(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】超臨界流体計測のためのラマンセンサ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
H01L21/304 648G
H01L21/304 651Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508914
(86)(22)【出願日】2022-07-18
(85)【翻訳文提出日】2024-02-14
(86)【国際出願番号】 US2022037464
(87)【国際公開番号】W WO2023022825
(87)【国際公開日】2023-02-23
(32)【優先日】2021-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】514028776
【氏名又は名称】トーキョー エレクトロン ユーエス ホールディングス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】マリーヴ,イヴァン
【テーマコード(参考)】
5F157
【Fターム(参考)】
5F157CB14
5F157CB27
5F157CE08
5F157CE28
5F157CF40
5F157CF42
5F157CF44
5F157DB32
5F157DB37
5F157DB45
(57)【要約】
装置は、1つ又は複数の試料物質を保持するように構成される測定チャンバを含む。装置は、測定チャンバの片側に取り付けられる入口窓を含む。装置は、入射光ビームを生成するように構成される光源を含む。装置は、非弾性散乱された光をチャンバから収集し、収集された非弾性散乱された光に基づいて1つ又は複数の試料物質からの第1の物質のラマンピークの強度を測定するように構成されるラマンセンサを含む。装置は、(i)少なくとも測定された第1の物質のラマンピークの強度に基づいて第1の物質の濃度を計算し、(ii)計算された第1の物質の濃度に基づいて、ウェハ洗浄プロセスの終点を判定し、(iii)判定された終点に基づいて、ウェハ洗浄プロセスを終了するように構成される、プロセッサをさらに含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
in-situ洗浄終点検出のための装置であって、
1つ又は複数の試料物質を保持するように構成される測定チャンバと、
前記測定チャンバの片側に取り付けられる入口窓と、
入射光ビームを生成するように構成される光源であって、前記入射光ビームが、前記入口窓を通って前記チャンバ内に向けられ、前記入射光ビームが、前記1つ又は複数の試料物質によって前記チャンバ内部で非弾性散乱される、光源と、
前記非弾性散乱された光を前記チャンバから収集し、前記収集された非弾性散乱された光に基づいて、前記1つ又は複数の試料物質からの第1の物質のラマンピークの強度を測定するように構成される、ラマンセンサと、
(i)少なくとも測定された前記第1の物質の前記ラマンピークの前記強度に基づいて、前記1つ又は複数の試料物質からの前記第1の物質の濃度を計算し、(ii)計算された前記第1の物質の濃度に基づいて、ウェハ洗浄プロセスの前記終点を判定し、(iii)判定された前記終点に基づいて、前記ウェハ洗浄プロセスを終了するように構成される、プロセッサと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記ラマンセンサが、前記1つ又は複数の試料物質からの第2の物質のラマンピークの強度及び背景光の強度を測定するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記プロセッサが、
前記第1の物質の前記ラマンピークの前記強度から前記背景光の前記強度を減算することによって、前記第1の物質の第1の相対強度を判定し、
前記第2の物質の前記ラマンピークの前記強度から前記背景光の前記強度を減算することによって、前記第2の物質の第2の相対強度を判定し、
前記第1の相対強度及び前記第2の相対強度に基づいて、試料ラマンピーク相対強度を判定するようにさらに構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記試料ラマンピーク相対強度が、前記第1の相対強度と前記第2の相対強度との間の差である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記試料ラマンピーク相対強度が、前記第1の相対強度と前記第2の相対強度との間の比率である、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記プロセッサが、判定された前記試料ラマンピーク相対強度から前記第1の物質の前記濃度を計算するようにさらに構成される、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記プロセッサが、前記試料ラマンピーク相対強度が閾値以下であるとの判定に応じて、前記ウェハ洗浄プロセスの前記終点を判定するようにさらに構成される、請求項3に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の物質が、イソプロパノール(IPA)であり、前記ラマンセンサが、前記IPAのラマンピークを検出するように構成された第1の感光性検出器を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記第2の物質が、二酸化炭素であり、前記ラマンセンサが、前記二酸化炭素のラマンピークを検出するように構成された第2の感光性検出器を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項10】
前記ラマンセンサが、前記背景光を検出するように構成された第3の感光性検出器を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項11】
前記ラマンセンサが、(i)前記チャンバからの前記非弾性散乱された光を複数の波長に分離するプリズムと、(ii)前記複数の波長を検出するためのラインセンサと、をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記非弾性散乱された光を前記チャンバから収集するように構成される超臨界流体(SCF)屈折率センサであって、前記SCF屈折率センサが、前記測定チャンバにおけるSCFの相を判定するように構成される、前記SCF屈折率センサをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記1つ又は複数の試料物質が、二酸化炭素を含み、前記二酸化炭素が、超臨界状態下にある、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
in-situ洗浄終点検出のための方法であって、
光源によって、ウェハ洗浄プロセスの間、測定チャンバの入口窓を通る入射光ビームを向けることであって、前記測定チャンバが、1つ又は複数の試料物質を保持し、前記入射光ビームが、前記1つ又は複数の試料物質によって前記チャンバ内部で非弾性散乱される、向けることと、
ラマンセンサによって、前記非弾性散乱された光を前記チャンバから収集することと、前記ラマンセンサによって、収集された前記非弾性散乱された光に基づいて、前記1つ又は複数の試料物質からの第1の物質のラマンピークの強度を測定することと、
プロセッサによって、少なくとも測定された前記第1の物質の前記ラマンピークの強度に基づいて、前記第1の物質の濃度を計算することと、
前記プロセッサによって、計算された前記第1の物質の濃度に基づいて、前記ウェハ洗浄プロセスの終点を判定することと、
前記プロセッサによって、判定された前記終点に基づいて、前記ウェハ洗浄プロセスを終了することと、
を含む、方法。
【請求項15】
前記ラマンセンサによって、前記1つ又は複数の試料物質からの第2の物質のラマンピークの強度及び背景光の強度を測定することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記プロセッサによって、前記第1の物質の前記ラマンピークの前記強度から前記背景光の前記強度を減算することによって、前記第1の物質の第1の相対強度を判定することと、
前記プロセッサによって、前記第2の物質の前記ラマンピークの前記強度から前記背景光の前記強度を減算することによって、前記第2の物質の第2の相対強度を判定することと、
前記プロセッサによって、前記第1の相対強度及び前記第2の相対強度に基づいて、試料ラマンピーク相対強度を判定することと、
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記試料ラマンピーク相対強度が、前記第1の相対強度と前記第2の相対強度との間の差である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記試料ラマンピーク相対強度が、前記第1の相対強度と前記第2の相対強度との間の比率である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
計算された前記濃度が、前記判定された試料ラマンピーク相対強度から判定される、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記試料ラマンピーク相対強度が閾値以下であるとの判定に応じて、前記ウェハ洗浄プロセスの前記終点が判定される、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許及び出願の相互参照
本出願は、2021年8月20日に出願された米国非仮特許出願第17/445,570号明細書に対する優先権及びその出願日の利益を主張するものであり、同出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ウェハ洗浄液は、半導体産業の重要な部分である。洗浄の目的は、エッチングなどの他の半導体プロセスステップの残留副生成物を除去することを含む。当業者は、表面のパーティクル又は不要膜を除去したい場合もある。典型的には、洗浄プロセスは、SC-1/SC-2液(RCA洗浄)などの1つ又は複数の溶剤を使用し、次いでウェハをアルコール/イソプロパノールでリンスする。プロセスの終わりに、残りのイソプロパノール(IPA)のいかなる痕跡もウェハ表面から除去することも重要である。そうしなければ、IPAが蒸発することによって、ウェハ表面上のツール構造に毛細管力が加わり、それらの崩壊が引き起こされることがある。開発された方法は、表面張力及び表面を「湿らせる」洗浄剤の能力を低下させる薬剤の使用を含む。理想的には、当業者は、ゼロに近づく表面張力及び相転移を経ることなく気体に変わる能力を有する薬剤を好む。後者の例が、超臨界二酸化炭素(CO2)である。
【0003】
半導体産業のウェハ洗浄液の開発は、超臨界流体を利用してウェハ表面から洗浄剤を除去することをもたらした。ウェハはチャンバ内に置かれ、チャンバ内で通常は気体のCO2が臨界点を超える圧力及び温度にさらされ、超臨界流体状態(scCO2)に変わる。一定の温度を超えて加熱すると、ほとんどの物質は気体に変わる。同様に、気体は、一定の圧力を超えて圧縮されると液体及び/又は固体に変わる。しかしながら、二酸化炭素などのいくつかの物質は、いわゆる臨界点を超える圧力及び温度にさらされると、液体又は気体と著しく異なる特性を有するいわゆる超臨界流体に変わる。最も重要なこととしては、超臨界流体は、急激に相転移することなく気体又は液体への緩やかな転移を経ることがある。scCO2は、また、非常に低い粘度を有し、したがって、ウェハ構造上に最小限の毛細管力を加える。
【0004】
scCO2は、洗浄剤(例えば、イソプロパノール(IPA))を溶解し、変位させる。scCO2内のIPAの溶液は、排出ポートを介して除去され得る。洗浄サイクルの終わりには、純粋なscCO2のみが残ることが好ましい。その後、CO2が徐々に気体に変わるまで、チャンバ内の圧力は超臨界点未満に徐々低下し、ウェハを乾燥した状態に、好ましくは洗浄副生成物がない状態にする。
【0005】
終点方法及び装置は、洗浄チャンバの排出孔において洗浄剤残渣の存在をリアルタイムin-situ追跡することに必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの実施形態によれば、in-situ洗浄終点検出のための装置は、1つ又は複数の試料物質を保持するように構成される測定チャンバを含む。装置は、測定チャンバの片側に取り付けられる入口窓をさらに含む。装置は、入射光ビームを生成するように構成される光源であって、入射光ビームが、入口窓を通ってチャンバ内に向けられ、入射光ビームが、1つ又は複数の試料物質によってチャンバ内部で非弾性散乱される、光源をさらに含む。装置は、非弾性散乱された光をチャンバから収集し、収集された非弾性散乱された光に基づいて、1つ又は複数の試料物質からの第1の物質のラマンピークの強度を測定するように構成されるラマンセンサをさらに含む。装置は、(i)少なくとも測定された第1の物質のラマンピークの強度に基づいて、1つ又は複数の試料物質からの第1の物質の濃度を計算し、(ii)計算された第1の物質の濃度に基づいて、ウェハ洗浄プロセスの終点を判定し、(iii)判定された終点に基づいて、ウェハ洗浄プロセスを終了するように構成される、プロセッサをさらに含む。
【0007】
いくつかの実施形態によれば、in-situ洗浄終点検出のための方法は、光源によって、ウェハ洗浄プロセスの間、測定チャンバの入口窓を通る入射光ビームを向けることであって、測定チャンバが、1つ又は複数の試料物質を保持し、入射光ビームが、1つ又は複数の試料物質によってチャンバ内部で非弾性散乱される、向けることを含む。方法は、ラマンセンサによって、非弾性散乱された光をチャンバから収集することをさらに含む。方法は、ラマンセンサによって、収集された非弾性散乱された光に基づいて、1つ又は複数の試料物質からの第1の物質のラマンピークの強度を測定することをさらに含む。方法は、プロセッサによって、少なくとも測定された第1の物質のラマンピークの強度に基づいて、第1の物質の濃度を計算することをさらに含む。方法は、プロセッサによって、計算された第1の物質の濃度に基づいて、ウェハ洗浄プロセスの終点を判定することをさらに含む。方法は、プロセッサによって、判定された終点に基づいて、ウェハ洗浄プロセスを終了することをさらに含む。
【0008】
上記の段落は、全般的な序文として提供されており、下記の特許請求の範囲を限定することは意図されていない。記載する実施形態は、さらなる利点と共に、添付図面に関連して解釈される以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解される。
【0009】
本開示の態様は、添付図面と共に読まれるとき、以下の詳細な説明から最もよく理解される。業界標準の慣行に従い、様々な特徴を実寸通りに描画していないことに注意されたい。実際に、様々な特徴の寸法は、考察を明確にするために任意に拡大又は縮小され得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】いくつかの実施形態による、洗浄装置の例示的なブロック図を示す。
【
図2】いくつかの実施形態による、例示的なラマンセンサを示す。
【
図3】いくつかの実施形態による、例示的なラマンセンサを示す。
【
図4】いくつかの実施形態による、例示的な洗浄装置を示す。
【
図5】いくつかの実施形態による、洗浄装置の例示的な機械構造を示す。
【
図6】いくつかの実施形態による、IPAのラマンピークの例示的なグラフを示す。
【
図7】いくつかの実施形態による、IPA濃度とIPAのラマンピークとの間の関係の例示的なグラフを示す。
【
図8】いくつかの実施形態による、ウェハ洗浄プロセスの例示的なフローチャートを示す。
【
図9】いくつかの実施形態による、ウェハ洗浄プロセスの終点検出の例示的なフローチャートを示す。
【
図10】いくつかの実施形態による、プロセッサの例示的な図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の開示は、提示する主題の様々な特徴を実施するための多様な実施形態又は例を示す。本開示を簡略化するために、構成要素及び構成の具体例を以下で説明する。当然のことながら、これらは単なる例に過ぎず、限定することを意図するものではない。加えて、本開示は、様々な実施例において参照番号及び/又は文字を繰り返す場合がある。この繰り返しは、簡素化及び明確化を目的としており、これ自体が議論する様々な実施形態及び/又は構成間の関係を指示するものではない。
【0012】
さらに、本明細書では、「下方」、「下の」、「下側」、「上方」、「上側」などの空間的関係を指す用語は、図示のように、1つの要素又は特徴と、別の要素又は特徴との関係を説明する記述を容易にするために用いられることがある。空間的関係を指す用語は、図面で示す向きに加えて、使用中又は動作中の装置の異なる向きを含むことを意図するものである。装置は、向きを変える(90度回転又は他の向き)ことができ、本明細書で用いる空間的関係を指す記述子も同様に適宜解釈され得る。
【0013】
本明細書全体を通して、「一実施形態」又は「ある実施形態」とは、その実施形態との関連で記述された特定の特徴、構造、材料、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味するが、必ずしも全ての実施形態に存在するとは限らない。したがって、本明細書全体の様々な箇所における語句「一実施形態では」の出現は、必ずしも同一の実施形態を指すわけではない。さらに、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、1つ又は複数の実施形態において任意の適当な方法で組み合わされ得る。
【0014】
既存のセンサは、CO2流体の状態を追跡することを可能にする。しかしながら、これらのセンサは、超臨界CO2又は類似の流体中の汚染物質(例えば、IPA)の濃度に対する感度に制限がある。終点IPA追跡センサがないと、洗浄ツールは、十分な余裕が確立されるまでチャンバを通してCO2を吸い出し続けるか、又はIPAが完全に除去される前に洗浄プロセスが停止する場合に、ウェハへの損傷の危険を冒すかのいずれかでなければならない。さらに、洗浄プロセスが停止するのが早すぎる場合、ウェハは、その後に続けて洗浄プロセスを受ける場合があり、それによりウェハ処理スループットが低下する。
【0015】
本明細書に開示される実施形態は、汚染物質固有のラマン散乱ピークの振幅を追跡し、超臨界洗浄チャンバ排出孔における汚染物質(例えば、IPA)の濃度を逆算するように設計された、方法及び洗浄装置を目的とする。特に、入口から排出孔へ、洗浄チャンバを通る流体の継続的な流れが存在し得る。scCo2は、ある期間(例えば、1~2分)にわたって徐々にIPAを溶解してもよく、scCO2中のIPAの溶液は、排出孔を通ってチャンバから出ていく。計測モジュールは、流出するIPA及びscCO2の全てが計測モジュールを通過するように、排出位置に置かれ得る。洗浄装置は、scCO2の流れを妨害することなく、単一の光学窓を介したインラインリモートセンシングケイパビリティを提供するセンサを含み得る。
【0016】
いくつかの実施形態によれば、洗浄装置は、光学窓を介して高圧且つ高温チャンバ内部の汚染物質を追跡する、リモートセンシングラマンセンサを含む。洗浄装置は、安定性の高いレーザ及びビーム整形光学素子をさらに含み得る。ラマンセンサは、個別の狭帯域フィルタをそれぞれが有する2つ以上の感光性検出器を含んでもよく、少なくとも1つが、問題の汚染物質の特定のラマンピークの振幅を追跡するためのものであり、少なくとも1つが、背景を追跡するためのものである。
【0017】
図1は、洗浄装置の実施形態を示す。洗浄装置は、光120Aをチャンバ102の方に向けるレーザ光源100を含み得る。チャンバ102は、洗浄プロセスを実行するための1つ又は複数のウェハを含み得る。光120Aは、入口窓を介してチャンバ102に入り得る。洗浄装置は、センサ104と、チャンバ102から出る光120Bを収集するラマンセンサ106とをさらに含み得る。光は、非弾性散乱光であってもよい。光120Bは、入口窓を介してチャンバ102から出ていき得る。洗浄装置は、センサ104及び106から情報を受信し、センサ104及び106から受信した情報に基づいて、ガス供給110からチャンバ102への気体の流れを制御するプロセッサ108をさらに含み得る。例えば、ラマンセンサ106から受信した情報に基づいて、プロセッサ108は、ウェハ洗浄プロセスの終点を検出し、ガス供給110を制御してウェハ洗浄プロセスの終点を終了してもよい。センサ104は、屈折率測定値から超臨界流体(SCF)の相を判定し得る光センサであってもよい。SCF屈折率センサの例は、米国特許第10,837,902号明細書において提供され、その内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。センサ104及び106から受信したデータに基づいて、プロセッサ108は、洗浄プロセス制御システムにフィードバックを提供し、サイクルコストの減少及び環境上の利益のために洗浄サイクル時間及びCO
2消費量を最小化しつつ、残渣の濃度が所望の閾値未満に下がったときに洗浄プロセスが完了することを確実にする助けとなり得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、ラマンセンサは、それぞれが狭帯域フィルタを有する2つのフォトダイオードを含み得る。フィルタのうちの1つの中心波長は、IPAなどの、問題の汚染物質のラマンピークのうちの1つの波長に合致するように調整され得る。フィルタの互いの中心波長は、問題のラマンピーク(例えば、IPA及びCO
2)から離れた波長に調整されてもよく、また、選択された光源を有する光信号を当業者が予期しない、他の波長から離れた波長に調整されてもよい。例としての励起波長は、785nmを含み、ノッチフィルタが、回収路において785nmの光を妨害する。その例では、第1のフィルタは、例えば、839nmのIPAラマンピーク前後の835~843nmの範囲内の波長を伝送するように調整されてもよく、第2のフィルタは、例えば、その特定の光源を有する背景光について820~835nmの範囲(
図6を参照)内の波長を伝送するように調整されてもよい。他の実施形態では、ラマンセンサは、それぞれが狭帯域フィルタを有する3つのフォトダイオードを含み得る(
図2を参照)。その例では、1つのフィルタは、839nmのIPAラマンピーク波長に調整されてもよく、第2のフィルタは、820~835nmの範囲にわたって背景を収集するように調整されてもよく、第3のフィルタは、873nmのCO2ラマンピークの1つを収集するように調整されてもよい。
【0019】
いくつかの実施形態によれば、洗浄装置は、高圧/高温チャンバの窓を通して照明光を送る光学設計を含み、同じ窓を通る被検物質によって散乱した光を収集する。散乱光は、次いで、実質的にはダイクロイックミラーを用いて、照明光から分離される。その後、散乱光は、ノッチフィルタで残留照明光をフィルタリングすることによって、さらに光学処理される。次いで、フィルタリングされた光は、2つ以上の感光性検出器、背景を測定する少なくとも1つの検出器、及び問題の汚染物質のラマンピークの強度を測定する少なくとも1つの検出器を用いて分析される。
【0020】
図2は、ラマンセンサの実施形態を示す。
図2に示されるように、光学レンズ204を用いてテストボリュームに照明光の焦点が合わされる。この光学レンズ204は、散乱ラマン光を収集し、励起波長光を伝送し且つラマンピーク波長で光を反射するダイクロイックミラー202を使用して、散乱ラマン光を照明光から分離するために使用され得る。収集された散乱ラマン光は、ノッチフィルタ206によってさらにフィルタリングされる。当業者が理解するように、ラマン光は、非弾性散乱光に対応する(例えば、散乱光子は非散乱光子とは異なる波長を有する)。ノッチフィルタ206によってフィルタリングされた後、収集された散乱光は、追加のバンドパスフィルタ「フィルタ-BG」310を通過して、問題の背景波長を選択し得る。背景光は、背景検出器「PD-BG」314上の光学レンズ312によって焦点が合わされてもよく、PD-BG314は、フォトダイオード又は類似の感光性検出器であってもよい。
【0021】
ノッチフィルタ206によってフィルタリングされた後、追加のダイクロイックミラー208は、問題の物質(例えば、IPA及びCO2)についてのラマンピーク以外の波長の背景光を分離する。例えば、ダイクロイックミラー208を通過した後、収集された光は、追加のバンドパスフィルタ「フィルタ-CO2」218を通過して、CO2のラマンピークに対応する波長を選択し得る。CO2光は、CO2検出器「PD-CO2」222上の光学レンズ220によって焦点が合わされてもよく、PD-CO2222は、フォトダイオード又は類似の感光性検出器であってもよい。
【0022】
さらに、ラマンセンサは、IPA光からCO2光を分離するダイクロイックミラー216をさらに含み得る。例えば、ダイクロイックミラー216を通過した後、収集された光は、追加のバンドパスフィルタ「フィルタ-IPA」224を通過して、IPAのラマンピークに対応する波長を選択し得る。IPA光は、フォトダイオード「PD-IPA」228上の光学レンズ226によって焦点が合わされてもよく、PD-IPA228は、フォトダイオード又は類似の感光性検出器であってもよい。いくつかの実施形態では、ダイクロイックミラーを使用する代わりに、当業者は、非波長感応型ビームスプリッタを使用してもよい。いくつかの実施形態では、フォトダイオードPD-CO2214及びPD-IPA228は、それぞれCO2及びIPAについてのラマンピークを登録する。CO2についてのピークは、1286cm-1において発生することがあり、IPAについての照明波長からのシフトは、819cm-1において発生することがある。
【0023】
図3は、問題の物質(例えば、CO
2及びIPA)のラマンピークを登録するためのプリズムベースの分光計構成を含むラマンセンサの別の実施形態を示す。この点に関して、最初のノッチフィルタ206を通過する光は、異なる波長を分離する分散プリズム302を通り抜け得る。プリズム302は、ラインセンサ306上に光の焦点を合わせる集束光学系を含み得る。ラインセンサは、高い光スループットの分光計として動作するマルチピクセル検出器であってもよく、それは、IPA及びCO
2などの問題の分子についてのラマンピークを含む。
【0024】
図4は、測定チャンバの入口窓410を通って光402Aを向ける光源402を含む、洗浄装置の例としての構造を示す。光は、ウェハ上の物質と接触して、非弾性散乱光402Bを生成し得る。非弾性散乱光は、入口窓410を介して測定チャンバを出てもよく、ラマンセンサ406及び光検出器408によって収集されてもよい。測定チャンバは、屈折率センサ検出器412をさらに含んでもよい。向けられた光402A及び非弾性散乱光の両方が、出口窓を介して測定チャンバを出ていき得る。
【0025】
図5は、
図4に示される洗浄装置の例示的な機械構造を示す。洗浄装置の機械構造は、測定チャンバ506に入る前に、光学構成504を通って光を向ける光源502を含み得る。光学構成504は、ダイクロイックミラー及び光学レンズを含み得る。測定チャンバ506は、ポート508及び510を含み得る。これらのポートのうちの1つは、ガス供給線に接続されてもよく、他のポートは、別のラインに接続され、排出ポートとして機能する。
【0026】
図6は、IPAの濃度に基づいてIPAのラマンピークの強度がどのように変化するかを示す、例としてのグラフである。グラフのx軸は、ラマンシフト(cm
-1)を示す。グラフのy軸は、分光計信号強度を示す任意単位(a.u.)を示す。
図6は、第1の濃度におけるIPAのラマンピークの例としての強度(600)、及び第1の濃度の50%である第2の濃度におけるIPAのラマンピークの例としての強度(602)を示す。
図6に示されるように、IPAの濃度が50%減少すると、IPAラマンピークの強度は、ほぼ50%低下する。
【0027】
いくつかの実施形態では、ウェハ洗浄プロセスの終点の判定は、IPAのラマンピークの強度に基づいて判定され得る。他の実施形態では、ウェハ洗浄プロセスの終点の判定は、IPAラマンピークの相対ピーク強度に基づいて判定され得る。IPAラマンピークの相対ピーク強度は、以下のパラメータを使用して判定され得る。
A:問題の汚染物質(例えば、IPA)のラマンピークの強度
B:溶剤/洗浄剤(例えば、SCF CO2)のラマンピークの強度
C:背景光の強度
【0028】
次に、ラマンピーク強度は、背景に対して計算され得る。
式1:A’=A-C
式2:B’=B-C
【0029】
計算されたパラメータA’は、IPAの相対ピーク強度であってもよく、B’は、CO2の相対ピーク強度であってもよい。次に、IPAの相対ピーク強度は、以下のように判定され得る。
式3:D=A’-B’、
式中、Dは、IPAの相対ピーク強度である。
【0030】
別の例では、IPAの相対ピーク強度は、以下のように判定され得る。
式4:D=A’/B’
式中、Dは、IPAの相対ピーク強度である。
【0031】
パラメータA、B、及びCは、式1~4の計算を実行するためにラマンセンサからプロセッサ108(
図1)に提供され得る。
【0032】
図7は、IPAラマンピークの相対ピーク強度対測定チャンバ内のIPAの濃度の例示的なグラフを示す。
図7に示されるように、IPAラマンピークの相対ピーク強度は、測定チャンバ内のIPAの濃度と線形相関を有する。したがって、IPAラマンピークの相対ピーク強度を判定すると、当業者であれば、測定チャンバ内のIPAの濃度を判定し得る。いくつかの実施形態では、IPAラマンピークの相対ピーク強度が所定の閾値未満であるとき、ウェハ洗浄プロセスの終点が判定され、ウェハ洗浄プロセスが終了され得る。
【0033】
図8は、本開示のいくつかの実施形態による、超臨界CO
2流体に基づくウェハ洗浄サイクルの実施形態を示す。ウェハ洗浄サイクルプロセスは、800において開始し得る。800において、超臨界CO
2流体が供給パイプ内に維持され、IPAで覆われたウェハが処理チャンバに入る。いくつかの実施形態では、ウェハは複数のマイクロ構造を有し得る。マイクロ構造は、幅及び高さを有する開口部であり得る。IPAは、IPAドライプロセスなどの前の処理ステップから開口部内に閉じ込められ得る。プロセスは、ステップ800からステップ802に進み、ステップ802において、超臨界CO
2流体が入力バルブを介して処理チャンバに投入され、超臨界CO
2流体がウェハの上面を通って流れる。ステップ804において、処理チャンバ内に超臨界CO
2流体がますます投入されるにつれて、開口部に閉じ込められているIPAに超臨界CO
2流体が溶解する。ステップ806において、ウェハ洗浄プロセスが継続するにつれて、IPAは、超臨界CO
2流体内に取り込まれて運び去られる。ステップ808において、処理時間が進むにつれてバルク超臨界CO
2流体が残りのIPAを変位させる。ステップ810において、出口バルブがオンのまま入力バルブが閉じられ、処理チャンバの圧力が下がる。超臨界CO
2流体は気体へと転移し、圧力が下がるにつれてウェハを離れる。
図8に示されるプロセスは、ステップ810の後終了され得る。
【0034】
図9は、ウェハ洗浄プロセスのための終点検出の実施形態を示す。例えば、
図9に示されるプロセスは、
図8に示されるプロセスの間の任意の時間に実行されてもよく、
図8に示されるプロセスは、
図9に示されるプロセスに基づいて任意の時間に終了され得る。いくつかの実施形態では、
図9に示される終点検出プロセスは、周期的間隔(例えば、10ms~1s)で実行され得る。プロセスは、ステップ900において開始し得る。ステップ900において、入射光ビームが、ウェハ洗浄プロセスの間測定チャンバの入口窓に向けられる。光ビームが測定チャンバに入ると、光ビームは、測定チャンバに含まれる1つ又は複数の試料物質(例えば、IPA及びCO
2)によって非弾性散乱される。プロセスはステップ902に進み、ステップ902において、測定チャンバからの光が、収集及び測定される。光が測定チャンバに入るのと同じ入口窓を介して、光が収集され得る。非弾性散乱光は、ラマンセンサ200(
図2)又はラマンセンサ300(
図3)などのラマンセンサによって収集され得る。例えば、ラマンセンサは、測定チャンバから非弾性散乱光を収集し、収集された光のスペクトル分析を実行して、測定チャンバに含まれる1つ又は複数の物質のラマンピークの強度を測定する。ラマンセンサは、上述のパラメータA(例えば、IPAのラマンピークの強度)、B(例えば、CO
2のラマンピークの強度)、及びパラメータC(例えば、背景光の強度)を出力し得る。
【0035】
プロセスはステップ904に進み得、ステップ904において物質の濃度が計算される。濃度は、プロセッサ108(
図1)によって計算され得る。物質は、IPAなどの問題の汚染物質であってもよい。いくつかの実施形態では、IPAの濃度は、測定されたIPAのラマンピークの強度に基づいて判定される。他の実施形態では、計算された濃度は、上述した式1~4に従って判定されるIPAラマンピークの相対ピーク強度に基づく。
【0036】
プロセスは、ステップ904からステップ906へと進んで、計算された濃度に基づいて、ウェハ洗浄プロセスの終点を判定する。例えば、計算された濃度が所定の閾値未満であるとき、ウェハ洗浄プロセスの終点が判定され得る。プロセスはステップ908へ進み、ステップ908において、ウェハ洗浄プロセスは、ウェハ洗浄プロセスの終点が判定されることに応答して終了される。例えば、ウェハ洗浄プロセスの終点が判定されると、プロセッサ108(
図1)が、ウェハ洗浄プロセスが終了されるように測定チャンバ内へのCO
2の供給を制御してもよい。
図9に示されるプロセスは、ステップ908の後終了し得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、プロセッサ108(
図1)は、1つ又は複数のセンサからデータを受信し、コンピュータコードを実行して、受信したデータを処理し、測定チャンバ内のウェハに対して実行されるプロセスを制御するように構成される、マイクロコントローラなどのスタンドアロンプロセッサであってもよい。他の実施形態では、プロセッサ108は、ワークステーション端末として動作するコンピュータシステムであってもよい。例えば、
図10は、開示された主題のいくつかの実施形態の実施に適したコンピュータシステム(1000)を示す。
【0038】
コンピュータソフトウェアは、アセンブリ、コンパイル、リンキング、又は1つ若しくは複数のコンピュータ中央処理装置(CPU)によって、直接、若しくはインタープリテーション、マイクロコード実行などを通して、実行され得る命令を含むコードを生成するための類似のメカニズムの対象とされ得る、任意の適当な機械コード又はコンピュータ言語を使用して符号化され得る。命令は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバなどを含む、様々な種類のコンピュータ又はその構成要素上で実行され得る。
【0039】
コンピュータシステム(1000)のための
図10に示される構成要素は、本質的には例示であり、本開示の実施形態を実施するコンピュータソフトウェアの使用又は機能性の範囲としていかなる限定も示唆することを意図しないものとする。構成要素の構成は、コンピュータシステム(1000)の例示的実施形態に示される構成要素の任意の1つ又は組み合わせに関するいかなる依存関係又は必要性も有すると解釈されるべきではない。
【0040】
コンピュータシステム(1000)は、いくつかのヒューマンインターフェース入力デバイスを含み得る。そのようなヒューマンインターフェース入力デバイスは、例えば、触覚入力(キーストローク、スワイプなど)を通して1人又は複数の人間のユーザによる入力に応答し得る。入力ヒューマンインターフェースデバイスは、キーボード(1001)、マウス(1002)、トラックパッド(1003)、及びタッチスクリーン(1010)のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0041】
コンピュータシステム(1000)は、また、いくつかのヒューマンインターフェース出力デバイスを含み得る。そのようなヒューマンインターフェース出力デバイスは、それぞれがタッチスクリーン入力ケイパビリティを有するか又は有しない、それぞれが触覚フィードバックケイパビリティを有するか又は有しない、視覚的出力デバイス(CRTスクリーン、LCDスクリーン、プラズマスクリーン、OLEDスクリーンを含むスクリーン(1010)などを含んでもよく、そのいくつかが、ステレオグラフィック出力などの手段を通して2次元視覚的出力又は3次元以上の次元出力を出力することが可能であってもよい。
【0042】
コンピュータシステム(1000)は、また、ヒューマンアクセシブル記憶デバイスと、CD/DVDなどの媒体(1021)を有するCD/DVD ROM/RW(1020)を含む光学媒体、サムドライブ(1022)、リムーバブルハードドライブ又はソリッドステートドライブ(1023)、テープ及びフロッピーディスク(図示せず)などのレガシー磁気媒体、セキュリティドングル(図示せず)などの専用ROM/ASIC/PLDベースデバイスなどのそれらの関連媒体と、を含み得る。
【0043】
本開示の主題に関連して使用される「コンピュータ可読媒体」という用語は、伝送媒体、搬送波、又は他の一時的信号を包含しないことも、当業者は理解すべきである。
【0044】
コンピュータシステム(1000)は、1つ又は複数の通信ネットワークに対するインターフェースも含み得る。ネットワークは、例えば、無線、有線、光であってもよい。ネットワークは、さらに、ローカル、ワイドエリア、メトロポリタン、車両及び産業用、リアルタイム、遅延耐性などであってもよい。ネットワークの例は、イーサネットなどのローカルエリアネットワーク、無線LAN、GSM、3G、4G、5G、LTEなどを含むセルラネットワークを含む。いくつかのネットワークは、一般に、ある汎用データポート又は周辺バス(1049)(例えばコンピュータシステム(1000)のUSBポートなど)に取り付けられる外部ネットワークインターフェースアダプタを必要とする。それ以外は、一般に、後述のシステムバスへのアタッチメント(例えば、PCコンピュータシステムへのイーサネットインターフェース又はスマートフォンコンピュータシステムへのセルラネットワークインターフェース)によってコンピュータシステム(1000)のコアに統合される。これらのネットワークのいずれかを使用して、コンピュータシステム(1000)は、他のエンティティと通信し得る。そのような通信は、例えば、ローカル又はワイドエリアデジタルネットワークを用いて他のコンピュータシステムに対して、一方向性、受信専用、一方向送信専用(例えば、あるCANbusデバイスへのCANbus)、又は双方向性であってもよい。あるプロトコル及びプロトコルスタックは、上述のそれらのネットワーク及びネットワークインターフェースのそれぞれの上で使用され得る。
【0045】
前述のヒューマンインターフェースデバイス、ヒューマンアクセシブル記憶デバイス、及びネットワークインターフェースは、コンピュータシステム(1000)のコア(1040)に取り付けられ得る。コア(1040)は、1つ又は複数の中央処理処置(CPU)(1041)、グラフィック処理装置(GPU)(1042)、フィールドプログラマブルゲートエリア(FPGA)の形態の専用プログラマブル処理装置(1043)、いくつかのタスクのための、ハードウェアアクセラレータ(1044)などを含み得る。これらのデバイスは、読み出し専用メモリ(ROM)(1045)、ランダムアクセスメモリ(1046)、内部非ユーザアクセシブルハードドライブ、SSDなどの内部大容量記憶装置(1047)と共に、システムバス(1048)を通して接続され得る。いくつかのコンピュータシステムでは、システムバス(1048)は、追加のCPU、GPUなどによる拡張を可能にするために1つ又は複数の物理プラグの形態でアクセス可能であり得る。周辺デバイスは、コアのシステムバス(1048)に直接、又は周辺バス(1049)を通して、取り付けられ得る。周辺バスのためのアーキテクチャは、PCI、USBなどを含む。
【0046】
CPU(1041)、GPU(1042)、FPGA(1043)、及びアクセラレータ(1044)は、組み合わせて、前述のコンピュータコードを構成し得るある命令を実行し得る。そのコンピュータコードは、ROM(1045)又はRAM(1046)に記憶され得る。過渡的データは、また、RAM(1046)に記憶されてもよく、永久データは、例えば内部大容量記憶装置(1047)に記憶されてもよい。メモリデバイスのいずれかへの高速記憶及び高速検索は、1つ又は複数のCPU(1041)、GPU(1042)、大容量記憶装置(1047)、ROM(1045)、RAM(1046)などに密接に関連付けられ得る、キャッシュメモリの使用を通して可能にされ得る。
【0047】
コンピュータ可読媒体は、様々なコンピュータ実施動作を実行するためにその上にコンピュータコードを有し得る。媒体及びコンピュータコードは、本開示の目的で専用に設計及び構築されたものであってもよく、又はそれらは、コンピュータソフトウェア分野の当業者に周知且つ利用可能な種類のものであってもよい。
【0048】
限定としてではなく例として、アーキテクチャを有するコンピュータシステム(1000)及び具体的にはコア(1040)は、1つ又は複数の有形のコンピュータ可読媒体に具現化されたソフトウェアを実行するプロセッサ(CPU、GPU、FPGA、アクセラレータなどを含む)の結果としての機能性を提供し得る。そのようなコンピュータ可読媒体は、上記で紹介されたユーザアクセシブル大容量記憶装置及びコア内部大容量記憶装置(1047)又はROM(1045)などの非一時的性質のものであるコア(1040)のある記憶装置に関連付けられた媒体であってもよい。本開示の様々な実施形態を実施するソフトウェアは、そのようなデバイスに記憶されてもよく、コア(1040)によって実行されてもよい。コンピュータ可読媒体は、特定の必要性に従って、1つ又は複数のメモリデバイス又はチップを含み得る。ソフトウェアは、コア(1040)及び具体的にはその中のプロセッサ(CPU、GPU、FPGAなどを含む)に、RAM(1046)に記憶されたデータ構造を定義すること及びソフトウェアによって定義されたプロセスに従ってそのようなデータ構造を修正することを含む、本明細書に記載された特定のプロセス又は特定のプロセスの特定の部分を実行させ得る。加えて、又は代替として、コンピュータシステムは、ハードウェアで実現された、又は回路(例えば、アクセラレータ(1044))に具現化されたロジックの結果としての機能性を提供し得る。それは、本明細書に記載された特定のプロセス又は特定のプロセスの特定の部分を実行するソフトウェアの代わりに、又はソフトウェアと共に動作し得る。ソフトウェアに対する参照は、適宜ロジックを包含してもよく、その逆もまた同様である。コンピュータ可読媒体に対する参照は、適宜、実行のためのソフトウェアを記憶する回路(集積回路(IC)など)、実行のためのロジックを具現化する回路、又はその両方を包含し得る。本開示は、ハードウェア及びソフトウェアの任意の適当な組み合わせを包含する。
【0049】
当業者が本開示の態様をよりよく理解できるように、上記ではいくつかの実施形態の特徴を概説した。本明細書で紹介した実施形態の同じ目的を実行するために及び/又は同じ利点を実現するために、他のプロセス及び構造を設計し又は修正するための基礎として本開示を難なく利用できることを当業者なら理解すべきである。かかる等価の構成が本開示の趣旨及び範囲から逸脱しないこと、及び本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなしに様々な変更、置換、及び改変を加えることができることも当業者なら理解すべきである。
【0050】
(1)in-situ洗浄終点検出のための装置であって、装置は、1つ又は複数の試料物質を保持するように構成される測定チャンバと、測定チャンバの片側に取り付けられる入口窓と、入射光ビームを生成するように構成される光源であって、入射光ビームが、入口窓を通ってチャンバ内に向けられ、入射光ビームが、1つ又は複数の試料物質によってチャンバ内部で非弾性散乱される、光源と、非弾性散乱された光をチャンバから収集し、収集された非弾性散乱された光に基づいて、1つ又は複数の試料物質からの第1の物質のラマンピークの強度を測定するように構成される、ラマンセンサと、プロセッサであって、(i)少なくとも測定された第1の物質のラマンピークの強度に基づいて、1つ又は複数の試料物質からの第1の物質の濃度を計算し、(ii)計算された第1の物質の濃度に基づいて、ウェハ洗浄プロセスの終点を判定し、(iii)判定された終点に基づいて、ウェハ洗浄プロセスを終了するように構成される、プロセッサと、を含む。
【0051】
(2)特徴(1)の装置であって、ラマンセンサが、1つ又は複数の試料物質からの第2の物質のラマンピークの強度及び背景光の強度を測定するようにさらに構成される。
【0052】
(3)特徴(1)又は(2)の装置であって、プロセッサが、第1の物質のラマンピークの強度から背景光の強度を減算することによって、第1の物質の第1の相対強度を判定し、第2の物質のラマンピークの強度から背景光の強度を減算することによって、第2の物質の第2の相対強度を判定し、第1の相対強度及び第2の相対強度に基づいて、試料ラマンピーク相対強度を判定するようにさらに構成される。
【0053】
(4)特徴(3)の装置であって、試料ラマンピーク相対強度が、第1の相対強度と第2の相対強度との間の差である。
【0054】
(5)特徴(3)の装置であって、試料ラマンピーク相対強度が、第1の相対強度と第2の相対強度との間の比率である。
【0055】
(6)特徴(4)又は(5)の装置であって、プロセッサが、判定された試料ラマンピーク相対強度から第1の物質の濃度を計算するようにさらに構成される。
【0056】
(7)特徴(4)~(6)のいずれか1つによる装置であって、プロセッサが、試料ラマンピーク相対強度が閾値以下であるとの判定に応じて、ウェハ洗浄プロセスの終点を判定するようにさらに構成される。
【0057】
(8)特徴(1)~(7)のいずれか1つによる装置であって、第1の物質が、イソプロパノール(IPA)であり、ラマンセンサが、IPAのラマンピークを検出するように構成された第1の感光性検出器を含む。
【0058】
(9)特徴(2)~(8)のいずれか1つによる装置であって、第2の物質が、二酸化炭素であり、ラマンセンサが、二酸化炭素のラマンピークを検出するように構成された第2の感光性検出器を含む。
【0059】
(10)特徴(2)~(9)のいずれか1つによる装置であって、ラマンセンサが、背景光を検出するように構成された第3の感光性検出器を含む。
【0060】
(11)特徴(1)~(10)のいずれか1つによる装置であって、ラマンセンサが、(i)チャンバからの非弾性散乱された光を複数の波長に分離するプリズムと、(ii)複数の波長を検出するためのラインセンサと、をさらに含む。
【0061】
(12)特徴(1)~(11)のいずれか1つによる装置であって、非弾性散乱された光をチャンバから収集するように構成される超臨界流体(SCF)屈折率センサであって、SCF屈折率センサが、測定チャンバにおけるSCFの相を判定するように構成される、SCF屈折率センサをさらに含む。
【0062】
(13)特徴(1)~(11)のいずれか1つによる装置であって、1つ又は複数の試料物質が、二酸化炭素を含み、二酸化炭素が、超臨界状態下にある。
【0063】
(14)in-situ洗浄終点検出のための方法は、光源によって、ウェハ洗浄プロセスの間、測定チャンバの入口窓を通る入射光ビームを向けることであって、測定チャンバが、1つ又は複数の試料物質を保持し、入射光ビームが、1つ又は複数の試料物質によってチャンバ内部で非弾性散乱される、向けることと、ラマンセンサによって、非弾性散乱された光をチャンバから収集することと、ラマンセンサによって、収集された非弾性散乱された光に基づいて、1つ又は複数の試料物質からの第1の物質のラマンピークの強度を測定することと、プロセッサによって、少なくとも測定された第1の物質のラマンピークの強度に基づいて、第1の物質の濃度を計算することと、プロセッサによって、計算された第1の物質の濃度に基づいて、ウェハ洗浄プロセスの終点を判定することと、プロセッサによって、判定された終点に基づいて、ウェハ洗浄プロセスを終了することと、を含む。
【0064】
(15)特徴(14)の方法であって、ラマンセンサによって、1つ又は複数の試料物質からの第2の物質のラマンピークの強度及び背景光の強度を測定することをさらに含む。
【0065】
(16)特徴(15)の方法であって、プロセッサによって、第1の物質のラマンピークの強度から背景光の強度を減算することによって、第1の物質の第1の相対強度を判定することと、プロセッサによって、第2の物質のラマンピークの強度から背景光の強度を減算することによって、第2の物質の第2の相対強度を判定することと、プロセッサによって、第1の相対強度及び第2の相対強度に基づいて、試料ラマンピーク相対強度を判定することと、をさらに含む。
【0066】
(17)特徴(16)の方法であって、試料ラマンピーク相対強度が、第1の相対強度と第2の相対強度との間の差である。
【0067】
(18)特徴(16)の方法であって、試料ラマンピーク相対強度が、第1の相対強度と第2の相対強度との間の比率である。
【0068】
(19)特徴(16)~(18)のいずれか1つの方法であって、計算された濃度が、判定された試料ラマンピーク相対強度から判定される。
【0069】
(20)特徴(16)~(19)のいずれか1つの方法であって、試料ラマンピーク相対強度が閾値以下であるとの判定に応じて、ウェハ洗浄プロセスの終点が判定される。
【国際調査報告】