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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】気化器アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/448 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
C23C16/448
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513502
(86)(22)【出願日】2022-08-31
(85)【翻訳文提出日】2024-04-15
(86)【国際出願番号】 US2022042245
(87)【国際公開番号】W WO2023034443
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】63/239,631
(32)【優先日】2021-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】カードーゾ, ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】バトル, スコット エル.
【テーマコード(参考)】
4K030
【Fターム(参考)】
4K030AA03
4K030AA04
4K030AA09
4K030AA11
4K030EA01
4K030KA25
4K030KA45
4K030KA46
(57)【要約】
アセンブリは気化器容器を含む。いくつかの実施形態では、気化器容器は、内部容積を画定する。いくつかの実施形態では、気化器容器は、内部容積内に少なくとも1つのソース試薬を保持するように構成さ れている。いくつかの実施態様では、アセンブリは、ヒーターを含む。いくつかの実施形態では、該ヒーターは、少なくとも1つのソース試薬を気化させるように構成されている。いくつかの実施形態では、該ヒーターは、気化器容器を加熱することなく、少なくとも1つのソース試薬を気化させるように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アセンブリであって、
内部容積を含み、少なくとも1つのソース試薬を保持する気化器容器と、
前記気化器容器の前記内部容積内に配置されたヒーターと
を含み、
前記ヒーターが、前記少なくとも1つのソース試薬が直接加熱によって気化されるような配置で前記気化器容器の前記内部容積内に配置されている、アセンブリ。
【請求項2】
前記ヒーターが輻射熱源である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記ヒーターが、前記少なくとも1つのソース試薬を気化させるのに十分な波長で、前記気化器容器の前記内部容積に輻射エネルギーを供給するように構成されている、請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記ヒーターからの輻射エネルギーが、固体媒体を通過することなく、前記少なくとも1つのソース試薬に向けられて、前記少なくとも1つのソース試薬を気化させる、請求項2又は3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記気化器容器を加熱するように構成された第2のヒーターをさらに含み、前記第2のヒーターが前記気化器容器の外側に配置されている、請求項1から4のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項6】
アセンブリであって、
内部容積及び透明ビューポートを含み、少なくとも1つのソース試薬を保持する気化器容器と、
前記気化器容器の外側に配置されたヒーターと
を含み、
前記ヒーターが、前記透明ビューポートを通して前記少なくとも1つのソース試薬を加熱することにより前記少なくとも1つのソース試薬が気化されるような配置で前記気化器容器の外側に配置されている、アセンブリ。
【請求項7】
前記ヒーターが輻射熱源である、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記ヒーターが、前記少なくとも1つのソース試薬を気化させるのに十分な波長で、前記気化器容器の前記内部容積に輻射エネルギーを供給するように構成されている、請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記ヒーターからの輻射エネルギーが、前記透明ビューポートを通過することによって前記少なくとも1つのソース試薬に向けられて、前記少なくとも1つのソース試薬を気化させる、請求項7又は8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記気化器容器を加熱するように構成された第2のヒーターをさらに含み、前記第2のヒーターが前記気化器容器の外側に配置されている、請求項6から9のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項11】
アセンブリであって、
内部容積を含み、少なくとも1つのソース試薬を保持する気化器容器と、
ヒーターと
を含み、
前記ヒーターが、前記少なくとも1つのソース試薬が伝導加熱によって気化されるよりも大きな程度まで、直接輻射加熱によって前記少なくとも1つのソース試薬を気化させるように構成された指向性輻射熱源であり、
前記ヒーターが、前記気化器容器を加熱することなく、前記少なくとも1つのソース試薬を気化させるように構成されている、アセンブリ。
【請求項12】
前記指向性輻射熱源が、前記少なくとも1つのソース試薬を直接加熱する、請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記ヒーターが、前記気化器容器の前記内部容積内に配置されている、請求項11又は12に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記ヒーターからの輻射エネルギーが、固体媒体を通過することなく、前記少なくとも1つのソース試薬に向けられて、前記少なくとも1つのソース試薬を気化させる、請求項13に記載のアセンブリ。
【請求項15】
透明ビューポートをさらに含む、請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記ヒーターが、前記気化器容器の外側に配置されている、請求項15に記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記ヒーターからの輻射エネルギーが、前記透明ビューポートを通して前記少なくとも1つのソース試薬に向けられて、前記少なくとも1つのソース試薬を気化させる、請求項16に記載のアセンブリ。
【請求項18】
前記ヒーターが、前記少なくとも1つのソース試薬を気化させるのに十分な波長で、前記気化器容器の前記内部容積に輻射エネルギーを供給するように構成されている、請求項11から17のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項19】
前記気化器容器を加熱するように構成された第2のヒーターをさらに含む、請求項11から18のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項20】
前記少なくとも1つのソース試薬をさらに含む、請求項11から19のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
[0001] 本開示は、参照により本明細書に援用される2021年9月1日出願の米国仮特許第63/239,631号の優先権を主張する。
【0002】
技術分野
[0002] 本開示は概ね、気化器に関する。より詳細には、本開示は、例えば化学蒸着(CVD)法及び原子層堆積(ALD)法において使用されるソース試薬(source reagent)材料の気化のための気化器に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 固体前駆体用の気化器は一般に、金属容器表面から固体前駆体への伝導加熱を利用する。固体前駆体を通して熱を分散させるために、内部金属構造を利用して、加熱のための金属熱経路を提供することができる。
【発明の概要】
【0004】
[0004] いくつかの実施形態では、アセンブリは、気化器容器を含む。いくつかの実施形態では、気化器容器は、内部容積を画定する。いくつかの実施形態では、気化器容器は、内部容積内に少なくとも1つのソース試薬を保持するように構成されている。いくつかの実施形態では、気化器容器の内部容積内にヒーターが配置されている。いくつかの実施形態において、該ヒーターは、少なくとも1つのソース試薬が直接加熱によって気化されるような配置で気化器容器の内部容積内に配置されている。
【0005】
[0005] いくつかの実施形態では、該ヒーターは、輻射熱源である。
【0006】
[0006] いくつかの実施形態では、該ヒーターは、少なくとも1つのソース試薬を気化させるのに十分な波長で、気化器容器の内部容積に輻射エネルギーを供給するように構成されている。
【0007】
[0007] いくつかの実施形態において、該ヒーターからの輻射エネルギーは、固体媒体を通過することなく、少なくとも1つのソース試薬に向けられて、少なくとも1つのソース試薬を気化させる。
【0008】
[0008] いくつかの実施形態では、アセンブリは、気化器容器を加熱するように構成された第2のヒーターを含む。いくつかの実施形態では、第2のヒーターは、気化器容器の外側に配置されている。
【0009】
[0009] いくつかの実施形態では、アセンブリは、気化器容器を含む。いくつかの実施形態では、気化器容器は、内部容積を画定し、透明ビューポートを含む。いくつかの実施形態では、気化器容器は、内部容積内に少なくとも1つのソース試薬を保持するように構成されている。いくつかの実施形態では、気化器容器の外側にヒーターが配置されている。いくつかの実施形態において、該ヒーターは、透明ビューポートを通して少なくとも1つのソース試薬を加熱することにより少なくとも1つのソース試薬が気化されるような配置で気化器容器の外側に配置されている。
【0010】
[0010] いくつかの実施形態では、該ヒーターは、輻射熱源である。
【0011】
[0011] いくつかの実施形態では、該ヒーターは、少なくとも1つのソース試薬を気化させるのに十分な波長で、気化器容器の内部容積に輻射エネルギーを供給するように構成されている。
【0012】
[0012] いくつかの実施形態において、該ヒーターからの輻射エネルギーは、固体培地を通過することなく、少なくとも1つのソース試薬に向けられて、少なくとも1つのソース試薬を気化させる。
【0013】
[0013] いくつかの実施形態では、アセンブリは、気化器容器を加熱するように構成された第2のヒーターを含む。いくつかの実施形態では、第2のヒーターは、気化器容器の外側に配置されている。
【0014】
[0014] いくつかの実施形態では、アセンブリは、気化器容器を含む。いくつかの実施形態では、気化器容器は、内部容積を画定する。いくつかの実施形態では、気化器容器は、内部容積内に少なくとも1つのソース試薬を保持するように構成されている。いくつかの実施態様では、アセンブリは、ヒーターを含む。いくつかの実施形態において、該ヒーターは、少なくとも1つのソース試薬が伝導加熱によって気化されるよりも大きな程度まで、直接輻射加熱によって少なくとも1つのソース試薬を気化させるように構成された指向性輻射熱源である。いくつかの実施形態では、該ヒーターは、気化器容器を加熱することなく、少なくとも1つのソース試薬を気化させるように構成されている。
【0015】
[0015] いくつかの実施形態において、輻射熱源は、少なくとも1つのソース試薬を直接加熱する。
【0016】
[0016] いくつかの実施形態では、該ヒーターは、気化器容器の内部容積内に配置されている。
【0017】
[0017] いくつかの実施形態において、該ヒーターからの放射エネルギーは、固体培地を通過することなく、少なくとも1つのソース試薬に向けられて、少なくとも1つのソース試薬を気化させる。
【0018】
[0018] いくつかの実施形態では、アセンブリは、透明ビューポートを含む。
【0019】
[0019] いくつかの実施形態では、該ヒーターは、気化器容器の外側に配置されている。
【0020】
[0020] いくつかの実施形態において、該ヒーターからの輻射エネルギーは、透明ビューポートを通して少なくとも1つのソース試薬に向けられて、少なくとも1つのソース試薬を気化させる。
【0021】
[0021] いくつかの実施形態では、該ヒーターは、少なくとも1つのソース試薬を気化させるのに十分な波長で、気化器容器の内部容積に放射エネルギーを供給するように構成されている。
【0022】
[0022] いくつかの実施形態では、アセンブリは、第2のヒーターを含む。いくつかの実施形態では、第2のヒーターは、気化器容器を加熱するように構成されている。
【0023】
[0023] いくつかの実施形態において、アセンブリは、少なくとも1つのソース試薬含む。
【図面の簡単な説明】
【0024】
[0024] 本開示の一部を形成し、本明細書に記載のシステム及び方法を実施することができる実施形態を示す添付図面を参照する。
【0025】
図1】[0025] いくつかの実施形態による、気化器アセンブリの概略図である。
図2】[0026] いくつかの実施形態による、気化器アセンブリの概略図である。
図3】[0027] いくつかの実施形態による、気化器アセンブリの制御方法のフローチャートである。
【0026】
[0028] 同様の参照番号は、全体を通して同一又は類似の部品を表す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[0029] 固体前駆体用の気化器は一般に、金属容器表面から固体前駆体自体への伝導加熱を利用する。固体前駆体を通して熱を分散させるために、内部金属構造を利用して、加熱のための金属熱経路を提供することができる。伝導加熱は、加熱プロセスの制御性と応答時間のために限界がある。例えば、熱質量が大きく、伝熱経路の伝導性が低いため、制御性が制限される場合がある。例えば、ヒーターの電源がオフになっている場合でも、熱経路は冷え始める前に熱を供給することがある。さらに、伝導加熱は、ヒーターから熱経路への伝熱ロスにより、コストが高くなる可能性がある。場合によっては、経年による腐食や汚染の影響で性能が制限されることもある。
【0028】
[0030] 本開示の実施形態は、化学蒸着又はイオン注入のような流体利用プロセスのための蒸気を生成するためにソース試薬を揮発させるための気化器、システム、及び方法に関する。
【0029】
[0031] 本開示の実施形態は、固体形態のソース試薬材料、液体形態のソース試薬材料、ソース試薬材料からの半固体、スラリー形態のソース試薬材料(液体中に懸濁させた固体材料を含む)、及び溶媒に溶解した固体材料の溶液を含む、様々な種類のソース試薬で適用することができる。いくつかの実施形態において、固体形態のソース試薬材料は、例えば、粉末、顆粒、ペレット、ビーズ、レンガ、ブロック、シート、ロッド、プレート、フィルム、コーティングなどの形態であってもよく、所与の適用において望ましいように、多孔性又は非多孔性の形態を具現化していてもよい。
【0030】
[0032] 本開示の実施形態は、気化器容器を加熱することなくソース試薬を直接加熱するためのヒーターを提供することができる。本明細書において、「気化器容器を加熱することなく」又は「直接輻射加熱」は、ソース試薬を伝導加熱するためにヒーターを気化器容器に向ける代わりに、ヒーターをソース試薬に向けて、固体媒体を通過することなく熱を供給することを含む。ソース試薬に熱を供給するためにヒーターを向けると気化器容器の温度が上昇する可能性があるため、「気化器容器を加熱することなく」という用語は、ソース試薬を加熱する結果として気化器容器を間接的に加熱することを許容する。「直接輻射加熱」又は「気化器容器を加熱することなく」は、容器内のヒーターによる輻射加熱又は容器外のヒーターによる輻射加熱であって、透明ビューポートを通してソース試薬に向けられるものを含む。
【0031】
[0033] 図1は、いくつかの実施形態による、気化器アセンブリ10の概略図である。気化器アセンブリ10は、例えば、化学蒸着(CVD)及び原子層堆積(ALD)法において、気化したソース試薬を送達するために使用することができる。これらの用途は一例であり、本開示の範囲内で気化器アセンブリ10のさらなる用途が可能であることを理解されたい。
【0032】
[0034] 気化器アセンブリ10は、気化器容器12を含む。気化器容器12は、内部容積14を含む。内部容積14は、ソース試薬16を保持する。ソース試薬16を加熱するためのヒーター18が含まれる。加熱されたソース試薬16は、気化したソース試薬として気化器容器12から出口を介して供給される。
【0033】
[0035] いくつかの実施形態では、気化器容器12は、熱伝導材料で形成されている。いくつかの実施形態において、熱伝導材料は、限定するものではないが、銀、銀合金、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、鉛、ニッケルクラッド、ステンレス鋼、グラファイト、炭化ケイ素コーティング黒鉛、窒化ホウ素、セラミック材料、これらの任意の組み合わせ等とすることができる。ある実施形態では、気化器容器12は、コーティングを含むことがある。コーティングは、気化器容器12の化学的不活性を高めるために選択されうる。一例として、コーティングは、アルミニウム酸化物、シリコン二酸化物又はイットリウム酸化物を含む場合がある。気化器容器12は、不動態化処理を含んでもよい。不動態化処理は、例えばフッ素不動態化であってもよい。気化器容器12は、任意の形状とすることができる。いくつかの実施形態では、気化器容器12は、円筒形とすることができる。
【0034】
[0036] 気化器容器12は、限定するものではないが、気化したソース試薬を支持するガスを供給するためのキャリアガス入口及び気化したソース試薬の出口などの追加の要素を含むことができる。
【0035】
[0037] 内部容積14内にソース試薬16を保持する目的で、1つ又は複数の追加の構造を含めることができる。いくつかの実施形態では、ソース試薬16にヒーター18を向ける位置にヒーター18を保持するために、1つ又は複数の構造が存在しうる。いくつかの実施形態では、熱をソース試薬16に向けるために、1つ又は複数の構造が存在しうる。このような構造は、例えば、熱反射材料等とすることができる。いくつかの実施形態では、ヒーター18からの熱が内部容積14の意図しない領域に供給されるのを防ぐために、熱吸収材料を内部容積14に含めることができる。いくつかの実施形態において、内部容積14は、輻射熱に加えて、ソース試薬16に伝導熱を提供するために、ソース試薬16と接触している熱吸収材料を含むことができる。
【0036】
[0038] いくつかの実施形態では、気化器アセンブリ10は、気化器容器12にキャリアガスを供給するためのライン;ソース試薬16の蒸気を気化器容器12から排出するためのライン;流量制御弁、マスフローコントローラ、レギュレータ、制限流量オリフィス要素、熱電対、圧力変換器、監視制御装置、気化器容器とその内容物に熱エネルギーを入力するためのヒーター;キャリアガス供給ラインとソース試薬蒸気排出ラインの温度を維持するためのヒーター、これらの任意の組み合わせなどの流量回路部品をさらに含むことができる。
【0037】
[0039] ソース試薬16は、任意の適切な種類の固体前駆体を含むことができる。このような固体前駆体の例には、限定するものではないが、固相の金属ハロゲン化物、有機金属固体、これらの任意の組み合わせなどが含まれる。利用可能なソース試薬16の例には、限定するものではないが、ジメチルヒドラジン、トリメチルアルミニウム(TMA)、塩化ハフニウム(HfCl4)、塩化ジルコニウム(ZrCl4)、三塩化インジウム、三塩化アルミニウム、ヨウ化チタン、タングステンカルボニル、Ba(DPM)2、ビスジピバロイルメタナートストロンチウム(Sr(DPM)2)、TiO(DPM)2、テトラジピバロイルメタナトジルコニウム(Zr(DPM)4)、デカボラン、ホウ素、マグネシウム、ガリウム、インジウム、アンチモン、銅、リン、ヒ素、リチウム、テトラヒドロホウ酸ナトリウム、アルキルアミジナート配位子を組み込んだ前駆体、有機金属前駆体、ジルコニウム第三級ブトキシド(Zr(t-OBu)4)、テトラキスジエチルアミノジルコニウム(Zr(Net2)4)、テトラキスジエチルアミノハフニウム(Hf(Net2)4)、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン(TDMAT)、tert-ブチルイミノトリス(ジエチルアミノ(deithylamino))タンタル(TBTDET)、ペンタキス(ジメチルアミノ(demethylamino))タンタル(PDMAT)、ペンタキス(エチルメチルアミノ)タンタル(PEMAT)、テトラキスジメチルアミノジルコニウム(Zr(NMe2)4)、ハフニウム第三級ブトキシド(Hf(tOBu)4)、二フッ化キセノン(XeF2)、四フッ化キセノン(XeF4)、六フッ化キセノン(XeF6)、MoO2Cl2、MoO2、MoOCl4、MoCl5、Mo(CO)6を含むがこれらに限定されないモリブデン層(formations)、WCl5及びWCl6、W(CO)6を含むがこれらに限定されないタングステン層、並びに前述の2つ以上の適合する組み合わせ及び混合物が含まれる。
【0038】
[0040] ヒーター18には、照射を介して熱を伝達できるあらゆるヒーターが含まれる。いくつかの実施形態では、輻射による熱の伝達には、赤外線波の形で熱エネルギーを放出することができる任意のヒーターが含まれうる。いくつかの実施形態では、ヒーター18は、指向性輻射熱源である。そのような実施形態では、ヒーター18は、ソース試薬16が伝導加熱によって気化されるよりも大きな程度まで輻射加熱を向けるように構成されている。いくつかの実施態様では、ヒーター18は、光源を含んでもよい。いくつかの実施形態では、光源は電球とすることができる。いくつかの実施形態では、ヒーター18は、特定のソース試薬16に対応するように選択することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ソース試薬16は、特定の波長(すなわち、少なくとも1つのソース試薬16を気化させるのに十分な波長)を有する輻射エネルギーによって、より効率的に加熱されうる。そのような実施形態では、ヒーター18は、ソース試薬16に対応する特定の波長を提供するように選択されうる。
【0039】
[0041] いくつかの実施形態では、ヒーター18は、2つ以上の波長で熱エネルギーを供給することができる。例えば、ヒーター18は、熱エネルギーがソース試薬16に適した特定の波長で供給される複数の熱設定を有することができる。いくつかの実施形態では、特定の波長は、内部容積14内のソース試薬16の種類又は量に基づいて選択されうる。
【0040】
[0042] いくつかの実施形態では、ヒーター20を気化器アセンブリ10と熱的に連通させることができる。そのような実施形態では、ヒーター20は、気化器容器12を加熱することができ、任意の適切な方法で実施することができる。ある実施形態では、気化器容器12の周囲にリボンヒーターが巻きつけられる。別の実施形態では、気化器容器12を加熱するために、気化器容器12の外面の少なくとも主要部分を覆う形状を有するブロックヒーターが採用される。さらに別の実施形態では、高温の熱伝達流体を気化器容器12の外面に接触させて、その加熱を行うことができる。さらなる実施形態は、気化器容器12に当たる赤外線又は他の輻射エネルギーによる加熱を含む。
【0041】
[0043] ヒーター20による気化器容器12の加熱方法は、気化器容器12がそれによって所望の温度レベルになり、正確かつ信頼できる方法でそのような温度レベルに維持される限り、特に限定されない。
【0042】
[0044] 図2は、いくつかの実施形態による、気化器アセンブリ50の概略図である。気化器アセンブリ50の特徴は、図1の気化器アセンブリ10の特徴と同じでも類似していてもよい。通常、気化器アセンブリ50は、さらに透明ビューポート52を含むことができる。気化器アセンブリ50において、ヒーター18は、気化器容器12の外側に配置することができ、透明ビューポート52を通してソース試薬16を加熱するように構成されうる。
【0043】
[0045] いくつかの実施形態では、ヒーター18は気化器容器12の外側に配置されているため、気化器アセンブリ50を改造してヒーター18を付けることができる。いくつかの実施形態では、透明ビューポート52は、いくらかの熱を保持する可能性があり、気化器アセンブリ10と比較して気化器アセンブリ50の効率を低下させる。ただし、奪われる熱はごくわずかでありうる。いくつかの実施形態では、透明ビューポート52は、限定されるものではないが、セレン化亜鉛、臭化カリウム、石英(SiO2)、これらの適切な組み合わせなどの材料で作ることができる。
【0044】
[0046] 図3は、いくつかの実施形態による、気化器アセンブリの制御方法100のフローチャートである。方法100は、図1の気化器アセンブリ10又は図2の気化器アセンブリ50に適用することができる。
【0045】
[0047] ブロック102において、気化器アセンブリ(例えば、図1の気化器アセンブリ10又は図2の気化器アセンブリ50)のコントローラは、圧力センサ(例えば、気化器アセンブリ10又は気化器アセンブリ50の出口またはその近傍に配置されている)から出口圧力の読み取り値を受け取ることができる。
【0046】
[0048] ブロック104において、出口圧力が目標出口圧力より低い場合、コントローラは、ヒーター(例えばヒーター18)を有効にして、ソース試薬(例えばソース試薬16)の温度を上昇させることができる。
【0047】
[0049]ブロック106において、出口圧力が目標出口圧力より高い場合、コントローラは、ヒータを無効にして、ソース試薬の温度を低下させることができる。上述のとおり、ソース試薬(例えばソース試薬16)を直接加熱するヒーター(例えばヒーター18)により、熱伝導性構造ではなく熱源がソース試薬を直接加熱するため、伝導性加熱システムと比較して応答時間を短縮することができる。
【0048】
[0050] 前駆体が充填され、100ワット及び200ワットの輻射熱源を備えた気化器容器を用いて試験を実施した。輻射熱源は、前駆体を直接見通せる線上にあった。気化器容器からの前駆体の流量を監視した。気化器容器は、前駆体の流れを生じさせる外部加熱を使用して加熱された。輻射熱源がオンの場合、前駆体の流量は、輻射熱源がない場合のベースラインよりも速い速度で増加した。輻射熱源をオフにすると、流量の増加速度は遅くなった。
【0049】
[0051] 本明細書で使用する用語は、実施形態を説明するためのものであり、限定することを意図するものではない。「ある」(a、an)及び「該」、「この」(the)という用語は、特に明記されていない限り、複数形も含む。本明細書で使用される場合、「含む」(comprising)及び/又は「含む」(comprises)という用語は、記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素、及び/又は部品の存在を特定するが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、及び/又は部品の存在又は追加を排除するものではない。
【0050】
[0052] 本開示の範囲から逸脱することなく、特に採用される構成材料、部品の形状、大きさ、および配置に関して、細部にわたって変更を加えることができることを理解されたい。本明細書及び記載された実施形態は例示であり、本開示の真の範囲及び主旨は、後に続く特許請求の範囲によって示される。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-05-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アセンブリであって、
内部容積を含み、少なくとも1つのソース試薬を保持する気化器容器と、
気化器容器の内部容積内に配置されたヒーターと
を含み、
ヒーターが、少なくとも1つのソース試薬が直接加熱によって気化されるような配置で気化器容器の内部容積内に配置されている、アセンブリ。
【請求項2】
ヒーターが輻射熱源である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
アセンブリであって、
内部容積及び透明ビューポートを含み、少なくとも1つのソース試薬を保持する気化器容器と、
気化器容器の外側に配置されたヒーターと
を含み、
ヒーターが、透明ビューポートを通して少なくとも1つのソース試薬を加熱することにより少なくとも1つのソース試薬が気化されるような配置で気化器容器の外側に配置されている、アセンブリ。
【請求項4】
ヒーターからの輻射エネルギーが、透明ビューポートを通過することによって少なくとも1つのソース試薬に向けられて、少なくとも1つのソース試薬を気化させる、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
アセンブリであって、
内部容積を含み、少なくとも1つのソース試薬を保持する気化器容器と、
ヒーターと
を含み、
ヒーターが、少なくとも1つのソース試薬が伝導加熱によって気化されるよりも大きな程度まで、直接輻射加熱によって少なくとも1つのソース試薬を気化させるように構成された指向性輻射熱源であり、
ヒーターが、気化器容器を加熱することなく、少なくとも1つのソース試薬を気化させるように構成されている、アセンブリ。
【国際調査報告】