(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-10
(54)【発明の名称】多層コーティングを有する半導体チャンバ部品
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20240903BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/31 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501908
(86)(22)【出願日】2022-10-11
(85)【翻訳文提出日】2024-03-06
(86)【国際出願番号】 US2022046320
(87)【国際公開番号】W WO2023172299
(87)【国際公開日】2023-09-14
(32)【優先日】2022-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】カリタ, ラクシェスワル
(72)【発明者】
【氏名】ベーンケ, ジョセフ エフ.
(72)【発明者】
【氏名】スリカンタイア, ディーパック ドッダベラバンガラ
(72)【発明者】
【氏名】グェン, ソン ティー.
【テーマコード(参考)】
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
5F004AA01
5F004AA02
5F004BA03
5F004BA09
5F004BB13
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5F004BB22
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5F045EM05
(57)【要約】
例示的な半導体処理チャンバは、チャンバ本体を含み得る。チャンバは、シャワーヘッドを含み得る。チャンバは、基板支持体を含み得る。基板支持体は、シャワーヘッドに面する第1の表面を特徴とするプラテンを含み得る。基板支持体は、プラテンの第1の表面とは反対側のプラテンの第2の表面に沿ってプラテンに結合されたシャフトを含み得る。シャフトは、少なくとも部分的にチャンバ本体を貫通して延在し得る。コーティングは、プラテンの第1の表面の周囲にコンフォーマルに延在し得る。コーティングは、プラテンの第1の表面に近接するシリコンの第1の層を含み得、シリコンの第1の層の上にある材料の第2の層を含み得る。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバ本体と、
シャワーヘッドと、
基板支持体であって、
前記シャワーヘッドに面する第1の表面を特徴とするプラテン、および
前記プラテンの前記第1の表面とは反対側の前記プラテンの第2の表面に沿って前記プラテンに結合されたシャフト
を備える、基板支持体と
を備える、半導体処理チャンバであって、前記シャフトが少なくとも部分的に前記チャンバ本体を貫通して延在し、コーティングが前記プラテンの前記第1の表面の周囲にコンフォーマルに延在し、前記コーティングが、前記プラテンの前記第1の表面に近接するシリコンの第1の層と、シリコンの前記第1の層の上にある材料の第2の層とを備える、半導体処理チャンバ。
【請求項2】
前記コーティングの前記第2の層がシリコン含有材料を含む、請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項3】
前記コーティングの前記第2の層が、炭化ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭窒化ケイ素、または酸炭窒化ケイ素を含む、請求項2に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項4】
前記プラテンが、前記プラテンの前記第1の表面から延出する複数の突起を画定する、請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項5】
前記コーティングが、前記複数の突起の各突起の周囲に延在する、請求項4に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項6】
前記コーティングが、すべてのコーティングされた表面上の厚さが約1μm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項7】
前記基板支持体の前記第1の表面にわたる前記コーティングが、厚さの変動が約10%以下であることを特徴とする、請求項6に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項8】
前記第1の表面から延出する前記プラテンのコーナ特徴が、コーティングの厚さが前記プラテンの前記第1の表面に沿ったコーティングの厚さよりも少なくとも10%厚いことを特徴とする、請求項6に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項9】
前記基板支持体の前記シャフトが、前記半導体処理チャンバの外側のハブと結合し、前記コーティングが、前記シャフトに沿って前記ハブまで延在する、請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項10】
前記プラテンが窒化アルミニウムを含む、請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項11】
前記シャワーヘッドが、第1のプレートと第2のプレートとの間の容積を画定するように互いに結合された前記第1のプレートおよび前記第2のプレートを備え、前記シャワーヘッドの前記第1のプレートおよび前記第2のプレートの外面が前記基板支持体と同様の材料でコーティングされる、請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項12】
ハロゲン含有前駆体のプラズマ放出物を半導体処理チャンバの処理領域内に送ることを含む半導体処理方法であって、前記半導体処理チャンバが、
チャンバ本体と、
シャワーヘッドと、
基板支持体であって、
前記シャワーヘッドに面する第1の表面を特徴とするプラテン、および
前記プラテンの前記第1の表面とは反対側の前記プラテンの第2の表面に沿って前記プラテンに結合されたシャフト
を備える、基板支持体と
を備え、前記シャフトが少なくとも部分的に前記チャンバ本体を貫通して延在し、コーティングが前記プラテンの前記第1の表面の周囲にコンフォーマルに延在し、前記コーティングが、前記プラテンの前記第1の表面に近接するシリコンの第1の層と、シリコンの前記第1の層の上にあるシリコン含有材料の第2の層とを備える、半導体処理方法。
【請求項13】
前記半導体処理チャンバとは別個のコーティングチャンバ内で前記基板支持体をコーティングすることと、
前記基板支持体を前記半導体処理チャンバ内に設置することと
をさらに含む、請求項12に記載の半導体処理方法。
【請求項14】
前記基板支持体を除去する前に、前記半導体処理チャンバ内で少なくとも10個の基板を処理すること、または、ハロゲン含有前駆体を用いて前記半導体処理チャンバの前記処理領域を少なくとも10回洗浄することをさらに含む、請求項12に記載の半導体処理方法。
【請求項15】
前記コーティングの前記第2の層が、炭化ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭窒化ケイ素、または酸炭窒化ケイ素を含む、請求項12に記載の半導体処理方法。
【請求項16】
前記コーティングが、すべてのコーティングされた表面上の厚さが約1μm以上であることを特徴とする、請求項12に記載の半導体処理方法。
【請求項17】
前記コーティングの前記第2の層が、約1E10atoms/cm
2以下のアルミニウム微量金属を含むことを特徴とする、請求項16に記載の半導体処理方法。
【請求項18】
前記第1の表面から延出する前記プラテンのコーナ特徴が、コーティングの厚さが前記プラテンの前記第1の表面に沿ったコーティングの厚さよりも少なくとも10%厚いことを特徴とする、請求項16に記載の半導体処理方法。
【請求項19】
チャンバ本体と、
シャワーヘッドと、
基板支持体であって、
前記シャワーヘッドに面する第1の表面を特徴とするプラテン、および
前記プラテンの前記第1の表面とは反対側の前記プラテンの第2の表面に沿って前記プラテンに結合されたシャフト
を備える、基板支持体と
を備える、半導体処理チャンバであって、前記シャフトが少なくとも部分的に前記チャンバ本体を貫通して延在し、コーティングが前記プラテンの前記第1の表面、前記プラテンの前記第2の表面、および前記シャフトの周囲に延在し、コーティングが前記プラテンの前記第1の表面の周囲にコンフォーマルに延在し、前記コーティングが、前記プラテンの前記第1の表面に近接するシリコンの第1の層と、シリコンの前記第1の層の上にあるシリコン含有材料の第2の層とを備え、前記コーティングが、すべてのコーティングされた表面上の厚さが約5μm以上であることを特徴とする、半導体処理チャンバ。
【請求項20】
前記コーティングの前記第2の層が、炭化ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭窒化ケイ素、または酸炭窒化ケイ素を含む、請求項19に記載の半導体処理チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年3月11日に出願された「SEMICONDUCTOR CHAMBER COMPONENTS WITH MULTI-LAYER COATING」という名称の米国非仮出願第17/693,037号の利益および優先権を主張するものであり、当該出願の内容全体は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本技術は、半導体システム、半導体プロセス、および半導体機器に関する。より詳細には、本技術は、チャンバ部品上にコーティングを含むシステム、またはチャンバ部品上にコーティングを形成するシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
集積回路は、基板表面上に複雑なパターンの材料層を作成するプロセスによって可能になる。基板上にパターニングされた材料を作成するには、露出した材料を除去するための制御された方法が必要である。化学エッチングは、フォトレジスト中のパターンを下層の中に転写すること、層を薄くすること、または表面上にすでに存在する特徴の横方向の寸法を薄くすることを含む、様々な目的に使用される。多くの場合、ある材料を別の材料よりも迅速にエッチングして、例えばパターン転写プロセスを容易にするエッチングプロセスを有することが望ましい。そのようなエッチングプロセスは、第1の材料に対して選択的であると言われる。材料、回路、およびプロセスの多様性の結果として、エッチングプロセスは、様々な材料に対して選択性を有するように開発されてきた。
【0004】
エッチングプロセスは、プロセスで使用される材料に基づいて、湿式またはドライと呼ばれ得る。湿式HFエッチングは、他の誘電体および材料よりも酸化ケイ素を優先的に除去する。しかしながら、湿式プロセスは、一部の制約のあるトレンチに浸透することが困難な場合があり、時には、残存する材料を変形させることもある。湿式プロセスはまた、チャンバ部品に損傷を与え得る。例えば、HFエッチング液は、アルミニウム合金などの金属で作られたチャンバ部品を化学的に攻撃し得る。基板処理領域内に形成された局所プラズマにおいて行われるドライエッチングは、より制約のあるトレンチに浸透することができ、壊れやすい残存する構造体の変形がより少なくなる。しかしながら、局所プラズマは、局所プラズマが放電する際のアークの発生により、基板に損傷を与え得る。局所プラズマおよびプラズマ放出物もチャンバ部品に損傷を与え得る。
【0005】
したがって、高品質のデバイスおよび構造体を作成するために使用され得る改良されたシステムおよび方法が必要とされている。本技術は、これらの必要性および他の必要性に対処する。
【発明の概要】
【0006】
例示的な半導体処理チャンバは、チャンバ本体を含み得る。チャンバは、シャワーヘッドを含み得る。チャンバは、基板支持体を含み得る。基板支持体は、シャワーヘッドに面する第1の表面を特徴とするプラテンを含み得る。基板支持体は、プラテンの第1の表面とは反対側のプラテンの第2の表面に沿ってプラテンに結合されたシャフトを含み得る。シャフトは、少なくとも部分的にチャンバ本体を貫通して延在し得る。コーティングは、プラテンの第1の表面の周囲にコンフォーマルに延在し得る。コーティングは、プラテンの第1の表面に近接するシリコンの第1の層を含み得、シリコンの第1の層の上にある材料の第2の層を含み得、またはその逆も同様である。
【0007】
いくつかの実施形態では、コーティングの第2の層は、シリコン含有材料であるか、またはシリコン含有材料を含み得る。コーティングの第2の層は、炭化ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭窒化ケイ素、もしくは酸炭窒化ケイ素であるか、またはそれらを含み得る。プラテンは、プラテンの第1の表面から延出する複数の突起を画定し得る。コーティングは、複数の突起の各突起の周囲に延在し得る。コーティングは、すべてのコーティングされた表面上の厚さが約1μm以上であることを特徴とし得る。基板支持体の第1の表面にわたるコーティングは、厚さの変動が約10%以下であることを特徴とし得る。第1の表面から延出するプラテンのコーナ特徴(corner feature)は、コーティングの厚さがプラテンの第1の表面に沿ったコーティングの厚さよりも少なくとも10%厚いことを特徴とし得る。基板支持体のシャフトは、半導体処理チャンバの外側のハブと結合し得、コーティングは、シャフトに沿ってハブまで延在し得る。プラテンは、窒化アルミニウムであるか、または窒化アルミニウムを含み得る。シャワーヘッドは、第1のプレートと第2のプレートとの間の容積を画定するように互いに結合された第1のプレートおよび第2のプレートを含み得る。シャワーヘッドの第1のプレートおよび第2のプレートの外面は、基板支持体と同様の材料でコーティングされ得る。
【0008】
本技術のいくつかの実施形態は、半導体処理方法を包含し得る。方法は、ハロゲン含有前駆体のプラズマ放出物を半導体処理チャンバの処理領域内に送ることを含み得る。半導体処理チャンバは、チャンバ本体、シャワーヘッド、および基板支持体を含み得る。基板支持体は、シャワーヘッドに面する第1の表面を特徴とするプラテンを含み得る。基板支持体は、プラテンの第1の表面とは反対側のプラテンの第2の表面に沿ってプラテンに結合されたシャフトを含み得る。シャフトは、少なくとも部分的にチャンバ本体を貫通して延在し得る。コーティングは、プラテンの第1の表面の周囲にコンフォーマルに延在し得る。コーティングは、プラテンの第1の表面に近接するシリコンの第1の層と、シリコンの第1の層の上にあるシリコン含有材料の第2の層とを含み得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、方法は、半導体処理チャンバとは別個のコーティングチャンバ内で基板支持体をコーティングすることを含み得る。方法は、基板支持体を半導体処理チャンバ内に設置することを含み得る。方法は、基板支持体を取り出す前に、半導体処理チャンバ内で少なくとも10個の基板を処理すること、または、ハロゲン含有前駆体を用いて半導体処理チャンバの処理領域を少なくとも10回洗浄することを含み得る。コーティングの第2の層は、炭化ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭窒化ケイ素、もしくは酸炭窒化ケイ素であるか、またはそれらを含み得る。コーティングは、すべてのコーティングされた表面上の厚さが約1μm以上であることを特徴とし得る。コーティングの第2の層は、約1E10atoms/cm2以下のアルミニウム微量金属の組み込みを特徴とし得る。第1の表面から延出するプラテンのコーナ特徴は、コーティングの厚さがプラテンの第1の表面に沿ったコーティングの厚さよりも少なくとも10%厚いことを特徴とし得る。
【0010】
本技術のいくつかの実施形態は、半導体処理チャンバを包含し得る。チャンバは、チャンバ本体、シャワーヘッド、および基板支持体を含み得る。基板支持体は、シャワーヘッドに面する第1の表面を特徴とするプラテンを含み得る。基板支持体は、プラテンの第1の表面とは反対側のプラテンの第2の表面に沿ってプラテンに結合されたシャフトを含み得る。シャフトは、少なくとも部分的にチャンバ本体を貫通して延在し得る。コーティングは、プラテンの第1の表面、プラテンの第2の表面、およびシャフトの周囲に延在し得る。コーティングは、プラテンの第1の表面の周囲にコンフォーマルに延在し得る。コーティングは、プラテンの第1の表面に近接するシリコンの第1の層と、シリコンの第1の層の上にあるシリコン含有材料の第2の層とを含み得る。コーティングは、すべてのコーティングされた表面上の厚さが約5μm以上であることを特徴とし得る。いくつかの実施形態では、コーティングの第2の層は、炭化ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭窒化ケイ素、または酸炭窒化ケイ素を含む。
【0011】
このような技術は、従来のシステムおよび技法に比べて多くの利点を提供し得る。例えば、本技術の実施形態は、いくつもの腐食プロセスから保護され得る基板支持体を提供し得る。さらに、基板支持体および/または他の部品上に形成された保護コーティングは、数百枚または数千枚のウエハにわたって維持され得、これによりスループットが向上し得る。これらの実施形態および他の実施形態、ならびにその利点および特徴の多くについて、以下の説明および添付の図を併用してより詳細に説明する。
【0012】
明細書の残りの部分および図面を参照することによって、開示された技術の性質および利点がさらに理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本技術のいくつかの実施形態による例示的な処理システムの上面図である。
【
図2A】本技術の実施形態による例示的な処理チャンバの概略断面図である。
【
図2B】本技術の実施形態による
図2Aに示される処理チャンバの一部分の詳細図である。
【
図3】本技術の実施形態による例示的なシャワーヘッドの底面図である。
【
図4】本技術のいくつかの実施形態による例示的な半導体処理チャンバの概略部分断面図である。
【
図5】本技術のいくつかの実施形態による例示的な基板支持アセンブリの概略部分断面図である。
【
図6】本技術のいくつかの実施形態による方法における例示的な動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図のいくつかは、概略図として含まれている。図は例示を目的としており、縮尺通りであると明記されていない限り、縮尺通りであるとみなされるべきではないことを理解されたい。さらに、概略図として、図は、理解を助けるために提供されており、現実的な表現と比較してすべての態様または情報を含むものではなく、例示を目的として誇張された材料を含み得る。
【0015】
添付の図では、類似の構成要素および/または特徴は、同じ参照ラベルを有し得る。さらに、同じタイプの様々な構成要素は、参照ラベルの後に類似の構成要素間を区別する文字が続くことによって区別され得る。明細書において第1の参照ラベルのみが使用されている場合、その説明は、文字に関係なく、同じ第1の参照ラベルを有する類似の構成要素のいずれかに適用可能である。
【0016】
半導体処理は、基板上に複雑なパターンの材料を作成するいくつかの動作を含み得る。動作は、遠隔でまたは基板レベルで形成されるプラズマ強化材料を含む腐食性または浸食性の材料を利用し得る、いくつかの形成プロセスおよび除去プロセスを含み得る。例えば、ハロゲン含有ガスが処理領域に流入され得、処理領域において、材料のガスまたはプラズマ放出物が、領域内に配置された基板と接触する。エッチング液は基板材料を優先的にエッチングし得る一方で、化学エッチング液はチャンバ内の他の部品にも接触し得る。エッチング液は部品を化学的に攻撃し得、実行されるプロセスによっては、部品のうちの1つまたは複数がプラズマ放出物に曝され得、これが材料を浸食し得る。エッチング液によって引き起こされるチャンバ部品への化学的および物理的損傷は、時間の経過とともに磨耗を引き起こす可能性があり、これにより、交換コストが高くなり、チャンバのダウンタイムが長くなる可能性がある。堆積プロセスも同様に、プラズマ強化プロセスを使用して、基板上に材料を形成または堆積し得、その材料はチャンバ部品上にも堆積され得る。このプロセスは、基板がチャンバから除去された後に洗浄動作を必要とし得る。洗浄プロセスは、1つまたは複数のハロゲン含有前駆体またはこれらの前駆体のプラズマ放出物を利用して、処理チャンバ内の表面に堆積した材料を除去することを含み得る。洗浄は堆積した材料を対象とし得るが、多くの露出したチャンバ部品の表面も同様に攻撃され得る。例えば、基板が処理チャンバから除去されると、基板支持体の中央領域は残留材料なしで露出することになる。洗浄プロセスは、基板支持体の孔食または他の除去が形成し始める可能性があり、これにより、チャックの平面性および完全性が低下し得る。
【0017】
従来の技術は、チャンバ部品への腐食と浸食との両方を制限することに苦慮しており、これらのメカニズムの一方または両方によって引き起こされる損傷により部品を定期的に交換する傾向がある。いくつかのプロセスは半導体基板処理の前にシーズニングプロセスを含み得るが、このシーズニングプロセスは、さらなる課題を引き起こし得る。例えば、シーズニングプロセスは、基板支持体の一部分をカバーし得るが、裏側またはステムを完全にカバーすることはなく、裏側またはステムは、依然としてプロセス材料および洗浄材料に曝され得る。さらに、シーズニングプロセスは、典型的には100ナノメートル以下のコーティングを堆積させる。これにより、処理されている基板ごとにシーズニングを交換する必要が生じる可能性があり、待ち行列時間が長くなる可能性があり、均一または完全なカバレッジの可能性も低下し得る。
【0018】
本技術は、基板処理前にチャンバ部品をコーティングすることによって、これらの問題を克服する。例えば、部品は、半導体処理チャンバ内で露出している表面が完全にコーティングされ得る。さらに、コーティングは、厚さが増加することを特徴とし得、これにより、完全なカバレッジを改善するとともに、コーティングが再度塗布される前に部品をいくつかのウエハの処理時に使用することが可能となり得る。チャンバ部品をコーティングすることは、コーティングされた部品の腐食および/または浸食を部分的に解決し得るが、コーティングによっては、さらなる課題が生じ得る。例えば、特定の酸化物コーティングは、チャンバに送られている腐食性材料に対抗して部品の完全性を高め得るが、酸化物は、下にある部品材料からのアルミニウムの侵入、および酸化物コーティングを貫通し得る浸出を可能にする恐れがあり、処理されている基板上に微量物質として存在し得る。しかしながら、本技術は、下にある部品と上にある保護層との間に中間層を有し得る多層コーティングを作成することによって、この課題を克服し得る。中間層は、アルミニウムまたは他の微量拡散を制限できる材料を含み得、これにより、処理中のチャンバ部品をさらに保護しながら処理結果を改善し得る。
【0019】
残りの開示は、開示された技術を利用する特定のエッチングプロセスを規定通りに特定することになるが、システムおよび方法は、他の堆積チャンバおよび洗浄チャンバ、ならびに説明されたチャンバ内で行われ得るプロセスにも等しく適用可能であることが容易に理解されよう。したがって、本技術は、これらの特定のエッチングプロセスまたはチャンバのみでの使用に限定されるとみなされるべきではない。本開示では、本技術の実施形態によるこのシステムに対する追加の変形および調整を説明する前に、本技術の実施形態によるペデスタルを含み得る1つの可能なシステムおよびチャンバについて説明する。
【0020】
図1は、実施形態による、堆積、エッチング、ベーキング、および硬化チャンバの処理システム100の一実施形態の上面図を示す。図では、1対の前方開口型統一ポッド102が様々なサイズの基板を供給し、基板は、ロボットアーム104によって受け取られ、タンデムセクション109a~109c内に位置する基板処理チャンバ108a~108fのうちの1つの中に配置される前に、低圧保持エリア106に配置される。保持エリア106から基板処理チャンバ108a~108fに基板ウエハを搬送し、またその逆に基板ウエハを搬送するために、第2のロボットアーム110が使用され得る。各基板処理チャンバ108a~108fは、プラズマ化学気相堆積、原子層堆積、物理的気相堆積、エッチング、前洗浄、ガス抜き、配向、およびアニーリング、アッシングなどを含む他の基板プロセスに加えて、本明細書で説明される半導体材料の積層体の形成を含むいくつかの基板処理動作を実行するように装備され得る。
【0021】
基板処理チャンバ108a~108fは、基板上に誘電体膜または他の膜を堆積、アニーリング、硬化および/またはエッチングするための1つまたは複数のシステム構成要素を含み得る。一構成では、2対の処理チャンバ、例えば108c~108dおよび108e~108fは、基板上に誘電体材料を堆積するために使用され得、第3の対の処理チャンバ、例えば108a~108bは、堆積された誘電体をエッチングするために使用され得る。別の構成では、3対のチャンバすべて、例えば108a~108fは、基板上の交互誘電体膜の積層体を堆積するように構成され得る。説明されたプロセスのうちの任意の1つまたは複数は、異なる実施形態において、示された製造システムから分離されたチャンバ内で実行され得る。誘電体膜のための堆積、エッチング、アニーリング、および硬化チャンバの追加の構成がシステム100によって企図されることが理解されよう。
【0022】
図2Aは、処理チャンバ内に区画されたプラズマ生成領域を有する例示的なプロセスチャンバシステム200の断面図を示す。例えばチタン窒化物、タンタル窒化物、タングステン、シリコン、ポリシリコン、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸炭化ケイ素などの膜のエッチング中、プロセスガスが、ガス入口アセンブリ205を通って第1のプラズマ領域215内に流され得る。遠隔プラズマシステム(RPS)201が、任意選択的にシステムに含まれ、第1のガスを処理し得、第1のガスはその後、ガス入口アセンブリ205を通って移動する。入口アセンブリ205は、2つ以上の別個のガス供給チャネルを含み得、第2のチャネルが含まれる場合、第2のチャネル(図示せず)が、RPS201をバイパスし得る。
【0023】
冷却板203、面板217、イオンサプレッサ223、シャワーヘッド225、および上に基板255が配置されているペデスタル265または基板支持体が示されており、それぞれ、実施形態に従って含まれ得る。ペデスタル265は、中で熱交換流体が流れて基板の温度を制御する熱交換チャネルを有し得、熱交換チャネルは、処理動作中に基板またはウエハを加熱および/または冷却するように動作し得る。ペデスタル265のウエハ支持プラッタは、アルミニウム、セラミック、またはその組合せを含み得、また、約100℃以下から約1100℃以上までなどの比較的高い温度を達成するために、埋込み抵抗加熱器要素を使用して抵抗加熱され得る。
【0024】
面板217は、角錐形、円錐形、または狭い上部が幅広の底部へ広がる別の同様の構造体のであり得る。面板217はさらに、図示のように平坦であり得、処理ガスを分配するために使用される複数の貫通チャネルを含み得る。第1のプラズマ領域215へのより均一なデリバリのために、RPS201の使用に応じてプラズマ生成ガスおよび/またはプラズマ励起種が、面板217内の
図2Bに示された複数の孔を通過し得る。
【0025】
例示的な構成は、ガス/種が面板217内の孔を通って第1のプラズマ領域215に流れるように、面板217によって第1のプラズマ領域215から区画されたガス供給領域258内に開口するガス入口アセンブリ205を有することを含み得る。構造体上および動作上の特徴は、第1のプラズマ領域215から供給領域258、ガス入口アセンブリ205、および流体供給システム210へのプラズマの大幅な逆流を防止するように選択され得る。面板217、すなわちチャンバの導電性上部、およびシャワーヘッド225は、それら特徴間に配置された絶縁リング220とともに示されており、絶縁リング220は、シャワーヘッド225および/またはイオンサプレッサ223に対して相対的に、面板217にAC電位が印加されることを可能にする。絶縁リング220は、面板217とシャワーヘッド225および/またはイオンサプレッサ223との間に位置し得、それにより容量結合プラズマ(CCP)が第1のプラズマ領域に形成されることを可能にする。ガス入口アセンブリ205を通って領域内に入る流体の流れに影響を与えるために、追加として、バッフル(図示せず)が、第1のプラズマ領域215内に配置されるか、または他の方法でガス入口アセンブリ205に結合され得る。
【0026】
イオンサプレッサ223は、構造体全体にわたって複数の開孔を画定する板または他の形状寸法を備え得、開孔は、非荷電の中性種またはラジカル種がイオンサプレッサ223を通過してサプレッサとシャワーヘッドとの間の活性化ガスデリバリ領域に入ることを可能にしながら、第1のプラズマ領域215から出るイオン荷電種の移動を抑制するように構成される。実施形態では、イオンサプレッサ223は、様々な開孔構成を有する多孔板を備え得る。これらの非荷電種は、反応性の低いキャリアガスとともに開孔を通って輸送される反応性の高い種を含み得る。上記のように、孔を通るイオン種の移動は低減され得、いくつかの場合には完全に抑制され得る。イオンサプレッサ223を通過するイオン種の量を制御することにより、下にあるウエハ基板と接触する混合ガスに対する制御を有利に向上させることができ、ひいては混合ガスの堆積および/またはエッチング特性の制御を向上させることができる。例えば、混合ガスのイオン濃度の調節は、そのエッチング選択性、例えばSiNx:SiOxエッチング比、Si:SiOxエッチング比などを大幅に変化させることができる。堆積が実行される代替実施形態では、誘電体材料の共形型堆積と流動型堆積とのバランスをシフトさせることもできる。
【0027】
イオンサプレッサ223内の複数の開孔は、イオンサプレッサ223を通る活性化ガス、すなわちイオン種、ラジカル種、および/または中性種の通路を制御するように構成され得る。例えば、孔のアスペクト比、すなわち孔の長さに対する直径、および/または孔の形状寸法は、イオンサプレッサ223を通過する活性化ガス中のイオン荷電種の流れが減少するように制御され得る。イオンサプレッサ223内の孔は、プラズマ励起領域215に面するテーパ部分と、シャワーヘッド225に面する円筒部分とを含み得る。円筒部分は、シャワーヘッド225へと通過するイオン種の流れを制御するような形状および寸法であり得る。サプレッサを通るイオン種の流れを制御するための追加手段として、調節可能な電気バイアスがイオンサプレッサ223に印加され得る。
【0028】
イオンサプレッサ223は、プラズマ生成領域から基板へ移動するイオン荷電種の量を低減または除去するように機能し得る。非荷電の中性種およびラジカル種は、基板と反応するように、さらにイオンサプレッサの開口を通過し得る。実施形態では、基板周囲の反応領域内のイオン荷電種の完全な除去が実行されない場合があることに留意されたい。特定の事例では、イオン種は、エッチングおよび/または堆積プロセスを実行するために基板に到達することが意図されている。このような事例では、イオンサプレッサは、反応領域内のイオン種の濃度を、プロセスを支援するレベルで制御するのに役立ち得る。
【0029】
シャワーヘッド225をイオンサプレッサ223と組み合わせることで、第1のプラズマ領域215内に存在するプラズマが基板処理領域233内のガスを直接励起することを回避できると同時に、励起種がチャンバプラズマ領域215から基板処理領域233内へ移動することが可能になり得る。このようにして、チャンバは、エッチングされている基板255にプラズマが接触することを防止するように構成され得る。これは、有利には、生成されたプラズマによって直接接触された場合に損傷、位置ずれ、または歪みが生じ得る、基板上にパターン化された様々な複雑な構造体および膜を保護することができる。さらに、プラズマが基板に接触するか基板レベルに接近することが許容される場合、酸化物種がエッチングする際の速度が上昇し得る。したがって、材料の露出領域が酸化物である場合、プラズマを基板から離して維持することによって、この材料をさらに保護することができる。
【0030】
処理システムはさらに、第1のプラズマ領域215または処理領域233にプラズマを生成するために面板217、イオンサプレッサ223、シャワーヘッド225、および/またはペデスタル265に電力を供給するための、処理チャンバに電気的に結合された電源240を含み得る。電源は、実行されるプロセスに応じて、調節可能な量の電力をチャンバに送るように構成され得る。このような構成により、実行されるプロセスにおいて調整可能なプラズマを使用することが可能となり得る。しばしばオンまたはオフ機能が提示される遠隔プラズマユニットとは異なり、調整可能なプラズマは、プラズマ領域215に特定の量の電力を送るように構成され得る。これにより、前駆体が特定の方法で解離されて、これらの前駆体によって作成されるエッチングプロファイルを強化されるような、特定のプラズマ特性の開発が可能となり得る。
【0031】
プラズマは、シャワーヘッド225の上方のチャンバプラズマ領域215、またはシャワーヘッド225の下方の基板処理領域233のいずれかにおいて点火され得る。例えば、フッ素含有前駆体または他の前駆体の流入からラジカル前駆体を作成するために、プラズマがチャンバプラズマ領域215内に存在し得る。堆積中にチャンバプラズマ領域215内でプラズマを点火するために、面板217などの処理チャンバの導電性上部とシャワーヘッド225および/またはイオンサプレッサ223との間に、典型的には高周波(RF)帯域のAC電圧が印加され得る。RF電源は、13.56MHzの高RF周波数を生成し得るが、単独でまたは13.56MHzの周波数との組合せで他の周波数を生成し得る。
【0032】
図2Bは、面板217を通る処理ガスの分配に影響を与える特徴の詳細
図253を示す。
図2Aおよび
図2Bに示されるように、面板217、冷却板203、およびガス入口アセンブリ205が交差してガス供給領域258を画定し、ガス供給領域258内には、ガス入口205から処理ガスが送られ得る。ガスは、ガス供給領域258を満たし、面板217内の開孔259を通って第1のプラズマ領域215まで流れ得る。処理ガスが、処理領域233内に流れ得るが、面板217を横断した後にガス供給領域258内への逆流が部分的または完全に防止されるように、開孔259は、流れを実質的に一方向に向けるように構成され得る。
【0033】
処理チャンバセクション200で使用されるシャワーヘッド225などのガス分配アセンブリは、デュアルチャネルシャワーヘッドと呼ばれることがあり、
図3に記載の実施形態においてさらに詳細に説明される。デュアルチャネルシャワーヘッドは、処理領域233の外側でエッチング液の分離を可能にして、処理領域内に送る前にチャンバ部品および相互との限られた相互作用をもたらす、エッチングプロセスを提供し得る。
【0034】
シャワーヘッド225は、上方プレート214および下方プレート216を備え得る。プレートは、プレート間に容積218を画定するように互いに結合され得る。プレートの結合により、上方プレートおよび下方プレートを通る第1の流体チャネル219と、下方プレート216を通る第2の流体チャネル221とが提供され得る。形成されたチャネルは、第2の流体チャネル221のみを介して、容積218から下方プレート216を通る流体アクセスを提供するように構成され得、第1の流体チャネル219は、プレートと第2の流体チャネル221との間で容積218から流体的に隔離され得る。容積218は、シャワーヘッド225の側面を通じて流体的にアクセス可能であり得る。
【0035】
図3は、実施形態による、処理チャンバで使用するシャワーヘッド325の底面図である。シャワーヘッド325は、
図2Aに示すシャワーヘッド225に対応し得る。第1の流体チャネル219の外観を示す貫通孔365は、シャワーヘッド225を通る前駆体の流れを制御してその流れに影響を与えるために、複数の形状および構成を有し得る。第2の流体チャネル221の外観を示す小さな孔375は、貫通孔365の間でさえもシャワーヘッドの表面上に実質的に均一に分配され得、他の構成に比べて、前駆体がシャワーヘッドから出るときに前駆体のより均一な混合を提供するのに役立ち得る。
【0036】
図4は、本技術のいくつかの実施形態による例示的な半導体処理チャンバ400の概略部分断面図を示す。
図4は、
図2Aに関して上記で説明された1つまたは複数の部品を含み得、当該チャンバに関するさらなる詳細を例示し得る。チャンバ400は、エッチングまたは除去および堆積動作または洗浄動作を含む半導体処理動作を実行するために使用され得る。例えば、処理チャンバ400は、プラズマエッチャもしくはプラズマエッチングリアクタのためのチャンバ、プラズマクリーナ、化学気相堆積チャンバ、物理的気相堆積チャンバ、原子層堆積チャンバ、または任意の他のタイプの半導体処理チャンバであり得る。チャンバ400は、半導体処理システムの処理領域の部分図を示し得、前述の追加のリッドスタック部品など、チャンバ400のいくつかの実施形態に組み込まれていると理解される部品のすべてを含むわけではない場合がある。
【0037】
言及したように、
図4は、処理チャンバ400の一部分を例示し得る。チャンバ400は、シャワーヘッド405、および基板支持体410を含み得る。シャワーヘッド405および基板支持体410は、チャンバ側壁415とともに基板処理領域420を画定することができ、この基板処理領域420内で、プラズマがいくつかのプロセスにおいて生成され得る。処理領域420は、半導体処理のために基板が収容され得る場所を例示し得る。基板支持アセンブリはプラテン425を含み得、プラテン425は、電極、ヒータ、流体チャネル、または他の部品を含む、本体内に埋め込まれたまたは配置された1つもしくは複数の部品を含み得る。上部パック内に組み込まれた部品は、いくつかの実施形態では処理材料に曝されない場合があり、プラテン425の中に完全に保持され得る。プラテン425は、シャワーヘッド405に面し得る基板支持面427を画定し得、プラテンの特定の形状寸法に応じた厚さおよび長さまたは直径であることを特徴とし得る。いくつかの実施形態では、プラテンは、楕円形であり得、本体を通る中心軸からの1つまたは複数の半径方向寸法であることを特徴とし得る。上部パックは任意の形状寸法であり得、半径方向寸法について言及されている場合、その半径方向寸法はプラテンの中心位置からの任意の長さを規定し得るものと理解されるべきである。
【0038】
プラテン425は、ステムまたはシャフト430と結合され得、ステムまたはシャフト430は、プラテンを支持し得、プラテン425の内部部品と結合し得る電気ラインおよび/または流体ラインを送るおよび受け取るためのチャネルを含み得る。プラテン425は、静電チャック、真空チャック、または他のタイプのチャッキングシステム、および非チャッキング基板支持面として動作する関連するチャネルまたは部品を含み得る。シャフト430は、基板支持面とは反対側のプラテンの第2の表面上でプラテンに結合され得る。プラテン425は、基板支持面に近接するプラテン内に埋め込まれた、DC電極であり得る電極435を含み得る。電極435は、電源440と電気的に結合され得る。電源440は、導電性チャック電極435にエネルギーまたは電圧を提供するように構成され得る。これは、半導体処理チャンバ400の処理領域420内に前駆体のプラズマを形成するように作用し得るが、他のプラズマ動作も同様に継続され得る。例えば、電極435は、シャワーヘッド405と電気的に結合されたRF源407を含む容量性プラズマシステムのための電気的接地として動作するチャッキングメッシュでもあり得る。例えば、電極435は、RF源407からのRF電力の接地経路として動作すると同時に、基板支持面への基板の静電クランプを提供するための基板への電気バイアスとしても動作し得る。電源440は、フィルタ、電源、およびチャッキング電圧を提供するように構成された他の多くの電気部品を含み得る。電極435は、電極の追加としてまたは電極の代替として、プラテン内に組み込まれ得る加熱要素でもあり得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、プラテン425はまた、基板支持面内に凹状領域445を画定し得、凹状領域445は、基板が配置され得る凹状ポケットを提供し得る。凹状領域445は、上部パックの内部領域に形成され得、処理用の基板を収容するように構成され得る。凹状領域445は、例示されているようにプラテンの中央領域を包囲し得、様々な基板サイズに対応するようにサイズ設定され得る。基板は、凹状領域内に着座され得、基板を包囲し得る外部領域447によって収容され得る。いくつかの実施形態では、外部領域447の高さは、基板が外部領域447における基板支持面の表面高さと同じ高さであるか、またはそれよりも低く凹むような高さであり得る。凹状表面は、処理中のエッジ効果を制御し得、これにより、いくつかの実施形態では、基板全体にわたる均一性が向上し得る。いくつかの実施形態では、エッジリングは、上部パックの周囲に配置され得、中に基板が着座され得る凹部を少なくとも部分的に画定し得る。いくつかの実施形態では、プラテンの表面は実質的に平面であり得、エッジリングは、中に基板が着座され得る凹部を完全に画定し得る。さらに、プラテンは、以下でさらに説明するエッジプロファイル、または基板支持体の周囲に作成され得る任意の他の形状寸法または特徴であることを特徴とし得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、プラテン425および/またはシャフト430は、絶縁性材料または誘電体材料であり得るが、いくつかの実施形態において、プラテン425および/またはシャフト430は、アルミニウムまたは他の導電性材料などの金属であり得る。例えば、部品を形成するために、酸化物、窒化物、炭化物、および他の材料が使用され得る。例示的な材料は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、炭化タングステン、および任意の他の金属もしくは遷移金属の酸化物、窒化物、炭化物、ホウ化物、またはチタン酸塩、ならびにこれらの材料と他の絶縁性材料または誘電体材料との組合せを含む、セラミックを含み得る。特定の温度範囲で動作するように構成された複合物を提供するために、異なるグレードのセラミック材料が使用され得、したがって、いくつかの実施形態では、同様の材料の異なるセラミックグレードが上部パックおよびステムに使用され得る。いくつかの実施形態では、電気性質を調整するためにドーパントが組み込まれ得る。例示的なドーパント材料は、イットリウム、マグネシウム、シリコン、鉄、カルシウム、クロム、ナトリウム、ニッケル、銅、亜鉛、またはセラミック材料または誘電体材料内に組み込まれることが知られている他の任意の数の元素を含み得る。
【0041】
ヒータは、基板支持面427上にある基板だけでなくプラテン425全体の温度を調整することが可能であり得る。ヒータは、プラテンおよび/または基板を約100℃以上に加熱するための動作温度範囲を有し得、さらにヒータは、約125℃以上、約150℃以上、約175℃以上、約200℃以上、約250℃以上、約300℃以上、約350℃以上、約400℃以上、約450℃以上、約500℃以上、約550℃以上、約600℃以上、約650℃以上、約700℃以上、約750℃以上、約800℃以上、約850℃以上、約900℃以上、約950℃以上、約1000℃以上、またはそれより高く加熱するように構成され得る。ヒータはまた、これらの記載された数値のうちの任意の2つに含まれる任意の範囲、またはこれらの範囲のいずれかに含まれるより小さい範囲で動作するように構成され得る。
【0042】
前述のように、本技術は、コーティングされたチャンバ部品を組み込んだチャンバ内で処理を実行し得る。残りの開示では基板支持体について度々説明するが、いくつかの実施形態では、チャンバ壁または任意のリッドスタック部品を含む任意の部品が、以下に説明するコーティング材料のいずれかで同様にコーティングされ得る。例えば、互いに結合された2つのプレートを含み得るシャワーヘッドが、結合前に各プレートとして個別にコーティングされ得るか、または、結合された後に、シャワーヘッドの一部またはすべての外面が、以下に説明するようにコーティングされ得る。
【0043】
基板支持体410は、プラテンの第1の表面および第2の表面ならびにシャフトを含む、基板支持体410のすべての露出表面の周囲に延在し得るコーティング450を含み得る。コーティングは、各部品の周囲に個別にまたは互いにコンフォーマルに形成され得る。例えば、コーティング450は、プラテンおよびステムとの結合後に適用され得るか、または接続前に各部品に適用され得る。シャフト430は、例示されるように、少なくとも部分的にチャンバ本体を貫通して延在し得、いくつかの実施形態では、チャンバを貫通する長さも含めてシャフトの全長がコーティングされ得る。シャフト430は、例示されるように、処理チャンバの外側に配置され得るハブ455に結合され得る。コーティング450は、シャフト本体に沿ってハブまで延在し得る。リングコネクタ457は、シャフトの周囲に延在し、シャフトをハブに接続し得、いくつかの実施形態では、コーティングは、コネクタの一部内に延在し得る。上記で言及し、以下でさらに説明するように、いくつかの実施形態では、コーティング450は複数の層を含み得る。
【0044】
図5は、本技術のいくつかの実施形態による例示的な基板支持アセンブリ500の概略部分断面図を示し、前に例示したコーティングされたプラテン425のさらなる詳細を示し得る。コーティングは示されていないが、コーティングは、本明細書で説明される突起およびエッジ特徴を含む上述したすべての表面の周囲にコンフォーマルに延在し得、本技術のいくつかの実施形態によれば、任意の数のコーティング層が含まれ得る。基板支持アセンブリ500は、前述の材料または部品のいずれかを含み得、前述の基板支持アセンブリのさらなる詳細を例示し得る。例示されているように、プラテン505は基板支持面506を画定し得る。いくつかの実施形態では、表面は平坦であり得るが、いくつかの実施形態では、特徴が含まれ得、プラテンによって画定され得る。これらの特徴は、半導体基板を支持するように構成され得る。基板支持面は、基板支持面内に、上記で説明された凹状ポケットなど、基板が保持され得る領域508を画定し得る。凹状ポケットは外側の区分によって形成され得るが、いくつかの実施形態では、基板支持体の第1の表面から延出する任意の数の他のエッジ特徴が形成され得る。例えば、基板支持面において、凹状レッジ510も形成され得る。凹状レッジは、凹状ポケットの半径方向の外側エッジからプラテンの外部エッジまで、半径方向に外に向かって延在し得る。
【0045】
さらに、基板支持面は、領域508内の支持面内で基板支持面から延出する多数の突起525を画定し得る。突起525全体にわたる露出表面は、基板が基板支持面と接触し得る接触位置を画定し得る。例えば、本技術は、直径または幅が約1mm、約2mm、もしくはそれよりも大きいことを特徴とする突起を形成し得、いくつかの実施形態では、直径が約1mm以上であることを特徴とする突起と、直径が約2mm以上であることを特徴とする突起との組合せを含み得る。本技術の実施形態では、突起は、任意の数の形状寸法およびプロファイルであることを特徴とし得る。例示的な基板支持アセンブリの場合、凹状ポケット内の基板支持面は、約250個以上の突起を画定し得、さらに、約500個以上の突起、約750個以上の突起、約1000個以上の突起、約1,250個以上の突起、約1,500個以上の突起、約1,750個以上の突起、約2,000個以上の突起、またはそれより多い突起を画定し得る。突起は、表面全体にわたる均一なパターンおよび全面的な分布を含む、任意の数の編成またはパターンで画定され得る。
【0046】
コーティング450は、基板支持体のすべての領域上に形成され得る。シーズニングプロセスとは異なり、コーティング450は、プラテンの裏側に沿って、およびシャフトの全長に沿ってなど、基板支持体の周囲に一定に形成され得る。コーティングは、シリコン含有コーティングであるか、またはシリコン含有コーティングを含み得、炭化ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸炭化ケイ素、酸窒化ケイ素、炭窒化ケイ素、もしくは酸炭窒化ケイ素、およびこれらの材料の任意の組合せであるか、またはそれらを含み得る。コーティングは、ペデスタルの全表面にわたって約1μm以上の厚さに形成され得、さらに、約2μm以上、約5μm以上、約10μm以上、約15μm以上、約20μm以上、約25μm以上、約30μm以上、またはそれより厚い厚さに形成され得る。これにより、シーズニングとは異なり、どのシーズニングよりも何桁も厚いものであり得るコーティングが作成され、部品のすべての表面をカバーするコーティングも作成され得る。さらに、コーティングは、約50μm以下、約45μm以下、約40μm以下、約35μm以下、またはそれより薄い厚さに維持され得、これにより、いくつかの実施形態では、コーティングは突起の全表面の周囲に形成され得るが、特徴を完全には充填しないことが保証され得る。
【0047】
上記で説明したように、本技術のいくつかの実施形態では、コーティングは、任意の単層コーティングよりも優れた利点を提供し得る多層コーティングであり得る。任意の数の複合コーティングを作成するために、コーティングの任意の層が、上記の材料のいずれかであるか、または上記の材料のいずれかを含み得る。非限定的な一例として、いくつかの実施形態では、部品表面に隣接しているまたは部品表面と接触していることを含む、部品表面に近接するコーティングの第1の層は、シリコン層であり得る。シリコンの層はアモルファスシリコンであり得るが、結晶シリコンも使用され得る。アモルファスシリコンの上には、上記の材料のいずれかなどのシリコン含有材料の第2の層が存在し得る。非限定的な一例では、シリコンの層の上にシリコン酸化物が形成され得る。酸化ケイ素は結晶性材料であり得るが、いくつかの実施形態では、酸化ケイ素は、アモルファス酸化ケイ素でもあり得る。
【0048】
酸化ケイ素は、形成されたシリコン層の一部分を酸化させることによって形成され得、いくつかの実施形態では、これが酸化ケイ素層を構成し得る。しかしながら、高温などでの酸化動作は、結晶酸化ケイ素を作成する可能性がより高いか、または結晶酸化ケイ素のみを作成し得る。結晶酸化ケイ素は、アモルファス酸化ケイ素と比較して、提供できる保護の量が少ない場合があり、したがって、いくつかの実施形態では、アモルファスシリコンの上に、続いて酸化ケイ素が堆積され得、これにより、材料の2つの連続したアモルファス層が確保され得る。本技術のいくつかの実施形態では、これらの層のいずれかの上に任意の数の追加の層が形成され得、他の言及された材料のいずれかが、これらの材料とともにまたはこれらの材料の代わりに使用され得る。
【0049】
上記で説明したように、上に層が形成され得る部品は、一般的に組み込まれる元素の中でもとりわけ、窒化アルミニウムを含むアルミニウム、またはイットリウム、ナトリウム、ニッケル、カリウムなどのいくつかの構成元素を含み得る任意の数の他のセラミック材料であり得るか、またはそれらを含み得る。高温処理は、微量物質の拡散量を増加させる可能性があり、酸化ケイ素は、アルミニウムまたは他の物質を層内に拡散させる可能性があり、アルミニウムまたは他の物質は、処理されている基板上に粒子として存在し得る。アモルファスシリコンは、物質密度が高いため、酸化ケイ素よりもはるかに容易に元素拡散に対する遮断として機能し得、処理されている基板上にこれらの元素が存在することを制限またはさらに減少させ得る。シリコンは、エッチャントガスまたはラジカル種により容易にエッチングまたは腐食され得、したがって、上に材料の腐食層を有することで、エッチングプロセスにおいてシリコンが除去されるのを防ぐことができる。したがって、多層コーティングは、下にある部品材料からの元素拡散を改善することができ、また、従来の材料よりも優れた腐食保護および/または浸食保護を提供することができる。
【0050】
コーティングが形成される部品材料によっては、シリコンは、他の材料に比べて密着力が低い可能性があり、これにより、コーティングの効果が低下するか、または、剥離が発生する可能性がある。したがって、いくつかの実施形態では、アモルファスシリコン層と部品自体との間に追加の接着層が形成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、多層コーティングを作成するために、アモルファスシリコン層の上に形成されるアモルファス酸化ケイ素層とともに、部品とアモルファスシリコン層との間の接着層として追加の酸化ケイ素層が形成され得る。接着層は、いくつかの実施形態ではアモルファス酸化ケイ素であり得るが、結晶酸化ケイ素も使用され得る。接着層を組み込むことにより、コーティングは基材部品上に十分に維持され得、約500psi以上の接着強度を示しながら、引張試験に耐えることができる。接着層を組み込むことは、約750psi以上、約1000psi以上、約1250psi以上、約1500psi以上、約1750psi以上、約2000psi以上、またはそれより高い接着強度をもたらし得る。本技術による多層コーティングは高温環境において使用され得るので、コーティング層剥離のリスクは他の環境よりもはるかに大きく、したがって、より高い接着強度を有することで、多数の処理動作を通じてコーティングが確実に維持され得る。
【0051】
任意の個別の層を含む多層コーティングは、上記で説明された厚さのいずれかであることを特徴とし得るが、いくつかの実施形態では、突起または他の基板もしくは部品の特徴がコーティングによって詰まらないこと、または埋まらないことを保証するために、コーティング全体の厚さが数マイクロメートル以下に制限され得る。さらに、いくつかの実施形態では、層は、コーティングにおける層の機能に基づいて互いに異なる厚さであることを特徴とし得、これにより、構成層の高さを最小限に抑えながら、層の耐腐食性または耐浸食性の程度を最大限に高めることができる。例えば、酸化ケイ素接着層、アモルファスシリコンバリア層、およびアモルファス酸化ケイ素外側保護層を含むかまたはそれらからなる例示的な多層コーティングの場合、層は、同様の厚さであることを特徴とする場合もあれば、そうでない場合もある。
【0052】
コーティングの厚さの例として、接着層は、部品を十分にコーティングし、上にあるシリコン層に接着表面を提供する厚さに形成され得、接着層は、約100nm以下の厚さに形成され得、さらに、約90nm以下、約80nm以下、約70nm以下、約60nm以下、約50nm以下、約40nm以下、約30nm以下、約20nm以下、またはそれより薄い厚さに形成され得る。アモルファスシリコンバリア層は、アルミニウムまたは他の微量元素の拡散に対する十分なバリア性質を確保するために、接着層よりも厚い厚さに形成され得るが、層の厚さの大部分を腐食保護に利用することを可能にするために、厚さが制限され得る。したがって、アモルファスシリコンバリア層は、約50nm以上、約75nm以上、約100nm以上、約125nm以上、約150nm以上、約175nm以上、約200nm以上、約225nm以上、約250nm以上、約275nm以上、約300nm以上、約325nm以上、約350nm以上、約375nm以上、約400nm以上、またはそれより厚い厚さに形成され得るが、バリア性質は、約500nm以下の厚さで十分であり得、さらに、約450nm以下、約400nm以下、約350nm以下、約300nm以下、またはそれ未満で十分であり得る。
【0053】
アモルファス酸化ケイ素などの外側層、または前述の他の材料のいずれかは、コーティングの厚さの大部分を構成し得る。十分な保護特徴を提供するために、第2のコーティング層、または多層コーティングの最外層は、約500nm以上の厚さであることを特徴とし得、さらに、約550nm以上、約600nm以上、約650nm以上、約700nm以上、約750nm以上、約800nm以上、約850nm以上、約900nm以上、約950nm以上、約1.0μm以上、またはそれより厚い厚さであることを特徴とし得る。最外層はまた、多層コーティング全体の厚さの約60%以上を構成し得、さらに、コーティング全体の厚さの約70%以上、全体の厚さの約75%以上、全体の厚さの約80%以上、全体の厚さの約82%以上、全体の厚さの約84%以上、全体の厚さの約86%以上、全体の厚さの約88%以上、全体の厚さの約90%以上、全体の厚さの約91%以上、全体の厚さの約92%以上、全体の厚さの約93%以上、全体の厚さの約94%以上、全体の厚さの約95%以上、全体の厚さの約96%以上、全体の厚さの約97%以上、全体の厚さの約98%以上、またはそれより多くを構成し得る。これにより、下にある部品をエッチングまたは他のプロセス条件から保護する能力を最大限に高めながら、十分なバリア性質および接着性質を可能にすることができる。
【0054】
コーティングまたは構成層のいずれかは、特徴の周囲に一定なコーティングを形成し得るプラズマ化学気相堆積を含む任意の数の方法によって作成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、基板支持面全体にわたるコーティングまたは任意の個々の層の厚さは、実質的に一定に維持され得、基板支持面上の任意の2つの位置間における表面での変動が約10%以下であることを特徴とし得、さらに、表面での変動が約9%以下、約8%以下、約7%以下、約6%以下、約5%以下、約4%以下、約3%以下、約2%以下、約1%以下、またはそれ未満であることを特徴とし得る。
【0055】
コーティングプロセスに基づいて、いくつかの表面は、カバレッジ量がより多いことを特徴とし得る。例えば、凹状レッジ510、または上述のような凹状内部ポケットを画定するレッジを含む任意の他のコーナ特徴は、コーティングおよび/またはコーティング層の厚さがプラテンの第1の表面に沿ったコーティングの厚さよりも少なくとも10%厚いことを特徴とし得、さらに、コーティングの厚さがプラテンの第1の表面に沿ったコーティングの厚さよりも約15%以上、約20%以上、約30%以上、約40%以上、約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、約100%以上、またはそれよりも厚いことを特徴とし得る。カバーされ得るかまたは直接流路もしくはプラズマ領域の外側にあり得る基板表面もしくは裏側表面とは異なり、コーナ特徴などのこれらの特徴は、プラズマ動作中に露出し得るので、さらなるカバレッジにより、処理中のこれらの領域の保護を強化することができ、これにより、チャンバ部品上で再度コーティングが実行され得るまでの時間がさらに長くなり得る。
【0056】
図6は、本技術のいくつかの実施形態による、前述のコーティングを有するチャンバ部品を含む任意のチャンバ内で実行され得る方法600の例示的な動作を示す。任意選択的な動作605において、コーティングチャンバ内でコーティングが塗布され得、コーティングチャンバは、チャンバ部品を使用して中で基板が処理され得る半導体処理チャンバとは別個であり得る。多層コーティングの各層は、同じチャンバ内で形成され得るか、または本技術のいくつかの実施形態に従って複数のチャンバ内で形成され得る。コーティングは、部品のすべての表面に塗布され、上記で説明された材料のいずれかを含み得る。コーティングまたは部品は、前述の任意の特徴または特質を特徴とし得る。例えば、シリコン含有材料は、基板支持体のプラテンおよびシャフトの全表面、または結合された基板支持体の外面、または他のチャンバ部品の上にコーティングされ得る。任意選択的な動作610において、半導体処理チャンバ内にチャンバ部品が設置され得、この動作は、部品をチャンバ内に部分的にまたは全体的に延在させることができる。例えば、前述の基板支持体は、先に塗布されたコーティングを含み得る部分を含めて、少なくとも部分的にチャンバから外へと延在し得る。
【0057】
動作615において、部品に対して半導体処理が実行され得る。例えば、上記で説明されたコーティングされた部品を利用して、チャンバ内で任意の数の基板が処理され得るか、または処理チャンバ内で任意の回数の洗浄動作が実行され得る。例えば、約5個以上の基板が処理され得るか、または約5回以上の洗浄動作が実行され得る。コーティングは各プロセスによって影響を受け得るが、コーティングは、約10個以上の基板の処理または約10回以上の洗浄動作の実行を可能にすることができ、さらに、約50以上、約100以上、約500以上、約1,000以上、約5,000以上、またはそれより多くの処理を可能にすることができる。処理は、コーティングされた部品を任意の数のエッチング化学物質に曝し得る任意の数の異なるエッチングプロセスまたは他の半導体製造プロセスを含み得る。例えば、部品は、ラジカルまたは非励起形態のいずれかのエッチング液に曝され得、BCl3、Cl2、HF、NF3、F2、PCl5、HI、C2F6、CF4、または任意の他のハロゲン含有材料のうちの1つまたは複数を含み得る、フッ素含有材料もしくは塩素含有材料などの1つもしくは複数のハロゲン含有ガスまたはラジカルに曝され得る。
【0058】
さらに、多層コーティングは、基板上もしくは多層コーティングの外側層内もしくは第2の層内のアルミニウムまたは他の微量金属汚染を制限し得る。例えば、コーティングの第2の層もしくは最外層内または処理されている基板上の下にある部品からのアルミニウムの取り込みは、約1E12atoms/cm2以下であり得、さらに、約1.8E11atoms/cm2以下、約1.6E11atoms/cm2以下、約1.4E11atoms/cm2以下、約1.2E11atoms/cm2以下、約1.0E11atoms/cm2以下、約1.8E10atoms/cm2以下、約1.6E10atoms/cm2以下、約1.4E10atoms/cm2以下、約1.2E10atoms/cm2以下、約1.0E10atoms/cm2以下、またはそれ未満に維持され得る。シーズニングまたは部品交換のためのダウンタイムを制限することによって、本技術の実施形態によるコーティングされた部品は、従来の技術よりもスループットを向上させ、部品および基板を保護することができる。
【0059】
上記の説明では、本技術の様々な実施形態の理解を提供するために、説明の目的で多くの詳細を述べた。しかしながら、特定の実施形態が、これらの詳細のいくつかを伴わずにまたはさらなる詳細とともに実施され得ることが、当業者には明らかであろう。
【0060】
いくつかの実施形態を開示したが、実施形態の趣旨から逸脱することなく、様々な修正、代替構造体、および均等物が使用され得ることが当業者には理解されよう。さらに、本技術を不必要に曖昧にすることを避けるために、いくつかのよく知られているプロセスおよび要素については説明していない。したがって、上記の説明は、本技術の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0061】
値の範囲が提供される場合、文脈上別段の明記がない限り、その範囲の上限と下限との間の介在する各値も、下限の単位の最小端数まで具体的に開示されるものと理解される。任意の記載された値または記載された範囲内の記載されていない介在値と、その記載された範囲内の任意の他の記載された値または介在値との間のいかなるより狭い範囲も包含される。これらのより小さい範囲の上限および下限は、その範囲内に単独で含まれても除外されてもよく、より小さい範囲内に限界値のいずれかが含まれる範囲、限界値のどちらも含まれない範囲、または限界値の両方が含まれる範囲はそれぞれ、記載された範囲における明確に除外される任意の限界値を条件として、本技術内に包含される。記載された範囲が限界値の一方または両方を含む場合、その含まれる限界値のどちらかまたは両方を除いた範囲も含まれる。
【0062】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上別段の明記がない限り、複数形の参照対象を含む。したがって、例えば、「電極(an electrode)」への言及は、複数のそのような電極を含み、「突起(the protrusion)」への言及は、1つまたは複数の突起および当業者に周知の均等物などへの言及を含む。
【0063】
また、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、「含む(contain)」、「含む(containing)」、「含む(include)」、および「含む(including)」という用語は、本明細書および以下の特許請求の範囲で使用される場合、記載された特徴、整数、構成要素、または動作の存在を指定するよう意図されているが、1つまたは複数の他の特徴、整数、構成要素、動作、作用、もしくはグループの存在または追加を排除するものではない。
【国際調査報告】