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  • 特表-半導体ウェハを研削する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】半導体ウェハを研削する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20240822BHJP
   B24B 55/02 20060101ALI20240822BHJP
   B24B 7/17 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
H01L21/304 621A
H01L21/304 622R
H01L21/304 631
B24B55/02 B
B24B7/17 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513769
(86)(22)【出願日】2022-07-27
(85)【翻訳文提出日】2024-04-02
(86)【国際出願番号】 EP2022071093
(87)【国際公開番号】W WO2023030774
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】21194262.8
(32)【優先日】2021-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】599119503
【氏名又は名称】ジルトロニック アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Siltronic AG
【住所又は居所原語表記】Einsteinstrasse 172,81677 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オーバーハンス,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ケルスタン,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】バイス,ロベルト
【テーマコード(参考)】
3C043
3C047
5F057
【Fターム(参考)】
3C043BC06
3C043CC02
3C043CC11
3C043DD06
3C047FF04
3C047GG02
3C047GG19
5F057AA39
5F057CA11
5F057CA19
5F057DA11
5F057FA45
5F057GA05
(57)【要約】
半導体ウェハを研削する方法であって、半導体ウェハは、高さhを有する研削歯を備えた研削ツールによって、回転する半導体ウェハと研削ツールとの間の接触領域に冷却媒体を供給しながら、材料を除去するために機械加工され、研削の各時点において、第1の冷媒流は、1つ以上のノズルによって半導体ウェハの片面の第1の領域に適用され、研削の各時点において、第2の冷媒流は、1つ以上のノズルによって半導体ウェハの片面の第2の領域に適用され、第1の領域は半導体ウェハの右下四分円によって規定され、第2の領域は左下四分円によって規定され、第1の冷媒流と第1の冷媒流および第2の冷媒流の合計との商は35%以下25%以上であることを特徴とする、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウェハを研削する方法であって、
前記半導体ウェハ(20,30)が、高さhを有する研削歯を備えた研削ツールによって、回転する前記半導体ウェハと前記研削ツールとの間の接触領域に冷媒を送達しながら、材料を除去するように加工され、
前記研削の各時点において、第1の冷媒流量が、1つ以上のノズル(11)によって前記半導体ウェハの片面の第1の領域上に適用され、
前記研削の各時点において、第2の冷媒流量が、1つ以上のノズル(11)によって前記半導体ウェハ(20)の前記片面の第2の領域上に適用され、
前記第1の領域(22)が前記半導体ウェハの右下四分円によって規定され、前記第2の領域(21)が左下四分円によって規定され、
前記第1の冷媒流量と、前記第1の冷媒流量および前記第2の冷媒流量の合計との比が35%以下25%以上である、方法。
【請求項2】
前記半導体ウェハ(20,30)が300mmの公称直径を有し、前記冷媒流量の合計が800ml/分以上1200ml/分以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記半導体ウェハ(20,30)の両面が材料を除去するように同時に加工される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記半導体ウェハが前記研削のプロセス中に回転され、前記回転が時計回り方向で行われ、前記接触領域が観察される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記冷媒流量の合計が、高さhが低くなるにつれて減少する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の領域が、環状であり、
環帯幅w、中点(33)および外半径を有し、
前記半導体ウェハ(20,30)の垂直対称軸(35)に対して角度αで傾斜している、前記中点(33)を通る第1の直線によって規定され、
さらに、前記半導体ウェハ(20,30)の前記垂直対称軸(35)に対して角度βで傾斜している、前記中点(33)を通る第2の直線によって規定され、
前記第2の領域(31)は、前記半導体ウェハ(20,30)の前記垂直対称軸を介して前記第1の領域(32)を反転させたものであり、
前記中点が前記半導体ウェハ(20,30)の前記垂直対称軸(35)上に位置し、前記半導体ウェハ(20,30)の前記中点から75mm以上離れており、
前記角度αが25°以上であり、
前記角度βが45°以上であり、
前記環帯幅wが10mm以上25mm以下であり、
前記外半径が80mm以上90mm以下である、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、半導体材料から製造されるウェハを研削する方法である。本発明は、半導体ウェハを、両面から同時に材料を除去するように処理するために、研削ツールの周囲における流体の最適な分布に基づいている。
【背景技術】
【0002】
エレクトロニクス、マイクロエレクトロニクスおよびマイクロエレクトロメカニクスでは、出発材料(基板)として、グローバル平坦性およびローカル平坦性、片面基準のローカル平坦性(ナノトポロジー)、粗さ並びに清浄度に対する極端な要件を有する半導体ウェハが必要とされる。半導体ウェハは、半導体材料、特に、ガリウムヒ素などの化合物半導体、またはシリコンおよびゲルマニウムなどの基本的な半導体のウェハである。
【0003】
従来技術によれば、半導体ウェハは、多数の連続するプロセスステップで製造される。以下の製造順序が一般的に使用される。
【0004】
1-単結晶半導体ロッドの製造(結晶成長)、
2-半導体ロッドを個々のロッド片に分割、
3-ロッドを個々のウェハに分離(内径またはワイヤソーイング)、
4-ウェハの機械的処理(ラッピング、研削)、
5-ウェハの化学処理(アルカリまたは酸エッチング)、
6-ウェハの化学機械的処理(研磨)、
7-任意選択的にさらなるコーティングステップ(たとえばエピタキシー、熱処理)。
【0005】
半導体ウェハの機械的処理は、ソーイング(切削)によって引き起こされる波形を除去し、また、より粗いソーイングプロセスによって結晶構造の観点から損傷を受けたか、またはソーイングワイヤによって汚染された表面層を除去し、とりわけ、半導体ウェハを全体的に平坦化するのに役立つ。半導体ウェハの機械的処理はさらに、均一な厚さ分布を生成するのに役立ち、すなわち、半導体ウェハは均一な厚さを有する。
【0006】
半導体ウェハの機械的処理の方法として、ラッピングおよび表面研削(片面、両面)が知られている。
【0007】
いくつかの半導体ウェハを同時に両面ラッピングする技術は、以前から知られており、たとえば欧州特許出願公開第547894号明細書に記載されている。両面ラッピングにおいて、通常は鋼からなり、懸濁液のより良好な分布のためのチャネルが設けられている上部作業ディスクと下部作業ディスクとの間に研磨物質を含有する懸濁液を送達しながら、半導体ウェハを特定の圧力下で移動させ、それによって、材料の除去が達成される。半導体ウェハは、ラッピング中に半導体ウェハを保持するための凹部を有するキャリアディスクによって導かれ、半導体ウェハは、駆動ギアによって回転するように設定されたキャリアディスクによって幾何学的経路上に保持される。
【0008】
片面研削において、半導体ウェハは、チャック上に裏面で保持され、カップ研削砥石によって表面が平坦化され、チャックおよび研削砥石は回転し、緩慢な軸方向および半径方向の前進速度を有する。半導体ウェハの片面表面研削の方法および装置は、たとえば米国特許出願公開第20080214094号明細書または欧州特許出願公開第0955126号明細書から知られている。
【0009】
韓国公開特許第20110066282号公報は、冷却効率を改善するために、冷媒を研削ツールに直接供給することができるように少なくとも1つの冷媒送達孔を備えた研削砥石を開示している。
【0010】
同時両面研削(sDDG:simultaneous double-disk grinding)において、半導体ウェハは、対向する同一線上のスピンドルに取り付けられた2つの研削砥石間で自由に浮動しながら両面で同時に処理され、この場合、拘束力から実質的に自由に表面および裏面に作用する水クッション(静水学的原理)またはエアクッション(気体静力学原理)の間で軸方向に導かれ、周囲の薄いガイドリングまたは個々の半径方向スポークによって浮動することを半径方向に緩やかに防止される。半導体ウェハの同時両面表面研削の方法および装置は、たとえば欧州特許出願公開第0755751号明細書、欧州特許出願公開第0971398号明細書、独国特許出願公開第102004011996号明細書および独国特許出願公開第102006032455号明細書から知られている。
【0011】
しかしながら、運動学のために、半導体ウェハの両面研削(DDG:double-disk grinding)は、原理的に、半導体ウェハの中央におけるより多くの材料の除去(「研削へそ」)を引き起こす。研削後、可能な限り良好な幾何学的形状を有する半導体ウェハを得るためには、半径方向および/または軸方向の偏差が研削されるウェハの形状およびナノトポロジーに悪影響を及ぼすため、研削砥石が取り付けられた2つの研削スピンドルを正確に同一直線上に位置合わせする必要がある。独国特許出願公開第102007049810号明細書は、たとえば両面研削機における研削スピンドル位置を補正する方法を教示している。
【0012】
研削プロセスにおいて、これは片面および両面研削方法の両方に関し、研削ツールおよび/または処理される半導体ウェハを冷却する必要がある。冷媒としては、通常、水または脱イオン水が使用される。両面研削機において、冷媒は通常、研削ツールの中央から出て、遠心力によって研削砥石の外縁に円形状に配置された研削歯に輸送または放出される。冷媒スループット、すなわち、規定時間内に出る冷媒の量は、電子的または機械的に制御することができる。
【0013】
文献独国特許出願公開第102007030958号明細書は、半導体ウェハを研削する方法を教示しており、半導体ウェハは、冷媒が供給された状態で、少なくとも1つの研削ツールによって片面または両面の材料を除去するように処理される。研削中に一定の冷却を確保するために、冷媒流量を、研削歯の高さが低くなるにつれて減少させるが、これは、変更されずに高いままにされた冷媒流は、必然的にハイドロプレーニング効果をもたらすためである。
【0014】
文献独国特許出願公開第102017215705号明細書の発明は、両面の材料を同時に除去するように半導体ウェハを処理するための研削ツールにおける流体の最適な分布に基づいており、これは最適化された滑り板を使用して達成される。ここでは、流体の不均一な分布が研削結果に悪影響を及ぼすことが教示されている。
【0015】
特許文献米国特許出願公開第2019/134782号明細書は、両面研削に使用することができる研削砥石の特定の設計を開示している。ノズルによって研削砥石の研削歯に内側から適用される水を使用することも教示されている。それは、研削水と共に、研削摩耗およびツールの摩耗を処理領域から洗い流す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
課題の説明
前記従来技術文献のすべては、材料の除去が縁部よりも半導体ウェハの中央でより高いという共通の欠点を有する。したがって、この処理ステップにおける半導体ウェハの幾何学的パラメータは劣化する。この収差は、後続の処理ステップにおいて補正することができないか、または十分に補正することができない。研削によって達成することができる幾何学的形状の品質は、従来技術から知られている方法では不十分である。
【0017】
目的の説明
本発明の目的は、上記の欠点を示さない方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
目的の達成の説明
目的は、半導体ウェハを研削する方法によって達成され、半導体ウェハは、高さhを有する研削歯を備えた研削ツールによって、回転する半導体ウェハと研削ツールとの間の接触領域に冷媒を送達しながら、材料を除去するように加工され、研削の各時点において、第1の冷媒流量は、1つ以上のノズルによって半導体ウェハの片面の第1の領域上に適用され、研削の各時点において、第2の冷媒流量は、1つ以上のノズルによって半導体ウェハの片面の第2の領域上に適用され、第1の領域は半導体ウェハの右下四分円によって規定され、第2の領域は左下四分円によって規定され、第1の冷媒流量と第1の冷媒流量および第2の冷媒流量の合計との比は35%以下25%以上である。
【0019】
半導体ウェハは300mmの公称直径を有し、冷媒流量の合計は800ml/分以上1200ml/分以下となることが好ましい。
【0020】
半導体ウェハの両面は材料を除去するように同時に加工されることも好ましい。
同様に、冷媒流量の合計は、高さhが低くなるにつれて減少させることが好ましい。
【0021】
第1の領域は、環状となり、環帯幅w、中点および外半径を有し、半導体ウェハの垂直対称軸に対して角度αで傾斜している、中点を通る第1の直線によって規定され、さらに、半導体ウェハの垂直対称軸に対して角度βで傾斜している、中点を通る第2の直線によって規定されていることがより特に好ましく、第2の領域は半導体ウェハの垂直対称軸を介して第1の領域の反転から導かれ、中点は半導体ウェハの垂直対称軸上に位置し、半導体ウェハの中点から75mm以上離れており、角度αは25°以上であり、角度βは45°以上であり、環帯幅wは10mm以上25mm以下であり、外半径は80mm以上90mm以下である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】例として、研削プロセス中に必要量の冷媒を適用するために使用することができる装置(10)を示す。
図2】幾何学的形状の観点から有利な効果を達成するために冷媒が適用されることが好ましい半導体ウェハ(20)上の2つの領域を示す。
図3】幾何学的形状をさらに改善するために冷媒を適用することができる半導体ウェハ(30)上の2つの特に好ましい領域(網掛け)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1において、ノズル(11)は、半導体ウェハの研削される面に冷媒を適用することができるように取り付けられる。理想的には、この場合、ノズルは、各ノズルが事前に定義され、任意選択的に時間の関数として変化する冷媒のスループットで動作できるように、互いに別々に制御することができる。
【0024】
図2において、半導体ウェハの右下四分円に位置する第1の領域(22)、および半導体ウェハの左下四分円に位置する第2の領域(21)が示されている。
【0025】
図3において、第1の領域(32)は環状であり、環帯幅w、中点(33)および外半径を有する。それは、半導体ウェハ(30)の垂直対称軸(35)に対して角度αで傾斜している、中点(33)を通る第1の直線によって規定されている。それはさらに、半導体ウェハの垂直対称軸(35)に対して角度βで傾斜している、中点(33)を通る第2の直線によって規定されている。半導体ウェハの垂直対称軸(35)を介して第1の領域(32)の反転から導かれる第2の領域(31)がさらに示されている。2つの領域の外側境界は、示されている円(34)上に位置する。
【0026】
中点(33)は半導体ウェハ(30)の垂直対称軸(35)上に位置し、同時に、半導体ウェハの水平対称軸の下に位置する。
【0027】
本発明による例示的な実施形態の詳細な説明
半導体ウェハの幾何学的形状を評価するための多くの標準化された測定プロセスおよび測定方法がある。本発明者らは、パラメータTHA25および反りによって半導体ウェハを評価することに限定した。
【0028】
THA25に関して:ナノトポグラフィを研究するために、干渉計、たとえばKLA-Tencor Corp製のWaferSight(商標)型の機器を使用することが可能である。そのような干渉計は、半導体ウェハの上側のトポグラフィを測定するのに適している。機器は、フィルタリングされ、定義された分析エリアを有する分析ウィンドウが移動される、半導体ウェハの上側の高さマップを生成する。分析ウィンドウにおける高低差の評価は、標準SEMI M43-0418およびSEMI M78-0618の方法仕様に従ってTHA(「閾値高さ分析:threshold height analysis」)によって実施される。
【0029】
反り測定は、たとえば、SEMI MF1390-0218に従って実施することができる。
最適に調整されたDDG機械は、改善された形状、バウ、反りおよびナノトポグラフィを有する研削された半導体ウェハを製造することを可能にするが、しかしながら、これらの半導体ウェハの品質は十分ではないことが判明している。
【0030】
本発明者らは、半導体ウェハの改善された幾何学的形状が、研削中に半導体ウェハの定義された領域で行われる冷媒の制御された送達によって達成され得ることを見出した。
【0031】
チョクラルスキー法を使用することにより引き上げた結晶ロッドから得られた300mmの公称直径を有するシリコン結晶片を、ワイヤーソーによって半導体ウェハに切断した。
【0032】
半導体ウェハは、Koyo DSGX320型の研削システムにて、冷媒流量に関する様々な条件下で研削した。この場合、研削システムには、ALMT社製の市販の研削ツール(研削砥石)、タイプ#3000-OVHが装備されていた。
【0033】
両面研削機において、プロセス冷媒は通常、研削ツールの中央から出て、遠心力によって研削歯に輸送される。冷媒スループットは、冷媒流量を設定値に保つことができるように調整することができる。
【0034】
従来技術によれば、研削水の量は、歯の高さの関数として調整されながらプロセスに供給される(独国特許出願公開第102007030958号明細書による)。これにより、プロセス中にツールの内部から外側に排出される冷媒が多すぎる場合、処理されるウェハ上のツールの浮動(ハイドロプレーニングと同等)がなく、プロセスにおいて利用可能な冷媒が少なすぎる場合、処理されるウェハの過熱(研削焼けと同等)がないこと、および研削砥石の破損がないことが確保される。
【0035】
本発明者らは、半導体ウェハ上の冷媒の分布が結果に大きな影響を及ぼすことを見出した。従来の研削システムにおいて、たとえば、冷媒は、研削される半導体ウェハ上に遠心力によって分配されるが、これは、表面の所望の品質(平坦性)を達成するのに必ずしも十分とは限らないことは明らかである。
【0036】
したがって、本発明者らは、半導体ウェハの表面および裏面の両方に、時間および位置分解能の両方で多数のノズルを介して冷媒を適用することが可能であることを利用した装置を開発した。
【0037】
図1は、研削中に半導体ウェハ上に冷媒を適用するのに適した装置を概略的に示す。
本発明者らは、回転する半導体ウェハと研削ツールとの間の接触領域に冷媒を送達しながら、高さhを有する研削歯を備えた研削ツールによって材料を除去するように半導体ウェハを処理することによって、半導体ウェハを研削する方法を改善することに成功した。
【0038】
研削の各時点において、第1の冷媒流量が、1つ以上のノズルによって半導体ウェハの片面の第1の領域上に適用された。
【0039】
同時に、第2の冷媒流量が、1つ以上のノズルによって半導体ウェハの片面の第2の領域上に適用された。
【0040】
本発明者らは、第1の領域は半導体ウェハの右下四分円によって規定され、第2の領域は左下四分円によって規定されることが特に好ましいことを見出した。本発明者らはさらに、第1の冷媒流量と第1の冷媒流量および第2の冷媒流量の合計との比は35%以下25%以上となることが必要であることを見出した。
【0041】
好ましくは、半導体ウェハは研削プロセス中に回転する。回転は時計回り方向で行われ、時計回り方向での回転は、半導体ウェハ上の接触領域を観察したときに見られるような意味を意図している。
【0042】
第1の領域および第2の領域は、図2に図で表している。
半導体ウェハは300mmの公称直径を有し、冷媒流量の合計は800ml/分以上1200ml/分以下となることが特に好ましい。
【0043】
半導体ウェハの両面は材料を除去するように同時に加工されることがより特に好ましい。
【0044】
また、冷媒流量の合計は、研削歯の高さhが低くなるにつれて減少させることが好ましい。
【0045】
図3は、本発明者らが最良の結果を達成した領域を示す。この場合、第1の領域は環状であり、環帯幅w、中点および外半径を有し、半導体ウェハの垂直対称軸に対して角度αで傾斜している、中点を通る第1の直線によって規定され、さらに、半導体ウェハの垂直対称軸に対して角度βで傾斜している、中点を通る第2の直線によって規定されている。
【0046】
この場合、第2の領域は半導体ウェハの垂直対称軸を介して第1の領域の反転から導かれ、中点は半導体ウェハの垂直対称軸上に位置し、半導体ウェハの中点から75mm以上離れている。
【0047】
前記角度αは好ましくは25°以上であり、角度βは45°以上であり、環帯幅wは好ましくは10mm以上25mm以下であり、外半径は好ましくは80mm以上90mm以下である。
【0048】
冷媒として水を使用することが好ましいが、添加剤を使用することも考えられる。
冷媒の添加により、ウェハの幾何学的形状が大幅に改善されることが見出された。しかしながら、研削プロセス中に冷媒の流れが中断されると、半導体ウェハの幾何学的形状も再び劣化する。したがって、研削中に冷媒の流れが中断されないことが不可欠である。
図1
図2
図3
【国際調査報告】