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特表2024-531482ポリウレタンエラストマーフォームの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】ポリウレタンエラストマーフォームの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/00 20060101AFI20240822BHJP
   C08G 101/00 20060101ALN20240822BHJP
【FI】
C08G18/00 H
C08G101:00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513069
(86)(22)【出願日】2022-08-17
(85)【翻訳文提出日】2024-02-26
(86)【国際出願番号】 EP2022072972
(87)【国際公開番号】W WO2023025633
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】202110997574.0
(32)【優先日】2021-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】チェン ペン リアン
(72)【発明者】
【氏名】バン ウェイ シー
(72)【発明者】
【氏名】インハオ ルー
(72)【発明者】
【氏名】シン ジン
【テーマコード(参考)】
4J034
【Fターム(参考)】
4J034BA07
4J034BA08
4J034CA04
4J034CA05
4J034CB03
4J034CB04
4J034CC03
4J034CC08
4J034CC12
4J034CC23
4J034CC26
4J034CC45
4J034CC52
4J034CC61
4J034CC65
4J034CD04
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4J034DC25
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4J034DF27
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4J034HA06
4J034HA07
4J034HB07
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4J034HC12
4J034HC13
4J034HC17
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4J034HC52
4J034HC61
4J034HC64
4J034HC65
4J034HC67
4J034HC71
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4J034JA33
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4J034QB15
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4J034RA03
4J034RA05
4J034RA06
4J034RA12
(57)【要約】
本発明はポリウレタンエラストマーフォームの製造方法、前記方法によって製造されたポリウレタンエラストマーフォーム、および前記ポリウレタンエラストマーフォームの使用を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリウレタンエラストマーフォームの製造方法であって、
a) ポリオールと、任意の添加剤とを予め混合して、混合された成分Aを得る段階、
b) イソシアネート含有成分Bと成分Aとを混合して型に加え、型を閉じて反応させて、ポリウレタンプリフォームを得る段階、
c) 前記ポリウレタンプリフォームを閉キャビティに入れ、閉キャビティが圧力Pに達するまで、閉キャビティに流体を導入すると共に、温度を第1の温度T1に上昇させ、キャビティ内で超臨界または超臨界に近い状態に達した流体を前記ポリウレタンプリフォームに含浸させる段階であって、ここで、温度T1は80℃~190℃、好ましくは90℃~160℃の範囲であり、圧力Pは5MPa~50MPaの範囲であり、且つ含浸時間は3分~6時間の範囲である、前記段階、および
d) 前記含浸時間に達した後に、閉キャビティの圧力を解放して、前記ポリウレタンプリフォームからポリウレタンエラストマーフォーム材料を得る段階であって、ここで圧力解放速度は3MPa/秒~500MPa/秒の範囲である、前記段階
を含む、前記方法。
【請求項2】
圧力Pが10MPa~18MPaの範囲であり、且つ含浸時間が3分~2時間、好ましくは30分~90分の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載のポリウレタンエラストマーフォームの製造方法。
【請求項3】
前記圧力解放速度が4MPa/秒~100MPa/秒、より好ましくは5MPa/秒~30MPa/秒の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載のポリウレタンエラストマーフォームの製造方法。
【請求項4】
前記流体が窒素ガスおよび二酸化炭素の少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項1に記載のポリウレタンエラストマーフォームの製造方法。
【請求項5】
前記流体中の窒素が50質量%以上であることを特徴とする、請求項4に記載のポリウレタンエラストマーフォームの製造方法。
【請求項6】
成分Aと成分Bとの混合物が射出または注型によって型に加えられることを特徴とする、請求項1に記載のポリウレタンエラストマーフォームの製造方法。
【請求項7】
成分Aも成分Bも追加的な発泡剤を含まないことを特徴とする、請求項1に記載のポリウレタンエラストマーフォームの製造方法。
【請求項8】
前記ポリウレタンプリフォームが、80ショアA以下、好ましくは10~80ショアA、より好ましくは20~80ショアA、さらに好ましくは45~75ショアAの範囲の硬さを有することを特徴とする、請求項1に記載のポリウレタンエラストマーフォームの製造方法。
【請求項9】
段階d)における圧力解放後に、0~25℃の範囲の温度で冷却する段階e)を含む、請求項1から8までのいずれか1項に記載のポリウレタンエラストマーフォームの製造方法。
【請求項10】
段階d)またはe)において得られるポリウレタンエラストマーフォーム材料を型に入れてさらにホットプレスすることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載のポリウレタンエラストマーフォームの製造方法。
【請求項11】
段階d)またはe)において得られるポリウレタンエラストマーフォーム材料を所望の大きさにさらに切断することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載のポリウレタンエラストマーフォームの製造方法。
【請求項12】
段階d)における未形成のポリウレタンプリフォームの発泡は部分的であり、ここで、第1の温度T1での圧力が、周囲圧力よりも高い圧力へと低下され、且つ部分的に発泡されたポリウレタンプリフォームの密度が、周囲圧力への圧力の低下によって得ることができる密度よりも高いことを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載のポリウレタンエラストマーフォームの製造方法。
【請求項13】
発泡段階d2)をさらに含み、ここで、部分的に発泡されたポリウレタンプリフォームを引き続き第2の温度T2で完全に膨張させ、次いで、所望の密度が得られるまで第2の温度T2での圧力が低下する程度に、キャビティ内の圧力を低下させることを特徴とする、請求項12に記載のポリウレタンエラストマーフォームの製造方法。
【請求項14】
発泡段階d2)が、発泡段階d)のためのものと同じ装置において、または異なる装置において行われることを特徴とする、請求項13に記載のポリウレタンエラストマーフォームの製造方法。
【請求項15】
請求項1から14までのいずれか1項に記載のポリウレタンエラストマーフォームの製造方法によって製造されたポリウレタンエラストマーフォーム。
【請求項16】
請求項15に記載のポリウレタンエラストマーフォームの使用。
【請求項17】
前記ポリウレタンエラストマーフォームが輸送、家具、スポーツ製品または靴材料の分野において使用される、請求項16に記載のポリウレタンエラストマーフォームの使用。
【請求項18】
前記ポリウレタンエラストマーフォームが座席のために使用される、請求項17に記載のポリウレタンエラストマーフォームの使用。
【請求項19】
前記ポリウレタンエラストマーフォームが靴底のために使用される、請求項17に記載のポリウレタンエラストマーフォームの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリウレタンエラストマーの発泡技術の分野、特にポリウレタンエラストマーフォームの製造方法およびその製品に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタン(PU)材料の内部に多数の孔を形成するために発泡技術を使用すること、ひいては多孔質構造を有するポリウレタンフォーム材料を形成することは、軽量な製品を得て、且つ材料を節約するために効果的な手段である。多数の孔の存在は、材料に優れた性能、例えば断熱性、減衰性および緩衝性、雑音低減性および吸音性を付与することもできる。
【0003】
従来のポリウレタンの発泡は主に3つの方法を含む: (1)ポリオール(白色材料)とイソシアネート(黒色材料)とをまず混合してプレポリマーを作製し、次いで発泡剤、触媒、界面活性剤、および他の添加剤等を前記プレポリマーに添加して、高速で攪拌しながら混合して発泡させ、得られたフォームを硬化後に特定の温度でエージングし、最終製品を得る、プレポリマー法、(2)ポリオール(白色材料)とイソシアネート(黒色材料)とをまず混合してプレポリマーを作製し、次いで他のポリエーテルまたはポリエステルポリオールおよびイソシアネート、水、触媒、界面活性剤、他の添加剤等を添加して、高速で攪拌しながら混合して発泡させる、半プレポリマー法、および(3)材料、例えばポリエーテルまたはポリエステルポリオール(白色材料)、およびポリイソシアネート(黒色材料)、水、触媒、界面活性剤、発泡剤、他の添加剤を一段階で添加し、高速で攪拌しながら混合して発泡させる、一段階法。
【0004】
しかしながら、上記の方法によって製造されたポリウレタンフォームにおいて、低い密度と良好な機械的特性とを兼ね備えることは困難であり、なぜなら、高い膨張率は通常、機械的特性の低下および乏しいスキン品質をもたらすからである。
【0005】
連続的なフォームの成形のために、連続的な押出成形と射出成形との両方が重要な技術である。しかしながら、上記の発泡方法において、溶融状態の原料ポリマーが発泡のために必須であり、それは工業的な大量生産にはあまり適していない。固体状態の発泡法は、低い溶融強度を有するポリマー材料の発泡に関する問題を効果的に解決できる。固体状態の発泡の間、発泡剤を充填されたポリマーマトリックスが、発泡のために融点に近い軟化領域まで加熱される。例えば、物理的な発泡剤、例えば超臨界N2またはCO2が使用される場合、超臨界流体がポリマーマトリックス内で溶解され、急激な昇温後にその流体が過飽和状態に達し、圧力解放後、それは孔の核形成を誘導し、孔の成長を促進し、ポリマー材料の発泡を実現する。固体状態の発泡は、温度を制御することによって孔の大きさを制御でき、且つ特別な孔直径を有するポリマーフォーム材料、例えばマイクロセルラーフォームを製造するために適している。
【0006】
中国特許出願公開第105829417号明細書(CN105829417A)は、膨張熱可塑性エラストマービーズの製造方法であって、含浸段階、膨張段階、および任意に融着段階を含み、製造された熱可塑性エラストマービーズが途切れのないスキン、低い密度および均質な孔分布を有し、且つビーズの膨張および成形部品の製造が1つの作業および1つの装置で可能である、前記方法を開示している。
【0007】
中国特許出願公開第110126171号明細書(CN110126171A)は、ポリマー粒子のための統合された発泡成形方法であって、1) 低融点高分子樹脂によって被覆された高融点高分子樹脂を有するポリマー粒子を製造する段階、2) 前記ポリマー粒子を1段階の発泡成形に供して発泡製品を得る段階を含む、前記方法を開示している。低融点高分子樹脂によって被覆された高融点高分子樹脂を有するコアシェル構造のポリマー粒子を製造することによって、発泡工程の間、発泡温度はコアの樹脂の融点より低いので、粒子のコアで発泡ビーズが形成され得る。発泡温度はシェルの樹脂の融点より高く、表面は溶融状態である。従って、粒子が膨張して互いに圧縮される際、溶融状態のシェルの樹脂は、粒子が共に融着することを可能にする。一方、発泡の間、粒子は流動状態であり、全ての粒子の温度は一貫しており、粒子が前もって結合されないことが確実になり、膨張が生じる際に内部の融着は均質且つ一貫しており、充填の欠陥が回避される。
【0008】
超臨界発泡法は、熱可塑性エラストマー、例えば熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)の発泡において一般的である。しかしながら、上記の公開出願に記載されるとおり、この方法は通常、発泡成形前に熱可塑性ポリウレタンエラストマーを押出によって、または他の方法によって粒子にする段階を必要とする。全体的な方法は多くの段階を必要とし、且つ複雑である。
【0009】
従って、ポリウレタンフォーム製品の高い性能における要件と、単純且つ効率的な製造方法における要件とを兼ね備えた新規の発泡方法が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】中国特許出願公開第105829417号明細書
【特許文献2】中国特許出願公開第110126171号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
詳細な説明
本発明は、上記の従来技術に存在する技術的課題を解決するポリウレタンの発泡方法を提供し、該方法は単純且つ効率的である一方で、良好な物理的特性を有する低密度のポリウレタンフォーム製品を製造する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このために、本発明は以下の技術的解決策を提供する:
本発明は、ポリウレタンエラストマーフォームの製造方法であって、
a) ポリオールと、任意の添加剤とを予め混合して、混合された成分Aを得る段階、
b) イソシアネート含有成分Bと成分Aとを混合して型に加え、型を閉じて反応させて、ポリウレタンプリフォームを得る段階、
c) 前記ポリウレタンプリフォームを閉キャビティ内に入れ、閉キャビティが圧力Pに達するまで、閉キャビティに流体を導入すると共に、温度を第1の温度T1に上昇させ、キャビティ内で超臨界または超臨界に近い状態に達した流体を前記ポリウレタンプリフォームに含浸させる段階であって、ここで、温度T1は80℃~190℃、好ましくは90℃~160℃の範囲であり、圧力Pは5MPa~50MPaの範囲であり、且つ含浸時間は3分~6時間である、前記段階、および
d) 前記含浸時間に達した後に、閉キャビティの圧力を解放して、ポリウレタンプリフォームからポリウレタンエラストマーフォーム材料を得る段階であって、ここで圧力解放速度は3MPa/秒~500MPa/秒の範囲である、前記段階
を含む、前記方法を提供する。
【0013】
好ましくは、上記段階a)の成分Aにおけるポリオールは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールまたはそれらの混合物であってよい。
【0014】
ポリウレタンの製造のために使用されるポリエーテルポリオールは公知の方法によって、例えば、触媒の存在下で、結合した形態で2~8、好ましくは2~6つの反応性水素原子を含有する少なくとも1つのスターター分子を添加するアルキレンオキシドのアニオン重合によって得られる。触媒として、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム、またはアルカリ金属アルコキシド、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシドまたはカリウムイソプロポキシドを使用できるか、またはカチオン重合の場合、ルイス酸、例えば五塩化アンチモン、三フッ化ホウ素エーテラートまたは漂白土を触媒として使用できる。さらには、DMC触媒と称される複合金属シアン化物化合物も触媒として使用できる。
【0015】
アルキレンオキシドとして、アルキレン基内に2~4つの炭素原子を有する1つ以上の化合物、例えば、各々単独または混合物の形態で、エチレンオキシド、1,2-プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、1,2-または2,3-ブチレンオキシド、好ましくはエチレンオキシドおよび/または1,2-プロピレンオキシドを使用することが好ましい。
【0016】
可能なスターター分子は例えば、エチレングリコール(MEG)、ジエチレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン(TMP)、ペンタエリトリトール、糖誘導体、例えばスクロース、糖アルコール、例えばソルビトール、メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アニリン、トルイジン、トルエンジアミン、ナフチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、4,4’-メチレンジアニリン、1,3-プロパンジアミン、1,6-ヘキサンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、および他の二価または多価アルコール、または単官能性または多官能性アミンである。
【0017】
好ましい実施態様において、ポリエーテルポリオールはさらにポリテトラヒドロフランを含む。
【0018】
ポリエステルポリオールは通常、2~12個の炭素原子を有するポリオール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール(BDO)、トリメチロールプロパン、グリセロールまたはペンタエリトリトールと、2~12個の炭素原子を有するポリカルボン酸、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、およびナフタレンジカルボン酸の異性体、またはそれらの無水物との縮合によって調製される。ポリカルボン酸は、他のジカルボン酸源、例えばジメチルテレフタレート(DMT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)なども含む。
【0019】
本発明において使用されるポリオールはさらに、生物に基づくポリエーテルおよびポリエステルポリオールを含み、限定されずに、ひまし油、パーム油、オリーブ油、大豆油等から製造されたポリエーテルポリオール、藻類、リグニン等から出発するポリエーテルポリオール、および生物に基づく二塩基酸、例えばセバシン酸、コハク酸から出発するポリエステルポリオール、生物に基づくポリオール、例えばエチレングリコール、ブチレングリコール、プロピレングリコールを含む。
【0020】
さらに、本発明において使用されるポリエーテルポリオールまたはポリエステルポリオールは、約20~約270mg KOH/g、好ましくは約28~約200mg KOH/g、より好ましくは約28~約150mg KOH/g、さらにより好ましくは約28~約100mg KOH/g、最も好ましくは約28~約80mg KOH/gの範囲の水酸基価を有する。
【0021】
ポリエーテルポリオールまたはポリエステルポリオールは、約500~約10,000、好ましくは約600~約6,000、より好ましくは約1,000~約2,500の範囲の分子量を有する。さらに、ポリエーテルポリオールまたはポリエステルポリオールは、特定の範囲、例えば約0.8~約1.3、好ましくは約0.9~約1.2、より好ましくは約0.95~約1.1の範囲の多分散指数を有する。
【0022】
成分Aは架橋剤および/または連鎖延長剤をさらに含み得る。
【0023】
架橋剤および/または連鎖延長剤として、2以上の官能価を有するアミンまたはアルコール、またはそれらの混合物が使用され、特に例えば二官能性または三官能性アミンおよびアルコール、特にジオール、トリオールまたはそれらの混合物が使用され、各々、350未満、好ましくは60~300、および特に60~250の分子量を有する。ここで、二官能性化合物は連鎖延長剤と称され、三官能性またはより高い官能性の化合物は架橋剤と称される。例えば、2~14、好ましくは2~10個の炭素原子を有する脂肪族、脂環式および/または芳香族ジオール、例えばエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,10-デカンジオール、1,2-ジヒドロキシシクロヘキサン、1,3-ジヒドロキシシクロヘキサン、1,4-ジヒドロキシシクロヘキサン、ジエチレングリコールおよびトリエチレングリコール、ジプロピレングリコールおよびトリプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオールおよびビス(2-ヒドロキシエチル)ヒドロキノン、トリオール、例えば1,2,4-トリヒドロキシシクロヘキサン、1,3,5-トリヒドロキシシクロヘキサン、グリセロールおよびトリメチロールプロパン、およびエチレンオキシドおよび/または1,2-プロピレンオキシドと、スターター分子としての上述のジオールおよび/またはトリオールとに基づく低分子量ヒドロキシル含有ポリアルキレンオキシドを使用することが可能である。
【0024】
連鎖延長剤は個々の化合物または混合物であってよい。連鎖延長剤は好ましくはプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールおよび/または2,3-ブタンジオールを、単独または任意に互いにまたはさらなる連鎖延長剤と混合して含む。
【0025】
架橋剤として、単独または任意に互いに混合した1,2,4-トリヒドロキシシクロヘキサン、1,3,5-トリヒドロキシシクロヘキサン、グリセロールおよび/またはトリメチロールプロパンが好ましい。
【0026】
本発明によれば、ポリウレタンを形成する反応は触媒の存在下で行われ、触媒は適宜、任意に成分Aまたは成分Bに添加され得る。
【0027】
触媒として、イソシアネートとポリオールとの反応を促進する全ての化合物を使用することが可能である。そのような化合物は公知であり、例えば「Kunststoff handbuch, Volume 7, PU」、 Carl Hanser‐Verlag、第3版、1993、第3.4.1章内に記載されている。それらはアミン系触媒、および有機金属化合物系触媒を含む。
【0028】
有機金属化合物系触媒として、例えば有機スズ化合物、例えば有機カルボン酸のスズ(II)塩、例えば酢酸スズ(II)、オクタン酸スズ(II)、エチルヘキサン酸スズ(II)およびラウリン酸スズ(II)、および有機カルボン酸のジアルキルスズ(IV)塩、例えばジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエートおよびジオクチルスズジアセテート、およびさらにカルボン酸ビスマス(III)、2-エチルヘキサン酸ビスマスおよびオクタン酸ビスマス、またはカルボン酸のアルカリ金属塩、例えば酢酸カリウムまたはギ酸カリウムを使用することが可能である。
【0029】
アミン系触媒として、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N’’,N’’-ペンタメチルジエチレントリアミン、2-(2-ジエチルアミノエトキシ)エタノール、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ペンタメチルジプロピレントリアミン、ジメチルエタノールアミン、N-メチルイミダゾール、N-エチルイミダゾール、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロトリアジン、ジメチルアミノプロピルアミン、N-エチルモルホリン、ジアザビシクロウンデセンおよびジアザビシクロノネンを使用することが可能である。
【0030】
本発明の成分Aに、当業者は適宜、任意の補助剤および/または添加剤を添加することもでき、限定されずに孔調節剤、充填剤、顔料、染料、酸化防止剤、加水分解安定剤、帯電防止剤、殺菌剤および静菌剤等を含む。
【0031】
本発明の段階b)におけるイソシアネート含有成分Bは、ジイソシアネートまたはポリイソシアネートを含み、それはポリウレタンを調製するために有用であることが知られる任意の脂肪族、脂環式または芳香族イソシアネートから選択されることができ、限定されずにジフェニルメタン2,2’-、2,4’-および4,4’-ジイソシアネート、モノマーのジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)と、より多数の環を有するジフェニルメタンジイソシアネート同族体(ポリマーのMDI)との混合物、イソホロンジイソシアネート(IPDI)またはそのオリゴマー、トリレンジイソシアネート(TDI)、例えばトリレンジイソシアネート異性体、例えばトリレン2,4-または2,6-ジイソシアネート、またはそれらの混合物、テトラメチレンジイソシアネートまたはそのオリゴマー、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)またはそのオリゴマー、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、またはそれらの混合物を含む。
【0032】
使用されるジイソシアネートまたはポリイソシアネートは好ましくは、ジフェニルメタンジイソシアネートに基づくイソシアネートを含み、特にポリマーのMDIを含む。ジイソシアネートまたはポリイソシアネートの官能価は好ましくは2.0~2.9、特に好ましくは2.1~2.8の範囲である。
【0033】
ジイソシアネートおよびポリイソシアネートはプレポリマーの形態で使用されることもできる。それらのプレポリマーは、過剰な上述のジイソシアネートおよび/またはポリイソシアネートを、イソシアネートに対して反応性の少なくとも2つの基を有する化合物と、例えば30~100℃の範囲、好ましくは80℃の温度で反応させて、プレポリマーをもたらすことによって得られる。本発明のジイソシアネートプレポリマーおよび/またはポリイソシアネートプレポリマーのNCO含有率は、好ましくは10~33質量%の範囲のNCO、特に好ましくは15~28質量%の範囲のNCOである。
【0034】
本発明においては、成分Aも成分Bも追加的な発泡剤を含まない。
【0035】
本発明の段階b)において、ポリウレタンプリフォームは射出または注型によって成形され得る。成分Aと成分Bとの混合物を射出または注型によって型に加えることができる。熱可塑性ポリウレタンの造粒法とは対照的に、本発明において使用されるポリウレタンプリフォームは、液体混合後に直接的に成形される。その加工技術はより柔軟性があり且つより単純であり、生産効率はより高い。
【0036】
本発明の好ましい実施態様において、段階b)において得られるポリウレタンプリフォームは80ショアA以下、好ましくは10~80ショアA、より好ましくは20~80ショアA、さらに好ましくは45~75ショアAの範囲の硬さを有する。
【0037】
本発明の段階c)において、好ましい閉キャビティは、高温および高圧耐性の圧力容器、例えばオートクレーブ反応器である。必要とされる圧力および必要な温度は、使用されるポリウレタンプリフォーム、使用される補助剤の材料、使用される流体、および成分間の混合比に依存する。
【0038】
含浸のために、当業者に公知の任意の流体、好ましくは不活性ガス、例えばアルゴン、窒素または二酸化炭素、特に好ましくは二酸化炭素または窒素、またはそれらの混合物を使用できる。
【0039】
発泡剤として使用される流体は、特に好ましくはCO2とN2との混合物である。原理的に、CO2対N2の任意の混合比を使用できる。例えば、50質量%~100質量%の二酸化炭素と、0質量%~50質量%の窒素とを含む混合発泡剤を使用することが好ましい。発泡剤がCO2、N2、またはそれら2つのガスの混合物のみを含み、他の発泡剤は有さないことが特に好ましい。代替的に、50~100質量%の窒素と、0~50質量%の二酸化炭素とを含む混合発泡剤を使用することが好ましい。
【0040】
本発明の段階c)において、温度は80℃~190℃の範囲に設定され、且つ圧力Pは5MPa~50MPaの範囲に設定され、キャビティ内で超臨界または超臨界に近い状態に達した流体をポリウレタンプリフォームに含浸させる。流体のポリウレタンプリフォームへの含浸は飽和に達することができる。含浸の飽和とは、高圧の流体およびポリウレタンプリフォームが溶解平衡に達するまでの高圧の流体雰囲気中での含浸に関する。含浸時間は通常、3分~6時間の範囲である。
【0041】
好ましい実施態様において、圧力Pは10MPa~18MPaの範囲に設定され、含浸時間は3分~2時間の範囲、好ましくは30分~90分の範囲である。
【0042】
本発明の段階d)において、プリフォームは圧力を解放することによって発泡成形され、圧力解放速度は3MPa/秒~500MPa/秒の範囲である。好ましくは、前記速度は4MPa/秒~100MPa/秒、より好ましくは5MPa/秒~30MPa/秒の範囲である。
【0043】
任意に、段階d)における圧力解放後に、前記方法は0~25℃の範囲の温度で冷却する段階e)をさらに含む。
【0044】
任意に、段階d)またはe)において得られるポリウレタンエラストマーフォーム材料を型に入れてさらにホットプレスする。
【0045】
任意に、段階d)またはe)において得られるポリウレタンエラストマーフォーム材料を所望の大きさにさらに切断する。
【0046】
前記方法の好ましい実施態様において、段階d)におけるポリウレタンプリフォームの発泡は部分的であり、それは第1の温度T1での圧力が、周囲圧力よりも高い圧力へと低下され、且つ部分的に発泡されたポリウレタンプリフォームの密度が、周囲圧力への圧力の低下によって得ることができるポリウレタンエラストマーフォーム材料の密度よりも高いことを意味する。
【0047】
好ましくは、さらなる発泡段階d2)において、部分的に発泡されたポリウレタンプリフォームを引き続き、第2の温度T2で完全に膨張させ、そのために、所望の密度が得られるまで第2の温度T2での圧力を低下させる。所望の密度はより好ましくは、第2の温度T2での圧力が周囲圧力に低下する際に得られる。発泡段階d2)を、発泡段階d)のためのものと同じ装置において、または異なる装置において行うことができる。
【0048】
本発明において、超臨界流体による発泡は、ポリウレタンプリフォーム材料を装填された閉キャビティ内に流体を注入し、特定の温度および圧力に達した後に超臨界または超臨界に近い状態にもたらすという方法であり、ここで、得られる系を特定の時間の間、この状態で保持して、超臨界/超臨界に近い流体がポリウレタンプリフォーム内に浸透してポリマー/流体の均質系を形成し、且つ材料内部のポリマー/流体の均質系の平衡状態を、特定の速度で圧力を低下させることによって破壊し、それによって材料内部で気泡核を形成し、次いで気泡核が成長して、形を取り、発泡材料が得られ、ここで圧力の増加はポリマー中での流体の溶解度を改善でき、次いで気泡核の数が増加し、孔密度が増加し、圧力降下が増加すると、気泡の核形成速度が増加し、より多くの気泡核が形成され、気泡の内部および外部の流体の濃度勾配、または内部と外部との間の圧力差が、孔の成長のための推進力であり、圧力解放速度は孔の成長の加速に直接的に影響し、圧力解放速度の増加は孔の直径を低減させ且つ孔の密度を増加させるために有益であり、ガラス転位温度より上で、飽和温度が低いほど、ポリマー中での流体の溶解度が高く、ひいては核形成速度が高く、且つ核形成密度が高い。最終製品は軽量の要件を満たすことができ、且つ密度は0.05g/cm3~0.50g/cm3、好ましくは0.10g/cm3~0.35g/cm3の範囲であることができる。加工されたフォームは10~70アスカーC、好ましくは10~65アスカーC、より好ましくは10~50アスカーC、なおもより好ましくは20~45アスカーCの範囲の硬さを有し得る。
【0049】
本発明はポリウレタンエラストマーフォームの使用も提供する。
【0050】
好ましくは、ポリウレタンエラストマーフォームは、輸送、家具、スポーツ製品または靴材料の分野で使用される。
【0051】
好ましくは、ポリウレタンエラストマーフォームは座席のために使用される。
【0052】
好ましくは、ポリウレタンエラストマーフォームは靴底のために使用される。
【0053】
本発明の方法を使用することにより、ポリウレタンエラストマープリフォームは、超臨界流体発泡成形法を通じて発泡材料にされる。得られる発泡材料は、同じ密度下で化学発泡剤を用いて発泡されたポリウレタンフォームよりも良好な物理的特性を有する。それは輸送分野、例えば乗り物の座席、車の内装、アームレスト等において、および家具分野、例えば緩衝材料、様々な緩衝材積層複合材料において使用でき、且つ遮音材料、充填材料、装飾材料、耐衝撃材料、包装材料および断熱材料等においても使用でき、且つそれはスポーツ製品、靴材料等の用途分野、例えばヘルメット、保護具、靴底、中敷、スポーツ補助器具などにおいても使用できる。靴材料製品、特に靴底材料の製造において、靴は軽量性、高弾性および優れた物理的特性を付与され、それは、靴の着用者により良好な快適な体験を与えることができると共に、熱可塑性ポリウレタンがまず造粒されて、次いで発泡される方法に比して、本発明の方法は遙かに単純であり、より穏やかな条件およびより短い製造ラインを必要とし、高い効率を達成し、グリーンであり且つ環境に優しく、且つ大規模工業生産のために適している。
【実施例
【0054】
実施態様
以下の例は本発明をより良く理解するために提供され、本発明を実施するための最良の実施形態を制限するものではなく、本発明の内容および保護範囲を制限するものではない。本発明の保護範囲はさらに、本発明の請求項において特許請求される技術的解決策、および本発明において具体化される任意の適切な調整および修正に及ぶ。
【0055】
本発明の説明において、「中心」、「上部」、「下部」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内部」、「外部」等の用語によって示される方向または位置関係は、方向または位置関係に基づき、前記用語は本発明を説明する便宜上、且つ説明を簡略化するために使用されるに過ぎず、示される装置または要素が特定の向きを有さなければならないこと、または特定の向きに従って構築および作業されなければならないことを示すかまたは示唆するものではなく、従って本発明を制限するものとして解釈されるべきではないことに留意すべきである。さらには、「第1」、「第2」および「第3」との用語は、説明のためのみに使用され、相対的な重要性を示すかまたは示唆すると解釈されるべきではない。
【0056】
本発明の説明において、別段特定および制限されない限り、「設置された」、「連結された」および「接続された」との用語は広く理解されるべきであることに留意すべきである。例えば、接続は固定された接続または取り外し可能な接続、または一体化された接続であることができ、機械的な接続または電気的な接続であることができ、直接的な接続、または中間媒体を通じた間接的な接続であってよく、且つ2つの要素間が内部的に通じていることであってよい。当業者は、本発明における上記の用語の具体的な意味を、具体的な状況に応じて理解できる。
【0057】
具体的な実験段階または条件が例において特定されていない場合、それらは、当該技術分野における文献に記載される従来の実験段階のために使用される作業または条件に従って行われ得る。製造元が示されていない、使用された出発材料または器具は、市販されている全ての従来の製品である。
【0058】
本発明において使用された試験方法は以下のとおりである:
密度(g/cm3): ISO 1183-1
硬さ(アスカーC): JIS S 6050
硬さ(ショアA): DIN ISO 7619-1
引っ張り強さ(MPa): DIN 53504
(破断)伸び(%): DIN 53504
引裂(kg/cm): ISO 1183-1
分離引裂(Split tear)(kg/cm): SATRA TM 411
反発弾性率(%): ASTM D 2632
使用された原材料のうち、イソシアネートプレポリマーは以下のとおりである:
【表1】
【0059】
ポリオールは以下のとおりである:
【表2】
【0060】
アミン系触媒はEvonikから購入されたDabco EGである。
【0061】
スズ系触媒はHuntsmanから購入されたFomrez UL-28である。
【0062】
シリコーン油はEvonikから購入されたDabco DC 193である。
【0063】
例1
成分A
【表3】
【0064】
成分B: イソシアネートプレポリマー1。
【0065】
成分Aと成分Bとを質量パーセンテージによる比100:52で完全に混合し、次いで型に注ぎ、10分の反応後に離型して、55ショアAの硬さを有する未発泡のポリウレタンプリフォームが得られた。得られたポリウレタンプリフォームを閉キャビティに入れ、この閉キャビティに二酸化炭素ガスを10MPaに達するまで導入すると共に、温度を120℃に上昇させて、キャビティ内の超臨界二酸化炭素をポリウレタンプリフォームに60分の含浸時間の間、含浸させた。前記含浸時間に達した後、圧力を解放して膨張させ、発泡成形して、ポリウレタンフォーム材料をもたらし、ここで圧力解放速度は10MPa/秒であった。
【0066】
比較例1
成分A
【表4】
【0067】
成分B: イソシアネートプレポリマー1。
【0068】
成分Aと成分Bとを質量による比100:83.1で完全に混合し、次いで型に注ぎ、10分の反応後に離型して、ポリウレタンフォーム材料が得られた。
【0069】
【表5】
【0070】
例2
成分A
【表6】
【0071】
成分B: イソシアネートプレポリマー2。
【0072】
成分Aと成分Bとを質量による比100:37.7で完全に混合し、次いで型に注ぎ、10分の反応後に離型して、63ショアAの硬さを有する未発泡のポリウレタンプリフォームが得られた。得られたポリウレタンプリフォームを閉キャビティに入れ、前記閉キャビティに二酸化炭素ガスを12MPaに達するまで導入すると共に、温度を140℃に上昇させて、キャビティ内の超臨界二酸化炭素をポリウレタンプリフォームに60分の含浸時間の間、含浸させた。前記含浸時間に達した後、圧力を解放して膨張させ、発泡成形して、ポリウレタンフォーム材料をもたらし、ここで圧力解放速度は10MPa/秒であった。
【0073】
比較例2
成分A
【表7】
【0074】
成分B: イソシアネートプレポリマー2。
【0075】
成分Aと成分Bとを質量による比100:80.1で完全に混合し、次いで型に注ぎ、10分の反応後に離型して、ポリウレタンフォーム材料が得られた。
【0076】
【表8】
【0077】
例3
成分A
【表9】
【0078】
成分B: イソシアネートプレポリマー3。
【0079】
成分Aと成分Bとを質量による比100:52.8で完全に混合し、次いで型に注ぎ、15分の反応後に離型して、80ショアAの硬さを有する未発泡のポリウレタンプリフォームが得られた。得られたポリウレタンプリフォームを閉キャビティに入れ、前記閉キャビティに二酸化炭素ガスを12MPaに達するまで導入すると共に、温度を140℃に上昇させて、キャビティ内の超臨界二酸化炭素をポリウレタンプリフォームに60分の含浸時間の間、含浸させた。前記含浸時間に達した後、圧力を解放して膨張させ、発泡成形して、ポリウレタンフォーム材料をもたらし、ここで圧力解放速度は10MPa/秒であった。
【0080】
比較例3
成分A
【表10】
【0081】
成分B: イソシアネートプレポリマー3。
【0082】
成分Aと成分Bとを質量による比100:91.5で完全に混合し、次いで型に注ぎ、15分の反応後に離型して、ポリウレタンフォーム材料が得られた。
【0083】
【表11】
【0084】
例4
成分A
【表12】
【0085】
成分B: イソシアネートプレポリマー4。
【0086】
成分Aと成分Bとを質量による比100:45で完全に混合し、次いで型に注ぎ、10分の反応後に離型して、25ショアAの硬さを有する未発泡のポリウレタンプリフォームが得られた。得られたポリウレタンプリフォームを閉キャビティに入れ、前記閉キャビティに二酸化炭素ガスを10MPaに達するまで導入すると共に、温度を120℃に上昇させて、キャビティ内の超臨界二酸化炭素をポリウレタンプリフォームに60分の含浸時間の間、含浸させた。前記含浸時間に達した後、圧力を解放して膨張させ、発泡成形して、ポリウレタンフォーム材料をもたらし、ここで圧力解放速度は10MPa/秒であった。
【0087】
比較例4
成分A
【表13】
【0088】
成分B: イソシアネートプレポリマー4。
【0089】
成分Aと成分Bとを質量による比100:100で完全に混合し、次いで型に注ぎ、10分の反応後に離型して、ポリウレタンフォーム材料が得られた。
【0090】
【表14】
【0091】
比較例5
成分A
【表15】
【0092】
成分B: イソシアネートプレポリマー5。
【0093】
成分Aと成分Bとを質量による比100:50で完全に混合し、次いで型に注ぎ、15分の反応後に離型して、90ショアAの硬さを有する未発泡のポリウレタンプリフォームが得られた。得られたポリウレタンプリフォームを閉キャビティに入れ、前記閉キャビティに二酸化炭素ガスを12MPaに達するまで導入すると共に、温度を140℃に上昇させて、キャビティ内の超臨界二酸化炭素をポリウレタンプリフォームに60分の含浸時間の間、含浸させた。前記含浸時間に達した後、圧力を解放して膨張させ、発泡成形して、ポリウレタンフォーム材料をもたらし、ここで圧力解放速度は10MPa/秒であった。
【0094】
【表16】
【0095】
表17から、例1~4における各々のポリウレタンプリフォームが80未満の硬さを有し、発砲後に得られたフォームが均質な孔および比較的安定な製造を有することが観察できる。しかしながら、比較例5のプリフォームの硬さはショアA80を上回り、発泡特性は乏しく、孔は均質ではなく、製造も不安定である。
【0096】
【表17】
【国際調査報告】