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特表2024-532645永久磁石アレイのための漏洩磁場の緩和のための遮蔽ストラテジ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-10
(54)【発明の名称】永久磁石アレイのための漏洩磁場の緩和のための遮蔽ストラテジ
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/09 20060101AFI20240903BHJP
   H01J 37/244 20060101ALI20240903BHJP
   H01J 37/143 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
H01J37/09 Z
H01J37/244
H01J37/143
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572123
(86)(22)【出願日】2022-09-05
(85)【翻訳文提出日】2023-11-21
(86)【国際出願番号】 US2022042574
(87)【国際公開番号】W WO2023038871
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】17/470,183
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン チアン
(72)【発明者】
【氏名】ロ ウェイン チウォエイ
(72)【発明者】
【氏名】マウリノ ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】プレトナー トーマス
【テーマコード(参考)】
5C101
【Fターム(参考)】
5C101AA03
5C101AA22
5C101BB08
5C101DD02
5C101EE03
5C101EE13
5C101EE73
5C101FF02
5C101GG04
(57)【要約】
本開示は、漏洩磁場軽減の検査システムおよび方法を提供する。システムは、電子ビーム列のアレイと、第1の永久磁石アレイと、複数の遮蔽板とを含む。電子ビーム列のアレイはそれぞれ、ステージに向けて電子を放出するように構成された電子源を含む。第1の永久磁石アレイは、各電子源からの電子を電子ビームのアレイに凝縮するように構成される。第1の永久磁石アレイは、電子ビーム列のアレイの第1の端部に配置される。複数の遮蔽板は、電子放出方向において第1の永久磁石アレイの下流でアレイ電子ビーム列を横切って延在する。電子ビームのアレイは、複数の遮蔽板の各々の複数の開口を通過し、電子ビームのアレイの半径方向の漏洩磁場を低減する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査システムであって、
電子ビーム列のアレイであって、各々が、ステージに向かって電子を放出するように構成された電子源を含む、アレイと、
各前記電子源からの電子を電子ビームのアレイに凝縮するように構成された第1の永久磁石アレイであって、電子ビーム列のアレイの第1の端部に配置される、第1の永久磁石アレイと、
電子放出の方向において前記第1の永久磁石アレイの下流で前記電子ビーム列のアレイを横切って延在する複数の遮蔽板であって、各々が複数の開口を含み、1μm~1mmの厚さを有し、前記電子ビームのアレイは前記複数の開口を通過する、複数の遮蔽板と、
を備え、前記複数の遮蔽板は、前記電子ビームのアレイの半径方向の漏洩磁場を低減する、検査システム。
【請求項2】
前記電子ビームのアレイを前記ステージ上のターゲットに向かって集束させるように構成され、前記電子ビーム列のアレイの第2の端部に配置される第2の永久磁石アレイ
をさらに備える請求項1に記載の検査システム。
【請求項3】
前記複数の遮蔽板は、第1の永久磁石列に近接して配置された第1の遮蔽板と、第2の永久磁石アレイに近接して配置された第2の遮蔽板と、を備えることを特徴とする請求項2に記載の検査システム。
【請求項4】
前記ターゲットから反射された電子を検出するように構成され、前記第1の永久磁石アレイと前記第2の永久磁石アレイとの間に配置される検出器
をさらに備え、
前記複数の遮蔽板は、
前記検出器に近接して配置された第3の遮蔽板
をさらに備える請求項3に記載の検査システム。
【請求項5】
前記複数の遮蔽板は、
前記第3の遮蔽板の反対側で前記検出器に近接して配置される第4の遮蔽板
をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の検査システム。
【請求項6】
前記複数の遮蔽板は、
第1の遮蔽板と第2の遮蔽板との間に配置される少なくとも1つの補助遮蔽板
をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の検査システム。
【請求項7】
前記複数の遮蔽板は、少なくとも7つの遮蔽板を含むことを特徴とする請求項1に記載の検査システム。
【請求項8】
前記複数の遮蔽板の少なくとも1つは、前記漏洩磁場が前記電子ビームのアレイの半径方向において最も大きいところに配置されることを特徴とする請求項1に記載の検査システム。
【請求項9】
前記複数の遮蔽板のそれぞれの厚さは、少なくとも120μmであることを特徴とする請求項1に記載の検査システム。
【請求項10】
前記複数の遮蔽板は、磁性ニッケル鉄合金からなることを特徴とする請求項1に記載の検査システム。
【請求項11】
電子ビーム列のアレイを含むマルチ列検査システムに適用される漏洩電界緩和の方法であって、各電子ビーム列は、ステージに向けて電子を放出するように構成された電子ビーム源を備え、この方法は
各電子源からの電子を第1の永久磁石アレイに通して、電子を電子ビームのアレイに凝縮させるステップであって、前記第1の永久磁石アレイは、電子ビーム列のアレイの第1の端部に配置され、
前記電子ビームのアレイを、前記第1の永久磁石アレイの下流で電子ビーム列のアレイを横切って延在する複数の遮蔽板を通して方向付けるステップと、
を備え、
前記複数の遮蔽板の各々は、複数の開口を含み、1μm~1mmの厚さを有し、前記電子ビームのアレイは、複数の開口を通過し、
前記複数の遮蔽板は、前記電子ビームのアレイの半径方向の漏洩磁場を低減する、
方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、さらに、
前記電子ビームのアレイを前記ステージ上のターゲットに向けて集束させるために、前記電子ビームのアレイを第2の永久磁石アレイに通すステップであって、前記第2の永久磁石アレイは、前記電子ビーム列のアレイの第2の端部において、前記複数の遮蔽板の下流に配置される、ステップ、
を備える方法。
【請求項13】
前記電子ビームのアレイを前記複数の遮蔽板に通すことは、
前記電子ビームのアレイを、前記第1の永久磁石アレイに近接して配置された第1の遮蔽板に通すステップと、
前記電子ビームのアレイを、前記第2の永久磁石アレイに近接して配置された第2の遮蔽板に通すステップと、
を備えることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ターゲットから反射された電子を検出するように構成された検出器を通して前記電子ビームのアレイを方向付けるステップであって、前記検出器は、前記第1の永久磁石アレイと前記第2の永久磁石アレイとの間に配置される、ステップ、
をさらに備え、
前記電子ビームのアレイを前記複数の遮蔽板を通して方向付けることは、
前記電子ビームのアレイを、前記検出器に近接して配置された第3の遮蔽板に通すステップ、
をさらに備える請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記電子ビームのアレイを前記複数の遮蔽板に通すことは、
前記電子ビームのアレイを、前記第3の遮蔽板の反対側の、前記検出器に近接して配置された第4の遮蔽板に通すステップ、
をさらに備えることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記電子ビームのアレイを前記複数の遮蔽板に通すことは、
前記電子ビームのアレイを、前記第1の遮蔽板と前記第2の遮蔽板との間に配置された少なくとも1つの補助遮蔽板に通すステップ、
をさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の遮蔽板は、少なくとも7つの遮蔽板を備えることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の遮蔽板の少なくとも1つは、前記漏洩磁場が電子ビームのアレイの半径方向において最も大きいところに配置されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の遮蔽板のそれぞれの厚さは、少なくとも120μmであることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記複数の遮蔽板は、磁性ニッケル鉄合金からなることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検査システムに関し、より詳細には、電子ビーム及び永久磁石アレイを利用する検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造産業の進化は、歩留まり管理に、特に計測および検査システムに、より大きな要求を課している。臨界寸法は縮小し続けるが、産業界は、高収率、高価値生産を達成するための時間を短縮する必要がある。歩留まり問題を検出してからそれを固定するまでの総時間を最小限に抑えることは、半導体製造業者に対する投資への復帰を決定する。
【0003】
論理デバイスおよびメモリデバイスなどの半導体デバイスを製造することは、典型的には、半導体デバイスの様々な特徴および複数のレベルを形成するために、多数の製造プロセスを使用して半導体ウェハまたはEUVマスクを処理することを含む。例えば、リソグラフィは、レチクルから半導体ウェハ上に配置されたフォトレジストにパターンを転写することを含む半導体製造プロセスである。半導体製造プロセスのさらなる例は、化学機械研磨(CMP)、エッチング、堆積、およびイオン注入を含むが、これらに限定されない。複数の半導体デバイスは、個々の半導体デバイスに分離される単一の半導体ウェハ上に配置で製造され得る。
【0004】
検査プロセスは、製造プロセスにおけるより高い歩留りを促進し、したがってより高い利益を促進するために、ウェハ上の欠陥を検出するために半導体製造中の様々なステップで使用される。検査は、集積回路(IC)などの半導体デバイスを製造する上で常に重要な部分であった。しかしながら、半導体デバイスの寸法が減少するにつれて、より小さい欠陥がデバイスの故障を引き起こし得るため、検査は、許容可能な半導体デバイスの製造の成功にとってさらに重要になる。例えば、半導体デバイスの寸法が縮小するにつれて、比較的小さい欠陥でさえも半導体デバイスにおいて望ましくない収差を引き起こし得るため、縮小サイズの欠陥の検出が必要になった。
【0005】
検査プロセスに使用される1つのデバイスは、マルチ列システムである。マルチ列システムでは、多数のビームレットが生成され、ターゲット上に集束される。各ビームレットは、上部及び下部永久磁石を含む光学列を通して方向付けられる。しかしながら、永久磁石は、ビーム偏向を引き起こす漏洩磁場を生成する。ビーム偏向は、ビーム整列不良につながり、検査プロセスの精度を低下させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2012/0145900号
【特許文献2】米国特許出願公開第2013/0313431号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、マルチビームシステムにおいて漏洩場を緩和するための方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の実施形態は、検査システムを提供する。検査システムは、電子ビーム列のアレイを備え、各電子ビーム列は、ステージに向かって電子を放出するように構成された電子源を備える。検査システムは、各電子源からの電子を電子ビームのアレイに凝縮するように構成された第1の永久磁石アレイをさらに備える。第1の永久磁石アレイは、電子ビーム列のアレイの第1の端部に配置される。検査システムは、電子放出方向において第1の永久磁石アレイの下流で電子ビーム列のアレイを横切って延在する複数の遮蔽板をさらに備える。複数の遮蔽板はそれぞれ、複数の開口を備え、1μm~1mmの厚さを有し、電子ビームのアレイは、複数の開口を通過する。複数の遮蔽板は、電子ビームのアレイの半径方向の漏洩磁場を低減する。
【0009】
本開示の実施形態によれば、検査システムは、電子ビームのアレイをステージ上のターゲットに向かって集束させるように構成された第2の永久磁石アレイをさらに備えることができる。第2の永久磁石アレイは、電子ビーム列のアレイの第2の端部に配置される。
【0010】
本開示の実施形態によれば、複数の遮蔽板は、第1の永久磁石アレイに近接して配置された第1の遮蔽板と、第2の永久磁石アレイに近接して配置された第2の遮蔽板とを備える。
【0011】
本開示の実施形態によれば、検査システムは、ターゲットから反射された電子を検出するように構成された検出器をさらに備える。検出器は、第1の永久磁石アレイと第2の永久磁石アレイとの間に配置される。複数の遮蔽板は、検出器に近接して配置された第3の遮蔽板をさらに備える。
【0012】
本開示の実施形態によれば、複数の遮蔽板は、第3の遮蔽板の反対側で検出器に近接して配置された第4の遮蔽板をさらに備える。
【0013】
本開示の実施形態によれば、複数の遮蔽板は、第1の遮蔽板と第2の遮蔽板との間に配置された少なくとも1つの補助遮蔽板をさらに備える。
【0014】
本開示の実施形態によれば、複数の遮蔽板は、少なくとも7つの遮蔽板を含む。
【0015】
本開示の一実施形態によれば、複数の遮蔽板のうちの少なくとも1つは、漏洩磁場が電子ビームのアレイの半径方向において最も大きいところに配置される。
【0016】
本開示の一実施形態によれば、複数の遮蔽板の各々の厚さは、少なくとも120μmである。
【0017】
本開示の実施形態によれば、複数の遮蔽板は、磁性ニッケル-鉄合金から構成される。
【0018】
本開示の実施形態は、マルチ列検査システムに適用される漏洩電界緩和の方法を提供する。検査システムは、電子ビーム列のアレイを含み、各電子ビーム列は、ステージに向かって電子を放出するように構成された電子ビーム源を含む。本方法は、各電子源からの電子を第1の永久磁石アレイに通して、電子を電子ビームのアレイに凝縮させるステップを含む。第1の永久磁石アレイは、電子ビーム列のアレイの第1の端部に配置される。本方法は、電子ビーム列のアレイを第1の永久磁石アレイの下流に延在する複数の遮蔽板を通して電子ビームのアレイを方向付けるステップをさらに含む。複数の遮蔽板はそれぞれ、複数の開口を備え、1μm~1mmの厚さを有し、電子ビームのアレイは、複数の開口を通過する。複数の遮蔽板は、電子ビームのアレイの半径方向の漏洩磁場を低減する。
【0019】
本開示の実施形態によれば、本方法は、電子ビームのアレイをステージ上のターゲットに向かって集束させるために、電子ビームのアレイを第2の永久磁石アレイに通すことをさらに含む。第2の永久磁石アレイは、電子ビーム列のアレイの第2の端部に、複数の遮蔽板の下流に配置される。
【0020】
本開示の実施形態によれば、電子ビームのアレイを複数の遮蔽板を通して方向付けることは、電子ビームのアレイを第1の永久磁石アレイに近接して配置された第1の遮蔽板を通して方向付けることと、電子ビームのアレイを第2の永久磁石アレイに近接して配置された第2の遮蔽板を通して方向付けることとを含む。
【0021】
本開示の実施形態によると、本方法はさらに、ターゲットから反射された電子を検出するように構成される検出器を通して電子ビームのアレイを指向するステップを含む。検出器は、第1の永久磁石アレイと第2の永久磁石アレイとの間で揺動される。電子ビームのアレイを複数の遮蔽板に通すことは、電子ビームのアレイを検出器に近接して配置された第3の遮蔽板に通すことをさらに含む。
【0022】
本開示の実施形態によれば、電子ビームのアレイを複数の遮蔽板を通して方向付けるステップは、電子ビームのアレイを、第3の遮蔽板の反対側の、検出器に近接して配置された第4の遮蔽板を通して方向付けるステップをさらに含む。
【0023】
本開示の一実施形態によれば、電子ビームのアレイを複数の遮蔽板を通して方向付けるステップは、電子ビームのアレイを、第1の遮蔽板と第2の遮蔽板との間に配置された少なくとも1つの補助遮蔽板を通して方向付けるステップをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本開示の性質および目的をより完全に理解するために、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照されたい:
図1A】本開示の検査システムの概略図である。
図1B】本開示の電子ビーム列の概略図である。
図1C】本開示の一実施形態による遮蔽板の上面図である。
図2A】本開示の一実施形態による漏洩磁場Bxの低減のグラフ図である。
図2B】本開示の一実施形態による漏洩磁場Byの低減のグラフ図である。
図2C】本開示の一実施形態による電子ビーム光軸に平行な磁場Bzへの影響のグラフ図である。
図3】本開示の一実施形態による電子ビーム列の概略図である。
図4】本開示の別の実施形態による電子ビーム列の概略図である。
図5】本開示の方法のブロック図である。
図6】本開示の一実施形態による方法のブロック図である。
図7】本開示の別の実施形態による方法のブロック図である。
図8】本開示の別の実施形態による方法のブロック図である。
図9】本開示の実施形態によるシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
特許請求される主題は、ある実施形態に関して説明されるが、本明細書に記載される利益および特徴の全てを提供しない実施形態を含む、他の実施形態もまた、本開示の範囲内である。様々な構造的、論理的、プロセスステップ、および電子的変更が、本開示の範囲から逸脱することなく行われ得る。したがって、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによってのみ定義される。
【0026】
図1Aに示されるように、本開示の実施形態は、マルチ列検査システム100を提供する。検査システム100は、電子ビーム列101のアレイを含むことができる。電子ビーム列101のアレイは、2次元アレイであってもよい。図1Aには7つの電子ビーム列101が示されているが、アレイ101内の電子ビーム列の特定のサイズおよび数は、用途に応じて変化してもよい。アレイ101内の電子ビーム列はまた、ページの中または外に延在することもできる。電子ビーム列101は、支持構造102によって保持され得る。
【0027】
図1Bに示すように、検査システム100の各電子ビーム列101は、電子ビーム源110を含むことができる。電子ビーム源110は、単一の電子ビームで電子を放出するように構成されてもよく、アレイ状に配列された複数の電子ビームで電子を放出するように構成されてもよい。単一の電子ビーム源110を全ての電子ビーム列101に使用することができ、各電子ビーム列101は、それ自体の電子ビーム源110、又はそれらの何らかの組み合わせを有することができる。各電子ビーム源110からの電子は、ステージ130に向けられ得る。ステージ130は、半導体ウェハまたはレチクルなどのターゲットを保持するように構成され得る。
【0028】
検査システム100は、第1の永久磁石アレイ140をさらに備えることができる。第1の永久磁石アレイ140は、各電子源110からの電子を電子ビーム120のアレイに凝縮するように構成することができる。第1の永久磁石アレイ140は、電子ビーム列101のアレイの第1の端部121に配置され得る。例えば、第1の永久磁石アレイ140は、電子ビーム源110に近接して電子ビーム列101のアレイの上端に配置されてもよい。
【0029】
検査システム100は、第2の永久磁石アレイ150をさらに備えることができる。第2の永久磁石アレイ150は、電子ビーム120のアレイをターゲットに向かって集束させるように構成することができる。第2の永久磁石アレイ150は、電子ビーム列101のアレイの第2の端部122に配置され得る。例えば、第2の永久磁石アレイ150は、ステージ130に近接して電子ビーム列101のアレイの下端に配置されてもよい。
【0030】
本開示の実施形態によれば、検査システム100は、1つの永久磁石アレイ(例えば、第1の永久磁石アレイ140)のみを含むことができる。本開示の別の実施形態によれば、検査システム100は、複数の永久磁石アレイ(例えば、第1永久磁石列140及び第2永久磁石列150である)を含むことができる。
【0031】
本開示の実施形態によれば、支持構造102は、永久磁石アレイ140及び第2の永久磁石アレイ150を保持することができる。
【0032】
本開示の実施形態によれば、検査システム100は、第1の永久磁石アレイ140および第2の永久磁石アレイ150の一方のみを備えてもよい。
【0033】
検査システム100は、複数の遮蔽板160をさらに備えることができる。複数の遮蔽板160は、第1の永久磁石アレイ140と第2の永久磁石アレイ150との間で電子ビーム列101のアレイを横切って延在してもよい。なお、図1Aでは、図示の便宜上、遮蔽板160を1つだけ示しているが、第1永久磁石列140と第2永久磁石列150との間に複数の遮蔽板160を設けてもよい。図1Cに示すように、複数の遮蔽板160はそれぞれ、複数の開口160aを備えてもよい。各開口160aは、円形、楕円形、または多角形であってもよい。各開口160aの特定のサイズおよび形状は、電子ビーム列101の各々内の特定の遮蔽板160の位置、電子ビームの寸法、および/または特定の遮蔽板に隣接する検査システム100内の他の構成要素のサイズおよび形状に依存し得る。複数の開口160aは、電子ビーム列101のアレイのX-Y配列に対応して規則的なパターンで配列されてもよい。開口160aの2×2配置が図2Cに示されているが、開口160aの数および配置は、アレイ101内の電子ビーム列の数および配置に依存する。電子ビーム120のアレイは、複数の開口160aを通過することができる。このようにして、電子ビームのアレイ120は、電子ビームのアレイ120が各電子ビーム列101を通ってステージ130に向かって進行するにつれて、複数の遮蔽板160の各々を通過することができる。各遮蔽板160は、1μm~1mmの厚さを有することができる。例えば、各遮蔽板160は、少なくとも125μmの厚さを有し得る。特定の実施形態では、厚さは約250μmであり得る。複数の遮蔽板160は、同じ厚さを有してもよいし、異なる厚さを有してもよい。複数の遮蔽板160はニッケル-鉄合金からなることができる。ニッケル-鉄合金は磁性であり得る。例えば、複数の遮蔽板160は、Carpenter49またはCarpenter H yMu「80」合金から構成されてもよい。他の軟鉄合金を使用してもよい。
【0034】
本開示の実施形態によれば、支持構造102は、複数の遮蔽板160を保持することができる。複数の遮蔽板160は、電子ビーム列101のアレイ内の様々な構成要素に固定され得る。例えば、複数の遮蔽板160は、電子ビーム列101のアレイ内の支持構造102および/または構成要素に複数の遮蔽板160を固定するための締結具を受容するように構成される、取付穴を含んでもよい。複数の遮蔽板160は、電子ビーム列101のアレイ内で均等に離間されてもよい。
【0035】
本開示の電子ビーム鏡筒101によれば、複数の遮蔽板160により、電子ビーム列120の径方向の漏洩磁界を低減することができる。例えば、電子ビーム鏡筒101の軸方向をZ軸とし、電子ビーム鏡筒101の半径方向によってX軸及びY軸を定義してもよい。これに対応して、各電子ビーム列101内の磁場は、Bx、By、及びBzによって定義することができる。磁場BxおよびByは、7%未満に低減され得る。磁場のそのような低減は、ビーム偏向の低減をもたらし得、ビーム整列を改善し、マルチ列セットアップを容易化し、検査プロセスの精度を改善する。
【0036】
本開示の実施形態によれば、複数の遮蔽板160は、第1の遮蔽板161を含んでもよい。第1遮蔽板161は、第1永久磁石アレイ140に近接して配置されてもよい。例えば、第1の遮蔽板161は、第1の永久磁石アレイ140の下流で電子ビーム列101のアレイの第1の端部121に配置されてもよい。
【0037】
本開示の実施形態によれば、複数の遮蔽板160は、第2の遮蔽板162を備えてもよい。第2の遮蔽板162は、第2の永久磁石アレイ150に近接して配置され得る。例えば、第2の遮蔽板162は、第2の永久磁石アレイ150の上流で電子ビーム列101のアレイの第2の端部122に配置されてもよい。
【0038】
本開示の実施形態によれば、電子ビーム列101は、検出器170をさらに備えることができる。検出器170は、ターゲットから反射された電子を検出するように構成されてもよい。検出器170は、第1の永久磁石アレイ140と第2の永久磁石アレイ150との間に配置されてもよい。
【0039】
本開示の実施形態によれば、複数の遮蔽板160は、第3の遮蔽板163をさらに備えてもよい。第3遮蔽板163は、検出器170に近接して配置されてもよい。例えば、第3遮蔽板163は、検出器170の上流または検出器170の下流に配置されてもよい。
【0040】
本開示の実施形態によれば、複数の遮蔽板160は、第4の遮蔽板164をさらに備えてもよい。第4の遮蔽板164は、第3の遮蔽板163の反対側で検出器170に近接して配置され得る。例えば、第3遮蔽板163を検出器170の上流側に配置し、第4遮蔽板164を検出器170の下流側に配置してもよい。あるいは、第3遮蔽板163を検出器170の下流に配置し、第4遮蔽板164を検出器170の上流に配置してもよい。両方の構成において、第3の遮蔽板163および第4の遮蔽板164は、検出器170の両側に配置され得る。
【0041】
本開示の実施形態によれば、複数の遮蔽板160は、少なくとも1つの補助遮蔽板165をさらに含み得る。補助遮蔽板165は、第1遮蔽板161と第2遮蔽板162との間に配置される。
【0042】
本開示の実施形態によれば、複数の遮蔽板160は、7つの遮蔽板を含んでもよい。例えば、図1Bに示すように、複数の遮蔽板160は、第1遮蔽板161と、第2遮蔽板162と、第3遮蔽板163と、第4遮蔽板164と、3つの補助遮蔽板165とを含んでもよい。第1遮蔽板161は、第1永久磁石アレイ140に近接して配置されてもよい。第2の遮蔽板は、第2の永久磁石アレイ150に近接して配置されてもよい。第3の遮蔽板163および第4の遮蔽板164は、検出器170に近接し、その反対側に配置され得る。第1遮蔽板161と第3遮蔽板163との間には、第1補助遮蔽板165aが配置される。第4遮蔽板164と第2遮蔽板162との間には、第2補助遮蔽板165bが配置される。第2補助遮蔽板165bと第2遮蔽板162との間には、第3補助遮蔽板165cが配置される。この設計によれば、半径方向の漏洩磁場は、92%を超えて低減され得る。例えば、図2Aおよび図2Bは、遮蔽板160の有無にかかわらず、電子ビーム列101のアレイの3つの列A、B、Cの漏洩磁場BxおよびByを示す。同様に、図2Cは、遮蔽板160の有無にかかわらず、電子ビーム列101のアレイの3つの列A、B、Cの磁場Bzを示す。
【0043】
本開示の実施形態によれば、複数の遮蔽板160は、7つを超える遮蔽板を含んでもよい。遮蔽板の特定の数は、電子ビーム列101のアレイ内の利用可能な空間に依存し得る。より多くの遮蔽板160を検査システム100に追加することは、漏洩磁場をさらに低減し得ることが理解され得る。
【0044】
本開示の他の実施形態によれば、複数の遮蔽板160は、4つの遮蔽板を含んでもよい。例えば、図3に示すように、複数の遮蔽板は、第1遮蔽板161と、第2遮蔽板162と、第3遮蔽板163と、第4遮蔽板164とを含んでもよい。第1遮蔽板161は、第1永久磁石アレイ140に近接して配置されてもよい。第2の遮蔽板162は、第2の永久磁石アレイ150に近接して配置され得る。第3の遮蔽板163および第4の遮蔽板164は、検出器170に近接し、その反対側に配置され得る。この設計によれば、半径方向の漏洩磁場を90%超低減することができる。
【0045】
本開示の他の実施形態によれば、複数の遮蔽板160は、4つの遮蔽板を含んでもよい。例えば、図4に示すように、複数の遮蔽板は、第1遮蔽板161と、第2遮蔽板162と、第1補助遮蔽板165aと、第2補助遮蔽板165bとを含んでもよい。第1遮蔽板161は、第1永久磁石アレイ140に近接して配置されてもよい。第2の遮蔽板162は、第2の永久磁石アレイ150に近接して配置され得る。第1の補助遮蔽板165a及び第2の補助遮蔽板165bは、電子ビーム101のアレイの半径方向において漏洩磁場が最も大きくなるように配置されてもよい。例えば、図2A及び図2Bを参照すると、第1補助遮蔽板165a及び第2補助遮蔽板165bは、Bx及びByが最大の大きさ(正又は負の値)であるZ軸に沿って配置されてもよい。この設計によれば、半径方向の漏洩磁場は、75%を超えて低減され得る。第1の永久磁石アレイ140と第2の永久磁石アレイ150との間に、様々な他の光学部品を含むことができる。
【0046】
図5に示されるように、本開示の実施形態は、漏洩磁場緩和の方法200を提供する。方法200は、電子ビーム列のアレイを含むマルチ列検査システムに適用されてもよい。各電子ビーム列は、電子を放出するように構成された電子ビーム源を含むことができる。電子はステージに向けられてもよい。ステージは、ターゲットを保持するように構成されてもよい。方法200は、以下のステップを含むことができる。
【0047】
ステップ210では、各電子源からの電子は、第1の永久磁石アレイを通して指向されてもよい。第1の永久磁石アレイは、電子を電子ビームのアレイに凝縮することができる。第1の永久磁石アレイは、電子ビーム列のアレイの第1の端部に配置される。例えば、第1の永久磁石アレイは、電子ビーム源に近接して、電子ビーム列の上端に配置されてもよい。
【0048】
ステップ220において、電子ビームのアレイは、第1の永久磁石アレイの下流で電子ビーム列のアレイを横切って延在する複数の遮蔽板を通して方向付けられ得る。複数の遮蔽板はそれぞれ、複数の開口を備えてもよい。複数の開口は、円形、楕円形、または多角形であってもよい。各開口の特定のサイズおよび形状は、電子ビーム列のアレイ内の特定の遮蔽板の位置、および/または特定の遮蔽板に隣接する電子ビーム列のアレイ内の他の構成要素のサイズおよび形状に依存し得る。電子ビームのアレイは、複数の開口を通過してもよい。このようにして、電子ビームのアレイは、電子ビームのアレイが電子ビーム列のアレイを通過する際に、複数の遮蔽板の各々を通過することができる。各遮蔽板は、1μm~1mmの厚さを有してもよい。例えば、各遮蔽板は、少なくとも120μmの厚さを有してもよい。特定の実施形態では、各遮蔽板は、約250μmの厚さを有し得る。各遮蔽板は、同じまたは異なる厚さを有し得る。複数の遮蔽板は、ニッケル-鉄合金から構成されてもよい。例えば、複数の遮蔽板は、Carpenter49またはCarpenter H yMu「80」合金から構成されてもよい。他の軟鉄合金を使用してもよい。
【0049】
本開示の検査システムは、ただ1つの永久磁石アレイ(例えば、第1の永久磁石アレイ)を備えてもよく、または検査システムは、複数の永久磁石アレイ(例えば、第1の永久磁石列及び第2の永久磁石列である)を備えてもよい。複数の永久磁石アレイが提供される本開示の実施形態によれば、方法200は、ステップ230をさらに含み得る。ステップ230において、電子ビームのアレイは、第2の永久磁石アレイを通して方向付けられ得る。第2の永久磁石アレイは、電子ビームのアレイをステージ上のターゲットに向かって集束させるように構成することができる。第2の永久磁石アレイは、電子ビーム列のアレイの第2の端部に、複数の遮蔽板の下流に配置され得る。例えば、第2の永久磁石は、電子ビーム列のアレイの下端に、ステージ130に近接して配置されてもよい。
【0050】
本開示の方法200では、複数の遮蔽板は、電子ビームのアレイの半径方向における漏洩磁場を低減し得る。例えば、各電子ビーム列の軸方向をZ軸とし、各電子ビーム列の半径方向によってX軸及びY軸を定義してもよい。対応して、各電子ビーム列内の磁場は、Bx、B y、およびBzによって定義され得る。磁場BxおよびB ymは、7%未満に低減され得る。磁場のそのような低減は、ビーム偏向の低減をもたらすことができ、ビーム整列を改善し、検査プロセスの精度を改善する。
【0051】
本開示の実施形態によれば、ステップ220は、以下のステップをさらに含み得る。
【0052】
ステップ221では、電子ビームのアレイは、第1の遮蔽板を通して指向されてもよい。第1の遮蔽板は、第1の永久磁石アレイに近接して配置されてもよい。例えば、第1の遮蔽板は、第1の永久磁石アレイの下流で、電子ビーム列のアレイの第1の端部に配置されてもよい。
【0053】
ステップ229では、電子ビームのアレイは、第2の遮蔽板を通して指向されてもよい。第2の遮蔽板は、第2の永久磁石アレイに近接して配置されてもよい。例えば、第2の遮蔽板は、第2の永久磁石アレイの上流で、電子ビーム列のアレイの第2の端部に配置されてもよい。
【0054】
本開示の実施形態によれば、方法200は、ステップ224をさらに含み得る。ステップ224において、電子ビームのアレイは、検出器を通して方向付けられ得る。検出器は、第1の永久磁石アレイと第2の永久磁石アレイとの間に配置されてもよい。検出器は、ターゲットから反射された後方散乱電子を検出するように構成することができる。
【0055】
本開示の実施形態によれば、ステップ220は、ステップ223をさらに含み得る。ステップ223では、電子ビームのアレイは、第3の遮蔽板を通して指向されてもよい。第3の遮蔽板は、検出器に近接して配置されてもよい。例えば、第3遮蔽板は、検出器の上流または検出器の下流に配置されてもよい。
【0056】
本開示の実施形態によれば、ステップ220は、ステップ225をさらに含み得る。ステップ225では、電子ビームのアレイは、第4の遮蔽板を通して指向されてもよい。第4の遮蔽板は、第3の遮蔽板の反対側で検出器に近接して配置されてもよい。例えば、第3遮蔽板を検出器の上流に配置し、第4遮蔽板を検出器の下流に配置してもよい。あるいは、第3の遮蔽板は検出器の下流に配置されてもよく、第4の遮蔽板は検出器の上流に配置されてもよい。両方の構成において、第3の遮蔽板および第4の遮蔽板は、検出器の両側に配置され得る。
【0057】
本開示の実施形態によれば、ステップ220は、ステップ226をさらに含み得る。ステップ226において、電子ビームのアレイは、少なくとも1つの補助遮蔽板を通して方向付けられ得る。少なくとも1つの補助遮蔽板は、第1の遮蔽板と第2の遮蔽板との間に配置されてもよい。
【0058】
本開示の実施形態によれば、複数の遮蔽板は、7つの遮蔽板を含んでもよい。例えば、複数の遮蔽板は、第1遮蔽板と、第2遮蔽板と、第3遮蔽板と、第4遮蔽板と、3つの補助遮蔽板とを含んでもよい。第1の遮蔽板は、第1の永久磁石アレイに近接して配置されてもよい。第2の遮蔽板は、第2の永久磁石アレイに近接して配置されてもよい。第3の遮蔽板および第4の遮蔽板は、検出器に近接し、検出器の両側に配置されてもよい。第1の補助遮蔽板は、第1の遮蔽板と第3の遮蔽板との間に配置されてもよい。第2の補助遮蔽板は、第4の遮蔽板と第2の遮蔽板との間に配置されてもよい。第3の補助遮蔽板は、第2の補助遮蔽板と第2の遮蔽板との間に配置されてもよい。したがって、方法201は、図6に示されるように、以下の順序付けられたステップで実行され得る:ステップ210、ステップ221、ステップ223、ステップ224、ステップ225、ステップ226、ステップ229、およびステップ230。この設計によれば、半径方向の漏洩磁場は、92%を超えて低減され得る。
【0059】
本開示の実施形態によれば、複数の遮蔽板は、4つの遮蔽板を含んでもよい。例えば、複数の遮蔽板は、第1遮蔽板と、第2遮蔽板と、第3遮蔽板と、第4遮蔽板とを含んでもよい。第1の遮蔽板は、第1の永久磁石に近接して配置されてもよい。第2の遮蔽板は、第2の永久磁石に近接して配置されてもよい。第3の遮蔽板は、検出器に近接して配置されてもよい。したがって、方法202は、図7に示されるように、以下の順序付けられたステップで実行され得る:ステップ210、ステップ221、ステップ223、ステップ224、ステップ225、ステップ229、およびステップ230。この設計によれば、半径方向の漏洩磁場を90%超低減することができる。
【0060】
本開示の実施形態によれば、複数の遮蔽板は、4つの遮蔽板を含んでもよい。例えば、複数の遮蔽板は、第1遮蔽板と、第2遮蔽板と、第1補助遮蔽板と、第2補助遮蔽板とを含んでもよい。第1の遮蔽板は、第1の永久磁石に近接して配置されてもよい。第2の遮蔽板は、第2の永久磁石に近接して配置されてもよい。第1の補助遮蔽板165a及び第2の補助遮蔽板165bは、電子ビーム101のアレイの半径方向において漏洩磁場が最も大きくなるように配置されてもよい。例えば、FI GSを参照する。2A及び2Bにおいて、第1補助遮蔽板165a及び第2補助遮蔽板165bは、Bx及びByが最も大きい(正又は負の値)Z軸に沿って配置されてもよい。したがって、方法203は、図8に示されるように、以下の順序付けられたステップで実行され得る:ステップ210、ステップ221、ステップ226、ステップ229、およびステップ230。この設計によれば、半径方向の漏洩磁場は、75%を超えて低減され得る。
【0061】
図9は、システム300の実施形態のブロック図である。システム300は、ウェハ304の画像を生成するように構成されたウェハ検査ツール(電子列301を含む)を含む。
【0062】
ウェハまたはマスク検査ツールは、少なくともエネルギー源および検出器を含む出力取得サブシステムを含む。出力取得サブシステムは、電子ビームベースの出力取得サブシステムであってもよい。例えば、一実施形態では、ウェハ304に向けられたエネルギーは電子を含み、ウェハ304から検出されたエネルギーは電子を含む。このようにして、エネルギー源は電子ビーム源とすることができる。図9に示される1つのそのような実施形態では、出力取得サブシステムは、コンピュータサブシステム302に結合される電子列301を含む。ステージ310は、ウェハ304を保持することができる。
【0063】
図9にも示すように、電子列301は、1つまたは複数の要素305によってウェハ304に集束される電子を生成するように構成された電子ビーム源303を含む。
電子ビーム源303は、例えば、カソード源またはエミッタティップを含んでもよい。1つまたは複数の要素305は、たとえば、ガンレンズ、アノード、ビーム制限アパーチャ、ゲートバルブ、ビーム電流選択アパーチャ、対物レンズ、および走査サブシステムを含むことができ、これらのすべては、当技術分野で知られている任意のそのような好適な要素を含むことができる。1つ以上の素子305は、複数の遮蔽板160をさらに含んでもよく、これは、電子列301内の漏洩磁場を低減し得る。
【0064】
ウェハ304から戻った電子(例えば、二次電子)は、1つ以上の要素306によって検出器307に集束させることができる。1つまたは複数の要素306は、たとえば、要素305に含まれるのと同じ走査サブシステムであり得る走査サブシステムを含み得る。
【0065】
電子列301はまた、当技術分野で公知の任意の他の好適な要素を含んでもよい。
【0066】
電子列301は、電子が斜めの入射角でウェハ304に向けられ、別の斜めの角度でウェハ304から散乱されるように構成されるものとして図9に示されているが、電子ビームは、任意の適切な角度でウェハ304に向けられ、そこから散乱されてもよい。さらに、電子ビームベースの出力取得サブシステムは、ウェハ304の画像(例えば、異なる照明角度、集光角度などを有する。)を生成するために複数のモードを使用するように構成することができる。電子ビームベースの出力取得サブシステムの複数のモードは、出力取得サブシステムの任意の画像生成パラメータにおいて異なり得る。
【0067】
コンピュータサブシステム302は、上述のように検出器307に結合されてもよい。検出器307は、ウェハ304の表面から戻ってきた電子を検出し、それによってウェハ304の電子ビーム画像を形成することができる。電子ビーム画像は、任意の適切な電子ビーム画像を含み得る。コンピュータサブシステム302は、検出器307の出力および/または電子ビーム画像を使用して、本明細書に説明される機能のうちのいずれかを行うように構成されてもよい。コンピュータサブシステム302は、本明細書に記載の任意の追加のステップを実行するように構成されてもよい。図9に示される出力取得サブシステムを含むシステム300は、本明細書に記載されるようにさらに構成され得る。
【0068】
図9は、本明細書で説明される実施形態で使用され得る電子ビームベースの出力取得サブシステムの構成を概略的に図示するために本明細書で提供されることに留意されたい。本明細書で説明される電子ビームベースの出力取得サブシステム構成は、商業的出力取得システムを設計するときに通常行われるように、出力取得サブシステムの性能を最適化するように変更されてもよい。加えて、本明細書で説明されるシステムは、既存のシステム(たとえば、本明細書で説明する機能を既存のシステムに追加することによって、)を使用して実装され得る。いくつかのそのようなシステムに関して、本明細書で説明される方法は、システムの随意の機能性(例えば、システムの他の機能に加えて、)として提供されてもよい。代替として、本明細書に説明されるシステムは、完全に新しいシステムとして設計されてもよい。
【0069】
出力取得サブシステムは、電子ビームベースの出力取得サブシステムとして上述されているが、出力取得サブシステムは、イオンビームベースの出力取得サブシステムであってもよい。そのような出力取得サブシステムは、電子ビーム源が当技術分野で公知の任意の好適なイオンビーム源と置換され得ることを除いて、図9に示されるように構成され得る。加えて、出力取得サブシステムは、市販の集束イオンビーム(FIB)システム、ヘリウムイオン顕微鏡(HIM)システム、および二次イオン質量分析(SIMS)システムに含まれるもの等の任意の他の好適なイオンビームベースの出力取得サブシステムであってもよい。
【0070】
コンピュータサブシステム302は、プロセッサ308および電子データ記憶ユニット309を含む。プロセッサ308は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または他のデバイスを含み得る。
【0071】
コンピュータサブシステム302は、プロセッサ308が出力を受信することができるように、任意の好適な様式(例えば、有線および/または無線伝送媒体を含むことができる1つまたは複数の伝送媒体を介する)でシステム300の構成要素に結合されてもよい。プロセッサ308は、出力を使用していくつかの機能を実行するように構成され得る。ウェハ検査ツールは、プロセッサ308から命令又は他の情報を受信することができる。プロセッサ308および/または電子データ記憶ユニット309は、随意に、別のウェハ検査ツール、ウェハ計測ツール、またはウェハレビューツール(図示せず)と電子通信し、付加的情報を受信する、または命令を送信してもよい。
【0072】
プロセッサ308は、検出器307などのウェハ検査ツールと電子通信する。プロセッサ308は、検出器307からの測定値を使用して生成された画像を処理するように構成されてもよい。例えば、プロセッサは、方法200の実施形態を実行することができる。
【0073】
本明細書で説明されるコンピュータサブシステム302、他のシステム、または他のサブシステムは、パーソナルコンピュータシステム、画像コンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワークアプライアンス、インターネットアプライアンス、または他のデバイスを含む、種々のシステムの一部であってもよい。サブシステムまたはシステムは、並列プロセッサなど、当技術分野で知られている任意の適切なプロセッサも含み得る。さらに、サブシステムまたはシステムは、スタンドアロンツールまたはネットワークツールのいずれかとして、高速処理およびソフトウェアを有するプラットフォームを含むことができる。
【0074】
プロセッサ308および電子データ記憶ユニット309は、システム300または別のデバイスの中に配置されるか、または別様にその一部であり得る。ある例では、プロセッサ308および電子データ記憶ユニット309は、独立型制御ユニットの一部であってもよく、または集中型品質制御ユニットであってもよい。複数のプロセッサ308または電子データ記憶ユニット309が使用されてもよい。
【0075】
プロセッサ308は、実際には、ハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアの任意の組合せによって実装され得る。また、本明細書で説明されるようなその機能は、1つのユニットによって実行されてもよく、または異なる構成要素の間で分割されてもよく、その各々は、ハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアの任意の組み合わせによって順に実装されてもよい。プロセッサ308が種々の方法および機能を実装するためのプログラムコードまたは命令は、電子データ記憶ユニット309内のメモリまたは他のメモリ等の可読記憶媒体内に記憶されてもよい。
【0076】
システム300が複数のコンピュータサブシステム302を含む場合、画像、データ、情報、命令などをサブシステム間で送信できるように、異なるサブシステムを互いに結合することができる。たとえば、1つのサブシステムは、当技術分野で知られている任意の適切な有線および/または無線伝送媒体を含み得る任意の適切な伝送媒体によって追加のサブシステムに結合され得る。そのようなサブシステムのうちの2つ以上はまた、共有コンピュータ可読記憶媒体(図示せず)によって効果的に結合されてもよい。
【0077】
プロセッサ308は、システム300の出力または他の出力を使用して、いくつかの機能を行うように構成されてもよい。例えば、プロセッサ308は、出力を電子データ記憶ユニット309または別の記憶媒体に送信するように構成されてもよい。プロセッサ308はさらに、本明細書で説明されるように構成され得る。
【0078】
プロセッサ308またはコンピュータサブシステム302は、欠陥レビューシステム、検査システム、計測システム、または何らかの他のタイプのシステムの一部であってもよい。したがって、本明細書で開示される実施形態は、異なる用途に多かれ少なかれ適している異なる能力を有するシステムのためにいくつかの方法で調整され得るいくつかの構成を説明する。
【0079】
プロセッサ308は、本明細書で説明される実施形態のいずれかに従って構成され得る。プロセッサ308はまた、システム300の出力を使用して、または他のソースからの画像もしくはデータを使用して、他の機能または追加のステップを行うように構成されてもよい。
【0080】
プロセッサ308は、当技術分野で知られている任意の方式で、システム300の様々な構成要素またはサブシステムのいずれかに通信可能に結合され得る。さらに、プロセッサ308は、有線および/または無線部分を含み得る伝送媒体によって、他のシステム(例えば、レビューツールなどの検査システムからの検査結果、設計データを含むリモートデータベースなど)からデータまたは情報を受信および/または取得するように構成され得る。このようにして、伝送媒体は、プロセッサ308とシステム300の他のサブシステムまたはシステム300の外部のシステムとの間のデータリンクとしての役割を果たし得る。
【0081】
本明細書で開示されるシステム300および方法の様々なステップ、機能、および/または動作は、以下のうちの1つまたは複数によって実行される:電子回路、論理ゲート、マルチプレクサ、プログラマブル論理デバイス、ASIC、アナログもしくはデジタル制御/スイッチ、マイクロコントローラ、またはコンピューティングシステム。本明細書で説明されるもの等の方法を実装するプログラム命令は、キャリア媒体を介して伝送されるか、またはキャリア媒体上に記憶されてもよい。キャリア媒体は、読取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気または光ディスク、不揮発性メモリ、ソリッドステートメモリ、磁気テープなどの記憶媒体を含み得る。キャリア媒体は、ワイヤ、ケーブル、またはワイヤレス伝送リンクなどの伝送媒体を含み得る。例えば、本開示を通して説明される様々なステップは、単一のプロセッサ308(またはコンピュータサブシステム302)、または代替として、複数のプロセッサ308(または複数のコンピュータサブシステム302)によって達成されてもよい。さらに、システム300の異なるサブシステムは、1つ以上のコンピューティングまたは論理システムを含んでもよい。したがって、上記の説明は、本開示に対する限定として解釈されるべきではなく、単なる例示として解釈されるべきである。
【0082】
ある例では、電子ビーム列101は、電子列301に組み込まれるか、またはシステム300に組み込まれる。システム300の様々な構成要素は、電子ビーム列を使用するように複製されるか、または他の方法で適合され得る。
【0083】
本開示は、1つ以上の特定の実施形態に関して説明されたが、本開示の他の実施形態が、本開示の範囲から逸脱することなく行われ得ることが理解されるであろう。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】