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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-10
(54)【発明の名称】マスク欠陥検出
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20240903BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
H01L21/66 J
G03F7/20 521
G03F7/20 501
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502008
(86)(22)【出願日】2022-07-08
(85)【翻訳文提出日】2024-03-06
(86)【国際出願番号】 EP2022069169
(87)【国際公開番号】W WO2023016723
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】63/232,135
(32)【優先日】2021-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ワン,フーミン
(72)【発明者】
【氏名】ウィーラント,マルコ,ジャン-ジャコ
(72)【発明者】
【氏名】カオ,ユ
(72)【発明者】
【氏名】ザン,グオホン
【テーマコード(参考)】
2H197
4M106
【Fターム(参考)】
2H197CB01
2H197DA03
2H197DA09
2H197DB06
2H197DB10
2H197DB11
2H197HA03
2H197JA18
2H197JA24
4M106AA01
4M106AA09
4M106BA02
4M106CA39
4M106DB05
4M106DJ27
(57)【要約】
マスクの欠陥を検出するための改善された方法及びシステムが開示される。改善された方法は、マスクを使用するリソグラフィシステムによって、選択されたプロセス条件下のマスク欠陥印刷可能性に基づいて決定される選択されたプロセス条件でウェーハが露光された後に、露光ウェーハを検査することと、検査に基づいて、マスクの欠陥に起因するウェーハ欠陥を識別して、マスクの欠陥の識別を可能にすることと、を含む。
【選択図】図6B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
一組の指令を格納するメモリと、
マスクを使用するリソグラフィシステムによって、選択されたプロセス条件下のマスク欠陥印刷可能性に基づいて決定される前記選択されたプロセス条件でウェーハが露光された後に、前記露光ウェーハを検査すること、及び、
前記検査に基づいて、前記マスクの欠陥に起因するウェーハ欠陥を識別して、前記マスクの前記欠陥の識別を可能にすること
を前記装置に行わせる前記一組の指令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
を含む、装置。
【請求項2】
前記露光ウェーハが、第1のフィールド及び第2のフィールドであって、前記第1のフィールドが前記選択されたプロセス条件で露光され、前記第2のフィールドが前記選択されたプロセス条件とは異なるプロセス条件で露光される、第1のフィールド及び第2のフィールドを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ウェーハ欠陥を識別する際、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記第1のフィールドの全エリアを検査して、前記第1のフィールドの欠陥を識別することを前記装置に行わせる前記一組の指令を実行するように構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ウェーハ欠陥を識別する際、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記第1のフィールドの前記識別された欠陥の位置に対応する位置において前記第2のフィールドを検査することを前記装置に行わせる前記一組の指令を実行するように構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
マスクを使用するリソグラフィシステムによって、異なるプロセス条件で試験ウェーハの複数フィールドのそれぞれが露光された後に、前記試験ウェーハの前記複数フィールドの複数を検査して、対応するフィールドの欠陥を識別することと、
前記検査に基づいて、前記選択されたプロセス条件を決定することと、
を前記装置に更に行わせる前記一組の指令を実行するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記選択されたプロセス条件を決定する際、前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記複数フィールドの中から基準を満たすフィールドを選択することであって、前記基準が、前記対応するフィールドで識別された欠陥の数の予め決定された範囲であることと、
前記選択されたフィールドを露光させるために使用されたプロセス条件を、前記選択されたプロセス条件となるように決定することと、
を前記装置に更に行わせる前記一組の指令を実行するように構成される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記試験ウェーハの前記複数フィールドの前記複数を検査する際、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記複数フィールドのフィールドの部分エリアを検査して、前記部分エリアの欠陥を識別することを前記装置に行わせる前記一組の指令を実行するように構成される、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
欠陥粒子を有する前記マスクを用いる前記ウェーハの露光プロセスをシミュレートするためのリソグラフィモデルを設定することと、
前記マスクのトポグラフィ及び前記マスクの前記欠陥粒子に基づいて、前記マスク付近の電磁場をシミュレートすることであって、前記電磁場が前記マスク付近の光路の決定を可能にすることと、
前記シミュレートされた電磁場に基づいて、前記ウェーハの空間像又はレジスト像をシミュレートすることと、
前記シミュレートされた空間像又はレジスト像に基づいて、前記リソグラフィシステムのための前記選択されたプロセス条件を決定することと、
を前記装置に更に行わせる前記一組の指令を実行するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記リソグラフィモデルを設定する際、前記少なくとも1つのプロセッサが、異なるプロセス条件で複数のリソグラフィモデルを設定することを前記装置に更に行わせる前記一組の指令を実行するように構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記プロセス条件が、露光ドーズ、フォーカス、又は照明条件を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記選択されたプロセス条件が、名目ドーズ未満の露光ドーズを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
調節条件を決定するための方法をコンピューティングデバイスに行わせるために前記コンピューティングデバイスの少なくともプロセッサ上によって実行可能な一組の指令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記方法が、
マスクを使用するリソグラフィシステムによって、異なるプロセス条件で試験ウェーハの複数フィールドのそれぞれが露光された後に、前記試験ウェーハの前記複数フィールドの複数を検査して、対応するフィールドの欠陥を識別することと、
前記検査に基づいて、調節条件を決定することと、
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記調節条件を決定する際、前記コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な前記一組の指令が、
前記複数フィールドの中から基準を満たすフィールドを選択することであって、前記基準が、前記対応するフィールドで識別された欠陥の数の予め決定された範囲であることと、
前記選択されたフィールドを露光させるために使用されたプロセス条件を、前記調節条件となるように決定することと、
を前記コンピューティングデバイスに更に行わせる、請求項12に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記試験ウェーハの前記複数フィールドの前記複数を検査する際、前記コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な前記一組の指令が、前記複数フィールドのフィールドの部分エリアを検査して、前記部分エリアの欠陥を識別することを前記コンピューティングデバイスに更に行わせる、請求項12に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記プロセス条件が、露光ドーズ、フォーカス、又は照明条件を含む、請求項12に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は、2021年8月11日に出願され、参照によりその全体を本明細書に援用する米国特許出願第63/232,135号の優先権を主張する。
【0002】
[0002] 本明細書で提供する実施形態はマスク適格性評価技術に関し、より具体的には、荷電粒子ビーム検査システムを使用する効率的なマスク欠陥検出機構に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用することができる。このような場合、マスク又はレチクルは、ICの個々の層に対応する回路パターン(「設計レイアウト」)を含み、又は提供し得、この回路パターンは、基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、1つ又は複数のダイを含むもの)上に転写され得る。マスク欠陥は、プロセスの歩留まりに大いに影響を与え得る。従って、マスク欠陥を識別し、マスク欠陥が識別されたときに適切な手続きをとるタイミングを識別するために、プリントされたウェーハを検査することによってマスクの状態が監視され得る。
【0004】
[0004] 走査型電子顕微鏡(SEM)などの荷電粒子(例えば、電子)ビーム顕微鏡又は光学顕微鏡を利用した検査システムが用いられて、「プリントチェック」又は「レチクルプリント検証」と呼ばれるプリントされたウェーハの検査に基づいてマスクの欠陥を見つけることができる。確率論的性質により、外部粒子に起因する粒子欠陥を含むいくつかのマスク欠陥は、ウェーハ上に一貫してプリントされない場合があり、従ってすべてのマスク欠陥を捕捉するためには、複数のウェーハフィールドを検査する必要がある。しかしながら、SEMツールを使用して2つ以上のウェーハフィールドを検査することには、コストがかかり得る。従って、マスク欠陥検出性能の向上が望まれる。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 本明細書で提供する実施形態は、粒子ビーム検査装置を開示し、より具体的には複数の荷電粒子ビームを使用する検査装置を開示する。
【0006】
[0006] いくつかの実施形態は、マスクを使用するリソグラフィシステムによって、選択されたプロセス条件下のマスク欠陥印刷可能性に基づいて決定される選択されたプロセス条件でウェーハが露光された後に、露光ウェーハを検査すること、及び検査に基づいて、マスクの欠陥に起因するウェーハ欠陥を識別して、マスクの欠陥の識別を可能にすることを含む、方法を提供する。
【0007】
[0007] いくつかの実施形態は、調節条件を決定するための方法を提供する。本方法は、マスクを使用するリソグラフィシステムによって、異なるプロセス条件で試験ウェーハの複数フィールドのそれぞれが露光された後に、試験ウェーハの複数フィールドの複数を検査して、対応するフィールドの欠陥を識別すること、及び検査に基づいて調節条件を決定することを含む。
【0008】
[0008] いくつかの実施形態は、調節条件を決定するための方法を提供する。本方法は、欠陥粒子を有するマスクを用いるウェーハの露光プロセスをシミュレートするためのリソグラフィモデルを設定すること、マスクのトポグラフィ及びマスクの欠陥粒子に基づいて、マスク付近の電磁場をシミュレートすることであって、電磁場がマスク付近の光路の決定を可能にすること、シミュレートされた電磁場に基づいて、ウェーハの空間像又はレジスト像をシミュレートすること、並びに、シミュレートされた空間像又はレジスト像に基づいてリソグラフィシステムのための調節条件を決定すること、を含む。
【0009】
[0009] いくつかの実施形態は、マスクを使用するリソグラフィシステムによって露光されたウェーハを検査するように構成された荷電粒子ビームデバイスを提供する。本デバイスは、ウェーハの第1のフィールド及び第2のフィールドを照射するように構成された荷電粒子ビーム源であって、第1のフィールドが第1のプロセス条件で露光され、第2のフィールドが第1のプロセス条件とは異なる第2のプロセス条件で露光される、荷電粒子ビーム源と、ウェーハの欠陥の識別を可能にする、ウェーハから放出された二次荷電粒子を収集するように構成された検出器であって、第1のフィールド及び第2のフィールドの対応するフィールドの欠陥の数が互いに異なる、検出器と、マスク欠陥印刷可能性に基づいて第2のマスクを検査するために使用するプロセス条件の決定を助けるように構成されたプロセッサであって、マスク欠陥印刷可能性が識別された欠陥に基づいて決定される、プロセッサと、を含む。
【0010】
[0010] いくつかの実施形態は、一組の指令を格納するメモリと、マスクを使用するリソグラフィシステムによって、選択されたプロセス条件下のマスク欠陥印刷可能性に基づいて決定される選択されたプロセス条件でウェーハが露光された後に、露光ウェーハを検査すること、及び、検査に基づいて、マスクの欠陥に起因するウェーハ欠陥を識別して、マスクの欠陥の識別を可能にすること、を装置に行わせる一組の指令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を含む装置を提供する。
【0011】
[0011] いくつかの実施形態は、調節条件を決定するための装置であって、一組の指令を格納するメモリと、マスクを使用するリソグラフィシステムによって、異なるプロセス条件で試験ウェーハの複数フィールドのそれぞれが露光された後に、試験ウェーハの複数フィールドの複数を検査して、対応するフィールドの欠陥を識別すること、及び、検査に基づいて、調節条件を決定すること、を装置に行わせる一組の指令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を含む装置を提供する。
【0012】
[0012] いくつかの実施形態は、調節条件を決定するための装置であって、一組の指令を格納するメモリと、欠陥粒子を有するマスクを用いるウェーハの露光プロセスをシミュレートするためのリソグラフィモデルを設定すること、マスクのトポグラフィ及びマスクの欠陥粒子に基づいて、マスク付近の電磁場をシミュレートすることであって、電磁場がマスク付近の光路の決定を可能にすること、シミュレートされた電磁場に基づいて、ウェーハの空間像又はレジスト像をシミュレートすること、並びに、シミュレートされた空間像又はレジスト像に基づいて、リソグラフィシステムのための調節条件を決定すること、を装置に行わせる一組の指令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、を含む装置を提供する。
【0013】
[0013] いくつかの実施形態は、方法をコンピューティングデバイスに行わせるためにコンピューティングデバイスの少なくともプロセッサ上によって実行可能な一組の指令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、方法が、マスクを使用するリソグラフィシステムによって、選択されたプロセス条件下のマスク欠陥印刷可能性に基づいて決定される選択されたプロセス条件でウェーハが露光された後に、露光ウェーハを検査すること、及び、検査に基づいて、マスクの欠陥に起因するウェーハ欠陥を識別して、マスクの欠陥の識別を可能にすること、を含む非一時的コンピュータ可読媒体を提供する。
【0014】
[0014] いくつかの実施形態は、調節条件を決定するための方法をコンピューティングデバイスに行わせるためにコンピューティングデバイスの少なくともプロセッサ上によって実行可能な一組の指令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体を提供する。本方法は、マスクを使用するリソグラフィシステムによって、異なるプロセス条件で試験ウェーハの複数フィールドのそれぞれが露光された後に、試験ウェーハの複数フィールドの複数を検査して、対応するフィールドの欠陥を識別すること、及び検査に基づいて調節条件を決定することを含む。
【0015】
[0015] いくつかの実施形態は、調節条件を決定するための方法をコンピューティングデバイスに行わせるためにコンピューティングデバイスの少なくともプロセッサ上によって実行可能な一組の指令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体を提供する。本方法は、欠陥粒子を有するマスクを用いるウェーハの露光プロセスをシミュレートするためのリソグラフィモデルを設定すること、マスクのトポグラフィ及びマスクの欠陥粒子に基づいて、マスク付近の電磁場をシミュレートすることであって、電磁場がマスク付近の光路の決定を可能にすること、シミュレートされた電磁場に基づいて、ウェーハの空間像又はレジスト像をシミュレートすること、並びに、シミュレートされた空間像又はレジスト像に基づいて、リソグラフィシステムのための調節条件を決定すること、を含む。
【0016】
[0016] 本開示の実施形態の他の利点は、図解及び例を手段として本発明のいくつかの実施形態が記載される添付図面に関連して行われる以下の説明から明白になる。
【0017】
[0017] 本開示の上記の及び他の態様は、添付図面と組み合わせて解釈される例示的実施形態の説明からより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】[0018]本開示の実施形態に一致する、リソグラフィシステムの様々なサブシステムの概略ブロック図である。
図2】[0019]本開示の実施形態に一致する、複数のフィールドを有する露光ウェーハを示す。
図3A】[0020]本開示の実施形態に一致する例示的な荷電粒子ビーム検査システムを示す概略図である。
図3B】[0021]本開示の実施形態に一致する、図3Aの例示的な荷電粒子ビーム検査システムの一部であり得る例示的なマルチビームツールを示す概略図である。
図4】[0022]本開示の実施形態に一致する、欠陥印刷可能性及び欠陥検出可能性を示す例示的グラフである。
図5】[0023]本開示の実施形態に一致する、例示的なマスク欠陥検出システムのブロック図である。
図6A】[0024]本開示の実施形態に一致する、ウェーハに印刷されたクリティカルディメンジョンに対するドーズ調節の影響を示す例示的グラフである。
図6B】[0025]本開示の実施形態に一致する、ドーズ調節及び粒子サイズに従う欠陥印刷可能性を示す例示的グラフである。
図6C】[0026]本開示の実施形態に一致する、フォーカス及び露光ドーズの調節に従う例示的な欠陥印刷可能性プロセスウィンドウである。
図6D】[0027]本開示の実施形態に一致する、固定フォーカスにおける欠陥印刷可能性に対する露光ドーズ調節の影響を示す例示的グラフである。
図7A】[0028]本開示の実施形態に一致する、実験に基づいて調節条件を決定する例示的なプロセスを示す。
図7B】[0029]本開示の実施形態に一致する、シミュレーションに基づいて調節条件を決定する例示的なプロセスを示す。
図7C】[0030]本開示の実施形態に一致する、マスク欠陥印刷可能性シミュレーションのための例示的なソフトウェアプラットフォームを示す。
図8】[0031]本開示の実施形態に一致する、複数フィールドを有する例示的なウェーハを示す。
図9】[0032]本開示の実施形態に一致する、例示的なマスク欠陥検出方法を表すプロセスフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[0033] ここで、例示的な実施形態を詳細に参照する。これらの実施形態の例が、添付の図面に示されている。以下の説明は添付の図面を参照し、異なる図面中の同じ番号は、特に断りの無い限り、同じ又は同様の要素を表す。例示的な実施形態の以下の説明文中に記載される実施態様は、全ての実施態様を表すものではない。その代わり、それらは、添付の特許請求の範囲に列挙される開示される実施形態に関連する態様と一致する装置及び方法の単なる例にすぎない。例えば、いくつかの実施形態は、電子ビームを利用するという文脈で説明されているが、本開示はそのように限定はされない。他のタイプの荷電粒子ビームも、同様に適用することができる。更に、光学撮像、光検出、x線検出などの他の撮像システムが使用されることができる。
【0020】
[0034] 電子デバイスは、基板と呼ばれる半導体材料の断片上に形成される回路から構成される。半導体材料は、例えばシリコン、ガリウムヒ素、リン化インジウム、又はシリコンゲルマニウムなどを含み得る。多数の回路が、同じシリコン片上に一緒に形成されることができ、集積回路又はICと呼ばれる。多数のより多くの回路を基板上に収めることができるように、これらの回路の寸法は劇的に低減された。例えば、スマートフォン内のICチップは、親指の爪ほど小さいことがあり得るが、20億個を超えるトランジスタを含むことができ、各トランジスタの寸法は、人間の髪の毛の寸法の1/1000よりも小さい。
【0021】
[0035] これらの極めて小さな構造又は部品を有するICを製造することは、複雑で時間がかかり高価なプロセスであり、しばしば数百にのぼる個別ステップを含む。たった1つのステップでのエラーが、完成したICにおける欠陥をもたらし、そのICを使い物にならなくする可能性がある。従って、製造プロセスの目標の1つは、そのような欠陥を回避して、プロセスにおいて作製される機能的ICの数を最大化すること、即ち、プロセスの全体的歩留まりを向上させることである。
【0022】
[0036] 歩留まりを向上させる1つの構成要素は、チップ作製プロセスを監視して、十分な数の機能的集積回路が製造されていることを確認することである。プロセスを監視する1つの方法は、チップ回路構造物を形成する様々な段階において、チップ回路構造物を検査することである。検査は、走査荷電粒子顕微鏡(SCPM)を使用して行うことができる。例えば、SCPMは走査電子顕微鏡(SEM)であり得る。SCPMは、実際にはウェーハの構造の「写真」を撮り、それらの極めて小さな構造を撮像するために使用することができる。この画像を使用して、構造が適切な位置に適切に形成されたかどうかを判断することができる。構造に欠陥がある場合、その欠陥が再発しにくくなるようにプロセスを調節することができる。IC部品の物理的サイズが小さくなり続けるにつれ、欠陥検出の精度及び歩留まりがより重要になる。製造されたICの欠陥を識別又は分類するために、SEM画像などの検査画像を使用することができる。
【0023】
[0037] リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、マスク又はレチクルは、ICの個々の層に対応する回路パターン(「設計レイアウト」)を含み、又は提供し得、この回路パターンは、マスク上の回路パターンを通してターゲット部分に照射するなどの方法によって、放射感応性材料(「レジスト」)の層でコーティングされた基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、1つ又は複数のダイを含むもの)上に転写され得る。マスク欠陥は、プロセスの歩留まりに大いに影響を与え得る。マスク欠陥を識別し、マスク欠陥が識別されたときに適切なフォローアップ手続きをとるために、プリントされたウェーハを検査することによってマスクの状態が監視され得る。例えば、マスクの欠陥を除去する手続き、例えば、マスクを洗浄したり、又は再加工したりすることによってマスクの欠陥を除去する手続きが行われ得る。リソグラフィが大量生産(HVM)に移行すると、マスクの欠陥を見つけて直すことがより重要になる。
【0024】
[0038] プリントチェック方法において、ウェーハにパターンを形成するためにマスクが使用され、マスクの欠陥を検出するためにウェーハが検査される。例えば、ウェーハの欠陥を見つけるためにウェーハが検査され、複数のウェーハフィールドの同じ位置で欠陥が繰り返す場合、欠陥は、マスクの欠陥に起因すると決定され得る。SEM画像などの検査画像もプリントチェックに使用され得る。プリントチェックは、マスク欠陥がウェーハに繰り返し印刷されるという仮定に基づくが、外部粒子に起因する粒子欠陥を含むいくつかのマスク欠陥、確率論によってウェーハに確実に印刷されないこともある。外部粒子は、様々なIC製造プロセス又は放射線発生プロセスで発生され得る。例えば、マスク上の特定の粒子は、あるウェーハフィールドに印刷されるが、別のウェーハフィールドには印刷されないことがある。例えば、マスク上の60nmの粒子は、ウェーハ上にパターンを形成するためにマスクに照射される放射線の確率論的特性により、約10%の時間しか印刷されないことがある。従って、すべてのマスク欠陥を捕捉するためには、複数のウェーハフィールドを完全に検査する必要がある。しかしながら、複数のウェーハフィールドをSEMツールで完全に検査するには時間がかかり、このことは、全体的なスループットの低下につながり得る。従って、マスク欠陥検出性能の改善が望まれる。
【0025】
[0039] 本開示の実施形態は、ウェーハのマスク欠陥印刷可能性を改善するための機構を提供し得る。本開示のいくつかの実施形態によれば、マスクを使用してウェーハを露光する際のプロセス条件を調節することにより、マスク欠陥印刷可能性が改善され得る。本開示のいくつかの実施形態によれば、1つ又は複数のウェーハフィールドの完全な検査が、粒子欠陥を含む潜在的なマスク欠陥を識別し得る。本開示のいくつかの実施形態によれば、潜在的なマスク欠陥は、別のウェーハフィールドでスポット検査を行うことによって、欠陥がマスク欠陥であるか否かが検証され得る。本開示の実施形態は、実験又はシミュレーションに基づいて調整するためのプロセス条件を決定するための機構を提供し得る。
【0026】
[0040] 図面における構成要素の相対的な寸法は、理解しやすいように誇張されていることができる。以下の図面の説明では、同じ又は同様の参照番号は、同じ又は同様の構成要素又はエンティティを指しており、個々の実施形態に関して異なる点のみが説明されている。本明細書で使用する場合、特段の断りが無い限り、「又は」という用語は、実行不可能である場合を除いて、全ての可能な組み合わせを包含する。例えば、構成要素がA又はBを含むことができると記載されている場合、特段の断りが無い限り又は実行不可能で無い限り、構成要素はA、又はB、又はA及びBを含むことができる。第2の例として、構成要素がA、B、又はCを含むことができると記載されている場合、特段の断りが無い限り又は実行不可能で無い限り、構成要素はA、又はB、又はC、又はA及びB、又はA及びC、又はB及びC、又はA及びB及びCを含むことができる。
【0027】
[0041] 図1は、本開示の実施形態に一致する、リソグラフィシステムの様々なサブシステムの概略ブロック図である。図1に示すように、リソグラフィシステム10は、照明光源12と、照明光学系14と、マスク16(又はレチクル)と、伝送光学系18と、を含み得る。照明光源12は、深紫外エキシマレーザ光源、又は極端紫外(EUV)光源を含む他のタイプの光源であり得る。照明光学系14は、部分コヒーレンスを特徴付けてもよく、照明光源12からの放射線を整形する光学系14a及び14bを含み得る。伝送光学系18は、基板面19にマスクパターンの像を投影し得る。投影光学系18の瞳面における調節可能なフィルタ又はアパーチャは、基板面19に入射するビーム角の範囲を制限し得る。
【0028】
[0042] リソグラフィ装置において、照明光源12は、マスク16に照明(すなわち、放射線)を提供し、投影光学系は、マスク16を介して基板W上に照明を導き、整形する。「投影光学系」という用語は、本明細書では、放射ビームの波面を変え得るあらゆる光学部品を含むように広く定義される。例えば、投影光学系は、照明光学系14及び伝送光学系18の少なくともいくつかを含み得る。
【0029】
[0043] 本明細書では、実施形態をICの製造で使用することが具体的に参照されているが、実施形態は、多くの他の用途を有することを明確に理解されたい。例えば、実施形態は、一体型光学系、磁区メモリのガイダンスパターン及び検出パターン、液晶ディスプレイパネル、薄膜磁気ヘッドなどの製造に採用され得る。このような代替的な用途の文脈において、本明細書における「レチクル」、「ウェーハ」、又は「フィールド」という用語の使用は、それぞれ、より一般的な用語である「マスク」、「基板」、及び「ターゲット部分」と交換可能であるとみなされるべきであることが当業者には理解されよう。本文書では、「放射線」及び「ビーム」という用語は、あらゆるタイプの電磁放射線を包含するように使用され、そのような電磁放射線には、紫外線(例えば、365、248、193、157、又は126nmの波長を有するもの)及びEUV(例えば、5~20nmの範囲の波長を有する極端紫外線もの)が含まれる。
【0030】
[0044] 図2は、本開示の実施形態に一致する、複数のフィールドを有する露光ウェーハを示す。図2に示すように、ウェーハ20は、マスク(例えば、図1のマスク16)のエリアにそれぞれ対応する複数のフィールド21_1~21_nを含み得る。いくつかの実施形態では、マスクが、複数のフィールド21_1~21_nのそれぞれに回路パターンを生成するために使用される。いくつかの実施形態では、マスクが、リソグラフィシステム(例えば、図1のリソグラフィシステム)によって複数のフィールド21_1~21_n上に回路パターンを連続的に生成するために使用される。いくつかの実施形態では、各フィールドは1つのダイ又は任意の数のダイを含み得る。あるタイプのリソグラフィ装置では、マスク全体の回路パターンが1つのフィールドに1回で転写される。このような装置は一般にステッパと呼ばれる。一般にステップアンドスキャン装置と呼ばれる代替的な装置では、投影ビームがマスク上を所定の基準方向(「走査」方向)に走査する。マスク上の回路パターンの異なる部分が、漸進的に1つのフィールドに転写される。いくつかの実施形態では、ウェーハ20は、SEMツールによって検査されて、1つ又は複数のフィールド21_1~21_nを検査することによって、マスクの欠陥を見つける。
【0031】
[0045] 図3Aは、本開示の実施形態と一致した、例示的な電子ビーム検査(EBI)システム100を示す。EBIシステム100は、撮像のために使用されることができる。図3Aに示すように、EBIシステム100は、メインチャンバ101、装填/ロックチャンバ102、ビームツール104、及び機器フロントエンドモジュール(EFEM)106を含む。ビームツール104は、メインチャンバ101内部に配置されている。EFEM106は、第1の装填ポート106a及び第2の装填ポート106bを含む。EFEM106は、追加の装填ポートを含むことができる。第1の装填ポート106a及び第2の装填ポート106bは、検査対象のウェーハ(例えば、半導体ウェーハ、又は他の材料で作られたウェーハ)又はサンプル(ウェーハ及びサンプルは、互換的に使用されることができる)を収容するウェーハFOUP(front opening unified pod)を受け取る。「ロット」とは、バッチとして処理するために装填されることができる複数のウェーハである。
【0032】
[0046] EFEM106内の1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)が、ウェーハを装填/ロックチャンバ102に運ぶことができる。装填/ロックチャンバ102は、装填/ロック真空ポンプシステム(図示せず)に接続され、このポンプシステムは、大気圧よりも低い第1の圧力に達するように、装填/ロックチャンバ102内のガス分子を除去する。第1の圧力に達した後、1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)がウェーハを装填/ロックチャンバ102からメインチャンバ101に運ぶことができる。メインチャンバ101は、メインチャンバ真空ポンプシステム(図示せず)に接続され、このポンプシステムは、第1の圧力よりも低い第2の圧力に達するように、メインチャンバ101内のガス分子を除去する。第2の圧力に達した後、ウェーハはビームツール104による検査にかけられる。ビームツール104は、シングルビームシステム又はマルチビームシステムであり得る。
【0033】
[0047] コントローラ109がビームツール104に電子的に接続される。コントローラ109は、EBIシステム100の様々な制御を実行するように構成されるコンピュータであり得る。図3Aではメインチャンバ101、ロード/ロックチャンバ102、及びEFEM106を含む構造の外側にあるようにコントローラ109を図示するが、コントローラ109は構造の一部であり得ることが理解されよう。
【0034】
[0048] いくつかの実施形態では、コントローラ109は1つ又は複数のプロセッサ(図示せず)を含むことができる。プロセッサは、情報を操作又は処理することができる汎用的な又は特定の電子デバイスであり得る。例えば、プロセッサは、任意の数の、中央処理装置(即ち「CPU」)、グラフィックス処理装置(即ち「GPU」)、光プロセッサ、プログラマブル論理制御装置、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、デジタル・シグナル・プロセッサ、IP(intellectual property)コア、プログラマブル・ロジック・アレイ(PLA)、プログラマブル・アレイ・ロジック(PAL)、汎用アレイロジック(GAL)、コンプレックス・プログラマブル・ロジック・デバイス(CPLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、システム・オン・チップ(SoC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、及びデータ処理可能な任意の種類の回路、の任意の組み合わせを含むことができる。プロセッサはまた、ネットワークを介して結合された複数の機械又はデバイスにまたがって分散した1つ又は複数のプロセッサを含む、仮想プロセッサであり得る。
【0035】
[0049] いくつかの実施形態では、コントローラ109は更に、1つ又は複数のメモリ(図示せず)を含むことができる。メモリは、(例えば、バスを介して)プロセッサがアクセス可能なコード及びデータを記憶することができる、汎用の又は特定の電子デバイスであり得る。例えば、メモリは、任意の数のランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、光ディスク、磁気ディスク、ハードドライブ、ソリッド・ステート・ドライブ、フラッシュドライブ、セキュリティ・デジタル(SD)カード、メモリスティック、コンパクト・フラッシュ(CF)カード、又は任意の種類の記憶デバイス、の任意の組み合わせを含むことができる。コード及びデータには、オペレーティングシステム(OS)、及び特定のタスク用の1つ又は複数のアプリケーション・プログラム(即ち「apps」)が含まれることができる。メモリはまた、ネットワークを介して結合された複数の機械又はデバイスにまたがって分散した1つ又は複数のメモリを含む、仮想メモリであり得る。
【0036】
[0050] 図3Bは、本開示の実施形態に一致する、EBIシステム100(図3A)で使用するように構成され得る例示的なマルチビームツール104(本明細書では装置104とも呼ぶ)及び画像処理システム290の概略図を示す。
【0037】
[0051] ビームツール104は、荷電粒子源202、ガンアパーチャ204、集光レンズ206、荷電粒子源202から放出される一次荷電粒子ビーム210、放射源変換ユニット212、一次荷電粒子ビーム210の複数のビームレット214、216、及び218、一次投影光学系220、電動ウェーハステージ280、ウェーハホルダー282、複数の二次荷電粒子ビーム236、238、及び240、二次光学系242、及び荷電粒子検出デバイス244を含む。一次投影光学系220は、ビームセパレータ222、偏向走査ユニット226、及び対物レンズ228を含み得る。荷電粒子検出デバイス244は、検出サブ領域246、248、及び250を含み得る。
【0038】
[0052] 荷電粒子源202、ガンアパーチャ204、集光レンズ206、放射源変換ユニット212、ビームセパレータ222、偏向走査ユニット226、及び対物レンズ228は、装置104の一次光軸260とアライメントすることができる。二次光学系242及び荷電粒子検出デバイス244は、装置104の二次光軸252とアライメントすることができる。
【0039】
[0053] 荷電粒子源202は、電子、陽子、イオン、ミューオン、又は電荷を搬送する他の任意の粒子などの1つ又は複数の荷電粒子を放出することができる。いくつかの実施形態では、荷電粒子源202は電子放射源であり得る。例えば荷電粒子源202はカソード、抽出器、又はアノードを含むことができ、一次電子はカソードから放出され、(仮想の又は現実の)クロスオーバー208と共に一次荷電粒子ビーム210(この場合は一次電子ビーム)を形成するために抽出又は加速され得る。曖昧さを生じさせることなく説明を容易にするために、本明細書の説明の一部では電子を例として使用する。しかし、本開示の如何なる実施形態でも電子に限らず任意の荷電粒子を使用できることに留意すべきである。一次荷電粒子ビーム210は、クロスオーバー208から放出されているとき可視化され得る。ガンアパーチャ204は、クーロン効果を低減するために一次荷電粒子ビーム210の周辺荷電粒子を遮断することができる。クーロン効果は、プローブスポットのサイズの拡大を引き起こし得る。
【0040】
[0054] 放射源変換ユニット212は、画像形成素子のアレイ及びビーム制限アパーチャのアレイを含み得る。画像形成素子のアレイは、マイクロ偏向器又はマイクロレンズのアレイを含み得る。画像形成素子のアレイは、一次荷電粒子ビーム210の複数のビームレット214、216、及び218と共にクロスオーバー208の複数の(仮想の又は現実の)平行画像を形成することができる。ビーム制限アパーチャのアレイは、複数のビームレット214、216、及び218を制限することができる。図3Bには3つのビームレット214、216、及び218が示されているが、本開示の実施形態はこれに限定されない。例えばいくつかの実施形態では、装置104は第1の数のビームレットを生成するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ビームレットの第1の数は1から1000までの範囲内にあり得る。いくつかの実施形態では、ビームレットの第1の数は200~500の範囲内にあり得る。例示的実施形態では、装置104が400のビームレットを生成することができる。
【0041】
[0055] 集光レンズ206は、一次荷電粒子ビーム210を集束させることができる。放射源変換ユニット212の下流のビームレット214、216、及び218の電流は、集光レンズ206の集束力を調節することによって、又はビーム制限アパーチャのアレイ内の対応するビーム制限アパーチャの半径のサイズを変えることによって変化させることができる。対物レンズ228は、ビームレット214、216、及び218を撮像用のウェーハ230上に集束させることができ、ウェーハ230の表面上に複数のプローブスポット270、272、及び274を形成することができる。
【0042】
[0056] ビームセパレータ222は、静電双極子場及び磁気双極子場を生成するウィーンフィルタ型のビームセパレータであり得る。いくつかの実施形態では、これらが適用される場合、ビームレット214、216、及び218の荷電粒子(例えば電子)に対して静電双極子場が及ぼす力は、荷電粒子に対して磁気双極子場が及ぼす力に対して大きさが実質的に等しく、方向が反対であり得る。従って、ビームレット214、216、及び218はゼロの偏向角でビームセパレータ222を真っ直ぐに通過することができる。しかし、ビームセパレータ222によって生成されるビームレット214、216、及び218の総分散もゼロでないことがある。ビームセパレータ222は、二次荷電粒子ビーム236、238、及び240をビームレット214、216、及び218から分離し、二次荷電粒子ビーム236、238、及び240を二次光学系242に導くことができる。
【0043】
[0057] 偏向走査ユニット226は、ビームレット214、216、及び218を偏向させてウェーハ230の表面エリア上のプローブスポット270、272、及び274を走査することができる。プローブスポット270、272、及び274におけるビームレット214、216、及び218の入射に応答し、二次荷電粒子ビーム236、238、及び240がウェーハ230から放出され得る。二次荷電粒子ビーム236、238、及び240は、エネルギーの分布を有する荷電粒子(例えば電子)を含み得る。例えば、二次荷電粒子ビーム236、238、及び240は、二次電子(エネルギー≦50eV)及び後方散乱電子(50eVとビームレット214、216、及び218のランディングエネルギーとの間のエネルギー)を含む二次電子ビームであり得る。二次光学系242は、二次荷電粒子ビーム236、238、及び240を荷電粒子検出デバイス244の検出サブ領域246、248、及び250上に収束させることができる。検出サブ領域246、248、及び250は、対応する二次荷電粒子ビーム236、238、及び240を検出し、ウェーハ230の表面エリア上の又はその下の構造のSCPM画像を再構築するために使用される対応する信号(例えば電圧、電流など)を生成するように構成され得る。
【0044】
[0058] 生成される信号は、二次荷電粒子ビーム236、238、及び240の強度を表すことができ、荷電粒子検出デバイス244、一次投影光学系220、及び電動ウェーハステージ280と通信する画像処理システム290に提供され得る。走査プローブスポット(例えば走査プローブスポット270、272、及び274)の移動がウェーハ230上の関心エリアを整然とカバーするように、電動ウェーハステージ280の移動速度は偏向走査ユニット226によって制御されるビームの偏向と同期され調整され得る。かかる同期及び調整のパラメータは、ウェーハ230の様々な材料に適応するように調節することができる。例えばウェーハ230の異なる材料は、走査プローブスポットの移動に対して異なる信号感度を引き起こし得る異なる抵抗-容量特性を有する場合がある。
【0045】
[0059] 二次荷電粒子ビーム236、238、及び240の強度はウェーハ230の外部構造又は内部構造に応じて変化する場合があり、従ってウェーハ230が欠陥を含むかどうかを示すことができる。更に、上述したようにビームレット214、216、及び218は、異なる強度を有し得る二次荷電粒子ビーム236、238、及び240を生成するために、ウェーハ230の上面の異なる位置上に又はウェーハ230の局所構造の異なる側面上に投影することができる。従って、二次荷電粒子ビーム236、238、及び240の強度をウェーハ230のエリアとマップすることにより、画像処理システム290はウェーハ230の内部構造又は外部構造の特性を反映する画像を再構築することができる。
【0046】
[0060] いくつかの実施形態では、画像処理システム290は、画像取得器292、ストレージ294、及びコントローラ296を含むことができる。画像取得器292は、1つ又は複数のプロセッサを含むことができる。例えば画像取得器292は、コンピュータ、サーバ、メインフレームホスト、端末、パーソナルコンピュータ、任意の種類のモバイル計算装置など、又はそれらの組み合わせを含み得る。画像取得器292は、導電体、光ファイバケーブル、携帯ストレージ媒体、IR、ブルートゥース、インターネット、ワイヤレスネットワーク、ワイヤレス無線、又はそれらの組み合わせなどの媒体を介してビームツール104の荷電粒子検出デバイス244に通信可能に結合され得る。いくつかの実施形態では、画像取得器292は荷電粒子検出デバイス244から信号を受信することができ、画像を構築することができる。このようにして、画像取得器292はウェーハ230の走査荷電粒子顕微鏡(SCPM)画像を取得することができる。画像取得器292は、輪郭を生成すること、取得された画像上に指示子を重畳すること、などの様々な後処理機能を行うこともできる。画像取得器292は取得された画像の輝度及びコントラストなどの調節を行うように構成され得る。いくつかの実施形態では、ストレージ294は、ハードディスク、フラッシュドライブ、クラウドストレージ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、他の種類のコンピュータ可読メモリなどのストレージ媒体であり得る。ストレージ294は画像取得器292に結合することができ、走査済み生画像データを元画像及び後処理済み画像として保存するために使用され得る。画像取得器292及びストレージ294は、コントローラ296に接続されていてもよい。いくつかの実施形態では、画像取得器292、ストレージ294、及びコントローラ296が1つの制御ユニットとして一体化され得る。
【0047】
[0061] いくつかの実施形態では、画像取得器292は荷電粒子検出デバイス244から受信された撮像信号に基づきウェーハの1つ又は複数のSCPM画像を取得し得る。撮像信号は、荷電粒子撮像を行うための走査動作に対応し得る。取得された画像は、複数の撮像エリアを含む単一画像であり得る。単一画像はストレージ294内に格納され得る。単一画像は複数の領域に分割され得る元画像であり得る。これらの領域の各々は、ウェーハ230のフィーチャを含む1つの撮像エリアを含み得る。取得された画像は、一時系列にわたって複数回サンプリングされるウェーハ230の単一の撮像エリアの複数の画像を含み得る。複数の画像はストレージ294内に格納され得る。いくつかの実施形態では、画像処理システム290はウェーハ230の同一位置の複数の画像を用いて画像処理工程を行うように構成され得る。
【0048】
[0062] いくつかの実施形態では、画像処理システム290は、検出された二次荷電粒子(例えば二次電子)の分布を得るための測定回路(例えばアナログ/デジタル変換器)を含み得る。検出時間ウィンドウ中に収集された荷電粒子の分布データをウェーハ表面上に入射するビームレット214、216、及び218の対応する走査パスデータと組み合わせて使用して、検査中のウェーハ構造の画像を再構築することができる。再構築された画像は、ウェーハ230の内部構造又は外部構造の様々なフィーチャを明らかにするために使用することができ、それによりウェーハ内に存在する可能性がある任意の欠陥を明らかにするために使用され得る。
【0049】
[0063] いくつかの実施形態では、荷電粒子が電子であり得る。一次荷電粒子ビーム210の電子がウェーハ230の表面(例えばプローブスポット270、272、及び274)上に投影されると、一次荷電粒子ビーム210の電子はウェーハ230の粒子と相互作用して一定の深さまでウェーハ230の表面を貫通し得る。一次荷電粒子ビーム210の一部の電子は、ウェーハ230の材料と弾性的に(例えば弾性散乱又は衝突の形で)相互作用し、ウェーハ230の表面から反射又は跳ね返され得る。弾性相互作用は、相互作用の物体(例えば一次荷電粒子ビーム210の電子)の全運動エネルギーを保存し、相互作用する物体の運動エネルギーは他の形態のエネルギー(例えば熱、電磁エネルギーなど)に変換されない。このような弾性相互作用から発生する反射電子は、後方散乱電子(BSE)と呼ばれることがある。一次荷電粒子ビーム210の一部の電子は、ウェーハ230の材料と(例えば非弾性散乱又は衝突の形で)非弾性的に相互作用する場合がある。非弾性相互作用は、相互作用の物体の全運動エネルギーを保存せず、相互作用する物体の運動エネルギーの一部又は全てが他の形態のエネルギーに変換する。例えば非弾性相互作用により、一次荷電粒子ビーム210の一部の電子の運動エネルギーが材料の原子の電子励起及び遷移を引き起こす可能性がある。かかる非弾性相互作用は、二次電子(SE)と呼ばれることがあるウェーハ230の表面から出る電子を生成することもある。BSE及びSEの収量又は放出率は、数ある中でも例えば検査中の材料及び材料の表面上に照射される一次荷電粒子ビーム210の電子の照射エネルギーに依存する。一次荷電粒子ビーム210の電子のエネルギーは、その加速電圧(例えば図3Bの荷電粒子源202のアノードとカソードとの間の加速電圧)によって部分的に付与される場合がある。BSE及びSEの量は、一次荷電粒子ビーム210の注入電子よりも多い又は少ない場合がある(更には同じであり得る)。
【0050】
[0064] SEMによって生成された画像は、欠陥検査に使用することができる。例えば、ウェーハの試験デバイス領域を捕捉した生成画像を、同じ試験デバイス領域を捕捉した基準画像と比較することができる。基準画像は(例えばシミュレーションによって)予め決定され、既知の欠陥を含まない場合がある。生成画像と基準画像との差が許容水準を超える場合、潜在的欠陥が識別され得る。別の例として、SEMはウェーハの複数の領域を走査することであって、各領域は同じように設計された試験デバイス領域を含む、走査すること、及び製造時にそれらの試験デバイス領域を捕捉する複数の画像を生成することができる。複数の画像は互いに比較することができる。複数の画像間の差が許容水準を超える場合、潜在的欠陥が識別され得る。
【0051】
[0065] いくつかの実施形態では、SEM画像もまた、1つ又は複数のフィールド、例えば図2の21_1~21_nを検査することによってマスク欠陥を見つけるために利用され得る。欠陥が複数フィールド21_1~21_nで繰り返す場合、欠陥をマスク欠陥とみなすことができる。しかしながら、外部粒子に起因する粒子欠陥を含むいくつかのマスク欠陥は、ウェーハ上にパターンを形成するためにマスクに適用される放射線の確率論的特性により、すべてのフィールドに印刷されないこともある。例えば、マスク上の特定の粒子は、あるフィールドに欠陥として印刷されるが、別のフィールドには印刷されないことがある。従って、すべてのマスク欠陥を捕捉するために、複数のフィールドが検査されることがある。例えば、マスク上の特定のサイズの粒子は、約10%の時間しか印刷されないことがある。従って、このようなシナリオでは、粒子欠陥を含むすべてのマスク欠陥を捕捉するためには、ウェーハの多数のフィールドが検査される必要があり、これにより、マスク欠陥検出のスループットが低下する。
【0052】
[0066] 図4は、本開示の実施形態に一致する、欠陥印刷可能性及び欠陥検出可能性を示す例示的グラフである。図4では、フィールドに75%~100%の確率で印刷される欠陥が第1のグループAとしてグループ化され、フィールドに25%~75%の確率で印刷される欠陥が第2のグループBとしてグループ化され、フィールドに25%未満の確率で印刷される欠陥が第3のグループCとしてグループ化される。図4はまた、例示的な因子として粒子サイズあたりの欠陥印刷可能性の強度を示す。図4から、粒子サイズが縮小すると欠陥印刷可能性が減少し得ることに留意されたい。図4に示すように、3つのフィールドを検査することによって、第1のグループAの欠陥のほとんどすべてを検出することができ、3つのフィールドを検査することによって、第2のグループBの欠陥の約60~95%を検出することができ、3つのフィールドを検査することによって、第3のグループCの欠陥の60%未満を検出することができる。第2のグループB又は第3のグループCのすべてのマスク欠陥を検出するためには、4つ以上のフィールドが検査されてもよいことに留意されたい。
【0053】
[0067] IC部品の物理的サイズが小さくなり続けるにつれ、欠陥検出の精度及び歩留まりがより重要になる。SEM画像のピクセルサイズが、特定レベルの欠陥感度及び解像度を維持するために小さくなり続ける。従って、複数フィールドをSEMツールで検査するには時間がかかり、このことは、最終的に全体的な歩留まりを低下させ得る。本開示の実施形態は、1つのフィールドの完全な検査に基づいて、粒子欠陥を含むマスク欠陥を検出し得るマスク欠陥検出システムを提供し得る。本開示のいくつかの実施形態によれば、リソグラフィシステムを使用してウェーハを露光させるためのプロセス条件を調節することにより、マスク欠陥をウェーハに確実に印刷することができる。
【0054】
[0068] 次に、図5を参照すると、図5は、本開示の実施形態に一致する、例示的なマスク欠陥検出システムのブロック図である。いくつかの実施形態では、マスク欠陥検出システム500は、1つ又は複数のプロセッサ及びメモリを含み得る。様々な実施形態において、マスク欠陥検出システム500は、荷電粒子ビーム検査システム(例えば図3AのEBIシステム100)、又は計算機リソグラフィシステム、又は他のフォトリソグラフィシステムの一部とすることができ、又はそれらと別個であってもよいことが理解されよう。いくつかの実施形態では、マスク欠陥検出システム500は、本明細書で論じるようにコントローラ109に実装され得る1つ又は複数の構成要素(例えばソフトウェアモジュール)を含み得る。図5に示すように、マスク欠陥検出システム500は、調節条件取得器510と、露光ウェーハ取得器520と、欠陥識別器530と、欠陥検証器540と、を含み得る。
【0055】
[0069] 本開示のいくつかの実施形態によれば、調節条件取得器510は、リソグラフィシステムを使用してウェーハを露光させるために使用され得る調節プロセス条件を取得し得る。いくつかの実施形態では、調節条件が、ウェーハ上のマスク欠陥印刷可能性を強化し得る。いくつかの実施形態では、調節条件が、マスク上の粒子欠陥を含むマスク欠陥をより確実にウェーハ上に印刷され得るようにし、これにより、マスク欠陥検出率を向上させ得る。いくつかの実施形態では、外部粒子がマスクのパターンを部分的に遮る場合、粒子は、ウェーハ上にハード欠陥として印刷されるのではなく、ウェーハに印刷されたパターンを縮小又は拡大させ得る。この印刷されたパターンのサイズ変化がSEMツールの欠陥検出感度範囲外である場合、印刷されたパターンの検査が粒子欠陥を捕捉しないことがある。本開示のいくつかの実施形態によれば、粒子欠陥を含むマスク欠陥がウェーハ上にハード欠陥として印刷されるように欠陥印刷可能性を高めるように調節プロセス条件が選択され得る。いくつかの実施形態では、調節プロセス条件が、名目プロセス条件とは異なり得る。いくつかの実施形態では、名目プロセス条件が、生産のためにマスクを用いてウェーハを露光させるためのリソグラフィシステムの生産プロセス条件であり得る。いくつかの実施形態では、最もよくあるプロセス条件は、多くの場合、異なるフィールド又はウェーハの間のばらつきを最小化しながら、ウェーハの許容可能な品質が望まれている名目プロセス条件として定義され得る。いくつかの実施形態では、名目プロセス条件が、大量生産(HVM)のためにウェーハを印刷するのに適した最適なプロセス条件であり得る。
【0056】
[0070] 本開示のいくつかの実施形態によれば、欠陥印刷可能性を改善するように調整され得るプロセス条件が、リソグラフィシステム、例えば図1のリソグラフィシステム10の露光ドーズ、フォーカス、照明条件などを含み得る。いくつかの実施形態では、露光ドーズが、どれだけの量の光又は放射線を通すかを示すことができ、エネルギー密度mJ/cmの単位として、光強度に露光時間を乗じたものとして定義され得る。いくつかの実施形態では、露光ドーズが、とりわけ、リソグラフィシステム10の照明光源12の動作を制御することによって調節され得る。いくつかの実施形態では、フォーカスが、基板面19に対する伝送光学系18の焦点を示し得る。いくつかの実施形態では、フォーカスが、とりわけ、伝送光学系18の動作を制御することによって調節され得る。いくつかの実施形態では、フォーカスが、伝送光学系18のフィルタ、レンズなどの部品の動作を制御することによって調節され得る。
【0057】
[0071] いくつかの実施形態では、照明条件が、照明光源12からマスクに入射する放射線の特性を示し得る。放射線の特性は、放射線がマスクにどのように入射するかを表し得る。いくつかの実施形態では、照明条件が、これだけに限定されないが、マスクへの放射線の入射角度、マスクへの放射線のパターン、マスクに入射する放射ビームの数などを含み得る。いくつかの実施形態では、照明条件が、とりわけ、リソグラフィシステム10の照明光学系14の動作を制御することによって調節され得る。いくつかの実施形態では、照明光学系14が、フィルタ、レンズ、ミラーなどの様々な部品を含み得、このような様々な部品が、マスクに入射する放射ビームが所望の特性を有するように正確に調整するために使用され得る。いくつかの実施形態では、照明条件が、照明光学系14の照明瞳を制御することによって調節され得る。いくつかの実施形態では、照明瞳が、ファセットされた瞳ミラーアレイとして実装され得る。いくつかの実施形態では、照明条件が、瞳の数、各瞳の反射角度、瞳から出る放射パターンなどを調整することによって調節され得る。
【0058】
[0072] 図6Aは、本開示の実施形態に一致する、ウェーハに印刷されたクリティカルディメンジョンに対するドーズ調節の影響を示す例示的グラフである。図6Aは、特定の構造に対応する粒子がマスクに存在する場合、ウェーハに印刷された特定の構造のクリティカルディメンジョンが、露光ドーズが減少するにつれてどのように変化するかを示す。例えば、構造はコンタクトホールであり得、コンタクトホールのクリティカルディメンジョンはコンタクトホールの直径によって測定され得る。図6Aでは、ウェーハで測定された構造のクリティカルディメンジョンは、ウェーハを露光させるのに使用される露光ドーズが減少するにつれて小さくなる。例えば、露光ドーズが名目露光ドーズ(図6Aの下部の横軸に0%と示されるもの)から60%減少(図6Aの下部の横軸に-60%と示されるもの)すると、クリティカルディメンジョンは約45%減少する。クリティカルディメンジョンの変化がSEMツールの欠陥検出感度範囲に入ると、マスク上の粒子は、印刷されたウェーハ上のハード欠陥として検出され得る。図6Aから、露光ドーズが調節されると、マスク上の光を遮る粒子の影響が強くなり、これにより、粒子欠陥を含むマスク欠陥がハード欠陥として印刷されるように欠陥印刷可能性が向上し得ることに留意されたい。図6Aに示すように、露光ドーズを調節することにより、欠陥印刷可能性、ひいては欠陥検出可能性が改善され得る。
【0059】
[0073] 図6Bは、本開示の実施形態に一致する、ドーズ調節及び粒子サイズに従う欠陥印刷可能性を示す例示的グラフである。図6Bでは、第1の線L1は、ドーズ調節がない場合に粒子サイズに従って欠陥印刷可能性がどのように変化するかを示し、第2の線L2は、名目ドーズから10%のドーズ減少がある場合に粒子サイズに従って欠陥印刷可能性がどのように変化するかを示し、第3の線L3は、名目ドーズから20%のドーズ減少がある場合に粒子サイズに従って欠陥印刷可能性がどのように変化するかを示す。図6Bの粒子サイズ60における縦の点線によって、同じ粒子サイズの欠陥印刷可能性は、露光ドーズが減少するにつれて増加し得ることに留意されたい。図6Bから、粒子サイズが大きくなるにつれて欠陥印刷可能性が増加し得ることにも留意されたい。本開示のいくつかの実施形態によれば、露光ドーズ調節の影響が粒子サイズごとに異なり得る。本開示の粒子サイズ又はクリティカルディメンジョンの数値は、正確な値ではなく、異なる粒子サイズ又はクリティカルディメンジョンの間の比率を示すために使用されることを理解されたい。
【0060】
[0074] 図6Cは、本開示の実施形態に一致する、フォーカス及び露光ドーズの調節に従う例示的な欠陥印刷可能性プロセスウィンドウである。図6Cでは、フォーカスの変化が下部の横軸に示され、露光ドーズの変化が左側の縦軸に示され、フォーカス及び露光ドーズの変化に従う欠陥印刷可能性の変化が右側のコントラストバーによって定義されたコントラストレベルとして示される。図6Cでは、印刷可能性率が対数スケールで示され、接続された白線上のすべての点が同じレベルの印刷可能性率を有する。図6Cに示すように、フォーカス調節もまた、露光ドーズ調節に加えて欠陥印刷可能性に影響を与え得る。図6Cから、フォーカス調節が欠陥印刷可能性に与える影響が、露光ドーズによって変わり得る、そしてその逆も同様であり得ることに留意されたい。図6Cの露光ドーズ及びフォーカスの数値が、正確な値ではなく、ドーズ又はフォーカスレベルの比率を示すために使用されることも理解されたい。
【0061】
[0075] 図6Dは、本開示の実施形態に一致する、固定フォーカスにおける欠陥印刷可能性に対する露光ドーズ調節の影響を示す例示的グラフである。図6Dは、特定のフォーカスレベル、例えば図6Cのフォーカス値2において、露光ドーズが0%から-40%に減少した場合、欠陥印刷可能性がどのように変化し得るかを示している。図6Dでは、露光ドーズを-25%から-35%に減少させることにより、欠陥印刷可能性が約80%増加し得ることに留意されたい。プロセス条件調節なしで、それぞれのフィールドが約5%の欠陥印刷可能性を有する約32個の完全なフィールドを検査することによって同じレベルの欠陥検出率(例えば、80%)を達成することができることに留意されたい。
【0062】
[0076] 本開示のいくつかの実施形態によれば、照明条件もまた、ウェーハ上のマスク欠陥印刷可能性を変化させ得る。いくつかの実施形態では、照明条件の調節が、露光ドーズ又はフォーカスの調節が欠陥印刷可能性に与える影響の程度に影響を与え得る。例えば、照明条件を変えることによって、図6Dのグラフの形状又は勾配を変えることができる。従って、調節プロセス条件を決定する際、様々なプロセスパラメータが一緒に考慮され得る。露光ドーズ、フォーカス、又は照明条件の調節が欠陥印刷可能性に与える影響について説明してきたが、リソグラフィシステムを動作させる他のプロセスパラメータが調節パラメータとして利用されてもよいことを理解されたい。
【0063】
[0077] 再び図5を参照すると、本開示のいくつかの実施形態によれば、調節条件取得器510が、実験又はシミュレーションに基づいて調節条件を決定し得る。
【0064】
[0078] 図7Aは、本開示の実施形態に一致する、実験に基づいて調節条件を決定する例示的なプロセスを示す。図示のプロセス710は、ステップの順序を修正したり、追加のステップを含めたりするように変更されてもよいことを理解されたい。
【0065】
[0079] ステップS711において、ウェーハ上で複数フィールドが、異なるプロセス条件で露光され得る。いくつかの実施形態では、ステップS711は、図1のリソグラフィシステム10によって行われ得る。いくつかの実施形態では、1つのマスクパターンが異なるプロセス条件で複数回露光され得る。例えば、図2を参照すると、第1のフィールド21_1が第1のプロセス条件で露光され、第2のフィールド21_2が第2のプロセス条件で露光され、第nのフィールド21_nが第nのプロセス条件で露光され得る。いくつかの実施形態では、プロセス条件が1つのプロセスパラメータを含むことができ、各プロセス条件が異なるプロセスパラメータ値を含むことができる。いくつかの実施形態では、プロセス条件が、複数のプロセスパラメータを含むことができ、各条件が、複数のプロセスパラメータの異なるパラメータ値の組み合わせを含むことができる。
【0066】
[0080] ステップS712において、複数フィールドが検査されて、複数フィールドの欠陥を検出し得る。いくつかの実施形態では、ステップS712は、図3AのEBIシステム100又は図3Bの電子ビームツール104によって行われ得る。いくつかの実施形態では、欠陥を識別する検査が、フィールドの全エリアに対して行われ得る。いくつかの実施形態では、検査が、フィールドの部分エリアに対して行われ得る。例えば、フィールドの一部(例えば、1%のエリア)が検査されて、対応するフィールドの欠陥を検出し得る。
【0067】
[0081] ステップS713において、調節条件が、複数フィールドに対する検査結果に基づいて決定され得る。いくつかの実施形態では、調節条件が、検査結果に基づいて、複数フィールドの中から選択されたフィールドを露光させるために設定されたプロセス条件であり得る。いくつかの実施形態では、検査結果に基づいて、検査された複数フィールドの中から基準を満たす1つのフィールドが選択され得る。いくつかの実施形態では、基準が、検査によって検出される欠陥の数であり得る。調節条件はマスク欠陥印刷可能性を強化し得るが、プロセスパラメータの調節は、マスク欠陥に起因しない、プロセス欠陥と呼ばれ得る、印刷されたウェーハ上の他の欠陥をも増加させ得る。従って、いくつかの実施形態では、基準が、欠陥検証器540によって処理され得る欠陥の数であり得る。例えば、1%のエリア中に約10個の欠陥を含むフィールドが、検査された複数フィールドの中から選択され得る。いくつかの実施形態では、選択されたフィールドを露光させるために使用されたプロセス条件が、調節条件となるように選択され得る。
【0068】
[0082] 図7Bは、本開示の実施形態に一致する、シミュレーションに基づいて調節条件を決定する例示的なプロセスを示す。図示のプロセス720は、ステップの順序を修正したり、追加のステップを含めたりするように変更されてもよいことを理解されたい。
【0069】
[0083] ステップS721において、マスク欠陥印刷可能性をシミュレートするためのシミュレーション環境が設定され得る。本開示のいくつかの実施形態によれば、実際のウェーハにマスクパターンを印刷することなしに、マスク欠陥印刷可能性がシミュレートされ得る。いくつかの実施形態では、マスク欠陥印刷可能性のシミュレーションが、Tachyonなどのソフトウェアプラットフォームで行われ得る。図7Cは、本開示のいくつかの実施形態に一致する、マスク欠陥印刷可能性シミュレーションのための例示的なソフトウェアプラットフォームを示す。図7Cに示すように、ソフトウェアプラットフォーム731は、シミュレーション環境として、マスクパターン732と、粒子パラメータ733と、リソグラフィモデル734とを含み得る。
【0070】
[0084] いくつかの実施形態では、マスクパターン732が、検査されるマスクのパターンであり得る。いくつかの実施形態では、マスクパターン732が、マスクパターン732に対応するウェーハ設計のためのレイアウトファイルであり得る。レイアウトファイルは、グラフィックデータベースシステム(GDS)フォーマット、グラフィックデータベースシステムII(GDSII)フォーマット、オープンアートワークシステム相互交換標準(OASIS:Open Artwork System Interchange Standard)フォーマット、Caltech中間フォーマット(CIF:Caltech Intermediate Format)などであり得る。ウェーハの設計は、ウェーハ上に含めるためのパターン又は構造を含むことができる。パターン又は構造は、フォトリソグラフィマスク又はレチクルからウェーハにフィーチャを転写するために使用されるマスクパターンであり得る。いくつかの実施形態では、とりわけGDS又はOASISフォーマットのレイアウトは、ウェーハの設計に関係する平面幾何学的形状、テキスト、及び他の情報を表すバイナリファイルフォーマットで格納されるフィーチャ情報を含み得る。
【0071】
[0085] 本開示のいくつかの実施形態によれば、粒子パラメータ733が、これだけに限定されないが、粒子サイズ、マスクパターン(例えば、マスクパターン732)上の粒子位置、粒子材料、粒子形状などを含み得る。本開示のいくつかの実施形態では、ステップS721において、粒子パラメータ733が設定され得る。本開示のいくつかの実施形態によれば、リソグラフィモデル734が異なるプロセス条件で設定され得る。いくつかの実施形態では、プロセス条件が、露光ドーズ、フォーカス、照明条件などの何れか1つを含み得る。いくつかの実施形態では、各リソグラフィモデルが、プロセス条件の異なる設定を含み得る。
【0072】
[0086] ステップS722において、マスク欠陥印刷可能性が、ステップS721で設定されたシミュレーション環境下でシミュレートされ得る。いくつかの実施形態では、シミュレーションが、リソグラフィモデルごとに対応するプロセス条件で行われ得る。いくつかの実施形態では、マスク欠陥印刷可能性のシミュレーションが、マスク付近の電磁場のシミュレーションを含み得る。いくつかの実施形態では、マスク付近の電磁場が、マスクのトポグラフィ、マスク上の粒子位置、粒子特性などに基づいてシミュレートされ得る。いくつかの実施形態では、粒子特性が、これだけに限定されないが、サイズ、形状、構成材料などを含み得る。本開示のいくつかの実施形態によれば、マスク付近の電磁場が、マスクのトポグラフィ及びマスク上の粒子特性に従って変化し得、これにより、マスクに照射される光子の挙動を決定することが可能になり得る。マスク上の外部粒子の周りの電磁場分布が、粒子のない正常なマスクと比較して、マスクに照射される光子に対する粒子の影響を示し得る。本開示のいくつかの実施形態によれば、マスクのトポグラフィ及び粒子特性に従ってマスク付近の光路がどのように変更又は変化されるかが、マスク付近の電磁場に基づいて決定され得る。
【0073】
[0087] 本開示のいくつかの実施形態によれば、ステップS722において、ウェーハの空間像又はレジスト像が、シミュレートされた電磁場に基づいてシミュレートされ得る。リソグラフィ装置において、照明光源が、マスクに照明(すなわち、放射線)を提供し、投影光学系は、マスクを介してウェーハに照明を導き、整形する。空間像(AI)はウェーハ上の放射線強度分布である。ウェーハ上のレジスト層が露光され、空間像はそこに潜在する「レジスト像」(RI)としてレジスト層に転写される。レジスト像(RI)は、レジスト層におけるレジストの溶解度の空間分布として定義され得る。空間像からレジスト像を計算するためにレジストモデルを使用することができ、この一例は、同一出願人による米国特許出願公開第2009-0157360号に見出すことができ、同米国特許出願の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。レジストモデルは、レジスト層の特性(例えば、露光、PEB、及び現像の際に発生する化学的プロセスの影響)のみに関連する。リソグラフィ装置の光学特性(例えば、照明、マスク、及び投影光学系の特性)が空間像を決定付ける。リソグラフィ装置に使用されるマスクは変更され得るため、マスクの光学特性と、少なくとも照明光学系及び投影光学系を含むリソグラフィ装置の他の構成要素の光学特性とを分離することが望ましい。
【0074】
[0088] 本開示のいくつかの実施形態によれば、空間像又はレジスト像はまた、光がマスクで反射した後、マスク上の粒子の情報を運び得る。いくつかの実施形態では、シミュレートされた空間像が、ウェーハ上のレジスト層を露光させる放射線強度分布を含むことができる。図7Cは、一例として、粒子が空間像にどのように影響するかを示すために、ソフトウェアプラットフォーム731によって生成されたマスクパターンの2つの空間像735及び736を示す。この例では、マスクパターン上に粒子が存在しない場合に空間像735が生成され、同じマスクパターン上に粒子が存在する場合に空間像736が生成される。図7Cから、マスクパターン上の粒子の存在がウェーハ上の放射線強度分布を変化させ得ることに留意されたい。いくつかの実施形態では、マスク欠陥印刷可能性は、空間像に基づいて分析され得る。本開示のいくつかの実施形態によれば、レジスト像もまたレジストモデルと組み合わせることによりシミュレートされ得、このことにより、ウェーハ上のマスク欠陥印刷可能性の正確な予測が可能になり得る。
【0075】
[0089] ステップS723において、調節条件が、複数のリソグラフィモデルに対するシミュレーション結果に基づいて決定され得る。いくつかの実施形態では、調節条件が、選択されたリソグラフィモデルのために設定されたプロセス条件であり得る。いくつかの実施形態では、基準を満たす1つのリソグラフィモデルが、複数のリソグラフィモデルの中から選択され得る。いくつかの実施形態では、シミュレーションの結果が最適なマスク欠陥印刷可能性を提供する1つのリソグラフィモデルが選択され得る。いくつかの実施形態では、最適なマスク欠陥印刷可能性が、欠陥印刷可能性と、マスク欠陥に起因しないプロセス欠陥の数との間のトレードオフを考慮することによって決定され得る。異なる処理条件でリソグラフィモデルを設定し、最適なマスク欠陥印刷可能性を提供する1つのリソグラフィモデルを選択することについて説明してきたが、1つのリソグラフィモデルを使用する実施形態も適用可能であり得ることを理解されたい。例えば、1つのリソグラフィモデルが設定され得、プロセス条件を少しずつ変えながらシミュレートされた画像を観察することにより、プロセス条件が選択され得る。
【0076】
[0090] 再び図5を参照すると、本開示のいくつかの実施形態によれば、露光ウェーハ取得器520が、調節条件取得器510によって取得された調節条件で露光されたウェーハを取得し得る。いくつかの実施形態では、ウェーハは、1つのマスクに対応するパターンを有する複数フィールドを有し得る。図8は、本開示の実施形態に一致する、複数フィールド80_1~80_nを有するウェーハ80を示す。いくつかの実施形態では、複数フィールド80_1~80_nは、リソグラフィシステムによって同じマスクを用いて露光され得る。いくつかの実施形態では、ウェーハ80が、調節条件で露光される少なくとも1つのフィールド(例えば、80_1)を含み得る。いくつかの実施形態では、複数フィールドの残り(例えば、80_2から80_n)が名目プロセス条件で露光され得る。いくつかの実施形態では、残りのフィールド(例えば、80_2~80_n)は、名目条件から外れることがあるが、検証ステップに負担をかけ得るレベルの追加プロセスを作成することを依然として避けることができるプロセス条件で露光され得る。いくつかの実施形態によれば、名目からわずかに外れたプロセス条件を使用することは、図5の欠陥検証器540によるマスク欠陥検出率を更に高めることができる。いくつかの実施形態では、残りのフィールド(例えば、80_2から80_n)が互いに異なるプロセス条件で露光され得る。
【0077】
[0091] 再び図5を参照すると、本開示のいくつかの実施形態によれば、欠陥識別器530が、第1のフィールドの欠陥を識別し得る。いくつかの実施形態では、第1のフィールドは、調節条件取得器510によって取得された調節条件で露光される調節フィールド80_1であり得る。いくつかの実施形態では、調節フィールド80_1の欠陥が、調節フィールド80_1の検査画像から識別され得る。いくつかの実施形態では、検査画像は調節フィールド80_1のSEM画像である。いくつかの実施形態では、検査画像が、例えば図3AのEBIシステム100又は図3Bの電子ビームツール104によって生成される検査画像であり得る。本開示のいくつかの実施形態によれば、欠陥識別器530が、調節フィールドのすべての欠陥を見つけるために調節フィールド80_1の完全なフィールド検査を行い得る。例えば、調節フィールド80_1の全エリアの検査画像が取得され得、調節フィールド80_1上のすべての欠陥が識別され得る。いくつかの実施形態では、欠陥識別器530が、すべてのマスク欠陥を確実に見つけるために複数の調節フィールド(例えば、調節フィールド80_1)を完全に検査し得る。いくつかの実施形態では、欠陥識別器530によって識別された欠陥が、マスク欠陥又はプロセス欠陥を含み得る。いくつかの実施形態では、欠陥識別器530が、フィールド又はマスク上の対応する位置に関連する欠陥のリストを生成し得る。
【0078】
[0092] 本開示のいくつかの実施形態によれば、欠陥検証器540が、欠陥識別器530によって識別された欠陥がマスク欠陥であるか否かを検証し得る。本開示のいくつかの実施形態によれば、識別された欠陥のリストにある欠陥が、調節フィールド80_1と同じマスクで露光される第2のフィールド(例えば、80_2~80_n)を検査することによって、欠陥がマスク欠陥か否かを検証され得る。いくつかの実施形態では、欠陥検証器540が、識別された欠陥の位置におけるスポット検査を行い得る。例えば、欠陥検証器540が、調節フィールド80_1の識別された欠陥に対応する位置について第2のフィールド80_2を検査し得る。いくつかの実施形態では、調節フィールド80_1の識別された欠陥が第2のフィールド80_2で繰り返す場合、識別された欠陥はマスク欠陥と決定され得る。調節フィールド80_1の識別された欠陥が第2のフィールド80_2で繰り返さない場合、識別された欠陥は非マスク欠陥と決定され得る。いくつかの実施形態では、欠陥検証器540が、検証の精度を高めるために、追加のフィールドを検査し得る。例えば、欠陥検証器540が、複数の第2のフィールド80_2~80_nを検査して、識別された欠陥がマスク欠陥か否かを検証し得る。本開示のいくつかの実施形態によれば、欠陥検証器540が、マスク上の対応する位置に関連するマスク欠陥のリストを生成し得る。いくつかの実施形態では、マスク欠陥のリストは、対応するマスクからのマスク欠陥を直すために利用され得る。
【0079】
[0093] 図9は、本開示の実施形態に一致する、例示的なマスク欠陥検出方法を表すプロセスフローチャートである。方法900のステップは、システム(例えば、図5のシステム500)によって行われ得る。方法900のいくつかのステップは、荷電粒子ビーム検査システム(例えば、図3のEBIシステム100)、又は計算機リソグラフィシステム、又は他のフォトリソグラフィシステムによって行われ得る。図示の方法900は、ステップの順序を修正したり、追加のステップを含めたりするように変更されてもよいことを理解されたい。
【0080】
[0094] ステップS910において、調節条件が取得され得る。ステップS910は、例えばとりわけ調節条件取得器510によって行われ得る。いくつかの実施形態では、調節プロセスが、選択された調節条件で(リソグラフィシステムのマスクを使用して)ウェーハを露光させる際に、ウェーハ上のマスク欠陥印刷可能性を向上させ得る。いくつかの実施形態では、調節プロセス条件が、マスクの外部粒子を含むマスク欠陥をより確実にウェーハ上に印刷され得るようにし、これにより、マスク欠陥検出率を改善し得る。いくつかの実施形態では、調節プロセス条件が、マスクを用いてウェーハを露光させるためのリソグラフィシステムの名目プロセス条件とは異なり得る。本開示のいくつかの実施形態によれば、欠陥印刷可能性を改善するように調整され得るプロセス条件が、リソグラフィシステム、例えば図1のリソグラフィシステム10の露光ドーズ、フォーカス、照明条件などを含み得る。いくつかの実施形態によれば、調節条件が実験又はシミュレーションに基づいて取得され得る。調節条件を決定するプロセスを図7A及び図7Bに関して説明しており、従ってここでは簡潔にするために詳細な説明は省略する。
【0081】
[0095] ステップS920において、露光ウェーハが取得され得る。ステップS920は、例えばとりわけ露光ウェーハ取得器520によって行われ得る。いくつかの実施形態では、ウェーハは、ステップS910で取得された調節条件で露光されている。いくつかの実施形態では、図8に示すように、ウェーハ80が、それぞれが1つのマスクに対応するパターンを有する複数フィールド80_1~80_nを有し得る。いくつかの実施形態では、ウェーハ80が、ステップS910で取得された調節条件で露光される少なくとも1つのフィールド(例えば、80_1)を含み得る。いくつかの実施形態では、複数フィールドの残り(例えば、80_2から80_n)が、名目プロセス条件又は名目からわずかに外れた条件で露光され得る。いくつかの実施形態では、残りのフィールド(例えば、80_2から80_n)が互いに異なるプロセス条件で露光され得る。
【0082】
[0096] ステップS930において、第1のフィールドの欠陥が、第1のフィールドを検査することによって識別され得る。ステップS930は、例えばとりわけ欠陥識別器530によって行われ得る。いくつかの実施形態では、第1のフィールドは、ステップS920で取得された調節条件で露光される調節フィールド80_1であり得る。いくつかの実施形態では、調節フィールド80_1の欠陥が、調節フィールド80_1の検査画像から識別され得る。本開示のいくつかの実施形態によれば、調節フィールド80_1の完全なフィールド検査が、調節フィールドのすべての欠陥を見つけるために行われ得る。いくつかの実施形態では、すべてのマスク欠陥を確実に見つけるために複数の調節フィールドが完全に検査され得る。いくつかの実施形態では、フィールド又はマスク上の対応する位置に関連する欠陥のリストが生成され得る。
【0083】
[0097] ステップS940において、欠陥が、第2のフィールドを検査することによって検証され得る。ステップS940は、例えばとりわけ欠陥検証器540によって行われ得る。本開示のいくつかの実施形態によれば、ステップS930で識別された欠陥がマスク欠陥であるか否かが検証され得る。本開示のいくつかの実施形態によれば、識別された欠陥のリストにある欠陥が、調節フィールド80_1と同じマスクで露光される第2のフィールド(例えば、80_2~80_n)を検査することによって、欠陥がマスク欠陥か否かを検証され得る。いくつかの実施形態では、識別された欠陥の位置におけるスポット検査が検証のために行われ得る。いくつかの実施形態では、調節フィールド80_1の識別された欠陥が第2のフィールド80_2で繰り返す場合、識別された欠陥はマスク欠陥と決定され得る。調節フィールド80_1の識別された欠陥が第2のフィールド80_2で繰り返さない場合、識別された欠陥は非マスク欠陥と決定され得る。いくつかの実施形態では、検証の精度を高めるために、追加のフィールドが検査され得る。例えば、複数の第2のフィールド80_2~80_nが、識別された欠陥がマスク欠陥か否かを検証するために検査され得る。本開示のいくつかの実施形態によれば、マスク上の対応する位置に関連するマスク欠陥のリストが生成され得る。いくつかの実施形態では、マスク欠陥のリストは、対応するマスクからのマスク欠陥を直すために利用され得る。
【0084】
[0098] コントローラ(例えば図1のコントローラ109)のプロセッサがとりわけ画像検査、画像取得、ステージ位置決め、ビーム集束、電界調節、ビーム曲げ、集光レンズ調節、荷電粒子源の活性化、ビーム偏向、並びに方法710、720、及び900の少なくともいくつかのステップを実行するための指令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体が提供され得る。非一時的メディアの一般形式は、例えばフロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、磁気テープ、又は任意の他の磁気データストレージ媒体、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、任意の他の光学データストレージ媒体、穴のパターンを有する任意の物理的媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、プログラマブルROM(PROM)、及び消去可能プログラマブルROM(EPROM)、FLASH-EPROM又は任意の他のフラッシュメモリ、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、キャッシュ、レジスタ、任意の他のメモリチップ又はカートリッジ及びそのネットワーク化バージョンを含む。
【0085】
[0099] 実施形態は以下の条項を用いて更に説明することができる:
1.マスクを使用するリソグラフィシステムによって、選択されたプロセス条件下のマスク欠陥印刷可能性に基づいて決定される選択されたプロセス条件でウェーハが露光された後に、露光ウェーハを検査することと、
検査に基づいて、マスクの欠陥に起因するウェーハ欠陥を識別して、マスクの欠陥の識別を可能にすることと、
を含む、方法。
2.露光ウェーハが、第1のフィールド及び第2のフィールドであって、第1のフィールドが選択されたプロセス条件で露光され、第2のフィールドが選択されたプロセス条件とは異なるプロセス条件で露光される、第1のフィールド及び第2のフィールドを含む、条項1に記載の方法。
3.ウェーハ欠陥を識別することが、
第1のフィールドの全エリアを検査して、第1のフィールドの欠陥を識別すること
を含む、条項2に記載の方法。
4.ウェーハ欠陥を識別することが、
第1のフィールドの識別された欠陥の位置に対応する位置において第2のフィールドを検査すること
を更に含む、条項2又は3に記載の方法。
5.マスクを使用するリソグラフィシステムによって、異なるプロセス条件で試験ウェーハの複数フィールドのそれぞれを露光させること、
試験ウェーハの複数フィールドの複数を検査して、対応するフィールドの欠陥を識別すること、及び
検査に基づいて、選択されたプロセス条件を決定すること、
を更に含む、条項1~4の何れか一項に記載の方法。
6.選択されたプロセス条件を決定することが、
複数フィールドの中から基準を満たすフィールドを選択することであって、基準が、対応するフィールドで識別された欠陥の数の予め決定された範囲であることと、
選択されたフィールドを露光させるために使用されたプロセス条件を、選択されたプロセス条件となるように決定することと、
を含む、条項5に記載の方法。
7.試験ウェーハの複数フィールドの複数を検査することが、
複数フィールドのフィールドの部分エリアを検査して、部分エリアの欠陥を識別すること
を含む、条項5又は6に記載の方法。
8.欠陥粒子を有するマスクを用いるウェーハの露光プロセスをシミュレートするためのリソグラフィモデルを設定すること、
マスクのトポグラフィ及びマスクの欠陥粒子に基づいて、マスク付近の電磁場をシミュレートすることであって、電磁場がマスク付近の光路の決定を可能にすること、
シミュレートされた電磁場に基づいて、ウェーハの空間像又はレジスト像をシミュレートすること、並びに、
シミュレートされた空間像又はレジスト像に基づいて、リソグラフィシステムのための選択されたプロセス条件を決定すること、
を更に含む、条項1~4の何れか一項に記載の方法。
9.リソグラフィモデルを設定することが、
異なるプロセス条件で複数のリソグラフィモデルを設定すること
を含む、条項8に記載の方法。
10.プロセス条件が、露光ドーズ、フォーカス、又は照明条件を含む、条項1~9の何れか一項に記載の方法。
11.選択されたプロセス条件が、名目ドーズ未満の露光ドーズを含む、条項1~9の何れか一項に記載の方法。
12.名目ドーズが、生産プロセス条件に関連する、条項11に記載の方法。
13.マスクを使用するリソグラフィシステムによって、選択されたプロセス条件でウェーハを露光させることを更に含む、条項1~12の何れか一項に記載の方法。
14.調節条件を決定するための方法であって、
マスクを使用するリソグラフィシステムによって、異なるプロセス条件で試験ウェーハの複数フィールドのそれぞれが露光された後に、試験ウェーハの複数フィールドの複数を検査して、対応するフィールドの欠陥を識別すること、及び
検査に基づいて、調節条件を決定すること、
を含む、方法。
15.調節条件を決定することが、
複数フィールドの中から基準を満たすフィールドを選択することであって、基準が、対応するフィールドで識別された欠陥の数の予め決定された範囲であることと、
選択されたフィールドを露光させるために使用されたプロセス条件を、調節条件となるように決定することと、
を含む、条項14に記載の方法。
16.試験ウェーハの複数フィールドの複数を検査することが、
複数フィールドのフィールドの部分エリアを検査して、部分エリアの欠陥を識別すること
を含む、条項14又は15に記載の方法。
17.マスクを使用するリソグラフィシステムによってウェーハを露光させることであって、露光ウェーハが、第1のフィールド及び第2のフィールドであって、第1のフィールドが調節条件で露光され、第2のフィールドが調節条件とは異なる名目プロセス条件で露光される、第1のフィールド及び第2のフィールドを含むこと
を更に含む、条項14~16の何れか一項に記載の方法。
18.プロセス条件が、露光ドーズ、フォーカス、又は照明条件を含む、条項14~17の何れか一項に記載の方法。
19.マスクを使用するリソグラフィシステムによって、異なるプロセス条件で試験ウェーハの複数フィールドのそれぞれを露光させること
を更に含む、条項14~18の何れか一項に記載の方法。
20.調節条件を決定するための方法であって、
欠陥粒子を有するマスクを用いるウェーハの露光プロセスをシミュレートするためのリソグラフィモデルを設定すること、
マスクのトポグラフィ及びマスクの欠陥粒子に基づいて、マスク付近の電磁場をシミュレートすることであって、電磁場がマスク付近の光路の決定を可能にすること、
シミュレートされた電磁場に基づいて、ウェーハの空間像又はレジスト像をシミュレートすること、並びに、
シミュレートされた空間像又はレジスト像に基づいて、リソグラフィシステムのための調節条件を決定すること、
を含む、方法。
21.リソグラフィモデルを設定することが、
異なるプロセス条件で複数のリソグラフィモデルを設定すること
を含む、条項20に記載の方法。
22.調節条件を決定することが、
プロセス条件を変更しながら、シミュレートされた空間像及びレジスト像を観測することによって、調節条件を決定すること
を含む、条項20に記載の方法。
23.マスクを使用するリソグラフィシステムによってウェーハを露光させることであって、露光ウェーハが、第1のフィールド及び第2のフィールドであって、第1のフィールドが調節条件で露光され、第2のフィールドが調節条件とは異なる名目プロセス条件で露光される、第1のフィールド及び第2のフィールドを含むこと
を更に含む、条項20~22の何れか一項に記載の方法。
24.プロセス条件が、露光ドーズ、フォーカス、又は照明条件を含む、条項20~23の何れか一項に記載の方法。
25.マスクを使用するリソグラフィシステムによって露光されたウェーハを検査するように構成された荷電粒子ビームデバイスであって、
ウェーハの第1のフィールド及び第2のフィールドを照射するように構成された荷電粒子ビーム源であって、第1のフィールドが第1のプロセス条件で露光され、第2のフィールドが第1のプロセス条件とは異なる第2のプロセス条件で露光される、荷電粒子ビーム源と、
ウェーハの欠陥の識別を可能にする、ウェーハから放出された二次荷電粒子を収集するように構成された検出器であって、第1のフィールド及び第2のフィールドの対応するフィールドの欠陥の数が互いに異なる、検出器と、
マスク欠陥印刷可能性に基づいて第2のマスクを検査するために使用するプロセス条件の決定を助けるように構成されたプロセッサであって、マスク欠陥印刷可能性が識別された欠陥に基づいて決定される、プロセッサと、
を含む、荷電粒子ビームデバイス。
26.第1のプロセス条件が、露光ドーズ、フォーカス、又は照明条件において第2のプロセス条件とは異なる、条項25に記載のデバイス。
27.第1のプロセス条件が、名目ドーズ未満の露光ドーズを含む、条項25又は26に記載のデバイス。
28.第2のプロセス条件が、名目プロセス条件である、条項25~27の何れか一項に記載のデバイス。
29.荷電粒子ビーム源が、第1のフィールドの全エリアを照射して、第1のフィールドの欠陥を識別し、第1のフィールドの識別された欠陥の位置に対応する位置において第2のフィールドを照射するように構成される、条項25~28の何れか一項に記載のデバイス。
30.装置であって、
一組の指令を格納するメモリと、
マスクを使用するリソグラフィシステムによって、選択されたプロセス条件下のマスク欠陥印刷可能性に基づいて決定される選択されたプロセス条件でウェーハが露光された後に、露光ウェーハを検査することと、
検査に基づいて、マスクの欠陥に起因するウェーハ欠陥を識別して、マスクの欠陥の識別を可能にすることと、
を装置に行わせる一組の指令を実行するように構成された、少なくとも1つのプロセッサと、
を含む、装置。
31.露光ウェーハが、第1のフィールド及び第2のフィールドであって、第1のフィールドが選択されたプロセス条件で露光され、第2のフィールドが選択されたプロセス条件とは異なるプロセス条件で露光される、第1のフィールド及び第2のフィールドを含む、条項30に記載の装置。
32.ウェーハ欠陥を識別する際、少なくとも1つのプロセッサが、
第1のフィールドの全エリアを検査して、第1のフィールドの欠陥を識別すること
を装置に行わせる一組の指令を実行するように構成される、条項31に記載の装置。
33.ウェーハ欠陥を識別する際、少なくとも1つのプロセッサが、
第1のフィールドの識別された欠陥の位置に対応する位置において第2のフィールドを検査すること
を装置に行わせる一組の指令を実行するように構成される、条項31又は32に記載の方法。
34.少なくとも1つのプロセッサが、
マスクを使用するリソグラフィシステムによって、異なるプロセス条件で試験ウェーハの複数フィールドのそれぞれが露光された後に、試験ウェーハの複数フィールドの複数を検査して、対応するフィールドの欠陥を識別すること、及び
検査に基づいて、選択されたプロセス条件を決定すること
を装置に更に行わせる一組の指令を実行するように構成される、条項30~33の何れか一項に記載の装置。
35.選択されたプロセス条件を決定する際、少なくとも1つのプロセッサが、
複数フィールドの中から基準を満たすフィールドを選択することであって、基準が、対応するフィールドで識別された欠陥の数の予め決定された範囲であることと、
選択されたフィールドを露光させるために使用されたプロセス条件を、選択されたプロセス条件となるように決定することと、
を装置に更に行わせる一組の指令を実行するように構成される、条項34に記載の装置。
36.試験ウェーハの複数フィールドの複数を検査する際、少なくとも1つのプロセッサが、
複数フィールドのフィールドの部分エリアを検査して、部分エリアの欠陥を識別すること
を装置に行わせる一組の指令を実行するように構成される、条項34又は35に記載の装置。
37.少なくとも1つのプロセッサが、
欠陥粒子を有するマスクを用いるウェーハの露光プロセスをシミュレートするためのリソグラフィモデルを設定すること、
マスクのトポグラフィ及びマスクの欠陥粒子に基づいて、マスク付近の電磁場をシミュレートすることであって、電磁場がマスク付近の光路の決定を可能にすること、
シミュレートされた電磁場に基づいて、ウェーハの空間像又はレジスト像をシミュレートすること、並びに、
シミュレートされた空間像又はレジスト像に基づいて、リソグラフィシステムのための選択されたプロセス条件を決定すること、
を装置に更に行わせる一組の指令を実行するように構成される、条項30~33の何れか一項に記載の装置。
38.リソグラフィモデルを設定する際、少なくとも1つのプロセッサが、
異なるプロセス条件で複数のリソグラフィモデルを設定すること
を装置に更に行わせる一組の指令を実行するように構成される、条項37に記載の装置。
39.プロセス条件が、露光ドーズ、フォーカス、又は照明条件を含む、条項30~38の何れか一項に記載の装置。
40.選択されたプロセス条件が、名目ドーズ未満の露光ドーズを含む、条項30~39の何れか一項に記載の装置。
41.調節条件を決定するための装置であって、
一組の指令を格納するメモリと、
マスクを使用するリソグラフィシステムによって、異なるプロセス条件で試験ウェーハの複数フィールドのそれぞれが露光された後に、試験ウェーハの複数フィールドの複数を検査して、対応するフィールドの欠陥を識別することと、
検査に基づいて、調節条件を決定することと、
を装置に行わせる一組の指令を実行するように構成された、少なくとも1つのプロセッサと、
を含む、装置。
42.調節条件を決定する際、少なくとも1つのプロセッサが、
複数フィールドの中から基準を満たすフィールドを選択することであって、基準が、対応するフィールドで識別された欠陥の数の予め決定された範囲であることと、
選択されたフィールドを露光させるために使用されたプロセス条件を、調節条件となるように決定することと、
を装置に更に行わせる一組の指令を実行するように構成される、条項41に記載の装置。
43.試験ウェーハの複数フィールドの複数を検査する際、少なくとも1つのプロセッサが、
複数フィールドのフィールドの部分エリアを検査して、部分エリアの欠陥を識別すること
を装置に行わせる一組の指令を実行するように構成される、条項41又は42に記載の装置。
44.プロセス条件が、露光ドーズ、フォーカス、又は照明条件を含む、条項41~43の何れか一項に記載の装置。
45.調節条件を決定するための装置であって、
一組の指令を格納するメモリと、
欠陥粒子を有するマスクを用いるウェーハの露光プロセスをシミュレートするためのリソグラフィモデルを設定すること、
マスクのトポグラフィ及びマスクの欠陥粒子に基づいて、マスク付近の電磁場をシミュレートすることであって、電磁場がマスク付近の光路の決定を可能にすること、
シミュレートされた電磁場に基づいて、ウェーハの空間像又はレジスト像をシミュレートすること、並びに、
シミュレートされた空間像又はレジスト像に基づいて、リソグラフィシステムのための調節条件を決定すること、
を装置に行わせる一組の指令を実行するように構成された、少なくとも1つのプロセッサと、
を含む、装置。
46.リソグラフィモデルを設定する際、少なくとも1つのプロセッサが、
異なるプロセス条件で複数のリソグラフィモデルを設定すること
を装置に更に行わせる一組の指令を実行するように構成される、条項45に記載の装置。
47.調節条件を決定する際、少なくとも1つのプロセッサが、
プロセス条件を変更しながら、シミュレートされた空間像及びレジスト像を観測することによって、調節条件を決定すること
を装置に更に行わせる一組の指令を実行するように構成される、条項45に記載の装置。
48.プロセス条件が、露光ドーズ、フォーカス、又は照明条件を含む、条項45~47の何れか一項に記載の装置。
49.方法をコンピューティングデバイスに行わせるためにコンピューティングデバイスの少なくともプロセッサ上によって実行可能な一組の指令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、方法が、
マスクを使用するリソグラフィシステムによって、選択されたプロセス条件下のマスク欠陥印刷可能性に基づいて決定される選択されたプロセス条件でウェーハが露光された後に、露光ウェーハを検査すること、及び
検査に基づいて、マスクの欠陥に起因するウェーハ欠陥を識別して、マスクの欠陥の識別を可能にすること
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
50.露光ウェーハが、第1のフィールド及び第2のフィールドであって、第1のフィールドが選択されたプロセス条件で露光され、第2のフィールドが選択されたプロセス条件とは異なるプロセス条件で露光される、第1のフィールド及び第2のフィールドを含む、条項49に記載のコンピュータ可読媒体。
51.ウェーハ欠陥を識別する際、コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な一組の指令が、
第1のフィールドの全エリアを検査して、第1のフィールドの欠陥を識別すること
をコンピューティングデバイスに更に行わせる、条項50に記載のコンピュータ可読媒体。
52.ウェーハ欠陥を識別する際、コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な一組の指令が、
第1のフィールドの識別された欠陥の位置に対応する位置において第2のフィールドを検査すること
をコンピューティングデバイスに更に行わせる、条項50又は51に記載のコンピュータ可読媒体。
53.コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な一組の指令が、
マスクを使用するリソグラフィシステムによって、異なるプロセス条件で試験ウェーハの複数フィールドのそれぞれが露光された後に、試験ウェーハの複数フィールドの複数を検査して、対応するフィールドの欠陥を識別すること、及び
検査に基づいて、選択されたプロセス条件を決定すること
をコンピューティングデバイスに更に行わせる、条項49~52の何れか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
54.選択されたプロセス条件を決定する際、コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な一組の指令が、
複数フィールドの中から基準を満たすフィールドを選択することであって、基準が、対応するフィールドで識別された欠陥の数の予め決定された範囲であること、
選択されたフィールドを露光させるために使用されたプロセス条件を、選択されたプロセス条件となるように決定すること
をコンピューティングデバイスに更に行わせる、条項53に記載のコンピュータ可読媒体。
55.試験ウェーハの複数フィールドの複数を検査する際、コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な一組の指令が、
複数フィールドのフィールドの部分エリアを検査して、部分エリアの欠陥を識別すること
をコンピューティングデバイスに更に行わせる、条項53又は54に記載のコンピュータ可読媒体。
56.コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な一組の指令が、
欠陥粒子を有するマスクを用いるウェーハの露光プロセスをシミュレートするためのリソグラフィモデルを設定すること、
マスクのトポグラフィ及びマスクの欠陥粒子に基づいて、マスク付近の電磁場をシミュレートすることであって、電磁場がマスク付近の光路の決定を可能にすること、
シミュレートされた電磁場に基づいて、ウェーハの空間像又はレジスト像をシミュレートすること、並びに、
シミュレートされた空間像又はレジスト像に基づいて、リソグラフィシステムのための選択されたプロセス条件を決定すること
をコンピューティングデバイスに更に行わせる、条項49~52の何れか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
57.リソグラフィモデルを設定する際、コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な一組の指令が、
異なるプロセス条件で複数のリソグラフィモデルを設定すること
をコンピューティングデバイスに更に行わせる、条項56に記載のコンピュータ可読媒体。
58.プロセス条件が、露光ドーズ、フォーカス、又は照明条件を含む、条項49~57の何れか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
59.選択されたプロセス条件が、名目ドーズ未満の露光ドーズを含む、条項49~57の何れか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
60.調節条件を決定するための方法をコンピューティングデバイスに行わせるためにコンピューティングデバイスの少なくともプロセッサ上によって実行可能な一組の指令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、方法が、
マスクを使用するリソグラフィシステムによって、異なるプロセス条件で試験ウェーハの複数フィールドのそれぞれが露光された後に、試験ウェーハの複数フィールドの複数を検査して、対応するフィールドの欠陥を識別すること、及び
検査に基づいて、調節条件を決定すること
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
61.調節条件を決定する際、コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な一組の指令が、
複数フィールドの中から基準を満たすフィールドを選択することであって、基準が、対応するフィールドで識別された欠陥の数の予め決定された範囲であること、
選択されたフィールドを露光させるために使用されたプロセス条件を、調節条件となるように決定すること、
をコンピューティングデバイスに更に行わせる、条項60に記載のコンピュータ可読媒体。
62.試験ウェーハの複数フィールドの複数を検査する際、コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な一組の指令が、
複数フィールドのフィールドの部分エリアを検査して、部分エリアの欠陥を識別すること
をコンピューティングデバイスに更に行わせる、条項60又は61に記載のコンピュータ可読媒体。
63.プロセス条件が、露光ドーズ、フォーカス、又は照明条件を含む、条項60~62の何れか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
64.調節条件を決定するための方法をコンピューティングデバイスに行わせるためにコンピューティングデバイスの少なくともプロセッサ上によって実行可能な一組の指令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、方法が、
欠陥粒子を有するマスクを用いるウェーハの露光プロセスをシミュレートするためのリソグラフィモデルを設定すること、
マスクのトポグラフィ及びマスクの欠陥粒子に基づいて、マスク付近の電磁場をシミュレートすることであって、電磁場がマスク付近の光路の決定を可能にすること、
シミュレートされた電磁場に基づいて、ウェーハの空間像又はレジスト像をシミュレートすること、並びに、
シミュレートされた空間像又はレジスト像に基づいて、リソグラフィシステムのための調節条件を決定すること
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
65.リソグラフィモデルを設定する際、コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な一組の指令が、
異なるプロセス条件で複数のリソグラフィモデルを設定すること
をコンピューティングデバイスに更に行わせる、条項64に記載のコンピュータ可読媒体。
66.調節条件を決定する際、コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な一組の指令が、
プロセス条件を変更しながら、シミュレートされた空間像及びレジスト像を観測することによって、調節条件を決定すること
をコンピューティングデバイスに更に行わせる、条項64に記載のコンピュータ可読媒体。
67.プロセス条件が、露光ドーズ、フォーカス、又は照明条件を含む、条項64~66の何れか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
68.試験ウェーハの複数フィールドが、試験ウェーハのすべてのフィールドのサブセットであり、サブセットがすべてのフィールドより少ない、条項5、14、又は19の何れか一項に記載の方法。
69.マスク及び第2のマスクが、同じ単一のマスクである、条項25に記載のデバイス。
【0086】
[00100] 図中のブロック図は、本開示の様々な例示的実施形態によるシステム、方法、及びコンピュータハードウェア又はソフトウェア製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能、及び動作を示し得る。この点に関して、概略図における各ブロックは、電子回路などのハードウェアを用いて実装され得る一定の算術演算処理又は論理演算処理を表し得る。ブロックは、指定の論理機能を実装するための1つ又は複数の実行可能指令を含むコードのモジュール、セグメント、又は一部を表すこともある。一部の代替的実装形態では、ブロック内に示す機能が図面に示す順序と異なる順序で生じ得ることを理解すべきである。例えば関与する機能にもよるが、連続して示す2つのブロックをほぼ同時に実行又は実装することができ、又は2つのブロックを逆の順序で実行できる場合もある。一部のブロックは省略することもできる。ブロック図の各ブロック及びブロックの組み合わせは、指定の機能又は行為を実行する専用のハードウェアベースのシステムによって、又は専用のハードウェア及びコンピュータ指令の組み合わせによって実装され得ることも理解すべきである。
【0087】
[00101] 本開示の実施形態は、上記で説明し、添付の図面に図示した通りの構成に限定されるものではなく、また、本発明の範囲から逸脱することなく様々な修正及び変更を加えることができることを理解されたい。本開示は様々な実施形態に関連して説明されたが、本発明の他の実施形態は、本明細書の考察と本明細書において開示された本発明の実行から当業者にとって明白となる。本明細書及び例は例示的にすぎないと考えられ、本発明の真の範囲と精神は以下の特許請求の範囲により指示されるということが意図されている。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図8
図9
【国際調査報告】