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特表2024-531236測定レシピを決定するための方法及び関連する機器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】測定レシピを決定するための方法及び関連する機器
(51)【国際特許分類】
   G03F 9/00 20060101AFI20240822BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20240822BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
G03F9/00 H
G03F7/20 521
H01L21/66 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508660
(86)(22)【出願日】2022-07-28
(85)【翻訳文提出日】2024-04-10
(86)【国際出願番号】 EP2022071212
(87)【国際公開番号】W WO2023025506
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】21193233.0
(32)【優先日】2021-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21214132.9
(32)【優先日】2021-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ドンゲン,ジェロエン
(72)【発明者】
【氏名】ツィアトマス,アナグノスティス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァーマ,アロック
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デル メイデン,ヴィダル
(72)【発明者】
【氏名】マク ナマラ,エリオット,ゲラルド
【テーマコード(参考)】
2H197
4M106
【Fターム(参考)】
2H197DA02
2H197EA11
2H197EA30
2H197EB16
2H197EB30
2H197HA03
2H197HA04
2H197HA05
2H197HA10
2H197JA23
4M106AA01
4M106BA04
4M106CA21
4M106CA39
4M106DB03
4M106DB07
4M106DB12
4M106DJ18
4M106DJ20
(57)【要約】
開示するのは基板上の化合物構造から関心のあるパラメータを測定するための測定設定を記述する測定レシピを決定するための方法である。この方法は、参照ターゲットの測定に関係する第1のトレーニングデータを得ることを含み、ターゲットは、関心のあるパラメータターゲットにわたって変えられた誘導設定値をそれぞれ有する関心のあるパラメータターゲットと、1つ又は複数のフィーチャの繰り返しをそれぞれ含む1つ又は複数の孤立フィーチャターゲットとを含む。化合物構造の1つ又は複数のインスタンスの測定から得られる化合物構造測定信号を含む第2のトレーニングデータが得られる。フィーチャ非対称性寄与について補正される化合物構造に関係する測定信号から関心のあるパラメータの値を推論するために、第1のトレーニングデータ及び第2のトレーニングデータを使用して1つ又は複数の機械学習モデルがトレーニングされる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の化合物構造から関心のあるパラメータを測定するための測定設定を記述する測定レシピを決定するための方法であって、
複数の参照ターゲットの測定に関係する第1のトレーニングデータを得ることであって、前記複数の参照ターゲットは、
複数の関心のあるパラメータターゲットにわたって変えられた誘導設定値をそれぞれ有する複数の関心のあるパラメータターゲットと、
前記化合物構造の他のフィーチャから孤立した前記化合物構造内に含まれる1つ又は複数のフィーチャの繰り返しをそれぞれ含む1つ又は複数の孤立フィーチャターゲットと
を含む、第1のトレーニングデータを得ること、
前記化合物構造の1つ又は複数のインスタンスの測定から得られる複数の化合物構造測定信号を含む第2のトレーニングデータを得ることであって、前記化合物構造測定信号のそれぞれは前記1つ又は複数のフィーチャの非対称性に起因するフィーチャ非対称性寄与を含む、第2のトレーニングデータを得ること、及び
前記フィーチャ非対称性寄与について補正される前記化合物構造に関係する測定信号から前記関心のあるパラメータの値を推論するために、前記第1のトレーニングデータ及び第2のトレーニングデータを使用して1つ又は複数の機械学習モデルをトレーニングすること
を含む、方法。
【請求項2】
前記化合物構造が製品化合物構造又はその代表的な代理物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記関心のあるパラメータがオーバーレイであり、前記誘導設定値がオーバーレイバイアスである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ又は複数の孤立フィーチャターゲットのうちの1つ又は複数が、前記化合物構造内に含まれる1つだけのフィーチャの繰り返しをそれぞれ含む、請求項1~3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記1つ又は複数の孤立フィーチャターゲットのうちの1つ又は複数が単一層内で形成される、請求項1~4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記トレーニングするステップが、前記1つ又は複数の孤立フィーチャターゲットのうちの少なくとも1つに含まれる前記1つ又は複数のフィーチャの前記フィーチャ非対称性寄与を定量化するフィーチャ非対称性メトリックの値を決定するために、前記1つ又は複数の機械学習モデルをトレーニングすることを含む、請求項1~5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のトレーニングデータが、前記第1のトレーニングデータを取得するための複数の異なる取得設定を用いた前記参照ターゲットの測定に更に関係し、前記トレーニングするステップは、各測定レシピ候補がトレーニング済み機械学習モデルと対応する取得設定との組み合わせ候補を含むように複数の測定レシピ候補を得るために複数の前記機械学習モデルをトレーニングすることを含み、前記方法が
前記第2のトレーニングデータを使用して前記測定レシピ候補から好ましい測定レシピを決定すること
を含む、請求項1~6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記化合物構造から前記関心のあるパラメータを推論する際のレシピ性能の比較から、各候補測定レシピのマッチングメトリックを決定すること、及び
前記測定レシピ候補から前記好ましい測定レシピを選択する際に前記マッチングメトリックを使用すること
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のトレーニングデータが前記1つ又は複数の機械学習モデルをトレーニングするための第1のラベル付きトレーニングデータを含み、前記第1のラベル付きトレーニングデータはその個々の誘導設定値によってラベル付けされた各参照ターゲットからの測定を含む、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
製品基板上で前記化合物構造の測定を行うために前記好ましい測定レシピを使用すること、及び
前記測定から前記関心のあるパラメータの値を推論すること
を含む、請求項7~9の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記測定から少なくとも1つのフィーチャ非対称性メトリックの値を推論するために前記好ましい測定レシピを使用することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の参照ターゲットがターゲットクラスタ内にクラスタ化される、請求項1~11の何れか一項に記載の方法。
【請求項13】
適切な装置上で実行されるとき請求項1~12の何れか一項に記載の方法を実行するように動作可能なプログラム命令
を含むコンピュータプログラム
を含むストレージデバイス
を含む、計測デバイス。
【請求項14】
前記第1のトレーニングデータを得るための前記複数の参照ターゲット、及び前記第2のトレーニングデータを得るための前記化合物構造の前記1つ又は複数のインスタンスを測定するように動作可能である、請求項13に記載の計測デバイス。
【請求項15】
少なくとも1つの化合物構造と、
少なくとも1つのターゲットクラスタであって、前記各ターゲットクラスタは複数の参照ターゲットを含み、前記複数の参照ターゲットは
複数の関心のあるパラメータターゲットにわたって変えられた誘導設定値をそれぞれ有する複数の関心のあるパラメータターゲット、及び
化合物構造の他のフィーチャから孤立した前記構造内に含まれる1つ又は複数のフィーチャの繰り返しをそれぞれ含む1つ又は複数の孤立フィーチャターゲット
を含む、少なくとも1つのターゲットクラスタと
を含む、基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は、参照によりその全体を本明細書に援用する、2021年8月26日に出願された欧州特許出願第21193233.0号及び2021年12月13日に出願された欧州特許出願第21214132.9号の優先権を主張する。
【0002】
[0002] 本発明は集積回路の製造における計測の応用に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、基板上に所望のパターンを適用するように構築される機械である。リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)の製造に使用することができる。リソグラフィ装置は、例えばパターニングデバイス(例えばマスク)におけるパターン(しばしば「設計レイアウト」又は「設計」とも呼ばれる)を、基板(例えばウェーハ)上に設けられた放射感応性材料(レジスト)の層上に投影することができる。
【0004】
[0004] 基板上にパターンを投影するために、リソグラフィ装置は電磁放射を使用することができる。この放射の波長は、基板上に形成可能なフィーチャの最小サイズを決定する。現在使用されている典型的な波長は365nm(i線)、248nm、193nm、及び13.5nmである。例えば193nmの波長を有する放射を使用するリソグラフィ装置よりも小さなフィーチャを基板上に形成するために、4~20nm、例えば6.7nm又は13.5nmの範囲内の波長を有する極端紫外線(EUV)放射を使用するリソグラフィ装置が使用され得る。
【0005】
[0005] リソグラフィ装置の従来の解像限界よりも小さな寸法を有するフィーチャを処理するために、低kリソグラフィを使用することができる。かかるプロセスでは、解像度公式をCD=k×λ/NAとして表すことができ、但しλは採用される放射の波長であり、NAはリソグラフィ装置内の投影光学システムの開口数であり、CDは「クリティカルディメンション」(一般的にはプリントされる最小フィーチャサイズだが、この場合はハーフピッチ)であり、kは経験的な解像係数である。概して、kが小さいほど、特定の電気的機能及び性能を実現するために回路設計者によって計画された形状及び寸法に似たパターンを基板上に再現することが難しくなる。これらの困難を克服するために、精巧な微調整ステップをリソグラフィ投影装置及び/又は設計レイアウトに適用することができる。これらのステップは、例えばこれだけに限定されないがNAの最適化、カスタマイズされた照明スキーム、位相シフトパターニングデバイスの使用、設計レイアウトにおける光近接補正(OPC、「光学及びプロセス補正」と呼ばれることもある)等の設計レイアウトの様々な最適化、又は一般に「解像度向上技術」(RET)として定義される他の方法を含む。或いは、低k1でのパターンの再現を改善するために、リソグラフィ装置の安定性を制御するための厳格な制御ループを使用することができる。
【0006】
[0006] 例えばオーバーレイを測定するために、IC製造プロセスの多くの局面で計測ツール、例えば露光前に基板を適切に位置決めするためのアライメントツール、及びプロセス制御において露光及び/又はエッチングされた製品を検査/測定するためのスキャトロメトリベースのツールが使用される。
【0007】
[0007] 照明設定等の幾つかの計測設定を含む測定レシピは測定の質に概して影響を及ぼすので、計測を行うためにかかる測定レシピを選択すべきである。測定レシピを決定する決定方法を改善することが望ましい。
【発明の概要】
【0008】
[0008] 本発明の第1の態様では、基板上の化合物構造から関心のあるパラメータを測定するための測定設定を記述する測定レシピを決定するための方法が提供され、この方法は、複数の参照ターゲットの測定に関係する第1のトレーニングデータを得ることであって、複数の参照ターゲットは、複数の関心のあるパラメータターゲットにわたって変えられた誘導設定値(induced set value)をそれぞれ有する複数の関心のあるパラメータターゲットと、化合物構造の他のフィーチャから孤立した化合物構造内に含まれる1つ又は複数のフィーチャの繰り返しをそれぞれ含む1つ又は複数の孤立フィーチャターゲットとを含む、第1のトレーニングデータを得ること、及び化合物構造の1つ又は複数のインスタンスの測定から得られる複数の化合物構造測定信号を含む第2のトレーニングデータを得ることであって、化合物構造測定信号のそれぞれは1つ又は複数のフィーチャの非対称性に起因するフィーチャ非対称性寄与を含む、第2のトレーニングデータを得ること、及びフィーチャ非対称性寄与について補正される化合物構造に関係する測定信号から関心のあるパラメータの値を推論するために、第1のトレーニングデータ及び第2のトレーニングデータを使用して1つ又は複数の機械学習モデルをトレーニングすることを含む。
【0009】
[0009] 本発明の第2の態様では、少なくとも1つの化合物構造と、少なくとも1つのターゲットクラスタであって、各ターゲットクラスタは複数の参照ターゲットを含み、複数の参照ターゲットは、複数の関心のあるパラメータターゲットにわたって変えられた誘導設定値をそれぞれ有する複数の関心のあるパラメータターゲット、及び化合物構造の他のフィーチャから孤立した構造内に含まれる1つ又は複数のフィーチャの繰り返しをそれぞれ含む1つ又は複数の孤立フィーチャターゲットを含む、少なくとも1つのターゲットクラスタとを含む基板が提供される。
【0010】
[00010] 本発明は、第1の態様の方法をプロセッサに実行させるための機械可読命令を含むコンピュータプログラム製品、及び関連する計測装置をまた更に提供する。
【0011】
[00011] 以下に記載する例を検討することにより、本発明の上記の及び他の態様が理解されよう。
【0012】
[00012] 次に、本発明の実施形態を添付の概略図に関して専ら例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】リソグラフィ装置の概略的な全体像を示す。
図2】リソグラフィセルの概略的な全体像を示す。
図3】半導体製造を最適化するための3つの主要技術間の連携を表すホリスティックリソグラフィの概略図を示す。
図4】本発明の実施形態による方法で使用するための、計測デバイスとして使用されるスキャトロメトリ装置の概略的な全体像を示す。
図5】(a)第1の1組の照明アパーチャを使用する本発明の実施形態による方法で使用するための瞳及び暗視野スキャトロメータの概略図、及び(b)所与の照明方向に対するターゲット格子の回折スペクトルの詳細を含む。
図6】DRAMセル構造の一部の上から見た及び断面の概略図である。
図7】本発明の一実施形態による自己参照トレーニングターゲットクラスタの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[00013] 本明細書で「放射」及び「ビーム」という用語は、(例えば365、248、193、157、又は126nmの波長を有する)紫外線放射、及びEUV(例えば約5~100nmの範囲内の波長を有する極端紫外線)を含む全ての種類の電磁放射を包含するように使用される。
【0015】
[00014] 本文で使用する「レチクル」、「マスク」、又は「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分において作成しようとするパターンに対応し、入射する放射ビームにパターン付き断面を与えるために使用可能な汎用パターニングデバイスを指すものとして広義に解釈され得る。この文脈において「ライトバルブ」という用語も使用することができる。古典的なマスク(透過型又は反射型、バイナリ、位相シフト、ハイブリッド等)以外に、他のかかるパターニングデバイスの例はプログラマブルミラーアレイ及びプログラマブルLCDアレイを含む。
【0016】
[00015] 図1は、リソグラフィ装置LA又はスキャナを概略的に示す(2つの用語は同義で使用するが、本明細書の概念はステッパ構成にも適用可能である)。リソグラフィ装置LAは、放射ビームB(例えばUV放射、DUV放射、又はEUV放射)を調整するように構成される照明システム(イルミネータとも呼ぶ)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構築され、一定のパラメータに従ってパターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成される第1のポジショナPMに接続されるマスクサポート(例えばマスクテーブル)MTと、基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構築され、一定のパラメータに従って基板サポートを正確に位置決めするように構成される第2のポジショナPWに接続される基板サポート(例えばウェーハテーブル)WTと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されるパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ又は複数のダイを含む)上に投影するように構成される投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSとを含む。
【0017】
[00016] 動作中、照明システムILは、例えばビームデリバリシステムBDを介して放射源SOから放射ビームを受ける。照明システムILは、放射を誘導し、整形し、及び/又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、及び/又は他の種類の光学コンポーネント若しくはその任意の組み合わせ等の様々な種類の光学コンポーネントを含み得る。イルミネータILを使用して放射ビームBを調整し、パターニングデバイスMAの平面において、その断面における所望の空間及び角度強度分布を得ることができる。
【0018】
[00017] 本明細書で使用する「投影システム」PSという用語は、使用されている露光放射、及び/又は浸液の使用若しくは真空の使用等の他の要因に合わせて適宜、屈折型、反射型、反射屈折型、アナモルフィック型、磁気型、電磁型、及び/又は静電型の光学システム、若しくはその任意の組み合わせを含む様々な種類の投影システムを包含するものとして広義に解釈すべきである。本明細書での「投影レンズ」という用語の如何なる使用も、より全般的な「投影システム」PSという用語と同義と見なすことができる。
【0019】
[00018] リソグラフィ装置LAは、投影システムPSと基板Wとの間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部を比較的高い屈折率を有する液体、例えば水で覆うことができる種類のものとすることができる(液浸リソグラフィとも呼ばれる)。液浸技法に関する更なる情報は、参照により本明細書に援用する米国特許第6952253号の中で示されている。
【0020】
[00019] リソグラフィ装置LAは、2つ以上の基板サポートWT(「デュアルステージ」とも呼ばれる)を有する種類のものでもよい。このような「マルチステージ」機械では、基板サポートWTを並行して使用することができ、及び/又は基板サポートWTの1つの上に位置する基板Wに対して基板Wのその後の露光の準備ステップを実行する一方、他の基板W上にパターンを露光するために他の基板サポートWT上の別の基板Wを使用することができる。
【0021】
[00020] 基板サポートWTに加え、リソグラフィ装置LAは測定ステージを含むことができる。測定ステージは、センサ及び/又はクリーニングデバイスを保持するように構成される。センサは、投影システムPSの特性又は放射ビームBの特性を測定するように構成され得る。測定ステージは複数のセンサを保持することができる。クリーニングデバイスはリソグラフィ装置の一部、例えば投影システムPSの一部又は浸液を提供するシステムの一部をクリーニングするように構成され得る。基板サポートWTが投影システムPSから離れている場合、測定ステージは投影システムPSの下方で移動することができる。
【0022】
[00021] 動作中、放射ビームBは、マスクサポートMT上に保持されるパターニングデバイス、例えばマスクMAに入射し、パターニングデバイスMA上に存在するパターン(設計レイアウト)によってパターンが付与される。マスクMAを横断した放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは基板Wのターゲット部分C上にビームを集束させる。第2のポジショナPW及び位置測定システムIFを用いて、例えば集束されアライメントされた位置において放射ビームBの経路内に様々なターゲット部分Cを位置決めするように、基板サポートWTを正確に移動させることができる。同様に、第1のポジショナPM、及びことによると別の位置センサ(図1には明示的に示されていない)を使用して、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることができる。パターニングデバイスMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用してアライメントすることができる。図示の基板アライメントマークP1、P2は専用のターゲット部分を占有するが、それらをターゲット部分間の空間に位置することもできる。ターゲット部分C間に位置する場合、基板アライメントマークP1、P2はスクライブレーンアライメントマークとして知られる。
【0023】
[00022] 図2に示すように、リソグラフィ装置LAは、基板Wに対する露光前プロセス及び露光後プロセスを実行するための装置もしばしば含む、リソセル又は(リソ)クラスタと呼ばれることもあるリソグラフィセルLCの一部を形成し得る。慣例的には、これらの装置は、レジスト層を堆積するためのスピンコータSCと、露光されたレジストを現像するためのデベロッパDEと、例えばレジスト層内の溶媒を調整するために例えば基板Wの温度を調整するための冷却プレートCH及びベークプレートBKとを含む。基板ハンドラ又はロボットROが基板Wを入力/出力ポートI/O1、I/O2からピックアップし、異なる処理装置間で移動させ、リソグラフィ装置LAのローディングベイLBに基板Wを供給する。集合的にトラックと呼ばれることも多いリソセル内のデバイスは典型的にはトラック制御ユニットTCUの制御下にあり、トラック制御ユニットTCU自体は、例えばリソグラフィ制御ユニットLACUによってリソグラフィ装置LAも制御し得る監視制御システムSCSによって制御され得る。
【0024】
[00023] リソグラフィ装置LAによって露光される基板Wが正しく及び一貫して露光されるためには、基板を検査して後続の層との間のオーバーレイエラー、線幅、クリティカルディメンション(CD)等、パターニングされた構造の特性を測定することが望ましい。そのために、リソセルLC内に検査ツール(不図示)が含まれてもよい。エラーが検出された場合、とりわけ同じバッチ又はロットの他の基板Wが引き続き露光又は処理される前に検査が行われる場合、例えば後続の基板の露光に対して又は基板Wについて実行される他の処理ステップに対して調節を加えることができる。
【0025】
[00024] 基板Wの特性、具体的には様々な基板Wの特性がどのように異なるのか、又は同じ基板Wの異なる層に関連する特性が層ごとにどのように異なるのかを明らかにするために計測装置とも呼ばれ得る検査装置が使用される。検査装置は基板W上の欠陥を識別するように代わりに構築されてもよく、例えばリソセルLCの一部であってもよく、又はリソグラフィ装置LAに統合されてもよく、又は独立型のデバイスでさえあり得る。検査装置は、潜像(露光後のレジスト層内の像)について、又は半潜像(露光後ベークステップPEB後のレジスト層内の像)について、又は(レジストの露光部又は未露光部が除去されている)現像済みのレジスト像について、更には(エッチング等のパターン転写ステップ後の)エッチングされた像についてさえ特性を測定することができる。
【0026】
[00025] 典型的には、リソグラフィ装置LAにおけるパターニングプロセスは、基板W上の構造の高精度の寸法決め及び配置を必要とする処理において最も重要なステップの1つである。この高い精度を保証するために、図3に概略的に示す所謂「ホリスティック」制御環境において3つのシステムを組み合わせることができる。これらのシステムの1つは、計測ツールMT(第2のシステム)及びコンピュータシステムCL(第3のシステム)に(仮想的に)接続されるリソグラフィ装置LAである。このような「ホリスティック」環境の鍵となるのは、リソグラフィ装置LAによって実行されるパターニングがプロセスウィンドウ内に留まることを確実にするために、これらの3つのシステム間の連携を最適化して全体的なプロセスウィンドウを向上させること及び厳格な制御ループを提供することである。プロセスウィンドウはプロセスパラメータの範囲(例えばドーズ量、焦点、オーバーレイ)を定義し、その範囲内では特定の製造プロセスが定義された結果(例えば機能的な半導体デバイス)をもたらし、典型的にはその範囲内では、リソグラフィプロセス又はパターニングプロセスにおけるプロセスパラメータが変化することが認められる。
【0027】
[00026] コンピュータシステムCLは、パターニングされる設計レイアウト(の一部)を使用して、どの解像度向上技術を使用するのかを予測すること、並びに計算的なリソグラフィシミュレーション及び演算を実行してどのマスクレイアウト及びリソグラフィ装置設定がパターニングプロセスの全体的な最大のプロセスウィンドウを実現するのかを明らかにし得る(第1のスケールSC1内の両方向矢印によって図3に示す)。典型的には、解像度向上技術はリソグラフィ装置LAのパターニング可能性とマッチするように構成される。コンピュータシステムCLは、例えば準最適な処理が原因で欠陥が存在し得るかどうかを予測するために、(例えば計測ツールMTからの入力を使用して)リソグラフィ装置LAがプロセスウィンドウ内のどこで現在動作しているのかを検出するためにも使用され得る(第2のスケールSC2内の「0」を指す矢印によって図3に示す)。
【0028】
[00027] 計測ツールMTは、コンピュータシステムCLに入力を提供して正確なシミュレーション及び予測を可能にすることができ、リソグラフィ装置LAにフィードバックを提供して、例えばリソグラフィ装置LAのキャリブレーションステータスにおいて発生し得るドリフトを識別することができる(第3のスケールSC3内の複数の矢印によって図3に示す)。
【0029】
[00028] リソグラフィプロセスでは、例えばプロセス制御及び検証のために、作成された構造を頻繁に測定することが望ましい。このような測定を行うためのツールは、典型的には計測ツールMTと呼ばれる。このような測定を行うための、走査型電子顕微鏡又は様々な形式のスキャトロメータ計測ツールMTを含む様々な種類の計測ツールMTが知られている。スキャトロメータは、スキャトロメータの対物レンズの瞳又は瞳の共役面にセンサを有することであって、測定は瞳ベースの測定と通常呼ばれる、センサを有することによって、又は像面若しくは像面と共役な面にセンサを有することであって、この場合は測定が像又はフィールドベースの測定と通常呼ばれる、センサを有することによってリソグラフィプロセスのパラメータを測定することを可能にする汎用性の高い器具である。このようなスキャトロメータ及び関連する測定技法は、参照によりその全体を本明細書に援用する米国特許出願公開第20100328655号、同第2011102753A1号、同第20120044470A号、同第20110249244号、同第20110026032号、又は欧州特許出願公開第1,628,164A号の中で更に記載されている。スキャトロメータは、軟X線及び可視から近赤外の波長範囲の光を用いて回折格子を測定することができる。
【0030】
[00029] 第1の実施形態では、スキャトロメータMTが角度分解スキャトロメータである。かかるスキャトロメータでは、回折格子の特性を再構築又は計算するために測定信号に再構築法を適用することができる。かかる再構築は、例えばターゲット構成の数学的モデルに対する散乱線の相互作用をシミュレートし、シミュレーション結果を測定結果と比較することから生じ得る。数学的モデルのパラメータは、シミュレートした相互作用が実際のターゲットから観察されるのと同様の回折パターンをもたらすまで調節される。
【0031】
[00030] 第2の実施形態では、スキャトロメータMTが分光スキャトロメータMTである。かかる分光スキャトロメータMTでは、放射源によって放たれる放射がターゲット上に導かれ、ターゲットからの反射又は散乱線が鏡面反射放射のスペクトル(即ち波長の関数としての強度の測定)を測定するスペクトロメータ検出器に導かれる。このデータから、例えば厳密結合波分析及び非線形回帰により、又はシミュレートされたスペクトルのライブラリとの比較により、検出されたスペクトルを生じさせる構造又はプロファイルを再構築することができる。
【0032】
[00031] 第3の実施形態では、スキャトロメータMTがエリプソスキャトロメータである。エリプソスキャトロメータは、偏光状態ごとに散乱線を測定することによってリソグラフィプロセスのパラメータを決定できるようにする。かかる計測装置は、例えば計測装置の照明部において適切な偏光フィルタを使用することによって偏光光(線、円、又は楕円等)を放つ。計測装置に適した光源は偏光放射も提供することができる。既存のエリプソスキャトロメータの様々な実施形態が、参照によりその全体を本明細書に援用する米国特許出願第11/451,599号、同第11/708,678号、同第12/256,780号、同第12/486,449号、同第12/920,968号、同第12/922,587号、同第13/000,229号、同第13/033,135号、同第13/533,110号、及び同第13/891,410号の中で記載されている。
【0033】
[00032] スキャトロメータ等の計測装置を図4に示す。この計測装置は、基板W上に放射を投影する広帯域(白色光)放射プロジェクタ2を含む。反射又は散乱線が、鏡面反射放射のスペクトル6(即ち波長の関数としての強度の測定)を測定するスペクトロメータ検出器4に伝わる。このデータから、例えば厳密結合波分析及び非線形回帰により、又は図3の下部に示すシミュレートされたスペクトルのライブラリとの比較により、検出されたスペクトルを生じさせる構造又はプロファイル8が処理ユニットPUによって再構築され得る。概して、再構築に関して構造の全般的な形式は知られており、構造が作られたプロセスの知識から一部のパラメータが仮定され、スキャトロメトリデータから決定される構造のパラメータは僅かである。かかるスキャトロメータは法線入射スキャトロメータ又は斜め入射スキャトロメータとして構成することができる。
【0034】
[00033] 図5(a)は計測装置、より具体的には暗視野スキャトロメータの一実施形態を示す。ターゲットT及びターゲットを照射するために使用される測定放射の回折光線を図5(b)でより詳細に示す。図示の計測装置は、暗視野計測装置として知られる種類のものである。この計測装置は、独立型のデバイスとすることができ、又は例えば測定ステーションにおいてリソグラフィ装置LAに、若しくはリソグラフィセルLCに組み込むことができる。この装置の全体を通して幾つかの分岐を有する光軸を点線Oで示す。この装置では、光源11(例えばキセノンランプ)によって放たれる光が、レンズ12、14、及び対物レンズ16を含む光学システムにより、ビームスプリッタ15を介して基板W上に導かれる。これらのレンズは4F配置の二重シーケンスで構成される。検出器上に基板像を依然として与えるのと同時に、空間周波数フィルタリングのための中間瞳面のアクセスを可能にすることを条件に異なるレンズ構成を使用することもできる。従って、対物レンズに入射する1次光線が中心光軸と密接にそろうように、照明角度を設計又は調節することができる。図5(a)及び図3(b)に示す光線は、純粋にそれらを図中でより容易に区別できるようにするために軸から幾らか外して示してある。
【0035】
[00034] 基板W上のターゲットTによって回折された少なくとも0次及び+1次が対物レンズ16によって集められ、ビームスプリッタ15を通って戻される。図5(a)に戻り、北(N)及び南(S)とラベル付けした直径方向に反対の位置にあるアパーチャを指示することにより、第1の照明モード及び第2の照明モードの両方が示されている。測定放射の入射光線Iが光軸の北側から来る場合、つまりアパーチャプレート13Nを使用して第1の照明モードが適用される場合、+1(N)とラベル付けした+1回折光線が対物レンズ16に入る。対照的に、アパーチャプレート13Sを使用して第2の照明モードが適用される場合、(1(S)とラベル付けした)-1回折光線がレンズ16に入る光線となる。
【0036】
[00035] 第2のビームスプリッタ17が回折ビームを2つの測定分岐に分割する。第1の測定分岐では、光学システム18が0次及び1次回折ビームを使用してターゲットの回折スペクトル(瞳面像)を第1のセンサ19(例えばCCD又はCMOSセンサ)上に形成する。各回折次数がセンサ上の異なる点に当たるため、像の処理が次数を比較及び対比することができる。センサ19によって捕捉される瞳面像は、計測装置を焦点合わせするために及び/又は1次ビームの強度測定を正規化するために使用することができる。瞳面像は再構築等の多くの測定目的に使用することもできる。本明細書で開示する概念は、この分岐を用いた瞳測定に関する。
【0037】
[00036] 第2の測定分岐では、光学システム20、22がターゲットTの像をセンサ23(例えばCCD又はCMOSセンサ)上に形成する。第2の測定分岐では、瞳面と共役な面内に開口絞り21が設けられる。開口絞り21は、センサ23上に形成されるターゲットの像が-1又は+1の1次ビームだけから形成されるように、0次回折ビームを遮断するように機能する。センサ19及び23によって捕捉された像は像を処理するプロセッサPUに出力され、プロセッサPUの機能は行われている特定の種類の測定に依存する。本明細書では「像」という用語を広義に使用することに留意されたい。そのため、格子線の像は-1次及び+1次の一方しか存在しない場合は形成されない。図5に示すアパーチャプレート13及び視野絞り21の特定の形式は純粋に例である。
【0038】
[00037] 上述した計測ツールは、エッチ後の0次応答(瞳)を使用してインデバイスのオーバーレイを測定するために使用され得る。この方法は、インデバイス計測OV(IDM OV)として現在知られている。IDMの主な機能要件は、オーバーレイエラーが存在する場合、測定中のターゲットが非対称性を含むことである。0次瞳における誘導された非対称性をモニタすることにより、IDMは既存のオーバーレイを測定することができる。IDMは、十分規則的である場合は製品構造上で直接測定することができ、この文脈の中で「ターゲット」は意図的に形成された計測ターゲットではなく、計測に使用される実際の機能的製品構造を含み得る。或いは、周囲の製品構造の挙動を模倣する(例えば製品構造の規則化された近似を含み得る)、インダイターゲットを含み得る意図的に形成されたターゲットを形成すること及び測定することができる。例えば製品構造が規則的でない場合(例えば論理構造)、インダイターゲットはインダイデバイスパターンの代理として機能すべきである。このように、インダイターゲットはダイ内の論理構造(即ちインダイターゲットが代理として機能する論理回路)を表すべきである。かかる論理回路の設計は、周期的なターゲットを形成するために繰り返され得るユニットセルから論理構造の要素が抽出されるデバイス構造簡略化法に基づくことができる。
【0039】
[00038] オーバーレイを測定するためにレシピを作成する必要があり、そのレシピは関心のあるオーバーレイに対してのみ敏感であり、プロセス変動及び他の非対称性に対してロバストであるものとする。交差偏光のため、多くの取得設定(波長、格子-センサ間の回転、及び偏光)が関心のあるOVに対して感度を示すレシピをもたらし得る。不都合なことに、それらのレシピの多くは同じウェーハについてポイント間の差が大きい異なるウェーハマップを測定する可能性がある。この現象は、とりわけDRAM内のビットライン配置(GBL)、ストレージノード配置(SN)、及び3DNANDのようなより複雑な構造で観察される。従って、関心のあるオーバーレイ以外の構造にも非対称性が存在することが知られているので、ウェーハマップの相違が大きい主な原因はそのような非対称性に起因すると考えられる。
【0040】
[00039] 瞳の非対称性の2つの主な要因は、オーバーレイ(例えば関心のあるオーバーレイ又は関心のあるパラメータ)及び傾斜(又はフィーチャの非対称性)であり、傾斜は、フィーチャの2つの対向する側面の側壁角度(SWA)の差等のフィーチャの任意の幾何学的な傾斜又は非対称性である。これらの傾斜信号は、所望のオーバーレイ値に影響を与え、それによりオーバーレイの精度に悪影響を及ぼす厄介な信号と概して見なされる。そのため、オーバーレイの測定から傾斜/フィーチャの非対称性の影響を切り離すことが望ましい。更に、1つ又は複数のフィーチャについて傾斜自体を(例えば傾斜メトリックとして)測定することが望ましい場合もある。この傾斜メトリックは、フィーチャを形成するリソグラフィプロセス及び/又はエッチプロセスをモニタするために使用することができる。
【0041】
[00040] 測定レシピの目的は、(例えばインダイ)ターゲット(実際の製品構造又は意図的に形成された計測ターゲット)からの測定瞳を関心のあるパラメータ(例えばオーバーレイ)の値に正確にマップすることである。これを行うために、インデバイス計測は、データ駆動又は機械学習アルゴリズムを使用してオーバーレイレシピをトレーニングするための自己参照トレーニングターゲットを使用することができる。この自己参照トレーニングターゲットの概念は、関心のあるパラメータ(例えばオーバーレイ)を変化させるトレーニングターゲットのクラスタを提供することを含む。このように各ターゲットは、設計されたオーバーレイ摂動/応答に向けて計測信号(即ち測定瞳)をトレーニングするために使用可能なオーバーレイ摂動の異なる組み合わせを有する。
【0042】
[00041] 参照ターゲットは、典型的には異なるバイアス又は誘導設定値を有する複数のターゲット(ゼロバイアスターゲットを含み得る)を含むターゲットアレイを含む。アレイ上で平均化された測定がオンプロダクトオーバーレイを表すように、バイアスはアレイ上でゼロに平均化され得る(又は合計がゼロになり得る)。各参照ターゲット上で得られる瞳は、トレーニング目的で(露光される層にわたって)オーバーレイバイアスと共にラベル付けされる。レチクル書き込み誤差は小さいので、これらのトレーニングラベルのバイアス/オーバーレイ値は精度が優れていることで知られている。次いでモデルは、特定の参照ターゲットの瞳応答をその個々の参照ターゲットオーバーレイバイアス値又はラベルに関連付けることを学習する。
【0043】
[00042] 例えば名目上同一のターゲット間の処理の変動を許容するために、トレーニングは異なる取得設定(例えば測定放射の波長/偏光等)、及び/又は変更を加えた他の設定、及び/又は異なるトレーニングウェーハについて繰り返すことができる。かかるトレーニングの出力は複数の、例えばほぼ数百程度(例えば100から500の間)の測定レシピ候補を含むことができ、測定レシピはトレーニング済みMLモデルと取得設定との組み合わせであり得る。例えば各取得設定が対応するモデルを有するように、及び測定レシピが取得設定とモデルとの組み合わせを含むように、取得設定はトレーニング中の自由パラメータであり得る。各レシピのモデル内には異なる重み行列がある。
【0044】
[00043] かかるインダイ計測の本実装では、(例えば実際の製造モニタリングのための大量設定で測定される)インダイターゲットを如何なる意図的なオーバーレイバイアスもなしに形成することができる。次いで、インダイターゲット応答が自己参照トレーニングターゲット応答にどの程度適合しているのかを定量化するマッチングメトリック又はマッチング指標(マッチングKPI)を決定するためのマッチングステップを実行する。このマッチングは、典型的には或る計測レシピ候補を使用する参照ターゲットからオーバーレイ値を推論し、同じ計測レシピ候補を使用するインダイターゲットから推論されるオーバーレイ値とそのオーバーレイ値とを比較することによって行われる。推論値が近ければ近いほど、測定レシピはよりよく適合している(例えばマッチングKPIは値の差に基づき得る)。これらのレシピは、様々な性能指標又はKPI(例えばとりわけマッチングKPI、オーバーレイ予測精度KPI、再現性KPI、及びオンプロダクトオーバーレイの変動を経時的に追跡する際の誤差を扱う反復性KPIを含み得る)に従ってランク付けすることができる。1つ又は複数のKPIに基づき、これらのレシピの少なくとも1つを製造/HVMモニタリングのために選択することができる。
【0045】
[00044] トレーニングされると、ウェーハ上で露光されるインダイターゲットからの測定瞳(角度分解測定スペクトル)をオーバーレイ値に変換するために、MLモデルを製造モニタリング環境(例えば大量製造HVM環境)で使用することができる。
【0046】
[00045] この手法の限界は、トレーニングはオーバーレイ信号の変動に関してトレーニング可能だが、計測信号も観測信号と直交する全ての自己参照ターゲットにわたる平均信号を有することである。追加情報なしでは、傾斜等の迷惑な信号(nuisance signal)に対するオーバーレイ応答の直交化は非常に困難である。この点での直交化とは、影響を分離すること、例えばオーバーレイ信号を1つ又は複数のフィーチャの傾斜の影響から分離することを指す。
【0047】
[00046] 傾斜非対称信号に加え、オーバーレイの測定に悪影響を及ぼす他の迷惑な信号は、(例えば他の層の)他のオーバーレイ及びスタックの非対称性、プロセス変化効果(例えば対称スタック変動(CD、高さ等)及びセンサのシステマティック)、及びノイズ(例えば光子ショットノイズ、熱ノイズ)を含む。
【0048】
[00047] 図6は、オーバーレイに対するフィーチャ傾斜の影響の問題を示す。図6(a)は典型的なDRAMデバイス構造を上方から示し、図6(b)は同じ構造の断面を示す。このDRAMデバイス構造は、ビットラインBL、ビットラインコンタクトBLC、ワードラインWL、ストレージノードコンタクトSNC、及びアクティブ領域AA等の複数のフィーチャを含む。存在する実際の構造及びフィーチャは特に関係ない。関係あるのは、これらのフィーチャのそれぞれが、関心のあるオーバーレイと組み合わせられる測定瞳におけるフィーチャの非対称性又は傾斜の寄与の源であることである。これらのフィーチャの非対称性を所望のオーバーレイから分離することは、既存のトレーニング方法及び自己参照トレーニングターゲットを使用して学習することができない問題である。
【0049】
[00048] この問題に対処するために、デバイススタックに含まれる関心のある全てのパラメータ/フィーチャは有さないが、代わりに例えば孤立フィーチャから格子を形成するために孤立してパターン化されるフィーチャの繰り返しだけを含む1つ又は複数の追加の傾斜ターゲット又は孤立フィーチャターゲットを提供することにより、目下の自己参照トレーニングターゲットの概念を拡張することを提案する。例えばパターニングされるデバイスがDRAMデバイスである場合、傾斜ターゲットは、ワードラインフィーチャのみ、ストレージノードコンタクトフィーチャのみ、又はビットラインコンタクトフィーチャのみを含み得る。「孤立フィーチャターゲット」という用語は、実際にそうである場合もあるが、ターゲットが単一フィーチャの繰り返しだけを含むことを必ずしも意味しないことを理解すべきである。孤立フィーチャターゲットは、製品構造の他のフィーチャから分離された、その製品構造の2つ以上のフィーチャの繰り返しも含み得るが、これはこれらの2つ以上のフィーチャの組み合わさった非対称性の寄与だけが定量化され得ることを意味する。
【0050】
[00049] これらの孤立フィーチャターゲット又は傾斜ターゲットのそれぞれは単一層内でのみ形成することができ、このようにして各傾斜ターゲットはオーバーレイによる非対称性を有さない。従って、傾斜ターゲットの非対称性の大部分は、ターゲットが構成されるフィーチャの傾斜に起因する。それぞれの単一フィーチャの繰り返しはそれ自体の傾斜ターゲットの中で分離され得るので、特定のフィーチャに起因する傾斜又はフィーチャの非対称性の量を傾斜ターゲットの測定から決定することができる。これは各フィーチャの傾斜メトリック(又はフィーチャ非対称性メトリック)として使用することができる。加えて、各傾斜ターゲットはより単純な単層スタックを含むので、他の迷惑な信号の寄与は最小限であり得る。
【0051】
[00050] 孤立フィーチャターゲット又は傾斜ターゲットは、関心のあるパラメータターゲット又はオーバーレイターゲットと単一の位置においてクラスタ化されるべきであり、例えば傾斜ターゲット及び関心のあるパラメータターゲットは、傾斜ターゲット及び関心のあるパラメータターゲットの両方が同じ傾斜の影響下にあると仮定することができるようにウェーハ上で十分近くにある必要がある。
【0052】
[00051] その詳細は本開示と関連性がない最近提案された技術革新では、ターゲットクラスタ内の及びレシピトレーニングに使用される自己参照トレーニングターゲットの数が現在の80から64に減少されている。この利点を生かすため、特定の実装形態では、傾斜ターゲット数16、及び16個の傾斜ターゲットと64個の自己参照トレーニングターゲットとの組み合わせを自己参照トレーニングターゲットクラスタ内で現在のまま配置することを提案する。このやり方で、参照クラスタによって占有されるレチクル/基板の実領域の量は現在と同じままになる。当然ながらかかる実装形態は純粋に例示であり、何れの種類のターゲットの数及び/又は具体的な構成もこれらの例と異なり得る。
【0053】
[00052] 一実施形態では、本明細書で開示する自己参照トレーニングターゲットクラスタを少なくとも1つ、典型的には1つだけレチクル上に設けることができる。例えばレチクルは、スクライブレーン内にそのようなクラスタを1つ含むことができる。このようにして、参照トレーニングターゲットクラスタは全てのフィールドについて基板上で露光され得る。このようにしてトレーニングは、位置ごとに(例えばウェーハ位置ごとに)測定信号を関心のあるパラメータ値にマップするようにモデルをトレーニングすることができ得る。トレーニングは、トレーニングウェーハ上のトレーニング露光によって(例えば参照ターゲットを含む)特定のトレーニングレチクルを使用して実行することができる。しかし、トレーニング及びHVMモニタリングに同じレチクルを使用することが好ましい場合がある。その理由は、レシピの性能が(例えばプロセス変動によって)悪化しないことを確認するために、参照ターゲットが実行時のレシピモニタリングに使用され得るからである。
【0054】
[00053] 各クラスタは、孤立フィーチャごとに1つの傾斜ターゲットを含むことができ、又は孤立フィーチャごとに(又はフィーチャの1つ又は複数について)複数のターゲットが設けられてもよい。クラスタごとに複数の傾斜ターゲットを設けることは冗長性を与え、ノイズのより良い推定又は評価を可能にする。
【0055】
[00054] クラスタ内の付随するオーバーレイターゲットは、既に説明した及び本発明の参照トレーニングターゲットクラスタで使用されるオーバーレイターゲット、例えば1対の格子を関心のある層内にそれぞれ1つずつ含むことができ、各ターゲットは異なる課されたバイアス(意図的なオーバーレイ値)を有する。
【0056】
[00055] 図7は、図6に示した構造のレシピトレーニングに適している可能性がある、傾斜ターゲットを含む自己参照ターゲットクラスタの説明のための例である。この特定の構成例におけるクラスタはターゲットの10x8のアレイを含み、ターゲットの64個は従来の自己参照トレーニングターゲットSRT(例えば記載したオーバーレイターゲット)であり、16個は傾斜ターゲット又は孤立フィーチャターゲットである。傾斜ターゲット3つの概略的な断面の詳細が示されており、第1の傾斜ターゲットTT1はアクティブ領域AA上のストレージノードコンタクトフィーチャSNCだけを含み、第2の傾斜ターゲットTT2はアクティブ領域AA上のビットラインコンタクトフィーチャBLCだけを含み、第3の傾斜ターゲットTT3はアクティブ領域AA上のワードラインフィーチャWLだけを含む。当然ながらこれらは(とりわけ図6に示したようなDRAM構造に関連する)純粋な例である。各傾斜ターゲットの孤立フィーチャは、露光されている製品構造と共に含まれ、従って計測レシピがトレーニングされる任意の孤立フィーチャを含み得る。
【0057】
[00056] このようなクラスタを使用したレシピトレーニングは以前とほぼ同じやり方で行うことができ、既に説明してある。そのため過去のトレーニング方法についての説明は、提案する方法に等しく適用可能である。しかし、機械学習モデルは、入力として傾斜ターゲットからの測定信号(瞳)を有するようになる。そのため、レシピをランク付けするときにフィーチャの非対称性の影響を関心のあるオーバーレイと区別するようにMLモデルをトレーニングすることができる。
【0058】
[00057] このように、本明細書で開示するのは基板上の化合物構造から関心のあるパラメータを測定するための測定設定を記述する測定レシピを決定するための方法であり、この方法は、複数の参照ターゲットの測定に関係する第1のトレーニングデータを得ることであって、複数の参照ターゲットは、複数の関心のあるパラメータターゲットにわたって変えられた(任意で少なくとも1つの関心のあるパラメータターゲットについてゼロであり得る)誘導設定値をそれぞれ有する複数の関心のあるパラメータターゲットと、化合物構造の他のフィーチャから孤立した化合物構造内に含まれる1つ又は複数のフィーチャの繰り返しをそれぞれ含む1つ又は複数の孤立フィーチャターゲットとを含む、第1のトレーニングデータを得ること、及び化合物構造の1つ又は複数のインスタンスの測定から得られる複数の化合物構造測定信号を含む第2のトレーニングデータを得ることであって、化合物構造測定信号のそれぞれは1つ又は複数のフィーチャの非対称性に起因するフィーチャ非対称性寄与を含む、第2のトレーニングデータを得ること、及びフィーチャ非対称性寄与について補正される化合物構造に関係する測定信号から関心のあるパラメータの値を推論するために、第1のトレーニングデータ及び第2のトレーニングデータを使用して1つ又は複数の機械学習モデルをトレーニングすることを含む。
【0059】
[00058] レシピトレーニングは、(例えばインダイ)ターゲットから傾斜メトリック値又はフィーチャ非対称性メトリック値を推論する(即ち傾斜を定量化する)ために機械学習モデルを学習することもできる。このように、トレーニングされたモデルは、オーバーレイ値に加えて、HVM環境におけるインダイターゲットから傾斜メトリック値を決定することが可能であり得る。異なる参照ターゲットクラスタは、(クラスタにわたって固定される)フィーチャごとの異なる傾斜値の影響下にある。ウェーハのこの変動及び各クラスタ内の傾斜ターゲットが他の非対称性の源を有さないことを使用して傾斜レシピをトレーニングすることができる。
【0060】
[00059] 本方法、計測デバイス、及びリソグラフィ装置の更なる実施形態を付番した条項の以下の一覧の中で開示する。
1.基板上の化合物構造から関心のあるパラメータを測定するための測定設定を記述する測定レシピを決定するための方法であって、
複数の参照ターゲットの測定に関係する第1のトレーニングデータを得ることであって、複数の参照ターゲットは、
複数の関心のあるパラメータターゲットにわたって変えられた誘導設定値をそれぞれ有する複数の関心のあるパラメータターゲットと、
化合物構造の他のフィーチャから孤立した化合物構造内に含まれる1つ又は複数のフィーチャの繰り返しをそれぞれ含む1つ又は複数の孤立フィーチャターゲットと
を含む、第1のトレーニングデータを得ること、
化合物構造の1つ又は複数のインスタンスの測定から得られる複数の化合物構造測定信号を含む第2のトレーニングデータを得ることであって、化合物構造測定信号のそれぞれは1つ又は複数のフィーチャの非対称性に起因するフィーチャ非対称性寄与を含む、第2のトレーニングデータを得ること、及び
フィーチャ非対称性寄与について補正される化合物構造に関係する測定信号から関心のあるパラメータの値を推論するために、第1のトレーニングデータ及び第2のトレーニングデータを使用して1つ又は複数の機械学習モデルをトレーニングすること
を含む、方法。
2.化合物構造が製品化合物構造又はその代表的な代理物を含む、条項1に記載の方法。
3.関心のあるパラメータがオーバーレイであり、誘導設定値がオーバーレイバイアスである、条項1又は2に記載の方法。
4.1つ又は複数の孤立フィーチャターゲットが複数の孤立フィーチャターゲットを含む、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
5.複数の孤立フィーチャターゲットが5個を上回る、条項4に記載の方法。
6.複数の孤立フィーチャターゲットが10個を上回る、条項4に記載の方法。
7.複数の孤立フィーチャターゲットが15個を上回る、条項4に記載の方法。
8.複数の関心のあるパラメータターゲットが50個を上回る、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
9.1つ又は複数の孤立フィーチャターゲットのうちの1つ又は複数が、化合物構造内に含まれる1つだけのフィーチャの繰り返しをそれぞれ含む、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
10.1つ又は複数の孤立フィーチャターゲットのうちの1つ又は複数が単一層内で形成される、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
11.単一層が化合物構造の最下層又は下層である、条項10に記載の方法。
12.トレーニングするステップが、1つ又は複数の孤立フィーチャターゲットのうちの少なくとも1つに含まれる1つ又は複数のフィーチャのフィーチャ非対称性寄与を定量化するフィーチャ非対称性メトリックの値を決定するために、1つ又は複数の機械学習モデルをトレーニングすることを含む、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
13.第1のトレーニングデータが、第1のトレーニングデータを取得するための複数の異なる取得設定を用いた参照ターゲットの測定に更に関係し、トレーニングするステップは、各測定レシピ候補がトレーニング済み機械学習モデルと対応する取得設定との組み合わせ候補を含むように複数の測定レシピ候補を得るために複数の機械学習モデルをトレーニングすることを含み、方法が
第2のトレーニングデータを使用して測定レシピ候補から好ましい測定レシピを決定すること
を含む、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
14.化合物構造から関心のあるパラメータを推論する際のレシピ性能の比較から、各候補測定レシピのマッチングメトリックを決定すること、及び
測定レシピ候補から好ましい測定レシピを選択する際にマッチングメトリックを使用すること
を含む、条項13に記載の方法。
15.1つ又は複数の性能指標に従って測定レシピ候補をランク付けすることを含み、1つ又は複数の性能指標はマッチングメトリックを含む、条項14に記載の方法。
16.第1のトレーニングデータが1つ又は複数の機械学習モデルをトレーニングするための第1のラベル付きトレーニングデータを含み、第1のラベル付きトレーニングデータはその個々の誘導設定値によってラベル付けされた各参照ターゲットからの測定を含む、条項13、14、又は15に記載の方法。
17.製品基板上で化合物構造の測定を行うために好ましい測定レシピを使用すること、及び
測定から関心のあるパラメータの値を推論すること
を含む、条項13~16の何れか一項に記載の方法。
18.測定から少なくとも1つのフィーチャ非対称性メトリックの値を推論するために好ましい測定レシピを使用することを含む、条項17に記載の方法。
19.複数の参照ターゲットがターゲットクラスタ内にクラスタ化される、先行する条項の何れか一項に記載の方法。
20.クラスタが10個の参照ターゲット×8個の参照ターゲットのアレイを含む、条項19に記載の方法。
21.適切な装置上で実行されるとき、条項1~20の何れか一項に記載の方法を実行するように動作可能なプログラム命令を含む、コンピュータプログラム。
22.条項21に記載のコンピュータプログラムを含む、非一時的コンピュータプログラムキャリア。
23.プロセッサ及び条項22に記載のコンピュータプログラムを含むストレージデバイスを含む、処理システム。
24.条項23に記載の処理システムを含む、計測デバイス。
25.第1のトレーニングデータを得るための複数の参照ターゲット、及び第2のトレーニングデータを得るための化合物構造の1つ又は複数のインスタンスを測定するように動作可能である、条項24に記載の計測デバイス。
26.少なくとも1つの化合物構造と、
少なくとも1つのターゲットクラスタであって、各ターゲットクラスタは複数の参照ターゲットを含み、複数の参照ターゲットは
複数の関心のあるパラメータターゲットにわたって変えられた誘導設定値をそれぞれ有する複数の関心のあるパラメータターゲット、及び
化合物構造の他のフィーチャから孤立した構造内に含まれる1つ又は複数のフィーチャの繰り返しをそれぞれ含む1つ又は複数の孤立フィーチャターゲット
を含む、少なくとも1つのターゲットクラスタと
を含む、基板。
27.少なくとも1つの化合物構造が複数の同様の化合物構造を含む、条項26に記載の基板。
28.化合物構造が製品化合物構造又はその代表的な代理物を含む、条項26又は27に記載の基板。
29.関心のあるパラメータがオーバーレイであり、誘導設定値がオーバーレイバイアスである、条項26~28の何れか一項に記載の基板。
30.1つ又は複数の孤立フィーチャターゲットが複数の孤立フィーチャターゲットを含む、条項26~29の何れか一項に記載の基板。
31.複数の孤立フィーチャターゲットが5個を上回る、条項30に記載の基板。
32.複数の孤立フィーチャターゲットが10個を上回る、条項30に記載の基板。
33.複数の孤立フィーチャターゲットが15個を上回る、条項30に記載の基板。
34.複数の関心のあるパラメータターゲットが50個を上回る、条項26~33の何れか一項に記載の基板。
35.1つ又は複数の孤立フィーチャターゲットのうちの1つ又は複数が、化合物構造内に含まれる1つだけのフィーチャの繰り返しをそれぞれ含む、条項26~34の何れか一項に記載の基板。
36.1つ又は複数の孤立フィーチャターゲットのうちの1つ又は複数が単一層内で形成される、条項26~35の何れか一項に記載の基板。
37.単一層が化合物構造の最下層又は下層である、条項36に記載の基板。
38.それぞれのターゲットクラスタが10個の参照ターゲット×8個の参照ターゲットのアレイを含む、条項26~37の何れか一項に記載の基板。
【0061】
[00060] 本明細書ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用について具体的に言及した可能性があるが、本明細書に記載したリソグラフィ装置は他の用途を有し得ることを理解すべきである。あり得る他の用途は、集積光学システム、磁区メモリ用ガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造を含む。
【0062】
[00061] 本明細書ではリソグラフィ装置の文脈で本発明の実施形態について具体的に言及した可能性があるが、本発明の実施形態は他の装置に使用してもよい。本発明の実施形態は、マスク検査装置、計測装置、又はウェーハ(又は他の基板)若しくはマスク(又は他のパターニングデバイス)等の物体を測定し又は処理する任意の装置の一部を形成し得る。これらの装置は概してリソグラフィツールと呼ぶことができる。かかるリソグラフィツールは、真空条件又は周囲(非真空)条件を使用することができる。
【0063】
[00062] 上記では光学リソグラフィの文脈において本発明の実施形態の使用について具体的に言及した可能性があるが、本発明は、文脈が許す限り光学リソグラフィに限定されず、他の用途、例えばインプリントリソグラフィに使用され得ることが理解されよう。
【0064】
[00063] 上記では本発明の具体的な実施形態について説明したが、本発明は記載した以外のやり方で実施され得ることが理解されよう。上記の説明は限定ではなく例示であることを意図する。従って、添付の特許請求の範囲から逸脱することなしに記載した発明に対して修正を加えることができることが当業者に明らかになる。
図1
図2
図3
図4
図5(a)】
図5(b)】
図5(c)】
図5(d)】
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-04-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の化合物構造から関心のあるパラメータを測定するための測定設定を記述する測定レシピを決定するための方法であって、
複数の参照ターゲットの測定に関係する第1のトレーニングデータを得ることであって、前記複数の参照ターゲットは、
複数の関心のあるパラメータターゲットにわたって変えられた誘導設定値をそれぞれ有する複数の関心のあるパラメータターゲットと、
前記化合物構造の他のフィーチャから孤立した前記化合物構造内に含まれる1つ又は複数のフィーチャの繰り返しをそれぞれ含む1つ又は複数の孤立フィーチャターゲットと
を含む、第1のトレーニングデータを得ること、
前記化合物構造の1つ又は複数のインスタンスの測定から得られる複数の化合物構造測定信号を含む第2のトレーニングデータを得ることであって、前記化合物構造測定信号のそれぞれは前記1つ又は複数のフィーチャの非対称性に起因するフィーチャ非対称性寄与を含む、第2のトレーニングデータを得ること、及び
前記フィーチャ非対称性寄与について補正される前記化合物構造に関係する測定信号から前記関心のあるパラメータの値を推論するために、前記第1のトレーニングデータ及び第2のトレーニングデータを使用して1つ又は複数の機械学習モデルをトレーニングすること
を含む、方法。
【請求項2】
前記化合物構造が製品化合物構造又はその代表的な代理物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記関心のあるパラメータがオーバーレイであり、前記誘導設定値がオーバーレイバイアスである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記1つ又は複数の孤立フィーチャターゲットのうちの1つ又は複数が、前記化合物構造内に含まれる1つだけのフィーチャの繰り返しをそれぞれ含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記1つ又は複数の孤立フィーチャターゲットのうちの1つ又は複数が単一層内で形成される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記トレーニングするステップが、前記1つ又は複数の孤立フィーチャターゲットのうちの少なくとも1つに含まれる前記1つ又は複数のフィーチャの前記フィーチャ非対称性寄与を定量化するフィーチャ非対称性メトリックの値を決定するために、前記1つ又は複数の機械学習モデルをトレーニングすることを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のトレーニングデータが、前記第1のトレーニングデータを取得するための複数の異なる取得設定を用いた前記参照ターゲットの測定に更に関係し、前記トレーニングするステップは、各測定レシピ候補がトレーニング済み機械学習モデルと対応する取得設定との組み合わせ候補を含むように複数の測定レシピ候補を得るために複数の前記機械学習モデルをトレーニングすることを含み、前記方法が
前記第2のトレーニングデータを使用して前記測定レシピ候補から好ましい測定レシピを決定すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記化合物構造から前記関心のあるパラメータを推論する際のレシピ性能の比較から、各候補測定レシピのマッチングメトリックを決定すること、及び
前記測定レシピ候補から前記好ましい測定レシピを選択する際に前記マッチングメトリックを使用すること
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のトレーニングデータが前記1つ又は複数の機械学習モデルをトレーニングするための第1のラベル付きトレーニングデータを含み、前記第1のラベル付きトレーニングデータはその個々の誘導設定値によってラベル付けされた各参照ターゲットからの測定を含む、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
製品基板上で前記化合物構造の測定を行うために前記好ましい測定レシピを使用すること、及び
前記測定から前記関心のあるパラメータの値を推論すること
を含む、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項11】
前記測定から少なくとも1つのフィーチャ非対称性メトリックの値を推論するために前記好ましい測定レシピを使用することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の参照ターゲットがターゲットクラスタ内にクラスタ化される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項13】
適切な装置上で実行されるとき請求項1~12の何れか一項に記載の方法を実行するように動作可能なプログラム命令
を含むコンピュータプログラム
を含むストレージデバイス
を含む、計測デバイス。
【請求項14】
前記第1のトレーニングデータを得るための前記複数の参照ターゲット、及び前記第2のトレーニングデータを得るための前記化合物構造の前記1つ又は複数のインスタンスを測定するように動作可能である、請求項13に記載の計測デバイス。
【請求項15】
少なくとも1つの化合物構造と、
少なくとも1つのターゲットクラスタであって、前記各ターゲットクラスタは複数の参照ターゲットを含み、前記複数の参照ターゲットは
複数の関心のあるパラメータターゲットにわたって変えられた誘導設定値をそれぞれ有する複数の関心のあるパラメータターゲット、及び
化合物構造の他のフィーチャから孤立した前記構造内に含まれる1つ又は複数のフィーチャの繰り返しをそれぞれ含む1つ又は複数の孤立フィーチャターゲット
を含む、少なくとも1つのターゲットクラスタと
を含む、基板。
【国際調査報告】