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特表2024-531968分子層堆積法による3D NAND用のコンタクトランディング保護
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  • 特表-分子層堆積法による3D  NAND用のコンタクトランディング保護 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-03
(54)【発明の名称】分子層堆積法による3D NAND用のコンタクトランディング保護
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20240827BHJP
   H10B 41/27 20230101ALI20240827BHJP
   H10B 43/27 20230101ALI20240827BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240827BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20240827BHJP
   C23C 16/30 20060101ALI20240827BHJP
【FI】
H01L21/31 C
H10B41/27
H10B43/27
H01L29/78 371
H01L21/302 105A
H01L21/302 101B
C23C16/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510376
(86)(22)【出願日】2022-08-18
(85)【翻訳文提出日】2024-04-11
(86)【国際出願番号】 US2022040721
(87)【国際公開番号】W WO2023023228
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】17/407,553
(32)【優先日】2021-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ブイヤン, バスカー ジョティ
(72)【発明者】
【氏名】シェン, ツェシン
(72)【発明者】
【氏名】ロイ, サスミット シンハー
(72)【発明者】
【氏名】マリック, アブヒジット バス
【テーマコード(参考)】
4K030
5F004
5F045
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
4K030AA11
4K030AA14
4K030BA02
4K030BA27
4K030BA29
4K030BA38
4K030BA40
4K030BA42
4K030BA43
4K030BB12
4K030CA04
4K030CA12
4K030FA01
4K030HA01
4K030JA10
4K030KA05
4K030LA15
5F004BA04
5F004BD04
5F004DB01
5F004DB03
5F004DB07
5F004EA28
5F004EB01
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5F045AA15
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5F083JA04
5F083JA36
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5F101BH01
5F101BH02
5F101BH14
5F101BH15
(57)【要約】
半導体処理の例示的な方法は、基板上に形成された1以上の層対からの材料を露出させるために、誘電材料を通して1以上のフィーチャを部分的にエッチングすることを含み得る。該方法は、誘電材料を完全に貫通する前、及び基板上に形成された層対からの材料を露出させる前に、エッチングを停止することを含み得る。該方法は、露出された材料を有する1以上の層対の各々からの露出された材料上に炭素含有材料の層を形成することを含み得る。該方法は、基板上に形成された各残留層対の材料を露出させるために、誘電材料を通して1以上のフィーチャを完全にエッチングすることを含み得る。
【選択図】図3F
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成された1以上の層対からの材料を露出させるために、誘電材料を部分的に通して1以上のフィーチャをエッチングすること、
前記誘電材料を完全に貫通する前、及び前記基板上に形成された全ての層対からの材料を露出させる前に、前記エッチングを停止すること、
露出された材料を有する前記1以上の層対の各々からの前記露出された材料上に炭素含有材料の層を形成すること、並びに
前記基板上に形成された各残留層対の材料を露出させるために、前記誘電材料を通して前記1以上のフィーチャを完全にエッチングすることを含む、半導体処理方法。
【請求項2】
前記炭素含有材料の層を形成することは、
前記誘電材料に対して前記基板上に形成された前記露出された材料と選択的に結合する第1の分子種を提供すること、及び
前記第1の分子種と選択的に結合する第2の分子種を提供すること、の1以上のサイクルを含む、請求項1に記載の半導体処理方法。
【請求項3】
前記第1の分子種は、アミン、ジアミン、ジオール、又はジチオールを含む、頭部基によって特徴付けられる、請求項2に記載の半導体処理方法。
【請求項4】
前記第2の分子種は、酸素を含む、請求項3に記載の半導体処理方法。
【請求項5】
前記炭素含有材料の層を形成することは、
前記第1の分子種又は前記第2の分子種のうちのいずれかと結合する金属含有前駆体を提供することを更に含む、請求項2に記載の半導体処理方法。
【請求項6】
前記炭素含有材料の層を形成することは、
前記第1の分子種又は前記第2の分子種のうちのいずれかと酸素含有材料を交互に供給することを更に含む、請求項5に記載の半導体処理方法。
【請求項7】
前記炭素含有材料の層を形成することは、
前記第1の分子種を提供すること、及び
前記第2の分子種を提供すること、の1以上の更なるサイクルを含む、請求項5に記載の半導体処理方法。
【請求項8】
前記炭素含有材料の層は、約5nm以上の厚さまで形成される、請求項1に記載の半導体処理方法。
【請求項9】
前記炭素含有材料の層を形成することは、約200℃以下の基板温度で実行される、請求項1に記載の半導体処理方法。
【請求項10】
前記層対は、酸化物と窒化ケイ素との交互層を含み、前記窒化ケイ素は、各層対内で前記酸化物の上に重なる、請求項1に記載の半導体処理方法。
【請求項11】
前記基板上に形成された露出された材料を有する前記1以上の層対の各々からの前記露出された材料から前記炭素含有材料の層を除去することを更に含み、前記除去することは、前記炭素含有材料の層を酸化すること又は熱アニールを実行することを含む、請求項1に記載の半導体処理方法。
【請求項12】
基板上に形成された第1の組の層対からの窒化ケイ素を露出させるために、誘電材料を通して1以上のフィーチャを部分的にエッチングすること、
前記誘電材料を完全に貫通する前、及び前記第1の組の層対の下の前記基板上に形成された第2の組の層対を露出させる前に、前記エッチングを停止すること、
前記第1の組の層対の上で露出された窒化ケイ素の各領域上に炭素含有材料の層を形成すること、並びに
前記基板上に形成された前記第2の組の層対からの窒化ケイ素を露出させるために、前記誘電材料を通して前記1以上のフィーチャを完全にエッチングすることを含む、半導体処理方法。
【請求項13】
前記炭素含有材料の層を形成することは、
前記第1の組の層対からの前記窒化ケイ素と選択的に結合する第1の分子種を提供すること、及び
前記第1の分子種と選択的に結合する第2の分子種を提供すること、の1以上のサイクルを含む、請求項12に記載の半導体処理方法。
【請求項14】
前記第1の分子種は、アミン頭部基を含む、請求項13に記載の半導体処理方法。
【請求項15】
前記炭素含有材料の層を形成することは、約200℃以下の基板温度で実行される、請求項12に記載の半導体処理方法。
【請求項16】
前記炭素含有材料の層は、約10nm以上の厚さまで形成される、請求項12に記載の半導体処理方法。
【請求項17】
前記第1の組の層対及び前記第2の組の層対は、酸化物と窒化ケイ素との交互層を含み、前記窒化ケイ素は、各層対内で前記酸化物の上に重なる、請求項12に記載の半導体処理方法。
【請求項18】
前記基板上に形成された前記第1の組の層対の上で露出された前記窒化ケイ素の領域から前記炭素含有材料の層を除去することを更に含む、請求項12に記載の半導体処理方法。
【請求項19】
基板上に形成された第1の組の層対からの窒化ケイ素を露出させるために、誘電材料を通して1以上のフィーチャを部分的にエッチングすることであって、前記層対は階段構造状に形成され、前記1以上のフィーチャの各フィーチャは、個々の層対と位置合わせされる、1以上のフィーチャをエッチングすること、
前記誘電材料を完全に貫通する前、及び前記第1の組の層対の下の前記基板上に形成された第2の組の層対を露出させる前に、前記エッチングを停止すること、
前記第1の組の層対の上で露出された窒化ケイ素の各領域上に炭素含有材料の層を形成すること、並びに
前記基板上に形成された前記第2の組の層対からの窒化ケイ素を露出させるために、前記誘電材料を通して前記1以上のフィーチャを完全にエッチングすることを含む、半導体処理方法。
【請求項20】
前記炭素含有材料の層を形成することは、
前記第1の組の層対からの前記窒化ケイ素と選択的に結合する第1の分子種を提供すること、及び
前記第1の分子種と選択的に結合する第2の分子種を提供すること、の1以上のサイクルを含む、請求項19に記載の半導体処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2021年8月20日に出願された「MOLECULAR LAYER DEPOSITION CONTACT LANDING PROTECTION FOR 3D NAND」という題目の米国非仮特許出願第17/407,553号の利益及び優先権を主張し、当該非仮特許出願の内容は、その全体があらゆる目的のために参照によって本明細書に援用される。
【0002】
[0002] 本技術は、半導体プロセス及び材料に関する。特に、本技術は、基板上の材料の層にアクセスするための処理中に保護層を形成することに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 集積回路は、基板表面上に複雑にパターニングされた材料層を形成するプロセスによって可能となる。基板上にパターニングされた材料を形成するためには、露出した材料の形成及び除去の制御された方法が必要である。垂直NAND又は3D NANDなどの積層メモリは、一連の誘電材料の交互層の形成を含み得る。それらを通して、多数のメモリホール又は開孔がエッチングされ得る。そして、各層間のコンタクトアクセスが形成され得る。材料の層の材料特性、ならびにエッチングのためのプロセス条件や材料は、形成された構造の均一性に影響を与える可能性がある。下層へのアクセスが未だ形成されている間に、上層の材料がエッチャントに曝露され続けると、最上層に対する損傷がもたらされ得る。
【0004】
[0004] したがって、高品質デバイス及び構造の製造に使用することができる、改善されたシステム及び方法が必要とされている。これらの必要性及びその他の必要性は、本技術によって対処される。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 半導体処理の例示的な方法は、基板上に形成された1以上の層対(layer pair)からの材料を露出させるために、誘電材料を通して1以上のフィーチャを部分的にエッチングすることを含み得る。該方法は、誘電材料を完全に貫通する前、及び基板上に形成された層対からの材料を露出させる前に、エッチングを停止することを含み得る。該方法は、露出された材料を有する1以上の層対の各々からの露出された材料上に炭素含有材料の層を形成することを含み得る。該方法は、基板上に形成された各残留層対の材料を露出させるために、誘電材料を完全に通して1以上のフィーチャをエッチングすることを含み得る。
【0006】
[0006] 幾つかの実施形態では、炭素含有材料の層を形成することが、誘電材料に対して基板上に形成された露出された材料と選択的に結合する第1の分子種を提供すること、及び、第1の分子種と選択的に結合する第2の分子種を提供すること、の1以上のサイクルを含む。第1の分子種は、アミン、ジアミン、ジオール、又はジチオールを含む、頭部基(head group)によって特徴付けられ得る。第2の分子種は酸素を含み得る。炭素含有材料の層を形成することは、第1の分子種又は第2の分子種のうちのいずれかと結合する金属含有前駆体を提供することを含み得る。炭素含有材料の層を形成することは、第1の分子種又は第2の分子種のうちのいずれかと酸素含有材料を交互に供給することを含み得る。炭素含有材料の層を形成することは、第1の分子種を提供すること、及び第2の分子種を提供すること、の1以上の更なるサイクルを含み得る。炭素含有材料の層は、約5nm以上の厚さまで形成され得る。炭素含有材料の層を形成することは、約200℃以下の基板温度で実行され得る。層対は、酸化物と窒化ケイ素との交互層を含み得る。窒化ケイ素は、各層対内で酸化物の上に重なり得る。該方法は、基板上に形成された露出された材料を有する1以上の層対の各々からの露出された材料から炭素含有材料の層を除去することを含み得る。除去することは、炭素含有材料の層を酸化させるか又は熱アニールを実行することを含み得る。
【0007】
[0007] 本技術の幾つかの実施形態は、半導体処理方法を包含し得る。該方法は、基板上に形成された第1の組の層対からの窒化ケイ素を露出させるために、誘電材料を通して1以上のフィーチャを部分的にエッチングすることを含み得る。該方法は、誘電材料を完全に貫通する前、及び第1の組の層対の下の基板上に形成された第2の組の層対を露出させる前に、エッチングを停止することを含み得る。該方法は、第1の組の層対の上で露出された窒化ケイ素の各領域上に炭素含有材料の層を形成することを含み得る。該方法は、基板上に形成された第2の組の層対からの窒化ケイ素を露出させるために、誘電材料を通して1以上のフィーチャを完全にエッチングすることを含み得る。
【0008】
[0008] 幾つかの実施形態では、炭素含有材料の層を形成することが、第1の組の層対からの窒化ケイ素と選択的に結合する第1の分子種を提供すること、及び第1の分子種と選択的に結合する第2の分子種を提供すること、の1以上のサイクルを含み得る。第1の分子種は、アミン頭部基を含み得る。炭素含有材料の層を形成することは、約200℃以下の基板温度で実行され得る。炭素含有材料の層は、約10nm以上の厚さまで形成され得る。第1の組の層対及び第2の組の層対は、酸化物と窒化ケイ素との交互層を含み得る。窒化ケイ素は、各層対内で酸化物の上に重なり得る。該方法は、基板上に形成された第1の組の層対の上で露出された窒化ケイ素の領域から炭素含有材料の層を除去することを含み得る。
【0009】
[0009] 本技術の幾つかの実施形態は、半導体処理方法を包含し得る。該方法は、基板上に形成された第1の組の層対からの窒化ケイ素を露出させるために、誘電材料を通して1以上のフィーチャを部分的にエッチングすることを含み得る。層対は、階段構造として形成され得る。1以上のフィーチャの各フィーチャは、個々の層対と位置合わせされ得る。該方法は、誘電材料を完全に貫通する前、及び第1の組の層対の下の基板上に形成された第2の組の層対を露出させる前に、エッチングを停止することを含み得る。該方法は、第1の組の層対の上で露出された窒化ケイ素の各領域上に炭素含有材料の層を形成することを含み得る。該方法は、基板上に形成された第2の組の層対からの窒化ケイ素を露出させるために、誘電材料を通して1以上のフィーチャを完全にエッチングすることを含み得る。幾つかの実施形態では、炭素含有材料の層を形成することが、第1の組の層対からの窒化ケイ素と選択的に結合する第1の分子種を提供すること、及び第1の分子種と選択的に結合する第2の分子種を提供すること、の1以上のサイクルを含み得る。
【0010】
[0010] このような技術は、従来のシステム及び技法を超えた多数の利点を提供してよい。例えば、このプロセスや構造は、下層にアクセスするためのエッチング工程中に最上層への損傷を防ぐことができる。更に、本技術の複数の実施形態の複数の工程は、誘電材料を通る材料の各層対に対するコンタクトアクセスの形成を改善し得る。これらの実施形態及びその他の実施形態は、その多くの利点や特徴と共に、後述の記載及び添付の図面により詳細に説明されている。
【0011】
[0011] 本明細書の後述及び下記の図面を参照することにより、本開示の技術の性質や利点は更に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】[0012] 本技術の幾つかの実施形態による、例示的な処理チャンバの概略断面図を示す。
図2】[0013] 本技術の幾つか実施形態による、形成方法における選択された工程を示す。
図3A】[0014] 図3A図3Fは、本技術の幾つかの実施形態に従って選択された工程が実行されている基板材料の概略断面図を示す。
図3B図3A図3Fは、本技術の幾つかの実施形態に従って選択された工程が実行されている基板材料の概略断面図を示す。
図3C図3A図3Fは、本技術の幾つかの実施形態に従って選択された工程が実行されている基板材料の概略断面図を示す。
図3D図3A図3Fは、本技術の幾つかの実施形態に従って選択された工程が実行されている基板材料の概略断面図を示す。
図3E図3A図3Fは、本技術の幾つかの実施形態に従って選択された工程が実行されている基板材料の概略断面図を示す。
図3F図3A図3Fは、本技術の幾つかの実施形態に従って選択された工程が実行されている基板材料の概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0015] 図面のうちの幾つかは、概略図として含まれている。図面は例示を目的としており、縮尺通りであると明記されていない限り、縮尺通りであるとみなしてはならないと理解するべきである。加えて、図は、概略図として、理解を助けるために提供されており、実際の描写と比較すると、全ての態様又は情報を含むわけではないことがあり、且つ、例示のために余分な又は強調された素材を含み得る。
【0014】
[0016] 添付図面では、類似の構成要素及び/又は特徴は、同一の参照符号を有し得る。更に、同じ種類の様々な構成要素は、類似の構成要素間を区別する文字により、参照符号に従って区別することができる。本明細書において第1の参照符号のみが使用される場合、その記載は、文字に関わりなく、同じ第1の参照符号を有する類似の構成要素のうちの何れにも適用可能である。
【0015】
[0017] 3D NAND構造の形成されるセル数が増大するにつれて、メモリホール及びコンタクト開孔のアスペクト比も(時には劇的に)増大する。3D NAND処理中に、最初にプレースホルダ層と誘電材料のスタックが形成され、その中にメモリセルが形成され得る。これらのプレースホルダ層には、材料が完全に除去されて金属に置き換えられる前に構造を配置するために、多種多様な工程が実施され得る。これらの層は、例えばポリシリコンなどの導体層の上に重ねて形成されることが多い。メモリホールが形成されると、開孔が、ポリシリコンや他の材料基板にアクセスする前に、交互に配置された層の全てを通って延在し得る。後続の処理により、コンタクト用の階段構造が形成され、また、プレースホルダ材料が側方に掘り出され得る。階段は、誘電材料で充填されてもよく、コンタクト開孔が、各層対にアクセスするために生成され得る。
【0016】
[0018] 反応性イオンエッチング(「RIE」)工程が実行されて、高アスペクト比のメモリホール及びコンタクト開孔を生成することができる。RIEプロセスは、しばしば、交互層の化学的及び物理的な除去の組み合わせを含む。これにより、エッチング中に側壁の上に炭素ポリマー層が形成され得る。これは、更なるエッチングから層を保護することが意図している場合がある。非限定的な一実施例として、交互層が酸化ケイ素と窒化ケイ素とを含む場合、酸化ケイ素は、RIE中に層への物理的衝撃によって大きく除去され、窒化ケイ素は、RIE前駆体と窒化物材料との化学反応によって大きく除去され得る。
【0017】
[0019] 従来技術は、コンタクトアクセス形成中に均一性及び制御で苦労する可能性がある。というのも、誘電材料を通してエッチングするためのプロセスは、未だアクセスされる層を反応種に曝露し得るからである。これは、下層が未だアクセス可能な状態にもかかわらず、経時的に上に重なる構造へ損傷を与えたり又はエッチングされたりする可能性がある。従来技術は、材料の最上層の露出に起因して、パターニングされ得る材料の層の数を制限してきた。材料の最上層は、露出時間の長さにより、材料間の選択性が比較的高いとしても、未だエッチングされ得る。
【0018】
[0020] 本技術は、過剰なエッチングから材料を保護するために、階段の露出された層上に分子層堆積を実行することによって、これらの課題を克服する。従来技術とは異なり、本技術は、下層がアクセスされている間に、構造の最上部にある層が完全に保護されることを可能にし得る。このプロセスは、次いで、エッチング工程を2つの部分に分離し得る。その場合、誘電材料を完全に貫くために第2のエッチング工程が実行されるときに過剰なエッチングを制限するために、最初にエッチングされた材料の上に保護層が堆積され得る。本技術は、保護材料を選択的に堆積させ得るので、露出された階段材料のみが保護材料を発達させ、一方で、誘電体を通して部分的にエッチングされたフィーチャは、エッチングの第2の部分用に維持され得る。
【0019】
[0021] 残りの開示は、開示される技術を利用する特定の材料及び半導体構造を通常通りに特定するが、それらのシステム、方法、及び材料は、本技術の複数の態様から利益を受け得る幾つかの他の構造に等しく適用可能であることが容易に理解される。したがって、この技術は、3D NANDプロセス又は材料で使用されるものだけに限定されると見なされるべきではない。更に、本技術の基礎を提供するために例示的なチャンバが説明されているが、本技術は、説明される工程を可能にし得る、実質的にどんな半導体処理チャンバにも適用できることを理解するべきである。
【0020】
[0022] 図1は、本技術の幾つかの実施形態による、例示的な処理チャンバシステム100の断面図を示す。本図は、本技術の1以上の態様を組み込み、及び/又は、本技術の複数の実施形態による1以上の工程を実行するように特に構成され得る、システムの態様を示し得る。チャンバ100又は実行される方法の更なる詳細が、以下で更に説明され得る。チャンバ100を利用して、本技術の幾つかの実施形態に従って膜層を形成することができるが、該方法は、膜形成が行われ得る任意のチャンバ内で同様に実行されてよいことを理解されたい。処理チャンバ100は、チャンバ本体102、チャンバ本体102の内部に配置された基板支持体104、及び、チャンバ本体102に結合され、基板支持体104を処理空間120内に囲い込むリッドアセンブリ106を含み得る。基板103は、開口部126を通して処理空間120に提供されてよく、この開口部は、スリットバルブ又はドアを用いて処理のために従来通りに封止されてよい。基板103は、処理中に基板支持体の表面105上に載置されてよい。基板支持体104は、矢印145で示されているように、基板支持体104のシャフト144が位置付けられ得る軸147に沿って回転可能であり得る。代替的に、基板支持体104は、堆積プロセス中に必要に応じて持ち上げて回転させることができる。
【0021】
[0023] プラズマプロファイル変調器111が、基板支持体104上に配置された基板103にわたるプラズマの分布を制御するために、処理チャンバ100内に配置され得る。プラズマプロファイル変調器111は、第1の電極108を含み得る。第1の電極108は、チャンバ本体102に隣接して配置されてよく、チャンバ本体102をリッドアセンブリ106の他の構成要素から分離し得る。第1の電極108は、リッドアセンブリ106の一部であってよく、又は別個の側壁電極であってもよい。第1の電極108は、環状又はリング状の部材であってよく、リング電極であってよい。第1の電極108は、処理空間120を囲む処理チャンバ100の外周の連続的なループであってよく、所望の場合、選択された位置において不連続であってもよい。第1の電極108はまた、例えば穿孔リング又はメッシュ電極などの穿孔電極であってもよく、又は例えば二次ガス分配器などの平板電極であってもよい。
【0022】
[0024] 例えば酸化アルミニウム及び/又は窒化アルミニウムといったセラミック又は金属酸化物などの誘電材料であってよい1以上の絶縁体110a、110bが、第1の電極108に接触してよく、第1の電極108をガス分配器112から及びチャンバ本体102から電気的且つ熱的に分離してよい。ガス分配器112は、プロセス前駆体を処理空間120の中に分配するための開孔118を画定してよい。ガス分配器112は、処理チャンバに結合されてよいRF生成器、RF電源、DC電源、パルス状DC電源、パルス状RF電源、又は任意の他の電源などの、第1の電力源142に結合され得る。幾つかの実施形態では、第1の電力源142がRF電源であってよい。
【0023】
[0025] ガス分配器112は、導電性ガス分配器又は非導電性ガス分配器であってよい。ガス分配器112はまた、導電性及び非導電性の構成要素で形成されてもよい。例えば、ガス分配器112の本体が導電性であってよい一方で、ガス分配器112の面板は非導電性であってよい。ガス分配器112は、図1で示されているような第1の電力源142などによって電力供給されてよく、又は、幾つかの実施形態では、ガス分配器112は、接地に結合されてもよい。
【0024】
[0026] 第1の電極108は、処理チャンバ100の接地経路を制御してよい第1の同調回路128に結合され得る。第1の同調回路128は、第1の電子センサ130、及び第1の電子コントローラ134を含んでよい。第1の電子コントローラ134は、可変キャパシタ又は他の回路素子であってよく、又はそれを含んでよい。第1の同調回路128は、1以上のインダクタ132であってよく、又はそれを含んでよい。第1の同調回路128は、処理中に処理空間120内に存在するプラズマ条件下で可変又は制御可能なインピーダンスを可能にする任意の回路であってよい。図示されているような幾つかの実施形態では、第1の同調回路128が、接地と第1の電子センサ130との間で平行に結合された第1の回路脚及び第2の回路脚を含んでよい。第1の回路脚は、第1のインダクタ132Aを含んでよい。第2の回路脚は、第1の電子コントローラ134と直列に結合された第2のインダクタ132Bを含んでよい。第2のインダクタ132Bは、第1の電子コントローラ134と、第1及び第2の回路脚の両方を第1の電子センサ130に結合するノードとの間に配置されてよい。第1の電子センサ130は、電圧又は電流センサであってよく、第1の電子コントローラ134に結合されてよい。第1の電子コントローラ134は、処理空間120の内側のプラズマ状態のある程度の閉ループ制御を許容し得る。
【0025】
[0027] 第2の電極122が、基板支持体104に結合されてよい。第2の電極122は、基板支持体104内に埋め込まれてよく、又は基板支持体104の表面に結合されてよい。第2の電極122は、板、穿孔板、メッシュ、ワイヤスクリーン、又は導電性要素の任意の他の分散配置(distributed arrangement)であってよい。第2の電極122は、同調電極であってよく、例えば、基板支持体104のシャフト144内に配置された、50オームなどの選択された抵抗を有するケーブルなどの導管146によって、第2の同調回路136に結合され得る。第2の同調回路136は、第2の電子センサ138及び第2の電子コントローラ140を有してよい。第2の電子コントローラ140は、第2の可変キャパシタであってよい。第2の電子センサ138は、電圧又は電流センサであってよく、処理空間120内のプラズマ状態を更に制御するために、第2の電子コントローラ140に結合されてよい。
【0026】
[0028] バイアス電極及び/又は静電チャック電極であってよい第3の電極124が、基板支持体104に結合され得る。第3の電極は、フィルタ148を通して第2の電力源150に結合されてよい。フィルタ148は、インピーダンス整合回路であってよい。第2の電力源150は、DC電源、パルス状DC電源、RFバイアス電源、パルス状RF源若しくはバイアス電源、又はこれらの組み合わせ若しくは他の電源であってよい。幾つかの実施形態では、第2の電力源150が、RFバイアス電源であってよい。
【0027】
[0029] 図1のリッドアセンブリ106及び基板支持体104は、プラズマ又は熱処理用の任意の処理チャンバと共に使用されてよい。工程中、処理チャンバ100が、処理空間120内のプラズマ条件のリアルタイム制御を許容し得る。基板103は、基板支持体104上に配置されてよく、プロセスガスが、任意の所望のフロープラン(flow plan)に従って入口114を使用してリッドアセンブリ106を通して流されてよい。ガスは、出口152を通って処理チャンバ100を出ることができる。電源が、処理空間120内にプラズマを確立するために、ガス分配器112に結合されてよい。幾つかの実施形態では、基板が、第3の電極124を使用して電気バイアスをかけられてよい。
【0028】
[0030] 処理空間120内のプラズマを励起すると、プラズマと第1の電極108との間に電位差が確立され得る。また、プラズマと第2の電極122との間に電位差が確立され得る。次いで、電子コントローラ134、140が、2つの同調回路128、136によって表される接地経路の流れ特性を調整するために使用されてよい。堆積速度の独立した制御と、中心から縁部までのプラズマ密度の均一性の独立した制御とを行うために、第1の同調回路128と第2の同調回路136とに設定点がもたらされ得る。電子コントローラが両方とも可変キャパシタであり得る複数の実施形態では、電子センサが、独立して、堆積速度を最大化し、厚さの不均一性を最小化するように可変キャパシタを調整し得る。
【0029】
[0031] 同調回路128、136の各々は、それぞれの電子コントローラ134、140を使用して調整されてよい可変インピーダンスを有し得る。電子コントローラ134、140が可変キャパシタである場合、可変キャパシタの各々の容量範囲、並びに第1のインダクタ132A及び第2のインダクタ132Bのインダクタンスは、インピーダンスの範囲を提供するように選択され得る。この範囲は、プラズマの周波数特性や電圧特性に依存し、各可変キャパシタの容量範囲に最小値が存在し得る。それゆえ、第1の電子コントローラ134の容量が最小又は最大であるときに、第1の同調回路128のインピーダンスは高くなり、基板支持体の上の空中又は横方向の被覆率(coverage)が最小であるプラズマ形状がもたらされ得る。第1の電子コントローラ134の容量が第1の同調回路128のインピーダンスを最小化する値に近づくと、プラズマの空中被覆率は最大まで成長し、基板支持体104の全作業領域を効果的に覆うことになり得る。第1の電子コントローラ134の容量が最小インピーダンス設定から外れると、プラズマ形状がチャンバ壁から収縮し、基板支持体の空中被覆率が低下することがある。第2の電子コントローラ140は、同様の効果を有し、第2の電子コントローラ140の容量が変更可能なので、基板支持体上のプラズマの空中被覆率を増減させることができる。
【0030】
[0032] 電子センサ130、138は、閉ループでそれぞれの回路128、136を調整するために使用され得る。使用されるセンサの種類に応じて、電流又は電圧の設定点が各センサに設けられ、各それぞれの電子コントローラ134、140への調整を決定する制御ソフトウェアであって、設定点からの偏差を最小化する制御ソフトウェアがセンサに提供され得る。その結果、処理中に、プラズマ形状が選択され、動的に制御され得る。前述の説明は、可変キャパシタであり得る電子コントローラ134、140に基づいているが、調整可能なインピーダンスを有する同調回路128、136を提供するために、調整可能な特性を有する任意の電子部品が使用され得ることが理解されよう。
【0031】
[0033] 上述されたように、本技術は、層対の露出された領域上に保護バリアを形成し得る。保護バリアは、基板レベルにある下側の層に対するアクセスを提供するためにエッチングが進行する間、上層を保護し得る。図2を参照すると、本技術の複数の実施形態による、半導体構造を形成するための方法200における例示的な複数の工程が示されている。方法200は、方法の開始前に、フロントエンド処理、堆積、エッチング、研磨、洗浄、又は説明された工程の前に実行され得る任意の他の工程を含む1以上の工程を含み得る。例えば、該方法は、3D NANDメモリを生成するために幾つかの層対が堆積され、階段コンタクト構造が形成された後で、開始してよい。しかし、上述されたように、図は、本技術の複数の実施形態による分子層堆積法が採用され得る1つのみの例示的なプロセスを示しており、説明は、本技術をこのプロセスのみに限定することを意図するものではないことが理解されよう。これらの工程の一部又は全部は、上述されたように、チャンバ又はシステムツールにおいて実行されてよく、又は同じシステムツール上の種々のチャンバ(方法200の工程が実行され得るチャンバを含み得る)において実行されてよい。
【0032】
[0034] 方法200は、本技術による方法の幾つかの実施形態に特に関連付けられてよく又は関連付けられなくてもよい、図示されている幾つかの任意選択的な工程を含んでよい。例えば、工程の多くは、より広い範囲の構造形成を提供するために説明されるが、本技術にとって絶対的なものではなく、又は以下で更に説明されるように代替的な方法によって実行されてよい。方法200は、図3A図3Fで概略的に示される工程を説明し、それらの図は、方法200の工程に関連して説明されることになる。図3は、部分的な概略図のみを示し、基板は、図で示されるような態様を有する任意の数の構造セクション、並びに、本技術の工程から依然として利益を得ることができる代替的な構造態様を含むことができることを理解されたい。
【0033】
[0035] 方法200は、半導体構造を特定の製造工程に発展させるための任意選択的な工程を含んでも又は含まなくてもよい。図3Aで示されているように、方法200は、任意の数の半導体構造又は基板305に対して実行されてよい。それらは、選択的な堆積材料が形成され得る例示的な構造を含む。図3Aで示されているように、基板305は、基板の上に重なって堆積された材料の幾つかの層を有してよい。基板305は、シリコン、シリコン含有材料、ゲルマニウム、他の基板材料、ならびに半導体処理中に基板の上に重なって形成され得る1以上の材料、で作製されたベースウエハ又は基板などの、任意の数の材料であってよい。
【0034】
[0036] 構造300は、材料の交互層のスタックの部分図を示し得る。該スタックは、幾つかの実施形態において、3D NANDメモリの形成に使用されてよい。材料の交互層は、プラズマ化学気相堆積、物理気相堆積、原子層堆積、熱的に強化された化学気相堆積、又は任意の他の形成技法を含む、任意の数の方法によって生成されてよい。幾つかの実施形態では、プラズマ化学気相堆積が、上述された処理チャンバ100などの処理チャンバ内で実行されてよい。残りの開示では、酸化ケイ素と窒化ケイ素との交互層のスタックを説明することとなるが、本技術の複数の実施形態は、酸化ケイ素とシリコン、窒化ケイ素とシリコン、シリコンとドープシリコン、又は任意の数の他の材料などの、材料の種々の組み合わせを使用してよい。方法200は、酸化ケイ素の形成の後に窒化ケイ素が形成されると説明するが、形成の順序は、同様に本技術によって包含される複数の実施形態では逆であってもよい。更に、本技術の複数の実施形態に従って、材料の任意の数の層がスタック又は任意のスタックの任意の部分内に生成されてよく、又は、スタックの異なる部分が、スタックの任意の他の部分よりも多い、少ない、又は同様の数の層を含んでよい。
【0035】
[0037] 図3Aで示されているように、構造300は、酸化ケイ素と窒化ケイ素との交互層のスタック310を有する、基板305を含む。図示されているスタック310は、幾つかの部分315を含んでよい。幾つかの部分315は、それぞれ、酸化ケイ素材料の少なくとも1つの層317と窒化ケイ素材料の少なくとも1つの層319を含んでよい。各部分はまた、約2つ以上の対、約10以上の対、約50以上の対、約100以上の対、又はそれより多い対を含む、層の複数の対を含んでもよい。これらの述べられた範囲のうちのいずれかによって包含される任意の特定の数の対は、ここで具体的に記載されているものとして理解されよう。2つの部分315aと315bが図示されているが、本技術の幾つかの実施形態に従って、それより多い又は少ない部分が含まれてよい。
【0036】
[0038] 形成プロセスは、図示されているように階段構造を形成することを含んでよい。この階段構造を使用して、各層において形成された個々のセルと接触することができる。マスク材料320が、各層対にアクセスするためのコンタクト開孔を形成する前に、スタックの複数の部分のいずれかの上に形成されてよい。本技術による構造は、構造の任意のアスペクト比又は高さ対幅比によって特徴付けられてよいが、幾つかの実施形態では、材料が、より大きなアスペクト比によって特徴付けられてよい。これは、上述されたように、生成される構造のアスペクト比における効果を高め得る。例えば、幾つかの実施形態では、コンタクト開孔の断面直径に対する深さなどの、例示的な構造のアスペクト比が、約10:1以上、約20:1以上、約30:1以上、約40:1以上、約50:1以上、又はそれより上であってよい。これらの高アスペクト比は、多くの従来のエッチング工程を駄目にしたり、又は、上述された課題のうちの幾つかを生じさせたり、悪化させたりする。
【0037】
[0039] 層が形成され、マスクが構造上に堆積されてしまうと、誘電材料325が、堆積されて、階段構造を満たしてよい。この階段構造を通して、コンタクト開孔が画定されてよい。方法200は、工程205において、基板上に形成された誘電材料325を通して部分的にエッチングすることを含んでよい。このエッチングプロセスは、任意の種類のエッチングであってよく、幾つかの実施形態では、上述されたように、反応性イオンエッチングプロセスであってよく又はそれを含んでよい。このエッチングは、コンタクト開孔を生成するために実行されてよい。コンタクト開孔は、各層対に対する個別のアクセスを提供し得る。したがって、形成された各開孔又はフィーチャは、各層対に対するアクセスを提供するために、特定の層と位置合わせされてよい。図3Bで示されているように、最初のエッチング工程は、スタックの第1の部分315aにある誘電材料を通して延伸してよく、ならびに第2の部分315bにある誘電材料の一部を通して少なくとも部分的に延伸してよい。図示されているように、スタックを通るある深さにおいて、誘電材料の中へのエッチングプロセスは、工程210において停止されてよい。これは、誘電材料を通して完全に貫く前に行われてよい。図で示されているように、エッチングプロセスは、各層対にアクセスするためにコンタクト開孔を形成してよい。コンタクト開孔は、窒化ケイ素の上側領域を露出させることができる。
【0038】
[0040] 最初のエッチングプロセスの深さは、層対の数、エッチングされている材料の特性、又は露出された材料への損傷が起き得るかどうかに影響を与え得る任意の態様に応じてよい。例えば、窒化ケイ素材料319aが露出されると、材料は、各下層における窒化物を露出させるためにエッチングプロセスが継続している間に、プラズマ放出物によって接触され続け得る。これらのスタックには数百以上の層があり得るため、露出時間は相当なものになる可能性がある。その結果、酸化ケイ素に対するかなり高い選択性を有するエッチングプロセスであっても、窒化ケイ素は、プラズマ放出物への露出の長さに起因してエッチングされ始める可能性がある。これにより、上側層における窒化ケイ素材料が、完全にエッチングされ得る。誘電材料は酸化ケイ素であってよいが、コンタクト開孔を生成するために、任意の数の他の充填材料が使用され、エッチングされてよい。したがって、露出された上の窒化ケイ素への過剰な損傷又は損失の前に、エッチングは停止されてよい。これは、構造を通る深さの約75%以下、約50%以下、約25%以下、又はそれより下の深さで生じてよい。次いで、基板は、例えば減圧を維持することが可能であり得るクラスタツール内の異なるチャンバに移動されてよいが、幾つかの実施形態では、基板が保護層を形成する前にツール間で移送されてもよい。
【0039】
[0041] 方法200は、基板上の各層対の露出された材料上に炭素含有材料を選択的に形成することを含んでよい。幾つかの実施形態では、形成がコンフォーマル又は間隙充填タイプの堆積であってよいが、いずれの場合でも、堆積は窒化ケイ素上に選択的に形成されてよく、一方で、例えば酸化ケイ素上に形成されない。これにより、各層対の露出された領域のみに堆積が生じてよく、一方で、更にエッチングされることとなる部分的にエッチングされた中央部分内には形成されない。この堆積は、分子層堆積であってよい。これは、炭素鎖に限定され得る自己組織化単分子膜とは異なり、数ナノメートル以上の保護カバレッジを提供してよい。これは、高められた保護、ならびに後続のエッチング中のプラズマ曝露に耐えることを容易にし得る。図3Cで示されているように、炭素含有材料の保護層330は、エッチングされたフィーチャ内にコンフォーマルに又は間隙充填するように形成されてよく、各露出された層にある窒化ケイ素上で成長してよい。保護層を形成することは、分子層堆積の連続的なプロセスを含んでよい。例えば、工程215において、第1の分子種が基板に提供されてよい。第1の分子種は、スタック内の材料の露出された層にある窒化ケイ素と選択的に結合してよく、窒化ケイ素を保護するために開孔にわたり完全に形成されてよい。第1の分子種に十分に曝露された後で、パージ工程が実行されてよい。工程220において、第2の分子種が提供されてよく、第1の分子種と選択的に結合してよい。
【0040】
[0042] 図3Dで示されているように、分子層が形成されて、共に結合し、材料の膜を形成し得る。第1の分子種は、堆積条件において特に窒化ケイ素を吸収し又はさもなければ窒化ケイ素と結合する頭部基によって特徴付けられてよく、酸化ケイ素又は誘電材料330となり得るいかなる材料とも結合しなくてよい。これにより、露出された窒化物領域においてのみ構造の上に重なる第1の分子層330aが生成され得る。第2の分子種は、第1の分子種と特に結合してよく、第2の分子層330bが第1の分子層330aの上に重なって形成されることを可能にする。次いで、プロセスは、任意の数のサイクルを繰り返して、十分な厚さの保護層を生成してよい。例えば、第2の分子種がパージされた後で、第1の分子種が再び提供されてよく、第1の分子種は、第2の分子種と結合してよく、別の第1の分子層を形成してよい。次いで、処理領域がパージされてよく、第2の分子種が提供されて、別の第2の分子層が形成されてよい。このような4つの層が説明されているが、任意の数のサイクルが実行されてよく、それは、幾つかの実施形態では、数十の層又は任意の数の層を含んでよい。
【0041】
[0043] 以前にエッチングされた材料を十分に保護し得る炭素含有材料の保護層を生成することは、後続のエッチング工程中にプラズマエッチングに耐えるための材料の能力によって挑戦され得る。金属含有材料は、分子層堆積によって形成されるポリマー材料に対して完全性が向上する可能性があるが、金属含有材料は、後続のエッチングの後で構造から剥離するのが困難であり得、後に露出される構造の部分に更なる損傷をもたらす可能性がある。しかし、分子層堆積によって生成される保護層の中に1以上の金属材料を組み込むことによって、プラズマに対する耐性が向上してよく、一方で、エッチングが完了した後の保護層の除去が依然として容易である。したがって、本技術の幾つかの実施形態では、金属が炭素含有材料の中に組み込まれてよい。
【0042】
[0044] 例えば、幾つかの実施形態では、工程225において、金属種が基板に提供されてよい。金属種は、以前に堆積した炭素含有材料と結合又は接合してよく、反応性イオンエッチングに対するエッチング耐性を向上させてよい。上述されたように、保護層は、最初に第1及び第2の分子種を含んでよい。それらは、露出された構造の表面に金属が結合した場合よりも、より容易に除去することを可能にし得る。金属種は、金属含有前駆体と他の堆積前駆体との交互パルスによって、好適に任意の厚さに形成されてよい。これには、任意選択的な工程230における酸素種との交互パルスが含まれてよい。幾つかの実施形態では、酸素種が、必ずしも必要でないかもしれない。その場合、下層の分子層は、酸素を含み、金属種の組み込みを可能にし得る。しかし、より厚い金属含有領域では、一組の金属前駆体と酸素含有前駆体との交互パルスを提供して、保護層の金属部分を任意の厚さに発達させることができる。更に、幾つかの実施例では、金属含有前駆体が含まれないかもしれないが、酸素種を、第1の分子種又は第2の分子種と交互に用いて、材料内の酸素濃度を高めることができる。
【0043】
[0045] 図3Dで示されているように、金属含有層330Cは、第1の分子層及び/又は第2の分子層の1以上の層の上に形成されてよい。これがまた繰り返されて、より厚い全体の保護層材料が生成され得る。その場合、同じ又は異なる数の層が、任意の更なる回数だけ形成される。例えば、本技術の複数の実施形態に従って、金属層と2つの分子層とのいずれか又は両方の任意の数のサイクルが生成され得る。金属材料は、それぞれの又は全ての幾つか毎の分子層の間でパルス化されて、生成される層の中に金属を組み込むことができ、又は、より厚い金属層が、第1及び/又は第2の分子層の1以上の層の上に任意の回数だけ生成されてよい。これにより、下層の材料を少なくとも部分的に積層して、反応性エッチング中に保護を提供することができる。保護層の形成における任意の数の組み合わせ又はバリエーションが、本技術によって包含される。それらは、任意の順序で、任意のサイクル数で、又は任意の態様で実行され得ることを理解されたい。複数の工程は、特定の順序で図示されているが、工程215から230のいずれも、任意の順序、任意の回数で実行されてよいことを理解されたい。
【0044】
[0046] 所望の厚さに応じて、サイクルは約2回以上繰り返されてよく、約5回以上、約10回以上、約25回以上、約50回以上、約100回以上、又はそれより多く繰り返されてよい。これにより、構造の露出された各層にある露出された窒化ケイ素の上に炭素含有層が成長し得る。数十オングストローム以下までしか生成できない可能性のある自己組織化単分子膜とは異なり、本技術の幾つかの実施形態の炭素含有材料は、約1nm以上の厚さに形成されてよく、5nm以上、10nm以上、15nm以上、20nm以上、50nm以上、75nm以上、100nm以上、又はそれより上の厚さに形成されてよい。
【0045】
[0047] 炭素含有材料の層が、以前に露出された上に重なる窒化ケイ素材料上に形成されると、方法200は、後続のエッチングプロセスを含んでよい。例えば、基板が以前の工程で移動された場合、基板は、エッチングチャンバに戻されてよく、エッチングプロセスが再開されて、工程235において、誘電材料の残りの部分をエッチングすることができる。これにより、各コンタクト開孔位置における誘電材料を完全に通してエッチングして、スタック全体を通して各層対にある窒化物を露出させることができる。図3Eで示されているように、エッチングプロセスは、誘電材料の残りの部分を完全に通して延伸してよく、上側層上に生成された保護層を通して少なくとも部分的にエッチングする可能性がある。幾つかの実施形態では、エッチングが、1以上の場所において保護材料330を完全に除去してよいが、図示されているように、幾つかの部分は、各層にある窒化ケイ素の部分に沿って残ってよい。エッチングされた層の数に応じて、幾つかの実施形態では、保護層が、第2のエッチングの後で且つ第3のエッチングの前に改質されてよい。これにより、最上層にある材料を改質することができ、また、第2のエッチング中に露出した中間レベルの層において保護層を形成することができる。任意の数のエッチング及び保護層形成シーケンスが、基板を露出させる前に実行されてよい。
【0046】
[0048] 炭素含有材料が、エッチングプロセスが完了した後で残っている場合、残っている材料は、任意選択的な工程240において除去されてよい。各コンタクト開孔にある窒化ケイ素に接触し得る分子層材料の特性を利用することによって、層のスタックへの損傷を抑えながら除去又は剥離を実行することができる。例えば、酸化剤を処理領域に供給して炭素含有材料と反応させ、炭素含有材料を除去するのに十分な量をエッチングすることができる。酸化は、酸素含有前駆体を提供し、プラズマを生成して酸素ラジカル種を生成し、炭素含有材料をエッチングし得ることなどにより、プラズマで促進することができる。更に、炭素含有材料を除去するためにオゾン又は何らかの他の反応性材料を使用することができ、それは、プラズマによる促進でなくてもよく、構造を通る更に露出される材料への更なる損傷を抑えることができる。
【0047】
[0049] 除去プロセスはまた、アニールで炭素含有材料を剥離させるために行われてもよい。炭素含有材料は、自己組織化単分子膜材料よりも熱的に安定しているかもしれないが、それでも十分な温度で分解する可能性がある。したがって、幾つかの実施形態では、材料が、約200℃以上のアニールに曝露されてよく、約250℃以上、約300℃以上、約350℃以上、約400℃以上、約450℃以上、約500℃以上、約550℃以上、約600℃以上、又はそれより上のアニールに曝露されてよい。アニールを実行することによって、下層にある窒化ケイ素の露出された部分は、更なるプラズマ種によって損傷を受けず、又は除去中に酸化されないかもしれない。図3Fで示されているように、炭素含有材料が除去されると、構造は、階段構造の全体を通して材料の各層対に対するコンタクトアクセスを提供してよい。
【0048】
[0050] 材料の堆積温度は、露出された窒化ケイ素材料上の堆積に影響を与え、ならびにコンフォーマルカバレッジの程度に影響を与える可能性がある。例えば、温度が低いと分子堆積種の滞留時間が長くなり、誘電材料上の堆積を増加させる可能性がある。更に、幾つかの材料は、堆積中に流れ易く、露出した窒化ケイ素におけるコンタクトアクセスを充填するのに役立つ可能性がある。したがって、幾つかの実施形態では、炭素含有材料を形成することが、約200℃以下の基板温度で供給される特定の材料を含んでよく、プロセスは、約190℃以下、約180℃以下、約170℃以下、約160℃以下、約150℃以下、約140℃以下、約130℃以下、約120℃以下、約110℃以下、約100℃以下、約90℃以下、約80℃以下、約70℃以下、又はそれより下の温度で実行されてよい。
【0049】
[0051] 炭素含有層の形成は、長鎖の生成を促進する材料によって特徴付けられる分子堆積種を利用してよく、これは、形成温度において金属含有材料と選択的に結合し得る。例えば、第1の分子種は、誘電材料との相互作用を制限し得る高温を利用することにより、短縮された滞留時間中に、露出した金属含有材料とより容易に結合又は接合し得る頭部基によって特徴付けられてよい。金属含有材料との結合を促進するために、第1の分子種は、第一級のアミン部分を含むアミン、スルフヒドリル基などのチオール、カルボキシル基、若しくはヒドロキシル基などの、頭部基又は官能基を含んでよい。更に、頭部基は、ジオール、ジアミン、ジチオール、又は他の多官能性材料などの、二官能性若しくは多官能性材料を含んでよい。第1の分子種の非限定的な例としては、エチレンジアミン、フェニレンジアミン、窒素のプラズマ又は窒素含有材料、例えばアンモニア、トリス(2-アミノエチル)アミン、又はアミンヘッド若しくはテール部分を含む任意の数の他の材料が挙げられる。
【0050】
[0052] 第2の分子種は、第1の分子種の頭部基との相互作用を促進する1以上の基を含んでよい。例えば、第2の分子種は、塩化アシル、アルデヒド、イソシアネート、又は任意の数の他の酸素含有官能基などの、酸素を含む官能基によって特徴付けられてよい。更に、第2の分子種の頭部基は、ジアルデヒド、ジ塩化アシル、ジアンヒドリド、ジイソシアント、又は他の多官能性物質などの、二官能性若しくは多官能性基を含んでよい。第2の分子種の非限定的な例としては、フェニレンジイソシアネート、塩化テレフタロイル、テレフタルアルデヒド、又は任意の数の他の酸素含有材料が挙げられる。
【0051】
[0053] 金属組み込みに利用される分子種は、組み込みが実行されると、アルミニウム、チタン、亜鉛、ハフニウム、ジルコニウムなどの任意の数の金属、又は任意の数の更なる金属を含んでよい。金属種の非限定的な例としては、任意の数の更なる金属含有材料の中でもとりわけ、トリメチルアルミニウム、四塩化チタン、ジエチル亜鉛、テトラキス(ジメチルアミノ)ハフニウム、ジルコニウムtert-ブトキシドが挙げられる。酸化剤が含まれる場合、酸化剤には、水蒸気、酸素、オゾン、エチレングリコール、又は任意の数の酸素含有材料が含まれてよい。本技術の幾つかの実施形態に従って分子層堆積により保護層を生成することによって、コンタクトアクセスの形成が改善される可能性があり、これにより、下側層へのアクセスが依然として形成される間に、上側層における窒化ケイ素の過剰エッチングなどの効果を抑えることができる。
【0052】
[0054] 前述の記載では、説明を目的として、本技術の様々な実施形態の理解を促すために、数々の詳細が提示されている。しかし、当業者には、これらの詳細のうちの一部がなくても、或いは、追加の詳細があれば、特定の実施形態を実施することができることは明らかであろう。
【0053】
[0055] 幾つかの実施形態を開示したが、当業者は、実施形態の精神から逸脱することなく、様々な修正例、代替構造物、及び均等物を使用できることを認識されよう。更に、幾つかの周知の処理及び要素は、本技術を不必要に不明瞭にすることを避けるために説明されていない。したがって、上記の説明は、本技術の範囲を限定するものと解釈すべきでない。更に、方法又は処理は、連続的又は段階的に説明され得るが、工程は、同時に行われてもよく、又は、記載よりも異なる順序で行われてもよいことを理解するべきである。
【0054】
[0056] 値の範囲が提供されている場合、文脈上そうでないと明示されていない限り、当然ながら、その範囲の上限値と下限値との間の各介在値は、下限値の最も小さい単位まで具体的に開示されている。記載された範囲の任意の記載値又は記載されていない介在値の間の任意の小さい範囲、そしてその記載範囲のその他の任意の記載された値又は介在する値も含まれる。これら小さい範囲の上限及び下限は、その範囲に個々に含まれ、又はその範囲から除外される場合があり、小さい範囲に限界値の何れかが含まれる、どちらも含まれない、又は両方が含まれる各範囲もまた、記載された範囲における明確に除外される任意の限界値を条件として、この技術範囲に包含される。記載された範囲が、限界値の片方又は両方を含む場合、これらの含められた限界値のいずれか又は両方を除外する範囲も含まれる。
【0055】
[0057] 本明細書及び特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が他のことを明らかに示していない限り、複数の参照対象を含む。したがって、例えば、「ある前駆体(a precursor)」への言及は、複数のこのような前駆体を含み、「その層(the layer)」への言及は、当業者に知られている1つ又は複数の層及びその均等物への言及を含み、その他の形にも同様のことが当てはまる。
【0056】
[0058] また、「備える(comprise(s))」、「備えている(comprising)」、「含有する(contain(s))」、「含有している(containing)」、「含む(include(s))」、及び「含んでいる(including)」という用語は、本明細書及び特許請求の範囲で使用された場合、記載された特徴、整数、構成要素、又はステップの存在を特定することを意図しているが、1以上のその他の特徴、整数、構成要素、工程、動作、又は群の存在若しくは追加を除外するものではない。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
【国際調査報告】