(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-03
(54)【発明の名称】プラズマ処理のための装置
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20240827BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
H05H1/46 L
H01L21/302 101C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509377
(86)(22)【出願日】2022-08-18
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 US2022040819
(87)【国際公開番号】W WO2023023289
(87)【国際公開日】2023-02-23
(32)【優先日】2021-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】514028776
【氏名又は名称】トーキョー エレクトロン ユーエス ホールディングス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】レーン,バートン
(72)【発明者】
【氏名】山澤 陽平
(72)【発明者】
【氏名】メヒガン,ジェーソン ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ファンク,メリット
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA03
2G084AA07
2G084BB02
2G084CC13
2G084CC33
2G084DD03
2G084DD04
2G084DD13
2G084DD14
2G084DD42
2G084DD55
2G084DD62
5F004BA20
5F004BB13
5F004BB14
5F004CA03
(57)【要約】
一実施形態によれば、プラズマ処理システムのための装置が提供される。装置は、インターフェースと、放射構造体と、導電性オフセットと、を含む。インターフェースは、RF源に結合可能な第1の導電性プレートと、RF源と第1の導電性プレートとの間に配置された第2の導電性プレートと、第2の導電性プレートと基板ホルダとの間に配置された導電性同心リング構造体と、を含む。導電性オフセットは、導電性同心リング構造体を放射構造体に結合するように配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理システムのための装置であって、
当該装置は、
インターフェースであって、
RF源に結合可能な第1の導電性プレート、
前記RF源と前記第1の導電性プレートとの間に配置された第2の導電性プレート、および
前記第2の導電性プレートと基板ホルダとの間に配置された導電性同心リング構造体、
を有する、インターフェースと、
放射構造体と、
前記導電性同心リング構造体を前記放射構造体に結合するように配置された導電性オフセットと、
を有する、装置。
【請求項2】
前記第2の導電性プレートは、接地されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記放射構造体は、複数の軸対称の螺旋状切り欠きを有する第3の導電性プレートを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記プラズマ処理システムは、基板ホルダを有する処理チャンバを有し、
前記処理チャンバ内で処理される基板は、前記基板ホルダに取り付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
当該装置は、前記処理チャンバの外部に配置される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の導電性プレートは、同軸導電性構造を介して前記RF源に結合され、
前記RF源は、前記同軸導電性構造を介して、第1の導電性プレートにRF電力を供給する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
さらに、非導電性オフセットを有し、
前記放射構造体は、絶縁構造体に結合され、該絶縁構造体は、前記非導電性オフセットにより、前記導電性同心リング構造体の導電性内側リング構造体と、前記導電性同心リング構造体の導電性外側リング構造体との間に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記インターフェース、前記放射構造体、および前記導電性オフセットは、前記RF源が前記第1の導電性プレートにRF電力を供給することに応じて、共振回路を形成する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
プラズマ処理システムのための装置であって、
当該装置は、
インターフェースであって、
RF源に結合可能な第1の導電性構造体、
前記RF源と前記第1の導電性構造体との間に配置された第2の導電性構造体であって、各同心導電性構造体は、エアギャップにより前記第2の導電性構造体から絶縁されている、第2の導電性構造体、
同心導電性構造体、
を含む、インターフェース、および
前記インターフェースに結合された放射構造体、
を有する、装置。
【請求項10】
各同心導電性構造体は、前記エアギャップにより、隣接する同心導電性構造体から絶縁される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
さらに、前記同心導電性構造体を前記放射構造体に結合する導電性オフセットを有する、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記放射構造体の共振周波数は、5~100メガヘルツ(MHz)である、請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記放射構造体は、
螺旋状切り欠きを有する導電性プレートと、
内側円形切り欠きと、
を有し、
前記第1の導電性構造体は、前記放射構造体と実質的に同じ平面上に配置され、前記内側円形切り欠きの内部に配置される、請求項9に記載の装置。
【請求項14】
前記プラズマ処理システムは、基板ホルダを有する処理チャンバを有し、
前記処理チャンバ内で処理される基板は、前記基板ホルダ上に取り付けられる、請求項9に記載の装置。
【請求項15】
誘導性結合によってプラズマを励起するアンテナシステムであって、
当該アンテナシステムは、
プレートと、
前記プレートに平行に配置された導電性リング構造体であって、前記プレートおよび前記導電性リング構造体は、第1のキャパシタを形成し、前記第1のキャパシタの容量値は、1つの導電性リング構造体に沿って実質的に同じである、導電性リング構造体と、
導電性オフセットであって、各導電性オフセットは、第1の端部および第2の端部を有し、各導電性オフセットの第1の端部は、垂直配置で前記導電性リング構造体に結合され、各導電性オフセットは、前記導電性リング構造体に沿って、他の導電性オフセットから等しい距離に配置される、導電性オフセットと、
各導電性オフセットの対応する第2の端部に結合された複数の螺旋状アームであって、各螺旋状アームは、半径方向に、方位角方向に、および入れ子配置で配置され、各螺旋状アームは、同じ形状、長さ、および間隔を有し、前記複数の螺旋状アーム、導電性オフセット、および前記導電性リング構造体は、RF周波数で共振する共振構造体を形成する、複数の螺旋状アームと、
を有する、アンテナシステム。
【請求項16】
さらに、前記共振構造体に容量的に結合されRF源に結合可能な、少なくとも1つの駆動導電性構造体を有する、請求項15に記載のアンテナシステム。
【請求項17】
さらに、前記共振構造体に誘導的に結合された導電性コイル構造体を有し、
前記導電性コイル構造体および前記共振構造体は、誘導的に結合されたペアを形成し、
前記導電性コイル構造体は、RF源に結合可能である、請求項15に記載のアンテナシステム。
【請求項18】
前記導電性リング構造体は、導電性内側リング構造体、および該導電性内側リング構造体に隣接する導電性外側リング構造体を有し、
前記導電性内側リング構造体および前記導電性外側リング構造体の各々は、前記導電性オフセットにより、前記複数の螺旋状アームに結合されている、請求項15に記載のアンテナシステム。
【請求項19】
前記複数の螺旋状アームの各々の内側または外側の端部の1つは、前記導電性オフセットにより前記導電性リング構造体に接続され、
前記複数の螺旋状アームの前記各々の別の端部は、導電性構造体またはは接地に直接接続されていない、請求項15に記載のアンテナシステム。
【請求項20】
前記複数の螺旋状アーム、前記プレート、および前記導電性リング構造体は、互いに実質的に平行に配置されている、請求項15に記載のアンテナシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年8月20日に出願された、米国仮特許出願第63/235,418号の利益を主張するものであり、その出願は参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、概して、半導体処理技術に関し、特定の実施形態では、その中で基板を処理するためのプラズマ処理システムにおいて電磁波を放射する装置に関する。
【背景技術】
【0003】
プラズマ処理は、半導体産業における高密度微細回路の製造及び製作において広く使用されている。
【0004】
プラズマ処理システムでは、プラズマチャンバ内に放射された電磁波が電磁場を生成する。生成された電磁場は、チャンバ内の電子を加熱する。加熱された電子は、プラズマに点火し、エッチング、蒸着、酸化、スパッタリングなどのプロセスにおいて基板を処理する。
【0005】
不均一なプラズマ処理チャンバ内の電磁場は、基板の異なる部分が密度の変化しているプラズマで処理されるために、基板の不均一な処理をもたらす。したがって、プラズマ処理システム内の電磁場の均一性を改善する装置及びシステムが望まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様は、プラズマ処理システムのための装置に関する。装置は、インターフェースと、放射構造体と、導電性オフセットと、を含む。インターフェースは、RF源に結合可能な第1の導電性プレートと、RF源と第1の導電性プレートとの間に配置された第2の導電性プレートと、第2の導電性プレートと基板ホルダとの間に配置された導電性同心リング構造体と、を含む。導電性オフセットは、導電性同心リング構造体を放射構造体に結合するように配置されている。
【0007】
そのような第1の態様による装置の第1の実装形態では、第2の導電性プレートは、接地されている。
【0008】
そのような第1の態様、又は第1の態様の任意の先行する実装形態による装置の第2の実装形態では、放射構造体は、複数の軸対称の螺旋状切り欠きを有する第3の導電性プレートを含む。
【0009】
そのような第1の態様、又は第1の態様の任意の先行する実装形態による装置の第3の実装形態では、プラズマ処理システムは、基板ホルダを有する処理チャンバを含む。基板は、処理チャンバ内で処理されるように基板ホルダ上に取り付けられる。
【0010】
そのような第1の態様、又は第1の態様の任意の先行する実装形態による装置の第4の実装形態では、装置は、処理チャンバの外部に配置されている。
【0011】
そのような第1の態様、又は第1の態様の任意の先行する実装形態による装置の第5の実装形態では、第1の導電性プレートは、同軸導電性構造体を介してRF源に結合され、RF源は、同軸導電性構造体を介してRF電力を第1の導電性プレートに供給する。
【0012】
そのような第1の態様、又は第1の態様の任意の先行する実装形態による装置の第6の実装形態では、装置は、非導電性オフセットを更に含み、放射構造体は、非導電性オフセットによって、導電性同心リング構造体の導電性内側リング構造体と導電性同心リング構造体の導電性外側リング構造体との間に配置された絶縁構造体に結合されている。
【0013】
そのような第1の態様、又は第1の態様の任意の先行する実装形態による装置の第7の実装形態では、インターフェース、放射構造体、及び導電性オフセットは、RF源がRF電力を第1の導電性プレートに供給することに応じて、共振回路を形成している。
【0014】
第2の態様は、プラズマ処理システムのための装置に関する。装置は、インターフェースと、インターフェースに結合された放射構造体と、を含む。インターフェースは、RF源に結合可能な第1の導電性構造体と、RF源と第1の導電性構造体との間に配置された第2の導電性構造体と、同心導電性構造体と、を含む。各同心導電性構造体は、エアギャップによって第2の導電性構造体から絶縁されている。
【0015】
そのような第2の態様による装置の第1の実装形態では、各同心導電性構造体は、エアギャップによって隣接する同心導電性構造体から絶縁されている。
【0016】
そのような第2の態様、又は第2の態様の任意の先行する実装形態による装置の第2の実装形態では、装置は、同心導電性構造体を放射構造体に結合している導電性オフセットを更に含む。
【0017】
そのような第2の態様、又は第2の態様の任意の先行する実装形態による装置の第3の実装形態では、放射構造体の共振周波数は、5~100メガヘルツ(MHz)である。
【0018】
そのような第2の態様、又は第2の態様の任意の先行する実装形態による装置の第4の実装形態では、放射構造体は、螺旋状切り欠きを有する導電性プレートと、内側円形切り欠きと、を含む。第1の導電性構造体は、放射構造体と実質的に同じ平面上に配置され、且つ内側円形切り欠きの内部に配置されている。
【0019】
そのような第2の態様、又は第2の態様の任意の先行する実装形態による装置の第5の実装形態では、プラズマ処理システムは、基板ホルダを有する処理チャンバを含む。処理チャンバ内で処理される基板は、基板ホルダ上に取り付けられる。
【0020】
第3の態様は、誘導性結合によってプラズマを励起するためのアンテナシステムに関する。アンテナシステムは、プレートと、導電性リング構造体と、導電性オフセットと、複数の螺旋状アームと、を含む。導電性リング構造体は、プレートに対して平行に配置されている。プレート及び導電性リング構造体は、第1のキャパシタを形成し、第1のキャパシタの容量値は、1つの導電性リング構造体に沿って実質的に同じである。各導電性オフセットは、第1の端部と第2の端部とを含み、各導電性オフセットの第1の端部は、垂直配置で導電性リング構造体に結合されている。各導電性オフセットは、導電性リング構造体に沿って他の導電性オフセットから等しい距離に配置されている。複数の螺旋状アームは、各導電性オフセットの対応する第2の端部に結合されている。各螺旋状アームは、半径方向、方位角方向に、入れ子配置で配置されている。各螺旋状アームは、同じ形状、長さ、及び間隔を有する。複数の螺旋状アーム、導電性オフセット、及び導電性リング構造体は、RF周波数で共振する共振構造体を形成している。
【0021】
そのような第3の態様によるアンテナシステムの第1の実装形態では、アンテナシステムは、共振構造体に容量的に結合され、且つRF源に結合可能な、少なくとも1つの駆動導電性構造体を更に含む。
【0022】
そのような第3の態様、又は第3の態様の任意の先行する実装形態によるアンテナシステムの第2の実装形態では、アンテナシステムは、共振構造体に誘導的に結合された導電性コイル構造体を更に含む。導電性コイル構造体及び共振構造体は、誘導的に結合されたペアを形成している。導電性コイル構造体は、RF源に結合可能である。
【0023】
そのような第3の態様、又は第3の態様の任意の先行する実装形態によるアンテナシステムの第3の実装形態では、導電性リング構造体は、導電性内側リング構造体と、導電性内側リング構造体に隣接する導電性外側リング構造体と、を含む。導電性内側リング構造体及び導電性外側リング構造体の各々は、導電性オフセットによって複数の螺旋状アームに結合されている。
【0024】
そのような第3の態様、又は第3の態様の任意の先行する実装形態によるアンテナシステムの第4の実装形態では、複数の螺旋状アームの各々の内側又は外側端部のうちの1つは、導電性オフセットによって導電性リング構造体に接続されており、複数の螺旋状アームの各々の別の端部は、導電性構造体又は接地に直接接続されていない。
【0025】
そのような第3の態様、又は第3の態様の任意の先行する実装形態によるアンテナシステムの第5の実装形態では、複数の螺旋状アーム、プレート、及び導電性リング構造体は、互いに実質的に平行に配置されている。
【0026】
実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの任意の組み合わせで実装することができる。
【0027】
本開示及びその利点についてのより完全な理解のために、ここで、添付図面と併せて用いられる以下の説明に対して参照が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】一実施形態のプラズマ処理システムの図である。
【
図2C】
図2Aの実施形態に共振構造体によって実行され得る、一実施形態の方法のフローチャートである。
【
図3A】別の実施形態の共振構造体の側面図である。
【
図3C】
図3Aの実施形態に共振構造体によって実行され得る、一実施形態の方法のフローチャートである。
【
図4A】別の実施形態の共振構造体の側面図である。
【
図4C】
図4Aの実施形態に共振構造体によって実行され得る、一実施形態の方法のフローチャートである。
【
図5A】別の実施形態の共振構造体の側面図である。
【
図5C】
図5Aの実施形態に共振構造体によって実行され得る、一実施形態の方法のフローチャートである。
【
図6A】別の実施形態の共振構造体の側面図である。
【
図6C】
図6Aの実施形態に共振構造体によって実行され得る、一実施形態の方法のフローチャートである。
【
図7A】別の実施形態の共振構造体の側面図である。
【
図7B】
図7Aの共振構造体内に配置され得る、一実施形態のループ構造体を示す図である。
【
図7D】
図7Aの実施形態に共振構造体によって実行され得る、一実施形態の方法のフローチャートである。
【
図8A】別の実施形態の共振構造体の側面図である。
【
図8C】
図8Aの実施形態に共振構造体によって実行され得る、一実施形態の方法のフローチャートである。
【
図9A】別の実施形態の共振構造体の側面図である。
【
図9C】
図9Aの共振構造体の共振回路によって実行され得る、一実施形態の方法のフローチャートである。
【
図10A】別の実施形態の共振構造体の側面図である。
【
図10C】
図10Aの共振構造体の共振回路によって実行され得る、一実施形態の方法のフローチャートである。
【
図11A】別の実施形態の共振構造体の側面図である。
【
図11C】
図11Aの共振構造体の共振回路によって実行され得る、一実施形態の方法のフローチャートである。
【
図13A】別の実施形態の共振構造体の側面図である。
【
図13C】
図13Aの共振構造体の内側共振回路によって実行され得る、一実施形態の方法のフローチャートである。
【
図13D】
図13Aの共振構造体の外側共振回路によって実行され得る、一実施形態の方法のフローチャートである。
【
図14】別の実施形態の放射構造体の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示は、多種多様な特定の文脈において具体化され得る多くの適用可能な発明概念を提供する。特定の実施形態は、単に特定の構成を例示するものであり、特許請求される実施形態の範囲を限定するものではない。異なる実施形態からの特徴は、特に断りのない限り、更なる実施形態を形成するために組み合わせられてもよい。
【0030】
実施形態のうちの1つに対して記載された変形又は修正はまた、他の実施形態に対しても適用することができる。更に、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書において様々な変更、置換、及び改変を行うことができることが理解されるべきである。
【0031】
本発明の態様は、主にプラズマ処理システムにおける共振構造体の文脈で説明されているが、本発明の態様は、半導体産業以外の分野にも同様に適用することができる。プラズマは、官能基付加による表面特性の処理及び修正に使用することができる。例えば、塗料堆積に対して表面を処理するために、プラズマは、疎水性表面を親水性表面に変換することができる。更に、本発明の態様は、プラズマに限定されるものではない。例えば、RFは、冷凍食品を解凍し、又は繊維製品、食品、木材などを乾燥するために使用することができる。これらの様々な例では、及び産業界にわたって、本明細書に開示されるような均一の振動磁場が有利である。
【0032】
様々な実施形態では、磁場への言及は、いくつかの周波数、例えば、RF周波数又はマイクロ波周波数のうちの1つで振動する磁場を指す。これらの実施形態では、磁場は、DC磁場を意味しない。これら及び他の詳細については、以下で更に詳細に説明する。
【0033】
図1は、一実施形態のプラズマ処理システム100の図を示している。プラズマ処理システム100は、RF源102と、共振構造体104と、プラズマチャンバ106と、任意選択的に誘電体プレート114と、を含み、これらは、
図1に示されるように配置されてもよい(又は配置されなくてもよい)。更に、プラズマ処理システム100は、
図1に描かれていない追加の構成要素を含んでもよい。
【0034】
実施形態では、RF源102は、RF電源を含み、このRF電源は、発電機回路及び整合回路(図示せず)を含んでもよい。RF源102は、同軸ケーブルなどの電力伝送線を介して共振構造体104に結合されている。RF源は、順方向RF波を共振構造体104に供給する。共振構造体104は、1つ以上の放射構造体を含む。順方向RF波は、共振構造体104を通って移動し、プラズマチャンバ106に向かって伝送(すなわち放射)される。
【0035】
プラズマチャンバ106は、基板ホルダ108を含む。示されるように、基板110は、処理されるために基板ホルダ108上に配置されている。任意選択的に、プラズマチャンバ106は、基板ホルダ108に結合されたバイアス電源118を含んでもよい。プラズマチャンバ106はまた、その中のガス流量の選択的制御によってプラズマチャンバ106からの副生成物を除去するための1つ以上のポンプ出口116を含んでもよい。実施形態では、ポンプ出口116は、基板ホルダ108及び基板110の近く(例えば、それらの下方/周囲)に配置されている。
【0036】
実施形態では、共振構造体104は、誘電体材料で作成された誘電体プレート114によってプラズマチャンバ106から分離されている。誘電体プレート114は、プラズマチャンバ106内の低圧環境を外部雰囲気から分離する。共振構造体104はプラズマチャンバ106に直接隣接して配置することができ、又は共振構造体104は空気によってプラズマチャンバ106から分離することができることが理解されるべきである。実施形態では、誘電体プレート114は、プラズマチャンバ106からのRF波の反射を最小限に抑えるように選択される。他の実施形態では、共振構造体104は、誘電体プレート114内に埋め込まれる。
【0037】
実施形態では、共振構造体104は、プラズマチャンバ106に向かって電磁場を放射し、これにより、低容量で結合電場を有するプラズマ112を方位対称で高密度に生成する。実施形態では、共振構造体104は、本明細書に開示されるように、方位対称性を生成する容量性構造体に接続された螺旋状アームを含む。実施形態では、共振構造体104の励起周波数は、無線周波数範囲(10~400MHz)であるが、これは限定的なものではなく、他の周波数範囲も同様に企図され得る。例えば、本明細書に開示される発明的態様は、マイクロ波周波数範囲における用途にも同様に適用可能である。
【0038】
実施形態では、共振構造体104は、共振要素を含む。共振要素は、共振構造体104の容量性構造体に電気的に接続されており螺旋状アームであり得る。実施形態では、共振要素は、同じ形状を有し、且つ回転時にN回対称性が存在するように中心軸の周りに配置されている(ここでNは、1よりも大きい整数である)。螺旋状アーム及び容量性構造体は、RF源102から供給された電磁波と共振する。
【0039】
実施形態では、共振要素は、定在電磁波を維持する。定在電磁波は、電場が高い領域と磁場が高い領域とを有する。磁場が高い領域は、導電経路で構成されている。共振要素は、共振要素からの振動磁場がプラズマチャンバ106内に浸透するように、誘電体プレート114に近接し、且つ平行に配置されている。時間的に変化する磁場は時間的に変化する電場を誘導し、この電場は、エネルギーをプラズマ電子に伝達する。
【0040】
実施形態では、共振構造体104は、電場が誘電体プレート114から離れて高く配置されている領域を含む。実施形態では、そのような領域は、平坦な表面を有する金属構造体で構成されている。実施形態では、2つの金属片の平坦な表面は対向し、且つ誘電体によって分離されている。誘電体によって占有された2つの金属片の間の体積は、共振構造体104のそれぞれの共振回路における高電場の位置にある。
【0041】
他の実施形態では、金属片は、円筒又は他の形状を有してもよい。いずれの場合も、2つの金属表面は、空気又は真空であり得る、誘電体で満たされた領域によって分離されている。
【0042】
高磁場要素内の磁場は、これらの要素に沿って流れる電流によるものである。高電場要素内の電場は、電荷の存在によるものである。高電場を有する要素は、電荷が電流によって高電場の1つの領域から高電場の別の領域へ流れるように、高磁場を有する要素を通して他のそのような要素と接続され、これにより、高磁場要素内に磁場を生成する。
【0043】
一実施形態では、高電場要素はまた、共振構造体104内の電場が同位相で、且つ同じ振幅を有するように、互いに接続されてもよい。しかしながら、この特徴は、非限定的である。
【0044】
実施形態では、高磁場要素及び高電場要素は全て、互いにほぼ同一である。
【0045】
実施形態では、磁場が高い共振構造体104の要素、及び電場が高い共振構造体104の要素は、対称中心軸の周りに配置されている。実施形態では、対称中心軸は、誘電体プレート114に対して垂直である。誘電体プレート114がディスク形状である実施形態では、対称中心軸は、ディスクの中心を通過する。共振構造体104の要素は、2πを2よりも大きい整数で除算したものに等しい角度だけ対称軸の周りで全ての要素を回転させても形状が変化しないように配置されている。8回対称配置を有する実施形態では、対応する整数は8に等しい。
【0046】
実施形態では、RF源102は、共振構造体104から定在電磁波を生成するために、エネルギーを共振構造体104のインターフェースに結合する。実施形態では、RF源102は、伝送線を介してインターフェースに結合されている。インターフェースは、対称軸の周りの回転下で、共振構造体104の要素と同じか又はそれよりも高い対称性を維持することが望ましい。
【0047】
実施形態では、インターフェースは、エネルギーを電場が高容量性結合である共振構造体104の部分に結合する。実施形態では、インターフェースは、エネルギーを磁場が高誘導性結合である共振構造体104の部分に結合する。いずれの場合でも、共振構造体104によって生成された電磁場がプラズマチャンバ106内に侵入し、それによってプラズマ112をそれ自体で生成するように、インターフェースを配置することが可能である。
【0048】
一実施形態では、共振構造体104は、基板110を処理するために、RF源102からのRF電力をプラズマチャンバ106に結合する。特に、共振構造体104は、順方向RF波がRF源102から供給されていることに応じて、電磁波を放射する。放射された電磁波は、誘電体プレート114の雰囲気側(すなわち、共振構造体104側)からプラズマチャンバ106内に侵入する。放射された電磁波は、プラズマチャンバ106内に電磁場を生成する。生成された電磁場は、エネルギーをプラズマチャンバ106内の自由電子に伝達することによって、プラズマ112を点火して維持する。プラズマ112は、例えば、基板110上の材料を選択的にエッチング又は堆積するために使用することができる。
【0049】
図1では、共振構造体104は、プラズマチャンバ106の外部にあるように示されている。しかしながら、実施形態では、共振構造体104は、プラズマチャンバ106の内部に配置することができる。
【0050】
実施形態では、共振構造体104の動作周波数は、5~100メガヘルツ(MHz)である。実施形態では、共振構造体104によって届けられる電力は、10~5000ワット(W)の範囲であり、共振構造体104からの距離、インピーダンス値などの様々な要因によって決定される。
【0051】
図2Aは、実施形態の共振構造体200の側面図を示している。共振構造体200は、インターフェース206と、放射構造体222と、導電性オフセット224a~bと、を含み、これらは、
図2Aに示されるように配置されてもよい(又は配置されなくてもよい)。更に、共振構造体200は、
図2Aに描かれていない追加の構成要素を含んでもよい。
【0052】
放射構造体222は、導電性オフセット224a~bによってインターフェース206に結合されている。放射構造体222は、以下に詳述するように、容量性分割器によってRF源102に結合されている。放射構造体222に関する詳細は、以下の
図12に開示されている。
【0053】
加えて、
図2Aには、共振構造体200を取り囲むハウジング226a~cが示されている。ハウジング226a~cは、ハウジング側壁226aと、ハウジング底面226bと、ハウジング上面226cと、を含む。ハウジング側壁226a及びハウジング底面226bの各々は、導電性構造体である。ハウジング上面226cは、ハウジング226a~cの開放面を表すために破線で示されている。
【0054】
ハウジング底面226bは、RF源102の共通RF接地に電気的に結合されている。このように、ハウジング226a~cの全体が、接地されている。ハウジング底面226bは、RF源102からインターフェース206(すなわち、以下に詳述する駆動ディスク202)へのRF供給経路を結合するための開口部を含む。
【0055】
一実施形態では、ハウジング上面226cは、プラズマチャンバ106の底部に隣接して配置されている。
図1を参照すると、共振構造体200は、上下反転されており、共振構造体200のハウジング上面226cは、誘電体プレート114がハウジング上面226cと面一になるように配置されている。そのような実施形態では、誘電体プレート114は、ハウジング上面226cの方向において放射構造体222の上方に配置されている。共振構造体200は、誘電体プレート114を通ってプラズマチャンバ106に向かって、ハウジング底面226bからハウジング上面226cへの方向において放射する電磁波を生成する。
【0056】
共振構造体200は、
図1のプラズマ処理システム100における共振構造体104として動作することができる。共振構造体200は、プラズマ処理における用途に限定されず、他の用途も企図されることに留意されたい。更に、共振構造体200は、放射構造体222をインターフェース206に機械的に接続することによって共振構造体200に追加の構造的剛性を提供するための非導電性オフセットなどの、
図2Aには描かれていない追加の構成要素を含んでもよい。
【0057】
インターフェース206は、駆動ディスク202と、バックプレート208と、内側リング210と、外側リング212と、絶縁構造体214と、を含む。
【0058】
駆動ディスク202は、RF源102に結合可能な導電性の円形構造体であり、RF波を放射構造体222に供給するために使用される。実施形態では、駆動ディスク202は、剛性、半剛性、又は可撓性の同軸ケーブルを介してRF源102に結合されている。他の実施形態では、駆動ディスク202は、矩形導波管、より大きい中空円筒内に含まれる2つの円筒導体を有する2つの平行な導電性リボン(例えば、トライアックス)などの様々なタイプの伝送線のうちのいずれか1つを介して、RF又はマイクロ波発生器に結合されている。
【0059】
バックプレート208は、RF源102と駆動ディスク202との間に配置された導電性表面である。バックプレート208は、駆動ディスク202に対して実質的に平行である。示されるように、バックプレート208は、浮遊している。
【0060】
内側リング210及び外側リング212は、導電性構造体である。示されるように、外側リング212は、内側リング210に隣接し、且つ実質的に同じ平面上に配置されている。しかしながら、実施形態では、外側リング212は、内側リング210とは異なる平面上にあってもよい。
【0061】
外側リング212及び内側リング210は、内側及び外側半径を有する導電性のリング形状プレートである。外側リング212及び内側リング210は、駆動ディスク202と同じ中心点を有する。そして、外側リング212の内側半径は、内側リング210の外側半径よりも大きい。内側リング210の内側半径は、駆動ディスク202の外側半径よりも小さい。
【0062】
図2Aは共振構造体200の側面図を示しているため、実施形態では、共振構造体200の中心に対称軸が存在することが理解されるべきである。実施形態では、共振構造体200は、円筒構造体を有する。これらの実施形態では、例えば、駆動ディスク202の左側上に示された外側リング212の部分、及び駆動ディスク202の右側上に示された外側リング212の部分は、同じ導電性リング構造体の一部である。更に、内側リング210、放射構造体222、バックプレート208などの、共振構造体の中心に関しても、共振構造体200の他の構成要素との同様の対称性が存在する。
【0063】
絶縁構造体214は、誘電体材料などの電気絶縁材料から構成されている。実施形態では、絶縁構造体214は、空気又は真空で構成されている。絶縁構造体214は、駆動ディスク202と内側リング210との間、バックプレート208と内側リング210との間、内側リング210と外側リング212との間、及びバックプレート208と外側リング212との間、に配置されている。
【0064】
実施形態では、インターフェース206は、空気又は誘電体などの絶縁媒体に埋め込まれる(すなわち、絶縁構造体214)。絶縁構造体214を指示している矢印は、
図2Aではインターフェース206の領域(より正確には体積)を指し示すように示されているが、この矢印は、絶縁構造体214が共振構造体200の異なる導電性材料及び非導電性材料を取り囲む領域又は体積を覆っていることを意味していることが理解されるべきである。
【0065】
実施形態では、絶縁構造体214は、複数の絶縁構造体を含み、インターフェース206の様々な導電性構成要素間に単一の絶縁構造体を効果的に形成することができる。他の実施形態では、絶縁構造体214は、インターフェース206の様々な導電性構成要素間に形成された単一の絶縁構造体であってもよい。
【0066】
示されるように、導電性オフセット224a~bは、内側リング210、外側リング212、及び放射構造体222に対して垂直に配置されている。しかしながら、導電性オフセット224a~bはまた、これらの表面に対して垂直にすることなく、内側リング210及び外側リング212を放射構造体222に垂直に接続するように配置することができる。
【0067】
示されるように、導電性オフセット224a~bは、導電性オフセットの内側セット224aと導電性オフセットの外側セット224bと、を含む。導電性オフセットの内側セット224aは、内側リング210を放射構造体222の内側部分に電気的に結合する。導電性オフセットの外側セット224bは、外側リング212を放射構造体222の外側部分に電気的に結合する。
【0068】
一実施形態では、導電性オフセットの内側セット224aの各々の端部は、内側リング210の表面に沿って互いから等しい距離に配置されている。
【0069】
一実施形態では、導電性オフセット224aの外側セットの各々の端部は、外側リング212の表面に沿って互いから等しい距離に配置されている。
【0070】
図2Bは、二重浮遊キャパシタ構成とも呼ばれる、
図2Aの実施形態の共振構造体200の回路
図240を示している。回路
図240は、RF源102と、キャパシタ242と、キャパシタ244と、キャパシタ246と、キャパシタ248と、キャパシタ249と、インダクタ250と、を含み、これらは、
図2Bに示されるように配置されてもよい(又は配置されなくてもよい)。ここで、RF源102は、AC電源として示されている。実施形態では、RF源102は、順方向RF波を共振回路252に供給するように構成されている。
【0071】
キャパシタ242は、駆動ディスク202と、絶縁構造体214と、内側リング210と、によって形成されている。駆動ディスク202及び内側リング210は、絶縁構造体214を間に挟んで互いに平行に配置された導電性プレートであり、平行プレートキャパシタを形成している。駆動ディスク202は、キャパシタ242によって図示されているように、内側リング210に容量的に結合されている。
【0072】
キャパシタ244(すなわち、内側キャパシタ)は、バックプレート208と、絶縁構造体214と、内側リング210と、によって形成されている。バックプレート208及び内側リング210は、絶縁構造体214を間に挟んで平行に配置された導電性プレートであり、平行プレートキャパシタを形成している。実施形態では、キャパシタ244の容量値は、10ピコファラッド(pF)よりも大きい。容量値は、平行プレートキャパシタの各位置において実質的に同じである。
【0073】
キャパシタ246(すなわち、外側キャパシタ)は、バックプレート208と、絶縁構造体214と、外側リング212と、によって形成されている。バックプレート208及び外側リング212は、絶縁構造体214を間に挟んで平行に配置された導電性プレートであり、平行プレートキャパシタを形成している。実施形態では、キャパシタ246の容量値は、10ピコファラッド(pF)よりも大きい。容量値は、平行プレートキャパシタの各位置において実質的に同じである。
【0074】
キャパシタ248は、ハウジング底面226bと、絶縁構造体214と、バックプレート208と、によって形成されている。ハウジング底面226b及びバックプレート208は、絶縁構造体214を間に挟んで平行に配置された導電性プレートであり、平行プレートキャパシタを形成している。
【0075】
キャパシタ249は、ハウジング底面226bと、絶縁構造体214と、内側リング210と、によって形成されている。ハウジング底面226b及び内側リング210は、絶縁構造体214を間に挟んで平行に配置された導電性プレートであり、平行プレートキャパシタを形成している。
【0076】
キャパシタ242の第1のノードは、駆動ディスク202を介してRF源102に結合可能である。キャパシタ248の第1のノードは、バックプレート208を介してキャパシタ244の第1のノード及びキャパシタ246の第1のノードに結合されている。キャパシタ248の第2のノード及びキャパシタ249の第1のノードは、ハウジング底面226bを介して共通RF接地262に結合されている。
【0077】
インダクタ250は、放射構造体222によって形成されている。インダクタ250の第1のノードは、導電性オフセットの内側セット224a及び内側リング210を介して、キャパシタ244の第2のノード、キャパシタ242の第2のノード、及びキャパシタ249の第2のノードに結合されている。インダクタ250の第2のノードは、導電性オフセットの外側セット224b及び外側リング212を介して、キャパシタ246の第2のノードに結合されている。
【0078】
実施形態では、インダクタ250は、理想的なランプ回路インダクタの位相変化と符号が一致する、それに沿って伝搬電磁波内に位相シフトが存在する、放射構造体222の導電性部分によって形成されている。
【0079】
実施形態では、RF源102は、駆動ディスク202を介して、内側リング210及びバックプレート208の各々に電磁気的に結合されている。
【0080】
インダクタ250、キャパシタ244、及びキャパシタ246は、共振回路252(すなわち、LC共振回路)を形成している。
図2Aに関して、内側リング210、導電性オフセットの内側セット224a、放射構造体222、導電性オフセットの外側セット224b、外側リング212、バックプレート208、及び絶縁構造体214は、共振回路252を形成している。この配置では、共振回路252のどの部分と共通RF接地との間にも直流(DC)接続は存在しない。
【0081】
共振構造体200のインダクタ及びキャパシタを形成する構造的構成要素の様々な電気的及び機械的パラメータは、共振構造体200が所望の動作周波数で動作(すなわち、共振)するように選択される。
【0082】
実施形態では、キャパシタ244及びキャパシタ246は、共振回路252、具体的には、放射構造体222の要素への低インピーダンス経路を提供する。実施形態では、放射構造体222は、複数の螺旋状アーム(以下の
図12に詳述されている)を含む。各螺旋状アームは、螺旋状アームの内側端部上の導電性オフセットの内側セット224aの導電性オフセットを介して内側リング210に接続され、螺旋状アームの外側端部上の導電性オフセットの外側セット224bの導電性オフセットを介して外側リング212に接続されている。
【0083】
螺旋状アームは、内側リング210及び外側リング212を介して互いに接続されている。内側リング210及び外側リング212は、螺旋状アームの各々にわたる電圧差が実質的に同じになるように、対象周波数において低インピーダンス経路を形成している。結果としての構造体は、放射構造体222の要素わたって改善された対称性を有する放射構造体222の要素のサブセット内に電流が集中することを防止する。したがって、この配置は、非線形効果が螺旋のサブセットの下にプラズマ112が集中することを防止する。
【0084】
図2Cは、共振構造体200によって実行され得る、一実施形態の方法280のフローチャートを示している。ステップ282において、RF源102は、順方向RF波を駆動ディスク202に供給する。これに応じて、ステップ284において、RF波は、キャパシタ242、キャパシタ244、及びキャパシタ246にわたる容量性結合によって、駆動ディスク202から放射構造体222(すなわち、インダクタ250)に伝送される。
【0085】
ステップ286において、放射構造体222は、共振構造体200からプラズマチャンバ106に電磁波を放射する。ステップ288において、電磁波は、プラズマ112を生成する。そのような実施形態では、RF放電によって生成されたプラズマは、純粋に誘導性結合プラズマとして分類される。
【0086】
図3Aは、実施形態の共振構造体300の側面図を示している。共振構造体300は、
図1のプラズマ処理システム100における共振構造体104として動作することができる。共振構造体300は、プラズマ処理における用途に限定されず、他の用途も同様に企図されることに留意されたい。
【0087】
共振構造体300は、共振構造体200といくつかの特徴を共有する。しかしながら、共振構造体300のインターフェース306において、共振構造体200のバックプレート208は、ハウジング底面226bと合体している。したがって、バックプレート208が浮遊している共振構造体200とは対照的に、共振構造体300では、ハウジング底面226b(及び実質的にバックプレート)が共通RF接地に接続されている。
【0088】
図3Bは、二重接地キャパシタ構成とも呼ばれる、
図3Aの実施形態の共振構造体300の回路
図340を示している。回路
図340は、RF源102と、キャパシタ242と、キャパシタ344と、キャパシタ346と、インダクタ250と、を含み、これらは、
図3Bに示されるように配置されてもよい(又は配置されなくてもよい)。
【0089】
キャパシタ242は、駆動ディスク202と、絶縁構造体314と、内側リング210と、によって形成されている。駆動ディスク202及び内側リング210は、絶縁構造体314を間に挟んで互いに平行に配置された導電性プレートであり、平行プレートキャパシタを形成している。駆動ディスク202は、キャパシタ242によって図示されているように、内側リング210に容量的に結合されている。
【0090】
キャパシタ344(すなわち、内側キャパシタ)は、ハウジング底面226bと、絶縁構造体314と、内側リング210と、によって形成されている。ハウジング底面226b及び内側リング210は、絶縁構造体314を間に挟んで平行に配置された導電性プレートであり、平行プレートキャパシタを形成している。実施形態では、キャパシタ344の容量値は、10ピコファラッド(pF)よりも大きい。容量値は、平行プレートキャパシタの各位置において実質的に同じである。
【0091】
キャパシタ346(すなわち、外側キャパシタ)は、ハウジング底面226bと、絶縁構造体314と、外側リング212と、によって形成されている。ハウジング底面226b及び外側リング212は、絶縁構造体314を間に挟んで平行に配置された導電性プレートであり、平行プレートキャパシタを形成している。実施形態では、キャパシタ346の容量値は、10ピコファラッド(pF)よりも大きい。容量値は、平行プレートキャパシタの各位置において実質的に同じである。
【0092】
キャパシタ242の第1のノードは、駆動ディスク202を介してRF源102に結合可能である。キャパシタ344の第1のノード及びキャパシタ346の第1のノードは、ハウジング底面226bを介して共通RF接地262に結合されている。
【0093】
インダクタ250は、放射構造体222によって形成されている。インダクタ250の第1のノードは、導電性オフセットの内側セット224a及び内側リング210を介して、キャパシタ242の第2のノード、及びキャパシタ344の第2のノードに結合されている。インダクタ250の第2のノードは、導電性オフセットの外側セット224b及び外側リング212を介して、キャパシタ346の第2のノードに結合されている。
【0094】
実施形態では、RF源102は、駆動ディスク202を介して、内側リング210に電磁気的に結合されている。
【0095】
インダクタ250、キャパシタ344、及びキャパシタ346は、共振回路352(すなわち、LC共振回路)を形成している。
図3Aに関して、内側リング210、導電性オフセットの内側セット224a、放射構造体222、導電性オフセットの外側セット224b、外側リング212、ハウジング底面226b、及び絶縁構造体314は、共振回路352を形成している。
【0096】
共振構造体300のインダクタ及びキャパシタを形成する構造的構成要素の様々な電気的及び機械的パラメータは、共振構造体300が所望の動作周波数で動作(すなわち、共振)するように選択される。
【0097】
図3Cは、共振構造体300によって実行され得る、一実施形態の方法380のフローチャートを示している。ステップ382において、RF源102は、順方向RF波を駆動ディスク202に供給する。これに応じて、ステップ384において、RF波は、キャパシタ242、キャパシタ344、及びキャパシタ346にわたる容量性結合によって、駆動ディスク202から放射構造体222(すなわち、インダクタ250)に伝送される。
【0098】
ステップ386において、放射構造体222は、共振構造体300からプラズマチャンバ106に電磁波を放射する。ステップ388において、電磁波は、プラズマ112を生成する。そのような実施形態では、RF放電によって生成されたプラズマは、純粋に誘導性結合プラズマとして分類される。
【0099】
図4Aは、実施形態の共振構造体400の側面図を示している。共振構造体400は、
図1のプラズマ処理システム100における共振構造体104として動作することができる。共振構造体400は、プラズマ処理における用途に限定されず、他の用途も企図されることに留意されたい。
【0100】
共振構造体400は、共振構造体200といくつかの特徴を共有する。絶縁構造体214がインターフェース206内のバックプレート208と外側リング212の間に配置される共振構造体200とは対照的に、共振構造体400では、共振構造体200の対応するバックプレート208と外側リング212とが直接結合されている(すなわち、電気的及び機械的に結合される)(
図4Aのバックプレート408によって表されている)。導電性オフセットの外側セット224bは、放射構造体222をバックプレート408に電気的及び機械的に結合する。
【0101】
図4Bは、単一浮遊キャパシタ構成とも呼ばれる、
図4Aの実施形態の共振構造体400の回路
図440を示している。回路
図440は、RF源102と、キャパシタ442と、キャパシタ444と、キャパシタ448と、キャパシタ449と、インダクタ250と、を含み、これらは、
図4Bに示されるように配置されてもよい(又は配置されなくてもよい)。
【0102】
キャパシタ442は、駆動ディスク202と、絶縁構造体414と、内側リング210と、によって形成されている。駆動ディスク202及び内側リング210は、絶縁構造体414を間に挟んで互いに平行に配置された導電性プレートであり、平行プレートキャパシタを形成している。駆動ディスク202は、キャパシタ442によって図示されているように、内側リング210に容量的に結合されている。
【0103】
キャパシタ444(すなわち、内側キャパシタ)は、バックプレート408と、絶縁構造体414と、内側リング210と、によって形成されている。バックプレート408及び内側リング210は、絶縁構造体414を間に挟んで平行に配置された導電性プレートであり、平行プレートキャパシタを形成している。実施形態では、キャパシタ444の容量値は、10ピコファラッド(pF)よりも大きい。容量値は、平行プレートキャパシタの各位置において実質的に同じである。
【0104】
キャパシタ448は、ハウジング底面226bと、絶縁構造体414と、バックプレート408と、によって形成されている。ハウジング底面226b及びバックプレート408は、絶縁構造体414を間に挟んで平行に配置された導電性プレートであり、平行プレートキャパシタを形成している。
【0105】
キャパシタ449は、ハウジング底面226bと、絶縁構造体414と、内側リング210と、によって形成されている。ハウジング底面226b及び内側リング210は、絶縁構造体414を間に挟んで平行に配置された導電性プレートであり、平行プレートキャパシタを形成している。
【0106】
キャパシタ442の第1のノードは、駆動ディスク202を介してRF源102に結合可能である。キャパシタ448の第1のノードは、バックプレート408を介してキャパシタ444の第1のノードに結合されている。キャパシタ448の第2のノード及びキャパシタ449の第1のノードは、ハウジング底面226bを介して共通RF接地262に結合されている。
【0107】
インダクタ250は、放射構造体222によって形成されている。インダクタ250の第1のノードは、導電性オフセットの内側セット224a及び内側リング210を介して、キャパシタ444の第2のノード、キャパシタ442の第2のノード、及びキャパシタ449の第2のノードに結合されている。インダクタ250の第2のノードは、導電性オフセットの外側セット224b及びバックプレート408を介して、キャパシタ448の第1のノード及びキャパシタ444の第2のノードに結合されている。
【0108】
インダクタ250及びキャパシタ444は、共振回路452(すなわち、LC共振回路)を形成している。
図4Aに関して、内側リング210、導電性オフセットの内側セット224a、放射構造体222、導電性オフセットの外側セット224b、バックプレート408、及び絶縁構造体414は、共振回路452を形成している。この配置では、共振回路452のどの部分と共通RF接地との間にも直流(DC)接続は存在しない。
【0109】
共振構造体400のインダクタ及びキャパシタを形成する構造的構成要素の様々な電気的及び機械的パラメータは、共振構造体400が所望の動作周波数で動作(すなわち、共振)するように選択される。
【0110】
図4Cは、共振構造体400によって実行され得る、一実施形態の方法480のフローチャートを示している。ステップ482において、RF源102は、順方向RF波を駆動ディスク202に供給する。これに応じて、ステップ484において、RF波は、キャパシタ442及びキャパシタ444にわたる容量性結合によって、駆動ディスク202から放射構造体222(すなわち、インダクタ250)に伝送される。
【0111】
ステップ486において、放射構造体222は、共振構造体400からプラズマチャンバ106に電磁波を放射する。ステップ488において、電磁波は、プラズマ112を生成する。そのような実施形態では、RF放電によって生成されたプラズマは、純粋に誘導性結合プラズマとして分類される。
【0112】
図5Aは、実施形態の共振構造体500の側面図を示している。共振構造体500は、
図1のプラズマ処理システム100における共振構造体104として動作することができる。共振構造体500は、プラズマ処理における用途に限定されず、他の用途も同様に企図されることに留意されたい。
【0113】
共振構造体500は、共振構造体400といくつかの特徴を共有する。しかしながら、共振構造体500のインターフェース506において、共振構造体400のバックプレート208は、ハウジング底面226bと合体している。したがって、バックプレート208が浮遊している共振構造体400とは対照的に、共振構造体500では、ハウジング底面226b(及び実質的にバックプレート)が共通RF接地に接続されている。
【0114】
図5Bは、単一接地キャパシタ構成とも呼ばれる、
図5Aの実施形態の共振構造体500の回路
図540を示している。回路
図540は、RF源102と、キャパシタ542と、キャパシタ544と、インダクタ250と、を含み、これらは、
図5Bに示されるように配置されてもよい(又は配置されなくてもよい)。
【0115】
キャパシタ542は、駆動ディスク202と、絶縁構造体514と、内側リング210と、によって形成されている。駆動ディスク202及び内側リング210は、絶縁構造体514を間に挟んで互いに平行に配置された導電性プレートであり、平行プレートキャパシタを形成している。駆動ディスク202は、キャパシタ542によって図示されているように、内側リング210に容量的に結合されている。キャパシタ542の第1のノードは、駆動ディスク202を介してRF源102に結合可能である。
【0116】
キャパシタ544(すなわち、内側キャパシタ)は、ハウジング底面226b、絶縁構造体514、及び内側リング210によって形成されている。ハウジング底面226b及び内側リング210は、絶縁構造体514を間に挟んで平行に配置された導電性プレートであり、平行プレートキャパシタを形成している。実施形態では、キャパシタ544の容量値は、10ピコファラッド(pF)よりも大きい。容量値は、平行プレートキャパシタの各位置において実質的に同じである。
【0117】
インダクタ250は、放射構造体222によって形成されている。インダクタ250の第1のノードは、導電性オフセットの内側セット224a及び内側リング210を介して、キャパシタ544の第1のノード、及びキャパシタ542の第2のノードに結合されている。インダクタ250の第2のノードは、導電性オフセットの外側セット224b及びハウジング底面226bを介して、キャパシタ544の第2のノード及び共通RF接地262に結合されている。
【0118】
インダクタ250及びキャパシタ544は、共振回路552(すなわち、LC共振回路)を形成している。
図5Aに関して、内側リング210、導電性オフセットの内側セット224a、放射構造体222、導電性オフセットの外側セット224b、ハウジング底面226b、及び絶縁構造体514は、共振回路552を形成している。
【0119】
共振構造体500のインダクタ及びキャパシタを形成する構造的構成要素の様々な電気的及び機械的パラメータは、共振構造体500が所望の動作周波数で動作(すなわち、共振)するように選択される。
【0120】
図5Cは、共振構造体500によって実行され得る、一実施形態の方法580のフローチャートを示している。ステップ582において、RF源102は、順方向RF波を駆動ディスク202に供給する。これに応じて、ステップ584において、RF波は、キャパシタ542及びキャパシタ544にわたる容量性結合によって、駆動ディスク202から放射構造体222(すなわち、インダクタ250)に伝送される。
【0121】
ステップ586において、放射構造体222は、共振構造体500からプラズマチャンバ106に電磁波を放射する。ステップ588において、電磁波は、プラズマ112を生成する。そのような実施形態では、RF放電によって生成されたプラズマは、純粋に誘導性結合プラズマとして分類される。
【0122】
図6Aは、実施形態の共振構造体600の側面図を示している。共振構造体600は、
図1のプラズマ処理システム100における共振構造体104として動作することができる。共振構造体600は、プラズマ処理における用途に限定されず、他の用途も企図されることに留意されたい。
【0123】
共振構造体600は、共振構造体200といくつかの特徴を共有する。絶縁構造体214がインターフェース206内のバックプレート208と内側リング210の間に配置される共振構造体200とは対照的に、共振構造体600では、共振構造体200の対応するバックプレート208と内側リング210とが直接結合されている(すなわち、電気的及び機械的に結合される)(
図6Aのバックプレート608によって表されている)。導電性オフセットの内側セット224aは、放射構造体222をバックプレート608に電気的及び機械的に結合する。
【0124】
更に、共振構造体600は、駆動ディスク202に加えて、駆動ディスク202に電気的に結合された拡張駆動ディスク602を含む(黒いワイヤよって表されている)。実施形態では、駆動ディスク202は、ワイヤ結合を介して拡張駆動ディスク602に電気的に結合されている。いくつかの実施形態では、駆動ディスク202は、リボン結合を介して拡張駆動ディスク602に電気的に結合されている。他の実施形態では、駆動ディスク202は、剛性の水平な導電性のピン又はアームを介して拡張駆動ディスク602に電気的及び機械的に結合されている。したがって、RF源102によって生成されたRF波は、駆動ディスク202から拡張駆動ディスク602に伝送される。
【0125】
図6Bは、
図6Aの実施形態の共振構造体600の回路
図640を示している。回路
図640は、RF源102と、キャパシタ642と、キャパシタ646と、キャパシタ648と、キャパシタ649と、インダクタ250と、を含み、これらは、
図6Bに示されるように配置されてもよい(又は配置されなくてもよい)。
【0126】
キャパシタ642は、拡張駆動ディスク602と、絶縁構造体614と、バックプレート608と、によって形成されている。拡張駆動ディスク602及びバックプレート608は、絶縁構造体614を間に挟んで互いに平行に配置された導電性プレートであり、平行プレートキャパシタを形成している。拡張駆動ディスク602は、キャパシタ642によって図示されているように、バックプレート608に容量的に結合されている。キャパシタ642の第1のノードは、駆動ディスク202及び拡張駆動ディスク602を介してRF源102に結合可能である。
【0127】
キャパシタ646(すなわち、外側キャパシタ)は、バックプレート608と、絶縁構造体614と、外側リング212と、によって形成されている。バックプレート608及び外側リング212は、絶縁構造体614を間に挟んで平行に配置された導電性プレートであり、平行プレートキャパシタを形成している。実施形態では、キャパシタ646の容量値は、10ピコファラッド(pF)よりも大きい。容量値は、平行プレートキャパシタの各位置において実質的に同じである。
【0128】
キャパシタ648は、ハウジング底面226bと、絶縁構造体6414と、外側リング212と、によって形成されている。ハウジング底面226b及び外側リング212は、絶縁構造体614を間に挟んで平行に配置された導電性プレートであり、平行プレートキャパシタを形成している。
【0129】
キャパシタ649は、ハウジング底面226bと、絶縁構造体614と、バックプレート608と、によって形成されている。ハウジング底面226b及びバックプレート608は、絶縁構造体614を間に挟んで平行に配置された導電性プレートであり、平行プレートキャパシタを形成している。キャパシタ648の第1のノード及びキャパシタ649の第1のノードは、共通RF接地262に結合されている。
【0130】
インダクタ250は、放射構造体222によって形成されている。インダクタ250の第1のノードは、導電性オフセットの内側セット224a及びバックプレート608を介して、キャパシタ642の第1のノード、キャパシタ646の第1のノード、及びキャパシタ649の第1のノードに結合されている。インダクタ250の第2のノードは、導電性オフセットの外側セット224b及び外側リング212を介して、キャパシタ646の第2のノード及びキャパシタ648の第2のノードに結合されている。
【0131】
インダクタ250及びキャパシタ646は、共振回路652(すなわち、LC共振回路)を形成している。
図6Aに関して、外側リング212、導電性オフセットの内側セット224a、放射構造体222、導電性オフセットの外側セット224b、バックプレート608、及び絶縁構造体614は、共振回路652を形成している。この配置では、共振回路652のどの部分と共通RF接地との間にも直流(DC)接続は存在しない。
【0132】
共振構造体600のインダクタ及びキャパシタを形成する構造的構成要素の様々な電気的及び機械的パラメータは、共振構造体600が所望の動作周波数で動作/共振するように選択される。
【0133】
図6Cは、共振構造体600によって実行され得る、一実施形態の方法680のフローチャートを示している。ステップ682において、RF源102は、順方向RF波を駆動ディスク202及び拡張駆動ディスク602に供給する。これに応じて、ステップ684において、RF波は、キャパシタ642及びキャパシタ646にわたる容量性結合によって、拡張駆動ディスク602から放射構造体222(すなわち、インダクタ250)に伝送される。
【0134】
ステップ686において、放射構造体222は、共振構造体600からプラズマチャンバ106に電磁波を放射する。ステップ688において、電磁波は、プラズマ112を生成する。そのような実施形態では、RF放電によって生成されたプラズマは、純粋に誘導性結合プラズマとして分類される。
【0135】
図7Aは、実施形態の共振構造体700の側面図を示している。共振構造体700は、
図1のプラズマ処理システム100における共振構造体104として動作することができる。共振構造体700は、プラズマ処理における用途に限定されず、他の用途も企図されることに留意されたい。
【0136】
共振構造体700は、共振構造体200といくつかの特徴を共有する。共振構造体700は、
図2A、
図3A、
図4A、
図5A、及び
図6Aで説明した共振構造体の駆動ディスク202を含まない。その代わりに、共振構造体700は、ループ構造体702を含む。共振構造体700では、放射構造体222は、以下で更に説明するように、誘導性分圧器によってRF源102に結合されている。
【0137】
以前に説明した(及び後で説明する)異なる実施形態からの特徴は、特に断りのない限り、駆動ディスク202の代わりにループ構造体702を有する更なる実施形態を形成するために組み合わされ得ることが理解されるべきである。更に、実施形態のうちの1つに対して記載された変形又は修正はまた、他の実施形態に対しても適用することができる。この記述は限定的なものではなく、任意の実施形態からの特徴を他の実施形態において使用することができる。
【0138】
図7Bは、共振構造体700内に配置され得る、実施形態のループ構造体702を示している。ループ構造体702は、第1の端部712と第2の端部716とを有する開放円形の導電性リング構造体である。第1の端部712は、RF源102に結合され、且つRF電力を放射構造体222に結合するために使用される。ループ構造体702の第2の端部716は、共振構造体700及びRF源102の共通RF接地に結合されている。
【0139】
ループ構造体702の中心点は、放射構造体222の中心点と交差する。ループ構造体702の半径は、ループ構造体702が同じ平面上に配置され、且つ放射構造体222の内側半径内に配置されるように、放射構造体222の内側半径よりも小さい。
【0140】
図7Aのループ構造体702は、導電性オフセットの内側セット224aの境界内に配置されるように示されているが、共振構造体700内のループ構造体702の半径及び配置は、非限定的である。
【0141】
一実施形態では、ループ構造体702は、導電性オフセットの内側セット224aと導電性オフセットの外側セット224bとの間に配置されている。別の実施形態では、ループ構造体702は、導電性オフセットの外側セット224bの外部に配置されている。そのような実施形態では、ループ構造体702は、放射構造体222の外側半径よりも大きい半径を有する。更に別の実施形態では、ループ構造体702は、導電性オフセットの内側セット224aの直径よりも小さい直径を有する。そのような実施形態では、ループ構造体702は、異なる平面(例えば、放射構造体222の平面の上方又は下方)にあり得る。全ての実施形態では、非導電性オフセットは、構造的剛性を改善するためにループ構造体702に接続されてもよい。
【0142】
図7Cは、
図7Aの実施形態の共振構造体700の回路
図720を示している。回路
図720は、RF源102と、インダクタ722と、インダクタ724と、インダクタ726と、キャパシタ728と、キャパシタ730と、キャパシタ732と、を含み、これらは、
図7Cに示されるように配置されてもよい(又は配置されなくてもよい)。
【0143】
インダクタ722は、ループ構造体702によって形成されている。ループ構造体702の第1のノードは、第1の端部712を介してRF源102に結合されている。ループ構造体702の第2のノードは、第2の端部716を介して共振構造体700及びRF源102の共通RF接地に結合されている。
【0144】
インダクタ724は、放射構造体222によって形成されている。インダクタ722は、RF源102が順方向RF波をループ構造体702の第1の端部712に伝送することに応じて、インダクタ724(すなわち、放射構造体222)に誘導的に結合されている。
【0145】
インダクタ726は、放射構造体222によって形成されている。インダクタ522及びインダクタ524は別個の構成要素として示されているが、それらは放射構造体222を表すため、単一のインダクタはまた、インダクタ522及びインダクタ524を表すことができる。
【0146】
キャパシタ728は、バックプレート208と、絶縁構造体714と、内側リング210と、によって形成されている。バックプレート208及び内側リング210は、絶縁構造体714を間に挟んで平行に配置された導電性プレートであり、平行プレートキャパシタを形成している。
【0147】
キャパシタ730は、バックプレート208と、絶縁構造体714と、外側リング212と、によって形成されている。バックプレート208及び外側リング212は、絶縁構造体714を間に挟んで平行に配置された導電性プレートであり、平行プレートキャパシタを形成している。
【0148】
キャパシタ732は、ハウジング底面226bと、絶縁構造体714と、バックプレート208と、によって形成されている。バックプレート208及びハウジング底面226bは、絶縁構造体714を間に挟んで平行に配置された導電性プレートであり、平行プレートキャパシタを形成している。
【0149】
キャパシタ732の第1のノードは、ハウジング底面226bを介して共通RF接地262に結合されている。キャパシタ732の第2のノードは、バックプレート208を介してキャパシタ730の第1のノード及びキャパシタ728の第1のノードに結合されている。
【0150】
インダクタ726のノードは、導電性オフセットの外側セット224b及び外側リング212を介してキャパシタ730の第2のノードに結合されている。
【0151】
インダクタ724のノードは、導電性オフセットの内側セット224a及び内側リング210を介してキャパシタ728の第2のノードに結合されている。
【0152】
インダクタ724、インダクタ726、キャパシタ728、及びキャパシタ730は、共振回路752(すなわち、LC共振回路)を形成している。
図7Aに関して、内側リング210、外側リング212、導電性オフセットの内側セット224a、放射構造体222、導電性オフセットの外側セット224b、バックプレート208、及び絶縁構造体714は、共振回路752を形成している。この配置では、共振回路752のどの部分と共通RF接地との間にも直流(DC)接続は存在しない。
【0153】
共振構造体700のインダクタ及びキャパシタを形成する構造的構成要素の様々な電気的及び機械的パラメータは、共振構造体700が所望の動作周波数で動作/共振するように選択される。
【0154】
図7Dは、共振構造体700によって実行され得る、一実施形態の方法760のフローチャートを示している。ステップ762において、RF源102は、第1の端部712を介して順方向RF波をループ構造体702に供給する。これに応じて、ステップ764において、RF波は、インダクタ722及びインダクタ724にわたる誘導性結合によって、ループ構造体702から放射構造体222(すなわち、インダクタ726)に伝送される。
【0155】
ステップ766において、放射構造体222は、共振構造体700からプラズマチャンバ106に電磁波を放射する。ステップ768において、電磁波は、プラズマ112を生成する。そのような実施形態では、RF放電によって生成されたプラズマは、純粋に誘導性結合プラズマとして分類される。
【0156】
図8Aは、実施形態の共振構造体800の側面図を示している。共振構造体800は、
図1のプラズマ処理システム100における共振構造体104として動作することができる。共振構造体800は、プラズマ処理における用途に限定されず、他の用途も同様に企図されることに留意されたい。
【0157】
共振構造体800は、共振構造体300といくつかの特徴を共有する。共振構造体800では、共振構造体800内の駆動ディスク202は、内側リング210とハウジング底面226bとの間に配置されている。この実施形態では、共振構造体300と同様に、バックプレート208がハウジング底面226b内に導入されている。
【0158】
図8Bは、二重接地キャパシタ構成とも呼ばれる、
図8Aの実施形態の共振構造体800の回路
図840を示している。回路
図840は、RF源102と、キャパシタ844と、キャパシタ846と、キャパシタ848と、インダクタ250と、を含み、これらは、
図8Bに示されるように配置されてもよい(又は配置されなくてもよい)。
【0159】
キャパシタ842(すなわち、内側キャパシタ)は、駆動ディスク202と、絶縁構造体814と、内側リング210と、によって形成されている。駆動ディスク202及び内側リング210は、絶縁構造体814を間に挟んで互いに平行に配置された導電性プレートであり、平行プレートキャパシタを形成している。
【0160】
実施形態では、駆動ディスク202は、キャパシタ842によって図示されているように、内側リング210に容量的に結合可能である。
【0161】
キャパシタ844(すなわち、外側キャパシタ)は、ハウジング底面226bと、絶縁構造体814と、外側リング211と、によって形成されている。ハウジング底面226b及び外側リング212は、絶縁構造体814を間に挟んで平行に配置された導電性プレートであり、平行プレートキャパシタを形成している。キャパシタ844の第1のノードは、ハウジング底面226bを介して共通RF接地262に結合されている。
【0162】
キャパシタ846は、ハウジング底面226bと、絶縁構造体814と、駆動ディスク202と、によって形成されている。ハウジング底面226b及び駆動ディスク202は、絶縁構造体814を間に挟んで平行に配置された導電性プレートであり、平行プレートキャパシタを形成している。キャパシタ846の第1のノードは、ハウジング底面226bを介して共通RF接地262に結合されている。
【0163】
キャパシタ842の第1のノード及びキャパシタ846の第2のノードは、駆動ディスク202を介してRF源102に結合可能である。
【0164】
インダクタ250は、放射構造体222によって形成されている。インダクタ250の第1のノードは、導電性オフセットの内側セット224a及び内側リング210を介してキャパシタ842の第2のノードに結合されている。インダクタ250の第2のノードは、導電性オフセットの外側セット224b及び外側リング212を介して、キャパシタ844の第2のノードに結合されている。
【0165】
実施形態では、RF源102は、駆動ディスク202を介して、内側リング210及びハウジング底面226bの各々に電磁気的に結合されている。
【0166】
インダクタ250、キャパシタ842、キャパシタ844、及びキャパシタ846は、共振回路852(すなわち、LC共振回路)を形成している。
図8Aに関して、内側リング210、導電性オフセットの内側セット224a、放射構造体222、導電性オフセットの外側セット224b、外側リング212、ハウジング底面226b、及び絶縁構造体814は、共振回路852を形成している。
【0167】
共振構造体800がプラズマ処理に使用される実施形態では、RF放電によって生成されたプラズマは、純粋に誘導性結合プラズマとして分類される。
【0168】
共振構造体800のインダクタ及びキャパシタを形成する構造的構成要素の様々な電気的及び機械的パラメータは、共振構造体800が所望の動作周波数で動作(すなわち、共振)するように選択される。実施形態では、RF源102は、RF電力を共振回路852に供給するように構成されている。
【0169】
図8Cは、共振構造体800によって実行され得る、一実施形態の方法860のフローチャートを示している。ステップ862において、RF源102は、順方向RF波を駆動ディスク202に供給する。これに応じて、ステップ864において、RF波は、キャパシタ842、キャパシタ844、及びキャパシタ846にわたる容量性結合によって、駆動ディスク202から放射構造体222(すなわち、インダクタ250)に伝送される。
【0170】
ステップ866において、放射構造体222は、共振構造体800からプラズマチャンバ106に電磁波を放射する。ステップ868において、電磁波は、プラズマ112を生成する。RF放電によって生成されたプラズマは、純粋に誘導性結合プラズマとして分類される。
【0171】
図9Aは、実施形態の共振構造体900の側面図を示している。共振構造体900では、共振構造体700の導電性オフセットの外側セット224bの代わりに、共振構造体900は、非導電性オフセットの外側セット924を含む。非導電性オフセットの外側セット924は、バックプレート208を放射構造体222に機械的に接続することによって、構造的剛性を放射構造体222の外側部分に提供する。しかしながら、実施形態では、非導電性オフセットの外側セット924は、構造体から省略することができ、非導電性オフセットの外側セット924に接続されるように示されている放射構造体222の部分は、浮遊することができることが理解されるべきである。
【0172】
図9Bは、
図9Aの実施形態の共振構造体900の回路
図940を示している。回路
図940は、回路
図720に開示された構成要素に加えて、
図9Bに示されるように配置されてもよい(又は配置されなくてもよい)分布定数回路954を含む。分布定数回路954は、放射構造体222の螺旋状アーム及びバックプレート208によって形成される複数のインダクタ926及びキャパシタ930を含む。たとえ放射構造体222の螺旋状アーム及びバックプレート208が直接の電気的接続を有していなくても、放射構造体222の螺旋状アームとバックプレート208とが「弱い」電気的に(すなわち容量性結合)無視できない電気的結合を有し、分布定数回路954を形成している。キャパシタ930は、放射構造体222の螺旋状アームに沿って電圧及び電流の漸進的な変化をもたらす小さい容量値(ランプなし容量)を提供する。
【0173】
インダクタ724、インダクタ726、キャパシタ728、インダクタ926、及びキャパシタ930は、共振回路952(すなわち、LC共振回路)を形成している。
図9Aに関して、内側リング210、導電性オフセットの内側セット224a、放射構造体222、導電性オフセットの外側セット224b、バックプレート208、及び絶縁構造体714は、共振回路952を形成している。この配置では、共振回路952のどの部分と共通RF接地との間にも直流(DC)接続は存在しない。
【0174】
共振構造体900のインダクタ及びキャパシタを形成する構造的構成要素の様々な電気的及び機械的パラメータは、共振構造体900が所望の動作周波数で動作/共振するように選択される。
【0175】
図9Cは、共振構造体900によって実行され得る、一実施形態の方法960のフローチャートを示している。ステップ962において、RF源102は、第1の端部712を介して順方向RF波をループ構造体702に供給する。これに応じて、ステップ964において、RF波は、インダクタ722及びインダクタ724にわたる誘導性結合によって、ループ構造体702から放射構造体222(すなわち、インダクタ726、インダクタ926)に伝送される。
【0176】
ステップ966において、放射構造体222は、共振構造体900からプラズマチャンバ106に電磁波を放射する。ステップ968において、電磁波は、プラズマ112を生成する。そのような実施形態では、RF放電によって生成されたプラズマは、純粋に誘導性結合プラズマとして分類される。
【0177】
図10Aは、実施形態の共振構造体1000の側面図を示している。共振構造体1000では、共振構造体700の導電性オフセットの内側セット224aの代わりに、共振構造体1000は、非導電性オフセットの内側セット1024を含む。非導電性オフセットの内側セット1024は、バックプレート208を放射構造体222に機械的に接続することによって、構造的剛性を放射構造体222の内側部分に提供する。しかしながら、実施形態では、非導電性オフセットの内側セット1024は、構造体から省略することができ、非導電性オフセットの内側セット1024に接続されるように示されている放射構造体222の部分は、浮遊することができることが理解されるべきである。
【0178】
図10Bは、
図10Aの実施形態の共振構造体1000の回路
図1040を示している。回路
図940と同様に、回路
図1040は、分布定数回路1054を含む。分布定数回路1054は、放射構造体222の螺旋状アーム及びバックプレート208によって形成される複数のインダクタ1026及びキャパシタ1030を含む。たとえ放射構造体222の螺旋状アーム及びバックプレート208が直接の電気的接続を有していなくても、放射構造体222の螺旋状アームとバックプレート208とが「弱い」電気的に(すなわち容量性結合)無視できない電気的結合を有し、分布定数回路1054を形成している。キャパシタ1030は、放射構造体222の螺旋状アームに沿って電圧及び電流の漸進的な変化をもたらす小さい容量値(ランプなし容量)を提供する。
【0179】
インダクタ724、インダクタ726、キャパシタ728、インダクタ1026、及びキャパシタ1030は、共振回路1052(すなわち、LC共振回路)を形成している。
図10Aに関して、内側リング210、導電性オフセットの内側セット224a、放射構造体222、導電性オフセットの外側セット224b、バックプレート208、及び絶縁構造体714は、共振回路1052を形成している。この配置では、共振回路1052のどの部分と共通RF接地との間にも直流(DC)接続は存在しない。
【0180】
共振構造体1000のインダクタ及びキャパシタを形成する構造的構成要素の様々な電気的及び機械的パラメータは、共振構造体1000が所望の動作周波数で動作/共振するように選択される。
【0181】
図10Cは、共振構造体1000によって実行され得る、一実施形態の方法1060のフローチャートを示している。ステップ1062において、RF源102は、第1の端部712を介して順方向RF波をループ構造体702に供給する。これに応じて、ステップ1064において、RF波は、インダクタ722及びインダクタ724にわたる誘導性結合によって、ループ構造体702から放射構造体222(すなわち、インダクタ726、インダクタ1026)に伝送される。
【0182】
ステップ1066において、放射構造体222は、共振構造体1000からプラズマチャンバ106に電磁波を放射する。ステップ1068において、電磁波は、プラズマ112を生成する。そのような実施形態では、RF放電によって生成されたプラズマは、純粋に誘導性結合プラズマとして分類される。
【0183】
図11Aは、実施形態の共振構造体1100の側面図を示している。共振構造体1100は、
図1のプラズマ処理システム100における共振構造体104として動作することができる。共振構造体1100は、プラズマ処理における用途に限定されず、他の用途も同様に企図されることに留意されたい。
【0184】
共振構造体1100では、様々な容量性プレートを形成する導電性構造体がハウジング底面226bに対して平行に配置されていた以前の実施形態とは対照的に、異なる容量プレートを形成する導電性構造体が、ハウジング底面226bに対して垂直に配置されている。
【0185】
共振構造体1100は、円筒構造体1102及び円筒リング構造体1112を含む。
【0186】
円筒構造体1102は、ハウジング上面226cに近い開放側及びハウジング底面226bに近い閉鎖側を有する導電性の中空の円筒構造体である。更に、円筒構造体1102は、導電性壁1104を含む。円筒構造体1102の閉鎖側は、RF源102に電気的に結合され、RF源102は、RF波を導電性壁1104に供給する。円筒構造体1102の内側の中空部分は、絶縁構造体1114で包まれている。実施形態では、円筒構造体1102の内側の中空部分は、空気で満たされている。
【0187】
円筒リング構造体1112は、内側導電性壁1108と外側導電性壁1106とを有する導電性の中空の円筒リング構造体である。円筒リング構造体1112の上部は、放射構造体222を含む。したがって、内側導電性壁1008及び外側導電性壁1106は、平行に配置されているが、放射構造体222に対して垂直である。円筒リング構造体1112の底部は開放しており、円筒リング構造体1112の内側の中空部分は絶縁構造体1114で包まれている。
【0188】
円筒リング構造体1112の内側リングは、円筒リング構造体1112の内側導電性壁1108が円筒構造体1102の導電性壁1104に対して平行に配置されるように、円筒構造体1102を取り囲んでいる。実施形態では、絶縁構造体1114は、円筒リング構造体1112の内側導電性壁1108と円筒構造体1102の導電性壁1104との間に配置されている。
【0189】
外側導電性壁1106は、ハウジング側壁226aに対して平行に配置されている。実施形態では、絶縁構造体1114は、円筒リング構造体1112の外側導電性壁1106とハウジング側壁226aとの間に配置されている。ハウジング側壁226a及びハウジング底面226bは、共振構造体1100及びRF源102の共通RF接地に電気的に結合されている。
【0190】
最後に、ハウジング226a~cは、ハウジング底面226bと組み合わせて中空の円筒形状を形成し、且つ内側導電性壁1108と平行に配置されている、ハウジング内側壁226dを更に含む。実施形態では、絶縁構造体1114は、円筒リング構造体1112の内側導電性壁1108とハウジング内側壁226dとの間に配置されている。
【0191】
RF源102からのRF波を放射構造体222に結合する構造体の配置は、様々な形状であってもよく、したがって非限定的であることが理解されるべきである。更に、RF源102は、円筒構造体1102の導電性壁1104を介して共振構造体1100の中心に電気的に結合されるが、実施形態では、RF源102は、円筒リング構造体1112、円筒構造体1102、又はこれら2つの組み合わせに電気的に結合されることが理解されるべきである。
【0192】
図11Bは、
図11Aの実施形態の共振構造体1100の回路1140を示している。回路
図1140は、RF源102と、キャパシタ1142と、キャパシタ1144と、キャパシタ1146と、キャパシタ1148と、インダクタ250と、を含み、これらは、
図11Bに示されるように配置されてもよい(又は配置されなくてもよい)。
【0193】
キャパシタ1142は、円筒構造体1102の導電性壁1104と、絶縁構造体1114と、ハウジング内側壁226dと、によって形成されている。円筒構造体1102の導電性壁1104及びハウジング内側壁226dは、絶縁構造体1114を間に挟んで互いに同心に配置された導電性の円筒であり、円筒キャパシタを形成している。円筒構造体1102の導電性壁1104は、RF源102に電気的に結合されている。ハウジング内側壁226dは、共通RF接地に電気的に結合されている。
【0194】
キャパシタ1144は、円筒構造体1102の導電性壁1104と、絶縁構造体1114と、円筒リング構造体1112の内側導電性壁1108と、によって形成されている。円筒構造体1102の導電性壁1104及び円筒リング構造体1112の内側導電性壁1108は、絶縁構造体1114を間に挟んで互いに同心に配置された導電性の円筒であり、円筒キャパシタを形成している。
【0195】
キャパシタ1146は、ハウジング内側壁226dと、絶縁構造体1114と、円筒リング構造体1112の内側導電性壁1108と、によって形成されている。円筒リング構造体1112のハウジング内側壁226d及び内側導電性壁1108は、絶縁構造体1114を間に挟んで互いに同心に配置された導電性の円筒であり、円筒キャパシタを形成している。
【0196】
キャパシタ1148は、ハウジング側壁226aと、絶縁構造体1114と、円筒リング構造体1112の外側導電性壁1106と、によって形成されている。円筒リング構造体1112のハウジング側壁226a及び外側導電性壁1106は、絶縁構造体1114を間に挟んで互いに同心に配置された導電性の円筒であり、円筒キャパシタを形成している。
【0197】
キャパシタ1142の第1のノード及びキャパシタ1144の第1のノードは、円筒構造体1102の導電性壁1104を介してRF源102に結合可能である。キャパシタ1146の第1のノード、キャパシタ1148の第1のノード、及びキャパシタ1142の第2のノードは、ハウジング内側壁226dを介して共通RF接地262に結合されている。
【0198】
インダクタ250は、放射構造体222によって形成されている。インダクタ250の第1のノードは、円筒リング構造体1112の内側導電性壁1108を介して、キャパシタ1144の第2のノード及びキャパシタ1146の第2のノードに結合されている。インダクタ250の第2のノードは、円筒リング構造体1112の外側導電性壁1106を介して、キャパシタ1148の第2のノードに結合されている。
【0199】
インダクタ250、キャパシタ1146、及びキャパシタ1148は、共振回路1152(すなわち、LC共振回路)を形成している。
図11Aに関して、ハウジング内側壁226d、絶縁構造体1114、円筒リング構造体1112の内側導電性壁1108、及び円筒リング構造体1112の外側導電性壁1106、及びハウジング側壁226aは、共振回路1152を形成している。
【0200】
共振構造体1100のインダクタ及びキャパシタを形成する構造的構成要素の様々な電気的及び機械的パラメータは、共振構造体1100が所望の動作周波数で動作(すなわち、共振)するように選択される。
【0201】
図11Cは、共振構造体1100によって実行され得る、一実施形態の方法1160のフローチャートを示している。ステップ1162において、RF源102は、順方向RF波を円筒構造体1102の導電性壁1104に供給する。これに応じて、ステップ1164において、RF波は、キャパシタ1142、キャパシタ1144、キャパシタ1146、及びキャパシタ1148にわたる容量性結合によって、円筒構造体1102の導電性壁1104から放射構造体222(すなわち、インダクタ250)に伝送される。
【0202】
ステップ1166において、放射構造体222は、共振構造体1100からプラズマチャンバ106に電磁波を放射する。ステップ1168において、電磁波は、プラズマ112を生成する。そのような実施形態では、RF放電によって生成されたプラズマは、純粋に誘導性結合プラズマとして分類される。
【0203】
図12は、実施形態の放射構造体1200の上面図を示している。実施形態では、放射構造体1200はまた、アンテナプレートと呼ばれる。放射構造体1200は、内側半径1202と、外側半径1204と、中心点1206と、を有する。
【0204】
実施形態では、放射構造体1200の内側半径1202は、ループ構造体702の外側半径と実質的に同じであるが、それよりもわずかに大きい。そのような実施形態では、放射構造体1200の中心点1206は、ループ構造体702の中心点と同じである。
【0205】
実施形態では、放射構造体1200の内側半径1202は、内側リング210の外側半径と実質的に同じであるが、それよりもわずかに小さい。そのような実施形態では、放射構造体1200の中心点1206は、内側リング210の中心点と同じである。したがって、導電性オフセットの内側セット224aは、内側リング210と放射構造体1200との間に垂直に配置され得る。
【0206】
実施形態では、放射構造体1200の外側半径1204は、外側リング212の外側半径と実質的に同じである。そのような実施形態では、放射構造体1200の中心点1206は、外側リング212の中心点と同じである。したがって、導電性オフセットの外側セット224bは、外側リング212と放射構造体1200との間に垂直に配置され得る。
【0207】
実施形態では、放射構造体1200は、複数の螺旋状アーム1208を有する導電性の平面状の閉鎖したリング構造体である。螺旋状アーム1208は、中心点1206を通過する軸の周りでn回対称性を有する。
図12では、螺旋状アーム1208の数は8であるように示されているが、螺旋状アーム1208の数は非限定的であり、1よりも大きい任意の数であり得る。
【0208】
実施形態では、放射構造体1200は、モノリシック構造体である。そのような実施形態では、放射構造体1200は、閉鎖した内側リングと閉鎖した外側リングとを含み、これにより、螺旋状アーム1208を単一のユニットに保持するための機械的接続を提供する。
【0209】
実施形態では、個々の螺旋状アーム1208は、例えば、導電性オフセットの内側セット224aを導電性オフセットの外側セット224bに個々に接続する銅管を使用して形成されている。実施形態では、個々の螺旋状アーム1208は、導電性オフセットの内側セット224aを導電性オフセットの外側セット224bに個々に接続する、例えばアルミニウムから作成された個々に機械加工された部分によって形成されている。そのような実施形態では、モノリシック構造体におけるもののようなそれ自体の内側リング又は外側リングは存在しない。
【0210】
実施形態では、放射構造体1200は、複数の螺旋状アーム1208を形成する複数の軸対称の螺旋状切り欠きを有する導電性プレートである。放射構造体1200が導電性プレートから形成される実施形態では、放射構造体1200の製作及び製造における一般的に厳しい公差により、共振構造体の組み立て及び機械的不整合が最小限に抑えられる。有利には、そのような構造体は、より堅牢で再現可能な電磁波を供給する。更に、放射構造体1200の設計は、生成された電磁場に関して複数の半径方向ゾーンを収容するためのスケーリングを提供する。
【0211】
実施形態では、様々な容量性構造体により、より短いアンテナセグメント及び軸対称性を可能にする。
【0212】
実施形態では、放射構造体1200は、プラズマ処理に使用される際に、共振構造体によって生成された高シース電場による不要な誘電体エッチング及びスパッタリングを低減する。共振構造体は、高電場を共振構造体の内側及び外側キャパシタにシフトさせ、且つ高磁場をプラズマの最も近くに配置することによって、誘電体エッチング及びスパッタリングを低減する。
【0213】
実施形態では、各螺旋状アーム1208の終点は、放射構造体1200の中心点1206から測定された異なる角度で配置されている。
【0214】
実施形態では、螺旋状アーム1208の配置は、螺旋状アームを、以前に開示された任意の共振構造体の導電性オフセット224a~b又は非導電性オフセットの任意の組み合わせの端部間のアーク内に配置することを含む。
【0215】
実施形態では、螺旋状アーム1208の配置は、螺旋状アーム1208を、導電性オフセットの内側セット224aのうちの1つと導電性オフセットの外側セット224bのうちの1つとの任意のペアの端部間のアーク内に配置することを含む。そのような実施形態では、各対応するペアの遠位端部は、以前に開示された任意の共振構造体の任意のインターフェースに接続されている。
【0216】
実施形態では、各螺旋状アーム1208は、螺旋状アーム1208のアークに沿って1つ以上の非導電性オフセットによって追加的に支持されている。
【0217】
実施形態では、各螺旋状アーム1208の中心から測定された各螺旋状アーム1208のそれぞれの端部は、異なる半径を有する。実施形態では、各螺旋状アーム1208の中心から測定された各螺旋状アーム1208のそれぞれの端部は、異なる半径方向角度を有する。実施形態では、各螺旋状アームの半径方向角度は、対称である。
【0218】
実施形態では、各螺旋状アーム1208は、その端部間の直線距離を有する。そのような実施形態では、螺旋状アーム1208の大部分の直線距離は、同じか又は同様の長さである。
【0219】
実施形態では、螺旋状アーム1208の配置は、2よりも大きい整数で除算した2πに等しい角度だけ対称軸の周りで全ての螺旋状アーム1208が回転している間に螺旋状アーム1208の形状が変化しないように、螺旋状アーム1208を配置することを含む。例示的な一実施形態では、整数は、8に等しい。
【0220】
実施形態では、放射構造体1200は、半軸対称である。実施形態では、螺旋状アーム1208は、8回対称性を有する。
【0221】
示されるように、螺旋状アーム1208は、螺旋状アンテナを形成するアルキメデス螺旋に対応する設計を有する。しかしながら、放射構造体222の設計は、非限定的である。例えば、実施形態では、螺旋状アーム1208は、螺旋状アンテナを形成する対数螺旋の形状であり得る。更に、放射構造体1200は、螺旋状アンテナに限定されない。例えば、放射構造体1200は、実施形態では、コイルアンテナ又はディスクアンテナであり得る。別の例として、放射構造体1200は、シングルコイルアークプレート、ダブルコイルアークプレート、又はユニボディアークプレートであり得る。
【0222】
放射構造体1200は、螺旋状アーム1208を形成するための切り欠きを有する固体導電性プレートとして示されている。しかしながら、実施形態では、放射構造体1200は、螺旋状構成で配置された複数のワイヤを含み得ることが理解されるべきである。各ワイヤは、そのような実施形態では、一端が内側リングに接続され、他端が外側リングに接続される。例えば、共振構造体200を参照すると、導電性オフセットの内側セット224aの各々は、内側リングに接続され、導電性オフセットの外側セット224bの各々は、外側リングに接続されている。
【0223】
実施形態では、本明細書に開示される放射構造体は、プラズマチャンバ106内に均一な電磁場を提供する。均一な電磁場は、プラズマ112の密度の均一な分布を提供し、したがって、内部での均一な基板処理を提供する。
【0224】
実施形態では、螺旋状アーム1208は、幾何学的に半径方向及び方位角方向に巻いている。実施形態では、螺旋状アーム1208は、入れ子方式で配置されている。
【0225】
実施形態では、螺旋状アーム1208の各々は、螺旋状アーム1208の残りの部分と同じ形状、長さ、及び体積を有する。
【0226】
図13Aは、実施形態の共振構造体1300の側面図を示している。共振構造体1300は、
図1のプラズマ処理システム100における共振構造体104として動作することができる。共振構造体1300は、プラズマ処理における用途に限定されず、他の用途も同様に企図されることに留意されたい。
【0227】
共振構造体1300は、内側放射構造体1322aと外側放射構造体1322bとを含む。内側放射構造体1322a及び外側放射構造体1322bは、同じ中心点を有する同心の導電性リング構造体である。内側放射構造体1322aの外側半径は、外側放射構造体1322bの内側半径よりも小さい。
【0228】
更に、共振構造体1300のインターフェース1306は、共振構造体700の内側リング210及び外側リング212の代わりに、第1の内側リング1302と、第2の内側リング1308と、第1の外側リング1310と、第2の外側リング1312と、を含む。第1の内側リング1302、第2の内側リング1308、第1の外側リング1310、及び第2の外側リング1312は、互いに及びバックプレート208に対して実質的に平行な導電性のリング構造体である。
【0229】
第1の内側リング1302は、ループ構造体702とRF源102との間に配置されている。第2の内側リング1308は、第1の内側リング1302とRF源102との間に配置されている。第1の外側リング1310は、ループ構造体702とRF源102との間に配置されている。第2の外側リング1312は、第1の外側リング1310とRF源102との間に配置されている。
【0230】
第1の内側リング1302及び第1の外側リング1310は、実質的に同じ平面上にあり、且つ同じ中心点を有するように示されている。しかしながら、実施形態では、第1の内側リング1302及び第1の外側リング1310は、異なる平面上にある。第1の内側リング1302は、第1の外側リング1310の内側半径よりも小さい外側半径を有する。
【0231】
第2の内側リング1308及び第2の外側リング1312は、実質的に同じ平面上にあり、且つ同じ中心点を有するように示されている。しかしながら、実施形態では、第2の内側リング1308及び第2の外側リング1312は、異なる平面上にある。第2の内側リング1308は、第2の外側リング1312の内側半径よりも小さい外側半径を有する。
【0232】
共振構造体1300は、共振構造体700の導電性オフセット224a~bに加えて、導電性オフセット224c~dを含む。示されるように、導電性オフセット224a~dは、インターフェース1306、内側放射構造体1322a、及び外側放射構造体1322bに対して垂直に配置されている。しかしながら、導電性オフセット224a~dのいずれもまた、インターフェース1306を、これらの表面に対して垂直にすることなく、内側放射構造体1322a及び外側放射構造体1322bに対して垂直に接続するように配置されてもよい。
【0233】
導電性オフセット224a~dは、導電性オフセットの第1の内側セット224aと、導電性オフセットの第2の内側セット224cと、導電性オフセットの第1の外側セット224dと、導電性オフセットの第2の外側セット224bと、を含む。
【0234】
示されるように、導電性オフセットの第1の内側セット224aは、第1の内側リング1302を内側放射構造体1322aの内側部分に電気的に結合している。導電性オフセットの第2の内側セット224cは、第2の内側リング1308を内側放射構造体1322aの外側部分に電気的に結合している。導電性オフセットの第1の外側セット224dは、第1の外側リング1310を外側放射構造体1322bの内側部分に電気的に結合している。そして、導電性オフセットの第2の外側セット224bは、第2の外側リング1312を外側放射構造体1322bの外側部分に電気的に結合している。
【0235】
一実施形態では、導電性オフセットの第1の内側セット224aの各々の端部は、第1の内側リング1302の表面に沿って互いから等しい距離に配置されている。一実施形態では、導電性オフセットの各第2の内側セット224cの端部は、第2の内側リング1308の表面に沿って互いから等しい距離に配置されている。一実施形態では、導電性オフセットの各第1の外側セット224dの端部は、第1の外側リング1310の表面に沿って互いから等しい距離に配置されている。そして、一実施形態では、導電性オフセットの各第2の外側セット224bの端部は、第2の外側リング1312の表面に沿って互いから等しい距離に配置されている。
【0236】
実施形態では、非導電性オフセット(図示せず)は、内側放射構造体1322a及び外側放射構造体1322bをインターフェース1306に機械的に接続することによって、追加の構造的剛性を共振構造体1300に提供することができる。
【0237】
絶縁構造体1314は、誘電体などの電気絶縁材料から構成される。絶縁構造体1314は、第1の内側リング1302と第2の内側リング1308との間、第1の内側リング1302と第1の外側リング1310との間、第1の外側リング1310と第2の外側リング1312との間、第2の内側リング1308と第2の外側リング1312との間、及び第2の内側リング1308及び第2の外側リング1312の各々とバックプレート208との間、に配置されている。
【0238】
図13Bは、
図13Aの実施形態の共振構造体1300の回路
図1340を示している。回路
図1340は、RF源102と、インダクタ722と、インダクタ1342と、インダクタ1344と、インダクタ1346と、インダクタ1348と、キャパシタ1350と、キャパシタ1352と、キャパシタ1351と、キャパシタ1353と、を含み、これらは、
図13Bに示されるように配置されてもよい(又は配置されなくてもよい)。
【0239】
インダクタ722は、ループ構造体702によって形成されている。ループ構造体702の第1のノードは、RF源102に結合され、ループ構造体702の第2のノードは、共振構造体1300の共通RF接地に結合されている。
【0240】
インダクタ1342は、内側放射構造体1322aの内側半径方向構造(導電性オフセット224aの第1の内側セットに機械的に接続されている内側放射構造体1322aの部分)によって形成されている。インダクタ1342(すなわち、内側放射構造体1322a)は、RF源102がループ構造体702の第1の端部712にRF波を供給することに応じて、インダクタ722に誘導的に結合されている。
【0241】
インダクタ1346は、外側放射構造体1322bの内側半径方向構造(導電性オフセット224dの第1の外側セットに機械的に接続されている外側放射構造体1322bの部分)によって形成されている。インダクタ1346(すなわち、外側放射構造体1322b)は、RF源102がループ構造体702の第1の端部712にRF電力を供給することに応じて、インダクタ722に誘導的に結合されている。
【0242】
インダクタ1344は、内側放射構造体1322aによって形成されている。内側放射構造体1322aは、全体として、単一のインダクタを表すことができる、インダクタ1342及びインダクタ1344を形成している。
【0243】
インダクタ1348は、外側放射構造体1322bによって形成されている。外側放射構造体1322bは、全体として、単一のインダクタを表すことができる、インダクタ1346及びインダクタ1348を形成している。
【0244】
キャパシタ1350は、第1の内側リング1302と、絶縁構造体1314と、第2の内側リング1308と、によって形成されている。第1の内側リング1302及び第2の内側リング1308は、絶縁構造体1314を間に挟んで平行に配置された導電性の同心プレートであり、平行プレートキャパシタを形成している。
【0245】
キャパシタ1352は、第1の外側リング1310と、絶縁構造体1314と、第2の外側リング1312と、によって形成されている。第1の外側リング1310及び第2の外側リング1312は、絶縁構造体1314を間に挟んで平行に配置された導電性の同心プレートであり、平行プレートキャパシタを形成している。
【0246】
キャパシタ1351は、第2の内側リング1308と、絶縁構造体1314と、バックプレート208と、によって形成されている。第2の内側リング1308及びバックプレート208は、絶縁構造体1314を間に挟んで平行に配置された導電性の同心プレートであり、平行プレートキャパシタを形成している。バックプレート208は、共振構造体1300の共通RF接地に接続されている。しかしながら、実施形態では、バックプレート208は、浮遊しているままであってもよい。
【0247】
キャパシタ1353は、第2の外側リング1312と、絶縁構造体1314と、バックプレート208と、によって形成されている。示されるように、第2の外側リング1312及びバックプレート208は、絶縁構造体1314を間に挟んで平行に配置された導電性の同心プレートであり、平行プレートキャパシタを形成している。示されるように、バックプレート208は、共振構造体1300の共通RF接地に接続されている。しかしながら、実施形態では、バックプレート208は、浮遊しているままであってもよい。
【0248】
インダクタ1342のノードは、導電性オフセット224cの第2の内側セット及び第2の内側リング1308を介して、キャパシタ1350の第1のノードに結合されている。インダクタ1346のノードは、導電性オフセット224bの第2の外側セット及び第2の外側リング1312を介して、キャパシタ1352の第1のノードに結合されている。インダクタ1344のノードは、導電性オフセット224aの第1の内側セット及び第1の内側リング1302を介して、キャパシタ1350の第2のノードに結合されている。インダクタ1348のノードは、導電性オフセット224dの第1の外側セット及び第1の外側リング1310を介して、キャパシタ1352の第2のノードに結合されている。
【0249】
インダクタ1342、インダクタ1344、及びキャパシタ1350は、内側共振回路1354(すなわち、LC共振回路)を形成している。
図13Aに関して、第1の内側リング1302、絶縁構造体1314、第2の内側リング1308、導電性オフセット224aの第1の内側セット、導電性オフセット224cの第2の内側セット、内側放射構造体1322a、及びバックプレート208は、内側共振回路1354を形成している。
【0250】
インダクタ1346、インダクタ1348、及びキャパシタ1352は、外側共振回路1356(すなわち、LC共振回路)を形成している。
図13Aに関して、第1の外側リング1310、絶縁構造体1314、第2の外側リング1312、導電性オフセット224dの第1の外側セット、導電性オフセット224bの第2の外側セット、外側放射構造体1322b、及びバックプレート208は、外側共振回路1356を形成している。
【0251】
共振構造体1300のインダクタ及びキャパシタを形成する構造的構成要素の様々な電気的及び機械的パラメータは、共振構造体1300が所望の動作周波数で動作/共振するように選択される。
【0252】
実施形態では、内側共振回路1354は、第1の共振周波数で動作し、外側共振回路1356は、第2の共振周波数で動作する。実施形態では、第2の共振周波数は、第1の共振周波数とは異なる。他の実施形態では、第1の共振周波数は、第2の共振周波数と同じである。
【0253】
第2の共振周波数が第1の共振周波数と異なる実施形態では、プラズマの第1の内側ゾーン及びプラズマの第2の外側ゾーンは、それぞれ、プラズマチャンバ106内の内側共振回路1354及び外側共振回路1356によって生成される。内側共振回路1354及び外側共振回路1356は、電力のための誘導性ピックアップ、プラズマへの誘導性結合、又はその両方として機能することができる。
【0254】
実施形態では、RF源102は、RF電力を内側共振回路1354及び外側共振回路1356に供給するように構成されている。そのような実施形態では、RF源102は、第1の共振周波数及び第2の共振周波数に対応する異なる周波数を有する2つの共伝搬波の重畳を伴うRF波を供給する。
【0255】
図13Cは、共振構造体1300の内側共振回路1354によって実行され得る、一実施形態の方法1360のフローチャートを示している。ステップ1362において、RF源102は、第1の端部712を介して順方向RF波をループ構造体702に供給する。これに応じて、ステップ1364において、RF波は、インダクタ722及びインダクタ1342にわたる誘導性結合によって、ループ構造体702から内側放射構造体1322aに伝送される。
【0256】
ステップ1366において、内側放射構造体1322aは、共振構造体1300の内側共振回路1354からプラズマチャンバ106に電磁波を放射する。ステップ1368において、電磁波は、プラズマ112を生成する。そのような実施形態では、RF放電によって生成されたプラズマは、純粋に誘導性結合プラズマとして分類される。
【0257】
図13Dは、共振構造体1300の外側共振回路1356によって実行され得る、一実施形態の方法1380のフローチャートを示している。ステップ1382において、RF源102は、第1の端部712を介して順方向RF波をループ構造体702に供給する。これに応じて、ステップ1384において、RF波は、インダクタ722及びインダクタ1346にわたる誘導性結合によって、ループ構造体702から外側放射構造体1322bに伝送される。
【0258】
ステップ1386において、外側放射構造体1322bは、共振構造体1300の外側共振回路1356からプラズマチャンバ106に電磁波を放射する。ステップ1388において、電磁波は、プラズマ112を生成する。そのような実施形態では、RF放電によって生成されたプラズマは、純粋に誘導性結合プラズマとして分類される。
【0259】
図14は、内側放射構造体1402及び外側放射構造体1404を有する一実施形態の放射構造体1400の上面図を示している。実施形態では、共振構造体1300の内側放射構造体1322a及び外側放射構造体1322bは、それぞれ、内側放射構造体1402及び外側放射構造体1404によって表される。
【0260】
内側放射構造体1402及び外側放射構造体1404は、螺旋状切り欠きを有する同心の導電性リング構造体である。内側放射構造体1402は、外側放射構造体1404の内側リング切り欠き内に配置されており、外側放射構造体1404と同じ中心点を有する同じ平面上にある。内側放射構造体1402及び外側放射構造体1404の各々は、螺旋状アンテナを形成している。
【0261】
本明細書では詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、及び改変を行うことができることが理解されるべきである。様々な図では、同じ要素には同じ参照番号が指定されている。更に、本開示の範囲は、本明細書に記載される特定の実施形態に限定されることを意図するものではなく、当業者であれば、本開示から、現在存在するか又は後に開発されるプロセス、機械、製造物、物質の組成物、手段、方法、又はステップが、本明細書に記載される対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行し得るか又は実質的に同じ結果を達成し得ることを容易に理解するであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、その範囲内にそのようなプロセス、機械、製造物、物質の組成物、手段、方法、又はステップを含むことを意図している。
【0262】
したがって、本明細書及び図面は、単に、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の例示とみなされるべきであり、本開示の範囲内に入る任意且つ全ての修正、変更、組み合わせ、又は等価物を網羅することが企図されている。例えば、プラズマ処理システム又は共振構造体の様々な実施形態における構成要素の物理的配置及び配列は、非限定的であることが理解されるべきである。例えば、共振構造体は様々な図示においてRF源とプラズマ処理システムとの間に配置されているが、この配置は非限定的であり、これらの構成要素は、本開示の範囲内にありながら、他の構成要素に隣接して、上方に、又は下方に配置されてもよい。
【国際調査報告】