(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-10
(54)【発明の名称】シングルエンドリンクにおけるノイズ緩和
(51)【国際特許分類】
H04L 25/02 20060101AFI20240903BHJP
H03K 19/0175 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
H04L25/02 F
H03K19/0175
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507106
(86)(22)【出願日】2022-08-10
(85)【翻訳文提出日】2024-03-11
(86)【国際出願番号】 US2022039934
(87)【国際公開番号】W WO2023018783
(87)【国際公開日】2023-02-16
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】591016172
【氏名又は名称】アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ADVANCED MICRO DEVICES INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100111615
【氏名又は名称】佐野 良太
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】ラモン マンゲイサー
(72)【発明者】
【氏名】カーシク ゴパラクリシュナン
(72)【発明者】
【氏名】アンディ ヒューイ チュウ
(72)【発明者】
【氏名】プラディープ ジャヤラマン
【テーマコード(参考)】
5J056
5K029
【Fターム(参考)】
5J056AA11
5J056BB07
5J056BB10
5J056CC04
5J056CC09
5K029AA02
(57)【要約】
データ伝送システムは、第1の回路と、第2の回路と、基準電圧生成回路と、を備える。第1の回路は、第1の電源電圧によって電力供給される送信機であって、データ出力信号を受信するための入力部と、出力部と、を有する送信機を含む。第2の回路は、第2の電源電圧によって電力供給される受信機であって、送信機の出力部に連結された第1の入力部と、基準電圧を受信するための第2の入力部と、データ入力信号を提供するための出力部と、を有する受信機を含む。基準電圧生成回路は、第1の電源電圧に基づいて第1の回路によって生成された第1の信号と、第2の電源電圧に基づいて第2の回路によって生成された第2の信号と、を混合することによって、基準電圧を形成する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ伝送システムであって、
第1の電源電圧によって電力供給される送信機であって、データ出力信号を受信するための入力部と、出力部と、を有する送信機を備える、第1の回路と、
第2の電源電圧によって電力供給される受信機であって、前記送信機の前記出力部に連結された第1の入力部と、基準電圧を受信するための第2の入力部と、データ入力信号を提供するための出力部と、を有する受信機を備える、第2の回路と、
前記第1の電源電圧に基づいて前記第1の回路によって生成された第1の信号と、前記第2の電源電圧に基づいて前記第2の回路によって生成された第2の信号と、を混合することによって前記基準電圧を形成する基準電圧生成回路と、を備える、
データ伝送システム。
【請求項2】
前記基準電圧生成回路は、
所定の信号を受信するための入力部と、前記第1の電源電圧を基準とする前記第1の信号を提供するための出力部と、を有するドライバと、
第2の電源電圧端子から電力供給される分圧器であって、前記ドライバの前記出力部及び前記受信機の前記第2の入力部に連結されており、前記基準電圧を前記受信機に供給する分圧器と、を備える、
請求項1のデータ伝送システム。
【請求項3】
前記送信機及び前記ドライバは、第1の集積回路上にあり、
前記受信機及び前記分圧器は、第2の集積回路上にある、
請求項2のデータ伝送システム。
【請求項4】
前記分圧器は、
前記第2の電源電圧を受信するための第1の端子と、前記ドライバの前記出力部に連結され、前記基準電圧を形成する第2の端子と、を有する抵抗器と、
前記抵抗器の前記第2の端子に連結された第1の端子と、接地に連結された第2の端子と、を有する第2の回路素子と、を備える、
請求項2のデータ伝送システム。
【請求項5】
前記第2の回路素子は、
前記抵抗器の前記第2の端子に連結された第1の端子と、接地に連結された第2の端子と、を有する可変電流源を備える、
請求項4のデータ伝送システム。
【請求項6】
前記第2の回路素子は、
前記抵抗器の前記第2の端子に連結された第1の端子と、接地に連結された第2の端子と、を有する可変抵抗器を備える、
請求項4のデータ伝送システム。
【請求項7】
データ伝送システムであって、
第1の電源電圧によって電力供給される送信機であって、データ出力信号を受信するための入力部と、出力部と、を有する送信機と、
第2の電源電圧によって電力供給される受信機であって、前記送信機の前記出力部に連結された第1の入力部と、基準電圧を受信するための第2の入力部と、データ入力信号を提供するための出力部と、を有する受信機と、
基準電圧生成回路と、を備え、
前記基準電圧生成回路は、
前記第1の電源電圧によって電力供給されるドライバであって、所定の信号を受信するための入力部と、出力部と、を有するドライバと、
前記第2の電源電圧によって電力供給される分圧器であって、前記ドライバの前記出力部及び前記受信機の前記第2の入力部に連結されており、前記基準電圧を前記受信機に供給する分圧器と、を備える、
データ伝送システム。
【請求項8】
前記送信機は、第1の集積回路上にあり、
前記受信機は、第2の集積回路上にあり、
前記送信機の前記出力部は、導体を介して前記受信機の前記第1の入力部に連結されている、
請求項7のデータ伝送システム。
【請求項9】
前記分圧器は、
前記第2の電源電圧を受信するための第1の端子と、前記ドライバの前記出力部に連結され、前記基準電圧を形成する第2の端子と、を有する抵抗器と、
前記抵抗器の前記第2の端子に連結された第1の端子と、接地に連結された第2の端子と、を有する第2の回路素子と、を備える、
請求項7のデータ伝送システム。
【請求項10】
前記第2の回路素子は、
前記抵抗器の前記第2の端子に連結された第1の端子と、接地に連結された第2の端子と、を有する可変電流源を備える、
請求項9のデータ伝送システム。
【請求項11】
前記第2の回路素子は、
前記抵抗器の前記第2の端子に連結された第1の端子と、接地に連結された第2の端子と、を有する可変抵抗器を備える、
請求項9のデータ伝送システム。
【請求項12】
前記第1の電源電圧によって電力供給されるデータストローブドライバであって、データストローブ信号を提供するための出力部を有するデータストローブドライバと、
前記第2の電源電圧によって電力供給されるデータストローブ受信機であって、前記データストローブドライバの前記出力部に連結された第1の入力部と、前記基準電圧を受信するための第2の入力部と、出力部と、を有するデータストローブ受信機と、
前記受信機の前記出力部に連結されたデータ入力部と、前記データストローブ受信機の前記出力部に連結されたクロック入力部と、ラッチされたデータ信号を提供するための出力部と、を有するラッチと、を更に備える、
請求項7のデータ伝送システム。
【請求項13】
前記受信機は、少なくとも1つの追加の電圧レベルを受信するための入力部を有し、前記受信機の出力は、マルチビットデジタル信号であり、前記受信することは、前記マルチビットデジタル信号を復号するために前記少なくとも1つの追加の電圧レベルを使用し、
前記データ伝送システムは、前記基準電圧を受信するための入力部と、前記少なくとも1つの追加の電圧レベルを複数のスライスレベルとして提供するために前記受信機の前記第2の入力部に連結された出力部と、を有するスライスレベル発生器を更に備える、
請求項7のデータ伝送システム。
【請求項14】
方法であって、
第1の電源電圧で動作する第1の集積回路であって、第1の電圧基準端子を有する第1の集積回路の送信機からデータ信号を伝送することと、
第2の電源電圧で動作する第2の集積回路であって、第2の電圧基準端子を有する第2の集積回路の受信機において前記データ信号を受信することであって、前記受信することは、前記データ信号を前記第2の電圧基準端子上の電圧と比較して、受信データ信号を提供することを含む、ことと、
前記第1の電源電圧及び前記第2の電源電圧の両方におけるノイズに基づいて、前記第1の電圧基準端子及び前記第2の電圧基準端子上に共有基準電圧を生成することと、を含む、
方法。
【請求項15】
前記共有基準電圧を生成することは、
前記第1の電圧基準端子を前記第2の電圧基準端子に連結することと、
所定の論理レベルに応じて、前記第1の集積回路及び前記第2の集積回路のうち一方から前記第1の電圧基準端子及び前記第2の電圧基準端子を駆動することと、
基準回路を使用して前記第2の電圧基準端子上の電圧を分圧し、前記分圧することに応じて、前記第1の集積回路及び前記第2の集積回路のうち他方に前記共有基準電圧を形成することと、を含む、
請求項14の方法。
【請求項16】
前記分圧することは、
前記第2の電源電圧を受信するための第1の端子と、前記第2の電圧基準端子に連結された第2の端子と、を有する抵抗器と、前記第2の電圧基準端子に連結された第1の端子と、接地に連結された第2の端子と、を有する第2の回路素子と、を使用して、前記第2の電圧基準端子上の電圧を分圧することを含む、
請求項15の方法。
【請求項17】
前記分圧することは、
可変電流源を前記第2の回路素子として用いて分圧することを含む、
請求項16の方法。
【請求項18】
前記分圧することは、
可変抵抗器を前記第2の回路素子として用いて分圧することを含む、
請求項16の方法。
【請求項19】
前記伝送することは、
前記第1の電源電圧を使用して、前記第1の集積回路から前記第2の集積回路へストローブ信号を伝送することを含み、
前記受信することは、
前記第2の電源電圧及び前記共有基準電圧を使用して、前記第2の集積回路において前記ストローブ信号を受信して、受信ストローブ信号を形成することと、
前記受信ストローブ信号を使用して、前記受信データ信号をラッチすることと、を含む、
請求項14の方法。
【請求項20】
前記伝送することは、
前記第2の集積回路の送信機から第2のデータ信号を伝送することと、
前記第1の集積回路の受信機において前記第2のデータ信号を受信することであって、前記受信することは、前記第2のデータ信号を前記第2の電圧基準端子上の電圧と比較して、受信された第2のデータ信号を提供することを含む、ことと、を含む、
請求項14の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年8月12日に出願された米国仮特許出願第63/232,343号に対する優先権を主張するものであり、その内容の全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
現代のシングルエンドデータ伝送システムは、差動信号伝送と比較して、システムレベルで重要な密度の利点を提供する。システムは、我々がより高速及びより高変調に移行するにつれて、この利点を保持するために、シングルエンド方式を推進し続けるであろう。また、リンク性能に対する課題(例えば、ビットエラー目標、電力、面積を満たすこと)も、高速化の必要性と共に大幅に増加する。
【0003】
これらのシステムの多くは、本質的にバーストモードである。換言すれば、それらは、使用されていない間では、低電力状態(アイドル状態と称される)のままであり、必要な場合に、アクティブ状態(すなわち、データの通常の伝送又は受信)に遷移する。物理インターフェース回路(PHY)がアイドル状態からアクティブモードに入る際に、電力供給ネットワーク(PDN)は、負荷の突然の変化という負担に対処する。電力に対する突然の需要は、PDNに対するステップ励振(step excitation)のように見え、典型的なネットワークを固有周波数で共振させる。この共振ノイズは、リンクが対処しなければならない大きなエラー源となる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】背景技術における周知のデータ伝送システムのブロック図である。
【
図2】いくつかの実施形態による、データ伝送システムの部分ブロック図及び部分概略図である。
【
図3】
図2のデータ伝送システムの動作を理解するのに有用なタイミング図のセットである。
【
図4】
図2のデータ伝送システムが様々なデータノイズ周波数で測定されたデータアイ(data eye)の高さ及び幅の例を示すグラフである。
【
図5】いくつかの実施形態による、マルチレベルデータ伝送システムにおいて有用なデータ伝送システムの部分ブロック図及び部分概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の説明において、異なる図面における同一の符号の使用は、同様のアイテム又は同一のアイテムを示す。別段の言及がなければ、「連結される(coupled)」という単語及びその関連する動詞は、当該技術分野で周知の手段による直接接続及び間接電気接続の両方を含み、また、別段の言及がなければ、直接接続の任意の記述は、好適な形態の間接電気接続を使用する代替の実施形態も同様に意味する。
【0006】
データ伝送システムは、第1の回路と、第2の回路と、基準電圧生成回路と、を備える。第1の回路は、第1の電源電圧によって電力供給される送信機であって、データ出力信号を受信するための入力部と、出力部と、を有する送信機を含む。第2の回路は、第2の電源電圧によって電力供給される受信機であって、送信機の出力部に連結された第1の入力部と、基準電圧を受信するための第2の入力部と、データ入力信号を提供するための出力部と、を有する受信機を含む。基準電圧生成回路は、第1の電源電圧に基づいて第1の回路によって生成される第1の信号と、第2の電源電圧に基づいて第2の回路によって生成される第2の信号と、を混合することによって、基準電圧を形成する。
【0007】
データ伝送システムは、送信機と、受信機と、基準電圧生成回路と、を含む。送信機は、第1の電源電圧によって電力供給され、データ出力信号を受信するための入力部と、出力部と、を有する。受信機は、第2の電源電圧によって電力供給され、送信機の出力部に連結された第1の入力部と、基準電圧を受信するための第2の入力部と、データ入力信号を提供するための出力部と、を有する。基準電圧生成回路は、ドライバと、分圧器と、を含む。ドライバは、第1の電源電圧によって電力供給され、所定の信号を受信するための入力部と、出力部と、を有する。分圧器は、第2の電源電圧によって電力供給され、ドライバの出力部及び受信機の第2の入力部に連結されており、基準電圧を受信機へと供給する。
【0008】
方法は、第1の電源電圧で動作する第1の集積回路の送信機からデータ信号を伝送することを含み、当該第1の集積回路は、第1の電圧基準端子を有する。データ信号は、第2の電源電圧で動作する第2の集積回路の受信機において受信される。第2の集積回路は、第2の電圧基準端子を有する。受信することは、当該データ信号を、当該第2の電圧基準端子の電圧と比較して、受信データ信号を提供することを含む。共有基準電圧は、当該第1の電源電圧及び当該第2の電源電圧の両方におけるノイズに基づいて、当該第1の電圧基準端子及び当該第2の電圧基準端子で生成される。
【0009】
図1は、背景技術における周知のデータ伝送システム100のブロック図である。データ伝送システム100は、シングルエンドシステムであり、集積回路110と、集積回路120と、伝送媒体130と、を含む。
【0010】
集積回路110は、ドライバ111と、比較器112と、を含む。ドライバ111は、「DATA
OUTA」とラベルされた出力信号を受信するための入力部と、集積回路110の端子に接続された出力部と、を有しており、「V
SSA」と名付けられているが
図1には示されていないより負の電源電圧と共に、集積回路110の全体的な電源電圧を形成する、「V
DDA」とラベルされた正の電源電圧を受信するための電源入力部を有する。比較器112は、集積回路110の集積回路端子に接続された正の入力部と、集積回路110に関連付けられた「V
REFA」とラベルされた基準電圧を受信するための負の入力部と、「DATA
INA」とラベルされた信号を提供するための出力部と、を有する。
【0011】
集積回路120は、ドライバ121と、比較器122と、を含む。ドライバ121は、「DATA
OUTB」と標識された出力信号を受信するための入力部と、集積回路120の端子に接続された出力部と、を有し、「V
SSB」と名付けられているが
図1には示されていないより負の電源電圧と共に、集積回路120の全体的な電源電圧を形成する、「V
DDB」とラベルされた正の電源電圧を受信するための電源入力部を有する。比較器122は、集積回路120の集積回路端子に接続された正の入力部と、集積回路130に関連付けられた「V
REFB」とラベルされた基準電圧を受信するための負の入力部と、「DATA
INB」とラベルされた信号を提供するための出力部と、を有する。
【0012】
伝送媒体130は、集積回路110の端子に接続された左端部と、集積回路120の端子に接続された右端部と、を有する。伝送媒体130は、例えば、マイクロプロセッサとその関連するメモリに接続されたコンピュータのマザーボード内のバスに沿った集積回路トレースとすることができる。
【0013】
ドライバ111及び121の各々は、それらが伝送媒体130の特性インピーダンスに整合する駆動強度を有することを示す抵抗器と、比較器112及び比較器122への入力における、
図1には示されていない終端抵抗器と共に示されている。更に、リンクは双方向であり、データが集積回路110から集積回路120に送信される場合もあれば、集積回路120から集積回路110に伝送される場合もある。データ伝送システム100の典型的な実施形態は、グラフィックス・ダブル・データ・レート、バージョン6(gDDR6)シンクロナス・ダイナミック・ランダム・アクセスメモリ(SDRAM)、及び、gDDR6メモリコントローラを有するグラフィックスプロセッサの物理的インターフェースである。技術が進歩するにつれて、gDDRメモリの動作速度は、数GHzの周波数を有するメモリクロックの低(遅い速度)から高(速い速度)への遷移及び高(速い速度)から低(遅い速度)への遷移における、典型的なgDDR6データ転送速度であるように増加した。この速い速度では、メモリコントローラは、正確なタイミング遅延を提供することによってリンクをトレーニングすることが必要であり、その結果、データは、「データアイ(data eye)」の中心付近、すなわち、データが速いクロック速度で確実に捕捉され得る期間及び電圧範囲で捕捉され得る。
【0014】
伝送媒体130の各端部における基準電圧は、可能な限り大きいデータアイを提供するように較正され得る。通信リンクの各端部は、VREFA及びVREFBに反映されるノイズの影響を受けやすい。しかしながら、電力分配ネットワークも同様に独立しているので、伝送媒体130の端部におけるノイズ源は互いに独立している。これらの独立したノイズ源は、ドライバ及び受信機に異なる影響を与える傾向があり、アイの高さ及びアイの幅の両方を縮小することによって、データアイを縮小させる。
【0015】
図2は、いくつかの実施形態による、データ伝送システム200の部分ブロック図及び部分概略図である。データ伝送システム200は、概して、集積回路210と、集積回路230と、伝送媒体250と、を含む。
【0016】
集積回路210は、トランシーバ211と、データストローブ受信機214と、ラッチ217と、データストローブドライバ218と、分圧器220と、バッファ223と、を含む。トランシーバ211は、送信機212と、受信機213と、を含む。送信機212は、DOUTA信号を受信するための入力部と、集積回路210の第1の端子に接続された出力部と、負の電源電圧VSSAと共に集積回路210の全体的な電源電圧を形成する、「VPHY-A」とラベルされた正の電源電圧を受信するための電源入力部と、を有する。受信機213は、第1の集積回路端子に接続された正の入力部と、基準電圧VREFAを受信するための負の入力部と、出力部と、VPHY-Aを受信するための電源入力部と、を有する。データストローブ受信機214は、抵抗器215と、比較器216と、を含む。抵抗器215は、VPHY-Aを受信するための第1の端子と、集積回路210の第2の端子に接続された第2の端子と、を有する。比較器216は、データストローブ受信機として動作し、第2の集積回路端子に接続された正の入力部と、基準電圧VREFAを受信するための負の入力部と、出力部と、VPHY-Aを受信するための電源入力部と、を有する。ラッチ217は、受信機213の出力部に接続されたD入力部と、比較器216の出力部に接続されたクロック入力部と、DINA信号を提供するためのQ入力部と、を有するクロックD型ラッチである。送信機218は、「1010」とラベルされた1と0との交互パターンを受信するための入力部と、第2の集積回路端子に接続された出力部と、を有する。
【0017】
分圧器220は、抵抗器221と、回路素子222と、を含む。抵抗器221は、VPHY-Aを受信するための第1の端子と、集積回路210の第3の端子に接続され、電圧VREFAを形成する第2の端子と、を有する。回路素子222は、抵抗器221の第2の端子に接続された第1の端子と、接地された第2の端子と、を有する。いくつかの実施形態では、回路素子222は、抵抗器221の第2の端子に接続された第1の端子と、接地された第2の端子と、を有する、調整可能電流源224によって実装されている。その他の実施形態では、回路素子222は、抵抗器221の第2の端子に接続された第1の端子と、接地された第2の端子と、を有する調整可能抵抗器225によって実装されている。更にその他の実施形態では、回路素子222は、調整可能電流源と調整可能抵抗器との組合せによって実装されている。バッファ223は、破線で示されている任意のバッファであり、抵抗器221の第2の端子に接続された入力部と、受信機213及び受信機216の負の入力部に接続された出力部と、を有する。
【0018】
集積回路230は、トランシーバ231と、データストローブ受信機234と、ラッチ237と、データストローブ送信機238と、ドライバ239と、を含む。トランシーバ231は、送信機232と、受信機233と、を含む。送信機232は、DOUTB信号を受信するための入力部と、集積回路230の第1の端子に接続された出力部と、を有しており、負の電源電圧VSSBと共に集積回路の全体的な電源電圧を形成する、「VPHY-B」とラベルされた正の電源電圧を受信するための電源入力部を有する。受信機233は、集積回路230の第1の端子に接続された正の入力部と、基準電圧VREFBを受信するための負の入力部と、出力部と、を有する。データストローブ受信機234は、抵抗器235と、比較器236と、を含む。抵抗器235は、VPHY-Bを受信するための第1の端子と、集積回路230の第2の端子に接続された基準電圧VREFBを形成する第2の端子と、を有する。受信機236は、集積回路230の第2の端子に接続された正の入力部と、基準電圧VREFBを受信するための負の入力部と、出力部と、を有する。ラッチ237は、受信機233の出力部に接続されたD入力部と、比較器236の出力部に接続されたクロック入力部と、DINB信号を提供するためのQ出力部と、を有するクロックD型ラッチである。送信機238は、「1010」とラベルされた1と0との交互パターンを受信するための入力部と、集積回路230の第2の端子に接続された出力部と、を有する。ドライバ239は、「1」とラベルされた論理高(ハイ)電圧を受信するための入力部と、集積回路230の第3の端子及び受信機233及び受信機236の負の入力部に接続され、電圧VREFBを形成する出力部と、VPHY-Bを受信するための電源入力部と、を有する。
【0019】
伝送媒体250は、集積回路210と集積回路230とを相互接続し、一組の導体251~253を含む。導体251は、集積回路210の第1の端子に接続された第1の端部と、集積回路230の第1の端子に接続された第2の端部と、を有する。導体252は、集積回路210の第2の端子に接続された第1の端部と、集積回路230の第2の端子に接続された第2の端部と、を有する。導体253は、集積回路210の第3の端子に接続された第1の端部と、集積回路230の第3の端子に接続された第2の端部と、を有する。
【0020】
以下でより詳細に説明するように、ドライバ239及び分圧器220は、導体253によって一緒に接続されており、基準電圧生成回路260を形成する。
【0021】
データ伝送システム200は、伝送媒体250を介して、集積回路210と集積回路230とを双方向に相互接続する。
図2に示されている例では、集積回路230は、統合されたDDRxメモリコントローラと、物理層インターフェース回路と、を有するデータプロセッサであり、集積回路210は、DDRxメモリである。データ伝送システム200の設計は、使用されるDDRxメモリのタイプに基づいて変化する。DDR1の場合、
図1に示されるように、集積回路230は、データ(DQ)信号を使用して、シングルエンドデータストローブ信号(DQS)の遷移に基づいて、集積回路210との間でデータを送受信する。その他の世代のDDRxメモリは、データ伝送システム200の改変を含む。別の例では、集積回路230は、集積gDDRメモリコントローラ及び物理層インターフェース回路を有するグラフィックス処理ユニット(GPU)であり、集積回路210は、gDDR6 SDRAM又は後続のgDDRバージョン等のgDDRメモリである。gDDR6規格によれば、データ(DQ)端子は、双方向端子であるが、クロック信号は、プロセッサが読取りサイクルと書込みサイクルの両方の間に差動書込みクロック信号(WCK_t及びWCK_c)を供給する単方向差動信号である。更に別の例では、集積回路230は、集積DDRメモリコントローラ及び物理層インターフェース回路を有する中央演算処理装置(CPU)であり、集積回路210は、DDR5 SDRAMである。DDR5規格によれば、データ(DQ)端子は、双方向の差動データストローブ信号に基づいて捕捉される双方向端子である。gDDR6及びDDR5メモリデバイスが動作可能な高速では、データプロセッサ(GPU又はCPU)は、クロック信号がDQS信号のデータアイの中心に位置合わせされてデータプロセッサに到着するように、対応するクロック信号に対してDQ信号を遅延させる「データアイトレーニング」を実行する。しかしながら、上述したように、集積回路210及び集積回路230は、第2の電力ドメイン内のV
PHY-B電源上のノイズから独立している第1の電力ドメイン内のV
PHY-A電源上のノイズ等の独立したPDNから電力を受信する。これらの変化は、データアイを閉じるように動作する、すなわち、データアイの高さ及び/又は幅を小さくする。
【0022】
しかしながら、本明細書に開示される様々な実施形態によれば、データ伝送システム200は、第1の電源電圧(例えば、VPHY-A)に基づいて第1の回路によって生成される第1の信号(例えば、分圧器220によって生成されるVREFA)と、第2の電源電圧(例えば、VPHY-B)に基づいて第2の回路によって生成される第2の信号(例えば、ドライバ239によって生成されるVREFB)と、を混合することによって、受信機で使用される基準電圧(例えば、受信機213及び受信機216で使用されるVREFA)を形成する基準電圧生成回路260を含む。基準電圧生成回路260は、VPHY-A及びVPHY-Bの両方のノイズ特性を搬送する基準電圧VREFAを生成させる。次に、VREFAは、集積回路210において、DQ信号及びDQS信号を受信するために、受信機213及び受信機216において使用される。通信リンクの反対の端点からの電源ノイズを混合して、通信リンクの所定の側でデータを受信する際に使用される基準電圧を形成することは、データ受信をよりロバストするためにDQデータアイを拡大するという顕著な特性を有する。その他の実施形態では、VREFは、集積回路210及び集積回路230のPDN上でVSSノイズを混合することによって形成され得る。この場合、ドライバ239は、VSSB電圧を表す論理「0」をその入力において受信し、分圧器220は、抵抗器221及び回路素子222の順序を逆にすることによって、VREFA及びVREFBを形成し得る。なお、ドライバ239は、抵抗器221の抵抗に一致するプルダウン駆動強度を有する。
【0023】
更に、以下で更に説明するように、著しくよりロバストなデータ受信は、従来の二値システムの代わりに多値データ伝送システム及び多値データ受信システムの実装を可能にすることによって、より速い全体的なデータ送信速度を可能にする。例えば、DDR及びグラフィックスDDR規格の既存のバージョンで使用される従来のバイナリデータ伝送の代わりに、四値パルス振幅変調(PAM4)システムを生成し得るが、これは、クロック遷移ごとに2つだけではなく2つのバイナリビットの伝送及び受信を可能にする。したがって、所定のクロック速度に対して、データ伝送帯域幅を倍増し得る。
【0024】
図3は、
図2のデータ伝送システム200の動作を理解するのに有用な一組のタイミング
図300を示している。タイミング
図300は、データアイ
図310、データアイ
図320、データアイ
図330、及び、データアイ
図340を含む。各データアイ図は、ピコ秒(ps)単位の時間を表すそれぞれの横軸と、ボルト単位の振幅を表すそれぞれの縦軸と、を有する。データアイ
図310、データアイ
図320、データアイ
図330、及び、データアイ
図340は、低から高への遷移及び高から低への遷移の両方と、メモリコントローラが捕捉遅延を設定するデータ信号のグループ、例えば、バイトとの重ね合わせから生じる波形クラウドを示す。図の左列、すなわち、データアイ
図311及びデータアイ
図331は、集積回路210において受信されるデータ信号を示し、データアイ
図311は、V
REFを生成させる従来の方法を示し、データアイ
図331は、本明細書に記載される種々の実施形態による、V
REFを生成させる混合技術を示す。同様に、図の右列、すなわち、データアイ
図321及びデータアイ
図341は、集積回路230において受信されるデータ信号を示し、データアイ
図321は、V
REFを生成させる従来の方法を示し、データアイ
図341は、本明細書に記載される種々の実施形態による、V
REFを生成させる混合技術を示す。明らかに分かるように、本明細書に記載される混合技術を使用して形成されたデータアイ図は、より高いアイの高さ及びより大きなアイの幅を有する、より鮮明なデータアイを示す。
【0025】
図3のグラフに示されているこれらの実験的観察は、既存のデータ伝送システムと比較して、本明細書に開示される混合技術を使用したデータ伝送忠実度における、著しい改善を確証している。
【0026】
図4は、
図2のデータ伝送システム200が様々なデータノイズ周波数で測定された、データアイの高さ及び幅の例を示すグラフ400を示している。
図4において、横軸は、周波数をHzで表し、左縦軸は、アイの高さをミリボルト(mV)で表し、右縦軸は、アイの幅をpsで表す。グラフ400には、本明細書に開示されるV
REF混合技術を使用したデータアイのアイの高さを示す波形410と、従来のV
REF生成技術を使用したデータアイのアイの高さを示す波形420と、本明細書に開示されるV
REF混合技術を使用したデータアイのアイの幅を示す波形430と、従来のV
REF生成技術を使用したデータアイのアイの高さを示す波形440と、を含む4つの波形が示されている。波形410及び波形420から分かるように、アイの高さは、約500MHzまでの電圧ノイズ周波数を通して0.8ボルトの電源に対して約37mVほど改善し、その後、約950MHzでクロスオーバ点に達するまで徐々に低下する。アイの幅は、全ての電圧ノイズ周波数にわたって一貫しているがあまり劇的でない改善を示す。特に重要な電圧ノイズ周波数、すなわち、100MHzでは、アイの高さは24mVだけ改善され、アイの幅は0.8psだけ改善される。
【0027】
図5は、いくつかの実施形態による、多値データ伝送システムにおいて有用なデータ伝送システム500の部分ブロック図及び部分概略図である。データ伝送システム500は、集積回路510と、集積回路530と、伝送媒体550と、を含む。
【0028】
集積回路510は、四値パルス振幅変調(PAM4)受信機511と、スライスレベル生成器512と、分圧器520と、を含む。PAM4受信機511は、集積回路510のボンディングパッドに接続された信号入力部と、基準入力部と、「DINA[1:0]」とラベルされた復号電圧信号を提供するための出力部と、VPHY-Aを受信するための電源入力部と、を有する。スライスレベル生成器512は、VREFAを受信するための入力部と、VPHY-Aを受信するための電源入力部と、PAM4受信機511の第2の入力部に接続され、3つのスライスレベルを供給する出力部と、を有する。分圧器520は、抵抗器521と、回路素子522と、を含む。抵抗器521は、VPHY-Aを受信するための第1の端子と、VREFAを形成し、集積回路510の第2の端子に接続された第2の端子と、を有する。回路素子522は、抵抗器521の第2の端子に接続された第1の端子と、接地された第2の端子と、を有する。分圧器220におけるように、いくつかの実施形態では、回路素子522は、抵抗器521の第2の端子に接続された第1の端子と、接地された第2の端子と、を有する、調整可能電流源によって実装されている。その他の実施形態では、回路素子522は、抵抗器521の第2の端子に接続された第1の端子と、接地された第2の端子と、を有する調整可能抵抗器によって実装されている。更にその他の実施形態では、回路素子522は、調整可能電流源と調整可能抵抗器との組合せによって実装されている。
【0029】
集積回路530は、PAM4伝送機531と、ドライバ535と、を含む。PAM4伝送機531は、「DOUTB[1:0]」とラベルされた2ビットの出力信号を受信するための入力部と、VPHY-Bを受信するための電源入力部と、VREFBを受信するための基準入力部と、集積回路530の第1の端子に接続された出力部と、を有する。ドライバ535は、「1」とラベルされた論理高(ハイ)電圧レベルを受信するための入力部と、集積回路230の第1の端子に接続された出力部と、VPHY-Bを受信するための電源入力部と、を有する。
【0030】
伝送媒体550は、導体551と、導体552と、を含む。導体551は、集積回路530の第1の端子に接続された第1の端部と、集積回路510の第1の端子に接続された第2の端部と、を有する。導体552は、集積回路530の第2の端子に接続された第1の端部と、集積回路510の第2の端子に接続された第2の端部と、を有する。ドライバ535及び分圧器520は、導体552によって一緒に接続され、基準電圧生成回路560を形成する。
【0031】
データ伝送システム500は、
図2のデータ伝送システム200とほぼ同様に動作するが、PAM4の符号化及び復号化を実施する。PAM4は、各クロックエッジで伝送される4つの電圧レベルのうち何れかとして2ビットのデータを符号化することによって、所定のクロック周波数に対するデータ伝送スループットの効果的な倍増を可能にする。PAM4によれば、電圧レベルは、以下の表1に示されるように、4つのレベルに符号化される。
【0032】
【0033】
電圧を適切なシンボル及びそれに対応するデータに復号するために、スライスレベル生成器512は、1/4VPHY-A、1/2VPHY-A、及び、3/4VPHY-Aに等しい値で、3つのスライスレベルを生成させる。スライスレベル生成器512は、様々な方法で、VREFAに基づいて、集積回路510及び集積回路530から混合された電源ノイズを注入しながら、3つのスライスレベルを生成させ得る。一例では、集積回路510及び集積回路530は、VPHY-A及びVPHY-Bの電圧の半分で、VREFA及びVREFBを生成させる。この場合、スライスレベル生成器512は、VPHY-A電源と接地との間に、4つの等しい値の抵抗器のストリングを組み込み、上部抵抗器と上部中間抵抗器との間の接続点において、3/4VPHY-Aの値を生成し、下部中間抵抗器と下部抵抗器との間の接続点において、1/4VPHY-Aの値を生成させる。本例では、バッファは、VREFAを受信するための入力部と、上部中間抵抗器と下部中間抵抗器との間の接続点を駆動するための出力部と、を有する。VREFAは、集積回路510及び集積回路530の両方のPDNからのノイズを混合するので、スライスレベル生成器512は、これらのノイズ要素の両方を有するスライスレベルを出力する。通信リンクの両端から混合された電源ノイズを有する基準電圧を使用することによって、データアイは、バイナリ信号伝送について上述したような、改善されたアイの開度を示す。
【0034】
いくつかの実施形態では、抵抗器ストリング内の抵抗器は、プログラム可能にされてもよく、データアイ内のレベルのクロスオーバ点においてスライスレベルを設定するようにトレーニングされ得る。例えば、データアイは、データアイの中心をより高く又はより低く歪める非対称性を示す場合がある。較正プロセスを使用して、更によりロバストなデータ伝送及びデータ受信のために、これらの調整が行われ得る。
【0035】
したがって、本明細書に開示される技術を使用して、非バイナリシンボル、すなわち、クロックエッジごとに3つ以上の状態を有するシンボルを伝送することによって、データ伝送帯域幅を改善し得る。ノイズ軽減技術は、そうでなければ既存のクロック速度でPAM4シンボルにおいて使用される4つの電圧レベルを復号するためには十分にロバストではないシステムにおけるPAM4の受信を可能にし得ると考えられる。
【0036】
本明細書に記載される基準電圧生成回路又はその任意の部分を含む集積回路又は複数の集積回路は、プログラムによって読み取ることができ、集積回路を製造するために直接的又は間接的に使用することができるデータベース又は他のデータ構造の形態で、コンピュータアクセス可能データ構造によって記述又は表現することができる。例えば、本データ構造は、Verilog又はVHDL等の高位設計言語(HDL)におけるハードウェア機能の挙動レベル記述又はレジスタ転送レベル(RTL)記述であってもよい。記述は、合成ライブラリからゲートのリストを含むネットリストを生成するために記述を合成することができる合成ツールによって読み取られてもよい。ネットリストは、集積回路を含むハードウェアの機能も表すゲートのセットを含む。ネットリストは、次に、マスクに適用される幾何学的形状を記述するデータセットを生成するために配置され、ルーティングされてもよい。次に、マスクを、様々な半導体製造工程で使用して、集積回路を製造してもよい。代替的に、コンピュータアクセス可能記憶媒体上のデータベースは、所望の場合、ネットリスト(合成ライブラリの有無にかかわらず)若しくはデータセット、又は、グラフィック・データ・システム(Graphic Data System、GDS)IIデータであってもよい。
【0037】
特定の実施形態を説明してきたが、これらの実施形態に対する様々な修正が当業者には明らかであろう。例えば、本願は、バイナリ(すなわち、二値)データ伝送及び受信システムを詳細に説明しているが、いくつかの実施形態では、ノイズ緩和は、PAM4等のように、クロックエッジごとに2ビット以上を伝送するデータ伝送システムにおいて使用され得る。更に、基準電圧生成回路の異なる部分を、集積回路の異なる部分に実装し得る。また、基準電圧生成回路は、伝送媒体の両端又は一端のみに、分圧器及び/又はドライバを有し得る。開示されている技術は、高速データ伝送を使用する多種多様な集積回路に適用可能である。1つの特定の例では、一方の集積回路は、データプロセッサ、システム・オン・チップ(SOC)又はグラフィックス処理ユニット(GPU)であってもよく、他方の集積回路は、DDR又はgDDR SDRAMであるが、本明細書に記載される技術は、多くの他のタイプの集積回路と共に使用され得る。また、伝送媒体は、実施形態間で異なっていてもよく、プリント回路基板配線、ボンドワイヤ、シリコン貫通ビア(TSV)等を含んでもよい。
【0038】
したがって、添付の特許請求の範囲は、開示された実施形態の範囲に含まれる開示された実施形態の全ての変更を網羅することを意図している。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ伝送システムであって、
接地に対する第1の電源電圧によって電力供給される送信機であって、データ出力信号を受信するための入力部と、出力部と、を有する送信機を備える、第1の回路と、
接地に対する第2の電源電圧によって電力供給される受信機であって、前記送信機の前記出力部に連結された第1の入力部と、基準電圧を受信するための第2の入力部と、データ入力信号を提供するための出力部と、を有する受信機を備える、第2の回路と、
前記第1の電源電圧に基づいて前記第1の回路によって生成された第1の信号と、前記第2の電源電圧に基づいて前記第2の回路によって生成された第2の信号と、を混合することによって前記基準電圧を形成する基準電圧生成回路と、を備える、
データ伝送システム。
【請求項2】
前記基準電圧生成回路は、
所定の信号を受信するための入力部と、前記第1の電源電圧を基準とする前記第1の信号を提供するための出力部と、を有するドライバと、
第2の電源電圧端子から電力供給される分圧器であって、前記ドライバの前記出力部及び前記受信機の前記第2の入力部に連結されており、前記基準電圧を前記受信機に供給する分圧器と、を備える、
請求項1のデータ伝送システム。
【請求項3】
前記送信機及び前記ドライバは、第1の集積回路上にあり、
前記受信機及び前記分圧器は、第2の集積回路上にある、
請求項2のデータ伝送システム。
【請求項4】
前記分圧器は、
前記第2の電源電圧を受信するための第1の端子と、前記ドライバの前記出力部に連結され、前記基準電圧を形成する第2の端子と、を有する抵抗器と、
前記抵抗器の前記第2の端子に連結された第1の端子と、接地に連結された第2の端子と、を有する第2の回路素子と、を備える、
請求項2のデータ伝送システム。
【請求項5】
前記第2の回路素子は、
前記抵抗器の前記第2の端子に連結された第1の端子と、接地に連結された第2の端子と、を有する可変電流源を備える、
請求項4のデータ伝送システム。
【請求項6】
前記第2の回路素子は、
前記抵抗器の前記第2の端子に連結された第1の端子と、接地に連結された第2の端子と、を有する可変抵抗器を備える、
請求項4のデータ伝送システム。
【請求項7】
データ伝送システムであって、
第1の電源電圧によって電力供給される送信機であって、データ出力信号を受信するための入力部と、出力部と、を有する送信機と、
第2の電源電圧によって電力供給される受信機であって、前記送信機の前記出力部に連結された第1の入力部と、基準電圧を受信するための第2の入力部と、データ入力信号を提供するための出力部と、を有する受信機と、
基準電圧生成回路と、を備え、
前記基準電圧生成回路は、
前記第1の電源電圧によって電力供給されるドライバであって、所定の信号を受信するための入力部と、出力部と、を有するドライバと、
前記第2の電源電圧によって電力供給される分圧器であって、前記ドライバの前記出力部及び前記受信機の前記第2の入力部に連結されており、前記基準電圧を前記受信機に供給する分圧器と、を備える、
データ伝送システム。
【請求項8】
前記送信機は、第1の集積回路上にあり、
前記受信機は、第2の集積回路上にあり、
前記送信機の前記出力部は、導体を介して前記受信機の前記第1の入力部に連結されている、
請求項7のデータ伝送システム。
【請求項9】
前記第1の電源電圧によって電力供給されるデータストローブドライバであって、データストローブ信号を提供するための出力部を有するデータストローブドライバと、
前記第2の電源電圧によって電力供給されるデータストローブ受信機であって、前記データストローブドライバの前記出力部に連結された第1の入力部と、前記基準電圧を受信するための第2の入力部と、出力部と、を有するデータストローブ受信機と、
前記受信機の前記出力部に連結されたデータ入力部と、前記データストローブ受信機の前記出力部に連結されたクロック入力部と、ラッチされたデータ信号を提供するための出力部と、を有するラッチと、を更に備える、
請求項7のデータ伝送システム。
【請求項10】
前記受信機は、少なくとも1つの追加の電圧レベルを受信するための入力部を有し、前記受信機の出力は、マルチビットデジタル信号であり、前記受信することは、前記マルチビットデジタル信号を復号するために前記少なくとも1つの追加の電圧レベルを使用し、
前記データ伝送システムは、前記基準電圧を受信するための入力部と、前記少なくとも1つの追加の電圧レベルを複数のスライスレベルとして提供するために前記受信機の前記第2の入力部に連結された出力部と、を有するスライスレベル発生器を更に備える、
請求項7のデータ伝送システム。
【請求項11】
方法であって、
第1の電源電圧で動作する第1の集積回路であって、第1の電圧基準端子を有する第1の集積回路の送信機からデータ信号を伝送することと、
第2の電源電圧で動作する第2の集積回路であって、第2の電圧基準端子を有する第2の集積回路の受信機において前記データ信号を受信することであって、前記受信することは、前記データ信号を前記第2の電圧基準端子上の電圧と比較して、受信データ信号を提供することを含む、ことと、
前記第1の電源電圧及び前記第2の電源電圧の両方におけるノイズに基づいて、前記第1の電圧基準端子及び前記第2の電圧基準端子上に共有基準電圧を生成することと、を含む、
方法。
【請求項12】
前記共有基準電圧を生成することは、
前記第1の電圧基準端子を前記第2の電圧基準端子に連結することと、
所定の論理レベルに応じて、前記第1の集積回路及び前記第2の集積回路のうち一方から前記第1の電圧基準端子及び前記第2の電圧基準端子を駆動することと、
基準回路を使用して前記第2の電圧基準端子上の電圧を分圧し、前記分圧することに応じて、前記第1の集積回路及び前記第2の集積回路のうち他方に前記共有基準電圧を形成することと、を含む、
請求項
11の方法。
【請求項13】
前記分圧することは、
前記第2の電源電圧を受信するための第1の端子と、前記第2の電圧基準端子に連結された第2の端子と、を有する抵抗器と、前記第2の電圧基準端子に連結された第1の端子と、接地に連結された第2の端子と、を有する第2の回路素子と、を使用して、前記第2の電圧基準端子上の電圧を分圧することを含む、
請求項
12の方法。
【請求項14】
前記伝送することは、
前記第1の電源電圧を使用して、前記第1の集積回路から前記第2の集積回路へストローブ信号を伝送することを含み、
前記受信することは、
前記第2の電源電圧及び前記共有基準電圧を使用して、前記第2の集積回路において前記ストローブ信号を受信して、受信ストローブ信号を形成することと、
前記受信ストローブ信号を使用して、前記受信データ信号をラッチすることと、を含む、
請求項
11の方法。
【請求項15】
前記伝送することは、
前記第2の集積回路の送信機から第2のデータ信号を伝送することと、
前記第1の集積回路の受信機において前記第2のデータ信号を受信することであって、前記受信することは、前記第2のデータ信号を前記第2の電圧基準端子上の電圧と比較して、受信された第2のデータ信号を提供することを含む、ことと、を含む、
請求項
11の方法。
【国際調査報告】