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特表2024-531879金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物、およびこれを利用したエッジビーズ除去段階を含むパターン形成方法
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  • 特表-金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物、およびこれを利用したエッジビーズ除去段階を含むパターン形成方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-03
(54)【発明の名称】金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物、およびこれを利用したエッジビーズ除去段階を含むパターン形成方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/38 20060101AFI20240827BHJP
   G03F 7/16 20060101ALI20240827BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20240827BHJP
   G03F 7/038 20060101ALI20240827BHJP
   G03F 7/40 20060101ALI20240827BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
G03F7/38 501
G03F7/16
G03F7/004 531
G03F7/004
G03F7/038
G03F7/40
H01L21/30 565
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503956
(86)(22)【出願日】2022-07-04
(85)【翻訳文提出日】2024-01-22
(86)【国際出願番号】 KR2022009603
(87)【国際公開番号】W WO2023018010
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】10-2021-0105523
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0060372
(32)【優先日】2022-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヒョンラン・ムン
(72)【発明者】
【氏名】ミンヨン・イ
(72)【発明者】
【氏名】リュンミン・ホ
(72)【発明者】
【氏名】ジャミン・ク
(72)【発明者】
【氏名】ドンヒョン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ダソム・ハン
(72)【発明者】
【氏名】ミンス・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジェヒョン・キム
【テーマコード(参考)】
2H196
2H225
5F146
【Fターム(参考)】
2H196AA25
2H196BA01
2H196DA04
2H196HA02
2H225AB03
2H225AM61P
2H225AN11P
2H225CA12
2H225CC01
2H225EA24P
5F146MA02
(57)【要約】
有機溶媒、およびAMWが7g/mol・個以上の化合物を含む、金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物、およびこれを利用したエッジビーズ除去段階を含むパターン形成方法を提供する。
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機溶媒;および
AMWが7g/mol・個以上の化合物
を含む、金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物
〔ここで、AMWは、
式:AMW=分子量/原子数
で示され、化合物に含まれる原子の種類を全て同じものと仮定して、化合物の全体分子量を原子数で割ったものを意味する〕。
【請求項2】
前記化合物のAMWは、7g/mol・個≦AMW≦50g/mol・個である、請求項1に記載の金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物。
【請求項3】
前記AMWが7g/mol・個以上の化合物は、ピロカテコール、ビニルホスホン酸、4-クロロカテコール、グリコール酸、4-メチルカテコール、トロポロン、シュウ酸、4-ニトロカテコール、アセトヒドロキサム酸、ブチルホスホン酸またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物。
【請求項4】
前記有機溶媒50~99.99重量%;および
前記AMWが7g/mol・個以上の化合物0.01~50重量%
を含む、請求項1に記載の金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物。
【請求項5】
前記金属含有レジストに含まれる金属化合物は、アルキルスズオキソ基およびアルキルスズカルボキシル基のうち少なくとも一つを含む、請求項1に記載の金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物。
【請求項6】
前記金属含有レジストに含まれる金属化合物は、下記化学式1で表される、請求項1に記載の金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物:
【化1】
前記化学式1中、
は、置換または非置換のC1~C20アルキル基、置換または非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換または非置換のC2~C20アルケニル基、置換または非置換のC2~C20アルキニル基、置換または非置換のC6~C30アリール基、置換または非置換のC6~C30アリールアルキル基、および-R-O-R(ここでRは、置換または非置換のC1~C20アルキレン基であり、Rは、置換または非置換のC1~C20アルキル基である)から選択され、
~Rは、それぞれ独立して、-ORまたは-OC(=O)Rから選択され、
は、置換または非置換のC1~C20アルキル基、置換または非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換または非置換のC2~C20アルケニル基、置換または非置換のC2~C20アルキニル基、置換または非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素、置換または非置換のC1~C20アルキル基、置換または非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換または非置換のC2~C20アルケニル基、置換または非置換のC2~C20アルキニル基、置換または非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせである。
【請求項7】
基板上に金属含有レジスト組成物を塗布する段階;
前記基板のエッジに沿って請求項1~6のいずれか一項に記載の金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物を塗布する段階;
乾燥および加熱して前記基板上に金属含有レジスト膜を形成させる熱処理段階;および
露光および現像してレジストパターンを形成する段階
を含む、パターン形成方法。
【請求項8】
前記露光および現像してレジストパターンを形成する段階の後、前記金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物を塗布する段階をさらに含む、請求項7に記載のパターン形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本記載は、金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物、およびこれを利用したエッジビーズ除去段階を含むパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体産業では、臨界サイズの継続的な縮小が行われ、このようなサイズ縮小により、ますます増大する小さなフィーチャ(feature)の加工およびパターニングのニーズを満たすために、新たなタイプの高性能フォトレジスト材料およびパターニング方法が要求されている。
【0003】
また、近年の半導体産業の飛躍的な発展に伴い、半導体デバイスの作動速度および大容量の記憶能力が要求されており、このような要求に合わせ、半導体デバイスの集積度、信頼度および応答速度を向上させる工程技術が発展している。特に、シリコン基板の作用領域に不純物を正確に調節/注入し、これらの領域が相互に連結されて素子および超高密度直接回路を形成するようにすることが重要であり、これはフォトリソグラフィ工程によって可能である。即ち、基板上にフォトレジストを塗布し、紫外線(極紫外線含む)、電子線またはX線などを照射して選択的に露光させた後、現像することを含むフォトリソグラフィ工程の組み入れを検討することが重要になっている。
【0004】
特に、フォトレジスト層を形成する工程では、主にシリコン基板を回転させながらレジストを基板上に塗布することになるが、この過程で基板エッジと裏面にもレジストが塗布され、これはエッチングやイオン注入工程などの半導体後続工程で圧子を誘発したり、パターン不良を引き起こす原因となる可能性がある。従って、シンナー組成物を使用してシリコン基板のエッジと裏面に塗布されているフォトレジストをストリッピングして除去する工程、即ち、EBR(EDGE BEADREMOVAL)工程を行う。前記EBR工程では、フォトレジストに対して優れた溶解性を示し、基板に残留するビーズおよびフォトレジストを効果的に除去してレジスト残留物を発生させない組成物が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一具現例は金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物を提供する。
【0006】
他の具現例は前記組成物を利用したエッジビーズ除去段階を含むパターン形成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一具現例による金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物は、有機溶媒、およびAMWが7g/mol・個以上である化合物を含む。
【0008】
前記AMWとは、化合物に含まれる原子の種類を全て同一ものと仮定して、化合物の全体分子量を原子数で割ったものを意味する。
【0009】
即ち、AMW=分子量/原子数(g/mol・個)で示される。
【0010】
前記AMWは、7g/mol・個≦AMW≦50g/mol・個であることができる。
【0011】
前記AMWが7g/mol・個以上の化合物は、ピロカテコール、ビニルホスホン酸、4-クロロカテコール、グリコール酸、4-メチルカテコール、トロポロン、シュウ酸、4-ニトロカテコール、アセトヒドロキサム酸、ブチルホスホン酸またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0012】
前記金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物は、前記有機溶媒50~99.99重量%;および前記AMWが7g/mol・個以上の化合物0.01~50重量%を含むことができる。
【0013】
前記金属含有レジストに含まれる金属化合物は、アルキルスズオキソ基およびアルキルスズカルボキシル基のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0014】
前記金属含有レジストに含まれる金属化合物は、下記化学式1で表される。
【化1】
前記化学式1中、
は、置換または非置換のC1~C20アルキル基、置換または非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換または非置換のC2~C20アルケニル基、置換または非置換のC2~C20アルキニル基、置換または非置換のC6~C30アリール基、置換または非置換のC6~C30アリールアルキル基、および-R-O-R(ここでRは、置換または非置換のC1~C20アルキレン基であり、Rは、置換または非置換のC1~C20アルキル基である)から選択され、
~Rは、それぞれ独立して、-ORまたは-OC(=O)Rから選択され、
は、置換または非置換のC1~C20アルキル基、置換または非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換または非置換のC2~C20アルケニル基、置換または非置換のC2~C20アルキニル基、置換または非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素、置換または非置換のC1~C20アルキル基、置換または非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換または非置換のC2~C20アルケニル基、置換または非置換のC2~C20アルキニル基、置換または非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせである。
【0015】
他の具現例によるパターン形成方法は、基板上に金属含有レジスト組成物を塗布する段階、前記基板のエッジに沿って前述した金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物を塗布する段階、乾燥および加熱して前記基板上に金属含有レジスト膜を形成させる熱処理段階、および露光および現像してレジストパターンを形成する段階を含む。
【0016】
前記パターン形成方法は露光および現像の後、前記基板のエッジに沿って前述した金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物を塗布して洗浄することによって、エッジビーズを除去する段階をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0017】
一具現例による金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物は、金属含有レジストに内在する金属に基づく汚染を減少させて基板のエッジおよび裏面に塗布されたレジストを除去することにより、さらに小さなフィーチャ(feature)の加工およびパターニングの要求を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】フォトレジスト塗布装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明すると下記の通りである。但し、本記載を説明するにあたり、既に公知の機能あるいは構成についての説明は、本記載の要旨を明確にするために省略する。
【0020】
本記載を明確に説明するために、説明上不要な部分を省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一参照符号を付ける。また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜上任意に示したものであり、本記載が必ず示されたものに限定されるものではない。
【0021】
図面において複数の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。また、図面から説明の便宜上一部層および領域の厚さを誇張して示した。層、膜、領域、板などの部分が、他の部分「の上」または「上」にある場合、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。
【0022】
本記載において、「置換」とは、水素原子が重水素、ハロゲン基、ヒドロキシル基、アミノ基、置換または非置換のC1~C30アミン基、ニトロ基、置換または非置換のC1~C40シリル基、C1~C30アルキル基、C1~C10ハロアルキル基、C1~C10アルキルシリル基、C3~C30シクロアルキル基、C6~C30アリール基、C1~C20アルコキシ基、またはシアノ基で置換されたものを意味する。「非置換」とは、水素原子が他の置換基で置換されず、水素原子に残っているものを意味する。
【0023】
本記載において、「アルキル(alkyl)基」とは、別途の定義がない限り、直鎖型または分岐鎖型脂肪族炭化水素基を意味する。アルキル基は、いかなる二重結合や三重結合を含まない「飽和アルキル(saturated alkyl)基」であってもよい。
【0024】
前記アルキル基は、C1~C20のアルキル基である。より具体的にアルキル基は、C1~C10アルキル基またはC1~C6アルキル基であってもよい。例えば、C1~C4アルキル基は、アルキル鎖に1~4つの炭素原子を含むものを意味し、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチルおよびt-ブチルからなる群から選択されるものを示す。
【0025】
前記アルキル基は、具体例として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを意味する。
【0026】
本記載において、「シクロアルキル(cycloalkyl)基」とは、別途の定義がない限り、1価の環状脂肪族炭化水素基を意味する。
【0027】
本記載において、「アルケニル(alkenyl)基」とは、別途の定義がない限り、直鎖型または分岐鎖型の脂肪族炭化水素基として、一つ以上の二重結合を含む脂肪族不飽和アルケニル(unsaturated alkenyl)基を意味する。
【0028】
本記載において、「アルキニル(alkynyl)基」とは、別途の定義がない限り、直鎖型または分岐鎖型の脂肪族炭化水素基として、一つ以上の三重結合を含む脂肪族不飽和アルキニル(unsaturated alkynyl)基を意味する。
【0029】
本記載において、「アリール(aryl)基」とは、環状である置換基の全ての元素がp-オービタルを有し、これらのp-オービタルが共役(conjugation)を形成している置換基を意味し、単環式または融合環多環式(即ち、炭素原子の隣接する一対を共有する環)官能基を含む。
【0030】
図1は、フォトレジスト塗布装置を示す模式図である。
【0031】
図1を参照すると、基板(W)が載置される基板支持部1が備えられ、前記基板支持部1はスピンチャックまたはスピンコーターなどを含む。
【0032】
前記基板支持部1は、所定の回転速度で第1方向に回転し、前記基板(W)に遠心力を提供する。
【0033】
前記基板支持部1上には、噴射ノズル2が位置し、前記噴射ノズル2は、基板(W)上部から離れた待機領域に位置し、溶液の供給段階で基板上部に移動してフォトレジスト溶液10を噴射することができる。これにより、前記フォトレジスト溶液10は、前記遠心力によって前記基板表面に塗布される。この時、前記基板(W)の中央に供給されるフォトレジスト溶液10は、遠心力によって基板(W)の端部に広がりながら塗布され、その一部は前記基板の側面と前記基板の端部下面に移動することになる。
【0034】
即ち、塗布工程でフォトレジスト溶液10は主にスピンコーティング方式で塗布されるが、基板(W)の中央部に粘性のある所定量のフォトレジスト溶液10を供給し、遠心力によって基板の周縁方向に順次広がっていく。
【0035】
従って、フォトレジストの厚さは基板支持部の回転速度により平坦に形成される。
【0036】
ところが、溶媒が蒸発して粘性がますます増加し、表面張力の作用により基板の端部に相対的に多量のフォトレジストが蓄積されるようになり、さらに深刻なのは、基板の端部下面までフォトレジストが蓄積されるようになり、これをエッジビーズ(edgebead)12という。
【0037】
以下、一具現例による金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物を説明する。
【0038】
本発明の一具現例による金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物は、有機溶媒、およびAMWが7g/mol・個以上である化合物を含む。
【0039】
前記AMWとは、化合物に含まれる原子の種類を全て同じものと仮定して、化合物の全体分子量を原子数で割ったものを意味する。
【0040】
即ち、原子の種類を全て同じものと仮定する時、AMWが大きくなるという意味は、炭素原子に対して比較的重い酸素原子、窒素原子、硫黄原子などが相対的に多く含まれることになり、これらは分子の親水性が相対的に高く、主に非共有電子対などによってフォトレジストに極性結合される可能性が高く、一方AMWが小さくなると、炭素原子およびより軽い水素原子などが相対的に多く含まれることになり、これらは主に極性結合よりは共有結合を好むものとして分子の疎水性が相対的に高く、フォトレジストに結合される確率が低いものと理解することができる。
【0041】
一具現例によると、AMWが7g/mol・個以上の化合物の場合、有機溶媒内で弱い親水性を帯びるようになり、金属含有レジストの金属、例えばSnに容易に配位しやすくなるため、Snの残留量を下げることに寄与することができる。
【0042】
具体的に、前記AMWは、7g/mol・個≦AMW≦50g/mol・個、より具体的には、7g/mol・個≦AMW≦30g/mol・個であるのが好ましい。前記範囲でSnの残留量を下げると同時に有機溶媒に対する適切な溶解性を有することができる。
【0043】
例えば、前記AMWが7g/mol・個以上の化合物は、ピロカテコール、ビニルホスホン酸、4-クロロカテコール、グリコール酸、4-メチルカテコール、トロポロン、シュウ酸、4-ニトロカテコール、アセトヒドロキサム酸、ブチルホスホン酸またはこれらの組み合わせを含むことができるが、これに限られない。
【0044】
一実施例において、前記金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物は、有機溶媒を50~99.99重量%含み、前述したAMWが7g/mol・個以上の化合物を0.01~50重量%含むことができる。
【0045】
具体的な一実施例において、前記金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物は、前述したAMWが7g/mol・個以上の化合物を0.05~40重量%、具体的に0.5~30重量%、より具体的に1~20重量%含むことができる。
【0046】
一具現例による金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物に含まれる有機溶媒の一例として、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールブチルエーテル(PGBE)、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチルグリコールエチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、エタノール、2-ブトキシエタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブチルアルコール、ヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘプタノン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、酢酸エチル、メチル3-メトキシプロピオン酸塩、エチル3-エトキシプロピオン酸塩、ジイソペンチルエーテル、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジアセトンアルコール、3,3-ジメチル-2-ブタノン、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン、メチル-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパネート(HBM)、ガンマブチロラクトン(GBL)、1-ブタノール(n-Butanol)、乳酸エチル(EL)、エンブチルエーテル(DBE)、ジイソプロピルエーテル(DIAE)、アセチルアセトン(Acetylacetone)、乳酸ブチル(n-Butylactate)、4-メチル-2-ペンタノール(または、methylisobutylcarbinol(MIBC)に記載される)、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2-ヒドロキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル(methyl pyruvate)、ピルビン酸エチル(ethyl pyruvate)、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチル乳酸、ブチル乳酸、メチル-2-ヒドロキシイソブチレート(methyl2-hydroxyisobutyrate)、メトキシベンゼン(methoxybenzene)、n-ブチル酢酸、1-メトキシ-2-プロピルアセテート、メトキシエトキシプロピオン酸塩、エトキシエトキシプロピオン酸塩、またはこれらの混合物などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0047】
本発明による金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物は、特に金属含有レジスト、より具体的には好ましくない金属残留物、例えばスズベース金属残留物の除去に効果的である。
【0048】
前記金属含有レジストに含まれる金属化合物は、アルキルスズオキソ基およびアルキルスズカルボキシル基のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0049】
一例として、前記金属含有レジストに含まれる金属化合物は、下記化学式1で表される。
【化2】
【0050】
前記化学式1中、
は、置換または非置換のC1~C20アルキル基、置換または非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換または非置換のC2~C20アルケニル基、置換または非置換のC2~C20アルキニル基、置換または非置換のC6~C30アリール基、置換または非置換のC6~C30アリールアルキル基、および-R-O-R(ここでRは、置換または非置換のC1~C20アルキレン基であり、Rは、置換または非置換のC1~C20アルキル基である)から選択され、
~Rは、それぞれ独立して、-ORまたは-OC(=O)Rから選択され、
は、置換または非置換のC1~C20アルキル基、置換または非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換または非置換のC2~C20アルケニル基、置換または非置換のC2~C20アルキニル基、置換または非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素、置換または非置換のC1~C20アルキル基、置換または非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換または非置換のC2~C20アルケニル基、置換または非置換のC2~C20アルキニル基、置換または非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせである。
【0051】
一方、他の一具現例によれば、上述した金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物を利用してエッジビーズを除去する段階を含むパターン形成方法を提供することができる。一例として、製造されたパターンは、フォトレジストパターンである。より具体的にネガ型フォトレジストパターンである。
【0052】
一具現例によるパターン形成方法は、基板上に金属含有レジスト組成物を塗布する段階、前記基板のエッジに沿って前述した金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物を塗布する段階、乾燥および加熱して前記基板上に金属含有レジスト膜を形成する熱処理段階、および露光および現像してレジストパターンを形成する段階を含む。
【0053】
より具体的に、金属含有レジスト組成物を使用してパターンを形成する段階は、金属含有レジスト組成物を薄膜が形成された基板上にスピンコーティング、スリットコーティング、インクジェットプリンティングなどで塗布する工程および塗布された金属含有レジスト組成物を乾燥してフォトレジスト膜を形成する工程を含むことができる。前記金属含有レジスト組成物は、スズベース化合物を含むことができ、例えば、前記主席ベース化合物は、アルキルスズオキソ基およびアルキルスズカルボキシル基のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0054】
次に、上述した金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物を塗布する段階を含むことができ、具体的には、適正な速度(例えば、500rpm以上)に基板を回転(spin)させながら、基板のエッジに沿って前記金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物を適正量で塗布する段階を含むことができる。
【0055】
次に、前記フォトレジスト膜が形成されている基板を加熱する第1熱処理工程を行う。前記第1熱処理工程は、約80℃~約120℃の温度で行うことができ、この過程で溶媒は蒸発し、前記フォトレジスト膜を基板にさらに強固に接着することができる。
【0056】
その後、前記フォトレジスト膜を選択的に露光する。
【0057】
一例として、前記露光工程で用いることができる光の例としては、活性化照射導線i-line(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)などの短波長を有する光だけでなく、EUV(Extreme UltraViolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギー波長を有する光などが挙げられる。
【0058】
より具体的に、一具現例による露光用光は、5nm~150nmの波長範囲を有する短波長光であることができ、EUV(Extreme UltraViolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギー波長を有する光であることができる。
【0059】
前記フォトレジストパターンを形成する段階で、ネガ型パターンを形成することができる。
【0060】
フォトレジスト膜のうち露光された領域は、有機金属化合物間の縮合など架橋反応によりポリマーを形成するため、フォトレジスト膜の未露光された領域とは互いに異なる溶解度を持つようになる。
【0061】
次に、前記基板に第2熱処理工程を行う。前記第2熱処理工程は、約90℃~約200℃の温度で行うことができる。前記第2熱処理工程を行うことにより、前記フォトレジスト膜の露光された領域は現像液に溶解しにくい状態となる。
【0062】
具体的には、2-ヘプタノン(2-heptanone)などの有機溶媒を使用して、前記未露光された領域に該当するフォトレジスト膜を溶解させた後に除去することにより、前記ネガティブトーンイメージに対応するフォトレジストパターンが完成することができる。
【0063】
一具現例によるパターン形成方法で使用される現像液は、有機溶媒であることができ、一例として、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノンなどのケトン類、4-メチル-2-プロパノール、1-ブタノール、イソプロパノール、1-プロパノール、メタノールなどのアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、エチル乳酸、n-ブチル酢酸、ブチロラクトンなどのエステル類、ベンゼン、キシレン、トルエンなどの芳香族化合物、またはこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0064】
また、前記パターン形成方法は、露光および現像工程後に、金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物を塗布する段階をさらに含むことができ、具体的には、適正速度(例えば、500rpm以上)で基板を回転(spin)させながら、前記金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物を基板のエッジに沿って適正量塗布する段階を含むことができる。
【0065】
前述したように、i-line(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)などの波長を有する光だけでなく、EUV(Extreme UltraViolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギーを有する光などにより露光されて形成されたフォトレジストパターン108は、5nm~100nm厚さの幅を有することができる。一例として、前記フォトレジストパターンは、5nm~90nm、5nm~80nm、5nm~70nm、5nm~60nm、5nm~50nm、5nm~40nm、5nm~30nm、5nm~20nmの幅で形成することができる。
【0066】
一方、フォトレジストパターン108は、約50nm以下、例えば40nm以下、例えば30nm以下、例えば20nm以下、例えば15nm以下の半ピッチ(half-pitch)および、約10nm以下、約5nm以下、約3nm以下、約2nm以下の線幅粗さを有するピッチを有することができる。
【実施例
【0067】
以下、上述した金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物の製造に関する実施例を通して、本発明をさらに詳細に説明する。しかし、下記の実施例によって本発明の技術的特徴が限定されるものではない。
【0068】
製造例:有機金属含有フォトレジスト組成物の製造
下記化学式Cの構造を有する有機金属化合物を4-メチル-2-ペンタノール(4-methyl-2-pentanol)に1wt%の濃度で溶解した後、0.1μmPTFEシリンジフィルターでろ過してフォトレジスト組成物を製造した。
【化3】
【0069】
評価:残留スズ(Sn)値含有量
4インチシリコンウェーハ上に前記製造例によるフォトレジスト組成物を1.0mL投入して20秒間静置した後、1、500rpmの速度で30秒間スピンコーティングする。コーティング膜が形成されたウェーハ上に下記表1に示された実施例1~10および比較例1~9によるエッジビーズ除去用組成物をエッジに沿ってそれぞれ6.5mL投入して3秒間スピンコーティング後、1,500rpmの速度で回転させて25秒間乾燥する。前記エッジビーズ除去用組成物投入、スピンコーティングおよび乾燥工程を3回繰り返す。その後、150℃で60秒間熱処理して、VPDICP-MS分析を通してSn含有量を確認する。
【0070】
【表1】
【0071】
表1を参照すると、実施例1~実施例10による金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物は、比較例1~9による金属含有レジストのエッジビーズ除去用組成物に比べて、金属除去効果に優れて残留金属の減少をより促進する可能性があることを確認できる。
【0072】
以上、本発明の特定の実施例が説明されて示されたが、本発明は記載された実施例に限定されるものではなく、本発明の思想および範囲を逸脱することなく、様々な修正および変形ができることは、この技術分野で通常の知識を有する者にとって自明なことである。従って、このような修正例または変形例は、本発明の技術的な思想または観点から個別に理解されるべきではなく、変形された実施例は、本発明の特許請求の範囲に属するべきである。
【符号の説明】
【0073】
1 基板支持部
2 噴射ノズル
10 フォトレジスト溶液
12 エッジビーズ
図1
【国際調査報告】