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特表2024-532700カチオン交換体によるアデノ随伴ウイルス分離
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-10
(54)【発明の名称】カチオン交換体によるアデノ随伴ウイルス分離
(51)【国際特許分類】
   C12N 7/02 20060101AFI20240903BHJP
   C12N 11/00 20060101ALI20240903BHJP
   A61K 35/76 20150101ALI20240903BHJP
【FI】
C12N7/02
C12N11/00
A61K35/76
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506633
(86)(22)【出願日】2022-08-03
(85)【翻訳文提出日】2024-03-25
(86)【国際出願番号】 IB2022000436
(87)【国際公開番号】W WO2023012514
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】63/229,303
(32)【優先日】2021-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
2.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】000002934
【氏名又は名称】武田薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100139723
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100116540
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 香
(72)【発明者】
【氏名】フィードラー,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ミッテルグラトネッガー,ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】ハシュラヒャー,マインハルト
(72)【発明者】
【氏名】ガッテルニク,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァシナ,ダニエラ
(72)【発明者】
【氏名】フェルトホーファー,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】プファンドル,レナーテ
【テーマコード(参考)】
4B033
4B065
4C087
【Fターム(参考)】
4B033NA11
4B033NB62
4B033NB68
4B033ND01
4B065AA95X
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA01
4B065BD14
4B065CA24
4B065CA44
4C087AA01
4C087AA03
4C087BC83
4C087CA12
4C087NA06
4C087NA07
(57)【要約】
本開示は、アデノ随伴ウイルスを精製する方法であって、空AAVカプシド及び完全AAVカプシドを含む濃縮されたAAV画分または調製物から完全AAVカプシドを精製することを含む、方法を提供する。本開示はまた、アデノ随伴ウイルスを精製する方法であって、空AAVカプシド及び完全AAVカプシドを含む濃縮されたAAV画分または調製物から空AAVカプシドを精製することを含む、方法を提供する。方法は、精製された完全AAVカプシドまたは空AAVカプシドを得るために、1つ以上の一価カチオン及び1つ以上の二価カチオンを利用して分離を行う。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
完全AAVカプシド及び空AAVカプシドを含むAAV調製物から完全AAVカプシドを精製して、空AAVカプシドを実質的に含まないAAV生成物を提供するための方法であって、
(a)完全AAVカプシド、空AAVカプシド、1つ以上の一価カチオン、及び1つ以上の二価カチオンを含む第1の溶液を提供するステップと、
(b)前記第1の溶液をカチオン交換カラムに対して、前記完全AAVカプシド及び前記空AAVカプシドが前記カラムに結合する条件下でロードするステップと、
(c)1つ以上の一価カチオン及び1つ以上の二価カチオンを含む第2の溶液を前記カチオン交換カラムに対して、前記完全AAVカプシドが前記空AAVカプシドから精製される条件下で添加するステップと
を含む、前記方法。
【請求項2】
AAV調製物中の完全AAVカプシド及び空AAVカプシドを分離する方法であって、
(a)完全AAVカプシド、空AAVカプシド、1つ以上の一価カチオン、及び1つ以上の二価カチオンを含む第1の溶液を提供するステップと、
(b)前記第1の溶液をカチオン交換カラムに対して、前記完全AAVカプシド及び前記空AAVカプシドが前記カラムに結合する条件下でロードするステップと、
(c)1つ以上の一価カチオン及び1つ以上の二価カチオンを含む第2の溶液を前記カチオン交換カラムに対して、前記完全AAVカプシドが前記空AAVカプシドから分離される条件下で添加するステップと
を含む、前記方法。
【請求項3】
前記第1の溶液の前記1つ以上の一価カチオンが、Na、K、NH 、Li、Cs、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の溶液の前記1つ以上の一価カチオンが、Naである、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の溶液の前記1つ以上の一価カチオンが、約5mM~約1500mMの総濃度である、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の溶液の前記1つ以上の一価カチオンが、約30mMの総濃度である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の溶液の前記1つ以上の二価カチオンが、Ca2+、Mg2+、Zn2+、Mn2+、Cu2+、Fe2+、Ba2+、Sr2+、Co2+、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の溶液の前記1つ以上の二価カチオンが、Ca2+である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の溶液の前記1つ以上の二価カチオンが、約1mM~約30mMの総濃度である、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の溶液の前記1つ以上の二価カチオンが、約2mMの総濃度である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の溶液が、約5.0~約8.5のpHを有する、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の溶液が、約6.0のpHを有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の溶液が、1つ以上の界面活性剤を更に含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記1つ以上の界面活性剤が、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリオキシエチレングリコールtert-オクチルフェノールエーテル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレン(20)-ソルビタン-モノオレエート(Tween 80/ポリソルベート80))、ポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー407、クレモフォア、Triton N-101還元型、Triton X-100、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記界面活性剤が、ポリソルベート80である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記1つ以上の界面活性剤が、約0.0025w/w%~約0.0075w/w%の合計量である、請求項13~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記1つ以上の界面活性剤が、約0.005w/w%の合計量である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記カチオン交換カラムが、荷電基を有する樹脂を含み、前記荷電基は、スルホン酸基、硫酸基、スルホプロピル基、カルボン酸基、リン酸基、またはこれらの組み合わせである、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記カチオン交換カラムが、樹脂を含み、前記樹脂は、CaptoS、Eshmuno S、Mustang S、Poros 50HS、Poros 50 XS、S-Sepharose FF、Source S、Capto MMC、Toyopearl Gigacap S、Gigacap CM、Toyopearl SP、Toyopearl CM、MacroPrep S、UNOsphereS、MacroprepCM、Fractogel EMD SO3、Fractogel EMD COO、Fractogel EMD SE Hicap、Cellufine Sulfate、CM及びSP Trisacryl、CM及びS HyperD、S及びCM Sepharose CL、CM Sepharose FF、S及びCM CAPTO(商標)、MonoS、Nuvia S、Cellufine phosphat、Cellufine MAX-S r、Cellufine MAX-S h、Cellufine MAX DexS-HbP、Cellufine MAX DexS-VirS、Toyopearl Sulfate 650、またはHeparin Sepharose High Performanceである、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記樹脂が、CaptoSである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記樹脂が、Eshmuno Sである、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記樹脂が、Mustang Sである、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記第2の溶液の前記1つ以上の一価カチオンが、Na、K、NH 、Li、Cs、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記第2の溶液の前記一価カチオンが、Naである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第2の溶液の前記1つ以上の二価カチオンが、Ca2+、Mg2+、Zn2+、Mn2+、Cu2+、Fe2+、Ba2+、Sr2+、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記第2の溶液の前記1つ以上の二価カチオンが、Ca2+である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第2の溶液が、約5.0~約8.5のpHを有する、請求項1~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記第2の溶液が、約6.0のpHを有する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第2の溶液が、1つ以上の界面活性剤を更に含む、請求項1~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記1つ以上の界面活性剤が、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリオキシエチレングリコールtert-オクチルフェノールエーテル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレン(20)-ソルビタン-モノオレエート(Tween 80/ポリソルベート80))、ポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー407、クレモフォア、Triton N-101還元型、Triton X-100、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記界面活性剤が、ポリソルベート80である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記1つ以上の界面活性剤が、約0.0025%~約0.0075w/w%の合計量である、請求項29~31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記1つ以上の界面活性剤が、約0.005w/w%の合計量である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記第2の溶液の前記添加が、一定の総濃度の前記1つ以上の一価カチオンで実施される、請求項1~33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記第2の溶液の前記1つ以上の一価カチオンが、約5mM~約1500mMの一定の総濃度である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記第2の溶液の前記1つ以上の一価カチオンが、約30mMの一定の総濃度である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記第2の溶液の前記添加が、一定の総濃度の前記1つ以上の二価カチオンで実施される、請求項1~33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記第2の溶液の前記1つ以上の二価カチオンが、約1mM~約30mMの一定の総濃度である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記第2の溶液の前記1つ以上の二価カチオンが、約2mMの一定の総濃度である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記第2の溶液の前記添加が、前記1つ以上の一価カチオンの総濃度を段階的に増加させることを含む、請求項1~33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
前記第2の溶液の前記1つ以上の一価カチオンの初期総濃度が、約15mM~約60mMである、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記第2の溶液の前記1つ以上の一価カチオンの前記初期総濃度が、約30mMである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記第2の溶液の前記1つ以上の一価カチオンの中間総濃度が、約100mM~約300mMである、請求項40~42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
前記第2の溶液の前記1つ以上の一価カチオンの前記中間総濃度が、約200mMである、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記第2の溶液の前記1つ以上の一価カチオンの最終総濃度が、約500mM~約1500mMである、請求項40~44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
前記第2の溶液の前記1つ以上の一価カチオンの前記最終総濃度が、約1000mMである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記第2の溶液の前記添加が、前記1つ以上の二価カチオンの総濃度を段階的に増加させることを含む、請求項1~33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記第2の溶液の前記1つ以上の二価カチオンの初期総濃度が、約1mM~約10mMである、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記第2の溶液の前記1つ以上の二価カチオンの中間総濃度が、約10mM~約20mMである、請求項47または請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記第2の溶液の前記1つ以上の二価カチオンの最終総濃度が、約20mM~約30mMである、請求項47~49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記第2の溶液の前記添加が、前記1つ以上の一価カチオンの総濃度を連続的に直線的に増加させることを含む、請求項1~33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
前記第2の溶液の前記1つ以上の一価カチオンの総濃度の前記連続的な直線的増加が、40カラム容量で約30mM~約200mMである、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記第2の溶液の前記1つ以上の一価カチオンの総濃度の前記連続的な直線的増加が、40カラム容量で約30mM~約80mMである、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記第2の溶液の前記1つ以上の一価カチオンの総濃度の前記連続的な直線的増加が、40カラム容量で約30mM~約40mMである、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記第2の溶液の前記1つ以上の一価カチオンの総濃度の前記連続的な直線的増加が、5カラム容量で約30mM~約200mMである、請求項51に記載の方法。
【請求項56】
前記第2の溶液の前記1つ以上の一価カチオンの総濃度の前記連続的な直線的増加が、5カラム容量で約30mM~約80mMである、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記第2の溶液の前記1つ以上の一価カチオンの総濃度の前記連続的な直線的増加が、5カラム容量で約30mM~約80mMである、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記第2の溶液の前記添加が、前記1つ以上の二価カチオンの総濃度を連続的に直線的に増加させることを含む、請求項1~33及び51~54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
前記第2の溶液の前記1つ以上の二価カチオンの総濃度の前記連続的な直線的増加が、40カラム容量で約1mM~約30mMである、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記第2の溶液の前記1つ以上の二価カチオンの総濃度の前記連続的な直線的増加が、40カラム容量で約1mM~約15mMである、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記第2の溶液の前記1つ以上の二価カチオンの総濃度の前記連続的な直線的増加が、40カラム容量で約1mM~約5mMである、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記第2の溶液の前記1つ以上の二価カチオンの総濃度の前記連続的な直線的増加が、5カラム容量で約1mM~約30mMである、請求項58に記載の方法。
【請求項63】
前記第2の溶液の前記1つ以上の二価カチオンの総濃度の前記連続的な直線的増加が、5カラム容量で約1mM~約15mMである、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記第2の溶液の前記1つ以上の二価カチオンの総濃度の前記連続的な直線的増加が、5カラム容量で約1mM~約5mMである、請求項62に記載の方法。
【請求項65】
前記AAVカプシドが、AAV2、AAV3、AAV3b、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、遺伝子改変AAV、化学改変AAV、遺伝子化学改変AAV、及びこれらの組み合わせからなる群に由来する、請求項1~64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
前記AAVカプシドが、AAV8に由来する、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記AAVカプシドが、AAV9に由来する、請求項65に記載の方法。
【請求項68】
前記AAVカプシドが、AAV6に由来する、請求項65に記載の方法。
【請求項69】
請求項1~68のいずれか1項に記載の方法に従って精製された完全AAVカプシドを薬学的に許容される担体中に含むAAV製剤であって、空AAVカプシドを実質的に含まない、前記AAV製剤。
【請求項70】
請求項1~68のいずれか1項に記載の方法によって作製されたAAV生成物を含む、医薬組成物。
【請求項71】
空AAVカプシド及び完全AAVカプシドを含むAAV調製物から空AAVカプシドを精製して、空AAVカプシドを実質的に含まないAAV生成物を提供するための方法であって、
(a)空AAVカプシド、完全AAVカプシド、1つ以上の一価カチオン、及び1つ以上の二価カチオンを含む第1の溶液を提供するステップと、
(b)前記第1の溶液をカチオン交換カラムに対して、前記空AAVカプシド及び前記完全AAVカプシドが前記カラムに結合する条件下でロードするステップと、
(c)1つ以上の一価カチオン及び1つ以上の二価カチオンを含む第2の溶液を前記カチオン交換カラムに対して、前記空AAVカプシドが前記完全AAVカプシドから精製される条件下で添加するステップと
を含む、前記方法。
【請求項72】
AAV調製物中の空AAVカプシド及び完全AAVカプシドを分離する方法であって、
(a)空AAVカプシド、完全AAVカプシド、1つ以上の一価カチオン、及び1つ以上の二価カチオンを含む第1の溶液を提供するステップと、
(b)前記第1の溶液をカチオン交換カラムに対して、前記空AAVカプシド及び前記完全AAVカプシドが前記カラムに結合する条件下でロードするステップと、
(c)1つ以上の一価カチオン及び1つ以上の二価カチオンを含む第2の溶液を前記カチオン交換カラムに対して、前記空AAVカプシドが前記完全AAVカプシドから分離される条件下で添加するステップと
を含む、前記方法。
【請求項73】
前記空AAVカプシドが、AAV2、AAV3、AAV3b、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、遺伝子改変AAV、化学改変AAV、遺伝子化学改変AAV、及びこれらの組み合わせからなる群に由来する、請求項71または72に記載の方法。
【請求項74】
前記空AAVカプシドが、AAV8に由来する、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記空AAVカプシドが、AAV9に由来する、請求項73に記載の方法。
【請求項76】
前記空AAVカプシドが、AAV6に由来する、請求項73に記載の方法。
【請求項77】
免疫吸収カラムを調製する方法であって、
(a)請求項71または72に記載の空AAVカプシドを限外濾過によって濃縮するステップと、
(b)アミン不含バッファーにバッファー交換するステップと、
(c)前記空AAVカプシドを活性化樹脂上に固定化するステップと
を含む、前記方法。
【請求項78】
免疫吸収カラムを調製する方法であって、
(a)請求項71または72に記載の空AAVカプシドをアニオン交換体によって濃縮するステップと、
(b)アミン不含バッファーにバッファー交換するステップと、
(c)前記空AAVカプシドを活性化樹脂上に固定化するステップと
を含む、前記方法。
【請求項79】
免疫吸収カラムを調製する方法であって、
(a)請求項71または72に記載の空AAVカプシドをカチオン交換体によって濃縮するステップと、
(b)アミン不含バッファーにバッファー交換するステップと、
(c)前記空AAVカプシドを活性化樹脂上に固定化するステップと
を含む、前記方法。
【請求項80】
免疫吸収カラムを調製する方法であって、
(a)請求項1または2に記載の完全AAVカプシドを限外濾過によって濃縮するステップと、
(b)患者の治療に好適なバッファーにバッファー交換するステップと
を含む、前記方法。
【請求項81】
免疫吸収カラムを調製する方法であって、
(a)請求項1または2に記載の完全AAVカプシドをアニオン交換体によって濃縮するステップと、
(b)患者の治療に好適なバッファーにバッファー交換するステップと
を含む、前記方法。
【請求項82】
免疫吸収カラムを調製する方法であって、
(a)請求項1または2に記載の完全AAVカプシドをカチオン交換体によって濃縮するステップと、
(b)患者の治療に好適なバッファーにバッファー交換するステップと
を含む、前記方法。
【請求項83】
前記AAV生成物が、約30%未満の空AAVカプシドを含む、請求項1~68のいずれか1項に記載の方法。
【請求項84】
前記AAV生成物が、約20%未満の空AAVカプシドを含む、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記AAV生成物が、約6%未満の空AAVカプシドを含む、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記AAV製剤または組成物が、約30%未満の空AAVカプシドを含む、請求項69に記載のAAV製剤または請求項70に記載の組成物。
【請求項87】
前記AAV製剤または組成物が、約20%未満の空AAVカプシドを含む、請求項86に記載のAAV製剤または組成物。
【請求項88】
前記AAV製剤または組成物が、約6%未満の空AAVカプシドを含む、請求項87に記載のAAV製剤または組成物。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2021年8月4日に出願された米国特許仮出願第63/229,303号の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
アデノ随伴ウイルス(AAV)は、線状一本鎖DNAゲノムをパッケージングしたエンベロープのない小型ウイルスである。AAVは、AAVによる増殖感染が、例えば、アデノウイルスまたはヘルペスウイルスなどのヘルパーウイルスの存在下でのみ生じることから、Parvoviridae科Dependovirus属に属する。ヘルパーウイルスが存在しない場合であっても、AAV(血清型2)は、宿主ヒトゲノムの染色体19q13.4に組み込まれることによって潜伏感染を達成することができる。AAVは、部位特異的な組み込みが可能であることがわかっている、唯一の哺乳動物DNAウイルスである(非特許文献1)。
【0003】
AAVを臨床で安全に使用するために、AAVは、そのゲノム内のいくつかの位置で遺伝子改変されている。例えば、多くのウイルスベクターでは、ウイルス複製に必要なRep遺伝子及び部位特異的組み込みに必要な要素がAAVゲノムから除去されている。これらの組み換えAAV(rAAV)は、染色体外状態で存在し、ゲノムDNAへの組み込み効率は極めて低い。したがって、rAAVが宿主細胞でランダム変異導入を誘発する可能性は、完全には排除されないにせよ、低減される。このような特性及び病原性の欠如から、rAAVは、遺伝子療法ベクターとして、前臨床及び臨床用途の多方面において大きな可能性を示している。臨床では、新しい血清型及び自己相補的ベクターが試験されている。このような進行中のベクター開発と並行して、純度及び力価の高い高タイター量のrAAVベクターを効率的に製造することができるスケーラブルな製造プロセスに対する継続的な取り組みにも力が入れられている。
【0004】
ヒト投与に好適なAAV生成物を精製するための効率的で大規模な方法を設計することに多大な努力が払われているが、より優れたAAV精製法に対する必要性は依然として残っている。例えば、細胞培養でAAVを生成する現在の方法では、「空」カプシドが形成されることから、カプシド抗原に対するT細胞媒介性免疫応答が引き起こされ、低悪性度の肝毒性及び部分的な発現喪失につながることが示されている(非特許文献2)。したがって、最終AAV生成物から空AAVカプシドを除去するステップを含むAAV精製法が望まれている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Daya and Berns,Clinical Microbiology Reviews,pages 583-593(2008)
【非特許文献2】Wright,Molec Therapy 22(1):1-2(2014)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
細胞培養におけるAAVベクター生成の特徴は、ベクターゲノムを欠く「空」カプシドの過剰な形成である。そのような空カプシドは、導入遺伝子産生に関連した治療上の利益をもたらすことができない。空カプシドが臨床結果に与える影響は明らかではないが、ベクターに対する自然免疫応答または適応免疫応答を増加させる可能性があることから、空カプシドは遺伝子療法における懸念となる。Wright,Molec Therapy 22(1):1-2(2014)。
【0007】
本明細書で提供されるのは、完全AAVカプシド及び空AAVカプシドを含むAAV調製物から完全AAVカプシドを精製して、空AAVカプシドを実質的に含まないAAV生成物を提供するための方法であって、
(a)空AAVカプシド、完全AAVカプシド、1つ以上の一価カチオン、及び1つ以上の二価カチオンを含む第1の溶液を提供するステップと、
(b)当該第1の溶液をカチオン交換カラムに対して、当該完全AAVカプシド及び当該空AAVカプシドがカラムに結合する条件下でロードするステップと、
(c)1つ以上の一価カチオン及び1つ以上の二価カチオンを含む第2の溶液をカチオン交換カラムに対して、完全AAVカプシドが空AAVカプシドから精製される条件下で添加するステップとを含む、方法である。
【0008】
本明細書で提供されるのは、AAV調製物中の完全AAVカプシド及び空AAVカプシドを分離する方法であって、
(a)空AAVカプシド、完全AAVカプシド、1つ以上の一価カチオン、及び1つ以上の二価カチオンを含む第1の溶液を提供するステップと、
(b)当該第1の溶液をカチオン交換カラムに対して、当該完全AAVカプシド及び当該空AAVカプシドがカラムに結合する条件下でロードするステップと、
(c)1つ以上の一価カチオン及び1つ以上の二価カチオンを含む第2の溶液をカチオン交換カラムに対して、完全AAVカプシドが空AAVカプシドから分離される条件下で添加するステップとを含む、方法である。
【0009】
本明細書で提供されるのは、AAV調製物中の空AAVカプシド及び完全AAVカプシドを分離する方法であって、
(a)空AAVカプシド、完全AAVカプシド、1つ以上の一価カチオン、及び1つ以上の二価カチオンを含む第1の溶液を提供するステップと、
(b)当該第1の溶液をカチオン交換カラムに対して、当該空AAVカプシド及び当該完全AAVカプシドがカラムに結合する条件下でロードするステップと、
(c)1つ以上の一価カチオン及び1つ以上の二価カチオンを含む第2の溶液をカチオン交換カラムに対して、空AAVカプシドが完全AAVカプシドから精製される条件下で添加するステップとを含む、方法である。
【0010】
本明細書で提供されるのは、AAV調製物中の空AAVカプシド及び完全AAVカプシドを分離する方法であって、
(a)空AAVカプシド、完全AAVカプシド、1つ以上の一価カチオン、及び1つ以上の二価カチオンを含む第1の溶液を提供するステップと、
(b)当該第1の溶液をカチオン交換カラムに対して、当該空AAVカプシド及び当該完全AAVカプシドがカラムに結合する条件下でロードするステップと、
(c)1つ以上の一価カチオン及び1つ以上の二価カチオンを含む第2の溶液をカチオン交換カラムに対して、空AAVカプシドが完全AAVカプシドから分離される条件下で添加するステップとを含む、方法である。
【0011】
いくつかの態様において、本開示の方法は、AdV粒子、レンチウイルス粒子、ガンマレトロウイルスベクター粒子、単純ヘルペスウイルス(HSV)粒子、シミアンウイルス40(SV40)粒子、アルファウイルス粒子、トガウイルス粒子、ロスリバーウイルス粒子、及びワクシニアウイルス粒子の精製にも有用である。いくつかの態様において、本開示の方法はまた、ベクターワクチンの作製にも有用である。
【0012】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、Na、K、NH 、Li、Cs、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、Naである。
【0013】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、約5mM~約1500mMの総濃度である。いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、約30mMの総濃度である。
【0014】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Ca2+、Mg2+、Zn2+、Mn2+、Cu2+、Fe2+、Ba2+、Sr2+、Co2+、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Ca2+である。
【0015】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、約1mM~約30mMの総濃度である。いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、約2mMの総濃度である。
【0016】
いくつかの実施形態において、第1の溶液は、約5.0~約8.5のpHを有する。いくつかの実施形態において、第1の溶液は、約6.0のpHを有する。
【0017】
いくつかの実施形態において、第1の溶液は、1つ以上の界面活性剤を更に含む。いくつかの実施形態において、1つ以上の界面活性剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリオキシエチレングリコールtert-オクチルフェノールエーテル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレン(20)-ソルビタン-モノオレエート(Tween 80/ポリソルベート80))、ポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー407、クレモフォア、Triton N-101還元型、Triton X-100、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、ポリソルベート80である。
【0018】
いくつかの実施形態において、1つ以上の界面活性剤は、約0.0025w/w%~約0.0075w/w%の合計量である。いくつかの実施形態において、1つ以上の界面活性剤は、約0.005w/w%の合計量である。
【0019】
いくつかの実施形態において、カチオン交換カラムは、荷電基を有する樹脂を含み、荷電基は、スルホン酸基、硫酸基、スルホプロピル基、カルボン酸基、リン酸基、またはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、カチオン交換カラムは、樹脂を含み、樹脂は、Capto S、Eshmuno S、Mustang S、Poros 50HS、Poros 50 XS、S-Sepharose FF、Source S、Capto MMC、Toyopearl Gigacap S、Gigacap CM、Toyopearl SP、Toyopearl CM、MacroPrep S、UNOsphereS、MacroprepCM、Fractogel EMD SO3、Fractogel EMD COO、Fractogel EMD SE Hicap、Cellufine Sulfate、CM及びSP Trisacryl、CM及びS HyperD、S及びCM Sepharose CL、CM Sepharose FF、S及びCM CAPTO(商標)、MonoS、Nuvia S、Cellufine phosphat、Cellufine MAX-S r、Cellufine MAX-S h、Cellufine MAX DexS-HbP、Cellufine MAX DexS-VirS、Toyopearl Sulfate 650、またはHeparin Sepharose High Performanceである。いくつかの実施形態において、CaptoS。いくつかの実施形態において、Eshmuno S。いくつかの実施形態において、Mustang S。
【0020】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンは、Na、K、NH 、Li、Cs、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、第2の溶液の一価カチオンは、Naである。
【0021】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Ca2+、Mg2+、Zn2+、Mn2+、Cu2+、Fe2+、Ba2+、Sr2+、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Ca2+である。
【0022】
いくつかの実施形態において、第2の溶液は、約5.0~約8.5のpHを有する。いくつかの実施形態において、第2の溶液は、約6.0のpHを有する。
【0023】
いくつかの実施形態において、第2の溶液は、1つ以上の界面活性剤を更に含む。いくつかの実施形態において、1つ以上の界面活性剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリオキシエチレングリコールtert-オクチルフェノールエーテル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレン(20)-ソルビタン-モノオレエート(Tween 80/ポリソルベート80))、ポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー407、クレモフォア、Triton N-101還元型、Triton X-100、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、ポリソルベート80である。
【0024】
いくつかの実施形態において、1つ以上の界面活性剤は、約0.0025%~約0.0075w/w%の合計量である。いくつかの実施形態において、1つ以上の界面活性剤は、約0.005w/w%の合計量である。
【0025】
いくつかの態様において、第2の溶液の添加は、一定濃度の1つ以上の一価カチオンで実施される。
【0026】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンは、約5mM~約1500mMの一定の総濃度である。いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンは、約30mMの一定の総濃度である。
【0027】
いくつかの態様において、第2の溶液の添加は、一定濃度の1つ以上の二価カチオンで実施される。
【0028】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンは、約1mM~約30mMの一定の総濃度である。いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンは、約2mMの一定の総濃度である。
【0029】
いくつかの態様において、第2の溶液の添加は、1つ以上の一価カチオンの濃度を段階的に増加させることを含む。
【0030】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの初期総濃度は、約15mM~約60mMである。いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの初期総濃度は、約30mMである。いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの中間総濃度は、約100mM~約300mMである。いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの中間総濃度は、約200mMである。いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの最終総濃度は、約500mM~約1500mMである。いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの最終総濃度は、約1000mMである。
【0031】
いくつかの態様において、第2の溶液の添加は、1つ以上の二価カチオンの総濃度を段階的に増加させることを含む。
【0032】
ある特定の実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの初期総濃度は、約1mM~約10mMである。ある特定の実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの中間総濃度は、約10mM~約20mMである。ある特定の実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの最終総濃度は、約20mM~約30mMである。
【0033】
いくつかの態様において、第2の溶液の添加は、1つ以上の一価カチオンの総濃度を連続的に直線的に増加させることを含む。
【0034】
ある特定の実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、40カラム容量で約30mM~約200mMである。ある特定の実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、40カラム容量で約30mM~約80mMである。ある特定の実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、40カラム容量で約30mM~約40mMである。ある特定の実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、5カラム容量で約30mM~約200mMである。ある特定の実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、5カラム容量で約30mM~約80mMである。ある特定の実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、5カラム容量で約30mM~約80mMである。
【0035】
いくつかの態様において、第2の溶液の添加は、1つ以上の二価カチオンの総濃度を連続的に直線的に増加させることを含む。
【0036】
ある特定の実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、40カラム容量で約1mM~約30mMである。ある特定の実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、40カラム容量で約1mM~約15mMである。ある特定の実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、40カラム容量で約1mM~約5mMである。ある特定の実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、5カラム容量で約1mM~約30mMである。ある特定の実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、5カラム容量で約1mM~約15mMである。ある特定の実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、5カラム容量で約1mM~約5mMである。
【0037】
ある特定の実施形態において、AAVカプシドは、AAV2、AAV3、AAV3b、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、遺伝子改変AAV、化学改変AAV、遺伝子化学改変AAV、及びこれらの組み合わせからなる群に由来する。ある特定の実施形態において、AAVカプシドは、AAV8に由来する。ある特定の実施形態において、AAVカプシドは、AAV9に由来する。ある特定の実施形態において、AAVカプシドは、AAV6に由来する。
【0038】
ある特定の態様において、方法は、
(a)限外濾過、アニオン交換体、及び/またはカチオン交換体によって、空AAVカプシドを濃縮するステップと、
(b)アミン不含バッファーにバッファー交換するステップと、
(c)空AAVカプシドを活性化樹脂上に固定化するステップとを含む、免疫吸着カラムを調製することを更に含む。
【0039】
本明細書において提供されるのはまた、本明細書に記載される方法に従って精製した完全AAVカプシドを含む、AAV製剤である。ある特定の実施形態において、AAV製剤は、薬学的に許容される担体を更に含む。ある特定の実施形態において、AAV製剤は、空AAVカプシドを実質的に含まない。
【0040】
本明細書において提供されるのはまた、本明細書に記載される方法によって作製された、AAV生成物、製剤、または組成物を含む、医薬組成物である。ある特定の実施形態において、AAV医薬組成物は、薬学的に許容される担体を更に含む。ある特定の実施形態において、AAV医薬組成物は、空AAVカプシドを実質的に含まない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】実施例2の完全なクロマトグラムを示す。
図2】実施例2の溶出域のクロマトグラフを示す。
図3】画分E2の曲線下面積(AUC)プロファイルを示す。
図4】画分E3のAUCプロファイルを示す。
図5】画分E4のAUCプロファイルを示す。
図6】画分E5のAUCプロファイルを示す。
図7】実施例3の完全なクロマトグラムを示す。
図8】実施例3の溶出域のクロマトグラフを示す。
図9】画分E2のAUCプロファイルを示す。
図10】画分E3のAUCプロファイルを示す。
図11】画分E5のAUCプロファイルを示す。
図12】実施例4の完全なクロマトグラムを示す。
図13】実施例4の溶出域のクロマトグラフを示す。
図14】画分E2のAUCプロファイルを示す。
図15】画分E3のAUCプロファイルを示す。
図16】画分E4のAUCプロファイルを示す。
図17】画分E5のAUCプロファイルを示す。
図18】実施例5の完全なクロマトグラムを示す。
図19A】実施例5の溶出域のクロマトグラフを示す。
図19B】実施例5の溶出域のクロマトグラフを示す。
図20】画分E1のAUCプロファイルを示す。
図21】画分E2のAUCプロファイルを示す。
図22】画分E3のAUCプロファイルを示す。
図23】画分E4のAUCプロファイルを示す。
図24】画分E5のAUCプロファイルを示す。
図25】実施例6の完全なクロマトグラムを示す。
図26A】実施例6の溶出域のクロマトグラフを示す。
図26B】実施例6の溶出域のクロマトグラフを示す。
図27】画分E1のAUCプロファイルを示す。
図28】画分E2のAUCプロファイルを示す。
図29】画分E3のAUCプロファイルを示す。
図30】画分E4のAUCプロファイルを示す。
図31】画分E5のAUCプロファイルを示す。
図32】画分E6のAUCプロファイルを示す。
図33A】実施例7の溶出域のクロマトグラフを示す。
図33B】実施例7の溶出域のクロマトグラフを示す。
図34】画分E1のAUCプロファイルを示す。
図35】画分E2のAUCプロファイルを示す。
図36】画分E3のAUCプロファイルを示す。
図37】画分E4のAUCプロファイルを示す。
図38】画分E5のAUCプロファイルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
定義
本発明の組成物及び方法について記載する前に、本発明は、記載される特定のプロセス、組成物、または方法論に限定されるものではなく、多様であり得ることを理解されたい。また、本説明において使用される用語は、特定のバージョンまたは実施形態を説明することのみを目的にし、添付する特許請求の範囲によってのみ限定される本明細書の実施形態の範囲を限定する意図はないことも理解されたい。別途の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般に的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書の実施形態の実施形態の実施または試験には、本明細書に記載されるものと類似または同等の任意の方法及び材料を使用することができるが、好ましい方法、装置、及び材料について、以下に記載する。本明細書で言及される公開物は全て、その全体が参照により援用される。本明細書におけるいかなる記載も、本明細書の実施形態が、先行発明によりかかる開示に先行する権利がないという自認を構成するものではない。
【0043】
本明細書で使用される場合、以下の用語は、示された意味を有する。
【0044】
本開示を説明する文脈(特に、以下の特許請求の範囲の文脈)における「a」、「an」及び「the」という用語、ならびに同様の指示語の使用は、本明細書で別途の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、単数形と複数形の両方を包含するものと解釈される。
【0045】
いくつかの実施形態において、本開示の態様が、ある特徴を「含む(comprising)」またはその変形(例えば、含む(comprises))ものとして記載される場合、実施形態は、その特徴「からなる」または「から本質的になる」ことも企図される。
【0046】
「約」という用語は、本明細書で使用される場合、その語が修飾する数値を限定することを意図しており、かかる値が誤差の範囲内で変動することを示す。データの図または表に示されている平均値に対する標準偏差などの特定の誤差が記載されていない場合、「約」という用語は、その語が使用されている数のプラスまたはマイナス10%の数値を意味すると理解されるものとする。したがって、約50%は、45%~55%の範囲を意味する。
【0047】
「アルキル」という用語は、単独でまたは組み合わせて、本明細書で使用される場合、直鎖または分枝鎖のアルキルラジカルを指す。アルキル基は、本明細書に定義されるように、任意選択により置換されてもよい。アルキルラジカルの例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソアミル、ヘキシル、オクチル、ノニルなどが挙げられる。「アルキレン」という用語は、単独でまたは組み合わせて、本明細書で使用される場合、2つ以上の位置で結合する直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素から誘導される飽和脂肪族基、例えば、メチレン(-CH-)を指す。別途の記載がない限り、「アルキル」という用語は、「アルキレン」基を含み得る。
【0048】
本明細書で使用される場合、「カプシド」、「カプシド粒子」、及び「粒子」という用語は、区別なく使用され、少なくとも1つのインタクトなAAVカプシドシェルで構成されるAAV粒子を指す。
【0049】
本明細書で使用される場合、AAVまたはAAVカプシドまたはAAV粒子に関する「空」という用語は、全ての(すなわち、完全な)ベクターゲノムを欠いているものを指す。空AAVまたは空AAVカプシドまたは空AAV粒子は、治療上の利益をもたらすことができない。本明細書で使用される場合、AAVまたはAAVカプシドまたはAAV粒子に関する「完全」または「完全AAVカプシド」という用語は、全ベクターゲノムの大部分を含有しているものを指す。完全AAVカプシドは、レシピエント患者に治療上の利益をもたらすことができる。ある特定の実施形態において、「完全」には、「不完全なベクターDNA」または「切断されたベクターDNA」も含まれる。ある特定の実施形態において、完全なベクターDNAと不完全及び/または切断ベクターDNAは、追加の分析法により識別することができる。そのような方法には、限定するものではないが、キャピラリー電気泳動、AUC(分析用超遠心分離法)、%アガロースDNA(ネイティブまたはアルカリ)、ゲル、サザンブロット、ドットブロットハイブリダイゼーション、UV分光測光法、弱アニオン交換クロマトグラフィー、及び質量分析法によるDNAサイジングが挙げられる(Resolving Adeno-Associated Viral Particle Diversity with Charge Detection Mass Spectrometry Elizabeth E.Piersonet.al Anal.Chem.,2016,88(13),pp 6718-6725参照;全ての目的のためにその全体が本明細書に援用される)。
【0050】
「患者」及び「対象」という用語は、区別なく使用され、本開示のAAV生成物、製剤、または組成物の投与によって予防または治療することができる状態に罹患している、または罹患しやすい生体を指すために従来の意味で使用され、ヒトと非ヒト動物の両方を含む。対象の例としては、ヒト、チンパンジー及び他の類人猿;ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ及びウマなどの家畜;イヌ及びネコなどの飼育哺乳動物;マウス、ラット、及びモルモットなどの齧歯類を含む実験動物;ニワトリ、シチメンチョウ及び他の鶉鶏目、アヒル、ガチョウなどの家禽、野鳥及び狩猟用鳥類を含む鳥類などが挙げられるが、これらに限定されない。この用語は、特定の年齢を示すものではない。したがって、成体、幼体、新生体が対象となる。
【0051】
AAV生成物、AAV製剤、または任意のAAV含有組成物は、約30%未満の空AAVカプシドを含む場合、空AAVカプシドを「実質的に含まない」。
【0052】
本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書で別途の指示がない限り、その範囲内に含まれる各個別の値及び各端点に個別に言及する簡潔な方法として機能することのみを意図しているにすぎず、各個別の値及び各端点は、本明細書において個別に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。例えば、本明細書に記載される任意の数値には、下限値から上限値までの全ての値が含まれ、すなわち、列挙される下限値と上限値との間の数値の全ての可能な組み合わせが本出願において明示されているものとみなされることを特に理解されたい。例えば、濃度範囲が約1%~50%と記載されている場合、2%~40%、10%~30%、または1%~3%などの値が本出願において明示的に列挙されていることが意図される。上の列挙した値は、具体的に示される値の単なる例に過ぎない。
【0053】
本明細書に記載される全ての方法は、本明細書で別途の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順番で実施することができる。本明細書で提供されるあらゆる例、または例示的な文言(例えば、「など」)の使用は、本開示をより明瞭に例示することのみを意図しており、別途の主張がない限り、本開示の範囲に限定を課すものではない。本明細書中のいかな文言も、特許請求されていない任意の要素が本開示の実施に不可欠であることを示すものと解釈されるべきではない。
【0054】
本開示の好ましい実施形態について、本発明者らが認識している本開示を実施するための最良の形態を含め、本明細書に記載する。それらの好ましい実施形態の変形形態は、前述の説明を読むことにより、当業者に明らかになるであろう。本発明者らは、当業者がそのような変形形態を適宜採用することを予測しており、本発明者らは、本開示が本明細書に具体的に記載されるもの以外の方法で実施されることを意図している。したがって、本開示は、適用法によって認められる限り、添付の特許請求の範囲に記載される主題の全ての変形及び等価物を含む。更に、その全ての可能な変形形態における上述の要素の任意の組み合わせは、本明細書で別途の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、本開示に包含される。
【0055】
本明細書で引用される全ての参考文献は、公開物、特許出願、及び特許を含め、各参考文献が参照により援用されることが個別かつ具体的に示され、その全体が本明細書に記載されている場合と同様に、参照により本明細書に援用される。
【0056】
本明細書で提供されるのは、アデノ随伴ウイルス(AAV)生成物、製剤、または組成物を生成する方法、AAVを精製する方法、完全AAVカプシド及び空AAVカプシドを含むAAV調製物または画分から完全AAVカプシドを精製する方法、空AAVカプシド及び完全AAVカプシドを含むAAV調製物または画分から空AAVカプシドを精製する方法、ならびに精製された空AAVカプシド及び精製された完全AAVカプシドの両方を用いて免疫吸収カラムを調製する方法である。
【0057】
ある特定の実施形態において、完全AAVカプシド及び空AAVカプシドを含むAAV調製物または画分から完全AAVカプシドを精製して、空AAVカプシドを実質的に含まないAAV生成物、製剤、または組成物を提供するための方法であって、
(a)完全AAVカプシド、空AAVカプシド、1つ以上の一価カチオン、及び1つ以上の二価カチオンを含む第1の溶液を提供するステップと、
(b)当該第1の溶液をカチオン交換カラムに対して、当該完全AAVカプシド及び当該空AAVカプシドがカラムに結合する条件下でロードするステップと、
(c)1つ以上の一価カチオン及び1つ以上の二価カチオンを含む第2の溶液をカチオン交換カラムに対して、完全AAVカプシドが空AAVカプシドから精製される条件下で添加するステップとを含む、方法。
【0058】
ある特定の実施形態において、AAV調製物または画分中の完全AAVカプシド及び空AAVカプシドを分離する方法であって、
(a)完全AAVカプシド、空AAVカプシド、1つ以上の一価カチオン、及び1つ以上の二価カチオンを含む第1の溶液を提供するステップと、
(b)当該第1の溶液をカチオン交換カラムに対して、当該完全AAVカプシド及び当該空AAVカプシドがカラムに結合する条件下でロードするステップと、
(c)1つ以上の一価カチオン及び1つ以上の二価カチオンを含む第2の溶液をカチオン交換カラムに対して、完全AAVカプシドが空AAVカプシドから分離される条件下で添加するステップとを含む、方法。
【0059】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、Na、K、NH 、N(C1-5アルキル) 、Li、Cs、Cu、Ag、Au、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0060】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、Na、K、NH 、Li、Cs、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0061】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、Na、K、NH 、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0062】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、Naである。
【0063】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、Kである。
【0064】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、NH である。
【0065】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、約5mM~約1500mM、約50mM~約1500mM、約100mM~約1500mM、約200mM~約1500mM、約300mM~約1500mM、約400mM~約1500mM、約500mM~約1500mM、約600mM~約1500mM、約700mM~約1500mM、約800mM~約1500mM、約900mM~約1500mM、約1000mM~約1500mM、約1100mM~約1500mM、約1200mM~約1500mM、約1300mM~約1500mM、約1400mM~約1500mM、約5mM~約1400mM、約5mM~約1300mM、約5mM~約1200mM、約5mM~約1100mM、約5mM~約1000mM、約5mM~約900mM、約5mM~約800mM、約5mM~約700mM、約5mM~約600mM、約5mM~約500mM、約5mM~約400mM、約5mM~約300mM、約5mM~約200mM、約5mM~約100mM、約5mM~約50mM、30mM~約200mM、30mM~約80mM、30mM~約60mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値の総濃度である。具体例としては、約5mM、約10mM、約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、約60mM、約70mM、約80mM、約90mM、約100mM、約200mM、約300mM、約400mM、約500mM、約600mM、約700mM、約800mM、約900mM、約1000mM、約1100mM、約1200mM、約1300mM、約1400mM、約1500mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0066】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、約5mM~約1500mMの総濃度である。
【0067】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、約30mM~約200mMの総濃度である。
【0068】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、約30mM~約80mMの総濃度である。
【0069】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、約30mM~約60mMの総濃度である。
【0070】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、約200mMの総濃度である。
【0071】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、約80mMの総濃度である。
【0072】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、約60mMの総濃度である。
【0073】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、約30mMの総濃度である。
【0074】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、Naであり、約5mM~約1500mM、約50mM~約1500mM、約100mM~約1500mM、約200mM~約1500mM、約300mM~約1500mM、約400mM~約1500mM、約500mM~約1500mM、約600mM~約1500mM、約700mM~約1500mM、約800mM~約1500mM、約900mM~約1500mM、約1000mM~約1500mM、約1100mM~約1500mM、約1200mM~約1500mM、約1300mM~約1500mM、約1400mM~約1500mM、約5mM~約1400mM、約5mM~約1300mM、約5mM~約1200mM、約5mM~約1100mM、約5mM~約1000mM、約5mM~約900mM、約5mM~約800mM、約5mM~約700mM、約5mM~約600mM、約5mM~約500mM、約5mM~約400mM、約5mM~約300mM、約5mM~約200mM、約5mM~約100mM、約5mM~約50mM、30mM~約200mM、30mM~約80mM、30mM~約60mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値の総濃度である。具体例としては、約5mM、約10mM、約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、約60mM、約70mM、約80mM、約90mM、約100mM、約200mM、約300mM、約400mM、約500mM、約600mM、約700mM、約800mM、約900mM、約1000mM、約1100mM、約1200mM、約1300mM、約1400mM、約1500mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0075】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、Naであり、約5mM~約1500mMの総濃度である。
【0076】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、Naであり、約30mM~約200mMの総濃度である。
【0077】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、Naであり、約30mM~約80mMの総濃度である。
【0078】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、Naであり、約30mM~約60mMの総濃度である。
【0079】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、Naであり、約200mMの総濃度である。
【0080】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、Naであり、約80mMの総濃度である。
【0081】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、Naであり、約60mMの総濃度である。
【0082】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、Naであり、約30mMの総濃度である。
【0083】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、Kであり、約5mM~約1500mM、約50mM~約1500mM、約100mM~約1500mM、約200mM~約1500mM、約300mM~約1500mM、約400mM~約1500mM、約500mM~約1500mM、約600mM~約1500mM、約700mM~約1500mM、約800mM~約1500mM、約900mM~約1500mM、約1000mM~約1500mM、約1100mM~約1500mM、約1200mM~約1500mM、約1300mM~約1500mM、約1400mM~約1500mM、約5mM~約1400mM、約5mM~約1300mM、約5mM~約1200mM、約5mM~約1100mM、約5mM~約1000mM、約5mM~約900mM、約5mM~約800mM、約5mM~約700mM、約5mM~約600mM、約5mM~約500mM、約5mM~約400mM、約5mM~約300mM、約5mM~約200mM、約5mM~約100mM、約5mM~約50mM、30mM~約200mM、30mM~約80mM、30mM~約60mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値の総濃度である。具体例としては、約5mM、約10mM、約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、約60mM、約70mM、約80mM、約90mM、約100mM、約200mM、約300mM、約400mM、約500mM、約600mM、約700mM、約800mM、約900mM、約1000mM、約1100mM、約1200mM、約1300mM、約1400mM、約1500mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0084】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、Kであり、約5mM~約1500mMの総濃度である。
【0085】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、Kであり、約30mM~約200mMの総濃度である。
【0086】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、Kであり、約30mM~約80mMの総濃度である。
【0087】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、Kであり、約30mM~約60mMの総濃度である。
【0088】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、Kであり、約200mMの総濃度である。
【0089】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、Kであり、約80mMの総濃度である。
【0090】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、Kであり、約60mMの総濃度である。
【0091】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、Kであり、約30mMの総濃度である。
【0092】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、NH であり、約5mM~約1500mM、約50mM~約1500mM、約100mM~約1500mM、約200mM~約1500mM、約300mM~約1500mM、約400mM~約1500mM、約500mM~約1500mM、約600mM~約1500mM、約700mM~約1500mM、約800mM~約1500mM、約900mM~約1500mM、約1000mM~約1500mM、約1100mM~約1500mM、約1200mM~約1500mM、約1300mM~約1500mM、約1400mM~約1500mM、約5mM~約1400mM、約5mM~約1300mM、約5mM~約1200mM、約5mM~約1100mM、約5mM~約1000mM、約5mM~約900mM、約5mM~約800mM、約5mM~約700mM、約5mM~約600mM、約5mM~約500mM、約5mM~約400mM、約5mM~約300mM、約5mM~約200mM、約5mM~約100mM、約5mM~約50mM、30mM~約200mM、30mM~約80mM、30mM~約60mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値の総濃度である。具体例としては、約5mM、約10mM、約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、約60mM、約70mM、約80mM、約90mM、約100mM、約200mM、約300mM、約400mM、約500mM、約600mM、約700mM、約800mM、約900mM、約1000mM、約1100mM、約1200mM、約1300mM、約1400mM、約1500mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0093】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、NH であり、約5mM~約1500mMの総濃度である。
【0094】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、NH であり、約30mM~約200mMの総濃度である。
【0095】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、NH であり、約30mM~約80mMの総濃度である。
【0096】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、NH であり、約30mM~約60mMの総濃度である。
【0097】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、NH であり、約200mMの総濃度である。
【0098】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、NH であり、約80mMの総濃度である。
【0099】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、NH であり、約60mMの総濃度である。
【0100】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の一価カチオンは、NH であり、約30mMの総濃度である。
【0101】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Ca2+、Mg2+、Zn2+、Mn2+、Cu2+、Fe2+、Ba2+、Sr2+、Co2+、Be2+、Ga2+、Pb2+、Sr2+、Ti2+、Sr2+、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0102】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Ca2+、Mg2+、Zn2+、Mn2+、Cu2+、Fe2+、Ba2+、Sr2+、Co2+、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0103】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Ca2+、Mg2+、Zn2+、Mn2+、Cu2+、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0104】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Ca2+である。
【0105】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Mg2+である。
【0106】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、約1mM~約30mM、約5mM~約30mM、約10mM~約30mM、約15mM~約30mM、約20mM~約30mM、約25mM~約30mM、約1mM~約25mM、約1mM~約20mM、約1mM~約15mM、約1mM~約10mM、約1mM~約5mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値の総濃度である。具体例としては、約1mM、約2mM、約3mM、約4mM、約5mM、約6mM、約7mM、約8mM、約9mM、10mM、約11mM、約12mM、約13mM、約14mM、約15mM、約16mM、約17mM、約18mM、約19mM、20mM、約21mM、約22mM、約23mM、約24mM、約25mM、約26mM、約27mM、約28mM、約29mM、約30mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0107】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、約1mM~約30mMの総濃度である。
【0108】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、約1mM~約10mMの総濃度である。
【0109】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、約2mMの総濃度である。
【0110】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Ca2+であり、約1mM~約30mM、約5mM~約30mM、約10mM~約30mM、約15mM~約30mM、約20mM~約30mM、約25mM~約30mM、約1mM~約25mM、約1mM~約20mM、約1mM~約15mM、約1mM~約10mM、約1mM~約5mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値の総濃度である。具体例としては、約1mM、約2mM、約3mM、約4mM、約5mM、約6mM、約7mM、約8mM、約9mM、10mM、約11mM、約12mM、約13mM、約14mM、約15mM、約16mM、約17mM、約18mM、約19mM、20mM、約21mM、約22mM、約23mM、約24mM、約25mM、約26mM、約27mM、約28mM、約29mM、約30mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0111】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Ca2+であり、約1mM~約30mMの総濃度である。
【0112】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Ca2+であり、約1mM~約10mMの総濃度である。
【0113】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Ca2+であり、約2mMの総濃度である。
【0114】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Mg2+であり、約1mM~約30mM、約5mM~約30mM、約10mM~約30mM、約15mM~約30mM、約20mM~約30mM、約25mM~約30mM、約1mM~約25mM、約1mM~約20mM、約1mM~約15mM、約1mM~約10mM、約1mM~約5mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値の総濃度である。具体例としては、約1mM、約2mM、約3mM、約4mM、約5mM、約6mM、約7mM、約8mM、約9mM、10mM、約11mM、約12mM、約13mM、約14mM、約15mM、約16mM、約17mM、約18mM、約19mM、20mM、約21mM、約22mM、約23mM、約24mM、約25mM、約26mM、約27mM、約28mM、約29mM、約30mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0115】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Mg2+であり、約1mM~約30mMの総濃度である。
【0116】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Mg2+であり、約1mM~約10mMの総濃度である。
【0117】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Mg2+であり、約2mMの総濃度である。
【0118】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Mg2+であり、約1mM~約30mM、約5mM~約30mM、約10mM~約30mM、約15mM~約30mM、約20mM~約30mM、約25mM~約30mM、約1mM~約25mM、約1mM~約20mM、約1mM~約15mM、約1mM~約10mM、約1mM~約5mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値の総濃度である。具体例としては、約1mM、約2mM、約3mM、約4mM、約5mM、約6mM、約7mM、約8mM、約9mM、10mM、約11mM、約12mM、約13mM、約14mM、約15mM、約16mM、約17mM、約18mM、約19mM、20mM、約21mM、約22mM、約23mM、約24mM、約25mM、約26mM、約27mM、約28mM、約29mM、約30mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0119】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Mg2+であり、約1mM~約30mMの総濃度である。
【0120】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Mg2+であり、約1mM~約10mMの総濃度である。
【0121】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Mg2+であり、約2mMの総濃度である。
【0122】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Zn2+であり、約1mM~約30mM、約5mM~約30mM、約10mM~約30mM、約15mM~約30mM、約20mM~約30mM、約25mM~約30mM、約1mM~約25mM、約1mM~約20mM、約1mM~約15mM、約1mM~約10mM、約1mM~約5mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値の総濃度である。具体例としては、約1mM、約2mM、約3mM、約4mM、約5mM、約6mM、約7mM、約8mM、約9mM、10mM、約11mM、約12mM、約13mM、約14mM、約15mM、約16mM、約17mM、約18mM、約19mM、20mM、約21mM、約22mM、約23mM、約24mM、約25mM、約26mM、約27mM、約28mM、約29mM、約30mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0123】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Zn2+であり、約1mM~約30mMの総濃度である。
【0124】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Zn2+であり、約1mM~約10mMの総濃度である。
【0125】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Zn2+であり、約2mMの総濃度である。
【0126】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Mn2+であり、約1mM~約30mM、約5mM~約30mM、約10mM~約30mM、約15mM~約30mM、約20mM~約30mM、約25mM~約30mM、約1mM~約25mM、約1mM~約20mM、約1mM~約15mM、約1mM~約10mM、約1mM~約5mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値の総濃度である。具体例としては、約1mM、約2mM、約3mM、約4mM、約5mM、約6mM、約7mM、約8mM、約9mM、10mM、約11mM、約12mM、約13mM、約14mM、約15mM、約16mM、約17mM、約18mM、約19mM、20mM、約21mM、約22mM、約23mM、約24mM、約25mM、約26mM、約27mM、約28mM、約29mM、約30mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0127】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Mn2+であり、約1mM~約30mMの総濃度である。
【0128】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Mn2+であり、約1mM~約10mMの総濃度である。
【0129】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Mn2+であり、約2mMの総濃度である。
【0130】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Cu2+であり、約1mM~約30mM、約5mM~約30mM、約10mM~約30mM、約15mM~約30mM、約20mM~約30mM、約25mM~約30mM、約1mM~約25mM、約1mM~約20mM、約1mM~約15mM、約1mM~約10mM、約1mM~約5mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値の総濃度である。具体例としては、約1mM、約2mM、約3mM、約4mM、約5mM、約6mM、約7mM、約8mM、約9mM、10mM、約11mM、約12mM、約13mM、約14mM、約15mM、約16mM、約17mM、約18mM、約19mM、20mM、約21mM、約22mM、約23mM、約24mM、約25mM、約26mM、約27mM、約28mM、約29mM、約30mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0131】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Cu2+であり、約1mM~約30mMの総濃度である。
【0132】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Cu2+であり、約1mM~約10mMの総濃度である。
【0133】
いくつかの実施形態において、第1の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Cu2+であり、約2mMの総濃度である。
【0134】
いくつかの実施形態において、第1の溶液は、約5.0~約8.5、約5.5~約8.5、約6.0~約8.5、約6.5~約8.5、約7.0~約8.5、約7.5~約8.5、約8.0~約8.5、約5.0~約8.0、約5.0~約7.5、約5.0~約7.0、約5.0~約6.5、約5.0~約6.0、約5.0~約5.5、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値のpHを有する。具体例としては、約5.0、約5.5、約6.0、約6.5、約7.0、約7.5、約8.0、約8.5、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0135】
いくつかの実施形態において、第1の溶液は、約6.0のpHを有する。
【0136】
いくつかの実施形態において、第1の溶液は、1つ以上の界面活性剤を更に含む。
【0137】
いくつかの実施形態において、カチオン交換カラムは、荷電基を有する樹脂を含み、荷電基は、スルホン酸基、硫酸基、スルホプロピル基、カルボン酸基、リン酸基、またはこれらの組み合わせである。
【0138】
いくつかの実施形態において、カチオン交換カラムは、樹脂を含み、樹脂は、CaptoS、Eshmuno S、Mustang S、Poros 50HS、Poros 50 XS、S-Sepharose FF、Source S、Capto MMC、Toyopearl Gigacap S、Gigacap CM、Toyopearl SP、Toyopearl CM、MacroPrep S、UNOsphereS、MacroprepCM、Fractogel EMD SO3、Fractogel EMD COO、Fractogel EMD SE Hicap、Cellufine Sulfate、CM及びSP Trisacryl、CM及びS HyperD、S及びCM Sepharose CL、CM Sepharose FF、S及びCM CAPTO(商標)、MonoS、Nuvia S、Cellufine phosphat、Cellufine MAX-S r、Cellufine MAX-S h、Cellufine MAX DexS-HbP、Cellufine MAX DexS-VirS、Toyopearl Sulfate 650、またはHeparin Sepharose High Performanceである。
【0139】
いくつかの実施形態において、樹脂は、CaptoSである。
【0140】
いくつかの実施形態において、樹脂は、Eshmuno Sである。
【0141】
いくつかの実施形態において、樹脂は、Mustang Sである。
【0142】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンは、Na、K、NH 、N(C1-5アルキル) 、Li、Cs、Cu、Ag1、Au1、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0143】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンは、Na、K、NH 、Li、Cs、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0144】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の一価カチオンは、Naである。
【0145】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Ca2+、Mg2+、Zn2+、Mn2+、Cu2+、Fe2+、Ba2+、Sr2+、Co2+、Be2+、Ga2+、Pb2+、Sr2+、Ti2+、Sr2+、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0146】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Ca2+、Mg2+、Zn2+、Mn2+、Cu2+、Fe2+、Ba2+、Sr2+、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0147】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンは、Ca2+、Mg2+、Zn2+、Mn2+、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0148】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の二価カチオンは、Ca2+である。
【0149】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の二価カチオンは、Mg2+である。
【0150】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の二価カチオンは、Zn2+である。
【0151】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の二価カチオンは、Mn2+である。
【0152】
いくつかの実施形態において、第2の溶液は、約5.0~約8.5、約5.5~約8.5、約6.0~約8.5、約6.5~約8.5、約7.0~約8.5、約7.5~約8.5、約8.0~約8.5、約5.0~約8、約5.0~約7.5、約5.0~約7.0、約5.0~約6.5、約5.0~約6、約5.0~約5.5、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値のpHを有する。具体例としては、約5、約5.5、約6.0、約6.5、約7.0、約7.5、約8.0、約8.5、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0153】
いくつかの実施形態において、第2の溶液は、約6のpHを有する。
【0154】
いくつかの実施形態において、第2の溶液は、1つ以上の界面活性剤を更に含む。
【0155】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の添加は、一定の総濃度の1つ以上の一価カチオンで実施される。
【0156】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンは、約5mM~約1500mM、約50mM~約1500mM、約100mM~約1500mM、約200mM~約1500mM、約300mM~約1500mM、約400mM~約1500mM、約500mM~約1500mM、約600mM~約1500mM、約700mM~約1500mM、約800mM~約1500mM、約900mM~約1500mM、約1000mM~約1500mM、約1100mM~約1500mM、約1200mM~約1500mM、約1300mM~約1500mM、約1400mM~約1500mM、約5mM~約1400mM、約5mM~約1300mM、約5mM~約1200mM、約5mM~約1100mM、約5mM~約1000mM、約5mM~約900mM、約5mM~約800mM、約5mM~約700mM、約5mM~約600mM、約5mM~約500mM、約5mM~約400mM、約5mM~約300mM、約5mM~約200mM、約5mM~約100mM、約5mM~約50mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値の一定の総濃度である。具体例としては、約5mM、約10mM、約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、約60mM、約70mM、約80mM、約90mM、約100mM、約200mM、約300mM、約400mM、約500mM、約600mM、約700mM、約800mM、約900mM、約1000mM、約1100mM、約1200mM、約1300mM、約1400mM、約1500mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0157】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンは、約5mM~約1500mMの一定の総濃度である。
【0158】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンは、約30mMの一定の総濃度である。
【0159】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の添加は、一定の総濃度のNaで実施される。
【0160】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaは、約5mM~約1500mM、約50mM~約1500mM、約100mM~約1500mM、約200mM~約1500mM、約300mM~約1500mM、約400mM~約1500mM、約500mM~約1500mM、約600mM~約1500mM、約700mM~約1500mM、約800mM~約1500mM、約900mM~約1500mM、約1000mM~約1500mM、約1100mM~約1500mM、約1200mM~約1500mM、約1300mM~約1500mM、約1400mM~約1500mM、約5mM~約1400mM、約5mM~約1300mM、約5mM~約1200mM、約5mM~約1100mM、約5mM~約1000mM、約5mM~約900mM、約5mM~約800mM、約5mM~約700mM、約5mM~約600mM、約5mM~約500mM、約5mM~約400mM、約5mM~約300mM、約5mM~約200mM、約5mM~約100mM、約5mM~約50mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値の一定の総濃度である。具体例としては、約5mM、約10mM、約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、約60mM、約70mM、約80mM、約90mM、約100mM、約200mM、約300mM、約400mM、約500mM、約600mM、約700mM、約800mM、約900mM、約1000mM、約1100mM、約1200mM、約1300mM、約1400mM、約1500mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0161】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaは、約5mM~約1500mMの一定の総濃度である。
【0162】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaは、約30mMの一定の総濃度である。
【0163】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の添加は、一定の総濃度の1つ以上の二価カチオンで実施される。
【0164】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンは、約1mM~約30mM、約5mM~約30mM、約10mM~約30mM、約15mM~約30mM、約20mM~約30mM、約25mM~約30mM、約1mM~約25mM、約1mM~約20mM、約1mM~約15mM、約1mM~約10mM、約1mM~約5mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値の一定の総濃度である。具体例としては、約1mM、約2mM、約3mM、約4mM、約5mM、約6mM、約7mM、約8mM、約9mM、10mM、約11mM、約12mM、約13mM、約14mM、約15mM、約16mM、約17mM、約18mM、約19mM、20mM、約21mM、約22mM、約23mM、約24mM、約25mM、約26mM、約27mM、約28mM、約29mM、約30mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0165】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンは、約1mM~約30mMの一定の総濃度である。
【0166】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンは、約2mMの一定の総濃度である。
【0167】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の添加は、一定の総濃度のCa2+で実施される。
【0168】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のCa2+は、約1mM~約30mM、約5mM~約30mM、約10mM~約30mM、約15mM~約30mM、約20mM~約30mM、約25mM~約30mM、約1mM~約25mM、約1mM~約20mM、約1mM~約15mM、約1mM~約10mM、約1mM~約5mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値の一定の総濃度である。具体例としては、約1mM、約2mM、約3mM、約4mM、約5mM、約6mM、約7mM、約8mM、約9mM、10mM、約11mM、約12mM、約13mM、約14mM、約15mM、約16mM、約17mM、約18mM、約19mM、20mM、約21mM、約22mM、約23mM、約24mM、約25mM、約26mM、約27mM、約28mM、約29mM、約30mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0169】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のCa2+は、約1mM~約30mMの一定の総濃度である。
【0170】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のCa2+は、約2mMの一定の総濃度である。
【0171】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の添加は、1つ以上の一価カチオンの総濃度を段階的に増加させることを含む。
【0172】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの初期総濃度は、約15mM~約60mM、約20mM~約60mM、約25mM~約60mM、約30mM~約60mM、約35mM~約60mM、約40mM~約60mM、約45mM~約60mM、約50mM~約60mM、約55mM~約60mM、約15mM~約55mM、約15mM~約50mM、約15mM~約45mM、約15mM~約40mM、約15mM~約35mM、約15mM~約30mM、約15mM~約25mM、約15mM~約20mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。具体例としては、約15mM、約20mM、約25mM、約30mM、約35mM、約40mM、約45mM、約50mM、約55mM、約60mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0173】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの初期総濃度は、約15mM~約60mMである。
【0174】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの初期総濃度は、約30mMである。
【0175】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの中間総濃度は、約100mM~約300mM、約125mM~約300mM、約150mM~約300mM、約175mM~約300mM、約200mM~約300mM、約225mM~約300mM、約250mM~約300mM、約275mM~約300mM、約100mM~約275mM、約100mM~約250mM、約100mM~約225mM、約100mM~約200mM、約100mM~約175mM、約100mM~約150mM、約100mM~約125mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。具体例としては、約100mM、約125mM、約150mM、約175mM、約200mM、約225mM、約250mM、約275mM、約300mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0176】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの中間総濃度は、約100mM~約300mMである。
【0177】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの中間総濃度は、約200mMである。
【0178】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの最終総濃度は、約500mM~約1500mM、約600mM~約1500mM、約700mM~約1500mM、約800mM~約1500mM、約900mM~約1500mM、約1000mM~約1500mM、約1100mM~約1500mM、約1200mM~約1500mM、約1300mM~約1500mM、約1400mM~約1500mM、約500mM~約1400mM、約500mM~約1300mM、約500mM~約1200mM、約500mM~約1100mM、約500mM~約1000mM、約500mM~約900mM、約500mM~約800mM、約500mM~約700mM、約500mM~約600mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。具体例としては、約500mM、約600mM、約700mM、約800mM、約900mM、約1000mM、約1100mM、約1200mM、約1300mM、約1400mM、約1500mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0179】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの最終総濃度は、約500mM~約1500mMである。
【0180】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの最終総濃度は、約1000mMである。
【0181】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の添加は、Naの総濃度を段階的に増加させることを含む。
【0182】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaの初期総濃度は、約15mM~約60mM、約20mM~約60mM、約25mM~約60mM、約30mM~約60mM、約35mM~約60mM、約40mM~約60mM、約45mM~約60mM、約50mM~約60mM、約55mM~約60mM、約15mM~約55mM、約15mM~約50mM、約15mM~約45mM、約15mM~約40mM、約15mM~約35mM、約15mM~約30mM、約15mM~約25mM、約15mM~約20mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。具体例としては、約15mM、約20mM、約25mM、約30mM、約35mM、約40mM、約45mM、約50mM、約55mM、約60mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0183】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaの初期総濃度は、約15mM~約60mMである。
【0184】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaの初期総濃度は、約30mMである。
【0185】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaの中間総濃度は、約100mM~約300mM、約125mM~約300mM、約150mM~約300mM、約175mM~約300mM、約200mM~約300mM、約225mM~約300mM、約250mM~約300mM、約275mM~約300mM、約100mM~約275mM、約100mM~約250mM、約100mM~約225mM、約100mM~約200mM、約100mM~約175mM、約100mM~約150mM、約100mM~約125mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。具体例としては、約100mM、約125mM、約150mM、約175mM、約200mM、約225mM、約250mM、約275mM、約300mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0186】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaの中間総濃度は、約100mM~約300mMである。
【0187】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaの中間総濃度は、約200mMである。
【0188】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaの最終総濃度は、約500mM~約1500mM、約600mM~約1500mM、約700mM~約1500mM、約800mM~約1500mM、約900mM~約1500mM、約1000mM~約1500mM、約1100mM~約1500mM、約1200mM~約1500mM、約1300mM~約1500mM、約1400mM~約1500mM、約500mM~約1400mM、約500mM~約1300mM、約500mM~約1200mM、約500mM~約1100mM、約500mM~約1000mM、約500mM~約900mM、約500mM~約800mM、約500mM~約700mM、約500mM~約600mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。具体例としては、約500mM、約600mM、約700mM、約800mM、約900mM、約1000mM、約1100mM、約1200mM、約1300mM、約1400mM、約1500mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0189】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaの最終総濃度は、約500mM~約1500mMである。
【0190】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaの最終総濃度は、約1000mMである。
【0191】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の添加は、1つ以上の二価カチオンの総濃度を段階的に増加させることを含む。
【0192】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの初期総濃度は、約1mM~約10mM、約2mM~約10mM、約3mM~約10mM、約4mM~約10mM、約5mM~約10mM、約6mM~約10mM、約7mM~約10mM、約8mM~約10mM、約9mM~約10mM、約1mM~約9mM、約1mM~約8mM、約1mM~約7mM、約1mM~約6mM、約1mM~約5mM、約1mM~約4mM、約1mM~約3mM、約1mM~約2mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。具体例としては、約1mM、約2mM、約3mM、約4mM、約5mM、約6mM、約7mM、約8mM、約9mM、約10mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0193】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの初期総濃度は、約1mM~約10mMである。
【0194】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの中間総濃度は、約10mM~約20mM、約11mM~約20mM、約12mM~約20mM、約13mM~約20mM、約14mM~約20mM、約15mM~約20mM、約16mM~約20mM、約17mM~約20mM、約18mM~約20mM、約19mM~約20mM、約10mM~約19mM、約10mM~約18mM、約10mM~約17mM、約10mM~約16mM、約10mM~約15mM、約10mM~約14mM、約10mM~約13mM、約10mM~約12mM、約10mM~約11mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。具体例としては、約10mM、約11mM、約12mM、約13mM、約14mM、約15mM、約16mM、約17mM、約18mM、約19mM、約20mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0195】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの中間総濃度は、約10mM~約20mMである。
【0196】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの最終総濃度は、約20mM~約30mM、約21mM~約30mM、約22mM~約30mM、約23mM~約30mM、約24mM~約30mM、約25mM~約30mM、約26mM~約30mM、約27mM~約30mM、約28mM~約30mM、約29mM~約30mM、約20mM~約29mM、約20mM~約28mM、約20mM~約27mM、約20mM~約26mM、約20mM~約25mM、約20mM~約24mM、約20mM~約23mM、約20mM~約22mM、約20mM~約21mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。具体例としては、約20mM、約21mM、約22mM、約23、約24mM、約25mM、約26mM、約27mM、約28mM、約29mM、約30mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0197】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの最終総濃度は、約20mM~約30mMである。
【0198】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の添加は、Ca2+の総濃度を段階的に増加させることを含む。
【0199】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のCa2+の初期総濃度は、約1mM~約10mM、約2mM~約10mM、約3mM~約10mM、約4mM~約10mM、約5mM~約10mM、約6mM~約10mM、約7mM~約10mM、約8mM~約10mM、約9mM~約10mM、約1mM~約9mM、約1mM~約8mM、約1mM~約7mM、約1mM~約6mM、約1mM~約5mM、約1mM~約4mM、約1mM~約3mM、約1mM~約2mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。具体例としては、約1mM、約2mM、約3mM、約4mM、約5mM、約6mM、約7mM、約8mM、約9mM、約10mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0200】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のCa2+の初期総濃度は、約1mM~約10mMである。
【0201】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のCa2+の中間総濃度は、約10mM~約20mM、約11mM~約20mM、約12mM~約20mM、約13mM~約20mM、約14mM~約20mM、約15mM~約20mM、約16mM~約20mM、約17mM~約20mM、約18mM~約20mM、約19mM~約20mM、約10mM~約19mM、約10mM~約18mM、約10mM~約17mM、約10mM~約16mM、約10mM~約15mM、約10mM~約14mM、約10mM~約13mM、約10mM~約12mM、約10mM~約11mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。具体例としては、約10mM、約11mM、約12mM、約13mM、約14mM、約15mM、約16mM、約17mM、約18mM、約19mM、約20mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0202】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のCa2+の中間総濃度は、約10mM~約20mMである。
【0203】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のCa2+の最終総濃度は、約20mM~約30mM、約21mM~約30mM、約22mM~約30mM、約23mM~約30mM、約24mM~約30mM、約25mM~約30mM、約26mM~約30mM、約27mM~約30mM、約28mM~約30mM、約29mM~約30mM、約20mM~約29mM、約20mM~約28mM、約20mM~約27mM、約20mM~約26mM、約20mM~約25mM、約20mM~約24mM、約20mM~約23mM、約20mM~約22mM、約20mM~約21mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。具体例としては、約20mM、約21mM、約22mM、約23、約24mM、約25mM、約26mM、約27mM、約28mM、約29mM、約30mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0204】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のCa2+の最終総濃度は、約20mM~約30mMである。
【0205】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の添加は、1つ以上の一価カチオンの総濃度を連続的に直線的に増加させることを含む。
【0206】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、40カラム容量で約30mM~約200mM、40カラム容量で約40mM~約200mM、40カラム容量で約50mM~約200mM、40カラム容量で約75mM~約200mM、40カラム容量で約100mM~約200mM、40カラム容量で約125mM~約200mM、40カラム容量で約150mM~約200mM、40カラム容量で約175mM~約200mM、40カラム容量で約30mM~約175mM、150カラム容量で約30mM~約200mM、40カラム容量で約30mM~約125mM、40カラム容量で約30mM~約100mM、40カラム容量で約30mM~約80mM、40カラム容量で約30mM~約75mM、40カラム容量で約30mM~約50mM、40カラム容量で約30mM~約40mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。
【0207】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、30カラム容量で約30mM~約200mM、30カラム容量で約40mM~約200mM、30カラム容量で約50mM~約200mM、30カラム容量で約75mM~約200mM、30カラム容量で約100mM~約200mM、30カラム容量で約125mM~約200mM、30カラム容量で約150mM~約200mM、30カラム容量で約175mM~約200mM、30カラム容量で約30mM~約175mM、150カラム容量で約30mM~約200mM、30カラム容量で約30mM~約125mM、30カラム容量で約30mM~約100mM、30カラム容量で約30mM~約80mM、30カラム容量で約30mM~約75mM、30カラム容量で約30mM~約50mM、30カラム容量で約30mM~約40mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。
【0208】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、20カラム容量で約30mM~約200mM、20カラム容量で約40mM~約200mM、20カラム容量で約50mM~約200mM、20カラム容量で約75mM~約200mM、20カラム容量で約100mM~約200mM、20カラム容量で約125mM~約200mM、20カラム容量で約150mM~約200mM、20カラム容量で約175mM~約200mM、20カラム容量で約30mM~約175mM、150カラム容量で約30mM~約200mM、20カラム容量で約30mM~約125mM、20カラム容量で約30mM~約100mM、20カラム容量で約30mM~約80mM、20カラム容量で約30mM~約75mM、20カラム容量で約30mM~約50mM、20カラム容量で約30mM~約40mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。
【0209】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、10カラム容量で約30mM~約200mM、10カラム容量で約40mM~約200mM、10カラム容量で約50mM~約200mM、10カラム容量で約75mM~約200mM、10カラム容量で約100mM~約200mM、10カラム容量で約125mM~約200mM、10カラム容量で約150mM~約200mM、10カラム容量で約175mM~約200mM、10カラム容量で約30mM~約175mM、150カラム容量で約30mM~約200mM、10カラム容量で約30mM~約125mM、10カラム容量で約30mM~約100mM、10カラム容量で約30mM~約80mM、10カラム容量で約30mM~約75mM、10カラム容量で約30mM~約50mM、10カラム容量で約30mM~約40mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。
【0210】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、5カラム容量で約30mM~約200mM、5カラム容量で約40mM~約200mM、5カラム容量で約50mM~約200mM、5カラム容量で約75mM~約200mM、5カラム容量で約100mM~約200mM、5カラム容量で約125mM~約200mM、5カラム容量で約150mM~約200mM、5カラム容量で約175mM~約200mM、5カラム容量で約30mM~約175mM、150カラム容量で約30mM~約200mM、5カラム容量で約30mM~約125mM、5カラム容量で約30mM~約100mM、5カラム容量で約30mM~約80mM、5カラム容量で約30mM~約75mM、5カラム容量で約30mM~約50mM、5カラム容量で約30mM~約40mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。
【0211】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、40カラム容量で約30mM~約200mMである。
【0212】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、40カラム容量で約30mM~約80mMである。
【0213】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、40カラム容量で約30mM~約40mMである。
【0214】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、30カラム容量で約30mM~約200mMである。
【0215】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、30カラム容量で約30mM~約80mMである。
【0216】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、30カラム容量で約30mM~約40mMである。
【0217】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、20カラム容量で約30mM~約200mMである。
【0218】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、20カラム容量で約30mM~約80mMである。
【0219】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、20カラム容量で約30mM~約40mMである。
【0220】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、10カラム容量で約30mM~約200mMである。
【0221】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、10カラム容量で約30mM~約80mMである。
【0222】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、10カラム容量で約30mM~約40mMである。
【0223】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、5カラム容量で約30mM~約200mMである。
【0224】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、5カラム容量で約30mM~約80mMである。
【0225】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の一価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、5カラム容量で約30mM~約40mMである。
【0226】
いくつかの実施形態において、カラム容量の量は、特定の構築物(例えば、AAV構築物)の正確な分離特性が評価されたら、減らすことができる。一例として、限定するものではないが、平衡バッファーと溶出バッファーの間の一価カチオンのモル濃度の差が、例えば、5mM~10mMである場合、グラジエントのカラム容量は、5カラム容量まで減らすことができる(または5カラム容量未満とすることができる)(例えば、5カラム容量で30mM Naから40mM Naへのグラジエント)。
【0227】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の添加は、Naの総濃度を連続的に直線的に増加させることを含む。
【0228】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaの総濃度の連続的な直線的増加は、40カラム容量で約30mM~約200mM、40カラム容量で約40mM~約200mM、40カラム容量で約50mM~約200mM、40カラム容量で約75mM~約200mM、40カラム容量で約100mM~約200mM、40カラム容量で約125mM~約200mM、40カラム容量で約150mM~約200mM、40カラム容量で約175mM~約200mM、40カラム容量で約30mM~約175mM、150カラム容量で約30mM~約200mM、40カラム容量で約30mM~約125mM、40カラム容量で約30mM~約100mM、40カラム容量で約30mM~約80mM、40カラム容量で約30mM~約75mM、40カラム容量で約30mM~約50mM、40カラム容量で約30mM~約40mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。
【0229】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaの総濃度の連続的な直線的増加は、30カラム容量で約30mM~約200mM、30カラム容量で約40mM~約200mM、30カラム容量で約50mM~約200mM、30カラム容量で約75mM~約200mM、30カラム容量で約100mM~約200mM、30カラム容量で約125mM~約200mM、30カラム容量で約150mM~約200mM、30カラム容量で約175mM~約200mM、30カラム容量で約30mM~約175mM、150カラム容量で約30mM~約200mM、30カラム容量で約30mM~約125mM、30カラム容量で約30mM~約100mM、30カラム容量で約30mM~約80mM、30カラム容量で約30mM~約75mM、30カラム容量で約30mM~約50mM、30カラム容量で約30mM~約40mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。
【0230】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaの総濃度の連続的な直線的増加は、20カラム容量で約30mM~約200mM、20カラム容量で約40mM~約200mM、20カラム容量で約50mM~約200mM、20カラム容量で約75mM~約200mM、20カラム容量で約100mM~約200mM、20カラム容量で約125mM~約200mM、20カラム容量で約150mM~約200mM、20カラム容量で約175mM~約200mM、20カラム容量で約30mM~約175mM、150カラム容量で約30mM~約200mM、20カラム容量で約30mM~約125mM、20カラム容量で約30mM~約100mM、20カラム容量で約30mM~約80mM、20カラム容量で約30mM~約75mM、20カラム容量で約30mM~約50mM、20カラム容量で約30mM~約40mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。
【0231】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaの総濃度の連続的な直線的増加は、10カラム容量で約30mM~約200mM、10カラム容量で約40mM~約200mM、10カラム容量で約50mM~約200mM、10カラム容量で約75mM~約200mM、10カラム容量で約100mM~約200mM、10カラム容量で約125mM~約200mM、10カラム容量で約150mM~約200mM、10カラム容量で約175mM~約200mM、10カラム容量で約30mM~約175mM、150カラム容量で約30mM~約200mM、10カラム容量で約30mM~約125mM、10カラム容量で約30mM~約100mM、10カラム容量で約30mM~約80mM、10カラム容量で約30mM~約75mM、10カラム容量で約30mM~約50mM、10カラム容量で約30mM~約40mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。
【0232】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaの総濃度の連続的な直線的増加は、5カラム容量で約30mM~約200mM、5カラム容量で約40mM~約200mM、5カラム容量で約50mM~約200mM、5カラム容量で約75mM~約200mM、5カラム容量で約100mM~約200mM、5カラム容量で約125mM~約200mM、5カラム容量で約150mM~約200mM、5カラム容量で約175mM~約200mM、5カラム容量で約30mM~約175mM、150カラム容量で約30mM~約200mM、5カラム容量で約30mM~約125mM、5カラム容量で約30mM~約100mM、5カラム容量で約30mM~約80mM、5カラム容量で約30mM~約75mM、5カラム容量で約30mM~約50mM、5カラム容量で約30mM~約40mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。
【0233】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaの総濃度の連続的な直線的増加は、40カラム容量で約30mM~約200mMである。
【0234】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaの総濃度の連続的な直線的増加は、40カラム容量で約30mM~約80mMである。
【0235】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaの総濃度の連続的な直線的増加は、40カラム容量で約30mM~約40mMである。
【0236】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaの総濃度の連続的な直線的増加は、30カラム容量で約30mM~約200mMである。
【0237】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaの総濃度の連続的な直線的増加は、30カラム容量で約30mM~約80mMである。
【0238】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaの総濃度の連続的な直線的増加は、30カラム容量で約30mM~約40mMである。
【0239】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaの総濃度の連続的な直線的増加は、20カラム容量で約30mM~約200mMである。
【0240】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaの総濃度の連続的な直線的増加は、20カラム容量で約30mM~約80mMである。
【0241】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaの総濃度の連続的な直線的増加は、20カラム容量で約30mM~約40mMである。
【0242】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaの総濃度の連続的な直線的増加は、10カラム容量で約30mM~約200mMである。
【0243】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaの総濃度の連続的な直線的増加は、10カラム容量で約30mM~約80mMである。
【0244】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaの総濃度の連続的な直線的増加は、10カラム容量で約30mM~約40 0である。
【0245】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaの総濃度の連続的な直線的増加は、5カラム容量で約30mM~約200mMである。
【0246】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaの総濃度の連続的な直線的増加は、5カラム容量で約30mM~約80mMである。
【0247】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のNaの総濃度の連続的な直線的増加は、5カラム容量で約30mM~約40mMである。
【0248】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の添加は、1つ以上の二価カチオンの総濃度を連続的に直線的に増加させることを含む。
【0249】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、40カラム容量で約1mM~約30mM、40カラム容量で5mM~約30mM、40カラム容量で10mM~約30mM、40カラム容量で15mM~約30mM、40カラム容量で20mM~約30mM、40カラム容量で25mM~約30mM、40カラム容量で1mM~約25mM、40カラム容量で1mM~約20mM、40カラム容量で1mM~約15mM、40カラム容量で1mM~約10mM、40カラム容量で1mM~約5mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。
【0250】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、30カラム容量で約1mM~約30mM、30カラム容量で5mM~約30mM、30カラム容量で10mM~約30mM、30カラム容量で15mM~約30mM、30カラム容量で20mM~約30mM、30カラム容量で25mM~約30mM、30カラム容量で1mM~約25mM、30カラム容量で1mM~約20mM、30カラム容量で1mM~約15mM、30カラム容量で1mM~約10mM、30カラム容量で1mM~約5mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。
【0251】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、20カラム容量で約1mM~約30mM、20カラム容量で5mM~約30mM、20カラム容量で10mM~約30mM、20カラム容量で15mM~約30mM、20カラム容量で20mM~約30mM、20カラム容量で25mM~約30mM、20カラム容量で1mM~約25mM、20カラム容量で1mM~約20mM、20カラム容量で1mM~約15mM、20カラム容量で1mM~約10mM、20カラム容量で1mM~約5mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。
【0252】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、10カラム容量で約1mM~約30mM、10カラム容量で5mM~約30mM、10カラム容量で10mM~約30mM、10カラム容量で15mM~約30mM、10カラム容量で20mM~約30mM、10カラム容量で25mM~約30mM、10カラム容量で1mM~約25mM、10カラム容量で1mM~約20mM、10カラム容量で1mM~約15mM、10カラム容量で1mM~約10mM、10カラム容量で1mM~約5mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。
【0253】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、5カラム容量で約1mM~約30mM、5カラム容量で5mM~約30mM、5カラム容量で10mM~約30mM、5カラム容量で15mM~約30mM、5カラム容量で20mM~約30mM、5カラム容量で25mM~約30mM、5カラム容量で1mM~約25mM、5カラム容量で1mM~約20mM、5カラム容量で1mM~約15mM、5カラム容量で1mM~約10mM、5カラム容量で1mM~約5mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。
【0254】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、40カラム容量で約1mM~約30mMである。
【0255】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、40カラム容量で約1mM~約15mMである。
【0256】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、40カラム容量で約1mM~約5mMである。
【0257】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、30カラム容量で約1mM~約30mMである。
【0258】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、30カラム容量で約1mM~約15mMである。
【0259】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、30カラム容量で約1mM~約5mMである。
【0260】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、20カラム容量で約1mM~約30mMである。
【0261】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、20カラム容量で約1mM~約15mMである。
【0262】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、20カラム容量で約1mM~約5mMである。
【0263】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、10カラム容量で約1mM~約30mMである。
【0264】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、10カラム容量で約1mM~約15mMである。
【0265】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、10カラム容量で約1mM~約5mMである。
【0266】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、5カラム容量で約1mM~約30mMである。
【0267】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、5カラム容量で約1mM~約15mMである。
【0268】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の1つ以上の二価カチオンの総濃度の連続的な直線的増加は、5カラム容量で約1mM~約5mMである。
【0269】
いくつかの実施形態において、第2の溶液の添加は、Ca2+の総濃度を連続的に直線的に増加させることを含む。
【0270】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のCa2+の総濃度の連続的な直線的増加は、40カラム容量で約1mM~約30mM、40カラム容量で5mM~約30mM、40カラム容量で10mM~約30mM、40カラム容量で15mM~約30mM、40カラム容量で20mM~約30mM、40カラム容量で25mM~約30mM、40カラム容量で1mM~約25mM、40カラム容量で1mM~約20mM、40カラム容量で1mM~約15mM、40カラム容量で1mM~約10mM、40カラム容量で1mM~約5mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。
【0271】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のCa2+の総濃度の連続的な直線的増加は、30カラム容量で約1mM~約30mM、30カラム容量で5mM~約30mM、30カラム容量で10mM~約30mM、30カラム容量で15mM~約30mM、30カラム容量で20mM~約30mM、30カラム容量で25mM~約30mM、30カラム容量で1mM~約25mM、30カラム容量で1mM~約20mM、30カラム容量で1mM~約15mM、30カラム容量で1mM~約10mM、30カラム容量で1mM~約5mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。
【0272】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のCa2+の総濃度の連続的な直線的増加は、20カラム容量で約1mM~約30mM、20カラム容量で5mM~約30mM、20カラム容量で10mM~約30mM、20カラム容量で15mM~約30mM、20カラム容量で20mM~約30mM、20カラム容量で25mM~約30mM、20カラム容量で1mM~約25mM、20カラム容量で1mM~約20mM、20カラム容量で1mM~約15mM、20カラム容量で1mM~約10mM、20カラム容量で1mM~約5mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。
【0273】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のCa2+の総濃度の連続的な直線的増加は、10カラム容量で約1mM~約30mM、10カラム容量で5mM~約30mM、10カラム容量で10mM~約30mM、10カラム容量で15mM~約30mM、10カラム容量で20mM~約30mM、10カラム容量で25mM~約30mM、10カラム容量で1mM~約25mM、10カラム容量で1mM~約20mM、10カラム容量で1mM~約15mM、10カラム容量で1mM~約10mM、10カラム容量で1mM~約5mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。
【0274】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のCa2+の総濃度の連続的な直線的増加は、5カラム容量で約1mM~約30mM、5カラム容量で5mM~約30mM、5カラム容量で10mM~約30mM、5カラム容量で15mM~約30mM、5カラム容量で20mM~約30mM、5カラム容量で25mM~約30mM、5カラム容量で1mM~約25mM、5カラム容量で1mM~約20mM、5カラム容量で1mM~約15mM、5カラム容量で1mM~約10mM、5カラム容量で1mM~約5mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値である。
【0275】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のCa2+の総濃度の総濃度の連続的な直線的増加は、40カラム容量で約1mM~約30mMである。
【0276】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のCa2+の総濃度の連続的な直線的増加は、40カラム容量で約1mM~約15mMである。
【0277】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のCa2+の総濃度の連続的な直線的増加は、40カラム容量で約1mM~約5mMである。
【0278】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のCa2+の総濃度の総濃度の連続的な直線的増加は、30カラム容量で約1mM~約30mMである。
【0279】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のCa2+の総濃度の連続的な直線的増加は、30カラム容量で約1mM~約15mMである。
【0280】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のCa2+の総濃度の連続的な直線的増加は、30カラム容量で約1mM~約5mMである。
【0281】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のCa2+の総濃度の総濃度の連続的な直線的増加は、20カラム容量で約1mM~約30mMである。
【0282】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のCa2+の総濃度の連続的な直線的増加は、20カラム容量で約1mM~約15mMである。
【0283】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のCa2+の総濃度の連続的な直線的増加は、20カラム容量で約1mM~約5mMである。
【0284】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のCa2+の総濃度の総濃度の連続的な直線的増加は、0カラム容量で約1mM~約30mMである。
【0285】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のCa2+の総濃度の連続的な直線的増加は、0カラム容量で約1mM~約15mMである。
【0286】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のCa2+の総濃度の連続的な直線的増加は、0カラム容量で約1mM~約5mMである。
【0287】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のCa2+の総濃度の総濃度の連続的な直線的増加は、5カラム容量で約1mM~約30mMである。
【0288】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のCa2+の総濃度の連続的な直線的増加は、5カラム容量で約1mM~約15mMである。
【0289】
いくつかの実施形態において、第2の溶液のCa2+の総濃度の連続的な直線的増加は、5カラム容量で約1mM~約5mMである。
【0290】
いくつかの実施形態において、AAVカプシドは、AAV2、AAV3、AAV3b、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、遺伝子改変AAV、化学改変AAV、遺伝子化学改変AAV、及びこれらの組み合わせからなる群に由来する。
【0291】
いくつかの実施形態において、AAVカプシドは、AAV8に由来する。
【0292】
いくつかの実施形態において、AAVカプシドは、AAV9に由来する。
【0293】
いくつかの実施形態において、AAVカプシドは、AAV6に由来する。
【0294】
いくつかの実施形態において、1つ以上の界面活性剤(例えば、第1の溶液または第2の溶液)は、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリオキシエチレングリコールtert-オクチルフェノールエーテル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレン(20)-ソルビタン-モノオレエート(Tween 80/ポリソルベート80))、ポロキサマー124、ポロキサマー188、ポロキサマー407、クレモフォア、Triton N-101還元型、Triton X-100、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0295】
いくつかの実施形態において、1つ以上の界面活性剤(例えば、第1の溶液または第2の溶液)は、ポリソルベート20、ポリソルベート80、ポロキサマー124、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0296】
いくつかの実施形態において、1つ以上の界面活性剤(例えば、第1の溶液または第2の溶液)は、ポリソルベート80である。
【0297】
いくつかの実施形態において、1つ以上の界面活性剤(例えば、第1の溶液または第2の溶液)は、ポリソルベート20である。
【0298】
いくつかの実施形態において、1つ以上の界面活性剤(例えば、第1の溶液または第2の溶液)は、ポリソルベート124である。
【0299】
いくつかの実施形態において、1つ以上の界面活性剤(例えば、第1の溶液または第2の溶液)は、約0.0025w/w%~約0.0075w/w%、約0.003w/w%~約0.0075w/w%、約0.0035w/w%~約0.0075w/w%、約0.004w/w%~約0.0075w/w%、約0.0045w/w%~約0.0075w/w%、約0.005w/w%~約0.0075w/w%、約0.0055w/w%~約0.0075w/w%、約0.006w/w%~約0.0075w/w%、約0.0065w/w%~約0.0075w/w%、約0.007w/w%~約0.0075w/w%、約0.0025w/w%~約0.0070w/w%、約0.0025w/w%~約0.0065w/w%、約0.0025w/w%~約0.006w/w%、約0.0025w/w%~約0.0065w/w%、約0.0025w/w%~約0.006w/w%、約0.0025w/w%~約0.0055w/w%、約0.0025w/w%~約0.005w/w%、約0.0025w/w%~約0.0045w/w%、約0.0025w/w%~約0.004w/w%、約0.0025w/w%~約0.0035w/w%、約0.0025w/w%~約0.003w/w%、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値の総量である。具体例としては、約0.0025w/w%、約0.003w/w%、約0.0035w/w%、約0.004w/w%、約0.0045w/w%、約0.005w/w%、約0.0055w/w%、約0.006w/w%、約0.0065w/w%、約0.007w/w%、約0.0075w/w%、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0300】
いくつかの実施形態において、1つ以上の界面活性剤(例えば、第1の溶液または第2の溶液)は、約0.005w/w%の総量である。
【0301】
ある特定の実施形態において、空AAVカプシド及び完全AAVカプシドを含むAAV調製物または画分から空AAVカプシドを精製して、完全AAVカプシドを実質的に含まないAAV生成物、製剤、または組成物を提供するための方法であって、
(a)空AAVカプシド、完全AAVカプシド、1つ以上の一価カチオン、及び1つ以上の二価カチオンを含む第1の溶液を提供するステップと、
(b)当該第1の溶液をカチオン交換カラムに対して、当該空AAVカプシド及び当該完全AAVカプシドがカラムに結合する条件下でロードするステップと、
(c)1つ以上の一価カチオン及び1つ以上の二価カチオンを含む第2の溶液をカチオン交換カラムに対して、空AAVカプシドが完全AAVカプシドから精製される条件下で添加するステップとを含む、方法。
【0302】
いくつかの実施形態において、精製されたAAV生成物、製剤、または組成物は、約50%、約45%、約40%、約35%、約30%、約29%、約28%、約27%、約26%、約25%、約24%、約23%、約22%、約21%、約20%、約19%、約18%、約17%、約16%、約15%、約14%、約13%、約12%、約11%、約10%、約9%、約8%、約7%、約6%、約5%、約4%、約3%、約2%、または約1%未満の空AAVカプシドを含む。いくつかの実施形態において、精製されたAAV生成物、製剤、または組成物は、約30%未満の空AAVカプシドを含む。いくつかの実施形態において、精製されたAAV生成物、製剤、または組成物は、約20%未満の空AAVカプシドを含む。いくつかの実施形態において、精製されたAAV生成物、製剤、または組成物は、約6%未満の空AAVカプシドを含む。
【0303】
ある特定の実施形態において、AAV調製物または画分中の空AAVカプシド及び完全AAVカプシドを分離する方法であって、
(a)空AAVカプシド、完全AAVカプシド、1つ以上の一価カチオン、及び1つ以上の二価カチオンを含む第1の溶液を提供するステップと、
(b)当該第1の溶液をカチオン交換カラムに対して、当該空AAVカプシド及び当該完全AAVカプシドがカラムに結合する条件下でロードするステップと、
(c)1つ以上の一価カチオン及び1つ以上の二価カチオンを含む第2の溶液をカチオン交換カラムに対して、空AAVカプシドが完全AAVカプシドから分離される条件下で添加するステップとを含む、方法。
【0304】
ある特定の実施形態において、低い導電率域では完全カプシドまたは実質的に完全なカプシドを選択することができ、高い導電率域では空カプシドまたは実質的に空のカプシドを選択することができる。
【0305】
いくつかの実施形態において、空AAVカプシドは、AAV2、AAV3、AAV3b、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、遺伝子改変AAV、化学改変AAV、遺伝子化学改変AAV、及びこれらの組み合わせからなる群に由来する。
【0306】
いくつかの実施形態において、空AAVカプシドは、AAV8に由来する。
【0307】
いくつかの実施形態において、空AAVカプシドは、AAV9に由来する。
【0308】
いくつかの実施形態において、空AAVカプシドは、AAV6に由来する。
【0309】
いくつかの実施形態は、免疫吸収カラムを調製する方法であって、
(a)本明細書で開示されるいずれかの実施形態の空AAVカプシドを限外濾過によって濃縮するステップと、
(b)アミン不含バッファーにバッファー交換するステップと、
(c)空AAVカプシドを活性化樹脂上に固定化するステップとを含む、方法を対象とする。
【0310】
いくつかの実施形態は、免疫吸収カラムを調製する方法であって、
(a)本明細書で開示されるいずれかの実施形態の空AAVカプシドをアニオン交換体によって濃縮するステップと、
(b)アミン不含バッファーにバッファー交換するステップと、
(c)空AAVカプシドを活性化樹脂上に固定化するステップとを含む、方法を対象とする。
【0311】
いくつかの実施形態は、免疫吸収カラムを調製する方法であって、
(a)本明細書で開示されるいずれかの実施形態の空AAVカプシドをカチオン交換体によって濃縮するステップと、
(b)アミン不含バッファーにバッファー交換するステップと、
(c)空AAVカプシドを活性化樹脂上に固定化するステップとを含む、方法を対象とする。
【0312】
いくつかの実施形態は、免疫吸収カラムを調製する方法であって、
(a)本明細書で開示されるいずれかの実施形態の完全AAVカプシドを限外濾過によって濃縮するステップと、
(b)患者の治療に好適なバッファーにバッファー交換するステップとを含む、方法を対象とする。
【0313】
免疫吸収カラムを調製する方法であって、
(a)本明細書で開示されるいずれかの実施形態の完全AAVカプシドをアニオン交換体によって濃縮するステップと、
(b)患者の治療に好適なバッファーにバッファー交換するステップとを含む、方法を対象とする。
【0314】
いくつかの実施形態は、免疫吸収カラムを調製する方法であって、
(a)本明細書で開示されるいずれかの実施形態の完全AAVカプシドをカチオン交換体によって濃縮するステップと、
(b)患者の治療に好適なバッファーにバッファー交換するステップとを含む、方法を対象とする。
【0315】
いくつかの実施形態において、空AAVカプシドの活性化樹脂上への固定化は、約2℃~約37℃、約5℃~約37℃、約10℃~約37℃、約15℃~約37℃、約20℃~約37℃、約25℃~約37℃、約30℃~約37℃、約35℃~約37℃、約2℃~約35℃、約2℃~約30℃、約2℃~約25℃、約2℃~約20℃、約2℃~約15℃、約2℃~約10℃、約2℃~約5℃、約5℃~約35℃、約10℃~約30℃、約15℃~約25℃、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値の温度で生じる。具体例としては、約2℃、約5℃、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、約37℃、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0316】
いくつかの実施形態において、空AAVカプシドの活性化樹脂上への固定化は、約2時間(hrs)~約20時間、約2時間~約19時間、約2時間~約18時間、約2時間~約17時間、約2時間~約16時間、約2時間~約15時間、約2時間~約14時間、約2時間~約13時間、約2時間~約12時間、約2時間~約11時間、約2時間~約10時間、約2時間~約9時間、約2時間~約8時間、約2時間~約7時間、約2時間~約6時間、約2時間~約5時間、約2時間~約4時間、約2時間~約3時間、約3時間~約20時間、約4時間~約20時間、約5時間~約20時間、約6時間~約20時間、約7時間~約20時間、約8時間~約20時間、約9時間~約20時間、約10時間~約20時間、約11時間~約20時間、約12時間~約20時間、約13時間~約20時間、約14時間~約20時間、約15時間~約20時間、約16時間~約20時間、約17時間~約20時間、約18時間~約20時間、約19時間~約20時間、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値の反応時間で実施される。具体例としては、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0317】
いくつかの実施形態において、アミン不含バッファーは、リン酸バッファー、クエン酸バッファー、炭酸バッファー、酢酸バッファー、ホウ酸バッファー、4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0318】
いくつかの実施形態において、アミン不含バッファーは、約50mM~約150mM、約50mM~約125mM、約50mM~約100mM、約75mM~約150mM、約100mM~約150mM、約75mM~約125mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値の濃度である。具体例としては、約50mM、約75mM、約100mM、約125mM、約150mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0319】
いくつかの実施形態において、アミン不含バッファーは、約100mMの濃度である。
【0320】
いくつかの実施形態において、アミン不含バッファーは、NaClを更に含む。
【0321】
いくつかの実施形態において、NaClは、約100mM~約200mM、約125mM~約200mM、約150mM~約200mM、約100mM~約175mM、約100mM~約150mM、約125mM~約175mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値の濃度である。具体例としては、約100mM、約125mM、約150mM、約175mM、約200mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0322】
いくつかの実施形態において、NaClは、約150mMの濃度である。
【0323】
いくつかの実施形態において、アミン不含バッファーは、約7.0~約8.5、約7.25~約8.5、約7.5~約8.5、約7.75~約8.5、約8.0~約8.5、約8.25~約8.5、約7.0~約8.25、約7.0~約8、約7.0~約7.75、約7.0~約7.5、約7.0~約7.25、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値のpHを有する。具体例としては、約7.0、約7.25、約7.5、約7.75、約8.0、約8.25、約8.5、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0324】
いくつかの実施形態において、アミン不含バッファーは、約8.0~約8.5のpHを有する。
【0325】
いくつかの実施形態において、活性化樹脂は、CNBr-Sepharose FF、NHS-Sepharose FF、Praesto(登録商標)CNBr、Poros EP、及びPoros ALからなる群から選択される。
【0326】
いくつかの実施形態において、アミン不含バッファーは、約6.5、約7、約7.5、約8、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲のpHを有する。
【0327】
いくつかの実施形態において、アミン不含バッファーは、約7.5のpHを有する。
【0328】
いくつかの実施形態において、アニオン交換体は、Fractogel TMAE、Poros PI、Q Sepharose HP、Poros HQ、Toyopearl GigaCap Q 650、Cellufine Max Q、及びPraesto Qからなる群から選択される。
【0329】
いくつかの実施形態において、アニオン交換体は、Fractogel TMAE、Poros PI、及びPoros HQからなる群から選択される。
【0330】
いくつかの実施形態において、アニオン交換体は、Fractogel TMAEである。
【0331】
いくつかの実施形態において、アニオン交換体は、Poros PIである。
【0332】
いくつかの実施形態において、アニオン交換体は、Poros HQである。
【0333】
いくつかの実施形態において、カチオン交換体は、Capto S、Eshmuno S、Mustang S、セルファインサルフェイト、セルファインフォスフェイト、Toyopearl sulfate 650、Poros XS、Poros HS、及びPraesto SPからなる群から選択される。
【0334】
いくつかの実施形態において、カチオン交換体は、Capto S 及びEshmuno Sからなる群から選択される。
【0335】
いくつかの実施形態において、カチオン交換体は、Capto Sである。
【0336】
いくつかの実施形態において、カチオン交換体は、Eshmuno Sである。
【0337】
例として、限定するものではないが、患者の治療に好適なバッファーの候補は、WO2018128689A1及びWO2020014479A1に見出すことができ、意図される全ての目的のために、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0338】
いくつかの実施形態において、患者の治療に好適なバッファーは、L-ヒスチジンである。
【0339】
いくつかの実施形態において、患者の治療に好適なバッファーは、約5mM~約25mM、約5mM~約15mM、約10mM~約20mM、または約15mM~約25mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値の濃度である。具体例としては、約5mM、約6mM、約7mM、約8mM、約9mM、約10mM、約11mM、約12mM、約13mM、約14mM、約15mM、約16mM、約17mM、約18mM、約19mM、約20mM、約21mM、約22mM、約23mM、約24mM、または約25mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0340】
いくつかの実施形態において、患者の治療に好適なバッファーは、NaClを更に含む。
【0341】
いくつかの実施形態において、NaClは、約100mM~約200mM、約125mM~約200mM、約150mM~約200mM、約100mM~約175mM、約100mM~約150mM、約125mM~約175mM、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値の濃度である。具体例としては、約100mM、約125mM、約150mM、約175mM、約200mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0342】
いくつかの実施形態において、NaClは、約150mMの濃度である。
【0343】
いくつかの実施形態において、患者の治療に好適なバッファーは、約6.5~約9.0、約6.5~約8.0、約6.9~約7.7、または約7.0~約7.5、またはこれらの範囲の1つの範囲内の値のpHを有する。具体例としては、約6.5、約6.6、約6.7、約6.8、約6.9、約7.0、約7.1、約7.2、約7.3、約7.4、約7.5、約7.6、約7.7、約7.8、約7.9、約8.0、約8.1、約8.2、約8.3、約8.4、約8.5、約8.6、約8.7、約8.8、約8.9、約9.0、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲を挙げることができる。
【0344】
いくつかの実施形態において、患者の治療に好適なバッファーは、約7.0のpHを有する。
【0345】
いくつかの実施形態において、アミン不含バッファーは、約8.0~約7.5のpHを有する。
【0346】
いくつかの実施形態は、AAV調製物または画分から空AAVカプシドを精製するための方法を対象とし、精製されたAAV生成物、製剤、組成物などは、約40%、約35%、約30%、約25%、約20%、約19%、約18%、約17%、約16%、約15%、約14%、約13%、約12%、約11%、約10%、約9%、約8%、約7%、約6%、約5%、約4%、約3%、約2%、または約1%未満の空AAVカプシドを含む。いくつかの実施形態において、精製されたAAV生成物、製剤、または組成物は、約1%~約30%、約4%~約30%、約1%~約20%、約1%~約6%、約2%~約20%、約3%~約20%、約4%~約20%、約5%~約20%、約6%~約20%、約4%~約19%、約5%~約19%、約4%~約12%、約5%~約12%、約4%~約11%、約、または約5%~約11%の空AAVカプシドを含む。
【0347】
AAV製剤及びAAV生成物
本明細書で提供されるのは、本明細書に記載される方法に従って精製された完全AAVカプシドを含む、AAV製剤である。
【0348】
本明細書において提供されるのはまた、本明細書に記載される方法によって作製されたAAV生成物を含む、医薬組成物である。
【0349】
例示的な実施形態において、本開示のAAV製剤またはAAV組成物またはAAV生成物は、追加の薬学的に許容される成分を含む。例示的な態様において、AAV製剤またはAAV組成物またはAAV生成物は、次のうちのいずれか1つまたは組み合わせを含む:酸性化剤、添加剤、吸着剤、エアロゾル推進剤、空気置換剤、アルカリ化剤、固化防止剤、凝固防止剤、抗菌保存剤、抗酸化剤、防腐剤、塩基、結合剤、緩衝剤、キレート剤、コーティング剤、着色剤、乾燥剤、洗浄剤、希釈剤、消毒剤、崩壊剤、分散剤、溶解促進剤、色素、皮膚軟化剤、乳化剤、乳化安定剤、充填剤、フィルム形成剤、風味向上剤、矯味矯臭剤、流動促進剤、ゲル化剤、造粒剤、保湿剤、滑沢剤、粘膜付着剤、軟膏基剤、軟膏剤、油脂性ビヒクル、有機塩基、トローチ基剤、顔料、可塑剤、研磨剤、保存剤、金属イオン封鎖剤、皮膚浸透剤、可溶化剤、溶媒、安定化剤、坐剤基剤、表面活性剤、界面活性剤、懸濁化剤、甘味剤、治療剤、粘稠化剤、等張化剤、毒性剤、増粘剤、吸水剤、水混和性共溶媒、水軟化剤、または湿潤剤。いくつかの実施形態において、本開示のAAV製剤またはAAV組成物またはAAV生成物は、次の構成成分のいずれか1つまたは組み合わせを含む:アラビアゴム、アセスルファムカリウム、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、寒天、アルブミン、アルコール、脱水アルコール、変性アルコール、希釈アルコール、アロイリット酸、アルギン酸、脂肪族ポリエステル、アルミナ、水酸化アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、アミロペクチン、α-アミロース、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、アスパルテーム、注射用静菌水、ベントナイト、ベントナイトマグマ、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、安息香酸、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、ブロノポール、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチルパラベン、ブチルパラベンナトリウム、アルギン酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、炭酸カルシウム、シクラミン酸カルシウム、二塩基性無水リン酸カルシウム、二塩基性脱水リン酸カルシウム、三塩基性リン酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ソルビン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸カルシウム半水和物、キャノーラ油、カルボマー、二酸化炭素、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、β-カロチン、カラギーナン、ヒマシ油、水添ヒマシ油、カチオン乳化ワックス、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、エチルセルロース、微結晶セルロース、粉末セルロース、ケイ化微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、セトステアリルアルコール、セトリミド、セチルアルコール、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、コレステロール、酢酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、クロロジフルオロエタン(HCFC)、クロロジフルオロメタン、クロロフルオロカーボン(CFC)クロロフェノキシエタノール、クロロキシレノール、固形コーンシロップ、無水クエン酸、クエン酸一水和物、カカオ脂、着色剤、トウモロコシ油、綿実油、クレゾール、m-クレゾール、o-クレゾール、p-クレゾール、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、シクラミン酸、シクロデキストリン、デキストレート、デキストリン、デキストロース、無水デキストロース、ジアゾリジニル尿素、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、ジエタノールアミン、フタル酸ジエチル、ジフルオロエタン(HFC)、ジメチル-β-シクロデキストリン、Captisol(登録商標)などのシクロデキストリン系化合物、ジメチルエーテル、フタル酸ジメチル、エデト酸二カリウム、エデト酸二ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、ドクサートカルシウム、ドクサートカリウム、ドクサートナトリウム、没食子酸ドデシル、臭化ドデシルトリメチルアンモニウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸、エグルミン、エチルアルコール、エチルセルロース、没食子酸エチル、ラウリン酸エチル、エチルマルトール、オレイン酸エチル、エチルパラベン、エチルパラベンカリウム、エチルパラベンナトリウム、エチルバニリン、フルクトース、液体フルクトース、粉砕フルクトース、パイロジェンフリーフルクトース、粉末フルクトース、フマル酸、ゼラチン、グルコース、液体グルコース、植物性飽和脂肪酸のグリセリド混合物、グリセリン、ベヘン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、自己乳化型モノステアリン酸グリセリル、パルミチン酸ステアリン酸グリセリル、グリシン、グリコール、グリコフロール、グアーガム、ヘプタフルオロプロパン(HFC)、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、高フルクトースシロップ、ヒト血清アルブミン、炭化水素(HC)、希塩酸、水素添加植物油II型、ヒドロキシエチルセルロース、2-ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、イミド尿素、インジゴカルミン、イオン交換体、酸化鉄、イソプロピルアルコール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、等張食塩水、カオリン、乳酸、ラクチトール、ラクトース、ラノリン、ラノリンアルコール、無水ラノリン、レシチン、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、炭酸マグネシウム、中性炭酸マグネシウム、無水炭酸マグネシウム、水酸化炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、ラウリル硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、無水三ケイ酸マグネシウム、リンゴ酸、麦芽、マルチトール、マルチトール溶液、マルトデキストリン、マルトール、マルトース、マンニトール、中鎖トリグリセリド、メグルミン、メントール、メチルセルロース、メタクリル酸メチル、オレイン酸メチル、メチルパラベン、メチルパラベンカリウム、メチルパラベンナトリウム、微結晶セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウム、鉱油、軽鉱油、鉱油及びラノリンアルコール、油、オリーブ油、モノエタノールアミン、モンモリロナイト、没食子酸オクチル、オレイン酸、パルミチン酸、パラフィン、ピーナッツ油、ペトロラタム、ペトロラタム及びラノリンアルコール、医薬品グレーズ、フェノール、液化フェノール、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェニルエチルアルコール、酢酸フェニル水銀、ホウ酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、ポラクリリン、ポラクリリンカリウム、ポロキサマー、ポリデキストロース、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリアクリレート、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリメタクリレート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシエチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アルギン酸カリウム、安息香酸カリウム、炭酸水素カリウム、亜硫酸水素カリウム、塩化カリウム、クエン酸カリウム、無水クエン酸カリウム、リン酸水素カリウム、ピロ亜硫酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、プロピオン酸カリウム、ソルビン酸カリウム、ポビドン、プロパノール、プロピオン酸、炭酸プロピレン、プロピレングリコール、アルギン酸プロピレングリコール、没食子酸プロピル、プロピルパラベン、プロピルパラベンカリウム、プロピルパラベンナトリウム、硫酸プロタミン、菜種油、リンゲル液、サッカリン、サッカリンアンモニウム、サッカリンカルシウム、サッカリンナトリウム、ベニバナ油、サポナイト、血清タンパク質、ゴマ油、コロイダルシリカ、コロイド状二酸化ケイ素、アルギン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、無水クエン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム脱水物、塩化ナトリウム、シクラミン酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、三塩基性リン酸ナトリウム、無水プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビタンエステル(ソルビタン脂肪エステル)、ソルビトール、ソルビトール溶液70%、大豆油、スペルマセチロウ、デンプン、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルファ化デンプン、滅菌可能トウモロコシデンプン、ステアリン酸、精製ステアリン酸、ステアリルアルコール、スクロース、糖、圧縮糖、粉糖、粒状糖、転化糖、シュガータブ、Sunset Yellow FCF、合成パラフィン、タルク、酒石酸、タートラジン、テトラフルオロエタン(HFC)、テオブロマオイル、チメロサール、二酸化チタン、アルファトコフェロール、酢酸トコフェロール、コハク酸アルファトコフェロール、ベータ-トコフェロール、デルタ-トコフェロール、ガンマ-トコフェロール、トラガカント、トリアセチン、クエン酸トリブチル、トリエタノールアミン、クエン酸トリエチル、トリメチル-β-シクロデキストリン、臭化トリメチルテトラデシルアンモニウム、トリスバッファー、エデト酸三ナトリウム、バニリン、I型水素添加植物油、水、軟水、硬水、炭酸ガスフリー水、パイロジェンフリー水、注射用水、吸入用無菌水、注射用無菌水、灌漑用滅菌水、ロウ、アニオン性乳化ワックス、カルナウバロウ、カチオン性乳化ワックス、セチルエステルワックス、マイクロクリスタリンワックス、非イオン性乳化ワックス、坐剤ロウ、白ロウ、黄ロウ、白色ワセリン、羊毛脂、キサンタンガム、キシリトール、ゼイン、プロピオン酸亜鉛、亜鉛塩、ステアリン酸亜鉛、またはHandbook of Pharmaceutical Excipients,Third Edition,A.H.Kibbe(Pharmaceutical Press,London,UK,2000)の任意の賦形剤(その全体が参照により援用される)。Remington’s Pharmaceutical Sciences,Sixteenth Edition,E.W.Martin(Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1980)には、薬学的に許容されるAAV製剤またはAAV生成物またはAAV組成物の製剤化に使用される様々な構成成分及びその調製のための既知の技術が開示されており、全ての意図される目的のために、その全体が参照により援用される。従来の任意の剤は、医薬用AAV製剤またはAAV生成物またはAAV組成物と適合性がない場合を除き、医薬用AAV製剤またはAAV生成物またはAAV組成物における使用が企図される。例示的な実施形態において、本開示のAAV製剤またはAAV生成物またはAAV組成物は、上記成分のうちの1つまたは組み合わせを含まない。例示的な実施形態において、本開示のAAV製剤またはAAV生成物またはAAV組成物は、これらの成分のいずれも含まない。例示的な態様において、本開示の医薬用AAV製剤またはAAV生成物またはAAV組成物は、デキストランを含まない。例示的な態様において、本開示の医薬用AAV製剤またはAAV生成物またはAAV組成物は、塩化カルシウムを含まない。
【0350】
定量的方法及び/または定性的方法
本開示の方法は、1つ以上の品質管理ステップ、例えば、投与用のAAV調製物、生成物、製剤、または組成物を作製するための最終ステップを含む、精製プロセスの1つ以上のステップの後(例えば、各ステップの後)に得られたAAV画分、調製物、生成物、製剤、または組成物の濃度、用量、及び/または効力を測定するステップを含む。
【0351】
本開示の方法は、AAVカプシドの数を定量化するために、AAV(例えば、AAV抗原)に特異的なELISAアッセイを含み得る。ある特定の実施形態において、ELISAアッセイには、酵素結合免疫吸着法、直接ELISA、関節ELISA、サンドイッチELISA、及び/または競合ELISAが含まれ得るが、これらに限定されない。ある特定の実施形態において、ELISAは、サンドイッチELISAである。
【0352】
ある特定の実施形態において、AAV抗原は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、またはキメラAAV抗原である。ある特定の実施形態において、AAV抗原は、AAV8抗原である。ある特定の実施形態において、AAV抗原は、組み換えAAV(rAAV)に由来する。ある特定の実施形態において、AAV抗原は、遺伝子操作されたAAV、または化学的に改変されたAAV、またはその両方に由来する。
【0353】
ある特定の実施形態において、ELISAは、AAVエピトープに特異的な抗体を含む。ある特定の実施形態において、AAVエピトープは、会合したAAVカプシド上に存在する高次構造エピトープである。ある特定の実施形態において、AAVエピトープは、会合したAAVカプシド上に存在する線状エピトープである。そのようなエピトープの例としては、カプシドビリオンタンパク質VP1、VP2、及び/またはVP3が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態において、AAVは、カプシドの表面上に追加のビリオンタンパク質を発現するように遺伝子操作され、これらの操作されたタンパク質は、ELISAアッセイで使用/検出することができる。ある特定の実施形態において、AAVは、ビリオンタンパク質のバリアントを発現するように化学的に改変され、ELISAアッセイで使用/検出することができる(例えば、VP1’、VP2’、VP3’など)。ある特定の実施形態において、抗体は、血清型特異的カプシドビリオンタンパク質を特定する。
【0354】
ELISAは、AAV画分、調製物、生成物、製剤、または組成物の用量及び/または効力を決定する方法として、qPCRに取って代わることができる。本発明のELISA技術は、qPCR法よりも変動が有意に少ない。ある特定の実施形態において、本開示の方法は、AAV特異的ELISAにより、AAV画分、調製物、生成物、製剤、または組成物を評価することを含む。ある特定の実施形態において、本明細書で開示される方法は全て、qPCRステップを含まない。
【0355】
ある特定の実施形態において、本開示の方法は、超遠心分離後に得られたAAV画分または調製物をAAV特異的ELISAにより試験して、AAV画分または調製物中のAAVカプシドの数を決定することを含む。ある特定の実施形態において、本開示の方法は、デプス濾過後に得られたAAV画分または調製物をAAV特異的ELISAにより試験して、AAV画分または調製物中のAAVカプシドの数を決定することを含む。ある特定の実施形態において、本開示の方法は、限外濾過/ダイアフィルトレーションシステムを使用してAAV画分または調製物を濃縮した後に得られたAAV画分または調製物をAAV特異的ELISAにより試験して、AAV画分または調製物中のAAVカプシドの数を決定することを含む。ある特定の実施形態において、本開示の方法は、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)ステップ後に得られたAAV画分または調製物をAAV特異的ELISAにより試験して、AAV画分または調製物中のAAVカプシドの数を決定することを含む。ある特定の実施形態において、本開示の方法は、ネガティブアニオン交換(AEX)クロマトグラフィー後に得られたAAV画分または調製物をAAV特異的ELISAにより試験して、AAV画分または調製物中のAAVカプシドの数を決定することを含む。ある特定の実施形態において、本開示の方法は、ポリッシングステップ後に得られたAAV画分または調製物をAAV特異的ELISAにより試験して、AAV画分または調製物中のAAVカプシドの数を決定することを含む。ある特定の実施形態において、本開示の方法は、精製されたAAV画分または調製物をAAV特異的ELISAにより試験して、AAV画分または調製物中のAAVカプシドの数を決定することを含む。
【0356】
AAVカプシドの数を定量化するための追加の方法には、表面プラズモン共鳴(SPR)(例えば、BIACORE、OCTET)、示差走査蛍光測定法(例えば、Prometheus NT48、Nanotemper)、磁気イムノアッセイ(MIA)、及びクローン化酵素ドナーイムノアッセイ(CEDIA)が含まれるが、これらに限定されない。これらの方法は、ELISA定量アッセイに加えて、またはこれに代えて使用することができる。
【0357】
ある特定の実施形態において、本開示の方法は、完全AAVカプシド対空AAVカプシド(例えば、完全AAVカプシド対空AAVカプシドのパーセンテージまたは比率)を測定することを含む。AAV画分または調製物中の完全AAVカプシド:空AAVカプシドのパーセンテージまたは比率を評価または確認するための方法には、低温透過型電子顕微鏡(CryoTEM)、ネガティブ染色TEM、キャピラリー電気泳動、分析用超遠心分離法、またはこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0358】
ある特定の実施形態において、完全AAVカプシド対空AAVカプシドを測定するための方法は、CryoTEMである。ある特定の実施形態において、方法は、CryoTEMと上記のAAV特異的ELISAの両方を使用することを伴う。ある特定の実施形態において、ELISAは、サンドイッチELISAである。ある特定の実施形態において、サンドイッチELISAは、AAVエピトープに特異的な抗体を含む。ある特定の実施形態において、AAVエピトープは、会合したAAVカプシド上に存在する高次構造エピトープである。
【0359】
CryoTEMを使用する1つの利点は、ネガティブ染色を必要としないことである。CryoTEMはまた、完全AAVカプシドの量を定量化する能力もある。ある特定の実施形態において、CryoTEMを使用することで、偽陽性シグナルに起因する完全AAVカプシド量の過大評価がなくなる。
【0360】
本開示の方法は、完全AAVカプシド対空AAVカプシドの数またはパーセンテージを評価する方法を含む。ある特定の実施形態において、方法は、CryoTEMを含む。ある特定の実施形態において、方法は、(i)不活性支持体上の基材中にAAV画分または調製物を包埋することと、(ii)包埋したAAV画分または調製物を急速凍結することと、(iii)低温透過型電子顕微鏡を使用して包埋したAAV画分または調製を画像化することと、(iv)完全AAVカプシド対空AAVカプシドのパーセンテージを定量化することとを含む。
【0361】
ステップ(i)について、当該方法での使用に好適な基材の例としては、非結晶性の非晶質氷が挙げられるが、これらに限定されない。当該方法での使用に好適な不活性支持体の例としては、カーボン膜、熱可塑性樹脂、及びポリビニルホルマール(例えば、ポリビニルアルコール及びホルムアルデヒドからポリビニルアセテートとのコポリマーとして形成されるポリマー、例えば、限定するものではないが、FormvarまたはVinylec、カーボンで安定化されたポリビニルホルマール、ポリビニルホルマール上に一酸化ケイ素があるもの、純粋なカーボン膜、カーボンタイプA:カーボン支持膜(例えば、グリッドの反対側に取り外し可能なポリビニルホルマールがあるもの)、カーボンタイプB:ポリビニルホルマール膜(例えば、より厚いカーボン層でコーティングされたもの)、及びカーボンタイプA上に一酸化ケイ素があるもの)が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態において、上記のステップ(i)は、温度(例えば、(-196℃)以下)及び湿度が制御された環境下で、薄いカーボン支持膜上にサンプルを載せることを伴う。ある特定の実施形態において、湿度レベルは、相対湿度であり得る。ステップ(ii)について、サンプルは、急速凍結され得る。ある特定の実施形態において、急速凍結は、液体エタン、液体窒素、液体プロパン、またはヘリウムを液体窒素温度付近で使用することを伴い得る。例えば、液体エタン、液体窒素、液体プロパン、またはヘリウムの容器は、液体窒素で囲まれている。
【0362】
ある特定の実施形態において、AAV画分または調製は、氷晶が形成できないように、急速に凍結される(例えば、毎秒104~106K)。ある特定の実施形態において、非晶質氷は、液体の水を急速に冷却するか、または普通の氷を低温で圧縮することのいずれかによって生成される。ある特定の実施形態において、過剰のAAV画分または調製物を、試料の一部が付着したまま残るように除去した後、グリッドを液体エタン中でガラス化し、次いで、液体窒素中で保存する。CryoTEMを実施するための追加ステップの考察については、Cabra and Samso,J.Visualized Experiments,(2015)95(e52311):1-11を参照されたく、全ての目的のために、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0363】
AAV粒子のCryoTEM解析を使用して、試料全体の形態、すなわち、様々なAAVの形態の存在(一般に、球状及び変形AAV粒子、サブユニット構造ならびに構造的にあまり定義されない大きな形態を含む)を評価することができる。例えば、完全カプシドは、殻とコアとの間に明確な境界のない内部密度を示す。明確な外殻及び微小な内部密度を示すAAVカプシドは、空カプシドに分類される。
【0364】
CryoTEMは、不確定なカプシドを評価するために使用することもできる。例えば、CryoTEMを使用して、「完全」、「空」、及び「不確定」カプシドを計数することができる。
【0365】
CryoTEMはまた、手動で粒子を分類するか、または自動画像解析法を使用することのいずれかによって、粒子のパッケージングのレベルを決定することに使用することもできる。
【0366】
ある特定の実施形態において、本開示の方法は、超遠心分離後に得られたAAV画分または調製物をCryoTEMにより試験して、AAV画分または調製物中のAAVカプシドの量及び/または質を決定することを含む。ある特定の実施形態において、本開示の方法は、デプス濾過後に得られたAAV画分または調製物をCryoTEMにより試験して、AAV画分または調製物中のAAVカプシドの量及び/または質を決定することを含む。ある特定の実施形態において、本開示の方法は、限外濾過/ダイアフィルトレーションシステムを使用してAAV画分または調製物を濃縮した後に得られたAAV画分または調製物をCryoTEMにより試験して、AAV画分または調製物中のAAVカプシドの量及び/または質を決定することを含む。ある特定の実施形態において、本開示の方法は、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)ステップ後に得られたAAV画分または調製物をCryoTEMにより試験して、AAV画分または調製物中のAAVカプシドの量及び/または質を決定することを含む。ある特定の実施形態において、本開示の方法は、ネガティブアニオン交換(AEX)クロマトグラフィー後に得られたAAV画分または調製物をCryoTEMにより試験して、AAV画分または調製物中のAAVカプシドの量及び/または質を決定することを含む。ある特定の実施形態において、本開示の方法は、ポリッシングステップ後に得られたAAV画分または調製物をCryoTEMにより試験して、AAV画分または調製物中のAAVカプシドの量及び/または質を決定することを含む。ある特定の実施形態において、本開示の方法は、精製したAAV画分または調製物をCryoTEMにより試験して、AAV画分または調製物中のAAVカプシドの量及び/または質を決定することを含む。
【0367】
ある特定の実施形態において、本開示の方法は、超遠心分離後に得られたAAV画分または調製物をAAV特異的ELISA及びCryoTEMにより試験して、AAV画分または調製物中のAAVカプシドの量及び質を決定することを含む。ある特定の実施形態において、本開示の方法は、デプス濾過後に得られたAAV画分または調製物をAAV特異的ELISA及びCryoTEMにより試験して、AAV画分または調製物中のAAVカプシドの量及び質を決定することを含む。ある特定の実施形態において、本開示の方法は、限外濾過/ダイアフィルトレーションシステムを使用してAAV画分または調製物を濃縮した後に得られたAAV画分または調製物をAAV特異的ELISA及びCryoTEMにより試験して、AAV画分または調製物中のAAVカプシドの量及び質を決定することを含む。ある特定の実施形態において、本開示の方法は、タンジェンシャルフロー濾過(TFF)ステップ後に得られたAAV画分または調製物をAAV特異的ELISA及びCryoTEMにより試験して、AAV画分または調製物中のAAVカプシドの量及び質を決定することを含む。ある特定の実施形態において、本開示の方法は、ネガティブアニオン交換(AEX)クロマトグラフィー後に得られたAAV画分または調製物をAAV特異的ELISA及びCryoTEMにより試験して、AAV画分または調製物中のAAVカプシドの量及び質を決定することを含む。ある特定の実施形態において、本開示の方法は、ポリッシングステップ後に得られたAAV画分または調製物をAAV特異的ELISA及びCryoTEMにより試験して、AAV画分または調製物中のAAVカプシドの量及び質を決定することを含む。ある特定の実施形態において、本開示の方法は、精製されたAAV画分または調製物をAAV特異的ELISA及びCryoTEMにより試験して、AAV画分または調製物中のAAVカプシドの量及び質を決定することを含む。
【0368】
分析用超遠心分離法(AUC)は、沈降係数に従ってタンパク質を分離することが可能である。同一のタンパク質の場合、沈降係数は、凝集状態と相関し得る。簡潔に述べると、サンプルを対応するサンプルバッファーで希釈し、次いで、石英ウィンドウが内蔵されたセルアセンブリーに移してローターにローディングした後、一定速度で回転させる。サイズが異なるタンパク質分子は、セルの底に向かって異なる沈降速度で移動するので、これを遠心分離中にUV検出器により280nmで連続的にモニタリングする。収集したデータセットにより、コンピューター解析が可能となり、沈降及び拡散プロセスをデコンボリューションすることで、微分沈降係数分布c(s)が得られる。これにより、サンプルの様々な種が特定され、それらのs値及び集団が示される。沈降係数の分布を積分すると、相対面積パーセンテージ及びピーク最大値のS値が分析の結果として得られる。
【0369】
AAV調製物
本開示の方法によって作製されたAAV調製物も本明細書において更に提供される。AAV調製物及びAAV画分は、本開示の目的上、区別なく使用される。ある特定の実施形態において、AAV画分は、更に濃縮されたAAV調製物またはAAV調製物から除去されたAAVの一部である。ある特定の実施形態において、AAV調製物を作製するための方法であって、(i)目的遺伝子を含む少なくとも1つのプラスミドで宿主細胞をトランスフェクトすることと、(ii)AAVカプシドを含む細胞培養物の上清または細胞懸濁液を回収して、AAV画分または調製物を生成することと、(iii)AAV特異的ELISAアッセイを使用してAAV画分または調製物中のAAVカプシドの総数を定量化することと、(iv)ステップ(iii)で決定されたAAVカプシドの総数に基づいて、所望の濃度のAAV生成物、製剤、または組成物を調製することとを含む、方法。ある特定の実施形態において、方法は、AAV画分または調製物を濃縮することを含む。ある特定の実施形態において、方法は、AAV画分または調製物から空カプシドの少なくとも一部を除去することを含む。ある特定の実施形態において、空カプシドの量を除去して、特定の濃度の完全カプシド及び/または特定の比率の完全カプシド:空カプシドを有するAAV画分、調製物、生成物、AAV製剤またはAAV組成物を作成する。ある特定の実施形態において、AAV画分または調製物は、適切なバッファーで所望の用量に希釈される。
【0370】
ある特定の実施形態において、方法は、AAV画分、調製物、生成物、製剤、または組成物中の完全AAVカプシド対空AAVカプシド(完全:空)のパーセンテージまたは比率を評価または確認することを含む。ある特定の実施形態において、方法は、完全AAVカプシド対空AAVカプシド(完全:空)のパーセンテージまたは比率を評価または確認することがCryoTEMであることを含む。ある特定の実施形態において、用量及び/または効力は、qPCRによって決定しない。ある特定の実施形態において、完全AAVカプシドのパーセンテージは、約40%~約100%である。ある特定の実施形態において、完全AAVカプシドのパーセンテージは、約40%~約95%、約40%~約90%、約40%~約85%、約40%~約80%、約45%~約75%、約50%~約70%、または約55%~約65%である。ある特定の実施形態において、完全AAVカプシドのパーセンテージは、約60%~約80%の間である。ある特定の実施形態において、AAVカプシドの少なくとも約60%は、完全AAVカプシドである。ある特定の実施形態において、AAVカプシドの少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または少なくとも約100%は、完全AAVカプシドである。ある特定の実施形態において、本明細書で開示される方法は、AAV画分、調製物、生成物、製剤、または組成物の間で一貫した量の完全カプシドを含むAAV画分、調製物、生成物、製剤、または組成物を生成するために使用される。
【0371】
ある特定の実施形態において、方法は、AAV画分、調製物、生成物、製剤、または組成物中の完全AAVカプシド対空AAVカプシド(完全:空)のパーセンテージまたは比率を評価または確認することを含む。ある特定の実施形態において、方法は、完全AAVカプシド対空AAVカプシド(完全:空)のパーセンテージまたは比率を評価または確認することがCryoTEMであることを含む。ある特定の実施形態において、用量及び/または効力は、qPCRによって決定しない。ある特定の実施形態において、完全AAVカプシドのパーセンテージは、約40%~約100%である。ある特定の実施形態において、完全AAVカプシドのパーセンテージは、約40%~約95%、約40%~約90%、約40%~約85%、約40%~約80%、約45%~約75%、約50%~約70%、または約55%~約65%である。ある特定の実施形態において、完全AAVカプシドのパーセンテージは、約60%~約80%の間である。ある特定の実施形態において、AAVカプシドの少なくとも約60%は、完全AAVカプシドである。ある特定の実施形態において、AAVカプシドの少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または少なくとも約100%は、完全AAVカプシドである。ある特定の実施形態において、本明細書で開示される方法は、AAV画分または調製物の間で一貫した量の完全カプシドを含むAAV画分、調製物、生成物、製剤、または組成物を生成するために使用される。
【0372】
本開示の方法によって作製されたAAV生成物、製剤、または組成物を投与する方法も更に本明細書で提供される。ある特定の態様において、本発明の方法は、特定の用量のAAV生成物、製剤、または組成物を、それを必要とする対象に投与することを伴い、(i)精製されたAAV調製物を得ることと、(ii)AAV特異的ELISAアッセイを使用して、精製されたAAV調製物中のAAVカプシドの濃度を測定することと、(iii)特定の用量のAAV生成物、製剤、または組成物を対象に投与することとを含む。ある特定の実施形態において、ステップ(i)及び(ii)における調製物は、最終的なAAV生成物、製剤、または組成物を作製するために使用することができるAAV画分または調製物であり、このAAV画分または調製物は、ステップ(i)、(ii)、及び/または(iii)のためのAAV生成物、製剤、または組成物を形成するために更に精製または希釈される。ある特定の実施形態において、方法は、AAV調製物、生成物、製剤、または組成物中の完全AAVカプシド対空AAVカプシド(完全:空)のパーセンテージまたは比率を評価または確認することを含む。ある特定の実施形態において、方法は、完全AAVカプシド対空AAVカプシド(完全:空)のパーセンテージまたは比率を評価または確認することがCryoTEMであることを含む。ある特定の実施形態において、濃度、用量及び/または効力は、qPCRによって決定しない。ある特定の実施形態において、完全AAVカプシドのパーセンテージは、約40%~約100%である。ある特定の実施形態において、完全AAVカプシドのパーセンテージは、約40%~約95%、約40%~約90%、約40%~約85%、約40%~約80%、約45%~約75%、約50%~約70%、または約55%~約65%である。ある特定の実施形態において、完全AAVカプシドのパーセンテージは、約60%~約80%の間である。ある特定の実施形態において、AAVカプシドの少なくとも約60%は、完全AAVカプシドである。ある特定の実施形態において、AAVカプシドの少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または少なくとも約100%は、完全AAVカプシドである。
【0373】
ある特定の実施形態において、AAV調製物、生成物、製剤、または組成物の効力は、in vitro及び/またはin vivo生物効力アッセイによって更に検証することができる。例えば、ステップは、1)調製物中のAAVの含量を(例えば、ELISAにより)決定することと、2)完全カプシドのパーセンテージを(例えば、CryoTEMにより)決定することと、3)生物活性を(例えば、in vivo及び/またはin vitro生物効力アッセイにより)確認することを伴い得る。
【0374】
ある特定の実施形態において、本明細書で開示される方法、画分、調製物、生成物、製剤、または組成物について、AAV調製物の濃度は、約1×1010cp/ml~約1×1020cp/mlの間である。ある特定の実施形態において、本明細書で開示される方法、画分、調製物、生成物、製剤、または組成物について、AAV調製物、生成物、製剤、または組成物の濃度は、約1×1011cp/ml~約1×1019cp/ml、約1×1012cp/ml~約1×1018cp/ml、約1×1013cp/ml~約1×1017cp/ml、または約1×1014cp/ml~約1×1016cp/mlの間である。ある特定の実施形態において、本明細書で開示される方法及び調製物、生成物、製剤、または組成物について、AAV調製物、生成物、製剤、または組成物の濃度は、約1×1012cp/ml~約1×1015cp/ml、約1×1013cp/ml~約1×1015cp/ml、または約1×1012cp/ml~約1×1013cp/mlの間である。ある特定の実施形態において、本明細書で開示される方法及び調製物、生成物、製剤、または組成物について、AAV調製物、生成物、製剤、または組成物の濃度は、約1×1014cp/ml~約5×1014cp/ml、約2×1014cp/ml~約3×1014cp/ml、または約3.5×1014cp/ml~約5×1015cp/mlの間である。ある特定の実施形態において、cp/mlは、1mlあたりの総カプシドまたは1mlあたりの完全カプシドであり得る。ある特定の実施形態において、cp/mlは、1mlあたりの総カプシドである。
【0375】
ある特定の実施形態において、AAV調製物、生成物、製剤、または組成物は、約1000Lの出発物質(例えば、細胞培養物)から産生された少なくとも約1012個のウイルス粒子(vp)、または約1000Lの出発物質(例えば、細胞培養物)から産生された少なくとも約1013個のウイルス粒子(vp)を含む。
【0376】
ある特定の実施形態において、本明細書で開示される方法または調製物、生成物、製剤、または組成物について、AAV調製物、生成物、製剤、または組成物の用量は、約1×10cp/kg~約1×1025cp/kgの間である。ある特定の実施形態において、本明細書で開示される方法または調製物、生成物、製剤、または組成物について、AAV調製物、生成物、製剤、または組成物の用量は、約1×10cp/kg~約1×1024cp/kg、約1×10cp/kg~約1×1023cp/kg、約1×10cp/kg~約1×1022cp/kg、約1×10cp/kg~約1×1021cp/kg、約1×1010cp/kg~約1×1020cp/kg、約1×1011cp/kg~約1×1019cp/kg、約1×1012cp/kg~約1×1018cp/kg、約1×1013cp/kg~約1×1017cp/kg、または約1×1014cp/kg~約1×1016cp/kgの間である。ある特定の実施形態において、本明細書で開示される方法及び調製物、生成物、製剤、または組成物について、AAV調製物、生成物、製剤、または組成物の用量は、約1×1012cp/kg~約1×1020cp/kg、約1×1013cp/kg~約1×1019cp/kg、約1×1014cp/kg~約1×1018cp/kg、または約1×1015cp/kg~約1×1017cp/kgの間である。ある特定の実施形態において、本明細書で開示される方法及び調製物、生成物、製剤、または組成物について、AAV調製物、生成物、製剤、または組成物の用量は、約1×1010cp/kg~約1×1016cp/kgの間である。ある特定の実施形態において、本明細書で開示される方法及び調製物、生成物、製剤、または組成物について、AAV調製物、生成物、製剤、または組成物の用量は、少なくとも約1×10cp/kg、少なくとも約1×10cp/kg、少なくとも約1×10cp/kg、少なくとも約1×10cp/kg、少なくとも約1×1010cp/kg、少なくとも約1×1011cp/kg、少なくとも約1×1012cp/kg、少なくとも約1×1013cp/kg、少なくとも約1×1014cp/kg、少なくとも約1×1015cp/kg、少なくとも約1×1016cp/kg、少なくとも約1×1017cp/kg、少なくとも約1×1018cp/kg、少なくとも約1×1019cp/kg、少なくとも約1×1020cp/kg、少なくとも約1×1021cp/kg、少なくとも約1×1022cp/kg、少なくとも約1×1023cp/kg、少なくとも約1×1024cp/kg、または少なくとも約1×1025cp/kgである。ある特定の実施形態において、cp/kgは、対象1kgあたりの総カプシドまたは対象1kgあたりの完全カプシドであり得る。ある特定の実施形態において、cp/kgは、対象1kgあたりの総カプシドである。
【0377】
ある特定の実施形態において、本開示のAAV調製物、生成物、製剤、または組成物は、高純度で高力価であり、対象での臨床使用に好適である。ある特定の実施形態において、AAV調製物、生成物、製剤、または組成物は、均質な集団かつ高純度のAAVカプシド粒子を含む。ある特定の実施形態において、AAV調製物、生成物、製剤、または組成物は、全長ベクターDNAを含む。例示的な実施形態において、AAV調製物、生成物、製剤、または組成物は、限定するものではないが、切断されたもしくは不完全なベクターDNAを含有するAAVカプシド粒子、不完全なタンパク質組成及びオリゴマー化構造を含むAAV粒子、または汚染ウイルス、例えば、非AAV、脂質エンベロープウイルスを含む、不要な夾雑物を実質的に含まない。例示的な実施形態において、AAV調製物、生成物、製剤、または組成物は、目的のタンパク質のコードcDNAを大量に含有する。ある特定の実施形態において、本開示のAAV調製物、生成物、製剤、または組成物は、対象への投与に好適である。ある特定の実施形態において、AAV調製物、生成物、製剤、または組成物は、滅菌及び/または適正製造基準(GMP)グレードである。ある特定の実施形態において、AAV調製物、生成物、製剤、または組成物は、遺伝子治療医薬品に関して米国薬局方チャプター1046もしくは欧州薬局方に記載されている要件、または米国食品医薬品局(USFDA)もしくは欧州医薬品庁(EMA)により定められている要件に適合する。ある特定の実施形態において、AAV調製物、生成物、製剤、または組成物は、ほとんどまたは全く処理または操作することなく、対象に直接投与するための即時使用可能な調製物、生成物、製剤、または組成物である。
【0378】
AAVの供給源
本開示の方法に関して、AAVは、任意のAAV血清型であり得る。ある特定の実施形態において、本明細書に記載されるAAVは、AAV1血清型、AAV2血清型、AAV3血清型、AAV4血清型、AAV5血清型、AAV6血清型、AAV7血清型、AAV8血清型、AAV9血清型、AAV10血清型、またはキメラAAVベクターである。ある特定の実施形態において、AAVは、野生型である。ある特定の実施形態において、AAVは、組み換えAAV(rAAV)である。ある特定の実施形態において、AAVは、遺伝子操作によって改変され、及び/または化学的に改変される。ある特定の実施形態において、AAVは、改変されたカプシド、例えば、遺伝子操作されたまたは化学的に改変されたAAVカプシドを含む。ある特定の実施形態において、AAVは、AAV8血清型である。ある特定の実施形態において、AAVは、AAV9血清型である。
【0379】
本発明の方法に関して、AAV画分または調製物は、例示的な態様において、濃縮されたAAV画分または調製物である。ある特定の実施形態において、AAV画分または調製物は、1mLあたり少なくとも約1×1010個、約1×1011個、約1×1012個、約1×1013個、約1×1014個、約1×1015個、または約1×1016個のAAV総カプシドを含む。ある特定の実施形態において、AAV画分または調製物は、1mLあたり少なくとも約1×1012個のAAV総カプシドを含む。AAVカプシドは、空AAVカプシド及び完全AAVカプシドを含み得る。
【0380】
ある特定の実施形態において、AAVは、トランスフェクトされた宿主細胞によって産生されたAAV画分または調製物を示す。ある特定の実施形態において、AAV画分または調製物は、トリプルプラスミドシステムでトランスフェクトされた宿主細胞を含む細胞培養物から採取された上清または細胞懸濁液を示し、システムのうちの1つのプラスミドは、目的の遺伝子またはcDNAを含み、1つのプラスミドは、カプシドタンパク質VP1、カプシドタンパク質VP2及び/またはカプシドタンパク質VP3をコードする。ある特定の実施形態において、VP1、VP2、及び/またはVP3は、AAV8 VP1、VP2、及び/またはVP3である。rAAV生成のためのトリプルプラスミドトランスフェクションは、当該技術分野において知られている。例えば、Qu et al.,2015(上掲)、及びMizukami et al.,“A Protocol for AAV vector production and purification.”PhD dissertation,Division of Genetic Therapeutics,Center for Molecular Medicine,1998;及びKotin et al.,Hum Mol Genet 20(R1):R2-R6(2011)を参照されたい。ある特定の実施形態において、トランスフェクションは、無機化合物、例えば、リン酸カルシウム、または有機化合物、ポリエチレンイミン(PEI)、または非化学的手段、例えば、エレクトロポレーションを使用して実施され得る。
【0381】
ある特定の実施形態において、宿主細胞は、接着細胞である。ある特定の実施形態において、宿主細胞は、浮遊細胞である。ある特定の実施形態において、宿主細胞は、HEK293細胞もしくはSf9細胞(例えば、バキュロウイルス感染Sf9細胞)またはHeLaもしくはBHK(ヘルペスウイルスシステム)である。ある特定の実施形態において、細胞培養は、血清及びタンパク質を含まない培養培地を含む。ある特定の実施形態において、培地は、合成培地であり、動物由来成分、例えば、加水分解物を含まない。
【0382】
ある特定の実施形態において、rAAV粒子を含む画分または調製物は、トリプルプラスミドシステムでトランスフェクトされたHEK293細胞を含む画分または調製物を示す。ある特定の実施形態において、AAV粒子を含む画分または調製物は、HEK293細胞のトランスフェクションから約2~約7日後、または細胞培養物が約5×10細胞/mL以上の細胞密度を有し、約50%以上の細胞生存率を有するときの採取物の画分または調製物を示す。
【0383】
ある特定の実施形態において、AAVは、トリプルプラスミドトランスフェクションに続いて、1~7日後に採取することによって調製される。ある特定の実施形態において、AAVは、細胞破砕から調製される。
【0384】
ある特定の実施形態において、AAVは、次のように調製される:HEK293細胞を市販の培養培地中で接着及び成長させる。培地は、合成培地であり得、動物由来成分、例えば、血清及びタンパク質を含み得ない。細胞を約3×10~約12×10細胞/ml、例えば、約6×10~約10×10細胞/mlの細胞密度まで培養する。次いで、細胞を、細胞密度が約3~5×10細胞/mlになるように、約1:2の比に分割する。分割後、細胞は、(1)AAV生成に不可欠な1つ以上のヘルパーウイルス機能を提供することが可能なヘルパープラスミドと、(2)ウイルスのカプシド生成、複製及びパッケージングに関与する1つ以上の遺伝子をコードするプラスミドと、(3)結果として生じるrAAV粒子中にパッケージされる目的遺伝子(GOI)を含むプラスミドとを含む、3つのプラスミドでトランスフェクトされ得る。例えば、GOIは、ヒト血液凝固第IX因子Paduaを一本鎖の自己相補形態で含むベクターDNAであり得、ベクターDNAとともに存在する。別の例として、GOIは、ヒト血液凝固第IX因子Paduaを二本鎖の自己相補形態で含むベクターDNAであり得、ベクターDNAの全長は、4.8kBである。別の例として、GOIは、Bドメイン欠失ヒト血液凝固第VIII因子を一本鎖の自己相補形態で含むベクターDNAであり得、ベクターDNAの全長は、4.8kBである。他のGOIが使用されてもよい。トランスフェクションは、カチオン性ポリマーを使用することなどによって、一過性に実施されてもよい。溶出前に、HEK293細胞株は、採取前に少なくとも約1日間、例えば、3~5日間培養され得る。
【実施例
【0385】
実施例1:一般的な精製手順
以下の実施例は、単に本発明を例示するために提供されるものであり、その範囲を決して限定するものではない。
【0386】
HEK293細胞株において、目的タンパク質のコードcDNAならびにAAV8-VP1、VP2及びVP3を含有するトリプルプラスミドシステムでトランスフェクションした後、AAV8作製を行った。清澄化した細胞培養上清を、Pall Omega T-Series Cassette 100kDaで濃縮及び透析濾過した。ウイルス粒子を非結合条件でメンブレンアブソーバー(MustangQ. Pall品番XT140MSTGQP05)にローディングした。得られたAAV8を含むフロースルーを、以下のアフィニティー精製ステップのロードとして使用した。
【0387】
POROS(商標)CaptureSelect(商標)AAV8 Affinity Matrix(カタログ番号A30794. Thermo Fisher)を入れた、ベッド高さ60mm及び体積およそ200mlの内径32mmのカラムを、少なくとも5カラム容量の50mM TrisHCl及び125mM NaCl(pH8.5)で平衡化した。ロードを、POROS(商標)CaptureSelect(商標)AAV8 Affinity Matrix(カタログ番号A30794. Thermo Fisher)を入れたカラムにアプライした。次いで、カラムを5カラム容量の50mM TrisHCl及び125mM NaCl(pH8.5)で再平衡化した。次いで、カラムを5カラム容量の洗浄1(W1):100mM 酢酸ナトリウム及び0.1% Tween80(pH6.0)で洗浄した。次いで、カラムを5カラム容量の洗浄2(W2):50mM TrisHCl及び125mM NaCl(pH8.5)で洗浄した。次いで、カラムを5カラム容量の洗浄3(W3):50mM TrisHCl及び50% エチレングリコール(pH8.5)で洗浄した。
【0388】
溶出を、5カラム容量の次の溶出バッファー:50mM TrisHCl、50% エチレングリコール及び750mM NaCl(pH8.0)をカラムにアプライすることによって行った。
【0389】
上記手順を表1にまとめる。
【表1】
【0390】
カチオン交換体(CEX)に対する適切な結合特性を全てのAAVサブタイプに与えるために、30mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)への溶出物のバッファー交換を、VIVACELL100(10K)カートリッジ(Sartorius)で実施した。
【0391】
実施例2:AAV8、ベクターゲノム2.6kB、Capto S、カルシウム存在下
以下の試験手順を行った。本実施例で開示されるバッファーは全て室温で作られ、全てのバッファーのpHは室温で測定されたことに留意されたい。まず、Capto Sカチオン交換体樹脂(カタログ17-5441-01;Cytiva)を入れた、ベッド高さ100mm、面積0.95cm、及び体積およそ9.5mlの内径11mmのカラムを、1000mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)を含む5カラム容量のバッファーで平衡化(活性化)した。次いで、カラムを少なくとも5カラム容量の30mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)で平衡化した。ロード(30mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)でコンディショニングしたAAV)を、Capto Sカチオン交換体樹脂を入れたカラムにアプライした。
【0392】
次いで、カラムを5カラム容量の30mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)で洗浄した。
【0393】
次いで、溶出には、グラジエント溶出を実施した。グラジエントは、40カラム容量の30mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)から200mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)で実施した。ポストエリューションを10カラム容量の1000mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)で実施した。
【0394】
全てのステップについて、直線流速は、60cm/時であった。
【0395】
バッファーの組成を表2にまとめる。
【表2】
【0396】
表3は、CEX分離のためのクロマトグラフィーのスキームを示す。
【表3】
【0397】
表4は、ddPCR/AAV8:AGの比を示す。
【表4】
【0398】
表5は、AUCを用いて決定された完全カプシドと空カプシドのパーセンテージを示す。
【表5】
【0399】
結果を図1~6に示し、収率を表6に示す。
【0400】
図1~6は、画分の大部分のデータを含むランを示す。ロード、FT=フロースルー、W=洗浄、E=溶出液、E1~E9=プール-クロマトグラムに従ったピークの画分X軸:UV280nm(左)、導電率(右)、Y軸:体積(ml)。vg/cp比は、完全カプシドの量が最も多いAAV(完全カプシド画分)を示す。値が高いほど完全カプシドの量が多い。
【0401】
図1及び図2は、CEXランのクロマトグラムである。再生手順を含む完全なランのデータを含んでいる。UV280nm、UV254nm、導電率、pH、圧力、蛍光及び画分の曲線を示す。X軸:UV280nm(左)、導電率(右)、Y軸:体積(ml)。
【0402】
【表6】
【0403】
AAV8を含有する2.6kBのベクターゲノムをカチオン交換体Capto S上でカルシウム存在下で分離すると、空AAV8カプシドと完全AAV8カプシドの分離で高い分離能が示された。画分E1、E2及びE3の収率は、ddPCRで44.4%及びAAV8抗原で9.1%であった。
【0404】
実施例3:AAV8、ベクターゲノムサイズ2.6kB、Capto S、キレート化二価カチオン非存在下/存在下
以下の試験手順を行った。本実施例で開示されるバッファーは全て室温で作られ、全てのバッファーのpHは室温で測定されたことに留意されたい。まず、Capto Sカチオン交換体樹脂(カタログ17-5441-01;Cytiva)を入れた、ベッド高さ100mm、面積0.95cm、及び体積およそ9.5mlの内径11mmのカラムを、1000mM 酢酸ナトリウム、2mM EDTA、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)を含む5カラム容量のバッファーで平衡化(活性化)した。次いで、カラムを少なくとも0.005カラム容量の30mM 酢酸ナトリウム、2mM EDTA、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)で平衡化した。ロード(30mM 酢酸ナトリウム、2mM EDTA、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)でコンディショニングしたAAV)を、Capto Sカチオン交換体樹脂を入れたカラムにアプライした。
【0405】
次いで、カラムを5カラム容量の30mM 酢酸ナトリウム、2mM EDTA、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)で洗浄した。
【0406】
次いで、溶出には、グラジエント溶出を実施した。グラジエントは、40カラム容量の30mM 酢酸ナトリウム、2mM EDTA、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)から200mM 酢酸ナトリウム、2mM EDTA、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)で実施した。
【0407】
ポストエリューションを10カラム容量の1000mM 酢酸ナトリウム、2mM EDTA、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)で実施した。
【0408】
全てのステップについて、直線流速は、60cm/時であった。
【0409】
バッファーの組成を表7にまとめる。
【表7】
【0410】
表8は、CEX分離のためのクロマトグラフィーのスキームを示す。
【表8】
【0411】
表9は、ddPCR/AAV8:AGの比を示す。
【表9】
【0412】
表10は、AUCを用いて決定された完全カプシドと空カプシドのパーセンテージを示す。
【表10】
【0413】
結果を図7~11に示し、収率を表11に示す。
【0414】
図7~11は、最も興味深い画分のデータを含むランを示す:L_nativ=アフィニティー溶出液、ロード(出発物質=平衡バッファーに対して透析したアフィニティー溶出液)、FT=フロースルー、W=洗浄、E=溶出液、E1~E3=ピークの画分(クロマトグラム)。vg/cp比は、完全カプシドの量が最も多いAAV(完全カプシド画分)を示す。値が高いほど完全カプシドの量が多い。
【0415】
図7及び図8は、CEXランのクロマトグラムである。再生手順を含む完全なランのデータを含んでいる。UV280nm、UV254nm、導電率、pH、圧力、蛍光及び画分の曲線を示す。X軸:UV280nm(左)、導電率(右)、Y軸:体積(ml)。
【0416】
【表11】
【0417】
カルシウムの代わりにEDTAを添加すると、著しく低下した分離能が示され、Capto S上に結合するAAV8構築物の能力が低下することが示されている。かなりの量のAAV8がフロースルー中に認められた。
【0418】
実施例4:AAV8、ベクターゲノムサイズ>4.8kB、Capto S、カルシウム存在下
ロード物質の調製
HEK293細胞株において、目的タンパク質のコードcDNAならびにAAV8-VP1、VP2及びVP3を含有するトリプルプラスミドシステムでトランスフェクションした後、AAV8作製を行った。清澄化した細胞培養上清を、Pall Omega T-Series Cassette 100kDaで濃縮及び透析濾過した。ウイルス粒子を非結合条件でメンブレンアブソーバー(MustangQ. Pall品番XT140MSTGQP05)にローディングした。得られたAAV8を含むフロースルーを、以下のアフィニティー精製ステップのロードとして使用した。
【0419】
POROS(商標)CaptureSelect(商標)AAV8 Affinity Matrix(カタログ番号A30794. Thermo Fisher)を入れた、ベッド高さ60mm及び体積およそ200mlの内径32mmのカラムを、少なくとも5カラム容量の50mM TrisHCl及び125mM NaCl(pH8.5)で平衡化した。ロードを、POROS(商標)CaptureSelect(商標)AAV8 Affinity Matrix(カタログ番号A30794. Thermo Fisher)を入れたカラムにアプライした。次いで、カラムを5カラム容量の50mM TrisHCl及び125mM NaCl(pH8.5)で再平衡化した。次いで、カラムを5カラム容量の洗浄1(W1):100mM 酢酸ナトリウム及び0.1% Tween80(pH6.0)で洗浄した。次いで、カラムを5カラム容量の洗浄2(W2):50mM TrisHCl及び125mM NaCl(pH8.5)で洗浄した。次いで、カラムを5カラム容量の洗浄3(W3):50mM TrisHCl及び50% エチレングリコール(pH8.5)で洗浄した。
【0420】
溶出を、5カラム容量の次の溶出バッファー:50mM TrisHCl、50% エチレングリコール及び750mM NaCl(pH8.0)をカラムにアプライすることによって行った。詳細を表Aに記載する。
【0421】
カチオン交換体(CEX)に対する適切な結合特性を全てのAAVサブタイプに与えるために、30mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)への溶出物のバッファー交換を、VIVACELL100(10K)カートリッジ(Sartorius)で実施した。
【0422】
以下の試験手順を行った。本実施例で開示されるバッファーは全て室温で作られ、全てのバッファーのpHは室温で測定されたことに留意されたい。まず、Capto Sカチオン交換体樹脂(カタログ17-5441-01;Cytiva)を入れた、ベッド高さ101mm、面積0.95cm、及び体積およそ9.6mlの内径11mmのカラムを、1000mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)を含む5カラム容量のバッファーで平衡化(活性化)した。次いで、カラムを少なくとも5カラム容量の30mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)で平衡化した。ロード(30mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)でコンディショニングしたAAV)を、Capto Sカチオン交換体樹脂を入れたカラムにアプライした。
【0423】
次いで、カラムを5カラム容量の30mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)で洗浄した。
【0424】
次いで、溶出には、グラジエント溶出を実施した。グラジエントは、40カラム容量の30mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)から200mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)で実施した。ポストエリューションを10カラム容量の1000mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)で実施した。
【0425】
全てのステップについて、直線流速は、60cm/時であった。
【0426】
バッファーの組成を表12にまとめる。
【表12】
【0427】
表13は、CEX分離のためのクロマトグラフィーのスキームを示す。
【表13】
【0428】
表14は、ddPCR/AAV8:AGの比を示す。
【表14】
【0429】
表15は、AUCを用いて決定された完全カプシドと空カプシドのパーセンテージを示す。
【表15】
【0430】
結果を図12~17に示し、収率を表16に示す。
【0431】
図12~17は、画分の大部分のデータを含むランを示す:L nativ=アフィニティー溶出液。ロード=(出発物質)、FT=フロースルー、W=洗浄、E=溶出液、E1~E5=ピークの画分(クロマトグラム)。vg/cp比は、完全カプシドの量が最も多いAAV(完全カプシド画分)を示す。値が高いほど完全カプシドの量が多い。
【0432】
図12及び図13は、CEXランのクロマトグラムである。再生手順を含む完全なランのデータを含んでいる。UV280nm、UV254nm、導電率、pH、圧力、蛍光及び画分の曲線を示す。X軸:UV280nm(左)、導電率(右)、Y軸:体積(ml)。
【0433】
【表16】
【0434】
実施例5:AAV8ベクターゲノムサイズ2.6kB、Eshmuno S、カルシウム存在下
以下の試験手順を行った。本実施例で開示されるバッファーは全て室温で作られ、全てのバッファーのpHは室温で測定されたことに留意されたい。まず、Eshmuno Sカチオン交換体樹脂(カタログ1.20078;Merck-Millipore)を入れた、ベッド高さ100mm、面積0.95cm、及び体積およそ9.5mlの内径11mmのカラムを、1000mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)を含む5カラム容量のバッファーで平衡化(活性化)した。次いで、カラムを少なくとも5カラム容量の30mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)で平衡化した。ロード(30mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)でコンディショニングしたAAV)を、Eshmuno Sカチオン交換体樹脂を入れたカラムにアプライした。
【0435】
次いで、カラムを5カラム容量の30mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)で洗浄した。
【0436】
次いで、溶出には、グラジエント溶出を実施した。グラジエントは、40カラム容量の30mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)から200mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)で実施した。ポストエリューションを10カラム容量の1000mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)で実施した。
【0437】
全てのステップについて、直線流速は、60cm/時であった。
【0438】
バッファーの組成を表17にまとめる。
【表17】
【0439】
表18は、CEX分離のためのクロマトグラフィーのスキームを示す。
【表18】
【0440】
表19は、ddPCR/AAV8:AGの比を示す。
【表19】
【0441】
表20は、AUCを用いて決定された完全カプシドと空カプシドのパーセンテージを示す。
【表20】
【0442】
結果を図18~24に示し、収率を表21に示す。
【0443】
図18~24は、画分の大部分のデータを含むランを示す:L nativ=AAV8アフィニティー溶出液。ロード(出発物質、平衡バッファーへの透析後)、FT=フロースルー、W=洗浄、E=溶出液、E1~E9=ピークの画分(クロマトグラム)。vg/cp比は、完全カプシドの量が最も多いAAV(完全カプシド画分)を示す。値が高いほど完全カプシドの量が多い。
【0444】
図18及び図19は、CEXランのクロマトグラムである。再生手順を含む完全なランのデータを含んでいる。UV280nm、UV254nm、導電率、pH、圧力、蛍光及び画分の曲線を示す。X軸:UV280nm(左)、導電率(右)、Y軸:体積(ml)。
【0445】
【表21】
【0446】
実施例6:AAV8、ベクターゲノムサイズ2.6kB、Capto S、カルシウム存在下
以下の試験手順を行った。本実施例で開示されるバッファーは全て室温で作られ、全てのバッファーのpHは室温で測定されたことに留意されたい。まず、Capto Sカチオン交換体樹脂(カタログ17-5441-01;Cytiva)を入れた、ベッド高さ100mm、面積0.95cm、及び体積およそ9.5mlの内径11mmのカラムを、1000mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)を含む5カラム容量のバッファーで平衡化(活性化)した。次いで、カラムを少なくとも5カラム容量の30mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)で平衡化した。ロード(30mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)でコンディショニングしたAAV)を、Capto Sカチオン交換体樹脂を入れたカラムにアプライした。
【0447】
次いで、カラムを5カラム容量の30mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)で洗浄した。
【0448】
次いで、溶出には、グラジエント溶出を実施した。グラジエントは、40カラム容量の30mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)から80mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)で実施した。ポストエリューションを10カラム容量の1000mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)で実施した。
【0449】
全てのステップについて、直線流速は、60cm/時であった。
【0450】
バッファーの組成を表22にまとめる。
【表22】
【0451】
表23は、CEX分離のためのクロマトグラフィーのスキームを示す。
【表23】
【0452】
表24は、ddPCR/AAV8:AGの比を示す。
【表24】
【0453】
表25は、AUCを用いて決定された完全カプシドと空カプシドのパーセンテージを示す。
【表25】
【0454】
結果を図25~32に示し、収率を表26に示す。
【0455】
図25~32は、画分の大部分のデータを含むランを示す。ロード(出発物質、FT=フロースルー、W=洗浄、E=溶出液、E1~E6=ピークの画分(クロマトグラム)。vg/cp比は、完全カプシドの量が最も多いAAV(完全カプシド画分)を示す。値が高いほど完全カプシドの量が多い。
【0456】
図25及び図26は、CEXランのクロマトグラムである。再生手順を含む完全なランのデータを含んでいる。UV280nm、UV254nm、導電率、pH、圧力、蛍光及び画分の曲線を示す。X軸:UV280nm(左)、導電率(右)、Y軸:体積(ml)。
【0457】
【表26】
【0458】
実施例7:AAV9、ベクターゲノムサイズ2.6kB、Eshmuno S、カルシウム存在下
ロード物質の調製
HEK293細胞株において、目的タンパク質のコードcDNAならびにAAV9-VP1、VP2及びVP3を含有するトリプルプラスミドシステムでトランスフェクションした後、AAV9作製を行った。清澄化した細胞培養上清を、Pall Omega T-Series Cassette 100kDaで濃縮及び透析濾過した。ウイルス粒子を非結合条件でメンブレンアブソーバー(MustangQ. Pall品番XT140MSTGQP05)にローディングした。得られたAAV9を含むフロースルーを、以下のアフィニティー精製ステップのロードとして使用した。
【0459】
以下の試験手順を行った。本実施例で開示されるバッファーは全て室温で作られ、全てのバッファーのpHは室温で測定されたことに留意されたい。POROS(商標)CaptureSelect(商標)AAVX Affinity Matrix(カタログ番号A36742、Thermo Fisher)を入れた、ベッド高さ57mm及び体積およそ5.4mlの内径11mmのカラムを、少なくとも5カラム容量の50mM TrisHCl及び125mM NaCl(pH8.5)で平衡化した。ロードを、POROS(商標)CaptureSelect(商標)AAVX Affinity Matrix(カタログ番号A36742 Thermo Fisher)を入れたカラムにアプライした。次いで、カラムを5カラム容量の50mM TrisHCl及び125mM NaCl(pH8.5)で再平衡化した。次いで、カラムを5カラム容量の洗浄1(W1):100mM 酢酸ナトリウム及び0.1% Tween80(pH6.0)で洗浄した。次いで、カラムを5カラム容量の洗浄2(W2):50mM TrisHCl及び125mM NaCl(pH8.5)で洗浄した。5カラム容量の100mM 酢酸ナトリウム及び0.1% Tween80(pH6.0)の更なる洗浄液をアプライした。これらのステップは、全て室温で実施した。
【0460】
温度を+2℃~+8℃に下げ、流速を5cm/時に下げ、10カラム容量の100mM 酢酸ナトリウム及び0.1% Tween80(pH6.0)をカラムにアプライすることによって溶出を行った。手順を表Bに詳しく示す。
【0461】
カチオン交換体(CEX)に対する適切な結合特性を全てのAAVサブタイプに与えるために、30mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)への溶出物のバッファー交換を、VIVACELL100(10K)カートリッジ(Sartorius)で実施した。
【0462】
以下の試験手順を行った。本実施例で開示されるバッファーは全て室温で作られ、全てのバッファーのpHは室温で測定されたことに留意されたい。まず、Eshmuno Sカチオン交換体樹脂(カタログ1.20078;Merck-Millipore)を入れた、ベッド高さ100mm、面積0.95cm、及び体積およそ9.5mlの内径11mmのカラムを、1000mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)を含む5カラム容量のバッファーで平衡化(活性化)した。次いで、カラムを少なくとも5カラム容量の30mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)で平衡化した。ロード(30mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)でコンディショニングしたAAV)を、Eshmuno Sカチオン交換体樹脂を入れたカラムにアプライした。
【0463】
次いで、カラムを5カラム容量の30mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)で洗浄した。
【0464】
次いで、溶出には、グラジエント溶出を実施した。グラジエントは、40カラム容量の30mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)から200mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)で実施した。ポストエリューションを10カラム容量の1000mM 酢酸ナトリウム、2mM 酢酸カルシウム、0.005% ポリソルベート80(pH6.0)で実施した。
【0465】
全てのステップについて、直線流速は、60cm/時であった。
【0466】
バッファーの組成を表27にまとめる。
【表27】
【0467】
表28は、CEX分離のためのクロマトグラフィーのスキームを示す。
【表28】
【0468】
表29は、ddPCR/AAV9:AGの比を示す。
【表29】
【0469】
表30は、AUCを用いて決定された完全カプシドと空カプシドのパーセンテージを示す。
【表30】
【0470】
結果を図33~38に示し、収率を表31に示す。
【0471】
図33~38は、画分の大部分のデータを含むランを示す。ロード(出発物質、FT=フロースルー、W=洗浄、E=溶出液、E1~E6=ピークの画分(クロマトグラム)。vg/cp比は、完全カプシドの量が最も多いAAV(完全カプシド画分)を示す。値が高いほど完全カプシドの量が多い。
【0472】
図33及び図34は、CEXランのクロマトグラムである。再生手順を含む完全なランのデータを含んでいる。UV280nm、UV254nm、導電率、pH、圧力、蛍光及び画分の曲線を示す。X軸:UV280nm(左)、導電率(右)、Y軸:体積(ml)。
【0473】
【表31】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26A
図26B
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33A
図33B
図34
図35
図36
図37
図38
【国際調査報告】