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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-09-10
(54)【発明の名称】可変厚さイオン源抽出プレート
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/08 20060101AFI20240903BHJP
   H01J 37/317 20060101ALI20240903BHJP
【FI】
H01J37/08
H01J37/317 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515849
(86)(22)【出願日】2022-08-18
(85)【翻訳文提出日】2024-05-07
(86)【国際出願番号】 US2022040772
(87)【国際公開番号】W WO2023038771
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】17/473,096
(32)【優先日】2021-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】リハンスキー, アレクサンドル
(72)【発明者】
【氏名】パレル, アレクサンダー エス.
(72)【発明者】
【氏名】シューアー, ジェイ ティ.
(72)【発明者】
【氏名】クー, ボン-ウォン
(72)【発明者】
【氏名】リンドバーグ, ロバート シー.
(72)【発明者】
【氏名】クルンチ, ピーター エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ライト, グラハム
【テーマコード(参考)】
5C101
【Fターム(参考)】
5C101AA25
5C101DD03
5C101DD12
5C101DD23
5C101DD25
5C101DD27
5C101DD29
5C101DD33
(57)【要約】
可変厚さの抽出プレートを有するイオン源が開示される。抽出プレートは、抽出開口に近接するその内面又は外面に突出部を有する。この突出部は、特定の領域で抽出開口の厚さを増加させる。これにより、これらの領域での損失面積が増加し、この損失面積は、イオンと電子のシンクとして機能する。このやり方で、プラズマ密度が、抽出開口の厚さがより大きい領域でより大きく減少する。突出部の形状は、所望のプラズマ均一性を実現するために変更されてよい。したがって、より均一なイオン密度を持つ抽出されたイオンビームを生成することが可能であり得る。幾つかのテストでは、幅方向に沿ったビーム電流の均一性が20%から50%改善された。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端、第2の端、及び前記第1の端と前記第2の端を接続する複数の壁を備える、チャンバであって、前記複数の壁のうちの1つは、高さよりも大きい幅を有する抽出開口を有する抽出プレートである、チャンバ、並びに
前記チャンバ内にプラズマを生成するためのプラズマ生成器を備え、
前記抽出開口の厚さが、前記抽出開口の前記幅の関数として変化する、イオン源。
【請求項2】
前記抽出プレートは、前記抽出開口の前記厚さを変化させるための突出部を備える、請求項1に記載のイオン源。
【請求項3】
前記突出部は、少なくとも1箇所において前記抽出プレートの内面から少なくとも1mmチャンバの中へ延在する、請求項2に記載のイオン源。
【請求項4】
前記突出部は、少なくとも1箇所において前記抽出プレートの外面から少なくとも1mm外向きに延在する、請求項2に記載のイオン源。
【請求項5】
前記突出部は、前記第1の端から前記第2の端まで一定の曲率半径を有する、請求項2に記載のイオン源。
【請求項6】
前記突出部は三角形状を有する、請求項2に記載のイオン源。
【請求項7】
前記突出部は台形状を有する、請求項2に記載のイオン源。
【請求項8】
前記突出部の最大厚さが、幅方向において前記抽出開口の中心で生じる、請求項2に記載のイオン源。
【請求項9】
前記抽出開口は前記突出部を貫通し、前記抽出開口の縁部は高さ方向において先細りし、それによって、前記チャンバの内側の前記抽出開口の高さは、前記抽出プレートの外面における前記抽出開口の前記高さよりも大きい、請求項2に記載のイオン源。
【請求項10】
前記抽出開口は前記突出部を貫通し、前記抽出開口の縁部は、前記チャンバの内側の前記抽出開口の高さが、前記抽出プレートの外面における前記抽出開口の前記高さと等しくなるようになっている、請求項2に記載のイオン源。
【請求項11】
高さ方向における前記抽出開口の上方の前記突出部は、前記高さ方向における前記抽出開口の下方の前記突出部とは異なる厚さを有する、請求項2に記載のイオン源。
【請求項12】
前記突出部は、高さ方向における前記抽出開口の片側のみに配置されている、請求項2に記載のイオン源。
【請求項13】
前記プラズマ生成器は、前記第1の端に配置された間接加熱カソードを備える、請求項1に記載のイオン源。
【請求項14】
イオン源と共に使用される抽出プレートであって、
チャンバ内に適合された内面、外面、及び高さよりも大きい幅を有する抽出開口を有し、
前記抽出開口の厚さは、前記抽出開口の前記幅の関数として変化する、抽出プレート。
【請求項15】
前記抽出プレートは、前記内面又は前記外面に突出部を備える、請求項14に記載の抽出プレート。
【請求項16】
前記突出部の最大厚さが、幅方向において前記抽出開口の中心で生じる、請求項15に記載の抽出プレート。
【請求項17】
前記抽出開口は前記突出部を貫通し、前記抽出開口の縁部は高さ方向において先細りし、それによって、前記チャンバの内側の前記抽出開口の高さは、前記抽出プレートの前記外面における前記抽出開口の前記高さよりも大きい、請求項15に記載の抽出プレート。
【請求項18】
前記抽出開口は前記突出部を貫通し、前記抽出開口の縁部は、前記チャンバの内側の前記抽出開口の高さが、前記抽出プレートの前記外面における前記抽出開口の前記高さと等しくなるようになっている、請求項15に記載の抽出プレート。
【請求項19】
高さ方向における前記抽出開口の上方の前記突出部は、前記高さ方向における前記抽出開口の下方の前記突出部とは異なる厚さを有する、請求項15に記載の抽出プレート。
【請求項20】
前記突出部は、高さ方向における前記抽出開口の片側のみに配置されている、請求項15に記載の抽出プレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年9月13日に出願された米国特許出願第17/473,096号の優先権を主張し、該米国特許出願の開示は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、イオン源から(特に、間接加熱カソード(IHC)イオン源から)抽出されるリボンイオンビームの均一性を改善するためのシステムを説明する。
【背景技術】
【0003】
半導体デバイスは複数の工程を使用して製造される。それらの工程のうちの幾つかは、ワークピースの中にイオンを注入する。様々なイオン源を使用して、イオンを生成することができる。そのような機構の1つは、間接加熱カソード(IHC)イオン源である。IHCイオン源は、カソードの後方に配置されたフィラメントを備える。カソードは、フィラメントよりも正の電圧に維持され得る。フィラメントに電流を流すと、フィラメントから熱電子が放出され、それらの熱電子はより正に帯電したカソードに向けて加速される。これらの熱電子は、カソードを加熱するのに役立ち、次に、カソードにイオン源のチャンバの中へ電子を放出させる。カソードは、チャンバの一端に配置される。反射電極(repeller)が、典型的には、カソードに対向するチャンバの端に配置される。
【0004】
特定の複数の実施形態では、イオン源が、リボンイオンビームを抽出するように構成される。リボンイオンビームの幅は、リボンイオンビームの高さよりもかなり大きい。残念なことに、多くのシステムでは、抽出されたリボンイオンビームのビーム電流が、その幅に沿って均一ではない。この不均一性は、ワークピースの中に注入されるイオンの濃度を不均一にする可能性がある。他の複数の実施形態では、四重極レンズなどのビームライン内の更なる構成要素を利用して、この不均一性を補償しようと試み得る。これらの対策は、ビームラインシステムに更なる複雑さとコストを追加する可能性がある。
【0005】
したがって、イオン源から抽出されているリボンイオンビームの均一性を改善し得るシステムがあれば有益であろう。更に、このシステムを既存のイオン源に容易に採用できれば有利であろう。
【発明の概要】
【0006】
可変厚さの抽出プレートを有するイオン源が開示される。抽出プレートは、抽出開口に近接するその内面又は外面に突出部を有する。この突出部は、特定の領域内で抽出開口の厚さを増加させる。これにより、これらの領域での損失面積が増加し、この損失面積は、イオンと電子のシンクとして機能する。このやり方では、プラズマ密度が、抽出開口の厚さがより大きい領域でより大きく減少する。突出部の形状は、所望のプラズマ均一性を実現するために変更されてよい。したがって、より均一なイオン密度を持つ抽出されたイオンビームを生成することが可能であり得る。幾つかのテストでは、幅方向に沿ったビーム電流の均一性が20%から50%改善された。
【0007】
一実施形態によれば、イオン源が開示される。イオン源は、第1の端、第2の端、及び第1の端と第2の端を接続する複数の壁を備える、チャンバを備える。複数の壁のうちの1つは、その高さよりも大きい幅を有する抽出開口を有する抽出プレートである。イオン源は、更に、チャンバ内にプラズマを生成するためのプラズマ生成器を備える。抽出開口の厚さは、抽出開口の幅の関数として変化する。幾つかの実施形態では、抽出プレートが、抽出開口の厚さを変化させるための突出部を備える。特定の複数の実施形態では、この突出部が、少なくとも1箇所において抽出プレートの内面から少なくとも1mmチャンバの中へ延在する。特定の複数の実施形態では、突出部が、少なくとも1箇所において抽出プレートの外面から少なくとも1mm外向きに延在する。幾つかの実施形態では、突出部が、第1の端から第2の端まで一定の曲率半径を有する。幾つかの実施形態では、突出部が三角形状を有する。幾つかの実施形態では、突出部が台形状を有する。特定の複数の実施形態では、突出部の最大厚さが、幅方向において抽出開口の中心で生じる。幾つかの実施形態では、抽出開口が突出部を貫通し、抽出開口の縁部が高さ方向において先細りする。それによって、チャンバの内側の抽出開口の高さは、抽出プレートの外面における抽出開口の高さよりも大きい。特定の複数の実施形態では、抽出開口が突出部を貫通し、抽出開口の縁部が以下のようになっている。すなわち、チャンバの内側の抽出開口の高さは、抽出プレートの外面における抽出開口の高さと等しい。幾つかの実施形態では、高さ方向における抽出開口の上方の突出部が、高さ方向における抽出開口の下方の突出部とは異なる厚さを有する。幾つかの実施形態では、突出部が、高さ方向における抽出開口の片側のみに配置される。幾つかの実施形態では、プラズマ生成器が、第1の端に配置された間接加熱カソードを備える。
【0008】
別の一実施形態によれば、イオン源と共に使用される抽出プレートが開示される。抽出プレートは、チャンバ内に適合された内面、外面、及びその高さよりも大きい幅を有する抽出開口を有する。抽出開口の厚さは、抽出開口の幅の関数として変化する。特定の複数の実施形態では、抽出プレートが、内面又は外面に突出部を備える。特定の複数の実施形態では、突出部の最大厚さが、幅方向において抽出開口の中心で生じる。幾つかの実施形態では、抽出開口が突出部を貫通し、抽出開口の縁部が高さ方向において先細りする。それによって、チャンバの内側の抽出開口の高さは、抽出プレートの外面における抽出開口の高さよりも大きい。幾つかの実施形態では、抽出開口が突出部を貫通し、抽出開口の縁部が以下のようになっている。すなわち、チャンバの内側の抽出開口の高さは、抽出プレートの外面における抽出開口の高さと等しい。
【0009】
幾つかの実施形態では、高さ方向における抽出開口の上方の突出部が、高さ方向における抽出開口の下方の突出部とは異なる厚さを有する。特定の複数の実施形態では、突出部が、高さ方向における抽出開口の片側のみに配置される。
【0010】
本開示をより良く理解するために、添付の図面が参照される。添付の図面では、同様な要素が同様な数字を用いて参照される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態によるIHCイオン源を示すブロック図である。
図2図1のIHCイオン源を使用するイオン注入システムのブロック図である。
図3A図3A図3Eは、異なる実施形態によるIHCイオン源を示すブロック図である。
図3B図3A図3Eは、異なる実施形態によるIHCイオン源を示すブロック図である。
図3C図3A図3Eは、異なる実施形態によるIHCイオン源を示すブロック図である。
図3D図3A図3Eは、異なる実施形態によるIHCイオン源を示すブロック図である。
図3E図3A図3Eは、異なる実施形態によるIHCイオン源を示すブロック図である。
図4A】一実施形態による抽出プレートの斜視図である。
図4B】一実施形態による抽出プレートの断面図である。
図4C】別の一実施形態による抽出プレートの斜視図である。
図4D】別の一実施形態による抽出プレートの断面図である。
図5図5A図5Bは、異なる実施形態によるIHCイオン源の断面図である。
図6図6A図6Bは、異なる実施形態によるIHCイオン源の断面図である。
図7】突出部が外面にあるIHCイオン源を示すブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、改善された均一性を有するリボンイオンビームを抽出するために利用され得るIHCイオン源10を示す。IHCイオン源10は、2つの対向する端、及びこれらの端を接続する壁101を備える、チャンバ100を含む。これらの壁101は、側壁、すなわち、抽出プレート103と抽出プレート103に対向する底壁とを含む。抽出プレート103は、高さ、幅、及び厚さを有する。抽出プレート103は、厚さ方向において抽出プレート103を貫通する抽出開口140を含む。イオンが、抽出開口140を通して抽出される。抽出開口140は、幅方向(X方向とも呼ばれる)において高さ方向(Y方向とも呼ばれる)においてよりもかなり大きくてよい。Z方向は、抽出プレート103の厚さに沿って規定され、リボンイオンビームの移動方向として規定される。例えば、抽出開口140は、幅方向において3インチよりも大きくてよく、高さ方向において0.3インチよりも小さくてよい。
【0013】
チャンバ100の壁101は、導電性材料で構築されてよく、互いに電気的に通じていてよい。カソード110が、チャンバ100の第1の端104においてチャンバ100内に配置される。フィラメント160が、カソード110の後方に配置される。フィラメント160は、フィラメント電源165と通じている。フィラメント電源165は、電流をフィラメント160に流すように構成されている。それによって、フィラメント160は熱電子を放出する。カソードバイアス電源115が、フィラメント160をカソード110に対して負にバイアスする。したがって、これらの熱電子は、フィラメント160からカソード110に向けて加速され、これらの熱電子がカソード110の裏面に当たると、カソード110を加熱する。カソードバイアス電源115は、例えば、カソード110の電圧よりも負に200Vから1500Vの間にある電圧を有するように、フィラメント160をバイアスし得る。次いで、カソード110は、その前面からチャンバ100の中に熱電子を放出する。
【0014】
したがって、フィラメント電源165は、フィラメント160に電流を供給する。カソードバイアス電源115は、フィラメント160をバイアスする。それによって、フィラメント160はカソード110よりも負になる。その結果、電子はフィラメント160からカソード110に向けて引き寄せられる。カソード110は、アーク電圧電源111と通じている。アーク電圧電源111は、チャンバ100に対してカソードに電圧を供給する。このアーク電圧は、カソードで放出された熱電子をチャンバ100の中に加速して、中性ガスをイオン化する。このアーク電圧電源111によって引き出される電流は、プラズマを通して駆動される電流量の測定値である。特定の複数の実施形態では、壁101が他の電源の接地基準となる。
【0015】
この実施形態では、反射電極120が、カソード110に対向するチャンバ100の第2の端105においてチャンバ100内に配置される。カソード110の中心と反射電極120の中心とは、チャンバ100の中心軸109上の2点を形成してよい。
【0016】
反射電極120は、反射電極電源123と電気的に通じていてよい。その名が示すように、反射電極120は、カソード110から放出された電子を、チャンバ100の中心に向けて反発させる役割を果たす。例えば、特定の複数の実施形態では、反射電極120が、電子を反発させるために、チャンバ100に対して負の電圧にバイアスされてよい。例えば、特定の複数の実施形態では、反射電極120が、チャンバ100に対して0と-150Vとの間にバイアスされる。特定の複数の実施形態では、反射電極120が、チャンバ100に対して浮遊状態であってよい。言い換えると、反射電極120は、浮遊状態にあるときに、反射電極電源123にもチャンバ100にも電気的に接続されていない。この実施形態では、反射電極120の電圧が、カソード110の電圧に近い電圧にドリフトする傾向がある。代替的に、反射電極120は、壁101と電気的に接続されてよい。
【0017】
特定の複数の実施形態では、チャンバ100内で磁場190が生成される。この磁場は、電子を1つの方向に沿って閉じ込めることを目的とする。磁場190は、通常、第1の端104から第2の端105まで、壁101に平行に通っている。例えば、電子は、カソード110から反射電極120までの方向(すなわち、X方向)に平行なカラム内に閉じ込められてよい。したがって、電子は、X方向に動く電磁力を受けない。しかし、他の方向における電子の移動は、電磁力を受ける可能性がある。
【0018】
1以上のガス容器108が、ガス入口106を介してチャンバ100と連通していてよい。各ガス容器108は、各ガス容器からのガスの流れを調節するために、マスフローコントローラ(MFC)を含んでよい。
【0019】
抽出電源170を使用して、IHCイオン源10の壁101をビームライン内の残りの構成要素に対してバイアスすることができる。例えば、プラテン260(図2参照)は、接地などの第1の電圧であってよく、一方で、IHCイオン源10がプラテン260よりも正にバイアスされるように、IHCイオン源10に正電圧が印加される。したがって、抽出電圧と呼ばれる、抽出電源170によって供給される電圧は、IHCイオン源10から抽出されるイオンのエネルギーを決定する。更に、抽出電源170によって供給される電流は、全抽出ビーム電流の尺度となる。
【0020】
特定の複数の実施形態では、カソードバイアス電源115と抽出電源170との間にフィードバックループが存在する。具体的には、抽出ビーム電流を一定値に維持することが望ましい場合がある。したがって、抽出電源170から供給される電流がモニタされてよく、カソードバイアス電源115の出力を調整して、一定の抽出電流を維持することができる。このフィードバックループは、コントローラ180によって実行されよく、又は別のやり方で実行されてよい。
【0021】
コントローラ180は、電源のうちの1以上と通じていてよい。それによって、これらの電源によって供給される電圧又電流が、モニタされてよく及び/又は修正されてよい。更に、コントローラ180は、チャンバ100の中への各ガスの流れを調節するために、各ガス容器108のMFCと通じていてよい。コントローラ180は、マイクロコントローラ、パーソナルコンピュータ、専用コントローラ、又は別の適切な処理ユニットなどの処理ユニットを含んでよい。コントローラ180はまた、半導体メモリ、磁気メモリ、又は別の適切なメモリなどの非一時的なストレージ要素も含んでよい。この非一時的なストレージ要素は、コントローラ180が本明細書で説明される機能を実行することを可能にする指示命令及び他のデータを含み得る。例えば、コントローラ180は、IHCイオン源10がフィラメント160に対してカソードに印加される電圧を変化させることを可能にするように、カソードバイアス電源115と通じていてよい。コントローラ180はまた、反射電極をバイアスするために反射電極電源123とも通じていてよい。更に、コントローラ180は、カソードバイアス電源115によって供給される電圧、電流、及び/又は電力をモニタすることができる。
【0022】
図2は、図1のIHCイオン源10を使用するイオン注入システムを示す。IHCイオン源10の抽出開口の外側且つ近傍には、1以上の電極200が配置されている。
【0023】
電極200から下流に、質量分析器210が配置されている。質量分析器210は、磁場を使用して、抽出されたリボンイオンビーム1の経路を導く。磁場は、それらのイオンの質量と電荷に従ってイオンの飛行経路に影響を与える。分解開口(resolving aperture)221を有する質量分解デバイス(mass resolving device)220が、質量分析器210の出力部(すなわち、遠位端)に配置される。磁場を適切に選択することによって、選択された質量及び電荷を有するリボンイオンビーム1内のそれらのイオンのみが、分解開口221を通して導かれることとなる。他のイオンは、質量分解デバイス220又は質量分析器210の壁に衝突し、システム内でそれ以上移動することができないことになる。
【0024】
コリメータ230が、質量分解デバイス220から下流に配置され得る。コリメータ230は、分解開口221を通過したリボンイオンビーム1からのイオンを受け入れ、複数の平行な又は略平行なビームレットから生成されるリボンイオンビームを生成する。質量分析器210の出力部(すなわち、遠位端)と、コリメータ230の入力部(すなわち、近位端)とは、一定の距離だけ離隔し得る。質量分解デバイス220は、これら2つの構成要素間のスペースに配置される。
【0025】
コリメータ230から下流に、加速/減速段240が配置されてよい。加速/減速段240は、エネルギー純度モジュールと称され得る。エネルギー純度モジュールは、イオンビームの偏向、減速、及び集束を独立して制御するように構成されたビームラインレンズ構成要素である。例えば、エネルギー純度モジュールは、垂直静電エネルギーフィルタ(VEEF)又は静電フィルタ(EF)であってよい。加速/減速段240から下流に、プラテン260が配置されている。ワークピースが、処理中にプラテン260上に配置される。
【0026】
図1に戻って参照すると、この実施形態では、抽出プレート103が、変化する厚さを有する。抽出プレート103は、チャンバ100に面する内面から内向きに突出する。言い換えると、突出部150が、抽出プレート103の内面からチャンバの中に延在し、抽出プレート103の厚さを変化させる。この突出部150は、抽出開口140の厚さに影響を与える。今度は、抽出開口140の厚さが、抽出開口140内に配置された損失面積に影響を与える。抽出開口140の厚さは、幅方向における特定の位置についての、抽出プレート103の内面と抽出プレート103の外面との間の距離として規定される。抽出開口140の厚さは、X(すなわち、幅)方向にわたり変化してよい。
【0027】
突出部150は、導電性であり、チャンバ100の壁と電気的に通じている。したがって、イオンが抽出開口140を通してチャンバ100から抽出されるときに、突出部150は、抽出プレート103の領域を増加させてよく、その領域は、自由電子及びイオンのシンクとして機能する。より厚い(すなわち、Z方向においてより大きい)抽出開口140の領域は、より大きい損失面積を有してよく、したがって、より薄い抽出開口140の領域よりも多くのイオンを中性化してよい。このやり方では、突出部150に近接する抽出開口140内のプラズマ密度が、より薄い突出部を有する又は突出部を有さない領域と比較して低減され得る。一実施例として、特定の複数の実施形態では、チャンバ100の中心に近いプラズマ密度が最も大きくなり得る。このエリア内に突出部150を導入することによって、チャンバ100の中心の近くの抽出開口140が、抽出開口140の他の部分よりも厚くなってよく、プラズマ密度がこのエリアにおいて低減され得る。
【0028】
したがって、特定の複数の実施形態では、突出部150が、抽出プレート103の内面からチャンバ100の中に内向きに延在する。しかし、チャンバ100から離れる方向に面する抽出プレート103の外面は、変化せず、平坦なままであってよい。より具体的には、この実施例では、突出部150が、Z方向において延在する。更に、突出部150の厚さ(Z方向において測定される)は、幅方向(すなわち、X方向)における位置の関数として変化してよい。例えば、抽出プレート103の厚さは、抽出開口140の中心において最も厚くてよく、中心から第1の端104に向けて及び第2の端105に向けて離れるように移動するにつれて減少する。本明細書で使用されるときに、「抽出開口の中心」という用語は、X(すなわち、幅)方向における抽出開口の中心を指す。
【0029】
特定の複数の実施形態では、抽出プレート103の最も薄い部分と抽出プレートの最も厚い部分との間の最大差が、1mmと5mmの間であってよい。言い換えると、突出部は、少なくとも1mmだけチャンバ100の中に延在してよい。無論、他の複数の実施形態では、他の寸法が使用されてよい。言い換えると、イオンが通過する抽出開口140の厚さは変化してよい。
【0030】
特定の複数の実施形態では、突出部150が、図1で示されているものと同様に、X方向に沿って滑らかな曲率半径を有してよい。しかし、他の曲率も可能である。例えば、第1の端104と抽出開口140の中心との間の第1の曲率半径、及び、第2の端105と抽出開口140の中心との間の第2の曲率半径が存在してよい。更に、図1は、第1の端104と第2の端105とに延在する突出部150を示しているが、他の複数の実施形態では、突出部150が、幅方向においてより小さくてよい。それによって、図3Aで示されているように、突出部150は、第1の端104と抽出開口140の第1の縁部141との間の位置で開始し、抽出開口140の第2の縁部142と第2の端105との間で終端する。
【0031】
更に、突出部150は、他の形状を有してよい。例えば、図3Bで示されているように、突出部150は、三角形状として現れてよい。抽出プレート103の厚さは、第1の端104から抽出開口140の中心まで、及び、第2の端105から抽出開口140の中心まで、直線的に増加する。別の一実施形態では、突出部150が、第1の端104と抽出開口140の第1の縁部141との間の位置で開始し、抽出開口140の第2の縁部142と第2の端105との間の位置で終端する。
【0032】
代替的に、図3Cで示されているように、突出部150は、台形状であってよい。抽出プレート103の厚さは、第1の端104から及び第2の端105から、抽出開口140の中心付近に位置付けられている平坦な領域まで直線的に増加する。
別の一実施形態では、突出部150が、第1の端104と抽出開口140の第1の縁部141との間の位置で開始し、抽出開口140の第2の縁部142と第2の端105との間の位置で終端する。
【0033】
図4Aは、一実施形態による抽出プレート103の内面の斜視図である。図4Bは、線A‐A’に沿って切り取られた、この抽出プレート103の断面図を示す。この実施形態では、突出部150が、第1の端104で開始し、第2の端105まで延在する。更に、突出部150は、幅方向の全体を通して一定の曲率半径を有する。
【0034】
この実施形態では、図4Bで最も良く見られるように、突出部150は、Y(すなわち、高さ)方向において抽出開口140に沿って外面から内面まで先細りしている。言い換えると、抽出開口140は、抽出開口140の外面146においてよりも内面145において、高さ方向においてより高い。幾つかの実施形態では、先細りの傾きが、抽出開口140の幅に沿って一定である。他の複数の実施形態では、先細りの傾きが、幅の関数として変化してよい。例えば、図4Aでは、抽出開口140の中心付近の傾きが、第1の端141及び第2の端142付近の傾きよりも急でなくてよい。実際、縁部付近では、先細りが、抽出プレート103の外面に対して垂直であるか又は略垂直であってよい。
【0035】
図4Cは、一実施形態による抽出プレート103の内面の斜視図である。図4Dは、線B‐B’に沿って切り取られた、この抽出プレート103の断面図を示す。この実施形態では、Y方向における抽出開口140の高さが、Z方向に沿って一定のままである。言い換えると、図4Dで最も良く見られるように、抽出開口140の上縁部と下縁部とは、平坦な外面に対して垂直である。したがって、内面145における抽出開口140の高さは、外面146における抽出開口140の高さと等しい。
【0036】
図4A図4Dは、高さ方向において抽出開口140の両側に存在する突出部150を示しているが、他の複数の実施形態も可能である。例えば、特定の複数の実施形態では、図5Aで示されているように、突出部150が、高さ方向において抽出開口の片側のみに配置されている。図5A図5Bは、チャンバ100の断面図を表している。言い換えると、抽出開口140は、高さ方向において抽出プレート103を分割する。したがって、幾つかの実施形態では、突出部150が、高さ方向において抽出開口140の上方にある抽出プレート103の部分に配置されている。他の複数の実施形態では、突出部150が、高さ方向において抽出開口140の下方にある抽出プレート103の部分に配置されている。
【0037】
他の複数の実施形態では、図5Bなどで示されているように、抽出開口140の上方にある抽出プレート103の部分上の突出部150の厚さが、抽出開口140の下方にある抽出プレート103の部分上の突出部150の厚さとは異なってよい。特定の複数の実施形態では、より厚い突出部が抽出開口140の上方にあってよく、一方、他の実施形態では、より厚い突出部が抽出開口140の下方にあってよい。
【0038】
更に、図4A図4D及び図5A~図5Bは、特定の幅位置に対して抽出開口140の周りのエリアを除いて、抽出プレート103の厚さが高さの全ての値に対して一定であることを示している。言い換えると、X方向における特定の位置において、抽出プレート103の厚さは、抽出開口140の近傍を除いて、Yの全ての値に対して一定である。しかし、他の複数の実施形態も可能である。例えば、図6Aで示されているように、高さ方向に沿って一定の曲率半径が存在してよい。代替的に、高さ方向において抽出開口140の中間点における抽出プレート103の厚さが、高さ方向における他の位置よりも大きくなるような先細りが存在してよい。更に、特定の複数の実施形態では、図6Bで示されているように、突出部150が、フィンとして成形されてよい。この実施形態では、突出部150が矩形状であってよく、抽出開口140に近接して配置されてよい。
【0039】
更に、図1及び図3A図3Cは、抽出開口140の中心において生じる突出部150の最大厚さを示しているが、他の複数の実施形態も可能である。例えば、図3Dで示されているように、突出部150の最大厚さは、第1の端104及び/又は第2の端105に近接して生じてよい。これは、イオン源が端の近くでより高いプラズマ密度を生成する場合に有益であり得る。
【0040】
更に、それらの図面の全ては、抽出開口140の中心の周りで対称な突出部150を示している。しかし、他の複数の実施態様も可能である。例えば、イオン源内のプラズマ密度が、以下のように分布する場合がある。すなわち、第1の端104の近くの密度が、第2の端105の近くの密度よりも大きい。この場合、図3Eで示されているように、突出部の最大(又は最小)厚さが、第2の端105の近くよりも第1の端104の近くで生じてよい。
【0041】
更に、突出部150は、対称でなくてもよい。むしろ、突出部150の厚さは、任意の所望のパターンでX方向において変化してよい。
【0042】
これまでの複数の実施形態及び図面は全て、抽出プレート103の内面145にある突出部150を示し、説明している。
しかし、他の複数の実施態様も可能である。例えば、上述されたように、損失面積を決定するのは、Z方向における抽出プレート103の厚さである。したがって、抽出開口140の厚さを増加させるいかなる機構も、損失面積及び抽出されるイオン密度に影響を与えることになる。
【0043】
したがって、図7などで示される特定の複数の実施形態では、突出部が、抽出プレート103の外面146に配置されてよい。特定の複数の実施形態では、抽出プレート103の最も薄い部分と抽出プレートの最も厚い部分との間の最大差が、1mmと5mmの間であってよい。言い換えると、突出部は、少なくとも1mmだけ外面から外向きに延在してよい。無論、他の複数の実施形態では、他の寸法が使用されてよい。これらの実施形態では、イオンが通過する抽出開口140の厚さは変化してよい。
【0044】
更に、図7は、第1の端104から第2の端105まで一定の曲率半径を有する外面突出部159を示しているが、本明細書で説明される形状のいずれも、外面突出部159と共に使用されてよい。例えば、図3B図3Cで示されているように、外面突出部159は、三角形状又は台形状であってよい。更に、外面突出部159は、図3Aで示されているように、第1の端104から第2の端105まで延在しなくてよい。更に、図3Eで示されているように、外面突出部159は、幅方向において非対称であってよい。図3Dで示されているように、外面突出部159は、端においてより厚くてよい。更に、抽出開口140は、図4Bで示されているように、高さ方向において先細りしてよく、又は、図4Dで示されているように、先細りしなくてよい。更に、図5A図5Bで示されているように、外面突出部159は、高さ方向において非対称であってよい。外面突出部159は、図6Aで示されているように、高さ方向において一定の曲率半径を有してよく、又は、図6Bで示されているように、フィンとして成形されてよい。
【0045】
上述されたのは、IHCイオン源であるイオン源である。しかし、他のイオン源も、この抽出プレート103と共に使用されてよい。例えば、磁化DCプラズマ源、管状陰極源、ベルナスイオン源、及び誘導結合プラズマ(ICP)イオン源も、突出部150を有するこの抽出プレート103を使用してよい。例えば、誘導結合プラズマ(ICP)イオン源が使用される場合、壁101の1つは、誘電材料で作製されてよい。それによって、外部アンテナからのRFエネルギーがチャンバ100の中に入り得る。したがって、抽出プレートは、様々な異なるプラズマ生成器を有するイオン源と共に使用されてよい。
【0046】
更に、壁101は、導電性であるとして説明されたが、非導電性であり得るライナーが、壁101の内面に接触して配置されてもよいことは理解される。
【0047】
本システム及び方法は、多くの利点を有する。特定の理論に束縛されることなしに、チャンバ100から抽出されるイオンの一部は、抽出プレート103との接触を通じて中性化されると考えられる。言い換えると、抽出開口140の表面は、イオンが抽出されるときにイオン用の損失面積として機能する。中性化されるイオンの数又は割合は、抽出開口140を通って移動するイオンの距離の関数であり得る。したがって、幾つかの領域で抽出プレート103をより厚くすることによって、損失面積が増加し、したがって、中性化されるイオンの数が増加する。
【0048】
例えば、抽出開口の薄い部分に近接する抽出されるイオンビームのイオン密度は、50%などの第1の割合で低減され得る。しかし、抽出開口の厚い部分に近接する抽出されるイオンビームのイオン密度は、75%などの第1の割合よりも大きい第2の割合で低減され得る。抽出プレート103に突出部を導入することによって、抽出開口を通して抽出される間にイオンが移動する距離が変更されてよい。突出部は、自由電子及びイオンのシンクとして機能する。これにより、突出部150に近接する抽出開口内のイオン密度が低減される。
【0049】
言い換えると、プラズマ密度は、抽出開口140の中心付近でより大きくなり得ると考えられているが、この領域内の抽出開口140の厚さを増加させることによって、この領域から抽出されるイオンの総数が低減されてよい。更に、抽出電流が幅の関数として知られている場合、幅にわたって抽出開口140に沿った損失面積を増加させるために、突出部150を適切に成形することが可能であり得る。それによって、抽出されるイオンビーム電流は、幅方向に沿って略一定になる。
【0050】
あるテストでは、ビーム電流が、抽出開口140の中心において、X方向に沿って中心から左に1インチの第1のポイント及びX方向に沿って中心から右に1インチの第2のポイントにおいて、ビーム電流が測定された。ヒ素ガスをIHCイオン源10に導入し、イオン化した。抽出電源170は、35kVにバイアスされた。変更されない抽出開口では、第1のポイントにおけるビーム電流が、中心におけるビーム電流の約90%であり、一方、第2のポイントにおけるビーム電流は、中心におけるビーム電流の約80%であった。
【0051】
次に、一定の曲率半径を有し且つチャンバ100の中に約4mm延在する突出部150を有する抽出プレートが設置された。上述の実験が繰り返され、第1のポイントにおけるビーム電流は、中心におけるビーム電流と略同一であり、一方、第2のポイントにおけるビーム電流は、中心におけるビーム電流の約90%であった。これは、約50%の均一性の向上に相当する。
【0052】
第2のテストでは、リンガス(phosphorus gas)をIHCイオン源に導入し、イオン化した。抽出電源170は、35kVにバイアスされた。変更されない抽出開口では、第1のポイントにおけるビーム電流が、中心におけるビーム電流の約93パーセントであり、一方、第2のポイントにおけるビーム電流は、中心におけるビーム電流の約67パーセントであった。
【0053】
次に、上述された抽出プレートが設置され、上述の実験が繰り返された。第1のポイントにおけるビーム電流は、中心におけるビーム電流と略同一であり、一方、第2のポイントにおけるビーム電流は、中心におけるビーム電流の約75%であった。これは、約30%の均一性の向上に相当する。
【0054】
更なるテストが行われ、従来の抽出プレートと比較して、リボンイオンビームの均一性が20%から50%向上することが示された。
【0055】
本開示は、本明細書で説明される特定の複数の実施形態による範囲には限定されない。実際、本明細書に記載のものに加えて、本開示の他の様々な実施形態及び修正例が、前記載及び添付図面から当業者には明らかだろう。このため、そのような他の実施形態及び修正例は、本開示の範囲内に含まれると意図される。更に、本明細書では、本開示を、特定の目的のための特定の環境における特定の実施態様の文脈で説明したが、当業者は、その有用性がそれに限定されず、本開示が、任意の数の目的のために任意の数の環境において有益に実装され得ることを認識するであろう。したがって、以下で説明される特許請求の範囲は、本明細書に記載した本開示の範囲及び精神を最大限広く鑑みた上で解釈されたい。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A-5B】
図6A-6B】
図7
【国際調査報告】