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特表2024-532377半導体製造装置の適応トラブルシューティングのためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】半導体製造装置の適応トラブルシューティングのためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20240829BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513186
(86)(22)【出願日】2022-08-26
(85)【翻訳文提出日】2024-04-24
(86)【国際出願番号】 US2022041749
(87)【国際公開番号】W WO2023028345
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】17/459,433
(32)【優先日】2021-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100176418
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】ガドレ ミリンド ジェイラム
(72)【発明者】
【氏名】クマール プラシャンス
(57)【要約】
システムは、メモリデバイスに動作可能に結合された処理装置を含み、基板の表面に膜を堆積させるためにプロセスチャンバ内で方策に従って実行される堆積プロセスに関連付けられた複数のセンサ値を取得するステップと、複数のセンサ値に基づいて製造データグラフを生成するステップと、ユーザインターフェースを介して、製造グラフ上のデータ点の選択を受信するステップと、データ点に関連付けられた障害データを受信するステップと、製造データグラフを提示するユーザインターフェースを介してアクセスできるように障害データをデータ構造に記憶するステップと、を含む動作を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリと、
メモリデバイスに動作可能に結合された処理装置であって、
基板の表面に膜を堆積させるためにプロセスチャンバ内で方策に従って実行される堆積プロセスに関連付けられた複数のセンサ値を取得するステップ、
前記複数のセンサ値に基づいて製造データグラフを生成するステップ、
ユーザインターフェースを介して、前記製造データグラフ上のデータ点の選択を受信するステップ、
前記データ点に関連付けられた障害データを受信するステップ、および
前記製造データグラフを提示する前記ユーザインターフェースを介してアクセスできるように、前記障害データをデータ構造に記憶するステップ
を含む動作を実行する、処理装置と、
を備える、システム。
【請求項2】
前記処理装置が、
機械学習モデルを訓練するために、前記製造データグラフに関連付けられたテーブルから障害データを抽出するステップ
を含む動作をさらに実行する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記障害データが自然言語処理を使用して抽出される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記処理装置が、
前記製造データグラフ上の前記データ点の前記選択を受信すると、前記データ点に対するチケットを生成するステップ
を含む動作をさらに実行する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記処理装置が、
前記データ点に関連付けられたメタデータを自動的に生成するステップ
を含む動作をさらに実行する、
請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記チケットが前記製造データグラフのスクリーンショットへのハイパーリンクを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記処理装置が、
障害データに関連付けられたユーザ入力のためのフィールドを提供するステップ
を含む動作をさらに実行する、
請求項4に記載のシステム。
【請求項8】
前記処理装置が、
前記製造データグラフに関連付けられたデータに基づいて機械学習モデルを訓練するステップ
を含む動作をさらに実行する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記機械学習モデルが前記サブシステムの障害を示す出力を生成するように訓練されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記機械学習モデルが前記サブシステムの前記障害に基づいて是正措置を示すように訓練されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
プロセッサによって、基板の表面に膜を堆積させるためにプロセスチャンバ内で方策に従って実行される堆積プロセスに関連付けられた複数のセンサ値を取得するステップと、
前記複数のセンサ値に基づいて製造グラフを生成するステップと、
ユーザインターフェースを介して、前記製造データグラフ上のデータ点の選択を受信するステップと、
前記データ点に関連付けられた障害データを受信するステップと、
前記製造データグラフを提示する前記ユーザインターフェースを介してアクセスできるように、前記障害データをデータ構造に記憶するステップと、
を含む方法。
【請求項12】
前記処理装置が、
機械学習モデルを訓練するために、前記製造データグラフに関連付けられたテーブルから障害データを抽出するステップ
を含む動作をさらに実行する、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記障害データが自然言語処理を使用して抽出される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記製造データグラフ上の前記データ点の前記選択を受信すると、前記データ点に対するチケットを生成するステップ
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記データ点に関連付けられたメタデータを自動的に生成するステップと、
障害データに関連付けられたユーザ入力のためのフィールドを提供するステップと、
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記製造データグラフに関連付けられたデータに基づいて機械学習モデルを訓練するステップ
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記機械学習モデルが前記サブシステムの障害を示す出力を生成するように訓練されている、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記機械学習モデルが前記サブシステムの前記障害に基づいて是正措置を示すように訓練されている、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
プロセッサによって、基板の表面に膜を堆積させるためにプロセスチャンバ内で方策に従って実行される堆積プロセスに関連付けられた複数のセンサ値を取得するステップと、
前記複数のセンサ値に機械学習モデルを適用するステップであって、前記機械学習モデルが前記プロセスチャンバのサブシステムの過去のセンサデータと、前記膜を堆積させるための前記方策に関連付けられたタスクデータとに基づいて訓練される、適用するステップと、
前記機械学習モデルの出力を生成するステップであって、前記出力が前記サブシステムの障害のタイプを示す、生成するステップと、
前記サブシステムの前記障害のタイプに基づいて是正措置を生成するステップと、
を含む、方法。
【請求項20】
前記機械学習モデルが製造データグラフのデータ点に関連付けられた障害データを使用して訓練される、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、電気部品に関し、より詳細には、半導体製造装置の適応トラブルシューティングを実行することに関する。
【背景技術】
【0002】
製品は、製造装置を使用して1つまたは複数の製造プロセスを実行することによって生産されることがある。例えば、半導体製造プロセスを介して半導体デバイス(例えば、基板、ウエハなど)を製造するために半導体製造装置が使用されることがある。製造装置は、基板の表面に膜の複数の層を堆積させることができ、エッチングプロセスを実行して、堆積させた膜に複雑なパターンを形成することができる。例えば、製造装置は、化学気相堆積(CVD)プロセスを実行して、基板に別の層を堆積させることができる。センサを使用して、製造プロセス中の製造装置の製造パラメータを決定することができ、計測装置を使用して、基板上の層の全体的な厚さなどの、製造装置によって製造された製品の特性データを決定することができる。一般に、製造装置は、個々のセンサをモニタして、堆積プロセス中の問題を検出することができる。しかしながら、個々のセンサをモニタしても、製造装置の様々なサブシステムの全体的な健全性を示すものではないため、状態の劣化が検出されずに放置され、大幅なダウンタイムや修理時間につながる可能性がある。したがって、製造プロセス中に各サブシステムの全体的なシステム健全性を示すメトリクスを生成することができるシステムが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以下は、本開示の一部の態様の基本的な理解を提供するための、本開示の簡略化された概要である。この概要は、本開示の広範な概要ではない。本開示の主要または重要な要素を識別することも、本開示の特定の実装形態の範囲または特許請求の範囲を線引きすることも意図されていない。その唯一の目的は、後に提示されるより詳細な説明の前置きとして、簡略化された形態で本開示のいくつかの概念を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一態様では、システムは、メモリと、メモリデバイスに動作可能に結合された処理装置とを含み、プロセスチャンバにおいて、方策に従って実行される堆積プロセスに関連付けられた複数のセンサ値を取得することを含む動作を実行して、基板の表面に膜を堆積させる。処理装置は、複数のセンサ値に基づいて製造グラフを生成することを含む動作をさらに実行する。処理装置は、ユーザインターフェースを介して、製造データグラフ上のデータ点の選択を受信することを含む動作をさらに実行する。処理装置は、データ点に関連付けられた障害データを受信することと、製造データグラフを提示するユーザインターフェースを介してアクセス可能なように障害データをデータ構造に記憶することとを含む動作をさらに実行する。
【0005】
本開示の別の態様では、方法は、基板の表面に膜を堆積させるためのプロセスチャンバにおいて、方策に従って実行される堆積プロセスに関連付けられた複数のセンサ値を取得することを含む。本方法は、複数のセンサ値に基づいて製造グラフを生成することをさらに含む。本方法は、ユーザインターフェースを介して、製造データグラフ上のデータ点の選択を受信することをさらに含む。本方法は、データ点に関連付けられた障害データを受信することと、製造データグラフを提示するユーザインターフェースを介してアクセス可能なように障害データをデータ構造に記憶することとをさらに含む。
【0006】
本開示の別の態様では、方法は、基板の表面に膜を堆積させるためのプロセスチャンバにおいて、方策に従って実行される堆積プロセスに関連付けられた複数のセンサ値をプロセッサによって取得することを含む。本方法は、機械学習モデルを複数のセンサ値に適用することをさらに含み、機械学習モデルは、プロセスチャンバのサブシステムの過去のセンサデータと、膜を堆積させるための方策に関連付けられたタスクデータとに基づいて訓練される。本方法は、機械学習モデルの出力を生成することをさらに含み、出力は、サブシステムの障害のタイプを示す。本方法は、サブシステムの障害のタイプを判定することと、障害のタイプに基づいて是正措置を生成することとをさらに含む。
【0007】
本開示は、添付の図面の図において、限定としてではなく、例として示される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】特定の実施形態による、例示的なシステムアーキテクチャを示すブロック図である。
図2】特定の実施形態による、機械学習モデルを訓練するための方法のフロー図である。
図3】特定の実施形態による、例示的な製造システムの上面概略図である。
図4】特定の実施形態による、例示的な製造システムの例示的なプロセスチャンバの断面概略側面図である。
図5A】本開示の態様による、製造データグラフの例示的な図である。
図5B】本開示の態様による、製造データグラフの例示的な図である。
図6A】本開示の態様による、表現サーバによって維持される例示的なメタデータを概略的に示す図である。
図6B】本開示の態様による、表現サーバによって維持される例示的な障害データを概略的に示す図である。
図7】特定実施形態による、機械学習モデルを使用して、プロセスチャンバサブシステムの障害のタイプを判定するための方法のフロー図である。
図8】特定の実施形態による、コンピュータシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
半導体製造装置の適応トラブルシューティングを実行するシステムおよび方法を対象とする技術が本明細書に記載される。膜は、製造システムのプロセスチャンバで実行される堆積プロセス(例えば、堆積(CVD)プロセス、原子層堆積(ALD)プロセスなど)中に基板の表面に堆積させることができる。例えば、CVDプロセスにおいて、基板は、基板表面上で反応して所望の堆積物を生成する1つまたは複数の前駆体に曝露される。膜は、堆積プロセス中に形成される材料の1つまたは複数の層を含むことができ、各層は、特定の厚さ勾配(例えば、堆積膜の層に沿った厚さの変化)を含むことができる。例えば、第1の層は、基板の表面に直接形成され(膜の近位層または近位端と呼ばれる)、第1の厚さを有することができる。第1の層が基板の表面に形成された後、第2の厚さを有する第2の層を第1の層上に形成することができる。このプロセスは、堆積プロセスが完了し、膜の最終層(膜の遠位層または遠位端と呼ばれる)が形成されるまで続く。膜は、異なる材料の交互層を含むことができる。例えば、膜は、酸化物層と窒化物層との交互層(酸化物-窒化物-酸化物-窒化物スタックまたはONONスタック)、酸化物層とポリシリコン層との交互層(酸化物-ポリシリコン-酸化物-ポリシリコンスタックまたはOPOPスタック)などを含むことができる。膜は、例えば、基板の表面にパターンを形成するためのエッチングプロセス、膜の表面を平滑化するための化学機械研磨(CMP)プロセス、または完成した基板を製造するために必要な任意の他のプロセスに供され得る。
【0010】
プロセスチャンバは、各基板製造プロセス(例えば、堆積プロセス、エッチングプロセス、研磨プロセスなど)中に動作する複数のサブシステムを有することができる。サブシステムは、プロセスチャンバの動作パラメータに関連する一組のセンサとして特徴付けることができる。動作パラメータは、温度、流量、圧力などとすることができる。一例では、圧力サブシステムは、ガス流、チャンバ圧力、制御弁角度、フォアライン(ポンプ間の真空ライン)圧力、ポンプ速度などを測定する1つまたは複数のセンサによって特徴付けることができる。したがって、プロセスチャンバは、圧力サブシステム、流量サブシステム、温度サブシステムなどを含むことができる。各サブシステムは、劣化し、最適な性能条件から逸脱する可能性があり、および/または1つまたは複数の構成要素に障害が発生する可能性がある。例えば、圧力サブシステムは、ポンプ障害または故障、制御弁障害または故障などのうちの1つまたは複数に起因して、圧力の低下が生じる可能性がある。
【0011】
既存のシステムは、単一センサ値の限界チェックを使用してプロセスチャンバ内の障害または故障を検出している。例えば、既存のシステムは、センサ値が所定のしきい値を下回るか、または上回るか(例えば、温度センサが事前設定温度しきい値を上回るか)をモニタすることができ、それに応じて、オペレータは、手動で点検および調査することがある。しかしながら、所定のしきい値を下回るか、または上回るセンサ値は、サブシステムの根本的な問題を示していない可能性がある。さらに、複数のセンサに障害を発生しているサブシステムは、関係のない問題(例えば、ケーブル接続不良によるポンプ出力の低下)を示す可能性がある。このため、障害の原因を特定しようとしている間に、オペレータが動作部品を不必要に交換する可能性がある。
【0012】
本開示の態様および実施態様は、診断を提供することが可能な機械学習モデルを訓練するための製造データグラフを生成および更新することによって、既存の技術のこれらおよび他の欠点に対処する。特に、本開示のシステムは、基板の表面に膜を堆積させるためにプロセスチャンバにおいて行われた以前の堆積プロセスに関連付けられた(および/またはエッチングプロセス、研磨プロセスなどの他のプロセスに関連付けられた)製造データを取得する。製造データは、センサデータ(例えば、プロセスチャンバのサブシステムに関連付けられたセンサ値)、計測データ、タスクデータ(膜を堆積させ、膜をエッチングするためのプロセス方策に関連付けられたデータなど)、試験データなどを含むことができる。次いで、システムは、製造データグラフを生成し、ユーザインターフェース上に表示することができる。
【0013】
製造データグラフは、棒グラフ、折れ線グラフ、散布図、または製造関連データを視覚的に表示することができる任意の他のタイプのグラフとすることができる。製造データグラフは、プロセスチャンバ、プロセス方策、プロセス方策のステップ、センサなどに関連するデータを表示することができる。例えば、製造データグラフは、製造プロセスの異なるステップに関連付けられた1つまたは複数のセンサからのセンサデータを経時的に表示することができる(例えば、トレースビュー)。より具体的には、一例として、製造データグラフは、堆積プロセスの各ステップ(例えば、基板に堆積させた膜の各層)の経時的な圧力値を表示することができる。
【0014】
各ステップについて、システムは、関連するデータ(メタデータ、プロセス方策データ、限界データなど)を関連付けまたは相関させることができる。例えば、プロセス方策のステップについて、システムは、プロセスチャンバ識別子、プロセス方策識別子、サブシステムタイプ(例えば、圧力、流量など)、オペレータ名、日付および/または時間などのメタデータを関連付けることができる。ユーザインターフェースを介して、オペレータは、製造データグラフから特定のデータ点を選択し、関連データを閲覧することができる。
【0015】
ユーザインターフェースは、オペレータに発券ツールをさらに提供することができる。発券ツールにより、オペレータは、ステップに関連付けられた疑わしい障害または故障のチケット(ケースファイル)を開くことができる。例えば、オペレータは、特定のステップ中の圧力のスパイクに気付き、製造データグラフから前記ステップ(または前記ステップのデータ点)を選択し、そのステップのチケットを開くことができる。ユーザインターフェースは、チケットページ(例えば、アプリケーションページ、ブラウザページなど)を表示することができ、これにより、オペレータは、ステップまたはデータ点に関連付けられたメタデータを閲覧し、そのステップに関する障害データを入力(ログ)することができる。一例では、システムは、オペレータに、障害または故障の説明、障害または故障の考えられる根本原因、障害または故障を修正するための推奨される是正措置などを入力するように促すことができる。例えば、オペレータは、製造データグラフ上で圧力スパイクを示すデータ点を選択し、チケットページ上で、故障が異常な圧力スパイクであること、考えられる根本原因がガスバースト問題であること、および推奨される是正措置が較正であることを入力することができる。各チケットは、将来のアクセスまたは参照のためにシステムによって記憶することができる。例えば、オペレータは、別のステップで圧力スパイクに気付き、ユーザインターフェースを介して、圧力スパイクに基づいてチケットをフィルタリングまたはソートすることができる。次いで、オペレータは、同様のチケットを開いて、ログに記録された障害データを使用して、考えられる根本原因および推奨される是正措置を決定することができる。
【0016】
一部の実施形態では、システムは、疑わしい障害または故障を示す予測データを生成するように訓練された機械学習モデルをさらに提供し、疑わしい障害または故障に基づいて是正措置を推奨することができる。例示的な例では、システムは、センサデータをタスクデータにマッピングして、訓練セットを生成することができる。次いで、システムは、訓練セットを使用して機械学習モデルを訓練して、サブシステムの予想センサ値を示すデータを提供することができる。次いで、システムは、製造データグラフからのデータを用いて機械学習モデルを精緻化して、機械学習モデルが疑わしい障害または故障を示すセンサデータ(または他の製造データ)を識別できるようにすることができる。次いで、機械学習モデルは、推奨される是正措置を示すことができる。例えば、システムは、機械学習モデルを現在のセンサ値に適用して、故障または障害の検出に応答して、提案される是正措置を決定することができる。一部の実施形態では、機械学習モデルからの出力は、プロセスチャンバサブシステムと関連付けられた故障パターンを示す値を含むことができる。次いで、システムは、故障パターンを既知の故障パターンのライブラリと比較して、サブシステムで発生した障害のタイプ、障害の根本原因、故障を修正するための推奨される是正措置などを決定することができる。一部の実施形態では、システムは、製造データグラフから障害データを抽出し、障害データを故障パターンと関連付けることによって、ライブラリを維持することができる。システムは、例えば、自然言語処理を使用して障害データを抽出することができる。一部の実施形態では、システムは、故障パターンに基づいて、堆積プロセス方策の1つまたは複数のパラメータ(例えば、プロセスチャンバの温度設定、プロセスチャンバの圧力設定、基板表面に堆積させた膜に含まれる材料の前駆体の流量設定など)を調整し、プロセスチャンバサブシステムの1つまたは複数の構成要素(例えば、センサ、ポンプ、装置、ツールなど)を交換し、洗浄を行うなどの是正措置を実行および/または推奨する。
【0017】
本開示の態様は、基板の製造中にプロセスチャンバサブシステムの障害および故障を検出ならびに診断するのに必要な時間を大幅に短縮し、エネルギー消費を改善するなどの技術的利点をもたらす。本開示の態様によって、診断データが生成され、是正措置を実行され、一貫性のない異常な製品およびスケジュールされていないダウンタイムを回避することも可能となる。
【0018】
図1は、本開示の態様による、例示的なコンピュータシステムアーキテクチャ100を示す。一部の実施形態では、コンピュータシステムアーキテクチャ100は、図3の製造システム300などの、基板を処理するための製造システムの一部として含まれ得る。コンピュータシステムアーキテクチャ100は、クライアントデバイス120と、製造装置124と、計測装置128と、予測サーバ112(例えば、予測データを生成する、モデル適応を提供する、知識ベースを使用するなどのための)と、表現サーバ116(例えば、製造データグラフを生成および提供する、発券ツールを提供するなどのための)と、データストア140とを含む。予測サーバ112および代表サーバ116は、予測システム110の一部であり得る。予測システム110は、サーバマシン170および180をさらに含むことができる。製造装置124は、製造システムで処理されている基板のデータを取り込むように構成されたセンサ126を含むことができる。一部の実施形態では、製造装置124およびセンサ126は、センササーバ(例えば、製造施設におけるフィールドサービスサーバ(FSS))およびセンサ識別子リーダ(例えば、センサシステム用の前方開口型統一ポッド(FOUP)の高周波識別(RFID)リーダ)を含む、センサシステムの一部であり得る。一部の実施形態では、計測装置128は、計測サーバ(例えば、計測データベース、計測フォルダなど)および計測識別子リーダ(例えば、計測システム用のFOUP RFIDリーダ)を含む計測システムの一部であり得る。
【0019】
製造装置124は、方策に従って、またはある期間にわたって運転を行って電子機器などの製品を生産することができる。製造装置124は、図4に関して説明したプロセスチャンバ400などのプロセスチャンバを含むことができる。製造装置124は、プロセスチャンバで基板(例えば、ウエハなど)のプロセスを実行することができる。基板プロセスの例としては、基板の表面に1つまたは複数の層を堆積させる堆積プロセス、基板の表面にパターンを形成するエッチングプロセスなどが挙げられる。製造装置124は、プロセス方策に従って各プロセスを実行することができる。プロセス方策は、プロセス中に基板に対して行われる特定の一連の操作を定義し、各操作に関連付けられた1つまたは複数の設定を含むことができる。例えば、堆積プロセス方策は、プロセスチャンバの温度設定、プロセスチャンバの圧力設定、基板表面に堆積させる膜に含まれる材料の前駆体の流量設定などを含むことができる。
【0020】
一部の実施形態では、製造装置124は、製造システム100で処理される基板に関連付けられたデータを生成するように構成されたセンサ126を含む。例えば、プロセスチャンバは、基板に対してプロセス(例えば、堆積プロセス)が実行される前、実行中、および/または実行後に、基板に関連付けられたスペクトルデータまたは非スペクトルデータを生成するように構成された1つまたは複数のセンサを含むことができる。一部の実施形態では、センサ126によって生成されたスペクトルデータは、基板の表面に堆積させた1つまたは複数の材料の濃度を示すことができる。基板に関連付けられたスペクトルデータを生成するように構成されたセンサ126には、反射率センサ、エリプソメトリセンサ、熱スペクトルセンサ、容量性センサなどが含まれ得る。基板に関連付けられた非スペクトルデータを生成するように構成されたセンサ126には、温度センサ、圧力センサ、流量センサ、電圧センサなどが含まれ得る。製造装置124に関するさらなる詳細は、図3および図4に関して提供される。
【0021】
一部の実施形態では、センサ126は、製造装置124に関連付けられた(例えば、製造装置124によって、ウエハなどの対応する製品を生産することに関連付けられた)センサデータ(例えば、センサ値、特徴、トレースデータ)を提供する。製造装置124は、方策に従って、またはある期間にわたって運転を実行して製品を生産することができる。(例えば、方策または運転の少なくとも一部に対応する)ある期間にわたって受信されたセンサデータは、経時的に異なるセンサ126から受信されたトレースデータ(例えば、過去のトレースデータ、現在のトレースデータなど)と呼ばれることがある。センサデータは、温度(例えば、ヒータ温度)、間隔(SP)、圧力、高周波数無線周波数(HFRF)、静電チャック(ESC)の電圧、電流、材料流、電力、電圧などのうちの1つまたは複数の値を含むことができる。センサデータは、製造装置124の設定または構成要素(例えば、サイズ、タイプなど)などのハードウェアパラメータ、または製造装置124のプロセスパラメータなどの製造パラメータと関連付けられ、またはそれを示すことができる。センサデータは、製造装置124が製造プロセスを実行している間に提供され得る(例えば、製品を処理する際の装置の読み取り値)。センサデータは、基板ごとに異なり得る。
【0022】
計測装置128は、製造装置124によって処理された基板に関連付けられた計測データを提供することができる。計測データは、膜特性データ(例えば、ウエハ空間膜特性)、寸法(例えば、厚さ、高さなど)、誘電率、ドーパント濃度、密度、欠陥などの値を含むことができる。一部の実施形態では、計測データは、1つまたは複数の表面プロファイル特性データ(例えば、エッチング速度、エッチング速度の均一性、基板の表面に含まれる1つまたは複数の特徴の限界寸法、基板の表面に全体わたる限界寸法の均一性、エッジ配置誤差など)の値をさらに含むことができる。計測データは、完成品または半完成品のものとすることができる。計測データは、基板ごとに異なり得る。計測データは、例えば、反射率測定技術、偏光解析技術、TEM技術などを使用して生成することができる。
【0023】
一部の実施形態では、計測装置128は、製造装置124の一部として含まれ得る。例えば、計測装置128は、プロセスチャンバの内部に含まれ、またはプロセスチャンバに結合され、基板がプロセスチャンバ内に留まっている間に、プロセス(例えば、堆積プロセス、エッチングプロセスなど)の前、プロセス中、および/またはプロセス後に基板の計測データを生成するように構成され得る。このような例では、計測装置128は、インシトゥ計測装置と呼ばれ得る。別の例では、計測装置128は、製造装置124の別のステーションに結合することができる。例えば、計測装置は、図3の移送チャンバ310などの移送チャンバ、ロードロック320などのロードロック、またはファクトリインターフェース306などのファクトリインターフェースに結合することができる。このような場合、計測装置128は、統合計測装置と呼ばれ得る。他のまたは同様の実施形態では、計測装置128は、製造装置124のステーションに結合されていない。このような場合、計測装置128は、インライン計測装置または外部計測装置と呼ばれ得る。一部の実施形態では、統合計測装置および/またはインライン計測装置は、プロセスの前および/または後に基板の計測データを生成するように構成される。
【0024】
クライアントデバイス120は、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップ、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ネットブックコンピュータ、ネットワーク接続テレビジョン(「スマートTV」)、ネットワーク接続メディアプレーヤ(例えば、ブルーレイプレーヤ)、セットトップボックス、オーバーザトップ(OTT)ストリーミングデバイス、オペレータボックスなどのコンピューティングデバイスを含み得る。一部の実施形態では、計測データは、クライアントデバイス120から受信することができる。クライアントデバイス120は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を表示することができ、GUIにより、ユーザは、製造システムにおいて処理された基板の計測測定値を入力として提供することができる。クライアントデバイス120は、是正措置構成要素122を含むことができる。是正措置構成要素122は、製造装置124に関連付けられた指示のユーザ入力を(例えば、クライアントデバイス120上に表示されたグラフィカルユーザインターフェース(GUI)123を介して)受信することができる。一部の実施形態では、是正措置構成要素122は、予測システム110に指示を送信し、予測システム110から出力(例えば、予測データ)を受信し、出力に基づいて是正措置を決定し、是正措置を実施させる。一部の実施形態では、是正措置構成要素122は、予測システム110から是正措置の指示を受信し、是正措置を実施させる。各クライアントデバイス120は、ユーザが、データ(例えば、製造装置124に関連付けられた指示、製造装置124に関連付けられた是正措置など)を生成、閲覧、または編集することのうちの1つまたは複数を可能にするオペレーティングシステムを含んでもよい。
【0025】
データストア140は、メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ)、ドライブ(例えば、ハードドライブ、フラッシュドライブ)、データベースシステム、またはデータを記憶することが可能な別のタイプの構成要素もしくはデバイスとすることができる。データストア140は、複数のコンピューティングデバイス(例えば、複数のサーバコンピュータ)にまたがることができる複数のストレージ構成要素(例えば、複数のドライブまたは複数のデータベース)を含むことができる。データストア140は、製造装置124での基板の処理に関連付けられたデータを記憶することができる。例えば、データストア140は、基板プロセスの前、プロセス中、またはプロセス後に、製造装置124のセンサ126によって収集されたデータ(プロセスデータと呼ばれる)を記憶することができる。プロセスデータは、過去のプロセスデータ(例えば、製造システムで処理された以前の基板に対して生成されたプロセスデータ)および/または現在のプロセスデータ(例えば、製造システムで処理された現在の基板に対して生成されたプロセスデータ)を指すことができる。データストアはまた、製造装置124で処理された基板の一部に関連付けられたスペクトルデータまたは非スペクトルデータを記憶することもできる。スペクトルデータは、過去のスペクトルデータおよび/または現在のスペクトルデータを含むことができる。
【0026】
データストア140はまた、製造システムで処理される1つまたは複数の基板に関連付けられたコンテキストデータを記憶することもできる。コンテキストデータは、方策名、方策ステップ番号、予防保守インジケータ、オペレータなどを含むことができる。コンテキストデータは、過去のコンテキストデータ(例えば、以前の基板に対して実行された以前のプロセスに関連付けられたコンテキストデータ)および/または現在のプロセスデータ(例えば、以前の基板に対して実行された現在のプロセスまたは将来のプロセスに関連付けられたコンテキストデータ)を指すことができる。コンテキストデータは、プロセスチャンバの特定のサブシステムに関連付けられたセンサをさらに識別することができる。
【0027】
データストア140はまた、タスクデータを記憶することもできる。タスクデータは、堆積プロセス中に基板に対して実行される動作の1つまたは複数のセットを含むことができ、各動作に関連付けられた1つまたは複数の設定を含むことができる。例えば、堆積プロセスのタスクデータは、プロセスチャンバの温度設定、プロセスチャンバの圧力設定、基板に堆積させる膜の材料の前駆体の流量設定などを含むことができる。別の例では、タスクデータは、流量値に対して定義された圧力点での圧力を制御することを含むことができる。タスクデータは、過去のタスクデータ(例えば、以前の基板に対して実行された以前のプロセスに関連付けられたタスクデータ)および/または現在のタスクデータ(例えば、基板に対して実行される現在のプロセスまたは将来のプロセスに関連付けられたタスクデータ)を指すことができる。
【0028】
データストア140はまた、アラームデータを記憶することもできる。アラームデータは、1つもしくは複数のしきい値設定、基準、またはトリガを含むことができ、これらは故障、障害、および/またはその設定の限界を超える動作を示す。例えば、アラームデータは、所定のしきい値を上回るまたは下回る設定(例えば、温度設定、圧力設定、流量設定など)、ケーブルの接続不良、構成要素の機能不全などを示すことができる。
【0029】
一部の実施形態では、データストア140は、機能データを記憶することができる。機能データは、設置データ、接続データ、動作データ、ハードウェアデータ、ソフトウェアデータ、または製造装置の機械的および/または電気的性能に関する任意の他のデータを含むことができる。
【0030】
一部の実施形態では、データストア140はトラブルシューティングデータを記憶することができる。トラブルシューティングデータは、障害および/または故障を修正するための可能な措置を示すあらゆるタイプの修正データを含むことができる。修正データは、製造装置124に対して実施すべき保守措置を示唆することを示す保守データをさらに含むことができる。トラブルシューティングデータは、製造システム124の製造または較正中に生成することができる。一部の実施形態では、トラブルシューティングデータは、1つまたは複数の製造データグラフを含むことができる。製造データグラフは、診断データを提供するために使用することができ、および/または診断を提供することが可能な機械学習モデルを訓練するために使用することができる。
【0031】
製造データグラフは、棒グラフ、折れ線グラフ、散布図、または製造関連データを視覚的に表示することができる任意の他のタイプのグラフとすることができる。製造データグラフは、1つまたは複数のプロセスチャンバ、1つまたは複数のプロセス方策、プロセス方策の1つまたは複数のステップ、1つまたは複数のセンサなどに関連するデータを表示することができる。例えば、製造データグラフは、製造プロセスの異なるステップに関連付けられた1つまたは複数のセンサからのセンサデータを経時的に表示することができる(例えば、トレースビュー)。製造データグラフ上の各データ点または測定単位は、メタデータに関連付けることができる。メタデータは、GUI123で見ることができ、プロセスチャンバ識別子、プロセス方策識別子、サブシステムタイプ(例えば、加圧サブシステム)、オペレータ名、日付および/または時間、問題または故障の説明、故障の考えられる根本原因、故障を修正するための推奨是正措置、解決状況(例えば、オープン、進行中、未着手、クローズなど)、コメントなどを含むことができる。メタデータは、自動で、手動で、またはそれらの組合せで生成され得る。製造データグラフは、現在の製造データ(例えば、製造基板からのデータ)、オペレータ入力、ライブラリデータ、モデル190および/または予測サーバ112によって生成されたデータなどを使用して更新することができる。製造グラフデータについては、図5において以下でより詳細に説明する。
【0032】
一部の実施形態では、データストア140は、製造試験データおよび品質データを含むことができる。製造試験データは、製造装置124が製造プロセス中にどのように動作したか、効率データなどを示すことができる。品質データは、基板の品質に関連付けられたデータを含むことができる。品質データは、例えば、計測データに基づき、またはそれを含むことができる。
【0033】
一部の実施形態では、データストア140は、障害データを故障パターンに関連付ける故障ライブラリを含むことができる。故障ライブラリは、製造データグラフから障害データを抽出し、障害データを故障パターンと関連付けることによって、予測システム110(例えば、表現サーバ116)によって生成することができる。システムは、例えば、自然言語処理を使用して障害データを抽出することができる。故障ライブラリは、モデル190によって使用され、堆積プロセス方策の1つまたは複数のパラメータ(例えば、プロセスチャンバの温度設定、プロセスチャンバの圧力設定、基板表面に堆積させた膜に含まれる材料の前駆体の流量設定など)を調整し、プロセスチャンバサブシステムの1つまたは複数の構成要素(例えば、センサ、ポンプ、装置、ツールなど)を交換し、洗浄を行うなどの是正措置を提案することができる。
【0034】
一部の実施形態では、データストア140は、製造システムのユーザがアクセスできないデータを記憶するように構成することができる。例えば、製造システムで処理されている基板について取得されたプロセスデータ、スペクトルデータ、コンテキストデータ、製造試験データ、品質データなどは、製造システムのユーザ(例えば、オペレータ)はアクセスできない。一部の実施形態では、データストア140に記憶されたすべてのデータを製造システムのユーザがアクセスできないようにすることができる。他のまたは同様の実施形態では、データストア140に記憶されたデータの一部は、ユーザがアクセスできないようにすることができるが、データストア140に記憶されたデータの別の部分は、ユーザがアクセスできるようにすることができる。一部の実施形態では、データストア140に記憶されたデータの1つまたは複数の部分は、ユーザに知られていない暗号化メカニズムを使用して暗号化することができる(例えば、データは、プライベート暗号化キーを使用して暗号化される)。他のまたは同様の実施形態では、データストア140は、複数のデータストアを含むことができ、ユーザがアクセスできないデータは、1つまたは複数の第1のデータストアに記憶され、ユーザがアクセスできるデータは、1つまたは複数の第2のデータストアに記憶される。例えば、製造試験データおよび品質データは、ユーザがアクセスできない第1のデータストアに記憶することができ、プロセスデータ、スペクトルデータ、およびコンテキストデータは、ユーザがアクセスできる第2のデータベースに記憶することができる。
【0035】
一部の実施形態では、予測システム110は、表現サーバ116を含む。表現サーバ116は、製造データグラフを生成する(そしてGUI123に表示する)ことができる。製造データグラフは、棒グラフ、折れ線グラフ、散布図、またはデータストア140からのデータなどの製造関連データを視覚的に表示することができる任意の他のタイプのグラフとすることができる。製造データグラフは、製造装置124、プロセス方策、プロセス方策のステップ、センサ126などに関連するデータを表示することができる。一部の実施形態では、製造データグラフは、センサデータ、トレースデータ、計測データ、過去のデータ、スペクトルデータ、是正データ、限界データなどを表示することができる。表現サーバは、関連データ(メタデータ、プロセス方策データ、限界データ(例えば、圧力、流量などの許容可能なしきい値)など)を、製造データグラフのデータ点、製造データグラフのステップなどに関連付け、または相関させることができる。例えば、プロセス方策の各ステップについて、表現サーバ116は、プロセスチャンバ識別子、プロセス方策識別子、サブシステムタイプ(例えば、圧力、流量など)、オペレータ名、日付および/または時間などのメタデータを関連付けることができる。ユーザインターフェースを介して、オペレータは、製造データグラフから特定のデータ点を選択し、関連データを閲覧することができる。GUI123は、オペレータに発券ツールをさらに提供することができる。発券ツールにより、オペレータは、障害または故障が疑われる場合にチケット(ケースファイル)を開くことができる。製造データグラフに関するさらなる詳細は、図5Aおよび図5Bに関して提供される。
【0036】
一部の実施形態では、予測システム110は、予測サーバ112、サーバマシン170、およびサーバマシン180を含む。予測サーバ112、サーバマシン170、およびサーバマシン180はそれぞれ、ラックマウントサーバ、ルータコンピュータ、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ、メインフレームコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、グラフィックプロセッシングユニット(GPU)、アクセラレータ特定用途向け集積回路(ASIC)(例えば、テンソル処理ユニット(TPU))などの1つまたは複数のコンピューティングデバイスを含んでもよい。
【0037】
サーバマシン170は、機械学習モデル190を訓練、検証、および/または試験するための訓練データセット(例えば、データ入力のセットおよびターゲット出力のセット)を生成することができる訓練セット生成器172を含む。機械学習モデル190は、データから学習することが可能な任意のアルゴリズムモデルとすることができる。データセット生成器172の一部の動作については、図2に関して以下で詳細に説明する。一部の実施形態では、データセット生成器172を、訓練データを訓練セット、検証セット、および試験セットに分割することができる。一部の実施形態では、予測システム110は複数の訓練データセットを生成する。
【0038】
サーバマシン180は、訓練エンジン182、検証エンジン184、選択エンジン185、および/または試験エンジン186を含むことができる。エンジンとは、ハードウェア(例えば、回路、専用ロジック、プログラマブルロジック、マイクロコード、処理装置など)、ソフトウェア(処理装置、汎用コンピュータシステム、または専用マシン上で実行される命令など)、ファームウェア、マイクロコード、またはそれらの組合せを指すことができる。訓練エンジン182は、1つまたは複数の機械学習モデル190を訓練することができる。機械学習モデル190は、訓練入力および対応するターゲット出力(それぞれの訓練入力に対する正解)を含む訓練データ(本明細書では訓練セットとも呼ばれる)を使用して訓練エンジン182によって作成されるモデルアーチファクトを指すことができる。訓練エンジン182は、訓練入力をターゲット出力(予測される回答)にマッピングする訓練データのパターンを見つけ、これらのパターンを捕捉する機械学習モデル190を提供することができる。機械学習モデル190は、統計的モデリング、サポートベクターマシン(SVM)、放射基底関数(RBF)、クラスタリング、教師あり機械学習、半教師あり機械学習、教師なし機械学習、k最近傍アルゴリズム(k-NN)、線形回帰、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク(例えば、人工ニューラルネットワーク)などのうちの1つまたは複数を使用することができる。
【0039】
検証エンジン184は、訓練セット生成器172からの検証セットの対応する特徴のセットを使用して、機械学習モデル190を検証することができる可能性がある。検証エンジン184は、検証セットの特徴の対応するセットに基づいて機械学習モデル190の精度を決定することができる。検証エンジン184は、しきい値精度を満たさない精度を有する訓練された機械学習モデル190を破棄することができる。一部の実施形態では、選択エンジン185は、しきい値精度を満たす精度を有する訓練された機械学習モデル190を選択することができる可能性がある。一部の実施形態では、選択エンジン185は、訓練された機械学習モデル190のうち最も高い精度を有する訓練された機械学習モデル190を選択することができる可能性がある。
【0040】
試験エンジン186は、データセット生成器172からの試験セットの対応する特徴のセットを使用して、訓練された機械学習モデル190を試験することができる可能性がある。例えば、訓練セットの特徴の第1のセットを使用して訓練された第1の訓練された機械学習モデル190を、試験セットの特徴の第1のセットを使用して試験することができる。試験エンジン186は、試験セットに基づいて、すべての訓練された機械学習モデルのうち最も高い精度を有する訓練された機械学習モデル190を決定することができる。
【0041】
以下で詳細に説明されるように、予測サーバ112は、プロセスチャンバの各サブシステムのサブシステムの予想センサ値を示すデータを提供し、現在のセンサデータ入力に対して訓練された機械学習モデル190を実行して、1つまたは複数の出力を取得することができる予測構成要素114を含む。予測サーバ112は、疑わしい故障または障害を示すデータをさらに提供し、疑わしい故障または障害に基づいて是正措置を推奨するなどの診断を提供することができる。これについては、以下でさらに詳細に説明する。
【0042】
クライアントデバイス120、製造装置124、センサ126、計測装置128、予測サーバ112、表現サーバ116、データストア140、サーバマシン170、およびサーバマシン180は、ネットワーク130を介して互いに結合することができる。一部の実施形態では、ネットワーク130は、予測サーバ112、データストア140、および他の公的に利用可能なコンピューティングデバイスへのアクセスをクライアントデバイス120に提供するパブリックネットワークである。一部の実施形態では、ネットワーク130は、クライアントデバイス120に、製造装置124、計測装置128、データストア140、および他のプライベートに利用可能なコンピューティングデバイスへのアクセスを提供するプライベートネットワークである。ネットワーク130は、1つまたは複数のワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、有線ネットワーク(例えば、イーサネットネットワーク)、無線ネットワーク(例えば、802.11ネットワークまたはWi-Fiネットワーク)、セルラーネットワーク(例えば、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーク)、ルータ、ハブ、スイッチ、サーバコンピュータ、クラウドコンピューティングネットワーク、および/またはこれらの組合せを含むことができる。
【0043】
一部の他の実装形態では、サーバマシン170および180、ならびに予測サーバ112の機能は、より少ない数のマシンによって提供され得ることに留意されたい。例えば、一部の実施形態では、サーバマシン170および180を単一のマシンに統合することができ、一方、一部の他のまたは同様の実施形態では、サーバマシン170および180、ならびに予測サーバ112を単一のマシンに統合することができる。
【0044】
一般に、サーバマシン170、サーバマシン180、および/または予測サーバ112によって実行されるものとして一実施態様で説明される機能は、クライアントデバイス120上でも実行することができる。加えて、特定の構成要素に帰属する機能は、異なる構成要素または複数の構成要素が一緒に動作することによって実行することができる。
【0045】
実施形態において、「ユーザ」は、一人の個人として表すことができる。しかしながら、本開示の他の実施形態は、「ユーザ」が複数のユーザおよび/または自動化されたソースによって制御されるエンティティであることを包含する。例えば、管理者のグループとして連合した個々のユーザの集合は、「ユーザ」と考えることができる。
【0046】
図2は、本開示の態様による、機械学習モデルを訓練するための方法200の流れ図である。方法200は、ハードウェア(回路、専用ロジックなど)、ソフトウェア(汎用コンピュータシステムまたは専用マシン上で実行されるものなど)、ファームウェア、あるいはそれらの何らかの組合せを含むことができる処理ロジックによって実行される。一実施態様では、方法200は、図1のコンピュータシステムアーキテクチャ100などのコンピュータシステムによって実行され得る。他のまたは同様の実施態様では、方法200の1つまたは複数の動作は、図に示されていない1つまたは複数の他の機械によって実行され得る。一部の態様では、方法200の1つまたは複数の動作は、サーバマシン170、サーバマシン180、および/または予測サーバ112によって実行され得る。
【0047】
説明を簡単にするために、本方法は、一連の行為として示され、説明される。しかしながら、本開示による行為は、様々な順序で、および/または同時に、ならびに本明細書に提示および記載されていない他の行為とともに行われ得る。さらに、開示された主題に従って方法を実施するために、図示されたすべての行為を実行できるわけではない。さらに、当業者は、方法が、状態図またはイベントを介して、一連の相互に関連する状態として代替的に表され得ることを理解し、諒解されよう。さらに、本明細書で開示される方法は、このような方法をコンピューティングデバイスに移送および転送することを容易にするために、製造品に記憶することが可能であることを諒解されたい。本明細書で使用される製造品という用語は、任意のコンピュータ可読デバイスまたはストレージ媒体からアクセス可能なコンピュータプログラムを包含することが意図されている。
【0048】
ブロック210において、処理ロジックは、訓練セットTを空集合(例えば、{})に初期化する。
【0049】
ブロック212において、処理ロジックは、前の基板の表面に膜の1つまたは複数の層を堆積させるために実行された前の堆積プロセスに関連付けられたセンサデータ(例えば、センサ値、特徴、トレースデータ)を取得する。センサデータは、プロセスチャンバのサブシステムにさらに関連付けられ得る。サブシステムは、プロセスチャンバの動作パラメータに関連するセンサのセットとして特徴付けることができる。動作パラメータは、温度、流量、圧力などとすることができる。例えば、圧力サブシステムは、ガス流、チャンバ圧力、制御弁角度、フォアライン(ポンプ間の真空ライン)圧力、ポンプ速度などを測定する1つまたは複数のセンサによって特徴付けることができる。各プロセスチャンバは、圧力サブシステム、流量サブシステム、温度サブシステムなどの複数の異なるサブシステムを含むことができる。
【0050】
一部の実施形態では、堆積プロセスに関連付けられたセンサデータは、製造システムにおいて前の基板に対して以前に行われた前の堆積プロセスに対する1つまたは複数の前の堆積設定に関連付けられた過去のデータである。例えば、過去のデータは、データストア140に記憶された前の堆積プロセスに関連付けられた過去のコンテキストデータとすることができる。一部の実施形態では、1つまたは複数の前の堆積設定は、前の堆積プロセスのための前の温度設定、前の堆積設定のための前の圧力設定、前の基板の表面に堆積させた前の膜の1つまたは複数の材料のための前駆体のための前の流量設定、または堆積プロセスに関連付けられた任意の他の設定のうちの少なくとも1つを含むことができる。流量設定とは、前の堆積プロセスの初期段階における前駆体の流量設定(初期流量設定と呼ばれる)、前の堆積プロセスの最終段階における前駆体の流量設定(最終流量設定と呼ばれる)、または堆積プロセス中の前駆体の流量のランプレートを指すことができる。一例では、前の膜の前駆体は、ホウ素含有前駆体またはケイ素含有前駆体を含むことができる。一部の実施形態では、センサデータは、前の基板上で実行された前のエッチングプロセス、またはプロセスチャンバ内で実行された任意の他のプロセスに関連付けることもできる。
【0051】
ブロック214において、処理ロジックは、前の基板の表面に堆積させた膜の方策に関連付けられたタスクデータを取得する。例えば、タスクデータは、基板に堆積させる膜の材料の前駆体に必要な温度設定、圧力設定、流量設定などとすることができる。一部の実施形態では、タスクデータは、方策によって要求される制限を含むことができる。タスクデータは、前の基板の表面に堆積させた前の膜についての過去のタスクデータを含むことができる。一部の実施形態では、前の膜の過去のタスクデータは、前の膜の方策に関連付けられた過去のタスク値に対応することができる。処理ロジックは、前述の実施形態に従って、データストア140からタスクデータを取得することができる。
【0052】
ブロック216において、処理ロジックは、前の基板に対して実行された前の堆積プロセスに関連付けられた、取得されたセンサデータに基づいて第1の訓練データを生成する。ブロック218において、処理ロジックは、前の基板の表面に堆積させた膜の方策に関連付けられたタスクデータに基づいて、第2の訓練データを生成する。
【0053】
ブロック220において、処理ロジックは、第1の訓練データと第2の訓練データとの間のマッピングを生成する。マッピングとは、前の基板に対して実行された前の堆積プロセスのデータを含むかまたはそれに基づく第1の訓練データと、前の基板の表面に堆積させた膜の方策に関連付けられたタスクデータを含むかまたはそれに基づく第2の訓練データとを指し、第1の訓練データが第2の訓練データに関連付けられている(またはマッピングされている)。ブロック224において、処理ロジックは、マッピングを訓練セットTに追加する。
【0054】
ブロック226において、処理ロジックは、訓練セットTが機械学習モデルを訓練するのに十分な量の訓練データを含むかどうかを判定する。一部の実施態様では、訓練セットTの十分性は、単に訓練セット中のマッピングの数に基づいて決定することができるが、一部の他の実施態様では、訓練セットTの十分性は、入力/出力マッピングの数に加えて、またはその代わりに、1つまたは複数の他の基準(例えば、訓練例の多様性の尺度など)に基づいて決定することができることに留意されたい。訓練セットが機械学習モデルを訓練するのに十分な量の訓練データを含まないと判定したことに応答して、方法200はブロック212に戻る。訓練セットTが機械学習モデルを訓練するのに十分な量の訓練データを含むと判定したことに応答して、方法200はブロック228に続く。
【0055】
ブロック228において、処理ロジックは、機械学習モデルを訓練するために訓練セットTを提供する。一実施態様では、訓練セットTは、訓練を行うためにサーバマシン180の訓練エンジン182に提供される。ニューラルネットワークの場合、例えば、所与の入力/出力マッピングの入力値がニューラルネットワークに入力され、入力/出力マッピングの出力値がニューラルネットワークの出力ノードに記憶される。次いで、ニューラルネットワーク内の接続重みが、学習アルゴリズム(例えば、バックプロパゲーションなど)に従って調整され、この手順は、訓練セットT内の他の入力/出力マッピングに対して繰り返される。センサデータおよびタスクデータを使用した機械学習モデルの訓練は、例示的な例として説明されており、機械学習モデルは、任意のタイプの製造データまたは製造データグラフと関連付けられたデータを使用して訓練され得ることに留意されたい。
【0056】
一部の実施形態では、処理ロジックは、機械学習モデルを訓練する前に訓練セットTから異常を除去するために外れ値検出方法を実行することができる。外れ値検出方法は、大部分の訓練データとは大幅に異なる値を識別する技術を含むことができる。これらの値は、エラー、ノイズなどから生成される可能性がある。
【0057】
ブロック230において、処理ロジックは、機械学習モデルがプロセスチャンバサブシステムの異常挙動を検出することができるように、訓練された機械学習モデルに対して較正プロセスを実行する。一部の実施形態では、処理ロジックは、予想される挙動と現在の挙動との間の値の差に基づいて、プロセスチャンバサブシステムの予想される挙動をプロセスチャンバサブシステムの現在の挙動と比較することができる。例えば、処理ロジックは、圧力サブシステム、流量サブシステム、または温度サブシステムの予想されるデータに関連付けられた1つまたは複数の値を、圧力サブシステム、流量サブシステム、または温度サブシステムの現在の測定された挙動に関連付けられた1つまたは複数の値とそれぞれ比較することができる。較正プロセスは、値の差を製造データグラフからの障害データにさらに関連付けることができる。例えば、処理ロジックは、現在のデータを製造データグラフからの過去のデータと比較することができ、過去のデータは、1つまたは複数の問題、障害、故障、根本原因、是正措置などに関連付けられた故障データを含むことができる。処理ロジックは、障害データを挙動データにマッピングすることによって、訓練された機械学習モデルを較正することができる。
【0058】
ブロック230の後、機械学習モデルを使用して、プロセスチャンバサブシステムの故障パターン(例えば、異常挙動)を検出し、故障のタイプ(例えば、問題、障害、問題および/または障害の考えられる根本原因)を示す予測データと、疑わしい問題または障害を修正するための是正措置とを生成することができる。これについては、以下の図7においてより詳細に説明する。
【0059】
一部の実施形態では、製造システムは、2つ以上のプロセスチャンバを含むことができる。例えば、図3の例示的な製造システム300は、複数のプロセスチャンバ314、316、318を示す。一部の実施形態では、機械学習モデルを訓練するために取得されたデータ、および機械学習モデルへの入力として提供されるように収集されたデータは、製造システムの同じプロセスチャンバと関連付けることができることに留意されたい。他のまたは同様の実施形態では、機械学習モデルを訓練するために取得されたデータ、および機械学習モデルへの入力として提供されるように収集されたデータは、製造システムの異なるプロセスチャンバと関連付けることができる。他のまたは同様の実施形態では、機械学習モデルを訓練するために取得されたデータは、第1の製造システムのプロセスチャンバと関連付けることができ、機械学習モデルへの入力として提供されるように収集されたデータは、第2の製造システムのプロセスチャンバと関連付けることができる。
【0060】
図3は、本開示の態様による、例示的な製造システム300の上面概略図である。製造システム300は、基板302に対して1つまたは複数のプロセスを実行することができる。基板302は、電子デバイスまたは回路構成要素を製造するのに適した、例えば、シリコン含有ディスクまたはウエハ、パターニングされたウエハ、ガラスプレートなどの、任意の適切な剛性の、固定寸法の平面物品とすることができる。
【0061】
製造システム300は、プロセスツール304と、プロセスツール304に結合されたファクトリインターフェース306とを含むことができる。プロセスツール304は、内部に移送チャンバ310を有するハウジング308を含むことができる。移送チャンバ310は、その周囲に配置され、それに結合された1つまたは複数のプロセスチャンバ(処理チャンバとも呼ばれる)314、316、318を含むことができる。プロセスチャンバ314、316、318は、スリットバルブなどのそれぞれのポートを介して移送チャンバ310に結合することができる。移送チャンバ310はまた、プロセスチャンバ314、316、318、ロードロック320などとの間で基板302を移送するように構成された移送チャンバロボット312を含むこともできる。移送チャンバロボット312は、1つまたは複数のアームを含むことができ、各アームは、各アームの端部に1つまたは複数のエンドエフェクタを含む。エンドエフェクタは、ウエハなどの特定の物体を取り扱うように構成することができる。
【0062】
プロセスチャンバ314、316、318は、基板302に対して任意の数のプロセスを実行するように適合させることができる。各処理チャンバ314、316、318では、同じまたは異なる基板プロセスを実行することができる。基板プロセスは、原子層堆積(ALD)、物理的気相堆積(PVD)、化学気相堆積(CVD)、エッチング、アニーリング、硬化、前洗浄、金属または金属酸化物除去などを含むことができる。処理チャンバ内の基板に対して他のプロセスを実行することができる。プロセスチャンバ314、316、318はそれぞれ、基板プロセスの前、後、または最中に基板302のデータを取り込むように構成された1つまたは複数のセンサを含むことができる。例えば、1つまたは複数のセンサは、基板プロセス中に基板302の一部のスペクトルデータおよび/または非スペクトルデータを取り込むように構成することができる。他のまたは同様の実施形態では、1つまたは複数のセンサは、基板プロセスの前、後、または最中に、プロセスチャンバ314、316、318内の環境に関連付けられたデータを取り込むように構成することができる。例えば、1つまたは複数のセンサは、基板プロセス中のプロセスチャンバ314、316、318内の環境の温度、圧力、ガス濃度などに関連付けられたデータを取り込むように構成することができる。
【0063】
ロードロック320も、ハウジング308および移送チャンバ310に結合することができる。ロードロック320は、片側の移送チャンバ310、およびファクトリインターフェース306とインターフェースし、これらに結合するように構成することができる。ロードロック320は、一部の実施形態では、真空環境(基板が移送チャンバ310との間で移送され得る)から大気圧またはそれに近い不活性ガス環境(基板がファクトリインターフェース306との間で移送され得る)に変えることができる、環境的に制御された雰囲気を有することができる。ファクトリインターフェース306は、例えば、EFEM(Equipment Front End Module)などの任意の適切な筐体とすることができる。ファクトリインターフェース306は、ファクトリインターフェース306の様々なロードポート324にドッキングされた基板キャリア322(例えば、前方開口型統一ポッド(FOUP))から基板302を受け取るように構成することができる。ファクトリインターフェースロボット326(点線で示す)は、キャリア(コンテナとも呼ばれる)322とロードロック320との間で基板302を移送するように構成することができる。キャリア322は、基板保管キャリアまたは交換部品保管キャリアとすることができる。
【0064】
製造システム300はまた、製造システム300に関する情報をユーザ(例えば、オペレータ)に提供するように構成されたクライアントデバイス(図示せず)に接続することもできる。一部の実施形態では、クライアントデバイスは、1つまたは複数のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を介して、製造システム300のユーザに情報を提供することができる。例えば、クライアントデバイスは、GUIを介して、プロセスチャンバ314、316、318で実行される堆積プロセス中に基板302の表面に堆積させる膜の目標厚さプロファイルに関する情報を提供することができる。クライアントデバイスはまた、本明細書に記載の実施形態に従って、目標プロファイルに対応すると予測される堆積設定のそれぞれのセットを考慮して、プロセス方策の修正に関する情報を提供することもできる。
【0065】
製造システム300はまた、システムコントローラ328を含むこともできる。システムコントローラ328は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、プラグラム可能な論理制御装置(PLC)、マイクロコントローラなどのコンピューティングデバイスとすることができ、および/またはそれらを含むことができる。システムコントローラ328は、マイクロプロセッサ、中央処理装置などの汎用処理装置とすることができる1つまたは複数の処理装置を含むことができる。より具体的には、処理装置は、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、または他の命令セットを実装するプロセッサもしくは命令セットの組合せを実装するプロセッサとすることができる。処理装置はまた、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなどの1つまたは複数の特殊用途向け処理装置とすることもできる。システムコントローラ328は、データストレージデバイス(例えば、1つまたは複数のディスクドライブおよび/または固体ドライブ)、メインメモリ、スタティックメモリ、ネットワークインターフェース、および/または他の構成要素を含むことができる。システムコントローラ328は、本明細書に記載の方法および/または実施形態のうちの任意の1つまたは複数を行うための命令を実行することができる。一部の実施形態では、システムコントローラ328は、プロセス方策に従って製造システム300で1つまたは複数の動作を行うための命令を実行することができる。命令は、(命令の実行中に)メインメモリ、スタティックメモリ、二次記憶装置および/または処理装置を含むことができるコンピュータ可読記憶媒体に記憶することができる。
【0066】
システムコントローラ328は、製造システム300の様々の部分(例えば、処理チャンバ314、316、318、移送チャンバ310、ロードロック320など)上または内部に含まれるセンサからデータを受信することができる。一部の実施形態では、システムコントローラ328によって受信されるデータは、基板302の一部についてのスペクトルデータおよび/または非スペクトルデータを含むことができる。他のまたは同様の実施形態では、システムコントローラ328によって受信されるデータは、前述したように、処理チャンバ314、316、318における基板302の処理に関連付けられたデータを含むことができる。本説明の目的のために、システムコントローラ328は、プロセスチャンバ314、316、318内に含まれるセンサからデータを受信するものとして説明される。しかしながら、システムコントローラ328は、製造システム300の任意の部分からデータを受信することができ、本明細書に記載の実施形態に従って、その部分から受信されたデータを使用することができる。例示的な例では、システムコントローラ328は、プロセスチャンバ314、316、318での基板プロセスの前、後、または最中に、プロセスチャンバ314、316、318の1つまたは複数のセンサからデータを受信することができる。製造システム300の様々な部分のセンサから受信されたデータは、データストア350に記憶することができる。データストア350は、システムコントローラ328内の構成要素として含まれ得て、またはシステムコントローラ328とは別個の構成要素とすることができる。一部の実施形態では、データストア350は、図1に関して説明したデータストア140とすることができる。
【0067】
図4は、本開示の実施形態による、プロセスチャンバ400の断面概略側面図である。一部の実施形態では、プロセスチャンバ400は、図3に関して説明したプロセスチャンバ314、316、318に対応することができる。プロセスチャンバ400は、腐食性プラズマ環境が提供されるプロセスに使用することができる。例えば、プロセスチャンバ400は、プラズマエッチング装置またはプラズマエッチングリアクタなどのためのチャンバとすることができる。別の例では、プロセスチャンバは、前述したように、堆積プロセスのためのチャンバとすることができる。一実施形態では、プロセスチャンバ400は、チャンバ本体402と、内部容積406を囲むシャワーヘッド430とを含む。シャワーヘッド430は、シャワーヘッドベースおよびシャワーヘッドガス分配プレートを含むことができる。代替として、シャワーヘッド430は、一部の実施形態では、リッドおよびノズルによって、または他の実施形態では、複数のパイ形状シャワーヘッド区画およびプラズマ発生ユニットによって、置き換えることができる。チャンバ本体402は、アルミニウム、ステンレス鋼、またはチタン(Ti)などの他の適切な材料から製造することができる。チャンバ本体402は、一般に、側壁408および底部410を含む。排気口426は、チャンバ本体402に画定され得て、内部容積406をポンプシステム428に結合することができる。ポンプシステム428は、プロセスチャンバ400の内部容積406を排気し、その圧力を調整するために利用される1つまたは複数のポンプおよびスロットルバルブを含むことができる。
【0068】
シャワーヘッド430は、チャンバ本体402の側壁408に支持することができる。シャワーヘッド420(またはリッド)は、プロセスチャンバ400の内部容積406へのアクセスを可能にするために開くことができ、閉じている間は、プロセスチャンバ400にシールを提供することができる。ガスパネル458をプロセスチャンバ400に結合して、シャワーヘッド430またはリッドおよびノズルを通して(例えば、シャワーヘッドまたはリッドおよびノズルの開孔を通して)プロセスガスおよび/または洗浄ガスを内部容積406に供給することができる。例えば、ガスパネル458は、基板302の表面に堆積させる膜451の材料の前駆体を提供することができる。一部の実施形態では、前駆体は、シリコン系前駆体またはホウ素系前駆体を含むことができる。シャワーヘッド430は、ガス分配プレート(GDP)を含むことができ、GDP全体にわたって複数のガス供給孔432(チャネルとも呼ばれる)を有することができる。基板支持アセンブリ448は、シャワーヘッド430の下のプロセスチャンバ400の内部容積406内に配置される。基板支持アセンブリ448は、処理中(例えば、堆積プロセス中)に基板302を保持する。
【0069】
一部の実施形態では、処理チャンバ400は、処理チャンバ400で実行されるプロセス中にインシトゥ計測測定値を生成するように構成された計測装置(図示せず)を含むことができる。計測装置は、システムコントローラ(例えば、上述したようなシステムコントローラ328)に動作可能に結合することができる。一部の実施形態では、計測装置は、堆積プロセスの特定のインスタンス中に膜451の計測測定値(例えば、厚さ)を生成するように構成することができる。システムコントローラは、計測装置から受信した計測測定値に基づいて、膜451の厚さプロファイルを生成することができる。他のまたは同様の実施形態では、処理チャンバ400は、計測装置を含まない。このような実施形態では、システムコントローラは、プロセスチャンバ400での堆積プロセスの完了後に、膜451の1つまたは複数の計測測定値を受信することができる。システムコントローラは、1つまたは複数の計測測定値に基づいて堆積速度を決定することができ、決定された濃度勾配および堆積プロセスの決定された堆積速度に基づいて膜451の厚さプロファイルを関連付けて生成することができる。
【0070】
図5A図5Bは、それぞれ、本開示の態様による製造データグラフ510および製造データグラフ515の例示的な図である。一部の実施形態では、製造データグラフは、表現サーバ116によって生成され、ユーザインターフェース123上に表示される。製造データグラフ510は、プロセス方策の複数のステップの経時的な真空圧力と、プロセス方策の複数のステップの経時的なプレス制御圧力(press control pressure)とを示す。一部の実施形態では、表現サーバ116は、データストア140からデータ(例えば、センサデータ、トレースデータなど)を取り出し、取り出されたデータに基づいて1つまたは複数の製造データグラフ(例えば、製造データグラフ510および製造データグラフ515)を生成する。一部の実施形態では、オペレータは、グラフ上の方策ステップまたはデータ点を選択して、関連メタデータを閲覧することができる。例えば、ピーク520Aおよび520Bは、圧力の異常なスパイク(例えば、グラフ510に示される他のプロセスステップとは類似していない)を視覚的に示す。異常なスパイクは、方策ステップ中に発生した障害または故障を示す可能性がある。オペレータは、例えば、ピーク520Aを選択することができ、ユーザインターフェース123は、選択されたピーク520Aに関連するメタデータを表示することができる。一例では、関連するメタデータは、プロセスチャンバ識別子、プロセス方策識別子、サブシステムタイプ(例えば、圧力サブシステム)、オペレータ名、日付および/または時間などのメタデータを含む。一部の実施形態では、オペレータは、GUI123によって提供される発券ツールを使用して、選択されたピーク(例えば、ピーク520A)のチケット(例えば、ケースファイル)を開くことができる。
【0071】
図6は、本開示の態様による、表現サーバによって維持される例示的なメタデータおよび障害データを概略的に示す。一部の実施形態では、表現サーバ116は、障害テーブル610および障害テーブル620を維持することができる。一部の実施形態では、障害テーブル610および620は、データストア140に記憶することができ、モデル190を更新または較正するために予測システム110によって参照することができる。これについては、図7で詳細に説明する。
【0072】
障害テーブル610は、ピーク520Aに対して生成されたチケットの行を示す。表現サーバ116は、生成されたチケットに関連付けられたメタデータを自動的に生成する(例えば、データストア140から取り出す)ことができる。一例では、表610に示されるように、メタデータは、開封されたチケットの日付、プロセスチャンバ識別子、プロセス方策識別子、プロセス方策のステップ番号、サブシステムタイプ(例えば、圧力サブシステム)、オペレータ名(例えば、Miland)、手動入力のデータ、製造グラフのスクリーンショットへのハイパーリンクを含むことができる。この行はさらに、故障の説明(障害テーブル610では異常圧力スパイクとして記述される)、問題の考えられる根本原因(障害テーブル610ではガスバースト問題として記述される)、問題を修正するための推奨是正措置(障害テーブル610では製造較正および/またはマノメータ較正として記述される)、解決状況(例えば、オープン、進行中、未着手、クローズなど)、およびコメントを入力するためのフィールドを含む。各チケットは、将来のアクセスまたは参照のために、例えばデータストア140に記憶することができる。例えば、オペレータは、別のステップで圧力スパイクに気付き、ユーザインターフェースを介して、圧力スパイクに基づいてチケットをフィルタリングまたはソートすることができる。次いで、オペレータは、同様のチケットを開いて、考えられる根本原因および推奨される是正措置を決定することができる。一部の実施形態では、各チケットからのデータを使用して、モデル190を較正または更新することができる。
【0073】
図7は、本開示の態様による、機械学習モデルを使用してプロセスチャンバサブシステムの障害タイプを判定するための方法700の流れ図である。方法700は、ハードウェア(回路、専用ロジックなど)、ソフトウェア(汎用コンピュータシステムまたは専用マシン上で実行されるものなど)、ファームウェア、またはこれらの何らかの組合せを含むことができる処理ロジックによって実行される。一実装形態では、方法700は、図1のコンピュータシステムアーキテクチャ100などのコンピュータシステムによって実行することができる。他のまたは同様の実装形態では、方法700の1つまたは複数の動作は、図に示されていない1つまたは複数の他の機械によって実行することができる。一部の態様では、方法600の1つまたは複数の動作は、サーバマシン170、サーバマシン180、および/または予測サーバ112によって実行することができる。
【0074】
ブロック710において、処理ロジックは、プロセスチャンバ内で実行される動作に関連付けられたセンサデータを取得する。一部の実施形態では、動作は、基板の表面に膜の1つまたは複数の層を堆積させるためにプロセスチャンバ内で実行される堆積プロセス、基板の表面上の膜の1つまたは複数の層に対して実行されるエッチングプロセスなどを含むことができる。動作は、方策に従って実行することができる。センサデータは、温度(例えば、ヒータ温度)、間隔、圧力、高周波数無線周波数、静電チャックの電圧、電流、材料の流れ、電力、電圧などのうちの1つまたは複数の値を含むことができる。センサデータは、製造装置124の設定または構成要素(例えば、サイズ、タイプなど)などのハードウェアパラメータ、または製造装置124のプロセスパラメータなどの製造パラメータと関連付けられ、またはそれを示すことができる。
【0075】
ブロック712において、処理ロジックは、取得されたセンサデータに機械学習モデル(例えば、モデル190)を適用し、センサデータに基づいて機械学習モデルを介して出力を生成する。
【0076】
ブロック714において、処理ロジックは、センサデータに基づいて機械学習モデルを介して出力を生成する。一部の実施形態では、出力は、現在のデータが、プロセスチャンバで発生している障害を示しめているかどうかの予測データを含むことができる。一部の実施形態では、出力は、プロセスチャンバサブシステムの予想される挙動とプロセスチャンバサブシステムの実際の挙動との間の差を示す、少なくとも1つの値とすることができる。特に、この値は、サブシステムに関連付けられたセンサのセットの実際の値とセンサのセットの予想値との間の差を示すことができる。障害は、機構の障害、圧力が高いかまたは低いか、ガス流が高いかまたは低いか、温度が高いかまたは低いかなどを含むことができる。
【0077】
ブロック716において、処理ロジックは、プロセスチャンバサブシステムに障害が発生しているかどうかを判定する。一部の実施形態では、処理ロジックは、出力を所定のしきい値と比較することによって、プロセスチャンバサブシステムに障害が発生しているかどうかを判定することができる。一部の実施形態では、処理ロジックは、出力が予想される挙動に一致しないと判定することによって、プロセスチャンバサブシステムに障害が発生しているかどうかを判定することができる。処理ロジックが、プロセスチャンバサブシステムに障害が発生していないと判定したことに応答して、処理ロジックは、ブロック710に進むことができる。処理ロジックが、プロセスチャンバサブシステムに障害が発生していると判定したことに応答して、処理ロジックはブロック718に進むことができる。
【0078】
ブロック718において、処理ロジックは、出力に基づいて障害のタイプを識別することができる。一部の実施形態では、処理ロジックは、故障パターンを製造データグラフおよび/または既知の故障パターンのライブラリと比較して、既知の故障パターンまたは製造データグラフと比較したときの故障パターンの類似性に基づいて障害のタイプを決定することができる。一部の実施形態では、故障のタイプは、自然言語処理を使用して製造データグラフから抽出され、次いで、対応する故障パターンと関連付けることができる。一部の実施形態では、障害のタイプは、ユーザインターフェース上に(オペレータに)表示することができる。
【0079】
ブロック720において、処理ロジックは、識別された障害に基づいて、是正措置を実行(または提案)することができる。一部の実施形態では、自然言語処理を使用して製造データグラフから是正措置を抽出し、次いで障害のタイプと関連付けることができる。一部の実施形態では、是正措置は、クライアントデバイス120に対して、決定された問題の警告または指示を生成することを含むことができる。一部の実施形態では、是正措置は、処理ロジックが、障害もしくは故障のタイプ、障害もしくは故障の原因、および/または推奨される是正措置を示すことを含むことができる。一部の実施形態では、是正措置は、処理ロジックが、膜の所望の特性に基づいて、堆積プロセス方策の1つまたは複数のパラメータ(例えば、プロセスチャンバの温度設定、プロセスチャンバの圧力設定、基板表面に堆積させる膜に含まれる材料の前駆体の流量設定など)を調整することを含むことができる。一部の実施形態では、堆積プロセス方策は、堆積プロセスの前、最中(例えば、リアルタイムで)、または後に調整することができる。
【0080】
図8は、特定の実施形態によるコンピュータシステム800を示すブロック図である。一部の実施形態では、コンピュータシステム800は、(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、またはインターネットなどのネットワークを介して)他のコンピュータシステムに接続されてもよい。コンピュータシステム800は、クライアント-サーバ環境におけるサーバまたはクライアントコンピュータの能力において、あるいはピアツーピアまたは分散ネットワーク環境におけるピアコンピュータとして動作することができる。コンピュータシステム800は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯電話、ウェブアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチもしくはブリッジ、またはそのデバイスによって行われる措置を指定する命令のセット(シーケンシャルまたはその他)を実行することが可能な任意のデバイスによって提供され得る。さらに、「コンピュータ」という用語は、本明細書に記載される方法のいずれか1つまたは複数を実行するための命令のセット(または複数のセット)を個々にまたは共同で実行するコンピュータの任意の集合を含むものとする。
【0081】
さらなる態様では、コンピュータシステム800は、処理装置802、揮発性メモリ804(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、不揮発性メモリ806(例えば、読み取り専用メモリ(ROM)または電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM))、およびデータ記憶デバイス816を含むことができ、これらは、バス808を介して互いに通信することができる。
【0082】
処理装置802は、汎用プロセッサ(例えば、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、他のタイプの命令セットを実装するマイクロプロセッサ、または複数のタイプの命令セットの組合せを実装するマイクロプロセッサなど)または専用プロセッサ(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、またはネットワークプロセッサなど)などの1つまたは複数のプロセッサによって提供されてもよい。
【0083】
コンピュータシステム800は、(例えば、ネットワーク874に結合された)ネットワークインターフェースデバイス822をさらに含み得る。コンピュータシステム800はまた、ビデオディスプレイユニット810(例えば、LCD)、文字数字入力デバイス812(例えば、キーボード)、カーソル制御デバイス814(例えば、マウス)、および信号生成デバイス820をも含み得る。
【0084】
一部の実施態様では、データ記憶デバイス816は、図1の構成要素(例えば、是正措置構成要素122、予測構成要素114など)をコード化し、本明細書で説明する方法を実装するための命令を含む、本明細書に記載の方法または機能のうちのいずれか1つまたは複数をコード化する命令826を記憶することができる非一時的コンピュータ可読記憶媒体824を含むことができる。
【0085】
命令826はまた、コンピュータシステム800によるその実行中に、揮発性メモリ804内および/または処理装置802内に完全にまたは部分的に存在してもよく、したがって、揮発性メモリ804および処理装置802はまた、機械可読記憶媒体を構成することもできる。
【0086】
コンピュータ可読記憶媒体824は、例示的な例では単一の媒体として示されているが、「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、実行可能命令の1つまたは複数のセットを記憶する単一の媒体または複数の媒体(例えば、集中型もしくは分散型データベース、ならびに/または関連付けられたキャッシュおよびサーバ)を含むものとする。「コンピュータ可読記憶媒体」という用語はまた、本明細書に記載される方法のいずれか1つまたは複数をコンピュータに実行させる、コンピュータによる実行のための命令のセットを記憶またはコード化することが可能な任意の有形媒体を含むものとする。「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、限定はしないが、固体メモリ、光学媒体、および磁気媒体を含むものとする。
【0087】
本明細書に記載された方法、構成要素、および特徴は、個別のハードウェア構成要素によって実装されてもよく、またはASIC、FPGA、DSPもしくは同様のデバイスなどの他のハードウェア構成要素の機能に統合されてもよい。さらに、方法、構成要素、および特徴は、ハードウェアデバイス内のファームウェアモジュールまたは機能回路によって実装されてもよい。さらに、方法、構成要素、および特徴は、ハードウェアデバイスとコンピュータプログラム構成要素との任意の組合せで、またはコンピュータプログラムで実装されてもよい。
【0088】
特に明記しない限り、「受信する」、「実行する」、「提供する」、「取得する」、「引き起こす」、「アクセスする」、「決定する」、「追加する」、「使用する」、「訓練する」などの用語は、コンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内の物理(電子)量として表されるデータを操作し、コンピュータシステムのメモリもしくはレジスタ、または他のそのような情報記憶デバイス、送信もしくは表示デバイス内の物理量として同様に表される他のデータに変換する、コンピュータシステムによって実行または実装される措置およびプロセスを指す。また、本明細書で使用される「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」などの用語は、異なる要素を区別するためのラベルを意味し、それらの数値指定による順序的な意味を持たない場合がある。
【0089】
本明細書に記載される例はまた、本明細書に記載される方法を実行するための装置に関する。本装置は、本明細書に記載された方法を実行するために特別に構築されてもよく、またはコンピュータシステムに記憶されたコンピュータプログラムによって選択的にプログラムされた汎用コンピュータシステムを含んでもよい。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータ可読有形記憶媒体に記憶されてもよい。
【0090】
本明細書に記載される方法および例示的な実施例は、任意の特定のコンピュータまたは他の装置に本質的に関連するものではない。様々な汎用システムが、本明細書に記載される教示に従って使用されてもよく、あるいは本明細書に記載される方法および/またはその個々の機能、ルーチン、サブルーチン、もしくは動作のそれぞれを行うために、より特殊化された装置を構築することが便利であることが判明することもある。様々なこれらのシステムの構造の例は、上記の説明に記載されている。
【0091】
上記の説明は、例示的であり、限定的ではないことが意図されている。本開示は、特定の例示的な実施例および実施態様を参照して説明されてきたが、本開示は、説明された実施例および実施態様に限定されないことが認識されるであろう。本開示の範囲は、特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲とともに、以下の特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-08-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリと、
前記メモリ動作可能に結合された処理装置であって、
基板の表面に膜を堆積させるためにプロセスチャンバ内で方策に従って実行される堆積プロセスに関連付けられた複数のセンサ値を取得するステップ、
前記複数のセンサ値に基づいて製造データグラフを生成するステップ、
ユーザインターフェースを介して、前記製造データグラフ上のデータ点の選択を受信するステップ、
前記データ点に対するチケットを生成するステップ、
前記データ点に関連付けられた障害データを、前記チケットを介して受信するステップ、および
前記製造データグラフを提示する前記ユーザインターフェースを介してアクセスできるように、前記チケットをデータ構造に記憶するステップ
を含む動作を実行する、処理装置と、
を備える、システム。
【請求項2】
前記処理装置が、
機械学習モデルを訓練するために、前記製造データグラフに関連付けられたテーブルから障害データを抽出するステップ
を含む動作をさらに実行する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記障害データが自然言語処理を使用して抽出される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記処理装置が、
前記データ点に関連付けられたメタデータを自動的に生成するステップ
を含む動作をさらに実行する、
請求項に記載のシステム。
【請求項5】
前記チケットが前記製造データグラフのスクリーンショットへのハイパーリンクを含む、請求項に記載のシステム。
【請求項6】
前記処理装置が、
障害データに関連付けられたユーザ入力のためのフィールドを提供するステップ
を含む動作をさらに実行する、
請求項に記載のシステム。
【請求項7】
前記処理装置が、
前記製造データグラフに関連付けられたデータに基づいて機械学習モデルを訓練するステップ
を含む動作をさらに実行する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記機械学習モデルがブシステムの障害を示す出力を生成するように訓練されている、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記機械学習モデルが前記サブシステムの前記障害に基づいて是正措置を示すように訓練されている、請求項に記載のシステム。
【請求項10】
プロセッサによって、基板の表面に膜を堆積させるためにプロセスチャンバ内で方策に従って実行される堆積プロセスに関連付けられた複数のセンサ値を取得するステップと、
前記複数のセンサ値に基づいて製造データグラフを生成するステップと、
ユーザインターフェースを介して、前記製造データグラフ上のデータ点の選択を受信するステップと、
前記データ点に対するチケットを生成するステップと、
前記データ点に関連付けられた障害データを、前記チケットを介して受信するステップと、
前記製造データグラフを提示する前記ユーザインターフェースを介してアクセスできるように、前記チケットをデータ構造に記憶するステップと、
を含む方法。
【請求項11】
械学習モデルを訓練するために、前記製造データグラフに関連付けられたテーブルから障害データを抽出するステップ
さらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記障害データが自然言語処理を使用して抽出される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記データ点に関連付けられたメタデータを自動的に生成するステップと、
障害データに関連付けられたユーザ入力のためのフィールドを提供するステップと、
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記製造データグラフに関連付けられたデータに基づいて機械学習モデルを訓練するステップ
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記機械学習モデルがブシステムの障害を示す出力を生成するように訓練されている、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記機械学習モデルが前記サブシステムの前記障害に基づいて是正措置を示すように訓練されている、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
メモリに動作可能に結合された処理装置によって実行されると、
基板の表面に膜を堆積させるためにプロセスチャンバ内で方策に従って実行される堆積プロセスに関連付けられた複数のセンサ値を取得するステップ、
前記複数のセンサ値に基づいて製造データグラフを生成するステップ、
ユーザインターフェースを介して、前記製造データグラフ上のデータ点の選択を受信するステップ、
前記データ点に対するチケットを生成するステップ、
前記データ点に関連付けられた障害データを、前記チケットを介して受信するステップ、および
前記製造データグラフを提示する前記ユーザインターフェースを介してアクセスできるように、前記チケットをデータ構造に記憶するステップ
を含む動作を実行する命令を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項18】
前記動作が、
機械学習モデルを訓練するために、前記製造データグラフに関連付けられたテーブルから障害データを抽出するステップ
をさらに含む、請求項17に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
前記動作が、
前記データ点に関連付けられたメタデータを自動的に生成するステップ
をさらに含む、請求項17に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
前記動作が、
前記製造データグラフに関連付けられたデータに基づいて機械学習モデルを訓練するステップ
をさらに含む、請求項17に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【国際調査報告】