最も好ましい実施形態において、プロセスは、モノマー(B1)以外にモノマー(B2)を本質的に使用しない。
【0327】
先にこの章で詳述されるそのようなプロセスに関する最も好ましい実施形態のいずれかを特に含む本明細書に詳述されるようなプロセスの更なる最も好ましい実施形態において、プロセスは、i)~iv):i)後重合;ii)精製;iii)濃縮;及び)乾燥から選択される少なくとも1つの更なるプロセスステップを含む。
【0328】
先にこの章で詳述されるそのようなプロセスに関する最も好ましい実施形態のいずれかを特に含む本明細書に詳述されるようなプロセスの更なる最も好ましい実施形態において、本プロセスは、
i)主重合反応後に行われる後重合プロセスステップであって、好ましくは、更なる量の開始剤(任意選択的に溶媒中に溶解されている)は、0.5時間超及び最大で3時間、好ましくは約1~2時間、より好ましくは約1時間の期間にわたって添加され、ラジカル開始剤及び開始剤のための溶媒は、典型的には - 及び好ましくは - 主重合反応のためのものと同じであり、重合反応後及び後重合反応前に、更なるラジカル開始剤の添加を開始することによって後重合反応が開始される前に、主重合反応を進行させる期間が待機され、そのような期間は、好ましくは、10分~最大で4時間、好ましくは最大で2時間、更により好ましくは最大で1時間、最も好ましくは最大で30分であり、後重合プロセスの温度は、- 好ましくは - 主重合反応でのものと同じであるか又は上昇され、そのような上昇は、好ましくは、主重合反応の温度に比べて約5~40℃、好ましくは10~20℃だけ高い、プロセスステップ;
ii)主重合又は - 行われる場合、後重合プロセス - から得られるグラフトポリマーを濃縮及び/又は乾燥の手段に供して、残存溶媒(それらが、その沸点のために除去可能である限り)及び/又は残留モノマーなどの揮発性物質の一部又はほぼ全てを除去するステップであって、
a.濃縮は、好ましくは、所望の固形分が達成されるまで行われ、好ましくは揮発性溶媒及び/又は未反応の揮発性モノマーなどの揮発性構成成分の所望の部分又は全てが除去されるまで行われる、熱又は真空蒸留、好ましくは真空蒸留などの蒸留プロセスを適用することにより、溶媒及び任意選択的にまた揮発性物質の一部を除去して、固体ポリマー濃度を上げることによって行われ;
b.乾燥は、残存溶媒及び/又は未反応モノマー等などの少なくとも残留量の揮発性物質を含有するグラフトポリマーを、ローラードラム、噴霧乾燥機を使用する乾燥、真空乾燥又は凍結乾燥、好ましくは - 主に費用の理由のために - 噴霧乾燥など、揮発性物質を除去する手段に供し、且つ任意選択的に、そのような乾燥プロセスステップを、凝集した又は粒状のグラフトポリマー粒子を得るための凝集又は造粒の手段と組み合わせることによって行われ、そのようなプロセスは、好ましくは、噴霧凝集、流動床乾燥機、噴霧造粒装置での造粒又は乾燥等から選択される、ステップ
から選択される少なくとも1つの更なるプロセスステップを含む。
【0329】
先にこの章で詳述されるそのようなプロセスに関するその最も好ましい実施形態を特に含む本明細書に詳述されるようなプロセスの更なる最も好ましい実施形態において、水の量は、少なく、好ましくは全溶媒を基準として5重量%未満、より好ましくは1%未満である。
【0330】
更なる最も好ましい実施形態において、本明細書に開示される実施形態のいずれかの又はいずれかによる、特にこの章における先の最も好ましい実施形態のいずれかによって得られるグラフトポリマーは、布地ケア及びホームケア製品、洗浄組成物、業務用洗浄製品、化粧品又はパーソナルケア製品、原油エマルジョン破壊剤などの油田用配合物、インクジェットインクなどのインクのための顔料分散体、電気めっき製品、セメント系組成物、ラッカー、塗料、農薬配合物である組成物に使用される。
【0331】
更なる最も好ましい実施形態において、本明細書でのこの章に開示される実施形態のいずれかの又はいずれかによる、特に先の最も好ましい実施形態のいずれかによって得られるグラフトポリマーは、任意選択的に、好ましくは1種以上のリパーゼ、ヒドロラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、ペクチナーゼ、クチナーゼ、DNase、キシラナーゼ、マンナナーゼ、ディスパーシン、オキシドレダクターゼ、ラクターゼ及びペルオキシダーゼ並びに上記の種類の少なくとも2種の組合せから選択される、より好ましくは少なくとも1種の酵素がリパーゼから選択される少なくとも1種の酵素を更に含み、
少なくとも1種のグラフトポリマーは、そのような組成物又は製品の総重量に対して約0.01%~約20%、好ましくは約0.05%~15%、より好ましくは約0.1%~約10%、最も好ましくは約0.5%~約5%の範囲の量で存在し、及び
そのような製品又は組成物は、約1%~約70重量%の界面活性剤系を更に含む、洗浄組成物並びに/又は布地ケア及びホームケア製品、好ましくは布地ケア及びホームケアのための洗浄組成物であって、好ましくは洗濯洗剤配合物又は食器洗浄用洗剤配合物である洗浄組成物中において使用される。
【0332】
更なる最も好ましい実施形態において、組成物は、布地ケア及びホームケア製品、洗浄組成物、業務用洗浄製品、化粧品又はパーソナルケア製品、原油エマルジョン破壊剤などの油田用配合物、インクジェットインクなどのインクのための顔料分散体、電気めっき製品、セメント系組成物、ラッカー、塗料、農薬配合物、好ましくは洗濯洗剤、食器洗浄用組成物、洗浄組成物並びに/又は布地ケア及びホームケア製品である本発明の一部としても含まれ、それぞれは、本明細書に開示される実施形態のいずれかの又はいずれか及び特にこの章での先の最も好ましい実施形態のいずれかによって得られる少なくとも1種のグラフトポリマーを含有する。
【0333】
更なる最も好ましい実施形態において、洗濯洗剤、洗浄組成物又は布地ケア及びホームケア製品は、本明細書に開示される実施形態の又は実施形態のいずれか、特にこの章での先の最も好ましい実施形態のいずれかによって得られるか、又はそのようなプロセスを開示するこの章での先の最も好ましい実施形態のいずれかを特に含む本明細書に開示される実施形態のそのようないずれかにおいて詳述されるようなプロセスによって得られる少なくとも1種のグラフトポリマーを含む。
【0334】
本発明の実施形態のいずれかに及び特に先の最も好ましい実施形態のいずれかに詳述されるそのような洗濯洗剤、洗浄組成物又は布地ケア及びホームケア製品中において、- そのようなグラフトポリマーを開示するこの章での先の最も好ましい実施形態のいずれかを特に含む本明細書に開示される実施形態のそのようないずれかに詳述されるような - 少なくとも1種のグラフトポリマーは、それぞれそのような組成物又は製品の総重量に対する重量%単位で約0.05%~約10%、好ましくは約0.1%~8%、より好ましくは約0.2%~約6%、更により好ましくは約0.2%~約4%の濃度で最も好ましくは最大で2%、その間の全ての数の量及びそれぞれそのような組成物又は製品の総重量に対する重量%単位で、下限のいずれかの選択及び上限のいずれかとの組合せから生じる全ての範囲を含めて存在し、任意選択的に、1種以上のリパーゼから選択される、好ましくは1種以上のリパーゼ、ヒドロラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、ペクチナーゼ、クチナーゼ、DNase、キシラナーゼ、マンナナーゼ、ディスパーシン、オキシドレダクターゼ、ラクターゼ及びペルオキシダーゼ並びに上記の種類の少なくとも2つの組合せから選択される更なる少なくとも1種の酵素が含まれ、更に任意選択的に、2-フェノキシエタノールからなる群から選択される抗菌剤;好ましくは前記抗菌剤を組成物の2ppm~5重量%の範囲の量で含む、より好ましくは0.1~2%のフェノキシエタノールを含む殺菌剤が含まれ、任意選択的に更に、それぞれ組成物の重量で含まれる0.001~3%、好ましくは0.002~1%、より好ましくは0.01~0.6%の濃度の4,4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテルが含まれ、更に、界面活性剤系は、そのような洗剤、組成物又は製品の約1重量%~約70重量%で含まれる。
【0335】
更なる実施形態において、本発明は、本明細書で先に並びに特にそのようなポリマー及び/又は主鎖を説明するこの章での最も好ましい実施形態のいずれかに記載されるようなグラフトポリマー及び/又はポリマー主鎖を含む組成物も包含し、更に、本明細書で後に開示されるような抗菌剤であって、好ましくは2-フェノキシエタノールからなる群から選択され、より好ましくは前記抗菌剤を組成物の2ppm~5重量%の範囲の量で含み、更により好ましくは0.1~2%のフェノキシエタノール含む抗菌剤を含む。
【0336】
更なる実施形態において、本発明は、微生物汚染又は増殖に対して水性組成物を保護する方法も包含し、そのような組成物は、それぞれ本明細書で先に記載された及び特にそのようなポリマー及び/又は主鎖を記載するこの章での最も好ましい実施形態のいずれかに記載されたようなグラフトポリマー及び/又はポリマー主鎖を含み、そのような組成物は、好ましくは、洗剤組成物であり、そのような方法は、本明細書で後に開示されるような本開示の抗菌剤から選択される少なくとも1種の抗菌剤を添加することを含み、そのような抗菌剤は、好ましくは、2-フェノキシエタノールである。
【0337】
更なる実施形態において、本発明は、組成物、好ましくは洗浄組成物、より好ましくは液体洗濯洗剤組成物又は液体食器用手洗い組成物、更により好ましくは液体洗濯洗剤組成物又は洗濯で使用するための液体柔軟剤組成物も包含し、そのような組成物は、それぞれ本明細書で先に及び特にそのようなポリマー及び/又は主鎖を説明するこの章での最も好ましい実施形態のいずれかに記載されたようなグラフトポリマー及び/又はポリマー主鎖を含み、そのような組成物は、4,4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテルをそれぞれ組成物の重量で0.001~3%、好ましくは0.002~1%、より好ましくは0.01~0.6%の濃度で更に含む。
【0338】
更なる実施形態において、本発明は、布地の洗濯又は硬表面の洗浄方法も包含し、その方法は、布地又は硬表面を洗浄組成物、より好ましくは液体洗濯洗剤組成物又は液体食器手洗い用組成物で、更により好ましくは洗濯に使用するための液体洗濯洗剤組成物又は液体柔軟剤組成物で処理することを含み、そのような組成物は、それぞれ本明細書で先に且つ特にそのようなポリマー及び/又は主鎖を説明するこの章での最も好ましい実施形態のいずれかに記載されるようなグラフトポリマー及び/又はポリマー主鎖を含み、そのような組成物は、4、4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテルを更に含む。
【0339】
以下の実施例は、本発明の範囲を限定することなく本発明を更に例示するものとする。
【実施例
【0340】
ポリマー測定
K値は、希薄ポリマー溶液の相対粘度を測定するものであり、平均分子量の相対的な尺度である。ポリマーの平均分子量が特定のポリマーに関して増加するにつれて、K値も上昇する傾向にある。K値は、「Cellulosechemie」,1932,13,58におけるH.Fikentscherの方法に従って、23℃及び1%ポリマーのポリマー濃度で3重量%NaCl溶液中において測定する。
【0341】
本発明のグラフトポリマーの数平均分子量(M)、重量平均分子量(M)及び多分散性M/Mは、テトラヒドロフラン中のゲル浸透クロマトグラフィーによって測定した。使用された移動相(溶離液)は、0.035モル/Lのジエタノールアミンを含むテトラヒドロフランであった。テトラヒドロフラン中のグラフトポリマーの濃度は、2.0mg/mLであった。濾過(孔径0.2μm)後、この溶液の100μLをGPCシステムに注入した。4本の異なるカラム(60℃に加熱)を分離のために使用した(SDVプレカラム、SDV 1000A、SDV 100000A、SDV 1000000A)。GPCシステムは、1mL/分の流量で運転した。DRI Agilent 1100を検出システムとして使用した。106~1378000g/モルの分子量Mを有するポリ(エチレングリコール)(PEG)標準物質(PL)を較正のために使用した。
【0342】
ポリマーの生分解性の測定方法
廃水での生分解は、OECD 301Fマノメーター呼吸計測法を用いて3通り試験した。30mg/mLの被験物質を、Mannheim Wastewater Treatment Plantから採取した廃水に接種し、密閉フラスコ中において25℃で28日間インキュベートする。この時間中の酸素の消費を、OxiTop C(WTW)を使用してフラスコ内の圧力の変化として測定する。発生したCO2を、NaOH溶液を使用して吸収する。被験物質の生分解中に微生物集団によって消費された酸素の量を、ブランクを使用する補正後、ThOD(理論的酸素要求量)の%として表す。
【0343】
以下の(一般的な)手順を、表1及び2に更に示されるような物質並びに比及び量を使用して行った。
【0344】
他の発明の及び比較のグラフトポリマーは、ポリマー主鎖のタイプ及び分子量及び組成とその上にグラフトするためのモノマーの量及びタイプとを調整することによってそれらの手順に従って合成することができる。
【0345】
本発明のポリマー実施例1~実施例7についての合成手順
実施例1:PEG(Mn600g/モル;50重量%)上での酢酸ビニル(50重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で500gのPEGを装入し、90℃に加熱した。29.86gのトリプロピレングリコールに溶解させた、3.57gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(500gの酢酸ビニル)の投入を開始し、反応槽に一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料投入が完了したら、40.12gのトリプロピレングリコールに溶解させた、4.90gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、90℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を90℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0346】
実施例2:PEG(Mn600g/モル;70重量%)上での酢酸ビニル(30重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で700gのPEGを装入し、90℃に加熱した。47.61gのトリプロピレングリコールに溶解させた、10.20gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(300gの酢酸ビニル)の投入を開始し、反応槽に一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料投入が完了したら、22.39gのトリプロピレングリコールに溶解させた、4.90gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、90℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を90℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0347】
実施例3:PEG(Mn1500g/モル;70重量%)上での酢酸ビニル(30重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で595gのPEGを装入し、90℃で溶融させた。42.76gのトリプロピレングリコールに溶解させた、10.41gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(255gの酢酸ビニル)の投入を開始し、反応槽に一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料投入が完了したら、16.75gのトリプロピレングリコールに溶解させた、4.16gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、90℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を90℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0348】
実施例4:PEG(Mn1500g/モル;75重量%)上での酢酸ビニル(25重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で750gのPEGを装入し、90℃で溶融させた。29.86gのトリプロピレングリコールに溶解させた、3.57gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(250gの酢酸ビニル)の投入を開始し、反応槽に一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料投入が完了したら、40.12gのトリプロピレングリコールに溶解させた、4.90gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、90℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を90℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0349】
実施例5:PEG(Mn1500g/モル;80重量%)上での酢酸ビニル(20重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で800gのPEGを装入し、90℃で溶融させた。29.86gのトリプロピレングリコールに溶解させた、3.57gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(200gの酢酸ビニル)の投入を開始し、反応槽に一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料投入が完了したら、40.12gのトリプロピレングリコールに溶解させた、4.90gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、90℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を90℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0350】
実施例6:PEG(Mn1500g/モル;85重量%)上での酢酸ビニル(15重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で850gのPEGを装入し、90℃で溶融させた。29.86gのトリプロピレングリコールに溶解させた、3.57gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(150gの酢酸ビニル)の投入を開始し、反応槽に一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料投入が完了したら、41.00gのトリプロピレングリコールに溶解させた、4.90gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、90℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を90℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0351】
実施例7:PEG(Mn1500g/モル;75重量%)上での酢酸ビニル(20重量%)及びラウリン酸ビニル(5重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で750gのPEGを装入し、90℃で溶融させた。29.50gのトリプロピレングリコールに溶解させた、3.57gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(200gの酢酸ビニル)及び供給原料3(50gのラウリン酸ビニル)の投入を開始し、反応槽に一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料投入が完了したら、40.48gのトリプロピレングリコールに溶解させた、4.90gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料4を、90℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を90℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0352】
実施例8:PEG(Mn1500g/モル;40重量%)上での酢酸ビニル(60重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で400gのPEGを装入し、90℃で溶融させた。47.61gのトリプロピレングリコールに溶解させた、10.20gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(600gの酢酸ビニル)の投入を開始し、反応槽に一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料投入が完了したら、22.39gのトリプロピレングリコールに溶解させた、4.80gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、90℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を90℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0353】
実施例9:PEG(Mn1500g/モル;90重量%)上での酢酸ビニル(10重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で900gのPEGを装入し、90℃で溶融させた。42.88gのトリプロピレングリコールに溶解させた、5.60gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(100gの酢酸ビニル)の投入を開始し、反応槽に一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料投入が完了したら、27.11gのトリプロピレングリコールに溶解させた、3.54gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、90℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を90℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0354】
実施例10:PEG(Mn1500g/モル;60重量%)上での酢酸ビニル(40重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で560gのPEGを装入し、90℃で溶融させた。40.05gのトリプロピレングリコールに溶解させた、5.23gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(374gの酢酸ビニル)の投入を開始し、反応槽に一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料投入が完了したら、25.32gのトリプロピレングリコールに溶解させた、3.31gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、90℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を90℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0355】
実施例11:PEG(Mn2406g/モル;60重量%)上での酢酸ビニル(40重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で480gのPEGを装入し、90℃で溶融させた。34.30gのトリプロピレングリコールに溶解させた、4.48gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(320gの酢酸ビニル)の投入を開始し、反応槽に一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料投入が完了したら、21.69gのトリプロピレングリコールに溶解させた、2.83gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、90℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を90℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0356】
実施例12:PEG(Mn2406g/モル;80重量%)上での酢酸ビニル(20重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で420gのPEGを装入し、90℃で溶融させた。22.51gのトリプロピレングリコールに溶解させた、2.94gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(105gの酢酸ビニル)の投入を開始し、反応槽に一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料投入が完了したら、14.23gのトリプロピレングリコールに溶解させた、1.86gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、90℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を90℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0357】
実施例13:PEG(Mn3055g/モル;60重量%)上での酢酸ビニル(40重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で480gのPEGを装入し、90℃で溶融させた。34.30gのトリプロピレングリコールに溶解させた、4.48gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(320gの酢酸ビニル)の投入を開始し、反応槽に一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料投入が完了したら、21.69gのトリプロピレングリコールに溶解させた、2.83gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、90℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を90℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0358】
実施例14:PEG(Mn3055g/モル;90重量%)上での酢酸ビニル(10重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で540gのPEGを装入し、90℃で溶融させた。25.73gのトリプロピレングリコールに溶解させた、3.36gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(60gの酢酸ビニル)の投入を開始し、反応槽に一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料投入が完了したら、16.27gのトリプロピレングリコールに溶解させた、2.12gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、90℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を90℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0359】
比較ポリマー比較例1~比較例4についての合成手順
比較例1:PEG(Mn6000g/モル;60重量%)上での酢酸ビニル(40重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で660gのPEG(Mn6000g/モル)を装入し、90℃で溶融させた。35.09gの1,2-プロパンジオールに溶解させた、4.42gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56重量%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(440gの酢酸ビニル)の投入を開始し、一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料1及び2の投入が完了したら、温度を95℃に上昇させ、23.21gの1,2-プロパンジオールに溶解させた、2.81gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、95℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を95℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0360】
比較例2:PEG(Mn6000g/モル;70重量%)上での酢酸ビニル(30重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で700gのPEG(Mn6000g/モル)を装入し、90℃で溶融させた。50.30gのトリプロピレングリコールに溶解させた、12.24gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56重量%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(300gの酢酸ビニル)の投入を開始し、一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料1及び2の投入が完了したら、温度を95℃に上昇させ、19.70gのトリプロピレングリコールに溶解させた、4.80gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、95℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を95℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0361】
比較例3:PEG(Mn4000g/モル;60重量%)上での酢酸ビニル(40重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で600gのPEG(Mn4000g/モル)を装入し、90℃で溶融させた。29.90gのトリプロピレングリコールに溶解させた、3.57gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56重量%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(400gの酢酸ビニル)の投入を開始し、一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料1及び2の投入が完了したら、温度を95℃に上昇させ、41.00gのトリプロピレングリコールに溶解させた、4.90gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、95℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を95℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0362】
比較例4:PEG(Mn6000g/モル;40重量%)上での酢酸ビニル(60重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で400gのPEG(Mn6000g/モル)を装入し、90℃で溶融させた。23.6gのトリプロピレングリコールに溶解させた、4.8gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56重量%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(600gの酢酸ビニル)の投入を開始し、一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料1及び2の投入が完了したら、温度を95℃に上昇させ、15.70gのトリプロピレングリコールに溶解させた、3.16gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、95℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を95℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0363】
【表10】
【0364】
【表11】
【0365】
ポリマー白色度及び液体洗剤における洗浄性能
下記のWater Soluble Unit Dose(水溶性単位用量)(SUD)洗剤組成物A及びBを、列挙される成分(表3)を混合することにより当業者に公知の伝統的手段によって調製する。
【0366】
本発明のポリマーの白度維持は、基準組成物A及び試験組成物Bの白色度性能を直接比較することによるポリマーの白色度性能の評価方法に従って評価する。組成物A対組成物BのΔWI(CIE)を、表4に、ポリマー白色度性能便益の指標として報告する。組成物A対基準組成物BのΔSRIを、ポリマー洗浄性能の指標として表5に報告する。
【0367】
【表12】
【0368】
洗剤における白度維持性能の評価方法
試験準備:
以下の布地:
・NAポリマー:PW19、Empirical Manufacturing Company(Cincinnati,OH,USA)から入手可能
・ニットコットン(Knitted Cotton)1:Test fabric,Inc 403コットンインターロック丸編み
・CW120、Empirical Manufacturing Company(Cincinnati,OH,USA)から入手可能
・ポリコットン
を白色度便益試験のために提供する。
【0369】
「洗浄した及びFE処理した」布地を、以下の方法に従って調製した:400gの布地を、18.6gのAriel(商標)Compact粉末洗剤を用いて60℃でショートプログラム(45分洗浄サイクル、引き続き3回の濯ぎサイクル;全体プログラムは90分である)を用いて2回、60℃無洗剤で、ショートプログラムを用いて2回、次いで各主洗浄中に8.2gのLenor(商標)Concentrate(布地エンハンサー)を用いて40℃でショートプログラムを用いて3回、WE Miniwasher(3.5リットルの水)において洗浄する。次いで、布地を、乾燥するまで回転式乾燥機においてエクストラドライで乾燥させる。
【0370】
「洗浄した」布地を、以下の方法に従って調製した:400gの布地を、18.6gのAriel(商標)Compact粉末洗剤を用いて60℃でショートプログラム(45分洗浄サイクル、引き続き3回の濯ぎサイクル;全体プログラムは90分である)を用いて2回、60℃無洗剤で、ショートプログラムを用いて2回、WE Miniwasher(3.5リットルの水)において洗浄する。次いで、布地を、乾燥するまで回転式乾燥機においてエクストラドライで乾燥させる。
【0371】
試験方法
4つの布地試料:ポリコットン、洗浄済み;ニットコットン、洗浄済み;NAポリエステル洗浄済み及びFE処理済み;ニット洗浄及びFE処理済みを準備する。
【0372】
各試料を、磁気ベアリングを使用して以下の条件:750ppm洗剤濃度、1ウェル当たり150μLの水、25℃、2.5mM(2:1のCa+2:Mg+2モル比)の水の硬度、8.3の洗浄pH、3000ppmのArizona試験粉塵(PTI,Powder Technology Incにより供給される)に従った典型的なフルスケール洗浄機のかき混ぜをシミュレートする96ウェルプレート模擬洗浄システムでランさせる。
【0373】
表5に列挙される各ポリマーを、洗浄液の15ppmで添加する。各布地を60分間洗浄し、周囲条件下で暗闇の中で乾燥させる。各洗浄条件について、1洗浄条件当たり合計16の反復試験のための、2つの96ウェルプレート、96ウェルプレート当たり8つの内部反復試験がある。
【0374】
試料が乾燥しているときに、L*、a*、b*及びCIE WIを、Spectrolino画像化系(Gretag Macbeth,Spectro Scan 3.273)を使用して各96ウェルプレートスポットに関して測定する。各処理について、平均CIE WIを測定する。下の表に報告されるような、デルタCIE WIは、試料の平均CIE WI対試験ポリマーなしの対照試料の平均CIE WIの差である。
【0375】
幾つかの異なる繊維材料(以下の表を参照されたい)に関して測定されるような白色度指数(WI指数)は、以下の通り計算した。
【0376】
白色度指数について、CIE白色度指数式を使用し、デルタWIを以下の通り計算した:基材に関するデルタWI=WI技術-WI無
「比較スケーリングインジケーター」(例えば、列挙される)=(合計(WI技術Aで試験された全布地)×100)/合計(全WI無技術で試験された布地)(この比較は、グラフトポリマーを使用しない試験について「100」にセットする)
【0377】
【表13】
【0378】
【表14】
【0379】
ポリマーの洗浄便益の評価方法
ポリマーの洗浄便益は、ターゴトメーターを使用して評価する。この試験に好適ないくつかの実例試験汚れは、
Equestを含まない(ex)標準草
Equestを含まない標準黒色Todd Clay
CFTを含まないASTM粉塵皮脂
CFTを含まないポリコットン上の非常に特異的な皮脂
Equestを含まないニットコットン上の焦げたバター
Equestを含まないニットコットン上の染色ベーコン
である。
【0380】
汚れを、L、a、b値について市販の画像解析システムを使用して解析する。
【0381】
発明のポリマーを、典型的には、試験のために他の成分と一緒に最終製品中に配合する。試験製品を水(規定の硬度での)で規定の洗浄濃度に希釈することによって洗浄液を調製する。
【0382】
水溶性単位用量組成物の試験において、追加の47ppmのPVOHフィルムもターゴトメーターポットに添加する。洗浄温度は30℃であり、水の硬度は8gpgである。
【0383】
各ターゴトメーターポットにおいて洗浄される布地は、2片の各試験汚れ(2つの内部反復試験片)、5×5cmのWfK SBL 2004汚物シートの13の見本及び追加のニットコットンバラストを含んで最大で60gの総布地重量を作り上げる。
【0384】
洗浄液を含有するターゴトメーターポット中に布地全てを加えたら直ちに、洗浄液を40分間かき混ぜる。次いで、洗浄液を流し出し、布地を5分濯ぎステップに1回又は2回供し、その後、排水し、遠心脱水する。洗浄された汚れを、空気流れキャビネット中で乾燥させ、次いで市販の画像解析システムを使用してL、a、b値について解析する。
【0385】
この手順を更に繰り返して合計3~4つの外部反復試験を与える。
【0386】
汚れ除去指数(SRI)は、下に示される式を使用してL、a、b値から計算する。SRIが高いほど、汚れ除去はより良好である。
SRI=100*((ΔE-ΔE)/ΔE
ΔE=√((L-L+(a-a+(b-b
ΔE=√((L-L+(a-a+(b-b
下付き文字「b」は、洗浄前の汚れについてのデータを示す。
下付き文字「a」は、洗浄後の汚れについてのデータを示す。
下付き文字「c」は、汚れのない布地についてのデータを示す。
【0387】
組成物A対基準組成物BのΔSRIを、ポリマー洗浄性能の指標として表6に報告する。
【0388】
表6に示されるように、本発明のポリマーは、とりわけ皮脂汚れに関して、液体洗濯洗剤において著しい洗浄便益をもたらす。
【0389】
【表15】
【手続補正書】
【提出日】2024-02-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、その上にグラフトされたポリマー側鎖(B)を有する、グラフト基体としてのポリマー主鎖(A)を含む新規なグラフトポリマーに関する。ポリマー側鎖(B)は、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に - 好ましくないが - 更なるモノマー(B2)の重合によって得ることができ、- 存在する場合 - モノマー(B2)対モノマー(B1)の重量比は、0.5未満である。ポリマー主鎖(A)は、エチレンオキシドの重合によって得ることができ、g/モル単位でのポリマー主鎖の分子量Mnは、500~5000以内である。本発明は、そのようなグラフトポリマーを得るためのプロセスに更に関し、本プロセスは、好ましくは、フリーラジカル重合によって実施される。更に、本発明は、例えば、布地ケア及びホームケア製品中におけるそのようなグラフトポリマーの使用に関する。本発明の別の主題は、したがって、そのようなグラフトポリマーを含有する布地ケア及びホームケア製品である。
【背景技術】
【0002】
様々な国が、とりわけ化粧品におけるマイクロプラスチックを禁止するためのイニシアチブを既に導入している。不溶性マイクロプラスチックのこの禁止に留まらず、消費者製品に使用される可溶性ポリマーに対する将来的な規定に関する真剣な協議が行われている。そのため、そのような用途向けの新しいより良好な生分解性原料を特定することが強く望まれている。この問題は、炭素のみの主鎖が微生物に対して分解するのが特に困難であるため、炭素のみの主鎖(酸素などのヘテロ原子を含有しない主鎖)に基づくラジカル重合によって製造されるポリマーについて主に深刻である。ポリエチレングリコール主鎖の工業的に重要なラジカルで製造されるグラフトポリマーでも、廃水中で限定された生分解性を示すにすぎない。しかしながら、本発明によって記載されるポリマーは、好ましくは、ラジカルグラフト重合によって製造され、従来技術と比較して向上した生分解性を提供する。
【0003】
国際公開第2007/138053号パンフレットは、グラフト基体としての水溶性ポリアルキレンオキシド(A)と、ビニルエステル成分(B)の重合によって形成される側鎖とをベースとする両親媒性グラフトポリマーであって、50のアルキレンオキシド単位当たり平均1個未満のグラフト部位及び3000~100000の平均モル質量Mを有するポリマーを開示している。国際公開第2007/138053号パンフレットは、その中に開示されたそれぞれのグラフトポリマーの生分解性(「生分解とも称される)に関するいかなる開示も、本発明に定義されるようなグラフトポリマーも含まない。
【0004】
国際公開第03/042262号パンフレットは、(A)モノエチレン性不飽和単位なしのポリマーグラフト骨格と、(B)それぞれ窒素含有複素環を含む2種の異なるモノエチレン性不飽和モノマー(B1)及び(B2)のコポリマーから形成されるポリマー側鎖とを含むグラフトポリマーであって、側鎖(B)の量の割合は、全ポリマーの35~55重量%になる、グラフトポリマーに関する。しかしながら、国際公開第03/042262号パンフレットによるグラフトポリマーは、主鎖上にグラフトされたそれぞれのポリマー側鎖内においてビニルエステルモノマーをベースとするものではない。更に、国際公開第03/042262号パンフレットには、そこに開示されたグラフトポリマーの生分解性に関連していかなる開示もない。
【0005】
米国特許第A5,318,719号明細書は、ビルダー性、皮膜形成防止性、分散性及び閾結晶抑制性を有する新規なクラスの生分解性の水溶性グラフトコポリマーであって、ポリアルキレンオキシド及び/又はポリアルコキシル化材料を含む生分解性基材にグラフトされた、(a)酸官能性モノマーと、任意選択的に、(b)(a)と共重合可能な他の水溶性のモノエチレン性不飽和モノマーとを含むグラフトコポリマーに関する。しかしながら、米国特許第A5,318,719明細書は、前記グラフトポリマーのそれぞれの側鎖が、アクリル酸又はメタクリル酸などの大量の酸官能性モノマーを必須で含むことを要求している。そのようなタイプの酸モノマーは、本発明に関連して有用ではない。
【0006】
米国特許出願公開第2019/0390142号明細書は、(a)ポリエチレンオキシド(PEG)などのポリアルキレンオキシド;(b)N-ビニルピロリドン(VP);及び酢酸ビニルなどのビニルエステルから構成され得るグラフトコポリマーを含む布地ケア組成物に関する。しかしながら、米国特許出願公開第2019/0390142号明細書は、現在必要とされているようなグラフトポリマーを開示していない。
【0007】
国際公開第2020/005476号パンフレットは、グラフトコポリマー及びいわゆる処理補助剤を含む布地ケア組成物であって、グラフトコポリマーは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド又はブチレンオキシドをベースとする、主鎖としてのポリアルキレンオキシド、好ましくはポリエチレンオキシドと、主鎖上のグラフトされた側鎖としてのN-ビニルピロリドン及びビニルエステルとを含み、主鎖及び両方のモノマーは、特定の比率である、組成物を開示している。
【0008】
国際公開第2020/264077号パンフレットは、酵素とポリマーとの組合せを含有する洗浄組成物であって、汚れた材料からの汚れの除去に好適である洗浄組成物を開示している。この刊行物は、ポリ(酢酸ビニル)-g-ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルピロリドン)-ポリ(酢酸ビニル)-g-ポリ(エチレングリコール)及びそれらの組合せからなる群から選択される、いわゆる「懸濁グラフトコポリマー」を開示している。しかしながら、本発明で定義されるようなグラフトポリマーは、開示されていない。
【0009】
国際公開第0018375号パンフレットは、ポリエーテルの存在下における、少なくとも1種の脂肪族C1~C24カルボン酸のビニルエステルと、好ましくは酢酸ビニルであるビニルエステルとの重合によって得られたグラフトポリマーを含む医薬組成物を開示している。最も好ましいバージョンでは、グラフトポリマーは、Mw6000g/モルのPEG上に酢酸ビニルをグラフトし、その後、酢酸ビニルをアルコール(それは、したがって、仮定上のモノマー「ビニルアルコール」から得られたポリマーに類似しているであろう)に加水分解することから調製される。主な使用は、錠剤等などの固体医薬投薬形態上へのコーティング及びフィルムの形成である。
【0010】
国際公開第0018375号パンフレットにおけるポリマー主鎖として、500000未満の範囲、好ましくは300~100000の範囲、特に好ましくは500~20000の範囲、非常に特に好ましくは800~15000g/モルの範囲の数平均分子量を有するポリエーテルが開示されている。40~99重量%のエチレンオキシド含有量を有するエチレンオキシドのホモポリマー又はコポリマーを使用することが有利であると更に述べられており、したがって好ましくは、40~100モル%の、エチレンオキシドポリマー中のエチレンオキシド単位の含有量が用いられる。これらのコポリマーのためのコモノマーとして好適であるものは、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド及び/又はイソブチレンオキシドであると言われ、好適な例は、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー、エチレンオキシドとブチレンオキシドとのコポリマー及びエチレンオキシドと、プロピレンオキシドと、少なくとも1種のブチレンオキシドとのコポリマーであると言われている。コポリマー中のエチレンオキシド含有量は、好ましくは、40~99モル%であり、プロピレンオキシド含有量は、1~60モル%であり、コポリマー中のブチレンオキシド含有量は、1~30モル%の範囲であると述べられている。直鎖のみならず、分岐ホモポリマー又はコポリマーが、グラフトするためのフラフト基体として使用できると言われている。
【0011】
しかしながら、国際公開第0018375号パンフレットでは、PEG6000及び9000、「ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールブロックコポリマー」(平均分子量「約8000」)及び「ポリグリセロール」(平均分子量「2200」)のみが例示されている。5つの実施例は、酢酸ビニルを使用しているにすぎず、1つのみの実施例が酢酸ビニルとメチルメタクリレートとをモノマーとして使用している。他のモノマーは、例示されていない。全ての実施例は、最終ステップとして、重合した酢酸ビニルモノマーの加水分解を用いている。
【0012】
そのため、本発明で特許請求されるような加水分解されていない酢酸ビニルを含有するポリマーは、国際公開第0018375号パンフレットで生成されておらず、特徴付けられていない。
【0013】
また、現在要求されているようなポリマー主鎖として低分子量ポリエチレンオキシドポリマーから製造される特定のグラフトポリマーは、国際公開第0018375号パンフレットで開示されておらず、特許請求されていない。
【0014】
本開示は、したがって、医薬用途におけるフィルム形成ポリマーとしての使用のために酢酸ビニルでグラフトされ、次いでビニルアルコールに加水分解される、中~高分子量PEGのみを含む異なる組成物に焦点を当てる。
【0015】
また、洗剤及び洗浄又は布地ケア用途向のための、本明細書で開示されるそのようなポリマーの使用は、国際公開第0018375号パンフレットでは開示されていない。そのような用途又は使用は、この開示で全く述べられていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、新規なグラフトポリマーを提供することである。更に、これらの新規グラフトポリマーは、洗浄組成物などの組成物中で使用される場合、生分解性及び/又はそれらの洗浄挙動に関して有益な特性を有するはずである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この目的は、グラフトポリマーであって、(全ての百分率をグラフトポリマーの総重量に対する重量パーセントとして)
(A)20~95%の、エチレンオキシドの重合によって得ることができる、グラフト基体としてのポリマー主鎖であって、g/モル単位でのポリマー主鎖の分子量Mnは、500~5000以内である、ポリマー主鎖と、
(B)5~80%の、ポリマー主鎖上にグラフトされたポリマー側鎖(B)であって、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合によって得ることができ、- 存在する場合 - モノマー(B2)対モノマー(B1)の重量比は、0.5未満である、ポリマー側鎖(B)と
を含むグラフトポリマーによって達成される。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明によるグラフトポリマーは、例えば、洗浄組成物並びに/又は布地ケア及びホームケア製品中に使用され得る。それらは、先行技術による対応するポリマー又はグラフトポリマーと比較して、例えば汚物の再沈着及び汚れの除去に関して、そのような組成物又は製品中で少なくとも匹敵する及び好ましくは更に向上した再沈着防止及び洗浄性能につながる。更に、本発明によるグラフトポリマーは、そのような組成物又は製品、例えば洗浄組成物並びに/又は布地ケア及びホームケア製品中で使用される場合に向上した生分解性につながる。
【0019】
本発明による生分解が向上したグラフトポリマーは、洗浄及び洗浄組成物に有利に使用することができ、その場合、それらは、界面活性剤による繊維製品又は硬表面からの疎水性汚物の除去をとりわけ助け、したがって、配合物の洗浄及び洗浄性能を向上させる。更に、それらは、除去された汚物を洗浄又は洗浄液中により良好に分散させ、洗浄された又はきれいにされた材料の表面上への再沈着を防ぐ。
【0020】
本明細書で用いる場合、冠詞「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、特許請求の範囲において用いられる場合、特許請求される又は記載されるものの1つ以上を意味することが理解される。本明細書で用いる場合、「含む」及び「含んでいる」という用語は、非限定的であることを意味する。
【0021】
本開示の組成物は、本開示の構成成分「を含む」(すなわち他の成分を含有する)か、「から本質的になる」(言及される成分を主として又はほとんどそれのみ、他の成分をごく少量でのみ主として不純物としてのみ含む)か、又は「からなる」(すなわち言及される成分のみを含有し、加えて技術的環境で回避できない不純物のみを含有し得、好ましくは同成分のみを含有する)ことができる。
【0022】
同様に、「...を実質的に含まない」若しくは「...を実質的に含まない」又は「...を本質的に(含有しない/含まない)」という用語が本明細書で用いられ得;これは、指示された材料が、組成物の一部を形成するためにそれに非常に最低限でも意図的に添加されないか、又は好ましくは分析により検出可能なレベルで存在しないことを意味する。それは、指示され材料が、意図的に含まれた他の材料の1種に不純物としてのみ存在する組成物を包含することを意味する。指示された材料は、たとえあったとしても、組成物の重量で1%未満、又は更に0.1%未満、又は更に0.01%未満、又は更に0%のレベルで存在し得る。
【0023】
「約」という用語は、本明細書で用いる場合、例えば、「約X%」等として言及される正確な数値「X」と、X(この計算についてXを100%と設定して)からのマイナス5~プラス5%、好ましくはマイナス2~プラス2%、より好ましくはマイナス1~プラス1%、更により好ましくはマイナス0.5~プラス0.5%及びより小さい差異を含む、Xの小さい差異とを包含する。当然のことながら、与えられた数値X自体が既に「100%」である場合(例えば、純度等についてなど)、「約」という用語は、明らかに、「100」よりも小さい方へのずれのみを意味することができ、したがって、それのみを意味する。
【0024】
「布地ケア組成物」という語句は、布地を処理するために設計された組成物及び配合物を含むことを意味する。そのような組成物としては、洗濯洗浄組成物及び洗剤、布地柔軟化組成物、布地高機能化組成物、布地清浄化組成物、洗濯物予洗い剤、洗濯物前処理剤、洗濯用添加剤、スプレー製品、ドライ洗浄剤又は組成物、洗濯物濯ぎ用添加剤、洗浄用添加剤、濯ぎ後布地処理剤、アイロン掛け補助剤、単位用量配合物、遅延送達配合物、多孔質基材又は不織シート上又は中に収容された洗剤並びに組成物を記載する場合、本明細書での教示及び本明細書で以下に詳述されるものを考慮して当業者に明らかであり得る他の好適な形態が挙げられるが、それらに限定されない。そのような組成物は、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用され得るか、又は洗濯作業の濯ぎ若しくは洗浄サイクル中且つ本発明のグラフトポリマー及びそのようなグラフトポリマーを含む組成物の使用及び応用を記載する場合に本明細書で以下に更に詳述されるように添加され得る。
【0025】
特に記載しない限り、全ての構成成分又は組成物レベルは、その構成成分又は組成物の活性部分に関するものであり、不純物、例えば、そのような構成成分又は組成物の市販の供給源中に存在し得る、残留溶媒又は副生成物を除外する。
【0026】
本明細書での全ての温度は、特に示さない限り、摂氏度(℃)単位においてである。特に明記しない限り、本明細書での全ての測定は、20℃で及び大気圧下で行われる。本開示の全ての実施形態において、全ての百分率は、特に明記しない限り、全組成物の重量による。全ての比は、特に明記しない限り、重量比である。
【0027】
グラフトポリマー
したがって、本発明の第1の主題は、グラフトポリマーであって、(全ての百分率をグラフトポリマーの総重量に対する重量パーセントとして)
(A)20~95%、好ましくは30~90%、より好ましくは40~85%、最も好ましくは50~80%の、エチレンオキシドの重合によって得ることができる、グラフト基体としてのポリマー主鎖であって、g/モル単位でのリマー主鎖の分子量Mnは、500~5000以内、好ましくは3500以下、より好ましくは3000以下、更により好ましくは2500以下、最も好ましくは2000以下、例えば1800以下である、ポリマー主鎖と、
(B)5~80%、好ましくは10~70%、より好ましくは15~60%、最も好ましくは20~50%の、ポリマー主鎖上にグラフトされたポリマー側鎖(B)と
を含み、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合によって得ることができ、- 存在する場合 - モノマー(B2)対モノマー(B1)の重量比は、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満であり、- 最も好ましくは - 本質的に、モノマー(B2)は、存在しない、グラフトポリマーに関する。
【0028】
本発明において例示されるようなグラフトポリマー中のポリマー主鎖(A)対ポリマー側鎖(B)の比は、特定の値に限定され得ず;当業者に公知の任意の比を原則として用いることができる。しかしながら、良好な結果は、先に詳述されたような比を用いる場合に得られる。
【0029】
ポリマー主鎖(A)自体及びそのようなコポリマー主鎖の製造方法は、当業者に公知である。そのような方法は、典型的には、公知の手段を用いるエチレンオキシドの重合である。
【0030】
そのため、本発明内で使用される好適なポリマー主鎖(A)は、エチレンオキシドを使用する標準的なアルコキシル化重合プロセスによって得ることができる。
【0031】
代わりの実施形態において、本発明は、
(A)エチレンオキシドの重合によって得ることができる、グラフト基体としてのポリマー主鎖と、
(B)ポリマー主鎖上にグラフトされたポリマー側鎖であって、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合によって得ることができる、ポリマー側鎖と
を含むグラフトポリマーも包含し、- 存在する場合 - モノマー(B2)対モノマー(B1)の重量比は、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満であり、式
P=[g/モル単位でのポリマー主鎖の分子量]×[ポリマー重量を「1」に設定し、及び(B)の量の百分率をその割合としての、総ポリマー重量を基準とするポリマー側鎖(B)の量の百分率]
の積は、50~1500の範囲、好ましくは1200以下、より好ましくは1000以下、更により好ましくは800以下、最も好ましくは600以下、例えば400以下又は更に300以下及び好ましくは少なくとも100、より好ましくは少なくとも120である。
【0032】
本発明によるグラフトポリマーは、好ましくは、低い多分散性を有する。
【0033】
本発明の及び/又は先に詳述されたようなグラフトポリマーは、5未満、好ましくは3.5未満、より好ましくは3未満、最も好ましくは1.0~2.5の範囲の多分散性M/M(ここで、M=重量平均分子量であり、及びM=数平均分子量である)を有することが好ましく;多分散性は、単位なし[g/モル/g/モル]である。M及び/又はMのそれぞれの値は、以下の実験のセクション内で記載されるように決定することができる。
【0034】
前の実施形態の及び/又は先に詳述されたようなグラフトポリマーに関して、モノマー(B2)は、側鎖(B)を得るための重合に用いられないことが更に好ましい。
【0035】
本発明による及び/又は先に詳述されたようなグラフトポリマー中に含有されるポリマー主鎖(A)は、主鎖のそれぞれの末端基においてキャップされ得るか、又はキャップされなくてもよい(非キャップ)かのいずれかであり得る。結果的に、本発明内では、コポリマー主鎖(A)は、1つの末端基又は両方の末端基において任意選択的にキャップされ、好ましくは、コポリマー主鎖(A)は、両方の末端基においてキャップされない。キャッピングは、C~C25アルキル基、好ましくはC1~C4基によって行われる。
【0036】
本発明によるグラフトポリマー中に含有されるポリマー側鎖(B)に関して、ポリマー側鎖(B)は、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)のラジカル重合によって得られることが好ましい。
【0037】
ビニルエステルモノマー(B1)として、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びラウリン酸ビニルの少なくとも1つが選択される。言及された少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)以外に、吉草酸ビニル、ピバル酸ビニル、ネオデカン酸ビニル、デカン酸ビニル及び/又は安息香酸ビニルなど、当業者に公知である更なるビニルエステルモノマー(B1)が使用され得る。
【0038】
任意選択的な更なるモノマー(B2)が、本発明によるグラフトポリマー中のポリマー側鎖(B)を調製するために使用される場合、必須のビニルエステルモノマー(B1)対前記更なるモノマー(B2)の比は、原則として、当業者に公知の任意の値を有し得る。ビニルエステルモノマー(B1)の量は、通常、((B1)及び(B2)の合計に対して)1重量%以上である。
【0039】
しかしながら、好ましい実施形態において、本発明の及び/又は先に詳述されたようなグラフトポリマーは、ポリマー主鎖(A)の存在下における、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の他のモノマー(B2)のラジカル重合によって得られるか又は得ることができるポリマー側鎖(B)を含み、ビニルエステルモノマー(B1)の総量の少なくとも10重量パーセントは、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びラウリン酸ビニルから、より好ましくは酢酸ビニル及びラウリン酸ビニルから選択され、最も好ましくは酢酸ビニルであり、ビニルエステルの残りの量は、任意の他の既知のビニルエステルであり得、好ましくは、少なくとも60、より好ましくは少なくとも70、更により好ましくは少なくとも80、更により好ましくは少なくとも90重量パーセント、最も好ましくは本質的に唯一の(すなわち約100重量%又は更に100重量%の)酢酸ビニルは、ビニルエステルとして用いられ(重量パーセントは、用いられるビニルエステルモノマーB1の総量を基準とする)、好ましくは、本質的に、他のモノマー(B2)は、用いられない。
【0040】
また更に、更により好ましい実施形態において、本発明の及び/又は先に詳述されたようなグラフトポリマーは、(全ての百分率をグラフトポリマーの総重量に対する重量パーセントとして)
(A)20~95%、好ましくは30~90%、より好ましくは40~85%、最も好ましくは50~80%の、エチレンオキシドの重合によって得ることができる、グラフト基体としてのポリマー主鎖であって、g/モル単位でのポリマー主鎖の分子量Mnは、500~5000以内、好ましくは3500以下、より好ましくは3000以下、更により好ましくは2500以下、最も好ましくは2000以下、例えば1800以下である、ポリマー主鎖と、
(B)5~80%、好ましくは10~70%、より好ましくは15~60%、最も好ましくは20~50%の、ポリマー主鎖上にグラフトされたポリマー側鎖(B)であって、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合によって得ることができ、- 存在する場合 - モノマー(B2)対モノマー(B1)の重量比は、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満である、ポリマー側鎖(B)と
を含み、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)の総量の少なくとも10重量パーセントは、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びラウリン酸ビニルから、より好ましくは酢酸ビニル及びラウリン酸ビニルから選択され、最も好ましくは酢酸ビニルであり、ビニルエステルの残りの量は、任意の他の既知のビニルエステルであり得、好ましくは、少なくとも60、より好ましくは少なくとも70、更により好ましくは少なくとも80、更により好ましくは少なくとも90重量パーセント、最も好ましくは本質的に唯一の(すなわち約100重量%又は更に100重量%の)酢酸ビニルは、ビニルエステルとして用いられ(重量パーセントは、用いられるビニルエステルモノマーB1の総量を基準とする)、
- より好ましくは - 本質的に、他のモノマー(B2)は、用いられない。
【0041】
(先行実施形態の)代わりのより好ましい実施形態において、本発明の及び/又は先に詳述されたグラフトポリマーは、
(A)エチレンオキシドの重合によって得ることができる、グラフト基体としてのポリマー主鎖(A)と、
(B)ポリマー主鎖上にグラフトされたポリマー側鎖であって、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合によって得ることができ、- 存在する場合 - モノマー(B2)対モノマー(B1)の重量比は、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満である、ポリマー側鎖(B)と
を含み、式
P=[g/モル単位でのポリマー主鎖の分子量]×[ポリマー重量を「1」に設定し、及び(B)の量の百分率をその割合としての、総ポリマー重量を基準とするポリマー側鎖(B)の量の百分率]
の積は、50~1500の範囲、好ましくは1200以下、より好ましくは1000以下、更により好ましくは800以下、最も好ましくは600以下、例えば400以下又は更に300以下及び好ましくは少なくとも100、より好ましくは少なくとも120であり、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)の総量の少なくとも10重量パーセントは、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びラウリン酸ビニルから、より好ましくは酢酸ビニル及びラウリン酸ビニルから選択され、最も好ましくは酢酸ビニルであり、ビニルエステルの残りの量は、任意の他の既知のビニルエステルであり得、好ましくは、少なくとも60、より好ましくは少なくとも70、更により好ましくは少なくとも80、更により好ましくは少なくとも90重量パーセント、最も好ましくは本質的に唯一の(すなわち約100重量%又は更に100重量%の)酢酸ビニルは、ビニルエステルとして用いられ(重量パーセントは、用いられるビニルエステルモノマーB1の総重量を基準とする)、
- より好ましくは - 本質的に、他のモノマー(B2)は、用いられない。
【0042】
本発明のグラフトポリマーは、ビニルエステルからできた一定量の非グラフト化ポリマー(「非グラフト化側鎖」)、例えば酢酸ビニルのみが用いられる場合にはポリ酢酸ビニル並びに/又は更なるモノマーが用いられる場合にはビニルエステルのホモポリマー及びビニルエステルと他のモノマーとのコポリマーを含有し得る。そのような非グラフト化ビニルエステルホモポリマー及びコポリマーの量は、反応条件に依存して、高くも低くもなり得るが、好ましくは低下されるべきであり、したがって低いものであるべきである。この低下により、グラフトされた側鎖の量は、好ましくは、増加する。そのような低下は、ビニルエステル及びラジカル開始剤の投与及びそれらの相対的な量並びにまた存在している主鎖に対する量など、好適な反応条件によって達成することができる。これは、本分野の当業者に一般に公知である。
【0043】
本発明のグラフトポリマーは、それらのグラフト度(ポリマー主鎖(A)上のポリマー側鎖(B)のグラフト部位の数)で特徴付けられ得る。グラフト度は、反応条件に応じて高くも低くもなり得る。好ましくは、グラフト度は、低~中程度、より好ましくは低い。「低い」は、この態様では、統計的に50のアルキレンオキシド単位当たり2未満のグラフト部位が存在することを意味する。
【0044】
グラフト度及び非グラフト化ポリマーのこの量の調整は、特定の興味の分野における性能、例えばある種の(例えば、洗剤)配合物、適用分野又は所望の洗浄等の性能を最適化するために用いることができる。
【0045】
本発明の別の - 好ましくない - 実施形態において、本発明によるグラフトポリマーのポリマー側鎖(B)は、グラフトポリマーがそれ自体得られた後に完全に又は - より好ましくは - 少なくとも部分的に加水分解される。これは、グラフトポリマーのポリマー側鎖(B)の完全な又は少なくとも部分的な加水分解が、ポリマー側鎖(B)の重合プロセスが終了した後に実施されることを意味する。
【0046】
本発明によるグラフトポリマーのポリマー側鎖(B)のこの完全な又は少なくとも部分的な加水分解のため、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)に由来するそれぞれの側鎖単位は、ポリマー側鎖(B)中でそれぞれのエステル官能基からアルコール官能基に変化する。対応するビニルアルコールは、安定性側面のためにポリマー側鎖(B)の重合プロセス内でモノマーとして使用するのに好適でないことが指摘されなければならない。本発明によるグラフトポリマーのポリマー側鎖(B)中のアルコール官能基(ヒドロキシ置換基)を得るために、アルコール官能基は、典型的には、側鎖のエステル官能基を加水分解することによって導入される。
【0047】
理論的な観点から、ポリマー側鎖(B)の各エステル官能基は、アルコール官能基(ヒドロキシ基)によって置き換えられ得る。そのような場合、ポリマー側鎖は、完全に加水分解される(「けん化される」)。
【0048】
加水分解は、当業者に公知の任意の方法によって実施することができる。例えば、加水分解は、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムなど、好適な塩基の添加によって誘導することができる。
【0049】
しかしながら、本発明のこの実施形態内において、ポリマー側鎖(B)の加水分解は、部分的に、例えば、(ポリマー側鎖の総重量に対して)最大で20重量%、40重量%又は60重量%の程度まで実施されるにすぎないことが好ましい。この実施形態内で更により好ましくは、ポリマー側鎖(B)は、重合後に完全に又は部分的に、好ましくは重合内で使用される少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)の量に対して最大で50%の程度まで加水分解される。
【0050】
しかしながら、本発明の最も好ましい実施形態において、ポリマー側鎖(B)は、重合後に加水分解されない。
【0051】
本発明の及び/又は先に詳述されたようなグラフトポリマーにおいて、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に存在する更なるモノマー(B2)に関連して上に詳述されたようなもの以外に、他のモノマーは、ポリマー側鎖(B)を得るためのそれぞれの重合プロセス内で用いられない。しかしながら、(B1)によるモノマー及び任意選択的に(B2)以外に他に任意の更なる高分子モノマーが存在する場合、そのようなモノマー(B1及びB2以外の)は、ポリマー側鎖(B)を得るために使用されるモノマーの総量の1%未満の量で存在する。好ましくは、前記追加モノマーの量は、0.5重量%未満、更により好ましくは0.01重量%未満であり、最も好ましくは、モノマー(B1)及び任意選択的に(B2)以外にいかなる追加モノマーも完全に存在しない。
【0052】
そのより好ましい実施形態において、モノマー(B2)対モノマー(B1)の重量比は、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満であり、更により好ましくは、モノマー(B2)は、ポリマー側鎖(B)を得るために使用されるモノマーの総量の1重量%未満の量でも存在する。更により好ましくは、モノマー(B2)の量は、0.5重量%未満、更により好ましくは0.01重量%未満であり、最も好ましくは、モノマー(B1)以外に、モノマー(B2)は、本質的に存在しない。
【0053】
モノマー(B2)は、原則として、ビニルエステルモノマー(B1)と重合可能な任意のモノマーであり得る。
【0054】
本発明内において、酸官能基を含むモノマーは、用いられないことが特に好ましい。特に、本発明によるグラフトポリマーのポリマー側鎖(B)を得るために使用されるモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、ビニル酢酸又はアクリルオキシプロピオン酸等などのいかなる酸官能性モノマーも含まない。
【0055】
本発明のポリマーは、本発明が対象とする様々な応用分野で問題なく使用されるために、以下の特性の少なくとも1つ、好ましくは2つ以上を有する:
a)一定レベルの生分解性、グラフトポリマーのそのような生分解性は、OECD301F(測定方法、実験セクションを参照されたい)下で試験される場合、28日以内に少なくとも30、好ましくは少なくとも35、更により好ましくは少なくとも40%、例えば少なくとも45、50、55、60、65、70、75、80又は85%などである。
b)本発明が一般に対象とするような応用分野で典型的に存在する水性環境内でポリマーを使用することができるためのある程度のポリマーの水溶性。好ましくは、本発明のポリマーは、様々な種類の配合物に関するそのような分野において典型的に用いられるような水性配合物の環境、例えば食器洗浄、自動食器洗浄、硬表面洗浄、布地洗浄、布地ケア、化粧品配合物等において中程度~良好な溶解性、より好ましくは非常に良好な溶解性を示すべきである。
c)ポリマー溶液の粘度は、ポリマーの適度に高い固体濃度において製造中及び製造後に取り扱われ、且つ使用者に提供されるようなものであるべきであり、それは、溶媒、典型的には水及び有機溶媒を含有する水溶液、水のみ又は有機溶媒のみに溶解された例えば「純粋な」(したがって典型的には液体の)製品としてものであり得、そのようなポリマー又はポリマー溶液の粘度は、典型的な技術的プロセスステップ、例えば流し込み、ポンプ送液、計量供給等などを可能にする範囲である。そのため、粘度は、好ましくは、少なくとも10重量%、より好ましくは少なくとも20、更により好ましくは少なくとも40重量%、最も好ましくは少なくとも50重量%、例えば少なくとも60、70、80又は更に90重量%などの(ポリマー溶液の総重量内の乾燥ポリマーの重量パーセントで定義されるような溶液中のポリマーの全固形分を基準とする)ポリマーの濃度において、好ましくは最大で約4000mPas未満、より好ましくは最大で3500mPas、更により好ましくは最大で3000mPas、例えば最大で4500、3750、3250、2750など、又は2600以下、例えば2500、2000、1750、1500、1250、1000、750、500、250、200、150又は100mPasなどの範囲であるべきである。粘度は、25℃又は高温のいずれか、例えば50℃又は更に60℃の温度で測定され得る。これにより、商業規模でのポリマー溶液の好適な取り扱いが可能である。当然のことながら、添加される溶媒の量に応じて、粘度は、溶媒の量が増加する場合に低下し、その逆も同様であることが明らかであり、したがって所望の場合に調整を可能にする。測定される粘度が測定温度に依存することも明白であり、例えば80重量%の所与の固形分の所与のポリマーの粘度は、より低い温度で測定する場合により高くなり、より高い温度で測定する場合により低くなるであろう。好ましい実施形態において、追加溶媒が添加されていないが、調製されたままのポリマー固形分は、70~99重量%、より好ましくは75~85重量%である。より好ましい実施形態において、追加溶媒が添加されていないが、調製されたままのポリマーの固形分は、70~99重量%、より好ましくは75~95重量%であり、60℃で測定された場合、粘度は、3000mPas未満、より好ましくは3250未満であり、更に2750未満、2600未満、2500未満、2000未満、1750未満、1500未満、1250未満、1000未満、750未満、500未満又は更に250mPas未満である。粘度は、そのようなポリマーに関して一般に公知であるように、好ましくは実験の部で下に記載されるように測定され得る。
【0056】
これらの要件a)、b)及び/又はc)を達成するために、本発明のポリマーのそのような特性を達成する方法に関して以下の手引きを示すことができる:
生分解性は、概して、以下の条件の少なくとも1つで高くなる:
・ポリマー主鎖(A)の分子量が、より高い分子量と比較してより低い;
・主鎖上にグラフトされるポリマー側鎖(モノマーB)の重量百分率が、より高い重量百分率と比較してより低い。
【0057】
当然のことながら、更なる判断基準として特定のポリマーの個々の性能が評価され、こうして特定の適用分野での各個々の配合物について等級付けされる必要がある。本発明のポリマーの多岐にわたる有用性のために、網羅的な概説は可能ではないが、本明細書及び実施例は、所望の特性の有用なポリマーを調製する及び選択する方法並びに特性を所望のニーズに調整する方法に関して手引きを示す。ホームケア及びとりわけ布地ケアの分野に関する1つのそのような判断基準は、当然のことながら、洗浄時、例えば特定の材料の汚れを示す特定の材料を規定の洗浄手順に供するときの性能である。
【0058】
実施例は、布地の洗浄、すなわち布地ケアの一般的な分野への応用に関するいくつかの手引きを示す。
【0059】
規定の生分解度、水溶性及び粘度(すなわち取扱い特性)を示すポリマーに対する個々のニーズに応じて、本明細書での一般的及び具体的な教示が、- 提示される具体的な例に限定されることを意図されることなく - そのようなポリマーを得る方法に導くであろう。
【0060】
プロセス
本発明の他の主題は、様々な実施形態及びその変形形態において、上記のような本発明のグラフトポリマーの調製プロセスである。本発明による少なくとも1種のグラフトポリマーの得るための本プロセス内において、少なくとも1種のモノマー(B1)及び任意選択的に更なるモノマー(B2)は、少なくとも1種のポリマー主鎖(A)の存在下で重合される。
【0061】
ポリマー主鎖(A)などのポリマー主鎖がポリマー側鎖でグラフトされるグラフトプロセスは、それ自体、当業者に公知であることに留意されなければならない。この点で当業者に公知の任意のプロセスを本発明内で用いることができる。
【0062】
本発明のプロセス内において、ポリマー側鎖(B)は、ラジカル重合によって得られることが好ましい。
【0063】
ラジカル重合もそれ自体当業者に公知である。当業者は、本発明のプロセスがラジカル形成開始剤(C)及び/又は少なくとも1種の溶媒(D)の存在下で実施できることも知っている。当業者は、それぞれの構成成分をそれ自体知っている。
【0064】
本発明に関連して用いられるような「ラジカル重合」という用語は、フリーラジカル重合に加えて、制御ラジカル重合などのその変形形態も含む。好適な制御機構は、RAFT、NMP又はATRPであり、それらは、それぞれ好適な制御剤を含めて当業者に公知である。
【0065】
好ましい実施形態において、本発明の及び/又は先に詳述されたようなグラフトポリマーの製造プロセスは、少なくとも1種のポリマー主鎖(A)、フリーラジカル形成開始剤(C)並びに必要に応じて構成成分(A)、(B1)、任意選択的に(B2)及び(C)の合計を基準として最大で50重量%の少なくとも1種の有機溶媒の存在下において、開始剤(C)が40~500分の分解半減期を有する平均重合温度での、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の更なるモノマー(B2)の重合であって、反応混合物中の未転化グラフトモノマー(B1)及び任意選択的なモノマー(B2)並びに開始剤(C)の割合がコポリマー主鎖(A)に対して量的な不足に常に保たれているような方法での重合を含む。好ましい実施形態において、モノマー(B2)は、用いられない。
【0066】
((フリー)ラジカル形成)開始剤(C)の量は、それぞれの場合にポリマー側鎖(B)を基準として好ましくは0.1~5重量%、特に0.3~3.5重量%である。
【0067】
本発明によるプロセスに関して、平均重合温度で存在するラジカルの定常状態濃度は、実質的に一定であり、グラフトモノマー(B1)又は(B2)は、反応混合物中に常に低濃度(例えば、合計5重量%以下)でのみ存在することが好ましい。これは、反応が制御されることを可能にし、グラフトポリマーは、所望の低い多分散性で、制御された方法で調製することができる。
【0068】
- とりわけ、高い固体濃度において又はバルクで及び/若しくは開始から大量のモノマーが存在する状態で重合が開始する場合であるが、安全な温度制御を確保するために、温度を制御するための追加の及び効率的な手段を使用することが推奨され、したがって好ましい。これは、外部及び/又は内部冷却によって行うことができ;そのような冷却は、熱交換器などの内部及び/若しくは外部冷却器によってか、又は所与の温度/圧力組合せにおいて溶媒若しくは溶媒混合物の沸騰温度で作業する場合には還流冷却器を使用して行うことができる。
【0069】
同じ手段は、当然のことながら、モノマーが長期間にわたって添加される、したがって反応体積中のモノマー濃度が経時的に常に低い、先に言及された好ましい実施形態に関して用いることができる。
【0070】
しかしながら、そのような条件下において、温度は、ラジカル濃度及び重合性モノマーの利用可能量を制御することによる重合反応の生長によっても少なくとも部分的に制御されるため、温度制御は、通常、極めて重要な点ではない。当然のことながら、重合反応の規模に応じて、先に記載されたようなそのような追加の冷却は、重合混合物の体積対表面からの比が非常に大きくなる十分に規模が大きくなる場合、両方の変形形態 - 大量のモノマーが開始から存在する回分反応若しくはバルク反応又は典型的には常に低いモノマー濃度の半連続若しくは連続重合反応 - にとって必要になる。
【0071】
しかしながら、これは、商業規模重合の当業者に一般に公知であり、したがってニーズに適合させることができる。
【0072】
「平均重合温度」という用語は、プロセスが実質的に等温であるが、反応の発熱性により、好ましくは+/-10℃の範囲内に、より好ましくは+/-5℃の範囲に保たれる温度変動があり得ることをここでは意味することを意図する。
【0073】
本発明によれば、平均重合温度における(ラジカル形成)開始剤(C)は、40~500分、好ましくは50~400分、より好ましくは60~300分の分解半減期を有するべきである。
【0074】
本発明によれば、開始剤(C)並びにグラフトモノマー(B1)及び/又は(B2)は、有利には、未分解の開始剤並びにグラフトモノマー(B1)及び/又は(B2)の低い及び実質的に一定の濃度が反応混合物中に存在するような方法で添加される。全体的な反応混合物中の未分解の開始剤の割合は、モノマー添加中に計量供給される開始剤の総量を基準として好ましくは15重量%以下、特に10重量%以下である。
【0075】
より好ましい実施形態において、本プロセスは、少なくとも1種のポリマー主鎖(A)、フリーラジカル形成開始剤(C)並びに必要に応じて構成成分(A)、(B1)、任意選択的な(B2)及び(C)の合計を基準として最大で50重量%の少なくとも1種の有機溶媒の存在下において、開始剤(C)が40~500分の分解半減期を有する平均重合温度での、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合であって、反応混合物中の未転化グラフトモノマー(B1)及び任意選択的なモノマー(B2)並びに開始剤(C)の割合がポリマー主鎖(A)に対して量的な不足に常に保たれるような方法での重合を含み、ビニルエステルモノマー(B1)の総量の好ましくは少なくとも10重量パーセントは、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びラウリン酸ビニルから、より好ましくは酢酸ビニル及びラウリン酸ビニルから選択され、最も好ましくは酢酸ビニルであり、ビニルエステルの残りの量は、任意の他の既知のビニルエステルであり、好ましくは少なくとも60、より好ましくは少なくとも70、更により好ましくは少なくとも80、更により好ましくは少なくとも90重量パーセント、最も好ましくは本質的に唯一の(すなわち約100重量%又は更に100重量%の)酢酸ビニルは、ビニルエステルとして用いられ(重量パーセントは、用いられるビニルエステルモノマーB1の総重量を基準とする)、- (B2)が存在する場合 - 任意選択的なモノマー(B2)対モノマー(B1)の重量比は、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満である。
【0076】
前の先行実施形態の更により好ましい実施形態において、ビニルエステルモノマー(B1)以外に、本質的に、モノマー(B2)は、用いられない。
【0077】
平均重合温度は、適切には、50~140℃、好ましくは60~120℃、より好ましくは65~110℃の範囲である。
【0078】
50~140℃の温度範囲におけるその分解半減期が20~500分である好適な開始剤(C)の例は、
- tert-C~C12アルキルヒドロペルオキシド及びtert-(C~C12アラルキル)ヒドロペルオキシドのO-C~C12アシル化誘導体、例えば、過酢酸tert-ブチル、モノペルオキシマレイン酸tert-ブチル、ペルオキシイソ酪酸tert-ブチル、ペルオキシピバル酸tert-ブチル、ペルオキシネオヘプタン酸tert-ブチル、ペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチル、ペルオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサン酸tert-ブチル、ペルオキシネオデカン酸tert-ブチル、ペルオキシピバル酸tert-アミル、ペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-アミル、ペルオキシネオデカン酸tert-アミル、ペルオキシネオデカン酸1,1,3,3-テトラメチルブチル、ペルオキシネオデカン酸クミル、ペルオキシ安息香酸tert-ブチル、ペルオキシ安息香酸tert-アミル及びジペルオキシフタル酸ジ-tert-ブチルなど;
- tert-C~C14アルキレンビスペルオキシドのジ-O-C-C12アシル化誘導体、例えば、2,5-ジメチル-2,5-ジ(2-エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン及び1,3-ジ(2-ネオデカノイルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなど;
- ジ(C~C12アルカノイル)及びジベンゾイルペルオキシド、例えば、ジアセチルペルオキシド、ジプロピオニルペルオキシド、ジコハク酸ペルオキシド、ジカプリロイルペルオキシド、ジ(3,5,5-トリメチルヘキサノイル)ペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ジ(4-メチルベンゾイル)ペルオキシド、ジ(4-クロロベンゾイル)ペルオキシド及びジ(2,4-ジクロロベンゾイル)ペルオキシドなど;
- ペルオキシ(C~C12アルキル)炭酸tert-C~Cアルキル、例えば、ペルオキシ(2-エチルヘキシル)炭酸tert-アミルなど;
- ペルオキシ二炭酸ジ(C~C12アルキル)、例えば、ペルオキシ二炭酸ジ(n-ブチル)及びペルオキシ二炭酸ジ(2-エチルヘキシル)など
である。
【0079】
平均重合温度に応じて、特に好適な開始剤(C)の例は、
- 50~60℃の平均重合温度において、
ペルオキシネオヘプタン酸tert-ブチル、ペルオキシネオデカン酸tert-ブチル、ペルオキシピバル酸tert-アミル、ペルオキシネオデカン酸tert-アミル、ペルオキシネオデカン酸1,1,3,3-テトラメチルブチル、ペルオキシネオデカン酸クミル、1,3-ジ(2-ネオデカノイルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ペルオキシ二炭酸ジ(n-ブチル)及びペルオキシ二炭酸ジ(2-エチルヘキシル);
- 60~70℃の平均重合温度において、
ペルオキシピバル酸tert-ブチル、ペルオキシネオヘプタン酸tert-ブチル、ペルオキシネオデカン酸tert-ブチル、ペルオキシピバル酸tert-アミル及びジ(2、4-ジクロロベンゾイル)ペルオキシド;
- 70~80℃の平均重合温度において、
ペルオキシピバル酸tert-ブチル、ペルオキシネオヘプタン酸tert-ブチル、ペルオキシピバル酸tert-アミル、過酸化ジプロピオニル、過酸化ジカプリロイル、過酸化ジデカノイル、過酸化ジラウロイル、過酸化ジ(2,4-ジクロロベンゾイル)及び2,5-ジメチル-2,5-ジ(2-エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン;
- 80~90℃の平均重合温度において、
ペルオキシイソ酪酸tert-ブチル、ペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチル、ペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-アミル、過酸化ジプロピオニル、過酸化ジカプリロイル、過酸化ジデカノイル、過酸化ジラウロイル、過酸化ジ(3,5,5-トリメチルヘキサノイル)、過酸化ジベンゾイル及び過酸化ジ(4-メチルベンゾイル);
- 90~100℃の平均重合温度において、
ペルオキシイソ酪酸tert-ブチル、ペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチル、モノペルオキシマレイン酸tert-ブチル、ペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-アミル、過酸化ジベンゾイル及び過酸化ジ(4-メチルベンゾイル);
- 100~110℃の平均重合温度において、
モノペルオキシマレイン酸tert-ブチル、ペルオキシイソ酪酸tert-ブチル及びペルオキシ(2-エチルヘキシル)炭酸tert-アミル;
- 110~120℃の平均重合温度において、
モノペルオキシマレイン酸tert-ブチル、ペルオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサン酸tert-ブチル及びペルオキシ(2-エチルヘキシル)炭酸tert-アミル
である。
【0080】
好ましい開始剤(C)は、tert-C~CアルキルヒドロペルオキシドのO-C~C12アシル化誘導体であり、ペルオキシピバル酸tert-ブチル及びペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルが特に好ましい。
【0081】
特に有利な重合条件は、開始剤(C)及び重合温度の正確な調整によって容易に設定することができる。例えば、ペルオキシピバル酸tert-ブチルを使用した場合の好ましい平均重合温度は、60~80℃であり、ペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルの場合には80~100℃である。
【0082】
本発明の重合反応は、好ましくは、少量の有機溶媒(D)の存在下で実施することができる。当然のことながら、異なる溶媒(D)の混合物を使用することも可能である。水溶性又は水混和性溶媒を使用することが好ましい。
【0083】
溶媒(D)が希釈剤として使用される場合、それぞれの場合に構成成分(A)、(B1)、任意選択的に(B2)及び(C)の合計を基準として概して1~40重量%、好ましくは1~35重量%、より好ましくは1.5~30重量%、最も好ましくは2~25重量%が使用される。
【0084】
好適な溶媒(D)の例としては、
- 一価アルコール、好ましくは脂肪族C~C16アルコール、より好ましくは脂肪族C~C12アルコール、最も好ましくはC~Cアルコール、例えばエタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、sec-ブタノール及びtert-ブタノールなど;
- 多価アルコール、好ましくはC~C10ジオール、より好ましくはC~Cジオール、最も好ましくはC~Cアルキレングリコール、例えばエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール及び1,3-プロピレングリコールなど;
- アルキレングリコールエーテル、好ましくは、アルキレングリコールモノ(C~C12アルキル)エーテル及びアルキレングリコールジ(C~Cアルキル)エーテル、より好ましくは、アルキレングリコールモノ-及びジ(C~Cアルキル)エーテル、最も好ましくは、アルキレングリコールモノ(C~Cアルキル)エーテル、例えばエチレングリコールモノメチル及びエチルエーテル並びにプロピレングリコールモノメチル及びエチルエーテルなど;
- ポリアルキレングリコール、好ましくは2~20個のC~Cアルキレングリコール単位を有するポリ(C~Cアルキレン)グリコール、より好ましくは2~20個のエチレングリコール単位を有するポリエチレングリコール及び2~10個のプロピレングリコール単位を有するポリプロピレングリコール、最も好ましくは2~15個のエチレングリコール単位を有するポリエチレングリコール及び2~4個のプロピレングリコール単位を有するポリプロピレングリコール、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びトリプロピレングリコールなど;
- ポリアルキレングリコールモノエーテル、好ましくは2~20個のアルキレングリコール単位を有するポリ(C~Cアルキレン)グリコールモノ(C~C25アルキル)エーテル、より好ましくは2~20個のアルキレングリコール単位を有するポリ(C~Cアルキレン)グリコールモノ(C~C20アルキル)エーテル、最も好ましくは3~20個のアルキレングリコール単位を有するポリ(C~Cアルキレン)グリコールモノ(C~C16アルキル)エーテル;
- カルボン酸エステル、好ましくはC~Cカルボン酸のC~Cアルキルエステル、より好ましくはC~Cカルボン酸のC~Cアルキルエステル、最も好ましくはC~Cカルボン酸のC~Cアルキルエステル、例えば酢酸エチル及びプロピオン酸エチルなど;
- 好ましくは3~10個の炭素原子を有する脂肪族ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン及びシクロヘキサノンなど;
- 環状エーテル、特にテトラヒドロフラン
が挙げられる。
【0085】
溶媒(D)は、有利には、本発明のグラフトポリマーを使用(例えば、洗浄及び洗浄組成物中における)のために配合するためにも使用される、それらの溶媒であり、そのため、重合生成物中に残留することができる。
【0086】
これらの溶媒の好ましい例は、2~15個のエチレングリコール単位を有するポリエチレングリコール、2~6個のプロピレングリコール単位を有するポリプロピレングリコール及び特にC~Cアルコールのアルコキシ化生成物(アルキレングリコールモノアルキルエーテル及びポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル)である。
【0087】
ここで、分岐度の高いC~C16アルコールのアルコキシ化生成物が特に好ましく、それは、40~70℃で自由流動性であり、且つ比較的低い粘度で非常に低いポリマー含有量を有するポリマー混合物の配合を可能にする。分岐は、アルコールのアルキル鎖中に及び/又はポリアルコキシレート部分(少なくとも1つのプロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はイソブチレンオキシド単位の共重合)中に存在し得る。これらのアルコキシ化生成物の特に好適な例は、1~15モルのエチレンオキシドでアルコキシ化された2-エチルヘキサノール又は2-プロピルヘプタノール、1~15モルのエチレンオキシド及び1~3モルのプロピレンオキシドでアルコキシ化されたC13/C15オキソアルコール又はC12/C14若しくはC16/C18脂肪アルコールであり、1~15モルのエチレンオキシド及び1~3モルのプロピレンオキシドでアルコキシ化された2-プロピルヘプタノールが好ましい。
【0088】
代わりの実施形態において、重合は、少なくとも1種の有機溶媒と水との混合物を使用して行われる。
【0089】
更なる代わりの実施形態において、重合は、水を溶媒(D)として使用して行われる。
【0090】
ラジカル開始剤(C)は、好ましくは、先に言及された溶媒の1つ中の濃厚溶液の形態で使用される。濃度は、当然のことながら、ラジカル開始剤の溶解度に依存する。濃度は、できるだけ少ない有機溶媒を重合反応に導入することを可能にするためにできるだけ高いことが好ましい。開始剤が水に可溶性であり、したがって水が、開始剤を導入するための溶媒として使用される場合、濃度は、水の残留レベルの観点から決定的に重要であるわけではない。
【0091】
好ましい実施形態において、水の量は、少なく、好ましくは全溶媒を基準として5重量%未満、より好ましくは1%未満である。
【0092】
本発明によるプロセスにおいて、ポリマー主鎖(A)、グラフトモノマー(B1)及び適切であれば(B2)、開始剤(C)並びに適切であれば溶媒(D)は、通常、反応器中において、選択された平均重合温度に加熱される。
【0093】
本発明によれば、重合は、過剰のポリマー(ポリマー主鎖(A)及び形成されたグラフトポリマー(B))が反応器中に常に存在するような方法で実施される。ポリマー対非グラフト化モノマー及び開始剤の量比は、概して、10:1以上、好ましくは15:1以上、より好ましくは20:1以上である。
【0094】
本発明による重合プロセスは、原則として、様々な反応器タイプで実施することができる。
【0095】
使用される反応器は、好ましくは、撹拌槽であり、その中に最初にポリマー主鎖(A)の全部又は一部、適切であればグラフトモノマー(B1)又は(B2)、開始剤(C)及び溶媒(D)の特定の総量の概して最大で15重量%の部分と一緒に装入され、重合温度に加熱され、(B)、(C)及び適切であれば(D)の残りの量が好ましくは別々に計量供給される。(B)、(C)及び適切であれば(D)の残りの量は、好ましくは、2時間以上、より好ましくは4時間以上、最も好ましくは5時間以上の期間にわたって計量供給される。
【0096】
特に好ましい実質的に無溶媒プロセス変形形態の場合、ポリマー主鎖(A)の全量が最初に溶融物として装入され、グラフトモノマー(B1)及び適切であれば(B2)並びにまた好ましくは1種の溶媒(D)中の10~50重量%溶液の形態で存在する開始剤(C)が計量供給され、温度は、選択された平均重合温度が、重合中平均して、とりわけ+/-10℃、特に+/-5℃の範囲で維持されるように制御される。
【0097】
更なる特に好ましい、低溶媒プロセス変形形態において、手順は、反応混合物の粘度を制限するために溶媒(D)が重合中に計量供給されることを除いて、上で記載された通りである。重合が進行した後の時点でのみ溶媒の計量供給添加を開始すること又はそれを分割して添加することが可能である。
【0098】
重合は、標準圧力下で又は減圧若しくは高圧で影響を受けることができる。使用されるモノマー(B1)若しくは(B2)又は任意の希釈剤(D)の沸点が選択された圧力において超えている場合、重合は、還流冷却しながら実施される。
【0099】
後重合プロセスステップが主重合反応後に追加され得る。そのために、更なる量の開始剤(溶媒中に溶解されている)を0.5時間超及び典型的には最大で3時間、好ましくは約1~2時間、より好ましくは約1時間の期間にわたって添加することができ(しかしながら、そのような継続時間は、反応器の規模にも依存する)、ラジカル開始剤及び開始剤のための溶媒は、典型的には - 及び好ましくは - 主重合反応のためのものと同じである。当然のことながら、異なるラジカル開始剤及び/又は異なる溶媒が同様に良好に使用され得る。
【0100】
後重合プロセスステップの温度は、主重合反応でのものと同じであり得る(それは、本発明において好ましい)か又は上昇され得る。上昇させる場合、それは、典型的には、約5~40℃、好ましくは10~20℃高いものであり得る。
【0101】
後重合と主重合との間で一定の期間が待機され得、そこで、主重合反応が進行され、その後、更なるラジカル開始剤の添加を開始することによって後重合反応を開始される。
【0102】
大気圧でおよそ約110~120℃未満の沸点を有する溶媒に関しては、そのような溶媒は、- 精製ステップとして - 熱若しくは真空蒸留又は全て周囲圧力若しくは減圧での、水から製造された水蒸気でのストリッピングなど、水蒸気若しくは窒素などのガスでのストリッピング、好ましくは真空蒸留によって部分的に又は本質的に完全に除去され得る一方、より高沸点溶媒は、通常、得られたポリマー生成物中に留まるであろう。メルカプトエタノールが連鎖移動調整剤として使用される場合、水蒸気蒸留が、精製の好ましいステップである。そのため、1-メトキシ-2-プロパノール、1,2-プロパンジオール及びトリプロピレングリコールのようなより高沸点溶媒は、ポリマー生成物中に留まり、したがってそれらの量は、そのような溶媒が開始剤を導入するためにのみ使用される場合、できるだけ高い濃度のラジカル開始剤を使用することによってできる限り最小限されるべきであり、そのような溶媒が配合物の一部も形成しない限り、グラフトポリマーは、内部で使用されるであろう。
【0103】
本発明のグラフトポリマー、すなわち本プロセスから得られたポリマー溶液は、濃縮又は乾燥の手段にも供され得る。
【0104】
得られたグラフトポリマー溶液は、固体ポリマー濃度を上げるために溶媒の一部を除去することによって濃縮され得る。これは、所望の固形分が達成されるまで行われる熱又は真空蒸留などの蒸留プロセスによって達成され得る。そのようなプロセスは、先に開示されたような精製ステップと組み合わせることができ、得られたグラフトポリマー溶液は、所望の量の溶媒を除去することにより、揮発性溶媒及び/又は未反応の揮発性モノマーなどの揮発性構成成分の一部又は全部を除去することによって精製される。グラフトポリマー溶液は、主重合ステップ及び任意選択的な後重合ステップ並びに任意選択的な精製ステップ後、乾燥、例えばローラー-ドラム乾燥、噴霧乾燥、真空乾燥又は凍結乾燥、好ましくは - 主に費用の理由のために - 噴霧乾燥など、揮発性物質を部分的に又は完全に除去する手段にグラフトポリマー溶液を供することによっても更に濃縮又は乾燥され得る。そのような乾燥プロセスは、凝集又は造粒プロセス、例えば噴霧凝集又は流動床乾燥機における造粒又は乾燥とも組み合わされ得る。
【0105】
使用
原則として、本発明のグラフトポリマーは、任意の用途に使用して同じ又は非常に類似した組成の(ポリマー主鎖及びグラフトされたモノマーの相対量の点において、とりわけグラフトされたモノマーのタイプ及び量が類似しているか又は匹敵する場合)従来のグラフトポリマーに取って代わることができる。そのような用途は、例えば、下記である。
【0106】
化粧品、パーソナルケア:そのような組成物及び配合物としては、シャンプー、ローション、ジェル、スプレー、石けん、メークアップ用パウダー、口紅、ヘアスプレーが挙げられる。
【0107】
技術的用途:そのような組成物及び配合物としては、任意の種類の接着剤、非水系及び - 好ましくは - 水系の液体配合物又は固体配合物、典型的には固体又は液体別の液体又は固体内に分散される、油田用途、自動車用途においてなど、任意の種類の分散系中の分散剤としての使用が挙げられる。
【0108】
ラッカー、塗料及び着色剤配合物:そのような組成物及び配合物としては、非水系の及び - 好ましくは - 水系のラッカー及び着色剤、塗料、仕上げ剤が挙げられる。
【0109】
農業用配合物:そのような組成物及び配合物としては、液体、半固体、混合液体-固体又は固体環境内に農芸化学的活性物質を含有する配合物及び組成物が挙げられる。
【0110】
香料配合物:そのような組成物及び配合物としては、香料を液体又は固形組成物中に溶解させて又は分散させて、例えばそれらの香りプロファイルを長時間にわたって維持するように、均等に分散させる及び/又はそれらの安定性を保持する配合物が挙げられ;長時間放出又は遅延放出配合物など、経時的に香料の放出を示す組成物も包含される。
【0111】
そのため、本発明の別の主題は、本発明の及び/又は本発明のプロセスによって得られるか若しくは得ることができる及び/又は先に詳述されたグラフトポリマーの、布地ケア及びホームケア製品中における、化粧品及びパーソナルケア配合物中における、原油エマルジョン破壊剤としての、インクジェットインクのための顔料分散体中におけるなどの技術的用途での、電気めっき用配合物中における、セメント系組成物中における、例えば分散剤、結晶成長抑制剤及び/又は可溶化剤として農薬配合物中における、ラッカー及び着色剤配合物中における、好ましくは農薬組成物及び洗浄組成物中における並びに布地ケア及びホームケア製品中における、特に向上した油性及び脂肪性汚れ除去、粘土などの固体泥の除去、布地表面の灰色化の防止のための洗浄組成物並びに/又はスケール防止剤での使用であって、洗浄組成物は、好ましくは、洗濯洗剤配合物及び/又は食器洗浄用洗剤配合物であり、より好ましくは液体洗濯洗剤配合物及び/又は液体手動食器洗浄用洗剤配合物である、使用又は代わりの好ましい実施形態において、例えば分散剤、結晶成長抑制剤及び/又は可溶化剤として使用するための、農薬組成物中における使用である。
【0112】
そのため、本発明の他の主題は、それぞれ上で定義されたような又は本発明のプロセスによって得られるか若しくは得ることができる及び/又は本明細書で詳述されるような少なくとも1種のグラフトポリマーを含む、好ましくは洗濯洗剤、洗浄組成物及び/又は布地ケア及びホームケア製品中における、洗浄組成物、布地ケア及びホームケア製品、業務用洗浄製品、化粧品又はパーソナルケア製品、原油エマルジョン破壊剤又は分散剤又はガス水和物阻害剤などの油田用配合物、例えばインクジェットインク及びグラフトポリマーを含有するインクのための顔料分散体、電気めっき製品、セメント系組成物、ラッカー、塗料、農薬配合物でもある。
【0113】
本発明の更なる主題は、本発明の及び/又は上記のような少なくとも1種のグラフトポリマーをそれぞれ含有する、布地ケア及びホームケア製品、洗浄組成物、業務用洗浄製品、化粧品又はパーソナルケア製品、原油エマルジョン破壊剤などの油田用配合物、インクジェットインクなどのインクのための顔料分散体、電気めっき製品、セメント系組成物、ラッカー、塗料、農薬配合物、好ましくは洗濯洗剤、洗浄組成物並びに/又は布地ケア及びホームケア製品である。
【0114】
洗濯洗剤、洗浄組成物並びに/又は布地ケア及びホームケア製品は、それら自体当業者に公知である。それぞれの使用に関連して、当業者に公知のいかなる組成物等も本発明に関連して使用することができる。
【0115】
好ましい実施形態において、それは、上で定義されたような少なくとも1種のグラフトポリマーを含む、洗浄組成物並びに/又は布地ケア及びホームケア製品並びに/又は業務用洗浄製品である。特に、それは、向上した洗浄性能及び/又は - (好ましくは「及び」) - 例えば固体の再沈着及び汚れの除去に関して向上した再沈着防止のための洗浄組成物、好ましくは洗濯洗剤配合物及び/又は手動食器洗浄用洗剤配合物、より好ましくは液体洗濯洗剤配合物及び/又は液体手動食器洗浄用洗剤配合物である。
【0116】
グラフトポリマーは、界面活性剤による繊維製品又は硬表面からの身体汚物、食品及びグリース汚物など、様々な疎水性及び親水性汚物、粘土又はカーボンブラックなどの微粒子汚物、草汚物、メーキャップ、モーターオイル等の除去を支援し、こうして配合物の洗浄及び洗浄性能を向上させる。
【0117】
更に、グラフトポリマーはまた、洗浄又は洗浄液での除去された汚物のより良好な分散をもたらし、洗浄された又はきれいにされた材料の表面上に再沈着を防ぐ。本明細書では、除去された汚物には、洗濯プロセスに存在する全ての典型的な汚物、例えば、身体汚物、食品及びグリース汚物、粘土又はカーボンブラックなどの微粒子汚物、草汚物、メーキャップ、モーターオイル等が含まれる。そのような再沈着防止効果は、コットン、ポリコットン、ポリエステル、ポリエーテル/ポリ尿素のコポリマー(Spandex(商標))等など、様々な布地タイプに関して観察することができる。加えて、そのような再沈着防止効果は、布地エンハンサー歴史を有する布地に関して或いは布地洗浄が布地エンハンサー又は鮮度ビーズ若しくは漂白剤などの他の洗濯補助剤の存在下で実施される場合にも効果的である。
【0118】
一実施形態において、洗浄組成物は、(上記のような少なくとも1種のグラフトポリマーに加えて)1種以上のリパーゼ、ヒドロラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ、ペクチン酸リアーゼ、クチナーゼ、DNase、キシラナーゼ、オキシドレダクターゼ、ディスパーシン、マンナナーゼ及びペルオキシダーゼ並びに上記の種類の少なくとも2つの組合せから好ましくは選択される少なくとも1種の酵素を任意選択的に更に含む1種以上から好ましくは選択される少なくとも1種の酵素を追加的に含むことも本発明で好ましく、好ましくは、少なくとも1種の酵素は、リパーゼから選択される。
【0119】
そのため、本発明の別の主題は、上で定義されたような少なくとも1種のグラフトポリマーを含む、布地ケア及びホームケア製品並びに業務用(I&I)洗浄製品などの洗浄組成物、特に向上した洗浄及び再沈着防止性能(先に詳述されたような作用)のための洗浄組成物である。
【0120】
本明細書に記載されるような少なくとも1種のグラフトポリマーは、前記本発明の洗浄組成物中において、そのような組成物又は製品の総重量に対して約0.01%~約20%、好ましくは約0.05%~15%、より好ましくは約0.1%~約10%、最も好ましくは約0.5%~約5%の範囲の濃度で存在し;そのような洗浄組成物は、約1重量%~約70重量%の界面活性剤系を更に含み得る - 及び好ましくは含む。
【0121】
好ましくは、そのような本発明の洗浄組成物は、布地ケア及びホームケア製品又は業務用(I&I)洗浄製品、好ましくは布地ケア及びホームケア製品、より好ましくは少なくとも1種の本発明のグラフトポリマーを含み、任意選択的に少なくとも1種の界面活性剤又は界面活性剤系を更に含み、向上した汚物の除去、分散及び/若しくは乳化並びに/又は被処理面の改質及び/若しくは被処理面の白度維持を提供する洗濯洗剤又は手動食器洗浄用洗剤である。
【0122】
更により好ましくは、少なくとも1種の本発明のグラフトポリマーを含み、任意選択的に少なくとも1種の界面活性剤又は界面活性剤系を更に含む - 先に詳述されたような - 本発明の洗浄組成物は、洗濯及び手動食器洗浄用途内で洗浄及び再沈着防止性能のための、更により具体的には、布地及び食卓用食器類などの向上した洗浄及び再沈着防止性能(先に詳述されたような作用)のためのものであり、1種以上のリパーゼ、ヒドロラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ、ペクチン酸リアーゼ、クチナーゼ、DNase、キシラナーゼ、オキシドレダクターゼ、ディスパーシン、マンナナーゼ及びペルオキシダーゼ並びに上記の種類の少なくとも2つの組合せから好ましくは選択される、好ましくは1種以上のリパーゼ、ヒドロラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ及び上記の種類の少なくとも2つの組合せから選択される少なくとも1種の酵素を任意選択的に更に含む1種以上から好ましくは選択される少なくとも1種の酵素からなる、任意選択的にそれを更に含むリストから選択される少なくとも1種の酵素を追加的に含み得、より好ましくは、少なくとも1種の酵素は、リパーゼから選択される。
【0123】
本発明の一実施形態において、本発明のグラフトポリマーは、向上した洗浄及び再沈着防止性能(先に詳述されたような作用)、例えば微粒子汚れ並びに/又は油性及び脂肪質汚れの一次洗浄及び/又は汚物除去のために、且つ/又は追加的に好ましくは洗濯ケアにおいて白度維持のために使用され得る。他の好ましい実施形態において、本発明のグラフトポリマーは、布地の灰色化の低減(灰色化防止)、好ましくは存在するような先で述べられた作用の1つ超、すなわち本発明のグラフトポリマーによって示される、向上した洗浄、再沈着防止、一次洗浄、微粒子汚れ並びに/又は油性及び脂肪質汚れの汚物除去、白度維持及び/又は灰色化防止の1つ超のために使用され得る。
【0124】
1つの好ましい実施形態において、本発明の洗浄組成物は、液体又は固体洗濯洗剤組成物である。
【0125】
別の好ましい実施形態において、本発明の洗浄組成物は、手動又は自動食器洗浄のための液体又は固体(例えば、粉末又は錠剤/単位用量)洗剤組成物、好ましくは液体手動食器洗浄用洗剤組成物である。そのような組成物は、当業者に公知である。
【0126】
別の実施形態において、本発明の洗浄組成物は、硬質木材、タイル、セラミック、プラスチック、皮革、金属、ガラスなどの様々な表面をきれいにするために使用され得る硬表面洗浄組成物である。
【0127】
別の実施形態において、洗浄組成物は、シャンプー組成物、身体洗浄用配合物、液体又は固形石けんなどの化粧品、パーソナルケア及びペットケア組成物に使用されるように設計される。
【0128】
一実施形態において、本発明のグラフトポリマーは、第一界面活性剤主剤としてのC10~C15アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)と、非イオン性、カチオン性、両性、双性イオン性若しくは他のアニオン性界面活性剤又はそれらの混合物から選択される1種以上の追加の界面活性剤とを含む界面活性剤系を含む、洗浄組成物に利用され得る。
【0129】
更なる実施形態において、本発明のグラフトポリマーは、第一界面活性剤としての1~5個のエトキシ単位を有するC8~C18直鎖又は分岐アルキルエーテル硫酸塩と、非イオン性、カチオン性、両性、両性イオン性若しくは他のアニオン性界面活性剤又はそれらの混合物から選択される1種以上の追加の界面活性剤とを含む、任意の種類の洗濯洗剤等などの洗浄組成物に利用され得る。
【0130】
更なる実施形態において、本発明のグラフトポリマーは、第一界面活性剤としての5~10個のエトキシ単位を有するC12~C18アルキルエトキシレート界面活性剤と、アニオン性、カチオン性、両性、双性イオン性若しくは他の非イオン性界面活性剤又はこれらの混合物から選択される1種以上の追加の界面活性剤とを含む、任意の種類の洗濯洗剤などの洗浄組成物に利用され得る。
【0131】
本発明の一実施形態において、グラフトポリマーは、それぞれ少なくとも1種の界面活性剤、好ましくは少なくとも1種のアニオン性界面活性剤を追加的に含む、好ましくは洗濯用又は食器洗浄用配合物、より好ましくは液体洗濯又は手動食器洗浄用洗剤配合物などの洗浄組成物の構成成分である。
【0132】
更なる実施形態において、本発明は、本明細書で先に記載されたようなグラフトポリマーを含む組成物も包含し、好ましくは2-フェノキシエタノールからなる群から選択される、より好ましくは前記抗菌剤を組成物の2ppm~5重量%の範囲の量で含む;更により好ましくは、0.1~2%のフェノキシエタノールを含む、本明細書で後に開示されるような抗菌剤を更に含む。
【0133】
更なる実施形態において、本発明は、微生物汚染又は増殖に対して水性組成物を保存するする方法も包含し、そのような組成物は、本明細書で先に記載されたようなグラフトポリマーを含み、そのような組成物は、好ましくは、洗剤組成物であり、そのような方法は、本明細書で後に開示されるような本開示の抗菌剤から選択される少なくとも1種の抗菌剤を添加することを含み、そのような抗菌剤は、好ましくは、2-フェノキシエタノールである。
【0134】
更なる実施形態において、本発明は、組成物、好ましくは洗浄組成物、より好ましくは液体洗濯洗剤組成物又は液体食器手動洗浄用組成物、更により好ましくは液体洗濯洗剤組成物又は洗濯に使用するための液体柔軟剤組成物も包含し、そのような組成物は、本明細書で先に記載されたようなグラフトポリマーを含み、そのような組成物は、4,4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテルを、それぞれ組成物の重量で0.001~3%、好ましくは0.002~1%、より好ましくは0.01~0.6%の濃度で更に含む。
【0135】
更なる実施形態において、本発明は、布地を洗濯する又は硬表面をきれいにする方法も包含し、その方法は、布地又は硬表面を洗浄組成物、より好ましくは液体洗濯洗剤組成物若しくは液体食器手動洗浄用組成物、更により好ましくは液体洗濯洗剤組成物又は洗濯に使用するための液体柔軟剤組成物で処理することを含み、そのような組成物は、それぞれ本明細書で先に記載されたようなグラフトポリマーを含み、そのような組成物は、4,4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテルを更に含む。
【0136】
これらの実施形態における追加の界面活性剤の選択は、用途及び所望の便益に依存し得る。
【0137】
洗浄組成物、配合物及びそれらの成分の説明
本明細書で用いるような「洗浄組成物」という語句には、汚れた材料をきれいにするために設計された組成物及び配合物が含まれる。そのような組成物及び配合物には、任意の種類の汚れた材料又は表面をきれいにするために設計されたものが含まれる。
【0138】
「業務用洗浄」組成物には、タイル、カーペット、PVC表面、木材表面、金属表面、ラッカー塗装面を含む、任意の種類の表面のための硬表面クリーナーなど、任意の種類の汚れた材料又は表面をきれいにする使用のためのものなど、業務用洗浄で使用するために設計されているそのような洗浄組成物が含まれる。
【0139】
「布地ケア及びホームケア用組成物」としては、洗濯洗浄組成物及び洗剤、布地柔軟化組成物、布地高機能化組成物、布地清新化組成物、洗濯物予洗い用洗剤、洗濯物前処理剤、洗濯補助剤、スプレー製品、ドライ洗浄剤又は組成物、洗濯物濯ぎ用添加剤、洗浄用添加剤、濯ぎ後布地処理剤、アイロン掛け補助剤。食器洗浄用組成物、硬表面洗浄組成物、単位用量配合物、遅延送達配合物、多孔質基材又は不織シートの上又は中に含有される洗剤、低負荷用液体洗剤組成物、高負荷用液体洗剤組成物、洗濯用に一般に使用される洗剤ジェル、漂白用組成物、洗濯補助剤、布地エンハンサー組成物並びに本明細書での教示を考慮して当業者に明らかであり得る他の好適な形態が挙げられるが、それらに限定されない。そのような組成物は、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用され得るか、又は洗濯作業の濯ぎ又は洗浄サイクル中、好ましくは洗濯又は食器洗浄作業の洗浄サイクル中に添加され得る。より好ましくは、布地ケア及びホームケアのためのそのような組成物は、洗濯洗浄組成物、洗濯ケア製品又は洗濯洗浄製品、最も好ましくは液体洗濯洗剤配合物又は液体洗濯洗剤製品である。
【0140】
本発明の洗浄組成物は、任意の形態、すなわちペースト、ジェル、エマルジョン、フォーム及びムースなどの液体含有組成物タイプを含む「液体」組成物;粉末、顆粒、マイクロカプセル、ビーズ、ヌードル、真珠光沢球、凝集体、錠剤、粒状組成物、シート、トローチ、ビーズ、繊維状物品、棒状体、フレークなどの固形組成物;又はそれらの混合物の形態;シングル、ユーダル又はマルチ区画小袋又は容器で配送されるタイプ;単相又は多層の単位用量;スプレー又は泡洗剤;ウェットタイプのワイプ(すなわちMackeyらによる米国特許第6,121,165号明細書で論じられるものなどの不織材料と組み合わせた洗浄組成物);使用者又は消費者によって水で活性化されるドライワイプ(すなわちFowlerらによる米国特許第5,980,931号明細書で論じられるものなど、不織材料と組み合わせた洗浄組成物);並びに他の均質、不均質又は単相若しくは多相の洗浄製品形態であり得る。
【0141】
組成物は、単又は多区画小袋に封入することができる。多区画小袋は、少なくとも2つ、少なくとも3つ又は少なくとも4つの区画を有し得る。多区画化小袋は、隣り合っており、且つ/又は重ね合わせられている区画を含む。小袋又はその区画に含有される組成物は、液体、固体(粉末などの)又はそれらの組合せであり得る。
【0142】
「液体」/「液体組成物」の非限定的な例としては、低負荷用及び高負荷用液体洗剤組成物、布地エンハンサー、洗濯のために一般的に使用される洗剤ジェル、漂白剤及び洗濯補助剤が挙げられる。ガス、例えば懸濁バブル又は固体、例えば粒子が液体内に含まれ得る。
【0143】
本発明の液体洗浄組成物は、好ましくは、50~10000mPa・sの粘度を有し、液体手動食器洗浄組成物(また液体手動「食器洗浄用組成物」)は、20 1/s及び20℃で、好ましくは100~10000mPa・s、より好ましくは200~5000mPa・s、最も好ましくは500~3000mPa・sの粘度を有し;液体洗濯洗浄組成物は、20 1/s及び20℃で、好ましくは50~3000mPa・s、より好ましくは100~1500mPa・s、最も好ましくは200~1000mPa・sの粘度を有する。
【0144】
本発明の液体洗浄組成物は、任意の好適なpH値を有し得る。好ましくは、組成物のpHは、4~14に調整される。より好ましくは、組成物は、6~13、更により好ましくは6~10、最も好ましくは7~9のpHを有する。組成物のpHは、当技術分野で公知のpH調整成分を使用して調整することができ、25℃の脱塩水中で10%製品濃度として測定される。例えば、NaOHが使用され得、NaOHの実際の重量%が変化し得、pH8.0などの所望のpHまで整えられ得る。本発明の一実施形態において、アミン類、好ましくはアルカノールアミン、より好ましくはトリエタノールアミンを使用することによって7超のpHに調整され得る。
【0145】
布地ケア及びホームケア製品並びに業務用洗浄のための配合物など、より具体的には洗濯及び手動食器洗浄用洗剤などの洗浄組成物は、当業者に公知である。それぞれの用途に関連する、当業者に公知の任意の組成物等は、とりわけそのような組成物がその使用分野で使用される場合、少なくとも1種の本発明のポリマー、好ましくは少なくとも1種のポリマーをそのような組成物中である種の特性を発現させるのに好適な量で含めることにより、本発明に関連して使用することができる。
【0146】
本発明の一態様は、洗剤配合物のための、特に液体洗剤配合物、好ましくは濃厚液体洗剤配合物のための添加剤又は洗濯のための単一モノ用量剤としての本発明のポリマーの使用でもある。
【0147】
本発明の洗浄組成物は、補助洗浄添加剤(本明細書では「補助剤」とも省略される)を含有し得、- 好ましくは含有し、そのような補助剤は、好ましくは、先に定義されたような界面活性剤系に加えてである。
【0148】
好適な補助洗浄添加剤としては、ビルダー、コビルダー、界面活性剤系、脂肪酸及び/又はその塩、構造化剤、増粘剤及びレオロジー調整剤、粘土/汚物除去/再沈着防止剤、高分子異物放出剤、高分子分散剤などの分散剤、高分子グリース洗浄剤、可溶化剤、両性コポリマー(ビニルピロリドンを含まないものなど)、キレート剤、酵素、酵素安定化系、カプセル化香料などのカプセル化便益剤、漂白化合物、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、触媒物質、増白剤、悪臭抑制剤、顔料、染料、乳白剤、真珠光沢剤、色調補正剤、染料移動防止剤、布地柔軟剤、担体、起泡促進剤、抑泡剤(消泡剤)、着色粒子、銀製品手入れ剤、曇り防止及び/又は腐食防止剤、アルカリ源、pH調整剤、pH緩衝剤、ヒドロトロープ剤、スクラビング粒子、抗細菌剤及び抗微生物剤、防腐剤、酸化防止剤、柔軟剤、担体、充填材、溶媒、加工助剤、香料前駆体並びに香料が挙げられる。
【0149】
補助剤は、組成物の意図される使用に好適なレベルで組成物中に存在し得る。典型的な使用レベルは、蛍光増白剤などの補助剤に関して組成物の0.001重量%ほどに低いからビルダーに関して組成物の50重量%までの範囲である。
【0150】
液体洗浄組成物は、界面活性剤系及びグラフトポリマーに加えてレオロジー制御/調整剤、皮膚軟化剤、保湿剤、皮膚若返り活性物質及び溶媒を追加的に含み得る - 及び好ましくはその少なくとも1つ - を含む。
【0151】
固形組成物は、充填剤、漂白剤、漂白活性化剤及び触媒物質を追加的に含み得る - 及び好ましくはその少なくとも1つを含む。
【0152】
そのような洗浄補助剤及び使用のレベルの好適な例は、国際公開第99/05242号パンフレット、米国特許第5,576,282号明細書、同第6,306,812B1号明細書及び同第6,326,348B1号明細書に見出される。
【0153】
当業者は、洗浄作用のある界面活性剤が、洗浄、汚れの除去又は洗濯便益を汚れた材料に提供する任意の界面活性剤又は界面活性剤の混合物が包含することを理解するであろう。
【0154】
そのため、布地ケア及びホームケア製品並びに業務用洗浄のための配合物など、より具体的には洗濯及び手動食器洗浄用洗剤などの本発明の洗浄組成物は、好ましくは、上で及び下でより詳細に記載されるもののような、界面活性剤系を追加的に含み、より好ましくは補助剤も更に含む。
【0155】
界面活性剤系は、1種の界面活性剤又はアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びそれらの混合物から選択される界面活性剤の組合せから構成され得る。当業者は、洗剤のための界面活性剤系が、洗浄、汚れの除去又は洗濯便益を汚れた材料に提供する任意の界面活性剤又は界面活性剤の混合物を包含することを理解するであろう。
【0156】
本発明の洗浄組成物は、好ましくは、界面活性剤系を、所望の洗浄特性を提供するのに十分な量で含む。いくつかの実施形態において、洗浄組成物は、組成物の重量で約1%~約70%の界面活性剤系を含む。他の実施形態において、液体洗浄組成物は、組成物の重量で約2%~約60%の界面活性剤系を含む。更なる実施形態において、洗浄組成物は、組成物の重量で約5%~約30%の界面活性剤系を含む。界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びそれらの混合物から選択される、洗浄作用のある界面活性剤を含み得る。
【0157】
洗濯用組成物
洗濯用配合物において、アニオン性界面活性剤は、通常、そのような配合物中で界面活性剤のはるかに最大の占有率を占める。そのため、好ましくは、洗濯に使用するための本発明の洗浄組成物は、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤と、任意選択的に、本明細書に記載される界面活性剤クラスのいずれかから、好ましくは非イオン性界面活性剤及び/又は両性界面活性剤及び/又は双性イオン性界面活性剤及び/又はカチオン性界面活性剤から選択される更なる界面活性剤とを含む。
【0158】
ムラ(mula)
本発明による組成物は、少なくとも1種のビルダーを含み得る。本発明との関連で、ビルダーと、他の箇所で「コビルダー」と称されるそのような構成成分との間で何らの区別もなされないであろう。ビルダーの例は、本明細書で以下において錯化剤とも言われる錯形成剤、イオン交換化合物、分散剤、スケール防止剤及び沈澱剤である。ビルダーは、クエン酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、炭酸塩、ホスホン酸塩、アミノカルボン酸塩及びポリカルボン酸塩から選択される。
【0159】
本発明の一実施形態において、ビルダーはポリカルボン酸塩から選択される。「ポリカルボン酸塩」という用語には、コハク酸、C~C16アルキル二コハク酸塩、C~C16アルケニル二コハク酸塩、エチレンジアミンN,N’-二コハク酸、酒石酸二酢酸塩、アルカリ金属マロン酸塩、酒石酸モノ酢酸塩、プロパントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸及びシクロペンタンテトラカルボン酸などの非ポリマーのポリカルボン酸塩が含まれる。
【0160】
オリゴマーの又はポリマーのポリカルボン酸塩は、例えば、ポリアスパラギン酸及びそのアルカリ金属塩、特にそのナトリウム塩、(メタ)アクリル酸ホモポリマー及び(メタ)アクリル酸コポリマー並びにそれらのアルカリ金属塩、特にそれらのナトリウム塩である。
【0161】
好適なコモノマーは、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸無水物、イタコン酸及びシトラコン酸などのモノエチレン性不飽和ジカルボン酸である。好適なポリマーは、特に、2000~40000g/モル、好ましくは2000~10000g/モル、特に3000~8000g/モルの範囲の重量平均分子量Mを好ましくは有する、ポリアクリル酸である。更なる好適なコポリマーのポリカルボン酸塩は、特に、アクリル酸とメタクリル酸とのもの並びにアクリル酸又はメタクリル酸とマレイン酸及び/若しくはフマル酸又は無水マレイン酸などのその無水物とのものである。好適なコポリマーは、特に、2000~100000、好ましくは3000~80000の範囲の重量平均分子量のアクリル酸とマレイン酸とのコポリマーである。
【0162】
ポリアスパラギン酸の好ましい重量平均分子量Mwは、1000g/モル~20000g/モル、好ましくは1500~15000g/モル、特に好ましくは2000~10000g/モルの範囲である。
【0163】
更なる好適なオリゴマーの又はポリマーのポリカルボン酸塩は、分解デンプンなどの多糖類、カルボキシメチル化セルロース、カルボキシメチル化イヌリン若しくはカルボキシメチル化デンプンなどのカルボキシメチル化多糖類上への(メタ)アクリル酸又はマレイン酸のグラフトポリマー又はポリエポキシコハク酸及びそれらのアルカリ金属塩、特にそれらのナトリウム塩を含む。
【0164】
更に、両性ポリマーもビルダーとして使用することができる。
【0165】
本発明による組成物は、とりわけ固形配合物の場合、例えば合計0.1~90重量%、好ましくは5~80重量%、好ましくは最大で70重量%の範囲でビルダーを含むことができる。本発明による液体配合物は、好ましくは、最大で85、75、65、60、55、50、45、40、35、30、35、15又は10重量%など、0.1~20重量%の範囲でビルダーを含む。
【0166】
本発明による配合物は、1種以上のアルカリ担体を含むことができる。
【0167】
本発明の一実施形態において、本発明による洗濯用配合物は、追加的に少なくとも1種の酵素を含む。
【0168】
有用な酵素は、例えば、リパーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ及びペルオキシダーゼ並びに上記の種類の少なくとも2つの組合せから選択される1種以上のヒドロラーゼである。
【0169】
そのような酵素は、洗浄のための有効量を提供するのに十分なレベルで組み込むことができる。好ましい量は、本発明による洗剤組成物中に活性酵素の0.001重量%~5重量%の範囲内である。酵素と一緒に、例えばカルシウムイオン、ホウ酸、ボロン酸、プロピレングリコール及び短鎖カルボン酸などの酵素安定化系も使用され得る。本発明との関連で、短鎖カルボン酸は、1分子当たり1~3個の炭素原子を有するモノカルボン酸及び1分子当たり2~6個の炭素原子を有するジカルボン酸から選択される。好ましい例は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸、HOOC(CH2)3COOH、アジピン酸及び前述のものの少なくとも2種からの混合物並びにそれぞれのナトリウム及びカリウム塩である。
【0170】
好ましくは、少なくとも1種の酵素は、洗剤酵素である。
【0171】
一実施形態において、酵素は、オキシドレダクターゼ(EC1)、トランスフェラーゼ(EC2)、ヒドロラーゼ(EC3)、リアーゼ(EC4)、イソメラーゼ(EC5)又はリガーゼ(EC6)として分類される。EC番号付けは、1993~1999年に出版されたその補遺を含む、Nomenclature Committee of the International Union of Biochemistry and Molecular Biology(国際生化学分子生物学連合)のEnzyme Nomenclature,Recommendations(酵素命名法、勧告)(1992)に準ずる。好ましくは、酵素は、ヒドロラーゼ(EC3)である。
【0172】
好ましい実施形態において、酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ、ヘミセルラーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ、ペルオキシダーゼ、キシラナーゼ、クチナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、ベータ-グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、ヌクレアーゼ、DNase、ホスホジエステラーゼ、フィターゼ、カルボヒドラーゼ、ガラクタナーゼ、キサンタナーゼ、キシログルカナーゼ、オキシドレダクターゼ、ペルヒドロラーゼ、アミノペプチダーゼ、アスパラギナーゼ、カルボヒドラーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、キチナーゼ、シクロデキストリングリコシルトランスフェラーゼ、アルファ-ガラクトシダーゼ、ベータ-ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、アルファ-グルコシダーゼ、ベータ-グルコシダーゼ、インベルターゼ、リボヌクレアーゼ、トランスグルタミナーゼ及びディスパーシン並びに上記の種類の少なくとも2種の組合せからなる群から選択される。より好ましくは、酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ、キシラナーゼ、DNase、ディスパーシン、ペクチナーゼ、オキシドレダクターゼ及びクチナーゼ並びに上記の種類の少なくとも2種の組合せからなる群から選択される。最も好ましくは、酵素は、プロテアーゼ、好ましくは、セリンプロテアーゼ、より好ましくは、サブチリシンプロテアーゼである。
【0173】
好ましくは、プロテアーゼは、欧州特許第1921147B1号明細書の配列番号22と少なくとも90%の配列同一性があり、アミノ酸置換R101E(BPN番号付けに従って)を有するプロテアーゼである。好ましくは、アミラーゼは、国際公開第2021032881A1号パンフレットの配列番号54と少なくとも90%の配列同一性があるアミラーゼである。
【0174】
本発明の組成物は、1つのタイプの酵素又は異なるタイプの2種以上の酵素、例えばアミラーゼ及びプロテアーゼ若しくは同じタイプの2種以上の酵素、例えば2種以上の異なるプロテアーゼ又はそれらの混合物、例えばアミラーゼ及び2種の異なるプロテアーゼを含むことができる。
【0175】
酵素は、組成物中において、好ましくは一次洗浄効果及び/又は灰色化防止若しくはピリング防止効果(例えば、セルラーゼの場合に)のような、二次洗浄効果に関して、有益な効果を達成するための有効な量を提供するのに十分なレベルで組み込むことができる。好ましくは、酵素は、組成物中において、組成物の重量で約0.00001%~約5%、好ましくは約0.00001%~約2%、より好ましくは約0.0001%~約1%又は更により好ましくは約0.001%~約0.5%の酵素タンパク質のレベルで存在する。
【0176】
好ましくは、酵素含有組成物は、酵素安定化系を更に含む。
【0177】
好ましくは、本明細書に記載される酵素含有組成物は、組成物の重量で約0.001%~約10%、約0.005%~約8%又は約0.01%~約6%の酵素安定化系を含む。酵素安定化系は、酵素に適合する任意の安定化系であり得る。
【0178】
好ましくは、酵素安定化系は、ポリオール(好ましくは、1,3-プロパンジオール、エチレングリコール、グリセロール、1,2-プロパンジオール又はソルビトール)、無機塩(好ましくは、CaCl2、MgCl2又はNaCl)、短鎖(好ましくは、C1~C3)カルボン酸又はその塩(好ましくは、ギ酸、ギ酸塩(好ましくは、ギ酸ナトリウム)、酢酸、酢酸塩又は乳酸塩)、ホウ酸塩、ホウ酸、ボロン酸(好ましくは、4-ホルミルフェニルボロン酸(4-FPBA))、ペプチドアルデヒド、ペプチドアセタール及びペプチドアルデヒドハイドロサルファイト付加物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む。好ましくは、酵素安定化系は、塩、ポリオール及び短鎖カルボン酸からなる群から選択される化合物の少なくとも2種の組合せ、好ましくは、ホウ酸塩、ホウ酸、ボロン酸(好ましくは、4-ホルミルフェニルボロン酸(4-FPBA))、ペプチドアルデヒド、ペプチドアセタール及びペプチドアルデヒドハイドロサルファイト付加物からなる群から選択される1種以上の化合物を含む。特に、プロテアーゼが組成物中に存在する場合、好ましくは、ホウ酸塩、ホウ酸、ボロン酸(好ましくは、4-FPBA)、ペプチドアルデヒド(好ましくは、Z-VAL-H又はZ-GAY-Hのようなペプチドアルデヒド)、ペプチドアセタール及びペプチドアルデヒドハイドロサルファイト付加物から選択されるプロテアーゼ阻害剤が添加され得る。
【0179】
本発明による組成物は、1種以上の漂白剤(ブリーチ)を含み得る。
【0180】
本発明による配合物は、1種以上の漂白触媒を含むことができる。
【0181】
本発明による配合物は、1種以上の漂白活性化剤を含むことができる
【0182】
本発明による配合物は、1種以上の腐食防止剤を含むことができる。
【0183】
本発明による配合物は、更なる洗浄ポリマー及び/又は防汚ポリマー及び/又は灰色化防止ポリマーも含み得る。
【0184】
更なる洗浄ポリマーとしては、限定なしに、「多官能性ポリエチレンイミン」(例えば、BASFのSokalan(登録商標)HP20)及び/又は「多官能性ジアミン」(例えば、BASFのSokalan(登録商標)HP96)を挙げられ得る。そのような多官能性ポリエチレンイミンは、典型的には、3000~250000、好ましくは5000~200000、より好ましくは8000~100000、より好ましくは8000~50000、より好ましくは10000~30000、最も好ましくは10000~20000g/モルの範囲の重量平均分子量Mのエトキシ化ポリエチレンイミンである。好適な多官能性ポリエチレンイミンは、材料の総重量を基準として80重量%~99重量%、好ましくは85重量%~99重量%、より好ましくは90重量%~98重量%、最も好ましくは93重量%~97重量%又は94重量%~96重量%のエチレンオキシド側鎖を有する。エトキシル化ポリエチレンイミンは、典型的には、ポリエチレンイミンコア及びポリエチレンオキシドシェルをベースとしている。好適なポリエチレンイミンコア分子は、500~5000g/モルの範囲の重量平均分子量Mのポリエチレンイミンである。好ましくは、500~1000g/モルの分子量が用いられ、600~800g/モルのMが更により好ましい。したがって、エトキシル化ポリマーは、1つのNH官能基当たり平均5~50個、好ましくは10~35個、更により好ましくは20~35個のエチレンオキシド(EO)単位を有する。
【0185】
好適な多官能性ジアミンは、典型的には、更に四級化され、且つ任意選択的に硫酸化されるエトキシル化C2~C12アルキレンジアミン、好ましくはヘキサメチレンジアミンである。典型的な多官能性ジアミンは、2000~10000、より好ましくは3000~8000、最も好ましくは4000~6000g/モルの範囲の重量平均分子量Mを有する。本発明の好ましい実施形態において、更に四級化及び硫酸化された、エトキシル化ヘキサメチレンジアミンが使用され得、それは、1つのNH基当たり平均して10~50、好ましくは15~40、更により好ましくは20~30個のエチレンオキシド(EO)基を含有し、それは、好ましくは、2個のカチオン性アンモニウム基及び2個のアニオン性サルフェート基を有する。
【0186】
好適な更なる多官能性ポリエチレンイミン、多官能性ジアミン及びオリゴアミンとしては、国際公開第2022/136408A1号パンフレット、国際公開第2022/136409A1号パンフレット及び国際公開第2021/165468号パンフレットにおいて特許請求されるようなものが挙げられる。
【0187】
本発明の好ましい実施形態において、洗浄組成物は、洗濯洗剤の、好ましくは汚れ除去能力、とりわけポリエステル布地上の微粒子汚れの一次洗浄力などの洗浄性能を向上させるために、少なくとも1種の多官能性ポリエチレンイミン及び/又は少なくとも1種の多官能性ジアミン及び/又はオリゴアミン、具体的には国際公開第2022/136408A1号パンフレット、国際公開第2022/136409A1号パンフレット及び/又は国際公開第2021/165468号パンフレットからのそれらにおいて特許請求されるポリマーのいずれかを含有し得る。上の記載による多官能性ポリエチレンイミン又は多官能性ジアミン若しくはオリゴアミン或いはそれらの混合物は、洗濯洗剤及び洗浄組成物に、他の成分及び水及び/又は溶媒を含む、特定の全体組成物を基準として概して0.05~15重量%、好ましくは0.1~10重量%、より好ましくは0.25~5重量%、最大で2重量%ほどに低い量でも添加され得る。
【0188】
したがって、本発明の一態様は、(i)少なくとも1種の発明のポリマーと、(ii)多官能性ポリエチレンイミン並びに多官能性ジアミン及びオリゴアミン並びにそれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物とを含む洗濯洗剤組成物、特に液体洗濯洗剤である。
【0189】
本発明の一実施形態において、少なくとも1種の発明のポリマーと、(ii)多官能性ポリエチレンイミン並びに多官能性ジアミン及びオリゴアミン並びにそれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物との比は、10:1~1:10、好ましくは5:1~1:5、より好ましくは3:1~1:3である。
【0190】
好適な灰色化防止ポリマーは、アクリル酸又はマレイン酸とスチレンとのコポリマー、マルトデキストリン又はカルボキシメチル化セルロース上へのアクリル酸のグラフトポリマー及びそれらのアルカリ金属塩、特にそれらのナトリウム塩を含む。
【0191】
本発明のポリマーを含む洗濯用配合物は、少なくとも1種の錯化剤も含み得る。
【0192】
好ましい錯化剤は、メチルグリシン二酢酸(MGDA)及びグルタミン酸二酢酸(GLDA)並びにそれらの塩である。特に好ましい錯化剤は、メチルグリシン二酢酸及びその塩である。本発明によれば、1~50%、好ましくは1~20重量%の錯化剤が好ましい。
【0193】
本発明のポリマーを含む洗濯用配合物は、少なくとも1つの抗菌剤も含み得る。
【0194】
抗菌剤は、微生物を殺害するか又はそれらの増殖若しくは繁殖を阻害する化合物である。微生物は、細菌、酵母又はカビであり得る。防腐剤は、汚染微生物を殺害するか又はそれらの増殖を阻害することによって製品及び組成物の本来の性能、特性及び完全性を維持するために、水性製品及び組成物に添加され得る抗菌剤である。
【0195】
組成物/配合物は、特許国際公開第2021/115912A1号パンフレット(「Formulations comprising a hydrophobically modified polyethyleneimine and one or more enzymes」)の35~39頁に列挙されているような1種以上の抗菌剤及び/又は防腐剤を含有し得る。
【0196】
以下の抗菌剤及び/又は防腐剤:4,4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテル(更なる名称:5-クロロ-2-(4-クロロフェノキシ)フェノール、Diclosan、DCPP)、Tinosan(登録商標)HP 100(1,2-プロピレングリコール中の30重量%のDCPP);2-フェノキシエタノール(更なる名称:フェノキシエタノール、メチルフェニルグリコール、フェノキセトール、エチレングリコールフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、2-(フェノキシ)エタノール、2-フェノキシ-1-エタノール);2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール(更なる名称:2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオール、ブロノポール);グルタルアルデヒド(更なる名称:1,5-ペンタンジアール、ペンタン-1,5-ジアール、グルタラール、グルタルジアルデヒド);グリオキサール(更なる名称:エタンジアール、オキシルアルデヒド、1,2-エタンジアール);5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン(更なる名称:5-ブロモ-5-ニトロ-m-ジオキサン、Bronidox(登録商標));フェノキシプロパノール(更なる名称:プロピレングリコールフェニルエーテル、フェノキシイソプロパノール1-フェノキシ-2-プロパノール、2-フェノキシ-1-プロパノール);グルコプロタミン(化学的説明:グルタミン酸とアルキルプロピレンジアミンとの反応生成物、更なる名称:グルコプロタミン50);シクロヘキシルヒドロキシルジアゼニウム-1-オキシド、カリウム塩(更なる名称:N-シクロヘキシル-ジアゼニウムジオキシド、カリウム HDO、Xyligene);ギ酸(更なる名称:メタン酸、Protectol(登録商標)FM、Protectol(登録商標)FM 75、Protectol(登録商標)FM 85、Protectol(登録商標)FM 99、Lutensol(登録商標)FM)及びその塩(例えば、ギ酸ナトリウム);テトラヒドロ-3,5-ジメチル-1,3,5-チアジアジン-2-チオン(更なる名称:3,5-ジメチル-1,3-5-チアジアジナン-2-チオン、ダゾメット;2,4-ジクロロベンジルアルコール(更なる名称:ジクロロベンジルアルコール、2,4-ジクロロ-ベンゼンメタノール、(2,4-ジクロロ-フェニル)-メタノール、DCBA);1-プロパノール(更なる名称:n-プロパノール、プロパン-1-オール、n-プロピルアルコール;1,3,5-トリス-(2-ヒドロキシエチル)-ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン(更なる名称:ヘキサヒドロトリアジン、トリス(ヒドロエチル)-ヘキサヒドロトリアジン、ヘキサヒドロ-1,3-5-トリス(2-ヒドロキシエチル)-s-トリアジン、2,2’,2’’-(ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン-1,3,5-トリイル)トリエタノール;2-ブチル-ベンゾ[d]イソチアゾール-3-オン(「BBIT」);2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オン(「MIT」);2-オクチル-2H-イソチアゾール-3-オン(「OIT」);5-クロロ-2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オン(「CIT」又は「CMIT」);5-クロロ-2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オン(「CMIT」)と2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オン(「MIT」)との混合物(CMIT/MITの混合物);1,2-ベンズイソチアゾール-3(2H)-オン(「BIT」);ヘキサ-2,4-ジエン酸(慣用名「ソルビン酸」)及びその塩、例えばソルビン酸カルシウム、ソルビン酸ナトリウム;(E,E)-ヘキサ-2,4-ジエン酸カリウム(ソルビン酸カリウム);乳酸及びその塩;L-(+)-乳酸;とりわけ、乳酸ナトリウム;安息香酸及びその安息香酸の塩、例えば、安息香酸ナトリウム、安息香酸アンモニウム、安息香酸カルシウム、安息香酸マグネシウム、MEA-安息香酸、安息香酸カリウム;サリチル酸及びその塩、例えば、サリチル酸カルシウム、サリチル酸マグネシウム、サリチル酸MEA、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム、サリチル酸TEA;塩化ベンザルコニウム、臭化ベンザルコニウム、サッカリン酸ベンザルコニウム;塩化ジデシルジメチルアンモニウム(「DDAC」);N-(3-アミノプロピル)-N-ドデシルプロパン-1,3-ジアミン(「ジアミン」);過酢酸;過酸化水素のいずれも、洗浄組成物並びに布地ケア及びホームケア製品にとって、特に洗濯用配合物においてとりわけ興味深いものである。
【0197】
少なくとも1種の抗菌剤又は防腐剤は、本発明の組成物に、組成物の総重量に対して0.001~10%の濃度で添加され得る。
【0198】
好ましくは、組成物は、2-フェノキシエタノールを0.1~2%の濃度又は4,4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテル(DCPP)を0.005~0.6%の濃度で含有する。
【0199】
本発明の洗濯用配合物は、上の一覧からの少なくとも1種の抗菌剤及び/若しくはそれらの組合せ並びに/又はここに列挙されていない少なくとも1種の更なる抗菌剤との組合せを含み得る。
【0200】
本発明による配合物は、水及び/若しくは追加の有機溶媒、例えばエタノール若しくはプロピレングリコール並びに/又は硫酸ナトリウムなどの充填材も含み得る。
【0201】
更なる任意選択的な成分は、粘度調整剤、カチオン性界面活性剤、起泡促剤進又は抑泡剤、香料、染料、蛍光増白剤、染料移動防止剤であり得るが、それらに限定されない。
【0202】
食器洗浄用組成物
本発明の別の態様は、上に記載されたような少なくとも1種の発明のポリマーを含む食器洗浄用組成物でもある。
【0203】
したがって、本発明の態様は、手動又は自動食器洗浄用途などの食器洗浄用途での上に記載されたような本発明のポリマーの使用でもある。
【0204】
本発明による食器洗浄用組成物は、液体、半液体、クリーム、ローション、ジェル又は固形組成物の形態であり得、固形の実施形態は、例えば、粉末及び錠剤を包含する。液体組成物は、典型的には、手動食器洗浄用途向けに好ましい一方、固形配合物及び小袋配合物(ここで、小袋は、液体成分に加えて固体も含有し得る)は、典型的には、自動食器洗浄用組成物に好ましいが、世界の一部の地域では、液体自動食器洗浄用組成物が使用されており、したがって、当然のことながら、これも「食器洗浄用組成物」という用語に包含される。
【0205】
好ましくは、本組成物は、秀でたグリース洗浄(脱脂)特性、長続きする泡立ち及び/又は低温曝露時の粘度調整のしやすさを提供するように配合され;好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは3つ全ての特性が、本発明の食器洗浄用組成物に存在する。本発明の手動食器洗浄用組成物の任意選択的な - 好ましくは存在する - 更なる便益としては、汚物の除去、ツヤ出し及び/又は手の保護が挙げられ;より好ましくは少なくとも2つ、最も好ましくは3つ全ての更なる便益が本発明の食器洗浄用組成物に存在する。
【0206】
本発明の一実施形態において、本発明のポリマーは、少なくとも1種の界面活性剤、好ましくは少なくとも1種のアニオン性界面活性剤を追加的に含む手動食器洗浄用配合物の一構成成分である。
【0207】
本発明の別の実施形態において、本発明のポリマーは、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤と両性界面活性剤及び/又は双性イオン性界面活性剤から好ましくは選択される少なくとも1種の他の界面活性剤とを追加的に含む手動食器洗浄用配合物の一構成成分である。本発明の好ましい実施形態において、手動食器洗浄用配合物は、洗剤組成物の起泡力、洗浄力及び/又は低刺激性を支援するために、少なくとも1種の両性界面活性剤、好ましくはアミンオキシド若しくは少なくとも1種の双性イオン性界面活性剤、好ましくはベタイン又はそれらの混合物を含有する。
【0208】
本発明による食器洗浄用組成物は、少なくとも1種の両性界面活性剤を含み得る。両性界面活性剤の添加は、食器洗浄用組成物における良好な起泡特性を提供する。
【0209】
本発明による食器洗浄用組成物は、少なくとも1種の双性イオン性界面活性剤を含み得る。
【0210】
本発明による食器洗浄用組成物は、少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含み得る。
【0211】
本発明による食器洗浄用組成物は、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含み得る。
【0212】
本発明による食器洗浄用組成物は、液体手動食器洗浄用洗剤組成物と水との相溶性を確保するために、有効量の少なくとも1種のヒドロトロープを含み得る。
【0213】
本発明による食器洗浄用組成物は、少なくとも1つの有機溶媒を含み得る。
【0214】
本明細書での食器洗浄用組成物は、更に、他の必須成分及び任意選択的な成分がそれに溶解する、分散する又は懸濁する、30重量%~90重量%の、水を含む、水性液状担体を含み得る。より好ましくは、本発明の組成物は、45重量%~85重量%、更により好ましくは60重量%~80重量%の水性液状担体を含む。しかしながら、水性液状担体は、室温(25℃)で液状であるか、又は液状担体中に溶解し、且つ不活性充填材の機能に加えていくつかの他の機能も果たし得る他の材料を含有し得る。
【0215】
本発明による食器洗浄用組成物は、少なくとも1種の電解質を含み得る。
【0216】
本発明のポリマーを含む手動食器洗浄用配合物は、少なくとも1種の抗菌剤も含み得る。
【0217】
食器洗浄用組成物のための好適な抗菌剤の例は、洗濯用組成物に関して上に既に述べられている。
【0218】
抗菌剤は、本発明の手動食器洗浄用組成物に、組成物の総重量に対して0.0001重量%~10重量%の濃度で添加され得る。好ましくは、配合物は、0.01重量%~5重量%、より好ましくは0.1重量%~2重量%の濃度で2-フェノキシエタノール及び/又は0.001重量%~1重量%、より好ましくは0.002重量%~0.6重量%(全ての場合に組成物の総重量に対する)の濃度で4,4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテルを含有する。
【0219】
更なる追加の成分は、コンディショニングポリマー、洗浄ポリマー、表面改質ポリマー、汚物凝集ポリマー、レオロジー調整ポリマー、酵素、構造化剤、ビルダー、キレート剤、環状ジアミン、エモリエント剤、保湿剤、皮膚若返り活性物質、カルボン酸、スクラビング粒子、漂白剤及び漂白活性化剤、香料、悪臭抑制剤、顔料、染料、乳白剤、ビーズ、真珠光沢粒子、マイクロカプセル、抗菌剤、NaOH及びモノエタノールアミンなどのアルカノールアミンを含むpH調整剤並びに緩衝手段などであるが、これらに限定されない。
【0220】
上述の成分の全てについての好適な例は、上記の洗濯用組成物に関して既に述べられている。
【0221】
一般的な洗浄組成物及び配合物
本発明のポリマーが生分解性であり、とりわけ洗浄配合物が典型的には約7以上のpHを有し、且つ追加的に、- 汚れ及び泥中に存在する、洗浄組成物によって除去される必要があるグリース、タンパク質、多糖類等などの生分解性物を分解するためにそのような洗浄配合物に含められる - 酵素を多くの場合に含有するため、本発明のそれらの生分解性ポリマーを配合するために何らかの考慮をする必要である。そのような好適な配合物は原則として公知であり、固形並びに液体及び半液体の配合物があり、固形の場合、酵素及びポリマーは、コーティングによって又は混合される別々の粒子でそれらを添加することによって別々にすることができ、液体及び半液体の場合、ポリマー及び酵素は、異なる区画、例えば、異なる室を有する多室 - 小袋又はボトルの異なる区画中でそれらを配合することによって別々にすることができ、各室から各構成成分の個々の使用時点ごとに適正な量の適用を確実にするために所定の量で同時に液体は注ぎ出される。そのような多区画 - 小袋及びボトル等も同様に当業者に公知である。
【0222】
この章で開示される液体配合物は、全ての他の言及される成分に加えて、0~2%、好ましくは約1%の2-フェノキシエタノールを含み得る。
【0223】
上に開示された及び以下に開示される液体配合物は、全ての他の言及される成分に加えて、0~0.2%、好ましくは約0.15%の4,4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテルを含み得る。漂白剤を含まない固形洗濯用組成物は、全ての他の言及される成分に加えて、0~0.2%、好ましくは約0.15%の4,4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテルを含み得る。
【0224】
この章で開示される配合物は、- 全ての他の言及される成分に加えて - 本明細書で上に開示されたものから選択される1種以上の酵素、より好ましくは、プロテアーゼ及び/又はアミラーゼを含み得、更により好ましくは、プロテアーゼは、欧州特許第1921147B1号明細書の配列番号22と少なくとも90%の配列同一性があり、且つアミノ酸置換R101E(BPN番号付けに従う)を有するプロテアーゼであり、アミラーゼは、国際公開第2021032881A1号パンフレットの配列番号54と少なくとも90%配列同一性があるアミラーゼであり、そのような酵素は、好ましくは、組成物の重量で約0.00001%~約5%、好ましくは約0.00001%~約2%、より好ましくは約0.0001%~約1%又は更により好ましくは約0.001%~約0.5%の酵素タンパク質のレベルで配合物中に存在する。
【0225】
表中のものを含めて下に示される以下の組成物は、世界の様々な地域及び国で典型的に用いられているような典型的な洗浄条件と関連する典型的な組成物に相当する、ある種の一般的な洗浄組成物を開示する。少なくとも1種の本発明のポリマーは、本明細書に概説されるような好適な量でそのような配合物に添加され得る。
【0226】
示される組成物が、本発明のグラフトポリマーを含まない場合、そのような組成物は、比較組成物である。それが、とりわけ、好ましい、より好ましい等の範囲として本明細書で記載されている量で本発明のグラフトポリマーを含む場合、そのような組成物は、本発明の範囲内に入ると見なされる。
【0227】
好ましい実施形態において、本発明によるグラフトポリマーは、洗濯洗剤に使用される。
【0228】
本発明による液体洗濯洗剤は、
0.05~20%の少なくとも1種の発明のポリマー、
1~50%の界面活性剤、
0.1~40%のビルダー、コビルダー及び/又はキレート剤、
0.1~50%の他の補助剤、
合計すると100%になる水
から構成される。
【0229】
本発明による好ましい液体洗濯洗剤は、
0.5~15%の少なくとも1種の発明のポリマー、
5~40%の、C10~C15-LAS及び1~5個のエトキシ単位を含有するC10~C18アルキルエーテル硫酸塩から選択されるアニオン性界面活性剤、
1.5~10%の、3~10個のエトキシ単位を含有するC10~C18アルキルエトキシレートから選択される非イオン性界面活性剤、
2~20%の、C10~C18脂肪酸、ジ-及びトリカルボン酸、ヒドロキシジ-及びヒドロキシトリカルボン酸、アミノポリカルボン酸塩及びポリカルボン酸から選択される可溶性有機ビルダー/コビルダー、
0.05~5%の、洗剤使用に好適な少なくとも1種の酵素と、好ましくはまた酵素安定化系とを含有する酵素系、
0.5~20%の、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール又はプロピレングリコールから選択されるモノ-又はジオール、
0.1~20%の他の補助剤、
合計すると100%になる水
から構成される。
【0230】
本発明による固形洗濯洗剤(例えば、粉末、顆粒又は錠剤のような)は、
0.2~20%の少なくとも1種の発明のポリマー、
1~50%の界面活性剤、
0.1~90%のビルダー、コビルダー及び/又はキレート剤、
0~50%の充填材、
0~40%の漂白活性物質、
0.1~30%の他の補助剤、及び/又は

から構成され、成分の合計は、100%になる。
【0231】
本発明による好ましい固形洗濯洗剤は、
0.5~10%の少なくとも1種の発明のポリマー、
5~30%の、C10~C15-LAS、C10~C18アルキル硫酸塩及び1~5個のエトキシ単位を含有するC10~C18アルキルエーテル硫酸塩から選択されるアニオン性界面活性剤、
1.5~7.5%の、3~10個のエトキシ単位を含有するC10~C18アルキルエトキシレートから選択される非イオン性界面活性剤、
20~80%の、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ゼオライト、可溶性ケイ酸塩、硫酸ナトリウムから選択される無機ビルダー、
0.5~15%の、C10~C18脂肪酸、ジ-及びトリカルボン酸、ヒドロキシジ-及びヒドロキシトリカルボン酸、アミノポリカルボン酸塩並びにポリカルボン酸から選択されるコビルダー、
0.1~5%の、洗剤使用に好適な少なくとも1種の酵素と、好ましくはまた酵素安定化系とを含有する酵素系、
0.5~30%の漂白活性化剤、
0.1~20%の他の補助剤、
合計すると100%になる水
から構成される。
【0232】
好ましい実施形態において、本発明によるポリマーは、手動食器洗浄用洗剤に使用される。
【0233】
本発明による液体手動食器洗浄用洗剤は、
0.05~10%の少なくとも1種の発明のポリマー、
1~50%の界面活性剤、
0.1~50%の他の補助剤、
合計すると100%になる水
から構成される。
【0234】
本発明による好ましい液体手動食器洗浄用洗剤は、
0.2~5%の少なくとも1種の本発明のポリマー、
5~40%の、C10~C15-LAS、1~5個のエトキシ単位を含有するC10~C18アルキルエーテル硫酸塩及びC10~C18アルキル硫酸塩から選択されるアニオン性界面活性剤、
2~10%のコカミドプロピルベタイン、
0~10%のラウラミンオキシド、
0~2%の非イオン性界面活性剤、好ましくはC10-Guerbetアルコールアルコキシレート、
0~5%の酵素、好ましくはアミラーゼ、好ましくはまた酵素安定化系、
0.5~20%の、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール又はプロピレングリコールから選択されるモノ-又はジオール、
0.1~20%の他の補助剤、
合計すると100%になる水
から構成される。
【0235】
【表1】
【0236】
【表2】
【0237】
【表3】
【0238】
更なる典型的な液体洗剤配合物LD1、LD2及びLD3は、以下の3つの表に示される(数字:重量%活性物質)。
【0239】
【表4】
【0240】
【表5】
【0241】
【表6】
【0242】
LD1、LD2、LD3に関する全ての先の3つの表:「グラフトポリマー」=((全ポリマー重量を基準として40重量%の酢酸ビニルでグラフトされた、グラフト基体としてのMn6000g/モルのポリエチレングリコール;国際公開第2007138054A1号パンフレットの一般開示に従って製造された)
【0243】
【表7】
【0244】
それぞれの洗濯洗剤、洗浄組成物並びに/又は布地ケア及びホームケア製品中において、少なくとも1種のグラフトポリマーは、そのような組成物又は製品の総重量に対して、それぞれそのような組成物又は製品の総重量に対して重量%で約0.01%~約20%、好ましくは約0.05%~15%、より好ましくは約0.1%~約10%、最も好ましくは約0.5%~約5%及びその間の全ての数の濃度並びに言及された下限のいずれかの選択から生じる全ての範囲を含んで、更に0.2、0.3、0.4、1、1,5、2、2.5、3、3.5及び4を含んで、言及された上限のいずれかと組み合わせて且つ19、18、17、16、14、13、12、11、9、8、7及び6を含んで存在することが好ましい。
【0245】
本開示の全体にわたって記載されるような具体的な実施形態は、本発明の一部として本発明によって包含され;具体的な実施形態の「任意選択的な」、「好ましい」、「より好ましい」、「更により好ましい」又は「最も好ましい」選択肢として本明細書に開示されている様々な更なる選択肢は、個別に且つ独立して(そのような独立した選択が、その特徴の性質により不可能でない限り又はそのような独立した選択が明示的に排除される場合)選択され、したがって他の実施形態のいずれか内で組み合わされ得(他のそのような選択肢及び優先度も個別に且つ独立して選択することができる場合)、それぞれの並びに任意の及び全てのそのような可能な組合せは、本発明の一部として、個々の実施形態として含まれる。
【0246】
最も好ましい実施形態に関する章
以下の具体的な実施形態は、本発明の一部を更に形成する。
【0247】
第1の好ましい実施形態において、本発明のグラフトポリマーは、(全ての百分率をグラフトポリマーの総重量に対する重量パーセントとして)
(B)20~95%、好ましくは30~90%、より好ましくは40~85%、最も好ましくは50~80%の、エチレンオキシドの重合によって得ることができる、グラフト基体としてのポリマー主鎖であって、g/モル単位でのポリマー主鎖の分子量Mnは、500~5000以内、好ましくは3500以下、より好ましくは3000以下、更により好ましくは2500以下、最も好ましくは2000以下、例えば1800以下である、ポリマー主鎖と、
(B)5~80%、好ましくは10~70%、より好ましくは15~60%、最も好ましくは20~50%の、ポリマー主鎖上にグラフトされたポリマー側鎖(B)であって、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合によって得ることができ、- 存在する場合 -、モノマー(B2)対モノマー(B1)の重量比は、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満である、ポリマー側鎖と
を含むグラフトポリマーを含む。
【0248】
更なる最も好ましい実施形態において、先の最も好ましい実施形態のグラフトポリマー及び特にこの章のものは、
(A)エチレンオキシドの重合によって得ることができる、グラフト基体としてのポリマー主鎖(A)と、
(B)ポリマー主鎖上にグラフトされたポリマー側鎖であって、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合によって得ることができ、- 存在する場合 -、モノマー(B2)対モノマー(B1)の重量比は、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満である、ポリマー側鎖と
を含み、式
P=[g/モル単位でのポリマー主鎖の分子量Mn]×[ポリマー重量を「1」に設定し、及び(B)の量の百分率をその割合としての、総ポリマー重量を基準とするポリマー側鎖(B)の量の百分率]
の積は、50~1500の範囲、好ましくは1200以下、より好ましくは1000以下、更により好ましくは800以下、最も好ましくは600以下、例えば400以下又は更に300以下及び好ましくは少なくとも100、より好ましくは少なくとも120である。
【0249】
更なる最も好ましい実施形態において、先の最も好ましい実施形態のグラフトポリマー及び特にこの章のものは、
i)2つの末端基として1つ若しくは2つのヒドロキシ基を有するか、又は1つの末端若しくは両方の末端においてC1~C22アルキル基、好ましくはC1~C4アルキル基でキャップされ得るポリマー主鎖(A)を含み、及び/又は
ii)5未満、好ましくは3.5未満、より好ましくは3未満、最も好ましくは1.0~2.5の範囲の多分散性Mw/Mn(ここで、Mw=重量平均分子量であり、及びMn=数平均分子量の[g/モル/g/モル]である)を有し、及び/又は
iii)本質的にモノマー(B2)を側鎖(B)中に含まない。
【0250】
更なる最も好ましい実施形態において、先の最も好ましい実施形態のいずれかのグラフトポリマー及び特にこの章のものは、少なくとも10重量パーセントの総量の、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びラウリン酸ビニルから、より好ましくは酢酸ビニル及びラウリン酸ビニルから選択される、最も好ましくは酢酸ビニルであるようなビニルエステルモノマー(B1)を含有し、ビニルエステルの残りの量は、任意の他の既知のビニルエステルであり得、好ましくは、少なくとも60、より好ましくは少なくとも70、更により好ましくは少なくとも80、更により好ましくは少なくとも90重量パーセント、最も好ましくは本質的に唯一の(すなわち約100重量%又は更に100重量%の)酢酸ビニルは、ビニルエステルとして用いられる(重量パーセントは、用いられるビニルエステルモノマーB1の総重量を基準とする)。
【0251】
更なる最も好ましい実施形態において、先の最も好ましい実施形態のいずれかのグラフトポリマー及び特にこの章のものは、モノマー(B2)を本質的に含まない。
【0252】
更なる最も好ましい実施形態において、先の最も好ましい実施形態のいずれかのグラフトポリマー及び特にこの章のものは、OECD301F下で試験された場合、28日以内に少なくとも30、好ましくは少なくとも40、更により好ましくは少なくとも50%の生分解性を有する。
【0253】
更なる最も好ましい実施形態において、本開示に詳述される実施形態のいずれか、特に先の最も好ましい実施形態のいずれか及び特にこの章のものに詳述されるようなグラフトポリマーを得るためのプロセスであって、少なくとも1種のポリマー主鎖(A)の存在下における、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合を含むプロセスが包含され、ポリマー側鎖(B)は、ラジカル形成化合物を使用してラジカル重合を開始するラジカル重合によって得られる。
【0254】
この章での先行パラグラフのプロセスを特に含む本明細書で詳述されるようなプロセスの更により好ましい実施形態において、プロセスは、少なくとも1種のポリマー主鎖(A)、フリーラジカル形成開始剤(C)並びに必要に応じて構成成分(A)、(B1)、任意選択的な(B2)及び(C)の合計を基準として最大で50重量%の少なくとも1種の有機溶媒(D)の存在下において、開始剤(C)が40~500分の分解半減期を有する平均重合温度での、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合であって、反応混合物中の未転化グラフトモノマー(B1)及び任意選択的なモノマー(B2)並びに開始剤(C)の割合がポリマー主鎖(A)に対して量的な不足に常に保たれるような方法での重合を含み、ビニルエステルモノマー(B1)の総量の好ましくは少なくとも10重量パーセントは、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びラウリン酸ビニルから、より好ましくは酢酸ビニル及びラウリン酸ビニルから選択され、最も好ましくは酢酸ビニルであり、ビニルエステルの残りの量は、任意の他の既知のビニルエステルであり得、好ましくは、少なくとも60、より好ましくは少なくとも70、更により好ましくは少なくとも80、更により好ましくは少なくとも90重量パーセント、最も好ましくは本質的に唯一の(すなわち約100重量%又は更に100重量%の)酢酸ビニルは、ビニルエステルとして用いられ(重量パーセントは、用いられるビニルエステルモノマーB1の総重量を基準とする)、- (B2)が存在する場合 - 任意選択的な(B2)対モノマー(B1)の重量比は、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満である。
【0255】
先にこの章で詳述されるそのようなプロセスに関する最も好ましい実施形態のいずれかを特に含む本明細書に詳述されるようなプロセスの更なる最も好ましい実施形態において、プロセスは、モノマー(B1)以外にモノマー(B2)を本質的に使用しない。
【0256】
先にこの章で詳述されるそのようなプロセスに関する最も好ましい実施形態のいずれかを特に含む本明細書に詳述されるようなプロセスの更なる最も好ましい実施形態において、プロセスは、i)~iv):i)後重合;ii)精製;iii)濃縮;及び)乾燥から選択される少なくとも1つの更なるプロセスステップを含む。
【0257】
先にこの章で詳述されるそのようなプロセスに関する最も好ましい実施形態のいずれかを特に含む本明細書に詳述されるようなプロセスの更なる最も好ましい実施形態において、本プロセスは、
i)主重合反応後に行われる後重合プロセスステップであって、好ましくは、更なる量の開始剤(任意選択的に溶媒中に溶解されている)は、0.5時間超及び最大で3時間、好ましくは約1~2時間、より好ましくは約1時間の期間にわたって添加され、ラジカル開始剤及び開始剤のための溶媒は、典型的には - 及び好ましくは - 主重合反応のためのものと同じであり、重合反応後及び後重合反応前に、更なるラジカル開始剤の添加を開始することによって後重合反応が開始される前に、主重合反応を進行させる期間が待機され、そのような期間は、好ましくは、10分~最大で4時間、好ましくは最大で2時間、更により好ましくは最大で1時間、最も好ましくは最大で30分であり、後重合プロセスの温度は、- 好ましくは - 主重合反応でのものと同じであるか又は上昇され、そのような上昇は、好ましくは、主重合反応の温度に比べて約5~40℃、好ましくは10~20℃だけ高い、プロセスステップ;
ii)主重合又は - 行われる場合、後重合プロセス - から得られるグラフトポリマーを濃縮及び/又は乾燥の手段に供して、残存溶媒(それらが、その沸点のために除去可能である限り)及び/又は残留モノマーなどの揮発性物質の一部又はほぼ全てを除去するステップであって、
a.濃縮は、好ましくは、所望の固形分が達成されるまで行われ、好ましくは揮発性溶媒及び/又は未反応の揮発性モノマーなどの揮発性構成成分の所望の部分又は全てが除去されるまで行われる、熱又は真空蒸留、好ましくは真空蒸留などの蒸留プロセスを適用することにより、溶媒及び任意選択的にまた揮発性物質の一部を除去して、固体ポリマー濃度を上げることによって行われ;
b.乾燥は、残存溶媒及び/又は未反応モノマー等などの少なくとも残留量の揮発性物質を含有するグラフトポリマーを、ローラードラム、噴霧乾燥機を使用する乾燥、真空乾燥又は凍結乾燥、好ましくは - 主に費用の理由のために - 噴霧乾燥など、揮発性物質を除去する手段に供し、且つ任意選択的に、そのような乾燥プロセスステップを、凝集した又は粒状のグラフトポリマー粒子を得るための凝集又は造粒の手段と組み合わせることによって行われ、そのようなプロセスは、好ましくは、噴霧凝集、流動床乾燥機、噴霧造粒装置での造粒又は乾燥等から選択される、ステップ
から選択される少なくとも1つの更なるプロセスステップを含む。
【0258】
先にこの章で詳述されるそのようなプロセスに関するその最も好ましい実施形態を特に含む本明細書に詳述されるようなプロセスの更なる最も好ましい実施形態において、水の量は、少なく、好ましくは全溶媒を基準として5重量%未満、より好ましくは1%未満である。
【0259】
更なる最も好ましい実施形態において、本明細書に開示される実施形態のいずれかの又はいずれかによる、特にこの章における先の最も好ましい実施形態のいずれかによって得られるグラフトポリマーは、布地ケア及びホームケア製品、洗浄組成物、業務用洗浄製品、化粧品又はパーソナルケア製品、原油エマルジョン破壊剤などの油田用配合物、インクジェットインクなどのインクのための顔料分散体、電気めっき製品、セメント系組成物、ラッカー、塗料、農薬配合物である組成物に使用される。
【0260】
更なる最も好ましい実施形態において、本明細書でのこの章に開示される実施形態のいずれかの又はいずれかによる、特に先の最も好ましい実施形態のいずれかによって得られるグラフトポリマーは、任意選択的に、好ましくは1種以上のリパーゼ、ヒドロラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、ペクチナーゼ、クチナーゼ、DNase、キシラナーゼ、マンナナーゼ、ディスパーシン、オキシドレダクターゼ、ラクターゼ及びペルオキシダーゼ並びに上記の種類の少なくとも2種の組合せから選択される、より好ましくは少なくとも1種の酵素がリパーゼから選択される少なくとも1種の酵素を更に含み、
少なくとも1種のグラフトポリマーは、そのような組成物又は製品の総重量に対して約0.01%~約20%、好ましくは約0.05%~15%、より好ましくは約0.1%~約10%、最も好ましくは約0.5%~約5%の範囲の量で存在し、及び
そのような製品又は組成物は、約1%~約70重量%の界面活性剤系を更に含む、洗浄組成物並びに/又は布地ケア及びホームケア製品、好ましくは布地ケア及びホームケアのための洗浄組成物であって、好ましくは洗濯洗剤配合物又は食器洗浄用洗剤配合物である洗浄組成物中において使用される。
【0261】
更なる最も好ましい実施形態において、組成物は、布地ケア及びホームケア製品、洗浄組成物、業務用洗浄製品、化粧品又はパーソナルケア製品、原油エマルジョン破壊剤などの油田用配合物、インクジェットインクなどのインクのための顔料分散体、電気めっき製品、セメント系組成物、ラッカー、塗料、農薬配合物、好ましくは洗濯洗剤、食器洗浄用組成物、洗浄組成物並びに/又は布地ケア及びホームケア製品である本発明の一部としても含まれ、それぞれは、本明細書に開示される実施形態のいずれかの又はいずれか及び特にこの章での先の最も好ましい実施形態のいずれかによって得られる少なくとも1種のグラフトポリマーを含有する。
【0262】
更なる最も好ましい実施形態において、洗濯洗剤、洗浄組成物又は布地ケア及びホームケア製品は、本明細書に開示される実施形態の又は実施形態のいずれか、特にこの章での先の最も好ましい実施形態のいずれかによって得られるか、又はそのようなプロセスを開示するこの章での先の最も好ましい実施形態のいずれかを特に含む本明細書に開示される実施形態のそのようないずれかにおいて詳述されるようなプロセスによって得られる少なくとも1種のグラフトポリマーを含む。
【0263】
本発明の実施形態のいずれかに及び特に先の最も好ましい実施形態のいずれかに詳述されるそのような洗濯洗剤、洗浄組成物又は布地ケア及びホームケア製品中において、- そのようなグラフトポリマーを開示するこの章での先の最も好ましい実施形態のいずれかを特に含む本明細書に開示される実施形態のそのようないずれかに詳述されるような - 少なくとも1種のグラフトポリマーは、それぞれそのような組成物又は製品の総重量に対する重量%単位で約0.05%~約10%、好ましくは約0.1%~8%、より好ましくは約0.2%~約6%、更により好ましくは約0.2%~約4%の濃度で最も好ましくは最大で2%、その間の全ての数の量及びそれぞれそのような組成物又は製品の総重量に対する重量%単位で、下限のいずれかの選択及び上限のいずれかとの組合せから生じる全ての範囲を含めて存在し、任意選択的に、1種以上のリパーゼから選択される、好ましくは1種以上のリパーゼ、ヒドロラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、ペクチナーゼ、クチナーゼ、DNase、キシラナーゼ、マンナナーゼ、ディスパーシン、オキシドレダクターゼ、ラクターゼ及びペルオキシダーゼ並びに上記の種類の少なくとも2つの組合せから選択される更なる少なくとも1種の酵素が含まれ、更に任意選択的に、2-フェノキシエタノールからなる群から選択される抗菌剤;好ましくは前記抗菌剤を組成物の2ppm~5重量%の範囲の量で含む、より好ましくは0.1~2%のフェノキシエタノールを含む殺菌剤が含まれ、任意選択的に更に、それぞれ組成物の重量で含まれる0.001~3%、好ましくは0.002~1%、より好ましくは0.01~0.6%の濃度の4,4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテルが含まれ、更に、界面活性剤系は、そのような洗剤、組成物又は製品の約1重量%~約70重量%で含まれる。
【0264】
更なる実施形態において、本発明は、本明細書で先に並びに特にそのようなポリマー及び/又は主鎖を説明するこの章での最も好ましい実施形態のいずれかに記載されるようなグラフトポリマー及び/又はポリマー主鎖を含む組成物も包含し、更に、本明細書で後に開示されるような抗菌剤であって、好ましくは2-フェノキシエタノールからなる群から選択され、より好ましくは前記抗菌剤を組成物の2ppm~5重量%の範囲の量で含み、更により好ましくは0.1~2%のフェノキシエタノール含む抗菌剤を含む。
【0265】
更なる実施形態において、本発明は、微生物汚染又は増殖に対して水性組成物を保護する方法も包含し、そのような組成物は、それぞれ本明細書で先に記載された及び特にそのようなポリマー及び/又は主鎖を記載するこの章での最も好ましい実施形態のいずれかに記載されたようなグラフトポリマー及び/又はポリマー主鎖を含み、そのような組成物は、好ましくは、洗剤組成物であり、そのような方法は、本明細書で後に開示されるような本開示の抗菌剤から選択される少なくとも1種の抗菌剤を添加することを含み、そのような抗菌剤は、好ましくは、2-フェノキシエタノールである。
【0266】
更なる実施形態において、本発明は、組成物、好ましくは洗浄組成物、より好ましくは液体洗濯洗剤組成物又は液体食器用手洗い組成物、更により好ましくは液体洗濯洗剤組成物又は洗濯で使用するための液体柔軟剤組成物も包含し、そのような組成物は、それぞれ本明細書で先に及び特にそのようなポリマー及び/又は主鎖を説明するこの章での最も好ましい実施形態のいずれかに記載されたようなグラフトポリマー及び/又はポリマー主鎖を含み、そのような組成物は、4,4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテルをそれぞれ組成物の重量で0.001~3%、好ましくは0.002~1%、より好ましくは0.01~0.6%の濃度で更に含む。
【0267】
更なる実施形態において、本発明は、布地の洗濯又は硬表面の洗浄方法も包含し、その方法は、布地又は硬表面を洗浄組成物、より好ましくは液体洗濯洗剤組成物又は液体食器手洗い用組成物で、更により好ましくは洗濯に使用するための液体洗濯洗剤組成物又は液体柔軟剤組成物で処理することを含み、そのような組成物は、それぞれ本明細書で先に且つ特にそのようなポリマー及び/又は主鎖を説明するこの章での最も好ましい実施形態のいずれかに記載されるようなグラフトポリマー及び/又はポリマー主鎖を含み、そのような組成物は、4、4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテルを更に含む。
【0268】
以下の実施例は、本発明の範囲を限定することなく本発明を更に例示するものとする。
【実施例
【0269】
ポリマー測定
K値は、希薄ポリマー溶液の相対粘度を測定するものであり、平均分子量の相対的な尺度である。ポリマーの平均分子量が特定のポリマーに関して増加するにつれて、K値も上昇する傾向にある。K値は、「Cellulosechemie」,1932,13,58におけるH.Fikentscherの方法に従って、23℃及び1%ポリマーのポリマー濃度で3重量%NaCl溶液中において測定する。
【0270】
本発明のグラフトポリマーの数平均分子量(M)、重量平均分子量(M)及び多分散性M/Mは、テトラヒドロフラン中のゲル浸透クロマトグラフィーによって測定した。使用された移動相(溶離液)は、0.035モル/Lのジエタノールアミンを含むテトラヒドロフランであった。テトラヒドロフラン中のグラフトポリマーの濃度は、2.0mg/mLであった。濾過(孔径0.2μm)後、この溶液の100μLをGPCシステムに注入した。4本の異なるカラム(60℃に加熱)を分離のために使用した(SDVプレカラム、SDV 1000A、SDV 100000A、SDV 1000000A)。GPCシステムは、1mL/分の流量で運転した。DRI Agilent 1100を検出システムとして使用した。106~1378000g/モルの分子量Mを有するポリ(エチレングリコール)(PEG)標準物質(PL)を較正のために使用した。
【0271】
ポリマーの生分解性の測定方法
廃水での生分解は、OECD 301Fマノメーター呼吸計測法を用いて3通り試験した。30mg/mLの被験物質を、Mannheim Wastewater Treatment Plantから採取した廃水に接種し、密閉フラスコ中において25℃で28日間インキュベートする。この時間中の酸素の消費を、OxiTop C(WTW)を使用してフラスコ内の圧力の変化として測定する。発生したCO2を、NaOH溶液を使用して吸収する。被験物質の生分解中に微生物集団によって消費された酸素の量を、ブランクを使用する補正後、ThOD(理論的酸素要求量)の%として表す。
【0272】
以下の(一般的な)手順を、表1及び2に更に示されるような物質並びに比及び量を使用して行った。
【0273】
他の発明の及び比較のグラフトポリマーは、ポリマー主鎖のタイプ及び分子量及び組成とその上にグラフトするためのモノマーの量及びタイプとを調整することによってそれらの手順に従って合成することができる。
【0274】
本発明のポリマー実施例1~実施例7についての合成手順
実施例1:PEG(Mn600g/モル;50重量%)上での酢酸ビニル(50重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で500gのPEGを装入し、90℃に加熱した。29.86gのトリプロピレングリコールに溶解させた、3.57gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(500gの酢酸ビニル)の投入を開始し、反応槽に一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料投入が完了したら、40.12gのトリプロピレングリコールに溶解させた、4.90gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、90℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を90℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0275】
実施例2:PEG(Mn600g/モル;70重量%)上での酢酸ビニル(30重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で700gのPEGを装入し、90℃に加熱した。47.61gのトリプロピレングリコールに溶解させた、10.20gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(300gの酢酸ビニル)の投入を開始し、反応槽に一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料投入が完了したら、22.39gのトリプロピレングリコールに溶解させた、4.90gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、90℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を90℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0276】
実施例3:PEG(Mn1500g/モル;70重量%)上での酢酸ビニル(30重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で595gのPEGを装入し、90℃で溶融させた。42.76gのトリプロピレングリコールに溶解させた、10.41gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(255gの酢酸ビニル)の投入を開始し、反応槽に一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料投入が完了したら、16.75gのトリプロピレングリコールに溶解させた、4.16gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、90℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を90℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0277】
実施例4:PEG(Mn1500g/モル;75重量%)上での酢酸ビニル(25重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で750gのPEGを装入し、90℃で溶融させた。29.86gのトリプロピレングリコールに溶解させた、3.57gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(250gの酢酸ビニル)の投入を開始し、反応槽に一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料投入が完了したら、40.12gのトリプロピレングリコールに溶解させた、4.90gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、90℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を90℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0278】
実施例5:PEG(Mn1500g/モル;80重量%)上での酢酸ビニル(20重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で800gのPEGを装入し、90℃で溶融させた。29.86gのトリプロピレングリコールに溶解させた、3.57gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(200gの酢酸ビニル)の投入を開始し、反応槽に一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料投入が完了したら、40.12gのトリプロピレングリコールに溶解させた、4.90gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、90℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を90℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0279】
実施例6:PEG(Mn1500g/モル;85重量%)上での酢酸ビニル(15重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で850gのPEGを装入し、90℃で溶融させた。29.86gのトリプロピレングリコールに溶解させた、3.57gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(150gの酢酸ビニル)の投入を開始し、反応槽に一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料投入が完了したら、41.00gのトリプロピレングリコールに溶解させた、4.90gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、90℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を90℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0280】
実施例7:PEG(Mn1500g/モル;75重量%)上での酢酸ビニル(20重量%)及びラウリン酸ビニル(5重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で750gのPEGを装入し、90℃で溶融させた。29.50gのトリプロピレングリコールに溶解させた、3.57gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(200gの酢酸ビニル)及び供給原料3(50gのラウリン酸ビニル)の投入を開始し、反応槽に一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料投入が完了したら、40.48gのトリプロピレングリコールに溶解させた、4.90gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料4を、90℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を90℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0281】
実施例8:PEG(Mn1500g/モル;40重量%)上での酢酸ビニル(60重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で400gのPEGを装入し、90℃で溶融させた。47.61gのトリプロピレングリコールに溶解させた、10.20gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(600gの酢酸ビニル)の投入を開始し、反応槽に一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料投入が完了したら、22.39gのトリプロピレングリコールに溶解させた、4.80gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、90℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を90℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0282】
実施例9:PEG(Mn1500g/モル;90重量%)上での酢酸ビニル(10重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で900gのPEGを装入し、90℃で溶融させた。42.88gのトリプロピレングリコールに溶解させた、5.60gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(100gの酢酸ビニル)の投入を開始し、反応槽に一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料投入が完了したら、27.11gのトリプロピレングリコールに溶解させた、3.54gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、90℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を90℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0283】
実施例10:PEG(Mn1500g/モル;60重量%)上での酢酸ビニル(40重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で560gのPEGを装入し、90℃で溶融させた。40.05gのトリプロピレングリコールに溶解させた、5.23gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(374gの酢酸ビニル)の投入を開始し、反応槽に一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料投入が完了したら、25.32gのトリプロピレングリコールに溶解させた、3.31gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、90℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を90℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0284】
実施例11:PEG(Mn2406g/モル;60重量%)上での酢酸ビニル(40重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で480gのPEGを装入し、90℃で溶融させた。34.30gのトリプロピレングリコールに溶解させた、4.48gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(320gの酢酸ビニル)の投入を開始し、反応槽に一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料投入が完了したら、21.69gのトリプロピレングリコールに溶解させた、2.83gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、90℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を90℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0285】
実施例12:PEG(Mn2406g/モル;80重量%)上での酢酸ビニル(20重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で420gのPEGを装入し、90℃で溶融させた。22.51gのトリプロピレングリコールに溶解させた、2.94gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(105gの酢酸ビニル)の投入を開始し、反応槽に一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料投入が完了したら、14.23gのトリプロピレングリコールに溶解させた、1.86gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、90℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を90℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0286】
実施例13:PEG(Mn3055g/モル;60重量%)上での酢酸ビニル(40重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で480gのPEGを装入し、90℃で溶融させた。34.30gのトリプロピレングリコールに溶解させた、4.48gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(320gの酢酸ビニル)の投入を開始し、反応槽に一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料投入が完了したら、21.69gのトリプロピレングリコールに溶解させた、2.83gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、90℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を90℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0287】
実施例14:PEG(Mn3055g/モル;90重量%)上での酢酸ビニル(10重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で540gのPEGを装入し、90℃で溶融させた。25.73gのトリプロピレングリコールに溶解させた、3.36gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(60gの酢酸ビニル)の投入を開始し、反応槽に一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料投入が完了したら、16.27gのトリプロピレングリコールに溶解させた、2.12gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、90℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を90℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0288】
比較ポリマー比較例1~比較例4についての合成手順
比較例1:PEG(Mn6000g/モル;60重量%)上での酢酸ビニル(40重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で660gのPEG(Mn6000g/モル)を装入し、90℃で溶融させた。35.09gの1,2-プロパンジオールに溶解させた、4.42gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56重量%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(440gの酢酸ビニル)の投入を開始し、一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料1及び2の投入が完了したら、温度を95℃に上昇させ、23.21gの1,2-プロパンジオールに溶解させた、2.81gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、95℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を95℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0289】
比較例2:PEG(Mn6000g/モル;70重量%)上での酢酸ビニル(30重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で700gのPEG(Mn6000g/モル)を装入し、90℃で溶融させた。50.30gのトリプロピレングリコールに溶解させた、12.24gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56重量%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(300gの酢酸ビニル)の投入を開始し、一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料1及び2の投入が完了したら、温度を95℃に上昇させ、19.70gのトリプロピレングリコールに溶解させた、4.80gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、95℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を95℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0290】
比較例3:PEG(Mn4000g/モル;60重量%)上での酢酸ビニル(40重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で600gのPEG(Mn4000g/モル)を装入し、90℃で溶融させた。29.90gのトリプロピレングリコールに溶解させた、3.57gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56重量%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(400gの酢酸ビニル)の投入を開始し、一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料1及び2の投入が完了したら、温度を95℃に上昇させ、41.00gのトリプロピレングリコールに溶解させた、4.90gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、95℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を95℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0291】
比較例4:PEG(Mn6000g/モル;40重量%)上での酢酸ビニル(60重量%)のグラフト重合
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合槽に、まず窒素雰囲気下で400gのPEG(Mn6000g/モル)を装入し、90℃で溶融させた。23.6gのトリプロピレングリコールに溶解させた、4.8gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルを含有する供給原料1を、撹拌槽に90℃で、6時間10分で投入した。供給原料1の5.56重量%を最初の10分で投入し、残りを6.00時間かけて一定の供給速度で投入した。供給原料1の投入開始10分後、供給原料2(600gの酢酸ビニル)の投入を開始し、一定の供給速度及び90℃で6.00時間以内に投入した。供給原料1及び2の投入が完了したら、温度を95℃に上昇させ、15.70gのトリプロピレングリコールに溶解させた、3.16gのペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチルからなる供給原料3を、95℃で一定の流量で56分以内に投入した。供給原料の添加が完了したら混合物を95℃で1時間撹拌した。残留量のモノマーを、95℃及び500mbarで1時間の真空蒸留によって除去した。
【0292】
【表8】
【0293】
【表9】
【0294】
ポリマー白色度及び液体洗剤における洗浄性能
下記のWater Soluble Unit Dose(水溶性単位用量)(SUD)洗剤組成物A及びBを、列挙される成分(表3)を混合することにより当業者に公知の伝統的手段によって調製する。
【0295】
本発明のポリマーの白度維持は、基準組成物A及び試験組成物Bの白色度性能を直接比較することによるポリマーの白色度性能の評価方法に従って評価する。組成物A対組成物BのΔWI(CIE)を、表4に、ポリマー白色度性能便益の指標として報告する。組成物A対基準組成物BのΔSRIを、ポリマー洗浄性能の指標として表5に報告する。
【0296】
【表10】
【0297】
洗剤における白度維持性能の評価方法
試験準備:
以下の布地:
・NAポリマー:PW19、Empirical Manufacturing Company(Cincinnati,OH,USA)から入手可能
・ニットコットン(Knitted Cotton)1:Test fabric,Inc 403コットンインターロック丸編み
・CW120、Empirical Manufacturing Company(Cincinnati,OH,USA)から入手可能
・ポリコットン
を白色度便益試験のために提供する。
【0298】
「洗浄した及びFE処理した」布地を、以下の方法に従って調製した:400gの布地を、18.6gのAriel(商標)Compact粉末洗剤を用いて60℃でショートプログラム(45分洗浄サイクル、引き続き3回の濯ぎサイクル;全体プログラムは90分である)を用いて2回、60℃無洗剤で、ショートプログラムを用いて2回、次いで各主洗浄中に8.2gのLenor(商標)Concentrate(布地エンハンサー)を用いて40℃でショートプログラムを用いて3回、WE Miniwasher(3.5リットルの水)において洗浄する。次いで、布地を、乾燥するまで回転式乾燥機においてエクストラドライで乾燥させる。
【0299】
「洗浄した」布地を、以下の方法に従って調製した:400gの布地を、18.6gのAriel(商標)Compact粉末洗剤を用いて60℃でショートプログラム(45分洗浄サイクル、引き続き3回の濯ぎサイクル;全体プログラムは90分である)を用いて2回、60℃無洗剤で、ショートプログラムを用いて2回、WE Miniwasher(3.5リットルの水)において洗浄する。次いで、布地を、乾燥するまで回転式乾燥機においてエクストラドライで乾燥させる。
【0300】
試験方法
4つの布地試料:ポリコットン、洗浄済み;ニットコットン、洗浄済み;NAポリエステル洗浄済み及びFE処理済み;ニット洗浄及びFE処理済みを準備する。
【0301】
各試料を、磁気ベアリングを使用して以下の条件:750ppm洗剤濃度、1ウェル当たり150μLの水、25℃、2.5mM(2:1のCa+2:Mg+2モル比)の水の硬度、8.3の洗浄pH、3000ppmのArizona試験粉塵(PTI,Powder Technology Incにより供給される)に従った典型的なフルスケール洗浄機のかき混ぜをシミュレートする96ウェルプレート模擬洗浄システムでランさせる。
【0302】
表5に列挙される各ポリマーを、洗浄液の15ppmで添加する。各布地を60分間洗浄し、周囲条件下で暗闇の中で乾燥させる。各洗浄条件について、1洗浄条件当たり合計16の反復試験のための、2つの96ウェルプレート、96ウェルプレート当たり8つの内部反復試験がある。
【0303】
試料が乾燥しているときに、L*、a*、b*及びCIE WIを、Spectrolino画像化系(Gretag Macbeth,Spectro Scan 3.273)を使用して各96ウェルプレートスポットに関して測定する。各処理について、平均CIE WIを測定する。下の表に報告されるような、デルタCIE WIは、試料の平均CIE WI対試験ポリマーなしの対照試料の平均CIE WIの差である。
【0304】
幾つかの異なる繊維材料(以下の表を参照されたい)に関して測定されるような白色度指数(WI指数)は、以下の通り計算した。
【0305】
白色度指数について、CIE白色度指数式を使用し、デルタWIを以下の通り計算した:基材に関するデルタWI=WI技術-WI無
「比較スケーリングインジケーター」(例えば、列挙される)=(合計(WI技術Aで試験された全布地)×100)/合計(全WI無技術で試験された布地)(この比較は、グラフトポリマーを使用しない試験について「100」にセットする)
【0306】
【表11】
【0307】
【表12】
【0308】
ポリマーの洗浄便益の評価方法
ポリマーの洗浄便益は、ターゴトメーターを使用して評価する。この試験に好適ないくつかの実例試験汚れは、
Equestを含まない(ex)標準草
Equestを含まない標準黒色Todd Clay
CFTを含まないASTM粉塵皮脂
CFTを含まないポリコットン上の非常に特異的な皮脂
Equestを含まないニットコットン上の焦げたバター
Equestを含まないニットコットン上の染色ベーコン
である。
【0309】
汚れを、L、a、b値について市販の画像解析システムを使用して解析する。
【0310】
発明のポリマーを、典型的には、試験のために他の成分と一緒に最終製品中に配合する。試験製品を水(規定の硬度での)で規定の洗浄濃度に希釈することによって洗浄液を調製する。
【0311】
水溶性単位用量組成物の試験において、追加の47ppmのPVOHフィルムもターゴトメーターポットに添加する。洗浄温度は30℃であり、水の硬度は8gpgである。
【0312】
各ターゴトメーターポットにおいて洗浄される布地は、2片の各試験汚れ(2つの内部反復試験片)、5×5cmのWfK SBL 2004汚物シートの13の見本及び追加のニットコットンバラストを含んで最大で60gの総布地重量を作り上げる。
【0313】
洗浄液を含有するターゴトメーターポット中に布地全てを加えたら直ちに、洗浄液を40分間かき混ぜる。次いで、洗浄液を流し出し、布地を5分濯ぎステップに1回又は2回供し、その後、排水し、遠心脱水する。洗浄された汚れを、空気流れキャビネット中で乾燥させ、次いで市販の画像解析システムを使用してL、a、b値について解析する。
【0314】
この手順を更に繰り返して合計3~4つの外部反復試験を与える。
【0315】
汚れ除去指数(SRI)は、下に示される式を使用してL、a、b値から計算する。SRIが高いほど、汚れ除去はより良好である。
SRI=100*((ΔE-ΔE)/ΔE
ΔE=√((L-L+(a-a+(b-b
ΔE=√((L-L+(a-a+(b-b
下付き文字「b」は、洗浄前の汚れについてのデータを示す。
下付き文字「a」は、洗浄後の汚れについてのデータを示す。
下付き文字「c」は、汚れのない布地についてのデータを示す。
【0316】
組成物A対基準組成物BのΔSRIを、ポリマー洗浄性能の指標として表6に報告する。
【0317】
表6に示されるように、本発明のポリマーは、とりわけ皮脂汚れに関して、液体洗濯洗剤において著しい洗浄便益をもたらす。
【0318】
【表13】
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラフトポリマーであって、全ての百分率を前記グラフトポリマーの総重量に対する重量パーセントとして、
(A)20~95%、好ましくは30~90%、より好ましくは40~85%、最も好ましくは50~80%の、エチレンオキシドの重合によって得ることができる、グラフト基体としてのポリマー主鎖であって、g/モル単位での前記ポリマー主鎖の分子量Mnは、500~5000以内、好ましくは3500以下、より好ましくは3000以下、更により好ましくは2500以下、最も好ましくは2000以下、例えば1800以下である、ポリマー主鎖と、
(B)5~80%、好ましくは10~70%、より好ましくは15~60%、最も好ましくは20~50%の、前記ポリマー主鎖上にグラフトされたポリマー側鎖(B)であって、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合によって得ることができ、- 存在する場合 - モノマー(B2)対モノマー(B1)の重量比は、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、更により好ましくは0.1未満であり、最も好ましくは、(B2)は、含まれない、ポリマー側鎖(B)と
を含むグラフトポリマー。
【請求項2】
(A)エチレンオキシドの重合によって得ることができる、グラフト基体としてのポリマー主鎖(A)と、
(B)前記ポリマー主鎖上にグラフトされたポリマー側鎖であって、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合によって得ることができ、- 存在する場合 - モノマー(B2)対モノマー(B1)の重量比は、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満である、ポリマー側鎖と
を含み、式
P=[g/モル単位での前記ポリマー主鎖の分子量]×[ポリマー重量を「1」に設定し、及び(B)の量の百分率をその割合としての、総ポリマー重量を基準とするポリマー側鎖(B)の量の百分率]
の積は、50~1500の範囲、好ましくは1200以下、より好ましくは1000以下、更により好ましくは800以下、最も好ましくは600以下、例えば400以下又は更に300以下及び好ましくは少なくとも100、より好ましくは少なくとも120である、請求項1に記載のグラフトポリマー。
【請求項3】
i)、ii)、iii)、iv)及びv)
i)前記ポリマー主鎖(A)は、2つの末端基として1つ若しくは2つのヒドロキシ基を有し得るか、又は1つの末端若しくは両方の末端においてC1~C22アルキル基、好ましくはC1~C4アルキル基でキャップされ得ること;
ii)前記グラフトポリマーは、5未満、好ましくは3.5未満、より好ましくは3未満、最も好ましくは1.0~2.5の範囲の多分散性Mw/Mn(ここで、Mw=重量平均分子量であり、及びMn=数平均分子量[g/モル/g/モル]である)を有すること;
iii)本質的に、モノマー(B2)は、前記側鎖(B)を得るための前記重合に用いられないこと;
iv)ビニルエステルモノマー(B1)の総量の少なくとも10重量パーセントは、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びラウリン酸ビニルから、より好ましくは酢酸ビニル及びラウリン酸ビニルから選択され、最も好ましくは酢酸ビニルであり、ビニルエステルの残りの量は、任意の他の既知のビニルエステルであり得、好ましくは、少なくとも60、より好ましくは少なくとも70、更により好ましくは少なくとも80、更により好ましくは少なくとも90重量パーセント、最も好ましくは本質的に唯一の(すなわち約100重量%又は更に100重量%の)酢酸ビニルは、ビニルエステルとして用いられる(重量パーセントは、用いられるビニルエステルモノマーB1の総重量を基準とする)こと;及び
v)前記グラフトポリマーの生分解性は、OECD301F下で試験される場合、28日以内に少なくとも30、好ましくは少なくとも35、更により好ましくは少なくとも40%であること
の少なくとも1つが満たされる、請求項1又は2に記載のグラフトポリマー。
【請求項4】
請求項1~のいずれか一項に記載のグラフトポリマーを得るためのプロセスであって、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の他のモノマー(B2)は、少なくとも1種のポリマー主鎖(A)の存在下で重合され、前記ポリマー側鎖(B)は、ラジカル重合であって、前記ラジカル重合を開始するためのラジカル形成化合物を使用するラジカル重合によって得られる、プロセス。
【請求項5】
少なくとも1種のポリマー主鎖(A)、フリーラジカル形成開始剤(C)並びに任意選択的に成分(A)、(B1)、任意選択的な(B2)及び(C)の合計を基準として最大で50重量%の少なくとも1種の有機溶媒(D)の存在下において、前記開始剤(C)が40~500分の分解半減期を有する平均重合温度での、少なくとも1種のビニルエステルモノマー(B1)及び任意選択的に少なくとも1種の他のモノマー(B2)の重合であって、反応混合物中の未転化のグラフトモノマー(B1)並びに任意選択的な(B2)及び開始剤(C)の割合が前記ポリマー主鎖(A)に対して量的な不足に常に保たれるような方法での重合を含み、好ましくは、ビニルエステルモノマー(B1)の総量の少なくとも10重量パーセントは、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びラウリン酸ビニルから、より好ましくは酢酸ビニル及びラウリン酸ビニルから選択され、最も好ましくは酢酸ビニルであり、ビニルエステルの残りの量は、任意の他の既知のビニルエステルであり得、好ましくは、少なくとも60、より好ましくは少なくとも70、更により好ましくは少なくとも80、更により好ましくは少なくとも90重量パーセント、最も好ましくは本質的に唯一の(すなわち約100重量%又は更に100重量%の)酢酸ビニルは、ビニルエステルとして用いられ(重量パーセントは、用いられるビニルエステルモノマーB1の総重量を基準とする)、- (B2)が存在する場合 - 任意選択的なモノマー(B2)対モノマー(B1)の重量比は、0.5未満、好ましくは0.4未満、より好ましくは0.3未満、更により好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.1未満である、請求項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記モノマー(B1)の他に、本質的に、モノマー(B2)は、用いられない、請求項又はに記載のプロセス。
【請求項7】
i)~iv):
i)後重合;ii)精製;iii)濃縮;及びiv)乾燥
から選択される少なくとも1つの更なるプロセスステップを含む、請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
i)主重合反応後に行われる後重合プロセスステップであって、好ましくは、更なる量の開始剤(任意選択的に前記溶媒中に溶解されている)は、0.5時間~最大で3時間、好ましくは約1~2時間、より好ましくは約1時間の期間にわたって添加され、前記ラジカル開始剤及び前記開始剤のための前記溶媒は、典型的には、- 及び好ましくは - 前記主重合反応のためのものと同じであり、前記重合反応後及び前記後重合反応前に、好ましくは、更なるラジカル開始剤の添加を開始することによって前記後重合反応が開始される前に、前記主重合反応を進行させる期間が待機され、前記期間は、好ましくは、10分~最大で4時間、好ましくは最大で2時間、更により好ましくは最大で1時間、最も好ましくは最大で30分であり、前記後重合プロセスステップの温度は、- 好ましくは - 前記主重合反応におけるものと同じであるか又は上昇され、前記上昇は、好ましくは、前記主重合反応の温度に比べて約5~40℃、好ましくは10~20℃だけ高い、後重合プロセスステップ;
ii)前記主重合又は - 行われる場合、前記後重合プロセス - から得られる前記グラフトポリマーを、残存溶媒(それらがその沸点のために除去可能である限り)及び/又は残留モノマーなどの揮発性物質の一部又はほぼ全てを除去するための濃縮及び/又は乾燥の手段に供するステップであって、
a.前記濃縮は、好ましくは、所望の固形分が達成されるまで行われ、好ましくは揮発性溶媒及び/又は未反応の揮発性モノマーなどの揮発性成分の所望の部分又は全てが除去されるまで行われる、熱又は真空蒸留、好ましくは真空蒸留などの蒸留プロセスを適用することにより、前記溶媒及び任意選択的にまた揮発性物質の一部を除去して、固体ポリマー濃度を上げることによって行われ;
b.前記乾燥は、残存溶媒及び/又は未反応モノマー等などの少なくとも残留量の揮発性物質を含有する前記グラフトポリマーを、ローラードラム、噴霧乾燥機を使用する乾燥、真空乾燥又は凍結乾燥、好ましくは - 主に費用の理由のために - 噴霧乾燥など、前記揮発性物質を除去する手段に供し、且つ任意選択的に、前記乾燥プロセスステップを、凝集した又は粒状のグラフトポリマー粒子を得るための凝集又は造粒の手段と組み合わせることによって行われ、前記プロセスは、好ましくは、噴霧凝集、流動床乾燥機での造粒又は乾燥、噴霧造粒デバイス等から選択される、ステップ
から選択される少なくとも1つの更なるプロセスステップを含む、請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
水の量は、少なく、好ましくは全溶媒を基準として5重量%未満、より好ましくは1重量%未満である、請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
布地ケア及びホームケア製品、洗浄組成物、業務用洗浄製品、化粧品又はパーソナルケア製品、原油エマルジョン破壊剤などの油田用配合物、インクジェットインクなどのインクのための顔料分散体、電気めっき製品、セメント系組成物、ラッカー、塗料、農薬配合物である組成物中における、好ましくは洗浄組成物中における並びに/又は布地ケア及びホームケア製品中における、より好ましくは布地ケア及びホームケアのための洗浄組成物中における、請求項1~3のいずれか一項に記載の少なくとも1種のグラフトポリマー又は請求項4~9のいずれか一項に記載のプロセスによって得られるか若しくは得ることができる少なくとも1種のグラフトポリマーの使用であって、前記洗浄組成物は、好ましくは、洗濯洗剤配合物又は食器洗浄用洗剤配合物であり、任意選択的に、1種以上のリパーゼ、ヒドロラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ、ペクチン酸リアーゼ、クチナーゼ、DNase、キシラナーゼ、オキシドレダクターゼ、ディスパーシン、マンナナーゼ及びペルオキシダーゼ並びに上記の種類の少なくとも2つの組合せから好ましくは選択される少なくとも1種の酵素を更に含み、好ましくは、少なくとも1種の酵素は、リパーゼ、ヒドロラーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼから選択され、前記少なくとも1種のグラフトポリマーは、前記組成物又は製品の総重量に対して約0.01%~約20%、好ましくは0.05%~15%、より好ましくは約0.1%~約10%、最も好ましくは約0.5%~約5%の範囲の量で存在し、及び前記製品又は組成物は、約1重量%~約70重量%の界面活性剤系を更に含む、使用
【請求項11】
請求項1~のいずれか一項に記載の少なくとも1種のグラフトポリマー又は請求項のいずれか一項に記載のプロセスによって得られるか若しくは得ることができる少なくとも1種のグラフトポリマーをそれぞれ含有する、布地ケア及びホームケア製品、洗浄組成物、業務用洗浄製品、化粧品又はパーソナルケア製品、原油エマルジョン破壊剤などの油田用配合物、インクジェットインクなどのインクのための顔料分散体、電気めっき製品、セメント系組成物、ラッカー、塗料、農薬配合物、好ましくは洗濯洗剤、食器洗浄用組成物、洗浄組成物並びに/又は布地ケア及びホームケア製品である組成物。
【請求項12】
2-フェノキシエタノールからなる群から選択される抗菌剤を更に含み、好ましくは前記組成物の2ppm~5重量%の範囲の量の前記抗菌剤を含み、より好ましくは0.1~2%のフェノキシエタノールを含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
4,4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテルをそれぞれ前記組成物の重量で0.001~3%、好ましくは0.002~1%、より好ましくは0.01~0.6%の濃度で含む、請求項11又は12に記載の組成物。
【請求項14】
微生物汚染又は増殖に対して、請求項11又は13に記載の組成物を保存する方法であって、前記組成物が、好ましくは、前記組成物の2ppm~5重量%の範囲、より好ましくは0.1~2%を含む量でフェノキシエタノールを含むように、水を溶媒として含む水性組成物である前記組成物に、2-フェノキシエタノールからなる群から選択される抗菌剤を添加することを含む方法。
【請求項15】
布地を洗濯するか又は硬表面を洗浄する方法であって、布地又は硬表面を、請求項11又は12に記載の組成物で処理することを含み、前記組成物は、4,4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテルを含み、好ましくは4,4’-ジクロロ2-ヒドロキシジフェニルエーテルをそれぞれ前記組成物の重量で0.001~3%、好ましくは0.002~1%、より好ましくは0.01~0.6%の濃度で含む、方法。
【国際調査報告】