(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】半導体処理用インライン水スクラバーシステム
(51)【国際特許分類】
B01D 53/64 20060101AFI20240829BHJP
B01D 53/68 20060101ALI20240829BHJP
B01D 53/72 20060101ALI20240829BHJP
B01D 53/78 20060101ALI20240829BHJP
B01D 53/56 20060101ALI20240829BHJP
B01D 53/58 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
B01D53/64
B01D53/68 120
B01D53/68 220
B01D53/72 200
B01D53/78 ZAB
B01D53/56 200
B01D53/58
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024513781
(86)(22)【出願日】2022-08-31
(85)【翻訳文提出日】2024-02-29
(86)【国際出願番号】 IB2022058168
(87)【国際公開番号】W WO2023031819
(87)【国際公開日】2023-03-09
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517316096
【氏名又は名称】エドワーズ バキューム リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100196221
【氏名又は名称】上潟口 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】マハウィリ イマド
【テーマコード(参考)】
4D002
【Fターム(参考)】
4D002AA12
4D002AA13
4D002AA18
4D002AA22
4D002AA28
4D002AC07
4D002BA02
4D002BA12
4D002CA03
4D002CA07
4D002DA35
4D002EA01
(57)【要約】
半導体処理システムは、入口及び出口を有する真空ポンプを含み、真空ポンプの入口は、半導体反応器の出口と流体連通するように構成され、真空ポンプは、反応器からの廃ガスの排出ガスを真空ポンプの出口に出力するように構成される。半導体処理システムは更に、真空ポンプの出口に水スクラバーシステムを含み、この水スクラバーシステムは、ポンプに対して垂直の向きを有し、入口及び少なくとも1つの混合チャンバを有する。入口は、真空ポンプの出口及び混合チャンバと流体連通している。水スクラバーシステムは、排出ガスが混合チャンバに導かれる間、ポンプの出力で排出ガスの温度を維持し、排出ガスに水を注入して排気中の水反応生成物を除去するように構成される。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理システムであって、
入口及び出口を有する真空ポンプであって、前記真空ポンプの入口は、半導体反応器の出口と流体連通するように構成され、前記真空ポンプは、前記真空ポンプの出口において前記半導体反応器からの廃ガスの排出ガスを出力するように構成される、真空ポンプと、
前記真空ポンプの出口にある水スクラバーシステムであって、前記水スクラバーシステムが、前記ポンプに対して垂直の向きを有し、且つ入口と少なくとも1つの混合チャンバとを有し、前記入口は、前記真空ポンプの出口及び前記混合チャンバと流体連通し、前記スクラバーシステムは、前記ポンプの出口で、前記排出ガスが前記混合チャンバに導かれる間に排出ガスの温度を維持し、排出ガス中に水を注入して排出ガス中の水反応性生成物を除去するように構成されている、水スクラバーシステムと、
を備える、半導体処理システム。
【請求項2】
前記水スクラバーシステムは、前記混合チャンバを通して水を再循環させる水再循環回路を含む、請求項1に記載の半導体処理システム。
【請求項3】
前記水再循環回路は、前記混合チャンバ内の水レベルを維持するように構成されている、請求項2に記載の半導体処理システム。
【請求項4】
前記水スクラバーシステムは、複数のラシヒリングを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体処理システム。
【請求項5】
加熱窒素の供給部を更に備え、前記水スクラバーシステムは、前記加熱窒素の供給部と流体連通している、請求項1~4のいずれか一項に記載の半導体処理システム。
【請求項6】
前記加熱窒素の供給部は、前記混合チャンバに流れる排出ガスを加熱するように構成されている、請求項5に記載の半導体処理システム。
【請求項7】
前記水スクラバーシステムが、第1の導管を含み、前記水スクラバーシステムの入口が、前記第1の導管と流体連通して、前記排出ガスを前記第1の導管に導き、前記第1の導管が、前記排出ガスを前記混合チャンバに導く、請求項6に記載の半導体処理システム。
【請求項8】
前記熱窒素の供給部は、前記第1の導管及びそこを流れる排出ガスを加熱するように導かれる、請求項7に記載の半導体処理システム。
【請求項9】
前記水スクラバーシステムは、前記第1の導管を取り囲む第2の導管を含み、前記加熱窒素の供給部は、前記加熱窒素を前記第2の導管と前記第1の導管の間に流すことにより、前記第1の導管及びそこを流れる排出ガスを加熱するように構成される、請求項8に記載の半導体処理システム。
【請求項10】
前記水スクラバーシステムは、前記第1の導管を取り囲む第2の導管を含み、前記加熱窒素の供給部は、前記第2の導管と前記第1の導管の間に加熱窒素の流れを導くことにより、前記第1の導管及びそこを流れる排出ガスを加熱するように構成される、請求項9に記載の半導体処理システム。
【請求項11】
前記水スクラバーシステムは、前記第1の導管及び前記第2の導管を流れた後、前記加熱窒素を前記排出ガスと混合して加熱窒素希釈混合気を形成し、その後、前記加熱窒素希釈混合気中に水を注入するように構成される、請求項10に記載の半導体処理システム。
【請求項12】
前記水スクラバーシステムは、前記混合チャンバのより大きな部分に前記混合気を再配向して前記混合気の膨張を可能にし、前記混合気が前記より大きな部分に流れたときに前記水を注入するように構成されている、請求項11に記載の半導体処理システム。
【請求項13】
前記混合チャンバが、第1の混合チャンバを備え、前記水スクラバーシステムが、第2の混合チャンバを含み、前記第1の混合チャンバが、前記混合気を前記第2の混合チャンバに導く、請求項1~12のいずれか一項に記載の半導体処理システム。
【請求項14】
前記水スクラバーシステムは、前記第1の混合チャンバ及び前記第2の混合チャンバ内の前記混合気中に水を注入するように構成されている、請求項13に記載の半導体処理システム。
【請求項15】
前記水スクラバーシステムは、ベンチェリノズルの第1のセットを用いて前記第1の混合チャンバ内の前記排出ガスに水を噴射するように構成されている、請求項13に記載の半導体処理システム。
【請求項16】
前記水スクラバーシステムは、ベンチェリノズルの第2のセットを用いて前記第2の混合チャンバ内の前記排出ガスに水を噴射するように構成され、前記ベンチェリノズルの第1のセットは、前記ベンチェリノズルの第2のセットよりも小さい角度で水を噴射する、請求項15に記載の半導体処理システム。
【請求項17】
前記ベンチェリノズルの第1のセットは、約30度から60度の間の角度、更に任意選択的に約50度の角度で前記第1の混合チャンバ内に前記水をチャンバ内に噴霧し、前記ベンチェリノズルの第2のセットは、約90度から150度の間の角度、更に任意選択的に約120度の角度で前記第2の混合チャンバ内に水を噴霧する、請求項16に記載の半導体処理システム。
【請求項18】
インライン水スクラバーシステムであって、
混合チャンバと、
半導体処理システムの真空ポンプの出口と流体連通して、前記真空ポンプの出口からの排出ガスを受ける入口であって、前記混合チャンバと流体連通する前記入口が、前記排出ガスを前記混合チャンバに導くように構成された、入口と、
前記混合チャンバと流体連通し、前記排出ガスが前記混合チャンバに導かれる間、前記排出ガスの温度を維持するように構成された、加熱窒素の供給部と、
前記排出ガス中の水反応生成物を除去するために、前記混合チャンバ内の前記排出ガスに水を注入するように構成された水供給部と、
を備える、インライン水スクラバーシステム。
【請求項19】
第1の導管を更に備え、前記入口は、前記第1の導管と流体連通して前記排出ガスを前記第1の導管に導き、前記第1の導管は、前記排出ガスを前記混合チャンバに導く、請求項18に記載のインライン水スクラバーシステム。
【請求項20】
前記加熱窒素の供給部は、前記第1の導管及びそこを通って前記混合チャンバに流れる前記排出ガスを加熱するように構成される、請求項18に記載のインライン水スクラバーシステム。
【請求項21】
前記第1の導管を取り囲む第2の導管を更に備え、前記加熱窒素の供給部は、前記第2の導管と前記第1の導管の間に加熱窒素を流すことにより、前記第1の導管及びそこを流れる前記排出ガスを加熱するように構成される、請求項20に記載のインライン水スクラバーシステム。
【請求項22】
前記第1及び第2の導管は、前記加熱窒素を排出ガスと混合して、前記第1及び第2の導管を流れた後に加熱窒素希釈混合気を形成するように構成され、前記水供給部は、前記水を前記加熱窒素希釈混合気に注入するように構成される、請求項21に記載のインライン水スクラバーシステム。
【請求項23】
前記水スクラバーシステムは、前記混合チャンバのより大きな部分に前記混合気を再配向して前記混合気が膨張できるようにし、前記混合気が前記より大きな部分に流入したときに前記水を噴射するように構成されている、請求項18に記載のインライン水スクラバーシステム。
【請求項24】
前記混合チャンバは第1の混合チャンバを備え、更に第2の混合チャンバを備え、前記第1の混合チャンバは前記混合気を前記第2の混合チャンバに導く、請求項23に記載のインライン水スクラバーシステム。
【請求項25】
前記水供給部は、前記第1の混合チャンバ及び前記第2の混合チャンバ内の前記混合気中に水を注入するように構成されている、請求項24に記載のインライン水スクラバーシステム。
【請求項26】
前記水スクラバーシステムは、ベンチェリノズルの第1のセットで前記第1の混合チャンバ内の前記排出ガスに水を噴射し、第2のセットのベンチェリノズルで前記第2の混合チャンバに水を噴射するように構成され、任意選択的に、前記ベンチェリノズルの第1のセットは、前記第2のセットのベンチェリノズルよりも小さい角度で前記第1の混合チャンバに水を噴射する、請求項25に記載の半導体処理システム。
【請求項27】
半導体処理システムの半導体処理廃ガスをスクラビング処理する方法であって、
前記半導体処理システムが、反応器と、前記反応器から廃ガスをポンプ送給するための真空ポンプとを備え、前記真空ポンプが入口及び出口を有し、
前記方法が、
入口を有する混合チャンバを提供するステップと、
前記混合チャンバを真空ポンプに対して垂直方向に配置するステップと、
前記真空ポンプの出口と前記混合チャンバの入口との間に流体連通を提供するステップと、
を含み、
前記スクラバーシステムが、前記ポンプの出力で排出ガスが前記混合チャンバに導かれる間、前記排出ガスの温度を維持し、水を前記排出ガスに導くことにより、前記排出ガス中の水反応性生成物及び/又は水吸収性生成物を除去するように構成されている、方法。
【請求項28】
前記ポンプの出口が、水平構成要素を備えたエルボを有し、前記混合チャンバへの入口を前記エルボの水平構成要素から12インチ以内に配置するステップを更に含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記混合チャンバに流れる前記排出ガスを加熱するステップを更に含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記加熱するステップが、前記混合チャンバに流れる前記排出ガスを加熱するために加熱窒素を導くステップを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記加熱窒素を前記混合チャンバ内の前記排出ガスと混合して加熱窒素希釈混合物を形成するステップを更に含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記加熱窒素希釈混合物及び前記水を前記混合チャンバに導くステップと、これにより前記加熱窒素希釈混合物中の水反応性生成物及び/又は吸水性生成物を除去するステップとを更に含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記混合チャンバが第1の混合チャンバを備え、第2のチャンバを更に備え、前記水及び前記加熱窒素希釈混合物を前記第2のチャンバに導くステップを更に含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
水を前記第2のチャンバに導くステップと、これにより前記排出ガス中の更なる水反応性生成物及び/又は吸水性生成物を除去するステップとを更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記水を導くステップが、ベンチェリノズルを用いて前記水を噴射するステップを含む、請求項32又は34に記載の方法。
【請求項36】
前記水反応性生成物を除去するステップが、四塩化チタン、六フッ化タングステン、硝酸アンモニウム、トリメチルアルミニウム、三フッ化塩素からなる群から選択される水反応性生成物を除去するステップを含む、請求項30~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
半導体処理システムの半導体処理廃ガスをスクラビング処理する方法であって、
前記半導体処理システムは、反応器と、前記反応器から廃ガスをポンプ送給するための真空ポンプと、を備え、前記真空ポンプが入口及び出口を有し、
前記方法が、
入口を有する混合チャンバを提供するステップと、
前記混合チャンバを真空ポンプに対して垂直方向に配置するステップと、
前記真空ポンプの出口と前記混合チャンバの入口との間に流体連通を提供するステップと、
前記真空ポンプの出口でポンプ送給された排出ガスを前記混合チャンバに導くステップと、
前記排出ガスが前記混合チャンバに導かれる間、前記排出ガスの温度を維持するステップと、
前記混合チャンバ内の前記排出ガスに水を導き、前記排出ガス中の水反応生成物及び/又は吸水生成物を除去するステップと、
を含む、方法。
【請求項38】
前記水を導くステップが、ベンチェリノズルを用いて前記混合チャンバ内の前記排出ガスに水を噴射するステップを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記水反応性副生成物を除去するステップが、四塩化チタン、六フッ化タングステン、硝酸アンモニウム、トリメチルアルミニウム、三フッ化塩素からなる群から選択される水反応性生成物を除去するステップを含む、請求項37~38のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
図1は、典型的な半導体処理システムのフロー図を示す。半導体デバイスは、高真空下で様々な化学蒸気を使用して、多くのステップを経て単結晶シリコンウェハを処理することにより作成される。これらの化学蒸気の半導体デバイスの製造への利用は、あまり効率的ではなく、その結果、化学蒸気の50%又はそれ以上を超えて、処理チャンバから真空ポンプに接続された真空フォアラインを通って排出される。1気圧である真空ポンプの排出ガスは、化学蒸気が可燃性である場合の爆発の可能性を防ぐため、窒素ガスで高度に希釈される。ポンプの排出ラインは通常、揮発性の化学蒸気の凝縮を防ぐため、100~200℃に加熱される。その後、窒素で希釈された化学蒸気は、メタンガスの燃焼又は電気アーク放電の何れかによって発生する高温を利用して、除害システムにおいて破棄される。
【0002】
四塩化チタンは、常温で液体であり、沸点が136.6℃及び水との反応性が高く、アンモニアガスと反応させて窒化チタン薄膜の化学蒸着において使用される。四塩化チタンが半導体プロセスで使用される場合、ポンプの排出ガス組成は、未反応の四塩化チタンと窒素中のアンモニアガス及び他の化学副産物からなる。ポンプ排出ラインの長さは、15フィート~40フィート又はそれ以上とすることができる。このラインにおける何れかのコールドスポットにより四塩化チタンの凝縮が生じることになる。これは、処理中又は定期メンテナンス中の何れかで何らかの水分凝縮が存在する場合、その後の反応を受けてポンプ排出ラインに局所的腐食を引き起こす可能性のある液体化学物質の蓄積に起因して、危険な状態につながる可能性がある。
【0003】
沸点17℃の六フッ化タングステンは、水と反応し、半導体プロセスで広く使用されている。安全で連続した運転のためには、窒素による希釈及びポンプ排出ラインの加熱が重要である。
【0004】
沸点210℃及び融点169.6℃の硝酸アンモニウムは、処理チャンバ内又はフォアラインに沿って起こる可能性がある様々な化学気相反応の生成物である。ポンプ排出ラインが250℃まで加熱されていない場合、硝酸アンモニウムが凝縮して堆積する可能性がある。ポンプ排出ラインにおけるこの化学物質の蓄積は、局所的な堆積物を生成する可能性があり、これは、ポンプ排出ガスとの化学反応下で、又は例えばメンテナンススケジュール中の排出ラインの摩擦/振動に起因して、自然爆発する可能性がある。
【0005】
最先端の半導体プロセスでは、酸化アルミニウムの原子層堆積が採用されている。このような堆積用の典型的な化学蒸気源は、トリメチルアルミニウム(TMA)であり、沸点が125~130℃で、水と激しく反応する。これらのプロセスでは、ポンプ排出ラインは、少なくとも200℃まで極めて均一に加熱しなければならない。ラインに何らかのコールドスポットがあると、TMAの凝縮が生じ、危険で高コストである極めて危険なメンテナンス手順をもたらす。除害システムの入口でTMAが凝縮し、プラグイン入力管体及び危険で大きなメンテナンス問題を引き起こすことが広く報告されている。
【0006】
更に、チャンバ洗浄のため特別なプロセスで使用される三フッ化塩素(ClF3)が、ポンプ排出ラインで見出されることがある。ClF3は、水との反応性が極めて高く、危険で高コストのメンテナンス手順を提示する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】真空ポンプ排出ラインにおいて除害システムを有する先行技術の半導体処理システムの概略図である。
【
図2】ポストポンプインライン水スクラバーシステムを有する半導体処理システムの概略図である。
【
図2A】半導体反応器、半導体処理システムポンプ、及びポンプ出口に配置されたポストポンプインライン水スクラバーシステムの垂直配置の概略図である。
【
図3】
図2Aの水スクラバーシステムの詳細断面図である。
【
図4】増強された物質移動表面積を有する
図2Aの水スクラバーシステムの詳細断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図2を参照すると、数字10は全体として半導体処理システムを示す。半導体処理システム10は、半導体反応器12、真空ポンプ14、真空ポンプ出口14b(
図3の)に設置されるインライン水スクラバーシステム16、及び除害システムを含む。水反応性化学物質の少なくとも1又は2以上、及び任意選択的に全てではないとしても大部分を効率的に除去するために、インライン水スクラバーシステム16は、ポンプの出口に、例えば、ポンプ出力エルボの水平部から12インチ又は6インチ以内に配置され、更に、ポンプの出口にて垂直方向に配置される。以下でより十分に説明するように、インライン水スクラバーシステム16は、ポンプ排気出力(反応器12からの廃ガス)から、四塩化チタン、六フッ化タングステン、硝酸アンモニウム、トリメチルアルミニウム、三フッ化塩素、及び水と容易に反応するか又は水によって吸収される他の蒸気など、水反応性化学物質の少なくとも1又は2以上、及び任意選択的に全てではないにしても大部分を効率的に除去するように構成される。また、酸性ガス及びアンモニアガスは、これらの高い水溶性に起因して除去することができる。
【0009】
図2A及び
図3で最もよく見られるように、インライン水スクラバーシステム16は、
図2Aの真空ポンプ出力14bに結合される入口16aと、除害された廃ガスを排出する出口16bとを含む。インライン水スクラバーシステム16は、第1の混合チャンバ18及び第2の混合チャンバ20を含む。以下でより詳細に説明するように、第1の混合チャンバ18は、インライン水スクラバーシステムに入ってくる排出ガスの熱を維持して加熱された窒素を廃ガスと混合し、第2のチャンバ20は、加熱された窒素及び廃ガスの混合気を水と混合して、廃ガスの水反応性化学蒸気と反応させる。
【0010】
図3に最もよく見られるように、第1の混合チャンバ18は、3つの同心導管18a、18b、及び18c、例えば円筒管体によって形成される。導管18a、18b及び18cに適した材料は、ステンレス鋼304又は316又は他の合金などの金属を含む。導管18a、18b、及び18cはまた、ポリプロピレン、ポリエチレン、テフロン(登録商標)、又は動作温度がポリマーの降伏点/融点未満であることを条件とする他のプラスチックのようなポリマー材料から構成することができる。ポンプ14の出口に対して垂直な向きを有する導管18aは、導管18aの入口を形成し且つインライン水スクラバーシステム16の入口16aを形成する一端を介してポンプ出口と流体連通しており、導管18b内に同心状に配置される。従って、導管18bもまた、垂直な向きを有する。例えば、導管18aの直径は、約2~4インチ、及び典型的には約2.5インチとすることができる。導管18bの直径は、導管18cよりも約1インチ大きく、典型的には3~5インチの範囲であり、任意選択的に約3.5インチである。導管18a及び18bの両方は、その全長に沿って一定の直径を有する円筒形とすることができる。
【0011】
ポンプからの排出ガスの温度の維持を助けるために、導管18bは、導管18aを加熱するように構成されている。例えば、加熱された窒素は、2つの導管18a及び18bの間の空間の間を流れて、導管18a及びそこを流れる廃ガスを加熱し、その後、導管18aから流れる廃ガスと混合して、加熱された窒素希釈混合気を形成する。例えば、導管18bは、導管24を介して窒素供給部22と流体連通することができ、窒素は、導管24のインラインに配置された従来の窒素ヒータなどの窒素ヒータによって加熱される。例えば、窒素は、室温~250℃の範囲、典型的には150~200℃の範囲の温度に加熱され、これによって導管18aを少なくとも150~200℃に加熱する。
【0012】
導管24は、上述のようにインライン水スクラバーシステム16の入口16aを形成する導管18aの入口に隣接した、任意選択的には直近にある導管18aの下端と流体連通している。このようにして、ポンプ14からの排出ガス(廃ガス)の温度は、概ね一定に保たれる。導管18a及びその中の廃ガスの上昇した温度を維持するのを更に支援するために、導管18aは、断熱材28の層によって断熱することができる。適切な断熱材は、ガラス繊維又は石英ウールのシース又は何れか市販の断熱材料から形成することができる。断熱材はまた、窒素の高温を維持するのに役立つように導管24の上に延びることができる。加熱窒素ガスは、5~30標準リットル毎分又はそれ以上の流量範囲で導管18bに導入することができる。この方式及びこの位置での加熱された窒素の注入は、ポンプ排出ガス(廃ガス)がその高い排出温度に留まることを確実にし、内部に同伴された化学蒸気の凝縮を防止する。
【0013】
加熱された窒素を廃ガスと混合するために、両導管18a及び18bの上側端部は開放されており、同じ位置(又は垂直方向にある場合には高さ)又はほぼ同じ高さに終端部を有する。例えば、各導管18a、18bは、除去/反応/吸収される特定の蒸気に応じて、約24~48インチ又はそれ以上の範囲の長さ又は高さを有することができる。従って、加熱された窒素は、導管18bを通って流れ、導管18a(及びその上の廃ガス)を加熱した後、導管18aの開口部上端から流れる廃ガスと混合する。混合後、混合気は、導管18cによって形成されたより大きな混合領域に導かれ、混合気が膨張して速度が遅くなることができる。
【0014】
図示の実施形態では、導管18cは、導管18bを取り囲み、導管18bから離間して配置されている。導管18cはまた、その全長に沿って同心状に設置され、更に別の大径の円筒管体によって形成され、典型的には導管18bよりも1~4インチ又はそれ以上の大きさ、例えば直径が約4~9、任意選択的には7.5インチの大きさである。従って、導管18c及び導管18bの間により大きな混合領域を形成することができる。混合気を導管18cに導くために、混合チャンバ18は、加熱された窒素及び廃ガスの混合気を下方(図示の垂直方向)に偏向させるデフレクタ30を含むことができる。
【0015】
図示の実施形態では、デフレクタ30は、例えば円錐プレートから形成される円錐面を備え、円錐プレートは、導管18cの上側閉鎖端に取り付けられ又は形成される。例えば、円錐面は、加熱された窒素及び廃ガスが混合する際に(それぞれの導管から出る際に)、これらが円錐面に衝突するように角度が付けられており、これにより、混合気の流れ方向が垂直上方から下方へ、上述のように約30~60度の間の角度で変更され、この混合気の膨張が可能になる。
【0016】
再び
図3を参照すると、水はチャンバ18に、より具体的には導管18cのより大きな混合領域に導かれて、ポンプ排出廃ガスの水反応性化学蒸気と反応する。更に、水は、チャンバ18及びチャンバ20の底部を満たす。図示された実施形態では、水は、ベンチェリノズル32、例えば、ヘリカルベンチェリノズルを介して導管18cに注入され、このベンチェリノズルは、チャンバ18及び20の上方に取り付けられた配水ヘッダ34からチャンバ18に水を誘導及び注入する。図示の実施形態では、配水ヘッダ34はハウジング48を含み、このハウジング48は、後述するように、上述したベンチュリノズルを例外として、導管18cの上側を閉鎖する。
【0017】
第2のチャンバ20は、配水ヘッダ34の下方の導管18cの周りに同心状に取り付けられる別の同軸導管36によって同様に形成することができる。導管36はまた、その全長に沿って同心状に取り付けられ、更に別の大きな直径、典型的には導管18cよりも1~4インチ又はそれ以上の大きさ、例えば直径約5~13インチ又は約11.5インチの円筒管体によって形成される。導管36と導管18cの間の空間は、第2の混合チャンバ20を形成する。第2の混合チャンバ20は、ポンプ排気廃ガスの残存する何れかの水反応性化学蒸気と水を混合するように構成される。
【0018】
インライン水スクラバーシステム16はまた、混合チャンバを通して水を循環させる水再循環回路38を含む。図示の実施形態では、水再循環回路38は、例えば毎分10~25ガロンをポンプ送給することができる大容量磁気結合水ポンプなどの再循環ポンプ38aを含む。ポンプの吸入口は、その下端で混合チャンバ20と導管38bを介して流体連通しており、ポンプの出力は、導管38cを介して配水ヘッダ34と流体連通している。従って、ポンプ38aは、チャンバ20の底部から水を引き出して、配水ヘッダ34に再配向することができ、配水ヘッダ34は、上述したベンチェリノズル及び後述する追加のベンチェリノズルを介して、チャンバ18及び20に水を導く。
【0019】
更に、ポンプ38aは、レベルコントローラ40を用いて、混合チャンバ18並びに混合チャンバ20内の水レベルを所与のレベルに維持することができる。図示の実施形態では、レベルコントローラ40は、カバー42と、側部開口部44a(
図3)を有するドレイン管体44とを含む。水高さは、図示のように、レベルコントローラ内のドレイン管開口部の高さによって制御される。
【0020】
再び
図3を参照すると、上述のように、配水ヘッダ34はハウジング48を含む。ハウジング48は、2つのチャンバ50及び52、例えば上側チャンバ及び下側チャンバを含み、チャンバ52は混合チャンバ18及び20に水を分配する。真水は、入口50aを介してチャンバ50に導入され、チャンバ50は、インライン水スクラバーシステムの上流のポンプ排出ラインに排出するために、チャンバ18及び20からのスクラビング処理された廃ガスとわずかに混合する。
【0021】
水循環回路38は、チャンバ52と流体連通しており、チャンバ52は、ベンチェリノズル32(上述)を介して混合チャンバ18と流体連通し、ベンチェリノズル56を介して混合チャンバ20と流体連通している。ノズル56はまた、螺旋ベンチェリノズルを備えることができ、これらは、ハウジング48の下側壁に取り付けられ、ノズル32と同様に導管18b、18c、及び36の開口端部上に取り付けられる。ノズル56は、導管36と導管18cの間で間隔をあけて配置され、ノズル32よりも大きな角度、例えば、約90~150度、任意選択的に約120度の範囲の角度で水を噴霧する。
【0022】
ハウジング48は、導管18b及び18c及び36の上側端部(
図3で見たときに)に取り付けられ、これにより導管の上側端部を閉鎖し、それぞれのチャンバを形成する。チャンバ20は、出口58を介して配水ヘッダ34のチャンバ50と流体連通し、出口58は、チャンバ52を延在又は通過して、清浄化された廃ガスをチャンバ50に排出し、チャンバ50は、次いで、ポンプ排出ラインに接続するためのフランジパイプ60によって形成することができる出口16bを介して清浄化された廃ガスを排出する。真水が入口50aを介してチャンバ50に導入され、チャンバ20からのスクラバー処理された廃ガスとわずかに混合して、インライン水スクラバーシステムの上流のポンプ排出ラインに排出される。
【0023】
水再循環回路38のポンプ38aは、水を大流量及び高圧で配水ヘッダ34のチャンバ52に再循環させる。チャンバ18への再循環水は、それぞれの管体の端部にベンチェリノズル32が取り付けられた、特定のスクラバーシステムの設計に応じて4~8、典型的には6つの複数の管体32aを通ってチャンバ52から噴射することができる。ベンチェリノズル32は、約30度から60度の間の角度、及び典型的には約50度の角度でチャンバ18内に水を噴霧することができる。この回転高水流速は、偏向された高温窒素及び廃ガスと狭角度で急速に混合する。インライン水スクラバーシステムのこの最初の混合チャンバ18で、水はポンプ排出ガスの水反応性化学蒸気と反応する。
【0024】
その後、反応性水化学物質を含まない窒素及び廃ガスは、図示のように上方に向きを変え、スクラバーの第2の混合チャンバ20を上方に横断する際に更に低い流速で通過する。これらのガスは、ベンチェリノズル56を通って流れる再循環水によって更にスクラビング処理され、このベンチェリノズル56は、上述のように、90度から150度の範囲内、典型的には120度の範囲の大きな角度で水を噴霧する。次いで、ポンプ廃ガスの残留窒素及び永久ガスは、図示のように出口58を形成する4~6本の管体を通り、配水ヘッダ34のチャンバ50に至る。
【0025】
チャンバ50の入口50aを介して、廃水として除去された水の割合で真水を連続的に加えることができる。
【0026】
インラインスクラバーシステムの排出ガスは、大部分が、窒素と特定の半導体プロセスに応じて二酸化炭素、酸素、オゾン、水素、PFC等の永久ガスとからなる。このスクラバーシステムの排出ガスは、その後1気圧のポンプ排出ラインを通過し、大気中に排出される前に有害ガスを最終的に破壊するための除害システムに送られる。
【0027】
図4を参照すると、インライン水スクラバーシステム16はまた、物質移動表面積を高めるために、混合チャンバ20又は混合チャンバ18の何れか又は両方のチャンバ20にスタックされるラシヒリング等の複数のリング80を含むことができる。リングは、上述のように、物質移動表面積を増大させ、酸性ガス及びアンモニアの吸収を増大させるために、ポンプ排気中の化学蒸気と適合性のある様々な異なる材料から形成することができる。
【0028】
この新規のインライン水スクラバーは、理想的には、ポンプ出口の近く(例えば、ポンプ出口エルボの水平部から12インチ以内又は6インチ以内)に設置され、これにより、これら水反応性化学物質は、全てではないにしてもそのほとんどが水によって除去され、固体酸化物及び酸及び塩基溶液のような水反応副生成物は、ポンプ排出ラインに入る前に廃水ドレインに送ることができる。従って、このインライン水スクラバーアセンブリは、短縮されたメンテナンス間隔で連続処理運転に対して有意な安全性及びコスト上の利点を提供する。
【符号の説明】
【0029】
12 半導体反応器
14 真空ポンプ
16 インライン水スクラバーシステム
【手続補正書】
【提出日】2024-02-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理システムであって、
入口及び出口を有する真空ポンプであって、前記真空ポンプの入口は、半導体反応器の出口と流体連通するように構成され、前記真空ポンプは、前記真空ポンプの出口において前記半導体反応器からの廃ガスの排出ガスを出力するように構成される、真空ポンプと、
前記真空ポンプの出口にある水スクラバーシステムであって、前記水スクラバーシステムが、前記真空ポンプに対して垂直の向きを有し、且つ入口と少なくとも1つの混合チャンバとを有し、前記入口は、前記真空ポンプの出口及び前記混合チャンバと流体連通し、前記スクラバーシステムは、前記真空ポンプの出口で、前記排出ガスが前記混合チャンバに導かれる間に前記排出ガスの温度を維持し、前記排出ガス中に水を注入して前記排出ガス中の水反応性生成物を除去するように構成されている、水スクラバーシステムと、
を備える、半導体処理システム。
【請求項2】
前記水スクラバーシステムは、前記混合チャンバを通して水を再循環させる水再循環回路を含む、請求項1に記載の半導体処理システム。
【請求項3】
前記水再循環回路は、前記混合チャンバ内の水レベルを維持するように構成されている、請求項2に記載の半導体処理システム。
【請求項4】
前記水スクラバーシステムは、複数のラシヒリングを含む、請求項1に記載の半導体処理システム。
【請求項5】
加熱窒素の供給部を更に備え、前記水スクラバーシステムは、前記加熱窒素の供給部と流体連通している、請求項1に記載の半導体処理システム。
【請求項6】
前記加熱窒素の供給部は、前記混合チャンバに流れる排出ガスを加熱するように構成されている、請求項5に記載の半導体処理システム。
【請求項7】
前記水スクラバーシステムが、第1の導管を含み、前記水スクラバーシステムの入口が、前記第1の導管と流体連通して、前記排出ガスを前記第1の導管に導き、前記第1の導管が、前記排出ガスを前記混合チャンバに導く、請求項6に記載の半導体処理システム。
【請求項8】
前記熱窒素の供給部は、前記第1の導管及びそこを流れる排出ガスを加熱するように導かれる、請求項7に記載の半導体処理システム。
【請求項9】
前記水スクラバーシステムは、前記第1の導管を取り囲む第2の導管を含み、前記加熱窒素の供給部は、前記加熱窒素を前記第2の導管と前記第1の導管の間に流すことにより、前記第1の導管及びそこを流れる排出ガスを加熱するように構成される、請求項8に記載の半導体処理システム。
【請求項10】
前記水スクラバーシステムは、前記第1の導管を取り囲む第2の導管を含み、前記加熱窒素の供給部は、前記第2の導管と前記第1の導管の間に加熱窒素の流れを導くことにより、前記第1の導管及びそこを流れる排出ガスを加熱するように構成される、請求項9に記載の半導体処理システム。
【請求項11】
前記水スクラバーシステムは、前記第1の導管及び前記第2の導管を流れた後、前記加熱窒素を前記排出ガスと混合して加熱窒素希釈混合気を形成し、その後、前記加熱窒素希釈混合気中に水を注入するように構成される、請求項10に記載の半導体処理システム。
【請求項12】
前記水スクラバーシステムは、前記混合チャンバのより大きな部分に前記加熱窒素希釈混合気を再配向して前記加熱窒素希釈混合気の膨張を可能にし、前記加熱窒素希釈混合気が前記より大きな部分に流れたときに前記水を注入するように構成されている、請求項11に記載の半導体処理システム。
【請求項13】
前記混合チャンバが、第1の混合チャンバを備え、前記水スクラバーシステムが、第2の混合チャンバを含み、前記第1の混合チャンバが、前記加熱窒素希釈混合気を前記第2の混合チャンバに導く、請求項11に記載の半導体処理システム。
【請求項14】
前記水スクラバーシステムは、前記第1の混合チャンバ及び前記第2の混合チャンバ内の前記加熱窒素希釈混合気中に水を注入するように構成されている、請求項13に記載の半導体処理システム。
【請求項15】
前記水スクラバーシステムは、ベンチェリノズルの第1のセットを用いて前記第1の混合チャンバ内の前記排出ガスに水を噴射するように構成されている、請求項13に記載の半導体処理システム。
【請求項16】
前記水スクラバーシステムは、ベンチェリノズルの第2のセットを用いて前記第2の混合チャンバ内の前記排出ガスに水を噴射するように構成され、前記ベンチェリノズルの第1のセットは、前記ベンチェリノズルの第2のセットよりも小さい角度で水を噴射する、請求項15に記載の半導体処理システム。
【請求項17】
前記ベンチェリノズルの第1のセットは、約30度から60度の間の角度、更に任意選択的に約50度の角度で前記第1の混合チャンバ内に前記水をチャンバ内に噴霧し、前記ベンチェリノズルの第2のセットは、約90度から150度の間の角度、更に任意選択的に約120度の角度で前記第2の混合チャンバ内に水を噴霧する、請求項16に記載の半導体処理システム。
【請求項18】
インライン水スクラバーシステムであって、
混合チャンバと、
半導体処理システムの真空ポンプの出口と流体連通して、前記真空ポンプの出口からの排出ガスを受ける入口であって、前記混合チャンバと流体連通する前記入口が、前記排出ガスを前記混合チャンバに導くように構成された、入口と、
前記混合チャンバと流体連通し、前記排出ガスが前記混合チャンバに導かれる間、前記排出ガスの温度を維持するように構成された、加熱窒素の供給部と、
前記排出ガス中の水反応生成物を除去するために、前記混合チャンバ内の前記排出ガスに水を注入するように構成された水供給部と、
を備える、インライン水スクラバーシステム。
【請求項19】
第1の導管を更に備え、前記入口は、前記第1の導管と流体連通して前記排出ガスを前記第1の導管に導き、前記第1の導管は、前記排出ガスを前記混合チャンバに導く、請求項18に記載のインライン水スクラバーシステム。
【請求項20】
前記加熱窒素の供給部は、前記第1の導管及びそこを通って前記混合チャンバに流れる前記排出ガスを加熱するように構成される、請求項18に記載のインライン水スクラバーシステム。
【請求項21】
前記第1の導管を取り囲む第2の導管を更に備え、前記加熱窒素の供給部は、前記第2の導管と前記第1の導管の間に加熱窒素を流すことにより、前記第1の導管及びそこを流れる前記排出ガスを加熱するように構成される、請求項20に記載のインライン水スクラバーシステム。
【請求項22】
前記第1及び第2の導管は、前記加熱窒素を排出ガスと混合して、前記第1及び第2の導管を流れた後に加熱窒素希釈混合気を形成するように構成され、前記水供給部は、前記水を前記加熱窒素希釈混合気に注入するように構成される、請求項21に記載のインライン水スクラバーシステム。
【請求項23】
前記水スクラバーシステムは、前記混合チャンバのより大きな部分に前記加熱窒素希釈混合気を再配向して前記加熱窒素希釈混合気が膨張できるようにし、前記加熱窒素希釈混合気が前記より大きな部分に流入したときに前記水を噴射するように構成されている、請求項22に記載のインライン水スクラバーシステム。
【請求項24】
前記混合チャンバは第1の混合チャンバを備え、更に第2の混合チャンバを備え、前記第1の混合チャンバは前記加熱窒素希釈混合気を前記第2の混合チャンバに導く、請求項23に記載のインライン水スクラバーシステム。
【請求項25】
前記水供給部は、前記第1の混合チャンバ及び前記第2の混合チャンバ内の前記加熱窒素希釈混合気中に水を注入するように構成されている、請求項24に記載のインライン水スクラバーシステム。
【請求項26】
前記水スクラバーシステムは、ベンチェリノズルの第1のセットで前記第1の混合チャンバ内の前記排出ガスに水を噴射し、第2のセットのベンチェリノズルで前記第2の混合チャンバに水を噴射するように構成され、任意選択的に、前記ベンチェリノズルの第1のセットは、前記第2のセットのベンチェリノズルよりも小さい角度で前記第1の混合チャンバに水を噴射する、請求項25に記載の半導体処理システム。
【請求項27】
半導体処理システムの半導体処理廃ガスをスクラビング処理する方法であって、
前記半導体処理システムが、反応器と、前記反応器から廃ガスをポンプ送給するための真空ポンプとを備え、前記真空ポンプが入口及び出口を有し、
前記方法が、
入口を有する混合チャンバを提供するステップと、
前記混合チャンバを真空ポンプに対して垂直方向に配置するステップと、
前記真空ポンプの出口と前記混合チャンバの入口との間に流体連通を提供するステップと、
を含み、
前記スクラバーシステムが、前記真空ポンプの出力で排出ガスが前記混合チャンバに導かれる間、前記排出ガスの温度を維持し、水を前記排出ガスに導くことにより、前記排出ガス中の水反応性生成物及び/又は水吸収性生成物を除去するように構成されている、方法。
【請求項28】
前記真空ポンプの出口が、水平構成要素を備えたエルボを有し、前記混合チャンバへの入口を前記エルボの水平構成要素から12インチ以内に配置するステップを更に含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記混合チャンバに流れる前記排出ガスを加熱するステップを更に含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記加熱するステップが、前記混合チャンバに流れる前記排出ガスを加熱するために加熱窒素を導くステップを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記加熱窒素を前記混合チャンバ内の前記排出ガスと混合して加熱窒素希釈混合物を形成するステップを更に含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記加熱窒素希釈混合物及び前記水を前記混合チャンバに導くステップと、これにより前記加熱窒素希釈混合物中の水反応性生成物及び/又は吸水性生成物を除去するステップとを更に含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記混合チャンバが第1の混合チャンバを備え、第2のチャンバを更に備え、前記水及び前記加熱窒素希釈混合物を前記第2のチャンバに導くステップを更に含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
水を前記第2のチャンバに導くステップと、これにより前記排出ガス中の更なる水反応性生成物及び/又は吸水性生成物を除去するステップとを更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記水を導くステップが、ベンチェリノズルを用いて前記水を噴射するステップを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記水反応性生成物を除去するステップが、四塩化チタン、六フッ化タングステン、硝酸アンモニウム、トリメチルアルミニウム、三フッ化塩素からなる群から選択される水反応性生成物を除去するステップを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項37】
半導体処理システムの半導体処理廃ガスをスクラビング処理する方法であって、
前記半導体処理システムは、反応器と、前記反応器から廃ガスをポンプ送給するための真空ポンプと、を備え、前記真空ポンプが入口及び出口を有し、
前記方法が、
入口を有する混合チャンバを提供するステップと、
前記混合チャンバを真空ポンプに対して垂直方向に配置するステップと、
前記真空ポンプの出口と前記混合チャンバの入口との間に流体連通を提供するステップと、
前記真空ポンプの出口によってポンプ送給された排出ガスを前記混合チャンバに導くステップと、
前記排出ガスが前記混合チャンバに導かれる間、前記排出ガスの温度を維持するステップと、
前記混合チャンバ内の前記排出ガスに水を導き、前記排出ガス中の水反応生成物及び/又は吸水生成物を除去するステップと、
を含む、方法。
【請求項38】
前記水を導くステップが、ベンチェリノズルを用いて前記混合チャンバ内の前記排出ガスに水を噴射するステップを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記水反応性副生成物を除去するステップが、四塩化チタン、六フッ化タングステン、硝酸アンモニウム、トリメチルアルミニウム、及び三フッ化塩素からなる群から選択される水反応性生成物を除去するステップを含む、請求項37に記載の方法。
【国際調査報告】