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特表2024-532834半導体プラズマ処理チャンバ内の消耗部品の特性を計測するための光センサ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-10
(54)【発明の名称】半導体プラズマ処理チャンバ内の消耗部品の特性を計測するための光センサ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20240903BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20240903BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALN20240903BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
H01L21/68 A
H01L21/302 101G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024509373
(86)(22)【出願日】2022-08-01
(85)【翻訳文提出日】2024-02-16
(86)【国際出願番号】 US2022074384
(87)【国際公開番号】W WO2023023444
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】63/234,139
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】514028776
【氏名又は名称】トーキョー エレクトロン ユーエス ホールディングス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】マリーヴ,イヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ル,シン‐イェ
(72)【発明者】
【氏名】クリャチコ,ディミトリ
(72)【発明者】
【氏名】モン,チン リン
(72)【発明者】
【氏名】ティエン,シンカン
【テーマコード(参考)】
5F004
5F131
【Fターム(参考)】
5F004AA16
5F004BB02
5F004CB09
5F131AA02
5F131BA19
5F131CA42
5F131DB43
5F131KA04
5F131KA10
5F131KA14
5F131KA17
5F131KA49
5F131KA55
5F131KA67
5F131KB09
5F131KB45
(57)【要約】
半導体処理システムは、複数のウェーハのそれぞれの上で半導体製造処理を実行するように構成された処理チャンバを含む。処理チャンバは、少なくとも1つの消耗部品と、処理チャンバの近くに位置し、且つウェーハアクセスポートを介して処理チャンバと連通する基板ハンドリングモジュールとを含む。ウェーハハンドリングモジュールは、ウェーハアクセスポートを通して基板ハンドリングモジュールと処理チャンバとの間でウェーハのそれぞれを移載するように構成されたウェーハハンドリングロボットと、少なくとも1つの消耗部品からの光信号を検出するように構成された光センサを含む光学診断システムとを含む。コントローラは、処理チャンバに、それぞれの各ウェーハ上で半導体製造処理を実行させ、且つ光学診断システムに、処理チャンバがウェーハ上で半導体製造処理を実行していない時間中に光信号を検出させるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理システムであって、
複数のウェーハのそれぞれの上で半導体製造処理を実行するように構成された処理チャンバであって、少なくとも1つの消耗部品を含む処理チャンバと、
前記処理チャンバの近くに位置し、且つウェーハアクセスポートを介して前記処理チャンバと連通する基板ハンドリングモジュールであって、前記ウェーハアクセスポートを通して前記基板ハンドリングモジュールと前記処理チャンバとの間で前記ウェーハのそれぞれを移載するように構成されたウェーハハンドリングロボットを含む基板ハンドリングモジュールと、
前記少なくとも1つの消耗部品からの光信号を検出するように構成された光センサを含む光学診断システムと、
前記処理チャンバに、それぞれの各ウェーハ上で前記半導体製造処理を実行させ、且つ前記光学診断システムに、前記処理チャンバが前記ウェーハ上で前記半導体製造処理を実行していない時間中に前記光信号を検出させるように構成されたコントローラと
を含む半導体処理システム。
【請求項2】
前記光学診断システムは、前記光センサによって検出された前記光信号から、前記少なくとも1つの消耗部品の少なくとも1つの特性を判定するように構成される、請求項1に記載の半導体処理システム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの消耗部品は、フォーカスリング、ガス噴射シャワープレート、電極、堆積シールド、処理チャンバ壁、ポンピングバッフル、ウェーハチャック及びウェーハチャック肩部の少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記光センサは、ウェーハハンドリングモジュールの内壁において、前記ウェーハアクセスポートがウェーハ移載のために開いているときに前記ウェーハアクセスポートを介して前記少なくとも1つの消耗部品が見える場所に取り付けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記光センサは、ウェーハ移載ロボットのウェーハハンドリングアームにおいて、ウェーハハンドリングアームの運動中に前記少なくとも1つの消耗部品が見える場所に取り付けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記光センサは、前記ウェーハハンドリングアームのエンドエフェクタ又はウェーハプラテンに取り付けられる、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記光センサは、前記少なくとも1つの消耗部品の画像を取得するためのカメラをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記光センサは、前記少なくとも1つの消耗部品の画像の取得中に前記少なくとも1つの消耗部品を照明するように構成された構造化照明器をさらに含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記構造化照明器は、前記カメラの視線に対してある角度で照明ビームを送ることにより、前記少なくとも1つの消耗部品上に照明パターンを投影するように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
光学システムは、前記少なくとも1つの消耗部品上に投影された前記照明パターンの取得された画像から、前記少なくとも1つの消耗部品の少なくとも1つの特性を判定するように構成され、及び
前記少なくとも1つの消耗部品の前記少なくとも1つの特性は、前記少なくとも1つの消耗部品の3次元形状の少なくとも1つの寸法を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの消耗部品は、フォーカスリングであり、及び前記少なくとも1つの寸法は、前記フォーカスリングの厚さ及び前記フォーカスリングのエッジ輪郭の寸法の少なくとも1つを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの消耗部品は、ガス噴射孔のアレイを含み、前記少なくとも1つの寸法は、ガス噴射孔直径及びガス噴射孔面取り部の輪郭の寸法の少なくとも1つを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記照明パターンは、前記少なくとも1つの消耗部品上に投影されたドットのパターンを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記照明パターンは、前記少なくとも1つの消耗部品上に投影された少なくとも1つのラインを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記光センサは、前記少なくとも1つの消耗部品の画像の取得中に前記少なくとも1つの消耗部品を照明するように構成された拡散照明器をさらに含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項16】
前記光センサを収容するように構成された筐体と、
前記筐体内から前記少なくとも1つの消耗部品への光学的アクセスを前記光センサに提供するための少なくとも1つの窓と
をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
半導体処理システムであって、
複数のウェーハのそれぞれの上で半導体製造処理を実行するように構成された処理チャンバであって、少なくとも1つの消耗部品を含む処理チャンバと、
前記処理チャンバの近くに位置し、且つウェーハアクセスポートを介して前記処理チャンバと連通する基板ハンドリングモジュールであって、前記ウェーハアクセスポートを通して前記基板ハンドリングモジュールと前記処理チャンバとの間で前記ウェーハのそれぞれを移載するように構成されたウェーハハンドリングロボットを含む基板ハンドリングモジュールと、
前記消耗部品の少なくとも一部分に対する直接見通し線を有するように位置決めされた光センサであって、前記消耗部品からの光信号を検出するように構成される光センサを含む光学診断システムと
を含む半導体処理システム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの消耗部品は、フォーカスリング、ガス噴射シャワープレート、電極、堆積シールド、処理チャンバ壁、ポンピングバッフル、ウェーハチャック及びウェーハチャック肩部の少なくとも1つを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記光センサは、ウェーハハンドリングモジュールの内壁に取り付けられ、それにより、前記直接見通し線は、前記ウェーハアクセスポートがウェーハ移載のために開いているときに前記ウェーハアクセスポートを通して提供される、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記光センサは、ウェーハ移載ロボットのウェーハハンドリングアームに取り付けられ、それにより、前記直接見通し線は、前記ウェーハハンドリングアームの移載経路に沿った1つ又は複数の場所で提供される、請求項17に記載のシステム。
【請求項21】
前記光センサは、前記ウェーハハンドリングアームのエンドエフェクタ又はウェーハプラテンに取り付けられる、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
ウェーハ移載ロボットによって移載されるように構成された計測ウェーハをさらに含み、前記光センサは、前記計測ウェーハに取り付けられ、それにより、前記直接見通し線は、前記計測ウェーハの移載経路に沿った1つ又は複数の場所で提供される、請求項17に記載のシステム。
【請求項23】
前記光センサは、フォーカスリングからの第1の光信号を検出するための第1の光センサと、ガス噴射シャワーヘッドからの第2の光信号を検出するための第2の光センサとを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
前記第1及び第2の光センサは、前記基板ハンドリングモジュールのウェーハ移載アームに設けられる、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
半導体デバイスを製造する方法であって、
複数の半導体ウェーハのそれぞれを、ウェーハアクセスポートを通して、基板ハンドリングモジュールと、少なくとも1つの消耗部品を含む処理チャンバとの間で移載する移載動作を繰り返し実行することと、
前記処理チャンバを使用して、前記複数の半導体ウェーハのそれぞれの上で半導体製造処理を実行することと、
前記処理チャンバが前記ウェーハ上で前記半導体製造処理を実行していない時間中、前記少なくとも1つの消耗部品からの光信号を検出することと
を含む方法。
【請求項26】
前記光信号から前記少なくとも1つの消耗部品の少なくとも1つの特性を判定することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
光信号を前記検出することは、フォーカスリング、ガス噴射シャワープレート、電極、堆積シールド、処理チャンバ壁、ポンピングバッフル、ウェーハチャック及びウェーハチャック肩部の少なくとも1つからの光信号を検出することを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
光信号を前記検出することは、前記ウェーハアクセスポートがウェーハ移載のために開いているとき、前記ウェーハアクセスポートを通して前記処理チャンバの外部から前記光信号を検出することを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
光信号を前記検出することは、
ウェーハハンドリングモジュールの内壁において、前記ウェーハアクセスポートがウェーハ移載のために開いているときに前記ウェーハアクセスポートを介して前記少なくとも1つの消耗部品が見える場所に光センサを設けることと、
前記光センサを使用して前記光信号を検出することと
をさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
光信号を前記検出することは、
ウェーハ移載ロボットのウェーハハンドリングアームにおいて、ウェーハ移載中に前記少なくとも1つの消耗部品が見える場所に光センサを設けることと、
前記光センサを使用して前記光信号を検出することと
をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
光センサを前記設けることは、前記ウェーハハンドリングアームのエンドエフェクタ又はウェーハプラテンに前記光センサを設けることを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
光信号を前記検出することは、前記少なくとも1つの消耗部品の画像を取得するためにカメラを使用することを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項33】
光信号を前記検出することは、構造化照明器を使用して、前記少なくとも1つの消耗部品の画像の取得中に前記少なくとも1つの消耗部品を照明することをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
構造化照明器を前記使用することは、前記カメラの視線に対してある角度で照明ビームを送ることにより、前記少なくとも1つの消耗部品上に照明パターンを投影することを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記少なくとも1つの消耗部品上に投影された前記照明パターンの取得された画像から、前記少なくとも1つの消耗部品の少なくとも1つの特性を判定することをさらに含み、前記少なくとも1つの消耗部品の前記少なくとも1つの特性は、前記少なくとも1つの消耗部品の3次元形状の少なくとも1つの寸法を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記少なくとも1つの消耗部品は、フォーカスリングであり、前記方法は、前記フォーカスリングの厚さ及び前記フォーカスリングのエッジ輪郭の寸法の少なくとも1つを判定することをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記少なくとも1つの消耗部品は、ガス噴射孔のアレイを含み、前記方法は、ガス噴射孔直径及びガス噴射孔面取り部の輪郭の寸法の少なくとも1つを判定することをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記照明パターンは、前記少なくとも1つの消耗部品上に投影されたドットのパターンを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
前記照明パターンは、前記少なくとも1つの消耗部品上に投影された少なくとも1つのラインを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項40】
前記少なくとも1つの消耗部品の画像の取得中に前記少なくとも1つの消耗部品を拡散光で照明することをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項41】
光信号を前記検出することは、前記処理チャンバが前記ウェーハ上で前記半導体製造処理を実行していない前記時間中にのみ、前記光信号を検出することを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項42】
光信号を前記検出することは、前記ウェーハアクセスポートが開いているときにのみ、前記光信号を検出することを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記検出された光信号に基づいて前記半導体製造処理を修正することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項44】
前記半導体製造処理を前記修正することは、前記消耗部品の摩耗状態を補償するために少なくとも1つの処理パラメータを修正することを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
少なくとも1つの処理パラメータを前記修正することは、ウェーハにわたる均一な処理結果を向上させるように前記処理パラメータを修正することを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記検出された光信号に基づいて半導体チャンバを修正することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項47】
前記半導体チャンバを前記修正することは、前記検出された光信号に基づいてフォーカスリングの高さを調節することを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記半導体チャンバを前記修正することは、前記検出された光信号に基づいて前記消耗部品の少なくとも1つを交換することを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
半導体処理チャンバ内の消耗部品の状態を検出する方法であって、
前記消耗部品上に入射する拡散光及び構造化光を提供するように拡散光源及び構造化光源を向けることと、
前記消耗部品の少なくとも1つの拡散光画像及び前記消耗部品の少なくとも1つの構造化光画像を取得することと、
前記少なくとも1つの拡散光画像を使用して、前記消耗部品のエッジを検出することと、
前記少なくとも1つの構造化光画像を使用して、前記構造化光が、前記拡散光画像から検出された前記エッジと交差する交点を識別することと、
前記半導体処理チャンバ内での前記交点の座標を判定することと、
前記交点の前記座標に基づいて前記消耗部品の3D輪郭を構築することと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
参照による援用
本開示は、2021年8月17日出願の「OPTICAL SENSORS FOR MEASURING PROPERTIES OF CONSUMABLE PARTS IN A SEMICONDUCTOR PLASMA PROCESSING CHAMBER」という名称の米国仮特許出願第63/234,139号明細書の利益を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、概して、半導体処理に関し、より具体的には、光センサを使用した半導体処理チャンバ内の消耗部品の計測に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体処理チャンバは、ウェーハ処理中に処理環境に繰り返しさらされることに起因して特性が徐々に変化する様々な「消耗部品」を含む。消耗部品のこのような変化は、処理結果が経時的に変わり得る点で処理チャンバの性能にも影響を及ぼし得る。したがって、半導体デバイスの製造業者は、概して、消耗部品の状況を監視して、部品の状態によってチャンバの性能が劣化することがないようにする。監視技法では、検出器又はセンサを使用する場合が多いが、それらは、処理チャンバの過酷な環境にそれ自体がさらされることで、計測値の信頼性に影響を及ぼすか、又は半導体処理環境の状況に耐え得る高価なデバイスが必要になる。他の監視技法では、半導体処理を中断して消耗部品の状況を判定するか、又はメンテナンスを実行して監視システム自体の信頼性を確保することが必要となり得る。処理チャンバの処理能力への影響を最小限に抑えながら、処理チャンバの消耗部品の状態を正確に監視するための比較的低コストでロバストなシステム及び方法を有することが望ましい。例えば、エッチングは、半導体製造処理において不可欠なステップである。
【発明の概要】
【0004】
本開示の態様は、消耗部品を光学的に診断するためのシステム及び方法を提供する。態様1は、複数のウェーハのそれぞれの上で半導体製造処理を実行するように構成された処理チャンバであって、少なくとも1つの消耗部品を含む処理チャンバと、処理チャンバの近くに位置し、且つウェーハアクセスポートを介して処理チャンバと連通する基板ハンドリングモジュールであって、ウェーハアクセスポートを通して基板ハンドリングモジュールと処理チャンバとの間でウェーハのそれぞれを移載するように構成されたウェーハハンドリングロボットを含む基板ハンドリングモジュールと、少なくとも1つの消耗部品からの光信号を検出するように構成された光センサを含む光学診断システムと、処理チャンバに、それぞれの各ウェーハ上で半導体製造処理を実行させ、且つ光学診断システムに、処理チャンバがウェーハ上で半導体製造処理を実行していない時間中に光信号を検出させるように構成されたコントローラとを含む半導体処理システムに関する。
【0005】
態様2は、光学診断システムが、光センサによって検出された光信号から、少なくとも1つの消耗部品の少なくとも1つの特性を判定するように構成される、態様(1)に記載の半導体処理システムを含む。
【0006】
態様3は、少なくとも1つの消耗部品が、フォーカスリング、ガス噴射シャワープレート、電極、堆積シールド、処理チャンバ壁、ポンピングバッフル、ウェーハチャック及びウェーハチャック肩部の少なくとも1つを含む、態様1に記載のシステムを含む。
【0007】
態様4は、光センサが、ウェーハハンドリングモジュールの内壁において、ウェーハアクセスポートがウェーハ移載のために開いているときにウェーハアクセスポートを介して少なくとも1つの消耗部品が見える場所に取り付けられる、態様1に記載のシステムを含む。
【0008】
態様5は、光センサが、ウェーハ移載ロボットのウェーハハンドリングアームにおいて、ウェーハハンドリングアームの運動中に少なくとも1つの消耗部品が見える場所に取り付けられる、態様1に記載のシステムを含む。
【0009】
態様6は、光センサが、ウェーハハンドリングアームのエンドエフェクタ又はウェーハプラテンに取り付けられる、態様5に記載のシステムを含む。
【0010】
態様7は、光センサが、少なくとも1つの消耗部品の画像を取得するためのカメラをさらに含む、態様1に記載のシステムを含む。
【0011】
態様8は、光センサが、少なくとも1つの消耗部品の画像の取得中に少なくとも1つの消耗部品を照明するように構成された構造化照明器をさらに含む、態様7に記載のシステムを含む。
【0012】
態様9は、構造化照明器が、カメラの視線に対してある角度で照明ビームを送ることにより、少なくとも1つの消耗部品上に照明パターンを投影するように構成される、態様8に記載のシステムを含む。
【0013】
態様10は、光学システムが、少なくとも1つの消耗部品上に投影された照明パターンの取得された画像から、少なくとも1つの消耗部品の少なくとも1つの特性を判定するように構成され、及び少なくとも1つの消耗部品の少なくとも1つの特性が、少なくとも1つの消耗部品の3次元形状の少なくとも1つの寸法を含む、態様9に記載のシステムを含む。
【0014】
態様11は、少なくとも1つの消耗部品がフォーカスリングであり、及び少なくとも1つの寸法が、フォーカスリングの厚さ及びフォーカスリングのエッジ輪郭の寸法の少なくとも1つを含む、態様10に記載のシステムを含む。
【0015】
態様12は、少なくとも1つの消耗部品がガス噴射孔のアレイを含み、少なくとも1つの寸法が、ガス噴射孔直径及びガス噴射孔面取り部の輪郭の寸法の少なくとも1つを含む、態様10に記載のシステムを含む。
【0016】
態様13は、照明パターンが、少なくとも1つの消耗部品上に投影されたドットのパターンを含む、態様9に記載のシステムを含む。
【0017】
態様14は、照明パターンが、少なくとも1つの消耗部品上に投影された少なくとも1つのラインを含む、態様9に記載のシステムを含む。
【0018】
態様15は、光センサが、少なくとも1つの消耗部品の画像の取得中に少なくとも1つの消耗部品を照明するように構成された拡散照明器をさらに含む、態様7に記載のシステムを含む。
【0019】
態様16は、光センサを収容するように構成された筐体と、筐体内から少なくとも1つの消耗部品への光学的アクセスを光センサに提供するための少なくとも1つの窓とをさらに含む、態様1に記載のシステムを含む。
【0020】
態様17は、複数のウェーハのそれぞれの上で半導体製造処理を実行するように構成された処理チャンバであって、少なくとも1つの消耗部品を含む処理チャンバと、処理チャンバの近くに位置し、且つウェーハアクセスポートを介して処理チャンバと連通する基板ハンドリングモジュールであって、ウェーハアクセスポートを通して基板ハンドリングモジュールと処理チャンバとの間でウェーハのそれぞれを移載するように構成されたウェーハハンドリングロボットを含む基板ハンドリングモジュールと、消耗部品の少なくとも一部分に対する直接見通し線を有するように位置決めされた光センサであって、消耗部品からの光信号を検出するように構成される光センサを含む光学診断システムと、を含む半導体処理システムに関する。
【0021】
態様18は、少なくとも1つの消耗部品が、フォーカスリング、ガス噴射シャワープレート、電極、堆積シールド、処理チャンバ壁、ポンピングバッフル、ウェーハチャック及びウェーハチャック肩部の少なくとも1つを含む、態様17に記載のシステムを含む。
【0022】
態様19は、光センサがウェーハハンドリングモジュールの内壁に取り付けられ、それにより、直接見通し線が、ウェーハアクセスポートがウェーハ移載のために開いているときにウェーハアクセスポートを通して提供される、態様17に記載のシステムを含む。
【0023】
態様20は、光センサがウェーハ移載ロボットのウェーハハンドリングアームに取り付けられ、それにより、直接見通し線が、ウェーハハンドリングアームの移載経路に沿った1つ又は複数の場所で提供される、態様17に記載のシステムを含む。
【0024】
態様21は、光センサが、ウェーハハンドリングアームのエンドエフェクタ又はウェーハプラテンに取り付けられる、態様20に記載のシステムを含む。
【0025】
態様22は、ウェーハ移載ロボットによって移載されるように構成された計測ウェーハをさらに含み、光センサが計測ウェーハに取り付けられ、それにより、直接見通し線が、計測ウェーハの移載経路に沿った1つ又は複数の場所で提供される、態様17に記載のシステムを含む。
【0026】
態様23は、光センサが、フォーカスリングからの第1の光信号を検出するための第1の光センサと、ガス噴射シャワーヘッドからの第2の光信号を検出するための第2の光センサとを含む、態様1に記載のシステムを含む。
【0027】
態様24は、第1の光センサ及び第2の光センサが、基板ハンドリングモジュールのウェーハ移載アームに設けられる、態様23に記載のシステムを含む。
【0028】
この概要の章は、本開示又は特許請求の範囲に記載される本発明の全ての実施形態及び/又は段階的に新規な態様を指定するわけではないことに留意されたい。代わりに、この概要は、様々な実施形態及び従来の技法に対する新規性に対応する点についての予備的な考察のみを提供する。本開示及び実施形態の追加的な詳細事項及び/又は可能な展望について、読者は、以下でさらに論じられる本開示の詳細な説明の章及び対応する図を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
例として提案する本開示の様々な実施形態について、以下の図を参照して詳細に説明する。図では、類似の番号は、類似の要素を参照する。
【0030】
図1】本開示の一実施形態による計測機構を含む例示的な半導体処理システムを示す。
図2】本開示の別の実施形態による計測機構を含む別の例示的な半導体処理システムを示す。
図3】本開示の実施形態の一例による、対象の物体の3D構造を回復させるための多点構造化照明の一例を示す。
図4】本開示の実施形態の一例による、フォーカスリング(FR)のエッジで構造化照明器を使用して投影されたラインパターンの模擬画像を示す。
図5A】本開示の一実施形態による、FRのエッジの計測画像の例を示す。
図5B】本開示の一実施形態による、FRのエッジの計測画像の例を示す。
図5C】本開示の一実施形態による、FRのエッジの計測画像の例を示す。
図5D】本開示の一実施形態による、FRのエッジの計測画像の例を示す。
図6】本開示の実施形態の一例による計測機構の概略図を示す。
図7】本開示の一実施形態による計測機構の一例の光学モデルを示す。
図8】本開示の実施形態の一例による計測機構の機械的モデルの拡大図を示す。
図9A】本開示の一実施形態による計測機構の一例の機械的モデルの拡大図を示す。
図9B】本開示の一実施形態による計測機構の一例の機械的モデルの拡大図を示す。
図10A】本開示の実施形態の一例による計測機構の機械的モデルの拡大図を示す。
図10B】本開示の実施形態の一例による計測機構の機械的モデルの拡大図を示す。
図11】本開示の実施形態の一例による計測機構の機械的モデルの一例を示す。
図12】本開示の実施形態の一例による計測機構の機械的モデルの拡大図を示す。
図13】本開示の実施形態の一例による処理を概説するフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
背景技術で言及したように、処理チャンバの処理能力への影響を最小限に抑えながら、処理チャンバの消耗部品の状態を正確に監視するための比較的低コストでロバストなシステム及び方法を有することが望ましい。例えば、エッチングは、半導体製造処理において不可欠なステップである。エッチングツールの製造業者が直面する問題の1つは、エッチングチャンバの構成要素、例えばエッチング中にウェーハを取り囲み、ウェーハのエッジでのプラズマ均一性を高めるのに役立つフォーカスリング(FR)の特性が徐々に変化することである。しかしながら、チャンバ環境にさらされることで、FRの物理的特性が経時的に変化し、エッチング速度均一性などのエッチングの性能パラメータが劣化する可能性がある。例えば、FRの物理的厚さは、プラズマ及び反応性化学物質にさらされることに起因してゆっくりと変化し得る。所望のチャンバ性能を維持するために、FRの位置を定期的に調節する場合があり、最終的にFRの交換が必要になる場合がある。したがって、FRの物理的特性の変化を追跡することが可能であり、補償機構にフィードバックを提供することが可能なセンサが非常に望ましい。
【0032】
プラズマ及び反応性の高い化学物質の影響による侵食又は他の寸法変化を監視することから利益を受け得る他のチャンバの構成要素は、ガス噴射シャワープレート又は電極上のガス噴射孔、ウェーハチャック/支持部、チャンバ壁、堆積シールド、バッフルなどを含む。具体的には、ガス噴射孔を、時間をかけてゆっくりとエッチングすると、ガス噴射孔の直径が大きくなり、面取り部を作り出すことができるが、ガス噴射の分散及び処理の均一性に負の影響を及ぼす。
【0033】
エッチングチャンバは、特に活性エッチング中、内部に腐食性ガスを有する真空下及び高温下で1日に24時間、1週間に7日動作することが想定される。そのため、満たすべき課題は、基板処理を中断せずに、且つメンテナンス等のために頻繁に真空状態を中断して処理チャンバを開く必要なしにセンサが使用可能であることに加えて、真空、腐食性及び高温環境での動作においてセンサが信頼できることである。
【0034】
処理チャンバ内の消耗部品の物理的特性は、光センサによって監視することができる。消耗部品の物理的特性に関する正確な情報が与えられると、チャンバ製造又はユーザは、消耗部品を調節するか又は消耗部品を交換する決定を下すことができる。代わりに、チャンバで実行される処理を修正して、消耗部品の物理的特性の変化の影響を補償し得る。
【0035】
いくつかの関連する技術分野では、光センサは、処理チャンバのチャンバポートに取り付けられた窓を使用することにより、処理チャンバの内部への光学的アクセスを有することができる。本発明者らは、このような窓が、まさに処理チャンバ内の消耗部品のように汚染及び侵食の影響を受け易く、計測値のずれ又は計測精度の経時的な劣化を引き起こす可能性があることを認識している。このため、システムの頻繁な再較正並びに頻繁な窓の清掃及び/又は交換が必要であり、後者の場合、ツールに生産を止めさせて、メンテナンスのために開くことが必要になる。
【0036】
本開示は、半導体処理チャンバ内の消耗部品の特性を計測するための方法及び装置を提示する。本開示の一態様は、フォーカスリングの厚さ及びエッジ輪郭を計測するためのセンサを含む。実施形態は、様々な場所に光センサを取り付けること、例えば、(a)図1に示されるように、フォーカスリングへのアクセスがプラズマ処理チャンバのウェーハ搭載ポート若しくは他のポート又は窓を介して提供された状態で、プラズマ処理チャンバの外側に光センサを取り付けること、(b)図2に示されるように、ウェーハをやり取りする間に計測を行うためにウェーハ移載ロボットに光センサを取り付けること、及び(c)生産ウェーハの代わりに、フォーカスリングの状況(例えば、直径、面取り部の侵食など)を監視するために、センサ、電源及び計測値を格納するための記憶デバイスを含み、プラズマ処理チャンバ内に配置された特別に設計されたウェーハの上に光センサを取り付けることを含み得る。
【0037】
本開示の一態様は、フォーカスリングを照明するための、光センサと結合された拡散照明器及び/又は構造化照明器の使用を含む。構造化照明器は、ドット又はラインのパターンを有する構造化照明をフォーカスリング上に投影して、フォーカスリングの3次元(3D)形状を判定できるようにし得る。例えば、フォーカスリングの厚さなど、フォーカスリングの侵食レベルを表示する対象寸法を選択し、判定することができる。光センサ及び任意選択的に照明器は、全てウェーハ移載ロボットに取り付けられ、それらとともに用いられる同様の技法を使用して、特にガス噴射シャワープレート又は電極がウェーハに平行に配置されるとき、ガス噴射シャワープレート又は電極のガス噴射孔の状況を診断することができる。
【0038】
本明細書に記載のセンサは、プラズマエッチング処理チャンバでの用途、特にフォーカスリング及びガス噴射孔を診断するために使用することができるが、このセンサは、プラズマ堆積チャンバなどの他のプラズマ処理チャンバで使用することができる。センサは、プラズマ半導体処理チャンバ以外において、例えば、チャンバの部品が、侵食、反応性の高い化学物質、機械的摩耗などにより寸法などが変化し、チャンバの部品の寸法変化及び状況を監視することが必要な処理チャンバで使用することも可能である。
【0039】
図1は、本開示の一実施形態による計測機構を有する例示的な半導体処理システムを示す。システム100では、計測機構は、処理チャンバ103(例えば、エッチングチャンバ)の外部にあるウェーハ移載モジュール102の壁に取り付けられたカメラセンサ(又は他の光センサ)101を含む。ウェーハ移載モジュール102は、ウェーハハンドリングアーム105を有するウェーハ移載ロボット104を含む。ウェーハハンドリングアーム105は、ウェーハ106を搭載し、処理システムのウェーハアクセスポート107を通してウェーハ106を処理チャンバ103内のウェーハステージ108に移載することができる。ウェーハ106は、ウェーハステージ108上で降載し、ウェーハステージ108に置かれたフォーカスリング(FR)109で取り囲むことができる。FR109は、特にウェーハ周辺部でウェーハ106を均一に処理し易くすることができる。ガス噴射シャワープレート111が概略的に描かれている。
【0040】
本開示の態様によれば、半導体処理システム100は、統合的な基板処理及び/又は基板計測中、図1に描かれる構成要素のいずれか又は全てに結合し、それを制御することができるコントローラ110を含む。代わりに又は加えて、コントローラ110は、1つ又は複数の追加のコントローラ/コンピュータ(図示せず)に結合され得、コントローラ110は、追加のコントローラ/コンピュータから設定及び/又は構成情報を得ることができる。コントローラ110を使用して、図1のシステムの要素のいずれか又は全てを構成することができ、コントローラ110は、ツール構成要素のいずれか又は全てからのデータを収集、提供、処理、格納及び表示することができる。コントローラ110は、ツール構成要素のいずれか又は全てを制御するための複数のアプリケーションを含み得る。例えば、コントローラ110は、ユーザが1つ又は複数のツール構成要素を監視及び/又は制御することを可能にする使い易いインターフェースを提供することができるグラフィックユーザインターフェース(GUI)コンポーネントを含み得る。
【0041】
コントローラ110は、マイクロプロセッサ、メモリ及びデジタルI/Oポートを含み得、これらは、半導体処理システム100と通信し、入力をアクティブにし、情報をやり取りすることに加えて、半導体処理システム100からの出力を監視するのに十分な制御電圧を生成することができる。例えば、統合的な基板処理を実行するために、メモリに格納されたプログラムを利用して、処理レシピに従ってウェーハ移載モジュール102の入力及び/又は処理チャンバ103の入力をアクティブにし得る。コントローラ110は、プロセッサが、メモリに含まれる1つ又は複数の命令の1つ又は複数のシーケンスを実行することに応答して、本発明のマイクロプロセッサベースの処理ステップの一部又は全部を実行する汎用コンピュータシステムとして実装され得る。このような命令は、ハードディスク又はリムーバブルメディアドライブなどの別のコンピュータ可読媒体からコントローラのメモリに読み込まれ得る。メインメモリに含まれる命令のシーケンスを実行するために、マルチプロセシング構成の1つ又は複数のプロセッサもコントローラのマイクロプロセッサとして用いられ得る。代替的な実施形態では、ハードワイヤード回路をソフトウェア命令の代わりに又はソフトウェア命令と組み合わせて使用し得る。このため、実施形態は、任意の特定の組み合わせのハードウェア回路及びソフトウェアに限定されない。
【0042】
コントローラ110は、基板処理システム100に対してローカルに配置され得るか、又は基板処理システム100に対して遠隔に配置され得る。例えば、コントローラ110は、直接接続、イントラネット、インターネット及びワイヤレス接続の少なくとも1つを使用して基板処理システム100とデータをやり取りし得る。コントローラ110は、例えば、カスタマーサイト(すなわちデバイスメーカ等)でイントラネットに結合され得るか、又は例えばベンダーサイト(すなわち機器製造業者)でイントラネットに結合され得る。加えて、例えば、コントローラ110は、インターネットに結合され得る。さらに、別のコンピュータ(すなわちコントローラ、サーバ等)が直接接続、イントラネット及びインターネットの少なくとも1つを介して例えばコントローラ110にアクセスし、データをやり取りし得る。また、当業者であれば認識するように、コントローラ110は、ワイヤレス接続を介して半導体処理システム100とデータをやり取りし得る。
【0043】
本開示の態様によれば、カメラセンサ101を使用して、処理チャンバ103内の消耗部品の特性を計測することができる。図1の例では、消耗部品は、FR109である。FR109の特性は、処理チャンバ103が開かれ、ウェーハが処理チャンバ103内に存在しない間に処理チャンバ103のウェーハアクセスポート107を通して計測又は感知することができる。いくつかの実施形態では、FR109の特性は、ウェーハがステージ上に存在するが、FR109の少なくとも一部分が遮られずに見ることができる間に計測され得る。
【0044】
一実施形態では、カメラセンサ101は、FR109からある一定の距離(例えば、400~800mm)に固定して配置することができる。カメラセンサ101の解像度は、開口数(NA)によって制限され、開口数は、ウェーハアクセスポート107の開口の高さ及びウェーハアクセスポート107からFR109までの距離(例えば、およそ400mm)によって定義される。ウェーハアクセスポート107の開口の高さが20mmであると仮定して、カメラセンサ101の最大NAは、およそ0.025であり、カメラセンサ101の最大解像度は、例えば、400nmの光源波長の場合、(波長/NA)=(0.4/0.025)=16μmであり、これは、概して、FRの状況を監視するのに許容可能である。いくつかの実施形態では、20μm又はさらに50μmのより低い精度を、フォーカスリングの状況を監視する目的で使用することができる。
【0045】
計測の精度は、カメラセンサ101の視野におけるFR109の特徴の相対的な変化を分析することによって高めることができる。例えば、カメラセンサ101の解像度が20μmのみである場合があり、FR109の鮮鋭な境界が幅20umのブロブとして見える可能性がある。しかしながら、カメラセンサ101の視野(FOV)におけるブロブの変化は、当技術分野で既知の画像処理及びピーク発見アルゴリズムを使用することにより、20um未満の解像度で検出可能になる場合がある。加えて、カメラセンサ101は、ウェーハアクセスポート107が開かれるたびに1つ又は複数の画像を撮像することができる。複数の画像を統計的に平均して計測の精度を高めることができる。
【0046】
図1の計測機構100の利益の1つは、ウェーハのエッチング処理間の時点にのみ光学画像を得ることができるため、エッチングツールの処理能力にほとんど又は全く影響しないことである。実現可能な別の利益は、カメラセンサ101が過酷なチャンバ環境の外部に配置されるため、カメラセンサ101は、信頼できる精度で長期間動作を継続できることである。
【0047】
図2は、本開示の別の実施形態による計測機構を含む別の例示的な半導体処理システム200を示す。システム200では、計測機構は、ウェーハ移載ロボット204の可動式ウェーハハンドリングアーム205に取り付けられたカメラセンサ201(又は他の光センサ)を含む。ウェーハ移載ロボット204は、ウェーハ移載モジュール202に位置し、且つウェーハハンドリングアーム205を制御して、ウェーハ206を搭載し、処理チャンバ203のウェーハアクセスポート207を通して処理チャンバ203内のウェーハステージ208にウェーハ206を移載することができる。ウェーハ206は、ウェーハステージ208上で降載し、ウェーハステージ208に置かれたFR209で取り囲むことができる。ガス噴射シャワープレート211が概略的に描かれている。本開示の態様によれば、半導体処理システム200は、統合的な基板処理及び基板計測中、図2に描かれるツール構成要素のいずれか又は全てに結合し、それを制御することができるコントローラ210を含み得る。コントローラ210は、図1で説明されるコントローラ110として実装され得る。
【0048】
一実施形態では、カメラセンサ201は、ウェーハハンドリングアーム205のエンドエフェクタに取り付けることができ、それにより、FR209の画像の取得中、カメラセンサ201がFR209に隣接することが可能になり、これにより光センサの解像度を15μm未満まで向上させることができる。例えば、センサ201の静的解像度は、約2μmであり得る。図2の計測機構は、ウェーハ移載中にのみ計測を行うことができるため、エッチングツールの処理能力にほとんど影響がないようにすることも可能である。加えて、カメラセンサ201は、プラズマ処理中、過酷なチャンバ環境にさらされない。
【0049】
一実施形態では、カメラセンサ(例えば、カメラセンサ101又は201)は、センサウェーハに取り付けることができ、カメラセンサを収容するようにセンサウェーハを厚くすることができる。一実施形態では、データを計測するために、複数のカメラセンサを電源及び記憶装置とともにセンサウェーハに取り付けることができる。このような計測ウェーハは、正面開口式一体型ポッド(FOUP)など標準的なウェーハキャリアとともに依然として利用することができ、標準的なウェーハ移載ロボットシステム(例えば、ウェーハ移載ロボット104又は204)によってハンドリングすることができる。フォーカスリング(例えば、FR109又は209)、ガス噴射シャワープレート(例えば、ガス噴射シャワープレート111又は211)上のガス噴射孔などを含む、カメラセンサの視野内にある処理チャンバ(例えば、処理チャンバ103又は203)内の構造物の画像を取得することができる。いくつかの実施形態では、画像は、1秒のオーダーの時間中に撮像することができ、センサウェーハを処理チャンバから取り外したとき、分析のために画像データをダウンロードすることができる。この機構下では、エッチングツールの修正が必要ではなく、様々な且つ/又は異なる処理ツール及び処理チャンバにわたってセンサウェーハを使用することができる。
【0050】
本開示の態様によれば、容量性センサなどの電磁気センサを処理チャンバの消耗部品内に取り付けて、消耗部品の物理的特性を計測することができる。実施形態の一例では、リング電極は、FRの真下又はその付近に配置することができる。リング電極は、LC又はRC回路の一部を形成することができる。無線周波数(RF)までの周波数を有する交流電流をリング電極に印加することができ、このリング電極は、アンテナとしての役割を果たし、且つ近くの物質の電気感受率を感知し得る。特に、回路は、近くの誘電体の幾何学的形状に対して高感度であるようにすることができ、適切な較正後に例えばFRの高さを計測することができる。実施形態の別の例では、容量性センサは、ウェーハが交換されている間に計測を実行することができる。したがって、計測時間は、1秒未満であり得る。容量性センサは、エッチング中、非アクティブ化することができ、FRの付近のプラズマ分布を微調整するために使用することも可能である。容量性センサを使用することの利益には、(1)ウェーハをエッチングする処理能力に影響しないこと、(2)エッチング動作を妨げないこと、(3)FRのエッジでのプラズマ均一性を微調整することが含まれるが、これらに限定されない。
【0051】
本開示の態様によれば、小型カメラが内蔵されたウェーハサイズのプローブ、電源及び記憶装置デバイスは、消耗部品の特性を監視するために使用することができる。いくつかの実施形態では、プローブは、通常のウェーハよりもわずかに高さを大きくすることができる。プローブは、通常のFOUP内に嵌まり込むものとし、通常のウェーハハンドリングツール及び方法によってハンドリングし、移送することができる。プローブは、単一又は複数の内蔵カメラを装備することができ、このカメラは、FR及び/又は処理チャンバ内部の任意の他の対象の物体の方を向く。一実施形態では、プローブは、通常のウェーハとして処理チャンバ内に搭載することができる。プローブは、チャック(例えば、ウェーハステージ108又は208)の上に配置され得るか、又は時間を節約するためにウェーハ操作子によって処理チャンバ内に単に移動され得る。プローブは、FRの画像及びチャンバ内部の任意の他の対象の物体の単一又は複数の画像を撮像することができる。画像は、内蔵の記憶装置デバイス又はプローブ内に設置されたメモリカードのいずれかに格納することができる。画像の撮像時間は、例えば、1秒未満であり得る。画像が収集された後、プローブは、処理チャンバから取り外すことができ、収集された画像を取り出し、分析することができる。プローブを計測に使用することの利益には、(i)処理チャンバに対する修正がないこと、及び(ii)単一のプローブを使用して、複数の処理チャンバ及び消耗部品の試験ができることが含まれるが、これらに限定されない。
【0052】
本開示の態様によれば、処理チャンバ内の構造物の画像取得中、カメラセンサ又は他の光センサ、例えば本明細書で論じたカメラセンサのいずれかなどと一緒に構造化照明を使用することができる。構造化照明は、構造物の3次元(3D)情報を得ることができるように、構造物の奥行き感知情報を提供することができる。いくつかの実施形態では、空間干渉性を最小限に抑え、これによりスペックル(すなわち粒子の粗い画像)を低減し、感度を高めるために、構造化照明器は、複数の場所にわたって配置された複数の非干渉性の照明点を有するレーザーダイオードベース(LDベース)若しくはLEDベースのライン照明器又は分散光源であり得る。
【0053】
図3は、本開示の一実施形態による、対象の物体の3D構造を回復させるための多点構造化照明の一例を示す。図3では、対象の物体は、FR301である。構造化照明器302をカメラセンサ303の近くに取り付けて、例えばドットのアレイでFR301を照明することができる。カメラセンサ303上のドットの異なる画像間の距離を計測することにより、構造化照明器302から、ドットによって照明された対象の部品までの距離に関する情報を導出することができる。いくつかの実施形態では、ドットのパターンの代わりに1つ又は複数の照明ラインを構造化照明器302に使用することができる。他の照明パターンも使用し得る。
【0054】
図4は、本開示の一実施形態による、FR(例えば、FR301)のエッジで構造化照明器(例えば、構造化照明器302)を使用して投影されたラインパターン402の模擬画像を示す。ラインパターン402は、カメラセンサ(例えば、カメラセンサ303)の視野内で目標として捕捉される。示される例では、ラインパターン402は、矢印によって示されるように、FRの断面401の特徴を表し、これについて以下でより詳細に説明する。
【0055】
図5A及び図5Bは、本開示の実施形態の一例による、光センサによって得られたFRのエッジの計測画像を示す。図5Aは、取得されたFRエッジの未処理の画像を示す。取得された未処理の画像中で明るくなっているドットの垂直パターンは、オフアクシス構造化照明器(例えば、構造化照明器302)を使用して、FR(例えば、FR301)のエッジに投影されたラインパターン501を示す。オフアクシス構造化照明器は、カメラ視線に対してある角度で照明ビームを送るため、ラインパターンの部分の水平位置により、当業者は、センサから対応するサンプル部分までの距離を判定することが可能になる。図5Bは、ソフトウェアによってラインパターン501の形状に合わせた、フィット後のライン502を示す。フィット後のライン502を使用して、FRの奥行き情報及び厚さ、面取り部、ステップ幅などを含むリング寸法を回復させることができる。
【0056】
図5C及び図5Dは、図5A及び図5Bの計測画像を、ラインパターン501’及びフィット後のライン502’をより明確に表すように図示したものを示し、これらは、本発明の実施形態によって得ることができる。図に見られるように、フィット後のライン502’は、FRの輪郭の表面のエッジを表す点E1-E6によって画定された5つの領域を含む。例えば、E1とE2との間の区分は、FRの上面と上側側壁とを連結する上側面取り部を表す。E2とE3との間の区分は、リップ部上面又は肩部上面まで下方に延在するFRの上側側壁を表し、区分E3-E4は、凹部を表し、そこでFRの上側側壁がリップ部上面と合流する。E4-E5は、リップ部上面の面取り部を表す一方、E5-E6は、リップ部側壁を表し、E6は、FRの底部で面取り部が始まる。認識できるように、フィット後のライン502’に基づいて高さ計測値及び奥行き計測値を計算して、FRの幾何学的形状の特性を判定することができる。例えば、本発明のいくつかの態様では、ソフトウェアは、未処理のカメラ画像を収集し、(501のような)セグメント化されたラインパターンからFRの輪郭を再構築し、上側壁の高さ又はE1からのFRの「トップ高さ」を計算する。FRのトップ高さは、FRの肩部の表面又はリップ部の表面がウェーハによって覆われ、処理中に保護される場合、FRの高さに直接相互関連する。例えば、新たなFRは、4.02mmの全高さ及びトップ高さが1.45mmの場合、2.57mmのリップ部上面高さ(又は「肩部高さ」)を有し得る。使用されるFR又は「前の」FRは、3.43mmの全高さ及びトップ高さが1.01mmの場合、2.42mmのリップ部上面高さを有し得る。いくつかの実施形態では、リップ部上面高さは、E4から静的精度約2μmで計測された。説明した方法は、サンプルからの少なくとも何らかの散乱に依存することに留意されたい。完全に反射性の表面であれば、光を散乱しないため、制限に対処するために、照明器は、照明器から直接反射される光のみがセンサに達することができるように位置決めすることができる。しかしながら、通常、全ての表面は、少なくともわずかに分散する表面であるため、照明の強度及び/又は検出器の感度を高め、積分時間を増やすことによっても問題を克服し得る。
【0057】
図6は、本開示の一実施形態による計測システム600の概略図を示す。計測システム600では、カメラセンサ601及び構造化照明器602は、矢印によって示されるように移動可能なウェーハハンドリングアーム603に取り付けられる。カメラセンサ601及び構造化照明器602の両方は、静電チャック605の周辺部に位置決めされたFR604に面する。カメラセンサ601と構造化照明器602とは、第1の距離D1だけ離れており、この距離は、通常、5~50mmの範囲であり得る。カメラセンサ602とFR604とは、第2の距離D2だけ離れている。一例では、D2は、20mmであり得るが、通常、D2は、10~50mmの範囲であり得る。距離を小さくすると、幾何学的形状に制約が生じ、距離を大きくすると、光学解像度が低くなる。図6では、センサの構成要素がウェーハハンドリングアーム603に固定されるが、いくつかの実施形態では、センサの構成要素は、独立して移動可能であり得る。
【0058】
図7は、本開示の別の実施形態による計測システム700の光学モデルを示す。計測システム700では、カメラセンサ701、ライン構造化照明器702及び拡散照明器703は、ウェーハハンドリングアーム(図7に図示せず)内にパッケージされ、FR704の方を向くように構成される。構造化照明器702及び拡散照明器703は、FRを照明するように構成される。カメラセンサ701は、カメラプリズム706を介してFR704の画像を取得する電荷結合検出器(CCD)などの撮像センサ705を含む。いくつかの実施形態では、ライン照明器703のプリズムは、約45度の光学入射角(AOI)を提供する一方、カメラプリズム706のAOIは、60度である。
【0059】
図8は、本開示の一実施形態による計測機構800の機械的モデルの拡大図を示す。計測機構800では、カメラアセンブリ810、ライン照明器アセンブリ820、拡散照明器アセンブリ830及び熱電冷却器アセンブリ840は、フォークなどのウェーハハンドリングアーム803内に一体化される。図に見られるように、カメラアセンブリ810、ライン照明器アセンブリ820、拡散照明器アセンブリ830及び熱電冷却器アセンブリ840は、ウェーハハンドリングアーム803のそれぞれの開口805内に設けられ、フォーカスリング802から光信号を得るように配列される。FRエッジの小さいセクタのみを図8に示すことに留意されたい。
【0060】
カメラアセンブリ810は、カメラ813及びレンズ815をアセンブリとして連結し、このアセンブリをウェーハハンドリングアーム803に結合させるためのカメラ固定具811を含む。ライン照明器アセンブリ820は、光源部分823、レンズホルダ825及びレンズ827をアセンブリとして連結し、このアセンブリをウェーハハンドリングアーム803に結合させるためのライン照明器固定具821を含む。拡散照明器アセンブリ830は、光源部分833及びレンズ835をアセンブリとして連結し、このアセンブリをウェーハハンドリングアーム803に結合させるための拡散照明器固定具831を含む。熱電冷却器アセンブリ840は、カメラアセンブリ810、ライン照明器アセンブリ820及び拡散照明器アセンブリ830の1つ又は複数を冷却するために、ウェーハハンドリングアーム803に位置決めされた熱電冷却器843上に設けられたカバー841を含む。固定具811、821及び831のそれぞれ並びにカバー841は、それぞれのアセンブリをウェーハハンドリングアーム803に固定できるようにする留め具穴を含む。図8の例は、ウェーハハンドリングアーム803に個々に結合されたカメラアセンブリ810、ライン照明器アセンブリ820、拡散照明器アセンブリ830及び熱電冷却器アセンブリ840を示すが、これらの素子は、ウェーハハンドリングアーム803と一体化されたユニットとして組み立てられ得る。
【0061】
図9A及び図9Bは、本開示の別の実施形態による計測機構900の機械的モデルの拡大図を示す。計測機構900では、カメラアセンブリ、ライン照明器アセンブリ、拡散照明器及び熱電冷却器アセンブリは、図8に関して説明したようなウェーハハンドリングアーム903の一部分と一体化される。電力及び信号を計測機構のカメラ及び照明素子にルーティングするために、電力及び信号配線909をウェーハハンドリングアームと一体化させ得る。図9A及び図9Bの実施形態では、センサ素子は、プレート905及び907によって形成された筐体内に設けられる。図9A及び図9Bは、計測機構900の機械的モデルの上面図及び底面図をそれぞれ示す。上部プレート905は、カメラアセンブリ(非表示)を収容するための筐体スペース905aと、ライン照明器及び/又は拡散照明器(非表示)を密閉するための筐体スペース905bとを含む。底部プレート907は、カメラアセンブリを覆うための窓907aと、ライン照明器及び/又は拡散照明器を覆うための窓907bとを含む。カメラシステム901の筐体は、ウェーハハンドリングアームの上面上にあり、カメラシステム901の窓は、ウェーハハンドリングアームの底面上にあり、FR902に面する。窓907a及び907bは、FR902に対する光学的可視性を可能にし、好ましくは透明である。
【0062】
本開示の態様によれば、構造化照明に加えて、他の方法を用いて、対象の物体の画像の取得中に対象の物体の3D/奥行き情報を得ることができる。これらの方法は、限定されないが、(i)ロボットアームに取り付けられたカメラセンサ(例えば、カメラセンサ201)を複数の位置に移動させ、これらの位置から得られた対象の物体の画像を分析することと、(ii)ウェーハハンドリングアームに取り付けられた2つのカメラセンサを含む立体画像のための2つのカメラセンサであって、それぞれのカメラセンサの作動距離に基づいて、それぞれ最適化することが可能な2つのカメラセンサを有し、画像を同時に収集することとを含む。ウェーハハンドリングアームにカメラセンサを配置すると、空間的な制約につながる場合がある。空間的な制約に対処するために、カメラセンサを遠隔に取り付けることができ、この場合画像は、ウェーハハンドリングアーム内に取り付けられた収集レンズ及び/又は光学系から例えばファイババンドルを介してカメラセンサに送信される。
【0063】
一実施形態では、カメラセンサは、例えば、時間遅延技法に基づく3Dカメラセンサであり得る。
【0064】
本開示の態様によれば、FRの状況を判定することに加えて、本開示で提示されるカメラセンサ、計測機構及び計測方法を使用して、処理チャンバの他の消耗部品、例えばシャワープレート又は電極上のガス噴射孔、チャンバ壁、堆積シールド、ウェーハチャック肩部のコーティング、ガス排出バッフルプレートなどに関する情報を収集することができる。
【0065】
図10A及び図10Bは、本開示の一実施形態による計測機構1000の機械的モデルの拡大図を示す。計測機構1000では、カメラセンサ1001及び照明器1002がウェーハハンドリングアーム1003に取り付けられる。カメラセンサ1001を使用して、ウェーハハンドリングアーム1003の上方であり、且つ処理チャンバ内に位置するガス噴射シャワープレート1004(又は電極)のガス噴射孔のアレイの画像を取得する。図10A及び図10Bは、計測機構1000の機械的モデルの上面図及び底面図をそれぞれ示す。この実施形態の例では、照明器1002は、ガス噴射シャワープレート1004のガス噴射孔のアレイを照明する拡散照明器及び/又は構造化照明器であり得、カメラセンサ1001は、照明されたガス噴射孔のアレイを撮像する。例えば、ガス噴射孔1005の画像は、カメラセンサ1001によって取得することができ、取得された画像を通してガス噴射孔1005の物理的な寸法などの特性を得ることができる。5つのガス噴射孔のみが図10Aに示されているが、ガス噴射シャワープレート1004のガス噴射孔の数は、本開示において限定されないことに留意されたい。さらに、構造化照明器1002は、ガス噴射孔1005の複雑な3D計測を可能にするために提供され得る。しかしながら、例えばガス噴射孔1005の直径など、単純な計測のみが平面画像から求められる場合、構造化照明器を省略し得る。
【0066】
本開示の態様によれば、FR及びガス噴射孔のアレイの状況を診断するためのカメラセンサは、ウェーハハンドリングアームのエンドエフェクタに埋め込むことができる。いくつかの実施形態では、処理チャンバ内のガス噴射孔のアレイを有するガス噴射シャワープレート又は電極は、ウェーハハンドリングアームの上方にあり、処理チャンバ内のFRは、ウェーハハンドリングアームの下方にあり、これは、ウェーハハンドリングアームが処理チャンバ内に移動するためである。したがって、第1のカメラセンサは、ウェーハハンドリングアームの上面に取り付け、ガス噴射孔のアレイの画像を取得するために使用することができ、第2のカメラセンサは、ウェーハハンドリングアームの底面に取り付け、FRの画像を取得するために使用することができる。
【0067】
図11は、本開示の一実施形態による計測機構1100の機械的モデルの一例を示す。計測機構1100では、2つのセンサアセンブリ1101及び1102がウェーハハンドリングアーム1103に取り付けられる。FR1104がウェーハハンドリングアーム1103の下方にあり、ガス噴射シャワープレート1105がウェーハハンドリングアーム1103の上方にある。センサアセンブリ1101は、ウェーハハンドリングアーム1103の上面に取り付けられ、ガス噴射シャワープレート1105のガス噴射孔の画像を取得するために使用される。センサアセンブリ1102は、ウェーハハンドリング1103の底面に取り付けられ、FR1104の画像を取得するために使用される。各センサアセンブリは、カメラセンサを含み、任意選択的に、一実施形態に示されるような構造化照明器及び拡散照明器の少なくとも1つを含み得る。
【0068】
図12は、本開示の一実施形態による計測機構1200の機械的モデルの拡大図を示す。計測機構1200では、2つのセンサアセンブリ1201及び1202がウェーハハンドリングアーム1203に取り付けられる。両方のカメラセンサは、保護筐体に封入され、撮像センサに(いくつかの実施形態では構造化照明器及び/又は拡散照明器にも)光学的アクセスを提供するための窓を備えられる。侵食、化学的侵食などから保護し、メンテナンスをより簡単にし、センサ交換を容易にするために、筐体をステンレス鋼又は他の材料で形成することができる。窓は、透明な材料、例えば様々な種類のガラス、クオーツ、シリカなどで作ることができる。一実施形態では、センサ1201は、ウェーハハンドリングアーム1203の下方にあるFRの画像を取得するために使用され、それにより、筐体1210は、目に見えるが、システム1201の窓は、ウェーハハンドリングアーム1203の底面の方を向く。センサアセンブリ1202は、ウェーハハンドリングアーム1203の上方にあるガス噴射シャワープレートのガス噴射孔の画像を取得するために使用され、それにより、窓1204は、ウェーハハンドリングアーム1203の上面の方を向く。
【0069】
本開示の態様によれば、本開示に提示される計測機構を使用する様々な方法は、実際のウェーハ搭載及び降載中にフォーカスリングを診断することを含めて想定される。ガス噴射孔は、例えば、ウェーハ処理間において、ウェーハが存在しないウェーハハンドリングアームを操作することにより診断することができる。
【0070】
本開示で説明したカメラ(又は光)センサの利益の1つは、少なくとも大部分の計測時間中、センサが過酷なチャンバ内部の環境にさらされない場所にセンサが位置することである。さらに、ウェーハハンドリングアーム、例えばウェーハハンドリングアームのエンドエフェクタに取り付けるために、センサを小型化することができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、チャンバの構成要素に関する追加の情報を得るために、カメラセンサ又は他の光センサとともに偏光フィルタを使用することができる。偏光フィルタは、偏光、多重波長照明器、多重スペクトルセンサ及びエッジコントラスト強調技法(ECET)に関する情報を得ることができる。ECET法の例には、暗視野照明法が含まれ、この方法では、カメラセンサへの直接反射光、位相コントラスト法及び微分干渉コントラスト法(ノマルスキー干渉コントラスト)法は、認められていない。
【0072】
図13は、本開示の一実施形態による、半導体デバイスを製造するための処理を概説するフローチャートを示す。処理1300は、半導体処理システムの処理チャンバ内の少なくとも1つの消耗部品を診断するための装置の回路を処理することによって実行することができる。装置は、上述した半導体処理システムであり得る。処理1300は、ソフトウェア命令において実装することができ、処理回路がソフトウェア命令を実行すると、処理回路は、処理1300を実行する。
【0073】
この処理は、ステップ1310において、複数の半導体ウェーハのそれぞれを、基板ハンドリングモジュールと、少なくとも1つの消耗部品を有する処理チャンバとの間で移載する移載動作を繰り返し実行することから始まる。例えば、基板ハンドリングモジュールは、処理済みのウェーハ及び未処理のウェーハを、図1及び図2において上述したようなシステム内のウェーハアクセスポートを通してやり取りすることができる。いくつかの実施形態では、ステップ1310は、半導体処理システムのウェーハハンドリングモジュール内のウェーハハンドリングロボットのウェーハハンドリングアームを介して、ウェーハハンドリングモジュールと、半導体処理システムの処理チャンバとの間でウェーハを移載することを含み得る。ウェーハハンドリングモジュールは、処理チャンバの近くに位置する。
【0074】
ステップ1320では、処理チャンバを使用して、複数の半導体ウェーハのそれぞれの上で半導体製造処理を実行する。いくつかの実施形態では、処理は、処理チャンバの少なくとも1つの消耗部品を侵食するプラズマエッチング処理である。
【0075】
ステップ1330では、処理チャンバがウェーハ上で半導体製造処理を実行していない時間中、少なくとも1つの消耗部品から光信号が検出される。光信号は、上記で論じたように、フォーカスリング、ガス噴射シャワープレート、電極、堆積シールド、処理チャンバ壁、ポンピングバッフル、ウェーハチャック及びウェーハチャック肩部の少なくとも1つから検出することができる。いくつかの実施形態では、ステップ1330は、処理チャンバがウェーハ上で半導体製造処理を実行していないときにのみ実行される。例えば、ステップ1330は、処理チャンバのチャンバアクセスポートが開いているとき、ロボットアームが処理チャンバ内でウェーハをやり取りしているときなどにのみ実行され得る。
【0076】
処理1300は、光センサ、計測機構又は本明細書に記載の他のデバイス及び配置のいずれかを使用して実行され得る。いくつかの実施形態では、処理は、検出された光信号に基づいて半導体製造処理を修正することをさらに含み得る。例えば、少なくとも1つのプロセスパラメータを修正して、消耗部品の摩耗状態を補償することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの処理パラメータを修正して、半導体ウェーハにわたる処理の均一性を高めることができる。
【0077】
処理1300は、検出された光信号に基づいて半導体チャンバを修正することをさらに含み得る。例えば、検出された光信号に基づいてフォーカスリングの高さを調節し得るか、又は検出された光信号に基づいてフォーカスリングを交換し得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、アルゴリズムは、ステップ1320の一部としてFRの3D輪郭を再構築し得る。上記で論じたように、軸対称のフォーカスリング(FR)などの特徴的なサンプルは、一連の(カメラFOV内で)ほぼ水平なエッジによって特徴付けされる。実施形態の一例では、FRの拡散光の画像及び構造化光の画像は、両方ともカメラによって捕捉される。拡散画像及び構造化画像は、互いに独立して且つ/又は同時に得ることができる。FRの拡散光照明画像は、FRの水平エッジを検出し、カメラのFOV内でそれらの垂直座標を判定するために使用される。FRのオフアクシスライン照明画像は、投影ラインが、拡散光画像から検出された水平エッジと交差する点を見つけるために分析される。交点の水平座標及びカメラに対する照明器の位置の既知の幾何学的形状に基づいて、カメラからFRの対応する水平エッジまでの距離を求めることができる。水平エッジに関する垂直方向情報及び奥行き情報を組み合わせて、FRの半径方向の輪郭を再構築し、FRの厚さだけでなく、対象FRの任意の他の関連する幾何学的パラメータも計算される。FRの厚さは、任意の他の対象パラメータとともに、処理チャンバ内でのフォーカスリングの垂直位置など、処理チャンバの動作パラメータを調節する。
【0079】
これまでの説明において、処理システムの特定の幾何学的形状並びに使用される様々な構成要素及び処理の説明など、具体的な詳細を記載してきた。しかしながら、本明細書における技法は、これらの具体的な詳細と異なる他の実施形態で実践され得、このような詳細は、説明目的のものであり、限定するためのものではないことを理解されたい。本明細書に開示する実施形態について添付の図面を参照して説明してきた。同様に、説明目的のため、十分な理解を提供するために特定の数、材料及び構成を示してきた。しかし、実施形態は、このような具体的な詳細がなくても実践され得る。実質的に同一の機能的構造を有する構成要素を同様の参照符号で示しているため、冗長な記述が省略されている場合がある。
【0080】
当然のことながら、本明細書に記述する異なるステップの説明の順序は、説明を分かり易くするために提示されたものである。概して、これらのステップは、任意の適切な順序で実行することができる。加えて、本明細書に記載の異なる特徴、技法、構成等のそれぞれに本開示の異なる箇所で言及する場合があるが、それぞれの概念は、互いに独立して又は互いに組み合わせて実行できることを意図される。したがって、本開示は、多くの異なる方法で具体化及び考察することができる。
【0081】
様々な実施形態の理解を補助するために、様々な技法を複数の別個の動作として説明してきた。説明の順序は、これらの動作が必然的に順序に依存することを示唆していると解釈されないものとする。実際、これらの動作は、提示された順序で実行される必要がない。説明した動作は、説明した実施形態と異なる順序で実行され得る。追加の実施形態では、様々な追加の動作が実行される場合があり、且つ/又は説明されている動作が省略される場合がある。
【0082】
本明細書で用いる「基板」、又は「対象基板」、又は「ウェーハ」は、概して、本開示に従って処理される物体を指す。基板は、デバイス、特に半導体デバイス又は他の電子デバイスの任意の材料部分又は構造を含み得、例えば半導体ウェーハなどのベース基板構造、レチクル又はベース基板構造上の層若しくはベース基板構造に重なる層、例えば薄膜であり得る。したがって、基板は、パターン形成されているか否かによらず、いかなる特定のベース構造、下地層又は被覆層にも限定されず、むしろ任意のこのような層又はベース構造並びに層及び/又はベース構造の任意の組み合わせを含むことが企図される。説明は、特定のタイプの基板を指す場合があるが、これは、例示の目的のためにすぎない。
【0083】
当業者は、本開示の同じ目的を依然として達成しながら、上記で説明した技法の動作に対する多くの変形形態がなされ得ることも理解するであろう。このような変形形態は、本開示の範囲に含まれることを意図される。このように、本開示の実施形態についての前述の説明は、限定的であるように意図されない。むしろ、本開示の実施形態に対するあらゆる限定は、以下の特許請求の範囲に提示される。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12
図13
【国際調査報告】