(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-05
(54)【発明の名称】輸液ポンプ
(51)【国際特許分類】
A61M 5/145 20060101AFI20240829BHJP
A61M 39/24 20060101ALI20240829BHJP
【FI】
A61M5/145 508
A61M39/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515382
(86)(22)【出願日】2022-09-09
(85)【翻訳文提出日】2024-04-10
(86)【国際出願番号】 IB2022000507
(87)【国際公開番号】W WO2023037163
(87)【国際公開日】2023-03-16
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000002934
【氏名又は名称】武田薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ウォーレン, ジャック ローレンス
(72)【発明者】
【氏名】ノーマン, アレクサンダー デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】サリアス, メリッサ リム
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD12
4C066EE14
4C066FF01
4C066GG06
4C066HH02
4C066HH12
4C066QQ15
4C066QQ82
4C066QQ84
(57)【要約】
輸液ポンプは、患者への薬液の投与を容易にするために、自動シリンジ載荷能力及び/または薬液送達能力を有し得る。輸液ポンプは、機械的に動作し得、動作するために電源を必要としなくてもよい。輸液ポンプは、1つ以上のバイアルの薬液内容物によってシリンジを充填することを支援し得る。輸液ポンプは、調整可能であるが定荷重で流体を送達するための薬物送達アセンブリを含み得る。輸液ポンプは、輸液中の快適さを改善するために、使用者が所与の範囲内で送達速度を連続的に調整することを可能にしてもよい。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンジプランジャに結合し、前記シリンジプランジャを押し引きするように構成されたホルダであって、前記ホルダは第一位置と第二位置との間で可動であり、前記ホルダは前記第一位置の方に付勢される、前記ホルダと、
前記ホルダに操作可能に結合された載荷アクチュエータであって、前記載荷アクチュエータの操作は前記ホルダを前記第一位置と前記第二位置との間で移動させる、前記載荷アクチュエータと、
前記ホルダを前記第二位置に解放可能に固定するように構成されたロックと、
を含む、輸液ポンプ。
【請求項2】
前記ホルダを前記第一位置の方に付勢するように構成されたエネルギー貯蔵部材をさらに含む、請求項1に記載の輸液ポンプ。
【請求項3】
前記ホルダと前記載荷アクチュエータとの間に操作可能に結合された第一エネルギー貯蔵部材をさらに含む、請求項1に記載の輸液ポンプ。
【請求項4】
前記ホルダを前記第一位置の方に付勢するように構成された第二エネルギー貯蔵部材をさらに含む、請求項3に記載の輸液ポンプ。
【請求項5】
前記ロックはラチェットを含む、請求項1に記載の輸液ポンプ。
【請求項6】
前記ロックはパッド及びブレーキを含み、前記ブレーキは前記パッドと摩擦係合するように構成される、請求項1に記載の輸液ポンプ。
【請求項7】
前記ホルダを前記第二位置に固定することから前記ロックを解放するように構成された送達アクチュエータをさらに含む、請求項1に記載の輸液ポンプ。
【請求項8】
前記送達アクチュエータは回転可能である、請求項7に記載の輸液ポンプ。
【請求項9】
前記載荷アクチュエータは、線形的に摺動可能なハンドルである、請求項7に記載の輸液ポンプ。
【請求項10】
前記第一エネルギー貯蔵部材によって加えられる付勢力の大きさを調整するように構成された速度アクチュエータをさらに含む、請求項3に記載の輸液ポンプ。
【請求項11】
気泡を減少させるように構成されたバブルトラップをさらに含む、請求項1に記載の輸液ポンプ。
【請求項12】
バイアルから流体を受け入れるように構成された第一ポートと、
シリンジの出口端部に結合するように構成された第二ポートと、
をさらに含み、
前記バブルトラップは、前記第一ポートと前記第二ポートとの間に流体連結される、請求項11に記載の輸液ポンプ。
【請求項13】
前記バブルトラップは、疎水性膜及び一方向弁を含む、請求項11に記載の輸液ポンプ。
【請求項14】
バイアルから流体を受け入れるように構成された第一ポートと、
シリンジの出口端部に結合するように構成された第二ポートと、
をさらに含む、請求項1に記載の輸液ポンプ。
【請求項15】
前記第一ポートは、スパイクコネクタに取り外し可能に結合するように構成される、請求項14に記載の輸液ポンプ。
【請求項16】
前記第一ポートは、輸液セットに取り外し可能に結合するように構成される、請求項14に記載の輸液ポンプ。
【請求項17】
前記ホルダは、前記第一位置と前記第二位置との間の複数の位置に可動である、請求項1に記載の輸液ポンプ。
【請求項18】
前記ロックは、前記ホルダを前記複数の位置のそれぞれに解放可能に固定するように構成される、請求項17に記載の輸液ポンプ。
【請求項19】
前記輸液ポンプは非電動である、請求項1~18の1項に記載の輸液ポンプ。
【請求項20】
輸液ポンプを操作する方法であって、
ホルダ及びポートを有する輸液ポンプを設けることと、
シリンジのシリンジプランジャを前記ホルダに結合することと、
バイアルを前記ポートに流体結合することと、
前記ホルダを第一位置から第二位置に移動させることにより、前記ホルダが前記シリンジプランジャを充填方向に移動させ、前記バイアルからの薬液を前記ポートに通して、前記シリンジに流入させることと、
を含む、前記方法。
【請求項21】
前記ホルダを前記第一位置から前記第二位置に移動させることは、前記ホルダを前記第一位置の方に付勢する付勢力に抗して前記ホルダを移動させることを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ホルダを前記第二位置にロックすることをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記ホルダを前記第二位置からロック解除することにより、前記ホルダが前記第二位置から前記第一位置に移動することが可能になることをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ホルダを前記第二位置にロックする前記ステップは、前記ホルダをラチェットによって前記第二位置にロックすることを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記ホルダを前記第二位置にロックする前記ステップは、ブレーキをパッドと係合させ、前記ブレーキと前記パッドとの間に摩擦を発生させることを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記ホルダを前記第一位置から前記第二位置に移動させる前記ステップは、載荷アクチュエータを操作することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記載荷アクチュエータを操作する前記ステップは、前記載荷アクチュエータを線形的に摺動させることを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記載荷アクチュエータを操作する前記ステップは、前記ホルダを前記第一位置の方に付勢する付勢力に抗して前記ホルダを移動させることを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記付勢力を調整するように速度アクチュエータを操作することをさらに含む、請求項21または28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記付勢力は、エネルギー貯蔵部材によって与えられる、請求項21または28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
第一エネルギー貯蔵部材は、前記ホルダ及び前記載荷アクチュエータを操作可能に結合する、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
第二エネルギー貯蔵部材は、前記ホルダを前記第一位置の方に付勢する、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記バイアルからの前記薬液は、前記シリンジに入る前に、バブルトラップを通り流れる、請求項20に記載の方法。
【請求項34】
前記バブルトラップは、疎水性膜及び一方向弁を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記輸液ポンプは非電動である、請求項20~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
シリンジプランジャに取り外し可能に結合するように構成されたホルダと、
前記ホルダに操作可能に結合された載荷アクチュエータであって、第一位置と第二位置との間で可動である、前記載荷アクチュエータと、
前記ホルダと前記載荷アクチュエータとの間に操作可能に結合されたエネルギー貯蔵部材であって、前記載荷アクチュエータの前記第一位置から前記第二位置への前記移動は、前記エネルギー貯蔵部材を載荷する、前記エネルギー貯蔵部材と、
前記載荷アクチュエータを前記第二位置に解放可能に固定するように構成されたロックと、
を含む、輸液ポンプ。
【請求項37】
スライダをさらに含み、前記スライダは前記載荷アクチュエータに結合されることにより、前記載荷アクチュエータは前記第一位置と前記第二位置との間で移動することが可能になり、前記スライダは線形的に摺動するように構成され、前記ホルダは線形的に摺動するように構成され、前記エネルギー貯蔵部材は前記スライダと前記ホルダとの間に結合される、請求項36に記載の輸液ポンプ。
【請求項38】
前記エネルギー貯蔵部材はばねを含む、請求項36及び37のいずれか1項に記載の輸液ポンプ。
【請求項39】
前記ロックはラチェットを含む、請求項36に記載の輸液ポンプ。
【請求項40】
前記ロックはパッド及びブレーキを含み、前記ブレーキは前記パッドと摩擦係合するように構成される、請求項36に記載の輸液ポンプ。
【請求項41】
前記載荷アクチュエータを前記第二位置に固定することから前記ロックを解放するように構成された送達アクチュエータをさらに含む、請求項36に記載の輸液ポンプ。
【請求項42】
前記載荷アクチュエータを前記第一位置の方に付勢する第二エネルギー貯蔵部材をさらに含む、請求項36に記載の輸液ポンプ。
【請求項43】
前記送達アクチュエータは回転可能である、請求項41に記載の輸液ポンプ。
【請求項44】
前記載荷アクチュエータは、線形的に摺動可能なハンドルである、請求項36に記載の輸液ポンプ。
【請求項45】
気泡を減少させるように構成されたバブルトラップをさらに含む、請求項36に記載の輸液ポンプ。
【請求項46】
バイアルから流体を受け入れるように構成された第一ポートと、
シリンジの出口端部を受け入れるように構成された第二ポートと、
をさらに含み、
前記バブルトラップは、前記第一ポートと前記第二ポートとの間に流体連結される、請求項45に記載の輸液ポンプ。
【請求項47】
前記バブルトラップは、疎水性膜及び一方向弁を含む、請求項45に記載の輸液ポンプ。
【請求項48】
バイアルから流体を受け入れるように構成された第一ポートと、
シリンジの出口端部を受け入れるように構成された第二ポートと、
をさらに含む、請求項36に記載の輸液ポンプ。
【請求項49】
前記第一ポートは、スパイクコネクタに取り外し可能に結合するように構成される、請求項48に記載の輸液ポンプ。
【請求項50】
前記第一ポートは、輸液セットに取り外し可能に結合するように構成される、請求項49に記載の輸液ポンプ。
【請求項51】
前記載荷アクチュエータは、前記第一位置と前記第二位置との間の複数の位置に可動である、請求項36に記載の輸液ポンプ。
【請求項52】
前記ロックは、前記載荷アクチュエータを前記複数の位置のそれぞれに解放可能に固定するように構成される、請求項51に記載の輸液ポンプ。
【請求項53】
前記輸液ポンプは非電動である、請求項36~52の1項に記載の輸液ポンプ。
【請求項54】
輸液ポンプを操作する方法であって、
ホルダを有する輸液ポンプを設けることと、
シリンジのシリンジプランジャを前記ホルダに結合することと、
載荷アクチュエータを第一位置から第二位置に移動させることにより、前記ホルダと前記載荷アクチュエータとの間に操作可能に結合されるエネルギー貯蔵部材の載荷が起こることと、
前記載荷アクチュエータを前記第二位置にロックすることと、
を含み、
前記載荷されたエネルギー貯蔵部材は前記ホルダに荷重を加えることにより、前記ホルダが前記シリンジプランジャを充填方向に移動させ、バイアルからの薬液が前記シリンジに入る、
前記方法。
【請求項55】
第二エネルギー貯蔵部材によって前記載荷アクチュエータを前記第一位置の方に付勢することをさらに含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記第二エネルギー貯蔵部材によって与えられる付勢力を調整するように速度アクチュエータを操作することをさらに含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記載荷アクチュエータを前記第二位置にロックすることは、爪部をラチェットの一部と係合させることを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項58】
前記載荷アクチュエータをロックすることは、ブレーキをパッドと係合させ、前記ブレーキと前記パッドとの間に摩擦を発生させることを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項59】
送達アクチュエータを移動させることによって前記ロックされた載荷アクチュエータを解放することをさらに含む、請求項54に記載の方法。
【請求項60】
前記送達アクチュエータを解放することにより、前記載荷アクチュエータが前記第一位置の方に移動することが可能になる、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記送達アクチュエータを移動させることは、前記送達アクチュエータを回転させることを含み、前記送達アクチュエータは、回転可能なノブを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記載荷アクチュエータを移動させる前記ステップは、前記載荷アクチュエータを線形的に摺動させることを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項63】
前記載荷アクチュエータを移動させる前記ステップは、前記載荷アクチュエータを回転させることを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項64】
前記バイアルからの前記薬液は、前記シリンジに入る前に、バブルトラップを通り流れる、請求項54に記載の方法。
【請求項65】
前記バブルトラップは、疎水性膜及び一方向弁を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記輸液ポンプは非電動である、請求項54~65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
シリンジプランジャに接触するように構成された接触面であって、第一位置と第二位置との間で可動である、前記接触面と、
実質的に一定の荷重を前記接触面に加えることによって、前記接触面を前記第二位置から前記第一位置に移動させるように構成されたエネルギー貯蔵アセンブリと、
前記エネルギー貯蔵アセンブリに操作可能に結合された速度アクチュエータであって、前記実質的に一定の荷重の大きさを機械的に調整するように構成される、前記速度アクチュエータと、を含む、輸液ポンプ。
【請求項68】
前記エネルギー貯蔵アセンブリは、
前記速度アクチュエータに操作可能に結合されたエネルギー貯蔵部材であって、可変出力荷重を与える、前記エネルギー貯蔵部材と、
前記エネルギー貯蔵部材の前記可変出力荷重を前記実質的に一定の荷重に変換するように構成されたリンク機構であって、前記接触面に操作可能に結合される、前記リンク機構と、
を含む、請求項67に記載の輸液ポンプ。
【請求項69】
前記速度アクチュエータは非電動である、請求項67に記載の輸液ポンプ。
【請求項70】
載荷アクチュエータをさらに含み、前記載荷アクチュエータを操作することにより、前記エネルギー貯蔵アセンブリが載荷され、前記接触面が前記第二位置に移動する、請求項67及び68のいずれか1項に記載の輸液ポンプ。
【請求項71】
前記載荷アクチュエータは、回転可能なレバーを含む、請求項70に記載の輸液ポンプ。
【請求項72】
前記エネルギー貯蔵アセンブリは、
ばねであって、前記ばねの一方の端部で前記速度アクチュエータに操作可能に結合される、前記ばねと、
前記ばねの反対側の端部に操作可能に結合されたケーブルと、
レバーであって、前記レバーの第一部分で前記ケーブルに取り付けられ、前記接触面は前記レバーの第二部分に操作可能に結合される、前記レバーと、
を含む、請求項67に記載の輸液ポンプ。
【請求項73】
前記エネルギー貯蔵アセンブリは、第一端部と反対側の第二端部とを有するばねを含み、前記第二端部は前記接触面に操作可能に結合され、前記速度アクチュエータを操作することは、前記レバーに対して前記第一端部の前記位置を移動させる、請求項72に記載の輸液ポンプ。
【請求項74】
前記ばねの前記第一端部は、スライダに固定され、前記速度アクチュエータを操作することは、前記スライダを前記レバーに対して移動させる、請求項73に記載の輸液ポンプ。
【請求項75】
前記エネルギー貯蔵アセンブリは、定荷重ばねを含む、請求項67に記載の輸液ポンプ。
【請求項76】
前記エネルギー貯蔵アセンブリはゼロ長ばねを含む、請求項68に記載の輸液ポンプ。
【請求項77】
前記エネルギー貯蔵アセンブリは線形特性ばねを含む、請求項67に記載の輸液ポンプ。
【請求項78】
前記速度アクチュエータは回転可能なノブを含む、請求項67に記載の輸液ポンプ。
【請求項79】
前記第一位置の方への前記接触面の移動を防止するように構成されたロックをさらに含む、請求項67に記載の輸液ポンプ。
【請求項80】
前記ロックはラチェットを含む、請求項79に記載の輸液ポンプ。
【請求項81】
前記ロックはパッド及びブレーキを含み、前記ブレーキは前記パッドと摩擦係合するように構成される、請求項79に記載の輸液ポンプ。
【請求項82】
前記速度アクチュエータは、10~200Nの間で前記実質的に一定の荷重の前記大きさを調整するように構成される、請求項67に記載の輸液ポンプ。
【請求項83】
気泡を減少させるように構成されたバブルトラップをさらに含む、請求項67に記載の輸液ポンプ。
【請求項84】
バイアルから流体を受け入れるように構成された第一ポートと、
シリンジの出口端部を受け入れるように構成された第二ポートと、
をさらに含み、
前記バブルトラップは、前記第一ポートと前記第二ポートとの間に流体連結される、請求項83に記載の輸液ポンプ。
【請求項85】
前記バブルトラップは、疎水性膜及び一方向弁を含む、請求項83に記載の輸液ポンプ。
【請求項86】
前記接触面は、前記第一位置と前記第二位置との間の複数の位置に可動である、請求項67に記載の輸液ポンプ。
【請求項87】
前記複数の位置のそれぞれに前記接触面を解放可能に固定するように構成されたロックをさらに含む、請求項86に記載の輸液ポンプ。
【請求項88】
前記輸液ポンプは非電動である、請求項67~87の1項に記載の輸液ポンプ。
【請求項89】
前記エネルギー貯蔵部材は、定荷重ばね、ゼロ長ばね、及び線形特性ばねの群から選択された1つである、請求項68に記載の輸液ポンプ。
【請求項90】
輸液ポンプを操作する方法であって、
エネルギー貯蔵アセンブリを載荷するように載荷アクチュエータを操作することであって、前記エネルギー貯蔵アセンブリは載荷状態中にロックされるようになる、前記操作することと、
前記エネルギー貯蔵アセンブリを前記載荷状態からロック解除することにより、前記エネルギー貯蔵アセンブリは除荷され、実質的に一定の荷重を発生し、接触面に伝達することにより、前記接触面はシリンジプランジャに対して当接し、前記シリンジプランジャを分注方向に移動させることと、
前記実質的に一定の荷重の大きさを機械的に調整するように速度アクチュエータを操作することと、
を含む、前記方法。
【請求項91】
前記エネルギー貯蔵アセンブリは、第一端部と反対側の第二端部とを有するばねを含み、前記第二端部は前記載荷アクチュエータに操作可能に結合され、前記速度アクチュエータを操作する前記ステップは、前記速度アクチュエータに対して前記第一端部の前記位置を移動させることを含む、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記速度アクチュエータは非電動である、請求項90に記載の方法。
【請求項93】
前記速度アクチュエータを操作する前記ステップは、前記エネルギー貯蔵アセンブリの載荷を増大させることによって、前記実質的に一定の荷重の前記大きさを増大させることを含む、請求項90に記載の方法。
【請求項94】
前記速度アクチュエータを操作する前記ステップは、前記エネルギー貯蔵アセンブリの載荷を減少させることによって、前記実質的に一定の荷重の前記大きさを減少させることを含む、請求項90に記載の方法。
【請求項95】
前記エネルギー貯蔵アセンブリは、ばね及びリンク機構を含み、前記リンク機構は、前記ばねの可変荷重を前記実質的に一定の荷重に変換する、請求項90に記載の方法。
【請求項96】
前記ばねは、前記ばねの一方の端部で前記速度アクチュエータに操作可能に結合され、
前記リンク機構は、
前記ばねの反対側の端部に操作可能に結合されたケーブルと、
レバーであって、前記レバーの第一部分で前記ケーブルに取り付けられ、前記接触面は前記レバーの第二部分に操作可能に結合される、前記レバーと、
を含む、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記エネルギー貯蔵アセンブリは、ラチェットによって載荷状態中にロックされるようになる、請求項90に記載の方法。
【請求項98】
前記エネルギー貯蔵アセンブリをロック解除する前記ステップは、送達アクチュエータを移動させることを含む、請求項90に記載の方法。
【請求項99】
前記輸液ポンプは非電動である、請求項90~98のいずれか1項に記載の方法。
【請求項100】
シリンジプランジャに接触するように構成された接触面であって、第一位置と第二位置との間で可動である、前記接触面と、
実質的に一定の荷重を前記接触面に加えることによって、前記接触面を前記第二位置から前記第一位置に移動させるように構成されたエネルギー貯蔵アセンブリであって、
前記接触面に操作可能に結合されたリンク機構、及び
可変出力荷重を与えるエネルギー貯蔵部材、
を含む、前記エネルギー貯蔵アセンブリと、
を含み、
前記リンク機構は前記エネルギー貯蔵部材の前記可変出力荷重を前記実質的に一定の荷重に変換するように構成される、
輸液ポンプ。
【請求項101】
前記エネルギー貯蔵アセンブリに操作可能に結合された速度アクチュエータをさらに含み、前記速度アクチュエータは、前記実質的に一定の荷重の大きさを機械的に調整するように構成される、請求項100に記載の輸液ポンプ。
【請求項102】
前記速度アクチュエータは非電動である、請求項101に記載の輸液ポンプ。
【請求項103】
載荷アクチュエータをさらに含み、前記載荷アクチュエータを操作することにより、前記エネルギー貯蔵アセンブリが載荷され、前記接触面が前記第二位置に移動する、請求項100~102のいずれか1項に記載の輸液ポンプ。
【請求項104】
前記載荷アクチュエータは、回転可能なレバーを含む、請求項103に記載の輸液ポンプ。
【請求項105】
前記エネルギー貯蔵アセンブリは、
前記エネルギー貯蔵部材の一方の端部に操作可能に結合されたケーブルと、
レバーであって、前記レバーの第一部分で前記ケーブルに取り付けられ、前記接触面は前記レバーの第二部分に操作可能に結合され、前記エネルギー貯蔵部材は反対側の端部で前記速度アクチュエータに操作可能に結合される、前記レバーと、
をさらに含む、請求項101に記載の輸液ポンプ。
【請求項106】
前記第一位置の方への前記接触面の移動を防止するように構成されたロックをさらに含む、請求項100に記載の輸液ポンプ。
【請求項107】
載荷アクチュエータによって操作可能な第一スレッジであって、シリンジプランジャを線形的に変位させるように構成される、前記第一スレッジと、
前記第一スレッジに操作可能に結合される第二スレッジと、
前記第二スレッジをロック配置に保定するように前記第二スレッジと係合可能なロックであって、エネルギー貯蔵部材内に貯蔵されたエネルギーによって前記第二スレッジが駆動され、ロック解除配置では前記第一スレッジを分注方向に線形的に変位させることを可能にするように構成される、前記ロックと、
を含む、輸液ポンプ。
【請求項108】
シリンジバレルと取り外し可能に流体連通するポートをさらに含み、前記シリンジバレルは前記シリンジプランジャに関連しており、前記ポートは流体容器に取り外し可能に結合するように構成され、前記載荷アクチュエータの操作は、前記ロックが前記ロック解除配置にあるとき、前記流体容器から前記シリンジバレルへの流体の流れを付勢する、請求項107に記載の輸液ポンプ。
【請求項109】
前記ポートは、輸液セットに取り外し可能に結合するように構成される、請求項108に記載の輸液ポンプ。
【請求項110】
前記エネルギー貯蔵部材に操作可能に結合される速度アクチュエータをさらに含み、前記速度アクチュエータは、前記エネルギー貯蔵部材内に貯蔵されたエネルギーを機械的に調整するように構成される、請求項107に記載の輸液ポンプ。
【請求項111】
前記エネルギー貯蔵部材内に貯蔵されたエネルギーは、前記第二スレッジを実質的に定速で線形的に変位させるように構成される、請求項107に記載の輸液ポンプ。
【請求項112】
前記ロックに操作可能に結合される第一歯車と、
前記第一スレッジに操作可能に結合される第二歯車であって、前記第二歯車は前記第一歯車と係合するように構成され、前記第二歯車と前記第一歯車との間の歯数比は1:1より大きい、前記第二歯車と、
をさらに含む、請求項107に記載の輸液ポンプ。
【請求項113】
前記ロックが前記ロック配置にあるとき、前記ロックは、前記第一スレッジ及び前記載荷アクチュエータを解放可能に結合解除するように構成される、請求項107に記載の輸液ポンプ。
【請求項114】
前記ロックが前記ロック解除配置にあるとき、前記第二スレッジは、前記第一スレッジに実質的に一定の荷重を加えて、前記第一スレッジを変位させるように構成される、請求項107に記載の輸液ポンプ。
【請求項115】
前記ロックはラチェットを含む、請求項107に記載の輸液ポンプ。
【請求項116】
前記ロックはパッド及びブレーキを含み、前記ブレーキは前記パッドと摩擦係合するように構成される、請求項107に記載の輸液ポンプ。
【請求項117】
前記輸液ポンプは非電動である、請求項107に記載の輸液ポンプ。
【請求項118】
前記ロックが前記ロック解除配置にあるとき、前記第二スレッジは、前記第一スレッジを前記分注方向のみに線形的に変位させるように構成される、請求項107に記載の輸液ポンプ。
【請求項119】
輸液ポンプを操作する方法であって、
第一スレッジを線形的に変位させるように載荷アクチュエータを操作することであって、前記第一スレッジはシリンジプランジャを線形的に変位させるように構成される、前記操作することと、
第二スレッジを、前記第二スレッジと係合可能なロックによってロック配置で保定することであって、前記第二スレッジは前記第一スレッジに操作可能に結合される、前記保定することと、
前記ロックを解除して、エネルギー貯蔵部材内に貯蔵されたエネルギーによって前記第二スレッジを駆動して、ロック解除配置では前記第一スレッジを分注方向に線形的に変位させることを可能にすることと、
を含む、前記方法。
【請求項120】
前記載荷アクチュエータを操作することは、前記輸液ポンプのポートに取り外し可能に結合される流体容器から流体の流れを付勢することを含む、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
前記ポートを輸液セットに取り外し可能に結合することをさらに含み、前記ポートは、前記シリンジプランジャに関連するシリンジバレルと取り外し可能に流体連通している、請求項120に記載の方法。
【請求項122】
エネルギー貯蔵部材内に貯蔵されたエネルギーを機械的に調整することをさらに含む、請求項120に記載の方法。
【請求項123】
前記エネルギー貯蔵部材内に貯蔵された前記エネルギーによって、前記第二スレッジを実質的に定速で線形的に変位させることをさらに含む、請求項122に記載の方法。
【請求項124】
前記ロックが前記ロック配置にあるとき、前記第一スレッジ及び前記載荷アクチュエータを結合解除することをさらに含む、請求項119に記載の方法。
【請求項125】
前記ロックが前記ロック解除配置にあるとき、前記第二スレッジによって前記第一スレッジに実質的に一定の荷重を加えて、前記第一スレッジを変位させることをさらに含む、請求項119に記載の方法。
【請求項126】
前記第二スレッジと前記エネルギー貯蔵部材との間に操作可能に結合される実質的に非可撓性のコネクタワイヤによって、前記エネルギー貯蔵部材の可変出力荷重を前記第一スレッジに加えられた前記実質的に一定の荷重に変換することをさらに含む、請求項125に記載の方法。
【請求項127】
前記ロックが前記ロック解除配置にあるとき、前記第一スレッジを前記第二スレッジによって前記分注方向のみに線形的に変位させることをさらに含む、請求項119に記載の方法。
【請求項128】
シリンジに取り外し可能に結合し、前記シリンジの少なくとも一部を押し引きするように構成されたホルダと、
前記ホルダに操作可能に結合される載荷アクチュエータであって、前記ホルダを変位させるように構成される、前記載荷アクチュエータと、
前記シリンジと取り外し可能に流体連通しているポートであって、流体容器に取り外し可能に結合するように構成される、前記ポートと、
を含み、
前記載荷アクチュエータの操作は、前記流体容器から前記シリンジへの流体の流れを付勢する、
輸液ポンプ。
【請求項129】
前記ポートと取り外し可能に流体連通しているバブルトラップをさらに含み、前記バブルトラップは気泡を減少させるように構成される、請求項128に記載の輸液ポンプ。
【請求項130】
ロック配置とロック解除配置との間で可動なロックをさらに含み、前記ロックが前記ロック配置にあるとき、前記ロックは前記シリンジからの流体の流出を遮断するように前記ホルダと係合可能であり、前記ロックが前記ロック解除配置にあるとき、前記ロックは、エネルギー貯蔵部材内に貯蔵されたエネルギーによって前記ホルダを駆動して、前記ホルダを分注方向に線形的に変位させることを可能にすることによって、前記シリンジからの流体の流出を可能にするように構成される、請求項128に記載の輸液ポンプ。
【請求項131】
前記エネルギー貯蔵部材に操作可能に結合される速度アクチュエータをさらに含み、前記速度アクチュエータは、前記エネルギー貯蔵部材内に貯蔵されたエネルギーを機械的に調整するように構成される、請求項130に記載の輸液ポンプ。
【請求項132】
前記エネルギー貯蔵部材内に貯蔵されたエネルギーは、前記ホルダを実質的に定速で線形的に変位させるように構成される、請求項130に記載の輸液ポンプ。
【請求項133】
前記ロックが前記ロック配置にあるとき、前記ロックは、前記ホルダ及び前記載荷アクチュエータを解放可能に結合解除するように構成される、請求項130に記載の輸液ポンプ。
【請求項134】
前記載荷アクチュエータは回転可能である、請求項128に記載の輸液ポンプ。
【請求項135】
輸液ポンプを操作する方法であって、
ホルダを変位させるように前記ホルダに操作可能に結合される載荷アクチュエータを操作することであって、前記ホルダはシリンジに取り外し可能に結合し、前記シリンジの少なくとも一部を押し引きするように構成される、前記操作することと、
前記載荷アクチュエータによって前記ホルダを変位させることと、
流体容器をポートに取り外し可能に結合することであって、前記ポートは前記シリンジと取り外し可能に流体連通している、前記結合することと、
を含み、
前記載荷アクチュエータの操作は、前記流体容器から前記シリンジへの流体の流れを付勢する、
前記方法。
【請求項136】
ロックがロック配置にあるとき、前記ホルダと係合可能な前記ロックによって前記シリンジからの流体流出を遮断することと、
前記ロックがロック解除配置にあるとき、エネルギー貯蔵部材内に貯蔵されたエネルギーによって前記ホルダを駆動して、前記ホルダを分注方向に線形的に変位させることを可能にすることによって、前記シリンジからの流体流出を可能にすることと、
をさらに含む、請求項135に記載の方法。
【請求項137】
前記ポートを輸液セットに取り外し可能に結合することをさらに含む、請求項135に記載の方法。
【請求項138】
エネルギー貯蔵部材内に貯蔵されたエネルギーを機械的に調整することをさらに含む、請求項135に記載の方法。
【請求項139】
前記ロックが前記ロック配置にあるとき、前記ホルダ及び前記載荷アクチュエータを結合解除することをさらに含む、請求項136に記載の方法。
【請求項140】
前記シリンジからの前記流体流出を可能にすることは、実質的に定速で前記シリンジからの前記流体流出を可能にすることを含む、請求項136に記載の方法。
【請求項141】
シリンジプランジャに取り外し可能に結合し、前記シリンジプランジャを押し引きするように構成されたホルダと、
前記ホルダに操作可能に結合される速度アクチュエータと、
前記速度アクチュエータと前記ホルダとの間に操作可能に結合されるエネルギー貯蔵部材であって、前記速度アクチュエータの操作は前記エネルギー貯蔵部材内に貯蔵されたエネルギーを機械的に調整する、前記エネルギー貯蔵部材と、
前記ホルダと係合可能なロックであって、前記ロックがロック解除配置にあるとき、前記エネルギー貯蔵部材と前記ホルダとの間の力の伝達が前記ホルダを変位させることを可能にする、前記ロックと、
を含む、
輸液ポンプ。
【請求項142】
前記エネルギー貯蔵部材は可変出力荷重を与えるように構成される、請求項141に記載の輸液ポンプ。
【請求項143】
実質的に一定の荷重を前記ホルダに加えるように構成された駆動アームと、
前記駆動アームと前記エネルギー貯蔵部材との間に操作可能に結合される実質的に非可撓性のコネクタワイヤであって、前記エネルギー貯蔵部材の前記可変出力荷重を前記実質的に一定の荷重に変換するように構成される、前記実質的に非可撓性のコネクタワイヤと、
をさらに含む、請求項142に記載の輸液ポンプ。
【請求項144】
前記ロックが前記ロック解除配置にあるとき、前記駆動アームは、前記ホルダを分注方向のみに線形的に変位させるように構成される、請求項143に記載の輸液ポンプ。
【請求項145】
シリンジバレルと取り外し可能に流体連通しているポートをさらに含み、前記シリンジバレルは前記シリンジプランジャに関連しており、前記ポートは流体容器に取り外し可能に結合するように構成され、前記ロックが前記ロック解除配置にあるとき、前記エネルギー貯蔵部材と前記ホルダとの間の力の伝達は、前記流体容器から前記シリンジバレルへの流体の流れを付勢する、請求項141に記載の輸液ポンプ。
【請求項146】
前記ポートは、輸液セットに取り外し可能に結合するように構成される、請求項145に記載の輸液ポンプ。
【請求項147】
前記ロックに操作可能に結合される第一歯車と、
前記ホルダに操作可能に結合される第二歯車であって、前記第二歯車は前記第一歯車と係合するように構成され、前記第二歯車と前記第一歯車との間の歯数比は1:1より大きい、前記第二歯車と、
をさらに含む、請求項141に記載の輸液ポンプ。
【請求項148】
前記ホルダに操作可能に結合される載荷アクチュエータをさらに含み、前記載荷アクチュエータは前記ホルダを変位させるように構成され、前記ロックがロック配置にあるとき、前記ロックは、前記ホルダ及び前記載荷アクチュエータを解放可能に結合解除するように構成される、請求項141に記載の輸液ポンプ。
【請求項149】
前記ロックはラチェットを含む、請求項141に記載の輸液ポンプ。
【請求項150】
前記ロックはパッド及びブレーキを含み、前記ブレーキは前記パッドと摩擦係合するように構成される、請求項141に記載の輸液ポンプ。
【請求項151】
前記輸液ポンプは非電動である、請求項141に記載の輸液ポンプ。
【請求項152】
輸液ポンプを操作する方法であって、
エネルギー貯蔵部材内に貯蔵されたエネルギーを機械的に調整するように速度アクチュエータを操作することであって、前記エネルギー貯蔵部材は前記速度アクチュエータとホルダとの間に操作可能に結合され、前記ホルダはシリンジプランジャに取り外し可能に結合し、前記シリンジプランジャを押し引きするように構成される、前記操作することと、
ロックをロック解除配置に配置することによって、前記エネルギー貯蔵部材と前記ホルダとの間の力の伝達を可能にすることであって、前記ロックは前記ホルダと係合可能である、前記可能にすることと、
を含む、前記方法。
【請求項153】
駆動アームによって前記ホルダに実質的に一定の荷重を加えることと、
前記駆動アームと前記エネルギー貯蔵部材との間に操作可能に結合される実質的に非可撓性のコネクタワイヤによって、前記エネルギー貯蔵部材の可変出力荷重を前記ホルダに加えられた前記実質的に一定の荷重に変換することと、
をさらに含む、請求項152に記載の方法。
【請求項154】
前記ロックが前記ロック解除配置にあるとき、前記駆動アームによって前記ホルダを分注方向のみに線形的に変位させることをさらに含む、請求項153に記載の方法。
【請求項155】
前記ロックが前記ロック解除配置にあるとき、ポートに取り外し可能に流体連通している流体容器からシリンジバレルへの流体の流れを付勢するように載荷アクチュエータを操作することをさらに含む、請求項152に記載の方法。
【請求項156】
前記ロックが前記ロック配置にあるとき、前記ホルダ及び前記載荷アクチュエータを結合解除することをさらに含む、請求項155に記載の方法。
【請求項157】
ロック解除配置ではシリンジからの流体流出を可能にするように構成されたロックアクチュエータであって、ロック配置では前記シリンジからの流体流出を遮断するように構成される、前記ロックアクチュエータと、
前記ロックアクチュエータの前記ロック配置では、前記ロックアクチュエータの一部と係合するように構成されたラチェットホイールであって、第一歯車に回転して結合される、前記ラチェットホイールと、
前記第一歯車と係合するように構成された第二歯車であって、前記第二歯車は前記シリンジに操作可能に結合され、前記第二歯車と前記第一歯車との間の歯数比は1:1より大きい、前記第二歯車と、
を含む、輸液ポンプ。
【請求項158】
前記シリンジに操作可能に結合される載荷アクチュエータをさらに含み、前記載荷アクチュエータは前記シリンジを線形的に変位させるように構成される、請求項157に記載の輸液ポンプ。
【請求項159】
前記ロックアクチュエータが前記ロック配置にあるとき、前記ロックアクチュエータは、前記シリンジ及び前記載荷アクチュエータを解放可能に結合解除するように構成される、請求項158に記載の輸液ポンプ。
【請求項160】
前記ロックアクチュエータの前記一部は爪部である、請求項157に記載の輸液ポンプ。
【請求項161】
前記第二歯車と前記第一歯車との間の前記歯数比は3:1より大きい、請求項157に記載の輸液ポンプ。
【請求項162】
輸液ポンプを操作する方法であって、
ロック解除配置ではロックアクチュエータを配置することによってシリンジからの流体流出を可能にすることと、
ロック配置では前記ロックアクチュエータの一部とラチェットホイールを係合するように前記ロックアクチュエータを配置することによって、前記シリンジからの流体流出を遮断することであって、前記ラチェットホイールは第一歯車に回転して結合され、前記第一歯車は前記シリンジに操作可能に結合される第二歯車と係合するように構成され、前記第二歯車と前記第一歯車との間の歯数比は1:1より大きい、前記遮断することと、
を含む、前記方法。
【請求項163】
載荷アクチュエータによって前記シリンジを線形的に変位させることをさらに含む、請求項162に記載の方法。
【請求項164】
前記シリンジからの流体流出を遮断することは、前記ロックアクチュエータが前記ロック配置にあるとき、前記シリンジ及び前記載荷アクチュエータを解放可能に結合解除することをさらに含む、請求項163に記載の方法。
【請求項165】
前記第二歯車と前記第一歯車との間の前記歯数比は3:1より大きい、請求項162に記載の方法。
【請求項166】
前記輸液ポンプのポートに取り外し可能に結合される流体容器から流体の流れを付勢するように前記載荷アクチュエータを操作することをさらに含む、請求項163に記載の方法。
【請求項167】
シリンジプランジャに取り外し可能に結合し、前記シリンジプランジャを押し引きするように構成されたホルダと、
前記ホルダに操作可能に結合される載荷アクチュエータであって、前記載荷アクチュエータの操作により、前記ホルダは前記シリンジプランジャを押し引きする、前記載荷アクチュエータと、
ロック解除配置では前記シリンジプランジャに関連するシリンジバレルからの流体流出を可能にするように構成されたロックであって、前記ロックはロック配置では前記シリンジバレルからの流体流出を遮断するように構成され、前記ロックは前記ロック配置では前記ホルダ及び前記載荷アクチュエータを解放可能に結合解除するように構成される、前記ロックと、
を含む、輸液ポンプ。
【請求項168】
前記ロックは前記載荷アクチュエータに操作可能に結合されるクラッチを含み、前記クラッチは前記ホルダ及び前記載荷アクチュエータを結合解除するように構成される、請求項167に記載の輸液ポンプ。
【請求項169】
前記ロックが前記ロック解除配置にあるとき、前記ロックは、前記ホルダがエネルギー貯蔵部材内に貯蔵されたエネルギーによって駆動され、前記ホルダを線形的に変位させることを可能にすることによって、前記シリンジバレルからの流体流出を可能にするように構成される、請求項167に記載の輸液ポンプ。
【請求項170】
前記シリンジバレルと取り外し可能に流体連通しているポートをさらに含み、前記ポートは流体容器に取り外し可能に結合するように構成され、前記載荷アクチュエータの操作は、前記ロックが前記ロック解除配置にあるとき、前記流体容器から前記シリンジバレルへの流体の流れを付勢する、請求項167に記載の輸液ポンプ。
【請求項171】
前記エネルギー貯蔵部材に操作可能に結合される速度アクチュエータをさらに含み、前記速度アクチュエータは、前記エネルギー貯蔵部材内に貯蔵されたエネルギーを機械的に調整するように構成される、請求項169に記載の輸液ポンプ。
【請求項172】
前記エネルギー貯蔵部材内に貯蔵されたエネルギーは、前記ホルダを実質的に定速で線形的に変位させるように構成される、請求項169に記載の輸液ポンプ。
【請求項173】
前記ホルダは、実質的に一定のスピードで前記シリンジプランジャを線形的に変位させるように構成され、前記実質的に一定のスピードは、前記速度アクチュエータによって調整可能である、請求項171に記載の輸液ポンプ。
【請求項174】
前記ロックはラチェットを含む、請求項167に記載の輸液ポンプ。
【請求項175】
前記ロックはパッド及びブレーキを含み、前記ブレーキは前記パッドと摩擦係合するように構成される、請求項167に記載の輸液ポンプ。
【請求項176】
輸液ポンプを操作する方法であって、
ホルダを線形的に作動させるように載荷アクチュエータを操作することであって、前記ホルダはシリンジプランジャに取り外し可能に結合するように構成され、前記ホルダは前記シリンジプランジャを押し引きするように構成される、前記操作することと、
ロックをロック解除配置に配置することによって、前記シリンジプランジャに関連するシリンジバレルからの流体流出を可能にすることと、
前記ロックをロック配置に配置することによって前記シリンジバレルからの前記流体流出を遮断することと、
前記ロック配置では前記ホルダ及び前記載荷アクチュエータを解放可能に結合解除することと、
を含む、前記方法。
【請求項177】
前記ホルダ及び前記載荷アクチュエータをクラッチによって解放可能に結合解除することをさらに含み、前記クラッチは前記ロックの一部を形成する、請求項176に記載の方法。
【請求項178】
前記シリンジバレルからの前記流体流出を可能にすることは、前記ロックが前記ロック解除配置にあるとき、前記ホルダがエネルギー貯蔵部材内に貯蔵されたエネルギーによって駆動され、前記ホルダを線形的に変位させることを可能にすることを含む、請求項176に記載の方法。
【請求項179】
前記載荷アクチュエータを操作することは、前記ロックが前記ロック解除配置にあるとき、ポートに取り外し可能に結合される流体容器から前記シリンジバレルへの流体の流れを付勢することを含み、前記ポートは前記シリンジバレルと取り外し可能に流体連通している、請求項176に記載の方法。
【請求項180】
前記エネルギー貯蔵部材内に貯蔵されたエネルギーを機械的に調整することをさらに含む、請求項178に記載の方法。
【請求項181】
前記エネルギー貯蔵部材内に貯蔵された前記エネルギーによって、前記ホルダを実質的に定速で線形的に変位させることをさらに含む、請求項178に記載の方法。
【請求項182】
前記実質的に定速を調整することをさらに含む、請求項181に記載の方法。
【請求項183】
シリンジプランジャに取り外し可能に結合し、前記シリンジプランジャを押し引きするように構成されたホルダと、
実質的に一定の荷重を前記ホルダに加えて前記ホルダを変位させるように構成されたエネルギー貯蔵アセンブリであって、
可変出力荷重を与えるように構成されたエネルギー貯蔵部材、
前記実質的に一定の荷重を前記ホルダに加えるように構成された駆動アーム、及び
前記駆動アームと前記エネルギー貯蔵部材との間に操作可能に結合されるリンク機構であって、前記エネルギー貯蔵部材の前記可変出力荷重を前記実質的に一定の荷重に変換するように構成される、前記リンク機構、
を含む、前記エネルギー貯蔵アセンブリと、
を含む、輸液ポンプ。
【請求項184】
前記リンク機構は実質的に非可撓性のコネクタワイヤである、請求項183に記載の輸液ポンプ。
【請求項185】
前記エネルギー貯蔵アセンブリに操作可能に結合される速度アクチュエータをさらに含み、前記速度アクチュエータは、前記実質的に一定の荷重の大きさを機械的に調整するように構成される、請求項183に記載の輸液ポンプ。
【請求項186】
前記ホルダに操作可能に結合されるロックをさらに含み、前記ロックがロック解除配置にあるとき、前記ロックは、前記エネルギー貯蔵部材と前記ホルダとの間の力の伝達が前記ホルダを分注方向に向けて変位させることを可能にするように、前記ホルダと係合可能である、請求項183に記載の輸液ポンプ。
【請求項187】
前記ホルダに操作可能に結合されるロックをさらに含み、前記ロックがロック配置にあるとき、前記ロックは、前記エネルギー貯蔵部材と前記ホルダとの間の力の伝達を遮断するように、前記ホルダと係合可能である、請求項183に記載の輸液ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)項に基づき、2021年9月10日出願の米国仮出願第63/242,968号、2022年8月10日出願の米国仮出願第63/396,926号、及び2022年8月11日出願の米国仮出願第63/397,350号の利益を主張するものであり、これら全体は参照により本明細書に援用されている。
【0002】
開示される実施形態は、輸液ポンプ及び関連する使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
薬液は、様々な方法で患者に投与される。これらの従来の方法は、典型的には、シリンジによる注射、摂取、または輸液ポンプ及び針による送達を含む。輸液ポンプによる投与の場合、制御された量の薬液を予めプログラムされた速度または自動間隔で患者に送達し得る。従来の輸液ポンプは、高価で、操作が複雑であることがあり、医療提供者が繊細な洗浄プロセスを行う必要があることがある。
【0004】
一般的には、輸液ポンプによる薬液の送達は、熟練した医療提供者によって行われ、医療提供者は、薬液を投与するために輸液ポンプを操作することを担当するだけでなく、輸液ポンプのあらゆるメンテナンスまたは洗浄も必要である場合がある。また医療提供者は、輸液を容易にするために、ニードルセット、チューブ類、及び薬液の容器を含む任意の付属品を輸液ポンプに連結する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、シリンジプランジャを押し引きするように構成されたホルダであって、ホルダはシリンジプランジャに結合するように構成され、ホルダは第一位置と第二位置との間で可動であり、ホルダは第一位置の方に付勢される、ホルダと、ホルダに操作可能に結合された載荷アクチュエータであって、載荷アクチュエータの操作により、ホルダは第一位置から第二位置に移動する、載荷アクチュエータと、ホルダを第二位置に解放可能に固定するように構成されたロックとを含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプを操作する方法は、ホルダ及びポートを有する輸液ポンプを設けることと、シリンジのシリンジプランジャをホルダに結合することと、バイアルをポートに流体結合することと、ホルダを第一位置から第二位置に移動させることにより、ホルダはシリンジプランジャを充填方向に移動させ、バイアルから薬液は流れてポートを通り、シリンジに入ることとを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、シリンジプランジャに取り外し可能に結合するように構成されたホルダと、ホルダに操作可能に結合された載荷アクチュエータであって、第一位置と第二位置との間で可動である、載荷アクチュエータと、ホルダと載荷アクチュエータとの間で操作可能に結合されたエネルギー貯蔵部材であって、第一位置から第二位置への載荷アクチュエータの移動はエネルギー貯蔵部材に載荷する、エネルギー貯蔵部材と、載荷アクチュエータを第二位置に取り外し可能に固定するように構成されたロックとを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプを操作する方法は、ホルダを有する輸液ポンプを設けることと、シリンジのシリンジプランジャをホルダに結合することと、載荷アクチュエータを第一位置から第二位置に移動させることにより、ホルダと載荷アクチュエータとの間に操作可能に結合されるエネルギー貯蔵部材の載荷が起こることと、載荷アクチュエータを第二位置にロックすることとを含む。いくつかの実施形態では、載荷されたエネルギー貯蔵部材はホルダに荷重を加えることにより、ホルダがシリンジプランジャを充填方向に移動させ、バイアルからの薬液がシリンジに入る。
【0009】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、シリンジプランジャに接触するように構成された接触面であって、第一位置と第二位置との間で可動である、接触面と、実質的に一定の荷重を接触面に加えることによって、第二位置から第一位置に接触面を移動させるように構成されたエネルギー貯蔵アセンブリと、エネルギー貯蔵アセンブリに操作可能に結合された速度アクチュエータであって、実質的に一定の荷重の大きさを機械的に調整するように構成される、速度アクチュエータとを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプを操作する方法は、エネルギー貯蔵アセンブリを載荷するように載荷アクチュエータを操作することであって、エネルギー貯蔵アセンブリは載荷状態中にロックされるようになる、操作することと、エネルギー貯蔵アセンブリを載荷状態からロック解除することにより、エネルギー貯蔵アセンブリを除荷し、実質的に一定の荷重を発生させて、接触面に伝達することにより、接触面をシリンジプランジャに対して当接し、シリンジプランジャを分注方向に移動させることと、実質的に一定の荷重の大きさを機械的に調整するように速度アクチュエータを操作することとを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、シリンジプランジャに接触するように構成された接触面であって、第一位置と第二位置との間で可動である、接触面と、実質的に一定の荷重を接触面に加えることによって、第二位置から第一位置に接触面を移動させるように構成されたエネルギー貯蔵アセンブリとを含む。いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵アセンブリは、接触面に操作可能に結合されたリンク機構と、エネルギー貯蔵部材とを含む。いくつかの実施形態では、リンク機構はエネルギー貯蔵部材の可変出力荷重を実質的に一定の荷重に変換するように構成される。
【0012】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、載荷アクチュエータによって操作可能な第一スレッジを含み得る。第一スレッジは、シリンジプランジャを線形的に変位させるように構成され得る。輸液ポンプは、第一スレッジに操作可能に結合される第二スレッジを含み得る。輸液ポンプは、第二スレッジをロック配置に保定するように、第二スレッジと係合可能なロックを含み得る。いくつかの実施形態では、ロックは、エネルギー貯蔵部材内に貯蔵されたエネルギーによって第二スレッジを駆動して、第一スレッジをロック解除配置内の分注方向に線形的に変位させることを可能にするように構成されてもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプを操作する方法は、第一スレッジを線形的に変位させるように載荷アクチュエータを操作することを含んでもよく、第一スレッジはシリンジプランジャを線形的に変位させるように構成されてよい。また方法は、第二スレッジを、第二スレッジと係合可能なロックによってロック配置で保定することを含んでもよく、第二スレッジは第一スレッジに操作可能に結合される。また方法は、ロックを解除して、エネルギー貯蔵部材内に貯蔵されたエネルギーによって第二スレッジを駆動して、第一スレッジをロック解除配置内の分注方向に線形的に変位させることを可能にすることを含んでもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、シリンジに取り外し可能に結合し、シリンジの少なくとも一部を押し引きするように構成されたホルダを含んでもよい。輸液ポンプは、ホルダに操作可能に結合される載荷アクチュエータを含んでもよい。載荷アクチュエータは、ホルダを変位させるように構成され得る。輸液ポンプは、シリンジと取り外し可能に流体連通しているポートを含んでもよく、ポートは流体容器に取り外し可能に結合するように構成されてもよい。載荷アクチュエータの操作は、流体容器からシリンジへの流体の流れを付勢し得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプを操作する方法は、ホルダを変位させるようにホルダに操作可能に結合される載荷アクチュエータを操作することを含み得る。ホルダは、シリンジに取り外し可能に結合し、シリンジの少なくとも一部を押し引きするように構成されてもよい。方法は、載荷アクチュエータによってホルダを変位させることを含んでもよい。方法は、流体容器をポートに取り外し可能に結合することを含み得る。ポートは、シリンジと取り外し可能に流体連通していてもよい。載荷アクチュエータの操作は、流体容器からシリンジへの流体の流れを付勢し得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、シリンジプランジャに取り外し可能に結合し、シリンジプランジャを押し引きするように構成されたホルダを含んでもよい。輸液ポンプは、ホルダに操作可能に結合される速度アクチュエータを含んでもよい。輸液ポンプは、速度アクチュエータとホルダとの間に操作可能に結合されるエネルギー貯蔵部材を含み得る。いくつかの実施形態では、速度アクチュエータの操作は、エネルギー貯蔵部材内に貯蔵されたエネルギーを機械的に調整し得る。輸液ポンプは、ホルダと係合可能なロックを含んでもよく、ロックがロック解除配置にあるとき、エネルギー貯蔵部材とホルダとの間の力の伝達がホルダを変位させることを可能にする。
【0017】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプを操作する方法は、エネルギー貯蔵部材内に貯蔵されたエネルギーを機械的に調整するように速度アクチュエータを操作することを含み得る。エネルギー貯蔵部材は、速度アクチュエータとホルダとの間に操作可能に結合され得る。ホルダは、シリンジプランジャに取り外し可能に結合し、シリンジプランジャを押し引きするように構成され得る。方法は、ロックをロック解除配置に配置することによって、エネルギー貯蔵部材とホルダとの間の力の伝達を可能にすることを含み得る。ロックはホルダと係合可能であってもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、ロック解除配置では、シリンジからの流体流出を可能にするように構成されたロックアクチュエータを含み得る。ロックアクチュエータは、ロック配置では、シリンジからの流体流出を遮断するように構成され得る。輸液ポンプは、ロックアクチュエータのロック配置では、ロックアクチュエータの一部と係合するように構成されたラチェットホイールを含み得る。ラチェットホイールは、第一歯車に回転して結合され得る。輸液ポンプは、第一歯車と係合するように構成された第二歯車を含み得、第二歯車はシリンジに操作可能に結合され得る。第二歯車と第一歯車との間の歯数比は、1:1より大きくてもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプを操作する方法は、ロックアクチュエータをロック解除配置に配置することによって、シリンジからの流体流出を可能にすることを含み得る。方法は、ロックアクチュエータをロック配置に配置して、ラチェットホイールをロックアクチュエータの一部と係合させることによって、シリンジからの流体流出を遮断することを含み得る。ラチェットホイールは、第一歯車に回転して結合され得る。第一歯車は、シリンジに操作可能に結合される第二歯車と係合するように構成されてもよい。第二歯車と第一歯車との間の歯数比は、1:1より大きくてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、シリンジプランジャに取り外し可能に結合し、シリンジプランジャを押し引きするように構成されたホルダを含んでもよい。輸液ポンプは、ホルダに操作可能に結合される載荷アクチュエータを含んでもよい。載荷アクチュエータの操作により、ホルダはシリンジプランジャを押し引きし得る。輸液ポンプは、ロック解除配置ではシリンジプランジャに関連するシリンジバレルからの流体流出を可能にするように構成されたロックを含み得る。ロックは、ロック配置では、シリンジバレルからの流体流出を遮断するように構成され得る。ロックは、ロック配置では、ホルダ及び載荷アクチュエータを解放可能に結合解除するように構成され得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプを操作する方法は、ホルダを線形作動させるように載荷アクチュエータを操作することを含み得る。ホルダは、シリンジプランジャに取り外し可能に結合するように構成され得る。ホルダは、シリンジプランジャを押し引きするように構成されてもよく、ロックをロック解除配置に配置することによって、シリンジプランジャに関連するシリンジバレルからの流体流出を可能にする。方法は、ロックをロック配置に配置することによって、シリンジバレルからの流体流出を遮断することを含み得る。方法は、ロック配置では、ホルダ及び載荷アクチュエータを解放可能に結合解除することを含み得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、シリンジプランジャに取り外し可能に結合し、シリンジプランジャを押し引きするように構成されたホルダを含んでもよい。輸液ポンプは、実質的に一定の荷重をホルダに加えてホルダを変位させるように構成されたエネルギー貯蔵アセンブリを含んでもよい。いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵アセンブリは、可変出力荷重を与えるように構成されたエネルギー貯蔵部材を含み得る。エネルギー貯蔵アセンブリは、実質的に一定の荷重をホルダに加えるように構成された駆動アームを含み得る。輸液ポンプは、駆動アームとエネルギー貯蔵部材との間に操作可能に結合されるリンク機構を含んでもよい。リンク機構は、エネルギー貯蔵部材の可変出力荷重を実質的に一定の荷重に変換するように構成されてよい。
【0023】
本開示はこの点に限定されないため、前述の概念、及び以下で説明する追加の概念は、任意の適切な組み合わせで構成され得ることを理解されたい。さらに、本開示の他の利点及び新規な機構が、添付の図面と併せて考察すると、様々な非限定的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0024】
添付の図面は縮尺どおりに描くことを意図していない。図面では、様々な図に示されている各々同一またはほぼ同一の構成要素は、同様の数字で表され得る。明確にするために、全ての構成要素が全ての図面においてラベル付けされるとは限らない。以下の図面である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1A】いくつかの実施形態による、輸液ポンプを操作するプロセスの概略図を示す。
【
図1B】いくつかの実施形態による、輸液ポンプを操作するプロセスの概略図を示す。
【
図1C】いくつかの実施形態による、輸液ポンプを操作するプロセスの概略図を示す。
【0026】
【
図2】
図1A~
図1Cの輸液ポンプを操作するための方法の実施形態のフローチャートである。
【0027】
【
図3】A~Bは、いくつかの実施形態による、輸液ポンプを操作するプロセスの概略図を示す。
【0028】
【
図4】
図3A~
図3Bの輸液ポンプを操作するための方法の実施形態のフローチャートである。
【0029】
【0030】
【
図6】
図5の輸液ポンプを操作するための方法の実施形態のフローチャートである。
【0031】
【0032】
【
図8】いくつかの実施形態による、バブルトラップの分解斜視図である。
【0033】
【
図9】輸液ポンプの別の実施形態の正面、斜視、上面図である。
【0034】
【
図10】
図9の輸液ポンプの背面、斜視、上面図である。
【0035】
【
図11】
図9の輸液ポンプの正面、斜視上面図である。
【0036】
【
図12】輸液ポンプのさらに別の実施形態の概略図を示す。
【0037】
【
図13】A~Bは、いくつかの実施形態による、速度調整中の
図12の輸液ポンプの内部の部分断面正面、斜視、上面図である。
【0038】
【
図14】
図12の輸液ポンプの内部の背面、斜視、上面図である。
【0039】
【
図15】
図12の輸液ポンプの内部の正面、斜視、上面図である。
【0040】
【
図16】いくつかの実施形態による、シリンジラッチの正面、斜視、上面図である。
【0041】
【
図17】いくつかの実施形態による、
図12の輸液ポンプと共に使用するためのアダプタの正面、斜視、上面図である。
【0042】
【
図18】A~Bは、いくつかの実施形態による、ロック解除されるプロセス中の
図12の輸液ポンプの内部の正面、斜視、上面図である。
【0043】
【
図19】A~Bは、いくつかの実施形態による、ロック解除されるプロセス中の
図12の輸液ポンプの内部の上面図である。
【0044】
【
図20】A~Bは、いくつかの実施形態による、
図12の輸液ポンプのクラッチ機構の部分正面、斜視、上面図である。
【0045】
【
図21】A~Bは、いくつかの実施形態による、ロック解除されるプロセス中の
図12の輸液ポンプの内部の部分正面、斜視、上面図である。
【0046】
【
図22】
図12の輸液ポンプを載荷するための方法の実施形態のフローチャートである。
【0047】
【
図23】
図12の輸液ポンプによって輸液するための方法の実施形態のフローチャートである。
【0048】
【
図24】
図12の輸液ポンプを除荷するための方法の実施形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
輸液ポンプを使用する薬液の一般的な投与プロセス中に、看護師または他の医療提供者は、輸液ポンプを操作のために準備するための多数のステップを実行し、薬液を送達するようにポンプを操作し、その後の投与のためにポンプを維持する。ステップごとに、医療提供者は、フィッティング、薬液容器、及び他の付属品が輸液ポンプに連結され、そこから連結解除される場合、無菌状態を維持するように注意する。一般に、医療提供者は、完了するのに多数のステップを必要とする複雑なプロセスである、定期的にスケジュールされた輸液ポンプの洗浄を行う。従って、従来の輸液ポンプは、高価であり、操作することが難しく、一般的に、セットアップ及び操作に時間がかかるステップを必要とする。
【0050】
場合によっては、一部の薬液を使用する治療の種類、持続時間及び/または頻度に起因して、自己投与は、利便性及び/または費用のために望ましい選択肢であることができる。既に複雑であり、医療提供者にとって操作するのが難しい輸液ポンプは、自己投与を実施する患者にとって操作し、維持するのがさらにより困難であり得る。例えば、患者は、1つ以上のバイアルからの薬液で1つ以上のシリンジを充填し、治療ごとに新しいニードルセットを連結し、チューブ類をポンプにアライメントして連結し、薬液の1つ以上の容器を取り扱って連結し、そして困難で時間のかかる可能性のある単回投与のために他のステップを行う必要があり得る。さらに、患者は、その後の投与のために輸液ポンプを準備するために、複雑な洗浄及びメンテナンスプロセスを行う必要があり得る。
【0051】
本発明者らは、複雑さが低減し、操作が安価であり(例えば、費用のかかる及び/または特殊な機器またはプロセスを必要とせず)、そして薬液投与の無菌状態が改善されることで、医療専門家及び/または自己投与患者(以降本明細書では「使用者」と呼ばれる)が容易に使用し得る輸液ポンプの必要性を認識した。
【0052】
上記を考慮して、本発明者らは、安価で機械的に操作される輸液ポンプを用いて、薬液を簡単な操作方法で送達し得るという利点を認識した。輸液ポンプは、大量の薬液を所望の流体流量で皮下に送達するように構成され得る。
【0053】
本明細書に記載の例示的な実施形態によれば、輸液ポンプは、身体に(例えば、皮下に)送達される任意の数の薬液または栄養流体(以降本明細書では両方とも「流体」と呼ばれる)と共に使用されてもよい。一部の実施形態では、流体は薬液であってもよい。いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、免疫グロブリン輸液10%(ヒト)、免疫グロブリン皮下注用(ヒト)20%(例えば、CUVITRU)、遺伝子組換えヒトヒアルロニダーゼ(例えば、HYQVIA)、他の免疫グロブリン薬、及び/または任意の他の適切な薬物を送達するように構成されてもよい。本明細書に記載される輸液ポンプは、いくつかの実施形態では、35℃で10~30cPの間、35℃で1~4.54cPの間の粘度、または任意の他の適切な粘度を有する流体を送達するように構成され得る。
【0054】
従来のシリンジ輸液ポンプでは、一般的には、シリンジを輸液ポンプに結合する前に、シリンジを1つ以上のバイアルからの流体によって使用者が手動で充填する。それらのような配置では、輸液ポンプ自体は、使用者がシリンジを充填することを支援しない。シリンジを充填するプロセスは、厄介で時間がかかる場合がある。従って、本発明者らは、使用者がシリンジに流体を充填することを支援する輸液ポンプの必要性を認識した。いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、使用者から必要とされる力及び/または調整の量を減少させるのに役立つシリンジ充填アセンブリを含み得る。いくつかの実施形態では、シリンジ充填アセンブリは、シリンジに流体を充填する間に気泡を減少させるように構成され得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプのシリンジ充填アセンブリは、純粋に機械で操作され得る。言い換えれば、輸液ポンプを使用して流体をシリンジに充填するプロセスは、電気を必要とせずに、機械的に行われ得る。いくつかの実施形態では、シリンジ充填アセンブリは、シリンジ内に充填される流体の量を使用者が選択することを可能にする、使用者が操作可能なハンドルを含み得る。ハンドルは、シリンジのプランジャに操作可能に結合され得るため、ハンドルの移動により、プランジャがシリンジのバレルを通り並進し得る。いくつかの実施形態では、ハンドルは、弾性継手を介してプランジャに操作可能に結合され得る。いくつかの実施形態では、力は、使用者によってハンドルに加えられると、弾性継手によって調節され得、次いで、調節された力は、エネルギー貯蔵部材によってプランジャに伝達され得る。いくつかの実施形態では、弾性継手は、エネルギー貯蔵部材を含み得る。いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵部材は、ハンドルが移動した速度よりも低い速度でプランジャが並進することを可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、プランジャの並進運動が遅いほど、シリンジ内の起泡が少なくなり得る。その結果、シリンジの充填は、使用者が(例えば、薬剤への潜在的な気泡形成及び/または損害を回避するのに)十分に緩徐にシリンジプランジャを引き戻すことに時間を費やすこと、及び/または使用者が十分に安定した速度でシリンジプランジャを引き戻すことに依存する必要がなくなり得る。一部の実施形態では、使用者は、気泡形成について心配することなく、及び/またはシリンジの充填が速すぎることを心配することなく、ハンドルを移動させて、任意の所望の速度及び量で充填容量を設定することができてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプのシリンジ充填アセンブリは、機械的手段によって(例えば、電気を必要とすることなく)手動で操作され得る。いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、シリンジバレルに対してシリンジプランジャを押すまたは引くように構成されたプランジャホルダに操作可能に結合された、使用者が操作可能な載荷アクチュエータを含み得る。使用者は、このアクチュエータを操作して、プランジャをバレルから引き離し、真空を形成し得る。以下でより詳細に説明されるように、シリンジが流体のバイアルと流体連通している場合、この運動により、シリンジが流体で充填され得る。いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、載荷アクチュエータを操作するための力及び器用さを減少させるために、歯車列などの荷重低減特徴を用いてもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、任意の適切な既存のバイアルのサイズ及び形状から流体(例えば、薬剤)を抽出することによって、シリンジを充填することができてもよい。例えば、輸液ポンプは、標準的な20mmの開口部、または任意の他の適切な開口部サイズを有するバイアルから流体を抽出することができてもよい。一部の実施形態では、輸液ポンプは、少なくとも2mL、5mL、10mL、15mL、20mL、25mL、30mL、35mL、40mL、45mL、50mL、55mL、60mL、65mL、70mL、75mL、80mL、85mL、90mL、95mL、100mL、150mL、200mL、250mL、300mL、350mL、400mL、450mL、500mL、及び/または任意の他の適切なバイアル容量を含むバイアルから流体を抽出することができてもよい。一部の実施形態では、輸液ポンプは、500mL、450mL、400mL、350mL、300mL、250mL、200mL、150mL、100mL、95mL、90mL、85mL、80mL、75mL、70mL、65mL、60mL、55mL、50mL、45mL、40mL、35mL、30mL、25mL、20mL、15mL、10mL、5mL、2mL以下、及び/または任意の他の適切なバイアル容量を含むバイアルからの流体を抽出することができてもよい。5mL~50mL、2mL~500mL、10mL~30mL、50mL~500mLの間、及び/または任意の他の適切なバイアル容量の組み合わせを含む、バイアル容量の範囲の組み合わせも企図される。当然のことながら、本開示がそのように限定されないため、上記の範囲よりも大きい範囲及び小さい範囲の両方を含む他の範囲も企図される。本開示がそのように限定されないため、輸液ポンプが任意の適切なバイアル容量から流体を抽出することができてもよいことを理解されたい。
【0058】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、1つ以上のバイアルから流体を連続的に抽出することができてもよい。いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、少なくとも1バイアル、2バイアル、3バイアル、4バイアル、5バイアル、及び/または任意の他の適切な数のバイアルから流体を連続して抽出することができてもよい。いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、5バイアル、4バイアル、3バイアル、2バイアル、1バイアル以下、及び/または任意の他の適切な数のバイアルから流体を連続して抽出することができてもよい。1バイアル~5バイアルの間及び2バイアル~5バイアルの間、及び/または任意の他の適切な組み合わせを含む、使用されるバイアルの数の範囲の組み合わせもまた企図される。当然のことながら、本開示がそのように限定されないため、上記の範囲よりも大きい範囲及び小さい範囲の両方を含む他の範囲も企図される。本開示がそのように限定されないため、輸液ポンプが任意の数のバイアルから流体を抽出することができてもよいことを理解されたい。
【0059】
流量調整可能な既存の輸液ポンプは、特定の流体と適合し得ないエラストマー構成要素を含み得る。従って、本発明者らは、流体と直接接触していない構成要素を使用して、調整可能な流体送達流量で大量の流体を送達することができる輸液ポンプの利点も認識した。輸液ポンプは、使用者が使用者入力に基づいて流体送達流量を設定することを可能にする、使用者が操作可能なコントロールを有し得る。輸液ポンプは、シリンジのプランジャに加えられる力を制御することによって、流体送達流量を制御し得る。流量制御は流体送達システムに統合されてもよく、使用者が流体の流れを絞ることなく流体送達流量を調整することを可能にする。
【0060】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、機械的に操作される薬物送達アセンブリを含み得る。薬物送達アセンブリは、調整可能な定荷重をシリンジのプランジャに加えるように配置された様々な機械的構成要素を含み得る。定荷重がプランジャに加えられると、シリンジから出る流体流量が実質的に一定になり得る。いくつかの実施形態では、使用者は、輸液プロセスの任意の時点(例えば、その前、間、または後)で速度アクチュエータを操作することによって、定荷重を容易に調整し得る。使用者は、快適さのニーズ、タイミングのニーズ(例えば、使用者が輸液プロセスを行う時間を制限している場合)、生物学的なニーズ(例えば、医療専門家が推奨する場合)、または任意の他の適切なニーズセットに応じて、流体流量を調整し得る。いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、輸液プロセス中の任意の時点で輸液を停止する及び/または開始するために、ロックまたはトグルも含み得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、単一輸液プロセス中に2~100mLの間の流体を送達し得る。特に、輸液ポンプは、単一輸液プロセス中に、少なくとも2mL、5mL、10mL、15mL、20mL、25mL、30mL、35mL、40mL、45mL、50mL、55mL、60mL、65mL、70mL、75mL、80mL、85mL、90mL、95mL、100mL、150mL、200mL、250mL、300mL、350mL、400mL、450mL、500mL、及び/または任意の他の適切な体積の流体体積を送達し得る。一部の実施形態では、輸液ポンプは、500mL、450mL、400mL、350mL、300mL、250mL、200mL、150mL、100mL、95mL、90mL、85mL、80mL、75mL、70mL、65mL、60mL、55mL、50mL、45mL、40mL、35mL、30mL、25mL、20mL、15mL、10mL、5mL、2mL以下、及び/または任意の他の適切な体積の流体体積を送達し得る。5mL~60mL、2mL~500mL、10mL~30mL、50mL~500mLの間、及び/または任意の他の適切な送達された流体体積の組み合わせを含む、送達された流体体積の範囲の組み合わせも企図される。当然のことながら、本開示がそのように限定されないため、上記の範囲よりも大きい範囲及び小さい範囲の両方を含む他の範囲も企図される。本開示がそのように限定されないため、輸液ポンプが任意の適切な流体体積を送達することができてもよいことを理解されたい。いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、シリンジ内に充填された流体の実質的な部分を(上述のシステムを使用して、手動または機械的にかかわらず)送達し得る。いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、シリンジに充填された流体の95%超を送達し得る。当然のことながら、輸液ポンプがシリンジに充填されるよりも著しく少ない流体を送達し得る実施形態も企図される。
【0062】
加えて、輸液ポンプは、単一輸液プロセス中に、1cP、2.5cP、5cP、10cP、15cP、20cP、25cP、30cP、35cPを上回る粘度、及び/または任意の他の適切な粘度を有する上記の体積の流体を送達し得る。それに対応して、輸液ポンプは、単一輸液プロセス中に、50cP、45cP、40cP、30cP、20cP、15cP、10cPを下回る粘度、及び/または任意の他の適切な粘度を有する上記の体積の流体を送達し得る。他の実施形態では、輸液ポンプは、単一輸液プロセス中に、35℃で1~4.54cPの間の粘度を有する26.25mL~1260mLの間の流体を送達し得る。1cP~50cP、5cP~25cPの間、及び/または送達された流体粘度の任意の他の適切な組み合わせを含む、送達された流体粘度の範囲の組み合わせもまた企図される。当然のことながら、本開示がそのように限定されないため、上記の範囲よりも大きい範囲及び小さい範囲の両方を含む他の範囲も企図される。本開示がそのように限定されないため、輸液ポンプが任意の適切な粘度を有する任意の適切な流体体積を送達することができてもよいことを理解されたい。
【0063】
使用者は、流体の特性に基づいて流体の送達流量を調整することができてよい。いくつかの実施形態では、低粘性流体よりも低流量でより高粘性流体を輸液することが望ましい場合がある。送達流量は、任意の望ましい範囲内で連続的に調整可能であってもよい。言い換えれば、使用者は、段階的で不連続な流量設定とは対照的に、所与の範囲内の任意の送達流量を選択することができてよい。いくつかの実施形態では、送達流量は、50mL/hr~300mL/hrの間で連続的に調整可能であってよい。以下にさらに詳細に説明されるように、使用者は、速度アクチュエータを操作することによって送達流量を調整することができてよい。いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、使用者が所望の流量を選択することを可能にするために、ポンプの外面上に視覚マーカーを含んでもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、少なくとも10mL/hr、20mL/hr、30mL/hr、40mL/hr、50mL/hr、60mL/hr、80mL/hr、100mL/hr、120mL/hr、150mL/hr、180mL/hr、200mL/hr、250mL/hr、300mL/hr、400mL/hr、500mL/hr、及び/または任意の他の適切な送達流量の速度で流体を送達し得る。いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、500mL/hr、400mL/hr、300mL/hr、250mL/hr、200mL/hr、180mL/hr、150mL/hr、120mL/hr、100mL/hr、80mL/hr、60mL/hr、50mL/hr、40mL/hr、30mL/hr、20mL/hr、10mL/hr以下の速度、及び/または任意の他の適切な送達流量で流体を送達し得る。10mL/hr~500mL/hr、50mL/hr~300mL/hrの間、及び/または任意の他の適切な組み合わせの流体送達流量を含む、流体送達速度の範囲の組み合わせも企図される。当然のことながら、本開示がそのように限定されないため、上記の範囲よりも大きい範囲及び小さい範囲の両方を含む他の範囲も企図される。本開示がそのように限定されないため、輸液ポンプが任意の適切な流量で流体を送達することができてもよいことを理解されたい。
【0065】
いくつかの実施形態によれば、輸液ポンプは、1つ以上の輸液部位に流体を送達することができてよい。そのような配置は、輸液または投与の時間を短縮すること、及び/または投与された流体の局在を減少させることが望ましい場合がある。従って、輸液ポンプは、流体の投与を容易にするのに適した任意の数の針を含み得るニードルセットと適合し得る。いくつかの実施形態では、ニードルセットは、二又であっても(2箇所の輸液部位への送達のために)、三又であっても(3箇所の輸液部位への送達のために)、四又であっても(4箇所の輸液部位への送達のために)、五又であっても(5箇所の輸液部位への送達のために)、または任意の他の望ましい数のニードルハブを有してもよい。本明細書に記載の輸液ポンプがKORU HIgH-Floニードセットなど、任意の既存のニードセットと適合できてもよいことを理解されたい。
【0066】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、16cPの粘度を有する流体を、24ゲージまたは27ゲージのニードルセットに通して、最大60mL/hr/部位で送達することができてよい。いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、流体をニードルセットの5本の27ゲージの針に通して送達することができてよい。
【0067】
また本発明者らは、気泡の輸液部位への送達を制限するために使用されることができるバブルトラップを含む輸液ポンプの利点を認識した。気泡は、シリンジ充填中の起泡の結果として形成される場合があり、または輸液の前の任意の他の時点で流体に導入される場合がある。
【0068】
本明細書に記載される例示的な実施形態によれば、輸液ポンプはバブルトラップを含んでもよく、このバブルトラップは、一方の端部でシリンジの出口、及び反対側の端部でポートに結合されてもよいため、及び/またはそれらと流体連通していてもよいため、流体は、シリンジに流入すると、またそこから流出すると、バブルトラップを通過し得る。輸液ポンプを使用して、バイアルから流体を抽出し、シリンジを充填するとき、ポートは、バイアルに連結されてもよく、または輸液ポンプを使用して、使用者の輸液部位に流体を送達するとき、ニードルセットに連結されてもよい。バブルトラップは、以下により詳細に記載されるように、ガス透過性の疎水性膜及び一方向逆止弁との組み合わせを用いて、輸液部位に送達される気泡の数を制限しながら(または、いくつかの実施形態では、気泡の通過を阻止しながら)、流体が通過することを可能にするように構成されてもよい。バブルトラップが上記に列挙された流体体積/粘度のいずれかと適合し得ることを理解されたい。
【0069】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、完全に機械的に操作され得る。いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、電気で操作されるいかなる構成要素も含まないことがある。従って、輸液ポンプの操作は、電源(例えば、電気コンセント)の近くに制限されなくてよい。使用者は、任意の適切な位置で輸液ポンプを操作し得る。いくつかの実施形態では、使用者は、可搬状態でありながら輸液ポンプを操作し得る。加えて、バッテリが輸液ポンプに電力を供給することを必要としないため、使用者は、バッテリ充電状態を監視する必要がない、またはバッテリの充電に配慮する必要がない。
【0070】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、輸液ポンプのハンズフリー操作を可能にするために、1つ以上のウェアラブル構成要素(以下でさらに詳細に論じられる)を含み得る。本明細書に開示されるシステム及び方法によって異なる利点が提示される例も可能であることを理解されたい。
【0071】
他の実施形態では、輸液ポンプの一次機能(シリンジ充填及び/または薬物送達)は、機械的に操作されてもよいが、輸液ポンプの他の二次機能は、電気的に操作されても、及び/またはモータ駆動されてもよい(例えば、電力を必要としてもよい)。一部の実施形態では、電気構成要素の制限は、輸液ポンプの製造コストを低下させ得ることによって、使用者の輸液ポンプのコストを低下させ得ると、輸液ポンプの利便性が高まり得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、ポータブルであり得る。例えば、輸液ポンプは、ポータブル電源(例えば、バッテリ)を含むか、機能するのにいかなる電源も必要としないかいずれかであり得ることにより、使用者は、近くの充電コンセント及び/またはポートを懸念することなく輸液ポンプを操作し得る。いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、輸液プロセス中にポータブルであってもよい。輸液ポンプは、1つ以上のウェアラブルな付属品(例えば、ストラップ、クリップなど)を含んでもよく、これら1つ以上のウェアラブルな付属品により、使用者は動き回ることが、輸液ポンプによって妨げられることなく可能になる。いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、卓上または任意の他の適切な表面など、平坦な表面上で使用され得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、流体と接触していてもよい1つ以上の構成要素を含み得る。従って、これら1つ以上の構成要素は、使い捨てであってもよい。例えば、輸液ポンプは、使い捨てシリンジ、使い捨てバブルトラップ、様々な構成要素間の使い捨てチューブ類/コネクタ、使い捨てニードルセット、及び/または任意の他の使い捨て構成要素を含み得る。いくつかの実施形態では、輸液ポンプの全ての流体接触構成要素は、シリコーンフリーであってもよい。他の実施形態では、輸液ポンプは、少なくとも部分的にシリコーンで形成された1つ以上の構成要素を含んでもよい。一部の実施形態では、少なくとも部分的にシリコーンで形成された構成要素は、2時間未満、流体と接触していてもよい。いくつかの実施形態では、輸液ポンプの流体接触構成要素は、感受性血漿由来タンパク質と適合し得る。当然のことながら、本開示がそのように限定されないため、任意の適切な(例えば、適合性)材料は輸液ポンプ内で使用されてもよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプを使用して、輸液前にニードルセットをプライミングし得ることにより、使用者は、ニードルセットに沿った流体の流れを視覚的に確認することが可能になる。いくつかの実施形態では、輸液ポンプを使用して、輸液前に血液逆流をチェックし得る。これらの検証プロセス(または任意の他の適切なプロセス)のいずれかは、輸液ポンプの1つ以上のアクチュエータを操作することによって行われ得ると、自己投与使用者のプロセス(複数可)が単純になり得る、
【0075】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、使用者が操作するのに必要な入力の力の量を減少させるように機械的補助を提供する1つ以上の特徴を含み得る。以下でより詳細に説明されるように、輸液ポンプは、1つ以上の機能を行うために使用者によって加えられる力を増幅させても及び/または調節してもよい1つ以上の機械的構成要素を含み得る。例えば、輸液ポンプは、レバーに加えられる回転トルクを、シリンジプランジャの軸方向並進運動に変換し得る。いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、操作するために2Nm未満の回転トルク及び6N未満の力を必要とし得る。当然のことながら、本開示が使用者によって加えられる入力の力の大きさによって限定されないため、輸液ポンプは、任意の他の適切なトルク及び/または力を必要としてもよい。
【0076】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、使用者の入力(例えば、レバーの回転、ノブの回転、スライダの摺動など)を、シリンジプランジャに加えられる実質的に一定の荷重に変換し得る。シリンジプランジャに加えられる実質的に一定の荷重は、流体の粘度、シリンジのサイズ、ニードルセットのゲージ、ニードルセットの長さ、ニードルの直径、輸液部位の数、中間チューブ類の直径、及び/または任意の他の関連パラメータに関し得る。いくつかの実施形態では、シリンジプランジャに加えられる実質的に一定の荷重は、実質的に一定の流体送達流量に対して較正され得、その範囲は上述されている。例えば、輸液ポンプは、18インチのニードルセット、0.7mm内径、及び27ゲージ直径を使用して、使用者の入力のトルク及び/または力を、5~60mL/hrの間の流体流量を送達するためにシリンジプランジャに加えられる約15~75Nに変換し得る。いくつかの実施形態では、シリンジプランジャに加えられる実質的に一定の荷重は、少なくとも10N、12N、15N、20N、25N、30N、35N、40N、45N、50N、55N、60N、65N、70N、75N、80N、100N、125N、150N、175N、200N、300N、及び/または任意の他の適切な力であってもよい。いくつかの実施形態では、シリンジプランジャに加えられる実質的に一定の荷重は、300N、200N、175N、150N、125N、100N、80N、75N、70N、65N、60N、55N、50N、45N、40N、35N、30N、25N、20N、15N、12N、10N以下、及び/または任意の他の適切な力であってもよい。15N~60N、15N~75N、100N~200N、10N~200Nの間、及び/または実質的に一定の荷重の任意の他の適切な組み合わせを含む、実質的に一定の荷重の範囲の組み合わせも企図される。当然のことながら、本開示がそのように限定されないため、上記の範囲よりも大きい範囲及び小さい範囲の両方を含む他の範囲も企図される。輸液ポンプが輸液部位に流体を送達するために、使用者の入力の力を任意の適切な実質的に一定の荷重に変換することができてもよいことを理解されたい。
【0077】
図面を参照すると、特異的で非限定的な実施形態がさらに詳細に記載されている。本開示は、本明細書に記載された特定の実施形態のみに限定されないので、これらの実施形態に関して説明された様々なシステム、構成要素、特徴、及び方法は、個別に及び/または任意の所望の組み合わせで使用されてもよいことを理解されたい。
【0078】
図1A~
図1Cは、いくつかの実施形態によれば、バイアル80内に含まれる流体でシリンジ60を充填するように輸液ポンプ1を操作するプロセスを示す。輸液ポンプ1は、載荷アセンブリ50に結合された載荷アクチュエータ90を含む。また載荷アクチュエータ90は、ロック40の操作が載荷アクチュエータ90を適所に一時的に固定(例えば、ロック)し得るように、ロック40に結合され得る。前述のように、バブルトラップ70は、シリンジ60の出口ポート63とバイアル80との間に位置決めされてもよい。いくつかの実施形態では、バブルトラップ70は、バブルトラップ70を横切る気泡の輸送を制限し得る。上述のように、バイアル80は、任意の適切な流体(例えば、薬剤)を含み得る。
【0079】
いくつかの実施形態では、シリンジ60は、流体(例えば、薬剤)を保持するためのバレル62と、流体をバレル62に通して移動させるためのプランジャ64とを含み得る。プランジャ64は、バレル62内に同軸に配置されてもよく、バレル62に対して軸方向に可動であってもよく、そのため、軸方向AXに沿った近位方向D1へのプランジャ64の移動により、流体は出口ポート63を通って入り、バレル62を充填し得、また軸方向AXに沿った反対側の遠位方向D2への移動により、流体はバレル62から出口ポート63を通して排出され得る。シリンジ60は、プランジャフランジ66も含み得る。本明細書に記載されたシリンジ60は、当該技術分野で知られている任意の標準シリンジであってもよい。例えば、シリンジ60は、標準的な60mLシリンジ(Becton Dickinson、309653)であってもよい。
【0080】
図1A~
図1Cに示されるように、シリンジ60のプランジャフランジ66は載荷アセンブリ50のホルダ52に結合され得るため、ホルダ52の移動により、プランジャフランジ66が軸方向AXに沿って移動し得る。従ってホルダ52は、プランジャフランジ66を軸方向AXに沿って押すことも、または引くこともできてよい。プランジャフランジ66は、使用者がシリンジ60を交換することを可能にするために、ホルダ52に取り外し可能に結合されてもよい。一部の実施形態では、プランジャフランジ66は、
図1A~
図1Cに示されるように、ホルダ52に形成されたスロット52Bに嵌め込まれ得る。プランジャフランジ66は、2つの構成要素が共に並進することを可能にするのに適した任意の方法でホルダ52に結合され得る。
【0081】
載荷アセンブリ50は、エネルギー貯蔵部材54を介してホルダ52に結合されたスライダ56をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵部材54は、以下でさらに詳細に論じられるように、ばねであってもよい。スライダ56の移動(例えば、線形並進運動)の結果、ホルダ52の移動(例えば、線形並進運動)が起こり得ることにより、今度は、プランジャ64の軸方向AXへの移動が起こり得る。いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵部材54は、スライダ56とホルダ52との間の並進速度を調節し得る。例えば、スライダ56が2つの位置の間の距離を迅速に並進する場合、エネルギー貯蔵部材54により、あまり迅速でない方法で同様の距離をホルダ52が進むことが可能になってもよい。エネルギー貯蔵部材54がばねであり得る実施形態では、スライダ56の迅速な移動は、エネルギー貯蔵部材54内にエネルギーを(例えば、ばねの伸びによって)貯蔵し、次いで、ホルダ52が並進するとき、緩徐に(例えば、ばねのその元の長さの方への縮みによって)放出し得る。
【0082】
いくつかの実施形態では、載荷アセンブリ50及びシリンジ60は、互いに軸方向に固定され得る。例えば、ホルダ52及び/またはスライダ56はレール(図示せず)上に位置決めされ得るため、その移動は、軸方向の並進運動に制限され得る。他の実施形態では、載荷アセンブリ50(または載荷アセンブリ50の1つ以上の構成要素、例えば、スライダ56)は、シリンジ60から軸方向外に位置決めされてもよい。スライダ56の移動により、ホルダ52の並進運動、及びその後のプランジャ64の並進運動が起こり得るように、載荷アセンブリ50の任意の構成要素がシリンジ60に対して任意の適切な方法で配置され得ることを理解されたい。
【0083】
スライダ56は
図1Aに示されるように載荷アクチュエータ90を用いて操作され得るため、使用者が載荷アクチュエータ90を操作すると、スライダ56が移動し得る。上述のように、スライダ56の移動の結果、シリンジ60からの流体の充填/排出が起こり得る。載荷アクチュエータ90は、レバー、ノブ、ボタン、回転ダイヤル、スライダ、または任意の他の適切な使用者が操作可能な構造体であってもよい。一部の実施形態では、載荷アクチュエータ90は、一方向にのみ操作可能であってもよい。例えば、載荷アクチュエータ90は、指向性ロック40を含み得、この指向性ロックは、一方向への載荷アクチュエータ90の移動を可能にし、反対方向への移動を防止するように載荷アクチュエータ90と係合し得る。いくつかの実施形態では、指向性ロック40は、ラチェット配置を含み得る。指向性ロック40は、アクチュエータ90とロック40との間の係脱により、アクチュエータ90が任意の適切な方向に移動することが可能になるように、載荷アクチュエータ90と選択的に係合され得る。以下にさらに詳細に説明されるように、指向性ロック40は、アクチュエータによって操作可能であってもよく、使用者がロック40を係合すること、またはそれを載荷アクチュエータ90から係脱することが可能になってもよい。
【0084】
前述のように、シリンジプランジャ64は、シリンジバレル62に対して軸方向に可動であってよい。いくつかの実施形態では、シリンジバレル62は、適所に固定され得る。いくつかの実施形態では、載荷アクチュエータ90は、遠位方向D2内のシリンジ60の方に付勢され得るため、外力(例えば、アクチュエータ90を操作する使用者)が存在しない場合、載荷アクチュエータ90は、
図1Aに示されるように、スライダ56と、その後(エネルギー貯蔵部材54によって)ホルダ52と、プランジャ64とを出口ポート63の方に付勢し得る。いくつかの実施形態では、指向性ロック40は載荷アクチュエータ90の付勢を打ち消し得るため、載荷アクチュエータ90はその付勢の方向に対して可動であり得る。以下にさらに詳細に説明されるように、いくつかの実施形態では、載荷アクチュエータ90は、第二エネルギー貯蔵部材によって付勢され得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、操作中、使用者は、最初にバブルトラップ70を空のシリンジ60の出口ポート63に取り付けた後、バブルトラップ及びシリンジアセンブリを輸液ポンプ1内に装填することで、プランジャフランジ66がホルダ52に結合されることを確保することによって、バイアル80からの流体でシリンジ60を充填し得る。いくつかの実施形態では、バブルトラップ70は、シリンジ60を輸液ポンプ1内に装填した後、シリンジ60に取り付けられ得る。次いで、使用者は、バイアル80(任意の適切な流体、例えば、薬剤を含み得る)を任意の適切なコネクタに通して輸液ポンプ1内に装填し得る。いくつかの実施形態では、バイアル80は、スパイクコネクタによって輸液ポンプ1内に装填され得るため、このコネクタへのバイアル80の取り付けにより、バイアル80が穿刺され得、バイアル80からの流体流出が可能になる。従って、いくつかの実施形態では、スパイクコネクタは、バイアル80及び/または輸液ポンプの出口ポートに取り外し可能に結合され得る。一部の実施形態では、スパイクコネクタにベントを設けてもよい。輸液ポンプ1は、シリンジ60、バブルトラップ70、及びバイアル80の間に適切な流体密封連結を確保するために、任意の数の継手(例えば、出口ポートによって位置決めされたルアーロックハブ)を含んでもよい。
【0086】
次いで使用者は、載荷アクチュエータ90と指向性ロック40を係合させ得ることで、少なくとも一方向(例えば、載荷アクチュエータ付勢方向)への載荷アクチュエータ90の移動が防止され得る。その後、使用者は載荷アクチュエータ90に、
図1Aに示されるように、載荷アクチュエータ付勢方向とは反対方向の荷重F1を加え得る。いくつかの実施形態では、荷重F1は、シリンジ60に載荷される所望の流体体積に対応し得る。スライダ56は、載荷アクチュエータ90に結合され得るため、
図1Bに示されるように、載荷アクチュエータ90の作動により、スライダ56が移動し得る(例えば、軸方向に並進し得る)。指向性ロック40及び載荷アクチュエータ90の係合により、作動後、載荷アクチュエータ90(及びいくつかの実施形態では、スライダ56)が適所に固定され得ることを理解されたい。
【0087】
いくつかの実施形態では、ホルダ52の軸方向の並進運動は、バイアル80を出て、バブルトラップ70を通過し、バレル62に入る流体の表面張力だけでなく、プランジャ64とバレル62との間のスティクションによって制限され得る(例えば、プランジャはフランジ66に対向する端部に位置決めされたゴム製先端部を含み得、ゴム製先端部はバレル62の内壁部と摩擦によって相互作用し得る)。いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵部材54の剛性は、種々の構成要素を通って流れる流体の表面張力とシリンジバレル/プランジャのスティクションとによる流体抵抗力よりも小さくなり得るため、初めのホルダ52から離れるスライダ56の移動により、ホルダ52のスライダ56に向かう移動の前に、まずエネルギー貯蔵部材54が伸びる。載荷アクチュエータ90を近位位置(例えば、
図1Bに示されるような)にロックすることで、スライダ56(近位位置にあり得る)とホルダ52(依然としてその元の遠位位置にあり得る)との間のエネルギー貯蔵部材54に張力がかけられ得る。次いでエネルギー貯蔵部材54は、その貯蔵されたエネルギーを緩徐に放出し得、
図1Cに示されるように、ホルダ52を近位位置に移動させ得る。ホルダ52が近位方向D1内で軸方向に並進することにより、プランジャ64が近位位置に移動し得ると、
図1Cではバイアル80、バブルトラップ70、及び出口ポート63の間の矢印によって示されるように、流体はバイアル80からシリンジ60に流れるように付勢され得る。ホルダ52の移動により、エネルギー貯蔵部材54の剛性と上述の流体移動特性との両方によって制御され得ることを理解されたい。
【0088】
いくつかの実施形態では、バイアル80とバレル62との間の流体の流れは、ホルダ52がその最も近位の位置に到達すると、停止し得る(例えば、そこではエネルギー貯蔵部材54は張力を受けなくなる)。次いで使用者は、必要に応じて、輸液ポンプ1からバイアル80を取り外し、新しいバイアルと交換し得る。載荷アクチュエータ90の操作は、シリンジ60を適切な量の流体で充填するために、所望の回数だけ繰り返され得る。各載荷プロセスでは、載荷アクチュエータ90は、バイアル80の容量に対応する大きさだけ作動し得る。輸液ポンプ1は、以下にさらに詳細に記載されるように、使用者がシリンジ60の所望の充填容量で作動力(例えば、荷重F1)を較正することを可能にするための視覚インジケータを含んでもよい。シリンジ60の容量が単一バイアル80と同等である実施形態では、載荷プロセスは一度行われるだけでよい。
【0089】
図2は、いくつかの実施形態によれば、シリンジを充填するように輸液ポンプを操作する方法のフローチャートを示す。ブロック200では、バブルトラップを空のシリンジの出口ポートに取り付け、流体連結する。ブロック210では、シリンジ及び取り付けられたバブルトラップを輸液ポンプ内に装填する。いくつかの実施形態では、ブロック200及び210の操作の順序は逆であってもよい。ブロック220では、バイアルを輸液ポンプ内に装填する。いくつかの実施形態では、バイアル(薬剤を含み得る)をポンプに装填することにより、シリンジの出口ポート、バブルトラップ、及びバイアルが流体連結され得る。ブロック230に示されるように、次いで、載荷アクチュエータは、指向性ロックによって、載荷アクチュエータの少なくとも一方向への移動を防止するようにロックされ得る。載荷アクチュエータは、載荷アクチュエータの運動を指向して制限するのに適切な任意の方法で指向性ロックと係合し得る。ブロック240では、バイアルからの流体でシリンジを充填するために、載荷アクチュエータを作動させ得る。上記でより詳細に説明するように、載荷アクチュエータの移動の結果、シリンジのバレルから離れる近位方向にシリンジのプランジャが軸方向に移動し得ると、流体がバイアルからシリンジバレルに流入するように付勢され得る。また載荷アクチュエータの移動により、エネルギー貯蔵部材54、例えば、細長いばねが載荷され得る。
【0090】
ブロック250では、使用者は、載荷アクチュエータを解放し、所望の流体体積がバイアルからシリンジに流入するのを待機し得る。指向性ロックを載荷アクチュエータと係合する実施形態では、載荷アクチュエータが使用者によって解放された後、反対方向に付勢されているにもかかわらず、静止したままであり得ることを理解されたい。従ってブロック250では、使用者は、輸液ポンプを操作する必要がない場合がある。ブロック260では、使用者は、輸液ポンプから空になったバイアルを取り外し、任意選択で新しいバイアルと交換し得る。ブロック240~260のプロセスは、シリンジを所望の流体体積で充填するために何度でも繰り返され得る。
【0091】
図3A~
図3Bは、いくつかの実施形態によれば、シリンジ60からニードルセット85に流体を排出するように輸液ポンプ10を操作するプロセスを示す。いくつかの実施形態では、ニードルセット85は、輸液ポンプ10を操作することが輸液部位88への流体の輸液を容易にし得るように、輸液部位88に連結され得る。ニードルセット85は、バブルトラップ70を通してシリンジの出口ポートに流体連結され得ることで、気泡が患者に送達される尤度が低下し得る。
図3A~
図3Bのシリンジ60は、
図1A~
図1Cの輸液ポンプ1に従って記載されたものと同様であり得る。従って、シリンジ60はプランジャ64を含み得、プランジャがバレル62内で同軸に位置しているため、バレル内のプランジャ64の軸方向の変位により、流体が充填され、またはバレル62から排出され得る。前述のように、シリンジ60は、ホルダ52に結合されたプランジャフランジ66を含み得るため、ホルダ52の移動(例えば、軸方向AXに沿った軸方向の並進運動、押し、または引き)は、プランジャフランジ66、ひいてはプランジャ64の移動に直接対応し得る。ホルダ52は、プランジャ64に(例えば、プランジャフランジ66を介して)接触し得る接触面とみなされ得る。
【0092】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプ10のホルダ52は、
図3A~
図3Bに示されるように、実質的に一定の荷重F2をホルダ52、ひいてはプランジャ64に加えるように構成されたエネルギー貯蔵アセンブリ20に結合され得る。この実質的に一定の荷重F2により、シリンジ60の出口ポート63から出る流体が実質的に一定の流量になり得る。また輸液ポンプ10は、使用者が実質的に一定の荷重F2の大きさを制御することを可能にするための速度アクチュエータ30を含み得る。速度アクチュエータ30とエネルギー貯蔵アセンブリ20との間の機械的結合は、速度アクチュエータ30の非電気制御による実質的に一定の荷重F2の調整を可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、速度アクチュエータは、実質的に一定の荷重の大きさを機械的に調整し得る。例えば、速度アクチュエータ30は、レバー、ノブ、ボタン、回転ダイヤル、スライダ、または任意の他の適切な使用者が操作可能な構造体であってもよい。当然のことながら、速度アクチュエータの電気的な実施形態も企図される。
【0093】
一部の実施形態では、輸液ポンプ10は、指向性ロック40も含み得る。指向性ロック40は、輸液ポンプ1に従って説明されているものと同様の操作であってもよい。すなわち、指向性ロック40は、ホルダ52をロックして、または一時的に固定して、少なくとも一方向内の軸方向の並進運動を防止するように係合され得る。いくつかの実施形態では、輸液ポンプ10からの流体流出またはそれへの流体流入が望ましくないとき、指向性ロック40を操作し得る。例えば、指向性ロック40は、輸液プロセスの途中でシリンジ60からの流体流出を停止するように係合され得る。別の例では、指向性ロック40は、操作前にシリンジ60からの流体流出を停止するように係合され得る。指向性ロック40は、ロック40を操作するために使用者によって操作可能なアクチュエータを含み得る。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、以下でさらに詳細に説明されるように、輸液ポンプ10からの流体流出を制御するオン/オフのトグルとして動作し得る。
【0094】
シリンジ60から流出した流体の送達を含むプロセスが、所望の流体体積を有するシリンジ60から開始し得ることを理解されたい。一部の実施形態によるシリンジを流体で充填する方法は、上記でより詳細に説明される。従って、
図3Aに示されるように、シリンジ60から出た流体の送達は、プランジャ64を出口ポート63から離隔して、バレル62内に収容された流体(例えば、薬剤)を収容するときに開始し得る。
【0095】
操作中、使用者は、
図3Aに示されるように、最初にシリンジプランジャ64を遠位位置に位置決めすることによって、シリンジ60からニードルセット85を介して患者に流体を送達し得る。一部の実施形態では、このプロセスは、上述の方法(例えば、
図1A~
図1Cに示されるように、載荷アセンブリ50及び載荷アクチュエータ90を介して)か手動かいずれかによって、シリンジ60に流体を充填することを含む。指向性ロック40は、操作前にバレル62からの流体流出を防止するように係合され得る。次いで使用者は、ニードルセット85の一方の端部を輸液ポンプ10に設置し得る。一部の実施形態では、使用者はニードルセット85を、所望の輸液部位に挿入する前にプライミングすることを選択し得る。例えば、使用者は、流体がニードルセット85に沿ってニードル先端部の方に移動していることが観察されるまで、速度アクチュエータ30をその可能な限り最低の設定まで操作し、指向性ロック40をロック解除し得る。次いで使用者は、ニードルセット85の第二端部を所望の輸液部位88(例えば、患者)に配置し得る。いくつかの実施形態では、使用者は、所望の輸液部位からの血液逆流をチェックするために、追加のアクチュエータ(例えば、前述の載荷アクチュエータ)を使用して流体の流れを逆にしてもよい。このプロセスは、ニードルセット85が患者及び/または使用者上の適切な輸液部位88内に位置決めされることを確保し得る。次いで使用者は、所望の流体輸液速度に従ってシリンジ60から出る流体の流量を調整するように速度アクチュエータ30を操作し得る。速度アクチュエータ30は、使用者が流量を所望の値まで調整することを可能にするための視覚インジケータを含み得る。次いで使用者は、指向性ロック40を解放し得、流体が調整された流量でシリンジ60から輸液部位に流入することを可能にする。
図3Bに矢印で示されるように、指向性ロック40が係脱し得ると、エネルギー貯蔵アセンブリ20は、ホルダ52、ひいてはプランジャ64に、定荷重F2(速度アクチュエータ30を用いて使用者が選択した所望の流量に対応する)を加えることが可能になり、その結果、出口ポート63からニードルセット85に流体が流れ得る。
【0096】
いくつかの実施形態では、使用者は、輸液プロセス中の任意の時点で流量を調整することを選択してもよい。流量での調整が連続的であり得るため(例えば、離散的であり得ないため)、快適さまたは他の適切な理由のために微調整が行われ得ることを理解されたい。先に説明されるように、使用者も、指向性ロック40を係合することによって、輸液プロセス中の任意の時点で流体送達を停止してもよい。
【0097】
図4は、いくつかの実施形態によれば、流体を送達するように輸液ポンプを操作する方法のフローチャートを示す。ブロック300では、バブルトラップを空のシリンジの出口ポートに取り付け、流体連結する。ブロック310では、シリンジ及び取り付けられたバブルトラップを輸液ポンプ内に装填する。いくつかの実施形態では、ブロック300及び310の操作順序は逆であってもよい。ブロック320では、任意の適切な方法を使用して、シリンジを流体(例えば、薬剤)で充填し得る。一部の実施形態では、ブロック320は、
図2に示されるシリンジ充填方法を表し得る。ブロック330に示されるように、ニードルセットをバブルトラップに流体連結して、その後、患者の所望の輸液部位に挿入し得る。患者/使用者に対するニードルセットの位置は、以下にさらに詳細に説明されるように、血液逆流をチェックすることによって検証され得る。いくつかの実施形態では、ニードルセットは、所望の輸液部位に挿入する前に、以下でさらに詳細に記載されるプロセスを通して、プライミングされてもよい。ブロック340では、輸液ポンプの所望の操作の前に、流体がシリンジから流出してニードルセットに流入することを防止するために指向性ロックを係合し得る。ブロック350では、送達速度(例えば、シリンジからの流体流量)は、速度アクチュエータの操作によって調整され得る。ブロック360では、流体がニードルセットから流出し、患者に流入することを可能にするように指向性ロックを解放し得る。患者への流体流入を停止するために、輸液プロセス中の任意の時点で指向性ロックを係合し得ることを理解されたい。一部の実施形態では、ブロック370に示されるように、使用者は、快適さを高めるために、または任意の他の適切な目的のために、送達速度(例えば、流体流量)を調整してもよい。送達速度は、前述のように、速度アクチュエータによって調整され得る。
【0098】
図5は、いくつかの実施形態によれば、シリンジ60に流体を充填し、この流体を調整可能であるが一定の流量で輸液部位88に送達するための輸液ポンプ100を示す。いくつかの実施形態では、輸液ポンプ100は、いかなる電気コンポーネントも無く、純粋に機械的に動作し得る。他の実施形態では、シリンジの充填及びポンプの流体送達特徴は機械的であってもよく、ポンプの他の特徴は電気的であってもよい。シリンジの充填及び輸液ポンプの流体送達特徴の非電気的性質により、輸液ポンプが低コストで堅牢になり得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の輸液ポンプは、電気に容易にアクセス可能ではない環境で使用され得る。
【0099】
図5に示されるように、輸液ポンプ100は、前述の特徴のいくつかを含み得る。例えば、輸液ポンプ100は、エネルギー貯蔵アセンブリ20から載荷アセンブリ50に加えられた実質的に一定の荷重の大きさを制御するように構成された速度アクチュエータ30を含み得る。載荷アセンブリ50の一部(例えば、ホルダ52)は、実質的に一定の荷重をシリンジ60のプランジャ64に伝達するように構成されてもよく、その後、シリンジ内に収容された流体はシリンジ60から流出するように付勢されてもよい。いくつかの実施形態では、シリンジ60には、使用者が載荷アクチュエータ90を操作するとき、輸液ポンプ100の支援によって、バイアル80内に収容された流体(例えば、薬剤)が充填されてもよい。いくつかの実施形態では、シリンジ60は、バブルトラップ70を通してバイアル80またはニードルセット85に連結され得る。バブルトラップは、以下でさらに詳細に記載されるように、輸液部位88への気泡の送達を防止するように構成され得る。また輸液ポンプ100は、指向性ロック40と、ロック40を操作するために関連するロックアクチュエータ42とを含み得る。
【0100】
図5に示されるように、いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵アセンブリ20は、送達ばね22、コネクタワイヤ24(例えば、ケーブル)、及びローラ26を含んでもよい。エネルギー貯蔵アセンブリ20は、トラック27上で摺動可能であり得るスレッジ25上に装填され得る。ばね22の第一端部22Aはスレッジの第一端部25Aに結合され得、ばね22の第二端部22Bはコネクタワイヤ24の第一部分24Aに結合され得る。一部の実施形態では、ばね22の第一端部22A及び第二端部22Bは(
図5に示されるように)フック形状であり得るため、これら端部は、スレッジの第一端部25Aまたはコネクタワイヤ24などの特徴にフックで留められ得る。コネクタワイヤ24は、以下でさらに詳細に説明されるように、輸液ポンプ100の異なるコンポーネントに固定されてもよい。いくつかの実施形態では、コネクタワイヤ24は、2つのコンポーネント間の効率的な力の伝達を可能にするようにばね22の第二端部22Bに固定されてもよい。当然のことながら、本開示がそのように限定されないため、ばね22の他の実施形態及びスレッジ25及び/またはコネクタワイヤ24に関連する取り付けスキームも採用され得る。
【0101】
前述のように、スレッジ25は、トラック27上で摺動可能であってもよい。いくつかの実施形態では、スレッジ25は、送りねじ35によって速度アクチュエータ30に連結され得る。速度アクチュエータ30は、送りねじ35に回転可能に結合され得るため、速度アクチュエータ30が回転すると、送りねじ35が回転することにより、今度は、スレッジ25がトラック27に沿って軸方向に並進し得る。従って、速度アクチュエータ30を使用して、スレッジ25をトラック27に沿って任意の所望の方向に並進させ得る。回転可能な速度アクチュエータ30が
図5に示されているが、スレッジ25を操作するのに適切な任意の他の速度アクチュエータ30が使用され得る。速度アクチュエータ30の動作をスレッジ25の並進運動に変換する、スレッジ25及び速度アクチュエータ30の任意の適切な配置を採用し得ることを理解されたい。
【0102】
いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵アセンブリ20内に貯蔵されたエネルギーは、速度アクチュエータ30の操作によって調整され得る。例えば、エネルギー貯蔵アセンブリ20がばね22を含む実施形態では、一方向での速度アクチュエータ30の動作(例えば、
図5に示されるノブの回転)により、ばね22が伸び得、反対方向での速度アクチュエータ30の動作により、ばね22が縮み得る。コネクタワイヤ24が一方の端部で載荷アクチュエータ90に固定され得、もう一方の端部(例えば、ばね22の第二端部22B)でばね22に結合され得るため、スレッジ25(及びその第一端部25A)が移動してコネクタワイヤ24の載荷アクチュエータ端部から離れると、ばね22が伸び得る。コネクタワイヤ24の引張剛性がばね22の剛性よりも十分に大きくなり得るため、コネクタワイヤ24の長さが輸液ポンプ100の動作中に一定のままであり得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、コネクタワイヤは、ばね22に対して実質的に可撓性でなくてもよい。換言すれば、コネクタワイヤ24は、スレッジ25の運動によって変形し得ない。
【0103】
速度アクチュエータ30の直接操作なしに、スレッジ25と速度アクチュエータ30との間の連結機構がトラック27上でのスレッジの移動(例えば、並進運動)を回避するのに十分に頑強であり得ることを理解されたい。言い換えれば、ばね22の最大張力は、使用者の干渉なしに、速度アクチュエータ30とスレッジ25との間の連結部を越えて、スレッジ25を移動させるのに十分であり得ない。
【0104】
一部の実施形態では、ばね22の第二端部22Bがローラ26の近くに位置決めされるほど、ばね22の伸びが大きくなる。例えば、ばね22の第二端部22Bがローラ26のより近くに位置決めされるとき、ばね22は、第二端部22Bがローラ26からより遠く離れて位置決めされるときよりも大きい張力を受け得る。従って、第二端部22Bがローラ26の近くに位置決めされるほど、その貯蔵エネルギーは大きくなる。例えば、
図5は、第二端部22Bがローラ26から離れて位置決めされている、概して縮み配置中のばね22を示す。
【0105】
前述のように、コネクタワイヤ24の一部は、
図5に示されるように、ばね22の第二端部22Bに結合され得る。さらにコネクタワイヤ24は、ローラ26の周りに部分的にラップされ得、載荷アクチュエータ90のアンカー点95に連結され得る。従って、ローラ26は、コネクタワイヤ24のプーリとして機能し得る。載荷アクチュエータ90は、枢軸点92を含み得、それを中心として回転し得る。枢軸点92は載荷アクチュエータ90に沿ってアンカー点95からオフセットにあり得るため、載荷アクチュエータ90をその枢軸点92を中心として回転させることにより、コネクタワイヤ24の第二部分24Bの長さが変化し得る。前述のように、コネクタワイヤ24は、ワイヤ24(第一部分24A及び第二部分24Bを含む)の全長が動作中に実質的に一定であり得るように、十分に剛性であり得る。従って、コネクタワイヤ24と剛性載荷アクチュエータ90との間の連結は、ばね22(または他の適切なエネルギー貯蔵部材)と載荷アセンブリ50との間のリンク機構として機能し得る。コネクタワイヤ24がスレッジ25の位置に関係なく張力を受け得るため、載荷アクチュエータ90がばね22の方に付勢され得ることを理解されたい。
【0106】
いくつかの実施形態では、載荷アクチュエータ90は、
図5に示されるように、載荷アセンブリ50のスライダ56に固定され得る。スライダ56と載荷アクチュエータ90との間の連結により、載荷アクチュエータ90がその枢軸点92を中心として回転することを妨げ得ないような、取り付け点96にスライダ56及び載荷アクチュエータ90を固定し得る。従って、スライダ56はトラック58に沿って摺動可能であるため、載荷アクチュエータ90の回転により、スライダ56は軸方向に並進し得る。いくつかの実施形態では、載荷アクチュエータ90は、使用者が載荷アクチュエータ90を操作することを可能にするための使用者操作ハンドル94も含み得る。
【0107】
前述のように、いくつかの実施形態では、スライダ56は、エネルギー貯蔵部材54(例えば、
図5に示されるように、ばね)を介してホルダ52に連結され得る。スライダ56は、エネルギー貯蔵部材54の一部分54Aを係合するために、フック56Aまたは任意の他の適切な構造体を含み得る。同様に、ホルダ52は、エネルギー貯蔵部材54の一部分54Bを係合するために、フック52Aまたは任意の他の適切な構造体を含み得る。本開示がそのように限定されないため、スライダ56、エネルギー貯蔵部材54、及びホルダ52の間で任意の適切な連結手段を使用し得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、ホルダ52もトラック58に沿って摺動可能であるため、トラック58上でのスライダ56の並進運動により、エネルギー貯蔵部材54を介したホルダ52の並進運動が起こり得る。前述のように、ホルダ52は、シリンジ60のプランジャフランジ66を保持するように構成されてもよい。一部の実施形態では、プランジャフランジ66は、ホルダ52内に形成されたスロットに取り外し可能に挿入されてもよい。2つのコンポーネントの軸方向の並進運動を十分に結合するために、ホルダ52内へのプランジャフランジ66の任意の適切な装填を採用し得ることを理解されたい。言い換えれば、ホルダ52は、プランジャ64を押す、及び/または引くことができてもよい。
【0108】
いくつかの実施形態では、シリンジ60のバレル62は、
図5に示されるように、1つ以上のホルダ68を用いて適所に固定されてもよい。シリンジ60のプランジャ64に対してバレル62を固定するために、任意の適切な構造体を使用し得ることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、バレル62の位置を制限するように構成されたハウジング配置を含み得る。
【0109】
シリンジ60は、バブルトラップ70ひいてはコネクタ82と流体連通している出口ポート63を含み得る。いくつかの実施形態では、コネクタ82は、シリンジ60を充填するためのバイアル80、及び/またはシリンジ60から出た流体を送達するためのニードルセット85に結合するように構成されてもよい。出口ポート63は、連結部65を介してバブルトラップ70の第一ポート72に連結され得る。いくつかの実施形態では、連結部65はチューブ類であってもよいが、出口ポート63とバブルトラップ70との間に任意の他の適切な流体密封連結部が採用されてもよい。同様に、コネクタ82は、連結部83を介してバブルトラップに連結されてもよく、この連結部は、いくつかの実施形態では、流体密封チューブ類であってもよい。本開示がシリンジ60、バブルトラップ70、及び/またはコネクタ82の間の連結手段によって限定されないことを理解されたい。
【0110】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプ100も、少なくとも一方向では載荷アクチュエータ90の運動(例えば、回転)を制限し得る、指向性ロック40を含み得る。指向性ロック40は、ラチェットホイール46、アクチュエータ42、及び爪部44を含み得る。アクチュエータ42は使用者が操作可能であり得るため、使用者は、アクチュエータ42を使用してロック40をロックする、またはロック解除することを選択し得る。ロックアクチュエータ42は、レバー、ノブ、ボタン、回転ダイヤル、スライダ、または任意の他の適切な使用者が操作可能な構造体であってもよい。いくつかの実施形態では、アクチュエータ42は、ロック40を操作するためのトグルとして機能し得る。ラチェットホイール46は、枢軸点92で載荷アクチュエータに回転して結合され得る。従って、ラチェットホイール46が回転を阻止されるときに(以下に説明されるように)、載荷アクチュエータ90も運動を阻止され得る。
【0111】
図5に示されるように、アクチュエータ42が第一位置(実線)にあるとき、爪部44は、ラチェットホイール46のラチェット歯47と係合し得る。一部の実施形態では、ラチェット歯47は、爪部がラチェット歯47に沿って一方向に運動する(ただし、他方向には運動しない)ことを可能にする方法で傾斜し得る。例えば、各ラチェット歯47は、実質的に傾斜した面及び実質的に垂直な面を含み得ることにより、傾斜面の方向での爪部の運動が可能になり、反対方向での運動が制限され得る。この制限は、アクチュエータ42と爪部44との間にばね45を用いることによって容易になり得る。ばね45は、爪部44のその枢軸点48を中心とした回転を、アクチュエータ42が第一位置(実線)にあるとき、爪部44が実質的に垂直面を横断することができないように制限し得る。従って、爪部44がラチェットホイール46と係合するとき、指向性ロック40は作動し、載荷アクチュエータ90の運動を効率的に阻止し得る。アクチュエータ42は、爪部44がラチェットホイール46から解放される第二位置(破線)に可動であり得る。従って、ラチェットホイール46は、指向性ロック40がロック解除されるとき、載荷アクチュエータ90と共に枢軸点92を中心に自由回転し得る。
【0112】
当然のことながら、指向性ロック40のための他のロック配置も企図される。例えば、載荷アクチュエータの回転は、摩擦ブレーキ及びパッド(または他の任意の摩擦係合、例えばシューのような摩擦パッド)によって許容/制限され得るため、ロックアクチュエータをそのロック配置とロック解除配置との間でトグルすると、摩擦ブレーキをその対応するパッド(例えば、シュー)から摩擦係合し、または係脱し得ることにより、載荷アクチュエータの回転が効率的にブロックされ、またはブロック解除され得る。摩擦ブレーキとパッドとの間の係合により、載荷アクチュエータの回転を一時的に阻止するのに十分な摩擦が発生し得る。
【0113】
図5が載荷アセンブリ50及びシリンジ60に対して平行に位置決めされたスレッジ25を示しているが、輸液ポンプ100の様々な構成要素の任意の適切な配置が採用されてもよく、
図5に示される配置にほとんど似ていなくてもよいことを理解されたい。従って、本開示は、
図5に示される構成要素の空間配置によって限定されない。いくつかの実施形態では、輸液ポンプ100の様々な構成要素は、輸液ポンプ100のコンパクトなフットプリントを達成するように配置され得る。
【0114】
ばね22の伸びが大きいほど(例えば、ばね22の第二端部22Bが速度アクチュエータの動作によってローラ26の近くに位置決めされるとき)、ばね22から載荷アクチュエータ90に伝達され得る力が大きくなることを理解されたい。従って、速度アクチュエータ30は、ばね22の伸びを制御することによって、シリンジ60から出る流体の流量を制御し得る。前述のように、ばね22の伸びが調整されると、ばね22によって載荷アクチュエータ90に加えられる荷重が変化し得、その結果、載荷アクチュエータ90によってホルダ52に加えられる荷重が大きくなり得る。ばね22内の張力(例えば、貯蔵された弾性エネルギー)が大きいほど、プランジャ64に伝達され得る荷重が大きくなり、その結果、シリンジ60から出る流体の流量が大きくなり得る。
【0115】
操作中、使用者は、最初にバブルトラップ70を空のシリンジ60に取り付け、アセンブリを輸液ポンプ100に挿入することによって、輸液プロセスを開始し得る。次いで使用者は、コネクタ82を輸液ポンプ100に取り付け得、その後、流体(例えば、薬剤)で充填されたバイアル80に連結し得る。このようにして、バイアル80、コネクタ82、バブルトラップ70、及びシリンジ60は(出口ポート63を通して)流体連通し得る。前述のように、コネクタ82はスパイクを含んでもよく、このスパイクはバイアル80のキャップまたはシールを穿刺し、開口させて、バイアルに流体連通し得る。この時点で、バイアル80がシリンジ60と流体連通していても、いくつかの実施形態では、流体は、載荷アクチュエータ90を操作することによってシリンジプランジャ64が引き戻されるまで、バイアルからシリンジに流入しない。
【0116】
シリンジを充填するために載荷アクチュエータ90を操作するのに必要な力の量を減少させるのを助けるために、いくつかの実施形態では、使用者は、速度アクチュエータ30を可能な限り低い設定に設定することによって、載荷アクチュエータ90に作用するばね22の付勢力を減少させ得る。そうすることによって、ばね22が載荷アクチュエータ90のより近い位置まで移動し得、ばね22から載荷アクチュエータ90にかかる付勢が減少し得る。
【0117】
載荷アクチュエータ90を操作する前に、使用者は、アクチュエータ42をロックすることによって指向性ロック40を係合し得る。このようにして、ラチェット46は、一方向に(例えば、
図5に示されるように、枢軸点92を中心として時計回りに)回転し得るが、反対方向には制限され得る。指向性ロック40は、ばね22によって載荷アクチュエータ90に加えられるいかなる付勢も打ち消し、載荷アクチュエータ90を回転させて適所にロックするのに十分に頑強であり得る。次いで使用者は、シリンジ60の所望の充填量に対応するハンドル94によって載荷アクチュエータ90を操作し得る。いくつかの状況では、単一バイアル80は輸液プロセスに十分であり得るが、他の状況では、1つより多いバイアル80は必要であり得る。シリンジ60が所望の流体(例えば、薬剤)体積を考慮して選択され得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、載荷アクチュエータ90の動作は、その枢軸点92を中心としたアクチュエータ90の回転を伴い得る。この時点で指向性ロック40が係合し得るため、使用者は、所望の回転度合いの後に載荷アクチュエータ90を解放し得る。指向性ロック40は、使用者がハンドル94を解放した後でも、載荷アクチュエータ90を適所に保定し得る。いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、ハンドル94の様々な位置に関連する充填量を指示するための視覚マーカーを含み得る。
【0118】
前述のように、スライダ56は、
図5に示されるように、ハンドル94の回転により、トラック58上でスライダ56が直接に線形並進運動を起こし得るように、載荷アクチュエータ90に結合され得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、ホルダ52(プランジャ64に直接に結合される)がスライダ56に直接に線形結合されないことを理解されたい。従って、載荷アクチュエータ90の動作(例えば、時計回りの回転)は、ホルダ52をトラック58に沿って即時に並進させ得ない。代わりに、いくつかの実施形態では、中間エネルギー貯蔵部材54は、ホルダ52がトラック58に沿ってより緩徐に並進し得るように、スライダ56とホルダ52との間の荷重を調節し得る。このようにして、使用者が載荷アクチュエータ90を迅速に操作すると、エネルギー貯蔵部材54は、伸びて潜在的なエネルギーを貯蔵し、載荷アクチュエータ90を解放し、エネルギー貯蔵部材54がホルダ52とスライダ56との間で緩徐に縮むと(例えば、その伸びた状態から貯蔵エネルギーを放出すると)、輸液ポンプ100がシリンジ60を自動的に充填させ得る。取り付け点96(
図5に示される)での載荷アクチュエータ90とスライダ56との連結により、スライダ56が指向性ロック40を係合するときに適所に固定され得ることを理解されたい。従って、エネルギー貯蔵部材54の緩徐な縮みにより、ホルダ52がトラック58に沿って並進することのみができ、その結果、バイアル80からバレル62に流体が流れ、シリンジ60が効率的に充填され得る。エネルギー貯蔵部材54の縮む速度がその剛性、プランジャ64とバレル62との間のスティクション、流体粘度及び表面張力、及び/または任意の他の適切なパラメータによって制限され得ることを理解されたい。本明細書で使用される「緩徐」という用語は、エネルギー貯蔵部材54の任意の特定の縮む速度または出口ポート63への流量の指示子ではなく、むしろ使用者がハンドル94を動かすことにより、スライダ56が動く速度と比較して、ホルダ52の運動を説明するために使用されている相対的な用語である。ホルダ52がシリンジ充填プロセス中に必ずしもスライダ56よりも緩徐に動かなくてもよいことを理解されたい。一部の実施形態では、ホルダは、スライダの運動速度と同じ速度で、またはそれよりも速く運動し得る。
【0119】
いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵部材54がその縮んだ配置に達すると、ホルダ52がスライダ56の近くに位置決めされ、
図1B及び
図1Cに示されるように充填プロセスを完了し得る。この時点での輸液ポンプ100の操作中、使用者は、上述のプロセスに従うことによってシリンジ60を充填し続けてもよく、または輸液の準備をしてもよい。バレル62の容量に等しい全容積を収容する任意の適切な数のバイアルを用いて、シリンジ60を充填し得ることを理解されたい。一部の実施形態では、充填プロセス全体の間、指向性ロック40を係合し得、バレル62からの流体の早すぎる流出を防止し得る。
【0120】
シリンジ60が十分な容量の流体(例えば、薬剤)で充填されると、使用者は輸液プロセスの準備をし得る。空になったバイアル80は、コネクタ82から取り外され、適切に廃棄され得る。次いで使用者は、流体密封方法で(例えば、ルアーロック連結を使用して)、ニードルセット85をコネクタ82に取り付け得る。前述のように、ニードルセット85は、プライミングプロセスが行われ得る一方の端部でコネクタ82に結合され得る。いくつかの実施形態では、使用者は、最初に速度アクチュエータ30をその可能な限り低い設定にし、指向性ロック40をロック解除し、流体がポンプ100から流出し、ニードルセット85に流入し、ニードル先端部に向かうことを可能にすることによって、ニードルセット85をプライミングし得る。適切な流れが観察されると、使用者は、次いで、ニードルセット85の第二端部を患者の輸液部位88に挿入し得る。ニードルセット85が適切な輸液部位に挿入されると、使用者は、血液逆流をチェックすることによって輸液部位の位置を検証し得る。一部の実施形態では、使用者は、シリンジ60を充填するかのように載荷アクチュエータ90をわずかに動かしてもよい(例えば、
図5に対して時計回り方向に回転させてもよい)。使用者は、ニードルセット85のチューブ類を目視検査し得る。いくつかの実施形態では、使用者がニードルセット85のチューブ類内に血液を観察する場合、使用者は、ニードルセット85を輸液部位から取り外し、ニードルセットを新しいニードルセットと交換し得る。使用者がいかなる血液も観察しない場合、ニードルセット85の挿入が成功し得、輸液プロセスを開始し得る。
【0121】
シリンジ60から輸液部位88への流体の送達を開始するために、使用者は、速度アクチュエータ30を所望の流体流量に調整し得る。速度アクチュエータ30は、選択可能な流体流量の範囲を指示するための視覚マーカーを含み得る。使用者がスレッジ25の並進距離によって決定される許容範囲内で任意の所望の流体流量を選択し得るように、速度アクチュエータ30が連続的に操作可能であることを理解されたい。言い換えれば、使用者は、快適さ、タイミング、または任意の他の適切な理由に基づいて、流体流量を正確に選択することができてもよい。一部の実施形態では、流体の流れの許容範囲は、FDA(または任意の他の規制機関)、医療専門家、薬物の製造元、及び/または任意の他の適切な理由によって決定されるような許容可能な流量によって制限され得る。
【0122】
前述のように、速度アクチュエータ30(例えば、ノブ)の調整(例えば、回転)により、スレッジ25の線形並進運動が起こり得る。従って、ばね22は、調整の程度に基づいて伸び得るため、著しく伸びたばね22は、部分的に伸びたばね22と比較して、シリンジ60から出たより大きい流体流量に対応し得る。指向性ロック40がロックされている間、ばね22の張力の(速度アクチュエータ30を介した)調整が行われ得ることを理解されたい。このようにして、載荷アクチュエータ90(及び関連する載荷アセンブリ50及びシリンジプランジャ64)は、調整プロセス中に静止したままであり得、シリンジ60からの流体の早すぎる流出を防止し得る。
【0123】
速度アクチュエータ30を用いて適切な流量を選択すると、使用者は指向性ロック40を解放し得、流体が速度アクチュエータ30での選択に相応する流量でシリンジ60から流出することを可能にする。いくつかの実施形態では、使用者は、輸液部位にニードルセット85を挿入する前に、ニードルセット85をプライミングすることを選択し得る。次いで使用者は、血液逆流をチェックし得、その後、速度アクチュエータ30を用いて適切な流量を選択し得る。使用者は、ニードルセット85を目視検査し、流体が輸液部位88の方に流れる場合、シリンジ60からの流体を追跡し得る。次いで使用者は、指向性ロック40をロックし、前述のように載荷アクチュエータ90を操作して、ニードルセット85が血管の内/近くに挿入されたかどうかをチェックし得る。使用者は、ニードルセット85が適切に取り付けられた(例えば、輸液部位88からチューブ類83内への血液の流出がない)ことを確認すると、指向性ロック40をロック解除し、輸液を再開し得る。
【0124】
操作中、ロックアクチュエータ42で指向性ロック40をロック解除すると、
図5の破線で示されるように、爪部44がラチェットホイール46から係脱し得る。従って、載荷アクチュエータ90は、その枢軸点92を中心とした任意の方向に自由回転し得る。コネクタワイヤ24及びばね22の張力が与えられると、指向性ロック40の解放時に、載荷アクチュエータ90は流体の流出(例えば、
図5の反時計回りの回転)方向に付勢されても、または勢いが付けられてもよい。次いで載荷アクチュエータ90は、その枢軸点92を中心に回転し、コネクタワイヤの第二部分24Bの長さを減少させ得ることによって、その付勢を最小にしようとし得る。このようにして、ばね22が縮み、その貯蔵したエネルギーを解放すると、載荷アクチュエータ90の枢軸点92を中心としたモーメントアームが増加する。従って、ばね22は、縮むにつれて載荷アクチュエータ90に線形的に減少する荷重を加え得るが、載荷アクチュエータ90、ローラ26、及びコネクタワイヤ24のリンク機構は、線形的可変荷重を、ホルダ52に加えられる実質的に一定の荷重に変換し得る。いくつかの実施形態では、リンク機構は、実質的に一定の荷重をホルダ52に加えるように、ばね22からの線形的に減少する荷重を増幅させ得る。本開示がそのように限定されないため、可変荷重を定荷重に変換するように構成された、本明細書に記載の構成要素の任意の他の適切な配置が採用され得ることを理解されたい。例えば、一部の実施形態では、輸液ポンプは、単一の調整不能であるが一定の流量をシリンジから出力するように構成されてもよい。これらの実施形態では、ばねがシリンジに対して単一の定荷重のみをかけ得るように、ばね位置は固定されてもよい(例えば、ばねを機械的に変位させるための速度アクチュエータが存在しなくてもよい)。
【0125】
流体送達中、ばね22及びコネクタワイヤ24内の張力は、バレル62内の流体を加圧して、流体を出口ポート63に通して輸液部位88内に流出させるために、プランジャ64の方に載荷アクチュエータ90を動かす(例えば、回転させる)ように働く。エネルギー貯蔵部材54が張力状態中にスライダ56に対するホルダ52の運動速度を制限し得ることを理解されたい。換言すれば、エネルギー貯蔵部材54は、圧縮されるときに、中実の非変形体として機能し得る。従って、エネルギー貯蔵部材54は、限られた緩みまたは遅れによってスライダ56の軸方向の変位をホルダ52に単純に伝達し得る。
【0126】
いくつかの実施形態では、使用者は、載荷アクチュエータ90の位置及び/または運動を目視検査することによって、輸液プロセスが完了するかどうかを決定することができてもよい。載荷アクチュエータ90がバレル62の近くに位置決めされる場合、バレル62内の流体が出口ポート63を通って輸液部位88内に排出された可能性があるため、輸液プロセスはほとんどまたは実質的に完了している可能性がある。いくつかの実施形態では、使用者は、シリンジを目視検査して、残りの流体体積を検証し、輸液プロセスが完了するかどうかを決定することができてもよい。
【0127】
輸液プロセスが完了したと決定されると、使用者は、さらなるシリンジ60への流入またはそれからの流出を防止するように、指向性ロック40をロックしてもよい。次いで使用者は、輸液部位88及びバブルトラップ70からニードルセット85を取り外し得る。載荷アクチュエータ90を操作するのに必要な力を減少させるために、使用者は、速度アクチュエータを、その可能な限り低い設定に調整してもよい。載荷アクチュエータ90が常にエネルギー貯蔵アセンブリ20によって付勢され得るが、この付勢は、ばね22の第一端部22Aがアンカー点95に近づけられるにつれて低減し得る。一部の実施形態では、この付勢の低減は、速度アクチュエータ30の動作によって起こり得る。一部の実施形態では、使用者は、使用中でないときに、載荷アクチュエータ90をロックし得る。次いでシリンジ60、バブルトラップ70、及びコネクタ82のアセンブリは、バイアル(複数可)80及びニードルセット85と共に、輸液ポンプ100から取り外され、適切に廃棄され得る。
【0128】
図5の輸液ポンプ100がシリンジ充填能力及び流体送達能力の両方を有するが、これらの能力のうちの1つのみを有する輸液ポンプまたは他のデバイスも企図されることを理解されたい。例えば、輸液ポンプは、載荷アクチュエータを緩徐に操作することによる、シリンジの手動充填を必要とし得るが、前述のように、流体送達に関して自動であってもよい。それらのような輸液ポンプは、
図5の輸液ポンプ100と構造が類似し得るが、エネルギー貯蔵部材54を含まなくてもよい。本開示がそのように限定されないため、輸液ポンプが自動シリンジ充填及び/または流体送達に加えて、任意の他の機能を有し得ることを理解されたい。
【0129】
図6は、いくつかの実施形態によれば、シリンジを充填して流体を送達するように輸液ポンプを操作する方法のフローチャートを示す。ブロック400では、バブルトラップが空のシリンジの出口ポートに取り付けられ、バブルトラップとシリンジとのアセンブリが輸液ポンプ内に装填される。ブロック401では、バイアルを輸液ポンプ内に装填する。いくつかの実施形態では、バイアル(薬剤を収容し得る)をポンプ内に装填することは、シリンジの出口ポート、バブルトラップ、及びバイアルを流体連結し得る。ブロック402では、速度アクチュエータは、その最低送達速度設定まで調整される。上述のように、速度アクチュエータをその最低設定まで調整することにより、輸液ポンプの特定の構成要素(例えば、載荷アクチュエータ)の操作が容易になり得る。ブロック403では、次いで少なくとも一方向の載荷アクチュエータの運動を防止するための指向性ロックによって、載荷アクチュエータをロックし得る。載荷アクチュエータは、載荷アクチュエータの運動を指向して制限するのに適切な任意の方法で指向性ロックと係合し得る。ブロック404では、バイアルからの流体でシリンジを充填するように、載荷アクチュエータを操作し得る。上記でより詳細に説明されるように、載荷アクチュエータの運動により、シリンジのバレルを通して近位方向にシリンジのプランジャが線形運動し得ると、流体がバイアルからシリンジバレルに流入し得る。ブロック405では、使用者は、載荷アクチュエータを解放し、所望の流体体積がバイアルからシリンジに流入するのを待機し得る。指向性ロックを載荷アクチュエータと係合する実施形態では、載荷アクチュエータが解放された後、反対方向に付勢されているにもかかわらず、静止したままであり得ることを理解されたい。従ってブロック405では、使用者は、輸液ポンプを操作する必要がない場合がある。ブロック406では、使用者は、輸液ポンプから空になったバイアルを取り外し、任意選択で新しいバイアルと交換し得る。ブロック404~406のプロセスは、前述のように、シリンジを所望の流体体積で充填するために何度でも繰り返され得る。ブロック407に示されるように、使用者は、空になったバイアル(複数可)を取り外し、代わりにニードルセットをバブルトラップに取り付けてもよい。いくつかの実施形態では、使用者は、次いで、ブロック408に示されるように、流体がニードルセットを充填することを可能にするために、指向性ロックで載荷アクチュエータをロック解除した後、ブロック409に示されるように、流体がニードルセットのニードル先端部に到達する前に、指向性ロックで載荷アクチュエータをロックすることによって、ニードルセットを任意選択でプライミングすることを選択し得る。その後、使用者は、ブロック410に示されるように、ニードルセットを患者の所望の輸液部位に挿入し得る。ブロック411では、患者/使用者に対するニードルセットの位置は、血液逆流をチェックすることによって任意選択で検証され得る。いくつかの実施形態では、このステップは、最初に使用者が上記のようにニードルセットをプライミングし、次いでニードルセット内の流体の流れを反転させて、血液を目視検査することによって行われ得る。ブロック412では、送達速度(例えば、シリンジからの流体流量)は、速度アクチュエータの操作によって調整され得る。ブロック413では、流体がニードルセットから流出し、患者に流入することを可能にするように指向性ロックを解放し得る。患者への流体流入を停止するために、輸液プロセス中の任意の時点で指向性ロックを係合し得ることを理解されたい。一部の実施形態では、ブロック414に示されるように、使用者は、快適さを高めるために、または任意の他の適切な目的のために、送達速度(例えば、流体流量)を任意選択で調整してもよい。送達速度は、前述のように、速度アクチュエータによって調整され得る。ブロック415では、使用者は、もう一度、最低送達速度設定で速度アクチュエータを調整し、指向性ロックをロックしてもよい。ブロック416では、使用者は、前述のように、使用済みシリンジ、バイアル(複数可)、バブルトラップ、ニードルセット、及びコネクタを含む使い捨て物品を輸液ポンプから取り外し得る。
【0130】
図7は、輸液ポンプ150のさらに別の実施形態を示し、この輸液ポンプは、ポンプ100のばね22、ローラ26、及びコネクタワイヤ24がゼロ長ばね29及びローラジョイント28によって置換され得ることを除き、
図5の輸液ポンプ100と同様であり得る。ゼロ長ばね29は、一方の端部でローラジョイント28に、そして載荷アクチュエータ90上のアンカー点95に連結され得る。載荷アクチュエータ90は、
図5の載荷アクチュエータと機能が類似し得るため、一方の端部にピン留めされた枢軸点92を中心に回転可能であり得、反対側の端部に使用者が操作可能なハンドル94を含み得る。ローラジョイント28は、速度アクチュエータ30の動作に応答して軸方向に並進することができてもよい。いくつかの実施形態では、ゼロ長ばね29は、そのばね定数とその密着長さの積に等しい予荷重を有し得る。輸液ポンプ150内にゼロ長ばね29を使用することにより、
図5に示されるものと比較して、輸液ポンプの全体的なフットプリントのサイズ及び/または重量を低減させ得る。当然のことながら、
図7にはゼロ長ばね29が示されているが、調整可能な定荷重をプランジャホルダ52に伝達する任意の他の手段が採用されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、定荷重機構(例えば、LaCosteサスペンションもしくは任意の同等のシステム)または線形特性ばねを採用し得る。いくつかの実施形態では、輸液ポンプが調整不能であるが定荷重をホルダに伝達し得ることにより、シリンジからの流体流出が一定になり得ることも理解されたい。
【0131】
図8は、輸液部位への気泡の送達を制限する、いくつかの実施形態によるバブルトラップ70の分解斜視図を示す。これらの気泡は、シリンジプランジャがシリンジバレルから迅速に引き離されるときに、気泡がシリンジ内に形成される、起泡の結果であり得る。いくつかの実施形態では、気泡は、空のバイアルから引き出された空気、または傾斜配置で部分的に充填されたバイアルから引き出された空気の結果であり得る(または、使用者が動かしているときにポンプが使用されているとき、バイアル内にスロッシングが起こり得、バイアルから空気が流出することが可能になる)。いくつかの実施形態では、バブルトラップは、ニードルセットのチューブ類、ベントを設けられたスパイク、シリンジ、及び/または輸液ポンプの任意の他の構成要素内に最初に位置している気泡の送達を制限し得る。シリンジ及び/またはバイアルからの流体は、充填/抽出中にそれらのような気泡を移動させ得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるバブルトラップ70は、輸液部位に投与される前に、流体(例えば、薬物)から気泡を除去し得る。
【0132】
バブルトラップ70は、シリンジ60の出口ポート63及びコネクタ82に流体連結するために、チューブ類65、83(
図5参照)とインタフェースするポート72、74を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ポート72、74は、バブルトラップ70の本体78内に形成されたチャネルを通して流体連通していてもよい。チャネルは、膜75に対して開いている追加のポート73、Oリング76、及び逆止弁77を含んでもよい。膜75は、ガス透過性疎水性膜であってもよい。いくつかの実施形態では、膜75は、50nm~100nmの間の細孔径を有する疎水性PTFE膜であってもよい。当然のことながら、他の適切な疎水性膜の材料及び/またはサイズも企図される。いくつかの実施形態では、バブルトラップ70は、以下でさらに詳細に議論されるように、逆止弁77が重力から離れる方に向くように、輸液ポンプ内で方向付けられてもよい。いくつかの実施形態では、逆止弁77は、一方向弁であってもよい。いくつかの実施形態では、逆止弁77は、ダックビルバルブであってもよい。当然のことながら、他の適切な一方向逆止弁も企図される。またバブルトラップ70は、逆止弁77に取り付けられたキャップ79を含んでもよい。いくつかの実施形態では、キャップ79は、膜75及び/またはOリング76の交換を容易にするために、本体78に取り外し可能に取り付けられてもよい。キャップ79は、任意の適切な締結手段によって本体78に取り外し可能に取り付けられてよい。いくつかの実施形態では、バブルトラップは、使用者が膜75及び/またはOリング76に直接アクセスし得ないように、単一体であってよい。
【0133】
操作中、バブルトラップ70を通して流れる流体(ポート73からポート74か、ポート74からポート73かいずれかへ)は、膜75を介して通過し得る。膜75の疎水性の特性だけでなく、細孔径を考慮すると、膜75は、いずれの流体(例えば、薬剤)もポート73を通過して逆止弁77に移ることを可能にしなくてもよい。流体がシリンジの出口ポートからニードルセットに移動している送達中、バブルトラップ70を通過する流体は、雰囲気に対して正圧であり得る。従って、流体がシリンジからバブルトラップ70を通ってニードルセットに流れる場合、流体内のあらゆる気泡は、薬物の流体圧によって膜75を通して追い出され得る。その後、気泡は、逆止弁77を通過して雰囲気に移り得る。前述のように、重力の方向に対する逆止弁のアライメントにより、膜75の界面付近の気泡の流れが促進され得、次いで、気泡がトラップ70から追い出されることを確保し得る。シリンジ充填中、そして血液逆流をチェックする場合、本体78内の流体は、雰囲気に対して負圧であり得る。言い換えれば、輸液ポンプの流体連結管路内にわずかな真空が形成され得る。従って、逆止弁77は、空気が膜75を通って流体に引き込まれる尤度を低減させ得る。
【0134】
いくつかの実施形態では、空気が充填プロセス中にシリンジに引き込まれ得ることを理解されたい。しかしながら、バブルトラップ70は、輸液部位に送達される気泡の量を減少させるのに役立ち得る。
【0135】
図9~
図11は、いくつかの実施形態による、さらに別の輸液ポンプ1000の様々な斜視図である。ポンプ1000は、
図5に示されるポンプ100と機能的に同様に動作し得るが、構成要素の異なる配置を含み得る。例えば、輸液ポンプ1000は、滑らかで楕円形の載荷ハンドル94を含み得る。いくつかの実施形態では、ハンドル94は、操作中の輸液ポンプ1000の滑りを制限するために、わずかに傾斜していてもよい。当然のことながら、ハンドル94は、使用者の快適さ及び適切な把持力を確保するのに適した任意のサイズ/形状を有してもよい。別の例では、輸液ポンプ1000は、ロックアクチュエータ42として回転可能なダイヤルを含み得る。上述のように、ロックアクチュエータ42は、少なくとも一方向に載荷ハンドル94の移動を制限するように操作され得る。いくつかの実施形態では、ロックアクチュエータ42の操作は、載荷アクチュエータを一時的に固定し得る。また輸液ポンプ1000は、速度アクチュエータ30として使用者が操作可能な回転可能なダイヤルを含んでもよい。
【0136】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプ1000は、使用者が輸液ポンプ1000を運搬することを可能にし得る、ストラップへの取り付けのための1つ以上のフック2も含み得る。いくつかの実施形態では、輸液ポンプ1000は、使用者が輸液ポンプ1000を運搬することを可能にするために、ストラップ、バックル、スナップ、または任意の他の適切な特徴などの特徴の任意の組み合わせを使用して、ウェアラブルであってもよい。いくつかの実施形態では、輸液ポンプ1000は、ポータブルであり得る。いくつかの実施形態では、輸液ポンプ1000は、流体(例えば、薬剤)送達中にポータブルであってもよい。
【0137】
図9及び
図10に示されるように、いくつかの実施形態では、1つ以上のバイアル80は、スパイクコネクタを用いてバブルトラップ70のポート74に取り付けられ得る。例えば、ベント付きスパイクを各バイアル上に据え付け得ると、流体がバイアルに流入し、バイアルから流出することが可能になる。次にスパイク及びバイアルアセンブリをポート74上に据え付け得る。いくつかの実施形態では、十分な流体がバイアルからシリンジ内に抽出されると、ベント付きスパイク及びバイアルアセンブリが共に廃棄され得ることを理解されたい。本開示がそのように限定されないため、当技術分野で既知の任意の適切なベント付きスパイクシステムを使用してもよい。いくつかの実施形態では、シリンジが十分に充填された後、スパイク及びバイアルアセンブリはポート74から連結解除され得、次いで、ニードルセットはポート74上の、スパイクが最初に連結されたポート74上の同じ位置に据え付けられ得ることにより、スパイク及びバイアルアセンブリが交換され得る。従って、ポート74は、ニードルセット及びベント付きスパイク/バイアルアセンブリに交換可能に連結されることができてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のバイアル80は、
図11に示されるように、コネクタ82を通してバブルトラップ70に取り付けられ得る。コネクタ82は、使い捨てであってもよい。一部の実施形態では、コネクタは、バブルトラップ70(その後、シリンジ60)への流入及びそれからの流出の流体密封を容易にするためのルアーロックコネクタを含み得る。
【0138】
操作中、シリンジ60は、
図9に示されるように、輸液ポンプ1000の切り欠き部61に挿入され得る。切り欠き部61はシリンジ60のバレルを適所に固定し得、プランジャ64はホルダ52を介して軸方向に並進することを可能にする(
図10参照)。いくつかの実施形態では、輸液ポンプ1000は、シリンジ60を適所に保持するのを助けるために、回転クリップ69を含んでもよい。
【0139】
切り欠き部61により、使用者がシリンジ60を目視検査することが可能になることを理解されたい。同様に、輸液ポンプ1000は、使用者が所望の投与量に対応する適切な位置にハンドル94を操作することを可能にする、載荷インジケータ97を含み得る。例えば、載荷インジケータ97は、シリンジ60の充填量に対応する様々な体積を示すマーカーを含み得る。載荷インジケータがシリンジ充填中に使用者に容易に可視であり得ることを理解されたい。従って、いくつかの実施形態では、載荷インジケータ97は、ポンプ1000の上面上に位置していてもよい。また輸液ポンプ1000は、
図9及び
図11に示されるように、速度スケール32を含み得る。速度スケール32は、輸液ポンプ1000の操作中に様々な可能な流量を示すマーカーを含み得る。従って、使用者は、速度アクチュエータ30を回転させ、速度スケール32上のインジケータの動きを見て、流体流出速度を可視化し、適切に選択し得る。
【0140】
図12~
図21は、さらに別の輸液ポンプ2000の様々な図である。
図12は、ハウジング2100を備えた輸液ポンプ2000を示す。輸液ポンプ2000は、アダプタ570に連結され得る、ニードルセットから出る流体の送達流量を調整するための速度アクチュエータ530を含む。いくつかの実施形態では、プランジャホルダ568は、シリンジプランジャフランジ66に圧力を加えて、ポンプ内に装填されたシリンジバレル62から、ニードルセットを介して(例えば、患者上の)輸液部位に向けて流体を押し出すように機能し得る。以下でより詳細に説明されるように、プランジャホルダ568は、速度アクチュエータ530の設定に基づいて流体流量を制御し得る内部機構によって駆動され得る。いくつかの実施形態では、輸液ポンプ2000は、速度アクチュエータ530によって設定された設定を表示し得る速度インジケータ532も含み得る。従って使用者は、速度インジケータ532を読み取ることによって、速度アクチュエータ530を調整して、望ましい設定を達成し得る。機械の速度インジケータ532が
図12~
図21に示されているが、本開示がそのように限定されないため、デジタルシステムもまた使用され得ることを理解されたい。
【0141】
図12に示されるように、輸液ポンプ2000は、ポンプをロックする、またはロック解除するためのロックアクチュエータ542も含み得る。ロックアクチュエータは、プランジャホルダ568の運動を阻止するように機能し得ることによって、流体のシリンジバレル62への流入またはそれからの流出を実質的に減少させ得る。いくつかの実施形態では、
図12に示されるように、ロックアクチュエータ542は、ポンプが「ロック」されるため、「オフ」になることを示す第一位置と、「オン」である「ロック解除」されたポンプを示す第二位置との間で可動である、回転可能なサムターンとして構成されてもよい。当然のことながら、本開示がロックアクチュエータの動作によって限定されないため、ロックアクチュエータ542の他の中間配置も企図される。
【0142】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプ2000は、動作中にシリンジプランジャの上にヒンジ付きカバー599を含み得る。カバー599は、使用者がプランジャの運動を観察することを可能にし、その運動を偶然に妨害するリスクを低減させるために、半透明または透明な材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、カバー599は、ハウジング2100内の磁石の補助によって閉じられ得る。使用者は、ヒンジ付きカバー599を開いて、シリンジを配置する、または輸液ポンプから取り外すことができてよい。
【0143】
図13~
図21は、いくつかの実施形態による、ハウジング2100が取り外されている、輸液ポンプ2000の内部の種々の部分を示す。輸液ポンプ2000は、一定であるが調整可能な速度で大量の流体(例えば、薬剤)を送達し得るという点で、
図5及び
図9に前述の輸液ポンプと同様に動作する。送達速度は、使用者のニーズ(例えば、快適さ)に適しているように、送達中の任意の時間に速度アクチュエータ530を用いて調整され得る。
【0144】
いくつかの実施形態では、速度アクチュエータ530は、送達ばね522に結合されてもよい。輸液ポンプの他の実施形態に関して先に論じられるように、ばね522は、ポンプから出る流体の送達速度を調整するように張力をかけ得る。
図12~
図21によって取り込まれた実施形態では、送達ばね522は、
図13A~
図13Bに示されるように、送達スレッジ525の内部に収容されてもよい。スレッジ525は、速度アクチュエータ530に回転結合され得る、ナット527の内面と相互作用し得る、ねじ山525Aを含み得る。従って、使用者は、速度アクチュエータ530の回転に伴い、ナット527に対して送達スレッジ525を軸方向に変位させ得る。
【0145】
いくつかの実施形態では、送達ばね522は、
図13A~
図13Bに示される、コネクタワイヤ524に結合されてもよい。コネクタワイヤ524は、実質的に非伸長性ケーブルとして構成され得るが、
図14に示されるように、送達ばね522を備えたコネクタ523から、ばね522の中央中空部分を通って、ローラ526と駆動アーム529上に形成された凸部528との周りに配線され得る。いくつかの実施形態では、ローラ526は、速度アクチュエータ530の動作に伴いスレッジ525と共に変位し得るように、送達スレッジ525に取り付けられても、またはその他の方法で結合されてもよい。コネクタワイヤ524は、駆動アーム529上の固定されたアンカー点528Aにアンカー固定されてもよい。凸部528は、ワイヤ524にかかる張力が駆動アーム529を回転させるように機能し得るように構成されてもよい。次に、駆動アームは、
図14に示される、方向D3に沿って、駆動スレッジ550の表面550Aに力を加え得る。以下でより詳細に説明されるように、方向D3に沿った駆動スレッジ550の運動により、輸液ポンプからの流体流出を付勢し得る。いくつかの実施形態では、駆動アーム529は、ローラ529Aを用いて駆動スレッジ550の表面550Aに力を加えてもよい。当然のことながら、駆動アームと駆動スレッジとの間の力の伝達の代替の実施形態も企図される。コネクタワイヤ524の引張剛性がばね522の剛性よりも十分に大きくなり得るため、コネクタワイヤ524の長さが輸液ポンプ2000の動作中に一定のままであり得ることを理解されたい。換言すれば、コネクタワイヤ524は、送達スレッジ525の運動によって変形し得ない。
【0146】
図13A~
図13Bに示されるように、送達ばね522は、
図5及び
図9に関連して説明される引張ばねとは対照的に、圧縮ばねとして構成され得る。従って、速度アクチュエータの回転時にナット527に向かう送達スレッジ525の軸方向の運動は、送達ばね522を圧縮し、コネクタワイヤ524に張力をかけるように機能し得る。
図13Aは最小または低い送達速度での送達ばね522を示し、
図13Bは最大または高い送達速度での送達ばね522を示す。従って、送達ばね522の圧縮により、コネクタ523でばね522の遠位端部に連結されるコネクタワイヤ524に張力をかけ得る。コネクタ523が送達スレッジ525に対して軸方向に可動であり得ることにより、速度アクチュエータ530が回転して送達速度を高めると、ばねがコネクタワイヤ524によって圧縮され得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、圧縮ばねの使用により、引張ばねと比較して、送達システムの空間的なフットプリントが減少し得る。
【0147】
前述のように、いくつかの実施形態では、輸液ポンプ2000は、送達速度設定を使用者に通信するための速度インジケータ532を含み得る。一部の実施形態では、速度インジケータは、機械的に操作され得る。例えば、
図15に示されるように、速度インジケータは(例えば、流量を指示する)数字などの示唆情報を有する回転可能なバレルであってもよい。速度インジケータ532は、
図14~
図15に示されるように、一方の端部で送達スレッジ525上のポスト533に固定されたケーブル531に連結され得る。ケーブル531は、スレッジ525の軸方向の変位に伴い、インジケータ532が回転し得るように、インジケータに連結されても、その周囲にラップされてもよい。前述のように、送達速度は、速度アクチュエータ530が送達スレッジ内に収容された送達ばねを軸方向に変位させることによって調整され得る。従って、インジケータ532は、送達スレッジの運動に関連する送達速度における変化を指示し得る。いくつかの実施形態では、インジケータは、ねじりばね534によってその最大値まで付勢され得る。本開示が本明細書に記載の速度インジケータの機能によって限定されないため、速度インジケータの代替の実施形態を使用し得ることを理解されたい。
【0148】
操作中、使用者は、最初にシリンジ(
図12のシリンジ60を参照)をポンプ2000に装填し、このシリンジにアダプタ570を連結し、流体(例えば、薬剤)のバイアルをアダプタ570上に装填し得る。以下でより詳細に説明されるように、アダプタ570上に流体のバイアルを設置することにより、バイアルをシリンジバレル62と流体連通させ得る。次いで使用者は、著しい力または器用さなしに、バイアルからの流体でシリンジを充填し得る。シリンジのこの容易な装填は、シリンジプランジャを輸液ポンプ2000に結合し、ポンプの内部機構を用いてプランジャを操作することによって促進される。
【0149】
バイアルからの流体でシリンジを充填するために、使用者は、最初に、プランジャホルダ568を介してシリンジプランジャをポンプに結合し得る。操作中、使用者は、空のシリンジを、シリンジのバレル62の一部をポンプ2000の表面2120(
図12参照)に当接させるようにポンプ内に位置決めし得る。いくつかの実施形態では、シリンジは、シリンジプランジャフランジ67をポンプハウジングに当接させることによって、ポンプ内に位置決めされてもよい。本開示がそのように限定されないため、ポンプ内にシリンジを保定するいずれかの配置が採用され得ることを理解されたい。次いで使用者は、載荷アクチュエータ580を操作して、プランジャホルダをシリンジプランジャフランジ66の近くに移動させ得る。プランジャホルダ568は、
図16に示されるように、ラッチ566を含み得る。ラッチ566は、プランジャフランジ66に当接させ得る曲面を含み得る。曲面は、フランジ66と接触すると、半径方向外向きに付勢され得る。使用者がホルダ568をプランジャの方に移動させ続ける場合、フランジ66は、プランジャホルダ568のノッチ567(
図16参照)にスナップ嵌めし得る。このようにして、載荷アクチュエータによって軸方向に操作可能なプランジャホルダ568がシリンジプランジャに結合され得ると、プランジャが限られたバックラッシュによって軸方向に移動し得る。いくつかの実施形態では、ラッチ566は、ホルダ本体内のチャネル566Aに沿って半径方向に可動であってもよい。ラッチ566は、動作中にプランジャフランジを保定し得るように、ばね569によってホルダ内のその最低半径方向位置まで付勢され得る。
【0150】
プランジャホルダ568ひいてはシリンジプランジャを線形作動させるために、使用者は、
図15に示される載荷アクチュエータ580を操作し得る。プランジャホルダ568は、以下の方法で、載荷アクチュエータ580の回転に伴い、線形的に可動であり得る。一部の実施形態では、プランジャホルダ568は、
図15~
図16に示されるように、1つ以上の連結部568Aを介して載荷スレッジ560に固定されてもよい。他の実施形態では、プランジャホルダ568は、載荷スレッジ560の一部として形成されてもよい。本開示がそのように限定されないため、プランジャホルダ568と、ホルダ及びスレッジを線形的に固定する載荷スレッジ560との間に任意の配置が採用され得ることを理解されたい。載荷スレッジ560は、ラック562を含み得、このラックは、載荷アクチュエータ580のシャフト581上に位置決めされた小歯車564と係合し得る。このようにして、使用者が載荷アクチュエータ580を回転させると、載荷スレッジ560及びプランジャホルダ568は線形作動し得る。いくつかの実施形態では、アクチュエータ580の時計回りの回転により、プランジャホルダ568はシリンジプランジャをシリンジバレル(適所に固定される)から引き離し得、アクチュエータの反時計回りの回転により、プランジャホルダ568はシリンジプランジャをバレルの方に押し得る。当然のことながら、バレルに対するプランジャの線形作動用の代替の実施形態も企図される。
【0151】
シリンジがプランジャホルダ568を介して輸液ポンプ2000内にラッチされると、使用者は、バイアルからの流体(例えば、薬剤)でシリンジを充填することができる。バイアル80は、
図12及び
図17に示される、アダプタ570上に据え付けられ得る。いくつかの実施形態では、使用者はメス間ルアーロックアダプタを、シリンジの端部に嵌合し得、回転式スナップリング型ルアーロック継手572を介してアダプタ570と係合させることができる。この回転式スナップリングは、直角アダプタがポンプに対して正確に方向付けられることを可能にする。いくつかの実施形態では、ポンプのハウジング2100は、アダプタ570の正確な位置決めを確保するために、1つ以上のアライメント特徴を含み得る。いくつかの実施形態では、
図17に示されるように、アダプタ570は、直角アダプタとして構成され得る。次いで使用者は、標準ピアシングコネクタを使用して、バイアル80を連結部またはポート574でアダプタ570に連結して、バイアル80をシリンジと流体連通させ得る。いくつかの実施形態では、アダプタ570は、前述のように、気泡がバイアルからシリンジに流れるリスクを低減させるために、バブルトラップ576を含み得る。
【0152】
その後、使用者は、載荷アクチュエータ580を回転させて、シリンジプランジャ66をバレルに対して線形的に変位させ、バイアル80からの流体でバレルを充填し得る。充填プロセスのこの段階では、ロックアクチュエータ542がその「オフ」位置に構成されるため、載荷スレッジ560の移動が実質的に載荷アクチュエータ580によって制御されることを理解されたい。当然のことながら、シリンジの移動は、バイアルからアダプタを通ってシリンジに入る流体の水圧抵抗によって部分的に制限されてもよい。
【0153】
いくつかの実施形態では、シリンジバレルの容量は、バイアルの容量よりも大きくてもよい。従って、1つより多いバイアルを使用して、所与のシリンジを充填し得る。第一バイアルがシリンジ内で使い果たされると、使用者は、アダプタ570からバイアルを取り外し、それを新しいバイアルと交換し、同じ充填プロセス(例えば、バレルに対してプランジャを線形的に変位させるように載荷アクチュエータを操作すること)を繰り返す。シリンジが所望の流体体積で充填されるまで、このプロセスを繰り返し得る。
【0154】
輸液プロセスを開始するために、使用者は、最後のバイアル80を輸液ポンプ2000から取り外し、ニードルセット85をアダプタ570のポート574内に配置し得る。次いでニードルセット85は、輸液部位88(例えば、患者)に配置され得る。いくつかの実施形態では、使用者は、輸液部位88が血管内に存在しないことを検証するために血液逆流試験を行うことを選択し得る。そうするために、使用者は、最初に手動で載荷アクチュエータ580を回転させて、流体のシリンジ60からの流出とニードルセット85への流入を付勢し得る。いくつかの実施形態では、載荷アクチュエータ580の反時計回りの回転により、シリンジプランジャ66は、バレル62の方に近づき、シリンジ先端部から流体を押し出し得る。流体が輸液部位に到達すると(これは視覚的に検証され得る)、使用者は、次いで、載荷アクチュエータ580を反対方向(例えば、時計回り)に緩やかに回転させ、シリンジ内に吸引を発生させるように付勢する。次いで使用者は、前述のように、ニードルセットラインを監視して、血液の徴候をチェックし得る。
【0155】
輸液部位88が血管内に位置決めされていないと使用者が検証した場合、輸液プロセスを開始し得る。
図12~
図21によって示される実施形態では、シリンジプランジャは、送達ばね522内に保定された荷重で、一定であるが調整可能な速度で線形作動し得る。前述のように、圧縮送達ばね522の長さは、速度アクチュエータを使用して調整され得る。送達スレッジ525が駆動アーム529から遠ざかるほど、アンカー528Aとローラ526との間の距離が大きくなるため、ばね15の伸びが大きくなることで、ばね15によって加えられる荷重が大きくなる。送達スレッジ525が枢軸点529Bから遠ざかると(
図13B参照)、ワイヤ524の作用線が駆動アーム529の枢軸529Bから遠ざかるため、ワイヤ524を通して伝達される送達ばね522の荷重により、駆動アーム529にその枢軸529Bを中心としてかかるトルクが大きくなる。従って、送達スレッジ525が駆動アームの枢軸529Bから遠ざかると、シリンジに加えられることができる荷重が増加するため、送達圧力が増大することによって、流体送達速度が高まる。
【0156】
送達ばね522内の荷重は、駆動アーム上の凸部528の周囲にラップされる連結ワイヤ524に伝達され得る。ワイヤ524内の張力は、駆動アーム529(凸部528に対して固定される)を反時計回り方向に回転させるように働き得る(
図13A~
図13Bでは)。駆動アーム529のローラ529Aは、
図14に示されるように、駆動スレッジ550の表面550Aに力を加えて、シリンジプランジャをシリンジバレルの方に駆動し、流体をシリンジから押し出し得る。
【0157】
図5及び
図9の輸液ポンプに関して前述されるように、連結ワイヤ、ローラ、及びばねの組み合わせにより、速度アクチュエータの設定に基づいて変動することができる、実質的に一定の荷重(従って、実質的に一定の流体流量)がシリンジに加えられる。輸液プロセスの間、送達ばね522は、伸びてその元の長さに戻ることによって、その貯蔵されたエネルギーを放出している。このエネルギーは、フックの法則に従って非線形的に放出される。しかしながら、駆動アーム529の回転により、枢軸点529Bから作用線が伸長するため、連結ワイヤ524が点529Bからより大きい距離で伸長する。従って、送達ばね522の線形的に減少する伸びの荷重と線形的に増加するトルクアームとの組み合わせにより、実質的に一定の送達力がシリンジに送達される。
【0158】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、送達スレッジ550がシリンジプランジャをシリンジバレルの方に迅速に移動させすぎるというリスクを軽減するように構成されたダンパー511を含み得る。
図14に示されるダンパー511は、ばね512によって互いに軽く結合された2つのウエイト513を含み得る。高回転速度の遠心力の下で、ウエイト513は外向きに駆動され、円形ハウジング514上で抗力を発する。この抗力は、ラチェットシャフト515(
図13A参照)の運動を安全な速度に減速し得る。通常の送達速度がダンパーを係合するには遅すぎることがあり、一般的な送達中にウエイトがハウジングに接触していないことがあることを理解されたい。
【0159】
以下に詳細に説明されるように、いくつかの実施形態では、ラチェットシャフト515は、ラック552及び小歯車553を介して駆動スレッジ550に結合され得る(
図13A~
図13B参照)。小歯車553は、ラチェット546に対して回転してロックされて同軸であり得るより小さい歯車547と係合した歯車557に対して回転してロックされて同軸であり得る(
図18A~
図18B参照)。歯車配置は、駆動アーム529から駆動スレッジに加えられる力に対して、高速運動、低トルクのダンパーとして機能し得る。
【0160】
輸液を開始するために、使用者は、最初にロックアクチュエータ542をその「オン」位置まで操作することによって、ポンプ2000をロック解除する必要があり得る。アクチュエータは、ポンプをロック解除し、使用者が手動で載荷アクチュエータ580を操作する必要なく、流体が輸液部位まで送達されることを可能にするように機能し得る。
【0161】
図18A~
図18Bに示されるように、ロックアクチュエータ542は、一方の端部545Aでロックばね548と係合するロックアーム545に回転して結合される。ばね548は、その反対側の端部で爪部544に、ロックアーム545と爪部544との間で伸縮するように連結される。
図18Aは、ロックアクチュエータ542をその「オフ」位置に示す。この位置では、爪部544は、ラチェットホイール546と係合して、一方向でのホイール546の回転を阻止する。例えば、
図18Aでは、ラチェット及び爪部の幾何学的形状は、ラチェットホイール546が反時計回り方向に移動するのを阻止する。ラチェットホイール546は、歯車557と係合するように構成される歯車547に同軸に固定される。いくつかの実施形態では、歯車557は、駆動スレッジ550と係合し得る。例えば、
図13A~
図13B、
図15、及び
図19A~
図19Bに示されるように、歯車557は小歯車553と同じシャフト上に載荷し得るため、歯車557の回転(またはその欠如)により、小歯車553が相応に回転し得る。小歯車553は、駆動スレッジ550のラック552と係合するように構成される(
図13A参照)。
【0162】
従って、ロックアクチュエータ542が「オフ」位置にある場合、すなわち、ポンプがロックされている場合、ロックアーム545は
図18Aに示される位置にあり得るため、爪部544はラチェットホイール546と係合する。この係合は、ホイール546の時計回り方向での回転を阻止する。ラチェットホイール546が一方向に回転しないようにロックされると、その同軸歯車547だけでなく、歯車547と係合される歯車557も、そして歯車557と同じシャフト上にある小歯車553も、一方向に回転してロックされる。換言すれば、ロックアクチュエータ542が「オフ」位置にある場合、駆動スレッジ550は、一方向(例えば、
図14に示される方向D4)にのみ移動することができる。このようにして、ラチェット及び爪部の係合は、駆動アーム529によって(圧縮ばね522から)スレッジ550に加えられる力に抗して作用し、方向D3へのスレッジの移動を阻止する。このロックは、輸液の前に(例えば、シリンジ充填中に)、シリンジプランジャ66がバレルの方に押されるというリスクを低減させる。
【0163】
使用者がロックアクチュエータ542を「オン」位置まで回転させて輸液を開始すると、ロックアーム545は、
図18Bに示されるように、アクチュエータ542と共に回転して、爪部544をラチェットホイール546との係合から外し得る。従って、歯車547、歯車557、及び小歯車553は、任意の方向に自由回転し、駆動スレッジ550が方向D3に移動するのを妨げない。この向きでは、駆動アーム529は、定荷重を駆動スレッジの表面550Aに加え始め得る。いくつかの実施形態では、駆動スレッジ550及び載荷スレッジ560(従って、プランジャホルダ568)は、駆動スレッジ550が載荷スレッジ560を方向D3(
図14参照)に移動させるが、方向D4には移動させないことを可能にする方法で結合されてもよい。いくつかの実施形態では、載荷スレッジ560及び駆動スレッジ550は1つ以上の表面を含み得、これら1つ以上の表面に対して、駆動スレッジ550は、方向D4ではなく方向D3に載荷スレッジ560を駆動することを可能にするように当接し得る。他の実施形態では、輸液ポンプは、
図14に示されるように、1つ以上の駆動スレッジ往復台565A及び1つ以上の載荷スレッジ往復台565Bを含み得る。図に示されるように、往復台は、互いに当接し得、方向D4ではなく方向D3への載荷スレッジ550の駆動を可能にしてもよい。従って、ロックアクチュエータ542が「オン」位置にあるとき、プランジャホルダ568は、定荷重でシリンジプランジャを押し得、一定の流量で流体を押し出し得る。
【0164】
いくつかの実施形態では、流体送達速度は、速度アクチュエータ530を操作することによって、送達(例えば、輸液)中に(例えば、快適さまたは物流上の理由のために)連続して調整されてもよい。例えば、使用者は、速度アクチュエータ530を時計回り方向に回転させて送達速度を高めてもよく、または反時計回り方向に回転させて送達速度を低下させてもよい。このプロセス中に流体送達が停止される必要がないことを理解されたい。
【0165】
2つの独立したスレッジ(載荷スレッジ560及び駆動スレッジ550)を含むことにより、ポンプがロックされるとき、駆動アーム529によって駆動スレッジ550に加えられる荷重を超える必要なく、使用者がプランジャホルダ568(載荷スレッジ560に固定されている)を動かすことが可能になることを理解されたい。言い換えれば、使用者は、ポンプがロックされるとき、著しい器用さまたは力なしにシリンジプランジャを線形的に変位させ得る。載荷と駆動との両方ができる単一スレッジを備えた実施形態も企図されるが、ラチェットロックが駆動アームに直接作用し、大きいトルクが駆動アームにかかるため、ポンプの全体的なフットプリントを増加させ得る、2つのスレッジ配置よりも大きい歯車が必要となり得る。
【0166】
いくつかの実施形態では、歯車557と歯車547との間の歯数比は、ロックの分解能を最大にするために5:1であってもよい。言い換えれば、停止する時間が歯車547の歯のサイズに依存しているため、アクチュエータをロックした後(そして爪部544をラチェットホイール546と係合させた後)、歯車が大きかった場合よりもはるかに早く流体送達を停止させ得る。歯車557と歯車547との間の歯数比が少なくとも1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、7:1、10:1、20:1、及び/または任意の他の適切な比を含むがこれらに限定されない、任意の適切な比であり得ることを理解されたい。また歯車557と歯車547との間の歯数比は、20:1、10:1、7:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1以下、及び/または任意の他の適切な比であってもよい。また、本開示が歯車557と歯車547との間の歯数比によって制限されないため、1:1から20:1を含む前述の範囲の組み合わせも企図される。
【0167】
載荷スレッジのラックと載荷アクチュエータの小歯車との係合によってプランジャホルダを線形作動させるための載荷アクチュエータの機能により、プランジャの線形作動に勝るより細かい制御が提供され得ることを理解されたい。前述のように、使用者が送達速度をその最小値まで調整することを選択する場合、使用者は、載荷アクチュエータを操作するために駆動ばねに抗して働く必要がなくてもよい。これら2つの特徴により、使用者は、当技術分野のシステムの現在の状態と比較して、より少ない力及び器用さで、バイアルからシリンジ内に流体を充填することが可能になる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の輸液システムは、片手で操作され得ることにより、ポンプのユーザビリティ及びアクセシビリティが向上し得る。
【0168】
いくつかの実施形態では、ロックアクチュエータ542をロック解除することは、輸液中に載荷アクチュエータ580を載荷スレッジ550(ひいてはプランジャホルダ568)から結合解除する二次機能を含み得る。これにより、使用者が偶発的に載荷アクチュエータ580と相互作用し、輸液部位への流体の一定の流れを中断させるというリスクが低減し得る。この安全特徴は、クラッチ機構を用いて達成され得る。
【0169】
一部の実施形態では、ロックアクチュエータ542を「オン」位置まで回転させると、同じシャフト581上に位置している載荷アクチュエータ580と小歯車564との間のばねかみあいクラッチを係脱することもできる(
図15に示される)。従って、載荷アクチュエータ580の操作の結果、ラック562を介して小歯車564に連結される、載荷スレッジ560のいかなる運動も起こし得ない。言い換えれば、載荷アクチュエータ580は、ロックアクチュエータ542が「オン」位置にある場合(例えば、輸液中)、流体送達に影響することなく自由に操作され得る。
【0170】
図19A~
図21Bに示されるように、クラッチ機構は、ブラケット543、ばね502、及びかみあいクラッチ501を含み得る。かみあいクラッチは、載荷アクチュエータシャフト581に沿って軸方向に可動な第一部分504を含み得る。第一部分504は、第二部分506の凹部501Bと係合するように構成された1つ以上の凸部501A(
図20B参照)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第一部分504は載荷アクチュエータ580に回転可能に結合され得るが、第二部分506はシャフト581に固定され得る。従って、ロックアクチュエータ542を「オン」位置まで回転させるときの凹部501Bからの凸部501Aの係脱は、載荷アクチュエータを載荷スレッジ560から結合解除するように機能し得る。従って、流体送達との意図しない干渉のリスクを最小にし得る。
【0171】
一部の実施形態では、ロックアクチュエータ542を「オン」位置まで回転させると、ブラケット543内に形成されたカムスロット541に沿って並進するようにピン545Bが付勢され得る(
図18A~
図18B及び
図21A~
図21B参照)。この運動により、カムスロット541の幾何学的形状に起因して方向D3に、ブラケット543だけでなくそのクランプ部分503が付勢され得る。クランプ部分503は、方向D3に移動すると、かみあいクラッチ501の表面に当接し、第一部分504を方向D5に押し込み得(
図19A参照)、第二部分506の凹部501Bから凸部501Aを係脱するように機能し得る。このようにして、「オン」位置へのロックアクチュエータ542の動作は、載荷アクチュエータ580を載荷アクチュエータシャフト581から結合解除することによって、載荷アクチュエータ580を載荷スレッジ560から結合解除し得る。同様に、ロックアクチュエータ542を「オフ」位置まで回転させると、ブラケット543が方向D3に付勢され得、ばね502が伸びることが可能になり、その後、第一部分504が第二部分506の方に付勢され得、第一部分504の凸部501Aが第二部分の凹部501Bに係入され得る。このようにして、載荷アクチュエータ580は、載荷スレッジ560に再結合され得る。当然のことながら、本開示が本明細書に記載のクラッチ機構によって限定されないため、載荷アクチュエータ及び載荷スレッジを結合解除する代替の実施形態も企図される。
【0172】
図22は、いくつかの実施形態によれば、シリンジを流体によって充填するように輸液ポンプを操作する方法のフローチャートを示す。ブロック600では、使用者は、最初に、ロック解除アクチュエータが「オフ」位置にあることを検証し、シリンジのプランジャをそのバレルの方に押すように構成された送達スレッジを、送達ばねに貯蔵されたエネルギーが付勢しないことを確保し得る。ブロック601では、使用者は、輸液ポンプがその「オフ」配置にある場合でも、システム内の全体的な張力を低減させ、送達スレッジがシリンジプランジャに加える荷重を最小にするための最低送達設定に速度アクチュエータを設定することを任意選択で選択してもよい。
【0173】
ブロック602では、使用者は、一次アダプタ(例えば、メス間ルアーロックアダプタ)をシリンジに連結し得、シリンジと一次アダプタとのアセンブリを輸液ポンプ内に配置し得る。前述のように、輸液ポンプハウジングは、ポンプに対してシリンジをアライメントし、保定するための1つ以上の特徴を含み得る。ブロック604では、使用者は、次いで、シリンジ上の一次アダプタに直角アダプタを連結し得る。本明細書では直角アダプタが説明されているが、本開示がそのように限定されないため、代替のアダプタ配置が採用され得ることを理解されたい。
【0174】
ブロック606では、使用者は、次いで、載荷アクチュエータを反時計回りに回転させて、シリンジのプランジャフランジをポンプのプランジャホルダと係合させても、またはラッチしてもよい。前述のように、この係合により、使用者は、プランジャホルダに操作可能に連結された載荷スレッジを用いてシリンジプランジャを押し引きすることが可能になる。ブロック608では、使用者は、流体(例えば、薬剤)のバイアルを直角アダプタ上に装填し、バイアルをシリンジと流体連通させ得る。ブロック610では、使用者は、載荷アクチュエータを時計回りに回転させて、流体をバイアルからシリンジに引き込み得る。所望の流体体積がシリンジ内に充填されると、ブロック612に示されるように、使用者はバイアルを取り外し得る。一部の実施形態では、使用者は、流体の別のバイアルを装填してシリンジをさらに充填することを任意選択で選択し得る。
【0175】
図23は、いくつかの実施形態によれば、流体を輸液部位まで送達するように輸液ポンプを操作する方法のフローチャートを示す。前述のように、ブロック700では、使用者は最初に、ロック解除アクチュエータが「オフ」位置にあることを検証し得、ブロック702では、使用者は速度アクチュエータをその最低送達設定にすることを任意選択で選択し得る。ブロック704では、使用者は、次いで、
図22に関連して説明される直角アダプタ(及び/または任意の他の適切なアダプタ)にニードルセットを装填し得る。ブロック706では、使用者は、輸液部位付近に位置し得るニードルに薬剤が到達するまで、載荷アクチュエータを反時計回りに回転させ得る。次いで使用者は、ブロック708に示されるように、ニードル先端部(複数可)を輸液部位(例えば、患者)に挿入し得る。ブロック710では、使用者は、ニードルセット内の血液逆流をチェックするために、載荷アクチュエータを時計回りに緩やかに回転させ得る。使用者は、ニードルセット内で血液を検出する場合、輸液部位でのニードルの位置を調整することを選択し得る。ブロック712では、使用者は、所望の流体送達速度を達成するように速度アクチュエータを操作し得る。前述のように、いくつかの実施形態では、使用者は、速度インジケータを用いて送達速度を可視化し得、その後、快適さ及び/または医薬品のニーズに基づいて速度を調整することを選択し得る。ブロック714では、使用者は、前述のように、ロックアクチュエータを「オン」位置まで回転させ、送達スレッジをロック解除し得、駆動アームがシリンジプランジャに連続的に定荷重を加えることを可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、使用者は、任意選択のブロック716に示されるように、快適さまたは物流上の目的のために流体送達速度を調整することを選択してもよい。
【0176】
図24は、いくつかの実施形態によれば、輸液ポンプを除荷する方法のフローチャートを示す。ブロック800では、使用者は、最初に、
図22~
図23のロックアクチュエータを「オフ」位置まで回転させて、シリンジから輸液部位までの流体の流れを停止し得る。次いで使用者は、ブロック802に示されるように、輸液部位からニードルセットを取り外し得、
図22の直角アダプタからニードルセットを連結解除し得る。いくつかの実施形態では、使用者は、ブロック804に示されるように、システム内の全体的な張力を低減させるために、流体送達速度をその最小値に設定するように速度アクチュエータを操作することを選択し得る。次いで使用者は、ブロック806に示されるように、シリンジ及び直角アダプタ(及び/または任意の他の適切なアダプタ)をポンプから取り外し、廃棄し得る。
【0177】
図12~
図21に示されている輸液ポンプ2000が輸液ポンプ100及び1000に関連して開示される任意の数の特徴を含み得ることを理解されたい。また、本開示がそのように限定されないため、本明細書に記載される任意の輸液ポンプが任意の適切な人間工学的または視覚的に有用な特徴を含み得ることも理解されたい。
【0178】
本明細書に記載の輸液ポンプが機械的に動作し得るが、ポンプがシリンジ載荷及び/または薬物送達以外の目的のために電気的特徴を含み得ることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態による輸液ポンプは、モバイルデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット)など、1つ以上の外部デバイスと、無線で、及び/または有線接続を介して、通信することができてよい。モバイルデバイスは、輸液ポンプによって使用されるように設計されるアプリケーションを実行していてもよい。例えば、輸液ポンプは、輸液ポンプ内の1つ以上のセンサ(例えば、湿度センサ、温度センサ、タイマー)から情報を収集し、関連する情報を外部デバイスに通信し得る送信器を含み得る。
【0179】
一態様によれば、輸液ポンプは、輸液ポンプからの情報を利用し得る多数の異なる当事者らと直接及び/または間接的にインタラクトし得る。いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、病院、診療所などの医療提供者、及び看護師または医師などの職員と直接的または間接的に通信することができる。医療提供者は、遠隔サーバ、または輸液ポンプから情報を受信するモバイルデバイスなどの他の外部デバイスから情報を取得することができる。いくつかの実施形態では、医療提供者は、輸液ポンプと直接通信していてもよい。医療提供者に送信され得る情報には、輸液プロセスが完了した時間、送達された薬剤の量、どのような輸液送達プロファイルであったか、患者が経験した症状などが含まれるが、これらに限定されない。医療提供者は、情報を使用して、患者の順守を監視し、及び/または、患者に対する投薬及び/または投薬量の計画の有効性を判断することができる。いくつかの実施形態では、輸液ポンプから通信された情報は、患者の電子健康記録と統合することができる。
【0180】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプは、保険会社としても知られる支払人と直接的または間接的に通信することができる。支払者は、輸液ポンプからの情報を使用して、患者の順守、投薬の有効性、及び治療計画の有効性などの側面を監視できる。
【0181】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプから及び/または輸液ポンプへの通信を通じて中継される情報は、データ分析に使用されてもよく、これは様々な関係者が使用することができる。例えば、供給者(例えば、薬剤及び/または輸液ポンプの製造者)は、輸液ポンプからの情報を使用して、使用者によってどの特徴が最も使用されるか、そしていつ(例えば、使用者が輸液ポンプ及び/またはモバイルデバイス上のコンパニオンアプリに関するボタン/制御オプションのどれを選択しているか)、どのエラーまたは問題が発生しているかなどを決定し得る。情報は、年齢、性別、所得、経験レベルなどの異なるカテゴリにフィルタリング可能であり得る。
【0182】
いくつかの実施形態では、データ分析のために収集された情報は、匿名であってもよく、PHI(patient health information:患者健康情報)を含まなくてもよい。しかしながら、他の実施形態では、情報はPHIを含んでもよい。
【0183】
いくつかの実施形態では、輸液ポンプから収集された情報は、医薬品の性能を提供するのに役立ち得る。発明者らは、臨床試験以外では、医薬品が広く一般に普及した場合、薬品の性能を評価することが困難な場合があることを認識している。輸液ポンプ並びに、モバイルデバイス及び/または医療提供者などの他の情報源からの通信は、医薬品及び/または輸液ポンプの性能に関する情報を提供するのに役立つことができる。患者の症状及び治療の進捗に関する情報は、例えば、輸液ポンプに、またはモバイルデバイス上で動作するコンパニオンアプリに組み込まれた電子症状日記を介して、患者から収集することができ、及び/または患者の診療所訪問中にとられた医療提供者のメモから収集することができる。収集された情報は、供給者のために将来の製剤及び/または輸液ポンプの設計を知らせるのに役立つことができ、肯定的な性能を使用して、医薬品の使用を促進するのに役立ち得る。
【0184】
本開示のいくつかの実施形態を本明細書で説明及び例示してきたが、当業者であれば、機能を実行する、及び/または本明細書に記載の結果及び/または1つ以上の利点を得るための種々の他の手段及び/または構造を容易に想起するであろう。そのような変形及び/または修正の各々は、本開示の範囲内であると見なされる。より一般的には、当業者であれば、本明細書に記載の全てのパラメータ、寸法、材料、及び構成が例示的であることを意味しており、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/または構成は、本開示の教示が使用される特定の用途(1つ以上)に依存することを容易に理解するであろう。当業者は、ただの日常的な実験を使用して、本明細書に記載される本開示の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識するか、または確認することができるであろう。従って、前述の実施形態は例としてのみ提示されるにすぎず、添付の特許請求の範囲及びその等価物の範囲内で、具体的に記載及び特許請求されたもの以外の方法で本開示を実施することができることを理解されたい。本開示は、本明細書に記載の個々の特徴、システム、物品、材料、キット、及び/または方法の各々を対象としている。加えて、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/または方法が相互に矛盾しない場合、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/または方法の2つ以上の任意の組み合わせが、本開示の範囲に含まれる。
【0185】
任意の用語は、例えば、1つまたは複数の物品、構造、力、場、流れ、方向/軌道、及び/またはそれらのサブコンポーネント及び/またはそれらの組み合わせ及び/または上記に列挙されていない、それらのような用語による特徴付けに適用が可能な任意の他の有形または無形の要素の、またはそれらの間の形状、向き、アライメント、及び/または幾何学的関係に関して本明細書で使用されているが、特に定めないまたは示されない限り、そのような用語の数学的定義に対する絶対的な準拠を必要としないと理解されるものとするが、むしろ、そのような主題に最も密接に関連すると当業者によって理解されるであろう、そのように特徴付けられた主題に可能な程度までのそのような用語の数学的定義に対する準拠を示すと理解されるものとする。
【国際調査報告】